Progress Report 0:心中切支丹

 混沌とした妄想の大海に一粒の触媒が投ぜられて、たちまちに「お話」として結晶化しました。
 こういう生成過程を経た作品のひとつに、『The Nightmare Rift』があります。該当記事→
 今回はもっとすさまじく、絵としてはわずか1コマです。普通に衣服を着た娘が手首だけを後ろ手に縛られて椅子に腰掛けさせられて尋問を受けているという――それだけ。しかし、設定が秀逸でした。
 七歳のときに両親を亡くした侯爵家令嬢が、王家に庇護される。形式的には幼い王子の側室として。時は巡って。王子を毒殺しようとしたという嫌疑を掛けられて、捕縛となるのですが。すぐに嫌疑は晴れて……裸に剥かれることも拷問されることもないというクソ展開です。
 しかし。虚数ベクトルも交えて妄想が膨らんで。幼馴染が幼馴染を心ならずも責めるというストーリイになりましたとさ。
 まあ、練っているうちに、最初から男には「その気」もあったという展開になりましたが。なにせ、男の名前が本庄里弥(ほんしょうサドや)ですもの。
 この着想の元ネタ、いちおう明記しときましょう。
『私、愛しの王太子様の側室辞めたいんです』原作・天織みお、作画・悦若えつこ
 皮肉にも(というより、最近は金を払ってコミックなんか買わないから必然ですが)金$の無料コミックです。
 そして。小説中でもやたら接続詞を使う癖があると自覚しとりますが。
 そして。濠門長恭作品には珍しく、男性視点の三人称です。


 ということで、例によってPLOTを御紹介。
 すでに70枚ほど書き進めていて、途中で追加した記述もあります。
 OJMです。On the Job Memo


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幼なじみの許婚。互いに好き合う。
男みずからが拷問。他者には手出しさせない。
最後は全裸抱擁緊縛。このまま身投げ。
キリシタンの教えでは二人とも地獄、御仏の教えでは蓮の台座。
ついに転ぶ。
「貴方様は家柄に釣り合った女性を娶ってください。私は物置にでも閉じ込めて、これまでの罪滅ぼしにもっともっと虐めてください」

城下奉行>与力>手代

本庄里弥 23
 城下奉行配下 宗門改方同心
 父母は健在
 父の代で与力から左遷 早期隠居

麻女 18
 母方の従姉の娘 従姪(じゅうてつ)
 名前は麻だが「昼なのにアサが来た」とからかわれるのがイヤ
 長じてからは婿取りの宿命に甘んじて疎遠に

菱橋師興(ビシバシ仕置) 宗門改方与力
井路好太(色好きだ)    先輩同心 30
久寺豪次(九時五時)   先輩手同心 47

平助/好三/勇造/銀太 牢下人

女信者
麻女(マジョじゃありません、マゾです)
藤 /商家下女 (捕縛初日に棄教)
トヨ/権蔵の妻(三日目に棄教)
松 /梅干婆(六日目以降)
栄 /三五郎の妻(六日目以降)
静乃/浪人の妻、糸乃/浪人の娘
清 /娼妓あがり商家後妻、
男信者
万太/庄兵衛の孫13歳(穿鑿所初日に棄教)
小助/中野屋奉公人(二日目に棄教)、三五郎/小間物屋主人(二日目に棄教)
権蔵/大工(三日目に棄教)
庄兵衛58歳/座主/紫波屋隠居、佐吉/左官見習(里弥掛)

>>>>>>>>>>以下PLOT<<<<<<<<<<

※筒井筒歎
隠れ礼拝を一網打尽で、指導者(男)、男信者五、女信者八。
菱橋は、麻女が里弥の幼なじみと知って敢えて担当させる。試し。

※全裸吊敲
穿鑿所
「転ばねば、死罪。連座」
財産はパライソへの重荷。
「拷問に掛けるぞ」
着衣正座で肩を敲く。
菱橋が業を煮やして、吟味法度の掣肘無用。
全裸吊り責めで敲かせる。尻、乳房。
下使に開脚させて。

※懐柔説得
仕置牢(独房)
仲間から切り離す。説得。
思い出話で懐柔。まだ独り身。嫁に迎えたい。
悔い改めれば一切を水に流す見本。
上役は説得する。今は勘繰られる。

※殉難恍惚
清への仕打ちを反芻しながら麻女を。
乳房嬲り、股間責め←破らないようにね。

※拷問絵巻
穿鑿所
四人が拷問中。
男:石抱き、座主:逆さ吊り水責、女:海老責+2穴十字架️、女:木馬責+敲き️
中央で駿河問。恍惚。菱橋指図で十字架破瓜。
自ら手を下して、初めて勃起。

※市中引回
休養を与えて。
すでに男全員と女四人が転向。
女四人を一人ずつ羞恥責め。布令を出してある。
太い鎖で緊縛、足も。持って歩くと、男でもつらい。麻女が一番手。
追い鞭で引回し。水車小屋で大の字水責め。

※二十五両
遊郭
亡八に相談
手篭めにされた生娘を善がらせたい。
事情を問われて打ち明ける。
何も聞かずにと頭を下げる奴はいるが。
まして侍。
本物の絶頂(中逝き)は無理。実核逝き。
男はハサミで五厘の長さ、女は全身剃。
マングリ返しで下腹部押し付け。
女は、まず心で感じる。これが無理な状況。
心の壁を破るまで持続。
罪人でも幼なじみと添い遂げたい心意気。
口伝では心許ない。演練指南は切餅ひとつ。
毛の手入れは指南の場で。

※絶頂指南
約して翌日。
先祖伝来の差料を売って。代わりはなまくら。
まず剃毛。櫛ですきながら。
若い女。三日前に隣の妓楼が買ったのを借りた。
生娘。躾ていない。
最後まで気を遣らなければ前借棒引き。
逝ってしまえば、素直に働け。
一刻掛けて全身ほぐして拡張して。
破瓜痛軽微。さらに一刻。善がらせ追い込む。
二十五両返金。女の身請け代だった。
女も感得して、賭けに負けたのだから。
十両ずつで、指南五両。
女、御本懐を(おいおい……)
亡八、侍を張っちゃいけないね。
あなた様みたいのが、女の情に引かれて心中。

※思慕絶頂
菱橋に土下座で揚座敷。切支丹は常時全裸。
縄を解いても隠すそぶりも無し。
身体を拭いてやって。
同じ手順で。一刻と掛からずに。
それが、麻女の里弥への思慕の証。
しかし、落ちない。

※無理心中
菱橋に無断で衣服を着せて連れ出す。
断崖絶壁。
クライマックス。
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 尺は短めで200枚以内に納まる予定ですが……
『拷問絵巻』途中で70枚ですから。どうなりますか。
 ちなみに、この作品を年内に150枚以上で脱稿すれば、これまでの年間最多執筆枚数3,229枚を更新します。


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Progress Report Final:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 昨日脱稿しました。本文560枚/18万8千文字です。全82作品中8番目の長さです(前後編は合わせて1作品)。
 『前奏』147枚/『独奏』258枚/『連奏』+α154枚の配分です。『独奏』が5月から年末のエピソード点描なのに対して『連奏』+αは一昼夜の細密描写です。まあ、こんな配分でしょう。


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   甘い絶望の彼方

 一夜が明けた。
「こいつらに飯を食わせてやれ」
 寝袋から引き出され、真冬の朝の寒さをしのぐというよりも不安から、自然と抱き合っているふたりの前に、菓子パンとパック牛乳が放られた。ふたりとも夜は何も食べさせてもらえず水も与えられず、飽食の時代にあって飢渇といえる状態にあった。それでも、すぐには手を伸ばそうとしない。
「おまえたちは箱詰めにして運ぶ。島へ着くのは夜になるぞ。後で泣きを見るぜ」
 脅されてようやくふたりは、コンクリの床に落ちている牛乳パックを拾い上げた。喉を湿らせると猛烈に空腹を自覚して、菓子パンを貪り食らった。楚葉はまだプライドを残しているが、希美にいたっては喉に詰まらせて牛乳で流し込む始末。
「おまえたちは食わないのかよ」
「けっ。野宿した上に冷たいみすぼらしい朝飯なんざ、願い下げだ」
 途中でサービスエリアにでも寄って、温かいモーニングでも食うさと、こんな場面でもふたりに辱めを与えることを忘れない。
 辱めは、言葉だけではない。といっても、楚葉も希美も甘受するしかない恥辱だったが。排泄だった。七人は――倉庫の外へ出て、立ちションをするか離れた場所にある公衆便所まで通よっていたが、二人を外へ出すわけにはいかない。倉庫の隅にしゃがまされた。後始末もさせてもらえなかったが、昨夜みたいに立ちションを強要されなかっただけ、ましというものだった。
 もちろん洗顔などさせてもらえるはずもなく、すぐに箱詰めが始まった。二人を詰める箱までワゴンに準備されていた。といっても――リンゴの木箱よりひとまわり大きいだけで、棺桶のサイズにも遠かった。ワゴンに棺桶を積むスペースはない。
 いっそアメ車のトランクのほうが広いのだが、検問に引っ掛かってトランクを開けさせられたら終わりだ。
 倉庫に転がっている箱は大きすぎる。結局ふたりは――寝袋の暖房にされたときと同じに胸を抱えて肘をつかむような形に腕を縛られ、正座して上体を折り畳まれて、向かい合って頭と足をぶっ違いにして横向きに、箱の中に並べられた。
 全裸ではなく、生理上の配慮が払われていた。漏らしても箱から染み出ないようにオムツ代わりの襤褸布を股間に巻かれて、大声を出せないように口はガムテープで――ふさごうとするフトシを若頭が制止した。完全にふさぐと、鼻がつまったときに窒息の恐れがある。前例があったと言う。
「どっちみち生き埋めにするつもりだったから、手間が省けたけどな」
「けっ。これだから暴力団ってやつはよ」
 聞いていた楚葉が、聞こえよがしに吐き捨てた。ヤクザと暴力団は違うと、楚葉は考えている。それを希美も知っている。
 暴力団の構成員にしても、面と向かってそう呼ばれるのは嫌う。若頭は箱に手を突っ込んで乳房をわしづかみにして爪を立ててねじり上げて、それを楚葉に思い出させた。
 結局、口にも襤褸布を詰め込まれて、その上からビニール電線で縛られた。
 木箱の蓋が閉じられ、ふたりはワゴンに詰め込まれて――楚葉と希美、ふたりの地獄への道行きが始まった。
 ふたりとも、しばらくは身じろぎひとつしなかったが。やがて楚葉が、頭を動かし始めた。希美の脛に押し付けて、左右に大きくゆっくりずらしたり、上下に小さく強く振ったり。
 くすぐったいけれど、希美は不快に思わない。むしろ嬉しい。窮屈な闇の中で、自分もお姉様も確かに生きているんだという実感があった。
 動きが十分ほども続いて。
「ぷはっ……やっと、取れた」
 猿轡を外していたのだった。
「希美も取っちまえよ」
 楚葉にコツを教わりながらだったので、五分もかからずしゃべれるようになった。
 助けを求めて、大声で叫んだりはしない。フトシよサジに聞き付けられて、ガムテープを貼られるだけだ。奴らが朝食のために車を離れているときだって、無駄だろう。ふつうでも窓を閉じていたら、大声も外まで届かない。まして、木箱の中。積み込まれてしばらく、物を動かす音がしていた。木箱のまわりに荷物を積み上げてカムフラージュしたんだろう。ますます望み薄だ。
「希美……ほんとうに、ごめんよ」
 その声が微かに震えているのを、希美は聞き取った。お姉様、今にも泣きそうな顔をしているんじゃないかな――と、希美は思った。どんな顔か、想像できないけれど。
 希美は、返す言葉を見つけられない。ありきたりな物言いでは、自分の想いを伝えられない。楚葉の脛に頬を押し付けてゆっくりと何度も何度も首を振った。
「お袋は、まあいろいろあるんだけど……おれは父上を尊敬してた、好きだった。強い奴にぶちのめされたいってのも嘘じゃないけど、娘としてじゃなく漢(おとこ)として認められたかったてのもあったかな。任侠映画じゃあるまいし、跡目を継げるわけでもねえのにな」
 まだ続きがあるような気がして、希美は黙って聞いている。
「おれが堅気の娘らしく――組に顔を出したりせず、お袋とおとなしくしてりゃ、こんなことにはならなかったかもしれねえ。おれの身勝手に希美を巻き込んで、詫びの入れようもない」
「あたしだって……!」
 希美は小さく叫んだ。
「あたしだって、お姉様にリンチをおねだりしたときから、覚悟していました。こんな怖い人のオモチャにされて……まともな学生生活を送れるはずがないし、いずれはひどい目、サドマゾって意味じゃなくてスキャンダルとか、そういうの……」
 ほんとうだろうかと、希美は自分の言葉を疑った。そんなに深くは考えてなかったと思う。小さな頃から胸に秘めていた妄想が現実になる。それが嬉しくて怖くて、後先のことなんか、考えていなかった。
「今も、おれが怖いのか。後悔してるのか」
 答を知っているくせに……お姉様の意地悪。
 希美はもう一度、脛に頬を擦り付けた。だけでは足りない気持ちになって、舌を伸ばして脹ら脛の内側を舐めた。
 楚葉も、同じように希美を舐めた。
 そのささやかな舌の動きを希美は、どんな愛撫よりも優しく感じた。それだけで、エクスタシーに達しそうなほどだった。
 お姉様の下のお口にキスできないのが、もどかしい。ペニスバンドを(ヴァギナでもアナルでも、ううん両方とも)突っ込んでもらえないのが、物足りない。
 どうせ売春島へ売られたら、毎晩のようにショーを演らされるんだろう。でも、それは強制されてのことだ。そういうのもマゾ牝にはふさわしいと想うけれど。自発的な戯れはこれが最後だと思うと、こんなもどかしいものでは、あまりに悲しい。

 車の小刻みな振動が消えて。コトン……コトン……と、間延びした微かなショックが伝わってきた。
 舗装の完備した自動車専用道に乗ったんだろうと、希美は推測した。
 甘い絶望を噛み締める二匹のマゾ牝を積んで、ワゴンは男の天国女の地獄へ向かって走り続けている。

[未完]


 筆者としては、凄絶なマゾ堕ちと以後の苛酷な境遇を暗示して終わるのが好みです。ヒロインにとっても一種のハッピーエンドだと思いますし、立派なマゾ牝に成長(?)しているから、小説としても結構が整っています。
 それでも。こんなのは後味が悪い――という読者もおられることでしょうから。一般的なハッピーエンドを取って着けておきます。
 真のサディストは次頁以下を読まず、売春島に軟禁されるWヒロインが辿るであろう凄絶な未来を(お好きなように)想像してください。

Do not go to next page...

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 この後に”+α”が続きます。

 さて。11月も下旬で、3,012枚書きました。最高記録は2019年の2,229枚ですから。あと200枚ちょっとで記録更新できますが……
 『生贄王女への二つの暴辱と五つの試練/簒奪侍女に科される七つの拷問と懲罰』は大長編で、着手すれば年越し。
 ぼつぼつ『宿題を忘れたらお尻たたき、水着を忘れたら裸で泳ぐと、HRの多数決で決めました。』も続きを書かねば。2話を一揆加勢しても200枚はいきませんし。
 『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』を仕切り直すのは、その気が足りないし。
 なんと、知る人ぞ知る(たぶん数人?)SF短編『追憶を始めるとき』の続編(でもない)『追憶を終えるとき』も書きたいという、鬱勃たるロゴスにパトスに蓄音器ですけど。こやつはおそらく畢生の力作『生が二人を分かつとも』に準ずる作品でもあり、短編といえど構成を練り込みたいという想いと、ロゴスにパトスで疾走すべきという想いとが菱縄モトイ拮抗中です。たぶん年明けかな。
  注記:『追憶を始めるとき』は短編集『生が二人を分かつとも』に収録。
 いっそ『男性社員』を書くか、ふと思いついた『心中切支丹』をまとめてみるか。
 校訂も済まないうちから思案吊首じゃあ死んでまうがな。
 あ、表紙絵だけは決まっています。これを例によって件の如くBFにします。


$こうず

DLsite Affiliate 今回は同業他者さんを御紹介

 この作家さんは、濠門長恭クンが「小説SMセレクト」に最後の作品(PN:藤間慎三)を掲載された同じ号でデビューした後輩といえば後輩、電子出版ではずっと早くから活躍していた先輩といえば先輩です。
 ハードSMという点では共通しています。テーマとかモチーフは……購読して読者各位にて比較してみてください。

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Progress Report 6:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 『前奏』『独奏』に続いて、ヒロインが囮にされてスケバンが捕まり、実は角島楚葉カクシマゾよだったと暴かれて……
 『連奏』パートも佳境です。


 キーボードが走って滑って、情景描写も心理描写も素っ飛ばして(も、いないつもりだけどなあ)クライマックス明るいミニマムに向かって一車千里一基火星です。もうすぐ500枚。

 で、ちょいとレブリミットを掛けてオーバーヒートに水を差して。

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   サドの中のマゾ

 サジは二人の足首を縛り合せて、また開脚を強いた。吊り上げるのではなく、さらに天秤を下げる。鞄を抱えて楚葉の開かされた脚の間に座りこんで、股間が目の高さ。
「あーあ。ひでえことになってら。未来の旦那様の為にも、ちょいと手直ししといてやるぜ」
 鞄からアルコールの小瓶と得体の知れない小さなチューブを取り出した。脱脂綿にアルコールを染ませて、楚葉の股間を丹念に拭う。千切れかけている小淫唇は特に念入りに。
 アルコールが沁みる苦痛を、楚葉はわずかに顔をゆがませるだけで耐えた。小淫唇の傷口にチューブから液体を垂らされても、そこを下目遣いに眺めているだけ。
 サジが両手を使って小淫唇の傷口を貼り合せる。
「熱い……」
 ひと言だけ、楚葉がつぶやいた。
 三十秒ほどで、サジが手を放すと――小淫唇は本来の形に復元していた。
「すげえだろ。瞬間接着剤てのは、外科手術の縫合にも使えるんだ。前にやり過ぎて内代の乳首をもいじまったことがあるけど、ちゃんとくっついたし乳も出るんだぜ」
 初めて聞く女性の名前は、この男のバシタだろうと――あえてヤクザ言葉で考える希美。何をどうやり過ぎれば乳首がもけるのかは、考えたくない。けれど、想像がついてしまうだけの体験を、希美は重ねている。さっきのピンボールを使った避妊法といい、この男は常人とは違った角度から女体に興味を持っているようだ。葛島組のコマシ屋さんより、ずっと凶暴に女性を弄ぶんだ。
「ついで、ボロボロのおっぱいも治しといてなるよ」
 ぽたぽたぽたと、広範囲に瞬間接着剤を滴下させて、楚葉の顔をいっそうゆがませる。サジは薄いビニール手袋を嵌めた手で剥げた皮膚を乳房に押し当て、やはり一分もしないうちに傷を目立たなくさせた。目立たないというのは、皮膚が垂れ下がっているよりもという意味で、無残極まりない傷には違いないのだが。
「突っ張らかって感じるだろうけど、じきに慣れるさ」
 吊り上げられた肩をしきりにもじもじさている楚葉にサジが、優しくなくもない言葉を掛ける。
「さて、つぎは希美ちゃんだっけ。きみの番だ」
 同じように小淫唇と乳房を整形(?)される希美。
 瞬間接着剤を滴らされたところは、待ち針ほでどでないけれど針を突き刺されたように痛くなって、炎で炙られたように熱くなる。普通の子だったら泣き叫んでるところだろうなと思いながら、希美はかすかな呻き声だけで耐えた。それだけ苦痛に耐性がついているし、痛そうにしたらお姉様を苦しめる。
「ふんん……」
 サジが手の中でピンボールを弄ぶ。
「気を利かして処置をしておくと、若頭に叱られるな。嫁さんにするなら孕ませるかもしれないし」
 楚葉の顔が引き攣って――しかし、何も言わなかった。チンピラを相手に恫喝も哀願も見苦しいだけ。そんな思いを、楚葉は表情から読み取った。
「こっちは……」
 トランジスターラジオのような小箱を取り出して、ちらっと二人に見せてから鞄に戻した。
「いよいよ若頭が手詰まりになったら、出番があるかな。備え有れば憂い無しってな」
 サジが鞄は手近な木箱の上に置いて、ワゴンへ引き返した。ダッシュボードやラゲッジスペースをごそごそと漁り回って。
「ちぇえ。こっちは備え無しかよ」
 大声でぼやくと、助手席に乗ってばたんとドアを閉めた。空きっ腹を満たす糧をみつけられず、ふてくされたのだろう。
 二人は地獄のど真ん中で顔を見合わせて、くすっと笑ってしまった。

 やがて、ラジオ番組が聞こえてきた。おしゃべりと楽曲のディスクジョッキ―らしいが、かすかな音なので曲名すら分からない。
「ごめんな……」
 ぽつんと、楚葉がつぶやいた。
「…………」
 希美は黙っている。事の起こりは自分が誘拐されたからなのだけど。その理由はお姉様に可愛がられていたからだ。そして自分は元よりお姉様だって、こんな悪企みに狙われているなんて、思ってもいなかっただろう。
「悪いやつに捕まって、リンチされたりレイブされたり……そんなのに憧れてたんだ」
「…………?!」
 突然の告白に、希美は驚くと同時に、深まりつつあった疑念が、すとんと胸の底に落ち着いたのを感じた。
「でも、おれより弱いやつに姦(や)られるなんて真っ平だ。強いやつを求めて喧嘩(ゴロ)巻いてるうちにスケバンの頭にまでなっちまった」
 希美は、ちろっと楚葉の横顔を窺った。パッチワークのように貼り合わされた乳房に視線が落ちて――乳首の傷に気づいた。すでに治っている、かすかな痕跡。針にしては太い物が突き抜けたような。もしかして、それは釘付き洗濯バサミの痕ではないだろうか。
 いろんな責め道具を試したようなことを、お姉様は言っていた。木ネジを埋め込んだ擂粉木は試したことがない――とも。
 リンチの相手か、ふつうの子を脅して実験したんだろうと思っていたけれど、実験台にはお姉様自身も含まれたいたんじゃないだろうか。
 希美の沈黙を、どう受け取ったのか。楚葉は告白を続ける。
「リンチのときは、される相手に……ええと、感情移入ってのか。学校をサボッてるから言葉も知らねえな。ルビーや黒今浄子になり切って、悪役の角島楚葉を眺めてる――そんな気分だった」
 楚葉の告白は視点がごっちゃになっているけれど、その意味は痛いくらいに分かった。
「だから……おまえが羨ましかったよ。あんなに正直に『虐めてください』って言えるんだからな」
「恥ずかしいです。でも……」
 もしも役割を入れ替えようなんて提案されても、絶対に受け容れなかっただろうと、希美は楚葉の言葉の先を勝手に想像した。けれど、すこし外れていた。
「まあ、おれは……おまえみたいなマゾ一辺倒じゃなかったけどな。おれより弱いやつを虐めて、ぞくぞくしてたのもほんとうだ。言っとくけど、おまえが五月にクラスで受けていたような、じめついたイジメじゃないぞ。力で圧倒して、ええと……マンコ絡みで虐めるようなやつだ」
「じゃあ、あたしが濡らしたのは……お厭だったんですか?」
 お姉様もあけすけな告白につられて、希美はついに禁断の領域に踏み込んでいた。
「いいや。それも羨ましかった。けど……実際にそうされてみて。思ってたのとまったく違ったから……失望かな、戸惑いかな」
「あたしだって……聡音さんに虐められて、悔しいばかりでちっとも濡れたりしませんでした。濡らすのは、お姉様に遊んでいただくときだけです。あ……男の人に姦られるときは、どうしても濡れて……アクメに追い込まれたりするけど……それは、誰にくすぐられてもくすぐったいのと同じです」
 アクメとエクスタシーは違うと言いたかったけれど、実のところ自分でもよく分かっていなかったし。マゾに目覚めたばかりのお姉様を混乱させると考えて、黙っておいた。
「それも……おれには分からないけど。おまえの盾になってたときは、叩かれるたんびにマンコまで痺れてた。クリトリスを挟んだときよりも、ずっとだった……」
 うっとりと、楚葉は口を閉ざした。
 その洗濯バサミも釘付きだったんじゃないかなと、想像してみる希美。もちろん。お姉様の妄想の中で、その洗濯バサミを握っていたのはお姉様自身じゃなく、お姉様に服従している希美でもなく、ジョルゴ17とかゲシュタポの将校だったはずだ。
 そうだ。聡音さんも若頭も嘉良という人も――ゲシュタポだと思い当たった。パルチザンを匿って居所を自白しなかった姉弟。あたしをかばってくれたお姉様。お姉様をかばおうとした、あたし。
 ゲシュタポの犠牲者は、みんな殺されている。殺されなかったのはあの姉弟を含めて、戦争が終わって連合軍の兵隊に助け出された人たちだけ。
 お姉様とあたしは、どうなるんだろう。殺されはしないだろうけど。お姉様は若頭のお飾りの妻にされて、あたしは売春窟へ売り飛ばされて――そんなのは厭だ。若頭のオモチャにされるのは、お姉様と一緒にいられるから、それでもいいけれど。でも、あいつに嬲られるのは虫唾が走る。いっそ、ふたり揃って売春窟へ……どこまでが実際の恐怖で、どこからがただの妄想か、希美は区別がつかなくなってきた。
 希美の妄想からは、重要な展開が抜けている。連合軍による救出。現実に即していえば、葛島組の動きだ。それが明らかになるのは、数章先の展開を待たねばならない。

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 冒頭で「ひでえことになってる」のは、股間をスケバン御用達チェーンで打たれて、小淫唇が三枚に卸されているのです。
 文中の「黒今浄子」「ジョルゴ17」「ゲシュタポ」とかは、Report 5を参照してください→

連吊開脚

 仲間をかばって自らが責められるというのは、定番の展開ですが、マゾ的要素ですが、マゾそのものとは違うのではないでしょうか――などと思いながらも、マゾの真淵に至る経過とし書いています。
 しかし。歩いていて電信柱にぶつかって快感を得る人間など、ほんとうにいないのかしら。
 歯医者さんでゴリゴリ痛くされるのが好きっていう『告白』は、どこぞで御目にかかりました。その場合は「歯医者さん」という加虐者が介在するわけで。
 異性の上司に叱責されて濡らすなんてのも「実話告白」系で御目に引っ掛かりますが。
 日常とは異なる空間のみでマゾ性感を得られる筆者など、まだまだノーマル過ぎて未熟なのでしょうか。


 どれだけ書こうと実践を積み重ねようと、SMの神髄には38万光年の筆者なのであります。


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Progress Report 5:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

Progress Report 4 →

 リクエスト作品『幼なマゾの契り~闇に葬られた戦災孤児の淫虐体験』を、270枚で仕上げて。
 こちらの再開です。
 突っ走ってます。オーバーランしてます。『前奏』、『独奏』、『協奏』のうち『独奏』パートが終わった時点で407枚。『独奏』はモジュール方式で、いろんな責めシーンを詰め合わせているので長くなりました。『協奏』パートは単体で200枚を割り込むでしょう。としても、600枚クラスですから、長い部類に入ります。
 ちなみに、過去最長は『いじめられっ娘二重唱(前後編)』の929枚です。
 次点が『大正弄瞞』613枚、僅差で『縄と鞭の体育補習』と『昭和集団羞辱史:売春編』が609」枚。


では、今回はストーリイの節目である章です。ここで、ヒロインは悪役令嬢(激違)が真性のサディスチンとは違うのではないかと疑問を持ち――『協奏』パートへとつながります。まあ、この後も『独奏』パート最終章「冬山では雪遊び」で、疑念を深めますが。

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   お姉様の大秘密

 ハイキングの後は、ハイヤーでまっすぐ家まで送ってもらった。いちばん苛酷だった待ち針の傷なんか三日もすれば治って――希美は淋しい想いをしたものだった。
 学校では、水曜日に一度呼び出されただけ。一学期の間は昼休みごとに旧校舎へ駆け付けて、楚葉にオモチャとして遊んでもらうか、そうでない日は番犬としてフェンスにつながれていたのだから、今さら教室でひとりぽつねんと過ごすのはつら過ぎた。図書室へ行けば、他クラスや上級生の好奇の目。校庭の片隅で人目につかないようにして、時間をつぶすしかなかった。良かったことといえば、お昼ご飯を食べられるようになったことくらい。
 冬用の制服は、とうとう上着も下乳ぎりぎり(腕を上げれば確実に見えてしまう)まで切り詰められた。スカートも、さらに二センチ。そんな露出過剰な制服で購買の列に並んで晒し者になるのは、羞ずかしいよりも恥ずかしいが圧倒的でためらってしまう。今さら、またお弁当を作ってと母親に頼むのも気が引けて――登校中に駅の売店やコンビニで買っていた。お小遣いから捻出するのは、問題なかった。アクセサリーとか化粧品は、今の希美には縁がない。休日は、いつ楚葉から呼び出しがあってもいいように、ずっと家にいるのだから。コミックや雑誌は、自分の体験のほうが圧倒的に強烈だから、浮ついた絵空事を読む気にもなれない。レディース雑誌のエッチな記事も同じだ。
 いわば悶々と暇を持て余していた。だから、翌週の火曜日に登校するなり、
「今日はおれの家で遊んでやるよ」
 そう言われたときには舞い上がってしまった。可愛がってもらえるという喜びは当然だが、楚葉はスケバングループの誰ひとりとして、自宅へ招いたことがないというのを知っていたからだ。「おれたちとは真反対」という言い方で、希美は特別扱いされている。それは希美がスケバンの仲間ではなく、楚葉のオモチャだという意味だが――真反対だからこそ、家へ上げてもらえるという嬉しさだった。
 希美は授業なんかほっぽり出して、楚葉について行った。校門を出るとき、風紀指導の箕内先生はもちろん見ない振り。
「おまえ、そのジャージ結構だぶついてんな。下は脱いじまえよ」
 もう、楚葉の遊びは始まっていた。
 希美はためらうことなく(でも、羞ずかしそうにしながら)登校中の生徒が見ている中でズボンを脱いで学生鞄に詰め込んだ。下はもちろん素っ裸だけれど、ジャケットの裾でヒップは隠れている。知らない人が見たら、当然ブルマを穿いていると思うだろう。
 ズボンを脱ぐと、クリトリスのクリップに付いているガラス玉の飾りが大きく揺れて、かすかだけれど絶え間ない刺激を受け続ける。どんなふうに遊ばれるんだろうという期待とあいまって、裾よりも下まで蜜が内腿を伝う。
 バスで視姦されながら十五分。立っていたから、座っている乗客からは股間のガラス玉が見えていたかもしれない。見知らぬ人ばかりだから、恥ずかしさは小さくて羞ずかしさだけだった。
 楚葉の住居は、最近ぽつぽつと見掛けるようになったワンルームマンションだった。狭いけれど、キッチン、バストイレが完備している。学生には高値(ママ)の花で、入居者は独身のサラリーマンがほとんど。なので、平日の昼間は無人に近い。
 部屋に入って。予想していたのとはまったく違うインテリアに、希美は驚くよりもおかしみを感じた。だって――まっ白なレースのカーテン、パステルカラーの整理棚の上にはぬいぐるみとか飾られていたりする。けっこう乙女チックだ。それはまあ……神棚とか刀剣の飾りとかが置かれているとも思ってはいなかったけれど。
「ぼさっと突っ立ってないで、くつろげよ」
 ええと……希美は部屋を見回した。くつろぐといっても、応接セットがあるわけじゃなし、勉強机とベッドだけ。友達同士だって、いきなりベッドに腰掛けるのはお行儀が悪い。
 あたしが特別扱いされているのは、お姉様のオモチャでマゾ牝奴隷だからだ。希美はジャケットを脱いで靴下と三点クリップだけの全裸になり、床に正座した。オモチャの正座は、脚を直角に開く。
 そんな希美を見下ろしながら、楚葉も制服を脱いだ――下は、ブラジャーとパンティだけ。きちんとシュミーズを着ける子なんて少数派だし、真冬でもブラウスを着ない子は、さすがにお嬢様学校の百合香学園には少ないけれど。部屋着を着ないのは楚葉くらいだろう。希美だって、家ではまともな格好を取り繕っている。
「ちょっと待ってな」
 楚葉が腹這いになって、ベッドの下に腕を突っ込んだ。だいぶん追い付いてきたとはいえ、まだ桃と無花果くらいはボリュームの違う楚葉のヒップが、希美の目の前でもこもこと動く。肌にぴっちり貼り付いたパンティは、硬派のスケバンにふさわしく白無地の木綿。
 あまり見つめていてはお姉様に失礼と、部屋の中を見回すと――カラーボックスのひとつに、コミックの単行本がぎっしり詰まっていた。『ズボンの騎士』、『メコメコ・アザアス』、『ジョルゴ17』……希美はどきんとした。シリーズ物のコレクションが一致していたからだ。
 『ズボンの騎士』は、お姫様が男装して騎士になっているお話。悪大臣に囚われて、縛られて地下牢に監禁されたり、下着姿にされて女とばれそうになったり。鞭打ちの拷問シーンもある。
 『メコメコ・アザアス』は男の子向けのコミックで、主人公は現代の世界で活躍する黒魔法使い少女。薄気味悪いとか虐められて教室でストリップショーをさせられたり、連続少女誘拐犯に捕まってあわやのシーンとか。どちらも最後は黒魔法で逆転するけど、その部分には興味がない。
 『ジョルゴ17』は青年向け。世界を股に掛けて活躍する暗殺者。女スパイの拷問、被差別民族の少女へのレイフ、冷徹な女性将校がジョルゴに抱かれようとして娼婦に成りきったり。
 どのコミックも、希美の妄想を掻き立てるストーリーが満載。
 お姉様はサディスチンなんだから、女性を虐待する男の側に感情移入して読んでいると考えれば、不思議はないのだけれど……コミックとは別の棚に一冊だけぽつんと置かれている古い学習雑誌に気づいて、希美は心臓が止まりそうになった。
 戦争の悲劇の特集号だ。その中に、パルチザンを匿ってゲシュタポに捕まった姉弟のエピソードがある。下着だけにされて(というのは、子供向けの配慮に決まっている)監禁されて、毎日のように拷問されて……古本屋でこの本を発見したときは、その場にへたり込んでしまった。
 この本が発行されたとき、お姉様は(ええと……)まだ少学校低学年だったはず。先輩のお下がりだろうか。だとしても、それを大切に残してあるということは……?
 お姉様はほんとうにサドだろうかと疑ったことが、これまでにも二三度あった。まさか、まさか、もしかして、お姉様は、ほんとうは……
「よし、これで全部だ」
 どさっと二つの(わりと小さな)段ボールの箱を目の前に置かれて、希美は我に還った。
「どれで遊んでほしい? 好きなのを幾つでも選べよ」
 箱の中身は、いろんな種類の縄、大小の擂粉木、希美の初娼売のお金で買った手錠、首輪と鎖、釘を植えた洗濯バサミ。レディース雑誌でもたまに特集号があったり、楚葉に引きずり込まれたオトナの玩具屋でも売っていた、バイブとかピンクローターとか。短い鎖でつながれた小さな四つの首輪は手と足に嵌めるのだろうか。イチジク浣腸とか、ものすごく太い蝋燭とかも。
 呆然と眺めているうちに、希美はあることに気づいた。手錠と木ネジを貫通させた擂粉木と釘洗濯バサミは新しいけれど、ずいぶんと使い込んだ物も交ざっている。あの綿ロープなんて、くたびれているし薄汚れている。
 サディスチンのお姉様が、あたしみたいなマゾ娘でなくても、無理強いに女の子を可愛がったとか、リンチに使ったとか考えれば、おかしなところは何もないのだけれど。あんなにたくさん遊んでくれたのに、なぜあたしには一部しか使ってくれなかったんだろう。他の子に使ったお古は避けてくれたのかな。でも、釈然としない……
「まさか、全部遊びたいなんて欲張ったことを言うんじゃないだろうな」
 楚葉にからかわれ、希美は真剣になって、遊んでもらうための小道具を選びにかかった。
 十分ほども迷った挙げ句に選んだのは。多分拘束に使うんだろう革ベルトがこんがらかった衣装(?)と、四つの環と鎖の組み合わせと、釘を植えていない普通の洗濯バサミを小箱ひとつ分と、大小のバイブと、もしかして道に使うのかなと期待して極細のと、洗濯バサミと二者択一になるのかなと迷いながら大きなスポイトとローターを組み合わせたやつと、四角い箱にノートサイズのパッドと四本のハンドルが付いた強力マッサージ機と、蝋燭と……
「そこらへんでやめとけ」
 楚葉に止められなかったら、段ボール箱を二つとも空にしていたかもしれなかった。
「まったく欲張りやがって」
 楚葉がうんざりしたように言うのは演技だと、希美には分かる。
「それじゃ、おれも欲張って、これ全部一度に使ってやる」
「はい、ありがとうございますッ」
 今の希美の「ありがとうございます」は強いられてではなく、心の底からのものになっている。恐怖と不安は残っているけれど、悦虐への期待がはるかに強い。
「まずはケツ穴を綺麗にして来い」
 そう言って楚葉はイチヂク浣腸を二つ、希美に放って寄越した。
「シャワーヘッドは、ねじれば取り外せるからな」
 希美はイチヂク浣腸を胸に抱いてバスルームへ行った。都合の好いことに、トイレもあるユニットバスだった。
 三点のクリップは外して洗面台に置いて。バスタブの中にしゃがんでイチヂク浣腸を二つとも注入したのは、万一に粗相してもすぐに流せるからだった。
 便意が募ってきても、説明書にある通り十分は我慢する。時計がないので、ゆっくり六百まで数えた。
 汚しては申し訳ないので便座を上げて、尻を便器に嵌め込んで。思いっ切り排出して、綺麗に洗って。
 お姉様はシャワーを分解しろとおっしゃってたのだから。ホースの先をアヌスに押し付けて湯をたっぷり、腹を手で触って膨れたのが分かるまで注入した。これは我慢なんかできない。大急ぎで便器に座った。
 洗濯バサミにしてもスポイトにしても邪魔になるので、三点クリップは置き去りにして、まったく生まれたまま(に、性器の入墨を飾って)の姿で、バスルームを出た。
 楚葉も準備を調えて待っていた。黒いビニールレザーのホットパンツとフルカップブラ。どちらもいちばん盛り上がっている部分に縦のジッパーが付いている。今は閉じているけど、開ければマゾ牝用のコスチュームにもなるんだろう。
「直立不動ッ」
 楚葉の軍隊調の掛け声で、希美は足を真横に開いて背筋を伸ばし肘を張って両手を後ろで腰の高さに組んだ。何をされても姿勢を崩してはいけない。スケバン流の直立不動だと教わっているが、七人集の誰も、こんな姿勢で立っているのを見たことがない。自分を辱しめるために考え出されたんじゃないかと、希美は疑っている。
 それにしても――と希美は、お姉様への不遜な疑念を別の感心で上塗りする。オトナの玩具は暴利だ。それをこんなに揃えるんだから、あたしとは桁違いのお小遣いなんだわ。
 楚葉が最初に手にしたのは、革ベルトのこんがらかったやつだった。ほぐすと大きな網目になっている。網目のひとつを希美の首に通して全体を引き下げ、そこから先は太めのベルトが二本重なっている部分を股間にくぐらせて背中へ引き上げ、首の後ろの金具に留めた。背中側のベルトは三つの中空パイプに通されている。網目の両端から垂れているベルトは背中へ回して、縦のベルトに絡めて折り返し、網目の両端に三つずつある金具に留める。
 それを上から下へ繰り返される度に、胴は締め付けられ乳房は絞り出され、股間に食い込んでくる。網目からは肉がはみ出て、まるでボンレスハムのようになった。希美は肥っていないから、あまり食べ出はなさそうだが。
 ハーネス(と、楚葉が言った)が終わると、四つの環と鎖で手足の拘束。希美を膝立ちにさせて手首と足首に革の環を巻いて金具で閉じる。そのまま後ろへ倒されると、起き上がれなくなった。縛られてはいないのだから、ある程度は四肢を動かせるが、それはまさしく無駄な足掻きにしかならず、サディストの目を愉しませるだけだ。
 楚葉は希美をあお向けにしてから、三番目の小道具に取りかかった。大小と極細のバイブ。足首を鎖で引き付けられているから、希美は嫌でも膝を立てていなければならない。足を開かせるのは簡単だ。
 すでに希美のヴァギナは濡れそぼっている。楚葉は股間を鎖(とざ)しているベルトを緩めもせずに、二本を左右に掻き分けて大きいほうのバイブを突っ込んだ。
「ああああッ……」
 悲鳴ではなく、愉悦の叫び。
 同じようにして、小さいほうはアナルへ。
「い、痛いッ……」
 あお向けのまま手探りで突っ込まれたので、角度が合わなかったのだろう。それでもやすやすと咥え込んだ。
「こっちは初めてだったよな」
 太いバイブで左右に割られている縦ベルトの隙間に、最後の極細バイブを、楚葉が差し込んだ。上下左右にこねくって※道口を探る。
 おし●こが出る穴が正確にはどこにあるか、希美は自覚したことがない。それでも……つぷっと凸と凹とが嵌まり合うのは分かった――と同時に。
「ひゃああっ……」
 チリチリッと焼けるような痛みを感じて、希美は反射的に腰を引いた――が、床に押し返されてずり上がってしまい、※道に入りかけていたバイブを自らこねくる結果になった。灼熱の激痛。鞭や針とは違って、軟らかな体内を引っ掻かれるような不快な痛みだった。
「痛い、赦してくださいい……」
「動くからだ。じっとしてりゃ、たいしたことはない。むしろ、ケツマンコより早く味を覚えるぜ」
 誰かをそういうふうに調教した経験があるような口ぶりだった。
「まだ洗濯バサミも蝋燭も業務用マッサージャーも残ってるんだぜ。これしきで騒ぐんじゃねえ」
「だって……おし●この穴を虐められるの、初めてだから」
 これまでだったら謝るか黙ってなすがままにされていたところを、甘えるような響きで口ごたえしたのは――漫画の趣味が完全といっていいほどに一致していた親近感の故(ゆえ)だったろうか。
「今日は、あれもこれも初めてにしてやるぜ。そういうふうに、おまえが道具を選んだんだからな」
 一方的に宣言して。楚葉は一気に極細バイブを※道の奥まで押し込んだ。
「痛ッ……」
 いきなりのことで緊張する暇(いとま)がなかったせいか、痛くすぐったいだけで、さっきのはなんだったんだろうかと首を傾げるくらいに、痛みは少なかった。
 三本のバイブを挿入し終わると、楚葉は改めてハーネスを引き絞って、ベルトを陰裂の奥深くまで食い込ませた。
「くううっ……んんん」
 バイブがこねくられて下半身の三つの穴が側面から刺激され、違和感と官能を掻き立てた。
「こいつは、まあ、こんなところかな」
 洗濯バサミは、ハーネスにくびられた乳房の麓に放射状に飾られていった。ちっとも痛くなかったのだが。
「おれにゃ、美術のセンスはねえや」あ
 鏡で見せられて、希美も同意せざるを得ない。乳房は外へ向かって引っ張られて、ぺしゃんこ。ボンレスハムから巨大なヒラタケが生えているみたいな惨状あだった。
「まあ、画竜点睛があるからよ」
 大きなスポイトを乳首とクリトリスに吸着させた。
 真空に吸い出されて、乳首もクリトリスも痛い。どんどん充血してくるのが、疼きで分かる。
「さて……いよいよだぜ」
 何がいよいよなのかと疑問に思ったときには。
 ヴヴヴヴヴッ……
 ウィイイイイ……
 ニュオンニュオン
 三つのバイブが一斉に振動し始めた。
「えっ……やあああああああッ……!」
 これまで、中をこねくられたり出し挿れされたことはあっても、激しい振動を受けた経験はない。一瞬で思考が消し飛ぶほどの……快感だった。
 さらに――スポイトまでが小刻みに振動し始めた。
 ブルルルル……
「きゃああああっ……?!」
 軽く触れられただけで全身にさざ波が立ち、つねられれば絶叫する敏感な部位。そこに加えられる、終わることのない微妙な高速の刺激。
「いやあああっ……なに、これ?!」
 ほとんど垂直に屹立した急坂を、ロケットのように翔け昇っていく。
「いよいよ、真打の登場だぜ」
 のけぞり返り、鎖を引き千切らんばかりに手足を突っ張って悶える希美の下腹部に、業務用マッサージャーの大きく四角いパッドが押し当てられた。
「逝っちまいなッ!」
 ハンドルにのしかかるようにしてマッサージャーを保持しながら――パチッ、楚葉がスイッチを入れた。
 ドゴゴゴゴゴゴ……何かの工事が始まったかのような大きな音とともに、本体がぶれて見えるほどの圧倒的な振動。
「ぎびひいいっ……や、やめ……死んじゃう、死んじゃうよおおお!!」
 すでに弓なりになっている希美の裸身が、いっそう深く反り返って、びくんびくんと腰が跳ねて。野太い咆哮が、か細い喉から吐き出された。
「ふいいい……」
 どさっと横ざまに崩折れて、ぴくぴくと全身を痙攣させている希美を見下ろして、楚葉が長々と溜め息をついた。
「これが、本物のアクメってやつか」
 羨ましいと、呟いて。希美を元のブリッジの姿勢に起こした。バイブもスポイトも、まだスイッチを入れっぱなしにしている。
「ここをさらに責めたら、どうなるんだろ」
 楚葉は、希美が選んだ最後の小道具――百目蝋燭に火を点けた。
 失神している希美の臍を狙って、炎が肌に触れそうなくらいまで、蝋燭を傾けた。つぷっと熱蝋が臍の穴を埋める。
「熱いッ……」
 一発で希美は目を覚ました。
 ぽつん、ぽつん、ぽつんと、蝋滴がゆっくりと股間に近づいていく。希美がもがく。しかし、その動きは――まだ蝋に覆われていない新しい肌を炎の下に曝す結果となる。
 クリトリスはスポイトに、淫裂はバイブに保護されている。楚葉は外淫唇が埋没するまで蝋を垂らし続けた。
 希美にしてみれば。耐えられないほど熱かったのは最初だけで、冷えた蝋の上に熱蝋が重なっても、じんわりと適度に熱くなるだけで、中途半端に気持ち好いだけだった。
 蝋燭が左右に揺れながら乳房に向かう。新しい肌に垂れる熱蝋は、突き刺さるような熱痛を希美に与えてくれるが――それでも、皮膚のすぐ下で止まってしまう。
 さっきの絶頂と同じだと、希美は思った。
 ものすごい、これまで経験したことのなかった、苦痛を伴うほどの快感だったけれど。皮膚をすっぽり包んで締め付けられるような感じで、身体の奥までは届かなかった。
 鞭打ちや針の苦痛は違う。背骨にまで突き抜けるような苦痛と、その奥から滲み出てくる凶暴な快感があった。
 さっきのバイブとスポイトで得られた絶頂と、綱渡りで達した絶頂と、どちらかひとつを選べと言われたら――希美はためらいなく後者を選ぶだろう。
「ひいいっ……熱い」
 洗濯バサミで引き広げられた乳房の上に熱蝋を垂らされて希美は叫んだが、ずいぶんと可愛らしい、余裕のある悲鳴でしかなかった。
 それは楚葉にも分かった。
「もうちっと正気づいてから責めるんだったな。おれも、ここまでの経験はないから……勝手が分かんねえや」
 蝋燭の炎を消して、バイブとスポイトのスイッチも切った。
 まだ絶頂の余韻にたゆたっている希美のブリッジを眺めながら、楚葉は煙草を吸った。いつもになく煙を肺まで吸い込んで、だらしなくも噎せてしまった。

 三十分ばかり放置してから、楚葉は希美を拘束から解放した。バスルームに連れ込んで、手ずから洗ってやる。洗いながら、指で希美を優しく可愛がる。乳首を転がしクリトリスを刺激し、ヴァギナをくすぐる。反応が鈍いので、いつもの流儀に変えた。乳首に爪を立てて引っ張りクリトリスをつねりヴァギナとアヌスをこねくった。
 希美は苦痛を訴えながら――下の口は正直だった。
 さらに、楚葉はオモチャをベッドまで持ち込んだ。
「たっぷり愉しませてやったんだから、お返しをしてもらうぜ」
 膝を立てて股を開いた。
「フェラチオは上達したようだが、クンニはしたことがないだろ」
 練習台になってやるからおれを逝かせてみろと、初心者には無理難題に近いことを言う。
 それでも希美は、喜び勇んで楚葉の股間に顔を埋めた。
 お姉様の大切なところを舐めさせていただけるなんて――希美は感激していた。舐めるだけじゃなくて、舌を挿入するとかもしなくちゃいけないんだろうな。
 レズビアンのテクニックなんて、レディース雑誌にも書いてない。少女漫画にはそれらしい描写もあるけれど、キスと薔薇と白い光線だけ。
 オナニーをするときの指の動きを舌に置き換えればいいんだろう。処女だった頃と今では、ずいぶんと違ってきたけど――お姉様は、当然絶対に経験済みよね。
 希美は、自分よりも小さく色も薄く縁が滑らか(希美のは、綱渡りでぎざぎざになってしまった)な小淫唇を舐めながら、舌をだんだんと上へずらして、包皮にくるまれたクリトリスに口づけしてから、実核を吸い出した。
 ぴくんと楚葉の身体が跳ねたのに気を良くして――ずぢゅうううっと啜ってみた。
「あっ……うまいじゃねえか」
 立て続けに楚葉の裸身が跳ねる。ずいぶんと初心(うぶ)っぽい反応だった。
「舐めるばかりで手を遊ばせてるんじゃねえよ」
 乳房も愛撫しろという意味だろう。希美は回教徒が礼拝するような這いつくばった姿勢で両手を上へ伸ばして、小さな両手には余る乳房を下から押し上げるようにして愛撫した。
 自分の乳房とは違って、柔らかい餅をこねるような感触だった。
 反応が薄いので、乳首まで指を伸ばして摘まんだ。ぴくんと胸が動いたが、クリトリスよりは効いていない。
 どうしようかと戸惑う。本物のペニスでも擂粉木でも、それ以上に毎日のペニスバンドで鍛えられている自分でさえ、まだクリトリスの快感のほうが好きだ。お手軽って意味もある。ほんとうに追い込まれたときのヴァギナ感覚は、ずっと重厚だけど。
 それでも。お留守にしては失礼よねと考えて。希美は舌先で膣口を探り当てると、中へ挿れようとした。浅い位置で柔らかな壁に突き当たった――と感じたときには、腰を引かれていた。
「おまえと違って、おれは中が苦手なんだ。もうちょい上の小さな穴のほうが好きなくらいだ」
 うわあ。※道口が好きだなんて、お姉様もずいぶんと変態だわ。スケバンらしくないな――としか、希美は考えなかった。まさか処女かもしれないとは、疑わない。
 それから延々三十分も、舌が動かなくなるまで奉仕を続けたけれど。希美はお姉様を逝かせることはできなかった。

 これも、楚葉には珍しく。遊びが終わっても希美を追い出そうとはしなかった。
 自分は下着を着けて、希美には全裸に三点クリップを付けさせて。
「おまえな、新体操部に戻ってちゃんと練習しろな。顧問と部長にはナシをつけてやるから」
「お姉様……」
 希美は、泣き声になった。捨てられると思ったのだ。
「今度の文化祭でよ、ちょいとばかし学校に貢献しようと思ってよ」
 最悪の予想とは、まるで方向が違う話になってきた。
「こないだの体育祭で分かっただろ」
 と言われても。希美は素肌に体操シャツとブルマを着て、教室から見学していた。ペニスバンドを着けたまま激しい運動をするのは、それほどの苦にも感じなくなっていたけれど。そんな希美と肌触れ合わんばかりに座るのは厭だと、学年全体の無言の圧力。体調不良を申し出て、教師もほっとしたというのが実情だった。両親は希美を見放しているから、見学には来てくれていないので、安心してサボれた。
「父兄証を入手したり偽造したり、助平親父もナンパ野郎も、わんさか押し寄せたんだぜ。文化祭は生徒との触れ合いが体育祭より簡単だからな。毎年、先公どもは頭痛を抱える羽目になる。まあ、一部の生徒は喜んでるんだけどな」
 今年は、そういう不逞の輩を一般生徒から遠ざけるのだと、楚葉が言った時点で――不逞の輩は特殊生徒に近づけるつもりなんだと、それくらいにはお姉様の意地悪さ(と優しさ?)を理解している希美だった。
 希美が未経験の新体操を目指したのは、あられもない衣装で観客の前で、大股開きだのそそるような仕草だのを披露する種目だからだ。不逞の輩を惹き付けるにはうってつけだった。
 そうして翌日から、希美は部活を再開したのだった。
 基本の身体作りとかは素っ飛ばして。特定の演技だけを、なんとかサマになるまで指導してもらう。このときだけは、ペニスバンドを抜いても良かった。いよいよ文化祭が近づくころには、自発的にわざと挿れたままにして快感を愉しんだりもしたけれど。
 部活が終わっても下校せずに――体育館で、ペニスバンドもクリップも無しで待機。スケバン流直立不動だったり、開脚正座だったり、足の親指とクリトリスを長いゴムでつないで頭に水バケツを乗せたり――日替わりメニューは、楚葉の指示だった。
 午後十時ごろに、市内のパトロールを早めに切り上げて戻って来た楚葉から、本番演技の特訓を一時間ほど受けて。それでようやく、希美の一日は……終わらない。三点クリップで装飾して、下脱ぎジャージでヒップと股間を気にしながらバスと電車を乗り継いて帰宅するのも、楽しく羞ずかしい日課だった。
 いきおい、遅刻どころか午後登校なんて日もあった。
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$こうず5

 ここで出てくる学習誌は、筆者の実体験に基づいています。こういう記事が、かつては学習誌に載っていたりしたのです。
 それは、ともかく。PLOTよりも責めが過激になってきています。
 三穴同時なんて『協奏』パートで予定していたのに、すでに全裸ハイキングでやらかしちゃいました。予定部分をどう変えるかは、まあ腹案はあるものの、書きながら考え直すかもしれません。

恒例 DLsite Affiliate キーワードは、「レズ、拘束、快楽」 漠然としています。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report Final:幼なマゾの契り

 目標に1日遅れて11/1に脱稿しました。その後の3日間で第三次(最終)校訂まで。8万9千文字/270枚です。
 最初は短めの尺で進んでいましたが、本格的な責めが始まると、10時間どん兵衛どころではない伸び方でした。いつものことですね。


 筆者はこれまで、少なくともヒロインには「回復不可能な損害(処女膜と永久脱毛と刺青と焼印は除く)は与えない」ポリシーで書いてきましたが。
 ついに禁を破りました。


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封印と焼印

 事前の連らくなしで少佐が訪れたのは三日後だった。今度は、少佐より若い男と、もっと若い(ように見える)女を連れていた。
 おれとソノは庭でも広間でもなく、ろうごくカマボコ舎のはしにある保健室へ呼び出された。例によって、所長とコンクリと通訳の帆針もいた。保健室を仕切っている若ババはいなかったけど、八人も入るとぎゅうづめだ。
「二人とも喜べ。おまえたちは少佐どのがつがいとして引き取ってくださる」
 悲しめの間ちがいだろ。
「今日は、おまえたちをアメリカへ輸出するのに必要な処置をしていただく」
 連れて帰るじゃなくて、輸出。そのための処置。いやな予感しかしない。
 それでは早速とばかりに、おれはベッドへがんじがらめに縛り付けられた。チンぶくろを外されたので、縮かんだチンチンを若い外人の女にも見られている。日本男児の名折れだ。
 若い男が、拳銃みたいな器具を取り出した。
 スコスコスコ……遊底を何度も前後に動かす。空気銃かな。
 最後に遊底を引いて、ホッチキスの針の親玉みたいなのを装てんした。金属製のヘラを机におさえて、三日月のようにくぼんだ面に銃口をおし付けた。
 プシュッ、カン!
 射ち出されたコの字形の針は、両はしが内側へ曲がっていた。やっぱりホッチキスだ。
 男はさらにカバンから薬のビンやピンセットやらを取り出して机に並べた。そして軍服をぬいでうでまくり、肌がすけて見えるうすい手ぶくろを着けた。女も同じようにした。
 もしかして、所長の言ってた処置ってのは、手術のようなものだろうか。
「アフタオール、ウィザウッエノシーザwithout anesthesia?」
「オフコース。メイキッハーアズマッチャズポッシブMake it hurt as much as possible
「アハン」
 男が、おれの股の付け根を指でぐりぐりと、しょくしんってやつかな。
 にゅるっと指が腹の中までめりこむような感覚があった。男がうなずいて――おれの金玉を、そこへおしこんだ。
「いてえっ……」
 金玉をけられたときと同じような、もっと軽い痛みだった。
 左右ともおしこむと、女がピンセットでふくろの皮を外へ引っ張った。男が、そこを紙切れでこする。
 ざりざりと痛い。紙ヤスリだ。
「何をするつもりなんだよ?!」
 ばしん。少佐にほっぺをたたかれた。
「シャベルナイゾ。ナクサケブシロゾ」
 くそ。意地でも泣きさけんだりするもんか。でも、ひりひりと痛い。
 女が、やっぱりピンセットでつまんだガーゼで、紙ヤスリがこすったところをぬぐった。ガーゼが真っ赤になった。
 こいつら、医者と看護婦かな。看護婦のほうは、手ぶくろごしでも有色人種にふれるのなんかけがらわしいって顔をしてる。それとも、チンチンだからなのかな。
 医者が縮かんでいるチンチンの皮をむいて、看護婦が……痛いッ。ピンセットの先をおしxこの穴につっこんで先っぽをはさむと、下へ引きのばした。その上に、医者が金属のヘラをおし付けた。
 こないだ少佐がしたみたいに、医者が玉ぶくろの皮を左右から寄せて、チンチンとヘラをひとまとめにつつむ。合わせ目をばん創こうではり合わせると、空気銃式ホッチキスを手にした。
 コンクリが看護婦の反対側から、おれの腰をおさえ付けた。
 お、おい。ちょっと待てよ。まさか、それをおれに……使うんだろうな。
 ソノは、まだ何が起きようとしているか、理解してないみたいだ。でも、危害がおれに加えられようとしてることだけは分かってる。所長に羽交いじめにされながら、両手で口をおおって、器械を見つめている。
「レディ……」
 ヘラが、チンチンんをぐっとおし下げる。
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 玉ぶくろをかみ千切られたような激痛。反射的に身を丸めようとして、身体じゅうに縄が食いこんだ。
「アバレルオモシロイゾ。バッ、オペレイションジャマゾ」
 少佐がおれの腹をわざとふんづけながら、馬乗りになった。びくとも動けやしない。
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 ヘラが引きぬかれて。合わせ目のいちばん下あたりに銃口があてがわれた。
 プシュッ……
 おれは、もう悲鳴を上げなかった。気絶してしまった。
 ――コンクリにカツを入れられて、おれは意識を取りもどした。ベッドから下ろされていて、代わりにソノが縛り付けられていた。
 おれと同じように少佐におしつぶされながら、泣きじゃくっている。でも、あきらめているんだろう。言葉は発していなかった。
「ヘイ、バスタード。ビッチワイフ、オーマンコ、デキルナイナルゾ。ヨクミルシロゾ」
 もしかしたら、それはソノにとって救いになるんじゃないかなって、バカな考えが頭をかすめた。割れ目があるから、女は男にねらわれるんだ。二つの穴に同時につっこまれたりもする。いじめられるためにだけある穴がなくなってしまえば……やっぱりダメだ。その分、こう門に入れられたり口を使われる。鞭も増えるかもしれない。
 いよいよ銃口がソノの股間におし当てられた。
「おにいちゃああん!」
「ソノオオオッ……!」
 他に何を言ってやれる。おれでさえ絶きょうして気を失ったんだ。がんばれなんて言えない。
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
「シンパイナイゾ。バスターズチンチン、オナジ。クリット、サワルノコスゾ」
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
 ソノはおれより一発少ない三発で終わった。最後まで下じきのヘラがぬかれなかったから、おれよりはマシだったろう。新高山と富士山くらいのちがいしかないけど。
 ソノは泣きつかれさけびつかれてぐったりしてるけど、意識はあるみたいだった。股間が真っ赤にそまっている――のは、おれも同じだ。
 おれへの最後の一本はチンチンにもつき差さっていたみたいで、これ以上はないってくらいに縮かんでるのに、むけた先っぽがちょこっとだけ合わせ目から顔を出している。
 これから、おれたちは広間のベッドへ連れこまれて、こう門か口、それとも両方をいじめられる――ソノは可愛がられると感じているかもしれないけど。そうされるんだと思ってたら、裏庭へ連れ出された。
 新入生に焼印をおすときのミカン箱が並べられて、そばの大きなバケツでは石炭が真っ赤に燃えていた。
 尻におされた丸囲いに木の字の焼印が完治して肉が盛り上がるまでに三週間はかかった。また同じことをされるかと思うと、ぎゃく待に悪慣れしちまったおれでも、腹綿がにえくり返ってくる。
 焼印は二つあった。どちらも平べったい二等辺三角形のわくで、大きさがちょっとだけちがっている。わくに囲まれた文字は、どちらも同じ三文字で、JAP。
「チャイニーズマチガウ、センソーカッタクニ、シツレイ」
 少佐が得意気に説明した。そうか、これは少佐の特注品なんだ。
 戦争に負けると、ほんとうにみじめだ。くやしさをかみしめながら、それでも、焼印がソノとおそろいなのが、ちょっぴりだけなぐさめだった。
 丸木の焼印とはちがって、最初がおれだった。西洋はレディファーストだと聞いたことがある。何でもかんでも女が先というんじゃなくて、危険なことには男が率先して立ち向かう。船に乗るのは男が先で、安全な地上へ下船するのは女が先。だから、さっきの手術も焼印もおれが先だったのか。
 あれ……やっぱり少佐は、ほんとのところは、おれたちを人間だと思ってるのかな。動物をあつかうのにレディファーストもへったくれもないものな。ソノの言ってたことが、なんとなく分かったような気がした。
 ミカン箱の上であお向けにおさえ付けられて、おれは迷った。焼印なんて、さっきの手術に比べたら、たいしたことはない。きっと、悲鳴は我まんできる。でも、それがソノに負担をかけはしないだろうか。おれが我まんしたら、ソノもおれに習おうとするだろう。女の子なんだから、泣いたってかまわないのに。
 おれが悲鳴を上げたら、ソノも安心して泣きさけべるんじゃないかな。
 少佐が小さなほうの焼印を火にくべた。おれのほうがちょびっと背は高いけど、腰の張りや尻の大きさはソノが勝ってる。あの焼印は形と文字の上下から考えると、下腹部におされるんだろう。三角形の角度は股の付け根の角度と同じだ。
 五分ほどで、少佐が焼印を引きぬいた。三角形のはしをミカン箱に当てると、
 ジュッ……木がこげて、けむりが立ちのぼった。あんなのを肌におし付けるなんて、やっぱり少佐もおれたちを人間あつかいしていない。
 おれは両かたをコンクリにおさえ付けられてるだけで、足は自由に動かせる。けど、筋肉をつっ張ってじっとしている。動いたら焼印の形がくずれる。どうせなら、きれいなほうがいい。
 角度の浅い頂点を下にして、焼印が下腹部に近づく。おれが予想していたとおりだ。
 ちりちりっと肌に熱気を感じたとほとんど同時に。
 ジュウウッ……
「うああっ、熱いッ……!」
 さけび終わったときには、焼印は引きはがされていた。少佐は、所長みたいに不必要に長時間(といっても、二秒が五秒になるくらいだけど)おし付けたりはしなかった。
 短い時間だったけど面積が丸木よりずっと広いから、感じる痛みは大きい。まだおし付けられたままのような痛みだ。
 おれの次は、ソノの番。
「ひいいっ……!」
ソノの悲鳴のほうが、ずっとおしとやかだった。
 男のおれのほうが悲鳴が大きくたって、はずかしくなんかないぞ。ソノが余計な我まんをしないですむようにしてやったんだから。
「ニシューカン、ムカエクル。シーリンオアブランディンSealing or branding、ツブスナイゾ。キャプテン・マックアイゾン、ワッコーポラルWAC corporal・ジョーサマーズ、シューニカーイ、チリョウスルゾ」
 少佐たちは、ベッドでの遊びはしないで引き上げて行った。
 
 それからの二週間は、まさしく下にも置かずベッドに縛り付けられて過ごさなくちゃならなかった。大部屋でのでんぐり返りみたいな縛られ方ではなくて、保健室のベッドにふたりまとめて大の字ハリツケ。おれとソノがくっついてる側の手足はまっすぐのばしてひとつにくくられたから、ふたり合わせて水の字ハリツケかな。ホッチキスと火傷が痛かろうとかゆかろうと、手が届かないし、ね返りしてこすりつけられもしない。ベッドから解放されるのは、一日四回の便所と、後ろ手に縛られて年長の生徒たちに庭を引き回される散歩のときだけだった。
 食事はベッドの上で手だけをほどかれて上体を起こし、足をまたぐコの字形のテーブルで食べた。おかゆじゃなくて、教官と同じ白米ご飯に肉や魚のおかず付き。これも、上げゼンすえゼンっていうのかな。
 生まれて初めてのぜいたくで退くつな日々だった。これが生がい最後のぜいたくになるだろうとは、口にこそ出さないが、おれもソノも覚ごはしていた。
 退くつな日々の中での変化は、少佐が言ったとおりに週二回往しんに来た軍医と看護婦だった。傷口を見て、消毒したり注射をしてくれたり。人間の子供を治りょうするってより、家畜の手当てくらいにしか思ってないのは、ぞんざいな(余分に痛い)手つきやそっぽを向きっぱなしの目でよーくわかったけど。
 退くつだから、二人でいろんな話をした。
 ソノが遠えんの人だと言っていた医者は、やっぱり赤の他人だった。ソノがまだ女の子の格好をしてたころ、お腹が空いたらいつでも家へおいでと、ツバナレしてない子供でも分かるくらいに下心丸出しで声をかけられたんだそうだ。
 そういうのは、医者が初めてじゃなかった。そもそも、ソノはほんとに遠えんの家に引き取られていたんだ。ひるはオサンドンでこき使われ、夜はフロで小父さんの背中を流す――だけじゃすまなくなってきたのでにげ出したんだ。
 おれも、小さいころの思い出とか、戦死した兄さんのこととか、焼けてしまった家と両親とか。取出間サダへのちかいも打ち明けた。
 そんなおれたちが絶対に口にしなかった話題は、たったひとつ。将来のことだ。
 聞かなくても、ソノの想いは分かってる――と、思う。少佐は心の底では、おれたちのことを人間だと思っていて、だからチンチンを大きくしながら、おれたちをいじめる。ソノはそれを、所長どもにぎゃく待されるよりはマシだと考えている。マシというよりも。おれといっしょにいじめられると、ぬらしてしまう。おれといっしょに居られるってのが、何よりもうれしいんだ。
 そして、おれは……いててて。チンチンを固くするのも、ままならないや。
 十日目におれもソノも、ホッチキスの針をラジオペンチで二つに切断してからぬいてもらったんだけど、ぬい合わされたところはゆ着して、二度と左右に開けなくなった。
 ソノは、上はしから女の子の小さなチンチン(英語ではクリトリスという)が顔を出している。下はしには、おしxこを出す穴も開いてる。
 おれは下はしからチンチンの先っぽが出てるんだけど、最後にヘラなしで打たれた一本がチンチンと玉ぶくろの皮をぬい合わせたらしくて、固くなっても玉ぶくろの合わせ目から先へはのびない。ゆ着してるところを根元にして、腹の中にめりこんでくる感じ。そのゆ着してる所がすごく痛いんだ。痛いとますます大きくなろうとするから始末が悪い。

 約束どおりに少佐は二週間後に、今度は二人の黒人兵を連れてトラックでやって来た。運転手は別に居たらしいけど、おれもソノも顔を見ていない。
 少佐はホッチキスでぬい合わせた股間を指でなぞって、ぴったり閉じているのを確かめると満足そうにうなずいた。ホッチキスの針をぬいた穴は、もうふさがりかけている。
「オーケイ。ショチョー、アタマ、スキンヘッドシロゾ」
 ぼう主頭は月に一度、バリカンで根こそぎにされるんだけど、少佐はそれでも足りずにカミソリでそれと言う。たちまち、おれもソノもおぼうさんの頭みたいにされてしまった。ソノはふつうの丸ぼう主より、ずっと可愛く見えた。
 おれたちは外へ連れ出されて、消火ポンプの高圧水で全身を洗われてから――かんおけみたいな箱に二人まとめてつめこまれた。
 上下逆さにされて、たがいに相手の股間にかぶりつく形にされ、だき合ったまま縛られた。そのまま足をおりたたまれてしまったので、太腿に顔をはさまれて、首を左右にひねるのも難しい。あごを上げれば、どうにか股間から口を外せるけど、首が痛くなるので長時間は無理だった。
「ステイツ、ハコブゾ。ジェネラル・マッカーサー、オナジヒコウキ。コウエイオモウシロゾ」
 飛行機でアメリカまで運ばれるんだ。飛行機に乗ってみたいってのは、男の子みんなの夢だったけど――こんな形で乗せられるなんて、ちっとも喜べない。
「テンサウザンフィー、トブゾ。サムイゾ。ションベンコオル。ノムスル、アタタカイゾ」
 こごえ死ぬのがいやなら、たがいに小便を飲めってことか。まあ、ソノの小便なら男の精液をゴックンさせられるよりは、いいかな。そして、ソノもおれの小便を……いてててて、チンチンがつっ張らかりやがる。
 かんおけのフタが閉じられ、ごていねいにもクギ打ちされた。
 そうして、二人の黒人兵に担ぎ上げられトラックの荷台に乗せられて。おれたちは強制収容所から運び出された。
 生徒たちはカマボコろうごくから出るのを禁じられただけでなく、トラックが来る前から窓のひさしはつっかい棒を外されて閉じていたから、おれたちの運命はだれも知らない。うすうす感づいてはいただろうけど。

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 まあ、切開手術をすれば、ヒロインは妊娠可能になるでしょう。
 ショタイン(ショタ+ヒロイン)は……
 成人のオタフク風を例に引いて、睾丸を腹腔内の高体温に曝し続けると機能を喪失するとかいわれていますが、これはどうも都市伝説のようです。だって、インフルエンザで男性不妊になりませんもの。実はムンプス・ウィルスによる精巣炎が原因らしいです。とすると、だいじょうぶかな。
 しかし、高温状態では精巣の機能が低下するのは事実のようですから、第二次性徴真っ盛りで24時間強制タックが続けば、竿有り玉有りのニューハーフになる??
 けど、まあ。「突っ込める」ようになるなら――禁を破ったことにはならないでしょう。


 さて。この小説で何が苦労したかというと、実は表紙絵です。
 少年と少女が抱き合って縛られていて、ひとつのボールギャグを両側から咥えさせられている――なんて構図を考えたりしましたが、どうにも素材が有馬温泉草津の湯別府湯布院城崎にて。
 もろ結合シーンとかは、サイトによっては矢倍と思いますし。


 でまあ、考えあぐねた素材あぐねた結果……下の画像が、主な素材になります。
 どう仕上がるかは、出来てからのお目汚し。あっ……「御目汚し」にコを挿入すると、まったく別の意味になりますな。




表紙絵素材

DLsite Affiliate キーワードは、ずばり「ショタイン」です。

 ううむ。「ショタインキュバス」かあ。「ショタ 淫魔」とか「ショタ インテリア」とか……
 WEB検索すると、「シュタインズゲート」ばかり引っ掛かるし。
 では、ショタインは作者の東京都特許許可局局長許可許可証ということで。

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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 2:幼なマゾの契り

 どうも、今回はペースが遅いです。気が乗らないんじゃなくて機が乗っているからです。
 どういうことかというと、リンク先の記事の末尾を参照→
 それはさて措き。
 今回の御紹介は前回の続きとなる章です。


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訓練と調教

 裏庭の一画に、細長い屋根が建っている。というのも、おかしな表現だけど。かべが無いんだから、小屋じゃない。その屋根の下にほられたミゾが、生徒の便所。教官の宿舎になってるカマボコのほうにはアメリカ式の立派なトイレがあるけど、生徒は使用禁止だ。
 使用禁止といえば、フロもそうだ。古株の生徒の話だと、カマボコにはシャワー室というのもあったそうだ。だけど、水道も電気もガスもないんだから、宝の持ちぐされ。つぶして、しん室や広間を広げたそうだ。
 じゃあ、フロはどうしてるかというと、裏庭のすみにドラムかんの五エ門ブロがある。入れるのは教官だけで、俺たちは残り湯で身体のアカをこすって落とすだけ。
 さらに残った水が、ミゾに落ちた大きいやつを流すのに使われるんだ。だから、時間も回数も制限されてる。
 年長の男子から十二三人がいっせいにしゃがんで用を足す。終わったやつはぬけて、そこを、年少者、女子の順でつめていく。
他の連中は女子も平然とシャアシャアブリブリやってるけど、おれたち新入りは悪戦苦とう。そりゃ、昨日も昼と夕方とねる前に使ってるけど、小のほうだけだったから。
 その小も、おれ以外の三人は大変だったんだぞ。野ションはだれだって経験してるけど、オトナの男に見られながらってのは初めてだもんな。
 コンクリに竹刀で下腹部をつつかれたり、ソノより年上の貞女なんか、割れ目の中にある(らしい)おし●この穴をコヨリでくすぐられて、ようやくだった。
 おれはU字輪っかで針金をつっこまれてても、わりあい簡単に出来た。焼けるようなくすぐったいような痛みがあって、そのし激のせいで固くなって、そこからは簡単じゃなくなったけど。
 大きいのは朝だけで、昼間は木の棒(おれだけスリコギ)でふさがれるから、うんと力んで、なんとか出せた。
 それから、男子はチンぶくろ、女子は縄フンドシを自分の手で着けて。おれはU字輪っかも。これを自分で装着するのは、結構むずい。いじってるうちに固くなったりすると、必死に九九を唱えなきゃ。
 教官が点検して、特に女子はフンドシがゆるかったりすると、結びこぶが割れ目に食いこむまでしめ上げられる。そうされると一日じゅう大変なんだと、これは後からソノに聞いた。ただ痛いだけじゃないらしいけど、それ以上の具体的なことは教えてくれなかった。
 身支度(?)が整ったら、すい事係の女子三人を除く生徒全員が、鉄条もうの外にある畑で農作業。半裸で野良仕事はそ開先でさんざんやらされたことだけど、チンチンに太い針金をつっこまれて、こう門にはスリコギなんてのは、もちろん初めてのくつじょくだし痛いし。
 おれは身体を動かしながら、ずっとソノを目で追いかけてた。あいつが女の子だったなんて、まだ信じられない。まして、イガグリ頭だもんな。でも、日本一可愛いイガグリ頭だと思うぞ。
 そうそう。野良仕事で一番きついのが、野外便所で流した先にある肥ツボからの肥くみ。オケに入れて畑まで運んで、ヒシャクでまく。力仕事ってわくじゃなく、とにかくばっちい。裸で作業してるから、服は汚れないけどな(皮肉)。
 きついと言えば、山水を引いた貯水そうから台所やドラムかんブロへの水運びのほうが重労働だけど、水が飲み放題だから、生徒には人気がある――わけ、ないだろ。バッ直制で、他のやつがのんびりしてるときまでこき使われるっていうのに。
 農作業が終わったら、黄変米と食料えん助物資のオートミールとかいうやつとカボチャとそこら辺の雑草(としか思えない)と、ちょっぴりのニボシとを混ぜたおかゆ。

ほんとうに朝から夕方までふつうに学習だった。といっても、教師は帆針教官だけ。全員がひとつの教室で学年に応じた教科書をくり返し読んで、ノートなんて貴重品だからねん土を固めた石板に細いロウ石で書く。石板はノートよりすこし大きいだけだから、いっぱいになったらボロ布で消す。そ開前の学校と同じだ。
 自習してて分からないことがあったら、帆針教官のところへいって教えてもらう。この人は、生徒をいじめたりはしない。他の教官からかばってもくれないけど。
 昼に休けいが一時間あるけど、空きっ腹を抱えて外で遊ぶのは、年少者の一部だけ。勉強してるやつも少なくない。
 みんな、すごく真けん。なのも当然だった。月末ごとにテストがあって、六十点以下だったらチョウバツを受ける。ふつうの学校だったら、チョウバツといってもビンタとかろう下バケツとか、厳しくてもホウキ正座(ひざの裏にホウキをはさむ)だけど、ここでは竹刀がいちばん軽くて、革ベルトだったり、チンチンにオキュウとか、樹にひと晩縛り付けるとか。冬だったらこごえるし、夏は全身を虫に射される。
 だから、おれも必死に教科書をにらみつけるんだけど、そ開してるときはろくに授業を受けてないし、一年前からはまったく勉強してないから、チンプンカンプンだ。ふろう児になってから身に着けた世間知ってやつは、通用しない。
 そうそう。ずっと気になってたスリコギを立てたイスだけど。すくなくともこの日は、だれも座らされなかったし、革バンドで縛り付けられることもなかった。これはチョウバツとか特別な場合にだけ使うんだそうだ。それを教えてくれたのは 織倍勝介おりべかつすけって同い年のやつだけど、どういうのが特別かというのは「そのときなれば分かるよ」だとさ。
 教室で半日を過ごせるのがどんなに幸せかというのを、翌日に思い知らされた。

 収容所での三日目は、教室での自習じゃなくて、広い庭で職業訓練を受けさせられた。男子はほぼ全員だけど、女子は半数の七人だけ。かん別所から来た二人は除外されて、ソノは入っていた。
「ふろう児をやとってくれる所など、金のわらじでも見つからん。芸人になってサーカスや見世物小屋で客に笑われながら生きていくのが精いっぱいだ。だから、そういう芸を仕こんでやる」
 親方にしぼり取られるクツみがきだって路上立売だって、これ以上増えたって客は増えないし、新聞配達なんかは身元保証人がいないとダメだし。女の子は夜の商売があるって聞くけど、どうやらオマンコと関係あるらしいと、おれにも分かってきた。やりたがらない子も多いよな。
 でも、だからといって。おれたちが仕こまれた芸ってのは、大道で演じたら一発でけいさつにしょっ引かれるだろうくらいは、つばなれしてない子にだって分かるぞ。
 おれたちは、チンぶくろや縄フンドシを外して、ほんとうの全裸にされた。U字輪っかもスリコギも無くなって、それは快適なんだけど。
 最初に仕こまれたのは犬芸。チンチンとオテを裸の子供にやらせて、何が面白いんだろうって、最初は思ってたけど。とにかくヒワイでくつじょく的だというのが、次第に分かってきた。
 基本姿勢はオスワリ。尻を地面に着けて、軽く開いた足の間に両手をついて。
 それからチンチン。これも犬と同じ。口を半開きにして舌を出して、ハッハッハッとうれしそうに息をはかなきゃならない。中腰になって、しっぽの代わりに尻をふらされる。
 その後が、人間犬にしか出来ないマンマン。オスワリと同じ姿勢になって、足は筋肉がけいれんしそうになるまで開く。そして、女子は両手で割れ目を左右に引っ張って、おくの院(というんだと、初めて知った)まで『ご開帳』しなきゃならない。
 他の子は何回もやらされて手慣れたものだけど、それでもはずかしそうにしている。
 ソノは、うすい乳房を竹刀の先でぐりぐりこじられて、泣きそうな顔になって、『ご開帳』した。
 男子にはマンマンが無いけれど。マンマンをしてる女子とななめに向かい合って(正面は観客に開けておく)、両手を後ろについて腰をうかして――『ご開帳』を見ながら、チンチンを固く大きくしなくちゃならない。犬だから、手を使えない。女子は手を使わないとマンマンが出来ないんだから、こういうのをご都合主義というんだな。
 チンチンなんて、自分の思い通りにならない。なるんだったら、九九を覚える必要が無い。とは思ったんだけど。西司照代にしつかさてるよのマンマンを見せつけられたら、これ以上はないってくらいになっちゃった。
 割れ目の内側にビラビラがあって、そのおくのつき当たりに開いてる穴がチンチンを入れる所らしい。上のほうにある小さな穴からは、おし●こが出るんだろう。小さビラビラが上で合わさってるとこが盛り上がってて、小豆よりも小さいけれどチンチンの先っぽ見たいのが顔をのぞかせてる。何だろう、これ?
「なんだぁ……おまえ、ぬらしてるのか?」
 コンクリのすっとんきょうな声。ソノの股間をのぞきこんでる。
 しゃがみこんで、『ご開帳』に指をつき差した。
「動くな」
 後ずさろうとするソノをしかりつけて、指を中で動かす。
「ますますぬれてくるな。いん乱なガキだ」
 いん乱てのは、ヒワイでミダラなことが好きって意味だよな。ソノが、そんなこと、あるもんか。
「いや、いん乱というのは当たっておらんだろう」
 所長の意見に賛成したのは、これが初めてだった。
「ろ出きょうか、あるいはマドかもしらん」
 コンクリんが、きょとんとする。
「ガラスをはめた窓ですか?」
「いやいや。男に痛いことやはずかしいことをされて喜ぶ女のことをマドイストというのだ」
「へええ。そんな女がいるんですかね」
「物の本には、そう書いてあるがね。女をいたぶって興奮する男をサゾイストという。これはいくらでも実例がある。そうだろう、薄野教官」
「所長は男女を問わずじゃないですか」
 コンクリの半じょうには取り合わずに、所長が持説を続ける。
「サゾイストが存在するのだから、マドイストだって居るだろうさ」
「そうですかねえ。こいつだって、ぶったたいたら、他のガキと同じ――いや、それ以上に泣きわめきますよ」
「女のいやよいやよは好きのうちというやつかもしらんな。表情や声にだまされず、マンコを良く観察することだな。舌の口は、うそをつかんよ」
 こいつらの話はチンプンカンプンだけど、ソノがぶじょくされているのはわかった。でも、どう反論していいか分からないし、どんな悪口だって、竹刀でたたかれるよりはマシだから……ソノの目をじっと見つめてはげましてやるだけにしておいた。
 ひとしきりサゾマド談議が終わって職業訓練の再開。訓練てよりも、調教だ。
 ここからは、男子が二組に分けられた。女子といっしょに芸を覚える組と、教官の代理を務める連中と。
 覚えさせられたのは、オアズケ、ヨシ、アムアム、ゴックン。胸くそ悪い。
 教官の前にオスワリして、「クウン」とか鳴いて。ヨシと言われたら、目の前のチンチンをくわえる。射ち方用意ヨシのもあれば射ち方ヤメのもある。女子の前の大ホウは用意ヨシで、男子の前にあるのは、おおむね垂れてる。例外は、おれの前に立った所長くらい。
 チンチンを口に入れるなんて、男としてがまんできないくつじょくだ。女だって同じだと思う。なのに。
「ますます下の口からよだれが垂れているな」
 ソノの正面に立ったコンクリが片足を上げて、股間をつま先でつついてる。
 自分がぶじょくされたみたいで腹が立ったんだけど――ソノには聞こえていないのか、目を閉じてひたすら頭を前後にゆすっている。コンクリのチンチンが口を出入りしている。腰をこんなふうに動かせと、おれが若ババに言われた通りの動き方を頭でしている。ソノは頭の動きに合わせるように、腰も左右にくねらせている。コンクリは足を動かしていないから、割れ目を自分からこすり付けているってことだ。
「よそ見するな」
 所長に金玉を軽くけられて、おれは目の前の射ち方用意ヨシに向き直った。やればいいんだろ、やれば。
 口を開けて顔を近づけ、ぱくんとくわえた。むわあっと、オトナの男の体しゅうが鼻にあふれた。なんだか、きゅろんとした歯ざわり、舌ざわり。
「かむんじゃない」
 チンチンをふんづけられた。
「もっと舌をからませろ。ていねいにしゃぶれ。頭を前後にゆすれ。くちびるをすぼめて全体をすすりこめ」
 あれこれ言われて、頭がこんぐらかる。とにかく、口の中の棒こんにゃくみたいなやつを、あむあむぺろぺろずぞぞぞ……。
「手は後ろで組んでおれ」
 手を使ってしごいたり金玉をもんだりすると、白いおし●こ(精液というんだそうだ)が早く出るって――後でソノか言ってた。どうして、そんなことを知ってるんだ。そんなことまで、あのウソ親せきの医者に仕こまれてたのか。は、置いといて。
「ええい、下手くそめ」
 所長は両手でおれの頭をおさえつけて、激しくゆすぶりながら自分でチンチンを出し入れしはじめた。鼻がめりこむほど激しく腰を打ちつけてくる。
「んぶぶぶぶ……」
 脳しんとうを起こしそうだ。
 棒こんにゃくがいっそう太く固くなって……びゅくびゅくっとふるえたと感じたと同時に、のどのおくに水鉄ぽうを射ちこまれたような感覚があった。
「うげ……うっぷ……」
「はき出すんじゃない。そら、ゴックン」
 カルキとスルメを混ぜたようなにおいが鼻に広がる。こんなえぐいのを飲めっていうのかよ。でも、飲まないと何をされるか分からない。口の中につばをためて、のどのおくに引っかかっているやつを飲み下した。
これで、オアズケ、ヨシ、パックン、アムアム、ペロペロ、ガシガシ、ゴックンがひと通りは終わった。ふた通り目は無し。
 犬芸の調教が終わっても、職業訓練は続けられる。次はブタ競争。
202-002_1.jpg  太い二またのつり針みたいのを鼻の穴に引っかけられて、頭に巻いたハチマキに輪ゴムでつながれた。ハチマキの後ろからもひとつだけつり針を付けた輪ゴムが左右に引きのばされて、鼻の穴に引っかけられた。鼻が上下左右にひしゃげて、たしかにブタ顔だ。
 それから、四つんばいになって。手首を二の腕に、足首は太腿に縛り付けられた。ひじとひざでハイハイしなきゃならない。短い四つ足は、ますますブタそっくり。
 太くて長い針金の付いた小さめのスリコギが、男女ともこう門につっこまれた。針金は視力検査の輪っかみたいに曲がっていて、反対のはしには先たんが丸められたパイプがかぶせてある。
 男子は、それをチンチンにつき差さされた。要するに、おれが着けさせられていたスリコギとU字輪っかだ。
 男子のパイプは直径が一センチくらいなのに対して、女子のはスリコギくらいに太い。それを割れ目のおくのチンチンを入れる穴におしこまれた。だれもそんなに痛がらなかった。
 最後にひとりずつ、針金の底が地面をこするように曲げ具合を調節された。
 庭一面に、レンガやら丸太やらが並べられた。それを乗りこえて庭のはしからはしまで四つんばいで進む障害レースだ。
 女子は七人で一組。男子は二十六人もいるので、八人と九人で三組。それぞれの組の一等には、夕食に玉子焼きを追加してもらえる。逆に、ビリは夕食ぬき。そりゃあ、真けんになるよな。ただし、競争は一回じゃない。三回やって、その結果を紙に書いておく。全部の競争が終わってから、折り返されている紙のはしを開くと、どれが本番だったか分かるという、あみだクジみたいなやり方だ。
 最初は女子の組からだったけど。
「おまえはぼう主頭だから、男子と競争しろ」
 ソノが外されて、おれのいる組に入れられた。まあ、年下の子も混じってるから、そいつにはかわいそうだけど、ソノはビリをまぬがれるだろう。
「ヨーイ、ドン!」
 六人の女子がいっせいにかけ出した――んじゃなく、よちよち進み始めた。
 ブタ顔にされた女の子がブタみたいによたよた進むのはコッケイだけど、なぜかチンチンが固くなってきて、針金のせいですごく痛い。
 並べられた丸太を乗りこえるところで、六人が同じように立ち止まった。顔をしかめたり息をつめたり。なかなか進まない。針金がつかえてるんだ。無理に進もうとすると、スリコギとパイプで二つの穴をこじられる。それがつらいみたいだ。
 最初に通過したのは、木津芽子きづめいこという、おれと同い年の子。二番手が、マンマンのときにおれに見せてくれた照代だった。この子、四つんばいになると、腹がぷっくりつき出ている。
「照代も、なかなかがんばるな」
「もう五か月でしょ。こういう遊びは、お腹の赤ちゃんに良くないですわ」
「なあに、これくらいで流れるひ弱な子は要らん」
 所長と若ババの会話で、照代がにんしんしてるというきょうがくの事実が判明した。あいつだって、まだ子供だぞ。
 おどろいたのは、おれとソノだけらしい。会話は聞こえてるはずなのに、だれも知らん顔をしている。
「ああああん……」
 苦しそうなうめき声をあげたのは、 武水蘭子たけみずらんこだった。照代と同じ最年長者だ。丸太に輪っかをのし上げて、腰を前後にゆすっている。そんなことをしたら、穴をこじられていっそう苦しくなるだろうに。
「いい、いいよおおお……きもちいいよおお」
 ええっ……?!
 気持ち好いって聞こえた。
 今度は、おどろいてるのは、おれひとりみたいだ。ソノはうつむいて顔を赤くしている。ああいうふうにしたら、ほんとに気持ち好いんだろうか??
 三分くらいで、蘭子をのぞく五人は丸太を乗りこえた。身体を横向きにして輪っかを丸太に沿わせて転げ落ちたり、後ろ向きに背中でずり上がったり。
 散らばっているレンガはよけて通れるから、丸太みたいな苦労はなかった。
 五人がゴールインしても、蘭子だけは丸太でつっかえている。
「いい加減にしろ。腹の子が流れるまでなぐられたいのか」
 コンクリにどなられて、蘭子も丸太を乗りこえた。正面からのし上げて、わざと手足を宙にうかせて――針金が体重でひしゃげてしまった。ので、そこから先はレンガなんか無視して一直線に進めた。ううむ……その手があったか。でも、なんで最初からそうしなたったんだろう。気持ち好いってのは、負けおしみじゃなかったんだ。
 ずいぶん時間がかかったけど、とにかく二組目の競争。ぼくとソノの組だ。
「ヨーイ、ドン」
 スタートラインに並ぶまでに分かっていたけど、前へ進むだけなら針金もたいしたさまたげにはならない。チンチンにびみょうなしん動が伝わって痛くすぐったいけど、それだけのことだ。
 でも、ソノはしん動がつらいらしい。丸太に取り付くのがひとりだけおくれた。
 丸太だって、乗りこえるのが困難な障害というほどじゃない。いきなり、これをやらされていたら、ずいぶんと苦しんだかもしれないけれど。高圧放水を浴びせられたり、焼印をおされたり、ひと晩じゅう大股開きで二つ折りにされていたり、変ちくりんな装具を着けさせられたり、竹刀でたたかれ金玉をけられ……苦痛とかくつじょくには、ずいぶんとめんえきが出来ている。
 男子八人が一団となってコースの半ばに差しかかったとき、ソノはやっと丸太をこえたことろだった。このままだと、確実にビリだ。今回が本番とは限らないけど、本番だったら食事ぬきだ。一回ぬかれたからって、命に係わることじゃないし。でも、ソノの目の前でおれだけが飯を食うのは……おれが、つらい。
 なんて迷いながら、のろのろ進んでたら。前をよくみてなかったので、レンガの角に輪っかを引っかけちまった。ずにゅっと、チンチンから針金がぬけかけて……痛くすぐったい中に、はっきりと快感があった。
 そうだ。蘭子の前例があることだし。おれは、すこしバックして、また輪っかをレンガに引っかけてみた。ずにゅ……気持ち好い。またバックして、姿勢を低くして針金をチンチンにおしこんで、またレンガに引っかけて。チンチンが固くなってくると、ますます気持ち好い。
「真三。おまえは、ベッドにこう束した後で竹刀を五発くれてやる。十発にされたくなかったら、さっさと進め」
 コンクリにどなられて、我に返った。ソノの尻が三メートル先にあった。ので、真後ろからついて行った。
 短くされた足がぴょこぴょこ動いて、そのたびに尻が左右にくねる。割れ目からのぞく太いパイプも、すごくエロチックだ。あまり見つめ過ぎるとチンチンが固く痛くなってくる。でも、見続けてしまった。
 残り二組も競争が終わったところで、おれと蘭子は列外にされた。
「真面目に競争をしなかったから、残りの競争には関係なく飯ぬきだ」
「はい、ありがとうございます」
 後出しジャンケンみたいなコンクリの宣告に、蘭子はすぐに返事をした。どんなひどいことを言われても、この返事しか許されていない。
 おれも、何秒かおくれて同じ返事をした。三分の一の確率でしかないけど、ソノを護ってやれたというほこらしさが混じっていた。
 蘭子は、さらに追加のチョウバツを課された。頭の後ろで手を組んで上体を垂直に保ったままでの、ひざのくっしん運動を百回。それだけでも厳しいと思うけど、丁字形のくいを両足でふんで、その上でやらされる。くいの垂直に立った部分は先細りになっていて、長さが五十センチで直径は四センチ。ひざをいっぱいに曲げると、こう門がくし差しになる。
「マンコはたん能しただろうから、ケツ穴でも遊ばせてやろうという親心だ」
「はい、ありがとうございます」
 さっきの返事は不満たらたらが顔に出ていたけど、今度はほんとにうれしそうにも見えた。まあ、こいつは十四人の女子の中で飛び切りのブスだから、うれしそうな顔もオニがアカンベエをしてるみたいだけどな。
 なんて、他人のことをどうこう言ってる場合じゃない。
「おまえは苑子と仲が良いから、二人には所長どのに特別の芸を仕こんでいただくとしよう」
 結局、ソノまで巻きこんじまった。
 おれとソノはブタ競争の列から引きはなされて、裏庭へ連れて行かれた。コンクリはその場で思いついたような言い方をしたけど、特別の芸のための準備は、すでに整っていた。バケツと火ばしと縄と赤いチャンチャンコと兵隊ぼうと鞭。鞭は細長い一本の革。六年くらい前に見たサーカスで、もうじゅう使いがふり回していたのとそっくりだった。
 チャンチャンコはソノが着て、おれが兵隊ぼうを後ろ前にかぶる。長い縄はソノの首に巻いて、おれが反対のはしを持つ。鞭は使わないと知って、ひと安心。
 そして、ひっくり返したバケツの底をおれが火ばしでたたきながら、所長から口移しで口上を述べる。
 カンカンカンカン……
「寄ってらっしゃい見てらっしゃい。サルまわしでござーい」
 サルの仕種を真似ながら、ソノが飛んだりはねたり。
 おれはアホらしいだけで済むけど、ソノがかわいそうだ。
「はい、ソノちゃん。でんぐり返り。今度は後ろ向き」
 ソノは後ろでんぐり返しが出来なかった。
「ね転がったまま、足を開いて顔をかくせ」
 所長は、とにかくヒワイな形にさせようとする。
「はーい。頭かくして尻かくさずならぬ、頭かくしてマンコかくさずでござーい」
 かくした手の間から、ソノがくちびるをかみしめているのがうかがえた。
 宙返りをしろだの、番がさの上でボールを回せだの、所長は次々と無理難題をふっかけてくる。おれだって出来ない。
「サルには、身体で芸を覚えさせるのだ」
 所長が鞭をおれに持たせた。
「それで存分にたたいてやれ」
 おれは鞭を投げ捨てた。
「仲間をたたくなんて、出来ない。たたくんだったら、おまえがおれをたたけよ」
「そうか」
 所長のやつ、おこったふうでもなく鞭を拾い上げて――いきなり、ソノをたたいた。
 ぶゅんん……バチイン!
「きゃああっ……!」
 不意打ちに胸をたたかれて、ソノは胸をかかえてしゃがみこんだ。
「やめろ!」
 所長はソノをけって転がして、背中をふんづけた。身動きできなくしておいて。
 ぶんっ、バチイン!
 ぶんっ、バチイン!
 ぶんっ、バチイン!
 立て続けにを尻を打ちすえる。
「くそっ……やめろ!」
 所長の腰にしがみついて引きはなそうとしたけど、力でかなうはずがない。
 おれをつき飛ばして、また鞭をふり上げる。
「お願い、兄ちゃん。あたしをたたいて!」
 ソノがさけんだ。
「ええっ……?!」
 いろいろと、おれはびっくりした。
 ソノに『兄ちゃん』なんて呼ばれたのは初めて。しかも『ぼく』じゃなくて『あたし』。ほんっとに、ソノは女の子になっちまった。なんてのは、いろいろの付け足し部分。おれに自分をたたいてくれってのが、一番のびっくり。
 だけど冷静に考えると――所長に目茶苦茶にたたかれるよりは、おれに手加減されながらのほうが、ずっといいかな。
「小ぞう、どうする? 好きな女の願いをかなえてやるか?」
「……はい、ありがとうございます」
 所長は満足そうにうなずいて、おれに鞭をにぎらせた。
 ソノは実は女の子だったけど、おれの弟分に変わりはない。好きな女なんかであるもんか。でも反論したって、おこらせるだけだ。それに、言われてみると……おれはソノが好きだし、ソノは女の子だ。
「何をしている。さっさとたたけ……いや、その前に」
 所長はソノを立たせ、頭をかかえる姿勢を取らせた。
「よし、しょげているサルを存分にセッカンしろ」
 ごめんよ。心の中で謝りながら、おれはソノの尻をたたいた。
 ペチン。
「何をしておる。本気でたたかんか。これくらいだ」
 ぶううん、バッヂイイン!
「あぐっ……」
 所長のやつ、ズボンの革ベルトを鞭の代わりにして、おれの尻をたたきやがった。
 ぶううん、バッヂイイン!
「まごまごしとると、こいつで愛しい女房をたたいてやるぞ」
 ソノは女房なんかじゃないやい。けど、音から判断すると、鞭よりも革ベルトのほうが痛そうだ。なにより、わん力がちがう。
「ソノ、がまんしろよ!」
 おれは力一ぱいに鞭をふるった。
 しゅん、バチン!
「きゃあっ、痛い……」
 ソノは悲鳴を上げたけど、ウソだとは思わないけど、余ゆうのある悲鳴だった。
「ガキは非力だから、しょうがないか。数を打て」
 しゅん、バチン!
 しゅん、バチン!
 しゅん、バチン!
 所長にたたかれた太く赤い筋の上に、ぼやけた細い筋が何本も重なっていく。所長は焼印の火傷をさけてたたいてたけど、おれにはそんな器用な真似はできない。火傷が治って肉が盛り上がったとき、形がくずれないだろうか。不名よ極まりない刻印だけど、ぐちゃぐちゃになってるよりはきれいなほうが、まだしもだと思う。
「よかろう。サルらしい真っ赤なケツになったな」
 所長が満足そうに言ったのは、二十発ちかくもたたいてからだった。でも、まだ終わりじゃなかった。
「ついでだ。鞭打ちの指導をしておいてやろう」
 さすがに、かんにんぶくろのオが切れた。
「ソノがちゃんと芸を出来ればいいんだろ。そっちを指導して……ください、所長どの」
 最後は、切れたオをあわてて結び直した。
「メスザルが泣きさけぶのも芸のうちだ」
「そんなの、おれには出来ない!」
 やっぱり切れちゃったぜ。
「では、こうしよう。わしがおまえを一発たたく。同じことを、おまえが女房に三回くり返すのだ」
「…………」
 損得かん定で言えば、おれがたたかれるだけ損だ。でも、ソノが感じる痛みをおれも感じるとしたら、オアイコって考え方もできる。
「所長どの。お兄ちゃんをたたかなくても、お兄ちゃんはあたしをたたいてくれます」
「サルは口を利くな」
 所長がソノに向かって鞭をふり上げたので、あわててソノの前に立った。
「おれをたたいてください。ソノは、おれがたたきます」
「ふふん。なかなか素直になったな。愛しい女房のためか。それとも、案外におまえもマドイストかな」
 なんとでも言え。おれはたたかれるために、所長に尻を向けた。
「そうではない。こっちを向いて、鞭は置いておけ」
 正面をたたかれると分かっても、命令に従うしかない。さらに、両手を頭の後ろで組んで、足も開かされた。すごく不きつな予感しかしない。
 ぶううん、バッヂイイン!
「ぐっ……!」
 胸を水平にたたかれて息がつまった。
 ぶううん、バッヂイイン!
 ぶううん、バッヂイイン!
 立て続けに五発たたかれた。ということは、おれはソノを十五発もたたかなきゃならない。
「これからが本番だぞ」
 所長が革ベルトを下に垂らした。
 不きつな予感が当たった。ひざがガクガクふるえる。
 ぶううん、バッヂイイン!
「うあああっ……!」
「お兄ちゃんっ……」
 ベルトは太腿をかすめて股の付け根の右側に当たったけど、金玉にもすこし当たった。だけで、もん絶寸前。両手で股間をおさえて、おれはのたうち回った。
「情けないやつだ。直げきしたら玉が破れつして殺しかねないから、わざと外してやったのだぞ。さっさと立て。それともけりつぶされたいのか」
 股間をかばっている手を後ろからつま先でつつかれて、おれは歯を食い縛って立ち上がった。でも、すぐに元の姿勢にはもどれず、何回かケンケンをして、やっと痛みはがまんできるくらいまで治まった。
 ぶん、バチン!
「…………!!」
 軽い打ち方だったけど、今度は直げきされた。おれは、また地面に転がった。
「女には金玉が無いから、手加減はするな」
 おれは片手で金玉をおさえながら、片手はひざに当てて、よろよろと立ち上がった。あまりに痛くてケンケンもできない。
「ひとつ、大切なことを教えておいてやろう」
 背中をたたくときは、背骨に当たらないように気をつけろ。せきずい神経を傷つけると、手足が動かなくなってカタワになる。下手をすると殺してしまう。しかし、それ以外は安全だし広い面積があるから、鞭を水平かななめにふるえば、たくさんたたいてもだいじょうぶだ――という、ぞっとする教えだった。
「なんなら、今から身体で体験してみるか。それとも、今すぐ女房をたたくか」
 ソノをたたかなくて済むのなら、背中を百発たたかれたって平気だ。でも、そうしたらソノを三百発も鞭打たなければならない。
 おれは腹綿をにえくらかしながら、鞭を拾い上げた。
「貧相な乳房に十五発、中古ちゅうぶるいん乱マンコに六発だぞ」
「…………」
 ソノがおれに向かって、鞭を正面から受ける姿勢を取った。
「ソノ、ごめんよ……」
「余計なことは言うな。おまえは、出来の悪いメスザルをしつけている太夫だ。それらしい言動をしろ」
「うきいい……」
 ソノがサルの鳴き真似をした。おれをかばってくれたんだろう。ソノの心配りに応えるためには……おれは、ソノを鞭打たなければならないんだ。
 おれは心をオニにして鞭をふるった。
 しゅん、バチン!
「うっきゃああっ……!」
 サルの泣き声に似ているけど、たしかに悲鳴だった。この悲鳴を、あと二十回も聞かなきゃならないい。
 しゅん、バチン!
「うっきゃああっ……!」
 しゅん、バチン!
「きいい……」
 しゅん、バチン!
「きひっ……」
 だんだんとソノの悲鳴は小さくなって、五発目からは声を出さなくなった。
 そのぶん、おれは罪悪感がうすれて、ソノのささやかな乳房を機械的に鞭打ち続けた。ささやかでも、鞭が当たるたびにぷるんとはずむ。
「ちょっと待て」
 十三発目に制止された。
 所長はソノの足をふんづけるんじゃないかってくらいに近づいて、曲げた中指をソノの割れ目に差し入れた。
「あ……」
 ソノが、びくんと身をふるわせた。
 所長はごにょごにょと手を動かしてから指を引きぬき、目の前にかざした。ねとっとぬれている。所長が親指と中指をくっつけてはなすと、糸を引いた。
「これだけ鞭打たれて、ぬらしておるとは。まさしくマドイストだな。そんなに痛いのが好きなのか」
「ちがいます!」
 ソノがもう然と否定した。これまでは何を言われても悲しそうにうつむいてなみだをうかべるだけだったのに。
「痛いのはいやです。お兄ちゃんが、あたしのために受けなくてもいいセッカンをされて……うまく言えないけど、あたしと痛みを分かち合ってくれてるのが、うれしいんです」
「では、これはうれしなみだか」
 所長は指を二本にして、またソノの割れ目をえぐった。親指で下腹をおさえるようにして、手全体をぐりぐりと動かした。
「くうう……」
 ソノはまゆをぎゅっと寄せてたえている。チンチンをねじられたら痛いよな。それと同じなんだろう。
「おや……おまえはおっ立てているじゃないか」
 えっ……?
 下を見ると、チンチンが固くなって、腹にくっつきそうになってる。おれは、ソノがいじめられるのを見て、それともおれ自身がソノをいじめて、それで……興奮してるんだろうか。そんなばかな。
「さてはサゾか。いや……サゾとマドが一人の中に同居しているとも読んだ記おくがあるぞ。おまえは、まさしくそれだな」
 決めつけるな。いじめるにしてもいじめられるにしても、それで興奮するなんて変態だ。おれもソノも変態なんかじゃない。
「よかろう。まだ乳房に二発、とっておきのマンコには六発が残っている。思い切りマド女房をなかせてやれ」
 何度も女房なんて言われてると、心の中ですら反発する気力が失せてくる。さっさと終わらせないと、どんな無理難題をふっかけられるか分からない。
 ソノ、ごめんよ。また心の中で謝って、おれは鞭を水平に構えた。
 ソノは両手を頭の後ろで組んで足を開いて、しゃんと立っている。なみだでぬれているんだろう、きらきら光るひとみが、まっすぐおれを見ている。
 しゅん、バチン!
「…………」
 ソノは身体をゆるがせもせずに無言でたえてくれた。可愛い乳房だけが横にひしゃげて、ぷるんともどった。
 しゅん、バチン!
 ようやく十五発を打ち終えた。でも、まだ六発も残っている。胸とは比べものにならない激痛を、ソノにあたえなければならないんだ。
 おれのためらいに気づいたんだろう。ソノが、ぐっと腰をつき出した。
「お兄ちゃん、ちょうだい。ソノのオマンコに鞭をちょうだい」
 すこし開いた割れ目からは、あのとろっとした液が垂れている。だけど、おれも……チンチンが立ったままだ。
 それぞれの心の中は、他人には分からない。仲の良い女の子を鞭打って興奮している男の子と、男の子に鞭打たれて喜んでいる女の子――他人の目には、そうとしか見えないだろう。
 そんなこと、あるもんか。そう思いながら、おれは……下に垂らした鞭を手加減無しではね上げてしまった。
 しゅんん、バヂイン!
「きゃああああっ……!」
 胸を打たれていたときとはまったくちがう、はき出すような悲鳴だった。
 背筋が、ぞくっとした。それは快感とか興奮じゃない。すりガラスをつめで引っかいたときのような気味の悪さだった。チンチンもしょげ返った。
 そうか……胸を鞭打っていたときは、ソノに余ゆうがあるのが分かってたから、いけない遊びをしているようなさっ覚にとらわれていたんだ。でも、ここまでソノが痛がると、さっ覚はふっ飛んでしまう。
「さっきまでの勢いはどうした。ちょっと大声でさけばれただけで委縮しおって」
 そういう所長も、ズボンの前はぺちゃんこ。サドイストなら、興奮してるんじゃないかな。それとも、大人が本気で子供をたたいたら大け我をさせてしまうから、冷静を保って限界を見極めようとしてるのかな。
 だとしても、こいつにソノをたたかせたくなはい。だったら、おれがたたかなくちゃ。おれは二発目をソノの割れ目に打ちこんだ。
「いぎゃああああっ……!」
 ごめん、ごめんよ……おれは、ぼろぼろなみだをこぼしながら、さらに三発を打った。打ち終えると同時に、その場にへたりこんだ。
 ソノも頭の後ろで組んでいた手をほどいて、股間をおさえてひざをついている。
「すこし痛めつけすぎたかな。これでは芸を仕こむのは無理だろう」
 ようやく、バカバカしい限りの残こくきわまりない調教が終わった。だけどソノには、まだ次の苦痛が残っていた。縄フンドシだ。鞭打たれてはれあがった割れ目に結びこぶを食いこませてしめ付けなければならない。痛いから自分ではきつく結べないのだろう。所長に不合格を食らい、ぎりぎりにしめ上げられて、また悲鳴をあげた。
 おれは、もう平気だぞ。スリコギもU字輪っかも、慣れてしまった。だから、チンぶくろだって、チンチンと金玉をひとまとめにねじったらもげてしまいそうなくらい、ヒモをきつく結んだ。それでも、ソノの受けている苦しみの百分の一にもならないだろうけど。


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現在は『鬼畜米軍人』を執筆中。ここは今日中に終わって。次の休日までに『東西獅子舞』をやっつければ、あとは一車千里日本縦断往復、かな?

恒例のDLsite Affiliate キーワードは「犬芸 or 猿回し」です。「豚芸」は無かった。

テーマ : 18禁・官能小説
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Interrupt Report 1:幼なマゾの契り

やっぱり、予定枚数では納まりませんね。

       予定/実績
その日暮し: 5枚/10枚
浮浪児狩込:10枚/ 5枚
弟分の正体: 5枚/15枚 (PLOTでは「弟は美少女)
全裸に焼印:15枚/ 8枚
空砲の恥辱: 無し/12枚 (追加シーケンス)
夜通し拘束: 無し/ 8枚 (追加シーケンス)
訓練と調教:20枚/30枚を超えて執筆中

「夜通し拘束」以後が本格的虐待のパートですから、以降も尺は伸び放題でしょう。
それは、さておき。今回は追加シーケンスの「夜通し拘束」を御紹介。


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夜通し拘束

 朝のおかゆに小さな干物が一枚加わったのが、夕食。おかゆってのは、あんまり腹持ちがしないんだよな。
 夕食後は自由時間で、教室としん室は行き来できるけど、外へ出るドアは外からカギをかけられてるし、窓には鉄格子。二つの部屋で遊ぶしかない。おれもソノも、ここの連中とはまだ打ち解けてないし、勉強もおくれてるから、みんなのじゃまにならないよう、教室のすみっこで二人くっつきあって、うす暗がりの中で教科書を読んでた。
 ソノが女の子だとわかってから、みょうに意識しちまう。しかも、おたがいに裸。いや、裸よりもはずかしい格好をさせられてる。胸がドギマギして、チンチンがピクピクしちまう。こいつの割れ目の中に、おれのチンチンをつっこめるんだよな。
 もしかして、こういうのを初こいって……いうわけねえよな。
 そんなあまったるいドギマギは、就しんの時刻が来たらふっ飛んじまった。
 教室でチンぶくろと縄フンドシを外して、自分の席に置く。木の棒もぬいて、これは水を張ったバケツに放りこんどいて。しん室へ移動。
 ベッドはカマボコ形のかべの両側から中央に向かって置かれ、左右は密着して大きなベニヤ板がしかれている。ベッドにはさまれた中央の通路に整列して、コンクリブロックに名前を呼ばれた順に、かべに頭を向けてあお向けにねる。男子と女子がとなり合うようにされた。
 おれの右側がソノで、左側は梅屋楠美>うめやくすみという最年長の女子。ソノとは二つしかちがわないのに、見た目は大ちがい。モジャモジャとツルツル、おわんとお皿。よくよく見たらソノの身体も女の子っぽい曲線をしてるけど、楠美はきれいなヒョウタン形だ。一番のちがいは、イガグリとオカッパだけど、それは本人の責任じゃない。
 半分の者がねたら、両手を広げて頭の側にある鉄パイプのわくに革ベルトで、残り半分の者がつないでいく。ここまでは予測していたんだけど。
 大章のやつ、おれの両足をつかんで開きながら持ち上げようとする。
「何するんだ。ふざけるなよ」
「そこ、うるさい」
 バシン!
 竹刀がゆかをたたく。しかられたのはおれのほうだった。
「やめろよ。やめろったら!」
 ソノはおれより非力だから、男子の手で両足を開かれて百八十度に折り曲げられ、まくら元のパイプわくの下におしこまれた。別の革ベルトが足首を巻いた。
「いやだ、はずかしい。やめてよお……」
 男言葉が弱々しい女言葉になってきた。
 ソノはベッドの上で、深く折れ曲がった『く』の字にされてる。きっと、割れ目もこう門も丸見えだろう。おれからは見えないのが残念だなんて、これっぽっちも思ってないからな。
ソノはなんとか内股にして、すこしでもかくそうとしている。
 ソノがもがくのに気を取られているうちに、おれも同じ姿にされちまった。
「くそお。なんだって、こんなことするんだよ。男のおれだってはずかしいぞ。ほどいてくれよお!」
 おれだけなら、がまんしていいけど――ソノは女の子だぞ。
「やかましい!」
 ぼぐっ……腹に垂直に竹刀をつき入れられた。
「うべええ……げふっ、ごふふっ!」
 胃液がのどにこみ上げて、それが気管支に逆流して、おれはちっ息しかけた。
「おまえらは、だまって教官の命令にしたがっておれば良いのだ」
「まあまあ、薄野教官」
 若ババが取りなして――くれてねえな。ベッドの上でおれのチンチンを見てたときと同じ目の色だ。
「きちんと教えてやれば、納得して素直に従うでしょうよ」
 若ババが生徒たちってよりも、おれとソノを見下ろしながら長広舌をふるい始めた。
「年ごろの男女が同じ部屋でねるでしょ。しかも素裸で」
 そうさせているのは、お前たちじゃないか。
「もし男女を分けても、同性同士でモモ色遊ぎにふけらないともかぎらないし……」
 男同士でもヒワイなことをするって意味だろうか。どんなふうに……こう門にスリコギを入れるんだから、チンチンだって出来るよな。でも、割れ目とこう門は同じじゃないぞ。だいいち、女同士はどうするんだ?
「たとえ一人ずつにかくりしても、ジトクこういをする不道徳者も出るでしょうしね」
 だから自分で股間をさわれないように、太腿をこすり合わせられないようにするんだってさ。めいわくってより、この姿勢をひと晩中なんてゴウ問だ。
 身体を二つに折れば面積の節約になって、少ないベッドを大勢で使えるから合理的だと、自まんして、やっと若ババは説明を終えた。
 分からないことだらけだけど。ジトクってのは自分だけが得をするって意味だろうから、人数分は無いベッドをみんなで使って他人にも得をさせてやろうってことかな。
 納得は出来なかったけど、説得されたのかな。あきらめたと言うほうが適切だけど。ソノも文句は引っこめて、しくしく泣き出した。こいつ、女だってばれてから、どんどん女々しくなってきてるぞ。
 おれたち十七人をベッドに縛り付けた(男子ばかり)十七人も八人が同じ要領で縛られて――最後の一人はコンクリが手を下した。
 おれの向かい側は曽野太一そのたいちって、つばなれしたばかりの子だ。あごを引けば、かぱっと開いた股間が丸見え。小さいチンチンと縮かんだ金玉。こう門も上向いてる。おれが見てるのに気づいて、そいつも頭を上げておれを見た。でも、無関心そうにすぐ目をそらした。
 これ、女の子でもヒワイとかじゃなくてコッケイなだけだな。
 毎晩こうされてると何も感じなくなるのか、左となりの楠美は静かに目を閉じている。右側のソノは顔が赤い。泣いてはいない。無表情なんだけど、ぼうっとしてるようにも見えた。
 教官が出て行って電気が消されて、部屋が静まり返った。就しん中の私語は禁止されてる。教官がいないんだから、すこしくらい、いいじゃないか。
「なあ、ソノ……」
「…………」
「ひどい所へ来ちゃったな。なんとかしてにげ出そうぜ」
「はずかしいよお……」
 ソノがつぶやいた。おれの声なんか耳に入ってないらしい。
 女の子だもんな。まわりを男子に囲まれて、こんな格好をさせられたんじゃ、はずかしくて他のことなんか考えられないんだろう。
 ソノ以外のやつに話しかける気にはなれなくて、おれは眼も口も閉じた。
 にげる算段とか、若ババの部屋での出来事とか、高圧放水のうらみとか――そんなことを、あれこれ考えているうちに、いつの間にかねむりに落ちて行った。

 翌朝はうす暗いうちからたたき起こされた。
 昨夜の手順の巻きもどしでこう束を解かれた。腰が痛いし、手足がガチガチ。でも、すぐに全員整列で直立不動。
「教官どの!」
 勝介が挙手をして、コンクリの発言許可を得ると。
「昨夜、塩田が実浜に話しかけていました。実浜はだまって答えませんでした」
 おれは列外に引き出されて、尻を竹刀で六発たたかれた。それくらいは、への河童だけど。
「整列休メッ」
 足を真横に三十センチ開いて、両手は腰の後ろで組む。竹刀が足の間に差しこまれて、金玉をぴたぴたたたかれても、姿勢はくずしちゃいけない――というのを、ビンタ二発で教えられた。そして……竹刀をはね挙げられて、もん絶。
 常に全員が全員を看視してるんだって思い知らされた。
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 今回は、すべての人名を遊び倒す方針です。この章では以下の2名。
 梅屋楠美(バイヤクズミ)、曽野太一(ソノタイチ)
 あと、小山大章(オヤマタイショウ)、織倍勝介(オベッカツカイ)、西司照代(ニシシテルヨ)、武見水蘭子(ブスイラン)、会鉄和子(カイテツカズ)、木津芽子(キズメコ)、石関貞女(セッカンサダメ)などなど。

夜間拘束

 は、さておき。夜間拘束はこういう形ですね。
 1946年には「マングリ返し」なんて便利な言葉はなかったから、説明が大変。
 無かったといえば「エッチ」だって1960年代からです。「ヒワイ」とか「ビロウ」とかではニュアンスが違いますし。ツバナレして2年のガキが知っている言葉は限られますし。
 まあ、出来上がってからのお楽しみということです。


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Progress Report 4:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 タリホー! アフターバーナー全開!
 といったところです。
 書きかけの章を仕上げました。この24時間(平日=ジェダイの騎士)で、6400文字です20枚です。


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   さまざまな激痛

 素股で中途半端に押し上げられたり、三重苦(短小包茎早漏)の相手をさせられたり、不完全燃焼のまま日が暮れた希美だったが、楚葉の真骨頂はここからだった。
 希美を除く八人はTシャツにミニスカートかホットパンツかスラックスといった気楽な服装に着替えて、夕食は定番のカレー(くらいはスケバンでも作れる)をわいわいきゃいきゃい食べて。希美は平ゴム二本の水着姿で開脚正座をし続けて、夕食はカレー鍋にぶち込まれた残飯を犬食いさせられて。
 約束どおりにアルバイトの学生たちが、大量の花火とアルコールを含む清涼飲料を携えてバンガローを訪れた。
 希美の身体をちょっとだけ味見した海の家の二人と、貸しボート屋で割りを食った二人と、見知らぬ三人と。七人はキャンパスの先輩後輩友人の関係だそうだ。さすがに、こちらの人数に合わせるのは無理だったようだ。
 八人だけでも女の子が一人余るというのに、希美も参加させられた。過剰露出の水着をTシャツ(だけ)に着替えさせられたのだから、全員で希美を嬲るという趣向ではなさそうだった。
 バンガローの近くでは他の小屋に泊まっている人たちに迷惑を掛けるから、五十メートルほど離れた広場へ移動した。簡単なバーベキューの設備があるので、そこのテーブルで、まずは乾杯。
 大所帯なので三つに分かれた。二年生の薬世、詠子、綺麗が同じテーブルで、男性も三人。希美は二年生の麻紀と向かい合って左右に海の家の二人。麻紀には見知らぬ三人組のうちの一人。三年生は四人がひとかたまりになって、男性は一人だけ。
 幹部の三年生が後輩に花を持たせた形だなと、希美は思った。
 乾杯は缶ビール。二十歳未満だからと遠慮するものなんかいない。希美も楚葉に命令されれば、拒めない。
「へえ。百合香学園なんだ、お嬢様なんだね」
「御令嬢が多いのは確かだけど、おれらはスケバンだぜ。ああ、そこのパンツ穿いてないやつはウリ専な」
 続きをしようと言っていた二人を楚葉が仕切って希美の両側に座らせたときから、そんな予感はしていたし覚悟もできていたけれど、何もけしかけるようなことは言わなくていいのに。これから、もっともっと辱しめられるんだなと、期待する諦める希美だったのだが。
「またまたあ。こんな可愛い子がスケバンなら、是非ともタイマンをお願いしたいね」
「おまえな。酔ってもいないうちから、そういうアブナイ発言はやめとけ」
 男性陣が最初からアクセル全開なのに対して、色恋には免疫のないスケバンはブレーキに足を掛けて戸惑い気味――だったのだが。全員が輪になって花火を始めると、空気も次第に溶け合ってくる。
 楚葉が人差し指をくいくいと曲げて地面を示したので、希美はしゃがみ込んで見物する。Tシャツの裾は股下五センチとないから、立っている者でも正面からは股間を覗けてしまう――のに、まったくとは言わないけど、見てくれない。テーブルで隣り合った子を口説くか、いい雰囲気になろうと懸命になっている。そして、希美についた二人は。
「花火なんてガキの遊びだよ。僕らは、もっと楽しい火遊びをするぜ」
 早々に希美をグループから引っ張り出そうとする。
「おれも飽きたな。先に帰ってるぜ。希美も用事が済んだら、早く帰って来いよ」
 楚葉は希美の股間に視線を注いで、言外に意味を含ませる。三人の三年生も、リーダーと行動を共にして。バーベキュー広場は、希美を含めて五人の女の子と七人の男になった。さらに。
「おいら、どうも男は苦手だ。五お、抜けたっと」
 麻紀まで逃げてしまった。
 希美は二人の相手をするが、それでも男が二人余ってしまう。麻紀とカップルになる予定だった青年は、俺も仲間に入れろと、希美のグループに割り込んできて。三年生四人の世話係みたいになっていた青年は、明日は早番だからとか口実を設けて自分たちの宿舎へと引き上げて行った。
 こうして、三組のカップルと一組のカルテットが成立する。
 すぐに希美はバーベキュー広場の奥へ連れ込まれる。ヘアバンドに一万円札二枚を挟んで、替わりにコンドームを取り出す。
 目の前で別の火遊びを始められたカップルは、刺激されたのか辟易したのか、思い思いの方角へと消えて行った。
 希美は順番待ちの二人に見物されながら、最初の相手に抱かれた。昼間の三重苦の中年男との青姦よりも、ずっと興奮した。三十分ほどで海の家の二人を片付けて、最後の一人はとあたりを見回したのだが、どこにも居なかった。
「ゴムを着けてても、他人の後には違いないものな」
「一万円が惜しくなったのかな。日当の二日分だし」
「あの人、彼女持ちかもな」
 二人は勝手に納得して、精液の切れ目が縁の切れ目とばかり(多分、円も切れたのだろう)、それでも希美をバンガローまで送り届けてから、帰って行った。昼間の様子も見ているから、楚葉たちがほんとうにスケバンだと信じて、危ない橋は引き返したといったところが案外と真実かもしれない。
 バンガローには火遊びをしなかった五人だけが居た。三人は朝帰りになるかもしれない。
「それじゃ、おれらも火遊びのやり直しといこうか」
 希美の顔を見ると、すぐに楚葉が立ち上がった。紙袋を希美に持たせる。
 ビニール電線やスプレー缶、他にもごちゃごちゃと入っている。もしかすると、あたしを可愛がってくれる小道具だろうか。かき氷と身体との物々交換よりも、乗るために乗せたときよりも、さっきのウリよりも――希美の胸は妖しくときめいた。
 火遊びに付き合うのは、市代と二年生の麻紀。市代は昼休みの旧校舎でも、楚葉に次いで希美を甚振っていたから分かるが、麻紀は以外だった。年上の青年との一夜のロマンスより年下の女の子を虐めるほうを選ぶなんて、この人もサディスチンなんだろうか。
 月明りに照らされたバーベキュー広場には、一時間ほど前の花火のゴミが散らかっているだけで、誰も居なかった。楚葉は黙ってゴミを集め始めた。リーダーにならって全員で手伝ったから、すぐ綺麗になったのはいいけれど。ゴミを希美が持っている紙袋に入れられた。集めたゴミの中には、まだ使っていない花火も混じっていた。
 希美に花火のゴミと希美への責め道具を持たせたまま、楚葉は広場の奥へ行って。
「どうせだから、まだ残っている花火を遊ばんじまおうぜ」
 子供の遊びなんて、どうでもいいのに。もどかしく思う希美だったが、とんだ勘違いだった。希美は楚葉の命令で、たったひとつ身体を隠しているTシャツを脱いで、地面に大の字になった。
 希美の裸体の上に、楚葉がネズミ花火を乗せた。双つの乳首にひとつずつ、腹の上にも二つ。最後の一つを縦にして淫裂にあてがったが。
「まあ、ここは勘弁しといてやらあ」
 希美の脚を閉じさせて、淫埠の上に置いた。
 柄付ライターは二つあったので、楚葉と麻紀が点火係。
「…………」
 希美は純粋の恐怖につかまれていた。肌の上で花火を燃やされたら、火傷をするに決まっている。なのに、じっと我慢していなければならない。
 カチッ……楚葉がライターを点火する。麻紀もリーダーにならう。
「熱っ……」
 ライターの炎が肌を舐めるのは一瞬だが、それでも熱いのに。
 シュウウ、シュシュシュシュッ……
 ネズミ花火が小さな炎を吐いて回り始めた。
「きゃあああっ……熱い!」
 チリチリチリッと、腹の上で鋭い熱痛が奔り回った。乳房に激痛が渦巻く。希美は全身を突っ張って耐えるしかなかった。払い落とすなんて、考えなかった。
 腹の上のネズミ花火はすぐに転げ落ちたのだが、乳房の二つは乳首に絡みついて、外れるまでに数秒は回っていた。
 パン、パンッ! パン、パパン!
 ネズミ花火が激しく回転しながら乳首から飛び上がった直後に、五つのネズミ花火が爆発した。小さな爆発だから、もし乳首に絡まったままでも、そんなにひどい火傷まではしなかったかもしれないが――恐怖のどん底で経過した数秒だったのはたしかだ。
「さすがはパイパンの御加護だな。けがねえな」
 楚葉が紙袋から取り出したビニール電線で、希美の肌にこびり付いている燃え滓をはたき落とした。
 ああ、次はこれが鞭になるんだなと、火傷にひりひり痛む肌よりも、希美はそちらが気になった。しかし、ビニール電線の出番は、まだだった。
 バーベキュー広場の奥は雑木林になっている。その立ち木を指差して、楚葉が命令する。
「そこで逆立ちをしな。脚を開いて二本の木で支えるんだよ」
 足を付ける倒立ならできる。開脚ということは――まさか股間を打ち下ろされるんだろうか。いつものように、恐怖が八割と二割のときめきと。
 楚葉が紙袋を漁って取り出したのは、円筒形の花火だった。打ち上げ花火らしい太いのもあれば、手に持って星の連発を楽しむ細長いのもある。それを楚葉は、開脚して上向きに開いている二つの穴に挿し込んだ。
「…………」
 打ち上げ花火は高く上がるし、連発花火は手で持つ代わりに股間で支えるだけだから、派手かもしれないけどネズミ花火よりも安全だ――希美は強く自分に言い聞かせた。本格的に痛い責めは、売春を承知させられたときの緊縛と針責めから二か月ちかく、してもらっていない。これは、あたしが心の中で望んでいたことなんだ。そうも自分を説得してみる。それでも、飛び散る火花への恐怖は――ネズミ花火を体験した直後だけに大きかった。
 ヴァギナには太い打ち上げ花火、アヌスには細い連発花火を三本。
 いよいよ点火――となったところで、楚葉が舌打ちした。
「こりゃあ駄目だ。打ち上げ花火は、根元に導火線があるんだっけ」
 すでにヴァギナの中に埋もれている。外で点火して素早く突っ込めば――燃えている火薬が粘膜に押し付けられるのだから、ネズミ花火の火傷くらいでは済まない。
 結局、連発花火をヴァギナに二本とアヌスに一本の配分になった。
「物足りないだろうが、我慢しな」
「はい……」
 希美が返事をしたのは、沈黙を続けると不貞腐れていると難癖をつけられるかもしれないと、楚葉におもねったからだった。花火を突っ込まれること自体が物足り過ぎている。
 アヌスの一本は、マッチ箱の紙ヤスリで頭を擦って着火させるタイプ。ヴァギナの二本は紙縒りを燃やすタイプ。三本同時に火を点けられて。
 シュウウ……ポンッ、ポポン。まずアヌスの花火が噴火し始めて、紙縒りの二本が数秒遅れで燃え出す。
 ボボボボボウウッ。股間から火の噴水が噴き上がった。
 樹に寄りかかって逆立ちしているから、身体はわずかに後ろへ傾いている。剥き出しの腹と乳房に、まだ熱い火薬の燃え滓が降り注ぐ。
「ひいいいっ……」
 希美はぎゅっと目を閉じた。目に入ったら、失明するかもしれない。
 五秒か十秒か。ヴァギナとアヌスが熱くなってくる。突っ込まれている紙の筒の中では火薬が燃えているのだから当然だった
「たあまや~」
「かぎやあ~」
 けらけら嗤っているのは市代と麻紀だけで、楚葉は花火の燃え具合と希美の反応を注意深く観察している。
 楚葉の判断では、それほどの危険は無かったのだろう。花火は無事に燃え尽きた。
「お遊びは終わりだ」
 倒立を赦されて地べたにぺたんと座り込み、肌をあちこちさすっている希美を見下ろして、楚葉が愉しそうに意地悪い笑みを浮かべた。
「痛いことをしてもらえないとか、親父に愚痴ってたよな。今夜は、たっぷり可愛がってやるぜ」
 何日も全身に傷が残っても差し障りのない夏休みになるのを、おれも待っていたんだ。そう言って、楚葉はトラロープを取り出す。
「手を出しな」
 両手を揃えて前で縛られた。ロープが太い枝に投げ掛けられて、希美は両手を引き上げられる。手首は引っ張られるが、ロープが食い込むほどではなく、希美は自分の足で立っている。
 いよいよ本番と、楚葉がビニール電線を取り出したとき。
「姐さーん」
 サブリーダーの妙子が広場に駆け込んで来た。
「綺麗が輪姦(まわ)されました。泣きながら帰って来て、怪我は……マンコが血まみれってだけですが、いきなり三人にやられたんだ。今、亜香里が手当てしてやってます」
「よし、すぐに戻る」
 楚葉は吊られている希美はそのままに捨て置いて、バンガローへ続く道に向かった。
「希美は、おれらが戻って来るまで放置プレイを愉しんでろ」
 ずいぶんな扱いだけど、手下とオモチャなら、手下を大切にするよね。虐められるときの、ときめきが綯い混ざった悲哀ではなく、悔しさの滲む悲哀を希美は噛み締めた。
 けれど、感傷に浸っていられる状況ではなかった。花火の煙が消えたせいか、薮蚊が肌にたかってくる。手を縛られているから、叩き潰すことも払い除けることもできない。身体を揺すり足を跳ね上げ頭を振って、必死に追い払った。
 希美の主観では二時間くらいだが、頭上の満月がそんなに位置を変えないうちに、楚葉は戻って来た。市代と麻紀だけではなく、綺麗も引き連れていた。
 綺麗は瞼を泣き腫らしているのと、花火をしていたときと服装が替わっている二点を除けば、とくに変わった様子は見られない。輪姦されただけで、縛られたり殴られたりしたのでなければ、当然ではあるが。
「おまえがちゃんと三人を相手にしてれば、綺麗が姦(や)られることはなかったんだ」
 きつい口調で楚葉に詰られて、希美は何のことか分からなかった。
「綺麗も百合枝会の一員だ。男の一人や二人、金玉を蹴飛ばして逃げるくらいはできるさ。けど、三人掛かりで押さえ込まれちゃ、おれだってどうにもならねえ」
 言い掛かりもいいところだった。けれど、楚葉に言い返すなんて、希美にはできない。
「気が済むまで、こいつに詫びを入れさせな」
 楚葉がビニール電線を綺麗の手に握らせた。
 綺麗は戸惑っているようだったが、楚葉の屁理屈に納得したのか、ただの鬱憤晴らしか。ビニール電線を二つ折りにして握り直した。長さは一メートル余。
「待ってください。あたしにも責任があるとしても、悪いのは三人組じゃないですか」
 いくらなんでも理不尽だ。ほんとうは希美に責任は無いけれど、そこまでは言えなかった。
「他人の頭の蝿を追える身分じゃねえだろが」
 楚葉が決めつける。綺麗には、優しく声を掛ける。
「もちろん、三人には落とし前をつけさせるさ。出陣前の血祭りってやつだ。遠慮するこたあねえ。希美をぶちのめしてやりな」
 綺麗が頷いて、ビニール電線を振りかぶった。
 反射的に、希美は後ろ向きになった。
 ひゅんんっ、パッシイン!
「痛いっ……!」
 尻に叩きつけられたビニール電線は、肌を切られるような激痛だった。しかし、軽い。ピッチャーの投げる球を重いとか軽いという、その軽さだった。トラロープ四本の鞭は、骨にまで響く重たさがあった。
 ひゅんんっ、パッシイン!
 ひゅんんっ、パッシイン!
 ひゅんんっ、パッシイン!
 ひゅんんっ、パッシイン!
 軽いから、楚葉に比べれば非力な綺麗でも立て続けに鞭を振るえる。
 日焼けしてヒリヒリしている肌への激痛に悲鳴を上げた希美だったが、二発目からは「うっ」と息を詰めるような小さい呻き声を漏らすだけで耐えている。鋭いU字形に始まる細長い鞭痕が尻に何条も刻まれていった。
 楚葉が綺麗を止めて、希美に非情の命令を下す。
「おれたちにケツを向けるんじゃねえ。こっちを向け」
 やっぱり、おっぱいも叩かれるんだ。希美は、のろのろと向きを変えた。
 ひゅんんっ、パッシイン!
「きゃああっ……!」
 尻とは痛みが桁違いだ。
 ひゅんんっ、パッシイン!
「きひいいっ……!」
 希美は乳房を震わせながら、一打ちごとに悲鳴を噴きこぼした。
 乳房も赤い線条で埋め尽くされた。
「ぼつぼつ仕上げといこう。希美、がばっと股を開きな」
 いずれはその命令が来ると、希美は覚悟していたが。いざ実行しようとすると、膝が震える。
「あああ、あ……」
 希美は目に涙を浮かべながら、じりじりと脚を左右に開いていった。
 麻紀が電線をアンダースローに構えた。そのまま、ちろっと楚葉をふり返って。
「ええいっ」
 掛け声とは裏腹に、ソフトボールだったらキャッチャーまで届きそうにない勢いで腕を振り上げた。
 パチン……
「あぐっ……?」
 痛いことは痛いが、期待覚悟していた激痛ではなかった。
「僕、もういいです。こいつを虐めたところで、憂さ晴らしにもなりゃしない」
 麻紀が電線を楚葉に返した。
「そうかい。それじゃ、市代と先に帰ってな。おれは、こいつの欲求不満を解消してやってから戻る」
 二人を追い返して。楚葉が、あらためて希美と向かい合う。
「これで、おまえが望む以上に可愛がってやれるぜ。子分の中にゃ、おれの遊びを良く思わないやつもいるからな」
 敵対しない者をリンチに掛けるのは百合枝会のポリシーに反するし、どれほど過激でもSMプレイは性的遊戯に過ぎないから硬派が耽る行為ではない――といったところか。
 楚葉がポケットから剃刀を取り出した。ビニール電線の両端をライターで炙ってから、剃刀で被覆を切り取って、銅線を五センチほども露出させた。極細の銅線を数本ずつ撚り合わせる。
 綺麗と同じようにビニール電線を二重にして、しかし端ではなく曲げた部分を手に握った。鞭の先端は、針のように尖った銅線の束。
「そんなに怯えた顔をするなよ。せいぜい二週間もすれば治るくらいの傷で勘弁してやるよ」
 銅線をべろりと舌で舐めて、サディスチンの笑みを浮かべる楚葉。
「おれも女だが、女っやつは身勝手でいけねえや。返す金は無ねえのに、死んだって風呂に入るのが厭って女を説得するときに、こいつを使うんだそうだ。まあ、一年に一人、いるかいないかだが」
 裸商売だから、傷は残さない。ただし、治療費で借金は百万ばかり増えるがな――と、希美を怖がらせるんだか安心させるんだか、分からないようなことを言ってから。一転して凄みの利いた声で叱りつける。
「誰が足を閉じていいと言った。おれは麻紀のピンチヒッターだからな。同じ場面からプレイボールだぜ」
 さっきよりずっと凶悪になった鞭で、女の子のいちばんの急所を、たぶん麻紀の何倍もの強さで打ち据えられる。希美は、頭がくらくらするほどの恐怖に捕らわれた。けれど、そのくらくらの一パーセントくらいには、胸がねじれ腰が熱くなる妖しいときめきが紛れ込んでいた。
 全身を震わせながら脚を左右に開く希美。
 楚葉は腕を大きく後ろへ引いて……
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 股間で火の玉が爆発したような激痛。希美は野獣のように吼えた。
「うあああ、ああ……」
 膝が砕けて、全体重が吊られている手首に掛かった。その痛みを、希美はほとんど感じていない。股間を見下ろすと、無毛の丘に何本もの細い切り傷が刻まれていた。
「しゃんと立て。一発や二発で終わると思うなよ」
 言いながら、肘から先だけで希美の乳房を水平に薙ぎ払った。
 しゅっ、パシン。
「きひいいっ……」
 軽い一撃でも、麻紀に同じところを叩かれたときよりも痛いくらいだった。軽いが、ずっと鋭い。
 しゅっ、パシン。
 しゅっ、パシン。
 希美は乳房に鞭の往復ビンタを食らいながら、膝に力を入れて懸命に脚を開いた。残酷な一撃を股間に受けるために。
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 反射的に希美は身をよじり片脚を引き付けて股間を庇った――ときには、股間を抉った鞭先がそのまま上に振り抜かれて、下腹部から胸の谷間まで深紅の線条を刻み、顔の手前で後へ跳ねた。さらに斜め下に振り下ろされて、乳房から脇腹を切り裂く。
「ぎびい゙い゙い゙っ……!」
 激痛に身悶えしながらも、希美は足を踏ん張って、鞭を受ける姿勢に戻った。
 さらにもう三回。下から上、斜め上から下へと鞭先が希美の肌を切り刻む。麻紀が付けた細い線刻が、滲んだ血で隠される。
「これくらいで勘弁しといてやる――マンコはな。後ろを向け」
 お尻なら耐えられるだろうと、ほっとした思いで希美は後ろ向きになった。
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「きゃああっ……!」
 股間よりはましだったが。背中を鞭打たれて、やはり希美は悲鳴を上げた。
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「ぎひいっ……」
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「きひい……」
 びゅんんんっ、バッジイイン!
「きゃああっ……」
 立て続けに背中を斜めに切り裂かれて、希美は悲鳴を抑えられない。叫んでいるうちに、頭に霞が掛かってきて――腰の奥に痺れがわだかまっていく。もう赦してほしいという願いと、もっと虐めてくださいという悦虐とが拮抗する。
 尻にも五発の鞭を与えて、ようやく楚葉は手を止めた。
「今日は二か月分の遊び道具をいろいろ持って来てるんだぜ」
 楚葉が次に取り出した責め具は洗濯バサミだった。決して楽な責めではないが、銅線剥き出しのビニール電線に比べれば、どうってことはない――という希美の楽観は、目の前で洗濯バサミの嘴を開閉させられて吹っ飛んだ。先端から五ミリのあたりに、釘が打ち込まれていた。反対側の嘴には小さな穴が空いていて、斜めに切り落とした釘先が突き抜けている。
「洗濯バサミなんて生ぬるいし、針がほんとに痛いのは突き刺すときだけだからな。ちょいと工夫してみたんだ」
 これなら、洗濯バサミと針の両方を同時に味わえるんだぜと、とことん希美に恐怖を与える。
「釘をペンチで斜めに切ってあるんだ。待ち針より痛いぜ。とは言っても……」
 半日くらいは着けっ放しにしても大丈夫なのは実証済みだと、安心させながら言外に長時間の責めを匂わせる。
「順番としては、こっちからだな」
 楚葉は希美の乳首を摘まんで引き伸ばして、くわっと嘴を開けた洗濯バサミを近づける。いっぱいに洗濯バサミを開いて乳首を挟み込んだ。
 パチン!
 楚葉は指を滑らせて洗濯バサミを手から放した。
 ブツッ……と、釘が乳首を突き抜ける音を、希美は身体で聞いた。
「びぎひいいいっ……!」
 激痛が脳天まで突き抜けて。甲高い悲鳴。希美は今日一日だけで、これまでの三か月分以上の絶叫を絞り出されているのではないだろうか。
 反対側の乳首にも着けられて、再びの悲鳴。洗濯バサミの圧痛と釘の貫痛との区別なんか、つかない。両者が絡み合って、ネズミ花火のほうが百倍ましに思えた。
 楚葉が三つ目の洗濯バサミを手に取った。
「あ、あああ……それだけは……赦してくださいい」
 唇をわななかせながら懇願する希美。このときばかりは、無理強いに虐められたいとは、さすがに一欠片も思っていなかった。股はきつく閉じ合わされて、つま先立ちするほどに腰は後ろへ引かれている。
「打ち上げ花火を上下逆さに突っ込まれたいのか。子宮目掛けてドッカーンだぜ」
 脚を閉じていれば、並みのペニスよりも太い花火を挿入などできないのだが――ヴァギナの中で火薬が(比喩表現ではなく)爆発する恐怖に、希美は打ちのめされた。
 お姉様は、ほんとはそんな大怪我をさせるようなことはしない。心の底では信頼している。それを裏返せば――クリトリスを釘付き洗濯バサミで挟まれても、想像を絶する激痛だろうけど、大怪我はしないのだろうと、責めを受け容れる覚悟につながる。
「怖い……」
 希美はしゃくり上げながら、さすがに腰は引いたまま、おずおずと脚を開いた。
 楚葉が手を伸ばしてクリトリスを摘まんで引っ張る。わずかな痛みだが、無自覚のうちに希美の腰が突き出される。楚葉は横に回り込んで身体を密着させて腰を動かせなくさせてから、親指と薬指でクリトリスの根本を摘まんだまま、残る二本の指で器用に包皮を剥き下げて、素早く洗濯バサミに実核を咬ませる。
 パチン!
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!!」
 喉から血しぶきが飛び散るような絶叫。
「ひいいいいいいい……」
 吐き続ける悲鳴が、次第に弱々しくなって、希美は半失神状態に陥った。
 しかし、楚葉は許さない。バチンバチンと、頭が激しく揺れるほど強く往復ビンタを張って、希美を束の間の安息から引きずり出す。
「乳首とクリトリスへの愛撫だけじゃあ、満足できねえよな。やっぱり、マンコに太いのを咥え込まなくちゃな」
 希美は、目の前にかざされた物を見て、もはや絶望の吐息を吐くしかなかった。
 それは擂粉木を短く切断したものだった。ただし、何本もの木ネジが埋め込まれていて――浅い円錐形の頭と鋭く尖った先端が数ミリずつ露出している。こんな物をヴァギナに突っ込まれたら……凄く痛いのは当然だけど、二度と使い物にならなくなってしまいはしないだろうか。
「こいつは、名器養成ギプスでもあるんだぜ。マンコの中の襞々が増えて、蚯蚓千匹か数の子天井か、そんな感じに……なるかもしれねえな。こいつは、さすがに試したことが無えからな」
 お姉様は、あたしの心を読めるんだろうか。希美の疑問は、そちらへ向かった。銅線剥き出しの電気コードはヤクザが実際に使うと言っていたが、釘付き洗濯バサミもは楚葉自身が工夫したと言わなかっただろうか。それなら、いつ誰に試したのか――そこへは考えが及ばなかった。
 楚葉が擂粉木を股間に近づける。もはや希美には、脚を閉じて抗う気力も無い。だいいち、クリトリスを咬む洗濯バサミをこねくって、自分でいっそう激痛を増す結果になる。
 こんな苛酷な責めを受けて、希美はなおヴァギナを濡らしている――のではない。鞭傷から滴り釘に貫かれたクリトリスからも垂れている血が潤滑となって、擂粉木の頭部は容易に貫入した。
「痛い……」
 擂粉木をじわじわと押し込まれて、希美は小さく呻いただけだった。数時間前の希美だったら絶叫していたかもしれないが、立て続けの想像を絶する激痛に馴致され、叫び過ぎて喉も涸れている。
 楚葉は擂粉木を完全に埋没させた。小淫唇で擂粉木の後ろを包み込むようにして、大陰唇までぴっちり閉じ合わせた。そして、最後の責め道具を取り出す。幅が五センチ以上もある特大の目玉クリップだった。
 目玉クリップで大淫唇を閉ざされても、希美はほとんど無反応だった。全身の激痛に比べれば、幅のある金属板で強く挟まれるくらい、どうということもないのだった。
「おれの遊びは、これでおしまい。おまえは、朝まで余韻を楽しんでいな」
 楚葉の言葉は、このまま放置するという意味だ。
「と言っても、このままじゃ虫に刺されて、鞭よりも酷いことになるな。それは可哀相だから」
 楚葉が紙袋からスプレーを取り出した。
「虫除けスプレーを噴いといてやるよ」
 しゅううううっ……背中から尻へ噴き付ける。
「ひいい……沁みる……」
 肌が冷感に包まれて、それが無数の針となって突き刺さるような感覚。
 腕と脚にも噴き付けられたが、傷ついていないので、幾らかの冷感があっただけ。
 希美を動かすより自分で動くほうが手っ取り早いと、楚葉が希美の正面へ回り込んで。
 しゅううううっ……
「ぎひいいいっ……!」
 乳房に噴霧されて、激痛に身悶える希美。
 こうなると、目玉クリップで淫裂を閉ざされている――内奥にまで噴き込まれずに済むのだけが、わずかな救いだった。
 全身の激痛にのたうつ希美を残して、楚葉はバーベキュー広場から立ち去った。
 数分としないうちに、それまでの冷感が失せて、替わりに燃え上がるような熱感が襲ってきた。
 冷感から熱感への転換。この感覚に、希美は心当たりがあった。臭いもそっくりだ。虫除けスプレーというのは嘘で、筋肉消炎剤だろう。もっとも、ハッカには虫除けの効果もあるから、そういう目的にも使える――としても。虫除けだろうと筋肉消炎剤だろうと、傷口に噴霧は厳禁だ。
 鞭の余韻どころではない。洗濯バサミに咬まれた三つの突起が、絶え間ない激痛を送り込んでくる。封印された擂粉木がだんだん膨れてくるような錯覚。これからが、何時間も続くほんとうの責めだとさえ言えるのだった。
 リンチされたいだなんて馬鹿なことを妄想したのが、間違いだった。妄想に留めておけば良かったのに、土壇場でも逃げられるチャンスをお姉様は与えてくださったのに……あたしって、救いようのない馬鹿だ。希美は激痛に身をよじり涙を流しながら、後悔した。その一方で……
 馬鹿なんじゃない、マゾなんだ。この地獄のような苦しみも、明日とは言わないけど明後日くらいには、思い出しながらオナニーに耽るんだわ。そこまで想いが至ると――激痛はそのままに、甘い陶酔が頭を浸食し始める。

 その一夜は希美にとって、それまでの生涯で(物心ついてからわずかに十年とちょっとではあるが)もっとも長い一夜だった。
 激痛にも馴致され、筋肉消炎剤の効果も薄れてくると、物思いに耽る余裕さえ生まれる。
 お姉様に、あたしは大きく変えられた――のではない。それまで心の奥で渦巻いていた妄想を、お姉様が現実のものにしてくださったんだ。悪い方向への変化だと、自分でも思う。素行も勉強も。けれど、誰かが言っていた。世の中には、言っていいことと、言ったら面白いことがあるって。
筆者註:SF作家の鏡明がSFマガジン掲載の短編小説の中で、横田順彌に仮託した人物に言わせた台詞だったと記憶している。他の人物だったかもしれないし、作者が鏡明だったかすら自信が無い。しかし、埋もれさすにはもったいない名言であるので、紹介しておく。
なお、作中には不条理作家ではなくゴム草履作家だ、という迷言もあった。
 悪い子になって、あたしは後悔していない。 だけど、今日のこれは……後悔してる。どうやったって、お姉様のオモチャなんだから、避けようは無かったけど。
 こんなに痛いのは、二度と御免だ。でも、卒業までずっと、二度とこんなことをしないってお姉様が約束してくださったら……それも淋しいかな。つまり、心の底では、こんなことやもっと非道いことを……されたいんだろうか。
 鞭打ちの余韻と釘付き洗濯バサミの激痛とヴァギナの中の木ネジ擂粉木の圧倒的な違和感と筋肉消炎剤の刺激とに悶えながらも、夜が更けていくにつれて希美は睡魔に襲われていた。日焼けは肉体を消耗する。晴天下の露出が著しい興奮の反動をもたらしているし、二か月半ぶりの苛酷な責めは心身の両面にダメージを与え続けている。
 希美は微睡んでは、吊られた手首に加わる体重の痛みで引き戻され、立っているうちにまた睡魔に襲われて――ついには浅い眠りの中へと漂い出ていった。

「ちょっと、きみ……大丈夫か?」
 身体を揺すぶられて、希美はぼんやりと瞼を開けた。見知らぬ男性の顔が、目の前にあった。ひどく戸惑っている。男性の後ろ、かなり離れたところに、若い(といっても、希美より十は上だろう)女性も立っている。
「何をして……されたの? 誰かに乱暴されたのか?」
 この人たちもバンガローに泊まっていたのか、それとも地元のアベックかもしれない。朝の散歩に出掛けて……裸で傷だらけで変な飾りを着けて木から吊られている女の子を発見して。あたしが、ロマンスをサスペンスにしちゃったんだ。
 希美は、男性よりも激しくうろたえた。騒ぎになっては、自分も楚葉も困る。このまま静かに二人に立ち去ってもらうには……
「SMプレイなんです。あたしが望んで……ご主人様に調教してもらっているんです」
 こう言うしかなかった。プレイなんて軽い気持ちではないけれど。自分にだってうまく説明できないことを、他人に理解してもらうのは不可能だ。その必要も無い。
「だから、言ったじゃない。放っとけばいいって」
 静かな早朝の、希美とアベックしかいない広場。希美の声は後ろの女性にまで聞こえていた。
「まだ十五六でしょ。とんでもない変態だわ」
 同性からの軽蔑しきった罵声は、何よりもつらい。売春をしているときに男性から投げ掛けられた言葉は、たとえ侮辱が含まれていても腰の奥に響いてきたが、今は胸を突き刺すだけだった。
「何を熱心に見てるのよ。いやらしい。あなただけ、そうしているといいわ」
 女性が踵を返して、大股にずんずん歩き出した。男が、慌てて後を追って――希美は、また独り取り残される。
 ――楚葉が来て希美を解放したのは、午前七時過ぎだった。
========================================
パイパン淫唇クリップ

  最後の目玉クリップでの大淫唇封鎖。これは、この画像がインスパイア元です。
 短い動画もあります。細いビニール紐で下腹部をピシピシしています。縦でなく横に敲いているのが残念。合意プレイの限界ですかしら。
 動画ではすぐにダブルクリップを外してしまいますが、蜜がとろ~りと垂れているのが映っています。画像も動画も、幾たびとなくG線上のアレヤコレヤに活用させていただきました。短い動画が切り出しなら、是非ともフルバージョンを有償で構わないので入手したいものです。
 うん。ネットでは無料DLできるあれこれが氾濫しています。金を払ってまでとなると、よほどの余程です。


 なので。よほどの余程を決断されたWILL様のリクエストに、ト連送です。


注記)
 旧海軍の急降下爆撃手順(隊長からのモールス信号)。
 ・・-・・ ・--・ ---  トツレ:突撃隊形作れ。
   一列縦隊です。後に、第二突撃隊形が工夫されて、これは「トツレ2」
 ・・-・・ ・・-・・ ・・-・・  ト連送:突撃!
   指揮官先頭で急降下に移ったポイントで、順次急降下。
 真珠湾攻撃で奇襲成功して発信されたのが、この日の為に作られた、トラ連送です。
 ・・-・・ ・・・ ・・-・・ ・・・ ・・-・・ ・・・
   ト連送に簡単な符号(・・・)を付け加えたというのが、一目燎原の火。

 ちなみに。特攻のときは各機がト連送の後で電鍵を押しっぱなしにして(――――――)、基地で受信した符号が長ければ突入成功、短ければ撃墜されたと判断していたそうです。合掌。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 0:(仮題)幼なマゾの契り

 筆者の他作品の執筆ペースを考慮して、1月/4月/7月とPIXIVでリクエストをくださっていたWILL様。
 次は10月かなと身構えていたら、10月123……と過ぎて、音沙汰無し。さすがに3食で満腹かしらと思っていたら。
 来ましたねえ。こういうの。

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*ストーリイのリクエスト
→戦災孤児となった少年少女が「刈り込み」により施設に入れられ、弄ばれ嬲られうちにマゾに目覚めていく
*時代設定のリクエスト
→終戦直後の日本
*シチュエーションのリクエスト
 →時代や大人たちに翻弄される少年と少女
*キャラ設定(外見、性格)
 ・少年
  11~12歳の戦災孤児達のリーダー。良い意味でのガキ大将気質で面倒みがよい
  子供達(後述)に家族を重ねており、特に弟分(後述)のことは文句を言いながらも可愛がっている
  未だに剥けておらず生えてないのが悩み
  マゾの素質があり、嬲られる内に快楽を感じていく
 ・弟分
  少年より1歳年下で、兄貴と慕う薄汚れた子供。孤児達のムードメーカー
  実は身を守るために男装した美少女。やはりマゾであり、少年ともに快楽に落ちていく
 ・子供達
  面倒を見ている孤児達。年上の二人を慕っている
 ・役人
  施設の管理者。閑職に回された不満を孤児達をいたぶることで晴らしている
  生意気な少年や美少女の弟分を嬲ることを気に入っている
 ・進駐軍の士官
  施設にやってきた軍人。サディストのバイで、接待により孤児達を痛めつけ犯す
*人間関係のリクエスト
 →少年と弟分はやがて男女として惹かれあう
*特定の責めのリクエスト
 ・収容施設に隔離された孤児達。脱走防止のために衣服をすべて剥ぎ取られ、さらに焼印まで押される。
 ・手に職をつける体で、犬芸や豚芸を強いられる孤児達。屈辱的な行為のはずが、少年と弟分は興奮していく
 ・進駐軍の士官にSMプレイを強要される少年と弟分。家族の仇から責められるという行為にさえ快楽を感じるようになった二人はマゾの雄雌として落ちていく
 ※可能であれば、戦災孤児をかばって責められる(そして快楽を感じてしまう)少年や弟分を描写していただけると嬉しいです
 ※歴史的におかしいと思われた箇所は修正していただいて構いません

#R-18 #SM #ロリ #ショタ #焼印 #恥辱
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 戦災孤児(浮浪児という、あたかも当人の非行のような呼称が使われるようになりましたが)の保護収容施設は、当時の経済事情もあって食事が不十分とか、戦前の感覚(人権意識の欠如)そのままで職員による虐待とかも横行していたようですが、さすがにこのリクエストほどは酷くなかったでしょう。
 とはいえ、戦後の混乱期。「記録が無い」からといって「事実が無かった」とも限りません。
 戦時中は、御国のために頑丈な身体を作るために、真冬の乾布摩擦、女児を含めて半裸での授業も、新聞で報道推奨されていたのですから。

4nippon

 それにしても。この時代設定は、盲点というより「宿題」でした。
 大正時代は『大正弄瞞』があります。戦前は『赤い冊子と白い薔薇』ですし、戦時中は『非国民の烙淫』です。「ヒロイン戦記シリーズ」は別腹としても。
 昭和20年代終わりごろから30年代初頭にかけて(不詳)が『少女博徒
 昭和35年から40年なら、『集団羞辱史』が4作。とか、シリーズではないけれど「昭和ノスタルジー」の『未通海女哭虐』、『幼な妻甘々調教』。
 つまり、昭和20年代というか終戦直後の混乱は未踏だったのです。
 そこへ投げ込まれた剛速球。
 リクエストを読んで半日で。ジェダイの騎士を務めながら。ここまで出来ちまいました。
 数字は予定原稿枚数です。まず納まらないと思っていますけど。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
幼なマゾの契り

塩田真造 しおだしんぞう/ショタマゾ
12歳

実浜園子(園生)みはまそのこ/ジツハマゾノコ
11歳

県立木竹(もくたけ/キチク)学園
濃閉宇佐治 のとじうさはる コイジメウサバラシ
薄野譲二 すすきのじょうじ ジョジスキ
道庭好子 みちにわよしこ ドウテイスキコ
帆針丈夫 ほはりたけお ホシンダケヨ

ペドフィル・ビサード Pedfil Bisaad ぺドフィリアでバイでサド


出会い(背景エピソード)

章立て
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その日暮し/ 5

浮浪児狩込/10

弟は美少女/ 5

全裸に焼印/15

訓練と調教/20

接待穴奉仕/15

身代り折檻/10

残虐米軍人/20

絶望の日々/ 5

養子の焼印/ 5

新たな絶望/ 5
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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 なんというか、『超光速の香織』後藤俊夫(星群)ですな。タイトルと作者は筆者ウロオボエス。違ってたらごめんちゃい。たしか、少年マガジンで単発コミカライズされてます。ネット検索で引っ掛からんけど。
 余談はさておき。
 WILL様の妄想が見事に屹立しているので、そのままPLOTにつながります。筆者のストライクゾーンと相当に重なっています。筆者のほうが、ちょっと年齢高めのゾーンです。U15かU13かはたまたU11か。わずか730日の違いでは有馬温泉。生理・精通の有無、微かな盛り上がりの差異。13は刑法における性交合意年齢という絶対分水嶺でもあるのです。


 20度焼酎220ml+ほろよいサワー(3%)350mlなので、結論を急ぎます。

 現在執筆中の、昭和ノスタルジー@1980年『悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ』は、現在執筆中の「さまざまな激痛」を明日くらいに終わらせてから中断。こっちに着手しましょう。
 これまでの実績から考えてリクエストの納品期限12/7には、11月初頭から着手しても間に合いそうですが、夏休みの宿題を8/31から始める習慣はありませんでしたので。〆切のあるやつを最優先です。





テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 3:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 あわわわ。「爽」が名付けに使えるようになったのは、1990年からでした。
 ので、悪役令嬢(ジャンルが違う)の名前を変更。
楚葉そよにしますた。
 爽子→苑子→爽香→楚葉
 こんなにコロコロしたのは初めてです。
 ついでに(ではないですが)タイトルも変更。副題部分が五七五になって座りがよろしい。
 未通は「おぼこ」と読みます。『未通海女哭虐』でも使いましたね。


 というわけ(記事冒頭)で、あわわわのシーンを御紹介。初期PLOTには無いエピソードです。「梅雨は濡れ透け」と「海水欲情荒らし」の間に入ります。

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   泡踊りと三輪車

 外部入学の希美は内部進学組よりも成績優秀なはずだったのに、中間テストは軒並み平均点を下へ突き抜けて。ちらほらと赤点も取ってしまった。もしも期末テストで同じことを繰り返せば、一学期早々に進級が怪しくなってくる。楚葉に何をどう遊ばれようと、勉強を頑張らなくては。そう決心して、二週間前から復習に精を出していたのだけれど。楚葉はそんなことを斟酌してくれない。
「たまには息抜きも必要だぜ」
 休日に朝から呼び出された。遠くの街へ遊びに行くから、いつもとは違う服装で来いと指示されて、あれこれ服を選んでコーディネイトするという女の子の愉しみを久しぶりに味わった希美だったが。あまりおとなしい服装では楚葉に気に入ってもらえないだろうと思うと、三か月前の希美だったら絶対にしないだろう装いになってしまった。
 まだ処分していなかった古いデニムのミニスカートは、背が伸びているから膝上二十センチ。悩んだ末にノーパン。上はノーブラにノースリーブのサマーセーター。去年のだけど、BカップがCカップになっているので、胸の膨らみが強調される。さすがに三点責めのアクセサリーはやめたけれど、外出のときには必ずといっていいほど付けていたから物足りない――という想いは、強く打ち消した。
 本物の変態になっちゃう。お嫁に行けなくなる。でも……もうじゅうぶんに変態じゃないのかしら。マゾ願望を隠しての結婚生活なんて、我慢できるんだろうか。そんな先のことより。お姉様は来年の三月には卒業する。内部進学ならキャンパスは隣り合っているけれど……スケバンも卒業して、もう構ってくれなくなるんじゃないだろうか。
 考えだすとどんどん不安になってくる。けれど希美の年令では半年先は遥か未来でもある。来年になってから悩めばいいことだと、気持ちを切り替えて希美は家を出た。
 待ち合わせ場所というか呼び出され場所へ行ってみると、今日の楚葉はひとりも子分を連れていなかった。いつものスケバン制服ではなくて、大人びたツーピースを着ている。紫色のアイシャドウとルージュも無し。長髪は元から染めていないので、大学生を通り越して清楚な美人OLといった趣だった。
「今日のおまえは、これだからな」
 名刺大のプラスチックカードと三つ折りの紙を渡された。カードはどこかの会社の社員証で、三つ折りの紙はそこの健康保険証だった。社員証には、希美の顔写真が貼ってある。そして保険証に記された生年月日によると、希美は二十一歳ということになっていた。偽造だ。
「あたし小柄で童顔だから、●学生に間違えられたりするんです」
 楚葉が希美の口真似をした。つまり、今日は二十一歳で押し通せということだ。
「にしても、娼売慣れした格好で来たもんだな。好都合だぜ」
 楚葉が何を企んでいるか分からないままに、希美は電車に乗せられた。
 降りたところは、隣接県の大都市だった。タクシーで(運転手へのサービスとかは無しで)歓楽街へ向かう。
「おまえはここのトルコ風呂で働く――ということにして、新人研修を受けるんだ」
 トルコ風呂がどういう場所かくらいは、希美も知っている。ただ、楚葉の「ということにして」の意味が分からなかったのだが。これからも売春をさせるという楚葉の言葉は覚えていたから、例によってときめきと悲哀を同時に感じただけだった。
 ずらっと並んだ店舗のひとつに、楚葉は迷わず裏口から入って行った。
「先日お話させていただいた角島楚葉です。働きたいって子を連れてきました」
 事務室に通されて、店長という四十くらいの男の面接を受けた。店長と希美がデスクを挟んで向かい合って、楚葉は希美の斜め後ろ、付き添いといったところか。
「きみ、ほんとうに二十歳以上なの?」
 法律では水商売で働けるのは十八歳以上だが、トルコだけは各地で自主規制をしている。地方によっては二十二歳以上とか二十五歳とかもある。この当時、十八歳でトルコ嬢になれるのは、札幌のすすき野だけだった。
 希美は身分証明書を机に並べて、教えられた通りの言い訳をしたのだが、店長は納得しない。
「確かに間違いは無さそうだけど……通報されて痛くもない腹を探られないとも限らないしねえ。残念だが、うちで働いてもらうのは……」
「何が不服だってんだよ」
 スケバンの地金を剥き出しにして、楚葉が凄んだ。身を乗り出して、右の襟を裏返した。
「ここらはシマリじゃねえが、これは知ってるだろ」
 葛島組の金バッジを見せつける。
 店長の顔色が変わった。
「それはもちろん……いったい、貴女はどういった……」
 ヤクザは実力本位の世界ではあるが、同時に漢(おとこ)の世界でもあった。楚葉はどう見ても姐御(幹部の妻)という風格ではないし、だいいち女房(バシタ)が金バッジを持てるはずもない。
「銅じゃねえ、金だよ。で、下手に出てのお願いだけど。とにかく新人研修をさせてやって、今日すぐに客の二三人も付けてやっちゃくれねえか。ずっと働かせろとまでは言わねえからよ」
「は、はあ……そういうことでしたら」
 身分証のコピーだけは取ったものの、システム(取り分)の説明もそこそこに、すぐに研修の運びとなった。葉桜というベテランのトルコ嬢と、三川というボーイが呼び出される。
「俺、いや私なんかが相手役でいいんですか?」
 ボーイは助平顔で驚いている。新人研修の相手役は(よほどの年増かブスでない限り)店長が受け持ってきたのだ。
「こんなに若い子に、中年のおっさんでは可哀そうだろ」
 というのは口実。得体の知れない娘と関わるのは願い下げ。しょっ引かれるにしろ指を詰めるにしろ、損な役回りは押し付けてしまえという腹積もりだった。
 とは知らない三川は張り切って客の代役を務める。希美の倍以上の年齢で、今日はまだ客の付いていない葉桜も、楚葉にこっそりとチップ(ヤクザの世界に一万円未満の通貨は存在しない)をもらったのだから、手は抜かない。
「こっちから待合室へ出向くお店もあるけど、うちはお客様に来ていただくシステムね」
 個室に入るなり、客に見立てたボーイの前に座って、葉桜は三つ指を突いた。ボーイの後ろには楚葉がくっついて来ているが、彼女は無視するというのが事前の取り決めだった。
「本日のお相手を務めます葉桜です」
筆者註:恋人感覚とかの接客が取り入れられるのは世紀末以降であり、この時代のトルコ嬢はプロ意識が強かった。
ついでに随所で述べるべき説明をひとまとめにしておくと――今日の高級店で常識の即尺即生は未開発で、生本番もまず無かった。そもそも、この物語の数年前までは手コキ(スペシャル)やせいぜい指挿れ(ダブル)までの店が大半だったのである。
なお、章題にもなっている泡踊りであるが、近年はローションを使って即物的にマットプレイと称している。筆者の個人的感想を述べれば、滑り過ぎて女体で遊んでいる気がしない。客の転倒事故もあるとか。やはり、適度の滑りで泡まみれになりながらのくんずほぐれつが、ヴィジュアル的にも(モザイク的にも)好ましい。こういうのをノスタル爺というのかもしれないが。
 挨拶が終わると、まず客の衣服を世話女房みたいに付きっきりで脱がす。客をベッドに腰掛けさせておいて、事務的にならないよう適度の含羞を交えて自分も全裸になる。
 脱いだのだが。葉桜と三川を呆れさせてしまった。
「うへえ。ノーパンノーブラか。それって……?」
「天然じゃないわよね。剃ってるんでしょ」
 二人とも希美にではなく楚葉に目顔を向ける。
 楚葉は、部屋の隅の形ばかりの応接セット(これは、最後に五分間だけ客をまったりさせるまで出番が無い)にちょこんと収まって、知らん顔。
 葉桜も三川も、それぞれに希美と楚葉の関係を想像して、それで自分を納得させる。金バッジのことは知らないが、葉桜にとっては気前の良い一見の客だし、三川としても、現役生徒にしか見えない美少女に本番研修できるのだから、裏があろうとなかろうと気にはしない。二人とも、楚葉に見られる気恥ずかしさを感じながらも研修を進めていった。
 衣服をハンガーに掛けてから、個室の半分を占める浴場へ客を案内して、座面が大きく窪んだ俗称スケベ椅子に座らせて。まずは股間というかペニスを素手で洗う。爛れていたり客が痛がったりしたら病気の疑いが濃厚なので、粘膜つまり唇とか性器を接触させないように注意する。できればその日のうちに医者に頼んで抗生物質を注射してもらう。
 説明を聞いて、希美はぞっとした。売春で病気をもらわなかったのは、幸運以外の何物でもない。
 希美の内心とは関係なく講習は進む。
 ペニスを洗い終えたら、客はバスタブに放り込んでおいて、六十分コースまでなら即座にトルコの花、泡踊りの準備にかかる。ロングコースの場合は、客と一緒に入湯して、膝に乗ったり指挿れで愉しんでもらってから潜望鏡プレイ。
 三川がバスタブに肩を預けて身体を水平に延べると――勃起したペニスが湯面から顔を出す。潜水艦の潜望鏡みたいなのを、真上から咥える。ゴムは着けない。
 葉桜がお手本を示してから、希美も実習。フェラチオは売春のときに二回だけ客の求めに応じたが、きちんとテクニックを教わるのはこれが始めてだった。
 面倒くさくて顎も舌も疲れるというのが、希美の感想だった。本番行為は、ただ脚を開いて寝転がっていればいい。
 潜望鏡遊びで魚雷を発射させるのは、若い男性だけ。次発装填に時間がかかる(軍事用語を使って教えてくれたのは、ボーイの三川)三十歳以上は、暴発させないように嬢が適切に判断しなくてはならない。
 潜望鏡遊びが一段落着いてからは、ショートコースと同じ。
 壁に立て掛けてあるセミダブルベッドと同じくらいに大きなエアマットを洗い場に延べて。洗面器に湯を入れてたっぷりシャンプーを垂らして。小さい子の遊びの『カイグリカイグリ』みたいに(もっと早く)手を動かして、チョチチョチ泡泡にする。
 エアマットをシャワーの湯で温めてから客を腹這いにさせて。その上におおいかぶさって。くねくねと身体を擦り付けて背中を洗う。脚を開いて股間を男の太腿に滑らせたり、もちろん乳房もスポンジ代わり。
 見て聞くだけでは分かりにくいだろうと、希美が男と入れ替わって、葉桜のテクニックを身体で受けてみる。
「ひゃんっ……く、くすうったい」
 のを我慢していると。全身が性感帯といわれる女体の性(さが)、乳首やクリトリスといった局部ではなく、背中も尻も太腿も、ぴくんぴくんと震えてくる。
 さらに。仰向けになった希美に葉桜が馬乗りになって、股間を腹の上で往復させる。
「これが、タワシ洗いだけど。あなたはタワシが無いから、何て言えばいいのかしらね」
 マンコ洗いでいいじゃないの――なんてはしたないことを、希美は思っても言わない。
「洗い方の体位にもひとつひとつ名前があるの。シャチホコとか鯉の滝登りとか。いきなりあれこれしても覚えられないだろうから、セックスの四十八手を応用するってことだけ知っておけばいいかな」
 と言われても。正常位とワンワンしか経験は無いし、知識としても騎乗位と座禅転がし(時代劇画で覚えた)くらい。騎乗位は向かい合っての泡踊りで葉桜さんが実演してくれたけど、その他の体位はどう応用すればいいんだろう。
 戸惑いながらも、三川を相手に基本技だけは習得した希美だった。
 泡踊りの後は、いよいよ本番なのだが。
「ゴムをすぽっとかぶせちゃう娘(こ)も多いけど、とっておきのテクニックを教えてあげるね」
 一万円へのサービスというより、三川に体感させてフリの客に自分を推薦させようという下心かもしれない。
 ベッドに腰掛けた三川の前に跪くと、葉桜はコンドームの精液溜まりを唇で咥えて、垂直に聳え立つペニスに、ちょこんと乗っけた。そして口を開けて、輪ゴムのようになっている縁を唇であむあむあむと巻き下げていく。
「こういうサービスを男は悦ぶのよ」
 葉桜の言葉どおり、すでに美川は一触即発の体勢になっている。それくらいは、希美も分かるようになっていた。
「ああっ……」
 三川が情けない声を上げたのは、せっかく着けてもらったコンドームを巻き上げられたからだったが。希美が新しいコンドームを咥えて跪くと、葉桜のときよりも勢いを増して聳え立つ。
 それから延々十五分。コンドームを三個、噛み破ったり唾液まみれで滑りが良くなり過ぎて巻き下げられなくなったりしながら、希美はどうにか技を習得したのだった。
 そうして、いよいよ本番は。葉桜がベッドに上がったので、三川は期待外れの顔をしたが。
「店一番のテクニシャンが相手で、何が不満なのさ」
 葉桜は希美に向き直って。
「さっき体位のことを言ったら、きょとんとしてたね。四十八手とは言わないけど二十手くらいは教えてあげるから、良く見といてよ」
 正常位で三川を迎え挿れてから、葉桜はさまざまな変形を繰り広げた。腰を高く突き上げる、足を男の胴に絡ませる、逆に足を伸ばしてペニスを挟むように閉じ合わせる。男が足を肩に担げば深く挿入できるし、男は視覚的にも興奮する。
 いったん結合を解いて。くるりと向きを変えて、指を組み合わせるようにして挿入する松葉崩しは、お口直しといった感じで快感は乏しいらしい。
 もっとも、挿入による腟性感そのものは、希美はあまり開発が進んでいない。学校では常にペニスバンドを挿入しているけれど、「いけないことをお姉様に強いられている」というマゾとしての陶酔はあっても、抽挿も振動も身体の動きの反映だけなので、絶頂の体験はなかった。
 松葉崩しの後は、男が下になって騎乗位。大まかに分ければ、対面騎乗位と背面騎乗位。男が仰臥して女が対面で抱きつくのが本茶臼、女がのけぞれば時雨茶臼。男が足を伸ばして上体を起こしているところに女が後ろ向きに腰を沈めるのが本駒掛け。これは座位になる。
 後背位、いわゆるバック、あるいはワンワン・スタイルも、四つん這いだけではなく、体操の前屈みたいなのもあれば、女が俯せに寝る形もある。
 さらに、男女ともに横向きに寝る形や立ったままの挿入。これも対面と背面がある。女の足を一本持ち上げるだけで結合感が違ってくる。
 見ているうちに、希美はパースペクティブがおかしくなってきた。そして、げっぷが出そうになる。
 あたしには関係が無いことだとも思った。女はセックスでは受け身でいるべきだと思う。男の人がいろんな体位を望むのなら、あたしを好きなように扱ってください――というのが、希美のマゾ願望だった。
 あたしにはトルコ嬢は務まらない――と、希美は思ったけれど。お姉様の命令で、そのように振る舞わされるとしたら、それはそれで素敵かも知れないとも思い直す。
 葉桜が体位を披露し終わった時点で、研修が始まってから二時間半が過ぎていた。最長のプレイコース百二十分を超えている。葉桜の提案でひと休みとなったのだが。楚葉がアンタッチャブルというのは、葉桜も三川も店長の態度から察していたし、希美も身の上話なんかしない。楚葉にいたっては、部屋に入ってから一言も喋っていなかった。
 結局――三川が店の料金システムとかを説明して、葉桜は面倒な客のあしらい方のレクチャーなど。無難で(トルコ嬢として働くなら)有用な話に終始した。
 一戦(プレイ時間と客の精力によっては二戦三戦)した後は、時間の五分前までまったり歓談したり。各種の銘柄を揃えてある煙草を勧めたり。客の煙草への火の点け方と、自分は勧められても吸うべきではないことも教わった。
 最後は客の着付けをさりげなく手伝って、三つ指で送り出す――というのは口頭での説明だけで。
 せめて騎乗位と立ちバックくらいは覚えておきなさいという葉桜のアドバイスで、希美は体位の講習も受けることに(楚葉に顎をしゃくられて)した。ディルドでない本物を挿入されるのは二か月ぶりだった。
 三川は本気で逝かそうと張り切り、葉桜は逝く振りの演技指導――の最中に、壁の電話が鳴った。
 葉桜がしばらく電話で話し込んで。
「いきなりだけど、三輪車のお客様よ」
 三輪車というのは、一人の客を二人でサービスすることをいうのだと、葉桜が説明する。
「それでね、サービス料の分配で相談したいから、角島さんだけ事務室に戻ってほしいそうよ」
 後輪は二つあってもハンドルは一つだから、どうしても二人の嬢は本指名とヘルプの関係になる。
「面倒だな。葉桜姐さんがみんな取ったって構やしないのに」
 やはり楚葉の目的は金ではなく、希美を辱しめることにあったようだ。
「どっちみち、きっちり服を着た女の子に見物されるのを悦ぶ客は――いないこともないけどね」
 楚葉は、やんわりと追い出された格好。三川は希美に未練たらたら接客の仕事に戻り、葉桜は希美に手伝わせて部屋の清掃に取り掛かった。バスルームをざっと湯で流し、バスタブの湯は張り替える。ベッドはシーツを交換。たいていの店は、一人の嬢に一つの個室を割り当てている。嬢は一日交代の一国一城の主というわけだが、その分、部屋の切り盛りをしなければならない。
 清掃が終わると身なりを整える。この店には制服とかは無くて、カジュアル系なら何でもいい。葉桜は、素肌にノースリーブのジャケットと膝上十五センチくらいのフレアーミニ。十年以上前に流行ったファッションだ。葉桜よりも小柄な希美の膝上二十センチとノースリーブのニットセーターは、下着無しだとカジュアルではなくてビジュアルだが、セーラー服よりはTPOに敵っているだろう。
 準備が整って、葉桜が事務室へ電話を入れる。楚葉が戻って来ないのは分かっているので、心細くなる希美だが――最初の売春だって独りだったんだ(覗き穴のことは忘れている)から、葉桜さんと一緒なんだからと、自分を落ち着かせる。
 すぐに客が、三川ではないボーイに案内されて、個室の前に立った。希美は葉桜と並んで三つ指で出迎える。
 迎えた客は四十半ばくらいか。アロハシャツの半袖から、ちらちらと模様が覗いている。二対一なんて贅沢で変態っぽい遊びをする人は、やっぱり堅気じゃないんだと思った希美だったが。アロハシャツの下には、背中一面に極彩色の模様。初めて接する本職のヤクザだった。
 研修の続きなら希美に主要な仕事を任せるべきだが、粗相があっては一大事とばかりに、葉桜が正面を担当して、希美は背中を流す。それでも、肩越しに客の股間は覗けてしまう。
 まだ垂れているというのに、すでに三川が最大に勃起しているくらいのサイズだった。しかも、雁首のまわりと竿の中間に幾つもの疣(いぼ)が浮かび上がっている。病気ではないかと希美は疑ったが、葉桜に握られても客は平然としている。
「真珠入りを知っているようだな」
「そりゃ、こういう娼売をしてますもの。私、腰が抜けるかもしれません。失礼があっても赦してくださいね。でも、ちゃんと逝かせてくれなきゃ恨みますよ」
 二人の会話から、その疣は病気ではなく、女を哭かせるための人工的な細工だと分かって――希美は安心したり呆れたり。そんな凶器を体験してみたいとは思わなかった。
 戦場をバスタブに移しての遊びは、指揮官が葉桜で戦闘員は希美。バスタブに身を沈めた葉桜が客を下から(乳房を背中に押し付けタワシを尻に擦り付けながら)支えて、浮上した望遠鏡に希美がアタック。
「んぶぶ……」
 口いっぱいに頬張って、それで精いっぱい。最初から喉の奥につかえてしまって、舌を絡めたり上下運動をしたりの余裕が無い。
「手がお留守になってるわ。玉を揉んで差し上げなさい」
 慌てて手を動かすと。
「痛いぞ。金玉は胡桃じゃねえんだ」
 やんわりと叱られた。それが痩せ我慢だとは、希美には分からない。けれど、仕返しをされた。
「急速潜航」
 客は希美の頭を両手で押さえて腰を沈めた。当然、希美の顔は水の中。客は片手を希美の乳房にまわして、乳首を抓る。爪を立てたり強く引っ張ったりはされなかったが、指の腹で押し潰されて、じゅうぶんに痛い。
 希美はしばらくのあいだ、客のしたいようにさせていたが、息が苦しくなってくる。両手を客の太腿で突っ張ると――あっさり赦してもらえた。
「ぷはっ……はあ、はあ」
 大袈裟にしたほうがいいだろうと考えて、わざと荒い息遣いをした。
「わしが初めての客と聞いているが――なかなか肝が据わっているな」
 客が手を伸ばして股間をまさぐり、穴をくすぐった。
「ありがとうございます」
 希美の返事も客を満足させたようだった。
 バスタブの次は、いよいよ泡踊り。これも変則で、最初は客を側臥位にして前後からサンドイッチ。葉桜と希美が上下(寝ているから前後)に動いて、これはもう、身体を洗うとかではなく、女体密着プレイ。
 これはすぐおしまいにして。本格的な踊りは希美が舞台になった。つまり、エアマットに仰臥する希美の上に客が寝て、その上で葉桜が動く。
「む……」
 ぎゅううっと二人、体重の差を考えれば希美の三人分にのしかかられて、希美は息ができないくらいに圧し潰される。客としては、まさしく肉布団に寝て肉スポンジに擦られるのだから法悦境だろうが。
 客は俯せになっているから、顔と顔とが向かい合う。目の焦点が合わない睨めっこなんかしててもしょうがないし。葉桜さんなら、きっとこうするだろうと――希美は頭をもたげて、客と唇を重ねた。それ以上は積極的になる必要もなく――客は舌を差し挿れてきて。希美の口中を貪りながら、両手で乳房を弄びにかかる。
 客は肘をエアマットにめりこませて体重を支え、乳房をつかんで希美の乳首と自分のとを擦り合せる。
「あ……くすぐったいです……くううんん」
 指で弄られるのとはまるきり違う触感だった。背筋が粟立つ。
「いい声で鳴くな。とても十五やそこらの小娘とは思えないぜ」
 それどころではなかったから、客の言葉を希美は聞き流した。客も間違ったことは言っていない。希美はここでは二十一歳ということになっているのだから、十五歳に思えなくて当然だ。しかし、希美は実際の年齢を店長にも明かしていない。この客は誰から間違った年齢を聞き出したのか、疑問に思うべきだったろう。
 客は、さらに手を下へずらして、トルコでいうところの壺洗いまでして、絶妙の指遣いで希美を蕩けさせた。プレイの手順を飛ばして、そのまま本番に突入してもおかしくない展開だったが――寸前で主導権を葉桜に返した。ので、さらに十分ほどの間、希美は二人分の体重に押し潰されていなければならなかった。
 泡踊りが終わって、対一のプレイなら後で片付けるエアマットを葉桜が先に片付けている間に、希美が覚えたばかりのテクニックを駆使してコンドームを装着。
「こっちじゃないと無理かな」
 Lサイズを葉桜から渡されて、コンドームにも各種サイズがあると、初めて知った希美だった。客の怒張は、これまでに希美が相手をした八人(売春の三日間と、今日の三川)のどれよりも大きかった。そのうえ竿の途中に疣まであるのだから、Lサイズでも苦労させられたのだった。
 いよいよ本番となったとき。
「ガキの相手は御免だな。葉桜姐さんだったね、あんたに頼むとしよう」
 客の求めを拒む理由は無い。こんな大物を相手にしなくて良かったと、希美はほっとしたのだが。この場を仕切っているのが楚葉お姉様だったら、絶対に体験させられていただろうなと、それを残念には思っていないと自分に言い聞かせなけれなならなかったのも事実だった。
 本番が終わると、客はさっさと身繕いを始めた。
「まだ時間はありますわ。三人でお話でもしませんか」
 時間前に客を帰すと、トルコ嬢の面目に係わる――よりも。あの嬢は時間いっぱいのサービスをしないとか、悪評につながりかねない。
「いや、ちょっと店長に話があるんでね。葉桜姐さんのことじゃない。こっちの、希美ちゃんのことだ。ああ、これじゃないから心配しなくていいぞ」
 客は指で丸を作って額に当てた。警察ではないという意味だ。
 年齢のことだろうかと、希美は不安になった。そういえば、パイパンを見て動じなかった人も初めてだ。けれど、あれこれ考えている暇は無かった。客に急かされて服を着て(すっぽんぽんにスカートとサマーセーターだから手っ取り早い)、客に連れられて個室を出た。
 店長室に入ってというか押し込まれて。希美は目を疑った。部屋の隅で楚葉が正座していた。希美が仕込まれている屈辱的な開脚ではなく、両膝をきっちり揃えて、両手を太腿の上に置いている。
「少しは反省したか」
 教師ほどにも威厳のない穏やかな声だったが、楚葉は両手を床に突いて土下座した。
「組のバッジを勝手に使ったこと、誠に申し訳ありませんでした。組とは関係の無いお店に迷惑を掛けたことも反省しています。ごめんなさい――親父様」
 二重三重のショックで、希美は呆然自失。
 こともあろうに、楚葉お姉様のお父様と……本番まではしていないから、ニアミスかしら。あのツッパリの怖いもの知らずのお姉様が土下座して謝るのも、考えられないことだった。こんなに早くお父様が現われたのは――すぐに店長が葛島組に電話して金バッジの真偽を問い合わせて、間髪を入れずに飛んで来たとすれば、時間的には不可能じゃないけれど。職員会議とか多数決とは無縁の社会だからこその疾風迅雷だ。
 楚葉が顔を上げて、しかし目は伏せている。左右の頬がうっすらと赤いのに気づいて希美は、見てはいけないものを見てしまったように感じた。お姉様はビンタをする人で、される人じゃない。それにしても――ビンタを食らったのは一時間半よりも前のはず。それが、まだ痣が残っているなんて、よほど強くぶたれたんだ。
 だけど――親父様だなんて、まるで時代劇。でも、ヤクザの父親にスケバンの娘が呼び掛けるとしたら、パパではおかしいしお父様では、どこかのお嬢様になっちゃう。父上だって時代劇だ。ヤクザ映画なら親父だろうけど、この場面にはそぐわない。
「二つも三つも年下の堅気の娘をオモチャにするのも、どうかと思うが――希美ちゃん、ほんとうにきみは楚葉に甚振られて悦んでいるのかね?」
 突然に話を振られて、呆然自失どころではなくなった。
「あの……ええと……」
 お姉様に迷惑を掛けないような返事をしなくちゃ。希美は、それしか考えなかった。だけど、咄嗟に話を作れるものでもない。数秒のためらいがあって、希美は自分に嘘をつかないと決めた。
「自分から望んでお姉様にリンチをしていただいたときは、すごく痛くて後悔しました。でも、そのときのことを思い出すと――オナニーしちゃうんです。あれから一度も本格的に虐めてくださらないのが、不満です。でも、羞ずかしいことはいろいろとご命令してくださるので、それは……悦んだりはしませんけど、死にそうなくらいにときめいちゃいます」
 ふうう。楚葉の父親は、長い溜息を吐いた。
「野郎のサディストは珍しくもないが、本物のマゾ女てのは、初めてお目に掛かったな。楚葉に捨てられたら、わしを頼って来い。そういう特殊な店を紹介してやる。トルコより稼げるぞ」
「捨てるもんかよ」
 楚葉が割って入った。
「希美は生涯、おれのオモチャだ」
 希美は感動して、自分はまともな結婚なんかしなくていいとも思ったけれど。お姉様だって、いずれは結婚するんじゃないかしら。そうしたら、あたしはどうなるんだろうか。ふと心配にもなるけれど――卒業さえ遠い未来の話なのに、そのさらに先のことなど、実感を伴なうはずもなかった。
「まあ、スケ一人の人生をあれこれ考えてちゃヤクザは務まらねえわな」
 男は海に沈め女は風呂に沈める。それくらいのことは平然としてのける男であれば、それは本音だろう。
「それじゃ、希美ちゃんよ。ふつつかな娘だが、よろしく頼むぜ」
 こちらは冗談に決まっている。
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 「泡踊り」は石鹸(ボディシャンプー)を使います。洗面器で泡立てる仕草は、まさしく「カイグリカイグリ」です。これは現在のローションを使った「マットプレイ」にも引き継がれています。残念なことに、「ちょちちょちアワワ」にはなりませんけど。カイグリのシーンは『昭和集団羞辱史:浴場編』と『幼な妻甘々調教』でも書いています。


$こうず4

 この『独奏』パートはモジュール式と申しますか、エピソードの羅列です。その気になれば、なんぼでも増やせます。「梅雨は濡れ透け」の前にも「夏制服はスダレ」を入れました。
 画像は「夏制服はスダレ」のイメージです。


 今は「海水欲情荒らし」を昼の部と夜の部に分けて、後半は「さまざまな苦痛」として執筆中。
 他の章題は具体的なのに、これだけは抽象的です(『協奏』パートでは抽象ぽいのもあります)。なんとかしたかったのですが。「花火と鞭打ち」では6文字「花火と鞭と洗濯挟み」では9文字。7文字に納まらないので苦衷の章題ではあります。


 ともあれ。全31章のうち14章執筆途中段階で230枚/7万7千文字。このペースだと、やはり500枚ですな。

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こちらはズバリ「泡踊り」

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Progress Report 2:スケバン リンチ志願~悦虐へのエチュード

 妄想ど真ん中剛速球は、Keyboard is running.です。市役所に行ったり、紙飛行機ちょこっと作ったりしながら、7千文字いきました。
 累計では、「前奏」「独奏」「協奏」のうち、「前奏」の8割あたりで107枚です。全体で400枚では納まりません。もしかすると500枚いくかもしれません。

 今回は。念願のリンチを受けたものの、あまりの痛さに妄想と現実のギャップを知って愕然となった直後の部分です。まあ、喉元過ぎれば痛さを忘れて、リンチを思い浮かべながらピアノソナタに励むヒロインですけど。筆者の実体験ぢゃないですよ?


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   制服改造超ミニ

「え……?」
 希美は苑子を見上げた。言葉の意味が分からなかった。
「市内じゃあおれらに逆らう学校も無くなった。シマリのパトロールばかりで退屈してたとこだ。いいオモチャが手に入ったもんだ。そうさ。おまえは、おれのオモチャとして傍に置いてやるよ」
 きゅうんと心臓がねじれるような感覚があった。オモチャとして、立派なマゾになれるよう教育。それはつまり――今日のような酷い目に、これからもずっと遭わされるということを意味するはずだ。あんなに痛いだけのことをされるのは絶対に厭なはずなのに。
 喉元過ぎれば熱さを忘れるとはいうけれど。鞭打たれた肌は今もずきずき疼き、チェーンの束を突っ込まれたアヌスにも鋭い痛みが残っているというのに。腰の奥がじわっと熱くなってくるのを、希美は感じている。もしも今、さっきみたいに股間を見下ろされるような姿勢を命じられたら、粘っこい蜜が滲んでいるのをからかわれるだろう。
「リーダー。こんな奴を仲間にいれるんですか?」
 市代が文句を言った。
「仲間じゃねえよ。おれ専用のオモチャだ」
 苑子が希美から視線を滑らせて、その先には希美の制服が散らばっている。
「オモチャだって誰にも分かるようにしてやるか。まずは服装だな。市代、おれらの制服の特徴はなんだ?」
「へ……そりゃあ、スカート丈でしょう」
 スケバンのスカートは踝が隠れるくらいに長い。上履きだと、裾が廊下を引きずる。
「他の生徒とは違えて、おれらとも違えるとなると――こうするっきゃねえよな」
 苑子は希美のスカートを拾い上げると、剃刀でばっさりと丈を詰めた――なんて生易しい物ではなく、三分の二以上を切り捨てた。
「今日から、おまえの制服はこれだ。ちょっと着てみろよ」
 極端なミニスカートになった制服を希美に突きつける。
 手を伸ばしても届かないので、希美は身を起こした。チェーンで掻き出された汚物が尻に押しつぶされて気持ち悪い。このまま服を着ると汚してしまう。希美は立ち上がってからスカートを受け取ると、ポケットからティッシュを取り出して汚れを拭った。ティッシュだけでは足りないと感じたので、ハンカチまで汚した。
「そういや、ポケットが裾から垂れてるのも見苦しいな」
 そこまで極端に短くされているのだが。苑子は渡したばかりのスカートを取り返して、ポケットの内袋も切り取ってしまった。
 もはや襤褸切(ぼろぎれ)にも等しいスカートを、希美は身に着けた。全裸でいたときよりも、もっと股がスウスウするようにさえ感じられらた。極端に短いミニスカートは膝上何センチではなく股下からの長さで表わすこともあるが、これはどう見ても股下ゼロセンチ。穿き方によっては『股上』になるかもしれない。
筆者註:この物語の五年後あたりで、いわゆるコギャルが登場し、年を追ってスカート丈は短くなってゆき、ついには股下ゼロセンチが当たり前になるのだが――一九八〇年当時、膝小僧が丸出しになるスカート丈すら制服としては「短過ぎる」と考えられていた。
 希美はホックをひとつ緩め、ウエストに指を入れてスカートを押し下げてみた。股下五センチくらいになったけれど、尻の丸みがウエストからはみ出してしまった。
「こんなの、着れません」
 当然の抗議だった。
「それもそうか」
 意外と苑子はあっさりと頷いて――今度は上衣を手に取った。
「スカートだけが短くちゃ、バランスが悪いか。おまえ、案外とお洒落なんだな」
 上衣にも剃刀を当てる。
「ああっ……」
 希美は思わず手を伸ばしたが、苑子に睨みつけられて引っ込めた。
「ごめんなさい。上着だけは赦してください。このスカート、ちゃんと着れます」
「そうかい」
 苑子は剃刀を引っ込めたが。ぶちぶちぶちっと胸当を引き剥がした。
「マンコを曝すだけじゃ物足りないってんなら、胸元も広げてやるぜ?」
 薄嗤いを浮かべて、希美に上衣を放った。
 希美は、それを着るしかない。
「なかなか似合ってるぜ。明日もそれを着て来いよ」
 スケバングループは苑子を旧校舎に残して、彼女たちのいうパトロールへと、街へ繰り出して行った。
 希美は、素肌にセーラー服を着て、しかも超ミニ。とても外へ出られない。とはいえ、いずれは下校しなければならない。腕時計(皮肉なことに、腕時計と靴下だけは全裸のときも身に着けていた)で時刻を見計らって、全員下校のチャイムが鳴る二十分前にホームルームへ駈け込み、鞄を回収して逃げ出した。鞄なんか放っておきたかったけれど、家の鍵が入れてあるから仕方がない。
 ホームルームには、まだ何人か居残っていたが、それだ誰と誰だったかなんて、希美は見ていなかった。まさしく合わす顔が無い状態なのだ。クラスメートの側も、疾風怒濤のような希美の行動に呆れてしまって、露出狂的な格好の理由を尋ねる隙もなかった。
 五年前に新築したマイホームまで、バスと電車を乗り継いで四十分。とても人に見せられる服装ではないので、交差点の手前でタクシーをつかまえた。そこに佇んでいる五分間を、羞恥に悶えながら。
 マイホームのローン返済で、両親は共働きをしている。兄は遠くの(偏差値が比較的に低い公立の)大学に在学しているので下宿。いつもは淋しい思いをするのだが、今日ばかりは家に誰も居ないのがありがたかった。

 自分の部屋に入ってすぐに、希美は姿見の前に立った。お嬢様校の清楚な制服の面影は微塵も残っていない。電車の中で見かけるスポーツ新聞には、エッチなキャバレーの広告も乗っている。そんな紙面をわざわざ見せつけてくる悪趣味な男性もいるけれど、それはともかく。その広告で見かけた『ピンク学園』とか『花ビラ女学院』とかいった、学校をパロディ化した店の制服(?)そっくりだった。股下から裾まで、わずかに数センチ。ウエストを下げたせいでヘソが露出して、胸元も谷間が正面から見えている。
 ブラジャーとパンティを着けてブラウスも着るにしても。こんな制服を着て学校に行くなんて、とんでもない。けれど、替えの制服は持っていないし、あったとしても苑子が許さないだろう。いっそ、即刻退学しようかと思ったりもしたが、それには親を納得させなければならない。
 ふたつの意味で、こんなことになっているなんて、親に知られたくはなかった。
 ひとつは、単純に恥ずかしい。
 もうひとつは、このことを知ったら、父がどうするか――それを懸念している。学校に訴えるとか、最悪なのは苑子の父親に捻じ込むこと。ヤクザの暴力も怖いけれど、本当に怖いのは葛島組が、この街どころか県全体に大きな影響力を持っていることだ。父の勤めている会社に圧力を掛けて、父をクビにさせることはじゅうぶんに考えられる。
 家族に迷惑を掛けないためには、自分が我慢するしかない。
 そう決心すると――妖しいときめきを感じてしまう。家族を守るために自分が辱められ甚振られる。妄想としては、この上もなく甘美だった。けれど、現実となると……ときめきは分厚い氷の壁に囲まれてしまう。
 せめて、この制服をなんとかしなくちゃ。目の前の現実に注意を向けて、それ以外のことを少しの間でも忘れようとする希美だった。
 剃刀で切られて裾はデコボコだし、放っておけばほつれてくる。希美は裁縫箱を取り出した。鋏でデコボコを切りそろえてから、同じ色の糸でスカートの裾をかがり縫いにしていった。仕上がってみると、直す前よりもさらに一センチは裾が短くなっていた。
 ブラジャーを着けパンティを穿いてブラウスもまとって。制服を身に着けてみたけれど、ひどく不格好だった。目の高さから見下ろせばパンティは隠れているけれど、階段の昇り降りでは絶対に見えてしまう。それ以上にみっともないのは、上衣とスカートの間からブラウスが覗いていること。しかもウエストを極端に下げているので、ブラウスの裾が外にはみ出しかねない。
 思い切って、ブラウスを脱いでみたら。スポーツ新聞の広告そっくりになってしまった。大きく開いた胸元から、これが自分のバストかと疑うくらいに大きく乳房が見えている。素肌のお腹が、バスト以上に卑猥に感じられた。
 こんな格好で電車やバスに乗るなんて、とんでもないことだった。まさか毎日タクシーは使えない。自転車にするしかなさそうだ。それはそれで、ヒップを丸出しにしながらサドルを跨がなければならない。三十分は早く家を出なければならないから、両親が出勤してからこっそり着替えることも出来ない。
 こっそり着替えたところで、外へ出れば近所の目というものもあった。
「もう、いやあ……」
 希美は制服を脱ぎ捨てて、普段着に着替える気力も失せてしまい、裸のままでベッドに潜り込んだ。
 十分、二十分……毛布が小さく蠢き始める。
「いやだ、いやだ……羞ずかしいよお……んっ、んんん……」
 露出を強いられる自分を妄想(ではないのだが)するだけでは満足できない希美なのだった。

 とはいえ、実際に行動に移すには羞恥心が強過ぎた。パジャマ姿のままで両親を送り出して。自転車だと遅刻するし、あんな破廉恥な姿で外を歩くこと自体、死んでしまいたいくらいに羞ずかしい。
 結局、体調が悪いと学校に電話をしてズル休みをしてしまった。
 翌日は日曜日。金曜日に受けたリンチのあれこれを思い出しながら、ずるずると一日を過ごした。鞭の激痛もアナルバージンをチェーンの棒で奪われた恥辱と苦痛も、薄い砂糖の衣に包まれて――指のささやかな悪戯は夥しい蜜を溢れさせたのだった。
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$こうず3

 こやつを10月末までに仕上げられれば、3年ぶりに年間3千枚突破いけそうです。


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Progress Report 1:スケバン リンチ志願~悦虐へのエチュード

 まずは順調な滑り出し。冒頭にリンチのシーンを持って来たのは、話の順序がそうなっているからではありますが、多分に読者を「惹きつける」ということを意識してのことでもあります。

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前 奏

   リンチを覗き見

 立入禁止になっている旧校舎の西端は、廃品倉庫になっている。古びた教室机セットや書棚とか、安全基準を満たさなくなった体育用品とか、座面からバネの飛び出たソファーやコマ跳びを起こす映写機などなど。修理すればまだまだ使える什器類をあっさりと廃棄するという、消費こそ美徳の風潮が、一九八〇年を迎えていよいよ顕著となりつつあるのは、ここ百合香女学院でも同じだった。
 越逆こしざか希美のぞみは、その壊れかけのソファにぼんやりと座って、脚の錆び付いた陸上競技のハードルを眺めていた。
 あれに跨がったら痛いだろうなと――空想、いや妄想してみる。誰も見ていなくても、そんなエッチなことをするのは羞ずかしい。エッチなこと、SMチックなことだと自覚してしまっている。
 そのくせ。暴漢に襲われて、縛られて、鞭で追い立てられて、泣きながらハードルを跨ぐ。そんな妄想が浮かんでくると。首筋がやっと隠れるボブヘアをぶるるっと左右に振って、妄想を追い払った。
 希美がここへ来るのは、週に一度。新体操部でビギナー抜きの練習がある金曜日だった。新入部員十人のうち、体操を含めてまったくの未経験者は希美の他には二人だけだった。三人には、基本的なストレッチ運動など他の部員とは異なるメニューが与えられていて、ユニフォームを購入することも許されていない。
 希美は新体操に興味があったのではない。身体の線がくっきり浮かび上がるユニフォームを身に付けて、見知らぬ観客の前でのけ反ったり大股を開いたりする――その羞ずかしさに興味があったのだ。このままでは二年間頑張ったところで、ずっと先を行っている七人に追い付くことは出来そうにない。試合にも出してもらえない。それが分かると、熱心を装って練習を見学する気にはなれないのだった。かといって、運動部員のくせに放課後すぐに下校するのは、自分が入部早々の落ちこぼれだと周囲に宣伝しているようなもの。なので、誰も来ない場所で(淫らな妄想に抗いながら)暇を潰している。
 遠くに人の気配が動いて、希美は妄想から醒めた。耳を澄ますと、多人数の足音。とうとう廃品回収の業者さんが来たんだろうか。それとも、取り壊し――は、三年前から中断されたまま。
 立入禁止の場所にいるのを見つかってはまずいので、こっそりと廊下に出て――五、六人の男女が東端の教室に入って行く後ろ姿が見えた。踝が隠れるくらいのロングスカートのセーラー服と、背広を着崩した若い男と。
 スケバングループ。旧校舎は、彼女たちの溜り場になってはいるが、それは授業が終わるまで。放課後は、とっとと盛り場へ繰り出していく。だから安心して、希美もここで妄想に耽っていたのだけれど。あと一時間もしないうちに全員下校のチャイムが鳴るこんな時刻に引き返して来るなんて変だ。若い男の人もいた。まさか、学校で乱交パーティー?
 希美は好奇心を抑えられなくて、足音を忍ばせて教室の近くまで行った。廊下にしゃがんで、積み重ねられた段ボール箱の隙間から覗き見をする。
「てめえ、いい度胸してやがんな。おれらのシマでおれらの学校の生徒をカツアゲするたあ、きっちりオトシマエをつけてもらうぜ」
 四人のスケバングループが、男女二人組を取り囲んでいる。希美の目にはスケバンの角島かどしま苑子そのこよりもさらに年上――オトナに見える金髪の女は、革ジャンにジーパンという、一目でツッパリと分かる服装だった。
 恫喝された女は、不敵にせせら嗤っている。
「お嬢ちゃんが粋がるんじゃねえよ。なにが『おれらのシマ』さ。あそこもここも、全部カツシマ組の縄張だよ。そんで、この人はカツシマ組の若頭なんだよ」
 背広の若い男が、女を庇うように前へ出た。
 苑子は臆せず、というよりも馬鹿にしたように。そっぽを向いて男の顔の前の空間をはたいた。
「へえ、あんたがカツシマ組の若頭さんねえ?」
「そうだ。今日からお前らは、俺の情婦バシタの下に着いてもらおう。それで、この一件は水に流してやる」
「ふうん……?」
 苑子は、ますます馬鹿にした目つきを男に向けた。
「あのな。葛って字に島と書いてカツシマと読むのは、組と付き合いのない素人ネスだぜ。ほんとうの読み方は、カドシマっていうんだ」
「……お前たちに分かり易く言っただけだ」
「そんでもって、ついでに教えといてやるけど。おれの名前は、角に島の角島かどしまっていうんだぜ。あり七光にゃ頼りたくないけど、平和に解決できるなら、その方がいいだろ」
 女のほうは、まだぽかんとしていたが、男の顔には激しい動揺が浮かんだ。が、それも一瞬のこと。男は背広の内懐に手を突っ込むと、拳銃を取り出した。
「そうだな。平和的に解決させてもらおう。このまま帰らせてもらうぜ」
 拳銃を突きつけられても、苑子は動じない。
「そいつはガバメントだね」
 ヤクザの娘だからなのか、苑子は大型拳銃の種類を言い当てた。
「シングルアクションのオートマを、コッキングしないで射てるってのかよっ!」
 言い終わったときには、スカートの中に隠し持っていたチェーンを引き抜いていた。踏み込みながらアンダースロー気味にチェーンを繰り出した。銀色に鈍く光る細いチェーンが、黒青色の拳銃に絡み付いて。
 ギャィン、ガチャン……男が持っていた拳銃が吹っ飛ぶ。
 苑子は踏み込んだ勢いで男に肩からぶちかまして、押し倒していた。
「手錠!」
 手下がぺちゃんこの学生鞄から手錠を取り出して苑子に渡す。
 拳銃を取り出してから十秒と立たないうちに、男は後ろ手錠を掛けられて床に転がされていた。
「うへえ。いちおう本物だよ」
 拳銃を拾った少女が、弾倉を抜いて中の銃弾を見ると、感心したような声を上げた。
 ちょっと見ただけでモデルガンとの見分けがつくなんて、この人たちって武闘派なんだな――と、希美は限られた知識と語彙を総動員した。
 男はさらに、教室の隅で机に縛り付けられて。しかし、それで事態が収拾したわけではない。むしろこれからが――非平和的な解決の始まりだった。
「亜香里、組事務所に電話してこい。こないだから出没してた偽物らしいのを捕まえたってな」
 希美と同じくらいに小柄な少女が教室から出てくる。さいわいに東端の通用口から校舎の外へ出たので、希美は見つからずにすんだ。
 こんな所から覗き見していては、いずれ見つけられて――何をされるか分かったものじゃない。そうは思ったけれど、あの二人が何をされるか、どうしても見届けたかった。
「組の名を騙ってユスリタカリ。いたいけな乙女に向けてモノホンのチャカまで振り回しやがって。指の何本かと銭金でケリがつくか、ドラム缶にコンクリ詰めかは、親父たちに任せるとして……」
 呆然と突っ立っている女へ、苑子が視線を転じた。
「おめえは、どうされたい情夫いろおとこと心中立てするかい?」
「ごめんなさいっ……」
 女が床に身を投げ、額を擦り付けて土下座した。
「二度とこの街には足を踏み入れません。益夫とも縁を切ります。だから……勘弁してください」
 苑子がポケットからタバコを取り出して口に咥えると、子分がライターを差し出して火を点ける。苑子は吸った煙をすぐに吐き出して。
「おれらの流儀でケジメをつけるってんなら、親父に口を利いてやってもいいぜ」
 相手の反応を待つ――までもなく。
「なんでもします。だから、赦してください」
 床に擦り付けている頭を苑子が、ヒールの高い靴で踏みにじった。
「じゃあ、詫びを入れる姿になれよ」
「どうすれば……?」
 すでに土下座している。
「生意気に服なんか着てるんじゃねえよ。素っ裸になれつってんだよ」
 喉元に靴の爪先をねじ込まれ撥ね上げられて、女がのけぞった。そのまま身を起こして革ジャンとTシャツを脱ぎ、苑子を上目遣いにうかがってからブラジャーも外した。
 二段階くらいは負けている。息を殺して成り行きを見詰めながら、希美は思った。その感想は控え目で――少なくとも三段階、見方によっては五段階も負けている。
衣服を脱がされているのは、西郷さいごう聡子さとこ。定時制の五年生だから、苑子よりも歳上。もちろん、希美が「負けている」と感じたのは年齢ではなく性熟度である。ボンキュッボンのボンが、希美はBなのに対して聡子はDである。ちなみに苑子もDであるが、彼女のヌードが登場するのは、前奏パートの終章である。
 聡子が上半身裸になっても、苑子は腰に手を当てたまま冷ややかに見下ろして無言。聡子はのろのろと立ち上がった。ブーツを脱いでかさyらジーパンを下げ、最後にはためらいながら、パンティも足から抜き取った。
 それを見届けてから。苑子が教室の隅からロープを引っ張り出した。建設現場なんかで立入禁止場所に張り巡らす黄色と黒の縞模様の、トラロープといえば「ああ、あれ」というやつだ。
 二人の子分が(ロングスカートをめくり上げて)肩車をして、天井の破れ目から剥き出しになっている太い梁にロープを掛けた。
 聡子の両手を前で縛って、ロープを引く。聡子は梁から吊られた格好になったが、梁とロープの摩擦に抗して吊り上げるのは手に余るのか、両足は床に着いている。
「さて……」
 苑子がチェーンを二つ折にして、聡子の頬を撫でた。
「明日から、おまえは男の天国女の地獄で、何年か働くことになるが……」
「嘘つきっ!」
 聡子が大声で苑子の言葉を遮った。
「赦してくれるって言ったじゃないか?!」
「指が無くなるよりゃいいだろ。それとも腎臓を片っ方売るか。そうならないよう、親父に口を利いてやるって言ったんだ」
 聡子の目に憎悪の焔が宿ったが、苑子は無視した。
「明日からすぐに働きたいかい。それとも、半月ばかりは心の準備をしたいかい?」
「……少しでも先の方が」
 たとえ縛られていなくても、たとえタイマンでも、苑子には勝てない。まして今は……どんなに理不尽な運命にでも甘んじるしかないと、聡子は諦めたのだった。
「そうかい」
 チャラッと、苑子がチェーンを垂らした。
「じゃあ、こいつでヤキを入れてやるよ。傷が治るまでは、客を取らされないだろうね」
「やめて……そんなので叩かれたら、ダブルッパよりもひどいことになっちまう。お願いだから、赦して」
 聡子が顔を引き攣らせて懇願する。
 スケバン特有の武器に、指の間に剃刀の刃を挟むという、ドスに比べれば可愛らしい物がある。ただし、二枚の刃を硬貨でサンドイッチにすると傷の縫合が困難となり、生涯消えない傷痕になるという――女にとっては、ある意味ドスよりもチャカよりも残忍な凶器と化す。
「少しは手加減してやるよ。美容整形で元通りになる。治療費は、おまえの前借がちょっと増えるだけさ」
「くそっ……益夫、助けてよおおっ!」
 聡子は愛人に助けを求めたが、男はそれどころではない。チンピラが本筋を騙って堅気の衆に実害を及ぼしたとなると、コンクリ詰はともかく、両手の小指だけだは済まないだろう。
「いい加減で観念しなっ!」
 苑子がチェーンを水平に振るって、聡子の乳房に叩きつけた。
「いぎゃああっ……!」
 凄まじい悲鳴に目を閉じる瞬前、乳房がひしゃげて横に吹っ飛ぶのを、希美ははっきりと見ていた。
 ひゅんっとチェーンが風を切る音と、バヂインと肉を打つ音。そして悲鳴。
 怖いもの見たさに希美が目を開けたとき、聡子の双つの乳房には、くっきりと赤い二本の線条が、乳首を上下から挟むように刻み付けられていた。
「見てくれをあまり傷つけちゃ可哀想だしね」
 苑子が大きく踏み込んで、腹にチェーンを叩きつけた。先端がぐるっとひと巻して臍を打った。
「ぎひいいいっ……」
 苑子が左手を添えてチェーンをほぐした。そのまま引けば、チェーンが腹を擦って傷を深くしていただろう。手加減をするという約束は、商品価値に配慮してのことかもしれないが、守ってはいるらしい。
 お腹を傷つけられるのは困るな。生まれて初めて凄惨なリンチを目の当たりにしながら希美は、もしも自分があの女の人だったら――と、妄想にのめり込んでしまう。乳房ならブラジャーで隠せるけれど、お腹は着替えのときなんかに見られてしまいそう。だけど、理不尽なリンチを受けたのだとしたら、同情してもらえるかな。
 バヂイン、バヂイン。
 続けざまに肉を打つ音に、希美は妄想から引き戻された。
 苑子が水平に8の字を描くようにチェーンを振り回して、聡子の尻を滅多打ちにしていた。
 聡子は歯を食い縛って耐えている。尻は他の部位に比べれば鈍感だし、チェーンも軽く振り回しているだけなのだろう。
 あれならリンチじゃなくて、お仕置とまでは言わないけれど折檻かな。希美の中では、それぞれが別の意味を持っていた。
 リンチは、とにかく残酷で痛くて大怪我をさせられる。折檻はそこまでひどくないけれど、継子とか女中とか奴隷とか、身分の差が伴っている。お仕置は、教え子とか後輩とか、甘ったるい香りがする。
 ついつい自分の妄想が目の前の光景と重なってしまうせいだろうか。聡子の背後に回り込んで、廊下に向かい合う形になっていた苑子が、教室の外に積み上げてある段ボール箱に一瞬の視線を留めたのに、希美は気づかなかった。
 苑子が聡子の正面に戻って。
「念のために聞いとくけど。まさか、その歳でバージンってことはないだろうね」
「益夫を馬鹿にするな」
 まだ男に未練があるのか、トンチンカンなようで的確な受け答えだった。
「そうかい」
 苑子がチェーンをを二つ折にして、さらに四つに折り曲げた。チェーンは平面的にしか曲がらないから、Wを横から押し潰した形状になる。チェーンをひねって、その二つのVを重ね合わせて。四本を束にしたチェーンを、聡子の股間に突き付けた。
「それじゃ遠慮は要らねえな。職業訓練をしといてやるよ」
 聡子が反射的に股をきつく閉じ合わせた。
「やめろ。そんなの、無理だ……」
 苑子がせせら嗤う。
「せいぜい三センチだぜ。あの男のチンポは、これより小さいってのか」
 スケバン御用達のチェーンは自転車用の品で、断面は一センチ角程度だから、四つを束ねたところで対角の寸法は三センチちょっと。ペニスの平均的な勃起サイズより小さい。しかし、ごつごつした形状は、如何にも威圧的だった。
「脚を開けよ。それとも、無理矢理ねじ挿れられるのが好みかい?」
 チェーンの先端を、閉じ合わされたY字形の交点に、ぐりぐりとねじりながら押し込んでいく。先端が股間に埋没して――苑子は強引に突っ込もうとする。
「痛い、痛いってばよお……」
 根負けして、聡子が脚を開いた。苑子は脚の間に拳を突っ込んで、握っているチェーンを一気に抉り挿れた
「ぐぎぎぎ……痛い。壊れちまうよう……」
 ぴくりとも腰を動かすまいと、聡子は全身の筋肉を突っ張って耐えている。しかし、その悲鳴は――チェーンで叩かれていたときの切迫した叫びには遠かった。
 希美は瞬きすら忘れて、妖しくも凄惨な光景を見詰めている。女性器に異物が挿入されるのを見たのは、これが初めてだった。
 あの女の人が、あたしだったら。希美は、また妄想に囚われる。処女を破られる激痛に泣き叫んでいるだろう。気絶してしまうかもしれない。血もいっぱい出るんだろうな。
「ひいい……やめて……もう赦してくれよお」
 大きなストロークでチェーンを抽挿されて、聡子が悶えている。
 苑子はピストン運動に手首の捻りを加えているらしいのだが、希美からは苑子の身体の陰になっていて、よく見えない。見えたところで、膣内を角張った異物で掻き回される苦痛までは、妄想すら出来ないだろうが。
 しかし。アダルトビデオも普及していないこの当時において。クリトリスへのささやかなオナニーで漏れるみずからの稚い喘ぎ声しか知らない希美でも、聡子の呻き声が次第に変わっていくのは、容易に聞き分けられた。
「くう……痛いったら……やめて……くれよおお」
 なんてこと……感じてるんだわ。中にあんな物を突っ込まれて。膣性感という言葉は婦人雑誌で覚えたけれど、その片鱗も想像できない希美だった。
「これくらい感じるなら、職業訓練の必要もねえな」
 苑子がつまらなさそうに言って、チェーンを引き抜いた。
「ああっ……いやあ……」
 中途半端に放り出されるつらさも、希美はまだ知らない。
 苑子たち三人のスケバングループは、机に縛り付けられている男と、天井の梁から吊られている女をそのままにして。思い思いの場所に座り込むと、煙草を吸い始めた。肺まで煙を吸い込まず、ただふかしているだけだが、硬派不良少女の貫禄十分な絵柄だった。
 希美も妄想から完全に醒めて。段ボール箱の陰から這い出た。今は校舎の外に出たら、電話を掛けに行ってそのまま戻って来ていない亜香里という人と鉢合わせするかもしれないからと、無謀な行動を合理化して――西端の教室に隠れて様子を伺い続けた。
 やがて自動車が校庭に乗り入れてきて。複数人の足音が廊下に響いて。もっと大勢の足音になって遠ざかり、最後は自動車の走り去る気配。
 旧校舎に独り取り残されて三十分ばかり。希美は動けないでいた。またしても妄想に浸っていたのだった。
========================================
$こうず2

 スケバンを「角島爽代」から「角島苑子」に変更したのは、シリアスな内容なのに名前で遊びすぎるのは銅かな銀かな金かな入賞しないんじゃないかなと、思い直した次第です。
 でも、次章にチョイ役で出てくる道徳指導の教師が「箕内富利/みないふり」とか。まあ、フルネームは出しませんけど。


 このペースで書いていけば、10月中に400枚くらいで完結しますが。
 発作マグナ的に紙飛行機熱が、焼け
棒杭ぼっくいに火が点いたりしてます。

こんなのとか、
N-1331/1_640

こんなのとか
IPPC_Bf110(尾翼150脚付)_640
こっちは、こんなふうに仕上がります。Me110編隊

 いや、作るのは(セメダインの乾燥時間を除けば)1機あたり数十分ですが。
 完成機体を飛行場(原っぱともいう)へ持って行って調整するのが。最低でも100m四方の場所、実は200m×300mありますが、そこまでの往復時間が1時間ちょい。1機あたりの調整時間が15分。ちゃんと飛べばそれだけ遠くまで回収に行くのですから、半日掛けて調整できるのが6~8機。すぐには引き揚げずに、オニギラズあたりを肴にちょい呑みとかして。つまりは、丸一日費やします。
 まあ。書くのも作るのも飛ばすのも、他人様に言わせれば趣味。本人様としては生き甲斐。歩きスマホで人生の時間を有効活用してらっしゃる御仁に言わせれば……時間の無駄遣いとがおっしゃらりるれろ。


 さて。ブログの記事も時間の……いや、これはSMX工房ぷろだくつうの販促活動なのだ。


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Progress Report 0:スケバン リンチ志願~悦虐へのエチュード

09/23 タイトルを変更しました。
 「スケバンリンチ」と続くと区切が分からないので避けたのですが、しかし、名は体を表わすのです。ので、半角スペースを挿入しました。コロンは「Progress Report 0:スケバン:リンチ志願」で、ブログの表題が見栄え悪いです。

 満を持して、です。
 スケバンにリンチされたくて、タバコだのなんだの小さい「悪事」を先生にチクッて。スケバンに呼び出されて――というシチュエーションは、FACE2 振り返るに、少なくとも10年越しの構想もとい妄想です。
 詳細に練り込んでいくと、アレもコレも詰め込んでしまいます。今回は、必要十分といったところでしょうか。

$こうず


1980年


越逆希美/こえざかのぞみ/えつぎゃくのぞみ
 3月25日(1週間早産)あたし
 高等部から。
 156cm/50kg Bカップ
 ボブカットを伸ばしているところ。
 新体操部。初心者なのでストレッチばかり。ユニフォームも不許可。
 平凡なサラリーマン家庭のひとり娘。
 地元の大抵の会社は葛島組と持ちつ持たれつ。
 希美の破廉恥制服も、爽代の意向と知って黙認。

角島爽代/かどしまそよ/かくしまぞよ
 4月4日(予定日5日超)おれ
 高等部から。1か月で〆る。
 163cm/54kg Dカップ
 長髪(地毛)。紫のアイシャドウとルージュ。すっぴんは美少女。
 運動のときは、くるりんぱ。
 地元ヤクザ(葛島組)組長の娘。
 七つ上の兄が他の組で修業中。
 アパートでひとり暮らし。
 父親は学園に寄付。腫物扱い。
 親の七光は利用。転落の日を夢見つつ。

爽風七人衆
佐分利妙子 3年生 さぶりーだー
床田 市代 3年生 とっこうたいちょ
貝池亜香里 3年生 かいけいがかり
 希美と同じくらいに小柄。丸っこい。長髪(地毛)。
鳥居 麻紀 2年生 とりまき
長井 薬世 2年生 ちょいやく
園田 詠子 2年生 そのたえーこ
来島 綺麗 2年生 くるしまぎれ

浦広員子  定時制5年生 うらひろいん
 売春島へ売られるが、嘉良に気に入られて島抜け。
 売春島は濃木組に蚕食されつつある。
矢霰益男  員子の情夫/消息不明に やられやく

濃木組   広域暴力団
嘉良哲夫  誘拐のリーダー/爽代をぶちのめす


百合香学園高等部
 幼稚部 25人×2組( 50)×2年=100
 初等部 35人×3組(105)×6年=630
 中等部 40人×4組(160)×3年=480
―――――――――――――――――――――――
 高等部 40人×5組(200)×3年=600
 短 大 250人×2年    =500
 短大へのエスカレーターは半数
 食堂は高等部、短大共用。
 爽代は、使わない。マナーが煩わしい。
 希美は、元から弁当(自作)。共働き。



[前奏]

リンチを覗き見
 立入禁止のフェンスで囲んだ旧校舎。2年前から解体中断。
 南京錠を開けて入る6人。3年生が4人、他校生徒、若い男。
 希美、後からそっと(見張とかはいない)。書かないが――監禁陵辱妄想に、ときどき来ている。
 おれらのシマでカツアゲとは、いい度胸。
 この人はカツシマ組の若頭なんだからね。
 スケバン、せせら笑う。
 おれの名字を知ってんのか。ツノって漢字のカドシマだ。そして、カツシマはトウシロ連中の読み方だ。正しくはカドシマだ。
 亜香里、組事務所に電話しな。詐欺野郎を見つけたって。
 若者、チャカを取り出してスケバンに。ガバメント。
 馬鹿野郎。シングルアクションのオートマをコッキングしないで撃てると思ってんのか。
 電光石火のチェーン殺法。叩き伏せて、後ろ手錠で剥き出しの柱に。
 こいつの始末は組に任せる。銭カネと指の何本かで済むか、ドラム缶にコンクリ詰めか。
 おまえは女だから。男の天国女の地獄で二三年、いや若いから七八年。そうなりたいか。
 勘弁してください。土下座。
 じゃあ、おれらでケジメを付けてやる。素っ裸になりな。綺麗なおべべで帰りたいだろ。
 破れ天井の梁から吊って足は着いてる。チェーンで滅多打ち。肌が裂ける。
 希美は物陰から覗きながら、両手で股間をスカートの上から。
 ちらっと視線を向けられたのも気づかない。  
 まさかバージンじゃねえよな。チェーンを折り畳んでズブリグリグリ。
 組の若頭補佐と若衆。後ろ手錠にレインコートで連れ出す。
 愁嘆場も、おまえが身代りになるか。で、チョン。
 男に殉じてみろよ。つうても、あいつは価値が無いか。
 撤収。希美は、さらに30分、へたり込む。正気づいたら、真っ暗。

タバコを告げ口
 翌週。スケ番グループの昼間に旧校舎たむろは、月~木
 今、旧校舎横で喫煙中。風紀指導教官に2日連続。3日目は生徒会。
 角島の父上は多額の寄付。恙無く進学してもらいたい。ヤクザには言及しない。
 月曜に2年生が呼び出し。旧校舎内。
 取巻連が憤ってる。ヤキを入れてやりましょう。
 どういうつもりだ。寄付とかヤクザとか、そんなのに屈しません。
 おまえ、先週のリンチを盗み見してた奴だな。爽代だけが気づいてた。
 夢中でオナニーまでしてたっけ。カマ。
 おまえ、まさか……ヤキを入れられたくて、チクッてたのか。
 そんな馬鹿な。いや、そういうのをマゾという。気色悪い。

被虐願望を実現
 違うのなら、なにもしないで返してやる。一大決心で告白。
 縛り無し。捕虜のポーズで開脚。不満だが……
 トラロープの鞭。尻、背中。不意打ちの背面から股間。乳房(ちっちぇえな)、脇腹。
 泣き叫んでもいいんだぜ。自分から望んだのだからと、我慢。
 バージンかい? チェーンをアヌス。絶叫。

制服改造超ミニ
 明日から、昼休みはまっすぐここに来い。
 仲間じゃねえおれの下女。一目で分かるようにしろ。鋏で股下ゼロcm、上着もヘソ出し。
 家に帰って、かがり縫い。
 格好悪いので、シュミーズもブラウスも着れない。
 
剃毛で下着禁止
 パンティを気にしながら登校。校門チェック。角島さんの言い付けで。フリーパス。
 ヤンキー座り強要。パンツが見えてる。恥ずかしくないのか。ノーパン強制力。
 毛が見えてる。性器は、わざと言及しない。
 綺麗にしてやる。シェービングフォームとT字剃刀、あらかじめ準備。
 自分で泣きながら剃毛 with 御開帳。
 
クラスでイジメ
 新体操部は完全幽霊。
 昼休みには食事抜きで旧校舎へ駆けつけて。自分で首輪をフェンスにつなぐ。
 後ろでウエストに指4本入れて、親指タコ糸。整列休めの不動姿勢。後ろはペロン。
 先生が来たら、足でブザー。他学生は好奇の目。
 朝、上履きにゴミ。机に落書き。淫乱、露出狂、スケベバン。
 2年生からの注進。爽代がクラスに乗り込む。
 イジメの中心人物(見せしめ)。チェーンで机ズタボロ。黙ってシンナー。
 あたしだけじゃない。仲間2人の机にも一発ずつ。3人に拭かせる。
 希美に爽代への思慕が芽生える。
 目立つイジメは無くなった。クラスで孤立。

初めての縄と針
 希美の思慕には気付いて。アンビバレント。
 おれらが夜にショバ回り中、退屈だろ。おれらに貢献しろ。
 お金なら、工面します。それじゃカツアゲと一緒。おまえが身体を張ることに意義。
 旧校舎奥に連れ込んで。
 全裸緊縛。グラビアと首っ引き。下手くそで痛い。
 乳首に針。生理的に拒絶。
 ウリをやります。そうじゃない。絶対服従。命に関わる無茶な命令はしない。
 クリに針を耐えろ。無茶は言わない約束だから、泣くなとは言わない。
 ウリも承諾。

自発的処女売春
 立ちんぼの真似事。処女を買ってください。5万円。べらぼう。処女は面倒。
 本職に囲まれてリンチ。ビンタ、衣服切り裂き程度。膜確認用クスコで覗かれる。
 怖いだけでマゾ快感無し。
 自力で考えて。服従したいのに自力更生は複雑な心境。
 少女写真集見てる男。書店を出たところで。成功。
 いざとなればヤクザルートを目論んでいた爽代は肩透かし。
 クスコ。男は意馬心猿過ぎて半勃ちまで。イラマで。ごっくん。外線で女房に残業と。
 自販機のオモチャ総動員で。ノーマルにあへるが、空虚。2時間後に除膜式。

ホテルで御褒美
 すでに22時。ホテルの出口で待ち受けて全額没収。
 オトナのオモチャ屋。品物指定して、独りで入店させる。
 W凸ベルト。店員のからかいに、本当を答える。
 同じホテルの隣の部屋。SMルーム。マジックミラー。見られて(見守られて)いたと悟る。
 シャワー浣腸。ギロチン磔。マンコバイブも解禁。強制絶頂からの、アナル破瓜。
 爽代もパイパン。欧米で最先端。永久脱毛(電気)。二の腕に『御意見無用』和彫り。
 朝帰り。両親は爽代と一緒だったと聞かされて何も言わない。


[独奏]

梅雨は濡れ透け
 輸入ピル服用中。梅雨時。
 今日は遊んでやるよ。10m離れてついて来な。傘を取り上げて。ずぶ濡れ。下着禁止だから……
 信号の変わり目とかでプチ放置。
 組事務所へ連れて行って、内風呂を使わせる。事務所を通るときは若衆が目の保養(爽代がうながす)。
 爽代も風呂に。身体を流させる。

海水欲情荒らし
 七人衆と海の家に泊まる。希美だけ超過激水着。
 人数多くて、ナンパの声が掛からない。2年生は不満で希美に八つ当たり。
 パシリ(時代が早いよ)。2百円のソフトクリーム八つを千円で買ってこい。
 男子学生アルバイトの店を選んで、お触りを代償に。ビニールボート。フェラで無料。
 売春に比べて安売。プライドが傷付く。マゾの惨めさ甘美。
 夜の花火。人間花火をやらされる。

お揃いのタトゥ
 盆前。「お揃い」のタトゥ。極彩色のバタフライ。希美は剃毛淫埠に。爽代は腰骨の上。

旧校舎で綱渡り
 夏休み最後。
 ロングスパン綱。何をするかは言わないで。廊下に支柱とか、すべて希美にやらせる。
 全裸緊縛、竹尺で追い回す。洗濯バサミで引っ張る。

秋山で全裸折檻
 ヘソ出し切れ上がりホットパンツ。
 荷物はすべて背負わされる。
 若衆が拳銃の練習。山道で出会う。
 お嬢のお友達で? マゾ牝奴隷だよ。
 若衆に強制貸出。離れた場所でちょんの間。
 性的よりも状況に興奮して戻ってきた希美に(嫉妬混じり)立腹。
 樹間大の字磔鞭打ち放置。

お姉様の大秘密
 初めて、一人住まいのアパートへ。
 同じコミック。『ズボンの騎士』、『ジョルゴ13』
 サディスチン目線でも読めるけれど……
 オモチャをいろいろと見せられる。好きなのを使ってやるよ。
 鞭とかは新品。手錠やバイブは使い込んでる。縄は自縛の工夫が残っている(希美はレディコミの知識)。
 脱毛、タトゥの件と併せて……実はマゾ??

文化祭で荒稼ぎ
 招待券を入手/偽造で潜り込む男子多数。爽風会が取締。
 旧校舎の一画で裏企画。新体操部員でエロチック演技。目玉は希美。
 ボディペでマット運動。開脚前転レベル。特出し有り。

映画館での置換
 2人でSM(成人)映画を観に行く。爽代は顔パス。希美は露出服。
 わざと離れて座って。希美にはすぐに左右から手が伸びる。
 斜め後ろに座った爽代にも。途中で希美が気付く。抵抗していない。
 お姉様も欲求不満だったのかな。でも……?
 部屋で見かけたあれこれと結び付けて考えると?


[競奏]

白昼堂々の誘拐
 火曜日。希美はまっすぐ帰宅。追い越した車が、いきなりバックしてきて後部座席のドアが開いて、掬い込むように。
 車のまま倉庫に乗り入れ。もう1台、こっちはアメ車。バイクは嘉良。
 車:員子、権次、雄太/倉庫:嘉良、濃木継雄(若頭)、富夫、作造

初体験の三穴姦
 濃木V+嘉良A+権次O/雄太A+富夫A+作造O
 低周波+バイブ+クリローターで放置。
 員子が嘉良とバイクで爽代(繁華街)をおびき出しに。

悦虐の無い苦痛
 爽代が戻って来て、いよいよ、天国から地獄へ。両手吊り。
 自転車チェーンは濃木に制止されて。濃木から鰐革ベルトを借りる。
 #80チェーン二つ折りをゴム無しでV,一本物でV。ピストンごりごり。

圧倒的な力の差
 爽代が単身で乗り込む。
 人質に取ったりはしないさ。希美は降ろして、襤褸切れになった服を羽織らせる。縛られない。
 爽代(チェーン)と嘉良(素手)のタイマン。爽代がずたぼろにされる。
 爽代はチェーンで滅多打ち。手加減無し。肌が裂ける。悲鳴はあげない。
 お姉様を赦してあげて。あたしが身代わりに。

かばい合う悦び
 出しゃばるな。これは、おれの問題だ。おれがケジメをつける。
 爽代に抱き着き、身を挺してかばう。希美の尻にチェーン。ベルトとは異質の激痛。
 爽代が身をひねって望みをかばう。
 それじゃあ、一心同体にしてやろう。二人を抱き合わせで縛って、Aに#80両端。

見捨てられた娘
 濃木が自動車電話で組事務所へ。
 娘は預かっている。殺しはしない。売春島で働かせる。栄盛市から手を引け。決裂。
 今度は、おまえが淫売になるんだよ。希美は返してやって。いやです、お姉様とどこまでも。

満身創痍のレズ
 それじゃ、おまえが爽代を陥落させてみな。願いを叶えてやる。
 チェーンでアヌス連結のまま。爽代は木箱に大の字磔。希美がタチ。
 馬鹿野郎。おれなんかと心中しやがって。最後はくんずほぐれつ。

甘い絶望の彼方
 こりゃあ、いい。あの島では20年も昔に、SMとレズを組み合わせた本番ショーがあった。
 伝説の美央と美冬。5年くらいで消息不明になったとか。あの二代目といくか。
 69で縛り合せて木箱に。数時間経過。尿意。互いに……
 あたしに遠慮せずに出して。おまえこそ。同時に。
 外にトラックが停まる音。運び出される。


変奏

微温湯的大団円
 一斉検問。見のがしかけるが、水の垂れた木箱。
 警官だけでなく、葛島組の若い衆も。「お嬢……」

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Finish Report :くノ半試し

参考記事→
暗号問題(賞品有〼)→



 短編ではありますが。一揆加勢に84枚(2万8千文字)を書き上げました。いや、9月1日から10日までですから、日産8枚強。通常ペースですな。

まずはプロット。

くノ半試し

鵆(ちどり)通名:せん
御庭番下請 山賀衆

側室:八重の方

柴里太拓しばさとたひろ (責問指図)
強盛剛直つよもりたけなお(色責め)


任務失敗
 天井から下りて、文箱の中の小さな油紙の包み
 「折鶴も持って行ってたもれ」爪よりも小さな金箔の折鶴。
 油紙の封蝋を有明行灯で溶かして埋め込む。
 鎖帷子は無し(かえって音がする)。女褌を緩めて女穴に。
 侵入口の壁の穴(修復も公儀の許可)から。
 鳴子に引っかかる。侵入時に見落とし?
 即座に脱け出して堀に飛び込む。水中に網。絡まって逃げられない。
 忍び袴をはだけ褌を緩めて密書を取り出し、折鶴だけは捨てる。
 そこで引き上げられて、密書を奪われる。
 縄脱け防止で(ついでに褌も)全裸緊縛

麻黄色責
 誰に雇われたかは検討がついておる。「草」は誰じゃ。

水責敲問
 この密書で正体は分かっておる。解読せよ。七色文(なないろふみ)。
 基本は知っている。「いろは」は逆順も含めて完全暗記。しかし、実際には途中で解読できなくなる。
 見て驚く。ふつうは一行に25文字か30文字なのに31文字。
 行頭でのコード変更に気づく。
 「あーっ?!」
 詰問されて。「みそひと文字になってるので驚いただけ」誤魔化す。
 逆さ吊りで顔だけ水に浸けて峰打ちで敲く。股間痛撃で悲鳴→水を吸い込んで。
 それでも続行。気絶してから引き揚げて蘇生。
 ユダの揺り籠に後ろ手縛り/両足自由で放置。
 台座からの鎖で腰を巻いて、立ち上がれなくする。体重(の一部)は支えられる。
 すでに深夜。翌朝まで。

側室灸責
 八重が連れて来られる。襦袢で緊縛。

焼鏝仕置
 ふたり並べて。
 七色文の解き方を言え。内容を言え。
 白状せぬと焼鏝。
 顔に近付けられて、八重が落ちる。
 鵆の脇腹に。
 八重は暗号は解けないと。
 「原文を強く頭に念じると、自然に浮かんでくる」
 実演。密書は寸分違わず。

くノ米問
 挿入部分は鉄菱。✕上端は凧糸で乳首。鵆は小さくて難儀。
 鵆、なんとか抜け出せないかともがく。縄が緩む。この仮定で悦虐の萌芽。

表裏反転
 翌朝。八重が陥落。
 「イロハとアカネが……」
 鵆、絶叫。火事場の馬鹿力。吊っている縄も切れる。
 後ろ手緊縛のまま体当たりで刀を奪う。そのまま握って、八重を刺殺しようと。
 阻まれて……

気がつくと手当されている。股間は布を当てて油紙。傷には燻した笹の葉。さすがに物置小屋。
霧、谺、鶫
男は上忍(中忍は無し)。裸で平伏。
講評。折鶴の処置は見事。分かりやすくはしてあったが、七色文を自力で読み解いたも見事。
機略縦横、気力横溢。
八重を刺し殺した後、どうするつもりだった?
自害しようと思った。

くノ二。鶫は方角が違うが、同じく。
鶫は使い勝手が悪い。まさかに、拷問されたさにわざと捕らえられたりはせぬであろうが。
ヒヤリとズキン……


 暗号作成の実演とか、ラスト(一度気絶して手当てを受けてから種明かし)とかは、端折りましたが。
 拷問シーンのオンパレードで、引き締まった構成になりました――と爺が自慰惨


 今回は、某販売サイトの自主規制に業を煮やして、冒頭で悪戯しています。赤文字部分は某販売サイト向けにのみ追加する文言です。

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任務失敗

 天井隅の羽目板をずらして部屋の様子を窺うと、布団の中の女主人と目が合ってしまった。
 八重の方が布団から小さく手を出して、手招きする。
 千鳥が言いつかった務めは、八重の方の文箱から小さな包みを持ち帰るという、それだけで――内通しているとまでは聞かされていなかった。
 これも試しのひとつなのかと、千鳥は訝った。
 ちなみに、千鳥の本来の名は鵆である。七歳までに基本の鍛錬を終えて、素質ありと認められた者には鳥の名が与えられる。烏、鳩、鷹、鶸、鵯、鷁、鶯などである。この物語には一文字の鳥名は終盤まで他には出て来ないが、素読が困難なので、千鳥と表記する。
 七歳の春に名前を与えられて九年。千鳥の技は忍び働きが勤まるまでに達していた。
 しかし。
「女のしるしを見てより一年、よう頑張った。男三人を相手取って、殺されるも返り討ちも自在となれば、すでに技はくノ一の域に達しておる。されど、修羅場を踏むまでは半人前、くノ半であると肝に命じよ」
 江戸の地に幕府が設営されて幾星霜。滅多に修羅場の無い、楽天の下でのみ数年を更なる修行に明け暮れて、当時には無かった概念の満年齢で数えて十八歳を過ぎた。そして――
 最初の修羅場として惣領直々に賜ったのが、此度の務めなのだった。

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 治安の行き届いた平和な「楽天」の時代です。明治時代までは誰も意識しなかったというか概念すらなかった満年齢とか。
 脱線しますが。昔のコミックで、今も電子書籍で読める時代劇で、将軍の息子が毒見役をしていて剣の腕も立つという設定のお話で。抱いてくださいと懇願する少女に年齢を尋ねて
「十三歳になりました。昨日で」
 誕生日に言及しているから満年齢ですな。現行法規の性交同意年令に休日(ゾンターク)してるんですかね。
 線路復旧。
 さてさて、この販売サイトでの審査結果がどうなることやら。


 では、数ある拷問シーンから――ついに濠門長恭がヒロインに回復不能な損傷を与えた、画期的なシーンを御紹介。
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焼鏝仕置

 八重は戸板から下ろされ、千鳥は胡坐縛りを解かれて。ふたりは背中合わせに立たされて両手を括られ、爪先立ちになるまで吊り上げられた。
 下人が石造りの大きな枡に炭を投じて火を点け、鞴で風を送り始めた。そこに柴里が鉄棒を差し込む。じきに炭は白熱して、径一寸ほどの鉄棒も真っ赤に灼けてくる。
 濡れ雑巾で鉄棒の根元を握って、柴里がふたりを脅しにかかる。
「これまでの責めとは違うぞ。焼かれた肌は二度と元に戻らぬ」
 どうせ、じきに殺されるんだ。火傷の痕なんか、知ったことじゃない。そう言い返したい気持ちが頭をもたげたが――八重を怖がらせるだろうと、千鳥は思い直した。どうすれば、八重に秘密を守らせることが出来るか、そんなことまで考えなければならない。
「これは言葉が足りなんだな。肌だけではないぞ。強く押し付ければ肌は焼けただれて内臓にまで及ぶ。いっそ、女穴に突っ込んでやろうか。太く硬く煮え滾っておるから、さぞ心地好かろうて」
 言葉だけでなく。柴里は棒先を下げて、千鳥の股間に近づける。
 肌がチリチリと引き攣る。棒の一端が和毛にこげに触れて、ぱっと燃え上がった。
「く……」
 八重に比べれば無いに等しい叢は、たちまちに燃え尽きてしまった。
 柴里は矛先を八重に転じた。
「八重殿には、内臓を焼かれるよりも顔を焼かれるほうがつらいであろうな」
 三寸ほどまで棒先を近づけられて、八重が顔を逸らした。
「その美貌が台無しとなれば、殿の御寵愛も移ろおうというもの。身共にとっては好都合。心置きなく強門に掛けられる。この女忍びと同じようにな」
 柴里がさらに一寸ほども鉄棒を近づける。
「ま、待ってたもれ。言う、言うから……」
「言うな。殺されるぞ」
「おまえは黙っておれ」
 脇腹をすうっと鉄棒で撫でられて……
「ひっ……」
 微かに悲鳴を漏らす千鳥。それが、八重にいっそうの恐怖を与えたのだろう。
「国主と国家老に不穏有り。文には、こう書いてある」
 柴里は七色文を取り出して眺めて。
「他には、なんと書いてある」
 また鉄棒を八重の顔に近づけた。今にも押し付けんばかりに、頬すれすれ。
「喋るな。命を懸けて秘密を守れ。うわあああああああ」」
 大声で叫べば八重の言葉が聞き取れないだろう。もはやそれくらいしか、千鳥は思いつかない。しかし、剛直に掌で口をふさがれた。
「と……遠町筒を幾つか作らせ、雑賀残党を秘かに養う。国主閨事ねやごとに鷹狩と漏らす。時期は霜月と――これですべてじゃ。後は合言葉の類じゃ」
 その合言葉まで吐かせて七色文の文字数と照らし合わせ、柴里は満足気に頷いた。
「八重殿には白状していただいたから、勘弁してやろう。じゃが、おまえはついに口を割らなんだ。しかも、邪魔をしくさりおって。褒美に馳走してやろう」
 柴里は千鳥の前に立つと――まだ鈍色に焼けている鉄棒を脇腹に押し付けた。
 じゅううっ……
「ぎびい゙っ……」
 薄い煙が立ち昇って、肉の焼ける悪臭があたりに広がる。
「手当はしておいてやれ。血も涙も無い男と八重殿に思われとうはないからの」
 剛直が醤油を含ませた雑巾で火傷を冷やす。そして、掌いっぱいに持った塩を擦り込む。
「ひいいい……」
 武術の稽古で打ち叩かれるのとはまったく異なる激痛に、刃の下の心も砕かれてしまう。
「さて……」
 柴里が、また八重の前に立った。
「隠し文にそのような事が書いてあったとなれば、まさに間一髪ではあった。殿にも睦言に気を配るよう諫言せねばな。されど、八重殿が白状してくださった文言が正しいか、いまだ確証が無い」
 七色文の絡繰を明かせと、八重に迫る。
「知らぬ。天地神明に誓って、わらわは七色文の作り方を知らぬのじゃ」
「これは異なことを。他にも仲間が居ると申すか」
「そうではない。七色文は、確かに妾が作った。じゃが、作り方を知らぬのじゃ」
 まるで道理の通らない言い分ではあったが。
「七色文にしたい文言を一字一句間違えぬまで暗誦して、そのことだけを念じながら眠りに就くと、七色文を夢に見るのじゃ。起きるとすぐ、それを書き写す」
「通辞のようなものか。きゃつらは、ひとつずつの言葉を翻訳せずとも、ぽるとがるの言葉を聞いたらすぐに意味が頭に浮かぶというが……」
 掛算の九九だってそうだと、千鳥は千鳥で八重の言い分を考えてみる。
「じゃが、そうなるまでにはずいぶんと修練せねばならぬというぞ。そのときには、一文字ずつを考えておるのであろう」
 柴里は、すでに八重の言葉を信じかけているらしい。鉄棒はだらんと下げたまま、脅しに使おうとはしていない。
「修練などしておらぬ。御城に上がる前じゃ。忍びの者が五日ばかり夜な夜な通うて来て、妾を深い眠りに落としたのじゃ。朝まで昏々と眠って、それでも妙に頭が重たかった。それからじゃ、七色文を夢に見るようになったのは」
「ふうむ。あまりに荒唐無稽で、それ故に嘘とも思えぬが」
 山賀の忍術に夢現貼合ゆめうつつはりあわせの秘法がある。話に聞くだけで、千鳥には到底使えぬが。
 端が広がった筒先を寝ている者の耳元に当てて、その者にさせたいことを何夜にもわたって繰り返し吹き込む。術が成功すると、当人も訳が分からぬまま、突拍子もないことをしでかすという。明智光秀の謀反も、実は山賀衆の仕業と、古老に聞いた覚えがあった。
「斯くなる上は、やはり女忍びに尋ねるしかなかろうな」
 柴里の合図で、ふたりの縄は解かれた。
「じゃが、怪かしの術は極度の苦痛を与えれば解けるときもあると聞く。ふたり並べて強問に掛けて、先に白状した者は生かしてやるとしよう」
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 さて。校訂して、BFを丁稚揚げて――ですが。参考記事の画像をモデルにはしないほうがよろしいでしょう。元ネタが一発で分かりますもの。ということで、「水責敲問」を使いますか。片足で逆さ吊りにして肩から頭まで水没させて、刃引きをした脇差であちこち敲くという拷問です。悲鳴をあげれば、たちどころに息が苦しくなるという、合わせ技です。

 もちろん、吊られていないほうの足が開きでもしたら、
於女子おめこを真向から竹割にします。
逆さ吊り水責め


 さっさと仕上げて、さっさと販売登録して。箸休めに『宿題を忘れたらお尻たたき』の第9章「スカートまくり」をちょこっとやっつけて。さて、それから……PIXIVでリクエストとか来なければ、昭和ノスタルジーの『スケ番リンチ志願~悦虐へのエチュード』を大長編に仕立てましょう。これまでは『スケバン有情』と称していたやつです。


DLsite Affiliate キーワードは「逆さ吊り 水責」

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Crash Report:昭和集団羞辱史:物売編(夜)

 「秘写真」は終わって「花売娘」を途中まで書いていましたが、ニッチもサッチモトランペット。中断ではなく、潔くabortしました。
 思うに、接着剤の不具合です。本編のストーリイとSMシーンとが、うまくくっつかない。ストーリイに無理矢理SMシーンを押し込んでるのが、小説としての完成度(そんなの、あったっけ?)を損ねています。無理矢理押し込むのは小説の中だけにしましょう。現実にやったら犯罪です。何のこっちゃ。
 ちなみに、無理矢理くっつけると、空中分解します。第二次大戦中の試作木製戦闘機のことです。どこの国のなんという機体だったかは、思い出せません。ヤフるのも面倒い。

 というわけで。
 放り投げた当日には、残念大盤振舞で一口サイズ4ケで850円のビフカツ(町の肉屋さんの手作り)を買い込んで、最近には珍しく焼酎25度×220ml=アルコール55mlで中酔(大酔にはいたらない)して。翌日からはZSSS『くノ半試し』にとりかかりましたとさ。


 さて。『くノ半試し』には、「公開鍵暗号」ともいうべき複雑な暗号が登場しますさせます。こやつは、PIXIVリクエスト「ロリくのいち」で発明した暗号を複雑化したものです。解ける者なら解いてみやがれです。
『くノ半試し』本文中では、同じ暗号でも、もうすこし解読しやすくして、さらにはタネ明かしもしますが。


 発売前に解けた読者がいらっしゃれば、メールなりコメントなりで御連絡下さい。
 正解者先着3名様に、ご希望の濠門長恭作品DLsite準拠版(pdf)5本をプレゼントいたします。
 ので、連絡用のメルアドも併記してください。


問題blog用

 まあ、ここまで大見得を切ったからには、今度こそ脱稿させなきゃね。

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Progress Report Final:An Amateur Assasine Arrested And Assaulted

 脱稿しました。3万3千文字/82枚。まさしく短編です。
 今回はエロもSMも無い最終章(ネタバラシ)を御紹介。


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望遠撮影

 郊外の、じゅうぶんに田舎(country)と呼べる地区に伸びる二車線の幹線道路(highway)。禿げっちょろけた草原とまばらな灌木。そんな殺風景の中、ハイウェイの傍らに、ぽつんと投げ捨てられている全裸の女。ぴくとも動かない。
 女の肌には傷痕や打撲痕がちりばめられている。
 やがて――黒い小さな点が水平線の彼方に現われ、近づくにつれて大型トラックだと分かってくる。トラックの運転手は、横たわる裸体に遠くから気づいていたのだろう。緩やかに減速して路肩に車を寄せ、裸体の横で停車した。車から降りた運転手は、爪先で裸体を蹴り、首を傾げながら跪いて、唾で湿した指を裸体の鼻先に近づける。それから胸に耳を押し当てて――小さく頷いた。
 あらためてあたりを見回してから裸体を抱き上げ、助手席に乗せた。そして、何事もなかったかのように、トラックは走り去った。
「カーット!」
 ハイウェイを見下ろす丘の上から声が響いた。ジーンズのジャケットを着て、サングラスも認識票も身に着けていないが、アンを拷問していた四人のリーダーだった。
「An Amateur Assasine Arrested And Assaulted クランクアップだ」
 三脚を据えて撮影していたブルーが、カメラを止めて振り返る。
「わざわざこんなところまで出張(でば)って来てまで撮る必要があったんですかね?」
 リーダーの後ろに控えていたブルーが疑問を口にした。
「残虐(curiel)ポルノ愛好者の中にも殺人(snuff)は忌避する者がいる。ことに、俺たちの客(カモ)には多い。偽善ってやつだ」
「ははあ……」
「とはいえ、安物ポルノみたいに女優が笑顔でインタビューに答えるなんてのはシラけてしまう。感動的なラストシーンが必要なのさ」
 派手なドンパチに憧れて組織(シンジケート)に就職(?)したのにポルノ制作部門に配属されたばかりのイエローは、まだ釈然としない顔をしている。
「それに、このシーンは次作のオープニングにもつながるしな」
「あの娘を使うんですか?」
「当然だ。准看護婦としての年棒の四半期分の一万ドルと、今回のギャラの一万ドルと家族への三千ドル。まだまだ、こき使ってやるさ」
「次は数か月の密着ルポルタージュになる」
 ブルーも話に加わってきた。
「そうですね?」
 リーダーが頷く。
「ウェアラブルカメラは、ひと工夫をしないとな。サディストもレズビアンもインポテンツも――客がみんなサングラスをしていれば、さすがにあの娘も気づくだろう」
 雑談をしながら三人は、岩陰に隠してある車へ向かって歩く。
「密着ルポルタージュですか。どんなテーマなんですか?」
「今回のフィルムも含めてのシリーズ物だ。タイトルは、もう決めてある」
 リーダーが悪戯っぽく自慢した。
「今作がAだったからな。次は当然……」
 Bitty Bitch Bought By Brutal Brothel

     - Not to be continued -
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構図01

 さあて、さっさと校訂してBFを丁稚揚げて、ノクターンノベルスの連載もあまり間隔を空けるとよろしくない鴨なので、ちょこっと書いて(連載形式で1話は30枚くらいです)、さて。『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』の第2話に着手しますか。しかし、第1話も端折り過ぎてるしオチ/大団円が唐突過ぎるから、ところどころにラブラブエピソード(ん?)を挿入するとか、手を入れないと阿寒かしら??

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Progress Report 2:An Amateur Assasine Arrested And Assaulted

 結局。INTRUDEL とか VIGILANRE のお遊びはやめて、単純にしました。表紙絵では、多分やらかしますが。

 しかし。責めシーンだけで書くと、けっこう短くなります。ていうか、やはり Short Story を意識してるのかな。
 ともあれ。最初の2章を一挙公開。例によって校訂前です。


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連続凌辱

  壁も床も天井も真っ白な部屋。照明器具は無く、壁面自体が発光している。
 部屋の中央には、手術台を思わせる可動部を備えたベッドが設置されている。それが手術台で有り得ないのは、胴が乗る部分だけは幅がダブルベッドほどもあることと、四肢を拘束するための革バンドが至るところに取り付けられていることで明白だった。
 部屋の調度は、それだけではない。X字形の柱、人体を水平にも垂直にも水没させられるだけの大きさがある全面アクリル板の水槽、さらには三角木馬や絞首台もある。天井には縦横に走行する小型のホイストクレーン。壁の一面には鞭や手錠やロープ、普通に大きいサイズのディルドから腕よりも太い物までが掛けられている。片隅の事務机には、電源ボックスと幾つもの電極。
 そして監視カメラが十台以上も、これはひっそりとレンズだけを覗かせている。
 そんなおどろおどろしい部屋に、今しも新しい生贄が連れ込まれてきたところだった。
 膝上4インチのおとなしい白衣のワンピース、巻いた金髪の上にちょこんと載っているナースキャップ。彼女が真性の看護婦に見えないしとしたら、着衣の上からも分かる肉感派女優顔負けの極上ボディと、口をダクトテープ(ポリエチレンコーティングされた銀色ないし灰色のガムテープ:強靭)でふさがれていても、それが被虐美でしかない美貌のせいだろう。
 後ろ手錠を掛けられて、男二人に両腋を掴まれ部屋に引きずり込まれた女は、そのままベッドへ追い上げられた。女――いや、娘といったほうが当たっているだろう。恐怖に歪んでいる美貌には、それでもなお、未性熟のあどけなさが漂っている。
 娘はベッドの上で後ろ手錠を外され、後から部屋に入ってきた二人を加えて、四人がかりで仰向けに押さえ込まれた。上下に引き伸ばされた娘の手足を、革バンドがひとつずつ固縛していく。娘は、まったく抵抗しない。悲鳴すらあげない。
 四人の男たちも無言。ただてきぱきと娘を磔けていく。そして、大ぶりのナイフの刃を上向きにして、切っ先をナース服の胸元に差し込むと。
 ピイイイッ……真っ二つに裁ち裂いた。
「んんんーっ!」
 初めて娘が反応を示した。
 男はかまわず、ブラジャーとショーツもナイフで布切れに変えていった。それから、娘の口を封じているダクトテープを引き剥がした。
 娘は、しかし引き攣った表情で男を見上げるだけで、言葉を発さない。
 男はおもむろに右手を振り上げると。
 バシン! バシン!
 手加減のない往復ビンタを張った。
「きゃああっ……!」
 凍りついていた娘の顔に表情が動いた。それは恐怖だったが――茫然自失から正気を取り戻した証拠ではあった。
 ウイィィィ……微かなモーター音とともに、ベッドが動いた。脚を拘束している部分が大きくV字形に開き、さらに膝の部分でΛの形状に屈曲する。
 そして、男の一人がズボンを脱いで、すでに猛り勃っているペニスを露出すれば、その意図は明白だった。
「…………」
 レイブされそうになっている女性であれば当然の、拒否の訴えを娘は叫ばない。もちろん、受容しているのではない。両手を握り締め歯を食い縛って、目前に迫った暴辱に抗している。
「お願い……殺さないで」
 いよいよペニスがヴァギナを貫こうとしたとき、娘の口から命乞いの言葉が漏れた。犯されるということは、すぐには殺されないと理解しての言葉だったかもしれない。
 男が侮りの笑いをこぼした。
「少なくとも四回は殺してやるぜ」
「余計なことは言うな」
 四人とも褐色の肌で筋骨逞しい。髪も一様にミリタリーカットで、年齢も三十前後。迷彩模様のズボンとカーキ色のタンクトップ。一人だけフレームがごついサングラスを掛けている男が、短くたしなめた。
「アイ、サー」
 軍体調の、しかしおどけたイントネーションの返事と共に、娘におおいかぶさっている男は、腰をぐいと進めた。
「くうっ……」
 娘はもちろん処女ではなかった。しかし、恐怖で干上がっているヴァギナへの挿入は、みずから望んで抱かれたロストバージンのときよりも、むしろ苦痛が著しかった。
 男としても、乾いた粘膜同士の擦過に快楽は生まれないだろう。しかし、不快をこらえてピストン運動を続けるうちに、娘の粘膜は強制的に分泌させられる愛(など無い)液で潤ってくる。男の腰の動きがリズミカルになって。
 ぱんぱんぱんぱん……
 股間を打ち付ける音が静寂の部屋に響き始める。
 娘は突き上げられるたびに、豊満な乳房を上下に揺すぶられる。
 サングラスの男が腰をかがめて、いろんな角度から結合部を観察している。娘の(肉体的な)反応を見定めようとしているのか。しかし、実行者に指示を与えたりはしなかった。
 そして。三者ともに無言のまま――実行者が動きを止めて引き下がる。怒張を失ったペニスの先端からは白い糸を引いている。
 ウイィィィ……腕の部分が左右に開いて、脚は水平に伸ばされる。脚の革バンドが一時的に解かれて足が引き上げられ、手首とひと括りにされた。娘の身体は、浮き上がった尻を頂点にしたV字形。
 二人目の男がズボンを脱いでペニスを露出する。体格も顔つきも最初の男と似通っているが、明白な違いが二点だけあった。最初の男は首にぴったりの鎖で黄色い認識票(ドッグタグ)を鎖骨の間にぶら下げていたが、この男の認識票は青色だった。
 そういえば、サングラスの認識票は白、最後の一人は赤だった。これが、四人を識別する最も確実な目印になっている。
 それはともかく。最初にリンダを犯した黄色よりも、この青色のほうが、ペニスが明白にひとまわり大きい。ポルノビデオの主演男優になれる。男はそれを、今しがた強貫された穴のすぐ上で、まだ固く閉じている肉蕾に押し付けた。
「……アヌスは赦してください」
 四回は殺すという意味を理解して、本来の意味で殺されることはなさそうだと安堵したのだろう。娘はようやく、犯されている女に相応しい言葉を口にした。
 しかし、男は変わらずに無言。犯されてまだ開いている穴に指を突っ込んで分泌物を掬い取り、それを菫色の蕾になすりつけた。そして、無慈悲にペニスを押し込んだ。
「きひいいっ……痛い! 赦して……」
 娘の哀願を無視して、男はいきなり荒腰を使い始めた。
「痛い……あうっ……いやああ!」
 一分ほどで、二人目の男も射精に至った。しかし、娘はまだ二回しか殺されていない。
 娘はすべての革バンドを解かれて、ベッドから下ろされた。両手首を前で縛り合わされて、天井のホイストクレーンから垂れるフックにつながれた。
 チャリリリリ……ホイストが巻き上げられて、娘は両手を頭上に吊られ、さらに足が床から離れた。
 サングラスの男が、部屋の隅の水栓から引っ張ったホースの先を娘に向けた。
 ぶしゃああああ……絞られたノズルから噴出する水流が、娘の下半身に叩きつけられる。
「ひいいっ……」
 水流の当たった肌が凹むほどの水圧。正面からざっと水を浴びせておいて、男は後ろへまわった。ノズルを下げ斜め上向きにして、尻の谷間に水を浴びせる。アナルセックスで掻き出された汚れを洗っている。そのままノズルを尻に近づけ、ついには先端をアヌスに突っ込んだ。
「ぐぎいいい……」
 見る見るうちに、娘の腹が膨らんでいく。事前の処置ならともかく、事後のこれは娘に苦痛を与えるだけの行為だった。
 しかし、娘を執拗に責める意図はないらしく、臨月の妊婦には程遠いところでノズルを抜去した。
 ぶしゃああああ……奔流が床を叩き、幾つかの小さな塊も転がる。床に落ちた水は部屋の隅へ自然に流れて、壁と床の間のわずかな隙間へ吸い込まれていった。
 サングラスもズボンを下ろして、勃起したペニスを露出する。最後の一人も彼に倣う。
 四番手の赤色が娘の背後から足首をつかんで引き上げ、今度は垂直のV字形に娘を曲げた。両手を真っ直ぐ上に伸ばしているから、下向きの矢印というべきか。
 サングラスが娘の正面に、キスができそうなくらい身体を近づけ、右手でペニスを垂直に保ち、左手でヴァギナをくつろげる。
 チャリ……チャリ……小刻みに娘の身体が下ろされていき、ペニスが娘の股間に突き刺さった。
 サングラスが娘の足首をつかみ、背後の赤色は軽く膝を曲げて腰の高さを合わせ、伸び上がるようにして一気にアヌスを貫いた。
「ひいいい……」
 娘の悲鳴はこれまでとは違って、幾分か艶めいていた。とはいえ……
 ウィ、ウィ、ウィ、ウィ……二人の男は動かず、ホイストが娘の身体を小刻みに上下させ始めると、肩に掛かる負荷とあいまって、娘の顔が苦痛に歪んでいく。
 足首をつかんでいるサングラスが、娘の身体を上下動に合わせて左右にひねる。二本のペニスで前後ともぎちぎちになっているところを、さらにこねくられて。
「ひいっ、痛い……ああん……裂けてしまうう」
 苦痛を訴える声が、すこしずつ蕩けていく。
 ホイストの上下動は、男が欲望のままに衝き動かす荒腰に比べれば緩慢なので――十分近くも娘は揺すぶられ続けた。
 その途中で、五人目の男が部屋に入ってきた。裸体のあふれる中で、ひとりだけスーツを着ている。白人だった。
「ミスターZは蘇生した。処置が早かったので、後遺症の懸念も無い」
 それを聞いて四人の男たちが頷く。
「では、この娘は処刑せずに……?」
「必要な情報を聞き出した後は『なんでも有り(anything OK)』の娼館で罪を償わせてやろう」
 白人の男は事務的に答えて、部屋のドアを閉ざした。
「では、次のフェーズに移行しよう」
 二人の男が、ホイストの上下動に合わせてみずからも腰を使い始めた。示し合わせて同時に射精して。これで少なくとも四回、娘は殺されたことになる。
 そして、これからが――拷問の幕開けなのだった。


殴打尋問

cypher_2002_08702.jpg 男たちが娘の身体から離れると、娘は両手だけで天井から吊られた形になる。時すでに遅しの感はあるが、娘は片脚を曲げて内側へよじり、すこしでも股間を男たちの目から隠そうとした。
「おまえの名前は?」
 サングラスが、初めて娘に質問をした。
「アン・アザウェイ」
 娘は素直に答えた。偽造IDカードでこのビルに侵入したのだが、そこに書かれてある名前は本名だった。
「年齢は?」
「19歳」
「どこに住んでいる?
「グレンモアシティ、オークアベニュー五番、サンシャイン・アパート318号」
「看護婦資格は持っているのか」
「準看護婦です」
「勤め先は?」
「…………」
 それまでは淀みなく答えていたアンが、ためらいを見せた。というよりも、答えを拒否した。
「この仕事を依頼したのは勤め先の誰かなのか?」
「違います!」
 あまりに切迫した口調だったので、嘘なのは明白だった。しかし、尋問者はそれを指摘しなかった。
「もう一度だけ尋ねるぞ。勤め先を言え。その雇い主に、暗殺を命じられたのだな?」
「……違います」
 あるいは、隠し通せないと観念しているのかもしれない。それでも、自白出来ない理由が、彼女にはあった。
「そうか。喋りたくないのなら、喋らなくていいぞ」
「……?」
 予想外の言葉に、アンは戸惑った。
 尋問者は後ろに一歩下がった。と同時に……
 ボスン!
「ぐええっ……」
 腹にストレートを叩きこまれて、アンは頭をうつむけて呻いた。立っていれば、両手で腹を抱えて倒れ込むところだが、吊るされていてはそれも出来ない。
 ボスン! ボスン! ボスン!
「ぐべへっ……うええええ!」
 腹筋を固める暇もなく立て続けにパンチを叩きこまれて、アンは口から黄色い液を噴きこぼした。必死に曲げていた片脚もだらんと垂れ下がる。
 尋問者はボクシングのファイティングポーズに構えて。
 バシン! バシン! バシン! バシン!
 乳房にフックを打ち込んだ。乳房が横ざまに吹っ飛び、身体もねじれる。アンは悲鳴を上げる息さえ出来ない。
「勤め先を言え」
 尋問者が後ろへ下がって、平板な声で質問を繰り返した。
「…………」
「おまえの顔写真を手掛かりに、ビッグデータを検索するか、昔ながらに足を使って調べるか――勤め先を割り出すくらいは簡単だ。どちらも手間だから、おまえに尋ねているだけだ。隠しても意味はない。おまえが痛い目に遭うだけだぞ」
「…………」
 アンは顔を上げて、尋問者に焦点の合わない目を向けた。
「組織(シンジケート)からの報復を恐れて口を閉ざしているのか? 素直に白状すれば、こっちの組織で庇護してやるMr.ホワイトの言葉を聞いていただろう。おまえは組織で経営している娼館で働かせてやる。ギャングバング、サド、マゾ、メッシー、レズビアン、ベスティアリティ――なんでもOKの娼婦としてな」
 アンが、ぶるっと怖気を震った。
「安楽死を望むなら、希望を叶えてやってもいいぞ。生きたまま皮を剥がれ、焼鏝を当てられ、手足をひとつずつ切り取られていくよりは、ずっと安らかな死を与えてやる」
 そんな言葉を聞かされて、自白しようと考える者がいるだろうか。アンは頑なに口を閉ざすばかりだった。
「そうか。娼婦も厭、安楽死も厭か。せいぜい、生き地獄を味わうがいい」
 尋問者は一歩下がった位置から、そのまま回し蹴りを放った。
 どすん!
「うぐっ……!」
 肝臓に足の甲を叩きこまれて、アンの顔が苦悶に歪んだ。蹴られた反動で、身体がゆっくりと回る。百八十度回ったところで、腎臓に蹴りを入れられた。
「ぐぶっ……!」
 そこからは、まったくの人間サンドバッグだった。腹にストレートを突き入れられ、乳房を左右のフックでパンチングボールさながらに揺すぶられ、太腿をローキックで痛めつけられる。頭を垂れると、顔まで容赦なく殴られた。
 アンは何度も胃液を噴きこぼし、全身を痣だらけにして、ついに意識を失った。
「しばらく休ませてやるか。体力を回復させて、今度こそたっぷりと悲鳴を絞り出してやろう」
 四人の男たちが、部屋から出て行って。アンは吊るされたまま、白い部屋に放置された。

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 破瓜が逝くはずの拷問シーンの連続のわりに、時間当たりの文字数が伸びません。
 実は、前回に紹介したサブタイトルだけで、具体的なシナリオは頭の中だけにあった・・・のです。過去形でした。あちこち忘れている部分があって、思い出す/新しく練るのに手間取っています。
 実は、男たちの識別をどうするかも、考えてなかったのです。で、紆余曲折七曲り半で、認識票にしました。部屋中に隠しカメラが仕込んであるとしても、ポルノビデオでは局部アップとかも必要だと、これも書き進めてから気がついて、サングラサブルカメラ(はぁ?)にして。これをリーダーが装着することにしました。
 おっと、言い忘れてましたけど。この記事に限らず、WORDで書いてルビを振ったり傍点を打ったりしている部分は、記事の文章には反映されていません。ルビは(括弧)表記。傍点はスルーです。
 校訂後のきちんとした文章は、各販売サイトの有料製品版(と、無料体験版)をお読みください(*- -)(*_ _)ペコリ


 冒頭を読まれてお分かりのように。実は前回の記事で紹介した拷問の項目よりも、拷問部屋の道具立ての方が多いです。ので、「絞首処分」の章の前に軽く「追加拷問」を挿入します。それでも150枚前後で終わるでしょう。

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progress Report 1:A-5 VIGILANTE

  A-6 INTRUDERでタイトル確定と書きましたが、
 Amateur Assasine Arrested And Assaulted by VIGILANTE のほうがいいかなと。


 実は、この作品の着想はコミック「無敵の人」でヒロインが看護師に変装して見ず知らずの他人を暗殺するというシーケンスに触発されました。
無敵の人
 A-5のほうでは、暗殺に失敗して捕まって、背後関係を白状しろと、さまざまな拷問に掛けられるという――拷問がテーマでありモチーフでありプロットであります。

こんな構成です。


連続凌辱
殴打尋問
暗殺請負
鞭打拷問
電撃拷問
生物拷問
水没拷問
絞首処分
望遠撮影


 いきなり陵辱シーン、小手調べの拷問と続けてから、状況説明(暗殺請負)にカットバックします。
 最初の2章は客観叙述の三人称で、「暗殺請負」でヒロイン視点の三人称に切り替えて、以後もヒロイン視点。
 最終章の客観三人称「望遠撮影」で種明かしをします。いちおうのハッピーエンド(ヒロインは死なない)です。


 今日(8/12)は休日。明日は勤務で、8/14,15が休日。ここまでで70枚ばかり進めて、全体は150枚くらいにまとめたいものです。


DLS affiliate キーワードは「残虐 拷問」です。


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Progress Report 2:昭和集団羞辱史:物売編(夜)

 2編で1冊の構成で『秘写真』と『花売娘』。
 『秘写真』は103枚で強引に終わらせました。
 ここで中断します。どうも、『濡墨』と「ロリくのいち」に引きずられて、方向が違う本編はモチベーションが萎えてしまいました。『花売娘』のほうは、それなりにハードな「説得」シーンがあるのですが。結構長くなりそうなので、短いのを書いてから再出発とします。

 「短いの」つまり Zero Sum Shrot Storiesです。
 これまでのラインナップは下記の通り

   Hypnotic Spy      (外国現代)
   真剣裸勝負       (時代劇)
   Snipe Ecstasy     (外国現代)
   裸囚姫弄虐譚     (時代劇)
   修学旅行Mデビュー  (日本現代)
   The Nightmare Rift    (外国現代)
   売姫三日晒       (時代劇)

 この順序で行けば、つぎは外国現代物です。
 これはこれで、Progress Reportで詳述しますが。タイトルだけ予告しておきます。確定しています。
 An Amateur Assasine Arrested And Assaulted for INTRUDER
 邦訳:侵入者として捕らえられ陵辱される女素人暗殺者
 ふりがな:こむすめあんさつしゃがつかまってひどいめにあうおはなし
 いやはや。お遊び極まれりの原題です。なにがお遊びかというと……Aで始まる単語を6つ並べています。
 短縮して表記すると A-6 INTRUDERです。

A-6_INTRUDER.jpg

 さて。『昭和集団羞辱史』ですが。今回は本編からの紹介は無し。
 やっつけ仕事で終章まで持って行ったので、大幅改稿もあるかもしれません。

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Progress Report 1:昭和集団羞辱史:物売編(夜)

Progress Report 0 →

 さあて。『ロリくのいち』が終わりました。
 作品としてのタイトルは『逝かされたって口は割らない』ですが、『ロリくのいち』のほうが内容ズバリで語呂もよろしい。しかし筆者としては、これをタイトルには出来ません。タイトルではなくジャンルだという問題もありますが。歴史的ミスマッチです。『万延元年のフットボール』はミスマッチをマッチングさせる荒業ですが。『信長のシェフ』は、タイトルからタイムスリップと見当がつきますが。

 Midship!

 そういう次第で、7月初っ端で中断していたこいつ・・・の再開です。
 紹介するなら、やはりG線上でアレヤコレヤ出来るシーンがよろしいですな。


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   父を助けて

 その夜は父と別れて寮へ戻った。翌日は朝から、門限破りの反省文を書いて、約束の午後一時には駅で待ち合わせて。
 東西に並んだ繁華街というより夜の街の真ん中を突き抜けて、道幅で見れば二倍の商店街が南北に走っている。和代が連れられて行ったのは、商店街の北端に建っている五階建てのビルだった。
 一階は『スーパー・マルタン』で、二階はその運営会社らしい『株式会社丸単』、三階には『中尾歯科』と『かまた小児科』、四階は『小田中総業』、五階には『有限会社富武土建』の看板が出ている。
 エレベーターで五階へ。すぐ目の前に一面の壁と頑丈なドア。昭大が呼出ブザーを短く二度鳴らして、二秒ほど待ってから今度は長く押した。ドアの向こうに人の気配が立って、覗き穴で来客を見極めていたのだろう、ふた呼吸も置いてからドアが開いた。
 小部屋のドアが左右に並ぶ通路の突き当たりが、また大きなドアで『社長室』の金文字。
 部屋の奥には神棚が祀ってあり、右奥には鎧兜が飾られている。左のソファーの前には頭付き虎皮の敷物。そして、神棚の下の豪華なデスクには、和代の目から見ても『お兄さん』と呼べそうな若い男が座っていた。仕立の良さげな縦縞の背広を着て、けれどネクタイは締めていない。慎太郎刈りのハンサム。年齢といい風貌といい、社長室のイメージとは真反対だった。
「こちらは、富武組の二代目……」
「富武土建だ」
 和代に紹介しようとした昭大を、若い男が遮った。
「失礼しました。富武土建の社長代行をなさっている、富武勝雄さんだ」
 あっと……和代は心当たった。就職してからわずか三週間の間だけでも、何度か耳にしていた。本州の西半分を席巻しているのは菱口組というヤクザだが、この県では富武組が頑張っている。十年前の庄内工場の労働争議を力で抑え込んだのか富武組だったし、最近では工場長の愛人にされかけた女工を本社との談判で救けてくれたのも富武組だった――と、噂に聞いていた。
「これは、私の娘で和代といいます。こいつを写真のモデルに使ってやっちゃくれませんでしょうか」
 ひと回りは年下の青年にへりくだる父を、和代としては見たくなかったのだが。この人にはそれだけの実力があるんだろうなと、そうも思うのだった。
「できましたら、こいつの写真は私の専売にさせていただきたいのですが」
「それなら、自分でカメラマンも相手役も手配して、焼き増しも自分でするんだな」
 ぴしゃりと、男が撥ねつけた。
「ただし、モデル代は弾むぞ。三万出そう」
 それだけあれば、借金の一割を返せる。月々の利払いが千五百円ずつも軽くなる。一年間で一万八千円。それだけ元金の返済にまわせるから……完済までどれくらい短くなるかは、咄嗟の暗算では解けなかった。けれど、三万円といえば給料の二か月分。
「それで、いいです。お願いします」
 ためらっている父に代わって、和代が返事をした。
「気風のいいお嬢ちゃんだな。そうだ、親父さんの商売を手伝っちゃみないか。『私が写真のモデルです』って、横にくっついてれば売れ行きが違うぞ。いっそ、写真の裏にサインするとか……お嬢ちゃんに度胸があるなら、マン拓も面白いな。五百円くらい上乗せしても構わん。それは丸々取り分ってことにしてやるよ」
 最後のほうは明らかに、昭大に向かって話していた。
「は、はあ……ありがとうございます」
「あのう……まんたくって、なんでしょうか?」
 土日に父の仕事を手伝うくらいは構わないけれど。サインをするなんて、女優さんになったみたいで、いかがわしい写真だけど、ちょっぴりワクワクするけれど。それよりも度胸が要るまんたくって、なんだろう。とんとん拍子に話が進んでいくと不安になった。
「それは、撮影のときに教えてやるよ。それでいいな、大崎」
 娘に余計なことを吹き込むんじゃないぞと、勝雄が釘を刺した。とまでは、和代には分からなかったのだが。
 勝雄は子分――ではなく、社員を呼びつけて。てきぱきと撮影の段取りを付けた。カメラマンが呼び出されて、『絡み』の相手役はその場に居合わせた社員たち。スタジオは社内の一室。
「娘も父親に見られていちゃ羞ずかしいだろう。三時間ばかり、パチンコでもしていろ」
 千円札を押し付けて、昭大をビルから追い出した。
「なにも取って食おうってわけじゃない。処女だったな。約束通り、真似事で済ましてやる。おまえは裸になって、ちょいと股を開いてくれりゃあ、それで終わるんだから」
 女、それも若い生娘にとっては一大事を、勝雄は気軽に言ってくれるのだった。

 場所を『応接室』に移して、いよいよ撮影が始まる。
 和代は当番で工場の応接室を掃除したこともあったが。その何倍も広い。『応接室』とは名ばかりで、こういったことにも、リンチや拷問や強女女にも使う部屋だとは、和代の知るところではない。今は壁一面にピンクのカーテンが張り巡らされて、小ぢんまりとした応接セットは部屋の隅に片付けられて、床には二枚の敷布団が並べられている。
「まずは脱ぐところから撮っていこう」
 和代をソファーに座らせて、カメラマンがごつい一眼レフを構える。その横にはレフ板を持った助手。なんだか本物のモデルになったみたいだと、敢えて和代はそっちへと思考を向けた。
 それにしても、だだっ広い部屋が狭く感じられる。カメラマンと助手の他に、三人の若い男たち。そして、社長代行の富武勝男。三人の男たちは髪形も服装も違うが、いかにもヤクザっぽい雰囲気を漂わせている。勝雄は彼らよりもずっと上品で、それでいて噴火したら凄まじい休火山のように、和代には思えた。
 ソファーに座ったまま、カメラマンの指示に従ってカーデガンを脱ぎ、ブラウスを脱いで。それだけで、和代は指をわななかせている。
 立ち上がってスカートを脱ぎ、スリップを足元に落として。
 カシャ、シャクン。カシャ、シャクン……シャッターが切られ、フィルムが巻き上げられて。
 和代がブラジャーとパンティだけになったところで、カメラマンはフィルムを交換した――ふりをして、実は初めてフィルムを装填した。五枚組せいぜい十枚組のエロ写真で、脱衣の過程など不要なのだ。
 カシャ、シャクン。下着姿で立つ和代の姿がフィルムに写し撮られたが、はたして商品になるのかは疑わしい。
「オッケー。それじゃブラジャーを外そうか」
 和代は意を決して、手を背中にまわした。けれど、指先が震えてホックをつかめない。顔も緊張で強張っている。
「こりゃあ、駄目ですね。絵になりませんよ」
 実は最初から打ち合わせている通りの台詞を、カメラマンが勝雄に向かって言う。
「では、企画を変えよう。和代ちゃんだったね。これを着なさい」
 勝雄から渡されたのはセーラー服だった。この春まで和代が着ていたものより、どことなく垢抜けている。のも道理、有名な私立女学校の制服だった。少なくとも県内では、一目で見分けられる。
「これで三つ編みお下げだったら錦上花を添えるところだが、無い物ねだりをしてもしょうがないか」
 二か月前だったら、和代は勝雄の言う錦上花なのだったが、電気機器の組立工場で働くには髪が長いと不便なので、会社の指示通りに短くしていた。
 セーラー服に着替えた和代を、三人の男たちが取り囲んだ。
「ここからは、無理して笑顔を作る必要もない。和代ちゃんの思う通りに振る舞っていいぞ」
 勝雄までコンパクトカメラを持って、カメラマンとは別のアングルから撮影するらしい。
「それじゃ。よーい、アクション!」
 勝雄がおどけた口調で言うと。
 ぱしん。正面に立っている男が、不意に和代の頬を張った。
「きゃっ……」
 和代は頬を手で押さえて後ずさった。学校で先生に叩かれたほども痛くなかったが、まったく予期していなかっただけに衝撃は大きかった。
 別の男が背後に回り込んで和代を羽交い絞めにして。頬を張った男がセーラー服の胸当を毟り取った。
「無言じゃ雰囲気が出ない。それらしい台詞を言え」
「それもそうですね」
 頬を張った男が、手を止めて頭を掻いた。笑っている。
 それを見て和代は、もしかしてこれはお芝居なのかと気づいた。暴漢に襲われている女 学生。それなら、無理に笑顔を作らなくてもいい。でも、ほんとうにお芝居で済むんだろうか。
「それじゃ、仕切り直して……」
 照れ臭そうに男が言って、そこでドスの利いた口調に改めた。
「おとなしくしてれば、もう暴力は振るわない。分かったな」
「棒の力は、たっぷり振るわせてもらうけどな」
 見物している三人目の男が半畳を入れた。
「真面目にやれ」
 勝雄が苦笑しながら叱る。
「へい。それじゃ、俺っちはこっちを」
 和代の横にしゃがみ込んでスカートをずり下げた。
「いやっ……」
 お芝居でもなんでも、たとえ一度は下着姿まで晒していても、服を脱がされるのは乙女の本能が拒んだ。スカートを引き戻そうとして、またビンタを張られた。やっぱり、そんなに痛くなかったので、これはお芝居だと確信できたのだが。
 スカートをずり下げられ、セーラー服の脇ファスナーを開けられて。羽交い絞めのままだから脱がされはしなかったが。スリップを引き千切られ、ブラジャーは胸の上にたくし上げられて。布団の上に押し倒された。羽交い絞めにしていた男が、和代の両手を頭上に引き上げて手首を押さえ込んだ。
 お芝居だと自分に言い聞かせても、やっぱり怖い。和代は悲鳴を上げる余裕もない。
 セーラー服を頭から引き抜かれたが完全には脱がされず、袖は腕に絡まったまま。
 頬を張った男かお調子者の方かは分からないが、男の手がパンティを両手でつかんでビリビリと引き千切った。
「もっとセーラー服を上げろ。それでは顔が隠れる」
 勝雄がのんびりとした口調で指示を出して、即座に実行される。完全に露出した顔に向けて、勝雄がシャッターを切る。
「絵面(えづら)が淋しいな。パンツを口に押し込め」
 それも直ちに実行された。
「んんん……」
 口に物を詰められるなんて、生まれて初めての体験だった。言葉を封じられて、言いようのない不安に襲われた。押し出そうと試みることすら思いつかない。
 スカートを脱がしたお調子者が、和代の両足をつかんで左右に広げさせる。その中心を狙って、カメラマンが立て続けにシャッターを切る。
 羞ずかしいところを見られている、写真に撮られている。かああっと全身が熱く火照った。
 その一方で、男たちを失望させていないだろうかと、「絵にならない」と言われないかと恐れていた。和代の淫毛は薄い。ふっくらと盛り上がった土手の上半分に濃い目の産毛が生えているだけだ。さっき(ちらっと)見た写真のモデルとは大違いだった。
 しかし、それを指摘する者は居なかった。どころか。
「すげえな。小っちゃいくせに、つんと盛り上がってやがる」
 ビンタを張った男。いうならば彼が主演男優だろう。卑猥な言い方だが、誉め言葉に聞こえなくもなかった。誉めながら――和代の乳房をつかんだ。
「いあいっ……」
 和代は反射的に叫んでいた。口に詰め込まれたパンティのせいで声はくぐもっていたが、相手には通じたようだ。
「痛いか……これでもか?」
 男はいったん乳房から手を放すと、今度は膨らみの外から掌で包み込むようにして、親指の腹で乳首をこすった。
「あ……」
 鋭い針に刺されたようなくすぐったさを感じて、和代は戸惑いの声を漏らした。痛いのだけれど、くすぐったい。くすぐったいのだけれど……乳房全体が粟立つような感覚が生じて、それが胸全体に広がっていく。
「へっ。いっちょ前に感じてやがる。おっ勃ってきたぜ」
 和代自身、乳首が固くしこるのを自覚している。だけでなく、腰の奥がもどかしく疼き始めた。それは『エッチな事』を考えたときと同じだとも理解している。
「こいつは、ほんとにぶち込んでもいけそうだな」
 勝雄がレンズ越しに股間を覗き込んでつぶやいた。
「へえ。もしかして……」
 主演男優が乳房から手を放すと股間をまさぐって……
「も゙お゙お゙っ……!」
 乳房をつかまれたときよりもずっと切迫した悲鳴を和代があげた。
「なるほど、濡れてますぜ。ひょっとして、今のは善がり声か、おい?」
 後半は和代に向かって言いながら、股間に突き立てた指をぐりぐりと抉った。
「も゙お゙、も゙お゙お゙っ……あえええ」
「それくらいにしといてやれ。せっかくの処女膜だ。傷つけちゃあ、後々の値打ちが下がる」
 向こうから飛び込んできた獲物をエロ写真の被写体にするだけでは飽き足らず、勝雄はその先のことまで考えているのかもしれない……などと、和代が気づくはずもなかった。
「前戯まではじゅうぶんに撮りましたよ。ぼつぼつ本番……おっと、疑似でしたね。疑似本番をお願いしますよ」
「ええっ、もうすこし……いや、はいです」
 主演男優が不服そうな顔をしたが、勝雄に睨まれてしょげ返った。そのせいか。いったん和代から離れて着衣を上下ともに脱いで全裸になったのだが、『棒の力』がうなだれていた。
「ええと……」
 主演男優が和代を見下ろして。扱かせるなり握らせるなりさせたかったのだろうが、いわゆる自力更生で準備を整えた。
「このシーンで最後だ。もうちょっとだけ辛抱してくれよ」
 意外と優しい言葉を勝雄に掛けられて、和代はすこしだけ安心したのだが。
「むうう……?!」
 開いて押さえつけられていた足を男の肩に担ぎ上げられて、和代は羞恥に身悶えた。これまでだって、開脚の中心をレンズに覗き込まれたり、さんざん羞ずかしい思いをしていたのだが、足を持ち上げられ腰を浮かされては、もろに股間の奥まで見られてしまう。おころか、肛門までレンズに捉えられているかもしれない。
カシャ、シャクン。カシャ、シャクン。立て続けにシャッターが切られる。
 カメラアングルを考えて身体を引いていた男が、いよいよ和代にのしかかってきた。
 股間の割れ目を固くて太くて熱い物がつつく。
「む う う っ……い゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
 犯される。狂乱した和代は腰を激しく揺すって逃れようとしたのだが。
「ついでに、他の体位もやっときますかい?」
「そうですね。バックとかフェラチオとか。それは他のお二人にお願いしましょうか」
 強女女の現場だったら有り得ない、事務的で冷静な遣り取り。
 和代の足は布団の上に戻されて、口に詰め込まれていたパンティも引っ張り出された。
 主演男優は裸体のまま引き下がって、急いで服を脱いだ次の男が和代に向かい合った。和代を羽交い絞めにした男だった。
「そんじゃ、四つん這いになっちくれよ」
 なにが「そんじゃ」なんだろうか。約束を守ってもらえると分かって心に裕りのできた和代は、男の身勝手な言葉を可笑しく思った。四つん這いになった後ろから写真を撮られると、それまでとは違った卑猥さが醸し出されるとまでは気づかずに、言われた通りのポーズを取った。
「やっぱり、強女女してるんだからな」
 羽交い絞めの男は和代の右手をつかんで背中へねじ上げた。
「こっちのほうが、それらしく見えるぜ」
 突っ張っている左手を払いのけられて、肩が布団に着くまで押し下げられた。
 やはり、男が身体を離した位置で数枚撮影されてから――股間に怒張を押し当てられた。最初の時とは違って、淫唇を掻き分けて怒張が潜り込んでくる。けれど、多分ここが穴なんだと分かる位置で止まって、それ以上は押し挿れられなかった。
 最後に男優がお調子者に替わって。今度は布団の上に正座させられた。
「脚を開いてくれよな」
 膝の間に爪先を割り入れて開脚させ、その中に立って、男はさらに前へ進む。和代は直角近くまで脚を開かされた。
「こちょこちょ……」
 男が足の指で和代の股間をくすぐる。
「ひどい……」
 男性器を押し付けられるより、よほど屈辱的だった。それまでは堪えていた涙が、頬を伝った。のを、すかさずカメラが写し撮る。
「はい、あーん」
 男は勃起を和代の唇に近づけた。
 フェラチオという行為があることくらい、和代も知っている。でも、そんなのは男女が結ばれて、いっそう深い仲になって、そこから先のことだと思っていた。
「…………」
 和代は顔をそむけて、縋りつくような眼差しで勝雄を見上げたのだが。
「口の中にゃ、処女膜なんてないからな。どうってこともないだろ」
 この当時、性交とは男性器を女性器に挿入することのみに限定解釈されていた。それ以外の行為を男が女に強制しても、暴行とか強制猥褻は成立しても、少なくとも強女女罪には問われなかったのである。
「お願いです。これも真似事で済ませてください」
「マンコと違って、誤魔化しようがないぜ。せっかくここまで頑張ったんだ。覚悟を決めろ」
「でも、でも……」
 和代にしてみれば。自分の体内に男性器を突っ込まれるという意味では、性器の結合も口淫も根本的な違いはなかった。いや、不潔な部位と不潔な部位とが交わる『せっくす』よりも、ずっと卑猥で淫らで背徳的な行為だった。
「てめえ、甘やかしてりゃあ、付け上がりやがって」
 勝雄は持っていたコンパクトカメラを主演男優に手渡すと。和代の髪をつかんで牛蒡抜きに立ち上がらせた。右手を振り上げて。
 ばしん、ばしん。部屋中に響く音を立てて往復ビンタを張った。髪の毛をつかまれていても、和代の顔が左右に大きく振れた。
「きゃあっ……!」
「おい、今のは撮ったか?」
「あ……うっかりしていました」
「てへへ。俺もです」
「ちっ、気が利かねえな。よし、もう一回だ」
「ごめんなさい。もう叩かないで!」
 和代が金切り声を上げた。
「ちゃんとやります。赦してください」
 無意識裡に両手を上げて交差させて顔をかばいながら、和代は赦しを乞うた。
「分かりゃあ、いいんだ」
 勝雄は和代を布団の上に投げ出して、預けていたカメラを取り返した。
「それじゃ、撮り直しだ」
 再び開脚正座をさせられ、半勃ちまで萎えた性器を口唇に押し当てられて。和代は泣きじゃくりながら口を開けて、それを受け容れた。
 でろんとした生温かい蒟蒻のような棒を口中に含んで、息を止めていても男の獣じみた体臭が鼻腔を刺激する。一方、男性器そのものは、それほど味がしなかった。
 なあんだ……たった、これだけのことだったんだ。拍子抜けする思いだったが。
「最初からあれこれは出来ないだろうし、したところでカメラには写らないからな。構わないから、ガシガシ突っ込んでやれ」
 勝雄に促されて。男は和代の頭を両手でつかむと、怒張を口中深く突き挿れはじめた。
「む……ぶうう、んんんん……」
 一突きごとに、口の中で怒張が固く太くなっていく。それで喉の奥を突かれて、吐き気が込み上げてきた。
「歯を立てるなよ。けど、もっとしっかり口を閉じていろ」
 男は勝手なことを言いながら、和代の口をただの穴として乱暴に扱った。
「んんん……むぶっ……んんん」
 激しく頭を揺すられて和代は、これまでに経験したもっとも酷い乗り物酔いの十倍は気分が悪くなった。耐えられずに目をつむると、もっとひどくなる。
 吐いたりしたら、もっと厳しく折檻されると、本能的に悟って――和代は目の前で激しく動く男の腹と淫毛とを、見るともなしに眺めていることしかできなかった。
 やがて、男の腰遣いがいっそう荒々しくなって。
 口中の肉棒がびくびくっと痙攣するのを感じると同時に、熱い衝撃が上顎の奥に叩きつけられた。プールの塩素臭と魚のアラの生臭さとが混じったような異臭が脳天まで突き抜けた。
 男が和代の頭を突きのけた。
「うげえええ……」
 和代は口中に溜まっている汚物を吐き出して、ひとしきり嘔吐(えず)いた。
 カメラが、引いた位置からその様までフィルムに写し撮った。
 ぱさっと、バスタオルが肩に掛けられた。
「よく頑張ったな。迫真の写真になるぞ」
 勝雄が猫撫で声で和代をいたわる。
 迫真の写真とは、それだけ卑猥だという意味だろうとは、和代にも見当はつくのだが。なぜか屈辱には感じなかった。
 たくさん売れて、早く借金を返せればいいな――と、それだけを考えるようにした。
 勝雄のねぎらいは言葉だけではなかった。約束は三万円のモデル料だったが、さらに一万円をはずんでくれたのだった。とはいえ、実際に手渡されたのは一万円だけで、残りの三万円は借金と棒引きにされたのだから、勝雄としてはちっとも懐が痛まないのだが。
 その一万円を和代は父に差し出したのだが、さすがに良心が咎めるのだろう、昭大は半分の五千円しか受け取らず、半分は和代の小遣いにさせたのだった。半分でも娘の恥辱の代償を我が物にしたというその行為は、客観的には非難されて然るべきものではあったろうが、和代としては一年半ぶりに父からお小遣いをもらったような気分になったのだから、脳天気といえば底無しの脳天気ではあった。

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集団羞辱物売編(夜)紹介図
 実は、ヒロイン(和子あらため和代)の性格が、再開後はいっそう奔放になってきました(上記は中断直前の部分です)。
 『ロリくのいち』のヒロインの性格を引きずってる感じです。
 ふう……。何本もの作品を併行執筆する売れっ子作家さんとか、何十年も後になって続編(たとえば『銀河帝国の興亡』とか『ガラスの仮面』とか)を書く作家さんは、端倪すべからず非ざる然るべき(つまり?)ですなあ。


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Pressing Report Final:逝かされたって口は割らない

 脱稿しました。8万1千文字(247枚)。
 最後のドンデンでは、上杉領で根絶やしにされた「草」の身内が、ハルの裏切りのせいだと思い込んで、報復の拷問をする――というシーンを考えていましたが、「憎悪」の要素は無くても、「事務的な拷問」でも悦虐には至らないシーンを描けばそれでマゾヒズムの精神性をじゅうぶんに描けると考え直して――ドンデン拷問はあっさり目にしました。いえ、尺があっさりなのであって、内容はえぐいですよ。『濡墨』で千代が後半唯一自害を望んだ責めの再現です。
「おや、それシカ考えつかなかったのかえ?」
 創造力貧困ですまんこってす。


 今回は本題休憩。本編前の注記と後書を紹介しときます。

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注記
 この小説はヒロイン一人称で書かれています。その為、本文中で時刻や度量衡の換算はしていません(ヒロインにそんな知識は無いですから)。なお、読者各位におかれまして単位換算をされるときは、有効数字の桁数に留意してください。
 一寸は厳密には三・〇三センチですが、「一寸半」という表記は四・五四五センチではなく四・五プラスマイナス〇・三センチを意味します。
 3.03×(1.4~1.6)=4.24~4.84
 四センは素敵だけど五センチは裂けちゃうという問題は……知らんがな。
 十間は十八・一八mではなく二十m弱です。

 この単位換算てやつは、最近は改善されてるのかもしれませんが、昔はひどかったですね。
 「高度33000フィート(10584m)」なんてのが、TVのキャプションにありました。
 あほか。並のパイロットがメートル単位で高度を維持できるか。
 33000フィートは「約11000m」と換算するのが正しいのです。ドンブリで1万メートルでもよろしい。



後書(抜粋)
 まずお断わりしておくのが『女忍び』と『くノ一』の違いです。本作品中では『くノ一の術』として、女忍が女の武器を行使する、いわば房中術として扱っています。これが本来の意味だったとウロオボエスの神話です。太平の世が続いた江戸時代(それとも近年の講談本?)で、言葉の意味が色々と変遷しているのです。
 その言葉ですが。実は『陰核』とは元々は金玉のことであったとか。ネット検索だけで元文献には当たっていませんから、不確実ですが。そういったわけで、戦国時代(中世末期)らしい単語をあれこれ、まあ大半は丁稚揚げですけどね。於女子とか雛先とか。
 守備範囲の江戸時代よりも昔ですから、時代考証には留意しました。『バンザイ』なんて江戸時代でも使えません。興味ある読者はググるなりビングるなりヤフるなり。
 単語はお遊び半分ですが。お遊びといえば、舞台設定もそうですかしら。
 これまで(特に時代劇では)場所も登場人物も架空のものでしたが、今回はなんと、上杉謙信統治下の越後領です。最初は、それっぽい地名を丁稚揚げるつもりでしたが、なんとなく三権分立もとい三強鼎立の舞台設定にして、必然的に上杉vs武田vs北条になってきて。ロリコンサディスト武士を上杉謙信のお稚児さんにしてしまって。こういうお話になりました。上杉謙信ホモ説はおろか女人説まであるのですから、ついでに養子二人の前に、(弱冠に達して)寵愛を失いかけている美青年くらいは居ても可笑しくないでしょう。
 衆道の青年ですから、体形が稚児に似ている(ツルペタ)ハルに欲情するのです。兼恐怖快。
 実は忍者にしても、最初は漠然と考えていました。甲賀や伊賀じゃ面白くないし、得体のしれない忍者集団といえば風魔かなとは、設定の当初から考えてはいましたが。調べてみて、北条と風魔が結びついていると知って、まさに天啓は舞い降りた。
 上杉には軒猿がいました。個人名らしいですけど集団にしました。
 そして。オーラスの拷問です。ごちゃごちゃ甚振らずに、さっさと『裏切者』として処断すべきなのに、なぜ自白を強要するのか。ここで、第三の忍者集団が北条家に売り込みをかけていて――というのを、土壇場で丁稚揚げました。この忍者集団は、歴史で習う『部の民』です。影働きをする部の民ですから影部です。筆者がKGBを知ったのは『ゴルゴ13』ですが、そのときから暖めていたギャグです。チョイ役ですが、とうとう陽の目を見ました。
 にしても。この作品の直前に仕上げたのが『濡墨』です。時代劇の拷問のマゾのと、設定がかぶりまくりです。ので、ついつい『濡墨』に引っ張られて、責めの内容もかぶり気味です。
 あと。過激な拷問としては、目を潰すとか腕を叩き切るとかもありそうですが。それではハッピーエンドになりません。なによりも、筆者は(膜と淫毛と包皮以外の)欠損を忌避します。そこで、大慌てで歯止めを設定する羽目になりました。「窮鳥懐に入らば煮て食おうと焼いて食おうと」以下のシーケンスです。唐突ですし論旨が取っ散らかっています。奇異に感じる読者がおられましたら、右の事情を御賢察ください。
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 それにしても。本作品は小説ですから、問題はありませんが。画像/映像では、「全裸の女忍者」は表現が難しいのでしょうね。
 どうしても、着エロに偏ります。

くのいち1
  額の鉢金と鎖帷子(実は全身網タイツ)は必須アイテムらしいです。

 女子校生なら、こういう優れた画像があります。
JK裸リボンタイ860
 リボンタイひとつで表現しきっております。

 まあ。本作品の表紙絵も、女忍者の格好にはこだわりません。なにしろ、捕縛されたときに「縄脱け防止」の大義名分で、いきなり素っ裸にされますので。え? 腰巻とか褌? そんなもの、ヒロインは着けていません。女の子は初潮を迎えて「腰巻祝」をするまで、下はスッポンポンです。これは男の子にも当てはまりますが、「褌祝」と精通は関係ないみたいです。


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 さて。これから表紙絵BFを丁稚揚げて。校訂は書きながら1回済ませてるので、あと2回。
 PIXIVに準拠した書式なので、WORD標準のやつも作って。
 PIXIVのルビ  [[rb:紅玉>ルビー]]
 FC2のルビ    <ruby>紅玉<rt>ルビー</rt></ruby>
 WORDのルビ   紅玉ルビー

 WILL様は、納品まであと1週間(弱)お待ちください。
 その他読者様は、各サイトで発売する1年後まで待っててくれると嬉しいな。

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Pressing Report 2:逝かされたって口は割らない

 15日間で195枚。休日が5日あったことを考えると、それほど速いペースでもないですね。
 しかも、あとちょっと(200枚くらい)で、明示してあるPLOTが終わって、ドンデンドンデンデンデン、プワァー(というふうに聞こえるのです「ツァラトゥストラ斯く語りき』は)これが、さて50枚……未満か。
 まあ、PLOTが長いせいもありますが、筆者はつくづく「長くて硬い(Hard)」ものが好きですな。しかも本人は骨のつもりでいるし。

 S学生時代が嘘のようです。文脈に関係なく禁止ワードが発動します。
「3枚以上の作文」が宿題に出たら、
『日曜に家ぞくでゆう園地に行きました。ボートにのってかんらん車にのって、しば生でおべん当を食べて……』
 必ず3枚目の1行が『楽しかったです。』で終わってましたもの。

 まあ、今でもSFの方では発作的に(1年に1本くらいは)ショートショートを書いてますし、『修学旅行Mデビュー』が86枚、『真剣裸勝負』が70枚ですから、短いのも書けるんでしょうね。

 さて。今回ご紹介するのは、微リョナくらいですか。最後の拷問です。
 ドンデンドンデンでは、味方からさらに苛酷な責めを受けるかもですが、実は拷問の内容は決めていません。明日以降に書きながら決めます。いや、決めながら書きます。

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   極虐

 捕らえられてから七日間責められ続けて。気力体力ともに弱っていたと痛感したのは、檻の中で静養させられていた二日の間にめきめき恢復していくのが実感できたせいだった。山のてっぺんとはいわないけど中腹から麓を眺めて、うわあ、あんな遥か下でうろちょろしてたんだと驚く――そんな感じだった。指も於女子も尻穴も、まだ傷だらけのままだけど、くノ一の術はなんとか使えるぞ(と思う)。
 けれど。中二日の安逸の後に待っていたのは、くノ一の術も使いようのない、おれを女として辱める・・・・・・・んじゃなくて、生きた昆虫の翅を毟り取るような残虐な責めだった。

 檻から引き出されると、縄ではなく太い鎖で高手小手に縛られた。胸にも鎖が回されて――ずうんと身体が沈み込むと感じるくらいに、鎖が重たい。冷たい鉄が気色悪いし、身体を動かすと鎖と鎖が擦れ合って軋む。縄で緊縛されるのとは、まったく異なる。足首にも同じ鉄鎖が巻かれて、歩幅を一尺半ほどに狭められた。
 ここまでは、元気を取り戻したおれの抵抗を封じる意味があるんだろうけど。
 腰にも鎖をきつく巻かれて、後ろから前へ回した鎖に於女子を割られた。ぎりぎりと食い込ませて、腰の鎖と重ねて小さな楔で留められた。楔から先にも一間半は鎖が延びている。そうか。おれを引き回すつもりなんだな。
 立っているだけでも痛いのに、鎖を引っ張られると、さらに於女子に食い込んでくる。
「さっさと歩け」
 左内の采配で二人の下忍がおれを前後から挟んで、鎖を引っ張り尻を六尺棒で叩く。
 じゃらん、がぢゃん、じゃらん。
 一歩ごとに足の鎖が鳴って、於女子の肉襞が鎖に擦れる。女穴にまで食い込むと三角木馬に切り裂かれた傷が灼けるように痛むので、へっぴり腰になっちまう。
 裏庭へ引き出されても、謙吾の姿はなかった。
 鎖の重さが倍に増えた気分。左内は忍びだ。必要なら、どんな残虐なことだって平然としてのける。今日一日が終わったとき、おれは……殺されてはいないだろうが、半殺し(には、何度もされてる)どころか九分殺しにされてるだろう。
 小さな通用門を潜って、牢屋敷の外まで引き出された。そこに謙吾が居た。
 ふうっと安堵の息が漏れた。愛しいとか、こいつになら甚振られてもいいとか、そんなんじゃないぞ。謙吾なら、九分殺しじゃなくて七分殺しくらいに手加減してもらえそうだからだ。
 謙吾は馬に乗っている。おれを見下ろして、降りようとはしない。
「狭い檻に籠りきりで陽にも当たらねば、気もふさぎ性根もひねくれよう」
 閉じ込めてるのはてめえじゃねえか。
「今日は遠乗りの供をさせてやろう。素裸に陽と風を受けて存分に走り回れば、気分も晴れようぞ」
 くそ。野晒じゃ飽き足らず、引き回そうってのか。野晒にされたときも、刑場までは股座を縄で縦に割られてたっけ。
 おれの股座から延びてる鎖が、馬の尻尾に括り付けられた。おい、ちょっと待てよ。まさか……
「行くぞ。しっかり付いて来いよ。転んでも止まってはやらんぞ」
 言うなり、謙吾は正面に向き直って馬腹を蹴った。
 ぽくぽくと馬が歩き始めた。すぐに、鎖がぴいんと張って。
 ぶふうう……不快げに鼻息を吹くと、馬はさらに歩を進めた。
「くっ……」
 おれは慌てて歩き始めた。引き倒されたら、そのまま地べたを引きずられる。繰り返すけど、おれは素っ裸だぞ。たちまち肌を擦り剥く――なんて生易しいもんじゃない。今度こそ因幡の白兎にされちまう。
 謙吾が、おれを振り返った。付いて来てるのを確かめたって感じじゃなくて。縛られたおれが鎖の重みによたよたしながら、一尺半に制限された歩幅でちょこちょこ歩いてるのを眺めて愉しんでやがる。
 やつの瞳に情欲の陽炎かぎろいが揺らめいてる。それを知った途端に――あの熱い痺れが女穴の奥で渦巻いた。だけでなく、心の臓が早鐘のように打ち始めた。
 おれの惨めな姿が謙吾を悦ばせるのなら、もっと惨めにされてもいい。おれを甚振って欲情するのなら、もっと甚振ってくれ。
 何を血迷ってるんだろう。やつがおれに執着するのは、分からないでもない。やつにとって、おれは初めての女(ちょっと穴が違うけどな)だ。でも、おれにとっては二番目でしかないんだぞ。まあ……幸兵衛小父とはくノ一の稽古だったから、真剣仕合としては、おれも謙吾が初めての相手だった。だけど、おれは……搦手門でも糧道でも、見事謙吾を討ち取ったんだぞ。そんな弱っちい男に虐められたいだなんて……そんなこと、おれが思うわけがねえだろ。
 謙吾が、おれに笑顔を見せた。そして、前に向き直ると……
「はいっ……」
 手綱を送って、足並を早くした。
 うわわ……腰をがくんと引かれて(脳天まで突き抜けるほど、於女子に鎖が食い込んで)、たたらを踏みながら、おれは駈け足になった。
 じゃらじゃらじゃらじゃら……足の鎖が宙を跳ねる。 馬は軽々と速足で進んでるけど、おれは全力疾走。そのまま一町ほど駈けたあたりで、謙吾のやつは馬の尻に鞭をいれた。
 馬が、ぐんっと脚を速めた。蹄が四つとも宙を翔ぶ。軽装の(もちろん縛られていない)足軽でも追い付けない速さだ。
「うわわっ……」
 一瞬にして、おれは引き倒された。そのまま、ざりざりと地面を引きずられる。
 じゃらららら……おれの身体を縛っている鎖が鎧代わりになって、すこしは肌を護ってくれた。けど、腕もせなかも尻も腿も、たちまち肌が裂けて……くそ、こういう痛みだと熱い痺れが湧いてくれない。
 なのに。謙吾がおれを甚振ってる。そう思うと、肌を切り裂く激痛が甘美に感じられる。
 引きずられたのは、せいぜい二十間か三十間だろう。だから、馬が止まったときに、おれはどうにか立ち上がれた。また走り出されたら引き倒されるに決まってるのに。
 何て言うのかな。これしきのことで降参してちゃ、謙吾をがっかりさせ……じゃない。風間忍びの沽券に係わるからに決まってる。
「ふむ。なかなか頑張りおるな」
 謙吾に褒められて嬉しく……なんか、ないやい。
 左内はいつの間にか馬で謙吾と並んで走っていたが、二人の下忍は徒歩かちで馬の駈け足に付いて来てる。
「では、もうひと走りするぞ」
 謙吾は左内に声を掛けて、けれど並足で馬を進めた。おかげで、なんとか転ばずに歩けた。全身擦り傷だらけ。皮膚があちこち剥けて、痛くないとこが無いってくらいだけど。乳首は無事だった。いくらなんでも、むねのささやかな膨らみが鎖の厚みに負けてたわけじゃないぞ。転んだとき、仰向けになったからだ。尻は猿みたいになったけどな。
 牢屋敷なんて剣呑で不浄な場所は、街はずれに追いやられてる。さすがに街道筋を引き回すのは憚ったらしく、畦道のようなところばかりだったが、それでも近在の農民の目に晒されてたんだろうけど。馬を追い掛けるのがやっとで、どんなやつと何人くらいすれ違ったかも、まったく覚えてない。
 他人の目に気づいたのは――小川の畔で馬が止まったときだった。田圃に水を引く堰があって、そこで女子供を交えて十何人かで普請をしている。男どもは手を休めて見物を始めるし、女どもは子供をおれがみえない所まで連れ去った。
「今日は蒸し暑い。ちと水浴びなどしたいが、構わぬであろうな」///1st
 堰から五間ばかり上流へ連れて行かれて、鎖で縛られたまま川の中へ追い立てられた。
 謙吾は馬から降りて下帯ひとつになると、おれの鎖を持って、じゃぶじゃぶと川へ入って行った。
 鎖を引っ張られて、おれも川へ足を踏み入れた。すぐ下流で堰き止められているので、幅が二間しかないくせに脚がすっぽり浸かるくらいに深い。冷たい水に傷が洗われて、ちょっぴり沁みるけど心地好い。
 謙吾はおれを引き寄せると、一間半の鎖をおれの首に巻き付けた。そして……おれの足を払って肩を突いた。
 うわわっ……ざぶんと、頭まで水に沈んだ。起き上がろうとしたけど、首に巻かれた鎖が重くて身体を起こせない。足の鎖に邪魔されて立ち上がれない。
 くそっ。こんなところまで引き出して、また水責めかよ。
 じゃなかったみたいだ。じたばた足掻いても息が苦しくなるだけだからじっとしてると、髪をつかんですぐに引き上げてくれた。
「今日は、ずいぶんとしおらしいな」
 目が嗤ってやがる。
「煮て食おうと焼いて食おうと意のままなんだろ。好きにしろよ」
 なんで、相手をけしかけるような返事をするかな。案の定。
「なるほど。では、こうしてくれよう」
 首の鎖を引っ張られて、仰向けに沈められた。どすんと腹を踏んづけられて、大量の泡を吹いた。ぐりぐりと腹を踏みにじられる。そのたびに、ぼこぼこと泡を搾り出されて、ついに息を吐き切ってしまった。腹の皮が背中にくっつくほど踏みつけられているので、息を吸いたくても吸えない。そのおかげで肺腑に水を吸わなくて済んでいるけど……急速に目の前が暗くなっていく。びくんびくんと全身の痙攣が始まった――ところで、引き上げてもらえた。
「もう一度、溺れさせてやろうか」
「堪忍してくれよお……」
 我ながら情けない、哀れっぽい声。半分は芝居だ。こいつなら、きっと赦してくれる。
「よかろう。では、息を整えろ」
 何か企んでるのは分かってるが、それが分かったところで、おれには抗う術もない。あれこれ考えないで、深呼吸を続けた。
 謙吾は水の中で下帯を解いてる。ということは……
「くノ一の術で、おれの精を絞り取ってみろ。出来たら赦してやる」
 今度は頭を押さえて沈められた。目の前に、鉄槍どころか鉄杭がある。おれを甚振ることで、こんなにも興奮するんだ。なんか、胸がきゅうんとねじれてきたけど、女穴を痺れさせてるときじゃない。
 おれは水中で跪くと、膝を開いて身体を安定させた。
 ぱくんと鉄杭を咥えて、知っている限りのくノ一の術を駆使した。息が続くうちに吐精させるのは、謙吾がその気になってくれていても難しい。
 あむあむもぐもぐ……息を吸って唇を震わす術は、水の中では使えないと分かった。ので、歯に唇をかぶせて強めに竿を噛んで。頭を前後に揺すった。これも、水の中では動かしにくい。
 吐精の前には金玉が吊り上がって、いよいよになると亀頭がぐんと膨れてくる。その兆しも無いままに……頭が、がんがんして、目の前が薄暗くなってくる。
 謙吾の手が、おれの頭をつかんだ。そして、激しく腰を遣い始めた。ばしゃばしゃと水面が激しく揺れる音が、水中のおれにまで聞こえた。これは、おれを虐めてるんじゃなくて助けてくれてるんだ。そう思ったから、気力を振り絞って……舌で裏筋を舐め、歯の先で雁首をしごいた。
 口の中で於珍宝が、ぐぐっと膨れて……口の中の水が揺れた。直後に、髪をつかんで牛蒡抜きにされた。
「げふっ……」
 水を吐き出して息を貪った。
 ばしん! ばしん!
 頬桁を張られて、痛いよりも呆然が先に立った。おれ、何か怒らせるようなことをしたかな。
「誰が吐き出して良いと言った。この莫迦者が」
 飲めと言われたことも無いぞ。そりゃまあ、男の精を飲むのは(男が悦ぶから)くノ一の基本だけど。
 弁解の余地も与えられず、また水に沈められた。どうすれば良いのか見当はついたので。まだ萎えていない於珍宝を咥え直して、強く息を吐いて口の中の水を追い出してから、竿の中に残っている精汁を吸い出した。
 水から引き上げられると、口を開けて精汁が(わずかだけど)残っているのを見せてから、ごっくんと飲み下してみせた。
「これからは二度と吐き出したりしないから、堪忍してくれよお」
 思いっ切りしおらしく謝ってやったんだけど。これって、忍びにあるまじき命乞いだと気づいた。「これからは二度と」ってことは、これからも、こういうことをさせてくれ。つまり殺さないでくれってことだ。
 いや、違う。謙吾は篭絡しやすいから、芝居してやったんだ。左内が相手だったら、こんなこと言うもんか。
 計算通り、謙吾は上機嫌になって、水浴びはおしまいにしてくれた。
「ずいぶんと参っておるようじゃな。帰りは馬で運んでやろう」
 へっ。ちょろいもんだぜ……てのは、さすがに見くびり過ぎてた。
 おれはすべての鎖を解かれて。馬の背に乗せられたんじゃなくて、下から馬の腹にしがみつく形にされて、手足を縛られた。腋の下と腰にも縄を巻かれたから、ちっとも苦しくはないんだけど。こいつは牡馬だった。おれが牝だって分かるんだろうな。人間とは桁違いにでかい竿が鎌首をもたげて、おれの股座をつつきながる。これだけでかけりゃ挿入はいっちまう心配はない……と、思うぞ。
 馬が歩き始めると竿も揺れて――それが刺激になるんだろうな。ますます硬くして、先っぽが於女子にめりこみそうになる。
 くすぐったいし、傷が痛いし。それよりも、畜生にまで犯されてるみたいで、羞ずかしいし惨めになってくる。なのに……これが、謙吾の意図したことだ。謙吾に嬲られてるの同じだと思うと。あの熱い痺れが沸き起こってきて、蜜まで垂れてくる。これじゃ、おれが馬の於珍宝につつかれて発情してるみたいじゃないか。
 くそ……なんで、謙吾の乗馬に縛り付けてくれたんだよ。左内の馬だったら、謙吾も良く見えた……違うぞ。こんな惨めな姿を謙吾に見られたいなんて、断じて思ってなんかいないんだからな。

 悶々としたまま、牢屋敷へ帰り着いて。
 おれは、すべての鎖を解かれて、裏庭の松の木の枝から吊るされた。両足は縄で引っ張られて、人の字形。
「川で洗っても、まだ血がこびり付いておるな。綺麗にしてやろう」
 穿鑿所に控えていた下人が、縄束と甕を持ってきた。謙吾が、縄束を甕に突っ込んで掻き回した。甕から取り出された縄束は白い粉にまみれていた。
 謙吾がおれの正面に立って、縄束を振るった。
 びちゃあん!
「ぎひいいっ……」
 皮膚が剥けた肌を縄束で叩かれたら、激痛なんてもんじゃない。灼けた鉄線で切り裂かれるような衝撃だった。しかも、叩かれた後も無数の針に突き刺されるような痛みが残る。
 びちゃあん! びちゃあん!
「ぎゃああああっ……」
 叩かれたところに目を凝らすと、白い砂粒が散らばっていた。これ、塩だ。傷口に塩を塗るとはいうけれど、これは――傷口に塩を叩きつけられてる。
 びちゃあん! びちゃあん!  びちゃあん! びちゃあん!
 謙吾はおれのまわりを右に左に動きながら、裏も表も全身隈なく縄束で打ち据えやがった。そして、これが仕上げだといわんばかりに、縄束にたっぷりと塩をまぶして。おれの正面に戻って、右手をだらんと垂らした。
「あわわわ……」
 さすがのおれも、歯の根が合わない。なんとか腿を閉じ合わせようとしたけど、大股開きに縛られてるんだから、どうにもならない。
 ぶゅんっ……謙吾が右手を撥ね上げて。
 ばっぢゃあん!
「ぎゃわあああっ!」
 於女子から脳天まで灼熱の激痛が突き抜けた。同時に、女穴の奥にも別の灼熱が噴き上げて……おれは悶絶した。
 ――激しく咳き込んで、おれは正気づいた。鼻先に小皿が突きつけられて、松葉を燻した煙が濛々と立ち昇っていた。
「ようやくに目を覚ましたか」
 謙吾が真上からおれを覗き込んだ。
 おれは梯子に縛り付けられていた。捕まった最初の日に、今にして思えばちゃちい・・・・色責に掛けられたときと同じ流儀だ。違うのは、両脚を蛙みたいに開かされて、足の裏をくっつけて縛られてるってところだ。
おれはくノ一の女忍びだから、於女子がくばあっと開いて羞ずかしいとは、ちっとも思わないけど。女穴に六尺棒を突っ込まれるか自然薯の張形を押し込まれるか、それとも本物で犯されるか。出来るなら、どれも赦してほしい。だって、三角木馬で傷つけられて、まだ治っていない。
「こうして見ると、まるで本物の鶏冠じゃな。縁がぎざぎざに切り刻まれておるわ」
 これだけ脚を開かされると、於女子は熟れた木通みたいに、ぱっくりと口を開ける。そして、内側の肉襞が顔をのぞかせる。その縁が三角木馬で傷つけられてることを、謙吾は揶揄からかっている。こんなふうにしたのは、おまえじゃないか。
「あまり痛めつけても可哀そうじゃな」
 なんてことを言いながら、指で女穴を穿ちながら雛先を掘り起こす。
 くううっ……やめろ。気持ち好いじゃないか。
 くりくりっと摘ままれて、細い稲妻が腰の奥まで突き抜けた。気持ち好いだけで痛くもないのに、熱い痺れがじんわりとわだかまってくる。
「きひいっ……」
 不意打ちに爪を立てられて、悲鳴を上げちまった。
 でも、それで謙吾は満足したんだろう(おれは満足してない)、於女子を弄ぶのはやめやがった。
 二人の下忍が、おれの左右に立った。これ見よがしに下帯を抜き取って二つに畳んだ。それを、おれの口にかぶせる。幅が広いので、鼻から顎まですっぽり隠れた。下帯の紐が頭の後に通されて、反対側で布の折り返しを踏桟に結び付けた。
 二本目の下帯が、紐が反対側にくるように重ねてかぶせられて、同じように紐で踏み桟に結び留められた。
 水を張った手桶が横に置かれて。左内が二人の下忍と入れ替わった。手に柄杓を持っている。
「さて。憎まれ役は儂が引き受けるとしよう」
 左内は手桶から水を柄杓に掬って、おれの顔にゆっくりと垂らし始めた。
 おれは息を止めて様子をうかがっていたが、二杯三杯と水を垂らされるうちに、下帯の布が顔に張り付いてきた。息をしようにも、布に染みた水ばかりが鼻に入ってくる。
 たまらずに大きく口を開けて。水を吸わないよう、ゆっくりと息を……
「げふっ……うぶうう」
 口を狙って水をぶっ掛けられた。息を止める前に、したたかに水を吸い込んあ。咳をすると、いっそう吸い込む。口を閉じたけど、布も咥え込んじまって、かえって苦しい。口を半開きにして、舌で布を押し戻しながら……
「ぶはっ……げふ、げふふっ」
 また水をぶっ掛けられた。
 ぼぐっ……腹を殴られた。
「あぐっ……げふっ……ぶばわあああ!」
 息を吐き出してしまい、反動で無意識に水混じりの息を吸い込んでしまった。しばらくは、吐き気と咳が止まらない。
 考えようによっては、逆吊の水責よりも残酷だ。水を一緒に吸い込むとはいえ、まったく息が出来ないわけじゃない。だから、おいそれとは気絶させてもらえない。
 しかも。上から覗き込む左内の顔が見えている。まるきり無表情で、おれが苦しむ様を冷酷に観察してやがる。こんなやつの顔なんか見ていたくない。
 おれは顔を左右に巡らして(それくらいの動きじゃ、布は鼻と口にへばり付いたままだ)謙吾の顔を探した。梯子を挟んで左内の反対側、おれの腰のあたりから眺めている。左内とは対照的に、目をぎらつかせ口元に嗜虐の笑みを浮かべて――袴の前を突っ張らかせてる。
 左内は、おれを白状させようとして拷問している。おれは敵方の忍びなんだから、当然だ。いうなら、仕事だ。
しかし謙吾は、拷問されて悶え苦しむおれを見て欲情している。やつ自身の嗜虐だ。敵も味方もない。おれが女で、しかも、やつの好みに合った稚児っぽい餓鬼だからだ。
 憎むなら、左内よりも謙吾だ。なのに……謙吾に愉しまれていると思うと、女穴の奥が熱く痺れてくる。胸が苦しくなってくる。くそお。どうかしてるぞ、おれ。
 左内が柄杓を手桶に戻すと、別の得物を下忍から受け取った。
 それを見て、おれは全身から血の気が引いた。これまでに受けた拷問のすべてが遊びだったと思えるほどの凄絶な苦痛を想像して……背中に鳥肌を立てながら、女穴の奥を熱く痺れさせた。
 それは本物の擂粉木だった。太さも長さも、大きめの於珍宝と変わりはない。けど、何本もの釘が打ち込まれている。擂粉木から丁字形の頭が突き出ている。尖った釘先が突き抜けている。こんなのを突っ込まれたら……二度と使い物にならなくされる。
「ぶぼぶじゅ……ぼぼびじょび……」
 空いたほうの手で、左内が布をずらしてくれた。
「嘘つき。もう痛めつけないって言ったじゃないか」
 仕返しに怯えながら、それでも謙吾を詰った。
「それは杉下殿の言葉じゃ。儂の知ったことではない」
 左内は布を元に戻して。手桶を持ち上げて、中の水をおれの顔にぶっ掛けた。
「ぶはっ……げふっ……」
 左内が、おれの太腿のあたりに位置を変えた。
「ちと痛いが、我慢せい。これで頭陀頭陀に引き裂いた痕が癒着すれば、数の子天井と蚯蚓千匹を兼ね備えた名器になるぞ」
 声が嗤ってるから、絶対に嘘だ。
「謙吾……さま」
 初めて敵の首魁の名を呼んだ。憐れんで欲しいからサマまで付けて。
「いいのかよお。おれの於女子、壊れちまうぜ」
 ちっとも憐れんでくれなかった。
「不浄の血を流す穴なぞ、俺は使わん」
 くそ……言うに事欠いて。おまえの使う穴なんか、毎日のように不浄をひり出すくせに。
「名器になれば、杉下殿も気が変わるやも知れぬぞ」
 左内は冷徹な拷問吏の票所を保ったまま、擂粉木をおれの股間に突きつけて……
 ずぐしゅ……そんな音が聞こえたように思った。
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
 おれは息の続く限り絶叫した。
 目の前が真っ赤になって白い星が無数に飛び交って……女穴の奥も真っ赤に痺れて。
 おれは悶絶した。

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ロリくのいちブログ用2

 前回のBFは、モデルが合法年令だったので、しかもBMIに難があったので、今回は首から下を横幅だけ85%に縮小しました。


DLsiteアフィリエイト キーワードは「ロリ 拷問」です。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Pressing Report 1:逝かされたって口は割らない

 7/3に書き始めて7/7現在で62枚。まずまずのペースです。やはり200枚はいきそうなので、脱稿は7/20頃でしょうか。
 初手からヒロインが勝手に走っています。こいつ、こういう性格だったんかい? です。まあ、それだけノリノリで書いてるわけですけど。予定調和のラストへ持っていけるか、先行き不安でもあります。
 責めのシーケンスとしては、Report 0で紹介したように。お子様向け拷問→お子様向け色責め→野晒→本格拷問と、エスカレートさせていくのですが。今回はお子様向け色責めを御紹介。


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色責


 望み通り(?)に一撃で悶絶したけど、それで拷問をやめてくれるほど敵はお人好しじゃなかった。
「ごほ……けふっ、けふん」
 喉が灼けて鼻が痛くて目が沁みて……おれは安らかな眠りから拷問の場へ引きずり戻された。鼻の下の小さな皿から、もうもうと煙が立ち昇っている。松葉を燻してやがる。
「いやだ……もう赦して……」
 誰だよ、すすり泣きながら敵に慈悲を願っている奴は。くそ、しゃんとしろ。お子様向けの拷問くらいで根を上げる玉じゃないだろ、風間忍びのハルは。
「いやだ……もう於女子おめこは敲かないでよお」
 まだ言ってやがる。でも、言ってみるもんだ。
「よしよし。もう痛いことはせぬぞ」
 耳元に囁かれる猫撫で声。
 騙されるもんかと思ったけど。おれは床に下ろされて、手首の縄もほどいてもらえた。
 でもすぐに。壁に立てかけてある梯子に手足を伸ばした形で縛り付けられた。
「もうしないって言ったくせに……」
 ネコ撫で声に、おれもついつい甘えちまった。
「武士に二言は無い。今日は・・・もう痛いことはせぬ」
 明日は、今日よりもっと痛いことをするんだ。おれは不貞腐れた気分になったんだけど。
「これからは愉しいことをしてやる」
 雑兵の手で、おれを縛り付けた梯子が上下逆にひっくり返された。けど、緩い斜めにされたので、苦しいという感じは無かった。
「幸兵衛から何を言いつかったか、教えてくれぬか」
 謙吾はおれの横に座り込んで耳元に囁きながら、胸に手を這わした。土をほじるように指を動かして、すぐに止めた。きっと乳の膨らみを悪戯しようとしたんだろう。残念だったな。おれの胸は掌で包めるほど膨らんでないぜ。なんて、威張れることじゃないや。
「あっ……」
 びくんと身体が跳ねた。膨らんでないとは言ったけど、乳首のまわりは盃を伏せたくらいに盛り上がってる。そこを指で強く摘ままれて、小さな雷に打たれたみたいな痛みが走った。
「ふむ。男に比べると格段に敏感だな」
 男なんかと比べるって――おれをわざと辱めてるんだろうか。
「ここも、そうかな」
 わずかな膨らみの上を指が滑って……
「ひゃんっ……」
 乳首を摘ままれた。びりびりっと、稲妻みたいなぎざぎざの鋭い、でも痛いんじゃなくてくすぐったい感じが胸を奔り抜けた。
 くそ……乳をどうこうされたくらいで感じるんじゃない。心を鎮めて、餓鬼の乳を弄んで悦に入っている阿呆の顔を見詰めるんだ。嘲笑ってやれ。
 もう片方の乳首も摘ままれた。
「ひゃ……」
 駄目だ。くノ一の術を使えない。実の親(は知らないけど)みたいな小父さんや小母さんにされるのとは違って、相手が男だってことが、おれは女だってことが、心の真ん中に居座ってやがる。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。どこまで知っておる?」
 くそ、逆だぞ。女が男に色仕掛けで話を聞き出すのがくノ一だ。男が女に色仕掛けなんて……
「ひゃうんっ……」
 乳首を親指と中指で摘ままれて、その天辺を人差し指の腹でくすぐられて、また不本意な声を漏らしてしまった。触られてるのは乳首なのに、於女子の奥が熱くなってくる。
「これでは足りぬか。では、こうしてくれるぞ」
 左の乳首から謙吾の指が離れて、つううっと肌を下に滑った。於女子を指で割って――こういうとき、男は穴の中にまで指を挿れてくると教わってるけど、こいつは違った。割れ目の浅いところを下から上にほじくるようにして……
「あっ……」
 割れ目の上端に隠れている雛先ひなさきを簡単に探り当てやがった。やめろ。そこは弄らないでくれ……おれ、おかしくなっちゃう。
「話には聞いていたが、なるほど。これが女魔羅めまらという物か。豆粒みたいだが、たしかに魔羅と似ておる。ならば、扱いも同じでよかろう」
 雛先をつままれて、皮の中に隠れている実核さねをくにゅんと身体の中へ押し込まれた。
「いやっ……」
 甘ったるい爆発が、雛先から腰の奥に向かって突き抜けた。
 くにゅん、くりゅん、にゅろん……微妙に指遣いを変えて、何度も押し込まれる。
「いやっ……くうん……やめて……」
 くそ。これも乳首と同じだ。小父さんにされるより、ずっと気持ち好い。女忍びがくノ一の術に翻弄されるなんて……じゃなくて。こいつのは衆道の術だ。殿様に弄られてるのか殿様に奉仕してるのか、それで覚えたんだろう。どっちにしても、おれは自分が情けない。でも、気持ち好いよお。
「武田との縁組など、どこに知られても構わぬ。もはや七分までは固まっておる……実に無念ではあるがな」
 最後のほうは意味が分からなかったけど。考えてみたら、おれが何を言いつかったかを知られたところで、構わないんじゃないだろうか。捕らえられていては、どうせ務めを果たせない。
「言え。白状してしまえ。おまえは、まだ頑是ない子供。素直に吐けば、解き放ってやっても良いのだぞ」
 騙されるもんかと思いながら、心が揺れる。
 謙吾が雛先から指を放して、その指をぺろぺろ舐める。おれの不浄を触った指を、平気で舐めている。なんだか、おれがいけないことをしてるみたいな気分になっちまった。
 たっぷりと唾をまぶした指が、また雛先に近づいて。
「ひゃんんっ……」
 くるんと皮を剥かれて、実核をつままれた。濡れた指で実核をうにゅうにゅとしごかれて、立て続けに甘い爆発が起きる。
 くそ。負けるもんか。くノ一の術を思い出せ。
 かんじーざいぼーさーつ、ぎょうじんはんにゃーはーらみーたじー
 心の中で御経を唱えて、お寺に祀られてる仏様の御尊顔を頭に描く。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。違うか?」
 しきそくぜーくう、くう、くうううう……たけだよりうえすぎに……ふーしょうふーめつ、えんぐみのー
「申し出有り。武田より上杉に縁組の申し出有り」
 いつの間にか言葉にしちまってた。
「やはり、そうであったか」
 耳が、わあんとなるほどの大声。雛先を責めていた指の動きが、ぴたっと止まった。
「何か証拠の書状は入手しておるのか。仲間に渡したのか」
 また耳元に囁かれる。まだ雛先を摘まんでいた指が、あわあわと動き始める。
 おれ、気持ち好いのに負けたわけじゃないぞ。何もかも白状したって、風間にも上杉の殿様にも迷惑は掛からないって、ちゃんと考えた上での判断だ。
「おれが言いつかったのは、さっきの伝言だけだ。仲間なんかいない」
「嘘をつくと容赦はせんぞ」
 また乳首を摘ままれたと思った刹那。爪を立てられて、ぎちぎちと捻じられた。
「きひいいいっ……痛い。嘘じゃない。ほんとのことを言ったんだから、赦してくれよ。解き放ってくれよおお」
「北条にとって上杉は不倶戴天の敵。しょぼくれた夫婦と小童だけで探っているはずがなかろう」
 謙吾の右手も胸に移ってきて、二つの手で双つの乳首を責められる。
「痛い……知らないんだよ。他に草が潜んでたとしても、そんなことまでは分からない仕組みになってるんだ」
「それでは、いざというときに助け合うことも出来まい。仲間を見分ける合言葉のようなものがあるはずだ」
 くそ……鋭い。だけど、ほんとにこれだけは白状するわけにはいかない。たとえ殺されたって、仲間を売ることなんてできない。もしも仲間を売って、おれだけは見逃してもらえたとしても……裏切者は地の果てまでも追われて、一寸刻みの嬲り殺しにされる。里でおれを育ててくれた源爺とツル婆まで連座させられる。小頭もただではすまない。
「急にだんまりか。やはり、何かを隠しておるな」
「知らない。隠してない。武田より上杉に縁組の申し出有り。これを御館に注進する。おれが言いつかったのは、それだけだ」
「御館とは、どこの御館じゃ?」
 それを白状しても、仲間を裏切ることになるんだろうか。くそ……もう、何も答えないぞ。
「言え。言わぬと……」
 謙吾の右手が、また雛先に戻ってきた。すっかり縮こまってるのに無理繰むりくりに皮を剥いて実核に爪を立てた。
「女魔羅を抓られる痛さは乳首どころではないぞ」
 たとえ拷問に耐える修練は積んでいなくても。おれだって風間忍びだ。これしきのことで音を上げてたまるもんか。
 突き刺すような激痛。ぎりりっと捻じられて、悲鳴が喉の奥で膨れ上がった。風間の女忍び、くノ一の術に掛けて堪えようとしたけど、相手もおれが泣き叫ぶまで赦してくれない。
「左内殿、手伝ってくれい」
 爺いが謙吾の反対側から、乳首を二つともに抓った。
「こうしてやりましょうぞ」
 乳首でおれを吊り上げようとする。それを見て謙吾も雛先を引っ張る。
「痛い痛い……赦して。おれ、ほんとに何も……うぎゃああああっ!」
「ええくそ」
 謙吾が根負けして指を放してくれた。爺いもチッと舌打ちして、身体を起こす。
 激痛が去ると。乳首も雛先もじんじんと疼いて、くそ……なんだか甘く痺れちまってる。
「強情な小娘じゃな。小童と見くびっておったわい」
「このうえは、本格の責めに掛けてくれよう。窮鳥懐に入らば、煮て食おうと焼いて食おうと、意のままよ。目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」
「それはなりませぬぞ」
 巌のように硬い声。おれがびっくりした。
「罪人の調べに当たっては、後に無実が判明する場合がござる。取り返しのつかぬ仕打ちは、きちんと裁きが下ってからのこと。裁き云々はこの者には当てはまりませぬが、それでも、寝返らせて我らの駒に使えるかもしれません。いずれにせよ、身体に欠損を生ぜしめるのは拷問としても非常の最後の手段でござる」
「四角四面じゃの。殿はいささか律儀にすぎる面があるが……他国でも、そうなのか」
「人の道に国の違いはありませんぞ」
「人ならざる大岡左内が、人の道を説くのか」
「戯言無用」
 最後は、叱りつけるみたいな声色だった。こいつらの言ってることは難しくて分かりにくいけど、つまり、謙吾が言ったような取り返しのつかぬ仕打ち・・・・・・・・・・・は、当面はされずに済むってことだ。
「では、煮て食うのはやめておくとして。女子おなごには格別に効く責めがあったな」
「くノ一の術と称して、女忍びは、その修行も積んでおります。失礼だが、新鉢あらはちならぬ新筆には荷が重いかと」
 莫迦にしたような言い方をされても、謙吾は平気みたいだった。
「ふん。ならば、勝手知ったる方で責めてみるか。こっちには、男も女もあるまい」
 縄を解かれて梯子から降ろされたけど、すぐに縛り直された。正座させられてから前に突き倒されて、右手と右足首、左手と左足首をひとまとめに括られた。膝と肩で身体を支えて、お尻をうんと高く突き出した……これ、かなり羞ずかしい形だ。後ろに立たれると、於女子も尻穴も丸見え。五つ六つならともかく、おれくらいの女の子ならじゅうぶんにそれを分かって、泣くか喚くか身悶えするか。でも、おれはくノ一の術を(せいぜい取っ掛かりくらいだけど)修めた女忍びだ。羞ずかしくても、それを押し殺せる。
 謙吾のやつ、おれを見下ろしながら衣服を脱ぎ捨てた。下帯まで外して、素っ裸。うわ……於珍宝が擂粉木みたいに太くなってそっくり返ってやがる。餓鬼の裸を見て勃起させるなんて、とんだ変態野郎だ。
「ふむ。こうして見ると、稚児の裸とあまり変わらんな。尻が丸っこいから、こちらのほうがそそられるくらいだ」
 そうか。こいつ、元々は上杉の殿様のお稚児さんで、今は逆に稚児を可愛がってるんだろう。おれ、まだまだ女の身体になってないから――股間さえ見なけりゃ、稚児とあまり変わりないってことか。
 あ……もしかして。勝手知ったる方・・・・・・・ってのは……しめた、くノ一の術が使えるぞ。於女子は未通女のほうが、奥向きに下女として潜り込むとか、偉い侍の側室になるとか、使い勝手・・・・が良いから手付かずだけど、尻穴と口は一通りの修練を積んでる。
 謙吾は、すぐにはおれを犯そうとはせずに、小屋の中を見回していた。
「おや、これは?」
 壁の一面には、鞭とか木刀とか八床ヤットコとか鉄枷とか鎖とか――拷問に使う道具が並べられている。謙吾は、細い柄が突き出た竹筒を手に取った。
「竜吐水ではないか。なぜ、斯様な物が?」
「口を封じて鼻の穴から水を入れてやれば、大樽とはまた異なる水責になりますな。謙吾殿がお考えの使い道としても、五度十度と注いで栓をすれば、これも立派に拷問」
「なるほど。これは是非にでも、水責まで小娘に強情を張り通してもらいたいものだな」
 謙吾が淫らっぽい薄笑いを浮かべる。美男子が一瞬、悪鬼羅刹に変貌した。
 おれだって、竜吐水くらい知ってる。こっちじゃ見掛けないが、里では子供の玩具だった。竹筒に水を満たして後ろの柄を押すと、前から勢いよく水が吹き出る。南蛮渡来の鉄砲に似てるってんで、近頃じゃ水鉄砲とも言われてる。
 この竜吐水は水の吹き出す側にも細い竹管が付けてある。左内が言っていた、鼻に突っ込むための工夫だろう。
「これがここにあるとは、まさしく天の配剤だな」
 謙吾は大樽の水を竜吐水に満たして、おれの後ろで片膝を突いて……
「えっ……?!」
 竹筒の先を尻穴にねじ込みやがった。
 ずちゅうう……水が腹の中に押し入ってくる。
 あ、そうか。これ、尻穴を使う前の掃除だ。おれが教わったのは、細い棒に布を巻き付けて汚れを掻き取るやり方だったけど、このほうが痛くないし綺麗になる……けれど。入れた水は出さなきゃならないぞ。おれ、こんな形で縛られてるってのに。これじゃ、おれ自身が生きた竜吐水になっちまうぜ。
「やめろ……粗相はしたくねえよ」
「心配するな。ちゃんと考えてある」
「…………」
 そうだ。これも拷問だった。色責だけじゃなく羞恥責にもなる一石二鳥だ。窮鳥としては堪ったもんじゃないけど。
 竜吐水の水を入れ終わって、でも終わりにならなかった。二回三回と入れられる。
 お腹が重たい。ぎゅっと尻穴を引き締めていないと、漏らすっていうか噴き出しそうだ。
 謙吾が手桶を持ってきて、おれの尻にあてがった。
「遠慮は要らんぞ。さっさとひり出してしまえ」
 くそ。いくら女忍びだって、題とか小を見られるのは羞ずかしい。けど、同い年の娘っ子だったら、どうかな。羞ずかしくても我慢はしないんじゃないかな。
 女忍びだってばれてるけど、ふつうの娘らしくしてたほうが、くノ一の術に掛けやすいかな。ばれてるからには無駄かな。矢傷なんかへっちゃらだし、敲かれた痛みも引いて、雛先を虐められた余韻も消えたけど……腹が苦しくて、考えがまとまらない。ので、考えないことにした。
 ぶじゅうううう、ぱしゃしゃしゃ……
 水音が羞ずかしいけど、すごく楽になった。ひと仕事やっつけたみたいな気分。でも、仕事・・はまだ始まってもいない。どころか。またすぐに水を入れられた。けど、今度は一回きりだった。
「清水になったな」
 謙吾は、尻のまわりの汚れを藁屑で拭き取ってから。尻穴に指の腹を押し付けて、ぐねぐねと揉みほぐしにかかった。
「んん……意外とこなれておるな」
「くノ一であれば、三つの穴ともに鍛えておりましょうよ」
 女穴だけはまだだぞって言い返してやりたいけど、そしたら他の二つを認めたことになっちまう。ので、黙って好き勝手にさせといた。ら……つぷっと指を突き立てて。
「あ……こら、やめろ」
 指を二本にして、中でチョキみたいに広げやがった。さすがに、少し(だけ)痛いぞ。
「これだけこなれておれば、おまえもさぞや愉しめるであろうな」
 勝手なことをほざいて、おれの腰を両手でつかむと、擂粉木みたいになった於珍宝を尻穴に押し付けてきて。
 ずぶうっと、一気に突き挿れやがった。
「はああっ……」
 痛くないように、尻穴の力を抜いて大きく息を吐いた。尻穴を鍛えてるって、ばれたも同然なんだから初心を装わなくてもいい。
 どころか。奥まで挿入はいってきたところで、尻穴をきゅっと締めてやった。
「お……なかなかに慣れておるな」
 のは、謙吾も同じ。ずぬうっと引き抜きかけて、雁首のところで止めて、小刻みに突いてくる。これ、男もいちばん気持ち好いけれど、おれも穴の縁を刺激されて……くそ、幸兵衛小父より上手いぞ。
 もっと激しく掻き回してほしい。そのもどかしさが尻穴よりも於女子の中にわだかまっていって、破裂したら凄いんだろうなという予感が、全身に満ちてくる。
 くそ、負けるもんか。相手の突きに合わせて尻穴を締めたり、尻全体を上下左右に揺すって於珍宝全体をしごいてやったり。
「おおお、堪らんぞ」
 なんて言ってるけど。やたらと下から突き上げるような動きで、於女子の裏側をこすってくる。その動きが、ちょこっとだけ雛先にまで伝わって、ちょっぴり気持ち好い。でも、もどかしい。
「うん……? ここは、どうだ」
 ここもそこも、ちっとも違わない。
「股座だけではなく、腹の中も男女で異なっておるのか」
 謙吾が分かりきったことを呟いた。当たり前だろ。女は於女子だって腹ん中だし、その奥には子袋だってあるんだ。男は……どうなってるか知らないけど。
 そんな小競り合いが四半時ちかく続いた。
 おれは、もどかしさがどんどん募ってくるけど、最後のひと突きが無くて。もどかしさの仕返しに、うんと激しく、つかんでいる手を振り切って、腰をぐにいんぐにいんと揺すって「い」の字や「ろ」の字を書いてやった。幸兵衛小父の口伝と、タヨ小母さんの腰相伝だい。
「うおお……こら、やめろ」
 やめるもんか。風間忍法くノ一の術、杉下謙吾を討ち取ったりい。

 おれも初めての闘いで舞い上がってたよな。くノ一の術で男を手玉に取ったところで、逃げられるわけじゃなし。
 でも、男ってやつは精を放つと虚脱するから。これ以上の拷問は明日からということにしてくれたから、儲けものだったかな。明日が怖いけど。
「明日からは、子供だとて容赦はせんぞ。覚悟しておけよ」
  子供・・に精を搾り取られた負け惜しみにしか聞こえない。
 だけど、負け惜しみは口だけにしといてくれよ。おれは素っ裸のままで、小屋の隅に木格子で囲まれた狭い檻に閉じ込められた。天井から垂れた鎖に両手を鉄枷でつながれて、横になることも出来ない。座ったままで(子の刻過ぎまで責められてたから)半夜を過ごさなければならなかった。


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ロリくのいち_ブログ用



「目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」という謙吾の脅し文句を左内が諫めるのは、ちょっと唐突な感があるのですが、実はドンデン返しに関係しています。ドンデンをばらすと、ハルちゃんは見事脱走して御館へ報告に参じるのですが。裏切り者と見做されて、拷問されるのです。『裏切者には死を』ですから、凄惨なリョナになりかねません。ここで、『回復不可能な』責めにブレーキが掛かって、ドンデンドンデン返しで、五体無事なハッピーエンドとなるのです。ネタばらしちった。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Pressing Report 0:逝かされたって口は割らない

 またまたしても、PIXIVでWILL様からリクエストを頂きました。前々回同様『昭和集団羞辱史』に着手してすぐです。前回の納品時に「いずれ、またリクエスト」とおっしゃってたので、初回が1月で、即リピートは遠慮してもらって4月初旬が2回目となったので、こりゃあイースーチーの筋で7月に来るかなと予測していて、読み筋が当たりましたな。

 では、リクエストの内容をば。WILL様、転載ごめんなさいね。

以前書いていただいた「名札のピアスはどれいの証し」を読み直していたところ、五郎が祥女ちゃんにやっていたプレイから濠門様のロリくのいちが見てみたいと思い、リクエストを出させていただきました。

*ストーリイのリクエスト
 ロリマゾくのいちが尋問のため様々な拷問を受ける
*時代設定のリクエスト
戦国時代前後の日本
*シチュエーションのリクエスト
 戦国時代を舞台とした忍者物
*キャラ設定
 ・少女
 11~12歳ほどの少女。年の割に小柄だがはしっこく、機転が利くため、草として使われていた。
 敵国で捕縛され拷問を受けるうちにマゾに目覚め、口を割らないために拷問に耐える、のではなく、拷問されるために口を割らないようになっていく。
 ・武士
 少女を捕縛した男。情報収集のために少女を拷問していたが、やがて拷問という行為そのものに溺れていく。
 (複数名、あるいはモブでも構いません)
*人間関係のリクエスト
 ロリのマゾヒストと、ロリコンのサディストによる拷問
*特定の責めのリクエスト
 濠門様の責めを堪能したいと思いますので内容は基本的におまかせしますが、以下はお願いできますでしょうか。
 ・乳首と陰核を抓りあげられ責められる少女
 また、可能であれば以下もお願いします。
 ・全裸で市中を引き回される少女
  (同情的な視線が多かった祥女ちゃんに対して、悪意や敵意を向けられる感じで)

以上、よろしければお願い致します。

R-18 ロリ 拷問 晒し者 CMNF ふくらみかけ 羞恥

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 一直線のシーケンスで場面も少なく、100~150枚で落ち着きそうです。
 拷問されて悦虐というのは、7/15発売予定の『濡墨』とかぶりますが。あちらは、過激な拷問に耐えられる身体が必要ということで、公然のR対策もあって、ヒロインは19歳にしました。数えですから、満年齢なら18行く行かずとは、ちょっと考えれば分かりますが。
 こちらは、満年齢で10~11です。WILL様は満年齢で考えてられるのかもしれませんが。
 まあ、無難に数えで12としておきましょう。そんな子に拷問ですか。忍者ものですから『拷問ごっこ』では済みません。異端審問もグアンタナモ収容所も真っ青という過激拷問です。
 で、まあ。最初はお子様乱痴で、それから女の子にはつらくて愉しい色責めで、それから野晒とかして、最後に大人様乱痴のフルコースにしちゃえ。
 ということで。リクエストを見てわずか2日でPLOTを丁稚揚げました。

こうず383_2

 WILL様は、少女が単独で草の任務に従事している状況を想定されたかも知れませんが。これは困難です。草のように敵地に根付いて、何代もそこで暮らすのです。何事も無ければ、たんなる一庶民として生を全うします。ので……あとはPLOTで。


[背景]
上杉謙信
1578年没(48)
1569年 景虎19 景勝15すでにホモホモ

舞台は1569年(永禄12年)
北条三郎(後の景虎)19歳。上杉家の養子になるのは翌年。
上杉景勝(謙信の姉の息子)15歳。すでに謙信の寵愛。
謙吾としては、ライバルが増えるような、三竦みに持ち込めるような……

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逝かされたって口は割らない


上杉、武田、北条の三すくみ。
武田から上杉への縁組打診。北条攻略。

杉下謙吾(坂下正吾)20歳。小姓頭。
  上杉謙信の稚児。14のときから。姓名ともに1字を賜る。
  美丈夫。実に童貞!
  ロストチェリーはハルの尻穴。後に前穴も。
  養子に直って跡目を襲う芽もあったが、史実は……
  ハルに耽溺

大岡左内 34。
 上忍のひとり。尋問の手練。

上野屋幸兵衛、タヨ
ハル 12歳。満11。未潮。/おれ
 8歳のときから、伯父夫婦の世話になっている(という触れ込み)。
 実際は捨て子だったか、下忍の子供だったか。必然性が生じた時点で決める。
  せいぜい10歳くらいの背丈。未発毛。
  しかし、膨らんできている。利発。敏捷。
  体術の基礎は里で修めている。

里には、神童と言われた年長の少年。
算術に秀で、漢籍も読み下す。
しかし、ハルの粉掛けに無頓着。
  現在の子供は勉強で手一杯だから、世間智に疎いと――暗示。
※いくら利発でもオトナでも難しい任務を務められる理由付けです。
 当時の子供は、鶴亀算も地球の大きさも塩水の濃度も勉強する必要はありませんでしたから、その分、世間知を勉強できたのです。

季節は梅雨時(農繁期は休戦期)

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捕縛
深夜。裏庭から転がり込む伯父。重傷。
ハル、お前なら逃げられる。殿へ伝えよ。
「武田から上杉に縁組の申し出が内々にあった。用心されたし」
ハルの理解。仲の悪い三人のうち、二人が仲直りして、もう一人をやっつける。
自分たちの雇い主は、その『もう一人』の北条毛の後家来。
「たとえ捕らえられても自害するな。生きて逃げて、必ず殿に注進せよ」
伯母は目眩ましに全裸。二人とも背中に小葛籠。草は顔を潰す必然性がない。裏口と表とに分かれて飛び出す。
※たーちまーち起こる剣戟のー。
ハルは天井裏へ。忍具の袋と路銀だけを持って、明り取りから脱出。衣服は敷いて寝ている単衣。
龕灯に照らされ、裸で無数の投げ縄に絡め取られている伯母。
美しいとハル。伯母の自爆。思わず呆然。
見つかる。弓矢と目潰し。転げ落ちる。陣頭指揮の若武者が受け止める。軽い。
目潰しで涙とくしゃみ。太股に矢が刺さっている。
自害封じの竹轡。
「これも何かの縁じゃ。俺が直々に糾問してくれる」
歩かせるのは手間。槍に獣縛り。下半身露出。
※この時代、荷車は稀

拷責
牢獄。穿鑿の間。床は踏み固めた土。
『謙吾殿』が尋問。尋問の手練れも助言役。
両手吊り。帯が緩んで前がはだけている。
「子供に手荒な真似はしたくない」
「舌を噛んだりしないと約束するなら竹轡を」
「何故、逃げようとした。幸兵衛から何か言いつけられたのか」
いずれもだんまり。
着物を切り裂いて全裸。
「小童に棒叩きは可哀想でしょう」
径1寸長さ2尺の竹を先から1尺ほど十文字に割って。
尻、肩、背中(は、斜めに)。悲鳴はあげない。
腹をぐりぐり。薄い乳房を痛撃。
「強情ですな。何かを隠しているのは確実」
(しまった)何も知りませんと、とぼけるべきだった?
左右の足首に縄で開脚。
左内。水に浸した縄束。つついたり、言葉で脅してから、軽く股間に。
睨み付けるハル。強烈な一撃で悶絶失禁。

色責
枯松葉燻しで意識回復。梯子に縛り付けて、頭を下に斜め。
「大方、当家と武田の縁組を嗅ぎ付けたのであろう。それをもっとも懸念するは北条。そうであろう」
「今さら、どこに知られても構わぬ。横槍は入れさせぬ。無念じゃが」
※「無念じゃが」は謙吾の立場を暗示と、ドンデンドンデンへの伏線
「子供でもあるし、素直に申さば解き放ってやっても良い」
説得しながら愛撫。胸は膨らみかけなので乳首を。
「男児と変わらぬな」侮辱だよ。
クリは極小チンチンの要領で。
※ホモホモ寵愛で、男の身体については慣れたもの
快感を覚えても、すぐに遮断。くノ一としての閨修行で攻めも受けも。
冷静に考えて、白状したほうが得策。
「申すか?」
頷いて。竹轡を外される。
「お見通しの通りです」
縁組の証拠の書状はあるか。仲間は他にいるか。
いずれも否定。同じ地に生えている草でも互いは知らない。
「ほんとうか。嘘をつくと非道いぞ」
乳首つねられる。否定を重ねてクリも。
※リクエストミッション達成です
悲鳴を上げながら、激痛が去ると甘い疼き。
「窮鳥懐に入らば、煮て食おうと焼いて食おうと。目玉をくり貫いてやろうか、鼻をそぎおとしてやろうか」
「それはなりませぬぞ」
拷問後に無実が判明する場合もある。
ハルには当てはまらないが、寝返らせるかも。
いずれにしても回復不能な欠損は刑罰としてのみ。
※できるだけ自然にさらっと、しかしきっちり書いておく。ドンデンで、そうされないための伏線。
「四角四面じゃな。他国でもそうなのか」
「人の道に、国の違いはござらぬ」
「人ならざる左内が人の道を説くか」
※忍びは人外の存在。
「戯れ言無用」叱り付ける感じ?
「おなごには格別に効く責めがあったな」
「くノ一は、その修行も積んでおります。失礼だが、新鉢ならぬ新筆には荷が重いかと」
「ふん。ならば、勝手知ったる方で」
ハルは(年齢相応)処女。しかし、他2穴は修行済。
謙吾の(受けで覚えた)テクであへるが、絶頂しない。謙吾も、ハルに前立腺が無いので勝手が狂う。入口近くが性感帯?
謙吾も、華奢で柔らかいロリ肌に満悦。
しかし、尋問としては謙吾の完敗。

裸晒
全裸緊縛股瘤縄乳首凧糸連行背中捨札。謙吾の発案。城下町引回し。
群衆の敵意に満ちた眼差し。印字打ち。これはさすがに規制。までに十発くらいは。役人は3間離れて側面がら空き。汚水、塵芥。
※リクエストミッション達成です
憎悪の視線がつらい。前で馬の上から乳首糸を引く謙吾が、時折振り返る。面白がっているのに。悔しさよりも安心。
伯父夫婦の獄門晒しの横に立て膝開脚串刺し。これで破瓜。
「腰を落とせば死ねるぞ」子袋を突き破って、腸が腐って、全身黒く変じて……
横の台に、折れ弓、荒縄、擂粉木など。
『首より下は勝手たるべし』
「仲間を売りたくなれば、そう言え」
下人が番をしている。
それでもイタズラする野次馬。
夕闇に紛れて若い女人。不自然。
もしやと思って、暗号で。
「れふれよむ、ひいやしおせゐゑあ、さぬ」
 たけたから、えんくみのもうして、あり
番人から手ひどく叩かれる。
女人は小さく頷いて立ち去る。町人の作りをしているが足運びの違う二人がばらばらに後を追う。仲間かな。
痛いとか水を求めると、
「台の上の獲物を鋸とか玄翁に換えるぞ」
三日間野晒。梅雨の大雨。
※全裸緊縛の少女が雨に揺れそぼる風情でどんぶり飯三杯。

混淆
謙吾、左内、下人2人。下人が実は下忍と、ハルが見破る。
左内が上忍とは、まだ気づかない。が、下忍の存在で疑惑。
大人と同じ責めに掛けてくれるぞ。
責め手は謙吾。
後手緊縛材木開脚逆さ吊り。径1寸長さ4尺の棒(杖術)で打ち据える。尻、腹、二の腕、太腿。薄い乳房は突いてこねくる。股間は打ったり突っ込んで捏ねたり。
叩かれた瞬間は痛い。痛みの余韻に痺れが切れたような快感。乳房が殊に。股間は突っ込まれると、ぬかるんでくる。
「女淫を甚振れば濡れるものですが、ちと夥しい」
更に責められて、ついに喜悦。
「これでは責めにならぬ」
大樽に水。逆さ吊りで、ドブン。
息が苦しくなって、泡を吹いて。
ブラックアウトしながらピンクアウト。
※ピンクアウトは『濡墨』参照
背中を叩かれて腹を殴られて、蘇生。
謙吾は他用。
材木開脚のまま、土間に放置。
「もう一揉みしてくれよう」と、左内。
俯せ水平吊り3点鈎針錘。背中滅多打ち。痛みの真っ最中にも妖しい快感が3点に。指を突っ込まれて暴かれる。
「汗水滴して悦ばせてやっとるだけじゃ。どうせなら、お前らも愉しめ」
下忍2人に任せて退出。
仲間を呼んで「ははは。五人囃子じゃ」
前後2穴。威魔羅痴謳(書くなよ)は噛まれると怖いので。

倒錯
中1日は、海老責と逆海老。休養みたいなもの。
翌日は、さらに過激な責め。
「まだ、仲間の所在を吐かぬか」
「言いません」返事の変化。
※責めを求めています。自覚しているか無意識かは、書きながら決めましょう。
後手緊縛。鋭利な木馬。足に錘。大木槌。マゾ快感で絶頂。
「そうそう愉しませてはやらん」
後ろ手をほどいて。首から吊るした木の板に手首を鎹固定。
爪の肉に針刺し。10本。
マゾ快感雲散霧消だが。謙吾の目の輝きに気づいて、胸キュン。初めて本物の快感を与えてくれた男だから?
人差指、中指、薬指は長い。蝋燭で炙る。激痛だが局部なので気絶しない。
ますますぎらつく謙吾の瞳。このお方が悦ぶなら、何をされても殺されてもいい。
「もはや焦る必要は無い。日にちを掛けて嬲ってくれるわ」
「それは、そうと」
一昨日は、この者で遊んだようだな。これからも女として遊ぶのは構わぬが、後門は許さん。俺の穴だ。
針は抜いて。座禅転がしで手持竜吐水浣腸。木栓をして身体を起こせば抜けない。
「まだ上の口は使っておらぬそうだな、臆病者め」
「出したいか。俺のを出せたら、出させてやる」
強制合意笛裸痴音。謙吾は動かない。ハルが自発的にフェラテク発動。
「これが、くノ一の術か。俺よりもはるかに上手い」
一気ピストン10連激で暴発。自発ゴックン。
木栓のまま抱えられて裏庭へ。シーブリブリ。全身に井戸水、穴は擂粉木に布で。
「どうせじゃ。御天道様の下で可愛がってくれるわ」
射精直後でも隆々。
牢番も見物。謙吾に遠慮して神妙だが、陰口もヒソヒソ。
  殿に可愛がられるよりは
  あの娘なら、稚児と変わりはない
口も共用。
2連発で賢者タイム。「後は好きにせい」
凌辱を指図されたと受け止めて。
ギロチン磔台(鳥居形に杭を組んで)で2人ずつ、下忍だけでなく雑役夫など呼び寄せて20人で10連姦。
あのお方の命令で、おれは犯されている。絶頂しないが、快感にたゆたうもじきに辟易。
途中から出血。実に初潮。ハルの羞恥と、それでも誇らしさ。
ギロチン磔のまま翌日まで。気が向いたときに使われる。そのせいか、優しくされる。干物を口移しとか。
夜間に金創医。指だけは手当。男どもの小をぶっかけて味噌と灰を混ぜた物を塗りたくって油紙で包む。すでに傷は塞がっているから無意味というか無害。

極虐
足首に1尺半の鎖。太い鎖で後ろ手、胴体ぐるぐるは重たい。身動きすると鎖が肌に擦れて違和感。腰に巻いて股間にも通されて、馬の尻尾に繋がれる。遠乗り。
鎖が張ると、馬が気持ち悪がって、駆け出す。倒れて、そのまま引きずられる。むしろ鎖が肌を守ってくれるが、それでもズタボロ。一里の道を半刻で駆けさせられて、ピンクが訪れないまま気絶。お供の連中の小を浴びせられて意識を取り戻す。謙吾のは顔に。喉が乾いているので飲んでしまう。心理的に美味。
帰路は遠回りで川原へ。
「今日は蒸し暑い」
水遊び。ハルは鎖のまま追い立てられて溺れかける。
馬の腹に抱きつく形に縛られて帰還。メスと察知した馬の特大に股間をつつかれながら。その刺激もあって「謙吾様の玩具にされている」マゾ快感。
往路の傷で全身血まみれ。
「肌の汚れを落としてやる」
人の字に吊って、岩塩をまぶした縄束で滅多打ち。もはや、尋問などしない。
全身を切り刻まれるような激痛。心の中も肌も鮮やかな桃色に染めて失神。
松葉燻し。suzukamizuzeme.jpg
梯子に縛り付ける。腕は頭上に伸ばして、足は折り曲げて足の裏を合わせて。股間無防備。逆さに立て掛けて、口は手拭で何重にも包んで。
水を流し掛ける。いきなり腹パン。呻いた反動で水を吸い込んで噎せて咳き込んでさらに吸う。完全には溺れないので、水に浸けられるより苦しいくらい。
気を紛らわしてやろうと、釘を何本も打ち込んだ径1寸半の擂粉木。少女の未熟な穴には本体だけでも無理なのに、丁字形の釘頭。先端も突き抜けている。
激痛に絶叫しながら、ピンクを突き抜けて深紅の絶頂へ。

逃走
拷問蔵に放置。
若い男。見覚えは無いが、穴を使った何十人をいちいち覚えていない。
「れんふあまを」
 たすけてやる
はっと、意識がしっかりする。
仮死になる薬。
翌朝『死体』を発見して小騒ぎ。
実は。意識は微かに残っている。聞こえている。
「息をしておりませぬ。心の臓が破裂したかと」
「まだまだ愉しめそうだったのに、惜しいことをした」
「仲間の居所も吐かせられなんだ」
「なに。野晒でおびき寄せた連中で、あらかたでしょう」
あの怪しい町人は探索方だったのかと、痛恨。
「死骸はどうしましょう」
「街外れの無縁寺へ投げ込んでおけ。こういうときのために、捨て金を寄進しているのだ」
全裸のまま投げ込まれる。
老婆の死体から着物を借用して逃走。途中で泥棒もして……北条家忍者団の頭領、風間小太夫の元へ。

ドンデン返し<ブログ非公開>

ドンデンドンデン返し<ブログ非公開>

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 さて、このドンデン返しと、さらなるドンデンドンデン。ツアラトゥストラかく語りき。
 如何なるドンデンかは、濠門長恭かく語りき(実作)までお待ちください。
 これをくっつけると、200枚行くかもしれませんな。


DLsight Affiriate キーワードは「ロリ、くのいち」です。

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Progress Report 0:昭和集団羞辱史:物売編(夜)

 今回は取っ掛かりが、いつもと違いました。
 マゾ堕ちにしてもハッピーエンドにしても、ドラスチックな終わり方ではあります。ドラスチックでなければドラマチックではないと思いはしますけれど。たまには、平凡エンド、のんべんだらりエンドも面白いかなと。実はドラスチックなエンディングを考え出せなかったという、それはあったりなかったりしますしません。

 戦闘詳報でも書きましたが、小説を書いてないと手持ち豚さんなのです。

 取っ掛かり云々は、暇とは関係ありません。
 今回は、何を書くかで最後まで迷いまして。

『An Amateur Assasine Arrested and Abused』は、PLOT出来てるけど、拷問オンパレードが『濡墨』と同工異曲で、意欲がイマイチ。
『XXYの悲劇』は気分じゃないし。
『スケバン有情』は、まだ膨らむように思うし(それで千枚とかなったら、どうすんだよ?)。
『十手小町淫乱変化』は『濡墨』と時代劇かぶりだし。
『昭和集団羞辱史:番外編』書くよりは、「物売編(昼)」とペアになる「物売編(夜)」が先だろうが。

 ということで、そうしたのですが。
 執筆間隔調整というか、モチベアップの儀式というか。今回は、先にBFから手掛けたのです。
 「秘写真」売りは、構図的にイマニくらい。全裸緊縛少女の横に同じ構図の写真が散らばってるなんて、芸が無い。
 しかし「花売娘」売りは、適当な参考写真が見当たりません。エロい格好をした娘が花籠抱えて紳士にまとわりついているとか。出来れば、ブラウス無しのアンミラ風。まあ、前が大きく開いたチョッキから乳房がぽろんなんて、アンミラよりはるか昔からありました。筆者の中学時代の体育祭の女子応援団の手作り制服が、それでした。もちろん、下は体操服着用ですが。
 高校時代は、男子の制服で男子応援団の振り付け。あのガクランは誰のを借りてるんだろ、どういう関係なんだろ、裸ガクランだったら素敵だなと、嫉妬も妄想竹も……こほん。Midship!
 で、太思いついて。アップスカート立ち姿に花束を絡ませて。ついでに……

集団羞辱物売編(夜)紹介図
 股間の花は椿です。最初は薔薇でしたが、なんたって マンコ椿は恋の花♪ですからね。


では、PLOTを一揆加勢に。


1965年(昭和40年)
証券不況は個人消費には関係ない

秘写真

大竹和子/私
大竹昭大(あきひろ)/俺
 昭和元年産れ
 昭和22年に復員後結婚

1:父を尋ねて
土曜日の夕刻。盛り場を徘徊。職務質問
もう社会人です。山菱電機の工場に、この春から。
2年前の正月の家族写真からの引き伸ばし。
父が同じ工場へ出稼ぎ。消息不明。
「こいつ、エロ写真……むにゃむにゃ」
渋る警官に案内してもらう。
取り繕ってもしょうがないので商売中を。
取り落とす見本写真。
元締に娘を見せたくない。深夜喫茶。いかがわしい光景。奥のボックス席へ。
出稼仲間の借金の連帯保証人。30万円。和子の給料の2年分。利子もある。
稼いでも借金が減らない。他のヤツと同じ写真では売れ行き悪い。
月の売上は和子の給料の5倍くらい。取分は、その1/3。
そうだ。和子がモデルになってくれ。

2:父を助けて
日曜日の午後。元締の手配でヌード撮影。父は外へ連れ出される。
元締の二代目(マネージャーと呼べ)が仕切る。最初から執着?
おとなしい(?)もろ出し。顔がひきつる。
設定変更。実は最初から目論む。
3対1の疑似レイフ゜。とは教えずに。
服を引きちぎってパンティ猿轡。2人で押さえ付け股間に勃起を突き付ける。ところまで。
「迫真の組写真ができる」
モデル料が2万円。手渡す。大卒初任給並み。半分は父親の借金。取り上げる。
他の奴にも売らせる。
話が違う。
独り占めしたら、恨まれるぞ。

3:父と一緒に
翌週の土曜日、夜。
工場へは父も挨拶を入れてある。
5枚組で1500円は従来の5割増。
父が酔客に売り付ける横で顔見世だけのはずが。
売春は父親もさすがに。モデルの証明にマン見せ。裏にサイン。マン拓(+500円)。
巡回に見咎められるが、路地裏なら目こぼし。土日で大商い。10セット×2日。
取分1万円のうち8千円を返済へ。マン拓分(6千円)はポッケに。
計算上1年半で完済?

4:父への失望
2か月後。売上落ちる。マン拓はサービスに。もっと過激な写真。処女喪失もの。
二代目がたしなめる。同じ商品を細く長く。タカマチとか。しかし、OKする。
夏休みの帰省は和子だけ。父は完済まで行方不明のまま。
別に身売りではない。撮影のときだけ。
今時、処女じゃないと嫁に行けないなんてナンセンス。学生運動、スエーデン。
憧れてた同級生、農業学校。盆踊りデート。子供っぽく見える。片想いの終わり。

5:父の目前で
8月下旬。撮影。レイフ゜の続き。より過激に。今度は父に見せつける。二代目の意向。
パンティ猿轡、後ろ手錠。二代目が一番槍。二番槍は疑似。
8ミリで撮影も。別ルートで売りさばく。モデル料は5万円。4万円を返済。
10枚組で2千円。マン拓はサービス。1か月で売り上げ低迷。
またぞろ、新商品を父親が提案。「えすえむ」とか。
二代目が和子を堂々とデートに誘う。おまえの親父は、どうしようもない。
今度の写真でも、サツがうるさい。スケープゴートが必要(さり気なく)。
バシタになれ。
後で聞いた父親は難色。しょせんはヤクザ。自分のことは on the shelf。

6:父との離別
9月中旬。摘発。
猥褻物頒布罪等(2年以下の懲役)
懲役1年6か月。執行猶予無し。敢えて面会しない。会えば甘えが出る(と、二代目)。
和子は被害者扱いで実家へ帰される。二代目が母親に談判で。結婚。
出所した父を家族3人で出迎え。


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花売娘

佐島華代(はなよ)/あたし
 中3の夏。元大地主現農協理事長の息子と。彼の仲間5人とも。
 サセ子の噂。就職斡旋もしてもらえない。
 卒業と同時に多恵を頼って。事前相談をして、断わられている。
宇佐美多恵:35(終戦時15)/うち[ら]
佐島家との確執。満州から引き揚げ。ロシア兵接待で故郷に居づらくなって都会へ。

1:不安な前途
花屋『椿姫』の前に立つ華代。裏通りの小さなビルに挟まれた2階建。
始発で出て、昼過ぎに着。店は閉まっている。うろうろしてると、多恵が出てくる。
ここで働きたい。
正月に多恵が故郷錦。
夜の神社で飲み屋の看板娘を口説いているのを立ち聞き。
「あたしを雇ってください」
「子供にはできない仕事」
自分のふしだらな評判のせいだと思い込む。
押し掛け。
2階の住居で。
懸命のアピール。

2:過激な過ち
ここでカットバック。
夏休み。農協理事長の息子に誘われて3カップルで海へ。
1泊2日。保護者として先輩の姉は、ナンパ受け。
「遊びだけど、いいね?」
夜に華代だけ結ばれる。ワンピ。海で全裸。
後日のデート。弟妹への土産、持ちきれずにアップスカート。
ついでに、ダウンパンティ。海の2人に見せびらかす。
その夜、1対3。全員と。
秋祭り。先輩の準備してくれた浴衣。姉の着付け。透けて、下着無し。
3カップル+男3人。この3人とも。
学校でもノーブラ基本。パンティは先輩プレゼント。月イチ帰省でやり目デート。
サセ子の噂。
正月に先輩がクラスメートを伴って。振られる。
就職斡旋は、してもらえない。学校の評判を落とす。

3:花売の裏側
「あんたも、ずいぶんね。あいつの娘がねえ」
「父を知ってるんですか」には答えず。
実際の商売を見せてあげる。
陽が落ちてから出勤してくる売娘。5人。
25~32。けばい。私服だがピンクのスカーフが目印。
この街にトルコやちょんの間はない。ピンサロのフェラまで。立ちんぼは多数。
ルックスと年齢厳選で、椿姫がダントツ。
多恵に案内されて、物陰から見学。
何軒かとは契約してるが、路上のを。
小さな公園が溜り場。5人は互いに見える距離。せいぜい3人連れまで。微酔い止まり。
その場で人数合わせして同数の売子で。商談成立したらカップルごとに分かれる。
その後については口頭説明。
「やれるなら、雇ってあげる」
花束は200円。取分は50円。
椿はホ別ショート千円。取分は700円。泊まりはホ別2500円/2千円。
ホは休憩800円、泊1500円。
※「ホ別」は使っちゃあかんよ。
「へえ、椿?」
「オペラで椿姫ってのがあるでしょ。女主人公は高級娼婦なの」
土方の日給が1000円。立ちんぼより高い。
立ちんぼは、40~50代が多い。
若くて美女は、大都会へ。
現代より売春は安い。

4:マンコ椿は
先輩とペアで。大人っぽいメイク。
若すぎると敬遠される。先輩はOK。他グループのひとりを入れる。あぶれ同士のペア。
4回目で商談成立。重度ロリコン。優しいから、いいけど。結局、そのひとりだけ。
翌日は坊主。
あれこれ考えて。表紙絵を実行(パンツダウンは膝上で絆創膏)。
長めのスカートだからパンツも見えない。
多恵も先輩も呆れる。
どうせならと、多恵のアイデアでマンコ椿。ノーパン。
まだ、意地悪モード。
「まあ、やってみな」
路上は公然猥褻、飲み屋は雑然。バーで。
「花束が持ち運びにくいなら椿一輪を買ってください」アップスカート。
注:「アンコ椿は恋の花」1964/10
その日は3軒で3人。ひとり客2+3人のうちのひとり。

5:斬新な衣装
「マンコ椿の子」で定着。ナンバーワン。
他の売子もコスチュームに工夫。
総勢8人中3人。比較的若い子。
すっぽんぽんにレインコート。
洋風花売娘。ノーブラ、チョッキで下乳を支える。要するにアンミラ。
10年前のセーラー服。胸当てなしでスカートはミニ(股下から膝までの半分)。
 ミニスカートは、ツイッギー以前からロンドンなどで流行っていた。
年輩からの反感も。あくまで売子、客とは一目惚れの自由恋愛。
「若い子って、奔放ね」で、深刻な対立にはならない。
ともかく、順調に8月。帰省はしないでボーナスの名目で仕送り。

6:縄張の書換
「出てけ。売るわけないわよ」
説明。他県から進出のヤクザ。
地元の親分は満州帰りのつながりで娘同然愛人関係。
上部のアレコレで、この街はあっちのシマに。
土地と建物を買い上げて、多恵は雇われマダムにしてやる。
女の子の取分は75%→33%
冗談じゃない。
風紀粛清の腕章を付けた組員の営業妨害。
店も、いざこざはお断わりで出禁。
一時金を渡して、女の子は解雇(雇用はしてないけど)。
華代は引き続き住まわせて本業(?)の手伝い。花輪などは他店の既得権。

7:肉体的説得
店舗営業は閑古鳥変わらず。
地味な服装でピンクスカーフ無し花売り娘。1晩に3つでは売上額で日当いかない)。
店に帰ると、ヤクザ来ている。
目の前で多恵をまわす。
「うちら、露助を一晩20人だって相手してるんだ。これくらい屁の河童だい」
ならばと、華代を吊るして引ん剝いて。
「うちには関係無い。故郷で虐めてくれた先棒担ぎの娘」
「そうかい」
多恵はイスに縛り付けて。
バンドで全身20発くらい。
「権利書を渡しちゃ駄目。これくらい平気」
左右から脚を引っ張って開かせて、打ち込み。
権利書を渡す。必要な書類に署名捺印。


8:売春労働者
売子10人。前の8人のうち4人と華代。新人(すべて20代)5人は半強制。
制服。ブラウス無しで乳出しチョッキ、サーキュラースカート。
新人のうち2人と華代が、マンコ椿3人娘。
実は……店舗が再開発に引っ掛かる。ごねて補償を釣り上げ。売上を証拠に。
連れ込み宿も直営で、総額は
ショート千円+5百円、泊3千円+千円。
手取は33%どころか25%。
チップも身体検査。取分は50%
ただし会社員扱い。健康保険証と住民票と。
逃亡防止の寮は無料。組員のただ乗り。
金曜日と生理4日間が休み。
ショートは3回転がノルマ。
女工よりすこしはましな生活。
しかし、病気とかしたときは安心。
そんなに悪くない。
工場とかでも、事務部門など。流通に係わる人間も。
小売価格で考えると、女工の給料は1割かそこら。
それを考えれば、25%でも悪くはない?
貧乏くじはお姉さんだけ。


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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:濡衣を着せられた娘

 脱稿しました。きっちり400枚。校訂して数枚は上下するでしょう。

濡墨構図
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最終幕 処刑場

 文政八年。筋彫お蝶が世を騒がせた寛政五年から下ること三十一年。処刑を前に病死したはずの筋彫お蝶が、突如として城下奉行所に自訴して出た。
 誰もが、かの者を狂女と決めつけたのだが。諸肌脱いだ背中には、調書(しらべがき)と寸分違わぬ蝶と楓と糸の筋彫があった。しかも、腰巻まで取ると。世人は知らず調書にのみ記されている揚羽蝶の文様までも鮮やかに。
 いったいにどうしたものかと奉行所は上を下への大騒動。これを抑えて冷静に仕切ったのは、先代吟味方惣与力、残谷郷門の四十九日が明けて跡を嗣いだばかりの強門(つよかど)だった。
 そもそも、千代の自訴の段取を付けたのが強門だった。
 元服してから五年ほどの間、強門は拷問の要諦を父から文字通り身体に敲き込まれている。筋彫お蝶の濡衣ならぬ濡墨を入れられた年増女の目の前で。
 お蝶を甚振の稽古台に使ったこともあったし、そもそも強門に男女の営みの手解きをしたのもお蝶だった。
 しかし。父の魔羅では悶え狂うお蝶も、強門にはどのように弄ばれようとも歔欷の声ひとつ上げなかった。拷問にしても然り。歯を食い縛って耐えるのみで、ついぞ音を上げた験が無かった。
 お蝶が父に責められる場面は、一度しか見ていない。
「この女は尋常一様ではない。されど、邪教の狂信者などは、しばしばこのようになる」
 そのときの参考にせよと念押されて……生涯忘れることがないだろう、凄まじい光景であった。
 それはともかくとして。
 素裸で市中引回のうえ磔刑。それがお蝶の心底からの憧れであり、父の(母も知らぬ)遺言でもあった。
 無論、そのような真実はおくびにも出さず。
 牢の掛医師まで抱き込んでの計略を見抜けず、病死であれば致し方無しとして獄門晒にも掛けず筋彫お蝶の遺骸を投込寺に捨てさせたのは父の手落であった。当時の医師も鬼籍に入り、今の牢掛医師は別門の人物であれば罪の遡及も叶わぬ。父の無念を些かでも雪ぐには、前例の無い秋霜苛烈な処刑であるべし。
 強門の強硬な主張には城代家老も折れざるを得なかった。筋彫お蝶に絡めて貫目屋を闕所にした際の裏の裏まで、残谷郷門ひいては強門が知悉しているからであり、貫目屋からの金煎餅を一件の始末に投じたのも郷門だけだったからである。
 牢破りの詳細とか、三十年もの間どこに身を隠していたかなどは、ほとんど追求されなかった。昔のことをほじくり返しても、墓に鞭打つ結果になるだけであろうし、経緯を詮索すれば、さらに罪人を作るだけである。
 奉行所としては、三十年遅れて刑を執行するだけという名分を貫くのが、もっとも波風立てぬやり方ではあろう。
 こうして、筋彫お蝶の死出の花道は整えられたのだった。

 筋彫お蝶が自訴して出て旬日を経ずして、刑は執行された。
 定法通りに縛っては背中の刺青が見えにくい。庶民に、この女が紛れも無く筋彫お蝶であると知らしめるため、首の後ろに渡した径七寸の丸太に両手を広げて縛り付けた。五日間を牢で過ごしたというのに、腋窩はつるつるで一本の毛も無いことに、お蝶を縛した小役人は驚いていたが。
 腰巻を剥ぎ取ってみれば、こちらも無毛。かつてハナが丹精した結果だ。
 しかし、揚羽蝶は花畠の中を舞っているように見えた。というのも、下腹部から太腿にかけて、無数の傷痕がちりばめられていたからだった。
 傷痕は、脇腹から乳房にかけても夥しい。ただ、背中と内腿だけは、刺青を損なわぬように配慮されていた。もっとも、揚羽蝶の胴にあたる淫唇はその限りではない。というより、喧嘩で敗れた雄鶏の鶏冠のように綻び傷付いていた。
「こ、これは如何に……」
「へっ。三十年前、先代の惣与力の旦那に、さんざん痛め付けられたからねえ」
 訝しがる小役人に、ふてぶてしく答えるお蝶。三十年前の古傷か、せいぜい一年前の傷痕かを見分けられるのは、金創医か吟味方の古株くらいであろう。古株は、惣与力の足を掬うようなことを言う筈も無い。
 牢屋敷を抜けて、城下奉行所の不浄門から外へ引き出される。
 高札は前日に立てられたというのに、道は人で埋まっていた。それを六尺棒で押し戻して保たれている小さな場所に、検視の役人と下人が三人。
「筋彫お蝶こと、貫目屋喜平が娘、千代。癸丑(みずのとうし)に四件の押込を働き、御縄になり死罪申し付けられしに破牢せしものなり。このたび自訴いたしたること真に神妙なれど、その罪軽からず減刑には及ばず。よって本日、市中引回のうえ磔獄門に処するもの也」
 みずから検視役を願い出た残谷強門が、音吐朗々と御仕置書を読み終えると。二人の下人が千代の裸身を抱え上げて裸馬に乗せた。余計な丸太を背負っているから釣合の勝手は違うは、丸太が邪魔になるはで、すくなからずもたついたのだが。おかげで野次馬どもは、筋彫の紋白蝶だけでなく極彩色揚羽の御開帳まで、たっぷりと見物出来た。
 城下町を隅から隅まで引き回される間、千代は馬上で陶然と目を閉じていた。この世の見納めなど、している暇は無い。馬の背にかぶせられた筵が淫唇をチクチクと刺激して、馬の歩みがそれを倍加する。今生最後の愛撫だった。
 大木戸をくぐって街の外へ出て。お蝶は馬から降ろされた。刑場までの半里は、おのれの足で歩かされる。これが、全裸に続く秋霜苛烈の二つ目だった。
 奉行所前の出立を見ていない野次馬は、ここで初めて太腿の揚羽蝶に気づく。
「うへえ、こりゃまた」
「筋彫の二つ名は返上しなくちゃならねえな」
「しかし、まあ……ぎりぎりってとこだね」
「なんだよ、そのぎりぎりというのは」
「考えてもみろよ。しわくちゃの婆が刺青じゃあ、興醒めもいいとこだ。ところが、どうだ。五十と聞いちゃいるが、姥桜のちょい手前。まだまだ見応えがあるじゃねえか」
「そう言やそうだ。そんなに乳も垂れちゃいないし、尻だってまん丸だな」
 女は灰になるまで女だと喝破したのは、大岡越前守忠助の御母堂であったが。千代がせいぜい四十を出るや出ずの肢体を保っているのは、これは郷門の丹精の結果ではあっただろう。前の甚振の傷が乾けばすぐに次の甚振。そのときの郷門は、決まって越中褌ひとつであった。甚振の最中か直後かには、必ず三穴のいずれかを貫いた。女は、女として使われることで、女を保ち続けるのである。
 しかし、それにしても。死の床に就く直前、古希の歳まで男であり続けた郷門も、たいしたものではあったが。話を、今に戻そう。
「歩きませい」
 びしり。六尺棒に尻を敲かれて、お蝶は蹌踉と歩み始める。
 大勢の見知らぬ人たちにまで素裸を見られている。首から下は無毛の裸身に蝶の入墨を纏わり付かせて。有るべきものが無く、無い筈のものが有る。その倒錯を思うと、早くも薄桃色の靄が微かに千代を包み始める。
 歩みが滞るごとに六尺棒で尻を敲かれるのも心地好い。
 一刻ちかくを掛けて刑場に到着したとき、お蝶の股間はしとどに濡れていた。遠目にも、それが失禁でないことくらいは分かる。いったいに、これはどういうことなのかと首を傾げる野次馬も少なくないが、しかし、裸を見られて興奮する女がいることくらいは知らぬでもない。さすがは筋彫お蝶、土壇場に臨んでも淫乱至極。三十年のうちには、諸肌脱ぎの急ぎ働きに尾鰭が付いて、さまざまな伝説と化していた。手下の三人が総掛かりとか。それはそれで、内実は真反対でも、その通りでもあるのだが。
 千代は野次馬の声など聞いていない。薄桃色の雲を踏んで最後の道を進み。縄を解かれて磔柱の上に身を横たえる。手足を大の字に展げられて横木に確りと縛り付けられ、肩から脇の下にも斜め十文字に縄を掛けられて腰も柱に固縛された。
 いよいよ、磔柱が押し立てられる。
 処刑掛の下人が二人、槍を構えてお蝶と向かい合う。検視役の残谷強門が、斜め正面に立って。
「筋彫お蝶、何か申し残すことは無いか」
 作法通りに声を掛けた、そのとき。
 お蝶は目を見開き天に向かって、歌うように叫んだ。
「みそとせの、せめらくもつき、あとにゆく……ほとぬれそぼち、やりをまちわぶううう」
 辞世の句、であった。
 さらに一度、繰り返す。
 わああああっと、竹矢来の向こうから歓声が湧いた。直ちには意味を解せぬ者も多かったが、そんなことはどうでもよい。如何にも強かな女賊らしく、死に臨んで音吐朗々と辞世の句を詠んだ。それでじゅうぶんなのであった。
 検視役の強門だけは、物心ついてこの方、お蝶が拷問蔵に囚われていることを知っていたし、元服してからは先に述べた通りの深い仲といえば仲であってみれば。辞世の句の意味は、取り違えようもなかった。
 強門は深く頷いてから、下人に向かって短く指図を下す。
「やれ」
 ぎゃりん。お蝶の目の前で槍が交差されて。引かれた槍が、左右からお蝶の脇腹を突き刺した。
 ぶしゅ……
「いぎゃああああっ……」
 お蝶が苦悶を絶叫した。
「ありゃありゃありゃ」
 穂先を腹中に留めたまま、ぐりぐりと槍が捻じられる。
「ぐああああ……あああっ……いいいいいい」
 絶叫の音色が妖しく変じたのが、野次馬にも聞き取れた。
 下人が槍を押し上げると、音も無く穂先が肩口に突き抜けた。
 槍が引き抜かれ、すぐにまた脇腹を差した。
「うああああ……さとかどさまああああ」
「それまで」
 強門が大音声でお蝶の叫びを掻き消した。
「止めの槍は、我が手でくれてやる」
 お蝶が感極まって余計なことを口走ってくれては拙いという思いと。意識が確かなうちに女淫を槍で貫いてやろうという、悦虐の千代にとってはむしろ温情と。
 小役人が差し出す新たな槍を脇に掻い込んで、強門がお蝶の正面に立った。
 お蝶は陶酔から醒めた目で強門を見下ろして。目は口よりも多くを語るのであるが、生まれ落ちてすぐに残谷家の養子となった強門は、それをどのように受け止めたのであろうか。
 強門が槍を構えて、お蝶の股間を見上げる。
「参る」
 短く言ったのは、剣術の稽古で身に着いた習い性ではあったろう。
 ずぶしゅっ……
 槍は吸い込まれるように女淫を貫いた。
「あ゙あ゙あ゙っ……い゙い゙、い゙い゙い゙い゙……い゙い゙い゙い゙」
 長々と雌叫びを放って。がくりとお蝶の頭が垂れた。
 それを見留めて、強門は槍を突き上げて喉まで貫いた。

 御定法通りに、お蝶の首は斬り落とされて獄門台に載せられ、骸は磔柱に掛けられたまま野晒にされた。お蝶の係累は既に亡く、白骨はそのまま捨て去られたのだが。強門の手によって、お蝶の喉仏の骨だけは、残谷家累代の墓の脇にひっそりと埋められたのであった。

三十年の責め楽も尽き後に逝く
      女淫濡れそぼち 槍を待ちわぶ
            筋彫お蝶こと千代 享年五十

          [ 完 ]

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 最後の最後で衝撃の新事実が明かされましたね。筆者も「まさか」でした。
 これくらい、読者諸氏におかれましても読み取れますよね?
 作者の意識としては「暗示」ではなく「明示」も同然なのですが。ラノベ慣れしてると、どうなんでしょうか。


 閑話働題というんですかしら。「休」の反対語は「働」らしいので。
 6/20,21は個人的連休ですので。ここで、BFもPDFもepubも仕上げて。7/15リリースで各販売サイトにぶっ込んで。最近の流れですと、即座に自作に着手でしたが。
 ちょい、インターバルを取りましょう。まさか紙飛行機の新作まではしないでしょうが、クリア回数ン十回のヤリコミゲーをまたぞろ「弱くてニューゲーム」するか。そのあいだに自作の構想を航走して、二つくらいが抗争するかもしれませんが、気分一新で好走といきたいものです。

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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 4:濡衣を着せられた娘

 いよいよ、第三幕に突入。
 第二幕より拷問の種類は多いですが、ストーリイはすでに語られ尽くして。あとは、ひたすら責めシーンの連続。SM小説を書く醍醐味ではありますが。
 短めなので、第三幕の冒頭から、昨日書いたところまでを一挙公開。

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第三幕 拷問蔵

 千代の処刑まで三日を残すだけとなった、その日。残谷郷門は城下奉行から火急の呼び出しを受けた。
「間に合ったか」
 郷門は不敵につぶやいて、直ちに奉行の許へ参じた。
「これを見よ」
 奉行が格式張って郷門に手渡した書状は、隣国の家老から当家の城代家老へ宛てた公文書の写しだった。郷門は作法通りに書状を展げて、一瞥しただけで思っていた通りの内容であると知った。が、畏まって隅から隅まで目を通してはおく。
 横っ飛びの銀次と称する破落戸が商家に押し入って、直ちに捕縛され、吟味の末に余罪を白状した経緯が記されていた。人相風体から目を逸らさせようとして、諸肌脱ぎに墨で刺青を模した紋様を描いての急ぎ働きではあったが、間抜けなことに丁稚に逃げられ、もたついているうちに捕方に囲まれて捕まった。こうなると、目晦ましもへったくれもあったものではない。
 吟味が進むうちに、他国での同様の犯行を密告する者があり(とは、書状に記されていなかったが)、さらに厳しく追及したところ、筋彫お蝶の一件を白状するに至った。
国境を越えての凶行なれば貴国に御報せすると倶に御公儀にも届出たる次第
右御承知置き願い度
「実に容易ならざる仕儀じゃ」
 三井が頭を抱えるのは、事が御公儀にまで達したという、そのことだった。
 銀次の自白にようと、筋彫お蝶には刺青など無く、刺青を模した肉襦袢を着込んでの所業である。千代の申し立てとぴたり一致する。即ち、千代は無罪。しかし、すでに死罪の沙汰を下してしまった。取り消そうものなら、御上の権威に係わる。とはいえ死罪を強行すれば、隣国からの報せを蔑(ないがし)ろにしただけならともかく、万一にも御公儀から照会があったときに申し開きのし様も無くなる。
「処刑を繰り延べれば宜しいかと」
 郷門は、あっさりと言ってのけた。
「さいわい、処刑の期日は公にされておりませぬ」
「じゃが、裁きを下してから一月を越えて処刑しなかった先例が無い」
「そこで、この書状が役に立つのでござる。筋彫お蝶一味が奪った金は三百五十余両。しかるに、銀次どもは捕らえられたときに、三人併せて五両しか持っておらなんだと書かれております。これは、お蝶が独り占めしたと考えるべきでしょう。ならば、金をどこに隠したか、是非にも白状させて取り返し、盗まれた者に返してやるのが、御政道に携わる者の務めではありましょう」
「ふむ……」
 三井はしばし考える。貫目屋は娘への連座ではなく別途に処分されたのだから、もはや千代を是非にも処刑する名分は失せた。後は、御家大事、我身大事だけ。
「本物のお蝶が他国で捕らわれたときは、どうする。辻褄が合わなくなるぞ」
「千代を生かしておけば、何とでも取り返しがつきましょう。すくなくとも、無実の者を処刑したよりは、御政道に付く傷も瑕瑾に留まります」
 楓が捕らえられる懸念など微塵も無いとは、手の内を明かさぬ郷門だった。楓が死んでいると三井が知れば、死人に口無しとばかりに処刑を強行しかねないと読んでいる。
 一旦は諦めたものの、うまうまと掌中に転がり込んだ、いや実のところは扇之介や街道の親分筋に借を作ってまで強引に転げ込ませた珠。砕かれては、たまったものではない。
「しかし、いつまでも牢に留め置くのも拙い。ことに、吟味もせず無駄飯を食わせておくなど、いずれは外にも聞こえよう」
「あの娘は、数々の拷問にも屈しなかった強か者。斯くなる上は、拙者が身柄を預かって、弾正一流の拷問で厳しく責めて白状させる。という筋書は如何でござろうか」
「その方で預かる、とな……」
 三井とて阿呆でもなければ耳が聞こえぬでもない。残谷の嗜癖も些かは知っている。しかし、厄介事がおのれの管掌から消えてくれれば、それで良い。いざとなれば、こやつに腹を切らせれば済む。
「よかろう。お主に任せる」
 こうして、千代の運命はまたしても大きく捻じ曲げられたのだった。


 第一場 盗金所在

 吟味を受けていた者も牢へ戻され、囚人どもは夕食までの退屈な時をもて余すだけという刻限になって。
「筋彫お蝶こと千代。牢替えじゃ」
 不意のことに、女囚どもがざわめく。いよいよ明日にでも処刑の運びとなって、最後の一夜くらいは静かに過ごさせてやろうというのか。前例の無いことだったが、そうとしか考えられない。
 着た切り雀の黄八丈の上から縄打たれて、牢屋敷の中を引き回され、ついには裏庭へと連れ出された。そこには役人の姿は見えず、尻を絡げた荷運び人足が二人と大八車。
 千代は二人の顔に見覚えがあった。掛同心八戸様の上役で、拷問に立ち会って御定書に無い制外の残虐な責めの陣頭指揮を執っていた残谷様。その手下の人たち。
 千代は厭な胸騒ぎに襲われたが。どうせ生を諦めた身。女淫を槍で貫かれるより酷いこともされまいと、おのれに言い聞かせて。大八車に積まれた細長い箱の中へ、大菱縄を掛けられたままおとなしく押し込まれたのだった。
 箱に蓋がかぶせられ縄で荷造りされ(たのだろう)、ガラガラと大八車が動き出した。
 もう大昔のように思えるけれど。すべての発端。拐わかされて棺桶に押し込まれて鬼と夜叉の巣へ運ばれたときを思い出した。あれに比べれば、身体を伸ばしているだけ楽だった。揺れがガタゴト身体に伝わって痛いけれど。
 それに、あのときは。何をされるかと生きた心地も無かったけれど。今は何をされても構わないと一切を捨ててかかっているから、何も怖くない。おのれに、そう言い聞かせる千代だった。

     毛粧焼

 並の荷運びと違って、大八車は歩くのと変わらぬくらいにゆっくりと動いて、それでも小半刻とかからず目的地へ着いたようだった。箱に入れられたまま担がれて、何十歩かを運ばれた。
 そうして箱の蓋が開けられて。石畳の床に転げ落とされて。千代は最初、また牢屋敷へ、それも吟味部屋へ戻されたのかと思った。しかしすぐに、そうではないと悟った。
 間口奥行ともに、吟味部屋より五割は広い。一角には狭い牢屋まで設けられている。そして、拷問の道具立としか思えない奇怪な調度が、壁の三面を埋めてびっしり並んでいた。
 キの字形をした磔柱、水平に寝かせて宙に支えられた梯子、三角の胴をした首の無い大きな木馬、大きな箱に下半分を隠されている水車、人の背丈ほどもある桶。仕置柱もあれば、ずっと細い竹まで何本も床に植えてある。天井には滑車が四つも吊られていて、そのひとつは複雑な組滑車だった。
 千代の前に立ったのは、これは予期していた通りに残谷郷門だった。背後に二人の女性(にょしょう)が控えているが、もちろん千代の知らない顔だった。
「御取調に手落ちがあった。よって、処刑を延期して再吟味いたす。盗んだ三百五十両もの大金を何処(いずこ)に隠したか。素直に申さば、格別の慈悲をもって、苦しまずに死ねるよう計らってやる。吐かねば、磔よりもよほど恐ろしい生き地獄を味わわせてくれるぞ」
 あっと思った。
 これまでは濡衣を認めるか認めないか、その一点を巡る吟味であり拷問だった。両親に連座が及ばないと知って虚偽の白状をして、それで楽になれた。
 けれど。はい、いいえではなく。知らないことを白状しろと迫られては、答えに窮する。道具立を見るからに、吟味部屋よりも格段に恐ろしい拷問。それから逃れる術(すべ)は、無さそうだった。
 そうだ……咄嗟に閃くものがあった。
 千代も牢獄の中で、ただおのれの悲運を嘆き悲しんで日を過ごすばかりではなかった。ことに、拷問の傷に呻吟していないときは。ふとした出来心で罪を犯した堅気の女(ひと)の身の上話に同情したり、男を手玉に取った遊び女の手練手管に感心したり、男顔負けの荒事をしてのけた女渡世人の武勇伝に聞き惚れたり。この一月ほどの間に、貸本の百冊を読んでも得られないほどの世間知、大方は悪知恵が身に付いた。
「申し上げます」
 千代は縛られた身を起こして、郷門に向かって正座した。
「盗ったお金はすべて、銀次たちに持ち逃げされました。ですから、わたしはしょうこと無しに、お父っつあんの寮へ逃げ込んでいたのです」
「なるほどのお」
 物分かり良さそうに、郷門は頷いた。
「では、明朝にもう一度尋ねるとしよう」
 今日のところは身綺麗にしてゆっくり休めと。労るような言葉を口にして。
「この二人に逆らうでないぞ」
 と、二人の女を振り返る。
 郷門は名前すら千代には教えなかったが。三十になるやならずに見えて、その実三十七の太り肉の女は源氏名を芳之、屋敷内ではヨシと呼ばれている、元散茶女郎。残谷に雇われて普段は下女、こういったときには弥助や梅松と同じ役どころをこなしている。
 五十の坂を越えたのはいつの昔かといった細身の女というか老婆は、華扇楼の現役遣手婆の、昔は国松を名乗っていたクニ。郷門が扇之介に頼んで、明日まで借り受けている。
「おまえたちも手伝ってやれ」
 とは、千代をここまで運んできた弥助と梅吉へ。郷門は土蔵の隅へ引っ込んで、愛用の床几に腰を据えた。
 梅吉が千代の背後へまわって大菱縄の縄尻を引くと、ぱらりと解ける。
「羞ずかしいだろうが、おべべを脱いどくれ」
「羞ずかしいものか。この一月あまり、牢の中でも外でも、素っ裸がお仕着せだったようなものだ」
 郷門は、ただ千代を辱しめるためだけに言わでものことまで口にしたのではない。死罪を言い渡された囚人は、往々にしてこの世の一切に関心を持たなくなる。あるいは、見苦しいまでに生に執着するか。そこを見極めようとしたのであるが。郷門の見るところ、千代は前者であるらしかった。
 切支丹も死は怖れぬが、生を捨てはしない。生を捨てた者を責めても、拷問の参考にはならない。郷門自身の嗜癖にも合わない。
(三日五日と責め続け生かし続けてやれば、さて、どうなるかな)
 そのためにも、まずは羞恥心を甦らせてやるべき。クニに処置をさせるのは正解だったであろうと、郷門は自惚れたのだった。
 千代は郷門の言葉が聞こえたのかどうか。言われた通りに淡々と帯を解き黄八丈を脱ぎ、たいしてためらうふうもなく腰巻までもみずからの手で剥ぎ取った。前を隠しもしない。
 遣手婆のクニが、ちょっと呆れ顔。は、すぐ能面の下に隠して。
「ここに寝ておくれでないかい」
 両端を台に支えられて宙に浮いた梯子を手で叩く。
 千代は無表情に片足を高く上げて梯子に乗り、身を横たえた。
 ヨシがてきぱきと立ち働いて、千代を万歳の形にして梯子に縛り付けた。
 千代は表情を動かさない。
 梯子の脇に季節外れの火鉢が据えられて、赤々と炭が熾された。火を囲むようにして、長い針が何十本も並べられるのを横目に見て、初めて千代の表情が動いた。
 かつての千代なら知らず。我が身を様々に甚振られていれば、熱した針がどのように使われるか想像に難くなかった。
「今日は休ませていただけるのではなかったのですか」
 郷門に向けられた千代の言葉には、諦めが滲んでいる。
「身綺麗にせよと言ったぞ。女の身で無精髭なぞ見苦しいわ」
「…………」
 言葉の意味が分からなかったが、重ねて問う気力もない。されてみれば分かることだった。
「一度に全部はとても無理だからね。明日からは、おまえ様がしてやるんですよ」
 遣手婆のクニが、郷門家の下女に言い含めて。毛抜きを左手に持ち、右手の指を唾で湿してから、先端が真っ赤に焼けた針を摘まみ上げた。
 千代の下草は入牢に際しての素肌検で奪衣婆に剃られて、今も二分ほどにしか萌え出でていない。クニはその一本に毛抜きの先を押し付けて根元ぎりぎりを摘まむと、ぴっと引き抜いた。毛根まで抜けて、ぽつんと開いた毛穴に灼熱した針先を差し込んだ。
「きゃあっ……」
 千代が悲鳴を上げたときには、すでに針は引き抜かれていた。
「隣の毛は抜くんじゃないよ。五分くらい離すんだ。そうしないと、火傷がくっついて痕が残るからね」
 使った針は火鉢に戻して、新しい針を摘まみ上げるクニ。
 二本目の毛を同じようにされて、今度は千代は呻き声すら上げなかった。最初は驚いたが、これまでに受けてきた拷問に比べれば、児戯にも等しい甚振りだった。
 郷門としても、これを拷問とは考えていない。亀女が全身剥き身の茹で卵のように無毛なのを見て、思い立ったことだった。女郎の中には、手入れをして五日もすると黒ずんでくるのを嫌って、このように毛根まで焼き尽くす者もいる。
 焼けた針を毛穴に突き刺すといっても、浅ければ一月か二月もすると生えてくるし、深過ぎると肌に痘痕(あばた)が残ったままになりかねない。
 五本、十本、二十本……五十本も処置をしたところで、クニは手を休めた。
「弾正の旦那さん。腋の下もやっつけるんですね」
「うむ」
 淫毛を剃る、一気に燃やす、あるいは、かつて千代が楓からされたように熱蝋を垂らして冷えたところで引き剥がす。こういった羞恥責めを、郷門は幾度か女囚に試みたことはあった。名目としては毛虱退治とか花柳病の検とかだが、実際には、証拠が乏しくて牢問に掛けられない場合の苦肉の策だった。初心な生娘でも、これくらいで白状はしない。だが、羞恥の極みにあるときに尋問すれば、ぽろりと真実を漏らすことがある。それは、ともかく。
 郷門も腋毛を無くすという発想は無かった。亀女を見て、如何にも生き人形に相応しい形だと思った次第だった。
 下腹部よりも腋窩のほうが、肌は敏感である。左右ともに二十本ずつも抜かれて焼かれる間、さすがに千代も苦しそうに呻いていた。
「それじゃ、見ててあげるからヨシさんもやってごらんな」
 ヨシもクニの半分ほどは処置をしたのだが。真っ直ぐに突き刺せなかったり、引き抜くのにもたついて肉を焼き過ぎたりして、何度かは千代に悲鳴を上げさせた。
(それにしても、俺も気の長い男だな)
 郷門は内心で苦笑した。肌を損なわないためには、一日か二日を空けて、一度に焼く量はせいぜい百本までと、クニは言っている。下草は毛の濃い者では五千本以上もあるという。千代は薄いほうだが、それでも千本やそこらはあるだろう。剥き身の茹で卵に仕上がるまで、千代を手元に置いておけるかどうか。しかし、事を急いで、千代の股間に棲む揚羽蝶を損なうつもりはなかった。
「今日は、こんなところさね。後は剃っちまうよ。一厘かそこら伸びてきたら、ヨシさんの出番だよ」
 仕上がるより先に、千代は三尺高い木の上で晒されることになるだろう。

     木馬責

 土蔵の角には、一間四方の牢が設けられている。二面は土蔵の壁、残る二面が木格子。素裸のままで、千代はそこへ押し込まれた。
「そこに把手があるだろ。引き出してみな」
 ヨシに言われて動かしてみると、幅一尺ほどの箱が現われた。砂が敷き詰めてある。奥は仕切られていて朽ち縄が何本か。
「そこが、ええと御牢では詰の神様だっけね」
 つまり厠だった。朽ち縄は跡始末に使うのだと、かつて銀次たちから受けた仕打ちを思い出す。この時代、町方の貧乏長屋でも落とし紙が使われるようになっていたが、農村部ではまだまだ朽ち縄や藁、あるいは木の箆などが使われていた。だから、ことさらに囚人を辱めようという意図は……いや、郷門ならあったかもしれないが。
 しかし、これまでは畳一枚の上で寝起きしていた(それでも平囚人ではなく客分扱いであったが)千代にしてみれば、存分に手足を伸ばせる別天地であった。しかも、煎餅布団まであった。一枚きりだからくるまって寝なければならないが、それでも十二分にありがたい。という感謝の念は、その布団にどす黒くこびり付いている血の痕を見て消し飛んだ。ここは、牢屋敷に勝るとも劣らない地獄なのだった。
 それでも。その日は、白米に鯵の開きに沢庵と味噌汁という、牢内とは比べ物にならない夕餉を出されて、また千代は、ここはほんとうに地獄かと戸惑ったりもしたのだが。

 翌朝は、夜が明けきらぬ内から叩き起こされた。
「出すものは出しときな。木馬の上で粗相されちゃ、こっちがたまったものじゃあないからさ」
 七分粥に梅干ひとつという、前夜にくらべれば質素な、けれど雑穀が混じっていないから牢内よりは贅沢な朝餉を格子の中へ差し入れて、すぐにヨシは立ち去った。
 千代は素直に粥を平らげると、雪隠箱を引き出して用を済ませた。これまでの残谷様の遣り口を思えば、きっとここも甚振られるのだろうと、朽ち縄はほぐして入念に跡始末をした。のは、羞じらいの心が甦った証ではあっただろう。
 半刻もしないうちに、牛頭馬頭を一身に体現した郷門が、三匹の小鬼を従えて地獄に舞い戻って来た。いつもの与力装束ではなく、褌一本の姿だった。
 起きてすぐに身を濯いだままなのかと訝った千代だが、そうではないと気づいた。武家は絶対にといっていいほど、下帯は越中だった。戦場(いくさば)で素早く緩めて用を足すためである。しかるに、郷門が締めているのは六尺だった。
 みずからが大汗を掻くほどにわたしを痛め付ける御積りなのかと、千代は怯えた。死ぬ覚悟はとっくに出来ていたが。拷問をされずに留め置かれること二十日に及んでいる。三日と空けずに甚振られていた頃とは、覚悟の持ち様も違っていた。
 けれど、三匹の小鬼どもはいたって普通の身形、二人の男は尻絡げで、下女のヨシは単衣を襷掛け。それはそれで、残谷様に淫らな思惑があるのかと、これは期待してしまう。埒を明けてくだされば、甚振りも終わるのではないかという……とっくに操とは縁の切れた身の上、女淫でも口でも尻穴でも、それで済めばありがたい。そこまで堕ちている千代だった。
 千代は牢から引き出されて、高手小手に縄を掛けられた。ことに胸縄は厳しく、左右と谷間とで上下を絞られて、縄の中に乳房をつかんで引き出され、さらに根元を締め付けられた。
 四本の脚を二本の橇に乗せた三角胴の首無し木馬が中央に引き出されて。千代は滑車で吊り上げられて、その上に乗せられた。嫌でも三角の稜線を跨がねばならず、稜線は淫裂に食い込んで、鋭い痛みを千代に送り付ける。とはいえ、未だ箒尻を敲きつけられるほどの激痛ではなかった。頂部を取り換えられるこの木馬に郷門が取り付けていたのは、なんの変哲もない三角形の楔だった。それはそれで、じゅうぶんに股間を切り裂くが、鋸刃ほどは凶悪でない。
「では、改めて尋ねるぞ。急ぎ働きで奪った三百五十両は、どこに隠した」
 この御役人様は、まったくわたしの申し立てを信じてくださらない。千代は絶望するとともに、それも当然かと納得してしまった。
 背中に入墨という明白な証拠を背負いながら、筋金入りの極悪人でさえ泣いて白状するという苛烈な拷問に耐えた、強かな女賊。御役人様には、そう思われている。
 その強かな女賊が仲間に裏切られ、盗み金を洗いざらい持ち逃げされたなど、誰が聞いても嘘だと思うだろう。けれど。一晩ずっと考えてみても、これ以上に巧みな言い逃れは思いつかなかった。
「昨日、申し上げた通りです。銀次たちに持って行かれたんです」
 郷門は、千代の言葉は聞き流して。
「長丁場だ。一枚でよかろう」
 弥助と梅吉には、それだけで通じる。十露盤責に使う石板が、長手方向が木馬の橇を跨ぐ形に置かれた。
「ひ……」
 吊責のときに脚を開いて石板を吊るされているから、これから何をされるかは明白だった。
 石板の端に縄が巻かれて、まず片足をつながれた。
「きひいいい……」
 さらに、もう片足も。
「いやあああっ……痛い、痛い」
 石板一枚で千代の目方ほどもある。股間の一筋に掛かる重みが倍になったという、それだけでは済まない。それまでは渾身の力で腿を閉じて、木馬の斜面で幾らかの目方を支えられた。しかし両脚を三尺も開かされては、二人分に匹敵する目方が、鋭い稜線が、女淫に食い込んで柔肉を切り裂こうとする。
 激痛に、千代は身悶えすら出来ない。わずかでも身じろぎすれば、女淫の奥で激痛が暴れる。逆刃に立てた包丁の上で大根を転がすのと同じ結果になりかねない。
 郷門は無言で、食い入るように千代の表情を凝視めている。
 千代はのけぞり、口を悲鳴の形に凍りつかせ、目尻に涙を湛えて。ひたすらに苦悶している。恍惚の色など微塵も無い。
 郷門が、千代を打擲する得物を手にした。箒尻などではなく、先端に鎖の小さな鉄環を編み込んだ縄束だった。しかし、すぐには使わず。
「思い切り揺らしてやれ」
 弥助と梅吉が木馬の前後に取り付いて、足は橇に掛け手は三角の胴体を持って、橇の端が床に触れるまで後ろへ傾けた。石板が振子の錘となって千代の脚が後ろへ流れ、上体は自然と前へ倒れて釣り合いを保とうとする。
「ぎひいい、痛い……お赦しくださいいっ」
 郷門は無言。弥助と梅吉は目配せを交わして。
「せえのっ」
 勢いをつけて木馬を押し出した。
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……」
 千代が絶叫した。
 ぎし、ぎし、ぎし……木馬が前後に大きく揺れ続け、さながら悍馬を巧みに乗りこなしているかに見える千代は、絶叫を吐き続けたのだが。
「揺すれ」
 郷門に命じられて、二匹の小鬼が揺れの小さくなりかけていた木馬を大きく揺すったとき。
「ぎびひいい……」
 悲鳴が細くなってゆき、
「ああああ、あああっ……」
 両親の媾合いを覗き見た子供が、母ちゃんが虐められていると思い込むほどに、絶頂の声と表情は苦悶のそれと酷似している。しかし、郷門は見誤らなかった。にんまりと形容するにはあまりに生真面目な表情で、ひとり頷いた。
 このとき。たしかに千代は、恍惚の中にあった。薄桃色の靄の中に浮かんで、頭にも身体にも靄が沁み込んでいた。淫裂の奥深くには凄絶な快感の楔が打ち込まれていた。淫核と女穴にも楔が欲しくなって、木馬に揺すられるよりも激しく腰を揺すっていた。
 すでに女穴の前後は木馬の稜線に切り裂かれて、股間は血まみれ。太腿にも伝っている。
「うぐ……」
 郷門の残酷な拷問を何年も手伝っているヨシが、袂で口を押さえて土蔵の外へ逃げ去った。
 しかし、郷門は満足しない。手桶の水に浸けて、ずしりと重くなった縄束を、千代の尻に敲きつけた。
 バヂャン。
「おおおおーっ」
 千代は木馬の上で激しく背をのけ反らせて、はっきりと喜悦の表情を浮かべた。
 薄桃色の靄に包まれて宙に浮いているところへ強烈な愛撫を加えられ、尻が熱く疼いた。
 バヂャン。バヂャン。バヂャン。
 二十日ちかい養生とまではいわぬにしても、拷問を受けることなく傷が癒えていた白い肌がたちまち切り裂かれ、太い痣が刻み付けられていった。
 しかし千代は、肩を敲かれ乳房を敲かれるにつれて全身が蕩けていく。痛くされればされるほど、それを濃密な愛撫に感じてしまう。もう一息で、全身が微塵に砕け散るような快感が訪れる。本能が、そう教えていた。千代は愛撫をねだって全身をくねらせた。
 しかし。
「そろそろ出仕の刻限か。おい、ヨシ。戻って来い」
 下女を呼び戻して。郷門が戻るまで千代を見張っているように命じる。
「教えた通りであろう。こやつ、かほどに責められながら法悦境を彷徨っておる。じきに正気づくのか気を失うのか、はたまた苦しみ始めるのか。その移ろいを、確(しか)と見定めよ。おまえから働きかけるには及ばぬが、水を所望すれば飲ませてやれ。口移しでも許すぞ」
「あい、分かりました」
 稀には男も甚振るが、この拷問蔵へ連れ込まれる者の九分九厘は女である。悦んで主人の手伝いをする女であれば、そういった性癖を持っていても不思議ではない。というよりも、そこに目を付けて雇っているというのが実情だった。もっとも。拷問蔵であまりに閑古鳥が鳴くときなど、この女が、血を見ない程度に甚振られることもあった。そして女も、それはそれで愉しんでいるのではあったが。本筋には関係の無い話であるので、ここらへんで焉めておく。
 千代とヨシを残して、土蔵の戸が閉められる。
 ――強烈な縄鞭の愛撫からは解放されても、股間への刺激は続いている。おのれの目方が倍になって、それを股間の一線で支え続けるという、まともな女なら泣き叫ぶ激痛。しかし、過去に受けた拷問で苦痛に狎らされている千代には、木馬が揺れていない限りは、かろうじて正気を失わないでいられる責めでしかなかった。
 それ故に。千代を取り巻いていた薄桃色の靄は次第に薄れていく……
「く……くうう」
 股間を切り裂かれる痛みに、千代は呻く。快楽すなわち激痛を求めてみずから腰を揺すった報いではあった。法悦境にあっても、千代はおのれの所業を覚えていた。だから。激痛に苦しみながらも、郷門を骨の髄まで恨む気にはなれなかった。郷門が千代を筋彫お蝶と信じて疑わないのであれば、吟味役人として当然のことをしているまでのこと。そうも思ってしまう。それは千代のまったくの思い違いではあったのだが。
 郷門が(牢屋敷を内に抱える)奉行所で勤めを終えて帰宅するまで、正確にいえば自宅内での所用も終えて拷問蔵に舞い戻るまでの三刻余を、千代は三角木馬の鞍上で苦しみ続けなければならなかった。
 まもなくの入梅を控えて、土蔵の中は蒸し暑くさえあったが、喉の渇きを覚える裕りなどなく、ヨシにはつまらない思いをさせたのではあったが。
 それはともかく。郷門がまた六尺褌一本の姿で千代の前に立ったとき、いっそう過酷な、あるいは甘美な拷問が再開されるのだった。

     股張紐(承前)

「下ろせ」
 千代は石板を解かれて、木馬から吊り下ろされた。吊っている縄が緩むと、とても立っていられず床に倒れ付した。高手小手の緊縛も解かれて、しかしすぐに、両手を揃えて頭上で縛られた。開脚させられて、石板も元のように足につながれた。
 滑車から垂れる綱で再び吊り上げられる千代。石板の重みでおのれの目方の倍が肩に掛かるとはいえ、これしきなら千代にとっては甚振りには当たらないのだが。
 壁際の箱から、弥助が長い紐を引き出した。太さ一分ほどの細引。ただし、縄鞭の先端に編み込んであるよりもひとまわり大きな鉄環が、一尺置きに結わえ付けられている。
 土蔵の端に植えられている太い竹竿の先に、細引の一端が括り付けられた。石板が肩の高さに来るまで吊り上げられた千代の足の間に細引が通されて、反対側の壁際に植えられている竹竿に巻き付けられて。
「せえのお」
 弥助と梅吉の二人掛りで細引の端が引かれると、向かい合った二本の竹竿が内側へ大きく撓った。細引がぴいんと張って、千代の股間に埋没した。
「…………」
 千代はわずかに顔をしかめただけで耐える。三角木馬に比べれば、苦痛は有っても無いようなもの。そして千代は羞恥には鈍磨している。しかし……
 千代の身体が、ゆっくりと吊り下ろされていく。細引はますますきつく張って淫裂を深々と割り、淫核から尻穴にまで食い込んでいく。細引に引かれて、竹竿が折れんばかりに撓る。
「く……」
 これでもまだ、この土蔵の中では色責としても生ぬるいものでしかないが。弥助が千代を後ろ向きに押し始めると、途端に淫にして虐な責へと変貌する。
 弥助ひとりの力では、撓った竹竿の先から一尺を残して、それ以上は押せなくなった。が、それでじゅうぶん。
「やりますぜ」
 千代を一方へ捻るようにして前へ突き放した。
 石板と千代の重み。そこに、竹竿が元へ復そうと細引を斜め上へ引っ張る力も加わって。千代の裸身が凄まじい勢いで前へ突進した。
「ぎびい゙い゙い゙っ……」
 千代が喚く。
 ぶじゅじゅじゅじゅっ……
 細引に括り付けられた鉄環が、立て続けに淫裂を抉る。太さ一分しかない細引が、三角木馬の稜線に切り裂かれた柔肉の傷をさらに広げる。
 たちまちに、白かった細引が朱に染まった。血しぶきさえ飛んでいる。
 千代の正面では、郷門が箒尻を手に待ち構えている。竹竿の手前、振子の頂点で千代が止まる刹那を狙って。
 バシイン。
 箒尻が乳房に叩きつけられた。
「がはっ……」
 息を詰まらせる千代。が、すぐに凄絶な悲鳴が続く。
「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙っ……」
 後ろまで振り切って、また前へ揺り戻して。
 ずぐぶっ……
 箒尻が縦に、千代の下腹部に突き立った。
「げふっ……」
 ぐうんと突き戻されて。腹の奥から吐き出されるような勢いで、鉄環が後ろから前へ股間を抉る。
 三度目。郷門は箒尻を使わなかった。代わりに、石板の一端を力いっぱいに蹴った。
 千代の裸身がねじれながら揺れる。その分、股間は奥底だけでなく左右の肉襞までが抉られる。
「ひいい、いい……いいっ」
 女淫への責であってみれば、初手からそういった刺激を受けている。たちまちに千代の意識は濃密な桃色の靄の中へ溶けていって。四度目に、肋骨が折れそうなほど強く乳房を敲かれたとき。
「うああああ、あああーっ」
 聞き誤りようのない雌叫びを放って、千代は悶絶したのだった。
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女囚永代吟味を流用

 実はシフトの関係で、6/10,12,14と飛び石連休なのです。この間に仕上げるのは無理でも、手前までは持っていきたいものです。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 3:濡墨を着せられた娘

 なんだ神田で280枚で進行中です。
 章題を若干変更したり(黄色)、第三幕を増やしたり()。

第一幕 破れ寺
 第一場 拐わかし
   三穴姦/蝶乱舞
 第二場 全裸捕縛
   裸縄掛/刺青晒
第二幕 女囚牢
 第一場 吟味前夜
   素肌検/牢問答
 第二場 苛烈牢問
   裸敲問/石抱問
 廻舞台 若侍苦楽責
   牢内掟/吊敲責/海老責/弓張棒
 廻舞台 新妓夢現責
   駿河問
 第三場 虚偽自白
   父母流罪/磔刑申渡
 廻舞台 熟娘揺木馬 ←Written
第三幕 拷問蔵
 第一場 盗金所在
   毛粧焼/木馬責/股張縄/逆吊責/水樽責/男牢入/釘打責/首吊責
 第二場 濡衣問答
最終幕 処刑場




 今回は、第二幕第二場之五【弓張棒】を御紹介。
 (承前)とあるのは、海老責に続いて同日中の責めだからです。
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弓張棒(承前)

 午(ひる)を告げる拍子木を、海老責に呻吟している千代も微かに聞いた。その直後に、数人の足音。郷門と八戸だが、手伝いの二人は午前の下人ではなく、郷門が屋敷で飼っている男たちだった。きちんと人別もある。ふだんは下男の仕事をしながら、こういうときには汚れ仕事もする。といって、余分な手当は得ていない。汚れのうちには、ときとして魔羅の汚れもあって、それが手当の代わり。つまりは、身分の差こそあれ郷門の仲間(なかま)ともいえた。ちなみに、下女の中にもこの手の者がいるのだが、それは彼女たちが登場するときに詳述しよう。
 千代はいったん縄を解かれて、いっそう淫らな形に縛り直された。縄を掛けられずに身体を二つに曲げられて、両脚で頭を挟む形にして手首と足首とをひとつに括り合わされた。屈曲の角度としては海老責よりも深いくらいだが、脚をそんなに開かされていないから、苦痛は少ない。もちろん比較の問題で、身体の硬い男なら小半刻とは耐えられないだろう。そして。腰を高々と突き上げて二穴を天井に向かって曝すのだから、娼婦でさえも羞恥に悶えるだろう。
 しかし千代は、海老責よりも鮮やかに全身を朱に染めたが、表情はほとんど動かさなかった。どんなに責められようと無実の罪を認めるわけにはいかないし、認めない限り拷問は続く。となれば、責め殺されるのが親孝行と、性根を決めていた。
 郷門が、奇妙な棒を何本も床に並べた。一見して男根を模した物、即ち張形だが。竿の部分に陣笠のような形状をした鋲が三段、螺旋状に埋め込まれている。これは女泣かせの瘤と解せなくもないが。張形の根元は細い棒になっていて、本体よりも太い角柱を貫いて、末端は滑車で終わっていた。
 張形の太さは竿の部分で、一寸丁度、一寸三分、一寸六分、そして二寸の四種類。長さはどれも八寸。それが二本ずつ。雁首はいちだんと張り出しているし、鋲の先端から先端までの差し渡しは、さらに大きい。
「これは、尻穴未通女でもなんとか挿(は)いる太さじゃ」
 初めて実見する八戸に説明してやって。郷門は一寸丁度の張形を取り上げて、金創軟膏をまぶした。亀頭の部分で尻穴をこねくって、そろりと押し込んで。
「これは……ずいぶんとこなれている。おまえは、尻穴で媾合ったことがあるのか」
 千代は逡巡したが。阿婆擦と思われてはたまらない。
「捕らえられて、十日間ほど掛けて入墨をされている間、三人の男どもに……何度も何度も」
「聞いておいてやろう」
 とは、千代の言葉を信じてはいないが嘘と決めつけてもいないという意味。
「ならば、これでも呑み込むのでないかな」
 次を飛び越して、一寸六分を試みる。
「きひいいい……」
 ほとんどふた月ぶりの、尻穴への強貫。忘れようと努めていた、灼熱の激痛が甦った。いや、一寸六分といえば魔羅としても逸物(いつぶつ)だが、そこに鋲の突起が加わる。初めて尻穴を犯されたときよりも、よほど痛かった。
 それでも、肉襞が裂けることもなく、千代の尻穴に太さ一寸六分の張形が突き刺さった。
「これで腹一杯といったところだが、それでは甚振りにならぬ」
 尻穴の一寸六分に圧迫されてひしゃげた女穴には実に二寸が試みられたが、さすがに無理だった。激しく痛がるとかではなく、押し込めないとは手応えだけで知れた。
「ふうむ……」
 一寸六分だと挿入は出来たが、千代が絶叫した。それでは後段の目論見に差し障るとして、前に一寸六分、後には一寸三分で落ち着いた。張形は根元まで埋没させず、前は二寸、腸は膣よりも奥行きがあるので一寸のみを残した。
 挿入されるときこそ、千代は唇を噛んで苦痛と恥辱とに耐えたが、郷門が手を放すと、股間から二本の角を生やした姿で、それほど苦しそうにも見えない。
仕置柱から厚さ一寸の板が水平に突き出されて、角柱に宛がわれた。板は仕置柱に釘で打ちつけられ、そこに鎹(かすがい)で角柱が固定された。
 最後に、二張(ふたはり)の半弓が持ち出された。それぞれの弦が千代の上を横切って、角柱から突き出ている滑車に巻き付けられた。
 郷門の下男二人が千代を挟んで向かい合って座り、両手に弓の端を握った。
「まずは、ゆっくりと同じ向きに動かせ。そおれ」
 郷門の合図で下男のひとりが両手を突き出し上体を前へ倒し、一方は引きながらのけ反る。
「あ、ああっ……」
 突然に生じた異変に、千代が当惑の声をこぼした。
 弓が動くと滑車が張形を回転させる。螺旋状に植えられた鋲が柔肉を抉ると同時に、螺子の作用であたかも張が抽挿されているような錯覚を与える。
「い、痛い……くうう……」
 痛いとは言うものの千代の声は、敲問や石抱に掛けられているときの悲鳴絶叫ではなく、ごくささやかな訴えでしかない。
 弓は鏡像のように向かい合っているから、前後の張形は互いに逆向きに回転している。女穴の螺子が抜去される向きに回れば、尻穴は貫入の向きに回る。
 二十往復ほども続けさせて。千代に格段の変化が起きないと見ると、郷門は二つの弓を逆向きに動かすように命じた。
 二本の張形が同じ向きに抽挿され、肉壁が擂り潰されるような感覚が千代を襲った。
「あ……や……」
 やめてと言いかけて、千代は言葉を呑んだ。言えば、おまえは筋彫お蝶であろうと問われ、押込の罪を認めろと迫られる。いちいち打ち消すよりも、この程度であるなら、黙って甚振られているほうが、まだしもだった。
 さらに二十往復ほど様子を見て。郷門は弓を止めさせた。
「前も後ろも相当にこなれておるのに、まるきり感じておらんな」
 郷門が首を傾げた。
 千代は耳年増であってみれば、その意味は分かる。と同時に、当たり前だと悔しくもある。十日以上に亘って、多いときはひと晩に十回以上も犯されている。未通女の固さが残っているはずもない。そのすべてが蹂躙だったのだから、媾合いを心地好いものと思う筈もない。
「では、生娘殺しに掛けてみるか」
 郷門が懐から小筆を二本、取り出した。過日、筧三郎を馴致した小道具だった。
「落とすのが目論見ではないから、こちらは不要か」
 郷門が、乳首に目を落としてつぶやいた。
「さりながら、まるで紅を引いたように、鮮やかというはあまりに毒々しい。このような所に朱墨を入れるとは、ふうむ……」
「入れられたのです。肉襦袢に描いた色と同じにするとかで……」
「淫豆を蝶の頭に見立てるとは、また思い切ったものよ。これも肉襦袢に描いてあったと申すのか」
「…………」
 このお役人も、私の言い分をまともに取り合ってくださらない。千代は悔しさの中に押し黙った。
「ふん。黙(だんま)りか。泣かぬなら、泣かしてしまえ女淫(ほと)と淫豆(まめ)」
 うそぶいて。郷門が二本の小筆を動かし始めた。乳首へは向かわず、張形で引き裂かれんばかりに広げられている二つの穴の縁を、筆先のほとんど一点でくすぐる。
 張形で引き伸ばされた柔肉に、蟻が張っているような感触が生じて、千代は惑乱した。
「あ……くうう……いやあああ」
 生まれて初めて感じる、奇妙な感触だった。くすぐったくて、おのずと腰をくねらせてしまう。すると、宙に固定されている張形が内側から肉穴を抉る。痛みは生じるが、くすぐったさと併さって。快不快で区切るなら、快感が強い。
 さわさわさわ……さわさわさわ。
「きひいいい……やめ……やめてください」
 しかし言葉とは裏腹に。腰の蠢きは筆から逃れるというよりも、筆を求めて押し付けているようにも見えた。
 二本の筆は女穴と尻穴の周囲を緩やかにくすぐるかと思えば、二本の張形で押し縮められた会淫を強く責める。
「あああ……いやあああ」
 千代の訴える声が、さらに甘く蕩けてゆく。
 尻穴をくすぐっていた筆が前へ動いて、二本の筆が左右の鼠蹊部をくすぐり、大陰唇へ移り、張形の鋲で掻き出されている小淫唇へと移って。しかし、小淫唇が合わさっている所にはっきりと膨れている実核だけは避けていた。
「あああんん……いやあ……何、これ」
 うわごとのように呟きながら千代は、これが草子で読んだ善がるということだと、なんとなくは理解していた。思い描いていたよりも、ずっと強烈な快感だった。しかし千代の理解は、まだ真実に到達していない。
 頃は良しと見て取った郷門が、左手の筆を捨てて淫核を摘まんだ。すでに顔を覗かせている実核を皮で包むように扱くと。
「ひゃああっ……あんんんん」
 甲高い悲鳴と、嫋々と続く鼻声。
 千代は、その一点が大きく爆ぜるのを感じた。爆ぜた衝撃が腰を突き抜け背骨を翔け上がって、脳天を痺れさせた。
 二度三度と千代に悲鳴を上げさせてから。郷門は包皮を剥き下げて、露わになった実核を右手の筆先でつついた。
「うわあああっ……ああああああ」
 いそうの嬌声が、千代の口から迸る。張形に縫い付けられているはずの腰が、二寸ほども跳ねて。穴から突き出ていた根元までも呑み込んで。腰が落ちるときには張形の端で穴縁を抉られて、さらに悲鳴が重なった。
「倍の速さで弓の端から端までを引き切れ。そおれ」
 郷門の合図で、弓が激しく動き出す。張形が互いに逆方向へ回りながら、二穴を掻き回す。
 郷門は弓の動きを邪魔しないように幾分のけぞった姿勢になって、筆を動かし続ける。淫豆がじゅうぶんに膨らんで、手を放しても包皮に潜り込まないと見定めると、左手にも筆を持つ。右手の筆で淫豆をくすぐりながら、左手の筆は女穴を責める張形に沿えて、外から淫唇を強くくすぐった。
「わ゙あ゙あ゙あ゙あ゙、あ゙あ゙あ゙あ゙っ……」
 千代の悲鳴が凄絶味を帯びてくる。いつ息を継いでいるのかというほどに、悲鳴は絶え間ない。さながら千代は、三人掛りで弾かれている巨大な胡弓だった。まさに今。千代は女でしか味わえない絶頂へ向かって押し上げられようとしている。
 郷門は責めの手を緩めることなく、千代を追い上げてゆく。
 千代は、おのれの身体が濃密な桃色の雲と化して、四方八方へ飛び散ってゆく心地に陥っていた。それは、一言で表わすなら桃源郷だった。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙、い゙や゙っ……い゙や゙あ゙あ゙あ゙」
 何もかもが無に帰すような感覚に恐怖して、しかしそれは喜悦そのものでもあり。絶叫とともに、千代の意識は薄れていった。

 千代が失神すると、郷門はすぐに責めを取り焉めた。寸止めを繰り返して、色責で千代に自白させるのが目的ではない。苦痛が法悦境へ転じるのなら、初手から快楽で追い込めばどうなるか。それを見極めるための色責なのだった。
 そして郷門は。千代の荒唐無稽な申し立てが、あるいは真実かもしれないと疑い始めはているのだが。無実を明かす証拠も無い。
 なによりも。筋彫お蝶については濡衣であったとしても、千代にまったく罪が無いわけでもないと、郷門は考えていた。貫目屋の苛斂誅求に哭いた者は両手両足の指では足りない。店を奪われた者、女房も娘も売らされた者、一家そろって首を吊った者もいる。袖の下を使わなかったら、とっくに島送り山送り、下手人にもなっていただろう。となれば、貫目屋の女房も娘の千代も連座している。千代に連座して貫目屋が断罪されるのは、因果が入れ替わっているが、結果としては同じことだ。
 どうせ死ぬ身であるのなら。生きているうちにせいぜい役に立ててやる。どのようなときに苦痛が法悦境にすり替わるのか、その機序(しくみ)が分かれば。そのような責め方を避けることで拷問の実が上がる。
 切支丹については、信心がそうさせるのではないかと、郷門は考えていた。戦国の昔に、一向一揆の例がある。宗門のために死ねば極楽へ行けると信じて、女子供までが着の身着のまま鎌や鍬を手に鎧具足に身を固めた大軍勢に突っ込んでいった。
一向衆なら念仏、切支丹ならおらしょ。大声で繰り返し唱和するうちに、法悦境に達するともいう。
 しかし、千代にはあてはまらない。父母への孝心がそうさせるのなら、連座が適用される罪科ではかなりの者が頑強に抵抗する筈である。実際には、出来心の付け火や盗みで捕まった者で、敲問すらに耐え抜く者は稀有の例にとどまっている。敲問、石抱で始末がつかないのは、筋金入りの悪党だけだった。
 千代は吟味法度を越えた敲問に耐え、石抱では乳房まで潰され、ついに拷問に掛けられて、なお海老責でも自白に至らなかった。この上は吊責でも法悦境に達するものか、見極めたいというのが、郷門の本心だった。
 千代は縄を解かれ、一刻ほども吟味部屋の片隅に放置されて。意識を取り戻してから牢へ戻された。戸板に載せられることなく、初めて自分の足で吟味部屋を出たのだった。牢から全裸で引き出されたのであってみれば、牢へ戻されるときも全裸なのは、当然だった。

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 海老責に続けて座禅転がしてえのは、手垢がついてますので、新しい絡繰なぞやらかしてみました。
 文章で説明しきらないといけないのですが、まあ、簡単に図解など。
 これで前後2穴をグリグリグリグリとグラ
 2本の弦を同方向に動かすか、互い違いにするかでも効果が違ってきます。


弓張棒

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Progress Report 2:濡墨を着せられた娘

  A意C筆中です。現在は『回舞台 新妓夢幻責』230枚突破。
 ですが、今回は【第二幕第二場之二、石抱問】を御紹介。
 ちなみに、小伝馬町の牢では、【牢問】として「敲き」と「石抱き」があり、尚も囚人が白状しない場合は老中の裁可を得て【拷問】即ち「海老責め」と「吊り責め」に掛けていたそうです。これ以外の責めは禁止。ただし火盗改は制外にあったとか。いちおう、あちこちのサイトを調べてはいますが、信憑性は85%くらいですかね。
 各国(藩)の状況は、ほとんど検索に引っかかりません。まあ、御公儀に右へ倣えだったか、と。

女囚吟味
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石抱問

 その日は深夜まで昏々と眠り続けた千代だったが、十九歳の若さと、ひと月半に亘る寮での静養が健康を取り戻させていてくれたことと相俟って、翌朝には自力で起き上がり食事を摂れるまでに恢復していた。
 一度の牢問でここまで痛めつけることは稀だし、少なくとも次の牢問までは中二日を空けるのが通例だが。千代に限っては吟味法度も慣例も無いに等しかった。気力体力が消耗しているときに責めれば、命の危険はあるにしても効き目が著しいのも道理ではある。
 巳の刻を告げる牢内の拍子木が鳴り已まぬうちに、千代は牢から引きずり出された。せめて腰巻を着けさせてくださいとの嘆願も虚しく、傷だらけの裸身に縄を打たれて吟味部屋へ追い込まれた。
 千代が引き据えられたのは、吟味部屋の中ほどに並ぶ二本の柱の前だった。柱というよりは、天井まで届く杭。屋根の重みを支えてはおらず、もっぱら牢問に掛ける科人を縛り付けるのに使う。名付けて仕置柱という。
 その仕置柱の前の床には分厚い簀子(すのこ)のようなものが置かれている。低い枕木の上に幅三寸五分、高さ二寸の三角木材が五分の隙間を空けて五本並べられたそれは、十露盤と呼ばれる責め具だった。その上に脚を開いて座らされ、後ろの仕置柱を背中で抱く形に縛り付けられた。
「く……」
 千代自身の重みで、三角木材の稜線が脛に食い込む。木材は鉋でわずかに丸みを付けられているので、切り裂かれるような痛みではなく鋭い鈍痛といったところ。それでも、小半刻とは座り続けていられないだろう。
 十露盤の横には、長さ三尺、幅一尺、厚さ三寸の石板が積まれている。それを三枚まとめて、ふたりの下人が持ち上げた。
「この伊豆石は一枚で十二貫の重さじゃ。およそ、おまえの重みと同じくらいかな」
 三枚で三十六貫。実に千代の目方の三倍。それが一気に、膝の上に載せられた。
「かはっ……」
 あまりの激痛に、千代は息を詰まらせた。みしみしと、脛の骨が軋む。
 石が崩れないように下人が両側で支えているが、それも下からではなく横から押さえているだけ。八戸が千代の正面に立って、片足を石の上に乗せた。
「きひいい……」
「石抱の味は、どうじゃ。素直に吐かねば、脛が砕けるぞ」
 さすがに体重を乗せ掛けまではしないが、ぐりぐりと躙る。
「いぎゃああっ……赦して……お慈悲を」
 おのれが筋彫お蝶だと認めるまでは責め続けられると分かっていても、訴えずにはいられなかった。
「御上にも慈悲はある」
 意外にも、千代の膝から石板が降ろされた。
「もう一度、石を抱かせてやろうか」
「……お赦しください」
 叶わぬ願いと知りながら、哀願する千代。
「ならば、認めるのじゃな、筋彫お蝶。如月十日に小野屋に仲間三人と共に押し込んで三十両余りを奪ったのを皮切りに、今月八日までのひと月になんと四件もの押込を働いたこと、相違無いな」
「違います」
 その言葉がどういう結果を招くか承知のうえ。千代は血を吐く思いで、きっぱりと否定した。
 八戸は後ろに下がって、短く下人に命じた。
「まず、一枚」
 ずしっと、膝に石板が一枚だけ乗せられた。
「く……」
 三枚と比べれば、何ほどのこともない。千代は、むしろ安堵する思いで重みに耐えた。
 石板に縄が巻かれて、手を放してもずり落ちないように、後ろの杭に結びつけられた。下人が部屋の隅へ引っ込み、八戸は十露盤の脇に積み上げられている石板に腰を落とした。
「おや、まだ若い娘ではないですか」
 三十幾つ、八戸と同年配くらいの同心が、二十歳をそれほどは過ぎていまいと思われる男を引っ立てて、吟味部屋へ入ってきた。
「番茶の出花をちょっと過ぎてはいますがね。こやつが巷で評判の筋彫お蝶です。赤金様のお手柄です」
「違います。濡衣です」
 八戸が、積石に腰掛けたまま退屈そうに下知する。
「さっきの今で済まんがな。二枚目を載せてやれ」
「へい」
 たちまちに、最初の石板の縄が解かれて二枚目が積み増された。
「ぐうう……くうう」
 千代は歯を食い縛って耐えた。泣き叫びたかったが、すると三枚目を載せられるのではないかと恐れた。無実の罪を白状しないかぎり、いずれは三枚目、もしかすると四枚五枚と重ねられるのだろうが、出来る限りは先延ばしにしたかった。
 八戸は煙管など取り出して、のんびりと構えている。一刻あるいは二刻いっぱいを使って、じわじわと責める手口なのだろう。
 一方、後から連れて来られた男のほうは。褌一本にされて後ろ手に縛られ、千代と二間を隔てたもうひとつの仕置柱の前で胡坐に座らされているところだった。
重ねた足首も縛られて。八戸の掛とは別の下人が、これも二人掛りで男の身体を折り曲げていく。背中に尻を落として、ぐいぐいと、ついには顎が足首に接した。後ろ手に縛った縄尻で肩越しに脛を巻き、足首の縄は首の後ろまで回された。そうしておいて身体を起こし、仕置柱に縛り付けた。
「このままにしておくと、じきに血が滞って死ぬことになるぞ」
 同心が男を威す声を遠くに聞く千代だったが。男の脛の肉が何段にも横に裂けて白い骨が見えているのに気づいて戦慄した。それは、まさにおのれが受けている責めの傷痕というはあまりに生々しい光景だった。
 もしも石抱の責めに耐え抜いたとしても、さらに苛酷な拷問が待っている。そうと分かって、千代は失神しかけたのだが。寸時も途絶えぬ痛みが、安逸へ逃げさせてくれない。この石抱や男の受けている拷問に比べれば、昨日の敲きなどは序の口だったのだと思い知った。続けざまに敲かれようと、痛みと痛みとの間には一瞬の休みがある。その間隙に失神が忍び込んでくれる。しかし石抱は、悶死するまで安逸は訪れないのだろう。
 吟味部屋に明り取りの窓はあっても、直接に陽が差し込むことはない。影の移ろいで時を推し量ることもできない。じりじりと時が過ぎて、それが小半刻なのか一刻なのかも見当がつかなくなってくる。
 千代の全身は脂汗にまみれ、鼻から垂れているのは汗か涙か。
「くうう……痛い。苦しい……私は無実です。そうだ、思い出しました。楓という女の人の連れ合いは……銀次といっていました。その乾分が……たしか、ヤスとタツです。銀次は、三十なるやならずの、強面の二枚目です」
 八戸が積石から下りて、千代の前にしゃがみ込んだ。
 訴えを取り上げてもらえると思って、千代は必死に記憶の糸を辿る。
「タツという人は大男で、ヤスは銀次と同じくらいの背丈。この二人は、楓より頭半分大きいくらいですから、男の人としては小柄なほうです」
「なるほどなあ。情夫(まぶ)が銀次で、手下がヤスとタツか。よく喋ってくれたな」
 八戸は満足げに頷いたのだが。
「それで、楓ってえのが、おまえの通名(とおりな)か。背中に背負(しょ)ってるのは紅葉でなくて楓ってえわけだ」
「違います。楓という人は、ほんとにいるんです。その人が私の父を恨んで……私に入墨をさせて……自分は下絵を描いた肌襦袢を着て……」
「とぼけるな」
 八戸が恫喝した。憤然と立ち上がって、下人に命じる。
「おい。三枚目を載せてやれ」
「御役人様。ほんとのことなんです。どうか……あの人たちを探し出してください。南総寺をお調べください……ぎゃはあああっ」
 必死の訴えは、三枚目の石板で封じられた。
 二枚と三枚。五割増しの重みは、天と地ほどの差があった。
 鋭い痛みが脛を噛み、足の甲まで貫く。
「うああああ……痛い、痛い。お願いです、信じてください。私は女賊なんかではありません。お赦しを……」
 涙と鼻水と涎を滴らせながら、千代は泣き叫んだ。必死に訴えた。
「まだ言うか。堪忍ならぬ。おい……」
 本来なら、一枚載せるごとに小半刻は様子を見て、それでも駄目なら次の一枚を載せるのが効果的なのだが。千代に男の嗜虐を誘う風情があるのか、しかし女の色香に惑わされては女囚を吟味できるはずもないのだから、三井に急かされた焦りの故ではあっただろう。八戸は四枚目を命じ掛けたのだが。
「ふむ……」
 涙を湛えた目で見上げる千代を見下ろして、昏い笑みを口の端に浮かべた。
「こやつの乳では、ちと不足だが……」
 太腿の上に九寸を三枚重ねられて、千代の下乳は石板の縁に押し上げられている。
 八戸は箒尻を持ってきて、補修の用として根元に巻き付けてある余分の凧糸をほぐした。それで小さな輪を作って、千代の乳首を締め上げる。
「お赦しを……お慈悲を……せめて、一枚だけでも下ろしてください」
 乳首へのささやかな弄虐など意に介するどころではなく、ひたすら石抱の寛恕を冀う千代。凧糸をぴいんと張られて乳房を引き伸ばされても、その痛みも恥辱も物の数ではないのだが。
「よし、石を載せろ」
 ごとり。三枚目の石板の上で紡錘のように引き伸ばされている乳房の上に、四枚目が積み重ねられた。
「うぎゃわあああああっ……」
 楓たちに囚われているあいだ、乳もずいぶんと弄ばれ捏ねくられ握りつぶされもした。乳首に爪を立てられもした。その都度に千代は悲鳴を上げ恥辱に悶えたのだが。そんな弄虐の一切は嫋やかな愛撫でしかなかったと思い知るまでに、十二貫の石板に双つの乳房を圧し潰される激痛は凄絶だった。
 千代はのけぞって絶叫した。その動きが、いっそう乳房を痛めつける。
「ぎいいいい……痛い……お父っつぁんおっ母さん……助けて……」
 わずかでも身体を動かせば、おのれでおのれを責め苛むことになるのだから、千代は身じろぎもままならない。天を仰いで顎を震わせながら、虚しく救けを求めるしかなかった。
 こういった吟味法度に違背した責めも、これが初めてではないのだろう。ふたりの下人は、四枚の石を縄で巻いて、要領良くぎりぎりと絞り上げていった。
「ぎびいいい……」
 千代は胸元に目を落として、すぐに顔を背けた。石からはみ出た乳房の麓が青紫色に変じていた。石に挟まれている部分はどうなっているか、考えるだに恐ろしかった。
「ひいい……痛い……く、苦しい……」
 脛から足の甲にかけては、まるで鋸に挽かれているよう。胸は大きな矢床(ヤットコ)に噛み付かれて食い千切られるよう。
 何も考えられなくなり、目が霞んで、千代自身が薄墨の中に溶け込んでいくような絶望の底へと沈み込む。泣き叫ぶ声が次第に弱々しくなっていき、ついには絶え間ない呻き声だけとなった。
「くうう、うう……」
 薄墨色の中に何もかも、激痛さえもが溶け込んでいく。
 乳房を押し潰し太腿にのし掛かる石の重み。脛に食い込む木材の稜線。手首と喉を締め付ける縄までも、はっきりと感じながら、それらが混然となって、身体の形そのものになっていくような不思議な感覚に、千代は引きずり込まれていった。
 バシン。肩に焼けるような衝撃が奔った。柔らかな悪夢の中から引きずり出されるような感覚があって、次第に意識がはっきりしてくる。
「うああ……」
 半開きの口からこぼれた微かな呻きは、すくなくとも苦痛に彩られてはいなかった。なぜかこの刹那、痛みをそれほどに感じていない。全身が薄桃色の霧に包まれているような、不可思議な感覚があった。
「そう簡単には眠らせてやらんぞ。もう一枚、味わってみるか。女の細骨では、脛が砕けて二度と歩けなくなるかもしれんぞ。それでもよいのか」
 言葉は聞こえている。しかし、意味が分からなかった。分かろうとも思わない。意味を理解したら、直ちに激痛が甦る。なぜか、そんなふうに思った。
 千代の反応が薄いと見て、八戸は気付けの松葉燻を試したのだが、わずかに咳き込むだけで、正気を取り戻す気配は無かった。
 ならばと五枚目を積ませてみたが、千代は低く呻くのみだった。
 チッ。八戸が舌打ちした。
「もはや前後不覚か。石を下ろしてやれ」
 千代は縄を解かれて十露盤からも降ろされた。
「ひいいい……痛い」
 血流が戻ったせいか、脛と乳房に激痛が蘇った。
 八戸は、突っ伏している千代の脇に膝を突くと、十手で向こう脛をガシンと叩いた。
「ぎゃあっ、痛い」
「なにを大仰な。骨は折れておらんな。されど、音が鈍かったから、ひびくらいは入っておるやも知れんぞ」
 実のところ、これは脅しだった。千代の隣で海老責めに掛けられている若い男は脛の肉が破れて白い骨が見えているのに比べて、千代の脛には深い窪みが刻まれて血は滲んでいるものの、とても骨までは達していない。屈強な男なら八枚以上を積まなければ骨は折れないのだから、女でも六枚くらいまでは持ち堪えるだろうと見込んでいたのが、わずか四枚で取り止めにしなければならなかったのだから、腹も立とうというものだった。
 十露盤は中央のあたりが濡れていた。下人が目敏く見つけて、手桶の水をぶっ掛ける。水は十露盤の隙間から垂れて、壁の一画に穿たれた穴へと、石畳の上を流れた。石板も千代の涎やら汗で汚れているので、同様に水で洗って。最後が千代の始末だった。
 とてもに立って歩けないので、昨日と同じに戸板で牢へ運ばれた。
 千代を着物を敷いた畳の上に寝かせて、八戸の厳命もあることゆえ、後は知らぬ顔の半兵衛を決め込む女囚一同だったが。千代が落ち着いた頃合いを見計らって、牢名主のトラが声を掛けてきた。
「その様子じゃ、落ちなかったようだね。女の身で石抱きに耐えた者なんて、わっちの知る限りはいねえよ。筋彫の二つ名は伊達じゃなかったね」
 落ちるという言葉の使い方に戸惑った千代だが、言っている意味は分かった。当然に反発した。
「違います。ほんとに濡衣なんです。私は女賊なんかじゃありません」
「おっと、そうだったね」
 軽く受け流したのは、信じていないのか。
「それならそれで、ますますたいしたもんさね。大店のお嬢様が、素っ裸に剥かれて縛られて敲かれて、挙げ句に石まで抱かされて、それでも落ちねえんだものね」
 誉められているのか莫迦にされているのか。気力体力の萎えているところに惑乱が交錯して、千代は悲痛な声で叫んでいた。
「甚振られずに済むんだったら、濡衣を認めたって構わないんです」
 わああっと泣き伏して。しゃくり上げながら、切れ切れに言葉を吐き出す。
「どうせ…お嫁にいけない身体に…されたんです。磔になって死恥をさらしたって…構やしないんです。でも、でも…ふた親を巻き添えにするなんて……」
 絶対に出来ない。それくらいなら、責め殺されたほうが、ずっとずっとましだ。誤って責め殺しても爪書を捏造できるとは知らない千代の、虚しくも悲壮な決意だった。
 トラが鼻白んだ顔になって、溜め息を吐いた。
「まあね。そんなに悪い方にゃ転ばないだろうけどね。貫目屋は、殿様にまで貸しがあるそうだから……んん」
 心底不思議そうに千代を見つめる。
「考えてみりゃあ、何万両って分限(ぶげん)だあね。そのひとり娘が百や二百を盗むってのも、平仄が合わないねえ」
「そうかしら。あたいだって、親にねだりゃあ鼈甲の櫛だって買ってもらえたというのに、百文かそこらのビタ銭を切った張ったの一天地六だぜ」
「おまえ様のは、血の道のこじれじゃわい」
 鉄火のエンが混ぜっ返すのを中條の松尾がたしなめるというか、掛け合い漫才というか。
 この人たちは命の瀬戸際を歩いてないから、こんなに暢気に構えていられるんだ。千代は、そう思う。罪を認めれば我が身は磔獄門、親は下手人か山送り。
 同じ女囚とはいえ、まるきり境遇も先行きも隔たっている千代なのだった。

 その日も、夕刻遅くになって医師が来て手当てをしてくれた。傷を焼酎で洗って軟膏を塗り込めて、乳房はそれだけだったが、脛には油紙を巻いてくれただけは、昨日よりも手厚かった。
 翌日は吟味部屋へ引っ立てられることもなく、千代は着物を敷布代わりにした畳の上で一日を傷の痛みに呻吟しながら過ごした。どんなに苛烈に責められようと、無実の罪を認めたりはしない。責め殺されるのが、むしろ親孝行。そう考えると、嫁に行けないなど枝葉末節に過ぎない。ある意味、楓たちに拉致されてからこの方、もっとも心(だけは)穏やかな一日を過ごしたのだった。
 翌日も吟味は無かった。
 捕まえた当日に爪書を取れと急かしていた城下奉行からの再度の督促は無く、八戸は定法に従って女囚を養生させていたのではあるが。実のところ千代を持て余してもいた。上役の長井八久を通じて、吟味方惣与力の残谷郷門に己の非力を訴えていたのだった。
====================

 ついに、拷問中にドパミンドパドパとなりました。エンドルフィンだという説もありますが、語呂が悪いので。
 
 しかし、まあ。
 今回は「書きながら考える」シーンが多くて。
 新妓夢幻責の最中に、サド役の三国郷門改め残谷郷門クンが、「そういえば、十年前にも強情な新妓を調教したな」と思い出して、本名「糸」しか知らないが、ヒロインの腰のあたりの刺青が川ではなく三本の糸ではないか。で、子分を妓楼に走らせ……なくても、いいじゃんか。目の前に妓楼の主人が立ち会ってるじゃないか。あちこち調査に走り回らせなくても、亡八どもの情報網があるじゃないかと。有機的に連環した次第。
 ではありますが。こういうのを考えてるのは頭の中の1/4くらい。
 海賊に拐われたお姫様と侍女が、入れ替わって云々。のストーリイ展開を練るのが1/4で。
 
「玩具時々奴隷」の元ネタの電車内イチャツキの本日の目撃に基づいてあれこれ妄想が1/4で。
 すでに弁当で昼食は確定しているので、今晩は何を食べよかなが1/4。
 なのでありましたとさ。


DLsite affiliate キーワードは「女囚、拷問」

 

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1:濡墨を着せられた娘

 現在は140枚まで進行しています。

第一幕 破れ寺
 第一場 拐わかし
   三穴姦/蝶乱舞
 第二場 全裸捕縛
   裸縄掛/刺青晒
第二幕 女囚牢
 第一場 吟味前夜
   素肌検/牢問答
 第二場 苛烈牢問
   裸敲問/石抱問 ←裸敲責まで執筆済
 廻舞台 若侍苦楽責
   牢内掟/吊敲責/海老責/坐禅転
 廻舞台 新妓夢現責
   駿河問
 第三場 虚偽自白
   父母流罪/磔刑申渡
 廻舞台 熟娘揺木馬
第三幕 拷問蔵
 第一場 盗金所在
   木馬責/逆吊責/水樽責/男牢入/釘打責/首吊責
 第二場 濡衣問答
最終幕 処刑場

 過去に何度も描いた責めが多いですが、だって好きなんだもん♡ です。
 起承転結はありますが、序破急はなく、ひたすら責め場のヒッパレーです。「引っ張れ」ではなく Hit Paradeです。

では、入墨のシーンを御紹介。

あっと。は規制文字回避です。
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蝶乱舞

 早朝。下腹部の不快に、千代は覚束ない微睡(まどろみ)から引きずり出された。夕刻に拐わかされてこの方、用を足していない。意は差し迫っていた。
 あたりを見回して。男三人と女一人が、枕を並べて寝ている。枕と、布団。千代がふだん使っている夜具に比べれば貧相な物だが、とにかく寒さは凌げる。筵一枚とは大違いだ。
 声を掛けようかと迷ったが、鬼を起こすようなものだ。まだ半刻やそこらは我慢できるだろう。
 千代は、さらにあたりを見回す。ここは破れ寺だと男のひとりが言っていたが、その通りだった。脇侍は無くなっており、持ち出すには手間の掛かる大きな本尊の千手観音は残っているものの腕がほとんど取れてしまっている。障子の破れに継ぎが当ててあるのは、この者たちの仕業だろうか。とすると、ここは一時凌ぎの場ではなく、根城なのかもしれない。
 隠れ家を知った者を、おいそれと解き放ってくれるだろうか。死んでしまいたいと思いながらも、やはり不安は募ってゆく。
「なんだい。もう起きてんのかえ。まあね。あんな目に遭わされてこんな格好にされて、まさかに白河夜船でもあるまいが……おお、寒い」
 起き上がった楓は外へ出ようとしかけて、千代を振り返った。
「もしかして、厠へ行きたいんじゃないのかえ」
「はい、お願いします」
 何も考えずに返事をした千代だったが、楓の意地悪そうな笑みを見て、嫌な予感を覚えた。果たして。
「銀さん。こいつ、小イ更がしたいとさ。面倒、見てやっとくれな」
 男たちは動かない。
「ええい、寝穢いお人だね」
 楓が取って帰して銀次を足蹴にした。
「あの……縄を解いてください。場所を教えてもらえば」
「逃げようたって、そうはさせないよ」
「逃げたりはしません」
 男に追われて逃げおおせるはずもないのだが。楓は耳も貸さずに銀次を蹴り起こした。
 寝惚け眼(まなこ)の銀次が楓の言葉を聞いて、苦笑いする。
「どうせなら、端の二枚にも手伝わせたいんだろ」
「ふふん。男三人に見物されながらの放(ゆばり)かい。出るもんも出ないんじゃないかね」
「そんときゃ、三人掛かりのときみたいに、抱っこしてシートトトってな」
 銀次は二人の乾分を叩き起こして、趣向を説明した。
「へへえ、こりゃいいや。蹴転(けころ)にだって、そんなことすりゃあ、袋叩きにされちまわあ」
 三人が千代を取り囲んだ。
「いや……赦してください」
筵を剥ぎ取られて、千代は荒縄で縛られて身動きできない裸身を縮こませる。
「いやあっ、やめて」
 肌に手を掛けられて、悲鳴をあげた。
「いいよ、やめておやりな」
 楓の言葉に、男たちのみならず千代までが、ぽかんとした。
「そんなに嫌なら、放っとくさ。罰当たりにも、御仏の目の前でお漏らしをしな」
 千代は愕然とした。男たちの見世物になりながらの放を拒んでこのまま放置されれば、いっそう羞ずかしい結果を招いてしまう。
「さあ、どうするんだい」
「…………」
 迷いは当然だが、答えも必然だった。
「厠へ……つ、連れて行って……ください」
 楓が銀次に目配せすると、たちまちにタツとヤスが千代の身体に取り付いて。乳房をつかみ尻を撫で股間にさえ手を差し入れながら、荒縄を解いた。が、すぐに楓がしゃしゃり出て、千代を改めて後ろ手に縛った。手首を引き上げて縄尻を胸乳の上下にも巻く。
「いつ見ても、鮮やかな腕だな」
「門前の女郎、縛られた縄を覚えるってね。あちきに引導を渡してくれた役人の直伝さ」
 へっと口を歪めて。銀次が縄尻を取った。
「そら、立てよ」
 千代は立ち上がろうとしたが尻餅を搗いてしまった。目眩がするほどに羞恥を感じていたせいもあるが、腕を使えないので身体の釣り合いを取りにくい。腰を打ちつけたはずみに、あやうくちびりかけた。片膝を立てて、股が開くのを羞じながらもゆっくりと立ち上がった。
「どうも、危なっかしいな。引っ張ってやるぜ」
 銀次はさらに荒縄を持ってきて、千代の腰を縛った。後ろで結んで、縄尻を脚の間に通して前へ引き上げ、腰縄に絡めた。
「歩けよ」
 つんつんと縄尻を引っ張る。
「あっ……」
 歩くどころか、千代は股をすぼめ腰を引いて、たたらを踏んだ。股間を通る荒縄が女淫に食い込んで、無数の針でつつかれるような刺激に困惑したのだ。鋭い痛みは、ある。しかし、それ以上に。くすぐったい疼きがあった。まったく未知の感覚だった。強いていえば、実核を自分でくじったときの甘い疼きに似ていなくもなかった。それほどには尖った疼きではない。女淫全体に広がる疼きだった。
「歩けと言ってるんだぜ」
 にやつきながら、銀次は縄をぐいと引っ張った。
「あっ……」
 くすぐったい疼きが消えて、無数の針が女淫に突き刺さる激しい痛み。それでも、縄に引かれて千代は足を前へ運んだ。その動きが縄をこねくって、痛みは減らずに、また妖しい疼きが女淫を苛む。
「おおい、転んじまうぜ」
 後ろからヤスが千代の肩を支えたが。
「タツ。おまえが尻を押してやれ」
 自分は千代の斜め前に立つと、腕を伸ばして乳首をつまんだ。
「俺も引っ張ってやるよ」
 乳首を前へ引っ張る。
「やめてください……歩きますから」
 訴えに耳を貸す者はいない。千代は股縄を引かれ乳首を引っ張られ尻を押されながら、痛いのかくすぐったいのかも判然としない心地で、本堂の外へ連れ出された。
 楓が先に立って、本堂の裏手へ千代を引きずり込んだ。
「厠までは歩けそうもないね。ここで出しちまいな」
「歩きます。お願いですから……」
「ここで小イ更しちまいなって、言ってんだよ。出来ないなら、このまま連れ戻すよ」
 銀次が股間の縄を引き抜いて、そのまま縄尻を持った。
「あの……」
「目を放しちゃあ、逃げないとも限らねえ。ちゃんと見ててやるから、さっさと小イ更しちまいな。なんだったら、大のほうもひり出すか」
 銀次に言いつけられて、タツが千代の肩を押さえてしゃがませる。
 男三人が千代を取り囲み、楓は二間ほど離れて見物している。
 千代は観念せざるを得なかった。出さないまま連れ戻されれば、遅かれ早かれ粗相をしてしまう。破れ寺とはいえ御仏の前で粗相をするなど、羞ずかしいだけでなく畏れ多い。
 千代は目を閉じて、小水を放とうとした。が……出ない。意は差し迫っている。なのに、ちょろっと漏れ出る気配すらなかった。朝の冷気に曝された千代の裸身に、いつしか脂汗が滲んでいた。
「しょうがないねえ。手伝ってやるよ」
 楓が千代の前にしゃがみ込んで、崩れた髷から簪を抜き取った。逆手に握って、軸の先で千代の女淫をつつく。千代は立って逃げようとしたが、タツに押さえ込まれた。
 女淫の上のあたり、小水の出る穴に尖った軸先を突き挿れられて掻き回されて。焼けるようなむず痒さを感じると同時に。頑なに水を堰き止めていた堤にひび割れが走った。
 ぷしゃああああ……
「おっと」
 楓が飛び退く。破れた堤は、あふれんばかりだった水を勢い良く迸らせて止まらない。
「あああ……」
 千代が切なげに呻く。それはこらえていた意を解き放った安堵か、見物されている羞恥か。
 出し終えても、千代はしゃがんだままだった。
「あの……落とし紙を」
 銀次がせせら嗤う。
「紙があったところで、手を使えなきゃどうにもなるめえ。俺っちが始末してやるよ」
 腰縄の縄尻を最前のように後ろから前へ股間を通した。
「あっ……」
 腰を浮かしかけた千代だったが、またタツに押さえ込まれた。
「きひいいいっ……痛い。やめて……」
 銀次が縄を前後にしごく。引き回されていたときの何倍もの力で女淫の内側をこすられて、千代は甲高い悲鳴をあげた。
 小水で湿った縄でそのまま、銀次は股間を縛った。
「さあ、戻ろうぜ」
 縄尻を真上に引っ張って、千代をごぼう抜きに立ち上がらせた。
「ちょいとお待ち」
 楓が小水に濡れた簪を千代の髪に巻き付けて、簡単な垂れ髪(今でいうポニーテール)に結った。
 これも自分への辱めのひとつだと千代は受け止めたが、いっそうの深謀遠慮があるとは気づくはずもなかった。
 股間の痛みと疼きとむず痒さとに惑乱されながら本堂へ連れ戻されて。腰縄と股縄は解いてもらえたものの、後ろ手に縛られた縄尻を柱につながれた。他に身の置き様も無いので、千代は柱に向かって身をくっつけるようにして正座した。
 やがて、楓と銀次が連れ立って出て行き、かえって千代は心細さを覚えた。頭目格の二人がいなくなって、乾分二人が図に乗って悪戯を仕掛けてこないかと怯えたのだ。そんな自分を、これほどまでに穢されて今さらと自嘲してもみたが、百の危害を加えられたからといって、新たな一が怖くないはずもなかった。
 しかし、千代の不安は杞憂に終わった。ヤスとタツは、膝が当たるほどに近寄って座り込み、しげしげと千代の裸身を眺めたりはするが、手は出してこなかった。野良犬は野良犬なりに、躾けられているらしい。
 楓と銀次は半刻ほどで戻ってきた。握り飯やら干物やら、今夜の飲み料らしい一升徳利やらを持ち帰っている。つまりは、ここで煮炊きするほどには住み込んでいないのだが、千代にはどうでもいいことだった。
「おまえも食いなよ」
 千代の前に八ツ手の葉が広げられて握り飯が置かれた。水を入れた木の椀も添えられている。
 千代は楓を見上げて、憎しみのこもった眼差しを浴びてすぐに目を伏せた。
 昨日の昼に軽く湯漬を食したきり、男の精汁の他は一切飲み食いしていないにも関わらず、 飢(かつ)えは感じていない。けれど渇(かわ)きに喉がひりついている。千代は正座したまま上体を折り曲げて、口を椀に近づけた。が、どうにも届かない。
 思案した挙げ句、椀を倒さないよう後ろへ下がって、羞じらいを投げ捨てて胡座に座り、椀へにじり寄った。今度は、どうにか椀の縁にかじりつけた。
 ずじゅううう。音を立てて水を啜った。甘酒よりも冷やし飴よりも甘露な、干天の慈雨だった。
 楓が、ふんと鼻で嗤って、からかってやろうと口を開きかけたが、結局は何も言わなかった。
 千代が食べようとしなかった握り飯は、小半時もすると取り上げられて、ヤスとタツが食べてしまった。
 ――陽はまだ高いから未(み)の刻前か。身なりを整え大きな手提げ箱を携えた男が、案内を乞うこともなく本堂に入ってきた。楓が丁重に出迎える。
「先生、お待ちしておりました。早速に支度を致しますので」
 ヤスとタツが、大きな戸板を運び込んで床に置いた。四隅と長手の中程には太い鎹(かすがい)が打ち込まれている。銀次が千代の後ろ手を解いて、戸板の上に俯せにさせた。
「何をするんですか……」
 無駄と分かっていても、問い質さずにはいられない。
「ちっとばかし痛い目に遭わすから、暴れない用心さ」
 男三人掛かりで、千代の手足を大の字に引き伸ばして、四隅の鎹に縛りつけてゆく。腰にも縄を巻いて、身動きできないようにしてしまった。
 新参の男が道具箱と共に、千代の横に座り込んで。顔をしかめた。
「縄の跡が残ってるではないか。あれほど、肌を傷付けるなと言っておいたのに」
「そんなにきつく縛っちゃいませんよ。あちきより五つも六つも若くて肌に張りがあるから、一刻もせずに消えますさ」
 着物を脱ぎながら楓が言い返した。腰巻ひとつになって、肌色をした襦袢を着込む。ぴたりと肌に吸い付いて、ちょっと見には裸と変わらない。役者が舞台の上で肌を曝すとき身に着ける肉襦袢だった。
 楓が千代の前に立って、背中を見せつけた。
 一面に紺色の線で絵が描かれていた。大きな蝶々が翅を広げた図を紅葉の葉が取り巻いて、「乙」の字の角を丸めて横に引き伸ばしたような線が何本か腰のあたりを走っている。川の意匠のように見えるが、線の右端は小さな鼓に繋がっている。
「これと同じ絵柄をおまえの背中に彫ってやるよ」
 言葉の意味が分からず戸惑っていた千代だが、肉襦袢を着た役者が諸肌脱ぐと、決まって文身(いれずみ)が露わになるのを思い出した。
「まさか……入墨……」
 震える声で尋ねた。
 楓が邪悪に微笑んだ。
「その、まさかさ。残念だが、彩(いろ)までは入れないけどね」
「なぜ、そんなことを……」
「さあね。仇討ちに欠かせない手順だってことだけは、教えといてやるよ」
「…………」
 昼日中というのに、目の前が真っ暗になった。
 操を穢されて嫁にいけなくなったとはいえ、知らん顔をして日々を過ごすことも出来なくはない。しかし入墨などされては、湯屋へ行けないのはもちろん、内風呂さえ使えない。親に見られるのも困るなどという生易しいものではないが、万一にも使用人に気付かれて世間に言い触らされでもしたら、首を括っても追いつかない。
 いや、死ぬことすら出来ない。湯灌のときに見つかってしまう。
「いやああああっ……」
 千代は声の限りに叫んだ。縄を引き千切ってでも逃れようと、渾身の力でもがいた。
「おとなしくしねえか。銀さん、やっとくれ」
 おいきたと、ヤスとタツとで両肩と二の腕を押さえつけ、銀次が馬乗りになる。昨夜から散らかりっぱなしになっている布切れを楓がかき集めに掛かったのだが。
「悲鳴がまったく聞こえないのも風情が無い。縄を噛ますくらいにしてくれ」
 この彫師も相当なタマではあった。
 荒縄の結び瘤が千代の口に押し込まれ、跳ね上げた垂れ髪とひとまとめに頬を縊った。猿轡と同時に、背中に髪が散るのを防ぐ一石二鳥だった。
「むうう……」
 千代は半ば観念して、それでも呻きを漏らしてしまう。
「では、仕事に掛かるか」
 彫師が道具箱を広げて矢立を取り出した。楓を千代の向こう側に寝そべらせて、蝶の下絵を千代の背中に写し取っていく。肉襦袢の絵もこの男が描いたものであってみれば、まったくの瓜二つだった。
 そして、いよいよ入墨。四本の針先を斜めに揃えた針棒に墨を含ませて、肌に突き刺す。突き刺して、ピチッと刎ねる。
「ひいっ」
 嫋やかな悲鳴。指先を針で突いたほうが痛いくらいだと、絶望の中にも微かな安堵を見出した千代だったが。
 ピチッ、ピチッ、ピチッ、ピチッ……
 何十回と繰り返されるうちに痛みが積み重なっていく。
「くっ、くっ、ひいい……きひいいい」
 呻き声が次第に甲高く、悲鳴に変わってゆく。背中は脂汗に濡れて、墨を入れられたところには血が滲んでいる。
 彫師も根を詰めている。ひとしきり彫り進めると、手を止めて額の汗を拭う。
 その間も、針に傷付けられた肌は痛みを千代に送り続ける。熱を帯びて、背中一面が薄桃色に染まる。
 薄桃色の肌に刻み付けられてゆく紺色の太い輪郭。見る者の目を愉しませるが、当人にとっては生き地獄の苦しみ。後に千代が墜とされる真性の生き地獄に比べれば、極楽の安逸といっても足りないくらいなのだが、蝶よ花よと乳母日傘で育てられた箱入り娘にとっては、生まれて初めて直面させられた責め苦だった。
 一刻もすると、押さえつけられなくとも身じろぎひとつしなくなって呻き声も途絶え、虚ろに見開かれた目から光は失せて。それでも、さらに一刻の余も入墨は続けられて、ついに大きな蝶が千代の背中に取り憑いたのだった。
「今日は、ここまで。明日はまわりの飾りを彫って、それから三日もすれば傷も落ちつくだろう。暈(ぼか)しも彩(いろ)も無しとは、なんとも勿体無いが」
 彫師が千代の背中を拭って、血止めの油を薄く塗っていく。
「夜目にも見分けがつきやすいのは筋彫だとおっしゃったのは、先生じゃないですか」
「む、それはそうだが。ところで、わしはもうひと働きせねばならんかったな」
「ひと遊びの間違いじゃねえですかい」
 銀次が、千代の縄を解きに掛かったのだが。
「傷が落ち着くまでは、その娘は縛っておくのが無難だろう。とはいえ、背中には触れぬようにせぬといかん。そこで、こういう趣向は如何かな」
 彫師が自分から縄を取って、無抵抗の千代を縛り上げた。俯せのまま脚を正座の形に折り曲げて尻を高く突き出させ、腕を引っ張って手首と足首とをひとまとめに括った。四十八手には無い形だが、名付けるとすれば、理非知らずの裏返し、あるいは緊縛鵯越か。
 これなら彫り上げたばかりの絵柄を愛でながら思う存分に腰を遣えると、彫師は自慢して。早速に千代の尻を抱え込んで、いきり勃った魔羅を突き立てた。
 千代はわずかに尻を揺すって逃げるような動きをしたが、まだ意識は定かでない。十九とはいえ熟れた女に比べれば人形のような小娘を好き勝手に弄んで、彫師は埒を明けた。
 例によって、楓が酢で壺の奥まで洗って子種を始末する。
「このままじゃあ、一人ずつっきゃ出来ないね。銀さんは、どこにするんだい」
「おめえの望みで、ひと通りは突っ込んだが、俺にも間夫(まぶ)の操立てってのがあらあ。とはいえ、お釜は御免だ。食ってねえといっても、溜まるもんは溜まるからな」
 三つのうち二つが駄目なら残りは一つだとうそぶいて、銀次は千代の猿轡を解いて身体を立てた。開いた脚をいっそう開かせて、その間に割り込み、口に魔羅をねじ込んだ。
「むぶ……ううう……」
 ようやくに千代は正気づいて。無理矢理に奉仕を強いられる。といっても、舐めろしゃぶれとうるさい注文はつかない。女淫と同様、ただ肉穴として魔羅を突き立てられ、中を遮二無二抉られるだけだった。
 しかし、喉の奥に精汁を叩きつけられて、それを飲めと強いられたのは、昨日と同じだった。
 ヤスは銀次に倣って口唇を使い、タツのほうはごく普通に女穴に突っ込んだ。
 昨日まで未通女(おぼこ)だったとはいえ、一日のうちに四人から延べ六回も犯されている。弄られてぬかるんでもいた。多少の違和感があるだけで、タツの図体に似つかわしい逸物をすんなりと受け挿入れてしまう千代だった。
 昨日のように入れ替わり立ち替わり、あるいは三人総掛かりといった陵辱にまでは至らず、三人が一回ずつ埒を明けただけで、千代は放置された。手首だけを括られて座った姿で、破れ天井の梁から腕を吊るされたのは、わざと寝転がったり背中を掻いたりして、彫ったばかりの入墨を台無しにされない用心だった。
 今度は銀次を見張りに残して、楓と乾文二人が外出(そとで)する。銀次は、まさかに千代を憐れんでのことでもなかろうが、悪戯を仕掛けるどころか視姦にも及ばず、居眠りを決め込む。
 千代は、まだ荒縄の猿轡を噛まされたまま、虚ろに床を見つめている。死にたいという想いさえ、とうに涸れ果てていた。
 楓たちが戻ってきたのは、陽が没して小半時も過ぎた頃だった。男どもはさっそくに貧相な酒盛りを始めたのだが。
 楓が千代の猿轡を解いて、冷めたふかし芋を口に押しつけた。千代はただ口を開けないのではなく、唇を引き結んで、拒絶の意志を露わにした。縛られていようと、飲み食いしなければいずれは死ねる。口をこじ開けて食べ物をねじ込まれようと吐き出してやる。
「そうかい。それじゃあねえ」
 楓が短い竹筒を持ってきた。匕首の鞘を突っ込んで、竹の節を突き破る。
「銀さん、手伝っとくれ」
 楓が不意打ちに腹を殴り付け、苦悶の形に開いた口に銀次が竹筒を押し込んだ。そのまま仰向かせる。楓が水の入った木椀を片手にふかし芋を齧り、くちゃくちゃと音を立てて咀嚼して飲み込んでみせてから、千代を脅かす。
「口移しに食べさせてやるよ。水を流し込めば、嫌でも飲み下さずにはいられないよ」
 千代は怖気(おぞけ)を震った。いきり勃った魔羅を見せつけられたときのそれではなく、蛆虫や蜈蚣が肌を這うときのような、それ。
「それとも、お上品に食べるかえ」
 一も二も無く、千代は首を縦に振るしかなかった。
「そうかい。それじゃあ、お食べ」
 目の前にふかし芋が転がされた。しかし、腕を吊られている。口から竹筒が引き抜かれ、銀次の腕から解き放たれても、芋には手が届かない。
「ちっと緩めてやるよ」
 縄がすこしだけ緩められて、手を臍のあたりまで下ろせるようになった。
「さっさと食えよ。食わねえと、口移しだぜ」
「でも、手が届きません。もっと縄を伸ばしてください」
「甘ったれるんじゃねえよ。どうやって水を飲んだか思い出しな」
 あのときは、胡坐に座って身体を折り曲げて。
 同じようにして見たが、あと一寸かそこらが届かなかった。
 思い余って、千代は床に身を投げた。吊られた腕を、これまでとは逆に出来るだけ上へ突っ張って。芋虫のように這って、芋にかぶりついた。
「お嬢様の作法は、あちきら下衆とは違って優雅なものだねえ」
 楓が高笑いした。
 千代は、齧り取った芋をろくに噛まずに、屈辱と共に飲み下したのだが。空っぽだった胃の腑に食べ物が落ちると、浅ましいまでに空腹を感じた。死にたい想いも、裸身を男どもの目に曝していることも忘れて、がつがつと貪り食い、ようやくに人心地の欠片を取り戻したときには、ふかし芋は跡形も無くなっていた。
「そんなにがっついちゃあ、胸焼けを起こすぜ」
 水を湛えた木椀を与えられて、それも貪り飲んだ。
 千代は改めて腕を高々と吊り上げられて、そのまま捨て置かれた。
 その形では眠れないだろうと、仕留められた獣のように手足をひとまとめに括られて板の間に転がされたのは、酒盛りが終わってからだった。親切心からではなく、凍え死なれては困るからと、正絹の襦袢と羽二重の布団しか知らぬ裸身に筵一枚が被せられた。
 そのせいよりは入墨の傷が発する高熱で、千代は一晩中悪寒に苦しめられながらも、心労の果てに泥のような惨めな安息へと引きずり込まれていくのだった。

 翌朝には、意に加えて便意にまで促されて目を覚ました。両手は前で縛られて、けれど昨朝と同じに股縄に引きずられて裏手へ連れ出されて。
「屎(ばば)を放(ほ)り出しとくと臭うからね」
 排便のための穴を、自らの手で掘らされた。壊れてしまった堤は、そう簡単には修復されない。千代は簪にくじられずとも小水を迸らせ、あまつさえ掘らされた穴もきちんと役立てたのだった。さすがに、後始末に使った縄を股間に通されたときには、嫌悪に顔をゆがませ恥辱の涙をこぼしたのだが。それでも抗いはしなかった。付け加えとおくと、縄の汚れた部分は、もっと縄尻に近いところだった。後で使うときの都合を考えたのだろう。
 この日も、午(ひる)過ぎから千代は戸板に大の字に縛り付けられて、蝶を取り囲む五つ葉と腰のあたりを流れる川を彫り込まれたのだが。
「ねえ、先生。あちきの乳首、あざと過ぎませんかね」
 肌にぴたりと貼り付いている肉襦袢には深紅の乳首が描かれているのだが、生身のそれに比べると鮮やか過ぎた。
「肌の下に入れる墨だからな」
「でも、これじゃあ夜目にも違いが分かっちまいますよ。同じ色にしちゃあもらえませんか」
「布地に暈しを入れるのは無理だ」
「じゃあ、生身のほうに朱を入れたら、同じ彩になるんじゃありませんか」
 彫師が、くくっと嗤った。
「女の憎しみは、とんでもないことを考えつかせるものだな」
「とんでもついでですけどさ。実核にも朱を入れてやっておくんなさいな」
「まさか、女淫まで曝すつもりか」
「まさかですよ。見えないからこそ、色が違ってても構わないんじゃありませんか」
「ほう……」
「どれだけ痛い目に遭わしてやったところで、あちきの受けた痛みの万分の一にも届きませんのさ」
 千代は戸板から引き剥がされ、手首足首を縛られて、空中に大の字に磔けられた。ヤスとタツが、両脇に立って腋の下を押さえ込む。
 筋彫よりも細いものを三本束ねた針が、千代の乳首に突き立てられた。
「ゔあ゙あ゙っ……い゙あ゙い゙い゙」
 くぐもった絶叫が広い本堂に響き渡った。
 彫師はちょっと眉をしかめたが、ピチッと針を刎ねた。
 倍する絶叫。
 ピチッ、ピチッ、ピチッ。彫師は非情に乳首を深紅に染めていく。
「いぎゃあっ……ゆういえ……いお、おおいええ」
 いっそ殺して。泣き叫ぶ千代を、楓は食い入るように凝視(みつめ)ている。五つも六つも年下の同性の苦悶に、復仇の念だけではない昏い愉悦を見出だしているのかもしれなかった。
 小さな乳首への朱入れは、双つ合わせても半時とはかからなかった。千代は全身汗みずく。叫び過ぎて喉が破れたのか、頬を縊る荒縄に血が滲んでいた。
 しかし、これまでの激痛は露払いにしか過ぎない。凄惨な阿鼻叫喚は、これから始まる。
 ずっと押さえつけているのは腕が疲れるからと、千代の後ろに戸板が横ざまに立てられて、足首と腰が縛り付けられた。だけでは不足と、膝の上にも縄が巻かれて、隅の鎹に繋がれて。上体を如何によじろうとも腰から下は微動だにしなくなった千代の股間に、針を持たない彫師の手が伸びた。
「皮を被ってちゃ、やりづらいな。痛くすればするほど、良かったんだな」
 とは、もちろん楓への問い掛け。
「それじゃ、こうしようかい」
 彫師は無雑作に包皮を剥くと、二本の針で大淫唇の上縁に縫い付けた。
「ひい……」
 一昨日だったら魂消(たまぎ)るような悲鳴を引き出していただろう残虐に、千代は微かに啼いただけだった。
 いよいよ、彫針が剥き出しの実核に向かう。
 千代は顔を背けて目蓋を固く閉じ、荒縄の猿轡をきつく噛み締めている。
 ぷつっと針が突き立った瞬間。
「ま゙あ゙も゙お゙お゙っ」
 血しぶきと共に絶叫を吐き出し、全身を硬直させた。
 ピッ、ピッ、ピッと。小豆の半分もない小さな肉蕾に朱の針が突き立っては柔肉を刎ねていく。
「かはっ…………」
 悲鳴を上げようにも、千代は息を吸うことすら出来ず、四肢を震わすばかり。虚空を掻き毟る手が縄をつかむと、渾身の力で我が身を引き上げて針から逃れようとする。
 実核は乳首よりも小さく、ひとつしかない。小半時のさらに半分も掛からずに朱入れは終わった。と同時に千代は気を失っていた。遅すぎた安息だった。
「おのれでしたこととはいえ、月の障りさながらでは、興も殺がれる。このまま帰らせてもらうよ」
 彫師はもうひと働きをせずに帰って行った。
「違えねえ。俺も願い下げだ。それよりも、お糸。おめえを可愛がってやろうじゃねえか」
 腰巻に肉襦袢姿の楓を押し倒しに掛かる銀次。
「待っとくれよ。あっちの二人は、どうするんだい」
 嫌とは言わないが、乾分の目を気にする楓。
「姐さん、お気遣いなく。俺らは、月の障りだろうが金山寺味噌だろうが、屁の河童でさあ」
 二人は千代から戸板を引っ剥(ぺ)がして、宙で大の字に磔けられている血まみれの裸身に、前門のタツ後門のヤスとばかりに取りついたのだが。
「ちゃんと起こしてからにしな。木偶人形じゃ面白くないだろ」
 面白くないのはヤスとタツではなく楓なのだが。それでも言いつけには従って。頬をビンタしたり乳房をつねったり。それでも目を覚まさないとなると、煙管を持ち出して鼻から煙を吹き込んで。
 咳き込みながら意識を取り戻した千代に、二人係りで裏表の立ち鼎(たちかなえ)。楓には面白くなかったろうが、目を覚ましても心は死んだまま。千代はまったくの木偶人形だった。

 拐わかされて四日目。この日の千代は、腕を吊り上げられて座ったまま、一日を過ごした。たまに縄を緩められたと思えば時雨茶臼の三人掛りで犯され、あるいは鵯越の理非知らずや立ち鼎に縛り直されての二人掛り。楓には駒掛けや茶臼での花菱を三度ばかり。蹴り転がして抱く意から転じた蹴転(けころ)女郎も斯(か)くやという数を、千代は強いられたのだった。
 そして五日目。楓はヤスを使いに遣って、午後から傷の様子見に訪れるはずだった彫師を巳の刻過ぎには呼び出した。すでに千代は、戸板に大の字磔。肩と尻に木魚やら銅鑼置台やらを宛がわれて、背中の彫物が触れないようにされている。
「まだ彫物を増やしたいと聞いたのだが」
「立たせて大の字にしてるときに思い付きましたのさ。まるで、名前のまんまに蝶が翅を展げているように見えましてね」
 言いながら楓は、ヤスに買って来させた百目蝋燭に煙草盆から切り出した火を移した。
「あちきは、毛抜きやら線香やらでほとんどかわらけになっちまいましたけど」
 両手に百目蝋燭を持って、千代の腰のあたりにかざして。熔けた蝋をじゅうぶんに溜めてから、狙い澄まして傾ける。
「ぎびいいいっ」
 昨日針に痛めつけられた実核に熱蝋を垂らされて、千代は海老反りになって悲鳴を上げた。
「まだ声が嗄れてるね。ガラガラ声になられちゃあ困る。口をふさいどくれな」
 詰め物にしていた布切れはどこへやったっけと、銀次が探しに掛かるのを、楓が止めた。
「前のは、あらかた反故(ほうぐ)にしちまったじゃないか。褌でも詰めてやんなよ」
 へっと、銀次がふり返って。
「俺のは今朝がたに替えたばっかだ。できるだけ汚れてるほうが面白えんだろ。ヤス、タツ。おめえらのはどうだ」
 三日も着けっ放しのタツに決まって。汚れた部分を結び瘤にして、千代の口にねじ込んだ。抗っても殴られて言うことを聞かされるだけと骨身に沁みている千代は、涙を浮かべながらも素直に猿轡をされてしまう。
 男の獣じみた臭い、据えた屎小イ更の汚臭に噎せて、千代はくぐもった嗚咽をこぼした。
 それを小気味よく眺めながら、楓は盛大に蝋をこぼし始めた。
「ん゙い゙っ……んん……ん……」
 千代の悲鳴は次第に小さくなり、腰も動かさなくなっていったのは、肌に蝋が積み重なって熱さが減じたからだった。じきに、千代の股間は白蝋で埋め尽くされる。
 固まりかけている蝋を掌で押さえつけて肌に密着させて。じゅうぶんに冷えてから、一気に引き剥がした。
「んいいいっ……」
 千代の腰が跳ねた。熱蝋を垂らされるのとは違う、まさしく生皮を剥がされるような激痛が股間全体に広がった。
 蝋を剥がされた後の股間には、淫毛がほとんど残っていなかった。
「ここにも彫物をして欲しいのさ。たっぷり彩(いろ)を着けてやっとくれ」
「おまえさんは脱がないから、どれだけ違っていても構わんという寸法だな」
 彫師は、千代に彫物を背負わせる理由を弁えているようだった。
「それで、何の図柄にするんだ」
「決まってるじゃないですか。背中が、チヨとカエデとイトなんだから。ここにも蝶を彫っとくれな」
 実核を頭に淫唇を胴体に見立てて、鼠蹊部から内腿にかけて翅を展げた図柄を楓は所望した。
「なんだったら、胴体に彩を入れてくれてもいいんだよ」
「他人の肌だと思って好き勝手を。まあ、こういう趣向も彫師冥利に尽きるってものだが」
 善ならぬ悪巧みは急げとばかりに、さっそくに道具箱を広げる彫師。
 千代はまたしても、全身を脂汗にまみれさせながら、声にならない悲鳴を褌の猿轡に吐き出す羽目になった。筋彫から彩入まで一気に仕上げたので、千代の苦悶は午(ひる)前から戌(いぬ)の刻近くまで四刻にも及んだ。
 せめてもの救いは、いちばん肝心の道具が今夜は使えなくされたせいで、娘としての辱めだけは受けずに済んだことだけだった。

 それからさらに六日間、千代は監禁されていた。いっそうの恥辱を与えるためではなく、入墨の養生である。最初の三日ほどは痒みに苛まれた。背中一面もさることながら、後追いで墨を入れられたところは、どこも女の急所である。掻痒の中に妖しい感覚まで忍び入って、これくらいなら、まだしも針を刺されたほうが手放しで泣き叫べるものをと、喉元過ぎれば何とやらに、千代はもどかしさを募らせもした。
 その間も日毎に一度は男どもに三つの穴を貪られていた。もちろん、妖しい官能に弄ばれていようとも、それと陵辱とが混淆することなどなかった。
 背中の瘡蓋(かさぶた)が剥げ、乳首と実核にどぎつい紅が染み込み、股間の色鮮やかな蝶は瘡蓋が貼り付いたままに傷が落ち着いてきた、拐わかされてから十二日目に、楓たちは姿を消した。
 といっても、千代が家まで送り届けられたわけでもない。胡座の間に柱を抱きかかえる形に縛られて、そのまま置き去りにされたのだった。
 誰にも見つけられず、このまま飢え死にしても構わない。いや、こんな浅ましい姿を見られるくらいなら、死んでしまいたい。そうは思っても猿轡を噛まされていては、舌を噛むことも出来ない。
 ――陽も沖天を過ぎた頃。境内に人の気配が動いた。
(お願い、入って来ないで)
 一瞬に羞恥が甦ったが、生き恥を忍んででも救けてもらいたい気持ちがなかったといえば嘘になる。
 足音がまっすぐ近づいて来て。様子を伺うように戸が引き開けられた。千代は後ろ向きに縛られている。振り向いて相手の顔を確かめる度胸はない。
 数瞬、ぴいんと緊張が漲って。
「千代……なのか」
(お父っつぁん……)
 世に男は数多(あまた)居れど、今はもっとも会いたくない人だった。
「いあいええ……」
 見ないで、来ないで。
 しかし。千代の心の叫びが通じる筈もなく。声から我が娘と分かって、駆け寄る喜右衛門。
 彼がこの場を探り当てたのは、偶然でも何でもない。
 誰にも行方を告げずに娘が姿を消した、その夕刻には貫目屋ではひっそりと大騒ぎになっていた。人目を忍んでの逢引とまでは喜右衛門はともかく、母の妙(たえ)あたりは勘繰りもしたが、まさかに朝帰りするとも思わなかったのだが。翌日に街の木戸が開いても帰って来ない。
 自身番への届出はもちろん、月々の付届けを欠かさない同心手伝の親分の手も煩わせ、それでも二日三日経っても消息がつかめず、ついには同心直々の出馬を願った。千代の拉致された先が分からなかったのも道理。貫目屋から十町(約一キロ)ばかり離れた清安寺で姿を見掛けた者がいたばかりに、城下町から静安寺とは真反対の方角へ一里半(約六キロ)も離れた、この南総寺はよもやとさえも思われていなかったのだ。
 それが、今日の午の刻すこし前に、童が文を貫目屋に持ってきて、喜右衛門は半信半疑ながらも手代と丁稚にまで駕籠を誂えて駆け付けたという次第だった。
「おまえたちは、外で待っていなさい。戸を閉めるのです」
 動転しながらも、娘の無惨な姿を人目に晒すまいとする親心。
 何はともあれ、汚れ褌の(とまでは気づかなかったが)猿轡を口から引き出してやり、手首の縄を解いてやろうと身体の位置を変えたとき。
「これは……」
 絶句する喜右衛門。真昼の外の明るさに眩んでいた目が本堂の薄暗がりに慣れて、娘の背中一面に刻み込まれた濃紺の紋紋に気づいたのだった。
 しかし今は、事の次第を問い質している場合ではない。とにもかくにも、あたふたと縛めを解いて。
 小さな両替屋を御家御用達にまで広げた、悪賢くも機転が利き度胸もある喜右衛門。娘に羽織を着せ掛けると、内縁へ駕籠をひとつ上げさせて、後はおのれの手だけで四苦八苦して板の間へ引き込んだ。
 羞恥に身を縮込ませている娘を、赤子をあやすようにしながら駕籠へ押し込み、両側の垂れを下ろしてから、駕籠舁き人足を呼び入れた。
 手代と丁稚に駕籠脇を固めさせ、自分は先に立って周囲を伺いながら。人目の多い街中を店とくっついた本宅へ連れ帰るのは憚って、城下からすこし離れた寮へ匿った。
 それからも、喜右衛門の手配りは抜かりなかった。娘の裸身を見られてはいないが、人足には法外な酒手をはずんで口止めをして帰らせ、自分は娘に付き添い、手代は医者へ、丁稚は女房へと走らせた。
「ともかくも五体満足で戻れたのだ。何をされていようと、命あっての物種です。おまえが幸せになれるよう、わしが万事取り仕切ってやる。決して早まった真似をするんじゃないよ」
 傷物にされ肌に消せない烙印を刻まれた娘でも、人並みとはいわないまでもそれなりに女として幸せにしてやる方策を、すでに喜右衛門は考えついていたのかもしれない。しかしそれは、大きな錯誤を前提としていた。
 これほどの恨みを買う因がおのれにあるとは、自明だった。そして喜右衛門にとっては、自身を殺されるよりも店を潰されるよりも、娘をこんなふうにされたほうが、はるかに痛恨だった。それだけに、害を為した相手が、復讐は成れりとして、これ以上のことを仕掛けて来ようとは夢にも思っていなかった。
 千代を解き放ったのが何よりの証拠だと、喜右衛門は判断したのだった。
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緊縛強制刺青

 おそらく500枚くらいにはなるでしょう。第三幕は定められた吟味の手順(敲問→石抱→釣り→海老)など関係なく、三国弾正郷門クンが「こやつはどこまで耐えらるか。何故、責問で恍惚となるのか」と探求していくわけですから、濠門長恭クンの気紛れでどんな責めになるか、指先三寸です。第二幕に匹敵する分量(責めの種類と枚数)になるかもしれません。
 お楽しみに!
 ですけど。600枚とかいったら、前後編に分けてリリースするかもです。


DLsite キーワードは、強制 刺青or入墨

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Progress Report 0:濡墨を着せられた娘

Pre Progress Report (PLOT着想)→

 いや、とっくに執筆中なのですが。投稿間隔の調整で干を持していました。満を持してまではいません。(干潮⇔満潮)
 着想してからストトン拍子で執筆に至りましたまうえまよこ。

SM(japan)刺青女竹背負い縛り尻責め
 ずっと前から持っていた、この画像がインスピレーションBであり、テーマでありモチーフでありBFネタでもあります。
 ※Aレーションはアメリカ軍によって使用される、生鮮、冷蔵、冷凍食品によって構成されるレーションである。Aレーションは生鮮、冷蔵、冷凍食品を使用する一方、Bレーションは十分な冷凍・冷蔵施設がなくとも保存できるよう缶詰や保存料を用いる。(Wikipedia)
 なぜか、『戦闘詳報』みたいなノリになってます永谷園。


 とにかく、無実の女囚への陰惨/淫残な拷問を書きたいという、それだけです。Wordでいうところの「見出し1」「見出し2」「見出し3」まで使うという、SMX工房初の試みです。
 くだらないところに趣向を凝らすのが筆者の悪い癖です。今回は、全体を舞台仕立てにしています。
 PLOT中【隅付き括弧】が「場」です。その中をさらに[角括弧]で責めごとに分割。
 さて、困ったのが「お話変わって」の部分です。「幕間劇」ではないです。ヤケのヤンパチで「※回り舞台」としました。本舞台で役者がストップモーションして、それまで背景か何かだった部分が反転して、板付きで別の芝居が展開するという。
 PLOT中「書きながら考える」という注記がやたらあります。ストーリイは恙無く進行中で、とにかく拷問なのです。まあ、こういったシーケンスで、凝った(読者には迷惑な?)設定とか思いついて、ワープロの利便性で前の部分を改訂2万リーグということもあるかもしれませんが。


 おっと。今回の通奏低音を忘れてました。こういう場合にツーソーテイオンを使っていいのか疑問ですが、じれったいジレッタントです。
 苦痛の極限で快楽を得るというのは、実は脳内麻薬のせいである。どこまで具体的に書くかは、指先(かつては筆先と称していた)次第ですが。ランナーズハイとか、集団詠唱による宗教的法悦とか。なので、PLOT中で切支丹にちょこまか言及しているのです。


 ということで、PLOTの御紹介。登場人物の読みでカタカナ表記の部分は、お遊びです。

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寛政5年(1793年) 1/1=新暦2/11 閏月無し
寛政の改革末期

千代(ちよ) わたし
 霜月生まれ 19の早春に物語は始まる
 実質17というのはマル秘
 ※ハードな拷問の連続なので、U16あたりでは耐えられない?
 ※数えで19にしとけば、よもやU18とは気づかれめえ
 跡継ぎにふさわしい婿をという父親
 貫目屋の悪評と相まって行かず後家
 貸本で目年増(艶本、指南本)
 貸本屋留三にお熱

貫目喜右衛門(貫目屋喜三郎)
 因馬藩の両替商
 先代に見込まれて入婿となる
 藩主(松尾家)や侍への貸し金で権力。苗字帯刀
 商家への短期融通で実利を得ている。苛斂誅求。
 庶民には評判悪くない。祭への寄付など
 一両を百人へ貸すより、百両をひとりへ

妙(たえ)
 喜三郎の妻 先代の娘

糸(いと)源氏名は楓 24 あちき
 貫目屋に借金をして破産した古着屋の娘
 15で遊郭に売られ、喜三郎に水揚げされた
 侍が戯れに衣装を切ろうとして脇腹に傷
 傷隠しの肉襦袢がヒントになった 
 後に銀次の手引きで足抜
 古着屋だったから、盗賊への伝手もある
横っ飛びの銀次
桂馬のタツ
香車のヤス
彫師の先生

三国弾正郷門(みくにだんじょうさとかど/ザンコクダンジョゴウモン) 41
 吟味方惣与力
 彼の手に掛かれば無実の者まで自白するので、責めは行なわない
 父親が切支丹を転ばせなかったのを強く覚えている
 自宅に拷問蔵
 なびかぬ女(男は高額)をなびかせて謝礼を稼いでいる
 プレイの場としても提供(十両以上)
弥助
 弾正の子飼
梅吉
 弾正の子飼
赤金文太雄(あかがねぶんだゆう/シャッキンフミタオス)
 探索方与力
間入有通(はざいりありとお/マニュアルドオリ)
 最初の吟味同心
八戸藪理(はちのへやぶみち/ハットヤブリ)
 二番手の吟味同心。弾正の手下同然

三俵のトラ 27 牢名主
 米俵を背負って両手にも
 女人足の頭(男より低賃金)
 男衆との出入りで殴り殺す
 山送りが決まっているが、牢名主として留め置かれる
河童のムメ 41 二番役
 農民。池で潜り漁。ご禁制の鯉を密漁
中條の松尾 38 三番役
 島送り待ち(生活基盤を築かせるため、初夏にのみ。翌年から自活)
鉄火のエン 22 詰め役
 博奕打ち。元は店持商人の娘
タキ 17
 継父を突き飛ばして怪我をさせた
 実母の訴えで
 後から入牢。型通りのリンチ

三井満足(みついみちたり/サンイマンゾク=銅でもいい)
 城下奉行(町奉行、寺社奉行)



第一幕 破れ寺

【拐わかし】
留三をかたった付け文で川原の小屋へ
雁字搦めで猿轡。棺桶へ入れられる
もがくのを諦めてから、破れ寺へ運ばれる
 本尊が残っているのが記憶に(重注)
まずは素裸に引ん剥いて処女蹂躙
酢で洗う。沁みる。肛門も中まで
四つん這いでアナルとイラマ
全裸緊縛放置
小半時後。強制騎乗位(楓介添え)三穴。
「あちきが15の歳にされたことに比べたら」
翌朝。縄をほどかれ、用足しは銀次が首縄
握り飯。近在の農家。千代には分からない
柱に膝立ち後ろ手。身体には縄を掛けない
彫師の先生
楓の肉襦袢に下絵
 蝶々の下に川(糸巻から流線)、左に楓
戸板に千代をうつ伏せ大の字
スジ彫り。悲鳴は猿轡
 1回4時間。2日で筋彫、2日でぼかし
施術後に彫師が一発。毎晩、3人×2回。楓の強制クンニ
肉襦袢の乳首のほうが赤い。千代の乳首も入墨。ついでに実核にも。
完成後
「自害なんてするんじゃないよ。これを見な」
脇腹の大きな刀創

【全裸捕縛】
本堂に緊縛放置して撤収
簪に結んで投げ文
半信半疑で番頭。籠の手配など
「刺青を父親に見せてみな」
紅葉……楓……川でなく糸……?!
喜三郎、絶句悶絶
寮に匿う。彫師も医者も、刺青は消せない
じきに、筋彫女賊お蝶の噂
喜三郎、寮に駆け付ける
厩番頭の菊田光太夫の妾に
 おまえに罪をなすりつける企み
時すでに遅し
 探索方与力が踏み込む。
 肌検め、全裸緊縛引き回し。自害封じ
 実は借財で青色吐息恨み骨髄
 証文を巻く。この場で。喜三郎が籠で往復
 胡座縛り、π乙もみもみ。賄賂指南
 腰巻姿で。女賊を捕らえたと喧伝
 倹約令違反の娘で過去に例有り
 城下町を引き回して牢獄へ
 父親は次の手を打つために別行動
 番頭と手代が駆け付けるが、追い払われる


第二幕 女囚牢

【吟味前夜】

[素肌検]
 裸検は、菓子折が届いているので手心
 新しい囚衣 手首縄だけで牢屋へ(手心)

[牢問答]
 前代未聞の菓子折で、待遇は良い
 奇天烈な言い分ゆえに信じてもらえる
 動かぬ証拠ならぬ動く証
 連座と、親の躾と
 罪一等を免じられても島送りは免れない
 山送りよりは、まし

【苛烈牢問】

[裸敲問]
 囚衣緊縛で罪状認否。否認
 上半身脱がして、大桶の水鏡
 敲き問。定法外して乳房敲き
 素っ裸にして、股間
 左右から手足を引っ張って大の字立ち
 滅多打ち。気絶するまで
 囚衣を掛けて、半幅戸板で牢へ放り込む
 医師が呼ばれる。菓子折の見返り
 早く自白させないと、手を回される懸念

[石抱問]
 書きながら考える

※回り舞台 若侍苦楽責
 弾正も菓子折り。受けても義理は無視
 元服前の武家の次男坊あたり
 水責め&ドライオーガズム寸前。
 依頼主の商人にアナル責めを与力が指南
 自発(?)フェラ。まで
 刺青誇示の不可解
 次の吟味からは立ち会う

[牢内掟]
 新入り。タキ
 重敲きのうえ線引き外所払いが相場
 案外と実母の取り計らい
 同情はするが、掟は掟。ツル無し
 全裸極め板敲き。女陰仕置は五本指
 一番手が小さいのはチヨ……
 自分が優遇されていると実感

[吊敲責]
 書きながら考える

[海老問]
 同心が八戸に変わる 
 書きながら考える

[坐禅転](承前)
 脳内麻薬のところに性的刺激で初絶頂

※回り舞台 新妓夢現責
 楼主の依頼で、強情な新妓を大麻調教
 思い出す。弥助を妓楼へ走らせる
 脇腹の傷など、千代の申し立てに一致
 楓を探すよう弥助と梅吉に
 吟味役を替えておいて良かった

[駿河問]
 敲責で悶絶の寸前に法悦境

【父母生別】
 娘が入墨をしたのは監督不行き届き
 島送りを見送りたければ白状しろ
 牢問ではないので、弾正は立ち会っていない

【裁きの場】
 弾正が苦々しい顔で陪席
 金の卵を産む鳥を/おそらく無実の娘を
 楓が隣国へ抜けたらしいという風聞
 弥助を走らせた(手形は独断)
 間に合わなかった
 独房で千代は、槍で貫かれる恍惚を想う
 最初の時、全裸引き回しされていたら


※回り舞台 熟娘揺木馬
 プレイの監視と指南
 色責め木馬(生温過ぎる)
 父親の時代の切支丹責を回想
 千代だったら、どこまで耐えられるか

第三幕 拷問蔵

【金の所在】
 処刑を三日後に控えて
 奉行から呼び出し
 真犯人は隣国で獄門
 偶然か、弥助の働きかけか
 裁きは覆せない(御政道の権威)
 盗金の所在を追求ということにして延期
 弾正の拷問蔵へ、こっそり移す
 全裸引き回しは、またも叶わず

[木馬責]
 書きながら考える

[逆吊責]
 書きながら考える

[水樽責](承前)
 水没で張形で絶頂

[男牢入]
  責めが伴わないと、つらいだけ

[釘打責]
  首に角材、小淫唇丸太挟んでクリ乗せ

[首吊責]
 懸垂首吊

【濡衣問答】
 処刑は1か月延期が限度
 隣国からの書状が、今届いたとして
 千代に手を突いて謝る弾正
 ・予定通り死罪
 ・罪一等を減じ山送り
 ・文身を彩色して放免/投込寺の死体
 ・永代吟味(新しい拷問の実験台)
 彩色後の死罪を渇望するも……


最終幕 処刑場
 全裸引回しを望むが、腰布
 磔柱も同じ(男柱)

みそとせの せめらくもつき あとにゆく
     ほとぬれそぼち やりをまちわぶ
三十年の 責め楽も尽き 後に逝く
     女陰濡れそぼち 槍を待ちわぶ
========================================

 最後はヒロインの処刑で終わっています。濠門長恭作品としては珍しい結末ですが、ヒロイン自身が望んでのことです。先に逝った弾正の後追いです。しかも、槍に貫かれる瞬間のエクスタシーを求めてのことです。そういう意味ではハッピーエンドです。

 女賊が諸肌脱いで刺青を誇示するというのは、巧妙なカモフラージュでもあります。被害者は刺青に目を奪われて、顔なんか覚えていません。夜目ですから極彩色はかえって見えづらい。ので、筋彫。
 いや、まあ。本当に刺青をしてしまうと、風呂とか困るわけです。裏庭で行水でも、覗き見られる危険があります。そこらへんを穿った推理でアレコレするのが、弾正郷門の面目が躍如として申し分ないところです。
 しかも「※回り舞台 新妓夢現責」で、楼主に依頼されて強情な娘を大麻で快楽責めしているときに、そういえば十年まえに糸とかいう娘を……あやつかッ! と、なるわけです。
 回る因果の糸車。俺のせいで千代は……弾正クンが反省するか田舎は、筆者も今のところは分かりません。


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Progress Report Fimal:女神様と王女様と、いとこの(下)僕

 ふわあ。やっと、終わりました。思えば、構想3か月/執筆3か月。
 1月下旬にPIXIV小説でリクエスト(有料)をもらって、一旦は辞退して、でも4月に再リクエストしてもらう予定で他の作品を書きながらPLOTを練って、3月末に再リクエスト/受注して書き始めて、5月2日に脱稿して。3日と4日が休日の予定だったのに勤務先都合で5日も休みになって。推敲3回+BF丁稚揚げして、たった今(2022/05/05 13:50)PIXIVに投降を終えたところです。
 3月末に書き始めて5月初頭に脱稿。足掛け3か月。嘘は言っていませんね。

 少年がSMショーの初舞台でマゾに開眼する話ですが、実はその前の章(ストーリイ上では1か月前)では幼いサディスチン姉妹がマゾ役で同じ舞台に出演するのです。そして、こっちの方に力が入ってしまいました。(2万6千文字:1万8千文字)。

 そこで今回は姉妹がマゾ役の方を御紹介いたします。

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SMショー

 2学期が始まった。僕のほうはすぐに実力テストがあって、美竹さんは前期の期末テスト。
 そして、結果の発表。僕の危具は的中して、美竹さんは目標にまったく届かなかった。目標の平均点460に対して430、へん差値65に対して58。未達成の罰はメコ筋への鞭打ち30発はともかく(じゃないけど)、クリトリスへのオキュウが7個。美竹さんは自分で自分に罰を言い渡しながら、泣きじゃくってた。
 なんだか甘えたような泣き方だった。もしかしたらメス穴を濡らしてるんじゃないかと疑るくらいには、僕も美竹さんのことを分かるようになっている。
 ほんとに濡らしていたかは(残念だけど)分からなかった。
「せんねんキュウは跡が残らないというが、それはふつうに使ってのことだ。小さなクリトリスへ立て続けに7個となると、焼け落ちてしまうかもしれん。美鈴は、どう思う?」
 伯父さんに尋ねられて、美鈴ちゃんは固まってしまった。こういうときにどんな返事を求められているかは、僕にも想像できる。美鈴ちゃんは30秒くらい黙っていたけど、それは考えているのではなくて決心に必要な時間だったろう。
「あたし……お姉ちゃんの罰を半分引き受けます。まだ皮をかむってるから……モグサでもいいです」
 顔は真っ青、声も震えていた。でも、美竹さんと同じで、なんとなく甘い響きがあった。
 伯父さんが満足そうにうなずいた。
「よかろう。姉思いの妹にめんじて、クリキュウは許してやっても良い。ただし、次のキンシツ会にはふたりそろってトリを務めるのが条件だ」
 ふたりそろって、伯父さんの前にひれふした。
「ありがとうございます。どんな厳しいショーでも、立派に務めて見せます」
「すこし、均くんを教育してやろうと思っての処置だ。彼にも感謝しなさい」
 いきなり話を振られて、僕はぽかんとするしか反応できない。
「ありがとうございます、均さま」
 W美姉妹に土下座されて、目を白黒赤青黄色。
「あの……どういうことですか??」
「そのときになれば分かるさ」
 答えてもらえなかった。
 メコ筋への鞭打ち30発は、その場で執行された。美竹さんは、やっぱりパンティをサルグツワにしたけど、うめき声までは止められなかった。数え役は、また僕が指名されたので、間違えないように注意を集中していたけど……うめき声が、やっぱり甘酸っぱく聞こえたので、わざと間違えてあげようかと、何度も考えてしまった。もちろん、実行はしなかった。

 訳が分からないまま、9月も下旬になった。それまでに一度、洋服屋に連れて行かれて採寸された。洋服屋といっても赤山とかじゃなくて、オーダーメード専門の高級店。1週間ほどで届けられたのは、タキシード。背広みたいなやつで、薄い生地のつりバンド付き腹巻(?)をして、ちょうネクタイを結ぶ。それをスーツケースに入れて、一家そろって東京へ行った。
 着いた先は、小ぢんまりとしたホテルだった。エントランスには、見落としてしまいそうなくらいひっそりと『錦瑟会様貸切』の看板が立ててあった。それを見たときは「へえ?」くらいにしか思わなかったけど、クロークというんだっけ、スーツを着た人が3人並んでる受付で、後ろにある料金表を見て驚いた。いちばん安い部屋(大人2人)で5万円。たしか、小学校5年のときに連れてってもらったドリームワールドの近くのホテルで、宿泊料金が親子3人の部屋で1万2千円だった。それだけのお金があれば新しいテレビゲーム機を買ってもらえるのにと思ったから、よく覚えている。その4倍以上。ウルトラ高級ホテルだ。
 ボーイさんに荷物を持ってもらって、案内されたのは2LDKくらいの部屋。ベッドルームだけじゃなくて、リビングみたいなスペースもついてる。それが、伯父さんと僕のツインルームだそうだ。伯母さんとW美姉妹は別の部屋。料金表にはファミリールームというのもあったけど、そちらは最低でも15万円だから2部屋に分けたほうが安上がりなのかな。
「まだ時間があるから、テレビでも観てなさい」
 これから何をするのか、まったく教えてくれずに、伯父さんは部屋から出て行った。伯母さんたちの部屋を訪れようとしたけど、追い返された。
「美竹たちは、いろいろと支度があるの。ごめんなさいね」
 なんだかなあ。別そうから帰ってからこっち、みんな微妙によそよそしいんだよなあ。仕方がないので、面白くもないテレビでも観るしかない――と思ったら、有線放送なのかな。洋画専門とかアニメばっかりとか、チャンネルが20以上もあったので、退屈はしなかった。どころか、まだ上映中のはずの『スター・ワーズ6』にかじりついていた。もう英語も習ってるんだからと、字幕版にしたけど、結局は字幕を読んでばかりだった。
 だけど、最後までは観れなかった。伯母さんが来て、僕の着替えを手伝ってくれた。
 ちょうネクタイは幼ち園の発表会で身に着けた記憶はあるけど、ワイシャツ(ほんとは違う名前らしい)の上に腹巻をかぶせてベルトでつるなんて、妙ちくりんなファッション。くつも光沢のある黒いのにはき替える。
 支度が出来上がると、W美姉妹を従えて伯父さんが迎えに来た。伯父さんもタキシード。伯母さんは、ノースリーブで胸元も広く開いてる薄青のワンピース。上半身がぴっしりしてるけどスカート部分はふんわり。カクテルドレスといって、タキシードと同格の礼装だとか。なのにW美姉妹は……マントというかポンチョというか、首からふくらはぎまで、ふくろをかぶってるみたいな服装。腕もふくろの中に隠れてる。そして、裸足。しかも、長い鎖のついた首輪をしていた。
「あの……?」
「美竹は、きみが連れてきなさい」
 僕が質問しかけるのに言葉をかぶせて伯父さんは、美竹さんの首輪から延びてる鎖を僕に押しつけた。
「……! ……?」
 何がどうなってるのか見当もつかないけど、伯父さんについてくしかない。
 伯父さんは僕を左側に並ばせて歩き始める。その後ろに美鈴ちゃんと美竹さん。伯母さんはふたりの後ろ。まるで、連行される犯罪人(でも奴隷でも家蓄でも)を見張ってるみたいだと思ったのは、鎖からの連想だ。
 エレベーターのところにボーイさんが立っている。僕たちの姿を見ると、うやうやしくおじぎをして、ボタンを押してくれた。W美姉妹の奇妙な格好を見ても、まるきり無表情で無言。
 2階で降りると、広いパーティー会場だった。
 入口のところに、なぜか塩田先生がぽつんと立っていた。
「わざわざお呼び立てして申し訳ない」
 伯父さんが声をかける。先生は伯父さんと僕を見比べて、きまり悪そうにうつむいた。
「いえいえ。乗車券まで手配していただいては、お断わりするのも失礼ですから。ですが、これは一体どういう集まりなのですか?」
「百聞は一見にしかずと言いますから。ともかく、こちらへどうぞ」
 伯父さんと僕とで先生をはさむ形になって、会場へ入った。
 小さなテーブルがたくさん、ちょっと見には不規則に並べられている。ひとりや5人以上のテーブルもあるけど、半数はカップルで残りは子供連れかな。私立の制服ぽいのを着た小さな子もいるし、中年のカップルと若夫婦みたいなテーブルもあった。
 ここでも伯父さんは偉いんだろう。最前列中央のテーブルに案内された。でも、イスは4脚だけ。正面の幕に向かって並べられている。僕と塩田先生が真ん中に座って、僕の右が伯父さん。塩田先生の左が伯母さん。
 W美姉妹の席が無いなと思ってたら……テーブルの両端に分かれて、のろのろぎくしゃくと(その理由は後で分かった)床に座り込んじゃった。体育座り。たくれ上がったポンチョは、案内したボーイさんが直してくれた。すそが床まで広がって、まるでてるてる坊主。
 床に座ってる人なんて、他のテーブルにはいない。ますますナゾが深まる。
 ぱらぱら残っていた空席も10分ほどでうまった。部屋の照明がすこし暗くなって、テーブルにキャンドルが灯される。そして、幕の下りた舞台にバニーガールのお姉さんが登場した。タイトルは忘れたけど、テレビで観た洋画を思い出した。カジノでもお客は正装してて、ウェイトレスはバニーガールだった。
「皆様、遠路はるばるお越しいただき恐縮です。これより、錦瑟会昭和58年度9月例会を開さいいたします。本日は会長の土幸様は御欠席ですが、常任理事であらせられる沢渡様が御臨席です」
 バニーガールさんが、白手ぶくろの指をそろえて伯父さんを指した。伯父さんと伯母さんが、ゆっくり立ち上がる。僕も、伯父さんにつつかれて、あたふたと。塩田先生も、きょろきょろしながら立ち上がった。
「お若いお連れ様は甥御の沢渡均様です」
「回れ右、礼」
 耳元でささやかれて、またあたふた。
「もうおひと方は、均様の担任教師でいらっしゃいます。会員様ではございませんが、沢渡様のお計らいで臨席いたしております」
 塩田先生はガチガチに最敬礼。そうか、位負けしてるんだ。みんなタキシードとかイブニングの正装。学校の制服も正装として扱われるそうだし。先生だけが、たぶんとっておきのよそ行きだろうけど、サラリーマンみたいな背広とネクタイ。
「本日は、おじょう様の美竹様と美鈴様もお見えです」
 W美姉妹も、妙ちくりんな格好が許す限りの優雅な動作で立ち上がり、参加者に向き直って――片足を後ろに引いて背をのばしたまま身体を沈めた。西洋のお姫様みたい。女神様と王女様にふさわしい仕草だけど、これってレディーズマナー講座で学んだのかな。
「なお、本日のショーにて、おふた方はトリを務められます」
 盛大な拍手が起こって、ふたりはもう一礼。
 思い出した。期末テストの成績が(とんでもない)目標に達さなかった罰として、そんな約束をしてたっけ。
 ふたりが座ると、またボーイさんが音も無く飛んで来て、ポンチョのすそを直した。
 しばらくはクラシックの静かな曲が流される中を、ボーイさんが料理とお酒を配っていった。ラスクみたいなやつの上に、クリームとかサラダとかフルーツを盛り付けたのが、ちんまりとみっつ。これってフルコース料理の前菜かな。
 僕の前にもワイングラスが置かれた。他の3人の(は、赤ワインかな)と違って鮮やかな青色であわが立っている。
「きみも飲みなさい。ごく薄いアルコールだから、だいじょうぶだ」
 そりゃ、父さんのビールをオチョコで飲んだことくらいはあるけど。アルコールがどうこう以前に、テーブルマナーを知らない。のは、塩田先生も同じみたい。伯父さんがワインをひと口飲むと、同じようにひと口。ぼくも伯父さんを真似した。
 お皿の両側にフォークとナイフが3本ずつ。さらに大きなスプーン。お皿の向こう側にも小さいのが1組。は、使わずに。伯父さんはケーキみたいなラスクみたいなやつを手でつまんで食べた。そして、ひざの上に広げたナプキンの端で手をふいた。ので、僕と塩田先生も。なんか、こういうの落語にあったね。
 そうだ、W美姉妹はどうなってるんだろうと振り返って見ると。お行儀よく座って正面の舞台を見つめてる――だけ。料理もワインも無かった。
「伯父さん。美竹さんたちは食べないんですか?」
「ショーをひかえているからね。きみは若いから知らんだろうが、戦闘機は燃料満載では動きが鈍って、まともに空戦機動を行なえない」
 分かったような分からないような返事だった。
 伯父さんが(ということは、僕と先生も)半分くらい食べたところで、お皿が下げられて、スープが運ばれてきた。会場に流れていた静かなクラシックが、テンポの速い(サンバかコンガか知らないけど、なんとなくラテンっぽい)音楽に替わった。音量は小さい。
 またバニーガールのお姉さんが登場。
「前座を務めていただきますのは、仮会員になられました村社様です。御年48。奥様は41歳でございます。なお、出場される娘さんも、けい法第176条および第177条に定める性的同意年令に達しておりますことを申し添えておきます」
「錦瑟会のメンバーは、社会的ステータスの高い者ばかりだ。身代わりを立てられぬような違法行為は犯さぬように慎んでおる」
 あ、それでか。次の誕生日に美鈴ちゃんは伯父さんにバージンをささげるとか言ってたのは――バニーさんが言った性的同意年令ってやつだ。身代わりを立てられるような違法行為は犯すのかなって疑問が浮かんだけど、深く考えないことにした。僕の感覚では、父と娘でセックスすることのほうが、万引きよりずっと不道徳だ。そして僕も、その不道徳をなしくずし的に受け入れてしまってる。
 バニーさんが引っ込むと幕が左右に分かれて。舞台には大きなベッドがひとつきり。三方と天井には大きな鏡が張られていて、ベッドをいろんな角度からながめられるようになっている。
 舞台の上手から中年の夫婦が、下手から3人兄妹が登場。背丈や顔つきから判断すると、兄妹弟の順だと思う。真ん中の妹は美竹さんくらいで、末っ子の弟が僕と同じくらいかな。くやしいけど、3人ともちゃんと毛が生えてる。
 みんな、全裸。全員に注目されて、男3人のチンチンは委縮している。
 ベッドの前に立って、夫婦が抱き合ってキスを始めた。お母さんは身体を密着させながら背のびをして、股間をお父さんのチンチンにすりつけてる。
 お兄さんが客席に横を向けて仁王立ち。弟は正面を向いてる。妹がお兄さんに向かい合ってひざまずいて、フェラチオを始めた。右手で弟のチンチンをしごいてる。
 1分もすると『主砲発射用意ヨシ』の体勢になった。夏休みの終わりにノンフィクションの海戦記を読んだので、現国の暗ゆを復習してみた。
 お母さんと兄弟がベッドに上がった。お母さんが四つんばいになって、お兄さんが後ろから入れて。うわわ……弟は奥さんの正面でひざ立ちをして、フェラチオをしてもらってる。そしてお父さんは小さな娘を抱き上げて……下から突き上げるようにしてクシ刺し。
 お兄さんが後ろから突くたびにお母さんが前後にゆれて、弟のチンチンは自然にピストンされる。お父さんは中腰になってひざで上下にゆっさゆっさ。
 ぱんぱんぱんぱん……
 じゅっぷじゅずず……
「あん、あん、あん……パパ、ちもちいいおお」
 妹は舌足らずに快感を訴えている。
「見とれていないで、すこしは食べなさい」
 伯父さんにうながされて、テーブルに視線をもどしてスプーンでスープを飲んだ。音を立てないように飲むのがマナーだってことくらいは知ってる。セックスでは、音も声も出すのがマナーなんだろうな。
「いったい……これは、どういうことですか?!」
 塩田先生も我に返って、伯父さんに詰問口調。
「うるわしい家族愛の一幕ですよ。血縁のきずなに安住することなく、男女の――とは限りませんが、肉体のきずなを重ねる。それでこそ、終生の変わらぬアイジョウ、愛をもって縄で縛りつける関係が築けるというものです。まあ、縄に象徴される支配と被支配の関係を持ち込んだのは、ほかならぬこのワシだがね」
「バカな……近親相かんではないですか」
「法律では近親かんは禁止されておらんよ、すくなくとも日本ではね」
 ほんとに伯父さんは――法律に違反しなければ、なんでもOKなんだな。
「塩田さんは、キンシツ相和すという言葉を知っておるかね。キンもシツも楽器のコトだが。大きなチャイニーズハープすなわちキンと小さなチャイニーズハープすなわちシツの合奏は妙なる調べを生み出す。そしてニシキのようにうるわしい家族愛。このふたつからキンシツ会は生まれたのだよ」
 最初はていねいだった伯父さんの口調が、僕たちに話すときと同じに変わってきた。
「ここにいる会員を、どう思うね?」
「まさか、みんな近親相かんを……?」
「そういうことを聞いておるのではない。年収がきみの20倍以下の者など、ここにはひとりとしておらんよ。ワシらは、見ず知らずの親せきやら銀行証券会社やらユスリタカリやら――背信と裏切りに取り囲まれておる。真(まこと)に心を許せるのは血族でしかない。あるいは、絶対の忠誠をちかった女房か……順子、この人に見せてやりなさい」
「はい、御主人様」
 伯母さんはイスに座ったまま、するするとドレスを脱いでパンティをずり下げた。横長のハート形の焼き印と ”Tuyosi”のイレズミが現われて、塩田先生の目はそこに吸い寄せられた。
 伯母さんがいきなりストリップを演じても、ざわめきすら起きなかった。
「いい機会だ。均くんにも教えておこう。ワシは、もともとサディストだった。強い者が弱い者を支配する。これは、野生の動物もかくミサイルのボタンを持つ物も、まったく同じだ。父親から継いだ会社を守るためだけにも、ワシはサディストにならざるを得なかった。夫婦生活だけは別物という器用な真似は、ワシには出来ん」
 ほおおっという小さなどよめきが上がった。舞台を見上げると――お父さんに妹が向かい合ってまたがっていて、弟がお尻の後ろでお父さんをまたいで中腰。あれって、アナルセックスをしてる。そして、お兄さんはひざ立ちになって、妹の頭を両手でつかんでゆすぶってる。フェラチオだ。ということはメス穴、アナル、口。すべての穴にチンチンを突っ込んでることになる。自分より大きな男性3人に囲まれて、妹は嵐の中の小舟みたいにほんろうされている。
お母さんはというと――娘の横に座って、お兄さんの金玉がお父さんの顔に当たらないよう片手で支えながら、もう一方の手で娘のクリトリスをいじっていた。
 ずっちゅずっちゅずっちゅ……
 ずうっぷずうっぷずうっぷ……
 ぬぷにゅぬぷにゅぬぷにゅ……
「もお゙お゙お゙、お゙おお゙お゙……!」
 大きなハープと小さなハープにボーカルまで加わった、激しいセッションが繰り広げられている。
「取引先といえば聞こえはいいが、丸木商会がコバンザメのように食らい付いていた大きな会社の専務が、当時のキンシツ会の世話役でな。ワシは可愛がられて、養女の順子をもらい受けた。ワシもキンシツ会へ加入させてもらって――ただの男女関係もまた、裏切りや不ていが付き物だからな。サドマゾによる女の支配を持ち込んだというわけだ。なに、養女とはいえ娘に焼き印を押すような人物だったからな。鞭と縄へのきょ否反応は無かったよ」
 カチャン。塩田先生がナイフを取り落とした音。
「あっ、これは失礼を」
 イスを引いて立ち上がったけど、床に手をのばす前にボーイさんが音も無く飛んできて、テーブルに新しいナイフを置いた。
「こちらを、どうぞ」
 ドリブルでディフェンスをかわすよりも素早い身ごなしでフォークを拾い上げて、ボーイさんは音も無く立ち去った。
「失敗しても大然自若、軽く手を挙げてギャルソンを呼び、後始末をまかせる。マナーの基本として覚えておきなさい」
 僕に教えてくれているようで、その実、先生をあざ笑っている。
 パチパチパチ……
 拍手の音で、また舞台に目を向けると――5人のくんずほぐれつは終わって、まるで演劇のフィナーレみたいに横一列に並んでお辞儀をしていた。
「村社様御一家のうるわしい家族愛を拝見させていただきました。村社様を正式の会員としてお迎えくださる方は、今一度の拍手をお願いします」
 バニーさんの言葉で、みんなが立ち上がって、ひときわ盛大な拍手を送り始めた。伯父さんと伯母さんも。僕も腰を浮かしかけたけど。
「座っていなさい。きみは会員ではない」
 塩田先生が、バツの悪そうな顔で腰を下ろした。W美姉妹は、ずっと座ったままで拍手もしていない。
「それでは、次の演目まで母と娘のほのぼのとしたじゃれ合いをご鑑賞ください」
 バニーさんが、小さなバスケットをベッドに置いた。お父さんと兄弟は舞台から去って――お母さんと娘は、またベッドへ。お母さんが、バスケットから奇妙な形をした物を取り出した。50センチくらいの一直線の棒。2本のチンチンを根元で接着したような形をしてる。真ん中には丸いグリップみたいのがあるけど、そう思ってみると玉ぶくろそっくりだった。
 まあね。半年もの間、あれこれエッチなことを体験してきたし、美竹さんが美鈴ちゃんにピンクローターを入れるところも見ちゃってるし。その道具をどう使うかは、簡単に想像がついた。
 想像通り。ふたりはベッドに向かい合って座り、まず母さんが模型チンチンの半分を自分に入れてから、互いに交差させた足を絡め合って下腹部を近づけて、娘に反対側のチンチンを突っ込んだ。そして、玉ぶくろを握ってピストン運動を始めた。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「いいわあ……カズミ、もっともっと泣いてちょうだい」
 ふたりとも、すごく感じてる。
 天井の鏡を見上げると、押し引きのたびに玉ぶくろがクリトリスに当たっている。
 また口(とフォークとナイフ)を動かすのを忘れてながめているうちに、幕が左右からゆっくりと閉じた。
 音楽のボリュームが上がったのは、舞台裏で大道具(といってもベッドしかなかったけど)を片付ける物音を消すためだと思う。
 しばらくの間、幕は下りたままだった。
 魚の切り身にシチューをかけて、宝石みたいにカットした色とりどりの野菜が添えられてるのを伯父さんと同じペースで食べて、半分くらいになったとき、音楽が消えた。
 同時に、幕がするするっと左右に開いて。演劇の背景が現われた。ビル街の夜景。天井からミラーボールが降りてきて、カラフルな光の粒を床一面にまき散らす。
 ジャンジャジャ、ジャンジャジャ♪
 ヒットチャート急上しょう中の3人組アイドルの新曲のイントロ。
 背景を突き破って、3人の女の子が登場。ものすごくセクシーというかエッチな衣装。完全にはだが透けて見えるピンクのミニスカートとチョッキ。チョッキは胸元が大きくえぐられてて、形の良い乳房が丸出し。しかもノーパン。
 そんな格好で3人が激しく踊り出した。
「I love you, I love you ほれたの♪」
 歌いながら踊ってる。まさか……本物?
 別にファンってわけじゃないので3人の顔はぼんやりとしか覚えてないけど、その限りではそっくりだ。ダンスの振り付けもそっくり。
 3分ほどで歌と踊りは終わって、3人が並んで観客にお辞儀。でも、ショーは終わりじゃなかった。
 タンタンタンタン、ターンタカタカタンタン♪
 これは題名を思い出せないけど、ときどき耳にする曲。に合わせて、3人が横並びで同じ振り付けで踊り出した。ラインダンスのカンカン踊りってやつ。
 乳房を手で持ち上げてゆらしながらステップを踏んで、足を大きく振り上げて――うわ、真横に振り回す。縦スジがカパッと割れるのが丸見え。そのまま後ろ向きになって、足を開いて立って、お尻を突き出す。これも丸見え。お尻をぷるぷる震わせてから、両手を床に。丸見えが二重丸見えになっちゃう。
 こんなのをファンが目撃したら、泣き出すか鼻血ブーかの、どちらかだ。僕はどっちでもなく、わりかし平然と見物してた。縦スジなんて見慣れてる。
 といっても。他の人たちはどんな顔して見物してるか観察する余ゆうなんかなくて、ダンスが終わるまで目がクギ付けになってたのも事実。
 最後はデングリ返りして割れ目を見せつけるポーズで――幕が閉じた。
 バニーさんが現われて、手にさり気なくレコードジャケットを持って舞台を横切った。会員限定の場でも、はっきり名前を出すのはまずいんだろうなと、僕は推察した。
 魚料理が下げられて、ワイングラスを平べったくしたような金属容器に盛られたアイスクリームが出てきた。これは、奥の方に置いてある小さなスプーンで食べる。これでデザートか。全然物足りないな――というのは、僕の早とちり。
 アイスクリームはすぐに下げられて、わりかしボリュームのあるビフテキが出された。これがメインディッシュてやつかな。だけど、伯父さんも伯母さんもナイフとフォークを置いたままにしているので、僕も落語の熊さん(だっけ、与太郎だっけ?)。
 今度はバニーさんが登場する前に幕が開いた。背景なんかはなくて、すごく殺風景。舞台の奥に、奇妙な格好をした大道具が置かれている。ゆりかごみたいな弓形の脚で水平に支えられている大きな三角柱とか、女性のマネキン人形とか、人間がすっぽり入れるくらいの大きな額縁とか、垂直に立てられた木の板とか。木の板には、何種類かの鞭が並べられていた。舞台の手前には何かよくわからない小道具を乗せたワゴン(車輪付きの台)が置いてある。
 ひとつずつスポットライトが当てられて。観客の興味と恐怖とをあおってから、バニーさんの登場。
「皆様。ただ今より本日のメインイベントでございます。主演は、沢渡様のビチクとビレイ…失礼いたしました、ミタケ様とミスズ様です。
 W美姉妹が、すっと立ち上がった。伯父さんと伯母さんがふたりの横に立って、ポンチョをはぎ取った。
 ほおおっと、ため息が会場にもれた。僕は、ため息なんてもんじゃない。ふたりとも全裸だった。そして両手を背中にまわして手じょうをかけられていた。手を使わないで体育座りをするんだから、動きが不自然だったはずだよ。
 バニーさんが舞台から下りて伯父さんから鎖を受け取ると、ふたりを舞台に引き上げた。
 W美姉妹は、ほとんど無表情。こういう状況だから、さっきのアイドル3人組みたいに作り笑いを浮かべるのは不自然だけど。そんなにおびえているようにも見えない。
「承ったところによりますと、美竹様はテストで悪い点を取りましたので、厳しいお仕置きを受ける代わりに、本日の残ぎゃくショーに出演することを志願されたそうです。妹さんは、お姉さんの負担を減らしてあげようとしての姉妹愛出演だそうです」
 紹介が終わると、舞台の端から男の人が登場した。黒いタイツをはいて、上半身は裸。身長は180センチくらいある。筋肉質で、なぜか坊主頭だった。
「佐渡様は、衆人環視の中で実の子を鞭打つのはしのびないとして、プロフェッショナルに処けいを委ねられました。アダルトビデオで御活躍中の責め師、シマイチヒカル殿です」
 バニーさんが、ふたりの鎖と小さなカギをシマイチさんに引き渡した。
 大男を前にして、美竹さんは表情を変えない。美鈴ちゃんは……シマイチさんを見上げて、ひとみがキラキラしてる。のは、ミラーボールのせいだろう。
 シマイチさんはふたりの手じょうを右手だけ外して、それを首輪の後ろに留めた。ふたりの左腕が不自然にねじられる。それから、首輪の鎖をつなぎ合わせた。
 シマイチさんが車輪付きの台から、クリスマスツリーの飾り付けに使うような球を取り上げて、それを小さなクリップでふたりの乳首とクリトリスに着けていった。文房具の目玉クリップ。バネが強いし金属だし。敏感な突起は、ふつうの子だったら泣いちゃうくらいに痛いはず。でも、クリトリスを鞭で(優しく、だったけど)打たれて喜ぶようなマゾだから、今も感じてるのかな。
 それぞれの身体にみっつの球を取り付け終えると、シマイチさんはふたりの右手に長い鞭を握らせた。
 ずっと横で見守っていたバニーさんから、シマイチさんがマイクを受け取った。バニーさんは、マネキン人形を舞台の中央へ押し出して、クリスマスツリーの飾り球をひとつ、ブラウスのボタンに引っかけた。
「ふたりのおじょうさんには、鞭による決闘をしてもらいます」
 シマイチさんは、W美姉妹に持たせたのと同じ鞭を手にすると、その先っぽをつまんで観客に向けてかざした。
「御覧のように、鞭の先端は小さなラグビーボールのようになっています。成人男性が力いっぱい鞭打っても、はだがさけたりはしません」
 ひゅん、バチイン!
 シマイチさんがマネキンに向かって鞭を振るった。音は大きいけど、ブラウスは破れなかった。
「10円玉と同じ重さの鉛を仕込んであるので、痛みは大きいでしょうが」
 その鞭で相手の飾り球を割るのだと、シマイチさんは説明した。
「ふたりは鎖でつながれているので、逃げ隠れは出来ません。左手は使えないので、身体をかばうことも出来ません。それでも、そのような行為を試みると、相応のペナルティを与えます。なお、鎖より上で鞭を振ると、即座に負けとします。顔、とくに目を保護するためです」
 飾り球は薄い強化ガラスで作られていて、割れても丸い破片となるので危険は無いそうだ。それをシマイチさんが実演した。
 ひゅん、ガシャ!
 ガラス球が割れた瞬間、赤い煙が噴き出した。煙が薄れて――マネキンの白いブラウスは、白いままだった。
「染料などを仕込むと、血みどろのイメージを演出できるのですが、今回は高圧ガスとしました。その理由は……」
 シマイチさんがパチンと指を鳴らすと、照明がすべて消えた。そして、舞台がほのかに青白く光って。
 ふたりの下腹部のハート形がピンク色にくっきりと浮かび上がった。美竹さんは、乳首と(包皮を切除した)クリトリスも真っ赤に光っている。河原で水遊びしたときなんかは、クリトリスはビラビラの中に隠れてた。ということは――今は性的に興奮してるんだ。
 ふたりはじっと立ってるはずなのに、タトゥがふわふわとくねっているように見えるのは、最初に飲んだお酒のせいかもしれない。
「おおお……」
 いくつかのテーブル(だけ)から、どよめきが起きた。その数が少ないということはつまり、大半のお客は、W美姉妹にUVタトゥが入れられているのを知っていたんだ。そこから得られる結論は――ふたりにとって、こんなショーに出演するのは、これが初めてじゃないってことだ。
 もしかすると。レディーズマナー講座とかモデルとか、いろんな理由で不在だったとき、実はキンシツ会に出演していたのかもしれない。
 会場が、すこしだけ明るくなった。でも、舞台の上は暗く沈んで、ふたりの裸身がうっすらと青白く浮かび上がっている。そして、鮮やかなUVタトゥ。
「みっつとも割られたほうの負け。負けた者には、厳しい鞭打ちが待っています。勝者には、会合が終わるまで、たとえ失神しても休むことなく快感が与えられ続けます。なお、戦意そう失や、片八百長、鎖より上での鞭などの違反行為があった場合は、ペナルティとしてあの木馬に乗せます」
 スポットライトが、ソリで支えられた三角柱を照らし出す。言われてみると、木馬のようにも見えた。
「金属の頂点はギザギザにとがっています。あれをまたがせて木馬をゆすれば……」
 シマイチさんは肩をすくめた。
「二度と使い物にならなくなるかもしれません。実は、あまりに凶悪なので、これまで使った試しがないのです。どうかな、おじょうさん方。あれのコケラ落としをしてみないか?」
 ふたりは身を寄せ合って、恐ろしそうに木馬を見つめるだけで、返事はしなかった。のが、雄弁な返事だ。
「勝負が始まる前からおどかしても、よくありませんね。では……」
 シマイチさんが、バニーさんの位置まで下がった。
「3本勝負、始め!」
 舞台の中央に取り残された美竹さんと美鈴ちゃん。互いに顔を見合わせてから、鎖がいっぱいに張るまで左右に離れた。といっても、3メートルかそこら。
「お姉ちゃんだからって、容しゃしないんだから。だいたい、お姉ちゃんがテストで悪い点を取ったのが、いけないんだからね」
「罰を半分こしたいって、お父様におねだりしたくせに。このマゾっ子。バージンのくせに、生意気なのよ」
 ふだんの美竹さんからは想像できない、悪口雑言。でもないか。僕に口止めリンチをしたときや夜の散歩でも、こんな口調だったし。てことは、(本気半分の)演出かな。
「やああっ!」
 美鈴ちゃんの奇襲攻撃。でも、鎖は鞭が届く距離よりはわずかに長くて、空振りに終わった。
「く……」
「下手くそね。一本鞭の使い方を教えてあげる」
 鞭を引きもどそうとしてもたついてる美鈴ちゃんに向かって2歩踏み込んでから、美竹さんが水平に鞭を振るった。
 バチイイン!
 鞭は腰に当たって絡み付き、先端がお尻をたたいた。
「痛いっ……」
 美鈴ちゃんの悲鳴は、そんなに痛そうじゃなかった。観客へのサービスかな。
 だけど。美竹さんは、鞭の先が美鈴ちゃんのはだをこするにまかせて振り抜いて、すかさずバックハンドで打ち込む。
 バチイン!
「……」
 美鈴ちゃんが、無言で後ろに下がろうとする。のを、美竹さんは上体を後ろへ反らせて引きもどした。
「きゃっ……!」
 もんどりうって、あお向けに転がる美鈴ちゃん。あわてて起き上がろうとする背後に美竹さんが回り込んで。
 バチイン、バチイン!
 お尻へ2連撃。
 今の攻撃、まったく球をねらっていない。ネズミを持て遊ぶネコを連想した。
 アワ踊りを仕込まれたのは、たしか美竹さんが4年前で美鈴ちゃんは1年。愛縄、セッカン――つまりサドマゾの調教そのものが、そのころから始まっていたんだとすると、鞭の扱いもそれだけのキャリアの違いがあるんだろう。
「美竹!」
 シマイチさんが、美竹さんを呼び捨て。あの人がサド役で美竹さんはマゾ役だから当然――とは、割りきれない。W美姉妹は、僕をいじめるときだって、呼び捨てにはしなかった。
「遊ぶんじゃない。真面目にやれ」
 美竹さんは、黙って1歩下がった。鎖で美鈴ちゃんとつながれてるから、それだけしか下がれない。鞭をだらんと垂らして、美鈴ちゃんが起き上がるのを待った。
 お尻への鞭だから、そんなにダメージはない。と、思う。僕は細い鎖で軽くたたかれた経験しかないから断言できないけど。
 美鈴ちゃんは鞭を握りしめて、美竹さんの動きをうかがいながら、用心深く立ち上がった。鞭をサイドスローのフォームに構え――た瞬間、美竹さんの鞭が鎖の高さぎりぎりを水平に走った。
 パパンッ!
 鋭い破れつ音がして、赤いガスが美鈴ちゃんの上半身をかくした。
「きゃああっ……!」
 乳首の球をふたつとも割られた美鈴ちゃんは鞭を取り落とすと、胸をかばってうずくまった。
「美鈴、勝負を捨てるのか。三角木馬に乗りたいのか?」
 シマイチさんの声で、美鈴ちゃんがあわてて立ち上がった。
 残るひとつ、股間の球を守るためか、へっぴり腰になって姿勢を低くして。鞭が届く間合いを見定めて、鞭を繰り出した。
 美竹さんは鞭に向かって踏み込んで。アンダースローで鞭を跳ね上げた。
 パン!
 パン!
「痛いっ……!」
 美竹さんの左胸からガスが噴き出たと同時に、美鈴ちゃんの股間も赤いガスで包まれて。美鈴ちゃんは鞭を取り落として、手で股間を押さえながらぺたんと座り込んだ。
 相討ちだけど、美竹さんにはまだふたつ残っているのに対して、美鈴ちゃんはゼロ。
「勝負あった」
 シマイチさんが宣言した。ふたりの手じょうをはずし、鎖はそのままにして首輪のほうをはずした。美竹さんは、バニーさんに手を引かれて舞台のすみへ。
 まだうずくまっている美鈴ちゃんの前に、シマイチさんが大きな額縁を舞台の奥から引き出してきた。額縁は小さな車輪のついた台形の板で支えられている。
 シマイチさんは美鈴ちゃんの腕をつかんで台形の上に立たせると、額縁のすみから鎖で垂れている革手じょうに、両手をバンザイの形でつないだ。そして、片足ずつ宙に浮かせて、両足にも革手じょうを着けた。美鈴ちゃんは、額縁の中でX字形にハリツケられた。
 舞台が明るくなって、バニーさんがマネキン人形を観客のほうへ押し出した。シマイチさんはふたつの鞭を持って、マネキンの横に立つ。
「敗者への罰は鞭打ちですが、使う鞭は敗者自身に選ばせてやります」
 観客に向かって説明する。
「このふたつの鞭のうちのいずれかです。こちらの鞭は……」
 1mくらいの細いベルトが3本束ねられていた。
「バラ鞭に見えますが、完全に重なってはだに当たるので一本鞭と同じです。薄いからしなやかで、3本分の重さがあるから打撃力は大きいのです。とはいえ……」
 シマイチさんは身体をひねりながら腕を後ろに引いた。
 しゅうん、バチチイン!
 全力の一撃がマネキン人形の乳房に当たった。美竹さんが伯父さんからお尻を鞭打たれたときよりも、ずっと大きな音だった。
「このように、あまりはだを傷つけません」
 しゅうん、バチチイン!
 しゅうん、バチチイン!
 同じ部分に3発の鞭を受けても、マネキン人形のブラウスはボタンが飛んだだけで、破れたりはしなかった。
 シマイチさんが別の鞭に持ち替えた。前のよりすこし短くて1本だけ。幅は2倍くらい。
「離れて見るとわかりにくいでしょうが、表面に短いトゲを植えてあります」
 黒い皮革の表面に銀色の点が無数に散らばっている。あれがトゲなんだろう。
 シマイチさんは、さっきよりも小さなスイングでマネキン人形を鞭打った。
 ひゅ、バヂッ!
 ブラウスが引き千切られた。マネキン人形のはだにも、灰色の筋が残った。
「トゲにはいやらしい細工などほどこしていませんから、適切な治療を受ければ3か月ほどで傷は消えます。今回のぎせい者は若いですから、もっと早く治るでしょうね」
 シマイチさんが、額縁の中にハリツケられている美鈴ちゃんに向き直った。
「最初の鞭なら50発、トゲ付きの鞭ならたったの20発。どちらで処罰されたいかね?」
「最初のでお願いします」
 美鈴ちゃんは即答した。当然だと思う。トゲ付きの鞭で20発だなんて、全身の皮膚がはぎ取られる。同じ所を何度も打たれたら、筋肉だって千切れてしまうかもしれない。
「よろしい。では、鞭打ちの回数はぎせい者自身に数えてもらいましょう。もしも数え間違えたら、最初からやり直しとします」
「美鈴。何をされても……」
「黙らせろ」
「カウント……むぶうう」
 バニーさんに口を押さえられて、美竹さんはしゃべれなくなった。
「言っておくが、くだらんアドバイスを言うごとに鞭の数を10ずつ増やすぞ」
 美竹さんにクギを指してから、シマイチさんはバニーさんにうなずきかけた。
 バニーさんが額縁を150度くらい回して、美鈴ちゃんの背中が観客から斜めに見えるようにした。シマイチさんが美鈴ちゃんの後ろに立っても、じゃまにならない。
「では、処罰を始めます」
 宣言してから。シマイチさんは、マネキン人形をたたいたときと同じ動作で美鈴ちゃんのお尻を鞭打った。
 しゅうん、バッチイン!
 マネキン人形より柔らかで弾力のある人体を鞭打つ音は、なんとなくしめった感じだった。
「数えろ。数えないと、最初からやり直しになるぞ」
「ひとつ!」
 美鈴ちゃんがあわてて、さけぶように数えた。中間テストの目標に届かなった罰と似てる。でも、冷静(じゃなかったけど)な第三者が数えるより、鞭打たれる本人が数えるほうがつらいと思う。おちおち悲鳴もあげていられない。
 しゅうん、バッチイン!
「ふたつ!」
 しゅうん、バッチイン!
「みっつ!」
 しゅうん、バッチイン!
「よっつ!」
 数える声がそのまま悲鳴になっているように、僕には聞こえた。
 8発目でシマイチさんは立ち位置をすこし変えた。
 しゅうん、バッチイン!
「ここのつ!」
 これまでは右のお尻に当たってから左へ流れていた鞭が、最初から左のお尻に当たった。
 14発目で左右のお尻の鞭跡が、均等になった。モモのようだったお尻が、熟したカキみたいになってる。
 しゅうん、バッチイン!
「きゃあっ……じゅうご!」
 しゅうん、バッチイン!
「じゅうろく!」
 シマイチさんが斜めに振るった鞭は、美鈴ちゃんの背中に大きなバッテン(X)を刻み付けた。
 背中のほうが、お尻よりずっと痛いんだ。
 バニーさんが額縁を半回転させた。舞台は50センチくらい高くなってるし観客は座っているから――最前列の特等席からだと、割れ目の裏に隠れている小さなビラビラも、その内側のピンク色の肉も、縁が柔らかくデコボコしてるメス穴も、何もかもが見えてしまう。メス穴の回りが片くり粉を溶いたみたいな露で濡れているのも。
 美鈴ちゃん、鞭打たれながら感じてるんだ。やっぱり、美鈴ちゃんの本性はマゾなんだ。僕が強く出れば、服従してくれるかな。子ネコちゃんを夜の散歩に連れ出せるかな。喜んでくれるならいいけど、いやだって泣かれたりしたら……それがウソ泣きだとしても、僕には無理強いなんて出来そうもない。
 シマイチさんが鞭を構えた。思い切り身体をひねって腕を後ろへ引いて。
 しゅうんん、ズバッシインン!
 ささやかな乳房が胸にめり込んだように見えた。
「ぎゃああーっ!」
 男の人が叫んでいるような悲鳴だった。
 しゅんっ、バシイン!
 悲鳴が終わらないうちに、バックハンドで鞭が乳房を逆方向になぎ払った。
「きひいいい……」
 シマイチさんが手首のスナップで鞭を跳ね上げ、丸めて手に持った。ゆっくりと美鈴ちゃんに近づく。
「数えなかったな」
 楽しそうに残こくに、ニタリと笑った。
「あ……じゅうしち、じゅうはち」
「遅い。イチからやり直しだ」
「……はい」
 美鈴ちゃんのことだから、向こう見ずに文句を言うんじゃないかと、僕はヒヤヒヤしてたけど、ビックリするくらい素直でしおらしかった。マゾだからというよりも、こういうショーとかで伯父さん以外のサドに責められて、どう振る舞えばいいか学習してる?
「しゅしょうな心がけだな」
 シマイチさんは鞭を左手に持ち替えて、美鈴ちゃんの割れ目を中指でくすぐった。突き立てたりしないのは、美鈴ちゃんが処女だと知っているからだろう。でも、容しゃはなかった。それとも、優しかったと言うべきだろうか。
 割れ目を下から上へ掘じくってクリトリスを探り当てると、中指を小刻みに震わせた。
「あんん……くうう、んんん」
 美鈴ちゃんが甘くうめく。
『今泣いたカラスがもう笑った』というコトワザを思い出した。いや……鞭打たれても興奮してたんだから、むしろ『追い風にホを上げる』かな。
しゅしょうな心がけへの短いごほうびタイムが終わって、残こくショーが再開された。
 シマイチさんが距離を測って美鈴ちゃんの正面に立った。でも、鞭は垂らしたまま。と思った次の瞬間――鞭がヘビのように床すれすれを走って、美鈴ちゃんの足元で激しく跳ね上がった。
 バチイインン!
 反射的に美鈴ちゃんは腰を引こうとしたけど、空中にハリツケられている。ガチャッと鎖が鳴っただけだった。もしも幅の広い革手じょうでなくて金属の手じょうとか縄だったら、アザになるくらい深く手足に食い込んでいただろう。
 美鈴ちゃんは口を開けたまま全身を突っ張っていた。
「……ひとつ!」
 叫ぶと同時に全身から力が抜けて、足をつないでいる鎖がすこしゆるんだ。
 シマイチさんが、満足そうにうなづいた。そして、数え間違いをさせようという意図なのか、続けざまに鞭を浴びせ始めた。
 しゅううん、ズバッシインン!
「ふたつ!」
 ひゅんんっ、パチイン!
「みっつ!」
 ぶゅうんん、バヂイインン!
「よっつ!」
 もう額縁を回転させたりせず、シマイチさんが前後左右に動き回って、休むことなく鞭を浴びせ続ける。
 鞭の強弱も当たる部位も、ばらばら。フォアハンドとバックハンドとを交互というわけでもない。横8字形に鞭を振り回してお腹にバッテンを刻んだり、フォアハンドで乳房をなぎ払うとそのままくるりと身体を回転させて連打なんて曲芸もひろうした。
 変則的な打ち方も、美鈴ちゃんは正しく数えた。鞭の動きではなく、たたかれた数に注意を集中すれば、そんなに難しいことじゃないと思う。だけど……
 31発目が軽く太ももに当たって。
「さんじゅうに!」
 次の鞭も太ももに向かって水平に飛んだけど、途中で向きを変えた。
しゅんん、パシ、バジイイン!
 床をたたいて跳ね上がり、鞭の先から20センチくらいが割れ目に食い込んだ。
「かはっ……!」
 息が詰まって悲鳴をあげることすらできず、空中で固まってしまった美鈴ちゃん。
 息を整える余ゆうを与えずに、パシンパシンと太ももに鞭が飛んだ。大して痛くないだろうけど、致命的な2発だった。
「また、イチからやり直しだな」
 シマイチさんはサドってだけでなく意地悪だ(両者は違うと思う)。最初が18発でミスをさせて、今度は32発。足せば最初に宣告した50発だもの。ぐう然じゃない。
「やだあああああっ!!」
 美鈴ちゃんが絶叫して、それまでこらえていた涙がほほを伝う。
「もう、やめてよお……いつまでたってもおわんない。みすず、しんじゃうよお……」
 わがまま王女様の片りんもない……んじゃなくて、そのまま退行したみたいな印象を受けた。いたいけな子供を鞭打つなんて、サドでもためらうんじゃないだろうか。なんてのは、僕が甘ちゃんだから思うことだろう。赤ちゃんを宙に投げ上げて、きゃっきゃと喜んでいるところをじゅう剣でクシ刺し。なんてソ連兵の話を聞いたことがある。
「許してほしいのか?」
 シバイチさんがネコなで声で美鈴ちゃんに尋ねた。
「ゆるして……ください」
「もうひとつの鞭だと20発だが、これまでの努力にめんじて10発ですませてやる。数えなくてもいい。どうするかな?」
 1発ではだがさける鞭を10発。すこしでも判断力が残っていたら、絶対に選ばない。でも、美鈴ちゃんは選んでしまった。
「はい、そうしてください」
 シバイチさんは黙って美鈴ちゃんから離れ、バニーさんから凶悪な鞭を受け取った。
 ひゅん、バッヂイン!
 マネキン人形に向かって一撃。ブラウスがちぎれ飛び、人形の素材がえぐり取られて破片が宙に飛び散った。
「…………!!」
 美鈴ちゃんが目を真ん丸にして、その光景を見つめている。けれど、選たくを取り消す機会は与えられなかった。
「10回も絶叫したら、のどが破れますから――声を出せないようにしてやります」
 シマイチさんはボールギャグで、美鈴ちゃんの口をふさいでしまった。
「んんん……んん、んんん!」
 美鈴ちゃんが頭をぶんぶん振るのを気にも留めず、シマイチさんが舞台の左寄りに立った。バニーさんが、美鈴ちゃんの背中をそちらへ向けた。
 ひゅん、バヂイン!
「ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーっ!!」
 ボールギャグのすき間から、猛獣がほえるような悲鳴がもれた。
 背中に無数の引っかき傷が斜めに走った。ぷつぷつと、血玉が浮かぶ。
 ひゅん、バヂイン!
「ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーっ!!」
 シマイチさんは鞭を左手に持ち替えて、背中に血文字のXを描いた。
 同じようにして、お尻にも左右2発ずつ。熟したカキのようになっていたのが、つぶれたカキに変わってしまった。
 だけど……マネキン人形のダメージから予想していたよりも、傷は浅い。
 不思議がっているひまもなく、額縁が半回転させられた。これからは、もっと無惨な光景が繰り広げられる。
 僕はこれまで、美鈴ちゃんに同情しながら、でも食い入るように見つめてきた。他の人たちは、どうなんだろう。ふと気になって、あたりをこっそりうかがうと。
 僕と同じように(それ以上に熱心に)食事の手を止めて舞台を見つめている人が半分くらい。舞台をながめながら平然と食事をしている人も何人かいた。逆に、料理とにらめっこをしている人もいた。熱心に見つめている人は、男ならサドだろう。女の人はもしかしたら、自分が鞭打たれるところを空想しているマゾもいるかもしれない。そして、平然としているのは(もっと残こくなことも体験している)筋金入りのサドかもしれない。
 シマイチさんが鞭を構えた。
「んんん、んんーっ!」
 美鈴ちゃんが、激しく頭を横に振る。むだなあがきをして、鎖がジャラジャラ鳴った。
 ひゅん、バヂイン!
 ひゅん、バヂイン!
 乳房が右に吹っ飛び左に吹っ飛んだ。乳首をさけて、その上下に幅の広い鞭(とトゲ)跡が刻まれた。
「ま゙も゙お゙っ!!」
 美鈴ちゃんがわめいて、がくんと頭を垂れた。
 シマイチさんは肩をすくめて。意識の無い美鈴ちゃんの太ももを鞭打った。
 ひゅん、バヂイン!
 太ももにも無数の引っかき傷と血玉が浮かんだ。
 ばぢん……バックハンドで、ずっと軽く、反対側の太ももへ鞭。なのに今度は、ずっと深い引っかき傷がついて、そこから血が滴り始めた。
 シマイチさんが舞台の手前ぎりぎりまで出て来て、鞭を横一線にしてパチンと鳴らした。そして、鞭の両面を何度も裏返す。
「ああーっ!」
 僕は、思わず大声を出していた。
「お分かりになられましたね。後ろのほうで観ていらっしゃる方のために、説明してあげてください」
 僕は安心をみんなにも知ってほしくて、イスを倒しそうな勢いで立ち上がった。
「トゲは、鞭の片面にしか生えていません。裏側にもトゲがあるように見えるけれど、ええと……寝ています」
「正確には、植えたトゲが抜けないように折り曲げて圧着してるのです。もちろん、並の一本鞭よりは破壊力がありますが……」
 シマイチさんは、鞭の裏側でマネキン人形を鞭打った。
 ひゅんん、バヂイン!
 力いっぱいでも、ブラウスはちょっと破れただけだった。
「このおじょうさんは1週間も休めば、クラスメートの前で着替えをできるようになるでしょう」
 良かった……へなへなと、僕はイスに座り(ほとんど倒れ)込んだ。
 なんで、こんなトリックを使うんだろうと疑問に思ったと同時に、答えも見つけていた。演出だ。観客に、実際以上の残こくさをさっ覚させるため。そして、美鈴ちゃんに恐怖を与えるため。もしかすると、この恐怖を乗り越えて、美鈴ちゃんはマゾとして成長するのかもしれない。それが良いことか悪いことかは、ともかくとして。
「敗者への処罰は、これで終わります」
 舞台のソデから、シマイチさんと同じ(ボウズ頭じゃないけど)上半身はだかで黒タイツの男の人が2人現われて、美鈴ちゃんを額縁から下ろした(引きはがしたというほうが正しいかな)。二の腕をつかんで、美鈴ちゃんを引きずりながら退場。こういうのも演出だと思う。
「では、勝者にほうびを与えてやりましょう」
 舞台の奥にスポットライトが当てられた。すっかり忘れてたけど、美竹さんはそこでずっと、妹への処罰を見物させられてたんだ。
 美竹さんは、にこやかは言い過ぎだけど、柔らかい表情でシマイチさんの前に立った。鞭のトリックを見て、この人には(そんなに)ひどいとこはされないって安心したんだろう。
 美竹さんは美鈴ちゃんと同じように、額縁にハリツケにされた。
「お姉さんは妹さんと異なり、すでにお父上のごちょう愛を受け、会員様のみならず各方面のしん士しゅく女にも可愛がっていただいていると聞き及びます」
 伯父さんとの付き合いも半年になるから、とんでもハプニング驚がくの事実がさらりと暴露されるのにも慣れてはきたけど。乱交とかってのは、しかも『しん士しゅく女』だから不特定多数とのレズもってのは、もうクリビッテンギョーなんて茶化す気力もない。
 女神様のぐう像が、音を立ててくずれてく。
「したがって、バイブもデンマも心置きなく使い放題で責められます」
 しばらく舞台のすみに放置されていた台を、バニーさんが押し出してきた。巨大サイズのコケシを、シマイチさんが取り上げた。その形状とこの場の性質から、それがどう使われるかは予測できるけど……僕よりずっと大きな塩田先生の5割増しの伯父さんより、ふた回りくらいも巨大なコケシが、美竹さんの『中』に入るんだろうか。
 シマイチさんが、また僕を見た。コケシから延びている電気コードを、バニーさんが引っ張ってきたコンセントにつなぐ。
 ブブブブブ……コケシの頭が、激しく振動し始めた。これ、ピンクローターの親玉だ。
「デンマは、上から局部に当てるのが正しい使い方ですが……」
 シマイチさんが額縁に近づいて、美竹さんの割れ目を指でうがった。
「妹がひどい目に合わされて興奮するなんて、いけないお姉ちゃんですね」
 シマイチさんがかざした指は、スポットライトをぬらぬらと照り返していた。
「これなら、ローションも要らないでしょう」
 シマイチさんは左手で割れ目を広げると、デンマの頭を押しつけた。ぐりぐりとえぐりながら、押し込んでいく。
「きひいいいっ……痛い。さけてしまいます!」
 理路整然としゃべれるんだから、ほんとは余ゆうがある。激痛の極限では悲鳴すら発せられなくなるのは、美鈴ちゃんで見たばかりだ。
 デンマが、胴体の半分くらいまで美竹さんの中にうまった。割れ目の縁に、スイッチの部分が見えている。シマイチさんはデンマが細くなっている部分にヒモを巻いて、美竹さんの太ももに縛りつけた。手を放しても抜け落ちない。
 シマイチさんは、次にデンマよりは小さなチンチンの模型を取り上げた。これって、バイブってやつかな。使い道は(メス穴がふさがってるんだから)確定してるんだけど。やっぱり「入るのかな」って疑問がある。まあ、僕だっていきなり塩田先生のチンチンを入れられたんだから、4年も調教を受けてる美竹さんなら……だいじょうぶだった。
 美竹さんは低くうめきながらお尻をくねらせ(たのは、入れやすくなるように協力したんだろう)ながら、根本まで飲み込んでしまった。これもヒモで太ももにつながれた。
 シマイチさんは手品師みたいに、次から次へと小道具を取り出す。ガラスの小さなツリガネ。中にバネじかけの弁みたいなのがあって、ツリガネの天辺からは短いゴム管と長い電線が出ている。それがふたつと、同じような仕かけのある小さな試験管がひとつ。
 ツリガネのひとつが、乳首にかぶせられた。大きな注射器がゴム管につながれて、ピストンが引かれるとツリガネの中が真空になるから、乳首がふくらんで長く引き延ばされた。乳首が弁を押し返す。ゴム管のつなぎ目に細工がしてあるんだろう。ゴム管を引き抜いても、乳首は元にもどらなかった。
 両方の乳首にツリガネを吸い付かせると、試験管は当然のようにクリトリスへ向かった。
「あああ、あん……」
 美竹さんが甘くうめいた。チンチンを吸われるのを想像すれば、美竹さんの声は当然だと納得出来る。
 さらに――銀色をした5センチ平方くらいのテープが両わきの下にはられて、ソケイ部には2センチ幅くらいのがはられた。これにも細い電線がつながれてる。
 最後に、シマイチさんはプラモデルのリモコンボックスみたいのをみっつ、額縁に引っかけた。
「電源容量的にはひとつで間に合うのですが、それぞれがばらばらのリズムで、ことに左右の乳首が異なるビートを刻むと、男でさえも、もだえ狂います。電流経路は心臓を通りませんから安全です」
 ツリガネと銀テープの電線をペアにして、リモコンにつないでいった。
 シマイチさんが美竹さんの身体にあれこれ細工をしてるうちに、フルコースの最後に出されたケーキとコーヒーも片付けられていった。
「皆様、お待たせ致しました。いよいよ、クイズ・タイムショーック、失礼、電気ショックのお時間です」
 ギャグのつもりらしいけど、受けは良くなかった。でも、シマイチさんは平然と先へ話を進める。
「時間も押して参りましたので、出題と同時に解答も明かしてまいります。電気マッサージ器、電動アナルバイブ、低周波マッサージ器。このうち、最も女が喜ぶのは、どれでしょうというのが問題ですが……」
 シマイチさんが身をかがめて、デンマのスイッチを入れた。
 そうか。電気マッサージ器だから、電マなんだ。なんてことは、どうでもいい。
 美竹さんは、鎖の許す限りへっぴり腰になって、電マの刺激からのがれようとしている。つらそうに顔をゆがめている。
「そこそこ出来上がっていても、女体は強すぎる刺激にはきょ否反応を示します」
 シマイチさんは電マを止めた。後ろへ回って――たぶん、アナルバイブのスイッチを入れたんだろう。
 三竹さんが、お尻をもじもじさせ始めた。さっきとは逆に、足の鎖が垂れ下がるくらいまで全身を突っ張ってる。
「アナルも、他への刺激との相乗効果で感じる女が大半です。では、他の部位とはどこか。皆さんは、もうお分かりでしょうね」
 シマイチさんがアナルバイブを止めて、表へもどってきた。
「乳首とクリトリス。これは処女だろうと第二次性徴前だろうと、女に共通のスイートスポットです」
 シマイチさんが、みっつのリモコンを次々に操作した。
 とたんに――美竹さんの身体が、ぴくぴくとけいれんし始めた。
「ああああ、いやあああ……こんなの……」
 全身をくねらせながらけいれんしてる。乳房をぷるぷる震わせ、腰を前後にゆすってる。
「低周波マッサージ器は、皮膚の下の筋肉に電気刺激を与える道具ですから、性感帯には強すぎます。最弱でじゅうぶん。最強になどすれば、むしろ強い苦痛を与えます。実験してみたいところですが、罰ではなく、ほうびですので……」
 シマイチさんが、リモコンにさわった。
「うああああ、ああっ……いやあ。やめてくださいいい」
 美竹さんのけいれんが激しくなった。やめてと訴える声にビブラートがかかっている。そして、切なさそう。もしも美竹さんの訴えを聞き入れたら絶対にうらまれる。それくらいは、僕でも分かる。
「この程度でも、経験の少ない女は、アクメに達したと思い込むでしょうが……このおじょうさんは、愛ぶだけでは物足りないようです」
 シマイチさんが、また電マのスイッチを入れた。今度は反応が違っていた。全身が反りかえった。そして絶叫。
「ぎびひいいいっ……いっちゃいますううう!」
「いいや、まだまだ」
シマイチさんはアナルバイブのスイッチも入れた。
「だめだめだめ……お父様、ごめんなさい。美竹、オマンコもおしりもサネも……ぜんぶ、いっちゃいますううう!」
 ふくらはぎがキュウッと引き閉まり、足の指が直角に曲がってつま先が縮んだように見えた。
「うあああ、いいいいい……」
 うめきながら、ぴくんぴくんと、けいれんを繰り返してる。シマイチさんも伯父さんも他の観客も、美竹さんの発作を静かにながめてる。から、危険なことは起きていないんだろう。
「余いんに浸らせてやるのが情けというものでしょうが、このマゾメス――失礼、お父上がいらっしゃるのでしたね」
「構わん。美竹をいん乱なマゾメスに仕込んだのは、父親のワシだからな。情けをかけてもうらまれるだけだぞ」
「恐縮です。では、このマゾメスは放置しておきます。すこしでも正気づけば、またアクメじごくにたたき込まれるといういうわけです」
「じごくを突き抜ければ天国だな」
「おっしゃる通りです」
 シマイチさんは深々と一礼すると、美竹さんを額縁の中に残したまま、舞台から立ち去った。
 それが合図だったのか、何人ものバニーさんがフロアに入ってきた。ワゴンを押したバニーさんが、真っ先に僕たちのテーブルに来た。
「スコッチモルトなら何でも構わん。スリーフィンガーで。この子には、そうだな……ピンクレディーを。塩田さん、何か飲みますかな」
「え、恐縮です。では……ええと?」
 バニーさんからメニューを渡されて、シドドモロロ。あてずっぽうみたいにしてソルティドッグというのを頼んだ。
 バニーさんが伯父さんの前に背の低いコップを置いて、透き通った茶色のお酒を注いだ。ウイスキーかな。それから、銀色のツボみたいのにいろんな液体(表現としては間違ってない)を入れて、シャカシャカ空中で振り回して、逆三角形を高い脚で支えたカクテルグラス(というんだっけ?)に注いで僕の前に置いてくれた。ピンク色のすごくきれいなお酒(だよね)。最後に、伯父さんのと同じ形でもっと大きいコップの縁に白い粉をまぶしてから、大きな氷と透明な液体と黄色い液体とを入れて長いスプーンでかき回して、塩田先生の前に置いた。
 その間に、別のバニーさんが伯父さんの指図で、チーズとクラッカーとナッツをテーブルに並べる。
「では……」
 伯父さんがコップを目の高さにかかげて、軽くうなずいた。飲むというよりなめるような感じで、コップを傾けた。
 塩田先生も真似をして――でも、ごくごくと飲んだ。
「均くん。きみも飲みなさい」
 僕は落語をせずに、持ち上げたコップをそのまま口に運んだ。甘いけど、ポマードみたいなにおいがした。UFOの味はしなかった。
「さて……塩田先生。本日のショーをご覧になって、どのように思われましたかな」
 伯父さんが、さり気なく切り出した。
 もしかしたら、これは『試験』なのかもしれない。最初の公開セックス・ショーで、仮入会した人が正会員に認めてもらったのと同じような。
「ええ、そうですね。他人様の趣味をどうこう言うつもりは、ありませんが……」
「趣味ではない」
 伯父さんが先生をしかりつけた。
「The way of lifeだ。生き様などという浮わついた言葉は好かん」
「……」
 塩田先生は黙り込んだ。反感を表情に隠そうともしない。
「最も深い人間の交わりを趣味などと言うところから察するに、均との関係も、きみにとっては遊びに過ぎんようだな」
「……サッカーに全力で打ち込んでいる子も」
「とぼけてもムダだ。部室やプールで行なっている、マンツーマンの特訓のことを、ワシは言っておる」
 コツン……塩田先生がコップを置いた音。ガチャンでもおかしくなかった。
「どうして、それを……?」
「取引先の会社の課長、同県のキンシツ会員のまた従兄弟の友人。手繰る糸は、何本もある。金があれば、糸はいくらでも太くできる。夜の散歩は楽しかったかね、均くん」
 塩田先生も僕も、真っ青。先生とのホモは、だれかスパイが告げ口したとしても、夜の散歩は……伯父さんのおひざ元でのことだもの、感づかれても不思議じゃないな。
「この子の将来にまで、きみは責任を引き受けられるかね。そうでないなら、サッカーの領分からはみ出るような真似は慎んでいただこう」
 塩田先生は青ざめていた顔を今は真っ赤にして、うつむいている。
「あああっ……いやあ! もうゆるして……とめて。だめだめだめ……お父様、ごめんなさい。いく……美竹、いっちゃいますううう!」
 正気づいて、またすぐアクメに追い上げられて、美竹さんが悲鳴をあげた。いや、『喜鳴』というべきだ。
「さて、均くん……」
「え、あ……はい!」
「ワシは、きみを責めるつもりなどない」
 W美姉妹とのエッチな遊びをしかられるんじゃなさそうだ。まあ、あれは僕が被害者みたいなものだから、しかられるとしたら、ふたりのほうだと思うけど。
「ふたりを見ていて、どう思ったかね」
「どうって……」
 いろんな思いがこんがらがって、言葉に出来ない。落ち着こうと思って、ピンクレディーを(コップが小さいので)ひと息に飲んだ。のどごしは冷たくて甘いのに、お腹の中がカアッと熱くなった。そうだ、これはお酒だった。
「さんざんきみをからかって、生意気にもサディスチンを気取っていた美鈴が、手放しで泣きわめいておったな。セクシー衣装で年下のきみをからかっていた澄まし屋の美竹が、アクメに見も世もなくよがり狂う様子を見て、きみはどう思ったのかな」
 いっそう具体的に尋ねられて、でも思考は、ますますこんがらがる。ざまを見ろなんて、これっぽっちも思わなかった。でも、かわいそうだとも思わなかった。ハートのタトゥが躍動するのを美しいと思った。額縁にハリツケられたふたりは、そのまま絵画だった。そして……苦痛に泣き叫ぶ美鈴ちゃんも、強制された快感にホンロウされる美竹さんも、美しくて素敵で……うらやましい!
 ふたりとも、ものすごくつらそうなのに……伯父さんはじごくを突き抜けたら天国だって言ったけど、それは真実だと思う。
 そして美竹さんは女神様なんかじゃなくて、美鈴ちゃんも王女様ではなくて……ふたりとも、天使だったんだ。黒い羽根と尻尾を持った、エッチでサドでマゾな天使。
「あああっ……ほんとに、もうダメ。いやよいやよいやよ……またいっちゃううう」
 額縁の中でもだえる美竹さんは、ほんとに尻尾を生やしてる。そして僕には……羽毛をまき散らしながら羽ばたく羽根まで見えるような気がした。お酒が僕の頭をゆすっている。
「きみも、美鈴を泣きわめかせてみたいとは思わないかね。美竹をきみのペニスでアクメに追い上げてやりたいとは思わないかね」
 コンプレックス(チンチン)に触れられて、ちょっと頭が冷めた。
 まったく全然ちっとも、そんなことを思わないというとウソになる。でも……実際問題として、僕には無理だと思う。サドがマゾをいじめるのは、したい放題にしているように見えて、すごく相手のことも考えているし、事故にならないような工夫もしている。トゲを植えたベルトのトリックがそうだし、夜の散歩の前に、どこの家でだれが起きているか、ちゃんと調べてあったのもそうだ。それに、伯父さんやシマイチさんみたいにうまく鞭を扱えそうにない。
 マゾは、痛かったり恥ずかしかったりはするけど、気楽だな。気楽という言い方は、サドにもマゾにも失礼だ。マゾは、ひたすらサドを信頼して身も心も委ねていればいい。
 そう思った瞬間に……額縁の中にハリツケられて、W美姉妹にいじめられている僕自身の姿が頭の中に浮かんだ。美鈴ちゃんに鞭打たれて泣いている僕。それを見ているお客さんたちが、「男のくせに」とか言ってあざ笑ってる。美竹さんにチンチンをいじめられてボッキさせちゃって、みんなが僕のそこを指差して「小さい」とか「ブタの尻尾」なんてゲラゲラ笑ってる。
 伯父さんに厳しくセッカンされるシーンも想像した。塩田先生より大きなチンチンでアナルを犯されるのも、痛いけど気持ち良さそうだ。
 そうだ、マゾは気持ちいいんだ。サドは……女の子を鞭でたたいて、面白いかもしれないけど、気持ち良くはならないよね。
 こんがらかっていた思考が、ひとつの大きなうずになっていく。ピンク色のお酒のうずに飲み込まれていく……
「まったく、おまえには失望させられた」
 伯父さんの悲しそうな声で、うず巻きは飛び散った。うずにおぼれながら、僕は心の中の言葉を声に出していたんだろうか。
「日常で女の尻に敷かれるのは、男の度量だ。しかし、愛縄で女に支配されたいと願うようなやつに、戦場は任せられん」
 戦場って……仕事のことだろう。男は外に出たら7人の敵がいるってコトワザがある。
 伯父さんも、あまり減っていないお酒をぐいと飲み干した。
「とは言え……SMクラブでは、新人にはマゾをさせてプレイの要領を覚えさせてから女王様に仕込むというからな。とことんマゾを体験するのも、均くんの肥やしになるかもしらんな」
『おまえ』がまた『均くん』にもどった。
「いいだろう。来月の例会では、均くんと美竹たちがステージに上がれるよう、手配してやろう」
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女神様と王女様

 ちなみに。BF丁稚揚げで、少女(に見えるネエチャン)が、女神様とか王女様のコスプレをしている実写エロ画像を探したのですが、見事に見つかりませんでした。そこで、女神様や王女様に見えているのは少年だけで、その本質は小悪魔だよ――というコンセプトのBFにしちゃいましたまうえ。

 さて。
 今年の出来高は、5月5日までに1,253枚。 このペースでいけば、年末までに3,600枚いけそうです。
=1,253/(VALUE(2022/05/05)-VALUE(2021/12/31)*365=3,658


 なお、この作品を電子書籍としてリリースするのは、2023年5月以降です。

DLS affiliate キーワード:小悪魔,少年

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 3:女神様と王女様と、いとこの(下)僕

 まるきり進みませんでした。というのも、本日(4/22)は執筆もお休み。な何をしてたかというと……これ()のリベンジマッチですた。
 純金未満(金の純度は24を母数にします)では指1本がやっとで、こちら()くらいの硬度がないとむちゅくわしいわけです。ので、本日は+10あたりを集めている箱へ行ってきたわけです。指2本をチョキにしてクリグリできます。
 さすがは年の功。自分で動いて(ついでに握って)くれて、「男は突っ込んでナンボ」までは到達いたしましたですた。しかし、いわゆるところの In-Out-In-Outでふにゃって、「出してナンボ」には、とほほ李白杜甫。
 駄菓子案山子。男でも女のアクメを書くし、行ったことも見たこともないトランター帝国も描写できるし、それにつけても転生物がステータスでキャラ説明をする安易さはねえ。
 しかも、モモキュンソードPart2で1/200を30回転くらいで2度引いて、でもRushに突っ込めずに(トラウマが痛い……)、まあ、5千円で切り上げて。明日は5時(以前)起きですので、さっさと飲んで寝ます。


 現在は「SMショー」の章の大詰めです。うん、「SM章」ですね。しょうむない。
 は、置いといて。もっと手前、折り返し点あたりを紹介しときます。


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口封じの夜

 僕が塩田先生の愛人(?)になってることは、サッカー部のみんなに知られている。僕も塩田先生もみんなの前では知らんぷりしてても、かえってそれが演技ぽくなってしまうし。時間差をつけていても、プールに出入りしてるところを見られたり。
 だけど、だれも僕をからかったりしない。塩田先生の私情でメンバーから外される(補欠の予備のひかえだって、お情けで練習試合に出してもらえるから、同じこと)ってのもあるだろうけど、僕がちゃんと頭角を現わしてきたから。ハーフいっぱい走り回ってもスタミナ切れしないし、ごつい先輩にも(3回に1回くらいは)当たり負けしなくなった。自主トレと先生の下半身(チンチンじゃなくて真面目な部分)へのマッサージの成果だ。成長期真っ盛りてのも大きいかな。この1か月で身長が1センチちょっとのびたし、体重も2キロ増えた。
 もっとも、成長期は僕だけじゃない。美鈴ちゃんのおっぱいが、乳房と言えるくらいにしっかりふくらんできたし、週に2度はおフロの中で乗っけてるお尻もますます丸みを帯びてきた。おフロの中で美鈴ちゃんのお腹を抱っこしてる手を、上か下へ動かしたくなったりもする。でも、頭の中で英単語の復習とかしてれば、チンチンは(かろうじて)無反応を保っていられる。
 美竹さんのセクシー衣装やチンチンタッチも、わりかし平然と受け流せるようになってきた。だって、中間テストの成績が目標に達さなかった罰を見せつけられてるから、あれに比べたら、たとえオールヌードでも『高が知れてる』というものだ。
 だけど。伯父さんとふたりの関係がクリビッテンギョーだったと同じに、いやそれ以上に姉妹の関係もイタオドローだと知ることになる。そして、今度は僕も巻き込まれてしまった。

 美鈴ちゃんは1学期の通知表を理科算数国語音楽体育は5で、その他も4。カンチョウの罰は受けずにすんだ。音楽と体育が目標値(4)を上回ったごほうびに、小さな箱をプレゼントされた。
 美鈴ちゃんもお姉さんに似て、ずいぶんと優しゅうなんだ。僕の部屋に居座ってる時間よりは自分の部屋にいる時間のほうが長いのは当然だけど、その間は真面目に勉強してるんだな。
「美鈴も、もう最高学年だ。自分で使うことを許してあげよう。もちろん、入れてはダメだぞ」
 その言葉だけで、中身が分かったらしい。
「うわあ。ありがとうございます、お父様」
 きれいにラッピングされリボンをかけられた小箱をきゅっと胸に抱きしめて、それからちろっと僕に顔を向けて、いたずらっぽく舌を出した。
 意味不明だったけど、無じゃ気に喜んでるんだから、まあいいか。
 その週末も、僕は塩田先生の特訓《アナルセックス》を受けて、やっぱり精通出来なくて。だから、僕は欲求不満になっていたのかもしれない。
 伯父さんと伯母さんは、財界のパーティーにとまりがけで東京へ行ってて、僕とW美姉妹とでお留守番。
 ベッドに入っても、なかなか寝つけなかった。子供部屋はたがいに行き来できるようにつながっている。そして、隣は美鈴ちゃんだ。なので。勉強してるときでもノックもしないで飛び込んでくる。両親の不在をいいことに、まさか夜ばいをかけたりはしないだろうな、と――迷わくばかりじゃないから、困る戸まどう。1日ごとに、美鈴ちゃんがエッチの対象に近づいてる。
 トイレに行って、それから暖かい(真夏だけど)物でも飲めば寝つけるかな。
 ろう下へ出たら――美鈴ちゃんの部屋のドアが半開きになってた。イタズラ心もエッチ心も無いよ。僕の部屋が奥だから、美鈴ちゃんの部屋の前を通らなくちゃならない。それだけのこと。なんだけど。
 ドアの下のゆかが、ごくかすかに青白く光ってる。豆電球の明かりじゃない。
 それよりも……
「あんん……やだ……おかしくなっちゃうよお」
 苦しそうなうめき声(に、聞こえた)。
「ふうん。それじゃ、やめてあげようか?」
 美竹さんの声だ。妹を看病してあげてる感じでもないし?
「やだ! やめちゃ、やだああ……あっ、あんんん」
 僕は本能的に足音をしのばせて、ドアに近づいた。こっそりと、中をのぞき込んだ。
 ベッドの上で、美鈴ちゃんにしては大きな、かすかに青白いかたまりが動くめいているとしか見えなかったけど。暗がりに目が慣れてくると……
(…………!!!!!)
 びっくりマークをいくつ並べても、おどろきを表現しきれない。
 青白いかたまりは、美鈴ちゃんと美竹さんだった。ふたりともスッポンポンで、美竹さんが美鈴ちゃんにおおいかぶさって、両手で美鈴ちゃんの身体をま探っている。正確には右手で縦スジのあたり、左手で乳房を。
美竹さんは、左手に卵形をした物を握っている。
ジジジジジジ……耳を澄ますと、ごくかすかに機械的な音が聞こえた。まさかと思うけど、(エッチな雑誌の広告で見かける)ピンクローターじゃないよね?
 右手は、ふたりの密着した腰の間に差し込まれてるので、何か持ってるとしても分からない。
「お姉ちゃん、もうがまん出来ないよお。それ、入れてよお」
「ダメよ。バージンは、来年のお誕生日に、お父様にささげるんでしょ」
(…………!!!!!)
 この後も飛び切り大ショックの連続なので、僕の心理びょう写はこれで打ち切る。
「だいじょうぶだよお。オチンポ様を入れなきゃバージンだもん」
「そういう問題じゃないでしょ」
「そんな細いのじゃ、処女まくは破れない。タンポンといっしょだもん」
「タンポンだって、入れたこと無いくせに」
「お願い、入れてよお。どしても入れてくんないなら、自分でやっちゃう。それか……均お兄ちゃんに、おフロで本物をお願いするもん」
 それって、僕にセックスをせまるって意味?
 もちろん、僕はこばむ……つもりだけど。結こんも出来る間がらだし。この1か月でけっこう『女体』ぽくなってきた美鈴ちゃんにスッポンポンで抱き着かれて、縦スジでチンチンをはさまれてグリグリされたりしたら……
「お兄ちゃんのオチンポ様は、このローターと同じくらいだから、処女まくはだいじょうぶだよ」
 いくら僕でも、そのピンクローターよりは(ボッキすれば)大きいよ。
 ふう……美竹さんが、大きなため息をついた。
「しょうがないわね。ばれたら、わたしまでというか、わたしが主犯で罰を受けるに決まってるけど……そう簡単には、均くんをあげるつもりは無いから」
 え……また、僕?
 疑問は、直後の本日最大のショックで忘れてしまった。
 美竹さんが身体を起こして、ベッドに腰かけた。
 数秒、僕は目の当たりにしている光景を理解出来なかった。
 美竹さんの下腹部に、横長の大きなハートの輪かくがうかび上がっていた。どぎついピンク色。輪かくには、短いカラクサ模様がからんでいる。そして……乳首があざやかな赤に光っている。同じ色が、毛のないし縦スジのはしっこでも光っている。クリトリスだ。
「お姉ちゃん……」
 ベッドの上で、美鈴ちゃんが美竹さんのほうへ寝返りを打った。美鈴ちゃんの下腹部にも、同じハート形の輪かくがえがかれていた。乳首とクリトリスは、光っていない。
「ちょっと待って。いたくないように、ローションを使ってあげる」
「いらない。もうびしょびしょだもん。それに……いたいほうが、そう入の実感を味わえるよ」
 美竹さんが、またため息をついた。
「まったく……わたしが美鈴の年だったときは、縛られるのも鞭打たれるのもいやで、泣きさけんではサルグツワをかまされていたっていうのに。ほんとに美鈴は生まれつきのインランマゾね」
「違うもん。お父様の英才教育の玉物だもん」
 もう完全に、僕の思考はマヒしてる。ああ、そうかと――美鈴ちゃんの言葉を無批判に事実として受け入れただけだった。ちょっぴり、うらやましくも思った。そんなことをされた美竹さんや美鈴ちゃんがうらやましいのか、そんなことをした伯父さんなのか、そんなことを認めていた伯母さんをふくめた家族関係がうらやましいのか……マヒした頭では分からなかった。
 美竹さんがベッドに上がった。美鈴ちゃんの足を開かせた間にあぐらをかいて座って、前へにじり寄って、美鈴ちゃんのお尻を足の間に落とし込んだ。
「ほんと、ぬらぬらだわ。小インシンまでひくつかせちゃって。それじゃ、うんといたくなるようにつっ込んであげる」
 美竹さんは、ずっと握っていた右手のピンクローターを美鈴ちゃんのまたにつきつけた。卵形じゃなくて、ウインナソーセージを太くしたような形だった。あれなら、ボッキした僕のチンチンに勝っているかもしれない。
 美竹さんがローターの先で縦スジをつついた。正確には縦スジじゃない。ローターくらい飲み込んでしまいそうにぱっくり開いているのが、暗がりに慣れた目には見て取れた。
 でも、なぜ下腹部の模様(と、美竹さんの乳首とクリトリス)は光ってるんだろう。夜光と料かな。そんなものをぬる理由が分からない。今見ている何もかもが、分からないことばかりだけど。
 美竹さんは美鈴ちゃんに声をかけたりはせず、モリで魚をつくような動作で、ローターを割れ目につき立てた。
「ぎびいいいっ……いたいいっ!」
 ぴいんと、美鈴ちゃんの全身がつっ張った。
「いたい、いたいよお……」
 泣き声でうったえながら、背中を反らして腰をつき上げる。そんなことをしたら、ますますローターを深くつっ込んでしまうのに。
「いたいよおお……本物のオチンポ様は、もっといたいんだよね。お姉ちゃんだけ……ずるいよお」
「それ以上は入れちゃダメよ。飲み込んでしまってチツ口が閉じては、いたいのも気持ちいいのも減ってしまうから」
 美竹さんは左手でベッドの上を探って、平べったい小箱を引き寄せた。その箱に付いてるツマミをいじると……
「うああああ……」
 美鈴ちゃんが、かん高くさけんだ。
「すごいい……でも、こんなのダメ。クリちゃんブルブルしてよおお!」 
 もどかしそうにさけぶ。
「いきなりのチツイキは、いくらインランでも無理よ。ほら、これも使いなさい」
 美竹さんが美鈴ちゃんの手にピンクローターを持たせた。割れ目にいれてるウインナソーセージじゃなくて、乳首に当ててた卵形のやつ。落ち着いて観察すると、太さは同じで、長さだけが違っている。
 美鈴ちゃんは、それを――割れ目の上はしに当てた。
「あああああ、あーっっ!!」
 これまでより半オクターブくらい高い声でさけんだ。
 美竹さんが美鈴ちゃんの空いているほうの手を取って、チツ口に入れているローターのはしを持たせた。
「自分で動かすのよ。でも、こねてはダメ。破れるかもしれないから」
 美鈴ちゃんはローターをゆっくりと出し入れし始めた。塩田先生が僕のアヌスにしていることと(いろんなちがいはあるけど)基本的には同じだ。
 美竹さんがベッドから下りた。
「アクメまで自分で遊んでなさい」
 美竹さんが視界から消えた。
 僕は美鈴ちゃんから目がはなせない。
 美鈴ちゃんは、だんだんピストン運動を激しくしていく。ひざを立てたまま足をつっ張って、腰が宙にういている。
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
 ぴストン運動に合わせて激しく息をして、それが声になっている。だんだん声が大きくせわしなくなっていって……
「ああああっ……いくうう、いきますううううっ!!」
 弓なりになった全身が、びくびくびくっとケイレンして――不意に、どさっとくずれた。
 そのまま、ピクリとも動かない。興奮が激し過ぎて心臓マヒを起こしたんじゃないかと心配に……いや、肩がゆっくり動いてるから、息をしている。
 ジジジジジ……ピンクローターの音だけが、暗やみを満たしていく。
「のぞき見をしてたの?」
 背中に声をかけられて、あやうく心臓マヒを起こすところだった。美竹さんの声。
「あ、ええと……ごめんなさい」
 弁解のしようもないので、とにかく謝った。
 あれ……?
 美竹さんの下腹部にあったハート形の絵が消えている。乳首も光っていない。
「とにかく、入りなさい」
 肩をつかれて足をもつらせながら、美鈴ちゃんの部屋に転げ込んだ。
「均お兄ちゃん……?」
 美鈴ちゃんが身を起こして、僕を見た。ちっともおどろいているように見えない――のは、興奮の余いんで思考停止してるんだろうか。
「まずいところをみられちゃったね」
 美竹さんが後ろ手にドアを閉めてから、部屋の奥へ僕を追いつめる。
「お父様に告げ口されたら、わたしたちお仕置きされる」
「僕……告げ口なんか、しません」
「その代わりエッチなことをさせろなんて、おどすつもりかな?」
「そんなひきょうな真似はしません」
 美竹さんとエッチなことをするなんて、おそれ多い。そりゃまあ、してみかくないこともないけど。美鈴ちゃんは子供だから対象外……と言えなくなってきてる。
「口約束なんか、あてにならないわ」
 じゃあ、どうしろっていうんだよ。
「あたしたち、すっぱだかなのよ。恥ずかしいじゃないの。均くんも脱ぎなさい」
 どうして、そうなるかな。もしかして強引にエッチなことをさせて、それで口ふうじとか?
 頭の片すみでそんなことを考えながら、僕の手はパジャマのボタンを外しにかかっていた。エッチな期待からじゃない。美竹さんの言葉には、文句をいわせないひびきがこもっていた。伯父さんが命令するときと同じひびきが。
「それも脱ぐのよ」
 ブリーフにも容しゃなかった。
 両手を腰に当てて仁王立ちの美竹さんの前でチンチンを手でかくすのは、かえってみっともないかな。判断に迷う以前につき飛ばされて、僕はベッドにあお向けにころがっていた。
「美鈴、押さえといて」
 それまでの放心がウソのように美鈴ちゃんがはね起きて、僕におおいかぶさってきた。
 押しのけようと思えば出来なくはないけど、何をされるんだろうって(エッチ方面をふくめた)好奇心もあったので、僕はじっとしていた。
 美竹さんが僕の腕を頭上へ引っ張って、幅の広いベルトを巻きつけて金具で留めた。足も同じようにされて――僕は大の字にハリツケられてしまった。
「……ワナだったんだね」
 さすがに気づいた。
「なんのことかしら?」
「こんなしかけを準備して……最初から、僕をこうするつもりだったんでしょ」
「ちがうわ。こう束具は、元からあったものなの。わたしたちへのお仕置きとかごほうびのためにね」
「…………?」
 美竹さんの言い方だと、伯父さんの仕業に聞こえる。
「そうね。最初はごほうび……とは、ちがうけど。楽しい秘密を共有しましょうか」
 美竹さんも(はだかのまま)ベッドに上がってきた。また、お腹のハート形が鮮やかにかがやいて、乳首とクリトリスが光っている。
 僕の視線に気づいて、美竹さんがふくみ笑いをした。
「これ、きれいでしょ。し外線で光るタトゥなの。美鈴、ブラックライトを消して」
 美鈴ちゃんがかべ際へ行スイッチを操作すると――部屋が真っ暗になった。ので、これまでは家具の輪かくが判別できる程度の青白い照明が点いていたんだと分かった。家具が暗やみに沈むと同時に、美竹さんの身体も黒い影だけになった。
 天井のシーリングライトに豆球が点灯して、僕をまたいで立ちはだかっている美竹さんのヌードが、はっきり見えるようになった。ハートだけが見えない。何かぬっているようにも見えないし、傷なんかも無かった。
 豆球が消えて、またかすかな青白い光がどこからともなく差すと、美竹さんのヌードが色彩の無いシルエットになって、ハートとみっつの点があざやかにうかび上がった。
「なんで、そんな模様を……もしかして、伯父さんが?」
 タトゥってイレズミのことだよね。難しい技術がいるんだから、美竹さんが自分でほどこしたとは考えにくい。
「そうよ。UVタトゥなら目に見えないから、体育の着替えも修学旅行も問題ないの」
 前半の質問には答えてくれてない。重ねてたずねようとしたけど……。
 美竹さんが腰を落として、僕の太ももの間にお尻を落とした。
「美鈴から聞いていたけど……小さいのね」
 くくくっと、笑われた。ますます縮かんじゃう。
「しかも、まだ出ないんですってね」
「…………」
 屈じょく。サッカー部の1年生には、まだのやつもいるから、先輩にからかわれても平気だ(と、自分に言い聞かせられる)し、美鈴ちゃんに言われたときはショックだったけど、元々口が悪いし意地悪を言ったんだと後で思い返して立ち直れた。でも、美竹さんに男として認めてもらえないってのは……
「でも、その分長く遊べるかな?」
 美竹さんが手をのばして――チンチンをにぎった。くにくにと、皮ごと先っぽをこねくる。細くてやわらかい指は、塩田先生とは大違い。温かい綿菓子にくるまれて、その綿菓子がくにゅくにゅ動いてる。そんな感じ。オシコをちびるみたいな感覚が、チンチンの先に向かって走る。
 なのに、ちっとも固くならない。女神様の前にチンチンがひざまずいちゃってる。
「美鈴にイタズラされてもボッキするくせに……わたしって、そんなにみ力が無いのかな」
 逆です。あり過ぎて、おそれ多いんです。
「これなら、どうかな?」
 玉をくすぐられた。こっちは、くすぐったいだけ。
「あたしも手伝う」
 美鈴ちゃんが、僕の胸に後ろ向きに乗っかった。
 目の前で小さなお尻がふにゃっとつぶれて――鏡モチみたい。
 美鈴ちゃんが上体を倒して……うわわ!
 チンチンが熱くなった。にょるんにょるんと……なめまわされてる。だけじゃない。
 美鈴ちゃんの背中が上下に動き始めた。それに合わせて、にょるんにょるんが激しく動めく。フェラチオなんて、だれに教わったんだろう。
 ちゅぱじゅぷ、ずちゅううう……なめるだけじゃなく、すすったりもしてる。塩田先生より、ずっと上手だ。
 まさか、伯父さんが教えたんじゃないよね。この家族、お仕置きに鞭とか、サドマゾみたいなことをしてるけど……思い出した。美鈴ちゃんのバージンを誕生日に伯父さんにささげるとか、そんなことを言ってたっけ。
 思い出したとたんにボッキした。
「やっと大きくなったわね。でも……ふうん?」
 鼻で笑われた。のど、また縮かんでしまう。
「美女がふたりがかりでサービスしてるのに、これってぶじょくよね」
 美鈴ちゃんにまで愛想をつかされた。
「こんなブタのシッポみたいなの、オチンポ様って呼びたくないな」
「あら。適性サイズだって言ってなかった?」
「うぐ……遊ぶのに都合がいいって思っただけ。こんなのじゃ、あたしのご主人様になってほしくない……かな?」
 美鈴ちゃんがベッドから下りた。
「こんなの、せいぜいペットとして飼うくらいのものよ。それならそれで、厳しく仕付けしてやらなくちゃ」
「そうかもね。わたしたちを支配するより、支配されるほうがふさわしいかな」
 話の流れがよく理解できないけど。ボロクソに言われてるのは分かる。
「あら……大きくなった?」
 美竹さんの言う通り。女の子ふたりにバカにされて、僕のプライドは傷ついたのに、チンチンが(すこしだけ)固くなった。
「もしかして、この子、マゾかな」
 美竹さんが、デコピンの形にした指をチンチンに近づけて――ピシッと弾いた。
「いたい……」
 たいしていたくなかったけど、そう言わなきゃ申し訳ないような気がした。
「いたくても気持ちいいでしょ?」
「気持ち良くないよ。僕はマゾなんかじゃない」
「そうかな?」
「ねえ、これ使ってみる?」
 美鈴ちゃんが学習机の引き出しを開けて、小さめのスプレーを持ってきた。暗がりの中でも、カンの形でエアーサロンバスだと分かった。運動部御用達の筋肉消えんつう痛材。
「くふふ……美鈴て、意外と残こくね」
「そうかなあ。あたしは、これ好きだけどな」
「なに言ってるの。ひと晩じゅう泣きわめいていたくせに」
「わめいたりはしないよ。ボールギャグで口をふさがれてたもん」
 なんだかすごいことを、楽しそうに話してる。
「まあ、いいか。実験してみましょう」
 美竹さんの許しを(僕のは?)得て、美鈴ちゃんが僕のチンチンにスプレーを近づけた。
 プシュウウウ……
「皮をむいてキトウにもかけてあげなさい」
「うわあ。お姉ちゃんこそ残こくだ」
「じゃあ、クリトリスの包皮だけで美鈴は満足できるの?」
「それも、そうだね」
 美鈴ちゃんは無雑作に(慣れた手つきで)チンチンの皮をむき下げると、そこにまたスプレーをふきかけた。
 ひんやりして気持ちいいかな。気持ち良すぎて、チンチンがリラックスしちゃう。
 なんてノンキに構えてられたのは数十秒だけ。チンチンの表面はすずしいんだけど、内側からじんわり熱くなってきた。熱いだけじゃなくて、無数の針をつきさされるみたいないたみがあった。
「美竹さん……これ、いたい。ふき取ってください」
 いつもよりていねいな言葉使いになってる。お願いするんだから、当然だね。
「もう手おくれね。中まで染み通ってる。クリトリスよりは鈍感だから、数時間で楽になる……と思うわ」
 熱いのといたいのが、どんどん激しくなってくる。そして……
「あらら。美鈴がフェラしてたときより大きいんじゃない?」
 ガチガチにボッキして、ドクンドクンと……熱いのといたいのも脈打ってる。
「いたくされてボッキさせるなんて、やっぱり均くんはマゾだったのね」
「ちがう。美竹さんだって、寒いと乳首が飛び出すでしょ。同じ原理です」
「へええ。どうして、そんなことを知ってるの?」
「まだブラジャーを着けてない子も多かったから、冬の体育で」
「ふうん。そんなに、女の子のお乳ばかり見詰めてたんだ。均くんて、エッチなんだ」
「…………」
 墓穴をほってしまった。
「ごめんなさい。もう許してください」
「なにが、ごめんなさいなの?」
「美竹さんと美鈴さんが、ええと……エッチな遊びをしてるところを、のぞき見しちゃって……伯父さんに言いつけたりはしないから、もう許してください」
「そうよね。スプレーされて、ものすごくいたいのに、チンチンを大きくしましたなんて、とても言えないわよね?」
「…………」
 とつぜんにアマノジャクな考えがうかんできて、僕はだまり込んだ。
 美竹さんの言うことなら、なんでも聞いちゃう。というのが、僕の本心だけど。こんなことをしないで、単純にお願いしてくれたんだったら絶対に秘密は守ってあげるけど。僕の弱みをにぎって、それと引き換えに――なんてのは、不純だ。
 もしも、僕がイエスって言わなかったら、美竹さんはどうするんだろう。もっとエッチなことか、いたいことをしてくれるんだろうか。
 じゃない、じゃない。「してくれる」じゃない。「される」のまちがいだ。
 おしとやかで優がなのに、セクシーな衣装で僕をからかったり、こんなふうにいじめたり、伯父さんにメコ筋を鞭でたたかれて泣いたり、ほんのちょっと位置をずらしたクリトリスではアクメに達したり、妹とエッチな遊びをしたり――美竹さんがどういう人なのか、さっぱり分からなくなった。美竹さんを困らせたら、奥底にかくしている正体を見せてくれるんじゃないだろうか。
 それに。美竹さんにだったら、どんなにいたいことをされてもがまんできる。それどころか、もっとボッキしてしまうかもしれない。
 あわわ。上の文章は取消!
 そうじゃなくて、好きな人になら何をされてもうれしい……というのも、マゾなのかな。つまりやっぱり、僕って変態なんだろうか。
「どうして返事をしないの?」
 美竹さんに問いつめられて、僕は決心した。
「やっぱり……こんなのって、いけないことだと思います。伯父さんに何もかも打ち明けたほうがいいんじゃないかな。僕もいっしょに罰を受けます」
 もちろん、言ってみただけ。伯父さんに言いつけたりはしない。
「そう。それじゃ、しかたないわね」
 美竹さんは、びっくりするくらいあっさりとあきらめた――んじゃなかった。ベッドのすみにまるめてあるパジャマの中からパンティを取り出して、手の中で小さく丸めた。
「最初はサービス。はい、お口をアーンしてちょうだい」
 伯父さんのセッカンを見ているから、美竹さんの意図はすぐに分かった。美竹さんのパンティを口に詰め込まれるなんて……光栄てのとは、ちょっとちがうけど。うれしくないこともないなんて思っちゃいけないんだろうけど。
「…………」
 どうせなら、とことんアマノジャクになってやれ。歯を食いしばるくらい強く、口を閉じた。
「おバカさんね」
 ぼすん……お腹にエルボーを落とされた。
「うぐっ……」
 半開きになった口にパンティを押し込まれた。
「はい、お姉ちゃん」
 美鈴ちゃんも自分のパンティを丸めて美竹さんに手渡して――それもおし込まれた。
 はき出そうとしても、舌をうまく動かせない。もたついてるうちに、口にガムテープをはられてしまった。鼻で息はできるけど、まったく声を出せなくなった。
 美竹さんは、さらにガムテープを30センチくらいに切って――僕の目の上にはりつけた。念には念を入れて、おでこから鼻の上まで3枚をはり重ねた。
 何をされるのかが、まったく分からない。すごくこわい。だけど、いとこ同士だよね。大ケガをさせられたりはしないよね。だったら、僕も男だ。いくら年上だからって、女の子のするイタズラ(それともゴウモン?)くらい、たえてみせる。
 ……………………
 ………………
 …………
 ……いつまで経っても、ふたりとも僕にさわろうともしない。
 部屋から出て行った気配は無かったから、僕の反応を観察してるんだろうか。それとも、足音をしのばせて――にしても、ドアの音も聞こえなかったし。
 30分くらいも経っただろうか。いきなり耳元にささやかれた。
「ほんとは耳も聞こえなくするんだけど。見えないだけでも、時間感覚が変になるでしょ。まだ5分しか経ってないのよ」
 まさか、このまま朝までほっとくつもりなのかな。それくらいなら、鞭でもビンタでもいいから、ボロボロにしてくれたほうが楽かもしれない。
 さわわわわっと、何かが足の裏をくすぐった。腰のあたりまで、くすぐったさが走った。
「んんんっ……?!」
 大の字にされて無防備になっている脇の下を、左右同時にくすぐられた。びくんびくんと背中がけいれんするほどのくすぐったさだった。
「んんん、んんーっ!」
 身体をよじってのがれようとしたけど、ムダなあがきだった。
 脇の下に加えて乳首までくすぐられる。もだえ死んでしまいそう。
 これ、絶対に指じゃない。もっとやわらかくて、くすぐられる範囲も大きくて……ペンキぬりの刷毛とか、もしかしたらホウキかもしれない。正体が分からないから、よけいにくすぐったい。
 乳首への攻げきがなくなったと思ったら、今度は内ももをくすぐられる。そこからさかのぼって、ソケイ部も。でも、チンチンと玉とアヌスは、なぜかくすぐられない。
 くすぐり攻めは何時間(実際には数分かもしれない)も続いて。ようやく許してもらったときには、くすぐられていないのにピクピクと全身のケイレンが止まらなくなっていた。
「んんっ……?」
 チンチンの皮をむき下げられて。
 プシュウウウ……またスプレーをふきかけられた。チンチンだけじゃなくて、玉ぶくろにもアヌスにも。身体の下側になっている部分には、どうやってスプレーしてるんだろう。害虫く除のスプレーに付属してるような細いストローでも使ったんだろうか。どうでもいい疑問。
 またくすぐられるのかと思って身構えていたけど、いつまで経っても始まらない。
 チンチンも玉ぶくろも、熱いしいたいし。アヌスがそれほどでもないのが、わずかな救いかな。チンチンに比べたらというだけで、アナルバージンを塩田先生にうばわれた(のか、ささげたのか)ときよりもつらい。
 さっきのはウソです。告げ口なんかしません。だから許して――そう言いたくても、声を出せない。もしかしたら、これは残こくなじ悲なのかもしれない。朝まで許さないという残こくと、わめき続けてのどが破れないようにという慈ひと。
 完全な暗やみの中に放置されて。いたくて熱いのに、だんだん意識があいまいになっていく。
 ……
 …………
 ………………
 ……………………
「む゙ゔゔゔゔーっ?!」
 一気に目が覚めた。またくすぐられている。しかも今度は、チンチンへの集中攻げき。いたいのも熱いのも消し飛んで、とにかくくすぐったい。腰が勝手にびくんびくんとはねる――のだけど、強い力でおさえ込まれている。美鈴ちゃんがくすぐって、美竹さんが馬乗りになっている?
 鼻だけで息をしても追いつかないくらいに呼吸が荒くなって、酸欠で頭がかすんでくる。
 それが(僕の時間感覚では)何十分も続いてから。
 プシュウウウ……スプレーをふきかけられて、また一切の物音が消えた。
 こんなことを夜通し続けるつもりなんだろうか。明日の朝は寝ボウするよ――なんて、ふたりのことを心配してる場合じゃないのに。

 ガムテープの目かくしをはがされたときは、ほんとうに朝になっていた。人生でいちばん不快な目覚めだった。
「さあ、何か言うことはあるかしら?」
 大の字ハリツケからも解放されて、でも大の字のままベッドの上で気息エンエンの僕を見下ろして、美竹さんがほほ笑んだ。
 僕はベッドから下りようとして、足をもつらせてゆかに転がり落ちて。そのまま土下座してしまった。二度と、こんな目にあいたくなかった。
「ごめんなさい。伯父さんにも伯母さんにも、絶対に何も言いません。だから許してください」
「へへん。分かればいいのよ」
「こら、美鈴。年上の男性に向かって、その言い方はないでしょう。ニチジョウとアイジョウのけじめは、ちゃんとつけなさい」
 日常と愛情かな。昨夜のゴウモンは愛情だった……なんて、ことはないと思う。
「それじゃ、昨日のことは、おたがいに何もかも忘れましょうね。もう、あんなひどいことは二度としないから」
「均お兄ちゃんが素直にしていてくれたらね」
「こら。そういうのはダメだって言ったばかりでしょ。美鈴はもちろん、わたしだって二十四時間のアイジョウ生活は早すぎるんだから」
 何がなんだかわからないけれど、次の日にはとりあえず日常がもどってきた。なぜ、その日のうちじゃないかというと――夕方までチンチンがいたかったから。夜にシャワーを浴びたときは、皮をむいた白いオカラみたいのがぼろぼろこぼれた。こんなのって、小学校低学年のときに一度経験しただけ。それ以来、ちゃんと洗うようにしてる。1日で数週間分のアカ。きっと、表面のねんまくが、まるまるはがれたんだろう。ひと皮むけたってとこかな。でもヘビとちがって、脱皮しても本体は成長してなかった(しょぼん)。
 いちおう日常はもどってきたけど。美竹さんが言うアイジョウってやつも、それからも何度か繰り返された。約束通り、二度と『あんなひどいこと』はされなかった。『こんなひどいこと』や『そんなひどいこと』は、されたんだけど。
========================================

 この作品で何をいちばん苦労してるかというと、実にBFです。原図です。
 女神様も王女様も、エロいコスプレがありません。
 伸長さのあるロリドル2人の水着画像もありません。
 考えるに。W美姉妹を女神様と王女様だと思っているのは、(下)僕クンだけです。本質は……こんなじゃないでしょうかしら。


ざんていすぎる

DLsite アフィリエイト キーワードは「女神」です。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 2:女神様と王女様と、いとこの(下)僕

 順調に進んでいます。とはいえ、3/31~4/16で6万文字=180枚。第1稿執筆だけで1日10枚。校訂や装丁を考えると、年間3600枚の目標を下回っています。チンチンに鞭100発(本文参照)。死にます。

 あらためて全体の章立てを書きますと。

伯父の家に  - 2 -
従妹と入浴  - 6 -
入部の儀式 - 12 -
従姉の悪戯 - 16 -
土曜の特訓 - 21 -
メコ筋に鞭 - 31 -
アナル快感 - 46 -
口封じの夜 - 55 -
夜のお散歩 - 73 -
真夏の幻想 - 80 -
SMショー
僕の初舞台


 数字は、40字×25行での出来高です。
 前半の各章が少なく、後半で盛り上がっています。良い傾向です。


 本文中では「僕」の期末テストが終わった時期に、美竹&美鈴の中間テスト結果が判明しています。これは、二人が2学期制の私学に通っているからです。いや、PLOTを固めた後で、テスト時期の矛盾に気がついて、あわててそういう設定にしたのです。書きながら設定を付け加えていくということをやっていくと、どこかで破綻が生じます。創作を志す方は他山の石です。

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メコ筋に鞭

ばすたおる    僕のほうの期末テストが終わった日。夕食のときから、なんとなく重苦しいふん囲気だった。とくに美竹さん。相づちを打ったり機転の利いた受け答えはするけど自分から話題を振ったりはせず、少量ずつ口に運んではていねいにモグモグ――は、いつもと同じだけど。今日はおしとやかて感じじゃなくて、何かにおびえてるみたいな印象だった。
 伯父さん&伯母さん、僕、W美姉妹の順におフロを使って。
 蒸し暑いので、僕はパジャマのズボンとTシャツ。伯父さんはパジャマの上を着ずにバスローブ、伯母さんはバスローブをきっちり身体に巻き付けて――ネグリジェがまったく見えていないから、もしかするとパンティだけかもしれない。なんて、フラチな想像もチラチラ。
 だって、漢字で書くから伯母さんだけど、小母さんでもオバサンでもなくてオネエサマあたりがふさわしい。とても母さんと同い年には見えない。フィットネスで引きしめてエステでみがいてる玉物だ。
 それを言うと。伯父さんは8才も父さん(母さんの1コ上)と離れてて、見た目もそれくらいだけど、伯父さんのほうがパワフルに感じられる。体格とかじゃなくて、何て言えばいいのかな。僕たちの祖父の後を次いで、当時は小さな会社を切り盛りしながら、まだ大学生だった父さんを卒業まで面倒見てくれた生活力かな。会社の名前は創業当時をしのんで変わっていないけど、雑貨品の輸入会社を総合商社まで発展させたのも、伯父さんの力量――と、父さんも伯父さんを尊敬している。
 なんて、必死に伯母さんの胸元から目をそらせてると。W美姉妹も、おフロから上がってきた。
(…………?)
 美鈴ちゃんは、いつも通りに可愛いネグリジェだけど。美竹さんは素はだにバスタオルを巻いただけのアラレもセンベイもない(ショックをギャグで和らげてる)姿。美鈴ちゃんがポニテをほどいて長い黒髪を垂らしているのとは対照的に、髪はきっちりツインテにまとめている。
 いつもの、僕をからかうセクシー衣装(?)かなと疑ったけど、やっぱりふん囲気が違う。との様の前にかしこまる家来みたいにきちんと、2人がけのソファーの前に正座した。
 美鈴ちゃんはいつも通りに、3人がけのソファーで僕の横。いつもと違うのは、30センチほど身体を離してるとこ。
「さて、中間試験の結果について、報告を聞こうか」
 うわあ、厳しい。僕も……1週間後には、ひ告席に座らされるのかな?
「現代国語は97点、古文は93点、数学は75点……」
 美竹さんて優等生なんだ。理系が、ちょっと弱いかな。といっても、平均値上下の僕とはダンチ。さすがは女神様。なのに、美竹さんの声は震えてる。
「主要5教科の合計で415点。お父様と約束した450点には届きませんでした」
 90点平均が目標!
「へん差値は55でしたから、60には5ポイント足りていません」
「すると、罰はどうなるのだったかな」
 美竹さんの返事は、『入部儀式』でフルチンを命じられたときの百万倍もショックだった。
「お尻に35発の鞭と……メ、メコ筋に5発です」
 鞭だって……?!
 メコ筋って、つまり、女の子の縦スジだよね。初めて聞く言い方だけど、すごくエッチだ。美竹さんがそんな言葉を使うなんて……でも、恥ずかしそうに口ごもってた。そういう言い方をするように言いつけられてるのかもしれない。
 だけど、女の子だって急所のはず。金けりとどっちが痛いんだろう。
「罰を受ける準備をしなさい」
「……はい」
 僕がまん丸に見開いている目の前で、美竹さんが立ち上がった。こんなときでも優がな仕草でバスタオルをはぎ取って、また正座してからたたんだ。改めて立ち上がると、伯父さんたちに正面を向けたままパンティまで脱いだ!
 美竹さんのヌードを見るのも5年ぶり。美鈴ちゃんとの5年ぶりは平気だったけど、美竹さんとの5年ぶりは、ひと目見たしゅん間から心臓がドギマギ。そして、いきなりの展開に、僕は固まってしまった――から、視線も動かせなくなった。ということにしとく。
 グラビアアイドルのオールヌード(なんて見たことないけど)。形良く半球形に盛り上がった乳房も、白い下腹部も――何もかもが、シャンデリアのきらめきの下にさらされた。下腹部に黒い陰りは無かった。そういう体質なのか、オシャレで手入れしてるのかは分からない。
「はしたない声を出せないようにしてもよろしいですか?」
「ふん。均くんに聞かれるのは、恥ずかしいか」
 いきなり名前が出てきて、僕は我にかえった。
「あ、あの……僕、部屋へもどります」
「ここに居なさい」
 美竹さんに対するよりもずっと厳しい声で言われて、うかしかけていた腰が、ストンと落ちた。
 ななめ横であたふたしてる僕は無視して、美竹さんは脱いだばかりのパンティを丸めて口につっ込んだ。声を出せなくするそく席のサルグツワだ。
 それから。部屋のはしまで行ってから後ろ向きになって、両手を頭の後ろで組んだ。そのまま動かない。
 伯父さんが立ち上がった。不意の動作にビクッとしたのは僕だけだった。伯父さんは広いリビングを横断して。これまで(すくなくとも僕は)開けたことのない戸だなから鞭を取り出した。サーカスでライオンやトラをおどすときとか、洋画の時代劇で奴隷に使う、細長い鞭。何重にも巻かれているのを延ばすと、2メートル以上になった。
 美竹さんの2メートルくらい後ろに伯父さんが立った。
「均くん」
「は、はいいっ」
 名指しされて、返事の声が裏返ってしまった。
「鞭打ちの数を数えてやりなさい」
「え……あ、はい」
 人に命令するのに慣れた声。僕は逆らえなかった。ふたりが立っているのに僕だけが座っているのは横着に思えたので、僕も立ち上がった。
しん判みたいな位置取りがいいかなと考えて、ふたりの中間に、鞭が振るわれる空間をさけて立った。そして……伯父さんをななめ前から見て、気づいてしまった。伯父さんのバスローブが、はっきりと盛り上がっている。実の娘のはだかを見て、エッチな意味で興奮してるんだ。
「始めるぞ」
 ひゅんっ……バチイン!
 思っていたよりも大きな、お尻をたたく音。びくっと、身体がすくんでしまった。
「早く数えてやりなさい」
 うながされて、我に返った。
「あ、ひとつ……です」
「しっかり数えなさい。きみが間違えると、最初からやり直しになるよ」
「ええっ……はい」
 ひゅんっ……バチイン!
「ふたつ!」
 さけんでいた。僕がオタオタビクビクドギマギしているのに比べて、美竹さんは平然と(ではないと思うけど)たえている。うめき声ひとつもらさない。
 ひゅんっ……バチイン!
「みっつ」
 ひゅんっ……バチイン!
「よっつ」
 ひゅんっ……バチイン!
「いつつ」
 美竹さんのお尻に、真っ赤な筋が刻まれていく。鞭の先がドングリみたいにふくらんでいるから、はだを切りさかれることはない。その代わり、痛みは大きいんじゃないだろうか。
 ひゅんっ……バチイン!
「にじゅうさん」
 ひゅんっ……バチイン!
「にじゅうよん」
 伯父さんはフォアハンドとバックハンドを使い分けて、左右のお尻を均等に鞭打っている。上下にも意図的に散らしている。ダメージの集中をさける配りょだろう。
 美竹さんのお尻は全体が真っ赤に染まっている。
 ひゅんっ……バチイン!
「さんじゅうご!」
 全身から力が抜けて、へたり込みそうになった。のを、ふん張ってこらえた。鞭打たれた美竹さんがしゃんと立っているのに、みっともない真似は出来ない。
 これで罰は終わり――じゃなかった。
「次はへん差値の罰だな。正面を向きなさい」
 ぐらっと美竹さんの身体がゆれた。のろのろと向きを変える。頭の後ろで手を組んでひじを張り、背筋をのばして両足を50センチほども開いた――のは、メコ筋を打たれ易くするためだろう。でも、全身が小刻みに震えている。
「伯父さん……」
 他人の家の教育方針にコドモの僕が口出しするのは生意気だけど、だまってられなくなった。
「テストの成績が悪かったからって、女の子のいちばん大切なところを鞭でたたくなんて、ひど過ぎると思います」
 美竹さんが心配そうな目で僕を見た。けど、伯父さんは怒ったりしなかった。
「均くんは感違いをしているね。第一に、このペナルティは美竹自身が申し出たものだ。試験の目標もね」
 特効隊員は自発的な志願を強制されたって、何かで読んだことがある。
「そしてもっとも覚えておいてもらいたいのは、美竹がこのペナルティを喜んで受け入れているということだ」
「……喜んで?」
 伯父さんが美竹さんに(キスできるくらいまで)近寄った。鞭を左手に持ち変えて、右手を美竹さんの割れ目にのばした。美竹さんのは美鈴ちゃんみたいな一本スジではなくて、貝の足のようなものが……今は、そんなびょう写をしてる場合じゃない。
 美竹さんはにげない。伯父さんの指が、陰りの無い割れ目につき立てられた。だけでなく、ぐりぐりと中をかき回した。
 伯父さんは指を抜いて、僕の鼻先につきつけた。ねばっと濡れていた。
「これがどういう意味なのか、均くんでも知っているんじゃないかな」
 知らない。傷口をいじったら、こんなジュクジュクした液が出る。伯父さんの指で(たぶんツメ先で)中が傷ついたんだ。
「知らないみたいだな。まあ、いい。本人の口から聞いてごらん」
 伯父さんは美竹さんの口に(メコ筋に入れたと同じ)指を入れて、パンティを引っ張り出した。
「父親にセッカンされて、美竹はどう思っている?」
 美竹さんはチラッと僕を見て、すぐに目をふせた。
「喜んではいません。でも、自分で決めた目標を達成できなかったのですから、自分で自分に罰をあたえないといけません。お父様の手をわずらわせて、申し訳なく思っています」
 ほんとは違うことを言いたいけど、伯父さんに(それとも僕に?)えんりょしてる。そんな印象を受けた。
「メス穴をいやらしく濡らしているのは、なぜだ?」
 メスあな……すごくヒワイ(エッチとは違う)な言い方だ。父親が娘に向かって言う言葉じゃないと思う。
「それは……メコ筋に鞭をいただくのはとてもつらいので、すこしでも痛みをやわらげようとして、自然と身体が反応しています。条件反射です」
「語るに落ちたな。メコ筋打ちにヨダレをこぼすまでに条件付けされていると認めたのだぞ」
「…………」
 美竹さんは、きみょうな目つきで伯父さんを見上げた。うらめしそうな眼差し――という表現が当たっているかもしれない。
「均くんへのレクチャーは、ここまでだ。メスあなが熱いうちに鞭をくれてやる」
「はい……ありがとうございます」
 美竹さんは口を引き結んで、ぐっと腰をつき出した。
 伯父さんが右手に鞭を持ち変えて後ろへ下がった。ひゅんっと鞭をゆかにはわせて――真重にきょりを調整している。
 娘が父親に残こくなセッカンをされて、母親は平気なんだろうか。2人がけのソファーを振り返って、僕はまたおどろいた。なんてもんじゃない。クリビッテンギョーだ。しつこいけど、ショックをギャグで和らげてる。
 いつの間にか美鈴ちゃんが伯母さんの横に座っていた。顔を伯母さんの胸にうずめている。お姉さんがひどい目に合っているのを正視できない――んだろうけど。伯母さんの手が美鈴ちゃんのネグリジェのすそを割って、かぼちゃパンツみたいなズボンの中に差し入れられていた。またのあたりで、もごもごと動いてる。これって、スジをいじってる――エッチな言い方をすると、愛ぶしてる。
 美鈴ちゃんは、いやがってない。どころか、伯母さんのバスローブの中に手を入れて、やっぱり下半身をま探っている。
 いったい、父親といい、母親といい……
「きひいいいっ……!」
 かん高い悲鳴で思考がくだけ散って。美竹さんに視線をもどすと――腰を引いてももを閉じ合わせていた。僕が目をはなしているうちにセッカンが始まっていたんだ。
 伯父さんは鞭を垂らしたまま、美竹さんがもだえるのを無表情にながめている。
 美竹さんが姿勢を立て直した。両足を開いて腰をつき出して――ゆかに垂れている鞭を見つめた。
 鞭がゆっくりと後ろへ引かれて。美竹さんがくちびるをきゅっと引き結んだ。
 伯父さんの右うでが動いて……ヒュンッ、パシン!
「きひいいっ!」
 鞭の先がメコ筋に食い込んだしゅん間、美竹さんの口から可愛い悲鳴がほとばしった。反射的に腰を引いて、ももを閉じ合わせて、いたみにもだえている。
 5秒ほどで、美竹さんが姿勢を立て直して。すかさず3発目が打ち込まれる。
「くううっ……」
 今度は低くうめいただけで、姿勢もくずさなかった。
 4発目も同じくらいに軽い。伯父さんもかわいそうに思って手加減したのかな――なんて、とんでもなかった。
 しゅんんっ、バチイン!
 お尻をたたいていたときと同じくらいの大きな音。
「ぎゃああっ……!」
 美竹さんがさけんだ。がくっとひざがくだけて……でも、ふん張った。頭の後ろで組んだ手も、そのままだった。
 たっぷり10秒くらいは中腰の不自然なポーズでもだえていたけれど。ついに、元の姿勢にもどった。
「ありがとうございました、お父様」
 そう言うように仕付けられているんだろうけど、不本意にではなくて、ほんとにそう思っているように聞こえた。
「良くがんばったな。均くんに無様な姿は見せられんといったところか」
 え? それって、どいう……?
「だがワシとしては、均くんにメスの本性を見せつけて、男は女をいかにあつかうべきか教えてやる義務がある」
 また僕が引き合いに出されたけど――伯父さんの言っている意味が、さっぱり分からない。
「わずか5発とはいえ、最後まできちんと罰を受けたのだから、ホウビをやろう。クリ打ちも5発だ」
「いやです!」
 初めて美竹さんが取り乱した。
「均くんに見られるのは、いやです。均くんを部屋へ帰してください」
「ダメだ。いつからおまえは、ワシの命令に逆らえる身分になったんだ?」
「……ごめんなさい。お父様の思うようになさってください」
 美竹さんが、いっそうピシッと背筋をのばした。
 ひゅうん、バッシイイン!
 それまでより1歩くらい近い位置から伯父さんが水平に振るった鞭は、美竹さんの左右の乳房を同時になぎはらった。
「きゃああっ……」
 お尻に刻まれていたよりも太い筋が乳房に走った。鞭の中間あたりから先までが当たったんだ。
 ひゅうん、バッシイイン!
 ひゅうん、バッシイイン!
 ひゅうん、バッシイイン!
 それからの立て続けの3発には、美竹さんは無言だった。最初の悲鳴は、不意打ちへのおどろきだったんだろう。イスに画ビョウがあるのを知らないで座ったら飛び上がるけど、ずっといたいはずの注射はやせがまんできる。
「今のは、ワシに逆らおうとした罰だ」
 おじさんがまた鞭をゆかにはわせて、メコ筋打ちのとき以上に真重に間合いを決めた。
 そうか、『クリ打ち』だ。クリというのはクリトリスのことだろう。女の子のスジの上はしには小さなチンチンみたいな出っ張りがかくれていて、そこをさわるとすごく気持ちいいらしい――悪友から聞いたウワサはガセネタじゃなかったみたいだ。
 え……あれ?
 美竹さんの縦スジからちょこっとはみ出ていた貝の足みたいなビラビラが、大きくなってる。それと……ビラビラのはしっこに、真っ赤な宝石みたいなイボが見えている。もしかして、あれがクリトリスかな。ビラビラが貝の足みたいに見えるせいで、マテ貝を連想しちゃった。
「いくぞ……」
 伯父さんが、ソフトボールの投球みたいな感じでうでを動かした。風切り音も無く鞭がゆっくりとゆかすれすれを走って、美竹さんの足元で上にはねた。
 空振り……と、思ったけど。
「ひいいいいっ……」
 かん高い悲鳴。これまでのようなばく発的にはき出す悲鳴ではなくて、鼻に抜けるような後を引く鳴き声だった。
「あああっ……」
 これまでの激しい鞭打ちに気然と立ち続けていた美竹さんが、両手でまたを押さえて、ゆかにひざを着いた。
「まだアクメには達しておらんはずだ。立たなくていいから、手をどけろ」
 美竹さんが、おずおずと両手を広げて、頭を反らせた。
 音も無く鞭がゆかをはって、正確にクリトリスを打った(んだろう)。前屈みになっているお腹をこすって、最後は鞭の先がゆう導ミサイルみたいに左へ曲がり、乳首をはじいてななめ上へ抜けた。ねらった通りの動きだとしたら、すごいテクニックだ。
 それだけ年季が入ってる。ということは……美竹さんは何年も前から、鞭打たれてきた?
「あうう……」
 美竹さんは、またを押さえていない。両手で乳房を……もぎ取るみたいに激しくこねくっている。
 しゅうんん、バチイン!
 鞭がメコ筋に食い込んだ。そのままはね上がって、鞭の先のドングリが真っ赤な宝石を打ちすえた。
「ぎゃはあっ……!」
 美竹さんが、のけぞった。尻もちをついて、かべにもたれかかった。快感のさ中に激痛をあたえられた反応だと、僕にも分かった。
 美竹さんは尻もちをついたまま、足を開いている。
 そこをねらって鞭が、上からたたきつけられる。最初に見たときの3倍くらいに大きくなっていたクリトリスがひしゃげて……
「ぎゃわああっ……いいいい、もっと……ください」
 僕は自分の耳も目も信じられなかった。優がで清そな(セクシー衣装のイタズラで、最近は印象が割り引かれてるけど)美竹さんが、女の子のいちばんびん感なところを鞭打たれて、快感にもだえている。美竹さんって、マゾだったんだ。
 サドマゾって、ホモ以上にアブノーマルだよね。変態だよね。
 違う。美竹さんはマゾの変態なんかじゃない。きっと、伯父さんがサドなんだ。実の娘を調教するキチクなんだ。でも、マゾに調教された美竹さんは、やっぱり変態……じゃない。ほんとはイヤでたまらなくても、母親まで加担してるから、だれにも救けを求められなくて……僕が救出してあげなくちゃ。
「ああああっ……いいいいい!」
 僕をいっそう混乱させるように、アルトのフォルテッシモが、広い部屋にひびきわたった。

 10分間くらい、美竹さんはゆかにつっぷして快感(?)の余員にひたっていた。美鈴ちゃんは伯母さんのひざの上で抱きすくめられて、指でメコ筋(と、クリトリス?)をいじられていた。
「あんん……ダメえ。みすず、おかしくなっちゃうう」
 舌っ足らずにあえいでるけど、美竹さんみたいにすさまじいもだえ方はしない。まだ性感が未熟なんだ。それとも、伯母さんがコントロールしてるのかな。
 伯父さんは僕と並んで3人がけのソファーで、タバコをくゆらせていた。
「女は、こういうふうにあつかうものだ。家族といえども、いや、家族だからこそだな」
「…………」
 頭のなかがグチャグチャで、相づちも打てない。相づちを打ったら伯父さんの言葉を受け入れたことになる。
「だけど、男女は平等だって習っています」
 なぜ平等かといえば、人間はみんな平等だからだ。
「戦争は絶対的に悪いとだれもが言いながら、現実にはあちこちで戦争が起きている。きれいごとではなく、現実を見なさい」
「…………」
「社会の現実は、強い者が弱い者を支配している。肉体的にも経済的にも弱い立場にある女が男に支配されるのは自然の説理だ。その分、男は女を護り養ってやらねばならん」
 伯父さんは、灰皿にタバコをねじ捨てた。
「二つばかり年上の美竹に手も足も出ず、美鈴にはほんろうされっぱなし。見ていて歯がゆくなってくる。美竹を妻に従えて、美鈴は愛人として飼う。それぐらいのかい性を持ってもらいたいね」
 なんだか、とんでもないことをけしかけられてる。じょう談だろうと思うけど、さっきのセッカンを見てると、じょう談とばかりも言ってられない。
 美竹さんが起き上がった。伯父さんに向かって、きちんと(はだかのまま)正座した。ので、話は立ち消えた。
「お仕置きしてくださって、ありがとうございました」
 三ツ指をついて、頭を下げた。
「うむ。それで、期末テストの目標は、どうするかな」
「はい。今度こそ、5教科450点、へん差値60を目指します」
「達成出来るまで目標はすえ置きか。佐渡家の者が、そんな志しが低くて良いと思っているのか?」
「いえ……」
 美竹さんはうつむいてだまり込んだけど、すぐに頭を上げた。
「460点、へん差値62を目標にします」
「62とは中と半ぱだな」
「……65を目指します」
 これ、美竹さんが自主的に決めた目標っていえるんだろうか。60でも65でも5発しか違わないって、ヤケクソになったんじゃないかな。だけど、メコ筋に鞭だよ。5発と10発の差は大きいと思う。
「罰も同じでは、だれてしまうな。美竹は、そう思わないか?」
 美竹さん、今度はうつむいたまま、いつまでも動かなかった。
「4年生にもなってオモラシをしたことがあったな。あのときは、どんなセッカンをしてやったかな」
「……クリトリスにオキュウしてください!」
 美竹さんは顔をふせたまま、さけぶように答えて――ぶるぶるっと身を振るわせた。チンチンにオキュウをすえられると考えたら、背筋が寒くなった。のに、なぜだろう、チンチンんがすこし固くなった。
「いさぎよいな。しかし、おまえはもう包皮切除をしているからな。本体にケロイドを残してはかわいそうだ。せんねんキュウでかんべんしてやろう」
「ありがとうございます。かん大な処置に感謝いたします」
 美竹さんは額をゆかにすり付けた。
「おいおい……今からセッカン確定みたいにふるまうんじゃない。セッカンをのがれられるよう、死に物ぐるいでがんばりなさい」
 なんて、簡単に言うけど。へん差値65って、上位5パーセントくらい。クラスのトップか次席。だけど、現国が97点。理数系を克服できたら、美竹さんなら届くかもしれない。ちょっとだけ美竹さんがみじめに見えていたけど、やっぱり僕のあこがれの人だ。
「ところで……美鈴の目標は、どうだったかな?」
 いきなりホコ先を向けられて、美鈴ちゃんが伯母さんのひざからずり落ちた。そのまま正座して、ハキハキと答える。
「はい。オール4以上。理科算数国語は5です。自信はあります」
「未達成の罰は?」
美鈴ちゃんが、ちろっと僕を見た。
「おかんちょうを1時間のがまんで、1点につき100㏄です。3教科を落としたら、1点につき1時間の延長です」
 これは、厳しいのかどうか僕には分からない。でも、もしも半数が3で音楽が2だったりしたら(だれのことだったか忘れたよ)、600㏄以上になる。それだけの水を飲むのだってつらいから、お尻から入れるなんて……相当に厳しいのかな。
「アヌスストッパーの世話にならないよう、がんばれよ」
「はあい」
 脳天気な返事で、僕も気が抜けちゃった。でも、アヌスストッパーて何のことだろう?
「よし。美竹への仕置きは、これで終わりだ。夜もふけた。子供は早く寝なさい」
「はあい。おやすみなさい」
「お休みなさいませ、お父様お母様、均くん」
 美竹さんは何事もなかったみたいに、バスタオルを身体に巻いて(パンティは手に持って)リビングから出て行った。いつものように美鈴ちゃんが後を追う。
「どうした。均くんは、まだ寝ないのか」
「あの……僕は?」
 さっきから引っかかっていた疑問を、思い切ってたずねた。
「僕には、目標とか罰とかは、無いんでしょうか?」
 イソウロウというかゲストだから、別あつかいなのかな。
 伯父さんが、大きくため息をついた。
「分かっていないようだな。きみは男だ。支配する立場だ。支配者は独立独歩、目標を他人に強制されたり罰をあたえられたりはしない。もっとも、ふたりにバカにされるような成績では話にならんがね」
 ぐううう。実は僕へのプレッシャーが、いちばんきつかったりして。
 でも、いいや。成績って、勉強だけじゃない。ふたりとも帰宅部だ。僕はサッカー部で……県大会優勝は、オール5より難しいかな。
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 本日(4/17)はQ日。4/18に2時間スマホ執筆できて。19,20もQ日。ここらで一機火星に仕上げますか。その後も22がQなので。うん、4月いっぱいでBFも含めて終わりますかしら。
 とはいえ、Q日のどこかで再演習(『戦闘詳報』参照)を予定していますので、まあ、いざとなれば平日に勤務地の夙川から高速神戸まで阪急電車で行ってしまう(そこから徒歩10分で福原)という時間の有効活用もアリナミン。
 とはいえ。またしてもツーコンだったりすると意気消沈して執筆意欲消滅なんて事態……んいなって、たまるもんかあ!
 ボストーク以前から、SFでは人類は銀河帝国を築いてたんじゃ。エロ小説では男が女のアクメをマコトシヤカに描写しとるんじゃ。などと予防線を張るあたり……?


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Progress Report 1:女神様と王女様と、いとこの(下)僕

 最近、ジェダイの騎士の勤務シフトが偏ってきました。朝一番に2時間半ほど独りでほとんどボケラ~としてればよくて。スマホの入力はもどかしいですが、4千字くらいはGoing grave。まあ、漢字遣いのチェック(義務教育+α)は、帰宅後にPCですが。
 今回はいつもと逆で、前半の各章が短く後半で盛り上がります。素晴らしいことです(前半で読者にブン投げられなければ)。
 まあ、前半もアレコレ。というか、エロ小説では複雑な設定でも難解なストーリーでも、刺身のツマ程度で要領良く片付けねばなりませんが。自戒です。次回はうまくやろうと反省しつつ幾星霜。
 というわけで。12章構成のうちの第2章です。


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従妹と入浴

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 LDK――前の家と比かくするとLLLLDDKK(部屋の中に柱がある)くらいの部屋で一家4人プラス僕。ちんまりと夕食をすませた。ビーフシチューにコブサラダにデザートのアイス付きのごうかメニューだけど、部屋がだだっ広いので『ちんまり』と形容しちゃう。とにかく夕食をすませて。一家団らんでテレビ(26インチの大画面!)を観てるとき。
「今夜は、パパとママは後でゆっくり入るから、おまえたちが先におフロを使いなさい」
 この家は、長幼の序とか家長(戦前の言葉だよ)とかがうるさい。おとついは、伯父さん>伯母さん>僕>美竹さん&美鈴ちゃんの順番だった。ので、今夜は僕がトップバッターか。なんだか申し訳ないな。
「それじゃ、お先に入ります」
 自分の部屋へ着変えを取りにもどってから1階へ下りたら――だつ衣室で美鈴ちゃんが待っていた。
「いっしょに入ろうよ」
 言葉だけじゃなくて、もうパンツ一丁になってる。前に赤いリボンが付いててレースのふち取りがしてある、グラビアアイドルが着るみたいな小さな――パンツというよりパンティ。美竹さんが着たら、すごくセクシーだろうけど、美鈴ちゃんには似合わない。
「もう、そんな年ごろじゃないだろ」
 美鈴ちゃんは、バスルームの前から動かない。「にげられないよ?」って、こういう意味だったんだ。
「伯父さんにしかられるぞ」
「どうして?」
「伯父さんも言ってただろ。僕たちは結こんもできるあいだがらなんだ。兄と妹じゃない」
「うわあ。あたしをオンナとして見てくれてたんだ。うれしいな」
「いや、そうじゃなくて……」
「お父様には言ってあるよ。そしたら、ちゃんと背中を流してあげなさいって」
 伯父さん、ムジュンしてない?
 結局、年下の女の子におしきられてしまった。
「5年ぶりだね。あのときは、ぬぐのを手伝ってくれたけど、今日はあたしが手伝ったげる」
 5年ぶりというのは。今の(正確には今朝までの)マンションに入居するとき、引っこしとかごたついて、1週間ほど住む所がなくなって、一家そろって、このてい宅に間借りさせてもらった――そのときのこと。美竹さんもいっしょに3人でおフロに入って。美鈴ちゃんが、ヒモのいっぱい付いた服を持て余して、美竹さんがぬがしてあげようとしたら、「ひとしおにいちゃん、ぬがせてよお」。あのころから、王女様だったな。なんて、過去をなつかしがってる場合じゃない。
 美鈴ちゃんが僕のパンツに手をのばしてきたので、あわてて自分でぬいだ。その直後のひと言が、僕の生がいのトラウマになった。
っちゃ……」
 年下の女の子に言われたんだよ。伯父さんと比べてだったら平気だけど、もしも美鈴ちゃんの同級生と比べられたんだったら……立ち直れない。
 そりゃ、たしかに……修学旅行のときとか臨海学習とかで、クラスメートに負けてるなってのは、痛切に思い知ってる。しかも、早熟な子は黒いポヤポヤまで生やしてるのに、僕はツルツル。
 そんな僕の内心のジクジクは知らんぷりに、美鈴ちゃんもパンツをぬいだ。あわてて目をそらす一しゅん前に、はっきりとそこを見てしまった。ツルツルだったので、ほっとした。
「早く入ろうよ」
 美鈴ちゃんはタオル(こしに巻いたりもせず)片手に、僕のうでを引っ張る。
 しかたがないので、僕もタオルを持ってバスルームへ入った。
 子供部屋以外の部屋がやたらと広いのは、バスルームも同じ。銭湯の3分の1くらいはある。トン単位の水が必要なバスタブと、エアマットが4枚は広げられそうな洗い場。じっさいに、エアマットが二つかべに立てかけてある。
 どうしていいか分からず、僕はぼけっとつっ立ってた。
 美鈴ちゃんはテキパキ動く。バカでかいバスタブから湯をくんで、片ひざ立ててかけ湯をして。スモウのソンキョみたいな座り方をして、二はい目の湯でスジを洗った。向きを変えて正面を僕に見せつけたのは、わざとだろうか。
「お兄ちゃんも、そこに座って。お湯をかけにくい」
「いや……自分でする」
 かけ湯をして、そしたら次は湯につかるしかない。
 美鈴ちゃんも入ってきた。サッカーチームが敵味方同時に入れるくらい広いのに、わざわざ僕の前へ来て――後ろ向きになって湯につかる。
「足を広げてよ。5年前みたいに、だっこして」
 足の上におしりを乗せてきた。それでも僕がじっとしていると、おしりを左右にくねらせる。
 美鈴ちゃんの意図は分かってたけど、あきらめて足を開いた。とたんに、足の間におしりを割りこませて――さらに近寄ってきた。美鈴ちゃんの背中が胸に密着した。
 女の子のやわらかい身体をだくみたいな形になって、心臓がきゅうっとねじられた。エッチな気分も少しはあるけど、後ろめたさのほうが百倍も強い。
「先に出るよ」
 ふり切れるとは思わなかった。当然みたいに、美鈴ちゃんもバスタブから出て――エアマットのひとつを、洗い場に延べた。
「ここにねて。背中を流してあげる」
「いいよ。自分で洗うから」
「ダメよ。お父様にも言いつかってるんだから」
 洗うのにね転がる必要なんてあるのかなと疑問に思いながら、郷に入りては郷に従え(ちがうと思う)。どんなふうに洗うのかなと好奇心も手伝って、マットの上でうつぶせになった。まさか、あお向けにはなれない。
 美鈴ちゃんは洗面器に湯をくむと、ボディシャンプーを混ぜてバシャバシャとかき回し始めた。ちっちゃい子のお遊ぎに『カイグリカイグリ♪』てうでをぐるぐるさせるのがあるけど、そんな動き。たちまち、洗面器にあわが盛り上がる。美鈴ちゃんはそれを両手にすくって――自分の身体にぬり始めた。かたからひざまで、真っ白のあわまみれ。
「じっとしててね」
 僕におおいかぶさってくる。
「え……ちょ、ちょっと。何するんだ……?」
「だから、洗ってあげるんだってば。おまたにタワシがあったら理想的なんだけど、スポンジのおはだで我まんしてね」
 身体を密着以上におしつけてきて、うねうねくにくにと動かし始めた。
 これって……ものすごくエッチなことをしてるんじゃないだろうか。
「美鈴ちゃん……こんな洗い方、だれに教わったんだ?」
「お母様がお父様にしてあげてるんだよ」
 つまりそれって……伯父さんと伯母さんは日常生活は至極真面目なのに、夫婦ふたりきりになると、すごいエッチなことをしてるってこと?
 伯父さんは父さんよりずっと年上だけど、伯母さんは母さんと同い年だっけ。精力がおとろえてきた伯父さんをこんなふうにちょう発して、ええと、つまり、夫婦の営みにさそってるんだろうか。
「ひゃっ……」
 裏返った声を出しちゃった。というのも。美鈴ちゃんが僕の身体とマットの間に手をつっこんできて――もろにチンチンをさわったから。
「えええ? こんなにしてあげてるのに、立ってないの? あたしって、そんなにみ力無いのかな……」
 とんでもないことを言う。
「こうなったら、意地だよ」
 強引に僕を転がそうとする。ていこうしたけど、ツルツルしたエアマットの上で、あわまみれの僕は簡単にあお向けにされてしまった。美鈴ちゃんがだきついてくる。
 さっきは背中だったけど、今度は正面に、女の子のはだが密着する。胸のささやかなふくらみが、ずいぶん大きく感じられた。
 さらに美鈴ちゃんは僕の足をこじ開けて腰をおしつけてきて……うわわわ! 美鈴ちゃんのスジに、チンチンがはさみこまれた。僕だって、男と女がどんなふうにセックスをするかくらい知っている。ほとんど、そんな状態――と考えてしまったら。
 ドクンドクンドクン。チンチンが大きくなってしまった。それを美鈴ちゃんがにぎった。
「あ、良かった。カセイなんだ。これなら、ダイジョウブだね」
 もしかして、仮性ホウケイのことを言ってる? それがダイジョウブってことは。まさか……セックスをするつもりじゃないよね?
「これだけ固かったら、処女マクを破れるかな?」
「ダメだよ。結こんしてもいないのにセックスなんて……いや、そういう問題じゃない。とにかく、やめなさい」
 できるだけ年上ぽく言い聞かせた。
「じょう談よ。あたしの年では、本番はしちゃいけないくらい知ってるもん」
 言いながら、美鈴ちゃがこしをくねらせた。
 く……チンチンがすごく気持ちいい。自分で皮をこするより何倍も……
「あっ……?!」
 ズクン……気持ちいい感覚が最高に達して、こしのおくがけいれんした。びくびくっとチンチンがふるえる。
「なあんだ。あたしと同じで、まだなんだ」
 美鈴ちゃんが立ち上がった。洗面器に湯をくみ直して――立ったまま、僕の顔にぶちまけた。
「うわっ……ぷ! こら!」
 あわてて起き上がろうとしたら、マットからすべり落ちてしまった。
 美鈴ちゃんはシャワーのところへ行って、さっさと自分のあわを洗い落とすと――アカンベエをしてから、とっととにげて行った。
「いったい、なんだったんだよ」
 頭の中がグチャグチャのまま、僕はかけ湯であわを流した。もう湯につかる気分じゃない。美鈴ちゃんがいなくなってるのを確認してから、僕もバスルームを出た。だつ衣室には、美鈴ちゃんのパンツが落ちていた。素っぱだかで自分の部屋まで行ったみたいだ。ちょっと考えてから、パンツは洗たくカゴの上に放りこんだ。
 下着を変えてパジャマを着て、今のエッチなハプニングを伯父さんにでも伯母さんにでも知られたら、しかられるのは僕かな、美鈴ちゃんかな。それよりも、美竹さんに軽べつされたくない。
 リビングにはもどりたくなかったけど、お休みなさいのあいさつだけはちゃんと言って、自分の部屋へにげ帰った。

 翌朝には美鈴ちゃんは、バスルームでのエッチなイタズラなんか忘れたみたいに、これまで通りに(ということは、僕に対してじゅうぶん我がままに)ふるまっていた。伯父さんも伯母さんも美竹さんも、バスルームでのことは何も言わなかった。
 僕も新しい学生生活が始まって、美鈴ちゃんのことばかりかまってられなくなった。美竹さんにはかまってほしいんだけど、美鈴ちゃんが僕をあれこれかまうのを、一歩はなれた所からながめてるって感じで――れん愛て、思うようには進まないもんだね。
 美鈴ちゃんのほうは、思うように進んでるんじゃないかな。しばらくはおとなしく、ひとりか美竹さんといっしょにおフロを使っていたけど、翌週にはまた乱入してきて。エアマットとかは使わず、僕に背中をもたせかけるだけで満足してくれた。僕もそれを受け容れて、週に一度は美鈴ちゃんといっしょにバスタイムというのが、新しい習慣になっていった。
 最初に美鈴ちゃんが言った「っちゃ……」が、だれと比べてなのかは、おそろしくて追きゅうできないままだった。
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 女の子の入浴中にパパとか義兄とかが乱入するシーンは書いていますが、女の子が乱入してくるのは初めてです。逆乱入とでもいうんですかね。

DLsight アフィリエイト:キーワードは「妹 入浴」


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 0:女神様と王女様と、いとこの(下)僕

 さあて。いよいよ糸に釣っておいた作品を手繰り寄せるときが来ました。こういうのを『テグス糸引いて待つ』というのかな。
 PIXIVリクエスト第1弾はWILL様からの『
名札のピアスはどれいの証し』でしたが。第2弾も同じくWILL様からです。

 以下、リクエスト内容
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*ストーリイのリクエスト
 →伯父の家に預けられた少年が、従姉妹の姉妹にマゾ豚として調教される
*時代設定のリクエスト
 →1980年代前後の日本
*シチュエーションのリクエスト
 →少女たちに肉体・精神を責められ、普通の少年がマゾへと堕ちていく
*キャラ設定
 →少年
  やや小柄な熱血サッカー少年。12歳。親の仕事の都合で、伯父の家に預けられる。
  体格に比例して小さめなちんちんとまだ毛が生えていないのが悩みのタネ
 →従姉妹(姉)
  14~15歳の清楚で大人びた美少女。両親にマゾとして調教されており、会員制の非合法地下SMショーに出演している
  サドにしてマゾ
 →従姉妹(妹)
  10~11歳の快活で生意気な美少女。姉同様にマゾとして調教されており、SMショーにも出演している
  やはりサドにしてマゾ
*人間関係のリクエスト
 →少年は従姉妹(姉)に淡い恋心を抱いている、従姉妹(姉)はそれが可愛くていじめてしまう
 →従姉妹(妹)は少年を慕って積極的にひっつくが、姉にデレデレしているのでついいじめてしまう
 →姉妹仲は良好
*特定の責めのリクエスト
 →全裸でベッドに拘束された少年が従姉妹たちから責められるうちに快楽に目覚め、「自分は変態なのか」と自問する
 →地下SMショーに出演する少年。姉妹の責めを受け、会員達の笑い声を聞きながら絶頂に達する

  可能であれば以下をお願いできますでしょうか
  →姉妹によって、深夜に全裸の四つん這いで散歩させられる少年。人影に怯えるうちに、縮こまっていたちんちんが勃起しているのに気づく
  →伯父に連れられ、地下SMショーを見る少年。清楚な姉が乱れ、生意気な妹が泣き叫ぶショーを見て、自分も責められたいと思ってしまう
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 リクエストがあったのは第1弾納品直後でしたので、いったんは辞退しました。中断していた『昭和集団羞辱史:物売編(昼)』を仕上げ、短編『売姫三日晒し』と中編『性少年包弄記(怨辱編)』をものして。満を持してリクエストを(再発注してもらって)受注したのです。
 再発注だと、価格が20%アップします。WILL様、ごめんなさい。
 まあ――リクエストの内容を「可能であれば」まで満たすと、300枚くらいになると踏んでいます。
 上記の諸作品を執筆しながら、実はPLOTを練り込んでいました。「SMショーを見て」のシーケンスが、少年のマゾ堕ちに不可欠なものとなりました。



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女神様と王女様と、いとこの(下)僕


時代設定:1983年(キャプテン翼)

財産目当ての女ばかり。無償の愛は近親者だけ。
錦瑟会:資産家。全国。会合は東京。
    シロクロ、母娘、SM(を持ち込んだのは剛)。

1983年4月時点での年齢
佐渡学 (まなぶ) Feb.1947=36
 丸木商会(株)専務 ヨーロッパ拠点作りに、夫婦で長期滞在
  洋子(ようこ) Sep.1947=35
均   (ひとし) Dec.1970=12/ぼく、伯父さん→伯父様(ラストの章)
 小学校にはクラブが無いので、地元のサッカー少年団で活躍。
 中学のサッカー部には、少年団で知り合った他チームの者もいない。

佐渡剛 (つよし) Aug.1938=44/わし
 丸木商会(株)社長
  順子(よりこ) Jun.1948=35/わたくし
美竹  (みたけ) May 1968=14/わたし、パパ&ママ
美鈴  (みすず) Jul.1971=11/あたし、パパ&ママ

塩田好男 28歳。
 元大学サッカー選手。卒業後、最初の中学で3年。赴任して3年目。
 サッカー部は5年前に創設。転任時にサッカー部のある学校を希望。
 
背景
佐渡剛は、戦後に父が起こした丸木商会を引き継ぎ、強引な手法で総合商社へ成長させた。
彼の人生訓は「強きを援け弱きを挫く」。
彼を見込んだ取引先(石崎興産社長)の紹介で錦瑟会を知り、石崎の養女である順子(御手付き済み)を娶る。
剛のサディスト傾向が近親者に発揮されることとなった。
剛は二女を得た後、精子検査でY精子の欠如が判明。
娘に婿を取って継がせたい。どうせなら……甥の均を婿養子にして。
ツバナレしないうちは愛情たっぷり。手を上げない。羞恥心を植え付ける。
10歳からは、ニチジョウとアイジョウの峻別。
昼は貞淑、夜は娼婦。羞恥心は24時間。
クリトリス包皮切除
UVタトゥー(ブラックライトで浮き上がる)
乳首とクリは、第二次性徴後。
13歳までは、フェラ&アナルのみ。

佐渡学には、父亡き後、当時は小さな会社を切り盛りして学資を捻出してくれた兄への負い目がある。

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伯父の家に:3月
 伯父が勧めた私学でなく公立。
 生活費も入れる父親の律儀さ/負い目
 私学にはサッカー部が無い。
 5年ぶりに訪れた。
 三階建ての豪邸。三階が子供部屋。
 階段から奥へ:美竹、美鈴。廊下を挟んで美鈴に向かい合って均。
 二階が生活空間。
 一階は、玄関、応接室、客間。
 裏庭に面する広い物置は施錠。窓も少ない。
 当日に美鈴と風呂。美鈴は姉も誘うが拒否。
 「5年前とは違う」←調教が始まる前。

従妹と入浴:3月(承前)
 @風呂
 チンコ見せて。手をひっぺがす。
 「ちっちゃ」
 無毛も言及。クラスの男子と同じくらい。
 勃起してない。女の子への侮辱。くぱぁ。
 しごく。さすがに勃起。
 「これくらいなら、挿入るかな?」
 たじたじ。洗わずに逃げ出す。

 入浴は、土日と火木の週4回。シャワー随時。
 週に一度は従妹と。たいていは姉妹二人。
 ペニスをオモチャにされる。デコピンも。


入部の儀式:4月下旬
 部活は野球部優先(火木土日)
 サッカー部は月水金。
 仮入部から正式に。塩田先生の鑑定。
 新入部員。下脱ぎ。ひとりだけ勃起。
 秘蔵ピンナップを壁に。駄目ならしごけ。
 一番小さくて無毛で仮性。
 オナニー。
 大きいが空砲→大器晩成
 それなりで実弾→即戦力
 均は……成長に期待


従姉の悪戯:5月
 夕方、リビング。
 美竹がホットパンツ、長袖裾結び。
 家族は褒める。セクシー。
 目の遣り場。
 「おっきくなってない。魅力無いの?」
 触れられて、ますます萎縮。
 思春期少年は、恋愛感情と性欲の不一致
 (聞きかじり)←バックデータを
 おとなしい従姉は女神様みたいに気高い。
 我がまま放題の従妹は、さながら王女様。
 伯母は微苦笑。伯父は鋭い目つき実は観察。
 その日の従妹との入浴で、からかわれる。
 以後、従姉は(自分が)露出でからかう。


ホモの監督:5月
 練習後に居残り。
 先輩連は意味ありげにニヤニヤ。
 知っているが、名コーチなので。
 「お前は、十分にレギュラーの実力。しかし、身体が小さいからスタミナ不足。特別に鍛えてやる」
 土曜日。校庭の片隅。
 タイヤ引き。負荷の分散。下脱ぎで鼠径部に縄。力むと脱肛するので、結び瘤アナル。縄で汚れるから、ブリーフ脱ぎでショーパン。
 部室でマッサージから。
 感づいても、されるがまま。イラマまで。


賞も罰も鞭:6月初旬
 リビング。全員。
 美竹の中間試験結果。
 目標偏差値 60 実績55
 主要5教科450 実績415
  罰は教鞭でメコ筋5発/尻35発
  下脱ぎ、裾結び。パイパン(初見)。
  悲鳴封じに自分でパンツを咥える。剛が褒める。
 あらためて、期末試験の目標。
 美鈴には、通知表の再確認。
 均はゲストだから、対象外。


アナル快感:6月中旬(期末試験前向き)
 まだ閉鎖されているプール。
 シャワー室で水浣腸。すぐトイレ。
 更衣室。リノリウムの床。
 バックで初体験。
 トコロテン感覚だが未射精。虚脱。
 いちゃいちゃされて、しんどい。


口封じの夜:7月
 期末試験を美竹クリア。
 夫婦は揃って東京で宿泊。
 色々と寝付けない。コーヒーのせいもあって、トイレ。
 ブラックライトの下で姉妹レズ。
 UVタトゥーの淫紋。姉はクリと乳首も。
 姉妹の部屋はつながっている。
 姉の余韻オナニーを覗いている間に、妹に回り込まれてしまった。均は逃げられない。
 「パパとママに言わないで」
 せっかく期末をクリアしたのに。
 あなたにも羞ずかしい秘密を持ってもらう。
 均をベッドに磔拘束。
 ふたりがかりの全身リップ。
 勃起しても小さい。豚の尻尾みたい。
 一転して、鞭。の方が、反応良好。
 「か弱い女の子に虐められて喜んでる」
 自分でも呆れて変態かと。
 ポラロイド。


夜のお散歩:7月
 1学期の成績。美鈴への罰。
 両親が不在。夫婦同伴のパーティー。
 美竹の鬱憤晴らし。美鈴もお目付け役(妹がやり過ぎないように)
 ビニールレザーのブラ&パンティ(局部ジッパー)、太腿までのピンヒールブーツ。
 夜の散歩に誘われる。
 全裸。玉袋の根本に子猫の首輪=玉輪。
 玉輪の鎖を引かれて庭へ。
 豚らしく四つん這い。
 腕も脚も折り曲げて縛られる。前傾。黒板消しの靴。


真夏の幻想:8月
 両親は多忙/均はサッカー部
 盆休み中は、菩提寺近くの別荘。夏冬に滞在。
 実は特別接待施設。
 着いてすぐ、女3人の着替え。
 姉妹はノーブラ透けTシャツ裾絞り&極小ホットパンツ。伯母は極薄チューブトップミニワンピ。
 本宅より広い風呂。家族全員が習慣。
 伯母もパイパン。焼き印ハートの中に Tuyosiのタトゥー。
 先に均と伯母がバスタブ。
 美竹が、いきなりツボ洗い。
 究極の愛情表現と、伯母。
 姉妹が父親に川の字泡踊り。
 均は伯母から泡踊り。錦瑟会のことも、匂わす。
 呆然。
 ベッドルーム。キングサイズダブル。
 姉がブリッジ、妹はワンワン。ウグイスの谷渡り。その横で騎乗位筆下ろし空砲。
 翌日は、地元の子供たちと川遊び。日焼け跡を考慮してスク水。
 風呂は夫婦の後で、3人。
 こんな関係だったら姉妹レズを隠さなくたって。
 子供だけの勝手な行為は禁止されている。
 夜の散歩も、内緒。
 5日間の滞在中、宿題に打ち込む。 
 日常に戻っても、父娘の真の関係がチラ見え。
 悶々と過ぎる日々。
 伯母は、何事も無かったかの如く。
 姉妹も、昼のちょっかいだけで、夜は疎遠。
 塩田先生とは数回。SMぽいことを婉曲にねだっても、たしなめられる。かえって欲求不満。


SMショー:9月
 東京都内。一流ホテルのレセプションルーム。
 紳士淑女(おおむね紳士)。
 タキシード、イブニングドレス。小学校の制服少女も。
 均もお仕着せのダブルスーツ。
 特に呼ばれた塩田は背広(まあ、礼装)で居心地悪そう。
 最初は母(41)娘(18,15)が父に奉仕。ノーマル。45分。
 人気のアイドル歌手。衣装は超セクシー。
 振り付けもエロエロ。
  アイラブユー、アイラブユー、惚れたの♪
 トリが、美竹&美鈴。
 決闘ショー。全裸。ブラックライトで淫紋。
 ハートの中は空白。将来、持ち主の名前。
 「どちらかに、君の名前を入れることもあるかな。両方でもいいぞ」
 首輪に後ろ手錠左だけ。右足はチェーンで連結。
 3点にガラス球。先端錘一本鞭で割る。
 全部割られたら負け。
 ガラス球は薄い強化ガラス。砕けても粒になる。中に高圧ガスと色素。
 わざと負けたり、戦意喪失したらペナルティ。
 ペナルティの紹介。
 鋸刃(鋭角の金属三角柱)になっている木馬。
 クリキャプとの間で通電。
 整形手術が必要になるほどの怪我をする。
 これまで、誰にも使ったことがない。杮落し。
 ブラックライトにタトゥを浮かび上がらせて、決闘開始。
 ちょっと当たったくらいでは割れない。
 切傷でなく痣だらけ。
 乳首2点を美鈴が連取。
 本気になった美竹の鞭。一撃で乳首2点。
 痛撃にうずくまる美鈴。
 アドバンスとして美竹にアナルビーズ+ガラス球。
 股間へも美竹の痛撃。
 負けた美鈴は鞭打ち。
  鞭を選ばされる。
  平鞭。細い革ベルトの三枚重ね。音は派手。これは50発。
  マネキンでデモンストレーション。二打目でブラウスのボタンが飛ぶ。
  棘笞。一撃でブラウスが千切れ、マネキンにも傷。これなら10発。
  平鞭を選ぶ。数え打ち。姉のアドバイスは封じられる。
  誘導されて、28でリセット。
  22で泣きわめく。ここで丁度50。
  これ(棘笞)なら数えなくていい。あと5発で赦す。
  承諾する。嬉しそう?
  悲鳴がすさまじいのでボールギャグ。
  実はトリック。棘がびっしりは半面だけ。裏面は(すこし)優しい。
  それでも深紅の傷跡から血が滴る。
 勝った美竹は、空中磔快感責め。
  目隠し、吸引低周波、ピストンマシン。
  逝き地獄。
  途中で、詰め物猿轡。
 2人とも静かになったところで本格ディナー。
 塩田に引導。
 均の希望を聞いて。
 「失望したよ。おまえにふさわしい舞台を用意してやる」


僕の初舞台:10月
 ここで、後継者の詳細
 後を継がせるのは諦めて、娘に婿を。
 夜の散歩スタイルで引き出される。黒板消しは無し。姉妹の衣装もグレードアップ。
 拘束を解いて、リム状の磔架に大の字。
 最初に美竹がペニスを弄ぶ。
 胸に妖しい感情が込み上げるのに勃起しない。
 美竹が怒り狂って。ペニス乱打。
 玉袋の根本を縛ってから金的。玉が釣り上がらず悶絶。
 美鈴にチェンジ。
 ペンチで弄ばれて勃起。
 「皮をちょん切っちゃおうか」
 尿道に金属パイプ。
 磔台を裏返して、尻と背中を二人で。玉打ちも。
 中空アナルプラグで浣腸。
 尿道パイプはビニール管で口へ。
 排泄は大小同時。飲ニョ。
 美鈴がイボ軍手で手コキ。空砲。
 上下逆転。アナルから前立腺。
 ついに精通。セルフ顔射。
 いつもより激しい虚脱。
 「本格的な責めは、これからよ」
 いろんな責め具が手押しワゴンで登場。

     -END-
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 実は、4/1&4/2が連休だったので、エイプリルフール・スタートしています。
 『売姫三日晒し』の発売告知があったので、この記事は今日まで寝かせていました。


 4月中に脱稿して校訂して表紙絵まで丁稚揚げれば、2022年目標年間3600枚ペースを維持できますが。さて?
 まあ、頭の中では、この作品は出来ていて、表紙絵に悩んでいるところです。
 C3とS6の姉妹が背伸びしたボンデージルックで、C1の少年を従えている――そんな都合の良い画像は有馬温泉。少年は割愛して、姉妹(疑似)の画像とか……いっそ、こんなのをブッ込んでしまえとか?


SM(japan)ツルマンコスプレデビルウーマン

 あ、タイトルもちょっとパープルじゃなくてシアン中です。というのも『お嬢様の僕』というコミックがありました。「しもべ」です。『(下)僕』が、野暮ったく思えてきました。どうするかは、校了までに考えておきます。


DLsiteアフィリエイト キーワードは「姉妹、SM」です。

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Progress Report Final:性少年包弄記(怨辱編)

 まるまる後書きを掲載して、お茶を濁しときます。
/20171127060624e25

 ううううううううむうう。
 今回は『悦辱編』以上の尻切れトンボになってしまいました。
 7.をもうすこしエピソードで膨らませて、8.で腰を据えて戸坂先生と薫とのアレコレを書き込めば――バランスが良くなったはずですが。詳細シノプシスになっちゃいました。
 まあ、読者としても。物語の結構とかテーマを求めているのではなく、ひたすら責めシーンを求めているはずです。ていうか、そういう嗜好の読者を対象にしています。ので、前半でそれなりに楽しんでいただけたかと思います。
 で。極太(ふと、の究極形)思ったのですが。
 現在の執筆体勢がよろしくないのではと。今回で言えば。
 執筆開始時には、次作『女神様と王女様と、いとこの(下)僕』のPLOTを練り込み中でした。すでにほぼ完成して4千文字以上になっています。さらに、突発的に思いついた(計画的に思いつく、なんて言葉は存在しませんけど)『濡墨を着せられた箱入娘』も大筋を考えていたり。すでに25の小見出しまで出来てます。ついでにぶっちゃけると、『A6(An Amateur Assasine Arrested And Assaulted)』も即執筆可能状態で『男正社員(おとこ・せいしゃいん)』も骨組みまで完成(エピソード不足)。
 つまり、目線が先へ先へと進んで手元がお留守になるんですね。
 月に何本も連載を抱えている売れっ子作家じゃあるまいし。
 とはいえ。好きなものを好きなように書くというポリシーでは、やはり鬱勃たるロゴスにパトスに蓄音機を衣冠束帯しがたいわけです。
 それに、アルバイトでジェダイの騎士をしているのもよろしくない。実はよろしくあるけれど図面ミスで何百万もの損害を出すこともないし。ぼけら~(度が過ぎると、車がぶつかったりする)と突っ立ってて、スマホもいじれないとなると、脳内創作活動しかできないわけです。書けずに練ってばかりです。
 しかし、まあ。ここはひとつもふたつも我慢して。次作を書くときは、それ以上先のことは敢えて考えないように……出来るかな? 努力してみましょう。

 この作品のリリースは5月1日(予定)ですが、その後にPIXIVリクエスト作品(募集要項100枚以上で、おそらく出来高300枚)を控えています。これは、少なくとも今年いっぱいはリクエストしていただいた発注者に独占してもらって、一般公開は来年になります。
 したがって、次作『濡墨を着せられた箱入娘』のリリースは、早くても7月でしょう。突如として別物を書くかもしれませんが。

追伸
 対象読者を男女に分けているサイトでは『悦辱編』を腐女子向けとしましたので、今回もそちらのジャンルで登録します。

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Progress Report 2:性少年包弄記(怨辱編)

 着々と執筆中。ということにしておきます。反省点などは、次回に。
 しかし。「悦辱編」はDサイトで腐女子向けBLとして登録しましたが。今回は、どうでしょうか。ヒロイン(少年)が責められるシーンはSMではなく、ただの虐待です。そういう趣旨で書いたのですから当然ですが。


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6.恐怖の総括反省会

 3日目になると、だんだん要領も分かってきた。
 ビンタや得物(竹刀とか折れたオール)での尻たたきが日常茶飯になっているこの世界では、自分の考えなんか持たないで、教官の命令にも先輩の指図にも「ハイッ」と従っていれば、そんなに痛い目には合わずに済む。教官の命令と先輩の指図とが相反したときは、告げ口なんかせずに、先輩から気合を入れてもらうか仕付けてもらうしかない。
 とくに僕は、翔子さんと共に教官から目の敵にされているから、生き延びることを第一目標にするくらいの心構えでいなければならないと、自分に言い聞かせた。
 だけど、僕と翔子さんよりももっと虐められている生徒がいた。それが分かったのは、4日目。日曜日の総括反省会のときだった。
 総括反省会では、生徒が自己申告するのではなく、エンマ帳を基にして(たぶん、気まぐれや主観も交えて)小塚校長が、1週間の成績を言い渡す。
 男子は2名、女子は1名の成績上位者は、成績下位者の食事を半分徴発する権利を与えられる。男女とも最下位者は、フンドシをさらして1週間を過ごさなければならない。これだけでも人権無視の虐待だけど、食事や服装より、もっとひどい処遇が待っている――というのを、総括反省会のときに知った。

 男女に分かれて正座している21人の生徒と、後ろに2人と左右に1人ずつたっている教官。全員がそろって5分ほどしてから、校長と下村教官が教室に入ってきた。
 校長は、校舎の横に建てられたプレハブに住んでいる。プレハブの屋根にはテレビのアンテナも立っている。電話も、ここにしかない。そして、一室が下村教官に割り当てられている。その一室に、男性教官のと同じベッドが置かれているのか、別の部屋にダブルベッドがあるのかは、教官も含めて誰も知らない。
 ふたりは並んでぼくたちの前に立って。小塚校長がわざとらしくせき払いをしてから、『判決』を言い渡す。
「薫は3日分だけでも、他の誰よりも減点が多いし加点はゼロだから最下位確定だが、初回なので特別に番外としてやる」
 女子6人の顔が険しくなった。そしてなぜか、男子の大半がうれしそうにしている。
「しかし、無罪放免ではないぞ。おまえは毎晩、自主練習を女子に手伝ってもらっているのに、なんの返礼もしておらんな」
 自主練習というのは、腹筋運動と腕立て伏せのことだろう。手伝ってもらうどころか、オモチャにされて虐めらている。でも、腹筋は100回を50回、腕立て伏せは100枚を10回にまけてもらっているから、やっぱりお礼はしないと駄目なのかな。
「はいっ。忘れていました。これまでの分も含めて、ちゃんとお礼をします」
「どうやって返礼するつもりだ。『男の子のお願い』など認めんぞ」
 男女双方から忍び笑いが漏れた。
「はいっ。女子みんなと相談します」
「つまり、女の言いなりになるということか?」
 一本道の追及が、わだかまった感じを受けた。でも、何も答えないのがいちばん印象を悪くする。
「はい。言いなりではありませんが、できるだけ希望に沿えるように努力します」
「せいぜい女の機嫌を取っておいて、ここぞという場面ではガツンと決める。それが男だ。おまえも、すこしは男らしくなってきたかな」
「はいっ。ありがとうございます」
 なんだか、台風の進路がそれたような気分――になるのは、早すぎた。
「それに免じて、罰直は軽いものにしてやる。昼飯抜きと、午後から鉄棒懸垂1時間だ」
「はいっ、ありがとうございます」
 1時間連続で懸垂はできないから、竹刀でたたかれたりはするだろうけど、運動部のシゴキと比べても、そんなに無茶苦茶じゃないと思う。
「薫が番外となると――最下位は、僅差で寿美香だ」
 男子が、またざわめいた。今度のざわめきは陽気な感じ。
「友美は5位だ。せっかく最下位を免れたのだから、気を抜かずに精進しろ」
「はい、ありがとうございます」
 寿美香さんは、うつむいて床をにらみつけている。
「成績最上位は、京子と綾子の争いになったが、綾子の返り咲きだ」
「ありがとうございます」
 小塚校長が、エンマ帳をめくった。
「男子の成績最下位は、情状酌量の余地無く翔子だ」
 翔子さんも無言。
「先々週もその前も最下位だったな。パイパンくらいでは済まされんぞ。追加の罰として、来週はフンドシの着用も認めない」
「待ってください」
 声をあげたのは、翔子さんではなく拓馬さんだった。
「そんなルールは、無かったはずです」
「あたりまえだ。たった今、決めた」
「それは、おかしいです。後で決めた罰を前の罪に適用するのは、不遡及の原則に反しています」
「なにい……!」
 校長の目が釣り上がった。
「小賢しい理屈を言うな。東京裁判を見ろ。ジャンケン後出しのごとき『平和に対する罪』だの『人道に対する罪』だので、何人もが死刑にされて、それを独立後の日本も受け容れているではないか」
「それは違います。国際法上の明文規定はありませんでしたが、概念としては……」
「黙れ。きさまのようなアカが日本を亡ぼすのだ。ホモやレズより、よほど始末が悪い」
「僕は共産主義者じゃありません。むしろ、保守本流に近いと自分では……」
「親の金を何百万も盗んだやつが、したり顔をするんじゃない。国に逆らうやつ、ここでワシに逆らうやつは、みなアカだ」
 難しい論争だけど、拓馬さんの正論を校長が『力』でねじ伏せようとしているとしか聞こえない。だけど、拓馬さんて親の金を盗むような人だったのか。
 もうひとつ、疑問があった。拓馬さんは、僕がフンドシを取り上げられたときも、その場にいた。でも、不遡及とかの指摘はしなかった。僕が新入生で面識がなかったからだとしたら、この人の正義感も薄っぺらい。それとも、拓馬さんにとって翔子さんは特別な存在なのかな。それならなっとくするしかないけど。
 そんなことをちらっと考えているうちにも。
「きさまの根性を、今度こそたたき直してやる。厳重反省を命じる」
 校長が議論をぶった切って『判決』を言い渡した。ぎくっと凍りついたのは、生徒ではなくて教官たちだった。
「校長。季節が季節ですから……」
「今夜は冷え込むと、天気予報が言っています」
「だからこそ、厳重な反省が意味を持つ」
 校長は教官たちの反対意見に取り合わない。
「いや、こいつには真冬の厳重反省でも生ぬるいくらいです」
 山口教官だけが、校長に賛意を示した。
「自分も厳重反省のおかげで、ひと晩で生まれ変われました」
 この人も、かつてはスクールの生徒だったんだと、初めて知った。生まれ変わってこんな人間になるのなら、僕は『矯正』なんかされたくない。
 山口教官の賛成もあったし、そもそもスクールの運営は多数決ではなく『力が正義』で『目上が正義』だった。どんな罰かは知らないけれど、拓馬さんは厳重反省に決まりかけて……
「鈴永さんは、私をかばおうとして言い過ぎただけです。赦してあげてください」
 翔子さんが手を挙げて、名指しする前に立ち上がって発言した。
 校長が奇妙な目つきで翔子さんを見つめた。
「おまえが男をかばうとはな。すこしは女の自覚が芽生えたか。それとも、拓馬に感化されてアカに染まったか」
 アカというのは共産主義のことだけど。戦時中は国策に反する人間は主義主張に関係なくアカ呼ばわりされて、特高警察に捕まって拷問されていたと聞いたことがある。
 翔子さんを見つめる校長の目に、残酷な色が浮かんだ。サディストたちの目を見てきた僕だけにしか分からない色だと思う。だけど、その色が絶対零度の冷たさを伴なっている。サディストたちの残酷の色は、炎が吹き出すほどに熱いのだけれど。
「よかろう。おまえにも厳重反省をさせてやる」
「校長。深夜の気温は氷点下に達します。せめて、昼間にしてやるべきだと思います」
 林副校長は、気温ばかりを気にしている。
「ふたり抱き合わせで処罰してやれば、互いの肌で温め合う。それで翔子が女に目覚めれば、一石二鳥だ」
 林副校長も、それ以上の反対はしなかった。
「ふたりへの処罰は、規則通り午後6時から始める。本題に戻るぞ」
 校長が、男子の成績上位者2名を発表した。柴野淳一さんと河野寛太くんだった。男子は下位者が拓馬さんと翔子さんでほぼ固定していて、上位者は毎週入れ替わっているらしい。
「これで、今週の講評を終える。打ち上げの準備にかかれ」
 拓馬さんと翔子さんは全裸にされて、教壇に並んで膝の裏に竹刀を挟んで開脚正座をさせられた。動けなくするために、右手首と左足首、左手首と右足首に手錠を掛けられた。股間までさらし物にされる恥辱と。このままひと晩放置されるのだとしたら、外気温が氷点下になるというから、けっこう厳しい罰だ。
 僕がふたりに気を取られているうちに、教室の隅に重ねられていたマットが引き出された。寿美香さんが全裸になって、マットの上であお向けになった。男子の成績上位者2人(と、拓馬さんと翔子さん)を除く生徒全員が、寿美香さんを囲んで三角座り。並び順はいつもと違って、男子の間に女子がひとりずつ配置された。僕の両側は男子だから、やっぱり僕は女子扱い。
「よし、淳一からかかれ」
 輪の外にいた淳一さんも全裸になった。みんなに見られていても、ペニスは完全に勃起している。
「お久しぶり、寿美香の姉御」
「うざい。やること、とっととやりなさいよ」
「こら。いくら元売春婦とはいえ、もすこしは羞じらう風情を見せなさい」
 下村教官の言葉に驚いてたら、寿美香さんの返事に二度びっくりした。
「売春じゃないです。愛人です。契約した人としか、セックスはしないです」
「同じことよ。世間様に威張れることじゃないでしょ」
「あんたなんか、うちのクラブじゃ不採用なんだから」
「なんですって……」
「まあまあ。まともな結婚を諦めた娘には、これもひとつの生き方でしょうから。日陰の花も、また可愛いからずや、です」
 林副校長が取りなした(の、かな?)。
 下村教官がそっぽを向いて。マットの上では、とっととやることが始まった。
 あお向けに寝ている寿美香さんの右側に淳一さんがひざまずいて、両手で乳房をもむ。もぎゅもぎゅとこねくっていると表現したほうが、実態に近い。マゾ女性なら、苦痛を訴えて嫌がりながら悦ぶだろうけど、ノーマル(これまでの印象だと、寿美香さんはサド寄りに思う)な女性には、どうかな。乳首もお義理に転がして、右手はすぐに股間へ向かった。
 中指を折り曲げて、淫裂をうがつ。最初は浅く、指先で円を描きながら、徐々に深く挿入していく。乾いている泉を強引に掘り進んでいるような印象を受けた。
 淳一さんが指を抜くと、寿美香さんが脚を開いて膝を立てた。男を受け挿れる体勢だけど。ほんとに準備できてるのかなと、僕が心配することじゃないけど。
 女の人は、寿美香さんよりずっと年上(だと思う)のアヤネさんしか知らないけど。アヤネさんがオチンポ様を受け挿れるときのとろけた顔と違って、寿美香さんは醒め切っている。
 淳一さんは、そんなことまで考えていないんだろう。小袋を千切ってコンドームを取り出して、あたふたと装着して。寿美香さんに、のしかかった。
 寿美香さんが醒めた表情のまま、ちょっと腰をひねって、ペニスの挿入を助けた。とっとと済まそうって魂胆が見え見えの仕種だった。
 淳一さんも、がつがつと腰を振って――掛け時計の秒針が3周しないうちに終わってしまった。セックスを愉しむとか女を責めるとかじゃなくて、ひたすら一直線に射精するだけの行為だった。オナニーだって、逝く寸前で我慢して快感を長引かせるとか工夫するんだから、オナニー以下だ。
 教官や仲間に見物されて羞ずかしいから急いだのかな。まさか、セックスの目的は子作りなのだから、快楽を求めるのは不道徳だなんて考えてるわけじゃないだろう。それなら、コンドームなんか使わないはずだ。
 小塚校長は打ち上げとか言ってたし、男子の成績上位者と女子のビリとの組み合わせだから、ご褒美と罰の意味合いもあるんだろう。とすると、淳一さんは御馳走をガツガツ貪ったようなものかな。
 そんな疑問を考えているうちに、寛太くんが寿美香さんに挿入した。コンドームを使うと、挿入される側の後始末を省けるから、効率的だよね。でも、僕が映画館で何人も相手をさせられたのと違って、たったふたり。10年前の交通標語じゃないけど。「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」だよ。
 連れて来られた日にあった、翔子さんへの『特別補習』で誰もズボンの前を膨らませていなかったのを思い出して、みんなの様子を観察してみると。たしかに、教官たちは平然としている。きっと、六尺フンドシの下でも勃起していない。でも、男子生徒のほうは。さり気なく股間を押さえてたり、正座している脚をもぞもずと揺すったり。こっちのほうが正常な反応だと思う。
 ちなみに(翔子さんを除く)女子は。羞ずかしそうにうつむいているのは由紀恵さんと百合さんだけで。あとの3人は、真剣かつ熱心に見学してた。友美さんは、男子以上にお尻をもじもじしてた。
 僕がそんなことを考えているあいだに、寛太くんは――終わったりしなかった。正常位でいきなり挿入して、浜辺で翔子さんを犯したときと同じくらいに激しく荒腰を使ったけれど、30秒ほどでひと休みした。身体を起こして、両手で乳房をもみ始めた。淳一さんと同じように、女性に快感を与えることなんか考えないで、わしづかみにしてこねくっている。
 痛いに決まってるけど、寿美香さんは天井を見上げて無表情。愛人契約とか言ってたから、女は男の欲望のはけ口だと割り切っているんだろうか。
 寛太くんは30秒から1分くらい荒腰を使って、射精しそうになるとひと休みして乳房を虐める。ワンパターンの繰り返しを何度か続けて、自分なりに満足したんだろう。始めてから7分ちょっとで射精した。
 これで、総括反省会は終わりになった。

 昼食時間は、食堂にしている教室で教壇に上がって正座。みんながおいしそうに(実際にはかなり不味いけど、空腹は最高の調味料だ)食べているのを見せつけられるのは、匂いまで漂ってくるから、ちょっとつらかった。
 食事が終ると、僕への罰直。全員が校庭に出て、処罰を見学させられる。
 廃校でも、鉄棒やブランコやウンテイは、そんなにさび付いていない。この3日間では誰も使っていなかったけれど……もしかして、罰直用の責め具になっているのかなと、不吉な想像をしてしまった。不吉な想像は、だいたい当たってしまうんだよな。
 またしても、ワンピースを脱がされた。つまり全裸。
 鉄棒の下に立つと、投げ縄みたいにした輪を首に巻かれた。その縄が鉄棒に掛けられて。
「懸垂、始め。身体を引き上げて、そこで保持しろ」
 首に掛けられた縄の端が引っ張られて、浅いU字形を描いた。そこで、縄が鉄棒に巻きつけられた。
「1時間、懸垂を続けろ。死にたくなったら、腕を伸ばしてもいいぞ」
 縛り首だ。ほんとうに死んじゃう。
 解散の号令が掛かって、全員が三々五々散っていった。教官も、誰ひとり監視に残ってくれなかった。
 首を吊ると、窒息死する前に頸動脈の血流が途絶えて脳死する。速やかに苦痛無く死ぬから、絞首刑は残虐な刑罰には当たらないって判決が最高裁で出されたというのを新聞で読んだ記憶がある。
 速やかにというのが、大問題だ。もし僕が鉄棒から手を放したら――すぐに誰かが気づいて救けに駆けつけてくれても間に合わないかもしれない。1時間も腕を曲げて体重を支えていられるとは思えない。こんな所で、こんな惨めな姿で、僕は死ななければならないんだろうか。
 悲しみよりも怒りが込み上げてきた。小塚をはじめとする教官ども、僕の『処刑』を黙って見物していた生徒たち――僕をこんな所へ放り込んだパパ。僕が死んだら怨霊になって、みんな呪い殺してやる。
 なんて、信じてもいない死後の世界のことを考えてもしょうがない。死んでたまるもんか。1時間、耐えきってやる!
 ……………………
 ………………
 …………
 ……
 校舎の掛け時計は、午後1時35分。懸垂を始めて、やっと15分。腕がしびれてきた。自然と腕が伸びて――首吊りの縄がぴんと張って、投げ縄の結び目が喉に食い込んでくる。息が苦しい。けれど、意識はしっかりしている。
 頸動脈が圧迫される前に、結び目で喉をつぶして窒息するように仕組まれてる。ということは……首吊り状態になるのを見届けてから救けに来てくれて、それで間に合うのかもしれない。もちろん、命を張って実験するつもりはない。でも……。
 最後の力を振り絞って身体を引き上げて、大急ぎで深呼吸を繰り返してから。腕の力を緩めてみた。だんだん喉が圧迫されて。縄が体重の一部を支えてくれるから、腕が楽になった。そうやって腕を休めておいて……目の前が暗くなってきたので、渾身の力で身体を引き上げる。すうっと視界が明るくなった。
 また深呼吸を繰り返して、腕の力を緩めていって。窒息死する前に身体を引き上げる。
 命がけの綱渡りだけど、すこしだけ希望が見えてきた。
 ……………………
 ………………
 …………
 ……
 それでも、20分が限度だった。視界が暗くなって、午後1時55分を指している掛け時計だけがぼんやり見えるだけになった。腕に力を入れているつもりだけど、喉元に食い込む結び目の圧迫がすこしも緩まない。息が出来ない……
 がくんと、背中を重たい衝撃が貫いた。
「ふうっ……」
 息が出来た。と同時に、視界が徐々に明るくなってきた。
 ばしんばしんとビンタを張られた。痛い。けれど、生きているから痛みを感じる。
「わずか1時間の懸垂も出来んのか。毎晩の腕立て伏せをごまかすから、こういうことになる。今夜からは、ちゃんと100回やっておけ」
「……はい。ちゃんとやります」
 まだ意識がぼんやりしてるのに、条件反射で返事をしてしまった。わずか3日で、ずいぶんと染まってしまった。
 そして、これも染まった結果だろうか。教官への怒りが薄れて、救けていただいたという感謝の気持ちすら芽生えている。SMプレイでどんな無茶をされても、実際には安全を確保してくれているという信頼にも、ちょっと似ていた。
 懸垂をしていた時間は40分にも満たなかったけれど、残りをやれとは言われなかった。これもうれしかった。感謝した。次はクリアしてみせるなんて、ちょびっとだけど思ったりして。僕って、意外と簡単に『矯正』されてしまうのかな。
 というのは、命を拾った(というのが実感)直後の気迷いにしか過ぎなかった。
 午後5時から始まった『厳重反省』で、僕はここの恐ろしさを再認識させられた。

 竹刀正座で足がしびれてるふたりは、拓馬さんが山口教官と川上教官、翔子さんは男子生徒の高草壮太さんと元田肇さんに両脇を抱えられて、校庭の真ん中に引きずり出された。
 体が密着するほど接近して向かい合わせ。僕たちは男女が入り混じった並び順でふたりを囲んだ。
「せっかく翔子が女に目覚めかけていることでもありますし、番(つが)わせてやっては如何でしょうか」
「それはいい。身体の内側からも暖めてやれますな」
 大田原教官の提案に林副校長が賛成して、小塚校長もうなずいた。
「拓馬。その姿勢で翔子とセックスをしろ」
 この施設、完全に狂っている。そんな命令をする教官も、平然と見学している生徒たちも。
「出来ません」
 きっぱりと拓馬さんが断わった。その意志を表わして、ペニスは(表現としては矛盾しているけど)力強くうなだれている。だけど、本人の意志なんか無視されるのが、このスクール。
 百合さんが名指しされて、ふたりの横にしゃがみ込んだ。
「ごめんなさい」
 小さい声で拓馬さんに謝ってから、両手を使ってペニスをしごき始めた。なかなか勃起しない。百合さんの後ろで、小塚校長が竹刀をぱしんぱしんと手の平に打ちつけた。びくっと身をすくめて――百合さんはフェラチオを始めた。
「くそ……翔子さん、ごめん。百合さんまで罰を受けさせたくない」
 百合さんのフェラテクは拙かったけれど、拓馬さんの意志がくじけたんだろう。挿入可能なまで怒張した。でも拓馬さんは、垂らした両手を握りしめて突っ立ったまま。
 翔子さんは両手で股間を隠して、やっぱり無言の拒絶。
「壮太、肇。拓馬を押さえておけ。山口教官と川上教官は、翔子を手伝ってやりなさい」
 拓馬さんはふたりに両側から肩と腰をつかまれて、身動きできなくされた。
 翔子さんは校庭へ引きずり出されたときと同じ形で、30センチほど持ち上げられた。
 下村教官がペニスを握って角度を調節したところへ、翔子さんが下ろされていった。たぶん翔子さんは乾いていただろうけど、唾でぬらされたペニスは、簡単に翔子さんを貫いた。a
「しまった。コンドームを忘れていました」
「そのままで構わん。妊娠すれば、翔子も母性に目覚めるだろう」
 小塚校長がとんでもなくないことを言うのを、僕は聞いた覚えがない。こんな虐待を繰り返して、これまで訴えられたことがないんだろうか。それとも、この虐待を当然の仕付けと思うようになるまで、僕たちは『矯正』されていくんだろうか。
 拓馬さんと翔子さんは、立位でセックスしたまま、互いに抱き合う形にされて、縄でぐるぐる巻きにされてしまった。拓馬さんのほうが背が高いので、足を開かせて性器の高さを合わせている。その足の間にも縄を通して、ふたりの腰も縛り合わされた。
「これでは、水を掛けられても結合したままですね」
 犬の交尾じゃあるまいし。
「試してみよう。薫、裏から水をくんでこい。バケツに2杯だ」
 突然に言いつけられて。寒空に全裸で立たされているだけでも、厳しい責めなのに。水を掛けられたら凍え死ぬんじゃないかと――それでも、とぼとぼと裏庭へ向かった。
「チンタラするな。駆け足!」
 しかりつけられて、駆け出す。物置小屋からバケツを取り出して、貯水槽から水をくんだ。天びん棒を使おうかと思ったけど、それでふたりが殴られたら可哀そうだから、両手に30リットルずつ持って運んだ。
「よし、では試してみよう」
 横幅だけでなく背丈もプロレスラー並みの山口教官が、ふたりの頭上からバケツの水を浴びせた。
 ふたりとも目を固くつむり歯を食い縛って、無言で耐えた。
 もうひとつのバケツは、ふたりの足元に置かれた。乾いてから、また掛けるんだろう。
「よし。明日の朝まで、たっぷりと反省しろ。反省できなければ、死んでも構わんぞ。アカもレズも、社会の害毒だ。おまえらが居なくなれば、それだけ日本が良くなるというものだ」
 まさか、ほんとうに殺したりはしないと――僕は、まだ甘っちょろいことを考えていた。
 それよりも、僕はふたりが生理的欲求をどうするのだろうと、そちらが気にかかっていた。こんなに寒ければ、とても朝まで我慢できない。拓馬さんは引っかけられるだけで済むけど、翔子さんは膣内にされることになる。
 ものすごい屈辱だろうけど、全裸に水を浴びせられて真冬の屋外に放置されることに比べれば、たいしたことじゃない――と思うのは、僕が戸坂先生のオチンポ様から直飲みをした経験があるからだろうか。もちろん、僕のSMプレイでの経験と、ここで行なわれていることは……似ている部分もあるけど、本質的にはまったく別物だ。どこが違うのかうまく説明できないけど、直感で確信している。
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怨辱FC2

 さて。現在の(フルタイム)勤務シフトは変則週休2日というか、月休8日。来月からは月休10日ですが。
 25日は休日なので、この日に脱稿するでしょう。もしかしたら(現在のシフトだと勤務中も1時間半くらい、こっそり書けるので)少し早まるかもです。
 で、校訂とかアレコレして、3月末までに各サイトに登録申請のスケジュール。
 気分転換に『宿題を忘れたらお尻たたき、水着を忘れたら裸で泳ぐと、HRの多数決で決めました。』を少し進めて。
 それからPIXIVリクエストに取り掛かるとしましょう。


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ジャンル : アダルト

Progress Report 1:性少年包弄記(怨辱編)

来訪者様4万人到達です。カウンター設置後4年3か月目にして、ようやくです。
昨日は10数年ぶりに紙飛行機MAXを記録しましたし。
縁起が良い。ということにしておきます。


さてさて。執筆のほうは、130枚ほどです。章立てでは、全11章(また増えました)のうち、3章が終わったところです。拉致された1日が終わって、明日からはSM的だがSMでないシゴキとイジメの日々が始まります。



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1.不適合者の矯正所

手錠拉致  戸坂先生がスキャンダル新聞で僕との関係を暴かれそうになって、僕をかばって――というより、政治家の父親を巻き込まないためで、僕は付け足しだろうとひがんじゃうけど。とにかく、辞職してしまって。マゾに調教されちゃった僕は被虐願望を抑えきれなくて、見つかったら言い訳できないような服装でハッテンバをうろついて。うまく男の人をキャッチできたところを、巡回中の刑事さんだか補導員だかに捕まって。学校に通報されて親にも連絡されて。警察はお説教だけで済んだけど、パパは大激怒。自主謹慎を申し渡されてしまった、学校でもあれこれウワサになってるんだろうけど、クラスメートは誰も会いに来てくれないから、分からない。
 家の中でだって、自分の部屋から出るのは食事とトイレとお風呂のときだけ。テレビも平日にひとりで観るのは禁止で、夕食の後に1時間だけ。他の子が学校へ行ってるあいだは、自習と自習と自習。自主謹慎てよりも、座敷ろうだよ。
 座敷ろうの中でクリスマスを(イベント無しで)過ごして、1984年のお正月も無しで。座敷ろうの外では3学期が始まった。
 そんなある日の朝。僕の部屋にいきなり、知らない人が2人訪れた。小柄な小父さんと、プロレスラーみたいにでかいお兄さん。後ろにはパパもいる。
「畑山薫クンだね。きみはこれから親元を離れて、全寮制のスクールで暮らすことになった。私たちと一緒に来なさい」
「息子をよろしくお願いします」
 パパが、小柄な小父さんに頭を下げている。当事者の僕には何の相談もなく、転校を決めたんだ。たぶん、僕には文句を言う権利もないんだろうけど。でも、いちおうは言っとかなきゃ。
「そんなの、聞いていません。ちゃんと説明してください」
「来れば分かる」
 プロレスラーみたいなお兄さんが僕の腕をつかんで、椅子から(立ち上がらせたってよりも)ぶっこ抜いた。
 そんなことをされたら「はい、行きます」なんて言えない。
「イヤです。ちゃんと説明してください。それに、行くとしても支度をしなくちゃならないし」
 お兄さんが問答無用で僕の腕を背中にねじ上げた。
 カチャ……聞き慣れた音と、知り尽くしてる金属の冷たい感触。手錠を掛けられた。
 先生やサディストの人たちに手錠を掛けられたら、胸がきゅうんと切なくなって、粗チンも硬くなってくるんだけど、もちろん今は、そんなふうにはならない。
 なにかとんでもないことをされるんじゃないかって不安だけ。
「やめてください! こんなことしなくたって、きちんと説明してもらって納得したら、言うことをききます」
 小柄な小父さんがボールギャグを取り出した。
 僕は口を固く閉じて、そっぽを向いた。
「これが何か、分かっているようですな。それだけ、変態に染まっているということです。矯正はなかなかに手間取りそうですな」
 小父さんがパパに向かって、僕のことをボロクソに言う。そして、ボールギャグを僕の口に突きつける。
 僕はさらに顔をそむけたのだけど。
 ぼふっ……プロレスラーにお腹を殴られた。
「あう……」
 半開きにした口にボールギャグを押し込まれた。バンドがほっぺたをくびる。
「あの……手荒なことは……」
「息子さんの教育については一任していただいたはずです。口出しなさるなら、御引き受けできませんよ」
 パパは黙り込んじゃった。
 口をマスクでおおわれた。覆面じゃなくて、風邪引きとかで着けるやつ。
「おとなしくしていれば、手荒なことはしない。ついて来なさい」
 もうじゅうぶんに手荒なことをされてるし、ついて行くもなにも、二の腕をさらにねじ上げられて、引っ立てられた。裸足のまま玄関から引きずり出されて、運転席以外の窓は真っ黒なフィルムで隠されたバンの荷物室へ押し込まれた。
 パパは玄関口に立って、僕がされることを眺めていただけ。声も掛けてくれなかった。でも、見送りに来てくれただけましなのかな。後妻さんは、ずっと姿を現わさなかった。
 車が走り始めて10分も経ったかな。やっと、いろんなことを考えられるだけ、動転が治まってきた。
 全寮制のスクールとか言ってたけど、これまでの様子だと、私設の刑務所みたいなところじゃないだろうか。パパとしても、ホモ(自分では違うと思ってるけど)でマゾの息子がいるなんて世間体が悪い。それに、後妻さんとのあいだに出来た子供がいれば、僕なんかいなくても平気なんだろう。
 だけど、スクールに閉じ込められて……出してもらえるんだろうか。そんな不安まで湧いてくる。
 まるきり事情が分かってないんだから、あれこれ考えても無駄なんだけど。サディストさんたちに調教部屋へ連れ込まれるのとは、次元が違う。あれは――エッチなことやSMをされるんだって分かってる。どんなひどいことをされても、大怪我は(たぶん)しないし、最後は家に帰れるって分かってる。けど、今は……まさか、殺されたりはしないだろうけど。
 車は高速道路を何時間も走って、僕が車から降ろされたときには、お昼に近かったんじゃないかな。でも、そこが目的地じゃなかった。
 潮の香りがした。のも当然で、そこは小さな漁港だった。また二の腕をつかまれて、波止場へ引きずって行かれる。
「んんんんん……」
 僕は身体を揺すって、言いたいことがあると訴えた。
「なんだ、小便か?」
 僕はコクコクとうなずいた。
「もうちょっと我慢しろ。船に乗ったら、させてやる」
 しゃべるのは小父さんだけで、プロレスラーのお兄さんは、ずっと無口。なことは、どうでもいい。船に乗るってことは、僕を魚の餌にするんじゃないとしたら、全寮制のスクールというのは、どこかの島にある。ますます脱走不可能な刑務所を連想してしまう。
 ぼろっちいコートを肩に掛けられて、後ろ手錠を隠した姿で歩かされた。ボールギャグもマスクで隠されている。他人に見られるとまずいってことだ。隙を見て逃げ出せば……それから、どうすればいいんだろ。世間向けの言い訳なんか、オトナはちゃんと考えている。だから、公園の砂場にペニスを突っ込んで腕立て伏せをしてるとこをお巡りさんに見つかっても、戸坂先生は平然と応対してた。
 もしも、この人たちの言うことより僕の言葉を信じてくれる人がいたとしても、警察に連絡してくれて……家へ連れ戻されるだけじゃないだろうか。そしたら、またこの人たちがやって来る。今度は、後ろ手錠よりもずっと厳しく拘束されて(もしかしたら箱詰めとか)連れて行かれるだけだ。
 そんなことを考えているうちに、波止場の隅っこに泊まっている小さな漁船に乗せられた。漁船は、おじいさんがひとりで動かしてるぽい。
 小さな漁船には操船室だけで、客室なんて無いので、船の後ろに座らされてた。
 港を出たら、立たされた。風で飛ぶといけないからだろうか、コートをはぎ取られた。
「小便がしたかったんだな?」
 小父さんの質問に、うなずいて答える。
「この船にはトイレなんか無い。そこから立小便をしろ」
 と言われても。後ろ手錠を掛けられてるんだよ。
「脱がしてやれ」
 ごつい体格のお兄さんが僕の後ろへまわって、ズボンに手を掛けた。
「んぶうう……」
 腰をひねって抵抗したら、また腹を殴られた。
「んびっ……」
 胃のあたりを鈍い痛みが突き抜けて……ちびってしまった。
 ズボンもブリーフも、脚から引き抜かれた。船の後ろぎりぎりまで押し出される。真冬の風が吹きつけて、足が震える。玉もサオも縮み上がる。
「すこしくらい船にかかってもかまわんから、さっさと済ませろ」
 オシコはしたい。これまでの調教で、他人に見られてもわりかし平気で出せるようになってた。でも、出したくない。抵抗できないように拘束されて、強い男の人に命令されるのは調教と同じだけど。なにかが根本的に違っていると思う。命令されて、こんなに腹が立ったのは初めてだ。
「さっそく反抗するのか。山口、手助けしてやれ」
 後ろに立っていたお兄さんが、僕のペニスを摘まんだ。ペニスだ。チンポとか粗チンなんて表現する気分じゃない。
「そら。さっさと出しちまえ」
 寒さで縮かんでるのを、ぎゅっと引っ張られた。僕は出そうと努力した。だって、出さないでいると……
 ぼぐっと、お腹を殴られた。胃よりもずっと下だったから、そんなに痛くなかったけど――それが刺激になって、またちびった。そのまま、ちょろちょろと出続ける。
 風が巻いているので、脚にもかかった。
 出し終えると、突き飛ばされた。手を拘束されたときの身ごなしは、じゅうぶんに慣れている。無理に踏ん張らずに、倒れて頭を打たないように、すとんと尻餅をついた。
 お兄さんは船から身を乗り出して海水で手を洗って、僕のズボンで拭いた。オシコが船べりに掛かったところも拭いて。ズボンもブリーフも海へ投げ捨てた。
「んんっ……?」
 文句を言いたいけれど、ボールギャグで封じられてる。
「スクールに着いたら、制服を着せてやる。それまで……」
 小父さんは言葉を途切らせて、僕を見下ろした。
「着くまでには、まだ時間があるな。先に、スパルタン・カッタースクールの理念と教育方針について、オリエンテーリングしてやろう」
 僕は船底に正座させられた。
 訳の分からないところへ、もっと訳の分からないことを言われて、僕はこの人に反発していた。具体的にいうとムカついていた。のが、態度にも表われていたんだと思う。
「生意気な目つきだな。目上の者に逆らうと、どうなるか。追々に教えてやるが。まずは形からだ」
 ごついお兄さんが操船室へ行って、大きなハサミを持って戻って来た。それで、僕の服を切り裂いた。刃物が怖いし、無駄な抵抗をしても殴られるだけだろうから、だまって裸にされた。こんなサディスチックなことをされても、反発を覚えるだけで、ちっともときめかない。
 寒い……。真冬の海の上で、全裸で風に吹かれて。ボールギャグをガチガチと、かみ締めてしまう。
「ワシは、スパルタン・カッタースクールの校長、小塚宏だ。こいつは、教官の山口」
 お兄さんが、うなずく。
「これから、おまえは社会に適合できるまでスパルタン・カッタースクールで暮らす。早ければ数か月で卒業できるし、不適合が続けば何年も矯正教育を受けることになる」
 不適合というのは、ホモとかマゾのことだろう。
「スクールの校訓は、『力が正義』だ。それに、『目上は正義』と『世間は正義』が続く」
 世の中、そんなに単純じゃないと思うけれど。別の状況で言われたら、根本的にはそうなるんだろうなと、思うかもしれない。でも、今は反発が先に立つ。
「自分が正しいと思うことでも、力のある者が違うと言えば違うのだ」
 クラスメートのあいだでは、そういった力関係が成り立つかな。
「力とは腕力だけではない。金の力もあれば、権力もある」
 そこで『目上』が『力』の上にくるのだと、小塚は言う。『目上』は権力を持っているから、結局は『力』だ。会社なら上司、学校なら先生。けれど『目上』の者がどう言おうと、『世間』には逆らえない。『世間』には法律とかも含まれる。
 実際には『世間』が権力なわけだから、突き詰めれば『力』になる。だから、三つの校訓のうち『力』の格助詞だけが『が』になっている。
 なんて、もっともらしい説明を聞かされたけど。要約すれば――ワシの言うことに逆らうな。そういうことなんだろう。
 ボールギャグが外された。
「ここまでは、分かったな」
「分かります。でも……」
「デモもストもない!」
 大声で押さえつけられた。
「質問への返事は、ハイかイイエだけだ。そして、命令にはハイだけだ」
 これも……SMの調教で言われそうな台詞。でも、内心での反応は正反対になる。
「もう一度聞くぞ。『力が正義』。分かったな」
「……はい」
 そう答えるしかないじゃないか。
「よろしい。それでは、スクールでの生活について、大雑把に説明しておこう」
 社会的に不適合な性格の矯正は、集団作業を通じて行われる。自給自足の農作業と、チームワークが要求されるカッターで身体も鍛える。
 カッターというのは、左右に何本もあるオールをひとりずつがこぐ――遊園地のボートを五倍くらいに大きくしたやつ。元々は大きな船に積まれていたボートで、マストを立てれば帆で走ることもできるし、大時化でも(正しく操れば)転覆しない。チームワークが取れていないと、オールとオールがぶつかってしまうし、荒海では遭難する。
 学校での勉強に相当する部分は、午前と午後に1時間ずつの自習で行なう。朝は農作業だし、夜は反省会があるので、勉強している時間もない。ただし、潮目や天候でカッターを出せないときは、その時間も自習に充てられる。
 教科指導の先生もひとりだけいる。のが、プロレスラーみたいな山口だと聞かされて、げんなり。この人はスクールの第一期卒業生で、成績(勉強のことじゃないと思う)優秀だったので教官として残ったそうだ。
 学校に比べたら圧倒的に少ない時間しかないうえに、先生もひとりだけ。でも、テストは学校と同じか、もっと厳しい。赤点を取ったら、いろんな罰を受けるそうだ。
「どんな罰かは、いずれ身をもって知るだろう。先輩に聞いたら、たっぷり怖がらせてくれるぞ」
 そういう言い方って、教育者じゃないと思う。
 その先輩というのは、男子が13人と女子が7人。年齢は僕と同い年から、上は20代前半くらいまで、まちまち。
「細かい部分はスクールに着いてから、あらためて説明してやる」
 見えてきたぞと、小塚が船の前方を指差した。振り返っただけじゃ船べりが邪魔なので、風がもろに吹き付けて寒いけど膝立ちして、指の示す方角を見た。小さな島だけど、波止場があって漁船も何隻か見えた。
 けど、船は波止場へは行かずに、島の裏側へ回り込んだ。島の裏側のずっと向こうはアメリカ大陸。なんて馬鹿なことを考える余裕は、やっぱり――裸で手錠を掛けられてるという状況に、免疫ができているせいだろうか。こんなに寒いのも、まるきり胸がときめかないのも初めてだけど。
 島のすぐ近くにボートが見えた。何本ものオールでこいでいる。あれが、小塚の言っていたカッターだろう。カッターは2隻。
 大きいのは片側にオールが6本。後ろ向きに座ってこいでいるのは、坊主頭ばかり。僕も丸坊主にされるんだろうか。後ろで前向きに立っている2人は、艇長とか監督だろう。遠いから断言できないけど、スポーツ刈りぽい。
 小さいほうは、オールが3本。後ろに立っている2人は男だけど、こいでいるのは女の子らしい。
 漁船はカッターを遠くに回り込んで、なだらかな斜面になっている砂浜から突き出した小さな桟橋に船を着けた。
 桟橋で僕たちを出迎えたのは、意外にも女の人だった。小母さんて言うとビンタされそうだけど、お姉さんと呼ぶのはちょっと――くらいの、ナイスバディで短髪で美人だけど、きつい感じ。会ったことはないけど、SMの女王様というのが第一印象。なのは、服装のせいもある。ボディコンていうんだっけ。身体の線がくっきり出てるミニスカートのワンピース。生足にハイヒール。寒くないんだろうか――なんて、全裸にされてる僕が心配することじゃない。
 漁船は僕たちを降ろすと、さっさと帰って行った。小塚と年増お姉さんとが並んで、僕はその後ろから山口に追われる形で、歩き始める。靴下だけは履いているけど、それが砂に滑って歩きにくい。転んでも手を突けないので、おっかなびっくり。
 すぐ間近に迫っている山をすこし上がったところに、木造オンボロ二階建ての横長の建物が、桟橋から見えている。そこが、スクールという強制収容施設だった。
 思っていた通り、廃校だった。あちこちが改修されているのは、廊下を歩いているときに気づいた。
 階段のところで小塚と山口は別れて、僕と年増お姉さんだけが2階へ。階段の隣の教室には十幾つかのベッドが横向きの3列に並べられていた。出入口は外から鍵が掛かるようになっていて、窓は鉄格子でふさがれている。その次の教室にはベッドが六つだけで、整理ダンスとか机とかポータブルテレビなんかも置かれていて、窓に鉄格子がない。その次は最初の教室と同じで、ベッドが少なかった。これって、それぞれが男子生徒、先生とか看守、女子生徒の部屋かな。
 三つの教室は素通りして、いちばん奥の、殺風景ながらんとした教室へ入れられた。あるのはパイプ椅子が1脚だけ。そこに年増お姉さんが座った。
「なに突っ立ってるの。ここに正座しなさい」
 年増お姉さんが、自分の前の床を指差した。
 こういうのは、SMの調教だと……いちいち比較するのは、やめよう。調教と違って、ペニスはぴくんとも反応しないし、胸がときめくどころかムカつくだけ。
 そして。いちいち逆らっても、どうにもならない。ので、素直に正座した。
「あたくしは、下村友美。下村先生と呼びなさい。家政科の指導教官です」
 下村先生(心の中で呼び捨てにしてると、ぽろっと口に出ることがあるので、ちゃんと敬称を付けるようにしている。これも、SM調教で覚えた心得だ)が立ち上がって、黒板に向かった。
「それぞれの部屋にも貼り出してあるけど、いちおう説明しておくわね」
 黒板に、一日のスケジュールが書かれていった。
 月曜~土曜
 5:00 起床
 5:30 農作業、一部女子は家事
 8:00 朝食
 8:30 自習
 9:30 カッター訓練
12:00 昼食
13:00 カッター訓練
15:30 自習
17:00 農作業、一部女子は家事
18:30 夕食
20:00 反省会
21:00 罰直者以外は自由時間
22:00 就寝
 日曜日
 5:00 起床
 5:30 農作業、一部女子は家事
 8:00 朝食
 9:00 総括反省会
12:00 昼食
13:00 罰直者以外は自由時間
18:30 夕食
20:00 厳重処罰者以外は自由時間
22:00 就寝
 5時起きはきついかな。なんて思ってたら、恐ろしいことを言われた。
「反省会というのはね。ゴメンナサイ、ボクガワルカッタデス。なんて生易しいものじゃないからね。日曜の総括反省会まで持ち越せないような重大規律違反への仮処罰です」
 処罰ってのは、つまり体罰だろう。仮処罰というからには、総括反省会で本番の処罰をされるんだろう。
「細かいことは、先輩たちのする通りにして、教官と先輩の命令に素直に従っていれば、じきに分かってくるわ」
 下村先生がパイプ椅子に戻ってきて、ごく自然な動作で座ったんだけど。ミニスカートの裾がめくれて、パンティで直に座ってる。のが、脚を組んでるから見えてしまう。
「きみはホモだってね。それじゃ、女性には興味が無いのかな?」
 わざと大きな動作で足を組み替えた。一瞬だけど、赤いパンティのサイドがヒモになってて蝶結びなのも丸見えになった。
「そんなこと、ないです」
 ホモの少年に女性への興味を持たせようという『教育』なんだろうか。
「そうかしら?」
 先生が、また立ち上がって。ハイヒールの爪先を僕の膝頭の間に割り込ませて、左右にこねくった。
「口で言われる前に動きなさい」
 膝を開けという意味なんだと解釈して、そうすると、股の間に隠しているペニスが露出してしまうけど、とっくに見られているんだし。口で言われる前に動いた。
「ふうん……?」
 先生が、ますます近づく。スカートの裾は、僕の頭より上にある。
「これを見ても、エッチな気分にはならないの?」
 スカートの裾を持ち上げながら、爪先でペニスをつついた。
 アカネさんとは裸でセックスまでしたけれど、あれはSM調教の一環だった。日常生活……これ、日常じゃないと思うけど、とにかく。非SMの場面で、こんなことをされるのは初めてだった。真っ赤なエッチぽいパンティと、目の前で動めく白い太もも。自宅謹慎中は、さすがにオナニーも控えていたし。訳の分からない状況へのおびえと怒りとはあるけれど。完全じゃないけれど勃起してしまう。
 そしたら、金玉を蹴られた。
「痛い……!」
 前へ倒れかけて、先生の脚に顔をすりつけるみたいになった。もっと激しく蹴られた。
「ぐううっ……」
 横へ倒れて。起き上がろうとしたら、顔を踏んづけられた。
「目上の人間に非礼をはたらくと、こうなるのよ。覚えておきなさい」
 ひどいよ。自分で挑発しておいて。
「もっと罰されないと分からないの?」
「……分かりました。ごめんなさい」
 脂汗がにじむのを感じながら、そう答えるしかなかった。
 だけど、ほんと。どうすれば良かったんだろう。もしも(最大に意志の力を働かせて、暗算でもして)勃起させなかったら、「やっぱり女性には興味が無いのね」なんて言われて、もっと挑発されていたんじゃないかな。これって、SM調教の手口と同じだ。調教だと、どう反応してもそれぞれに別の罰が待ってるんだけど……ここも同じなのかもしれない。でも、これが日常になるなんて我慢できない。
「僕……どうすれば良かったんですか?」
 また何か罰を受けるかもしれないけど、質問してしまった。
「目上は正義。あたくしが満足するまで、罰を甘受してればいいの」
 なんとなく予測していた答が返ってきた。でも、罰の追加はされなかった。きっと、先生は満足したんだろう。
 満足した先生は、やっと手錠をはずしてくれた。そして、ここでの制服を床に放ってくれた。黒い小さな布と、女の子が着るようなセーラー襟のついたワンピースと、白いズック。
 黒い布は、着け方が分からなかった。三角ビキニみたいな(もっと細長い)形をしているけど、頂点からヒモが1本出ているだけ。
「反対側の端が丸く折り返して袋状になっているでしょ。そこにヒモを通しなさい」
 そうやって出来た輪の中に片足を通して引き上げて、逆三角形の布で股間を包んでヒモを引っ張って輪を縮めてお尻の割れ目に食い込ませて、そこに、布の反対側から出ているヒモの端を絡めて折り返して、引っ張りながらヒモが腰を巻くように調節して、ヒモの端を絡めて止める。言葉にするとややこしいけど、実際には簡単に出来た。これ、黒猫フンドシというんだそうだ。
 ええと……簡単に出来たといったけど、それは締め方のこと。収め方は苦労した。平常時(よりも縮かんでる)のペニスを下向きに包もうとすると、布の両側から玉がはみ出してしまった。ペニスを上向きにして玉も引っ張り上げて、布は引き下げて、ぎりぎりで収まった。腰ヒモが一直線にならず浅いV字形になって、すごくきわどいエッチな形。だけど、エッチ気分は皆無。
 それから、ワンピースを着た。ほんとに女子用だ。膝上30センチくらいの超ミニスカート。お飾りのベルトが背中に縫い付けられていて、前で締める。ワンピースの襟と袖には青い2本のラインが入ってる。どこかの私立女子校の夏服ぽいけど……今は真冬。それと、バンドと裾に小さなスナップボタンが付けられている。
「そのままにしておきなさい。すぐに、使い方はわかるから」だそうだ。
 最後に靴下を脱いだ。生徒は冬でも素足。学校の上履きにしか見えないズックを与えられたけど、これは外でしか履けない。足の甲を締めるゴムバンドが赤いからワンピースの青ラインと色違いで、なかなかおシャレぽい。もちろん、女の子が着るときの話だけど。
 女装させられて。もうわかっていたけど、ちっともエッチ気分にもならないし、フンドシの中で上向きに収めてるペニスも縮かんだまま。
「もうぼつぼつカッター訓練が終わるわね。みんなに紹介してあげるから、ついて来なさい」
 ついて来るのが当然みたいに、先生はさっさと教室を出て行った。仕方ないので、後を追いかける。
 校舎から出て、短い山道を下りる。薄っぺらいワンピース一枚でも、全裸に比べればずっと暖かい。その対比で、下半身がスウスウして冷たい。女の子って大変なんだなと、思ったりする――くらいに、人心地を取り戻してた。のは、束の間だった。
 まだ沖合にいた2隻のカッターは僕たちの姿を見ると、海岸へ向きを変えて、オールから波しぶきが飛ぶほどの勢いで、こぎ始めた。
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Progress Report 0:性少年包弄記(怨辱編)

 4月にPIXIVでリクエストを受けて、おそらく300枚くらいを書き始める予定です。
 この1か月。『An Amateur Assasine Arrested And Assaulted』短編では、時間が余る。はずですが、〆切があると、それに引きずられてダラダラしちゃいますので。むしろ追い込んでやれと。尺の長いこちらを書き始めました。

 今回は(も?)、整理していない本当のメモを公開。



1984年2月~

畑山 薫  14歳:僕 公立中学2年3組
 実父は後妻の子ばかりをかわいがる。
 継母からは邪魔者扱い。

戸坂 知臣 29歳:先生/俺 中学校教師。薫の担任。独身。国会議員の三男坊。


[あれこれのメモ]

罰はビンタ(女は乳)<生尻竹刀/鞭<夜間戸外放置(夏は林+焼酎、冬はグラウンド+水、春秋は水中磔(浮き桟橋)

あいつらは、正しいと信じて義務感でやってる。
先生は変態だと自覚して、自分の楽しみのためにやってる。僕が「ほんとに」嫌がることはしない。

女子クラス。「Hなことができない」ように、手を縛って……解剖、チンチン嬲り。

女は貞操を守るために、いざとなったら口で処理しろ。
男には譲れぬ一線がある? Pending

レズ娘は、輪姦されても、自発フェラを拒み続けている。

初期の卒業生。全裸焼酎放置第一号。今では立派に……
接待の相手にレズ娘を指名。噛まれる。
水中磔。
翌日も拒む。追加鞭打ち。
敢然と立ちはだかる彼。両親に主義者と決めつけられたボンボン大学生。
ズタボロ。

[シーケンスのメモ]
強制入所
タイマン
教育的輪
竹刀正座
廊下バケツ
対面ビンタ
負け残り
吊り懸垂
洋上制裁
永久当番
保護入院

ここまでは、PLOT確定前のメモ書きの一部です。PLOTに取り込んだ(明記した)メモは順次消しています。
上記は残り滓ですが、本編執筆中に取り込むかもしれません。

実写:怨辱編



ここからがPLOTです。
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怨辱編(1984年3月~)

小塚 宏 45歳
 スパルタン・カッタースクール創始者
 男子研修生14名 女子研修生7名 教官5名(1名は交替で本土側の出張所)
 島に常駐。

小塚 学  41歳 副所長:出張所常駐
 
林 康夫  57歳:営農指導
大田原 幸雄35歳:漕艇指導
山口 和弘 26歳:教科指導。元スクール生
下村 友美 32歳:家政科指導。所長の愛人的存在
有島 大悟 29歳:教科指導。現在は出張所

スパルタン・カッタースクール
週1便だけの島。漁船で2時間。
波止場周辺の村落。島の裏側の廃校を改修。
男子9mカッター 漕ぎ手14人(2人漕ぎ2丁)、教官1人、助手1人。陸での労働作業6名。翔子も漕ぎ手。
女子6mカッター 漕ぎ手6人(生理中も)、教官1人、男子助手1人
寮は教室に粗末なベッド。暖流のおかげで真冬も暖房無し。男子教室/教官/女子教室。所長は校務員小屋を豪華に改造。
雑用水は海水(女子が水汲み)。トイレも直接放流。
畑作と養鶏で自給自足。米は本土から。動物性蛋白は島の漁村から直接(漁業権)。
簡易水道は圧が低いので、坂を下って水汲み。修練だから自動車などは使わず、天秤棒で女子。
女子内の自治で薫に押しつけられる。

「男なら根性を見せてみろ」相撲?
負けてから、負け残りを宣告されて。
最後はギブアップで女扱い続行。

制服
男子:六尺褌、菜っ葉服上下。農作業時は褌一本。薫(女扱い)以外は丸坊主。
女子:黒猫褌、セーラーワンピ(ミニ)。ノーブラ。Cカップ以上は晒し。

・世の中は弱肉強食。虐められるやつが悪い。
・力が正義<目上は正義<世間は正義
・男と女は役割が違って当然。
・SEXは子作りの為(タテマエ)。男が女を支配する象徴。
・男女ともオナ禁。
・矯正陵辱、強制射精は教官監督下で。

05:00 起床
05:30 農作業(男)、家事(女)
08:00 朝食
09:00 自習/漕艇:潮加減による。
12:00 昼食
13:00 自習/漕艇:潮加減による。
16:30 農作業(男)、家事(女)
18:30 夕食
20:00 反省会(重大違反のみ即罰)
22:00 就寝
日曜午前は週間反省会。各種の罰(その場の体罰、翌週の食事減量など)が言い渡される。
上位者はお菓子など。最下位は下脱ぎ3日。
午後からは自由時間という名の本格虐めタイム。
雨天は午前午後とも自習。農作業はあり(半裸)。


鈴永 拓馬 19歳
 社長の長男。労災隠しの犠牲者を家の金を持ち出して救済。

河野 寛太 16歳
 イジメで登校拒否。「引っ込み思案」矯正に。『模範的に性格改善』。

高草 壮太

深田 勝吾

柴野 淳一

中野 凛太朗


正木 翔子 18歳
 レズビアン(元々男装) 下級生と双頭張形で同時破瓜。ばれて悪者にされて。
 丸坊主。

中川 京子 16歳
 スケバン。

島田 寿美香17歳
 愛人クラブの幹部。不起訴になったが。

森 友美  14歳。
 継父をたらしこんだと、母が。実は強

島村 綾子 23歳
 最年長。公認の女ボス。

杉本 由紀恵20歳
 何も言わない。新入。


1:不適合者の矯正所
自宅謹慎中。午前9時。強制連行(バン)。手錠。
変態性癖の矯正でカッタースクールへ強制入所。本土側の波止場に連絡事務所。
正午に小さな港から漁船で午後2時着。
週1便だけの島。漁船で半日。
波止場周辺の村落。島の裏側の廃校(海岸間近)を改修。
漕艇訓練中。
男子9mカッター 漕ぎ手14人(2人漕ぎ2丁)、教官1人、助手1人。陸での労働作業6名。翔子も漕ぎ手。
女子6mカッター 漕ぎ手6人(生理中も)、教官1人、男子助手1人
がらんとした教室でオリエンテーリング。
寮は教室に粗末なベッド。暖流のおかげで真冬も暖房無し。男子教室/教官/女子教室。所長は校務員小屋を豪華に改造。

2:おとこ女おんな男
午後4時。カッター接岸。白い作業服(セーラー襟)。救命胴衣はもちろん無し。
翔子が呼ばれて前へ。脱衣を命じられて、ビンタで服従。ノーブラ/六尺褌(前もっこり=女としての自覚を持たせる)。女?!
薫もブリーフ一枚。
「翔子は女の癖に男のなりをして、下級生の処女を破った不届き者」
「薫は男のくせに男に虐められて犯されたいという翔子以上の変態」
二人で喧嘩をしろ。勝ったほうを男として認めてやる。
「僕……(ビンタ)わたしは、そんなことを望んでいません」
けしかけられて、不本意に殴り合い。
どっちも本気でないが、体格差で薫が負ける。
「おまえは今日から、女として扱ってやる。本望だろう」
「翔子。年下に勝ったからっていい気になるな。本当の男と喧嘩してみろ」
同い年の寛太。あっさりねじ伏せる。
「自分が女だと教えてやれ」
数人で公開順姦。
薫は京子と戦わされて、ぶちのめされる。
「お前は女にも負ける出来損ないだ」ワンピの腰から下を切り取られる。素足にズックは皆同じ。
女子教室へ。下村友美の監督下で、6人のオモチャにされる。足コキなど。
「生意気に汁を出すんだ」煙が出るまで搾り取られる。

3:弱肉強食適者生存
翔子と共に、イジメの対象。
「イジメが悪いのではない。イジメられるやつが弱いのだ」
暴行、意味の無い長時間正座
誰かがスケープゴートになって、まとまっている不穏調和。
誰も虐めたくない。
「マゾなんだろ」と虐められて、まったく悦びは無い。なぜなんだろう?
(↓もっと前で記述?)
過去に自殺者が3人。退所ということになっているが、研修生が誰も見送らなかった者も何人か。

4:地獄で仏か鬼か?
4月中旬。
戸坂が新教官として加わる。知らん顔。
初日から対立する戸坂と先輩教官。
戸坂にも暴行と辱めを受ける。
悔しい……股間グリグリが、わざと勃起を誘う踏みにじり方。その意味は?
単に僕のクセを知っている? 昔通りの関係だとういメッセージ?
夜遅くに、教官執務室で戸坂が大量コピー。
初潮との会話を盗み聞き。
「先輩方の指導を学ぼうと思いまして。原簿に赤線とかは拙いでしょう」
「勉強熱心は結構。しかし、まずは実践だよ」
「はい、お教えありがとうございます」

5:強制捜査と解放劇
5月中旬。
戸坂が姿を消す。
1か月後。10人の警察官(本土側の漁船に分乗)が家宅捜索。緊急保護。
戸坂が混じっている。薫と翔子を「保護」の列から引き出して、別のモーターボート。
警察にコピー提出。父親の人脈を使った。戸坂、薫、翔子の書類は処分。
レズビアンだから、翔子もほっとけなかった。
「拓馬さんも、助けて(報道されないようにして)ほしい」
薫、ちょっぴり失恋?

6:別施設でマゾ馴致
戸坂が3人の親に談判。
薫は、養子として預かる。両親、否やのあろうはずもなく。
翔子は戸坂が就職口を紹介。両親は「とにかく消えていてくれれば」。
拓馬の父親は戸坂の父から圧力で。
実は、薫の動静はずっと知っていた。とはいえ救出に乗り込んだのではない。
戸坂も同好の士と同じような施設を考えていた。
参考になるかと潜入。反面教師になった。
SMクリニック(強制入院マゾ馴致)の前身。政財界の有力者を巻き込んでいるから、スクールのようなヘマはしない。
正しい嫌虐症治療施設にする。すでに竣工間近。
翔子は無資格看護婦、拓馬は看護助手、薫は入院患者第3号(1,2号は決まっている:女)

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 この記事は、ぶっちゃけると2月25日(休)に書いていて、すぐに本編執筆に着手する予定です。
 「お気に入りの写真」とか、3月1日発売開始の『昭和集団羞辱史:物売編(昼)』の宣伝記事とかがあるので、この記事の公開を遅らせました。
 すでに100枚くらいは進んでいるかな、未来の濠門長恭クン?

 ↓
 この記事の公開時点で76枚。
 まあ、今日じゅう(3月4日)に80枚はいかせます。



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