Progress Report 1:昭和集団羞辱史(トルコ嬢)




 というわけ(ひとつ下の記事参照)で、本編執筆再開です。
 このPLOTは、「ストリップ嬢」を書いていた時に、一座のマネージャーが組に呼び戻されるシーケンスで瓢箪駒です。
 組が興した芸能事務所に引き抜かれた男が横領をして、


「トウシロウがヤクザを騙して、無事に済むはずがねえ」
 指を詰めさせたりドラム缶でセメント漬けにしたりはしなかったものの。身ぐるみ剥いだうえで、娘は海ではなく風呂に沈めて、トウの立った女房は山奥の工事現場に送り込み、息子と当人は海の上(遠洋漁船)だという。

 その娘が今回のヒロインに抜擢されました。
 当然ですが、突然の「お仕事」を納得させなければなりません。SM用語では「引導を渡す」といいます(かなあ?)。


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   処女蹂躙

 瀬田葉子は母と弟と一緒に茶の間でテレビを観ていた。
「無茶苦茶でごじゃりまするがな」
 人気漫才コンビのギャグに、テレビの中の観客と一緒になって葉子も笑い転げた。
 劇場まで行かなくても、漫才でも歌謡ショーでも映画でも、茶の間で楽しめる。ガーガー雑音の混じるラジオに耳を傾けていた子供時代からみると、空想科学小説の世界に住んでいるみたいだと思う。自動車だって、そうだ。お弁当を作って電車に乗って動物園へ行くのではなく、隣の県までドライブしてジェットコースターや観覧車のある遊園地で遊んで、食堂でランチを食べる。
 もちろん、みんながみんな、こんな贅沢な暮らしをしているわけではない。父がサラリーマンの何倍も稼いでくれるおかげだ。だから、葉子も私立校へ進学できた。エスカレーターだから、睦夫も受験勉強にあくせくしないでいられる。なによりも、お洒落が許されているのが葉子には嬉しい。公立校では禁止されている、大きなリボンを結んだ葉子のツインテールも睦夫の慎太郎刈りも、近所の同年代の子たちからは制服以上に羨ましがられている。
 この豊かで幸せな生活がいつまでも続くと――葉子は、信じる必要もないほどに疑っていなかった。
 ガラガラッと玄関の開く音。
「……?」
 こんなに早くパパが返ってくるなんて珍しい。
 ドスドスと廊下を踏み鳴らす数人の足音に、葉子が顔をこわばらせて立ち上がった。強盗かもしれない。いざとなったら、どうにかして逃げて隣に助けを求めよう。
 引き戸が開いて。そこには父の太(ふとし)が立っていた。いや、左右から二の腕をつかまれて、引っ立てられていた。
「パパ……?!」
 殴られたらしい顔の痣に気づいて、絶句した。
 茶の間に投げ出される父親。その後ろから、いやに身なりの整った男が現われた。
「儂らは菱口組の物だ。こいつは、事務所の金を横領しやがった。この家を売っても追いつかないほどの大金をな。となると、おまえたちも叩き売るしかないよなあ」
 葉子は、自分が観客となって二階席から映画を観ているような錯覚に陥った。呆然自失ではない。男の派手な縦縞の背広は、冠婚葬祭でしか見掛けない二列ボタンになっている。ネクタイは鮮やかな青。そして角刈り。ヤクザの幹部だと、葉子は冷静に結論づけた。
「姉ちゃんは、お風呂で働いてもらおうか」
 ヤクザの幹部が、葉子を見る。それから母に目を向けて。
「おまえは、ちょっとなあ。人里離れた飯場あたりなら、買手もつくかな」
「お願いだから、妻と子供は赦してやってください」
 父が幹部の足に取り縋って懇願する。
「しつこい。愁嘆場はたくさんだ。それよりも、おまえから引導を渡してやれ。おい、姉ちゃん。いつまでも突っ立ってないで、そこに座りな」
 葉子は、自分が母の横に座る姿を二階席から見ている。
 父が三人に向かって正座して、もぐもぐと口を動かし始めた。
「綺麗ごとを言うな」
「この場を取り繕っても、すぐに身体で知ることになるんだ」
 ヤクザの幹部に脇腹を蹴られたり頭を小突かれたりしながら、途切れ途切れに語った話を要約すると――
 父は五年前に、ヤクザの菱口組が興した菱田芸能事務所の責任者に引き抜かれて、大手プロダクションの営業部長を辞している。給料が倍になって、それが現在の豊かな生活の基礎となった。そこまでは、家族も知っている。
 税金対策に裏帳簿を作るというのは、世間一般の話としては葉子も耳にしたことはあるが。父はさらに、いわば親会社である菱田組向けの帳簿まで偽造していた。裏帳簿と偽造帳簿との差額を横領していたわけだ。
 それが露見して。
「これが盃を受けてるやつなら、セメント詰めにして海に叩き込むところだが――こいつは俺らよりあくどいが、それでも堅気衆といえなくもない」
 命を奪ったり身体を傷つけたりはしない。その代わりに父親と睦夫は海の上、母は山の中、葉子は風呂に沈めて、すこしでも損金を回収すると決まった。
「銭金じゃねえぜ。ヤクザとしてのケジメってもんだ」
「つまり……学校を辞めて働けということですね」
 葉子は二階席から下りてきて、葉子の横に立っている。
「そういうことだ。就職先も決めてある。超高級トルコ風呂だ」
 ぎくっと、葉子が凍りついた。それが銭湯でないことくらい、母が読んでいる婦人雑誌の記事で知っている。個室で男性の身体を洗ったり、性的なサービスをするいかがわしい場所だ。
「この子は、まだ子供ですよ。生娘ですよ。無茶苦茶です」
 母の抗議に、幹部は無表情で答える。
「五百三十万円弁済してくれるなら、家だって残してやるぜ」
 言葉を失って、母はがっくりと頭を垂れた。両手で顔をおおって、慟哭する。
 しかし。正座している葉子の斜め後ろに立っているもう一人の葉子は、呆然自失を突き抜けているのかもしれないが、思考は止まっていなかった。
 五百万円なんて、葉子の金銭感覚とは隔絶している。と同時に、父はそのお金を何に使ったのだろうという疑問も抱いた。この家が土地も含めて三百万円だと、父は自慢していた。自動車が四十万円。差額の約二百万円は、五年間のちょっとした贅沢では使い切れない。隠し預金にでもしてあるのだろうか。
 今となっては、どうでもいいことだ。隠し預金を取り上げられて、家も車もテレビも何もかも叩き売られたところで、何十万円あるいは百万円以上も足りないだろう。
 パパと睦夫は『海の上』と、この人は言っていた。遠洋漁船のことだろう。サラリーマンの何倍も稼げるそうだ。そして私も、見知らぬ男の人にいかがわしいことをされて、同じくらいに稼がされるのだろう。四人合わせて一年に百万円を稼げるとしたら、せいぜい一年か二年の我慢だ。
 泣いても喚いても無駄だ。お金の話だから、警察に助けを求めても民事不介入で追い返される。それどころか、パパが横領罪で前科者になってしまう。
 すでに葉子は、突然の運命を前にして諦めていたのだった。
「仕事を始めるまでは、うちに寝泊まりしてもらおう」
 不意に二の腕をつかまれて――肉体と精神とがひとつに戻った。
 葉子は逆らわずに立ち上がった。家から連れ出されるときも、二度とここへ戻ることもなく、四人が生き別れになるとも考えてはいなかった。
 父母と睦夫は大きなアメ車の後ろ座席に乗せられて、葉子はハンドルを握る幹部の右に座らされた。
「後は任せたぞ」
 父を引っ立てて来た二人の若い衆を跡始末の為に残して、幹部は車を発進させた。
 車内は無言。母のすすり泣く声は、エンジンの音に半ば掻き消されている。父は座席にめり込みそうな姿勢で、頭を抱えている。睦夫は両親に挟まれて――なにも気配は伝わってこない。
 わざわざ隣に座らされて、何をされるかと怯えていた葉子だったが。幹部は拍子抜けするほどに紳士的だった。両手でハンドルを握って、片手運転をする気配もない。しかし、葉子の心臓をギュッと握りつぶすようなことを言った。
「儂らだって、家の処分とか四人の売り込みとか、面倒なことはしたくねえんだよ。こいつは二百万の生命保険に入れてあるからな。それを使わずに済ませてやるんだから、感謝しろよ」
「私たちが逃げたりしたら父を殺す。そういう意味ですね」
「ふうむ。なかなか賢いお嬢さんだ。いや、殺したりはしない。丈夫な縄のある部屋に閉じ込めておくだけだ」
 葉子は、ふたたび言葉を閉ざした。
 ――瀬田一家が拉致された先は、菱田芸能事務所の小さな四階建てのビルだった。二年前に新築されたばかりで、父が「俺が作ってやったようなものだ」と自慢していた。そこに監禁されるなんて運命の皮肉なのか、それともパパの自業自得なのか。葉子は、まるで他人事のようにぼんやり考えている。自分に引きつけて考えるのは怖かった。
 クラクションを鳴らすまでもなく、ビルから四人の若い男たちが飛び出してきて、車の前に整列した。
「ご苦労様ッす」
 頭を下げる若い衆に、車から降りた幹部がうなずいて。
「親父とガキは、地下室に放り込んでおけ」
 葉子たちが一人ずつ車から引きずり出された。
 葉子と母は、二人の若い衆に追い立てられて階段を上がった。連れ込まれた先は、三面に大きな鏡が貼られた広い部屋だった。七八人の男たちが群れている。ダボシャツだったり上半身裸だったり、まともな格好をしている者はいない。
「ダンスの練習場だ。どれだけ騒いでも、音は外に漏れない。叫ぶだけ無駄だからな」
 母娘は部屋の左右に引き離されて――ほとんどの男が葉子を取り囲んだ。
「しょうがねえやつらだな」
 苦笑する幹部自身が、葉子の前に立ちふさがっている。
「もう三人ばかり、婆あの相手をしてやれ」
 比較的に若い男たちが、葉子を囲む輪からはずれた。
「お嬢ちゃんは、まだ男を知らないよな?」
 幹部が葉子の肩に手を掛けた。
 ビクッと身を引く葉子を、強い力で引き寄せる。
「男を知らんことには、トルコは務まらねえ。ちょいとばかり教えてやるよ」
 強面(こわもて)が一変して、目をぎらつかせ唇をだらしなく緩めている。
「いやああああああっ……!」
 母の悲鳴。顔を上げて振り返ると――両腕で自分を抱いて身を丸めている母の姿が見えた。男たちが数人がかりで、服を引き千切っている。
「お嬢ちゃんも、服を破かれたいか? それとも、自分で脱ぐか?」
「…………」
 言葉の意味はわかっている。けれど、身体が動かない。
 チッと幹部が舌打ちして。
「ヤス、押さえとけ」
 言葉と同時に、羽交い絞めにされた。それでも、まだ葉子は反応できないでいる。
 幹部が手を伸ばして、ネルのブラウスをつかんだ。
 ブチチッ……音を立ててボタンが千切れ飛んだ。
「きゃあああああっ……!」
 突然に感情が爆発した。
 羽交い絞めから逃れようともがいたが、わずかに身をよじるのが精一杯だった。
 幹部の手がシュミーズを引き裂き、ブラジャーも引き千切る。
「いやあ! やめてっ……!」
 スカートに手を掛けられて、葉子がいっそうの金切り声で叫ぶ。
 幹部が手を放して後ろに下がった。
 ホッとする間もなく。
「ぐぶっ……!」
 腹に重たい衝撃を感じた。苦い塊りが喉元に込み上げる。膝から力が抜けて、しかし羽交い絞めにされているので床に崩折れることもできない。
 抵抗する気力を砕かれて。パンティ一枚で床に投げ出されるまで、葉子はされるがままになっていた。
「念のために、押さえとけ」
 床に突っ伏している葉子はあお向けにされて手足を大の字に広げて押さえつけられた。
 生気のない瞳で天井を見上げている葉子を見下ろしながら、幹部が悠然と衣服を脱いだ。六尺褌一本になって、それもほどく。節くれだった巨木のような怒張が股間に聳え立っていた。
「男でもビビッちゃいますね」
「悦べよ。玄人妓が啼くほどの名刀をいきなり堪能できるんだぜい」
 乾分どもが、幹部へのお追従と葉子への言葉嬲りとをひとまとめにしてのける。
 幹部が葉子の強制された開脚の中に腰を落として、最後の一枚を無雑作に引き千切った。
「……赦してください。私、まだ処女なんです」
 悲鳴ではなく哀願だった。か細いつぶやきだった。
「わかってるさ。処女じゃあトルコは務まらないから、引導を渡してやろうってんだ」
 幹部が双つの乳房を鷲掴みにした。
「味を教え込むってやり方もあるが――こっちのほうが手っ取り早い」
 まだ熟しきらない乳房に指を食い込ませて左右にこねくった。
「痛い……乱暴にしないでください……おとなしくしてますから」
 陵辱は免れないと観念して、せめてすこしでも優しく扱ってもらおうと妥協した葉子だったが。
「おとなしく虐められてりゃいいんだよ」
 いっそう強く乳房を握りつぶされただけだった。
「くうううう……」
 叫んだりしたら、もっと非道くされる。そう直感して、葉子は歯を食いしばって耐えた。耐えようとした。
「駄目えええっ……そこは……」
 母が、また叫んでいた。葉子は、天井を見上げたまま、声の方角を見ようとはしない。見れば、そこにあるのは数分後の自分の姿なのだ。
 左の乳房から痛みが消えて。ずぷっと、股間を穿たれた。
「ひいいっ……」
 とうとう純潔を奪われたと思った。しかし、違った。股間の奥を蹂躙されているが、それほどの激痛ではない。指で弄ばれているらしかった。この夏に映画で観た、巨大な芋虫の怪物が頭に浮かんだ。芋虫は東京タワーに繭を掛けたが、股間の奥で蠢く指は、ますます動きを激しくする。そのたびに、引き攣れるような痛みが走った。
「へ。生娘のくせに感じてやがる」
 股間から引き抜いた指を、幹部は葉子の鼻先に突きつけた。ぬらぬらと絖って、十一月の寒気の中でかすかに湯気を立てていた。
「こりゃあ、トルコはお嬢ちゃんの天職だな」
 そこを乱暴に刺激されたときに肉体がどう反応するかなど、葉子は知らない。幹部の言葉も耳を素通りしている。けれど、それが心の片隅にでも沁みついて、この先、葉子の思考を微妙に捻じ曲げないとも限らない。
 幹部の顔が、大きく目の前に迫ってきた。
 今度こそ、犯される――葉子は、固く目を閉じた。それ以上の拒絶も抵抗も不可能だった。
 幹部の手か乾分どもの手か。葉子の両脚が引き上げられて、つま先が床に着くまで身体を折り曲げられた。自然と腰が浮いてしまう。
 芋虫よりはるかに巨大な物が股間を割った。その奥をぐううっと押し込まれて。
 ビキイッ……と、鋭利な刃先で切り裂かれると同時に分厚い刀身で左右に割り開かれるような激痛が、股間で爆発した。
「ぎびひいいいいいっ……!!」
 葉子は両手を握りめた。悲鳴を吐き切って、息を吸うこともできずに固まっている。
 刃物に感じられたそれが、さらにずぐずぐと押し入ってくる。そして、下腹部一面に鈍い圧迫を感じた。
「かはっ……」
 体重をのし掛けられて、葉子は肺の奥に残っていた最後の空気を吐き出した。
「はあ、はあ、はあ……」
 股間の爆発が治まって、しかし痛みが消えたのではない。重たい塊りとして、そこに居座っている。
 その塊りが激しく律動を始めた。
「痛い痛い痛い痛い痛い……」
 肺の中の空気が悲鳴の像(かたち)になって、律動で押し出される。
「いきなり追い込みですか。さすがに、可哀そうな気もしますが」
「馬鹿野郎。お前たちに早くまわしてやろうと頑張ってるんじゃねえか」
 葉子には、言葉の意味がわからない。女が二人で男が十人なら最低でも五回は犯される――などとは、思いもよらない。
 三十分とも一時間とも思える拷責が続いて。不意に痛みがやわらいだ。肌を焼くほどに近かった男の気配が、ふっと遠のいた。押さえつけられていた手足も、自由になった。
 終わった……起き上がる気力まではなかったが、葉子は横向きになって、羞恥の根源を隠そうとした。その身体が、再び押さえつけられた。
「おい。そのまま突っ込むのかよ」
「ゴムを着けてるから、どってこたあ無えや」
 葉子を押さえ付けていた若い衆のひとりが、葉子を組み敷いた。
「もう厭……虐めないでください」
 さっきの幹部よりは年齢が近いだけに、気力が萎えていても言葉を紡げた。が、女の哀願に嗜虐を掻き立てられる男もいる。あるいは、文句を言う元気があるなら、まだまだ大丈夫と思われたのか。
「虐めやしない。可愛がってやるよ」
 若い男は勝手なことをほざきながら、葉子を貫いた。
「いやあ……痛い」
 葉子の訴えは、悲鳴ほどには切迫していなかった。男の逸物が幹部に比べればひとまわり半は小さかったせいもあるだろうし、最初の蹂躙で血まみれ精汁まみれになっていたせいもあっただろう。男は、幹部の半分も時間を掛けずに(とりあえずの)満足を遂げてしまった。
「本部長。カマを掘ってもいいですか?」
 二人目の若い衆が、パイプ椅子に座って煙草をふかしている幹部にお伺いを立てた。
「カマもフェラも仕込んでやれ。あのトルコに来る連中は、変態揃いだからな」
 家に乗り込んでくるなり飯場がどうこう言っていたくらいだから、父子母娘の売り込み先は決まっているということだ。
 幹部の許しを得た若い衆は、最初と同じ形に葉子を折りたたんだ。
 葉子は、もう哀訴もしなかった。閉じた瞼から涙をこぼして、思い出したようにしゃくり上げている。
 しかし。二人に蹂躙された部位よりも後ろに圧迫を感じて。
「え……?!」
 戸惑いの声は、すぐに悲鳴に変じた。
「いやああああっ……そこ、違う! 痛い、熱い、うあああああっ……!」
 最初のときと同様、激痛が悲鳴を封じ込めてしまった。
 後背位や騎乗位などは変態的行為と考えられていた時代ではあったが、西洋に比べれば肛門性交への禁忌は緩やかだった。いや、明治時代に先進西洋諸国の風俗を率先して導入する過程で、蛮行と定義づけられた経緯がある。だから、この若い衆は仲間に見られながら平然とカマを掘ったのだが。
 清純な乙女にとっては性交そのものが驚天動地の凌辱であってみれば、前も後ろも関係ないともいえるのだが。二重に辱められたという屈辱はあった。そしてそれは、すぐに三重となった。
 下半身の汚れも拭われないまま、葉子は抱え上げられて床に座らされた。
 視界の隅で、巨大な肉団子のようなものが蠢いていた。肉団子の中心には母の裸身があって、そのまわりに三人の男が群がっている。三つの穴を同時に犯されている――とまでは、葉子にはわからなかった。
 目の前に、生臭い怒張が突きつけられた。
「しゃぶれよ。それとも、こっちに突っ込んで欲しいのか?」
 怒張の持ち主は足の裏で太腿をこじ開けて、その中芯を爪先でつついた。
「…………」
 わずかに身をよじったが、葉子は腰をずらそうともしない。
「なんだよ、その不貞腐れた態度は」
 男は両手で葉子の頭を固定すると、怒張を唇に押しつけた。
 されるがままに葉子は唇を薄く開けて、みずから咥えたりはしなかったが、押し込まれた物を吐き出そうともしない。
「壊れちまいましたかね?」
 口に突っ込んだまま、不安そうに幹部を振り返った。
「女ってなあ、したたかなもんだよ。明日にはケロッとしてるさ。ケロッとして股座に男を咥え込むようになるまで、焼きをいれてやれ」
 とんでもないことを言う男だった。若い衆はそれを真に受けたのか、目上の者の言葉に従っただけなのか。
「じゃあ、ガンガンいくぜ」
 葉子の頭をつかんだまま、激しく腰を前後に突き動かし始めた。
「んぶ……んんん……」
 股間に突っ込まれたときには、まっ赤に焼けた杭のように感じた怒張だが。咥えさせられると、まりきり感触が違っていた。硬いのだけれど弾力があった。熱さはもちろん感じない。しかし、獣じみた臭いがきつい。ときおり、父からも同じような臭いを感じるが、その百倍はきつい。そして、吐き気を催す。父の臭いは、むしろ匂いのようにも思えたというのに。
「んんん……ぶふっ……」
 喉の奥を突かれて、ますます吐き気が強まる。
「うっ……」
 男が短く呻いた瞬間。喉の奥に衝撃があった。
「んぶふっ……ぐふっ……」
 口をふさがれたまま、葉子は嘔吐(えず)いた。
「うおっ……?」
 男が異変に気づいて身を引いた。
「うええええ……」
 口いっぱいにあふれたと感じていたが、床にこぼれたのはわずかな精汁だけだった。
「くそったれが。ちゃんと呑み込めよ」
 腹を蹴られて、葉子は横ざまに倒れた。
 見物していた男たちが、部屋の隅からバケツと雑巾を持ってきた。先に床を拭いて。それから、葉子をゴボウ抜きに立たせて、同じ雑巾で股間を拭った。赤白茶のまだらに汚れていた下半身が、見た目では綺麗になった。
「そっちは終わったようだな」
 壊れた人形のように転がっている母親を取り囲んでいる五人の若い衆に、幹部が声をかけた。
「三輪車で行きましたから」
「それじゃ、こっちを手伝え。ヤスとサブは母親だ」
 五人の男どもが、嬉しそうに近寄って来る。半面、葉子で埒を明けた三人は、げんなりした顔つきで母親のほうへ行った。幹部は母も娘も、若い衆全員に犯させる腹積もりらしい。
 五人目の男が、葉子を組み敷いて前を貫いた。そのままゴロンと寝返って、葉子を腹に乗せた。六人目が背後からおおいかぶさって、後ろを貫く。
「きひ……ひいい」
 泣き叫ぶ気力も体力も消尽して、葉子はか細い悲鳴を途切れ途切れに吐いている。
 後ろを貫いた男が葉子を羽交い絞めにして上体を引き起こす。七人目が髪をつかんでさらに顔を上げさせて、口に突っ込む。
「ぶむ……ううう」
 アクセルが踏み込まれて――荒れ地を疾駆するオート三輪さながらに、葉子の裸身が揺すぶられる。
 三人の動きが互いに邪魔をし合って、男どもはなかなか埒を明けられない。幹部が最初に葉子を犯したとき以上の時間がかかった。オート三輪が停車したとき、葉子はピクリとも動かなくなっていた。
「ここまでだな。地下へ放り込んでおけ。四人とも別々だぞ。一家心中でもされると面倒だ」
 母も葉子も、若い衆二人ずつに手足を抱えられて、荷物のように地下へ運ばれた。地下には倉庫だけでなく、配電設備や機械設備の部屋がある。葉子は配電室へ運び込まれた。毛布でぐるぐる巻きにされて、部屋の隅へ転がされた。毛布は冬の寒さから『商品』を保護するための処置で、縛ったのは逃亡を防ぐ意味もあるだろうが、配電設備に不用意に触って感電しないための保護でもあった。

 葉子は気を失っていたのではない。二階席へ避難したのでもない。意識があると知られたら、また犯されるのではないか。その思いが心も身体も縛っていたのだった。
 男たちが立ち去っても、まだ葉子はじっとしていた。身体を動かす必要を感じていない。
(睦夫は身体がもつかな)
 自分のことよりも、弟の身を案じる。三年生といっても早生まれだから、葉子とは二歳ちかく離れている。線も細くて、体育はいつも2だ。遠洋漁業のような重労働に耐えられるだろうか。
 ママもかわいそう。山奥の飯場とか聞こえた。遠洋漁業に負けないような荒くれ男どもの中に放り込まれて――毎日、さっきみたいな扱いを受けるんだろう。
 パパのことは――考えないようにした。会社のお金で家を建てて自動車を買って。犯罪の上に築かれた贅沢な生活。私たちまで共犯者だ。パパを恨む。でも、憎めない。
 股間というよりは下半身全体が痛い。前にも後ろにも、まだ棒を突っ込まれているように感じる。口の中が気持ち悪い。
 肉体よりも心が、現実からの逃避を求めていたのだろう。いつか葉子は許されているただひとつの逃げ場――眠りの中へと落ちて行った。
shock165002.jpg
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 この後、ヒロインは下っ端組員と結婚させられます。
 結婚すれば成年として扱われますから、どんな職業に就いてもお咎め無しです。ほんとうのところは、結婚していれば『契約』などに保護者の承諾が不要とか、そういうことなのですが。現在でも16歳の人妻がソープに勤めるなりAVに出演なりすると、ややこしい法律論議を引き起こすかもしれません。
 半世紀昔を舞台にしたフィクションですから、そこらあたりは有耶無耶で進めます。


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