Pressing Report 0:題未定

 嬉しい緊急事態が発生しました。『昭和集団羞辱史:物売編(昼)』は、1か月半程度中断します。
 ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、PIXIVに小説のリクエスト募集(有料)を出していました。


R-18:蕾の悦虐(ロリマゾ)シリーズ短編
・3万5千文字(原稿用紙レイアウト100枚)程度以上
・ヒロイン一人称
・ヒロインは処女/被虐願望自認(ひとり遊び実践の有無は指定可能)
・教育漢字+α(縄、鞭、蝋燭など)で記述
  注:指定により若干の常用漢字混用OK(学習順に準拠は無理です)
・原則として回復不可能なダメージ(四肢切断、ケロイド、生殖機能破壊など)は不可
  注:膜の破損、ピアス、局所的な刺青・焼き印などはOK
・黄金不可/聖水OK
以上の縛りで、下記リクエストを募集します。
*ストーリイのリクエスト
*時代設定のリクエスト(未来、飛鳥~平安は不可)
  注:地域的には国内を想定していますが、海外でもOK。
    他星系は不可。平行世界、ファンタジー世界は稍不可。
*シチュエーションのリクエスト(学園物、孤島物、因習だらけの村などなど)
*キャラ設定(外見、性格)男の娘(受け)OK
*人間関係のリクエスト(実父と娘、姉妹、兄妹、先輩後輩、強制婚約、継母や継父などなど)
*特定の責めのリクエスト
後日、「ロリマゾ短編集」にまとめて電子出版の予定です。
そのときは「原案□□様」「キャラ設定△△様」「責めアイデア〇○様」などのクレジットを挿れます。
希望されない場合は、その旨ご指定ください。



これに対して、下記のリクエストがあったのです。

*ストーリイ
→親が死亡した少女が、幼い弟妹を守るために同級生の金持ちの子供に身売りし、肉奴隷として調教されマゾに目覚めていく
*時代設定
 →1970年ぐらいの日本の港町
*シチュエーション
 →クラスのガキ大将・リーダー的な位置にあった少女が、最下層の肉奴隷に堕ち、かつては慕ってくれていた同級生からも罵られ見下されるようになる
*キャラ設定
 →ボーイッシュで勝ち気な気風の良いオレっ娘、膨らみかけの11歳前後くらいの少女
*人間関係
 →学校の生徒や町の大人たち
*特定の責めのリクエスト
 →同級生の目の前で、肉奴隷の証として乳首とクリトリスにピアスをつけられる
 →肉奴隷の証のピアスを見せつけるように全裸で町を歩かされるが、大人たちは「まだ子供だから」という建前でそれを放置する
  屈辱に涙ぐむ少女だったが、やがてそれが快楽に結びついていく

R-18/ふくらみかけ/全裸/羞恥/調教/子供/ボーイッシュ/いじめ/晒し者/子供同士

リクエスト:WILL様

幼海女?




締め切りは3月7日。2か月です。

 さあて、どうしましょうか。港町で漁港だと、海女は出さないとしても、三番煎じくらいになります。
 とはいえ、商業港だと、町の規模が大きくなって、その分、露出行為など難しくなります。
 これから数日を掛けて設定を練って。PLOTはリクエストを消化すれば自然と出来てきます。

 ここを Boy's Field とばかり、ねじりハチンポ巻で頑張りましょう。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1:昭和集団羞辱史物売編(昼)

 年始年末の御挨拶やら新刊発売案内やらをしている間に、それなりに進んでいます。
 序盤は端折って、前半の山場をご紹介といきましょう。


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   厳そかな淫事

「参拝に来駕くだされた皆様には、まずは厳しい現実を見詰めていただきたい」
 競輪場とは反対の方角にある地方競馬場。そこから二キロほど離れた地にある寂れた神社。衣冠に身を正した神主が、十三人の参拝客を前に、ものものしい口調で講話を垂れている。巫女装束に身を包んだ美子は、その横に佇立して虚空を見つめていた。稽古で何度も聞いている神主の言葉を、自然と心の中で繰り返している。それほど退屈だった。
 神主は言う。皆が違う勝ち馬に票を投じれば、当たるのは一人きりであろう。また、大欲を掻けば霊験はたちどころに消え失せる。『舌切り雀』で大きな葛籠を欲張った意地悪婆さんを見るがよろしい。
「では、なにゆえに御守を持つのであるか。心穏やかに頭涼やかに、立ち振る舞うためである」
 甲の馬が勝つか乙が勝つか。甲が勝っては利が薄いとして乙を買うのは大欲である。一着二着は甲乙と並ぶか、甲丙と来るか。そればかりを考えて、乙丙の並びを見落としてしまう。これは頭に血がのぼっているからである。このようなとき、御守を握り締め霊験を祈願すれば、心落ち着き頭冴え渡り、見落としていたものも見え、大欲を戒める心を取り戻すであろう。逆に、推理には自信があるのに、あまりに大胆な目なので土壇場で怖じ気づいて見送って、そういうときに限って予想通りになってしまう。こんなときは、御守の霊験を信じて少額でも買っておく。たとえ外れても自分に納得できるであろう。
「鰯の頭も信心からと申すが、節分会に鰯を軒先に飾って厄除けとするのも古人の知恵である」
 分かったような騙されているような――つまりは、逆恨みされないための予防線なのだが、神主さんに厳そかな口調で説教されると、なんだかありがたく聞こえてしまう。
 神主の講話が終わると、いよいよ神事というよりも淫事の始まりである。
 供え物をすべて取っ払った祭壇に美子が横たわる。へその上で手を組んで、動かない。
 この一か月、競馬の開催を待つ期間を利用してリハーサルを繰り返してきた。手順は、すっかり頭にはいっている。そもそも、美子は複雑な演技を求められていない。恭々しくおっとりと振る舞えば、それでいいのだ。
 神主が美子の上の空間を御幣で払って祝詞を唱え始めた。
「とおかえみたえとおかえみたえ。かけまくもかしこきいちきしまひめのみことのおおまえをおがみまつりてかしこみかしこみもうさく」
 ぼんやり聞いていると意味不明な呪文にしか聞こえない。けれど、ことさらに区切って発音するので容易に聞き分けられる部分もある。
「この穢れなき乙女を依り代となし、当地において当月に催される勝ち馬当てに御霊験を顕わし給え」
 最後に、御幣が大音声の掛け声とともに御幣で美子の下腹部を祓う。
「喝ーッ!」
 びくんっと、美子が跳ね起きる。
 神主が一礼して脇へ退くと、祭壇の両側に控えていた童女二人がしずしずと近寄り、左右から手を取って美子を祭壇から下ろした。虚空をぼんやりと見詰め参拝者に正対して立っている美子の前に跪くと、緋袴を脱がせ白衣の前をはだけた。白衣と緋袴の下は素肌だった。
 美子が自身で白衣の襟先を摘まんで左右に開いた。市杵島姫が宿っている部分は、童女の頭に隠れて参拝者からは(微妙に)見えない。
 神主が動いて、美子の足元に三宝を二つ並べた。童女二人が、紅白の紐緖で飾られた毛抜きを美子の下腹部にあてがい、慎重な手つきで一本ずつ引き抜いた。それを小さな美濃紙に包み、封じ目を糊付けして朱印を捺してから御守袋に納めた。三宝の上に十個の御守が並べられると、神主が三宝を取り替える。
 次は、美濃紙に三本ずつ包んで、一本のより大きくきらびやかな御守袋に納めた。
 童女二人が美子の装束を直す間に、祭壇に合計二十個の御守袋が並べられる。
 美子が、拝殿の一画を区切る簾の陰に隠れた。
「御守を求められるお方には千円もしくは三千円の御寄進をお願い申し上げる。額に応じて、一点のみ御守をお渡し致す」
 早くも財布を取り出す者もいる。
 神主が、もったいをつけて咳払い。
「おひとりずつお祓いをして、依り代たる巫女の霊璽、仏教で言う御本尊、それを拝観していただき、自身の手で内符を抜いていただく秘義も用意しておるが、こちらは三人様限りとして、一万円の御寄進をお願い申し上げる」
 一万円といえば、サラリーマンの給料の半月分にもなる。さすがに、財布を取り出した手も止まる。数秒の沈黙が流れて。
「よろしい、私はそっちだ」
 サラリーマンふうというよりも重役の風情を漂わせた中年の男が、長財布から一万円札をおもむろに抜き出した。
「俺もだ」
 張り合うように、こんな場所でも色鉛筆を耳に挟んでいる若い男も名乗りをあげた。
「では、秘事への御寄進はお二方と承ってよろしいか」
 神主が、参拝者を見回す。
「借用書では駄目でしょうか」
 返すあてがあるのかと疑ってしまうような、上着にもズボンにも継ぎを当てている初老の男が、駄目元といった口調で尋ねた。
「当社(やしろ)では、現銀しか御寄進を受け付けておりませぬ。しかしながら……八田金融殿、お出ましくだされ」
 拝殿の外扉が開いて、八田勇次と二人の乾分が入ってきた。
「トイチでよければ融通しますよ」
 トイチ。十日間で一割の利息という法外な金利である。しかし、ヤクザが仕切る鉄火場ではカラス金(がね)、カラスが夕方にカアと鳴くたびに一割というボッタクリが横行している。それに比べれば良心的な金利ではあった。
「貸してくれ」
 貧相な初老の男だけでなく、さらに二人が手を挙げた。
「いや、三人までと申したはず……」
 神主が困惑の表情を作った。
「では、お三方の熱意に敬意を表して、私は遠慮しよう」
 重役が、あっさりと降りた。
「俺ァ引かねえぜ。四人が定員オーバーてんなら、ジャンケンだ」
 鰯の頭を一万円で買おうという男たちだ。売られた勝負を逃げるはずもなく――三回のアイコの後もしつこくグウを出し続けた色鉛筆が敗退した。
 勝った三人は脇に待たせて、残る十人への御守の販売(寄進への返礼)は、数分で終わった。ひとり残らず三千円だった。一本と三本なら、有り難みも三倍。先の戦争でも、日本はアメリカの物量に敗北した。その記憶も、三十歳以上には生々しい。
 十人が拝殿を退出して、いよいよ淫事が始まる。といっても、美子が公衆便所の裏手でしていたことと、基本は同じである。
 祭壇に立った美子を童女ふたりが、今度は素裸まで脱がせる。
 さすがに、美子の全身が羞恥で淡いピンク色に染まった。勇次や乾分に見られながらのリハーサルで、平然と振る舞えるようにはなったのだけれど、困った問題も新たに生じた。指一本触れられていないのに、腰の奥がきゅうんとねじられるような感覚が湧いて、粘っこい汁が垂れてくるのだった。
「市杵嶋姫の神様が宿ったって、客はありがたがってくれるだろうよ」
 勇次はそんなふうにからかってから、しみじみと述懐したものだった。
「要は一人前の女になったってことさ。俺もずいぶんと場数を踏んじゃあいるが――生娘のまま女にしたのは、おめえが初めてだ」
 女にするに二つの意味があるとは気づかない美子だったが、格別の思い入れを持ってくれているのは、素直に嬉しかった。なんといっても、まったく未知の快感を教えてくれた男なのだから。
 もっとも、あの凄絶な体験を勇次は二度と与えてくれていない。
「最初の興業が上首尾にいけば、また弄ってやるよ」
 だから、今日は絶対にしくじれない。ぼうっとしていればいいようなものだけど、神憑りの演技なのだ。
 美子は祭壇に腰を下ろした。まさか神罰が下ったりしないよねと、ちょっぴり不安なのだが、実のところ、その恐れはないのだった。
 そもそも、この神社は稲荷大明神とも市杵嶋姫とも、所縁はない。賭事の神様としても知られる稲荷大明神を担ぎ出し、どうせなら女神が良いだろうと、八田勇次がでっち上げたのだ。狛犬に替えて稲荷狐の石像を据える凝り様だった。どこぞのガラクタ屋から引っ張ってきたのだが、幾らかは元手が掛かっている。
 その縁もゆかりもない神に向かって、神主が祝詞を唱えながら、御幣で太腿のすぐ上の空間を祓う。その都度に、美子は少しずつ脚を広げていった。
 やがて百五十度ほども開脚して、ようやく祝詞が終わった。ストリップ孃でも、おいそれとはここまで御開帳しない――とは、美子の知らないことだった。しかし、自分の指で広げず他人にも触れさせない(どちらも、神々しくない)となると、こうでもする他はない。
「それでは、お歳の順にひとりずつ拝観なされよ。御神体を頂戴するときのみ、巫女の肌に触れてもよろしい」
 最初に借用を申し出た初老の男が、美子の前に跪いた。神主は何も言わない。男はきちんと二礼二拍手一礼をしてから、顔をいっそう近づけて美子の股座(またぐら)を覗き込んで。
「おお……」
 感に堪えたようにつぶやいて、また柏手(かしわで)を打った。処女膜を見るのは、これが初めてなのかもしれない。
 単純な算術に基づく推定である。処女を何人も食う男がいるのだから、生涯処女を抱けない男もいる。また、瓜を破る行幸に恵まれたとしても、行為の前に処女膜を確認する者が何人いるだろうか。
 感激している男の左右に童女二人が座って、三宝を捧げる。右の三宝には毛抜き、左には御守袋の材料。
 男が毛抜きを手に取った。
「それじゃ、失礼いたしまして」
 演出に呑まれて、神妙な言葉遣いになっている。左手を遠慮がちに下腹部に這わせて逆撫でし、起き上がった淫毛の一本を抜いた。
 美子は、ぴくりとも動かなかった。神事としての演出。それが『客』を満足させるのだと勇次は言う。御神籤の大凶を引いたから、起工式で神事を執り行なったのに大事故が起きたからといって、誰が神社を責めるだろうか。
 男は淫毛を左の童女が差し出す美濃紙に載せると、二本目を同じ恭しさで抜く。赦されているのは三本。三千円の御守と同数だが、あちらが二十五番(二百五十瓩)爆弾三発なら、こっちは八十番(八百瓩)三発に匹敵する――とは、大勝負で三十倍配当を物した直後に上げた、元艦上爆撃機乗りのこの男の気焔であるが、それはさておき。
 三本の淫毛は童女の手で御守袋に封じられて、男に手渡された。神主の手を経ず、清らかな乙女しか手を触れていない。これも細部の演出だった。
 男は空になった三宝に千円札を載せた。寄進の一万円とは別口だった。
 男が元の座に戻って、二番手はそれなりに身だしなみの整った中年。彼は巫女の股間を覗き見て、おや――という顔をした。彼の知っている処女膜とは様子が違っていたのかもしれない。
注記
処女膜の形状が千差万別であることは、現在の読者には自明でしょうが、当時は専門的な医学書か密輸入した海外のポルノ雑誌くらいしか情報源はなかったのです。
 もちろん異議を申し立てたりはせず、中年男は最初の男と同じように、神妙に御守袋を押し頂き、二千円を供えた。同じ御守を持って異なる出目を買うのであれば、寄進の多いほうに神様は見方してくれるだろう。
 考えることは誰も同じで、三番手の若者は三千円を張り込んだ。
 こうして、初商いは上首尾に終わった。売上は三千円が十個と一万円が三つ。それに拝観料(?)が六千円。ただし、一万円を張り合って退いた二人はサクラなので、彼らが改めて購入した三千円の二個は差し引いて。合計六万円ちょうど。
サクラと四人の客引きへの手間賃が千円ずつと、童女へのお小遣いが百円ずつ。小遣いといえば十円玉が相場なのだから、日雇いの日当程度を貰う六人よりも喜びは大きい。
端数は御守袋の材料費や巫女衣装や、狛狐の減価償却に充てる。
残る五万三千円は、神社と八田組が四割ずつ。美子の取り分は二割だが、それでも一万円以上。ひとりでお客を物色したときの二倍半にもなった。
 もっとも、サクラも客引きも八田組の者だし、童女まで組員の子供なのだから、いちばん儲かるのが興業主なのは、世間にありふれた図式である。
「大仰な道具立ての割にゃあ、時化た稼ぎだな」
 勇次はぼやいたが、顔は笑っている。サラリーマンの月給くらいが半日で稼げて乾分にもボーナスをやれたのだから、直系は五十人そこそこの弱小ヤクザのシノギとしては悪くない。なにより、宗教法人が表に立っているから、警察も税務署も怖くなかった。
「毎日二回三回と興業を打ちたいところだが、それじゃ有り難みが薄れるってもんだ。とはいえ、せめて土曜日もやりてえな。開催の間だけでいい、休みは取れないのか」
 問われて、美子は即答した。
「はい、だいじょうぶです。有給休暇を取ります」
 病気でも身内の不幸でもないのに有給休暇を申請するのには勇気が要るけれど、勇次さんが言うのなら、無断欠勤も厭わない。快感の記憶は美子の裡で一途な恋愛感情へと変化していた。
「よし、いい子だ。たっぷり可愛がってやるぜ」
 狛狐を犬へ戻す力仕事も細々とした後始末も、神社と乾分に任せて、勇次は美子を連れ出した。

行き先はありふれた連れ込み宿だったが、壁の一面に張られた鏡のせいで、独身寮の相部屋よりも広く感じられ、布団はずっと豪華だった。
 さんざん羞ずかしい部分を見られているとはいえ、勇次と二人きりで一糸まとわぬ素裸になるのは、これが初めてだった。
 勇次もパンツひとつになって、一か月前に美子を説得したときよりもずっと長く激しく美子を爪弾き吹き鳴らした。
 ――一時間以上も演奏されて、幸せな疲労困憊にたゆたっていると、風呂を勧められた。各部屋に内風呂があるのだという。
 勇次が勧めてくれることは、なんであれ否やはない。勇次が甲斐甲斐しく風呂の支度をしてくれる間に、少しずつ人心地を取り戻し(たくなかった)、美子はひとりで湯船に浸かった。
 こんな仲になったのだから、もしかすると勇次さんも入ってくるかもしれない。期待しながら待っていたのだが、空振りに終わった。
「やはり美子も女だな。長風呂もいいとこだ」
 誰のせいだと思ってるんだろうと――でも、初めて名前で呼んでくれたので、機嫌を損ねたりはしなかった。

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 この前の章で、ヒロインは『説得』されて、男の言いなりになっています。
 説得と言っても、阿佐田哲也式の

「勘ちがいするなよ。ドサ健から何をきいたかしらねえが、俺はお前を優しくは扱わねえぜ。ーー俺のやりかたは、此奴か、さもなきゃ、これだ」
達ははじめに拳固を見せ、それから拳固の中に親指を入れた形をして見せた。

なのですが。拳固の中に親指を入れてしまえば、商品価値が無くなります。
 ので、「ハモニカ勇次」の出番です。クリを咥えて「グル゙ル゙ル゙ル゙ル゙……」唇を震わせるという。
 これ、自分ではできません。1961年ですから、ピンクローターは存在したものの、純情無垢な乙女が購入できるシロモノではありません。つまり、首ったけになっちゃうわけです。


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今回のアイキャッチは、PLOTでは書いていたものの、鉄火場へ心逸る男どもには、まどろっこしいだろうと端折った(ではなく、忘れていて書かなかった)水行で身を清めるシーン……ですかね、これ?


 ああ、サブタイトルですが、「おごそか」は普通「厳か」と書きます。それでは他のサブタイトルと文字数が合わなくなるので、余計に送ったわけです。
 筆者は基本、「多めに」送ります。標準の表記では二通りに読めて、まったく意味が変わってくる場合があるのです。
 私が行った東南アジアにおける売春の実態
 「おこなった」のは、調査なのか実践なのか、それはともかく。私が行為者です。
 「いった」だと、私は東南アジアへ行きました。(資料によりますと)かの地における売春の実態は――私は傍観者です。
 というわけで「行なった」と送るのです。




テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0:昭和集団羞辱史物売編(昼)

 物売といっても、いろいろあるわけです。肉体を売るのは、これは売春ですので除外。臓器を売るのは守備範囲外です。
 近年なら、野球場のビールガールとかパチンコ屋のコーヒー娘というのもありますが。昭和中期ですので無し。
 花売りは、(夜)で取り上げる予定です。夜の繁華街で、花と一緒に股間の花(あるいは蕾)を売るという……春ではなくて花を売ります! と、力説せずとも。
 あとはマッチ売りの少女ですね。スカートをたくし上げて、その場でマッチを擦ってもらって、というやつ。
 忘れてならないのは、今は絶滅した「秘写真」。封筒に入れて、夜の路地でこっそりと。まあ、売人はむさくるしい中年男と相場が決まっていましたが。
「肉体と肉体のくんずほぐれつ四十八手」なんて言葉に騙されて買ってみたら。相撲四十八手の写真だったり。うん、嘘はついてないですね。
 「秘写真」は、国に残してきた娘のあられもない姿とかの口上で。出稼ぎに行ったまま帰らない父を尋ねて三千里。ヤクザのヒモ付きでは稼ぎが知れてるからと、本当に娘のヌード写真を売りさばいて。組織にばれて、哀れ娘は……というストーリイ。
 おっと、先走り汁です。(昼)に戻しましょう。

 昼の部は「淫毛の御守」と「寝室必需品」の二本立て。
 ただいま、「淫毛の御守」を鋭意か微意かはともかく執筆中です。今回は、PLOTのご紹介。


巫女淫毛 ========================================
淫毛の御守

神坂美子(かんざかよしこ)
1年前に集団就職で電器製作工場。

八田勇次(31)
菱田組傘下の八田組の「若」。

最上梓紗(美子の同期)
熊野佳子(最上の姉妹艦

踊り娘と女工
電器製作工場に就職して1年。つまらない。
同期3人で街へ遊び(ぶらぶら)に出る。
白鳥麗華のポスター。「処女バレリーナ衝撃のデビュー」
見ていると、後ろから声を掛けられる。からかわれる。
淫毛が話題。お嬢ちゃんたちので、いいや。売ってくれるか?
逃げ出す。が、気になってひとりで引き返して。別の男に同じようなことを言われて。ギャンブルの御守。
5百円(白鳥麗華の半分)。給料は15千円(寮費その他で手取りは1万円内外)
路地裏で。処女の証明。木箱に腰掛けて(葛藤の末)御開帳。持っていた裁縫セットの毛抜きで。

勇気を出して
翌終末。ポスターのそばで。からかわれても、応じる人はいない。物好きな奴がアドバイス。隣県の競輪場。
翌終末。行ってみる。帰る人でなくこれから行く人――くらいの機知はある。公衆便所の裏手。5百円×4人。
翌終末。競輪は開催無し。調べて、次の開催で。

ひとりは危険
次の開催。声を掛けた相手が、最初に売った客のひとり。大損。
公衆便所の裏手で――おまえのせいだ。悲鳴。助けを求める。
警備員が駆け付ける。事情を聴いて。男は適当な住所氏名で放免。
勝手な路上商売は禁止。詰所で取り調べ。休憩中の2人もいる。
処女かどうか調べる。非処女なら詐欺罪も加わる。そのまま犯られそうになる。
「若」の登場。美子を連れ込むところを手下が見ていて御注進。

女にはコレだ
アベック喫茶へ。警戒する美子。
「知っているのか。ここなら、誰にも聞かれない」
正直に言わないと、工場へ連絡。手の小さな火傷を見て鎌を掛けた。
観念して打ち明ける。
非常に危険だ。逆恨み。警察も。
「もうやめます」
いや、待て。名前から思いつく。シノギになる。
俺に仕切らせろ。
巫女のアイデア。
怖じ気づく。
「女に言うことをきかせるにゃ、コレかコレだが。おまえは、そうもいかない」
スカートの中に手を。抗うと、口をふさがれ力ずくで。クリ逝かせ(延々と描写)。
虚脱状態で承諾させられる。

厳粛な神頼み
地方競馬場の近くの寂れた神社。神主を抱き込む。競輪より客がおとなしい。土日開催が多いから、美子にも便利。
強引に江島神社(弁財天)の末社にでっちあげる。
1千円:一度に3~5人。1日に5人~最大20人。
5千円:一人ずつ。1日に0人~3人。相対して、処女膜拝観。毛抜きは祈願者。
経費は材料費、女児巫女の小遣い。案内人(場内整理)の日当千円×2。合計3千円。残り(1万円~)を、美子と神社と八田組で3当分。美子は最低保証2千円。案内人を増やせば八田組が潤う。
※神主の講話
 全員が的中するわけではない。
 祈願成就の御布施は不要。どうしてもなら、絵馬に的中馬券を貼り付けて奉納。
※美子が薄物で水垢離
 その場で巫女装束に着替える。
※神事(拝殿)
 外陣に参拝者。
 この乙女に降りたまえ、宿りたまえ
 以後は、女児巫女の先導でゆっくり動く。
※女児巫女が御守作り
 袴を脱がし、前をはだけて、毛抜きで。女児の頭で御本尊は見えない。
 千円の参拝者に御守を渡しておしまい。
※全裸になって、御本尊を神主が祓い清める。
 内陣に参拝者が上がって扉が閉ざされる。神主は退出。女児は介添え。
 終わると扉を開けて、全裸のまま神主が祓い清めて。
 以下、繰り返し。

女たちの来訪
盆休み帰省後。
初めての女性参拝客。淫毛を撚って一気に引き抜く。美子、耐えて巫女らしく振る舞う。
「いい根性をしてるわね。気に入ったよ」
後で、八田の姐さんと知って「わたし、そういう仲じゃないから、やましくない」内心複雑。
賑わう。工場をやめようとすると、八田にたしなめられる。いつまでも続く保証はない。サツに目をつけられたら、おしまい。
他の組も、あちこちで似たようなことを始めている。
日曜午後は、ご褒美クリクリ。自分では、逝けない。
貯金はしていても、どうしても羽振りが良い。同期の者に詰め寄られて「誰にも言っちゃ駄目」
志願者2名。八田に相談。見習巫女として最後まで見学させる。最初に3人並んで記念撮影(口止め)。
とても無理と、辞退する2人。八田が2人に3千円ずつ。まとまった金額だが、目の色が変わるほどではないと、美子が感心する。
妙な噂が立ったら2人が火種と判断する。美子と同じ巫女衣装を着た2人がね。暗に記念撮影をほのめかす。

見せしめの磔
年末。貯金は50万円を超えた。冬の水垢離はつらい。
日曜日。帰路(夕方)。寮の近くでトラックの3人組に拉致。山の中で犯される。フェラ後にマンコ。ガムテで血まみれパイパン。
深夜、神社へ連れ戻されて。夜明け前に大の字磔放置。注連縄とかで野次馬への結界。下手に係わると祟りが……
警察が来て、証拠写真撮影してから救出。八田も駆けつけて、警察に手を引かす。
なぜか、八田に申し訳ない気持ち。泣きじゃくる。

堅気との訣別
彼のヤサへ。姐さんもいる。風呂で身体を洗う(長時間)。八田が入って来てシャワー浣腸。トイレで排便。
厄落としに抱く。姐さんも見ている。義理を立てて、アヌスの初物。
嬉しさと姐さんへの申し訳なさと。
連中もわきまえている。商品を台無しにしてくれたが、神社には手をつけていない。祟りを怖れたか、警察の介入を怖れたか。
御守商売は、もうやらない。しかし、おまえには、まだまだ稼がせてやる。飲食店の看板娘。2階で……
結局、この人に食い物にされる。それでもいい。
承諾すると、姐さんが「姉妹の契り」。さらに、鶯の谷渡り。
八田が飼っている娘が何人もいると、じきに知ることになる。寵愛(稼ぎ)ナンバーワンから、その他大勢に転落。

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 すでに、このシーケンスから細部が逸脱しかけていますが、説得の舞台がアベック喫茶でなく警備員に連れ込まれた詰所で、即尺即ハメじゃなくて、即クンニとか。
 こいつを1月中旬に仕上げて、数日(その間にJRSS=Junan no Randoseru SyounenSyoujoを1エピソード)おいて「寝室必需品」に着手して……ううむ。リリースは2月中旬以降ですね。
 しかし、月刊濠門長恭はかなわなくとも季刊濠門長恭にはしたくありません。まあ、4月からは週休3日の予定ですから、本年後半からは月刊復帰したいものです。いえ、今だってPCゲームとかやめれば可能ですが、内的衝動の儘に書いておりますので。←サボリの言い訳。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:復讐の雷跡果てるとき

 ふうううう。とにかく書き終えました。
 終章『処刑と生き地獄』5423文字。Wordの文字数の数え方は英語が基準で、「~語」と表示されます。
 「これは、括弧を除いて14単語」と数えられます。日本語が分からないんですね。「Shikasi, Rōmaji-hyouki wa korede 5tango」なのです。だから、実際には5423文字をかなりオーバーします。
 今回は日本語の会話をローマ字表記していますから、全116,550文字は、実際には12万文字を超えているでしょうが、正確に数える気にはなりません。
 それよりも、こんな構図をBFにして、校正をして、2023年1月中にリリースするほうが大事です。

構図2’

 そして、年内に詳細PLOTまで固めて。年明けからは『昭和集団羞辱史:物売編(昼)』です。
 それから『性少年包弄記(怨辱編)』です。
 合間合間に、どこかの投稿サイトに投げる予定の『宿題を忘れたらお尻たたき、水着を忘れたら裸で泳ぐと、HRの多数決で決めました。』をエピソード単位で書き進めていきましょう。これは、延々と息抜きに書き続けていきます。
 そして三作目は……いい加減、鬼も悪魔もサッキュバスも嗤っているでしょうね。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 4:復讐の雷跡果てるとき

ふうう。[終]まで書きました。
終盤は、エロもSMもそっちのけで、ひたすら戦争フィクション・海洋アクションです。


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脱走から反撃へ

 唯一の惨めな安息も、見張が交代するたびに取り上げられる。見張は、また二名に増やされていた。アンナの逃亡や反抗を懸念してではなく、より多くの兵に慰安を与えるのが目的だったろう。二時間前に射精して、まだ満足できない強者も少なくはない。三穴同時は男にとって嗜虐欲を満足させる形ではあるが、当人の肉体的快感はそれほどでもない。このときの四人も、二人ずつ二組になってアンナを犯していた。
 軍紀など海の向こうに置いてきたような淫放にあっても最低限の軍規は順守して、すくなくとも一人は見張の真似事を続けている。上官に見咎められる(ことはないとしても、からかわれる)のを怖れてかもしれないが。
 犯されているアンナに背を向けて、立哨ともいえない崩れた態度で無聊をかこっている二人の前に、白い影が現われた。
「Konbanwa...」
 白い影はアンナと同じで全裸だった。しかしアンナとは違って、傷や痣で汚れてはいない。有刺鉄線の鞭痕は、もう治ったのだろうか。
「Omae...?」
 誰何(すいか)ではなく、呆気に取られている声。
「Rentaichō-dono meirei.」
 白い影が見張の一人に抱き着いた。
「Rentaichō ga?」
 もうひとりの見張が、裸身に歩み寄った――その瞬間、二人の背後に黒い影が駆け寄った。星明りの下に微かな煌きが奔って――二人の見張は、後ろから首筋をナイフで突き刺されて、声も無く白い影に抱き着くようにして地面に崩折れた。
「Nanda'''?」
「Kisa...ma'!」
 中腰になってアンナの口に怒張を突き立てていた兵は、茂みから飛び出した三つ目の黒い影に、同じように首筋を刺された。四つん這いにさせたアンナの背後から取りついていたいた兵は、見張の兵を刺殺した二つの黒い影に押し倒されて――口をふさがれ心臓を刺突されて、これも瞬時に殺された。
「アンナ、しっかりして!」
 白い影が駆け寄って、四つん這いのまま呆然としているアンナの身体を揺すぶった。
 白粉の場違いに艶めかしい香りが、アンナの鼻腔を刺激した。
「え、ああ……お姉さん?!」
 裏返った叫び声をあげて、口をふさがれた。
「助けに来た。すぐに逃げるぞ」
 ブキャナンの声が(裸身に遠慮して)すこし離れたところから降ってきた。
 朦朧としている意識にまばゆい光芒が差し込んだ。
「あ、あああ……」
 ふさがれていた口から手が離れても、アンナは言葉を発せなかった。地獄を突き抜けた破滅の世界に、突如として出現した守護者と……女神。
「これを着ていなさい」
 ブキャナンが、自分の上衣を脱いでアンナに差し出した。まだぼうっとしているアンナに代わって、セシリアが着せ掛ける。
「立てるか?」
 アンナは立ち上がろうとして――突っ伏してしまった。
「担架!」
 ブキャナンの背後に控えていた二つの黒い影が、鉄パイプとロープを組み合わせた即席の担架を地面に広げた。アンナはブキャナンに助けられて、担架に転げ込む。
 間髪を入れず二つの黒い影が担架を持ち上げ、病人を運ぶ慎重さなどうっちゃって小走りに駆け始めた。
 アンナは担架に横たわって頭をねじり、二つの黒い影に視線を向けた。トマス・ウィリアムズとイアン・フロレンス。魚雷艇に便乗してい(て、生き残っ)た整備兵だった。
 ブキャナンが先頭に立ち、素早く衣服を整えたセシリアが担架に付き添って、基地へ続く道へと踏み入った。その途中で二人の兵隊が倒れているのにアンナは気づかなかったが――それが、この救出劇に(鞭痕を白粉で隠してまで)セシリアが加わった理由だった。
 しかし、彼女はブキャナンたちと共に脱走するのではなかった。基地への道を三分の一ほど戻ったところで、一行は立ち止まった。
「ここで、お別れします。あなた方の上に神の祝福がありますように。精霊の御加護がありますように。御子の……」
「どういう意味なの?!」
 アンナが叫んだ。悲鳴の響きを帯びていたが、敵に聞かれないように声を抑える分別は取り戻していた。
「私は娼婦として、この地に留まります」
「そんな……駄目よ! 逃げなくちゃ!」
「私が逃げたら、残った者たちが罰せられるでしょう」
 セシリアの声は、対照的に澄明だった。
「それじゃ……アマルもビビアンも一緒に」
 セシリアが静かに首を横に振った。
「残された五人が罰せられます。全員が逃げたら――また、別の女性が連れて来られるだけです。彼女たちは、娼婦としてさえも遇せられないでしょう。逃亡を防ぐために、おそらく……」
 セシリアは黙して、アンナの目を覗き込んだ。おそらく、あなたと同じような目に遭わされる――セシリアの沈黙は、そう語っていた。
「でも、でも……戻って、見つかったら……」
「それは大丈夫だ」
 ブキャナンがセシリアの横からアンナを見下ろして断定した。
「俺たちもシスターも、バックドアから出てきた」
「バックドア……?」
「歩きながら説明する。時間が無い。成すべきことは幾つもある」
 セシリアがアンナの額に指を触れた。
「さようなら。そして……生きよ!」
 本物のシスターよりも気高く、セシリアはアンナに命じたのだった。
 アンナが気圧されているうちに、担架は道を折れてジャングルへと分け入った。
「俺がアンナに娼婦になれと言ったのも、バックドアがあるからだった」
 ブキャナンが先導して道なき道を駆け抜けながら、アンナに説明する。
 兵舎も倉庫も、量産されたフレームにパネルをネジで取り付けて建設する。フレームにネジ止めするのではなく貫通させてボルトで締めれば、内側から簡単にパネルを着脱できる。MIL規格には無い仕様だが――こっそり兵舎から脱け出して他愛ない悪徳に耽る目的で、兵隊が(嘆かわしいことに下士官まで)勝手に改造するのが、もはや暗黙のルールにさえなっていた。
 倉庫を改造した営倉までもが、然りだった――とまでは、ブキャナンは説明しなかった。何度か、アンナが木箱の檻で犯されている現場まで目撃していたとは、きっと棺桶の中まで持って行くだろう。
 アンナはアンアで、ところどころの樹木に小さな白い布が巻き付けられているのに気づいていた。救出に先立って、逃げ道の下調べがされていたのだろう。
 一時間以上を掛けて辿り着いたのは、5ヤードほどの断崖だった。
 ブキャナンが信号拳銃を取り出して、上空へ発射した。赤い閃光が闇を引き裂く。
 こんなことをしたら、逃げたのを教えるだけだ――アンナがブキャナンの正気を疑った直後。
 ドンドンドンドンドン……
 80エリコンの発射音が聞こえてきた。
「あれは……?」
「ピート、日本軍の飛行機だ。一昨日、もう日付が変わったから三日前か。整備棟の横でやけにでかいバラックを海の上に作ってると思ったら、掩蔽壕(bunker)だった。二度と飛ばしてなるものか」
 カタリナを迎撃した水上飛行機の格納庫だと、アンナは理解した。80エリコンは炸裂弾だ。木っ端微塵になるだろう。
 それ以上に大事なことに、アンナは思い至った。
「じゃあ、やっぱり……魚雷艇は、とっくに修理できていたのね。あたしが檻に閉じ込められていたから……」
 救出のチャンスを待っていた――のだろうか。敵を暗殺するのは、今夜はうまくいったけれど、リスクが大きい。こっそりバックドアから逃げ出せるのなら……
「そうではない」
 ブキャナンが即座に否定したが、これまでと違って断定の響きが失せていた。
「元々、あのベニヤ船はエンジンが不調だった。三基のうち二基しか動かない。それと、他のエンジンにも不具合があるとジャップどもを騙してやるつもりで……馬鹿なミスをしたもんだ。一基をほんとうに焼きつかせちまった」
 修理はしたが、運転できるのは短時間で、しかも半分の出力しか出せないと言う。それでも脱走に踏み切ったのは。
「これ以上長引かせるとアンナが死んでしまう――というのは、申し訳ないが副次的な理由でしかない。脱走を今日に決めたのは、あれだ」
 ブキャナンが沖合を指差した。海面が星明りを反射して、四隻のシルエットがくっきりと浮かび上がっていた。大きな二隻は停泊している。その手前と左の遠くを、小さなシルケットが波を蹴立てていた。輸送船と、哨戒中の駆逐艦だ。
「左側のでかいやつ。分かるか?」
 アンナはさらに目を凝らした。ふつうの輸送船は船腹が倉庫(や、兵員室)になっていて、甲板上の構造物は艦橋(bridge)と荷役マスト(derrick post)くらいのものだ。ところが、ブキャナンの指差した船は、甲板の上にアパートメントが横たわっている。そして、船首側からは長い腕が水平に突き出している。その腕の根元には……
「水上飛行機! あれは、いったい……?」
「水上機母艦(seaplane carriar)とでも呼ぶシロモノだ。あのカタパルトからピートが射ち出されるのを、EEが目撃している」
 さっきの銃撃で、掩蔽壕にある飛行機は破壊された。でも、あそこにまだ残っている。
「まさか、あのアパートメントは……?」
「水上機の格納庫だとしたら、半ダースじゃすまないな」
 いくら巨大な牛でも、六匹もの野犬に襲われたら……
「俺たちは、あいつを沈める」
 ブキャナンが、力強く言い切った。
「でも、どうやって……そうか、魚雷ね」
 分厚い装甲で鎧われた巡洋艦(さすがに戦艦は難しいけれど)を一発で撃沈する魚雷だ。ぺらぺらのブリキで造られた輸送船なんか問題じゃない。
 打ち砕かれていた魂が炎を上げて燃え始め、新たな生命を得て甦りつつあった。
「せっかく救い出したアンナを危険に曝すことになる。魚雷を射つ前に砲撃を食らうかもしれないし、今のPTでは駆逐艦から逃げ切れない」
 黙っていればアンナには分からないだろうことまで、ブキャナンは打ち明けた。馬鹿正直(もちろん敵は除く)が彼の性格だが――魚雷艇の二十倍も大きな駆逐艦よりもさらに巨大な船に向かって突進するとき、アンナに取り乱してほしくないという配慮だったのかもしれない。しかし、不要な配慮だった。
「かまわない!」
 アンナは叫んだ。
「あたし自身が魚雷に乗って、操縦したいくらいだわ」
 魚雷は(砲弾に比べて)速度が遅いし、調整が難しい。静止している目標を狙ってブキャナンさんが仕損じるとは思えないけれど、水雷長だったボブソンさんは戦死した。
 ブキャナンがアンナの頭に手を置いて、汚れ放題になっている髪を、いっそうくしゃくしゃにした。
「その必要はない。ゼロ・ゼロ雷撃だ。母艦に二発、駆逐艦に一発ずつ叩き込んでやる」
 ブキャナンの言葉に呼応するように、エンジンの響きが聞こえてきた。いつもの、三基の1350馬力が奏でる重厚なハーモニーではない。ドドドドドド……物悲しい響きにさえ聞こえた。
「一基だけだと、あんなものかな。それでも全開にすれば25ノットは出せる。ポンコツの一基を動かさえば短時間だが30ノットまでは大丈夫だ」
 アンナの不安を察知して、ブキャナンが(たぶん自分自身を含めて)力づける。
「25ノット? 三基のうちの一基だけで?」
 25ノットでは駆逐艦よりも遅いけれど、島陰に隠れながら進めば、容易には追いつかれないだろう。
「馬力と速度は単純な比例ではない」
 担架を分解したロープを、アンナの腋の下に通しながらブキャナンが説明を始めた。
「待って……どうして? あたしを崖から吊り下ろすためね。でも……もっと先まで行けば砂浜もあったはず」
「あっちの輸送船から運ばれた物資の集積所になっている」
 魚雷艇の基地(現在は日本軍の司令部)に運ばれたと思っていたのだが、そういえば、駆逐艦から基地へ連れ戻されたときにも、山積みの物資を見た記憶がなかった。島全体を防衛するのなら、物資もあちこちに分散させて揚陸するのが合理的だ。
「空気や水の抵抗が速度の二乗に比例するのは、学校で習っているかな」
 アンナがこの地点での乗艇に納得すると、ブキャナンは講義を再開した。
 抵抗と速度は二乗則だが、馬力とは力に単位時間あたりの移動量を掛け合わせた値になる。つまり二倍の速度で魚雷艇を走らせるには、速度の二乗に比例する抵抗力に打ち勝って、なおかつ二倍の距離を動かさなければならない。速度は馬力の三乗に比例する。
筆者注)
数万トンの戦艦は10万馬力程度のエンジンで25ノット超ですが、千トンの駆逐艦が35ノットで走るにはおよそ3万馬力を要します。形状による抵抗の差(細長い駆逐艦のほうが有利:速度に関係しない)があるし、造波抵抗による馬力ロス(高速の駆逐艦のほうが不利:速度に依存する)もあるから単純な三乗則ではありませんが、桁数としては大きく間違っていません。なお、排水型の戦艦や駆逐艦に比べて、滑走型の魚雷艇は造波抵抗が小さいので、馬力と速度はほぼ三乗則に従います。

「だから、三分の一の馬力でも七割ちかい速度が出せるのだ。分かったかな?」
 分らなかった。でも、ブキャナンさんが断言するのなら、正しい。それに、魚雷艇が目の前に迫っていた。
 艇尾に星条旗を翻した魚雷艇はエンジンを絞って惰性で接近して、直前にエンジンを吹かしたり舵を左右に振ったり後進をかけたり――すこし手こずったようだが、断崖に舷側をこすりつけるようにして停止した。
(ブキャナンさんだったら、一発で決めてるわね)
 ブキャナンへの信頼が、そんな感想をアンナにもたらした。
 アンナがロープで吊り下ろされ――最後は垂直の崖を蹴って、甲板で待ち構えていた甲板員のEEとジム・マイヤーの二人に抱き止められた。そのロープを伝って、二人の整備員とブキャナンも降りてくる。
「駆逐艦も気づいたみたいだな。急ぐぞ」
 二隻の駆逐艦から伸びる何本もの光芒が海面を走査している。それまでは二本煙突のうちの一本からしか出ていなかった煙が、二本に増えていた。
「まっすぐ水上機母艦に突っ込む。雷撃は二本。転舵して駆逐艦に一本ずつだ」
 それまで操船していたゴードンが本来の持ち場である機関室に戻り、機銃手のマイヤーが80エリコンに、整備兵のウィリアムズが連装50ブローニングに取りつく。甲板員のEEが魚雷を担当して、もうひとりの整備兵も臨時の雷撃手。
「危ないから下に隠れていなさい」
 キャビンに押し込まれかけて、アンナが抗議した。
「あたしにも手伝わせて。いいえ、復讐の機会を与えて。魚雷を射たせてください」
 複雑な調停なんかは手に負えないけれど、圧搾空気バルブの操作から発射くらいはできる。遊び半分で教わって、それでも訓練用魚雷を発射した経験も一度だけあった。まったく経験のない整備兵のフロレンスよりは上手に操作できる自信が――あろうとなかろうと、自分の手で日本軍に一矢報いてやりたかった。自分には、その権利がある。
 約一秒。ブキャナンはアンナを見詰めた。そして、うなずいた。
「右舷を任せる。第二と第四発射管だ。俺の命令と同時に射て。さっきも言ったが、ゼロ・ゼロだ。調停装置には絶対に触るなよ」
「はいっ!」
 臨時の雷撃手に予定されていた整備兵は機関砲の旋回手にまわって、全員が配置に就いた。不調のエンジンも稼働させて、魚雷艇はその時点で可能な最大速度で突進を始めた。
 たちまち、サーチライトが集中する。魚雷艇は不規則なジグザグ運動を繰り返しながら、沖合へ突進する。
「一番および右舷の二番魚雷、発射用意!」
 スピーカーを通さないブキャナンの肉声が、エンジンの轟音を圧してブリッジから降ってきた。
 アンナは圧搾空気のバルブを解放して、発射装置の安全弁を解除した。あとはボタンを押すだけ。
 本来の発射操作は、ずっと複雑である。目標が回避運動をしても一本は命中するように、複数本の魚雷に扇状の針路を設定する。さらに、馳走深度も調停する。深いところで爆発すれば、水圧が大きいので浸水量も増える。しかし、魚雷が船底よりも深く走れば、当然だが命中しない。ゼロ・ゼロ雷撃では、どちらも省略する。斜め前方に射出された魚雷は、内蔵のジャイロコンパスで制御されて、発射直前の魚雷艇と同じ針路に転舵する。馳奔深度はゼロ。実際には小型駆逐艦の喫水深さくらいに合わされている。
 静止している輸送船には、この射法でじゅうぶんだ。EEは本来の魚雷員ではないし、アンナにいたっては素人。下手に調停しても失敗する。
 ズバーン! ドーン!
 魚雷艇の前方に大きな水柱が立った。直後に、砲声。砲弾は音速より速いから、因果律が逆転したような現象になる。目標が小さいから距離の測定を誤っている。
 魚雷艇は回避運動を放擲して一直線に突進する。船影は遠い。シルエットだけからは判別が難しいが、まだ1マイルはあるだろう。しかし。
「一番発射! 二番発射!」
 兵士にとって必要なのは命令の即時実行である。なにも考えずに、アンナは発射装置のボタンに拳を叩きつけた。
 シューッ! ザンッッ!
 発射管から飛び出した魚雷が、魚雷艇の掻き起した波を跳び越えて水中に躍り込んだ。
「右回頭する、つまかっていろ!」
 飛行機のように艇体を傾けて、魚雷艇は右へループを描く。細長いループで距離を調節しながら三百度の急旋回。舵が中央(midship)に戻ったとき、右舷前方に駆逐艦のシルエットが見えた。
 アンナは自分の任務を思い出して、四番魚雷の発射準備を調えた。
 ズバドーンンッ!
 左舷後方に立った水柱と砲声が同時だった。それだけ、距離が近い。
 魚雷艇は細かく不規則なジグザグ運動を繰り返しながら、駆逐艦の右舷へと進出していく。
「魚雷命中まで5秒!」
 不意にスピーカーが叫んだ。
 アンナは右舷後方を振り返った。水上機母艦は、数秒後の死を知らずに眠りこけている。二条の白い雷跡が、その間近に迫っていた。
「3……2……1……命中!」
 しかし、何も起きなかった。
「……なんだと?!」
 スピーカーが当惑の叫び声を伝えた。
 二秒、三秒……計時の間違いではない。魚雷は二本とも不発だったのだ。
「くそ……! 駆逐艦なんか、知ったことか!」
 魚雷艇が左へ急旋回した。目の前の敵を顧みず、あくまでも水上機母艦を仕留めるつもりなのだ。
「ブキャナンさん!」
 アンナはエンジンの轟音に負けまいと声を張り上げて、ブリッジに向かって拳を突き上げた。駆逐艦なんか、知ったことじゃない。自分の命だって、知ったことじゃない。あいつを沈めなければ、カタリナが撃墜される。飛行場が完成する。そんなことよりも……アンナには、いちばん大きなシルエットが、そのまま、自分を迫害した敵そのものに見えていた。
 ふたたび、魚雷艇は大きなシルエットに向かって突進を開始した。
 艇の後方至近距離に水柱が噴き上げた。これが戦艦の主砲だったら、爆風と断片だけで魚雷艇は大破していただろう。しかし、駆逐艦の主砲はせいぜい5インチ。豆鉄砲だ。だからこそ、機敏な魚雷艇の動きを追いかけられるのだが。
 前よりもいっそう肉薄する。もはやシルエットではなく、はっきりと船の細部まで見分けられた。あと千ヤード……
「三番、四番、発射!」
 まだ遠いと思いながら、アンナはボタンを叩いた。
 ほとんど同時に二本が射出された。魚雷が水中に没すると同時に、魚雷艇は右へ転舵した。
 アンナは振り返って雷跡を探したが、見えるのは自艇のウェーキだけ。
「まだだ……」
 不意に肩に手を置かれて、アンナは身を硬くした。被虐の記憶が甦りかけた。
「発射直後の魚雷は深く沈む。まだ見えない」
 EEだった。魚雷を射ち尽くした後はブローニングの旋回手を務める予定になっていたが、駆逐艦相手に機関銃が役に立つ距離に接近するまでに、こっちは穴だらけにされているか木っ端微塵になっている。
「もうすぐだ……ほら、あそこ!」
 EEが指差したあたりに、白い気泡が筋を引いて浮かび上がってきて、魚雷が空中に飛び出た。が、すぐに着水して潜り――そこからは二条の雷跡が、一直線に伸びていった。
 魚雷艇が舵を戻して全速力で駆逐艦を引き離しにかかったとき……
「命中まで3秒……2……1……」
 エンジンの咆哮に紛れて、ごおんという鈍い音を聞いたのは、たぶん錯覚だろう。
「くそっ……またか!」
 二発の魚雷が、またも不発だったのは疑いようのない事実だった。
筆者注)
米軍のMk14魚雷は不発が多く、戦争中期まで改善されませんでした。
六本の魚雷を斉射して、全弾命中全弾不発という戦例があります。
潜水艦の艦長は航海日誌に
Hit......No effect!
Hit......No effect!
Hit......No effect!
Hit......No effect!
Hit......No effect!
Hit......No effect!
と、書き殴ったとか。
特設油送船『第三図南丸』は、12本の雷撃を受けるも10本が不発。船腹に魚雷を突き刺したまま生還して、その有様が髪に簪を刺した遊女のようだとして「花魁船」と仇名されたとか。
四発全弾不発なんて、有り得過ぎる偶然でしかありません。



絶望の最大戦速

「Fuck you!」
 女性が同乗していることも忘れて、ブキャナンの怒声がスピーカーから響いた。が、すぐに冷静に立ち返って。
「こうなったら、仕方ない。俺たちは、出来る限りの仕事をしたんだ――ずらかるぞ!」
 魚雷艇は水上機母艦を左舷にかわして、ジグザグ運動を続けながら沖へ逃げた。
 駆逐艦の一隻が艦首をこちらへ巡らすのが見えたが、2マイルは離れている。しかし、燃やした重油で水を加圧沸騰させるタービンエンジンだから、最大馬力を発揮するまでには何分もかかる。ぐんぐん引き離していく。
 島を大きく回り込んで――そこで、焼き付きを修理したほうのエンジンが息絶えた。これで、最大速度は25ノット。一直線に逃げれば、駆逐艦に追いつかれるのは時間の問題だった。
 ブキャナンは、わざと針路をオーストラリア本島へは取らず、大小の島が連なっている南西を目指した。
 この海域に他の魚雷艇部隊は存在せず、おそらく潜水艦もいない――という事実を、日本海軍が把握していなければ、海上戦力の半分までを割いて、たかが一隻の魚雷艇をしつこく追跡するとも考えにくい。魚雷艇は航続距離が短い。エンジン一基だけでは負担が苛酷でもある。島陰に潜んで敵をやり過ごすのが賢明だろう。
零式水観  しかし……
 不意に海面が煌々と照らされた。サーチライトではない。水平線に艦影は見えなかった。
 グワアアアンンン……
 頭上にエンジンの音が迫った。
 ひゅうんという微かな風切り音。直後に、艇首すれすれに水柱が立った。
 ドバアアン!
 水柱を飛び越える水上機のシルエットが見えた。
「くそ! 追ってきたか!」
 ブキャナンが怒鳴った。怒鳴る前に転舵している。
 水上機が急旋回して、まっすぐに突っ込んできた。
「物陰に隠れろ!」
 スピーカーの声にはじかれたようにEEがアンナに飛びついて、魚雷発射管の下に転げ込んだ。
 タタタタタ……
 50ブローニングに比べてさえも軽い発射音。それでもベニア合板が引き裂かれて、断片が四散する。
「闇夜に飛行機を飛ばすなんて……無茶苦茶だ」
 アンナを自分の身体で庇ったまま、EEがうなった。
 夜間飛行は珍しくないが、それは高空を飛ぶ場合に限られる。魚雷艇を攻撃するには低空飛行が要求される。星明りを反射するだけの海面は、高度の判定が難しい。引き起こしのタイミングを間違えれば、突っ込んでしまう。
 グワアアアンン……
 別の方角からのエンジン音。水上機母艦は二基のカタパルトを備えている。即時投入できる全戦力を注ぎ込んできたのだ。
 魚雷艇が、あえて飛行機に正面を向けた。追いかけられるよりは正対して突っ込んで、敵に見越し角を誤らせるほうが直撃を食らわない可能性が大きい。
 しかし、水上機のパイロットは歴戦のベテランだった。機首を引き起こして、魚雷艇の直上を飛び越すなり、急旋回して追尾に移った。
 ダダダダッ……
 ブローニング連装機銃の射撃音がはじけた。
 魚雷艇が転舵した。ブローニングは射ち続けている。
 ダダダダダダダダダ……
 魚雷発射管に遮られた視界に飛行機が映った。ブローニングの火箭は、はるか後方を追いかけているだけだった。
 いかに軽快な飛行機でも、旋回能力では魚雷艇にかなわない。ブキャナンは敵機を引き付けて、有効射程のわずか手前で、また急旋回した。
 EEもアンナも、魚雷発射管の下にうずくまったまま、身動きが取れない。下手に身を起こせば、銃撃されるより先に魚雷艇から振り落とされる。
 グワアアアンン……
 水上機は左へ流れて艇尾を掠めた。そのまま左旋回をして、魚雷艇の鼻先を押さえる形で回り込んでくる。
 魚雷艇は右に舵を取った。これでは、同じ場所で右往左往するばかりで、じきに駆逐艦に追いつかれる。
 タタタタタ……
 最初にかわした水上機からの銃撃。
 ガンガンガンと、不吉な金属音がして――魚雷艇のエンジンが咳き込むと、ぱたっと静かになった。
 万事休す。エンジンをやられたのだった。
 ボオオオオオオーッ
 汽笛が暗い海面をどよもした。水平線の向こうに、駆逐艦のブリッジが浮かび上がっていた。
 ブキャナンがブリッジから降りて来て、アンナの前に膝を突いて頭を垂れた。
「すまない。きみを巻き込んでしまった」
 ブキャナンは、そのまま動かなくなった。
 その心中を察して、アンナも言葉がなかった。
 敵は戦時国際法を無視して、捕虜にはアンナを人質にして利敵行為を強要し、そのアンナには性的虐待を含むあらゆる虐待を加えた。集団で脱走して敵対行動を取った捕虜には、どんな待遇が待ち受けているのだろうか。
 ブキャナンの頭にあるのは、自分への処遇どころか、部下への処遇でさえなかっただろう。これからアンナがどんな酷い目に遭わされるか、それを自分のことのように恐怖しているのだ。
 ブキャナンさんが想像するより、ずっと残酷な殺され方をするはずだ――そのことを、アンナは確信している。Λ形の木馬に乗せられて、身体がまっぷたつに裂けるまで足に錘を吊るされるかもしれない。倒したH形に吊るされて、ほんの1フィートも長い(丸棒ではなく尖った)棒の上でぶん回されれば、先端は心臓にまで達するだろう。あの有刺鉄線の鞭で息絶えるまで打ち叩かれるかもしれない。それとも、ギロチン磔にされたまま死ぬまで解放されずに犯され続けるのだろうか。
 ……恐怖に喚きそうになって。アンナは立ち上がって、大きく頭を振った。
「あたしは、後悔していません。最後にはスパイとして処刑すると、あいつらはあたしに保証してくれました。そうでなくても、あんな拷問を続けられたら、きっと心臓が止まっていたでしょう」
 アンナは、無理をして笑顔を作った。
「だから、あたしはブキャナンさんもゴードンさんも、EEもマイヤーもウィリアムズもフロレンスも……誰も恨みません。でも……」
 アンナは手すりにつかまって身を乗り出し、海に向かって叫んだ。
「くそったれな魚雷を作った馬鹿野郎ども! あなたたちは、絶対に赦さないんだからね。自分のチンポを噛み切って死にやがれえええええ!!」
 考えつく限りの卑猥な言葉で罵った。
 そして、ブキャナンに向かっておねだりをする。
「この軍服、ずっと貸していてくださいね。正式に任命されたわけじゃないですけど、アメリカ軍の兵士として死ぬのも悪くないかな――そう思います」
 すでに駆逐艦は200ヤードほどの距離で停止していた。アンナたちを捕らえるべく、兵士を乗せたカッターボートが海面に吊り下ろされようとしている。


          [終]

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 え? これで終わり?
 はい、そうです。しかし、[完]ではありません。
 [終]に続けて、こんな一文があります。

 最終章には、残酷描写があふれています。リョナやグロを嫌悪される読者は、ここで読了してください。
 最終章は、後書きの次頁から始まります。

 ネタバラシすると。アンナを中央にして、左右に男どもが二人ずつ、樹に縛りつけられます。
 新兵の度胸付けに――銃剣突撃が繰り返されるのです。ただし、アンナだけは肉剣突撃。男たちが断末魔にのたうつ中、延々と凌辱されるのです。
 ただひとり生かされて……昼は連隊長の玩具、夜はロハマンコとして。まあ、1週間後か1年後かには息絶えるでしょうが、それは[完]の後のことです。
 具体的な描写は、製品版(2022年1月中旬発売予定)で、リョナ好きの読者はお愉しみください。



テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 3:復讐の雷跡果てるとき

Progress Report 2 →


 実は、こういうフォトコラを見つけて。
土の字磔


 ううむ、この形の磔は考えたことが無かった。ので、即採用しました。濠門長恭パコパコオハコの
    吊って「芯棒を挿入して」回転させて
   ロープの撚りで上昇して逆回転して下降して
  また吊り上がる(初出『偽りの殉難~香世裸責め』)

を付け加えました。

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新たなる犠牲者

 翌日も、午前の早いうちから執務室へ連行された。二日続きの拷問だった。
 口実としての尋問など素っ飛ばして、アンナは磔に掛けられた。十字架などは使われず、ただ二本の材木に縛りつけられただけだった。だが、その縛り方が異様だった。
 アンナは、平行に置かれた材木に直交する形で仰向けに寝かされて、肩の下に敷いた材木に、二の腕と手首とを固縛された。腰の下に敷いた材木には、膝の上と足首とを。そして、腕を縛った材木の両端をロープで吊り上げられた。『H』の字を横に寝かせた形。頭が横木の上に飛び出しているから――もしもアンナが漢字を知っていたら『土』の形にそっくりだと思っただろう。
 そんな連想をはたらかせている余裕は、なかったかもしれない。百八十度の開脚を強いられた股間が痛みに軋む。6インチ×3インチで6フィート長の材木、30ポンドを超える重量が体重に加わって背骨と腹筋を引っ張る。身体が材木からずり落ちかけて、肩にも負担が掛かった。
「く……」
 これだけなら、首を吊られて立たされているよりはむしろ楽だった。股間の淫裂を、その内側まで曝しているのだが――羞恥に肉体的な苦痛は伴わない。
 しかし、この空中磔は拷問の準備の前半部だった。直径2インチほどの丸棒がアンナの股間に垂直に突きつけられた。角材から削り出したのだろう、あちこちが凸凹して、ささくれまで残っている。
 これまでの経験で、その丸棒がどんなふうに使われるか、アンナには容易に想像できた。先端がわずかに丸みを帯びているのが、暴風の大海に浮かぶ小舟くらいの安心を与えてくれる。
 アンナの想像通り、丸棒が女性器に挿入された。
「ひいいいっ……痛い! やめて……もう、押し込まないで!」
 受け挿れ難い太さであるよりも、表面の凹凸とささくれがアンナを苦しめた。丸棒が膣奥に突き当たったときには、すでに鮮血が木肌を染めていた。
 丸棒はわずかに床から浮いていたのだが――内側に煉瓦を詰めた木箱が両側に添えられて、U字形の釘で丸棒を固定した。
「回転ブランコ(rotating swing)という遊具を知っているかな」
 それまでは黙って連隊長と従卒の作業を見守っていた中尉が、初めてアンナに話しかけた。平板な口調はこれまでと変わりないが、不気味な微笑を浮かべている。連隊長の嗜虐に感化されたのだと、アンナは直感した。
「ちょうど、こんな形だな」
 脚を縛りつけている材木の両端に、中尉が空のバケツをロープで吊るした。
「この材木を回転させると、ブランコが勢いよく外へ振れる」
「まさか……」
 とは、恐怖の間投詞でしかなかった。
 連隊長が後ろへ下がって、従卒と憲兵伍長とが材木の両端に立った。
「待って……やめて……ぎひいいっ!」
 二人が材木を押して回し始めると同時に、鎮まりかけていた激痛が爆発した。限界ちかくまで拡張された膣を、材木のごつごつした表面が抉る。昨日のΛ形の木馬は女性器を外から内へ切り裂く拷問だったが、これは内側を切り裂く拷問だった。
「うああああ……痛い、痛い、痛い……赦してください。お願い……こんなことをしたら……使えなくなったら、あなたたちだって困るでしょう……」
 女性器を破壊されるくらいなら、犯されるほうがましだ。アンナは、本気でそう考えている。肉体の苦痛よりも精神の蹂躙を望むほどに、凄惨な激痛だった。
 ばしんと乳房を竹刀で打ち据えられて、さらにアンナは絶叫した。
「Ana no hitotsu ya hutatsu nakunattemo hei no shiki niwa eikyou sen. Jikini mada fueru yotei dasina.」
 激痛に呻吟しながらもアンナは、連隊長が英語を相当に理解していると確信した。中尉の翻訳を待たずに、アンナに追加の拷問を加えたこと。彼女への反論らしい長広舌。
「レンタイチョウドノ、あたしの言葉が分かっているのでしょう。お願いですから、もう赦してください!」
 連隊長はしばらくアンナ――というよりも、その頭上を眺めていたが、おもむろに右手を挙げた。
「Sorekurai de yoi. Tomero.」
 ぴたりと回転ブランコが止まった。
「あああ……ありがとうございます」
 媚びるつもりなど無いのに、安堵が追従(ついしょう)を口走らせた。しかし、それはまったくの総計だった。材木を吊るす二本のロープは、梁の一か所で結ばれている。回転に連れてロープはよじれて、その分、アンナの身体は――丸棒が膣から抜ける寸前まで、吊り上げられていた。
「Omoikiri bun-mawase. Yohhhi, Teeee!」
 掛け声とともに、材木が反対方向に振られた。
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 アンナは頭をのけ反らせて咆えた。
「ぐがっ……ぎひいいい……いいいいい!」
 ロープの撚りがほぐれるにつれて、アンナの身体が沈み、丸棒が膣を奥へ抉っていく。身体を垂直に吊られていても、膣穴は幾分か傾いている。回転の中心からもずれている。したがって、膣が丸棒を揺り動かし、丸棒はいっそう膣内をこじる。鮮血が、じわじわと丸棒を伝い落ちていく。
 撚りが完全に戻って丸棒の先端が膣奥に突き当たり、それでも回転は止まらない。勢いを減じながら、反対方向へロープをよじり……最初に吊り上げた半分ほどの高さまで戻ってから、ようやく止まった。が、それは数秒。二人の子分が材木に取り付いて、さらに同じ方向へと回して。
 また、連隊長の合図でアンナの身体をぶん回す。
「うああああ……赦して……お願い……ひいいい……」
 アンナの口から、もはや絶叫は迸らない。間断ない苦鳴と哀願。
 二度目の回転が止まると、今度はそのまま放置された。ロープの撚りがほどけてアンナの身体が自重で落下するにまかせられて――また上昇に転じるが、到達したのは最初の高さの四分の一くらいだった。回転の速度も、ずっと落ちていた。
 アンナも、かすかに呻くだけ。劇痛が和らいでいたのも事実だが、哀願の虚しさにうちのめされていたようが大きい。
 さらに緩やかな回転とわずかな上下動が繰り返されて、ついに回転ブランコが止まった。しかし、アンナへの拷問――ではなく純粋の加虐は、まだ終わらなかった。
 空のバケツに煉瓦が詰められていく。回転運動の両端に錘が加われば、それだけ勢いがつき減衰は小さくなる。
 またしてもアンナの身体が回され吊り上げられて――今度は四人がかりでぶん回された!
「ぎゃま゙わ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 拷問部屋に咆哮が充満した。
「Soredewa zanji shiturei shimasu.」
 この淫残な光景にはそぐわない折り目正しい敬礼をして、憲兵中尉が部下を引き連れて執務室から出て行った。
 回転ブランコは勢いよく回り続けている。
 それでも数分でアンナの身体は串刺しにされたまま宙で静止した。
 連隊長はデスクに寄りかかって、おもむろに葉巻を吹かす。
 ドアがノックされたときには、葉巻はまだ半分以上が残っていた。もっとも、ふつうのペースで吸えば三十分は保つ良品なのだが。
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 星新一(どこが? ←ノックの音が)の後は、強制徴募されそうになった現地娘たちを庇って慰安婦を志願した教会のシスターが連れてこられて、
「彼女の代わりに私を責めなさい」となって。なのです。


 なお、非凡式ローマ字表記の部分は、ヒロインが耳で聞いた通りの日本語です。アルファベットには「ā ī ū ē ō」の長母音が無いので、米国人のヒロインだと「Chūi-dono」ではなく「Chewi-dono」と聞き取るわけです。

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Progress Report 2:復讐の雷跡果てるとき



 Twitterで、突如凍結されました。
 最初は理由が分からなかったのですが、要するに自動性的搾取虐待は、妄想だろうと文章だろうと衣冠束帯という欧米基準ですね。
 ので、トップページで告知したように、Twitterは(すくなくとも当分は)やめます。
 タイムラインを閲覧してRTしたり、自作品広告記事ばかりでは矢場いかもしれないとアレコレ書いたり。けっこう時間を食います。仕事の休憩時間を活用するとギガを食います。自作品をTweetしても、閲覧数が百単位でリンク先のクリックがツバナレしないし、売り上げに反映している感じでもないし。
 そりゃまあ、何年もかけてフォロワーを増やすとかすれば、すこしは売り上げに結び付くかもですが。
 ヘッポコンテストの1次に落ちるようなラノベを「読んでくれたら読みます、感想くれたら感想します」なんて、落語の『花見酒』みたいな記事も、トンチンカンな創作講座も、あまりにひどいのは、つい返信したくなったり。

 とにかく。Twitter卒業(退学ともいう)。

 さて。
 『ベニヤ板の奇跡』がゼロ戦の20mm食らってボカチンされて、帝国海軍に救助されたはいいが、すぐに陸軍に引き渡されて。
 なにがなんでもヒロインにスパイだと自白させようというあたり。まあ、嘘の自白をしても、「昨日と今日とで言っていることが違う」と、あくまで拷問は続くのですが。
 いきなり素っ裸にされて、後ろ手錠のまま首吊りロープを掛けられて、腹パンだの帯角(ベルトの帝国陸軍用語)で鞭射たれたりして。
 そして……というところから抜粋です。


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 ボス猿が中尉に命じて、アンナの右足首に巻かれたままになっているロープを天井の梁に掛けさせた。
「Gokaichoh to ikuzo.」
 ボス猿がロープの端を引っ張った。アンナの右足が吊り上げられる。
「ああっ……やめて! いやああ!」
 抵抗はできない。どころか、バランスを崩して転倒しないためには、自分から右脚を上げて小刻みにジャンプしながら上体を右へ倒すしかなかった。
「いやあ……痛い」
 直立したまま開脚して股間の奥まで曝け出す羞ずかしさと、限界を超えて股関節を広げられる痛みとに、アンナは涙をこぼした。
 いっそ、左脚で踏ん張るのをやめたらとも、考えた。片脚で宙吊りになってしまう。そのショックで脱臼するかもしれないし、頭を床に打ちつける危険もあった。
 迷っているうちに手錠を片方ずつはずされて、左右をつなぐ鎖を右足首のロープに絡められてしまった。上半身が右脚に密着して、まったく動けなくなった。左足を床から離したら、どうなるか分からない。
 アンナは脚をIの字形に百八十度開いて、上げた右脚に上体を添わせるポーズで固定されてしまった。
 ボス猿が身体を寄せてきて。股間を掌でぽんぽんと叩いた。
「…………!」
 ハンマーで殴られたような衝撃と、巨大なナメクジに這いまわられる感触とが、すくなくとも十年以上は親にも触られたことのない乙女の中芯を襲った。おぞましさに、アンナは身体を硬くするだけで、言葉を失ってしまう。
「Mekosuji ni shinai wo tatakikonde yaruzo.Tanoshimi ni matte ore.」
 日本語を幾らかでも知っていたら、アンナは恐怖に泣き叫んでいただろう。それとも、あくまで気丈にボス猿を睨みつけただろうか。

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de65a557.jpg
 こんな形ですかね。借り物画像なので、セーラー服とかはご愛敬。

 昼飯休憩とか、PBYカタリナの偵察兼爆撃があったりして中断の後……

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 竹刀を手に、I字バランスを強いられているアンナの正面に立つ。開脚の中芯にぴたぴたと竹刀を当てる。
「やめなさい」
 いろんな想念が渦巻くが、うまく言葉にできない。言葉にしたところで、ボス猿には通じないだろうが。
 これは取り調べなんかじゃない。通訳のチュウイがいないから、いやらしい責めに屈してスパイだと認めたとしても、こいつには通じない。だから、これは拷問でさえない。では、なにを……?
「Kimusume tonarto tsuki wa mottainaina.」
 ボス猿が後ろに下がって間合いを取った。右手一本で竹刀を握って、斜め下に構える。
「Mekoh!」
 気合声とともに、竹刀を斜め上に撥ね上げた。
 ぱしいん!
 竹刀の先端から三分の一あたりが淫裂を打ち据える。
「ぎゃはあああっ!」
 凄まじい衝撃が股間で爆発して、脊髄を通って脳天まで突き抜けた。
 反射的に股間をかばおうとして右脚を縮めて――アンナの裸身が宙に浮いた。わずかに右へ傾いたところで重心が安定して。まだ首に掛かったままになっているロープは緩んだままだった。アンナはいっそう脚を縮めて、必死に股間を護ろうとする。
 なにを思ったか、ボス猿が室内を見回す。
「Kodera. Baketsuto rengawo mottekoi.」
 ドアを開けて呼ばわる。
 一分としないうちにノックの音がして、中尉とその部下が姿を現わした。
「Jinmon wo saikai sareruno deshitara yonde itadakitai desu.」
 ボス猿は顎で「はいれ」とうながしただけだった。
 少し遅れて、従兵がバケツと数個の煉瓦を持ってきた。
 ボス猿が煉瓦を入れたバケツを、アンナの自由な右足にロープで結びつける。従兵に命じず自分で手を下すあたり、この男の嗜虐への執着がうかがえる。アンナをさらに吊り上げるのは、従兵と憲兵中尉の部下にやらせたが。
 煉瓦の重みで、アンナの右脚が伸び切った。力を入れれば縮められなくもないが、一分とは保てない。
 ボス猿に命じられて、渋々といった態で中尉が形ばかりの尋問を始める。
「おまえはスパイだな。否定するなら竹の刀(Bamboo sword)でおまえの女性器を叩くと、連隊長殿は言っておられる」
「…………」
 アンナは絶望の中で、しかし中尉を睨みつける。スパイと認めたら処刑される。認めなければ拷問される。いや……認めなければ、認めるまで拷問されて処刑されるだけではないだろうか。それくらいなら、いっそ……
 ボス猿は沈黙を否定と解釈したのだろう。
「Mekoh!」
 竹刀を正面に構えるなり、肩の高さまで吊り上げられたアンナの股間に振り下ろした。
 ぱっしいん!
 下から斬り上げるよりも強い打撃が、女芯を打ち据えた。
「ぎゃはっ……!」
 悲鳴が大きすぎて喉につかえる。アンナは大きく口を開けたまま息を詰まらせた。
「Mekoh!」
 二撃目がアンナを襲う。
「……あああああっ!」
 強引に悲鳴を吐かされた。
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 7連勤のあとの2連休なのですが。Tショックもあるし。
 完全クリアしてる18RPGを、また最初から「理想の展開」で進めたくなったり。

 ※オープニング直後の姦られイベントまでに、スリープの石と追加ダメージ杖とHP/MP回復装備と……
 まあ、11月中の脱稿を目標に進めますか。


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Progress Report 1:復讐の雷跡果てるとき

フィリピン撤退

 フィリピン全土が日本軍の支配下に置かれたのは1942年6月であるが、その三か月前に司令官のダグラス・マッカーサーは魚雷艇部隊とともにフィリピンを脱出している。
 魚雷艇部隊のうち一区隊四隻は、遠距離哨戒の補給地であったバンダ海のタウェル島に常駐することとなった。ここをオーストラリア防衛の根拠地とするため、大型艦船の水路を確保すると同時に機雷原の設定が急がれていた。
 この物語は、まだ開発途上にあるデリケートな音響測深機(ソナー)の専門家であるピーター・オークリッジ(軍属)の一人娘、アンナに起きた悲劇を描いた架空戦記である。

 いうまでもないことだが、物語に登場する人物・組織・地名・年齢などは、すべて仮構である。また、物語に描写されている行為を平時において実行すれば、ほとんどの国家において犯罪として糾弾されるであろう。
 なお、西暦1942年を舞台としているため、当時はふつうに使われていた差別用語などは、そのまま表記している。

注記
日本語表記の会話は、実際には英語です。
日本語による会話は「Hiroinga kiitatohrino Rohmaji-hyoukito shimasu.」

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 と、まあ。こんな出だしにしました。後半は、これまで後書きに書いていた魔除けの呪文です。

P15vietnam_aflo.jpg
画像は、小説と微妙に関連性があります……かな?

 それはそれとして。以前からふらついているのが、横書きの場合の数字の取り扱いです。「西暦一九四二年」「西暦千九百四十二年」などもあります。元号を使うときは、そんな表記を使ったこともあります。
 いっそ算用数字に統一というのもありますが。「3か月前」「1区隊4隻」……前者は、どうにも違和感があるのです。
 今回は、年月日、テクニカルな数字(1350馬力、20mmエリコン機関銃)は算用数字、それ以外は漢数字でいってみましょう。
 縦書きは漢数字に統一できそうですが、これまで、昭和年代以前の日本が舞台の話のみ縦書きで、あとは横書きを通してきたので、やはりなのです。それに「A6M5a」を縦書きでどうするかという問題もあるので、縦書き万能でもないですし。

 さて。本編を書き進めるとしましょう。




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Progress Report 0:復讐の雷跡果てるとき

さあて。今回は最後まできっちりPLOT(特に責めシーン)を固めて。
いよいよ、書き始めましょう。200枚はいくかな。責めシーンの密度次第です。

タイトルには苦慮しています現在進行形です。やはり、内容がズバリ分かるタイトルがいいです。これまでのヒロイン戦記は
1.突撃! 戦車娘
2.ウルフパック(群狼)
3.成層圏の飛燕~海女翔けるとき
4.陸軍女子三等兵強制全裸突撃
5.W.A.S.P. Woman Abused Sex Prisoner
6.火竜(ザラマンダー)と翔けたアクメの空

1.3.4.は無条件にわかります。2.5.6.も、ミリヲタなら一目燎原の火。6.は「翔けた空」があるから、パンピだって空戦記録だと分かるでしょう。

しかし、今回は……
魚雷艇です。難しいです。魚雷に注目して「雷跡」とか「雷撃」とかを挿れたいんですね。
そして、悪名高いMk14魚雷は……潜水艦の艦長が日誌に
Hit! No effect!
Hit! No effect!
Hit! No effect!
と、書き殴った逸話があります。Hit(命中)! No effect(効果無し=不発)!
しかし、「Hit! No effect!」をタイトルにしても、分かる人だって分からんでしょう。
実は、「雷跡」を使おうと思ったとき、真っ先に浮かんだのは『消滅の雷跡』です。畏れ多い鶴亀鶴亀。何が畏れ多いかは、分かるやつだけついて来い、です。
ということで。『復讐の雷跡果てるとき』は仮題です。

さて、PLOTをば。


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アンナ・オークリッジ
 アメリカンスクール10年生/音波測深助手
 母は離婚。
ピーター・オークリッジ
 海軍軍属:測量技師 最新鋭の音波測深
マックス・ブキャナン
 艇長/大尉
エリック・エドワース(EE)
 最年少。二等兵。甲板員/水雷見習
ジェフ・ゴードン
 機関士/軍曹
セシリア(セス)ブラム アンナより二つ歳上。
 牧師の娘。母とは死別
アマルベルガ(アマル) セスと同い年
ビビアナ(ビビアン) アンナのひとつ下

及川久三
 連隊長/大佐
小寺 勇
 従兵/上等兵
丸山正介
 野戦憲兵分隊長/中尉/英語
大野勇次郎
 歩兵大隊長(800人)/中佐
林 正一
 工兵中隊長(200人)/大尉
田中義勝
 野砲中隊長(150人)/大尉
山辺勘治
 高射砲中隊(150人)/大尉
烹炊、鍛冶その他軍属 50人

現地の要請で、増援部隊輸送を神州丸に変更。
パラソル型の九一式戦闘機搭載、カタパルト。

合計1500人÷(3人×20人)=25日
生理休暇を考えると月イチ。
8人になってからはノルマ15人で2週間に1回。



※ベニヤ板の悲劇

1942年3月12日、マッカーサー脱出。2月16日バンカ島事件。2月3日にマニラ占領後の虐殺。
フィリピンから撤退後、魚雷艇部隊の一部はパブアニューギニアの補給地を拠点に。
かつては近海航路の中継地。白人系30人ほどが定住。原住民数百人。
機雷敷設のための測量など。
カタリナの偵察で侵攻を察知。
オーストラリアへ向けて総撤退。1コ戦隊4隻のうち3隻。1隻はエンジン不調で放棄。敵に感づかれるから、燃やさない。
整備員2コ分隊20人。民間人も。教会の父娘は残留。


[Openning]
アンナは船酔いするのでブリッジ。空ばかり見ていて発見。
戦爆連合の急襲。補給地が空なのに気づいて魚雷艇を襲撃。艦爆の一部は補給地も。
ブローニング50も無力。魚雷を換装(Mk8→Mk14)して巡洋艦くらいなら一発で沈められるのに、ちっぽけな飛行機に手も足も出ない。
2隻は轟沈。魚雷爆発とガソリン誘爆。
アンナの乗艇は20ミリでベニヤの艇体破壊。甲板の民間人は全滅。
生存者はアンナ、EE(他艇)、ブキャナン、ゴードン。整備兵2名。
負傷して漂流も5名ほど。溺死など。駆逐艦内で死亡も。漂流しているところを駆逐艦に。
上部構造物:15m=15Km 煙は30Km? 太く濃いのが3本。細く薄いのが2本。
船団は10Kntで、3時間で島に。
駆逐艦は増速して30Knt、30分~1時間で現場。
駆逐艦は親切。菜っ葉服貸与。暖かい飲み物。錨鎖庫に監禁。服が乾いて着替える。
兵員上陸後(翌日)に、大発で島へ。陸軍に引き渡される。
司令部は魚雷艇基地の建物利用。


※全裸尋問と凌辱

[1日目]
アンナだけ別室で取り調べ。後ろ手錠で連行。
連隊長直々。通訳の憲兵中尉、上等兵。
父の海底測量の手伝い。自分は民間人。
海図作りは軍事行為。私服ならスパイ行為だ。死刑だ。スパイ行為を否定する誘導尋問。
椅子から立たせて、首に縄。
服を引きちぎる。
こんな連中は猿と同じだ。虚勢。
羞恥責めは通用しない。
黄色い猿に嬲られて屈辱。アンナ、相手を睨み付ける。
「Kuunyann towa erai chigai.」
乳房、股間。
気丈に耐えていると、不意打ち腹パン。
竹刀で小手調べ。
あまり傷つけてもまずい。
途中で警報。まだ退避壕はできていない。偵察だけで引き返す。
一旦放置。片足吊り。床に着いてる。
報告に来る兵隊に目の保養。時々股間を嬲る。
夕刻。宿舎で見つけていた(実は自分の)服を与えられる。下着無し。手錠で縄跡隠し。
元々の営倉に監禁されている生存者たちに引き合わされる。
営倉は整備棟の倉庫の一角。
「余計なことは言うな。捕虜が反抗すれば射殺しても文句は言えない」
恥辱を訴えても激高させるだけ。黙っている。
アンナを前にして、魚雷艇の修理を再度命じる。
「私服で軍事行動をしていた。スパイとして処刑できるぞ」
ブキャナン折れる。アンナ「私のせいだ」
連れ戻されて。即全裸。机にあお向け磔。
歩兵大隊長と工兵中隊長、高射砲中隊長。
「Juuyouna sakusenkaigi. Daremo ireruna」
連隊長が一番槍。
心が折れているから抵抗弱い。
大隊長は脚をほどいて二つ折りアナル。高射砲がのけぞりイラマ(噛んだら歯をへし折る)中に工兵が2番マンコ。
座り込み後ろ手一本吊りで朝まで放置。上体を起こせないので立てない。
あれこれ考える。その気になれば、すぐにも処刑できるはず。噂に聞く南京。なぜ自白を強いるのか。魚雷艇修理まで生かしておく?
漏らす。


※終わらない拷問

[2日目]
お漏らしは従兵を呼んで始末させる。
目覚ましの拷問。ベルトで打ち据える。マンコしごき。
自白しなくても処刑、自白してもすぐには殺されない。スパイ行為を認める。言われるままに自筆。
本格緊縛座禅転がさずで放置。アルミ椀に盛られた味噌汁ぶっかけ飯。台に載せて目の前。
喉の渇き。惨めな姿で啜って、塩辛い。水を求めても、通じないのかわざと無視なのか。
午後から、憲兵中尉を交えて取り調べ。
水を訴える。無視される。
上申書の詳細、矛盾。嘘の自白だからボロボロ。戸惑う。
後ろ手のまま逆さV字吊り。すでに肌は鞭痕だらけ。
「水を飲みたいんだったな」
中尉の口ぶりから、読者には嗜虐への目覚めが分かる。
バケツ水責め。マンコに灼熱。悲鳴の泡。水を吸い込む。引き上げられて、大佐が煙草。咳き込んで水を吐いているところにマンコ焼き。
「Kokomade sarete zihi wo kowantowa. Itaburi-gai ga aru.」
失神するまで責められる。そのまま、司令部裏手の大きな木箱に。

[3日目]
気力尽きている。
箱に蓋をされているので立てない。トイレはバケツ。全裸、後ろ手錠。
すぐ近くで退避壕の構築。すでに穴はできている。
味噌汁ぶっかけ飯と水。見張だけでなく工兵にも見られながら犬食い。
PBY2。爆撃するが外れる。
夕方から尋問。
木箱に戻されて、見張り厳重なのに気づく。


※強制徴募慰安婦

全裸で引き出されたとき、4人の兵(ひとりはインテリ一等兵)に囲まれて私服で歩いている3人のシスター。
シスターが制止を振り切って近寄る。
ここで娼婦として働きます。教会に逃げ込んだ現地娘十数人を庇っての決断。
監視兵の注進で憲兵中尉。
シスターの抗議。彼女を拷問するなら、私も同じように。無視される。
「おまえも一緒に働くなら、待遇を良くしてやる」
拒絶。シスターたちは、すこし離れた兵舎へ連れて行かれる。
何を話していたと、尋問の趣旨が変わる。
シスターを巻き込まないように注意。
「Asu ga aru.Kizu wa tsukeruna.」
針山。マッチで炙る。
GANG-BANG無し。
夕方。兵舎へ連隊長、大隊長など6人が行くのが見える。さらに、中隊長など6人。
木箱に幽閉前に、見張たちに。合計6人。

[4日目]
PBY2が飛行場を爆撃。この時点で、戦闘機を要請。ゼロ戦の往復では常時哨戒不可能。空母の余裕も無い。だいたい、陸海は犬猿。
服を与えられて司令部。ブキャナンと面会。さすがに虐待を見抜く。
「処刑せずに生かしてある」
ブキャナン、強い抗議はしない。アンナ、裏切られた思い/自分のために利敵行為の負い目。
夕方。工事現場の林の向こうから兵士がぞろぞろ。兵舎に行列。その数を見ておぞけを震う。
GANG-BANGは、見張。交代ごとに。

[5日目]
尋問無し。木箱で無気力に寝て過ごす。
セスが訪れる。比較的自由に出歩ける。
「あのひとたちはサディストです」サドマゾの概念を初めて知る。
PBY2の爆撃。建設中の飛行場を狙う。


※新たなる犠牲者

[6日目]
上申書をネタに尋問。座禅仰向け転がしで性器責め。
即席三角木馬で長時間。乳房を棒で上下圧迫。当番兵を呼んで、乳首クリ歯ブラシ延々。苦痛アクメ。
PBY2。爆撃。
木箱の見張りが減る。
「Tasukeni konai tokorowo miruto,zantekiwa inaina.」
「Kishidou teiu yatsuka.Shikaisi,chambara demo seigino kenshiwa ohimesamawo tasukeni shichini tobikomuze.」
囮にされているとは分からないアンナ。

[7日目]
2人のシスターの勧誘で、さらに5人(25~30歳)。
尋問室。2本の丸太に「土」の字磔。腕を縛った丸太を天井から吊るす。
しばらく嬲られる。
セス(着衣)が連れてこられる。慰安婦が増えたので、セスを潰してもかまわない。
「代わりに自分を責めろ」と言っていたな。どうする?
セス、自発的に全裸。
「彼女を下ろしてあげてください」
「馬鹿なことはやめて。あなた、自分で言っていたでしょ。こいつらは、愉しみで女を責めているだけだって」
「神に与えられら試練です」
中尉が茶化す。
アンナ、処刑を懇願。
「いずれ殺してやる」
アンナは下ろされて、V字逆さ吊り。灰皿。
「やめてほしければ、そう言え。おまえは無罪放免してやる」
ベルト滅多打ち。
「こっちは使ったのか?」
十字架(携帯)と歩兵用スコップの柄(末端が休憩で直径4cm弱)
「どっちを突っ込まれたい?」
スコップを選ばざるを得ない。激痛。最後に汚物まみれのままマンコ突っ込み。
「こいつを責める代わりに、おまえは慰安婦だ」
兵舎に連れて行かれて、パイプ椅子の座面に上体を縛り付けるギロチン磔。前後同時。口はゴム無し。ゴムは兵士の性病予防。
深夜になってから木箱へ。セスもいる。後ろ手錠のまま身体を寄せ合って。
拷問がなくても大勢にGANG-BANG。どちらがマシなのか。
「猛獣に喰われるのは、自分が非力だから仕方ない。でも、自らの意思で身体を開くのはイヤ。まして、あんな猿どもに!」
「信者を守るために身体を投げ出したあなたを尊敬するけれど」
シスをかばっての台詞。

[8日]
シスは兵舎に戻される。
「Sugu Nakisakebu kuseni,naniwo saretemo kami ni inorudake.Tsumaran.」
アンナは木箱のままだが、食事改善。体力回復させてから甚振る。
従順でビッチに振る舞っているビビアンが、捕虜との伝書鳩。
兵の噂で増援が数日後。
営倉は抜け穴がある。
揚陸のどさくさに紛れて脱走する。


※強制労働集団姦

[9日]
運動をさせてやろうと飛行場へ。捕虜は整備棟だから見ていない。
全裸、足首にシャックルと鎖。前日の爆撃でできた穴を埋めさせる。
監督がたまに円匙で尻叩き。
午後から連隊長の視察。生ぬるい。
成績優秀者を各小隊から1人ずつ(900÷50=18)。乳ビンタ。
身体に心棒を挿れてやる。縄で張形。前後挿入縄褌。
刺激で初めて(はっきりと)感じてしまう。
夕食後。最優秀小隊50人。兵舎内の慰安所の一画で。3人掛かりを厳命。
(45人÷3人)×10分≒3時間。感じない、演技しない。
マンコ2本挿しも(男同士五分の契り)。アナルには昼間の縄張形。
面白がってイラマ+アナル+マンコ2本。


[10日目]
遊んでいる余裕がないので、木箱に放置。ばたついている。
見張によるGANG-BANGは恒例。


※脱走と反撃と…

[11日目]
船団到着。3隻+護衛駆逐艦2隻。
夜。GANG-BANG中に忍び寄って刺殺。
慰安婦たちは来ない。現地娘は残留希望。けっこう贅沢をさせてもらって喜んでいる。
シスターたちだけが逃げたら、残った娘も連帯責任を問われるかもしれない。
殺されないまでも、アンナのような拷問。
「神の試練です」
説得できない。
自分が行くというアンナを他が押しとどめる。整備棟へ半強制的に。

PTは3軸推進で40Knt。2軸なら35Kntまで出る。
エンジン始動ボタンを押しても3分間は換気装置の作動のみ。
日本兵は、これを故障と勘違い。
3基目のエンジンを修理するふりで時間稼ぎ。エンジン取り外し。分解。部品修理。再組付け。
艇長:マックス 補助:整備兵 機関室:ジェフ+整備兵 見張:アンナ+整備兵 
低速で脱出。大発などとすれ違う。
日の丸で偽装しているから、撃てない。交戦規定違反。
駆逐艦が哨戒している。
沖合に大型船。甲板にパラソル飛行機多数。大型カタパルト2基。
放置すれば、PBY2が墜とされる。
米国旗掲揚。20Knt。2本を航空機輸送艦。転舵して肉薄、2本を駆逐艦。
魚雷は深度固定(3m)
4本とも不発。
これも神様の思し召し……か。
駆逐艦から機銃応射。船尾(機関)破壊。見張1人は戦死。ジェフは重症。
立往生。降伏せざるを得ない。

※処刑と生き地獄

夜が明けてから、全員島へ戻される。
アンナ以外は、その場で処刑。銃剣刺突。
海岸の樹木。アンナ(のみ全裸)を大の字磔。その左右に、生き残り4人。
歩兵のみ。各分隊から1人で、80にん。5人ずつ。1人は小銃無しでフルチン。
仲間が銃剣で刺されるのを見ながらおかされる。勃起させるのが一苦労。挿入のみで『留め』は不要。
10人くらいで絶命。16完遂。
アンナは磔から解放されて連行。彼女の地獄は、これから始まるのだった。
========================================

コラ
この画像では日米が逆転しています。あくまでも構図/イメージですので。

 小説の書き始めは、最初の1行で読者を引きずり込むのがbestですが。
 いきなり、全裸磔鞭打ちとか、トースト咥え登校中鉢合わせとか、空中火災脱出とか、クライマックス倒叙とか……でなくても、いいのです。とはいえ。

 1942年3月。フィリピン最後の防衛拠点であるコレヒドール要塞の陥落を目前に控えて、マッカーサー司令官は魚雷艇でフィリピンを脱出した。8隻の魚雷艇うち区隊4隻は、これまでの補給地をオーストラリア防衛の最前線にするべく、バンダ海に浮かぶウェルタ島へと向かった。しかし、日本軍の進撃はとどまることを知らず……

 と、状況説明から始めて、それで読者を惹きつける力量……なんて、ないです。困っています。
 最後はアジの開き直りです。もともと、SM小説を書き始めたのは「読みたい作品が無いから俺が書く」でした。つまり、好きなように書きます。

追記
 まあ、架空戦記ですから。魚雷艇が1区隊4隻てのも、駆逐艦部隊からの連想にしか過ぎませんし。
 だから、日本軍の増援部隊に二式水上戦闘機があっても、かまわんのですが。史実では、二式水戦の量産開始は1942年7月だったはずですし。ゼロ戦と同じで、量産試作を実戦投入てのも、アリかもしれませんが。
 やはり、陸軍としては仇敵海軍の力を借りたくないでしょうし。ということで、信州丸と91式戦闘機にしました。こんな局地戦に虎の子を投入するかというと、これまた苦しいところですが。
 

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Progress Report Final:裸族の性人儀式

Progress Report 1 →


 終盤のあはーぶオシオキが、意外と盛り上がらずに終わってしまいました。
 途中でヒロインが「ヤラセ」に気づいてしまって、あまりジタバタらなかったのです。プロットでは、最後までヒロインが
あはーぶオシオキを本物と思い込んでいる予定でしたが、書いているうちにそうなったのです。これも、まあ、登場人物がプロットにない行動に出た例ではありますが……必ずしも盛り上がる方向へは発展しないという勉強になりました。

裸族(fake)

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8.処刑

 まだ夜が明けきらないうちから、広場に人が集まり始めた。
「スリーガールズ、エグゼキュート! カムアンドルーック!」
 カタコト英語をしゃべれる数人が、コテージのドアをノックしてまわる。寝ぼけまなこをこすりながらのそのそと姿を現わす客もいれば、とっくに着替えていてスマホと百ドル札を握って飛び出してきた者もいた。気乗り薄な一夜妻を(部族の者に見咎められない範囲で)強引に同伴させる客も。ただ性人儀式を見物するだけが目的だった観光客は昨日のうちに引き上げているから、残っているのは二十人ほどに過ぎない。しかし、彼らを押し包むようにニャノミの男女(老と幼は見当たらない)が五十人は集まっている。
 一昨日と同じように、三人から五メートルほど離れた位置に槍でバリケードが張られて、今日はAV撮影チームも向こう側へ押し戻された。
 梢恵と美咲の前に、それぞれ丸太が運ばれた。直径は五十センチより大きいくらいで長さは二メートルほど。
 二人は磔から下ろされ、両手両足で丸太を背中に抱える形で縛り付けられた。肩と尻と内腿が樹皮にこすられてチクチク痛いけれど、縛られている手首に体重が掛からないので、磔よりはずっと楽だった。
“Two girls commit Taboo first time.”
 例によって、長老が観客に説明をする。
“Taboo clean into water. ”
 水で清められるという意味だろうと、梢恵は推測した。聖水プレイなんて言葉を連想したのは、AVチームのカメラを意識しているせいだろうか。
“Twice commit gilr no mercy. She will execute. ”
 長老がフロルを指差して、重々しい声で宣告した。
 何を実行するんだろう―― executeが死刑を意味するとは知らない梢恵だった。
 フロルも磔から下ろされて。両手を頭の上で縛られた。地面にあお向けに寝かされて。
 フロルを磔にしていた二本の樹に青年たちがよじ登って、てっぺんに太い蔓を縛り付けた。数人がかりで蔓を引っ張ると、樹が弓状にしなる。
 左右の樹から伸びる二本の蔓の端が、フロルの足首に結びつけられた。地面に太い杭が打ち込まれて、杭とフロルの手首とが蔓でつながれた。
 ニャノミの青年ふたりが蔓の張力を矯めながら、ゆっくりと手を放した。弓状に曲げられていた樹が元の姿に戻ろうとして――フロルを宙に吊り上げた。手首と杭とをつないでいる蔓が、ピインと張った。蔓とフロルの脚は一直線になって、深いV字形を描いている。もしも手首を縛っている蔓がほどけるなり切れるなりしたら――二本の樹はフロルを左右に引き裂くだろう。
 それまではおとなしくあはーぶ(オシオキ)を受け容れていたフロルの顔が、恐怖に引き攣った。
“No...”
 叫びの形に口を開けて、しかし悲鳴は呑み込んだ。頭をねじって、見物客を見回す。その視線が、ぴたっと止まった先には――サマースーツをきちんと着こなした屈強な四人の男たちの姿があった。杖を突いた老人が、その中心にいる。
 フロルが、ひたと老人を見詰める。
 老人もフロルを見詰めて目をそらさない。
 フロルの表情がぎこちなく動いた。微笑とも絶望とも、梢恵には判別がつかない。もしも梢恵がフロルの全身をくまなく観察していたら……股間のかすかな絖りに気づいていたかもしれない。気づいたとしても、それが祖父への献身だとは想像もできなかっただろうけれど。
 フロルにとっては、この処刑は――格闘術に長けた年配のドミナに半殺しにされることと変わりは無いのだ。そして、ぎりぎりのところで安全が保障されていると、それを信じて疑わない。
いや、この話においてフロルは、梢恵と美咲のダブルヒロインを高山社長のシナリオに沿って、当人たちが心の奥底に秘めている被虐願望を満たしてやる案内人であった。
フロルについて詳しく知りたい読者は
『SMツアーEpisod 4:プライベート・リョナファイト』を購読願いたい。
 フロルを地上につなぎとめている蔓の横に、ニャノミの青年が手斧を持ってひざまずいた。
 長老が右手を高く掲げた。
 これから始まろうとしている惨劇を、買春客もニャノミの野次馬も、固唾を呑んで見守っている。制止の声は聞こえない。まさかという思いもあるし、少女の無残な死を期待する鬼畜変態も買春客の中には混じっているだろう。
 梢恵と美咲も、首をいっぱいにねじってフロルを見詰めている。ふたりは、これが『股裂きの刑』だと理解できていない。それでも……
“Execute!”
 長老が手を振り下ろすと同時に、手斧が杭に叩きつけられた。
 ぶっ……蔓が切断されて。
 ばさささっ……と、葉が風に鳴って二本の樹が跳ね上がる。
“Cyawahhh....!!”
 逆さ吊りのまま、甲高い悲鳴とともにフロルの裸身が空中高く舞い上がって……
「も゙お゙お゙お゙お゙っ……!」
「ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!」
 梢恵と美咲が、フロルよりも大きな声で叫んだ。
 一瞬でフロルの両脚は百二十度以上に引き裂かれて。そこで止まった。蔓がピインと張りつめて、しかし、それ以上には樹が起き上がらない。フロルの両足首は一メートルほどの蔓でつながれていた。正確には、フロルの足首と樹をつなぐ蔓に、一メートルほどの太い蔓の両端が固く結びつけられていた。これでは、どんなに樹の反発力が強くても、フロルを引き裂くのは不可能だ。最悪でも、フロルの片足が蔓からすっぽ抜けるだけだろう。
“Wohhh...!”
“Fuuuh...!”
 見物している群衆から安堵の息が吐かれた。
 フロルの逆さ吊りの裸身は、一直線になった蔓の張力と樹幹の弾力とのはざまで、まだ上下に揺れている。
 そうか。これも求愛のダンスと同じなんだ――梢恵は、そんなふうに理解した。
 ふだんはジャングルのあちこちに分かれて棲むニャノミが、儀式のための広場に集まって、近親婚を避けてカップルを作る。その儀式が、観光客を受け容れるようになって、だんだんと買売春の場に変わってきたように。もしかしたら、昔は本当に厳罰に処していたかもしれないむいこ(タブー)へのあはーぶ(ショバツ)も、今ではショーに堕しているのだろう。
 自分たちも、そんなにひどい(すくなくとも命にかかわるような)ことはされないだろうと安心して――梢恵は、内腿の生温かい感触に気づいた。処刑の瞬間の恐怖か、その直後の安堵か、そのせいで失禁していた。
“At last. Two shame into walter.”
 宙吊りのフロルに背を向けて、長老は梢恵と美咲を指差した。
 ニャノミの男たちが二人一組になって、丸太を持ち上げた。
「んぶううう……」
 これから何をされるかよりも、粗相を見られる羞恥が先に立った。
 しかし男たちは太腿を伝う雫には目もくれず、丸太を肩に担ぎ上げた。長老の先導で広場を出て、河へ向かう。
(あ……?!)
 梢恵は、長老が“into walter.”と言っていたのを思い出した。水……丸太に縛り付けられている理由が分かってきた。フロルの両足をつないでいた蔓と同じなのだ。河へ投げ入れられても浮かんでいられるように……。
 梢恵は、わずかに安心した。自分がバラストになって、丸太の反対側が水面に浮かぶのではないかとまでは心配しない。もっとも、梢恵よりはニャノミのほうが心得ている。丸太は熱帯雨林特有のとくに軽い樹種が選ばれていて、水に浸かる側には鉄骨が巧妙に埋め込まれている。したがって、全体の重心は(梢恵を含めても)丸太の中心よりも下側になっていた。
 四人のニャノミが担ぐ二本の丸太のすぐ後ろにAVのカメラが続き、その後から買春客を主体とした三十人ばかりがぞろぞろとついてきている。///1st
 梢恵と美咲が運ばれたのは、観光客を乗せたモーターボートが発着する桟橋だった。早朝なので、まだ迎えの船は来ていない。
 河に突き出した桟橋に、梢恵と美咲を縛り付けた丸太が並べられた。ビデオカメラが寄ってきて、ふたりを順にクローズアップしていった。カメラの向こう側の顔は、まるきり無表情。梢恵もラナも赤の他人。そう言っているように感じられた。被写体としてだけ見られている。それが、なんとはなしの安心につながってくる。
 けれど。ニャノミの男たちが腰をかがめて横から丸太に手を掛けて。ずずっと桟橋から押し出し始めると、一気に恐怖があふれてきた。
(ピラニアとかワニとか……)
 河にひそんでいるんじゃないだろうか。
 おおいかぶさっている男たちの顔がぐらっと揺れて、見上げている空がくるんと回って。
 ざっばああん……!
 丸太の下敷きになる形で水面にぶつかった。とっさに息を止めて……薄茶色の水に包まれて。このままの姿勢だと溺れてしまう――そう考えたときには、顔が水面から出ていた。
「ぶふう……げふっ」
 蔓で口を割られているので、口の中は水であふれている。それを吹き出して、鼻からも息を吹いて、ゆっくりと深呼吸。
 顔を起こしてあたりを見回すと。もう、桟橋は五メートルくらい遠ざかっていた。桟橋がゆっくりと回っている――のではなく、丸太のほうが動いている。すぐ後ろに、美咲の丸太が見えた。梢恵とは反対向きに回転している。
 丸太は流れに沿った向きに落ち着く。足のほうを前にして、流されている。空が、やたらと青い。だけでなく。
(…………?!)
 いかついシルエットのヘリコプターが、頭上で音もなくホバリングしていた。たしか、桟橋に転がされていたときには、見掛けなかった。それとも、気が付かなかっただけだろうか。
 たしか、自分たちの安全を見張ってくれているんだった。けれど、ほんとうに見張りだけらしい。もっと低空まで下りてくるとか、丸太を吊り上げる準備をしているとかの動きは見えない。
 十分だろうか三十分だろうか。どこまでも流されていく。首をひねっても真後ろまでは見えないから、美咲が同じように流されているかも分からない。
「いあいいい!」
 叫んでみたらすぐに返事が返ってきた。
「おおい……!」
 おしゃべりでもしていたら不安も紛れるけれど、呻き声じゃ気休めにもならない。
 ぶおおおおおお……
 エンジンの音が急速に近づいてくる。波を蹴立ててこちらへ向かってくるモーターボートの姿が見えた。観光客をいっぺんに十人二十人と運ぶ大きなのではなく、梢恵たちを運んでくれた小さなやつだ。
 モーターボートは接近すると、丸太を避けて進路をすこし変えて。
 ぶおおおおお……
 あっという間に通り過ぎてしまった。乗っていたのは、日本語通訳のエリクだけだった。
 なぜ無視されたんだろう。不安が膨らみ始める。じわっと恐怖が忍び寄る。けれど、ヘリコプターが見えているから、パニックになったりはしない。
 モーターボートが通り過ぎた理由は、すぐに分かった。
 ぶおおおおおお……
 引き返してきて、エンジンを止めて、丸太と並んで漂い始めた。AVチーム全員を乗せている。カメラが、こっちを狙っている。そして。
 ドルル……ぶおおおおお……
 エンジンを掛けて、最初に来た方角へ走り去ってしまった。
 置き去りにされても、そんなに心細くならなかった。きっと、モーターボートは梢恵たち(も、観光客も)が出発した拠点まで戻ったのだ。このまま流されて行けば、梢恵たちもいずれはそこへ流れ着く。そこで救出してくれるのだろう。
 まったく安心しきっているわけではないけれど。冒険の旅もいよいよ終わりに近づいたのだと、それを信じたい気持ちで、さらに何十分かをながされて行った。
 心配していたワニは、河岸で寝そべっているのを見かけるけれど、わざわざ追いかけてこようとはしない。丸太が大きいから、手に余る獲物だと判断しているのかもしれない。ピラニアかどうかは分からないけれど、ときどき魚が水面で跳ねている。こちらも、近づいてくる気配はなかった。
「おおーい!」
 聞き覚えのある声で呼びかけられて、やっぱりという思いはあったけれど、最後までわだかまっていた不安が消えたのは事実だった。
 エンジンを絞ったモーターボートが近寄ってきて、梢恵を縛っている蔓に、長い竿に取り付けられたフックが掛けられて、桟橋ちかくの浅瀬へ運ばれた。AV男優のふたりが蔓をほどいてくれて、待合所のような建物へ連れて行かれた。
「お帰りなさい。ちょっとお肌が荒れたわね」
 出迎えてくれた菜穂子の挨拶に、ふたりは戸惑う。ちょっと荒れたくらいじゃない。全身鞭痕だらけ。何時間も縛られていた跡も、くっきり。
 もちろんふたりは、かつて菜穂子がポニーガール牧場で使役ロバとして虐待されていた経緯など知らない。菜穂子の基準では梢恵と美咲の受けたあはーぶ(オシオキ)なんか、ソフトプレイでしかないなんて、正面切って言われたとしても――菜穂子を尊敬する気にはならなかっただろう。
「それじゃ、最後の絡みを撮るぞ」
 男優二人と女優二人とが、梢恵と美咲を取り囲んだ。大型モーターボートの乗組員らしい三人の男たちがたむろしているのだが、そんなことはお構いなし。男たちも、事情を説明されているのだろう。カメラの邪魔にならない隅っこへ移動して――無料のライブショーが始まるのを待っている。
「まだ……するんですか?」
 美咲が、うんざりした声をあげた。
 どうにもできない状況だったとはいえ、この人たちには見捨てられた、災難を利用された――そんなわだかまりが、無くもない。それに。昨夜からの(ふたりにとっては)過酷なあはーぶ(オシオキ)の後で、雰囲気からすると六人入り乱れての乱交みたいだけれど、それでもフルコースで満腹しているところへお茶漬けを出されるようなものだ。
 そんなふたりの思いを無視して、監督がオチをつける。
「スタッフ一同でおいしく頂きましたってやつさ」
========================================

 さて、気を取り直して。表紙BF丁稚揚げて、校正をすませて。
 来週からは次作にとりかかりましょう。
 ヒロイン戦記(連合軍×海)の予定です。『雷跡果てるとき』(仮題)


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Progress Report 1:SMツアー『裸族の性人儀式』



Progress Report 0 →


 執筆に専念(せいぜい充念くらいですが)するとブログの更新が遅れる。ブログを更新するには執筆してネタを作らねばならない。ホコタテです。『お気に入りの写真』とかのストック記事で穴埋め(きゃああ、エッチィ♡)したりするわけですが。

 執筆の方は、父母(チチとして進まず、ハハ……)でもがきながらも、後半に差し掛かりました。といっても全部で百数十枚予定ですから、分量は、まあ、その、あれじゃよ。

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4.不浄

 一夜が明けて、いよいよ儀式の当日。儀式は午後からだが、狩猟や採取あるいは手仕事を休んで、広場は昨日よりずっと賑やかだった。小さな台の上に木彫りのペンダントや人形を並べて、観光客相手の商売をする者もいる。
 祭りを控えて浮かれた雰囲気というのは、文明も洋の東西も越えて人類共通だった。
 ところが。
「だむやくろ!」
 男の引きつったような叫び声が起こった。目の前にいる少女を指差している。
「おおお……」
「だむやくろ! なじじ!」
「きゃああ、だむやくろ」
 女の悲鳴も混じっている。
 たちまち少女のまわりに人が集まって、響きから推測して非難の言葉を浴びせる。
 梢恵と美咲も、騒ぎに巻き込まれてはいけないと思いながら、足を止めてそちらを見てしまう。
 フロルだった。立ちすくんで、股間に手を当てて、はっとした表情であたりを見回す。フロルの股間から内腿にかけて、赤く染まっていた。
 長老が老体に鞭打って駆けつける。
「いばばひょ・・・・・・」
 早口でまくしたて、フロルに指を突きつけた。
「あはーぶ!」
「さまはに、しくおな」
 フロルが謝罪する。が、両側から男に腕をつかまれて、広場の奥へ引きずられた。
 フロルの両手両足に太い蔓が巻きつけられ、三メートルほど離れて立つ二本の喬木に結びつけられた。フロルはX字の形で磔にされた。足は地面に着いている。
 フロルの腰を巻く帯が剥ぎ取られ、足飾りも取り去られる。フロルは抵抗せず、されるがままだった。
 突然の騒ぎに、観光客も集まってくる。その中には、杖を突いた老人も混じっていた。だけなら、老いて益々盛んなのか色惚けなのかはともかく、梢恵も美咲もあまり気にしなかっただろうが。サマージャケットのボタンをきっちり留めた男四人が老人を取り囲んでいるとなると、ひどく目立つ。
 しかし、注意がそれたのは一瞬のこと。
“Girl contaminate ceremony blood. Girl will be clean.”
 長老が声を張り上げて説明するのを聞いて、二人の関心はフロルに引き戻された。
 いつの間にか、大型のビデオカメラが人垣の前にしゃしゃり出て、フロルにレンズを向けている。その前に中年の男が立ちふさがった。昨夜は世話役を務めていたうちの一人だ。カメラの斜め後ろに立つ監督に向かって右手を突き出す。
「マネー、マネー。ワンサウザンド」
「ウィーハブ パーミッション トゥ テイク ムーヴィー」
「マネー、マネー。ワンサウザンド」
「ツーエクスペンシヴ」
 監督が負けず劣らずのブロークンで交渉を始めるが、言葉が通じなければどうしようもない。長老も首を横に振るだけで、取り合わない。結局、押し切られてしまった。
 ほかの世話役も観光客を見回して、カメラやスマホを見つけると『ワンハンドレッド』。商業的な撮影と個人的なそれとの区別がついているのか、それとも機材の大きさで判断しているのか。
 フロルの横に、水を張ったバケツが置かれた。若い男が、束にした蔓を持って、フロルの前に立った。蔓を水に浸して――フロルの股間を、掬い上げるように打った。
 バシイン!
「きゃああっ……!」
 赤い水しぶきが飛び散って、フロルが悲鳴をあげる。
「さまはに。にはて・・・・コテージ」
 哀願は無視されて、二発三発と蔓の束が股間に叩きつけられる。
 十発ほどで、経血はきれいに拭い去られた。股間から内腿にかけて、赤黒い線条が無数に走っている。フロルは頭を垂れ膝から力が抜けて、半ば宙吊りになっている。
“Girl is clean. But will be punish.”
 別のバケツがフロルの前に置かれた。ばしゃんばしゃんと水が跳ねている。
「あああ……さまはに、にさめへ」
 フロルが懇願する。しかし、諦めているのか言葉は弱い。
 肘まである分厚いゴム手袋を嵌めた男がバケツに手を突っ込んで、太い蛇のような生き物を取り出した。
“Electric eel.”
 AVのビデオカメラが、ぐっとフロルに近寄った。他の観光客は、ニャノミの男が水平に寝かせた槍に阻まれて、その場から動けない。これも、千ドルと百ドルの違いだろう。
 開脚した股間と電気鰻。これから何が始まるか、梢恵と美咲にも明確に予想できた。
「生理を不浄だと考えるなんて野蛮……」
 つぶやいて、梢恵は思い知る。裸族が野蛮なのは当たり前だ。
「でも……フロルさん、かわいそう」
 美咲も、それ以外に言葉がなかった。
 フロルはひきつった表情で、自分の股間に近づけられる電気鰻を凝視している。
 電気鰻の頭が、淫裂に隠れた。
「ぎゃああああっ……!」
 絶叫がフロルの喉から迸った。反射的に腰を引いたが、男の手が追いかけて、電気鰻は挿入されたまま。さらに、ずぶずぶと押し込まれていく。
「ぎひいっ……がはっ……ひいい……」
 フロルの腰が激しく痙攣する。悲鳴が短く途切れるのは、電気鰻が放電してから蓄電するまでに数秒の時間を要するからだろう。
 電気鰻が体長の半分ほども押し込まれたところで、フロルの頭がガクンと垂れた。
「さわ。びんてぃぶら・・・・」
 長老が右手を挙げて、重々しく宣した。
 電気鰻が抜き去られて、フロルは磔から解放された。膝から崩れ落ちかけるところを二人の男に抱き止められて。そのまま、森の奥へ引きずられて行った。
“Dirty girl arrested in cottage.”
 捨てられたりするのではなく、たぶん森の奥にある小屋に隔離されるだけらしいと分って、ふたりは――まるでずうっと呼吸を忘れていたみたいに、大きく息を吐いた。
========================================
こうず1紹介画像

 この段階では、ニャノミ語を平仮名表記していますが。二人のヒロイン(おおむね梢恵[=ラナ]視点になります)がカタコトを話せるようになると。
さわ。みみ、じまイエス ワタシ オトナ
みたいな表記にします。

アフィリエイトのキーワードは『裸族』です。



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Progress Report 0:SMツアー『裸族の性人儀式』

  SMツアーは2014年に着想したのですが、その時点で構想していたストーリイは、これで打ち止めです。
 『
誘拐と凌辱の全裸サンバ』だけは、2016年に追加しました。

 しかし、『全裸サンバ』のおかげで『性人儀式』のプロットを大幅に変更せざるを得なくなりました。
 だって、舞台が同じ南米ですよ。
 『
全裸サンバ』で、予期せぬアクシデントに見舞われたのですから、その対策もせずに『性人儀式』ツアーを出発させたりしたら危機管理もヘッタクレもあったものじゃありません。日本の外務省あたりは、やらかすでしょうけどね。
 そこで……デウス・エキス・マキナの登場です。作中固有名詞は「ブレイカー老」。
 『
プライベート・リョナファイト』の車椅子老人、実は裏社会の大物です。
 さらに、ブレイカー老の斜め上(別組織だが、格としては上下がある)には、「ドン・ガストーニ」がいます。
 この二人を絡めて、どういうふうになったかというと。


 まずは、初期設定当時のPLOTです。

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裸族成人祭(8月)麻凛は海女体験、詩織は静養中

  高山
  田中梢恵(14):ラーナー/レズカップル
  宮田美咲(13):ラーニー
  AVスタッフ5名、女優2名
・昨年秋に申込。拒絶したが、熱心。他のツアーに参加して迷子になってやる。それくらいなら。
 エイズワクチン治験薬入手。グロブリンとの併用。子供ツアーの企画。15人に正規添乗員3人。
 プール授業に合わせて全身日焼け。生理調整。
 遺跡見学のとき、体調不良で2人がホテル待機に高山付き添い。
・ヘリとボートで。正規参加5人、二度目以降8人、+2人。合計15人。観客100人。
 AV撮影にぶつかる。むしろ逆手に。
・AV女優も加わってのダンス。正規参加者は部族の男性とペア。抜ける。AV女優は部族男性とペア。
 少女だけのダンス。観客が長老と交渉。成立するとパンツひとつで買った少女の横に。あるいは客の持ち物を借りた部族男性。
 高山の差し金で長老がスタッフを2人に。
・女優と部族男とのSEX。堂々の撮影。生唾の3人。
 2人の番。裏AV用。同時に。フェラチオから破瓜。痛いと叫んでばれる。
 シナリオ変更。なぜ、こんなことを? 尋問。緊縛してローター、電マ。
 名前を明かさないことを条件に。レズカップル。レズ撮影。
・翌朝、高山の迎え。AVクルーと目顔で挨拶。
 少女たちは恍惚から醒めていない。高山は満足。

12月に申込み。年開けて契約。
高山からAVに企画提案。アゴアシ付き。
裏AVは高山のルートで。

========================================

時期設定からして、辻褄っていません。
 『プライベート・リョナファイト』が8月あたりで、『誘拐と凌辱の全裸サンバ』が2月末頃です。
 ということで、卒業旅行に変更しました。
  作り変えたPLOTは……

とりあえず

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時差 12時間

日本時間3月18日午前4時
 オフィス。入電。英語。
 ラナとラニ、現地着。
 ラナ:田中梢恵  ラニ:宮田美咲
 現地入りすれば、ひと安心。
 ミャノマ族のテリトリーには、ゲリラも立ち入らない。
 全裸サンバでの事件。SOS overseas 中止。
 裸族は実施が迫っていた。最年少案件だからこそ。
 南米なら、ドン・ガストーニのテリトリー。
 護衛依頼は、50万ドル吹っ掛けられて断念。
 翌日に、老から連絡。
 ツアーに孫娘を入れろ。無理を言うのだから、45万ドル。実質護衛費用5万ドル。
 利益を出すつもりだった裏AVで賄える。とんとん?

到着
 中南米古代文明探訪ジュニアツアー
 2日目から別行動。ツアコンは、木島菜穂子(39:元外資系企業の総合職)。
 空港→汽船(6時間)。午後4時。
 外国人観光客は、ヘリと高速ボートの乗り継ぎ。
 攻撃ヘリ2機が、着岸まで(こっそり)エスコート。
 部族の案内役に引渡し。ツアコンは、高速ボートでヘリ中継地へ戻る。攻撃ヘリの護衛。
 裸族の扮装。タンニング。
 処女は腰帯が白⇔赤。恋人いないので足飾りも白⇔青。顔の線刻化粧も違う。
 二人は、白白。現地少女ぽくボブ。
 ハーフ、クォーターもいる。
 ひときわ白人ぽくて髪の長い、幼い娘。フロル。赤青。
 車椅子老人、スーツ×3人。キャンピングトレーラー(どうやって搬入?)。衛星通信アンテナ。
 少女たちから言葉を教わるふたり。
 表記規則
 日本語:普通に明朝体で。
 英 語:Discript in English
 現地語:・・・ワカッタ・・コトバ・・・
 夜は、なにも起きない。

 ※白人ぽい娘というのが、ブレイカー老(車椅子老人)の実の孫娘にして愛奴のフロルです。
  詳しくは『プライベート・リョナファイト』を参照してください。

前日
 主として買春品定め客が到着。
 高額でコテージ。キャンプ持ち込みも。
 AVクルー7名は、最大コテージ。媾合の大部屋よりは狭い。
 監督(男優)、カメラ、アシ(男優)×3、メーク(女優)、女優
 言葉を習いながら、あまりうろつかない(人目を引かないよう)。禁忌も教わる。
 でも、露出願望は満たす。
 肌の色と顔の化粧で大丈夫。
 集落(300人)の娘15人、周辺集団から20人。初めて儀式に臨むのは9人+6人。
 フロル、ラニ、ラナは周辺集団扱い。

不浄
 フロル、太腿に血。部族の娘が騒ぐ。男どもも聞きつけて糾弾。
 清めの儀式。二本の樹の間でX字。
 乾燥させた蔓を割いて結んで縄にした束を水に浸して、メコ筋打ちで血を洗い流す。
 電気鰻の幼魚。数カ所に鎖で地面に。鎖を握って操作。挿入、縄で固定。鎖を引き抜く。絶叫。悶絶。
 新しい縄で褌。不浄小屋に軟禁は、陽が沈むまで。夜は縄褌で外を歩いてもよい。ふつうは出歩かない。

破瓜
 最初に、混血ぽい娘を除く26人と同数の青年とで、撮影用ダンス。本番は撮影禁止。
 第一陣は、処女ばかり17人(ラナ、ラニを含む)。
 少女一列。前から順にひとりずつ婿選び。同意なら、男の差し出す花を髪に挿す。
 立候補複数(少女の両側あるいは、さらに)なら少女が選ぶ。男同士の闘いもあり。
 一部の買春客も参加。相場は5千ドル。
 全員の婿が決まったら、腰を抱き合って二列縦隊で。
 第二陣は非処女20人。
 ダンスで買春交渉。基本は長老が割り当て(1千ドル)。
 少女が花を拒んだら第二候補。実際には起きない。
 買春客は13人だけ。あぶれた少女7人は、部族の男性(トウの立った奴も)。

 ラナとラニは、部族のイケメン若者。
 媾合は陽が落ちてから。
 買売春は、客のコテージで。テント組は、買春できない。
 裸族カップリングは、伝統様式の大部屋で。
 部族の男は、早い。前戯もろくになし。処女は泣き叫ぶ――のが、仕来り。
 生中出し(買春組も)。
 ラナもラニも夢破れて参加のみ。明日の客とのカプリングに望み?
 相手に抱かれて……寝付けない。

AV
 撮影隊。女優と部族青年の絡み。フェラ拒まれて、即ハメのみ。絵にならない。
 フロルが翻訳機を使って売り込み(500ドル)。カタコト英語⇔日本語。小学校教育を受けていると自己紹介。
 見つかったら厳罰。夜だから見て見ぬ振りもある(と、説明)。
 ホンバン不可。血まみれ性器接写。男優にフェラ。
 蛇を持参してスネーク・ショー。弱毒(嘘)だが、現地民は幼少時に咬まれて免疫。
 明日も(電気鰻持参で)来いと言われて。

禁忌
 儀式2日目。当然、全員が赤の腰帯。足飾りはマチマチ。少女は希望者のみラナ&ラニ含めて28人。
 ラナ&ラニには、男優が割り当てられる。イケメンはだけど、日本人。肥満狒々親爺よりは、いい?
 コテージにはフロルが先着している。生理は終わった。実は粘膜と同じ色の生理ディスク。
 ラナ&ラニ。フェラは拒む(掟)。ノーマルにねちっこくで、クリ逝き。
 スタッフが、わざと日本語で相談。絵柄が乏しい。電気鰻。
 ラナが先に。押さえつけられて、ゴム手袋で鰻。現地語もどきで通じない。
 直前に「イヤアッ! やめてえ!」
 「やっぱりな。おかしいと思っていた」
 電気鰻がイヤなら、フェラその他。
 フェラの後でレズ。フロルが興味を持った振りをして――△巴。
 長老が踏み込む。フロルの姿がずっと見えないので探していた。 


処罰
 3人とも厳しい鞭打ち。
 ラナとラニはバルサの丸太に縛り付けられる。下側には意志を数珠繋ぎ。
 フロルの処刑。2本の樹木を交差させてたわませて、足首にロープでつなぐ。
 人体引き裂きに見えるが、両足首を1mのロープでつなぐので。
 わざとっぽい命乞い。空中高く跳ね上げられて、本物の悲鳴。宙ぶらりん。
 ラナとラニは川へ放り込まれる。流されていく。
 しばらくするとボート。撮影ばかりで助けてくれない。船着き場で引き上げられる。菜穂子もいる。
 この後、スタッフ一がおいしく頂きました。いちおうの〆。


日本時間3月22日午前6時
 無事終了の連絡。
 あとは、傷の養生と、肌の色を戻して(4日くらい)。
 二人のスマホに、アリバイの画像(ツアーのみんなと記念撮影とか)を入れれば完全。
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 場所は南米の北部としか書かないし、部族名も実在のヤノマミではなくミャノマンです。
 問題は、日本語(地の文、ヒロインとAV撮影隊)と英語(案内人とかフロル)と現地語の書き分けです。
 上記PLOT中の形にする予定です。


 

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:幼な妻甘々調教

 ふわあ。やっと脱稿しました。
 9月1日発売「The Nightmare Rift」の記事も書かなきゃまらないし、出勤しなけりゃならないし。
 表紙絵のアップでお茶を濁しておきます。
 10月1日発売予定です。

紹介画像

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 5:幼な妻甘々調教

 なかなか進みません。
 (物語中で)新居に引っ越してから、せっかくプレハブの拷問蔵を作ったんだし、SM愛好会のメンバーにも新妻を貸し出す予定とか、最初のほうで書いていますし。急遽、そのシーケンスを追加したり。
 まあ、3/4は過ぎて、駆け足にならずに&だれずに&(濠門長恭作品全体で)新規な責めも案出して――8月いっぱいはかからないでしょう。
 今回は、花電車特訓のシーケンスなど。
 ほんと、筆者はこれが好きですね。『ピンク海女(海女被虐花)』でも、『大正弄瞞』でも、『ママと歩むSlave Road』でも、書いています。他にもあったかも。


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花電車芸

 週が明けると、睦菜の花電車芸の特訓が始まった。
 水曜の朝に家を出て、その日のうちに谺(こだま)日花里(ひかり)の巡業先まで行き、同じ宿に泊まって深夜に教わる。翌日は、十時から昼まで教わり、楽屋へもついて行って、ストリップ芸の見学をしながら、ストリップ嬢の使い走りにも使われる。日花里の気が向けば(というか、他のストリップ嬢がけしかければ)、楽屋でも特訓を受けて。小屋がはねた深夜に、また教わる。
 金曜は、朝の教授を受けてから帰途に就く。
 五年前に東京から新大阪まで新幹線が通って、日本もずいぶんと狭くなった。北陸や九州となると、旅客機だが。
 睦菜ひとりきりの旅路といえども、服装を甘やかしたりはしない。ノーブラノーパンで、素肌にまとうのは股下三センチまでのミニスカートか、パンティよりも面積の少ないショートパンツ。上は臍の上で裾を結んでボタンをはずたしたブラウス。秋だから長袖は許したが、破廉恥きわまりないファッションに変わりはない。しかし、隠すところは隠しているから、警官だろうが車掌だろうが、文句はつけられない。
 未成年と疑われて補導される懸念にも手は打ってある。簡単な筆記試験だけで取れる原付自転車の免許証と、戸籍謄本とを持たせてある。これで、外見がどんなに幼くても、睦菜は法律上の成年と証明できる。
 睦菜は、せめて菊枝の付き添いを懇願したが、可愛い子には旅をさせよ、だ。しかし、睦菜が不安がるのも無理はなかった。菊枝に付き添われて原付の試験を受けに行ったときなど、菊枝も似たような服装だったから、電車の中どころか試験場でさえもふたり揃って置換の餌食にされた。
「おまえに触らせるために尻を出してるんじゃねえよっ。アメリカはフロリダで流行中の最新モードでい。触りたけりゃ、金髪で青い目になってから出直しやがれ」
 まわりからたしなめられたのは菊枝のほうだったが、置換は退散したし、試験官も苦笑いしただけで済んだのだが。睦菜には、啖呵を切るだけの度胸は無い。
 とはいえ。サディズムやエキシビジョニズムの風雅を解さない馬の骨に睦菜を穢されるのも面白くない。そこで一計を案じた――というのは厳密には嘘で。とっくに、睦菜の独り歩きのための貞操帯を用意してあった。
 睦菜の趣味(レザークラフト)を活かして自身の拘束具を手作りさせる計画も実行に移しているところだが、財布やアクセサリーとは皮革の厚さが違うので手こずっている。金属環を備えた手枷と足枷とがあれば、鬱血や縄擦れの心配もなく、丸一日でもベッドに(でも、裏庭の地べたにでも)磔にしておけるのだが、それは早くても来春以降になりそうだった。
 だから、貞操帯は僕が作ってやった。
 腰のずっと下、恥丘を横切る高さで太い鎖を巻いて南京錠で閉じて、その鎖につないだ細めの鎖二本を後ろから前へ、胯間を通して南京錠でまとめる。こうしておけば、淫唇を触られるのがせいぜいで、指といえども挿入は不可能だ。小用くらいは足せるし、(下痢とかの)緊急事態にも、対応は不可能ではない。
 股の鎖を二本にしたのは、左右の負荷を均等にして、南京錠をまっすぐに落ち着かせるためだ。
 貞操帯の鍵は、僕と日花里だけが持っている。だから、鎖にどれだけ胯間を刺激されても、睦菜自身にはどうにもできない。列車のトイレにこもってクリトリスを自分で慰めるなり虐めるなりは出来るだろうが、睦菜は決してそんな真似はしないだろうと、僕は確信している。

 水曜の朝はいつもの通りに、超ミニスカートと裾結びブラウス姿の新妻に家の前の道路まで見送らせて、バス停へと向かった。いつもと違うのは、すでに鎖の貞操帯で胯間を締め付けていることだった。このままの姿で、睦菜はバスと電車と新幹線を乗り継ぎ最後だけはタクシーで、日花里が出演しているストリップ劇場へ向かうのだ。
 それと、もう一点。睦菜の髪形が変わっている。本人は菊枝のおとなっぽいショートヘアを真似たがっていたのだが、僕が許さなかった。睦菜が菊枝に懐くのを嫉妬したわけではない。それだけレズを仕込みやすくなるというものだ(ろうか?)。そうではなく、三つ編みお下げは、睦菜の年代でしか似合わないからだ。
 睦菜は昨日美容院へ行って、セミロングにしてきた。破廉恥な服装で、破廉恥な鎖を股間に食い込ませて、独りで無茶修行に出る勇気への褒美だ。ただし、幼い雰囲気を留めさせるために、お下げではないが、両側で髪を赤いリボンに括らせている。たしか、ツインテールとかいう、滅多に見かけない髪形だ。
――僕が夜に帰ってきたとき、家には誰もいない。菊枝も、三か月ぶりに羽根を伸ばしている。といっても、一夜だけのアバンチュールなど、男のナンパより遥かに難しいから、昔のネコを呼び出すか、あるいは男に対してはマゾだから、そちら方面の会員制バーを探訪して、ちやほや(と、びしばし)されるか。病気さえ持ち帰らなければ、僕の関知するところではない。
 そして僕はといえば。無任所課長というのは、帳簿に記載できないような費用が発生する場面のすべてに係わる役職でもある。ヤクザや総会屋との付き合いもあれば、闇ドル(三百六十円の公定レートに対して買四百以上、売三百以下)の仲介もある。不渡を出した経営者の細君や娘に高給の仕事を紹介することもある。睦菜のようなシンデレラ物語は盲亀の浮木もいいところだが。しかしヤクザの口利きよりは、銀行も本人も得をする。
 つまり、夜を独り寂しく持て余す暇などなかったということだ。というか。この三か月、睦菜にかまけていてドブが詰まり気味になっていたから、大車輪の力業を連発しなければならなかった。具体的な内容をここに書くのは――消されたくないので控えておくが。

 金曜日は、外で軽く食事をしてから帰宅した。団欒を挟まずに睦菜を絞りあげるためだ。
「お帰りなさいませ」
 睦菜と菊枝が玄関口で三つ指を突いて出迎える。菊枝は乳房を露出したブラジャーとバタフライを着けて、(割烹着は改めて)胸当付きエプロン。睦菜は素裸に短い腰エプロン。
 リビングで睦菜に手伝わせて、背広を脱いでネル生地のシャツと替えズボンに着替える。
「特訓の成果を見せてもらおうか」
 ソファに収まって、できるだけ楽しそうに命令する。実のところ、日花里から電話でつぶさに報告を受けているのだが、しかし百聞は一見に如かずというものだ。
「では……拙いながら、お目を穢させていただきます」
 口上も仕込まれている。
 睦菜はフローリングの上に新聞紙を敷いて、幅三十センチ強×長さ一メートル超の習字用の紙を広げた。横に長方形の刺身皿を置いて墨汁を注ぐ。
 なるほど――である。習字は、定番中の定番だ。綺麗な字を書くのは難しいが、むしろたどたどしいほうがエロいと僕は思う。
 睦菜が、大きな筆を刺身皿の横に並べた。
「まだまだ未熟で、ふつうの筆はうまく持てません。専用のお道具を使います」
 太い筆だ。軸は竹ではなく、木の棒を削って団子を連ねたような形になっている。これなら、抜ける心配がない。
 睦菜は立ち上がって脚を開くと、股間を僕に向かって突き出しながら筆を挿入した。和式便所にしゃがむ格好で筆に墨を含ませる。習字用紙を跨いで腰を落とす。腰を前後左右にくねらせて一文字を書き、後ろに下がって次の文字を書く。両手は腰に当てているが――文字通りに手持無沙汰だ。本番では、いっそ緊縛して、準備万端は僕が調えてやろうかと思案した。むしろそのほうが、僕がそばに付いていてやれば、睦菜も心強いのではないだろうか。
 演出を考えているうちにも、拙い文字が完成した。
 おまんこ
 これも定番。しかし、これだけでは一幕の演し物にはならない。観客からリクエストを受けて難しい漢字(薔薇とか鬱勃とか)を達筆で書けば、それはそれで見栄えするのだろうが。三か月で、そこまで到達するのは無理だろう。花電車とはいうが、睦菜は「どんな接待でも頑張る」と言った。いっそのこと『いっぱつ千円』とでも書かせてやろうか。チョンの間よりも安いが、それを睦菜に教えてやれば――ロハで抱かれるよりもいっそうの恥辱を味わうだろう。
「お粗末さまでした」
 睦菜が筆を抜いて正座した。
「見ている側としては、そういう卑猥な筆のほうが面白いな。細い筆はもっと難しいのだろうが……」
「来週は、漢字も練習します。それと……普通の筆にも、だんだんと慣れるようにします」
「うん。頑張れよ」
 なんだ、これだけか――というニュアンスを含んで、おざなりに励ましておく。いっそ、細い筆をアヌスに咥えさせての二刀流も面白そうだと、頭の中では考えている。
「それと……これは誰にでも出来るから芸とはいえないと、お師匠様もおっしゃっていたのですけれど」
 睦菜は書道の道具を片付けて、大きな木製の汽車をリビングの端に置いた。用事が乗ったり引いたりして遊ぶ玩具だ。後ろに二両の無蓋貨車を連結している。冷蔵庫からビール瓶を持って来て、貨車に載せる。もう一両のほうには、コップと栓抜。
 汽車の前につながれている引き紐に目玉クリップを結びつけて――それで、クリトリスを挟んだ。
「ポッポー。痛い痛い痛い……ポッポー」
 後ろ向きになって汽車を引っ張り始めたが、引き紐がピンと張っただけで、動き出さない。
「くうう……ポッポー」
 さすがに委縮しているクリトリスが、昂奮したときよりもずっと長く引き伸ばされて。ごろごろと、汽車が動き始めた。
「ポッポー、ポッポー」
 滑稽に振る舞っているが、これも日花里の仕込みだ。本格的な花電車芸が無理となれば、笑劇に仕立てようという目論見だ。しかし僕としては惨劇にするほうが好みだし、睦菜も安心して悦辱に浸れるのではないだろうか。
 リビングの中で大きく半円を描いて、汽車は僕の前で止まった。
「終点、終点です」
 睦菜は目玉クリップをクリトリスに挟んだまま、開脚して正座する。僕にコップを手渡して、ビール瓶と栓抜を手に持った。
「ほんとうは、栓抜を筆と同じように使うんですけど、まだ未熟ですので」
 普通に手を使って栓を開ける睦菜。酌を受けて、ビールを飲み干す。
「誰にでも出来るっていうけど、どうかしら」
 ソファの隅っこに、僕と並んで座っていた菊枝が首をかしげる。
「よほどのマゾじゃないと、できないんじゃないかしら」
「そんなことはないさ。縛りあげて乳に追い鞭をくれてやれば、どんな娘でも汽車を引っ張るに決まっている」
 その演出のほうが面白いと思った。ビール瓶を二両の貨車いっぱいに詰め込んで、宴会は畳の上だろうから――睦菜も「ポッポー」だなんて気楽なことを言ってられなくなるだろう。
「下の口で息をする練習もしているのですけど……」
 睦菜が遠慮がちに口をはさんだ。
「これは、まだ全然できないので……ビデオで観てください」
 妻が家事を取り仕切るのだから、ソファをテレビの前まで動かすのは睦菜(と菊枝)の仕事。そのあいだに、僕がビデオカセットをセットする。サイドテーブルにウイスキーと乾き物とさっきのビールを並べれば、妻の仕事は終わり。愛奴として縛ってやり、僕の足もとに侍らす。菊枝は僕の横に座って、睦菜の妬心を掻き立てるようにしなだれかかる。
 同性に対してはタチのサディスチンで、男に対しては従順なマゾ牝になるのだから――菊枝は重宝なだけでなく、使い勝手の良い女でもある。
 ビデオの最初のほうは、習字の練習。筆を咥えるまではすぐに出来たが、適量の隅を筆にふくませる腰の落とし加減を覚えるまでに十五分はかかっていた。文字を書くのは、さらに難しい。字がかすれたり、筆先を押しつけすぎて紙に皺を寄せたり。一文字を書いてから筆に墨汁を足して次の文字の位置にぴたりと腰を据えるのにもコツが要るらしい。『あいうえお』を一気に書き上げられるようになったときには、画面の端に映っている目覚まし時計で二時間が経過していた。
 汽車ポッポの芸は、最初からすんなり成功していた。
 その次が、下の口に空気を出し入れする練習。日花里のお手本は、たしかに芸だった。ラッパを鳴らすのはもちろん、ハーモニカを縦にあてがって『ひのまる』ドドレレミミレミミソソララソを(隣の穴の音が混じるのは仕方ないが)演奏してみせた。MOF接待の宴席での、ピンポン玉を吸い込んで飛ばす芸。吹き矢で三メートルほど離れた風船を割る芸。口上無しで淡々と披露されては、「へえ、凄いな」としか感想の述べ様がない。
 これらの芸の基本は、まさしく膣への空気の出し入れだ。
「腹式呼吸。胸でなく、お腹の筋肉を使って呼吸するの。男は自然としているのだけど、女は腰を締め付ける服装が多いから、どうしても胸式呼吸になるのよね」
 腹式呼吸で息を吐くときに膣の筋肉を連動させて空気を吸い込み、息を吸う勢いで膣から空気を吐き出すのだと、日花里が説明する。
「これができるようになると締まりも良くなって、それこそ『こだま』や『ひかり』くらいの乗り心地になるわよ。ま、若いあんたなら、素のままでじゅうぶんだろうけど」
 案外と、谺日花里も客を乗せることがありそうだなと――余計なことまで考えてしまう。
 それはともかく。そこらか先のビデオは、睦菜の下半身ではなく顔ばかりを見ていた。両手を後ろに突き、膝を立てて座り込んだ睦菜の股間すれすれに線香が立てられて。立ちのぼる煙を揺らそうと、あれこれ頑張るのだが。煙はまるきりたなびかない。睦菜は、大きく口を開けて息をしたり逆に口を引き結んでいきんでみたり、線香を見つめたり天井を仰いだり、太い眉を寄せたり。
 睦菜の眉は、手入れを禁じている。だから、化粧を知らない女子中高生にはよく見かける、濃く太い眉になっている。きちんと化粧をした美女も悪くないが、睦菜はあくまでも少女にとどめておきたい。人妻の色香など、睦菜の娼品価値を貶めるだけだ。いや(今のところは)、睦菜に淫売をさせるつもりなど毛頭無い。淫売の真似事は、いずれさせるだろうけれど。
 ――ビデオの記録も貴重なものだが、もっとありがたかったのは、局部のクローズアップを含む写真だった。その場でポジが得られるポラロイドというやつだ。
 今にして思えば返すがえすも無念なことに、処女のときの睦菜のヌード写真は一枚も撮っていない。そして。いずれはSMサークルでもお披露目をさせて、そのときには何十枚でも(自分も他の会員も)写真を撮れるのだからと――一回しか撮っていない。カメラを向けると、さすがに拒絶の色が濃く、その場の情感を損なってしまう。つまらない記録を残すよりは睦菜の調教を優先して、カメラはほとんどお蔵入りの状況だった。まあ、その一回で全裸の『縄無し』と『縄有り』、剃った直後の股間も(僕の指で割り開いた構図まで)撮影してはいるのだが。
 しかし、花電車芸の練習風景となると。その場にいない僕に見てもらうためだと割り切るのか張り切るのか、なかなか風情のある表情をしている。予定外の収穫だった。

 その夜は三日ぶりにやさしく(ベッドに大の字磔にして)睦菜を抱いてやり、土曜日は午前中に裏仕事を片付けて、夕方からは睦菜の罪を追及して、存分に罰を与えてやった。破廉恥な服装で旅をしたのだから、置換に遭わないほうがおかしいし、若い女の身空でストリップショーを覗き見るのも、積み荷値するはしたない所業だ。見なければ見なかったで、不勉強の罪になる。罪を罰するというのが責めの口実であるくらい、すでに睦菜も心得ている。そして、悦んで罰を受けるようにもなっている。まだ、責めそのものを悦ぶのではなく、僕に責められることを――だが。今後の課題は、クリトリスを刺激されなくても鞭打ちだけでアクメに達するようになることだが。これは、まだまだ先のことだろう。
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 実はですね。途方もない間違いをやらかしてるのです。
 1969年には何があって何が無かったか、きちんと(ネット付け焼刃で)交渉してましたが。
 まさか、家庭用ビデオカムが登場したのは1976年以降でした!
 8mm映画に書き換えました。ビデオだと、カセットを持ち帰ってすぐ再生できますが、8mmフィルムだと現像の手間が。しかも、メーカーのラボなんかに出したら猥褻画像で没収されます(没収に同意を強制されます)。
 なので、どうしたか……は、製品版でご確認ください。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 4:幼な妻甘々調教



Progress Report 3 →

 娘が妖精になったおかげで、Petti Chobit Rich(遊休です)な数日がありました。大学卒業して院生になったら、即シフトで現在は散歩と居眠り代わりのスマホ入力はPCの1/4くらいのスピードですが、まあまあ、銭もらって妄想小説を書けるのですから、いい御身分なわけでしょうね。
 前回の『鞭打折檻』につづいて『酒席接待』の全文紹介です。


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酒席接待

 菊枝のアドリブも手伝って、新婚二か月目からは本格的な調教が始まった。といっても、鞭やスパンキングの苦痛系は、せいぜい週に一回。懲罰にしても、若干の不服従には気づかぬ振りをしたり、料理が不味いなどは元から対象外だ。毎日の調教は、もっぱら羞恥や恥辱だった。といっても、羞恥に狎れさせてはいけない。内心では羞恥に悶えつつ、恥辱を受け容れる。ある意味では、男にとって理想的な、日本古来の大和撫子を育成しているようなものだ。
 日本古来の美風には(地方によっては)客人に女房を差し出すといった習俗もある。睦菜にも、これは引き継がせる。つまり、銀行にとっては神様にも等しい大蔵省(MOF)の役人を接待する席に侍らせて、気に入っていただければ同衾する――ということだ。
 どんなに厳しい罰を受けてもいいから、それだけは赦してほしいと、睦菜は泣いて拒んだ。しかし、事はプライベートな問題では収まらない。どれだけ清廉潔白に運営している銀行にでも、如何様にでも難癖はつけられる。まして、ヤクザを利用したりされたり、交際費とか付替えとかが常態となれば、地方銀行などMOFの課長あたりの一存でどうにでもできる。
「どうしても出来ないとなれば、きみを離縁したうえで、僕も職を辞すしかなくなる」
 筋論でいくなら、辞職すれば離婚の必要まではないが、そこまでして睦菜を庇うのは、僕のサディストとしてのプライドが許さない――などと、力み返るまでもなかった。夫の窮状を救うためならば、一肌脱ぐのも股を開くのも厭わない。前妻にはとうてい望むべくもない献身であり果断だった。
 言い訳めいて聞こえるだろうから睦菜には言わなかったが。コンドームを着けたペニスを膣に挿入する行為を、僕は真正の媾合いとは思っていない。二十年前の映画『また逢う日まで』で有名になった、ガラス越しのキスと本質的には変わらない。そしてMOFと来た日には、妊娠させれば厄介だし病気をもらえば出世に響くとばかりに、絶対に抜き身では事に及ばない。そのくせ、フェラチオはゴム無しを当然と心得ているのだが、それはともかく。
 僕はMOF担ではないが、彼らのための裏仕事は最重要任務のひとつだ。今回の宴席は課長とその部下二人の合計三名。対する肉弾特攻隊員は、主贄(という言葉はないだろうが)が睦菜で、部下に侍るのは特命女子行員が二人。それは僕が手配するまでもないのだが、宴席での演し物は、ぎりぎり表街道を歩いている連中の手には余る。妙齢の妖女と清楚な十代の美少女とが演じるシロシロ・ショーと、この道十数年(でも、二十代だが)の花電車嬢は、副頭取に美少年をあてがったときと同じ人物の伝手を頼った。

 九月末。東京の老舗にはかなわないが、県内にこれ以上の店はないという高級料亭を借り切っての接待。三十二畳の座敷には床の間を背に松木というMOF課長と二人の部下がふんぞり返り、入口に近い壁際に副頭取とMOF担課長と僕が畏まっている。
 睦菜は素肌に水色のジャンパースカートと臙脂色のリボンタイだけを身に着けて、松木の左側に侍っている。結婚式のときよりも、よほど表情が硬い。
「打掛やウェディングドレスのときも愛らしかったが――こうしていると、学生そのものだねえ」
 ジャンパースカートは、実際に学校の制服だった。
「ともかくも結婚してしまえば、立派に成人だからね。ええと……片岡クンだったかね。まったく羨ましいねえ」
 接待ズレして、並みの遊びでは満足しなくなっている男だが、法に抵触するような行為は厳に慎んでいる。大衆週刊誌のスキャンダルはいくらでも握り潰せるが、省内での足の引っ張り合いや、政局に利用されることを警戒している。
 しかし、彼が青い果実を好むことは、すくなくとも各銀行のMOF担には広く知られている。キャバレーなどでは、いちばん若く見えるホステスを指名して、お持ち帰りしたときには、実の娘が使っていたセーラー服などを(わざわざホテルまで持ち込んで)着せて悦んでいるそうだ。だから睦菜に食指を動かすなど百も承知で、主賓として結婚式に招待したのだ。けっして私利のためではない。私欲のためではあるが。
 この課長に比べれば、部下の二人など可愛いものだ。銀行の制服(にしては、スカート丈がふだんの睦菜に負けず劣らずだが)に身を包んだ短大卒の娘にしなだれかかられているのに、堂々と太腿を撫でまわす度胸がなくて、左手の置き場に困っている。

 男の人数分だけ料理が運ばれて、すぐに女中は退席する。
「皆様にビールをお注ぎしなさい」
 女子行員は、ホステス顔負けの慣れた手つきでコップを満たす。睦菜は、形だけは即席で教えたとおりに(必要以上に身体を密着させるとか)振る舞っているが、瓶の口がコップに触れて、カチカチと鳴っている。そんな様子に、MOF課長の松木はご満悦。睦菜が注ぎ終わるとビール瓶を取り上げ、肩を抱きながら睦菜のコップをなみなみと満たす。
「本日の御役目、ご苦労様でした」
 副頭取が型通りの挨拶をして、乾杯。
「乾杯とは、杯を乾すのだからね。さ、ぐいーっといきなさい」
 松木に強いられて、睦菜がコップ一杯のビールを一気に飲んだ。初めての経験ではないだろうか。
 松木も部下も、食い意地が張っている。八寸を一品ずつ一口で平らげ、その間に中瓶一本ほどを流し込む。
「なかなかの珍味だよ。キミも食べなさい」
 松木は睦菜の左腋に手を差し入れて抱き締めたまま、端に摘まんで半分かじった料理を、睦菜の口へ運ぶ。
「ほら、あーん」
 睦菜が助けを求めて目を僕に向ける。
「せっかくのご好意だ。遠慮なくいただきなさい」
 睦菜に恥辱を味わわせる愉快と、掌中の珠を弄ばれる嫉妬との板挟みは、嫉妬が圧倒している。
 睦菜は、僕のペニスを咥えるよりはよほど嫌そうな顔で、料理を口に入れた。口を漱ぐつもりか、すぐにビールをひと口飲む。
「お、いけるね」
 あまり減っていないコップに、松木がビールを注ぎ足した。
「睦菜。お酒は控えておきなさい。最後まで、きちんとお世話をしなくちゃならないだろ」
 松木にも釘を差しておく。
「こいつは、アルコールに免疫がありませんから。俎板の上でピチピチ跳ねる鯉がお好きでしたら、そっと釣り上げてやってください」
 わははははと、松木がわざとらしく嗤う。箸を置いて、その手でスカートの裾をめくった。ひさしぶりに人目から逃れていた睦菜の太腿が、その付け根まで白熱電球の下に曝される。
「ん……? おいおい?」
 松木が、さらにスカートの裾を持ち上げる。睦菜は自由な左手を宙に浮かせかけて、ぱたんと畳に落とした。
「清楚な女学生がノーパンとは、恐れ入ったね」
「女学生なんてものは、男子の見ている前でも下敷きでスカートの中を扇いだりしますからね。パンティを禁止すれば、すこしはお淑やかに振る舞うというものです」
 新婚旅行で下着禁止を言い渡したときの屁理屈に、睦菜が不服そうな表情を(ちらっとだけ)浮かべた。亭主の好きなノーパンティ、とでも言ってほしかったのか。
「いやいや、なるほどなるほど。お淑やかなら、こんなことをされても、羞じらうだけで抗いはしないだろうね」
 松木の指がスカートの中に隠れた。
「おや? まだ生えていないのかな?」
睦菜が頬を染めて腰をもじつかせる。嫌悪の表情を浮かべまいと努めているのが、僕には分かる。
「ところで、片岡クン」
 副頭取が、助け舟を出したつもりだろうか、唐突に言う。
「今夜は、色々と趣向を凝らしているのだろう。出し惜しみをせずに、お目に掛けなさい」
 僕は障子を開けて、廊下で出番待ちをしている花電車芸人を招き入れた。

「谺(こだま)日花里(ひかり)です。つたない芸ですが、一所懸命に務めさせていただきます」
 日花里はノースリーブのワンピースを着ているのだが、睦菜の普段着どころではない。ウエストラインが臍のあたりで、そこからのスカート丈が十センチ足らず。つまり、まっすぐ立っていても股間が丸見え。平伏すれば、尻も丸出しになる。
「芸を披露いたします前に、ちょっと失礼を」
 日花里が立って、部屋の隅に三つの箱を並べた。平べったいのを真ん中に、左右に縦長の箱を置いて電線でつなぐ。ポータブル式のステレオ・カセットプレイヤーだった。礼儀に反して尻を主客に向けて立ち、足を伸ばしたまま上体を折り曲げての作業。足を広げているから、股間を覗き込むまでもなく丸見えになっている。手入れの行き届いた商売道具だ。淫裂のまわりは剃っていて、恥丘の上だけに小さなハート形を残している。
 スピーカーから、ゆったりとした曲が流れ始める。曲名は知らないが、ストリップ小屋で定番のやつだ。
 小道具を入れた手提げ篭を脇に置いて、日花里が座敷の真ん中に開脚して立つ。ピンポン球を五つ、畳の上に並べた。
 ゆっくりと膝を曲げて、尻が畳に着くまで腰を落とす。股座
が、ほとんどピンポン球に接する。
「はいっ!」
掛け声と同時にピンポン球が吸い寄せられて、つるっと淫裂に呑み込まれた。
「おわっ……」
「ふええ……」
 二人の部下が驚きの声を漏らした。
「まあ!」
睦菜も、しゃっくりを呑み込んだような顔をしている。
 日花里は腰をずらして、さらに一個を淫裂に吸い込んだ。が、それ以上はさすがに無理らしい。立ち上がって、今度は膝を伸ばし、上体を深く折ってピンポン球を拾い上げては、腰をくねらせながら淫裂に押し込んでいく。
唾で濡らしたりはしていない。けれど、淫唇は明かりを反射するほどに絖っている。とすると、この女は生活の為だけに、見世物になっているのではない。性癖と実益とを両立させているのだろう。
 五つのピンポン球をすべて呑み込むと、日花里は松木に野球のグローブを渡した。
「胸の前で構えていてくださいね」
 二メートルほど離れて仰臥する。膝を立てて腰を高く突き上げる。
「ピッチャー、第一球を投げます……ハイッ」
 つぽんという小さな音とともにピンポン球が飛び出して――グローブに命中した。頭取が捕球して、ピンポン球を指でつまんで膳の隅に置いた。スカートを捲り上げられて剥き出しになっている睦菜の腿で、その指を拭く。睦菜が唇を噛んだのに気づいたのは、僕だけだったろう。
「三連発でいきます……ハイイッ」
 つぽぽぽんと立て続けに飛び出して、三球ともグローブに命中。さすがに捕球しきれず、二つまでが畳に転がった。
「最後はホームランとなりますか、どうか」
 掛け声とともに日花里が足を蹴り上げてバック転した。逆立ちになる寸前にピンポン球が飛び出して、天井に当たって跳ね返り――松木が腕を伸ばして捕球する。
「あらあ、残念。外野フライを取られてしまいました」
 日花里は松木の前に立つと、くるりと回れ右をして、開いた足のあいだから手を伸ばして、膳の上のピンポン球を(手提げ篭の中に)回収した。
「続きましては、数当てゲームでございます」
 手提げ篭から一合升を取り出して、ビー玉を一杯に詰める。座敷の真ん中でデングリ返りをして、股間に大きな漏斗(じょうご)を突き刺した。
「どなたか、ビー玉を挿れてくださいませんか」
 MOF課長の様子をうかがったが、しゃしゃり出てくれる気配はなかった。
「あ、はーい。あたし、やります」
 川戸京子が、少学生みたいに勢いよく手を上げた。昨年に入行して、半年と経たずに上司と不倫をしでかし、不問に付す代償として特攻隊員を志願させられた娘だ。ちなみに相手の上司は、この件で雀の涙(ボーナス)を頂戴している。羨ましい話ではある。
「あの……入れますよ」
 京子がビー玉をつまんで、漏斗に落とす。
「遠慮しないで、いっぺんにぶちまけてくださいね」
 いいのかな? といった顔つきで、ジャララッと漏斗に流し込んだ。
「うわあ……吸い込まれてく」
 横から見ていると、下腹部がひくひくと動き、そのたびにビー玉が減っていくのが分かった。
 日花里が身を起こして、バスタオルを二つ折りにして敷いた上に立った。ビー玉は落ちてこない。
「おっしゃった数だけ、ビー玉を出してご覧にいれます」
「ほほう。では、七つだ」
 なかなかに意地が悪い――のは、役人の通例だが。ひとつだけ出すのも難しいだろうが、膣筋の訓練次第で自在になるとは思う。しかし七つとかになると、数え間違いとか勢いとかで、思い通りにならないのではないだろうか。
 しかし日花里の芸は、僕の想像を超えていた。
「ええっ……いきなり七つですか? できるかなあ」
 などとぼやきながら、腰をくねらせる。そして。
「ハイイッ!」
 ひとつずつではなく――ぼたたたたっと一気にビー玉を排出した。落ちてぶつかり合って遠くまで転がったのもあったが、数えてみると、きっちり七つだった。
「うわあ。すごいすごい」
 京子が手を拍って、場を盛り上げてくれた。
「うん、見事だ。つぎは――そうだな。ひとつ残らず一度に出せるかな」
 松木が、退屈そうに言う。あるいは、こういった芸も初見ではないのかもしれない。
 日花里も機嫌を読み取って、敗戦処理みたいな感じでビー玉を放出した。
「ほんとうに残っていないか、確かめてみろ」
 松木が睦菜を前に押しやった。
 それまで抱きすくめられていた睦菜は、ほっとした態で日花里に、にじり寄った。さすがに逡巡したが、おずおずと股間に指を伸ばす。
「ごめんなさい」
「遠慮しなくていいわよ」
 睦菜の人差し指が、淫裂に突き刺さる。
「そんなのじゃ分からんだろう。口をつけて吸い出してみろ」
 睦菜が、助けを求めて僕を振り返った。途方に暮れるというよりも、生理的な嫌悪感をにじませている。
 僕は苦々しい思いにとらわれた。いずれは菊枝とレズらせることも計画している。別に菊枝でなくてもかまわない。しかし、それはあくまでも僕が睦菜に強いる行為だ。こんな俗物に主導権を奪われて良いわけがない。とはいえ、こんな瑣末事でMOFの機嫌を損ねるのは馬鹿らしい以前の問題だ。
 ――苦境を救ってくれたのは、他ならぬ日花里だった。
「馬鹿ぁ言っちゃいけないよ」
 一歩下がって、睦菜の指を引き抜いた。
「こちとら、見せるが乗せない花電車だい。女の子の指挿れくらいはサービスするが、トイチハイチの岩清水とあっちゃあ、本番もいいとこ。お断わりだよっ」
 伝法な啖呵に、松木が目をパチクリさせている。最初の仰天が治まるにつれて、こめかみに青筋が浮いてくる。が、癇癪を爆発させたりはしなかった。
「わっはっは……」
 磊落を装って笑う。目は笑っていない。
「いや、キミの言うとおりだ。腰を折って済まなかった。つぎの演し物を見せてもらおうじゃないか」
 このまま続けても、白けた場は元に戻らない。ぼくは、副頭取に目配せした。副頭取もうなづく。
「まだ料理も後が控えていますし。仕切り直しといきませんか?」
 日花里には、いったん下がってもらった。
 汁物と刺身が運ばれて、ふたたびMOF三人衆の健啖ぶりが発揮される。あまり呑ませては二重に都合が悪いと考えたのか、女子行員がお酌を手控える。のに睦菜も気づいて真似た。
 ちなみに二重というのは。松木の酒癖が善くなさそうなのと、部下は若いにしても、やはり燃料満載では運動性能を発揮できない懸念とだ。男が自分を奮い勃たせる目的で激しく動くのは、女にとっては苦痛なだけだし、挙げ句不首尾に終わったりしては銀行の命運にかかわる。
 松木がすこしはお行儀が良くなって(?)、ジャンパースカートの脇から手を突っ込んで睦菜の乳房を弄ぶのを横目に見て座をはずし、祝儀を包み詫びも入れて、日花里にはお引き取りを願った。その分、シロシロ・ショーを本気で演じてもらえば時間はつなげる。
 会席料理が折り返し点を過ぎたところで、シロシロ・ショーの始まり。
 二十五歳以上四十歳未満としか外見からは判断できかねる妖女は、芸名をローズという。まとっていたバスローブを脱ぐと、全裸。淫毛は無いのだが、その部分にタトゥを入れている。刺青ではなく西洋の技法だろう、発色が鮮烈だ。クリトリスの上に大輪の薔薇が咲き誇り、淫唇の左右を葉が取り巻いている。
「ほほう……」
 松木が唸った。部下は、嘆声すら遠慮している。
 僕としても、こんな趣向までは斡旋してくれた人物から聞いていなかったので、万事心得た興行主の体面を保つのに苦労した。いずれは睦菜にも、こういったタトゥを入れてみたいと思い、しかしそれでは彼女を解放してやるときの重荷になると気づき、それなら若い主人を見繕ってやればかまわないかと――一瞬のうちに思いを巡らせたりもした。
 ローズは、僕たちに向かって正座した。主客には側面を見せる位置取りになる。全裸だが、西洋の小間使いが着けるような白いひらひらした布を頭に留めている。
 相方のチェリーという娘は、どうかすると睦菜よりも稚く見える。胸の膨らみは、まったくブラジャーの必要がない。股間にはごく淡い飾り毛が萌えているが、稚い一本筋は剥き出しになっている。そんな肢体に黒いストッキングを赤いガーターベルトで吊っている姿が、ひどく不釣り合いだった。
 チェリーが、ローズの膝をまたいで立った。ローズが、恭しい手つきでチェリーの腰を両手で抱えて――股間に口づけた。
 ぴくんっとチェリーの背中が震えたのは、演技かもしれない。
 ぴちゃぴちゃ、ずちゅううう。音を立てて稚い淫裂に舌を挿れて舐めまわし、ひと口に頬張るように啜る。
「あ……ああん」
 チェリーが積極的に腰をくねらせて、股間をローズの口にこすりつける。
 性的に早熟なお嬢様と、経験豊富な小間使いの淫戯。そういう設定なのだろう。
 チェリーがローズの膝を蹴って主客に向かって足を開かせ、その間に片足を入れた。僕の位置からはよく見えないが、爪先でローズの股間をくじっているらしい。
「お、お嬢様……お赦しください」
 小間使いは初心で、お嬢様に翻弄されているということか。年上の女が受け身のお嬢様に悪戯を仕掛けるのならありふれた設定だが、その逆というのは斬新かもしれない。まあ……世間一般では、レズビアンそのものが斬新でもあり背徳でもあるが。
「しゃべったら、奉仕がおろそかになるでしょ」
 お嬢様が、小間使いの股間を(かなり強く)蹴った。
「あうっ……」
 呻いたきり口を閉じて。いっそう激しくお嬢様に口淫奉仕をする小間使い。
「ああっ……いい、もっと……」
 お嬢様は立っていられなくなって、ずるずると畳の上に寝崩れた。小間使いが逆向きにおおいかぶさって、69に移行する。華奢な少女が年増女にのしかかられる構図は、絵柄としてはそそられるが、いかんせん少女の裸身が隠れてしまうので即物的な興奮からは遠ざかる。上座からは、よく見えているのかもしれないが。
 小間使いの頭が、縦に動いて。
「ひゃああっ……い、いいい!」
 クリトリスを噛んだのか舐めたのか。お嬢様が甲高く囀った。
「いい……ママ、もっとお……」
 なに……?!
 今のは、演技を忘れた叫びなのだろうか。そういえば、二人の顔は似ていなくもない。
 小間使いが腰をずらして、お嬢様の口を完全にふさいだ――ところをみると、ほんとうに二人は実の母娘らしい。
 ずきん、と。それまでは興行主めいた気分で冷静に眺めていたのだが、一気に硬くなった。
 実の母娘が、なぜこんなことをしているのか。生活ためか、母親の変態的欲望ゆえか。それとも二人して誰かに飼われて――ちょうど、僕が睦菜に露出的な服装を強いるのと同じように、強制されているのか。あるいは、身を売るよりは、まだしもと……いや、それはない。日花里はともかく、この二人は、夜伽の敵娼がお気に召さなかったときのピンチヒッターとして、MOF三人衆が止まるホテルに同宿させる手筈になっている。
 そんなことを考えているうちにも。二人は体を起こして向かい合っていた。両手を後ろに突いて身体を支え、互いに足を交差させて腰をにじり寄せ、股間を密着させた。小柄な娘が、むしろ積極的に股間を押しつけて、腰をくねらせる。
 ぶぽっ、ぶぽっ……二人の股間が密着して離れるたびに、滑稽だが卑猥な音がかすかに聞こえる。
「あああん……」
 娘が、これは感極まらずに、もどかしそうに嘆く。観客からは、69よりもずっと露骨に股間が見えているが、当人たちへの刺激は、それほどでもないようだ。つまりは、見せるための仕草か。
 一、二分で貝合わせは終わって。二人が並んで正座した。母親が、ぼくに目配せをする。
 その意味に気づいて、僕は廊下に顔を突き出して、つぎの料理を運ぶように呼ばわった。
 すぐに女中が現われて、全裸で正座する二人の女は存在しないかのような態度で、空の皿を下げ、新しい皿を膳に載せていく。新しいビール瓶も林立する。
 女中が退出して障子が閉まると、ショーの第二幕が上がった。
 母親がバスローブの下から、双頭の張形を取り出した。形も大きさもデフォルメされていない。まさしく、怒張した二本のペニスそのもの。それが一直線になっていて、中央には睾丸を模した膨らみがある。そこを持てば押し引き自在だし、ストッパーも兼ねているのだろう。
 娘が立ち上がって、足を開く。母親が優しいというよりも恭しい手つきで、娘の淫裂に張形を挿入する。早熟のお嬢様に仕える小間使いという設定を貫くつもりらしい。
「あはああん……効くううう」
 69のときに比べると、まったく棒読みの喘ぎ声。膣性感は未開発なのかもしれない。
「可愛がってあげる。寝んねしなさい」
 娘が扮するお嬢様に指差されて、母親が女主人に忠実な小間使いになりきって、あお向けに寝転がった。犬みたいに手足を引き付けている。
 娘が母親の腿をはさんで膝立ちになって。鮑のように性熟した淫裂へ張形をあてがい、ずぶずぶっと埋めていく。
「あああっ……きつい。でも、もっと強く……」
 母親にうながされて、腰を動かし始める。左手で上体を支え、右手で張形の睾丸の部分を押さえている。
 ずにゅ、ずにゅ、ずにゅ……ゆっくりと深く突き挿れている。
「あああっ……きつい、いいいいい」
 母親の呻き声が甘やかに響く。本気で感じているようだ。両腕を差し伸べて、娘を抱き絡めた。豊満な乳房が、ささやかな硬い膨らみに押しつぶされる。
 そのままごろんと転がって、主客が入れ替わった。母親が俄然激しく腰を使い始めた。娘は両手で睾丸を握って、張形が自分の中で動かないように固定している。つらそうに顔を歪めている。
「あああん、お嬢様あ。お嬢様も一緒に……」
 母親は肘で身体を支えて、自由になった両手で稚い膨らみを揉みしだく。背中を丸めて顔の位置を合わせ、唇を襲う。
 ぬちゃぬちゃぬちゃ……浅く激しいピストン運動に、湿った音が伴奏する。
 膣が駄目ならクリトリスを責めるべきなのに、そうしていない。母親には、娘を追い上げる意図はないらしい。
「あああっ……もう駄目。逝っちゃいますうううう!」
 娘を組み敷いて、母親は女子プロレスのヒップアタックさながらに荒れ狂って――短時間でアクメを究めた。のは、さすがに演技だろう。全体重をのし掛けられた娘が気息奄々になっているのは本物かもしれない。
「あら。わたしだけが気持ち良くなっちゃったみたいね。ごめんなさい。お嬢様も善がらせて差し上げますわ」
 母親が身を起こして、娘から双頭張形を抜き取った。自分も抜いて――アヌスに差し替える。
「ええっ……?!」
 睦菜が、驚きの声を小さく漏らした。僕がレズの絡み合いに気を取られていたあいだに――睦菜は膝の上に乗せられ、肩ホックをはずして剥き出しになった乳房を弄ばれ、腰まで捲り上げられて露出した淫裂に指を突き立てられ、こねくられている。チェリーに比べれば発達している淫唇は、赤く充血して淫汁に絖っている。それは激しい物理的な刺激によってもたらされた変化に過ぎず、当人は苦痛は感じていないまでも、恥辱に耐えているだけ。三か月も調教していれば、それくらいは分かる。接待が終わったら、存分に甘やかしてやろう。
 母親が娘の両足をつかんで高々と持ち上げる。リンボーダンスのように腰を突き上げた姿勢で、張形を娘のアヌスに押しつける。
「力を抜いているのよ」
 娘の返事を待たずに、ずぶううっと押し挿れた。
「あああっ……く、苦しい」
 小さな悲鳴には、はっきりと快感の響きが絡みついていた。
 未性熟で膣性交が困難でも肛門性交は可能な場合があるとは話に聞いていたが、今目撃しているのは、まさにそれに近いのではないだろうか。
「裏返すわよ」
 母親が娘の腰を両手で持って、ぐるんとひっくり返した。娘も膝を引きつけて協力する。
「きひいいい……んん」
 張形にアヌスをこじられて、娘が鼻に抜ける声で呻く。
 娘が両手を突っ張って四つん這いになるのを待ってから、母親もアクロバティックな動きで身体を裏返して四つん這いになった。
「痛い……やめてえ」
 やめたら恨まれるに決まっていると、朴念仁にも分かる甘い悲鳴。
 出来上がったポーズは、犬の交尾とそっくりになった。
「締めつけては駄目よ」
 肘と膝を支点にして、母親が身体を前後に揺すり始めた。睾丸の部分がアヌスに密着したまま、張形が娘のアヌスに抽挿される。
「あああああっ……ああんん」
 娘の悲鳴が甲高くなった。
「駄目……もう、いやあ。きつい……つらいよおおおお」
 しかし、「やめて」とも「痛い」とも訴えない。
「あん、あん、あん……」
 悲鳴がピストン運動に同調している。
 睦菜は身体を嬲られている不快に耐えながら、それでも妖女と少女の媾合いに気を奪われている。おそらく――僕と睦菜とでも同じことが出来るのだと、すでに理解しているだろう。
 教育する手間が省けて、僕はちょっと気落ちした。せめて、興味を持たないでいてくれることを願う。嫌がる行為を強いて、それに馴致させていくのが、サディストの愉悦なのだ。
「うああああっ……お尻、熱いよおおおおお!」
 アクメとはいわないまでも、ひとつの頂に達したらしい。ショーとしては、それでじゅうぶんだと、ローズも心得ている。十秒ほど動きを止めて、チェリーに束の間の余韻を味わわせてから、身ふたつに別れた。
 ぺしゃっと畳の上に崩れた娘の尻を割って口づけて――汚れを清めてやる。便秘をした赤ん坊に母親が施す処置を彷彿とする。サディストとしては、これを真似るわけにはいかない。たとえ、される側が幸せそうに身を委ねているとしても、だ。
 やがて、二人が起き上がって。
「お粗末様でした」
 MOF三人衆に向かって平伏し、それから僕たちへも同じように挨拶をして。バスローブに張形を包んで、素裸のままで退出した。
「実にもったいない話だな」
 松木が、憮然とした口調でつぶやいた。
「女同士でSごっこをして、なにが面白いのか、わしには分からん」
「そうはおっしゃいますが」
 MOF担が本来の役目を思い出して、お追従顔でとりなす。
「しかしですね。あのチェリーちゃんがシロクロ・ショーなどに出演したら、心中穏やかざるのではありませんか」
 わははははと、また作り嗤い。狐と狸の化かし合いが宴席にとどまっているうちは、実害が無いのだが。
 ショーが終わると、残りの料理が運び入れられて。僕は、ビールの追加を手真似で押し留めた。
 それが功を奏して、午後八時過ぎに宴席はお開きとなった。
 睦菜はぎこちなく、二人の女子行員はもっと狎れた様子で、それぞれの相手にしなだれかかって――三台のハイヤーでホテルへ向かった。僕も四台目のハイヤーに母娘を同乗させて、後を追う。日花里は、先にひとりでホテルへ戻っているはずだ。ピンチヒッターは務めないが、アンコールが掛かるかもしれない。今夜は途中打ち切りになったのだから、その可能性は大いにあった。
 副頭取とMOF担課長は、ここで御役目御免。呑み直しに街へ繰り出すのかもしれないが、僕の知ったことではない。
 僕はホテルのロビーの片隅で、終戦処理に待機する。事が終われば敵娼を追い返す薄情者が多い。彼女たちをねぎらいタクシーに乗せるまでが、僕の仕事なのだ。夜明けのコーヒーまでは面倒を見きれないが、睦菜がそうなれば、仮眠しながら待ってやるつもりでいる。
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 酒席となると、花電車とシロシロ・ショー。
 何回書いたでしょうかね。
ピンク海女』、『大正弄瞞』、『1/16の牝奴隷』、『ママと歩む Slave Road』……まだ、あったかしら?
 どこかしら工夫はしていますけどね。やはり、書いてて楽しいから書くわけです。


 全体の進捗率は65%といったところです。現在はヒロインが花電車芸の特訓中。
 お師匠さんのとこまで、5年前に開通した新幹線にひとりで乗って通いますが、『僕』はけっして甘やかしません。ノーブラノーパンで股下3cmのミニスカートに、臍出し裾結びブラウス。道中で襲われてはいけないので、鎖の貞操帯です。
 隠すところは隠していますから問題はありませんが、未成年と「間違われて」補導されかねません。なにしろ、親の許しがあれば結婚できるぎりぎりの年齢ですから。なので、原付免許と戸籍謄本を持たせています。結婚してれば成年です。
 さて。花電車芸の特訓の成果は、年末にMOFの忘年会でお披露目して。
 年が明けたらトルコへ泡踊りの習得に通わせたり、タチのサディスチンの菊枝から濃厚なレズ技を教えさせたり。
 『僕』の勤務先の銀行が催す夏の親睦海水浴では、当時としては破廉恥きわまりない紐ビキニあたりで若手社員を悩殺させて、奥様連中から総スカンを食うものの、話題をSEXテクニックへ持っていかせて、別の日に「御無沙汰マダム」連を相手に秘伝を伝授させたり……そして、まあ。大団円は、『未性熟処女の強制足入れ婚』や『初心妻志願奴隷』の三番煎じですけど。
 それはそれで、先のお楽しみということで。


神田るみ

 BFネタを漁っていて、構図としては使えないし顔の向きも合成に適さないけれど。ど真ん中の剛速球がありました。
 手足の細さが未性熟を思わせます。あどけなくも妖艶です。
 ヒロイン睦菜のイメージにどんぴしゃ。
 睦菜は、結婚前は三つ編みお下げでしたが……読み返して、まだ髪を切っていなかったので。美容院へ行かせてセミロングのツインテにさせました。



 

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report more:Nightmare Rift

 120枚を超えて、長丁場(40~60枚)のラストスパートです。
 猿事情で、すくなくとも今週は出禁なので、校正して、Notissue versionまで突っ込めそうです。


 猿事情:PCRてやつです。筆者は定義上では農耕接触者ですが、実態は狩猟接触者なので、発熱もないので、シフトがひっ迫していることもあり、週明けには出禁解除になるでしょう。

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循姦

 私たちが磔けられていたキの字架は分解されて、別の形に組み直されていた。鳥居のミニチュアというか、段違い鉄棒(木製だけど)というか――ギロチン磔台にしか見えないのがひとつと。
 キの字架の柱を2本、2m間隔で立てたのと。柱2本のほうは、蔓を撚り合わせた太いロープがてっぺんに張られて、ロープの中央から数本の蔓が垂れている。こちらはリンチの絞首刑を連想してしまう。
 ソフィが絞首刑の柱へ連れていかれた。ロープの真下に立たされ、両手を頭上で縛られてロープにつながれた。絞首刑じゃなかったけれど……。
「なにするの?!  やめて……こんなの、嫌あ!」
 強引に肩車をされた。裸だから、女性器が男の首筋に密着する。羞ずかしいだけじゃなくて、おぞましい。のは、まだ序の口だった。蛮族どもが群がって、両側から足首をつかんで股裂きにしようとする。
「やめて! やめてったら……」
 両足を蹴って抵抗するソフィ。男の力にはかなわない。それでも、手首をこねくって太いロープをつかみ、しがみついて肩車から逃れようとする。
「ウープ、ウープ」
 まわりから声が掛かって。肩車をしていた男が、急にしゃがんでソフィを投げ出した。
「きゃっ……!」
 ソフィは転びかけてロープにひき止められ、地面に膝を突いた。
 ソフィの足を引っ張っていた男のひとりが、ソフィを引き起こして羽交い締めにした。肩車の男が正面に回り込んで。警告も威しも無しで、ソフィの腹を殴った。
「ぐぶぇっ……!」
 ソフィの膝が、がくっと折れた。腋の下で男の腕に支えられているので、倒れて身をかばうこともできない。
 ぼすん、ぼすんと――拳が同じ場所に突き入れられる。
「うぶ……げえええ」
 ソフィの口からあふれたのは、人魚の真似をさせられたときに呑み込んでしまった海水だろう。
 私は、いきなりの暴力を恐怖に駆られながら眺めているしかなかった。蛮族どもを制止しようにも、適切な構文を組み立てられない。ただニョを連呼しても、彼らは嘲嗤うか、もっと凶暴になりかねない。
 蛮族が、ようやくソフィを脅迫する。拳を腹に押しつけながら目を覗き込む。
「ニョ、ゴン。ジェ? ジェ?」
 NO DO。OK? 逆らうな、分かったか?
「ジェ……ニョ、ゴン」
 ソフィが弱々しい声を震わせて返事をした。単語を理解していなくても、威しの意味は取り違えようがない。
 ソフィは肩車をされずに両足を持ち上げられて、身体が宙に浮いた。体重のほとんどは、手首につながれた太いロープで支えられている。V字形に開脚させられた足にも、水平に張られたロープから垂れている蔓がつながれて、頭の後ろに渡された木の枝の両端に膝を縛られた。
「オオオオオ! ゴンゴン!」
 数人の蛮族が左手でVサインを作って、右手の人差し指でV字を突き上げる。その意味は明白だった。いや、明白以上だ。ソフィは、屈辱きわまりない形で処女を奪われるのだ。
 ……他人の悲惨を憐れむ贅沢を、私は許されていない。私も数人の蛮族どもの手で、ギロチン磔台へと引っ立てられた。2本の横木に首を挟まれて、動かせないように蔓で縛られる。両手は左右に引っ張られて、手首から肘までを上の横木に縛りつけられた。そして両足も左右の柱につながれた。身体を折り曲げて尻を突き出した――犯してくださいと言わんばかりの姿勢。
「トンミ、トンゴン」
 族長が威張った感じで宣言して、腰を隠している巻貝を取り去った。すでにペニスは勃起している。ソフィの正面に近づいて。しゃがみ込んで、ぱっくりと開いた淫裂を覗き込む。
「いやあっ……見ないで! さわらないでえっ!」
 わずかにくすぶっている焚火の向こう側とこちら側で並んで磔けられているから、族長がソフィに仕掛けている悪戯が、つぶさに見て取れる。
 族長は、小淫唇をつまんで左右に引っ張って、さらに奥を覗き込んだり。淫裂の頂点に埋もれている肉蕾を見つけて、首をかしげながら指で転がしてみたり。
「ひゃうんっ……やだ! そこ、やめて……」
 女の身体の悲哀。男性は、激しいスポーツをしたり悲嘆に暮れているときは、ペニスを刺激されても勃起しないと聞いたことがあるけれど。女性は、そんなの関係ない。ソフィも、不本意な快感に翻弄されている。
「いやだ……やめて。くうう……んん」
 嫌悪と快感の板挟み。
「痛いっ……! 抜いて、指を抜いて!」
 バギナに指を突き挿れられて、ソフィアが純粋の苦痛を叫んだ。
「ジェニョ? ゴンゴンゴン」
 族長が根元まで指を突き立てて、こねくり始めた。
「お願い、赦して。痛い……!」
 ソフィの悲痛な訴えが、男の心に届いたのではないだろう。好奇心を満たされて満足しただけだ。
「ジョニェ、ワァ?」
 指を抜いて宙にかざして。にんまりと嗤った。
「ニョワァ、ジョドワ」
 取り囲んで見物していた連中が囃し立てる。
「ドワ、ドワ。ジェ、ニャドゥ」
 族長が立ち上がって。掌に唾を吐いて、ペニスにまぶした。
 ソフィの顔が、すうっと蒼褪めていく。これから何をされるのか、実感を伴って理解した――といったところだろう。私なんか、この身体とテクニックで蛮族どもを骨抜きにしてやろうと、腰タンタンでいる。まあ……テクニックといっても、3人のAVオタクに仕込まれただけで、プロの風俗嬢から見ればオママゴトだろうけど。
 戦意旺盛な私と違って、ソフィはバージン。人生の一大事だ。終わってしまえばエピソードだけど。
 族長が勃起の根本を右手で支えて、すれすれまで身体を寄せる。
「やめて! お願い……」
 腰を揺すって逃れようとする。
 族長が両手でソフィの腰をつかんで、動きを封じる。そして、拳を作って腹に押しつける。
「……殴らないで。おとなしくするから……」
 ソフィが敗北を口にした。
「ジェ、ゴンゴン。ニョムウ」
 蛮族でも女性をいたわることがあるんだと、認識を新たにした。けれど、することは容赦ない。
 族長が腰を沈めて。突き出すようにしながら膝を伸ばした。
「いやああああっ……!」
 びくんっとソフィの腰が跳ねた。けれど、宙吊りにされていては、わずかな動きにしかならない。ずぶずぶと、怒張が股間に埋没していく。
「ひどい。ひどいよ……痛い……」
 バギナにペニスを突き立てられたという事実にうちひしがれて、ソフィの嗚咽はくぐもっている。
「オオオオオ、ジェイジェイ。ゴンゴン、ゴンゴン」
 バギナの刺激が心地良いのか、征服の快感か。族長が鬨の声をあげながら、腰を前後に激しく振り立てる。
「ぎひいい、痛い! 動かさないで。抜いて……もう、赦して!」
 ソフィが泣きながら訴える。男がどちらへ心を動かすかは当人の性癖にもよるだろうけど、やはり蛮族には女性をいたわる心は希薄らしい。
「オオオオオ、ゴンゴン。ジェイジェイ、ゴンゴン」
 勝鬨の雄叫びあげながら腰を激しく突き上げて――数分で果ててしまったのが、ソフィにとってはせめてもの救い。にはならないだろう。
 族長にはソフィを独占するつもりが無いらしい。弛みきった表情でソフィから身を離すと、生け贄にわっと群がり寄る男どもを止めるどころか、両手を下から上に扇いでけしかける。
「ウープ、ウープ。ムウムウ、ゴンゴン!」
 私にも蛮族どもが押し寄せる。
「ミ、ゴンゴン、ゴンゴン」
 私に肉をくれた男が優先権を主張して、後ろから腰をつかんだ。
 まあ、いいか。3人目の男とは今も続いていて、SEXなんてデートの中の自然な流れになってるけど、そのときくらいにも緊張していない。ときめいていないのは当然だけど、怯えてもいないし、不貞腐れてもいない。
 これが転位とかじゃなくて、ただ未発見の蛮族に捕まっただけだとしても――これ以上はないってくらいの非日常だ。レイフ°なんて、食事と同じレベルの日常でしかない。
 いや、そうじゃない。こいつらを手なずけ支配するための重要なシーケンスだ。
 そういう意味では緊張している。入試のときと同じくらい。そして、うまくやれる自信もある。大学だって、第一志望に合格したんだから。
 ずぬ゙ゔっと、押し挿ってきた。唾で湿すくらいはしてるんだろうけど、ちっとも弄ってくれてないから――ちょっと痛い。でも、物理的な刺激ですぐに潤滑される。
「オオオ、ニャゴンゴン。トンジェイ、ジェジェジェ」
 意味は分からないけど、感激してるのは分かる。まるで厨坊の初体験みたい――いや、そういう犯罪的シチュエーションは、経験したことないけど。
 どんっと……目の前に勃起を突きつけられた。男は20人以上。女は2人。待ちきれなくて当然。
 フェラは、あまり自信がない。射精までいかせたこともない。けど、拒める状況じゃない。素直に口を開けたら、ぐぼっと突っ込まれた。両手で私の頭をかかえて、まさしくゴンゴン突いてくる。拙いフェラテクの出番はなかった。
 それでも、歯を立てないように気をつけて。喉の奥まで突っ込まれても吐き気を我慢して。男が腰を引くときには、裏筋あたりに舌を絡めようと努力する。さっさと射精してくれたら、それだけ早く楽になるという計算もあるけど。負けてたまるかという敵愾心もかった。何に負けたくないかというと。
 ソフィが犯されてるときに、ちょっと考えたんだけど。これまでの蛮族どもの態度を見ていると、女性という存在を知らなかったんじゃないかと思う。実際、これまでに見ていないし。それを言えば子供も老人もだけど、ややこしくなるからパス。この仮説が正しいとすると、ほんとにここは異世界だということになるけど、それもパス。
 女性の存在を知らない男性。でも、勃起とか射精は知ってる。じゃあ、どうやって性欲を処理してきたんだとなると、答えはひとつ(存在するとしたら、山羊とか鶏とか海鼠とかも候補にあがるけど)。
 つまり――むくつけき野郎のアヌスなんかに、バギナが負けてたまるかっていうこと。
 私の努力が報われたというよりも、男がまさしく独り善がりに荒腰を使いやがって。あっさりと埒を明けてくれた。喉の奥にホットソーダ(なんて飲み物があると知ったのは、つい最近)を叩きつけられた感じ。
 男が抜去すると、口中の汚濁をすぐに吐き出した。つぎの瞬間、強い力で頭を押しつけられた。首は平行な2本の枝に挟まれているから、喉が潰れる。息ができない。
「や゙め゙で……な゙に゙……」
 バシン、バシンとビンタを張られた。目の前に星が飛び交って、耳がキインと鳴った。
「ニョ、ニョドワ! ミ、ゴンゴン!」
 イマラチオを強いていた男が、萎え切っていないペニスを指し、地面を指し、地団太を踏む。吐き出した精液を下の土ごと掬い取って、私の口に押し込もうとする。
「んんん、んんっ……」
 口を引き結んで拒んだけれど。別の男に腹を膝蹴りされて。
「げふっ……!」
 口を半開きにして呻いた瞬間に、押し込まれてしまった。
「むうう……」
 吐き出したら、また同じ目に遭わされる。口の中のじゃりじゃりを、惨めな思いで苦労しながら飲み込んだ。喉が痛い。
「ジェジェ、ワァ、ゴン」
 和らげた言葉とともに、水の入った革袋の飲み口が突きつけられた。水をすすって口をすすいで。吐き出すのは怖くて、そのまま飲み込んだ。
「なに……目がまわる……」
 ソフィの声に、彼女の存在を思い出した。そちらを見ると。数人の男どもが、ソフィの身体を回していた。彼女を吊っている蔓がよじれていく。それにつれて、身体がすこしずつ吊り上がっていく。
 回転が止められると、ソフィの前に背の高い男が立った。丸太を半割りにした踏み台に乗って、さらに伸び上がるようにしてソフィを貫いた。
「ジェ、ゴンゴンゴン」
 男がソフィのV字形に開かされた両足をつかみ、自分はのけぞって、ソフィをぶん回した。
「きゃああっ……! 痛い! 止めて! 抜いて!」
 ソフィが絶叫する。
 見物している蛮族どもが、ソフィを指差してげらげら嗤う。ソフィを貫いている男だけは、嗤っていない。ゆっくり回っているソフィの足をかわしながら、回転が止まらないように両手で勢いを着けている。ソフィの身体が下がるにつれて膝を曲げ、踏み台から下りて、すれすれのところで両者の下腹部がぶつからないよう調整している。
 蔓のよじれがほどけきっても、男はソフィを回し続ける。またソフィの身体が吊り上がっていって。男が踏み台に乗って膝を伸ばしてもペニスが抜けそうになると、そこから逆向きに回し始める。
 こんなの、AVでも海外の(無料)動画サイトでも見たことがない。蛮族のくせに、とんでもない高等(?)テクニックを思いつくもんだ。
 でも、のんびり見物している暇はない。つぎの男が、私の口をふさいだ。バギナのほうにも、新手のペニスが襲いかかる。
 2本目のイラマチオは、素直にゴックンした。土を食べさせられるのは願い下げ。
「あああ……いやあ。赦して……痛いい……」
 ソフィの弱々しい声が、途切れ途切れに聞こえてくる。蛮族どもも歓声を忘れて、アクロバティックな暴行に見とれている。そのくせ、私のまわりにも、しっかりと順番待ちの列ができている。
 3本目(口と合算したら6本目)の男が、私の後ろに取りついた。
「もごっ……?!」
 アヌスをくじられて、ごく控えめにいっても、うろたえた。
 この連中にとっては、アヌスのほうがなじみ深いんだろうし。直前に使われて洗ってもいない(洗ってよ!)バギナよりは――と思っても不思議じゃない。
 でも。アヌスは未経験。初めてをレイフ°される悔しさ――を、感じている暇なんてなかった。
 ろくに潤滑も事前の拡張もされていない処女穴に、灼熱の激痛が襲いかかった。
「痛いっ! にょ、ごんごん!」
 ペニスを吐き出して叫んで。またビンタを喰らった。だけじゃ済まなかった。脇から別の手が伸びて、乳房をつかまれた。
「ニョゴンゴン、ニョゴンゴン」
 片手で私の口をふさぎながら、ゴンゴンに合わせて乳房を引っ張る。
 痛い。クーパー靭帯が引き千切られるんじゃないかと、恐怖まで感じる。
「ジェイジェイ。ムウ、ゴンゴン」
 面白がっている口調だ。
「ムウ、ゴンゴン。ジェイジェイ」
 見物している蛮族ども唱和する。それに合わせて、ますます乳房を無茶苦茶される。
 引っ張れば伸びるし、握れば潰れる。頬っぺたよりもお腹の贅肉(私には無い!)よりも――人体の中で、乳房がいちばん変形するんじゃないだろうか。ペニスだって玉袋だって、勃起したり縮みあがったりはするけど、それは生理現象で、こねくっての結果じゃない。それを面白がっている。
 男が手を放しても、乳房はじんじん痛み続けている。
「ニョ、ニョゴンゴン?」
 クチバシのジェスチャーが加わっている。
 NO,ニョゴンゴン。ヤメテとは言うな?
「じぇ……」
 口を閉ざしてうなだれることで、屈服の意を伝えた(つもり)。
「ジェ、ジェジェ」
 イラマチオを中断された男が、あらためて勃起を突きつける。
 私は顔を上げて大きく口を開けて、縛られている首を動かせる範囲で突き出して、勃起を咥えた。そして、唇を閉じて舌を這わせる。
「ジェ、ジェ。ジェイ……」
 男は私の頭をつかんで、ゆっくりと腰を動かし始めた。射精へ向かってのピストン運動ではなく、私の尻に取りついている男が挿入を果たすまでの時間稼ぎ――だと思う。
 私の(アヌスにとって)初めての男が、あらためて陵辱にとりかかった。
 さっきは、貫通していなかったのだろう。もっと熱い、もっとするどい激痛が、アヌスを襲った。めりめりと引き裂かれる感触。内臓が押し上げられる不気味な不快感。
「ん゙む゙ゔゔゔっ……!」
 歯を食い縛らないでいるには、ありったけの気力が必要だった。
 べちゃっと、男の下腹部全体が尻に密着した。
「ムウ。ミ、ミ、ゴンゴン」
 イマラチオの男が声を掛けて。ふたりが同時にピストン運動を始めた。
「んぶ……も゙お゙っ、も゙お゙っ……んぶう……」
 後ろから突かれるたびに激痛が奔って、鼻から悲鳴が噴き出る。喉の奥を突かれて、吐き気がこみあげる。バギナを突かれていたときは、かすかな快感が無くもなかったけれど、アヌスは拷問に等しい。ロストバージンのときだって、これほどまでに男の射精を願ったことはなかった。
 さいわいに。男(と動物?)しか知らなかった蛮族どもにとって、女体は初めて味わう快楽だったのだろう。ノーマルな、合意のセックスだったら、不満を態度に表わさないように苦労するくらいの短時間で、前も後ろも果ててくれた。
 けれど、終わりではない。すぐに7本目と8本目とが、私をサンドイッチにした――のだけれど。
「ジャニェ? ニョイ? ニョイゴンゴン!」
 バシンと尻を叩かれた。
「ニョイ。ワァ、ゴン」
「ニョ。ワァ、ニョ。イ、ゴンゴン」
 欲望を放出して寛いでいる連中のひとりが、焚火にくべる枯葉を両手に抱えて、私の後ろに近づいた。
 がさごそと、枯葉で私の尻と、その奥をこすり始めた。
 私は、これまでとは異質の羞恥に悶えた。事前の処置をせずに、アヌスに異物を突っ込まれたら、どうなるか。分かりきったことだ。
「痛いっ……!」
 無理な挿入で傷ついているアヌスを、ティッシュペーパーよりもずっと硬い枯葉で拭かれては、たまったものではない。切り裂かれるような痛みに、悲鳴をこらえられない。
「ごおおおん、ごおおおん」
 DOを意味するゴンをゆっくり長く発音することで、「やさしくして」というニュアンスを伝えようとした。
 伝わらなかった。それとも、悲鳴を面白がっているのか。いっそう乱暴にこすられて、鋭い痛みが脳天まで突き抜けた。
「ドワ。ワァ、ゴンゴン」
 わたしの悲鳴を、さすがに哀れに思ってくれたのか。別の男が革袋を持ってきて、水を掛けてくれた。そして――やっぱり、枯葉でこする。でも、すこしは痛さが減った。
 ついでなのか、前も水で湿した枯葉で拭いてくれた。がさつな拭き方だけど、痛みはあったけど、ほんのちょっとだけ気持ち良かった。
「駄目えっ……! ごんごん、ごんごん!」
 ソフィが金切り声で叫んでいる。顔を上げて、そちらを見ると。
 V字形に開脚されて吊り下げられているソフィを、ふたりの男が前後からサンドイッチにしようとしていた。
 私は上体を倒してギロチン磔にされている。だから、同時にふたりが可能になるけれど、バギナとアヌスを一度に犯すのは不可能か、可能だとしてもアクロバティックな形になってしまう。
 逆にソフィは――顔が高い位置にあるから、イラマチオは不可能にちかい。しかし、バギナとアヌスを同時に犯すのは難しくない。そういうことだった。
 ソフィを前後からサンドイッチにして、ふたりで協力して持ち上げて。腰を突き出し、垂直に勃てた2本のペニスをふたつの穴にあてがって。ゆっくりと下ろしていく。
 まず、U字形に丸まっている尻のあいだに、後ろの男の亀頭が隠れる。
「痛いっ……無理! やめて……ごんごん! きひいいっ……ごんごん!」
 ソフィは尻を揺すって逃れようとしているのだろうけれど、腰をがっちりつかまれているから、いたずらに上体が揺れるだけ。足をばたつかせても、足首を吊られているのだから、効果は無い。手首を縛っている蔓を握って、すこしでも身体を引き上げようとするが、男ふたりの力で引き戻される。
「ごんごん、ごんごん……!」
 ソフィは文法を間違っている。ゴンはDOなのだから、もっとやってと言っていることになる。正しく「ニョ、ゴンゴン」と言っても、殴られるだけだろうけど。
「ぎい゙い゙っ……痛い、やめて!」
 男どもは手こずっている。アヌスに突き立てた怒張が『く』の字に折れ曲がりかけている。
「ムウ、ムウ。ゴンゴン」
 ふたりが息を合わせてソフィの腰を、小さな円を描くように揺すり始めた。
「いやあっ……いやあああっ!」
 ソフィが絶叫する。太い錐を揉みながら突っ込まれているようなものだ。それだけでも耐え難い激痛なのは、私自身も体験したばかりだ。それなのに……淫裂にも亀頭がめり込んで、じわじわと押し込まれていく。隣り合ったふたつの穴を同時に拡張される痛みを、私は想像すらできない。
「お゙お゙お゙っ……きひいいい」
 ソフィが泣きじゃくっている。けれど、それは――絶叫するほどの激痛が、すこしはやわらいできたことを意味しないだろうか。じゅうぶんに訓練すれば、握り拳や腕を挿入することも可能なのだから、バージンでも2本挿しくらいでは性器を破壊されたりはしないだろう。深刻な裂傷を負うかもしれないけれど。
 いずれにしても、ソフィには申し訳ないけど、自分で体験してみたいとは絶対に思わない。ギロチン磔にされて、ほんとうによかったと――不幸中の幸いに感謝してしまう。
 それ以上は、ソフィの惨劇を目撃しないですんだ。7本目と8本目が私の処置(汚れを拭き取るというよりも、尻や太腿になすりつけたも同然だったが)を終えて、本来の目的を遂げにかかった。目の前には、男の下腹部。ペニスを咥えていては、横を向くこともできない。ソフィの悲鳴を意識から締め出して、私は男を満足させる作業に没頭した。
 ――全員が私とソフィを犯し終えるまでに2時間とはかからなかったと思う。私は15人かそれ以上の相手をさせられたから、ソフィよりは多かったと思う。私のテクニックが功を奏したというよりは、体位の違いが大きい。振り子のように揺れる女体をつかまえて、しかも立位で下から突き上げるよりは、突っ込みやすい位置と角度で固定されている穴のほうが使い勝手が良い。ただ、それだけのことだ。
 蛮族どもは私とソフィをそのままにして、夕食の支度を始めた。昼食を作った後で取り壊した竈を、また作って。肉やら発酵していないパン生地やらを焼き始める。いちいち作り直すくらいなら壊さなければいいと思うが、なにか吸う狂的な理由があるのかもしれない。
 私はギロチン磔にされたまま首をうなだれて、地面に長く伸びて蠢く蛮族どもの影をぼんやりと追っていた。最初から最後まで男どもの好き勝手に身体を使われただけで、手玉に取ることなんかできなかった。状況全体に対する恐怖と絶望の中でも、その小さな敗北感がちくちくと心に突き刺さる。このまま性奴隷として異境の地で短い生涯を終えるのだろうか。それ以上に恐ろしいのは、妊娠だ。病院どころか、ここには産婆すらいないのだろう。無事に出産できるとは、とても思えない。それとも……
「見て……トモミ! あれは月ではない。別の……なにかだわ!」
 ソフィの声で、私は現実に引き戻された。
「右の空を見て。月に似てるけど、違う天体が浮かんでいる」
 頭を上げて、ソフィのほうへねじると――盛り土のずっと上のほうに月が浮かんでいた。いや、月ではなかった。うすぼんやりとした赤色で、マスクメロンのような模様に覆われている。
「やっぱり、異世界だったんだ……」
 ソフィのつぶやきは、そのまま私の結論だった。
 そんな馬鹿な――という思いは、まだ残っている。飛行機の墜落なんて、ありふれていてはたまらないけど、ありふれている。でも、何人かの遺体が発見されないことも珍しくない。山奥とか海の底ではなく、異世界に……?
 いや。あの事故には不自然なところがあると、ソフィは言っていた。突風とかエンジンの故障とかでなく、時空間の裂け目に突っ込んだのだとしたら――異世界に飛ばされて当然なのかもしれない。
「あ、流れ星」
 あんな最悪きわまるロストバージンの直後に、よくも脳天気なことを――と、呆れてしまう。まさか、『地球に戻れますように』と3回唱えるつもりじゃないでしょうね。
「ここでは、流れ星も違う地球と飛び方をするのね」
 え……?
「どこ? まだ見えるの?」
「月の左上の――空が黒くなっている境界のあたり。ゆっくり、滑るように動いている」
 月が浮かんでいるあたりは、まだ夕暮れの空だが、ずっと西は夜の帳が下りて、都会では絶対に見られない星の海になっている。その星の海の波打ち際のあたりに、きらきら光る、金属光沢を帯びた点が――たしかに、ゆっくりと滑っていた。
 いっそ、赤と緑の光点がペアだったら、飛行機の翼の光なのに。ジグザグに動いていたらUFOなのに。
 その小さな光点は一定の速度で天を滑って、広場を仕切る土盛りの向こうへ消えた。
 ――肉の焼ける荒々しい匂いと、穀物が蒸し焼きにされる香ばしい匂いとが、空腹を思い出させた。
 性欲を満たした野蛮人たちは、ずっと優しくなっていた。私とソフィは屈辱の形から解放されて――でも、囚われの身に変わりはなかった。ソフィを吊るしていた柱のひとつに、背中合わせに座らされて、互いに相手の腹を抱きかかえる形に手を縛られた。でも、それ以上の屈辱は与えられなかった。
 男たちは焚火と私たちを囲んで黙々と食べて、その合間には、肉もパンもどきも、私たちに恵んでくれた――のではない。
 東を指し、天を指し、左の指で作ったふたつの穴に右の人差し指と中指を出し入れして見せる。
「ジェ、ゴンゴン。ジェ、ゴンゴン」
 夜が明けたら(昼になったら?)、また2本まとめてゴンゴン。食べさせてやったのだから、当然だろう――そう言っている。
 ここぞとばかり、私は愛想よく笑ってみせた。
「じぇ、じぇ。ごんごん、ごんごん」
 手を使えないから、足を開いて膝を立てて、腰を揺すった。
「ジェ、ジェ、ジェ。ニャドゥ、ジェイジェイ」
 蛮族が歯を剥き出しにして嗤った。闇の中で白い歯が煌めいて、肉食獣を彷彿とさせた。
 ――食事が終わると、男たちはそれぞれのテントに引っ込んだ。夜が明けると起きて、日が沈むと眠る。原始的だけど健全なライフスタイルだ。もちろん、彼らの生活に共感なんて絶対にしないけれど。
 私もソフィも、疲れ果てていた。バギナもアヌスもずきずきひりひりしているし、ずっと縛られていて手足も痛いし身体の節々が強張っている。けれど、このまま眠り込んだら精神が粉微塵に砕けてしまいそうな、存在の根幹にかかわるような恐怖が、眠気を寄せ付けない。
 お腹も空いていたし、喉も乾いている。昼には、肉をひとかじりだけ。夕食だって、蛮族どもに身体を嬲られながら、肉の小さな塊をひとつと、ぺちゃんこのパンのようなのを掌一枚分くらい。水だけは、1リットルくらい飲めたけど――炎天下に裸で磔けられていたのだから、とても足りない。海水を飲んでしまったのも渇きを強めていた。
 私もソフィも黙りこくって、時間がこぼれ落ちていくのを無為に眺めている。
 火を熾すのは難しいのだろう。2人の男が焚火の前に座って、ときおり枯葉や小枝をくべている。闇をほんの数十cmだけ押し返す弱々しい炎。そして、ちっぽけな人間の行為とは無縁に、夜空を埋め尽くす星の群。
 星が瞬いている。昼に暖められた海水が蒸発して、大気をかき乱しているのだろう。 瞬くだけでなく、揺れているように見える。星だけを見ていると分からないのだけれど。月(?)のすぐそばにある星が月の縁に隠れて、しばらくするとまた姿を現わす。白い月ではなく暗赤色のマスクメロンだから、ホラーファンタジーの雰囲気だ。
 ――月の表面に薄い筋が刷かれた。雲だった。薄い筋が広がって、すぐに月全体を隠す。
 もう寝よう。眠れなくても、努力をしなければ。肉体の疲労が回復すれば、心も前向きになる。前向きになったところで、希望は見い出せそうにないのだけれど。
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Nightmare rift


 星の光が揺れて、衛星の影に隠れたり現われたりする。
 これは、ヒロインが解釈を誤っています。星の光は揺れて、月や惑星の光は(ほとんど)揺れません。でも、星がかくれんぼをしたりはしません。
 実は。この薄赤いマスクメロンは、光学迷彩をほどこしたドローンです。本物の月を隠蔽して、ヒロインに異世界だと信じさせる大道具です。実際は雲よりも低いところに浮かんでいますが、背景をCCDで感知して、表面に雲の形を投影しているのです。
 ちなみに。ゆっくり滑っている流れ星は、ISSでしょう。天和であってたまるものか。


 さて。ISSはともかく。異世界衛星偽装ドローンの仕掛けを見破れる読者がいるでしょうかしら。終章で、もうちょいヒントを書くかもしれませんけど。

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Interrupt Report:Nightmare Rift (悪夢の裂け目)

『幼な妻甘々調教』は、月に300枚のペースで進行中ですが。
 最近読んだコミックにインスパイアされまして。こういう「ぽっちゃリアル」な絵柄も好きなので、鬱勃たるパトスです。


インスパイア



 コミックのタイトルは『鬼虫』柏木ハルコ(Big Spirits Comics)です。引用ですので、縮小もしていますので、許してね。
 絶海の孤島で暮らす裸族の元に、倭国?から漂着した娘。言葉も通じず、災厄の兆しと断定されて、海へ流されようとする――といったお話です。
 あ、倭国と書いたのは。このヒロイン、眉を剃っているぽいので。平安貴族あたりかなと、推測した次第。


 第1巻(は、某金$で無料)を読んで、速行でストーリイが出来上がりました。
 まずは、冒頭。


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墜落

 見渡すかぎりの青、青、青……と、ちょっとだけの白。パステルブルーの海と、その上に浮かぶ小さな白い雲。そのすべてを眼下に見ながら飛ぶ水上飛行機。
「どこからが空か、分からない。このファンタジックな景色だけでも、ツアーに参加した意義があるわ」
 ソフィが、エンジンの音に負けまいとトモミの耳元に口を寄せて――ついでに、トモミの太腿を大胆に撫でた。
 トモミもソフィの言葉に同意したが、手の動きには同意しかねている。
 ワールドワイド・マッチングアプリの『アドベンチャラスガーデン』が企画した『ランダムブーケ』に応募したトモミは、ソフィとのペアリングを提案された。費用はすべて主催者持ちで2週間をリゾート地で過ごし、毎日の様子を二人別々にリポートする。親密な関係に発展しても、喧嘩別れしてもかまわない。もちろん主催者としては、ペアリングに自信満々なわけだが。
 シスジェンダーでヘテロセクシャルを自認していたトモミとしては、意想外のペアリングだったが、それだけに興味も湧いた。南太平洋の観光ズレしていない小島というのも面白そうだし、大学の夏休み中というのも好都合だった。
 ジェット旅客機とプロペラ機の不定期便を乗り継いで、2週間を滞在する島に到着したのが昨日のこと。そこで初めて、リアルのソフィと会った。年齢は18歳。トモミの2コ下だが、二人が並ぶと、体格も顔つきもトモミのほうが幼く見える。ソフィはジュニアハイスクールの頃からドミナント(タチ)だったというから――ややこしい2週間になりそうだというのが、トモミのソフィに対する第一印象だった。
 そのややこしさが、いきなり頂点に達そうとしている。拠点の島から200マイル離れた無人島で、2泊3日のプチサバイバル。自分は確実に食べられてしまうんだろうなと、トモミは覚悟していた。
 ガクンと、飛行機が揺れた。雲が左前方からせり上がってきて、激しく震える。
「ダムン! しっかりつかまっていろ!」
 パイロットが叫ぶ。雲が正面でくるくる回っている。
「メーデー、メーデー、メーデー! ZKタンゴ・リマ・オスカー。エアタービュランス、ストーリング!」
 機首のエンジンから黒煙が噴き出して、その一部が床下から吹き込んでくる。目がまわっているところに煙を吸い込んで、気分が悪くなった。
「オオオ! ワーッツ?」
 真昼の明るさを圧倒する閃光が正面に広がって、ぱたっとエンジンの音が消えた。
 もしかして、これが死の瞬間なのだろうか。薄れる意識の中で、トモミはそんなことを考えていた。
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 はい。ラノベではありふれた異世界転移ですね。
 蛮族は言語体系も確立していず、ジェスチャーと混淆です。


おれ  「ミ」+右親指で胸を指す
おまえ 「ミ」+右人差指で相手を指す
彼ら  「ミ」+右手を伏せて水平
人間でないもの 「ニャ」+右手
イェス 「ジェ」
ノー  「ニョ」
疑問  「ジェニョ」:ジェスチャー伴わない
行動一般的 「ゴン」+両手
過去を指定 後ろを見る
未来を指定 上を見る
数は左手で1~5 グゥは「沢山」

※こいつは、俺たちとは違う。
ニャ(指差)、ニョミ(自分、対話者、全体を指差)。
※身体が違う。
ニョミ(乳房をつかむ、股間を叩く)
※化粧をしていなくても平然としている。
ミ(自分を指す)ゴン(自分の化粧をなぞる)、ジェ(女を指す)ニョゴン(女の身体をなぞる)、ゴンゴンゴン(そっくり反る)
※こいつは獣だ。
ニャ(女を指す)、ジェニョ(森を指す)
※働け
ウオオ! ゴンゴン(土を掘る仕草)、ゴンゴン(殴る仕草)

 などと、筆者が遊んでいます。


 さて。さんざ異世界転生などをクソミソにけなしていた筆者です。安っぽいSFモドキを書くわけがありません。
 も、ネタをばらしときますと。金力で好き放題しているが、スナッフとかには良心の呵責を感じる善良な(?)連中のお遊びです。
 二人のヒロインを弄んで循姦して。こいつらがいると、狩りも畑仕事もおろそかになってしまうと――焼き殺すのです。
 煙にむせて気を失って、墜落当時の服装のまま、拠点の海岸に打ち上げられている。蛮族につかまっていたのは数日のはずなのに、10日以上が経過している。
 実は、計算の合わない日数は(ウラシマ効果などではなく)、残虐に傷つけられた身体の修復にあてられているわけです。
 最後は、トモミの推理で真相が語られるわけですが。期限の2週間で帰国できたわけでもあるし、現地の警察でも相手にされなかったし。すべては、ひと夏の夢で泣き寝入りです。
 あ。数日間の中でも、種明かしの伏線は張りますよ。

※蛮族は成人男子ばかり。
  →小松左京の『お召し』のような異世界かもしれませんけど。
※日中の特定の時間になると、天をおおうばかりの煙を焚き上げて、大声で祈る。
  →ジェット旅客機をヒロインたちに見せないためです。
※夕方、ゆっくりと動く流れ星。
  →さすがに、宇宙ステーション(ISS?)までは想定していなかった。
※ヒロインは洞窟に閉じ込めておくか、磔にするか。村落の中を探索させたりはしません。
  →まして、森の向こう側に隠してある通信機器や燃料電池発電機においておやまあ。

 ともかく、ぶっつけで書き進めます。
 しかも。R18部分を大幅に削った健全バージョン(Notissue version)も予定しています。これは、某創作同人誌に掲載予定です。2022年刊行目標(2023年以降に遅れるほうへ、3500ガバス)。


追記:本作のタイトルは、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの『The Starly Rift』からのインスパイアです。

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Progress Report 3:幼な妻甘々調教




Progress Report 2 →

 ペースが落ちてきて、7月中に脱稿するか田舎、怪しくなってきました。30枚ほど進んだと思ったら、半分くらい書き直したくなったり。書き直します。校訂後にさらにあれこれ弄って Fine Tuning する趣味はありません。チマチマ弄ったところで、90点が91点になるくらいのもの。それよりは、次を書きます。そうすれば、すくなくとも90+80=170点です。

 盆休みに、新妻を連れて帰省したら、嫁の破廉恥な格好(下着無し、ノースリーブ股下3cmワンピース)に父親が激怒したので、予定を早めて退散。ついでに東京へ寄って、SM用品店で本格的な鞭とかを買い込んで帰宅したところです。

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鞭打折檻

 三つどころか、僕はさらに二点を加えて購入した。ひとつは分厚い皮革に鋲を埋め込んだスパンキングパッドと、プラスチック製の教鞭だ。
 この教鞭などは、教育用品を扱っている店で買えば半値以下だろう。なにしろ、SM用品は需要の少なさもあって、馬鹿高い。掛け針(和裁用品で、洗濯バサミとリンク機構を組み合わせたような、布を咥える小道具)に釣りの錘を吊るした代物を乳首責め具として二個二千円で売っている。市販品を別々に買って数分の作業で手作りすれば、百円以下だ。
 もっとも、他のSM用品を買わなかったのは、ケチったからではない。手枷や手錠は趣味ではないし、首輪も鎖も縄も、荒物屋のほうが品揃え豊富だ。ボディハーネスなどは海外から取り寄せたカタログの写真を手本にして睦菜に手作りさせる計画でいる。
 しかし……専門店で購入すれば、いよいよのっぴきならない領域に踏み込むのだと、睦菜に覚悟をうながす効能はある。その覚悟をいやが上にも決めさせる意味で、睦菜の肌を叩く道具はボストンバッグに詰めて、本人に持たせた。
 意気揚々(は僕だけで、睦菜は悄然)と帰宅したときには夕方になっていた。
 先に風呂を沸かさせてひとりではいり、リビングルームでくつろぐ。台所で立ち働く睦菜の裸エプロン姿を、食傷気味に鑑賞する。菊枝は自分に与えられた部屋にこもっている。主婦なら台所仕事をひとりで切りまわすのは当然だが、まさか家政婦がそばで手をこまねいているのも不自然だ。新婚生活も一か月を過ぎて睦菜も家事には慣れ、最近では菊枝の出番は、夜の性技指導と、買い物や井戸端会議のお目付け役がもっぱらとなっている。
 菊枝も交えて三人で夕食を済ませ、睦菜が入浴しているあいだに菊枝が後片付けをする。
 そして、いよいよ――懲罰、それも厳罰の幕が開く。
 応接セットを隅に押しやって広げた空間の真ん中に、全裸の睦菜を正座させる。
 菊枝は乳房を丸出しにした黒のブラジャーとパンティストッキング直穿きの女王様スタイルで、睦菜の後ろに立っている。僕は、あえて普段着でソファに座って睦菜と向き合う。二人のあいだの床には、今日買った五点のSM用品と、これまでに使っていた靴ベラ、布団叩き、革ベルト、縄束が並べてある。スリッパは、僕が履いている。
「今日は珍しく、睦菜のほうから懲罰をおねだりしたね」
 まずは、言葉で辱めにかかる。
「睦菜は、懲罰に値するどんな罪を犯したのかな?」
 睦菜は全身を薄く染めて(いまだに全裸は羞ずかしいらしい)うなだれ、その視線は、目の前に並べられた――自分の肌に叩きつけられる小道具類に落とされている。
「旦那様の言いつけに逆らいました」
「どんなふうに?」
「……お店の人が見ているところで、スカートを捲ってお尻を出せませんでした」
 か細い声で答えながら、ちらちらと後ろを気にしている。
「なぜ、僕がそんな命令をしたんだったかな」
「……いろんなムチを試すためです」
 静かな部屋の中で面と向かって、それでも聞き耳を立てなければ聞き取れないほどの声だった。
「家に帰ってからなら、試しても良かったんだね」
「はい」
 安堵の息とともに返事をした。言葉で嬲られるのが終わったと察したのだろう。僕としても、その推察を裏切ったりはしない。
「では、期待どおりに試し打ちを始めよう――立て。立って、懲罰を受ける姿勢を取れ」
 びくっと、睦菜の肩が震えた。いよいよ叩かれるという恐怖ではない。僕の言葉づかいに戸惑っている。これまでなら、「立ちなさい」と優しく言ってきた場面だ。
 それでも睦菜は素直に立って、両手を頭の後ろで組んだ。股間を叩かれるために両足を開き、ぐらつかないように踏ん張った。懲罰を受ける姿勢と今は言ったが、捕虜の姿勢と言う場合もある。罰を与えるのではなくメコ筋を可愛がってやるときなどだ。
「まずは、これまでに使ってきた道具の痛みを思い出させてやろう」
 スリッパを手にして立ち上がる。
「こっちにケツを向けろ」
 睦菜の全身が、またぴくりと震えた。
「今夜の旦那様……怖いです」
 睦菜が本気で怯えている。
 最近の睦菜は、懲罰のときにもあまり怯えを見せなくなっていた。覚悟とか狎れではなく、諦めている。今の睦菜は――痛みへの予感よりは、僕の豹変におののいている。
「今夜だけじゃない。これからもずっと、怖いぞ」
 にらみつけられて、睦菜はおずおずと後ろ向きになった。そのあいだも、頭の後ろで組んだ手は保っている。
「スリッパの痛みを思い出せ」
 パアン!
 力いっぱいに叩いたが、睦菜は微動だにしない。新婚旅行のときに比べたら、たいした進境だ。とはいえ、一か月でこれでは、先々のエスカレートが思いやられる。自重しなくては。
 スリッパを靴ベラに持ち替えて、手加減無しで尻に叩きつける。
 ぶんっ、パッシイン!
「きひいっ……」
 柄の長さだけスイングが加速されるし、打撃面積はスリッパの四半分。衝撃はスリッパの比ではない。
「つぎは布団叩きだ」
 ひゅん、パチイン!
「くうう……」
 柄は長いが、打撃面積が広いし肉もあまりひしゃげない。スリッパ以上靴ベラ以下だ。
 最後に、縄束。水で濡らせばかなりの威力だが、乾いたままだと意外に空気抵抗が大きくて威力が削がれる。
 ぶんっ、バシャアン!
「きゃあっ……!」
 しかし、手首のスナップを利かせると打撃の速度がぐんと上がる。
 しかし、しょせんは尻だ。痛みは高が知れている。そうでなくては比較が難しいのだが。
「さて、いよいよだぞ」
 今日買ったばかりのうちから、最初に選んだ板製のスパンキングボードを手に取った。小さなハート形を幾つも刳り抜いてあるやつだ。
 ぶゅゅん、バシン!
 思いっきり、尻がひしゃげた。
「…………」
 睦菜は表情を動かさなかったが、内心では拍子抜けしているはずだ。スリッパと比べても、痛さはあまり変わらない。
 しかしサディスト側には、スリッパでは味わえない愉しさがある。睦菜の尻がいっそう赤く腫れたが、白いハートが転写されている。それと、空気が穴を通り抜けて風切り音が微妙に震える。急降下爆撃機ユンカース87に装備されたサイレンと同じような威嚇効果がある。
 分厚い皮革に鋲を打ったスパンキングパッドに持ち替える。
 ぶゅん、バチイン!
 びくんと、尻が前方へ逃げた。鈍角とはいえ金属鋲が肌に食い込むし、皮革のしなりが痛みに粘っこさを与える。その分、打撃の瞬間の痛みは和らぐが。
「さて。尻を叩くときは、どっちを使ってほしいかな?」
 睦菜が僕を振り返りかけて、途中で思いとどまった。
「わたしが決めてもいいのですか?」
 何度も注意されて、最近は一人称が『睦菜』で定着している。それが人称代名詞に戻ったのは、驚きの表出だろう。
「叩かれるのはきみだからね。たまには希望をかなえてあげよう」
 数秒、睦菜は考え込んでいた。そして、意外な返事をした。
「……後のほうにしてください」
「へえ。わざわざ痛いほうを選ぶんだね?」
「だって……そうでないと、懲罰になりません」
 殊勝なことを言う。
 しかし、そういった態度はサディストの嗜虐を焚きつけてくれる。
「よし。皮革製のパッドを、尻叩き専用にしよう」
 しかし、せっかく買った品をお蔵入りにするのはもったいない。
「板製のほうは、乳房専用にしてやろう」
「あ……」
 睦菜が溜め息のような声を漏らした。驚きなのか諦めなのかまでは、判然としない。予想していなかった言葉だったのは確実だ。なにしろ僕自身、咄嗟の思いつきなのだから。
 睦菜は、嬲られるための姿勢を崩していない。僕の許可が出ていないのだから当然だが、同時に、これしきで懲罰が終わるはずもないと心得ている。事実、始まってもいない。
 僕は、つぎの品を手に取った。一本鞭だ。狭い室内で振り回せる長さだ。僕の技量では、二メートルも三メートルもある、家畜用鞭(ブルウィップ)を効果的には扱えないのも事実だが。
「これは、スパンキング用の板とは桁が違うぞ」
 ぶゅんっと、素振りをくれてやる。これまで耳にしたことのない鋭い風切り音に、睦菜の全身がぴくんと震えた。
 ゆっくりと鞭を振り上げて、軽く引きずる感覚で斜めに打ち下ろす。手首のスナップはじゅうぶんに利かせて。
 ぶゅんっ、パシイイン!
「痛いっ……!」
 切羽詰まった悲鳴ではなかった。
 薄赤く腫れた尻に、鮮やかな線条が刻まれた。一晩寝ても蒸しタオルでも消えない、禍々しくも美しい刻印。これを使うときは、TPOに気をつけねば。
「つぎはバラ鞭だ」
 びゅんっ、パアアン!
「く……」
 赤く腫れた尻に太い革紐の角が擦れて、数本の線条が刻まれる。一本鞭の痕に比べれば不鮮明だ。これくらいなら、ショートパンツの裾からはみ出ていても目立たない(と、睦菜を強引に言いくるめられる)。
 最後は教鞭。以前から、使ってみたいとは思っていた。笞(硬い一本形状の物は、この字を当てる)としては弱いが、先端にある団栗様の膨らみが、打撃を一点に集中させる。繊細な突起にピンポイントで当たれば、凄まじい威力を発揮するのではないかと――想像するまでもなく、じきに確かめられる。
 それにしても。教材には、SMに使えそうな小道具が多い。黒板で使う大きな三角定規は、先端でつつくのも良し、パンティの上から(もちろん直接にでも)食い込ませるのも、趣きがある。スパンキングでは、物差しやT定規に譲るが。コンパスは、クリトリス(あるいは膣)を中心にして双つの乳首に円を描ける。縄跳びは、緊縛はもちろん、グリップを双穴に突っ込むという使い方もできる。チョークを尿道に……いや、妄想が過ぎた。しかし睦菜が、つい数か月前まではそういう環境にいたと思うと、彼女の同級生は今もそうなのだと思うと、背徳の淫愉を禁じ得ない。
 妄想に終止符を打って――いや、妄想を具現化させて。
 しゅん、ビシイッ!
「痛いっ!」
 一本鞭に比べると、悲鳴には余裕があった。しかし僕としては、鞭よりも手応えが直に伝わってくるので愉しい。
「今の三つでは、どれがいちばん痛かったかな?」
 睦菜は迷わずに答えた。
「最初のが、特に痛かったです」
「では、いちばん楽だったのは?」
 これにも間髪を入れず返事をする。
「指示棒です」
 最近ではそういう言い方をするのかと、勉強になった。会社での会議にも使うことを考えれば『教』の文字は当てはまらないし、民主教育に『鞭』の字は不適切かもしれない。それはともかくとして。
「そうか。この三つは、どこ専用とはせず、罪の重さによって使い分けることとしよう」
 鞭と笞はダイニングテーブルに片付けて、部屋の隅に押しやってある応接テーブルから(叩くためではなく縛るための)縄束を手に取った。
「試し打ちは、これで終わりだ。お仕置きを始める。手を後ろにまわせ」
 懲罰を受けるのは罪人だから、縛られていて当たり前。そんな理屈を、睦菜は(内心はともかく)受け容れている。と同時に、同じ罰を与えられるのなら縛られていたほうが楽だと、身体で納得している。
 手の動かせるのに鞭打たれる部位を庇わずにいるのは、意志の力を要求される。メコ筋打ちは二度しかしていないが、最初のときはテーブルの上で逆海老に縛られるのを嫌がったので、床の上でブリッジをさせてやった。もちろんブリッジは一発で潰れて、二打罰の追加。捕虜の姿勢でも、すぐに両手で股間を押さえて崩折れた。
 腕をいっぱいにねじ上げて高手小手に縛り、胸縄で乳房を絞り出す。ダイニングの椅子を持って来て、後ろ向きにして背中にあてがい、椅子の脚に足首を縛りつけた。睦菜が足を開いたままでいる努力をしないですむように、膝を背もたれの両端につないでやる。
 それまでは羞恥が勝って薄桃色に染まっていた肌から血の気が引いていく。この姿勢で縛られるのは、(今のところは)もっとも厳しい罰であるメコ筋打ちを意味すると、察したのだろう。おおむねはその通りだが、今夜の主目標はメコ筋ではない。
「猿轡が必要かな?」
「お願いします。睦菜に猿轡を噛ませてください」
 ためらわずに、教え込んだ作法通りに返事をする睦菜。家の中とはいえ、大声で叫べば隣家にも聞かれる。だから悲鳴を封じられる安逸にも、睦菜は狎れてしまっている。言葉を発せないつらさも、今夜は教えてやるつもりだ――などとはおくびにも出さずに、手製のボールギャグを睦菜に噛ませた。
 スーパーボールという玩具が数年前に流行って、今も子供に大人気だが、実に使い勝手が良い。直径五センチほどのボールに穴を開けて(見た目を美しくするために)工事現場などで使うトラロープを通せば、関西(kinky)用品よりも、よほど優れたボールギャグになる。今日の店にもボールギャグは売られていたが、中空のプラスチック球に呼吸のための穴が幾つも開けられているから、(意味をなさないにしても)声が漏れるし、やたらと涎が垂れて跡始末が面倒だ。もっとも、開口が無いと窒息の危険を伴うから、たとえばひと晩放置する場合などには適さないのだが。
 小から大のスーパーボールを順番に金属棒で串団子にした物も、いずれは作るつもりでいる。唯一残された処女穴を拡張するときには、これを使う。その他にも――小さめの物を柔軟なロープで数珠つなぎにすれば、縄褌よりもはるかに刺激的だろう。
「んん、んんん……」
 睦菜の鼻声で我に還った。
 猿轡を噛まされると、睦菜は決まって小さな声で呻く。たしかに声を封じられたと、自分に言い聞かせているのかもしれない。諦めと甘えの綯い混ざった、媚びるような呻き声だ。
「人前で僕の言いつけに逆らったんだからね。僕やお菊さんだけがいる場所での反抗に比べたら、罪はずっと重い」
 僕は迷うことなく教鞭を懲罰の道具に選んだ。
「とはいえ、この一か月間はおおむね恭順だったし、第三者のいる場所で公然と逆らったのはこれが初めてだ。だから今日のところは、おまえがいちばん楽だと言った教鞭で赦してやろう」
 判決を言い渡しながら、教鞭の先端の膨らみで乳首をつつく。
「んん……」
 睦菜は僕を上目遣いに見上げて、こくんとうなずいた。寛大な処置(では、ないのだが)への感謝を表わそうとしたのかもしれない。そうでなくても、拒否の意図など無いということだ。
「左右交互に十発ずつだ」
 睦菜が安堵めいた表情を浮かべた。これまでも、乳ビンタが十発以下だったことはない。せいぜいその倍なら、革ベルトに比べて華奢に見える教鞭なのだから、たいしたことはないとでも勘違いしているのだろう。
 乳房の中ほどに先端を当てて、腕を伸ばした分だけ下がって。
「いくぞ」
 鞭を振りかぶって斜めに打ち下ろした。
 しゅん、ビシイッ!
「ん゙む゙ゔっ……?!」
 上体が大きく揺れて、ガタタッと椅子が動いた。予想していたより痛みが激しくて、たじろいだのだ。
「あら、せっかく縛っていただいたのに、じっとしてられないの?」
 菊枝が椅子に跨った。重しになるだけではなく、睦菜の両脇に手を差し入れて上体を押さえた。
「ありがとう。これで狙いをつけやすくなる」
 バックハンドで右の乳房を打ち据えた。
 しゅん、ビシイッ!
「む゙ゔゔっ……!」
 上体は微動だにせず、乳房だけがぷるるんと弾んだ。
 いっそう慎重に狙いをつけて。今度は打ち据えるのではなく、教鞭を右から左へ振り抜いた。
 しゅん、ピシイイッ!
 教鞭は乳暈のすぐ外側に当たって、乳首を薙ぎ払った。
「ん゙ま゙あ゙ーっ!」
 睦菜が、のけぞって絶叫する。
 これまでも革ベルトで乳首を狙って打ったことはある。しかしベルトの幅に打撃が分散するから、痛みも乳房全体に広がる。ピンポイントに激痛が集中するのは、睦菜にとって初めての体験だろう。
 僕はいっそう慎重に狙って、バックハンドで右の乳首も薙ぎ払った。
 しゅん、ピシイイッ!
「む゙も゙お゙お゙っ!」
 ふたたび睦菜がのけぞって、くぐもった悲鳴を噴いた。
 悲鳴の大きさを参考に力を加減しながら、十発を打ち終えた。乳房には短く薄い鞭痕が刻まれているだけだが、乳首は熟したグミの実のように赤黒く膨れている。指でつまむと、いつもの硬くしこった手触りではなく、熟しきった果実のようだった。
「頑張ったね」
 果実を潰してしまわないように、親指と人差し指の腹でやさしく転がしながら、いたわりの言葉を掛けてやる。
「じゅうぶんに罰せられたと思うかな?」
 はっと、睦美は顔を上げて。すぐに目を伏せた。こくんと小さくうなずく。
「黙っていては、わからない。じゅうぶんに反省しているのか?」
 こくこくと、睦美がうなずく。しかし、僕は重ねて問いかける。
「これ以上の罰は赦してほしいのなら、そう言いなさい。沈黙は反抗と同じだ」
「んんん、んん、んんん!」
 睦菜は激しくかぶりを振る。
「そうか。ちっとも反省していないのか。乳首だけで赦してやるわけにはいかないね」
「んんんっ、んんん!」
 睦菜はいっそう激しく呻いて、いっそう激しくかぶりを振る。
「それとも、お豆にも罰がほしくて、わざと反抗しているのかな?」
 睦菜は呻くのをやめて、僕をにらみつけた。頬が紅潮しているのは、理不尽への怒りだろう。この勁(つよ)い精神は尊重してやらねばならない。調教とは、理不尽を無批判に受け容れさせることではないと、僕は思っている。理不尽を押し通されることを怒り、しかし撥ね返せない自分の無力に打ちひしがれる。つまり、愛奴には人間であり続けてほしいということだ。もちろん、それは僕の哲学であり、睦菜にも菊枝にも打ち明けるつもりなどない。
「そうか。そんなにお豆を鞭打ってほしいのか。ずいぶんと淫乱になったものだね」
 事前には打ち合わせていなかったのだが、菊枝は僕の意図を察して。左手で睦菜の腰を抱え込み、右手を股間に這わせた。すっかり縮こまっているクリトリスをほじくり起こして、一か月前の睦菜だったら悲鳴をあげただろう激しさで――つまみ、こねくり、包皮をしごく。そんな乱暴な愛撫にも反応するまでに、睦菜は馴らされ開発されている。
「こんなに尖がってますわ。あ、そうだわ」
 菊枝は自分の髪を数本抜いて、僕に手渡した。
「これを巻きつけてやったら、いかがかしら」
 なるほどと思った。いったん教鞭をテーブルに戻して、髪の毛を実核の根元に縛りつけた。
「ん゙も゙お゙っ……む゙ゔゔゔ……!!」
 髪を振り乱して狂乱する睦菜。クリトリスをくびられるだけでも、相当な刺激だ。ますます充血して、ミニチュアサイズのペニスさながらになる。手を放しても、包皮は元に戻らない。
「ん゙む゙む゙む゙……も゙お゙お゙っ!」
「うるさいぞ」
 ぱちんと、軽くビンタを張ってやった。
「声を出すな。静かにしていれば、三発だけで赦してやる」
 ぴたりと、呻き声が止まった。
「んん……?」
 すがりつくような目つきというものを、僕は初めて見た。愛おしさが込み上げてくる。しかし始末の悪いことに、嗜虐の炎も激しく燃え上がる。
「悲鳴をあげるごとに、二発を追加するぞ」
 睦菜の返事を待たずに、僕は教鞭を下段に構えた。じゅうぶんに間合いを測る。
 重しとして椅子に座っている菊枝が、両手で睦菜の腰を支えた。睦菜は椅子に縛りつけられたまま、ウィリアム・テルの息子さながらに凝固する。
 しゅんっ、ブシッ!
「……!!」
 打たれた瞬間に、睦菜は爪先立った。わずかでも激痛から逃れようとしての、無意識の動きだろう。
 ふうっと、睦菜が大きく息を吐いた。耐えられたという安堵の思い。
 しかし、今の一発はクリーンヒットではない。空振りをしないよう、淫裂の中心を狙ったのだ。教鞭は淫裂をこすって勢いを削がれてから、クリトリスを叩くというよりもこすり上げた。とはいえ、巻きつけておいた髪の毛が吹き飛んだのだから、決してやわな一撃ではない。
 しかも、小指の先よりも小さな突起に、ペニスと同じ数の神経が密集している。睾丸を蹴られた痛みが女に理解できないのと同様、クリトリスを虐められる辛さは僕には想像もつかない。
※クリトリスにはペニスの二倍もの神経が集まっているという知見は、二十世紀末以降のものです。
 とはいえ、出産という原初の試練に耐えるように作られている女の身体だ。クリトリスへの責めなど、高が知れているだろう――というのは、男の身勝手な想像でしかないが。
 急速に萎えて皮をかむったクリトリスを直接狙うのは難しいので、二撃目も最初と同じところを狙った。
 しゅんっ、ピシッ!
 ドングリの先端が、かろうじてクリトリスを掠めた。しかし、当たってはいる。ピンポイントへのショックは、むしろ大きい。睦菜は反射的に爪先立って、それから前へ倒れかけた。が、菊枝に引き止められた。
「お菊さん、顔を引き起こしてくれ」
 睦菜をのけぞらせておいて。三撃目は上から打ち下ろした。
 しゅんっ、ビシイン!
 ドングリがクリトリスを直撃して、肉にめり込んだ。
「も゙っ……!!」
 睦菜の膝から力が抜けて、その場に崩折れかけるが――膝を巻く縄と菊枝がつかんでいる髪の毛で、宙ぶらりんめいた姿勢で止まった。
 ちょろちょろっと、股間から水が滴った。フローリングに水溜りができていく。男と違って、小便を途中で止めるのは難しい。今の睦菜には、その気力もないだろう。
 僕は着ていた服を脱いで、絨毯にかぶせた。
「んんっ、んんん、んっ……」
 これまでになく切迫した様子で、睦菜が呻く。顔を真っ赤にしている。ただならぬ様子に、ボールギャグを取ってやった。
「ごめんなさいっ……!」
 叫んで。泣きじゃくる。
「縄を……ほどいて。掃除、します……お願いです」
 言葉を封じたまま返事をしろと言われたときよりも、よほど取り乱している。僕の理不尽な仕打ちよりも、自身の失態を愧じている。
 もしかすると、睦菜は天性のマゾヒストではないだろうか。いや……たった一枚きり買った宝くじが一等に当たるような僥倖に恵まれるはずがないとすれば。女性が誰しも裡に秘めているマゾ性向が、この一か月の調教で引き出されたと考えるほうが、合理的だ。
 いずれにしても。睦菜への愛おしさが、ますます募る。睦菜への嗜虐に、いっそう執着する。
「お菊さん。睦菜に跡始末をさせてやってください」
 僕はソファに座って、煙草に火を点けた。
 菊枝が縄をほどいて、睦菜を椅子から解放してやった。しかし、後ろ手に縛った縄は残している。小水にまみれた僕のシャツをつまんでバスルームへ持って行く。そして、水を汲んだバケツと雑巾を持って来て、床に座り込んでいる睦菜の前に置いた。
「あの……?」
 睦菜が、僕と菊枝とを交互に見上げる。
 予想外の展開でも、すべては僕の掌の上といったふうを装って、紫煙をくゆらす。
「掃除をするんでしょ。いっそのこと、舐めて取ったら?」
 睦菜が顔を引き攣らせた。怒りに蒼褪めて……また、頬を紅潮させると。
 床に身を投げ出して、ほんとうに小水を舐め始めた。
「おいおい……」
 菊枝は、僕が思っていたよりもサディスチンだ。これまでに何人かマゾネコを放し飼い(同棲には至らない)にしていたが、三か月と続かなかったというのも、頷ける。
「お菊さんが、せっかく雑巾を持ってきてくれたんだぞ。ちゃんと使いなさい」
 聖水プレイもいずれはと考えていたが、それは僕の『聖水』だ。彼女自身の汚水を舐めさせることまでは考えていなかった。しかも、調教一か月目にして。
 睦菜は床に這いつくばったまま上体をもたげて。納得した顔つきになって、バケツの縁に掛けられている雑巾を口に咥えた。床に落として、雑巾の一端を咥えたまま頭を左右に動かしたが、ほとんど拭けていない。
 僕がサディスティックなアドバイスをする以前に、睦菜は雑巾に顔を押しつけて、雑巾で床を拭くとも顔を拭くとも判然としない動作を始めた。自分の小水を顔になすり付けているにも等しい。
 雑巾がじゅうぶんに小水を吸い取ると、また口に咥えてバケツに浸けた。そこで、途方に暮れる。上体を起こして床に座り直し、今にもバケツに顔を突っ込みそうな風情。さすがに菊枝がバケツから雑巾を拾い上げ、絞ってから床に投げた。睦菜が、いそいそと雑巾に顔を突っ込む。
 それを何度か繰り返して、床は綺麗になった――と言いたいところだが、薄い染みが大きく広がったに過ぎない。絨毯を敷いていたら、床は汚れずに絨毯だけを取り換えて済んでいたところだ。這い這いをする赤ん坊が絨毯から抜ける遊び毛を吸い込んだら喘息になると、婦人雑誌か何かから聞きかじった知識をふりかざして、前妻が撤去してくれたおかげで、まあ、フローリングの修繕代金くらい、かまいはしないが。
 最後に菊枝が雑巾をよく絞って、それで睦菜の顔を拭いてやった。タオルを使わないのだから、恥辱プレイだ。
「よく頑張ったね」
 僕はソファから立って、睦菜を抱き起こしてやった。そのまま唇を近づける。
 睦菜が、あわてて顔をそむけた。
「汚いです」
 短い婚約時代には何度かキスをしたが、結婚してからは一度もしていない。愛奴をそこまで甘やかすなど、とんでもない。
「たしかに、汚いね」
 僕の言葉に、緊縛された裸身が腕の中で強張った。
「自分の小便を舐めたり、僕のペニスを咥えたり。だから、これは飛び切りの褒美だよ」
 睦菜が僕を振り返った。小さく唇を開けて、目蓋を閉じている。
 僕は睦菜に口づけをしてやった。だけでなく、舌で口中を貪った。強張っていた睦菜の裸身が、軟らかく蕩けていく。
 鞭に対するバイブよりも、よっぽど効き目のある飴だった。
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 WORDでは、ポイントしてしたりフォントの色を薄くしたり
「恥ずかしがって、かろうじて聞き取れるような声で訴えている」
のを表現していますが。ブログ掲載時には、そこまで手を入れません。製品版をお楽しみに、です。

 今回は、別の表紙絵(構図案)でお茶を濁します。
※構図

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report :修学旅行~性的イジメの夜

『幼な妻』のほうが長丁場になってきました(折り返し点で約200枚)ので、箸休めに短編を書いています。
 Reiwa Zero Sum Short Stories 6 『修学旅行~性的イジメの夜』

 某雑誌に提出してボツ喰らったシノプシスが、これです。

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概  要:修学旅行で、寝相の悪さでまわりが被害を受けないためと称して縛られて、
     深夜に集団で嬲られる。イキまくる。
     次の夜は自分から縛られたがるようになってしまう。
ヒロイン:とくに目立たない女子校生だが、M性向に感づいている同級生もいる。
STORY
修学旅行が憂鬱なヒロイン。大声の寝言を臨海学習で指摘されている。
修学旅行の2日目。でっち上げの「大暴れ寝相、イビキ歯ぎしり」。
大の字で寝ている/他の子にクンニしようとしている/などなどの写メ。
(実は睡眠導入剤で熟睡させられてポーズをとらされていた)
他の子に迷惑をかけないためと称して、緊縛猿轡。
深夜に同室の子に襲われる。
最初はひとり。だんだん手が増えていく。
処女を奪われることはなかったが、アナルも含めてあれこれイタズラされて。
何度もイキまくる。揶揄の声。この頃になると、全員が参加しているとヒロインも気づく。
3日目の昼間は、ふさぎこむヒロイン。
周囲のひそひそ声。
「やり過ぎだよ」
「先生にチクられるかも」
「もっと苛めて、完全に調教しちゃおうよ」
3日目の夜。
「面倒だから、最初から素っ裸になっときな」
おずおずと従うヒロイン。小さな声で。真っ赤な顔で。
「……男子を呼んだりは、しないでくださいね」
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構図

 ボツ喰らっただけあって、弱いです。補強しましょう。
 虐める動機づけに、恋の鞘当てとか。
 2日目は、最初こそ指とか小筆のイタズラですが、すぐに3点ローターでクリアクメ。
 さらにクリは電動歯ブラシに置換して、ローターの挿入。
 3日目は実際に男子が参加して、乳首&アナルローター+クリ電動歯ブラシで生身挿入、膣逝きとか。
 4日目を追加して、クラスメート相手に強制アルバイ春とか。
 さらにエピローグもつけます。

 2連休のはずがシフトが無くなって3連休で60枚弱、(物語の)3日目まで終りました。
 予定通り100枚前後の短編に仕上がりそうです。
 なので、これを8月号として、『幼な妻』は9月号になるでしょう。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 2:幼な妻甘々調教



 平日10枚、休日30枚のペースで進行中です。
 それでも、やっと新婚調教旅行から帰ってきたところ。
 御近所への御披露目とか調教Lv1あたりは叙述で走って、結婚してすぐの(新妻単独での)里帰りをさせて。
 ここからは、住込みの(実はレズでサディスチンで縄師で家事全般に優秀な)お手伝いさんからの性技伝授とか、MOF接待に肉弾特攻させて、マグロで不評で花電車芸を仕込んでのリベンジ接待とか、延々と展開していくわけです。
 叙述で走っている時点で150枚突破しましたから、さて400枚で収まるか600枚超えるか。作者の気紛れで好き勝手出来るのが、商業出版では不可能な長所です負け惜しみ。


 では、新婚旅行初日の様子をどうぞ
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 空港からは旅館の送迎バスで一直線。旅館も新婚カップルだらけということになるから、やはりやりたい放題ができるわけだ。
 旅館宛てに小包で送っておいた衣類の整理は妻の役目。僕のは替えの下着と、万一に備えての着替えだけ。男なら二泊三日くらい、着た切り雀でかまわない。
 睦菜は、膝上というよりも股下五センチほどに短くされたワンピースを見て首をかしげ、裾をV字形に切り詰められたホットパンツで、自分の知らないうちに手直しされていることに気づいたみたいだった。けれど、なにも言わない。だから、僕もこじつけの説明なんかしない。
 片付け終わるタイミングを見計らって、切りだす。
「ここは混浴露天風呂があったな。夕食まで二時間以上はあるから、ひと風呂浴びよう」
 あったなもなにも。すべては下調べしてある。
 当然に、睦菜は困惑の表情を浮かべた。それでも、五秒くらいはためらってから。
「わたし、部屋のお風呂でいいです」
 僕は不機嫌そうな顔を作って睦菜をにらんだ。
「僕が、一緒に行こうと言っているんだよ」
「でも……羞ずかしいから」
「なにが? みんな、素っ裸なんだぞ」
「だから……」
 口ごもるのを、追い詰める。
「なにが、どう羞ずかしいんだい?」
「見られてはいけないところとか……」
「ああ、股座の毛のことを言ってるんだね」
 微妙に的外れな言葉を返すと、素直に返事をする。
「……はい」
 これなら、亭主の強権を発動しなくてもよさそうだ。
「それは、そうだね。それじゃ、剃ってしまおう」
「えっ……?!」
 口を開けて、睦菜が絶句する。
「自分では下のほうまでよく見えないね。僕が剃ってあげよう。素っ裸になりなさい。ついでに、腋の下も剃り残しが無いか確かめてあげよう」
「あの……困ります」
「なにを困るんだい? 女性は腋毛も脛毛も手入れをしてるじゃないか。股座だけほったらかしは、おかしいね」
「…………」
 泣きそうな顔になっている睦菜を置いて内風呂へ行き、水を張った洗面器と石鹸とT字剃刀と手拭いを取ってきた。座卓の隅に置いて、その横に胡座をかいた。
 睦菜は突っ立ったまま両手を胸の前で交差させて、唇を噛んでうつむいている。どんなふうに自分との折り合いをつけたのかは、分からない。法外な結納金の意味を、あらためて思い出したのかもしれない。
「あの……自分でします」
「駄目だ」
 厳しい声で断定してから、優しく言い添える。
「気が動転していたら手元が狂って、肌を切ってしまうよ」
 睦菜は後ろ向きになりかけて、昨夜を思い出したのだろう。僕に向き直って、服を脱ぎ始めた。
 僕は腕組みをして、睦菜の動作をじっと見つめる。勃起を鎮めようとして、アルファベット順に五つずつ単語を思い出しながら。
「ここに立って脚を開きなさい」
 若い娘には不可能に近い行為を命令する。
 睦菜は白い裸身に朱を浮かべながら、買い主でもある夫の命令に従った。
 僕は間近に、昨夜割られたばかりの新鉢を覗き込んだ。
 大淫唇には、まったく色素が沈着していない。開脚するとさすがに顔を出す小淫唇の縁も、鮏肉色だった。
 中指で淫裂をえぐりながら掌で小さな叢を撫で上げた。
「ひゃあっ……」
睦菜が悲鳴をあげて跳び退った。
「動いたら危ないよ」
 警告と同時に、手を伸ばして同じことを繰り返した。今度は叫ばなかったが、びくんっと腰が跳ねる。
「反射的な反応だから、どうしようもないね。そうだ……」
 床柱の手前にトランクを置いた。
「ここに座りなさい」
 不安げな顔で腰を落とす睦菜。
「身体を動かせないようにするからね」
 脱衣篭にたたまれている浴衣の帯を手に取った。
「…………」
 昨夜のことを思い出せば、僕の意図は明白だろう。睦菜はわずかに顔をそむけて、うつむいている。それが彼女の拒否と受諾、両方の意思表示だった。
 左の膝を縛って帯を引き上げ、途中で手首を縛り、さらに引っ張って、下地窓に通して床柱に巻き付けた。もう一本の帯で右も同じようにする。これで実用上の問題はないが、緊縛らしくするために、ズボンのベルトで手首をひとまとめにした。
 ベルトが無ければ文字通り締まらないので、僕も下着姿になった。
 睦菜の艶姿を撮影したい衝動に駆られたが、それは睦菜の羞恥の極限を超えるだろうから、断腸の思いで諦める。このときだけではない。新婚旅行のあいだは、まあまあ無難な記念写真をわずかに撮ったにとどまった。それはともかく。
「ふうん。腋の下は、綺麗にしているね」
 両腕を吊っていることを正当化する言い訳。
「それじゃ、見苦しい箇所の手入れを始めよう」
 睦菜は、すっかりまな板の上の鯉。僕の言葉にぴくりとも身体を動かさなかった――のだが。
 床の間の板敷きに剃毛の道具を並べ終えたところで(予期していたとおりに)邪魔がはいった。
「失礼いたします」
 女中の声。浴衣も引っ掛けずに襖を開けると、踏込(入口)手前の板敷に手を突いていた。
「早めにお布団を敷かせていただこうかと伺いましたが……そのほうが、よろしそうですわね」
 新婚だから夜を待たずにおっ始めるのではないかと見越してのサービスだろう。
「うん、頼むよ」
 客間へ続く襖を思い切り開け放してやった。
「では、失礼……ええっ?!」
「いやあああああっ……!!」
 驚愕と羞恥、悲鳴の二重唱。
「お取り込み中を失礼しましたあっ」
 慌てて逃げようとする女中の肩を捕まえて引き戻した。
「こういう趣味なんでね。なにとぞ、よしなに」
 あらかじめ準備しておいた心付けを、和服の胸元にねじ込んでやった。四十女の乳を揉んでやるサービスも忘れない。
 女中にそのまま布団を敷かせれば強制露出プレイだが、それでは明日のインパクトが薄れるので、やめておいた。
それでも、睦菜の受けたショックは大きかったようだ。
「わたしに恥を掻かせて、面白いんですか?!」
 目に涙を浮かべて、僕を詰った。初めての抗議だった。予想していたよりは一日遅い展開だった。
 僕は睦菜の前に膝を突いた。右手を振り上げる。
 睦菜は、怯まず僕をにらむのだが――その瞳に憎悪や敵意は浮かんでいないと見たのは、僕自分勝手な思い違いだろうか。
 僕は手加減無しの平手打ちを睦菜の乳房にくれてやった。
 バッチイン!
「きゃああっ……!」
 予想外の部位をビンタされた驚愕と、頬を叩かれるより何倍もの(男の僕には見当もつかない)激痛に、睦菜が絶叫した。といっても、まだまだ女の子っぽい可愛い悲鳴だったが。
 掌に残る柔らかい感触をちょっとの間だけ愉しんでから、右手で乳首を抓ってやった。
「妻の恥は、そのまま夫の恥だ。分かるな?」
「痛いです……」
 追い込まなくても、言い聞かせるだけでじゅうぶんだと思ったのは、判断ではなく憐憫だった。
「夫である僕が、一緒に恥を掻いているんだ。それでも不服なのか?」
左手も動員して、双つの乳首に親指の爪を食い込ませてやった。
「きひいいい……ごめんなさい! わたしが間違っていました」
 ただ痛みから逃れたい一心の言葉だろうが、それで赦してやることにした。
 石鹸を掌で泡立ててそれを下腹部になすりつけても、睦菜はじっとしていた。
 羞ずかしいことをされているという意識のせいか、掌と石鹸で性感を刺激されたせいか、クリトリスが少し隆起している。マゾの素質とは断定できないが、有望な反応だ。
 剃毛に取りかかる。繁みの上端に刃を直角に当てて、クリトリスを傷つけないようにそっと――淫裂の下端まで滑らせた。泡と共に淫毛が剃り取られて白い肌が現われた。逆モヒカン刈りだ。むしろこのままのほうが羞恥心を煽るかもしれないが……僕の好みではない。
 僕の嗜好は、実のところSM雑誌のグラビアで培われている。淫毛が見えなければ猥褻ではないという当局の見解に沿って、パイパンに縦縄をあしらうのが定番(?)だから、僕の頭もSMすなわちパイパンになってしまった。ノーマルなヌード写真集では、その部分を花束で隠すとかしている例が多い。その理由を考察してみたい気もするが、今ではない。
 四回も剃刀を滑らすと、おおむねパイパンになった。さらに下から上への逆剃りもすると、つるつるの肌になった。鼠蹊部や肛門まわりは処置の必要もなかった。
 帯をほどいてやる前に、僕は浴衣に着替えた。睦菜に正面を向けて全裸になり、あらかじめトランクから出しておいた晒し布で六尺褌を締めた。男性下着は昔からあった西洋猿股(トランクス)と、近年では女物のパンティみたいなブリーフがのさばっているが、まだまだ越中や六尺を愛好する者も多い。だから僕も――というわけではない。
 睦菜のぱっくり開いた股間を存分に鑑賞しながら着替え終わって、睦菜も解放してやる。
「きみも浴衣を着なさい」
 パンティを穿こうとするのを、厳しく叱りつける。
「浴衣は素肌に着るものだ。パンティの線が透けて見えるなんて、羞ずかしくないのか」
 褌は、このための伏線だった。六尺は尻に食い込むから線が出ない。越中でも晒し布一枚。パンティの縁は折り返して縫ってあるし、女の尻は出っ張っているから、分厚いスラックスでも、どうかするとラインが浮き彫りになる。生地の薄い浴衣では、みっともないこと、このうえもない。男性の視点では、みっとも良いともいえるが。
 男が褌なら女は腰巻。そういう理屈も成り立つが――睦菜は素直に、素裸の上に浴衣をまとった。
 内風呂には四つも五つも洗面器が置いてある。それに、備え付けの石鹸と手拭いとを入れて(睦菜は、他にも櫛とか歯ブラシとか、ごちゃごちゃ詰め込んだ)、部屋を出た。通りかかった女中に布団を延べておくように頼み、ついでといった軽い調子で浴衣と帯と手拭いを二つ三つ追加してくれるように心付けを渡してから、渡り廊下を通って露天風呂へ。
 脱衣場は、さすがに男女別になっている。僕は一分もかけなかったが、睦菜が浴場に出てくるまで五分以上も待たされた。女は衣服の着脱になにかと時間をかけるが、この場合は化粧を落とす手間に加えて、羞恥心を克服する時間も含まれていただろう。
「せっかく綺麗に手入れしたんだ。股座を隠すんじゃないぞ。乳もだ。昨日までは生娘だった若々しい裸を、みんなに見せつけてやれ」
 すでに薄く染まっていた睦菜の肌が、ますます紅潮する。
 僕自身も率先実行。洗面器は腰の横に抱えて、堂々と湯船に向かう。日本人の八割の御多分に漏れず僕も仮性包茎だが、睦菜のおかげで幾分か膨張しているから、半分くらいは露出している。なので、サイズ的にも見劣りはしない。
 掛け湯をして振り返ると――睦菜は、まだ洗面器で股間を隠して片手は乳房に当てている。
「睦菜。早くおいで」
 引き返して、強引に洗面器を奪い取り、乳房を隠している手を握って、湯船の前に引き据えた。
「きみも入りなさい」
 さっさと湯に浸かって、睦菜を見上げる。股間に視線を向けてやると、慌てたように掛け湯をして、手で下を隠しながらおずおずと足を湯に入れた。
「あそこからだと、景色が良く見えるかな」
 睦菜にというよりは、他の入浴客にも聞こえるように独り言して、浴槽の隅へ移動した。背中を壁にもたせかけて、海岸を眺めながら、露天風呂のあちこちも観察する。
 新婚カップルとひと目で分かるのが三組。二人くっついていちゃいちゃしていたり、かしこまっていたり。月曜日だから一般の観光客は少ない。
 睦菜が僕の横に来て、左側にちょこんと並んだ。腕と腕とが触れ合うまで、身体を寄せてくる。
 僕と一緒なら、裸も羞ずかしくない――と、思っているかどうかまでは分からないが。羞恥に猥れたら、よりいっそうの羞恥に猥らすという僕の目論見には、もちろん気づいてはいない。
 とりあえずは周囲のカップルを見習って(?)、水面下で睦菜の肌に手を這わせる。太腿を撫で上げて、股間に指を差し挿れて――睦菜はわずかに身をこわばらせたが、すぐに弛緩して、指を動かしやすいように脚を開いた。たった一日で、ずいぶんと変わるものだ。
 睦菜の期待(?)には応えず、股間から指を抜いて、逆に睦菜の手首を握って、僕の股座に導いた。
 指先がペニスに触れた瞬間、空焚きしたヤカン(でもフライパンでもいいが)に触ったみたいに、反射的に手を引っ込める――のを無理矢理に引き戻して、右手も使って握らせた。
 温かい湯の中で、睦菜の手が滾るように熱い。たちまちに怒張が極限に達して、全体がドクンドクンと脈打つ。
 睦菜の指を摘まんで動かして、輪郭をなぞらせる。
 表情を盗み見ると、顔を赤く染めながら、水面下を見つめている。
 おっと……
 僕は睦菜の手を放した。睦菜も、慌てたように手を引っ込めた。
 睦菜の初心さに惑わされて、余計な悪戯をしてしまった。人前で平然と痴戯を仕掛けるような女に育てるつもりは無い。
 しばらく待ったが、怒張は治まりそうもなかった。
 ええい、ままよ。旅の恥は掻き捨て。僕は睦菜の手をつかんで立ち上がった。わざと洗い場のど真ん中に陣取って。
「背中を洗っておくれ」
 どうしても、ていねいな物言いになってしまう。癖にならないうちに、厳然たる命令口調に改めようとは思っているのだが。
 睦菜が、僕の後ろにまわった。手拭いに石鹸を泡立てて、僕の背中を撫でる。
「もっと力を入れて、ごしごし洗ってくれ」
 腕を突っ張って、肩から腰まで何度も手拭いを往復させる睦菜。二の腕を片方ずつ上げると、腋の下もちゃんと擦る。
 頃合いを見計らって、くるりと向き直った。
 いきり勃っている股間を見て、睦菜が反射的に顔をそむける。
「前も洗っておくれよ」
 睦菜は固まっている。
「きみの中に挿入(はい)る大切な部分だよ。綺麗にしておかないと、困るのはきみじゃないか」
 露骨な言葉に、睦菜の裸身が濃い桃色に染まった。顔からは火を噴いている。
 睦菜が、不意に立ち上がった。
「ごめんなさいっ……」
 手拭いを落として、両手で前をかばいながら脱衣場へ逃げて行った。
「お兄さん。彼女が可哀そうだわよ。まだ、子供じゃないの」
 三人連れらしい御姉さん(小母さんなどといっては、僕自身にはね返ってくる)のひとりが、たしなめるというよりは興味津々に声をかけてきた。
「女房の躾は、最初が肝心ですからね」
「あら、ま……」
 三人連れが顔を見合わせた。上司と若い部下の不倫旅行とでも思っていたのだろう。
「ふたまわりほども歳が離れていますからね。まあ、それに見合うだけの結納は先方に渡していますけど」
 金で買ったと、あからさまに言ってやった。御姉さん連は無言絶句。
 御姉さんたちのおかげ(?)で勃起も治まったので、僕も退場する。
 部屋へ戻ると、睦菜は壁に向かって座ってうなだれていた。肩を震わせている。これがふつうの見合い結婚だったら、スーツに着替えて荷物をまとめているかもしれない。しかし睦菜は浴衣姿のまま。尻にパンティの線も浮き出ていない。
 憐憫の情にほだされかけるが――ここが勝負どころだ。せっかく縮まった心理的距離が、あるいは以前よりもさらに開くかもしれないが、それは後で埋め合わせてやろう。
「亭主の言いつけも守らず、挙句に逃げ出すとはどういう料簡だ」
 きつい声で叱りつけてやった。
「……ごめんなさい」
 反論も言い訳もせずに謝るのは、力関係だけなのか、睦菜の気質もあずかっているのか。
「ハネムーンだからと、甘やかしたのがいけなかったな。きっちり躾けてやる。すっ裸になって、そこで四つん這いになれ」
 びくんと、大きく肩が震えた。けれど――素直に立ち上がって、僕に向き直った。化粧を落とした頬に涙の筋が美しい。
 僕に正面を向けて浴衣を脱ぐと、のろのろした動作で四つん這いになった。内心の葛藤が、手に取るように分かる。
 僕は踏込からスリッパを持ってきた。睦菜に見せつけながら、濡れ手拭いでスリッパの裏をぬぐって、右手に持った。
「…………」
 僕の意図を悟って、しかし睦菜は文句を言わない。顔をうつ向けて、涙を畳に落とした。
 僕は睦菜の横に片膝を突いて、左手で乳房をつかんだ。握りつぶすほど強くはないが、身体を逃げようとすると、それなりに痛いだろう。
 僕は右手のスリッパを振り上げて、睦菜の尻に叩きつけた。
 バシイン!
「きゃあっ……」
 甲高い悲鳴。睦菜も子供時分にはお尻ペンペンくらいされたことはあるだろうが、平手とスリッパとでは威力が違う。しかも、親の慈愛ではなく主人の嗜虐がこもっている。
 僕自身も、予想外の手応えに感心している。与える痛みは、鞭よりも小さいかもしれない。しかし鞭はしやなかなだけに、肉を打つ手応えが直接には伝わってこない。マゾ女を物差しで叩いたことはあるが、それとも違っていた。物差しは柔肉に食い込むが、打撃面の広いスリッパには、その『溜め』が無い。
 バシイン!
「いやあっ……ごめんなさい。赦してください」
 手応えのわりに、睦菜に与える苦痛は小さい。だから、ちゃんと言葉を喋れる。それでも初心者にはじゅうぶんな痛みだろうし、足で踏む道具で叩かれるという屈辱が加わる。
「反省しているのか?」
 言葉責めを愉しむ。
「はい。これからは、言いつけを守ります」
「その言葉がほんとうか、確かめてやる。あと八発だ。絶対に声を出すな。隣の客や女中に聞かれてみろ。躾のできていない嫁をもらった僕までが恥を掻く」
「…………」
 睦菜が、こくんとうなずいた。さっそくに、言いつけを守っている。
 僕はスリッパを睦菜の尻にあてがい、愛撫するようにこすりつけてから、大きく振りかぶって力いっぱいに叩きつけた。
 バッチイン!
「く……」
 呻くというよりも、たまらず漏らした息が声になったような音色だった。
 バッチイン! バッチイン! バッチイン!
 五発目を叩いてから、左手を伸ばして乳房を持ち替えた。それまでは左の尻を叩いていたのも、右に狙いを替えて――さらに五発。
 合計十発を叩き終えたときには、睦菜の尻はまっ赤に腫れていた。
「よく頑張ったね」
 尻から手をまわして、淫裂をくじってやった。
「あ……」
 不本意な陵辱に耐えている吐息だった。これを褒美だと思うようになるには、そんなに時を要さない。なんとなくだが、そう思った。実際、今でも――クリトリスに触れずに膣口をこねくるだけでも、かすかに濡れてきた。
「いい加減で夕食の頃合いだが。もしかすると、女中さんが気を利かしてくれているのかな。帳場へ行って、催促してきなさい」
 睦菜は恨めし気に僕を見つめてから、手形の付いた乳房とまっ赤な尻を浴衣に包んで、部屋から出て行った。女中が気づいているとほのめかされたのだから、独りで部屋から出るのは羞ずかしいだろう。これも、調教の一環だ。
 睦菜が戻って五分もすると、女中が膳を運んできた。ちらちらと、僕と睦菜を見比べながら膳を並べる。それに気づいて睦菜は部屋の隅で小さくなって羞恥の色を浮かべ、僕は平然と構えていた。
 床の間を背にして並べられた膳は、天婦羅を主体にした会席料理。人手不足なのかカップルに配慮しているのか、ご飯はおひつに入れて、付き出しから水菓子までが、大小三つの膳に分けて一度に並べられた。
 そうしてみると、料理は豪華だし、きちんと着付けているぶんにはノーブラノーパンも分からないし。女中に頼んで、料理を前にふたり並んでいるところを撮ってもらった。田中家へのアリバイ写真の意味合いもある。
 女中がいなくなってふたりきりの食事は、どうにも間が持たなかった。
 昨夜と同じように、睦菜は(ノーパンに浴衣一枚ではさもありなんだが)心ここにあらずといった態で、三分の一も口に運ばない。僕はといえば、やはり空戦を控えた戦闘機。もっとも、酒はほろ酔いするくらいには呑んだ。睦菜にも半分くらいのペースで半量くらいは酌をしてやった。飲酒経験の無い少女を、性欲は掻き立てられるが性感を損なわない程度に酔わせるのは、僕としても初めての体験だった。
 一時間近くかかって少量の食事を終えて。微妙に腹が重たい。睦菜は、酒のせいでぽわんとしている。
 時計を見ると、まだ七時半。
「腹ごなしにひと風呂浴びよう。手拭いだけでいいよ」
 手拭いひとつを肩に掛けて、部屋を出た。睦菜も手ぶらで、素直に着いてきた。酔いで足元がおぼつかないのか、しがみついてくる。心理的距離は申し分ない。
 今度は三分ほどで合流して。睦菜の手拭いを取り上げて左側に立たせ、右手を僕の腰にまわさせて肘で押さえ込む。左手は背後で腰のあたりへ軽くねじ上げた。睦菜は抗わない。乳房を僕の二の腕に押しつけて右半身(と、股間)を隠す。
 さすがに、突き放すような非情はせずに、湯船まで連行した。掛け湯は、もちろん別々。
 混浴露天風呂は、二時間半前よりも混んでいた。団体客らしいのが十人ばかりと、さっきの御姉さん三人組が、まさか流連でもないだろうが。優雅に盆を浮かべて酒を嗜んでいる老人も。
 悪戯は仕掛けず、小一時間ばかりおとなしく浸かって、睦菜の酔いを醒まさせた。
 そして部屋へ戻って。新婚の熱烈な一夜が始まる。寝間のほうには二組の布団が延べられているが、そちらは使わない。
 座敷の真ん中に置かれている座卓に座布団を並べる。睦菜を全裸で座卓の上に座らせた。スリッパの尻叩きが堪えているのだろう。怪訝そうな羞じらいを顔に浮かべたが、黙って言われたとおりにした。
 しかし、浴衣の帯を手に取ってしごくと、硬い声で拒絶した。
「縛ったりしなくても、逃げたりはしません」
「自分から股を開いて男を誘うような淫らな女は嫌いだ」
 睦菜がそうであるように決め付ける。
「そんなつもりは……」
「力ずくで男女の交わりを強いられて、心ならずも肉欲の快感に溺れてしまう――そういった女に、睦菜を仕込んでやるよ」
「…………」
 睦菜は、まだ何か言いたそうだったが、言葉を見つけられない。数秒の沈黙の後にかろうじてつぶやいた。
「厭です……」
 睦菜の意志は無視して、手足をつかんで三角座りにさせた。手首と足首とを片側ずつ帯でひとまとめに縛り、肘と膝も括り合わせる。
「暴れると落ちるぞ」
 声を掛けるまでもなく、睦菜はされるがままになっている。あお向けに転がして、膝から垂れている左右の帯を座卓の下でつなぎ、じゅうぶんに脚が開くまで引き絞った。追加の帯を首に巻いて、輪が喉を縊らないように結び留めてから、座卓をくぐらせて固定した。
 乾いた手拭いの真ん中に大きな結び瘤を付くって、口に突き付けた。睦菜は口を閉ざしてかぶりを振った。
「昨夜は、ずいぶんと善がっていたろう。旅館はホテルよりも壁が薄い」
「よがる……?」
「気持ち良すぎて夢中で叫ぶことだよ」
じゅうぶんに心当たりのある睦菜の顔が赤くなった。
「女中さんにも隣の客にも、淫らではしたない声を聞かせたいと睦菜が望むなら、一緒に恥を掻いてやってもいいけどね」
 結び瘤を唇に押し付けると、睦菜は恨めしげに僕を見上げながら口を開けた。結び瘤を咥えさせて、手拭いで頬を縊った。
「んん、んんん……」
 睦菜が天井を見上げて呻く。言いたいことは分かっている。
「昨夜は、シャンデリアに煌々と照らされながら処女を捧げてくれたじゃないか。今さら羞ずかしがるのは、おかしいよ」
 僕も浴衣を脱いで六尺褌一本になった。セカンドバッグを取り出して、昨夜は使わなかった小筆とピンクローターを座卓に並べた。
「きみも気持ち良くしてあげると約束したからね」
 小筆を手に取って、睦菜に見せつける。
「こういうので肌をくすぐったことがあるかな?」
睦菜は激しくかぶりを振った。つまりYESだ。昨日初めて知った敏感な突起への刺激と重ね合わせて快感の予感に戦慄したのだろう。
 その期待に応えてあげよう。両手に一本ずつ小筆を持って、穂先が触れるか触れないかくらいに乳首をくすぐった。
「んんんーっ!」
 甲高く鼻に抜ける、ほとんど嬌声の呻き。胸がびくんっと激しく震えた。
「くすぐったいかな。じきに、凄まじい快感に変わるからね」
 さわさわさわ、こちょこちょと――睦菜の反応をうかがいながら筆を動かす。
「んんっ……ん゙びい゙っ……んん、んんん……」
 辛抱強くくすぐっているうちに、胸の震えがうねりに変わり、呻き声が甘く蕩けていく。
 筆の動きを止めると、睦菜はもどかしそうに乳房を揺すった。
「これは知っているかな?」
 コードをつまんで、ピンクローターを顔の上にかざした。
 睦菜は訝しそうに見つめる。婦人雑誌でもエログッズは滅多に取り上げない――とは、菊枝から教わった知識だ。
 座卓にじかに置いてリモコンのスイッチを入れると――ガガガガガガと大きな音を立てて振動する。あらためてコードで吊り上げて。左手を睦菜の股間に這わせて大淫唇をくつろげ、クリトリスを掘り起こす。そして、ローターをそっと蕾の先端に触れさせた。
 瞬間、睦菜の腰が激しく跳ねた。ローターが弾き飛ばされる。
「じっとしていなさい」
 無理な注文とは分かっている。掌を上向けて親指で膣口をえぐった。会淫に掌を当てて、左手で腰を固定してやった。ローターも本体の端をつまんで、クリトリスにあてがった。
「ん゙びい゙い゙い゙っ……!」
 跳ねる腰を左手で押さえつけて、右手のローターはクリトリスを追う。
「ん゙ん゙ん゙……びい゙い゙っ……」
 続けるうちに、呻き声が甘く切迫していく。昨日まではクリトリス性感など知識としても持たなかった少女が、その絶頂に向けて追い込まれている。ローターの振動は、座卓でのデモンストレーション後は最弱あたりまで落としてある。強い刺激は苦痛だと、これも菊枝のアドバイスだった。
 しかし、ここまで追い上げれば、苦痛も快感に溶け込んでいくのではないだろうか。左手を睦菜の腰から放して、リモコンのスライドを押し上げた。
「ああっ……ああああ!」
 ソプラノの悲鳴が手拭いの猿轡を突き抜けた。苦痛の絶叫とは違うと――女を絶頂まで導いた経験に乏しい僕にも、はっきりと分かった。平凡なセックスではあまり快感を与えない方針だが、緊縛しているのだから矛盾は無い。鞭の痛みを悦虐に昇華させるのは、緊縛イコール快感の条件反射が出来上がってからだ。
 睦菜は激しく腰を突き上げる。開脚して座卓に磔けられた裸身が、背中を支点にしてびくんびくんと揺れる。そのたびに首に巻いた帯が喉に食い込む。
 僕はクリトリスの先端にあてがっていたローターを強く押しつけて、腰の動きを追いかける。
 一分もしないうちに、睦菜の全身が数秒硬直して――それから、ゆっくりと弛緩していった。それでも、刺激から逃れようとしてか、それともいっそうの刺激を求めてか、腰を左右にくねらしている。睦菜の胸から下腹部にかけて、粘っこい汗が浮かんでいた。そして淫裂は、どろどろにぬかるんでいる。
 たった一度の性交しか経験していない少女を絶頂に追い上げた達成感に、僕は射精にも似た満足を覚えた。と同時に、疑問も生じる。
 たいていの娼婦は玩具を厭がるし、マゾ女でもピンクローターくらいでは、そうそう絶頂まで辿りつかない。睦菜は初心者だからこそ、ここまで反応したのだろうか。だとしても、弄辱を受け容れる心構えがなければ、こうはならなかったのではないだろうか。だとすれば――僕は稀有のマゾ女を手に入れたのではなかろうか。
 もちろん、自分勝手な憶測にすぎないとは承知している。しかし調教で、この希望的観測を幾らかでも真実に近づけることは可能だろう。
 と、そこまで考えて。僕はまだ、夫としての務めを果たしていなかったことを思い出した。六尺褌の下は、痛いほどに怒張している。
「今度は、僕を満足させてもらう番だよ」
 褌をほどくのももどかしく――座卓に磔けられたまま天井を見上げて放心している新妻を、僕は組み敷いた。
 二度目ではまだ硬いはずの膣口は、絶頂後の弛緩で柔肉そのものになっていた。それでいて、挿入された怒張に肉襞が絡みつく。気分の高揚もあいまって、僕はあっさりと射精してしまった。
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縄吉美沙shave15

 男性主人公の一人称で書くと、どうしても作者の体験なり感慨なりが反映されます。されなければ絵空事になります。

 6月中に脱稿して、校訂して表紙絵BF作って。
 7月には”Extra Sensory Penetration”発売ですから、順番では本作が『8月号』になる予定です。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1:幼な妻甘々調教

 快調に進行しています。新妻の開帳は、すでに済んでいます。
 PLOTで紹介したように、主人公(僕)は、地方銀行の無任所課長です。総会屋をてなづけたり、MOF接待に動員する肉弾特攻少女を調達したり、もしかすると不良債権の回収に893を使っているかもです。ちなみに、Mっ気のない高ビー嫁には逃げられています。
 ヒロイン(睦菜)は、主人公と「ふたまわり」までは違いません。父親は町工場の経営者で、主力銀行の課長が縁戚になってくれるメリットに断腸の思いで喜んでいます。


売り物
 イメージにすると、こんな感じですね。

 

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初夜調教


 前日に婚姻届けを役所に提出して。いよいよ七月六日(日曜・友引)の結婚式を迎えた。睦菜の誕生日から一か月待ったのは――梅雨の最中に新婚旅行に行ったのでは、面白くないからだった。観光ではなく、露出プレイのことを言っている。
 式そのものは結婚式場の神前で挙げて、ウェディングドレスにお色直しをしてから披露宴。内容的には、しこたま金を掛けた(引出物はもちろん、全部食べられる高さ一メートルのウェディングケーキとか、本邦ではあまり知られていないシャンペンタワーとか)が、招待客は双方十人ずつ。最小規模といってもいい。こちらは再婚だから派手だと顰蹙を買いかねないし、実質は身売りなのだから新婦側としてもあまり喧伝したくない心理もある。けれど、宴そのものが貧弱では銀行の沽券にもかかわるし、だいいち花嫁が可哀そうだ。そういう次第の折衷案だった。
 ただし、参列者の顔ぶれが新郎と新婦とでは大きく違っていた。新婦のほうは両親と兄と妹。遠縁だが両親と親密な老夫婦、睦菜のごく親しい友人(女性)が三人と、卒業時の担任教諭。進学希望の取り下げとか、学校のほうでごちゃごちゃしたらしいのは、この顔ぶれからも容易に推察できた。
対して新郎側は、親族が兄夫婦だけで両親は欠席。勤務先の上司(総務部長)と、同期入社が二人。そして、友人と称するSMつながりの夫婦(実質は御主人様とマゾ牝奴隷)。それなりの役職に就いている地方公務員が二人と、なんと中央官庁の課長。地方銀行の課長は一部上場企業の部長にも匹敵する権威があるとはいっても、大蔵省の課長ともなれば(頭取は大先輩だから無理だが)副頭取の首でも飛ばせる。花嫁側はそこまで穿たなかったが、事情を知らない同期の二人は目を丸くしていた。
 その事情とは――無任所課に所属する男の(若くて美しい)妻は、肉弾接待要員を兼ねる場合もあるという過去の実績だった。前妻は十年前にも美しくはなかったから、お呼びがかからなかったけれど、今度はそうもいかないし、こちらから積極的に売り込むつもりだ。つまりは、生贄の顔見世という腹積もりの三人だった。いや、SMつながりの方にも、公開調教にせよ貸し出しにせよ、いずれは提供するだろうから――睦菜は四頭の狼の前に投げ出された兎ともいえた。もちろん、四頭の狼に先んじて一頭の猛虎が柔肉を貪り尽くすのだが。
 そんな淫虐の計画など露知らず。身売り同然とはいえ一生に(多分)一度の晴れ舞台に臨んで、睦菜は感激と緊張とで心ここにあらず。最後には、感涙にむせんでいた。

 昼食の時間帯に合わせた披露宴は、午後三時には終わった。花嫁側の招待客は皆が隣県なので日帰り。花婿側は兄夫婦と大蔵省の課長とが宿泊するが。課長は引き続き副頭取以下の接待を受けるし、自分が手を出してもいない獲物を何度も狼の目に曝すつもりはない。新婚のスイートルームでひと休みして、新婦の初めての着替えシーンを鑑賞してから、兄夫婦の部屋を新婚夫婦で訪れて形ばかりの挨拶。
 早めに夕食を摂った。睦菜は披露宴のあいだ、ほとんど料理に手を付けていなかったからそれなりに食べたが、それでも半分くらいは残した。僕のほうは披露宴でもきっちり食べていたので、七割方は残してアペリチフもグラス一杯だけ。
「ほんとうにお下げしてよろしいのですか?」
 あまりに残したので、給仕が確認を取る。
「きみは若いから知らないだろうけどね。燃料を満載していると、戦闘機はまともに戦えないんだよ」
 だいいち、食欲が満たされると性欲が鈍る。
「はあ……」
 給仕は不得要領な顔で、自分の役割を果たした。
 意味が分からなかったのは睦美も同じらしいが――昼食抜きで夕食が半分なら、戦闘諸元はじゅうぶんに整っているだろう。目前に迫っている初夜への不安に胸塞がれているというのが、実際のところだろうけれど。

 新婚カップル専用の(というわけでもないが)スイートルームへ戻って。
「先にシャワーを浴びてくるよ」
 睦菜をソファに座らせて、ひとりでバスルームに入った。これからは支配者と被支配者の関係を明確にするのだから、一緒に入ってイチャイチャとかは絶対にしない。二人で入るのは、睦菜に洗体奉仕をさせるか浣腸や水責めのときだけだ。
 簡単にシャワーで洗って、伏線のためにも髭は綺麗に剃って。パンツは穿かずに、素肌にバスローブをまとった。深呼吸を繰り返して生硬くなっているペニスを落ち着かせてから、バスルームを出た。
 バスルームを出ると、睦菜はまだ替えの下着を出しているところだった。
「僕と同じに、素っ裸の上からバスローブを着なさい」
 裾をめくって、ペニスを一瞬だけ見せつけた。
 睦菜は反射的に顔をそむけると、はじかれたように立ち上がった。
「は、はいっ……」
 ばたばたとバスルームに逃げ込む。
 僕は苦笑して、ベッドの上に置きっ放しになっているバスローブを、紳士的にわずかだけ開けたドアの隙間から差し込んでやった。
「忘れ物だよ。素っ裸でベッドへ来てくれるなら、そのほうが嬉しいけどね」
 バスローブをひったくられた。ドアを閉めて寝室へ戻りかけると、ほんのすこしだけドアが開いて、睦菜の消え入りそうな声が聞こえた。
「……ありがとうございました」
 あらためて、ベッドを眺める。実はひとりで下見をして、何をどう使うかは決めてある。再確認だった。
 大きなベッドだった。ダブルベッドは横幅が一メートル半くらいだが、これはたっぷり二メートルはある。くんずほぐれつに備えての仕様だろうか。家庭用のベッドは、側面の板が床に達しているものが多いが、ホテルのベッドは四隅を短い脚で支えている。これが重要なポイントだ。
 シャワーを浴びるだけにしても、女はやたらと時間をかける。その時間を利用して、今夜の為に持ち込んだセカンドバッグの中身をチェックした。カッターナイフとローション。念のために柔らかい筆とピンクローター。コンドームだけは入れてないが、それでかまわない。若い再婚相手を物色し始めたときに、パイプカット手術を受けている。やはり、生中出しは男の本懐だ。
 驚いたことに、睦菜はほんとうに素っ裸でバスルームから出てきた。両手で胸と股間を隠しながら、ソファで寛いでいる(ように見せかけている)僕の前に立った。
 睦菜は服を着ていたときよりも、ずっと幼く見えた――のは、ウェディングドレスに見合った濃いめの化粧をすっかり落として素ッピンに戻っていたからだ。
 いい心がけだと、僕は思う。前妻も商売女も、ベッドインのときだって化粧をしたままだった。素顔で男の前に立つのは、泣き叫んで涙で顔をぐしゃぐしゃにするマゾ女だけだ。
「綺麗なヌードだね。その手を下ろして、もっとよく見せておくれ」
 猫撫で声。僕も立って、バスローブを脱いだ。睦菜の裸を見てから声をかける二十秒足らずの間で、ペニスは最大仰角に達している。
「きゃ……」
 睦菜は両手で目をふさいだ。ので、健康にはち切れそうな裸身がなにもかも曝された。乳房は、すっぽりと掌に収まりそうだが鷲掴みにできるだけのボリュームはある。Bカップといったところだろうか。腰のくびれは、前にも観察したとおり、これから引き締めてやろう。尻は、もうひとまわり大きくならないと子を孕むのが難しいかもしれない。そして股間は――狭い面積に茂りが密集しているが、淫裂を完全に隠すほどではない。その淫裂はぴたりと閉じて、小淫唇は完全に隠されている。
 ちゃんと手を下ろして『気をつけ』の姿勢。それとも、脚を開いて両手を後ろで組んで『休め』――そんな命令はまだ早いかと思い直して、目をふさいでいる睦菜の手首をつかんだ。
「おいで……」
 さすがに、僕の声もすこし掠れている。片手で股間を隠している睦菜を、ベッドへ誘なった。自分から先に上がると、睦菜を引き込んでベッドの中央に仰臥させた。
「あの……明かりを消してください」
 また両手で顔を隠して、僕とは違う理由だろうが、睦菜の声も掠れている。
 ヘッドボードのスイッチでシャンデリアの明かりは消したが、壁の間接照明は残した。
「真っ暗闇では手元が覚束ないからね」
 もしも睦菜が背伸びをして婦人雑誌あたりで勉強していたとしても、僕の言葉が嘘だとは見抜けないだろう。
 僕は手を使って睦菜の脚を開かせ、その間に割り込んで膝立ちになった。
 睦菜の乳房は、仰臥していても直立していたときとほとんど同じ形を保っていた。前妻とは大違いだ。まだ誰も手を触れたことのない双丘を思う存分に揉みしだき、前人未到の渓谷に僕の楔を打ち込む――そう考えると驚いたことには、まるで二十歳も若返ったかのように、ペニスが下腹部に密着しそうなほどまで屹立した。
 睦菜の処女肉と僕の欲望のせいだけではない。納豆に山芋にオクラに、それ専門店の漢方薬にと――この半年間の精進の賜物でもあるのだが。それはともかく。
 僕は左手で上体を支えて、睦菜におおいかぶさった。
「それじゃ……いいね?」
 睦菜は顔を覆ったまま、いじらしくも小さくうなずいた。
 罪悪感が胸に突き刺さる。これからも僕は、大小の罪悪感をねじ伏せながら欲望というよりも妄想の赴くままに、睦菜を調教していくのだ。
 右手で怒張を押し下げて淫裂にあてがい、じわあっと押し込んでいく。乾ききったそこが、きしきしと亀頭にこすれる。かすかな窪みを亀頭の先端で探り当てて、強引に挿入しようとする。もちろん、挿入しようとするだけだ。経験済でも、潤いの無い膣口を無理にこじ開けられようとすれば痛く感じるし、挿入は困難だ。まして、処女穴ともなると……
「痛いっ……」
 びくんと、腰が逃げる。
「痛いのは最初だけだよ。すこしだけ我慢して」
 陳腐きわまりない男の勝手を(優しく)ほざきながら、いったん淫裂からペニスを引き抜いて、同じことを繰り返す。
「くうう……」
 悲鳴をこらえながら、さらに睦菜が逃げる。無意識の動きだから、抑えようがない。だんだんベッドをずり上がって行って。ついに頭がヘッドボードにぶつかる。それでも、不可能な挿入を試みる(ふりをする)。ベッドに突いた手を睦菜の左肩に触れさせ左膝は腰に当てて、右側には隙間を作っておいて。
 ずり上がれなくなった睦菜は、右へ右へと、身体を傾けながら逃げる。そして……
「きゃあっ……?!」
 上体がベッドからずり落ちてしまった。
「あっ……」
 慌てた態を装って睦菜の二の腕をつかみ、ベッドの上に引き戻してやった。
「これじゃ、いつまで経っても埒が明かない」
 部屋を明るくした。僕は睦菜から身体を離して、ベッドの縁に腰掛けた。睦菜に背を向けて、反応を待ってみる。
「あの……ごめんなさい」
 やはりこの娘は前妻とは違う。彼女なら、きっとこういうはずだ。経験者なんでしょ、しっかりしてよ――と。
 僕は、なおも三十秒ばかり考えあぐねる振りをしてから。
「そうだ。きみを逃げられなくすればいいんだ」
 バスローブから帯を抜いて。
「羞ずかしいだろうけど、我慢してくれるね」
 返事を待たずに、帯の端を睦菜の足首に結んだ。
「もっと脚を開いておくれ」
 足首をつかんで強引に(あまり力は必要なかった)開かせて、帯をベッドの脚に結びつけた。バスルームまで行って睦菜のバスルームからも帯を持ってくる。それを反対側の足首に結んで、同じようにベッドの脚につないだ。
 これで、睦菜は人の字形に拘束されたわけだが、脚を縛って手が自由なのは、実用的にも美観からもふさわしくない。
 バスタオルを持ってきて、カッターナイフで紐状に切り裂いた。
 それまでは黙って(怯えて)僕のすることを眺めていた睦菜が、口を開いた。
「あの……」
「上半身が自由だと、左右に逃げられるだろ」
 質問を言葉で封じて、左右の手首にもそれぞれ紐を巻きつけた。両腕をバンザイの形に広げさせて、紐をベッドの脚につなぐ。
 片手で腰を持ち上げて尻の下にバスタオルを敷き、その上に枕を押し込んだ。
「挿入するには角度も大事だからね」
 ベッドに大の字磔にされて腰を突き上げる格好になった睦美の横に、僕は腰を落とした。
「裸があまりに目映くて、きみが処女だってことを忘れていたよ」
 どんな女でも(というほどには僕の女性経験は豊富ではないが)身体を褒められれば内心では喜ぶ。処女だと指摘されれば――誇らしさを感じるか負い目を感じるか、どちらだろう。どちらにせよ、今この瞬間が生涯に一度きりのその時だと、あらためて強く意識するだろう。と同時に、経験者に身を委ねればうまくいくだろうと信じて、平静なら当然に抱く疑問を自分で封じ込んでくれればありがたい。
「きみは、まだ身体の準備が出来ていなかったんだね」
「そんなこと、ないです」
 肉体的な未性熟を言われたと思っての反発だろう。
「今から準備を整えてあげる。黙って僕にまかせておきなさい」
 僕は上体をひねって、両手を睦菜の乳房に伸ばした。双丘の麓に掌を当てて、指を肌にそっと触れさせて、頂上へ向かって揉み上げた。ゆっくりと、それを繰り返す。
 睦美は目を閉じてひと言も発さないが、肉体は確実に反応している。はっきりと目に見えて、乳首が隆起してきた。
 掌をそれまでよりさらにずり上げて、親指で乳首の頂点に触れた。
「あ……」
 ピクッと、裸身が震えた。
 手首を内側にゆっくり回転させて、人差し指と中指を順番に乳首に触れさせて、指の側面で乳首を挟んだ。中指を屈伸させて、乳首を転がす。
 声は出さないが、指を動かすたびに裸身が小さく震える。
 僕はすこしだけ前妻に感謝した。こういった微細なテクニックは、彼女に仕込まれた。愛情を感じていない男にも性の愉悦を求める貪欲な女だった。
 五分ほども(ヘッドボードに埋め込まれた目覚まし時計を読むくらいに、僕は冷静に計画を進めている)乳首を愛撫すると、裸身の震えが官能の弛緩に置き換わった。
 僕は右手を肌に沿って滑らせる。
「結婚したから、ここもいいんだね」
 言わずもがなのことを耳元にささやいたのは、事前の計画ではなく衝動だった。
 もちろん睦菜の返事は待たずに、二本の指で大淫唇の縁をなぞった。
 ごくかすかに、睦菜の腰が震えた。
 掌を上にした中指で淫裂をわずかに穿って、そのまま上へずらしていくと、柔らかな突起が指の腹に触れた。
「あっ……」
 うろたえを交えた吐息が睦菜の口からこぼれた。
 指の腹でクリトリスを掘り起こして、その先端を親指でつつく。ほとんどの女性がそうであるように、睦菜の淫核も皮で包まれている。その皮を、淫核を取り逃がさないように注意深く親指と人差し指で摘まんで、くりっとしごいた。
「ひゃああっ……?!」
 大きく腰が跳ねて、その動きでクリトリスが指を押し上げた。
「ああっ……なに……諸川さん、なにをなさったの?」
「教えただろ。僕のことをなんと呼ぶのか」
 気安く『治雄さん』と呼ばれると、女房の尻の下に敷かれているようで面白くない。『御主人様』は菊枝が使っている。だから――と、菊枝を紹介したときに、義母の前で言いつけてある。
「あ……ごめんなさい。旦那様、わたしに何をなさったんですか?」
 今度はもっと控えめにクリトリスをしごいてやった。
「ひゃんっ……」
「ここはね、『お豆』といって、女の子のいちばん敏感な突起なんだよ。すごく気持ちいいだろ。出産の苦しみに耐える女にだけ神様が与えてくださった御褒美だよ」
 耳元にささやきながら、クリトリスへの刺激を続ける。左手は指をいっぱいに広げて、左右の乳首を同時に転がす。腕がもう一本欲しい。
 クリトリスをしごいても、腰がわずかにひくつくだけで声は漏らさなくなった。中指をずらして淫裂を穿とうとすると、つるっと滑り込んだ。
 挿入にはじゅうぶん。ノーマルな性交で快感を与えすぎると、調教計画が狂う。縄と鞭に加えて女性器を嬲って絶頂に追い上げて――セックスとはSMのことだと自然に思わせるつもりなのだ。
「それじゃ……今度こそ、きみの処女をもらうよ」
 睦菜の裸身におおいかぶさって。睦菜は腰を突き上げた姿勢だから、手で押し下げるまでもなく怒張が淫裂に埋没した。
 そのまま腰を沈めると、亀頭は穴の縁を滑ってきっちりと嵌合した。ぐっと、腰を突き上げる。
「痛いっ……!」
 おかしな表現かもしれないが。睦菜は余裕のある悲鳴をあげた。本気の鞭で叩かれたマゾ女の悲鳴に比べれば、嬌声のようなものだ。
 十秒ほどは、深く挿入したままじっとしている。女になった悦び(それとも悲哀だろうか)を睦美に噛み締めさせてやる慈愛の時間だ。
「動かすよ。また痛いけど、我慢しておくれ」
 最初はゆっくりと浅く、睦美の反応を見定めながら、だんだん激しく深く抽挿する。
 中休みを入れれば十分でも二十分でも続けられるが、それで処女から快感を引き出せるほどのテクニックは身に着けていない。クリトリスへの刺激を交えれば、ある程度は可能かもしれないが――ノーマルな性交で快感を覚えさせるのは本意ではないと、すでに述べたとおりだ。
 夫婦の交わりとは、妻が苦痛に耐えることだと思わせたほうが、後々の都合が良い。僕は、わざと激しく荒腰を使った。
「痛い……もっと優しく……してください」
「ごめんよ。こうなると、男はもう止まらないんだ」
 ベテラン娼婦でも嫌がるくらいに乱暴に腰を使って、あっさりと射精した。
「ふうう……」
 満足の吐息を睦菜に聞かせて、身を起こした。
「我慢してくれて、ありがとう。次からは、君も気持ち良くなれるように工夫してあげるからね」
 ブラシとかピンクローターを念頭に置いての言葉だったが、もちろん睦菜には分からない。いや、僕の言葉が聞こえているのかも怪しい。睦菜は大の字に磔けられたまま、ぼんやりと天井を見上げている。
 あらためて、睦菜の股間に目を落とす。鮮血にまみれていた。枕に広がった染みの大きさは、交わりの荒々ししさを物語っている。
 僕は睦菜の拘束をほどいてから、まだ惚けている彼女をベッドに置き去りにして、わざと血まみれのままでバスルームへ行った。枕元のティッシュを使わないのも、いずれは睦菜に清掃奉仕させるための伏線だ。
 たっぷりと時間を使って、ついでに歯も磨いてから部屋に戻った。
 睦菜は血に汚れた枕をタオルに包んで、それをどう始末したものかと戸惑っている。ブラジャーとパンティを身に着けている。前に見た野暮ったいパンツではなく、淡いピンク色の上下セットだった。尻の割れ目がわずかに覗いている。ブラジャーも膨らみの上端までは包んでいない。睦菜としては、精一杯の背伸びだろうが――まあ、いい。こんな地味な下着を着けていられるのは、明日の昼までだ。
「それは屑籠の横に置いておきなさい。毎晩、新婚カップルが宿泊しているんだ。ホテルでも心得ているさ」
 睦菜は顔を赤らめて、僕の言葉に従った。
「あの……お風呂を使っていいですか?」
 ブラジャーとパンティをさらに手で隠しながら、それでもきちんと僕に正面を向けて尋ねる。
 処女を奪った感慨もさることながら、そのいじらしさに胸が熱くなった。娼婦なら黙って動くし、前妻は――僕より先にシャワーを使った。
「行っておいで」
 睦菜は、今度は(逃げ込まずに)おしとやかにバスルームへ向かった。
 ベッドの四脚に結びつけてある帯と紐を、結び目はそのままに、ベッドの下へ蹴り込んだ。掃除のときに従業員は当然に気づいて、花嫁がどんなふうに初夜を過ごしたかを知るだろう。幼いうちからとんだ変態娘と思うか、中年男(本人としては、成熟した少年は言い過ぎにしても青年のつもりだが)に弄ばれる哀れな少女と思うか。もちろん、後者から前者に育成してやるつもりでいる。
 ベッドに腰掛けて煙草を吸って。その日常的な行為にも、これを睦菜の肌に押しつけるのはいつ頃にしようかと、そんな(必ず実現させる)妄想が伴なったりする。
 睦菜はバスローブを羽織って戻ってきた。
「おいおい。僕は、こうしてるんだぞ」
 バスローブの前をはだけて、復活している怒張を見せつけてやった。
「きゃ……」
 睦菜は反射的に顔をそむけたが、おずおずと元に戻した。さすがに視線は、僕の胸のあたりをさまよっている。
「きみも下着は脱ぎなさい」
 睦菜は黙って背を向けて、両手をバスローブの中から背中にまわしかける。
「亭主にケツを向けるんじゃない」
 硬い声を作った。
 ぴくんと、睦菜の背中が震えて。
「……ごめんなさい」
 睦菜は僕に向き直った。顔だけでなく全身を薄く染めながら、ブラジャーをはずし、パンティを脱いだ。
「ここへ、おいで」
 バスローブの前をはだけたまま、手招きする。
 睦菜も前をはだけたまま、それでも両手で隠しながら、僕の前に立った。
 股間を隠している手をつかんで、膝の上に座らせた。バスローブの裾をまくって、尻の割れ目に怒張を埋め込むようにして、後ろ抱きにする。
「痛かったね」
 耳元でささやくと、こくんとうなずいた。
「つらかった?」
 今度は、小さくかぶりを振った。ますます、いじらしさが募る。と、同時に。この初心な華奢な幼い娘を、声嗄れ涙涸れるまで泣き叫ばせてやりたい衝動に駆られる。それを羞じらいながらも悦ぶような女に調教してやるという決意を新たにする。
 しかし今は飴と鞭の、精神的な飴の刻(とき)だ。
 僕は左手で睦菜の腰を抱きながら、右手で胸を撫でた。愛撫というほどではない。赤ん坊を撫でるように、そっと、緩やかに。敢えて乳首には触れない。
 睦菜の身体から力が抜けていくのが感じられた。左手で内腿を撫でると、ますます身体が軟らかくなっていく。
 女はセックスの余韻を愉しむという。今の睦菜の表情は、マゾ女が責められ泣き叫んだ後の放心と同じように見えた。前妻も娼婦も、こんな表情は僕に見せたことがない。
「明日は早い。もう寝よう」
 睦菜を抱いたまま横たわって、ベッドの隅でくしゃくしゃになっている毛布を引き寄せた。パジャマは別に用意されているが、わざわざ着替えていてはムードが壊れる。それに――素裸か、それ以上にエロチックな姿で眠る習慣を睦菜に教え込む必要もあった。
「それじゃ、おやすみ」
 シャンデリアを消して、間接照明も薄暗くした。
「……おやすみなさい」
 しばらく間をおいて、小さな声が返ってきた。
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「処女のずり上がり」一部では『枕上り』ともいうらしいですが、それを口実に「逃げられないように」縛ってしまうという、まあ緊縛和姦ですね。もっとも、このヒロインは、そもそも『大卒初任給の30か月分』の法外な結納で買われているわけですが。

 この先の展開は――すでに暗示(明示かしら)されているように、『初めての男』に心も奉げて、主人公も、ついほだされて。甘々展開になりかけては、「これではいかん。厳しく調教せねば」と、おのれを叱咤激励するという、そういう展開です。

 ところで。この作品も年齢を明記すると、DもFもRもアウトでしょう。BはOK?
 しかし。女性は16歳になれば、親(父母のどちらかのみで可)の同意があれば結婚できます。結婚すれば、ズコバコもSMも問題ありません。法律上は成年者と同等の権利が与えられますから(成年擬制)風俗でも……ああ、これは駄目ですね。
 もちろん。この作品ではヒロインを風俗で働かせたりはしません。テクニックの勉強でトルコ風呂で研修させる予定ですが、でもこれは学校でも実施している社会体験です。
 お酒も、おおっぴらには飲ませません。MOF接待の場に特攻させたりはしますが、内助の功ですプライベートです。花電車とかレズショーをさせるかもしれませんが、金銭の授受は発声しません。習い事の発表会です。
 つまり。実際にあったとしても、法律上はなんら問題のない場面ばかりです。


 そだ。作品の冒頭に、こんな文言を付してみようかしら。
 本作品においては16歳の少女による性交シーンが描かれますが、現行法では認められている結婚後の行為です

 まあ、実際のところは、年令はズバリと書かずに、「卒業」とか「ふたまわりほども違う」とか、アレコレ匂わすだけにしますけどね。



テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0:幼な妻甘々調教

  「おさな妻」というのは、富島健夫御大が先鞭をつけられて以来、すっかりポピュラーになりました。実にスバラシーボなネーミングです。
 先駆者に敬意を表してか、エロロリを強調するためか「幼な妻」がポピュラーでしょうか。
 しかも。ガルパン知らずに書いたんじゃといっても、やはり『突撃!戦車娘』は、二次に見られかねない(中身はまるきり。あっちは女の子のクラブ活動、こっちはいきなり半数が戦死)のと同じではありますが。
 しかも、なんともはや。『★幼妻甘々調教★』という作品がPIXIV小説にアップされています。あっちは、2014年。完全に先行されています。こっちは『幼妻』だと言ってもねえ。
 とはいえ。「純情無知妻」「純真無垢妻」「学生妻」「ぎりぎり合法妻」どれもこれもしっくりきません。
 なので『幼な妻甘々調教~青い果肉に沁み込む官能と悦虐」で、もう手を打ちます。


 先行タイトルに敬意を表して、当該作品へのリンクを張っておきます→

 さて。腹を括ったところで。PLOTを御紹介。
 やはり「早く書きたい」が先走って、前半と後半とでシナリオの密度が違いますが。書きながら膨らませていきます。矛盾が出れば修正していきます。いつものことです。


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幼な妻甘々調教~青い果肉に沁み込む官能と悦虐

昭和44(1969年)7月に結婚
アポロ月着陸の年!
(参考)
1967:ツイッギー来日←ミニスカ
ビキニ水着は日本でも1960年代にあったが、
一般化するのは1975年(アグネス・ラム)以後。
パンストは1968年。


諸川治雄 38 [僕/私]きみ、お菊さん
  市会議員(元陸軍中佐)の次男坊。長男:良和(42)
  地方銀行無任所課長。ヤクザも、裏接待も。
  頭取の娘を娶っていたが、SMへの無理解。
  頭取の失脚(不正)をきっかけに離婚。二人の子は、母親が引き取る。
  家は妻と暮らしていた賃貸のまま。新居を個別建築予定。
  パイプカット。
田中睦菜 16 [わたし]旦那様、お姉さん 6月7日生まれ。
  おさげ→セミロング(ストレート)。Bカップ。小柄。治雄より頭ひとつ。
  健康そうなプロポーション。結婚3か月で引き締まってくる。
久保田菊枝28 [あたい]旦那様、睦菜さん レズのサディスチン。
  同好会の紹介(レズ、サディスチン、家事万端)
  睦菜よりは大柄。スリム&Dカップ。当時の日本人としては巨乳。
島原和江 32 [わたくし]ご主人様、奥様
  後から雇う通いの(純粋の)家政婦。がっしりタイプ。
田中 睦菜の実家。兄:長太郎 妹:蜜子13(3月5日生まれ)

熱愛演出
 新婚旅行帰り。ご近所さんと路上で。
 ミニスカ。背中に隠れる。乳房が背中に。尻に手を添えて押し出す。
 挨拶。お熱いですわね。
 最初の目論見より甘々に流れそう。

贄嫁調達
 離婚の経緯。妻は男性経験あった。
 豪華な貸家。通いの家政婦。
 今度は、処女をマゾに調教。
 目処はついている。隣の県の町工場の長女(中3)。独自技術あるので、機械導入すれば、大化け。しかし、担保がない。副頭取が仲人。
お見合い当日(1969/01)睦菜は振り袖。奮発。父親が、不本意ながら乗り気。料亭の庭を散策だけ。あれこれ尋問。
二度目。映画。ラブロマンス。キス。ガチガチ。人身御供の気分。
 結納。振袖なので、抱きしめてケツ撫でまで。抵抗はしない。
 四度目。遊園地。ボートは、スカートを気にする。お化け屋敷で、パンティの上から。逃げる。「結婚してから」
 五度目。家具選び。配置とサイズは決めて、睦菜に選ばせる。ついでに、服も色々。スカート丈をこっそり短く。何点かは、新婚旅行に指定。
六度目。嫁入り道具搬入。トラックに紅白の幕。花嫁側両親の付き添い。菊枝と引き合わせる。諸川家の作法を仕込まれている。ちょうどひとまわり。姉と思って、教わりなさい。義母の掩護射撃。

初夜調教
 7/6(日)友引。結婚式は、和風。お色直しで、ウェディングドレス。
 午後3時に散会。花嫁側親族は隣県なので日帰り。両親は泊まり。花婿側は、遠いので泊まり。挨拶巡り、早い目の夕食。花嫁は緊張で、披露宴ほとんど食べていない。花婿は「戦闘機」。
 ダブルベッド。シャワーは別々。愛撫無しで試みる。処女のずり上がり。わざと追い込んで、ベッドから転落。浴衣の紐と、バスタオル裂いたのと。大の字磔。手拭い丸めて猿轡。僕のを使う。睦菜、間接フェラに気づかない。
 入念な愛撫。睦菜、クリを初めて知る。濡れる。指挿れ言葉責め。無事挿入。クリ半逝き。

新婚旅行
 空港のロビー。ちょっと動くと睦菜と触れ合う。パーソナルスペース。義母が気づいて複雑な表情。
 飛行機の中は新婚ばかり。大っぴらにキス。新婦を窓側に座らせて、乳房半露出。あえて、手を出さない。意外性を演出。
 和旅館に投宿。午後三時。
 明るいうちから。別々に風呂。睦菜長い? 手足ひとまとめに括って猿轡。自分から股を開くようなはしたない女は嫌い。隣に聞こえたら羞ずかしいだろ。中居が茶菓を運んできて「あらあら」。心付け。食事を少なめに。
 クリ逝き。
 夕食。睦菜、初めての酒(三三九度は真似事)でほろ酔い。
 露天混浴へ。恥ずかしがって……。誘導尋問。恥ずかしいところが。/女は隠れている。/でも、毛が。/腋と同じで剃ればよい。嫌がる。夫の言うことが聞けないのか。
 床柱を使って、立体マングリ返し。剃毛。
 恥ずかしいものは剃ったのだから、隠すな。手拭を取り上げても、手で。身体を洗わせる。
 通りすがり(?)の入浴客。新婚早々、可哀想。最初が大切。
 部屋に帰って。言いつけに背いた罰。初の後ろ手緊縛。スリッパで尻叩き。
 翌日。せっかくだから、海水浴。水着は現地調達。当時の最新過激ビキニ。
 Door in the face 恥ずかしがりながらも。
 夜は、褒美で入念愛撫。
 三日目。余裕をもって帰路。ミニワンピを強制。スリップの類は半永久禁止。

調教生活
 新築を計画中。噂も平気。
 当面は、井戸端会議など菊枝が主体。
 エロ下着にミニスカワンピース。羞恥心、他人の目を意識が大切。振袖のときと洋服とでは、立ち居振舞いが大違い。学生らしい「がさつさ」。和服を着る歳でもない。若々しく。
 若奥様だけを恥ずかしい目に合わせない。でも、分をわきまえて。紐ショーツにデニムミニスカ&ノーブラTシャツ。泣かれて――ホットパンツ&シャツ裾結びの下着無し。
 アメリカのファッション誌。御用聞きに好評と、菊枝が褒める(ように見せかけて)。
 常態化した緊縛SEX。ちやほやされてまんざらでもなかったろう。
 お仕置き。物差尻叩き、乳ビンタくらい。直後に三点愛撫。パブロフの犬に。三点輪ゴム放置(短時間)も。
 菊枝は、積極的にスキンシップ。街で見かけたと、ローターも。

性技指導
 思っていたより甘々に流れている。ならば、エロ方面に拍車。二週間過ぎたあたりで、菊枝に解禁。初めは、治雄不在時のみ。
 睦菜が苦情。菊枝に問いただす。
 まだ女の悦びを知らない。覗き見していたと、堂々。
 僕も、前の女房しか知らない。嘘ではない。商売女やSM同好会の女と、行きずりばかり。
 菊枝に指導してもらおう。肉体の和合は大切。裏合わせ済み。
 菊枝自身は、淫乱設定。恋人と称する男(35)をモデルにフェラ指導。腰遣いまで指導(という演技)。膣逝き。

帰省連行
 治雄の帰省。古風だからと、地味目。
 久しぶりのブラ&パン、制服風水色ジャンスカ膝上20cm(股下8cm弱)。
 こき使うのが当然。

強制接待
 9月下旬。MOF接待。一石二鳥。睦菜を抱かせる。
 ゴム有りだから、SEXじゃない。接待に失敗したら、億単位の損失。
 相手は3人。睦菜+肉弾女子行員×2人。御座敷ショーは、花電車と、天狗面レズ。
 土壇場で逡巡。座卓でギロチン磔。マグロ(が、夫への最大の譲歩)。
 その夜の内に、土下座謝罪。償いは二者択一。今夜のショーのどちらか。睦菜に選ばせる。
 お姉様に迷惑はかけられない。その夜の花電車芸人に仕込んでもらう。

花電車芸
 師匠のステージoffの数日ずつをまとめて。飛行機で通う。
 睦菜単身。貞操帯。鍵は治雄と師匠と。師匠は内縁の夫と。彼が稽古をビデオ撮り。
 この章の進行は、睦菜の報告とビデオで。
 睦美、師匠からSMという言葉を教わって、治雄の性癖を理解&受容。
 支配/被支配を通じて、愛されているという実感。
 秋が深まってくると、新発売のパンスト許可。上は素肌にセーター。
 ただし、家の中ではホットパンツを脱ぐ。御用聞きにも素早く対応。
 11月に、新居の鍬入れ。
 11月下旬にリターンマッチ。
 閨は、現役のC+K×2。ヤクザの手配。睦菜も、一歩間違うと、こうなっていた。

偽装正月
 年始年末は、夫婦で睦菜の実家。
 おとなっぽい装いにさせる。しかし、スカートはやはり膝上20cm。
 同窓生に誘われて単独外出も。
 行くときはスカート丈を気にしたが、にこやかに帰って来る。
 みんなが子供に見える。

肛姦解禁
 睦菜の実家で姫初め。縛ると咄嗟に対応できない。
 四つん這いにさせて、アナル攻略。睦菜は悲鳴を噛み締める。
 事前にはアルコール清拭のみ。事後に睦菜単独で風呂場。

泡踊講習
 3月。菊枝の提案という体裁で。
 トルコへ行かせる。おスペ、ダブルが主流。本番店は少ない。
 ベテラン嬢の接客を見学させる。手錠+猿轡+貞操帯。
 ベテラン嬢を自宅に招いて、治雄を被験者にして実技指導。素股も。

レズ伝授
 5月に引っ越し。調教ルームはハードSM対応。大道具も特注。
 菊枝予定通りに解雇。置き土産にレズ指導(1か月)。
 通いの家政婦を雇う。

海水欲情
 結婚一周年は、オーダーメイドの皮革ビスチェと首輪。輸入品のビキニ水着。
 7月中旬。慰安旅行。土曜夕方初、日曜帰着。
 過激露出を、奥様連からいびられる。治雄は低く見られている。
 毎回盛大にアクメってると聞かされて、そっちへ話が。濃厚な前戯。
 岩陰で陽に焼いていた後輩。「奥さん、すごいですね」オバサン連中を手玉に取っている。
 7月末。別部署の課長が。ぜひ指南を。細君を使ってくれ。閨閥とか考える。男43歳、妻35歳。
 スワップで講習。睦菜もついに治雄以外の男を受け容れる。コンドーム必須。大の字磔目隠し筆愛撫。絶叫咆哮。睦菜は、そこそこ。
 後日「体力もたない」ピンクローターと熊ン子バイブをプレゼント。残暑見舞いに超豪華缶詰。「返礼不要」。缶詰は、里帰りに持たせる。

過熟義妹
 8月中旬。睦夫は帰省できないくらい忙しい。睦菜だけ里帰り。
 それを狙いすまして、夏休み中の密子(義妹)が新居来訪。
 兄さんは跡継ぎだし男だから、工業高校。姉さんは結婚して、こんな素敵な生活。あたしは、卒業後に父の会社で事務員。不公平。
 芸能界に憧れている。卒業後は進学せずに東京で夢を追いかけたい。
 アイドルになれるのは何十万人にひとり。
 3年頑張って駄目だったら、ストリッパーになる。これだって、アイドル。
 当然、反対する。密子の意図を薄々察する。
 3年間、同居させてほしい。家政婦さんの代わりだけでなく、菊枝さんの代わりもする。
 あ、お姉ちゃんが菊枝さんで、あたしがお姉ちゃんかな。いったい、睦菜はどこまで打ち明けているのか?
 もう、結婚前のお姉ちゃんより、ずっと経験豊富だよ。身体だって……
 パンティ一枚になる。
 全部脱いじゃうような羞じらいのない娘は嫌いなんだよね?
 迷いは一瞬。問題は、睦菜がどう思うか。正面突破。いっそ、ハードな責めで姉妹レズに追い込むか。
 調教ルームへ連れ込む。三角木馬を見せる。
 これに乗るときはパンティは脱いでもらう。
 1時間乗っていられたら、願いを叶えてあげよう。
 覚悟ができたら、手を後ろにまわしなさい。
 ギブアップしたら、ばれても問題ない(かな?)本人を諦めさせる手段。
 耐えきったら……そのときは、そのとき。一度しかない人生。
 密子は、すんなり従う。
 縄を持つ手が震えて、心臓が喉までせりあがる。

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 さて、何枚になることやら。新婚半年後からは時間経過が飛びます。ここにエピソードを追加していくと、とんでもないことになりますならないだろうけど。

 『Extra Sensory Penetration 』は、各サイトに登録申請して結果待ちです。ヒロインは女子大生ですし、各章のゲストも年齢不詳ですから、楽天も大丈夫でしょう。表紙絵も、背景はありふれた題材ですし、DLsiteで引っ掛かることも無いでしょう。
 というわけで。本日はJOB完了祝いでパチンコとか家呑みアルコール50ml超えとか。
 明日からエンジン全開といく予定です。




テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:Extra Sensory Penetration

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 ダットサンの如く突っ走りました。

 人類を破滅に導きかねないポテンシャルを秘めた女子大生は、超能力を消去するために快感と苦痛を同時に究めさせられる。
 という話のはずだったんですけどね。本編のストーリイはそっちのけで、


生物を時空連続体タイムスペースコンティナムとして考えると、母親と子供は胎児の時期でひとつに重なっている。ミランダは母系の時空連続体を遡って、過去の想念を見通せる。

 ということで、魔女に仕立てられる娘とかジャンヌ・ダルクとかのエピソードの方が圧倒的な分量になりました。

 ヒロインが体験する過去は、ヒロイン一人称「私」で統一してフォントは明朝体。
 現在に近い過去は、それぞれの視点の一人称「わたし」「あたし」で、ゴシック体。
 現在で、ヒロインが意識を失っているときの幕間劇は斜体のゴシック。
 ここらで遊んでいるというか、読者に分かりやすくしてるんだか混乱させてるんだか。

 ということで、今回は一部紹介は無しにしました。
 アイキャッチも、エロではなくてダットサン ブルーバードです。


DLsiteのアフィリンクはキーワード「SF SM」です。どこがSFでどこがSMか知らんけど。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 2:Extra Sensory Penetration

 結局。時給千円の居眠りタイムでは、スマホでチマチマと書いています。切貼とか検索置換(真面目に書かないとハネられる)とかできない(機能的には出来るかもしれんが、わしゃ知らん)し、鉤括弧とか句読点が全角半角チャンポったり。でもまあ、無料マンガばかり読み耽るよりは建設的です。

 今回は、ジャンヌ・ダルクらしい女性のパートの前半部。
 教理問答とか男装の罪とか、史実を下敷きにした丁稚揚げがあります。


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<<聖女火刑

 味方に倍する敵軍が突進してくる。浮足立った味方は命令を待たずに、てんでに後退を始めた。
「総崩れだ! ジャンヌ、我らも撤退しよう」
 副官が馬を寄せて、うろたえた声で訴えた。
 駄目だ。追撃を受ければ歩兵は蹂躙されて、壊滅的打撃を受ける。
「旗印を渡しなさい」
 声よりも早く、私は旗印を従卒からひったくっていた。
 私の背丈の三倍ほどの、細長い純白の麻布。最後の審判の座に就く御主と、百合の花を持つ天使たち。この旗印を掲げて進む限り、御主の祝福と威光は私の上にある。
「者ども、踏みとどまれ! 武器を執って突き進め!」
 私は馬上で旗印を力のかぎりに振り回した。しかし、私の声は兵士たちの耳に届かない。
 錐の先のように突出した私の部隊に、前方から左右から敵兵が怒涛のごとく押し寄せてくる。
 御主に盾突く不信心の輩ども!
 私の魂に御主の怒りが満ち溢れる。怒りが雷光となって、私の全身を包む。
「止まれ! 退がれ!」
 敵に向かって叫んだ。御主の怒りが目に見えない壁となって、敵兵の前に立ちはだかった。御主の怒りに打たれて、バタバタと敵兵が倒れる。
「者ども、私に続け!」
 片手で手綱を握り、旗印を槍のように脇に掻い込んで、私は馬腹を蹴った。
「ジャンヌ殿に続け!」
 副官が怒号して、すくなくとも私の部隊だけは立ち直った。振り返ると、鋭い三角陣形になって、私に追従している。
 私の眼前で敵は、モーゼの奇跡のごとく左右に割れて打ち倒れる。
 私は手綱を絞って、歩兵が追いつくのを待った。もはや、敵に背を向けている味方はひとりもいなかった。武器を振りかざし、分厚い壁となって敵に向かって突き進んでいる。
「神の御名の下に!」
「神はジャンヌと共にあり。ジャンヌは我らと共にあり」
「ジャンヌ! ジャンヌ! ジャンヌ!」
 鯨波が天をどよもす。
 他部隊からも馳せ参じた騎兵を集めて、敵の退路を断つべく、旗印を押し立てて襲歩で敵中に突っ込んでいった。敵を分断して駆け抜ける。
 散り散りになった敵兵を薙ぎ払って、馬を止める。馬首を巡らして殲滅戦に突入しようとしたとき、新手の部隊が目の前に押し寄せてきた。
(な……?)
 あろうことか、騎兵どもは槍ではなく長身の十字架を私に向けている。
 馬鹿な……御主は私と共にあらせられるはず。御主を騙る傲慢な者どもには、たちどころに神罰が下るに決まっている。
 しかし敵は雷に打たれることもなく、整然と私たちを包囲にかかった。
「止まれ……退がれ……」
 私は敵に向かって叫んだが、その声から御主の怒りは去っていた。
 騎兵の後ろから、私に向かって矢が放たれた。これまでは槍の届く距離から射たれてさえ掠りもしなかった敵の矢が、三本も我が身に当たった。二本は甲冑で弾いたが、最後の一本は腿当ての隙間から太腿を貫いた。
 乗馬にも数本の矢が突き刺さった。乗馬が甲高くいなないて棹立ちになる。
 あっと思ったときには馬から転げ落ちていた。
「ジャンヌ殿っ……!」
 数騎が私をかばって取り囲んだが、軍神たる私の不覚に彼らも浮足立っていた。騎士たちは押し寄せる敵に蹴散らされて、あるいは屍と化して――私は、ひとり敵中に取り残された。
 何本もの十字架が、私に突きつけられた。
 御主の恩寵が速やかに失われていくのを、私は感じる。
 もはや私はオルレアンの救世主ではなく、聖女でも軍神でもなかった。それでも……敵に怯える哀れな小娘にまで墜ちたくはない。地に打ち伏したまま顔を上げて、敵を睨みつけた。けれど私の眼光は(すでに内心で悟っていた通りに)敵を打ち倒すどころか、わずかな畏怖の念すらも与えなかった。
「魔女め。聖なる十字架の前には邪悪な力も振るいようがあるまい」
「なにを言うか。おまえらこそが、悪魔の申し子ではないか」
 太腿に刺さった矢は落馬のさいに抜けて、傷口が鏃に抉られて出血がズボンを濡らしている。痛みはあまり感じないけれど、私は打ちのめされていた。軍靴に踏みにじられた聖なる旗印を見ても、怒りは沸き上がると同時に立ち消える。
「引っ立てろ」
 ひときわ見栄えの良い甲冑に身を固めた男が、わらわらと集まってきた歩兵に命じる。
 私は腕をつかまれ肩を押さえつけられて、草を地面から引き抜くように立たされた。
「いや、待て」
 敵将が、わたしを眺めて唇を薄くゆがめた。
「女のくせに男の形(なり)をしておるとは……これも魔女の明白な証ではあるが。我らまで神の怒りに触れるやもしれぬ。甲冑と衣服を剥ぎ取れ」
 歩兵どもが寄ってたかって、それでもどこか怯えたような態度で、私の身体から甲冑を引き剥がした。そこで歩兵どもの手が止まったのだが。
「ズボンもだ。女がズボンを穿くなど、神をも畏れぬ所業だ」
 私自身、このことについては不安を感じていた。けれど最初のうちは、女だからと見下げられないためには男装もやむを得なかった。そして兵士たちの信頼と尊敬と畏怖とを得たときには、軍神ジャンヌと男装は不可分の関係になっていた。
 教会の赦しはもらっている。殺すなかれという根本的な御教えに背かざるを得ない戦の場に限ってではあるけれど。それでも、後ろめたさは残っていた。
だから――ズボンを引き下げられても、私は抗議せずに恥辱に耐えた。しかし。
「なんと、下穿きまで男物か。それもだ」
 捕虜になったとはいえ、譲れぬところはある。男でさえ、腰を丸裸にされては恥辱に耐えかねるだろう。
「やめろ。女を辱しめるなど、それが騎士のすることか」
 私は敵将を糾弾した。が、何の役にも立たなかった。
 兵士どもは鼻息も荒く、私の下穿きを毟り取った。
「いやああっ……」
 私は卑しい農民の娘ではあるが、裸体を曝すことは御主の教えに背くということくらいはわきまえている。そして、たいがいの男どもは乙女の裸身に怪しからぬ欲情を煽られるということも。私は取り押さえられている身をよじって、すこしでも股間を隠そうとした。それがいけなかったのかもしれない。
「この期におよんで、悪あがきをするな。そうだ、いっそシャツも脱がしてしまえ。素裸に剥かれれば、いかな魔女とて諦めもつくだろう」
 鎧を剥がしたときに倍する数の手が伸びてきて――たちまち素裸にされてしまった。羽交い絞めにされていては乳房も、もっと羞ずかしいところも、手で隠すことすらできない。
 恥辱は、それだけでは終わらなかった。両手を後ろにねじ上げられて、革紐で縛られてしまった。さらに腰には太い縄を巻かれて、縄の端が敵将の馬につながれた。
「止血くらいはしておいてやれ」
 私のシャツが引き裂かれて、太腿の傷口を縛った。
「追撃戦は本隊だけでじゅうぶんだな。我らは引き揚げるぞ。敵を殲滅するよりも、この魔女のほうが、よほど価値がある」
 騎兵の整列を待って、敵将がゆっくりと馬を進める。
 縄に曳かれて、私も歩かざるを得ない。一歩ごとに恥辱がつのり、矢傷の痛みが強くなっていく。
「あっ……」
 つまずいて、地面に手を突くこともできず、私は無様に転がった。そのまま引きずられる。地面に剥き出しの肌をこすられる。
「痛いっ……待ってくれ」
 敵将は馬の歩みを止めない。私を振り返ると、薄く嗤って馬腹を軽く蹴りさえする。ずるずると引きずられて、胸に鋭い痛みが奔る。痛みから逃れようともがくと身体が裏返って、背中と尻が地面にこすりつけられる。
「お願い、待って……ください!」
 屈辱にまみれて懇願して。ようやく馬が止まった。
「早く立て。つぎは待ってやらんぞ」
 私は不自由な身体をひねって立ち上がった。口惜しさと怒りに唇を噛んだのは、ふたたび歩きだしてからだった。
 ――敵の陣営に引き込まれて、そこが終着ではなかった。檻車が待っていた。
 しかし、そこへ押し込められたのではない。手足を広げた姿で、鉄格子に縛りつけられたのだ。両肩を強く引っ張られる。鎖に引っ張られているせいだろう、自分で木の枝にぶら下がったときよりも、肩の負担を大きく感じる。もっとも、そんなお転婆をしたのはずっと小さなころだったから、比較にはならないかもしれない。いや、そんな感慨に耽っているときではない。このような無法は、断固として糾弾しなくては。
「なぜ、このような真似をする。乙女を辱しめるのがイングランドの作法か?!」
「おまえの惨めな姿を見れば、味方は奮い立つ。敵が望見すれば、さぞや士気阻喪するだろうて」
「くそ……」
 頭に浮かんだ忌み言葉は、かろうじて飲み込んだ。
 兵士どもの劣情あからさまな視線に見送られて、私は敵の居城へと押送された。道中には一個小隊の兵士が付き添ったが、それは敵襲にそなえてのものではなかった。領民が私に石を投げつけるのを防ぐためだった。しかし、腐った卵や泥土を手にした領民までは追い払わなかったので、城に着くまでに私の全身は汚物にまみれていた。
 そういった辱めは、待ち受けている受難の序曲というには、あまりにささやかだったのだと、すぐに私は思い知らされることになる……

 檻車ごと水を浴びせられ汚物を洗い流されてから、ようやく私は手足を広げてなにもかもを無防備に曝した恥辱きわまりない磔から解き放たれた。が、すぐに手足に鉄枷を嵌められた。後ろ手にまわされた両手はほとんど動かせず、歩幅も半歩分ほどに制限された。裸身を隠す手段は、なにひとつ与えられなかった。
 私が連行されたのは、囚人を閉じ込めておく塔獄だった。
 こういった建築物の造りはだいたい同じだ。二階が牢番の詰所で、牢屋はそこから上。そして一階は拷問の場に宛てられている。私は一階の部屋のまん中に、四本の鎖で手足を左右に引っ張られて宙吊りにされた。
「へええ。まるっきりの小娘じゃねえか。こんな餓鬼に俺たちゃボロクソにやられてたのかよ」
「餓鬼はねえだろ。乳も尻もじゅうぶんに女だぜ。まあ、ここまで脚をおっひろげても具が見えないてのは、餓鬼っぽいかもな」
 見張に残った二人の雑兵が、好き放題を言う。言うだけなら知らん顔でやり過ごせるのだが。
「けど、やっぱり餓鬼だぜ。乳なんざ片手でじゅうぶんだ」
 私を子供だと評した男が、胸に手を伸ばしてくる。
「やめろ! 私にさわるな」
 薄汚い手から逃れようとしても、ぴんと張った鎖が動きを封じる。これまで男に一指も触れさせなかった乳房が、無雑作にわしづかみにされた。男の指が柔肉に食い込み、小さな稲妻のような痛みが胸を貫く。
「やめろ……!」
 おぞましさに身を震わせながら叫んだ。
「うわっち……!?」
 男があわてて手を引っ込めた。掌と私とを見比べる。
「なんだ、今のは? 焼けた鉄を握ったみたいだった……」
「魔女だ。やっぱり、こいつは魔女なんだ」
 悪しき者には、私の力が魔女の仕業に思えるかもしれない。しかし、これは御主の力なのだ。私は……失われていた御主の護りが身内に蘇るのをかすかに感じていた。
 しかし。
「何事だ、さわがしい」
 重い鉄の扉が開いて、赤く染まった陽の光の中から数人の人影が現われた。先頭は司祭の法服をまとった太り肉の男。フード付きのみすぼらしい長衣に身を包んだ侍祭とおぼしき二人。その背後から、そのまま夜会に出てもおかしくない派手な衣装の――おそらく城主だろう。小姓らしき少年を従えている。
「あ、いえ……この女、怪しげな術を使いまして……」
「分かっておる。どうせおまえが怪しからぬ振る舞いに及んだのであろう」
 司祭が、手にしていた大きな十字架を私に突きつけた。
「神の御業の前には、悪魔の力など封ぜられる。去れ、悪魔よ!」
 一喝されて……御主の護りがたちどころに消え去るのを、私は感じた。
 馬鹿な。御主は、この男に味方されるのか??
 城主とおぼしき男が、私の間近に立った。疑わしそうに、けれど淫らがましい光を瞳に宿して、私の裸身を頭のてっぺんから爪先まで(とくに乳房と股間は入念に)眺める。
「こやつを魔女として処刑すれば、敵は大義名分を失い、戦わずして降参するかもしらんな。だが……魔女であるという確たる証はあるのか」
「戦場で見せた数々の妖かし。されど十字架に取り囲まれて消え失せた魔力。じゅうぶんな証拠でありましょう」
 司祭の言葉にも、城主は疑わしそうな表情を崩さない。
「戦場からの報告は、ともすれば大仰になりがちだ。わずか十数人の夜襲を数百騎を越える強襲と誤認して、千人が敗走した事例もある」
「ごもっともですな。では、本人に尋ねてみましょう」
 城主と入れ代わって、司祭が私の前に立った。
「汝は魔女か? 悪魔と契約して力を得たのか?」
「違う。私は魔女ではない」
「貴公はふざけておるのか」
 城主が呆れ顔で司祭を詰った。
「はい、そうですと答えるわけがなかろう」
 こればかりは、私も同意見だった。この男は馬鹿なのか。それとも、人を疑うことを知らぬ底抜けのお人好しなのか。敵方のはずの相手が善良にさえ思えてくる。
「では、汝は不可思議な力を神から授かったというのか?」
司祭は城主に構わず質問を重ねてきた。
私は返答に窮した。十字架を携えた騎士団に捕らわれる前だったら、確信を持って質問を肯定していただろう。けれど、今は……
「分かりません」
 私は力無く首を横に振った。
「もしも御主が力をくださっているのでしたら、それがいつまでも続きますように」
 御主に見放されたとは思いたくない。
「もしもそうでないのなら、御主が力を与えてくださいますように」
 それこそが、私の痛切な祈りだった。
 司祭が聖職者にあるまじき大きな舌打ちをして、後ろに下がった。
「なかなか悪知恵の働く魔女ですな」
「どういう意味だ?」
「神の恩寵は、人間にはうかがい知れぬものです。神から力を与えられたなどと広言すれば、それこそが悪魔と契約を交わした証拠となるのです」
それは詭弁だと思う。人間には御主の計画をうかがい知ること叶わぬのは『ヨブ記』ひとつ取っても明らかだ。けれど、陽の光も雨の恵みも御主の恩寵であることくらい、子供でも知っている。
「今の問答を記録したのか?」
出入口の横に置かれた小さな机に座っている侍祭を、司祭が振り返った。
「はい。一切を書き残すのが決まりですから」
「む……これからは、それがしの指図を待ってから記するように、な」
 都合の悪いことは握りつぶすということか。この肥満漢を好人物だと思った私が愚かだった。こいつは、何がなんでも私を魔女に仕立てるつもりなのだ。
「本人の自白が得られぬからには、誰の目にも明らかな証拠を探すしかありませぬな」
 もうひとりの侍祭が、背負っていた木箱を床においた。箱の中は何段にも仕切られている。そのひとつから、司祭が長い針を取り出した。針というよりは、握り柄のついた細い金串だ。
「魔女の身体には、悪魔と契約を交わした印が刻まれております。その部分は、針で刺しても痛みを感じませぬ」
「わざと痛がるのではないのか」
「そのようなしたたかな魔女には、次なる手段が控えております。しかし、審問の手順を略すわけには参りませぬ」
 木箱を背負っていた侍祭が、すでに身動きできなくなっている私を羽交い締めにした。司祭は針を右手に持ち、左手で私の裸身をまさぐる。
 私はおぞましさに鳥肌を立てながら、目は針先からはなせない。
「うむ。この黒子が怪しい」
 まわりの者にも聞かせながら、司祭はあちこちに針を突き立てる。
 私は大袈裟に聞こえない程度に、素直に痛みを訴えた。我慢すれば魔女と決めつけられるのだから、そうするしかない。
「なかなかに正体を現わさぬな。ここは、どうだ」
 そこには黒子も痣もないというのに――司祭は右の乳房をつかむと、乳首に針を突きつけた。まさか、男に比べればずっと大きくて色もまわりの肌と異なっている乳首そのものを悪魔の刻印とでも疑っているのだろうか。
 じわあっと針先が乳首の先端をくぼませて……ぷつっと、貫いた。
「きひいいいっ!」
痛みを訴える声ではなく、悲鳴をあげた。肌に突き刺さる感覚ではなく、脳天まで稲妻が突き抜ける――腕や尻を刺されるのとは異質の激痛だった。
 司祭は反対側の乳首にも、同じように針を突き刺した。胸板に達するほどに深く。私は、ふたたび悲鳴を絞り出される。
「ふうむ。ここでもないとすると……」
 司祭の左手が腹の上を滑って、股間に達した。
「あっ……?!」
 割れ目の縁をなぞられて、悪寒と痺れとが綯い混ざったような不思議な感覚が腰を震わせた。割れ目が左右に押し広げられる。司祭の指が、割れ目を抉るようにして上に動いた。
「ひぐっ……?!」
 さっきと同じ、いや数倍もの不思議な感覚が今度は背筋を翔け昇った。
「え……?」
 くりんくにゅんと、割れ目の頂点あたりを指がほじくる。
「おや? こんなところに小さな突起が隠れておったぞ。これこそ……」
 あっと思った。用を足した後で、そこを水で洗ったり枯草で拭ったりするとき、びくっと腰が震えることがある。ちょうど、そこのあたりだ。そう思い至ったとき……
 乳首とは比べものにならない太い稲妻が、腰の一点を貫いた。
「ぎゃはあああっ……!!」
 全身が爆ぜたように感じた。実際には侍祭に羽交い締めにされているので、肝心の箇所は針から逃れられず、手足に鉄枷が食い込んだだけだった。ぴいんと張りつめている鎖が、ぎしぎしと軋んだ。
「ここでもないとすると……」
 司祭と侍祭が位置を入れ替えた。
 私は侍祭に抱きすくめられて――司祭は、背中や尻に針を突き刺していく。乳首や股間の一点に比べれば、束の間の安らぎにも似たひと時だった。
「まったく巧妙に隠しておりますな。致し方ありませぬ。他の証拠を探しましょう」
 司祭が箱から十字架を取り出した。
 違う、十字架ではない。横木が短く下側が長い。木の短剣にも似ているが、刀身にあたる部分が指三本分ほどの太さの丸棒になっている。先端が丸みを帯びて膨らんでいる。
「契約を交わすとき、悪魔は必ず魔女と媾合います。この娘が乙女でなければ……」
「身持ちの悪い阿婆擦れに過ぎぬかも知れんぞ」
 わたしには、司祭と城主の会話の意味がさっぱり分からない。
「よほどの確信がなければ、この検査はいたしませぬよ」
 私の前に背の低い椅子が置かれて、そこに司祭が座った。彼の顔と私の股間が、同じ高さになった。
 司祭が木の短剣を両手で捧げて、尖端を私の股間にあてがった。
「やめてください」
 男女の営みについては漠とした知識しか持たぬわたしでも、さすがに司祭の恐ろしい意図を理解できた。
「そんな物を……秘め所に……」
 驚愕と羞恥とで、言葉が出てこない。
「さすがは淫乱な魔女だな。張型では物足りぬか」
 悪意ある曲解。どころか……
「今の言葉は、しかと書き留めておけ」
 侍祭に命じる。
「違う……!」
 「男根とは違うが――我慢しろ」
 私の抗議には耳も貸さず……
 ぎちぎちと、巨大な異物が股間に押し入ってきた。
「うああああっ……痛いいいいっ!!」
喉の奥から獣のような絶叫が迸った。
 針で刺される痛みとは、まったく違う。身体を真っぷたつに割り割かれるような、重たく分厚い激痛。それが、いつまでも続く。肉を無理矢理にこじ開けて、奥深くまで貫入してくる。
 さらに……内臓を押し上げられるような鈍い不快感。そこでようやく、木剣が止まった。
 つぽんと音を立てて、一気に引き抜かれる。
 木剣は、血で朱に染まっていた。
 それが純潔の証だということくらいは、私も知っている。もしや、これで疑いは晴れたのではなかろうかと――恥辱と悲哀の中にも、私は一縷の希望を託した。
「驚きましたな。悪魔が処女を奪わぬとは」
 ちっとも驚いていないと分かる声音だった。
「まずいのではないか? 神に仕える者が乙女の処女性を穢したのだぞ」
傍観していた城主のほうが、余程うろたえている。しかし司祭はけろりとして、とんでもない罪を私に着せた。
「なんという、破廉恥で醜悪な魔女であることか。こやつは、ソドムの罪まで犯したに違いありませんぞ」
ソドムの話は子供でも知っている。けれど、具体的にどのような禁忌を犯したのかは、聖なる書物を読めない私たちには知りようもない。
「おお、そうか。それに違いあるまい」
 城主が、大きく頷いた。
「検査をせねばなりませぬ。不浄ではありますが、審問を進めるには必要なことです」
 血まみれの凶器を持って司祭が立ち上がると、侍僧が椅子を私の背後へと動かした。司教の姿も背後へと消えた。
 いったい、なにをされるのか。尻たぶを侍祭に両手で割り開かれても、まだ見当がつかなかったのだが。排泄の穴に冷たく硬い感触を押し付けられては、悟らざるを得なかった。
「やめてください。仮にも、あなたは御主に仕える身ではありませんか」
司祭が握っている道具が男根を模しているのは、もはや明らかだ。つまり、司祭の姿格好をしたこの男は、排泄穴に生殖器を挿入するという悪魔でさえたじろぎかねない所業を、たとえ真似事とはいえ、してのけようとしている。
 そうか。これこそが、ソドムの民が犯した禁忌なのだと、卒然と理解した。教会で聴いた逸話の意味が分かった。天使様が若い旅人に姿を変えて善良なるロトの家を訪れたとき、住民が旅人を出せと押し寄せた。あれは……若い男に、これと同じことをしようと目論んだのだ。ソドムの罪の再現。この瞬間にも、二人まとめて御主の雷(いかづち)に打ち滅ぼされるのではないかしら。
しかし雷は轟かない。
 排泄の穴に、先ほど股間に感じたと似た激痛が奔った。いや……割り裂かれるというよりも、排泄の穴全体に亀裂が広がるような、圧迫と激痛とが重ね合わさったような……
「ぎびい゙い゙い゙い゙っ……!!」
 しゃがれた悲鳴が喉を震わせた。
 けれど、生殖器を犯されたときとは違って、先端の太い部分が押し入ってきたあとは、痛みが薄れた。そのかわりに、どこまでも奥深くまで穿たれていく不快感。
 そして。数日間の便秘が一気に解消したような、むしろ快感とともに、凌辱は終わった。
「はあ、はあ、はあ……」
 股間と排泄の穴と、二か所とも鈍い痛みがうねっている。どちらにも、太い異物が挿入されたままになっている錯覚。
「実に簡単に挿入りましたぞ。やはり、こちらで悪魔と媾合っておりましたな」
 司祭の姿をした男が立ち上がって、顔は見えないが、悪魔の微笑を浮かべているだろうとは、声で分かった。
 力ずくで押し込んでおいて簡単とは、それが悪魔と交合した証とは……こいつらは、どうあっても私を魔女に仕立てるつもりなのだ。
「本格的な尋問は明日からということにして、今日は戦勝の祝賀会ですな」
 束の間の安息を得た安堵よりは、明日からの尋問の凄まじさを予感して、私は戦慄した。だって……どんなに拷問されようとも、私は魔女であるなどという虚偽を『自白』するつもりは微塵もない。みずからの命が惜しいのではない。私が魔女として処刑されたら、こやつらの目論見どおり、味方は戦意喪失して決定的な敗北を蒙るだろう。
 けれど、ただの捕虜として殺されるのだったら――味方は復仇の念に奮い立つことだろう。
 ようやくに、私は宙吊りから解放された。といっても、処遇はかえって悪くなった。素裸のまま、鉄枷で後ろ手に扼され、幅広の分厚い革帯を噛まされて、三階の牢獄まで階段を上がらされた。
 牢屋のひとつずつは、驚くほど狭い。壁に背をもたせかけて座れば爪先は鉄格子に届くし、壁に沿って身を横たえる広さもない。
 最初の見張とは違う、城で雇われている下男らしい二人が、私の見張についた。自由を奪われて狭い檻に閉じ込められた小娘ひとりに、大仰なことだ。しかも、三方の鉄格子には、背丈ほどもある十字架が立て掛けられた。ただ二本の木を組み合わせた物ではなく、御子が磔に掛けられている彫像を嵌め込んだ、聖別された本物の十字架。
 なぜ、この者どもは聖物を平然と持ち運べるのだろう。ほんとうに、彼らの上に御主があられて、私は御主から見放されたのだろうか。
 牢番の二人を残して、迫害者どもは塔獄から立ち去った。
 牢番は、部屋のまん中に置かれた小机に向かい合って座り、頬杖を突いてこちらを眺めている。
 私は――下司な男どもの視線に背を向けて、牢獄の隅にうずくまる。それでも、床に流れた恥辱の血までは隠しようがなかった。
 牢獄には私しか捕らえられていないというのに、??の臭いが漂っている。垂れ流されたそれが、床に染み着いているのだろう。
 ――牢番のひとりが何事かを思い出したように立ち上がって姿を消したかと思うと、両手に桶を持って戻ってきた。
「怪我の手当てをしてやる。こっちを向いて脚を広げろや」
 そのようなはしたない真似が、できようはずもない。けれど、もうひとりの牢番までが狭い檻の中にはいってきて、私の双つの乳房をつかんだ。
 痛い……抗っても無駄と観念して、私は体の力を抜いて男どもに嬲らせる。
 立たされて、脚を開かされて。水桶を運んできた牢番が掌に水を掬って、ぴちゃぴちゃと股間を叩く。さらに奥まで手を伸ばして、排泄の穴まで指でまさぐる。男の手が動くたびに、私の身体がぴくっと震える。
 恥辱きわまりない狼藉ではあったが、肌にこびりついていた血が洗い流されて、もちろん感謝なんかしなかったけれど、この二人への憎悪までは湧かなかった――この時には。
 私は、また床に座らされて。驚いたことに、口を縛っている革帯がはずされた。
「悪魔への祈りなんかするんじゃねえぞ。聖水をぶっかけてやるからな」
 男が切子細工の施されたフラスコをかざした。
 いっそ頭から浴びせてほしいと思ったのは一瞬。聖水を浴びせられて何事も起こらなくても、それは私が悪魔の手先ではないというだけで、御主の恩寵が未だこの身の上にある証にはならない。そして、何事も起こらなかったという下賤の男どもの証言は黙殺されるに決まっている。
 目の前に桶が突きつけられた。そこに湛えられた水を見て、喉が焼けるようにひりついていると気づいた。戦場では水を飲む暇がなかったし、捕らえられてからの行軍、そして処女性の検査に名を借りた拷問では悲鳴をあげ続けていた。
 私が桶にかじりつくと、男はそっと桶を傾けてくれた。
 水を貪り飲んで、すこしは人心地を取り戻した。
「なにか望みはあるかい? ひもじくはねえか?」
 男の声は、憐れみからくる優しさに聞こえた。
「食べ物よりも……着物をください。せめて、腰のまわりだけでも……」
 味方の兵士だろうと将軍だろうと、素肌を見られれば羞恥を覚える。まして、この男は味方ではないし、この身は素肌どころではない有様だった。
 男が薄い笑みを浮かべた。
 嫌な予感が背筋を突き抜けた。
「いいとも。けど、こっちの望みもかなえてほしいぜ」
 男が桶を床に置いて、両手を私の肩にかけた。
 私は後ろへ逃げて、壁に突き当たった。立ち上がる前に、横ざまに押し倒された。
「張形で生娘を破られたんだってな。本物の味を教えてやるよ」
「やめてっ! 誰がおまえなんかに……むぐうう」
 叫んだ口に革帯を押し込まれて、そんなことでひるんだりしない。唯一自由な足で、男を押しのけた。
 けれど、ささやかな勝利は一瞬で潰える。もうひとりの男が、後ろから私を引き倒した。
「どうせ、もう傷物になったんじゃねえか。おとなしく姦らせてくれりゃ、約束どおり着物をやるからよ」
 布切れの一枚や二枚で身を穢されてなるものか。のしかかってくる男を、また蹴飛ばしてやった。
「優しくしてりゃあ、つけ上がりやがって」
 頬桁をしたたかに殴りつけられた。
「やめろって。怪我をさせるなと言われてるだろ」
「ちっ……これなら、かまわねえだろ」
 腹に拳骨を突き入れられた。
「ぶぐっ……」
 飲んだばかりの水をごぼっと噴き出して、革帯に遮られて激しく噎せた。
 その隙に、私は完全に押さえ込まれてしまった。
 殴った男が、あわただしくズボンを脱いで、私におおいかぶさってきた。
 股間に、模造男根で貫かれたときと同じような痛みを感じた。いや、すこし違う。身体を割り裂かれるような感覚ではない。そこに生じた肉の裂け目を、さらに押し広げられるような鈍痛。
 鈍痛が律動する。男の身体が上下に動いている。挿入された男根が私の中を深く浅く抉っている。
「ぐゔゔ、ゔゔ、ゔゔ……」
 律動に合わせて、くぐもった呻きが喉から噴き出す。痛みで頭が痺れてくる。
 それが何十回と繰り返されて。不意に男が動きを止めて立ち上がった。
 膝までずり下げていたズボン下を脱いで、私の足元に座り込んだ。
「約束は守るぜ。手を使えんから、穿かせてやるよ」
 私の足首を持ち上げて、ズボン下に足を通す。貞操で購った下着かと思うと、惨めなだけでなく憤怒さえ燃え上がったが、それは裡にこもるだけで力にはならなかった。そして――名誉のためにも男の行為を拒むべきではあったが、裸身を晒す不名誉を蔽うためには、受け容れるしかなかった。媾合いの残滓がズボン下にわだかまって気持ち悪いけれど、それも我慢するしかなかった。
 ズボン下を穿かされて。これで、もうひとりの男にまで犯される怖れはなくなった――と思ったのは、私が男の好色と邪淫とを知らなかったからだ。
「さてね。やつだけが愉しんだんじゃ面白くねえな。俺っちは、これを着せてやってもいいんだが……
 もうひとりの男は、チョッキを脱いだ。
「ちょっと大きいから、こうすれば……」
 肩の合わせ目を手で引き裂いて、後ろ手に扼されている腕の下からチョッキを押し込んだ。身頃を引き上げて、裂いた箇所を肩の上で結び合わせる。
「俺っちは親切だから、前もちゃんとしてやるよ」
 革紐を結んで、前身頃を閉じてくれた。腋の下が窮屈だけど、乳房も腹も隠れて――ずいぶんとましな姿(でも不格好)になった。
 私は戸惑いながらも、幾分は安心していた。こうやって着せかけてくれるのなら、あらためてズボン下を脱がしたりしないのではないか。
 そのとおりだった……のだけれど。
 男は、私の口をふさいでいる革帯を取り去ってくれた。
 情欲を遂げたほうの男が、聖水のフラスコを手にして、すこし離れたところから成り行きを見守っている。
「俺っちも、さすがにソドムの罪を犯す気にはなれねえ。そこで相談だが、その可愛いお口で俺っちをしゃぶっちゃくれねえか」
 意味が分からなくて、私は男を見上げた。
 男がズボンをずらして、いきり立った男根を私の顔の前に曝す。
「わかるだろ。これは、そんなに悪い行ないじゃない。気の利いた娼婦なら、黙っていても奉仕してくれるぜ」
 わたしは卑しい娼婦なんかじゃない。けれど、これまでの淫惨な体験が、男の要求を理解させた。排泄の穴に挿入するのなら、摂取の穴にも……
「そんなことをされるくらいなら……もぼおお!」
 素裸にされるほうが、よほど名誉を保てる――と言いかけた口に、怒張を突っ込まれた。
「あえ……げええっ」
 喉の奥まで、模造男根の三倍は太い怒張を突き挿れられて、母音すら発せられなくされた。鼻の奥まで、男の獣めいた体臭が沁み込む。
「いい子だ。ちっとばかり我慢してな」
 我慢なんか、できるはずがない。男根を吐き出そうにも、髪の毛をつかまれ頭を押さえつけられて身動きできない。すこしでも汚穢に口が触れぬようにと、私は大きく口を開けて、突然の暴辱に翻弄されるばかり。
「舐めてくれなんてのは……贅沢か」
 男は、私の顔に腰を打ちつける。そのたびに上顎をこすられ喉の奥を抉られ舌を押さえつけられる。
「も゙お゙お゙、む゙ゔ……」
 頭を立て続けに揺すられて気が遠くなりかけたとき――喉の奥に熱い衝撃を感じた。口の中に魚が腐ったような悪臭が広がる。
 男が身を離すと同時に、私は上体を折って、口の中の汚物を吐き出した。
「うえええ、げええ……」
 いつまでも吐き気が止まらない。
 なのに、この男は無情にも、革帯で私の口をふさいだ。
「明日の朝は、パンか果物を食べさせてやるから……また、頼むぜ」
 勝手なことをほざいて、二人は檻から出て行き――見張の椅子に陣取った。
 私は、壁に背中をあずけて座って、憤怒の炎を宿して二人を睨みつける。私にできる仕返しは、ただそれだけだった。
 二人は面白がって、私に向かってわざと変な顔を作ったりする。まるで子供の睨めっこっだけれど……目を反らせた方が負けだなんて本気で考えていた。
 やがて夜の帳が下りて、蝋燭一本の明かりもない牢獄は、闇に溶けていった。二人の牢番は交替で不寝番を務めることもなく、酒を喰らい、あげくに二人そろって居眠りを始める。兵士の経験もないのか、司祭と違って、私を無力な小娘と侮っているのか。
 冷たい夜気に体温を奪われながら、私はずっと考え続ける。ほんとうに、私から御主の力は去ったのだろうか。御主は敵に祝福を与えられたのだろうか。
 これまでは考えたこともなかったが。イングランドにも教会があり、それは法王猊下に公認されている。つまり、敵も御主に祝福されているのか。
 では、なぜ……御主に祝福された者同士が相争うのか。私にはとうてい答を見つけられない問題だ。
 私に分かっているのは――たしかに、戦場において御主は私と共にあらせられ、私の怒りに力を与えてくださっていた。いや、御主の怒りが私を憑代として顕現していたのだ。
 けれど、敵が聖なる印を押し立てて戦場に臨むと、全知全能の御主といえども一方に与すること能わず、私から力を取り上げられたのではないだろうか。
 そうに違いない。敵の司祭もそのことを知っていて、檻を十字架で取り囲んだのだ。
 では、十字架が取り払われれば、そして御主に仕える者がこの場にいなければ――私にふたたび力は甦るに違いない。
 ……辛抱強く、その時を待とう。
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burning.jpg

 この記事を書いている今の実際の進行状況は、最終章に着手するところです。
 最後はダットサンの如く走りますから、明日当たり脱稿するかも。それから推敲校訂で、表紙絵BF丁稚揚げて。
 7月リリースですかね。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1:Extra Sensory Penetration

18.jpg

 時給千円の居眠り中にも書き進めようという目論見は、あえなく挫折しました。A4ノートPC(ヤフオク¥13,000)を裸で鞄の底にぶっ込んで持ち運んだのが敗因。画面がグチャりました。でも、20枚くらいは、これで書いたので、原稿料は650円??
 これからは、スマホとタッチペンでチマチマ書くかもです。
 さて、今回は第1章まるごと3万文字を掲載します。
 時空を超えて5人の視点を一人称で書くという無謀な試み。しかし、責めシーン以外は超特急で、SFは味付けだけです。


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1.発動


 なんとなくだけど、今日は大学に行きたくない。ティムとの激しい一夜と九時までの寝坊とで、心身ともにリフレッシュ。ベストコンディションのはずなのに。心の奥底のもっと下のあたりで、得体のしれない不安が蠢いている。
 おっと、赤信号。ぼんやりしてて車にはねられたなんて、洒落にもならない。今日は陽差しが強いしオフホワイトのワンピースだから(肌は白いし髪は淡い金髪だし)、自動運転車に私の姿が認識されない危険がある。
 ……グリーン、Go!
 しばらく歩くと、カラーコーンが歩道をふさいでいた。トラフィックガードがライトセーバーで人と車の誘導をしている。カラーコーンで区切られたエリアでは、馬鹿でかい看板が宙吊りになっている。前からあったブリキの(やっぱり馬鹿でかい)看板をLEDディスプレイに取り換えているようだ。
 邪魔っけだなあ。深夜に工事すればいいのに。看板を見上げながら、カラーコーンに沿って車道を歩く。
 視界の上端で、何かが弾けた。ぐらりと、宙吊りの看板が右に傾いた。切れたワイヤーが垂れかかって……ジーザス! 左を吊っているワイヤーが弾け飛んだ!
 看板が地響きを立てて歩道に落ちる。一瞬、右に傾いたまま垂直に立ってから。ゆっくりと私に向かって倒れてきた!
 反射的に、私は走った。黒い影が車道に落ちる。視界の右上から看板が覆いかぶさってくる。走り抜ける時間はない。振り返ると――さらに絶望的。
 さっきの信号で引き返しておけばよかった。もう三十分も寝坊しておけばよかった。一瞬の後悔が、真黒な恐怖に塗りつぶされていく。逃げられない……!
 無数の黒点に埋め尽くされた巨大な壁が、ゆっくりとのしかかってくる。
(死にたくない!)
 突然の、絶対的な……恐怖と衝動。
「わあああああああっ……!!!」
 叫んで。黒い壁に向かって両手を突っ張った。
 瞬間。私の奥底でなにかが爆発した。
 視界一面に膨れあがっていた巨大な壁が微塵に砕け散った。
 破片が、カラーコーンが、人が、車が、私のまわりから消え去った。
 視界が真っ白に染まって…………
 ………………
 …………
 ……ですか?
「だいじょうぶですか?」
 目を開けると、真上に人の顔があった。私を覗き込んでいる。
「落ち着いて。ゆっくり深呼吸しなさい。あなたは誰ですか?」
 青いシャツを着た男だった。私の首筋に手を当てている。
 ああ、そうか。この人は救護隊員だ。私の生命レベルを確認しているんだ。
「私はミランダ・ファーロウ。十九歳。学生です」
「負傷の有無を確認します――失礼」
 男は、私の腕と脚を軽く曲げて――驚きと安心とをごちゃ混ぜにした表情になった。
「脚に擦り傷がある他には、負傷していないようですね。立てますか?」
 私は救護隊員に助けてもらって立ち上がった。
「歩けますね? あそこで応急救護テントを作っています。そこへ行って、しばらく休んでいてください」
 救護隊員は私の右手首にトリアージタッグをそのまま(緑の部分を残して)輪ゴムで留めると、五mほど先に倒れているスーツ姿の男性の救護に取りかかった。その男性は、腰の上のあたりで横向きのV字形に身体が折れ曲がっていた。
 何が起きたのか考えることもできず、私は白昼夢の中を設営中のテントに向かって歩いた。
 数十メートルの距離を歩きながら、次第に周囲の様子が分かってきた。幾つものサイレンの音と怒号とが入り乱れている。自動車が何台も横転している。ビルの三階の窓に突き刺さっている自動車もあった。担架が右往左往しているが、道路にはまだ多くの人が倒れている。不自然にねじ曲がっていたり、手足が千切れている死体もある。あの看板が爆発でもしたのだろうか――まだ感情が麻痺しているのか、わりと冷静に、そんな考えが頭に浮かんだ。
 テントの手前で、白色の防護服を着た人たちに取り囲まれた。
「あなたが中心にいた人ですね」
 私のトリアージタッグを手に取って、うなずく。
「汚染されている懸念があります。こちらへ来てください」
 手を引かれて、突然に恐怖がこみ上げてきた。汚染……にではなく、この三人に対しての言い知れない恐怖。
「待って……」
 手を振りほどこうとした瞬間、首筋に小さな痛みを……

<<魔女水刑

 外の気配が揺れている。規則正しい足音が近づいて来る。蹄の音も混じっている。何事だろう。外へ出ると、領主様と司祭様が轡を並べて、その後ろには十人ほどの兵士が続いている。ここは街道から離れた小道。先には森しかない。
 もしかすると、私に占いの御用でもおありなのだろうか。身に余る光栄ではあるけれど、卦が悪く出てご機嫌を損ねたら一大事。
 着替えている時間はないので普段着のままで膝を突いて、一行をお迎えした。
 ざざっと、兵士たちが私を取り囲んだ。ただ事ではない。
 領主様が私の前まで馬を乗り掛けて、剣を抜き放った。その切先を、私の顔すれすれに突きつける。
「イレーネ・グリュン。ヘラ・マイヤーを殺害した魔女として、おまえを投獄する」
 まるきり身に覚えのないことではなかった。けれど、どうすればこんなにも曲解できるのかと呆れてしまう。
 ヘラが埋められている森の中の窪地を千里眼で見通したのは、私だった。行方不明になって三か月もしてから、まるで拷問でもされたように全身傷だらけで、ひとひらの布さえも与えられずに土深くに埋められていたヘラ。
 これまでにも、私は多くの失せ物を探し当ててきた。けれど、財布を盗んだとか鶏を殺したとか、疑われたことなどない。
 私がヘラを殺したのではないし、魔女なんかでもない。空を飛んだり人を呪い殺したり疫病を流行らせたりは(しようとも思わないけれど)できない。惚れ薬は、互いに憎からず思っている男女のあいだの垣根を、ほんのひと時取り払ってあげるだけでしかないし。野山に生えているある種の草には痛みをやわらげたり傷の治りを早くしたりするものがあるというのは、母の出自である放浪民の間では広く知れ渡っている。
 もしも私が不可思議な力を持つ魔女であるのなら、半ポンドの小麦のためにスカートを脱いだりするものですか。
 しかし、そんな申し開きをする暇も与えられず――私は兵士に押さえつけられた。
「呪いの言葉を紡がせるな。悪魔を招き寄せる両手を封じよ。呪具を隠し持っていないか、厳重に検めよ」
 司祭様が矢継ぎ早の指図を飛ばす。
 兵士たちが私の口をこじあけて丸い革袋を突っ込み、紐で頬を縛った。みっつの穴を穿った首枷で両手の自由も奪われた。
 首枷を引っ張られて立ち上がる。領主様や司祭様に逆らうつもりはないけれど、あまりにも理不尽な扱いに怒りが(そして、それ以上の恐怖が)込み上げてくる。
 兵士の手が、私の身体をまさぐる。乳房をこねくり、尻をわしづかみにして、股間にさえも手を差し入れてくる。
「それでは見落としが出るぞ。素裸に引ん剝いてしまえ」
 領主様がとんでもないことを言う。兵士どもはためらうどころか、女に飢えた男がするような乱暴な手つきで、私の衣服を引き千切っていく。乳房が白日の下に晒され、それどころか腰を包んでいる布までが奪われた。
「何も隠し持っておりません」
 隊長らしい男が、領主様を振り返って告げる。
 領主様が馬から下りた。
「短剣を貸せ。違う、鞘もだ」
 兵士から鞘ごと短剣を受け取ると、私の前に立った。
「女には、とっておきの隠し場所があるのを知らんのか。そいつを寝かせて、股を開かせろ」
(…………?!)
 領主様のしようとしていることが、私にも分かった。
「ん゙む゙ゔ……む゙うううう!」
 腰をよじり、両脚を渾身の力で閉じようとした。けれど、屈強な男どもに寄ってたかって腰を押さえつけられ足を引っ張られては、無駄なあがきにすらならなかった。
 領主様が私の開かされた脚の間にしゃがみ込んだ。首枷が邪魔で、手の動きは見えない。
「も゙お゙お゙お゙……!」
 ずぐうっと、股間を鈍い痛みが貫いた。男よりは細いけれど、鞘は角張っているし装飾が出っ張っている。それが、股の奥を容赦なくえぐった。えぐって、ぐりぐりと掻き回す。脳天まで鋭い痛みが突き抜ける。
 突っ込まれたときと同じくらいの痛みを引きずりながら、鞘が抜き取られた。
「脚を高く掲げろ。腰を浮かすのだ。男女に共通する穴も調べねばならん」
 悪魔でさえ思いつかないような破廉恥な企みを、領主さまは平然と言った。いや、すこし声がうわずっているようにも聞こえた。
「んんんんん……」
 抵抗する気力も失せて、私は悲しく呻いた。私の意志は、まったく無力。どんなに理不尽な暴虐でも、嵐が通り過ぎるまで耐えるしかない。
「む゙い゙い゙い゙い゙っ……!」
 灼熱した鉄棒をねじ込まれたと思ったほどの激痛が、尻に押し入ってきた。二年半まえに初めて男を股の間に迎え挿れたときよりも、ずっと激しくて重たい痛み。それが腸の奥深くまで突き上げてくる。
 それが鎮まった直後に、鮮烈な痛みを感じた。
「しまった。鞘を置いてきてしまった」
 領主様が抜き身の短剣をかざした。つまり、鞘だけがお腹の中に取り残されている。なのに、穴を割り広げられる重たい苦痛は過ぎ去っている。つまり……丸ごと押し込まれてしまっている。そして、鋭い痛みだけが疼いている。きっと、抜き身の短剣で肛門を切り裂かれたのだろう。
「魔女の証しとなるような品は隠し持っておらぬな。娘を引っ立てろ」
 領主さまは抜き身の短剣を持ち主に返して馬に乗った。
 私は――両側から首枷を引きずられて、立たされるというよりも吊り上げられた。腰に長い鎖が巻かれる。
「お待ちください。家の中から衣服を探してきます」
 隊長が声を掛けたけれど、領主様はさっさと馬を進める。
「かまわん。素っ裸で連行する。おまえたちも、そのほうが行軍の励みになるであろう」
 わははははと、お追従にしてはねちっこい笑いが兵士どもの間に湧いた。
 私は領主様が持つ鎖に曳かれて、否応なく歩き出す。口に詰め込まれた革袋とともに、恐怖に圧し潰されかけている怒りを噛み締めながら。
 そして、腿に触れる微かな感触に気づいた。鞘を腰に括りつける革紐が尻から垂れていて、それが歩くたびに揺れているのだ。まるで尻尾のように。
 ――私の住む小屋は荘園の端にあるから、お館まで曳かれて歩くあいだに、村人のほとんどの目に惨めな姿を曝すことになってしまう。裸で枷に扼されているだけでも羞ずかしくて死んでしまいたいのに、尻からはまるで家畜みたいに尻尾を垂らしている。
 畑に出ている人も、行き違う人も、ぽかんと口を開けて隊列を――というより、私を眺めている。憐みの目だ。
「道を空けろ。少女殺しの魔女を連行しておる」
 道をふさいでいる荷馬車に、従者が呼ばわった。荷馬車は精一杯に道の端へ寄る。馬を曳いているのは、水車小屋のヨハンさんだった。私を見て、あわてて目を伏せてくれた。
「イレーネが人殺しの魔女だって? 間違いに決まってらあ」
 すれ違うときに小さな声で、でも私に聞こえるようにつぶやいた。たぶん、それが村のみんなの心だろう。私の無実を信じてくれてはいるけれど、面と向かって領主様に盾突くなんてできやしない。
 私は自分自身で、なんとかして身の潔白を明かさないといけないのだ。
 お館に着くと、裏庭の隅にある石造りの小屋に押し込められた。左右の壁には手前に鉄格子が立てられて、檻になっている。今は、誰も閉じ込められていない。小屋のまん中は広く空けられていて、小さな椅子と机が置かれている。奥の壁際には、部屋の中だというのに梯子が立て掛けられている。何に使うのだろう――という疑問への答は、すぐに自分の身体で思い知ることになった。
「尋問に取り掛かる前に、ひと休みいたしましょう。持参いただいた聖水で割った葡萄酒など、いかがですかな」
 けれど、領主様たちはすぐに立ち去るのではなかった。私は首枷をはずされて、水平に寝かされた梯子に手足を伸ばして縛りつけられた。そして、頭を下にして梯子が壁に立て掛けられた。この梯子は、囚人を拷問する道具だったのだ。
 領主様たちが立ち去って。私はあらためて、上下が逆になった小屋の中を見回した。天井には大きな滑車が四個も吊るされていて、それぞれから太い鎖が垂れさがっている。部屋の隅には火桶が置かれて、鉄の柄が何本も突き出ている。焼印に違いない。肩や額に生涯消えることのない刻印を焼き付けて領地から追放するのは、死刑にするほどではないが鞭打ちでは済まされない罪人への仕置として、どこの領地でも行なわれている。
 私には、どんな処罰が下されるのだろう。
 無罪放免にならないことだけは確実だ。そもそも無実なのだから、証人など出るはずもない。けれど、私が魔女らしいという証拠は、いくらでもある。千里眼の失せ物探しもそうだし、村人の知らない薬草の知識も、こじつければ魔女の証拠になる。
 それに……男の前でスカートを脱いで、神様の教えに背く物々交換をしていたことも、魔女の疑いと結び付けられる恐れがある。もっとも、この罪を領主様の前で告白する男がいるかどうかは、怪しいけれど。
 どんなに証拠が不確かでも、領主様は私を罪に墜とすだろう。十人もの兵士を引き連れて捕らえた小娘が無罪ともなれば、領主様の威厳が地に落ちる。
 せめて死刑だけは免れたい。もう、私はそのことしか願っていない。そして、それが困難な希望だと――すでに私は理解している。人殺しは、首を斬られるか吊るされるか。そして魔女は……生きたまま炎に焼かれるのだ。
 もちろん、運命を理解したからといって、それを受け入れるつもりなんか、これっぽっちもない。確実な証拠がないのだから、たとえ拷問されても嘘の自白をしなければ、処刑はできないはずだ。いい加減な裁判で私を処刑すれば、領民の反発を招いて――領主様にとってのいろいろな不都合が生じるだろう。そして、いつまでも裁判が開かれなければ。領主様も助命嘆願に耳を傾けてくれるだろう。
 もしもの積み重ねだけれど。村のみんなが助命嘆願してくれるだろうことにだけは、確信を持っている。解熱の薬草と腹下しの毒草とを見分けられるのは私だけだし、傷口を膿まずに治せる秘伝の黒焼き粉も手に入らなくなる。それに――年に何回かは出没する猪や狼を、手負いにして逃がすことなく確実に射止められるのも私しかいない。
 そういった「仕事」は、流浪の民の血を引く天涯孤独の私が村はずれに住まうのを許してもらっている見返りだけれど。だから、兎や鳥や山菜よりほかの食べ物を得るために(たまに)スカートを脱ぐのだけれど、実はひそかな愉しみでもある――なんてことは、領主様には黙っておく。
 領主様と司祭様は、すこし赤い顔をして戻ってきた。
 いやだなあと、思う。酔っている男は、しつこい。自分勝手だ。なんて考えて、それどころでは済まないんだと気づいた。酔っ払った男に取り調べられるんだ。素面ならしてくれるかもしれない手加減もしてくれなくなる。もっとも――二人の後ろに控えている男は、まったくの素面らしい。
 さっきの兵士たちの中にはいなかったと思う。この男が尋問だか拷問だかに手を下すのだろう。村一番の力自慢のハンスよりも逞しい身体つきをしている。その筋肉を誇示するように、裸の上に申し訳程度の革チョッキを着ている。こんな男に殴られでもしたら、私は壊れてしまう。
「吊るせ」
 領主様の短い命令。
 私は梯子ごと床に寝かされて縄をほどかれた。でも、痺れている手首をさする暇もなく両手を前で縛られて、天井の滑車から垂れている鎖につながれた。
 ガラララ、ヂャリヂャリ……と、宙吊りにされた。手首に縄が食い込んで痛い。
「どうにも見苦しいな」
 領主様が、私の尻から垂れている革ひもを握って、ぐいっと引っ張った。
「ん゙い゙い゙っ……!」
 灼熱の激痛が走って――鞘がカランと石の床に落ちた。
 太腿に鮮血が伝った。
「ふむ。まるで生娘の初めてを見るようだな。あの娘は……」
「ディーツ殿」
 領主様のあけすけな言葉を司祭様がたしなめる。
「おっと。娘を喋れるようにしてやれ」
 口に詰められていた革袋が引き出された。口の中に溜まっていたつばを飲み込もうとして噎せてしまう。
 領主様が、壁に掛けてあった長い鞭を手に取って、私の前に立った。
「ヘラを殺したのは、おまえだな」
 決めつけられて、反発が頭をもたげる。でも、すぐに目を伏せた。否定しても信じてもらえないだろう。けれど、不必要に心証を悪くすることもない。哀れで素直な態度でいれば、もしかしたら、ほんとうにもしかしたら――信じてもらえるかもしれない。
 なぜ、領主様は私が犯人とお考えなのだろうか。私をよく思わない人たちはいくらでもいる。亭主持ちの女と、司祭様を始めとする聖職者の人たち。でも、証拠もなく讒言するだろうか。
 ヘラの殺され方が尋常でなかったというのも、魔女の仕業と思われる理由だ。悪魔の爪痕かさもなければ容赦のない鞭打ちによる傷が全身に刻まれていた。乳房にも腹にも尻にも、悪魔の尻尾のような形をした火傷の跡がちりばめられていた。女の大切な部分は血まみれになっていた。悪魔のねじくれた男根でえぐられたかのように、何か所も裂けていた。
 盗賊の集団でも、こんなひどい殺し方はしない。悪魔、それとも悪魔と契約して力を得た邪悪な魔女だけが成し得る残虐さだ。
 私は領主様の目をまっすぐに見て答えた。
「私ではありません」
「では、なぜ娘の死体が埋められている場所を知っていたのだ」
 間髪を入れずに追及される。
「私には千里眼の力があります。ヘラが土の中に埋められているのが見えたのです」
「では……誰が娘を殺したのかも見通せるのだろうな」
「できません」
 探そうとする人が身につけていた物、物を探すときは逆にその持ち主に――手を触れなければ、千里眼は見えない。それを領主様に説明した。
「では……なぜに、娘が殺されるまでに見つけられなかったのだ」
 ヘラが行方不明になって五日後には、彼女の両親から依頼を受けている。そのときは、千里眼が働かなかった。ヘラの心が乱れていて、それが周囲の気配をかき乱していたのかもしれない。それとも、ヘラのまわりに多くの人がいたのかもしれない。台所で白い小さな小石を見つけるのは容易でも、河原で見つけるのは困難だ。
「だいたい千里眼なぞ、聖なる書物のどこにも書かれておらん」
 司祭様が不興気に吐き捨てた。
「存在せぬものをもっともらしく説明する汝は、魔女かペテン師か真犯人か、そのいずれかであろう」
 司祭様が、領主様に向き直った。
「この者が魔女かペテン師であれば、口先達者にディーツ殿を誑かしましょう。真犯人であれば、自白させるまで。いずれにしても、問答は無用と存じます」
「なるほど。口ではなく身体に尋ねるのだな」
 領主様が、巻いて手にしていた長い鞭をほどいて握り直した。
「いちいち尋ねはせんぞ。言いたいことがあったら勝手に言え」
 領主様は右腕を後ろへ引いて――私を殴りつけるように腕を水平に振った。
 しゅんんっ、パシイン!
「きゃああっ……!」
 刃物で斬りつけられたような鋭い痛みが乳房に奔った。男の掌からこぼれる自慢の乳房が、水を満たした革袋のように歪んで、大きく弾んだ。
 領主様が、振り抜いた腕を逆向きに振り戻す。
 しゅんっ、パシイン!
「痛いっ……!」
 またも鋭い痛みが乳房を爆発させた。
「私はヘラを殺していません。魔女でもありません」
 無駄と分かっていても、真実を訴えるしかない。
 領主様は私の言葉に耳も貸さず、鞭を振るい続ける。
 吊られて宙に浮いている私の体が、ゆっくりと回り始める。そこへ容赦なく鞭が降り注ぐ。乳房だけでなく、尻にも腹にも脇腹にも太腿にも。
 私は一発ごとに悲鳴をあげるのにも疲れ果てて、鞭打たれるたびに高く低く呻き続ける。
 全身が焼けるように熱い。刃物に切り刻まれたように痛い。実際に鞭の先で肌を切り裂かれて、あちこちから血が滴っている。
 いつか領主様も上着を脱いで、裸になった上半身に汗がびっしり浮かんでいる。
「ディーツ殿。鞭の勢いが弱くなっておりますぞ。ギドに替わらせてはいかがですか」
 ぎくっと、心臓が凍り付いた。領主様の倍は力がありそうな、まったく疲れていない男にこれ以上鞭打たれたら……私は死んでしまう。
「いや……しばらく休むとしよう。我が手で甚振ってこその悦びだ。下男になど譲ってやるものか」
 なんだか奇妙な言葉だけど……意識が朦朧としている私には理解できなかった。
 領主様は休むと言ったけれど、小屋から出て行かなかった。
 革チョッキの男に指図をして、私を吊り直させる。両手を後ろで縛って、そこを鎖で吊り上げる。
 ガラララ、ヂャリヂャリ……ギドが鎖を手繰るにつれて、まっすぐに伸ばしている腕が引き上げられていき、その半分くらいの割合で上体が前へ倒れていく。ある程度まで倒れると、手首が上がるより肩の下がる分が大きくなって――あとは腕だけがねじ上げられていく。
「い……痛い!」
 悲鳴を叫びすぎて嗄れた喉から、しゃがれた声が噴きこぼれる。
 肩がはずれるんじゃないかと思うほどの激痛。それでもギドは、じわじわと鎖を手繰り続ける。
 がくんと肩にいっそうの激痛が乗せられて、私の両足が床から浮いた。
「きいいっ……!」
 領主様が近寄って、私に向かって片足を上げて……靴の裏で股間を蹴った。
 小屋全体がぐうんと揺れて、ぐきりと肩が鳴った。
「痛い痛い……お慈悲ですから、赦してください」
「おまえは魔女であり、悪魔と結託してヘラを淫らに犯して殺した。認めるのだな」
 いつのまにか罪状が増やされている。
「私は無実です。魔女じゃありません。ヘラを殺していません」
「そうか」
 領主様は、私の揺れに合わせて今度は尻を蹴った。小屋がいっそう大きく揺れる。
「尋問を再開するまで、そうしておれ」
 領主様は小屋の隅に片付けた椅子に座った。小机に頬杖をして、揺れている私を、目を細めて眺めている。司祭様は壁にもたれかかって――その表情には見覚えがある。私がスカートを脱ぐときの、男たちの目つきと同じだ。
 ギドがワインとチーズを盆に乗せて持ってきて、小机に置いた。領主様と司祭様が、さらに酔いを重ねる。
 小屋の揺れが小さくなって、それでも水平にゆっくり回っている。
「逆さ吊りにしろ。鎖は二本だ」
「……へい」
 ギドが初めて口を利いた。なんだか疲れているような口ぶりだった。
 私は床に下ろされて、後ろ手縛りはそのままに、両足を別々の鎖で縛られた。
 ギドが二本の鎖の端をひとまとめにつかんで手繰り始める。
 ガゴガゴ、ヂャヂヂャヂヂャヂ……両足が吊り上げられ左右に開かされる。腰が浮き、最後に肩が床から離れて、私の身体は宙でV字形(文字は母から教わっている)を描いた。
「いちいち狙うのも難しいからな」
 領主様は鞭を小机に置いて、小屋の隅に置いてあった縄束をほぐして何本かを引き抜いた。
 びゅんっと素振りをくれる。鞭の音よりもよほど風切り音が凄まじい。
 領主様が私を見る。視線は私の顔ではなく、顎の高さにある股間に注がれている。
(まさか……?)
 疑ってはみるけれど、私はもう確信していた。わざわざ開脚で逆さ吊りにした意図は明白だった。
「おまえがヘラを殺したのだな」
 領主様が縄束を振りかぶって、私の顔を見下ろした。
「違います」
 勇気を振り絞って、真実を返した。
 びゅんんっ、バジャアン!
「ぎゃはああっ……!」
 縄束が股間に叩きつけられて、私は絶叫した。もっとも敏感な場所に加えられたもっとも残虐な仕打ち。身体をまっぷたつに切り裂いて、股間から脳天まで稲妻が突き抜けた。反射的に股間をかばおうとして前かがみになるが、宙吊りにされているので上体が折れ曲がっただけで、反動で身体が前後に揺れ始める。
 そこへ二発目、三発目と打ち込まれる。
 びゅんんっ、バジャアン!
「ぎゃはああっ……!」
 びゅんんっ、バジャアン!
「ぎゃはああっ……!」
 息をする暇もなく、四発目には口を大きく開けて喘ぐだけだった。
「おまえは魔女だな」
 認めてしまおうか。ちらっと思った。魔女にはふた通りあると、人々は考えている。村に住んで畑を耕している人たちの知らない知識を使って人々の役に立つ魔女と、悪魔と契約して邪悪な力を得た魔女と。村人たちには、私は善き(そして淫らな)魔女と思われている。けれど、それを認めてしまえば――領主様も司祭様も、悪魔と契約した魔女だと決めつけるだろう。
 私は気力を振り絞って、言葉を喉から押し出した。
「……違います」
 返事は、いっそう強烈な股間への稲妻で報われた。
「ぎゃんっ……!」
 ふうっと目の前が昏くなった。けれど、失神の安逸に逃げ込む前に次の稲妻が股間を打ち据える。
「ぎゃはあっ……ひいい……ぎゃんっ……くうう……」
 私は鍛冶屋の鞴のように悲鳴を噴き続けて……
「しぶとい小娘だ。愉しませてくれるが、そういつまでもかかずり合ってもおれん。続きは夜になってからだ」
 逆さ吊りのまま、手首の縛めをほどかれた。けれど、それは休息を意味しなかった。余っている二本の鎖に両手をつながれて、うつ伏せの姿勢まで引き上げられた。四つの滑車から斜めに伸びる鎖に手足を引き伸ばされて、背中にまで痛みが積み重ねられた。鞭で打たれなくても、じゅうぶんな拷問だった。
 小屋から三人の男たちの姿が消えて、私は空中に放置される。
 ――肩と足の付け根が軋んでいる。背中に鈍い痛みが居座っている。
 私が罪を認めるまで拷問が繰り返されるのだろう。
 いっそ、無実の罪をすべて認めてしまおうかと弱気になる。でも、それは――神様に対して罪を犯すことにならないだろうか。、最後の審判の日に、胸を張って神様の御前(みまえ)に立つためには、偽りの告白をしてはならない。
 私だけではない。母は私を父と育てるために、流浪の民と別れを告げた。父は仕留め損ねた猪に胸を貫かれた苦しい息の下で、最後まで私の幸せを祈ってくれたという。私が地獄に落ちれば、父母は永遠の嘆きを生きなければならない。
 もしも村人の嘆願が領主様に届かなくても、そのときは……最後まで無実を訴えて責め殺されよう。
 ……時が経つにつれて、ささやかな欲求が私を苦しめ始めた。その欲求を満たすのは簡単だ。けれど、娘の身としては羞恥に悶える欲求。つまり……小水を催しているの!
 男の人は平然と立小便をするし、女でもさり気なくスカートを広げて。でも、うつ伏せで宙吊りにされているときに腹の力を緩めてしまったら、誰に見られていなくても羞ずかしいし。誰も見ていないというのは、その通りだけど。下は石の床だ。水溜まりを、あの人たちに見られる。魔女だ人殺しだと思われるのは厭だけど、恥知らずと思われるのは、もっと厭だ。
 意識すればするほど、欲求が募ってくる。何か他のことを考えて気を紛らわそう。破滅を先送りにするだけだけれど。
 領主様は奇妙なことをおっしゃってた。愉しみ……とか?
 領主様みずからが罪人を取り調べるというのが、よく考えてみると不自然だ。ヘラの遺体を見つけて、村長が領主様に届け出たときには、執事代理とかいう人が訴えを聞いただけで、遺体の検分もされなかった。
 弱い者虐めをして悦ぶ人を、私は何人か知っている。鍛冶屋の弟子のエックとか、水車番のクラウスとか。領主様も、実はそういった人なのだろうか。
 それから、これは小さな男の子によくあることだけど。好きな女の子を虐める――まさか、領主様が淫売娘に興味を示すはずがないよね。
 なんて平和なことを考えているんだろうと、自分に呆れてしまった。無実の罪を認めて処刑されるか、最後まで真実を貫いて責め殺されるか、十中八九は、そのどちらかだというのに。あまりにも唐突な出来事に、実感が追い付いていない。
 猪や狼は目の前の危険だ。飢えは切実だ。人が死ぬのも珍しくない。でも、ヘラの死体は、先に千里眼で見通していたせいかもしれないけど、壊れた人形みたいだ。
 分かってる。これが実際に私の身に起きていることだと信じたくないんだ。
 ……もう駄目!
 じわあっと、股間の入り口あたりまで切羽詰まってきて。諦めて、ほんのすこしだけ力を緩めた。
 ちょろちょろっと滲み出る感触があって、それから土砂降りが訪れた。
「はああ……うううう」
 欲求が満たされた安堵の溜息と、恥辱を噛み締める嘆きと。
 石の壁に穿たれた窓から差す鉄格子の影は、まだ短い。夜になるまで与えられている休息という名目の緩やかな拷問は、まだ始まったばかりだった。
 ――全身に苦痛が浸み込んで、苦痛を苦痛と感じなくなっていく。床に落ちる鉄格子の影が長く伸びて、薄れて、小屋の中がだんだんと昏くなってゆき、ついに一切の輪郭すらも星明りに紛れて。不意に赤い光が床に揺れた。そして、夜のしじまに突き刺さる足音。
 小屋の戸口が、バタンと乱暴に開けられる。松明の明かりが眩しい。人影はふたつきりだった。
「考える時間は、たっぷり与えてやったぞ。強情を張っても、おまえの末路は変わらん。魔女で殺人者だと素直に認めれば、すこしは楽な処刑にしてやるぞ」
「…………」
 こんなことを言われたら、たとえ真犯人でも頑なに口を閉ざすだろう。私が返事をしなかったのは、反発よりも虚しさからだった。
「ふん。強情なやつだ。ますます愉しませてくれるな――ギド、もっと吊り上げろ」
 ヂャリヂャリと四本の鎖が手繰られて、私の身体は領主様の頭よりも高く引き上げられた。横に強く引かれて身体が伸ばされ、麻痺していた激痛が蘇った。ぎちぎちと、肩と股に不気味な軋みが生じる。鎖を握り締めて手足に力を込めた。そうすると、わずかに痛みが減る。
「ふうむ。むごたらしい鞭傷だな」
 鞭を振るった張本人が、他人事のように言う。
「じっくりと見てやろう」
 松明をかざして――私の肌に近寄せる。いや、脇腹に押し付けた!
 じゅっと、肉の焦げる音。
「いぎゃあっ……!」
 叫んだ時には、炎は遠ざかっていた。けれど、押し当てられたところには引き攣れるような疼きがわだかまっている。
 領主様……こんな残虐な男に敬称なんかいるものか。領主、いやディーツは松明を肌すれすれに近づけて、腹から股間にかけて、ゆっくりと宙を滑らせた。
 灼熱が揺らぎながら下腹部を撫でて、チリチリと飾り毛が燃え上がるのを肌に感じた。薄い煙が立ち昇って、卵白を焦がすような臭いが混じる。
「剝き出しになったな。しかし、燃やしても眺めが変わらんとは面白いな」
 私の体毛は、母親譲りの黒味がかった赤色だ。父親譲りの白い肌に刻まれた縄の打擲の痕は、きっと体毛と似ているのだろう。
 ちろちろと炎に焙られていたそこに、灼熱が押しつけられた。
「ぎゃはああっ……!」
 松明はすぐに引き離されたけれど、脇腹とは段違いの激痛が股間を苛んでいる。
「鶏冠が醜くはみ出しておるな。生娘とは比べものにならん。こんな使い古しには突っ込む気にもならんわ」
 鎖が緩められて、床から三フィートのあたりまで下ろされた。乳房をわしづかみにされて、ぐるりと身体を回された。私の顔の前にディーツの腰が突きつけられる。
「こちらを使ってやろう」
 ディーツがズボンをずり下げた。今にも弾けそうになった醜悪な肉の杭が、唇に触れる。
「咥えろ」
 どんなに浅ましい男からも、こんな破廉恥な要求をされたことはない。命の糧を取り込み神の御名を称える器官に、身体の中でもっとも穢れた部分を迎え挿れるなど、まさしく悪魔の所業だ。
「恥知らず!」
 顔をそむけて罵ってやった。
「そうか……」
 さすがにディーツも重ねての無理強いはしなかった――と思ったのは、こいつの残忍さをまだ理解していなかったからだった。
「鉄床を乗せてやれ」
 ギドが、火桶の横に置かれているそれを両手で持ち上げた。
「勘弁してくれよ」
 小声でつぶやいてから、鉄の塊を私の背中に乗せた。
 ぐんっと背中が反り返って、背骨がめきめきと音を立てた。鎖をつかんでいた手から力が抜けて、肩と腰の激痛も倍加する。
「ぎひいいいいいい……」
 食い縛った歯の隙間から、苦悶が噴き出る。
「素直に咥えるなら赦してやるぞ」
 真実を貫いて責め殺される覚悟をしていても、この激痛には耐えられない。
「お、お慈悲を……」
 私は口を開けただけではなく、唇にすりつけられた肉の杭をみずから咥えてしまった。
「ギド……」
 ディーツが命令を言い終わる前に、背中から百ポンドはあろうかという重みが取り除かれた。けれど私は、口にしてしまった醜悪な汚物を吐き出すこともかなわない。ディーツが、ぐいぐいと腰を押しつけてくる。
「咬むんじゃないぞ。歯を立てたら、乳房をヤットコでねじ千切ってやるからな」
 ディーツは、私の髪を両手でつかんで頭を固定して、腰を打ちつけ始めた。
 汚辱が私の口を蹂躙する。喉奥深くまで突き挿れられては半ばまで引き抜かれる。唇も舌もこすられえぐられる。
「さすがに売女だけあって、降参するのが早かったな。あの娘のように、気絶するまで拒み通してくれたほうが愉しめたのだが」
 うそぶきながらディーツは、私と媾合ったどの男よりも乱暴に無慈悲に容赦なく、私を辱しめ続ける。
 吐き気と目眩とに苛まれながら、つい考えてしまった。媾合いなら、わざと腰をひねったり肛門を引き締めたりして、男を促すこともできる。もしも、唇や舌をそんなふうに使えば……するものですか!
 それでも、そんなに長く続かなかったのは――ディーツも、これがどれほどに背徳的な行為かわきまえていて、だからこそ常になく興奮して果ててしまったのだろう。
「げほ……うげええ」
 醜悪な汚物が引き抜かれると同時に、激しく嘔吐してしまった。唾と、腹から絞り出された酸っぱい液と、そして白濁とが、床に点々と飛び散った。
 ディーツは素早く身を引いて。平然と汚物をしごいて、中に残っている汁を絞り出す。それを手に受けて――私の背中になすりつけた。汚辱にまみれた私の心は、そんなささやかな辱めには何も感じない。欲望を遂げた男が急速に関心を失うのを、私は知っている。これで拷問をやめてくれるなら、この鬼畜に感謝のキスを奉げてもいいくらいだ。
 でも、そうはならなかった。
「人殺しの魔女とはいえ、若い娘だ。それなりに扱ってやらんとな――ギド、使い古しの穴は、おまえが埋めてやれ」
「領主様、今度ばかりは勘弁してください」
 ギドが、体躯に似つかわしくない哀れっぽい声で嘆願してくれる。この人はディーツに忠実なだけで、拷問を愉しんではいない。
「わしの言葉にそむくつもりか」
「いいえ、とんでもないことで……」
 ギドが、床の金属環につないでいる鎖に手を伸ばした。
「下ろすな。宙吊りのままで犯せ」
 ギドは黙って手を引っ込めると、ズボンを脱いだ。ディーツと違って、股間はすくんでいる。それを手でしごいて、無理に勃たせる。掌に唾を吐いて、勃起にまぶした。
「領主様のご命令だ。勘弁してくれよ」
 開脚させられている私の背後に割り込んで……先端を淫裂にあてがった。腰をつかんで持ち上げて(おかげで、すこし宅になった)、そろそろと突き挿れてくる。
「ぎひいいい……」
 身体に見合って、ギドの男根はディーツの倍ちかくもある。私がこれまでに受け挿れたどの男のそれよりも太くて長い。その凶器が、松明に焼かれて痛みを宿している私を責めている。
「後家のマルガなんか、見ただけで逃げ出しやがった。いくら場数を踏んでても、子供を産んだことのないあんたにはきついだろうが……ちびっとだけ辛抱してくれ」
 気づかってくれているのか嚇かしているのか分からない言葉をつぶやきながら――最後は、ずんっと腰を押しつけてきた。
 瓜を丸ごと頬張ったような感じだったけれど、悲鳴をあげずにすんだのは、場数を踏んできたせいだろう。それとも、鞭や松明で苦痛に馴らされてしまっているのだろうか。火傷を剛毛でこすられる刺激も、痛いというよりもくすぐったい。
 ギドは性急に腰を使って、それはそれで苦しかったけれど、簡単に終りにしてくれた。
 それで、今夜の拷問は終わった。両足の鎖だけは赦されて、両手を吊られて床に膝を突いた姿勢でひと晩を過ごすことになった。
 ――全身の痛みに苦しめられながら、私は考えていた。ディーツは、これまでにも他の娘に同じようなことをしたと、そんなことを言っていなかっただろうか。お館には何人もの女中がいる。その中から、若い娘を選んで……。けれど、お館から逃げ帰った娘はいない。こんなひどいことをされたら、私だったら金貨だろうと百ポンドの小麦だろうと蹴飛ばして逃げ出す。それとも、こんなことまではされなかったのだろうか?
 いや。今は他人の心配をしているどころではない。私は魔女でもないし殺人者でもないと、どうやったら、デイーツと司祭様に信じてもらえるだろうか。
 あれ……? あの男は絶対に私を有罪にすると、私はそう思っていたんじゃ?
 でも、死刑だけは免れるように……村人たちがこぞって助命嘆願してくれるまで拷問に耐えようと決意している。
 強烈な突風に巻き込まれたみたいに、なにがなんだか分からなくなってきた。全身の苦痛が、思考を妨げている。

 かすかの星明りの下。両手を頭上に吊られた膝立ちの姿勢で、私は苦しみ続けて。それでも、悪夢に悪夢を重ね塗りするように微睡んでは、また痛みに目を覚まされる。
 そんなふうにして、朝を迎えた。
 塑像のように身体が強張っている。ぎくしゃくと立ち上がると、吊られていた手が顔の前にくる。鎖が擦れて、手首も傷ついている。すっかり肌になじんでしまっていた鞭傷と火傷の痛みとを、あらためて鮮明に感じる。そして……渇きを意識した。
 無理もない。昨日の昼前に捕らえられてからずっと、一滴の水も飲んでいない。鞭打たれて叫び、松明を押しつけられて喚き、苦辱に呻いて――喉が痛い。
 空腹も感じなくはないけれど、そちらはまだ我慢できる。
 あらためて、自分の身体を見下ろしてみる。鞭傷で埋め尽くされている。右の脇腹と下腹部には、大きな火膨れ。今日は、この上にさらに傷を重ねられるのだろう。もし(一縷の望みが実現して)無罪放免されても、幾つかの傷は生涯残るかもしれない。
 男たちが私の身体に魅力を感じなくなったら……飢え死にはしない。肉と山菜と木の実と。それとも。あの鬼畜の男根を咥えたくらいなのだから。男たちをしゃぶってやれば、美醜なんか問題ではなくなるかな。
「馬鹿じゃないの」
 しゃがれた声で、自分を嘲笑った。なに、のんきなことを考えているんだろう。けれど……今日の拷問を考えるのは、崖っぷちに立って遥かな下を覗き見るよりも、ずっと怖い。おそらく明日も明後日も拷問されるという確実に現実となるだろう想像は、永遠の火に焼かれる苦しみを想像するよりも、ずっと切実でずっと怖い。
 崖っぷちに立たされたまま、石床に落ちる鉄格子の影がうつろってゆく。たまに遠くから人の声が聞こえてくるけれど、ここへ近づく者はいない。
 いや……鉄格子の影が縮み切って、また少しずつ伸び始めた頃。
 やっと、足音が聞こえた。ひとりだけらしいのに、大きな足音。戸口が開いて。入ってきたのはギドだった。
 無言で鎖を緩める。そして、足元に籠を置いた。大きな図体に似つかわしくない小さな籠。
「水とパンだ。早く食え」
「……?」
 ギドに言いつけられたにしては、様子がおかしい。
「命を長らえたら、それだけ苦しみも長引くだろうが……こうでもしなけりゃ、俺の気が狂っちまう」
 へたっと、私はその場に座り込んだ。座っても手を膝の上に置けるのがすごく嬉しい。
 主人の命令に従っていだけかもしれないけど、私を吊るしたり強嵌したやつの施しなんか受けるものか――ちらっと思ったけれど。
「……ありがとう」
 素直に感謝して、籠の中の革袋に手を伸ばして水を貪った。おそらく天水を濾過しただけなのだろうけど、甘かった。
「これもいただくわ」
 干からびた丸パンをふたつに割って、口に入れた。硬いけれど、焼き立てのパンみたいにおいしかった。
 この人の(気紛れかもしれない)好意を拒否すれば、このあとの拷問で仕返しをされるだろうという計算もあったけれど。なぜか、この人に同情してしまった。
 私が食べ終えると、ギドは太腿に手を伸ばしてきた。
(見返りに身体を求めるつもりなの?)
 ちょっとだけ身体を強張らせて、でも諦めて男の好きなようにさせる。
 ギドは太腿にこぼれていたパン屑を自分の掌に払い落としただけで、それ以上の振る舞いには及ばなかった。
 そうか。食べ物を与えたとディーツに知られたら、彼が罰を受けるんだ。はしたないことを考えてしまった自分が羞ずかしかった。
「すまないが、吊らしてもらうぞ」
 鎖が手繰られて、床の金属環につなぎ直された。私は両手を頭上に伸ばして膝立ちになる。
 ギドは籠を抱えて小屋から出て行った。
 これまでにもらったどの贈り物よりも嬉しかった。
 けれど、このひと時は、残虐な悲劇の中の短い幕間劇でしかなかった。

 夜の帳が下りかける頃になって、残虐の第二幕が上がった。
 かろうじて爪先立ちできる高さまで吊り上げられた。開脚して逆さに吊られるよりは、ずっとましだ。
「おまえが魔女である証拠が、またひとつ見つかったぞ」
 ディーツが、私に指を突きつける。
「おまえが射る矢は飛びながら方向を変えて、逃げる獲物に命中するそうではないか。魔女でなければ、こんな不可思議は為し得ないぞ」
 不可思議――それは、私自身も感じてきた。
「私にも理由はわからないのです」
 練習のときは的をはずすこともあるのに、獲物を狙うと百発百中。弓音に気づいて飛び立った鳥に向かって、矢が曲がる。そして突進してくる猪なんかには、大の男が至近距離から射っても不可能なほどに矢が深く突き刺さる。
 出来の悪い矢が逸れる方向や鳥の飛び立つ先、猪の頭蓋骨の隙間まで、自分でも気づかないうちに千里眼で見通しているんじゃないかと考えたこともあるけど――それだけでは説明できないようにも思う。神様の御加護を受けられるほどの善行を積んでいないことだけは、自身を持って断言できるけれど。
「理由は分かっておる。おまえが魔女だからだ」
「違います……」
 否定したけれど、言葉は弱々しかった。
「やはり、身体に尋ねるしかなさそうだな」
 ディーツが、もはや隠そうともせずにほくそ笑む。
「昨日はまだしも手加減してやったが、今日は本気だぞ」
 汗まみれになりながら鞭を振るっていたくせに、水が流れるように嘘を吐く。
「ギド。九尾鞭で打ち据えてやれ」
 ぎくっと、ギドの裸の肩が震えた。
「領主様。あんなこと、俺は二度と……」
「黙れ!」
 ディーツが大声で叱りつけた。
「余計なことを言うな。主殺しの大罪人を匿ってやった恩を忘れたのか」
 ああ、そうか。だから、こんな巨漢なのに噂すら聞いたこともなかったんだ。
 ギドはうなだれて、壁に掛けてある鞭を手に取った。ディーツが使った長い一本鞭とはちがって、三フィートくらいしかない。けれど、何本もがひと束になっている。その一本ずつの先端には金属の鉤が編み込まれている。
 ギドが私の目の前に、まるで壁のように立ちはだかった。無言。無表情。そこに苦悩と憐憫を読み取ったのは、水とパンのせいだったろうか。
 ギドが九尾鞭を振りかぶった。それだけで、二の腕に力瘤が盛り上がる。
 腕が伸びて、鞭が宙を奔った。
 ぶゅん゙ん゙、ズバッジャアアン!
「ぎゃわああああっ!!」
 左の乳房から右の脇腹まで、重くて鋭い激痛が広がった。狼に咬みつかれたとしても、これほどには痛くないだろう。ディーツの鞭なんかへなちょこだった。昨日の鞭すべてを足しても、この一撃よりも優しい。
「きひいいい……」
 鞭打たれた後も、痛みが居座っている。視線を下に落とすと――肌が斜めに幾筋にも裂けていた。
「逆向きに、もう一発だ」
 ディーツの命令に忠実に従うギド。右の乳房から左の脇腹まで切り裂かれた。
 私は喉が破れるほどに絶叫する。
「つぎは背中に二発」
 ディーツの声はかすれていた。私がスカートを脱いだときに男たちが発する声音に似ている。
 ギドの姿が目の前から消えて。
 背中もX字形に切り裂かれて、絶叫に血の飛沫が混じった。
 そして、尻にも二発。私は口の中に血の味を感じながら、破れた喉から悲鳴を絞り出された。
「そこまで。まだ生かしておかねばならんからな」
 猫が鼠を弄ぶよりも、よほど残忍なディーツの声。
「火を熾せ」
「いや、それは拙いでしょう」
 壁際で傍観していた司祭様が、重々しく口を挟んだ。
「それでは、傷が同じになってしまいます。純朴な子羊といえど、疑いを持つやもしれませんぞ」
 ディーツは、熾っていない火桶から焼印を引き抜いた。未練がましく、私の裸身と焼印とを見比べる。
 そのときだった。私に真相への理解が閃いた。
 私の肌に刻まれた、九尾鞭のギザギザの切り裂き。ヘラの肌を切り裂いた悪魔の爪痕。そっくりだわ。ディーツの手にしている焼印は、罪人に与える忌み文字や家畜に刻む紋章ではない。ハート形を引き伸ばしてねじったような……悪魔の尻尾に似ている。
「あなたなのね!」
 その告発が招く結果を省みず、私はしゃがれた声で叫んでいた。
「ヘラを殺したのは、あなたなのね」
 ディーツが焼印を取り落とした。が、すぐに拾い直して火桶へ戻す。
「罪を私になすりつけようとしているのだわ!」
 善良な村娘を拷問に掛けた理由も、自分への仕打ちと照らし合わせれば(断じて許し難いけれど)理解はできる。この男は、女を甚振ることに快楽を見い出しているのだ。
「さて……焼印で消毒できぬとなると、ちと困るな」
 ディーツは私の告発を強引に無視して、司祭様――ではなくて司祭(こいつの名前が何であるかなんて、これまで気にかけたこともない)に語り掛けた。
「放置すれば、傷口が膿んでしまいますな。触れれば悪い病が伝染(うつ)るやもしれません」
 こいつらは……私に苦痛を与えるだけでなく、昨夜と同じように女としても辱しめるつもりなんだ。
「ギド。台所から粗塩を持ってこい。壺ごとだ」
「なるほど。塩漬け肉は腐りませぬな」
 ギドが、困惑を顔に浮かべながら小屋から出て行った。命令は理解できても、ディーツの意図が分からないのだろう。
「待って……傷が膿まずに治せる薬が、私の小屋にあります」
「噂には聞いておる」
 ディーツが、やっと私の声に応えた。
「たいして沁みもせずに驚くほど早く治すそうだな。実につまらん」
「……悪魔」
 怖れていたとおりだった。この男は、私の傷を治したいのではなく、傷口にさらなる拷問を加えたいだけなのだ。
「魔女に悪魔と呼ばれるとはな。してみると、わしはおまえの主人か」
 ディーツが高笑いした。本気で面白がっている。
 ギドが壺を抱えて戻ってきた。
「塩は高価な調味料だ。傷の手当てに使われることを光栄に思え」
 その貴重品を、ディーツは唾で湿した掌に盛り上げた。そして……私の乳房をわしづかみにした。だけでなく、強く握ってこねくりまわす。
「きひいいいい……」
 無数の針に突き刺されるような灼熱が乳房を貫いた。鞭打ちのような激痛の爆発ではなく、劫火に焼き尽くされるような、うねりのたびに大きくなる痛み。岩塩を砕いた粒が、激痛のうねりに鋭い棘をちりばめる。
「ひいいい……やめて……お慈悲ですから……」
 無駄と分かっているのに、こんな鬼畜に屈したくないのに、憐れな懇願が口からこぼれ出てしまう。
「どれ、拙僧もお手伝いいたしましょう」
 司祭が尻に指を食い込ませて揉み始めた。
 乳房を蹂躙したディーツの両手が私の腹をつかみ、司祭の手は背中に叩きつけられる。
 じきに、私の全身は血に染まったピンク色の塩にまぶされてしまった。
 新たに塩を盛った司祭の手が股間に伸びる。
「あ、そこは……」
 ディーツが止めようとするが、司祭は私の下腹部を掌で掬い上げるようにして指を突き挿れた。
「くっ……」
 女の核心を穿たれる妖しい疼きに、チリチリした鋭い痛みが中を掻き回す。
「羊の腸を天日と塩でなめした筒を逸物に嵌めればよろしいのです。さらに塩をまぶしてやれば、女は泣き叫んで悶え狂い、男は締まりを存分に堪能できます」
「ほほう。では、わし直々に情けをくれてやるか」
 内も外も激痛の炎に包まれている私から、二匹の悪魔が身を引いた。
「では早速に、羊の腸とやらを試させていただこう」
 司祭が法服の下から小さな包みを取り出した。最初から、そのつもりで用意していたんだ。
「この品については、是非ともご内聞に。これを使うと、子種が子袋に届きませんでな。オナンの罪を犯すことにもなりかねませんから」
「ううむ。では、女中を孕ませることもなく……」
「アーメン」
ディーツの言葉を遮って、 司祭が恭しく十字を切った。きっと神様にではなくて、悪魔に捧げた祈りだろう。
 私は鎖から解放されて、床に突っ伏した。代わりに梯子が水平に低く吊られた。そこに身体が直行するようにギドの手であお向けに寝かされて、手足を縄で床の金属環につながれた。梯子が吊り上げられると、私の腰は梯子に乗ったまま全身が逆海老に反っていく。腰が肩が痛いけれど、鉤裂きの鞭傷に塩を擦り込まれている激痛に比べたら、取るに足りない痛みでしかない。
 斜め上に突き出した私の股間がディーツの腰の高さになったところで、鎖が止まった。
 そして。岩塩の粒をまぶした羊の腸が、中身もろとも女芯を貫いた。
「い……痛い……」
 けれど、悲鳴はあげない。ディーツは私の悲鳴を愉しんでいると分かった。それに……苦痛には馴らされてしまった。鉤裂きの鞭傷に塩を擦り込まれる地獄の苦しみに比べれば、こんなものはせいぜい乱暴な媾合いでしかない。
「拙僧もお相伴にあずからせていただきましょうぞ」
 あおのけた顔に、羊の腸に包まれていない怒張を押しつけられて、私は嫌悪と憎悪をこらえて口を開けた。この生き地獄のなかで望める救済は、二匹の悪魔が邪淫な欲望を解き放って、私への関心が冷めることだけなのだから。
 悪魔どもは息を合わせて、私をブランコのように揺さぶる。
「どうも、おっしゃるほどには締まりませんな。ちっとも泣き叫ばんし」
「拙僧とて、実際に試みたのはこれが初めてです。語り伝えられるほどに話は大仰になっていく――そんなところでしょうか」
 勝手なことをほざく悪魔ども。
 いくら早く終わってほしいと願っているにしても、意識して締めつけたり、舌で舐めてやる気にはなれない。
「しかし……早々と気づかれてしまったのは失敗でしたわい」
「いやいや。領民のあいだでも、こたびの仕置には反発の兆しが見え隠れしております。どうせ、ひと月もふた月も続けられるわけではないですぞ」
「ふむ……しかし、こやつが魔女で殺人者であると皆に納得させねば、処刑も反発を招く。真相を知った以上は、いくら責めようと自白は難しい」
「拙僧には、ちと考えがないことも……考えをまとめるまで、数日の猶予をいただけますかな」
 二匹の悪魔の悪だくみは、そのまま私の運命につながっているというのに。今の苦痛から逃れることしか考えられなくなっている私にはその内容をほとんど理解できないままに、言葉が宙に消えていった。
 ――背中を丸めた姿勢で手足をひとまとめに括られて、私は冷たい石床に放置された。用済みの羊の腸が裸身の上に投げ捨てられて、肌にへばりつく。それを振り落とす気力も体力も、私にはなかった。

 私は激痛と灼熱と屈辱と恐怖とに苛まれながら、失神とぼんやりした覚醒とを繰り返しながら、三日目の朝を迎えた。
 私は水溜りの中に転がされていた。失神しているあいだに漏らしていたのだろう。さいわいに、二日に一度くらいの割で訪れる欲求のほうは、まだ感じていなかった。
 昼過ぎにギドが内緒の差し入れをしてくれたときには、石床は乾いていた。なにがしかの異臭は残っていたかもしれないけど、彼は何も言わなかった。
 水とパン、そして双つの掌に包んでしまえるほどの葡萄は、浅ましくも皮まで貪ってしまった。
 私が食べ終えても、ギドはすぐに立ち去らなかった。部屋の隅に座り込んで、眺めるでもなく悲しそうな眼差しを私に向けている。
「ありがとう……」
 ぽつりと、言葉をこぼしてみた。
「すまない……」
 ぽつりと、言葉が返ってくる。
 それだけ。
「ねえ……村の人たちが反発してるとか、司祭様が言っていたけど。どんな様子なの?」
 ギドは首を小さく横に振った。
「俺は、お館の外には出れんから……」
 見知らぬ巨漢が不意に現われたら、噂はすぐに広まって、じきにギドを追う者たちの耳にまで届くだろう。それがどういう人たちか知らないけれど、ちっぽけな荘園の主に過ぎないディーツでは追い返せない権力を持っているのかもしれない。
「できることなら助けてやりたいけど……」
 言葉を飲んで、ディーツが立ち上がった。無言で私を横倒しにして元の形に縛り直すと、空の籠を持って小屋から出て行った。
 そのひと時だけが、一日のうちで手足を自由にしてもらえた時間だった……そう、この日は二匹の悪魔が小屋に姿を現わさなかったのだ。
 けれど四日目には、前日の(裸のまま縛られて水もろくに与えられず、それでも拷問されないというだけの)平穏を埋め合わせて余りある残虐が待ち受けていた。
 この日の拷問者は司祭だった。ギドを使って、壁に斜めに立て掛けた梯子に私を縛りつけた。その横に小机を持ってきて、怪しげな道具を並べた。
「口を開けろ」
 輪切りにした矢筒のような器具を突きつける。逆らえば痛めつけられるだけと分かっていても、私はためらった。水か、もっと汚いものを流し込むつもりだろう。
 司祭は、長い錐を手にした。口元を残忍にゆがめて、それを真横から乳房に突き刺した。
「きひいいっ……」
 硬い激痛が乳房を貫く。乳房の内側に錐が突き抜ける、ぷつっという小さな音を肌に感じた。錐が引き抜かれて、今度は下から上に貫通する。
 汚辱よりは激痛のほうがましだ。拷問に耐えても苦しみが長引くだけと分かっていても、私は食い縛った歯の力を緩めなかった。それは私の意志ですらなく本能だった。
「……強情な小娘だ」
 司祭が錐から手を放して上体を起こした。その手が上に引き上げられて……
 どすんと、重たい衝撃を腹に受けた。
「うぐぇ……」
 内臓がひしゃげて口から飛び出すような苦悶に襲われた。お腹を抱えてうずくまりそうになる……けれど、梯子に縛りつけられていては、わずかに身をよじるだけ。
 どすんと、さらに殴られた。
「あが……」
 途方もなく重たい鈍痛が渦となって腹の中で暴れている。
 苦悶に半開きとなった口に、筒が押し込まれた。
「ギド、押さえていろ」
 額を大きな掌で押さえつけられ、さらに筒が喉の奥深くまで突っ込まれた。
 緩く湾曲した太い針金が円筒に差し込まれた。針金の先は釣り針のように撥ねて、どろっとした灰色の液体を滴らせている。
 ぎちちっと、喉の奥を引っ掻かれた。
「うご……」
 悲鳴をあげかけて、針が肉に食い込む激痛で息が詰まった。
 司祭が筒を覗き込みながら、針金を操る。
 ぎち、ぎぢぢ……喉の奥をえぐられても、顔を動かすとますます針が食い込むだけなので、両手を握り締め四肢を突っ張って激痛に(とうてい耐えられなくても)耐えるしかない。
 針金が引き抜かれて――先端が小瓶に差し込まれ、灰色の液体を掬い取る。そして、また喉の奥を鋭く引っ掻く。
 びちちっと……下半身に厭な感触が生じた。喉の奥に加えられる拷問は、鞭や針よりも耐え難いものがある。腹を殴られたせいもあったかもしれない。私は(意識にのぼせるのも羞ずかしい……)便を漏らしてしまった。ずっと飢餓に苛まれていたのがさいわいして、こぼれた量はわずかだったのが、虚し過ぎる救いではあったけれど。
 司祭は飛びのいて、法服の裾を見下ろす。
「悪あがきにもほどがある。ディーツ殿、衣服と靴は新調していただきますぞ」
 ディーツの姿は、拘束されている私からは見えない。私の粗相を見て面白がっているのか、予定外の出費に苦虫を噛み潰しているのかも分からない。
 司祭はまた私に取りつくと、これまでに数倍する乱暴さで針金をこねくった。
「かはっ……」
 脳天をえぐられるような激痛に耐えかねて悲鳴をあげたのに、声にならなかった。
 針金はさらに何度も引き抜かれては、液体に濡らされた小さな鉤が喉の奥底を傷つけていく。
 永劫に続くとも思われた責め苦が、ついに終わって。ギドが床に水をぶちまける。この四日間に着いた染みが、ささやかな固形物とともに洗い流された。
 私は手首を後ろで縛られて、両脚をV字形に吊り上げられた。肩が床に着いているので(これまでの仕打ちに比べれば)そんなにつらくはない。水に濡らした藁屑で、汚れた穴のまわりをギドに拭かれるほうが、よほど羞ずかしかった。
 いや、どんな形に辱しめられようと、それはさしたる問題ではなかった。
「明後日には領民を集めて、公開裁判を行なう。その場で領主殿を告発してもかまわんぞ。魔女の妄言なぞ、誰ひとり耳を貸さんだろうがな」
 そうだろうか。村はずれに住まわせてもらうというささやかな寛容への見返りに、薬草や塗り薬を手間賃も取らずに差し出し、恋占いも失せ物探しも乞われるままにしてあげている私と、重い年貢を取り立てる領主と――どちらを信用するだろうか。もっとも、処罰を怖れて私の訴えには沈黙を保つだろうけれど。
 司祭は小机の上の道具を片付けると、ディーツと連れ立って(ギドを従えて)小屋から出て行った。
 ……喉の奥に不気味な塊りが居座っている。口の中に鉄臭い味がわだかまっている。吐き出した唾は真っ赤だった。不気味な塊りがせり上がってきて、私は激しく咳き込む。
「おほっ……こほほっ」
 ……なんだか、ひどくおかしい。
「あえ……?」
 声が出なくなっている!
「わああああああっ……?!」
 叫ぼうとしたけど、激しく息が噴き出るだけで声にならない。
 愕然と悟った。さっきの針金と薬。喉を潰されたんだ。裁判の場で真相を暴かれるのを惧れたんだ。
(卑怯な……!)
 全身が燃え上がるような憤怒の炎――は、すぐに立ち消えて、果てしない絶望がのしかかってくる。私は身の潔白を訴える機会すら奪われた。村人にも魔女と誹られながら焼き殺される……
「うわああっ……おおおおお!」
 私は絶叫し慟哭した――声も無く。

 裁判の前夜。二匹の悪魔が、巨漢の使い魔を従えずに小屋を訪れた。二匹がかりで私をあお向けにして、爪先が床に着くまで脚を折り曲げた。さらに脚を開かせて、腕で脛を抱え込むような形で縛る。私は尻を高く掲げて腿の間から胸を突き出して、身動きが取れなくなった。
「司祭殿とも相談したのだがな。腸の筒で包んでおけば、ソドムの罪には当たるまい。鞘のまま汚泥に突っ込んでも、刀身は汚れぬのだから」
 すでに私は、ディーツのひねくれた物言いに馴れている。あろうことか、こいつは肛門を犯すと言っているのだ。
 信心深い娘なら、聞いただけで発狂するかもしれないけれど……私は、諦めの上に諦めを積み重ねただけだった。口に突っ込まれたのと同じことだ。私の意志ではない。薄い腸の皮を隔てていようと生身のままであろうと、罪を犯すのは二匹の悪魔どもだ。私は胸を張って、最後の審判の場に立てる。
 私が平然と(実際には悲哀の底に悄然と)しているのが、悪魔どもの機嫌を損ねたのだろう。
「おまえは二度、処刑されることになる」
 司祭が、奇妙な脅し方をした。
「どうあっても自白しない魔女の審判がどのようなものか、おまえは知っているか?」
 物事の善悪が分かるようになった時分に、母から聞かされたことがある。水に浸けるのだ。水は神聖であるから魔女や罪人を受け容れない。つまり水に浮かぶ。潔白であれば、その者は沈んで浮かび上がってこない。審判といいながら、実際には処刑だった。水に浮かべば魔女と断定されて火刑に処せられ、潔白であれば溺れ死ぬ。
 司祭は、得々とそれを語った。
 それ以上のことも、私は知っていた。定住民と諍いを起こして、そのようにして殺された放浪民もいたと、母は教えてくれた。未来を占ったり惚れ薬を売ったりするのだから、難癖はいくらでもつけられる。そういった危険を知っていたのに、いつか忘れて千里眼などを得意げに使っていたのだから……自業自得なのかもしれない。
「おまえは、まず溺れ死んで、それから魔女として水に浮かぶのだ。死体に見えても悪魔の所業で甦るかもしれぬから、灰になるまで焼き尽くしてやる」
 なぜ、確信をもってそんなことが言えるのか――は、尋ねるまでもなく、種明かしをされた。
「これは、ある種の鉱石を焼成した粉末だ」
 少量の灰白色の粉が、小さな革袋に入れられた。
「こちらの腸には、レモンの絞り汁を入れてある」
 男根に嵌める薄い革の筒は口を糸で縛られて、親指くらいの大きさになっている。それも革袋に封じられた。
 司祭は革袋を、私の乳房の間に置いた。そして、弾みをつけて踏んづけた。
 ぐきっと肋骨が鳴った。ひびがはいったかもしれない。けれど、明日には焼かれるかもしれない身体のことを心配するよりも……手品なのか、魔術なのか。しなびていた革袋がじわじわと膨らみ始めた。やがて、はち切れそうなほど膨れて、縛った袋の口からしゅうしゅうと風が噴き出る。
「これをおまえの身体に着けて川に放り込む。黙って裁きを受け容れた哀れな小娘が溺れ死ぬと、邪悪な魔女が浮かび上がってくる。なかなかの趣向だとは思わぬか」
 どれほどに落胆して絶望のどん底に沈んでいても、それでも燃え盛る憤怒はある。私は司祭の顔めがけて唾を吐いてやった。けれど、自身の下腹部が淡いピンク色にかすかに染まっただけだった。
「この期に及んでも活きがいいな。それでこそ愉しめるというものじゃ」
 司祭は法服を脱ぎ捨て下穿きをずり落として、すでに醜悪に聳え立っている部分に腸の薄皮をかぶせた。
「おっと。無理をすると破れるからの」
 先端を唾で湿すと、私の膝の裏に手を突いてのしかかってきた。
 紛れもない処女地に、邪悪で強固な杭が打ち込まれた。
 めりめりと穴が引き裂かれる。肛門から脳天まで、初めての交わりとは異質の痛みが突き抜ける。
「うあああああ、いあい…………!!」
 悲鳴は断末魔の息にしかならなかった。
「うおおおおお。生娘よりも強烈な締めつけじゃ」
 神様に仕える者にあるまじき告白をしながら、司祭はあっけなく果てた。バツが悪そうにそそくさと抜去して、内側に膿を溜めた薄皮を私の乳房の上に投げ捨てた。薄皮に黒っぽい汚れがまばらに付着している。
「では、御坊のお導きで、わしもロトの道を辿るとしよう」
 ロトは、神に滅ぼされたソドムの街から逃れた男だ。こいつらにとっては、私はすでに塩の柱と化しているのかもしれない。
 私はふたたび、声にならない悲鳴を叫んでしまった。
 ディーツは司祭よりも長持ちしたけれど、それでも、初心な少年と同じくらいに早かった。だから私も、長くは苦しめられなかった。
 それよりも、むしろ……二つ折りにされて、双つの乳房にそれぞれの汚辱を貼り付けられて、そのまま朝まで放置されたことのほうが、よほどつらくて屈辱だった。

 五日目の朝を迎えて。昼過ぎに、私は石造りの小屋から引き出された。捕らえられたときと同じに、全裸で首枷を着けた姿で、川べりに集まった村人たちの前に立たされた。
 お館のそばにある村からは五十人ばかりが、荘園にちらばっている小さな集落からも数人ずつの代表が集まっている。ほとんどの人は顔見知りだ。私の傷だらけの無惨な裸身をまともに見つめる人は、ひとりもいない。敬意を払うべき領主に疑いの眼差しを向け、司祭には目を伏せている。
「この娘、イレーネ・グリュンは数々の証拠にもかかわらず、魔女であると認めておらぬ。よって、神の御名において、魔女判定を行なうものである」
 司祭は、私がヘラ・マイヤー殺しの犯人であるだけでなく、一昨年に五人が亡くなった熱病も昨年の風害も、猪が畑を荒らしたのも子供が川で溺れたのも――ありとあらゆる災厄を私が悪魔と結託して起こしたのだと告発した。
「申し開きはあるか」
 声を奪われている私は、首枷にはばまれながら弱々しく首を振ることしかできない。
「沈黙は告発を認めるに等しいのだが、決定的な証拠を得るために、聖なる水による判定を行なうこととする」
 私は軛を解かれて、棺桶の蓋に手足を広げて太い鎖で縛りつけられた。裸を晒し恥部を露出させることで私を辱しめようとしているのだろうけれど、どこにも『浮き』なんかを仕込んでいない証にもなっている。その実、蓋の裏側にはぺしゃんこにした革袋が幾つも縫い付けられている。
 川べりには、この残酷な見世物のために作られた櫓が立ち、その頂点から長い天秤棒が川に向かって伸びている。棺桶の蓋の四隅に太い鎹が打ち込まれて、天秤棒から垂れている鎖がつながれた。司祭は横に立って、革袋から伸びる数本の紐を握っている。その紐を引くと、革袋の中に仕込まれたレモンの絞り汁の小袋が破れるのだろう。紐には祈りの文句を書いた紙が結ばれているから、絡繰を知らない人たちは、儀式のひとつくらいにしか思っていないだろう。
 天秤棒の反対の端にくくりつけられた大きな岩が、集まった人たちの中から選ばれた三人の手で押し下げられて――私は、川の上に宙吊りにされた。
 そして、ゆっくりと天秤棒が下がって、私は水中に放り込まれた。
 水の中で息をするとたちまち溺れるくらいは私も知っている。けれど、拷問と絶食で体力も気力も奪われえているし、喉を潰されたときの傷が息を痙攣させる。
 がぼっと水を吸い込んでしまい、咳き込んでますます水が喉に流れ込み胸に染み込む。冷たい水が灼けるように熱い。
 目の前が赤くなり、次第に暗くなっていく。
 死にたくない。たとえ最後の審判で復活するにしても……死ぬのは怖い。
 死を目の前にして、拷問への恐怖や強嵌への屈辱など忘れて、ただただ死にたくないと心の底からそれだけを思った。
 いや、それだけではなかった。ディーツと司祭への憎悪が、炎のように燃え上がる。おのれの淫楽のためにヘラを殺した事実を許せないだけじゃない。私に罪を着せて、悪魔どもは平然と生き長らえる。もしかすると、ほとぼりが冷めたら、また罪のない娘を殺して、さらに別の娘を犯人に仕立てかねない。
 真の悪魔を告発できるのは、私しかいない。不可能を生き延びて、声が出なくとも二人を告発して……
………………
…………
……心の奥底に渦巻く二つの想いが、互いに巻き込み合って、渦の中心へと怒涛のごとく流れ込んで。
 言葉に表わせない衝動が噴き上げた。
 不意に全身が爆発したように感じた。
 私を押し包んでいた水が弾け散った。
 ぐうんと、身体が――棺桶の蓋に縛りつけられたまま浮き上がった。
「おおおおっ……?」
「きゃあああっ……」
「……イェーザス!」
 驚愕の怒号の中を、私はさらに浮き上がり続けて。
 私は十フィートもの高みから、ディーツと司祭を、ここに集まった人々すべてを見下ろしていた。
 みんなも、私を見詰めている。はっきりと恐怖の色を浮かべて。
「ああああ……魔女だ!」
 その叫びがきっかけになって、人々が逃げ始めた。
 ディーツは腰を抜かして、呆然と私を見上げている。司祭は手にしていた十字架を私に向かって突きつけて、なにか祈りの文句をつぶやいている。
 ひときわ巨躯の目立つギドは……私と目が合うなり、腕で顔を隠してその場にうずくまった。
 私の中から、不可思議な衝動が消えていく。
 私は魔女だったのだ。水に浮かぶどころか、宙に浮いている。
 どのような告発も、人々は信じないだろう。
 私は恐れられ忌み嫌われ、捕らえられて――炎の中に投げ込まれるだろう。
 理不尽への怒りに縁取られた絶望ではなく。自分自身の存在を自分自身で否定する絶対的な絶望が、私を蝕んでいく。
 ――私は空中から転落した。
 陽光に煌めく水飛沫。それが、最後に見た景色だった。

   ◇     ◇     ◇

 きゃああああああっ……
 ベッドからころがりおちちゃった。
「ママ! ママ……!」
 ひめいをあげたのはゆめのなかじゃなくて、ほんとだったんだろう。すぐにママがきてくれて、だきおこしてくれた。
「ママ、ママ、ママ……」
 しがみついて、なきじゃくった。
 ぎゅって、だいてくれて。せなかをなでてくれた。ママのてから、やさしさがからだじゅうにしみこむ。
「こわいゆめをみたの。ううん、ゆめじゃない。ミアは、おねえさんだった。たたかれて、いっぱいいっぱい、いたいことされて……」
 わるいゆめだったのよと、ママはあんしんさせてくれるとおもっていたのに。
「そうよ。ミアの見た夢は、昔にほんとうにあったことなの。あなたのひいおばあ様の妹の娘――つまり遠いご先祖様は、ミアが夢で見たとおりの目に遭って、殺されてしまったのよ」
 ゆめのつづきみたいな、おそろしいこえだった。
「やだあああああああ!」
 ものすごくこわくなって、はかなきりごえをあげた。それなのに、ママはミアをおどかすの。
「もしもミアが、イレーネと同じように不思議な力を人に見せたら、ミアも迫害……ひどい目に遭わされるのよ」
「やだ、やだやだやだあ……!」
「だからね……」
 ママのこえが、やさしくなった。
「遠くにある玩具を、手を使わないで引き寄せたりしてはいけないのよ。ほかの人にはできないことなのだから。サラダからニンジンを吹き飛ばすのも駄目よ。どうしても嫌なら、お皿の中に残しておきなさい。約束できる?」
「やくそくする! そしたら、おねえさんみたいに……あの、ええと……」
 強嵌ということばがうかんだけど、なんのことかわからなかった。
「……ひどいこと、されないのね。そうだよね?」
「ええ、そうよ。必ず、パパとママとでミアを守ってあげる」
 それでもこわくてこわくて、ミアはずっとママにしがみついていた。

>>軌道干渉

 誰かが強くわたしのことを考えている。そう知覚してすぐに、モバイルフォンにショートメッセージが届いた。
“05291400UTC@New York”
 万一の漏洩を警戒した日時と場所だけの指定は最緊急かつ最高機密を意味する。わたしは、すぐに旅行の準備にとりかかった。

 ニューヨークの国連本部の近くにある小さなビル。リアルに訪れるのは初めてだけど、VRでは何度か来ている。
 COO(Chief Operating Officer:二酸化炭素とかガスと呼ぶと、機嫌を損ねる)の部屋には、すでに四人の男女が集まっていた。
「はじめまして、ハニファ」
「お目にかかるのは初めてですね、エリー」
「あなたが駆り出されるなんて、力仕事になるのね、マティ」
「あたしひとりじゃ足りないみたい」
「ハイ、ソフィア」
「ハイ、エリー」
「ガイダンスをよろしく、エリー」
「やはり、わたしの役どころはそこかしらね、シールン」
 ハニファはクレアヴォユール、あとの三人はZランクのサイコキノだった。Zランクというのは半分ジョークだ。ゲームでも実世界でも、Aランクの上にSランクがあるという設定が多い。しかしその遥か上、ゲームになぞらえるなら(ボスキャラの)最終進化形態がZランクだ。マティは、思念を凝らせば貨物を満載した大型トラックを空中に浮揚できる。
 それにしても。マティはインドの奥地で修行していたはずだ。空港へ出るだけで半日はかかる。
「こちらの手でSR71を手配した。空軍基地までは軍用ヘリを使った」
 COOが私の疑問を読んで答えてくれた。
SR71は米空軍の超音速偵察機だ。つまり――すくなくとも米国とインド政府の協力を取り付けている。
「そう大っぴらにできる問題ではない(重大すぎる)。上層部にいる友人の非公式な協力によるものだ(ICBMは、さすがに無理だが)」
 COOの言葉に彼の内言がかぶさった。発された言葉にだけ集中しようとわたしが(強く)意識しないかぎり、そうなる。それにしても、ICBMとは。
「では……」
 わたしを除く四人が重ねた右手を、COOが上下から包む。わたしはCOOの背中に手を触れて、心の耳を澄ます。
 本流のような逐語的イメージに実映像やCGやグラフが重なって――膨大なスペクトラムが脳裡に展開される。

・質量五百万トンの小惑星が地球を直撃する。
・ICBMをキネティック・インパクターに
 仕立てている時間的余裕は無い。
 →宇宙速度まで加速するブースター
   Σt(設計/製造/改修)
 →接近してからのインパクトは無意味
  距離×角度=変位量
→国際的コンセンサス形成のタイムロス

 小惑星が衝突すれば、半径数十キロメートルが壊滅的な被害を受ける。しかも落下地点はジャパン第二の都市オオサカだ。これは軌道計算による予測ではなく、予知能力者による一次値――『予言』を知った者が何もしなければ、一次値が現実となる。
組織の統括下にある超能力者を動員して小惑星の軌道を捻じ曲げるしか、破局を免れるシナリオは無い。
 ここに集まったCOOを含む六人が、その中核メンバーだった。
 ハニファが千里眼で見通しCOOを介して伝えられる小惑星のビジョンに向けて、三人のサイコキノが思念を集中する。三人のψ波をひとつに集束させるのが、わたしの役目だ。衝突を予知したジホとニャムは、カッサンドラのジレンマを避けて、遠く離れたシドニーにいる。
 カッサンドラのジレンマ。悲劇を予知して、それを回避しようと試みるときに生まれる矛盾だ。
 トロイの滅亡を予言したカッサンドラの言葉を誰も信じなかった。だからトロイは滅びた。しかし、彼女の言葉を人々が信じて木馬を城内に引き入れなければ――結果として、予言ははずれる。この場合は、木馬の中に敵兵が潜んでいるのだから、まだカッサンドラに救いはある。
 では、旅客機がパイロットのミスで墜落すると予知したら、どうなるか。その旅客機が運航を取りやめれば、もちろん事故は起こらない。もし飛んだとしても、パイロットが予知を信じていつも以上に慎重になれば、ミスを回避できるかもしれない。逆に、パイロットが慎重になり過ぎたあまりに判断が遅れてミスを誘発するというケースも考えられる。予知が為されたが故に事故が生じるという、これもパラドックスだ。
 予知が実現しなければ、予知者は信用を失う。予知が実現したら、現在の世の中では予知者がテロリストと疑われる惧れさえある。
 すでにわたしたちは、一次値を知っている。その惨劇の回避に努めた結果、すなわち予知の二次値は……結果が確定するまで、わたしたちは知るべきではない。
 わたしがその気になれば、たとえジホとニャムが月にいようと、ふたりの心を読めないことはない。けれど、距離はすくなくとも心理的な障壁にはなる。フェスティバルの真っ只中にいたら、遠くの山頂からこちらに手を振っている人になんか気づかないのと似たようなものだ。

 ――毎日三十分ずつ二回、わたしたちは精神を燃やし尽くして小惑星と格闘した。世界中には、組織に所属するサイコキノが百人以上もいたが、その人たちに協力は求めなかった。ただ『小惑星をそらす』という思念では駄目なのだ。はっきりと目標を見通して、サイコキネシスを働かせる方角を確固と定めて――それには、すくなくともSランクのクレアヴォユールとテレパスの協働が不可欠だった。
 二か月におよぶ奮闘の経過は省略する。
 小惑星は地球から十万キロメートルの距離を通り過ぎたのだった。


========================================

 「私」は主人公と、過去のヒロインです。過去のヒロインは、実は現在のエスパーが持つご先祖様の記憶です。卓越超絶したポテンシャルの持ち主であるヒロインが、自分を(理由あって)拷問にかけているエスパーたちから読み取った――という設定まで作中で明かすかどうか未定ですが。
 時代が現在に近いSFパートでは、語り手の一人称を変えています。さらに、フォントもゴシックにして。ヒロインと同じ場面すなわち現在ズバリでは、斜体ゴシックにして、読者の理解の手助けとしています。遊んでいるともいいます。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0+:Extra Sensory Penetration



  書き始めました。
 いきなり余談ですが。「完全週休2日制」というのは、週に2日しか休日が無い。GWも夏休みも正月も無い――ということだそうです。土日が休日+祝日+盆暮に比べると、年間で20日くらいは休日が少ないわけです。
 もっとも。現在の勤務シフトでは、月に10日以上はワンオペで、8時間のうち散歩が2時間と立ちんぼが1時間と庶務が1時間で、あとは4時間ばかり居眠りタイムがあるので、ここにヤフオク送料込み¥12,950でOFFICE365込みのA4ノートPCを持ち込んで……


 ふと、思ったのが。この作品は200枚を軽く超えそうです。なのに、章立てが4つなのは寂しい。「見出し1」だけでなく「見出し2」も作ってしまえ、と。
 いつものように文字数をそろえるのはもちろん、目次で鬼面人を驚かしちゃえ――というか、引きずり込めないかなと。
 というわけで。こんなふうにしてみましたまうえ。


========================================
1.発動
<<魔女水刑
>>軌道干渉
2.拷問
>>水爆阻止
<<聖女火刑
3.絶頂
<<巫女救出
4.封印

========================================

 ”>>” などは、自動作成目次で字下げをする工夫でもありますが、”<<” と ”>>” は時制を表現しているのです。
 ていうか。魔女と水爆がならんでいるあたり、「こは何事ぞ」と興味を持ってくれないかなあ、と。
 なお。時間の並びを順序良くすると「軌道干渉」が先にくるのですが。ここはSFだけです。ので、あまりページをめくらないうちにSMシーンを出して、読者サービスしました。

 現在は『魔女水刑』実際は水没審判ですが、この後半を書いているところです。
 キリの良いところで部分公開していきますので、乞御期待。


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 今回は「過去に遡った舞台のヒロインは、どうせ死んでいるんだから」と、かなり残酷なことをしちゃいます。
 四肢切断まではしませんが、刃物を突っ込んだり……?

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0:Extra Sensory Penetration

Extra Sensory Penetration

私:ミランダ・ファーロウ(ミラン、ミラ)
  大学生、経験(前のみ)1人。

エリー (英♀)わたし :接触テレパス、アンテナ
マティ (阿♀)あたし :サイコキノ/愛撫担当
ソフィア(仏♀)わたくし:スタティックサイコキノ/拘束担当
ヒトシ (日♂)ぼく  :サイコキノ/挿入担当





1:発動

登校中
巨大看板の取り換え工事、クレーン直下のみ立入禁止/誘導員
ワイヤ切断、倒れてくる。
刹那……!
意識回復。トリアージは緑。
救急隊員が去ってから、現場の惨状。なにが起きたかわからない。
白衣の男たち。腕に注射。意識を失う。

   ☆

イレーネ(放浪民の母と村人の父:死別して天涯孤独)私
役人と聖職者による逮捕。
行方不明の娘を探し当てたというが、おまえが殺したのだろう。
怪しげな占いや百発百中の弓矢(無意識のサイコキネシス)。魔女に相違あるまい。
実は、実行犯の領主(淫楽殺人)が危機感。ヒロインに濡れ衣。
領主立会で悪魔との契約刻印探し。全身針。最後は棘付きリングで前後を順番に。。
鞭打ち。尋問しないときは、木馬か逆さ梯子か後ろ手吊るし。
最後は水審判。裸を鎖で縛って水中へ。
テレキネシス発動。浮上。聖職者も村人も、恐怖の眼差し。
火刑。絶命直前まで。
目を覚ます少女(ミア:一人称)。
泣きながら、母に悪夢を訴える。
あなたのずっと年上の従姉の身に起きた事実。
だから、あなたも身体を動かすのよ。玩具は手で引き寄せなさい。ニンジンを吹き飛ばすのも駄目。

   ☆

ショートメッセージ
エリー視点
Chief Operating Officerから異例の直接コール。即出頭。
握手で情報流入。小惑星。地球衝突軌道。
サイコキネシス統御。マティ、ヒトシを含む5人。サブグループが15人。全地球のサイコキノ。
1日2回。30分の集中。立体CGで概念把握。
1か月。軌道のズレ。ロッシュの限界から逸脱させるため、さらに1か月。


2:拷問

エリー(わたし)視点の現在。テレパシー会話。
全裸大の字拘束のミランダ。ギャグは無し。
サークレット(2段/頭頂へのブリッジ)。正式名称はψ波干渉ギア。
ミランダのポテンシャルを探る。サークレットが邪魔。出力低下。
それでも、ポテンシャル読み切れない。
催眠も薬品も、無意識下のESPで遮断される→肉体的な苦痛で精神力を下げる。

現在:ミランダ視点
4体のロボットによる拷問。鞭打ち主体。延々と。気力の衰弱。

エリーの心理探査。
化け物! あの小惑星をひとりでねじ曲げられるほど。
COOとの音声会話。
盟約を破られても仕方ない。そうさせないためにも、俺たちで。


   ☆

ヒルダ(わたし)。跳ね起きる。水爆の連鎖(『博士の異常な愛情』のラストシーン)。
予知夢。反芻。スペイン、B52墜落、ブロークンアロー。
https://milirepo.sabatech.jp/broken-arrow/を参考に。
ボスにTEL。支部に集合。冷戦下。1発はWW3に。馬鹿な、米空軍はわかっているはず。
1発だけでも、数十万人が死傷。
ニーナ(千里眼)、メイファ(サイコキノ)、カーチャ(サイコキノ)、ヒルダ。
B52を支えるのは無理。起爆装置は複雑。海に落下する1発(爆発する)の安全装置6個のうちの2個に集中。
メイファが、かろうじて成功。

   ☆

ジャンヌ・ダルク。(私)
押し寄せる敵。ジャンヌの掲げる旗から放たれる光輝で敵が転倒。
しかし、旗印に大きく十字架を刺繍した一団には光輝が放たれない。無意識下の抑制。無条件の信仰心。
捕虜になる。男装をとがめられ、全裸で投獄。獄吏に着物を懇願してズボンを与えられる。
異端裁判。
  わたくしが神に力を与えられていないのであれば、神がそれを与えてくださいますように。
  もしも与えられているのなら、これからも与えられ続けますように。(確信が持てなくなっている)。
不可思議な力を持っていることは、証言からも明らか。しかし、それは悪魔から与えられたものに相違ない。
異端審問から魔女裁判に。
十字架ディルドで処女検査。出血。さては、背徳の穴で悪魔と交わったな。いっそう罪は重い。
拷問の痕跡を残さない方法で。
逆さ梯子で顔に厚い布をかぶせて水責め。苦悩の梨。独房では箱詰め(生理的欲求無視)。快感責め。
駿河問い(とは、書かないよ!)。3人がかりで、(乳首+クリへの快感責め)と棘ディルド。
絶頂と苦痛が同時。炎と氷が絡み合って蒸発するイメージ。ESP喪失。
裁判の場に連行。
獄吏を不可思議な力で誘惑して男物のズボンを入手した。これだけで、異端者であり魔女である十分な証拠。
みなぎる憎悪。この者どもこそ悪魔。しかし、ESP発動しない。
火刑。

 
3:絶頂

目覚める。COOがいる。
壁面に投影される防犯カメラなどの映像。砕け散る看板、なぎ倒される人間、周囲のビルの窓破壊。
きみはきわめて危険。潜在ESP能力を剥奪する。快感と苦痛の頂点における逆アウフヘーベン。
直前のジャンヌの幻影で納得する。
4体のロボットによる拷問と快楽を同時。
炎と氷とが絡み合ってメドローア(おおい……)!
破壊されるロボット。全ポテンシャルを使い尽くして失神。

サークレットでも抑制できない。COOは抹殺を決断。
「先っぽだけでも強∴に変わりはない」エスパー総動員でも彼女を無力化。
アキナとマリアンヌとヨシュアと……強迫能力を持ったテレパス7人を招集。それまで眠らせて治療。

   ☆

千代(私)。神主の娘。巫女装束。これまでにも、水害などを予知(対策までは予見できない)。
1か月後の地震と山崩れを予知。
噂を聞いた新聞記者が2日前から取材に。伝書鳩3羽。
大雨のさ中に地震。堤防決壊。村人は高台の神社に避難。
千代が危険を叫んで、村人を追い返す。その途中で山崩れ。多数が生き埋め。
神社も壊れるが、残っていた者は大半が無事。千代の両親は行方不明。
通信途絶。伝書鳩2羽でフィルムを。
千代への逆恨み。村人の目つきが魔女狩りのときと同じ(千代の記憶ではない)。
簀巻きにされて川へ。直前で(署長直接)警官介入。留置場で保護。
怖がる警察官をなだめるために、緊縛と猿轡。最後の伝書鳩。
翌日。余震でさらに山崩れ。救助活動中の数人が犠牲。
暴徒化した村人が押し寄せる。やむをえず引き渡す。
陸軍憲兵隊到着。威嚇射撃。身柄確保。
英国大使館の偉いさん。
あなたの能力は使いようによっては世界のためになります。
「お国のため」さえも実感できない少女には、途方もない話。
しかし、ここには居場所がない。受け容れる。


4:封印

エリー視点の現在。C00と4人の会話。7人は部屋の外で結界。
枷から解放されたミランダの空中浮揚。サークレットのψ波干渉で頭がのけぞっている。

ミランダ視点。
覚醒。全身への(内部からの)快感と苦痛。超感覚的姦入。延々と。
絶頂寸前。達したときに喪失と直感。
理性は納得。こんな恐ろしい(制御不能な)能力は、誰の為にもならない。
感情は反発。本人の意思を尋ねもしない決定。
激しい身悶え。テレキネシスの発動? サークレットが落ちる。
驚愕で、エスパー相互の連携が乱れて。ミランダ落下。
村人たちと同じ恐怖の視線を浴びて……
悲しい微笑とともに、みずからサークレットを頭にかぶるミランダ。

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 これが、確定PLOTです。
 過去のエピソードを、すべて一人称で書いて、大昔と近年とを交互に連ねて、その合間に現在を挿入する。しかも、ヒロイン(ミランダ)視点と別視点とをどちらも一人称で書き分けるという……構成力と文章力とが問われます。やりますぞ、僕ぁ……!

 まあ、これだけ複雑になると、とてもZero Sum Short Storiesには収まらないでしょう。
 なので、SFSM長編に分類します。
 魔女裁判、ジャンヌ・ダルク、大正娘。それぞれの残虐シーンがあります。ウキウキです。
 ちなみに。現在のヒロインへの拷問や快楽責めの詳細がPLOTに無いのは。ひとつには、その場で楽しみながら書き進めるつもりがあるからですが。書きかけてボツリヌスが40枚(1万3千文字)ほどあるので、大筋はそれを踏襲するという理由もあります。
 それは、こんなのです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 悪夢の底から浮かび上がるように、意識を取り戻した。しかし、視界は白一色。部屋の中なのだろうが、遠近感がまるでつかめなかった。
(ここは……?)
 疑問と同時に、手足をまったく動かせないことに気づいた。頭を動かすと、剥き出しの腕と、手首を拘束している鉄の環が見えた。
(…………?!)
 ひどく動かしにくい首をひねってあたりを見回すと、四隅に黒いハンガースタンドのような物が立っていた。
 不意に――両手足をX字形に広げた全裸の女体が正面(たぶん天井だろう)に浮かび上がった。彼女自身の鏡像だった。長方形の枠に磔にされている。足首も鉄の環で拘束されているだけでなく、枠から突き出した棒に支えられた鉄の環が腰を固定している。喉にも同じように、腰よりは幅の狭い鉄の環が巻かれている。口にはボールのような物を詰め込まれて、ストラップで顔に縛りつけられている。そして、装飾品にしては武骨なサークレットが、頭にかぶせられていた。
 爆発事故かなにかに巻き込まれて、救助されて、治療を受けている――という状況ではない。それだけが分かった。
 パニックが忍び寄る。
「あえあ……!?」
 助けを呼ぼうとしたが、言葉にならない。ボールには穴が開いているので、母音だけは発声できた。
 声に反応したのか、天井に映る映像が消えた。と同時に、部屋の四隅にあるハンガースタンドが一斉に動きだした。近づいてくる。
 柱の頂部には小さなカメラやマイクが取り付けられている。人間でいえば肩の下あたりに相当する部分からは、多関節のアームが4本も伸びている。
(ロボット……?)
 4体のロボットは、長方形枠の長編に沿って停止した。
 かすかな駆動音とともに、アームの先端が肌に触れた。
「あ……?」
 物理的な危害を予測して身を固くしたが、筋肉は緊張を保てなかった。肩のあたりに位置する左右の2体から伸びたそれぞれ4本のアームが胸を撫で始めたのだ。アームの先端は、フレキシブルな動きをする3本指のマジックハンドになっている。全部で24本の指が、乳房を包み乳首を転がす。その動きは男性(と、一般化するほどの経験はなかったが、すくなくとも知っているただひとりの青年)の指よりもはるかに繊細だった。乳房だけではなく、無防備に曝された腋もくすぐる。
 さらに――下腿の横に佇立するロボットのマジックハンドが太腿を撫でる。青年にも許したことのない領域にまで指を這わせて淫唇をまさぐり、淡い茂みを掻き分けて淫核を摘まみ出す。
 器械に蹂躙されるおぞましさと恐怖と。敏感な部分を繊細に撫でられるくすぐったさと。羞恥の部位を犯される恥辱と。すでに惑乱しかけていた。
 さらに……
「あああっ……?!」
 驚愕の叫びがこぼれた。
「あああっ……あえ、あええ……んんん」
 悲鳴が呻き声になって、鼻に抜けた。
 ただ撫でられ弄ばれているのではなかった。マジックハンドの指先が振動している。
 恐怖と混乱の中で、快楽のさざ波が全身を包んだ。
 乳首から乳房の基底部へとさざ波が押し寄せて、そこを揉まれてさざ波が大波と化す。クリトリスに鋭い波が立ち上がって、腰全体へと波紋を描く。そこに、淫裂をくすぐられて生じたさざ波が交じり合って大きなうねりが生じる。
「あああ、あ……あああっ……」
 拘束された全身が、もどかしそうに蠢く。
 ロボットは、値が最大になる最適解を求めるかのようにマジックハンドの位置を微修正しながら、指先の振動出力を上げていく。
「あああっ……あえ、あええ! ううう……んんんんん!」
 悲鳴が蕩けていく。
 全身が愛撫を受け容れて……マジックハンドから逃れようとしてか、それともいっそうの官能を求めてか、鉄環に拘束された腰が、不規則にくねり始めた。
 下腿の横に位置していた2体のロボットが、マジックハンドの1本をボディに引き寄せた。何をしているのかは見えなかったが――ふたたび、天井に映像が映し出される。
 もしもピントが不鮮明だったら、医療ロボットによる全身の手術と説明されても納得できるような光景だった。しかし、2体のロボットが再び伸ばしたアームには、メスにしては太すぎるアタッチメントが取り付けられていた。先端が半球形の直径2cmほどの円筒。
 そのひとつが、淫裂をつつく。
「あえ! いああ!」
 処女であっても、ロボット(それともオペレーター、あるいは自律プログラム)の意図は理解できた。絶対に受け容れることのできない意図だった。
 円筒がさまざまに角度を変えながら、膣口をつつく。それだけでも、これまでとは比べものにならない恐怖と恥辱なのに。もう1本の同じような円筒が肛門をなぞり始めた。
「あああ……」
 それは悲鳴でも呻きでもなく、逃れようのない運命への絶望だった。
 しかし、甘やかな絶望だった。予期していたような性急な姦通ではなかった。膣口と肛門が、やわやわと揉みほぐされる。その間も、8本のマジックハンドが乳房を愛撫し、6本が股間をまさぐる。そのおぞましい快感の中に、ふたつの穴への刺激が溶かし込まれてゆく。
 腰の奥に熱い滾りが生じて、それが蠢きうねくるにつれて、おぞましさが薄れる。
 天井に映し出されていた映像が消えて、部屋全体が薄暗くなっていく。手足を拘束されている違和感が曖昧になって、空中に浮揚している錯覚が生じる。
 部屋が溶暗したとき、快感を除く一切の知覚が消失していた。膣口と肛門への刺激がもどかしくなっていた。空虚なそこを埋めてほしいとさえ願うようになっていた。
 膣口が抉じ開けられたときには、期待さえ芽生えていた。
 自分の指(それも1本きり)しか知らないそこに、ずっと太い円筒がじんわりと押し入ってきても、痛みはほとんどなかった。ようやく空虚が満たされるという悦びしか感じなかった。
 肛門にも円筒が挿入された。焼けつくような痛みはあったが、快感を打ち消すほどではない。こちらは性急に腸の奥まで貫入する。そして、こねくるような動きを伴なって抽挿が開始された。
「おおおっ……いい、いいいい」
 抽挿に合わせて、自然と腰がひくついた。その動きで膣も刺激されるが、それでも痛みは感じず、未熟な快感だけが増幅されていく。
「ああっ……」
 小さな叫びは――膣から円筒が抜き去られた不満によるものだった。
「え……ああっ、んんんん」
 すぐに喜悦の呻きにとって代わる。円筒が太くなっていると、未開発の膣でも感じ取れた。ロボットなのだから、アタッチメントさえ交換すれば、どんなサイズでも自由自在なのだろう。そう考えるだけの理性が、まだ残っていたのだが。
「あっ、あっ、あっ……」
 太くなった円筒が抽挿を始めると、理性は快感の中に溶け去ってしまう。
 処女。もちろん肛門も未体験。それなのに、2穴の快感が果てしなく膨張していく。さらに乳房と淫核への愛撫も加わって――宙に浮かぶ裸身に濃密な官能の雲が何重にもおおいかぶさってくる。それは、自らを慰める手遊びなんかとは異次元の、罪悪感を伴なわない純粋の喜悦だった。
「あああああ……いい、いいいっ……!」
 淫核への自らの刺激では到達できない遥かな高みへと、全身が、いや全霊が噴き上げられていく。
「あああああ……おおおお……」
 絶頂に達した瞬間。
 双つの乳房を基底部から締め付けられ、充血して突出した乳首を細いワイヤーが薙ぎ払った。と同時に、小指の先ほどにも勃起して露出した実核にも細いワイヤーが襲いかかる。
「ゔあ゙あ゙っ……!」
 絶叫して、反射的に腰を引こうとしたが鉄環に遮られて、反動で胸が反り返った。そこに、左右3本ずつのワイヤーが斜めに叩きつけられた。
「もぼおおおっ……!」
 口中に溜まっていた唾を撒き散らして全身が硬直し、すぐに弛緩した。しかし、ロボットは気絶を許さない。アタッチメントを付け替えて、鼻先に気付け薬を噴霧し、強心剤と興奮剤を混ぜた薬品を静脈注射する。そして愛撫を再開するのだが、頬へのビンタも含まれている。
「うう……」
 意識を回復したが、まだ朦朧としている。白昼夢――いや、部屋の中に人間が感知できる帯域の光はないのだから暗黒夢というべきか。その中に浮揚して、ひたすらに官能を刺激される。
「うう……んんん……いああああ……」
 強制された快感が高まると、2本の円筒も抽挿を再開した。
「おお、いああああ……」
 涙を流して訴えるが、倦むことを知らないロボットは女体を刺激し続け、官能を絶頂へと追い上げていく。
 そして。絶頂と同時に、苦痛を与える。今度は乳房と股間だけではなく、腋窩と臀部へのワイヤー鞭も追加されていた。
 苦痛の爆発と絶叫とが繰り返される。しかし気絶する前に気付け薬を嗅がされて、闇の安息に逃げ込めないままに、快楽と苦痛のなかでのたうつしかなかった。
 そして、官能への刺激が繰り返される。
 いったい何度繰り返されたのか。何時間続いたのか――不意に、一切の刺激がなくなった。朦朧としていた意識が、緩やかに鮮明になっていった。
 不意に、白色が爆発した。明るいけれど、照明器具は見当たらない。壁面全体が発光している。
 まばゆい光の中に、金属的な煌めきが動いた。見ると――1体のロボットが、ファンタジーゲームさながらの長剣をアームに握っている。そのロボットが横から近づいてきて、長剣の刃を腹部に触れさせた。長剣が、肌の上を滑った。
「いあっ……!」
 ムダ毛の処理で剃刀を滑らせてしまったときと同じような、しかしずっと鋭い痛みだった。
 ロボットは長剣を振りかざした。
(まさか……?!)
 疑惑と戦慄と。
 しかし、まさかではなかった。長剣が彼女に向かって、空気を切り裂いて振り下ろされた。
「いああああああああっ……!!」
 絶叫。衝撃と閃光とが、全身を貫いた。
 同時に。眼前に迫っていた長剣が砕け散った。視野の片隅で、ロボットが激しい勢いで後方へ吹き飛んだ。数瞬の後、壁にぶつかった衝撃音が耳に届いた。
(…………??)
 疑問が像(かたち)作られる前に、頭を締めつけられる感覚が生じた。痛いのではない。重たいというのとも違う。気力を萎えさせるような圧迫だった。それは、この部屋で覚醒したときからずっと続いていたのだと気づく。圧迫が消えたのは、意識が鮮明になったときだった。いや、逆なのだろう。この圧迫のせいで、ずっと意識が不確かだったのだ。
 別のロボットが、不意に動いた。気付いたときには、また腕に注射をされていた。
 部屋が暗くなっていくと同時に、彼女の意識も薄れていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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 ボツリヌスを書いていたときはZSSSを意識して尺を切り詰めていましたが。三枚開き直って長編化するのですから、よりじっくりねちねち書くことでしょう。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report -1:Extra Sensory Penetration

 プロットも固まり、いよいよ書き始めますが。
 この物語は、ずいぶんと変転してきました。そもそもは、殺人通信社に事前打ち合わせで提示したプロットのひとつでした。
 それは、こんなのです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エスパーが常人を裏支配している世界。

ヒロイン:テレパス(遠、近、斉放)、物品取寄
     爆発直前のダイナマイトを敵の只中に取り寄せることもできるから強力。

デート中。
まったく思念波の感じられない少女。バンダナ。
彼がサイコキネシスでバンダナ除去。額にψ波中和デバイス。を、破壊。
少女を残留サイコキネシスで全裸空中磔。極太思念波マンコ串刺し。
抵抗の意思を完全に捨てれば解放。残留思念。

女性感覚伝達相互最大興奮
でも、絶頂ではないとヒロインは知っている(テレパスだもの)

朝帰りのふたり。
彼氏が刺殺される。
ヒロインはスタンガンで失神(テレパシーで助けを求める余地無し)。
気がつくと吊るされている。
ヒロインを取り囲む男女の額に宝石。ψ波中和デバイス。
(少女は絶賛磔続行中)
止めなかったお前も同罪。
テレパシーで助けを求めようとしてもできない。
鏡を見せられる。額にψ中和デバイス。
宝石と違って、肉を貫通して骨に食い込んでいる。
or 皮膚接着剤。

ESPは、ふとしたきっかけで失われることもある。
ので、拷問。
鞭打ちで衣服を切り裂く。
各種拷問。
3穴同時レイフ゜。
テレパシーで知った以上の超絶快感。
万が一にもデバイスを外せないよう緊縛放置。
再度の拷問へ。
縄をほどいたとき、デバイスが落ちる。
特定の思念波(憎悪?)を吸収してチャージしている。
まったくそういう感情を放棄していたヒロイン。デバイスがエネルギー切れ?
凍りつく拷問者たち。
「落ちたわよ」
みずから額に押しつけて加虐を待つヒロイン。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

70~80枚(に、収まるのか??)を前提にしています。
エスパーと対立組織との関係など曖昧でというか、うまく構築できません。
ZSSSのひとつとして蘇らせようと目論んで、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いきなりの危機で覚醒。制御不能。
事故現場で無傷。救急車を装った車で拉致。
全裸大の字で覚醒。いきなりロボットアームで全身愛撫&挿入。アクメと同時に機械鞭打ち。繰り返す。
その他エロエロ。
頭の締め付け感覚が消えると……機械を破壊?
組織のチーフ登場。種明かし。
魔女狩り。水爆不発。小天体衝突回避。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こんな覚え書きを走り書き。
読者にはサッパリでしょうが。
超能力に覚醒したヒロインを責めるのが、エスパーを保護すると同時に世界平和のために暗躍している機関ということに……180度のコペルニクス的転回です。
「種明かし」というやつが、いただけません。
錯綜した経緯を名探偵なりデウスエキスマキナなりが延々と説明するんですね。
退屈です。ストーリーメイキングとして、ほぼ禁じ手です。
ので、上記のメモをさらに発展させて。
すべてのエピソード
で、まあ。時給千円の居眠り中に(スマホは入力しづらいので)こんなメモを書き散らしました。

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そして、それをまとめて、肉付けをして……いよいよ次号で明かされるトゥルー・ストーリイ!

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ジャンル : アダルト

Progress Report A5:性少年包弄記

 脱稿しました。345枚。いつも通りに、終わりは脱兎の如しもしくは竜頭蛇尾。いや、5章だけが100枚を超えていますから、大ネズミを丸呑みした蛇?
終章の10.は短いので、そのまえの9.を紹介します。


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9.ブリーフ

 実力テストが終わった日の放課後、教頭先生にこっそり耳打ちされて、校長室に呼び出された。
(やば……ばれた?)
 それくらいしか、心当たりはない。先生は懲戒免職かな。僕は……退学はないはずだから、自宅謹慎? パパにしかられるのも悲しいけど、後妻さんに見下されるのは耐えられない。そんなことを内心でジクジク考えながら、出頭。待っていたのは校長先生だけだった。
 教員室の机より立派なデスクに、薄っぺらい雑誌が乗せられた。『政界異聞』というタイトルで――写真もイラストも無い表紙に、赤いゴシック文字が躍っている。
「あの与党幹部の三男はサディストの少年愛好者?!」
「教職にあるまじき醜行/父親も黙認か?」
 校長先生が雑誌を開いた。
 ドキン! じゃなくて。いきなり引力が10倍にもなった錯覚。
 1ページまるごとのカラー写真は、銀色のシートにあお向けの僕と、その横に座って僕の肌をなでている(多分、日焼けシールを貼っている)先生。右のページには、僕の正面からのアップ。黒の目線もモザイクも無し。ムチや縄の痕跡が鮮明。
「…………」
 棒然自失。懲戒免職と自宅謹慎の文字ばかりが、頭の中でぐるぐる回っている。
「これは、戸坂先生と畑山薫くん――で、間違いないね」
 否定のしようがない。
「戸坂先生は、担任の立場を悪用して、まあ、なんというか……性的なイタズラをしたと言っているが、それで間違いないね?」
 あれ……なんか、風向きが違ってる? 僕が被害者のように聞こえる。たしかに、そういう見方もできなくはないけど。もしかしたら、先生が僕をかばってくれてるのかな。とっさにそう考えて。うかつなことは言えないと気がついた。
「どんなふうにイタズラをされたのか、打ち明けてくれないかな」
「……恥ずかしくて、言いたくないです。戸坂先生に聞いてください」
 とっさに思いついた。これなら『証言』が食い違うこともない。あとは、強貫された女の子みたいに、顔をうつむけて……勝手に身体が震えてきた。
「そうか。では、このマンションに何度も連れ込まれてイタズラをされたというのも、事実なんだね」
 ページがめくられて、いくつかの白黒写真。先生の後ろについてマンションまで歩いているところとか、ホットパンツに花柄のランニングシャツというボーイッシュな女の子みたいな姿で、先生に肩を抱かれて映画館にはいるところとか。
「はい……」
 なにもかもあばかれた。その恥ずかしさで、返事の声も震えている。
「つらいことを思い出させて、申し訳ない。しかし、安心しなさい。このことがスキャンダルになることはない……はずです」
 校長先生の説明によると。この薄っぺらい雑誌は、一般には売られていないそうだ。ごく一部の関係者(なんの関係者かしらないけど)にしか配布されない。先生が辞表を出せば、あとはオトナ同士の話し合いでケリがつくとか。
 つまりネゴとか談合とか、そういったオトナ同士の話し合いなんだろう。雑誌に政界の文字があったから――先生のお父さんである偉い政治家(初めて知ったよ)を失脚させるための陰謀なのかもしれない。
「学校の立場としては、ご両親に報告だけはしておかなければならないが。畑山くんは、これまで通りに学校生活を送れます。この件は、この場限りで打ち切りです」
 学校では噂になることもなかった。パパには厳しくしかられたけど、僕が変態のマゾだとまでは知られずに済んだ。
「どうせ万引きかカンニングでもして、弱みをにぎられたんだろう」
 校長先生からどんなふうに聞かされたのかは知らないけど、決めつけられた。下手に言い訳したら、痛い腹を探られるどころか、持ち物検査とかされかねない。改造サポーターだけじゃない。先生にもらったコックリングとかアナルプラグとか、ぞろぞろ出てくる。正座して、パパのお説教にひたすら耐えるしかない。
「いくら脅されたからといって、ホモ行為にふけるとは情けない」
 もしも僕が女の子を妊娠させたとかでも、こんなふうには激怒しないんじゃないかって思うくらいに、パパはうろたえてる。
「こんなことが世間に知れたら、パパも会社にいられなくなる。勇斗の受験にも影響する」
 僕自身への心配は、そっちのけ。なので、僕としても反省する気持ちが冷えてしまう。
「二度と、あの男に近寄るんじゃないぞ。もしも、あいつがしつこく言い寄ってくるようなら、パパに言いなさい。話をつけてやるから」
 パパの心配は無用だった。先生は速攻で辞職しただけじゃなく、僕を見捨ててしまった。二度と顔を合わせることはなかった。だから、僕は連絡先も知らない。もちろんアパートは引き払っているし、調教マンションへ行っても会えなかった。暗証番号が変わっていたし、部屋の番号を打ち込んでも知らない人の声が返ってきた。もしかすると先生のSM仲間かなと期待して名前を告げてみたけど、駄目だった。
 そんなふうにして、人生最大の(と、そのときは思っていた)台風が過ぎ去って。見つかるとやばいので変態チックな小道具は全部捨てて、ちゃんとブリーフを履いて学校に通う日々が戻ってきた。

 でも、つまらない。男子のガキっぽい話には付き合う気にもなれない。
 女子は。この夏にロストバージンしたらしい子も何人かいる。友美ちゃんなんて、わざと男子に聞こえるようなヒソヒソ話をしたりするけど、内容が可愛らしいね。最初は痛かったけど、デート(=SEX)するたびにだんだん気持ち良くなってきたとか、一人前に吹いているけど。ムチも縄も乱交も野外露出も未体験。ていうか、ほんとにロストバージンしたのかな、レディースコミックの受け売りじゃないのかな――なんて、疑ってしまう。男と女、バギナとアナルの違いはあるけど、経験豊富(だよね)な僕には、その微妙なニュアンスがなんとなく分かってしまう。
 1学期のときよりも、みんなとの距離が広がった感じで。ふと気がつくと、調教のこととか、捨ててしまった小道具のことばかりかんがえてたりする。
 中間テストではクラス45人中39位と、自己ワースト記録を塗り替えてしまった。
 このままじゃ、いけない。次第に、そう思うようになってはきてる。このままじゃいけない。きちんと変態チックな性欲を発散させて、勉強に打ち込まなくちゃ。スポーツで性欲を発散させるなんてのは、大昔の道徳の教科書。きちんとご飯を食べる代わりに水ばかり飲むようなもの(だとは、今の教科書にも書いてないけど)。最低でも、オナニーは必須。だけど、オナニーのオカズが、先生との思いでばかりになっちゃう。縄も捨てたし、新しく買っても見つかると言い訳できない。パパの口ぶりだと、SMまでは知らないみたいだけど、知っていて触れないだけかもしれない。もちろん、僕から尋ねるなんてヤブ蛇もいいとこ。
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 某国の娼売少年だそうです。

 さて。本作品は『悦辱編』と『怨辱編』とで構成される予定ですが。続編を書くのは、かなり先になりそうです。
 令和短編集で
 Extra Sensory Pentration
 売姫三日晒
 The tragedy of XXY
 とくに横文字の作品は、鬱勃たるパトスにロゴスに蓄音機です意味不明。
 もちろん、『昭和集団羞辱史:物売編』、『SMツアー:裸族の性人儀式』なんかも装填完了発砲号令待ちですし。







 とにもかくにも、限りある人生。グイン・サーガみたいにならないよう、釈迦力に書いていきましょう。

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Progress Report A4:性少年包弄記

Progress Report A3→

 久しぶりのレポートです。現在は8章を執筆中。

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7.ホットパンツ

 それから、また平凡な学校生活が2週間も続く。学校では完璧に先生と生徒。ホームルームの後には体育倉庫に呼び出されて、指定された装備(アナルプラグとかコックリングとか、最近では貞操パンツや尿道プラグも)をちゃんと着けているか検査されたりはするけど。それもせいぜい週に1回だけ。粗チンをさわってももらえない。
 これまでの先生の話から推測すると、SMのサークルとかにも加わってるみたいだし、学校の外にも特別虐待性徒がいるんじゃないかと疑ってしまう兆候も垣間見えたりする。先生にとって僕は持ち駒のひとつかもしれないけど、僕には先生だけがすべて。
 先生に虐めてもらう日を待って、オナニーもしないで(禁じられている)もんもんと毎日を過ごしている。
 だから、6月12日の日曜日に例の公園で先生を待っているときには、どんなに恥ずかしいことや痛いことをされるんだろうって、おびえながらわくわくしていた。犬みたいに尻尾があったら、パタパタ振りっぱなしだったんじゃないかな。
 ――調教部屋で、マゾ奴隷の正装になって、整列休めの姿勢。といっても、貞操パンツは下着じゃなくて責め道具だから、コックリングと同じで先生の許可が出るまでは着けたまま。この貞操パンツは革製のブリーフだけど、股間がえぐられてる。そして、粗チンを上向きに固定するバンドが3本付いてる。これって、ペニスを穴に挿入はできないけど、受けのアナルセックスもオナニーも可能だ。ほんと、指一本触れないように(触れたら暴発する!)克己心との戦いなんだから。
 先生は僕の全裸+貞操パンツ姿を眺めて、不機嫌そうな顔になった。無理して作ってる。ほんとは、新しい楽しみができたと喜んでるんじゃないかな。
「いつのまにか、生意気なものを生やし始めたな。見苦しい」
 というのは。まだ産毛が長くなって濃くなったくらいだけど、股間に黒い毛がぽつぽつと現われ始めたから。僕ぐらいの年頃の男の子(女の子でも)なら、誇らしさと恥ずかしさとがごっちゃになるのが普通かな。オトナに一歩近づいたという誇らしさと、修学旅行なんかでお風呂のときにからかわれるんじゃないかという恥ずかしさの先取りと。僕の場合は……マゾ奴隷にふさわしくないなあと、それを一番に考えてしまった。
「素っ裸になってバスルームへ行け。先生が手入れしてやる」
 ああ、やっぱり。アヤネさんやユミお兄さんやキミエさん(や、いろんなビデオ)と同じように、パイパンにされるんだろうと予想していた。ので、マゾ奴隷の階段をひとつ登ったような妖しい気分になっちゃった。
 いそいそと貞操パンツを脱いで、バスルームへ直行。ちゃんとマゾ奴隷の正座で、先生を待つ。
 先生はスプレー缶を持って現われた。僕を捕虜の姿勢で立たせて、首からつま先まで泡を吹きつけた。
 しばらくすると、かすかに卵が焦げるような臭いが立ち昇ってきた。
 10分(と、先生が腕時計を見て言った)経ってから、軟らかいプラスチックのヘラで全身をこそげられた。ゴリゴリけっこう痛い。他の部分は分からなかったけど、股間の黒ずんできたところは、地肌がむき出しになる。
 除毛フォームというんだそうだ。肌がカミソリ負けしないし、毛穴の中まで浸透するから発毛が遅れる。女性の夏の必需品、海水浴のお供。
 シャワーで洗い流すと、全身ツルツル。むきたてのゆで卵。でも、いいことずくめでもない。肌が乾いてくると、全身が引きつれるような感覚が生じる。皮膚の表層が溶かされて――まさしく、ひと皮むけたわけ。
 それから、お出かけの支度。今日は映画館に連れてってくれるんだとか。
 ちぇええ、だね。高手小手に縛られるのか一本ムチでしばかれるのかと、ドキドキしながらおびえてたのに。
 あれ……?
 お出かけの装いが、なんだかきわどい。ハンバーガーショップに行ったときの服だ。お尻が3分の2くらいはみ出すホットパンツと、おへそが丸出しになるランニングシャツ。男色を意味するパンジーの花柄。そして履物は、ヒールの高いサンダル。
 コインパーキングから映画館まで、サンダルでつまずかないように先生の左腕に取りすがって歩いた。ブラジャーもウィッグも着けてないから、男の子って一目瞭然(かなあ?)。なので、むしろ恥ずかしい。たくましい彼氏に甘える女の子に見られる方が、恥ずかしくない。
 にしても。歩いたのは、あまり健全じゃない場末の繁華街。安っぽい看板が立ち並んでいる。夜になったらキラキラ輝くんだろうけど、昼間は死んだ深海魚みたいに存在を持て余している。たまには文学的表現に挑戦。
 こんなところに映画館なんてあるんだろうかと疑ってたら、あった。大きな看板はなくて、入口横のショーウインドウにポスターが貼られてるだけ。タイツだけで上半身裸のお兄さんがX字形に鎖でハリツケられてて、背中に長い傷跡(ムチだよね?)があるポスターは『薔薇の調教』。全裸の男性が2人で複雑な形(なので、あぶない部分は見えない)で取っ組み合ってるポスターは『グレイシャスロマンティック・レシリング』。聞いたこともないタイトルだ。名画のリバイバル……じゃない。どっちのポスターにも『成人映画』と小さく書いてある。
「2枚」
 大人とか学生とかは言わないで先生が切符を買って。入ろうとしたら、切符売り場の横の窓口が開いて、若い男の人が顔を出した。僕をじろじろ眺める。
「そっちのお兄ちゃんは?」
「俺の連れだが」
「ふうん……商売は御法度だからね。客引きもだぜ」
「可愛い恋人に、そんな真似はさせないさ」
 先生も相手に合わせて、言葉づかいが若っぽく崩れてる。てことよりも――恋人だってさ。もちろん、世を忍ぶ仮の姿だけど。胸キュンしちゃうよ。
 それ以上のトラブルはなくて館内に入ったんだけど。狭い。横並びに5席で8列。40人で満席。なのに、がら空き。前のほうに5人、中段にぱらぱらと6人以上10人未満。最後列に2人と2人。全員が男の人みたい。
 僕と先生は――席に座らずに、後ろの通路に立った。>>>>>
 先生がショルダーバッグから小さな手提げ籠をふたつ取り出して、僕に持たせるんじゃなくて手首に通した。
 先生の(小声の)命令で、最後部の座席からすこし離れて平行に設けられている手すりの下に頭を突っ込んで、両手はいっぱいに広げて手すりを握った。なんだか、いやな予感。両足を広げて、手すりの支柱に外側から足を絡める。調教部屋でハードルにハリツケにされたのと同じ格好。
「絶対に手足を動かすな。ひと言もしゃべるな」
 さっきとは違って、近くの人に聞こえる声だった。最後列に座っている4人が振り返った。僕のアクロバチックなポーズを見て、驚いた顔をした。先生と僕を見比べて。目顔で尋ねて、納得した容易にうなずいた人もいた。
 先生は小さな四角いパッケージをいくつも取り出して、右の手提げ籠に入れる。そして、また大きな声で。
「前でも後ろでも、必ず使ってくださいよ」
 まん中へんに座っていた人たちまで振り返った。
 そして、先生は……外へ出て行った。
 とたんに。ざわっと人が動きだした。最前列に座っていた4人のうち2人と、中段にいた人たちの半数くらいとが、僕を取り囲んだ。最後列の4人は席に座ったまま、じっと僕を眺めている。
「声を出しちゃいけないんだったね」
 耳元に熱い息をはきかけられた。ホットパンツのボタンをはずされて――ももの途中までずり下ろされた。開脚しているから、そこに引っ掛かって止まる。
「手足も動かしちゃいけないんだね」
 僕は上体を倒して、お尻を後ろに突き出した姿勢。その無防備なお尻を、ぞろっとなでられた。
 僕がほんとうに無言で無抵抗なのを見て、何本もの手が伸びてきた。お尻をなでられ、粗チンを握られる。ランニングシャツもたくし上げられて、胸をもまれた――と言いたいところだけど、女の子じゃあるまいし。乳首をつままれたり爪でくすぐられたり。
「ん……くふっ……」
 声が漏れちゃったけど、しゃべってるんじゃないから、先生の命令には反していないよね。
 もう、僕には先生の目論見が分かっている。この人たちのことも、だいぶん分かってきた。だって、スクリーンに映っているのは――全裸の若い男性がふたりでレスリングをしているところ。それも、寝技で関節技を掛けあっている。股間にはボカシがはいっているけど、ボカシの大きさから勃起しているのが推測できる。
「毛も生えていないガキのくせに……末恐ろしいな。いや、彼氏が鬼畜なのか」
 アヌスに指を突き立てられた。まったく潤滑されてないので、痛い。けど、こねくられてるうちに痛みが薄れてきた。
「へ……掘じられて濡らしてやがる。たっぷり仕込まれてるようだな。遠慮していては、かえって可哀そうというものだな」
 最初にお尻をなでた人が、手提げ籠からパッケージをつまみ出した。中身は、もちろんコンドーム。先生の知り合いなら大丈夫だろうけど、不特定多数だと性病の心配もあるから――だよね。「俺の可愛い薫をもっと虐めてやりたいが、どこの馬の骨とも知れんやつに好き勝手させるのはいやだ。たとえ薄いゴム膜1枚でも隔てていれば、ガラス越しのキスと同じでノーカンだ」なんてふうに考えてくれてるんだったら、すごくうれしいけど。
 あ……腰をつまかれて、アヌスに太くて硬いのが押しつけられた。
「はああ、はああ……」
 口を開けて深呼吸して、挿入に備えた。
 にゅぬるううっと……熱い感覚が押し入ってくる。意外と痛くない。コンドームの表面にはゼリーが塗ってあるそうだから、そのおかげかな。
 手すりをくぐって、目の前にも男の人が立った。ズボンとパンツを下げて――勃起の先端に丸いゴムの膜を密着させて、するすると巻き下げた。へええ、こうやって装着するんだ。薄暗いから、着けているのが分からないくらい生っぽい。
 唇に突きつけられたので、素直に怒張をくわえた。
(どうしようかな?)
 ちょっと迷ったけど、積極的にフェラチオを始めた。縛られてるわけじゃないのに、先生の命令を守ってハリツケの姿勢を保っている。つまり、自発的にHでマゾなことをしている。積極的にフェラチオをするほうが自然だよね。
 そうやって、後ろから突かれて前をくわえてしゃぶってると。
「んむ゙……?」
 3人目の人が前にしゃがみこんで、僕の勃起にコンドームをかぶせた。そして、くわえてくれた。フェラチオをしながらされているなんて……されてても、その男の人を責めているんじゃない。やっぱり、ぼくのほうが責められてる。
 この人、芳比呂お兄さんよりもアヤネさんよりも上手だ。音を立ててバキュームとかはしないのに、舌と歯と唇とで、亀頭も根元も同時に、うねうねぐにょぐにょ刺激する。
「うああ……もぼお」
 口を開けて叫びかけて、ペニスを喉元まで突き挿れられて声を封じられた。ほお張られたまま、びょくびゅくびゅくっと射精してしまった。
 しゃがみ込んでいた人が、コンドームを抜き取って根元を結んだ。コンドームの先っぽには小さな突起があって、そこに精液が溜まるようになっている(と、初めて知った)けど、白濁はそこからあふれている。
「こっちに入れろということなんだろう?」
 破ったパッケージと使用済みのコンドームを、左の空篭に入れた。さらに財布を取り出して、千円札を1枚入れた。
 その人は服装を整えて、最後列の席の端っこに座った。自分は(すくなくともすぐには)射精せずに、僕が犯されるのを見物するつもりらしい。
 僕は射精しちゃったけど――なぜか、Hでマゾな気分が続いてる。ので、フェラチオを続ける。アヌスを犯されるのも、あまり嫌にならない。ていうか。前にも後ろにも順番待ちの列ができてるから、まだまだ頑張らないといけないと、自分を鼓舞してる?
 やっぱり、僕の未熟なフェラテクは、なかなか射精まで導けなくて。アヌスを貫いてる人がラチを明けるとガンガン腰を使い始めて、結局はフェラマチオになっちゃった。その間にも、アヌスは2本目を受け挿れている。コンドームって、穴の掃除(露骨すぎるね)が要らないから、回転が早い。
 1本目の人も使用済みのコンドームと何枚かの紙幣を籠に入れてくれた。ので、以下同文になっちゃった。
 レスリングの試合が69スタイルの手コキ合戦になって、勝負がつく前に、映画の観客のうち3人を除く全員がラチを明けてしまった。そのうちの1人は、最初に僕をフェラチオしてくれた人。あとの2人は、貞操堅固なカップルらしくて、それでもスクリーンとは反対方向を見ていたけどね。
 僕自身は、短い時間で3発も発射させられた。2発目もコンドーム越のヘラチオだったけど、3発目は強引な手コキ。コンドームを裏返して装着されて、ゼリーのぬるぬるした感触に助けられて、それでも、発射したのは他の人たちがみんな席に戻ってからだった。
 その人が、僕の服装を直してくれて。
 先生が戻ってきたのは、映画が終わって館内が明るくなってから。でも、姿勢を戻してもいいとは言ってくれない。
 窓口の人(だと思う)がピンセットの親玉みたいな道具を持って現われて、通路や座席の間に落ちているゴミを拾ってまわる。次の上映を待っている観客のそばには近づかない。僕たちのことも、不機嫌そうににらみつけて(ちゃんと服を着ているんだから、どんなポーズだろうと文句はつけにくいよね)出て行こうとしたんだけど。
「すまない。ゴミを頼むよ」
 先生が手招きした。差し出された大きなビニール袋の上で、左の手提げ籠をひっくり返した。使用済みのコンドームと、何十枚もの紙幣が落ちる。
 窓口の人は、「はへ?」といった鳩豆鉄砲になった。
「商売はしない約束だったからね」
「え、いや……これはどうも、恐れ入ります」
 仏頂面が、コビコビ笑顔になった。そりゃ、そうだよね。全部が千円札としても万単位だもの。
「マゾ奴隷の正装になって、ギロチンを続けろ」
 僕が服を脱ぎ始めると、窓口の人はなにも言わずに外へ出て行った。
 僕は元のアクロバティックな姿勢に戻って、右の手提げ籠には大量のコンドームが補充された。左の篭には、ひとつだけ取ってあった使用済みコンドームと、3枚の千円札が戻された。そして、僕はそのまま放置される。
 最初からいた観客の大半は、そのまま居残って。新しく入館してきた人は、僕の姿を見て驚くし、声を掛けてくる人もいた。
「ちょっと危ないんじゃないか?」
「まさか、ひとりじゃないだろ?」
「3千円が相場?」
「劇場公認……なのかい?」
 僕は先生の言いつけを守って沈黙。
「けっ。愛想のないガキだな」
 あきれて立ち去った人もいたけど、座った席は僕の近くだった。
 最初より大きな人垣ができて――照明が暗くなって映画が始まると同時に、コンドームが次々と使われていった。フェラチオと手コキもされたけど、さすがに短時間で4発目は無理だった。肉体的な反応は起きなくても……僕のHマゾ気分は続いてた。
 2本目の映画も終わって、長時間の不自然な姿勢で身体じゅうがきしんでいたけど、僕は充実した気分で、先生に映画館から連れ出された。たくさんのアナルセックスとフェラマチオを堪能したからじゃなくて、最後まで先生の命令を守れたから。
 調教マンションに連れ帰ってもらってから、ご褒美として2リットルの30分と、先生の上での100回スクワットはきつかったけど。明日は学校だから痕が残るのはまずいので、ふわふわ手錠とバラムチ30発だけでは、物足りなかったけど。
 何日も縄やムチの痕が残るようなハードな調教は、夏休みまで待たなくちゃならないのかな。

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ホットパンツ少年

 筆者の場合、ヒロインとして使う少年はU15ですね。それも、U12寄り。精通前後になります。
 ということで、こういうアイキャッチになるのです。


 現在のシフトでは1人勤務で散歩と居眠りが半々の場合が多いので。
 OFFICEインストール済みのサブノートパソコンを1万ちょいでポチりました。勤務先でも、チマチマ書き進める予定です。
 2月に執筆開始して、すでに4月も半ば。いい加減にTake the Kick(蹴りをつける)したいものです。

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Progress Report A3:性少年包弄記

Progress Report A2→

 なかなか進捗しません。
 今日は確定申告に行って、帰りに甘デジで遊んで(ひさしぶりに勝てた)、このブログを書いて。それで終わりそうです。


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5.コックリング

 水曜日には、胴の部分で35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグも挿入できるようになった。挿入中はずっとズキズキ痛いけど、それでも眠れるくらいには慣れて。
 ついに29日が来た。お昼前に、いつものようにおんぼろアパート近くの公園でランクルに拾ってもらって、調教部屋のマンションへ。2人の男の人が、僕たちを待っていた。先生と2人きりだと思い込んでいたので、相撲小屋で小島さん以外の人もいたときよりも、もっと驚いた。
「あの……やっぱり、服は?」
 この部屋では全裸が僕の普段着。でも、お客様がいるんだし。
 後ろにいた先生が正面に回り込んできて。パシン。ビンタされた。そんなに痛くなかったけど。2発目をもらわないうちに、僕は服を脱いだ。相撲小屋でのことを覚えていたので、ちゃんとお客様に正面を向いて。アナルプラグと射精封じのリングは、そのまま。
 僕が脱いでいるあいだに、先生はまた後ろへまわって。
「ちゃんと挨拶をしろ」
 お尻を(かなり厳しく)たたかれて、とっさに正座した――のは、キミエさんのビデオを思い出したから。
「畑山薫です。……未熟なマゾですが、よろしくお願いします」
 考え考え口上を述べて、土下座平伏。
「途中で泣きごとを入れても、聞く耳は持たんぞ」
 短髪で、先生ほどではないけど筋肉質の人が言う。
「わかったな」
「……はい」
 て、答えただけにしておけばよかったのに。またキミエさんを思いだして、心にもあることを言ってしまった。
「僕がどんなに泣いても嫌がっても気にせず、皆さんが満足するまで可愛がってください」
 言っても言わなくても、たぶん結果は同じなんだろうけど。
「ほほう。なかなかに仕込んでいますね」
 もうひとりの、先生と同い年くらいだけど比べものにならないくらいにぶよついてる長髪の人が、感心してくれた。
「さて、どうですかね」
 部屋のまん中にあった小さなジャングルジムが、今日は解体されて四角い枠になってる。そこに、僕は大の字に縛りつけられた。それだけで、頭がぼうっとしてくる。胸の奥がきゅうんとねじられてる。でも、チンチンはせいぜい水平くらいにしかなってない。のは、リングで締めつけられてるせい。
 アナルプラグが一気に引き抜かれて。
「ふん。合格だな」
 家を出る直前に水で洗って挿れ直しておいて正解だった。
 リングもネジを緩めて外してもらった。それでも、チンチンは水平以上に勃起しない。やっぱり、知らない人に見られてる恥ずかしさと、これからなにをされるんだろうって不安とがある。
「これが、マゾの試金石といったところですかね」
 先生が、壁に掛けてあるいろんなムチの中から、細い革のリボンを束ねたようなのを手に取った。僕の後ろに回り込んで……
 ひゅんっ、バチイン!
「……!」
 お尻全体に痛みが破裂した。けど、表現はおかしいけど爽やかな痛みというか、もっとたたかれたいなんて思ってしまう。水平だったチンチンが45度くらいになった。
「へえ。素直なペニスですね」
「違いますね。こいつのは粗チンです。そして俺たちのはオチンポ様。名は体を表わすというやつです。間違えないでほしいですね」
 ひゅんっ、バチイン!
 痛くて気持ちいい。快感よりは、虐められてるって気分のせいで、チンチンがお腹を押し返すくらいまで勃起してしまった。
「そのままにしていろ」
 短髪さんが大きなコップを逆さにして、僕のチンチンにかぶせた。
 うわ……温かくてプルプルしてる。コップの中には固まりかけたゼリーみたいのが満たされてる。
 短髪さんがチンチンの根元を指で押し下げて、コップの中心に合わせた。
「こういうのはどうだ?」
 先生が後ろから抱きつく形になって、両手で僕の乳首をつまんだ。さわさわさわっと指の腹でなでられて、くすぐったいだけ。なのがわかったんだろう。爪を立ててつねられた。
「痛い……」
 苦痛を訴える声色じゃなかった。
「ほほう。さらに勃起しましたな」
 コップを持ってる短髪さんに言われるまでもない。今にも破裂しそうな感じになってるのが、自分でわかる。
 乳首をつねられたり、お尻の穴に指をつっこまれたり。それが10分も続いたかな。
 コップが抜き取られて。短髪さんはそれを持って、部屋から出て行った。
「まずは、ウォームアップといこう」
 先生は革のリボンを束ねたムチを長髪さんに渡して、自分は猛獣使いが使うような長いムチを手にした。
「小野寺さんは、裏側をお願いします」
 そうか。長髪さんは小野寺っていうのか。
 小野寺さんが後ろへまわって、先生が正面に立った。ムチの長さを考慮して、うんと下がっている。
「いくぞ、薫。前も後ろも10発ずつだが、悲鳴をあげるたびに2発ずつ増やすぞ」
 言い終えると同時に、先生は右手を水平に振るった。
 しゅうん、ビッシイン!
「あがっ……」
 長いムチは胸からお腹にかけて斜めに当たった。僕は悲鳴をこらえたんじゃない。切り裂くような激痛に息がつまって、声が出なかった。
 バチャアン!
 お尻だけでなく腰にまで、小野寺さんのムチが当たった。こっちは、痛くない。けど、爽快感もなかった。ムチがばらけすぎて空気抵抗に負けてるのかな。先生に比べて、ずっと下手くそだ。
 しゅうん、ビッシイン!
「ぐっ……」
 バックハンドでたたかれて、胸からお腹にかけてX字形にムチ痕が刻まれた。こんなので10発もたたかれたら、チェック模様になっちゃう。じゃなくて、耐えられない。
 バチャアン!
「ぎゃああっ……!」
 絶叫した。だって、すくい上げるように股間をたたかれた。ぎゅううっと股間が垂直にねじ切られるような激痛。ケンケンはできないけど、お腹に突き刺さってくる激痛から逃れようとして、腰をくねらせてしまう。もちろん、そんなことではどうにもならない。手足に縄が食い込んで――でも、それですこしは気がまぎれる。
「小野寺さん。そこは手加減してやってください」
 先生が壁掛けから教べんを持ってきた。
「こういうムチで、じゅうぶんに狙いをつけて……」
 すっかり縮かんでしまった粗チンを垂直に打ち下ろした。
「きゃああっ……」
 急所を打たれる恐怖で、女の子みたいな甲高い悲鳴をあげてしまった。叫んでから、そんなには痛くなかったと気づく。
「これで悲鳴は2回。残り8発に加えて4発だな」
 あう……。たしかに、そうだけど。すごく悔しい。
 先生が、また長いムチに持ち替えて後ろに下がった。
「いくぞ。声を出すたびに増えるからな」
 しゅうん、ビッシイン!
 バッヂャアン!
 前後同時にたたかれた。歯を食い縛って、声を殺した――のに。最初の2発と違って、長いムチは腰に巻きついていた。先生が腕を引くと、ムチが肌をこすって……
「熱いッ……」
 悲鳴じゃないし、叫んだんでもないけど、声になっていた。
「また2発増えたな」
 先生がうれしそうに言った。
 うう。これじゃ、いつまで経っても終わらない。
「声を出せないようにしてやろうか」
 先生が長いムチを巻いて手に持って、壁の戸棚からボールのような物を取り出した。ボールには端が金具になってる細いバンドがつながれてる。サルグツワだ。
 こういうのって。僕を気づかっての提案のように聞こえるけど、実は命令なんだと、それくらいはわかる。そして、命令には絶対服従。そのうえ。
「お願いします。サルグツワをしてください」
 こんなふうに答えなきゃいけないんだろうな。
「ふふん」
 ボールを口元に突きつけられて、僕は素直に口を開けた。
 ぐぼっと押し込まれて、細いバンドがほっぺたをくびった。
「んんん……」
 まったく声が出せない。なのに。
「まだうめき声が漏れるな。鼻もふさいでやろう」
 じょ、冗談! 窒息しちゃう!
 冗談じゃないみたいだ。先生が洗濯バサミを鼻に近づける。
「んんん、んんっ……!」
 顔をぶんぶん振って、全身でもがいて。ふと、思った。もしかして、絶対服従を試されてる? それに。僕を殺していちばん困るのは先生じゃないかな。絶対にばれる。死刑じゃなくても無期懲役だ。
 僕は無駄なあがきをやめた。先生の目をじっと見つめる。信じてますって、目で訴える。そして、何度も深呼吸。あと13発だっけ、14発だっけ。立て続けに打たれるなら、せいぜい1分か2分。
 先生も、僕がじゅうぶんに息を吸って止めるまで待っててくれた。
「では、早いとこ楽にしてやりましょう」
 声と同時に――ムチの連打が始まった。いや、乱打だ。これまでみたいに、前後のムチがシンクロしていない。
 ビッシイン!
 バチャッ!
 ビッシイン!
「んぶ……」
 バジャジャン! バチン!
 ビッシイン!
「んっ……」
 鼻をふさがれてるのに、無言の悲鳴が鼻から抜ける。そのたびに耳がキインと鳴って、どんどん息苦しくなる。
 ビッシイン!
 バジャン! バジャン!
 ビッシイン!
 先に後ろが終わって、それから正面だけ3発。そして、ムチが止まった。
 鼻の洗濯バサミが取り除かれた。
「んぶふう……んぶっ、ぶふ……ふううう」
 涙を吸い込んで、鼻水が逆流して、むせながら空気をむさぼった。
「意外とあっさり終わって、物足りないだろうな」
 先生の声が粘っこい。なにか企んでる。それが分かるくらいには、先生のことを理解するようになっていた。
「ムチには、まだまだいろんな種類がある。さっきの教べんもだが、竹刀のように竹を束ねたムチもあれば、バラムチにカギを仕込んだ九尾ムチもある。その気になれば、ズボンのベルトや電気コードも立派なムチになる。体験させてやろうか?」
 今のは完全な質問だから――僕は、ぶるぶると頭を横に振った。なのに。
「嫌ならイヤと、はっきり言え。返事がないのは、承諾ということだな」
 ひきょうだよ、ずるいよ。サルグツワで言葉を封じておいて、返事をしろだなんて。
「では、望みどおりにいろんなムチを味わわせてやろう」
 望んでない!
 先生は猛獣使いのムチを壁掛けに戻して、床でとぐろを巻いている縄束を取り上げた。バスルームから洗面器を持ってきて、縄束を浸す。
「これは一本ムチと違って肌を切り裂くことはない。しかし、破壊力は大きいぞ」
 縄束をほぐして三重の輪にした。
「さっきから悲鳴が聞こえないと思ったら、ギャグですか。初心者には厳しい責めじゃないですか」
 アコーデオンカーテンが開いて、マッチョの短髪さんが戻ってきた。せいぜい先生の平常時くらいの小さなペニスの模型を手に持っている。
「鉄は熱いうちに打てといいますからね。最初からハードに鍛えておけば、たいていの責めに悦虐を覚えるようになります」
「さて、それはどうですか。私などは、じわじわとジュンチしていく過程が楽しいですがね」
「それもそうですか。アメとムチのムチばかりでも、可哀そうかもしれませんね」
 先生は縄束を洗面器に戻して、サルグツワをほどいてくれた。いろんなムチを味わわなくてもよさそうだと安心したんだけど。
「とはいえ、せっかく準備したわけだし。一発くらいは楽しませてやろう」
 それ、他動詞じゃない。楽しむ――自動詞だ。
 先生は洗面器から縄束を取り出して、ぎゅっと絞った。
「声を出さなかったら、ほんとうに一発だけで勘弁してやるぞ」
 先生が後ろに立ったので、ぼくは少しだけホッとした。お尻なら耐えられる(かもしれない)。
 ぶゅうん。凄まじい風切り音。
 ビッジャアアン!
「あぐ……」
 これまでのムチとは異質の、重たい衝撃。すごく痛い。のに、打たれた直後に、すこしだけ気持ち良くなった。のは、縄束が水で冷やされていたせいかもしれない。これまでのムチ打ちで、全身が焼けるように熱く感じていたんだ。
 ほんとうに、その1発だけで赦してもらえた。ジャングルジムの枠からも解放された。
 胸もお腹もお尻も背中も、ずきずき痛い。タマの鈍痛もすこし残ってる。けど、へたり込むほどじゃなかったので。僕は自発的に整列休めの姿勢をとった。
 先生はしばらく僕の裸を見ていた。あんなに激しくムチ打たれて、前も後ろもムチ痕だらけ。何カ所かは肌が裂けて血も流している。のに、見られているうちに勃ってきた。
「まったく現金なやつだな」
 ぴんっと粗チンをデコピンされて、ますます硬くなってしまう。
「とはいえ、責められているときは委縮していたか。まだまだマゾ修業が足りん」
 修行ったって。変態サポーターを見つかって、まだ2週間だよ。近くの公園と市営運動公園と相撲小屋と――今日で4回目。あ、でも。独り遊びは何十回としてるか。
 そのうち。さっきみたいに厳しくムチ打たれてるあいだも勃起しっぱなしになるのかな。まさかとは思うけど。
「それはそうと……」
 先生が、また戸棚から新しい品を取り出した。分厚い首輪と、それにつながれた金属の手錠。キミエさんが着けられてたやつだ。
「これだけ傷だらけでは、縛るわけにもいかんからな」
 ビデオとは違って、捕虜のポーズで手錠を掛けられるんじゃなくて、整列休めの姿勢から腕をねじ上げられた。芳比呂お兄さんがされてたのと似てる。肩がひねられて痛いけど、手錠の鎖が喉を巻かないだけ手首の位置が下がって、すこしは楽なのかな。
 バスルームに連れ込まれた。新しい道具が増えている。点滴スタンドそっくりだけど、薬液を入れた袋じゃなくて、ビーカーの親玉みたいな透明な容器が釣られている。底からは点滴の何倍も太いゴム管が伸びていて――先端は金属のネジになっている。
 マッチョ短髪さんが、そこにペニスの模型をねじ込んだ。
「薫クンの最大勃起模型だ。自分の粗チンに犯されるなんて、そうそうできる体験じゃないぞ」
 最初にかぶせられた、ゼリー詰めのコップ。あれで型取りされたんだ。
 僕はバスタブの中であお向けにされた。腕が押しつぶされて、ますます肩が痛い。なんてのは、序の口。足を持ち上げられて180度に折りたたまれ、首の下に鎖を通された別の手錠に足首から20cmくらい上のところをつながれた。もう、自分で起き上がれない。
「これくらいは情けをかけてやろう」
 意味不明だけど、頭をシャワーキャップで包まれた。
「最初は1リットルだけで勘弁してやる」
 点滴スタンドに釣られてる容器に、水が注がれた。水じゃないかもしれない。透明だけど、動きがどろっとしている。
 僕は裏返しにされて、お尻の穴が天井を向いている。そこに、粗チンの模型を押しつけられた。すごくぬるぬるした感触。やっぱり水じゃない。
「35mmがいけるなら、これくらいは余裕だな」
 ずぶうっと突き立てられた。
「痛いっ……」
 痛くて熱い。そして、内臓を押し上げられる圧迫感。でも、たしかに。35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグを自分で挿れるのに比べると、ずっと楽だった。それが自分の模型だから……男としての自尊心が傷つく。でも、まだ成長期だもん。そのうち、先生と同じくらいに大きくなる――としたら、それはそれで、ちょっとグロテスクかな。あ、いや。先生のオチンポ様がグロテスクって意味じゃない(かなあ?)。
 なんて考えてるうちに。冷たい液体が、じわじわと押し入ってきた。そうか。芳比呂お兄さんは水道水を注入されてたけど、これも同じことだ。でも圧力が低いから、ちっともつらくない――のは、最初のうちだけだった。
 先生たちはバスルームから出ていって、ひとり放置されて。
 これでお腹の中がきれいになったら、いよいよ先生にアナルバージンを奪われる、いや奉げるんだと、どきどきおどおど感傷にふけっているうちに。だんだんお腹が痛くなってきた。ぐるぐるきゅう――お腹がうねくっている感じ。出しきってきたなのに、ウン千をしたくなった。それが、だんだん激しくなってくる。
 容器の中の液体は、目盛がまだ400のあたりまで残っている。早く終わってくれないかな。そのことしか考えられなくなってきた。
 350……300……250……
 口はふさがれてないけど、先生を呼んだりはしない。無視されるか、お仕置きされるかのどちらかだと、もう分かってる。
 先生のオチンポ様って、35mmのアナルプラグよりは太い。目で見た感じじゃない。口にくわえての実感。だけど、芳比呂お兄さんがアナル四股で挿れてた子供用バットよりは細い。あ、でも……グリップのとこは、わりと細かったし。
 あれこれ考えても、しょうがない。太かろうと細かろうと、そのときになったら、どれくらい痛くて苦しいかわかるんだから。
 でも、なんか違うんだよなあ。女の子が恋人に初めてを奉げるときの悦びと不安とは、根本的に違うような気がする。そりゃまあ――僕の知ってる女の子心理って、少女漫画の知識しかないけど。
 ガラッとバスルームのガラス戸が開いて、先生が来てくれた。
「ちょうど終わるところだな」
 容器の中身は、底の丸っこいあたりにちょっとだけになってる。
 先生はゴム管に大きなクリップを着けた。
「あと30分ほど楽しんでいろ」
 すぐにガラス戸が閉まった。
 え……30分? あれこれ考えて気を紛らわしてたけど、ふだんなら大急ぎでトイレに駆け込む段階まで切迫してる。それで30分なんて、拷問だよ。さっきのムチ打ちなんかより、ずっと厳しい。でも、命令だから絶対服従しなくちゃならない。こんな状態じゃ、どんなに抵抗しても、どうにもならないけど。
 それに。30分と先生は言ったけど。ここには時計がない。意地悪で1時間に引き伸ばされたって、僕には分からない。あ、訂正する。もし時間を引き伸ばしたとしても、それは意地悪なんかじゃない。マゾの僕を調教するためだと思う。それとも、サドの先生の楽しみのためかな。
 もしかすると、僕は先生に感謝しなくちゃいけないのかも。だって、自分でこんな遊びをしても、絶対にギブアップしてしまう。苦しくてもつらくても我慢するしかない。そんなシチュエーションは、独り遊びの定番妄想だけど、実際には先生がいないと実現できないんだもの。というか。絶対に自分ではできない本格的な後ろ手縛りを体験できただけでも、先生との出遭いは、これまでの人生で最大の幸せだったと思う。
 だけど、ほんとうに! ウン千がしたい。お腹が痛い!
 もしかして、うんといきんだら模型粗チンを押し出せるんじゃないかと思ったけど。そしたら抜けないように固定されて5リットルで1時間とかになるだろうから、絶対に我慢するしかない。
 ……考えてみたら(考えなくても)、変態サポーターがばれてからたった2週間で、とんでもないことになってる。2週間後には、どうなってるんだろうか。2か月後には?
 あ、でも。環境が激変して何もかもが新鮮に思えたのは、入学して半月かそこらだったよね。あとは、だんだん新しいことが増えながら、基本的には繰り返しの1年間だった。これも、同じなのかもしれない。彼に初めてを奉げるシーンは描かれても、12回目を奉げるなんてシーンは描かれない。
 でも。ファーストキスがあって、最初のBがあって、ロストバージンがあって、最初のSMがあって、最初の出産があって……それと同じかもしれない。まだ、ローソク責めも水責めも針責めも逆さ釣りも(他にも、僕の知らない責めが、いっぱいあるはず)体験してない。なんて、哲学とエロがごちゃ混ぜになって。
 ガラス戸の開く音が聞こえたときは、ものすごくホッとした。もう30分なんて言われるんじゃないかと、それにはおびえていたけど。
 そんなことはなくて。
「頑張ったな。えらいぞ」
 褒めてくれて。ぐぼっと模型粗チンを引っこ抜かれた。
「え、ああああっ……?!」
 括約筋を締めようとしたけど手遅れ。
 ぶじゅううううう……すごい勢いで噴出。斜め60度くらいだったのが、せめてもの救い。真上だったら、悲惨なことになってる。バスタブが広いので、放物線を描いて、ぎりぎり壁にはかからずにすんだ。そのかわり――背中が気持ち悪い。シャワーキャップがなかったら、そうか、これが先生の言ってた『情け』だったんだ。
 噴水が止まったら、今度はゴムホースで水道水を注入された。お腹の苦しさで判断すると、さっきよりたくさん、2リットルくらいは入れらたと思う。これは、すぐに噴水させてもらった。
 それから、足錠と手錠をはずしてもらって、バスタブの中で温水シャワー。すっかりきれいになって、バスタオルで身体を拭いて。なんだか、ひと仕事終えて疲れ切った気分。だけど、甘えさせてはくれない。
 調教部屋にはベッドがない。でも、梯子を水平にしたような拷問台とか、ハリツケの柱とかはある。僕は立ったまま上半身を水平に伸ばした姿勢で、陸上競技のハードルみたいな道具に拘束された。ハードルの上辺には小・大・小の順で半円の切り込みがある。そこに、両手と首を乗せられて、同じように切り込みのある板で上から押さえつけられた。上下の板をボルトで締め合わせると、身動きできなくなる。
 拘束されている途中で、先生の目論見がわかった。お尻は都合の良い高さで後ろに突き出されている。口も同じ高さ。ということは……そういうことなんだ。
「いよいよ、ロストバージンの時だぞ。といっても、ケツ穴に処女膜などないし、プラグだの自分自身だのをくわえ込んできたわけだから、今さらだがな」
「それを言っちゃあ可哀そうですよ。御主人様に初めてを奉げるのだから、それなりに感慨はあるでしょうよ」
 マッチョ短髪さんが、にやつきながら言う。
「どうかな、うん……?」
 と、振られても。正直、自分にもわからない。
「……これでやっと、一人前のマゾになれるんだと思います」
 それは本心。の証拠に、粗チンがお腹に貼り付いてる。
「生意気を言うな」
「痛いっ……」
 ぴしっと、タマをデコピンされて、もだえた。といっても、肩を動かせないんだから、お尻だけ振って誘っているように見える。というのも、僕の真横は壁一面の鏡だから。自分の被虐姦たっぷりの晴れ姿(?)が、いやでも見える。案外と、いやじゃない。僕って、けっこうナルシストかな。
「ケツにオチンポ様をくわえ込んで、やっと半人前のマゾガキといったところだ」
 卒業までの2年をかけて、ちゃんと一人前に調教してやる――なんて言われた。なんとなく分かってはいたけれど、学校にいるかぎり、先生からは逃げられない。今のところ、逃げようなんて、これっぽっちも思ってないけど。
 ぬるんと、冷たい感触があった。油かなにかを着けた指で、お尻の穴をもみほぐされている。これ、すごく気持ちいい。
「あ……んん」
 自分でも甘ったるいと思える裏声が鼻に抜けちゃった。もちろん粗チンは痛いくらいに膨れてる。けど、射精の欲求はなかった。
「いくぞ。大きく口を開けて、ゆっくり深呼吸していろ」
 はあい。すうう……はああああああ。すうう……はああ
「ぎひいいっ……痛い! 熱い!」
 35mmのアナルプラグ(しつこいけど、カリクビは40mm)とは比べものにならない激痛がお尻の穴を中心に広がった。熱く焼けただれていくような感覚。
 みちみちみちと、強引に穴を拡張されている。それが数秒続いて。
 ずぬうっと、一気に内臓が押し込まれるような感覚があった。姦通の一瞬だった。
「はああああああああ」
 挿入されてみると、意外と痛みは小さくなった。これって、アナルプラグで慣らした成果かな。2週間前にいきなり挿入されてたら、ぎゃんぎゃん泣くか失神してたと思う。
 アナルプラグと本物の違いは太さよりも、むしろ長さにある。アナルプラグでは届かない奥のほうまで、ずぬうううっと押し入ってくる。
 あ……なんか、気持ちいい。というのとも違うかな。奥のほうのどこか一か所が、粗チンに直結してる感じ。そこを突かれると、粗チンがドクンと脈打つ。微妙に射精感が刺激される。これも気持ちいいというより、切ないって感じ。
 ずにゅうっと引き抜かれる。のは途中までで、また押し入ってくる。
 ずにゅうう、ずぶっ。ずにゅうう、ずぶっ。それが何度も何度も繰り返される。そうか、これがピストン運動をされる感覚なんだ。そのたびに、お尻の穴の入口で痛みと熱さとが脈動するのだけど――それさえも、切なさを盛り上げてくれる。
「あ……」
 不意に粗チンをつままれて、声が漏れちゃった。
「くうう……それ、やめて」
 射精感がぐぐうっと膨れあがってきて、思わず拒絶の言葉。しまったと思ったけど、しかられなかった。いったん手が止まって、今度はくりくりとカリクビを円周に沿ってなでられた。
「あ……出、出ちゃう」
 出なかった。また指が止まって。ずんずんずんと激しくお尻を突かれて。じゅうぶんに耐えられる痛みがうねくって、射精感が遠のいて。また、粗チンをいじられる。
「初セックスの感慨もひとしおだろうが……」
 マッチョ短髪さんが正面に立った。下脱ぎで、斜め上まで勃起したオチンポ様が僕の目の前に。
「こちらの相手もしてもらおうか。こっちは慣れているんだろ」
 慣れてなんか……ええと、先生に3回と小島さんに1回で。芳比呂お兄さんにはしてもらってるから。初心者でもないよね。
 僕は口を開けて、マッチョ短髪さんが突っ込んでくれるのを待った。ハリツケにされているから、自分では首を伸ばせない。首が伸びたらオバケだよ……なんて冗談が浮かんだんだから、やっぱり場慣れしてる?
 マッチョ短髪さんのオチンポ様は、先生のよりすこしだけ小さかった。それがうれしい。くわえるのが楽だという意味じゃなくて、なんていうのかな。
 女の人が「あたしの彼氏のオチンポ様のほうが、おっきい」て自慢するのと同じじゃないのかな。ということは。僕の心の中で、先生はいつのまにかそういう存在になっていたんだ。
「ぼさっとしとらずに、せっせと奉仕しろ」
 鼻をつままれた。そのまま、指をはなしてくれない。そうか、息を吸い込んでビブラートしろってことなのかも。
 ずぢゅすううう……ぶふううううう……やっぱり、空気が抜けてうまくできない。
「戸坂さんには悪いが、仕込みが足りませんね」
「面目ない。お手数ですが、仕込んでやってください」
 ほっぺを手の平で両側から挟まれた。
 ずぢゅゔゔゔ……ぶる゙る゙る゙……
「その調子だ」
 コツがわかったので、補助がなくてもできるようになった。
「舌も動かせ。歯を立てずにかんでみろ」
 芳比呂お兄さんにしてもらったのを思い出しながら。舌先で裏筋をなめたり、おしこの穴をつついたり。歯に唇をかぶせてかんでみたり。
「ぎこちないが、まあまあだな」
 オチンポ様が動きだした。その動きに合わせて、カリクビを歯でしごいたり、根元をなめたり。もちろん、ビブラートも忘れない。
 僕が正面のオチンポ様に奉仕しているあいだも、お尻の穴へのピストンは続いてる。前後のピストン運動がだんだんシンクロしてきて――というか、僕の頭の中でふたつがゴッチャになってきたのかな。
 あ……先生のピストンが急ピッチになってきた。と思ったら、お尻の穴にかすかな振動を感じて。ピストンが止まった。
 ずぬううっと、引き抜かれた。そうか、先生は射精したんだ。
 口での奉仕は、まだ続いてる。これって、ピストンされてるからイラマチオかな。僕も奉仕してるからフェラチオなのかな。どっちでもいいけど。顎も舌も疲れてきた。早く終わってほしい。
「では、こちらもラチを明けますか」
 マッチョ短髪さんの動きも急ピッチに、そしてストロークも大きくなった。
 喉の奥まで突き込まれて、そのたびに(わずかだけど)吐き気がこみ上げる。チン毛が鼻の奥を刺激してクシャミが出そうになる。どっちも、すでにおなじみの感覚。
 あ、オチンポ様が急に膨らんだ――と感じた瞬間、唇にはっきりと脈動を感じて、同時に喉の奥は軽い衝撃。余裕で受け止めて、舌を動かして精液を口の中に戻してから、ゴックン。やっぱり、ずいぶんと慣れてきてるね。
 すぐに、小野寺さんが正面に立つ。同じようにフェラチオ+イラマチオ=フェラマチオで奉仕を始めた。
 カリクビに沿って舌をはわすとか、ペニスではなくタマをほお張って口の中で転がすとか(根元のほうに釣り上がってるから難しい)、マッチョ短髪さんとは違うテクニックを教わりながら――割と短い時間で射精してもらえた。
 そして、ここからがほんとうの意味での調教の始まりだった。
 ジャングルジムが組み替えられて、大きなテーブルみたいになった。物を載せる部分は板ではなく30cm間隔のハシゴになってる。僕はその上にあお向けに寝かされたんだけど、ブリッジの姿勢にされて、手足をテーブルの脚に縛りつけられた。
「これまではホースバンド単体だったが、コックリングはずっと厳しいぞ」
 先生が、知恵の輪みたいな小道具を持ってきた。ホースバンドというのは、カリクビに巻いてネジで締めつけていた金属の帯だけど、これは太い針金でできている。大きめの輪をV字形に組み合わせたものと、小さめの輪をV字形に組み合わせたものとが向かい合って、ひとつになっている。輪と輪が組み合わさっている反対側には、小さなネジが組み込まれているから、やっぱり直径を調節できるんだ。
 その輪が緩められて――大きな輪が粗チンに通された。ひとつは玉袋の裏まで、もうひとつは玉袋の手前。小さな輪は、ひとつずつタマに通された。と、簡単に表現したけれど。実際には粗チンを折り曲げたり伸ばしたり、タマを無理に押し込んだりで、装着されるだけでも拷問だった。なのに。ネジがひとつずつ締め込まれていく。
「くうう……痛い」
 うめいても手加減なんかしてくれない。
 締め終わると、わざわざ鏡を持ってきて、どうなっているのか見せつけられた。まるでキンカンがふたつとナスが一本、股間に実っているみたいだった。ナスは赤黒く色づいてガチガチになっている。
「着けているだけでもつらいだろうが、ほんとうのつらさは射精できないことだ」
 そう言って、先生は輪にした指に唾を塗って、粗チンをしごいた。しごかれると、タマも付け根も引っ張られて鋭い痛みが生じる。なのに、ますます怒張して……
「あっ……出る!」
 出なかった。粗チンの根元を締めつけられてるそこで、精液がせき止められてる。射精感がつのっても爆発しない。それが、すごくつらい、切ない、もどかしい。
「お願いです、リングを緩めてください」
 半泣きでお願いしたけど、先生を喜ばせただけだった。
「つらいだろう。しかし、それもマゾの快感だ。たっぷり味わってろ」
 先生は粗チンをしごくのをやめて、僕からはなれた。
 アコーデオンカーテンの向こうから、大皿に盛ったオードブルを持ってきて、僕のお腹の上に置いた。
「じっとしてろよ。こぼしたら、5リットルで20分のあいだにムチで百たたきだ。ついでに、おきゅうも据えてやる」
 脅かしながら、破裂しそうになってるナスの先っぽを指でつつく。おきゅうなんて経験はないけど、亀頭の上で火を燃やされるんだから、とんでもない熱さなんだろう。だけど、先生は本気じゃないと思う。だって、ビール瓶は床に置いてくれたもの。
「なんですか、その5リットルとかいうのは」
 小野寺さんが質問して、先生が5日前の相撲小屋での出来事を簡単に説明する。そのあいだに、3人のコップにビールが注がれる。
「なるほど。ビール瓶が633ccでしたね。その8倍ですか。きゃしゃなこの子には無理じゃないですか」
「無理かどうか、試してみればわかりますよ」
 恐ろしいことを言いながら、先生が乾杯の音頭をとって。3人ともビールを一気に飲み干して、あとはちまちまと、クラッカーとかチーズとかサラミとかを食べている。
「おまえにも飲ませてやろう」
 先生がビールを口にふくんで、顔を真上から近づける。
 僕は返事をするかわりに、顔を動かさずに口をすこしだけ開けた。これ、先生とのファーストキスだ。オチンポ様へのキス(だけじゃない)が先で、ふつうのキスが後回しなんて、なんか順番が違う。と思ったんだけど。サドからマゾへのキスは、特上のご褒美なんだということを、後で教わった。
 冷たいビールが口いっぱいにあふれて。ごくんと飲み干したら、すぐに頭がぽわんとしてきた。いくらなんでも早すぎる。お酒を飲まされたっていう自己暗示かな。でも、いいや。射精感が薄れて楽になったもの。
「同好の士が増えるかと思っていましたが、どうも相撲で可愛がるというのは方向性が違うと思いましたね」
「そりゃそうだ。拘束して一方的にもてあそぶのでなければ、面白みがない」
「いや。物理的に縛らないで、身体を動かすなと言葉で縛るのも支配欲を満たしてくれますね」
「ちょっとでも動いたら二度と虐めてやらんと脅しますかな。おのれがマゾだと思い知るというわけです」
 なんかSM哲学みたいな議論を交わしながら、僕のことはまったく無視してる。のに、粗チンは勃起したまま。僕の気持には関係なく、委縮する気配もない。のは、動脈の圧力で海綿体に血液が流れ込んでも、リングで締めつけられているから静脈がせき止められているからだ。それくらいは分かる。けど、自分の身体に裏切られてるみたいで、惨めになってくる。
 そんな虚しい時間が30分は続いて。
「そろそろ、地獄タイムといきますか」
 なんだか恐ろしい言葉で、責めが再開された。また、鳥居形のハリツケ台に掛けられて。今度はオチンポ様じゃなくて、先生のと同じくらいのサイズの模型ペニス(透き通った紫色で、根元に突起がついてたりして、あまりリアルじゃない)を挿入された。
 ブウウウウウンンン……振動がお尻の穴をくすぐって、お腹の中をかき回す。これがバイブだと、そのときになって気づいた。SM雑誌のグラビアや通販ページで見たことはある。けど、実物は初めて。
 先生はバイブをゆっくり抜き差ししながら、角度を変えて腸の中をえぐる。そのうち、お腹に近い側の一点を刺激されて。
「ひゃっ……」
 甲高い声が漏れてしまった。す、すごい……お酒でぽわんとしてる頭に、濃い霧がかかったみたいになって、ズキンズキンと粗チンが脈動する。先生にしごかれたときとはケタ違いの射精感が粗チンの付け根で膨れあがって……
「ああああっ……」
 激痛が走ったと同時に、リングの締めつけをはね返して射精してしまった。気持ちいいのと痛いのとが同時。
 どくどく……どくん。粗チン全体が脈動してる。お腹一面に精液が飛び散った。
「はああああ……」
 激痛はすぐに去って。あとには、射精後の幸福感と虚脱感が訪れる。先生は地獄タイムなんて言ってたけど、極楽タイムだよ。と思ったのは早計だった。
 ハリツケから解放されたら、すぐに縛られた。Hでマゾな気分は消失してるから、腕の自由を奪われても、ちっとも胸ときめかないし、縄が肌をこする感触は不快なだけ。なによりも、まだSMが続けられてるってのが、いちばんしんどい。
 そうか。先生たちも射精後はサド気分が薄れて、それで軽食の時間で回復させたんだ。だから僕も、すこしのあいだだけ我慢してたら、またスイッチがはいるかな。
 先生たちも、それを待ってるみたい。これまではサド教師と特待性徒の間柄だったけど、世間一般(かなあ?)では、御主人様とドレイの関係にあたるんだから、そのつもりでいろとか。ドレイの基本姿勢とか。マゾ心を刺激されるようなことを、あれこれ教わった。
 基本姿勢は、立っているときは整列休めか捕虜のポーズ(キミエさんがしていたような、頭の後ろで手を組むやつ)。そして座っているときは正座。ただし、両足は直角に開いてかかとを立てておく。そうすると股間が宙に浮いて、常に虐めてもらう体勢になっている。
 実際にその姿勢で座ると――マゾ気分がよみがえってきて、粗チンが反応しちゃった。
「よし、外に出ろ」
 部屋の右側の壁は一面の鏡になっていて、左側はバスルームに通じる引き戸の他はSM道具の収納場所。正面の半分くらいは大道具で占められているけど、その奥はカーテンが掛かっていて、ベランダに通じる大きな窓だった。ここは角部屋で、ベランダがL字形になっている。ベランダは半透明のプラスチックの波板で遮られているから、外からは見えない。隣のベランダとの間も、背の高い仕切り板がある。
 だけど、全裸で縄で縛られてるんだよ。いくらマゾ気分が復活してても恥ずかしいというか怖い。でも、こんな惨めな姿をアカの他人に見られて蔑まれたい――なんて気持ちも、すこしはあったりして。
 とにかく、御主人様の命令だし。強引に立たされて、背中を小突かれて、仕方なくベランダに出た。床には青いシートが敷かれている。
「そこで2発目を出せ」
 意味はわかったけど、どうやって――というのは、自分で答えを出した。シートに寝転がって、太ももの間に半勃起の粗チンを挟んで。ぎゅうっと締めつける。そして、全身を反らしたり伸ばしたりすると、きゅるんきゅるんと粗チンが皮のなかでしごかれる。
「ん……ん……ん……」
 繰り返してるうちに、亀頭のあたりに快感がにじみ出てくるんだけど。もう射精してるし。手でしごくのに慣れちゃってるから、精通のときみたいに込み上げてはこない。
「それじゃラチが明かんだろう。腹の下に敷いて、腰を動かせ」
 横向きになって足を緩めると、粗チンが太もものあいだから飛び出して、お腹にくっつく。また、うつぶせになって。腰を横に動かすと、粗チンが転がって……太ももに挟むほどの刺激にもならない。尺取虫みたいに前後に揺すると……これ、気持ちいい。ので。足を開いて膝を曲げて。
 うん、うん、うん、うん……前後に揺すりながら、横への動きも交えてみる。切なさが腰の奥から粗チンの先っぽまで突き抜けて……ああっ、出ちゃった。
 ふううう。なに馬鹿なことしてるんだろう。そう思うのは、マゾH気分が蒸発したせい。学校の先生とか、知らないオトナたちに見られながら、腰をヘコヘコうごかしてペニスを床にこすりつけて……
「自分で出したものは自分で始末しろ」
 手が使えないんだから、なめてきれいにしろってこと。やだなあ――なんて軽いものじゃない。嫌悪感。だけど拒否したら、5リットル20分で百たたきかな。マゾH気分が充実してるときは、恐怖が7割で期待が3割かもしれないけど。今は、そんなの絶対に嫌だという、それだけ。
 身体の位置を変えて、腹ばいのまま、白い粘っこい液体を舌でなめ取る。かすかな漂白剤の臭いが、すごくいがらっぽい。わずかなしょっぱさが、喉に絡みつく。2発目なのに、ずいぶんたくさん出てしまった。
 コックリングのせいで、射精したのにペニスは勃起したまま。それをお腹で押しつぶすものだから、その刺激が……心地悪い。
 なんとかなめ取ったと思ったら。お腹に付いてたのが、シートの別の部分になすりつけられてる。また身体の位置を変えて。腰をひねってお腹を浮かして――は、舌がシートに届かない。ので、またお腹をシートに押しつけて、なめ取って。
 また、お腹を押しつけてたところがちょっぴりだけシートに。それもなめ取る。
 何度も繰り返して、シートもお腹も、やっときれいになった。頃には、勃起した粗チンをシートに押しつける刺激が、心地良くなっていた。
 立ち上がった僕を見て、3人がそれぞれに微苦笑。
「元気がいいな」
「この年頃のガキは、頭の中の90%はエロだというが……」
「とりあえず、連チャンといきましょう」
 部屋の中に立たされて。
 先生がアコーデオンカーテンの向こうから電気掃除機を持ってきた。これ、ビデオで観たやつだ。
 ビデオで観た通りにアタッチメントが取り外されて、太いホースが粗チンを狙う。
 シュボオオオオオ……ホースに吸い込まれる空気が露出している亀頭をくすぐって、スウスウした。のは、一瞬。すぽんと、粗チン全体が吸い込まれた。先生がホースの筒先を握って、親指で僕のお腹を押さえながらホースをすこし引き離した。
 シュゴオオオオオ……
 くうううう、くすぐったい。痛いけど気持ちいい。芳比呂お兄さんにフェラチオでビブラートしてもらったときの百倍以上の刺激。たちまち腰の奥で射精感が膨らんで。
「ああっ……」
 射精の瞬間に、小さく叫んだ。がくっと膝が砕けかけた。のを、この人たちは見逃さなかった。
「ほう。あっさりと出しましたな」
「どうだ、堪能したか?」は、僕への質問。
「はい……」
 堪能というか。もう、こんなのはやめてほしい。家に帰してとまでは言わないけど、すぐに縄をほどいて、1時間くらいは構わないでいてほしい。なのに……
「では、そろそろ始めますかな」
 マッチョ短髪さんがうながして。いったん僕の縄がとかれた。でも、すぐに両足と両手首に縄が別々に巻かれた。
 いつのまにか、鉄パイプのテーブルが元の四角い枠に戻っている。そこに大の字ハリツケにされた。そして、ボールのサルグツワをかまされた。
「絞りきられた後の責めはきついぞ?」
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 この章はまだまだ続きます。エアガンで正面に水玉模様を刻んで、しつこく絞り取って。背面はチェッカー模様にして。

 ところで、コックリングは皆様御存知でしょうが。こういうやつですね。
コックリング
 タマを2個イチにすればこの画像の3連リングです。左右別々にすれば、本章で登場した4連になります。本章では、個々のリングをガスクランプ式にネジで締めつけることができるようになっています。市販品では見たことがありませんが、実現不可能な構造ではないです。

 さて。せめて3月中には脱稿したいのです。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report A2:性少年包弄記

 平日でも2時間くらいは執筆に充てられるというのに、父として進まず母です。餅米少でしょうか(モチベーション+少)。
 全編を通じていちばん書きたかったシーンを書いてしまったせいでしょうか。
 そのシーンというのは……


◆紐で太腿とカリクビor袋の根元、8の字に縛る。片方がカリクビで、片方が袋?
 歩くたびにコリコリシコシコ。


 というネタです。上から見下ろした感じでは 〇x。x〇 こうなります。これでブルマを穿かせてランニングをさせる。
 実にイメージぴったりの画像があります。通販です。


brumaset.jpg

 ということで、そのシーケンスです。
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3.8の字バンド

 日曜日は、おとなしく家で過ごした。オナニーはリングで封じられているし、そうなると独り遊びをする気にもなれない。
 あ、でも。月曜からって言われていた直径25mmのプラグを試してみるくらいのことはした。圧迫感ていうか、内臓が押し上げられるような感覚があって、キノコの傘が通過するときは暑くて痛かったけど、軸の部分だと長時間でも耐えられた。
 30mmのほうは、さすがに無理だった。どんなに(サラダ油とかバターとかで)潤滑しても、穴のまわりの筋肉まで巻き込むみたいになって、全身に脂汗がにじむくらいに痛かった。
 でも、慣れって恐ろしいもんだね。先生に言いつけられてた金曜の夕方には、25mmを何度か抜き差ししてからだと、ぎりぎり入っちゃった。キノコの傘に糸を巻き付けて物差しで計ったら110mmあったから、傘の部分は35mmだ。35mmが通過したあとの30mmは、痛いというより巨大な違和感かな。ちゃんと眠れたもの。リングも緩めだったから、寝てるときに勝手に勃起して締め付けられて飛び起きた――のは、1週間で5回だけだった。
 だから、まあ。月曜から土曜の午前中までは、無事に過ぎた。抜き打ち検査なんて脅してたけど、先生はまったく僕をかまってくれなかった。それはそれで寂しいんだけど。実は嵐の前の静けさ。僕のマゾ気分を盛り上げ(て、精子をあふれさせ)る充電期間だったと、土曜の午後に思い知らされた。

 またブリーフ一枚の上に制服という先週と同じ格好で午後4時に、先生の住居のほうのマンション近くの公園へ行った。ぐずついた天気だったので、念のために傘を持った。
 ランクルで調教部屋のマンションに連れて行ってもらってというより、連行されたというほうが、雰囲気出るかな。
 この部屋の普段着、つまり全裸になって。四つんばいで30mmのプラグをちゃんと挿入してるのを確認してもらって。
「頑張っているな。感心感心」
 ぐりぐりとこねくられたのは、頭をなでられたのと同じかな。でも、すぐに(予測はしていたけど)恐ろしいことを言われた。
「水曜からは35mmだぞ」
 先週と同じ女a子の体操服に着替えさせられて。またランクルで移動。街の中心部を挟んで反対側にある市営の運動公園。全国レベルの大会は開催されないささやかな陸上競技場で、敷地の外側部分が一般に開放されている。更衣室とかコインロッカーもある。
 でも僕は、後部座席を倒したランクルの荷物室で準備をさせられた。体操服だから、そのまま走らされるんだろうなんて考えてたのは大間違い。
 まずブルマを脱がされて。太ももに幅の広いゴムバンドを巻かれた。両端が布製で、マジックテープで止めるようになってる。ゴムバンドには、(太ももに巻かれたのを大とすれば)中と小のゴムバンドが通されてた。こっちのは、輪ゴムの親玉みたいに円が閉じている。
 中のゴムバンドが、両側から男性器全体の付け根を締めつける。こんなので走ったらどうなるんだろう――どころじゃなかった。勃起を強引に後ろへ折り曲げられて、小のゴムバンドがカリクビに巻きつけられた。ゴムバンドは引き伸ばされて、抜けないように普通サイズの輪ゴムで縛られた。
 そして、ブルマを元通りにはかされた。チンチンが後ろに引っ張られてるから、シルエットはあまり目立たなくなった。でも、太ももに巻かれたゴムバンドは露出している。変なことをしている(されているんだけど)のが一目瞭然。
 そんな格好で車の外へ追い出された。
 先生も、先週と同じジャージ姿。今度は本物の竹刀を握ってる。
「外周に沿って走れ」
 公園と外の道路との仕切りは植え込みになってる。植え込みの内側を走れば、外からは上半身しか見えない。ランニングする人たちは競技場を取り巻いている広い道を使うから、50m以上離れている。ので、ブルマとショートパンツの見分けはつかないと思う。
 見られているようで、実は見えていない。スリルだね。
 ただ、問題は――走り出して、10歩と行かないうちに足が止まった。左右の足を前後に動かすと、身体の中心線上にある軸が左右にこねくられる。2台のルームランナーのあいだに置かれた逆さ十字架と同じ原理。痛いんじゃなくて、即射精しそうになってしまう。
「走れ。足を止めるな」
 バッシイン!
 竹刀でお尻をたたかれた。たぶん手加減してくれてない。
 痛いからではなくて、たたかれているところを見られるのが恥ずかしいから、そろそろと走り始めた。チンチンをこねくらないよう、歩幅を小さく――してたら、また思い切りたたかれた。歩幅を大きくして、刺激はピッチを下げてしのぐ。
「もっと速く」
 バッシイン!
 ええい。もう知らないから。持久走のピッチで何十歩か走って。
「あ……」
 出ちゃった。とたんにマゾ気分が失せちゃって。
(なに馬鹿なことをしてるんだろ)
 膝をついて、へたり込んじゃった。でも、たたかれなかった。そうだよね、男同士だもの。射精直後の虚しさを分かってくれるよね。というのは、僕の勝手な思い込み。先生がたたかなかったのは、別の理由があった。
「何をしてらっしゃるのですか?」
 いきなり声をかけられて、びくっとしたのは僕だけ。先生は人が近づいたのを知ってたみたい。
「ご覧の通り、ランニングですよ。この子は2年になってから入部したのですが、基本もできていないし筋肉もついていない。特訓といったところです」
「変わったランニングウェアですね」
 声を掛けてきたのは、50代後半くらいの人。薄いジャンパーみたいな服装で、『管理員』の腕章をつけている。ヘチマを寸詰まりにしたような顔。
「ランナー養成ギプスといったところですね。筋肉の動きを見るためにショートパンツをはかせています」
 イケシャアシャアって、こういうのをいうんだろうな。
 管理人さんは、じっと僕の下半身を見詰めている。やばいよ。しみどころか、太ももまで精液が伝っている。
 管理人さんが先生に目を戻して。
「もっと詳しくお話をうかがいたいですな。雨もぱらついてきたことですし、管理小屋へいらっしゃいませんか」
 先生が鋭い目つきで管理人さんを見た。管理人さんは先生を見詰め返して、唇の片端をわざとらしく釣り上げる。先生も、同じような表情になって。
「そうですな。こいつも一緒でかまいませんか」
 というわけで。公園の端っこにあるプレハブ小屋へ案内された。
「ランナー養成ギプスとやらを、直(ちょく)で見せていただけますかな」
 先生のへ理屈の出番だと思っていたら。
「おい。ブルマを脱いで、粗チンギプスをお見せしろ」
 とんでもない命令。ためらっていたら、竹刀で股間を(軽く)突かれた。
「俺の命令には絶対服従のはずだぞ」
「…………」
 諦めて、ブルマをずり下げた。
「ほほう。これはまた……初めて見る趣向ですな」
 言葉の抑揚かな。管理人さんの表情かな。男性器を虐める仕掛けはいろいろ知っているが、これは初めて見た――そんなふうに聞こえた。
「ときに。ここに相撲小屋があるのはご存知ですか?」
 管理人さんが、まるきり無関係な(に思える)ことを言いだした。
「8時から18時まで、半日単位の貸切ですが。管理簿に記載されない時間外の使用もたまにありましてね」
 管理人さんが引き出しから写真を取り出して、先生に見せた。僕からは見えない。
「あなたも興味をお持ちだろうと思いましてね」
 先生が僕を振り返った。
「おまえは外に出ていろ」
 話がさっぱり見えないけど、絶対服従。ドアを開けようとしたら、管理人さんに留められた。
「こういうのは、どうですか?」
 写真の1枚を先生に見せて、なにかゴニョゴニョ言う。
「なるほど。貴兄とはなかなか気が合いそうですね」
 気が合った結果。僕は体操服とブルマを脱がされた。裏口から外へ連れ出されて。そこは植込みの手前に大きな看板がいくつも並んでいて、外からも公園の中からも死角になっている。
「これは筋トレ用ですが、大きさによってはいろいろと使い道があるのですよ」
 管理人さんが持ち出してきたのは小さな鉄アレイ。僕のカリクビに荷造り用の細いヒモを巻きつけて、それにつるした。
「くううう……」
 比喩表現ではなくて、ほんとうに目から火花が飛び散った。先生がすぐに鉄アレイを支えてくれなかったら、たぶん泣き叫んでいた。
 鉄アレイに、もうすこし太い縄が巻かれて、それが僕の両手を縛った。
 はああ……。バンザイをしたら鉄アレイが釣り上がって、細いヒモはたるむ。でも、管理人さん(と、先生)は、そんなにやさしくなかった。両手首のあいだに別の縄が通されて、それが男性器全体の付け根につながれた。腕が上向きに30度くらいになるまで縄を絞られた。
 つまり。両腕をまっすぐ伸ばして30度にするか、肘をすこし曲げて45度くらいにするかのどちらかしかできない。バンザイをすると縄が玉を絞り出すような形になって、重たい痛みが生じる。
「先生は、この人と話がある。それまで、ここで待っていろ」
 雨が本降りになってきたというのに、先生と管理人さんは僕を置き去りにして小屋へ戻った。
 Hでマゾなことをさせられてるって思いで、最初は半勃起くらいしてたんだけど。いくら4月下旬でも、夕暮れだし雨も降っている。だんだん身体が冷えてきて、それ以前に腕がつらくなってくる。肘を曲げたり伸ばしたりして、それに合わせて手首は上げたり下げたりして、常に鉄アレイを釣り上げてるのも、限界になってくる。といって手首を下げると、細いヒモが鉄アレイにひっぱられてカリクビに食い込んで、立っていられないくらいに痛い。
 あ、そうか。立ってなければいいんだ。座ってしまえば鉄アレイが地面に着くから、腕を下ろしても大丈夫……なんだけど。
 座るのはズルをするみたいだし、きっと先生にしかられる。だけならいいけど、もっとひどい罰を受けるんじゃないかな。
 だから。全身ずぶ濡れになって、がたがた全身を震わせて、腕をぷるぷる震わせながら、元の位置に立ち続けた。
 それが30分続いたのか1時間以上なのか。やっと先生が小屋から出てきてくれたとき、僕は半分失神したみたいになって、地面にへたり込んだ。
 縄をほどかれて、管理小屋に戻されて。貸してもらったバスタオルで全身を拭いた。
「馬鹿なやつだな。軒下にでもうずくまっていればいいものを」
 あ、そうか。雨だって避けれたんだ。
「でも、あの場所で待つように命令したじゃないですか」
 僕は、さっき考えたことを説明した。
 そしたら、先生は満足そうに(それとも、意地悪そうに?)ほほえんだ。
「そういうふうに自分を被虐に追い込むのは、マゾの心理だ。先週のビデオ鑑賞でだいたいは分かっていたが、おまえは筋金入りのマゾだよ」
 もっとも、今はここに筋金がはいっていないがな――なんて言いながら、縮こまっているチンチンをわしづかみにして、可愛がってくれた(のかな?)。
 だけど、それ以上のことはしてくれされなかった。
 先生の車で家まで送ってもらうとき(学ランは積んであった)、僕はおそるおそる質問した。
「ビデオ鑑賞で分かったって、どういうことですか。キミエさんが調教されているときも、僕、ずっと……興奮してましたよね。あれって、僕にもサドっ気あるからじゃないんでしょうか」
「おまえは、虐められているキミエに感情移入していたんだよ」
 キミエさんみたいに虐められたいっていうのが、画面ごとの反応で分かるんだそうだ。
 そうかな? 強い人(イコール年上の男性)に虐められたいって願望はあるけど、女性になりたいなんて思ったことはない。あ、でも……ホットパンツとかブルマをはいて勃起させちゃったから、潜在意識としては、あるのかな。自分でもわからないことまで見抜くなんて、先生は凄いのか恐ろしいのか、そういう人だ。
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 ところで。この作品は、明治はしていませんが、昭和はしています。58年です。37年の昔です。「風と木の詩」が連載中であるとか、女子更衣室はあるが男子は教室で着替えるとか。におわせてはいます。
 となると。「ロリマゾ番外編(ショタマゾ)」であると同時に、「昭和ノスタルジー」でもあります。
 ブログの本棚で紹介するとき、どっちに入れたものか、ふと迷ったりもします。まあ、ロリマゾ本棚の右端でしょうか。




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Progress Report A1:性少年包弄記

 休日は不定期(ほぼ平日)で、今週は月・火すなわち、今日と明日。
 ここで一気に3章まで進めたいところですが。スタートから寄り道をしているので、さてどうなりますか。




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1.サポーター

「ああ。なんという透き通るような肌だ」
「きみのたくましい筋肉こそ、素晴らしいよ」
 ブリーフ一枚の裸になって、わざわざ教壇の上で抱き合うふたり。ホモってわけじゃない。山下クンのことを、誰かが少女漫画(最近は、男子のあいだで少女漫画が人気になっている)の主人公に似ているとか言い出して、それなら小見田クンは相手役に似ているということで、当人たちが悪ノリしてるってわけ。
 うちの学校は頭髪が自由だから、ふたりの悪ノリも(なんとか)絵になってる。坊主頭じゃ、絶対に19世紀末のリセ(寄宿制学校)にならないものね。
「もう、やめろや」
「新ネタはないのかよ」
 なんて言いながらも、みんなの視線は『風と木ゴッコ』のふたりに集中する。
 その隙に、僕はズボンだけ脱いで体操パンツにはき替えた。なんてコソコソしたのは、下着を見られたらかなりヤバイから。
 『ケツ割れ』という水泳用のサポーターがある。前は膨らんだ逆三角形で、下の頂点から平たい編みゴムが二本、お尻の下を巻く形で腰の帯につながってるやつ。その二本の編みゴムを腰のところで切り離して重ねて、お尻の割れ目を通る位置に縫い付けているのが、今現在の僕が着けている下着(かな?)。編みゴムの途中に大きな結び目があるのは、二本がバラケない工夫と長さの調節のため。お尻の穴に当たっているのは、まったくの偶然。と、言い訳できなくもないけど。三角形の布の裏側全体にマジックテープ(の、イガイガしているほう)を貼り付けてあるのは――膨らみが大きすぎるので、ペニスと玉を固定する工夫。というのは、かなり苦しいね。
 これを着用してると、布の膨らみがすごく窮屈になるし、なぜか(白々しい)マジックテープがぬるぬるになってくる。ランニングとかすると、暴発寸前。それを体育の授業中も着けているなんて、先週に1時限だけ冒険した裸学ランよりも無茶だと、自分でも思う。順番待ちをしてる時間が長いマット運動だから、思い切ったんだけどね。

 授業は無事に乗り切った。全員でマットを元の場所に戻して、解散。だったけど。
「いかん。補助マットは倉庫に片付けるんだった」
 だよね。そこから出したんだから。
「畑山、手伝ってくれ」
 不意打ちのご指名。出席番号順でもなんでもない、戸坂先生の気まぐれ。一度当てられると、全員が終わるまで二度目はないから公平なんだけど、なにも今日でなくてもなあ。
 体育館の隅に積み上げたマットから半マットだけを取り出して、倉庫へ運ぶ。のは、すぐに終わったんだけど。教室に戻ろうとする僕の行く手に先生が立ちふさがって、とんでもないことを言った。
「体操パンツを脱いでみろ」
 瞬間(バレた!)と思った。体操パンツって、けっこうピチピチ。授業中に今さらながらに気づいたんだけど、ブリーフの線がかすかに浮かび上がる。ブルマのはみパンを熱心に観察するやつはいても、男子生徒のお尻を注視するやつなんていないだろうと思ってた。もしも僕のパンツにブリーフの線が出ていないとわかっても、それがノーパン疑惑に直結するわけでもないだろうし、ケツ出しサポーターまで思いつくはずもないと自分を安心させてたんだけど。
 固まっていると、さらにとんでもない言葉。
「自分で脱げないのなら、先生が脱がしてやるぞ」
 これって、教師の台詞じゃない。でも……まさかまさかまさか。なんて空回りしてたら、ほんとうに先生が手を伸ばしてきた。
「あ……」
 ちいさく叫んだときには、体操パンツをずり下げられていた。だけでなく、体操シャツの裾までめくられていた。シャツを首に掛けられた。正確にいうと――前をめくられて襟を抜かれて、それを首の後ろに掛けられた。変態チックに改造したサポーターが、丸見え。
「変わったパンツをはいてるな。どういうつもりだ?」
 と、言われても。自分でチンチンを虐めるのが好きだからなんて、絶対に言えない。
「ブリーフだと体育のとき、位置がずれて気持ち悪いので……」
 用意しておいた言い訳をシドロモドロ。
「ウソをつけ」
 今度はサポーターまでずり下げられた。裏に貼ってあるマジックテープも見られた。
「このザラザラでチンポを固定するとでもいうつもりか? それなら、この先走り汁はどういうわけだ」
「あっ……」
 今度の声は、かなりうろたえてた。すっかり縮みあがってるのに、皮をむかれて、こねくられて、先生の指についたネバネバを唇になすりつけられた。
 チンチン以外は完全に固まってる僕――なんて、ふざけてる場合じゃない。
 先生が、すっと身を離した。
「詳しく話を聞く必要があるな。だが、指導室に呼び出すのもかわいそうだ。先生の下宿へ来い」

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 実は。これまでは、漢字表記に悩んでいました。
ママと歩む Slave Road』だと、教育漢字しか出力しないIMEがあるので重宝していたのですが。その先となると、一覧表しかなくて、やむをえす「常用漢字チェッカー」を使っていました。
 駄菓子案山子。こんな便利なサイトを見つけました(最近に出来た?)。「小がく生・中がく生の漢字チェッカー
 これで、年齢とか書かなくても、それとなくわかることでしょう。自動ポルノは小説には適用されないはずなのに、同人の商業電子出版を扱っているサイトは、自主規制ってやつをかましてくれます。
 まあ、漢字チェックだけではRさんちはアウトしょうけどね。○学生と○3歳で、B☆とDとFは大丈夫なはず。BOは伏せなくてもいけるはずですが。


 今回のアイキャッチは、BFの元ネタを漁っていたときのヒロイン(?)候補にでもしときましょう。
モデル候補

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Progress Report A0:性少年包弄記



 さて。いよいよショタマゾ仕切り直しです。
 ちょっと思いついた&実験してみたCBTを採り入れました。
 3:W8の字バンド
 両方の太腿に幅広ゴムバンドを巻いて内側を引き伸ばして、それぞれ小さな8の字を作って、それでペニスを固定する。だけでは容易に抜けるので、ペニスは弾力性のある下穿き(最有力候補はブルマ)で上向きに押さえつける。歩くたびにコリコリグリグリ。ましてランニングとかさせれば、180°勃起の年代だと、性絶な快感責めになります。でも「包弄記」っていうくらいですから、勃起前に瞬間接着剤で封印すれば、ブルマ生地の亀頭への刺激が弱くなって、そう簡単には逝かないでしょう。

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悦辱編(1983年4月~)

畑山 薫  13歳:僕 公立中学2年3組
 実父は後妻の子ばかりをかわいがる。
 継母からは邪魔者扱い。

 畑山 勇介 21歳で学生結婚。現在35歳
(林野)姫子 19歳で出来ちゃった婚。20歳で出産。4年前に29歳で病没
(玉木)水姫 3年前に入籍。現在27歳
 畑山 勇斗 6歳 勇介の実子

戸坂 知臣 29歳:先生/俺 中学校教師。薫の担任。独身。国会議員の三男坊。教師になったのは、もちろん……
      学校近くの1Kマンションを借りて徒歩通勤。郊外に3LDKを所有してプレイルーム。


小島剛三  51歳 市営運動場管理人。男闘美マニア。
庄原武志  48歳 男闘美マニア。
林芳比呂  15歳 高1。庄原のマゾペット。
田代勝次  39歳
小野寺和雄 31歳
大横進   25歳
斎藤淳介  57歳 
園部綾音  20歳。JD。ハードマゾ。


1:変態サポーター
4月13日(水)
※掃除は昼休みの後半に全員で手分けして。
ジョックストラップ改造サポーター(マジックテープ、Tバック)
通販カタログがヒント。←伏線。
体育は教室で着替え。いつものホモホモごっこにクラスメートの注意が集中。
マット運動。終業後に補助マットを倉庫へ(いかん、忘れていた)。
強制下着検査。雰囲気で、まともな指導でないとわかる。
「なんだ、これは?」ベルクロまで露見。
「学校では話しにくいだろう。下宿で待っていろ」南京錠の番号を教わる。
サポーターだけの半裸。上からもみもみしながら尋問。打ち明ける。
自縛遊び。強い男の人に虐められたい(弱い女性への支配欲の裏返し、とは気づいていない)。
包茎矯正リング(ネジ止め)で射精封じ。

2:ブルマ
4月16日(土:半ドン)
昼食抜きで、下宿からランクルで3LDKへ。
後ろ手緊縛。エネルギー充填2000%。
服従の誓い。フェラチオでゴックン。
先生の賢者タイムは、座禅転がし。ペニスにローター三角巻き+金玉ローター挟み。ペニスロック。
アナルもつつかれて。バックバージン姦通予告。焦らされて最後は盛大に。床を舐めて掃除。
準備されていた私服(ぴちぴちホットパンツ、柄物ランニングシャツ)でお洒落なハンバーグ屋。ヒッピーもビジネスマンも。
夜になってから「トレーニング」。
ランニングシャツタイプ体操服+ブルマ。背中にバケツ2ケ。公園までランニング。教鞭でビシビシ。
砂場で、バケツに水を汲んで砂を固める。教鞭で穴。
地球とのSEX。腹ぴたペニスだから刺激超絶。
巡邏中の警官。職質。
「ブルマを盗んだ変態生徒。体罰」
「教育とはいえ、やり過ぎないように」で、お咎め無し。

3:W8の字バンド
4月23日(土)
ランクルで市営運動場フリーエリア。
太腿とペニスを幅広ゴムで8の字(両足)=[○゚○]。ランニングシャツタイプ体操服+ブルマ。走ると苦痛でも勃起。
管理人(小島)に声をかけられる。先生としばらく立ち話。内容は聞こえない。雨が降り出す。
「詳しい話は管理人詰所で」
股間の仕掛けを披露させられる。全裸で外に立たされる。両手首に縄でコンクリブロック。チンポは?
その日は、ここまで。

4:V字ふんどし
4月24日(日)
市営運動場。目立たない場所に土俵がある。
先生、薫、小島、庄原、芳比呂。
締め込みはオトナの3人。芳比呂と薫は六尺褌をジョックストラップ風に(玉袋の下で結び目。アナル丸出し)。
芳比呂のアナル四股。先生は感心。
その間、薫は転がりの練習で泥だらけ。管理人がアナル四股を提案。先生が「こいつ、まだバージン」
投げつけられ叩きつけられてボロボロ。
帰りのランクルで。「おまえのおかげで仲間が増えた」。
日曜はアナルプラグで拡張。休日は24Hr、平日は就寝時。直径20→25で就寝。最大35まで拡張。

5:コックリング
4月29日(金:祝日)
両親と弟は後妻の実家へ。
先生の下宿からランクルで3LDKへ。仲間が2人(田代、小野寺)待機。
「今日は厳しく躾けてやる」
鞭打ち、勃起ペニス蝋型。浣腸放置と腸洗滌。先生から初アナル姦(射精)。2人からフェラ特訓(ゴックン)。
ダイニングテーブルに大の字磔。3輪コックリングで射精封じ。昼食。薫には口移しなど。
ゲスト2人で2穴同時。盛大にトコロテン。それから緊縛。つらい。
30分で回復。ベランダ(フェンスはブラインド)。ビニールシートの上で床オナ(2発目)。
手錠足枷逆海老でベランダ放置。目隠し板があるから隣からは見えない。が、洗濯物の取り込みとか。
夕方からの3発目は掃除機バキューム。
「絞りきったところで本格調教だ」
ボールギャグ、アイマスク、空中大の字。○道責め。射的遊びで全身水玉。つらいばかり。
なかなか勃起しない。ペニスと金玉にローター固定。アナルバイブで4発目。
Z字に折りたたまれて箱詰めで一夜。
30日(土)は先生が出勤で薫は休校(事前に親の届け出を偽造)。
新規のゲストが2人(大横、斎藤)加わって、4人がかり。午後から先生。最初の2人は帰る。
犬芸など遊びの要素が強い。

6:ミニスカート
5月28日(日) 中間テスト明け
女装&カツラで連れ出される。
ラブホ。当時はホモお断わり。3人お断わり。1人はOK。
SMルーム。男1(斎藤)女1(綾音)が合流。
マゾ女が主役。童貞喪失。
マゾ女のプレイをメインに。「僕なんか、まだまだ……」

7:ホットパンツ
6月12日(日)
「生意気なものが生えてきたな」で、初剃毛。
前と同じ私服(ぴちぴちホットパンツ、柄物ランニングシャツ)で映画館。
すんなり入れた(のは、先生がいたから)が、ハッテン場のホモ上映館。
もぎりの兄哥に先生が仁義を通して。「娼売は御法度だぜ」「社会体験ってやつだよ」
最後部の立ち見。手すりに上体を倒して乗せて、手錠で。先生は離れて立つ。小さな籠にコンドームまで。
「ご主人様」の意向を確認して、入れ替わり立ち替わりで2穴。
逆フェラチオもされる。射精しても、あまり厭にならない?

8:三角ビキニ
8月6日(土)~7日(日)
土曜日夜に田代、大横を交えてハード調教。鞭痕縄跡だらけ。
磔に掛けられたまま寝落ち。
日曜は早朝からランクルで遠出。ほとんど寝ている。
ホモ海岸。女物のビキニパンツだけで日光浴。ペニスはショーツの紐で縛られている。
「ここでは鞭痕は勲章」
夏休み後半は亡母の実家で過ごす。フルチンで川遊び。ビキニの日焼け跡をごまかす。

9:ブリーフ
9月19日(月)
先生は欠勤。教頭に呼び出される。
モノクロ写真。ホモ海岸。先生とのツーショット望遠。鞭痕鮮明。
事実は認めざるを得ない。
「先生は、きみを脅して不適切な行為に及んだと言っている。そうだね」
父親が呼ばれて。学校としては、今回は不問。監視と指導を。
父親からはお説教だけで済んだ。先生とは連絡取れない。他の相手は住所を知らない。
父親の家にいる時間が増えた。それとなく監視。
エッチアイテムをすべて捨てる(遠くのゴミ捨て場)。ブリーフを穿くまっとうな日常へ?

10:パンティストッキング
2月11日(土:祝)
しかし、自縛とか復活。パンストのすべすべきつきつが最近のお気に入り。
ひとり遊びでは、どうしても満足できない。
市営運動場は相撲小屋取り壊し。管理人も替わっている。
パンスト+ホットパンツ。ホモ映画館へ単独で。
オトナ同伴ならOKとわかっているので、切符売り場の前でうろうろ。
それっぽい少年(年上)も数人。値段交渉している。
声を掛けられて。入ろうとしたところを巡回中の教師(複数校合同)に見つかる。
親に通報されてアウト。3学期中の謹慎。
捨てたはずのアイテムを父親が保管していた。
通販カタログの封筒に住所氏名。父親名義。
「捨てたのだから」と、様子を見守っていた。
これで、完全にジ・エンド……
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 今回のサブタイトルは文字数揃えでなく、下着類(コックリングとミニスカートは?)で統一。
 これをすると「怨辱編(1984年3月~)が、困るんですが。後編はスパルタ教育とかリンチとかで統一する予定です。
 強制入所、決めつけ、負け残り、わからせ陵辱、電気アンマ、弱者強虐、反省正座、鉄拳性裁、猥の鞭……なんとかなるでしょう。

最近は、書き始める前に表紙絵を構想してたりします。
性少年包弄記:表紙絵案1
 U15少年の全裸後ろ手錠なんて表サイトには無いので、少女で代用。右脇腹の肌色は、ウエストのくびれの修正です。

「悦辱編」は、3章あたりがモチーフ。
「怨辱編」は……例の悪名高いヨットスクールをモデルにしています。ヨットではアマリリスなので、カッターに変更。てか、カッターなら筆者の経歴からしてなんぼでも書き込めます。書き込むつもりはありませんが。


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Interruption Report 9:裸囚姫牢虐譚(脱稿)

Interruption Report 8 →

 脱稿しました。引き続いて校訂中です。
 最後は、エロ小説としては、まったくの蛇足になりました。そのアカルイミニマム(クライマックスの反対)を長々と御紹介。




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九 復仇

 先触れも無しに訪れた主君を前に、牢役人は困惑していた。
「こやつが、志穂の落ちぶれた姿を是非に見物したいと申しての」
 権十郎は困り顔を作りながら、瞳に宿る嗜虐の色を隠せない。さすがに近臣にまで見せるのをはばかってか、供は近侍の二人と、半日の出陣をねだった亀乃きりだった。
「ははあ」
 いちおうは畏まって相槌を打ち、我が身に火の粉の掛かる話ではなさそうだと安堵して、牢役人は一行を牢獄へ案内した。
 その寸前まで志穂は昼日中から二人掛かりで弄ばれていたのだが、さすがに牢番が取り繕って、木格子の前に座らされている。
「ほほほほほ。垢にまみれ男汁にまみれ、四千石の姫君どころか、蹴転(けころ)でもこうまで惨めではなかろうに」
 蹴転とは、蹴り転がして抱くという――最下級の娼売女を蔑んで謂う言葉である。木枷につながれ竹轡で言葉を封じられ腰巻一枚すら許されずに、日々二十人を超える男どもに二穴を(銭ももらえず)犯されている志穂は、娼売女どころか奴婢よりも惨めな境遇にあった。
「聞くところによると、とっくに天岩戸はこじ開けられたそうな。おお、そうじゃ。権十郎様、この女を慰んではみませぬか」
 権十郎が顔をしかめる。
「蹴転にも劣る女を、われに抱かせるつもりか」
「とはいえ、権十郎様が滅ぼした家の最後のひとりではありませぬか。引導を渡してやるのが筋でありましょう。それとも、天岩戸が怖いのですか」
 いかに愛妾とはいえ、いやそうであるだけに、女に侮られては男が立たぬ。権十郎は亀乃の挑発に乗った。
「さすがに、このままでは権十郎様の鼻が曲がりましょう。お役人殿、風呂はあるのですか」
 屋敷とは名ばかりの役宅にある小さな風呂を至急に立てさせた。
「わらわが、せめても人がましく磨いてやりましょうほどに」
 もはや抵抗も自害も懸念はあるまいと、志穂の裸身から手枷と竹轡が取り除かれた。まさしく。志穂は竹轡に形作られたとでもいうように口を半開きにして、両手を持て余すふうにだらりと垂らして今さらに秘所を隠そうともしなかった。
 そんな志穂を亀乃は湯殿に引きずり込んで、肌にこびりついた垢を、生傷にも容赦せずに竹箆で掻き落としていく。
「囚人どもに嬲られ放題。権十郎様の寵愛を受けていれば、こうまで惨めに堕ちずにすんでいたでしょうに」
 同情を装いながら、言葉の節々に険がある。
 志穂の虚ろな瞳に、熾火がかすかに揺れた。ひと月の余も封じられていた口から、いくらか呂律の回らぬ言葉がこぼれた。
「夫の仇にかららを開いえまれ安逸を求めようとは思いません」
 父の仇と言うべきところを夫の仇と言い換えることで、継母であった女性を真っ向から断罪したのだった。
「獣どもに骨の髄までしゃぶられるほうが良いとでも言うのかえ」
 志穂の瞳に点じられた熾火が、焔(ほむら)となって燃える。
「獣ではありません。皆、柴田の領民です。仇敵に辱しめられるよりは、あの者どもに身を貪られるほうが、はるかにまし……いえ、父の力不足への詫びというものです」
 投げ遣り、ではなかった。その言葉には、はっきりと志穂の意志が示されていた――のを、亀乃は聞き逃さなかった。
「ほほほ。いまだに姫君のつもりでおるのかえ。ならば、野上に抱かれるくらいなら……」
 亀乃は言葉を切り、正面から志穂の目を覗き込んだ。
「かなわぬまでも一太刀浴びせようとは考えぬのですか」
 ぎくり、と。志穂も亀乃を見詰めた。いまのひと言には、志穂への嘲笑がなかった。ただならぬ気迫がこもっていた。それにつられるように、志穂も咄嗟に心の中に湧き出た言葉で応えた。
「浴びせなどはしませぬ。刺し貫くのみ!」
 小太刀にかぎらず武芸の修練を積んだ者であれば当然の、必殺の気構えである。後年の話になるが。浅野内匠頭が切腹を申し付けられた理由は、殿中での刃傷沙汰の故ではない。刺さずに斬り付けたことを『士道不覚悟』と咎められたのである。刃傷沙汰を理由にすれば喧嘩両成敗で吉良上野介にも処罰が及ぶのを回避する口実ではあったろうが。
 ひと呼吸ふた呼吸と、亀乃が志穂を凝視する。
 いきなり、亀乃が志穂の前に這いつくばった。
「敵を欺くには味方から。これまでの仕打ち、赦せとは申しませぬ。されど、わらわの言葉を信じてくだされ」
 それは、仮初めにも母たる者が子に向けるべき言葉づかいではなかった。
「野上から引き離しておいて救い出す機会を謀ろうとしたが仇となって、かえって志穂殿を辱しめる結果となってしまいました。女の浅知恵でした。されど、此度は用意周到。志穂殿が野上を刺し貫く千載一遇の機会でもあります」
 ここには、牢役人の役宅しかまともな家はない。とはいえ、大台所を別にすればわずかに三部屋。権十郎が志穂を抱くときには、必ずや家そのものから人払いをするであろう。権十郎は豪胆に見えて、おのれの房事を余人に気取られるのを潔しとしない小心なところがある。宿直(とのい)でさえ、一部屋を隔てさせているほどだ。もちろん玄関にも裏口にも警護の者は配するだろうが、それも手薄。権十郎を討ったのちに逃げ出す手はずも整えてある。
 思いもよらなかった言葉を立て続けに浴びせかけられて、志穂は茫然としていた。しかし、心は固まっていた。亀乃を疑う理由がない。我が息子の男を絶たれ、それを逆恨みしているのなら、このまま志穂を牢獄に放置して陵辱の日々を過ごさせれば、まさしく斬首や磔よりも残酷な報復であろう。もしも、志穂には想像も及ばぬ奸計がめぐらされていたところで――父と同じ場所へ行くだけのことだ。それも、今の境遇に比べれば極楽でさえあろう。
 志穂が、強張った顔でうなずく。
「わかりました。継母上(ははうえ)のお計らいに、志穂の命運をお預けします」
 ひさしぶりに、父の後妻を母と呼んだのだった。
 亀乃も顔を上げた。蒼白だった。それを無理に、微笑に変える。
「では、仕上げに取り掛かりましょう。毛筋一本も素振りを見せてはなりませぬゆえ」
 亀乃は湯を汲んで志穂の髪を梳りにかかった。
 実のところ、志穂はまだ戸惑っている。なるほど。権十郎から引き離して救出の機会を探るというのは理に適っている。志穂が男牢に投獄されたのは権十郎の残忍な気まぐれ、亀乃の誤算だったろう。このような手薄な場所に言葉巧みに権十郎を誘い込んだのも計略であろう。しかし。手薄とはいえ、七人もの男に取り囲まれて、どのようにして逃げ出せるというのか。いや、亀乃に言った言葉の半ばは本心であったけれども。何十人もの男に穢された身を生きさらばえられようか。

 半時ちかくもかけて湯浴みというよりも垢落としを終えて。かつてのような肌が透ける襦袢も身にまとわず、志穂は亀乃の手で権十郎の前に引き具された。
 志穂は目を伏せて、傍目にもわかるほどに身を固くしている。いかに何十人もの男に穢されてきたとはいえ、父の仇に蹂躙されるとなると話は別、なのではあるが。志穂の緊張は、そのことではない。隙を見い出して父の仇を討つ。その決意がもたらす緊張だった。若い志穂には、亀乃のような腹芸はできない。
 権十郎に正対して座った志穂の横に、さり気なく亀乃が居座っている。
「志穂……」
 厳しい声で呼びかけて。志穂の目を捉えると、床の間に立て掛けられている脇差に目線を引っ張る。口からは、まったく別の言葉が発せられた。
「きちんと、権十郎様にご挨拶なさい」
「…………」
 どうすればよいのかと、志穂は目で問いかけたが、亀乃は床の間をぼんやりと眺めたきり。仕方なく平伏して、成り行きにまかせる。
「まったく。あれほど言い含めたのに、しようのない娘ですこと」
 何を思ったか亀乃は小袖を脱いで板の間に敷いた。
「あお向けに寝なさい」
「…………?」
 わけもわからず、亀乃の指図に従う。
 亀乃がにじり寄って。権十郎が言葉をはさむ隙を与えずに、指で秘所を穿った。
「あっ……?」
 思いもかけない仕儀に、志穂はいっそう身を固くする。
 亀乃はぐりぐりと女穴を指でえぐり、引き抜くとその指を宙にかざして見詰める。
「天岩戸はだいぶにこなれていますが、まだまだ。唾で湿したくらいではおぼつきませぬ」
 亀乃が襦袢を脱いで、そのうえに身を横たえた。
「まずは、わらわで存分にお湿りをつけなされ」
「こやつめ……」
 権十郎が苦笑した。
「はなから、これが狙いであったな。志穂は当て馬にされたわけか」
「だって、そうではありませぬか……あ、ああん」
 はしたなくも亀乃は、みずからの指で慰めにかかった。
「お館では御正室様の目をはばかって、ちっとも可愛がってくれぬではありませぬか」
 このひと月で館は倍にも広げられ、周辺には重臣の仮住まいまで建てられた。当分はここを拠点にするべく、権十郎は妻子を館に呼び寄せたのである。同じ屋根の下に正室を住まわせながら愛妾をかまいつけるほどに、彼は磊落ではない。つまり。志穂を嘲笑うと称して亀乃が権十郎を微行に誘い出したのは、そういうことだったのだ――と、権十郎は合点したのだった。
「権十郎様に可愛がっていただけねば、わらわは身を持て余してしまいます」
 脚を開いて腰を浮かし、ぴちゃぴちゃと音を立てるほどの指遣いを権十郎に見せつける。
 ここまでせがまれて腰を上げねば男ではない。権十郎は、それでも焦らすように衣服を脱いで、ゆるゆると亀乃にのしかかった。
 志穂に刺すとどめを残すべく、ゆるゆると腰を動かす権十郎。
 亀乃は下から腰を突き上げ、ひとりで勝手に登り詰めていく。
「あっ、あああ……もっと。もっと激しく、もっと深く突いてくだされ」
「たいがいにせい。柴田の生き残りに引導を渡さねば、ここまで来た甲斐がなかろう」
 立ち上がろうとする権十郎に亀乃が抱きついた。脚を上げて腰に絡める。
「いますこしだけ……あああっ……お乳を……お乳も吸ってくだされ」
 左手は権十郎の背中に巻きつけたまま、右手で頭を乳房に押さえつけた。
 権十郎は苦笑しつつ、亀乃の豊満な乳房に顔を埋ずめた。
 亀乃の顔が権十郎の下から現われて――脇で呆気に取られている志穂に強い眼差しを送った。
 ハッと、我に還る志穂。咄嗟に腰を浮かして床の間に駆け寄る。脇差を手に取って抜き放つ。
 ただならぬ気配に身を起こそうとする権十郎。を、亀乃が渾身の力で絡め取る。両手で頭をいっそう乳房に押さえ込む。
「父の仇!」
 叫んで志穂は脇差を振りかざし、仇敵の首筋に突き立てた。
「ぐおっ……」
 延髄を貫かれた権十郎は乳房にくぐもった呻きを吐いて、ほとんど即座に絶命した。
 無我夢中の中にも志穂は修練の業を忘れず、脇差の切先は亀乃の乳房を一寸ほど貫いたところでピタリと止まっていた。
「あらあら。そのように手荒なことをされずとも……」
 亀乃が声高に叫ぶ。笑いを交えている。
「もそっと優しゅうに扱ってやりなされ」
 外で警護をしている者に聞かせる芝居だった。
 亀乃が死骸の下から這い出す。
「この場でお待ちなさい。けして自害などされますな。必ず救け出します。柴田の家の再興は、おまえ様の……」
 亀乃は惚けたように脇差の突き立った死骸を見下ろす志穂に寄り添って、下腹部を撫でた。
「ここにかかっているのです」
 ぴくんと志穂は身を震わせて、その場に膝を落とした。
「わらわの小袖を着ておきなされ」
 亀乃みずからは襦袢をまとって、奥へと駆け去った。
 ほどなくして戻ってくると。
「おほほほほ……どうじゃ、父の仇に天岩戸をこじ開けられて、なにやら苦しそうじゃわえのお」
 声高な芝居を続けて、志穂にささやく。
「志穂殿も……はしたない声をあげてくだされ」
 わけがわからぬままに。亀乃の気迫に圧されて、声を作った。
「あああっ……悔しい。このような、このような……ああああああっ」
 二穴を犯される屈辱の中で覚えてしまった悦辱。それを思い出して、おのずと声に切ない響きがこもる。
 芝居を続けるうちに、遠くから呼ばわる声がかすかに聞こえてきた。
「牢破りだあ! みいんな逃散しおったぞお! 谷へ逃げたあ! 捕まえてくれえ!」
 亀乃が大きくうなずいた。
「小林様も、うまく事を運んでくれています」
 亀乃の言葉を聞いて、またしても志穂が驚愕する。いったいに、今日は何度驚いたことだろうか。
「小林……勇壮様のことですか?」
「ここに潜り込めたは彼の者だけですが。亡き殿に、ひいては志穂殿に忠誠を誓う者ども十数人が竹川村に隠れております」
 志穂は、もはや驚愕を忘れている。権十郎に身体で取り入った裏で、継母上はこのような権謀術数を巡らせていたのか――と、目まいさえしてきた。
 外でひとしきりあわただしい気配が起こって、それもすぐに消えた。警護に就いていた者の何人かが、囚人の追捕に加わったのだろう。
「では、最後の仕上げです」
 亀乃は志穂をうながして大台所へ向かった。なにしろ役人と五人の牢番雑役に加えて男女三十人ちかい囚人の食を賄うのだから、竈は四つもある。そのひとつで、湿った薪がくすぶっている。薪にしては奇妙な臭いがかすかに漂っていた。
 亀乃は乾いた柴を竈に放り込んで盛大に火を熾し、松明に火を点じた。
「これで、あちこちに付け火をするのです。その騒ぎに乗じて、小林様が飛び込んで来てくれます」
 謀り事の全容がわからぬままに、もはや一蓮托生。志穂は亀乃の指図に従う。障子を燃え上がらせ、茣蓙に油をぶちまけて火を点ける。
「火事だっ……!」
「殿をお救い申せ!」
 扉が蹴破られる物音。
「曲者っ!」
「なれが仕業かッ!?」
 怒号が湧いて、断末魔の絶叫がそれに続く。
「こちらへ!」
 声のした方角――裏口へと、亀乃が志穂を導く。
 返り血を浴びて赤夜叉と化した男が短刀を握って、今しも屋敷へ踏み込もうとしていた。「姫様、ご無事でしたかッ」
 若者は短刀を背後に隠して膝を突いた。
「旬日前には、大変な狼藉をはたらき、誠に申し訳なく……」
 土下座する小林勇壮を、亀乃が叱り飛ばした。
「今は、かようなことをしているときではありませぬ。一刻も早く、姫を村へ落としなされ」
 はじかれたように立ち上がった勇壮に、亀乃は志穂を押しつけた。
「あとは、よろしくお頼み申しますぞえ」
「継母上……?」
 亀乃は義娘の疑問に先回りして答える。
「わらわは、権十郎の配下に救い出してもらいます。こちらに留まれば、なにかと細工もできましょうほどに」
 敵地に留まって、さらに裏工作をはたらくという意味だった。
「でも……」
「押し問答の暇はありませぬ。ささ……早う落ちなされよ」
 言うなり、亀乃は身を翻して火の只中に飛び込んで行った。いや、火を踏み越えて玄関へと向かった。その先には、権十郎の近侍があたふたしているはずだ。
「姫様。おいでなされ」
 勇壮が志穂の手を引っ張って裏口から連れ出した。外には牢役人と近侍のひとりが斃れていた。その屍を踏み越え、勇壮は志穂姫を連れて山道を逆に登り始めるのだった。

十 脱出

 時を戻して。
 牢役人に命じられて風呂を立てた勇壮は、大台所へ行って二本の二合徳利に酒を注ぐと、帯を裂いて薬包を取り出し、その中身を混じた。手早く干物と漬物も見繕い、それらを携えて牢屋へと向かった。
「殿様からの下され物じゃ。おのれひとりが良い目を見るのは可哀そうじゃとの思し召しじゃて」
「あんな使い古しの腐れ女(め)にご執心とは、うちの殿様も変わっておるのう」
「じゃが、ひとり宛て二合とは太っ腹なことよ」
 殿様の思し召しなら仕事のさ中に酔っ払ってもお咎めはあるまいと、牢番ふたりは競い合うように徳利に口をつけたのだが。
「……なんじゃ、こりゃあ?」
 ひとりが、ぺっと酒を吐き出した。
「腐っておるのか?」
 しまったと、勇壮がほぞを噛む。痺れ薬は生薬の臭いがきつい。騙して飲ますにはそれなりの工夫が要る。手落ちだった。
 勇壮は迷うことなく、腰の後ろに差していた短刀を抜いて二人に襲いかかった。
「うおおっ……!」
「なにをするッ?!」
 百人組の大将まで務めた男にとって、鎧も身に着けていない雑兵を仕留めるなど雑作もないことだった。斃した牢番から鍵を奪い取り、まだ何が起きたかわかっていない囚人たちに向かって叫ぶ。
「牢から出してやるぞ。じゃが、それぞれの村へ逃げ帰れば、すぐに捕まり一家眷属にまで禍が及ぶぞ。散り散りになって山へ逃げ込め。峠を越えたら、竹川村を目指せ。柴田の手勢が百も二百も集まっておる。おのれらも加勢せよ」
 わあああっと狭い牢獄が揺れた。百も二百もというのは法螺であるが――志穂姫が匿われていると知れば、それくらいの人数はすぐにでも馳せ参じるだろう。
 勇壮はまず女牢を解き放ち、彼女らを護るよう男衆に言い含めた。
「けして狼藉をはたらくでないぞ。さすれば、志穂姫様もこの場で起きた何も彼もを忘れてくださる。よいな!」
 男衆がシュンとなった。
 勇壮は男牢を開け放ち、皆を追い立てた。それから、役宅への道を半ば引き返して、手頃な岩に腰を据え、屋根を見詰める。
 ――半時の余も過ぎて、薄紫色の煙が立ち昇った。志穂姫が野上権十郎を討ち果たしたという合図だった。勇壮は立ち上がって、両手を筒にしてあらんかぎりの声でおらんだ。
「牢破りだあ! みいんな逃散しおったぞお! 谷へ逃げたあ! 捕まえてくれえ!」
 それから、三町(約三百メートル)の細道を一気に駈けた。
 屋敷の裏手へまわって、またしても計略との齟齬に直面した。総勢は近侍の二人と牢役人と手空きの牢番が二人。牢役人と牢番は牢破りを追って、警護は表と裏にひとりずつになると読んでいたのだが――牢役人も留まっていた。牢番二人よりは、はるかに手ごわい。
 勇壮は物陰に潜んだ。待つほどもなく、小さな屋敷のあちこちから煙が噴き上げた。
 先に牢役人が気づいて叫ぶ。
「火事だっ……!」
 近侍が、玄関口にまで届けと大声を張り上げる。
「殿をお救い申せ!」
 叫びながら裏口を蹴破った瞬間。
 勇壮は短刀を構えて、近侍に突進した。
「曲者っ!」
 牢役人の叫びをかいくぐって、近侍に肉薄する。
「なれが仕業かッ!?」
 振り返りざま、すばやく抜刀しかけた近侍の胸を短刀が貫く。
「ぐおおおっ……!」
 体当たりの反動で向きを変えた勇壮が、牢役人の首を横ざまに薙いだ。
「ぬあああっ……!」
 首筋から太い血潮を迸らせて、牢役人が絶命する。
 全身を朱に染めて、勇壮が裏口から中へ踏み込もうとしたとき。ふたりの女人が、たちこめる煙の向こうから姿を現わした。襦袢だけを身にまとった亀乃と、亀乃に譲られた小袖を羽織って太腿までを剥き出しにした志穂姫と。
 ――その後の場面はすでに記してある。

 竹川村に落ち延びた志穂姫が馳せ参じた旧臣に奉じられ、扇の要を失ったうえに亀乃の暗躍で紛糾を重ねる野上一族を所領から追い返したばかりでなく、ついには三万石を奪い取って姫御前と呼ばれようになり、さらには(おそらくでっち上げた系図ではあろうが)曽祖父の代に柴田家と分かれた小林勇壮を婿に迎えて、戦乱の世に確固とした地盤を築くのであるが、それは十余年も先の物語である。
 さらに星霜を経て身罷るとき、志穂の脳裏に去来したのは、後半生の戦いの日々であったろうか、幼少時の父母との楽しかった日々であったろうか。あるいは、振り返ってみればわずかに一か月余の凌辱地獄であったかもしれない。
 いずれにしても、関ヶ原の合戦のはるか以前に消滅した一族の歴史を今日に伝える資料は残されていない。
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裸囚姫

 まあ。物語として結構をつけるにはやむを得ぬ仕儀ではありまする。
 結局。この話では実用新案特許『十文字竹轡』半永久的装着可能(食餌可)を描きたかったわけです。
 カミカミグチャグチャした食べ物を口移しというのは、ラブラブカップルでは微笑ましい(かなあ?)光景かもしれませんが。ウェディングドレス姿の花嫁にカレーうどんを食べさせる以上のサディスチックな責めではありましょう。まして、竹筒に注ぎ込めるのは餌とは限らないとなればです。もっとも。同時3穴拷貫できないという致命的欠陥を併せ持ってはいるのです。


 さてさて。さっさと校訂を済ませて3/1発売登録して。
 いよいよ。『筍の悦虐』ショタマゾ大長編に着手しましょう。これまた、実用新案特許許可局局長不許可の責めネタがあります。ていうか、前回の中断以後に思いつきました。


追記
 十章では、痺れ薬を失敗したり、目論見と違って見張りが2人だったりしていますが。計画に齟齬をきたしても、そう簡単に破綻はしないということを示したかったのです。
 野田昌弘宇宙軍大元帥の「新版 スペース・オペラの書き方」でスペオペ的展開の見本として挙げられている柴田錬三郎の「われら九人の戦鬼」で、肝心要の爆薬を持った人物が脱落して、それで計画がオジャンになったという危機管理の粗雑さへのアンチです。
 ほんとうは、もっと派手に齟齬を生じさせて、それでも最初から用意されていた代替案で乗り切った――としたかったのですが。蛇足部分に凝っても詮無いので、チョコフレークひと欠片に留めました。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interruption Report 8:裸囚姫牢虐譚

 タイトルを変更しました。裸で囚われている姫が牢で虐待されるお話ですから、そのものズバリでいいじゃないかと。
 処女姦通直後の膣痙攣、最初のハイライトシーンです。章題も「竿折」から「竿噛」とそのものズバリに変更です。


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二 竿噛

 志穂姫――いや、すでに『姫』ではなく虜囚である。これからは、たんに『志穂』と記そう。
 志穂と亀乃は、素裸のまま引見の場から追い立てられた。これも、旧主の係累の権威を地に堕とそうという深謀遠慮なのか。あるいは権十郎の悪趣味なのか。奥座敷に連れ戻されてからは着衣を返してもらえたが、志穂の襦袢は帯が無いままだった。
 気恥ずかしさが先に立って、ふたりは背を向け合ったまま、いつまでもじっと座っていた。閨の手管どころか、言葉そのものを交わすこともなかった。
 二人が並んで座ったのは、夕刻になって、その日の最初の食事が与えられたときだけだった。玄米の飯と鮒の焼き物、山菜のお浸しと味噌汁。ふだんよりはみすぼらしい食事だったが、虜囚の身には贅沢ともいえた。
 そんなことよりも、味噌汁がいつもと同じ味だと亀乃が指摘した。志穂にはその意味がわからなかったが。
「下働きの女たちも、殺されたり連れ去られたりはせずに、この御館で働いているようですね」
 そう聞かされて、わずかに心が安らいだ。もちろん、すぐに『切り取り御免』の言葉を思い出して胸ふさがったのだけれど。

 夜の帳が降りて。いよいよ夜伽の刻がちかづいたとき。いきなり亀乃が志穂の前に額ずいた。
「何事も柴田の家のためです。どうぞ、耐えてください」
「頭を上げてください。芳若は、わたしにとってもただ一人の弟です。姉として、弟を庇うのは当然です」
 そう受けるしかなかったが、志穂の言葉は本心だった。
 亀乃が身を起こして、さらにささやく。
「男のうちには、閨で女子(おなご)に無道な振る舞いをする者もいます」
 そして、微笑んで見せたのだった。
「されど、そんな男もやがては尻の下に敷くのが女子というものです。いえ、わらわは柴田を尻になぞ敷きませんでしたけれどね」
 継母の意図がわからぬままに、志穂は曖昧にうなずいた。
 さらに小半時が過ぎて。廊下からの声にうながされて、志穂は湯殿に向かった。わずか四千石。元より、侍女にかしずかれて身体まで洗わせるような身分ではない。三日前と変わらぬ入浴の在り方ではあった。しかし、まるきり違っていた。
 仇敵に献上するために身体を清める屈辱よりも前に。
 湯がひどく濁っていた。おそらく野上権十郎が使い、さらに何人もの家臣が、あるいは野党の頭目までもが浸かっていたのだろう。湯は継ぎ足したのだろうけれど、そやつらの垢が消え去ったわけではない。
 志穂は湯に浸からず、生ぬるくなっている上がり湯だけで身体を拭いた。女として恥を掻かぬようにと、隠し所にも手拭いを這わせたが、荒い生地の肌触りに鳥肌が立つ思いだった。
 垢を落として、あらためて水鏡でおのれの顔を見た。明け方の乱闘で髪が乱れて、髷がほとんど崩れかけている。これも、やはり女の恥。思い切って髪をほどき、頭の後ろを飾り紐で括った。それはそれで、いかにも虜囚といった風情になってしまったが、いまさら結い直している暇はなかった。
「志穂殿」
 湯殿の外で漏れた小さな声は継母のものだった。
「着替えを置いておきます。羞ずかしいでしょうけれど、どうか耐えてください」
 逃げるように走り去る小さな足音。
 言葉の意味は、着替えを手に取ってわかった。肌襦袢が一枚、それきりだった。腰巻すら見当たらない。しかも肌襦袢は薄い絹でできていた。身にまとってみると、濡れた肌にへばりついて、肌の色が透けて見えた。
(いったいに、これは……?)
 亀乃が疲れた夫を励ますために閨で着用していたものとは、志穂には想像もつかなかった。もし、その事実を知っていたとしたら――かえって継母の魂胆を疑っていたこと必定ではあっただろう。
 髪を垂らして薄物一枚の身を、みずからの足で生贄の場に運ぶ。恥辱と羞恥、そしてどこで聞きかじったのか覚えていないが、新鉢を割るときの文字通りに身を裂かれる痛みへの恐怖。心の臓は喉元までせり上がり、足は雲を踏んでいるようだった。
 昨日までは父の寝所だった部屋にはいり、掻巻を尻に敷いて居座っている権十郎の前に――ふだんの立膝座りも恥ずかしく、膝を揃えて正座する。
「よ、よ、よとぎに……参りました」
 喉の奥から声を絞り出して、あとは目を閉じて身を固くする。
 ずんんっと気が動いた――ように、志穂は感じた。赤みを帯びた闇が桎梏に変じて、目の前に男が迫ったと知る。
「これはまた……敷物にもならぬものを」
 この時代に布団は高貴な人々のうちのさらに一部でしか使われていない。農民などは藁の中にもぐり、裕福な者は衣服を大きくして綿を詰め込んだような掻巻を着こんで寝る。男女が交わるときなどは、これが敷物となる。ちなみに、男女が衣服を重ねて並べて一夜を過ごし、朝になって互いの残り香が移った衣服(きぬ)を着て別れるというのが、『後朝(きぬぎぬ)の別れ』の語源である。
 志穂がまとっている薄物では、その役にも立たないと権十郎は文句をつけたのである。情趣を解さない男ではあったものだ。
 それでも権十郎は襦袢の帯をほどき、前をくつろげて、志穂を床に押し倒した。わざわざ灯明台を持ってきて、赤々と裸身を照らす。
「乳は小さいし、毛も疎ら。満足に子を産めそうもない尻じゃ」
 昼間に裸身を見たときからわかっていたことを、わざわざ口にする。
「とはいえ。旧主の娘を見逃すわけにもいかぬでな」
 好き勝手なことをほざいて。志穂におおいかぶさり、無雑作に股間を指で穿った。
「ひ……」
 芋虫の化け物が隠し所に飛び込んできた。そんなふうに感じた直後。股間に刻まれた割れ目をぐりっとえぐられて、鋭い痛みが腰を貫いた。
「くううう……」
 誰に教わったのでもないが、農民の野合をたまたま目にすることもあれば――男女が媾合うとはどういうものであるか、漠然とした知識はあった。最初は痛みを伴うものだとも聞きかじっている。だから、志穂は抗うことなく痛みに耐えた。
 志穂の忍耐を知ってか知らずか。権十郎はグリグリと割れ目をこねくった。さすがに、奥深くまでは突き挿れない。
「くうう……うう」
 次第に痛みが薄れていく。なにやら、割れ目の中で指が滑っているようにも感じられた。それが男を受け挿れるための身体の準備であるとは、志穂にはわからない。
「生娘も年増も、女は女か。弄れば濡らしおるわ」
 それが心からの言葉であるとすれば――この男の性的な経験の浅さを露呈している。ここでいう経験とは数の問題ではなく、男女双方のいわば琴瑟相和す愉悦の深さのことである。
 権十郎には、志穂がじゅうぶんに男を受け挿れる体勢にあると思えたのだろう。襦袢を脱ぎ捨て、褌をほどく。なんだかんだと文句を言いながら、すでに怒張天を衝いている。
 志穂の足首をつかんで左右に割り開き、膝を立てさせた。
(あ……)
 ふだんは禁忌の奥にひそめている記憶の底から、この形が浮かび上がってきた。そうだった。こんな羞ずかしい恰好の女に、男の人がのしかかってきて……
 さっきのが芋虫の化け物なら、これは生温かい大根ほどにも感じられる太い物が、割れ目を押し広げた――つぎの瞬間。めりめりっと、身体をまっぷたつに引き裂かれるような重たくて鋭い衝撃。
「ぎひいいいっ……痛い! 痛い、痛い……」
 とても耐えられる痛みではなかった。幼少時から仕込まれてきた女の嗜みも、武芸で練ってきた心胆も忘れて、志穂は悲鳴を噴きこぼしていた。
 が、それは権十郎も同じだった。
「ぐおおおおおっ!」
 大きく吼えて上体をのけぞらせた。立ち上がろうとするが、腰の一点がびくとも動かない。
「こ、これは……ええい、どけい!」
 片膝を立てて腰を上げようとして、すぐにうずくまる。
「痛い……どうなっておるんじゃ?!」
 志穂も同じように痛みを訴えているが、権十郎の怒声に掻き消される。
 両手を突いて上体を倒し、そうするとすこしは楽になったのか、肩で大きく息をする権十郎。
「誰か……誰かおらぬか!」
 襖を開けて飛び込んできたのは亀乃だった。ひと呼吸遅れて、近侍の者どもが駆けつける。
 権十郎は腕に頼みがあるのか、閨の痴態に含羞を覚えるのか、寝所のまわりから人を払っている。この場合は、これが幸いした。近侍の者どもが先にこの有様を目にしていたら――亀乃は追い払われるか、あるいは問答無用で志穂が刺し殺されていたかもしれない。
「うろたえるでない。志穂姫を上にしてくだされ」
 凛とした物言いに気圧されて近侍は何も訊ねず、亀乃の言葉に従った。志穂も、裸身をあからさまにする羞恥を表に出せない。
「志穂殿、ご免」
 亀乃が志穂の首筋に手刀を叩き入れた。志穂が気絶する。
「もう大丈夫でしょう。ゆるゆるとお離れください」
 魔羅の激痛が消失して――権十郎は志穂を抱いたまま寝返りを打ち、それから恐る恐る身を起こす。
「女子は、ひどく驚いたり痛みがあったりすると、ときとして天岩戸のように女淫(ほと)を閉ざします。本人にそのつもりは無くとも、身体がそうなるのです。悪くすれば魔羅を食い千切りかねません。野上様は、よほど性急に女子を扱われましたな」
 亀乃の言葉には、からかうような響きが含まれていた。
 おぼろげにも事の次第をわかって、近侍の者どもにも苦笑いに似た表情が浮かぶ。
(まったく、うちの殿様ときたら短兵急だからなあ)
 そんな声が聞こえてくるようだった。まったくの艶笑話だが、権十郎にとってはそれどこれではない。まだ股間を押さえて唸っている。それを見た亀乃が、大仰に叫ぶ。
「おお、これは大変。御大事所をお見せくだされ」
 権十郎の前に座り込むと、その手をつかんで引き剥がす。委縮しきった魔羅の付け根がくびれて紫色になっていた。
「これはいけませぬ。このままでは血が通わずに腐り落ちます。ともあれ、暖めねば」
 言うなり、身を投げ出すようにして権十郎の股間に顔を埋ずめた。
「お、おい……?」
 権十郎にとって女とは、突っ込んで埒を明ける道具であり、あるいは(縁組などによる)勢力拡大のための手段でしかない。どちらにしても、女を悦ばすとか女に奉仕させるといった発想はなかった。女に魔羅を咥えられしゃぶられるなど、生まれて初めて、驚天動地の体験であった。
 そしてそれは――脳天が痺れるほどに心地よかった。天岩戸に挟まれた痛みなど、たちどころに蕩けて消えていった。
「楽になった。もうよいぞ」
 しかし、亀乃は顔を上げない。ばかりか、舌先で先端を舐めたり、半ばまで引き抜いで雁首を甘噛みしたりと、技巧を尽くし始めた。
「おおお。おおおおお……」
 権十郎は喜悦に喚(おめ)き、それからふっと我に返った。
「おまえら。もはや大事無い。下がれ」
 目を丸くしている侍臣らに向かって手を振った。
 侍臣らも、この場で何が起きているかは理解して。にやついたような羨ましそうな表情で、こそこそと退出していった。
 志穂は、まだ気を失ったまま。
 俄然、亀乃の独擅場となった。ちゅぱちゅぱずじゅううと、音を立てて魔羅をしゃぶり、しごき――たちまちに、怒張天を衝く。
「ああ、よかった。魔羅がいきり勃つのは、血脈が甦った徴(しるし)です。されど……」
 亀乃は身を起こして、胡座の権十郎を跨いだ。裾が大きく割れて、肉置(ししお)き豊かな太腿までが露わになる。
「このままでは、収まりがつきますまい」
 左手で権十郎の首を抱いて腰を沈めながら、右手は魔羅を握る。
「わらわにお納めくだされ」
 魔羅を女淫へ導いて、すっぽりと納めた。
「ふむ……?」
 女から積極的に動くという体験も、権十郎にはなかった。興味津々といった顔つきだが、色ごとの真っ只中の割には醒めた色だった。
 それは、そうかもしれない。亀乃は十五年にわたって柴田嘉門の寵愛を欲しいままにしていた。それも「朝までわしの精を絞り取りおっての」と惚気させるほどに。加えて、子も産んでいる。中はこなれ過ぎているほどにこなれている。
 しかし、すっかり怒張を呑み込んだ亀乃が権十郎の上で腰をくねらせ始めると。
「な、なにい……??」
 きゅうっと先端を締めつけられる。肉茎に柔らかな襞が絡みつくような感触。それが、亀乃の動きに合わせて上下左右に蠢く。これも、権十郎には未知の感覚、いや肉の愉悦であった。
「くそ……柴田め。夜毎にかような思いをしておったのか」
 知らず、本音を漏らした権十郎だった。
 愉悦に身を任せていれば、権十郎はたちまちに埒を明けてしまっただろう。だが、亀乃がそうさせなかった。いよいよ切羽詰まってくると、腰を浮かして馬の手綱を絞るごとくに淫嚢(ふぐり)を握ったり。女から口を吸いにいって関心をそちらへ逸らせたり。
 手管を尽くして、延々と権十郎の愉悦を長引かせる。
 いつか志穂も意識を取り戻して――二人の痴態を呆然と見物する始末だった。
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 表紙絵は全裸緊縛竹轡に決定ですが。前回の画像では着衣が引き下ろされていて、肘のあたりが隠れています。輪郭処理して描きかえればいいのですが、そのスケッチをする自信が無い。ので、フォトコラを試行中。
 雑な切貼でごめんちゃい。

合成6枚

 で、これを輪郭処理すると……
合成6枚-rinkaku00

 部分的にコントラストを上げた輪郭を貼り足す必要がありそうです。

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ジャンル : アダルト

Interrupt Report 7:繋囚姫牢虐譚(PLOT)

  今回は趣向を変えて。
 まずは、PLOTの元になったメモを御紹介。


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PLOT-37
人質姫牢虐譚


概  要:父と兄を切腹させられ、側室とともに人質となった姫。
     総大将の息子を拒み、刺殺しようとした姫は、男牢へ放りこまれる。
     太い竹筒を咥えさせられているので、自害も絶食もできない。
     囚人どもにボロボロにされ衰弱した姫を見て嘲笑する側室。
     側室の指技で強制的に女の悦びを教えられる姫。
     やがて、囚人に犯されて喜悦の声を上げるようになる。
     皮肉なことに、姫は体力を回復していく。
     ――側室の仕打ちは擬態だった。
     総大将の近習を手なずけて寝首を掻き、姫を救出する。
     総大将の息子と牢内で鉢合わせする母娘。
     屋内で長刀を持て余す相手を、姫が討ち取る。
     自害しようとする姫を諭す側室。
     「血脈を継ぐ者は、あなたしかいないのです」
     「あなたが旗を上げれば、はせ参じる旧臣もいるでしょう」
     後の世に語り伝えられる姫大将が、今ここに誕生した。


ヒロイン:志穂 前妻の娘。細身の美乳。小太刀の切紙(初歩の免許)。
     亀乃 32歳。
        お手つきの下女から側室に。肉置き豊かな巨乳。世故に長けている。

目玉 H:男囚の寄ってたかっての2穴連続レイフ゜。快感無し。
     SEX以外での徹底的な凌辱。
     舌を噛まぬよう常時、口に竹筒を咥えさせられている。
     男囚が噛み砕いた食物を竹筒から流し込まれて、無理やり嚥下させられる。
     水だけでなく小水さえも飲まされる。
     鬱血をさけるために、日替わりで縛り方を替え、たまに首枷・手枷。
     (両手を自由にさせると自害の恐れがある)
     側室の指による性感強制開発。
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 どうもね。側室の動きがご都合主義ます。敵方の息子は不要でしょう。
 ので、あれこれ弄くりまわしてると、必然的に
「まあ、こんなに大きく……!」ですね。

 側室が、最初は我が子(嗣子)の助命に必死になります。
 側室のほうが奥方より若いから、殿さまとの間にできた子はヒロインの弟が自然です。
 ところが。寺に放り込まれるどころか玉抜きされて、子供を作れなくされます。これでは、長じてから旧臣を集めて決起したところで、後継者を作れません。
 武家にとっては「家」が大切ですから、養子を取ればいいようなものの。実は側室が殿様に惚れ抜いていて、なんとしても血の継承を――と。そうなると、血を継ぐ者はヒロインのみ。
 まあ。この時代は、女は子種を育てる畠ですから、DNAなんか知りませんから、娘が産む子供が父親の血を継承していると考えるかどうか、ちょっと怪しいですが。そこは、下に展開した最終PLOTの中で補強しています。
 女の子は父親に似る。男の子は母親に似る。したがって、ヒロインは父親の面影が濃い。ヒロインが男児を産めば母親に似るのだから、お祖父ちゃんの面影を受け継ぐだろう。三段論法です。


 というわけで。最終PLOT(On the Job Changeは、ある)です。


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繋囚姫牢虐譚

志穂(17)
亀乃(32)
芳若(13)未精通。

柴中嘉門(48)
  柴田郷一体の支配者。4000石/500人
野上権十郎(44)
  3万石/6千人


・助命
大軍の侵攻を迎撃すべく総力出兵中の館を急襲されて捕囚。
 小太刀の一場面を挿入:伏線
拠点を占拠されて、柴中嘉門が投降=自刃。軍勢はほとんど無傷で敵の手に。
 兵力拡大と柴田郷を外征拠点とする目論見。
志穂たちの目の前で、嘉門の首実検。
「さて、嗣子の始末だが」
芳若の助命嘆願。「妾は如何様にされようとも」
全裸土下座を強いられる。
志穂もやむなく倣う。腹は違えど、可愛い弟の為。
「命だけは助けてやる」寺への永代預かりと勝手に解釈。

・竿折
志穂が夜伽を命じられて。岩女淫(いわほと:岩戸女陰の短縮形)=膣痙攣。
叫び声で駆け付けた(隣室での近侍は無し:伏線)家臣おろおろ。
亀乃が志穂の首筋殴打で気絶させて。
「これは大変」
紫に変色してくびれくっきりの男根を口で暖めて、ついでにれろれろ。
3人の幽閉は続く。

・玉抜
5日後。国元から呼び寄せた唐人医者。
芳若の公開断種。玉抜き。縫合タック。
亀乃と志穂は全裸緊縛晒しで立ち会わされる。
秋霜烈日、武威をあまねく示す。

・金鈴 [レズだ! 折檻だ!]
亀乃による志穂の調教。
淫核喜悦を教え込むと同時に、金の鈴を子袋に。
「これで子を孕む心配がなくなり、心安らかに寵愛を受けられようぞ」
「竹川村のウメという産婆に習った秘術じゃ。彼の者なれば、易々と鈴を取り出せようぞ」:伏線。
それでも痙攣が起こって、挿入不可。
野上、怒り狂って手討ちに。
様子をうかがっていた亀乃が飛び込んできて。
「我が子は生きながらの恥辱。この娘だけ浄土へ行かせてなるものか」
牢への幽閉を求める。牢は館から遠い。
しぶる野上。
亀乃による折檻。
庭の木に吊るしてビシバシ。
野上みずからも。嗜虐に目覚める。

・男牢 [ネチネチシコシコ書きましょう!]
牢へ送られる志穂。亀乃が同行。
牢役人3、使役人6、飯炊女2(大年増)
囚人は大幅に増えて、男40(2間)、女15。すし詰め。
男牢へ入れるとわかって、自害防止を提案。十文字の竹筒を突っ込まれる。手鎖。
最初に牢役人。必死で股間をかばう志穂。後ろに嵌め替えられる。
ついに破瓜。膣痙攣は起きない。亀乃がそれをからかう。
牢番どもにも。ほどなくして後門も。
男牢へ放り込まれる。元姫様への遠慮。
「おまえら、まだ柴田家への忠義を残しておるのか」
牢役人に叱責されて、襲いかかる。鬱憤晴らしも交えて、群狼化。
囚人環視で用足し強制。食事は、カミカミグチャグチャ口移し。

・悦辱 [ここも長尺]
三日後。新たな下働き(厩番)。志穂の幼馴染の小林勇壮(幼名:勇吉)。
亀乃も見物に来ている。
「腰巻祝いからこっち、俺を見下しやがって。昔の約束どおり、夫婦になってやるぜ」
手鎖をはずさせて、押し車。すでに気力尽きている志穂は言いなり。勇壮、眉をくもらせる。
「このぶんでは、竹轡も要りませぬね」

・忠臣 [実際には脱兎さん]
さらに五日後。すっかり木偶人形と化して嬲られている志穂。日替わりで牢を移されて20人ずつ。
野上の来臨。亀乃とともに嘲笑う。
「もはや側室にもできますまい。されど、ひと情けくらいは掛けてやってくださいませ」
役人用の湯殿で志穂を洗ってやる亀乃。
「情けない。囚人どもに唯々諾々と弄ばれて、姫の気位なぞ、欠片も残っておらぬわえ」
「あの者どものほとんどは、野上に虐げられた民草です。どうして憎めましょう」
志穂の気力を見て取って。
「千載一遇の機会を作ってみせましょう。果断に出るかは、あなたの心ひとつです」
牢代官の屋敷。亀乃が強引に割り込んで介添え。
床の間の刀掛けに小刀(のみ)を置いて、褌一本になるも。
野上、岩戸女淫を怖れて委縮。亀乃が口唇督戦。
「この娘、ちっとも濡れておりません。前轍を踏まぬよう、まずは妾で湿してから」
「こやつ、はなからそれが狙いか」
「月の障りが終わったというに、ちっとも可愛がってくれぬではありませんか」
柴田郷を拠点化するため(本妻と子は城に残して)側妾を呼び寄せている。
野上、亀乃でたっぷり潤滑して抜去しようとする。
「あれ。今しばらくのお情けを」
手足を絡めて野上を抱きすくめる。
そっぽを向いている志穂。
「志穂殿!」
鋭い声に、意図を察する。床の間の刀掛け。
小刀を引き抜くや、首筋にずぶり。小太刀の業の冴え。亀乃の喉元で切先が止まる。
「おの……!」どしんばたん。
「あれ。女子はもちっと優しく可愛がってくださいませ」と、声を張って糊塗する亀乃。
喉を突こうとする志穂を制止。
「女児は父に、男児は母に似るといいますが、志穂殿には嘉門様の面影が。きっと、志穂殿がお生みになる男児は嘉門様そっくりでしょう」
亀乃の低く呼ばわる声で、裏庭に勇吉。平伏。
「あのおりには、とんだ御無礼を。それもこれも、姫様を援け出すための……」
「時が無い。竹川村には、柴田家に忠義を誓う者たちが隠れています。野上家の混乱に乗じて復仇を果たすは今こそ」
勇吉に伴われて脱出する志穂。厩に火を放って、他の馬は逸走。

志穂は後世に岩戸御前として名を残すが、その謂れまで伝えられることはなかった。

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 まず、タイトルに苦労しました。「○×姫牢虐譚』は確定ですが。
 『人質』ではないですね。
 一度は『亡国』にしましたが、ちょっとニュアンスが違う。有名な映画とタイトルがかぶるというのは、気にしませんが。亡国は、国を失いっぱなしで、再興の気概がありません。いや、それは『亡命』ですか。とにかく、筆者的にボツリヌス。
 つぎに『虜囚』を検討。ありふれていて、気に食いませんね。
 ほぼ『敗残』に決めかけましたが。これは……戦って敗れたというニュアンスです。筆者的には、そうなのです。
 で。類義語辞典とか漁って、あまり見かけない『繋囚』にしました。『虜囚』と同義ですが、斬新です。「虜(とりこ)」になっているより、「繋」がれているほうが、被虐的です。
 というわけで、『繋囚姫牢虐譚』に決定です。


 今回の新規アイデアは、2点。
 玉抜きした男の子。竿を包み込んで袋を縫合します。永久タックです。唐人の医師というのが味付けで、「宦官の一部にはこのような」とかなんとか。大豆発酵食品(イソフラボン)とか柘榴(エストロゲン)とかをたくさん食べさせて女体化させて……『玉抜嗣弄虐譚』を書くかもですね。だから、わざわざ未精通にしときます。タックのまま射精は出来ないという記事を見かけますが、溜まりに溜まれば、出るんじゃないですかね。いずれにしても、悶々と悶えるシーンを描けます。
 それと、十字形状の竹轡。竹の筒を縦に突っ込むだけでは、ストッパーがないので、喉の奥を突くかもしれません。


十文字竹轡 
 こんなふうにしておけば、安全です。「絵」としても、サマになります。
 しかし、まったく。筆者はヘソ曲がりというか。メジャーに与したくないのです。マイナーこそ、選ばれたる者の恍惚です。だから、某コミックで竹轡が有名になって、複雑な気分です。もっとも。横咥えでは、飲食のたびに外さなければなりません。縦に突っ込んでおけば、半永久的に装着させられます。しかも、筒に「なにを」流し込まれても拒めません。リョナです、スカです。


 さて。100枚を目途にするつもりでしたが、200枚くらいになるかもしれません。
 とにもかくにもひしゃにも。着手しましょう。


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Interrupt Report 6:Snipe Ecstacy(脱稿)

Interrupu Report 5:Snipe Ecstasy(承前)→

 強引に突っ走りました。
 脱稿は2020年12月31日ですが、年始年末のご挨拶があったので、本日公開とします。


Hung14.jpg 





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 ふわっと身体が宙に浮いたような感覚が生じて、ジョティは意識を取り戻した。朝焼けの雲が目の前に広がっていた。それが急速に流れて、大きな建物が視界に現われた直後に、ゴンッと軽い衝撃。十字架が倒されたのだと認識した。
 ぶじゃああああ……
 冷水を顔に浴びせられて、ジョティは完全に目を覚ました。
「ぶわっ……げほ、ごぼ……」
 むせながらも、本能的に水をむさぼった。喉の渇きは癒されたが、すぐに息苦しくなった。兵士は水を恵んでくれているのではなく、水責めにしているのだった。もっとも、からかい半分だったのだろう。水流は胸元へ移り、すぐに股間を叩き始める。傷を抉られて、通奏低音となっていた疼きが先鋭な痛みに移調する。
「盛大におもらししてくれたな。クソもたまってるんじゃないのか?」
 放水を止めて、兵士はジョティの鎖をほどきにかかった。
「出すのなら今のうちだぜ」
 ジョティをうつ伏せにして後ろ手錠を掛けた。すこし離れたところで、もうひとりの兵士が銃を保持している。よほどの危険人物だと思われているらしい。
「そら、行ってきな」
 兵士は植込みの一画にある、四角い鉄格子の枠を指差した。排水口だろう。
 ジョティは身を起こして兵士をにらみつけた。
「ほっといてちょうだい」
 銃を持っている兵士が近づいて、ジョティの頭に銃口を突きつけた。
「そうはいかない。今日はオーナメントになってもらう。小●は御愛嬌だが、大を玄関前にひり散らかされちゃ、こっちまでお叱りが来る」
 銃を持つ兵士がジョティの肩を蹴って、四つん這いにさせた。
「出せないってのなら、出させてやるぜ」
 もうひとりがジョティの後ろにまわって、ノズルを肛門に突っ込んだ。
 ぐるるるるる……凄まじい勢いで水流が腸に注がれる。ジョティの腹が妊婦のように膨れた。
「そらよ、行ってきな」
 パシンと尻を叩かれて。しかしジョティは、すぐには動かなかったのだが。ぴゅっと水が噴き出すのを感じて、あわてて括約筋を締めた。いっそ、この場でぶちまけて、こいつらを困らせてやれと思わないでもなかったが、さすがに羞恥が勝った。こんなくだらない意趣返しで余計に痛めつけられるのも割に合わない。
 ジョティは立ち上がろうとしてよろめき、脚に力を入れた。ひと晩じゅうの磔で、筋力が弱っている。よろめきながら歩き始めると、たぷんたぷんと腹の中の水が揺れる。
 排水口に辿りついて、ジョティは兵士たちに正面を向けて腰を落とした。尻を向ければ、排泄の様子をまともに目撃されると考えたのだ。椅子に腰かけている姿勢で、括約筋の力を緩めた。
 ぶじゃあああっ……激しい水音。固形物が通過するのが肛門の感触でわかった。
(くそう……)
 羞恥を圧し殺して気丈に兵士を睨みつける。
 10秒ほどで水音は途絶えたが。びち……ぶちゅちゅ……しばらくは水滴が滴り続けた。
 ホースを持っている兵士が近づいてきて。
「尻をこっちに向けろ」
 逆らっても意味がない。ジョティは立ち上がって後ろ向きになった。
 ぶしゅううううう……
 最大に絞ったノズルから噴出する水流が肛門をえぐった。
 水流が横から前へまわる。元の位置へ戻れという意味なのだろう。ジョティは水流に追われて磔柱の前まで歩いた。
 玄関の両脇で膝立ち磔にされていた2人が拘束を解かれて、そこにジョティがひざまずかされた。柱の後ろで、手首と足首にそれぞれ枷が嵌められた。手錠よりも動かせる範囲が少ない。
 兵士のひとりが、地面に置いていたバスケットから大きな肉団子を取り出した。野菜を混ぜて小麦粉で練り込んだ郷土料理だった。それを、ジョティの目の前の地面に放った。
「食え。一日分の餌だ」
 ジョティは肉団子に落していた視線を上げて、兵士を睨んだ。地面は湿っている。磔にされていた女性が漏らしたままになっている。
 昨日の朝に食べたきりだから、まる一日の絶食だった。今日はこのまま磔にされて、明日からも苛酷な扱いを受けるのだろう。食べて体力を維持して……それで、どうなるのか。まして、他人の小水にまみれた餌を口にするなど断じて拒絶する。
 兵士は嘲笑を浮かべて、腰の拳銃を引き抜いた。ベルトに吊るしている半割りの筒のような物を、遊底の上から銃身にかぶせた。海外に映像が流出する懸念がある場合には使われることもある、暴徒鎮圧用のゴム弾だ。それをジョティの腹に向ける。
「待て。撃つな。食べれば……」
 パアン!
 鈍くて重たい衝撃が腹で爆発した。ジョティは身を折って悶える。
 兵士が2発目の装填にかかった。
(くそ……)
 内心で罵って、ジョティはいっそう上体を深く倒した。柱に腕をつながれているので、口が届かない。足を後ろへ引いて、ほとんど倒れ込むような姿勢で肉団子に顔を寄せた。大きく口を開けて肉団子にかぶりついた。土も口にはいったが、そのまま数回咀嚼しただけで、丸呑みにした。味が薄く生臭みの残ったまるきりの餌だったが、不味いとは感じなかった。それだけ、ジョティの若い肉体は飢えきっていたのだった。
 悔し涙で視界がにじんだ。
 そんなジョティの感情には無関心に、兵士はジョティを膝立ちにさせた。太い鎖で腹と喉を柱に縛りつける。これでジョティは、柱を後ろ手に抱いて股を開いた姿で身動きできなくされた。
「明日の朝まで、いい子にしてるんだぜ」
 朝っぱらから面倒な仕事を押しつけられたもんだとかなんとか――ぼやきながら、兵士はジョティを置き去りにして建物の陰へ消えた。
 ――1時間もすると、もう一体のオーナメントが兵士に連行されて来た。ジョティと同年齢くらいの娘だった。下腹部にはC30635の入墨。数日前のものと思しい数条の鞭痕が乳房に刻まれている。数が少ないのは、軽い懲罰だったのか、嗜虐癖のある来訪客を相手の『業務』だったのか。
 娘は自分から膝立ち磔の姿勢をとった。懲罰が怖くて従順なのではなく、どこか喜んでいるようなところが見て取れた。
 そうかもしれないと、ジョティは思う。身体を動かせないのはつらいけれど、そんなに苦しい姿勢ではない。磔が明日の朝までの24時間だとすれば、すくなくとも今夜は憎いサハディの男に犯されなくてすむのだから。
 兵士が立ち去ると、その娘が話しかけてきた。詰所から見られてもわからなように顔は正面に向けたままで、つぶやき声だった。
「あんた、何者なんだい。シャルミラはXの焼印だけで、あんたを救世主のように崇めちまってるけど」
 シャルミラというのは、ジョティの身代わりに吊るされた少女のことだろう。言われてみれば――ゲリラ組織の中でこそジョティの名前は知れ渡っているが、彼女の顔を知っている者は少ない。まして、あの少女が、自分の正体を知っていたはずがない。
 楽な姿勢で拘束されているせいだろうか。ジョティは明晰な思考を取り戻していた。
 その思考は――すくなくともこの施設においては、末端の兵士までジョティの素性を知っていると告げていた。ならば、この女性を敵のスパイかと疑う必要はない。
「サハディの豚どもからは、飛び切りの危険人物だと思われていることは確かね。たった45人しか殺してはいないけど」
「それだけ殺ってれば、じゅうぶんだよ。きちんと数を把握してるってことは、暗殺とかだね」
「……あなたは、何もしらないほうがいいでしょう。知れば、口封じのために殺されるかもしれませんから」
「ニーシャとおんなじことを言うんだね。まあ、忠告は聞いておくけどさ」
 あっと思った。そうだった。ニーシャとネハのことを忘れていた。
「彼女とも話をしたんですね。どんな様子でしたか?」
「しっ……大声を出しちゃ駄目。こっちも見ないで」
「あ……ごめんなさい」
「あの人ねえ……あたいたちの忠告を聞かなくてね。自分から股を開くなんて、殺されたって嫌だって突っ張って、懲罰室へ入れられた。といっても、懲罰が始まるのはこれから――というか。所長から贔屓客に『活きのいいのが入荷しました』って連絡が行ってからのことだから、今夜か明日かはわからないけどね」
 昨日のサディスチンとの体験があったから、ジョティにも見当がついた。尋問を目的としない、嗜虐者の快楽のための拷問に掛けられるのだろう。
「そこへいくと、一緒に来たネハって人は賢いね。どんなサービスをしたか知らないけど、3人が3人とも満足して帰ったからね。今朝からは1等食だよ」
 収容されている者のあいだにも格差を設けて、団結をさせまいという策略なのだろう。もちろん、そのことでネハを責める気にはなれない。むしろ、ニーシャのほうが馬鹿で無鉄砲だと思う。もっとも。自分にはしおらしく振る舞うチャンスすら与えられなかったけれど、Xの焼印ではなくGの入墨だったとしても……やはり、ニーシャと同じように馬鹿で無鉄砲な真似をしていただろうとは思った。
 それきり密やかな会話は途絶えて。しばらくは静かな朝が続いた。ときおり玄関から泊り客が出てきて、すっかり性欲を満たされているのだろう、両脇の磔なんかには目もくれず、乗って来た車で帰って行く。運転手付きの車が迎えに来たVIPもいた。
 陽が少し高くなってくると、庭に活気が出てくる。胸の悪くなる活気だった。
 40人ほどの女が、ぞろぞろと庭に集まる。全裸で、肌になんらかの傷を負っている者も半数くらいはいるが、手錠とか首輪といった拘束はされていない。玄関に向かって3列横隊で並んだ。しかし、正面に位置する2柱の磔からは目をそらしている。
 短いサイレンが鳴って、全員が同じ姿勢になった。足を軽く開いて両手は腰の後ろで組む――軍隊式の『休め』だった。
 玄関の扉が開いて、5人の軍服が姿を現わす。まん中の人物は、いうまでもなく所長の少佐だが、両端の2人は20代と40代の女性だった。軍服ではなく、首元から足までをすっぽりおおう黒いタイツを着用している。
「前後左右に開け」
 40人が2m間隔に開いた。タイツ姿の女がその前に立つ。
「背伸びと屈伸」
 ホイッスルの音に合わせてタイツ姿が両手を上に突き上げる。40人が、それを真似する。
 両手をぐるんと廻して水平で止めて、膝をいっぱいに屈伸させる。その運動を10回繰り返した。
「左右へのストレッチ」
 腰を落として片脚を曲げ、反対の脚をいっぱいに伸ばす。左右交互に5回ずつ繰り返す。
 マスゲーム、あるいは集団体操である。演技者が全裸であるという一点さえのぞけば、さわやかな朝の健全きわまりない行事かもしれない。
 集団体操のあとは、40人が一列になって庭の内周を駆け足。
 つまりは、収容者を運動不足にさせないための日課なのだろう。
 この40人ばかりが、ここに収容されている全員だとは思えない。白人にしか見えないSA40021の姿が見えなかった。ニーシャもいない。ネハは玄関前を駆け抜けるときに、ちらっとジョティに視線を走らせて、バツが悪そうに顔をそむけた。
 反抗的な者や傷がひどい者は除外されていると考えるべきだった。
 建物のほとんどが収容者に割り当てられているとすれば、管理者たちの居住区画を考慮しても、500人以上を収容できる。しかし、『お客』のための無駄に広くて豪奢で殺風景な部屋がすくなくとも5階建ての1フロアを占めていることを考えれば――収容者の数は最大でも300くらいではないだろうか。
 あるいは。昨日の訪問者の数は200人には達さなかっただろう。それで、ネハは3人を相手にさせられたという。あれやこれやを考えると、ここに収容されている者は100人を超える程度なのではないだろうか。不確かな数字を積み重ねて、ジョティはそんなふうに推測した。
 その一方で。入墨の数字は、通し番号の下4桁が(ジョティの見たかぎりで)最大で3千番台だった。最上位の1桁が所轄区域を示して、これが少なくとも8までは存在しているのだから、生粋のラハディだけで、入墨を施された女性は国全体で1万人以上になるのではないだろうか。とすると――ここと同じような施設が各地にたくさんあるのか、『業務』をさせるにふさわしくないと判定されて、別の処遇を受けているのか。まさか殺されたとは考えたくないけれど……
「駆け足やめえ!」
 号令で、ジョティの思考は中断された。
「全員、速やかに監房へ戻れ」
 40人ほどの全裸の女性がばらばらに、建物の横へと消えていった。
 半時間ちょっとのグロテスクな(見る者によっては卑猥で嗜虐的な)賑わいが終わると、庭には柔らかな朝の陽光が降り注ぐばかりとなった。
 午前中は施設のメンテナンスに割り当てられているのか、収容されている女性が雑役に駆り立てられている姿も散見された。庭を熊手のような単純な道具で清掃している者たち、命綱一本で屋上から吊り下げられて外壁をブラシでこすっている者たち。軍用トラックが到着すると、荷運びに従事する者たちもいる。全員が下腹部に入墨のある全裸の――ここに収容されているラハディ族の女性だった。彼女たちの顔に、労働の悦びは無い。しかし、差し迫った恐怖も感じていない。ひたすらの諦念だけが、そこにあった。
 1台の護送車が来て、2人の娘が兵士に連れられて建物へ引き込まれた。新たな収容者かもしれない。断定できないのは、2人ともに普通の格好つまり衣服を着ていたからだ。
 正午をまわると、だんだんとゲートの開閉が増えてくる。マイクロバスや兵員輸送トラックで乗り込んでくる大量の若者。この国ではステータスシンボルである乗用車で乗り付ける民間人と思しき男ども。夕暮れが近づくと、運転手付きのリムジンや将官旗をはためかせた小型軍用車両がちらほらと混ざる。
 たいていの男は玄関を入る前に、オーナメントにちょっかいを掛けてくる。
 玄関をはさんでジョティの反対側に飾り付けられているC30635の若い娘は、乳房を握りつぶされるとか股間を靴先でつつかれるとか、(ここの基準では)ごく軽い愛撫を受けるくらいのものだったが――X10004の焼印を持つジョティへの扱いは、まったく異なっていた。XはG(ゲリラ)よりも凶悪な人物であることを意味している。そういった重罪人には、当然の報いを受けさせるべきだった。
 乳房をサッカーボールのように蹴り上げる。胃液を吐きこぼすまで腹を蹴りつける。足を高く上げて靴底で顔を踏みにじる。わざわざ煙草を吸って、まだ傷も生々しい股間でねじ消す者もいた。
 しかしついに、ジョティは悲鳴をあげることなく暴虐を耐え抜いた。泣き叫べば、あるいはそれ以上の仕打ちを(つぎの一団が訪れるまでは)免れていたかもしれない。それとも、いっそうの嗜虐を誘っただろうか。どちらにしても、同胞からは同情されると同時に失望もされていただろう。いや、それ以上に――ジョティ自身が、サハディの豚どもに屈服したという自己嫌悪に陥っていただろう。
 日が暮れる頃には、ジョティの全身は痣まみれ泥まみれになり、切れた口角から滴る血と鼻血とで顔は赤く染まっていた。
 これでは、数週間後には始まるはずの裁判まで容疑者を生き長らえさせることも難しいと判断されたのだろう。3日目には横木の多い十字架への大の字磔に変更された。足を乗せる台が付け加えられたので、身体への負担もぐんと減った。高い位置からの放水は羞恥のきわみではあったが。
「これだけ派手なシャワーなら、むしろ跡始末に手が掛からなくていいやな」
 たまたま放水を目撃した衛兵がからかったように――切り刻まれて癒着しかけた小淫唇のせいで、小水は放物線を描くこともなくスプレー状に撒き散らされたのだった。
 4日目は早朝にいったん磔から解放されて、身体をほぐすための運動を強いられた。最初は立てなかったので、四つん這いで庭を一周。つぎに、呼び出された2人の収容者に両肩を担がれて一周。最後は自分の足で一周。銃剣とベルトで追い回されたので、尻には浅い刺し傷、背中には無数の鞭痕が新たに刻まれた。そして、ふたたび大の字磔。
 この2日間で、いっそうの残虐に耐えられる程度には回復したとみなされて、5日目には縛り首に掛けられた。Γ形の柱から吊るされた太い綱で首を括られて、50cm間隔に立てられたレンガの上に立たされた。レンガを踏み外したり倒したりすると宙吊りになる。両手は拘束されていないので、綱をつかんで身体を支えれば窒息は免れる。
 レンガの上に立ち続けるだけでも、むしろ(踏み台付きの)大の字磔にされるよりもつらいのだが――訪問客の中には、面白がってレンガを蹴飛ばす者もいた。そうなると、両腕だけが命綱となる。ゲリラとしての訓練でじゅうぶんに基礎体力を養っているジョティだが、連日の磔と少ない食事とで体力は弱っている。10分としないうちに体重を支えられなくなって、じわじわと首を絞められる。片手ずつ力を抜いてしのごうとしたが、首が締まってくると頸動脈が圧迫されて、窒息以前に意識が薄れかける。
 失神すれば、見張っている衛兵がすぐに助けて――レンガの上に立たせてはくれるが、都度、死の恐怖に曝される。
 さいわいに首吊りは夜になると赦されたが、片足だけの逆さ吊りにされた。といっても、やはり両手は自由で上体を支えることもできたので、翌朝までなんとか生き延びることもできた。
 6日目は、白人にちかい少女がされていたのと同じように、2本の柱の間に開脚磔にされて――1本の棒ではなく2本を、前後の穴に串刺しにされた。
 手足につながれた鎖はむしろ弛み気味で、股間を貫く2本の棒で身体を支えられている、心身ともに衰弱しきった少女を甚振る訪問客は、滅多にいなかった。とはいえ、いることは居たのだが。乳房には、さらに十数個の煙草の焦げ跡が追加され、多重の花弁のように変形した小淫唇や膣を拡張する棒杭に押し出された淫核も焼け焦げで無惨に彩られた。
 しかし、哀れな被虐者あるいは凶悪な大量殺人者への懲罰は、このあたりがピークとなった。
 8日目の昼前。Π字形の磔柱に手足をひと括りにされてV字形に吊るされているジョティの目の前で、30人ほどの女たちが兵員輸送車に乗せられて、いずことも知れぬ彼方へと連れ去られた。
 ジョティは担架に乗せられて建物の中へ運ばれた。医務室だか拷問部屋だか定かでない部屋で――傷の手当てを施されたのだから、やはり医務室なのだろう。その部屋の片隅にある木の床板に薄汚れたシーツを敷いただけのベッドで(傷口の化膿を防ぐためだろう)朝晩に裏表をひっくり返されながら、大の字磔の形で4日間を拘束されて過ごした。
 その間の栄養補給は点滴と流動食だった。流動食はスプーンや吸い飲みで与えられるのではない。誤嚥性肺炎を避けるために食道まで太いパイプを突っ込まれて、一気に流し込まれたのだった。そして排泄は、カテーテルによる吸引で管理された。
 ジョティにとっては、どんなに残酷な磔よりも恥辱の4日間だった。

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 中盤までネチネチと責めシーンを連ねて。物語の収束は、最終章でまとめて書き抜けました。
 200枚ちかくになって、『短編』ではなくなりましたが。


 さて。お次は『敗残姫牢虐譚』に着手です。100枚を予定。これくらい、1週間で書いてしまいたいものですが、さて?

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupu Report 5:Snipe Ecstasy(承前)

Interrupt Report 4 →

 100枚前後のつもりでしたが、他の収容者への虐待とかシーケンスを挿入していって、140枚を突破して、まだまだ続く。といっても、250枚にはならないでしょう。
 今回は、その挿入部分とか。見た目は白人そっくりの混血少女(『1/16牝奴隷』が彷彿です)への磔です串刺しです。


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 3人は警察署内に拘置されることもなく、その日のうちに、今度は窓に鉄格子の嵌った護送車で、1時間以上の距離を運ばれた。幹線道路を走って、最後の20分ほどは間道を通ったらしい――としか、ジョティたちにはわからなかった。ずっと目隠しをされていたのだ。
 護送車から降ろされて。首から膝までを蔽っていた穀物の袋が頭から引き抜かれた。警察署内の廊下を歩かせるときに全裸は拙いということでかぶせられて、そのままになっていたのだ。チクチクする不快な肌触りが消えて、その代償は羞恥だった。
 目隠しがはずされて、3人は驚く。大きな建物の前の小さな庭。
 建物の正面にある装飾過多の大扉は閉ざされている。その左右に何本もの柱が地面から突き出ている。扉の左右にある一本柱には、全裸の女が後ろ手に柱を抱く形でひざまずいていた。手も足も柱の後ろで拘束されているらしい。下腹部は無毛で、ネハやニーシャと同じようにアルファベットと数字を入墨されている。PD71358の女性は35歳前後、D60935はジェティよりすこし年上だろう。ふたりとも薄い黄褐色の肌と濃い茶色の髪の毛。外見からはサハディ族かラハディ族か見分けがつかないが、こんな目に遭わされているのだから同胞に決まっている。
 右側の女の横には、金髪の白人少女が狭い間隔の2本柱にX字形に磔けられていた。少女、だろう。異人種の年齢は見定めにくいが、ジョティよりも年上ではなさそうだ。下腹部の管理番号は、SA40021。その股間には3本目の柱が突き刺さっている。
 むごい仕打ちにジョティは熱く怒りながらも――ここに収容されているのはラハディ族だけではないのかと訝しく思った。
 柱は、そのほかにも十字架の下に横棒を足したもの、Π(パイ)字形、Γ(ガンマ)字形など――誰も磔けられてはいないが、その目的としか思えない。Γ字形は、もしかすると縛り首に使うのかもしれない。それぞれの柱の下にライトらしい器具が幾つか置かれている。夜間にはライトアップするのだとしたら、悪趣味もきわまれりだ。
 庭には5人の、やはり全裸の女たちがたむろしている。ジョティたちに虚ろな視線を向けはするが、たいして関心はないようだった。離れているので文字は読み取れないが、恥丘に入墨をされているのは見てとれる。ジョティのような焼印は、ひとりもいない。
 ここは軍事施設なのだろうか。3人は国軍の制服を着た3人の男たちに引き渡された。
 ネハとニーシャが、1本の縄で首を数珠つなぎにされた。
 「おまえたちは、こっちへ来い」
 ひとりの兵士が縄を引いて、ネハとニーシャを連行する。
 ジョティは残る2人に両側から腕をつかまれて、柱の列へと引っ立てられた。
 ネハとニーシャを連行したのは階級章が横線だけの下級兵だったが、この2人の肩章はずっと上の階級を示している。若いほうは2本線の上に三角形――軍曹だったが。中年男は太い2本線の上に大きな金星――なんと、少佐だった。おそらくは、この施設の責任者だ。大物(ジョティ)には大物が応対するということなのだろう。
「あのふたりはGだからな。泣き喚いて夜を明かすことになるだろうぜ」
 若い軍曹が、ネハとニーシャの後ろ姿を見送って言うと。
「Xのおまえには、楽な思いはさせてやらんぞ。まずは、ちっとばかり血の気を抜いてからだ」
 偉いほうは、さらに物騒なことを言う。
 ふたりが泣き喚いて夜を過ごすというのは……X字形に磔けられている少女を見れば想像がつく。全身が鞭痕におおわれている。とくに乳房と股間は赤黒く腫れた上を鋭い線刻が無数に走っていた。
 それが楽な思いとは? 血の気を抜くというのは……自らの身体で理解させられた。
 ジョティはΓ字形の柱の下に立たされた。後ろ手錠を前に掛け替えられた。柱の横棒の先には大小の滑車が取り付けられていて、それぞれから鎖が垂れている。その鎖のひとつが、手錠につながれた。別の1本が、両腕を絞って肘に巻きつけられた。さらに――柱の根元に植えられた鉄環から伸びる鎖も手錠につながれた。
 ずいぶんと手の込んだことをすると2人の軍人を内心であざけっていたジョティだったが。乳首と淫核にテグス糸を巻き付けられて、じわじわと恐怖が湧いてきた。
「痛い……」
 思わず呻くほどに、きつくテグス糸が引き絞られた。そのテグス糸が、滑車の反対側から垂れている2本の鎖に結びつけられた。
「あ……?!」
 今は腕を水平に突き出している。乳首も淫核もテグス糸に引っ張られていて上向いている。もしも腕を下げれば――乳首と淫核がさらに上へ引っ張られる。千切れるかもしれない。
 わずかに腕を動かしただけで、ジョティはこの複雑な仕掛を完全に理解してしまった。腕を水平に保っているのは、それだけでもつらい。手錠だけが鎖につながれているのなら、腕を身体に引きつければ楽になるのだが、そうすれば肘が下がって淫核を引っ張られる。腕を直角に曲げればすくなくとも乳首は楽になるが――下から伸びる鎖がそうさせてくれない。つまり、いつまでも両腕を前に突き出していなければならないのだ。
 しかも……
「こいつは30分くらいで勘弁してやるがな」
 レンガほどの大きさの鉄塊が、手錠に吊るされた。
「く……」
「豆を千切らないように頑張れよ。困るのはおまえだからな。俺たちは、ちっとも困らないぜ」
 淫核を失えば女の性感は大きく損なわれる。女を善がり狂わせて愉しむというフェミニスト(?)には面白くないだろうが、それでもかまわないという男が多いのも事実だ――ということまで考える余裕など、もちろんジョティにはない。
 これが仕上げたとでもいうように、焼印を保護していたフィルムがジョティの下腹部から引き剥がされて、黒く焦げてくぼんだ線刻が露出した。透明なリンパ液の滲出は見られるが、一見すると乾いた印象だった。この先何か月もかけて、火傷が治癒するにつれて赤く色づいた肉が盛り上がってきて焼印として永久に定着するのだが……それ以前に処刑されるのではないだろうか。
 少佐と軍曹とが立ち去って。しかし、庭でたむろしている女たちは磔柱に近寄ろうとはしない。
 ジョティは腕に力を入れて水平に保ちながら、それでも周囲を観察する。施設全体は高い壁で囲まれている。その壁から建物までの空間にはブルーシートが張り渡されていた。つまり、航空機からでも偵察衛星からでも、この庭で行なわれている残虐を窺い知ることはできないのだ。
 隣で柱を背中で抱いてひざまずいているPD71358は、ジョティにも無関心。疲れ切った表情で地面に虚ろな視線を落としている。扉を挟んだ向こう側のD60953は、ちらちらとジョティを振り返っているが、生気の失せた表情は同じ。白人少女だけが顔を上げて、虚空を睨んでいた。
 高い塀の一画、玄関に正対する部分には鉄製のゲートが設けられて、その横には小さな小屋が置かれている。そこからふたりの衛兵が出てきて立哨の位置に就いた。
 ゲートが左右にスライドして、1台のごつごつしたフォルムの乗用車が音もなく(ということは電気自動車だ)庭に滑り込んだ。庭の隅にある駐車場に停まって、きっちりスーツを着こなした40歳くらいの男がふたり、車から降り立った。
 男たちはX字磔にされている白人少女の前で足を止めて、ゲートの横で立哨している兵士を呼びつけた。
「この女のことですね」
 兵士は問われる前から、べらべらと説明を始める。
「A分類は御存知ですね。血量が25%以下――この牝は祖母がラハディで、母親は合弁企業の幹部の愛人に収まっていましたが……」
「ブリティッシュペダリオン・スキャンダルの、あの娘か。こんなところにいたのか」
 男のひとりが、少女の乳房を無雑作につかんだ。
「いや……やめて……痛いっ!」
 乳房を握りつぶされて、少女が悲鳴をあげた。男は眉ひとつ動かさず、兵士に問いかける。
「これは、なにかの懲罰かね?」
「そういうことです。なにしろ、昨日の身元引受人懇談会をぶち壊してくれましたからね」
「ふむ……?」
 男は手を下に滑らせて、入墨をなぞった。
「たしか、Sは不妊処置を意味していたな。それで、早々と商品化したんだな」
「身元引受人を募集したのですが、躾が行き届いていなかったようです」
「だって……ひど過ぎます」
 少女がすすり泣き始めた。
「わたくし……とっくに、身の程はわきまえています。でも、でも……スクールの校長や、わたくしにおべっかを使っていた会社の重役までが……」
「聞かなかったことにしてやるよ」
 兵士が少女の言葉を遮った。股間に突っ込まれた太い柱で押し出されている淫核を指でつまんで、爪を立ててつねった。可憐な悲鳴を絞り出す。
「篤志の慰問者を不快にさせたとあっちゃ、こっちまで叱られる。おまえだって、もう鞭は懲り懲りだろ?」
 はっと、少女が息を呑む。そして、卑屈な言葉を切れ切れに紡いだ。
「おお……お耳を穢して申し訳ありません。旦那さま方、よろしければ……わたくしをベッドへお連れください。ここで教えてもらったテクニックのかぎりを尽くして……御奉仕いたします」
 ふんと鼻を鳴らして、男が身を引いた。
「なかなかどうして、よく躾けてあるじゃないか。しかし、つまらん。せっかく白人そっくりなんだ。もっと驕慢に振る舞ってほしいものだな。そうでないと、甚振り甲斐がない」
 男は白人少女に興味を失って――玄関を素通りしてジョティの前に立った。助手席に乗っていたほうの男も、それに倣う。
「これは……Xか。払い下げ不可物件だったな」
 男はジョティを――いや、ラハディ族を人間扱いしていない。政府のプロパガンダを推進する側に属していれば、当然の態度だった。
「いずれはとびきりの死刑になるでしょうが、なにしろ殺人容疑だけで20件以上もあります。証拠調べが終わるまで何か月もかかるでしょう」
「それまでは、たっぷり愉しめるわけだな」
「念のために申し上げておきますと、この牝は一般分類ではDになります」
 奴隷競売を身元引受人懇談会、収容者を慰み者にしにきた連中を慰問者と言い換えたり、政府による少数民族虐待の言質を与えないように、兵士も教育されている。
「生粋のラハディか。つまらんな。我々との混血、できれば血量50%くらいのCが、背徳的で面白いのだが」
「どうも、きみの倒錯趣味はいただけんな」
 車を運転してきたほうの男が、初めて口を開いた。こちらのほうが格上らしい。
「背徳は、いかんよ。生粋のラハディだからこそ……」
 その男は、ジョティの手首を握って、ぐっと押し下げた。
「ぎひいいいっ……! やめろ!」
 男はジョティの悲鳴を無視して、それでも乳首を引き千切らないくらいには手加減して、ジョティの腕を揺すった。
「多少は人がましくなれるように躾けてやらねばならんのだ」
「お言葉、痛み入ります。では、私もいささかお手伝いを」
 諭されたほうは、淫核を吊り上げているテグス糸に指を絡める。
「ぐううう……」
 ジョティは歯を食い縛って鋭い激痛に――耐えられなくても、どうにもできない。知らず爪先立ちになっていたが、それだけ余計に引っ張られるのだから、いささかも激痛は緩和されない。もしも、白人少女のように卑屈に懇願したら赦してもらえるかもしれないと、ちらっと考えて、そんな自分をジョティは軽蔑した。
「寄り道はこれくらいにしておくか」
 格上のほうが、先に興味を失った。
「反抗的なラハディを躾けるのは義務だが、ここに来てまで公務と取り組むこともあるまい。従順な牝どもに奉仕されてハーレム気分を味わおうじゃないか」
 玄関に向かって歩きかけて、ふと足を止める。
「こいつもSかPにして生き長らえさせる可能性はあるのかな」
「それは、一兵卒の身ではわかりかねます。こいつが望まないだろうとは思いますが」
 Pは妊娠を意味する。一時的な状態であるから、柱に膝立ち磔にされている女の下腹部に刻まれた文字のPだけは、数週間ごとに染色し直す必要のあるフェイクタトゥだ。
 それはともかく――妊娠した女は、出産まではこの収容所に留め置かれる。そして、赤ん坊と込みで身元引受人に払い下げられる。生まれたのが女児であれば、身元引受人は十年後の(あるいは、より早期の)見返りを期待できるが、男児となるとそうもいかない。しかも、牝に比べて牡は交配管理が難しい。D分類のラハディ女に血量50%の男児を生ませても、その子が将来ラハディ女を妊娠させれば、血量は75%まで復活してしまう。結局は根本的な対策が必要となる。殺すのでなければ不妊化しかない。たいていの場合は単純な不妊化ではなく、男性器の切除が行なわれる。そして、男児を込みで身元引受人にとなった者は、個人的に特殊な見返りを期待するか娼売に使うか、どちらにしても女性ホルモンの投与と造膣手術を施すことになる。さいわいに(政府としては残念なことに)、ラハディ浄化政策が施行されてまだ3年。今のところは、東南アジアの某国のようにニューハーフで外貨を稼ぐには至っていない。しかし、おぞましいことに――富裕な国から臓器移植を求めて訪れる人間の数は、すこしずつ増えている。
 ――ジョティは、かろうじて引き千切られずにすんだ3点の疼きに悶えながら、男どもの言葉の幾つかを反芻していた。
 とびきりの死刑……ゲリラへの処刑は銃殺だが、一般民衆に公開されることもあった。それだけではすまされないのだろう。今のように全裸を晒されるのか。それとも、銃殺よりも残酷な方法なのか。
 でも、希望はわずかに残っている。すべての狙撃を立件するつもりらしい。ジョティの供述調書などいくらでも捏造できるにしても、ある程度の客観的な証拠は必要だ。捜査には何か月もかかるのではないだろうか。それまでに、傭兵会社の介入という形で大規模な動乱が始まれば……救出される可能性もある。それとも、証拠隠滅のために収容所ごと全員が処分されるだろうか。
 わずかな希望にすがって数か月を生き延びるのは、しかし耐えられるだろうか。こんなふうに吊るされたり、(4分の3は)白人少女のような目に遭わされたり……X分類の自分は、もっと残虐な処遇を受けるだろう。
「くううう……」
 腕が下がりかけて、乳首と淫核に凄まじい痛みが奔った。腕を上げようとしても、わずかに筋肉が痙攣するだけで、1ミリも上がらない。自然と爪先立ちになっている。
(いっそ、引き千切ってしまえば……)
 その瞬間の激痛は、今とは比べものにならないだろうけれど……一瞬で終わる。この3点の突起を失えば、性的な恍惚は永久に失われる。けれど。さっきの男たちの話では、ここは強制売春館ではないのか。サハディ族の男たちに犯されて……快感なんか、感じたくない。みずから求める男との交わりこそが、愉悦なのだ。
(レイブされてるときは、痛くて怖くて……そうだよね、マラティ)
 もっとも。この4年間でジョティの性感は十全に開発されている。レイブされてすら、感じてしまうかもしれない。そんなのは厭だ。好悪の問題ではない。犯されて殺されたマラティや多くの同胞女性への裏切りだ。
 ジョティが取り返しのつかない決断に至る前に、建物の横からふたりの兵士が姿を現わした。ひとりはジョティを磔に掛けた軍曹、もうひとりは伍長の階級章をつけている。
「頑張り通したな。偉いぞ」
 軍曹が鎖を揺すってジョティを呻かせる。
「まあ、これで実際に乳首が千切れたやつは3人しかないが……」
 レンガ大の鉄塊を持ち上げて、不意に手を離す。
「ぎゃああっ……!」
 ジョティは爪先立ちの背中を反らせて絶叫した。テグス糸が乳首に食い込んで血をにじませた。淫核は、1cmほども伸びた。
「俺たちの顔を見るなり赦してくれと喚かなかったのは、おまえが初めてだ」
 赦してほしくないのかと、伍長も顔を覗き込む。
 ジョティはそいつをにらみかけて――気弱に目を伏せた。
 反発すれば、さらに残酷な仕打ちを受けるだけだ。それでも自分の矜持を保てるならともかく、こいつらの嗜虐を満足させるだけではないだろうか。
「……お願いです。もう赦してください」
 哀願もまた嗜虐への追従(ついしょう)にしかならないのだと、それくらいはわかっていても、突っ張り通す気力はすでに失われていた。
「ふん。ちっとは血の気も抜けたかな?」
 鉄塊を弄んでいた軍曹が、ジョティの唇を指で撫でた。歯を割って口に突っ込む。
 ジョティは、それを舐めて積極的な服従の意志表示まではしなかったけれど、噛みついたりもしなかった。
 手錠から鉄塊を取り除かれて、ジョティは安堵の息を吐いた。
「言うことがあるんじゃないか?」
 鉄塊を吊るす短い鎖のフックで、カチャカチャと手錠を叩きながら軍曹が問う。
「あ……ありがとうございます。赦してくださって、ありがとうございます」
「もちろん、こっちまでは赦してやらん」
 肘から伸びている鎖を揺する。
「こっちは、明日の朝までだ。文句はないな?」
「……はい」
 ジョティは目を伏せたまま唇を噛んだが、顎の筋肉は弛緩していた。無駄な抗議を諦めて屈辱に耐えるというのではなく、従容と運命に身を任せる表情だった。局所での敗北が戦線全体の崩壊につながるという、その典型ではあった。
 ふたりの兵士はほくそ笑んで、攻略目標をジョティから白人少女に移した。
「おまえは、朝からずっと飲まず食わずだったな。喉が渇いていないか?」
「え……はい」
 少女もジョティと同じくらい、いやずっと卑屈な態度で答えた。
「先に言っておくが、俺たちにはおまえをどう扱うか裁量する権限を与えられている。言っている意味がわかるな」
 少女は顔を上げてぼんやりとふたりを見比べている。
「身の程知らずに振る舞ったことを反省しています。どうか、お赦しください」
 意図してか自然とか、哀れっぽい卑屈な口調で懇願する。
 軍曹は無言で、少女の手首を柱に縛りつけている鎖をはずした。
「ひざまずけ。水を飲ませてやる」
 言いながらズボンのチャックを下げて、半ばは怒張している男根を突き出した。
 少女の顔に赤みが差した。言葉の意味を正しく理解したのだ。しかし、両側の柱に拘束されている脚を不器用に折り曲げて――顔を上向けた。
「ありがとうございます……」
 まるきり感謝の表情ではなかったが、軍曹は少女の態度に満足したらしい。大きく開けられた口に向かって放屎を始めた。少女の口に屎があふれてこぼれだすと、そこで止める。少女の様子をじっと見つめている。
 少女は口を閉じて、大きく喉を動かした。
「もっと飲みたいか?」
 少女がためらったのは、どう答えればこの男を悦ばせられるか、それを考えていたのだろう。おそるおそるといった態で答えた。
「……はい。飲ませてください」
 少女がふたたび顔を上向けて口を開けた。
 軍曹が無言で放屎を再開する。今度は途中で止めなかった。少女の口から屎があふれて、傷だらけの裸身を濡らす。少女はあわてて口を閉じて汚水を飲み下したが、そのあいだも放屎は続いて、髪の毛もずぶ濡れにされた。
 放屎を終えると軍曹は、少女の足首を縛っている鎖もはずした。
「自分で跡始末をしたら、雑居房に戻っていいぞ」
 少女が、ごく自然な仕種で土下座をした。
「ありがとうございます。それから……ちょうだいした聖水は、とてもおいしかったです」
 自分をお嬢様扱いにしていた男に売り渡されるのを拒んだ少女は、その裸身に刻まれた鞭痕に見合う程度には躾け直されていたのだった。
 ふたりの下士官が立ち去ると、少女は駐車場とは反対側の隅にある水栓のところまで歩こうとして――足をもつらせて転んだ。ゲート脇の歩哨詰所を振り返った。それから、ずっと様子を眺めていた5人の女たちにも目を向けてから。四つん這いになって庭を横切った。
 水栓をすこしだけ開けて、とぐろを巻いているホースのノズルから弱い勢いで流れ出る水で髪を洗い全身を洗った。途中で立ち上がって。全身を洗い終えると少女は、まだ筋肉が強張っている脚を引きずりながら歩き始めた。遠巻きにしている5人にも、まだ磔けられている3人にも目を向けることもなく、建物の横へ消えた。
 それで、庭から目立った動きがなくなった――わけではない。
 ゲートが開いて、マイクロバスがはいってくる。10人ほどの青年が降り立ち、きょろきょろと周囲を見回して――視線の先はじきに、3柱の磔に落ち着く。私服を着ているが、全員が同じ形に頭髪を短く刈っている。兵士、それもひととおりの訓練を終えた新兵といった雰囲気だった。最後に降りて来た30歳くらいの班長らしい男に率いられて、玄関に吸い込まれていく。三々五々に見えて足並みはきちんとそろっている。
 さらに15分ほどすると、リムジンが玄関に横付けする。運転手の開けたドアからふたりの中年男が降りて、最後に着飾った若い女がふたりにエスコートされて降り立つ。運転手はトランクから大きな鞄を取り出して、玄関口へ運ぶ。中から現われた兵士が、それを受け取った。
 女は3柱の全裸磔を見ても、驚いた様子はなかった。しかし、興味を惹かれたようだった。玄関への階段を上らず磔柱へ寄り道をした。中年男ふたりも女に従う。
「いつもいつも同じポーズ。もっと工夫して……ふうん、PDか。女の子だといいわね。おまえはどう思う?」
 下腹部にPD71358の入墨を施された年増女は、若い女の言葉が自分への質問だとは気づかずにうつむいている。
 若い女が片脚を上げて、ハイヒールのトップリフト(踵先)で入墨の下に露出している肉芽を踏みにじった。
「おまえはどう思うの。男の子がいいの? 女の子がいいの?」
「あうう……どちらでもかまいません。一緒に暮らせることを望みます。もしもお嬢様が身元引受人になってくださるなら、親子でいっしょうけんめいご奉仕します」
 若い女は、まだ好奇心だか嗜虐心だかを満たされずに、ジョティの前まで足を運ぶ。
「これは初めて見る趣向だわね。しかも焼印。小娘のくせにXとは恐れ入るわ。それにしては、ずいぶんと綺麗な肌をしてるじゃない」
 女はハンドバッグから細巻煙草を取り出した。男のひとりが、すかさずライターを差し出して火を点ける。女が深々と煙草を吸って火口を灼熱させる。すっとジョティの乳房に近づける。
 ジョティは微動だにしなかった。女の意図がわからなかったのではない。身を引けばいっそう乳首を傷つけられるのを怖れて――でもなかった。さっきは不本意にも卑屈な態度をとってしまったが、高慢な女にまで屈するのを潔しとしなかった。彼女にできる抵抗は、加虐を傲然と受け容れるくらいしかなかったのだ。
「く……」
 乳房で煙草を揉み消されて、ジョティは顎の筋肉を緊張させて歯を食い縛り、顔を上げて女をにらみつけた。
「ふうん?」
 女が、また細巻を取り出して。無傷なほうの乳房にも黒い焦げ跡を刻みつけた。
 ジョティは、女をにらみつけながら口の中に唾を溜めた――が、ふっと目をそらして、それを脇へ吐き捨てた。ほんとうは顔に吐き掛けてやりたかったのだが、その報復が怖くて……しかし唾を呑み込むのも自尊心が許さなかった。
「気に入ったわ。今日は、この娘で遊ぶ。いいでしょ?」
 最後の言葉はエスコート役のどちらにともなく向けた言葉だった。そうしてみると、彼女がふたりの主人というわけでもなさそうだった。
「どうかな。焼印を捺されたばかりということは、リナの見立て通りの未調教だろう。手に負えるのか?」
「まさか。こんな小娘ひとりを、あたくしが持て余すとでも? 野生の獣を調教する手並みを御披露いたしますわ」
「ふむ……」
 男のひとりが衛兵を呼びつけた。
「こちらの貴婦人は、このXレートの娘を御所望だ。手配をしてくれ」
 言いつけると、貴婦人とやらを伴なって玄関口へと踵を返した。衛兵は駆け足で建物の端まで行って、横手へ回り込んで姿を消した。
 ジョティは磔のまま放置されている。
 植込みの陰から様子をうかがっていたC42503の入墨をされた20代半ばほどの女が、歩哨詰所のほうを気にしながら、ジョティのすぐ近くまで歩み寄ってきた。
「あいつ、すくなくとも3回はここに来てる。相手に選ばれた3人とも、半月ばかりは業務を免除されたっけ。気をつけな――といっても、どう振る舞えばいいかわからないんだけどね」
 ジョティには理解できない忠告を与えて、そそくさと立ち去りかけて、思い出したようにつけ加えた。
「あんたはXだから、変に疑われたくないから、仲間外れにされると思う。でも、ほんとはみんな、心の中ではあんたを尊敬してる。Xだものね。Gより凄いんだよね」
 こちらは、まだ理解可能だった。ゲリラと関わりがあると疑われたら、あらためて尋問されるだろうし、日常的に虐待されている処遇がいっそうひどいものになるだろう。しかし、サハディ政府に反逆するゲリラは、ラハディ族の英雄でもある。ゲリラよりも悪質と政府から認定されたX分類のジョティは、Gよりもいっそうの尊敬を集めてしかるべき存在なのだろう。
「……ありがとう」
 そう答えはしたけれど。ジョティは戸惑っていた。もしも彼女がここに収容されている同胞から尊敬されているのだとしたら――自分の都合だけでサハディに屈服していいものだろうか。やはり、さっきの女には唾を吐き掛けるべきだったのだろうか。
 もしも自分がジャンヌ・ダルクとして振る舞うことを期待されているのなら、やはり最後は悲惨な最期を遂げるしかないのだろうけれども。
 ジャンヌ・ダルクが百年昔か千年昔の女性かは知らないけれど、神の声を聞いて、劣勢の自国軍の先頭に立って戦い、最後には敵の手で火刑に処せられた――という程度の知識はあった。
 自分は、サハディを代表して戦ってきたのではない。妹の復讐、それだけだ。
 だけど。自分がラハディどもにレイブされて泣き寝入りするしかない無力な小娘に過ぎなかったとしたら、敵を何十人も殺した女性が今の自分と同じ目に遭わされていたとしたら――その女性が最後まで英雄的に振る舞うことを期待するだろう。
 どうせ、最後には死刑に処せられる運命なのだ。それまでにわずかな安逸を求めようと、不必要な虐待をみずから招こうと、結局は同じではないだろうか。
 捏造の供述書への指紋押印を拒んだときや磔にされたときも、同じようなことを考えていたと――ジョティは思い返している。しかし、同じ文脈から導き出される結論は、まるで正反対になっていたのだった。
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串刺磔


 どうも進行が遅いです。
 GPの雇われ騎士になって、通勤(往復)時間が3時間→1時間弱になりました。もっとも、勤務開始前に義務付けられているルーティンが30分ほどあるので、実質的には1時間半の短縮です。勤務が終わって帰宅するのが18時前。即刻晩餐守酒盛(ばんさんのかみさかもり)で、就寝は20時。なのに、やはり4時まで寝て、起床時刻は30分ほど早まったものの、コロナ対策もあって朝風呂で体温アップの免疫強化。結局、打鍵に使える時間は変わらずですな。
 鹿も牛も、完全週休2日で、祝日も盆暮も無し。年間30日ほど休日が減ります。
 それと。短編ということは、比較的に密度が高いです。
   ひゅんっ……ビッジイン!
  「ぎゃわあああっ!」
 行稼ぎが減ります。
 という次第で、仕上がるのは年内ぎりぎりになりそうです。




テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 4:Snipe Ecstasy

 進めています。
 まずはPLOTを。


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●現代外国内戦

ヒロイン
『砂の薔薇(新谷かおる)』のアイリーン・サンダースを少しだけ可憐にしたタイプ(性格、容姿とも)
初恋の彼
【へのへのもへじ】で十分。

1.廃ビルの屋上。伏射姿勢のヒロイン。スコープに浮かぶターゲット。
  「妹の仇……」
  銃声。スコープの中で、胸から血を噴き出しながら仰向けに倒れるターゲット。
  仲間に守られて階段を駆け下りる。
  車で逃走。射殺の瞬間を脳裡で反芻しながら、股間をまさぐるヒロイン。
  アジトで仲間のひとりと濃厚なSEX。
  吹き荒れる民族浄化の嵐。ヒロインの妹も、その犠牲となった。
  スコープの向こうににいるのは、常に妹の仇。
  でも、妹の仇討ちができるのも、あと三か月。
  某国の援助を受けて一斉蜂起する。
  ヒロイン側の指導者は民族融和を掲げている。

2.狙撃失敗。敵に追われながらの逃亡。
  逃げ切ったエクスタシー。
  アジトで別の仲間と濃厚なSEX。
  仲間内の恋愛はタブーだが、ヒロインは例外。
  SEXしないとモチベーションが上がらない。妹がレイブされて殺されたときからだ。
  SEXは、けっして怖いものじゃない。快楽だ。
  それを確認して。この愉悦を知らずに殺された妹へのレクイエム。
  仲間の女性からは、むしろ同情されている?

3.アジトを急襲されて捕まる。
  憲兵隊で取り調べ。
  裁判までラブキャンプに収監。レイブのための施設。
  兵隊の性欲を処理することで、民間人への暴行が減っている。
  「殺せ」
  「わが国は法治国家だ。裁判抜きの処刑はできない。
   おまえは要人だけでも10人以上殺している。
   証拠固めに半年はかかるだろうな」
  レイブ宣告に歯ぎしりするヒロイン。
  しかし、希望でもあった。三か月後には……

4.屈辱的な身体検査。性病の厳重チェック。
  施設内で女性は全裸。
  監視の兵も「客」も、パンツひとつ。隠しカメラの徹底的な排除。
  雑居房の中の、壊れた人形のような女性たち。
  ふつうのゲリラの何十倍もの損害を与えたヒロインは特別待遇。
  運動場で磔レイブ。家畜用の催淫剤を塗られて、強制的にイカされる。
  イラマチオ併用で2人ずつ処理。
  歯を立てたと言いがかりをつけられ、懲罰。
   A案:鞭の数え打ち。途中で混乱させて数え間違い。やり直し。
   B案:乳首クリ電撃拷問
   C案:このシーケンス省略

5.ある日、初恋の彼(その頃は民族対立が激しくなかった)が「客」として訪れる。
  愁嘆場ではないが、ちょいとスパイスのシーンを。
  彼を憎みながら、憐憫も感じる。
  監視役の言動から、彼が鎮圧部隊の大尉とわかる。
  一斉蜂起で、おそらく殺される。
  感情の交差。初恋の彼とのたった一度のSEX……
  催淫剤の効果もあって、これまでにない激しさで悶えまくるヒロイン。

枚数の半分は4.で。
狙撃失敗のシーケンスは無し?



ご都合主義的名前
民族融和と西洋先進諸国への同化を目的に、公用語は英語、名前も英語風。
現地語の名前は差別的に使われる。
民族独立戦線側は現地語の名前に固執。
政府側はゲリラを現地語名で表わす。
収容所では番号
①②+5桁数字
①:P=妊娠,S=断種,N=その他
②:Aは血量25%以下
  Bは血量50%以下
  Cは血量50%超
  Dは純血
  Gはゲリラメンバー
②+数字は入墨(1文字10mm×15mm)
ヒロインは特別扱いのX:X10004 
種別+管轄1桁+通し番号4桁



ジョティ・ミシュラ(ジョアンナ・ミラー) 妹はマラティ
♀ネハ、ニーシャ、シャルミラ
♂ジャギ、シャルマ、ラケス、ディル、アミット



バラート・アブラル(ロバート・ラルフス)


多数民族 サハディ 近親憎悪も?
少数民族 ラハディ

ジョティX10004/ニーシャG10380/ネハG10381

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 章立ての後は、On the Job Memoです。
 架空の地域ということで、英語名前はそぐいません。けれど、丁稚揚げるのもしんどいしで。
 主要人物だけはインド系の名前も紹介して、でも国策(創氏改名)で登録名は英語風ということにしました。
 これはこれで、背景世界に色がついてきます。


 ぶっちゃけ、現在は3.の後半ですが、すでにPLOTを逸脱しています。
 最後の狙撃失敗が、なぜかテレビでは「国営銀行総裁暗殺される!」となっている。というストーリイにしました。これで、最後が当初PLOTにないドンデン返しへの伏線となります。
 外国の傭兵会社の介入が、実は少数部族への味方(=革命/クーデター)ではなく、多数派部族(政府側)の味方になる。かもしれないという……最後まで、どっちに転ぶか、筆者にもわかりません。


 4.冒頭の身体検査なんか、無し。
 施設に収容されるや、ヒロインだけは『血抜き』と称して過酷な磔にかけられます。
 両腕を水平に前に伸ばして、滑車で折り返した鎖と手錠が連結されます。鎖の反対側からは2本のテグス糸が伸びて、乳首を吊ります。腕を下ろせば乳首が千切れます。手首には錘も追加されてます。
 しかし。これだけだと、ズルができます。二の腕を体側に引きつけて手首を上げていれば楽チンです。
 そうはさせじと。肘にも別の鎖をつないで、これは滑車で折り返してクリトリスを括ります。上記のズルをすると肘が下がるのでクリが千切れます。
 なおも。二の腕だけ伸ばして手首はL字形に上向きにすれば……させません。手首には、下から伸びている鎖もつなぎます。
 腕を水平にまっすぐ伸ばしていない限り、乳首かクリか、それとも両方かが千切れます。

 さらに。ついでだからと。1本柱を後ろ抱きにしてひざまずいた形の磔2柱が、玄関の飾りで日替わりです。加賀藩だったかの人間門松通年バージョンです。
 身元引受人相談会(という名の奴隷オークション)で暴れた少女が2本棒のあいだでX字磔にされています。3本目の太い柱が股間を貫いています。オークションをぶち壊した懲罰で、全身鞭痕だらけです。しかも、この少女。一見すると白人です。外資系合弁会社の偉いさんの現地妻との間の私生児で、クォーターという設定を急遽丁稚揚げました。これまでは学校でも、会社の部長クラスあたりからもチヤホヤされていたのが、少数民族の血が混じっているとわかって投獄されて、しっぺ返しのごとく虐待されます。『16分の1の牝奴隷』と同じ構図です。


 『真剣裸勝負』でイチャイチャしか書けなかった反動で、思い切りはっちゃけますぞ。

 あと、PLOT最下段の記号。G10380とか。
 Aは血量25%以下、Bは50%未満、Cは50%以上、Dは純血劣等民族です。
 GはゲリラのG。血量に関係なく虐待の対象です。ヒロインは直接に何十人も殺しているので、特別待遇のXです。
 数字は、最初の1桁がその収容者を捕らえた所轄(各地の警察や軍隊)で、つぎの4桁が各クラスごとの通し番号です。Dが最も多くなります。
 さらに、追加記号にSとPがあります。Sは不妊手術済。Pは妊娠中。
 Sは速やかにオークションにかけられます。
 Pは出産後です。女児なら、将来の楽しみがあります。男児は……『廃物利用』されかねません。運が良ければ、性器切除されて、適切な時期に女性ホルモンを投与されて造膣手術を受けさせられます。


 ふう。これまでに書いた作品のどれよりも残虐なシチュエーションです。

 けっこ、ノッて書いています。

crucified-women-hanging-naked-alone.jpg 

Interrupt Report 5 →




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ジャンル : アダルト

Interrupt Report 3:真剣裸勝負

 途中経過でなく事後報告です。
 『Hypnotic Spy』をさらに下回る70枚(22680文字)です。かつての「SMセレクト」時代に匹敵する短さです。21世紀になって執筆した作品でこれより短いのは『DQ4ever』68枚が1本きりです。
 今回は終盤に甘々の緊縛違和姦(和姦ではないが「強」というほどでもない)があるだけです。
 細かな部分は書いているうちに変わりましたが、ともかくPLOTを紹介しておきます。

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金山次郎右衛門
妙見流五代目
三千石の旗本(金山太郎左衛門)の弟。
仕官の口利きしてほしさに弟子になる者も多い。
幕府への仕官は無理。諸大名の江戸屋敷詰めなどに。
妻の清とは10年前に死別。後添えはもらわなかった。
清とそっくりに育った娘。「そっち」へ持っていくかはペンディング。

直女(なおめ)19歳。ひとり娘。次席師範代。師範代筆頭は空席。
ファザコンにするかもペンディング。

野中三次郎 50俵3人扶持の御家人の三男坊。少年時代に父親が鍋島藩の武士と知己に。
 次席師範代。腕は直女にわずか劣る。

 
弟子は婦女が7人。
年少者11人
新弟子17人(うち7人は撓刀許可):入れ替わりが激しい。仕官推薦の見込みなし/直女を射止める見込みなし
古株(1年以上)33人。
68人。精勤は半数。


偶数日:午前中は初心者(三次郎)、婦女(直女)
    午後からは自由稽古。
奇数日:午前は自由稽古。年少者は見学/素振り。
    午後からは総稽古(道場主)。婦女は除く。
 熱心な弟子は来ない日も自己鍛錬。

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色恋無用
 四人の女子に懐剣術。
 順手が基本。逆手は防御、あるいは必殺。
 新弟子に教授中の野中に仕太刀を頼んで逆手防御からの刺殺。
 昼餉。野中は道場の隅で弁当。直女は父親と。朝に作り置きの味噌汁と大根煮付け。
 (通いの下女は夕餉の支度のみ)
 昼からの自由稽古。直女が下級者、野中が上級者。
 ただし、下位組に上級者が混じる、あるいはその逆も。月の初めで決める。
 下位の者との稽古はむしろ上達の妨げ。ときおり独り型稽古。
 この日は15+20。
 直女も男と同じ姿。胸の晒しも無し。
 上位組が終わってから下位組の清拭。直女も越中褌一本。
 新参の二人。越中もっこり。直女にたしなめられて、ひとりが、なれなれしく。濡れ手拭いで打ち据えられて悶絶。

強辱夢想
 入浴。もっこり無礼者への軽侮。直女目当ての入門者も少なくない。
 だらしのない。手拭いの一撃などかわすか、いや、平然と受け止めて反撃するくらいの気迫が無いものか。
 余裕綽々に峰打ちをくらわせて狼藉に及ぶ男――を夢想して、乳首勃起。冷水を浴びて正気に戻る。
 男の顔が野中に重なる……

一本勝負
 野中を婿に迎えて主席師範に就けたいのだが。
 父上は、わたくしの誓い立てを御存知のはず。わたくしより弱い男を婿に迎える気はありません。
 さて、きゃつはおまえより弱いかな。
 実は打診して承諾を得ている。本気(怪我への配慮無用)で立ち会ってみろ。
 総稽古の日。野中も直女も見所の両脇に端座して不動。
 模範試合。
 野中が打ち込み直女が受けるよりかわす試合運び。
 引いた直後に鮮やかな小手。
「いっぽ……」
 野中が体当たり。肩でこじって押し倒して、胸に顔を埋める。
「野中の勝ち!」
 直女の抗議。
「未熟者。おのが衿を見よ」
 咬み破られている。
「これが真剣の試合ならば、野中は両手を切断され、直女は首の血脈を咬み切られておる。死んだのはおまえだ」
「…………」
 それは屁理屈。両手を斬り落とされて、即座に反撃などできない。
 こちらも、とどめを差すまで気は抜かない。
 憎からず思っている男の嫁になる嬉しさの百倍にもなる口惜しさ。
「直女。野中を婿に迎えよ。異存はないな」
「あいや、しばらく。おっしゃる通り、真剣なれば拙者は両手を斬り落とされました。いわば役立たずの身。このお話を受けるわけにはまいりませぬ」
 直女、憤慨。
 よろしいです。。そこまで真剣云々を言うのであれば……

身剣伝授
 真剣勝負は掛かり稽古とはまるきり違う。
 三年前の記憶。
「おまえは強くなりすぎた」 雷神会『シバキの刻』
 越中褌一本で向き合う父娘。
 父は刃引き。ただし、巻藁両断実演。寸止めはするが、腕の一本も折るやもしれぬ。
 娘は真剣。父を斬りはしないかという不安も。
「おかしなもので、甲冑でもないのに衣服一枚で身を護れる気になる」
 手も足も出なかった。
 野中殿は、真剣の恐ろしさを知らぬのではないでしょうか。

雪辱左封
 翌日の午後からの自由稽古。いつもより少ない。直女を諦めた者も?
 道場清掃後。清拭前。左封じ。渡してドギマギ。清拭で野中を正視できない。付文でもあるまいし。
 五日後に父は兄の家に泊る。

変幻二刀
 深夜の道場。
 素裸で真剣を構える男。うろたえる娘。
「わたしは女子供は殺しません」
「しかし、あなたは殺されないかぎり、負けを認めないでしょう」
 屹立する魔羅。これぞ二刀流(トハ、タブン書カナイケレド)
 魔羅に注意を奪われて、あっさり押し倒される娘。
 抵抗する娘は、刀の下げ緒で手足を縛られる。

一日一死
 たっぷりと時間をかけた愛撫。
「こ、このような辱め……殺されたほうがましです」
「女を殺すには手順が大事」
 男のいう『殺す』が命のことではないと、さすがに感づく娘。
 いっそうの屈辱。
 実核を嬲られて感じてしまう。
 縛めをほどかれても抵抗する気力を失っている。
 いっそうの陵辱を期待する自分にうろたえる娘。
 さんざんに蕩かされてからの貫通。
 苦痛よりも充足感が大きい。
 抽挿しながらの実核嬲り。高まっていく。
「あなたは……いったい、どういうお方なのです?」
 快感に溺れまいとして頑張る娘。
「真剣勝負の経験もあるうえに、わたくしの知らない感覚をわたくしから引き出してしまう……」
「真剣勝負は、したことがありません」
「しかし、わたしは毎朝死んでいます」
「葉隠をご存知か。目覚めるごとに死ぬ修練をしておれば、何事にあたっても覚悟が定まるのです」
 ※葉隠れは江戸時代後期。「先祖代々の修行法」と。
「斬られて死ぬ瞬間を寝床の中で考えます。肌に迫る刃、肉を切られ骨を絶たれる痛みを頭に描きます」
「溺れ死ぬこともあります。崖から落ちるときも。狼の鋭い牙も知っています」
(女の扱い方までは想像もできないのでは?)
 それについては、男は語らない。
 感覚の波に押し上げられながら、男が抱いたであろう多くの女への嫉妬。
 ぐっと子袋を突き上げられる感覚。
 男が掌で下腹部を押さえながら、探るように抽挿。
 どこかの一点を雁首がこすり、そこを手のひらで圧迫された瞬間。
 一撃必殺処女昇天。
「これからは、あなたにも寝床の中で死ぬ修行をしてもらいますぞ」
「ただし朝ではなく、眠る前に」

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四つ割り竹刀は無かった時代。
袋撓(ふくろしない)の改良型。
一本竹を、刀身に相当するところは16に割り、刀身を模した革袋で包んだもの。
側面で打つと大きく撓うが、刃筋で打てば剛性が高い。
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 それにしても。たった70枚で7章仕立てですか。長めの話だと全体で1章なのに。でもまあ、それだけ場面変換はありますけどね。なんだったら◇◇で区切るとかでもよかったのですが、電子書籍(PDF含む)では目次があればそこにジャンプできますから。

真剣裸勝負

 さて。こうなったら、亀甲縛りの勢いで2月予定『Snipe Ecstasy』と3月予定『人質姫牢虐譚』も書いておきましょうかしら。
 なんとか時給千円のフルタイムアルバイトも見つかったことですし。
 ちなみに1:今度は通勤15分です。通勤1時間半で時給1500円と、実質時給では200円の差でしかないです。
 ちなみに2:娘はスナックでアルバイト(苦学生?)の時給1750円です。高給取りめ!


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Cancellation Report:ショタマゾ

 いったんは書き直しかけたものの、結局は挫折しました。
 どうにも二番煎じの責めシーンばかりになりました。ショタネタとなると、どうにもン十年前の実体験が下敷きになる傾向(フィクションとしてのinputは、それほどありません)があり、限られてきます。
 腐女子向けなんて指圧のココロは下心があって、そのせいで視点がぶれたりもしました。
 あと……この3年半、長いのばかり書いてきて、創作宇宙(とは大袈裟な)において、重心の不均衡が著しくなってきたかなと。これは、『Hypnotic Spy』を書いて痛感しました。責め場シーンが少なければ100枚前後でもそれなりにまとまります。
 ので。前後編で500枚はいきそうなショタマゾは、とりあえずキャンセル。
 ZSSS(Zero sum short stories)を何本か書いて、これを月イチで発売していきます。月に2作はいけるでしょうから、在庫が溜まります。そのうえで……長目の作品に回帰しましょう。
 以前に『魔女狩りのプロローグ』も中断しましたが、これはじきに書き直して上電できましたが。さて、ショタマゾはどうなりますことやら(SF短編を書いてたころは、完成率50%を切ってなかったっけ?)。


 せいぜい2桁程度の売れ行きをおもんぱかって「売れ筋」を狙うなんて、金輪際やなこってす。せめて3桁台後半なら、迎合路線もありますけどね(をい!)
 アイキャッチは……死屍累々ですかしら。
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テーマ : 日記
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 2:Hypnotic Spy

Interrupt Report 1→



 脱稿しました。3万文字/92枚(11/17訂正)。1週間ちょいでした。
 最初に色責めがあって、40時間ほど感覚遮断(視覚と聴覚のみ)があって、水責め+鞭打ち。
 それに引き続いて、タッカー(ホチキスの親玉)で、筆者が(リアルでもフィクションでも)苦手な爪裏の肉への針打ち込み、さらに乳房&乳首、クリトリスと針を打っていき、これに銅線をつないでの電撃責め、電極付2穴凶棒添え。というハイライトシーンを御紹介。


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 尋問用の椅子が部屋の中央に引き出される。一昨日にもジェーンを座らせた、随所に拘束用の革バンドが取り付けられている椅子だ。しかし、今はオプションともいうべき仕掛が追加されている。座面から突き出た二本の棒だった。
 背もたれに近い側のそれは、ダンベルに似ている。金属製で頭部の直径は4cmほど。3cm弱の胴部には長さ2mmくらいの棘が無数に突出している。
 手前のそれは、いっそう凶悪だった。銅線が粗いピッチで巻きつけてある六角柱だった。先端は丸められているが、対辺距離は5cmを超えている。
 ジェーンは両側から、女児におしxこをさせるような姿に抱えられて、椅子の上に運ばれた。
「無理……やめて! 裂けてしまう!」
 残された体力と気力を振り絞ってもがいたが、屈強な男ふたりがかりにかなうはずもない。まず、女淫に六角柱を先端だけ埋め込まれて――金属柱と肛門とが一致するように前後に揺すられながら、下ろされていく。
「痛い痛い……や、やめ……ぎゃあああっ!」
 男たちが手を放すと、ジェーンは前へ倒れ込んだが、手錠に拘束された腕と背中のあいだに背もたれをこじ入れられているので、中途半端な姿勢で引き止められてしまった。
 座面に赤い染みが広がった。
「ほんとうに裂けたようだな。どうせ、死体になるのだ。手当の必要もあるまい」
 取調官がうそぶく。
「これでは、穴を使う気にもなれません。本官たちはお相伴にあずかっていますからかまいませんが、他部署から文句が出ませんか?」
「連中も、25歳の年増にそうそう執着しないだろう」
「とはいえ、保衛部のように十代の娘を教導する機会も巡ってきませんがね」
「そんなくだらん理由での転属願いは許さんぞ」
 犠牲者にとっては恐ろしい馬鹿話をしながらも、拷問の準備は着々と進められていく。取調官の指示で二つ星が戸棚から取り出したのは電動式のタッカーだった。コの字型の針を木材などに打ちこむ、わかりやすい商品名でいえばホチキスの親玉である。
 その射出口がジェーンの太腿に押しつけられた。
 タン!
 軽い音とともに、幅1/2インチ×足長3/8インチの針が肉に打ちこまれた。
「く……」
 瞬間の出来事に、激痛はあとから身体に沁み込んでくる。
 タン!……タン!……タン!
 ジェーンの右の太腿に、付け根から膝まで四つの針が平行に並んだ。
 取調官は無表情に、左の太腿にも同数の針を打ち込んだ。
「ここまでは小手調べだ。板を持ってこい」
 肘掛に固縛されたジェーンの手をこじって、幅20cmほどの板が左右に渡された。
「指を伸ばせ」
 一つ星がジェーンの左手の指を板に押しつけた。人差し指の爪と中指の爪に、タッカーの射出口が斜めに押しつけられる。
「ま、まさか……」
 ジェーンが唇を震わせる。
 タン!
「ぎゃわあっ……」
 コの字形のステープルが爪裏の肉に深々と突き刺さった。
「やめて……赦して! わたし、ほんとうにスパイなんかじゃ……ぎゃああっ!」
 中指と薬指も、同じように縫い閉じられた。
「くううう……ううう」
 ジェーンはすすり泣いている。小さな棘が刺さっただけでも悶絶しそうになる敏感な部分を、棘よりもずっと太く鋭い針に10mmも突き通されたのだ。鞭打ちとはまったく異質の激痛だった。
「次は右手だ。自白すれば赦してやるぞ?」
「わ、わたしは……ジェーン・ダグラス、25歳です。身長は5フィート3インチ、体重は132ポンド、スリーサイズは35/24/35です。わたしは、アーマー・アナリシス社と専属契約を結んでいるフリーランスのジャーナリストです。何も盗んでいません。いつのまにか、機密部品がわたしのバッグに紛れ込んでいたのです」
 ジェーンは白状すべき(と、自分が思い込んでいる)事柄を、熱に浮かされたように並べ立てた。それは、最初に尋問されたときの答えとまったく同じだった。
 ジェーンの右手が板に押しつけられる。
「いやあ! やめて! なんでも白状します!」
 タン!……タン!
 乾いた音と甲高い絶叫とが交錯する。
「くうう……うう、ううう……」
 すでにジェーンの顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。しかし、拷問は始まったばかりだった。
 後ろからジェーンの背中が押さえつけられる。タッカーが乳房に押しつけられて。取調官は尋問を重ねようとはせず、無表情に引き金を引いた。
 タン!
「ひいっ……!」
 タン!
「きひい! いやあ……やめて!」
 ジェーンは身悶えも許されず、頭を左右に振って髪を乱して訴える。
 タン!……タン!……タン!
 乳首を中心に90度の間隔で四本が打ち込まれ、その間を三等分してさらに八本が乳房に突き刺さった。
 さらに――射出口の一端が乳首の頂点に当てられた。
「いやあっ! そこは駄目! お願い……わたしはスパイじゃない! 部品なんか盗んでいない!」
 タン!
「ぎゃはあああっ……!」
 射出口が90度回転して、さらに針を吐き出す。
 タン!
「がああっ……!」
 しゃがれた絶叫とともに喉から血が飛び散った。
 タン!
「かはっ……!」
 悲鳴もかすれてきた。
 タン!
 四本目が打ち込まれて、乳首は十文字の針で陥没してしまった。
 とどめとばかりに、乳首をまたいで二本がX字形に突き刺さる。
「まったく強情な牝豚だ。しゃべる気がないのなら、しゃべられないようにしてやろう」
 一つ星が部屋の隅の屑籠からボロを取り出した。かつてはジェーンのパンティだった布だ。それを丸めて、口に押し込む。
 ジェーンは自分から口を開けはしなかったが、顎をつかまれると抵抗もしなかった。むしろ、無駄な訴えを叫ばなくてすむと――安堵の想いさえ、かすかにあった。
 布を詰められた上からガムテープを貼られて、ジェーンは完全に言葉を封じられた。
 ずじゅ……ずじゅ……くふっ……
 涙を詰まらせた鼻で荒い息を繰り返しては、吸い込んだ涙にむせる。
 拷問が再開されて、残る一方の乳房にも同数の針が打ち込まれた。
 ジェーンは半ば失神して、針が打ち込まれるたびに、ぴくんと肩を震わせるだけになっていた。
 しかし、アンモニア臭のきついスプレーで、強制的に意識を鮮明にさせられる。
「真実を白状する気にはなれないかな?」
 取調官が耳障りな猫なで声で尋ねる。
 ジェーンは、かすかに首を横に振った。最初から真実を語っているのだ。信じてもらえないのなら、語るべき言葉は無い……。
「ふん……」
 タッカーが思わせぶりに腹を撫でて――淫裂にたどり着いた。
「んん、んんん……」
 ジェーンは弱々しく呻いて、弱々しく首を振り続ける。もしもこの瞬間にガムテープを剥がされていたら――あるいは、速やかな殺害を嘆願していたかもしれない。もちろん、その絶望的な願いすらもかなえられるはずはなかったのだが。
 取調官が淫裂の頂点を指でくじって、肉襞の奥で委縮しているクリトリスをほじくり出した。それを淫埠の上に引き伸ばして、そこにタッカーの射出口を押しつけた。
「この小さな部分に、男性器官と同数の神経が集中しているそうだな。この一発の苦痛は、男の俺には想像もつかん。まだしゃべる気にはならないのか?」
 ジェーンは弱々しく首を振るばかり。緘黙の意志表示ではない。つぎの瞬間に訪れる凄絶な激痛への絶望でしかない。
 取調官は、いっそう強くタッカーを押しつけて――引き鉄を引いた。
 タン!
「ん゙ん゙ん゙ーっ!!」
 ジェーンは二穴を貫く柱に逆らって腰を引き、拘束された身に許されるかぎりに背中を反らせて――そこで硬直した。
 すかさず気つけのスプレーを鼻先に吹かれて、激しく咳き込む。あまりの激しい息に鼓膜がボコボコと鳴るのを、ジェーンは聞いた。
 ジェーンの咳が治まるのを待って。小淫唇が引き伸ばされた。一つ星が指を広げて小淫唇を太腿に押しつけ、その指の間にタッカーが当てられる。
「…………」
 ジェニーはうなだれて、涙にぼやけた目で自分の下腹部を眺めている。つぎも激痛だろうが、クリトリスへの一撃に比べればたいしたことはないように思えた。
 タン!
 小淫唇が太腿に縫い付けられt。
 タン!……タン!
 三点で小淫唇は完全に太腿と密着した。
 反対側も同様に縫い付けられる。
 タン!……タン!……タン!
「おまえは、これが拷問だと思っているだろうが、実のところは下地作りに過ぎん。本番は、これからだぞ」
 ジェーンは、無感動に取調官の言葉を聞いている。何を言っているのか、まったく理解できなかった。
 細い銅線が持ち出されて、ジェーンの肉体に打ち込まれた針の下にくぐらされる。銅線の先が肌を突き破ることもあるが、お構いなし。激痛に馴致させられたジェーンも、身じろぎすらしない。
 ジェーンの身体につながれた銅線は全部で七本――左右の乳首、両手、太腿、そして女性器。その銅線が、電源ボックスの別々の端子にネジ止めされた。
 そして。ジェーンの二穴を貫く凶悪な柱を椅子の裏側から固定しているネジに、ビニール被覆された太い電線がつながれた。
「また快楽を味わえると期待しているかも知らんが、そうはいかんぞ」
 電源ボックスには、右下に大きな切替スイッチが取り付けられている。取調官は、それを青から赤へと切り替えた。さらに、快楽拷問のときには使わなかった幾つかのスイッチを操作する。
「最初は百ボルトから始めてやろう」
 電源ボックスの右上にある赤いボタンを取調官が押した。瞬間、ジェーンの全身が激しく震え始めた。
「んんん、んんんーっ!」
 苦悶のハミングを鼻から噴き続ける。
 ボタンから手が放されると、ジェーンの痙攣は止まって、ぐたりと弛緩した。
「今のは、近隣ポイントへの通電だ。女性器と肛門、太腿から太腿、同じ体側の指先と乳房――といった具合にな」
 取調官がトグルスイッチを切り替える。低周波用の三つの小さなダイヤルの下にある横長のスライドを左から三分の一あたりまで動かした。
「つぎは、全身から女性器と肛門へ向けての通電だ。電圧も一千ボルトに上げてやる」
 通電されてもいないのに、ジェーンの膝が震えている。取調官の脅しを理解している証拠だった。
 赤いボタンが押される。
 ガタガタと椅子全体が小刻みに揺れ始めた。それほどに、ジェーンの痙攣は凄まじい。
 手の指が突っ張って――針に肉を咬み破られた。指先が激しく震えて、鮮血をあたりに飛び散らせた。
 数十秒の通電が終わると、ジェーンは完全に意識を失っていた。気つけのスプレーを吹きつけられても反応しない。

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こうず
 さて。表紙BFは、これから作成ですが。こんな構図でいきますか。
 たくし上げられた紫のスカートは消して、鎖とフックと縄の位置関係を重ね合わせで補正して、拷問椅子のサイズとか調整。

 BF作って、校訂して、月刊濠門長恭12月号は、これになります。
 新年号にもショタマゾが間に合わない場合は、同じく短編PLOTから
 Snipe Ecstasy(仮題)
 Extra sensory Penetration(仮題)
 あたりをつまみ食いしましょう。あ、Extra~は超能力ものです。



テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 392-2:ショタマゾ



Progress Report 1:ショタマゾ→

 リライト中です。
 同時進行で『Hypnotic Spy』も書いているので、ディジグネーションを付します。
 『悲剣肌風』以外の作品はSMXのディジグネーションで識別して、SMX30番台は「ロリマゾ」シリーズです。37番が『OAV三穴拷貫』ですが、番外編39『僕はパパの牝奴隷』があります。この39を391に変更して、本作は392というわけです。
 さらに枝シリーズとして「筍の悦虐(ショタマゾ)」とし真下真上。
 では、冒頭。変態下着が体育教師にばれて、個人指導として教師の塒に拉致されたシーンを御紹介。
 Report1と読み比べてみるのも一興?


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 自動車は街の中心部を避けてぐるっと大回りして、郊外のベッドタウンに着いた。最近になって開発された地区で、建築中の家とかビルも多い。先生が車を止めたのは、大きなマンションの駐車場。公立校の教師の安月給(ごめんなさい)には、すごく不釣り合い。
 エレベーターで最上階へ。部屋に案内(というより、雰囲気的には拉致)されて、またもびっくり。リビングが、うちの3倍くらいある。
 先生は僕を無視して服を着替える。それも全裸になって、黒いパンツに履き替えた。光沢があるから布じゃなくて、ゴムかビニールみたいだ。女性のパンティみたいに小さくて、股間のモッコリが強調されてる。その上からバスローブみたいなのを羽織って、ソファーに座って。ぽかんと立っている僕をにらんだ。
「いつまで人がましい格好をしている。とっとと素っ裸になれ」
 用具倉庫のときもふだんの先生らしくない口調だったけど、今は威圧感さえあった。そうか、もう『指導』が始まってるんだ。
 制服を脱いでカッターシャツを脱いで、置き場所がわからないのでたたんで床に置いて。ズボンを脱ぎかけると。
「後ろを向くな。恥ずかしがらずに、堂々と脱げ」
 ペニスまで見られて(イタズラもされて)いるんだ。今さらだとあきらめて、正面に向き直った。ズボンは脱いだけど、サポーターはペニスごと南京錠でロックされている。
「これではずせ」
 カギを手渡されたので、はずしてから南京錠と鍵を先生に差し出した。
「あの……これ返します」
 ぱしっと払いのけられた。
「礼儀知らずめ。感謝の言葉もないのか」
 ムカッとしたけど。もしかしたら、これも『指導』なのかなと思い返した。吹っ飛んだ南京錠と鍵を拾って。
「ありがとうごうざいました。お返しします」
 南京錠で変なことをされたことにお礼を言ってるんじゃない。鍵を貸してくれたことへのお礼だから。
 今度は受け取ってくれた。
 なんか勢いをへし折られた気分だったけど、言いつけられてたのは『素っ裸』だったから、サポーターも脱いで、ズボンの上に置いた。
「俺の前に気をつけの姿勢で立て」
 いいのかな。先生の目の前に、すっかり縮こまったペニスを突きつける形になっちゃう。
 先生は、それに手を伸ばして――人差し指と中指のあいだにはさんだ。
「情けない粗チンだな。皮かむりか」
 指でしごいて、亀頭を露出させた。
 その刺激で、エネルギー充填50%くらいになってしまった。
「男にさわられて勃起させるとは、おまえはホモっ気もあったのか」
「……違います。刺激されたら誰だって……痛い!」
 僕は股間をおさえてうずくまった。不意打ちでデコピンされた。きゅううっと、玉が釣り上がる。
「うそを言うな。おまえは男に虐められて悦ぶホモのマゾだ。入学したときから、おまえのことは観察してきた。間違いはない」
 う……最初から、そんな目で見られてたのか。同類はひと目でわかるとかSM雑誌に書いてあったけど半分は本当だったんだ。半分というのは、僕にはわからなかったから。
「正しいSMを教えてやる約束だったな」
 先生が立ち上がった。部屋の隅へ行って、小さな収納ケースから縄束を取り出した。
「立て。縛ってやる」
 ドキン。心臓が跳ねて、それからキュウンと胸が苦しくなった。でも、ペニスも玉もいっそう縮みあがった感じだった。
 玉の痛みはだいぶん軽くなっていたので、立ち上がった。
「後ろを向け」
 そうか、後ろ手に縛られるんだ。そう思うと、自然に両手を背中へまわしていた。
「ふん。お縄を受ける姿勢になるとは、殊勝な心がけだな」
 手首をつかまれて、腕がW字形になるまでねじ上げられた。
「あ……」
 手首に縄が十文字に巻きつけられた。きゅうっと引き絞られて、胸がますます苦しいんじゃなくて、これ、切ないって感情だ。
「く……」
 縄が首を巻いて、また背中に戻って。ますます手首が釣り上げられる。二の腕も縛られて、内側へ引っ張られた。
 くうう……きつい。息が苦しい。こんなに厳しく縛られているのに、見下ろすと胴には一本の縄も巻かれていない。あ……水平くらいまで勃起してる。
 先生は、またソファーに戻ってというか、ふんぞり返って。僕はその正面に座らされた。正座すると。
「足を開け。かかとを立ててケツを乗せろ」
 その通りにすると、すごく恥ずかしい。足の間に挟んでいたペニスが、もろに露出する。それなのに(というか、だからなのか)ペニスは完全に勃起してしまった。
「初めて縛られた感想は……聞くまでもないな」
 いつのまにか、先生は指示棒を手にしていた。プラスチック製の細長い棒で、先端がドングリみたいになってるやつ。教室で使われているのより長くて、50cmはありそうだ。その指示棒で、露出した亀頭をつっつく。ますます硬くなる。
「縛られて、いじられて――ここまで勃起させるとは、やはりおまえはマゾだな。野放しにしておくと、ひとり遊びをエスカレートさせて事故を起こすか。それとも、虐めてくれる相手を求めて、へんなヤツにひっかかるか」
 しゃべってる間も、指示棒でいろんなところをつつく。サオをたたいたり、玉袋を下から持ち上げたり。そのたびに僕は腰をひくつかせてる。
「教え子が破滅するのを見過ごすわけにはいかん。だから、俺がマゾメス奴隷として飼ってやろう。文句はないな?」
 聞き違えたのかと思った。
「メスって……?」
 ピシッとペニスをたたかれた。
「そんなクリトリスとたいしてかわらない粗チンで、オスを名乗れるか。男に虐められ犯されて悦ぶおまえは、メスがふさわしい」
 クリトリスっていうのは女性器の上端あたりにあるペニスが退化した器官で、性感の源――という知識はあったけど、実物は見たことがない。それを言えば、小さな子の『スジ』以外の女性器を見たこともないけれど。それよりも……犯されるって、アナルSEXのことだよね。
「どうなんだ。俺のマゾメス奴隷になることに不服があるのか?」
「…………」
 カオル子ちゃんて呼ばれるのがいやだって、もう言ったよね。だけど、これって先生と二人きりのときの『プレイ』なんだから、そういうのも有りかな。
 それでも。こういうプレイを受け容れてしまったら、僕の人生は大きく変わると思う。どうしても嫌だって答えたら、どうなるだろう。
「嫌なら嫌と言え。何もせずに帰してやる」
 まるでテレパス。僕の考えていたことを言い当てた。
「それで、この話は終わりにする。明日も明後日もこの先ずっと、教師と生徒の関係が続くだけだ」
 こんなふうに縛られてるから、嫌だって答えたら拷問とかされて無理強いにイエスって言わされるんじゃないかという不安(期待?)は、あっさり打ち消された。
 僕の自由意思にまかせるなんて、ずるいよね。それとも、自分で決断したくないと思ってる僕のほうがずるいのかな。
 ……やらずに後悔するよりは、やって後悔したほうが良いって格言もあったっけ。
「僕を先生のマゾメス奴隷にしてください」
 うわあ。言っちゃったよ。僕の一大決心とは裏腹に、ペニスは委縮しちゃってるけど。
「よく言った」
 先生が立ち上がって、女性のパンティみたいな小さなパンツを脱いだ。ズドーンて感じで勃起したペニスがそびえ立つ。ラムネの瓶くらいもある。
「誓いのキスをしろ」
 怒張したペニスを口元に押しつけられた。
(でかい……!)
 自縛遊びのとき、強制的にフェラチオ(イマラチオっていうんだっけ)させられるなんて場面を妄想したこともあるけど。こんなに大きいなんて想像を超越している。そして、生温かな空気が生臭い。
 僕は舌を突き出して、おずおずと亀頭の先っぽをなめた。もちろん、それくらいでは許してもらえなかった。
「オママゴトじゃないんだ。喉の奥までくわえ込め」
 そう命令された瞬間、ぴくんとペニスが反応するのがわかった。どくんどくんと海綿体に血が流れ込んでる。
 たぶん、僕の理性が吹っ飛んだんだと思う。口を大きく開けて、ラムネ瓶を丸ごとほお張った。
(うわ……)
 なにに驚いたのか、自分でもわからない。間近に見たときの印象は『巨大』だったけど、くわえてみると、やはりラムネ瓶くらいの太さだった。弾力性のある硬さというか――きゅろんとした舌ざわり。生まれて初めてしゃぶらされる他人のペニス。いや、自分のだってなめたことはないけど。
「もっと根元までくわえろ」
 頭をつかんで腰に押しつけられた。
「んぶ……」
 喉の奥を突かれて吐き気がこみ上げる。鼻に淫毛が突き刺さって、くしゃみが出そうになる。かすかにしょっぱい。獣じみた臭いが鼻にあふれる。
「んんん……」
 先生が腰を動かし始めた。カリクビが歯の裏側に当たる。
「歯を立てるな」
 目を白黒させながら、すこし口を開けた。
「唇でくわえ込め」
 ややこしい。僕は初心者なんだよ。ていねいに教えてほしい。
 喉の奥を突かれたり、唇を裏返すみたいにこすりつけられたり。女の人って、こんなことをして(されて)興奮するんだろうか。そんな疑問が浮かんだけど、僕のペニスはしっかり答えを出している。自分でも圧力を感じるくらいに勃起している。
 先生は腰を前後に振るだけじゃなく、僕の頭をつかんでさまざまに角度を変えさせる。そのたびに、上顎をこすられたり舌を圧迫されたり、いっそう深くまで突き込まれたり。吐き気と目まいとが襲ってくる。
 それが5分以上も続いて。
「出すぞ。全部飲めよ」
 ぶわあっと亀頭が膨れた感じになって、直後に喉の奥に衝撃を感じた。
「ぶふっ……ぐ……」
 鼻の奥がキリに突き刺されてみたいに痛くなった。むせて、精液を逆流させたみたい。だけど、頭を押さえつけられてるので逃げられない。
「ぐぶ……んんん、ん」
 喉の奥にへばりついてる粘っこいものを舌の途中まで押し戻して、それから飲み込んだ。
「ちゃんと飲めたな。いい子だ」
 ほめられたんだよね。うれしくなったりなんかはしないけど、ほっとした。けど、まだ終わりじゃなかった。
「口を開けて上を向け」
 先生はペニスを引き抜いて、手でしごいて中に残っている精液を絞り出した。それも飲まされる。
「これで、おまえは俺のマゾメス奴隷になった」
 これで今日は終わりか。ちょっと物足りない気分。先生は射精して満足だろうけど、僕はまだ勃起を持て余してる。なんて考えが先生に伝わったわけじゃないと思うけど。
「つぎは、おまえの身体をマゾメス奴隷にふさわしいものにしてやる」
 僕なんて、射精した瞬間に自己嫌悪におちいったりするけど、先生は違うみたい。というか――まだ勃起してる。精力絶倫てやつだ。
 僕は縛られたままバスルームに連れ込まれた。
 最初にリビングを見たとき以上に驚いた。バスルームは、うちの3倍どころじゃない。洗い場はテーブルを置いてナポレオン(5~7人で遊ぶトランプゲーム)ができるくらいに広いし、バスタブは小さな子供が泳げるくらい。壁には、海水浴に持ってくのよりも大きなエアマットが立てかけてある。
 そのマットが、洗い場のまん中に引き出された。
「そこであお向けに寝ろ」
 まだ後ろ手に縛られたままだったので、タイルで足を滑らさないよう、ゆっくりとマットに寝転がった。
 股間にスプレーを吹き付けられた。ひんやりした感触。股間に白い泡が盛り上がるのが見えた。先生が洗面所からカミソリを持ってきた。T字形のやつじゃなくて、床屋さんが使うような、ごついやつ。
(あ……)
 先生のしようとしていることがわかった。
「先生……なにするんですか?」
「御主人様、だ」
「え……?」
 なにを言われたのか、すぐにはわからなかった。
「お前は俺のマゾメス奴隷だな。じゃあ、俺はおまえにとってどういう人間なんだ」
 ああ……納得はしたけど。
「俺とおまえの関係を知らない者がいるときだけは、先生と呼ばせてやる。そうでないときは、御主人様と呼べ。そして、敬語を使え。わかったな」
「……はい」
 先生じゃなくて御主人様は、後ろ向きになって僕のお腹の上に(どすんと)座った。
「んぐ……御主人様、なにをなさるんですか?」
 ぴちっと、泡の中に隠れていうペニスをデコピンされた。あまり痛くはなかったけど。
「マゾメス奴隷は、主人のすることに異を唱えるな。すべて黙って服従していればいいんだ」
 冷たい感触が下腹部を滑った。
「あの……困ります」
「なにがだ?」
「そられたら……プール授業のとき、からかわれると思います」
「今言ったことを、もう忘れたのか。マゾメス奴隷が、主人のすることに文句を言うんじゃない。今回は見逃してやるが、つぎからは懲罰だからな」
「……はい」
 だけど、てい毛はSMプレイの場だけでは終わらない。日常生活にも支障が生じる――なんてのは甘い考えだったと、その日のうちに思い知らされることになるんだけど。
「おまえの学年で未発毛の生徒は、そう珍しくもない。だいいち、声変わりもしていないじゃないか」
 なんだか馬鹿にされた気分だった。
 そんなやり取りの間にも、カミソリは僕の下半身を何度も往復していた。さらに、玉袋を持ち上げられて、そこにもカミソリが当てられた。
 足首を持ち上げられて肩にかつがれる。
「ケツマンコのまわりはすべすべか」
 ケツマンコって……マンコの意味くらいは知ってる。
 少学生のころ『オ●ンコ』って伏字を見て、オチンコじゃ男の子だしオシンコでもないよなって頭をひねった記憶がよみがえった。しばらくして『オマン●』てのも見たから、さすがにオマンマじゃないとわかったんだけど。
 とにかく、女性器の俗称。つまり、アヌスを女性器に見立てるってことは――やっぱり、御主人様って、そういう趣味だったんだ。
「均整の取れた放射状のシワだな。これなら、だいじょうぶだな」
 声と同時に、つぷっとなにかが押し入ってきた。
「ひゃんっ……」
 裏返った悲鳴をあげてしまった。
「ふふん。まるでメスマンコみたいに感度がいいじゃないか。さては、ここもイタズラしてるんだな」
 当たってる。というより、スーパーボールを(ラグビー形の先っぽだけ)入れてるのを見られてるし。
「どんなふうにイタズラしてるんだ。白状しろ」
 その言い回しで、これもプレイなんだと気がついた。ので、Hでマゾのスイッチがはいってしまった。
「ドライバーの柄を入れてみたことがあります。それと……マーカーペンだと半分くらいまで」
「マーカーペン? ちょっと待ってろ」
 御主人様はバスルームから出て、すぐにマーカーペンを持ってきた。
「細いほうで15mm、太いほうで20mmだったな。全部入れるのは無理か?」
 御主人様は、また馬乗りになって僕の両足を肩にかついだ。
 ごりっと、アナルを固い感触がえぐった。
「痛い……」
 自分でいれるときは、ゆっくり慎重にしているのに。ぐりぐりとえぐるようにして挿入された。
「痛いです。全部入れるのは、取り出せなくなるのが怖くて、できません」
 すっと引き抜かれた。すぐに、激痛が襲ってきた。太い側をいれられようとしている。
「痛い! 痛いです……やめてください」
 ずぐうっと押し込まれた。
「なんだ、余裕でくわえ込むじゃないか」
 御主人様は僕の中でマーカーペンをこねくり始めた。ピストン運動じゃなくて、アヌスを視点にして円を描いたり、あちこちをチョンチョンとつついたり。内臓を押し上げられるような不快感と、唇をイーッと左右に引っ張られるような鋭い痛み。でも、不快感で胸がもっと切なくなってくるし、痛みにはどこか甘いものがひそんでいる。ますますペニスにエネルギーが充填されていく。
 そのうち……
「あっ……?!」
 お腹の裏側の浅いところをつつかれたとき、腰の奥にすごい快感が走った。射精寸前の、どうしようもないもどかしさがあった。
「ここか……」
 僕が声を出したあたりを、マーカーペンのごつごつした縁がしつこくつつく。
「そ、それ……やめ……」
「マゾメス奴隷に拒否権はない」
 ますます強くつつかれて、腰の奥の快感が爆発して……
「ああっ、あああ……!」
 また裏返った悲鳴をあげて。同時に、焼けつくような快感がペニスを突き抜けた。
(射精しちゃった……?)
 奔流が脈打つ感覚があった。一瞬じゃなくて、5秒かそれ以上は続いた。オナニーの瞬間的な快感とは異質の、腰がばらばらになりそうな体験だった。
「盛大なトコロテンだったな」
 そのときは意味がわからなかった。あとで教えてもらった。トコロテンって、海藻を煮詰めて固まらせて、それを長方形の筒に入れる。出口は細い針金が格子状に張られているから、ピストンで後ろから突くと細長い形になって前から押し出される。つまり、そういうこと。
 御主人様が向き直って、僕の口許に左手を差し出した。手の平が隠れるくらいに、べっとりと白濁が付着している。僕の精液だけど、すごい量だった。
「おまえが汚したんだ。ちゃんときれいにしろ」
 手の平で口をふさがれた。なめ取れってことなんだろう。
 僕は口を開けて、自分の精液をなめた。射精したあとは一気に自己嫌悪が押し寄せるはずなのに、そうはならなかった。御主人様の精液はしょっぱい感じがしたけど、じぶんのはえぐみが強かった。ポタージュが溶け切らずにダマになったような、そんな舌ざわりだった。
 精液をなめとっても、御主人様の手は口をふさいだままだった。飲めってことなんだろう。イマラチオのときみたいに無我夢中じゃなかったから、抵抗感があったけれど、飲まないと許してもらえそうにないので、仕方なく飲み込んだ。
「きょうの調教は、ここまでだ」
 いつのまにか『指導』が『調教』になってる。そうか、生徒には指導でマゾメス奴隷には調教なんだなと、妙に納得してしまう。
 最後に御主人様は、ペニスとアヌスをシャワーで流してくれた。リビングに連れ戻されて、縄もほどかれた。
「これからは、自分でムダ毛の処理をしろ。俺のマゾメス奴隷でいるかぎりは、首から下は産毛も許さん」
 学校にいるときも抜き打ちで身体検査をして、黒いポツポツがあったら懲罰だと言い渡された。どんな懲罰かというと――目の前に何種類ものムチや洗濯バサミとワニグチクリップ、それにたくさんのマチ針を無言で並べられた。
 自分では洗濯バサミしか使ったことがないけど、理科の実験で指をはさんだ経験からすると、ワニグチクリップでカリクビとか挟まれたら――泣くんじゃないかな。物差しで自分をたたいたりもするけど、無意識に手加減しちゃってるから――ムチは比べものにならない痛さだろうなと思った。怖いと思うのに……胸がきゅううんと切なくねじれてくる。射精直後だから、ペニスはおとなしくしているけれど。
「俺はなれ合いのSMごっこなんぞには興味がない。本気で責めてやる。どうしても我慢できないと思ったら、そう言え」
 マゾメス奴隷は御主人様の行為を無条件に受け容れなければならない。だから、イヤとかヤメテは禁句だ。それでも夢中で叫ぶこともあるだろうから、それとは区別するために、『脱出の呪文』というのを教わった。
「僕は戸坂先生のマゾメス奴隷をやめる」
 言い方はすこしくらい違ってもいいけど『戸坂先生』がキーワード。即座にプレイを中断して、ご主人様と僕は教師と生徒の関係に戻る。ただしPCゲームと違って、やり直しはできない。二度と御主人様とマゾメス奴隷の関係には戻れない。
 それだけじゃ厳し過ぎるから――そのときの責めだけを許してもらうというのもある。それは、別の種類の(もっと厳しい)責めをおねだりすること。御主人様が納得してくれれば……おっと、いけない。敬語だ。御主人様が納得してくだされば、願いはかなえられる。だけどねえ。ムチ打ちがつらいからって、グウでなぐってくださいとか、針でペニスを刺してくださいなんて、言えないよ。
 あ、そうそう。ペニスなんて気取った言い方も御法度なんだそうだ。僕のは『粗チン』で御主人様のは『オチンポ様』。
 ソファーに腰掛けた御主人様の前に開脚正座して、そういったマゾメス奴隷の心得を教えていただいた。手は縛られていなくても自発的に後ろへまわして、反対側の肘をつかんでいるというのも教わったので、手持無沙汰にはならずにすんだ。
「つぎは土曜日の午後に調教してやる」
 それまではオナニー禁止だと言い渡された。
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 美少年がアレコレされる3次元て、非常に少ないです。
 『美』はともかく『少年』は譲れません。セルジュ&ジルベールの年齢です。
 今から表紙BFの元ネタを探していますが……ボーイッシュな美少女を加工するしかないでしょう。
 たとえば、こんなの。

美少年リンチの素
 しかし、困ったものです。
 昨日分を校訂して、この記事を書いて。これで、ひと仕事やっつけた気分になって……
 とはいえ。これは「たつきの道」ではありません。内的必然性に基づく妄想の具象化です。無理に「やる気」を掻き立てるのは無意味でしょう。「勃つ気」と「姦る気」は、じゅうぶんにあるんですけどね!


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ジャンル : アダルト

Interrupt Report 1:Hypnotic Spy

 ショタマゾは仕切り直して打鍵中ですが、どうも分厚い処女膜です。破瓜がいきません。
 中断ではなく、これまで気分転換にしていたアレコレを減らして、空き時間で短編を同時進行させるという、売れっ子作家の真似事をしてみようと無謀なことを始めます。

 詳細は戦闘詳報にて→

 今回は、例によってプロットを。
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ヒプノティック・スパイ

某所。
目覚めると牢に監禁されている。よみがえる記憶。
フリーランスのジャーナリスト。軍需工場の取材で、部品がバッグに転がり込んだ。
スパイと疑われて逮捕された。
不安と恐怖で、護送車の中で失神したらしい。
取調べでの供述。
自分の身の上など淀みなく答える。
何かの間違い。大使館に連絡してほしい。訴えは一切無視される。
自白剤の使用。供述内容は変わらない。同じ質問には一言一句変わらない答え。
強力な催眠ブロックによる偽記憶と疑われる。

女性であることを配慮した尋問。リンカーンLSD(+催淫剤)
狂乱絶頂でも自白内容は同じ。
ついでだからと、部下全員にお裾分けのMOB姦。
翌日まる一日は天国。

拷問。爪に針。水責め。全裸鞭打ち。眠らせない。
意識が朦朧としている状態で自白剤。答えはまったく変わらない。
薬が効いているままさらにリンカーン3EX。体力的に快感追求どころではない。
睡眠を許されて翌日。
拷問。快楽と苦痛を同時。電気にしましょうか?
気力が打ちのめされている状態で。乱れまくる。
自白剤。効果なし。

取調べ側は打つ手がない。闇に葬ることにする。
地下室で銃殺。泣き叫ぶ。銃声。弾丸が当たらない、実は空砲。
同国人の登場。複雑なキイワード。
ほんとうの記憶を取り戻す。
自分は、国家組織の某外郭団体の特殊調査員。
フリーランスは隠れ蓑。
某国への潜入調査のための催眠ブロック。

任務に赴く旅客機の中で、疑問にとらわれる。
じぶんは、ほんとうに『そう』なのか。
だいたいの形を教えられている、ある部品を盗み出すことが任務。
その部品ひとつで、新型ミサイルの性能(飛距離、核弾頭の搭載など)を推測できる。
部品の隠し方・持ち出し方は、素人でも数日の特訓で覚えられる。
特殊調査員という記憶のほうが、植えつけられたものではないのか?
『実は』特殊調査員でないほうが、国家対国家の駆け引きでも有利。
催眠ブロックの発動は自動的だが、自分も知らない。たとえば、手錠を掛けられるなどの非日常的状況?
実際には殺されることはないだろう。某国としても国際的な後始末が大変。スパイの交換?
任務に成功すれば、休暇と報酬。
失敗すれば――今度こそ、ほんとうの拷問。すこし期待している。
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女スパイ尋問

 リンカーンというのはFc2仕様です。
 ほんとうに100枚で収まるかは疑問ですが、最初の章は12枚くらいで終わりそうです。責めシーンを延々と書けば、伸びますね。ていうか、責めシーンを書くしかないストーリイです。
 これからしばらくは、プログレスレポートも同時進行なので、それぞれが連続して読めるように遡行リンクを張るようにしましょう。







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ジャンル : アダルト

Progress Report 1:ショタマゾ



 執筆開始しました。S70%+M80%の80%部分を全開にすれば1日に30枚以上は書けるとPonpoko Skin Calculateしていましたが、けっこう足踏みしています。
 ひとつには、主人公が最初からマゾ全開なのを、読者を引き込むという観点から「これでいいんだろうか」と悩んでいるせいもあります。が、妄想に忠実だと、そうなってしまうのです。ノン気少年がサド教師に篭絡される――というパターンにしたくないという内的必然性との葛藤です。
 とりあえずは、オープニングです。

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悦虐編

   1.全裸緊縛口淫奉仕

 目覚まし時計で起きて。最初にするのは(トイレと歯磨きは当然だけど)ポストから朝刊を取り出すこと。1986年(昭和61年)4月22日火曜日。あと5日で飛び石連休か。オトナは5月1日も休みだからそう言うけど、僕たちは5月3,4,5の3日間だけの連休ってのが実感。その3連休を考えると、気が滅入ってくる。継母と弟の勇斗は里帰り。に、父親もくっついてって。ついでに大型遊園地で遊んでくる。僕は、向こうの家とは赤の他人で歓迎されないし、こっちだって息が詰まるから、ひとり楽しくお留守番。お小遣い5千円がうれしいな。ということにしとく。
 新聞から抜いたチラシはゴミ箱に直行。本体はマガジンラックに突っ込んで。テレビを見ながら朝食。は、冷めた目玉焼きとベーコンと千切りキャベツ。あとは、食パンを自分でトーストして、ポットのお湯で即席コンソメスープ。
 食べ終わったら、ちゃんと食器を洗ってから。すこし早いけど登校の準備。
 継母は勇斗を遠くの私立小学校まで車で送りに行っているので、家には僕ひとり。だから部屋に鍵は掛けない。引き出しの奥から針猫フンドシを取り出した。
 前だけを逆三角形に包む水泳用のサポーター。下の頂点からゴム編みの平たいストラップが左右に分かれてて、尻の外側をまわって腰ヒモにつながってる。最近は海パンと同じ形でひとまわり小さいやつが流行ってるけど、これは昔からあるオーソドックスなタイプ。そのストラップを腰のところで切り離して1本に重ねて、尻の谷間を通るように縫い直してある。
 改造はこれだけじゃない。ペニスと玉袋を包む部分の裏側に面ファスナーを縫い付けてある。チクチクする硬い側。これで股間を締めつけると、けっこう気持ちいい。でも歩くと、すこし痛くてギンギンに勃起する。サポーターの圧力がすごいから、ズボンがテントになったりはしないけど、それがもどかしくてつらくて、先走り汁で亀頭がヌルヌルになってしまう。
 見た目は黒猫フンドシというHな下着に似ているけど、裏地が小さな針みたいになってるから、『針猫フンドシ』って名付けた。
 そして。2本のストラップがばらけないように、直径3cmのスーパーボールに穴を明けて(キリと彫刻刀を使って何個も失敗して)通してある。このスーパーボールは表面が三角形でデコボコしている。
 僕は下着まで脱いで全裸になった。やっぱり、こういうのは雰囲気が大切だからね。
 見下ろすと、去年の暮からぽつぽつと生え始めて今は砂漠のオアシスくらいになってる黒い毛が、恥ずかしいようなみっともないような。だって、SM雑誌のモデルさんたちはたいていツルツルにしてるもの。そってみようかなと思ったりするけど、3か月もしたらプール授業が始まるから、