Progress Report 1:昭和集団羞辱史『売春編:ちょんの間』

 いよいよ打鍵開始です。
 フルタイム執筆強制突入(詳しくは戦闘詳報参照→)ですが、まるきり墓が逝きません。通勤往復3時間と、8時間勤務+1時間休憩。合計12時間は、どこに消えたのでしょうか。
 Youtubeで2時間、フリーセルで2時間、ブログストック記事で2時間。それでも6時間×3枚はこれまでより書けるはずなのに。


 ともかく、誤字脱字の第ゼロ稿を御紹介。
 今回は、就職列車に乗ってから、就職先の手前で引率の就職斡旋業者に『職業指導』を受けるところまでです。
 このヒロイン。昭和30年代なら棲息していましたが、今や完全絶滅種です。男と女が抱き合ってひとつ布団で寝ると赤ちゃんができると信じているのですから。もっとも、おませな子から「ヒニン」について中途半端な知識は仕入れています。


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   職業指導


 都会への集団就職組が旅立って一週間も過ぎた三月二十八日。小島明美は近在の村から集まった四人の少女とともに、即日採用社の今里という若い男に引率されて、夜行列車で故郷を後にした。学校の教師や後輩たちや親戚一同の見送りもない、もの悲しい旅立ちだった。見送りに来ていたのは、津田佳恵という小柄な美人の両親と、新卒ではないらしい大芝加奈という娘の母親――三人だけだった。明美は、面と向かって言われたわけではないが、就職を決めてからは両親に縁切りをされた雰囲気が続いていた。
 女の子が五人もひと塊りになっていながら、お喋りに花が咲くこともなく、今里が差し入れてくれた駅弁を黙々と食べ、お通夜(田舎のそれは、けっこう賑やかだ)よりも湿気った空気の中で夜が更けていき、やがて浅い微睡みに引きずり込まれていった。それも、ときおりの汽笛や停車駅でのガタンゴトンで何度も破られたのだけれど。
 ターミナル駅では、特別就職説明会に来ていた四十歳過ぎの林課長が出迎えてくれた。そこに、山幡という今里より二つ三つ歳上の男に引率された三人の娘が合流した。
 就職する女子は総勢八名。そのうちの二人は、遠方の就職先から雇い主が迎えに来ていて、すぐに分かれた。明美は汽車でも一緒だった田端朋子という、ちょっとぽっちゃりおっとりした子とともに、今里に就職先まで連れて行ってもらった。
 都心と近郊とを結ぶ電車で小一時間。降りたところは、たまに家族で奮発して出かけていた街が田舎に思えるほどの都会だった。さらに三十分ほど歩く。駅前の賑わいがすこし落ち着いた街並みに変わって、そこから何度か道を曲がると、ひどく雑然とした印象のアーケード街に行きついた。
「昼にはちょっと早いが、田端さんの紹介先はすぐそこだから。先に昼飯を食っておこう」
 二人を小奇麗な食堂へ案内する。
 小奇麗というのは今里の言葉だったが、明美にしてみれば(おそらく朋子にとっても)デパートの食堂よりもよほど豪華に見えた。店頭の蝋細工見本だけでも――カレーライス、ハヤシライス、ビフカツ定食、赤や白のスパゲッティ、酢豚定食、中華ソバ、叉焼麺、炒飯、焼き魚定食、刺身定食、カツ丼、天丼、親子丼、天婦羅蕎麦にスタミナうどん。和洋中が一堂に会している。二人とも、五分以上ショーケースを呆然と眺めて。
「なんだ、決められないのか。それじゃ、俺が決めてやるから。さあ、突っ立ってちゃ営業妨害だぞ」
 今里に尻を叩かれる始末。それくらいは学校でも日常茶飯なので、悲鳴をあげたり文句をつけたりはしない。
「晴れの門出だ。ビフカツ定食を三つ。それと、ビール。グラスは三つな」
 明美たちとたいして歳の違わない女店員が、遠慮がちに言う。
「あのう……未成年の人にお酒は出せない決まりになってるんです」
 朋子も明美もセーラー服を着ていた。この時代、制服以外に外出着を持っているのは、それなりに裕福な階層の子弟に限られていた。朋子も同じだろうが明美も、支度金というには多すぎる金額をすでにもらっている。明美の場合でいえば十万円。新卒者の年間給与にも匹敵する額だが、それはすべて学資として弟名義の郵便貯金にしてきた。だから財布の中には、家に帰る汽車賃すら無かった。それは自分に対する不退転の決意表明でもあったのだが。
「ややこしいことを言うなよ。この二人は、今日から特飲街で働くんだぜ。ビールの一杯も飲めずに、男の相手ができるわけねえだろ」
 ことさらに伝法な調子で、女子店員をやりこめる今里。店員は奥を振り返ってから。
「わかりました。しばらくお待ちください」
 言われたとおりにビールの大びんとコップを三つ運んできた。
 今里が、泡があふれるまでコップにビールを注ぐ。
(飲めるかしら?)
 泡を舐めただけでとまではいわないが、コップに三分の一もビールを飲むと、顔が火照って頭がポワンとしてくる。酔っ払って就職先に連れて行かれて、失礼な振る舞いをしないだろうかと、それが気がかりだった。
「それじゃ、乾杯。頑張って稼げよ」
 今里の調子に巻き込まれて、コップをひと息に明けてしまった。
 やがて料理が運ばれてきて。お子様ランチを卒業してからも、ハヤシライス(カレーは辛くて苦手)か玉子丼くらいしか食べたことのない明美は、ビフカツのサクサクした食感に驚くと同時に、一気にオトナの仲間入りをした気分になった。もっとも、皿の縁に盛られていた粒々の黄色を辛子と気づかずに塗り過ぎてしまって、それに炭酸ガスがお腹の中で膨れたので、半分以上は持て余してしまった。もちろん、食事を残すなんてもったいないことはできない。どうしようかと悩んでいると、今里が助け舟を出してくれた。
「おおい、姉ちゃん。二人とも量が多くて食いきれねえとさ。折に詰めてくれよ」
 たちまち皿が下げられて、すぐに小ぢんまりとした折詰がテーブルに乗せられた。
「晩飯が浮いたな。と言っても、明美ちゃんのほうは、賄い付きだったか」
 旅館に仲居として住み込みで働くというのが、表向きの触れ込みだった。いや、表も裏も無い。仲居がお客様と寝るのは、あくまでも自由恋愛であると――これは、就職説明会のときにも念を押されている。もっとも、自由恋愛をしなければ寮費も払えないのだけれど。
 こればかりは奮発したボストンバッグの上に折詰を入れて店から出ようとすると、数人の客に声をかけられた。
「お姉ちゃんたち、どこで働くの?」
「ずいぶんと若いね。集団就職ってやつかい」
 どう答えようか、そもそも勤め先を教えていいものだろうかと迷う間もなく、今里が気楽に受け応える。
「こっちのぽっちゃりさんはピンサロの『ヨルメーナ』、ツインテちゃんは『新奇楼』さ。どうぞご贔屓に」
 初めて聞く言葉だが、ツインテとはツインテールのことだと、すぐにわかった。在学中はずっと三つ編みにしていたのだが、それではさすがに子供っぽいと思って、ほどいて付け根をリボンでまとめて左右に垂らしている。さすがに、まだお化粧はしていない。
「どっちも、ずいぶんと高い店だな。まあ、これだけ若くて可愛けりゃ当然か」
 アルコールで足元をふらつかせている二人を左右に抱えて、今里が店を出る。
 そのまましばらく進んで、なにか目印があったのか、裏道へ曲がる。
「明美ちゃんは、ちょいと待っててな」
 みすぼらしいドアを開けて、今里と朋子が中へはいった。
 表通りは極彩色の看板が並んでいかにも華やかだったが、裏道はくすんでいる。だけでなく、ドブの臭いやゴミ箱からあふれた腐臭が煙草の臭いと入り混じっていた。壁に寄りかかっても、そこらへんの木箱に座っても服が汚れそうで――明美はじっと立って待っていた。というのは、彼女の意識で。実際には、酔いが上体をゆっくりと揺さぶっていた。
 十分くらいで、今里がひとりで戻ってきた。
「お待たせ。さあ、行こう」
 しばらく歩くうちに看板が減って、住宅街のような雰囲気になった。『御休憩』という看板が目立ち始めた。そのひとつの下で、今里が立ち止まった。追いついた明美の腰に手を回して、入口をくぐった。
 そこがこれからの仕事場なのだと信じて疑わなかった明美だが。
「先方との約束まで、まだ三時間ばかりある。ひと休みしていこう」
 三時間もあれば酔いも覚めるだろうと、まだ軽く考えている。夜になっていないのに、布団が延べられているのが気になった。それも、二人なのにひとつ。
 座卓の前に座って。仲居さんが来る気配もないし、魔法瓶と急須は目の前に置かれている。お茶でも入れようと伸ばした手を、後ろから押さえられた。
「明美ちゃんは、ずいぶんと割り切っているけど。ほんとうにわかっているよね?」
 肩を抱かれて、耳元でささやかれた。
「あの……わかっているって、なにがですか?」
「だから。これから明美ちゃんがする仕事のことだよ。経験は、あるの?」
 そんなの、経験がなくたってちゃんとできる。
「男の人とわたしが、抱き合ってひとつの布団で寝るんでしょ。そしたら赤ちゃんができるけど、男の人はヒニンの仕方を知ってるそうだから……」
「抱き合うって、どういうふうに? もっと具体的に言える?」
「え……? ふつうは正面を向き合って、男の人が上になって。あ、でも……わたしがうつ伏せになって、男の人が背中に覆いかぶさることもあるみたいですね」
 今里が溜め息を吐いた。まさかとは思っていたけど――そうつぶやいた。
「それじゃ、今からそれをするけど、いいね。言ってみれば職業訓練みたいなものだ」
「え、今ですか?」
 ああそうか。だから布団が敷いてあったんだと、妙に納得する明美。
「そうだ。キミは根本的な勘違いをしているように思う」
「そんなこと、ないと思いますけど……職業訓練なら、きちんと習っておかないと駄目ですね」
「そういうこと。まずは、スカートとパンツを脱いで」
 セーラー服のまま寝るなんてお行儀の悪いことは、もちろんしない。でも、パンツまで脱ぐなんて。男女で寝るときのお作法なんだろうか。戸惑いながらも、明美は言われたとおりにした。両手を股間に重ねて、つぎの指図を待つ。
「ちょんの間ではキスはしないんだけど、最初からそれじゃ味気ないだろ」
 意味のわからないことをいいながら、今里が顔を近づけてくる。両肩をつかまれて、逃げるに逃げられない。逃げようとも思わなかった。男女が抱き合う前にはキスをするのが自然な流れだと、おませな子から聞いた覚えもあった。
 むにゅっと唇と唇とが重なって、なんだか生ぬるいお刺身を押し当てられているような感触だった。誰と誰がキスをしたとか噂話で盛り上がったこともあったけど、気持ち悪いばっかりでちっとも胸がときめかない。そんな思いは、唇を割って舌が口の中に侵入してきて、それどころではなくなった。
「んんー、んんん」
 舌を絡ませられ、頬の内側を舐められて、それが驚愕の始まりだった。
 身を振りほどいたりしたらいけないんだろうなと考えているうちに――
 ざらっと尻を撫でられた。スカートの上からなら、男の子に悪戯されたこともあったけれど、直接肌に触れる掌はまるで感触が違っていた。粘っこいくすぐったさが波のように広がっていく。
 肩を押されて布団の上に押し倒されたときは、むしろホッとした。ここからが『お仕事』のいちばん大切な部分だと、気を引き締めたのだが。
 今里は抱きついてこずに、上体を起こし気味にして股間に手を這わせてきた。内腿を撫であげて――蛞蝓が這っているような気持ち悪さと、さっき以上の粘っこいくすぐったさ。
「ひゃああっ……!」
 明美は悲鳴をあげて、今里を突き飛ばしていた。まったく思いもかけない部分を――絶対に誰にも見せたり触らせたりしてはいけないと、小さいときから母親に教えられてきた部分に触れられるどころか、指先でくじられたのだ。
「変なことは、やめてください」
 今里が苦笑した。なにを思ったか、立ち上がってズボンを脱いだ。だけでなく、パンツまで脱いだ。
「きゃ……!」
 男の股間にでろんと垂れた棒を見て、あわてて明美は両手で目をふさいだ。男の人のオチンチンを見てはいけないとも、母に躾けられている。けれど、好奇心もあって――指の隙間から覗き見してしまう。父の股間に垂れているものと同じで、先のほうが丸くなっている。棒の裏側から垂れているはずのキンタマが、子供のそれみたいに縮んでいる。
「いいか。男と女が寝るというのは――こいつを」
 今里が、垂れている肉棒を右手で支えて水平にした。
「明美ちゃんの股の間にある穴に挿れて、穴と棒とを擦り合わせることを言うんだよ」
「穴なんて……」
 空いてませんと言いかけて。でも、オシ コが出るんだから穴はあるのかな。でも、あんな太い棒がオシ コの穴に入るとも思えない。
 今里が、股間を剥き出しにしたままのしかかってくる。
「口で説明するより、身体で覚えるほうが早い。いずれは、一日に何人もの男としなければならないことなんだからね」
 そう言われると、また突き飛ばす気にはなれない。自分は『仕事』のことを勘違いしていたのかもしれないけれど――だからといって、逃げ帰るわけにはいかない。秀一を上の学校へやるためにも、頑張らなければならない。
「わかりました……よろしくお願いします」
 今里が、また苦笑した。
「俺も処女を相手にするのは初めてだが……よろしくお願いされるとは、思ってもいなかったよ」
 明美には、今里が笑っている理由がわからない。とにかく。これが『仕事』なのだから、きちんと教えてもらおう。そんなふうに考えている。と同時に――男と女とがひとつになって寝ることと、禁忌にされてきた股間を男に触れられることとが、頭の中でようやく結びつこうとしていた。
 成り行きで、明美は両手で目をふさいだまま仰臥している。両脚は軽く開いて投げ出している。男の人がそこを触ろうとしているのだから、閉じるのは不作法だと、ぼんやり考えていた。しかし、積極的に開く必要があるとは思いもよらない。
 今里の指が、割れ目に沿って動く。『お仕事』なんだからという思いが、気色の悪さを我慢させる。が、粘っこいくすぐったさだけはどうしようもない。自然と腰がひくついてしまう。
 指が割れ目の中に押し入ってきた。ずにゅうっと身体の中にめり込んでくる。
(え……こんなとこに、穴が?)
 あったんだと思う前に。ナイフで切り裂かれるような痛みを感じた。
「痛いっ……!」
 職業訓練とか、そういったことを忘れて、布団の上で後じさった。が、肩を押さえ付けられた。
「ごめん。ちょっとだけ我慢してな。できるだけ、優しくするから」
 そう囁かれては、我慢するしかない。この人は、私を虐めているんじゃない。何も知らなかったわたしが、ちゃんと『お仕事』ができるように教えてくれているんだ。
 指の動きが優しくなったとは感じられないが、痛みはずっと小さくなった。
 指が引き抜かれて、またすぐに挿れられた。
「痛い……」
 呻いてしまった。なんだか太くなったようにも感じられた。
「だいぶん、こなれてきたね。ぬかるんでるよ」
 言われてみると、身体の芯で指が滑っているような感覚があった。これまでも、不意に割れ目の奥が熱く感じたりすることがあった。そんなときは、なぜかパンツが粘く染みていたりしたのだが――それは、こういうことだったのかと、なにがこういうことか頭ではよくわからないけど、身体が納得しているという実感があった。
 やがて、指が引き抜かれて。今里の顔が正面に来た。ああ、そうか。これから、男の人のオチンチンがわたしの穴の中に挿入(はい)ってくるんだと、本能的に悟ったのだが。
 すぐには、そうならなかった。デロンとした肉棒を明美の股間にこすりつけている。かと思うと。上体を起こし気味にして、両手で乳房をつかんだ。
 もにゅもにゅと揉まれて、肉をつねられる痛さに、股間が冷めていくのがわかった。
「どうもな……ちっちゃな子を虐めているみたいで、こいつがその気になってくれない」
 肉棒を手荒くこすりながら、顔に焦燥を浮かべている。
「あの……?」
 明美は不安に駆られた。この人は『職業訓練』としてわたしを抱こうとしているのに、自分に女としての魅力がないから、その気になれないのではないか――そう思った。いやいや宿題をやるようなものだ。もしもそうだとしたら。『お仕事』をする資格が自分にはないのかもしれない。
「あの……なにか、お手伝いできることはありませんか?」
 なにがなんでも、この人に(正しい意味で)抱いてもらわないと、女としての面目が立たない。そんな気分になっていた。
 今里が顔を上げて――ハッと何事かを思いついたようだった。
「あの……これからお願いすることは、けっして本番ではする必要はないからね。それだけは、わかっておいてほしいんだが……」
 そう念を押してから、今里はとんでもないことを明美に求めた。
「その……口で、こいつをしゃぶってほしいんだ。フェラチオといって、ほんとうは心中立てをした男にしか許してはいけない――娼婦と客の間では、してはいけないことなんだけど……」
 オシ コが出るところをしゃぶるなんて、とんでもない。そうは思ったけれど、就職先まで来て不合格の烙印を捺されて引き返すなんて、できない。自分の不名誉だけではなく、弟の将来にもかかわる。そう覚悟を定めると――余計な知識が無いだけに、禁忌感を克服するのは容易(たやす)かった。
 明美は布団の上に起き直って、今里の股間に顔を近寄せた。
 男性の器官を生まれて初めて間近に眺めて――すごく単純な構造だと思った。密林の中にちんまりした丸太が転がっている。先端が丸まっていると思っていたが、よく見ると傘の開いていない松茸のような形をしている。松茸と違って、頂点には細長い小さな溝があった。そこがオシ コの出る穴なのだろう。そして、もう一点。松茸の土臭い匂いとは違って、ひどく生臭い。汗を掻いたときの腋の下の臭いに似ている。
「頼むよ」
 今里が手を添えて丸太を斜めに起こした。
 明美は覚悟を決めて口を開け、丸太をぱくんと咥えた。ちょっとしょっぱくて、舌に触れた感じは、空気が抜けた水風船を連想した。
「厚かましいお願いなんだけど……もっと、こう、なんていうか。ペロペロとしゃぶってくれないか?」
 毒を食らわば皿まで。そんな心境で、明美はふにゃっとした肉棒に舌を這わせた。なんだか、すごく羞ずかしい。遠慮がちに頼まれると、いかにも二人でいけないことをしている。そんな気持ちになる。いっそのこと。もっと堂々と、図々しいくらいの勢いで命令してくれれば――しているんじゃなくて、させられているほうが、まだ羞ずかしくない。そんなふうに思う。
 口中の肉棒は明美の屈折した思いとは関係なく、太く硬く長くなっていく。フニャッとした感じがキュロンとした感じになって、さらにゴツゴツした感触に変わっていった。
(うわあ……?!)
 明美は勃起という生理現象をまったく知らなかった。自分がそれを舐めたせいで短時間にこれだけの激変を引き起こしたのだと理解して、なんだか誇らしい気持ちになった。しかし、指の何倍(印象としては数十倍)も太く長い物体が自分の股間に空いているらしい穴に突っ込まれると思うと……
(無理! 絶対に無理!)
 としか思えない。
「よおし、いけるぞ」
 今里が腰を引いて、あらためて明美を押し倒した。
「あ、あの……こんなの、わたしの中に、は、はいるんですか?」
 尋ねる明美の声は引き攣っていた。
「ん? ああ。だいじょうぶ。最初は痛いけど、我慢してくれ。二度目からはそんなに痛くないし、キミもだんだん気持ち良くなってくるから」
 また萎えないうちにと、今里は明美の脚を大きく開かせて、その間に腰を割り入れてくる。
 もしも今里に処女を相手にした経験があったなら。もっと時間をかけて膣口をもみほぐすとか、腰の下に枕をあてがって挿入しやすい角度に調整するとか――とにかく時間をかけてあれこれと工夫をしていただろうが。玄人妓しか知らない二十五歳の青年にそれを求めるのは無理な注文ではあった。
 明美は、熱くて太いなにかが股間の割れ目を押し開くのを感じた。そのつぎの瞬間。指で穿たれるのとは桁違いの鋭い激痛が股間に奔った。
「い、いいいいっ……!」
 痛いという叫びが言葉にならない。明美は布団を両手でつかんで、両脚を突っ張った。ずりっと、身体の下で布団が滑った。一瞬だけ痛みがやわらいで、すぐ前に倍する激痛が甦る。明美がずり上がって、それを今里が追いかけた結果だった。
 それを何度か繰り返して、ついに今里が強引な手段に出た。
「おとなしくしないキミが悪いんだからな」
 明美は足首をつかまれて、肩の向こう側まで脚を折り曲げられた。今里が上体を起こし気味にしたので、目の前にあった顔が遠のいた。
 そして、股間から臍の上まで真っ二つに切り裂かれるような衝撃が背骨を貫いた。
「ぎい゙い゙っ…………!」
 食いしばった歯の間から、くぐもった悲鳴が押し出される。
「痛い、痛い、痛い……やめて……」
 ひと呼吸を置いて、弱々しく訴えた。声を出せるくらいに、痛みは軽くなっていた。訴えないではいられないほどの痛みが、股間にわだかまっていた。
「やったぞ。これで、明美ちゃんも一人前の女だ」
 素人娘の処女を奪った感激に、今里の声がうわずっていた。
 肩の上で畳に押しつけている明美の足首に両手を突っ張って、今里が抽挿を始める。
「痛いッ……痛い、痛い痛い痛い……」
 今里が腰を動かすたびに、明美の中で激痛が律動した。しかし、貫かれた一瞬のことを思えば、すすり泣きながらも耐えられる痛みだった。
(そうか。これが、女になるということなんだわ)
 痛みに耐えながら、今里の言葉を内心で反芻して。しみじみとした思いが込み上げてきた。
 すうっと、痛みが軽くなった。
 今里が中腰になって抜去していた。血まみれの勃起を満足そうに見下ろしてから、枕元に置かれている桜紙で汚れを拭う。が、明美の股間はそのままに。
「もうちょっとだけ、我慢して……そうだ、これも知らないんだろ?」
 座卓の上の盆から小さな紙包みを取り上げて、明美に見せた。
 明美は首を横に振った。
「これが、コンドームというものだ。帽子とかゴムとか、そういう言い方もある」
 紙包みから輪ゴムに膜を張ったような物を取り出して勃起の先端にかぶせ、輪ゴムを巻き下げていく。
「この先っぽの部分に精液が溜まる。それと、性病の予防にもなる」
 明美がキョトンとしているのを見て、今里はイチからの性教育をしなければならなかった。男は射精することで性欲を満足させるとか、その精液が子宮まで届いて妊娠するとか。性器同士の接触で梅毒とか淋病とかの性病が伝染(うつ)る。しかし戦後に抗生物質が発明されてからは、そんなに恐ろしい病気ではなくなっている。彼の知識もいい加減なものだったが、大筋は間違っていない。
 明美は講釈を聞きながら、自分の無知を恥じていた。
「というわけで。今度は最後まで――射精するまで続けるよ」
 いろんな体位を教えてあげようと言って、今里は明美を四つん這いにさせた。
(あ……これだったんだ)
 背後からのしかかられて、二匹の犬がそういう姿で重なっていたのを思い出した。今里が言っていたように、最初に比べると痛みはずっと軽くなっていた。
 しかし、今里は自身の欲望は抑えて(生娘に羞ずかしい所作をさせるという愉しみは貪って)、明美が上になるように要求した。
 仰臥する今里をまたいで、自分の指で割れ目を広げながら、ゴムで包まれた勃起の上に腰を落としていく。今里と目が合って、突然に羞恥の感情が噴き上がった。SEXは羞ずかしい行為なのだと、ようやくに明美は実感した。
 さらには背面騎乗位まで仕込まれて。男の上で腰を振る仕種も教えられた。もっとも、明美の覚えたての稚拙な技巧では男を射精に導くことはできず、最後は明美が仰臥して脚を開いて膝を立てるという、もっとも基本的な体位で職業指導は終わったのだけれど。
(だんだん痛くはなくなってきた。でも……)
 ちっとも、気持ち良くなんかならなかった。それを不満に思ったが、すぐに反省した。これは『お仕事』なのだ。畑仕事だって、しんどい。ラヂオドラマだと、サラリーマンの仕事は農家よりもつらいらしい。いっぱいに働いて汗みずくになった肌を風に曝す爽快さもないし、収穫を積み上げて誇らしい気分に浸ることもない。朝から晩まで机に向かって帳面を付けたり、工場で延々と同じ部品を組み立てたり。それがどうしてお給料、つまりお金になるのか、社会科で教わったけど、いまひとつ仕組がわからない。
 それに比べたら。明美の『お仕事』は、ずっとわかりやすい。お客に自分の身体を使ったサービスをして、そのお礼をもらう。お祖母ちゃんの肩を叩いてお駄賃をもらうのと、根本的には同じだと思うのだった。

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美少女だね

  画像は「初々しい」少女の全裸です。このブログとしては珍しく、縄も手錠も鞭も檻もありません。
 しかし、この少女。絶対に姦通済なんでしょうねえ。
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