Progress Report 2:昭和集団羞辱史(トルコ嬢)

美乳淫妹 遥 -TRIPLE PLUS- 「こんな恥ずかしいコスプレさせるなんて……この変態!」 [CROSSOVER]

 在宅勤務になって、通勤に要していた3時間が、まるまる浮いたわけですが。
 2年前の状況と似たり寄ったりですね。PCゲームとかネットサーフィンとかで、だらだらしてしまいます。平日は1日に10枚かそこらです。しかも、いろいろと作業効率が落ちるので、残業をつけるにしても時間は食われます。
 メリハリもないし。などとぼやきながら。


章立ては
 処女蹂躙(前回公開分)
 偽装結婚
 新人研修(今回公開します)
 自腹接客
 SM折檻
 痛悦馴致(これから着手)
 逮捕陵辱
 淫虐地獄


 マゾ堕ちもせず、諦めの境地で性的虐待を受け容れる、救いの無いバッドエンドを予定しています。

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新人研修


 翌朝は勝雄に起こされて、朝食を作らされた。ご飯を炊いて、味噌汁と目玉焼き。キャベツは、きちんと千切りにした。
「店でも制服を用意してくれるが、本物にはかなわねえ」
 意味がよくわからないことを言われて、学校の制服に着替えた。見られていても、あまり羞ずかしくは思わなかった。不本意とはいえ、肌身を許した男だという意識があった。事務所での輪姦はともかく。自分で敷いた布団の上でみずから股を開いたのだから、とても強貫とはいえない。ならば、和姦ということになる。
 平日の昼間に制服を着て盛り場を、それも男と歩いていては、見咎められないほうがおかしい。まして、連れ合いはリーゼントに革ジャンときている。
「きみたち、ちょっといいかな」
 よりにもよって、巡邏中の警官二人組に呼び止められた。
「きみは学生だな。学校は、どうしたんだ」
 戦前の「オイ、コラ」はなくなっているが、民主警察とはいっても、まだまだ警官は居丈高なところを残している。
「お役目、ご苦労さんです。この制服は、俺の好みで着せてるんですよ。亭主の好きなセーラー服ってやつです」
「あん……?」
 勝雄はジャンパーの内ポケットから紙切れを出して、警官に見せた。
「昨日結婚したばかりの新婚ホヤホヤです。いろいろと借金があって、こいつにも稼いでもらわなくちゃならないんで、トルコへ売り込みに行くところです」
 結婚すれば、二十歳未満でも成人として扱われる。警官は相当にきな臭い顔をしたが、成人女性がどこで働こうと口を挟む筋合いではない。まして、一介の巡査が独断で風俗産業に容喙したとなれば、上から譴責されかねない。
「うむ。しかし、誤解を招きかねないから、平日にセーラー服で出歩くのは、できればやめてもらいたい」
「すみませんね。これからは気をつけます」
 相手を小馬鹿にしたような物言いだが、警官は黙って立ち去った。
 勝雄が、背中を向けてペロリと舌を出した。
「天下御免の通行手形ってやつだな。これからは、おまえが持ってな」
 手渡されたのは住民票の写しだった。
 わざわざセーラー服を着せたのは、最初からこのイタズラを企んでいたのだろう。葉子の推察は半分だけ当たっていたかもしれないが、勝雄のほんとうの目論見は別のところにあったのが、すぐにわかった。

 繁華街のはずれに近いあたりに、トルコ風呂が蝟集している一画があった。バーやキャバレーはまだ店を開けていないが、トルコ風呂だけは店の前に呼び込みが立って、通りすがる男に片っ端から声を掛けている。
「社長。入店して一週間の新人がいますよ」
「どの子もダブルまでお相手しますから」
「労働者諸君。スペシャルだけなら千円ポッキリだよ」
 ポッキリとはいっても、映画が百円の時代である。それを高いと考えるか安いと思うかは人それぞれだろうが、すくなくとも葉子はなにも思わなかった。というよりも、呼び込みの声は聞こえていない。死刑台へ連行される囚人というのは大袈裟だが、それにちかい心境だった。
 トルコ街の行き当たりに、広告看板も出さずブロック塀に囲まれたビルがあった。門構えの石柱を横断して『献身女学院』の看板が掲げられている。
 ブロック塀をぐるりと裏口へまわった。勝雄が呼び鈴を押すと、すぐに中年の男が通用口を開けてくれた。
「菱口組の人だね。そちらが?」
「今日から使ってもらう、瀬田……じゃねえや。下村葉子です。ほら」
 脇腹をつつかれて、葉子は仕方なく頭を下げた。
「よろしくお願いします」
 心にもないことを言ってしまったのは、亭主に恥を掻かせたくないという女心がすこしは湧いたからだった。
「うんうん。旦那さんは今日からと言うけど、トルコは特殊なマッサージサービスだからね。まずは、研修を受けてもらうよ」
 ニコニコしながら、中年男が言う。勝雄やこの男の葉子への接し方が目の前の現実なら、昨夜の凌辱は遠い悪夢にも思えてくる。
 勝雄は追い返されて、葉子だけが中に通された。あるいは連行された。
 三階の事務所で、葉子は中年男と机を挟んで座らされた。最初に書類への署名を求められた。『前借契約書』と書いてあった。つぎに、壹佰萬圓文字が目に飛び込んできた。百万円――父親の使い込みの弁済としてその金をヤクザに渡して、前借を返済するまではトルコ風呂で働かされるのだ。新卒サラリーマンの収入の十年分にちかい大金だった。それでも、葉子はためらいも見せずに署名して拇印も捺した。他に選択肢は無い。
「ふつうは源氏名――芸名だね。それで仕事をしてもらうんだが、キミは本名で働いてもらうよ。それで、いいね?」
 葉子は小さくうなづいた。芸名をつけられるなんて考えてもいなかったし、名前なんかどうでもいいことだった。
 中年男が薄く嗤ったが、うつむいている葉子には見えなかった。
「清楚な女学生が男に献身的に奉仕をするというのが、うちの売りでね。いろんな学校の制服を着せているんだが――キミのセーラー服は本物だろ」
「……はい」
 ようやく、葉子が言葉を漏らした。
「それじゃ、そのセーラー服で接客してもらおう。研修を始めるよ」
 男はあらためて、自分が店長だと身分を明かした。この時代も現在も、風俗店の店長とは、摘発されたときに罪を引っ被って経営者に咎が及ばないようにするのが一番の役目だが、もちろんそんなことは言わない。その店の従業員には男女を問わず、専制君主の如く君臨する。ことにほとんどの女性は前借金で縛ってあるから、近年のようにご機嫌を取ることも無い。
 浅田哲也の『麻雀放浪記』に登場する女衒の達が、女には此奴かコレだ――と言って、最初に拳骨を作り次に拳骨の中から親指を突き出す場面があるが。それで女を管理できていた時代だった。
 店長は、まず言葉でサービスの流れを説明した。
 待合室の手前で三つ指を突いて客に挨拶をする。それから、恋人同士のように腕を絡ませて二の腕に乳房を押しつけて狭い通路を通り、個室に案内する。先に客を脱がせるか自分が脱ぐかを選んでもらう。
 客のズボンとパンツを脱がせるときは、必ず正面に跪くこと。自分が脱ぐときは客に向かって羞じらいたっぷりに全裸になる。脱いだら前を隠してもかまわないが、客に求められたら注文通りのポーズを取ること。どうしても羞ずかしければ客に抱きついてキスをしなさい。そうすれば、見られずに済む。
 そこまで聞いて――葉子は目まいを覚えた。自分が漠然と予想していた『いかがわしいサービス』なんて、子供のオママゴトでしかなかった。
 双方が全裸になったら、男性の下半身を素手で洗う。このときに身体を(股座の奥まで)触られても拒んではいけない。他店では、こんな他愛ないサービスをダブルなどと称しているが、ここ『献身女学院』では挨拶代わりに過ぎない。下半身を洗い終わってから上半身。胸や腹を洗うときは男性の背中に抱きついて、二人羽織みたいにする。背中を洗うときは男の膝に乗って、やはり胸を密着させて両手を背中にまわす。男性の一部がつっかえて邪魔になるようなら、自分の中へ納めてもかまわない。ただし、射精に至るような腰の使い方は禁止する。
 とんでもなく破廉恥な形で男と性交をしろと言っているわけだが、店長はそのものズバリの単語は意識して避けていた――のにも、葉子は気づかなかった。
 洗い終わったら、男女一緒に(小さな浴槽に)入浴する。並んで座って男にたっぷり弄らせるか、向かい合わせで抱きつくか、前を無防備にして膝に乗るか。トルコ嬢がリードしてかまわないが、客の要望を拒んではいけない。
「当店では、女子従業員に淫らな振る舞いをしなさいとは、絶対に求めないよ。女子従業員が客に一目惚れして、好きな男の求めに応じて献身することまでは禁じていないという、それだけのことだからね」
「もしも……お客さんを好きになれなかったら、どうなるんでしょうか」
 葉子は勇気を振り絞って質問した。店長の手に余るようだと、またあの事務所のダンス練習場へ連れ込まれて、大勢の男に引導を渡されることになるのだろうとは、わかっているけれど。
「当店は入浴料が二千円。これの二十五パーセントが、キミの歩合給になる。」
 店長は葉子の質問には答えずに、料金体系の説明を始めた。
「その他に、客からの自発的なチップが三千円。これは、五十パーセントが取り分だ。ただし、献身に伴う個室の損料とか消耗品――余分なバスタオルとかチリ紙とか薬用せっけんは、取り分から差し引くよ。ああ、そうそう。コンドームは支給しないし、持ち込みも禁止している。男女の淫らな行ないを店として公認するわけにはいかないからね」
「ええっ……?!」
 本音と建前の使い分けくらいは理解できる。けれど、避妊具も無しで男女が交われば妊娠してしまう。そこまで考えて――これまで誰ひとり避妊具を使っていなかったと思い出して、顔から血の気が引いた。
「葉子ちゃんが何を心配しているかは、わかるよ。レモンの絞り汁を海綿に吸わせて、子宮口をふさいでおけば、まず大丈夫。それから、最初に下半身を洗うときだけは、専用のシャンプーを使ってもらう。それが沁みると客が訴えるようなら、サービスを中止して内線電話で連絡しなさい。悪い病気を持っている証拠だから。もちろん、目で見てわかるときもだよ」
 性病のことを言っているのだと気づいた。それは、まったく考えていなかった。
「御帰り願うときには、入浴料もチップも全額をお返しする。これが、さっきの質問への答えになっていないかな」
 つまり、客を拒んだら一銭にもならない。
「病気持ちに当たったときは仕方ないが、客を怒らせたりしたときは、お詫びを差し上げることになる。これは、キミの自腹になるよ」
 罰金を取られるという意味だ。罰金が続けば借金は増えるし、勝雄にも店から苦情が行って、それがさらに本部長とかいう怖い男に……
「そうそう。客からはチップだけでなく、ときには詫び料が前金で出ることもある。女子従業員に厭なことを――これからさせるという意味だね。どんなことか、想像できるかな?」
 葉子は顔を伏せたまま、小さく首を横に振った。輪姦とか肛門を犯されるとか、思い出すだけで鳥肌が立った。しかし、店長の言う『厭なこと』は、耳にするまで、そんなことが実際に行なわれるとは信じられないようなことばかりだった。
「フェラチオは五千円のうちだが、小便となると詫び料だな。縄で縛って本番とか、敲いて虐めたいとか、クリトリスに針を刺したいとか――身体に痕が残るようなサービスは、休業補償を申し受けるときもあるが」
 逃げ出しもせず耳もふさがない自分を、葉子は不思議に思った。けれど、理解できない単語もあった。
「笛ラチオってなんですか?」
「おしゃぶりのことだよ」
「あ……」
 ビルに拉致されて引導を渡されたときのことを思い出した。あんな不潔で卑猥なことを、またさせられるのかと……葉子は泣きたくなった。けれど、わからないことをきちんと知っておかないと、後で大失敗をする。
「栗と栗鼠というのも、意味がわかりません」
 店長が下品な微笑みを浮かべた。
「淫核のことだよ。実核(さね)ともいうね」
 それでもキョトンとしていると、店長が立ち上がって葉子の背後にまわった。
「ここらあたりにある豆のことだよ」
 スカートの上から股間を押さえられて――葉子は悲鳴を呑み込んだ。もう、引導を渡されるのは絶対に厭だった。店長の機嫌を損ねて、前借金の契約を破棄されるのも怖かった。
「あ……くうう」
 的確に急所を刺激されて、葉子は甘く呻いた。
 店長の指がはなれる。
「なかなか感度がいいね。素直なのも、よろしい」
 では、実技研修を始めよう。そう言って、葉子を廊下へ立たせた。
「もう客が来店している頃合いだ。ここを待合室に見立てよう」
 廊下に土下座して、客である店長に挨拶しろと言う。その言葉も口移しで教えた。
「ようこそ、いらっしゃいませ。本日のお相手を務めさせていただく葉子です。お風呂へご案内させていただきます」
 客が目の前まで来たら立ち上がって、積極的に腕を絡ませて身体を密着させる。
「きゃっ……」
 不意に尻を撫でられて、葉子は店長を突き飛ばした。
「こら。お客様は、キミの身体とサービスに日給の何日分も払ってくださるのだ。なにをされても、我慢しなさい」
 葉子の手首をつかんで正面に引き寄せて、セーラー服の上から乳房を鷲掴みにした。
「こんなことをされても……」
 乳房をつかんだまま、手首を放してスカートの中に手を突っこんだ。
「こんなことをされても、だよ」
 ただし、廊下でいちゃついていては他の客に迷惑をかけるので。
「ああん。感じちゃって、立ってられない。早く、お風呂へいきましょう」
 葉子は店長に抱きついて、棒読みで科白を口にした。そうして、二の腕に取り縋って。スカートをたくし上げられパンティの上から股間の縦筋をこねくられながら、部屋までたどり着いた。
 部屋は四畳半ほどだった。半分ほどはタイル張りになっていて、小さな浴槽が据えられている。残りの半分には、背もたれの無いベンチのような台と、人間をすっぽり包めそうなビニール張りの箱があった。
「これは個人用サウナ設備ということになっているし、うちはちゃんと蒸気も出るが――どうしても使ってみたいという客がいたら、電話で連絡しなさい。男性従業員に操作させるから」
 これが備えてあるから、保健所からトルコ風呂の営業許可が下りるのだと、店長が説明した。
「それじゃ、研修に戻ろう」
 教えられながら、葉子が店長をマッサージ台に座らせる。店長が葉子に案内されて、マッサージ用の台に座る。ベッドと同じ形をしているが、マットレスは無く薄いクッションをビニールがおおっている。
「先に脱いでくれる?」
 質問のようでいて、絶対の命令だ。
 葉子は教えられたとおりに、店長に正面を向けて。セーラー服を脱いだ。スカートも落として。その二点をハンガーに掛けた。そこまでは自分でも不思議なくらいに平然とできたのだが――さすがにパンティを脱ぐときは指が強張った。
 全裸になって。隠してもかまわないと教わっていたので、両手で胸と下半身をかばった。
「気をーツケッ!」
 怒鳴られて、ビクッと両手を下ろした。
「中年世代は若い頃に軍隊でしごかれているからね。同じことをさせて悦ぶ客もいるんだよ」
 そのときにまごつかないようにと、基本的な動作を演じさせられた。『回れ右』とか『休め』は体育で習っていたけれど、『整列休め』は、かなり羞ずかしかった。脚は横に開いて、手は腰の上で組む。
「このポーズだと、どこも触り放題だからね」
 店長は股間を指で穿ってから腋の下をくすぐって、葉子を悶え笑わせた。
「うちは二時間が基本コースだから、いろいろと遊んでもらわないと時間を持て余す。まあ、二十代なら――洗体が終わって一発、風呂で遊んでから一発、時間切れ直前に一発といった豪傑もいるがね」
 その『お遊び』が終わって、店長の服を脱がしにかかった。成人男性の服を脱がせるなんて、生まれて初めての体験だったが、別に難しいことではなかった。パンツがテントを張っていて、顔をしかめたくらいだ。
 それを、店長が叱った。
「客は、ここを満足させるために来られているんだ。キャアでもイヤーンでもいいから、羞ずかしがるか嬉しがるかのどちらかにしなさい」
 素裸になった店長に、シャワーの前に腰掛けてもらう。わざとなのか、さっきのが教育を目的に無理していたのか――股間の肉棒はでろんと座面に寝転んでいる。
 ちなみに。座面が凹形になっている『スケベ椅子』近年では『介護椅子』ともいうアイテムがトルコ風呂に登場するのは、東京オリムピック前に強化された風俗関係の取り締まりが再び緩んできた昭和四十年以降のことである。
 葉子は洗面器に溜めたシャワーの湯に、下半身専用と教えられたシャンプーを垂らした。湯の中で両手を『カイグリカイグリ』させて泡立てる。
「俺のは剥けているが、先っぽまで皮をかぶっている客もいる。必ず剥き下げて、中身を洗いなさい」
 十人以上に犯されて、勝雄とは三回も身体を交えているが、男性器を手で握るのは初めてだった。ぐんにゃりしたそれは、葉子の掌の中で次第に太く硬くなっていった。
「もっと強くしごいて。文句を言う客は『あら、私の中はもっときついわよ』とか『女の子に握られたくらいで痛いの?』とか、うまくあしらいなさい。病気を持っているかどうかを見定めないと、泣きを見るのは葉子ちゃんだからね」
 そんなことを言われても。性病にかかった実物の反応を知らないのだから、見定める自信なんて無い。今は梅毒でさえも薬で治るのだから――と、諦める葉子だった。
 股間をシャワーで流し終えて。洗面器の湯も替えて。葉子は教えられるままに、スポンジで自分の身体を泡だらけにした。きちんと測ればBカップだがAカップにも無理なく収まる乳房が、泡の中に隠れる。その身体で店長の背中に抱きついて、胸ら腹をスポンジで洗う。
「洗い方は、それぞれに工夫しているね。乳房が豊満な子は、そこに客の腕を挟んで洗うとか、下の毛を束子に見立てて腿や背中を洗うとか」
 そういった独自のテクニックが、客の指名につながる。指名料も半分はトルコ嬢の収入になるし、なによりも何回も来店してもらるのがありがたい。
 洗体が終わると、二人で入浴。葉子は店長の指示で、後ろ向きで腿をまたいで座った。かたちばかりにあちこちをまさぐられて、それでも指まで挿れられたのに。快感につながるクリトリスは弄られなかった。
「女にクリトリスがあることすら知らない男もいるし、知ってはいるが未熟な女は膣よりもクリトリスのほうが感じると心得ている男は多くないからね。指名がついて馴染になったら、葉子ちゃんのほうからオネダリしてもいいよ」
 そんなこと、絶対にしない――と、葉子は決めた。勝雄は知っていて、そこを可愛がってくれる。それで十分だった。
 風呂から出て、やはり葉子の手で店長の身体を拭いて。
「こちらへどうぞ」
 店長がマッサージ台にうつ伏せになって寝転んだ。
「最初からあお向けになる客は少ない。そういう客には、問答無用で仕掛けてもいいが」
 女のほうから男を襲えと――と、店長が教える。
 結婚していても、妻のほうがその気になっていても、亭主にのしかかるほど淫乱な女は滅多にいない。日常では体験できないことを味わってもらうのも、トルコ風呂の醍醐味だ。
 うつ伏せの客には、おおいかぶさって、乳房を押しつけるなり腰をくねらせるなり、全身を使ってマッサージをして。客が興奮して積極的になったら、身を任せればいい。いつまでもおとなしくしているようなら。あお向けにさせて騎乗位に持ち込んでもいいし、勃起していなければ(老齢だったり緊張しすぎていたら、そういうこともある)フェラチオで応援してやれ。
 ただし――と、店長が釘を刺した。
「最初に言ったように、当店は清楚なお嬢様が破廉恥なサービスをするのが売りだからね。嘘でもいいから、羞じらいを忘れないこと。よがるときも、慎み深く悶えなさい」
 よがるという言葉は、ダンス練習場でも聞いたような気がする。たぶん、『善がる』とでも書くのだろうけれど。あんな羞ずかしくて不潔で卑猥で不快なことをされて、善がれるはずもない。勝雄にクリトリスを刺激されたときの快感を思い出してしまったが――男が劣情を満たす行為と女が気持ち良くなる行為とは別物だと決めつけた。
 それに……自分から破廉恥なサービスを仕掛けておいて、それを羞じらうだなんて、店長の言葉は、なにもかも矛盾していると思う。
 女が下になる形はじゅうぶんに練習しているだろうから――と、葉子は騎乗位を仕込まれた。自分から男に貫かれるというのは恥辱だったし、男を満足させるために膝を屈伸させて腰をくねらせるのも、羞ずかしい以上に苦役だった。
 男が満足しても、『献身』は終わらない。男の肉棒にこびりついたどろどろした精汁と自分の分泌物を、フェラチオで舐め取らされた。吐き気をこらえながら、どうにかやり遂げると。吐き出さずに飲めとまで要求された。
「他店では、ここまでの献身サービスはしない。だからこそ、何倍もの料金をいただいている。百万円もの借金を返済できるのは、うちだけだよ」
 父の横領した金額の五分の一。たった(と言っては、真面目に働いている人たちには申し訳ないけれど)それっぽっちのお金で、葉子は売春婦に堕とされてしまった。いや、店長の話が脅しや嘘でないなら――縛られたり叩かれたり、もっともっと変態的なことまでされる、しなければならない。売春婦以下の惨めな身分。奴隷という言葉が、葉子の頭に浮かんだ。
 ――ひと通りの研修が終わって、その日は放免されたのだが。
 明日は生徒手帳を持ってくるように言われた。
「本物の女生徒。しかも名門私立のお嬢様というのは、葉子ちゃんが初めてなんだよ。疑う客がいたら、生徒手帳を見せなさい」
「でも……学校に迷惑が掛かります」
「退学届は出してあるんだろ。つまらないことに義理立てしてる場合じゃないよ。葉子ちゃんだけは特別に五百円の現役手当を付けて売り出してあげる」
「そんなの、いりません。お願いですから、生徒手帳は赦してください」
 ここで泣き伏したら店長さんも諦めてくれるだろう。そうも思ったけれど、胸に広がるのは乾いた悲しみだけだった。
 店長は無理強いをしなかった。その代わり、迎えに来た勝雄に事情を伝えた。
「馬鹿野郎」
 バチンとビンタを張られた。
「痛いっ……」
 葉子は頬を押さえたけれど。手加減してくれたとわかる痛みだった。
「客一人で二百五十円の割り戻しだぞ。一日に三人なら七百五十円。月に二十日として、一年で十八万円にもなるじゃないか。おまえだって、早く借金を返して自由の身になりたいだろ」
 葉子はコクンとうなづいた。金額の多寡ではなかった。勝雄がビンタを手加減してくれた。それが嬉しかった。
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セーラーソープ

 この勝雄が、色恋管理であてがわれた結婚相手です。
 甘々展開を予感させる終盤ですが。
 こいつの生活費(以上に遊興費)も負担させられ、さらに組への上納金を店に前借しようとしたら稼ぎが悪いと断わられて、兄貴分がセットした二泊三日のアルバイトをさせられます。「ヌード嬢」で登場した緊縛研究会が、今度は無制限の残虐研究会として……ヒロインはズタボロにされて、15万円の稼ぎです。当時の中堅サラリーマンの年収です。
 現代に引き写せば、500万円で、五体満足だけを保障されて……いや、3千円で本番をやらざるを得ない女性だっていますから。






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