Progress Report 2:昭和集団羞辱/芸術編(ヌードモデル)

邪淫のいけにえ2 ~女勇者と修道女・果てしなき絶頂&触手地獄に堕ちたダークエルフと聖女~ [CHAOS-R]暴淫荒野 白濁のビッチ姫~あなたの大きいのドンドン私にぶち込んで~ / ゲリラ少女ハント~捕まったらモヒカン野郎の精液便所~ [CHAOS-R]

 SARSとかに比べて、今回はやけに厳戒態勢。
 過去の教訓を活かしたというより、実は一般大衆に隠されている情報を各国上層部が握っていて、必死に人類滅亡を防ごうとしている――なんてのは、穿ちすぎでしょうか。国産にこだわって外国の検査キットも臨床レベルのワクチンも導入しようとしない利権亡者を見ていると、たぶん人類は大丈夫かな。
 それとも、日常から非常体制への思考転換が出来ないのかしら。

 おっと。こういうのは戦闘詳報で書きましょう。→WARP 9!

 では、中段部分を2章一括掲載。
 「緊縛教室」と「野外撮影」の章の長さの極端な違いが、筆者の力の入れ方に比例しています。




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   緊縛教室


 それでも、三回目の『応相談』の仕事には、羞恥心だけでなく恐怖もあった。
 縄で縛られるのだと聞かされた。犯罪者扱いされるように感じた。けれど、社長に説得されるまでもなく――『本物』と『真似』の違いだと割り切った。
 割り切るよりほかになかった。仕事を引き受けるも断わるもモデルの自由なのだが――佳恵は与えられた仕事と受け止めている。サラリーマンでも工員でも、与えられた仕事を拒否するなんて考えられないことだった。
 この時代。すでに『奇譚クラブ』とか『裏窓』といったSM色の濃い雑誌は存在していたが、広く認知はされていない。だから、佳恵に性的な連想がはたらかなかったことも、四十八手の撮影ほどにも抵抗を感じなかった一因だろう。前貼りは無しだが下穿きは着けたままというのも、佳恵を安心させた。
 汽車に乗って二時間。今度の仕事場は、撮影会の主催者の自宅だった。というよりは、旧家のお屋敷。そこの土蔵が、毎月の緊縛撮影会の場になっている。
「毎月開催していて警察沙汰にもなっていないのだから、女を縛るとかいっても健全なものだよ」
 警察沙汰がどうこうと、わざわざ言及したあたりがきな臭い――とまでは、裏を読まなかった。三時間の撮影と一時間の懇談会。合計四時間に五割の年齢増しがついて『応相談』がなんと千円。ずいぶんと、金銭的に余裕が生まれる。モデルさんにふさわしい洋服でも買おうかなと、むしろ浮き立つ気分だった。

 土蔵には二十人ちかい男性が群れていた。高価な一眼レフカメラはもちろんだが、8ミリ映画のカメラまで持ち込まれていた。レフ係の人はいなかった。それが必要ないほどに、あちこちに裸電球が吊り下げられている。
 これまでのように別の部屋で裸になるのではなくて、みんなの目の前で服を脱ぐように要求された。パンティは穿いたままで、前貼りをするところを見られるわけじゃないんだから――気楽に(でもなかったけれど)考えて、佳恵は要求に応じた。
 撮影会が始まるのを待って、みんな静かに待っている。そう考えた佳恵は、もちろん間違っている。清楚な処女が男の前で裸になるという状況が、どれほど男の劣情あるいは支配欲をあおるものなのか、わかっていないだけだった。
「けっして痛くないからね。もっと力を抜いて」
 いきなり両手を背後にねじ上げられて、無理な注文だった。けれど、力に抗ったらますます痛くなる。
 手首に縄が巻かれた。縄尻が前へまわされて、下乳を縛った。ブラジャーよりもずっと強く乳房を持ち上げられて締め付けられて――けれど男の言葉のとおり、痛くはなかった。
 足された縄が乳房の上を縛った。根元を絞られて、乳房が突き出る。男が乳房をわしづかみにして引っ張る。
「身体をさわるのは禁止です」
「乳の形を整えているだけだ。ポーズを着けているのと同じだろ」
 縛られているのだから、自分ではどうにもできない。我慢するしかないと、佳恵は諦めた。
 腋の下を縄がくぐって、上下の縄がひとまとめに絞られた。首にも縄を巻かれてV字形に胸縄を引き上げられた。
「ほほう。あの貧弱な乳房が、こんなに盛り上がるとは。さすが、師匠ですねえ」
 佳恵は二重の屈辱に唇を噛んだ。自分では、人並みの乳房で形も綺麗だと自惚れていた。それは『貧乳』の一言で粉砕された。それに、乳房が盛り上がり過ぎたシルエットは見苦しいと思っている。見下ろすと、なだらかな半球形だった乳房が、毬のようにくびられて無様に突き出ていた。
 しかし、そんなささやかな屈辱など物の数ではなくなった。
 師匠と呼ばれている男が、パンティに手を掛けたのだ。
「全裸は駄目です。セミヌードまでの約束です」
「そんな野暮ったいズロースでなくて、もっと大和撫子にふさわしい下着に穿き替えてもらうだけだ。着替えるには、脱がなければならないだろ」
「自分で穿きます。だから、縄をほどいてください」
「わがままを言うんじゃない。時間の無駄だ」
 パンティを強引にずり下げられて、佳恵は男に背を向けた。しかし、そこにもカメラを構えてしゃがんだ別の男がいた。レンズが、もろに股間を狙っているように思えたのだが。
「おっと、失礼」
 その男が慌てたふうに立ち上がって、横へどいてくれた。その紳士的な挙措に佳恵は感銘を受けた。
「そのまま、じっとしていなさい」
 背後から声を掛けられて、佳恵は男たちを信頼することにした。
 肩に二十センチほどの白い布が掛けられた。半幅の晒し木綿だった。その布が股間を包んで尻を割って後ろへ引き上げられた。腰骨の上で押さえられれ、細くよじられて腰を巻いた。尻を割る布と絡めて折り返され、きつく絞られた。
(あ……これって?)
 都会ではどうか知らないが、地元の年配者には褌を常用している者も多い。六尺褌を締めさせられるのだと、すぐにわかった。そして、ますます羞恥に身悶えた。女だてらに六尺褌を締めるなんて、男がスカートを穿くよりみっともない。けれど、前貼りだってずいぶんとみっともない。
(これは布で出来てる前貼りなんだ)
 そう考えることで、佳恵は羞恥を押さえようとした。
 肩に掛けられていた端も前に垂らされて股間を包んだ。同じように尻を通されて、布が縦横に交差している部分に絡められて、反対向きに腰を巻かれた。余った布は結ぶのではなく、腰を巻く布によじりつけられた。
「しばらく、この形で撮影しましょう」
 立ち姿を撮られて、正座させられて、そのまま大きく開脚して。
 師匠と呼ばれた縛り役の男が、新しい晒し布を手に取った。褌のために裂いた残り半分らしい。その布のまん中に大きな輪を作って、何度も布をくぐらせてから、ぎゅううっと引き絞った。丸い結び玉ではなく、横長の太い塊りになった。
「口を開けなさい」
 サルグツワを噛まされると、佳恵は正しく判断した。
「あたし、騒いだりしてないじゃないですか」
 男が苦笑した。
「そうじゃない。これも緊縛美に欠かせない要素なんだよ」
「キンバクビ……?」
「縛られて抵抗を封じられ、言葉さえ奪われた女性が、もっとも美しいと僕たちは思っているんだよ」
「……?」
 男の言い分は理解できないし、したくもないけれど。これはお仕事だったんだと思い出して。佳恵は素直に口を開けた。結び瘤が歯を割って口中に押し込まれ、両端の布で頬をくびられた。
「恥ずかしいだろうけど、胡坐を組んでもらうよ」
 佳恵の承諾も得ず、正座している佳恵の膝を両手で大きく割り開き、足首をつかんで引き寄せた。右の太腿に左足の甲を、左の太腿に右足の甲を力づくで乗せ上げた。さらに、重なった脛を縄で縛った。
「ちょっと苦しくなるけど、短い時間で済ますから我慢しなさい」
 参加者が二人がかりで佳恵の身体をきつく折り曲げた。師匠が別の縄で足首を縛り、縄尻を首にまわして引き絞った。ますます佳恵の裸身が折り曲げられて、肩と膝とがくっつきそうになった。
「くうううう……ううううう」
 ちょっとどころではない苦しさだった。自然と呻き声がサルグツワから漏れてしまう。
「これが本格の海老責めです。このまま半日も放置すると、鬱血で死に至る場合もあります」
 師匠の解説を聞いて、佳恵の背筋を得体の知れない悪寒が駆け抜けたのだが。
「撮影される方は、手早くお願いします」
 シャッター音がやむと、すぐに縄を緩めてもらえた。が、上体が四十五度くらいまで戻ったところで固定された。
「このくらいでは、女体は苦痛を感じません」
 女体だなんて――まるで物扱いだと、佳恵はこっそりと憤慨した。
「しかし……」
 師匠がゆっくりと佳恵の裸身を前へ倒していき。膝と頭の三点で身体を支える姿勢にした。
「こうしておいて後ろから眺めれば――二つの穴を同時に鑑賞できます。初心なヒナギクちゃんだと、羞恥に狂乱するでしょうね」
 言われてみて初めて、このポーズがとんでもなく卑猥だと気づいた。もし褌をしていなかったら、ほんとうにそうなっていたかもしれない。
「しかも、これは鑑賞用ではありません。どうぞ突っ込んでくださいという姿ですね」
 もちろん、そんなことは起きないに決まっているけれど。言葉で嬲られるってこういうことなんだと――実感したのだった。
 『座禅転がし』のポーズをしばらく続けさせられてから、脚の縄は解かれた。しかし、三時間のうちせいぜい一時間くらいしか経っていない。
 緊縛に使われたのよりも太い縄が、土蔵の端から端まで張られた。縄には五十センチくらいの間隔で結び玉が作られている。
「それをまたいで立ちなさい」
 縄は膝よりも低く弛んでいる。正常な判断力を保っていたら、またいだ後にどうなるか(どうされるか)容易に予測できただろうが。縛られて、恥ずかしいポーズを強いられて。数秒先のことすら考えられなくなっていた。ここに集まった人たちへの信頼も、すこしずつ高まっていた。ので、何も考えずに縄をまたいだ。
 師匠が縄を引っ張った。ぴいんと張った縄が、褌に食い込んだ。
「んんっ……?!」
 股間に先鋭な圧迫を感じて――かすかな痛みもあるが、くすぐったいようなむず痒いような得体の知れない感覚が生じた。
「淫唇がひしゃげていますね。直してやってください」
 小さなカメラを首から提げている男が佳恵に横にしゃがんで、縄を下へ引いた。褌のまん中へ太い縄をあてがうと、軽く前後にしごきながら引き上げていく。
「んんんんんっ!」
 布地越しとはいえ淫唇の内側をこすられて、苦痛は強くなったが、それ以上に――くすぐったくてむず痒い感覚が数倍に跳ね上がった。はっきりと快感だった。相反する感覚に惑乱して、佳恵は腰をよじって縄から逃れようとした。しかし、縄はますます強く淫唇の内側に食い込んでくるだけだった。
「モデルがポーズを崩しちゃいかん」
 腰をつかまれて、正面を向かされた。
 男がカメラを構えて、至近距離から股間に焦点を合わせた。数人が寄ってきて男に倣った。
 パシャ。カシャ。パシャ。ひとしきりのシャッター音。
「ここまで歩いてきなさい」
 そうだ。これは撮影会だった。あたしはモデルなんだ。佳恵は自分に言い聞かせて、裸身をシャンと立てた。一歩を踏み出して。
「…………!」
 ぐりっと股間の中をえぐられて、佳恵は棒立ちになった。
「こら、歩け」
 最初に縄を食い込ませた男が、ピシャンと尻を平手で叩いた。
「やめなさい」
 師匠が制してくれた。
「今日は、そういう集まりではありません。あくまでも形だけです」
 そういう――女の人を叩いたり身体に触ったり(きっと、もっと酷いことも)するときもあるのだろう。けれど佳恵にしてみれば、股間に縄を食い込まされて歩くのは、じゅうぶんにそういうことだった。
 それでも、モデルとしてはお客様の要求するポーズを取らなければならない。それはモデルとして間違った考え方だったが。社長からは、モデルとしてのマナーとか心構えを教わっていない。もっとも。教わっていたところで、サルグツワで言葉を封じられていては抗議もできなかっただろうが。
 佳恵は、おそるおそる次の一歩を踏み出した。結び玉が股間につっかえた。その意味をあまり考えずに、さらに前へ進んで。
「んんっ……!」
 脳天まで甘い痛みが突き抜けて、その場にしゃがみかけて、いっそう奥深くまで股間をえぐられた。縄が緩められたので、そのまま膝を突いた。
「やはり、ヌードモデルごときには無理な注文だったか」
 師匠とかいう男が吐き捨てた言葉に、佳恵は恥辱と怒りとを感じたのだが。
「マゾ女でなければ、当会のモデルは務まらないようですね」
 マゾオンナという言葉を聞くのは初めてだったが――そういうことをされて悦ぶ女のことらしいと思った。「平然」とか「耐える」とかでなく「悦ぶ」という言葉が頭に浮かんだのは――股間に縄を食い込まされて歩いたときの甘い痛みのせいだったろう。
「それでは、ひと休みしましょう」
 師匠が佳恵の縄をほどいた。
 佳恵は腕を曲げて、自分の手首を眺めた。縄の痕が赤く刻まれて、肌がくぼんでいた。二の腕にも乳房にも、同じような筋が走っている。
「ほっといても明日には消えているが、風呂で肌を温めて揉めば、数時間で消えるよ。ああ、母屋に風呂を点ててあるので、よかったら使いなさい」
 縄を手にしているときとは別人のような優しさだった。たぶん、さっきまでのが、この人の本性だろうと、佳恵は直感した。人格の多面性といったことまでは、考え及ばなかった。
 洋画で見かけるようなタオル生地のガウンを貸してもらって、それを羽織った。土蔵の隅にひじ掛けのついた椅子があった。
「ここに座っていいですか?」
 男たちがニヤニヤした。
「もちろん。座ってくれれば嬉しいね」
「……?」
 近寄ってみて、言葉の意味がわかった。座面には二本の棒が垂直に立っていた。ひじ掛けにも背もたれにも、革バンドが取り付けられている。これは座るための椅子ではない。女の人を無理強いに座らせて、身動きできないように革バンドで縛りつけるのだ。
 あらためて土蔵の中を見回すと。人間を磔にできる大きな十字架みたいな物があった。みたいというのは――下の方にも横木が付け加えられているし、縦の太い棒の中ほどからは三角の細い棒が突き出ていて、文字通りの十字架ではないからだった。
 四隅の脚で支えられた材木があった。四角ではなく三角形に尖っている。他にもいくつか、得体の知れない大道具が散らばっている。
「こういうのに、興味があるのかな」
 いつの間にか男たちに取り囲まれていた。
「興味なんか無いです!」
「そのうち、たっぷりと『応相談』に乗ってもらいたいものだね。そうしたら、ヒナギクちゃんを三角木馬にも乗せてあげるよ」
 男が言っているのは、三角の材木のことだろう。木馬というからには……たった今、縄をまたがされたばかりの佳恵には、その材木に自分がまたがればどうなるか、容易に想像がついた。総毛だった。絶対に『応相談』に応じないでくれるよう、社長にお願いしておこうと思った。
「どうも、休憩しているほうがヒナギクちゃんを怯えさせるみたいだね。再開しましょう」
 むしろホッとした思いで、佳恵はガウンを脱いだ。土蔵のまん中に立って、つぎのポーズを着けられるのを待った。
 後ろ手に縛られサルグツワも噛まされて床に転がされた。足首を別々に括られ、その縄尻を上乳を縛っている縄にくぐらせてギリギリと引き絞られると――背中が反り膝が折れ曲がっていくとともに、自然と開脚させられる。天井から滑車で垂れている太い縄が、背中を縦に走る縄とつながれて――身体が引き上げられていく。
「ぐうううう……」
 いっそう深く逆海老に背中を反らされて、股関節にも痛みが走った。胸縄が上にずれて、腋の下に食い込む。
 腹が床に着いているうちに、腰にも縄が巻かれて体重が分散された。それでも、実際に宙吊りにされると、胸と腹に縄が食い込んで息苦しいし、股関節はギシギシと軋む。
「本来なら、こういう慈悲は掛けませんが――初心者だし、あまり虐めてはモデルを引き受けてくれなくなりますからね」
 もう、じゅうぶんに虐められて辱められている。二度と緊縛撮影会なんて引き受けるものか――佳恵は、あらためて固く決心した。
「んんっ……?!」
 不意に股間をなぞられて、佳恵は激しく腰を振った。ますます、股関節に痛みが走る。
「まるきり濡れていませんね」
 それはそうだと、別の男が相槌を打つ。
「これだけされて濡らすのは、ユキとマサコくらいじゃないかな」
 濡らすというのが、どういう意味かくらい、佳恵も知っている。こんな痛くて羞ずかしいことをされて性的に興奮する女性が存在するなんて、とても信じられなかった。
「師匠。せめて、敲き責めのポーズだけでもやってくれませんか」
「真似はしません。やるならほんとうにやる。さもなければ、やらない。それがリアリズムというものです」
 高尚な美術論議にも聞こえるけれど――女の人を叩いて虐めるのだから、出発点が根本的に間違っている。そこまで内心で憤ってから、前の四十八手の撮影の時に感じたことを想いだした。あれは、真似だった。ほんとうにセックスしたわけじゃない。でも、これは――ほんとうにあたしを縛って、ほんとうに吊るしている。手加減してくれてるようなことを言ってるけれど、虐めていることに違いはない。

 それからも縦に吊られたり、十字架に磔にもされた。横木が二本あるのは開脚させるためだと、実体験で理解させられた。縦の柱から突き出ていた棒が抜き取られていたのは、師匠が言うところの慈悲か手加減だったろう。

 三時間の撮影の後に一時間の懇談という予定だったが、それはキャンセルされた。佳恵の被縛への反応に興醒めされたのだろう。当日のキャンセルだから、一時間分の料金(着衣で『応相談』無し)は払ってもらえる。もちろん、佳恵としては「儲かった」なんて毛の先ほども思わなかったけれど。
 社長からは『しんどい仕事』への労をねぎらわれただけで、客先から文句がきたとかの話は一切なかった。当然だと思う。モデルの仕事だから我慢していたけれど、そうでなければ大声で抗議して、それでもやめてくれなければ泣き喚いていた。自分に限らず、たいていの女の子はそうする。
 二度と緊縛撮影会みたいな仕事は入れないでほしいという佳恵の要求は、すんなり受け入れてもらえた。
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画像は「縄奈加會緊縛撮影会」から拝借。https://aoiyahonten.jp/blog-entry-20362.html


   野外撮影


 三日間は事務所勤めが続いて、週末には前から予定されていた大きな仕事があった。大きいというのは規模のことで、モデル料は、半裸で四時間の基本料金だけで年齢割増もつかない。佳恵の手取りは六百円そこそこ。同年齢の女子の月給の二割くらい。それを一日足らずで稼げるというのに『そこそこ』と感じてしまうくらいには、佳恵の金銭感覚は狂いかけていたのだが、それはともかく。
 佳恵が派遣されたのは、四季の花を集めた大きな公園の一画を借り切って行なわれた、フィルムメーカー主催の『花と水着美女撮影大会』だった。現代モデラート社から派遣されたのはヒナギクとローズとサクラ。他の二人は、もしかすると素人かもしれないと、プロとしてのモデル歴は一か月にも満たない佳恵にさえ見当がついた。佳恵は(会社の備品から借りた)セパレート水着。ローズとサクラはもっと露出度の高いビキニ。三人とも色遣いが派手だが、素人っぽい二人はおとなしい無地のワンピース。それでいて、三人より恥ずかしそうにしている。
 五人が思い思いの場所に分かれて、自分でポーズを取ったり撮影者の注文に応じたり。ただし主催者から「あられもないポーズはしないでください」と念を押されていた――のも、道理。父親に連れられた男の子も(さすがに一人だけだった)交じっていた。その子がファインダー式(一眼レフでないコンパクトな家庭用)カメラを構えてモデルを撮影しているところを撮影した作品が大会の二席に選ばれるのだが、それは後日の話。
 あちこちと場所を変えて五人のモデルを順繰りに撮影している者も多いが、特定のモデルにへばり付く参加者も全体の三割くらいはいた。意外なことに、ローズとサクラのファンはほとんどいなかった。地味な二人に五人くらいずつ。そしてヒナギクには十人以上。モデルを囲む輪も、ヒナギクがいちばん大きい。
 美貌でも肉体美でもなく、若さゆえの魅力だ――と、佳恵は正しく認識している。若いうちに、うんと稼いでおきたいなんて欲望も、チラチラし始めている。
 もっとも。モデルとしての才覚は、ローズとサクラの足元にも及ばない。ひとつのポーズを続けるのはつらいけれど、静止しているのは十秒かそこらで、つぎつぎとポーズを変えていくのも難しかった。
「そこの樹にもたれかかって」
「芝生の上にうつ伏せで寝転がって。目の前の小さな花を両手で包んで」
「目線をこっちにください」
「表情が強張っているよ。もっと微笑んで」
「そこのブランコに乗ってみようよ」
 撮影者の要望に応じていると、身の休まる暇が無い。
 ローズとサクラは一連の流れの中でポーズを変えていって、撮影者に注文をつけさせる余地を与えていない。
 ――昼の休憩は主催者のテント席に呼ばれて、仕出し弁当を御馳走になった。会社の名前が背中に大きく書かれた上っ張りを着るのも仕事のうち。その姿で長机に一列に並んで、メーカーの偉いさん(といっても、支社の部課長クラス)と懇談しながら食べた。
「ヒナギクちゃんはずいぶんと若いけど、この仕事は始めたばかりかな」
「今の事務所は一か月だけですけど、モデルは半年くらい前からやっています」
 田村先生のモデルをしていた経歴を含めれば、嘘はついていない。
「それにしては、なんだかぎこちないね」
「そういえば、両端のお二人はポーズが固かったみたいですけど――まさか、社員さんとか?」
 佳恵に質問が集中しそうな気配を察して、サクラが割り込んできた。
「やっぱり、わかりますかね。そちらの子は、うちのミス営業部ですよ」
 サクラの前に座っていた若い社員が、佳恵の横に座っている女性に顔を向けた。
「あら、ま……」
「こっちの子も――」
 ローズの横に座っている、ミス営業部よりも若い娘を振り返って。
「まあ、身内のような者です。五人もプロのモデルを揃えたら大赤字ですよ」
「そんなこと、おっしゃって。この撮影会だけで、何百本もカラーフィルムが売れるんでしょ」
「卸価格でのサービスだから、儲けは知れている。それよりも、キミたちの時給は秘密にしておいてくれよ。二人にゴネられる」
 営業部長の名札を付けた五十絡みの男が、話にオチをつけた。
 話題にされた二人は、黙々と箸を動かしている。水着が恥ずかしいとかではなく、男が仕切っている場に口を挟むべきでないと心得ているのだろう。

 午後からも二時間の撮影会。プロのカメラマンとかいう人間が二人来て、素人モデルにポーズを着けさせながら、構図がどうのシャッター速度と絞りがこうのと、初心者向けに講釈を垂れた。そのおかげで、三人のモデルには腕に覚えのある参加者が増えて、ますます注文がややこしくなった。
 もっとも、ローズより若くて鼻っ柱の強いリリーに言わせると。
「ひねたアマチュアばかりだったわね。本当のプロは、細かいところはモデルにまかせて、自然な動きの中から最高の一瞬を切り取るものなのよ」
 それが芸術というものかもしれないと、佳恵は思った。けれど、四十八手にしても緊縛にしても、リリーさんの言う方向とは真反対だった。いったい、あれはなんだったのだろう。佳恵は、自分の『仕事』に疑問を持った。
 ――芸術ではなく、男の欲望を満たすためのエロ写真。そういう答えは認めたくなかった。


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 この後は
「廃校利用」
 ヒナギクちゃんを含めて4人が、いろいろさせられます。
 裸ジャンスカ(パンティ有り)での授業、2人分の体操服を4人で分け合って体育授業は、鉄棒大開脚、鉄棒またぎ(食い込み)、2人ずつに分かれての本気レズ。

「割勘両辱」
 モデルの貞操にかかわる行為は罰金10万円(現代の価値に換算して200万円くらい)でも、20人の割勘にすれば1人あたり5千円で済むという……
 ここまでは執筆済み

「快感契約」
 ヒロインは人格崩壊寸前。ヌードモデルはやめたいけれど、実家に逃げ戻るわけにもいかないし、保証人がいなければまともな職にも就けないし。
 社長がふんだくってくれた追加罰金なんかで30万円あるから、数年は暮らせる。
 ここで、社長が(売れっ子モデルを手放したくないので)荒療治に出ます。
 SEX恐怖症/男性不信に陥ってるヒロインに、
「ボクがついていてあげるから」と、最後の仕事をさせます。
 ベッドに縛りつけて強制アクメへと。
 縄師も「弟子の不始末を詫びる」と、粉骨砕身。
 もしかすると、『模擬四十八手』撮影の時の男優も登場させるかも。
 最後は、アクメの絶頂で「続けてもらいたいなら、これに拇印を捺せ」で、3年間くらいの契約をさせられる予定です。

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