Bamboo Report 6:間話窮題

 ここでメンバーの交代をお報せします。
 女撫村/少学校に替わりまして三津門村/少学校=五門には程遠いお話です。
 ヒロインは畑上世都子に替わりまして、畑上路代=はだかみろよ。
 弟は畑上太一に替わりまして、畑上太造=はだかみたいぞ。
 助演女優は佐藤真苑に替わりまして、長井真苑=ちょいマゾです。
 あまり奇天烈でない名前の考案に苦労しております。


 ついでに、各種秘密サワサワのご紹介。
 この画像は漢字違いですね。ていうか、右側は「公開さわさわ」ですな。

秘密さわさわ&公開さわさわ

出向かえる。着変える。引き代え。万心。間発を入れず。気白。
団力。指激(オナニーのみ)。空放。礼義。和洋折中。

 まだ一学期なのに教育漢字を全部使ってるのは、まあ路代ちゃんの得意科目が国語で先走り知るということで。そのくせというか、知った被りというか、濠門長恭恒例というか。当て字も刑事ゴロンボ。


 今回は余談だよん。

アフィリエイトも、ぬかるみ無く。
キイワードはぬかるんどりますなあ!









 にしても。最近のブログ、日刊ペースになってるなあ。その分、内容は無い様だけど。

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Bamboo Report 5(賞味期限付):人によっては「十分鬼畜」と思う?

『賞味期限付』ですが、このReportのFinalまでは残すと思います。

 はい、ノーマルなHシーンです。オフェラとゴックンだけです。濠門長恭ワールドでは、これで△□×◇=No丸なのです。

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精通と初潮

 少年少女全国剣道大会の県予選は七月末。あと二か月半しかない。週に三日のけい古じゃ足りないので、火木土の放課後だけじゃなく、月水金に早朝けい古をすることになった。県予選に向けての特訓だから、参加者を防具無しの六人にしぼっての集中指導。
 その発表があったのは、十日の土曜日。いつもなら午後六時まで続けるけい古を四時で打ち切って、コーチからの訓話をうかがったときだった。
 お話の内容は、真剣勝負と竹刀を使った勝負とのちがい。竹刀での打ち合いを平均台の上を歩くことに例えるなら、真剣での切り合いは、平均台の高さが百メートルもある。平均台なんてバランスを取ることなんか考えなくてもふつうに歩けるのに、それが百メートルの高さだと足がすくんで一歩も動けなくなる。どちらも同じにように歩けるのが平常心というものであり武道の極意なんだそうだ。すっぱだかで(面だけは着けて)竹刀でけい古をするのは、平均台の高さが五メートルあるようなもの。落ちれば、死なないけれどケガはする。
 二時間も早く切り上げたのに、訓話は十分くらいで終わった。そして、早朝けい古のお話があったんだ。
「さらに人数をしぼって、日曜に特訓を行なうこともある。都合の悪い者は早めに申し出てくれ」
 県大会より大切なものなんて、あるわけがない――というのも、あたしのひとりずもうになってはいけない。他人の痛みってものを常に考えなくちゃな。
「今日はかなり早いが、これでけい古は終わる」
 て、まだ四時半にもなってないぞ。あ、そうか。これからは毎日がけい古になるから、一度につめこむのは良くないって判断かな。というのも、あたしの早とちりだった。
「ただし、翔太と留夫。それから世都子と真苑は残れ。体調管理について、大切な話がある」
 ということだそうだ。
 あたしたち四人は、みんなが着変えてるのとは反対のすみっこでアグラ座りをして、先生のお話が始まるのを待った。あたしたちはコーチをふくめてすっぱだか。服を着てる子のほうが多くなると、なんだか落ち着かない。しかもアグラで座って、チンチンもマンマンも開けっぴろげだぞ。
 八人が横一列になって、いっせいに頭を下げて。
「ありがとうございました。お先に失礼します」
 声がまだ道場にこだましてるうちに、道場から出て行った――というのは、文学的表現てやつだ。
「さて。留夫には聞いているが、あらためて翔太と留夫に聞くぞ。精通は、まだなんだな?」
 セイツウてのは、家にある子供用のじゃない・・・・・・・・辞書で調べた。きっと、二人も同じことをしたんだろう。
「まだです」
「ありません」
 とまどうことなく答えた。
「そうか。では、世都子と真苑にも聞くが、初潮は来たのか?」
 これは、五年の始めに『女子だけの保健体育』で習っている。
「まだです」
 あたしが速答したので、真苑ちゃんも(聞き取れないような小さな声で)同じ返事をした。
 コーチの言う体調管理が、なんとなく分かってきたぞ。男子のことは知らないけれど、女子は生理期間中にさまざまな体調不良にみまわれるそうだ。だけじゃなくて、生理の数日前くらいから、胸やおなかが張ったりすることもあるし、感情的にも不安定になるそうだ。そんな状態で試合に臨んだら、ろくな結果にはならないよな。
 そういや……おとついあたりから、胸のあたり(はっきりと、おっぱい)が、ちょっとしこってる感じがしてる。
「そうか。女子は出物ハレモノ所きらわずだが、男はコントロールできる。禁欲というやつだ」
 こないだのアナドレンがドパドパも、学校では教えてくれない性教育ってやつだった。これも、そうかな。
「女は生理期間中は『なんとなく不調』といった程度だが、男は精神の落差が大きい。個人差はあるが、射精した翌日までとう争本能を失う者もいる」
 そんな状態で試合に望んだら、結果は分かり切ってる。
「精通は、なんの予兆もなく、不意に訪れる。試合の間際にということも、あり得る」
 それを防ぐには、どうするか。射精の仕方を覚えて、気力が落ちる期間をはあくして、試合の日程に合わせれば良い。これを射精管理というんだそうだ。
「金玉に精子がみなぎっているときは、とう争本能が強くなる」
 それを試合当日に持ってこれたら、ふだん以上の力を発揮できる。
「そういうわけだから、今ここで射精してみろ」
「…………!?」
「…………??」
 ハテナハテナは、あたし(と、たぶん真苑ちゃん)の心理びょう写。ビックリハテナは男子二人分(だと思う)。
 精通(初めての射精)というのは、ボッキしたチンチンから精液という白い液体が出ることだというのは、『精通』のところで出てきた分からない言葉も辞書で引いて、学校の図書館にあった『体と心の仕組』って本も読んで、だいたいは分かった。
 だけど、どうやったら(何をしたら)射精するんだろ。
「初めてなら、やり方が分からんか。チンポを軽くにぎって、前後にしごくんだ」
「あの……でも……?」
 翔太がうつむいて、あたしを横目でチラチラ。
「女子も協力してやれ。相手の前にたって足を開いて、マンコを見せてやれ」
「…………!!」
 これは、きっとあたし以外の三人分。あたしは、ええとお……
「…………♡!」かな。
 翔太にだったら、見られてもいいや。ううん、見てほしかったりする。
「だいじょうぶです。ぼく、ひとりで出来ます」
 あら、ま……と、おどろいたのは。自力厚生の意気ごみではなくて一人しょうのほう。
 ちっちゃいころは『ボク』って言ってたのに、いつの間にかあたしの真似をして『オレ』って言うようになってた。のに、また昔にもどったのは、あたしが『オレ』をやめたから、付き合ってくれたんかな。
 それはともかく(と、しとく)。
 翔太はチンチンを右手でにぎったんだけど、手を動かしてもフニャフニャするだけで、ちっともボッキしない。のは、留夫も同じ。
 ええい、仕方ない。
「ほら、見ろよ。女の子のパンツの中身だぞ」
 男子は女子のパンツを見たがるけど、ほんとはその中を見たいんだってことくらい、常識だ。
 だから、二人とも試合けい古で二刀流になっちまったんだ。英知は……輝子ちゃんに負けたら上級生の面子だから、それどころじゃなかったんだろうな。
 あたしに負けじと、真苑ちゃんも留夫の前で、ぱかっと足を広げた。だけじゃなく、こしをつき出して、留夫の鼻の先に割れ目がくっつきそう。
 あたしも真似をしたいけど。もう、こしのおくが熱くなってジュクジュクしてきてる。割れ目からにじみ出てるかも。女の子がそんなふうになるのを翔太は知らないだろうけど、それはそれで、ちびっただなんて誤解されたら、ぶんなぐってやらないと気が収まらなくなるので、やめておく。
 留夫は真苑ちゃんの内助の功ってやつで、見事にボッキした。手を動かしても、チンチンは直立不動。なんだか、すごくもどかしそうな表情になってる。
 一方の翔太は……あたしの内助の功が足りてない!
 あわわ。今の取消し。内助の功なんかじゃないぞ。おれと翔太は、ただの幼なじみだ。真苑ちゃんだって、情け容しゃなく女の子をぶったたたくやつを好きになるはずがない。
 あくまでも、試合に勝つための射精管理。その手伝いだ。
 翔太は必死の形相になって、チンチンをしごいたり、皮の先っぽをつまんで中身をクニュクニュしたり。でも、横目で留夫の様子をうかがうのは逆効果だと思うぞ。れっ等感てやつだ。
 かわいそうになったので、あたしも割れ目を翔太の鼻先につき付けた。中身も見えたら、もっとHな気分になれるかなと思って、両手を割れ目のふちにそえて左右に引っ張った。
 翔太の目が、くぎ付けになった。でも、チンチンはくぎみたいにならない。
 それを見てるあたしのほうが、Hな気分になってきた。心臓がバクバクドキドキ。こしのおくが、すごく熱い。ねばっこいあせが、割れ目からしたたる。
 あたしひとりが盛り上がって(?)、翔太はあせりまくってる。
 立て、立つんだ、ショオオオオタ!
「いったん、手を止めろ」
 しん判が、時間切れ引き分けの宣告。
「これではラチが明かんな。やむを得ん。女子が、もっと積極的に手伝ってやれ」
 何をすればいいんだろ。手がつかれたから代わってやれとかいうんだったら、試合に勝つためなら仕方がないから、喜んで手伝う。無い物ねだりってやつ。立ったまま放水できる便利なホースがうらやましい。
「チンポを口でしゃぶってやれ」
「…………!?※#!!」
  これも四人分の表現。男子と女子で、記号の意味はちがうかもしれないけど。
 チンチンって、尾室古を出すホースだぞ。ばっちい。
「そんなの、できません」
 先ぱいとして真苑ちゃんをかばってあげなくちゃ。
「大人の女は、喜んで、こういうことをするんだぞ。まあ、だれとでもするのではなく、本当に好きな相手にだけだが」
 あたしたちは、まだ子供だぞ。それに、コーチの言う『好き』はラブラブって意味だと思う。あたしと翔太は、幼なじみってだけだし。
 コーチの指導に、おれは初めて疑問を持ったんだけれど。
「わたし、やります!」
 真苑ちゃん。留夫のアグラの間にひざをそろえて、ぺたんと正座して。じっとチンチンを見つめてから、その上にがばっと顔をふせた。
「ヨシ、いい覚ごだ」
 コーチは、あたしに視線を向けた。おまえはどうするって、無言で問いかけてる。
 先ぱいがしりごみをしてちゃ示しがつかないって気持ちもあったけど。このままじゃ翔太が負けちゃうってあせりのほうが強かった。
 ジンジロ毛で負けて、大きさで(わずかに)負けて、ボッキで負けて。この上、留夫だけが精通して翔太が取り残されたら。下こく上じゃないか。翔太のはじは、あたしのはじでもあるんだ。
 あたしも真苑ちゃんと同じように翔太のひざの間に割りこんで正座して、真苑ちゃんみたいにちゅうちょなんかしないで、チンチンをかくそうとする翔太の手をはらいのけて、チンチンをほお張った。
「あっ……?!」
 うろたえっぽい声。留夫みたいに堂々としてなさいよ。
 それにしても、変な味とにおいと舌ざわり。しょっぱいようなイカくさいようなケダモノっぽいような。ミニウインナーをくわえてるみたいな感じだけど、それほどの歯ごたえはない。
「痛いっ……」
「かむんじゃない。ぺろぺろなめてやれ」
 ミニウインナーを食べるよりは、お作法がめんどいな。
「世都子。翔太のは皮をかぶっているから、根元を引っ張って頭を出してやれ。そこをなめるんだ」
 うげえ。でも、乗りかかった船ってやつだ。
 手で皮をむき下げて……うわ、熱い。火傷しそうなほどじゃないけど。
「マツタケのカサみたいになっているな。そこをカリクビという。そのあたりが感じやすい。それから、裏側に縦の筋があるのが舌で分かるな。そこは横になめてやれ」
 なんか、剣道よりも熱心に教えてくれる。あ、そうか。最初はこんせつていねいに教えてもらわないと、何をどうしていいか分からないもんな。
 言われたとおりにすると、舌の先になんだかねっとりとした物がこびりついた。チンチンをはき出して舌を指でこすってみると、白っぽい――しめった耳あかみたいのが付いてた。
「それはチコウという。皮をかむったまま放っておくと、貯まってくる。翔太、ニョウボウのためにも、ふろでちゃんと洗うんだぞ」
 だれがニョウボウだよ。ていうか、これからもこういうこと・・・・・・をしろって言うのかよ。
「世都子。それは食っても害にならんぞ」
 やだよ。ぺっぺっぺ。
「まあ、いいか。続きをやれ。ほら、留夫のほうは暴発寸前だぞ」
 おっと。負けるもんか……て、あたしもいい加減、負けずぎらいだな。
 とにかく。あむあむ、ぺろぺろ。うわ、うわわ……口の中でミニウインナーが竹輪くらいに太く長くなった。舌をおし返すくらい、固いというか団力があるというか。
「舌を使いながら首を上下にふって、根元まで深く、カリクビにくちびるがふれるくらいまで浅く――それをくり返してみろ。ほら、イッチニ、イッチニ」
 コーチのかけ声に合わせて首を動かす。竹輪どころか細い竹刀みたいになったやつが、口の中で暴れる。五六回も動かしてると、チンチンがさらにふくらんで、ビュクビュクッてけいれんして。
「んん……」
 細身の竹刀がふやけた竹輪になって、さらにじわっとしぼんでいった。
 ならんで座っているあたしと真苑ちゃんの頭を、コーチが後ろからおさえこんだ。
「よし、二人とも出たな。世都子、こっちを向いて口の中を見せろ」
 あたしの口の中を見て、コーチは「ほへ?」みたいな顔をした。
「真苑も見せろ」
 真苑ちゃんの口の中は、おかゆのふきこぼれみたいな白いねばっこいものが貯まってた。
「はき出すんじゃないぞ。精液には男の命がぎょう縮されている。しかも、男の一生に一回だけの『初物』だ。よく味わってから飲みこめ」
 真苑ちゃんは口を閉じて、くちゅくちゅして、ちょこっとだけ顔をしかめたけど、ごくんと飲みこんだ。
「今のことについてすこし解説しておこう。男に限らず女でも、自分で自分を指激することをオナニーという。女が男子を手伝うのはフェラチオだ」
 オナニーはともかくフェラチオというのは、本来は大人の男女がすることだそうだ。あたしたちのしたことは、言ってみれば子供がお酒を飲むのと同じ。男子がオナニーをうまく出来なかったので、非常手段として女子にフェラチオをさせた。
 コーチはそこまでしか言わなかったけど。お正月でもないのに子供がお酒を飲んだりしたら、父ちゃんと母ちゃんにステレオでしかられるよな。そういうことなんだなと思った。
「だからフェラチオは、おれが見ているときだけだ。オナニーは、今のうちは好きなだけしろ。する前とした後で、どれくらい気力が落ちるか。回復にはどれくらいかかるか、自得しておけ」
 コーチは、留夫と真苑だけを先に帰した。
「話があるのは翔太にだけだが、気になるなら世都子も残っていいぞ」
 残るにきまってるだろ。
 また、留夫と真苑ちゃんが服を着る間の手持ちブタさんで気まずい数分があって。道場にはコーチと翔太とあたしの三人だけになった。
「翔太は空放だったな」
 翔太の顔がくやしそうにゆがんだ。あたしにも、何のことか分かる。びゅくびゅくってしたとき、翔太は何も出さなかったけど、留夫は精液を出したんだ。
「おまえたちは二月生まれと四月生まれ。一学年ちがっても、実際には同い年だ。留夫のほうが成熟していても不思議ではない」
 まあ、体格だって五分五分だしな。だけど、あたしは留夫と十一か月もお姉さんだけど、真苑ちゃんより一センチ背が高いだけ――なのは、男と女のちがいだろうけど。真苑ちゃんのほうが、胸のふくらみが(ちょびっとだけ)大きいのは……くやしい。ので、今の翔太の心中は察するに余りある。
「しかし、男の面子に関わる問題だろうな」
 だから、留夫に追いつき追いこす秘法を伝授してやろうと、コーチはおっしゃった。
「えこひいきではないぞ。自信を持ってチームを率いてもらうためだ」
 その秘法は、金冷法という名前だ。チンチンの頭と金玉に練り歯みがきをぬって、冷水にひたす。コップに水を入れて、チンチンと金玉にかぶせるのでも良い。これなら、おふろのときだけでなく、いつだって出来る。ただし、歯みがきの成分でチンチンが痛くなるし、はれることもある。せいぜい、朝晩の二回に留めておくようにとのことだった。
「女がこれをしても、特に良いことも悪いこともない」
 変なことを言うな。女にはチンチンが無いぞ。と思ったら。
「女にもチンチンはあるぞ」
 あたしがけげんな顔をしたのを、ちゃんとコーチは気づいた。
「割れ目の上はしに小さなイボみたいなのがあるだろ。ここで確かめてみろ」
 どうせすっぱだかでアグラ座りをしてる。割れ目の中まで翔太には見せてる。たぶん、コーチにも見えていた。だから、今さらはずかしくなんかないぞ。どころか、ドキドキキュンキュンしてきた。バクバクとジュンジュンまでは行かないけど。
 確かめてみると、たしかにコーチの言う通りだった。さわったせいか固くしこってきて、チンチンの先っぽみたいに皮をかむってるのも分かった。全体でも小指の先っぽほどもないけど。
「ついでに大人の知識を教えておくと――割れ目のまわりがふっくらしているな。そこを大いんしんという。これは男の金玉ぶくろに相当する。たい児が母親の子宮の中で成長していく段階で、そういうふうに男女の形に分化していくのだ」
 ひとつの卵細ぼうが分れつして赤ちゃんの形になっていくのは、精通を調べるついでに読んでいたけど、そこまでくわしくは書いてなかった。やっぱり、少学校の図書室にある本は、少学生には読ませたくないことまでは書いてないんだな。
「一週間、がんばってみろ。来週の土曜日に、たん練の成果を見てやる」
 ということで、あたしたちも家路に――着く前に、もうひとつ重大事件が起きちゃった。
 パンツをはこうとしたら、太ももにツツーッと血がしたたった。
「うわっ……ケガしてたんか?」
 目ざとく見つけて(それだけ、あたしのはだかをチラ見してたんだね)翔太はさわいだけど。コーチから初潮の話があったときに思い当たることがあったので、「ああ、やっぱりだったんだ」としか思わなかった。そして。翔太に申し訳ない気分になった。だって、あたしだけがオトナへの階段をひとつ上がったんだものな。
「ナプキンかタンポンは持って来てるのか?」
 コーチも落ち着いてる。あたしが何も用意していないと答えると。
「ちょっと待っていろ。おくへ引っこんで、小さな紙包みを取って来てくれた。中身はナプキン。と分かったのも、『女子だけの保健体育』で習っているから。
 初めてなのでちょっと手間取ったけど、パンツの裏にナプキンを張り付けてはいた。ゴワゴワして、着け心地が悪い。これからは月に一回、何日間かはこうしてなくちゃならないのか。ゆううつだな。でも、翔太には悪いけど、これで名実ともに『女の子』になったんだと思うと、くすぐったい気分かな。
 これは、母ちゃんに報告してもいいというか、報告しなくちゃ。お赤飯、晩ご飯に間に合うかな。あ、そうか。お赤飯が食事に出たら、父ちゃんにも分かるんだから……それは、ちょっとはずかしいや。太一はお赤飯が好きだから、単純に喜ぶだけだな。
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A96.jpg


 しかし、現代は便利ですねえ。どんなマセガキの所業・知識でも「ネットで調べた」で Take a kick ですもの。
 ああ、このシーケンスでは、初潮とお赤飯の関係は、さすがにアプリオリにしときます。


 で。コーチに「そそのかされた」形で、世都子ちゃんは『女子金冷法』に挑むのです。翔太だけに痛い思いをさせるのはかわいそうって同情心もありますけど。
 で。痛いだけでつまんないとなるか、刺激が病みつきとなるかは――やっぱり、指の勢いで決めます。紀伊ボードを打つか画面のフリックですから、『指』には違いないでしょ。



キイワードの「つるぺた」はDLsiite語で「ロリ」のことです言葉ケ里

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Bamboo Report 4:鬼畜の道は遥けくも遠い

 とにもかくにも、1万3千字(約40枚)を一挙公開。ここらまでが体験版になるでしょう。

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Hな二刀流

 アタイは一発でアウト食らった。スケ番がアタイを使うのはコーチも知っていて、不良の真似をするなってしかられた。まあ、いいや。オレだろうとアタイだろうとアタシだろうと、オレはアタシなんだから……こんぐらかっちまったい。
 新指導体制での二日目は、五月三日の憲法記念日。遊園地や映画に連れてってもらう子も少なくないけど、剣道部員は欠席無し。学校公認の部活より、よほど熱心だ。
 けい古は、火曜と木曜が午後四時から二時間。土曜日は午後二時から四時間。今日は土曜日と同じ四時間だから、みっちり指導してもらえる。
 前と同じように、すっぱだかで学校まで往復のランニング。もう、びっくりギョーテンの目で見てくる人はいない。
 県予選での優勝を目指すための特訓だというコーチの説明に、みんな納得してる。大会だと、観客は百や二百じゃない。すっぱだかをじろじろ見つめられても平気になれば、観客の視線を気にせず試合に集中できるって理くつだ。それに、オトナがはだかになってるのとはちがう。コーチが言ったように、毛の生えてないチンチンやマンマンをろ出するのはワイセツじゃない。自転車で通りかかったちゅう在さんも、がんばれよって声をかけてくれたもんな。
 クールダウンをしてから、道場でコーチを半円に囲んで、お話をうかがった。今後の方針とか、武道の心得とか。
「剣道とは剣を使った戦いだ。当然だが、真剣を使っていた」
 今では有効打突以外はすべてノーカンあつかいだけど、真剣だったらはだをかすっただけで傷が付くし、刃筋が立っていなくても、けがをする。小指の一本でも切り落とされたら、まともに刀を持てなくなる。
「竹刀と防具とルールで守られているから、足を打たれてもケロリとしている」
 真剣での立会だったら動けなくなって、次のひと太刀で面を割られるか胴を真っ二つにされるか。
 今の剣道とはそういうもの・・・・・・だと割り切ることもできるが、有効打突でなければ打たれても(ちょっと痛いだけで)平気だというあまえが、技量の向上をさまたげている。面をねらわれたら首をかしげてかたで受けたりする。きちんと剣をかわして、その体さばきの流れで、かけぬける相手に向き直って、逆しゅうに出る。有段者でさえ、それを忘れている。
 これは心構えだけじゃなくて、実戦的な教えだと思った。かけぬける相手に素早く向き直って逆しゅうだなんて、考えたこともなかった。ほんとに後ろからこうげきするのは反則だけど、残心もせずにふり返ったところへ打ちこむのは――必殺の一げきになるぞ。
「だから、しっかりと基本が出来ている者は、これからは防具無しでけい古する。と言っても、頭や目に当たると危険だから、面だけは着ける」
 防具無しを指名されたのは五年生以上の全員と、四年生の輝子ちゃん。輝子ちゃんは、やっぱりおれじゃなくてあたしにあこがれて、三年生で入門してきた。チビだけど熱心で、五年生とも対等に打ち合ってる。
 待てよ。大会は五人の団体戦で補欠が一名認められてる。つまり、この六人は強化選手ってことになるんじゃないかな。
 なるよな。五年生と六年生を合わせて五人しかいないんだし、あたしみたいに四年生のくせして六年生を打ち負かすような英才(自分で言ってりゃ世話ないや)もいないんだし。でも、輝子ちゃんは他の子よりキャリアが長い分だけ一日の長ってやつだ。
 防具は打ちこみけい古からの話で、素ぶりは三年生もすっぱだか。こないだとちがって、ひとりずつに細かな指導。あたしも左小指の使い方を注意された――ら、これまでよりするどく、ピタッと剣先が止まるようになった。素ぶりの形なんて、とっくに完成してると自負してたのに。万心ってやつだな。
 素ぶりは五十回だけで、つぎは打ちこみけい古。竹刀を構えたコーチに打ちこむ。
「道場内では、公然ワイセツにはならんからな」
 コーチも、すっぱだかになった。面も着けない。子供の背たけに合わせてひざ立ちになって、竹刀も子供用のちょっと短いやつ。チンチンが翔太の五倍くらい大きくて、形も下生えの中のマツタケと地面からちょっぴり顔を出したタケノコくらいにちがうけど、どうしても比べちまったりするけど……無念無想だい。
 十二人で並んで「エイッ、ヤッ、トウッ!」と(可能なら)三発ずつ打ちこむ。本来なら、わざとスキを空けて有効部位を打たせてくれるけど、今はコーチもすっぱだか。しかも素面。きっちりかわして、三年のチビちゃんたちは、かすりもしない。四年生だって、春休みの間に体験入門して基本のはしっこをかじった程度だから、以下同文。
 竹刀を打ちはらってるんじゃなくて、コーチがちょっと身体をひねったりかたむけたりするだけで、竹刀は空を切る。それをはね上げて、返す刀でチョンッと胴を打っている。
 防具無しの輝子ちゃんも同じようにあしらわれたけど、コーチは初めてひざを使って身体をずらした。それだけ輝子ちゃんの打突がするどく正確だと、見ているとよく分かる。
 五年生の三人は、全員がコーチにひざを使わせた。
「正確で体重の乗った、良い打突だ」
「気合の入ったふみこみだ」
「うまくかわしたな。それが残心だ」
 おせじ――じゃなくて、なんだっけ。やる気を引き出すほめ言葉だね。
 そして、いよいよ、あたしと翔太。あたしが総大将の真打という見方もあるし、カレ氏(じゃないぞ)に先をゆずったとも言える。
「メーンンンッ!」
 パシイン……
 翔太の竹刀がはね飛ばされた。
「本気ではらわなければ、取られていたな。だが、これくらいで竹刀を取り落とすのは、にぎりがあまい」
 だからといって、にぎり閉めるんじゃないぞ――みたいな、分かり切ったことまでは言わない。
 最後があたしの番です。ちぇ、言葉使いが「あたし」に引っ張られてらあ。
 正眼の構えから剣先を上げていって。ふみこみながら……
「メエンッ!」
 かわされたので竹刀をしぼりながら止めて、一歩引くところへ……
「ドオッ!」
 パチイン!
 つけこまれて、きれいに胴をぬかれた。
「痛ううっ……」
 痛いけど、しゅん間的で後を引かない。変な表現だけど、さわやかな痛みだ。でも、くやしい。そりゃ、あたしは三級でコーチは五段だから、月とミジンコくらいの差はあるけど。
 あっと。三級ってのは、そこまでしか受験できないから。翔太も留夫も三級だ。実力なら、あたしと翔太は一級に達してると、おししょう様は折り紙をしてくれてた。
 だから、月とミズスマシくらいかな。どっちにしたって、今の一げきで切り殺されてる。
 打たれてからの二発目なんて死人が生き返るみたいなもんだから、素直に竹刀を引いて。
「ありがとうございました。もう一本!」
「かかりげい古じゃないぞ。列に並べ」
 そうだった。熱くなっちまった。引き下がって、翔太の後ろへ並んだ。
 二回目も同じ流れだったけど。翔太は、はらわれた竹刀を取り落とさなかった。ら、つけこまれて胴をぬかれた。
 パチン。
 おれのときより音が小さい。痛がりもしない――のは、男の子のやせがまんかもな。
「お願いします!」
 今度こその気白をこめて打ちこんだ。
 ぱあん、バシイン!
「痛いっ……!」
 竹刀をはじき飛ばされて、がら空きになった胴を強打された。
「おっ、すまん。殺気を感じるほどの打ちこみだったから、つい本気で返してしまった」
「平気です。ありがとうございました」
 痛いけど、うれしかったし得意満面の気分。高段者を本気にさせたんだものな。
 三回目は、もっと痛かった。
「メエエン!」
「ドオオッ!」
 ぱちん。バシイン!
「きゃああっ……!」
 コーチの面に竹刀が当たりかけたところをはらわれて、間発を入れずに、胸を打たれた。激痛。ふくらみかけの胸は、ちょこっと机の角にぶつけただけでも痛い。それなのに、竹刀で打たれたんだぞ。絶対に、さわやかな痛みじゃない。
 竹刀を取り落として、両手で胸をかかえてうずくまった。そうすると……痛いところをかばってるんじゃなくて、痛みそのものをだきしめてるみたいな気分。わざとパンツだけになって着変えたりすっぱだかでランニングするときのように、キュウンとしてきた。
「重ね重ねすまん。ひざを着いているので、打突部位を誤った」
「……だいじょうぶです。これまでの自分が防具にあまえていたと、思い知りました」
 顔を上げるのがやっとで、すぐには立ち上がれない。
「世都子。手を貸そうか?」
 翔太が手を差しのべてくれたのは、うれしいんだけど。ちょうど目の前にチンチンが、ぶらぶら……してないぞ。水平くらいまでカマ首をもたげて、倍くらいに大きくなってる。これ、ボッキだよな。エッチなことを考えたりすると、こうなるんだろ。そりゃまあ、首から下はすっぽんぽんの女の子に囲まれてるんだから、仕方ない……ことはない!
 他の男子は、むしろふだんより縮かまってるくらいだ。
 それに。これまでは翔太のチンチンだって縮かまってたぞ。おれがコテンパンにされてるのを見て、エッチな気分になったのかな。だとしたら……こういうのって、サドマゾっていうんだろ。それくらい知ってる。田舎の子だって、流行にはびん感なんだ。
翔太ってば、エッチなだけじゃなくてヘンタイじゃないか。コンチクショウ、バカヤロウ。そう思ったのに、なぜか胸がキュウンとしちまった。ので、あたしは翔太の手をはねのけて、もちろん竹刀をつえにしたりもせずに、しゃんと立ち上がった。
「ありがとうございました!」
 つい、声を張り上げちまったぜ。
 打ちこみけい古は、そこで終わって。いよいよ試合けい古。チャンバラごっこなんて言ったらコーチにはしかられるだろうし、今は亡きおししょう様だったら脳天直下のゲンコツだけど。これをやりたくて入門してくる子もいるんだよな。たいていは、素ぶりやすり足のけい古で音を上げて三日ボウズだけど。
 この春休みから加わった二人の三年生も、そうならなきゃいいんだけど。もちろん弟の太一は、あたしが辞めさせない。
 試合けい古の組み合わせはコーチが決めた。あたしと翔太は、五分のけい古ならこれしかない組み合わせ。けど、それ以外は、わざと実力差をつけた組み合わせだった。
 五年生は男子が二人なのに、留夫と真苑ちゃんを組ませて、余った英知は四年生の輝子ちゃんと。そして四年男子同士も組ませずに、平助と照代ちゃん。達雄は三年生の清美ちゃんと。当然、太一は市江ちゃんになる。
 全部、男と女の対戦だ。何か意図があるんかな。でも、いちいち聞くのは失礼だよな。乗り気でなかったコーチに、無理をお願いして引き受けていただいたんだもの。
 道場は六組が対戦できるほど広くない。そんなの、体育館くらいだ。だいいち、コーチの目が届かない。ので、二組ずつで対戦して、四組は見学。模はんを見せる意味で、上級生から。
 あたしと翔太。留夫と真苑ちゃん。道場の真ん中で二組が左右の間かくをじゅうぶんに空けて、2メートル半のきょりで向かい合う。
「よろしくお願いします」
 竹刀を左手に提げて一礼。そして、正眼に構えて向かい合う。
 翔太が動かないので、あたしのほうから間合いをつめて。
「メーンン!」
 あたしの打ちこみに対して翔太は(向かって)右へ開いたんだけど、いつもの三倍くらい大きくにげた。剣先を身体にふれさせまいとすると、そうなるよな。
 でも、バランスをくずしかけて胴ががら空き。あたしはちょっと引きながら右へ開いて、ダンッとふみこんだ。
「ドオオッ!」
 バチイン!
 きれいに決まった。けい古だから「一本!」の声はかからない。けど、翔太も一本を認めて、開始線の位置までもどった。
「ドオオッ!」
 バチン!
「きゃあっ……!」
 気合声と打突音と悲鳴とが連続した。
 真苑ちゃんが胴を打たれて。そこで竹刀を引いて、一本ですって引き下がればいいのに。素はだをたたかれて、とっさに後ろへにげようとしたんだろうな。あお向けに転んでしまった。足がはね上がって開いて、マンマンが丸見え――なのはともかく(じゃない!)。
「メエエンッ!」
 留夫の追い打ち。ひきょうでもルールい反でもない。たおれた相手へのこうげきは、一度だけ認められてる。むしろ、有効打突部位をかくそうとしてうつぶせになったら、二本負けになる。
 バアンと、脳しんとうを起こすんじゃないかってくらいに強く打ってから、留夫は後ろへ引いた。それでも、竹刀を正眼に構えて、真苑ちゃんをにらみつけてる。残心のお手本だけど……女の子を相手に容しゃ無さ過ぎると思う。
「よそ見するな!」
 分かってるさ。
「メエエンンッ!」
 おれ以上にボケっとしてる翔太から二本目を取った。けい古だから、これで決着がついたんじゃなくて。「ヤメ!」の声がかかるまでは続ける。
 また開始線まで下がって。
「メエエンッ! コテ! コテ! ドオオッ!」
 今度は翔太もうまくかわして反げきしてくるので、火をふくような連続こうげきになる。
 有効打突は決まらないけど、竹刀は確実にはだに当っている。つまり、翔太は打たれる一方。
 それは留夫と真苑ちゃんも同じだった。ちがうのは。翔太は一歩も引かずにおれの竹刀を浴びているのと反対に、真苑ちゃんはズルズルと交代してかべに退路を断たれて、そのたびに泣きべそをかきながら中央へ引きもどされてるってとこ。
 比ゆじゃなくて。留夫に手首をつかまれて、引っ張られている。
 コーチは止めない。だって、真苑ちゃんが「参った!」て言えば、けい古は打ち切られるんだから。
「苦しくたって、悲しくたって、剣道場の中では平気なの♪」だよなあ。「でも、なみだが出ちゃう。女の子だもん♪」
 おれは泣かないぜ。もちろん翔太もな。
 試合けい古ってよりも、打突有りの形けい古みたいになってきた。打つほうと打たれるほうが定まってるってこと。
 真苑ちゃんはかわいそうな気もするけど、翔太はちっともかわいそうじゃない。こいつの実力なら、相打ち覚ごで仕かけてこられたら、ほんとに相打ちになる。それなのに防戦一方。女の子のはだに傷を付けるのをおそれてるんなら――コーチにぶったたかれた腹いせだ。コテンパンにしてやる。
 ところが。とんでもない方向からストップがかかっちまった。見学組が何かヒソヒソ私語してるなと思っていたら。
「やっぱり、チンチン大きくなってるよお!」
 照代ちゃんが、翔太を指差して、大声でさけんだ。キャラコロ笑い声が混じってる。
「やだ、宇井先ぱいもでしょ?!」
 三年生の市江ちゃんまで。
 言われて見ると。ふたりとも、おっ立ててやがんの。水平なんてもんじゃなくて、上段の構えになってやがる。くやしいことに(なんで、おれがくやしがらなくちゃならないんだ?)、下級生の留夫のほうが、でかい。そして、ほぼ完全に中身がろ出してる。
 男の子だもんな。すっぽんぽんの女の子と間近に向かい合ってりゃ、そういうこともあるさ。気にしないぞ。
 外部の雑音は無視してけい古に集中しようとしたのに。
「チンチンと竹刀で二刀流だあ!」
 こともあろうに太一のアホ助が、はやし立てやがって。
 戦意そう失。留夫なんか、派手にずっこけやがった。わざとだな。
「けい古ヤメェ!」
 バッチインと、コーチが竹刀でゆかをたたいた。
「全員、座れ。面は外せ」
 また、コーチを半円に囲んで座った。
 けい古中にHなことを考えた二人がしかられるのかな。それとも野次った下級生が?
「翔太と留夫のチンポが立っていたのを笑った者がいたが、とんでもない感ちがいだぞ」
 男の子が女の子のはだかを見ればHなことを考えて当たり前――というようなお話ではなかった。
「くわしい説明をすると、学校の先生やPTAから苦情が出るので、かんたんにしか言わんが……」
 Hな気分と、とう争本能とは、あちらを立てれば(チンチンのことじゃないぜ。チンチンの話だけど)こちらが立たずという関係なんだそうだ。アクセルとブレーキ、という例えはなんとなく分かるけど、アドレナリンとドパミンてのはチンプンカンプンチチンプイだ。
 もっと分かりやすく言えば。本物の殺し合いだろうと剣道の試合だろうと、チンチンはふだんの半分くらいまで縮かんでいる。金玉は体内にめりこんじまってる。
 それを聞いて、あっと思った。ぼんやりとしか覚えてないんだけど。時代劇映画で、いざ合戦てときに、助演のサムライ大将に主役の武士がハカマの上から金玉をにぎられるシーンがあった。
「うん、下りとるな。ゴウタンなやつじゃ」とか言ってたけど。そういうことだったんだ。
 つまり、試合中にチンチンが立つってことは、いつでもアクセルをふみこめるし急ブレーキもかけられる。自由自在なハンドルさばきが出来るってことなんだそうだ。
「女子も同じだぞ。Hな気分になると、乳首がしこったり、こしがうずいたり、マンコの中がぬれたりするな。試合でそうなれば、一人前の女剣士だ」
 おれは男子のはだかを見ても平気だけど、自分がはだかになるときは、そんなふうになる。じゃあ、あれがHな気分なんだ。けい古や試合では、そうはならないけど……竹刀で素はだを打たれたときは、胸がキュウンとしたっけ。いや、あれは……胸が痛かったからだよな。
「もっとも、翔太と留夫とでは、Hの方向性がちがっているらしいな」
 また、わけ分かんないことを言う。
「留夫と真苑は割れなべに閉じぶただが、翔太と世都子は……ふふん、ハクラクついでにゲッカヒョウジンもつとめてやるか」
 なんかひとり言ぽかったから、おれたちの名前は聞こえたけど、無視しとく。はだかで試合けい古だけでもドキドキバクバクなのに、竹刀でたたかれて痛いのに、アナドレンがドパドパで、頭がパンクしちゃうよ。
 パンクする前に、残った四組の試合けい古が再開されたので、ホッとした。たしかに、英知のチンチンは小指の先くらいに縮かんでたし、金玉は見分けられないくらい、ちんまくなってたな。
 三年生の組も終わったら、相手を変えて二戦目。あたしの相手は留夫になる。
 向かい合っただけで、翔太との力量の差が分かる。スキだらけ。チンチンはこいつのほうが(ちょっとだけ)でかいし中身が(ちょっとだけ)のぞいてるけど、そこは有効打突部位じゃないから、見ないようにする。
「よろしくお願いします」
 たがいに礼をして、竹刀を構えて。上級生として、こういうのはマナーい反だけど。速こうに出た。
「コテ! メエン! ドオオッ!」
 パン、バシンと小手と面を打って、左へかけぬけざまに横胴をなぎはらってやった。
 防具を打ったときのはね返される固い手応えじゃなく、肉に竹刀がめりこむ……背筋がぞくっとするような、後ろめたい快感があった。翔太と打ち合ってたときには、それを感じるゆとりがなかった。今だって、その感覚はいっしゅんだけ。
スキを見せずに向き直って。留夫はまだ正眼に構えているので、ななめにふみこんで、また胴をぬいてやった。
 バシイン!
 じゅうぶんな手応え。
「参った」
 留夫が竹刀を左手に持ち変えて、頭を下げる。
「まだまだ。来い!」
 さすがに男の子。すっと竹刀を構えた。ので、容しゃなく連続技を決めて、仕上げに胴をぶったたいてやる。真苑ちゃんがやられていた分の仕返し。そんな気分になってくる。
 いくら女の子のはだかと向かい合っていても、コテンパンにやられてるんじゃ、チンチンを立ててるひまなんかない。かわいそうなくらい縮かんで、玉ぶくろもしわくちゃ。中身はまたぐらの中へにげこんでるんだろう。
 かべぎわまで追いこんだので、竹刀を引いて、残心を忘れないようにして中央へ下がった。
 ほんとの試合だったら二本勝ちを三回くらいしてる。その間ずっと――翔太と真苑ちゃんの組は、お見合いを続けてた。まるきり動かないんじゃなくて、間合いを変えながら竹刀を打ち合わせてはいるんだけど、本気で打ちかかっていかない。翔太は、全身アザだらけの真苑ちゃんに同情して、向こうからの打ちこみを待っている。真苑ちゃんは、こうげきに出て打ち返されるのがこわいのか、格上の翔太にスキを見いだせないのか。
 全身アザだらけって言ったけど、こ張じゃない。二のうでや太もも、有効打突部位じゃないところまで打たれている。そりゃ、留夫のねらいがそれただけで、わざとじゃないんだろうけど。
 同情なのかな。胸がキュウンとなった。ので、留夫が開始線までもどって来て竹刀を構えたしゅん間に、前以上の速こうに出て、翔太の十倍くらいコテンパンにしてやった。
 やり過ぎたかなと思ったけど、コーチから「ヤメ」はかからなかった。コーチは、お見合いを続けてる二人にも声はかけずに、だまって見守っていた。
 留夫はズタボロ、真苑ちゃんはアザを増やすこともなく、試合けい古が終わった。
 けど、留夫の負けじだましいはすごいな。あれだけ打たれながら、なんとか反げきしようとして、「参った」は言わなかったんだから。


痛みを知る

 はだかで試合をしたと太一から聞いて、父ちゃんは感心してた。
「絶対に全国大会へ出るという熱意に応えてくれたんだな。防具無しでの打ち合いに慣れれば、本番で防具を着けたときに、格上の相手だろうと、思い切ったこうげきをしかけられる」
 父ちゃんの世代は軍国少年だから勇ましい。母ちゃんだって軍国少女だったはずだけど、戦後にストッキングをはくようになってから過保護になったんだろうな。野ばんだとかヨメ入り前の身体に傷がとか文句を言いたいみたいだったけど、夫唱婦ずいってやつで「父ちゃんがそう言うんなら」で納まった。
 その父ちゃんもさすがに気色ばんだのが、五月五日の出来事だった。
 明日の十時から特訓を行なうって、四日の夜にコーチから電話があった。
「翔太くんと二人だけだそうだ。デートみたいだなってうかれるんじゃないぞ」
 翔太とは、そんなんじゃないって知ってるくせに。でも、じょう談半分以上だろうけど、将来は二人が夫婦になればお家安体だなんて言ってる。家はちょっとだけはなれてるけど、田んぼはとなり合わせ。あたしと翔太がいっしょになれば、田んぼも共同にして野良仕事を合理化できるし。太一は都会へ出て、収入が安定したサラリーマンになれる。そういうのを、取らぬタヌキの大フロシキっていうんだぞ。だいたい、おれより弱っちいやつをムコさんにするつもりなんてないぞ。
 それに同い年ってのもなあ。男のほうが年上じゃないとな。翔太なんて二月生まれだから、あたしより九か月も下じゃないか。
 コーチは三十二だっけ。強くてたくましくてハンサムだけど、はなれ過ぎて……無し。今の無し!
 でも、まあ。父ちゃんにからかわれたせいで、変にうわついた気分で道場へ行ったのは事実だった。
 コーチはフンドシ一本で出向かえてくれて、それも道場の中では取っちまったから。あたしたちも自然とすっぱだかになった。
 そうすると、どうしても。大人チンチンに目が行ってしまう。アグラで座られたら、ますますだ。でかいしずるむげだし。それよりも、ジンジロ毛なんてもんじゃない。胸毛が腹まで続いて、そのままチンチンを囲んでる。
 翔太ったら位負けして、正座した足の間にチンチンをかくしてやんの。
「正座はやめろ」
 コーチは翔太だけでなく、あたしにも言った。古来、アグラが正しい座り方なんだそうだ。正座して足がしびれては、とっさの働きができない。戦国時代までは、女性もアグラがふつうで、おしとやかなおひめ様あたりは片ひざを立てていたそうだ。
 あたしはおしとやかじゃないので、堂々とアグラにした。マンマンの風通しが良くなって、けっこうそう快だ。でも、ドキドキバクバクで、キュンキュンジュクジュクしてくる。
 翔太は、居心地が悪そう。縮かんでるのは、ドパドパてのが不足してる証こだから、つまりきもっ玉が小さいってことだもんな。
 あたしたちが足を組み変えるのを待って、コーチがお話を始めた。
「今日は二人を呼んだが、翔太は見届け役だ。年令がはなれていても、いちおうは男と女だからな」
 来ると中で考えてたのと似たことを言われて、ちょっとドギマギ。するひまもなく、コーチが居住まいを正した。
「まず、おまえたちに言っておくことがある。おれなりに調べてみたが、県予選に出てくる可能性がある者のうちで、世都子とご角に戦える者は、三人といない。翔太でも、十人といったところだ」
 あたしたちの年令では、一年の差は大きい。去年の六年生が卒業したんだから、三人と十人というのも、あたしたちに気を引き閉めさせるための数字かもしれない。
「しかし、試合は団体戦だ。だれをどう選んでも、勝ちぬきに必要な最後の一勝は難しい」
 分かってる。星を見こめそうなのは留夫だけで、それも対戦相手にめぐまれれば――という正し書きが付く。だから、土下座までして(それ以上のことまでされて)コーチをお願いしたんだ。
「これからの二か月で、レギュラーの四人を全国レベルまで引き上げるのは、おれなら不可能ではないが、大きな障害がある。何だか分かるか?」
 分かれば苦労はしない――という言葉は飲みこんで。
「気構え、でしょうか?」
 みんな、火木土はかい勤賞なんだけど、他の日に自主けい古をしたり走りこんだりはしていない。あたしなんか、月水金は(翔太も巻きこんで)自主けい古をしてるし、日曜だっておししょう様に特訓をお願いしてた。
「その通りだ。世都子、おまえの気構えが足りない」
 えええっ……? あたし? おれ??
「今の六年生は三月まで四人居たと聞いている。おまえが頭になったとたんに――翔太以外は辞めた。だれに問題があるか、明白じゃないか」
 あたしのせいじゃない。ひとりは学校の成績が落ちて、親にしかられたんだ。もうひとりは……知らないよ。コーチは、あたしが部長みたいに思ってるけど、これは部活じゃないんだ。
 でも、確かに……道場をつぶしたくない、県予選を勝ちたいってシャカリキになってたのは、あたしひとりだけだ。
「おのれの強さに万心して、後進への思いやりが無い。一昨日の試合けい古が、その典型だ。打ちこませなければ、相手は練習にならない」
「でも、打ちこみけい古ではなかったです」
「それでもだ。それが格上の者の余ゆうであり、後はいへの指導だ」
 連続こうげきも、相手がたおれてからの追い打ちも、上に立つ者のすることではないと、たしなめられた。
「翔太が一本と認めなくても、自分から引いて、万全の体勢になるまで待ってやれ」
 つまり。それだけ、あたしと留夫ではもちろん、翔太とも実力の差があるってことなんだろうけど。コーチのおっしゃるようにふるまうのは、うぬぼれと紙一重のような気がする。
 あたしが得心していないのを、コーチも見ぬいたんだろう。
「おまえは強過ぎるのだ。打たれる痛み、ことに心の痛みを理解しておらん。それを心と身体にたたきこんでやる」
 コーチが竹刀を取って、道場の真ん中に立った。
「かかってこい。こわければ、面をつけても良いぞ」
 そう言うコーチは、着けていない。
 おれはすっぱだかのままで立ち上がった。
「お願いします!」
 正眼に構えて向かい合う。こないだはひざ立ちだったけど、まともに対面すると、身長の差よりもずっと圧白される。高段者のオーラに、きょうふさえ感じる。
 コーチはしかけてこない。受けて立つってやつだ。
 はるかに格下のあたしは、きょうふに打ち勝って、積極果完に打って出た。
「メエエンッ!」
 もちろん、あっさりいなされた。そのままダダッとかけぬけたところへ。
 パアン!
「きゃあっ……?!」
 おしりを打たれた。そんなに痛くはないけど、不意打ちにおどろいたんだ。
「残心を忘れるな!」
 忘れちゃいないけど、スキだらけになってた。竹刀が飛んで来るのを気づかなかったもんな。これはルールい反の後ろからのこうげきじゃなくて、指導者としての愛のムチだ。
 コーチのさっきの言葉を思い出して。あたしは竹刀を下げて、コーチの動きに心を残しながら開始線へもどった。
「お願いします!」
 今度は速こうじゃなくスキをうかがって……も、あたしごときに見つけられるはずがない。
 小手がちょっと開いたのが、スキではなくて、打って来いのさそい。
「コテエッ!」
 竹刀をすり上げられて、そのまま面を打たれた。
「メ゙エ゙エンッ!」
 すさまじい気合声に心がひしゃげじゃけたけど。
 パンッ……
 脳天に打ち下ろされた一げきは、そんなに痛くなかった。
「頭を強打すると殺しかねんからな」
 おそろしいことをサラリと言う。
「女の子だから、他の部位も傷が残らない程度に手加減してやる」
 なぜか、ありがとうございますと言ってはいけない気がした。
 開始線にもどって。また同じようにさそわれて、おなじように小手をねらった。今度は竹刀を上から打ち落とされた。
 バシンとコーチの竹刀がゆかにはね返って。
「きゃああっ……?!」
 剣先がまたぐらをたたいた。
 ずうんと、重たい痛みがまたぐらを二つに切りさいた。
「あうう……」
 ゆかにへたりこんで、両手でまたぐらをおさえた。
「いまのは、事故ではない。わざとだ」
 ひどいや。
「なぜ、そんなことをしたか、分かるか?」
「……分かりません」
「では、宿題にしておこう。ヒントは――格上の心構えとは関係無く、試合における気白だ」
 たとえ事故が起きても、動ようするなということだろうか。
「立て。立って構えろ。これくらいでは、おまえの性根をたたき直すには足りない」
 おれ、コーチからにくまれてるんだろうか。そう思ったほどの、厳しい声だった。
 そうじゃないってことは、分かってる。これは愛のムチだ。言葉では得心できず、身体で思い知らなければならない事もある。それが何かわかったとき、きっと、あたしは大きく成長しているんだろう。
 あたしは、放り出していた竹刀を拾って立ちあがった。まらぐらが痛くうづくのをこらえて、正眼に構える。
「お願いしますっ」
 ――そこからは、あまりはっきりとは覚えていない。とにかく、無我夢中で打ちこんでいって。反げきされて、散々に打ちたたかれた。手加減してくれたのは、面への打突だけで、あとは容しゃなかった。いや、引っかき傷すらつかなかったから、手加減はしてくれてたんだろうけど。
 打突後にバランスをくずしたら、おしりも背中も、太ももだってビシビシたたかれた。打突じゃなくて、竹刀を使ったビンタ。そして、またぐらも竹刀ではね上げられた。
 何度も転んで、最初みたいにノロノロではなく、はね起きて。打ちかかっていっては、はね返された。
 おれの竹刀もけっこう当たっていた。というか、当てさせてもらえた。もちろん、有効打突は無し。おれのほうは、百本くらいは取られたんじゃないだろうか。
「ヨーシ、良くがんばったな」
 けい古が終わったとき、あたしは全身アザだらけになっていた。ので、父ちゃんは道場へどなりこみに行ったんだけど。
 コーチも、けっこう全身にアザが着いてたから、しり切れトンボになっちまった。
 後でそれを聞いて、あたしはホッとした。親とコーチとがなかたがいしたら、道場なんかやめちまえってなりかねないもんな。
 午後からはねこんじまったけど、ひと晩でケロリだ。六日のけい古には、ちゃんと出席したぞ。
 コーチから出された宿題は、まだ解けないけれど。それとは別の疑問もかかえこんだ。
 翔太のことだ。本人は何も言わないし、あたしが気づいたくらいだからコーチも見てると思うけど。
 翔太のやつ。あたしがズタボロにされるのを見つめながら、チンチンをおっ立ててやがったんだ。やっぱり、ヘンタイのサドマゾだ。きらいになるぞ。今だって、幼なじみというだけで、ラブって意味の好きはないけど。
 だけど、不思議だ。サドマゾってのは、サドとマゾってことだくらいは知ってる。いじめられるのが好きなのがマゾで、いじめるのはサドだろ。
 あたしに一方的に打ちこまれておっ立てたんだからマゾかと思ってたら、あたしがズタボロにされるのを見ても大きくしてた。どっちなんだろ。サドマゾっていうくらいだから、どっちもなのかな。
 翔太に聞いても、絶対に教えてくれないだろうな。ていうよりも。あたしより九か月もガキなんだ。本人は何も自覚してないんじゃないかな。
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 世都子と翔太の実力を落としては駄目なのです。いや。「コーチの指導で確実に強くなっている」と思わせなければならないのです。ので、そうそう鬼畜な所業には及べません。マンマンも、ちょこっと叩くだけ。「なぜ、わざとこんなことをしたか、自分で答えを見つけろ」なんて逃げてますが。マゾ性の開発という答えに達するころには、それを悦んで受け挿れるところまでヒロインを性長させておかなければなりません。しかし、ほんま、この天然娘ときた日には。
 ああ、タイトル(まだ暫定)は小変更です。

 純情悦痴剣道少女

 にしても。試合中に勃起させてこそ一人前とか。苦しいですな。屁理屈が長ったらしいですな。筆者は愉しんで書いておりますが。
 この成り行きだと。世都子と翔太はどちらもマゾを開発されていって。コーチが二人を弄ぶ。いっぽうの宇井留クンはバリサドで、マゾノちゃんとカップルになって。世都子が卒業する来年は、キャプテンと副キャプテンですな。全裸稽古試合を指名された六人のうちの残る英知と輝子もカップルになるでしょう。書かないかもしれませんが。

 次章は……ノーマルな(登場人物の年齢そのものがアブノーマルですが)エッチシーンを予定しています。これから書きます。

珠姫はるきげにあ
 前回画像と同じ「はるきげにあ」さんの同じ主人公の別の話のようです。
 こういうシーンは、本編にはありません。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Bamboo Report 3:二段階人称

 考えてみれば。このあたりは体験版で公開するので、賞味期限無しでいいですな。

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全らけい古

 そして。おししょう様の初七日が明けて、飛び石連休の間の五月一日。おれたち剣道部員は、ひさしぶりに道場へ集まった。
「おれが、この道場を引きついだ尾木知久だ」
 いつもけい古着だったおししょう様とちがって、えんじ色のジャージ姿。
「おれのやり方は、先代とはいろいろと異なっている。科学的な合理性に基づいたトレーニングを行なう一方で、先代が現代の風潮に遠りょしていた精神面のたん練は強化する。つまり、和こん洋才というやつだ」
 正座してお話をうかがっているけど、あらためて居住まいを正したくなる。
 新方針のひとつとして、大ししょう様のことは、これからはコーチと呼ぶように言いわたされた。先代の道場主に敬意を表して、自分はしはん代のつもりでいる。そして、おれたちの心構えを新しくするために、新しい指導者に親近感を持ってもらうために、これからはカタカナ言葉をどんどん使うんだそうだ。和こん洋才のうちの洋才だな。
「まずは、おまえたちの発育段階を見極める必要がある」
 発育段階に適したトレーニングか。そういうのって、おししょう様の一律な指導よりも合理的だな。と、思ったんだけど。
「全員、パンツまでぬいで、すっぱだかになれ」
 えええーっと、女子だけじゃなく男子まで声を上げた。おれは……すっぱだかって言葉にドキンとして。りんとした剣道少女の気構えがふっ飛んで、エッチな気分になりかけた。
 でも、実質的な部長の立場を忘れちゃいなかったぞ。ということにしとく。
 おれは、すぱっとブラウスをぬいだ。そして、立ち上がって。
「失礼します」
 スカートをぬいで、はだ着を残したまま、先にパンツをぬいだ。みんなは正座したままだから、もろにまたぐらをのぞきこまれる。パンツひとつになって着変えるときの十倍はドキドキした。こしのおくのほうが、なんだか熱い。のは、無視して。はだ着もぬいだ。
 はずかしがって手でかくしたりせずに、気ヲツケの姿勢。
 コーチがすごく真剣な顔でうなずいて。
「そう固くなるな。整列休メ」
 さすがに、すぐには反応できなかった。組体操ときなんかで、次の演技までの間合いを取るときに使う姿勢だけど。両足を真横に三十センチ開いて、両手はこしの後ろで組む。両足を真横に開くんだぞ。ノーパンで。
 おれがもじもじしてるのを、コーチはだまってながめてる。
しかられないほうが、居心地が悪い。ので、おずおずと整列休メをした。
「ふむ……」
 コーチはおれの真正面に立って。二のうでをつかんで、両かたをつかんで、すこしくびれてきたこしの太さを手で確かめて……うわわわわ、うろたえるな。おれのちっちゃな手の平じゃ収まりきれなくなってきたおっぱいをもまれたよ!
 もにゅもにゅと力を入れられるたびに、やわらかいイナヅマのような感覚がおっぱいに走る。
「ひゃんっっ……!」
 先っぽのポチをつままれて、不覚にも変な声をもらしちまった。
 コーチの手は、すぐにおっぱいからはなれたけれど。
「発育のわりには、ここは幼いな」
 またぐらに手を差し入れられて、下から上へ、ぽんぽんとたたかれた。反射的に足を閉じかけて、あわてて元にもどした。
 素直でよろしいみたいな感じで、またぽんぽん。
「……?!」
 いっしゅんだけど、コーチの指が割れ目の中にまで入ってきたので、また声をもらしそうになった。
「他の子は、なにをしている」
 きつめの声で言われて。みんなも、あたふたと服をぬぎ始めた。部長のおれがそっせんしてすっぱだかになったんだから、従わないわけにはいかないよな。
 すぐに全員がパンツまでぬいで。整列休メの姿勢。でも、みんな横目で宇井留夫のほうばかり見てる。のも、当然かな。おれも翔太も、ジンジロ毛ってやつが生えていないのに、こいつは五年生のくせして、黒っぽい産毛ではすまないくらいになってる。しかも。チンチンの先っぽから中身が(ちょこっとだけど)顔を出してる。こいつ、翔太よりもオトナだ。
 コーチは、そんなのは気にせずに、順番に全員の発育具合を手で確認していった。
 男子は、ちょっとかわいそうだったかな。チンチンをつまんでくにゅくにゅとしごかれて――翔太と留夫は、水平になるくらいまで起っきしちゃったもんな。
 だけど。きっと気のせいかウヌボレのどっちかだけど。おれの発育を見極めるのにいちばん時間をかけていたと思う。そして、これは事実なんだけど。またぐらをぽんぽんたたかれたのは、男子もふくめて、おれだけだった。おれが部長だからかな。
「よし。今日のところは顔合わせということで、軽くランニングの後に素ぶりをして終わりにする。しかし……」
 コーチが留夫の下半身に目を向けた。
「おまえは、このままではまずいな。チン毛を外で見せると、ワイセツ罪になる」
 おれたちは顔を見合わせた。どういうことだろう。
「よし、そってしまおう。待っていろ」
 コーチはおくへ引っこんで、すぐにもどってきた。
「整列休メのままでいろ。おれがそってやる」
 毛が生えてるところに白いあわをふき付けられるのを見て、やっと意図が分かった。
「はずかしいです。やめてください」
「バカ者。これくらいでうろたえて、どうする。これから、すっぱだかで外を走るんだぞ」
 えええええっという悲鳴の大合唱。に、おれだけは加わらなかった。心臓がバクバクして、なぜかこしのおくもジュンジュンして、胸がキュウウンってねじれた。
「そんなの、できません!」
 おれを除く女子一同を代表して、五年生の真苑ちゃんが反発した。
「これは精神修養だ。不動心の育成だ。竹刀といえども真剣と思え。頭上から降ってくる真剣に向かってふみこむことを思えば、すっぱだかで外を走るくらい、取るに足りないことだ」
 ううむ。何かがどっかですれちがってるような気もするけど。これからも、どんどん和こん洋才なんだろうな。いちいち疑問をぶつけてたら、あっという間に七月になる。
 それに。無理をお願いして、引き受けてもらったんだ。コーチを信じてついて行くしかない。
「留夫。みんなと同じになるんだから、ちっともはずかしくないぞ」
 言葉だけじゃ説得力がないから。おれはこしをつき出して、生えてない部分・・・・・・・を、ぺちぺちとたたいて見せた。
「……先ぱいが、そう言うんなら」
 留夫は口をとがらせたけど、文句は引っこめた。
 コーチはT字型の安全カミソリを下から上へすべらせて、ささやかな草地をあっという間につるつるにしてしまった。でも、そるためにチンチンをつまんで引っ張っていた手を、すぐには放さなかった。
「おまえ。もしかしてセイツウ済みか?」
 おれも留夫も、ぽかん。初めて聞く言葉だ。
「ここから白いしるが出るのかと聞いている」
「……?」
「そうか、まだか。しかし、発毛しているなら、じきだな。まあ、いい。それは次の機会に教えてやる」
 コーチはやっと、留夫のチンチンから手を放して――その手を、べろんとなめた。
 真苑ちゃんは顔をしかめたけど。おれは、ちょっと感動した。ほら、赤ちゃんが便秘して泣いてるとき。綿棒とかで効果がなかったら、赤ちゃんのこう門に口を付けて、ウンチを吸い出してあげるお母さんもいるっていうじゃないか。それくらいの愛情を、コーチはおれたちに注いでくれてるんだ。
 コーチの指導なら、すっぽんぽんで外を走るくらい平気だぞ。平気じゃなくてドキドキしてるってのは、みんなにはナイショだけどな。
 そして、いよいよ。すっぱだかで外へ出て。いつもの二列縦隊。コーチが、しんがりに着いてくれた。自分もフンドシ一本のはだかになって。
「学校まで往復だ。いつも走ってるそうだから分かっているとおもうが、翔太と世都子は下級生のペースに合わせてやれ」
 パシン。
 コーチが竹刀を自分の手の平に打ち付けて、それが出発の合図。
 おれと翔太で息を合わせて走り出す。
 まだ明るいし村の中だから、いくらでも人に出会う。野良仕事をしている人の目もある。みんな、立ち止まって手を休めて、あっけに取られてながめてる。けれど。おれたちが剣道場の門下生てことは、みんな知ってるし。亡くなったおししょう様の後をコーチがついだことも知れわたってる。
 新コーチの下でがんばってるなと、手をふって見送ってくれてる。はずかしいことははずかしいけど、ほこらしいようなくすぐったいような気分だ。でも、やっぱりはずかしいんだな。みんなは遅れずについて来てるかなってふり返って見たら。真苑ちゃんと輝子ちゃんと照代ちゃんは、顔が真っ赤だった。でも、そんなにイヤそうじゃない。どころか。
 真苑ちゃんを見て、ピンと来た。この子、おれと同類だ。きっと、ドキドキのキュンキュンだ。こしのおくが熱くなってるかもしれない。
 それに引き代え。三年生の二人は、ちっとも平気な顔をしてる。
 男子は、小さい子供みたいにはしゃいでる。そういや、年少さんくらいにいたよな。パンツぬいで「チンチンぶらぶら〜」なんて走り回ってた男の子。でも、女の子は絶対にそういうことはしなかった。同じ真似はできないけど「マンマンぱかぱか〜」なら。
 あ、いや、つまり。女の子がそういうことをしなかったのは、それがエッチではずかしいことだって、親や先生に教わらなくても知ってたからだ。そして。ほんとは、ものすごくやってみたいって内心では思ってる。ムジャキだねなんてほほ笑まれるんじゃなくて。「いやらしい子ね」って、しかられたい。丸出しのおしりをぶたれるとか……なんか具体的になってきたので、この話はヤメ。今のは、あくまでいっぱん論だからな。
 学校までかけ足で往復して三十分。道場までもどり着いたら、おれもふくめて全員がへたりこんじまった。他の子は知らないけど、おれは心臓バクバクのせいだ。またぐらまで、あせかいてやんの。みょうにねばっこいあせだ。
 こういうあせは、運動しなくてもエッチなことを考えたときにもかくことがあるから、きっと冷やあせだな。
「ランニングの後は、すぐに休むな。しばらく歩いて、クールダウンさせるんだ」
 クールダウン。かっこいいな。はだかで歩くってのも大賛成。
 そのクールダウンと休けいとで十五分。それから、素ぶり。
「メン! メン! メン! メン! メン!」
 ひとふりごとに、手をしぼるタイミングに合わせて気合声を発する。これは大切なことだ。試合で相手を打つときに、ねらった部位をちゃんと発声しないと有効打とは認めてもらえない。「メーン!」とさけんで胴を打ったりすると、ひきょうでふざけてると判断されて、一発で二本負けにされることもある。もちろん、メンをねらったのが外れてコテに当たるのは、ひきょうでもふざけてもいなくて、つまりヘタクソだ。
 基本的な上下の素ぶりを百回。コーチは、じっと観察するだけで、何も指導はしてくれなかった。おれたちの基本がきっちり出来ている――わけでもない。
「よし。おまえたちのクセは分かった。具体的な指導は次からだ」
 いつもよりけい古量は少なかったけど、はだかのチェックとか留夫の『処置』とかあったし、クールダウンの時間も取ったので、終わったのは結局はぎりぎりの午後六時になった。そして、一同で。
「ご指導、ありがとうございました。これで失礼いたします」
 さあ、帰ろうってときに、おれだけ呼び止められた。けど、全員が「なんだろう?」って立ち止まって。おれは、今日のどんなトレーニングよりも難しい宿題を出されてしまった。
「世都子。おまえは女子のくせにオレなんて言ってるな。ヤマトナデシコにあるまじきがさつ・・・さだ。これからは、女らしくしろ。
 うぐぐ。グウの音も出ない。スリランカのセイロンだ。ヤマトナデシコってのが、和こん洋才の和こんだ。じゃあ、堂々とパンツを見せるのもダメだな。いやん、見ないで〜なんて言いながらってのも、悪くないかな。なんてアホなことを考えてるところへ追い打ち。
「おまえは、他人と同じことをするのはイヤみたいだな」
 この人、おれのことを見ぬいてる。だから、名門でもなんでもない剣道部を優勝へ導けたんだろうな。
「おまえ以外の五人はワタシと言ってるから……おまえはアタシを使え」
 ぐええええ。とどめの一げき。アタシ……ケツがこそばゆくなるよお。
「わかったな」
「……はい」
 そう答えるしかないだろ。

 おかげで。次の日は授業なんて上の空。
 アタシあたしatasi……今までの言葉使いにこれだけを取って付けるのは不自然だし。でも、カマトトぶれるかよ。
 半日もなやんで。ソ・ソ・ソクラテスもプラトンも、みんななやんで大きくなった。
 ひらめいた。スケ番だ。スケ番は、アタイだよな。おれよりも言葉はあらいよな。
 よーし、アタイでいくぜ。
 しかられたら、そんときはそんときだ。

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 ちょっと振り返ってみたところ、WILL様への作品では、一人称がこうなっています。

♀※1:名札のピアス  おれ
♂ 2:女神さまと女王様 僕(姉:わたし/妹あたし)
♀※3:ロリくのいち おれ
♂ 4:幼なマゾ おれ(妹分:ぼく→あたし)
♀※5:檻の中の野生児 おれ
♀ 6:特別娼学性奴 わたくし
♀ 7:背徳の恍惚 私
  8:1の続編


 実質7編中、♀は5人。うち3人が『おれ』です。人称に指定のあった作品もありますが。リクエストに応じたキャラメーキングをすると、『ぼく』は不似合いで『おれ』になるのです。6:とか7:はお嬢様ですので、こうなります。
 しかし、いつもいつもではレズばかりでゲイが無い。ので、本文のような展開にしてみました。強制認証てやつです。
 これで、言葉遣いが揺れたり、マゾに目覚めるきっかけになったり……を描けたら、面白いのですが。さて、どうなりますか。

 まだまだ「本格的な指導」には至っておりません。『調教』ではなく『指導』です。
 すでにこの先も書いているので、先走り知るを。
 二回目(5/3)の稽古で、アレコレ理屈をつけて、面だけ着用の全裸試合稽古です。翔太は女の子の素肌を叩くことへの遠慮もあって、世都子にビシバシ食らいます。一方で宇井留夫クンは、同級生の佐藤真苑ちゃんをビシバシ。転んで仰向けになっても、さらに一撃を加えます。これはルールで許容されているのです。
 そんでもって、二人ともボッキングです。留夫クンのほうがでかくて、何故か(と思うのは本人だけ)世都子ちゃんが悔しい思いをします。
「わあ、二刀流だあ」なんて囃されて、戦意喪失。
 その後で対戦相手を変えて二試合目。真苑ちゃんの敵討ちとばかりに、世都子は留夫をズタボロに。
 一方の翔太vs真苑はお見合い状態。
 ……プロットにある、帰り道での翔太と世都子の度胸付け練習は無し。
 そして。翌々日(5/5)に、世都子だけ、道場に呼び出されます。
 そんでもって、こんなのです。「親」ではなく「コーチ」ですが。


07.jpg






 その他。精通の有無を確認したわけですから。射精管理を念頭に置いて。翔太と留夫にオナニーさせたり。出ないので「手伝ってやれ」と、世都子と真苑を絡ませたり。せいぜいニギニギシコシコにしておくか、アムアムペロペロまで持っていくかは、当日決定。
 たぶん、留夫だけ精通して、翔太は置いてけぼり。そこで、コーチから金冷法の指導があって。これが、練り歯磨きを塗って、冷たい水を入れたコップに突っ込むという。痛冷た気持ちいいのは、御用商人の握りです。でもって。好奇心と翔太への同情とで、世都子ちゃんも真似るという。事前にコーチから「女にもチンポはあるぞ」とか教えられてるのでしょうね。
 おっと。突っ走りすぎました。
 リアルタイムでは、これから世都子vs留夫 & 翔太vs真苑の試合稽古にかかるところです。

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Bamboo Report 2:わりとハイペース

 いやあ、Sugoku Sutekini Doeraku 速いですなあ。しかも16Gappori Buchikomi ですから。インターネットのゼロエンジェル れいてんしもサクサク。気分はいにしえのスイッチオンBASIC。
 しかし、不都合もちらほら。
 まず、AutoCADのアクチベができません。2011年版なので、サポート終了。まあ、互換無料ソフトに切り替えます。紙飛行機の図面だけですから、レイヤーも中途半端な3Dもペルシャクウェートサウジアラビアじゃなくてイラン。
 よりも困ったのが、キッズIEMスイッチが使えないこと。学年を指定すると、そこまでの教育漢字しか変換に現われないスグレモノ。
 インストールは出来て、切り替えも出来ますが、再度のアイコンクリックに応答しない。切り替わったまんま、戻せません。再起動すれば戻りますが、速いとはいえ、さすがにねえ。
 それに、鞭笞緊縛拷なんかは例外的にOKという処理も無理なので、都度切り替えて、これも面倒。
 今後は自由入力して、オレンジ工房産の漢字チェッカーを使いながら、本文を秘密サワサワしていきます。
 このチェッカーはhtml内にチェックルーチンと一覧表が書かれているので、DLしてメモ帳でいじれば、例外処理もお茶水。『そういう』小説を書きたい向きには重宝ですよ?


 さて。近況報告はE±にして。本題です。

 まず。コーチの名前を変えました。木地久男きちくおとこは、これまでの鬼畜野郎に比べて所業がほほえましいです。ので、尾木知久微きちくです。

 構成は、尺が短いので、プロットの2章をまとめてひとつにしました。

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道場の危機

 放課後。おれたちが校舎から出ると、鉄棒で遊んでいた三年生のチビども三人が、かけ寄ってきた。これで、剣道部員が全員そろった。
 おれ、畑上世都子はたがみ せつこ 間園祥太あいぞの しょうたの二人が六年生。宇井留夫うい とめお金里英知かなざと ひでとも佐藤 真苑さとう まそのの三人が五年生。四年生は結溝平助ゆいみぞ へいすけ枕地達雄まくらじ たつお間瀬輝子ませ てるこ同西照代おなにし てるよ。部活動は四年生からなので、三年生の有升清美あります きよみ園田市江そのだ いちえ、弟の畑上太一はたがみ たいちは特別部員てとこかな。
 もっとも、おれなんか若気のいたりで親にダダをこねて、入学前からけい古させてもらってたもんな。うん、翔太も巻きこんでな。
 こういう無理がきくのも、実は正式の部活動じゃないから。おれたちは、学校の近くにある沈椿しずみつばき少青年剣道場の門下生なんだけど、全員が女撫めなで少学校の生徒だから、学校も部活動同然と認めてくれてる。
 十二人で二列になって。おれが翔太のわき腹をこづく。
「よーし、行くぞ!」
 翔太のかけ声で、持久走のペースで走り出す。最上級生になって、今日が三回目のけい古日。初日に、やっぱりこんなふうに列を組んで。翔太のやつ、ぼけっとしてたから。おまえがリーダーシップになれよ。女のおれが出しゃばっちゃダメだろって、わき腹をこづいて。それが、もう習慣になっちゃった。だから、しりにしかれてるなんて下級生どころか先生にまで言われちまうんだぞ。
 学校から道場までかけ足で十五分。火木土の週三回だから、これだけでもちょっとしたトレーニングになる。おっと、修練だ。横文字カタカナを使うと、追手おうてししょうにしかられる。
 おししょう様は、もう八十才だっけ。昔は兵隊……おっと、またしかられるとこだった。昔は陸軍将校だった。だから(なぜ、だから・・・なのか、よく分からないけど)、道場を開いたときは『少国民剣道場』という名前にしたんだけど、まわりの人たちが、軍国主義だとか文句を言って、それで『少青年』に変えたんだとか。
 そんなことを考えてるうちに、道場に着いた。これしきで息を切らせるようななん弱者はいない。ので。
「おししょう様、こんにちはあ!」
 げん関で出向かえてくれたおししょう様に子供らしく大声であいさつして、道場へ上がって。すぐに着変える。竹刀もけい古着も、道場に置いてある。学校へは勉強に関係のない物を持ってっちゃいけないし、月に一度はここでけい古着を洗たくするのも、修練のうちなんだそうだ。
 道場の中では、すべてが修練。だから、おししょう様が見所けんぞに座ってらっしゃる目の前で着変える。
 男女いっしょは、学校でも同じだ。だから、おれも学校で体操服に着変えるときと作法は変えない。最初にパンツひとつになってから、後ろのたなに向き直ってけい古着を取り出す。
 男子の視線がおしりのあたりに集中するのが、はだに痛気持ちいい。のは、表に出さず。でも、けっこう心臓はドキドキしてる。見所に向かって正座して。最初に上を着てから、立ち上がってハカマをはく。男子は着変えにもたついてる――のは、横目でおれを見てるから。
 女子は、てきぱきと。たとえばジャンパースカートの真苑ちゃんだったら。胸当てのボタンだけを外してブラウスをぬいで、けい古着を羽織ってからシュミーズをぬき取るなんて器用なことをしてる。けい古着は素はだの上に着るものだから、他のなん弱な道場とはちがって、女子もTシャツは着ない。
 女子もおれのほうを、ちらちらと見てるけど。教室での着変えで同級生から受ける視線とちがって、あきれるんじゃなくて、尊敬のまなざしに近いかな。
 もう気づいてると思うけど、十二人中で女子が六人だろ。とくに三年生は、おれの弟のほかは女子だけ。みんな、おれにあこがれて入門したんだ。だから、おれが男子みたいにていうより、男子よりもいさぎよくはだかになるのは、おれだけの特権だと思ってるんかな。真似してみたいけど、ウの真似をするカラスになるって思ってるみたいだ。
 まあ、おれとしては……こういうときは、勇ましいって思われるよりはエッチだなって思われるほうが、うれしいかもしれない。だって、男子に見せつけてやろうって、わざとはだかになってるんだから。
 でも、そんなのは着変えの間だけ。けい古着をぴしっと整えて竹刀を持てば、剣を取っては村一番の少女剣士♪ 字余りだけど。赤どうでもないけど。そして、村一番というのはまちがいじゃないけど。
 実は、県内でも(男女合わせて)五本の指にはいると自負してる。翔太だって、おれに負けないこともないけど、七本目か八本目の実力はある。
 だから!
 こんなちっちゃな村――というのは、あさってへ置いても。五人の団体戦で二勝は確実。というのはウヌボレだって、おししょう様にしかられるけど。少年少女全国剣道大会への出場、県予選通過は夢じゃないんだ。
 おれも翔太も、出場できるのは今年が最後。そして、この田舎道場(おししょう様にゲンコツ食らっちまうな)に、これだけの実力者が集うのも、きっと最初で最後だ。今の五年生は一年後だって、両手両足の指じゃ足りないだろう。
 だから。おれは自分の修練だけじゃなくて。なんとかして今の五年生を、県予選のある七月までに、せめて二十本の指に入るくらいにはきたえてやりたい。んだけど。
 武道とは心の修練なり。小手先のチャンバラ技は百害あって一利なしっていうガンコジジイ(ウソです。ごめんなさい)じゃあなあ。でもまあ、地力をつけていけば。三人のうち一人くらいは勝つよな。おれと翔太で二勝。あとは三人でひとつ勝てばいいんだから。
 えーい。ごちゃごちゃ考えるのは性分じゃないやい。無念無想天下無そうでけい古に打ちこむぞ。

 そんな意気こみが一気にくじけちまったのは、新学期が始まってたった三週間後のことだった。おししょう様が、ポックリ亡くなっちまったんだ。不きんしんかもしれないけど、真っ先に頭にうかんだのは、アーメンでもナンマンダブツでもなく、県予選はどうなるんだよって、そのことだった。
 道場には、他に師はん代とかの先生はいない。おししょう様のおくさんはいるけど、おれたちにおしるこやスイカをふるまってくれるけど、道場も剣道も、オジイサンの道楽だと思ってるんだから。
 勝ち負け以前に、出場できなくなる!
 お通夜の後のえん会(?)でも、そのことが話題になった。おれたちも弟子だから参列して、子供だからすみっこに固まってた。
「四十九日が明けたら、追手には申し訳ないけど、ここは処分して老人ホームのお世話になりますわ」
 おししょう様はえらい軍人だったから、遺族はじゅうぶんな年金がもらえて、至れりつくせりの老人ホームにも入れるそうだ。
「しかし、おしいねえ。二十何年も続いてきた道場でしょ。子供たちの健やかな育成にもこうけんしているんだし」
「どなたか引き受けてくださるお人がいらっしゃれば、道場は家ごとおゆずりしてもかまわないのですけど」
「週に三日、二時間かそこらなら、片手間でもいけるじゃろうが、剣道が使えて子供に教える才能もいるしねえ」
「おお、そうじゃったわい!」
 知らない小父さんが、大声を張り上げた。
「知久くん。引き受けちゃらんかね」
 それは名案だとか、尾木さんちの息子なら適任じゃとか、何人かが賛成した。
 話を聞いてると。尾木知久おぎ ともひさという名前らしい。この人、ものすごい人材だ。この少青年剣術道場のOBで、剣道の達人。インターハイで入賞して、大学でも団体勝ちぬき戦で準優勝して。中学の先生になって、女子チームを優勝に導いたんだそうだ。
 そんな人がおれたちを指導してくれたら。県予選通過はもちろん、最上級生が二人しかいなくても、全国大会でもいい線まで行けるんじゃないかな。
 その、かん心の尾木大ししょう様は――まだぎりぎり、小父さんじゃなくてお兄さんの、首から下はがっしり、上は苦み走ったハムサンド。ハンサムなんて言うと(言っちゃったけど)こっちの顔が赤くなりそうなくらいのハンサム。二度も言っちゃったぜ。
「いやあ。もう、子供のお守りはこりごりですね」
 うぐ……仲学生のことを言ってるんだろうけど。こっちは、もっと子供だ。
「だいたいが、親の後をつぐために帰って来たんですから」
「いや、だから。片手間にちょこっとだけでも」
「剣道をあまく見てもらいたくないですね」
 うわ、おこってる。
「チャンバラごっこを教えるなんて真っ平です。心技体の備わった剣士を育てるとなると、こっちも全身全令で子供たちと向き合わねばなりません。おれは、もう燃えつきましたよ」
 まあまあ。今日のところは、しめやかに故人とお別れをしましょうよ――別の小父さんが取りなして、話はおしまい。
 もちろん、子供の出る幕じゃないから、すみっこでおとなしくしてたけど。
 これは、もう!
 何がなんでも、道場を引きついでもらって、おれたちを全国大会に連れてってもらわなくちゃ。おれは、決心を固めていた。

 翌日に(剣道部員は学校を休んで)野辺の送りも終わって。その次の日の放課後。おれは翔太といっしょに、尾木大ししょうのお宅を訪問した。おれの家から徒歩三十分。
 ちょっと、女撫村の地理をしょうかいしとくと。村の真ん中に少学校があって、そこから北へかけ足十五分で道場。おれんは、学校から東へ徒歩十五分。さらに二十分ほど歩くと、となり村と合同の仲学校がある。そこから西へ十八分ほど引き返すと、翔太の家。つまり、おれん家の近く。幼なじみってやつだ。そんで、尾木大ししょう様のお宅は学校から南西へ徒歩二十分。人口五千四百八十七人の村だけど、面積でいえば、十万人の都市くらいはあるぞ。あ、人口は昭和五十年の国勢調査の数字。五年後の今は、少し減っているかもしれない。
 こんなしょうもないことを考えちまうのは、きん張してるせいだ。翔太にも言いふくめてあるけど。絶対に引き受けてもらうんだ。はじもまんなかも見栄も外聞もプライドもかなぐり捨てる。
 大ししょう様は、ご在宅だった。年老いたご両親は、デパートへショピング。農家ってのは定休日がないけど、田植えといねかりのとき以外はゆう通が利くんだよな。
「きみたちが来た理由は分かっている。お通夜のときに言った通り、道場の面どうを見るつもりはない」
 げん関口で、いきなりのシャットアウト。
 でも、引き下がらないぞ。
 おれは、その場に座りこんだ。両手を土間について、額をすり付ける。つまり土下座。翔太も、コンマ一秒くらいのおくれでおれと並んで土下座。
「お願いです。おれたちを、全国少年少女剣道大会へ連れてってください。お願いを聞いてくださるまで、ここを動きません」
 十秒か二十秒、大ししょう様は無言でおれたちを見下ろしていた(んだと思う)。それから、すっとおくへ引っこんだ。からといって、顔を上げて様子をうかがうなんて真似はしない。誠心誠意平身低頭を続ける。
 じきに大ししょう様がもどって来られて。おれと翔太の間にバケツを置いた。
「さっさと帰れ。水をぶっかけるぞ」
 しめた、と思った。本気で追い返したいのなら、こんなまだるっこしいことなんかしないで、ガキのふたりくらい、ネコみたいに首根っこをつかんで外へ放り出せばいいのに。おれたちの本気を試してるんだ。だから、おれは無言で土下座を続けた。翔太も右へならえだ。おれは左でひれふしてるけど。
 大ししょう様が、目の前に並んでるサンダルやくつを足ですみっこへ寄せた。
 もしかして、本気らしい。バケツが、すっと持ち上げられて。
 ざばあっ……ほんとに、頭からぶっかけられた。
 でも、引き下がらないぞ。
「強情だな」
 大ししょう様が、土間に下りてきた。そして、おれたちの後ろへまわりこんで……
「わああっ……?!」
 翔太がすっとんきょうな悲鳴を上げて、上体を起こした。
「ばか! じっとしてろ」
「だって……チンチンをつかまれたんだ」
「男なら、チンチンが付いてて当たり前だろ」
 おれも、かなりうろたえてる。まちがっちゃいないけど、トンチンカンなことを言っちまった。
「確かに……女の子には付いていないな。それなら、これはどうかな?」
「……?!」
 スカートをめくられた。翔太みたいな悲鳴は上げなかったぞ。
「……?!!」
 ううう。パンツまでずり下げられた。くそお。これも試練だ。おれの本気を試してるんだ。たとえマンマンをつかまれたって――つかめるんかな。もしかしたら指を入れられるとか?
 大ししょう様がおれを試しやすいように、ちょこっとおしりをうかした。パンツひとつになって着変えるときの何倍も、心臓がバクバクした。
 パチイン!
 おしりにしょうげきが走った。
「きゃああっ……?!」
 さけんでから、熱い痛みがおそってきた。おしりをビンタされたんだ。でも、びくっとしただけで、土下座の姿勢はくずさなかったぞ。
 くくくっと、大ししょう様が笑った。
「いい根性をしてるな。いいだろう。道場を引きついで、おまえたちをきたえてやろう」
「ありがとうございます!」
 もう土下座平ふくしてるけど、おでこをさらに強く土間におし付けた。

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土下座もにゅもにゅ

 カメオ出演ならぬ亀男出演の、宇井留夫クン。唯一のジンジロ毛です。
 予選前には伸ばさせます。そして、真ん中だけをチンチンの太さに剃るのです。すると、遠目には長大に錯角します。対戦相手が、まさしく毛押されるのです。
 あと。同じ五年生の真苑ちゃんとカップルにするかもです。チョメチョメもモミモミもイチャイチャも無いでしょうけど。

 プロットに無いシーンも追加予定。摺足の練習です。股間の突起(男女とも)に糸を結んで鈴を吊るして。鳴らさずに歩く練習。どれくらいアヘらせるかは、筆任せ。
 これは先の事として。次は賞味期限付きで、本格的な(何が?)稽古風景をお届けの予定です。



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Bamboo Report 1:どうして、こうなる?

 プロットも固まりましたけどねえ。あまりエピソードも追加せずに。これぞSMX工房ていうハードなシーンが無いのです。そりゃまあ、Sでハードとなると、非常に問題なわけではありますが。
 『XXYzの悲劇』と『心中転生』から頭が完全に切り替わっていないせいもありますかね。前者はHSFの部分がかなりを占めていますし、後者に至っては全年齢ですもの。
 まあ、設定が設定ですので。県予選を突破させてあげないことには可哀想です。ヒロインひとりなら……あ、そうか。ヒロインと相方は全国レベルの腕前だから、弄んでいても勝つでしょう。残り3人の人選と技量アップに練習の方向を定めれば良いのか。
 これはプロットの微調整レベルの問題。やっぱり、主人公のモチベをへし折るような鬼畜はダメですな。いや、徹底的にマゾ堕ちさせて、ご主人様にいっそう激しく虐めていただきたいので、特訓も剣道の鍛錬(両者は同じだろ、おい!)も頑張るってもっていきかたもあったのですけど。
 しかし、それは最初から選択肢に入ってませんでしたな。鬼畜コーチが問題を起こした前任校は、最低でもCではないでしょうか。12と13の差は大きいです。そっちが好みとすると、鬼畜コーチがヒロインを甚振るのは面白半分。性的な鬱勃には至らないのかも。そして、ぎりぎり保身を働かせて。陰茎の膣穴への挿入には至らない。きっちり、性交とは見做されない行為には及びますが。
 ともあれ。濠門長恭クンには珍しく慎ましやかな作品になりそうです。Sという時点でアウトだろって声は牛耳西風。
 しかし、まあ。ヒロインの弟クン(S3)と、宇井留夫クン(S5)を出しますので。弟はどう扱うか分かりませんが、宇井留クンにはカメオ出演にとどまらず、おいしい役割を振る予定です。
 今回は、書きながら意図的に筆を滑らす方針でいきましょう。
 以下、逸脱を願いつつまとめたプロットです。
 名前は、けっこう安易に遊んじゃいました。

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『潤情悦痴剣道少女』

1980年(昭和55年)

女撫(めなで)村/女撫小学校

沈椿剣道場:艶やかな面に鎌倉彫を彫り下げた沈(しずみ)という技法の手鏡。椿の静かで高貴な姿。
      追手額三(おうてぬかぞう)享年82 妻:弥代(みつよ)

露出狂女児:畑上世都子(はたがみせつこ) 5/ 6 弟あり
      コーチに言われて「おれ」→「わたし」内言も。

マゾのショタ:間園祥太(あいぞのしょうた)4/15 高校生の兄は下宿
       張り合って「おれ」→「ぼく」

剣道下級生:宇井留夫[小5]、金里英知[小5]、佐藤真苑[小5]
      結溝平助[小4]、枕地達雄[小4]、間瀬照子[小4]、同西照子[小4]
      有升清美[小3]、園田市江[小3]、畑上太一[小3]3年は特別志願

鬼畜コーチ:木地久男(きじひさお)おれ 32
      「師匠」ではなく「コーチ」と呼ばせる。新風。

6年生担任:志田品乃(しだしなの)私 29

註記:宇井留夫クンはゲスト出演です。おいしい役割を与えてあげましょう。


最後の機会
 4月の稽古。
 全国少年少女剣道大会件予選突破の最後のチャンス。
 県予選:7/27 全国大会:8/21
 パンツひとつになってから稽古着。
 世都子と翔太の模範試合。2本取ってから最後は翔太。でも、花を持たせられたとむくれる。

道場の危機
 4月22日。師匠の急逝。
 葬儀の席で、弥代が木地に打診。拒絶。

必死の願い
 翌日。世都子が木地に懇願。土下座。
 引き受けてくださるまで動きません!
 尻を撫でられても。
 覚悟のほどは分かっ。

全裸で稽古
 七日の服喪。5月1日に全員招集。
 おれのやり方は先代とは違う。トレーニングは、現代スポーツ理論に基づいて行なう。
 その一方。先代が現代っ子に遠慮していた精神修業は厳しくする。和魂洋才。
 稽古は従来通り、火木15時~17時、土14時~17時。
 日曜は強化選手だけ8時~12時。当面は5年生と6年生。
 いきなり、全裸耐久走。羞ずかしがる下級生。先頭に立つ世都子と翔太。
 村人が驚きながらも励ます。世都子、濡れるのを意識して、ますます。
 さらに全裸素振り。掛かり稽古は無し。

祥太の起立
 5月3日(祝)。世都子、翔太、留夫、真苑、達雄、太一。後は黄金週間で家族旅行とか。
 全裸耐久走の後に本稽古。
 本来、有効斬撃は頭のみ。胴や小手の一本は(感情的に)軽く見られる傾向。
 面だけを狙え。その気迫が相手を怯ませる。面だけを着けて裸掛かり稽古。
 翔太は世都子に一方的に打たれる。世都子、これまでの癖で小手や胴も打つ。
 チンチン起っき。太一と達雄が無邪気にからかう。真苑は「きゃあ♡」
 あわてて隠そうとすると木地が叱る。ますます直立不動で掛かり稽古。
 世都子、どぎまぎして面を連取される。
 稽古の後で帰り道。世都子が言い出して、度胸付け特訓。
 ポンプ小屋に入ろうとする世都子に翔太が逡巡。裸で密室は拙い。ので、小屋の裏で。
 面も着けずに全裸で構えて。まさしくハダカミセツコ。
 村人が通りかかっても、世都子は構えを崩さない。村人に説明。
 
二人で特訓
 裸鍛錬にも慣れてきて。野外走のときは、ランドセルにレンガを詰めて負荷を掛ける。
 18(日)に名指し特訓。
 最初は不動心の涵養。二人に構えさせておいて。
 二人の体をサワサワ。くすぐったくても動くな。痛くてもだ。
 洗濯ばさみ。
 休憩。お互いにマッサージしてやれ。見られながら、ほとんどペッティング。
 チンチン起っき。健康な男なら当たり前。恥かしがるな。
 まだまだ相手に向かっていく気迫が足りない。面を打って横へ抜けるのも良くない。
 まっすぐ突っ込んで、身体ごとぶつかる気迫。攻める、溜める、崩す、乗る。
 道場に張り渡した荒縄結瘤添え。
 構えてから。世都子の側の端を引っ張り上げる。打突後は縄をゆるめて、もう一本。
 最後に再び相互マッサージは、ぺろぺろ。相手を労わる気持ち。
 おまえたちの意気込みにかかっている。夫婦同然に気を合わせていけ。

精神の強化
 25日(日)二人特訓。
 打突と残心の練習。
 二人並べて構えさせて。木地がアヌスに指を挿入。
 引き締めれば、それがわかる。
 不動心は試合中も。乳首、クリ、ペニスに洗濯ばさみ。
 そのまま対戦。あえて洗濯ばさみを狙え。全部落とされたほうが負け。
 ほかの部位への打突は、打たれたほうへ洗濯ばさみ追加。
 ペナルティがなければ気合が入らないだろう。
 勝ったほうが負けた相手を竹刀で。
 翔太が動揺して、あちこち不正打突。世都子は勝っても洗濯ばさみだらけ。
 そのまま、上段の構えの翔太を竹刀で。手加減してしまう。
 おれが見本を見せてやる。世都子に同じ構えをさせて。
 きれいに洗濯ばさみを弾き飛ばす。世都子、アヘる?


特訓の成果
 火木土の全裸野外走は継続。村人も見慣れた光景。
 それでも世都子は妄想あれこれで濡れ濡れ。
 6月中旬に他道場との練習試合。
 全員が六尺褌の締め方を教え込まれる。
 相手の道場。着替えはもちろん稽古場で。
 相手の女児は稽古着の下にTシャツ。こっちは全裸からの褌一本。
 相手は(とくに男児)稽古着と袴の中が気になって、全敗する。
 ふだんが全裸なので、重装備に護られた気分で、むしろ軽々と動けた。

五人の選抜
 6月末。留夫、翔太、照子、世都子、英知。
 去年は、世都子まで回らずに敗けていた。
 先鋒が勝てば翔太で2連勝。負けても1勝1敗に戻せる。
 世都子と翔太は絶対に勝つという前提の布陣。
 五人は月水金にも早朝稽古。
 早朝稽古は、
 日曜は五人で仕上げ稽古。実戦向きの戦い方を本気指導。
 世都子と翔太は、呑み込みが早い。これまでの精神修養のおかげ?
 いよいよ予選を控えた日曜。他の子は休養。
 二人には「気合を入れてやる」。アナルで鶯の谷渡り。

県大会突破
 堂々の六尺褌素肌稽古着。
 試合自体は、あっさりと。照子が六年男子を相手に勝利。
 ちっちゃい子に打ち込んでいいのか。
 この子、下はスッポンポン。褌なんて、パンツよりエッチ。
 残心ならぬ乱心で自滅。
 いよいよ全国大会へ向けて稽古を厳しくするぞ。とくに、世都子と翔太は。
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全裸剣道2

 タイトルにも悶え苦しんでいます。悶えてもアクメに達しません。
 とりあえずは課題です。
 いっそ、竹刀をぶち込むとかやらかせば……それはしかし、いつものパターン?
 こんなおとなしい展開になるのは、きっと、自分でも気づいていない必然性があるのかもしれません。書いていくうちに分かるかもしれません。とにかく、書き始めてみましょう


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Bamboo Report 0:色々困った?

 さてさて。WILL様からのリクエスト第九弾です。思えば濃密なお付き合いですねえ。
 昨日も書いたように、リクエストが出されたのが6:50、発見したのが6:51。「リクエストがありました」のメール受信が6:52。こういうこともあるのねとスルーするか、これぞ運命の巡り合わせとスルスルッと引き受けるか。
 まあ、つらつら考えるに。これまで書いてきたロリマゾシリーズでは、相撲部を扱ったり(1)、体育全般を扱ったり(2)、格闘技を扱ったり(7)してきましたが、剣道は無かった。剣術という意味では『悲剣肌風』とかありますが。

ロリマゾ体育

 ミッシングリンクを埋めるという意味もありますし。全裸で竹刀に叩かれるってのは……ああ、これはあれこれに書いていますが。縛られて叩かれるのと、こっちも竹刀で構えていて(腕の差とかで)一方的に打ち据えられるのとでは、興奮の(誰の?)度合いが違います。
 で、まあ。リクエストには「剣道でなくても可」と書いてありますが、県道でなくては酷道です。
 ちなみに。剣道といえばバンブーブレードですね。こんなの。

剣道たまき

 まあ。リクエストの設定はバンブーヒロインより若い。WILL様溺愛の12歳ですから。こんなに凸凹はしとらんでしょう。ビシバシは、もっと鬼畜かもですけど。
 ということで、まずはリクエストのご紹介。

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*ストーリイのリクエスト
・田舎の剣道部部員(他の部活動でも構いません)がサディストのコーチに調教される
*時代設定のリクエスト
・1980年前後の日本の田舎、住民は大らかでのどか
*シチュエーションのリクエスト
・羞恥や苦痛を伴う特訓
*キャラ設定
・A
 S6の明るく元気な剣道部部長の女性。腕前は全国レベル。
 男女混合の団体戦で参加できる最後の年に全国大会出場を目指す。
 素直で騙されやすいところがある。
 羞恥心が薄く、異性の前で平然と着替えるが、実は露出◯の素質がある。
 発育はそこそこだが生えていない。
・B
 Aの同級生の男性で、自称Aのライバルで腕前も同程度。
 自由奔放なAに振り回されることが多い。
 無毛包茎を気にしている。
 Aに勝つという名目で特訓するが、自覚のないマゾヒストで知らず知らずに苦痛を快楽として感じている。
・部員
 A、Bより年下の部員、やる気はあるが腕前はそこそこ
・コーチ
 元剣道名門校のコーチであり、剣道家としても指導者としても一流。
 バイのサディストで所属していた名門校で部員に手を出していたことがバレ、自主的に退職するよう言われる
 故郷の田舎に帰り悶々とした日々を送っていた
*人間関係のリクエスト
・部員とコーチ
*特定の責めのリクエスト
・度胸をつける特訓と言われ、全裸で村中を走る部員たち。村人に悪意なく笑われるAだが、恥ずかしさと同時に開放感と快楽を感じていく
・「体幹を確認する」という名目で、そのまま全裸での練習を行う。
 防具のないところを打たれたBは気がつくと勃起しており、他の部員にからかわれる
・AとBは特別練習をコーチから言い渡され、調教めいた特訓を行う
※可能であれば、「相手の乳首やクリトリス、ペニスにつけた洗濯ばさみを竹刀ではたき落とす」特訓を書いていただけると嬉しいです。

R-18/羞恥/調教/全裸/露出
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 人間関係、責めのリクエスト共に、今回は少な目。ですので、こっちでかってにベーキングパウダー投入するでしょう。
 は、良いのですが。根本的な問題がありました。
 そもそも、WILL様指定の教育機関(と、曖昧表現)には剣道部が少ない。どころか、学校単位の大会が無い!
 いや、そりゃ。全国大会はありますよ。
「全国道場少年剣道大会」てのが。今年で58回かな。1980年にもあったわけですが。『道場』単位です。
 これに辻褄ろうとすると、設定が込み入ってきます。
 ひと晩考えましたが、妙案は浮かばず。かといって、他の武道とか格闘技に替えては、全裸竹刀の絶対に譲れないテーマが崩壊します。レーゾンデートルの消滅、アイデンティティの瓦解です。
 ので。ロリマゾシリーズでは前例の無いパラレルワールドにしてしまいましょう。屋上屋を重ねるのでなく、虚構をさらなる虚構の土台で支えるのです。禁断の手法です。
 これは、虚構構築の大原則に反します。虚構を揺るぎなく支えるのは、細部のリアルであるのです。
 分かり易くSFで言うなら。宇宙人が出て来ようがタイムスリップしようが、重力加速度は9.80665m/secでなければなりません。光速は299792458m/secです。そうでないなら、それによる「現実とは異なる現象」が、作品世界の成立に不可欠な要素になっていなければなりません。
 推理小説でいうなら、密室もので伏線も張らずに「実は、犯人は亜空間から逃げたのだ」なんてやらかしても、昔は石を投げられませんでした。どこも載せてくれないから。せいぜい即売会で同人誌を床に叩きつけられるくらいだったでしょう。
 でも、まあ。女神様とステータスボードで、ややこしい設定も客観的な「強さ」の描写も1行/1コマで済む異世界転生がはびこってるんですから。今回は、筆者も時流に乗りましょう。
 ふううう。長ったらしい言い訳でした。
 というわけで。この作品世界では、12歳で卒業する学校にも剣道部は(そこそこ)ある。全国大会もある。そういう設定に……


 と、ここまで書いて。やはり、内心がじくじくと忸怩します。
 ええい。設定が込み入ろうと構わん!


 ド田舎にもかかわらず、ていうか、だからこそ偏屈爺さんが「少国民を健全に育成し大和魂を涵養する」なんて意気込んで、少年少女剣術道場を開いていて。学校も、そこでの練習(修行)を部活動と認めていて。
 うん。これで前記の大会にも参加できます。
 では、コーチは。たとえば、ここの出身で。だから幼少のころから剣術で鍛えていて。リクエストの設定を満たします。
 さてさて。自主退職に追い込まれたコーチは、長男です。退職の名目は、両親が年老いたので農業を援ける。とっさに当り障りのない理由にしちゃったから。そして剣道にも嫌気がさしていたから。帰郷しても道場には関与しない。
 そして。ここの学校の教師にもなれませんね。公立校では学校が教師を採用するんじゃなくて、教育委員会です。どこへ赴任させられるか分かりません。地元という希望は考慮されますが。それにしても、親の農業を援けるために辞めて、すぐの手の平返しは不自然と――前の学校に問い合わせをされたりしたら、藪の中からドラゴンです。だから、この線も無し。
 ところが。老道場主がポックリさんで。道場は消滅の危機に。
 そこへ。ヒロインA子が、コーチの過去の栄光を知って。この人の指導を受ければ、きっと県予選を突破できる。そう信じて。
 A子のほうから懇願して道場主になってもらうんですね。
 そうなると。自分からお願いしたのですから、少々(いや多々)エッチに思える指示でも、拒めない。どころか、これもお師匠様の最新トレーニング理論を応用した、画期的な鍛錬なんだ。全国大会への道なんだと信じて。
 ……さて、そう鳴門。問題は、どこでマゾに目覚めさせるかですなあ。
 羞ずかしいことをすればするほど、痛いことをされればされるほど、確実に強くなっていると。うん、これでいきましょう。
 それはそれで。実はコーチあらため師匠は、A子の秘めたる才能というか伸びしろを見抜いていて、エロ修行に絡めて実際に素質を伸ばす方法とかを、A子には気づかせず読者に気づかせる手法が難しい。師匠の前任校での不祥事を読者だけに悟らせるのも。
 もちろん、神の目三人称とか、途中に悪徳エロリバサド師匠の独白を交ぜるとか、そういう手はありますが。ヒロイン一人称が、ロリマゾシリーズの縛りです。手が自由に動かせる縛りなんて緊縛ぢゃねえやい。
 そりゃまあ。『Family SM Triangle』では、パパ視点・ママ視点も使いましたけど、あれはあれで、同じエピソードを三者三様に語らせるという『藪の中/羅生門』か『戦火の勇気』ですので。


 まあ、とにかく。やっぱり剣術道場の設定でいきましょう。なに、ド田舎。学校なんてひとつしかないんですから、部活動と変わりません。
 人物設定(名前)とタイトルあたりから、新PCの調教しつけがてら進めていきましょう。



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Presence Report 3:The tragedy of XXYz

 4月を待たずに執筆開始。まあ、本腰を入れるのは4/3に予定している新PCの調教後ですが。
 ところで。「本腰」の反対語を検索すると「及び腰」でしたが。どうも違う気がするんですよね。しかし「ウラゴシ」は「裏漉し」になっちゃうし。射精しないようにゆっくり腰を遣うのを「ゆっくり腰」とは……検索したら「ぎっくり腰」ばかり。いや、そもそもSEXにおける「腰」ではなく、餅つきの杵の使い方とか、舟の漕ぎ方とかですかね。だいいち。挿れるのは腰ではなく……むにゃむにゃ。そんな多重連装の挙句に「輿入れ」ぢゃなくて「腰入れ」とか、とっちらかってまいりました。

==============================
 この作品の舞台は、太陽系から約30光年の彼方にある惑星エデンです。
 エデンの自転周期は約18時間、公転周期は約540エデン日です。
 したがって、1エデン年=18×540÷(24×365)=1.11地球年です。
 本文中では、惑星エデンにおける物語の部分はエデンの時間単位で表記しています。
 したがって、「17歳」の登場人物は地球年齢で「18歳以上」です。
 では、あらためまして。
 この小説はフィクションです。実在する/した如何なる星系・国家・団体・人物・年齢とも関係はありません。
 この小説に登場して、センシティブな描写に関わる人物は、すべて地球年齢で18歳以上の成人です。通行人Aなどはこの限定の範囲外という意味です。


たったひとつの冴えたやりかた

 第三千年紀初頭の低迷を経て、人類は地球外への進出を本格化し、第二四半紀に至ると太陽系外への膨張を開始した。未だ縮退次元技術を持たぬまま、亜光速による進出は百光年に達した。しかし、光速度の限界により十全の支援を得られずに、あるいは同じ理由による事前調査の不備で、撤退、孤立、全滅の悲劇に見舞われた植民星も幾つかあった。
 太陽系から三十光年の距離にある惑星エデンも、そのひとつではあったが、そこに待ち受けていた困難は類を絶するものだった。惑星全体に遍在する微小結晶体である。以下、現地亜人に倣い、これをPC(Pico Crystal)と称する。
 PCは地球型哺乳類のDNAを選択的に侵襲する。特に、性別を決定するY染色体を侵襲した場合には、その作用は致命的である。PCは自己増殖を繰り返しながら他の染色体にも侵襲して、細胞の活動を阻害し構造を破壊する。成長を終えた成体に感染した場合は致死までに十数年を要するが、胎児に感染した場合は概ね死産に終わる。
 救援要請が太陽系へ達して、緊急派遣船団が到着するまでに、約八十年が経っていた。その間に植民者たちは、将来的に維持可能な第二千年紀末の技術水準でも唯一可能な「持続的」解決手段を発見実行していた。それは、ホモ・サピエンスのアイデンティティを根幹から揺すぶる、禁断の遺伝子改変であった。
 Y染色体の活性化を抑制する(必然的に名付けられた)z因子の組込である。性決定遺伝子にXYzを持つ個体は、第一次性徴としては雌形で発生する。第二次性徴では、不完全ながらも受胎可能となる。
 若干の個体差はあるが、三十五齢前後で第三次性徴を迎えて、数年のうちに、不完全ながらも生殖可能な雄形に変態する。古記録では、成人男子が感染した場合の平均余命は十年程度であるが、変態後の雄形は三十年近くを生き延びる。このあたりの機序は、未だ不明確である。
 遺伝子改変によって生み出されたエデンの現住種は、みずからをホモ・メタモルフォセスと名乗り、ホモ・サピエンスと峻別している。
 ホモ・サピエンスの側としては、禁断の遺伝子操作によって捏造された生命を許すわけにはいかず、救援に駆け付けたはずの統合政府宇宙軍は彼らのジェノサイドに踏み切った。
 しかし、宇宙軍を掣肘するシビリアンAIは、z因子はいわば「外付け」であり、遺伝子の改変には当たらないという結論に達して、ホモ・メタモルフォセスの存続を認めた。
 惑星エデンは、ホモ・メタモルフォセス以前にPCによる汚染が致命的であるとして、厳重に封鎖隔離され、一切の記録も封印された。
 以上が、我がチームが発掘した八百年前の、概ね正確な歴史である。
 惑星エデンを含む星系には、採算ベースに乗る工業資源は存在しない。PC感染のリスクを冒して再開発するメリットもない。宙政学的にはまったくの僻地である。
 しかしながら、ホモ・メタモルフォセスは人類ではなく、かつ、外地球知性体でもないのであるから、『汎生命体保護法』さえ遵守すれば、如何なる用途に使役しても問題はないというのが、Legal dept.の見解である。
 ホモ・メタモルフォセスの雌形が発達した副乳を有するという点は、著しく需要を狭めるであろうが、彼らがホモ・サピエンスではない明確な証拠という点では有利でもある。
 ことに、実験体RFCタイプは、その希少性から極めて高い付加価値が見込める上に、四十齢以前に自然死を迎えると推測されるので、回収後の飼育コストがほとんど掛からないというメリットもある。
Force Millennium R&R Company
Sextant division
Alteroid research team

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 いきなりAlteroidなんてイミフなミーム(ムイミなミイム)を出したりして。
 セクサロイドとか自意識を持たないクローンの禁止とかの規制をかいくぐった、代替品のラブドール(新商品)くらいの意味です。
 Sextantは「六分儀」ですが、これも第四千年紀の頃には意味が変わっているとか。FourthではなくForceとか。R&Rてのは、Vartualではなく、Real office & Real employeeだとか。野波恒夫クンだったら、あれこれ解説するだろうけど、濠門長恭クンは素っ飛ばします。とはいえ。


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果しなき流れの果に
アンドロ
 目を開けていられないほどの眩しさ。現実にはあり得ないほどの透き通った青い空。千切れた綿のような物が宙に浮かんでいる。
 ああ、いつもの夢だ――メル・ジーン・ライアンは、はっきりと認識する。大地は鮮明な緑と土に覆われ、散在する岩石さえ光り輝いている。それは、博物館にわずかに残されている古地球の風景だ。柔らかな、ときとしては陰鬱な、ときとしては軽快な桃色の陽光ではなく、鋭い白色光に照らし出された絵画。子供時代の記憶。
 だから、これは未知夢ではない。それは分かっているのだけれど。
『健康な生と安らかな死を望むか?』
『屈辱とそれを上回る安逸を求めるか?』
『苦痛とそれを上回る快楽は欲しくないのか?』
 頭の中へ直接に語りかけてくる声。
 健康な生と安らかな死は、誰もが望むだろう。
 屈辱にまみれながら半ば放浪生活を送っている彼女は、何よりも安逸を求めている。
 肉体的な苦痛を与えられることも珍しくないのであれば、せめてその代償は欲しい。
 しかし……
『健康な生と安らかな死、安逸と快楽。それを欲すなら、理力に服従せよ』
 服従の言葉に、隷属と搾取と虐待が見え隠れしている。
「いやだ!」
 メルは叫んだ。繰り返し見る悪夢は、それで砕け散るはずだった。しかし、今日に限っては続きがあった。
『……ならば、このまま旅路を辿ってみよ。汝は次の街でレインボー曲技団を目の当たりにするであろう。そして、思い知るが良い。汝の同類が、如何に惨めな生を生きているか。それを見よ。それを知れ。それを味わえ』
 そこで、ようやく――メルは目を覚ました。夢見が悪かったせいか、薄桃色の陽光が淀んでいる。
 メルは寝床を出て窓辺へ行き、東の空を見上げた。一面のべったりした灰桃色の天空。それが分厚い雲だという知識はあるが、雲にふさがれていない空というものは見たことがない。
 予想していたとおり、それはそこにあった。太陽光の透過ではない。光の球が、雲の中で跳ね回り転げ回っている。
 雷のたぐいらしいということになっているが――このような現象が目撃されるようになったのは、ここ半世紀くらいということだ。ホモ・メタモルフォセスの歴史は約九百年。それに先立つホモ・サピエンスを含めても一千年でしかない。未知の長期的な気候変動なのかもしれない。
 しかし。メルがいつもの夢を見るのは、このULO(未確認発光体)が出現した前後に限られていた。気圧の変動や空間電位の異常とかが影響しているのだろう。集団的夢意識の顕現とか、ホモ・サピエンスからの警告といった神秘主義的な解釈には与しない。
 それよりも……。
 相部屋の三人は、まだ眠っているが。若干の胸苦しさと馬車への乗車拒否とを天秤に掛けるほど愚かではない。むしろ、胸に巻いた布をちょっと引き上げて、確実に乳房を押し潰した。
 乳房が双つしかないから、男性への偽装は、そんなに難しくない。できるだけ低い声で喋るようにしていれば――ひとり旅の女が、邪心を起こした男に乳房をつかまれて、下の双つが詰物だと気づかれるよりも危険は小さい。
 男性化してからも便器に座って小便をする者も少なくはないが、安宿の便所に個室の扉は無い。正面から覗かれれば、並みに小さな淫核しかない股間を見られてしまう。メルは足音を忍ばせて部屋を出て、大急ぎで用を済ませた。
 浴槽と便所付きの一人部屋に泊まる余裕があるなら、なにも乗合馬車なんか使わずに汽車で行く。
 前の街では、四か月を暮らせたけれど。サピエンス返りの忌むべき存在と暴露されて、わずかな財産さえも貸部屋に置き捨てて身ひとつで逃げ出したのだから、小さな町で臨時雇の仕事にありついて当面の銭を稼いだ後は、噂が追いつく前にと、こうして西へと逃げている。
 これから行く街では、月単位で雇ってもらえるだろうか。流れ者に部屋を貸してくれる親切な大家に巡り会えるだろうか。
 そんな不安ばかりを抱えていても、ドッツ三十五も払わされた朝食を、売れ残りや廃棄品を寄せ集めて自炊する食事よりは、ずっと美味に堪能する裕りまでは失っていなかった。

 一ギルぽっきりの乗合馬車で、八時に出発して十一時にはドライバーグに到着した。とりあえずは、乗合馬車組合で紹介してもらった「とにかく安い」宿を取って。中途半端な時刻だったので、暇潰しのつもりで、街外れに大天幕を張っているレインボー曲技団を見物に行った。
 夢のお告げなんかではない。事情は逆で――宿で宣伝の張出紙を目にして、だから夢に出てきたのだ。
 平日だから、そんなに人は集まっていなかった。興行も十四時から夜の十七時までの一回限り。週末は八時から十二時と十三時から十七時。平日分は演目を減らしているのだろう。
 大天幕へ続く道の脇には、演し物の看板が並べられている。空中ぶらんこや綱渡りは定番だが、原付自転車の宙返りは珍しい。鳥人間なんて、絡繰があるに決まっている。
 無駄遣いはしたくない。冷やかしだけのつもりだったのだけれど。大天幕の手前に幾つもの檻が並べられていた。虎、大型犬、蛇女……。
 蛇女の檻には『メデューサ』の名札が掛けられているが、髪の毛が蛇というわけではない。檻の中に淫らな姿で寝そべって、体長が一メートルほどの蛇を数匹、裸身に這わせている。
 古地球から持ち込まれた生き物ではなく、この惑星の原産種だ。他に似た生物がいないから『蛇』と呼んでいるが、姿形から言えば脚無し蜥蜴の名がふさわしい。『虎』も同じ。
 しかし、愛玩用の犬や猫、畜産用の牛馬などはホモ・メタモルフォセスと共通の遺伝子を持っている。つまり、古地球から持ち込まれた。そして、現存している地球種生物はすべて雌である。繁殖は、卵細胞Aの核を使って、卵子Bを受精させる。
 この技法は、まったく遺伝子操作に当たらない。なぜホモ・サピエンスは、この方法を自身に使わなかったのか。それは生物学上の問題ではなく文化人類学上の命題であると、教師は生徒たちに教えている。産み育て支配と引き換えに保護される女性と、産ませ養い庇護の見返りとして支配する男性と。
 だからこそ、一生のうちに女性と男性とを体験できるホモ・メタモルフォセスこそ完全な人間なのである。
 自分はまったく不完全だと、メルは卑下して悲観する。
 しかし、この場にある『不完全』は変態(metamorphosis)に関わる事柄だけではなかった。道を挟んで『メデューサ』と向かい合った檻の名札は『ケルベロス』。
 メデューサより年上に見えるが、三十には届いていないだろう。彼女も全裸で、前脚を上げた犬の真似をしている。開いた後脚の付け根には、もちろん女性器が見えているのだが――彼女に向けられた視線は、もっと上に集まっていた。
 彼女には乳房が八つもあった。十二、三の少女の上乳くらい大きさ。あるいは成人女性の下乳よりも小ぶりな――均等な大きさの乳房が左右二列に並んでいる。つまり、犬や猫の乳を連想させられる。頭が三つあるわけではない。
 これは、単に畸形と呼ぶにふさわしい。半世紀も昔だったら、誕生と同時に間引かれていただろう。ホモ・メタモルフォセスの遺伝子には不安定の要素が残されている。PCの防波堤を護るためには、個別の命を犠牲にするのもやむを得ない。
 この女性も、もう二十年くらい昔に生まれていたら、そういう運命を辿っていたはずだ。そうならなかったのは、メルの生まれ故郷デフォルマントを中心に広まっていった、新しい迷信もしくは信仰おかげだろう。
 畸形は通常の受精卵よりも高濃度のPCに汚染したから引き起こされた。もしも畸形児を間引いたりしたら、そのPCは[どれだけ離れていても]、近くの人間を汚染するだろう。つまり、人間扱いをしようとしまいと構わないが、とにかく生かしておかなければならない。誰が言い出すともなく、そんな迷信が広まっていった。
 あるいは、デフォルマントでは他の地域に比べて多くの畸形児が(死産を含めて)生まれていたから、我が子を殺すに忍びない親の願望が土台にあったのかもしれない。
 しかし、それにしても。よくぞ殺されなかったものだ、死ななかったものだ。自身がサピエンス返りの畸形であるメルでさえ戦慄したのが、ひと奥の檻だった。『アラクネ』の名札が掛けられたどこには、手が四本と足が四本の女性が入れられていた。
 ふつうの体格の女性が低い姿勢で四つん這いになって、その背中に、ひとまわり小柄な娘が仰臥しているだけのようにも見えるが、二人の腰が癒着しているのは明らかだった。上の娘が手足を反らせて床に着けているので、まさしく蜘蛛の印象だった。
 その向かい側の檻は『アンドロギュノス』。見た目は、美少女そのものだった。しかし無毛の股間には、淫核にしては大きすぎる肉の棒がぶら下がっている。
 サピエンス返りの女に欲情する男など(すくなくともメルの体験では)いなかったし、男に偽装してからでも細心の注意を払ってきたから――よう時のおぼろな記憶しかないのだが。その美少女の肉棒は淫茎と断言しても良い。
 可哀想に――というのが、メルの感慨だった。おそらく十五歳くらいだろう。男性化してからの余命は二十五年くらい。生まれたときから男性化していたのなら、あと十年も生きられないのではないだろうか。
==============================

 やっぱり説明過多っぽいなあ。
 まあ、初っ端にSF的設定部分をどざざざざーっと片付けて。後はじっくりSM的展開をば。という目論見はありますが。
 小説を書こうとする初心者がやらかす、「良くない見本」みたいな気がします。腕が落ちたのか、テンプレを超克したのか。
 ま、書いていくうちに分かるかもです。
 しかし……元になった作品は20世紀末に書いているのです。「シビリアン・コンピュータ」を「シビリアンAI」に替えてみたりはしていますが、基本設定の古さは如何ともしがたい。
 そりゃまあね。今が20世紀だろうと21世紀だろうと、遥か未来のお話ですから。
 それでもなあ。1950年代に書かれた「ファウンデーション・シリーズ」で出てきたガジェットのプライムラジアントだって。関数電卓の未来版(執筆当時は電卓そのものが未来ガジェット)みたいのが、後で書き継いだ作品中では、形そのものがブラックボックスみたいになってて、数字が表示されるんじゃなくて空間に方程式やらグラフが立体的に展開されるように(こっそりと)変わっていたし。
 けどまあ。黒電話を使っていたのに、再開版ではケータイに変わっていた『ガラスの仮面』とかねえ。あれって、「これは昭和50年代を舞台とした作品です」って開き直ったほうが良かったと思いますよ。結局、紅天女は亜由美が演じるのかマヤなのか。
 方位角変わらず。接近する!
 急速転舵、面舵一杯!!

 アイコン用画像で、いきなりネタバラシしてるけど。

 とにかく、HSF部分を乗り切って、HSMへ行きましょう。
 過去記事を検索してみたけど、HSFHSMが引っ掛からなかったので、あらためて書いておきましょう。

 この小説は Hard science Fantasy & Hentai SMです。SMなんて変態そのものじゃないかという古い観念をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、実は筆者もそうなのですが。だから明るいSMなんて、まっぴらごめん。変態=少数者。選ばれたる者の恍惚です。
 は、さておき。ここでいう「変態」とはmetamorphoseのことです。ホモ・メタモルフォセスですもの。



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比較と反省と開き直り

 Presence Report 2
 実に分かりにくい、ごちゃついた「メモ」ですね。
 以前は、もっと細部まで詰めてから書き始めていたのですが。ひとつ書き終えて、それを校訂して電子出版予約まで済ませると、すぐに次を書き始めないと気が休まらないという勤勉な(?)悪癖がついてしまいました。
 参考までに。10年ばかり前に書いた『大正弄瞞』の、執筆前PLOTを公開します。

==========/以下、PLOT/==========
大正弄瞞・淫虐偽家族


立花実子(15歳)高等女学校3年生、珍しいセーラー服、
立花長利(43歳)貿易商
立花[住友]花江(23歳で実子を産む)2年前に没。
立花[本郷]ユキ(32歳)1年前に後妻、痩身のくせに鳩胸出尻
立花利行(16歳)ちゅう学4年生、長利とユキの子供。跡継ぎに。
本郷俊夫(35歳)15歳のとき、12歳の妹を縛って鶏姦と口淫。
三田島勇人(29歳)体育教師
鈴木カナ(12歳)小額6年生、三田島の遠縁の娘。三田島の家に住み込んでいる。
田村正子(26歳)住み込みの女中。出戻り。豊満。
池田千津(19歳)通いの女中。じきに辞める。
姉小路静(27歳)校医。生徒の何人かと「性に関する相談」でごまかせる範囲の関係。


1.折檻宣告
5月下旬、金曜
洋行する父を見送って、会社の車で帰宅。
両側にユキと本郷。助手席に利行。これから1年間がうっとうしい。
ユキとの軋轢。なにかと覗く利行。伯父にあたる本郷は初対面。
帰宅するなり、女中を含めて全員の前に正座。ユキ、利行、本郷は座布団。
これからは厳しく躾ける。継母とも仲良く。
新しい方針に不服の女中は辞めろ。
全裸を命じる。まだ大人になりきっていない身体。どれくらいの折檻できるか。
拒んで抵抗。本郷が羽交い絞め。ユキがビンタ。利行が服を切り裂く。
身体を隠せない。ユキが弄びながら品評。膨らみきっていない乳房、毛はもじゃもじゃ。
最初の躾が肝心。六尺をほどいて猿轡。
高手小手。脱力感。
「兄ちゃんが女を縛るのは久しぶりに見たけど、うまくなったね」
「へっ。好きこそ物の上手なれ。捕縛術の免許皆伝」
乳房を絞られて切ない感覚。すこし濡れて見透かされる。
「とんだ縄好きだ。血は争えない」後半は意味不明、それどころでない。
立たされて写真機を向けられる。激しく拒絶。
また羽交い絞めで乳首針。実核にも刺すと脅されて屈服。
「ふん、そっくりでやがる」
裏庭から土蔵。格子窓から後ろ向きに吊るされて縄束で尻と脇腹。
「前を向け」拒むと指で穿たれる。さすがに乾いている。乳房に数発。
「脚を開け」意図を察して首を横に振る。
「厭なら乳房が千切れるまで叩く。股なら一発で許してやる」
しくじったという口実で三発。
これからは女中について家事を習え。女中より立派な服ではおかしい。
子供時代の浴衣。つんつるてん。袖は襷で肩まで剥きだし。
せめて下穿きを。浴衣にズロースでもあるまい。
猿轡にしていた褌を瘤のまま。毛が巻き込まれて痛い。
風呂を洗って井戸から水を運ぶ。焚きつけ。
夕食は正子と女中部屋で。親切ごかしにいたわられる。
男の背中を流すのも花嫁修業だ。湯が傷にしみる。
チンポ手洗い。身体は毛ダワシで。大の字に縛り付けて昼の十倍も叩くと脅されて。
しばらく休学して家事を覚えろ。
寝室で涙。父が帰国するまで1年も……

2.拷問屋敷
土曜
早朝、ユキに叩き起こされる。褌が緩いと締めなおされる。
廊下の雑巾がけ。膝を伸ばして尻を上げて。姿勢が悪い、遅い、うるさいと竹尺で尻叩き。
褌をほどかれて、毛ダワシ靴磨き。刺激で不本意に濡れる。靴はテラテラ。
本郷がいるうちに大工職人。半裸同然でお茶運び。
実子の部屋から家具一掃。ユキが衣服処分。
部屋の掃除、洗濯、庭掃除。土蔵にも大工。
午後三時前に部屋の改装が終わる。
半円形に切り欠いた新しい机。壁に押し付けて施錠。
椅子も粗末な新品。座面に半円の木。そこに座ればどうなるか、見ただけで分かる。大きなネジ穴が2個。
ベッドは頑丈なスノコに。鎖と枷が四隅と首元、膝、腰。
土蔵も見せられる。往生柱、三角木馬(かなり鋭利)、キの字磔台(股間の木は出し入れ自在)、吊り滑車、大桶。
電動の水車とクランクは組み立て中。大工を見物人にお披露目。
その着物も破られたいのか。裸で過ごすことになるぞ。
全裸緊縛で木馬に乗せられる。激痛、悲鳴。
本当の折檻では、足に錘を括りつけて一晩。
短時間でキの字磔に。股間刺激。自分を責める道具が組み立てられるのを見せられる。大工は説明しない。
入浴は利行と。本郷にしたのと同じことを強制される。
女体への好奇心から、あれこれも。
今夜は、花嫁にもっとも大切な閨の教育。意味がわかって青ざめる。
そんなことをされたら、お嫁にゆけなくなる。
処女を奪ったりしない。女には穴が三つある。そのうちの二つだけ。
土蔵に連れ込んで、責め具を前に脅される。屈服するまで責められると直感。観念。
利行とユキも加勢して緊縛胡坐縛り。
男女の交際は、まずキスから。利行のイラマチオ。恥垢も舐め取らされる。ごっくん。
座禅転がし。指でくじって、ワセリン潤滑コンドーム鶏姦。コンドーム抜去でお掃除フェラ。
ボロボロで自室へ。ベッドに大の字拘束。
住み込みの正子が夜這い。傷に軟膏を。拒んでも無理強い。ついでに指で悪戯。軽く逝かされる。
日曜
時間がもったいないと、三つ編み禁止。根元を輪ゴムで。
今日も出かけるから靴を磨け。
靴磨きだけは許して欲しいと哀願。では、できなくしてやる。腋毛と淫毛を剃られる。
我儘が多いと難癖。土蔵で折檻。せっかく消えかけていた痣が鮮明に刻まれる。
その夜も正子の夜這い。見つかって、お嬢様の手当て。サネと呼び捨てにしなさい。
もっと丁寧に手当てしてやれ。公認レズ。手当てしてもらうのだから、感謝を行動で。クンニ強制。

3.淫虐女学校
水曜
前日もことさらに責められ、朝まで縄でベッドに拘束。
登校を許される。セーラー服の下は瘤褌だけ。
旧友が心配して尋ねてもはぐらかす。
手首の縄跡に気づかれて、継母に縛られて押入れに閉じ込められた。
弁当がないので、昼休みは図書室へ。
放課後、保健室に呼び出される。校医(オールドミス)と体育教師。
月曜に身体測定。受けなかったものも土曜。残りは立花クンだけ。
今日は都合が悪いと拒んでも、教師の命令は絶対。
瘤褌一本。
これを締めていれば、まんいち暴漢に襲われても時間が稼げる。
身体の傷は、継母に折檻されました。
「それぞれに教育方針があるから、家庭の事には口を挟まないが」
「先の血液型相関調査では、O型は大雑把で成績の変動も大きいそうだから、これくらいの躾が適当かもしれんな」
水曜と木曜は傷の養生で折檻なし。
半裸家事と閨の教育。寝るときは拘束されないが、もう正子を拒めない。
逆らうと、ことさらにきつい家事を押し付けられる。
千津は見て見ぬ振り。
金曜に、明日の午後(半ドン)家庭訪問すると体育教師。
帰宅して告げる。余計な事を言うんじゃないぞ。
傷跡を消すために折檻なし。閨も正子もなし。久しぶりの安堵。
先生がそれとなく注意してくれるかな。
土曜午後。
見知らぬ少女を連れて体育教師が訪問。
ご立派な教育方針に感服。よろしければ学校でも、お家の方針に沿うよう、ほかの生徒より厳しく指導したい。
本郷たち、意図を測りかねて沈黙。
この子は遠縁の娘。家が貧しいので預かっている。
厳しく躾けてきたつもりだが、あなたには及ばない。
どのような躾をされているか、ご披露しなさい。
怯えながらも、ためらわずに全裸。太腿を大きなゴム帯で縛っている。しとやかな歩き方になる。
まだ無毛。わずかな膨らみの頂点が異様に大きい。Oリング。
乳首が陥没していたので矯正しているところ。
クリは、剥いた上にOリング3重。太腿を密着させて歩くとどうなるか、想像しただけで同情。
強引に抜き取る。痛がりながらも鼻声。はずしても、子供の小指の先くらい。
大きいほうが感度も上がって、女としての幸せにつながる。いずれ、子供のチンポくらいまで育てる。
もちろん、お家に別の考えがあれば、これは着けさせません。
少女を互いにいたぶろうと持ちかけられているとわかり、快諾。
ふたたびリング装着。器具に関心を示す本郷。よろしければ差し上げますが、輪ゴムなども使えますよ。
縄の跡を拝見したが、実に整然として芸術的。
若い頃に捕縛術を習いました。伝授して差し上げましょう。
実子を全裸にさせて、解説しながら緊縛。体育教師は少女に見よう見真似で。
土蔵に案内。木馬や水車は三田島も理解。クランクは分からない。
その子は生娘ですか? まさか。え? 縄実子は生娘? ふううん。
縄はほどいて手首を頭上で。吊り上げてからクリ虐めで濡らして。吊り下ろしてズブズブ。悲鳴。
モーターが回転し始めて。
ほほう……。カナは悲鳴をあげながら、股間から淫らな音。だんだん鼻声。
見物しているだけでは手持ち無沙汰だろうと、実子は水車に大の字。水が張られる。
ゆっくりと回り始めて、鼻から水。恐怖と苦痛。写真。
では、しばらく楽しんでいなさい。立ち去ろうとする一行。
待って。もし故障したら! 頭を上にして止まるよう重心を調整してある。
カナは何度も逝かされて、よがりながら本気で泣き喚く。いやだ、もう逝きたくないよう。
正子が見物に来て、心にも無い同情。嘲りと好奇心。
3点リングと瘤褌での通学が常態。衣替えで白セーラー。
整理の日は脱脂綿を詰めて赤褌。
二の腕や首筋の縄跡を級友は見て見ぬ振り。
三田島のことさらに厳しい指導から何かを察している?
昼も別行動で、学級で孤立していく。

4.閨接待
玄関先で高等学校生徒から付文。正子が見ている。
朗読させられる。他にも持っていないか、返事を書いたことはないか。
鞄を調べられて、父への手紙を見つかる。宛先が分からないので出せなかった。
朗読。血相を変えて叱責する継母と伯父。
極刑。三角木馬+錘。乳首に横針と縦洗濯バサミ。写真。一時間放置。
反省が足りないときは実核にもと脅迫。
ボロボロで寝台に大の字拘束。
恨めしそうに見ていたわねと、正子。あたしも躾けてあげるわ。
猿轡。乳房基底部を縛って、パンパン。竹串貫通。継母と伯父は許してくれたクリ針。
最後にヨードチンキ。ひと晩中悶える。
父からの電報。追加融資に尽力してくれ。
父の取引先の銀行頭取の接待を命じられる。
知らないかもしれないが、家屋敷も抵当にはいっている。
象牙の買付に新たな融資が必要だが、銀行が渋っている。このままでは破産。
接待と言っても、堅苦しく考えなくてよい。いつもどおりに振舞えばいい。いつもどおりに。
意味を察するが、拒めない。厳しい折檻。なにより、父を破滅させられない。
3天リング+瘤褌+セーラー服。ひさしぶりの三つ編みでお座敷。
頭取、部下2人。本郷、実子。芸妓が3人。
お酌して、緊張でズボンにこぼす。ならばと、口移しを命じられる。自分もすこし飲んでしまう。
首筋の縄跡。手首の縄跡と合わせて、ことさらに不審がられる。
義母と伯父様に折檻された。見せてみろ。縄跡と鞭後。
縛るのはひどいんじゃないかね。いえ、こいつにとっては飴です。初めて縛られたときは腰が砕けた。
マンコに指。もう濡れてる。裸を見られても濡らす淫乱女。
立ち居振る舞いが淑やかになるようにとリングだが、逆効果。
縛られて、畳に淫水。
女を虐めるのは趣味じゃない。ほどいてやれ。
全裸舞踏。料理の片付いた座敷机で仰臥くぱぁ。処女膜お披露目。芸者も覗き込む。箸の際で膜をつんつん。
お床入りは強制騎乗位。そんなの約束が違います。お嫁にいけなくなります。
本郷とどんな約束があるか、わしは知らん。
わしの不興を買えばどうなるか、わかっているのか。一家心中では、お嫁どころではあるまい。
承諾するしかない。自分で自分を墜とす悲しみ。
縛られて犯されたほうがまし。わたし、何を考えているんだろう。
乾ききっている。口に含んで潤滑。淫核を男の目の前で弄んで濡らす。
いっそ、堕ちるところまで堕ちてやる。
またがって、一気に腰を落とす。みずからを痛めつける悲しみ。
言われるままに、痛みをこらえて膝の屈伸。膨らみを増してきた乳房が揺れ、絞られたままの乳首がきりきりと充血。
どこまで堕ちるのか、恐怖。その奥に妖しい胸騒ぎ。
昨日はよくやった。ご褒美に遊びに連れて行ってやる。
きつきつのズロース。絞り出された淫核が、褌以上の微妙な刺激。
つんつるてんのブラウスに申し訳のリボンタイ。ズロースぎりぎりの吊りスカート。
本郷、ユキ、和行。一家団欒。昨夜は短時間だったので縄跡はない。
デパートの屋上庭園で和行とズロース丸見えでシーソー。ますますクリが刺激される。人目にもつく。
夕方、本郷に連れられて汽車で遠くの町へ。
客車内でリングをはずされる。じんじん疼く。物理的な刺激の余韻? 何をされるかの想像?
金物屋で洗面器と石鹸と手拭。銭湯へ。
いっさい口を利くな。けっして隠すな。誰かに話しかけられたら、俺にしがみつけ。
男湯にはいりかけて、咎められる。
娘は知恵遅れで、しょう学校に通っている。ひとりでは何もできない。
学校の友達はまだ毛が生えていないからと、自分も無毛でないと納得しないくらい。
本郷の背中に隠れているのを引き出されて、スカート巻くってズロース下げられる。
まあ、仕方ない。
本郷に脱がされる。両手はぶらぶら。できるだけ知恵遅れを装おうと演技。
好奇の目に晒されながら、身体を洗われる。他の客からはなれている。耳元でいろいろ命令される。
おや、すこし汚れているね。脚をくぱぁで剃毛。悦ぶ振り。
壁の富士山の絵を見に浴槽に近づいて、ぽけえ。脚は半開き。下から見上げられているのに気づかない振り。
浴槽に浸かって、本郷に抱きつく。
困ったもんです。まだ自分をようじだと思っている。
人目につかない程度に嬲られながら着替え。
外に出て、膝がくがく。心ならずも本郷にしがみつく。

5.花電車
翌日から花電車特訓。頭取は満足されなかった。処女を捧げるのは1回こっきり。
鉄亜鈴を挿れて、落とさないように歩行。そのままクリ縛りで台車。
白熱電球を挿れるホタル。
習字。
産卵とバナナ切りは並行。
膣から空気を出す特訓。コツがいる。
ラッパで吹奏。吹き矢。
すべて写真。抗議する気力も失せてきた。
銀行が金主を接待。カナも参加。2人で人間生花。
実子だけ解放されて、花電車。ホタルと習字。即興で3点糸の奴凧。
絡ませてみろと金主。
正子の手管を思い出しながら、実子がカナを責める。カナも真似る。2人絶頂。
嗜虐癖の金主。座禅ころがしというのがあるそうだな。お安い御用です。
縛られて犯される。自分の意志ではない。むしろ安堵。そのせいか、ついに膣で絶頂。
すっかり従順になった実子。
自宅から、子供っぽい服装で単独行動させられる。
この頃には、裏庭で全裸緊縛を隣人に目撃されたり。
玄関先で付文されて有頂天に男子学生と夜遊びしていたので折檻。
実は不義の子供。血は争えないなどと、まことしやかな噂。
あの恥ずかしい格好も、まだ子供だからと叱った言葉へのアテツケ。
後妻とその弟だと侮って、言付けを聞かない。立場を逆手に取ってデマ。
力になってあげようという近隣の言葉を拒むのも尾鰭。
実子が白眼視され始める。まさか、露出的な服装を強制されているとまでは想像が及ばない。
隣組や町内会への太っ腹な寄付で、表立っては何も言われない。
雨の日。濡れて透け透けで歩いているところを巡査に見咎められたのが決定的。
エロ巡査として知られている。交番の奥で全裸検分。後ろ手腰縄で家まで歩かされる。
ご苦労様です。本官も上の目がある。馴れ合いだった。
エロ巡査でも、良家の子女にここまではしない。実子に落ち度があった。

6.強制堕胎
三度目の接待。習字、手を使わない産卵、貯金箱、ラッパで楽曲吹奏。カナとの双頭張形交合。
秋に学校を休まされて、温泉旅行。
元々学年主席を争った才女。欠席が増えて、家で勉強の時間を奪われても、そこそこの成績。
露天風呂に遠方監視でひとり。隠さない。
村の若い衆に秘湯へ連れて行かれて、妊娠と病気は怖いと、アナル&フェラ。
温泉滞在中に悪阻。本郷が腹を殴るが、やはり娘の身体への遠慮。
利行の級友が20人で輪姦。流れない。
冬に修験の滝(無人)で無茶修行。
半袖ブラウス+吊りスカート。すこし膨らんだ腹で、ブラウスの下ボタンが留まらない。
田舎の駅で山伏姿の男に引き渡される。物陰で袖無し作務衣上衣に。褌そのまま。素足草履。
巡査に見咎められて、女だてらに山伏の修行をしたいと言うので、まず女としての羞恥心を捨てさせている。
同行の本郷が袖の下。衣服は本郷が持ち帰る。逃げる事もできない。
雪の積もった山道。修験者を名乗る中年男が、ほかに2人。
全裸披露。ほう、写真よりも肥ったかな。いや、お腹のせいでしょう。
写真? 自分の全裸緊縛写真を見せられる。
エロ雑誌に「モデル写真付捕縛術」の書籍通販。顧客名簿。この男と昵懇。
様子を見ながらあぶない写真を高額で。
炊事洗濯いっさいが実子。
最初の夜は湯殿で3人がかりで嬲られる。
翌朝は褌一本で薪割り。そのまま近くの滝。滝行。どうしても逃げてしまう。
緊縛開脚逆さ吊り。縛り方は力任せ。引き出されて。暖めてやろうと小便をかけられる。
土を詰めた米俵を蔵から運び出して、また入れさせられる。
堕胎が目的と確信。まともに手術も受けさせてもらえない。どこまで憎まれているのだろう。
二日目に流れる。それからは荒行で身体を治すと称して、腰まで雪に埋もれながら登山など。五日で解放。
松が取れてから刺青。生身の栗を小鳥がついばむ図柄。三月から色入れ。父が5~6月には帰国するのに。

7.義父と実父
父の帰国が迫っても、土蔵や部屋をそのまま。
刺青は進行して色も入れられていく。
疑念。でも、まさか。
父の帰国。税関から出てきて。
お帰りなさい。無視して義弟に。
調教は完了したようだな。写真では、ずいぶんとグロいことまでさせていたが。
バッチリです。一度に3人の相手でも平気だし、マンコ習字も達筆です。
お父様、どういうことなのですか。
お前の血液型がO型だということだ。
僕はAB。お前は僕の娘ではない。
すまんな、俺がO型なんだ。お前の母親は、ユキが妊娠していた頃、
俺に縛られたくて毎週のように家へ来ていたのさ。
言葉を理解するのに十数秒。
では、伯父が実の父で継母が実は叔母。父は赤の他人。
失神寸前。しかし、聡明に過ぎた。ジグソーパズルの完成。
圧倒的な絶望。
一年だけ我慢すれば元の生活に戻れる希望が打ち砕かれた。
敬愛していた父親が他人。
実の父と兄に犯されつづけた一年間。
いっそ、いきなり赤の他人だと言われて放り出されたほうがましだった。
そうしたら、自殺していた?
では、これは……お母様とわたしへの復讐なのですね。
わたしは、これからどうなるのでしょう。
これまでどおりさ。たっぷり虐めて可愛がってやる。
せっかくの子を流したそうだが、今度は産ませてやる。
男なら孤児院。女なら、しょう学校へ上がる前から淫婦に仕込んでやる。
本郷と利行に両側から抱えられて迎えの車に。
犯されたくてかよっていたなんて嘘。弱みを握られて脅されていた。
でも、わたしのこの身体と心。恥ずかしいことをさせられて濡らし、縛られて感じる。
母の血の呪い?
贖罪。そういう単語が浮かぶ。
償いのために嬲られ続ける一生。覚悟を決めてしまう。
飾りを剃ったり入れたりしたそうだな。見せてみろ。
悲しそうに、従順に従う。
恥知らずめ。ビンタ甘受。
もっと恥知らずなところを披露させます。
縛られても、さすがに濡れない。
チンポ形の特大筆で緊縛習字。嗚咽しながら「祝帰国」。
褒美に抱いてやりませんか。
いや、ユキの悋気が怖い。僕は接吻だけにしておこう。
口淫強制。さすがに萎れている。調教を委ねて正解だった?
早く勃たせろ。小便するぞ。
苦労して半勃ちにしたところで放にょうされる。こぼすな、飲め。
口からあふれるにょうを洗い流す大量の涙。
粗相の罰で折檻される。鞭打ち? 三角木馬? 水車? 針も刺されるのかしら。
絶望に打ちのめされ恐怖におののきながら、妖しい胸苦しさ。




経緯
学業成績と血液型の関連を調査。自分がO型と知る。
父に話す。父は軍隊で血液型を調べられている。AB。
渡航にそなえての予防注射に実子を同行。成長段階の検査として血液採取。O型に間違いない。
数日の思案。
「おまえは、あいつがいないほうが良いのだろう。あいつは僕の娘じゃない。廓に売り飛ばす」
「やっぱり、兄さんの……」口走ってしまう。
-------------------------------------------------
妊娠当時、先妻が乗り込んできて、腹の子を流そうとして取っ組み合い。
ちゅう学校(遅れて進学)から帰ってきた本郷に取り押さえられる。
暴れるので縛って犯す。途中から抵抗しなくなる。もう来ないだろう。
二週間後、本郷が在宅中に押しかける。暴れるが、縄を掛けられるとおとなしく。濡らしている。
そういうことかと、裸にして縛りなおす。写真機。現像は級友に写真館の息子。
さすがに本気で抵抗するが、乳首に針。実核にも刺すと脅されて屈服。
「一週間後に来い。逆らうと写真をばらまく」
-------------------------------------------------
そうだ、君の養子にしてから廓に売り飛ばそう。持ち家があると売れない。
血のつながりの無い若い女じゃないですか。好き勝手に弄べるのに。
嫌がる女を趣味はない。つい憐憫の情がでるかもしれないし、ユキの嫉妬も怖い。洋行の都合もある。
それなら、俺のものにしていいですか。旦那にも悦んで股を開く淫乱女に一年で仕込んでやります。
実の娘を犯すのか。
犯すだけじゃないでしょうよ。縛ったり叩いたり、女を虐める趣味が兄さんにはある。
いいだろう。生き地獄に沈めてやれ。
留守番の名目で住み込ませてください。裏庭の土蔵は拷問蔵に使えますし。
用心棒兼家庭教師か。いえ、調教師でして。

==========/以上、PLOT/==========
大正弄瞞紹:介画像

 作品とは異なる部分もありますが。ここまで細かく設定していたんですね。
 まだ電子出版に踏み切る前でしたから。IF good bubble という思惑もあって。構成とか完成度に拘っていたのでしょう。
 今は、とにかくSMシーンが書きたいという、それが一番……かなあ?
 『のらくろ』の田河水泡(極大突破)大先生大先死のエピソードで、ロボット三等兵(だったか、のらくろだったか)が歩いている絵を1コマ目に描いて、4コマ目でスッ転ばせて。長谷川町子(極大突破)大先生大先死の目の前で、2コマ目と3コマ目を埋めて、見事に起承転結させたという。
 うん。その境地に……痛い痛い痛い! 岩をぶつけないでください! 土砂に埋めないでください!

 まあ、とにかく。輪ゴムと段ボールで作られていても、入力に対してきちんと出力されれば、それで良いのです。うろ覚えの話をさらにゆがめると、何がなんだかわからないですね。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Presence Report 2:The tragedy of XXYz

 いよいよPLOTも固まりました。
 今回は[戦闘詳報]流儀で、楽屋裏まで見せちゃいましょう。整理していない「自分用」のメモは、こんなものです。


==========/以下、生メモ/==========
表記
カタカナは固有名詞とオノマトペのみ
筒袴、裳裾、膨餅、食刀、食刺
麦包、清汁、濁汁、潰芋
ルビや解説無しで分かるように書くのが力量?

言語は、英語ベースに多言語混交
独仏伊日中亜阿
(ラヴァリシチ、オタッキー、ゲゼルバー)

ファミリーネームは無い
当人・父親・母親
ユニセックスな名前

家畜類はXO型に遺伝子改変で繁殖。
すでに遺伝子改変技術は失われている。


Force millennium company
五十年に渡り、エデンで人体実験。
遺伝子異常の新生児を間引かれないために、未知夢神話を利用した。
異常児は微小結晶体が濃縮された結果。死ぬと不可知遠隔作用で近親者の微小結晶体濃度が増える。可能な限り生かしておく。
しかし、迫害までは阻止できなかった。行方不明として回収できるから、むしろ好ましい?
微小結晶体の無害化。ただし、遺伝子に取り込まれたものは継続して感染。ホモ・メタモルフォセスをサピエンス化は出来ない。
XXY'で正常女性。XY'Y'で半陰陽。二つのYで結晶化部位を違えれば一定の長期生存。

Quadoll
人間でも原生生物でもない非合法生命だが、生殖機能を無力化することで商品として認められた。増殖はクローンのみ?



1か月45日。12か月で540日。

 5時  起床/朝食
 7時  仕事
15時  終業
16時  夕食
18時  就眠

貨幣単位 ギル、ドッツ。1658ギル、ドッツ75。
底辺労働者 日給5ギル
一家4人では苦しい。

標準的ライフサイクル
 結婚 出産 変態 看取 再婚 死亡
A15 20 30 35 40 60
            B15 35

神無き世界
ホモ・メタモルフォセスを創った神は居ない。
集合的夢意識。多次元ワイド。
未知夢。
元からあった信仰をFM社が悪用。
ナノマシン。
奇形の子を殺すと、体内の微小結晶体が拡散して生者に取り憑く。
奇形=微小結晶体の濃縮排泄。
聖別された者が迫害されるのは普遍的真理

娘→女→繭→男→老人
私     俺
共通:我
変態前後を明示するため、一人称が分化。

ピンクの雲の中を発光体が飛び回る現象。ここ四十年。南部に多い。

南部デフォルマンタ
ここ五十年ほど、奇形出産が多い。多くは死産か幼時に死亡。

XXY':メル・ジーン・ライアン 35歳
第三次性徴発現まで二十代前半の外貌を保つ女性に比して、大年増。
男性に偽装。乳房は布を巻いて潰している。女として十全に発育しているので、男性と互角の体格。
ほぼ白人、双乳
南部デフォルマンタ(グリーンレイクビレッジ)出身。
幼時から奇形として忌み嫌われ、第二次性徴でも「治らなかった」ので、親にも見捨てられた。以後、偽乳で誤魔化して放浪。三十を過ぎてからは男性に偽装。
蔑称:ホッグ(婆あ)

XY'Y':ロニー・フィオーレ・クリス 20歳
本人は自分の名前を知らない。
蔑称:ボーイ(少年)
Y'Y'の発現不十分で、15歳の少女並みの体格。成人男性に比べて小さいペニス。ヴァギナは未性熟。精巣卵巣ともにひとつずつ。射精して月経。
過去に売春で二回の妊娠、一回の自己受精。すべて早期流産。
南部デフォルマンタ(ウェットグリーンタウン)出身。
真正半陰陽。幼時から弄虐。14歳で曲技団に売られて、見世物と被虐売春。

二匹の強制人称=蔑称


XY'Y'Y':エリー・ラーシャ・ユン
蔑称:コロッサス(巨人) 26歳
東部ネオヨーク出身。通常のXY'に未分裂Y'Y'精子が割り込んだ。自然発生。
成人男性より大柄、筋肉発達。すでに老化の傾向。
人間扱い。

XXY'Y':キム・パティ・デイル 28歳
蔑称:ドッグガール
自然発生。一卵性双生児が途中で再融合? 
乳房が八つあるだけ。猫より犬のほうが、芸をするのに便利。

リザ・ジョイ・ジョーン 24歳
蔑称:メドゥーサ 単純に大蛇と同衾。
人間扱い。

蜘蛛女 アラクネ シャム双生児。
リー&リル ペアレントネーム不明
村の穢れとして幽閉されていたのを団長が買い取った。28歳だが、13以上には見えない。地球の長い午後で死亡。


芸人(人間)鳥人姉妹
アマンダ/ミランダ・ジェーン・ファーロウ
重力は90%×気圧は120%。
75%の翼面でOk。
どうやって読者に分からせる?

綱渡りと空中ブランコ
アンディ、インディ、ウェンディ

曲馬 四人娘。赤の他人。子供。


団長:メイリス・サンディ・リッジ 39歳
遺伝子的にはXXY'だが、一方のXが不発動でノーマル。
女性時代に流産を繰り返して、生殖を諦めた。
北部キャンディスシティ出身ということになっているが、ゼロ歳時に南部デフォルマンタから一家移住。
 
その他、空中ブランコ&綱渡り芸人、鳥人間。バイクロバット(オートバイで球面の内側を走行など)、少女曲馬。
こっちの連中は、少女を含めて身体は売らない。


・たったひとつの冴えたやりかた
先史の説明
エデン年は地球年の1.1年を念押し。
唯一の惑星という意味で大地の意味が『地球(earth)』を使っている。
そして八百年が過ぎた……

・果しなき流れの果に
メルの未知夢
健康な生と安らかな死/屈辱を上回る安逸/苦痛を上回る快感
この三つを望むなら、理力と契約せよ。
断わる。
ならば、レインボーサーカスの亜人どもを見よ。汝の同類がどのような生を生きているのかを。
ピンクの雲の向こうに微かな発光体。ちょいと歴史。ここ三十年。
こういった夢を見た朝は必ず。それとも目撃のほうは思い込み?
まったく知らない事物は出て来なかった。自分の心の底が浮かび上がるだけの夢。集合的夢意識とか未知夢はAIほども信じられていない。
虹色曲技団は、ビラで見たばかり。若い娘の曲技と大男の格闘。そして奇形人の見世物。淫茎と膣穴のある娘男、乳房が八つある犬娘、大蛇と同衾する蛇女、
四つの乳房が縮退していない女男。亜人と称しているが、すべてホモ・メタモルフォセスだろう。自分とは違う。
サーカスを見物。亜人の展示を見ていくと切符売場に誘導される。
亜人とサーカス演目で尺伸ばし。
団長に見破られて、捕獲される。亜人は人間ではない。HMがHSからされたことの、下返し。裏返しの類語。
見物中に売り子に飲み物こぼされて、強引にテント裏へ。
コロッサス不首尾でボーイ。初手はズイキ式で、処女判明して抜き身。射精したくないと団長に訴えても却下。



・何かが道をやってくる
楽屋の隅に監禁兵糧攻め。
ボーイは、その夜の営業不首尾で、団長から厳しい折檻。同情。しかし、契約したら、自分もああなる。
次の夜は過酷拷問。ボーイの親切。処女は初めてだった。
どうせ、飴役と思っても、ほだされる。
数日?
楽屋裏の様子。身体を売るのは「亜人」のみ。
繰り返される拷問と凌辱(ボーイとディルド)。
性感を開発される。
これが未知夢の帰結なのか。
ボーイによる懐柔。
異世界との契約を語る。発光体。
未知夢ではない。契約した。脳内に亜空間通信回路。もちろん、現実逃避の妄想だろう。
繰り返し抱かれてアクメ到達。
ボーイを受け容れる。
団長への隷属契約。
取り敢えず拘束展示。気味悪がって、「買う」者はいない。


・世界の中心で愛を叫んだ獣
巡回興行。
ハッグをリョナりたい客はちらほら。稀には逆シチュも。
ボーイは、ハッグが痛めつけられたときは優しく介抱。女王様プレイには嫉妬。
ボーイの人気が落ちると拙いので、イチャコラ禁止で隔離。


・地球の長い午後
一年ほどの時間経過。
年少団員の訓練風景。性的虐待無し。
プレイ各種。
ワンバープリズン立ちファック

客入が悪くなると格闘ショー。
ハッグ vs ボーイ
ボーイがコテンパンで、勃起したら変身。ハッグをフルボッコ&フィスト。
興奮薬だったが、無しで勃起するように。ハッグもS&Mリバ

コロッサス乱入。ズタボロでリベンジのフィストファック。
鎖で拘束されたハッグが逃走。曲馬少女を人質。観客有志による捕獲リョナ。商品が傷つくから武器は禁止。

UFO事例増える
繰り返される道夢。今よりマシだが……自我を失いそうで、夢といえど契約拒否

・愛はさだめ、さだめは死
A.C.クラーク『再会』です。
突如として雲の下に姿を現わすUFO。
微小結晶体の駆逐は可能。
遺伝子に組み込まれたものは不可。
しかし、HSとの交流は可能。
HMは『人間』としては扱われないが、惑星内での自治は許される。人類社会では他の生物と同じで生命権のみ保証される。
真正半陰陽で将来の変態が起きないロニーと、女性固定が確認されたメルは、HSとして受け入れる。本人も知らなかったロニーの名は、ここで明かされる。
ロニーの歓喜。
「僕は、ここだ!」
神話の恐怖から暴動。矛先が二人に。
メルを庇ってロニー殺される。
「HSへの危害行為を確認。制圧および保護活動開始」
殺戮の必用すらない圧倒的武力。
「もっと生きたかった、君(初めて使う二人称)と一緒に。もし生まれ変われるなら、君の子に生まれたい」

・スポンサーから一言
要はタネ明かし。読者が「再確認」となるよう、事前に仕込んでおきましょう。
X+Xにならないよう、減数分裂にz因子が干渉している。発生時における遺伝子操作として、以前のシビルAIの判定は覆された。ホモ・メタモルフォセスは人類ではない。
したがって。
1)古Y因子(微小結晶体)が宿主から排泄されないという困難が解決されて
2)ホモ・サピエンスとの交配が不能なら家畜化できる。
現地での遠隔実験。
実験体の保護に、集合的夢意識迷信の利用。脳内ナノ亜空間通信回路。
XY'Y'の自己受精。XXY'が代理母。
二匹の希望により、ふたつの記憶のみでなく意識を転写。最初の一体で、XXY'の意識消滅。さらに十体。
この後は人工子宮&深眠成長による生産。すべて意識転写。そういう契約。ただし、顧客の要望に応じて微調整洗脳。
More than SEX. ヴァギナ、アナル、オーラル、ペニス。For in Doll
Less than human. 均質な四つの控えめな乳房が、その証し。

・愛に時間を
クアドール・ツイン フロール&フローレ
飼主のパーティ会場で。相姦ショー。大金持ちの道楽。
二人の完結した関係。アナルは空いてる。これは未来への可能性。
他の個体は知らないけれど。とても幸せ。

Unisex name


レミー、アリエル、サーシャ、レネ、メイリス、アモリー

ヴェルデ、チェレステ

キム、リザ、アスカ、カオル
==========/以上、生メモ/==========

壮絶章題

 書き足していって推敲はしていないので、矛盾する記述もあります。このあたりは、本編を書きながら整理していきます。

 とにかく。これまででいちばん感銘を受けたSFの題をぶっ込めたので満足です?
『たったひとつの冴えたやりかた』と『愛に時間を』ですね。他の作品も全部読んでいますが、内容を忘れたのもありますてへぺろ。



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Presence Report 1:The tragedy of XXYz

 今回は長いので、小さめのフォントでいきましょう。

 従来でしたら、『0』でプロット紹介して『1』からは進捗状況ですけど。
 SFですよねえ。設定が大変です。エロ/SMシーンに「もっともらしさ」をくっつけるんじゃなくて。壮大な背景の中にそういったシーンを埋め込んでいくんですから。R18シーンを抽象メタファーに置換は犯罪でありません。全年齢になりかねません。
 でも、まあ。ラストは決めてまして。こやつが、おそらく前代未聞本邦どころか世界最初の凄絶な濡れ場になるんです。
 どんなかというと。模式図では
  >凹凸=○
 ○=凸凹<

ですかしら。

 主役は、この惑星に一人しかいない大年増です。芸名が「ホッグ」=婆あ。
 助演が、この惑星に一人しかいない少年です。(エデンの住人は美少女とナイスミドルだけ)。ところが、この少年は真正半陰陽。ペニスの下にヴァギナがある。もしも、この少年が二人いて、69の体勢から、股間と股間を近づけていったら……模式図になるのです。
 少年Aの凸が少年A’の凹に、Aの凹にA’の凸が……ずっぽしです。こんな体位を描いたやつはいないでしょうね!

 まあ。細かい設定は、出来ている部分もありますが。今回は省略して。全体構想を御披露目いたしましょう。以下は、大フォントが章題です。

たったひとつの冴えたやりかた
Y染色体に致命的な微小結晶体に対抗する、唯一の解決策。『アダム27の涙』の要所をサラリです。
それ以降の数百年の歴史をサラリです。
電気を使うとAI(Artifisial Ill-will)が復活してジェノサイドに見舞われるから……ごく一部の原始的電池を除いて、電気は禁止!
でも、焼玉エンジンでオートバイが走って飛行機も多分?

果しなき流れの果に
大年増の遍歴です。乳房が二つしかないので、ホモ・サピエンス返りかと気味悪がられて、未だに処女。差別迫害を逃れて幾千里。
集合的夢意識がもたらす未知無のシーンから始めましょう。
集合的無意識がもたらす予知夢――では、ないです。
伏線として、灰桃色の分厚い雲の奥で発光体が動いている――のは、目の錯覚か。
ここらあたりは、縦横無尽の伏線です。
で、まあ。辺境の地で曲技団を見物して。曲技団は二部構成。「亜人」の見世物を見物しているうちに、入場口へ誘導されて、そこから先は有料。有料の曲技は、誇り高い芸人が、オートバイ曲乗りとか空中ブランコとか。芸人は身体を売らない。売春は、もっぱら「亜人」の役目。
その野人の中に少年がいるのです。小柄で、チッパイ(4個)で、真正半陰陽で。エデンの世界に存在する筈のない少年です。
さて、ここで。第三次性徴が発現して男性になった態に偽装しているヒロインが、団長に正体を見破られて、亜人には人権もスフも無いとばかりに捕獲されて。サーカス団に加われと勧誘されて。拷問されて。犯されます。
乳房が二つしかなくて、ふつうの女より大柄な、まるで伝説のホモ・サピエンスみたいな「婆あ」に欲情する男は居ません。イラマさせても、あかんものは開きません。
ところが、少年だけは……で。姦ってみたらヴァージンだった。
粗筋じゃなく本筋になってきました。端折ります。
ともかく、見世物にされて、アレコレされます。

何かが道をやってくる
ヒロインが少年に開発されて、”Oh! I’m comming!” やって来るわけですば。

世界の中心で愛を叫んだ獣
ヒロインを「女」として買う物好きはいないけれど。
か弱い美少女じゃなくて、大柄な女を虐めてみたいという、根っからのサディストとか。
女時代を懐かしんで、「強い者」に征服されたい軟弱男とか。
そういうのと相手をさせられるヒロインを見て、少年が嫉妬して。章題です。

地球の長い午後
サーカスの巡回興業が1年くらいかしら。あれこれ尺稼ぎ。
ああ、惑星エデンの住民は、ここが自分たちが住める唯一の地なので、ホモ・サピエンスが名付けたエデンなんて名前は蹴飛ばして、地球と呼んでいるのです。という設定にしないと、章題が困りますので。

愛はさだめ、さだめは死
内容的には、A・C・クラークの『再会』です。
惑星に植民したものの、正体不明の疫病に次々と感染して、感染者を見捨てて撤退して幾星霜。ずっと発達したテクノロジーがUFOに乗って戻って来て。
「肌が白くなる病は、今や治療可能なのである!」ですな。
発表年代からして、白人至上主義への痛烈なアンチテーゼですが。
微小結晶体による男性への致命的作用は、ついに克服されたのである!
しかし、最悪のタイミングで最悪のアナウンスをしてしまって、パニクったホモ・メタモルフォセスが暴動を起こして。
さて。神話に描かれるホモ・サピエンスそっくりのヒロインが殺されましょうか。それとも、庇って少年が。いっそ、二人とも。
でもって、UFO。初っ端で伏線した、雲の向こうの発光体。
「当社の実験体への危害を確認。保護をする!」
『戦国自衛隊』どころじゃないです。猿山をガンダムで制圧するようなものです。
少年のいまはの際の言葉が「きみとずっと一緒に暮らしたかった」とか「生まれ変われるんだったら、きみの子供に」とか。

スポンサーから一言
実は。遺伝子操作禁止法かなにかで、人類として認められていないエデンの住人を性奴隷(なんせ、美少女だらけ)として輸出しようという Force Millenium Company が何十年がかりで仕掛けた人体実験。そして、大芝居。
裏設定の大暴露。

新発売 Qwadoll
 More than SEX :ヴァギナ、アナル、オーラル、ペニス。For in Doll
 Less than human: 均質な四つの控えめな乳房が、その証し。

愛に時間を
少年がクローン再生されるかして。その意識にオリジナルの少年とオリジナルのヒロインと。ふたつの意識を転写して。
クローン少年はマスプロです。
大金持ちが二体のクワドールを購入して。二体を冒頭の形で番わせて。
AのペニスをBのヴァギナに、AのヴァギナへBのペニスを。
しかも、Aには少年とヒロインの意識が。Bにも少年’とヒロイン’の意識が。
なにがなんだか分からんメチャクチャ。でも、当人は性愛にのめり込んで、意識のハウリングで。幸せの絶頂。

という、お話です。

壮絶章題

これだけのストーリイにエロ/SMシーンを盛っていけば。200枚では収まりませんね。どうなりますことやら。と言いつつも。濡れ場責め場が少なめですから、意外と短くなるかもです。
もうちょい、各シーンを詰めてから、執筆開始です。



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Presence Report 0:The tragedy of XXYz

SFのSMize
エスエマイズとでも読むんでしょうか。


 かつての野波恒夫クンのSFには、SM成分濃厚なものがあります。すでに濠門長恭として仕上げた作品では『魔女狩りのプロローグ』があります。健全SF小説の設定そのままで、ストーリイを膨らませてSMシーンをギガ盛りにしたんですけど。
 さて。「美少女とナイスミドルだけの世界」を書きたいと欲して丁稚揚げた作品に『アダム27の涙』というのがあります。よろしければ、KINDLEの『
生がふたりを分かつとも』をご購読ください。
 世界設定の部分を御紹介。


========================================
 ――そう。惑星エデンは、男性にのみ作用する致死因子に満たされているのだった。
 その事実が判明したのは、本格的な植民が開始された後だった。流産と新生児の死亡が相次ぎ、それは男児に限られていた。そして数年後には、成人男子の死亡率も累進的に増加を始めた。
 植民団はバイオ・ハザードを予測して最新鋭の研究設備を持って来ていたが、発病のメカニズムを究明するだけにも十年を要した。通常のウィルスよりも微小な核酸の結晶体が性決定遺伝子であるY染色体に寄生し、やがてはすべての遺伝子を狂わせていくのだった。治療法はなかった。抗Y因子と命名されたその微小結晶体は、DNAやRNAのように秩序だった構造は持たず、それだけに薬品への感受性は個体差が著しく、しかも容易に耐性を獲得するのだった。
 『Yの悲劇』と呼ばれるようになった、この男性死亡症候群は、人類のエデンへの定着を完璧に拒絶したのである。
 しかし、エデンからの撤退は不可能だった。植民船団は、帰路の推進剤を持っていなかった。仮に反物質燃料を製造できたとしても――太陽系への帰還は許されない。女性も体内に抗Y因子を潜伏させているのだから、植民者が一人でも太陽系社会と接触すれば、全人類が滅亡の危険に晒されるのだ。
 定住不能な惑星に流刑されたも同然の植民者達は、女性だけの社会を築き上げようとした。しかし、この試みは致命的な弱点を内包していた。男性抜きで子供を作るにはクローニングに頼るか、未分化の生殖細胞を誘導して疑似精子を作るしかない(冷凍精子のストックは、じきに尽きる)。繁殖に科学技術の介助が必要なのだ。もしも何かの災厄で、そのための設備を失えば――その瞬間に社会は滅亡へ向かう。さらに――現有設備の能力で人口の最大値が定まってしまう。事実、エデンでは男性が不在の一世紀間、人口が十万人を超えることはなかった。そして、労働力の不足が基盤産業の発達を妨げ、新たにクローニング設備を生産できる段階には達し得なかった。
 この行き詰まりを打開したのが、ホモ・メタモルフォセスと名づけられた亜人類の登場だった。いや、政権交代というべきだろう。
 遺伝子操作の観点からすれば、実に単純な解決方法だった。初期の段階では、抗Y因子はY染色体の中でのみ増殖する。その勢いは、寄生した人間の代謝速度のべき乗に比例している。だから、胎児は数週間で死亡するのに、成人男性は数年、長ければ十年以上を生き延びるのである。ならば――成人するまでY染色体を不活性に保っておき、後にその機能を復活させてやればどうなるのか。その答えがホモ・メタモルフォセスなのだった。
 XY染色体ペアにタイマーとなる因子(当然のごとく、これはZ因子と命名された)を付加されたヒトの亜種は、Y染色体の発現を抑制されて全数が女性形に成長する。真性のヒトとの外見上の相違は、通常の乳房の下に発達した副乳を持つことくらいである。

========================================

 副乳といっても、現在人類に見られるささやかやもの(どんなのかは、各自検索あるよろし)ではなく、こんなのです。
副乳


 この作品はきわめて健全でセンチメンタルなストーリイを辿るのですが。
 それから数百年かな先年以上かな。文明は19世紀レベルで足踏み状態。迷信やら宗教やらが混沌としている世界になって。電気はスタンドアローンの電池が使われているくらい。というのも、電気の「ネットワーク」を作ると、かつて『人類:ホモ・メタモルフォセス』を滅ぼそうとしたAIすなわちArtificila Ill-willが復活するという迷信だか伝説だかが頑なに。それでも「焼玉エンジン」なんかで飛行機はある……ことにしようかな?

 染色体異常(XXY')を持つ個体が出現するという設定で。Y'表記は、Z因子で機能を抑制されているという意味。実在のクラインフェルト症候群とは違って、女児の姿で(副乳ではなくホモサピエンスの双乳で)誕生するが、Y'の作用で第二次性徴以前に死亡する。ていうか、間引かれたりします。
 ヒロインは奇跡的に性長して。しかし、妊娠出産しようと30歳になろうと、第三次性徴(男性化)が発現しない。迫害され、ただひとりヒロインを慕ってくれる少女と禁断の関係に陥って(人口増加が至上命題の世界で、同性愛は許されざる悪徳)、自分たちの噂が届いていない開拓地へと、まあ、西部劇です。
 もちろん、辺境の地のほうが、異端への迫害は凄まじく、ヒロインは人間(ホモメタモルフォセス)としては扱われず。完全剃毛されて焼印を捺されて家畜扱いされて。少女のほうは、正しい道に導くために寄ってたかってGangBangされて。
 あげくは、サーカス一座に買い取られて。人間の少女とヒトの形をした牝獣の交わりなんかを見世物にされて。
 それでも背徳に変わりはないと教会に指摘されて。バギナ to バギナの双頭ディルドも不道徳。なので、アナル to アナルとか。そのショーが終わった次は、贖罪のための鞭打ちショーとか。
 ラストも決めています。少女も「人ならざる」ヒロインと同じ境遇に堕ちることを自ら望んで、完全剃毛と焼印。純愛(どこが?)を貫くのです。


 さて。気合を入れて、Zero Sum Short Story としては長尺の200枚くらいにまとめますか。


 タイトルはもちろん ”The tragedy of XYZ” です。
 ……と、書いたものの。
「Xの悲劇」、「Yの悲劇」、「Zの悲劇」はもちろん本歌ですが。
「片桐大三郎とXYZの悲劇」てのが、ありますな。
 「XXY」は無いですが、分かる人にはクラインフェルトと分かります。だいいち、Z因子無くして物語は成立しない。ということで。

 The tragedy of XXYz




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Making of "Saducation 2084":Final

 日々5枚ずつの牛歩蝸牛でも、なんとか200枚。最後はぶん投げてTake a kickです。
 ので、目玉の『妊活』は、5月発売時のお楽しみとさせていただいて、最終章を。


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継続

 マリアは目を覚まして、左右へ首を巡らせた。同房の三人――E61、K96、U15は、まだ眠っている。パイルドライバー・ポジションに拘束され、導カテーテルを留置された、マリアと同じ姿で。
 今日は何をさせらるのだろうかと、ぼんやり考え る。四人がきっちり揃わされている生理は終わったばかりだから、受胎治療は行なわれない。けれど、それに備えたトレーニングと称して、同じことをさせられることも多い。
 ちょうど一年が巡って、屋外での治療にも適したシーズンだから、野外作業だろうか。それとも、屋内リハビリ。
 名目はどうであれ、裸の患者に無益な作業をさせたり苦痛を与えたり、たまには不本意な快感を強制したり。
 屋内でのリハビリは、鞭打ちに、股間での綱渡りに、焼けた鉄板の上でのダンスに、三角木馬に……古今東西の、致命的ではなく肉体の修復が可能な、あらゆる拷問。
 荒野での作業は、溝掘りと埋め戻し、鎖につながれた重い鉄球を引きずりながらハーフマラソンをさせられたり?、意味の無い荷物を運ばされるのも、肩に担ぐだけでなく、ヴァギナで曳くボギーに百キログラム以上を積まれたり。自分で掘った穴に頭だけを出して埋められ、まわりに蛇をぶち撒けられたこともあった。
 もっと厳しいのは、何もさせられないことだった。気温は氷点下にまでは下がらないものの、太陽が照ってはいたものの、半日間もスーザンと背中合わせで縛られて、立ち尽くしていた。
 この試練にも、スーザンは流産しなかった。そして、別の施設へと転送された。無事に出産すれば、スーザンは社会復帰を許され、新生児は国家が面倒を見るというのだが。マリアはAIの言葉を疑いもしなかったが、スーザンはどうだったか分からない。
 マリアはまだ妊娠していなかったので、今度は褐色系の娘とバディを組まされて――彼女は妊娠することなく短期間で社会復帰していった。彼女が抱えている社会不適応が何だったのか、マリアにはわからず仕舞いだった。そんなものは、どうにでもこじつけられるのだ。
 この施設が、スーザンが妄想していた通りの、サディストのサディストによるサディストのための淫売宿であることを、今ではマリアも確信している。
 しかし、必要悪だと――自身の未来への展望も含めて、諦めていた。
 五億人を率いるトップリーダーたちの性的嗜癖を満足させることが、彼らの心のバランスを取るためには不可欠なのだ。五億人の生活と安全を守るためには、数十人の人権も幸福も犠牲にせざるを得ない。
 週に一度はある講習を繰り返し受けるうちに、マリアは心の底から、そう信じるようになっている。だけでなく、同房の三人も導いてあげなければと思って、そのように振る舞っている。
 五億人のための生贄に選ばれたことを、誇らしく思わなければならない……と、常に自分に言い聞かせている。
 だって、この施設を創ったのは人間ではなく、全知全能のAZなのだ。
 AZの判断に間違いは無いのだから。
========================================
構図はこっち

 最後は森鴎外で締めくくりました。

 さて。これから校訂してBF丁稚揚げて(今回の画像が構図です)。
 軽く『宿題を忘れたら~』次章をやっつけがてら、『XXYzの悲劇』の設定とプロットを作り込みますか。
 3月中にはスタンバって。4月からHSFHSMに着手するか、別件がバウアるか。成り行き次第ですかね。
 註記:HSFHSM=Hard Science Fantasy & Hentai SM
 Hentaiは、文字通りの変態です。美少女が妊娠出産して、オバちゃんになる前に第三次性徴が発現して美中年に「変態」するのです。
 世界設定の必然(デウス・エキス・サクシャ)で、男性化してからは短命で……つまりは、美少女とナイスミドルしかいない世界です。
 乞うご期待!


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Making of "Saducation 2084":5

 ううむう。最近は1日5枚ペースです。
 次の次に書く予定の『XYZの悲劇』に頭がいってます。尺は短くなりそうですが、HSFHSMです。
 Honkaku Scientific Fantasy & Hard SM……は、さておき。今回も新章の途中まで。


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面接

 目覚めたのは、ベッドの上だった。前と同じように手足を拘束され、導にょうカテーテルを挿れられていた。荒野を素足で歩かされて傷付いた足も、蟻に全身を咬まれた傷も、綺麗に治っていた。いったい、何日くらい意識を奪われていたのだろう。
 そして、ふと新たな疑問に行き当たった。この施設には何人の『社会不適応者』が収容されているのだろうか……と。
 これまでに見掛けたのは、女性が二人と男性が三人。皆、十代後半から三十代半ばまでに見えた。スーザンの『妄想』、マリア自身も「あるいは、もしかしたら、でも、まさか」くらいには思うようになってきたそれを裏付けるような、性的搾取に適した年齢層。
 いや、サンプル数が少な過ぎる。似た年齢層には同じような矯正治療が適しているから、たまたま同じ場所に居合わせただけかもしれない。
 収容されているのは、多くても百名までだろう。M78のMがマリアのイニシャルなら、そうなる。それとも、スーザンがSなのも偶然で、ランダムに割り振られているとすると、二千六百名までか。
 建物の規模から推測すると、患者と職員とボランティアの合計で数百人……いや、ボランティアがほんとうにVIPなら、随行員もいるだろうし。患者は、やはり百人未満というのが当たっている。
 考えてみれば、荒野の真っ只中に建物が一つきりというのも奇妙だ。電力はソーラーパネルと屋内発電機で賄っているとしても、倉庫も貯水設備も見当たらない。だいいち、ヘリポートすら無い。まさかVIPを大型ドローンでは運ばないだろうし。
 スーザンが目を覚ました気配に、マリアの想念は断ち切られた。
「*おはよう。マリア、スーザン」
 名前を呼ばれたのは、拘束されてから初めてだった。それもIDを省いた親密な口調で。
「*今日はグループカウンセリングを行なう。案内に従って、カウンセリングルームへ行きなさい」
 声が終わると、手足をベッドに拘束している鎖が外れた。マリアはゆっくりと起き上がったが、戸惑っている。六つの環は身体を緩く締め付けているが、方向指示の三点クリップは装着されていない。
 しかし戸惑いは、すぐに納得へ変わった。白一面の床に赤い矢印が点滅し始めた。方向音痴を大量生産する愚劣なシステムだと、いまだに一部からは批判されているが、すっかりお馴染みの誘導サイン。マリアが馴染んでいるそれとの違いは、行先を示す文字もアイコンも表示されていないことだけだった。
 こんなシステムがあるのに、これまでは突起部への電気刺激を使っていたのは――ここが一般社会とは隔絶していること、マリアたちは一般市民ではないこと、それを思い知らせるためだったのだろう。
 ということは、矯正治療の効果があったとAIが認めてくれた――社会復帰が近づいたのだろう。相変わらず全裸で枷を着けられているという事実は、忘れていないけれど。
 マリアは立ち上がり、希望を持って矢印に従って歩いた。

「きみたちふたりは、同じ理由で社会不適応者と判定されている。心当たりはあるかな?」
 グループカウンセリングといっても、この場に居るのは三人きり。マリアとスーザンと、ナチュラル・エイジストにしか思えない老年の男性。薄い白髪と老人斑の浮かんだ顔。
 マリアもスーザンも、老人の顔を見つめて無言。マリアは、彼の言葉からヒントを得ようと、縋るような眼差し。スーザンは、反駁あるいは抗議のきっかけを求めて敵意を剥き出しの眼差し。
 患者とカウンセラーとの間にデスクは無い。カウンセラーはゆったりとした肘掛椅子の中で寛ぎ、ふたりの患者はスツールの上で、右手を股間に左手は乳房を包んでいる。より正確に描写するなら――それぞれの中指を突起の先端に触れている。みずからの意思で、そうしているのではない。カウンセラーの指示と手首への強い電撃とで、手をそこへあてがうと、指が勝手に動いたのだ。手を戻そうとすると、首環に喉を締め付けられ、スツールから生えて膣と肛門に導入されているディルドにも高電圧の振動が奔る。
「ふうむ。まだ理解していないようだね。きみたちは矯正治療を通じて、肉体的苦痛が肉体的快感を呼び起こすと学んだはずだが」
 それは女性にのみ与えられた生物学的恩恵だと、カウンセラーは言う。
「男の中にも、肉体的苦痛で勃起させる変態性欲者も存在するが、彼らの快楽は精神的なそれだ。淫茎への刺激無しに射精は不可能なのが、その証拠ではないかね」
 ここまで言っても、まだ分からないかね――と、老人はスーザン顔を真正面から覗き込んだ。
「出産のことを言って……あ、くうう、んん」
「その通り――と、わしが言うまでもないな」
 ディルドが「良く出来ました」と、スーザンの中で動いたのだろう。両手の指も痙攣して、突起を尖らせた。
 すぐに褒美は終わって、スーザンが忌々しげに唇を噛んだ。
 どちらなのだろうと、一瞬マリアは疑った。意思に反して快感を与えられた屈辱なのか、快感を中断された未練なのか。
「しかし私は、独身税を払っているだけでなく、収入の一割は寄付をしています。社会的責任は果たしています」
「一世紀ばかり昔だが、非人道的紛争の阻止に金だけ出して、血は流さなかった国家があったな」
 働き蜂や蟻のような繁殖形態は、DNAの多様性維持の為にも、人類社会は認めていない。それは講習で再認識したばかりではなかったかね――と、老人は畳み掛けた。
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マングリX

 だから、SFは困るんですよね。どんな酷い傷でもあっさり治せる。まあ、60年未来ですから。60年昔といえば1964年。癌なんて不治の病でしたし、世界初の心臓移植なんて3年後ですから。『XYZの悲劇』では、惑星植民後にあれこれあって、電気はArtificial Ill-wiiを呼び覚ますという迷信伝説で使われていない。それでも焼玉エンジン付き飛行機はあるとか。
 は、ともかく。この章は「なぜ、ヒロインたちは性的に虐待されるのか」についての表向きの説明です。退屈です。
 次章では。「だから、妊娠出産すれば社会復帰できる」てんで、クンズホグレッツで。最終章では、あれから5年。まだ妊娠できない……なんてバッドエンド、SM的には悦虐地獄のハッピーエンド?

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Making of "Saducation 2084":4

 新章突入。てか、章の後半を端折って次を紹介していくというパターンですね。

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遊戯

 ものすごく爽やかな目覚めだった。いつのまにか、ベッドの上に寝かされていた。全裸で毛布も掛けられず、手足は上下に引きのばされて細身のX字形に拘束されてはいたけれど。
 許される範囲で身体を動かしてみたが、どこも痛くなかった。ほとんど同時に目覚めて同じように身体をひねったり手足の鎖を引っ張ったりしているスーザンを見ると、鞭打たれて肌が裂けていた背中の傷も綺麗に治っている。
 少なくとも数日は眠らされていたのではないかと、マリアは推測した。けれど、渇きも空腹も感じなかった。短時間で肌を修復する技術が使われたのか、点滴で栄養補給されたのか。どちらも経験が無いマリアには分からない。けれど、たいした問題ではないと思う。
 収容されてすでに数日は経過している。家族にも、まだ一度も出勤していない職場にも、当局から連絡されているだろう。社会不適応をきちんと矯正してもらっても、その履歴を無かったことにはできない。もちろん、何事も無かったように社会は受け容れてくれるだろうけれど。
 あれこれと考えている暇は無かった。すぐに二人の職員が入ってきて、マリアとスーザンの処置を始める。排泄用のチューブを抜き、手足の拘束をほどいた。六つの環を装着させたまま、排泄コーナーでひとりずつ一本棒で串刺しにして身体を洗う。職員も患者も動く必要はない。強いシャワーとエアジェットが、すべてを始末してくれる。マリアとスーザンが自分でしなければならなかったのは、口を漱ぐことくらいだった。
 職員はいつもの方向指示クリップを三点に固定して、獄房から出て行った。
 すぐに乳首とクリトリスに電撃が奔って、マリアとスーザンは歩き始める。最初のころは痛いだけだった『強めの電撃』にも、今では性的な快感を惹起される。正しい方角へ歩き続けているときのソフトな振動電流は――そのせいで足取りが乱れるほどの快感だった。
 誘導された先は、溝堀りをさせられたのとは建物を挟んで反対側の――荒野には違いなかった。エアバイクが二台と職員が二人。どちらも男性で、マスク越しなので断言はできないが、初めて接する相手だとマリアは判断した。そしてボランティアは二名きり。どちらも白色系で、もしもVIPだとしたらかなり若い部類にはいる。ただし、二人の体重は二倍ほども違っていそうだった。
 そんなことよりも、準備されている道具立てに、マリアは厭な予感を覚えた。車椅子を大形にしたような乗物だ。大きな細身のタイヤだけで、前側のキャスターは付いていない。
 一メートル半ほどの金属棒が突き出ている。先端から五十センチのあたりで蛇が鎌首を持ち上げたような形に曲がって、見間違えようのないディルドが屹立している。
 最初は分からなかったのだが。ディルドは前後どちらかの穴に挿入するに決まっているから、そこに自身の股間を重ねて想像すると……つまり、膣または肛門で曳かせようという、とんでもない乗り物だった。
 スーザンにだけ、二人の職員が掛かりっきりになった。口にボールギャグを噛ませ、両手は首環につなぐ。8の字を横に割ったような形に曲げた鉄棒で乳房の上下を挟み込んでボルトで締め上げる。そうして、車椅子――というよりは、二輪の軽馬車から突き出ている曳柄を跨がせて、ディルドにゼリー状の潤滑剤を塗ってからスーザンの膣へあてがう。曳柄が水平になるまで持ち上げると、ディルドはすんなりと股間に消えた。
「くうう……」
 スーザンが顔をしかめたのも無理はない。ディルドは亀頭の部分で六センチちかい太さだった。
 曳柄の先端に垂れている革バンドが胴環の前につながれ、馬車から伸びている太いゴムバンドが胴環の後ろに連結された。
「言葉での指示は与えない。背中への鞭が前進の合図。左右の脇腹が進路変更だ。股間を掬い上げるのは、止まれの合図だ」
 職員のひとりが長い一本鞭を持って、スーザンの斜め後ろに立った。
「ホーウ!」
 ピシリと背中を鞭打つ。
 スーザンは恥辱に顔をゆがめながら、足を踏み出した。自然と前傾になって、ゴムベルトがすこし伸びる。
 車椅子が動き始めると、マリアが安堵した。膣の力だけで曳くのではなく、幾分は腰にも負荷が掛かっている。
 ビシイッと尻が強く叩かれた。
「これは、速度を上げろという意味だ」
 スーザンがいっそう上体を傾けて、全力で馬車を引っ張る。
 職員が今度は無言で鞭を振るって、右の脇腹を打った。左側に立っているので、スーザンの背中から右脇腹にかけて赤い筋が刻まれた。スーザンが大きくUターンを終えるまで、五秒に一回くらいの割で鞭打ちが続いた。
 マリアが立っている位置まで戻ったところで、鞭が下から上へ跳ねた。股間は鉄棒でガードされているようなものだから、淫裂に鞭が食い込む激痛には遠いだろう。
「M78。おまえが馭者だ」
 鞭を渡されて、マリアは戸惑った。馬車は二台が用意されている。自分も曳かされるのだと覚悟していた。
「私がですか?」
 答えは分かっていても、聞き返さずにはいられなかった。これまで、ふたりは同じように扱われてきた。これは、溝堀り作業の結果が評価されたのだろうか。けれど、スーザンが被害者で自分は加害者になるというのは、理不尽だと思った。
「鞭は本気で使え。手加減をしたら、その減点は連帯ではなくおまえだけが対象になる」
「……分かりました」
 減点を恐れて返事をしたけれど、釈然としない思いはますます募る。それでも、スーザンの斜め後ろに立った。
「違う。おまえはバギーに乗れ」
「え……?」
 二輪馬車を連想させる乗物はごく軽く作られているらしい。だから、膣で曳くなんて無茶が出来た。けれどマリアが乗れば……負荷は三倍くらいになるのではないだろうか。
 マリアの方向指示クリップは、まだ装着されたままだった。それが三点に強い電撃を与えた。同時に、足環が左右交互に脹脛を痙攣させる。マリアは諦めて、バギーに座った。
 胴環のカラビナが座席につながれ、左右の足環もフットレストに固定された。職員が、マリアにもボールギャグを噛ませた。
 これで、マリアは鞭でしかスーザンに指示を与えられなくされた。そして、もしもバギーが転倒したら、スーザンよりもマリアのほうが怪我をするだろう。
「あそこの小高い丘に背の高い木が見えているな。そこまで往復しろ。途中での方向指示に従え」
 言葉が終わると、三点への強い電撃が始まった。仕方なく、マリアはスーザンの背中を鞭で叩いた。
 ぱちん。
 途端に、手足に強い電撃が奔り、乳首とクリトリスに無数の針が突き刺さったような激痛が貫いた。手加減をした報いだった。
「んんっ……」
 マリアは全身の苦痛を堪えて、スーザンの背中に鞭を叩きつけた。
 ビシイッ!
「む゙ゔうっ……!」
 大きく呻いて、スーザンが脚を踏ん張った。が、バギーは動かない。
 手足への電撃と乳首の激痛は弱くなったが、クリトリスに突き刺さる針は太さを増して、一定の間隔で振動を始めた。
 マリアはその意味を理解して――スーザンの尻に、斜めに鞭を叩きつけた。
 バチイン!
「も゙お゙お゙お゙っ……!」
 スーザンがおめきながら、ぐっと前傾を深くして、両足を突っ張った。
 じりっとバギーが前へ動いた。
 クリトリスの激痛に操られて、二度三度とマリアは鞭を振るった。バギーがゆっくりと進み始めると激痛は去って、入れ替わりに甘い電気振動が乳首とクリトリスを弄撫する。
 それでも、三十秒もするとクリトリスに激痛が奔る。マリアは心の中で謝りながら、鞭を振るった。
 右の乳首に強めの(そんなに痛くはない)電撃が奔った。ピシリと、マリアはスーザンの右脇腹を鞭打つ。スーザンが斜め右へ足を踏み出して、バギーが三十度ばかり進路を変えた。
 数秒の間隔を空けて、今度は左への指示。それから、また右。パイロンも無いのにスラロームを強いられている。目標の丘まで二百メートルくらいとマリアは見積もっていたが、これでは往復で五百メートル以上の走行距離になる。
 不整地を細身のタイヤで走るのだから、人が歩く速さより遅くても、バギーはダタゴトと揺れる。それが三点のクリップを揺らして、ソフトな電流とは異なったささやかな快感をマリアに追加する。
 三十秒くらいの間隔でスーザンの尻を鞭打ちながら、往路の半分も進んだ頃、不意に柔らかな電撃も心地良い振動もぴたっと止まった。
 ちょっぴりだけ残念な気持ちを抱えて、マリアは鞭を突き出すようにしてスーザンの股間に跳ね上げた。狙いはそれて内腿の膝ちかくに当たったが、スーザンは足を止めた。
 スーザンの身体が沈んで、曳柄の先端が地面に着いた。スーザンは膝を着いて前へ倒れかけたが、ゴムベルトに引き止められた。
「ふう、ふう、ふう……」
 鼻からの息が荒い。けれど、それは重労働のせいだけではなさそうだった。跪いたまま、スーザンは腰をくねらせている。ディルドの激越な刺激で、彼女も性感を昂ぶらせているようだった。
 せいぜい一分か二分の休息。マリアの三点に太い針が突き刺さる。右手首に弱い振動を感じながら、鞭でスーザンの背中を力いっぱいに打ち据えた。激痛から逃れる確実な方法だった。快感と激痛を繰り返されて、許される範囲で手加減してみるといった工夫を試みる余裕は無くなっている。
 スーザンも、むしろ腰を突き出すようにして、膣だけでバギーを引っ張った。
「あ゙あ゙あああっ……」
 感極まったような呻き声。スーザンも、この苦行から快感を掘り起こしたようだった。
 人馬一体という言葉がふさわしいほどに。マリアはスーザンを厳しく鞭打ち、スーザンは膣も壊れよとばかりにバギーを引っ張る。
 けれど、体力が尽きる以前に、あるいはアクメのせいだろうか。緩やかな坂はかろうじて登り切ったものの。折り返し点の木に達して、斜めに踏ん張り続けてUターンをする途中で前へつんのめった。身体が大きく傾いで、スーザンが絶叫する。
「ん゙も゙お゙お゙お゙お゙お゙っっ……!」
 本来なら転倒するところを、膣に突き刺さっているディルドに阻まれて、身体が斜めになったまま立て直せない。もしもマリアの体重が加わっていなければ、バギーごと横ざまに倒れて、したたかに身体を打っていただろうが、そのほうが――膣に体重の過半を支えられて空中磔になるよりはましだったかもしれない。
 わずか数秒で二台のエアバイクが駆けつけた。後ろにボランティアを乗せている。
 職員は、のろのろとエアバイクから降りる。むしろボランティアのほうが素早いくらいだった。ディルドに串刺しにされ、姿勢を立て直そうともがくスーザンを間近に眺めながら――助けようとはしない。
「手を首につないでいるのが効いていますな」
「重心が上がっておるからねえ」
 目の前にいるのが全裸の女でなく重装備の兵士であっても同じ会話をするのではないだろうか。マリアがそう思ったほど、恬淡としている。
 それでも。地位も上らしい肥ったほうの男が、スーザンの乳房をわしづかみにして、身体を立てる向きへ引っ張った。職員がスーザンの腰を押さえながら足を反対方向へ蹴り込んで――スーザンを直立に戻した。
「これは馭者の力量不足だな」
 減点は自分だけが対象にされるという職員の言葉を思い出して、マリアは内心で身構えた。
「では、このS69の実力をM78と比べてみましょう」
 マリアは拘束を解かれてバギーから降ろされた。ボールギャグは、そのまま。スタート地点まで歩かされる。
 スーザンは空荷になって、下り坂のせいもあって、楽々と歩む。
 マリアも、心が軽くなった分だけ足取りも軽い。周囲の荒涼とした風景に目を転じる余裕も生まれた。そして、百メートルほど離れたところで三人の男たちが何か作業をさせられているのに気づいた。
 マリアたちと同じ全裸だが、六つの環を着けていない。その変わり、二人の女性が長い棒を持って作業を監視している。黒いレオタードのような衣装を身にまとっているが、股間が楕円形に開いて、女性器が露出している。けれど、とにかく衣服を身に着けているし、細長い棒を手にしているから、ボランティアだろう。全裸の男たちの動きが緩慢になると、近づいて棒の先端で突き刺す。電気鞭だろう。男は大袈裟なほどに身をよじっている。
 男たちは地面に錘のような物を引きずっている。錘につながれたコード(細い鎖だろうがで股間へ伸びている。
 アナルで引っ張らされているのかと思ったが、こちらへ正面を向けている男を見て、そうではないと知った。おそらく薬品か内部に挿れられた電極に刺激されて勃起している淫茎の下から、玉袋があり得ないほどに引き伸ばされている。その根本の金属環に鎖がつながっているのだった。
 もちろんマリアには、男性器の痛みは分からない。男性のアクメは持続時間だけでなく絶対値も女性よりずっと小さいのだから、クリトリスを引っ張られるほども痛くはないのだろうと、半分だけ羨ましかった。半分だけというのは――恋人とのセックスではそれほどでもなかったのに、ここへ拉致されてから強制的に与えられた凄まじいアクメを男は知らないのだと気づいて、すこしかわいそうに思ったからだった。どんな恥辱も屈辱も、苦痛さえ受け容れてしまえるほどの、肉体と魂に染み透る快楽なのだ。危難が去れば神様への祈りを忘れて悪魔の囁きだけが耳に残るのかもしれないけれど。
 男たちがさせられている作業の内容を理解すると、彼らへの同情が深まった。重そうな袋を肩に担いで運んでいるのだが。男Aが三十メートルほどを運んで集積場所へピラミッド状に積み上げると、男Bがそれを別の場所へ移し替えて、男Cがさらに別の場所へ移す――そこは、Aが袋を運び出す集積所だった。つまり、三角形の周路に沿って運び続けているだけで、まったく無益な作業だった。
 マリアたちがさせられた溝堀も同じようなものだったが、すくなくとも翌日に埋め戻しを命じられるまでは、それが分からなかった。男たちのほうが、徒労感は強いだろう。
 しかも、次の袋を取りに戻るときには全力疾走をさせられている。苦しそうに顔をゆがめるのは、さらに玉袋を引き伸ばされるからだろうけれど。睾丸自体にも凄まじい圧が掛かることまでは、女の身には分からないことだった。
「向こうのグループに加わりたいのか」
 エアバイクの後ろに乗っている肥っているほうの男に声を掛けられて、あわててマリアは正面に向き直った。
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 野外での「作業」めいた調教となると、ポニーガールは欠かせませんねえ。
 その割には、これを扱った筆者の作品は少ないですね。
ドンキーガール』は2019年ですが。
檻の中の野生児』は、2024年3月発売。
首輪とピアスは服従の誓い』は2025年発売予定。
 近作2本は、WILL様のPIXIVリクエストです。リクエストにポニーガールがあったんじゃなくて、流れで出て来たのですが、まあ、『檻の中の野生児』は舞台設定からして必然でしたかな。


Pony tracting buggy with dild

 この後は、マリアとスーザンのマッチレースです。ただし、マリアのバギーには肥った男が乗り、スーザンには痩せた男です。
 レースのタイム差を、勝者と敗者に1:2くらいで配分して、さて、どんな罰にしましょう。
 最近は、蟲責めを書いてないし、60年後のウルテクで傷の治療なんて簡単ですから、筆者は『ゴルゴ13』で目覚めた、蜜を塗り込めて蟻の巣の上に放置ってやつにしますか。

 ※ウルテク:すでに現在はハイテクの時代ですから、その先はウルトラ・テクニックです??

 もう、ここらまで書いてくると、次の『宿題を忘れたら~』§20のPLOTとか。その次の長編の構想とかまで、先走りの我慢汁です。長編は、いい加減で宿題をひとつ片付けるつもりです。
 たぶん『XYZ』の悲劇でしょうか。HSFSMです。Hard Scientific Fantasy-SM。40年近く前に書いた短編SFの設定で数百年後の世界です。昔のSFは『アダム27の涙』。KINDLE限定販売の『生が二人を分かつとも』所収です。



テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Making of "Saducation 2084":3

 前の記事では『獄房』の8割ほどを御紹介しました。この後は……
 ベッドにパイルドライバーポジション(マングリ返し)で拘束されて。
    ┌─ボールギャグ(マ リ ア)カテーテル─┐
    └─カテーテル(ンザース)ボールギャグ─┘
 というふうに連結されて一夜を過ごすのです。

 そして、翌日は『講習』なのですが。物議をかもしそうな「架空の論議」その実、筆者はある程度本気で思っていることを書き散らしています。まるきりエロでもSMでもありません。二本突起の椅子に座って、学習中に「良く出来ました」みたいに御褒美バイブレーションとかはありますが。
 ともかく。販売数よりも多いだろう読者の目に晒して good tea gate(いい茶門)をつけられるのもアレですので割愛。


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作業

 翌日は力仕事をさせられた。あるいは一種の作業療法かとも思ったが。
 昨日と同じらしい四人のボランティアに建物の外へ連れ出されて、そこは荒野だった。道路一本走っていない。
 マリアとスーザンは六つの環を外され、方向指示のクリップも着けず、大きなシャベル(shovel)を持たされた。
 野外で全裸というのは、羞恥だけでなく後ろめたさも伴なっていた。それに引き換えボランテイアの四人は、まちまちな初秋のラフなファッション。長方形のゴーグルだけが不気味だった。
 ボランテイアが、運んできた二枚の板を五メートルの間隔で地面に置いた。
「この板は幅が一メートルで高さが五十センチだ。この断面になるように溝を掘り進めろ。特にノルマは課さないが、おまえたち二人で競争だ。日没まで作業を続けて、より長く掘り進めたほうの勝ちだ」
「勝ったら褒美でもくれるっていうの?」
「罰を半分にしてやる」
「罰ですって……!?」
 スーザンは、怒りを隠そうとしない。
「なんの罰だというのよ」
「ここではすべてが連帯評価であると同時に、減点法を採り入れている」
 二人のうちどちらかが怠ければ、それは連帯で罰せられる。分かり易く言えば、スーザンの減点が五でマリアが七だった場合、二人に与えられる罰は合計で十二点分。ただしマリアが勝てば、彼女に与えられる罰は四点分だけで、敗者のスーザンには八点分が与えられる。
「そんなのって不合理だわ」
「実社会は不合理に満ちあふれている。それに慣れなければ、社会復帰は難しいぞ」
 スーザンは、さらに抗議を重ねそうな様子だったが――はっとしたように黙り込んだ。ボランティアのゴーグルに覆われた顔をじっと見つめる。
 知った顔なのだろうかとマリアは疑ったが、まさかそんなはずはないだろう。二人が知人だなんてあり得ない。そういった偶然はAIが排除するはずだ。それとも、敢えてそういう組み合わせを選んだのか。
「分かりました。日没まで溝を掘っていれば良いのですね」
 スーザンはボランティアに背を向けて、シャベルを地面に突き立てた。シャベルの縁に足を掛けて押し込もうとしたが、顔をしかめた。半分ほども突き刺さらないうちに、わずかな土を掬い取って、脇へ捨てた。
「掘った土は、それぞれで一か所へ積み上げておけ。それも評価の対象になる」
「はい、分かりました( yes sir )」
 打って変わったように素直で丁寧な言葉づかいで、スーザンは作業を続ける。
「おまえも、早く取り掛かれ。減点一だ」
 ボランティアはそう言いながら、マリアを引き寄せてシャベルを取り上げ、その三角形になっている柄を淫裂にこじ入れた。
「くっ……」
 元よりマリアには抵抗する意思など無かったが。逆らったら減点されてスーザンまで巻き込むという意識が、彼女をまったくの無抵抗にさせていた。
 さいわいにも、ボランティアはすぐにシャベルを返してくれた。ので、マリアも溝を掘りに掛かった。競争なのだから距離を空けろと言われて、五メートルほど離れた場所で。
 シャベルを地面に突き立てて押し込もうとして、スーザンが顔をしかめた理由が分かった。裸足でシャベルの縁に体重を乗せなければならない。縁は折り曲げられていても、容赦なく足の裏に食い込んでくる。うっかりこじったりしたら、皮膚が破れるかもしれない。減点を覚悟で、少しずつ土を掘り起こすしか出来なかった。
 そして、大切なことを訊き忘れていたのに気づいた。手を止めて、ボランティアを振り返った。
「減点で受ける罰というのは、何をされるのでしょうか?」
 食餌抜きなのか鞭打ちなのか、もっと残酷なことなのか。
「そのときになってみなけれな分からないことも、実社会には幾らでもあるぞ」
 というのが、返ってきた答だった。これでは、何が減点の対象になるかも答えてもらえそうにない。質問自体が減点の対象になるかもしれない。
 マリアは諦めて、作業を再開した。きっと、どういう行動が何点の減点になって、どういう罰を与えるかも、ちゃんと基準があるはずだ。まさか、ボランティアの気分次第で罰が決められるなんてことはないだろう。少なくとも、ボランティアの恣意はAIが制限してくれる。マリアは、そう信じていた。
 しばらくの間、二人のボランティアは作業の様子を監視するでもなく眺めていたが、特に問題は無いと判断したのか単純に飽きてしまったのか、百メートルほども離れた施設の建物へと戻って行った。地上に空にもモニターの姿は見えない。
 草もまばらな荒野に、百数十メートル先にぽつんと佇む施設の建物。それと――喉が渇いたら好きなだけ飲めと言って、それぞれに与えられた飲料の二リットル容器。それだけが自然の中で異質な人工物だった。

 一時間も作業を続けると、手も足も痛くなってくる。ことに、足の裏と手の平。シャベルを押し込む足を左右替えてみたり、柄を持ち替えてみたり。ますます作業効率が悪くなるだけだった。
 すでにマリアは全身を汗で濡らしている。それでも、掘り進めた長さは二メートルにも満たない。
 マリアは――と、限定したのは。スーザンはマリアの半分ほどしか掘っていないからだった。明らかに手を抜いている。
 わざと負けるつもりなのかと尋ねたかったが、どうにもマリアは彼女が苦手だった。差別意識を露骨に表わして、振舞も自分勝手。負けて罰を増やされるのを覚悟で手を抜いているのなら、何を言っても無駄だろう。手抜きを減点の対象にされると自分にも被害は及ぶのだけれど、作業中に不毛のおしゃべりをしたり言い争うのも減点につながりそうだ。
 それを分かっているのかいないのか、スーザンのほうから話しかけてきた。
「そんなに頑張っても、サディストどもを悦ばせるだけね」
「どういうことでしょうか?」
 マリアも手を止めざるをえない。
「ここが社会不適応者の矯正施設だなんて、とんでもない。社会的には許されないレベルの性的虐待を公然とサディストどもに提供する施設だわ。そりゃ、私たちのほううにも幾らかは落ち度があるんでしょうけれど、やつらの嗜好に合わせて選ばれた生贄なのよ。真面目に作業をしようとしまいと、勝とうと負けようと、やつらが満足するまで虐められるでしょうね」
 そんな馬鹿な。あり得ない。だいいち、AIそれもAZが、そんな犯罪に手を貸すどころか、主犯になるなんて。
 しかしスーザンは、彼女なりの、突飛もない論理を組み立てていた。
「もしも、世界の指導者的な立場にあるVIPが、サディストだとしたら。彼らのフラストレーションを解消しなければ、彼らが正常な判断を下せなくなるとしたら――第ゼロ原則ね。AZは少数の男女を犠牲にしてでも、人類の繁栄を選ぶでしょうね」
「…………」
 あまりに飛躍した妄想に、マリアは呆れるばかり。反論する気力も起きなかった。
 スーザンは肩をすくめて、のろのろと作業を再開した。マリアも倣う――能う限りてきぱきと。
 それにしても。彼女は(妄想の中で)死を覚悟しているのだろうかと、マリアは疑った。彼女の妄想に従えば――そんな『トップシークレット』に気づいたスーザンは存在を抹消されるのではないだろうか。少なくとも、生きてこの施設からは出られない。それとも。子山羊を盗むのも親山羊を盗むのも同じだとAZが判断して――禁断の記憶操作や人格改変を施すとでも考えているのだろうか。
「指導者の立場にある人間の大半が聴者(listner)ですらないことは、あなたも知っているでしょう」
 わずかに十センチばかりを掘り進むと、スーザンが再び語りかけてきた。
 マリアは、今度は手を休めない。モニターらしい影が見えないからといって、ほんとうに野放しにされているとでも、スーザンは考えているのだろうか。
「馬鹿げた妄想に付き合っている暇はありません」
 突き放すように言ったのは、こんな妄想に耳を貸すだけで、ますます社会不適応と見なされかねないと危惧したからだ。
「特定個人の言葉に耳を傾けると、大局的判断を誤る。彼らには、大衆の意見を集約してくれるスタッフが居るからね」
 スーザンはしつこく続ける。
「スポークスマンが公的な発言を伝えるから、話者(talker)である必要もないわね。話者でなければ視者(gazer)にはなれないし、彼らがAIを疑うようでは社会が混乱する」
 マリアが作業に没頭する(ふりをしている)のを見て、スーザンは溜息をついた。そして、囁くように、いっそう途方もないことを口にした。
「もしも、かれらが聴者の資格を放棄したのではなく、最初から認定されていなかったら?」
 足の裏が悲鳴をあげるのもかまわずにシャベルを土に深く突き刺して、マリアはスーザンの言葉を断ち切った。
 とうとう論理に明白な破綻を来たした。そう考えた。指導者は、最初から指導者だったのではない。聴者の資格すら持たないものが、政界や財界で頭角を現わせるはずがない。事実、名の知れた政治家はほとんどが話者だし、視者の比率も桁が違っている。
 マリアはスーザンを黙らせるために、AIに間違った判断を下されないために、ごく短い言葉で、それを指摘した。
 スーザンは、また溜息をついた。
「まともな論理なら、そうなるでしょうね」
 しかし、誤りを認めたのではなかった。
「でも、証拠がある。きわめて主観的で、客観的な検証には耐えないでしょうけど」
 マリアはもう、わずかでも関心を持たなかった。妄想を抱いた人間には、空に浮かぶ雲の形にだって大いなる存在それとも自己の意思が反映しているのだ。
「あなたに、その証拠を教えたりはしないから、安心して。巻き添えにはしないから」
 その証拠を知れば、マリアも消される。そういう論理なのだろう。
「ありがとう。感謝するわ」
 マリアは、掘って捨てた土をシャベルに掬って、これから掘り進める先まで移動させ始めた。柔らかい土なら大量に掬えるので、ちまちまと一か所に集積するよりも、このほうが効率的だった。
 太陽の高度から推測して正午ぴったりに、昼食休憩が与えられた。四人のボランティアが、茹でトウモロコシを笊に山盛り運んで来た。二人は、朝のボランティアと同一人物だった。目のまわりをゴーグルで覆っていても、それくらいの見分けはつく。
「好きなだけ食べていいぞ」
 とは言われても。ここ数日は一日に一食か二食で量も少なかった。満腹になるまで食べたら腹痛を起こすかもしれない。それに、塩味は利いていても、獄房で与えられる食餌よりも味が単純で――ふたりとも二本がせいぜいだった。
「なんだ。もう食べないのか」
 笊には、まだ四本が残っていた。
「フードロスは反社会的行為だ。見逃せないぞ」
「後でいただきます」
 真っ当な申し出だが、スーザンが横で首を振った。果たして。
「食事時間も守れないようでは、社会復帰は難しい」
 しかし、満腹なのにそれ以上を食べるのも、フードロスにつながる。効率的に食べさせてやろう。
 ふたりは、手足を地面に突いて膝を伸ばした四つん這いの姿勢を取らされた。
 ボランティアがトウモロコシを持って後ろに立って。
「くううう……」
 ぐりぐりとトウモロコシをねじ挿れられる鈍い痛みを、マリアは歯を食い縛って耐えた。まさかという思いよりは、やはりという諦めが強かった。
 まさか二本目は――という恐怖は、さいわいにも外れた。口に突っ込まれたのだ。軸にロープを巻いて頬を縊られた。
「無駄なおしゃべりをしないで作業に集中できるな」
 やはり、スーザンの長広舌はモニターされていたのだ。
 これで笊は空っぽになった――と安心したのは早計だった。
「あとは、食べ滓の始末だな」
 トウモロコシの芯は肛門に突っ込まれた。
「…………」
 腸洗滌で挿入されたディルドよりも細いくらいだし表面も軟らかいので、苦痛を訴えるほどではなかったのだが。
「んんっ……?!」
 二本目をを押し付けられて、マリアは驚きと戸惑いの声を漏らした。終わったと思ったところへの不意打ちだった。
「む゙ゔううう……」
 すでに挿入されている芯をこじられ、無理矢理に作られた隙間に二本目をねじ込まれる。
 ざりざりと粘膜を擦り上げながら押し挿ってくる。肛門が裂けるのではないかと慄くほどの鈍痛。
 マリアは歯を食い縛って――ぼきりと、トウモロコシを噛み切ってしまった。
「…………!」
 噛み切った部分が喉に飛び込んで、マリアは息を詰まらせた。
 マリアの口からトウモロコシが引き抜かれたが、それは根元から三分の一だけだった。三分の二は、喉の奥に詰まっている。
 マリアは口に指を突っ込んでつまみ出そうとするが、届かない。
「…………!!」
 まったく息が出来ない。頭が割れるように痛み、目の前が赤く染まり、すうっと溶暗していく。誰かに背中を叩かれている。
 突然に立ちはだかった死の恐怖――は、しかし速やかに取り除かれた。
 腋を抱え上げられ、強い力で背中を突き上げられた。喉の奥に鋏のような物が突っ込まれて、トウモロコシを引っ張り出す。
 地面に投げ出されて――股間をトウモロコシに抉られる痛さなど物の数ではなかった。人心地がついて、咳込みながら見上げると、白衣の職員が二人、すぐそばに浮かんでいるエアバイクに向かって歩く背中が見えた。
 エアバイクはゆっくりと走り始めて、それでも数秒で建物へ吸い込まれて行った。
「トウモロコシを一本、無駄にしたな。減点だ」
 マリアは抗議する気にも命を救われて感謝する気にもなれなかったが――言葉を発する猶予も与えられず、トウモロコシの残った部分を口に押し込まれて、歯を割ってロープで頬を括られた。太い円筒状になっているから、喉の奥へ滑り落ちる心配は……おそらく無いだろう。
「昼休みは終わりだ。作業を始めろ」
 ボランテイアのひとりがマリアの髪をつかんで立ち上がらせ、もうひとりが股間に突っ込まれているトウモロコシを膝で蹴り上げた。
「む゙ゔっ……」
 それでも、スーザンへの仕打ちよりは優しかった言えるだろう。二人の職員に押しのけられて、おろおろと様子を見守っていた彼女は、前後のトウモロコシと芯を同時にこねくられ、マリアの二倍くらいはボリュームのある乳房を、まさか激励のつもりでもあるまいが、二度三度と往復ビンタされたのだから。
 逆らっても無駄と、ようやく学習したスーザンは、おとなしくシャベルを手に取って溝を掘り始めた。四人のボランテイアが見ている目の前で、あからさまにのろのろとした動作で。
 四人はそれ以上のちょっかいを掛けたりはせずに全裸の女が肉体労働に従事するさまを眺めていたが、じきに飽きたようで、こちらは徒歩で建物へと引き返して行った。
 ――午前中は二時間か三時間足らずで五メートルは掘り進めたのに、午後はその二倍近い時間を掛けて、同じくらいしか捗らなかった。
 身体を動かすたびに、極限まで拡張された二つの穴で痛みがうねくる。ことに、掘った溝の形状を確認するために板のゲージを使うときは深く身体を曲げなければならなかったし、掘り出した土を運ぶために溝から出るときは足を高く上げて、みずからの動きで股間をこねくる破目になった。
しかし、ほんとうに始末が悪いのは疼痛ではなかった。痛みに耐えて身体を動かしているうちに、膣だけでなく肛門さえもなんらかの粘液を分泌して――そうなると、苦痛の奥から妖しい疼きが芽吹いてくる。性的な快感は――すくなくとも女にとっては、苦痛に耐えるよりも困難だった。
 もっともスーザンは、午後に一メートル半ほどしか掘らなかったのだから、苦痛はマリアほどには感じず、その向こう側にある快感までは到達しなかったかもしれない。
 日没と共に四人のボランテイアが戻って来て、板のゲージを使って溝の寸法を調べたのだが。マリアの掘った溝は広すぎる箇所が多いという理由で減点を宣告された。いちゃもんとしか言いようがない。
 あらためて六つの環を装着させられて。二人は異物に二穴を貫かれたまま、建物までの百メートルを歩かされた。行進歩調や駈足を命じられなかったから――スーザンも、抜いてくれとまでは我儘(と、マリアは思う)を言わなかった。

 獄房へ戻されて。四人のボランティアと二人の職員に見られながら、ふたりは順番に身体を洗わされた。
 獄房の隅に設けられている排泄コーナーで、肛門ではなく膣に一本棒を挿入されて固定され、天井から降り注ぐシャワーと壁面から噴き出るエアジェットで、汗でこびり付いている土を洗い落とされた。一本棒が二本棒になって肛門も貫き、それぞれの内部も洗滌された。
 肌の汚れはすっかり落ちて。一昨日(?)に受けたバラ鞭の痣もすでに消えている。けれど、マリアとスーザンの心には、癒しようのない傷がびっしりと刻まれていた。その傷が、さらに増やされる。
 ベッドにパイルドライバーポジションに拘束されて。肛門に太いパイプを挿入された。肛門の手前でパイプがバルーン状に膨らむ。と同時に、直腸にも凄まじい膨満感。つまりパイプは二か所で膨張して、バルーンで形成される8の字の交点に肛門がある。パイプは絶対に抜けないし排泄も出来なくされた。
「*作業中の減点はM78が八点、S69が三十一点。したがって、溝掘り競争の敗者であるS69には二十六デシリットル、勝者のM78には十三デシリットルの浣腸を罰として与える。明朝七時までの十二時間、排便を禁止する」
 それがどれほどの苦行なのか、出産経験もハードSMプレイの経験も無いマリアには、ぴんとこなかった。おそらくスーザンも同じだろう。
「…………!」
 AIの声柄が終わるとすぐに、注入が始まった。噴出するような勢いではなく、じわじわと注入されていく。じきに、腸がぐるぐると鳴り始める。
「*五デシリットル注入」
 数秒、注入が中断される。すでにマリアは、下腹部に膨満感を覚えている。
 さらに八デシリットルも注入されるとどうなるのか――それを戦慄させられる数秒だった。
 十デシリットルの注入で、明白な便意に迫られた。数秒の中断を経て最後の三デシリットルを注入されると、下腹部がぽっこりと膨らんでいるのが、厭でも見えてしまう。
 しかし、スーザンはさらに同量を注入される。
 AIが十五デシリットルの注入を終えたとき、スーザンが抗議の声を上げた。発語は封じられていないらしい。それとも、警告の電撃に逆らっているのか。
「減点の基準を事前に教えられていなかった。一方的に三十一点だなんて、無効です」
「*基準を示さないのはアンフェアという見方もあるが、実社会では許容されている。たとえばドマゾンが公表しているアカウント凍結処置の基準は、実質上何も語っていないに等しい。それを、ユーザーもAIも受け入れている」
「私は受け入れ……くっ……」
 肛門につながっているチューブが脈動して、スーザンは言葉を詰まらせた。それきり黙り込んだ。抗議の虚しさを感じたのか、首環に発語を禁じられたのか。
「*二十六デシリットル注入完了」
 AIが告げたのは、わずか五秒後だった。一気にスーザンの腹が、妊娠中期くらいにまで膨れ上がった。
「ここに突っ立って何時間も鑑賞するのも退屈ですな。食事をしながらモニターしましょう」
 白色系のボランティアが提案すると、褐色系の男も同意した。
「そうだな。他の患者への施術も控えていることだし。この二人は、反省に専念させてやろう」
 白衣の職員二人は、黙って小さく頷いた。
 そうして、マリアとスーザンは獄房に放置される。絶対に解消できない便意に悶え苦しみながら。
 ――突き上げるような便意。けれど、意識して肛門を緩めて力んでみても、かえって苦しさは膨れ上がるばかり。
「くうう……ううう」
 自然と呻いてしまう。マリアもスーザンも、日中の作業時よりも夥しい脂汗に全身を濡らしている。
「ねえ、スーザ……あなた」
 喉に警告を受けて、個人名を人称代名詞に換えた。
「ここが矯正施設ではない証拠があるって言ってたけれど」
「馬鹿!」
 鋭く制してから、スーザンは溜息をついた。
「もう手遅れね。聞かれてしまった」
 マリアは呆れた。荒野だったら監視されていない盗聴されていないとでも信じていたのだろうか。マリアがトウモロコシを喉に詰まらせたときの迅速な救命処置は、ボランテイアのゴーグル経由だった可能性もあるけれど――人間が監視していないということは、それでも逃亡されないし自傷行為も阻止できるという自信の表われだ。
「AIは常にすべてを見聞きしている。明白な危険行為以外には干渉しないだけ。それは、あなたも知っているでしょうに」
 警告の電撃は無かった。それは、反社会的なスーザンの発言についても同じらしかった。
「AIね」
 吐き捨てるように言って、低い声で付け加えた。
「……人工無能(Artificial Idiot)どころか人工悪意(Aritficial Ill-will)だわ」
「あなたが言った証拠って、なんなの?」
 馬鹿げた問題についてディスカッションやディベートをしたかったのではない。苦しみを紛らわすために――個人情報を明かしたくはなかったし、趣味について語る雰囲気でもない。それに……スーザンとは明確に反対の立場であることをAIに訴えておきたかった。
「あなたを巻き添えには……」
「とっくに巻き込まれています。短剣が誰に手に握られているか、殺される者には知る権利があります」
 過激な表現だが……スーザンに見えない側の人差指と中指をクロスさせておいた。
 果たして。この子もアンチAIだと判断したのか。スーザンの口調が柔らかく、そしてささやくように変わった。もちろん、マイクには拾われるに決っているけれど。
「私はジャーナリストなの。担当分野の関係で、FDA長官には生インタビューをしたことがある。あの褐色系の男は、彼だわ」
 馬鹿らしい。彼はメディアにしょっちゅう登場しているから、マリアでさえ顔も体格も知っている。褐色系という以外、まったく似ていないし、その肌の色合いも異なっている。
 それを指摘されても、スーザンは自説を枉げなかった。
「生インタビューをしたって言ったでしょ。ディープネイクではない、生身の彼にね」
 Deep Nake。もう手が付けられないと感じた。形容詞のNaked(裸の、生の)を過去分詞と見做した造語それとも先祖返り。Fakeの対義語。こういう悪意ある言葉を使う人たちは、こうも言っている。本人の本人による本人のためのディープフェイク。
 彼女の論法でいけば、政府の要職にある人物が二日も三日も行方をくらまして無力な庶民の女性を性的に虐待しているとしても、メディアには、ちゃんと公務に勤しんでいる彼の映像が提供されるのだろう。
 実際のところ、善意のディープフェイクとプライバシーの保護は紙一重。ハイスクールではディベートの教材にもなっている。現場の『実況中継』にコンマ秒のタイムラグを設けて、画面に映り込んでいる群衆の顔に、個人を特定できないようボカシを入れるのは真実を毀損するのか。リモート会議でパジャマ姿や寝癖の付いた髪を見せるのと、きちっとしたスーツ姿のフェイクとは、どちらがマナーに適っているのか。当事者が合意の上で、リモート出席したメンバーの『臨席』映像をメディアに公開するのは、その延長線上にある。
 今さら学生時代のディベートを、それも極端なバイアスに囚われた人物を相手に繰り返す気にはなれなかった。
 けれど。もしもスーザンの妄想に幾分かでも真実が含まれているとしたら……AIの判断だから大局的な間違いは無いだろうという自分の考えよりも、現在の状況を適確に説明できるのではないだりうか。
 しかし。そんな、世界観を根底から覆してしまうようなテーマを考えるには、あまりに(絶対に満たされない)生理的欲求が切迫していた。
「くううう……もう、赦して」
 マリアは一切の思考を放擲して、叶えられない便意に悶えるのだった。

 何時間が経過したのか、まったく分からない。便意は限界を超えて募る一方とはいえ、ふっと軽減する瞬間が訪れることもあった。張り詰めていた糸が切れたようにマリアは気を失い……すぐに揺り返した便意に意識を取り戻し、悶絶すら不可能な苦しみの中でもがいて、また意識を手放す。
 それを何十度も繰り返して――ついに、獄房の出入口が開いた。二人の職員だけが入ってきた。
 マリアとスーザンを拘束から解放して、バルーンは膨らませたまま、ひとまとめに排泄コーナーへ追い立てる。
「*立ったまま抱き合え」
 スーザンもAIの指示に逆らわない。そのままディープキスをしろと命令されても従っただろう。
 二人が固く抱き合うと――バルーンが一気にしぼんで、パイプが引き抜かれた。と同時に、二条の凄まじい水流が床を叩いた。
 ブジャアアアアア……
 コーナーを示す赤い円弧がせり上がって、おびただしい飛沫を遮った。
「あああっ……ごめんなさい」
 マリアが泣き声を漏らした。括約筋が緩み切って、尿も噴出させたのだった。
「私もだから……」
 スーザンも力無く返した。飛沫はどちらのともいわず下腿を濡らし、さらに尿を掛け合う。これ以下は無いというほど惨めな絆で結ばれた二人だった。
 これで、スーザンの妄想は完全に否定された。マリアは、ぼんやりとそんなことを思った。サディストたちを満足させるのが目的なら、これほどの『ショー』にボランティアが立ち会わないわけがない。モニター越しに見物するよりは生で見るほうが興奮(それとも辟易だろうか)するに決まっている。
 それをスーザンに指摘するつもりは無かったけれど。
 シャワーで全身を洗われエアジェットで乾かされて。乳首とクリトリスに、いつものクリップではなく、細い鎖につながれた金属環を着けられた。食餌も休息も与えられず、二人は獄房から引き出された。ほとんど眠っていないので、頭の芯が重たい。けれど、三点を引っ張られているので、職員の早足にあわせてたゆまず足を踏み出さねばならない。
==============================

 この後は、昨日掘ったスーザンの溝をマリアが、マリアが掘った溝をスーザンが埋め戻すのです。今度は小さなスコップしか持たされなかったので、掘って集積している土を、四つん這いになって胸で押して運ぶという。そして、前日の野放しと違って、ボランティアが監視督励します。手を休めるとバラ鞭で背中と尻をビシバシ、精一杯頑張っていると後ろから笞の先で「よしよし」と割れ目をつついてもらえます。
 そして、作業後は。獄房で宙吊りにされて傷の手当とか。睡眠剤を注射されて、鞭傷が綺麗に治るまで絶対安静。何日が経過したのか、マリアとスーザンには分かりません。


work06.jpg

 埋め戻しの作業中に、前日に頑張ってたくさん掘ったマリアは、スーザンの短い溝を簡単に終わらせて。スーザンがマリアを逆恨みするとか、あるいはマリアがスーザンを手伝ってそれが後の評価につながるとか――考えていたのですが、午前中の作業だけにしたので、一切無しにしました。
 数日の治療期間が終わったあとは『遊戯』です。スーザンをポニーにして、馭者をマリアにして、マリアは強制されtスーザンに厳しい追い鞭とか。それで終わらせるか、二人の立場を入れ替え「強くてニューゲーム」にするか。これまた、考えながら書き進めます。これを小説作法用語でイキアタリバッタリといます。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Making of "Saducation 2084":2

 不思議なもので。数百枚の長編だと平日に10枚以上は書き進めるのに、こういう短編だとせいぜい7~8枚にペースダウンします。
 いや、不思議じゃないですね。短編はそれなりに圧縮するので、節目が早くきてしまって「ひと休み」となるのです。


 前回は『拘束』2900文字の校訂前を御披露目しました。

 これに続く『獄房』7100文字は
 何も説明されないままに、電気鞭で脅されて、首環・ブレスレット・アンクレット・胴枷をみずから装着させられます。首環は、無駄吠え防止電撃機能付き。その他の装具もハイテク満載。声を封じられたので指文字で意思相通しようとしたら、手首に警告電撃。しかも、本名を書こうとすると阻止されますが、この矯正収容所での番号、ヒロインはM78を書くのは許されます。手首の動きとか指を動かす筋電位とかで判断されるのですね。
 ちなみに、M78はマゾ縄の略かもしれません。
 さて、M78はワンバープリズン(one bar prison)で腸内洗滌され、似たような器具でUrineも処理されます。
 そして、乳首とクリトリスにクリップを着けられて。3点同時強烈電撃で「前進」。ソフト快感通電で「まっすぐ歩け」。左右どちらかへの強い電撃で方向を指示されます。処置室から監房までは、監視者も付かずに自発的に歩かされます。
 獄房には先客(実は、数時間の差)が居て。彼女の本名はSu?? 患者番号はS69。セックス69かもしれません。
 S69はボディタッチを試みるのですが、実はつながれているコードに高圧電流が印加されていて、二人が触れ合ったとたんに、ドン!
 M78は左足首から太腿なので、「きゃああああっ!」で済みますが、S69は心臓経由してぶっ倒れます。すかさず職員が飛んで来て、AIEDで蘇生させます。
 ああ、こういうふうに、何の説明もなくアイテムがぽんぽん出てきます。『拘束』でもクワドローンとか出しましたね。それなりの知識があれば、クワドローン=quwad+drone、AIED=AI+AEDと見当がつくでしょう。説明が無いのは、現代小説でスマホとかジェット旅客機をいちいち詳述しないのと同じです。まあ、責め道具は趣味的に詳述しますのでご安心を。
 あとは、食事は四つん這いで犬食いとか。四つん這いも、床に手形と膝頭の位置が表示されて、その姿勢を取ると、手枷足枷が床に自動連結される、なかなか便利な仕掛です。
 そうこうして、翌日から本格的な治療が始まります。


 One-bar-prisonてのは、こういうのです。もちろん、膣だけが対象ではないです。二本挿しもあり得ます。
One_bar_prison.jpg

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矯正

 照明が明るくなって、自然に目覚めた。
 AIの指示で、排泄と洗顔を順番に済ませる。壁に向かって立つし、強制排泄のときとは違って、挿入されたパイプに吸引されるから汚物を同房者に見られることもなかったので、羞恥はマリアにとっては耐え難いほどではなかった。
 しかしS69は――羞恥というよりも屈辱にまみれて。音声に督促され、おそらく電撃の警告も受けて、ようやく所定の位置に立った。フックによる足環の拘束はされなかったが、足形の外へ逃れようとしては、かなり強い電撃まで受けていたらしかった。
 他人の排泄を見物するような悪趣味は持ち合わせていなかったので、マリアはそれを呻き声だけで察した。
 朝食は、ごく少量のオートミール粥だけだった。
「*これから矯正治療を始める。両名とも施術室へ移動せよ」
 出入口が開くと、三点への強い電気刺激が始まった。立ち上がって歩き始めると、刺激は弱くなって、柔らかな快感を与える。
 廊下へ出ると左の乳首に痛みが奔ったので、そちらへ進む。
 建物の構造を知らないし、昨日歩かされた経路も覚えていないが、マリアの印象としては奥へ向かっている感じだった。
 途中で他の『患者』たちと出会った。向こうは男性が三人。マリアたちと同じ環を嵌められた全裸の男たち。方向指示器(?)は男性仕様になっている。強制的にだろう勃起させられたペニスの雁首(glans)に金属バンドが巻かれて、左右に垂れた袋をクリップが噛んでいる。ペニスの根元と淫囊をひとまとめにして、小さな七つ目の環が締め上げていた。三点の電極は、そこにつながれている。
 互いに目を伏せて、でも珍妙で惨めな姿に目を奪われながら、発声を封じられているので挨拶を交わすこともなくすれ違った。
 それから階段を上がって。すぐのところで古風なドアが開いた。そこにへ足を踏み入れて――ふたり揃って立ち竦んだ。
 何から描写したものか。
 これまでのような白一色ではなく、石造り(にしか見えない)の部屋だった。じゅうぶんな間隔を開けても、二十以上のベッドを並べられそうだった。実際にはベッドではなく、最近ではSMプレイでもまず使われることのないハードな拷問道具が壁に沿って並んでいた。それが拷問道具だと、なぜマリアに分かったかといえば――魔女狩りのような史実に関する画像までは規制されていないからだった。
 そして、二人を待ち構えていた六人の男たち。二人は、これまでに見た白ずくめで、顔の下半分をマスクで覆っている。他の四人は、昔のイヌイットが使っていたようなスノーゴーグルに似た細長い長方形の板で上半分を覆っていた。
 この四人は裸足で、イヤホンもスマートアクセサリも身に着けていないように見受けられた。しかし、ゴーグルがホロディスプレイになっているとしたら(そうに決まっている)通常のウェアラブル端末より圧倒的に多い情報量になる。
 そして、服装はまちまち。
 一人は素肌に革製らしい褐色のベストとホットパンツ。肌の色と似ているので、どうかすると(股間がのっぺらぼうの)裸形に見える。
 一人は幅の狭い布を腰に巻いてT字形に股間を包んでいる。この男の肌は黄色っぽいからアジア系だろう。
 残る二人は白人。上半身裸で、下は黒いタイツ。
「装具を外せ」
 褐色ずくめの男が命令する。部屋の隅からワゴンが動いて、二人の右横に停止した。
 マリアはおそるおそる乳首に手を近づけたが、手首に警告は来なかった。乳首のクリップを外すと、じいんと痺れるような感覚が生じた。クリトリスのクリップも外す。やはり痺れるような感覚――だけでなく、性的な疼きも生じた。
 ワゴンにクリップを置くと。カシャッと小さな音が肌に伝わって、首環と胴環がC形に開いた。
 マリアは胴環から外しにかかった。
「私はスーザン・ヘイウッド。ID421154230884615。私は視者(gazer)です。このような扱いを受ける謂れがありません!」
 怒りの声に、マリアは手を止めてS69、いやスーザンを振り返った。視者を名乗る人物に実空間で出会ったのは初めてだった。
 閉ざされたプライベートなネット空間でしか発言を許可されない聴者が、成人の九十パーセントを占める。十パーセントは話者(talker)。しかし、クラウドAIに公然と疑義を呈する権利を持つ視者(gazer)は一パーセントに満たない。そして、話者はネットでの振舞から特定されることも多いし、ステータスであるから意図的に隠す者は少ないが、視者は権利を行使する必要性がほとんど無いから、話者と区別するのは難しい。
 褐色の男が正面からスーザンに近づいた。手にしていた細い棒を下から斜め上へはね上げた。
 ピシッ!
 スーザンの右の乳房が大きく揺れた。
「きゃあっ……!」
 スーザンは両手で胸を庇って、ますます怒りに燃えた目で男をにらみつける。
「発言は許可していない。腕を下ろせ」
 男の意図は明白だから、スーザンは動かない。危害は加えられたくない。けれど、退いてなるものか――その気迫は、マリアの目にも明らかだった。
 下帯一本の男が、スーザンの後ろへ回り込んだ。そちらへ向き直りかけたスーザンの尻を褐色の男が笞打った。
「やめて……!」
 怯んだすきにスーザンは羽交い締めにされて、豊満な乳房を無防備に曝け出す。
 ビシイッ、バチイン!
 さっきよりも明らかに強い笞打ちに、乳房が左右に吹っ飛んだ。が、スーザンは歯を食い縛って悲鳴を堪えた。そして、罵る。
「この黒●ぼ(n*gger)が!」
 マリアは耳を疑った。こんな最悪の差別語を(たとえ私的な場でも)口にする人間など、聴者の中にもまず居ない。未成年だったら、学校と家庭でそれぞれ反省文を書かされる。ほんとうに、この人は視者なのだろうか。
 しかし、疑問は中断された。マリアの前に、半裸タイツのひとりが笞を持って立ったのだ。
「あ……ごめんなさい」
 慌てて胴環と首環を外してワゴンに置いた。それでも。
 もう一人のタイツ男が、マリアをスーザンと同じように羽交い締めにした。
「待って……私は指示に従っています」
「バディは連帯評価すると、最初に通達している」
 白ずくめの一人が、スーザンにもマリアにも聞こえる声で言った。
「矯正治療も個別の懲罰も、二人は同じに扱われる」
 連帯責任なんだわ――と、マリアは理解したが、納得は出来なかった。しかし、納得しようとしまいと。
 ビチイッ!
「痛いいっ……!」
 乳房の中で爆竹が爆ぜたような激痛。VRとは違って、安全限界など無い『生』の痛さだった。
「やめて。彼女は……」
 バチイン!
 バチイン!
 二人の乳房が同時に跳ねた。
 褐色の男がスーザンの目を覗き込む。スーザンは無言でうなだれる。発語を禁じられた状況で示せる最大限の恭順だった。
 羽交い締めから開放された二人は、床に表示される足形を踏んで、開脚して立たされた。並んだ二人の間隔は三メートル。
 足形の中央からディルドがせり上がってきた。腸の洗滌に使われた器具どころか、成人男性の勃起よりもさらに太い。胴部には円錐状の突起が幾つも盛り上がっている。
 ディルドは微妙に角度を変えながら、難なくマリアの股間を貫いた。
「あぐっ……くうう」
 マリアが知っている生身のペニスは、恋人の一本きり。VR連動のバイブによる事前学習など今は廃れて処女性が尊重されているし、恋人とのセックスにもそれなりに満足しているから――『異物』の挿入は初めてだった。
 それでも、直径五センチに近い逸物が、たいして苦痛を与えることもなくすんなり挿入できたのは、それだけAIのテクニックが優れているからである。セクサロイドが男女に与える空虚な幸せと実社会での挫折は、すでに四半世紀来のささやかな社会問題となっているが、それはさて措く。
 ディルドが膣奥に突き当って止まると、天井から鎖が垂れてきた。
「両手を左右に伸ばせ」
 鎖が腕環のカラビナと連結して、斜めに引き上げる。マリアとスーザンは股間を串刺しにされ、空中にX字形に磔けられてしまった。
 四人の男が、マリアとスーザンの前後に立った。それまでの細い笞ではなく、細い革バンドを何本も束ねたバラ鞭を手にしている。バラ鞭は、正常なセックスの味付けとして社会的に許容されているソフトSMギリギリのアイテムだ。ただし四人が使おうとしている得物は、市販品よりも威力が大きいのだが、それを見分ける目をマリアは持っていなかった。
「従順にしていたのに、まだ懲罰を与えるつもりなの?」
 抗議したのは、もちろんスーザンのほうだった。
「懲罰ではない。本人が自覚していない社会への不適応を自覚させ矯正するための施術だ」
 白ずくめの職員が事務的に諭す。
「ちなみに、治療の実務に携わっていただくのは、社会的地位のあるボランティアの皆さんだ。我々職員に対する以上に敬意を持って接するように」
 ずいぶんときな臭くて胡散臭い話なのだが――マリアは、そんな人たちの手を煩わせて申し訳ないと思ってしまった。
 スーザンは疑わしげな顔をしたが、抗議を重ねなかった。反抗して懲罰を受けるのは、自分だけではない。
 四人の男たちが、一斉に鞭を振りかぶった。
 バチン! バッチャン!
 バチイン! ビシイッ!
「きゃああっ!」
「くそっ……!」
 マリアは素直に悲鳴を上げたが、スーザンはあくまでも抵抗する。
 バシン! バシン! ビシイッ! バヂイン!
 乳房、太腿、下腹部、背中、尻……滅多打ち。さすがにマリアも悲鳴を上げながら、鞭から逃れようとする。
 しかし、まったく身動きできないと、マリアは思い知らされた。股間を支柱もろともに打ち据えられると、反射的に脚を閉じて急所を守ろうとするのだが、身体が傾いてディルドで内奥を抉られる。両足を同時に少しずつ内側へ移動させれば良いのだが、そんな余裕はない。かといって身をよじると――ディルドの突起が鋭い痛みを与える。
 じきにふたりとも、自分の脚で立つ努力を放棄して、広げた腕を吊っている鎖に体重をあずけて頭を垂れ、鞭に打たれるままに身体を揺らすだけになっていた。
 しかし、『施術』は残虐になる一方だった。
 ディルドが回転しながら引き抜かれて。無防備になった股間を前後からアンダースローの鞭が襲う。
 ビジイ゙ッ……バシュン!
「びゃあ゙あ゙あ゙っ……!」
 正面からのバラ鞭は淫裂を抉り、跳ね上がりながらクリトリスまで打ち据える。後ろからの鞭は会淫から肛門を鞣しあげる。
 遅ればせながら閉じ合わされた太腿を割って、再びディルドが膣を抉った。
「脚を広げていろ」
 スーザンの正面に立つ褐色の男が無慈悲な命令を口にする。マリアの正面を受け持っている半裸タイツは、無言で鼠蹊部を撫で上げた。
 びくんっと、スーザンとマリアが同時に腰を震わせてのけぞった。電撃は膣の奥で爆発したのだった。一瞬ではない。強度を下げた低周波で苦痛を与え続ける。
 マリアはさらに小淫唇を左右に引っ張られる。ぱしんと右の内腿を叩かれてから、右の小淫唇。男の意図を理解して、すこしだけ右脚を開いた。ぐうっと膣壁が左へ押されて動きを阻まれると、左の内腿を叩かれて、そちらの小淫唇を引っ張られる。
 この男は、意外と親切なのかもしれない。マリアは男に操られて、両脚を五十センチほども無事に(?)開けた。
 ディルドが引き抜かれる。次に何をされるか予想がついても、マリアは脚を閉じようとはしなかった。
 バッヂャアン!
 それまでよりも強い一撃が股間で炸裂した。
「かはっ……!」
 悲鳴をあげる裕りすらなく、マリアは息を詰まらせて激痛を受け止めた。
 しかし、スーザンは抵抗した。ディルドが引き抜かれるとすぐに脚を閉じて――股間にバラ鞭を通されてV字形に扱き上げられ、それでも降参するまで三十秒は意地を張り続けた。
 連帯責任なら自分も同じことをされるのかと怯えたマリアだったが、そこまで厳格ではなくて……スーザンには申し訳ないような気にもなった。
 しかし、すぐにそれ以上の苦痛と恥辱を味わわされる。
 股間への鞭打は(前後同時を一発として)五発で終わった。二人はディルドと鎖から開放されたが、首の後ろで交差させた手首を腕環の連結で固定された。
 広い部屋の端から端まで、二本の太いロープが床に延べられた。ロープには五十センチおきに大きな結び瘤が作られている。結び瘤ではなく、金属スポンジが巻き付けられている箇所もあった。
「ロープを跨げ」
 SMに関してはソフトなプレイの概念しか知らないマリアでも、これから何をされる或は何をさせられるか、厭というほど見当がつく。それでも、ためらいながらではあっても、命令に従った。
 スーザンは、股間をバラ鞭で吊り上げられながら、ロープを跨がせられた。
 予期していた通りに、ロープが引っ張り上げられて、淫列にきつく食い込んだ。
「前へ歩け」
 パチン。
 牧場では牛馬を追うときにこれくらいはするのだろうなという、軽い追鞭だった。それでもマリアは反射的に足を踏み出して――ぐりっと内側を擦られて動きを止めた。チリチリッと、焼け付くような痛いようなくすぐったいような感触に圧倒された。何の変哲もないロープ。その表面は目で見るよりもはるかに毛羽立っている。
「ハイッ」
 バチンと、強めに尻を叩かれたが、さすにが次の一歩は踏み出せない。
「ふむ……?」
 半裸タイツの二人が、左右からマリアに近づいて――乳首をつまんだ。つまんで爪を立てながら前へ引っ張る。
「痛い……歩くから……許して」
 股間のチリチリする痛みを堪えて小刻みに二歩を進んで。そこから足だけは半歩出たが、腰が引けている。大淫唇を隠すほど大きな結び瘤が、前進を阻んでいる。
「ぎいいいいっ……やめてっ!」
 スーザンの悲鳴にそちらを見ると――彼女は剥かれたクリトリスの先端に針金を巻き付けられて、引っ張られていた。針金は全身褐色の男が握る小箱につながっている。
 電撃を同時に受けている。けれど、もう一方の電極は……?
 そんな些細な疑問に拘っている場合ではない。半裸タイツの一人が、同じ小箱をマリアの股間に近づけた。スーザンと同じようにするという脅しか、それとも直接電撃を与えようとしているのか。
 マリアは、なるようになれとばかりに、引けていた腰を前へ運んだ。
「痛いいいっ……!」
 ザリザリッと粘膜を擦られて、無数の針に突き刺されたような痛みが腰から背骨へ突き抜けた。
 結び瘤を強引に乗り越えると、後はそれほどつらくなかった。感覚が麻痺したというよりは、結び瘤の刺激が閾値にリセットされてしまったのかもしれない。
 しかし、新たな閾値をはるかに上回る障碍が立ちはだかる。ロープに巻き付けられた金属タワシ。いや、ずれないように編み込まれている。結び瘤と同じくらいの直径で、ボールではなく長さ十五センチほどのソーセージ。
 こんな物で淫裂をしごかれたら、擦り傷くらいでは済まない。淫裂に金属タワシの端を押し当てただけで、結び瘤を乗り越えるとき以上の鋭い痛みが奔る。乳首に爪を立てて引っ張られる痛みのほうが、まだしも耐えやすい。
 二人の男が頷き合った。内言を音声に変換してコミュニケーシンを取っているのか、ゴーグルに表示されるAIの指示に従っているのか。
「後ろへ下がれ」
 乳房をわしづかみにして押し返されて。後退するのは楽だった。斜めにしたフォークを前へ押すのと後ろへ引くのとでは抵抗が違う。すでに通過したロープにはマリアの血液と膣からの分泌が付着して、潤滑の役も果たしている。
 肛門が結び瘤に突き当たったところで止められて。
「勢いをつけて、一気に突き進め」
 二人の男が協力して、クリトリスの包皮を剥き細い針金を巻き付ける。針金につながれている小箱の上を指が滑ると。
「あっ……?」
 怯えていた電撃ではなくて、柔らかく摘ままれ揉まれ捻られる――それまでの苦痛を帳消しにしてくれるほどの快感がマリアの腰を貫いた。
「指示に従わないと、こうなる」
 刺激が数十倍に跳ね上がって、受ける感覚はそのままに、激痛に変わった。
「いやああっ……!」
 激痛はすぐに消失した。
「どちらを欲しいかな?」
 柔らかく通電しながら、男が針金を引っ張った。もうひとりが後ろへ立って。
「ゴーアヘッ!」
 パチン。
 鞭に追われ快感に引っ張られて、マリアは小走りに進んだ。金属タワシが淫裂にめり込み、ガシガシと粘膜を削った。
「ぎゃわあああああっ……!」
 凄絶な悲鳴を叫びながら、マリアは障碍を駆け抜けた。
 激痛が消えた瞬間に、足をもつらせて斜め前へ倒れ込む――のは、後ろの男が抱き止めてくれた。
「良く頑張ったな」
 抱き止めている手をずらして、男が両手で乳房を揉んだ。通電は、まだ続いている。性的な快感が苦痛の中に忍び込んだ。
「だが、先は長い。とっとと歩け」
 男は手を放して――ぴんと張っているロープをさらに引き上げて、マリアから苦鳴を引き出した。
 金属タワシを乗り越えて、さらに閾値が上がったのかもしれない。マリアは、三つの結び瘤を呻き声と共に、しかし難無く乗り越えて。次の金属タワシは助走をしなくても、クリトリスへの励ましと尻への追鞭で、食い縛った歯の隙間から悲鳴を漏らしながらも通過した。
 いつか、マリアの顔は涙でぐしょ濡れになっている。それは、スーザンも同じだった。
 正面に壁が近づいてくると、あそこまで到達すれば終わるのだと、それを励みに歩み続けた。
 しかし、終わらなかった。
「もう一度だ。元の位置まで戻れ」
 バラ鞭で乳房を強く叩かれて、ついにマリアも限界に達した。
「こんなことに、何の意味があるんですか?!」
 反逆を内包した質問には、白いツナギ服の男が無慈悲に答えた。
「それをみずから気づくことに、この施術の意味があるのだ。分からないうちは、何度でも繰り返す」
「このサディストたちを満足させることが目的じゃないの?!」
 叫んだのはスーザンだった。
「見なさいよ、この黄色い●(yell*w m*nkey)の股座を。腰布がはち切れそうになってる」
 この人が矯正治療を受けさせられている原因は、これだろう。こんな治療が行われているなんて信じられないけれど、これほど人種差別をあからさまにする人物がいることも信じられない。
 スーザンの発言は、ロープをさらに高く引き上げることで報われた。
「痛い……やめて!」
 スーザンはたたらを踏みながら部屋の中央まで後退した。つま先立ちしても、ロープはV字形に張っている。だけでなく、金属タワシが股間を抉るようにロープ全体が前後へ動いた。
「いぎゃああああっ……やめて! お願い……!」
 彼女に同情しているどころではなかった。マリアの跨いでいるロープも上へ引っ張られ始める。
「ごめんなさい。もう、何も言いません!」
 後ろへ下がり始めると、股間への圧力が軽くなった。安堵とともに足を運ぶ。前進中に後ろへ下がったときよりも、ロープは緩んでいるように感じられた。淫裂を抉られてはいるが、それほどの痛みは感じない。けれど、ただ閾値が上がっただけかもしれない。
 しかし。壁に背中がついて。二度目の全身を強いられると――ロープは最初よりも高く引き上げられ途中の弛みが分からないほどきつく張られた。
 けれど、前へ進むしかなかった。スーザンも、抗議と反発を重ねる気力は奪われていた。
 マリアもスーザンも、とめどなく涙をこぼしながら、呻き声の合間に悲鳴を重ねて、二度目の『綱渡り』を終えたのだった。
 虐待される意味に気づくまでは何度でも繰り返すとの言葉に反して、そこでこの責めは終わりを告げた。二人は並んでV字開脚の逆さ吊りにされて、傷付いた女性器の治療を施された。血止めをされ、粘膜にナノファイバーの保護膜を貼られ、苦痛だけを緩和する選択的感覚遮断剤を局部に注射された。ジェットではなく、わざわざ針の付いた注射器が使われて、その鋭い激痛に再びふたりは悲鳴を上げたのだけれど。
 治療が終わると、背中で下に垂らした腕を手首で縛って吊り上げられた。上半身が前傾して、それ以上倒しても起こしても手首が下がる位置で、鎖は止められた。足が床から離れれば、全体重がねじられた肩に掛かる後ろ手一本吊り(strappado)の拷問になるが、体重の過半を脚で支えていても、苦痛はある。その形で、数時間の『休憩』を与えられた。
 六人の男たちのうち、白いツナギ服の二人は部屋から退出して、残った『ボランティア』たちは、この部屋に並べられた拷問道具にはふさわしくないソファーで、ゆったりと寛ぐ。スノーゴーグルめいたデバイスは外して、素顔を晒している。
 四人の男たちは酒類と思しき飲料をちびちびと舐めながら、マリアとスーザンの吊られている姿を鑑賞している。呆れたことに、禁制品の煙草を吸う者までいた。
 四人は会話を交わしているのだが、マリアにはまったく声が聞こえなかった。あるいは遮音システムがどこかにあるのかもしれない。
 そんな、どうでもいい思念はあれこれと湧いてくるのだが……なぜ、こんな目に遭わされているのかだけは、皆目見当もつかなかった。まさか、スーザンが口走ったサディスト云々が幾分かの真実を含んでいるとも思えない。スーザンのことは知らないが。マリアはAZから危険レベルの潜在的社会不適応者と認定されて、その矯正治療のために連れて来られたのだから。

 白ツナギ服の二人が戻って来て『休憩』は終わった。二人は俯せにされ、手足を引っ張られて、床から百五十センチほどの高さで水平に吊るされた。手足は開いて、細身のX字形。
 白衣の二人と黒タイツの二人が手分けして、マリアとスーザンの裸身に、医療具とも責具とも分からないデバイスを着けていく。
 乳房を細いベルトで縊り、乳首には乳暈がちょうど隠れる大きさのキャップを吸い付かせた。外見は金属製だが、内側は毛羽立っている。そして乳頭には冷たい金属の感触。
 クリトリスも、また包皮を剝かれて、乳首と似たキャップをかぶせられた。
 太い柱がゆっくりと走って来て、開いた脚の間で止まった。二本のディルドが伸びて、膣と肛門に挿入された。さらに、1/6フィギュアに使うようなディルドまでが淫裂に潜り込んで、尿道を貫いた。
「さて、操作はマニュアルにしましょうか」
 白衣が四人のボランティアを見回しながら尋ねた。
「いや、オートマチックで最適化してもらおう」
 褐色の男が即答した。
「ピンポイントで調子を外すのも面白い。リモコンはもらっておこう」
 アジア系が付け加えると。
「完璧な最適化は陳腐だな。BGMに同調させてはどうだろう」
 黒タイツのひとりが言い出して。他の三人の同意を取り付けてから男が提案したのは『ツァラトゥストラかく語りき』だった。不朽のSF2D映画のオープニングテーマだから、マリアもプライマリー時代の鑑賞学習で視聴した記憶をとどめている。
 四人は改めてソファーに陣取り、白服はその両側に立った。
 最初は、何も起きなかった――というのは閾値の問題で。
 オルガンの音が耳に聴こえる頃には、乳首とクリトリスに微振動が感じられるようになっていた。電気的な振動だけではない。突起が真空に吸引されて尖ってゆき、その周囲で毛羽もうねっている。
 苦痛の次は性的快感を与えるつもりだとは、マリアにも分った。けれど、その理由と目的は分からないままだった。
 通奏低音の高まりと共に三点への刺激も強まっていき……導入部のトランペットで三本のディルドが蠢き初めて。人間では不可能な微妙な動きで一気に性感を高められる。
 スーザンは知らず。マリアは、恋人とのセックスではそこまで達したことのない領域へと押し上げられていって。
 ドンデンドンデンドンデン……
 ティンパニーの響きに合わせて、ディルドが抜去されては最奥部まで突き進む。
「あっ……ああっ……」
 そして、最大音量の全楽器演奏( tutti )。乳房は激しく揉みしだかれ、乳首に太い稲妻が突き通され、クリトリスは大波に揺すられ、膣と肛門のディルドが逆位相で全身を抉る。尿道はピストン運動ではなく、こねくられる。
「あああっ……いやあっ……来る……何か来る……助けてええええええっっ!!」
 二分足らずの導入部で、これまで到達したことのない高みにまで――押し上げられたというよりは、吹き飛ばされてしまった。
 BGMは急速に落ち着いて。今度はじんわりとマリアを追い上げていくのだが。不意にティンパニーがフォルテッシモで打ち鳴らされて、アクメの彼方へ吹き飛ばす。
 駄目駄目駄目……こんなのは駄目だ。ジェットコースターのような性感に弄ばれながら、マリアは恐怖する。
 こんな凄まじい快感を知ってしまったら、彼との……だけじゃなく、生身の男とのセックスでは満たされなくなってしまう。楽曲の切れ目に差し掛かると、そんなことを考えてしまう。
 今でも、セックスで(オナニーも含めて)忘我というほどの満足を味わったことはないけれど。これから開発されていくものだと思っていた。それが、いきなり……いにしえのジェット戦闘機。アフターバーナーに液体ニトロをぶち込んだようなアクメ。
 いいえ、努力(?)次第では、生身の男とのセックスでだって、ここまで到達できるはず。そうも思う。AIはアシストするだけ。だから、肉体改造を認めない健常者パラリンピックでは、百メートル七秒の壁が生理学的に証明されている。
「あああああっっ……駄目! いい! 来る……落ちる……いやあああっ!」
 デンドンデンドンとティンパニーがなり始めて、思考は消し飛び、アクメの彼方へ蹴り上げられる。
「くそお! 見てるだけなの?! インポ野郎ども!」
 スーザンという人は、すべてに攻撃的なのだと、そういうふうにマリアは理解した。自分とは正反対の人間。こういう矯正治療を受けさせられている理由が、一パーセントくらいは分かるような気がした。けれど、その漠然とした理解は……なぜ、マリアが彼女と同じカリキュラムを課せられているのか、ますます分からなくなるさせるだけだった。
 ローカルAIが局所的で瞬間的なエラーを犯すことはあるが、それは上位AIによってミリ秒単位で修正される。すくなくとも三大AI(とAZ)は、不完全性定理の制約は受けても誤謬は犯さない。だから、この処置には正当な理由がある。マリアとしては、肉体的精神的な虐待に甘んじながら、自身の社会的不適応をみずからが気づいて、それを矯正してもらうより他に道は無いと、それは微塵も疑っていなかった。
『ツァラトゥストラかく語りき』は全九部の交響詩だが、BGMとしてのアレンジで執拗に導入部が繰り返されて――ほぼ五分に一回の割でマリアはアクメを強制された。
 アクメの余韻に浸りかけたところを、また追い上げられて、いっそうの高みまで吹き飛ばされる――凄絶な快感の積層。それは、すでに拷問と変わりなかった。
 マリアは絶頂のうちに悶絶したのだった。
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 ここまでで10700文字。このあと、獄房で意識を取り戻すと。
 ベッドにマングリ返しで拘束されています。しかも、夜間にトイレに行きたくなっても大丈夫。出口にチューブが突っ込まれていて、反対側は同房者のボールギャグに連結されています。これを永久機関と称したのは漫画家の「やまぐちみゆき」ですが。Wikiにも載ってねえな。もう過去の人なのかしら。そもそも生きているのか。
 ちなみに。マングリ返しは、piledriver(sex position)だそうです。そのまま日本語に戻すと、杭打ち位ですかね?
 One bar prisonは、言い得て妙です。「串刺し」とかで検索しても、なかなか引っ掛かりません。
 言い得て不妙なのは、strappadoですな。筆者が必死に考案した「後ろ手一本吊り」のほうが、雰囲気です。

 さて。『矯正』の最後を書いてから『講習』に取り掛かりましょう。『講習』は、SDGs幻想とか、男女平等は生物の摂理に逆らうとか、平等と公平は違うが公平は本当に正しいのかとか――「21世紀前半の誤謬と蒙昧」をぶった斬ります。SMではなくSFです。






実に、SMセレクト(東京三世社)で筆者の第5作『第五列の悲虐』が掲載され(て、引退し)たと同じ号で、荒縄工房(あんぷらぐ)さんが「仲ゆうじ」としてデビューされているという、奇しき因縁があります。
ついでに。
『ディープサウスマゾ紀行』 東都海藻だったが、編集部一存で東野苑明に変えられた。トントカイモ(system)の遊びがばれた?
『奴隷留学』 姫久寿子(姫くずし)
以下3作が藤間慎三(トーマの心臓)名義
『ハイテクひとり遊び』編集部改題『愉悦工場』
『淫海教育』
『第五列の悲虐』原題は『素人スパイ受虐譚』これは、編集部のほうが優れているので、いただきました。

なお。筆者のPNは、その後に風鴇能太(風と木の詩)を経て、電子書籍デビューにさいして濠門長恭(拷問調教)で落ち着きました。

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Making of "Saducation 2084":1

 いつもいつも"Progress Report"では芸が無いので。他に意味とか理由はありません。
 本棚:Ponpoko Skin Calculationで『Prison 2084』としてるやつです。Sadistic educationくらいの意味の丁稚揚語です。
 今回はプロット紹介無し。賞味期限付も無し。第1稿を部分的に公開しながら、途中は粗筋で紹介していきます。
 まあ、全体図だけは公開しときましょう。


 拘束/獄房/検査/講習/作業/面接/妊活/継続

 これだけの章を100枚乃至200枚に詰め込みます。
 Zero Sum Short Storiesです。


さっそく、始めます。

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拘束

 今日は初出勤。先月に十八歳の誕生日を迎えて、聴者(listener)認定も受けたし。いよいよ一人前の社会人としての生活が始まる。成人としての責任は分かっているつもりだけど、スキップでも踏みたい気分。
 メトロの駅へ向かう彼女をパトカーがゆっくりと追い越して――すぐ前で停まった。
警官が降りて、彼女に向かい合う。
「警察の者です」
 バッジを提示される前に、警官の頭上にIDナンバーと認証標が表示されている。
「きみは、マリア2418だね?」
 正確にはマリア・スコット、ID173202236092418。相手が警官なら、それを承知の上での形式的質問だ。
 しかし、マリアの答に対する警官の対応は、まったく形式的ではなかった。
「きみは、潜在的危険人物よして、矯正治療の対象として拘束される。ただいまより、きみの人権は治療完了まで凍結される」
「え……?」
 ほとんど理解不能な警官の言葉。戸惑っているうちに、マリアはパトカーの後部座席に押し込まれた。
 続いて警官も乗り込んで、反対側のドアからも、もう一人がマリアをサンドイッチにした。
 三方向の窓ガラスが黒くなった。前席のバックレストから黒い仕切板がせり上がって――マリアは文字通りブラックボックスに閉じ込められた。
(ポパイ。状況を説明してちょうだい)
「申し訳ありません。AZオーバーライドにより、あなたへの一切の情報提供を禁じられました」
 ポパイの声がイヤホンに響いて――視界の隅に点在していた一切のアイコンが消失した。
 マリアは、裸で外に放り出されたような不安に襲われた。
「ねえ。どういうことなの。説明してください」
 しかし二人の警官は無言。行動で答えた。
 マリアを前かがみにさせて両手を背中へねじ上げて、手錠を掛けた。
 後ろ手錠は、被拘束者が暴れて自他に危害を及ぼす懸念がある場合に限られる。それを知っていたマリアは、ますます衝撃を深めた。どころか。
 警官が両側からマリアの膝をつかんで脚を開かせ、自分の太腿の上に乗せた。片手で脚を押さえておいて――左側の警官が、開脚させた中心へ手を差し入れて、ショーツの中にまで指を入れてきた。同時に右側の警官が、ボタンが千切れるのもかまわずブラウスに手を入れブラジャーを強引にずり上げた。
「やめてください。性的接触に同意しません」
 悪徳警官という言葉が日用辞書から消えて四半世紀。この行為も警官の職務遂行としか考えられないマリアは、言葉で抗議はしても、身もがきは肉体の不随意な反応にとどまっていた。
 股間を指でなぞっていた警官が、ショーツを引き千切った。それを丸めて握り込んで――不意にマリアの腹を殴りつける。
「うぶっ……もごぉ」
 苦痛に呻く口に、元はショーツだった布切れを押し込まれた。
「滅多にない人権凍結案件だ。ボーナスを愉しませてもらうぜ」
 人権凍結意味を、マリアはパンティと共に噛み締める。パンティを吐き出そうと思えば出来るだろうけれど、もっと非道いことをされかねない。
 予想もしなかった、展開も予想できない事態に怯えながら、マリアは自分の肉体をボーナスとして扱われるにまかせるしかなかった。
 パトカーはゆっくりと走って、途中でモニターを交代してボーナスを公平に分配しながら、それでも二十分ほどでマリアは――アイマスクで視界を奪われて、パトカーから降ろされた。それまでの間、マリアは女性器を指でこねくられ乳房を揉みしだかれ、不本意な反応まで引き出されて、それ以上の狼藉までははたらかれなかったものの、まともに物事を考えられる状態ではなかった。
 ブラウスをはだけられ両側から乳首をつまんで引き回されて――おそらく警察署の屋上へ連行された。
 アイマスクを外されると、今さらだが三人の女性警官に取り囲まれていた。
 命令されてイヤホンとコンタクトレンズを外し、マリアがポパイと名付けているスマートペンダントも取り上げられた。ますます素っ裸にされた気分。
 どころか、物理的にも全裸にされた。
「自殺の予防処置です」
 ブラジャーを首に巻き付けても自殺は可能だ。
 予防処置は入念で、口からパンティを吐き出すと、すぐにボールギャグを噛まされた。
 そして、紙オムツを穿かされて。柔らかな内張に覆われた『棺』としか形容できない細長い箱に寝かされて全身を革バンドで拘束された。蓋が閉じられても、内張自体が微かに発光していて、ほの明るい。
 カシン、カシンと小さな衝撃が伝わって、ぐうんと持ち上げられるのを感じた。屋上の十メートルほど上空に浮かんでいた自動車サイズのクワドローン。あれで運ばれるんだろうと見当が付いた。でも、どこへ?
 ――独りきりにされて、ようやく物事を考える時間が生じた。けれど、何をどう考えるのか、それが分からない。宝くじが当たって億万長者になるよりも、船が難破して独り無人島に漂着するよりも――現実離れした現実。
 それでも。これだけ理不尽な扱いを受けていながら。市民への声掛けから発砲までAIにリアルタイムで監査されている警官が、非合法行為をするはずがないと、それを信じようとする。一方で、人権凍結の言葉に怯える。それには生存権……まさか生命権まで含まれるのだろうか。
 AI……!
 ポパイが最後に告げた言葉を、マリアは思い出した。AZオーバーライド。まさか、Artificial ZEUSがPersonal AIに直接干渉するなんて……これはそんなに、人類全体に関わることなのだろうか。
 現在の世界は緩やかに統合されているが、いわば地方自治体としておおまかな三つのブロックに分かれている。それぞれのブロックに助言を与えているのが、クラウドAIのArtificial ALLAH、Artificial BUDDHA、Artificial CHRIST。これらの仮想統合人格がArtificial ZEUSとなる。百年昔なら『ビッグ・マザー』と呼ばれていただろう。
 もっとも、いにしえの『ビッグ・マザー』とは違って、AZが現実世界に介入するのは、AI工学の第ゼロ原則に関する事象についてのみと――一般には信じられている。A4にタイプすれば十万枚とも百万枚とも謂われるAZの倫理規範を厳密に解読出来る人間(個人でもチームでも)はいない。AIに解読させても、第ゼロ原則が優先される。つまり、「為になる」嘘を吐く。
 たとえば。死を極端に恐れている人間が死病に侵されている場合、「私は余命幾許も無いのか」と尋ねられたときに、PAIは不都合な情報をローカルストレージから削除して「保持しているデータからは、判断できかねます」と答える。なんなら、健康な人間の平均余命についてさらっと講義したりもする。
 つまり……マリアへの理不尽で非道な扱いについて、納得できる説明を与えられる可能性はきわめて小さいのだ。
 受け容れるか、自殺――は、入念に遠ざけられていた。

 マリアの感覚では二、三時間。無音ローターらしいから、距離にしてせいぜい数百キロを運ばれて、マリアは棺から出された。

==============================
箱詰め1
 典型的な短編の書き方ですね小説作法講座。
 いきなり「惹き付け」の凌辱シーンです。そして、場所移動の(小説内での)時間経過を利用して背景を説明しています。
 まだまだ設定はありますが。随所で詳述するか、読者が勝手に想像しんさいと突っ放すか。SFとしては詳述したいのですが、それすらも20世紀末ですでに陳腐でしたし。これはSFSMですので。うん、尺の都合もあるしね。


 さて、これからしばらくは、確定申告だの個人的諸事情だので、ちょこまか時間を取られますが。3月初旬には電子出版準備まで漕ぎ着けたいものです。いい加減で『宿題を忘れたら……』の次章もやっつけたいし。

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Progress Report(third) Final:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 どどどっと怒涛の勢いで脱稿。
 校訂と次作(Saducation 2084)を急ぐので、責めシーンを一挙公開。これを読んで『秘写真』全公開の体験版をDLすれば、製品版は不要?
 最近はイコカにスイカにピタパで切符不要なのにキップが良いねえ。


不安な前途→ほころぶ蕾→マンコ椿は→斬新な衣装→
縄張の譲渡→凌辱と拷問→蕾への拷責→売春労働者


==============================

   凌辱と拷問

 これでは娼売は出来ない。かと言って、田所の軍門に下るのは真っ平。多恵は表向きの花屋だけを続けると決めた。
 売子とは雇用関係に無く、花の中間卸しと小売の形にしているが、多恵は貯金の半分をはたいて、爪に火を灯せば三月やそこらは暮らしていけるだけの『退職金』を出してやった。
 華代はそれを固辞して、花屋を手伝うことにした。非力な女でも独りよりは二人のほうが心強いし、多恵と心中することが、せめてもの父に代わっての謝罪でもあった。
 多恵も、強くは説得しなかった。むしろ意気に感じてくれて――いよいよ明日からは新生『椿姫』の再出発という夜に、景気付けということか。角瓶の喇叭飲みではなく、水割りを二人して嘗めて。ついに、華代の渇仰を潤してくれたのだった。
 多恵からの一方的な翻弄ではあったし、いわゆる中逝きではなかったが、華代は険しい山道を登り詰めて、虚空に飛翔したのだった。
 ――景気付けの御利益などあるはずもなかった。
 店先に飾る花などは、同業他店に押さえられて、新規開拓の余地は無い。ヤクザの後ろ盾があればともかく、妨害してくるのだからなおさらだ。
 近隣には挨拶に回ったが、おいそれとは信用してもらえず、しかもヤクザとの揉め事は直に見聞している。注文を出してくれる事務所も、足を運んでくれる主婦も居なかった。盛り場から少しだけ離れた雑居地には、花に足を止める通行人も少ない。
 枯らして捨てるしかない花を大量に仕入れるわけにもいかず、品揃えは少なくなり、ますます集客力が無くなっていく。ジリ貧どころか、破産一直線というのが偽らざるところだった。
 しかし。経済的な破綻よりも、物理的いや肉体的な破滅のほうが、ずっと早く訪れたのだった。

 今日の売上は六百円だけで、仕入値との差し引きは四百円だが、枯らした花は仕入値で三百円分。店舗と住居の光熱費を加えると、それだけで赤字。二人の食い扶持は完全な持ち出し。
 二人して溜息をつきながらシャッターを下ろそうとしたとき。狭い道を夕暮れ時のスモールランプも点けずに走って来た幌付きの小型トラックが目の前で停まった。助手席と荷台から男が飛び出してきて、多恵と華代の背後から襲い掛かり、手で口をふさぎながら荷台へ押し上げた。
 荷台には、さらに二人の男が乗っていた。
「んむううっ……むぶう!」
 トラックが動きだす。
 多恵も華代も、口にガムテープを貼られ後ろ手に縛られて、木箱に押し込められた。ドスンドスンと振動が伝わってくるのは、偽装のために箱を積み重ねているのだろう。
 これから、どうなる――いや、何をされるのだろう。華代は息苦しいまでの恐怖に襲われていた。ヤクザの抗争でも、敵をドラム缶にセメントで固めて海へ捨てると……誰かに聞いた噂だったか、小説の作り話だったか。相手はイタリヤのヤクザを真似ているという。テレビで観た実録物のギャング映画では、機関銃で警官隊と渡り合っていた。確か、ギャングはイタリヤ移民のアル・カポネとかいってた。
 日本のヤクザより残酷なのだったら……そこから先は、本能が思考を停止させた。
 生きた心地も無いままに三十分なのか三時間なのか、運ばれた。あまり揺れなかったから、奥深い山の中で生き埋めにされるのではなさそうだ。
 またゴトゴトと物音がして、ふわっと宙に浮く感覚。斜めにされて、また水平に戻されて、不規則に揺すられる。トラックから卸されて、どこかへ運ばれているのだ。
 そんなに長い距離は運ばれなかった。
 最後に、ゴトンと硬い床に置かれる響き。すぐに蓋が取り払われて、華代は眩しさに目が痛くなった。
「巻き添えにして済まねえな。用が済んだら、無事に帰してやるからよ」
 聞き覚えのある声だった。逆光で顔の分からない男に抱き上げられて、華代はだだっ広い部屋の隅にピラミッド状に積み上げられた木箱に座らされて、さらに縄で身体を木箱に縛り付けられた。
「んんんっ……?!」
 ようやく男の顔がはっきりと見えた。華代が娼売を始めた初日に、スズの紹介で自分を買ってくれた男――青野だった。
 青野は鴉丸組の人間のはず。でも、向こうで多恵さんを囲んでいる四人の男のうちのひとりは、ソフト帽こそかぶっていないが、フォルザ一家の田所親分ではないかしら?
 そんなちっぽけな疑問は、多恵の姿を目にして吹っ飛んだ。
 おそらく倉庫だろう、広い空間の中央で――多恵は手首を後ろで縛られたまま、立たされている。その手首を、天井から垂れている太い鎖につながれていた。
「巻き上げろ」
 田所親分の言葉に子分のひとりが、太い鎖の脇でU字形に吊られている細い鎖を手繰った。
 チャリチャリチャリ……
 多恵の腕が少しずつ吊り上げられていき、水平になってからは上体が前へ傾いていく。
「んんんっ……んんんんっ!」
 多恵も華代と同じようにガムテープで口をふさがれているから、くぐもった呻き声しか漏らせない。それでも、苦痛に悶える声だと、はっきり分かる。
 やがて、これ以上は上体を倒しても直角に突き出した腕は上がらない限界に達して――踵が浮いていく。
「それでいい」
 部下がチェーンから手を放しても、天井の巻き上げ装置は逆転せず、多恵を吊ったまま止まっている。
 田所が多恵の口からガムテープを剥がした。
「これが、愛人にしようって女にする仕打ちかい?」
 ぱしん、ぱしん。田所が平手打ちを頬に見舞った。
「俺の愛人になるか、フォルザ一家のダッチワイフに堕ちるか、おまえの料簡次第だぜ」
 顎に手を掛けて顔を上げさせた田所に向かって、多恵は唾を吐き掛けた。田所の顔には届かず、唾は田所の胸を汚した。
 田所は怒らず汚れを拭いもしなかった。
「そうかい。それが返事だな」
 静かに言って、服を脱ぎ始めた。ワイシャツも脱ぎ、ズボンまで脱ぎ捨てた。下は肌に貼り付くような半袖シャツと膝丈のタイツ。そのタイツから引き抜いたのは匕首ではなく大振りなジャックナイフ。
 そのナイフを多恵の喉元に突き付けて――一気に服を切り裂いた。
 気丈にも、多恵は無言で田所を睨みつけている。か細い悲鳴のように、赤い血が腹からスカートに向かって流れた。
 そのスカートも切り裂かれ、パンティだけは田所が手で引き裂いた。
 スカートは床に落ちて下半身は剥き出し。上体は前をはだけたというよりも、布切れを背中に貼り付けている。
「若い時分は何百本と咥え込んで、挙げ句に鴉丸のお古か。まあ、鴉丸との講和条約があるから、一度は突っ込んでやるぜ」
 多恵の背後から覆いかぶさって、双つの乳房をわしづかみにした。
「ぐううう……ど畜生め」
 多恵が歯軋りする。肩をねじられている苦痛と、乳房への凌辱の苦痛と怨詛。
 田所は片手を放してタイツをずり下げると、その手を多恵の前へまわして股間を嬲る。嬲りながら、尻の谷間に逸物を擦り付ける。
 指の細かい動きまでは華代から見えないが、そうとうな手練れなのだろう。多恵が悔しそうに呻いているので、それが分かる。
「畜生……あんっ……なんだって、こんなやつに……やめとくれよ……くうう」
 田所は多恵の訴えを聞き容れて身を離した。のは、次の動作に移るためだった。
「これだけ濡らしときゃ、すんなり挿入(はい)るだろうぜ」
 田所の股間は、中年男とは思えないほどに天を衝いていた。多恵がこれまでに見たこともないほどに太く長く……醜いほどに雁首がデコボコしている。真珠を埋め込んでいると称する客もいたが、これほどではなかった。
 田所は両手で多恵の腰をつかむと、その女穴に挿入(はい)りそうもない代物を後ろから突き立てた。
「あああっ……くそっ……ど畜生め、ど畜生め……」
 多恵はひとしきり怨詛の声を発した後、田所が腰を動かし始めると黙り込んだ。
「そら、気持ちいいんだろうが。遠慮するこたあねえ。艶っぽい声で哭いてみやがれ」
 田所がゆっくりと腰を動かす――かと思えば、数回激しく抽挿する。
「あっ……やめとくれ。いやだいやだ……くそおおお」
 呪詛の声に甘い響きが混じり始める。
 ぱんぱんぱんぱん。肉を打ち付ける音が広い空間に響く。
 ふっと視野の片隅に動きを認めて、華代はそちらを見て――ぎょっとした。田所の手下どもだろうが、若い男ばかりが十人以上もひと塊になって、多恵が悶えるさまを眺めている。田所は背広、華代と多恵を拉致した連中は青野を含めて作業服を着ているのに対して、この連中の服装はまちまちだった。あえてひと括りにすれば――街のチンピラ。
 いったい、彼らは何のために集められているのか。ますます不安が募る。
「あんんっ……畜生、畜生。いやだ……駄目、くる……」
 不自然な姿勢で吊られている多恵の裸身が、いっそう不自然に反り返った。絶頂に達する……寸前で、田所は後ろへ下がった。射精したのではない。多恵の分泌にまみれた怒張は衰えを見せず天を衝いている。
「あああっ……どうして?」
 多恵が切なそうに恨みの嘆きを吐いた。
「書類にサインしたら、続きをしてやるぜ?」
 田所は多恵の耳元にささやきながら、また覆いかぶさる。体重をのしかけながら、乳首とサネを繊細に嬲る。
「ああっ……いやだ、やめとくれ」
 多恵が訴えると、田所はあっさりと引いて。
「あんんんっ……もっと……虐めて……」
 多恵に本音を吐かせる。そして、また苦痛と快楽の両方を与える。しかし、処女には地獄の激痛を年増には極楽の法悦を与える巨根は女淫に軽く擦り付けるだけ。
「挿れてほしいんだろ。サインすると言いな。いや、実印と権利書の在りかを教えてくれるだけでいいんだぜ」
 委任状など、いくらでも偽造できる。
 さすがに、多恵は幾分か正気付いて、気力を振り絞って拒絶する。
「誰が渡すもんか。あれは、うちの御城だ。こんなチンポ一本と引き換えになんかしてたまるもんか」
「それなら、チンポ十本とじゃどうかな……おい」
 田所がチンピラの群を振り返って、顎をしゃくった。チンピラどもが、多恵を取り囲んだ。
「おまえらの粗チンじゃ、束にならなきゃ勝てねえぞ。ケツも口も、まとめて突っ込んでやれ」
 ちゃりちゃりちゃり……鎖が巻き下げられて。多恵には、立っている力が失せていた。床に崩折れる。作業服姿の男が二人掛りで、多恵を縛り直した。背中にまとわり着いていた衣服の残骸を剥ぎ取って全裸にして、手首を肩までねじ上げて縛り、胸にも縄をまわす。脚は折り曲げて、開脚させて逆海老に縄を掛けた。
 縛られているうちに多恵は強いられた快楽の余韻を醒ましている。仰向けに転がされても、気丈に田所を睨みつける。
「犯るならやりやがれ。こちとら、二十人三十人のソ連兵に輪姦(まわ)されたんだ。ヘナチョコチンポの十本や二十本に泣きをいれる多恵さんじゃないよっ」
 さすがに田所は動じなかったが、チンピラどもはたじろいだ――のは、ズボンの膨らみ具合で分かる。それでも、てんでに下半身を露出して、多恵に襲い掛かる。
 仰向けの多恵に正常位の形で突っ込んで、抱き締めて寝返りを打って、背後から二人目が尻を犯す。下の男が多恵の乳房をつかんで押し上げ、上の男は多恵の喉に手を掛けて引き起こす。三人目は膝を突いて、呼吸を妨げられて半開きになった口を凌辱する。
 男どもも不自然な姿勢なので、肉を打つ乾いた音は響かないものの、サンドイッチにした女肉を三方向から貪り始めた。
 ああ、そうか。お尻の穴も使えるんだ――そのことを、華代は初めて知った。性器と口を同時に使われたことはあったが、肛門に挿入された経験はない。
「ボス。散々見せつけられちゃたまりませんです。こいつ、姦っちゃっていいですか?」
 青野が華代の肩をつかんだ。
「そういう約束だったな。好きにしろ」
「ありがたい。それじゃ遠慮なく」
 まさかそれだけではないだろうが、華代を自分のものに出来るというのが、青野が鴉丸組を売った理由のひとつらしい。
「暴れないと約束するなら、縄を解いてあげるよ?」
 猫撫で声に、背筋を悪寒が奔った。華代は多恵に倣って青野を睨みつけた。口をふさがれていなかったら、乏しい語彙のありったけで詰ってやりたかった。
「そうかい」
 青野は多恵のところまで行って、まだ残っていた縄を持って来た。
 木箱の縄をほどいて床にひざまずかせ、上体を押し倒す。
「ツボミちゃんが強情だから、こうしちゃうよ」
 華奢な華代の腰に馬乗りになって動きを封じておいて、手首の縄をほどいた。片手ずつ引っ張って、手首と足首をひとまとめに縛る。
 華代は俯せで尻を高く突き上げた形に拘束された。両脚は自然と開いてしまう。
「へへ。いい眺めだぜ」
 もちろん、眺めているだけでは済まない。スカートをまくり上げパンティを引き下げて、尻も女性器も剥き出しにした。
「ツボミちゃんは、まだ誰にもケツマンコを許しちゃいないよな?」
 そんなこと、多恵にさえ話したことはない。当てずっぽうなのか、多恵がそこを犯されるのを見たときの反応からの推測なのか。まさか、華代が寝た客の誰彼に問いただしたわけでもないだろう。
「初物は俺がもらってやるよ」
「んんんん、んんっ……」
 華代は全身を揺すって拒絶したが、その仕草は青野を誘っているようにしか見えない。
「よしよし。待っといで」
 青野がズボンを脱ぐ。
 そのわずかな合間に華代は多恵の様子をうかがって、驚きの目をみはった。
 最初の三人はとっくに終わっていて。多恵は胡坐を組んだ形で低い位置に吊られていた。その下に男が仰臥して腰を突き上げている。そして――二人の男が多恵の膝をつかんで、ぐるぐる回していた。
 田所の指図で、細い鎖が手繰られては巻き戻されている。
 つまり多恵は、女芯をミキサーのように掻き回されながらゆっくりと抽挿されている。粗チンであっても、刺激は田所の魁偉な巨根に匹敵するのだろう。
「いあああっ! あえええ……」
 縄の猿轡を噛まされているので、不明瞭な声は出せても言葉にはなっていない。
「ふへええ。こりゃまた……そう言や、イタリヤは色事の本場だったな。ああいうのもあるんかいな」
 青野が歎声を発した。
 まさか、お尻の次はあれをやるなんて言い出すんじゃないでしょうね。多恵に同情するよりも、自分の心配で華代は手いっぱいだった。
 青野も同様。多恵から目を離して、目下の獲物に取り掛かる。
「ちっと痛いけど、二度目の初体験だと思って我慢するんだよ。ケツマンコは、男も女も病み付きになるって話だからね」
 話に聞くだけで経験はないのだろう。肛門を揉みほぐしたりもせず、手に吐いた唾を怒張にまぶしただけで、いきなり挿入に及んだ。田所の指示で多恵を犯したチンピラどもを真似たのだろうが、田所には女を辱め苦痛も与えるという確たる目的があったのだろうなどという推察には欠けていた。
 おかげで、華代の二度目の初体験は、最初のときよりも甚だしい苦痛を伴う結果になった。
 最初は肛門を圧迫される著しい不快感だけだったが。ぐぼっと突き抜けられた瞬間、灼熱した杭を打ち込まれたような衝撃に襲われた。
「んんんっっっ……むぶうううう!」
 激痛から逃れようと尻を振り立てて、みずから傷口を広げる結果になった。華代に出来ることは、出来るだけ身体の力を抜いて肛門も緩めることだけだが――その知識も無かった。抵抗を封じられ痛みを訴えることも出来ず、暴辱の嵐が吹き終わるのを待つしかなかった。
 もっとも。激痛に筋肉を強張らせていたのが幸いした面もあった。あまりの締め付けに、青野は十回と抽挿しないうちに果ててしまったのだ。
 早漏は男のプライドをずたずたに引き裂く。まして、抜去した淫茎に汚物が付着していれば幻滅も倍加する。
「うへえ……」
 青野は華代の縄を解いてやることも忘れて、倉庫の隅にある水栓へ飛んで行った。
 さすがに、汚れを洗って服装も整えると。今日からは自分の女(それとも、彼の妄想の中では養女か)にするつもりの少女への気遣いも取り戻して。
「もう、ひどいことはしないから、暴れるんじゃないよ」
 縄を解き口のガムテープも剥がしてやって、華代の汚れを洗い落としてやる――のは拒まれて、水栓の前にしゃがみこんで自分で洗う華代を眺めていた。
 その間にも、多恵への凌辱は続いている。今度は吊るしたまま肛門を貫き、男たちも要領が分かってきたので、独楽のように多恵をぶん回した。これは失敗で、多恵は目を回してしまい、善がるどころではなかった。
 慈悲を願っても無駄なのは分かり切っているから。華代は青野の膝の上に座らされ背後から抱き締められ、身体をまさぐられるにまかせながら、凌辱に曝される多恵を見守るしかなかった。
 権利書は自分が持っている。そう叫びたい衝動を抑えていた。権利書があっても実印がなければ名義の書換は出来ないのだし。何よりも多恵が、死んでも城を明け渡さない覚悟を固めているのだから――青野に可愛がられている自分が、かえって惨めだった。
 暴辱はエスカレートする一方で。多恵を抱え上げて立ったまま挿入して。さらに後ろから尻も犯すどころか、膣への二本挿しまでやってのけた。すでに多恵は善がるどころか息も絶え絶え。本来の意味で逝くのではないかと華代は恐怖に駆られていた。それでも、華代は多恵の意志を尊重する、いや、殉ずる覚悟までしていた。
 十数人による凌辱が終わって、多恵はボロ雑巾のように床に転がされた。
「まったく強情な女だ」
 田所は忌々し気に――ではなく、愉快そうに嗤った。何を思ったか、まだ青野に弄くられている華代に近づいて。
「お嬢ちゃん。イソップ物語の『北風と太陽』の話を知ってるかね?」
 それを読み聞かされなかった子供など日本には居ないのではないか。この人は何を言いたいのかと、華代は訝った。
「イソップ物語は大昔のギリシャで書かれて、リナシメント・イタリアーノで世に広まった。というわけで、マフィアの強面(こわもて)といえど、良く知っている」
 話がまったく見えなかった。
「お伽話とは違って、太陽は旅人のマントを脱がせられなかった。これからは北風の出番だというわけだ。どうだね。お嬢ちゃんからも、あの女を説得しちゃくれないかな。俺の北風は厳しいぜ?」
 具体的なことは分からないが、多恵がもっと残酷な仕打ちを受けるということだけは明確に理解できた。それでも、華代は田所を睨みつけるだけだった。
「そうかい。是非に及ばずってやつだな」
 田所はきびすを返して多恵に歩み寄った。脇腹を蹴ってか細い呻き声を引き出してから、作業服姿の男たちに命じる。
「吊るせ。脚は思い切り開かせろ。猿轡は外してやれ。ヴィオレッタのアリアをたっぷり愉しみたいからな」
 たちまちに支度が調えられる。
 すでに背広を着込んでいたが、今度は上着だけを脱いで。ズボンからベルトを引き抜いた。
「こいつは特別誂えで、芯に薄い鋼が仕込んである。ドジを踏んで敵に捕まっても、まさかベルトまでは取り上げられないからな」
 バックルを握ると、近くにあった木箱をベルトで力いっぱいに打ち叩いた。
 ぶゅん、バギャン!
 箱が割れた。
「ここまで本気は出さないが……それも、おまえの心根次第だぜ」
 武器と呼ぶにふさわしい鞭で叩いてやると威されて、多恵の顔が強張った。しかし、降参はしない。
「なんだって、あんな狭い土地としょぼい店舗にこだわるんだい。誰の名義だろうと、花束売りを続けさせるには構わないのに。まあ、花束売りなんかうちの子たちに二度とさせないけどね」
「ふん。あれだけ突っ込まれてもケロリンカンか。悦ばせただけだったようだな。しかし、こいつは、そうはいかないぜ」
 田所は二歩上がるなり、ベルトを下から上へ振り抜いた。
 バチイン!
「いぎゃああああっ!」
 股間を鞭打たれて、多恵は絶叫した。反射的に脚を縮めて股間を庇おうとしたが、足首を左右に引っ張っている縄は中身の詰まった木箱につながれているので、わずかに膝を曲げて太腿と脹脛を痙攣させただけだった。
「いい声だ。だが、アルトがかってるのが珠に瑕だな」
 アリアとは、そういう意味だった。
「ソプラノとなると、あっちのお嬢ちゃんの声がそれかな」
「華代は関係ないだろ!」
 多恵が悲痛に叫ぶ。
「あの子は独り立ちできない売子だから、住まわせて面倒を見てやってるだけ。あの子に手は出さないで」
「チンポは出しちまったがね」
「三下は黙ってろ」
 青野の半畳をドスの利いた声で封じて。
「ふうむ……?」
 華代を見詰める。
 凄まじい眼光を浴びて、華代は思わず、自分を凌辱した男に庇護を求めるように、抱き締められている身体を自分から密着させた。
「目的は権利書と実印なんだろ。だったら、うちを好きなだけ拷問するがいいさ。絶対に白状しないからね」
 田所の関心を華代から逸らそうとしての挑発だったが――あるいは、華代を庇おうとする必死さを、田所の心に植え付けたかもしれない。いずれにしても田所は、まず多恵を徹底的に甚振るつもりだったのだろう。
「そうかい。では、お言葉に甘えさせてもらうぜっ」
 田所は振り返る勢いを乗せて、ベルトを水平に薙ぎ払った。
 バチチイン!
「ぎひいいっ……!」
 双つの乳房が爆ぜて、激しく揺れた。
「ふん。手加減し過ぎたか。赤くなっただけで、肌が裂けていねえぜ」
 しかし田所には、早々に多恵を壊すつもりは無いようだった。背後へ回り込んで、立て続けに斜めにベルトを振るった。
 バチイン!
 バチイン!
 バチイン!
 尻全体がひしゃげて揺れて、またひしゃげる。
 しかし多恵は、悲鳴を噛み殺して耐えた。田所を愉しませてやるつもりは無いということだが。意地を張って耐える女の風情も田所を悦ばせる――それは、彼のズボンの前を観れば分かることだが、多恵からは見えない。
 バチイン!
「ぎゃわああああっっ……!」
 尻の間から股間にまでベルトを打ち込まれて、多恵は二度目の絶唱を歌った。
 田所が満足げに目を細める。そこに宿った嗜虐の焔は、女への加虐に愉悦を見い出す男が存在するという事実を、華代にもはっきりと理解させた。
 尻を十発ばかり鞣して、次は背中を数発。それから、いよいよ本格的に正面を痛めつける。乳房も腹も太腿も左右から斜めに滅多打ち。
 最初のうちは打たれるたびにあげていた悲鳴も途切れがちになり、ついには、頭をがくりと垂れたまま、全身を小さく痙攣させるのは筋肉の反応なのか、ベルトの衝撃で揺さぶられているだけなのか。
 そこまで追い込んで、ようやく田所は手を止めた。
「どうだ。まだ強情を張るつもりか?」
 多恵は答えない。いや、答えられない。
 田所は満足そうに頷いて。
「注射をしてやれ」
 田所が声を掛けた相手に、華代は見覚えがあった。店に押しかけて来た三人のうちの、多恵が書類を突っ返した男だ。
 男は胸ポケットから小さな箱を取り出した。中には注射器が入っている。
 鎖が巻き下げられて、裸身が床に仰向けに転がった。
 男が多恵の腕に注射器を突き立てた。注射を終えると腕時計を一瞥して引き下がる。田所も背広を着直して木箱に腰掛け、気障ったらしく葉巻をふかす。
「中休みか。それじゃ俺たちも、もっとリラックスしようね」
 青野が華代の腰をつかんで持ち上げ、回復した怒張を本来の位置にあてがうと、ゆっくりと華代を下ろした。
 半年の娼婦生活でも経験したことのない体位で、刺激される部分が違っていた。が、それを味わう裕りなど、あるはずもない。
 青野は挿入したものの、まるきり身体を動かさない。それが、青野の言うリラックスなのだろう。
「そうだ。ツボミちゃんはオマンコをぎゅっと締めてごらん。腰を動かさずにお兄さんを逝かせたら、ご褒美をあげるよ」
 褒美なんか欲しくないし、ゴムを着けずに中で射精(だ)されたら困る。けれど、田所の凄まじい暴虐を見せつけられていては、青野に対しても恐怖しか感じない。華代は渾身の力で括約筋を引き締めた。
「おおお。いいねえ。それじゃ、緩めて。はい、締めて。このリズムに合わせて締めるんだよ」
 両手で華代のささやかな乳房をつかんで、もぎゅ、もぎゅ、もぎゅと揉み始めた。
 乳房を圧迫されるたびに、華代は括約筋を引き締める。
 そんな戯れ(?)は十分ほどで終わった。
 注射をした男が、まだ手首を縛られて人の字形に転がっている多恵の脇にしゃがみ込んだ。
「あなたの名前を教えてください」
 今さら何を尋ねているのかと華代は訝ったが。場違いに優しい問い掛けに、多恵は素直に答えた。
「……宇佐美、多恵」
「歳は幾つかですか」
「……三十四歳」
「あなたのスリーサイズを教えてください」
「……上から九十、五十八、九十」
 何かがおかしいと、華代は気づいた。場違いな質問ばかりだが、そう簡単にスリーサイズを教える女性など居ない。まして、質問しているのは『敵』なのに。
「権利書はどこにありますか」
「知らない」
「まだしらばっくれてやがる。薬は効いてるのか?」
「しっ……あれだけ痛めつけてあれば、抵抗力など根こそぎのはずです」
 小声で口早に説明してから、多恵に向き直る。
「では、実印はどこにありますか」
「流しの下の天板に貼り付けた」
「なぜ、権利書のありかを知らないのですか」
「華代ちゃんに預けたから、どこに隠したか知らない」
「なるほど。わざわざ巻き込んだってことかい」
 田所が華代に歩み寄る。青野が慌てて腰をずらして抜去した。瞬時に縮み上がっている。
「言わないわよッ」
 機先を制して、華代が叫んだ。
「変な注射なんかしたら、舌を噛んで死んでやるから」
 田所が苦笑する。
「そういう気にさせないためにも、たっぷりとソプラノで歌ってもらわないとな」


   蕾への拷責

 田所は華代の腕をつかんで、鎖の下へ引っ立てた。
「同じことをしちゃ芸が無いぜ」
 床に押し倒して、片足にチェーンを巻き付けて。足一本で華代を逆さ吊りにした。それだけでもじゅうぶんに苛酷なのに。
 両腕を背中へまわさせて手首を腰の高さまで引き上げてから縛り、多恵の脚を開かせていた重たい木箱を真下へ持って来て、箱の隙間に縄をくぐらせて引っ張る。最初に多恵が吊るされたときの形を上下逆転させて再現したわけだが、腕が水平まで引き下げられて、これ以上は上体が前傾していく寸前で縄止めをした。そして最後に、残っている片足にも縄を掛けて、これは縄尻をうんと延ばして別の木箱に結び付けた。
 華代の姿は、片足を真横へ突き出し両腕をひとまとめにされて背後へ突き出して、まるで一本柱の帽子掛けだった――土台が無くて宙に浮いているが。
「くっ……痛い」
 横へ引っ張られて傾こうとする身体を、水平に突き出した腕を真下へ引っ張っている。斜めにねじられているから、後ろ手を単純に上へ引っ張られるより肩の負担は大きいかもしれない。
 華代が吊るされている間に、多恵は後ろ手に縛られ正座せられていた。膝の裏側に長い角材を通されて、直角に開脚させられている。正気付けば、角材はちょっとした拷問になる。
 田所はベルトをズボンに戻して、ジャックナイフを握った。
「あっちは素っ裸なんだ。おまえも同じ姿にならねえと申し訳が立たないよな」
 ブラウスもスカートもシュミーズもずたずたに切り刻んだ。乱暴に刃を動かすので、肌に数条の赤い線が走る。身じろぎすればいっそう刃に切られそうなので、華代は身体を固くして耐えるしかなかった。
 パンティを残して、田所は壁際まで下がった。
「青野よ。こいつは、おまえのスケにするんだろ。それなら、おまえが尋問するのが筋ってもんじゃないのか」
 問い掛けではなく命令だった。
 青野が、おっかなびっくりといった態で華代に近づく。
「なあ。あんな女に義理立てしても始まらねえぜ。権利書を、さっさとボスに差し上げろや。これ以上は酷いことをされないよう、俺からもボスにお願いしてやるからよ」
 華代は顔をそむけて意志を表示した。けれど……自分が権利書を預かっていると知られてしまった。部屋を家探しされたら、簡単に見つけられる。ボストンバッグの中敷きの下に入れて、古着を詰め込んでいるだけなのだから。
 それでも。白状するのは多恵を裏切ることだと思う。
 あたしは、父さんみたいに多恵さんを犠牲にしたりはしない。
 多恵と同じように拷問されて同じように注射をされて口を割らされる。それが、多恵の恩義に報いる唯一の道だと、悲壮な覚悟を固めると――胸に切ない感情が込み上げた。
 チッと、青野は舌打ちをして。華代のパンティに手を掛けた。
「女を責めるとなったら、どうしてもここになるんだぜ。道具が使い物にならなくなるかもしれねえ。それでもいいのか」
「壊してよッ」
 華代は気丈に叫ぶ。
「壊れちゃったら、二度とツボミを抱けなくなるよ。お兄ちゃんは、それでも構わないの?」
 啖呵を切っている途中で、ふっと計算がはたらいて、あえて『お兄ちゃん』と呼んでみた。手加減してもらえるかもしれない。
 もっとも。甘えながら拒絶するという矛盾に華代は気づいていない。女が筋の通らないことを主張するのに、男は慣れているだろうけれど。
 青野には青野で、ここでフォルザ一家をしくじれば、どこにも行き場所が無くなることくらいは弁えている。
「口マンコとケツマンコがあればじゅうぶんだぜ」
 精一杯にうそぶくと、一気にパンティを引き裂いた。田所を真似て、ズボンからベルトを引き抜く。
「おらあっ……」
 振りかぶるなり、華代の股間に真上からベルトを打ち込んだ。
 パチン!
「きゃああっ……!」
 鋭い痛みが股間から脳天まで突き抜けて、華代は悲鳴をあげた。覚悟はしていたつもりだったが、予想していたよりも痛みはずっと鋭く大きかった。
「ガキの遊びじゃねえんだ。気合を入れんか」
 青野の腕が委縮していると見て取って、田所が叱咤する。
「は、はい……あらあっ!」
 バチイン!
「み゙ぎゃあ゙あ゙っ……!」
 股間を真っ二つに切り裂かれたような激痛が爆ぜて、華代はソプラノで絶唱した。身体が自然と跳ねて、肩と股関節が悲鳴をあげた。
「いい音色だ。だが、女にはいろんな楽器があるぜ。万遍なく演奏してやれ」
 持って回った言い方だが、田所がどのように多恵を甚振ったかを目の当たりにしている青野には、じゅうぶんに通用した。
 バチイン!
 バッシャン!
 バシン!
 乳房、腹部、太腿――あちこちにベルトを飛ばした。
 華代は歯を食いしばって鞭打ちに耐えた。田所を愉しませてなるもんかという意地だったし、股間への鞭に比べればまだしもだった。
「多恵に似て強情な娘だな。青野よ、北風はやめて太陽にしてみろや」
「え……?」
 逆さ吊りにしていては、犯すことは出来ない。
「シロクロショーを見せろと言ってるんじゃねえ。道具を使え」
 田所が倉庫の一隅を指さす。そこには、多恵に使った角材や壊れた木箱などが集められていた。
 青野はあれこれ吟味して、迷いながら、短く折れた角材と大きなフックを選んだ。フックは、太い鎖の先に取り付けられている物と同じだった。
「なあ。ほんとうに壊れちまうぜ。俺のためにも素直になってくれよ」
 ツボミに悪くは思われていないという幻想が、そういう言い方をさせたのだろう。
 すでに華代は『お兄ちゃん』に甘える気力が失せている。青野の言葉を黙殺した。
「そうかい。可哀想だが、ボスには逆らえねえんだ」
 青野は華代の背後へまわって。『?』の形に曲がったフックの先端を肛門へあてがった。フックの先端は細くなっている。ずぶずぶとめり込んでいく。
「……痛い!」
 次第に太くなっているとはいえ、フックは青野の怒張ほどにも太くはない。しかし断面は正方形の角をいくらか丸めた形だから、異物感は淫茎の比ではなかった。さらに――青野が手を放すと、フックとそこに残っている短い鎖の重みが肛門を引き伸ばす。激痛ではないが、凌辱されているという思いが著しい。
「これが最後のチャンスだぜ。こんなぶっといのを突っ込んだら、ほんとの本当に壊れちまうぜ」
 青野が華代の目の前に短い角材をかざした。一辺が五センチはある。対角では七センチを超えている。しかも表面はささくれている。壊れないにしても、膣の内部がひどく傷つくことは避けられそうにない。
 それでも――華代は無言で『敵』を睨み返した。
「くそっ」
 青野は吐き捨てて。華代の股間に角材を押し付けた。フックと違って先細りにはなっていない。いきなり一辺五センチの凶器を押し込むことになる。
 青野は深呼吸をしてから――両手で拝むようにして角材を押し込んだ。
 めりめり、びきびきと――股間を引き裂かれる音を、華代は聞いたように思った。ベルトの鞭打ちとは違って、いつまでも続く鋭いと同時に重たい激痛。
「がはああああっっ……!」
 華代は絶叫して。息を吐き切ったまま、口を開け喉を引くつかせて悶える。手足を痙攣させているが、腰だけは杭に縫い付けられたように動かない。悶えれば激痛が跳ね上がる。
 青野が田所を振り返った。これ以上は勘弁してやってくださいと目で訴えているのか、次はどうしましょうかと加虐の指示を仰いでいるのか。
「突っ込んだだけじゃ、女は満足しないぜ。捏ねくりながら抜き差ししてやれ」
 すでに、華代の股間には血が滲んでいる。田所の言葉通りにしたら、夥しい出血を招くだろう。
 青野が躊躇しながらも、角材を握り直した――そのとき。
「やめてええっ!」
 多恵が血を吐くように叫んだ。自白剤の効き目が薄れて、華代が受けている仕打ちを理解できるまで見当識を取り戻したのだった。
「ツボミ! もう、いい。権利書なんか渡しちまいな」
「こんな奴らに屈しちゃ駄目!」
 殺されたって、こいつらの思い通りになってたまるもんか。それは、若さ故の無鉄砲だったかもしれない。
 しかし、オトナである田所は、ちゃんと落とし所を心得ていた。
「それじゃあ、多恵。俺の牝奴隷になって、絶対服従を誓うんだな」
 いきなり我が身のことに話が戻ってきて、多恵は烈しく頭を振った。拒絶ではなく、意識をしゃっきりさせるためだった。
「なってやるさ。ビルの天辺から飛び下りろってんなら、そうしてやるさ」
 田所が苦笑する。
「牝奴隷の作法をいちから躾けてやらないと駄目だな。おい、青野よ。そろっと抜いてやりな。壊されちゃあ、稼がせられなくなるからな」
 急転直下に、青野がきょとんとする。
「あの……権利書は?」
 田所が肩をすくめた。
「そいつが持ってると分かりゃ、家探しすれば出て来るさ。それに、持ち主本人と実印があれば、権利書が無くたって面倒な手続は要るが、名義の書き換えは出来るんだ」
 華代への拷問は不要なことだったと、手の内を明かした。
「それじゃ、なぜ……?」
「言っただろ。ソプラノのアリアを聞いてみたかったのさ。それと……」
 愉快そうな声が、一転して酷薄になる。
「おまえの性根を見定めるためだ」
「それじゃ……」
 ボスの命令を忠実に実行したのだから眼鏡に適ったと糠喜びの青野。
「イタリアじゃ、女を殴る男はクズのクズだ。相手がてめえのスケとあっちゃ、なおさらだ」
 青野の心境を漫画で表現するなら、顎が五十センチも落ちただろうか。
「しかも、盃をもらった親を裏切る。約束だから一家に迎えちゃやるが、三等兵からやり直すんだな」
 海軍には四等兵まであったが、こういった場合の引き合いに出されるのは昭和の帝国陸軍だろう。その最下級は二等兵である。
「もちろん、ツボミはやらねえよ」
「約束が違う。それに、あんただって、あの女を痛めつけたじゃないですか」
 当然の反駁だったが。田所がジャックナイフをぱちんと開くと、顔を蒼白にして口をつぐんだ。
「口の利き方に気をつけろ。一度だけは見逃してやる」
「女を拷問したのは、体力と気力を根こそぎにして、自白剤の効果を高めるための処置だ」
 多恵の尋問をした男が、青野に言い聞かせる。
「若い娘のほうには拷問も自白剤も不要だということは、当然に分かっているべきだ」
 それだけの頭も回らないようでは、使いっ走り以上の仕事は任せられないと、田所が断じる。
 ――こうして、拉致監禁拷問の一幕は急転直下に大団円(?)を迎えたのだった。貧乏くじを引かされたのは多恵だったか、青野だったか。道具を壊される寸前で終わった華代でないことだけは確かだろう。

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花売娘
 後は、取って付けて接着不良の短いエピローグで終わります。
 まだ2回目の校訂中だというのに、次作「Saducation 2084」(Pirison 2084 改題)のプロットに取り掛かっています。
 かいて(何を?)ないと、気が休まらない。病気ですかね。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) 7:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 前半の「ありきたりなセックス」「ありきたりなレズ」「ありきたりな売春」を過ぎて、いよいよ!
 濠門長恭御得意怒涛的拉致監禁緊縛鞭打拷問三穴姦に突入しましたが、割と尺が短くなりそうな予感。さて、どうなりますことやら。

 今回ご紹介するのは
 不安な前途→ほころぶ蕾→マンコ椿は→
 「マンコ椿は」の章です。


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 華代のコーチ役についてくれたのは、フタバという自称二十三歳のきつい印象の女性だった。ブラウスにチョッキは多恵と同じ取り合わせだが、おままごとみたいな小さいエプロンを着けている。
「あ、そうそう。忘れるところだった」
 華代はピンク色のスカーフを手渡された。フタバとお揃いだった。そういえば、昨日の四人も同じスカーフを着けていたなと、思い出す。
「二年ばかり前までは、ほんとうに花束しか売らない小さな子もいたんでね。そのスカーフが、一輪挿しも売るって目印なのさ」
 華代はフタバを真似て、スカーフを首に巻いた。
 フタバが足を向けたのは、当然だが、数軒のバーが固まっている一画。
「ああ、あれあれ」
 フタバが薄青色の小さな看板を指差した。筆記体で、英語ではなさそうな文字が、赤青黄緑紺色で書かれている。看板の隅に、スカーフと同じ色のハンカチがピン留めされていた。
「いくつかの店は、花を買いたいって客を取り持ってくれてるんだ。あのハンカチは、客が待ってるって意味だよ」
 フタバが、そろりとドアを開け、華代の手を引いて店に滑り込む。
 店内に客は三人。脚の高いカクテルグラスを前に中年男と若い女のアベックと。カウンターの隅で寸胴形のグラスを嘗めている三十歳くらいの男。
 その男が、二人を振り返った。
「おや……ずいぶんと若いね。新人さんかな?」
 フタバに脇を小突かれて、華代は一歩前に出て頭を下げた。
「ツボミといいます。今日からお仕事を始めました」
 フタバに仕込まれた通りの挨拶をした。初物を喜ぶ客は多いという。
「ふうん……ところで、この店の名前の意味は分かってるかな。おっと、フタバちゃんは黙ってろよ」
 意味も何も。どう読むのかさえ分からない。華代は正直に答えた。
「ラルカンシェル。フランス語で『空の弓』。つまり虹だな」
 へええ、物知りなんですね――と、適当に持ち上げておく。男はこういうくすぐりに弱いとは、去年の夏から秋にかけて覚えた女の浅知恵だった。が、この男には通用しない。
「それじゃ、君たちの店の名前『椿姫』の由来は、さすがに知ってるだろうね」
 昨夜にあれこれ多恵と話した中で、聞いた覚えはあった。
「ええと……オペラ『カルメン』のヒロインですよね。たしか、ヒロインはパルチザンでしたよね?」
 男は爆笑して、アベックを振り向かせた。アベックは花売娘の姿を目にとめると、軽蔑したように顔をそむけた。
「カルメンと椿姫は別のオペラだよ。椿姫の名前はヴィオレッタだ。パルチザンじゃなくてクルチザンヌ――高級娼婦の謂だな」
「はあ……」
 教養をひけらかして、相手の無知を嗤う。いけ好かない男だと思った。向こうも、華代には食指を動かさなかった。
「フタバちゃん。今夜もショートでお願いしよう」
「出来たらツボミの相手をしてやってほしいんだけど。そしたら、次はショートの値段でロングを付き合ってあげるんだけどな」
 ツボミの面倒を見てやってくれと多恵に頼まれているだけに、フタバは粘ってくれている。しかし、男の返事は辛辣さを増しただけだった。
「勘弁してくれよ。まだ尻の青痣が残っているような子は、ストライクゾーンを大外れのワンバンも良いところだ」
 年齢が低すぎるという意味だった。
「藤原さんなら、そういうだろうね。しゃあない。三十分ばかり待っててよ。この子にお客を見繕ってやってから、また来る」
「三十分だけだぞ。こちとら、明日も仕事なんでな」
 この店は早々に退散して。ピンクのハンカチは出ていなかったが、『グラスランド』、『トリリアム』、『てんとう虫』と三軒をまわって。いわば釣針に寄ってきた男は二人。どちらも、フタバなら買っても良い(ひとりは千円に値切ってきた)が、小便臭い小娘には用が無いと、けんもほろろ。そこで、時間切れ。
「公園に行ってごらん。ひと巡りして売れなかった子が、一人くらいは居ると思うよ。あ、立チンボのグループには近寄るんじゃないよ」
 いちおうの面倒は見るが、ケツまでは持ってやらない。こっちだって稼がなきゃ干上がっちまうよと、ひとりで『ラルカンシェル』のドアの向こうへ消えた。
 見放された――と、華代は思った。三人立て続けに剣突を食わされて。身体を張って生きていこうという意気込みは、ぺしゃんこになってしまった。
 他に動きようもないので、とぼとぼと公園へ向かった。すっかり夜になっているせいだろう。常夜灯の無い公園は闇の中に沈んで、昨日見かけた立チンボたちの姿も見えない。
 目を凝らすと、ぽつんと小さな赤い光が見えた。煙草だろう。明りに引き寄せられる蛾のように、そちらへ行って見た。
「よう。ツボミだっけな。稼げたかい?」
 がさつに声を掛けてきたのは華代の次に若いスズだった。あまり機嫌の良さそうな声ではないのだが――その理由は、華代とは正反対らしかった。
「たった三十分で、突っ込んで射精(だ)して、はいサヨナラだぜ。三合目どころか、登山口で置いてけぼりだい」
「…………」
 華代は、なんと応じて良いかわからない。
 が、スズは華代の沈黙から事情を察したらしい。
「まだ宵の口だぜ。まだまだ、これからさ。おれだって、お茶を引く日もあらあ」
 慰めになっているとも言い難い。しかし、フタバよりも後輩の面倒見は良いようだ。
「おれが客を見繕ってやるよ。さっき、青野を見かけたんだ。ちぃっと変態がかってて、おれは苦手だが、おめえには向いてると思うぜ」
 変態の定義が分からなかった。たとえば少学生なら、スカートをまくる男の子はじゅうぶんにヘンタイだ。大人なら、女の服を脱がせてセックスをするのも正常な行為だ。
 ともかく。スズの言葉に悪意は感じられなかった。
「よろしくお願いします」
 当然の礼儀として華代は頭を下げたのだが、スズが一瞬きょとんとしたところを見ると、先輩後輩の間柄としても、慇懃に過ぎたのかもしれなかった。
「それじゃ行くぜ。据え膳は急げって言うからな」
 スズが先に立って公園を出かけて。公衆電話ボックスの前で足を止めた。
「たいていは『ネオシアター』でかぶりついてるはずだが、空振っちゃやだかんな。ちょいと確かめらあ。電話急げってな」
 ボックスへ入って、扉は開けたまま、ダイヤルを回す。
「もしもし。『椿姫』のスズです。青野さんがいたら、取り次いでほしいんですけど」
 しばらくして、青野という男が電話口に出たらしい。
「うちに新人が来たんだけど。なんと、新卒の子なんだ」
「もちろんさ。上の学校へ行けるようなお嬢様が、うちになんか来るはずがないだろ」
「いや、だいぶん使い込んじゃいるみたいだ。そのせいで、まともな就職先を無くしたそうだぜ」
「バカ言ってらあ。うちは花屋だぜ。水揚げに追加料金なんか取るもんかよ」
「そんじゃ、すぐ連れてくから」
「ああ? 『シャトー・ブリテン』前で待ち合わせ? 急いては事を仕損じるぜ」
 ガチャン。
「さ、行こ。青野ってのは、名は体を表わすってやつで、青い果実が大好物なんだ。胸はぺたんこ、マンコはつるつる――おめえでも薹(とう)が立ってるとか言い兼ねない手合いだかんな。オニイチャンヤサシクシテネとか、ソンナノコワイヨとか言ってやれば花束だって買ってくれるかもな」
 この当時、ロリコンという概念は広く浸透していなかった。なので、スズの言葉を華代は奇異に感じただけだった。
 ――青野という男は、三十手前くらいだろうか。背広は着ているがノーネクタイ。襟にバッジを着けている。
 まさかと思って目を凝らすと、丸い枠の中に三本脚の鴉。
 華代は慌てて最敬礼した。
「あ……お母さんが、いつもお世話になっています」
 お母さんというのは、宇佐美多恵のことである。実は年上のフジコも含めて、売子はそういうふうに呼んでいる。遊郭から引き継がれた伝統――とは、華代は知らないのだが。
 その多恵は鴉丸組組長の何号目だか何代目だかの愛人として、それなりの庇護を受けている。だから、バッジを見かけたら相応の礼儀を尽くすように、言われていたのだ。組長の子分と愛人の配下とでは、子分のほうが格上だと華代は思う。スズの態度は良くないのではないだろうか。
「おいおい。そういうのは無しにしてくれよ」
 青野が両手を前に突き出して、ひらひらと振った。
「縄張(シマリ)内を歩くのにバッジは外せねえが、こちとら使い走りもいいとこ。そっちはそっちで、そういう娼売じゃねえか。今日んところは、スケベなお兄さんとエッチが大好きなお嬢ちゃん――ということで、入ろうか」
 青野は、戸惑っている華代の手をつかんで『シャトー・ブリテン』へ引き入れた。
「稼いどいでよ」
 それが、花売娘同士の挨拶だった。
 青野は慣れた様子でフロントから部屋番号を教わって。
「何も怖いことはないからね。お兄さんについといで」
 小さな子供に言い聞かせる態で、部屋へ引き込んだ。
 急転直下の展開に、華代は立ちすくんでいる。
「初めてってのはほんとらしいな。それじゃ教えといてやるけど、何はともあれ頂くものは頂いとけよ。男ってのは、終わったら急に吝(しわ)くなったりするからな」
 青野は財布から千円札を二枚抜き出して、華代の花籠へ入れた。
「釣りは要らねえよ。あとで、花束をひとつもらおうか」
「……あ、はい。ありがとうございます」
 チップ、あるいは心付だと、華代は解釈した。
「そんじゃ、ま……お洋服を脱ぎましょうねえ」
 急に猫撫で声になって、青野は華代のチョッキを頭から引き抜いた。
 幻児言葉で甘えていれば喜ぶというスズの言葉を思い出して。まさか、そこまではしなかったが。出来るだけ身体の力を抜いて、男に身を任せる華代だった。
 男の手で裸にされることにも、すっかり慣れている。とはいえ、いっしょに風呂へ入って身体を(マンマンまで)洗ってもらったのには、羞恥と申し訳なさとが入り乱れた。郷里で華代の身体を貪った男どもは、棒を穴に突っ込むことにしか興味が無かったのだ。
 華代は性的ないちゃつきに関しては、ほとんど免疫が無かったといえる。しかし、男の好き勝手にさせるという習い覚えた習慣と、どう反応して良いか分からない戸惑いとが、期せずして青野を喜ばせたようだった。
「身体を拭いてあげるね」
 腕や脚はざっとひと拭き。胸もほとんど素通りで。股間は拭っただけでなく、前から後ろへ手拭を通してしごく。
「いやっ……」
 さすがに華代は拒んだが。
「ああ、ごめんごめん。すぐ済むからね」
 多恵も先輩たちも、客のすることに異を唱えてもよいとは華代に教えていなかった。男性経験はそれなりにあっても通り一遍のセックスしか知らない華代の『嫌』の範囲は広すぎるのではないかと懸念してのことだったかもしれない。事実、青野は割れ目に手拭を食い込ませて絞り上げるような乱暴はしなかった。
「それじゃ、ベッドで遊ぼうね」
 裸のまま青野に抱えられてベッドへ運ばれて。いったいに、この人の頭の中では自分は何歳に見られているのだろうかと、幾分は薄気味も悪かった。そして。身体のあちこちを撫で撫でされたりこちょこちょされたり――は、男の乱暴な玩弄に慣らされた華代には、くすぐったいだけで、幾分かの痛みに耐えることによって男に支配されているという実感を味わうことも出来なかった。
 けれど、そのくすぐったさを無言で耐える風情も、青野にとっては堪らなかったのだろう。
 しばらく華代の(青野の妄想の中では)幼い身体を弄くり回してから。
「ちょっとタンマしてね」
 華代の花籠を探って衛生サックを取り出した。
「こんなのを持ち歩くなんて、エッチな子だね」
 手際良く装着するついでに。
「お兄さんは大丈夫だけど、変な病気を持ってる小父さんも居るからね。ゴムは忘れちゃ駄目だよ」
 小さな子供に言い聞かせる口調で娼婦の心得を教えてくれるアンバランスに可笑しさを禁じ得ないが、はっとさせられた。妊娠の心配はしても、性病は考えたこともなかったのだ。
 意外とまともな人なのかもしれない――と見直しかけたのだが。次の台詞でぶち壊しになった。
「それじゃ、マンマンに太いお注射をするからね。ツボミちゃんはお注射が好きなんだってね」
 そんなことを耳元にささやきながら、ごく平凡な形で青野は華代を貫いた。しかし、お注射のように、ピストンのひと押しで終わらなかったのは当然だった。そして、ヤクザが堅気よりも女の扱いに慣れているのは、この男も例外ではなかった。
 性急に挿入はしたものの。そこからは華代を幻女扱いにするのはやめて、じっくりと性感を追い上げていった。ことに、上体を反らして下腹部を淫阜に押し付け淫毛を意図的にこすりつけて、華代に昨夜の凄まじい快感の残影を呼び覚まさせたのだった。残影に過ぎなかったが、それは華代が男との交わりで初めて得た純粋に肉態的な快感だった。
 事が終わっても余韻で起き上がれないほどではなかったが。セックスというのは、女にとっても気持ちの良いものなんだなと認識を改めさせるにはじゅうぶんだった。
 青野に腰を抱かれて、華代も自然と覚えた仕種で青野の腕に身体を密着させて連れ込みホテルを出て。
「やっぱり三歳の差は大きいな。スズとはダンチに良かったぜ。お茶を引きそうになったら、俺に声を掛けな。あのストリップ小屋か、組の事務所か、どっちにも居なきゃ公園で待ってな。地回りで八時と十一時にゃ顔を出すからよ」
 さすがに、スズは待っていてくれなかった。公園へ引き返してみたが、もう誰も居なかった。独りで客引き――ではなく、花売りをして良いものか迷ったので『椿姫』へ引き上げた。
 初日の売上はショート一発と花束ひとつで、千七百円。華代の取り分は千百円。青野に渡さなかった釣り銭の三百円は、華代がもらったチップということになった。〆て千四百円。他の売子に比べれば少ないが、生まれて初めて文字通り自分の身体で稼いだ大金だった。

 しかし、それは青野という少女性愛者あっての成果だった。翌日からは、いよいよ独り立ちしたのだが――結果は惨憺たるものだった。二日目も三日目も坊主。こちらの言葉で言えばお茶を引いた。
 まだ半人前なのだから半額とは言わないが、千円にまけろという客は何人かいたが。絶対に安売りはするなと、多恵からきつく言われている。ツボミは千円でやらせたのだから、おまえも千円にしろ――そういう手合いが必ず現われて、値崩れする。そうなると、立チンボの相場は千円なのだが、そちらも八百円とか七百円になって。二つのグループがいがみ合って共倒れする。立チンボは二割五分を上納することで鴉丸組に護ってもらっているのだから、組も収入が減って、三方一両損。最後のツケは多恵に回ってくる。
 四日目もお茶を引いて。華代は深刻に考え込んだ。若さは性的な未熟を意味して、それが致命的なのだが、自身の性格にも問題があるとは気づいていた。スズのような伝法肌ではないし、ユリのようにセックスが大好きというわけでもない。もちろん、舌先三寸のセールスマンみたいな話術も持ち合わせていない。そもそもが、これまでは男にされるのを受け容れてきたわけで、男を誘うなんて、したことがなかった。
 青野に買ってもらうのは、いろんな意味で避けたかった。第一に、(ベッドの上は別として)未性熟とはいえ子供も産める身体の女を幻女扱いにされる気色の悪さ。第二に、顧客が一人では絶対に長続きしない。見ず知らずの男を咥え込めるようにならなければ駄目だ。そして、多恵が世話になっている人物の子分に頼るのは、米櫃に手を突っ込むより面目が立たない。

 とにかく。お金を稼げなければ生きていけない。衣食住のうち、さしあたっては食だった。世間的には昼の時刻にずれ込んだ朝食は家で作るし、仕事を終えて深夜の軽食は、華代は朝の残り物で賄うし多恵は酒でカロリーを摂っている。しかし、夕方には外食をするのが多恵の日常だった。付き合いの良し悪しを別としても、華代も何か食べなければ身体がもたない。家の食材を消費することには何も言わない多恵も、さすがに奢ってはくれない。財布の中の残金をメニューの値段で割って、あと何食分と溜息をついてしまう。暗算は苦手だが、五百円を百二十円で割って、答えが四になろうと三になろうと、逼迫している事実は動かない。
 あと三日で文無しになると、焦燥に駆られながら、多恵の後について今日はちょっと遠くの蕎麦屋まで足を伸ばしているとき。スキップで駆けている女児とすれ違った。彼女はスカートの裾を持ち上げて、そこに両手では持ちきれないほどのお菓子を載せていた。
 スキップする気持ちも分かる、微笑ましい光景。ほとんど丸見えになっているパンツに、青野さんだったら欲情するだろうなと思った刹那――思い切り破廉恥なアイデアが頭に浮かんだ。
「お母さん。あたし、用を思い出しました。すみませんけど、お店へ戻ります」
 店へ駆け戻って。スカートに花束を盛ってみた。巻き込んでいたウエストを戻しても、うんと裾を持ち上げて前へ引っ張らなければこぼれてしまう。太腿は丸見え。姿見に移して確かめると、パンティはぎりぎり見えていないのだが。
 そうだ、どうせならと思い付いて、スカートはいったん脱いで、姿見に向かいながら太腿に口紅で文字を書いた。
ショート 千五百円
ロング 三千五百円
宿代   別途
 わざと鼠蹊部の高さに書いたので、花束をこぼさないくらいだと文字は隠れている。奇異な格好だが、夜の盛り場を歩くくらいは構わない(だろうかという疑念は押し隠す)。そして、客の前で値段を見せるときには――パンティが見えるまで裾を引っ張り上げなければならない。見知らぬ男性の前でパンティまで露出するなんて――考えるだけで、頬が火照った。けれど、花束だけでなくあたしを買ってくださいなんて口にするよりは羞ずかしくない(だろう)。
 身体を売ること自体が、一世一代の大決心大冒険だったけれど、こっちのほうがずっと度胸が要る。太腿の文字(とパンティ)を男の人に見せている自分の姿を想像すると、じんわりと股間が濡れてきた。男に抱かれたときのことを思い返すと、生々しい感覚まで甦るのだが、こっちにはそれがない。頭で考えたことがそのまま女性器に伝わって、妄想が膨らむのだった。
 さっきまで感じていた空腹なんか、消し飛んでしまった。
 高揚と羞恥とが入り混じったまま、一時間ほどが過ぎて。多恵が食事を済ませて戻って来て、華代も手伝って新しく花束を作っているうちに、売子が出勤してきた。
 最初はユリ。何人かで連れ立って営業に出かけたいからと、多恵と雑談をしているうちにスズとサツキ。さっき喫茶店でカエデを見かけたからと待つうちに彼女も現われた。
 皆が花籠に花束を盛る。花束は昨日の売れ残りを先に取って、足りない分は今しがた作ったのを使う。
「ツボミちゃんは支度しないの?」
 サツキに声を掛けられて、こんなところで羞ずかしがってたら営業なんか出来ない。それに、こんな売り方をして良いものか、まだ多恵の許しをもらっていない。
 華代は片手でスカートを持ち上げて、花束が五つでは多すぎるので三つだけをスカートに包んだ。
「これで売ろうと思うんですけど、かまいませんか?」
 多恵が返事をする前に、スズがけらけら笑った。
「まったく……若い子の考えることは理解できないわね」
 カエデが歎息したが、彼女は華代と四つしか違わない。
「あの……それでですね」
 言葉で説明するのは羞ずかしくて、華代はさらに裾を持ち上げた。
「まっ……?」
「おいおい……」
 サツキにいたっては、呆れたように。
「立チンボだって、そこまで露骨な真似はしないね」
 立チンボはショートが千円。花売娘は千五百円。それだけプライドが高い。
「あの……駄目でしょうか?」
 笑われてけなされて、華代は意気消沈。
「いや、そうでもないわね」
 多恵がそう言ってくれたので、気を取り直した。
「でも、中途半端ね」
 多恵は鋏で薔薇の花を一輪、短く切り取った。刃で棘をこそげてから、包装の下拵えに使う新聞紙を茎に巻き付けて、紐で固く縛った。
 何をするつもりかと一同が見守る中、華代のパンティをずり下げた。
「あっ……」
 スカートから手を放せば花束がこぼれるので、華代は動けない。
 多恵は薔薇の花を逆手に持って、華代の股間に挿入した。
「あの……?」
「どうせなら、これくらいはやりなさいよ」
 極限まで羞恥が高まって、ごわごわした異物感で不本意な性感を刺激されて――気が遠くなりそうだった。
「パンティは脱いでしまいなさい」
 華代が抗議しかけると、多恵は膝上でたくれているパンティを指さした。
「色が変わるほど濡れているでしょ。みっともない」
 指摘されてみると。股間が熱く火照って、じゅくじゅくと蜜が滲み出る感覚もあった。ベッドの上で男に直視されても、ここまでにはならない。
 それはともかく(ではないけれど)。見知らぬ男性に、薔薇の花で隠しているとはいえ、股間を晒す勇気が自分にはあるだろうか――そっちを考えた。でも、お母さんはこれでやれと言う。やらなければ、お客を取れなければ……文無しになってしまう。あたしには、帰れる故郷なんて無いんだ。
「それ、間違ってるぞ」
 スズが口をはさんだ。否定ではなく、いたずらっぽい響きだった。
 スズは、店内の飾り付けに使っている椿の造花を引き抜いて、針金の茎を幾重にも曲げて短くしてから、多恵が薔薇の花にしたと同じ細工をした。
「やりにくいから、もっと股を開けよ」
 華代の前にしゃがみ込んで薔薇を引き抜くと、造花を突っ込んだ。花の大きさは、むしろ薔薇よりも大きい。
「こうじゃなきゃ、おかしいだろ。店の名前が『椿姫』なんだから」
 立ち上がって。造花なんて安っぽいと言いたげな面々の顔を見回して、にやりとした。
「ほら、マンコ椿は恋の花っていうじゃねえかよ」
 どっと笑いが起こった。昨年の新人大賞を取った少女歌手のデビュー曲をもじったと、誰でも分かる。
 華代さえも笑ってしまって。すっと、肩と股間の力が抜けた。やってみよう。改めて決心した。

 華代の首尾は如何にと、五人がひと塊というか四人で華代を押し立てるようにして。ピンクのハンカチを看板に貼っている二軒のうちの『トリリアム』に、さすがに五人は迷惑だろうと、華代に続いて発案者のスズと最年長のユリとが店内に入った。
 マスターと四人の客がいっせいに振り返って――視線は華代に、正確には華代の露わな太腿に集中した。
「これは、粋な花籠だね」
 これくらいのことに驚いたり目くじらを立てていてはバーのマスターなど務まらないのだが。華代がさらに裾を持ち上げると、目を丸くした。
「たはははは。こりゃ参ったな。上も下も売物ってか。もっと近くに来て良く見せてくれよ」
 そう言って手招きしたのは、昨日だったか一昨日だったか、千円に値切ってきた男だった。
「へえ、造花か。こっちは花じゃなくて花瓶のほうが売物ってわけか」
 スツールに座ったまま腰を屈めて、椿の造花に触る――ふりをして、その奥をまさぐってきた。
 反射的に華代が後ずさる。
「おっと。買わないのに触るのはお断わりだぜ」
 スズが助けてくれた。
「もちろん買うともよ。花束は三つか。じゃあ、花瓶と込みで二千円にまけろや」
 どこまでも値切るのが好きな男だ。
 値引きは厳禁されていると、華代が迷っていると。ぽんと、スズが肩を叩いた。
「買い切りとは豪勢じゃねえか。良かったな、ツボミ」
 そうか。花束はチップみたいなものだから問題はないんだと、華代も納得した。
 指定の和風旅館『桃谷荘』へ、しけ込むというか咥え込むというか。
 チップもくれたんだから、たっぷりサービスしなくちゃ。という思いが半分と。多恵との戯れで味わった快感の半分くらいは、本番のセックスでも与えてもらおうと頑張ったのだけれど。ユリのようにあれこれ注文をつける度胸も無く。
「くそお。きつい……良過ぎるぞ」
 挿入から射精まで十分そこそこ。サネをじゅうぶんに刺激もしてもらえず、登山にたとるなら三合目あたりで終わってしまった。
 お客を相手に快感を求めるのは間違っているのかもしれない。また折を見て、多恵さんにかまってもらいたいな。そんな不満は残ったけれど、娼売としては上首尾だった。
 名目のほうの売物が無くなったので『花椿』へ引き返して。ついでに、売上は自分の取り分も預かってもらった。
「良かったじゃないか。この時刻なら、あと二回転や三回転はいけるよ。稼いどいで」
 多恵にも褒められて、ここ数日の鬱屈が吹き飛んだ。二回転だろうと三回転だろうと、サセ子だった頃に比べれば余裕だった。そうだ、同時に二人の客を相手にしてはいけないのか、今度聞いておこう――セックスをしながら、もう一人にフェラチオをするという、いわゆる3Pも華代は経験済みだった。
 ――結局、それから二人の客を取って、その夜は終わった。最初の男が言った『花瓶』の代金が四千五百円と、花束は六つ売れて一つは値引きしたから千百円。華代の取り分は三千五百円にもなった。多恵から借りていた化粧品セットの代金を返しても、まだ普通の仕事の日当分くらいは手元に残った。
 この調子で稼げれば、服もハンドバッグも新調できるな――と、いっちょまえの女めいて物欲を膨らませる華代だった。

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花売娘

 なんとなく、尺を稼いでる感が(自分では)あります。でもって、肝心のプレイはR12レベルで Flow with dish(サラと流す)です。
 そういうふうに書きたかったのだから、仕方ありません。小説作法とか御中(御大には及ばない)の指南とかに従って改変すると、Ant has come(アリ来たり)なMosquitoes cry, shark cry tooの作品になります。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) 6:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

Progress Report 5 →

 さあて。PIXIVリクエストも納品完了して。『昭和集団羞辱史/物売編(夜)』再開です。
 実は2万6千文字ばかり書き進めて。かなりプロットから逸脱して。いえ、大筋はそのまんま、エピソードがね。
 そして、今度は書き上げる予定ですが、構成が更生しようないほど破綻してると、実際に書いてみて痛感。
 前半は、細密描写も無い単純なイレッテ・ズコバックの話なんです。レズとかはありますが。
 今は、ここまで書いたところ。
 後半は、一転してハードな責めの連続ていうか、ネチネチネチネチネオナチと一晩の拷問です。ここで2万文字はいくかな。最後にエピローグを取って付けて合計5万文字。
「秘写真」が4万9千文字だから、分量のバランスはとれるでしょうけれど。

 今回は、恒例のPLOT紹介は無しで。前書きとかを掲載して、みましょう。

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花売娘

 筆者は、タイトルに凝り過ぎる悪癖がある。
 前半の物語に三文字の表題を付けたからには後半も三文字に納めたい。だから『花売娘』にした――のではない(こともないのだが)。
 前半の物語では商品が秘写真であった。そして後半では、商品は『花』ではなく『花売娘』なのである。つまりは、そういうことである。
 マッチなら売れ残りを持ち越せるが、生花となると一夜限りであろう。少女ひとり分にしろ生活費が稼げたか、かなり怪しい。春を売る隠れ蓑として花を売るというのが実情だったと思うが、ネットの怪しげな記事以上の根拠を知らないのは筆者の勉強不足である。とはいえ、筆者の作品群は妄想の産物なのであるのだから、そんなことはどうでもいいのだ(Ⓒバカボンのパパ)。
 憲兵が電マを持ち出したりポラロイドカメラで証拠写真を撮ったり、戦国時代に等身大の姿見や座布団が登場したりしなければ、軍議で「兵站」だの「遅延」だの言わせなければ、昭和時代に「企業を立ち上げる」などという表現を排除すれば、それで筆者は時代考証成れりとする。
『偽りの殉難~香世裸責め』で、全裸緊縛で引き回されるヒロインが馬上でWe shall overcomeを歌っていたのは……てへぺろ。
 そんなことよりも。当時は「処女は面倒くさい」とか「ガキに女の色気は無いし道具も未熟」として、ロリータに価値を見出さない男が多かったというほうが、遥かに重大問題である。もちろん、上流社会の未熟な少女を好んだ太閤秀吉などの例外も枚挙に暇は無いのであるし、そもそも日本の文学は源氏物語というロリコン小説を嚆矢とするのだが。
 なお、「花売娘」と「マッチ売の少女」のどちらを取り上げるかで、最後まで悩んでいたことを告白しておく。文字数で決めたのではない。「燐寸娘」とか三文字に出来なくもないのだから。しかし、暗闇の中でマッチを灯してパンティの中身を見せるという絵柄はコントラストが難しいので断念した。
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集団羞辱物売編(夜)紹介図

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report Final:首輪とピアスは服従のちかい

 脱兎のごとく脱稿しました。10万6千文字は312枚。
 ふつうなら、伏線の回収とか、広げた風呂敷にお土産を包むとかするのですが。今作は全体がそういう趣になっているので、終局点めがけて収束させていくだけのこと。
 迷っていた章題は、いっそのこと冒頭の続きと森永じゃなくて明治するために『着衣で卒業式』にしようかとも思いましたが。ま、ここらあたりが無難なことろでしょうか。


 ということで。最後の5章を一挙公開。つうても、11870文字。1章あたり7枚です。

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冬の防寒対策

 十一月も半ばになると、もう冬だぞ。全らだとはだ寒いどころか、全身がガチガチふるえる。
「冬の間は服を着てもよろしい」
 もともと、サチが常にすっぱだかなのは、おく様に下着まで全部燃やされたからだ。だから、お許しが出ても、サチには着る服が無いんだけど。おく様は冬服を新調してくださった。
 冬服……だよな。厚手のとう明なビニール製のレインコート。たしかに、着てみると風をさえぎってくれるし保温効果もある。下から風がふきこむけど、女の子はスカートだから、パンツをはいているかいないかのちがいしかない(と、自分をなぐさめた)。
 運動ぐつはずいぶんすり減って、ぱかぱか口が空いてたけど、これは大だんな様がすごく良い品(ということにしとく)をくださった。ひざの下まである長ぐつ。雪道でもすべらないように、くつの裏のデコボコが運動ぐつの三倍くらいはある。
 なんか大げさだなと思ったけど、実はまるきり小げさだった。というのは。
「すはだにレインコートだけじゃ寒いよな。これからは、運動しながら通学させてやる」
 土砂の採くつ現場で工具の運ぱんなんかに使ってる小型のリヤカーを引っ張らされることになった。もちろん、リヤカーにはご主人様と取り巻き連が乗るんだ。つまり、乗合人力車かな。
 三人が乗りこんで。ご主人様は箱の先頭でナワトビを手にしてる。
「そら、引っ張れ。ハイヨー」
 ばしん。グリップをサチのお尻にたたきつける。お遊びの、ごく軽いたたき方。
「んっ……」
 コの字形になってるハンドルの中に身体を入れて、ハンドルの両はしをにぎり真ん中にはお腹をおしつけてふんばる。動き始めはきついけど、転がり出すと楽々引っ張れる。
 ところが、お屋しきから学校までは下り坂だろ。だんだん、ハンドルをにぎっている手が前へ引っ張られら出す。その勢いにまかせてると、どんどん加速して――箱は後ろが開いてるから、いざとなったらご主人様たちは飛び降りればいいんだろうけど。サチはリヤカーにひかれちまう。だから、腕の力でリヤカーを引っ張りもどすようにしなければならない。身体全体でおすより、ずっときつい。くつの裏のすべり止めが無かったら、体重の軽いサチには手に負えないところだった。
 学校に着くころには、あせみずく。それがレインコートにこもって。今度は外気で冷やされて、気持ち悪いしふるえてくる。レインコートだから、校舎の中ではぬがなくちゃいけないから、いつもの全らにもどる。
 だけど、サチの席はいちばん後ろだろ。ストーブの横だから、けっこう暖かい。というよりも、ストーブの熱が直接はだにつきささって……サチにとっては、気持ち良いはん囲かな。
 サチがいちばん温い思いをしてるからって、ずっとストーブ当番をおしつけられてた。といっても、石炭を運ぶつらい役回りだけ。登校してすぐに、寒さにふるえながら、校庭のすみの石炭庫からバケツで石炭を運ぶのと、放課後にストーブから燃えがらをかき出してゴミ捨て場へ捨てるだけ。石炭を適量に入れて燃え広がりやすいように古新聞紙のたき付けを置いてマッチで火を点けるのと、燃え残ってる石炭に水をかけて消火するのは、けっこう面白いから、男子が率先して手伝ってくれた。
 休み時間や放課後に外へ連れ出されて遊ばれるのは、リヤカー引きよりつらいけど。男子だって身体を動かしてないと寒いから、サチをいじめてそれをながめて楽しむなんて余ゆうは無い。寒いところでオチンポを出すのもいやだし。
 教室でサチを使って遊ぶのは、女子から総スカンを食うから、ご主人様と取り巻き連くらいしか、かかわらない。だから、学校ではわりかし平和に過ごせた。
 そして、下校。お屋しきまでの上り坂が、正真しょうめいの重労働だった。三人が乗ってるリヤカーだぞ。ハンドルを手で引っ張るんじゃなくて、お腹にめりこませておし上げるんだ。最初のうちは、ずいぶんと腹筋がきたえられたな。
 わざわざ最初のうちと断わったのは。ご主人様が、単純な駅馬車ごっこにあきてきたからだ。行きも帰りも、ナワトビのグリップでお尻たたかれてるだろ。じきに破れて、丸出しにちかくなっちまった。
 それなら、腰に縄を巻いて引っ張らせようとなって。コの字形のハンドルの中で、箱につながれた。登校は下り坂だから前ハンドルにもつながれた。だから、前後どっちへ進んでもリヤカーと一体の動きになる。縄は、スリコギに巻くやつより太い三分(十ミリ)の荒縄。これも、土砂の採くつ現場にいくらでも転がってる。
 この形は、二日しか続かなかった。オマンコでホッピングをさせたりつなわたりをさせたりするくらいだから。腰に巻いた縄をフンドシみたいにしてオマンコをくぐらせて、それをリヤカーにつなぐのは、すぐに思いつく。
 ここからが、地ごくとエツ逆の始まりだった。いくら手でおし引きしようとしても、ほとんどは腰に負担がかかってくる。縄がオマンコに食いこんで、内側をこする。
「くううううっ……ぐうう……んんんん」
 気合を入れてふんばるうちに、オマンコが熱くなってきて腰がくだけちまう。
 そうなってしまうと、ナワトビでお尻をたたかれるのもエツ逆へ行ってしまう。
 ふつうに歩くより、ずっと時間がかかる。それなのに、降りてくれない。
「出来の悪いどれいをしんぼう強くきたえるのも、持主の務めだって、親父に言われてるからな」
 それで宿題がおろそかになってたら世話無いね。
 しんぼう強くきたえられたおかげで、エツぎゃくしながらふんばって歩けるようになった。そしたら、次の試練をあたえられた。オマンコに通す荒縄に結びこぶを作られたんだ。食いこむだけじゃなく、メコ穴にめりこんでくる。また、腰がくだける。
 ナワトビくらいじゃ効かないって、ご主人様も分かってきて。木の棒に変わった。それも、先っぽに細いクギを針金で巻き留めたきょう器。ぶすっ、ぐさっと、お尻をつきさす。
「破傷風の予防に、クギは火であぶって消毒してあるから、安心しろ」
 朝は台所のガスコンロ。下校時はストーブの火を消す前。それだけ念入りってことは、大だんな様の入れ知えだな。
 おかげで、傷がうんだりはしなかったけど、サチのお尻はアバタになっちまった。日焼け水着はほとんど消えてたから、傷はとても目立った。縄や鞭のあとは、どれいのアクセサリーみたいなものだから、そんなにはずかしくないけど、ニキビ面のお尻というのは、なぜそうなってるのかが、知らない人には分かりづらいから――本物のニキビやおできと間ちがわれそうではずかしかった。さいわい、春になるときれいに治ってくれたけど。


冬には雪遊び

 リヤカー引きは、重労働でオマンコも痛くて、でも、ご主人様がオチンポを固くしてくれてるのが分かったから、エツ逆できた。サチを使ってくれないからアクメには届かなかったけど、十実感があった。
 けれど、冬休みに入ってからの雪遊びは、寒くて痛いだけで、いくらご主人様がオチンポを固くしてくれても、ちっともエツ逆できなかった。
 そう。冬休みに入ってすぐに、この地方としては大雪といえるくらい、三十センチは積もったかな。
 通学じゃないんだからと、レインコートを着せてもらえず、すっぱだかに長ぐつだけで土砂の採くつ現場まで連れて行かれた。正確には、土砂を取り終わって地面を平らに均した元採くつ現場。そこなら仕事のじゃまにならないし、地面が平らだから雪遊びには最適。
 ご主人様たちといっしょに歩いてたら寒くてしょうがないので、三十メートルくらい先まで走って、Uターンしては、また先まで走った。それじゃ遊ぶまでにつかれちゃうだろって、と中からはサチをみんなで取り囲んで、おしくらまんじゅうをしながら歩いた。もう、サチのはだかなんて日常お茶づけだから、おっぱいもお尻もオマンコさえイタズラしてもらえなかった。してくれたら、もっと温まったのに。
 遊び場に着いて、まずは雪合戦。
「男と女に分かれるぞ」
 ご主人様はそう言うけど。男子は、ご主人様と取り巻き連で五人。女子は、サチだけ。
「最初に雪玉をたくさん作って、ぶつけ終わるまでの勝負だ。降参は無しだぞ」
 雪合戦て、もともと勝敗を競うものじゃない。もし競うとすれば、サチにいちばん大きな悲鳴をあげさせたやつの勝ちになるんだろうな。
 男子がいっせいに雪玉を作り始めたので、サチもいくつかは作った。どうせ、集中こうげきの十字放火は見えてるものな。
「石を入れるのは無しだぞ」
 その代わり、サッカーボールの倍くらいはあるのを作ってるやつもいる。そんなのをぶつけられるほど、白江祥女はとろくないぜ。
 いちおう雪合戦の体裁をとって、じん地に分かれて。 
「戦とう開始!」
 へん。五メートルもはなれてるんだ。へなちょこ玉に当たってたまるか。ひょいひょいとかわして、ねらい済ました一発を五郎様にぶつけてやった。左手の玉を右に持ち変えて、もう一発。投げつけて動きの止まったところへ二発食らった。
 ぼす、どす。雪玉はくだけずに、おっぱいとお腹に当たった。あく力の差だよな。サチの雪玉は、当たったしゅん間にくだけ散る。
 けど、固いったって雪だ。グウでお腹をなぐられるのに比べたら、への河童。なんて余ゆうだったのは、そこまで。次の雪玉を拾おうとしてかがんだところへ立て続けに直げきを食らった。
「きゃあっ……」
 顔に当たったので、女の子らしく悲鳴を上げた。半分はサービスだ。
「顔はやめろ」
 ご主人様は優しい。ていうか、特定のことに対してだけは優しい。オマンコやケツマンコへ於志津子をかける(注入する)のは解禁されたけど、顔へかけるのはダメ。まして飲ませたりすると――男子だったら、聡子ちゃんくらいじゃ済まないな。顔面へのグウなぐりも厳禁。ビンタは山持一家の特権で、取り巻き連にも許さない。そのかわり、おっぱいビンタはやり放題。ビンタどころか、ナワトビも物差しもOK。たいていのやつは、道具を使うよりも手の平の感しょくを楽しんでくれるけどな。
 顔へのこうげきは禁止されて。かえって、男子は張り切ってしまった。サチを取り囲んで、前後左右からぶつけてくる。これじゃ、かわしようがない。
「ようし、つかまえたぞ」
 羽交いじめにされた。
「にがすなよ。特大のやつをぶつけてやる」
 サッカーボールの倍くらいのやつを、友也くんがかかえて近づく。取り巻き連の中でいちばんでかいから、でかい雪玉が似合ってる。なんて、見とれてる場合じゃないな。
「せえのお!」
 ソフトボールかボーリングみたいな下手投げで、サチの股間をねらってきた。ので、ちょこっと足を開いてあげた。
 ぼすんっ……
「きゃあああっ……」
 これもサービス。ナワトビや荒縄できたえられてるから、ちっとも痛くないぞ。冷たくて重たいけれどやわらかいしょうげきに、オマンコが(ちょっぴり)じゅんってなった。
「あまり効いてないな」
 ご主人様にはウソ(じゃなくてサービスだけど)が通用しない。それだけ、サチのことを良く分かっててくれて――うれしいかな。
「これじゃ、的当てオニもつまらないな」
 ご主人様の意見にはサチも大賛成。寒いふきっさらしの中で仁王立ちなんて、いやだよ。
「それじゃ、雪ダルマを作ろう」
 浩二くんの提案に、だれもが気乗りうす。
「サチはどうするんだ。手伝わせるだけじゃ面白くない」
「ちがうよ。言い方が悪かった。サチダルマを作るんだ」
 説明を聞くと、みんなは乗り気になって、サチは大反対。でも、どれいがご主人様やそのお友達に文句を言う資格は無い。
 ご主人様が、サチに背負わせていたリュックから荒縄を取り出した。模型飛行機とかは別だけど、遊び道具はサチが運ぱん係をおおせつかることが多い。遊び道具じゃないな、いじめ道具だ。
 サチは後ろ手にしばられた。ご主人様はすっかり縄のあつかいに慣れて、運送屋で荷造りのアルバイトができるな。
 サチは雪の上に正座させられた。両手でお腹をかかえこんで、上体を前にたおす。背中に友也くんが馬乗りになって、サチの身体をローマ字のZをおしつぶしたような形に圧縮した。その上からぐるぐる巻きにされた。主人様はすっかり縄のあつかいに慣れて、運送屋で荷造りのアルバイトができるな。
 荷造りが終わったら横だおしにされて、雪の上をごろごろと転がされた。
 全身が冷たい。目が回る。はだに男子の手がぺたぺたふれるのに、ちっとも気持ち良くない。昔の白江祥女みたいに、ちょっと気色悪いって思うのでもない。何も感じないんだ。自分が荷物になって、乱暴にあつかわれてる気分だ。
 転がされてるうちに、だんだん雪がへばり着いてくる。雪ダルマてよりも、雪俵から首をつき出してるみたいな姿だ。それを手の平でたたいたり雪を盛り上げたりして、大きな球形に仕上げていく。
「出来上がりい!」
 浩二くんが大声でさけんで。ご主人様も取り巻き連も、パチパチとはく手。
「ちぇえ、カメラ持って来りゃ良かった」
 サチを写真にとるってのは、これまでされたことがない。カラーフィルムはメーカーの工場へ現像に出さないといけない。エッチな写真はケンエツでボッシュウされる。さすがに、大だんな様の権力も大企業にまでは通用しない。大だんな様は、そう言ってるけど。白黒写真なら町の写真屋でも現像できるし。その場で写真が出来上がるポラロイドてのもあるそうだから。
 ほんとのところは、証こを残したくないんじゃないかと、サチは感ぐってる。地方の名士くらいじゃ、週刊誌には太刀打ちできないもんな。
 それでも、サチをいじめて可愛がってくれるんだから、ありがたいと……半分くらいは本気で思ってる。白江祥女は、そんなサチを軽べつするだろうけど。
 サチダルマを作り終えると、ご主人様たちは、ふつうの子供らしい遊びを始めた。二対三で本気の雪合戦とか、また採くつ現場へ行って段ボールをもらってきて、しゃ面でソリ遊びとか。
 その間、サチはほっとかれた。案外と雪ダルマの中は暖かい。風をさえぎってくれるし、雪のすき間に空気がつまってるから、安物のマホービンくらいの断熱効果がある。
 それとも、寒さで感覚がマヒしたのかな。冬山でそう難して「ねむるな、ねむったら死ぬぞ」てやつ。でも、ちっともねむくなかったから、だいじょうぶだと判断して、おとなしくしてた。夢中で遊んでるとこをじゃましたら……こんな寒い中で本気のセッカンは食らいたくないもんな。
 そのおかげで、全身しもやけになっちまった。かゆいのもエツ逆できないって、(予想はしてたけど)初めて知ったぞ。


新年寒中水泳

 しもやけって、治りかけがくすぐったい――のは、当たり前だけど。鞭でたたかれると、すごく痛い。ふだんならうめき声すらもらさずにたえられる程度の強さでも、悲鳴を上げちまう。それが面白いらしくて、ご主人様が(手加減してはくれたけど)しょっちゅう遊んでくれるものだから、完治するのに年末までかかった。
 そして年が明けて。元日の三日目は、好例の寒中水泳行事。いっぱん参加もかんげいだけど、いちおうは神事。これに参加させられたんだ。
 サチだけじゃなくて、正太と美知は、まあしょうがないのかもしれないけど。聡子ちゃんと結花ちゃん、それにチヨお姉様まで強制参加。
 あっ、そう――なんて軽く考えちゃいけない。参加者は必ずシメコミをして、余計な衣装を身に着けてはいけない。つまり、六尺フンドシだけで、女性もおっぱいをかくせないんだ。
 サチのためにでっち上げられた決まりじゃない。百年以上の昔から変わらない伝統なんだ。ただし、参加資格が『男女を問わず』となったのは戦後から。
 神道がGHQに目の敵にされていて、はだかで冬の海に入るなんて軍国主義的だとか難くせを付けられて。男女平等なら問題ないでしょとか、変ちくりんな議論のあげくに決まったそうだ。まあ、フンドシ一本で人前に姿をさらす女性なんて、居るはずもないから、伝統は守られた――と、当時の人たちは安心したんだろうな。
 ところがどっこい。戦後四半世紀を経て時代はウーマンリブ。サチにとっては大勢の見物人の前で全らで真冬の海を泳がされたって、そんなに厳しい可愛がられ方じゃないから、おちゃらけてる余ゆうがフンドシのぶんだけはあるぞ。
 神社側はあわてふためいたろうけど、規則を破ってはいないよな。
 これって、サチをはずかしい目に合わすのが目的じゃない。全らで町中を引き回されてるんだものな。
 神事がどうとかでサチを境内へ入らせなかったことへの仕返しだ。いやがらせかな。権力を見せつけるってこと。だから、去年まではひとりも出なかった山持興産の社員も十人ほど参加して、総勢は例年の倍にふくれ上がってる。
 神社への仕返しだけじゃなく、サチをいじめ過ぎたやつへのお仕置きでもある。顔面便器と全ら土下座とじゃつり合わないと、大だんな様は考えたんだな。結花ちゃんは、サチへのリンチのきっかけを作った張本人だ。そしてお姉様は、待ち針だな。おく様の手伝いをしたんじゃなくて、勝手にサチをいじめたんだし。強列に痛い出来損ない待ち針二十本以上と、表面がすべすべした待ち針三本とじゃ、やっぱりつり合わないものな。
 つまり。罪も無いのにいじめられてるのは美知だけだ。正太は男の子なんだから、寒中水泳くらいはたん練だ。エリート校の習学院は、臨海教育がフンドシだぞ――と、学習雑誌で読んだことがある。
 でも美知は……いじめられてると言い切って良いのかな。
 六尺フンドシは、前の縦の部分が二枚重ねだろ。ところが、男はオチンポと金玉を包むからフンドシがずれないけど、女はずれやすい。だから代用品が必要だと大だんな様はおっしゃって。内側の布をよじってヒモにして、オマンコの上に大きな結びコブを作らせたんだ。
 聡子も結花も、はだから湯気が立つほどはずかしがって、なんとかし激を減らそうとして、腿をすり合わせたりガニマタになってみたり。お姉様も、もじもじしてる。
 サチは、荒縄の二重コブだって善がれるんだから、まったく物足りない。一枚になった布が盛り上がってても、はだがすけてても、物足りない。
 あ、そうだ。美知の話だった。美知も同じようにされたんだ。顔を赤くしてはだから湯気が立ってるのは、聡子たちと同じだけど。両腿をきゅっと閉めて、サチにしがみついてる。もじもじしてるように見えるけど、実は内腿をこすり合わせてる。こいつ、絶対に感じてるぞ。はずかしくても気持ち良いんだから、いじめられてるとは言えないんじゃないかな。
 神主さんが海に向かってゴヘイをばっさばっさでカシコミカシコミマウサクとか祝詞を上げているあいだ、寒中水泳の参加者は風を防ぐヨシズの中で待ってる。身体を暖め過ぎると海に入ったときに心臓マヒを起こすから、たき火は無し。かん布まさつで、寒さをしのいでるんだけど。
「今年は女子衆(おなごし)もやるんか。それも五人とはのう。これが先例になるんじゃけん、次の者らのお手本になるよう、がんばりんさいよ」
 ひょろっとしたおじいちゃんが、ひとかたまりになってるサチたちに近づいて、はげましてくれる――というのはてい正。
「若い女子は、はだの張りがちがうのう。しゃけど、おまえさんは……ずいぶんと、あざやらすり傷が多いの。このおっぱいの穴は、どげんしたんじゃ?」
 サチにぺたぺたとさわってくる。どころか、おっぱいをつかんで乳首をつまんでひねって目を近づけて、外しているピアスの穴に目を近づける。
 他人に身体をさわられても、にげないいやがらないように調教されてるから、それにさわいだら目立つし正太と美知がかわいそうだから(ということにしとく)、おとなしくしてる。ので、おじいちゃんはお尻をなでたり、フンドシの前までさわり始めた。中に手を入れられないだけましかな。
 きっと、このおじいちゃんも事情を知ってる。サチだけは好きに可愛がっても良い(送入はダメだぞ)と分かってるんだ。案外と、事前に大だんな様からそそのかされてるのかもしれない。根回しってやつだな。
 おじいちゃんがきっかけで、サチにさわってくるやつが増えた。分囲気からして、山持興産の社員――大だんな様の子分だな。ちょっとはなれた所から苦い顔でながめてる人たちは、神社の人とか、神社に協力してる青年団だろう。
 だけどなあ。おじいちゃんの言う通り、これが先例になって、女性参加者は男性参加者にさわられても文句を言ってはいけないなんてことになったら……かまわないか。どうせ、大だんな様から強制された女性しか参加しないだろうから。

 寒中水泳そのものは、ちっとも(エッチな意味で)楽しくなかった。はらい清められた海へ全員がいっせいにかけこんで、波打ち際から十メートルくらいのところにうかんでる小船のまわりをまわって、帰って来るだけ。
 海の中は、外よりも温かかった。雪ダルマに比べたら、温泉につかってるようなものだ。それでも、海から出たらぬれた身体に風が寒いので、たき火を囲んで身体をふいて。身体を温めるのにお神酒をふるまわれる。サチたちは未成年だからもらえなかったけど、お姉様が機転を利かしてくれた。自分がもらったのを一息に干して、おかわりをもらって。サチたちに横流ししてくれた。
 最初にサチがひと口飲んでから聡子ちゃんにまわした。聡子ちゃんはためらってたけど、お姉様にうながされて、しぶしぶ。結花ちゃんは素直に口を付けた。これって、きょうだいサカズキかな。それなら、サチが姉貴分になるな。
 最後に、参加者も見物者もお日様が出てくる方角(この地方からだと、東京がある方角と同じだな)に向かって最敬礼して。おしまい。
 ――きょうだいサカズキなんて、少なくとも聡子ちゃんは、みじんもそんなことは考えてなかった。三学期になっても、サチは完全に無視され続けたもんな。ただ、まあ。お屋しきへ呼び付けられたり、サチといっしょにエッチなことをさせられることはなかった。豆電球でも六光りがあるからだろうな。


誕生日の決意

 一月十五日は成人の日で祝日。サチの誕生日とはちがうけれど、明後日が日曜だから、三日もあれば慣れるだろうという理由で、誕生日プレゼントをいただいた。ケーキ丸ごとは、正太と美知のためのようなもので、サチへのプレゼントは、新しいピアスと首輪だった。大だんな様が手配して、代金はご主人様のお小づかいから出したそうだ。
 正太と美知もいるところで開けて、中身を知って、いろいろと複雑な気分になった。性どれいのアクセサリーなんだから、幼いふたりに見られるのは後ろめたい。でも、どうせ着けっぱなしになるんだから、この場で見せなくたって同じことだ。
 それに、今度のピアスはとてもおしゃれだ。上はしにすき間があるリングには、小さな銀色の板がハンダ付けだかしてあって、それぞれに文字がちょう刻されている。乳首の板は高さが二センチで横が四センチ。刻まれた文字は、ひとつが二行に分けて小さな文字でSex Slave、もうひとつは大きめの文字でSACHI。コチンコの板は高さが三センチで横は十センチに近い。でも持ってみると、重さはそんなにちがわない。板の厚みで調整してある。文字は一行でOwner GOROH。読めないローマ字は英語で、意味は前の名札と同じ。
 さっそく着けてみた。C形だから、すごく簡単に着けられるし外せる。うっかり落とさないように、切りこみを入れたパイプをかぶせる仕組みになってる。
「こういう道具もあるぞ」
 大だんな様が、ペンチを複雑にしたような工具を見せてくれた。これでパイプをつぶすと、二度とピアスを外せなくなる。金ノコで切れば外せなくはないけど、それは性どれいの身分をきょ否する意味になることくらい、サチにも分かる。
 ドキンと、心臓がはねた。忠誠を試されているんじゃないだろうか。きょうだいを養うためにいやいや性どれいを務めるのではなく、心の底から山持家の人たちにお仕えするという決意を求められてるんじゃないだろうか。
 サチにためらいはなかった。正太と美知のためなのは、もちろんだけど。つらくてはずかしくて痛くて熱くて寒くて……でも、そうされると胸がときめいて腰がうずいて、どうしようもなくオマンコがぬれてしまう。コチンコをいじめられたら……オマンコでもケツマンコでも、太くて長いもの(オチンポとは限らない)を送入されたら……アクメのかなたへふき飛ばされる。それは、性どれいじゃないとあたえてもらえないごほうびだ。
「ピアスを取れなくしてください」
 なんのためらいもなく、サチはそう言えた。
 工具がピアスをはさんで……音も無く閉め付けられて。今こそ、ほんとうに、サチはご主人様の持ち物になれた気がした。ので、オマンコからエッチなおしるが垂れてしまった。
 首輪の犬の名前を書くプレートにも、文字がほられていた。Bitch。英語でメス犬のことだけど、乱らな女性の意味もある。軽べつやののしりに使うし、セックス・スレイブよりも意味が広い。サチは、すごく気に入った。
 首輪は犬とは逆に、名前がのど元にくるようにはめる。首の後ろにくる小さな留金具も、二度と外せないようにつぶしてもらった。これからの成長をみこんでゆるめにしてくれたのが、ちょっと物足りないけど。
 コチンコの名札が大きくなってる意味は分かってるので、試しに歩いてみた。
「えっ……?!」
 名札が太腿にけられてコチンコをこねくっただけじゃない。するどいけれどさざ波のようなくすぐったさが、コチンコの根本に走った。皮をかぶってるから不意打ちにも腰がくだけたりしなかったけど――これで長きょりを歩かされるのは(うれしい)ごう問だ。
 もっとささやかだけど、乳首にも同じさざ波がゆれた。名札を良く見ると、ふちが細かいギザギザになってる。
 そうだ、思い出したぞ。春にピアスのコチンコへの正しい着け方を教わったとき、むき出しのサネがパンティにこすられると行きっぱなしになるとか、サチのもそのうち工夫するとか。それが、これなんだ。
 大だんな様、ご主人様。素敵なプレゼントをありがとうございます。でも、行きっぱなしになって歩けなくなったら、面どうを見てくださいね。九割は、本気の感謝。一割だけが皮肉。
 なるほど。慣れるのに三日はかかるなと納得して。物置小屋から外へ出て、裏庭を一周してみた。
 そんなさちを、正太は泣きそうな目で見つめていたけど、美知はちがった。
「すてきなアクセサリーだね。美知も、エッチをしてもらえるようになったら、着けてみたいな」
 この言葉が美知の運命を決めてしまった……とは、思わない。大だんな様が美知を見る目が、サチへのそれと同じくらいにねちっこいのは、とっくに気づいてる。サチと同じ年になったら、同じようなあつかいをされるだろうと、こういういやな予感は外れない。
 でも、サチが就職できるようになるとき、美知が今のサチと同じ学年になる。ぎりぎり間に合うかもしれない。それが、最大の希望でもあり、サチに出来るすべてでもある。

 そうだ。誕生日プレゼントといえば、二月生まれの美知のときには……


エツ逆の花道

「卒業生、退出」
 おっと。卒業生らしく感傷(姦傷のまちがいだな)にひたってるうちに、式が終わってた。ぼけっとしてるあいだ、ずいぶん視姦されてたろうな。オマンコがぐちゅぐちゅなのは、びんぼうゆすりでピアスとスリコギを動かしてたせいだ。イスに大きな染みが出来てるだろうけど、二度と学校には来ないんだから、知ったこっちゃないや。
 他のみんなが席を立って順番に歩き始めるとご主人様が、映画館でやるように背をかがめて小走りにサチのところへ来て――出口の横の物かげへ引っ張りこんだ。
「晴れの門出にふさわしい格好にしてやるよ」
 かろうじてお尻の丸みに引っかかって股下ゼロセンチを保ってるウルトラ・ミニスカートを腰の上まで引き上げた。まるで腹巻みたいになっちまった。
 スリコギタンポンがぬけ落ちないように太腿にしばりつけてる荒縄をほどいて、スカートのすそとウエストを後ろでひとまとめにして、ついでにサチの手首もいっしょにしばった。これじゃ、おっぱいかくしてオマンコかくさずだ。
 ポケットにしのばせていたクサリをサチの首輪につなぐ。この首輪は特製で、周囲四か所に金具が付いてる。クサリをつないだのは、のど元の金具。つまり、ご主人様が前に立ってサチを引き回すつもりだ。
 在校生も父兄も来ひんも、はく手しながら、こっちをちろちろとうかがってる。
 これ、リトマス試験紙としてもやり過ぎじゃないかな。性どれいを引き回したって、ひんしゅくを買うだけで、ご主人様も大だんな様も、七光りを増やせないと思うぞ。
 もしかしたら……サチのためにしてくれてるのかな。はずかしいことをさせられればさせられるほど、エツ逆が燃え上がるって知ってるものな。
 ご主人様とサチを除く全卒業生が、出口をくぐった。
「いくぞ」
 ご主人様が短く言って、クサリをぐいと引っ張った。逆らわずに、サチも歩き出す。
 ご主人様の心づくしに報いるために――大きく足をふみ出してコチンコの名札をけって、腰をくねらせてスリコギタンポンにオマンコをえぐらせて。出口をくぐったときには雲をふんでいる。
 出口の先に続いてるのは、在校生による造花のアーチ。みんな、げんなり顔だけど、文句はご主人様に言ってくれ。
 サチは、ひたすらいじめられて可愛がられてエツ逆でアクメするだけだ。
 ご主人様にクサリを引かれて。サチはエツ逆の花道をアクメ向かって、ふらふらとただよって行った。

[未完]
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ロリ首輪引き回し

 これから校訂です。すこし冷却してから着手するかも。
 最後の駆け足は補筆するかもですが、数行レベルでしょうから、大きくは変わらないはずです。

 次は『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』後半の Progress Report 再開ですが、それまで間が空くので、ストック記事をリリースしますか。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 14:首輪とピアスは服従のちかい(リクエストシーン)


サチ専用の針

 十一月の学芸会は欠席させられた。運動会より観客とのきょりが近いのと、ふくらみのある服やスカートはペンキで画けないせいかもしれない。
 大だんな様はPTA会長だし、町の顔役だしで、学校から来ひんに招待されて。こういうときは夫人同はん。もちろん、サチのきょうだいもご主人様も学校。広いお屋しきの中で、家政婦のチヨお姉様とふたりきりになったのは初めて。
 そしてお姉様はこれまで、おく様の助手みたいな役割にてっしていたけど、今日こそはワタシが主役と張り切った――んだろうな。準備万たん調えて、サチを風ろ場へ呼び付けた。風ろ場は、サチたちは立ち入り禁止のお屋しきの中で、ゆいいつの例外。
 タイル張りのゆかの上に、真新しいスノコがふたつ並べられてた。別の板がクギで打ち付けられて、がっしりつながってる。タイルだけだと石けんですべったり冬場は冷たいので新調したのかなと思ったら、そうじゃなかった。
 サチはスノコの上に手足を広げたいつもの形であお向けにさせられた。お姉様は細い荒縄で、スノコの横板にサチをハリツケにしていく。この一分半(五ミリ)の荒縄は、サチのスリコギタンポンのために、どっさり買いこんである。縄は手首と足首だけじゃなく、ひざの上、太ももの付根、腰、胸(おっぱいの上も下も)、首にまで巻きつけられた。
 縄が細いから肉に食いこんで、サチの身体はボンレスハムみたいにされてしまった。まったく身動きできない。モグサをコチンコのてっぺんに乗せられてもふり落とせない。サチとしては、そのほうがありがたい。自分の意志でじっとしてなくちゃならないのは二重の地ごくだし、もがいてモグサを落としたりしたら、セッカンを追加されるものな。
 だけどお姉様がサチに見せつけたのは、モグサじゃなかった。
「実は、はとこが針工場に勤めてるのよ」
 この地方では全国の針の九割を生産している――というのを、社会科で習ってる。親せきの一人や二人は、針工場とかかわりがあって不思議じゃない。
「たまにメッキの失敗品が出て、始末に困るらしいの」
 出来損ないだってのは、サチにも分かった。目の前にかざされた待ち針の表面は、ツヤがなくてザラザラしてる。なんだか太く見えるし。
「これで、良く見えるでしょう」
 わざわざ虫メガネで表面を拡大して見せてくれた。表面が毛羽立ってるというか、肉眼では見分けられないくらいに短いトゲが、びっしり植わってる。ものすごくいやな予感がしてきた。こういう予感は、絶対に当たるんだよな。
「それでね……」
 お姉様は洗面器に、細長いビンの中身を空けた。つうんとアルコールのにおいが、風ろ場に満ちる。白来品の強いお酒だろう。
 お姉様は、小箱に入れていた出来損ないの待ち針を洗面器にぶちまけて。別の小さな包みになっていたマチ針もいっしょにした。出来損ないのは頭が白、包みの待ち針は赤ばかりだった。
「頭が付けてなかったから、はとこにたのんで加工してもらったのよ。きっと、サチが気に入ると思ったからね」
 お姉様は、まだビンに少し残っていたお酒をラッパ飲みして――ケホケホとむせた。
「ふうう。風ろ場は冷えるわね」
 ぬくぬくとセーターにくるまってるくせに。サチは、はだかなんだぞ。
 お姉様がマチ針をつまみ上げた。
「うっかり針を指にさすと、すごく痛いわよね」
 乳首の名札をおさえて、右の乳首の先たんに針を真上からつきさした。
「くっっ……!」
 針をつきさされたような痛みって形容するけど、それは指を針でさしてしまったときの体験からの比ゆだ。乳首にさされるのは、何倍も痛くて何倍もするどい。乳首で冷たさが暴発するような感覚がともなってる。けど、ヤイトをすえられる激痛に比べたら、たいしたことはない――てのは、サチだから言えることで、聡子だったら泣きさけんでるな。
「ふうん。マゾのおまえは、これくらい平気なのね」
 お姉様を楽しませる義理なんかないから、こらえてるだけだぞ。
「でも、こっちはどうかな?」
 頭の白い待ち針を左の乳首につきさした。
「きひいいいいっっっ……!」
 さっきのとは比べ物にならない。乳首の中を切り刻まれるような感しょくが、おっぱい全体にひびいた。
「ふふ……良い声で鳴くわね。お屋しきにはだれも居ないから、しかられはしない。好きなだけ鳴いてちょうだいね」
 舌なめずりしながらサチの乳首をながめて、またお酒をのんだ。
「お姉様。サチも寒いです。お酒を飲ませてください」
 寒いのはほんとうだけど、身体を暖めようとしたんじゃない。お姉様によっぱらってほしくないからだ。よっぱらうと無茶をするし手元もくるう。でも、サチの忠告を聞き入れてくれないのは分かってる。だったら、お酒を無くしてしまえばいいんだ。
 作戦は失敗した。
「あら、そう。ガキのくせにお酒を飲みたいのね」
 お姉様は洗面器のお酒を手の平ですくって。
「あーん」
 自分から言っといて、今さらいやだとは言えない。観念して大きく口を開けた。
 お姉様はサチの頭を片手で持ち上げて、お酒を飲ますってよりも口をふさぐみたいにして、一気にお酒をサチの口へ放りこんだ。
「むぶふっ……」
 保健室で火事になったような、アルコールといがらっぽいにおいが鼻をつきぬけて、せきこんだのだけど、口をふさがれているから、耳がボゴッと鳴った。
 のどが焼ける。すごく強いお酒だ。
「どう? もっと飲みたい?」
「いいえ、じゅうぶんです。ありがとうございました」
 うそじゃない。たちまち、お腹がかあっと熱くなった。
「ふうん……」
 お姉様は、ちょっと考えて。ま、いいか――なんてつぶやいてから、両手に白い待ち針をつまんだ。やっぱり、お酒のせいで残こくになってる。
「これって、便利よね」
 小指で名札をおさえて乳首がにげないようにしてから、左右同時に横からつきさした。
「痛いいいいっっ……!」
 ななめ上からつきささった待ち針は乳首をかん通して、おっぱいをぬい付けた。
「おっとっと……」
 乳首をつまんでまっすぐに引きのばし。また、サチは悲鳴。
 いろんな方向からななめにぬわれては乳首を引っ張られて、まるでインディアンのテントみたいな形にされてしまった。テントのすそには血だまり。
「んふふ。ワタシはね、ショートケーキのイチゴは最後に残しとくのね。だから、まわりから先に食べちゃうよ」
 お姉様はサチの割れ目から貝の足を引っ張り出して、三本の待ち針で内腿にぬいつけた。
「こうすると、まるでチョウチョが羽根を広げたみたいね。ここは、頭かな」
 待ち針の先でコチンコをつつく。さすぞさすぞとおどして、サチをこわがら――されて、たまるもんか。そこをやられるって、最初から分かってるんだ。
「あら……ほんとに、おまえってマゾなのね。おつゆがこぼれてる」
 だって、しょうがないじゃないか。痛くて痛くて、それなのに強いお酒のせいで頭がぽわんとしてきて。だいたい、女が女のエッチなところをいじめるなんて、ご主人様も言ってたけど、レズでSMだ。二重の変態だ。ぜんぜん気持ち良くないのに、胸がねじ切られそうだ。
「まあ、いいわ。アタシだって、おまえがにくくていじめてるんじゃないものね」
 そうか。サチは男のマゾは想像できないけど、女のサドは理解できるぞ。チヨお姉様はサチより大きくて腕力もあるし、おく様の手下だから権力もあるし。サチだって、聡子が全らで土下座して大だんな様にオマンコをいじられても逆らえない姿を見たときは、ちょっぴりドキドキしたものな。
「チヨさん、これはどういうことですか」
 いきなり声が降ってきて、お姉様がぎくっと氷りついた。サチは、おく様が風ろ場の入り口に立ったところから見ているから、おどろかない。ただ、おく様はお姉様をしからないどころか、いっしょになってサチをいじめるんだろうなと、そっちの心配しかしなかった。
「あら、お早いお帰りで。お出むかえもせず、申し訳ありません」
 お姉様の氷は、すぐにとけた。
「五郎さんのぶ台を観れば、用はありません。先に帰って来ました」
 和服なんか着てお出かけしたから、きゅうくつだったんかな。
「げん関で声はかけました。返事がないので、不信に思って探していたのです」
 おく様は腰をかがめて、サチの胸をのぞきこんだ。
「この子、またそ相をしたのですか?」
「いいえ。退くつそうだから、遊んでやっていたのです」
 いけしゃあしゃあってやつだ。もし退くつしてたとしたら、それはお姉様のほうだ。
「それにしても、ひどい出血ですこと。針をさしたくらいでは、こんなになりませんよ」
「いえ、それがですね……」
 お姉様は得意満面に、出来損ないの待ち針の効能を説明した。
「それは、もう。痛がりようが倍はちがいます」
 おく様は待ち針をつまんで、指の腹でなぞって――うす笑いをうかべた。青オニでもハンニャでもないのに、サチはふるえ上がった。
「それで、この出血なのですね。お股へのイタズラは、面白いしゅ向ですこと。でも、画りょう点せいを欠いているのではありませんか?」
 似た者主従だ。というか、お姉様がおく様を見習ってるんかな。
「サチにも言いましたけど、ワタシ、ショートケーキのイチゴは最後に食べるんです」
「あら、そう。でも、チヨさんには食べさせてあげません」
 お姉様はキョトンとして。それから、おく様そっくりのうす笑いをうかべた。
「でも、おめし物がよごれるんじゃありませんか」
「それは、あなたも同じでしょ。いくらふ段着でも、血が着くと落とすのに大変でしょう」
 お姉様はけげんそうな顔をしたけれど、それはいっしゅん。
「そうでした。それに、ここは浴室ですから、服を着ていてはおかしいですね」
 お姉様は立ち上がって、広い洗い場の中で、わざわざサチをまたいだ。そして、服をぬぎ始めた。パンティをぬぐときは、わざと足でサチのお腹をふんづけたり、どころか乳首につきささってる待ち針をけ飛ばしたりした。
「チヨさんはいさぎよいのね。ワタクシも見習います」
 おく様まで、すっぽんぽんになっちまった。着物がしわになってはいけないからと、だつ衣室できちんとたたんだ。それを待つ間も、お姉様は開けっ広げになったサチのオマンコを指でくじったり、コチンコをつねったり。へん、針に比べたら……気持ち良いじゃないか。
 乳首がずきずき痛い。お姉様はお酒のせいもあるだろうけど、おく様はシラフのはず。それなのにはだかになるなんて……血のよごれを気にしてだったら、ぎせい者のサチは、それこそ血ダルマにされるぞ。大だんな様やご主人様よりも熱心に、サチで遊ぶつもりなんだ。
 胸がねじれるだけじゃなくて、心臓がバクバクしてきた。
「それはそうと。消毒にジンを使っているようですけど、チヨさんの息もにおうのは、気のせいかしら」
「あ、申し訳ありません。ちょっと、ガソリンを入れました」
 お酒にガソリンを混ぜたって意味じゃないのは、分かるぞ。父さんも、そういう言い方をして、母さんの小言をかわしてたっけ。こんなときに昔のことを思い出すなよ。
「真昼間から、いけませんね。もしかして、サチにも飲ませたのですか。なんだか、目がとろんとしていますけど」
「それは、エツ逆にひたっているからですわ。でも、ええ、少しだけ飲ませました。本人がほしがったものですから」
「まああ、なんてこと。これでは、ワタクシひとりだけが除け者ではないですか。ワタクシも共犯者になりましょう」
 目茶苦茶な理くつだな。
 おく様がお酒のビンに手をのばすのを、お姉様が止めた。
「それは、ワタシが口を付けてしまいましたので。新しいのをお持ちします」
 ばたばたっと風ろ場からかけ出して行った。ろう下を走っているのに、おく様は注意をしない。
 おく様は、だまってサチを見下ろしてる。見慣れたはだかだろうけど。サチは、お姉様のはだかもおく様のはだかも、見るのは初めてだ。
 お姉様は、真空管先生といい勝負のボンキュッボン。サチが毛ぬきを使っているところ(たまには、女の子らしく遠曲な表現をつかってみよう)は、ターザンが住んでそう。おく様は等身大の着せ変え人形ってとこかな。おっぱいもお尻も控えめ。あと一年かそこらで、サチが追いぬくかもしれない。そしたら、それを理由にセッカンされるかな。こんなに発育するのは、おまえが乱らなせいです――とか。
 お姉様は、おぼんにウイスキーのビンとコップと氷を持ってもどってきた。おく様は氷を入れずに、コップに四分の一ほどを注いで、一気に飲み干した。お姉様みたいにむせなかった。
「あまりサチを待たせてはかわいそうね。さっさと引導をわたしてやりましょう」
 おく様は後ろ向きになって、サチの上に腰を落とした。
 ぐえっとうめきたかったけど、大人の女性は体重をすごく気にしてるってのを知ってるから、サチはがまんした。おく様がサチをセッカンする理由は、サチをにくんでいるからだ。サチで遊ぶのは、ほんのついでだと思う。今は遊ぶ気持ちのほうが強いらしいから、にくまれるようなことはしない。日本刀は絶対にごめんだ。
「このピアスとやらはじゃまね。外してしまいましょう」
「やめておいたほうが、よろしいと思います。外すのも着けるのも、なかなかに難しいらしいです」
 サチからは背中しか見えないけど、きっといまいまし気な表情をうかべたんだ。コチンコがもげるんじゃないかって思ったほど強くピアスを引っ張られたもの。でも、すぐに気元は直ったらしい。
「チヨさん。こんなふうに、思い切り引きのばしておいてちょうだい」
 そんなのは、サチにとってたいした痛みじゃない。
 ぶつっ……
 音じゃなくて、はだの感しょく。同時に、真っ赤に焼けた氷がコチンコをつらぬいた。
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっっ……!」
 腰がくだけ散って、冷たくて熱いイナズマが背筋を脳天まで走りぬけた。
「痛い……ごめんなさい、許して……き゚ひいいいいっっっ……!」
 聞く耳持たないって、こういうことなんだ。二本目をつきさされて、国語の復習をしちまった。
 さらに三本目をつきさされたときは、口は開けたけど声にならなかった。
「はあ、はあ、はあ……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 サチは、ちっとも悪くない。それなのに、謝る言葉しか思いうかばない。
 このすさまじい激痛に比べたら、最初にピアスの穴を明けられたときの痛みなんて、虫さされみたいなものだ。これまでのどんなセッカンよりも、ご主人様の無茶苦茶な遊びも、文字通りにお遊びでしかなかった。心の底から、そう思った。
「これくらいで泣きべそをかいていてはダメです。まだ、オサネには針をさしていないのですよ」
 優しそうな言葉。その意味が分かって、サチは目の前が真っ暗になった。これまでの三本は、引きのばされたコチンコの、ピアスより下だ。たくれた皮につつまれてる部分だ。オサネというのは、皮をむかれた先っぽのことだ。女の子のびん感な小さなオチンポの中でも、さらにびん感な部分。本物のオチンポだったらキトウだ。キトウをなめると、サオをなめるよりも百倍は喜んでもらえる。
 これより百倍も痛いだなんて……死んじまうよ!
「おやおや。まるで引き潮ね。穴が干上がっていくわ」
 そんなにしゅん間的にかわくはずもないけれど。まだわずかに余熱が残っていた腰のおくのマグマがたちまち氷りついていくのは、はっきりと分かった。
「ちょっとかわいそうね。おまえにもガソリンを入れてあげましょう」
 お酒なんか飲みたくない。ほんとに、ちょっとでもかわいそうに思うなら、もう許してください。でも、それは口に出せない。それこそ、火にガソリンをぶっかけることになる。
 おく様は立ち上がって――お姉様と自分の下半身を見比べて。
「チヨさんのほうが良いわね。ワカメ酒って、知ってる?」
「それは……でも、あれって」
「あのね……」
 おく様にないしょ話をされて、お姉様がけらけら笑った。
「面白そうですね」
 今度はお姉様が、サチに馬乗りになった。顔の上に。でも、体重はうかしてる。
「口を開けてるのよ」
 腰の位置を調節して、サチがお姉様のオマンコにかぶりつく形にした。そして、もじゃ毛にウイスキーをちょろちょろっとこぼした。
「そら、なめるのよ。ウイスキーだけじゃなく、グラスもね」
 分かったぞ。オマンコをなめさせるつもりだ。フェラチオの女性版だな。きっと、舌を指のように動かせば喜ばれるんだろう。
 いきなりグラスのほうをなめようとしたけど、もじゃ毛からお酒がしたたって、鼻に入る。ので、ぺろぺろちゅうちゅう。さっきみたいにけむりっぽくて、なんか複雑な味。大人は、こういうのをホウジュンとか言うのかな。
 味はともかく。またお腹の中がかあっと燃え上がって。乳首の激痛がすこしうすれたように感じる。
「なに、ぼけっとしてるの。なまけてると、舌にも針をさしてやるよ」
 乳首よりは痛くないかなと思ったけど。試すつもりはない。それに、男のではなくて女のエッチなところをなめるってのは、純すいに興味もあったので。割れ目の中に舌を送入した。
 ぴくっと、お姉様の腰がはねた。びん感なんだな。それとも、サチはいじられ過ぎてどん感になっちまってるんだろうか。
 とにかく。れろれろ、ぺちゃぺちゃ。
 気持ち良くさせるのなら、メコ穴よりコチンコだ。根元から、れろっとなめ上げて、赤ちゃんがおっぱいを吸うように、ちゅぱちゅぱしゃぶってみた。
「あんっ……さすがに心得てるじゃない。おく様も試されてはいかがですか」
「おぞましい。いやがるなら、まだしも。喜んでるではないですか」
 やっぱり、おく様はサチをにくむ気持ちのほうが強いんだ。
「それを貸しなさい。ちまみれの身体にふれたくはありません」
 おく様はお姉様の手からビンを取り上げた。
 ちろちろっと、乳首からおっぱいに冷たい感覚が流れて。
「つうう……ひいいい!」
 傷口をアルコール消毒されたら、しみる。強いお酒は成分の半分がアルコールだ。
「浴室は便利ね。どれだけ出血しても、洗い流せば良いんですもの。あら、スノコはそうもいきませんわね」
「かまいませんわ。ごう問台は血みどろと相場が決まってますもの」
 そうか。これはごう問台なんだ。大だんな様もご主人様も、喜んで使うだろうな。そう思うと、また胸がねじれた。
 コチンコにもお酒を垂らされて、また(ささやかな)悲鳴。
「それでは、再開といたしましょう。この、頭が白いほうですね」
 お姉様が、サチの顔面の上で向きを変えた。
「ほら、もっと口を開けて」
 オマンコで口をふさがれた。お尻で鼻もふさがれて、息も思うように出来ない。
 ピアスが、さっきとは逆におし下げられた。サネの部分をすこしでもたくさんと出させようってことだ。
「ワタシよりも大きなお豆ちゃんだわ。でも、もっと大きくなるはずね」
 優しくなでられたり、つねってねじられたり。気持ち良いときはもちろんだけど、痛いときまでコチンコが固くなってく。痛いから興奮するんじゃなくて、痛いことをされてるってみじめさが、胸をねじって腰をうずかせるんだ。
 それがマゾというものだと思う。ただ痛いだけで興奮するんだったら、歩いてて郵便ポストにぶつかったって興奮することになる。サチは、しないぞ。
「あらあら。いったい、何本させることやら」
 コチンコに、冷たくてらざらざらした物が横からあてがわれた。はだをこする軽石じゃないかな。針でさしてもコチンコをにがさないための工夫だ。ご主人様もサチにピアスの穴をあけるときに、消しゴムをあてがったな。くやしいけど、なつかしい思い出だ。
 チクッとコチンコの先っぽちかくに針がささるのを感じた――しゅん間に、さっきよりもずっと太くて冷たくて熱い激痛が暴発した。
「も゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙っっっ……!」
 口をふさがれて声が出せなくてさえも、のどが痛くなった。
「あっ……これ、すごい」
 お姉様が、とろけた声を上げた。サチの激しい息で、オマンコをし激されたんだ。
「千代さん。腰をうかして、声を出させてやって。この子の悲鳴を楽しみましょう」
 にくまれてても、サチで楽しんでくれるんなら、それはそれでかまわないけど。エツ逆しちゃうんだけど。こんなふうに言われたら、意地でも悲鳴をこらえてやると思ってしまう。そういうささやかなていこうが、サドを喜ばすってのも、じゅうぶんに身には染みてるけど――やっぱり、意地になっちまう。
 そして、この意地をつらぬき通せないのも、分かり切ってた。
「ぎゃわ゙あ゙っっ、かはっ……!」
 のどが敗れるような痛みとともに、いっしゅんで悲鳴をはき出して、息を吸うことすらできなくなって、無言で絶きょうを続けた。
 そんなことをしたら、針でコチンコの中をえぐられるだけと頭では分かっていても、身体がかってにのけ反って――きしきしと、荒縄が全身に食いこんだ。
「ごめんなさい……許してください……死んじゃいます……」
 あわれみをこってもムダだと頭では分かっていても、勝手に言葉がこぼれる。
「へええ。おまえでも、そんなしゅしょうな言葉をはけるのね」
 さげすみとにくしみの冷たい声。でも、お姉様と同じような、ひびきが混じってる。きっと、おく様のオマンコはぬれてると思う。
「よろしいです。あと一本だけで許してあげます」
「あ、ありがとうございます」
 ほんとは、すぐに許してもらいたいけど、それは高望みだ。サチは、おく様に心の底から感謝した。
「チヨさん。オサネをまっすぐに立てていてください」
 ピアスの上下をつらぬいている待ち針を、お姉様がつまんで支えた。力は入れていないんだろうけど、上へ引っ張ってるので、治まりかけていた激痛がぶり返した。
 チクッと新しい痛みを感じたのは、コチンコのいちばん先っぽだった。
 ずぐずぐずぐっと、つきささってくる。
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっっ……ぎびい゙い゙い゙い゙い゙っ!」
 真上から身体のおくへ向かってつきさされた。金属の毛羽をまとった針がコチンコを内側からえぐりながらつき進んで、いったん止まって、針がこねくられて、もっとおくまでつらぬいた。ピアスにぶつかって、それをよけて根元まで達したんんだ。
「ひいいい……」
 針が止まっても、悲鳴は止まらない。それでも、すこしずつ痛みが小さくなっていく。
「おまえは、もうワタクシの仕付けを忘れているのですか」
 しかりつけられて、思い出した。
「……サチを厳しくセッカンしていただき、ありがとうございました」
 心をオニにして愛のムチをふるってくださったとこへのお礼なのか、マゾのサチを楽しませてくださったことへのお礼なのか、とにかく、感謝の言葉を口にしなければならない。でも、おく様の逆りんにふれるようなことをしでかしたときも「二度としません」なんていう必要はない。ていうか、禁じられている。どうせ、二度三度とくり返して、おく様とお姉様を楽しませることになるんだから。
「そうね。今日は、このままにしておきましょう。サチも、だんな様と五郎さんに、新しいしゅ向を見ていただきたいでしょうから」
 いただきたくないよ。また、遊びのレパートリーが増えちまう。
 おく様は残っているお酒をサチの乳首とコチンコにふりかけて、最後のちょびっとだけを口に注いだ。それまでは激痛のせいでよっぱらっているどころじゃなかったけど、このひと口はすごく効いた。全身がぽかぽか、頭はぽわぽわ。そして、痛みは急速にうすれていった。

 大だんな様もご主人様も、サチの無残な姿を観賞して――ズボンにテントを張ってくださった。でも、持主である五郎様の許しを得ずにここまで痛めつけるのはせんえつだと、大だんな様が判断なさって。まだハリツケにされてるサチの目の前で、お姉様をはだかにさせて、両手を頭の後ろで組むほりょのポーズで立たせて。赤い頭の待ち針を一本ずつ、サチと同じ場所につきさした。サチみたいにかん通させなくて、せいぜい五ミリかそこらだぞ。それでも、お姉様は悲鳴を上げるだけじゃなく、泣きだしてしまった。
 まあ、それがふつうなんだろうな。サチは激痛をくり返されて、我まん強くなったんだ。それとも、エツ逆は神経の働きも変えてしまうのかな。
 たった八か月で、ここまで調教されたんだ。これから三年と四か月、どこまで調教されるのかを考えると、こわくなってしまう。
 ひとつだけ、うれしいことがあった。それは、針を使うセッカンはおく様(と、お姉様)だけで、大だんな様とご主人様はやらないって、決まったんだ。ヤイトも、同じようにおく様専用のセッカン。だけど、これからも出来損ないの待ち針を使われるんだから、良く考えればちっともうれしくはない。そして、おく様の逆りんにふれないでいるのは難しかったけど、これからは――ただの遊びとしてもサチをいじめるんじゃないかな。
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needle-nipple155028.jpg
 9900文字は30枚。
 最初は俯せでお尻からとか。乳房本体や太腿もチクチクとか。それをやると50枚はいっちゃうので――ではなくて。調教とか悦虐を引き出すのが目的ではなく、可哀想な少女をひたすら虐める女の残虐さ故に。ということに、しときます。
 発案者はチヨだし、奥様は後から加わっただけですから、チヨだけが罰せられるのは当然ですね。
 しかし。書いてて恐ろしくなりました。サチはすでに Ultra Super Dreadnought class のハードマゾになっちゃってます。あと三年以上も調教されると人外魔境に到達しますな。
 少年漫画のパターンです。次々と強敵が現われて、次々とバトルにしろ技にしろ膨れ上がっていくという。
 続編の難しさ――でしょうか。妄想竹を暴走竹にしてしまった作者の罪でしょうか。
 もう、行きつくとこまで突っ走るしかアリマッセンデンの宇宙。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 11:首輪とピアスは服従のちかい(リクエストシーン)


秋祭の大人姦

 九月の終わりには秋祭。サチは一月生まれだから来年だけど、ご主人様は今年が年男。なので、あんまり楽しくなさそう。
 この神社では本祭の前にお昼から、初めて年男・年女になった子を祝う特別の行事がある。年男は六尺フンドシですはだにハッピ、年女は腰巻で胸にサラシを巻いてハッピ。神主さんに祝詞を上げてもらって、男子はスモウ。女子は三十キロのミニ米俵を担ぐ。
 神事だから、勝てなくても担げなくてもバツとかは無いけど、きまり悪いよな。それに、女子は巻きスカートだと思えば(ノーパンでも)それほどじゃないけど、男子はお尻とソケイ部丸出しだろ。それがはずかしいらしい。サチを見習えってんだよ。
 だからかな。お祭にはサチを連れてくって、ご主人様は大だんな様の忠告を聞かなかった。
 ぼんおどりほどじゃないけど余所者もやって来る。屋台の人たちは、みんなそうだし。
 だけど、大だんな様も強くは言わなかった。後から思い返してみれば、権力があっても思い通りにならないこともあるって実体験させようという英才教育だか親バカだったのかな。
 余所者の目がどうこう以前に。鳥居の手前で足止めを食った。
「はだかの女子(おなご)など、境内に入れるわけにはいかん」
 人混みの整理にあたってた小父さんにしかられた。
 ボクは山持の息子だぞ。
 いくら山持のぼっちゃんでも、神事の決まり事は守ってください。
 おし問答のうちに、ネギっていうんだっけ。神主さんでもミコさんでもないけど神社の人で、白い和服にハカマの人までやって来て。
 サチを連れて引き返すか、サチを帰して神事に参加するか、どちらかにしなさいということになった。
 ご主人様は思い通りにならなくて、ぶんむくれて。サチに八つ当たり。サチを追い返すんじゃなくて。ちょっと引き返したところで、林の中へ連れこんだ。
 大きな木の前にサチを立たせて、後ろ手に木の幹をだく形にさせて。あいにくとサチをしばってなかったので縄が無くて。でも、引き回しのための首輪とクサリがあったので、首輪を手じょうみたいにして手首をくくった。
 クサリは首輪から外して、留金具をコチンコのピアスにつないで垂らした。つるされてる木の棒の名札には慣れちまってるけど、その何倍(十倍以上?)も重いクサリで、コチンコが引きのばされて……痛いなんてもんじゃない。なのに。
「神事が終わるまで、大人しくしてろよ」
 ぶるんとクサリを波打たせて、サチから絶きょうを文字通りに引き出してから、ご主人様は気元良く鳥居へ向かった。
「痛い……痛いよ……」
 クサリのゆれが止まっても、サチのうめき声は止まらない。足をちょっと開いて見下ろすと、コチンコがちっちゃな男の子のチンチンくらいにも長く引きのばされてるのが見えた。ピアスでたくれ上がってる包皮のところがのびてるから、ずるむけのオチンポそっくり。
「痛いよ……」
 あまりの痛さに身もだえしてクサリがゆれて、いっそうの激痛におそわれる。どうして、こんな片手落ちにしたんだろ。ピアスは針金を丸く曲げてある。一周したところから円の中心に向かって棒がつき出してるけど、丸い部分にクサリを通すだけのすき間はある。クサリはじゅうぶんに長くて地面でのたくってるんだから、折り返して乳首もいじめれば、ご主人様は、もっと楽しめたと思うぞ。
 サチがエツ逆にのたうちまわりたいんじゃない。ご主人様のお気にめすようにふるまうのが、どれいの心構えっていう、それだけだぞ……と、いうことにしとく。
 十分もすると、片手落ちじゃなくて優しさだと分かってきた。コチンコだけでも厳しすぎるくらいだった。余ってるクサリを乳首から垂らされてたら、絶対に門絶してた。
 今だって、なんとかコチンコにかかる重みを減らせないか、そればかりを考えてる。
 内股になってクサリをひざに乗せて、足を曲げ……
「ぎひいいっ……」
 じゃらっとクサリがすべり落ちて、コチンコが千切れたと思ったほどの激痛が走った。
 ご主人様がもどって来るまでおとなしく激痛にたえるしかないのかな。でも、祝詞とスモウでニ三時間はかかる。
 心細さと不安とエツ逆の胸苦しさは、けれどそんなには続かなかった。
 男の人がひとり、しげみをかき分けて姿を現わした。ねじりハチマキをしてダボシャツにステテコ。腹巻をしてるのは、お腹を冷やさないためじゃなくてお金を入れるため。屋台の小父さんたちは、ユニフォームと言っていいくらい、同じ格好をしてる。
「小うるさい若造だぜ。ションベンくらい、好きにさせろってんだよ……おやあ?」
 真正面だもの、サチに気づかないはずが無い。気づくのが何秒かおくれたのは、真っ昼間からよっぱらっているせいだろう。
 小父さんは、目をごしごしこすってからサチに近寄って……それから、しげみをふり返って大声を張り上げた。
「ヤス、キョウタ。ちょっと来てくれ」
 すぐに同じ姿の男が二人、サチの前に立った。二人とも、最初の小父さんより若い。といっても、お兄さんてほど若くはなくて、三十は過ぎてるんじゃないかな。
「げん覚じゃねえよな。こうやってさわれるんだから」
 小父さんが、さわるってよりも、ぺちぺちと乳房を(名札ごと)たたいて、オマンコと名札も――ほとんど、わしづかみ。
「痛い……やめてください」
 後から来た二人は顔が赤くないから、そんなによっていない。すぐ名札に気づいて目を近づける。
「どれいのサチメちゃんか……待てよ?」
 しゃがみこんで、コチンコの名札をひねって裏返した(痛いよ)。
「山持ったら、このあたりの一番の顔役じゃねえか」
「そんなやつが、こんなガリを囲って……るにしても、こりゃ何の真似だ?」
「五郎様は、大だんな様の息子さんです」
 大だんな様のメカケだなんて誤解されたら、大だんな様のコケンに関わる。とっくに股間には関わってるなんてダジャレを思いついてる場合じゃないな。
「五郎様は年男の神事に行きました。サチは境内へ入れないので、置いていかれたんです」
「犬っころみたいに、つないでか?」
「よし。この子にも五郎様とやらにも、大事な物を道ばたに置いとくとどうなるか、教えてやるか」
 よっぱらいの小父さんが、呼び寄せた二人の話を強引にまとめたんだか、さえぎったんだか。
「教えるって……?」
 小父さんは、しゃがみこんでいる若い人をおしのけて、コチンコのピアスからクサリを外した。激痛は消えて。小父さんがあれこれピアスをいじるもんだから、ぬれてきちゃうじゃないか。
 簡単には外せそうにないとあきらめたんだろう。木の後ろへまわって、サチの手首をくくっている首輪を強引にぬき取った。手首をこねくられて、ねんざするところだった。
「それじゃ、ちょっと小父さんたちとお医者さんごっこをしような」
 男なんて、みんな大助平でエッチだ。
 だけどサチだって。オトナのオチンポが三本(なんて数え方だよ)だぞ。ヤマカンでは体験出来なかった『中イキ』を期待してないと言えばウソになる。ピルのおかげで、にんしんの心配が無いもんな。
「やめときましょうや、コバさん。顔役をおこらせちゃまずいですよ」
「バカヤロウ。顔役だろうが尻役だろうが、ネスゴロウがテキヤにケンカを売れるかよ。オレたちが総スカン食わせりゃ、祭なんかふっ飛んじまうんだぜ」
 分からない言葉もあるけど。屋台がひとつも出なけりゃ、祭もぼんおどりも人が集まらないだろうな。
 そんな問答で間延びして。ふっと気づくと、しげみにひそんで、こっちをのぞき見している顔があった。ヤマカンだった。
 あああっと、いくつかのことに思い当たった。
 絶対に『中イキ』なんかしちゃいけない。どころか、てってい的にていこうしなくちゃならない。おく様に告げ口されたら、またヤイトだ。いじめられて可愛がられるのが好きなサチでも、ヤイトだけは二度とごめんだ。
 そして、もうひとつ。ここにもヤマカンて、ぐう然が過ぎないか?
 コバって人は、立ちショ便しようとして『若造』にとがめられたから、ここへ入って来たんだよな。もしかすると、それがヤマカンだったんじゃ?
 とすると。おかしのことをおく様が知っていたのは、ヤマカンが告げ口したから?
 でも、何のために?
 ヤマカンがおく様にそそのかされてサチを犯したと考えると、ストンと納まる。大だんな様が言ってた「そういうこと」がどういうことかも分かる。
 おく様は口実を設けて、サチをいじめたかったんだ。これって、大だんな様やご主人様のやり口に似てるぞ。サチがにくいだけなら、問答無用でセッカンすれば良いのに。それとも、大だんな様とご主人様に遠りょしたのかな。
 いっしゅんのうちにそこまで考えたけど、時間切れ。
 コバって人におしたおされた。
「こんな格好してるんだし『どれい』なんだろ。そんじょそこらの商売女より慣れてるんじゃねえか?」
 子供から見たら、どんな大人だってでかい。そのでかい身体でサチをおさえこんで、オマンコに指をつき立ててくる。
「なんだ、ぬれてるな。しかも……おい、二本でもすんなり入るじゃねえかよ」
 その二本でオマンコの中をかき回してぬき差しする。
 ずぷずぷにゅるにゅる……くそ、気持ち良くなっちゃだめだ。ヤマカンが見てる。ヤイトが待ってる。
「やめてください。知らない人とセックスしたら、ご主人様にしかられます。セッカンされます」
 とっさに出たのは、女言葉だった。サチもすっかり調教されちゃってるな。
「だまってりゃ分からねえよ。終わったら、元通りにしばっといてやるからよ。もたついてると人が来て、それこそゴシュジンサマとやらにばれちまうぞ」
 コバは指をぬいてくれたけど、それは別の物をつっこむ準備だった。ステテコをパンツごとずらして、大きくはなってるけどうなだれているオチンポを手ににぎった。
「ちっ……立て、立つんだ、ジョー!」
 すり切れるんじゃないかって、こっちが心配するほどしごく。
「コバさん、飲み過ぎですよ」
「るせえ。三十にして立つ、四十にしてまどわずだ」
 この小父さん、けっこう面白い――なんて共感してる場合じゃないんだぞ。
「やめてください。大声を出します」
 言うんじゃなかった。ごつい手の平で口をふさがれた。しょうがない、本気で反げきするぞ。おしたおされてたって、性どれいに成り下がってたって、伝家の宝刀、真空飛びひざ金的げりはさびついちゃいないぞ。
「んっ!」
 気合を入れて、ひざをけり上げた。ぐにゅんとキンタマの足応え。
「ゔごっ……!?」
 コバがもんどり転がって、両手で股間をおさえてもだえる。
 大声を出すひまもなく、見物してた二人のうちのひとりが、サチに馬乗りになって口をふさいだ。こいつら、どうあってもサチを犯すつもりだ。
 コバは軽くケンケンをしてキンタマを下げて。
「このガリゃあ……痛い目を見ねえと分からねえようだな」
 パンツをぬいで丸めて、サチの口におしこんだ。
「キョウタ。手をおさえとけ」
 両手をつかまれて、頭の上まで引き上げられた。
 馬乗りになっていたやつ(こっちがヤスだ)がずり下がって、両足をおさえる。こういうことに慣れてる感じだ。
 コバがあらためて馬乗りになってきて。
 バシン! バシン!
 顔がふっ飛んだと思ったくらいの強れつな往復ビンタ。目の前が赤く染まって黄色い星が飛び交って、耳がキインと鳴った。
「ここの様子じゃ、オマツリにゃ慣れてるんだろ。いい子にしてたら、優しく可愛がってやるぜ?」
 尻を太腿までずらして、また指でオマンコをくじる。ちっとも気持ち良くないぞ。
 サチはコバを正面からにらみつけてやった。そうすると、半年前の白江祥女がよみがえってくる。こんなくさいパンツなんかじゃなく、そのオチンポを口につっこんでみろよ。かみ千切ってやるから。
 その気白はコバにも伝わった。そして、やつのきょう暴性をさらに引き出してしまった。
「そうかい。どうあっても逆らうってんだな」
 ここをなぐってやるぜとばかりに、コブシをヘソの上におし付けて。
 ボスン!
「んぶっ……!」
 激痛。苦いはき気がのど元までこみ上げる。
 ボスン! ボスン!
 さらに二発たたきこまれて、白江祥女はくだけ散った。でも、性どれいのサチはご主人様のために操を守るぞ。なんか、根本的に間ちがってるような気がするけど、考えない。
「コバさん。相手はガリですぜ。手加減しないと殺しちゃいますよ」
 チッと舌打ちして。パシン、パシンと、軽い往復ビンタ。
 それが暴力は終わりの合図に思えた――のは、半分だけ当たってた。
「逆らったらどうなるか、分かったか?」
 こくこくとうなずいた。
「素直に股を開けや。もう味は覚えてるんだろ。三人がかりで楽しませてやるぜ」
「むううううっ……」
 なんとか分かってもらおうとして、首を横にふってから、できるだけ敵意をかくしてコバを見つめた。
「なんだ? 何か言いたいのか?」
 こくこく。
 パンツを口から引っ張り出されて、しゃべれるようになった。
「好きなようにしたら良いでしょ。サチはていこうなんか出来ないんだから」
「ははは、参ったな。強 してくれってたのまれたのは初めてだぜ」
 他の二人もお追従笑い。
「それじゃ、遠りょなく、そうさせてもらうぜ」
 コバは腰をうかして、サチの両足を肩に担いだ。お尻が宙にういて、装入に絶好の高さと角度になった。そうか、こういう形もあるんだなと、みょうな感心をしてしまう。
 本人は遠りょしてないんだろうけど、息子のほうはそうでもないみたい。
「ちくしょう。てめえがごちゃごちゃしやがるから……」
 オチンポをしごくのをやめて、コチンコの名札を引っ張った。引っ張りながらねじる。
「痛い痛い……やめてよ、千切れちゃう!」
 ヤイトをすえられたときよりも痛い。脳天まで真っ赤に焼けた氷の柱がつきぬける。むじゅんしてるけど、そうとでも形容するしかない。
「サチはフェラチオも出来ます。しゃぶって固くするから、許してください」
 これ絶対、ヤマカンはおく様に告げ口するだろうな。でも、背に腹は代えられないってやつだ。
 でんぐり返しの形にされたまま、半立ちしたオチンポを口につっこまれた。半年の間に覚えたテクニックを総動員して、見知らぬ大人のオチンポをふるい立たせようと務める。
 ヤマカンはオマンコをちょこっと犯しただけだから――オトナのオチンポをくわえるのは、大だんな様に続いて二人目だ。
 ご主人様とのサイズのちがいを、つくづく身体で感じている。けど、それ以上に、大人のおそろしさに……くそ、干上がってたのに、ぬれてきちまう。
 ご主人様にしても大だんな様にしても、こんなひどい暴力は、サチにふるったことがない。見ず知らずだと、無茶苦茶が出来る。てよりも。相手が子供だから、見下してるんだ。大だんな様もおく様も大人だけど、サチは可愛い息子が大切に(かなあ?)してるオモチャだから、手加減してくださってるんだ。
 つまりサチは初めて、大人の本気の暴力に……くっ服させられたんだ。これまでだって、サチの意思なんか無視されて、絶対の服従を強いられてきたけど。逆らったときのお仕置は、それで大だんな様やご主人様が楽しんでた。でも、これは……絶対的支配者の感情まかせの暴力だ。
 こわい……わざと逆らってお仕置されたいなんて、絶対に思わない。だけど、あまえなんか混じる余地の無い清々しさがある。
 それに……こうやって、一生けん命にご方仕したら。
「なんちゅうガリだ。もう、いいぞ」
 あらためて組みふせられて。スリコギタンポンかと思ったくらいの太いオチンポで、一気につらぬかれた。ぎちぎちと穴をおし広げて、ずんっとおくにつき当たる。
「あううっ……きついよお」
 もうちょっとでハートマークが付いちまう。
 絶対の服従。逆らったら半殺し。でも素直に従ってたら、すごい快感のごほうび。
 コバさんは、サチがにくくていじめてるんじゃない。自分が満足したいから、サチを使ってるんだ。だから、なぐられたのをうらんじゃいない。サチが、おく様のセッカンがこわいとか、そんな自分勝手な理由でコバさんに逆らったのがいけないんだ。
 そんなふうに考えてしまうのは、サチがマゾだからかな。
 がんばってご方仕したのに、コバさんは満足しなかった。サチが悪いんじゃないぞ。お酒のせいだ。オマンコがこわれるんじゃないか、オチンポがすり減るんじゃないかってくらい、しつこく激しく腰をサチに打ちつけて。
「くそ、オレも焼きがまわったぜ」
 両手でサチの乳房をつっ張って身体を起こした。
「四十にしてインポを知る、ですかい」
「バカヤロウ、ちゃんとつっこめたじゃねえか。長持ちするようになっただけだわい」
 負けおしみだな。
「オレはちょっとよいを冷ます。おまえら、先にやっとけ」
「それじゃ、まあ……」
 あまり手間取ってたら、セミが心配だとか季節外れなことを言って。手っ取り早くやっつけようぜと――サチを四つんばいにさせた。そして、二人が前後に立った。
 やっぱり時間の節約で、悪ガキ相手には何度も経験してるけど、オトナのオチンポが二本じゃきついかな。なんて、期待半分してたら。オマンコが空いてるってのに、ケツマンコのほうへねじこまれた。
「ぐうううっ……」
 先に指でくじられてたから予期してたし、大だんな様で慣らされてるから、すんなり入ったんだけど。腸の中を洗ってないんだぞ。金山寺ミソにまみれたって八つ当たりするなよ。なんてことは胸の内にしまって。
 後門のオチンポが収まったところで前門のオチンポに取りかかる。あーんと大きく口を開けて、ぱくんあむあむ。こっちも大だんな様にきたえられてる。
 けど、ウインナーでなくサラミソーセージが二本てのは初体験。食べ応えがある。
 サチのテクニックが上達してるのか、この人が早ろうなのか。ご主人様の取り巻き連よりよっぽど早く射精しちゃった。勢いとか量は、大人だからってすごくはなかった。この人よりずっと年上の大だんな様のほうが、ずっとすごいぞ。
 そういうふうに仕付けられてるから、口に入れ(られ)たものをはき出すようなお行義の悪いことはしなかった。そしたら、感心された。寒心かもしれない。
「何も言わなくても、飲みやがった。どんな教育を受けてるんだよ」
「教育じゃなくて調教ってやつだな」
 コバさんは、SMのたしなみ(?)があるみたいだ。
「よっしゃ。このガリならいけるかもな」
 ひとり合点にうなずくと、コバさんはまたオチンポをしごき始めた。
「キョウタ。終わったんなら、どけ。ヤス。はめたままでガリをかかえあげられるな。シートトトだ」
 ひざの裏を支えられ大きく足を広げられて、サチは宙高くかかえ上げられた。ちっちゃな子にオシコをさせる形だ。ヤスさんのオチンポはケツマンコにささったまま。
 コバさんは真正面に立って、オチンポを手で垂直に立てている。
「そのまま、ゆっくり下ろしてくれ」
「へいへい。オレたちゃ穴兄弟ってやつですが、あらためて穴従兄弟にもなるって寸法ですね」
「おめえもうまいこと言うじゃねえか」
 うわわ……前と後ろ、同時に入れるつもりだ。そんなの無理……じゃないんだよな。下級生にいじめられたときは、前後にそれぞれ十本以上のチョークをつっこまれてる。オトナのオチンポも、チョーク十本にゃ敵わない。なんて楽観してたら。
「くうううっ……きついよおお」
 チョークみたいに一本ずつ入れて拡張してくんじゃない。ケツマンコのオチンポで、メコ穴はつぶされてる。そこへチョークの何倍も太いオチンポをこじ入れられるんだ。
 メリメリミシミシ、オマンコ全体がきしんでる。痛いんじゃなくて。お腹いっぱい食べたところに、さらにオムスビを丸ごとほお張らされてるみたいな感じ。
 しかもチョークより、ずっと長い。入口だけ拡張されるのとは大ちがいだ。
 こんな無茶苦茶、ちっとも気持ち良くないのに。無茶苦茶をされてるっていう意識が、そのままエツ逆をあおり立てる。
「ヤス。思い切りゆすってくれ」
「きついっすよ。コバさんこそ、ピストンしてくださいよ」
「先ぱいを立てろや。いや、立ってるか」
 そんなふざけてるから、オチンポがへたっちまうんだぞ。
「まあ、いい。下手に腰を使うより、このほうが楽かな」
 コバさんはサチの足首を両手ににぎって持ち上げて、サチを上下にふり始めた。
 それならと、ヤスさんが片手ずつ持ち変えて、サチを羽交い閉めにした。
「うああああ、やめてよおおお……」
 腰は真っ直ぐに上下しない。支えられてるわきの下を支点にして、遊動円木みたいな動きになる。上下にゆすられながら、前後にも動く。二つの穴が引きのばされ、おしつぶされ、かき回される。
「やだ、痛い、やめてよおお……!」
 痛いのは、ほんとだ。やめてほしいのもウソじゃない――宇宙のかなたまでふっ飛ばされそうな予感が、ひとゆすりごとにつのってくるから。
 でも、その前に。びくびくっとケツマンコがけいれんして。オチンポがすっぽぬけた。というのはサチの感覚で。実際には、ヤスさんが射精して、やる気が失せたんだろう。
 コバさんも、サチをゆするのをやめた。
「オレぁ、まだなのによ」
 両足を上げて二つにたたまれた形のサチをおしつけられて、コバさんはサチの背中に手をまわした。だきかかえて、サチを草むらに置いた。
「ヤチはすげえ閉まりだが、どうもナゴをだいてるって気分じゃねえやな」
 じゃあ、さっさとやめろよ。オマンコだけガシガシされたって、宇宙の果てまでは飛びそうにないもの。
「だいたい、オレぁションベンをしかけてたんだよな」
 サチの両肩をおさえて身動きできなくしておいて。なんだか、男の身体から力がぬけた感じになって、オマンコの中でオチンポが縮かまって……
「えっ……?!」
 オマンコのおくが、やたらとふくらむ感覚が生じて、太腿にまで生ぬるい感しょくが広がった。まさか……こいつ、サチのオマンコの中でオシコをしてやがる。
 ばっちい……そう思ったのを追いかけるように。ぎゅうううんと、ものすごい力で胸がねじられた。オマンコの中のオシコがふっとうするんじゃないかってくらいに腰が燃え上がった。
 こいつ、わざとしてるんだ。ふつうに立ちショ便をしたほうが楽なはずなのに、サチをはずかしめるために、こういうことをしてるんだ。うまく言えないけど――コバさんはサチを物ではなく人間として考えているからこそ、こういうことをしてるんだと思う。木庭さんがサチをにくむ理由は無い。ということは、サチで遊んで楽しんでるんだ。大だんな様はご主人様と同じだ。
 サチの中でエツ逆がふくれ上がって破れつして――サチを宇宙の果てまでふっ飛ばした。
 ――オシコを済ませてさっぱりしたコバさんは、さっさとにげて行った。他の二人は、とっくに消え失せていた。
 コバさんは約束を守ってくれなかった。元通りに立ち木にしばりつけてくれなくて、そのままサチを置き去りにした。
 自分では首輪を手首にはめられない。どうせご主人様にばれるんだし。木庭さんが言ってたように、大事な物を道ばたに置いとくとどうなるか、思い知ってもらおう。そう思ったので、後始末もせずに、ずうっと草むらにぶったおれてた。あまりのしょうげきに放心してるってとこかな。ほんとは、ほっぺやお腹にまだ残っているわずかな痛みとか、前後を同時に拡張された熱いうずきとか、まだオマンコの中に残っているオシコの気色悪さとかを、じっくりかみ閉めてエツ逆の余いんにふけってた。

 とどこおり無く神事を終えてもどってきたご主人様は、サチの無残な姿を見て、とほうに暮れながらあわてふためいた。また神社にかけもどって、大人を連れて来て。
 大そう動にしちまったなと、サチは反省したけれど、結果オーライになった。タンカでお屋しきへ運ばれて、いつもの(それだけ、サチはしょっちゅうズタボロにされてるってこと)お医者様が呼ばれて。
 自分で思ってたよりも傷ついてた。ちょびっとだけど後門がさけてた。
「十日も使わないでいれば、切れぢにもならずに治ゆするでしょう」
 だよな。十本以上のチョークだって、だいじょうぶだったんだから。
 それよりも深刻なのが、乳首とコチンコ。ピアスを強く引っ張られてねじられたせいで、もげかけていたというと大げさだけど。穴の内側が傷ついて出血もだけど、ひび割れたようになってた。こっちは、二週間の装着禁止。
「子供は新ちん代謝が早いから、見た目はもっと早く治るでしょうが、無理をさせないでくださいよ」
 ということなので。おく様にセッカンされずに済んだ。
 大事を取って学校も休んで。半年ぶりにピアスからも開放されて。しかも物置小屋での養生を許された。
 おぼんからこっち、きょうだい三人でねむれる日が立て続けで、正太と美知は喜んだただ、サチとしては――すっかりなじんでしまった名札の重みが消え失せたので、物足りなかったかな。
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 香具師の隠語については、下記サイトを参照させていただきました。
 香具師の世界/露店でモノを売る「テキ屋」の歴史と資料
 https://tanken.com/yasi/styled-11/


背面駅弁8

ちょっと強引にエツ逆させた感が無きにしもあらずですが。
 奥様の折檻とかシーン追加すると The great thing えらいことになるので、強引だよ強引だよ猥露だよ意味不明。
 14章/24章で、すでに214枚。214×(14/24)=367。ふう、400枚には収まりそうです。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 7:首輪とピアスは服従のちかい(リクエストシーン)

 リクエストにあった、女子によるリンチです。9400枚は堂々の28枚です。でも、尻切れトンボというか。リクエストにあった「ブラシ柄(じゃないけど)突っ込み」と「全身モップ洗い」だけです。その次の凄惨な責めは緊急脱出システムが作動します。
 先に種明かししとくと、次章の『リンチを志願』ではリンチされません。
 これらのフラストがレーションしていって、2学期の『顔面便器の刑』で炸裂します。



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女子のリンチ

 ちょろっと言いかけた、トイレが使えなくなった事件だけど。事の発たんは林陽太くんだった。び目しゅうれい品行方正成績優しゅうで全学年女子のあこがれの王子様と言っても過言ではないくらいなのに、ご主人様に負けないくらいエッチで、その方面の知識も豊富だ。と言っても、フェラチオのことを笛ラヂオなんて覚えてたくらいだから、底は知れてるけどな。
 陽太くんはもう精液が出るから、ご主人様はサチとのセックスを禁止にしていて、口とケツマンコしか使わせなかったんだけど。コンドームというのを家から持って来た。平べったい箱から出すと、輪ゴムの中にうすい幕が張ってあるみたいな形をしてる。
「精液が出ても、コンドームの中に貯まってオマンコには入らないから、にんしんしないんだ」
 だから、ボクにもオマンコでセックスをさせてくれというのが、陽太くんの言い分。
「ゴムサックはオトナ用だろ。ぶかぶかなんじゃないか?」
 ご主人様も知っているみたいだ。大だんな様から教わったのかな。
「だいじょうぶだよ。大は小をかねるっていうだろ」
「しゃもじは耳かきにならないぞ。まあ。いいや。着けてみろよ。ぶかぶかだったら、中でぬけるおそれがあるからダメだぞ」
 陽太くんは半ズボンとパンツをひとまとめにぬいで、みんなが見ている前でオチンポをしごいた。五年のときまでは、男子でもパンツを見られるのをいやがるやつが多かったけど、サチを使うためにはオチンポを出してぼっ起させる必要があるから――みんな平気になってやがる。
 陽太くんは大きくしたオチンポの先にコンドームを当てて、くるくると巻き下げた。
 へえ。輪ゴムに見えてたのは、幕を巻き付けてたんだ。
 陽太くんのオチンポは、うすい幕で包まれてしまった。けど、ご主人様が心配した通り、ぶかぶかだ。幕のあちこちにしわが寄ってる。ところが陽太くんは本物の輪ゴムを二重巻にして、コンドームの上からオチンポの根元にはめた。
「これならぬけたりしないだろ」
 コンドームの先っぽをつまんで引っ張ると、オチンポの三倍くらいの長さまでのびたけど、ぬけはしなかった。
「まあ、その手はあるんだけど――ゴムとチンコがこすれて気持ち良くないって親父が言ってたぞ」
 ご主人様は最近、学校では大だんな様のことを『親父』って言ってる。前は『パパ』だったけど、サチとセックスをしてオトナになった気分なのかな。
「まあ、いいや。ゴムサックを着けてのセックスは本物じゃないけど、それでいいんなら、やらせてやるよ」
 体育用具倉庫の中には、もうマットがしいてあって、サチを使う準備は整っている。
 陽太くんは、すもうの立ち合いみたいな勢いでサチをおしたおした。オマンコに入れるのは初めてでも、ケツマンコでじゅうぶんに練習してるから、まごまごしたりはしなかった。
「痛い……」
 思わずうめいちまった。サチが、あまりぬれてなかったせいもある。
 だって、相手が陽太くんだぞ。他の女子みたいにお熱じゃなかったけど、やっぱりすこしはあこがれてた……半ズボンをはいてたころは。もしも、好きだって告白されてせまられたら、キスくらいは許してたんじゃないかな。だから、その反動ていうのかな。陽太くんには、フェラチオするのもケツマンコを使われるのも、ちっともエツ逆しなかったんだ。あまりぬれないし腰もうずかなかった。
 だけど、コンドームのせいもあると思う。すぶうっと入ってくるんじゃなくて、つっかえた感じになっては、がじがじって進んで、またつっかえる。これがご主人様だったら、エツ逆に行っちゃうんだろうけど、性どれいじゃなくて女の子の心をすこし取りもどしてるせいで、たまらなく不快だった。
 陽太くんも、あまり気持ち良くないみたいだ。最近はみんな、女のあつかい方を覚えたというか、楽しみ方が分かってきて――つっこんで、そのままガシガシ出し入れはしなくなった。うんとおくまで(といっても、ガキのオチンポじゃ底にぶつかったりはしない)入れて、しばらく動かずにサチ布団のやわらかさを探能したり、入れたまま乳首やコチンコを可愛がってくれたりして、たいていはご主人様に「早くしろ」ってせかされてからガシガシを始める。
 でも陽太くんは最初からガシガシつき入れてきて、それでもなかなか射精しない。
「ちぇえ。セックスなんて、ちっとも気持ち良くない」
「言っただろ。ゴムサックは本物じゃないって。ほんとは、オマンコのほうがケツマンコより楽しめるんだぞ」
「そうかな。ケツマンコのほうが閉め付けてくるから、ボクは好きだ」
「オレは断然フェラチオだ。舌でペロペロなめてくれるのが、すっごくし激的だよ」
「うるさいな、気が散る」
「なんだよ、自分から言い出したくせに」
 サチは、どれも好きだぞ。セックスは、男が女を支配する基本形だろ。ケツマンコは、せまい穴を無理矢理に広げられる熱くて痛い感覚が病みつきだし。フェラチオは、男にほう仕してるんだとしみじみエツ逆だし。だけどフェラチオは自分であれこれするより、頭をかかえこまれて一方的にガシガシのどのおくまでつきこまれるのが、いじめられてる気分が盛り上がる。
 このコンドーム付きのセックスは、あまり好きじゃない。うすい幕がメコ穴にへばり着いて、その向こうでオチンポが動いてるみたいな。もどかしい。ゴムがオチンポにぴったりくっついてれば話は別なんだろうけど。
 だけど、延々とピストンされるのは、責め続けられてるって気分になるから――気持ち良いのと痛いのともちがう良さがあるかもしれない。
 なんて考えてたものだから、早く終わってくれないかなという思いしかなかった。せっかく(しばられたりしなくて)手が空いてるのに、ピアスをこねくる気にもなれなかったぜ。

 それは、サチの波乱万乗の生活の中では、わざわざ思い出すこともない、ささやかなエピソードのはずだったんだけど。とんでもない結果を招いちまった。
 というのも。ついに本物のセックスをしたという陽太くんの想いが態度になって表われたんだ。ご主人様はコンドーム付きのセックスは本物じゃないって言うし、サチもそんな気はするけど。オチンポをメコ穴に送入して射精したって意味じゃ『本物』だよな。
 それで陽太くんは天ぐになった――というのはちがうと思うけど。クラスメートの女子をお子様あつかいしだしたんだ。
 五年生のときだけでも、かれに告白した女子は片手の指をこえている。たいていはまわりにけしかけられて、ダメ元くらいの気分で当たってくだけてアッケラカンなんだけど。大野木結花ちゃんは本気だったみたい。
 これまでは「女の子と付き合うって、良く分からないから」とか「みんなで仲良くするだけじゃだめなのかな」なんて、まあ門前ばらいしてたのに。結花ちゃんには、あっさりOKした。
 これは、後日に陽太くん本人から聞いた話なんだけど。告白が二人きりの場所だったんで、結花ちゃんをだき閉めてキスして。ここまでは、結花ちゃんもおとなしくしてたので、まだまだ行けるって思ったんだそうだ。スカートの下に手を入れてメコ筋を指でなぞるくらい、サチにしているひどいことに比べたら、ごく神士的なスキンシップのつもりだったそうだ。でも、結花ちゃんはびっくりして泣き出しちゃった。
「泣くなよ。大げさだなあ。こい人同士なら、これくらい当たり前だぞ」
 こういうのを、火に油を注ぐっていうんだよな。結花ちゃんはにげ出して――親友にうったえて。翌日には六年女子がいっち団結して陽太くんにこう議した。
「オママゴトにはつきあってらんないよ。サチみたいにとは言わないけど、こい人になら身体を許すくらいふつうだろ」
 引き合いに出されたせいで、サチが悪者になった。
 翌日の放課後。サチは女子の集団に取り囲まれた。
「ちょっと来てくれる?」
 質問でもお願いでもなく、有無を言わさず引っ立てる気構え。
「勝手なことをするなよ。サチはオレのどれいだぞ」
 ご主人様はかばってくれたんだけど、女子の団結力には親の七光りも通用しない。
「女子だけの問題だから、男子は口出ししないで」
 そりゃ、サチがあればエッチには不自由しないけど、男子にとって女子はそれだけの存在じゃないよね。チヤホヤされたいし、ステキとか思われたいんだろう。女子だって、そうなんだから。サチだって、男子からいじめられるのはチヤホヤの親せきだと思ってる。オチンポへのほう仕だって、男子が喜んでくれるから、やりがいがある。
 サチのことは、ともかく。だから、ご主人様も女子から総スカンは食いたくない。ので、それ以上はかばってくれなかった。ついて来るなと言われて、おとなしくサチを見送った。
 最初は、なんで急に女子がサチを目の敵にし始めたのか分からなかった。まあ、みんな帰り支度してるし、そんなにやっかいなことにはならないかなって、あまく考えてたんだけど。
 女子トイレの前にはすでに見張りの子が四人ばかり来ていて、これじゃ六年女子のほぼ全員だ。そこにランドセルを置いて。サチをトイレに連れこんだ。
「あなたのせいで、男子がみんなエッチになったのよ」
 久保田聡子ちゃんに決めつけられた。別にサチのせいでエッチになったんじゃない。男子は元々が大の助平でエッチなんだ。前は大人や女子の手前でネコをかぶってたんだけど、サチというネズミを目の前に投げ出されたもんだから本性を表わしただけ――なんて正論は通じそうにないので、だまってる。
 サチは、この子が苦手。父親が町会議員のボスみたいな人で、ご主人様が七光りなら六光りくらいはある。女子のまとめ役で、サチを目の敵にしてる――というのは、サチのひがみかもしれないけど。
「はだかで学校に来るなんてバカな真似は、もうやめてよね。男子とエッチな遊びもしてはダメ。約束するなら、今日だけは見のがしてあげる」
「サチだって、こんなはずかしいことはしたくないよ」
 反論したけど――ほんとかなと、心のすみでだれかがささやいている。のは、話がややこしくなるので無視。
「だけど、ご主人様がそうしろっておっしゃるんだから。サチたちきょうだいの面どうを見てくださるよう、大だんな様にお願いしてくれたのはご主人様だから。サチはご主人様に逆らえないんだ」
 これも火に油を注いでるって分かってるけど。ただ事実を述べているだけじゃない。聡子ちゃんを始めとする女子への反発もあった。親が居て貧ぼうもしていないから、取りすましていられるんだ。もしも、サチと同じ境ぐうになったら、サチと同じ選たくをしていただろう。弟妹といっしょに暮らすためなら下女だろうと性どれいだろうと、面どうを見てくださる人の言いなりになるに決まってる。
 それに、みんな男子と張り合ってるけど、みんなもサチも女だぞ。男女平等とかいうけど、男のほうが身体が大きいし腕力もあるし経済力だってある。女は男に支配されて保護してもらいたいっていう本能がある。ライオンはオスが何頭ものメスを従えているし、サル山のボスは強いオスに決まってるじゃないか。何百万年(だっけ、何億年だっけ?)もかけて進化してきた生物の本能は、中国四千年の歴史だって、簡単には引っくり返せない。ていうか、男女平等なんて言い出したのは、ここ百年かそこらの歴史だけじゃないか。
 だから。聡子ちゃんだって、両親が亡くなったら、し設へ行きたくなければ、だれかの性どれいになってもおかしくはない。ご主人様が大だんな様みたいなサドだったら、マゾに調教されるんだ。いや、調教ってのは当たってないと思う。女が男に支配されたいっていう本能は、そのままマゾに通じるんじゃないかな。つまり、男はサドで女はマゾ。これが、いちばん自然だと思う。世間体とか道徳とかが、それをじゃましてる。
 なんてことを、考えてるうちにも。聡子ちゃんの形相がおく様そっくりになってきた。
「口で言って分からないのなら、身体に言い聞かせてやる」
 ヤクザ映画みたいな台詞。てことは、聡子ちゃんはまだ冷静なのかな。冷静にイカリ心頭に達してるのもこわいけど。
 包囲の輪が、じわっと縮まった。タコなぐりにされる。でも、相手は女子だ。逆らうなとはご主人様にも言われていない。オテンバ祥女の本領を……いや、やめとこう。また、正太と美知がいじめられるようになる。それにケンカになったら、先生がしゃしゃり出てくる。ご主人様は七光りで聡子ちゃんは六光り。サチが悪者にされる――だけなら、へっちゃらだけど。学校では手に余る。し設に入れてしまえなんてなったら。大だんな様が取りなしてくれるとは思うけど……ああ、もうめんどうくさい。相手は非力な女子だ。タコなぐりったって、高が知れてる。おとなしくいじめられていよう。そう覚ごしたとき。
「やだ。こいつ、くさいよ」
 だれかがそう言うと、半数くらいの子がうなずいた。
 心当たりは、ありすぎる。昨日はお風ろが無かった。登校前に水浴び(は犬でもするって、ご主人様がかけ合ってくれた)はしてるけど、犬小屋にもそこはかとなくにおいが染み着いているもんな。男子はどん感だけど、女子にはそれこそ犬みたいに鼻の利く子がいる。
「それじゃ、こらしめる前に、きれいにしてやりましょう。こっちの手がよごれちゃいますもの」
 タコなぐりは後回しになって……ちっとも、良くない。他のイジメが追加されただけ。それは、みんなが手に持っている道具で分かる。
 タイルゆか用の固いモップ(デッキブラシていうんだっけ)、トイレ用の雑きん、じゃ口につないだホース。いちばんのきょう器は、便器そうじ用の棒束子だ。試験管洗いの三倍は大きい。使ったことあるけど、すごいゴワゴワしてる。サチのオマンコだって、あれで処女幕を破られたときに比べたら、ずいぶんときたえられてるし。束子をオマンコにつっこもうなんて変態でサドなことを女の子が……考えつくだろうな。サチにどんなことをしたか、男子も最近は遠りょがなくなったのか感覚がマヒしたのか、女子が聞いてる教室でも、武勇伝と感ちがいしてるもんな。
「そこにじっと立ってなさい」
 聡子(呼び捨ててやる)の指図で、ホースの水がサチのはだかにたたきつけられる。わざわざ先っぽを指でおさえて、ふん射にしてる。
 好きにしてよと開き直ったのでもないけど。この三か月でご主人様にたっぷり調教されてしまって。自然と足を開いて、両手を頭の後ろで組んだ。この、オマンコの中までさらした無防備無ていこうのポーズが、いちばん心が落ち着く。だいいち、手のやり場に困らないのがいい。ほんとは後ろ手にしばってもらいたいけど、同性の同い年に今以上に軽べつされるのは、さすがにいやだ。
「においの元も洗わなくちゃだめ。そうじゃないったら」
 聡子がホースをひったくって、サチの足元にしゃがみこんだ。オマンコにホースをつっこむ。ねらったのかぐう然なのか、メコ穴にすっぽり。たちまち下腹部がぽっこりふくらんできて、オシッコチビリそうな感覚がつき上げてくる。
 オマンコには、腸みたいに何リットルもは入らない(子宮はどうなってるんだろ?)。すぐに逆流しだした。
「きゃっ、きたない!」
 聡子がホースを投げ捨てて飛び退く。考え無しだし士道不覚ごってやつだ。女の子だから婦道かな。ご主人様でも、腸を洗うときはお腹のふくらみ具合に注意してるし、大だんな様なんか、サチのが飛び散っても平然としてるんだぞ。後で厳しくお仕置されるけどな。
「いつまでつっ立ってるの。それじゃ洗えないでしょ」
 立ってろと言ったのは聡子じゃないか。いちいち反発したくなる。けど、トイレのタイルゆかの上に大の字。足を広げろだの手がじゃまだと言う手間を省いてやった。ふてぶてしい態度だと思われるのは承知の上。女子の細腕。十人束になったって、男子五人分のイジメも出来ないさ。
 反感が先に立って、ゼンマイをねじ切るのは女だってのを忘れてた。
 ね転がったサチの両側に、デッキブラシを持った子がひとりずつ立った。結花は分かるけど、もうひとりが森山初美ちゃんだったのはショックだった。親友だと思ってたのに。親友だったからこそゲンメツして、にくさが百倍かな。
 ふたりがデッキブラシを動かし始めたけど、まったくの手加減無し。タイルのゆかをこする動作そのまま。
 男子だったら、相手が生身の人間だと考えて、いくらかは手加減してくれてる(というのが、最近になって分かってきた)。生身の人間じゃなくても。土まみれの大根を束子で洗うときだって、皮をはがさないようにとかシッポを折らないようにとか注意するだろ。
 サチは大根以下。そしてタイル以上に手荒にあつかわれてる。
「ぐえっ、くうう……」
 お腹にブラシをたたきつけて、おへそをえぐるみたいに、こするってよりもつきこまれたり。
「ぎひっ、痛い痛い……」
 乳首にたたきつけて、毛羽にピアスが引っかかっても、そのままこすられたり。
「ひいいっ、ちょっとタンマ……」
 コチンコのピアスをねらわれたり。
 そして、いよいよ棒束子の出番。ご主人様なら、真打登場ってな感じで乗り出してくるんだけど、聡子は手下(当人たちは親衛隊と言ってる)任せ。そのひとりの島村香苗って子が、サチの足をけってもっと開かせ、その間にしゃがみこんだ。
 ななめ上からの角度で棒束子をオマンコにつき立てて、しゃにむにひねる。
 試験管洗いより固い毛が、ごりごりとやわ肉をえぐる。
「痛い……ちょっとだけ待って」
 腰をつき上げて角度を合わせ、棒束子をメコ穴に導いた。
「あきれたわ。自分から入れに行くなんて。棒ならなんでもいいんでしょ。陽太くんのアレなんて、もったいないわ」
 こわされないためには、こうするしかなかったんだよ。
 でも、文字通りに墓穴をほってしまった。おくまでつっこまれて動かされると、激痛がはね上がって暴れまわる。
「ぎびいいいっっ……くそお!」
 何が「くそお」なのか、自分にも分からない。ただひとつだけはっきりしてるのは――これだけひどくいじめられてるのに(サチはマゾだから、逆接でまちがってない)胸が切なくなったり腰がうずいたりもしない。胸は息苦しいほどにくやしさで満たされて、腰ではなく胃のあたりに冷たい固まりのような感情が居座ってる。
 おく様に日本刀でたたかれそうになったときと似ている。あのときは、くやしいとかじゃなくて、きょうふだったけど。荒縄でたたかれてるときも、おく様がヒステリーを起こすのは当然だから、くやしいとは思わなかった。でも、ちっともエツ逆しないって点では同じ。
「ねえ、もうやめようよ。血が出てる」
 だれかのおろおろ声で、棒束子の動きが止まった。
「生理が始まったんじゃないの」
 聡子は落ち着いてる。こいつ、もう初潮が来てるな。
「サチは、まだだぞ。中が傷ついた出血だ。オマンコがこわれちまったら、結こんできなくなる。だから、もうかん弁して……ください」
「なに言ってるのよ」
 まだつっこまれたままになってる棒束子の取手をげしんとけられた。
「ぎゃんんんっっ……!」
 オマンコのおくの子宮が暴発したような激痛が背中までつきぬけた。大の字にふんぞり返って(?)るどころじゃない。両手でお股をおさえてのた打ちまわった。
「そのままうつぶせになってなさい」
 冷たい声。ご主人様だって、サチを生きうめのままほったらかして殺しかけたときは、本気で心配してくれたぞ。
 サチが横向きのまま動けないでいると、寄ってたかってうつぶせにおさえこまれた。棒束子の取手がゆかにおされて、オマンコを圧ぱくする。メコ穴のお腹に近い側がこねくられて、ビリビリブザーみたいな電気が走った。これって、乳首やコチンコに走る電激よりも重たく分厚い。一気に山の中腹くらいまではふき飛ばされてもおかしくないのに――登山道とはまったく別の方角へおしやられてる。おし下げられてる。
 背中とお尻にもデッキブラシがたたきつけられ、はだがすりむけるくらいにこすられた。名札のピアスが無いから、とつ然の激痛に悲鳴を上げたりはしないけど、単純に痛くて単純に不ゆ快だ。
 全身がすり傷だらけ。にじみ出た血で、はだがうすく染まって。サチはぶったおれたまま、ぴくとも動かない。動くと、棒束子にオマンコをえぐられるし、もっといじめられると分かってるからで、体力的に動けないわけじゃない。
 ようやく「こらしめる前にきれいにする」という名目のイジメが終わった。サチだけでなく、全体にそんな分囲気がただよった。ホースの水も止められて、オマンコから棒束子もぬいてもらえた。
 だけど、聡子だけは物足りないみたい。バケツに水を満たして、便器用の表白材をキャップで計って入れてる。
「これでふいてあげれば、においも取れるわね」
 じょう談じゃない。劇薬だぞ。でも、サチがこう議したら、火に油だろうし……
「それ、皮ふに着いたら大変なことになる。やめようよ」
 サチがためらってるうちに、初美ちゃんが反対してくれた。
「だいじょうぶ。用具ロッカーにはゴム手ぶくろもあるわ」
 そうじゃなくて!
 初美ちゃんも、それ以上は何も言わなかった。ほんとに、サチではなく自分の心配をしただけなのかもしれない。
「でも……そうね。暴れられたら面どうだわ。手足をおさえつけておいて」
 親衛隊を気取ってるやつらが、四人がかりでサチの手足をおさえこんだ。
「結花ちゃん。あなたがふいてやって」
「え? でも……」
 初美ちゃんの言葉でびびったかな。
「だれのために、サチをこらしめてるか、分かってるの?」
 その言葉を真に受けたのか六光りに負けたのか。結花ちゃんはゴム手ぶくろをして、トイレ雑きんをバケツにひたした。
「しぼらなでいいわよ」
 結花ちゃんが、おそるおそる雑きんをサチの背中へ近づけた。
 べちゃっとした、冷たい感しょく。ひんやりして案外と気持ち良かった――のは、いっしゅん。背中一面に針をつきさされるような痛みにおそわれた。
「くっ……」
 サチの反応が大したことないと見定めて、雑きんの動きが大きくなった。それにつれて、痛みが強くなる……なんてもんじゃない。燃えるように熱い。真っ赤に焼けた無数の針が、背中全体を深くつきさして、そのままはだを切りさいている。
「やめて! 痛い、熱い! 死んじゃうよっっ!」
 降りしきる雨の下で生きうめにされたときよりも、ずっと強いきょうふにおそわれた。たぶん死にはしない。でも、背中一面にケロイドが残る。ご主人様にも大だんな様にも愛想づかしされる。
「やめろよ、やめろったら!」
 どうやったか覚えていない。火事場のバカぢからってやつだ。オレは四人をはね飛ばして起き上がった。ゆかに転がってるホースをつかんでじゃ口のとこへ行って、カランをいっぱいにひねって、背中に水を浴びせた。
 熱いのはすぐに消えたけど、針でつきさされてる感覚は残ってる。それでも、これまでは五センチもささっていたのが一センチくらいにはなった。
 ふり返ったら、みんな氷りついてる。はね飛ばした四人は、尻もちをついたまま。スカートがまくれてパンツで直座りしてる子も。ゆかがぬれてるから、しばらくは気持ち悪いだろうなって、取るに足りない心配をして、内心で苦笑する。
 うん。サチはすっかり平常心を取りもどしたぞ。
 サチはみんなに背を向けて、い風堂々と立ち去った。すっぱだかで変ちくりんな(サチはけっこう気に入ってる)名札のピアスをぶら下げて、お股から血を流しながら背中もたぶん赤くはれてるけど、それでも気分はい風堂々だった。
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モップリンチ

 今回は、漢字制限による当て字とか、ヒロインの勉強不足による誤用誤記が目立ちます。
 前作から(卒業式での回想なので)1年ちかくを経て、おバカになったようです。そりゃ、授業中も「エツ逆」してるんですからねえ。そのわりには、背伸びして難しい言葉を使ってますかしら?

 以下は、当て字/誤用の一例です。
・当て字(例)
完腸/エツ逆/逆待/持て遊ぶ/真重/包しむ/単子(端子)/電激/裁法(裁縫)/訓答(薫陶)/分囲気/閉め付ける/大番ぶるまい/変え歯/講尺/末茶/氷る/さ迷う/洗材/強妻家/処女幕/探能(堪能)/波乱万乗/送入(挿入)/神士/暴発(爆発)/のた打つ/表白材/高用(高揚)/順業/貯め息/
・誤記誤用(例)
金貨(奇貨)/不得意要領/イカリ心頭に達する/不明(眠)不休/

 

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 5:首輪とピアスは服従のちかい

 今回は、リクエストシーンです。けれど……
 そこへ至るまでの「ごっこ」遊びがメインになってしまいました?
 そして。弟妹の身代わりになって下級生に虐められるヒロインは、まったくエツ逆(教育漢字で当て字)していません。エッチなことを教えてあげるお姉ちゃんです。
 ううむ。こういう予定じゃなかったのにな。プロットでは考えていなかった、6年教室→低学年教室への移動をどう合理づけるかに旨味が偏ったような。
 実は、虐められてもまったくマゾらないシーンは、この後も続きます。単なるイジメと性的イジメは(濠門長恭ワールドでは)違うという筆者の妄想が色濃く反映されています。もちろん、性的イジメとSMプレイとは通底していますが別物です。この相違と通底を、どこまで読者に納得させられるか。そこが、物書きとしての力量だけでなく、全人格的なSM観の吐露にもなるわけです。


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弟妹の身代り

 オレの願いが届くのは正太と美知だけで、他のやつらから見れば、二人も山持家の世話になってることに変わりはない。姉が山持家のどれいなら、そのきょうだいもどれいだろう。まだ使えないから飼い殺しにされてるんだろう。そうかんぐるのが当然だ。
 それをイヤってほど思い知らされたのも、梅雨に降りこめられた日だった。
 その日はすごい土砂降りで、次の校内放送があるまで下校を見合わせるってことになった。男子は外で遊ぶのが好きなのに、それが出来ない。退くつだけど、手元には絶好のオモチャがある。学校の中だと、相当な無茶をしても(救急車を呼ぶほどでもない限りは)おとがめ無し。
 なので、久しぶりに『校内引回しの刑』ごっこをしようってご主人様と取り巻き連とが衆議一決しちまった。もちろん、主役のサチの意見なんか聞いてもらえない。
 SMの雑誌は父親公認になったから、ずいぶん勉強したんだろうな。後ろ手にしばって首輪のクサリで引き回すなんて生易しいもんじゃなくなってた。
「浩二、ビリビリブザーてのを作ってたな。あれを二つ持って来いよ。それとリード線を二十メートルくらい」
 ご主人様が、目をきらきらさせながら、安西浩二くんに命令した。元々は取り巻きってほどでもなかったのに、サチで遊べるからタイコを持つようになった。
「ダメだよ。部活の備品は、勝手に持ち出せない」
「オレが借りたいって、モーターに言えよ」
 モーターというのは、門田勝幸先生こと。科学部のこ問にぴったりのあだ名だ。
 浩二くんが理科室へ行ってるあいだに、ご主人様は取り巻き連に命じて十字かみたいな物を作らせた。
 黒板用の大コンパス。ツマミのある「人」の字形じゃなくて足の長さが同じ「ヘ」の字形をしてるから、支点のチョウネジを外すと、頭が半円形をした四角い棒になる。頭から三十センチくらいのところへ、片手ホウキを直角にくくりつける。
「アシを開けよ」
 うう……この命令だけで、何をされるか分かっちまう。けど、コンパスの足は一辺が四センチの正方形だぞ。対角線の長さだと五センチ半だっけ。大だんな様のオチンポだって、そんなに太くない。
 それを無理矢理にでもつっこまれると……思うだけで、コチンコが固くすくみ上がって、オマンコがじんじん熱くなってくる。
「ぎいいいいっ……痛いいっ!」
 悲鳴を上げたけど、ズブズブッとおしこまれちまった。正方形の角でオマンコを切りさかれるようなするどい痛みと……オマンコが破れつしそうなにぶい圧ぱく感。
 水平になってるホウキのえは、足を開いたポーズで、ひざの裏にしばり付けられた。仁王立ちのまま、びくとも動けない。いや、動こうと思えば動けるけど。オマンコを内側からえぐられて、にぶい痛みが走る。
 そこへ浩二くんがもどって来た。小さな板の上に組み立てたブザーが二つ。五年の理科の授業で作ったやつより、ずっと本格ぽい。「ロ」の字形の鉄板にエナメル線を巻いた部品は変圧器みたいだけど、かん電池は直流だぞ?
 ブザーには、それぞれ二つの単子がある。そこに長いリード線が取り付けられて――線のはしが、ピアスのリングに巻き付けられた。乳首のピアスに一本ずつと、コチンコには二本。
「サチは、これからリモコン操縦のロボットだ」
 ご主人様がブザーのスイッチをおした。
 びい゙い゙い゙い゙……
「きゃあっ! つううう……!」
 二段構えのショックだった。
 乳首とコチンコに電激が走ったのが「きゃあっ!」
 コチンコをいじられたときの快感の電激とか、ひじをぶつけたときの比ゆ表現じゃない。本物の電気ショックだ。百ボルトだと死んだりするから、何十ボルトってとこか。内側から無数の針でえぐられるような、これまでに感じたことのないショックだった。
 反射的に胸とお股をかばってしゃがみこもうとして、大コンパスがゆかにぶつかってお股のおくをつき上げられた激痛が、後半の「つううう……!」だ。
「大げさだなあ。びっくりはするけど、女子部員だって、そんな大きな悲鳴は上げなかったのに」
 浩二くんが笑ってる。
 科学部での実験だろ。指でさわったとかに決まってる。他の部分の何十倍もびん感な乳首やコチンコに通電したはずがない。くそ、オチンポに通電してみろ。泣きさけぶほうに一万ガバスだってかけてやる。
「今のは左へ回れって意味だ。右だけなら右せん回だぞ。そして両側なら前進だ」
 びい゙い゙い゙い゙……
 びい゙い゙い゙い゙……
「きゃあ゙あ゙っ……!」
 両方の乳首とコチンコ。コチンコは、さっきの倍くらい強いショックだった。両手でお股をかばって……しゃがみこむのだけは、ぎりぎりでこらえた。
「手がじゃまだな。だれか、糸を持ってないか――女子は?」
 裁法は女の子のたしなみだし、ボタンが千切れたら男子みたいに平然とはしてられないから、高学年の子なら、針と糸は常備してる。例外は(今だけでなく、ずっと前から)サチくらいかな。
 だけど、女の子を(どうやってかは分からないけど)いじめる手助けをするはずが……あった。
「これで、いいかしら。何をするのか、見せてね」
 久保田聡子ちゃんが、糸巻ごとご主人様に手わたした。
 聡子ちゃんは、サチが教室でいじめられてると、男子もサチもひとまとめに追い出そうとする。助けてくれるとかじゃなくて、見るのも聞くのもけがらわしいって感じだった。だから、男子に加担したのは意外だった。
 ご主人様は乳首とコチンコの根元に糸を巻き付けた。ピアスよりおくだから、すっぽぬける心配は絶対に無い――のが、ち命的だと、すぐに思い知らされた。
 サチの腕を蒸気機関車のピストンみたいに曲げさせて、コチンコからのばした糸の両はしを左右の手首に結びつけた。そして、右の乳首から垂れた糸は右手首、左は左に結んで――サチは、手を上にも下にも動かせなくなった。
「テストだ」
 びい゙い゙い゙い゙……
「ぎゃっ……!」
 電激を予測してても悲鳴をこらえられない。それよりも痛いのは、反射的に手でかばおうとして、乳首とコチンコを思い切り引っ張ってしまう。眼の前が真っ赤に染まって黄色い星が飛び散るような激痛に、自分で引き千切る寸前で手の動きが止まった。
「よーし。それじゃ、とつげきいい!」
 びい゙い゙い゙い゙……
 びい゙い゙い゙い゙……
 左右の乳首とコチンコに電激を食らって、歩けるはずが……あった。
「陽太、コチンコの名札を引っ張ってやれ」
 陽太くんも、サチが目当てで腰ギンチャクになった一人だ。もう精液が出るからセックスは禁止で、フェラチオとケツマンコしかさせてもらえない、かわいそうな……ことなんか、あるもんか。
 ほんとうにコチンコを引き千切られそうなくらい引っ張られて、サチはよたよたと歩き出した。
 電激は続いてるし、一歩ごとにオマンコをこねくられて……ものすごく痛いけど、腰のおくでよう岩がにえたぎる。十歩も歩かないうちに、陽太くんにぶつかりそうになった。
 後は自発的に歩き続ける。だんだん大股になっていく。頭にピンク色のかすみがかかって、足は雲をふみ始める。
「こら、止まれ!」
 ぐっと肩を引きもどされて、電激が切れたらストップの合図だと思い出した。
「くそ……これでエツ逆されるんだったら、バツのあたえようが……そうだ。またリモコンに逆らったら、この遊びはやめるぞ」
 ふつうとは正反対のおどしだよ。それはご主人様も分かっていて「何かちがうんだよな」って顔をしてる。
 とにかく、リモコンロボットごっこを再開。サチは、大股にならないように気をつけながら、物足りなさをがまんして、ろう下を進んでいった。階段を下りて。雨が降っている外へは出ずに、先生がそっぽを向いてる教員室を通り過ぎて、低学年の教室へと向かわされた。
 低学年の教室にも担任の先生の姿がなかった。生徒の家へ連らくしたり、雨がやまないときは集団で下校する準備とかで大いそがしだ。
「パンツもぬがしちゃえよ」
 物そうな声が聞こえた。窓から教室の中をのぞくと――男子と女子がひとりずつ、パンツ一枚でクラスメート(だろう)に取り囲まれていた。
「どれいの妹もどれいに決まってるだろ。ご主人様の命れいだ。パンツをぬげよ」
「みっちゃん、どれいじゃないもん……」
 べそをかきながら言い返しているのは美知だった。となりの男子は正太。
 ああ、オレのせいだ。オレが五郎さんのどれいになって、はだかで登下校していじめられてるから……考えてみりゃ、そうだよな。親がドロボウとかして警察につかまったら、その子は良くてツマハジキ、たいていは寄ってたかっていじめられる。先生だって、子供に罪はありませんとかきれいごとのお説教はするけど、家庭かん境が良くないとか職員室で悪口を言ってるもんな。
 だけど。オレがぎせいになって正太と美知を守るって決心が、無意味になっちまう。
「ご主人様」
 まだ両方に通電されてたけど、サチは立ち止まってご主人様にうったえた。
「あれ、やめさせてください。あの子たちも、ご主人様の言うことなら聞いてくれます」
 山持家のおぼっちゃまに逆らったら、この町に住めなくなる。本人は理解してなくても、親から言いふくめられてるはずだ。サチをこんな目にあわせてる権力を利用するのはくやしいけど、どれいとその家族を(家ちくやペットと同じように)守ってくれるのは、ご主人様の務めだぞ。
 ご主人様が考えこんだ。そのあいだにも、正太と美知はおさえつけられてパンツをぬがされちまった。正太は三年で美知は二年だけど、ふたりをいじめてる連中は、三年と四年が多い。正太には女子が、美知には男子がむらがってる。
「やだよ……パンツ、返してよ」
「美知をいじめるな。大ぜいでひきょうだぞ。ボクと勝負しろ。上級生だろ。ボクがこわいのか」
 正太が妹をかばう健気な姿に心打たれた――わけでもないだろうけど。ご主人様が、わざと大きな音を立てて教室の戸を開けた。
 いじめっ子たちが、ぎくっとふり向く。
「おまえら。なんの権利があって、オレのどれいをいじめてるんだ?」
「それ……」
 ちがうって言おうとしたけど、後ろ手にふりはらわれて、ぐう然の乳ビンタ。
「あんっ……」なんてあえいでる場合じゃない。
「お前らの親父もおふくろも、山持家のどれいみたいなもんだぞ。じゃあ、お前らもオレのどれいじゃないか。どれいがどれいをいじめて良いのかよ」
 無茶苦茶な理くつだけど、それだけに言い返せないでいる。
「でも、そのお姉さんは、みんなでいじめてるでしょ」
 この子たちがどれいなら、ご主人様の取り巻きもどれいってことになるから、どれいがどれいをいじめてるじゃないか――そう言いたいんだろう。かしこい子だな。
「サチだけは、どれいより身分が低い性どれいだ。だから、他のやつもサチをいじめて構わないんだよ」
 はたで聞いてても、むじゅんがある。この子たちの言い分だと、性どれいのきょうだいも性どれいってことになるから、いじめて良い――そこに気づくのはオカメ八目ってやつかな。
 実際のところ、山持家のおぼっちゃんていうより最上級生から頭ごなしにしかりつけられて、すっかり縮こまってる。ところへ、正太と美知なんか眼中になくなる決定的なひと言。
「オレの性どれいを貸してやる。好きなだけいじめて良いぞ」
 有言実行。子分たちに手伝わせて、ビリビリリモコンと糸を外して、お股の十字かも(こねくりながら)ぬき取って。
「ほら……」
 サチを教室の中へつき飛ばした。
 これで、サチひとりがぎせいになれば済む。
「正太、美知。六年の教室で待ってろ」
 とにかく、ここからはなれた所だ。とっさの思いつきだったけど、結果的には名案だったかな。
「道夫、雄介。二人を連れて行け。オレのランドセルにあるおかしを食べさせてやれ。分かってるだろうが、そいつらはサチとちがうからな」
 そんなクギを差さなくても、六年生が二年生をいじめたりは……するかもしれないけど、こいつらはしないと思うぞ。サチを使わせてもらえなくなるもんな。
 チビどもの前につき出されて。サチもチビどももとまどっている。ご主人様が、うまくけしかけてくれるかな。とりあえず、前をかくしたりせずに、ゆるく『気をつけ』の姿勢で待つ。
「なにをしたって、いいんだぞ。さっきの二人は、はだかにした後、何をするつもりだったんだ?」
 チビどもが顔を見合わせた。ふつうは、パンツまでぬがせるってのが、いちばん激しいイジメだよな。された方は泣き出したり、はずかしい所をかくそうとしたり。それをおさえつけてチンチンやマンマンを見るくらいだろう。すっぱだかで、こんなにあっけらかんとされちゃ、やりにくいだろうな。
 それでも。四年生の名札を着けた山岩って男の子が、一同代表みたいに気負ってサチの前へ進み出て。
「えいっ」
 ぼすんとお腹をなぐった。
 六年男子のパンチに比べたら、くすぐったいくらい――てのは、さすがに言い過ぎだけど。腹筋を固めてたから、グウの音も出ない。言葉の使い方をまちがってる気もするけど。
「ガオオオオ!」
 サービスのつもりだったのに。山岩くんは尻もちをついちゃった。
「だいじょうぶだぞ。サチは、絶対にやり返さない。どんどんなぐってやれ。け飛ばしてもいいぞ――サチ、ひざを着け」
 チビどもがなぐったりけったりしやすいように、低くなれってことだな。
 手持ちぶさただったので、どうしようかと迷ったけど、両手は頭の後ろで組んだ。いかにも無ていこうのポーズ。
 サチを見下ろす形になると、チビどもは急に積極的になった。
 男子ばかりが列を作って、一人ずつ順番に数発ずつ。両手を上げてわきがノーガードになったので、キックボクシングの真似をして、わき腹に回しげりを入れる子もいた。そのかわり、顔をなぐりに来る子はいなかった。ビンタは何発か食らったけど。
 不思議なことに、二年の子と四年の子で、パンチもキックもい力がそんなにちがわない。余ゆうを持って「ガオガオ」やってられる。
 いじめられてるって感じはしなくて、遊んであげてる気分。
 男子十人ほどがひとめぐりするうちに、い力がちがわない理由が分かってきた。低学年の子は何も考えずに全力だけど、少しは分別が働くようになってくると、人に危害を加えてるって理解して、無意識だろうけど手加減してしまうんだ。
 そこへいくと、おく様はおそろしいよな。手加減無しに、竹尺をメコ筋に打ちこむんだもの。それとも、女だからかな。柱時計のゼンマイをねじ切るのは女だって聞いたことがある。非力だと自覚してるから、こん身の力をふりしぼるんだとか。
 女の子と男の子で、関心の向く方向がまったくちがうってのは、実感した。男子がひと通り終わって、次は女子の番ってなったとき。
 女の子が真っ先にねらったのはピアスだった。名札の部分の直方体を引っ張ったり、輪っかを回してみたり。上目使いにサチの反応を探ってる。
「うわあ、ここって、こんなふうに……わたしのも、そうかな?」
 ここってのは、コチンコのこと。
「サチは、ピアスでし激されて大きくなったけど、女の子ならだれにだってあるよ。だから、あっ……くううう、強く引っ張ったら痛いよ」
 気持ち良いってのは、、言わないでおいた。コチンコをいじってると、たいてい親にしかられるらしいから。男子にはからかわれるだろうし、公園とかでこっそり遊んでたら、悪い大人にひどいことをされる危険もある。ひどいことったって、サチが毎日のようにされていることに比べたら、ちっともひどくないけどな。
「サチ。オマンコがもっと見えやすいようにしてやれよ」
 ご主人様もサチと同じように、大だんな様の訓答を受けて、オマンコとかメコ穴とか言うようになってる。コチンコって言い続けてるのは、サチのせいかな――は、ともかく。
 どうすれば、もっと良く見せてあげられるかなと考えて。机を向かい合わせにしたのを三つならべた。自分のカイボウ台を自分で作るのは、みょうな気分だ。机の上にあお向けにねて。こういうときは、はりつけにされるポーズが似合ってると思うので、女だてらに大の字になって、ついでにひざを立てて――こういうのを、ご開帳っていうんだっけ。
 七八人いた女の子が、いっせいに群がってきた。最初はひとりずつ、おそるおそる。すぐに三組に分かれて、両方の乳首とコチンコのピアスをいじり始めた。
 ピアスをそっと引っ張られたり回されたりしても、サチは無言で無反応。これが気持ち良いって教えてあげるのは――真似をする子が出るかもしれないので、やめておいた。そして強く引っ張られたときは「痛い痛い、やめて」ってウソ泣き。ほんとは、胸がきゅうんで、お股のおくが熱くなったけど。
 そのうちに男の子もピアスに興味を持って。女の子とちがって、自分には無い部分に関心が集中していく。つまり、オマンコとメコ穴。
 穴があったら、何かつっこんでみたいってのは、人間の本能だと思う。そこに、オスの本能も加わって。最初はえん筆一本とかだったけど。
「そこは、チンポコをつっこむ穴だ。サチは直径五センチのハンドルだって入れられるぞ」
 ご主人様が、とんでもないことを教える。直径五センチてのは、こわれたホッピングのこと。横につき出たグリップが無くなってたから、縦のハンドルをオマンコにつっこんで、ジャンプさせようとした。もちろん失敗で、すごく痛かった――のは、もう二か月も昔の話だ。地ごくの二か月間……とも言い切れなくなってるのが、自分でもこわい。エツ逆にどんどん染まっていく。
 さいわい、直径五センチの品物は教室になかったし、自分のリコーダーをビビンチョなところへつっこんだりしたらエンガチョでカギ閉められるのは分かり切ってるから――チョークを何本入れられるか調べようってなっちまった。
 けっこう気持ち良かったぞ。あんまりぬれてなかったし、チョークは水分を吸収するから。二本目からは、キシキシこすれ合う。どれがメコ穴のふちにひびいて、ささやかだけど新しい感覚だった。
 男の子たちは、すごく真けんな眼差し。女の子をいじめてるんじゃなくて、理科の実験でよう液の色が変わったりするのを自分の手で確かめてると同じ感覚なのかな。でも、実験とはちがって、どんどんエスカレートする。
「こいつ、ケツの穴にだってオトナの大きくなったチンポがはいるんだぞ。チョークだったら、何本いけるかな」
 ご主人様にそそのかされたら、すぐ実験に取りかかる。もう、予備のチョークも使い果たしてるので、となりの教室まで取りに行く熱心さ。ついでに、新規の参加者まで連れて来る。
 ほんと、びっくりするくらいに入ったぞ。最初の四本は穴のふちをこすったけど。五本目からは、束になってるチョークの中心へおしこんでいく。
 こっちの感覚としては、ちょっとずつ穴を広げられていく感じしかしない。痛みも少ししか増えない。ふと気がつくと、今にもさけてしまいそうなするどい痛みになってる。
 でも、胸が苦しくなったり腰のおくが熱くなったりはしない。
 ご主人様も、いつものサチを見つめる目じゃない。下級生たちと同じに(ギラギラじゃなくて)きらきらしてる。ズボンの前も、ぺちゃんこ。そうだよね。模型飛行機を飛ばしっこして、オレのがいちばん格好良いし遠くまで飛ぶなんて自まんしてるのがお似合いの年ごろなんだよな――なんて、サチのほうが(来年の1月までは)ひとつ下なのに、お姉さんぶったことを考えるのは、大だんな様にもいじめて可愛がっていただいてるから、おとなびちゃったのかな。
 もちろん、今だからこんなふうに思えるってのは、分かってるさ。ご主人様が本気でサチをエッチでサドにあつかうときは、絶対の支配者でセイサツヨダツで……でも、サチのご主人様だ。いじめて可愛がってほしい……なんて、絶対に言わないぞ。
 となりの教室から追加したチョークも無くなったところで、男の子たちの興味もうすれたみたい。
 ご主人様も、サチがちっともいやがらないし善がらないしで、つまらなかったみたい。
「これからも、オレの性どれいで遊びたくなったら、六年の教室まで来いよ。貸してやるぞ」
 ビリビリリモコンを付け直す手間も省いて、ついでにチョークをぬく手間も省くどころか。
「一本落とすたんびに、教室でコチピン五発だからな」
 いつもの分囲気にもどそうとしての無理難題だと思う。だって、どんなに閉めつけたって、チョークに囲まれてる中央のチョークは、まさつ力が小さいから、立って歩いたら、すっぽぬけちまう。
 結局、コチピン二十発の大番ぶるまい。
 コチピンてのは、コチンコへのデコピンのこと。二か月前は厳しいごう問だったけど、竹尺やナワトビでさんざんきたえられた今じゃ、ウォームアップみたいなもんだ。悲鳴は上げるけど、可愛らしく聞こえるように努力する余ゆうがある。
 ご主人様も退くつだったと思うぞ。ビリビリリモコンや十字かくしざしに比べたら、コップに入れて三日間くらい日なたに置いたラムネだもんな。生ぬるくて気がぬけてる。
 ――なんかリュウ頭ダビみたいな終わり方で、こんなので二人へのイジメが無くなるんかなと不安だったけど。ピタリと止まった。
 二人に問い質したら――心配をかけたくないし、お姉ちゃんはもっとひどい目に合っているんだからとだまっていたけど、飛び石連休のしばらく後から、だんだんとイジメは始まってたそうだ。気づいてやれなかったのは、オレが意図的に二人を遠ざけていたせいだ。ごめんな。
 最初は言葉でからわれるくらいだったけど、だんだんと上級生をお手本にして、スカートをめくられたりズボンをぬがされたりするようになって、全部ぬがされたのは、正太は今日が初めてだったけど、美知は三回目だそうだ。えん筆をつっこまれたりはされなかったのが、せめてもの救いだ。
 他にも。給食の量を減らされたり、逆に牛乳がきらいな子からは『貧ぼうどれいへのおめぐみ』がしこたまだったり。無理に飲ませといて、休けい時間も机を取り囲んで便所へ行かせないなんてのもあった。美知は、何度かおもらしをしちまったそうだ。
 教科書やノートに落書きをされたこともあった。物をそ末にしちゃいけませんって親から厳しくしつけられてるから、破いたり捨てたりするやつがいなかったのが、せめてものなぐさめかな。
 そんなしつこいイジメが、ピタリと止まったんだ。
 翌日には二年と三年のクラスで、担任の先生が『分相応』とかいう高学年でも難しい言葉を使って、みんな仲良くしなくちゃいけないとかお説教があったと、正太が言ってたっけ。
 二人のクラスだけ、しかも同じ日に。ぐう然じゃないな。ご主人様が大だんな様にお願いをして、大だんな様はPTA会長だから校長先生あたりに何か言ったんだと、サチは推理するぞ。
 親の七光を借りてだけど、サチのお願いを(その場限りじゃなく)かなえてくれたんだから、五郎様を少し見直した。
 そして、大だんな様はたくさん見直した。この一件ではなくて、ちょっと後のこと。
 正太の誕生日に、大きなケーキを丸ごとプレゼントしてくれたんだ。サチもクサリを外してもらって、小屋できょうだい三人でお祝いが出来た。しかも、新しいノートやえん筆とかも、美知が使う分までいただいた。これで感謝しなけりゃ、人間じゃないよな。
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 最近のラジコン送信機しか知らない若い読者向けの解説です。
 今もそうですが、玩具の戦車の駆動は、左右のキャタピラを別々のモーターで駆動します。左右同時に同方向へ回転させれば、前進/後進します。片側を止めて片側だけ駆動すると旋回します。昭和40年代の玩具は、左右の回転数を違えて旋回半径を制御する機能はありません。片側停止/片側駆動で信地旋回、左右で回転方向を逆にして超信地旋回。この二つだけです。
 そしてリモコンボックスは4ボタンです。左の2ボタン(同時押し禁止)で左のモーターの正逆転、右の2ボタンで右のモーター制御です。もちろん、リモコンボックスと戦車は電線でつながっています。
 こやつを念頭に、ビリビリブザーを2個使っています。バックは出来ません。前進と左右旋回のみ。
 リモコンボックスの画像を貼ろうかと思いましたが、ちょっと高級なスティックタイプしか引っ掛かりませんでしたので。
 やはり、エロ画像にしときます。


突撃!戦車娘:パッケージ画像
 …………「戦車 女 エロ -二次 -虹 -コミック -漫画 -マンガ -CG -ゲーム -アニメ」で検索したら、トップで出て来たのがこれでした。

 詳細は「ヒロイン戦記」本棚でどうぞ。上から5番目です。→

※ここまでは賞味期限無しです。
 以後は、リクエストシーンのみ無期限。他シーンは賞味期限有りで掲載していきます。いつ記事を非公開にするかは、ブログ主の気分次第です。


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Interrupt Report 4:首輪とピアスは服従のちかい

まずは、告知。
この記事までは賞味期限無しです。以後は、適当な(このばあいは、いい加減なという意味)タイミングで消していきます。ぽつんぽつんと賞味期限無しも交えますけど。


<雑談>昨日は、えらいめに遭いました。 I met great eye ! 出勤前に書いたやつが、PCでは Auto Save 設定を敢えて外しているのですが、WORD終了時のミスで、1時間分をSaveせずに…… 出勤途上の電車の中でチマチマ修復したけど。スマホは逆に Auto Save 設定だけど、勝手にCloudにSaveしたのかどうか、ともかく、またしても消し飛ばしてしまいました。PCでのSaveミスなんて、今世紀始まって以来の大参事でごわした。</雑談>

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おだやかな日

 五月の飛び石連休は、大だんな様たちはレジャーとかバカンスには行かず、家でのんびりとくつろいだ。その分、サチは大だんな様にもご主人様にもおく様にもいじめて可愛がっていただいたけど。
 新しいオモチャだって、最初は夢中になって遊ぶけど、だんだん他の遊びもするようになって、つまらないオモチャだったら、ずっとオモチャ箱の中に放りこみっぱなし。お気に入りのオモチャだって、たまに遊ぶくらいになるよな。サチは、ご主人様のお気に入りのオモチャだったから――忘れられたりはしなかった。ご主人様は気前よくオモチャを友達に貸す人だから、サチで遊んでくださるのは週に二回か三回だった。毎日じゃなくなったから、身体も心も休まるようになった。
 決してさみしくなんかなかったぞ。サチで遊ばないときも、犬を散歩させるのと同じで、外で遊ぶときには必ず連れて行ってくれた。客観的には引き回されたって言うべきだろうな。
 たとえば、六月の最初の日曜日。ご主人様は本物そっくりで実際に飛ぶ模型飛行機を持ってるけど、久しぶりにこれを飛ばそうってなって。取り巻きやそうでないクラスメートにも声をかけて、原っぱで飛ばしっこをした。サチもご主人様のお供をした。
 この日は首輪でクサリにつながれただけで、手もしばられなかったしヤジロベエにもされなかった。乳首とコチンコの名札ピアスだけで、なんだか物足りない気分になっちまったのは、我ながら不思議だったな。いつものようにはだしで、小石とかふんづけると痛いし、ぶつけるとつめをはがすから真重に歩いたけど。くつをはいていて、その心配がなかったら、はだかにばっかり意識が集中して、もっとはずかしかっただろう。
 いつもはサチに荷物を持たせるご主人様だけど、模型飛行機にはさわらせてももらえなかった。
 集まったのは、当然だけど男子ばかりが十数人。他の子も模型飛行機を持って来てたけど、みんなライトプレーン。竹ひごを曲げて紙をはったつばさと、細い木の棒のどう体。だが子屋で売ってるしょぼいのを持って来た子もいたぞ。それでも、プロペラを指で回してゴムを巻いてから投げ上げると、何秒か(竹ひごを曲げた本格的なのは十秒以上)上しょうしてからプロペラが止まって、空中をすべり降りてくる。
 けど、ご主人様のはちがった。格好いいだけじゃない。つりに使うリールがあるだろ。糸巻みたいなのじゃなくて、手元のハンドルを回すと、どんどん糸をたぐりこむやつ。あれに似た器械の先っぽが『?』の形になってて、そこに模型飛行機のゴムをひっかけて、何倍にものばしてから何百回と巻いていくんだ。ゴムが二重三重のコブになる。
 これを飛ばすと、何十秒もプロペラが回って、豆つぶみたいに小さく見えるまで上しょうする。大きくせん回しながら、ゆっくりと風下へ飛んでく――のを、ワアワアはやし立てながら、みんなが飛行機の通りにぐるぐる回りながら追いかける。あ、ご主人様だけは風下へ向かってゆっくり歩いてるな。
 サチはぼけっと見物してるだけ。退くつだしお日様はあったかいし風は気持ちいし。初夏の草っ原でね転がってた。だって、つっ立ってたら通りがかりの人にはだかを見られるし、コチンコに風が当たるとむずむずして自分でイタズラしたくなる。地面すれすれだと風もふかないから、安心だ。手をしばられてない自由をマンキツしたいから、大の字になってた。通りすがりの人には見られたくないんだけど、見てほしいって気持ちもあるから……お股を開いてると、だれかに見られやしないかってスリルがあった。
 だけど、のんびりしてられたのは一時間と続かなかった。模型飛行機とサチとでは、サチのほうが新しいオモチャだ。
 みんなが思い思いに自分のライトプレーンを飛ばすのにあきると、ひとかたまりになって、ご主人様のオモチャで遊び始めた。ご主人様のオモチャったって、本物そっくりの模型飛行機じゃないほうだぞ。こっちはこわれやすい宝物だから、取り巻きにだってさわらせないんだ。そして、サチはこわれにくい宝物じゃなくてどれいだ。
「せっかくメス犬を連れて来たんだ。遊ばせてやろう」
 ご主人様が言い出して、きっとエッチなことだと思うから、子分じゃなくても賛成するよな。
「これ、ちょっともったいなんだけどな」
 そう言いながらご主人様が取り出したのは、模型飛行機の予備のゴム。はばが三ミリくらいある平べったいやつで、輪ゴムなんかとはケタちがいに強いってことは、すぐに分かった。
 サチを四つんばいにさせて手を折り曲げ、二重にしたゴムで片方ずつぐるぐるしばった。引きのばしながら巻き付けられると、縄でしばられるよりもきつい。びくとも動かない。足も折り曲げて同じようにしばる。四つんばいは四つんばいでも、前足が二の腕だけになるから、前へつんのめりそうになる。すねが地面に着いていれば、身体を後ろへ引いて上体を起こせるけど、これだと出来ない。なのに。
「よし、チンチンをしてみろ」
 だから、出来ないんだってば――てのは、聞いてもらえないから。
 えいっ……手をつっ張ってお尻を後ろへ引いて、反動をつけて身体を起こした。ら、やっぱり無理で。あとちょっとってとこでふん張れなくて、ドサッとたおれた。
「……!」
 ひじから小指まで電気が走った。気持ち良いときの電げきとかイナヅマじゃなくて、神経がピリピリするやつ。
「運チなやつだな」
 ご主人様がサチのおさげを引っ張って、身体を起こしてくれた。
 あ、一週間ほど前から、サチはかみを二筋の三つ編みにしてる。大だんな様の命令。半ズボンで男子もどきだったころは、母さんの言いつけでかみをのばしてはいても、お下げだけは断固きょ否してたんだけど。今は別の理由でお下げがきらいだ。というのは、思い切り手をねじ上げて、お下げでしばるなんて無茶をされるから。顔が上向いちまうから、ひざまずくとオチンポ様をおねだりしてるみたいで……胸ドキドキでオマンコじんわり。だから、きらいなんだよ。
 正座した形になって、両手を前につき出したけど、我ながら犬のチンチンとは似ていないと思う。しょうがないから、口を半開きにして舌を出して。
「へっ、へっ、へっ……」
 サービス精神おう盛だなあ。でも、ご主人様もみんなも、ちっとも喜んでくれない。ズボンの前もふくらまさない。いつもサチに、痛いことやはずかしいことをさせてるから、こんなのって気のぬけたラムネだよな。
「よし……マンマン」
 え? マンマン?
 そんなの、聞いたこともない。ていうか、オチンポがチンチンで、オマンコはマンマンだけど。
 しょうがないから、ひざ立ちは出来なかったので、座ったまま足をうんと開いて、腰をカクカクふってみた。
 やっぱり、ご主人様は面白くなさそう。
「こいつ、メス犬失格だ。そうだ、ポニーガールにするぞ」
 わけ分かんないことを言い出した。どうせ、SMキタンって本の受け売りだろう。
 ポニーてのは、子馬のこと。女の子を馬に見立てて、馬だから当然はだかで、いろんな装具を着けさせて、馬車を引かせたり人を乗せて走らせるんだと、ご主人様が得意満面でみんなに説明する。
 だけど、変だな。カウボーイてのは牛飼いのことだぞ。ボーイとガールで立場が反対になるのかな。
 ご主人様は、サチから首輪を外した。馬が首輪をしてちゃおかしいものな。サチを四つんばいにもどして、背中に乗ったんだけど。ご主人様の足が地面に着いちゃう。折り曲げても、ご主人様はサチより背が高いから、ひざ立ちにしかならない。
 足を前へのばしてみたり、お尻の上までずれてみたりして――足を内側へ曲げて、ふくらはぎでサチの乳ぶさ(ささやかだけど、ふくらみ始めてるぞ)をおしつぶす形にしやがった。名札のピアスがこねくられて、痛気持ち良いのは、がまんするけど。馬だからってんで、お下げを手づながわりに引っ張るのは、やめてほしい。
「ハイヨー」
 ぺちんとお尻をたたかれて、しょうがないから遊びに付き合ってやった。自分より重たいご主人様を乗せて、ふつうに四つんばいで歩くんだって、難しいんだぞ。なのに、手足を折りたたまれて、二の腕と太腿だけで歩かなきゃならない。
 他の子たちが、おとなしく見物するわきゃない。模型飛行機を追いかけるみたいに、サチのまわりをぐるぐる回りながら、ついて来る。
「馬のくせに、人間よりおそいや」
 からかわれて、カチンとくるのはご主人様。とばっちりを食うのはサチ。
 子分に首輪を持ってこさせて。
「ハイヨー」
 ヂャヂン!
 クサリでお尻をたたいた。でも、不自然な体勢だし、ご主人様の手はサチのお尻のすぐ近くでクサリをふり回せないから――ナワトビよりも痛くなかった。
 ご主人様の面目をつぶしたくなかったから、がんばってスピードを上げようとしたら。つんのめって転びかけて、ご主人様をふり落としちゃった。
「こんなジャジャ馬に乗ってられるか。ロデオ大会に変こうだ」
 こりないんだね。
 選手の一番手はよりによって、取り巻きの中でいちばん体格の良い中村友也くん。サチをまたいで、どすんと腰を落としやがった。
「ぐえっ……」
 つぶされたカエルみたいな声を出しちまった。
 仕返しをしてやれ――という気持ちよりも。ご主人様をふり落としちまったんだから、子分もみんなふり落とさないと、やっぱり面子が立たないよな。
 だから、思い切り反動をつけてサオ立ちになってやった。けど、手応え(この場合は腰応え?)が無かった。それもそのはず。地面に足を着けて、立ち上がってやんの。
「反則だろ」
「ちゃんと乗ってろよ」
 ご主人様が判定を下すより先から非難ゴーゴー。で、やり直し。
 サチはまたサオ立ちになると予想したんだろう。身体を起こせるならやってみろとばかりに、友也くんは肩ぎりぎりに腰を落として。お下げはつかまなかった。ので、両手を前へ投げ出してお尻をはね上げてやった。自分の目方で転げ落ちちまった。
 ご主人様は、大喜び。別に、オマンコポンポンとかはしてくれなかった。
 オマンコポンポンてのは、ふつうの感覚だと頭ナデナデかな。大だんな様がときどきしてくださってるのを見て、ご主人様も真似しだした。オマンコポンポンでもほめ足りないってときは、中指をメコ穴につきさしてくださる。
 だっ線しちった。
 サチは本気で暴れて、全員をふり落としてやった。おかげで、ひじもひざもすり傷だらけ。お屋しきへもどってから、ご主人様がヨーチンで手当てしてくれた。傷にしみて一年生だったら泣くだろうけど、サチは六年生だし、乳首やコチンコやオマンコにも何度かぬられてたから、もちろん泣かなかった。

 そうそう。五郎さんはサチよりも八か月早く誕生日をむかえた。万国博もお年玉も要らないって約束でサチをどれいにしたんだけど、誕生日のプレゼントは、しっかりもらってた。なんと、英語で書かれた全三十五巻の百科事典だそうだ。見せてもらえなかったけど、さし絵がすごくきれいで、なんて書いてあるか自発的に英語を勉強するように……なるはずがないだろ。大だんな様も息子のことは分かってるから、大学生の家庭教師がオマケにくっついてた。
 この人は山の向こうから来る人なので、サチを見せびらかしちゃまずいと、ご主人様も考えたんだろう。家庭教師が来たときは、サチは犬小屋、正太と美知は物置小屋から絶対に出るなと言いつけられた。
 大学生は、若いオトナだよな。オトナの人のセックスて、サチは大だんな様しか知らないし、それもお尻だけ。興味はあったけど、さすがに大だんな様とご主人様とおく様の三段重ねの厳命を破ってみる無鉄ぽうは包しんだ。
 ――オトナの人が子供に対してどんなセックスをするかは、秋祭りのときにイヤってほど知らされた。


雨の日も全ら

 全らでの生活にも慣れちまって、登下校中に顔見知り(向こうに言わせればオマンコ見知りだな)のオトナとすれちがったくらいじゃ、胸に波風すら立たなくなってきた。港まで引き回されて、なじみの小父さん小母さんから同情の目で見つめられるのは、オマンコはかわいたまま胸がチクチクするけど――大だんな様の会社で何をされるか、そっちを期待なんかしないでおびえている。ということにしておく。
 そんなふうに心は慣らされてったけれど、身体のほうは慣れないままだった。季節の変わり目ごとに、それを思い知らされる。その最初が梅雨だった。
 梅雨になっても、ヤジロベエは続いていた。背中にわたした竹ザオに両手を広げてしばり付けられ、左右に二個ずつランドセルをつり下げられるやつ。
 ランドセルはぬらしちゃいけないからビニールシートで包むんだけど、サチはぬらしても構わない。せめて、カサを背中にくくり付けてくれよ。びぢょぬれになって、強い風にふかれたりしたら、夏が目の前だっていうのに、こごえ死にそうになるほど寒い。
 学校に着いて、げた箱の所で身体をふくと、もっとみじめになるけど、人心地は取りもどせる。というのも、タオルなんかどこにも無いから、備え付けのゾウキンで身体をふかなくちゃならない。ぬれた足をふくためのゾウキンだぞ。学校の全員から足の裏をぺたぺたおしつけられてる気分だ。
 ご主人様は、さっさと教室へ行っちゃってるから、ものすごく心細いしはずかしい。これは大だんな様の命令でしてることだって、思って。それでも足りないから、ほとんどぬれてないオマンコの中までゾウキンをねじこんで、ちょびっとだけ身体を温めたりする。
 登校よりは下校がつらい。お屋しきへの坂道のと中にくぼ地がある。日当たりが悪いのと土の性質かな。あまり草がはえてない。ふだんはどうってこともないけど、雨が続くとまわりから水が流れこんで、どろぬまになる。雨が上がっているかカサも要らない小降りのときは、ここでどろんこ遊びをさせられる。
 そのかわりヤジロベエをおしまいにしてくれるから、雨ですべりやすくなってる坂道を重い荷物を持たされずに両手でバランスも取れるから――苦あれば楽ありだ。一難去ってまた一難のほうが当たってるけど。
 だいたいは的当てオニだな。デパートの屋上とかにあるやつ。オニの人形の腹に的が書いてあって、投げたボールが命中すると「ウウウー」とうなって、目玉の電球が光る。そのオニがサチで、ボールはどろ団子。おへそに当たれば「ガオオ」ってさけぶ。
 石入れは禁止だから、安心して顔をねらってくるガキもいる。ご主人様はガキじゃないから、ピアスねらい。痛いたって高が知れてるから、当たっても小さなうめき声くらいでこらえる。
 最初は両手を広げて両足をふん張ったポーズ。オニというかロボットだな。そのうち、エッチなポーズを命令される。ラヂオ体操の上体反らしみたいなやつとかブリッジとか。そうなると的はオマンコになる。命中するだけじゃダメで、どろ玉が中まで入って金的になる。金的ってキンタマの意味もあるから、ポーズを取りながらくすくす笑っちゃうこともある。金的に命中したら、「ガオオ」じゃなくて「アッハーン♡」だ。でも、さすがに本当に痛いので。
「きゃあっ……アッハーン」て、なっちまう。
 ご主人様もふくめて、サチが痛いのをこらえて演技してるんだと思ってるみたいだけど。サチは、ナワトビや竹尺でメコ筋をたたかれても、「きゃああっ……あああんん」とか「ひいいっ……い、いいい」になっちまうんだから。ぬるっとした固まりがメコ穴にごう速球でたたきこまれるのは、ほんとうに気持ち良いんだ。
 でも、内しょにしとく。そんなことがご主人様に知れたら、どんな無茶をされるか分かったもんじゃない。されてみたいって、思わないこともないこともあるかもしれないような気がしないでもないけど。
 うん。大だんな様には、わりと早くから見ぬかれてたと思う。でも、サチは五郎さんのオモチャだし、オトナが子供で遊ぶのは社会的に良くないことだから、あんまりサチを喜ばしてはくれなかったな。
 その他のどろ遊びは、シンクロナイズどろスイミングのソ演技とか、カエルごっこやカッパごっこ。ほんとは、ご主人様も取り巻き連も、はだかになってどろまみれになりたかったんじゃないかな。サチがどろの中を転げ回るのをうらやましそうに見てたんだから。
 どろぬまに入らなくても、服もくつもよごれるから、遊びが終わったら解散。サチは自分のランドセルを背負って、ご主人様の後についてくだけ。
 でも、お屋しきへ帰ってからが面どうだ。千代お姉様にお願いして、大きなバケツに何ばいも水をもらって、どろだらけの身体を洗わなくちゃならない。オマンコの中のどろを指でかき出すのは、みじめだけど気持ち良い。
 身体がきれいになったら、犬小屋で休んで。学校で習ったことを空で思い出して復習。雨もりがするから教科書を広げられないし、ノートもえん筆も新しいのを買ってもらえないから、弟と妹にゆずってやった。サチは授業中に書き取りや筆算をしなくても、しかられないものな。
 正太と美知には、きちんと勉強して将来は独立してほしい。
 なのに、姉の心弟妹知らずだよ。雨にぬれるお姉ちゃんがわいそうだからって、自分たちもはだかになって犬小屋でいっしょにねようとする。
 鼻のおくがきなくさくなったけど、心をオニにしてしかりつけた。
「お姉ちゃんは、どれいごっこやはだかんぼうが大好きな、変態になっちゃったんだ。おまえたちは、こんなふうになっちゃダメだ。きちんと服を着て、しっかり勉強して、父さんと母さんを悲しませないようにしろ」
 オレは、心にも無いことは何ひとつ言ってない。でも、受け取り方は、それぞれだ。ふたりは鼻をすすり上げながら、小屋へもどって行った。
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泥んこ
 ここまでは、駆け足の回想です。でも、いくらか密度を上げています。
 次章からは、じっくりと進みます。
 回想シーンだなと思っているうちに、リアルタイムの過去へ引き込まれて行くというテクニックです。
 意識して使っているわけではありません。自然とこういう形になるのです。
 どこぞのブログで見掛けた「こういうテンプレで書けばよろしい」ではないのです。筆者は、そのテンプレのパターンのごく一部しか知りませんでした。それで良いのです。身に沁みついた書き方こそが、その作者の作者たる所以なのです。


 ともあれ。ここまではプロットで決めた通りの展開です。まあ、泥んこ遊びの内容は即興ですが。
 次章からは、激しくプロットを逸脱しつつ、リクエストの要点を抑えつつ、どうなりますことやら。
 ちなみに、この記事の掲載分までで1万2千文字余、40枚弱です。


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report 3:首輪とピアスは服従のちかい

 いよいよスタート。今のところ、1シーン1チャプターてな感じです。導入部はあっさり流して。責め嬲りになると、ネチネチデンカーボンチになる予定。
 とはいえ、いきなりのヘソ出し股下ゼロcmセーラー服に、スリコギディルドにヒョウタンアナルプラグです。白江祥女ちゃんは、イヂチク完腸3ケを注入されたまま、300枚を乗り切らなければならないのです。
 卒業式→回想延々→卒業式のシナリオなのです。


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着衣で卒業式

「久保田聡子」
 前を呼ばれて聡子が立ち上がり演段へ向かって歩く。ただひとりのフリソデ姿は、とても人目を引いて――サチに向けられていたのとはちがう、ほほえましい色合いの眼差しが注がれる。
 聡子は町会議員のゴレイジョウで、今日はいちだんと取りすましているけれど、サチは見ているんだからね。あなたがサチと同じすっぱだかになって、五郎様の前で土下座した姿を。
 そんなことは忘れましたわって顔で聡子が卒業証書の入ったツツをおしいただいて、お辞ぎをしてから横へずれて後ろの人とすれちがって、演段から降りる。
 サチは最前列の左はしに居るんだけど、ずっと名前を呼ばれない。最後の子が証書をもらって演段を降りて席にもどってから、ようやく呼ばれた。
「白江(しらえ)祥女(さちめ)」
 卒業生も父兄も来ひんも注目の中、サチは立ち上がって演段へ歩く。一歩ごとに、スリコギがオマンコをこねくり、荒縄の毛羽がメコ穴のふちをつきさす。コチンコに着けた名札のピアスが太腿にけられてゆれて、そのたびに小さなイナヅマが腰をくすぐる。乳首のピアスはセーラー服におさえられているので、ほとんどゆれない。ガニ股で歩けば下半身もすこしは楽になるけど、注目の的になってるから、女の子らしく太腿をすり合わせて歩いた。
 校長先生の前に立ったときには、もう頭がポワンとしていた。でも、証書をもらう前後のお辞ぎは忘れたりしない。机に頭がぶつかるくらいに、深々と上体をかたむけた。ので、お尻は丸見え。縦に食いこんでいる荒縄も、ケツマンコをふさいでいるヒョウタンも全校生徒先生父兄来ひんに見られてしまった。ので、胸がキュウウンとねじれて、腰が熱くなった。
 短い階段の上り下りが効いた。雲の上を歩くみたいな感じで、さらし者の席へもどって。ケツマンコをヒョウタンがおし上げるのを感じながら、おしとやかに座った。
 校長先生の式辞とかは上の空のうちに終わって。心と身体がちゃんとイスの上にもどったのは、来ひんの祝辞が始まったあたりから。
「六年生のみなさん、卒業おめでとうございます」
 ちっとも、おめでたくなんかない。
 教育委員会のナントカ代理って人、最前列の左はしに座ってるサチをちらちら。どうしても目が吸い寄せられてる。そりゃそうだよね。
 晴れの式典だからって、いつもとちがう服装の子が多い。といっても、どこかのオボッチャンとかオジョウサマといったのは少なくて、三分の二くらいは進学先の制服。
 サチも、その仲間だけど……こんなはずかしい格好は、オレひとりだけ。胸当てが無くて縄のブラジャーが見えてるし、すそが短くてヘソも丸出し。
 なんて序の口。スカートなんて輪切りの布切れ。お尻のえくぼも足の付根のYのはしっこも見えるくらいに引き下げて、やっと割れ目がかくれる。ごくたまに街で見かける(と、大だんな様が言ってた)ミニスカートってのが、オトナの女の人でひざ上十センチとかせいぜい二十センチだそうで――それでも、階段を上がってるところに出くわすとパンティが見えないかと期待するんだって。
 サチは、絶対にパンティが見えない。はいてないもんな。
 ナントカ代理の人。まだ見てる。じゃあ、サービスしちゃえ――ひざの上に置いてた証書を胸元にかかえこんで足を開いてあげた。
 代理の人、ぎょっとした目つきになって、あわててそっぽを向いた。
 このほうが楽ちんだから、開いたままにしとこう。
 代理の人がサチの股の間に見たのは、スリコギのはしっこ。生理のときは一分半(五ミリ)の荒縄を二重に巻いてるけど、今日は二分(七ミリ)。生理用タンポンじゃなくて、純すいなオマンコ責め道具だ。オマンコの中がパンパンなのは平気だけど、メコ穴のふちに毛羽がチクチクつきささってくるのが痛……気持ち良くて、もう縄はぐっしょり。
 オマンコの中をこねくられたくないので、浅くこしかけてるけど、そうするとケツマンコに逆さにつっこまれてるヒョウタンがケツ穴をおし広げようとする。前門のスリコギ後門のヒョウタン――なんてジョウ談を考えられるんだから、まだ大じょう夫だよな。完腸なんて初めて(なのに、オトナ用のイヂチクを三つだぞ)だけど、ケツマンコを使われる前にいつもリットル単位の水を注入されてるから、メンエキになってるかな。
 パチパチパチ……
 いつの間にか、代理の人の祝辞が終わってた。卒業式は、エライさんが登場するたんびに起立礼着席をしなくていいから、物足りない……なんて、絶対に思ってないぞ。座るたんびにオマンコとケツマンコをつき上げられて痛い目には合いたくない。わざとそうしろとは、大だんな様もご主人様もサチに命令していないから。
 次の来ひんは、山の向こうの学校の校長先生。オレたちの住んでる町は、一本の道路だけで陸とつながってる山(半島)の海側にある。だから、大きな街があって鉄道が走ってるのは、山の向こう側ってことになる。
 こっち側にも学校はあるけどへん差値が低いので、街にある学校を選ぶ子も多い。ご主人様も、大だんな様に言われてしぶしぶ。
 サチはご主人様のどれいでオモチャでペットだから、お供させられる。向こう側だと、さすがにすっぱだかはまずいってんで、でも大だんな様の勢力下だから、こんな『制服』を着ることになった。
 とう明なレインコート以外の服を着るのは十一か月ぶりだけど、こんなエロい服よりは、いっそ全らのほうがいいや。身動きするたびに乳首のピアスが布に引っ張られてし激される……のは、いやじゃないけど、気が散ってうっとうしい。こんなんじゃ行けないし。
 いっそ、足を閉じて貧ぼうゆすりしようかな。コチンコのピアスが気持ち良くなるし、根元は二本の荒縄にはさまれてるから、毛羽がチクチクするし。
 でも、大勢の知らない人に見られながら行くのは、いくらサチでもはずかしい。
 もろ注目の的だものな。クラスも出席番号も無視して、サチの席は最前列の左はし。来ひん席の真ん前。しかも、ちょっとだけど他の席からはなされてる。
 大だんな様は、サチのことをリトマス試験紙だっておっしゃってたけど、意味は分かってる――と思う。サチの『性的に逆待』されている姿を見てどういう反応を示すかを、観察してるんだ。
 だけど、サチに同情して『救おう』なんて考える人のすることは決まってる。三人きょうだいをばらばらにしてし設に放りこむんだ。それくらいなら、サチひとりがぎせいになる。一年前に、そう決心したんだけど……今じゃ、ちょっとあやしくなってる。決心がじゃなくて『ぎせい』のところ。
 大だんな様やご主人様やおく様やお姉様、他のオトナにもクラスメートにも下級生にまで、可愛がられたりイジメられたり(どっちも同じ意味)するのが、そんなにいやじゃなくなってる。性的快感てのをあたえられるのはもちろんだけど、痛いことやはずかしいことをされても、サチの身体で楽しんでるんだと思うと、胸がきゅうんとねじれて、頭がかすんでくる。
 こういうのを、マゾヒズムとかエツ逆っていううんだっけ。この一年間で、ずいぶんとエッチな言葉を教えこまれた。サドマゾとかエツ逆とか、オマンコとかメコ穴とかケツマンコとか。女の子に付いてる小さなチンチンは、ほんとうはクリトリスっていうことも。だけど、ご主人の五郎様は今もコチンコと言ってるから、サチもそうしてる。でも、チンチンの皮をむいたらキトウが顔を出すのと同じで、コチンコも皮をむいたらピンク色の小さな中身が出てくるのは、区別してサネと呼んでいる。
 サチが――今は、心の中で考えるときも、できるだけオレは使わないようにしてる。うっかり口にしたら、大だんな様に厳しくしかられる。
 それでお仕置をされるんだったら、わざと言うかもしれないけど。サチのことはお見通しだから、あまやかしてはくれない。
 なんだっけ。そうそう。サチがエツ逆を受け入れちまったのは、どれいになってから二か月も経ったころだっけ。大だんな様のことを、サチたちの保護者だって信らいできるようになったのが大きいかもしれない。
 その一番のきっかけは五月十四日――父ちゃんと母ちゃんの四十九日のことだった。


両親の位はい

 あの日、サチは犬小屋のクサリをはずされて、首輪は着けたまだたったけど、一か月ぶりに物置小屋へ入った。
 正太と美知は、ろう屋とたいして変わらなかった小屋の中を、すみずみまでそう除をして学校から持ち帰った図画や古新聞で作った人形なんかをかざって、貧ぼう人の子供部屋くらいに仕立てていた。二組の布団はきちんとたたんで小屋のすみに片付け、ミカン箱の机も(二つでいいのに)三つきちんと並べられていた。両側の机には、教科書とかノートとか並んでいるけど、真ん中のは牛乳びんに差した古新聞の造花だけ。
「ふん、これは手回しの良いことだ」
 大だんな様が机の上に真新しい位はいを置いた。
「あの……これは?」
「開けてみろ」
 明ける……?
 位はいを手に取って、前がとびらみたいになっているので、留金を外して明けてみた。ぼろっちい布切れが入ってる。
「これ……?」
 なんとなく見覚えがあった。
「父ちゃんのシャツだ!」
 正太がさけんだ。
「母ちゃんのスカートも!」
 美知も大声を出した。
「遺骨は、そう方の親族が持ち去っってしまったが。それでは、あまりにおまえたちが不びんなのでな。海上保安庁で保管していた証こ品の一部をゆずり受けてやったのだ」
 そして、大だんな様は位はいまで作ってくださった。
「ありがとうございます」
 サチは位はいをにぎりしめて、初めて心の底から大だんな様に感謝した。
「うむ。しかし、忘れるなよ。わし――だけでなく、家の者にもだ。逆らったら、こんな物は捨ててしまうからな」
 うぐ……セッカン覚ごで逆らうこともできなくなっちまった。でも、命に係わるような無茶な命令はされないんだから、痛いのもはずかしいのも我まんすればいい。つまり、まるきりこれまで通りだ。
「はい、サチは大だんな様にもご主人様にもおく様にもお姉様にも、決してさからいません」
 なんのわだかまりもなく、そう言えた。実際には、この後も位はいをおどしに使われたりはしなかった。サチは厳しいセッカンにもたえたけれど、同じことを正太や美知にするぞとおどかされたら、降参するしかないじゃないか。


正しい着け方

 位はいをいただいた三日後だっけ。大だんな様のとりなしで、サチたちはおやしきのお風ろを使うことを許していただいた。サチにとっては、お風ろでご主人様に持て遊ばれる日々の復活でもあったし、大だんな様の背中も流すようにもなって、それは月に一度か二度だけど、必ず後でおく様とお姉様のコンビから厳しいセッカンを受けた。そして、セッカンでもオマンコをぬらすようになってたから、ますますおく様をおこらせて――竹尺を刀のヤイバみたいにしてオマンコをたたかれるだけじゃなくて、首輪のクサリをムチにしたり、立ち木にしばり付けて、乳首とコチンコのピアスから先の部分を洗たくバサミではさんだまま朝まで放っておかれたりもした。
 お風ろを許していただいた最初の晩は、すごくつらかった。大だんな様とご主人様がいっしょに一番風ろを使って、サチは二人の背中を流すように命じられた。のは、おく様への建前で。サディストの父親から見習サディストの息子への教習だった。
「前から気になっておったが、おまえはピアスの着け方を間ちがえているぞ」
 この『おまえ』は、ご主人様とサチと、両方らしい。
 大だんな様の命令で、サチはタイルゆかにあお向けにねて、五郎様にコチンコのピアスを外していただいた。新しく着けていただいてるピアスは金属の輪っかが太いし、はしっこが球になっているので、外すのが難しい。しかも、コチンコを引っ張りながら輪っかを回すものだから、痛くてうめき声をおさえられなかった。
「包皮にまで穴を明けてしまっているが……まあ、なんとかなるだろう」
 サチは自分の手でコチンコの皮をむいて、根元へおし下げた。実に明いている穴に直接、ピアスが着けられた。先っぽのいちばんびん感なところがむき出しになって、ほんのちょっと息をふき付けられただけでも、ビクビクッとイナヅマが走る。
「ナイロンか絹のパンティをはかせてやると面白いのだがな」
 身体を動かすたびに、やわらかな生地が先たんにこすれて、大だんな様の言い方だと「行きっぱなし」になるんだそうだ。
「しかし、これ以上は昭江をおこらせると、とばっちりを食うのはサチだからなあ」
 そんなに気持ち良いのなら体験してみたい。とばっちりだってかんげいしてしまうんじゃないだろうか。竹尺をオマンコにたたきこまれたら、すごく痛くて泣いちゃうけど、いつまでもじんじんしてオマンコのおくまで熱くなる。
「まあ、そのうち工夫をしてやるか」
 この工夫というのが実現したのは、サチの誕生日――来年になってからのことになる。でも、外を引き回されるとき風にふかれたりすると、もらしそうになるほど気持ち良いし、セックスのときに男子のお腹で(オトナにされるときにはジンジロ毛で)こすられたりするのも素敵だから――そのためにパンティをはいてみたいとは思わなかった。もちろん、オマンコを丸出しで外を歩くなんて、ものすごくはずかしくて慣れることはなかったけど、これがサチのトレードマークだって気にはなってきて。はずかしくてぬらしながら歩くんじゃなければ楽しくない――なんて、いつの間にか思うようにはなっていたかな。

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半ケツセーラー




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ジャンル : アダルト

Progress Report 2:首輪とピアスは服従のちかい

 プロット出来ました。ていうか、1年を追って考えているうちに――平穏な日もあったんだよと章を設けたいなとか。女子にリンチされて、それがずっと続くのはきついな。リンチでアクメって引かれて、微妙なイジメになるとか。性ホルモンの分泌が活発になって初潮が早く来て、そうなると擂粉木タンポンも(プロットに)挿れなくちゃとか。
 あんん♡ 弄ってると、どんどん膨らんじゃううう!
 ですので、打ち止めにしました。
 まあ、数枚の章もあるでしょうし、数十枚の章もあります。短いのは別の章題で統合するかも。


 とにかく。タイトルは前回と同じ13文字、章題も前回と同じ6文字に統一しました。

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オープニングは章題無し
全編を回想モード。文体はリアルタイム?
1971年3月15日( 月)
C学校の制服。上乳(将来は)こぼれる胸当無しヘソ出しセーラー服、股下ゼロcm最新ファッションプリーツスカート。
荒縄フンドシ、荒縄ブラジャー、(荒縄を巻いた)スリコギタンポン、ヒョウタン尻栓のフル装備。浣腸100cc。コチンコは根元の包皮を二本の荒縄に挟まれている。
座れば、ヒョウタンが押し込まれるしスリコギがこじられる。立てば、スリコギの端がスカートの裾よりも下。
露出服での参列は、来賓と父兄へのリトマス紙(山持の権力誇示)。
五月もいろいろあって。奴隷生活が落ち着いたのは六月かな。

※両親の位はい
5月上旬。
飛石連休は29、3、5だけ。日曜と憲法記念日が重なってる。
すっかりマゾ堕ちしている。
大だんな様への敬愛。
海上保安庁から父母の衣服の切れ端をもらって来てくれる。繰出位牌に。究極の恫喝手段(取り上げるぞ)にもなる。
心の中でも敬称で考えている。
言葉遣いは女子。内言は根性で男言葉。ただし、うっかりオレと言わないように、内言でもサチ。

※正しい着け方
五月中旬
コチンコピアスの正しい装着法を大だんな様から。包皮を剥き下げてサネに装着。さいわい、根本まで剥けて穴露出。皮はたくれるし、先端の敏感な部分が露出。美知のパンツを穿いてみたら一歩ごとに擦れてびしょびしょ。

※おだやかな日
6月初旬
五郎もすこし飽きてきて、模型飛行機を飛ばしたり鉄道模型で遊んだり。犬小屋で居眠り。模型飛行機のときは、犬扱いでボール遊びとか。首輪と鎖は常時。
学校では、昼休みは平和。自分から用具倉庫に隠れている。たまに、五郎の許可をもらって、セックスしに来る男子がいるくらい。無茶はしない。放課後に遊ばれるのも週に一度くらい。
風呂も許された。掃除をしてから出る。
正太の誕生日にホールケーキと文房具(は、美知にも)。
もちろん、甘やかされてばかりじゃなくて。

※雨の日も全裸
6月中旬(梅雨)
登下校のいたぶりは、五郎の権威を示すために続けている。
梅雨の間も全裸ヤジロベエ。ランドセルだけビニール。
下校時はどろんこ遊び。帰ってから、穴洗い。
トイレはずぶ濡れ。弟妹も裸で。
犬小屋はコンクリートブロックで嵩上げ。弟妹が一緒に寝ようとするのを厳しく制止。
「 おまえたちは、まっとうな人間になれ」

※弟妹の身代り
6月下旬(梅雨)
雨で遊べない憂晴らし。五郎に連れられて首輪に鎖、後ろ手緊縛で放課後に校内引き回し。弟妹が虐められている現場。
五郎に頼んで、止めてもらう。身代わりに祥女。倒錯した興奮。

※ワイセツ対策
7月上旬
発毛。そのままでは公然ワイセツ。剃毛。面倒だから、自分で抜け。そのうち生えなくなる。

※女子のリンチ
7月上旬
陽太は常連。オマンコ禁止。初潮まだなら大丈夫。押し問答。ゴム持参(ぶかぶかを、根元輪ゴム)で。教室で本人が自慢(?)
女子からの呼び出し。「女子の問題だから」と、五郎は聡子に追い払われる。
「林くんにエッチなことを教えたのは、お前だ」本人でも五郎でもなく、サチを逆恨み。リンチ。
性器を虐められても、興奮は無し。悔しく惨めなだけ。

※リンチを志願
7月中旬
陽太を外してと五郎に訴えて。リンチの詳細を話す。
俺の命令だ。リンチを受けろ。
陽太に濃厚サービス。
女子に自分から告白。
もっと酷いことをされても、ご主人様の命令だと思うとアクメる。
女子に変態扱い。リンチは悦ばすだけ。以後も陰湿なイジメは続く。
椅子に画鋲。そのまま座って悦虐を演技。ご主人様の命令と思えば、演技ばかりでもない――のに、自己嫌悪も。
給食を肌にこぼす。
体育の授業に参加させる。ドッジボールで集中攻撃。全力疾走強制。すべて悦虐で乗り切るので一回こっきり。

※夏には海遊び
7月下旬〜8月いっぱい(夏休み)
砂浜で遊ばれる。複数回。
生き埋め。
逆日焼け。
緊縛遠泳。
浦島太郎ごっこ。騎乗匍匐前進で海中へ。そのままブイまで泳ぐ。亀だから海中へ潜って、五郎に意趣返し。は、十倍返しされる。サチも悦虐半分遊び半分。
鞭で方向指示のスイカ割り。
新盆。白灯籠。大だんな様の配慮。生き死にだけは厳粛。

8月中旬
盆踊り。スルー。帰省中の大学生とかいるので、都会まで噂が広まると、親父の圏外。

※三人水入らず
8月下旬。
一家で万博。五郎のためではなく、女房孝行という名目。サチを奴隷に飼う条件が、万博とお年玉無しだから。女中も里帰り。屋敷は厳重戸締まり。サチだけでなく弟妹も首輪鎖。食事は缶詰と自衛隊レーション。初めて三人で犬小屋。
御用聞きが忍び込んで弟妹の眼前でサチにイタズラ。セックスは拒んでフェラ。完全拒否は仕返しが怖い。弟妹にお菓子くらい食べさせてやりたい。大だんな様たちに知られたら折檻かな。それも愉しみ……じゃない。
「下手くそ。駅裏の立ちんぼババアのほうが上手いぞ」
ちょっとショック。イタズラは、チャンスが無いせいもあって、それっきり。

※生理の始まり
9月中旬
学校で。椅子を汚す。
保健室で真空管先生。弟妹の
「無理にオトナにされて、身体が追いかけてる。痛ましい」
ナプキンとゴムショーツ
奥様に報告。細いスリコギに荒縄を巻いたタンポン。縄で縛り付ける。マンコから突き出した姿で登校。ゴムショーツ返却で真空管から軽蔑混じりの道場。

※秋祭の大人姦
9月下旬
秋祭り。全裸のサチは鳥居の手前で立入禁止。藪に緊縛放置。虫刺されは少ないはず。酔っ払い数人による暴行。仕込無しの偶発なだけに、恐怖。でも、濡らす。
性的に扱われることで興奮。濠門セオリー。
五郎から親父へ報告。生理直後なら妊娠の心配はない。
オギノ式の知識を得た五郎。生の日を制定。

※ペンキ体操服
10月上旬(運動会)
シャツとブルマのボディペ。組体操とかは練習してないのでパスさせられて。個人徒競走と

※五郎も大人に
10月下旬
五郎の精通。本人は、ゴムを試して不快。
妊娠したら堕ろせばいいと親父。
五郎は、危険日にはアナル。安全日は生。クラスメイトも。

※顔面便器の刑
10月下旬
陽太との生を女子に吹聴して、リンチ。悦虐は面白くないので、ボットン便所に肩まで落として、腕にコンクリブロックを通す。顔に小便。放置。
放課後、五郎が救けに来る。

※山持家の権力
10月下旬
聡子が親に連れられて謝罪に。サチのいる裏庭で、聡子が五郎に全裸土下座。
「もう赦してあげて」
「あなたの情なんか受けない」
大だんな様のとりなしで手打ち。
「あいつの親父が議員でいられるのは、パパの票があるから」
以後、女子は完全無視。虐められるより辛い。

※サチ専用の針
広島が手縫い針・待ち針の九割!
11月上旬
学芸会。欠席。屋敷にサチだけ。
家政婦にずっと虐められる。メッキ失敗で表面ギザギザの待ち針。正常品と刺し比べ。
乳首針山。長い針で乳房上部貫通。小淫唇を太腿に展翅。仕上げはクリ針山。
奥様が先に帰って来て。待ち針を専用に。

※冬の防寒対策
11月中旬
仕舞湯からの風呂掃除は湯冷めしないよう、窓を閉め切って湿気を残して。弟妹は交替でサチは毎回。盥に残り湯を張って風呂の蓋をして、最後に微温湯に浸かる。
防寒に透明ビニールのレインコート。コンビニ(当時は無い)のより分厚い。靴も与えられる。ヤジロベエ廃止。乗っている者が飛び降りできるリヤカーで、五郎を牽引。子分は徒歩。

※冬には雪遊び
12月下旬( 冬休み)
雪合戦。雪ダルマ。全身凍傷。

※新年寒中水泳
正月
カンチョウ水泳、ロケット推進。

※誕生日の誓い
1月( 誕生日)
新しい首輪とピアス。「Sex Slave」「SACHI」「Owner Goroh」
Cリングと湾曲したU字形留金具にプレートロウ付け。コツは要るが着脱できる。
首輪の留金具(前)もピアスと同形。プレートには「Bitch」
自分で申し出て、自分の手で装着。ピアスの留金具を大だんな様に加締めてもらう。首輪は成長を見込んで緩く。留金具は加締める。切断は可能。象徴的意味。

※お灸のお仕置
2月初旬
奥様の虫の居所が悪くて。いきなり三点。
美知の誕生日にもホールケーキ。そして、可愛い服(古着)。正太にも。

そして淫虐へ……まさかね。
※淫虐への門出
3月中旬(卒業式)
オープニングから1時間後。
自分が卒業すれば、弟妹は普通に扱われる?
在校生のアーチを最後列でくぐって。
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 たまには「ラストシーン/回想/冒頭に戻る」という構成も洒落ています。
 ていうか、教育漢字限定変換IEMを使って、漢字の学習範囲を考えなくていいです。縄とか鞭とか奴隷とかは、前作の最終章で使っていますが、これはC時代に覚えたってことにすれば、矛盾は無しです。


擂粉木ディルド
画像は、https://geothek.org/80088.htmlから借用。

 長くなるので、年内フライングです。
 26日はアフタークリスマス忘年会。27日、ボケット・スタートといきますか。


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Interrupt Report 1:続・名札のピアスはどれいの証

 うへえ。えらいもんを引き受けた。
 リクエストは
1:女子からのリンチ
2:弟妹の身代り
3:夏祭のオトナ暴力
4:専用マチ針
ですが。前作の製品版でくっつけた中卒時の回想シーンも回収しなくちゃ。
5:梅雨でも傘無しずぶ濡れ
6:夏休みの海遊び(生き埋めと逆日焼け)
7:運動会のボディペ体操服
8:冬の雪遊び
 これだけあって。卒業式も欠かせませんな。
 5〜8は数行で端折る手もありますが。もったいない。逆日焼けと雪遊びは『いじめられっ娘二重唱』既出で二番煎じですが、でも、書く都度に微妙な違いは出てきます。じゃなけりゃ、何百年にもわたって、凸と凹が嵌合する話が書き継がれるはずもない。
 前作は、わずか1か月を2百枚掛けて書いたのですから、今作は11か月。2千枚を……超えてたまるもんかあああ!!
 あと、エピソード間を幾らかは描写していくんだし。
 まあ、3百枚目処にハサミを入れていきましょう。

 しかし。偶然とはいえ、天の配剤(廃材だったら、どうしよう?)も。
 まったく匂わしていないし、方言も使っていませんが、この物語の舞台は広島県の海岸沿いの町を想定しています。
 うっかり書いちまってWILL様が食らいついた「サチ専用のマチ針」。実は何も考えてませんでした。せいぜい、穢れるから他の用途には使わない――くらいかなと。
 ところがと転がして。広島県は、手縫針やマチ針の生産地。全国シェア9割。
 ならば、お手伝いのサディスチンが針工場の誰かとネンネゴロニャンで、不良品をもらってもおかしくないよね。
 メッキのミスで表面がザラザラになった特痛品てことにしちゃえ。


needle-nipple.jpg

 あと、現段階での確定事項。リクエストを一部改変。
 夏祭→秋祭です。
 夏はエピソードあるし、運動会は10月だし。9月が空白なので。という消去法だけでなく。真夏に素っ裸で藪に放置したら、蚊に食われます。それはそれで愉しい責めですが。エロ気は薄いですな。跡始末も大変です。
 まあ、ノーパン浴衣とかいうシチュエーションは一文無しだ(エンが無い)から無問題でしょう。男が帰省中の大学生ではなく、隣村のパラツヨイになります。他所者が気軽に来れる道路事情ではない(道路一本でつながっている小さな半島)し、シラフでは山持の坊っちゃんのお人形を虐めるなんて、飛んでも480秒です。
 五郎がけしかけたというのもアリナミンですが、陽太が精通してるからオマンコ禁止にしたくらいだし。半年のうちに扱いが変わったかな。
 いや。目新しいことをするときは父親に相談することになってるから、ガキマラはともかくデカマラでガバガバは後々都合が悪い(接待の目玉)ので。
 うん、やっぱり五郎の思慮不足で不慮の事故です。後で親父さんに叱られましょう。


 さて、だいぶん固まってきました。
 次回はPLOT公開かな。

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Interrupt Report 0:続・名札のピアスはどれいの証し

 さて、『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』の後半パートに着手しましょう。これも途中まで書いていたけど、完全ボツにして書き直して……初っ端に、ヒロインのC3夏休みの積極的リンカーンのエピソードとかを、プロットではねちねち書いてるけど、過去完了形にして数枚で端折って。ううむ、どうもしっくりこない。
 となったところで。WILL様からのリクエストです。

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*ストーリイのリクエスト
・「名札のピアスはどれいの証し」の続き、祥女のS学校卒業までの話
*時代設定のリクエスト(未来、飛鳥~平安は不可)
・1970年ぐらいの日本の港町
*シチュエーションのリクエスト
・女子からのいじめ、山持と無関係なものからの責め
*キャラ設定
・祥女
・正太
・美知
*人間関係のリクエスト(実父と娘、姉妹、兄妹、先輩後輩、強制婚約、継母や継父などなど)
・祥女とクラスの女子や、正太や美知の同級生、山持と無関係な男たち等
*特定の責めのリクエスト
・林陽太と関係をもったことがクラスの女子にバレた祥女。嫉妬と怒りに燃える女子たちにトイレに連れ込まれた祥女は、ブラシの柄を突っ込まれたり、モップで体を洗われたりとリンチされる
・「どれいの家族はどれいだ」と、正太や美知も同級生から裸にされたりといじめを受けている現場に出くわした祥女。ご主人さまに取りなしてもらうが、かわりに祥女が下級生からいたずらされる
・夏祭りに祥女を連れて行った五郎だが、神事であるとして裸の祥女の参加は拒否される。祭りに行く五郎に藪の中に繋がれ放置された祥女は、やってきた学生(または浮浪者や酔っぱらい)達に犯される
 ご主人様や大旦那様とは違う、大人の男の本気の暴力を交えた行為に怯えながらも、マゾとなった祥女は興奮してしまう。
※可能であれば、製品版にて書かれた「祥女用のまち針」の話を書いていただけれるとありがたいです
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 ううむ。問題が2点。公開販売するにあたって、C卒後に売春島へ売り飛ばされるまでの4年間を駆け足で10枚ほど書き足したのですが。これが制約になりかねません。
 そして、もう一点。ヒロインは前作でS6で、今回のリクエストは、そこから卒業までの11か月です。てことは、弟の正太がS3で妹の美知にいたっては(1歳半下の)S2。ストライクゾーンより低いってより、公開販売時にネックになりかねません。まあ、法人出版社のDL版は堂々とU9やらかしてますが、同人には販売サイトが自主規制を掛けてきますし。
 どうしようかな……こら、馬鹿チンコ。勝手に返事をするんじゃない!

 85は、イタリア語で ottantacinque です。
 ということで、[承認]ボタンをポチリます。

 弟妹については、まだ本格的に虐められずに、ヒロインが庇って身代わりになるという設定ですから、追加の章「四年後の祥女」と矛盾はしませんし。書いてるうちに、作者が矛盾させて、「あの章は別の世界線とお考えください」なんて……いや、やりませんよ。制約のある中で書けてこそ、本物です。

 まあ。『物売編(夜)』や『魔女狩りのプロローグ』みたいに、放り出したのを再挑戦てのは、ありましたし。そもそも『魔女狩りのプロローグ』は大昔の真面目(微エロ)SFのSM焼き直しですが。
 意図していなかった作品の続きを書くというのは、初めてです。勉強になります。


 人間、何歳になろうと「生まれて初めて」という経験はしょっちゅうです。究極的には「死ぬのは生まれて初めて」ですが。そこまでいかなくても。
 味噌ラーメンに胡椒を掛ける(普段は一味か七味)。醤油ラーメンに一味を掛ける。なんてのも、つい最近の初体験です。だって、醤油ラーメンに油揚げが乗ってるんだもん。
 生き死にからラーメンまで、すげえ落差。


New紹介画像_名札のピアス
 アホ言ってないで。前作執筆から、ほぼ丸2年。ヒロインの性格とかを読み解かないと齟齬します。何度か読み返してから、じっくりプロットを練りましょう。
 『物売編(夜)』と「宿題を忘れたら~」の§19『夏休み特別補習』(ノクターン公開は来春早々予定)を終えて、今年は3,200枚。書きかけで年を跨ぐとカウントがややこしくなるので、年明けから執筆に着手しましょう。

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Progress Report(third) 5:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 また、やらかした。けれど、プラスとマイナス相殺するような見落としなので、あちこち書き直す手間が増えたけど、巴旦杏は好きです。

 ええと。最初のほうで月三分の利息だから、30万円で月9千円。写真売の稼ぎが2万円だから、生活費を切り詰めれば少しずつでも元本を減らせると書いたのに。
 後半で、月五分を年利換算すると八割くらいだから、当時の法定上限(出資制限法)109%以下と書きました。悪逆だけど非道じゃないってことです。
 ので、最初を月五分に書き直すと……利息が1万5千円で、生活破綻です。
 ところが、もひとつ見落とし。このおっさん、昼間はのらりくらりかい。で、ヤクザ配下の手配師から日雇仕事を周旋されて、月に1万ほど稼ぐと柿咥えましたまうえ。若干ゆとりが出ますが、だから一刻千金を夢見てハルウララの一点買いじゃなくて、競輪にぶっ込むわけです。雨降って地固まる。
 このあたりは、校訂時に修正しました過去形。ブログの記事はそのままです。こういう修正があるので、ブログの記事を通読された読者も
製品版を購入するメリットがあるのです。

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   父は拘置所

 執行猶予が付く(だろう)と言っても、取調中はもちろん、判決が出るまで拘置所に収監される。簡易宿泊所住まいでは釈放の目も無い。
 言い含められている昭大はすべての起訴事実を認め、弁護士も情状酌量に論旨を絞ったので、裁判は短時日で終わった。とはいえ、自首して逮捕されてから判決が下るまでに四ヶ月余を要した。
 その間の和江について、あらましを述べておこう。
 結婚届に署名した直後、ついに和江は、開通されたとはいえ男を知らぬ穴を若頭に貫かれた。捨鉢と自己犠牲と強迫とによる性交であっても、合意には違いないのだから、犯されたという表現は当たっていないだろう。
 娘が男に抱かれる様を見せつけられて昭大は苦悩しただろうが、男の心理など追っても興を殺がれるだけなので端折る。
 昭大の出番は、あとひとつだけ。和江と共に工場へ行って、即刻退職させることだけだった。結婚が決まったと言えば(まったくの事実だ)深く追求はされないし、父親が付き添っていれば実家へ問い合わせが行くこともない。まだまだ、家の都合でろくにお見合いもせず結婚に至る例も、地方には残っていた時代だった。
 傷の治療に和江は一週間ほど、生田組御用達の病院に入院させられた。勝造(名義上は夫婦になったのだから、小説上の表記も改めよう)は二回だけ見舞に来て――なにしろ個室だったから、新婚の熱々夫婦なら、それも当然と言うような狼藉に及んだ。
 驚いたことに、勝造は和江を極めて優しく扱った。婦人雑誌が男性に求めるような繊細で長時間の愛撫にも及んだ。
 しかし和江は、くすぐったくて鬱陶しいと思うだけで、小高い丘の麓にも達さなかった。看護婦がいつ入って来るか分からない環境では当然――なのではなかった。勝造が手を抜いたというか、わざと急所を外したのだ。彼に弁解させれば、それでも入れる物は挿れたということになるが。
 そして、退院した直後に彼女を宿泊を要しないホテルへ連れ込んで。持ち込んだ縄で縛って、苛酷な鰐革ベルトではなく大人の玩具屋で売っているバラ鞭で(それでもじゅうぶんに厳しく)全身を鞣してから、過敏になった肌を執拗に愛撫して和江の反応を引き出し、自慢の真珠入り疣魔羅で、それまでに和江が体験したことのない高みにまで押し上げたのだった。
「俺と征子が見込んだ通りだぜ。おまえは虐められて悦ぶマゾなんだよ」
 そう言われれば――和江にも、思い当たる節はいろいろとあった。今の決定的な事実だけではない。撮影されているときに縛られたり、仕置に掛けられて鞭打たれたりしたときにも、肉体としては苦しいだけだったが、何か妖しい感情が生じていた。だからこそ、征子にからかわれたように、辱められて濡らしたりもしたのだ。
 そうやって和江は急速にマゾへと調教されていった。いや、マゾの素質を開花させられた。
 開花を早めた勝造の仕打ちのひとつに、剃毛があった。
「俺の女はすべからくパイパンにするんだよ」
 浮気防止に女房の毛を剃るやつもいるが、俺のはただの趣味だ――と、うそぶくのだから、呆れてしまうが。どうにでもしてくださいと諦めている和江は淡々と受け容れて、少しく勝造を失望させたらしかった。
 むしろ、脇毛を剃る習慣が定着していない、この時代。ノースリーブなら確実に見えてしまう部位を無毛にされるほうが羞ずかしいくらいだったが。
「パンティを脱いでおきながらブラジャーを着けたままって法はねえだろ」
 奇妙な論理に納得――しようとしまいと、勝造に抵抗など出来ないのだが。
 同じ論法は腕にも脚にも適用されて――以後、首から下は剥き卵で、和江は春秋を重ねることとなった。
 勝造は和江をマゾ奴隷へと堕としていく一方で、女の幸せの『形』を叶えてやることも忘れなかった。
 ヤクザ流儀の派手な結婚式こそしなかったし、参列者も二号を除く勝造の歴代女房だけでどちらの親も呼ばなかったが、文金高島田に羽織袴。神前で真似事だけはして記念撮影。写真館に場所を変えて、ウェディングドレスにタキシード。和江が勝造に心を開いて後は、この二葉の写真が生涯の宝物になる。
 和江は新しいアパートの一室をあてがわれて、そこで暮らし始めた。住民票も移したし、会社には父親への連絡先として届けておいた。といっても、勝造と同居ではない。
 勝造は意外と義理堅く、それとも精力絶倫なだけか――他組への献上品とした二号の里美を除いて、和江を含む四人の女を多い少ないはあっても、それぞれ月に数回は抱いている。いわゆるセックスだけのときもあればエスエムもあった。しかも、その合間には、風呂も街角も厭という女に引導を渡したり、亭主の借金の利息を待ってやったり、単純に味見をしたりと――まさしく竿の乾く暇が無い日々だった。
 それに比べれば、和江の穴は埋まらない日のほうが圧倒的に多い。といっても、甘やかされていたわけではない。
 週に四日はトルコ風呂に出勤させられていた。前年から取締が厳しくなって本番が自粛され、ペロペロが限界。過激なサービスでもゴックンまでだった。
 ちなみに、これを嬢は歓迎しない。顎と舌が疲れる。形だけ亀頭を咥えて手コキだけで済ます猛者も居るが、和江は律儀に教え込まれた性技を駆使する。手抜きが勝造の耳に入れば半殺しに――されてみたいと思わないこともないのだが、そういう問題ではなく、彼女の性分が許さない。
 だから和江は、短期間のうちにトルコ嬢に特有のテクニックを習得していった。といっても、まだ泡踊り(マット洗い)もスケベ椅子も無かったから、驚くほどのこともなかろう。
 和江には、父の不始末で生田組がこうむった損害の賠償よりも重要な責務があった。生田組若頭の女房として、他組織の幹部や政治家、ときとして官公庁の役人の接待である。といっても、和江が取っ替え引っ替えの五号であると相手も知っているし、勝造もそのように扱った。
 ときには緊縛の先生を呼ぶこともあり、ときには亭主みずからが、高学生の年齢である新妻を縛り甚振り、あるいは接待相手に甚振らせる。
 勝造が出しゃばらずに、征子が『男優』を務めることもあったし、一度などは歴代女房の四人が一同に会して、文字通りの卍巴を披露したことさえあった。パイパン(そのうちの一人は刺青)四人の揃い踏みは、それだけでも壮観なものだった。
 そして――宴会が終われば和江を(ひとりだけとは限らない)接待相手の下に残して引き上げるのが常だった。征子は絶対に『二次会』に参加しないし、まとめて四人を接待した卍巴のときも、残されたのは和江と雪だけだった。そして二組の『嬲』ではなく『娚』と『男嬲』の形になった。男三人の肉布団にもみくちゃにされたのは、もちろん和江のほうだった。
 たとえ『娚』でも、見知らぬ(おおむねは)くそ爺に嬲られるのは厭だったし、憎い男とはいえ夫を裏切っているような後ろめたさも感じてしまう。
 それでもいつしか和江は、接待の夜を心待ちにするようになっていた。接待が終わった翌日はトルコ風呂も休んでアパートに待機していると必ず、連れ込みホテルへ連行されるか、例の倉庫へ呼び付けられるからだった。
 何をされたのかは分かりきっているが、どういうふうにされたのか。おまえは感じていたのか。まさか逝ったりはしていないだろうな。
 尋問には必ず鞭と縄が伴ったし、夫を裏切るような反応をしてしまったと告白したり(猿轡で言葉を封じられて)否定できなかったりしたら、針や蝋燭や浣腸やワニ口クリップと電撃のセットや征子が待っていた。ただし、何日も入院するようなことまではされない。
 ――そうして、冬になり春が訪れた。


   家族と訣別

 和江は遠くから物陰に隠れて、拘置所の門を見詰めていた。今日、父に判決が言い渡された。無事に執行猶予が付いた。これから三年間、過ちを起こさなければ清廉潔白の身となる。進学ではさすがに戸籍謄本までは求められないから、弟の未来に影は差さない。
 拘置所に預けている私物の引き渡しのために父が連れ戻されて、かれこれ一時間になる。
 和江が遠目に見た限りでも、父はすっかり参っているようだった。
 それに比して――この四か月の間に、彼女の雰囲気は大きく変わっている。垢抜けたのは、勝造が言うところのバケベソ化粧を、一号の征子から教わった基本に、歳の近い四号の雪の遣り方を採り入れた結果だった。
 そして化粧の下から匂い立つ早熟な色香は、彼女が女としてじゅうぶんに開花したことを雄弁に語っている。
 しかし、大輪の花ではない。手折るどころか踏みにじってやりたいと男に思わせる風情は、隠れていた素質を勝造の手によって(征子の協力も相俟って)自覚させられ育てられた結果だった。
 拘置所の正門の前には、一組の男女が立っている。勝造が付けてやった弁護士と、証人台に立って切々と情を訴え夫の厚生を誓った、昭大の女房。
 ちなみに、和江は裁判を傍聴もしなかった。裁判官の手元には『証拠写真』がある。たとえ化粧と髪形が違っていても、同一人物と見破られないとも限らない。見ず知らずの少女をモデルとして雇ったのでも罪は重いが、実の娘を裸にして縛ったり性交紛いのことをさせたとなると、情状に酌量の余地など無くなる。もしも昭大が窮して真実をぶち撒けてしまえば、生田組が大打撃を受ける。
 そして、母親は母親で――父親の不面目というも愚かな様を子供たちには教えたくない。
 だから、この正月に和江が心痛(と、全身の痣)を隠しながら帰省したとき、母親もまた苦悩を打ち明けていない。当然に、和江は何も知らないと信じている。
 和江が隠れているのは、そういう理由からだった。
 父もまた、娘の消息について母に語ることはないだろう。
 この父母娘の喜劇というには悲しい三竦みは、和江がその気になれば、下の弟が卒業を控えて求人元の企業に戸籍謄本を提出するまでは続けていられる。戸籍謄本を見れば、和江が結婚したのが明らかになるし、粉飾するにしても母が納得する説明が必要になる。しかし和江は、母を偽るのも父を庇うのも、もう厭だった。厭というより煩わしかった。
 新憲法で男女平等が謳われてから十九年を経過したとはいえ、男尊女卑の根っ子は深く張り巡らされたまま。ウーマンリブは数年先、ジェンダーギャップという概念すら無かった、この時代。元始は太陽でも今は月である女性にとって、彼女の肉体を支配する男が、世界の全てといっても過言ではなかったのだ。
 だから和江は、春の大型連休も夏の盆休みも――今後ずっと、帰省するつもりはない。
「出て来ねえな。何をもたついてやがるんだ」
 和江の肩を抱いていた勝造が手を滑らせて、スカートをめくった。亭主の好きなミニスカートだから、簡単に尻が剥き出しになる。しかもノーパンだった。
「きゃっ……」
 多分に甘ったるい悲鳴を上げる和江。外気に曝された尻を隠そうとはしない。人に見られたら――というよりも、見てほしい。それで自分が掻く恥は小さい。こんな短いスカートを穿いていることも含めて、顰蹙にしろ羨望にしろ、それは和江を連れ回している勝造に集まるのだから。
「おお、落とさなかったな」
 勝造がさらに手を進めて、和江の股間から顔を覗かせている球体を押し上げた。
「ああんんん……」
 和江が、まんざら演技でもない鼻声で呻く。彼女は小さな鉄亜鈴を咥え込んでいるのだった。勝造の命令ではあるが、羞恥プレイでもなければ快感責めでもない。膣を鍛えるためだった。
 この五か月、勝造の真珠入りや征子のこけし、果ては擂粉木から極太玩具で可愛がられてきたとはいえ、せいぜい月に十回。ようやくこなれてきた段階だから、今以上に締まりをきつくしても無意味である。剛柔を使い分けられるようにも調教されているところだから、フニャチンでは堅固な門を突破できなくて接待に失敗するといった懸念こそ無いが。
 では、何のための特訓かというと、花電車芸を和江に仕込むのが、勝造の目論見だった。四十近い『師匠』の元へすでに何度か通わせている。
 ひとつには宴会芸のレパートリーを増やすためだったが、離婚後の和江のためだと、勝造は言う。花電車を出来る妓は少なくなった。居ても姥桜ばかり。和江がデビューすれば、ストリップ小屋からもお座敷からも引く手あまただろう。
 手に職の無い和江には、堅気の仕事といえば、低賃金の雑役婦くらいしか働き口が無い。
 三号の珠代は小体なバーを買い与えられて、みかじめ料も払わず営業させてもらっているし、和江と入れ替わりに離婚させられた雪にしても、小料理屋を慰謝料代りにもらっていた。
「おまえには楽をさせてやらねえ」
 和江は五十まで裸で稼げと、勝造に申し渡されていた。それまでに老後の生活費を貯められなければ野垂れ死ねとも。
「おまえには、そういうのが似合いなんだよ。だから、そういうことしか出来ない細工も施してやったんだ」
 勝造のいう細工とは、股間の刺青である。歴代女房のうち一号の征子にしか施していない刺青と同じ――ではない。図柄だけでなく、和江のはアメリカ仕込の機械彫りで色彩も鮮やか。刺青ではなくタトゥというべきだろう。
 図柄も派手だ。大淫唇を胴体に見立てて、内腿いっぱいに翅を広げた極彩色の蝶々。牝チンポ(と、勝造に教え込まれた)が小さな頭になって、そこから触角も生えている。そして下腹部には、蝶々が蜜を吸っている赤とピンクと鮮やかな青の薔薇。どれだけ淫毛を伸ばしても隠せない。
 絶対に再婚は不可能だし、愛人として飼ってくれるのもヤクザくらいだろう。
 こんなタトゥは、もちろん勝造に強いられたものだ――形の上では、そうなっている。
 横文字で書かれた看板を掲げた小さなビルの一室へ連れ込まれ、見知らぬ若い男の前で裸にされてベッドに大の字磔にされて。例によって猿轡を噛まされてから尋ねられたのだ。
「これから、おまえのマンコに征子よりも大きくて可愛らしい彫物を入れてやる。厭なら、そう言え」
 驚愕と恐怖と羞恥とが一斉に燃え上がったが、嫌悪とか拒否の感情は大きくなかった。
 幼な馴染の一号にしか入れさせていない刺青。そして「征子よりも」という言葉。それを和江は愛情とまでは勘違いしなかったが、愛着ないしは執着と受け取った。女にとっては金鵄勲章にも匹敵するのではないだろうか。
「ちゃんと厭って言わなけりゃ、承諾って思うぜ」
 首を横に振ったって無駄だから、そうしないだけよ――和江は自分に言い訳しながら、勝造の目を睨みつけたつもりだった。視界がぼやけて、目を瞬くと涙が頬を伝った。たとえ過去の一切に口をつぐんでも、たとえ事務所に放火して写真を焼き払っても、絶対に堅気の社会に受け入れてもらえない身体にされる、その絶望の涙だと――和江は、胸の奥に生じた甘酸っぱいような塩辛いような感情を無視して、そう考えたのだった。
 施術が始まると、猿轡を外された。それは悲鳴を愉しむためだと和江も分かっていたから、脂汗を流しながら歯を食い縛って意地を張った。
「まったく我慢強くなったもんだな。おい、筋彫は後回しにして、胴体の着色を先に頼まあ」
 胴体への着色。それは色素沈着がまだほとんど無い大淫唇への針を意味していた。
 ジャギジャギジャギ……機械彫り特有の低い音を立てながら、インクを含んだ数十本の針が立て続けに鋭敏な皮膚に突き刺さって、和江はサディストを歓ばせる悲鳴を上げたのだった。
 和江の大淫唇は、自然では有り得ない、艶を帯びた漆黒に染められた。
 一日を開けた二回目の施術では、牝チンポに朱を入れられて、悲鳴では済まずに泣き喚いた。
 そして三回目と四回目には勝造は同行せず、組の若い衆に送り迎えをさせて、ビルの中までは立ち入らせなかった。縛られずに自分の意思で脚を広げるのは羞ずかしくて、勝造に縛られて眺められているときより激しく濡らしてしまったが、若い彫師というか施術者は知らんぷりをしたので、さらに羞ずかしくなるという悪循環に陥ったりもした。
 手彫り比べて機械彫りはずっと痛いと言われているが、内腿への彩色では、和江は一度も声を出さなかった。勝造が聞いていなければ意味が無い。
 四度の施術で蝶々と薔薇が完成して、和江は名実ともに勝造の女房となった。
「お……お出ましだぜ」
 勝造は、まくり上げていたスカートの裾を直してやって、和江の肩を抱いた。
 拘置所の門が開いて、係官に付き添われた父が姿を現わした。一瞬、父が立ち止まって、棒立ちの母と向かい合う。弁護士に促されて母が駆け寄り、父に抱きついた。戦前から戦中にかけての教育を受けた女性にしては大胆な行為だった。
 父は母を抱き返しながら、視線を周囲に彷徨わす。和江の姿を探しているのかもしれない――ので、和江は物陰に引っ込んだ。
「もう、いいだろう。居れば居るだけ、未練が募るぜ」
 和江は夫に身体を密着させた。肩を抱いていた手が下へ滑って、今度はスカートの上から尻を撫でた。
「そう言や、こうやっておまえを引き回したことは、まだ無かったっけ」
 勝造の右手が春物カーディガンの前を割って、薄いブラウスの上から乳首を摘まんだ。ふだんはブラジャーを着けるようになった和子だが、勝造の流儀に従って、ノーパンのときはノーブラだった。
 勝造の嗜虐的な扱いに、たちまち牝チンポと乳首が硬く尖る。
 和江は両親に背を向けて、乳首を引っ張られながら、それでも夫にしがみついて。踏み外した道のさらに遠くへと向かって歩むのだった。

秘写真:完


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 4万9千文字/149枚です。ボツリヌス3万5千文字から大幅増加。PLOTはむしろ単純化していますから、エロ&責めシーンが充実したと、Infront of bean paste?

 さて。忘年会前には後半の『花売り娘』に着手しましょうかしらん。

花売娘売

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) 4:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 数行で1か月ばかり経過させて。
 いよいよ本格的な責めです。とはいえ、最近の過激化傾向に逆らって、濠門長恭クン本来のミディアムハード止まりです??


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   父の不始末

 父を(娘の分際で思い上がった言い方だが)野放しにするのは不安だったので、土曜日の夕方の決まった時刻に、寮へ電話を入れてもらう約束をして。和江自身は、二度と盛り場へ足を向けなかった。
 しばらくは、約束が守られた。今週は三千円残せたとか、今日は赤提灯を我慢して自分の部屋で焼酎にするとか、和江を安心させる通話だったが。
 十月になると、連絡が絶えた。翌週も電話が掛かってこなくて。組事務所へ消息を尋ねに行こうかと悩み始めた。
 和江は、父の正確な所在を知らない。いわゆるドヤ街で、一泊幾らの三畳一間暮らし。宿替えをすることも珍しくないし、若い娘が独りで訪れるのは、夜の盛り場をうろつくよりも危ないと、父から聞かされていた。
 ――迷っているうちに、向こうのほうからやって来た。父ではなくて、生田組の若頭の元妻現情婦の征子だった。極端に短いスカートを穿いて、ガーターが見えている。この夏に大手繊維メーカーが発表した最新ファッションだが、和江の目には露出狂としか映らない。あるいは、亭主の好きな赤烏帽子だろうかた疑う。
「おまえの親父さんね。ちょいとやらかしてくれちゃってね。顔を貸しておくれよ」
「困ります……」
 今日は木曜日。日が暮れてから、寮監の知らない人物に誘い出されたとなったら、それだけで後がうるさい。征子の口ぶりでは、なにか厄介事らしい。門限を過ぎたりすると、反省文はともかく、また勤務中に居眠りしかねない。
 そんな躊躇は、次のひと言で消し飛ばされた。
「来なけりゃ、父親とは今生の別れになるよ」
「どういうことですか。父に何かあったんですか?」
 征子は直接に答えず、話は本人から聞けと、乗って来た車に和江を押し込む。車は黒塗りの3ナンバー車。運転しているのは生田組の若い衆だった。
 和江が連れて行かれたのは、八月末の撮影で使った倉庫。小型トラックが乗り入れていた。
 待ち受けていた顔ぶれも異なっている。若頭の他には、菜っ葉服を着た若い男が一人だけ。トラックの運転手だろう。昭大の姿は無かった。
 征子が和江を若頭の前へ突き飛ばす。乗用車を運転していた男は、車で待機しているらしい。もっとも、待機というか周辺を見張っている者は何人もいるだろう。
「父は、ここには居ないんですか?」
 父を口実におびき出されたのかと、和江は身の危険を感じた。しかし、征子の言葉に嘘はなかった。
「来てるぜ。その中だ」
 若頭が、トラックの横のドラム缶を指差した。
「……?」
 意味が分からず、それでも近寄ってドラム缶を覗き込んで。
「……父ちゃん?!」
 和江は悲鳴を上げた。父はドラム缶の中に入れられていた。複を脱がされ縛られ折り曲げられて。
「俺らの世界じゃ、不始末は指を詰めて詫びるが、こいつは十本でも足りない事をやらかしやがった。そこで、コンクリに詰めてしまおうってな」
 ドラム缶の横には、底の浅い大きな箱が置かれて、どろどろのセメントが練られてあった。
「父ちゃんが、何したん? 殺さんといてくだっせ」
 お国言葉丸出しで訴える和江。
「こいつはな、屑フィルムを盗み出して、逃げ出しやがった。おまえの写真だ。屑といっても、今は使わないだけで、違う構図を組み合わせれば売物になる」
 それを他県のヤクザに売ろうとしたのだが、その組は生田組と交流もあったので、昭大は身柄を拘束されてしまったというお粗末。
「おかげで栄和組に大きな借りを作っちまったし、トウシロに舐められたとあっちゃ、組の面子も丸潰れだ」
 倉庫の壁も床も、ぐわらんぐわらんと揺れるような錯覚。和江はドラム缶の縁にしがみついて、かろうじて父に尋ねる。
「父ちゃん……若頭さんの言うたこと、ほんまなん?」
「済まなかった。どうしても、まとまった金を持って帰ってやりたかったんだ」
「馬鹿! 父ちゃんの馬鹿!」
 和江は大声で喚いて、しかし少しだけ頭が働くようになった。わざわざ自分を連れて来たのは、最期の別れをさせてやろうなんて慈悲心(?)からではないだろう。何か目的がある。それは……
「お願いです。父を助けてください。私、何でもします。シロクロでもエスエムでも、モデルをやります。どんな所へ売られても、文句は言いません」
 和江は若頭に向かって土下座をした。若頭が征子に向かって目配せをしたのは、見えていない。こういう状況で相手に取り縋るのではなく、土下座を選択する。その心の在り方が彼の眼鏡に適った。ぶっちゃければ、嗜虐心を満足させたのだった。
「もちろん、おまえには稼いでもらうさ。相手の組には、謝礼をたっぷり出さなきゃならなかったんだからな。だが、銭金で済まない話もある」
 弱みにつけ込み、心の奥まで蹂躙していく。
「ヤクザを虚仮にした奴は、玉を取らにゃあケジメがつかねえ。だが、俺はフェミニストってやつでな。おまえが父親と並んで詫びを入れるってんなら、罪一等どころか二等も三等も減じてやるぜ?」
「何でもします!」
 その為に連れて来られたんだと――和江は絶望の中に、確かな希望を見い出した。けれど、処女を奪われ、前よりも過激な写真のモデルにされたり売春をさせられたり――その他に何があるというのだろう。
「それじゃあ、素っ裸になりな。ずたずたに切り裂いてやりたいところだが、素っ裸で帰すわけにもいかねえしな」
「御願いです。娘に酷いことはしないでください」
「じゃかあしい!」
 父親の訴えは、ドラム缶を蹴って封じた。だけでなく。
「バケツ一杯分ほど入れてやれ」
 菜っ葉服の男が、セメントをバケツに掬って、昭大の頭からぶっ掛けた。
「うわっぷ……やめてください……」
 情けない声に、和江は耳をふさぎたくなる。
「父を救けてください。虐めるなら、好きなだけ私を虐めてください」
 和江は作業服のボタンを力まかせに引き千切った。寮から工場まで歩いて通える距離だし、更衣室で着替えるのは時間の無駄だから、寮住まいの女工は、たいてい作業服で通勤している。
「裸で帰れって言うんでしたら、そうします!」
 和江はブラウスのボタンも引き千切った。若頭の関心を自分だけに向けようという思惑だった。捨て身の演出が出来るくらいには、絶望が遠ざかっていた。
 しかしそれは、ますます若頭の嗜虐性向に適う行為だった。
「おいおい。もうちっと、乙女の羞じらいってやつを見せろや」
 若頭の苦笑に、和江が言い返す。
「羞ずかしい写真をいっぱい撮られたんです。もう、なんだって平気です」
 無意識に嗜虐を煽るのも、被虐の才能というべきだろう。
「そこまで言うのなら……」
 言い掛けた言葉を、若頭は飲み込んだ。
 和江は、さすがにそれ以上はわざと衣服を破ったりはしなかったが、騎虎の勢いとでも形容したくなる仕草でパンティまで一気に脱ぎ去り、ろくに畳みもせず木箱の上に置き捨てた。『素っ裸』と言われたのだから、靴と靴下も脱いだ。
「そこに立っていろ」
 若頭が、木箱の上に転がっている荒縄を手にした。緊縛の先生は、肌触りは柔らかいが良く締まる木綿だか麻の縄を使っていたが、荒縄とは有り合わせもいいところのように、和江には思えた。
 このあいだみたいな、もたついた下手くそな縛り方をするんだろうなと、和江は若頭を見下したような気分になった。
 筆者がしゃしゃり出ることをお許しいただくなら――これは和江の認識不足である。過日の『先生』は、後年SMが世間に認知されるようになると繩師と呼ばれる専門家である。上には上があるとしても、小結か関脇は固い。同じ伝で言えば、若頭は十両クラスか。学生相撲の横綱が十両に歯が立たないのは周知の事実である。
 それはともかく。今は緊縛術など不要だった。和江は前で両手を揃えて手首を縛られただけだった。しかし、縛りの技量というよりは縄の材質に依るところは大きいのだが――先生の縄は肌を抱き竦めるように柔かく、しかし厳しく食い込んできたのに比して、手首には荒縄の毛羽が痛く、わずかな緩みで縄が肌に擦れる。
 それは若頭の目論見に、むしろ適していたかもしれない。
「羞ずかしいのは平気だって言いやがったな」
 天井から垂れているリモコンボックスを操作して、若頭はホイストを和江の真上へ移動させた。手首の縄をフックに引っ掛けて、鎖を巻き上げる。
 和江の両手は高々と吊り上げられて、しかし鎖に体重が半分も掛からないところで止められた。
「だが、苦痛はどうかな」
 若頭はズボンからベルトを引き抜いた。吊るしの背広なら三着は買えるという、フランスの超高級品。だからというわけではないが、分厚い革に鱗の模様がくっきりと浮かび上がっている。
 それをU字形に曲げて、和江の腹を逆撫でする。
「……好きなようにしてください」
 わずかにくすぐったいが、このごついベルトで叩かれるのだろうという分かり切った予感に、和江は怯えている。
「初心な小娘を泣き喚かせるのも、猿轡で悲鳴を封じるのも、俺としちゃいい加減に飽きていてな」
 若頭は和江の閉じ合わせている太腿の間にベルトの先端を差し挿れ、鱗の面を上にして両手で力任せに引き上げた。
「あうっ……痛い!」
 両手を交互に上下させて、股間をこする。ベルトの幅が広いので淫裂には食い込まないのだが、ベルトをひねって縁を滑り込ませてから、こじ開けてしまう。
「ゲームをしようじゃないか」
「……ゲーム?」
「なに、簡単さ。俺は、こいつでおまえをぶっ叩く。そうだな、百叩きにしよう。その間、おまえが一回悲鳴を上げるごとに、バケツ一杯ずつセメントをドラム缶に入れていく。泣いても恨み言を言ってもだ」
 呻き声くらいは許してやる。俺が判断したんじゃ不公平だから、判定は征子にさせる。それでどうだと、和江に尋ねる。
 和江には否も応もない。拒めば、たちまちドラム缶にセメントが流し込まれる。
「そう恐い顔をするな。バケツに三十杯四十杯は入れねえと、ドラム缶は万杯にならねえよ」
 胸まで埋まったまま固まれば、圧迫されて窒息するかな。腰まででも、コンクリを割るときにチンポがもげるかもしれねえぞ。
 つまり、ただの一回も悲鳴はおろか泣くことすら出来ない。嬲り者にされている。和江は若頭を恨んだ。しかし、憎む気にはなれない。
 こうなった原因を作ったのは父なのだ。盗みへの罰が死刑だなんて、一般社会では許されないが、ヤクザには彼らの理屈がある。いや、江戸時代には十両盗んだら首が飛んでいた。
 この『ゲーム』は、若頭の変態性癖を満足させるためのものだけど、『恩赦』のチャンスが与えられたことに違いはない。私が、ベルトの鞭打ち百発を耐えれば、それで父は救える。
「いつまでも黙ってちゃ分からねえぜ」
 つま先が宙に浮くほど股間を吊り上げられて、ベルトで前後にしごかれた。
「きひいいいっ……やります」
 足が床に着いた。
 股間の痛みに悶える暇も無く――若頭がベルトを右手に持って、後ろへ一歩下がった。
「それじゃ、ゲームを始めるぜ。まずは小手調べだ。後ろを向け」
 お尻なら、まだ耐えられるだろう。ほっとした思いで、和江は足を踏み換えて若頭に尻を向けた。
 間髪を入れず、ベルトが空気を切り裂く唸りと、肉体への衝撃。
 ぶうん、バッチャアン!
「きゃ、くっ……」
 悲鳴を漏らしかけて、かろうじて堪えた。尻ではなく背中を斜めに打たれた。脂肪と筋肉の薄い部位。文字通り、骨に響く痛みだった。
 ぶうん、バッチャアン!
「かはッ……」
 ぶうん、バッチャアン!
「かはッ……」
 風切音が聞こえた瞬間に、息を詰め歯を食い縛って、呻き声すら封じた。思わず吐き出す息が、そのまま悲鳴だった。
 ぶうん、バッチャアン!
 尻を水平に薙ぎ払われて、和江は安堵の息を吐いた。『ゲーム』を始める前の彼女だったら大仰な悲鳴を上げていただろうが、背中への痛撃に比べたら、クッションの上から叩かれているも同然だった。
 尻を四発叩かれて、その次は腰骨を直撃された。これも、かろうじて堪え切った。
 ぶうん、ビチッ……
「ふらつくんじゃねえ。外れたじゃねえか。今のはノーカンだ」
 もっと足を踏ん張っていろと言われて、当然だが脚は開き気味になる。
 しゅんん、ビシイイッ!
「きゃああああっっ……!!」
 真後ろから掬い上げるように打ち込まれたベルトは会淫をしたたかに叩き、先端は跳ね上がって淫裂にまで食い込んだのだった。
「悲鳴だわね」
「ヤスよ、ご馳走してやりな」
 作業服の男が、バケツにセメントを掬ってドラム缶にかざす。
「待って、赦して! もう、絶対に声を出しません!」
 ばしゃしゃしゃ……
「ずいぶんしゃべったわね」
「可哀想だから、もう一杯だけにしてやれ」
「…………!」
 抗議も弁解も破局を早めるだけ。
「やめてくれ、殺さないでください!」
 父の悲鳴にも断腸の沈黙を強いられる和江だった。
 実のところ、危険は差し迫っていないのだが、土木工事の知識が無い和江には分からない。農業を営んでいれば、昭大はセメントの凝固時間くらい心得ているだろうが、恐怖が知識を忘れさせている。セメントは表面が固まるまでに丸一日は要する。腰のまわりのコンクリートを割ると淫茎が傷付くまでに中が固まるまでには、さらに二日は掛かるだろう。
 つまり、トラックもドラム缶もセメントも、和江を脅す道具立てだった。もちろん、和江が脅しに屈さなかったときは、ドラム缶にセメントを満たすくらいのことはやりかねないだろうが。
 何事も無かったかのように、若頭は後ろ向きの和江に命令する。
「小手調べの次は大手調べといこう。こっちを向けや」
 大手調べというふざけた言葉の意味は、和江にも明白だった。震える足を踏み締め直して、急所を鞭打たれるために、若頭と向き合った。
 若頭はベルトを持った右手を水平に後ろへ引いて、上半身を叩く構えになってから。
「ところで、何発叩いたっけ?」
 征子に尋ねた。
「知らないわよ。数えるのはあたしの役目じゃないでしょ」
「おいおい。審判役はおまえなんだから、しっかりしてくれよ」
 若頭が芝居がかって頭を振ってから。
「しょうがねえや。一からやり直しだ。それでいいな?」
 とは、和江への質問だが。和江は文句を言えない。言えばドラム缶にセメントだ。せめて、抗議の意味で頭を横に振ったのだが。
「文句があるなら、はっきり言えや。だんまりなら、承知と受け取るぜ」
 八月のときは、猿轡をしておいて言葉での返事を求められた。不可能事を要求して、被虐者を絶望に追い込む。その手口を、和江はあらためて思い知らされた。
「よし、これから百発に決まりだな」
 言うなり、若頭は不意打ちに和江の乳房にバンドの鞭を飛ばした。
 ぶん、バチン!
 肘から先のスイングになったから、鞭としての威力は小さい。それでも、乳房が弾けたような激痛だった。
「ひとつ……」
 征子が数える中、今度はじゅうぶんに腕を引いて腰をひねって。
 ぶううん、ズバッヂイン!
「かはッ……」
 自分の意志で悲鳴を封じる苦しさを、和江は存分に味わった。猿轡が慈悲に思えてくる。
「ふたつ……」
 ぶううん、ズバッヂイン!
「かはッ……」
「みっつ」
 征子が五発まで数えたところで、若頭は狙いを腹へ下げた。
 ぶうん、バッチイン!
 乳房への痛撃に比べれば、中休みにも等しい鞭だった。風切音からして違う。手加減してくれたのか、ただ腕が疲れたのか――和江としては、前者だと思いたかった。
 ぶうん、バッチイン! バッチイン! バッチイン! バッチイン!
「ななつ、やっつ、ここのつ、とお。」
 右下がり左下がりと交互に立て続けに打たれて、和江の腹に赤いX字が刻まれた。
 手加減された鞭はだんだん下がっていき、太腿も線刻と腫れで埋められる。
 征子が三十を数えると、ようやく若頭は腕を下した。
「ふう。ウォームアップだけで腕が痺れてきたぜ。俺も歳だな」
 今日のところはやめておこう――などと言ってくれるのではないかと、和江は若頭の言葉を待った。しかし。
「いよいよ、本チャンといくか。ホンチャンと言ってもジュンチャンよりはきついぜ」
 麻雀なんか知らない和江には、若頭の駄洒落は分からない。しかし、意図は容易に察しがついた。まだ狙われていない部位が残っている……
「足を開きな」
 今度は後ろからではなく、真正面から股間を、オマンコを叩かれる。後ろからの『お釣り』みたいな叩き方じゃなくて……
 和江はドラム缶を見詰めながら、左足を三十センチほども動かした。
「もっと大きく開け」
 右足も三十センチ。腕を吊っている鎖がぴんと張って、和江はつま先立ちになった。割れ目がぱっくり開いたのが、自分でも分かった。
 若頭が、垂らしていた腕をそのまま後ろへ引いて。
 しゅんん、ビシイイッ!
 ベルトは蛇のように床すれすれを這って、和江の目の前で上へ跳ねた。
 開いた淫裂にベルトが食い込み、内側までこすりながら上へ走って、先端は鋭敏な肉芽まで打ち据えた。
「がら゙あ゙っ……!!」
 堪えかねて噴いた息が、そのまま断末魔の咆哮になった。反射的に和江は片脚を跳ね上げて股間を庇った。身体が宙に浮いて、全体重が手首と肩に掛かった。全身が振り子になって、大きく揺れる。
「さんじゅういち……今のは微妙だわね」
「ふうむ。セメントは勘弁してやる代わりにノーカンだな」
 安堵と絶望が同時に和江を襲った。それでも、両足を床に着けて開脚する。
 再び、若頭がベルトを真後ろへ引く。
 しゅんん、ビシイイッ!
「がっ……!!」
「さんじゅういち」
 股間から脳天へ突き抜ける激痛よりも、征子が駄目を出さなかった安堵が大きかった。
 しゅんん、ビシイイッ!
「くっ……!!」
 痛みに馴れたのか、痛覚が麻痺しかけているのか、吐く息も控えめになってきた。膝が震えたが、つま先は床に着いたままだった。
 そうして、三十五発まで進んだとき。
「ねえ、真っ赤に腫れてきたよ。ちょいと可哀想だね」
 同じ女性として庇ってくれるのかと、和江は感謝したのだが。
「そう言や、そうだな。おまえが手当てしてやれ」
 心得ているとばかりに、征子が大振りなハンドバッグから細長い缶を取り出した。
「これは、筋肉痛に良く効くからね」
 和江も知っている。電気製品の組立は何かと肩が凝る。若いくせに湿布絆のお世話になっている女工も少なくない。そんな彼女たちの間で流行っているのが、湿布の成分をスプレーにした商品だ。
 征子がスプレーを手に、和江の前にかがんだ。
「脚を開きなさいよ」
 手当てをしてもらえるという安心で、抵抗なく脚を開いた。
 シュウウッと噴き掛けられて清涼感があったのは一瞬。無数の針を突き刺されるような激痛に襲われた。
「痛ッ……」
 かろうじて悲鳴を呑み込んだ。
 鞭打たれるよりも厳しかった。鞭なら激痛の一瞬の爆発の後は、曲がりなりにも疼痛は薄れていく。しかしこれは……突き刺さった針が皮膚を内側からほじくり返すような痛みが、徐々に強くなっていく。しかも、冷たい痛みが熱く変じて、焼鏝を押し当てられているのかと錯覚するほどだった。焼鏝から逃れようとしても、逃れられない。
「…………!!」
 無意識に腰をくねらせて悶えてしまう。
「こりゃ、いいや。ちょいとした腰振ダンスだ。カセットでも持って来るんだったな」
 若頭がラッキーストライクをふかしながら、悦に入る。
 激痛よりも、若頭の言葉に――和江は涙をこぼした。ごつい革ベルトの鞭に毅然と耐えていた少女が、初めて見せた涙だった。
 若頭はたいして感銘を受けたふうもなく、悪ふざけに興じる。
「いっそ、おまえも珠代も雪も並べて、ラインダンスてのも面白いかな」
 若頭が挙げた二人は、三号と四号、あるいは前妻と現妻――秘写真のモデルでもある。すでに紹介しているが、征子は一号。彼女はモデル第一号でもあるが、二号の里見と同様、春を売ったりトルコ風呂で働いた経歴は無い。
「やなこった。あたしのほうが十近くも老けてんだからね。この子なんざ、倍半分だよ。それに、最近は若い娘をあんた流儀で可愛がってみたかったりしてるんだ。雪さんは、あんたを立てて遠慮してたけどね」
 恰好の玩具を手に入れてくれて感謝してるよ――とも、付け加えた。
 和江には、二人の掛合漫才を聞いている裕りなど無かったが。この場限りで赦してもらえるのではないと知れば、絶望のどん底を突き抜けた先は無間地獄と思い知ったことだろう。
「ふむ……シロシロ・エスエムか。それも面白いな」
「あたしの般若も、ちゃんと映しとくれよ。あんたみたいに隠したりはしないからね」
 若頭が苦笑して。いい加減に和江を片付けるぞ――と、若頭がベルトを握り直した。
「三十五発だったな。ようやく三分の一か」
 数字を聞かされて、和江は絶望を深める。これまでの二倍も叩かれたら……死ぬとまでは思わないけれど。肌に治らない傷が刻まれるのではないだろうか。
「嬢ちゃんよ。物は相談だが――俺からの仕置は、これで勘弁してやってもいいんだぜ?」
「…………」
 和江は若頭の目だけを見ている。もう、甘言に騙されたりはしない。股間への鞭を覚悟して、健気に両脚を開いて動かない。
 若頭が肌に触れるほど近寄って、ベルトを持っていないほうの手で股間をぽんぽんと叩いた。ついでといった感じで、中指を立てて深く穿った。
「…………」
 和江は唇を噛んだが、鰐革のベルトを打ち込まれる激痛に比べれば、わずかな隙間をこじ開けられる痛みなど取るに足りない。
「ここで詫びを入れるならな」
 とんでもない――と、反射的に思って。ふと迷った。全身傷だらけにされたって、お嫁に行けないことに変わりはない。どころか、寮の風呂にだって入れなくなる。それぐらいなら……
 しかし、若頭は迷うことさえ許さない。
「ヤスよ」
 若者も心得ていて、バケツにセメントを掬ってドラム缶の上にかざす。
「厭なら、ちゃんと言いな。黙ってちゃ承知と受け取るぜ?」
 まただわ……和江は捨鉢な気分で沈黙を続ける。父の命を救けるために、売春をさせられることまで覚悟していた。いや、これはケジメのための仕置であって、金銭の償いは別にさせられる。だったら、この男に処女を奪われたって、早いか遅いかの違いしかない。
「よし、承知だな。聞き分けの良い子だぜ」
 挿れたままにしていた指をぐりっと抉って、また和江に唇を噛ませた。
 和江の腕を吊っていた鎖が外され、手首の縄もほどかれた。
 和江はお義理に両手で胸と股間を隠したが、今さらという気分だった。鞭の痛みも疼くが、股間に噴き付けられたスプレーの熱い痛みが耐え難い。
「もう声を出していいぜ。泣こうが喚こうが――いや、良い声で鳴いてくれるなら、ボーナスを弾んでやるぜ」
「父を救けてください。ここから逃がしてください」
 父を気遣ってではない。父は世界中で四番目に、自分が凌辱されているところを見られたくない相手だった。もちろん、一番目は母親で、二番目と三番目は二人の弟だ。
「そうはいかねえな。おまえがきちんとケジメを付けて、それからの話だ」
 和江は食い下がらなかった。ヤクザを怒らせるのは怖いし――父のせいで、こんな酷い目に遭っているんだと見せつけたい気持ちも、まったく無いと言えば嘘になる。
 和江は立ち尽くしうなだれて、若頭が動くのを待った。
 しかし彼は壁際に下がって、そこに積まれている木箱に腰掛け、またラッキーストライクを咥えた。
 征子が、その横で服を脱ぎ始めた。八月にも見た豊満な裸身が、股間の般若面と共に現われる。豊満といっても、肥ってはいない。たわわとかグラマーと形容すべきだろう。
 全裸になった征子が、ハンドバッグから奇妙な物を取り出した。いや、ごくありふれた民芸品なのだが、この場にそぐわない印象だから、奇妙なのだった。大振りなこけし人形が二体と、竹を輪切にしたらしい小さな起き上り小法師がひとつ。
 征子はこけしの底を向かい合わせて、起き上がり小法師の胴に嵌め込んだ。ぴたりと合う。こけしを両側から反対方向へ捻じると、引っ張っても抜けなくなった。
「春の温泉旅行か」
「風紀紊乱の街だったわね。御当地名物『嫁姑和合こけし』ってんだから」
 形状と名称で察する男は多いだろうが、もちろん和江には見当もつかない。征子が片足を木箱に乗せて、こけしの頭部を股間に挿入するのを見て、ただ驚く。
「おいで」
 股間にこけし(というよりも、うなだれた巨根)を生やした征子が、和江手を引いて壁際へ連れて行く。まさか八月から置きっ放しでもないだろうが、ブルーシートが敷かれている。
「待ってください。若頭さんが私を……あの……抱いてくれるんじゃ……」
 面と向かって「私を犯す」という言い方をためらったばかりに、抱いて欲しいような物言いになってしまった。
「俺からの仕置はおしまいだって言ったぜ。征子は俺の名代みてえなもんだ。黙って嬲られてろ」
 戸惑っている和江を、征子はブルーシートの上に押し倒し、膝を立てさせて覆いかぶさった――が、すぐに諦めて。上体を起こすと、和江の太腿を両肩に担いだ。自分は腰を突き出してみるのだが、こけしの頭を淫裂に埋めるのが、やっと。
 ようやく和江は、征子がこけしをオマンコ(写真を売るようになってから、この言葉でしか考えられなくなっている)に挿入しようとしているのだと悟った。
「出来の悪いこけしだね。勝ちゃん、この子の片脚をそこのウインチェスターで吊り上げとくれよ」
「それをいうならウインチだぜ、アニー」
 この掛合は和江にも分かった。数年前の連続テレビ西部劇『アニーよ銃をとれ』のヒロインがライフル銃を得意としていた。けれど、大きなレバーをガチャガチャさせるウインチェスターを使っていたのは『ライフルマン』ではなかったかしら――だいじょうぶ、私は冷静だわ。こんな辱めに屈したりはしない。
 若頭が天井クレーンを操作して、和江を逆さ吊りにする。
 肩と頭は床に着いているが、吊られていないほうの脚は、自然とV字に開いてしまう。和江には、閉じようという気力は無い。
 征子が、和江を横向きに跨いだ。両足を掴んで、傾いているVを真っ直ぐに立てた。Vと逆Vとが交差して、逆Vから垂れたこけしの頭はVの交点に触れている。
「おやまあ、濡れてるじゃないのさ。まあ、マン汁か傷口のリンパ液か分かったもんじゃないけど」
 濡らしてあげなくて良さそうだね。どのみち、勝ちゃんは女の子が泣き喚くのが好きなんだから――と、和江を不安に落としておいて。こけしの頭を淫裂に埋め込んで、さらに腰を沈めていく。
 未通の間隙を大きな球体で押し拡げられる痛みを、和江は歯を食い縛って耐えた。良い声で泣けだの、泣き喚くのが好みだのと言われれば、意地でもそうすまいと反発する。
 しかし破瓜の痛みは、鞭とは違っていた。じわじわと痛みが強くなる。肛門に押し入られたときと似ている――のも道理だろう。未開の穴に棒を突っ込むことに変わりはないのだから。
 しかし、痛みの感覚は異なっていた。重たい圧迫感は生じず、口の両隅に指を引っ掛けてイーッと引き伸ばすような鋭い痛みが強くなっていって。
「痛いいいっ……!」
 びききっと、肉を引き裂かれる痛みに和江は悲鳴を上げた。しかしそれは、惨めな感慨の叫びとでもいう性質のものだった。
 淫裂に鞭を叩き込まれる激痛に比べたら、痛みと呼ぶのさえためらわれる。まったく不本意で、男に強されるよりも惨めな屈辱きわまりない破瓜。それでも、女にとって一生一度の痛みだった。
 征子が腰を上下させる。ささやかな痛みがうねくる。
「さすがに締まりがいいわね。ほとんど、あたしの中で動いてる」
 征子が、蕩けそうな声音で言う。
 和江は首を折り曲げられているので、目を開ければ結合部を直視してしまう。真っ赤に腫れて赤黒い鞭痕に埋め尽くされた下腹部。そして、鞭と破瓜による出血で肌にへばりついている薄い淫毛。その向こうで、起き上がり小法師は小躍りしているだけで、征子のほうはこけしが半ば以上も出挿りしている。
「でも、こんなんじゃ物足りないよ」
 腰をくねらせ、円を描いたり前後に揺すったり。和江は、ただ痛みに耐えるだけだった。
 延々と、それが二十分ほども続いて。
「いい加減にしろ。まだ肝心の話が済んでいねえんだ」
 征子が、しぶしぶと腰を伸ばして――こけしは和江の中に残ったままだった。
 鎖が緩められて、和江の身体がブルーシートの上に投げ出される。
「ケジメの仕置は、これで赦してやる」
「ありがとうございます……これで、父は……」
 救けてもらえるんですねと言いかけた和江を、若頭が無常に遮る。
「山崎。おまは、猥褻物頒布の罪を一身にひっかぶって、警察に自首しろ。写真の撮影も販売も、全部おまえひとりがしたことだ」
 突然のことに、昭大はもちろん和江もぽかんとしている。
「和江の写真がな、ちとヤバ過ぎた。演出じゃなくて実際の暴行じゃないかとか、見た年齢の問題とかな」
 すべて疑いの通りだ。
「てめえが全部仕組んだってことにすりゃ、生田組にはお咎めなしだ」
「父は、どうなるんですか?」
「刑務所行きだな。主犯だから懲役一年半で何十万円かの罰金が相場だ」
「そんな……」
「罪三等を減じて地獄行きは勘弁してやったんだ。ムショ行きくらいは諦めな」
 一年半……もう三年も待たされたのだから、その半分なら。そう思ったのは和江だけでなく昭大も同じだったかもしれない。そこへ、若頭が追い討ちをかける。
「罰金が払えなければ強制執行てやつだ。田地田畑お召し上げか。お上はそれで許してくれるだろうが、世間様はそうもいかない」
「…………?」
「たしか、男の子が二人いたよな。どっちかは就職するんだろうが……前科者の父親がいる奴を採ってくれる会社があるかな」
「私たちに死ねって言うんですか?!」
 和江は叫んだ。悲鳴だった。
「違えよ。俺と結婚しろつってんだよ」
「え……?」
「さっき言った量刑は、国選弁護人が型通りにやらかしたときの話だ。腕っこきの弁護士が付けば、執行猶予に持ち込める。そうすりゃ、弟が卒業するまでに親父は天下晴れて潔白の身。農協からの融資だって通るぜ」
 話が飛躍し過ぎて、和江はついていけない。
「赤の他人のことなど知ったこっちゃねえが、仮にも岳父となりゃあ大切な身内だ。生田組の顧問弁護士――じゃあ、都合が悪いか。とにかく、腕っこきの弁護士を金の草鞋で誂えてやろうじゃねえか」
「どうして……?」
 そこまで自分に執着するのか――は、なんとなく分かった。若頭も和江の態度から、それを読み取ったようだ。
「ヤクザだからといって、何でもかんでも横紙を破ったりはしねえのよ。通せる筋があるなら、通すぜ。おまえなら六マンコの筋の九マンコだ」
 まさか国士無双は無えしな――と、和江には意味不明なことを呟いてから。
「おまえが法律上は二十歳以上の成人と見做されるなら、トルコ風呂は正々堂々と勤められる。立ちんぼだろうとヌードモデルだろうと、警察の目の開き方も違ってくる。お目こぼしってやつだ。オメコ干しか、助平な言葉だな――おい」
「馬鹿言ってんじゃないよ」
 外野席まで球が飛んで来て、征子が打ち返す。
「さっさと話しを決めちまいな。でも、そうすると雪さんを組員にゃ何て呼ばせるのさ。大姐御、姐御とくれば、姉貴かしら。それとも最初から大姉貴にしとくかい」
「おまえこそ、馬鹿言ってるんじゃねえぞ」
 若頭が苦笑して、和江に問い掛ける。
「それでいいな?」
 和江は、さして迷わなかった。どうせ、お嫁にいけない穢れた身体にされてしまった。自分が犠牲になって父も弟も救えるのなら、それでいい。それに……私を穢れた身体にした張本人に責任を取ってもらうのが筋かもしれない。
「黙ってるってこたあ、承知だな」
 また、その遣り口なの――と、和江は反発した。ので、どうせなら自分から飛び下りてやれと、運命を決定づける言葉を口にしていた。
「私を若頭さんのお嫁さんにしてください」
「若頭は無えぜ。勝造様とか旦那様とか……」
「呼び捨てでじゅうぶんさ。だけど『勝ちゃん』だけは、あたしの専売特許だからね」
「じゃかあしい。このバケベソが」
 照れ隠しでもなかろうが、若頭がドラム缶に近寄って、ガツンと蹴って。
「お義父さん、娘さんとの結婚を許してくださいますね」
「…………」
「お許しいただき、ありがとうございます――言っとくが、組で顔が利くようになったとか、勘違いするんじゃねえぞ」
 きっちり威しておくことも忘れない若頭だった。
 ――昭大はドラム缶から出されて、倉庫の外でセメントも洗い流され、父娘揃って衣服も許されて。
 木箱の上に三通の書類が並べられた。婚姻届と昭大の承諾書と、離婚届。和江が用済みになればすぐに離婚して、次の嫁――六号を迎える下準備だった。
 昭大は弱々しい筆跡で、和江はボールペンが紙を突き破る勢いで、それぞれの書類に署名をしたのだった。
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昭和ほのぼの



 あとは2章ありますが7千文字です。それは、次回で。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) 3:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 終末にじっくり読んでください。大量1万7千文字です。400字詰め約50枚です。

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   父の身勝手

 梅雨の期間も、アーケードのある繁華街に人の足は途絶えず、露天の路地も建物の陰になって雨の影響は少なかった。梅雨が明けて盛夏ともなると、和江の売上はさらに伸びた。肩も露わなサマーワンピースの御利益である。
 ヌード写真に比べれば、エロチックでもなんでもないのに。わずかな腕や膝の露出が、こうも男を惹き付けるとは、男に接すれば接するほどに、男という生き物が分からなくなってくる。
 秋物は露出が多いのとシックなのと、週ごとに替えて、違いがあるか試してみようかな。
 季節ごとに普段着とお洒落用を買うくらいの金銭的余裕はある。和江が売子として稼いだ金はすべて父親が受け取っているが、その中から週に千円は父から小遣いとしてもらっている。
 名目賃金の一万三千円から税金だの保険だのを天引され、寮費と社員食堂の食券購入費、さらに強制の積立貯金。手取は八千円ほど。その半分を仕送しているのだから――月に四千円の臨時収入は、実感としては所得倍増どころではなかった。
 その大半は郵便貯金にしているのだし、父の借金も順調に減っているはずだから、季節ごとに吊るしの服を新調することくらい、そんなに贅沢ではないと、和江は考えるようになっている。
 だから、盆休みで帰省したときも、不審に思われない程度にはお土産を張り込んだりもした。ただ、父の消息を家族に伝えられないのが、心苦しかった。
 奇麗な身になって故郷へ戻るまでは母ちゃんにも内緒にしておいてくれという、父の懇願だけではない。父が法律すれすれ――ではなく、猥褻図画頒布というれっきとした犯罪に手を染めていることなど、しかも自分まで手を貸しているなんて、口が裂けても言えることではない。
 居心地の悪い帰省だった。それでも、和江の心は明るかった。父の平日の稼ぎが生活費(と、お酒と煙草)に消えるとしても、畑仕事が始まる来春までには借金を完済出来るはずだった。
 ところが。父の借金は減るどころか、逆に増えていたのだった。
 確かに、来春には借金を完済出来るだろう――娘におんぶと抱っこで。それだけでも忸怩たるのに、三年以上の音信不通の挙句、尾羽打ち枯らして無一文で逃げ帰る。それでは、あまりに不甲斐無い。せめて出稼ぎ二回分くらいの金は持ち帰りたい。
 動機は立派かもしれないが、その手段に競輪を選んだのでは、結果は分かり切っている。
 オケラになっても。
 荒れた日の最終レースは、ガチガチで決まる。
 関東勢と関西勢の突っ張り合いだが、どう転んでも番手にノーマークのやつが飛び込んで来る。
 本命ラインの裏表。あの予想屋はこういうときは必ず外すから、その逆目で鉄板。
 溺れる者のまわりには無数の藁が浮かんでいる。トイチの街金も網を張っている。一発逆転を目論んで引っ張った一万円が、十五分後には紙屑と化しているという、もはや喜劇が繰り返される。

「済まない。ほんとうに済まない。和江がモデルを引き受けてくれんことには、畑を取り上げられてしまうんだ」
 帰省から戻ったその夜に、昭大が寮まで訪ねて来て――近くの公園まで和江を誘い出して。地面に土下座するなり、そう言ったのだ。
「どういうこと? それより……そんな真似はやめてよ。他人(ひと)に見られちゃう」
 事情が分からず、和江は途方に暮れる。
 父をなだめるようにして、とにかくベンチに並んで腰掛けて。競輪で負けて借金が増えた顛末を聞かされて――和江は絶句するばかり。
 そもそも連帯保証人は、求められたら全財産を処分してでも返済に応じなければならない。昭大が持っている財産といえば、農地であり自宅である。
 それを残したまま細々と返済していくことで猶予してもらっていたのは、債権者――生田組の温情だった。
 ところが利払いすら滞らせたうえに、新たな借金まで重ねて、トイチでは雪だるま式に膨れるばかりだから、これも生田組に代位弁済してもらって――借金総額は三十七万円に達した。
 これではいつまで待っても完済など無理だろうと、生田組は伝家の宝刀を抜きに掛かったのだが。実のところ、農地は処分が難しい。宅地に転用するのは法律で禁じられているから、近隣の農家に買い取ってもらうしかないが、そちらも資力は無いし、増えた田畑を耕す人手が無い。生田組としても、現物を差し押さえたところで処分に困る。
 娘に借金を肩代わりさせるか、写真のモデルをやらせろ。そういう話に持って行くための脅しだった。
 ただし。娘が肩代わりしないのであれば、モデル料として十万円だけを借金と相殺してやるから、今のシノギを続けて細々と返してもらおう。土地を売れとは言わないぜ。
 和江が肩代わりするとは、毎日五千円でも稼げる仕事をさせられる――もっと直截に言えば、身体を売らされるということだ。さすがに、昭大も娘をそんな目には遭わせられない。
「それに……パンティまでは脱がないで良いと言ってくださってる。セミヌードまでだ。色付きの封筒みたいなことも無しだと約束してくれた」
 本当だろうか。和江は父の――ではなく、ヤクザの言葉を疑った。しかし、パンティを脱がないでも良いという言葉が、拒絶の一画を崩したのは確かだった。
「だって、四人のモデルさんはみんな……」
 シロクロとかエスエムをやらされてるじゃない――とは、父親に向かっては言いにくかった。
「これは口にしてはいけないんだが、あのモデルは、みんな若頭の奥さんだったんだ」
 いくらナアナアの警察でも、未成年に猥褻行為をさせたとなると目をつむってばかりもいられない。しかし、結婚した女性は、何歳であろうと二十歳以上の成人として扱われる。民法に限った話だが、顧問弁護士なら、それを根拠に警察と検察を丸め込んでくれる。
 だから、若頭は未成年の娘と結婚しては離婚を繰り返している。とは言え、愛情が無いわけでもない。大姐御と呼ばれている征子も、姐御と呼ばれている三代目も、もちろん現役の四代目も、頻度の差はあるが、今も(縛って叩いて、とまでは昭大も娘には言わなかったが)抱いている。例外は二代目だけで、これは広域に勢力を張っている組織と四分六の盃を交わす際の献上品にされた。自分の女房を差し出すのは、遠く戦国時代からの服従の証である。
 農地を取り上げられては、一家で路頭に迷う。父の懇願を聞き入れるしか、和江に選択肢は無かった。

 その週の土曜日。和江が連れて行かれたのは、いつもの組事務所ではなかった。街外れの、倉庫が立ち並んだ一画。いわゆる流通拠点だった。トラックの出入は多いが、何日もシャッターが閉ざされたままの倉庫も珍しくない。それ以上に肝心なのは、この一帯も裏向きでは生田組が仕切っているということだった。たとえ素っ裸の女が縄で縛られて外を引き回されていても、組のバッジを着けた男が付き添っていれば、彼女は透明人間も同じである。
 そんな物騒な場所とは、もちろん和江は知らないのだが。
 先に述べた、普段は使われていない倉庫。そこには若頭と征子、そして和江の知らない男たち三人が待ち受けていた。
 三人の男たちが半袖シャツに替えズボンという平凡な装いに対して、若頭はいつものことながら、ノーネクタイに派手な縦縞の背広。征子は珍しく和服――というか、浴衣姿だった。
「お手柔らかにお願いしますよ」
 昭大と和江を運んで来たタクシーは、昭大だけを乗せて走り去った。
 狼の群に取り囲まれた子羊。
「まずは、こいつに着替えてもらおう」
 手近な木箱の上に、セーラー服一式と下着が置かれた。
 セーラー服なら倍額とか若頭が言っていたのを、和江は思い出した。ますます不安が募るのを抑えて、和江は勇気を振り絞る。
「あの……ほんとうに、全部は脱がなくてもいいんですよね?」
 和江にとっては、半分だけでも気を失いそうな羞恥なのだが。身体測定と同じだと、自分に言い聞かせている。
「ああ。親父にも約束してあるが、パンティは脱がなくていいぜ。本番もさせない。ヌードでも、おまえが厭と言うポーズは強要しない」
 なぜ、そんな甘い条件で十万円なのだろうという疑問には、敢えて目をつむる。
「あの……ひとつだけ、お願いがあります。聞いてくださるなら……全部脱いだってかまいません」
 若頭は片眉をちょっと吊り上げただけで、次の言葉を待っている。
「競輪場のトイチも、生田組の息が掛かっていますよね。二度と父にお金を貸さないようにしてください」
 そこまでは分かっている和代だったが。なぜ生田組が昭大を返済不能に追い込もうとするのか、そこへの洞察は無かった。
 和代としては、セミヌードだけで構わないという約束など信じていない。パンティをずらしてみようか。もうちょっとだけ――そんなふうにして結局は『御開帳』まで撮られるかもしれない。どころか、黒封筒のようなことまでされかねないと危惧している。だから、自分から「ひとーつ、ふたーつ」と数えて歯止めを掛けると同時に、自分の犠牲が無駄にならない方途を考えたつもりでいた。
 若頭は、二つ返事で和代の申し出を受け入れた。
「なんだったら、親父に渡す日当から利息分は天引してやろうか?」
 本来は、利息分どころか元本分まで天引してもらうべきなのだが。何日も続けて坊主だってあるから、生活費に困る場面も出てくる。
「私が売った分は、半分を天引してください」
 彼女が手伝うようになってから、週末の売上は三倍くらいになっている。半分を天引されても、昭大は(競輪などしなければ)困らないはずだった。
「分かった、そうしてやるよ。さあ、始めるぞ」
 男たちは和江を取り囲んだまま、動かない。
「あの……ここで着替えるんですね」
 分かり切ってはいたが、どうしても訊いてしまう。着替えているところを見られるのは、全裸を見られるよりも羞ずかしい。若頭が黙って頷くのを見て、和江は改めて覚悟を定めた。
 用意された衣装はセーラー服の上下と、清楚なシュミーズと、ブラジャーとパンティ。
 和江はサマーワンピースを脱いで、スリップも落とした。ブラジャーは着けていない。下乳に鉛筆を挟んでも落ちないのがブラジャーの着用基準だという俗説を信じている。乳房を形良く整えるという発想は、すくなくとも/fc2/女/規制/学生にはない時代だった。
 初めて着けるブラジャーにもたついていると、征子が手伝ってくれた。背中のホックを前で留めて、ぐるりと半回転させてからカップに乳房を押し込むという、当時としても乱暴なやり方だったが――それが正しい装着法だと、和江の頭に刻み込まれた。
 シュミーズを頭からかぶって。半年前までは着ていたのだから、セーラー服の上下は手慣れたものだった。最後に、スカートの中に手を突っ込んでパンティを穿き替えた。ずいぶんと小さく、ヒップの上半分が剥き出しになる違和感に戸惑う。
 着替え終わると、木箱に腰掛けさせられた。
「征子、頼むぜ」
 征子が化粧セットを隣の木箱の上で開けた。和江は、スッピンで来るように言われている。あまりに『ばけべそ化粧』なので、それでは商品価値が下がるのだろうと、悔しいが和江は理解している。
 征子が施したのは、ごく薄い化粧だけだった。それよりも、髪をいじる。工場では精密器械を組み立てるので、髪の毛が落ちないよう、和江は長い髪を引っ詰めて後ろで丸めている。ちょっと大人っぽい雰囲気になるので、けっこう気に入っているのだが。征子はそれをほどいて、三つ編みのお下げに結い直した。赤いリボンも結んで――まるきり/fc2//規制/学生
の印象に変えてしまった。
 成熟した女が好まれる風潮に対して、セーラー服と三つ編みお下げ。若頭が狙っている写真の購買層が偏った性癖の持主、ありていに言えば変態であることは――和江には分からない。ただ、ひどく稚なくなってしまって、それも羞恥に輪を掛けた。
 支度が整った和江の後ろに、中年の男が立った。無言で手首を握って、後ろへ捻じ上げた。
「いやっ……」
 反射的に振りほどこうとしたが、びくとも動かない。もう一方の手まで捻じ上げられ、手首を重ねて縄で縛られた。
「約束が違います。ただのヌードだけです」
「プロみたいに色っぽいポーズを取れるってのか?」
「……努力します」
「素人のままごとに付き合ってる暇はねえんだよ。おまえは、誘拐されて甚振られる/fc2//規制/学生――そういう設定なら、演技もポーズも要らねえだろうがよ」
「でも……」
「安心しろ。こっちも任侠に生きるヤクザだ。約束は守る。本番はさせねえよ」
「でも……」
「デモもストもねえ。先生、続けておくんなさい」
 先生と呼ばれた中年の男が、和江の手首を縛っている縄を引っ張り上げて、首を巻いた。和江は肩が軋むほどに腕を吊り上げられ、首が絞まるので俯きもできない。
 先生が別の縄を二重にして、中間に大きな結び瘤を作った。
「ほら、あーん」
 言葉は優しげだが、顎をつかんで締め付ける。痛みに耐えかねて開けた口に縄の結び瘤が突っ込まれて、縄尻が頬を縊った。
「誘拐した獲物には、大声を出されないように猿轡を噛ますのが定石だからな。顔が変形するから、普段の髪形でスッピンのおまえとは別人だ」
 ヨツボシの人間にも写真を売ることだってある。ばれないようにしてやったんだと、恩着せがましく言う。
 和江は納得するしかない。こんなことを知られたら、会社に居られない。
「それじゃ、撮影開始だ」
 和江は壁際へ連れて行かれた。片方には木箱がピラミッドに積まれて、反対側には天井を縦横に走るクレーンの鎖が垂れている。その間に敷かれたブルーシートの上に、和江は横座り。斜め左右からスタンド式ライトで照らされ、大きなレフ板を持った男が、和江に反射光を当てる。
 本格的な撮影会に臨んだシンデレラ・ガール。不安と怯えの中にも、浮かれた気分が少しだけ交じる。
 カメラも本格的な一眼レフ。大きなレンズがいろんな角度から和江に向けられて、パシャパシャと立て続けにシャッターが切られた。
 何枚撮ろうと、実際に使われるのは一枚か二枚。すこしでも良い構図を求めて、プロはそうするのだというくらいは、和江も知っている。シンデレラ気分が強くなる。
「次は、いよいよ令嬢が誘拐魔の毒牙に掛かるシーンだ」
 セーラー服の胸当が取り去られ、脇のファスナーが開かれて、スカートも太腿までたくし上げられた。
 また、一分ばかりシャッター音が響いて。
 スカートを脱がされ、上着は鋏で切り裂かれた。
 新品なのにもったいないな。そんなつまらないことを考えて、平常心(なんか、とっくに失せているのだが)を保とうとする。
 また一分のシャッター音。そして、シュミーズは引き千切られた。
その間に、若頭が服を脱いでいた。六尺褌に背中一面の刺青。しかしよく見ると、それは肌襦袢に描かれた絵だった。
 ヤクザのくせに、変なの……
 面白がっている場合ではなかった。若頭が和江の後ろから抱きすくめてきた。
「んんんっ……?!」
 ブラジャーの中に手を突っ込まれて乳房を握られ、和江は抗議の声を上げようとしたが、猿轡で言葉は封じられている。
「どうした。厭なのか?」
 和江は何度も大きく頷いたのだが……
「言ってくれなきゃ、分からねえぜ。厭なのか?」
 尋ねるふりをしながら、若頭はねちっこく乳房を揉む。
 和江は「厭なのか」という問に答えて、また頷いたのだが。
「そうか、いいんだな」
 日本語の曖昧さを悪用して、若頭が決めつける。乳首を摘んで転がしたりもする。
 びくんっと、和江の上体が跳ねた。まったく未知の、甘い稲妻とでも形容するしかない感覚が乳首に走ったのだった。
 この時代の少女の常として、和江は自身の身体におそろしく無知だった。股間はおろか、乳房でさえ自分で弄んだ経験も無かった。だから、触発された性感は、まったく未知の領域に属していた。
 女房だけで四人も(十代の少女を)コマしてきた男が、そういった事情を見抜けぬはずがない。
「気持ち良いだろ。もっともっと気持ち良くしてやるぜ」
 今の和江には、未知の快感は新たな恐怖でしかない。必死にかぶりを振るのだが。
「厭よ厭よも好きのうち、だよな」
 若頭はブラジャーをずり上げて乳房を剥き出しにすると、両手で双つの乳房を激しく揉み立てる。
 それは圧迫であり苦痛なのだが、乳首を摘まれると、たちまち甘い稲妻が乳房を貫き背筋を駆け抜ける。それを繰り返されるうちに、乳房に食い込んでくる指にさえも、苦痛の中から淡いさざ波を掻き立てられてしまう。
 数秒おきにシャッターが切られ、新しいフィルムを詰めたカメラと交換されていくのだが、そんなことは和江の知覚の圏外に去っている。
 いつか和江は、胡座を組んだ若頭の脚の間に尻を落として両足を前へ投げ出した形になっていた。
「んん……あ゙あ゙っ、む゙ん゙ん゙……」
 言葉にならないくぐもった声が、艶を帯びて鼻に抜けている。
 つうっと、若頭の右手が下へ滑った。
「あんんっ……み゙い゙い゙っ……!」
 もどかしそうな呻き声は、すぐに小さな悲鳴に変わった。薄い生地のパンティ越しに、淫裂の中筋を指が滑り上がったのだった。パンティは撮影用に手を加えられていて、股間の裏布が無い。指が滑った跡が、稚ない汁で滲んでいた。
「へえ。一丁前に尖らしてやがるぜ」
 淫裂の上端で、布地が鉛筆の先端ほどにも盛り上がっている。
 若頭が、そこを指の腹でこすったというよりも――生地を動かして、中の突起と擦れ合うようにした。
「み゙ゃあ゙あ゙っっ……やえ゙え゙っ!」
 オクターブ高い悲鳴を噴きながら、和江の腰が大きく跳ねる。
「ふふん。生娘なら、これぐらいが合ってるんだろうな」
 若頭はパンティの中を侵そうとはせずに布地をこすり続ける。
「ああああああああああーっっ……」
 和江は歌手顔負けの長い悲鳴を吐き切って、若頭の胸板にぐたっと背中を預けた。初めて受けた弄撫に和江は、峨々と連なる峰の最初の小高い頂に達したのだった。
「ずいぶんと早い仕上がりだったな。縛られて写真を撮られているうちに感じてやがったな。征子よ、おまえの見立ても大したものだな」
 今のうちにきわどいやつを撮っておくか――と、膝の間でとろんとしている和江のパンティをずり下げた。
「約束通り脱がしゃしねえ。引き千切るだけだって、やってみたかったが、自分から脱ぐって言い出されちゃあな」
 厭と言うことはしないと約束しておきながら猿轡で言葉を封じたり――この男の性癖は許容範囲を超えて歪んでいるようだ。
 早春の萌草のように淡い淫毛は、和江の女性器をほとんど隠していない。それを接写させ、さらに小淫唇をV字形に広げた指で割り開いて、膣口を狭めている処女膜までもレンズの前に曝す。
 和江は余韻にたゆたっているだけで意識は残しているから、何をされているかの知覚はあるだろう。しかし、抵抗のそぶりは示さない。
「さて……山崎のやつ、どうやって消してやろうか」
 まるで信頼し切った恋人の胸に抱かれるようにしてぐったりしている和江の股間をまさぐりながら、物騒な言葉を若頭が独りごつ。
「エンジンが暖まったところで、乗ってみようかい」
 和江を床に突き転がした。
「み゙ゃんっ……」
 半ばは正気に還って、縛られた裸身を起こす和江。
 先生と呼ばれた男が、縄をほどきに掛かったが――いっそう厳しく緊縛するための段取だった。
「んん、んんん……?」
 呻いているうちに、きっちり高手小手に縛られ、胸の上下にも縄を掛けられて、もっと牛乳を飲みなさいよと同級生の女子にもからかわれていた乳房が、鞠のように縊り出された。鞠といってもドッジボールとかではなく、ソフトボールよりは大きいかなというところだが。
 足を掴んで胡座を組まされそうになったところで、全身に絡み付いていた快感の残滓が払拭された。
「んんんんっ……あえ゙え゙!」
 脚を閉じようと、渾身の力で抗う。小娘でも、脚の筋力は成人男性の腕力を凌ぐ。先生が手こずっているのを、カメラマンの助手が手伝おうとする。若頭がそれ押し留め、お下げを掴んで仰向かせる。
 ばしん!
 縄で縊られている頬に痛烈な平手を打ち付けた。
「どうせ、奥の院まで御開帳して、しっかりフォルムに焼き付けてあるんだ。今さらジタバタするんじゃねえ」
 現役大物ヤクザの威迫に、和江は震え上がった。それでも。
 この人の言うことに従っていたら、また、あんなふうに可愛がってくれるかな――と、そこまで明確に意識してはいないが、なんとなく甘えた気分は残っていた。さらに二発の往復ビンタで、それも吹っ飛んだけれど。
 胡座を組まされて足首を引き上げられ、曲げた膝のくぼみに足の甲が嵌まり込む形にされた。結跏趺坐。手を使わないと、自力でほぐすのは難しい。
 さらに脛を縛られ、縄尻を首に巻かれて引き絞られた。上体が四十五度にひしがれる。
 シャッターの雨が降る中で、若頭が六尺褌をほどいた。
「…………!」
 成人男性の股間を直視するのは、父と一緒に風呂へ入っていた/fc2//規制/学生のとき以来だった。そして父の股間は、当然だがうなだれていた。
 勃起した男性器の大きさに、和江は絶望的な恐怖を覚えた。いくら無知でも、女性器の穴に男性器の棒を挿入するのが性行為――子作りだということくらいは知っている。
 けれど、それは不可能事にしか思えない。若頭の股間に聳え立つ肉の棒は、擂粉木よりも太くて長い。しかも、ごつごつと節くれ立っている。
「ん゙ん゙ん゙っ、む゙ゔゔゔ……!」
 和江は全身を揺すって抗議した。シロクロもエスエムもやらなくて良いという条件だった。すでに縛られていて、これはエスエムだと思うが、縄を解いてもらって半日もすれば、元通りの身体に戻る。けれどシロクロは、処女を破られてしまう。絶対に駄目だ。
「おまえも物覚えが悪いな。厭なことは厭と、はっきり言え。そうじゃないと承諾だと受け取るぞ」
 和江を絶望に突き落としておいてから、若頭が言葉を和らげる。
「約束は守るぜ。本番はしねえ」
 言葉とは裏腹に、和江の身体を浮かせて前へ倒した。
 膝と肩で身体を支えて、尻を高く突き上げた形。まさに牝犬が牡を受け挿れる姿勢と同じだった。
「んんん、んんんんっっ……」
 なんとかして虎口を脱しようと、和江はもがく。尻を振って男を誘っているようにしか見えないとは、気づくどころではなかった。
「本番、御上の流儀で言えば、性行為だな。そいつは、ここにマラを突っ込む行為を言う」
 若頭の指が淫裂を穿った。
「み゙ひいっ……!」
 鋭い痛みが奔った。指一本で、こうだ。擂粉木なんか突っ込まれたら、股が裂けてしまう。
「それはしないと、約束しているからな。今日のところは、こっちを使ってやるよ」
 若頭の指が後ろへ動いて、肛門をくすぐった。
「み゙ゃあ゙あ゙あ゙あ゙っっ……?!」
 息を吸い込みながら叫ぶような、奇妙な悲鳴を、和江は上げた。
 指でつつかれたショックもさることながら、そんなことは擂粉木をオマンコに突っ込むよりも不可能だとしか思えない。
「ここにチンポを突っ込んでも、本番とは言わねえからな。約束は守ってるぜ」
 そんなのは詭弁だ。そうは思っても、抗議の言葉は封じられている。
「ほんとは浣腸して腸を綺麗にするんだけどな。金山寺味噌が付いたほうが、絵になる」
 若頭は何やら講釈を垂れながら、指で肛門をほじり始めた。
「力を抜け。力むと痛いぞ」
 そんなことを言われても。汚いところ恥ずかしいところを嬲られているという思いに、和江は凝り固まっている。
「しょうがねえな。もちっと暖機運転をしてやるか」
 右手で肛門をつつきながら、若頭の左手が横合いから股間をまさぐる。小さな肉芽を探り当てて、きゅるんと摘んだ。
「い゙あ゙あ゙あ゙あ゙……!」
 パンティの布地越しに刺激されてさえ凄絶な快感が奔った急所を、今度は直接に摘まれた――だけではない。包皮の中の実核を、枝豆を鞘から押し出す要領で動かされて、和江は腰全体が爆発したような感覚に襲われた。
「そらよ、逝っちまいな」
 きゅろんきゅるんと刺激されて、たちまち、先ほど到達したよりも高い頂上へと押し上げられる。つぷっと肛門を穿たれて鈍い痛みを覚えたのだが、それさえも太くて甘い稲妻を呼び寄せる。
「い゙あ゙い゙、い゙あ゙あ゙……」
 指を二本にされて、さすがに鈍痛が快感を上回った。
 苦痛だけではない。排泄物を出す穴に異物を逆方向から押し込まれて、しかも中を掻き回されるのは、不快とか違和感といった通り一遍の言葉では表わせない奇妙な感覚だった。
「もうちっとほぐしてやりたいが、クソをほじくるのも気持ち良いもんじゃねえからな」
 だったら、やめてください――和江は心の中で喚く。
 すっと指が抜かれて、痛みが遠のいた。
 若頭が身体を起こして、真後ろから迫る気配を感じた――直後。指とは比べ物にならない、太くて熱くて硬い異物が肛門に押し付けられた。
 ぐううっと肛門を圧迫される。痛みとは異なる不快感が強まっていって――ぐぼっと何かが突き抜ける感触と同時に、激痛が襲ってきた。
「ま゙あ゙あ゙あ゙っっっ……!」
 和江は声の限りに喚いた。身体を真っ二つに引き裂かれるような重たい痛み。そして灼熱。
「ううううう……やええおお……」
 嗚咽がこぼれる。
 ばちん!
 若頭が尻を思い切り叩いた。
「泣き言を言うんじゃねえ。十万円を稼ごうってんだ。俺を悦ばせてみやがれ。よがり声のひとつも啼いてみろや」
 励ますのではなく、さらに泣かせている。和江からは見えないのをさいわいに、指でカメラマンに合図して、泣き顔のクローズアップを撮らせる。
 それに気がついて、和江はレンズを睨み返した。それくらいの気力は残っている。
「ついでに、こっちもだ」
 若頭がのけぞって、結合部をレンズに曝す。
「まあ、売物にゃならねえが、記念写真ってとこだ」
 撮影は九割方終わったが、こちとらはこれからが本チャンだからなと、これはカメラマンに言ったのか。初めてだから乱暴にしてやると言わんばかりに、激しく腰を打ち付け始めた。
 ぱんぱんぱんぱん……
 がらんとした倉庫の空間に、肉と肉とがぶつかる乾いた音が吸い込まれていく。
 和江は、ただ熱痛に翻弄されるだけ。
「ん゙っ、ん゙っ、ん゙っ、ん゙っ……」
 肉の杭を打ち込まれるたびに呻き声を漏らしながら、涙をこぼす。
 そうして。恥辱と苦痛のうちに、最初の凌辱が終わった。若頭が抜去して立ち上がる。和江は緊縛されて坐禅転がしにされたまま。最後の仕上げにと、汚濁にまみれた肛門がフィルムに収められる。
 それまで離れた所から成り行きを見守っていた征子が、親切ごかしに和江に寄り添う。
「もう、これで痛いのは無しだからね――あんたが、いい子にしてればだけど」
 和江の汚濁を拭き取ってやりながら、慰めだか脅しだか分からないことを言う。
 和江は無表情に聞いているだけ。目は虚ろに死んでいる。
「おまえがあんまりにいじらしいので、ついやり過ぎちったぜ。ボーナスを五万円つけて、父親の借金は二十二万ってことにしてやるよ」
 若頭がラッキーストライクを一服しながら、和江に柔らかく声を掛けた。
 五十歩百歩じゃなくて、二十二万三十七万。それでも、月々の利払いを考えれば大きな違いだ。
 征子が和江の頬を縊っている縄をほどいた。
「……ありがとうございます」
 感謝の念は無いが、礼を言わせるために猿轡を外したのだと――和江は判断した。ヤクザを怒らせるのは怖かった。あんな痛烈なビンタは願い下げ。もちろん、ほんとうに怒らせたらあれくらいでは済まないだろうと分かっている。
「ところで、物は相談だが……先生、足をほどいてやってください」
 若頭の言葉は中断されて、中年男が和江を起こして足の縄をほどき、結跏趺坐もほぐしてやった。
 和江は、ぴたりと脚を閉じて正座した。いまさらだが、恥部は隠したい。
「もうちょい頑張るっていうんなら、借金は帳消しにしてやってもいいぜ?」
 和江の心が、大きく揺れた。すぐにでも父は郷里へ帰れる。でも、家族の幸せのために、そこまで自分を犠牲にして良いものだろうか。後悔しないだろうか。
「シロクロだと思ってやがるな」
 小娘の考えなどお見通しと、若頭が嗤う。
「フェラチオって知ってるか。チンポを口でしゃぶるんだよ。もちろん、ザーメンは良く味わってから飲むんだぜ?」
「…………?!」
 黒い封筒の写真で、それを見たことはあった。確かな証拠があるから、そういうことをする女性はいるのだけれど。もしも言葉で聞かされていたら、絶対に信じていなかっただろう。排泄器官を口に挿れるだなんて。
 男子が鉄管ビールと称して、蛇口を咥えて水を飲むのを見て、ひどく不潔だと思ったものだ。飲水が出るところを咥えるのでも、そうなのに。おし/fc2//規制/この出る部分をしゃぶるだなんて……
「本番じゃねえ。法律でいう『性交』には当たらない。おまえは、綺麗な身体のまんまだ。それでいて、三十七万の借金が帳消。悪い話じゃねえだろ」
 そうだ。どんなに不潔で破廉恥なことでも、身体に証拠が残るわけじゃない。口をつぐんで、夫になる人を騙して、幸せに……なれるだろうか。生涯、罪悪感に苛まれるのではないだろうか。
 和江の迷いは、次のひと言で叩き壊された。
「ケツマンコにチンポを咥え込んどいて、今さらどうってこたぁねえだろ。おしゃぶり一発二十二万円だぜ。おまえの給料の何年分だよ?」
 なぜ、そんな破格の金額をもらえるのか、ちらっと疑問には思ったが。その疑問さえ前提が間違っているとは気づかない。月五分の利息が無ければ、昭大はとっくに借金を返済し終えている。
 とはいえ、月五分の複利は年利で八割。この当時の法律で許容されている百九パーセントよりは低いから、そういう条件を呑まされた昭大の責任ではあるが。そういうことを言い出せば、元々の三十万円の債権も、生田組が幾らで街金業者から下取したことやら。
 いずれにせよ、三十七万円の借金など、帳面上の数時にすぎない。それを帳消しにしてもらっても、昭大も和江も、一円だって現金はもらえない。ロハでヌード写真を撮影され、肛門性交を強いられ、さらに口淫を迫られているという見方だって成り立つ。
「どうなんだよ。たいがいに腹を括れや!」
 わずかな疑問も恫喝の前に吹き飛ばされて、和江は自動人形のように頷いていた。
「やるんだな。喋れるようにしてやったんだ。俺のチンポをしゃぶっているところを写真にしてくださいと、はっきり言え。厭なら厭でいいんだぜ。おまえの親父の借金は二十二万。おっと、じきに月が替わって二十三万一千円になるな」
 追い詰められて、和江は場末の娼婦でもなければ口にしないような言葉を、その未だ穢されていない唇で紡がされてしまった。
「若頭さんの、お、オチンポを……舐めます。写真を撮ってください」
「舐めるだけじゃねえよ。喉の奥まで咥え込んで、しゃぶって、ケツマンコにされたように、今度はおまえが自分で頭を動かして出し挿れするんだ」
「…………」
「復唱しろとは言わねえ。始めてもらおう。縄は縛ったままだぜ。そのほうが絵になるからな」
 まだでろんと垂れているが、真珠を入れて節くれ立った亀頭を、和江の口に近づける。
「その前に、お願いがあります!」
 和江が勇気を振り絞って訴えた。
「この期に及んでなんだってんだよ」
「キッスしてください」
「はあ……?」
 強面のヤクザに、似合わず、ポカンと口を開けて少女の顔を見下ろす若頭。
「私、まだキッスをしたこともないんです。それなのに……」
 言葉を詰まらせたが、どうにか思いの丈を口にする。
「初キッスがオチンポなんて、厭です。せめて、まともなキッスくらい……」
「こりゃまた……くくく……」
 爆笑寸前の微苦笑――とでも形容したら、いくらかでも雰囲気を伝えられるだろうか。
「ますます気に入った。いいだろう、願いは叶えてやるよ――立ちな」
 気力のありったけを振り絞って、女のほうからキスをねだるなんてはしたない真似をして、和江はへたり込んでいる。
「世話の焼けるお嬢ちゃんだな」
 緊縛されてぴっちり閉じている腋の下に手を差し入れ、釣り上げるようにして、若頭が少女を立たせる。膝に力が入らず崩れ落ちようとするのを強く抱き締めて支えるというか、直立を強制させておいて。顎を上向かせ、おおいかぶさるようにして唇を重ねた。
「んむううう……?!」
 キスといえば唇の接触――くらいにしか考えていなかった和江は、いきなり唇の裏を舐められて仰天した。さらに押し入ってこようとするのを、歯を食い縛って拒んだ。
 口を開けろ――と、若頭は言葉で説得したりはしない。片手で和江の頭を抱え込んで逃げられなくしておいて、もう一方の手をふたりの間に滑り込ませると、和江の乳首を摘んだ。力まかせにひねる。
「んみいいっ……!」
 甘い稲妻ではなく鋭く重たい激痛に襲われて、食い縛っていた力が緩む。すかさず、舌が口中に押し入ってきた。
 これを噛んだら、ただじゃ済まない――和江は、口内を蹂躙されるに任せるしかなかった。
 舌を絡められ舌帯をつつかれ、歯の裏側を舐められる。口の中で生温かいナメクジが這いずり回っているような気色の悪さに吐き気を覚えた。
 少女が憧れるファーストキッスがこんなものだったなんて――絶対に何かが間違っているとしか思えなかった。
 しかしこれで、男性器を口に挿れる覚悟が定まったのかもしれない。
「満足したか?」
 労うように、ぽんぽんと若頭が尻を叩いた。が、中指を曲げて尻の割れ目の奥まで嬲るのを忘れてはいなかった。
 あらためて跪かされて。まだうなだれている肉棒を唇に擦り付けられると、和江は迷うことなく、その節くれ立った亀頭に口付けた。そして、しゃくり上げるようにして根本まで咥え込んだ。
 動作を描写すれば、そうなるのだが。彼女の緊縛された裸身は薄桃色に染まっていた。稚ない絶頂を教えられたときも、股座の奥までレンズに覗き込まれたときも蒼褪めていた肌が、羞恥に悶えている。
 それは、そうだろう。これまでは抗議の言葉すら封じられて、男の手で一方的に嬲られていたのだ。自身に慙じるところは無い。しかし今は、縛られているとはいえ、みずからの意志で破廉恥な真似をしてのけた。後難を恐れなければ、噛み付いて反撃も出来る。しかし和江は凌辱を積極的に受け容れてしまった。
 毒を啖わば皿まで――でもあるまいが。和江は一心に奉仕を続けている。若頭に言われた通りに、肉棒をしゃぶっている。女の本能なのか、口中を舌で蹂躙されたときに何らかのヒントを得たのか、裏筋に舌先を這わせさえした。
 和江の努力に応えて、淫茎は太さを増し硬くなり、天を衝く勢いとなって上顎に亀頭を押し付ける。
 もっと羞ずかしがると思っていた当てが外れた忌々しさか、これならもっと過激でも行けると思ったのか。
「どうも、絵柄が寂しいぜ。征子、おまえもかわいがってやれ。シロクロでもシロシロでもねえ――さしずめフェラシロかな」
 若頭の言葉は聞こえているが、今ひとつ意味を分かりかねた和江だったが。目の前で征子が浴衣を脱ぐのを見て、だいたいは察した。今さら拒む気にはなれない。征子に何をされたって、処女は護られる(と、和江は楽観した)。
 それにしても。浴衣は元々が素肌に着る物ではあったが。戦後も二十年を経てアメリカナイズされた昨今、パンティはともかく肌着さえ着けない女は珍しい。
 しかし和江が驚いたのは、そのことではなかった。征子の股間には飾り毛が無く、まったく別の極彩色で飾られていた。
 刺青だった。般若の面のようだが、口元は隠れている。
 口を止めて横目で見つめている和江に気づいて、征子が妖しく嗤った。大きく脚を開いて上体をそらす――と、真っ赤な口をクワッと開いた般若の面が出現した。女性器が図柄の一部に組み込まれているのだった。
「勝造の歴代女房のうちで、紋々を背負ってんのはあたしだけさ。なんせ、中学からの腐れ縁だからね」
 何人女房を取り替えようと、ほんとうの女房は自分だとでも言いたいのだろう。
「馬鹿野郎。てめえのは倶利伽羅紋々を背負ってんじゃなくて、倶利伽羅マンマンをへばり着けてんだろうがよ」
「誰がそうさせたのさ」
 夫婦漫才になっちまったと若頭が苦笑いして。
「おらあ。口を動かせや」
 正座している和江の膝を足でこじ開けて、つま先で股間をえぐる。和江にしてみれば、とばっちりもいいところ。
「それじゃ、あたしが馬追になってやるよ」
 征子が和江の背中に乳房を押し付けて、両手で和江の乳首を摘んだ。
「この動きに合わせて首を振るんだよ」
 イチニイ、イチニイと掛け声に合わせて乳首を引っ張る。
「こんなふうに舌を絡めな」
 引っ張る動きに捻りを加える。
 和江は――痛いか痛くないかと尋ねられれば、躊躇なく痛いと答えるだろう。しか、気持ち良いか良くないかと問われると、実のところ答に戸惑う。それくらいに、征子の手つきは繊細だった。
「もうちっと、股を閉じろや。般若が写っちまう」
「上等さ。日本全国一億人に見てもらいたいね。あんたこそ、そんなシャツは脱いで、本物を見せちゃどうだい」
「冗談じゃねえ。一家の頭がエロ写真の竿役をしてるなんて知られちゃ、親分さんたちに顔向けが出来ねえぜ」
 つまり。彼が刺青シャツを着ているのは、本物の刺青を隠すためだった。そうまでするのは、やはり彼の性癖の故だろう。
「ほらほら、また動きが止まった。歯がゆいね。おまえにゃあ、こっちのが良いかい?」
 征子は和江の閉じた太腿の間に手を突っ込んで、あっさりと肉芽を探り当てた。それを摘んで、前後上下に引っ張り始める。
「びゃんっ……もぼ、んみいいっ!」
 征子の指の動きに合わせてさまざまに呻きながら、和江は懸命に舌を動かした。
 和江を操るために摘まんでいるのか、励ましなのか懲らしめなのか、それとも褒美なのか――征子にも判然としていないのではないだろうか。
 和江は嫌悪も忘れて、征子に操られて怒張を舐め、しゃぶり、啜って、脳震盪を起こしそうなくらいに上体を揺すった。肉芽を嬲られる苦痛と快感にこぼす呻き声が微妙な振動となって、ますます怒張を猛らせる。
 さらに亀頭が膨れたと感じた直後、喉の奥に熱い衝撃があった。同時に、漂白剤のような臭いが鼻腔を刺激する。
「うぐ……げふっ!」
 とっさに頭を引こうとしたが、がっちり押さえ込まれて、吐き出すことも出来ない。
「こん畜生め。勝ちゃんの仔種汁を二回も取りやがって。ちゃんとゴックンするんだよッ」
 股間の突起を思い切りつねられ、上げた悲鳴は怒張に押し戻されて、和江は噎せた。咳を堪えて、どうにか嚥下する。
「よーし。これで撮影終了だ。先生、ありがとうございました。ヤマちゃん、フィルムは頼んだぜ」
 カメラマンと助手が機材を片付ける間に、緊縛の先生が和江の縄をほどき、手首の縄痕をマッサージする。
 三人がそれぞれに挨拶をして、倉庫から立ち去って。
「もうちょっと待ってな。おまえの親父が迎えに来るからな」
 和江は、木箱の上に置いていた自分の服をすぐに着たのだが。若頭は逆に刺青シャツを脱ぎ捨てて、偽物よりはくすんだ感じの彫物を露わにした。図柄は、まったく異なっている。
「おめえの一発は、ちゃんと残してあるぜ」
 床に放り出されている縄を取り上げて、征子を縛りに掛かった。
「畜生。あんな小娘を縛っていた縄を使い回すなんて……」
「じゃかましい」
 ばちん、ばちん!
 若頭は、乳房に往復ビンタを張った。和江の三倍はあろうかという豊満な乳房が、左右に吹っ飛んだ。
「その小娘の涙と汗を肌に擦り込めば、おまえもちったあ若返るだろうぜ」
 先生に比べれば、和江の目にも分かるほどもたつきながら、若頭は征子を坐禅転がしに掛けた。縄も左右が不均衡。さすがにヤクザ稼業が忙しく、性癖ばかりにうつつを抜かしている暇は無かったらしい。
 それでも、征子にはじゅうぶんに厳しい――のだと、和江は見て取った。息も絶えだえの征子は縄に酔っているのだとは、分かろうはずもなかった。
 若頭はたっぷりと時間を掛けて、征子を犯した。合意の上だから、可愛がったと言うべきか。
 尻を叩き髪を引っ張り、おおいかぶさって乳房を握り潰す。そのたびに征子は悲鳴を上げるのだが、苦痛と恥辱を訴えるのではなく、悦びのトーンを帯びているのが和江にも聞き取れた。
 終わったとき、淫茎は白濁にまみれていたから、女本来の穴を使ったことは、和江にも分かった。彼女はそっぽを向いていたが、ちゃっかりこっそり盗み見している。
 羨ましいな――ふっと、そう思ったのだが。何が羨ましいのかは、自分にも分らなかった。二人が相思相愛らしいことだろうか。縛られて悦んでいることだろうか。歪んだ形とはいえ、男女の営みを交わしていることだろうか。
 縄をほどかれた征子は、てきぱきと身繕いをして倉庫から出て行った。すぐに、二人の組員と昭大を連れて戻って来る。
「山崎よ、おまえの借金はチャラになったぜ。親孝行な娘を持って、果報者だな」
 昭大は困惑の態で娘に目をやって――誰もいない方角へ視線を彷徨わせて佇んでいるのを見て取ると、さすがに色をなした。
「話が違うじゃないですか!」
「誰に向かって口を聞いてやがる」
 物静かな、しかしドスの利いた声で威圧しておいてから、懐柔の口調に落とす。
「約束は破っちゃいねえぜ。シロクロどころか、マンコにゃあ何も突っ込んじゃいねえ」
 昭大は、おろおろと娘に尋ねる。
「そうなのか? 何もされちゃいないんだな?」
 ヌード写真を撮られるだけで、じゅうぶんに何かされている。どころか、若頭が言ったこと以外は何もかもされている。しかし、彼女の身体に痕跡は刻まれていない。黙っていれば、誰にも知られずに済む。父にも、未来の夫にも。
 和江は頷くという小さな動作で、生涯最大の嘘をついた。
 昭大としては半信半疑ながら、信じたい思いが心のすべてを占めている。
「ところで、物は相談だがな。あとひと月かふた月、バイを続けちゃくれまいか」
「約束が違い……」
 和江が抗議しかけて、自分の思い違いに気づいた。若頭が約束したのは借金に関することだけで、父の去就については何も言っていない。
「俺は、配下の者を無一文で放り出すほど薄情じゃねえ。それに、こいつが抜けた穴を埋める人間を都合しなきゃならねえ。どうだ、山崎?」
「願ってもないことです。ひと月なんて言わずに、来年の二月までは、やらせてください」
「……父ちゃん」
 和江には父の気持ちが理解できる。ほとんど三年間の音信不通のあげく、一季分の稼ぎも持たずに帰ったところで、家族にも隣近所にも合わす顔が無い。しかも、よその家は、これから出稼ぎに行こうという時期だ。
「よし、話は決まったな」
 生田組としては吹けば飛ぶようなちっぽけなシノギの話がまとまっただけ――にしては、ひどく上機嫌に若頭が頷いた。
「もう、父ちゃんを手伝ってくれなくていいぞ。ほんとうに、ありがとうな。これまでのことは忘れて、正業に励んでおくれ」
 それが昭大の、父親としての精一杯の言葉だった。
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 これを書きたいばっかりに、延々と下地を作って来たのです。
 実は次章も終わっていまして、こちらも1万3千文字は約40枚――は、数日以内にUPします。


昭和野外緊縛
 アイキャッチ画像は、昭和シロクロエロ写真で。


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Progress Report(third) 2:昭和集団羞辱史/物売編(夜)


   父と一緒に

 翌週の土曜日。和江は夕方の五時に父と駅で待ち合わせて、その足で組事務所へ向かった。横流しを防ぐ意味で、商品は毎日一定数を渡され、売上と売残りは返却する。
 事務所の大デスク(の真ん中)には、大姐御ではなく、父よりも十歳くらいは若そうな、スポーツ刈の男が鎮座していた。
「なるほど、若いな。しかし、こんなバケベソ化粧じゃ雰囲気もへったくれもねえな」
 昭大の挨拶には素っ気なく頷いただけで、男は和江に目を向ける。
 彼が生田組の若頭だと父に紹介されて、和江も深々とお辞儀をした。社会人としては「父がいつもお世話になっておりまして」とかなんとか挨拶をするところだが、大物ヤクザという先入観に威圧されて、言葉が詰まる。
 同時に、バケベソと言われたことに憤慨……出来ないでいた。この言葉を和江は知らないが、からかわれたのだとは分かる。いかがわしい商売を手伝うのだから、会社の人に見られても自分だと分からないように厚化粧をして、髪もスカーフで隠している。これが駆け出しの立ちんぼそっくりだとまでは、立ちんぼを見たことのない当人には知りようもないのだが。化粧をしてもかえって不細工になることもあるのだとは、初めて知ったことだった。
「まあ、いいや。売り込みに来るんだったら、スッピンで来いよ」
 セーラー服で来れば倍額に査定してやるぜ――と、和江には理解不能な笑いを付け足した。

 秘写真の売買は大姐御の征子が仕切っている。彼女からハトロン紙の封筒を五通と、怪しげな黒の封筒を三通と受け取って、昭大は繁華街へ向かった。彼のシマは突き当りの一画と定められている。この界隈だけで秘写真の売子は他にも二人居て、昭大は新参――つまり地の利は良くない。繁華街が最も賑わう土曜日でも、売れて三組、平日は坊主も珍しくない。それでも一組の値段が千円とか、物によっては三千円もするので、借金の足枷が無ければ、小体(こてい)なアパートを借りて女を食わせるくらいは余裕だった。
 捕らぬ狸の皮算用は措いて。
 和江は父と別の場所で売るのでも、父と並んで売るのでもない。彼女だけが独りで売って、父はその後見役だった。
 まだ昼の名残をとどめて、繁華街を行き来する男たちの足取りもしっかりしているのだが。路地の陰から品定めをしていた昭大が、こちらへぶらぶらと歩いてくる三十歳手前くらいの男を指差した。
「あいつなら脈がある。教えた通りにやるんだぞ」
 昭大が路地の奥へ身を隠す。
 他の男たちと、どこがどう違うのか、和江には分からなかったが、ともかく父に教わった通りにやってみる。
「ねえ、小父様」
 これが昭大なら、相手の年齢と風采によって『課長』、『部長』、『社長』と使い分ける。立ちんぼあたりなら『お兄さん』か『小父様』だが、ずっと若い和江なら『小父様』一本槍が良い――というのも、昭大の仕込みだ。
 下手くそな『ばけべそ化粧』とはいえ、いや、それだからこそ――若さというより稚なさは隠せない。そして声を掛けられた男は、自分より年上の立ちんぼや呼び込み嬢にうんざりしているはずだった。
 果たして男は足を止めて、稚ない少女の話を聞くだけは聞いてみる気になったようだった。
「あの……写真を買っていただけませんか」
 男は食いついてきた。
「きみのヌード写真かな?」
 からかい半分だろうが。
「いえ……姉の、あの、見本では水着を着ていますけど、買っていただくのはヌードです」
 ここで初めて『見本』の写真をハンドバッグから取り出す。和江はただ水着としか言わなかったが――海水浴場でこんな姿を晒せば、監視員が注意するのはもちろん、風紀に厳しいPTA小母さんあたりが(わざわざ公衆電話を探して)一一〇番しかねない、上乳も下尻も露出した超過激なビキニだった。
「ヌードは……お、お、オマンコまでぱっくり写ってます」
 まったく見知らぬ相手、厚化粧とスカーフで変装しているからこそ、ようやく口に出来た言葉だった。
 ちなみに。見本の写真と封筒の中身とは、同じモデルを使っている。実に良心的な商品というべきだ。
「そいつも、ちょっと見せてくれよ。ほんとだったら買ってやるよ」
「それは駄目です。お買い上げいただくまで封筒は開けるなって、元締からきつく言われてます」
「なんだ。きみの姉さんじゃないのか」
 男は、興味が失せたような口振り。ほんとうにそうなら、とっとと踵を返すところだが、そうしないのは和江にも興味があるからだろう。
「もしも、中の写真が偽物だったら、どうする?」
「ほんとうに、見本のお姉さんのヌードです。お、オマンコもぱっくりです」
 見たくもない写真を見せられて、それは断言できる。
「よし、買ってやるよ。だが、嘘だったら、おまえのマンコで落とし前をつけてもらうぜ?」
「構いません。千円です」
 男は苦笑しながら財布を取り出した。封筒を受け取って、その場で開ける。写真を表通りの明かりに照らして、不満足そうに頷いた。
「確かに、言う通りの写真だな。まあ、千円の価値はあるか」
 この当時、売春のいわゆるショートが千円から二千円であった。それに比べれば、けっして安い値段ではない。それでも、前後不覚の酔っ払いではない、まともな判断力を持った者にも売れるのは、生田組の扱う写真の質がきわめて良質だからである。週刊誌のレベルを超えるヌード写真のモデルになる女は、肉体を買ってくれる男がいなくなった玄人と相場が決まっていたこの時代に、生田組だけは飛び切り若い素人女性を調達していたのである。この絡繰については、いずれ詳述する機会もあるだろうから、ここでは話を先に進める。
 目の前の『実物』をどうこう出来なかったのが残念――とまでは、男性経験どころか恋愛体験すらろくにない和江には男の心理を読めない。
 とにかく――昭大の言い方だと『餌』を呑み込んでくれたので、釣り上げにかかる。
「よろしかったら、シロクロの写真もあります。写真の色じゃなくて、あの……つまり、男と女が……そういう写真です。同じ人がモデルです」
「幾ら?」
 今度は心底興味の無さそうな声。
「二千円です。十枚組ですから、お得です」
「いらないね。男のケツなんざ写り込んでちゃ、マス搔く気にもならない。おまえさんが相手してくれるんだったら、ショートで三千円張り込むけど?」
 言葉だけでなく腕を伸ばしてきたので、和江は身を翻して路地の奥へ逃げた。男は追って来ない。
「ばーか。誰が小便臭い小娘に聖徳太子を張り込むかってんだよ」
 捨て台詞を残して立ち去った。
「良くやった。始め良ければすべて良しだ。この調子で頑張っておくれ」
 昭大の声は弾んでいた。それを聞いて、和江も単純に嬉しくなる。
 それから三人、立て続けに失敗した。とはいえ、のこのこと路地に誘い込まれて、和江の話だけは聞いてくれるのだから、昭大に言わせれば彼とは大違いなのだった。昭大が声を掛けても、立ち止まるのは十人に三人くらい。そのうちの一人が興味を示すくらいだから――昭大が三十人、四十人に声を掛けたと同じくらいの効果があったわけだ。
 もっとも。男が興味を示すのは写真にではなく、和江についてだから、トラブルも少なくなかった。
 二人目の男は、和江が売物ではないと知ると、抱きついてきた。尻を撫でられて、和江えは慌てて父に救けを求めた。
「チッ、美人局かよ」
 そんな捨て台詞で男は立ち去った。三人目には胸を揉まれて、父親の出番。
 五人目は初老の男。土で汚れた作業服で息は酒臭く、すでに足取りも怪しい。見本写真をろくに見ずに、千円の封筒を買ってくれた。中身を一瞥して、すぐ尻ポケットに突っ込んだ。二千円のも売りつけようとしたら、
「どうせなら、あんたのほうが良いな」
 するっと和江の背後に回り込んで、抱きついてきた。胸を揉みながらスカートをまくってパンティ越しに股間をまさぐる。
 和江が救けを求める前に昭大が姿を現わしたのだが、男は動じない。
「金を払ったんじゃ。わしゃ客だぞ。ちょっとくらいはサービスせえ」
「わしらあ、生田組の傘下で売(バイ)しとるんですがね。事を荒立てずに済ませてはもらえませんか」
「上等じゃ。そっちが生田組なら、こっちは警察じゃぞ。お巡り呼んでやろうか。困るのは、どっちじゃ?」
「…………」
 昭大が言葉に詰まる。生田組から話(ナシ)をつけて、猥褻写真には目をつむってもらってはいるが、一般市民から通報されては警察としても、まさしく事を荒立てざるを得ない。
「まあ、穏便に済ませたる。もうちょっとだけサービスしろや」
 男はさらに三十秒ばかり、乳房を揉み、パンティの上から筋を縦になぞって――それで千円分の満足はしたらしかった。
「二千円の写真も買ってやるから、ちょっと裸も見せてくれんか?」
 和江が全身を強張らせて絶句していると、男は和江を突き放した。
「次に会うときまでに考えといてくれよ。なんなら、三千円で買ってやるよ。それだけのサービスをしてくれるならな」
 和江は、乱れた服装のまま、地面にへたり込んだ。
「済まんかった。警察をどうこう言われたら、どうにもならない」
「悪いことをしてるからでしょ!」
 和江は叫んだが、その悪いことをしなければ父の借金を返せないのだから……啜り泣くしかなかった。
 それでも。前と同じアベック喫茶で三十分ばかり、無言で父と並んで座るうちには気を取り直して、またシマへ戻って商売を再開したのだから、和江もしたたかではあった。したたかのついでに――というわけでもないが。必ずアベックで座っている喫茶店の客たちが、薄暗い中で何をしているかも、ついつい観察してしまった。横並びに抱き合ってキスをしたり、男が女の身体をまさぐったり。けれど、それ以上の行為はご法度らしい。男が女を膝の上に乗せたりすると、店主らしい中年男が現われて、わざとらしくお冷やを注ぎ足したりする。
 和江はその日のうちに、客のお触りをいなす術も覚え始めて。二十人ほどに声を掛けて、千円の写真は売り切って、二千円も二つ売れた。九千円の売上は、三千円の手取。
 昭大が有卦に入ったときくらいの稼ぎだが。
「初日からこれはたいしたものだ。もうちょいコツを覚えれば、五千円は軽いぞ」
 儲かれば儲かるだけ、捕らぬ狸の頭数を増やしていく昭大だった。
 昭大に懇願されて日曜の夜も出勤して。繁華街の人出は減っても、売上は一万円の大台を超えた。お陰で月曜はあくびの連発で、一度だけだがベルトコンベアーを停滞させて大目玉を食らったりした。
 連日の門限ぎりぎりの帰寮にも注意をされて。次の土曜日には、帰りを父に寮まで付き添ってもらった。突然の父親の出現に寮監も面食らったが、失業保険証書がいわば通行手形となった。
 ので、堂々の門限破り。営業三日目は、多目に渡されたハトロン封筒十通と黒も六通を売り切った。完売ボーナスを弾んでもらって八千円の手取。昭大は寮監さんと同部屋の三人分のショートケーキ(売れ残りの詰合せだが)を奮発する始末。一方の和江は、恐ろしくもなっている。六時間ほどで給料の半月分を超えるなんて、金銭感覚がおかしくなりそうだった。
 いや。すでに平凡で幸せな人生の道を、半ばは自身の意志で、踏み外しかけている。身体を触られたくらいで大騒ぎしなくても良いのではないだろうか。身体測定のときは(ブラジャーを着けている子も)パンツ一枚だったし。年に一度の健康診断では、お爺ちゃん先生とはいえ、素手で乳房を揉まれている。
「グミの実も大きくなってきたねえ」なんて言われながら、乳首を摘まれた子だっていた。残念ではなく幸いにも、和江はそこまで発達していなかったけれど。
 ちょっと胸を揉まれたりお尻を撫でられたりパンティ(パンツより生地は薄いけれど)の上からオマンコを触られるくらい、どうってことはない。どころか、それで何千円も売上が増えるのなら、じゅうぶんに見返りがある――そんなふうに考えるようになってきた。
 といっても。触られ始めると、なかなかやめてくれずに、結局は父に救けを求めることになる。
 そこで思いついたのが、子供の隠れんぼだった。
「あと十数える間にやめてくれないと、大声をだしますよ。ひとーつ、ふたーつ、みいーっつ……」
 我慢できる限り、ゆっくりと数えた。これは効き目があった。客はそれなりに満足して、ここのつで引き下がってくれた。パンティの中まで指を入れられると、
「よーっつ、それはやめてください。いつつむっつななつ」
 お遊び感覚になって、それ以上の狼藉には及ばない。
 一か月もすると、和江も駆け引きを楽しむ気分になっていた。大の男が小娘の言葉に翻弄されるのだから面白くない訳が無い。
 そして、男の本質に気づかされていった。などと大上段に振りかぶる必要はない。要するに、男は例外無く助平だという、ただそれだけのことだった。
 商品についての造詣も深まった。売人は三人いると聞かされていたが、三人が三人とも違う商品を渡されている。モデルが違うし、内容も――大まかに分けて三種類あった。
 ひとつは、全裸の男女の絡み。最初に和江が持たされたやつだ。三日に一度の割で持たされるのはヌード写真と、同じモデルがと年上の女性とが絡み合っている、いわゆるシロシロだった。封筒の色はピンクで売値は三千円。
 そして最後のひとつは。ハトロン紙の封筒には大仰に『秘』の赤スタンプが捺されていて、モデルが縛られている。これと対をなす封筒は赤で、同じモデルが拷問を受けているシーンとか、複数の男に犯されていたりする。この頃にようやく使われ始めた言葉で言えばエスエム。売値は二千円と四千円だが、売人が求めない限り征子も押し付けたりはしない。そして、昭大は扱わない。食いつきは良いが、まず買ってもらえないそうだ。
「エロチックなのは助平だが、女を縛ったり叩いたりは変態だ」
 昭大の偏見ではなく、世間常識だった。たいていの男は、「おまえは助平だ」と言われれば苦笑いして頭を掻くだけだろうが、「おまえは変態だ」と言われれば本気で怒る。たとえ理性も羞恥も欠落した酔っ払いでも、相手が見ず知らずのチンピラでも、変態とは思われたくないということなのだ。そういう特殊性があるから、旅の恥を掻き捨てられる歓楽温泉地やマニア向けの雑誌に広告を載せる通信販売では需要が高いのだが。
 それはともかくとして。和江にはもうひとつ、気になることがあった。シロシロで絡む年増女はともかく、主役のヌードモデルは四人もいるが(だから、ハトロン紙の封筒だけで八種類もある)みんなs大衆雑誌のグラビアに登場する娘よりも若い。和江と一つか二つしか違わないのではないか。それは、まあ……それぞれに事情(あまり考えたくはない)があるのだろうけれど。そのうちのひとりが、(年齢を無視すれば)大姐御に似ているように思えるのだった。
 昔と同じようには打ち解けて父と話せなくなっているので、つまらない疑問はうっちゃっておいたが、あるいは自分の運命をこの時点ですでに予感していたのかもしれない。
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blue sepia
 アイキャッチは、「昭和レトロ エロ写真」で引っ掛かったやつ。

 さて。御膳立ては調いました。次章からが怒涛のエロ小説です。乞御期待……?

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Progress Report(third) 1:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 困ったものです。今日は休日だというのに、紙飛行機だなんだで2枚ぽっきり。
 ところがπの牌ノギッチョンチョンで、木金土の出勤日は計53枚。
 4時に起きて、家を出るのが8時過ぎだから、4時間あります。朝風呂入ったりフリーセル連勝記録を5つばかり伸ばしたり(現在1955連勝中/過去最高2246連勝)、気分によっては弁当作ったり、前日の分を1次校訂したり。うん、2時間は書けます。
 これまで公称時速3枚でしたが、4~5枚はいけてます。それだけ杜撰とかはイワノビッチ。2時間ですから9枚ね。
 通勤片道1時間15分のうち、電車内で40分。これはスマホで1~2枚。
 勤務は拘束9時間の休憩1時間ですが、『待機』タイムが1時間半とかあって、執筆に2時間は充てられます。同じスマホでも、じっくり書けるので時速2枚は4枚。
 以上合計で15枚。だいたい辻褄ってますな。
 あ。帰宅は20時半で、即シャクもとい即晩シャク。うだうだしてても22時に就眠。22→04睡眠です。
 なんてセンスの無いウチワ話はやめますか。


 『昭和集団羞辱史』シリーズは中編2本ワンセットで、前半の1本を「体験版」として無償公開するパターンです。ので、ブログでも校訂前の原稿を賞味期限無しで全公開してみましょう。

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秘写真

 エロ本の自販機もビニ本も無かった当時、この手の写真の入手先は通俗雑誌の通販広告か、いかがわしい場所での(今日でいうならヤクのように)個人販売くらいしかルートが無かった。通販も『美麗カタログ』の送料に当時で千円程度は「切手代用可」で要求される例が多かった。たしかにカタログはそれらしい品を掲載しているが、送られてくるブツについては、街頭での怪しげな販売と大同小異の場合も少なくはなかった。
 本編で取り上げる、街頭での個別販売ともなると。酔客を狙って。
「旦那。いい写真がありますぜ。裸と裸で肉弾相打つガップリ四ツの四十八手……」
 大枚叩いて買った封筒の中身は……相撲四十八手の写真だったりしたとか。
 しかし、詐欺は世につれ世は詐欺につれ。今でも。まっとうに見える通販サイトでもトンデモ商品は多い。ダイオードとキャパシタを組み合わせただけで、電気代が半額になる装置とか、吸気経路に特殊形状のベンチュリーを挿入するとパワーアップするとか。どちらも物理法則に反している(と見抜ける素養に欠ける消費者も多い)。
最近で筆者が噴いたのは、『TBは型番です』という外付SSDですね。10TBという型番のメモリの容量は320GBだそうです。
 その点、本編に登場する『秘写真』は正真正銘ですから、実に良心的ではあるのです。



   父を探して

「お嬢ちゃん、ちょっといいかな」
 背後から声を掛けられて、またナンパかと、大崎和江はうんざりした。しかし、振り返った先に立っているのは制服を着た警官だった。四十歳くらいと二十歳そこそこの二人組。
「きみ、未成年でしょ。学校は、どこ?」
 おとなびたワンピースを着て、覚えたばかりの化粧をしていても、「大人の女性」に見られたためしがない。
 和江は、古ぼけたハンドバッグから真新しい社員証を出して警官に見せた。
「私、社会人です。ヨツボシ電機の女工です」
 就職して二か月ちょっと。手取の半分は仕送をしているから、ワンピースを月賦で買ったのが精一杯で、母からお下がりのハンドバッグを買い替えるのは、先になりそうだ。
 年配の警官が社員証を見て、苦笑いしながら頭を掻く。
「いや、失礼したね。でも、若い娘さんがこんな時間にこんな場所を独りで歩いていると危ないよ」
「私、父を探しているんです」
 どうせハズレだろうと思いながら、定期券ケースに入れた写真を見せる。
「二年半前に出稼ぎに行ったきり、帰って来ないんです。この街で父を見掛けたという人がいたので、工場が休みの日は探し歩いています」
 和江がヨツボシ電機に就職したのは、待遇が良いし郷里からもそんなに遠くないという理由ではあったが、父親とも無関係ではないのだった。
 若いほうの警官が「おや?」という顔をした。
「こいつは……もしかして、写真売の……」
 年配の警官に脇腹を小突かれて、語尾が立ち消えた。
「ご存じなんですか? やっぱり、ここに居るんですね?」
 年配の警官が、今度は難しい顔をして、また頭を掻いた。
「うーん。まあ……ふらふら歩きまわって、お嬢ちゃんが厄介ごとに巻き込まれるよりは、まだしもかな。よし、これからお父さんのところへ案内してあげよう」
 年配の警官が先に立って、客引や地回りの挨拶を受け流しながら、和江を案内したのは――場末の、立ち消えそうな赤提灯がしょぼしょぼと並んでいるあたりだった。ひとつずつ路地を覗き込みながら、ゆっくり進んで。不意に懐中電灯を点けて、奥を照らした。
「大崎よ、ちょっと出て来てくれんか」
 慌てて飛び出して来たのは、若い男だった。
「俺、関係無いっすから」
 警官の脇をすり抜けて一目散。警官は振り返りもしない。
「旦那、何か御用で?」
 肉体労働で鍛えた頑丈な身体つきの中年男が背中を丸めて、のそのそと近づく。後ろに控える若い警官の横に佇む娘に気づいて――手に持っていた紙片を、ばささっと取り落とした。
「和江……」
「あれこれ説明するより、これを見るほうが早いね」
 懐中電灯が、散乱した紙片を照らし出す。それは写真だった。
「……?」
 和江は写真に目を落とした。全体に白っぽい構図だった。数秒。
「きゃっ……?!」
 慌てて目をそらした。それはヌード写真だった。全裸の女性が大胆なポーズを取っていた。男性向け雑誌のグラビアなら、当然に花瓶とかの小物で隠されている局部まで、鮮明に写されていた。
「こういう猥褻写真を売ってシノギを立てているんだね。もちろん、君のお父さんの才覚ではない。元締から写真を卸してもらって、割り当てられた場所で酔っ払いを鴨にしている。出稼ぎと言っていたね。何としてでも連れて帰って、畑仕事に精出すように説得しなさい」
 警察は民事不介入だからと、二人の警官は父娘を路地に残してパトロールへ戻って行った。
 和江の父親――大崎昭大(あきひろ)は、写真を娘から隠すようにして拾い集め、封筒にまとめてから背広の内ポケットにしまった。
「ここではなんだから、落ち着ける所で話そう」
 路地で中年男と若い娘が立ち話をしていれば、場所が場所だけに誤解を招くのはさけられない。とっさにそこへ思い到るくらいには、昭大はすれているということだが、和江としては路地の奥が人目につくという父の思考が分からない。ただ、ずいぶんと父はみすぼらしくなったという印象は受けている。
 繁華街をすこし戻って。赤提灯の前で止めかけた足をひるがえすと、昭大は薄暗い電球で照らされた小さな看板しか出していない店のドアを開けた。
 和江は看板に書かれた店名も目に入らない。もちろん「アベック様歓迎」という小さな文字にも気づかない。ようやく探し当てた父に逃げられては困るとばかりに、腕にしがみついている。実に他人の誤解を招きやすい仕種ではあった。
 店の中は薄暗く、気怠いムードの洋楽が低く流れている。高い衝立で仕切られたテーブルには、アベックばかりが三組。テーブルの一方が衝立にくっついているので、必然的にアベックは並んで座っている。
 昭大は、どのアベックからも離れたテーブルを選んで、和江を奥へ座らせた。
 素早くウェイトレスがやって来る。
「アイスコーヒーを二つ。それと、ショートケーキをひとつ」
 ウェイトレスが去って、気まずい沈黙が流れる。数分でウェイトレスが戻って来て、注文の品をテーブルに並べる。ショートケーキは和江の前に。
「何から話して良いものか……父ちゃんは当分の間、この街を離れられない。三十万円の借金が残っている。今の仕事をするという条件で、利息を安くしてもらっている」
 三十万円。その金額に、和江は圧倒された。彼女の給料の二年分である。
「そんな……何に使ったの?」
 自分のために使ったのではない――と、昭大は口ごもりながら、経緯を打ち明けた。
 昭大はヨツボシ電機の孫請である町工場に雇われていた。工場が資金繰りに苦しんだとき、「決して迷惑は掛けない」という常套句で、街金の連帯保証人にされた。もちろん、たんなる保証人と連帯保証人との違いなど知らないままに。あとは、お決まりのコースである。工場は倒産して、街金の取立は昭大におよんで――この街の暴力団である生田組に身柄を引き渡された。こういった場合、女は夜の世界、男は海の世界へ流されるのが相場だったが、昭大はいささかトウが立ち過ぎていた。それで、生田組の下で『秘写真』の売子にさせられたのだった。
 シノギは、そう悪くない。月の売り上げは六万円の上を行って、昭大の取り分はその三分の一だった。生活費を差し引いても月に一万円は返済できる計算だが、借金がなかなか減らないのは、二つの理由があった。ひとつは、高利である。利息は「安くして」もらって、月に三分。これだけで月額九千円になる。そして二つ目の理由は――一攫千金を狙って競輪に無駄金を捨てているせいだった。さすがに昭大も、こういった内幕まで娘に打ち明けたりはしなかったが。
「おまえにも母ちゃんにも迷惑を掛けるが、もうしばらくは見逃してくれ」
 もうしばらくって……この二年間で、借金はちっとも減ってないじゃないの。
 和江は絶望というよりも虚しさを覚えた。
「私に、何か出来ることはない?」
 実家への仕送りをやめて、父の借金の穴埋め……いや、それでは弟が進学できない。跡取息子の洋平はまだしも、下の望夫は良い会社のホワイトカラーにしてやりたい。
「まさか、おまえを泣かせるわけには……」
 昭大は口ごもった。若い女なら、三十万円も返済は容易かもしれないが。娘の一生を犠牲にすることになる。とはいえ、このままでは借金は減らない。娘を不幸にせず、娘に助けてもらう。そんな虫のいいことでも考えているのだろう。
「そうだ。ヨツボシは半ドンだったな。土曜の夜だけでいいから、父ちゃんの商売を手伝ってくれないか」
 切羽詰まってというよりも、さも名案のように、昭大が言う。
「あんなエッチな写真を……」
「心配無い。父ちゃんの目の届く範囲でしかやらせない。身体が汚れるわけじゃないんだし」
 言葉の意味が分からないほど、和江も子供ではない。もちろん、身体を汚したことなどないが。しかし父親の物言いには、娘が身体を汚してくれるなら、むしろありがたいといった響きを聞き取ったのだった。
 とはいえ、父親の頼みを聞いてあげるより他に妙案もない。勤めてわずかに二か月半。まだ試用期間だ。三十万円はおろか、三万円でも前借を出来るはずがなかった。
 それに父ちゃんの商売を手伝っていれば、所在だけはつかんでいられる。
「いいよ。やってみる」
 男ならせいぜい煙草を一服するほどの迷いの後に、和江はそう答えていた。
 和江は転落への第一歩を、父親に手を引かれて踏み出したのだった。

 気が変わらないうちにとばかりに、昭大は娘を生田組の事務所へ連れて行った。仁義を通してかないと咎められる。その言い方にも、父親の変貌を垣間見る和江だった。
 生田組の事務所、実は総本部は、繁華街からビジネス街へ行く途中にある小さなビルだった。ビル丸ごとが組の所有だから、戦後の新興ヤクザとしては(この地方では)たいしたものだった。
 
代紋を掲げた玄関を避けて裏口から入って、組員が常駐している広間へ。若い衆が三人ばかり花札に興じている後ろの大きなデスク(の端)には、女盛りの姐御が腰を据えている。
「おや、大崎じゃねえか」
「えらい若い娘だな。コマしたのか。やるねえ」
 からかいの言葉にもいちいち会釈をして、女の前でかしこまる昭大。
「大姐御さんには、今夜もまた一段とご機嫌うるわしく……」
 媚びへつらう父親の姿に、いっそうの幻滅を重ねる和江。畑を耕す逞しい姿、たわわな収穫に満足の笑みを浮かべた顔。父は一日も早く田舎へ連れ帰らないといけない。
「こいつは私の娘でして、和江といいます」
 姐御の顔が険しくなった。
「まさか、実の娘を売ろうってんじゃないだろうね」
「滅相ですよ。そうじゃなくて、私の売(バイ)を手伝わそうと思いまして」
 姐御の顔から険しさは消えたが、不機嫌そうなことに変わりはない。
「そりゃ構わないけどね。写真じゃなくて現物を売れって言われて、あんた、きっちり庇ってやれるのかい?」
「もちろんです」
 と、きっぱり請け合ってから、トーンが下がる。
「……揉めたら、組の名前を出して良いですよね?」
「言い方には気をつけるんだよ。ケツは持たないからね」
 実際にトラブルが生じても、組員が出張ったりはしないという意味である。売上を強奪されたとかなら、話は違ってくるが。
「分かっておりますです」
 そこらのチンピラよりも押しが弱いのは、ヤクザに飼い馴らされた純朴な農民ゆえではあった。
 姐御が、表情を緩めて和会に声を掛ける。
「あたしゃ、組の経理を預かってる征子ってもんだけど」
「若頭の前の前の前の女将さんだぜ。若頭より怖い大姐御だ」
「真珠も入れられないへたれチンポが、茶々いれるんじゃないよッ」
 若い衆をあっけらかんと叱りつけて。
「親孝行で感心って褒めたげたいところだけど、写真売じゃあ焼石に水だよ。あんたさえ良けりゃ、日に五千は稼げる口を紹介したげるよ。お風呂と違って、年齢制限なんか無いからね」
 風呂と年齢制限については何のことか分からなかったが、大筋は和江にも理解できた。怯えて呆れて怒りも湧いたのだが、先に昭大が噛み付いた。
「娘をパンパンにだなんて、とんでもない。いくら大姐御さんだって、怒りますよ」
「そっちこそ、口を慎みな。今の言葉を公園の姉さんたちに聞かれてみな。袋にされちまうよ」
 鼻で嗤って。それから、なだめるように言う。
「ちょっと試したのさ。この嬢ちゃん、若頭の眼鏡に適いそうな、そういう雰囲気を持ってるんでね」
「とんでもないです……」
 若頭の性癖を噂くらいには聞いている昭大は怖気を振るったが、和江には何のことか分からない。

 読者は、ヒロインが若頭の性癖の生贄になることを期待しておられるだろうし、そうでなければSM小説にならない。とはいえ、きちんと舞台設定をしないと小説にならないこともないのだろうが、筆者はそうするのである。お急ぎの読者は次章を素っ飛ばしてください。
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 最後の青字の部分は、一度は書いたものの、すでに削除しました。が、まあ、そういうことです。


昭和の少女たち
 アイキャッチの画像は、過去記事の使い回しで Make the tea cloudy. と、グルグル・ホニャックさんが言ってます。


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Tehe Pero Report:ダリアとトラ

 うわあ、やっちまった。
 SMX514『公女巡虐』。ヒロインの源氏名をダリアにしたけど。ダリアは南米原産。当然ながら、ヨーロッパに渡来するのは、卵が直立して以後です。12世紀には存在しませんでした。怪しいぽいのはチェックしたけど、あまりに南蛮ぽい花なのでうっかりでした。
 まあ。架空世界の架空歴史の架空人物で架空年齢(16歳とは、どこにも書いてないよ)だから、いいけどさ。

ダリア




へえ、結構あるねえ。


 ちなみに、本日はトラの日です。

 トラトラトラは、元からあった「ト連送」・・-・・ ・・-・・ ・・-・・ つまり「突撃!」のモールス信号に、単純な「ラ」・・・を追加しただけで意味はないと思っていましたが。意味はたしかにありませんが。
 実は、真珠湾攻撃に際して想定し得る状況を四つに分けて、それぞれに「ト連送」+「ム」「ラ」「サ」「lキ」をくっつけて作って。たまたま「トラ」が奇襲成功に割り当てられただけのことらしいですな。Wikipedia「トラトラトラ」より。
 考えてみりゃ、そりゃそうだよな。奇襲成功の暗号だけじゃ、「ホームランを打て」しかないサインみたいなものです。出典は忘れましたが、立原あゆみの長編エピソードです。
 考えられる状況としては、こんなところでしょうか。
・攻撃を断念して引き返す
・待ち伏せに遭い全滅
・迎撃を受けるも強襲す
・奇襲成功!

 ふうむ。まだまだヲタクの道は遠い。
 悔しいので蛇足。

 なぜ、「ト連送」が突撃の合図か
 →攻撃前に、編隊を解いて単縦陣に組み直す。これを「トツレ」即ち「突撃・体制・作れ」。
  その流れで、ト連送。
  当時、隊内電話はありませんでした。

 四つの状況に「ムラサキ」をあてはめる。
 →海軍最高機密の暗号が、通称「紫暗号」

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Progress Report(third) 0:昭和集団羞辱史/物売編(夜)



 ええ、三度目の電気掃除機と申します。掃除をして、「まだ埃が残ってるじゃないの。母親にどういう躾を受けてきたんだろね」とお姑さんにいびられて電気掃除機をかけ直して。「四角い部屋を丸く拭くようにおそわったの?」といびられて。なぜか裸エプロン縄褌で三度目の掃除をするという……お話では有馬温泉。

「昭和集団羞辱史:物売編(夜)」2話構成『秘写真』『花売娘』
 あ、秘写真てのは戦前から昭和にかけてのエロ写真です。こんなの

シロクロの白黒写真
『秘写真』の出来が気に食わなくてボツリヌスしたのが2022年9月。2023年10月にリライトし始めたところでWILL様のPIXIVリクエストが来て、これがいつものごとくドドドドド真ん中だど。で、そっちを書いて。返す刀で鮃板ばかりの『公女巡虐』450枚を5週間で突っ走って。各サイトへの販売登録が終わったところで。
 三度目の挑戦ということです。三度目の正直な電気掃除機です。
魔女狩りのプロローグ』は、一回挫折した後にリトライして完成させましたから、電気掃除機は初体験です。
 まあ。三度目ということなら。そもそも『魔女狩りのプロローグ』は大昔に全年齢SFで書いた短編のアダルトバージョンですから、こやつも電気掃除機の端くれ。ルンバとサンバくらいの違いしかありません(??)。


 さて、今回の掃除機は。プロットをぐっとシンプルにしました。
 ふつうの秘写真を撮って、さらに欲を掻いた父親が8mm撮影までさせて……なんてまだるっこしいことはせずに。白黒フィルムでシロクロ写真を撮るだけ、の中で着衣緊縛からフェラ・アナルまで突っ走って。父親の不始末の詫びにリンチ&処女喪失というシンプル黄金パターンにしました。
 以前のプロットは、こちらです→
 今回のプロットをご紹介↓

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 人物設定とか冒頭の省略部とかは、前のプロットと同じです。

父を探して
 6月

父と一緒に
 事務所へ挨拶に行って1号さん
 大姉御。組の経理
 2号は他組の親分の若き愛人
 3号はバーのマダム。
 現在の女房は「4号=女将さん」
 1号と3号は、女将公認で継続中

父の身勝手
 夏休み後
 撮影は一回だけ。8mm無し
 顔は分からないようにしてやる
 パンティは脱がなくて良い
 処女は守る
 セミヌード(髪形と猿轡)誘拐演出
 緊縛ヌード パンティは『破る』
  文句があるなら、ちゃんと言え
 フェラ凌辱 相手は若頭
       本物と異なる図柄のシャツ
 復活タイム。ほどいてバスタオル
 ここで約束分は終り
 もうちょい撮らせるなら、借金チャラ
 ヴァージンは破らない
 父親、娘を拝んで。続行
 アナル凌辱 坐禅転がし
 
父の不始末
 11月
 娘から家への連絡は父が渋る
 三年ぶり、まとまった金を
 くずフィルム盗んで別の組に
 指詰で追いつかない。コンクリ詰
 折檻と本番(撮影)
 自首しても実刑
 結婚えお認めるなら執行猶予
 強制結婚(5号)
 法律上は二十歳と同じだからトルコ嬢OK
 親父の賠償分は身体で稼げ

父は拘置所
 尺によっては次章冒頭でカットバック
 即日入籍。ヤクザの祝事は無し
 初夜は床入でなく墨入@パイパン
 正月は最後の帰省
 トルコはおフェラで
 本番してないか指入れ検査(無意味)
 高価な着物。採算割れしてる。
 執着=愛を感じる
 
父との訣別
 3か月後
 拘置所前←執行猶予
 母が事情を知るのは、ここで
 情状証人で出廷は証拠の写真と瓜二つでまずい
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 父親の処遇も前と変えました。
 父親が故郷へ錦を飾りたいばかりにボツフィルムを盗み出したのが、ひとつ。
 刑務所でなく、執行猶予判決で拘置所から釈放されるというEND。こっちのほうが時間経過が無いので。あと、長男の将来も安泰です。父親が前科持ちだと、進学も就職も難しいですので。執行猶予中は父親も(女房の監視下で)真面目に農家をやらねばならないので、また娘を嘆かせることもないでしょう。


 それにしても。とにかく何か書いていないと気が休まらない。中毒というべきでしょうな。
 書いていれば、そして、わずかでも発表の場があれば。それがあやふやなPVとかじゃなくて現金収入で実感できれば。なにかしら人類に貢献しているような気がするのです。害毒を垂れ流しているという評判は、「いい批評でも悪い批評でも読者への効果は同じで、できるだけ取りあげられる方がいい」という筒井康隆極大(この作家も御大超えです)が心の支えです。


 さて、書き始め魔性。← 一発変換

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Progress Report Final:公女巡虐

 終章は賞味期限付きで記事にしていますから、締め括りは後書でも掲載しておきましょう。

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後書き

 いやはやナントモ永井豪。
 TRPGのエピソード(ではないが、似たようなモン)で、マッピングしてたら方眼紙からはみ出して、やっと転位の罠に掛かったと気づいても after festival てエピソードがありましたが。そんな気分です。
 いえ、罠ではなくCGです。恣意にして自意。
 修道院パートは皿っと流す。むしろ救出劇を、浮浪児盗賊団の夜討ちとか派手にしてアカルイミニマムにする予定でしたが。それでは『生贄王女と簒奪侍女』の二の馬脚だと思い直したのが発端ですかしら。
 PLOTの段階では、継母は修道院パートで登場せずフィクサーに徹する案もありましたのに。被虐名まで授かって、継母の奇妙な愛情 MamaMother strange love by Stanley Kublic まで吐露するとは。
 しかもしか、『へのへのもへじ』のはずの父親まで土壇場で登場。おいしい役回り。まさに、デウス・エクス・ヒョウタン新造語。直訳すれば「瓢箪から神」。
 最近は、前半で責めのあれこれを出し尽くして息切れするパターンが多かったのですが、久し振りの、だんだん良く鳴るホッケとシシャモ。いつもいつもFw190は飽きたので。
 ええ、いつものように、終章に向けて全力疾走中に『後書き』ならぬ『途中書き』をしてるので、ハイテンション・プリーズなのです。教官、私はドジでのろまな亀です!
 こほん。すこし下げてンション。
 ともあれ、ブログで吹いた五百枚になりました(時制は未来)。
 ケツのでかい安産型になりました。尻は大きい方がよろしい。シバキ甲斐があります。胸は小ぶりがよろしい。鞭ビシバシで腫れたビフォーアフターが一目燎原の火です。
 どうも、テンションサーマルです。上昇気流に乗って降りてこない。
 ので、MAC。Manual Wadai Change。
 実は、この話。無実の罪とか罠とかではなく、ちゃんと(?)悪いことをしたヒロインが正義の名の下に拷問される話を書きたかったんですけどね。そういうのが濠門長恭クンの作品にはなかったので。つまり、盗賊パートがメイン。
 の筈だったんだけどな。結局は義賊になっちゃうし。ヒロインは、全作品中ぶっ千切りのハードなドMになっちゃうし。
 ドロンジョ征伐の話は、またいずれということで。

[後書きの後書き]
 さてさて。今回の後書きは、いつもに輪を掛けて駄洒落地口のヒッパレーでした。まあ、これが作風にも反映して「淫惨な内容の割に明るく安心して読める」と、極一分からは好評です。爺が自慰惨でした。では、オーラス一本場の執筆を続けます。

2023年11月

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公女巡虐/紹介画像

 修道院パートは、プロット拡張というか、カッコ良くいうと作中人物に好き勝手にさせた、別の言い方だと、思いつくままアレコレぶち込んだわけです。修道院だけで3章、3万9千文字は120枚です。
 書き殴ったおかげで、あちこちツジの奥さんが合わなかったりして、修正におおわらわ。
 まあ、今日・明日の休日で、ダウンロード販売用のあれこれ準備までいくかしら。
 それから、実質的には章の途中で中断した『宿題を忘れたらお尻たたき、水着を忘れたら裸で泳ぐと、HRの多数決で決めました。』の17章(おまたコンダラ)の続きを18章(ふたりコンダラ)としてちょこっと書いて。
 今度こそ、三度目の電気掃除機で『昭和集団羞辱史/物売編(夜)』にかかりましょう。こやつは200枚程度の中編2本立てなので、年末までには前半が仕上がれば、 2023年もめでたく3千枚突破です。


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Progress Report 9:公女巡虐(賞味期限付)

 夫魚おっとおとと
 伊太利語には男性名詞と女性名詞がありました。ので、修道女の語尾をそれっぽく訂正します。娼婦のほうは花の名前なので、すべて女性名詞らしいですね。ああ、よかった。

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継母の嗜虐愛

 でも、まだ続きがありました。
 皆が一斉に肩衣を脱ぎました。へええ、です。というのは、誰も月の障りが訪れていないらしいのです。算数は苦手ですが、月のうち一割くらいは出血しますから、一人くらいは当日の筈です。
「今日の当直を言い渡します」
 多分いちばん年嵩の牝馬(カヴァラ)という名の寮長が、声を張りました。
「猫(ガッタ)と烏(コルヴァ)は、反省しなさい。何を反省するのか分からなければ、辛子の懲罰を追加します」
 修道女は聖職者ではないので、他人に祝福は与えられません。どんなに言葉の意味を捻じ曲げても、それは同じなのでしょう。
「マイアーレは引き続きフランカの訓練。ガリーナは新人のエレナを担当しなさい。残りの者は、自己研鑽に励むこと」
 最初に名指しされた二人は、それぞれの寝床で“V”字形の姿勢になります。他の女性(最年少の私が先輩を『娘』と表現するのは失礼です)が、二人を鎖と枷で拘束しました。
 傷だらけの女性は、寝台で俯せになりましたけれど、他の人たちは……カヴァラさんが比較的に若い人を二人、自分の寝台へ呼び付けました。隣り合った寝台を動かして、三つをひとつにしています。
 後に残ったのは五人。特に相談するでもなく、二人と三人に分かれました。同じように寝台を寄せ合って。
 なんてことでしょう。男と女がするみたいに、くんずほぐれつを始めました。
「わたくしたちも始めますわよ。さあ、手伝ってくださいな」
 まるでどこかの令嬢みたいな口調で、ガリーナさんが私に話し掛けます。
 言われるがままに寝台をくっ付けました。縄も鎖も枷も着けられていない身体は、なんと自由に動かせることでしょう。でも、衣服を身に着けていないみたいに不安です。いえ、実際に素裸なのですけど。
 要領の分からない私がもたもたしているうちにも、あっちでもこっちでも、くんずほぐれつが激しくなっています。
 カヴァラさんたちの三人組は横臥して三角形になっています。カヴァラさんの割れ目を舐めている女性は、カヴァラさんが割れ目を(舐めるどころか)頬張っている人に割れ目を啜られています。『踊る花の館』でも、こんな遣り方は誰もしなかったと思います。でも、これって……何人でも何十人でも出来ますね!
 もうひとつの三人組は、もっととんでもないことをしています。開いた脚を交差させて股間を近づけ、三方に突き出した張形の中心を一人が握って、臼を挽くみたいに捏ね回しています。前戯も無しに。
 二人の組は、これはお馴染みの形です。脚を交差させて股間を互いに擦り着けながら、固く抱き合い乳首を触れ合わせて接吻を交わしています。あれでは女の芽への刺激が足りません。のけぞって後ろへ手を突く形が最適です。事の始めの挨拶なのでしょう。
 そしてマイアーレさんは、俯せになったフランカのお尻に顔をうずめています。鞭傷を舐めてあげているようです。
「驚いたでしょうね」
 ガリーナさんが、私を背後から抱きしめながら、耳元で囁やきました。
「女と女で淫らな真似をするなんて。でも、これは姦淫ではないのよ。だって女は、挿入できるオチンポを持っていないんですもの」
 それは、そうですけど。
「聖書ではソドムの行ないを厳しく禁じているけれど、女同士の戯れについては、一文字も書かれていません。つまり、禁じてはいませんことよ」
 もう、聖書の話はたくさんです。
「ふふ……怖いの? すぐに気持ち良くなりますことよ。ほら……」
 ガリーナさんの手が肩から前へ滑って、乳房を撫で下ろし、乳首にちょんと触れてから指が通り過ぎました。くすぐったくさえありません。滑り下りた手は、今度は下から上へ動きます。
 それを何度か繰り返しながら、私を寝台へ腰掛けさせて。掌で乳房を押し上げるようにして、指の腹で乳首を転がします。
 ああ、もう……じれったい。
 ガリーナさんは私を、まさか処女とは思っていないでしょうが、ろくに性の歓びも知らない素人娘として扱っています。おまえは伯爵令嬢なんかじゃなくて娼婦だと言われるよりも、もっと自尊心が傷付きます。
 いいわよ。ダリア姐さんの実力を見せてあげる。
 私は手を伸ばして、右に座っているガリーナさんの核心をいきなり襲いました。
「あっ……?」
 ぴくんとガリーナさんが腰を震わせました。ここぞとばかりに、指でくにゅくにゅくちゅくちゅ。身体をひねって左手で肩を抱き、唇も奪います。
「んむう……?!」
 舌を絡められて、ガリーナさんは戸惑っています。その戸惑いを官能に変えてあげましょう。息が苦しくなるまで口中を貪って、口を合わせたまま、ガリーナさんの鼻に息を吹き込みます。もちろん右手の指は五本とも動かして、莢をしごき雌しべをつつき、とどめにきゅるんと剥き下げてあげました。
「ぷはあっ……」
 私が身を引いても、ガリーナさんはとろんとした眼差しで余韻に浸っています。
「あなた……誰に、こんなことを教わりましたの?」
 心底不思議そうに私の顔を見ます。
「ローザ、ジーグリ、クリサンテ、カメリア……みんな『踊る花の館』の売れっ妓だよ。あたいはダリアって舞台名で踊って、男に抱かれて、お客様の求めに応じて朋輩たちとも絡んでたのさ」
 言葉遣いは、盗賊団の姐御にしました。ガリーナさんが妙に上品ぶった物言いをしていることへの反発です。
「そうでしたの。わたくしは、てっきり、あなたも貴族の出かと思っていました」
 それも当たっていますけどね。でも……「も」ということは、この人「も」貴族令嬢? そして、それを隠す必要も無い?
 『踊る花の館』とは、ずいぶん勝手が違います。それは、この修道院の真の姿を知ったときから分かっていたことです。金で縛られているとはいえ『お仕事』をちゃんと勤めて日中の雑務も少しだけしていれば後は自由な娼婦ではなく、実際に縄や鎖で縛られ鞭打たれ日中も自由を奪われている女囚それとも性奴隷なのです。
 そんなことは、後で考えましょう。今は……
「それじゃ遠慮はいりませんわね。凡俗を相手の娼婦ごときに後れを取ったとあらば、わたくしの矜持が許しませんことよ」
 ガリーナさんが私の腰を抱きかかえるようにして、右手を股間へ差し入れてきました。
「ひゃああっ……?!」
 甘い稲妻が腰を貫きました。女の芽を虐められてそうなるのは慣れっこですが、すごく甘いのに太くなくて、無数の針が雌しべの奥まで突き刺さってくるような感じです。
「あっ……いやあっ!」
 女の穴を穿たれて、中で指を曲げて、どこかしらをつつかれると、腰が砕けました。
「ああっ……駄目! 恐い……」
 快感が立て続けに腰を砕けさせて、半分は嘘、半分は本心を私に叫ばせました。私は、もうガリーナさんを虐めるどころではなくなっています。
 ガリーナさんが私を遥かに凌いでいるのは、考えてみれば当然です。私の娼婦経験は、たった三月です。しかも、女同士は座興。何年も(夜毎に?)経験を積んできた人に勝てるわけがないです。
 でも……物足りないです。マセッティ様の刷毛責めより甘くて、ふわふわして、それだけに砕けやすい砂糖菓子。快感が凄まじいだけに、もっとしっかりと噛み締めたいです。
「つねって……雌しべに爪を立てて……うんと痛く虐めてください!」
 快感ではなく苦痛を、素直におねだりするのは、これが初めてです。それだけ、かつてない高みが見えているのです。その頂上から翔び立ちたい。
「なんてことでしょう。見習の初日から仕上がっているなんて……」
 驚きながらも、ガリーナさんは望みを叶えてくれました。腰を抱いていた手も股間へ滑らせて、芽が千切れるくらいにきつく爪を立てながらひねってくれました。しかも、乳首に噛みつきながら。
「ぎびい゙い゙い゙……死んじゃうよおお!」
 目くるめく飛翔、目くるめく墜落。マセッティ様の拷問にも比すべき絶頂を、私は極めました。
 ここまで乱れたのは、第一にはガリーナさんの指ですけれど。ひと月以上も御無沙汰だったことと、聖書の勉強で頭が混乱していたせいもありそうです。
「凄いわね、この娘」
 自分のことを言われたと分かって、私は余韻から頭をもたげました。
 声の主はカヴァラさんです。
「どこまで仕上がっているか、試してあげましょう」
 修道女の間での力関係も分からないうちから寮長に逆らうのは得策ではありません。それに、もっと快感か苦痛を与えてもらえそうです。
 なので、指定された寝台におとなしく“V”字形に拘束されました。
「ガッタ、コルヴァ。あなたたちは、自分が犯した罪を理解していますか?」
 カヴァラさんは、最初に指名した二人に反省を求めます。
「ガッタ。あなたは罪を自覚していまか?」
「妾(わらわ)は、何も罪を犯しておらぬ。罰したければ好きにするが良い」
 この一人称は高貴な女性、それも人妻が使います。三十歳前後に見受けられますから、かつては夫のある身だったのでしょう。では、何故こんなところに。死別でしょうか。まさか、夫の手で?
「そうですか。では、あなたは外面だけではなく身体の内面でも反省なさい」
「これしきのことで妾が泣くと思ったら、大間違いですわよ」
 負け惜しみを聞き流して、カヴァラさんはコルヴァさんにも同じ質問を繰り返します。
「教えてください。悪いところがあれば直します。辛子だけはお赦しください……」
 コルヴァさんはすすり泣き始めました。
「では、あなたの悪いところを教えてあげます。そのように懲罰や祝福を本気で拒むこと――それが、ここでは最大の罪なのですよ」
「でも、ほんとうに厭なのです。つらいのです。恐いのです」
 コルヴァさんは私より五つ六つ年上ですが、ここへ入れられてから日も浅いのかもしれません。
「まったく……それで、よくも誓願を立てたものですね。ガッタのように、いっそう過酷な懲罰をそそのかせとまでは求めませんけれど。そんなでは、じきに心が死んでしまいますよ」
 カヴァラさんは、コルヴァさんにも『外と内からの反省』を命じました。そして、私に振り向きました。
「エレナ。もちろん、あなたもですよ」
 私を見下ろす眼差しは、ブルーノ様やマセッティ様、そして院長様や司祭様とそっくりです。付け加えるなら、お継母様とも。カヴァラさんの心は、今は女ではなく、男性に同化しているのです。
「ありがとうございます。うんと虐めて可愛がってください」
 ここでの作法は知らないので、心のままに返事をしました。私にとって「虐める」と「可愛がる」は同義なので、それもきちんと伝えました。
 カヴァラさんが、淫戯の相手に選んだ二人に命じて、反省だか懲罰だかの準備をさせました。蓋付きの壺、箆、羊皮紙、そして三本の張形。
 最初はガッタさんです。壺から箆で掬い取られたのは、黄色く粘っこい辛子です。良く練られていて、粒は混じっていません。それだけ刺激が強いです。予想していた通り、それを割れ目に塗り込めていきます。ガッタさんは天井を見上げて無表情。
「強情ですね。これでもですか」
 カヴァラさんの指が割れ目の上端あたりで微妙に動きました。
「ああああ……痛い、熱い。妾は無実の罪で罰されておるのじゃ」
 甘ったるい悲鳴です。私の悲鳴も、他人の耳にはあのように聞こえるのでしょうか。
 カヴァラさんは箆を襤褸布で三度拭い、三度辛子を掬いました。ガッタさんの股間には黄色い辛子が盛り上がっています。そこに羊皮紙が被せられました。辛子は放置すると辛味が揮発します。それを防ぐ――ひと晩ずっと反省させるための処置でしょう。
 そして張形です。壺に浸けられて真っ黄色になったそれが、無雑作に股間へ突き刺さされました。
「きひいいいっ……」
 純粋の悲鳴です。
「あああああ、ひどい……妾は悪くないのに……酷い仕打ちじゃ」
 恨んでいるふうではありません。悲運を嘆いている――いえ、酔っています。
 張形の末端に革紐を巻いて、それを太腿に巻き付けて絶対に抜けないようにしてから。カヴァラさんはコルヴァさんに取り掛かります。
「いやあっ……熱い、沁みる! 赦してください!」
 最初から大騒ぎです。今度は指の微妙な動きも見えました。
「ぎひいいいっ……死ぬううう!」
 女の芽に塗り込められると、寝台を軋ませてもがきます。悲鳴もガッタさんの十倍くらいの大きさです。
「うるさいですね」
 フランカが噛まされていたのと同じ猿轡が、コルヴァさんに着けられました。寝台の側面にある枷で腰の動きも封じられて。最後に辛子まみれの張形が挿入されました。
 コルヴァさんは、くぐもった呻き声をあげながら、ぼろぼろ涙をこぼしています。きっと、その涙は甘くないと思います。
 そして、いよいよ私の番です。
「望むなら、あなたも声を封じてあげます。まだ見習なのですから、すこしは甘やかしてあげましょう」
 本来なら熟考するところですが、「甘やかす」という言葉に反発しました。コルヴァさんみたいに見苦しい様を晒したくないです。ガッタさんみたいな負け惜しみも性に合いません。
「要りません。もしも私の悲鳴がお耳障りでしたら、寮長様の判断で封じてください」
 もしもカヴァラさんに嗜虐心があるなら、きっと心地良い音楽になるだろうという自信があります。
「そうなの。後悔しなければ良いのですけれど」
 最初のひと掬いが、割れ目の周辺に塗られました。冷たいけれど、たいした刺激ではありません。そしてふた掬い目は花弁の裏側へ。
「くううっ……」
 傷口に塩を擦り込まれるよりは柔らかですが、じんわりと沁み込んでくる痛さがあります。塩は傷口から滲む体液で薄まり流れていきますが、辛子はそうもいかないでしょう。それとも、淫らな汁が洗い流すでしょうか。
 つるんと莢を剥かれました。そして……
「きひいいいっ……いい!」
 最後は歓喜の悲鳴です。女の芽が燃え上がっているようです。激痛で縮こまるのが分かります。なのに、最大に勃起したところを粗い刷毛で擦られるよりも強い快感が腰を貫きます。
「あらあら。蜜があふれてきますね。ガッタよりも激しい」
 念のためにと、四掬い目が割れ目を封じるように盛り上げられました。そして、羊皮紙をかぶせられます。縦に切り込みがあるのが見えました。張形を通すためです。
 その張形は――女の穴の入口を先端で捏ね回してから。奥に突き当たるまで一気に押し込まれました。
「くっ……」
 もっと太い張形を捻じ込まれたことだって何度もあります。たいしたことはない――と高を括っていたのはひと呼吸の間だけ。股間全体がじわじわと熱くなって、ついには燃え上がりました。
「あああああ……熱い、痛い……もっと虐めてください!」
 本心です。割れ目を鞭打たれる鮮烈な痛みには遠いのです。前後の穴を同時に貫かれる膨満感もありません。
「ふふ、頼もしいですね。明日の朝も同じことを言えたら、院長様に申し上げて、祝福を与えていただきましょう」
 中途半端な激痛(と快感)の中に私を放置して。他の皆さんも就寝の支度に掛かりました。半数の人が寝台にX字形に仰臥して、残った人に手足を拘束してもらいお腹を枷で押さえ付けてもらいます。それを繰り返して、最後にカヴァラさんだけが残りました。
 カヴァラさんは同じ形でも俯せになりました。手足は自由ですが、そのまま動きません。やがて、ひとりの若い男性が部屋へ入ってきました。聖職者の身なりですから、二人の助祭様のどちらかでしょう。
 彼はカヴァラさんの手足を拘束してから――下半身を露出して(どちらの穴かまでは分かりませんが)彼女にのしかかりました。
 羨ましいなと思いました。もしも、私の修道院入りが決まったとき囁かれていた通りに、将来は修道院の女としての筆頭、つまり寮長になって。年下の娘を虐めて可愛がりたくなる心裡は、なんとなく分かります。権力のある者が弱者を甚振るのは快感でしょう。
 唐突ですが――私に、将来の目標が出来ました。

 カヴァラさんの言葉通り、熱く沁み込んでくる痛みは一晩中続きました。それでも、私は――痛みに目を覚ますことはあっても、微睡みました。苦痛の中の睡眠には慣れっこですから。
 翌日は、また告解室で司祭様から聖書の真実をいろいろと教わりました。聖書には、独特の暗喩が鏤められています。
「誰某は彼女を知った」というのが性の交わりを意味するというくらいは、すこし教養のある大人なら知っています。実際には、もっと淫微で分かりにくい表現がたくさんあります。たとえば「差し出した」というのは、女性の行為であれば「みずからを」という言葉を補えば意味が明白になります。行為者が男性の場合は、「彼の娘」「彼の妻」「彼の姉妹」あるいは「彼の女奴隷」です。
 聖書に良く出てくる葡萄や無花果や柘榴も、実に意味深です。ことに無花果と柘榴は何に似ているかというと……聖書に倣って、明言は避けます。ただ、女性がそういう果実を捧げる場面では「彼女の」という言葉を補えば、意味が明確になるのは確かです。
 司祭様の(ということは、この修道院の)解釈では、近親姦も男が女に向ける嗜虐も大いに奨励されているのです。
 強引な解釈だなと思う部分もありますし。そもそも、巻物に聖なる言葉で書かれている内容を司祭様が正しく翻訳してくださっているかも怪しいのですが、反論できるだけの素養が私にはありません。拝聴しているうちに、だんだん真実に思えてきました。辛子で腫れている女の穴も花弁も芽も、ますます熱く火照って涙を流します。
 そうして。私の悦虐は神様の定めた摂理に反するどころか適っているのだと、そうも思うようになりました。これが、皆さんのおっしゃる「仕上がった」というものなのでしょうか。
 先輩見習修道女のフランカは、すでに幾度も講義を受けているので、日常の作業、ことに重労働を割り当てられました。背中で祈りを捧げる姿に縛られたまま、腰に鎖を巻いて前から後ろへ回して鋤をつないで曳かされたり、同じ要領で荷車を曳かされたり。
 私は明後日には入会の誓願を立てて、性隷として第二の洗礼を受ける予定になっている――その資格があると、院長様に申し渡されています。そして新米修道女として、結局はフランカと同じ重労働に従事させられます。
 先々のことは考えても仕方がありません。
 午後からは、賓客が私たち修道女に祝福を与えてくださるところを見学しました。賓客は俗人であっても、司教である院長様から聖別の儀を受けて、一時的に資格を与えられる――ずいぶんと勝手な理屈です。
 私とフランカはお継母様、いえファジャーノ様に引率されて『祝福の間』へ入りました。世俗的な言い方をすれば拷問の間です。
 そこには、上半身は裸ながら、どこかで見た肖像画に似ているようないないような殿方が、院長様直々の助言を受けながら、修道女に祝福を与えておられました。助祭さまと警備兵が一人ずつ隅に控えています。
 ファジャーノ様は貴賓に向かって、花弁の片方を横へ引っ張りながらそちら側の膝を外へ曲げて、変則的な屈膝礼を執りました。フランカは両膝を着いて頭を垂れます。私は迷いましたが、フランカは平民の出だろうと判断したので、ファジャーノ様に倣って、もっと変則的な屈膝礼にしました。ただ片脚を横へ曲げて膝を折っただけです。だって、花弁を摘まもうにも、両手を背中へ捩じ上げられています。
「こちらは、元修道女で、還俗してクリスタロ侯爵の養女となり、ラメーズ伯爵の後妻に迎えられたファジャーノです。その隣が、彼女の継娘にして見習修道女のエレナ。もう一人の見習がフランカです。見習の二人、ことにエレナは、いずれ殿下に祝福を与えていただくこともございましょう」
 フランカは付け足しみたいな院長様の紹介です。
 殿下はたいして興味も無さそうに、大きな鉄の箱に向き直りました。
「おまえたちもご相伴に与りなさい――よろしいですわね、殿下」
 私とフランカは、殿下の左右に並ぶ形で水槽の窓に顔を寄せました。
 中では私より二つ三つ年上の修道女が首まで水に浸かりながら、梯子のような物を登っています。両手は太い鎖で後ろ手に縛られ、両足には短い鎖で鉄球を引きずりながら。まだ全員の名前を覚えていませんが、たぶん兎(コニーギャ)さんです。
 登り続けているのに、いっこうに水から出られません。梯子の踏桟が下へ動いているのです。踏み桟は梯子の裏表に並んでいて、上と下でつながって大きな歯車で折り返しています。そして踏桟は細長い飼葉桶のようになっていて、コニーギャさんが(結局は)その場で足踏みをするごとに水を汲み上げています。汲み上げた水は鉄の水槽の上に吊るされた大きな桶に貯まるのですが、桶の横からは二本の湾曲した太い筒が伸びていて、彼女の頭上から水を浴びせています。
 もし足を止めたら水底まで沈むし、水槽の水も増えて溺れ死ぬのです。命懸けの不毛の重労働です。
「こんなの……見たことがない」
 フランカがつぶやきました。
「これは殿下が発明なさって、王都で作らせた物を寄進してくださったのだ」
 殿下とも呼ばれるお方なら、国政にも関わっておられましょう。その叡智を国民のために使っていただきたいものです。
「ふむ、限界のようじゃの」
 覗き窓の向こうで、コニーギャさんが足を踏み外しました。後ろ手の鎖に引っ張られて仰向けに倒れて、立ち上がろうともがいていますが、起き上がれません。
「レミジオ!」
 院長様の声に、助祭様が水槽に駆け寄り、素早く半裸になって脇の梯子から水槽に飛び込みました。兵士が天井の滑車から垂れている鎖を下ろします。
 助祭様は鎖の先端の大きな鈎をコニーギャさんの後ろ手鎖に引っ掛けて。兵士が一人で軽々と釣り上げました。滑車は大小が組み合わさっているので、梃子みたいに働くのでしょう。
 でもコニーギャさんは、たまったものではありません。後ろ手のまま吊り上げられるのは肩が脱臼しそうになります。足の錘で、なおさらです。
「ああああ……痛い……」
 この人も仕上がっています。苦悶の中に気怠い響きが混じっています。それとも、ただ疲れ果てているだけでしょうか。
「水位を下げろ」
 殿下のご命令で大桶が水槽に沈められて、かなりの量の水が汲み出されました。
「あの女は、しばらく踊らせておけ。余は、この若き未熟な二人に洗礼の手ほどきをしてやりたい――これじゃ」
 殿下は左右の手を交互に上げ下げしました。それだけで、院長様に意味は通じたようです。
 私とフランカはいったん拘束を解かれて、コニーギャさんと同じに太い鎖で後ろ手に縛られました。ずうんと重たくて、踏ん張っていないと転びそうです。
 私たちの前に大きな鉄塊が置かれました。真ん中に環が取り付けられていて、もっと太い鎖が通されています。私たちは首に鉄枷を嵌められて、鎖の両端につながれます。鎖が短いので、二人のうちどちらかがしゃがむか、二人とも中腰でいなければなりません。
 院長様と殿下が私たちの身支度(?)を調えている間にコニーギャさんは、突き出た棒の先に“L”字形の腕が生えた台の上に、別の滑車で吊り降ろされて――予想していた通り、股間を“L”の上向き部分で突き刺されました。手足には軽く装飾性の強い環を嵌めているだけで、まったく拘束されていませんけれど、串刺しから逃れるには、張形が抜けるまで高く跳び上がるか、台もろともに倒れるかしかありません。腰が伸びた姿勢から跳ぶなんて無理ですし、重たい台を倒すのも難しいでしょう。倒れたら倒れたで、穴の奥を突き破られるかもしれません。
 兵士が分厚い鉄の円盤を手で回し始めました。コニーギャさんの腰がゆっくりとくねります。
 女の穴は常に、“L”の垂直な部分の真上です。台から突き出ている支柱を躱すために、支柱に近い側の脚を上げなければなりません。回転につれて足を踏み換える必要があります。
 回転が速くなってくると、自然と手を振って身体の釣合を取ります。
 しゃん、しゃん、しゃん、しゃん……軽やかな鈴の音が石壁に響きます。熱した鉄板の上で踊らされたときと似ています。けれどコニーギャさんの顔に浮かんでいるのは、苦痛の奥から滲み出る悦虐ではありません。淫らに腰を振らされる恥辱の火照りと、女の穴を抉られ捏ね繰られる純粋の快感です。恍惚です。
 もっとも。重たい鉄球を引きずりながら無限に梯子を登らされた疲労が溜まっていますから、そう長くは続かないでしょう。続けさせられても、じきに倒れて台から転落するかもしれません。うまく受け止めてもらえれば良いのですけど。
 他人の心配をしているどころではありません。鉄の塊が滑車で吊り上げられ、私とフランカの腋にも縄が巻かれて、もろともに宙吊りです。
 兵士が素裸になって、水槽に立て掛けられた梯子の上に立っています。彼の股間はそっくり返っています。さすがは施虐修道院の一員です。
 フランカが耳元に囁やきます。
「あたいも祝福を受けるのは初めてだけど、一度だけ見たことがあるよ。ゆっくり十(とお)数えてから、あたいの真似をしなよ」
 盗賊団の姉御顔負けの言葉遣いです。とにかく、小さく頷いておきます。
 私たちは水槽の上へ押し出されて。
 がらら……ざぶん。一気に水中へ沈められました。鉄塊に首を引っ張られ、両手を縛る鎖に押さえ付けられて、二人とも水底にへばり着きます。
 すぐに兵士が飛び込んできて、錘に引っ掛かっている鎖の鈎と私たちを吊っていた縄を抜き取り――助け起こしたりはしてくれずに上がっていきました。
 娼館の女将さんに逆さ吊りにされて水に浸けられたときよりはつらくないですが、立ち上がって水面から顔を出さなければ、いずれ溺れ死にます。
 ところが、立ち上がるどころか。鎖を横に引っ張られて、胸が鉄塊に押し付けられました。さらに鎖が強く引っ張られます。
 水でぼやけた視界の中で、フランカが立っているのが見えました。そうです。鎖が短いので、ふたり一緒には立てないのです。
「十(とお)数えてから」フランカの言葉を思い出しました。
 ゆっくりと、九つまで数えたところで、フランカがしゃがんで、さらに顔を鉄塊の環に押し付けました。
 私の番です。鎖の重さに逆らって身体を起こし、両足を踏ん張って……どうにか立てました。
「ぶはっ……はあ、はあ、はあ」
 空気を貪ります。
 フランカが肩で足をつつきました。替われという合図です。
 私は大きく息を吸い込んでからしゃがみ込んで、フランカの真似をして鉄の環に顔というよりは喉を押し付けて、少しでも鎖を伸ばしてあげます。
 フランカが、よたよたと立ち上がって。私が十を数え終わるか終わらないうちに、私に譲ってくれました。
 上から吊るされている大桶には、大量の水が汲まれています。もしも、あれを流し込まれたら……ふたりとも溺れ死ぬでしょう。
 そんなことは殿下も院長様も絶対になさらないだろうと信じて、とにかく次のひと息を何回も何十回も繰り返して――無事に引き上げてもらえました。
 殿下と院長様に対する絶対の信頼と忠誠の礎石が、私の心の底に置かれました。と同時に、フランカとは生死を共にした仲間といった紐帯で結ばれたのです。これは、私だけの思い入れかもしれませんけれど。
 ――殿下の最後の祝福は、疲れ果てた身体をほんとうに鞭打たれながら、恍惚として踊り続けたコニーギャさんに与えられました。拷問台に磔けられて、恍惚に恍惚を重ねる彼女の乱れっぷりをしっかりと見学させてもらってから、私たちは祝福の間を後にしました。私は太腿にまで淫らな汁で濡らしてファジャーノ様に褒められたのですが、フランカはそれほど感銘を受けたようには見えませんでした。
 それにしても。以前のお継母様だったら、きつくお叱りになって鞭のお仕置きをくださっていたところを、今は褒めてくださるのですから……戸惑うばかり。と、控え目に表現しておきます。
 寮へ戻って。昨夜と同じ要領で夕食を摂って。今夜は誰も反省を命じられず、私も昔懐かしい“X”字形の姿勢で眠りに就きました。

 そうして、施虐修道院で三日目の朝を迎えました。
 今夜の私は『内省の夜』だから粗相があってはいけないという理由で、断食をさせられます。水分もできるだけ我慢しなければなりません。それなのに。誓願の前に必須の儀式なのに、その内容は誰も教えてくれません。まあ、半日後には分かるのですから、気には病みませんけれど。
 もう見習修道女の正装もせず、略装つまり全裸で寮に籠もって、聖書を読んで過ごしました。もちろん、聖なる言語ではなく日常語に翻訳されたものです。
 そんじょそこらの教会だと、主要な部分の抄訳があれば良いほうなのに、ここでは原典も翻訳も全巻が揃っています。王族や諸侯の庇護を受けているだけのことはあります。この様子では花代、こほん、お布施の額も高級娼館である『踊る花の館』の何倍なのか何十倍なのか、とにかく桁違いでしょう。
 それはさて措くとして。司祭様に教わった『裏読み』をすると、聖書ではなく性書、それも近親姦と嗜虐に満ち溢れた物語になります。ほんとうに、これは原典の正確な翻訳なのでしょうか。おそらく、ここの原典に照らせば正しいでしょう。でも、世界にひとつしか無い原本と一致している保証はありません。
 私は神学者ではありません。女です。ですから「女は男に虐げられることに悦びを見い出せ」という巻物の記述を素直に信じます。
 それでも、聖書なんて退屈です。修道女の皆様は生活に必要なお仕事をしているか祝福を受けていて、祝福の傷を養生していた椋鳥(ストルナ)さんも助祭様の(どの方面かは分かったものではありませんが)お手伝いです。だだっ広い部屋の中に、私ひとり。せめてファジャーノ様がいらっしゃれば、今なら打ち解けていろいろとお話もできるでしょうに。どこにおいでなのかすら分かりません。
 退屈と『内省の夜』への好奇心と不安とを持て余すうちに陽も落ちて。私はマルコ助祭様に案内されて、略装で(しつこいけれど全裸です)礼拝堂へ赴きました。
 そこには院長様と司祭様、そしてファジャーノ様がお待ちでした。
 床に大男用の棺(ひつぎ)みたいな箱が安置されています。蓋は開けられていて、黒い鞠のような物が敷き詰められています。
 その前で、私は奇妙な形に拘束されました。腕は柔らかな布帯で緩めに体側へ縛り付けられ、太腿と足首も縛られました。そして、両手に革袋をかぶせられました。口に詰物をされて布で口を覆われ、耳を粘土でふさがれます。そして最後に、真っ黒な分厚い目隠しです。見ることも話すことも聞くことも、身体に触れることすら出来ません。
 そして抱きかかえ上げられて、柔らかな物の上に寝かされました。棺に入れられたのです。
 不意に、心臓が早鐘のように拍ちだしました。正体の分からない不安に包まれました。
 ごとん……蓋の閉じる響きを、微かに肌に感じました。
 コン、コン、コン……釘を打つ響き。
「んむううううっっ……!」
 生き埋めにされた恐怖が蘇りました。凄まじい恐慌に襲われました。
 なんとしてでも脱出しなければ!
「む゙も゙お゙お゙お゙お゙お゙っっっ!!」
 身体を起こそうとして頭を蓋にぶつけました。身体を捻って肩で押し上げます。膝で蹴り上げます。蓋は動きません。
 全身でもがいて、身体を棺に打ち当てます。がたんがたんと揺れて、床を打ちます。
 不意に揺れなくなりました。いよいよ、土をかぶせられたのです。
 嫌だ! 死にたくない……誰か助けて!
 誰かの手が私に触れました。目隠しが外され、口の詰物を抜き取られました。
「うわあああん……」
 小さな子供のように泣きじゃくりました。
「こわいよお、しにたくないよお……!」
 耳が聞こえるようになりました。
「いったい、どうしたというのだ?」
 院長様が困惑を浮かべて、私の目を覗き込まれました。
 それで、すこし落ちつきました。私は、まだ生きています!
「あの、あの……」
「エレナ、落ち着きなさい。ここには、あなたに……致命的な危害を加える人なんていないのよ」
 お継母様が抱き締めてくださいます。
 ああ、そうだった。思い出しました。私は『内省の夜』という儀式に望んでいたのです。
「私……口封じで生き埋めにされて殺されかけたことがあるんです。その恐怖が押し寄せて来て……それで……」
 お継母様の腕が手が、強く優しく私を包んでくださいます。
「種明かしは禁じられているのだけれど……明日の朝には終わるのよ。耐えなさい」
「いやあっ……!」
 理性ではなく感情でもない、魂の叫びです。
「もう、修道女になんか、なりたくない。戻して……処刑台に戻して!」
 闇の中で痛みも感じずに、暗闇で独りでじわじわと死んで行くくらいなら、衆人環視の中、槍で刺し殺されるか焼き殺されるほうが、ずっとましです。そんなことにはならないと分かっているのに、全身の震えが止まりません。
 皆様、困り果てた顔で私を見下ろしています。
「院長様」
 お継母様が院長様を振り仰ぎました。
「私も一緒に閉じ込めてください。この子は、改めて自身と向き合うまでもなく、被虐による肉と魂の悦びを知っています。絶対的服従への安堵を知っています」
「いや、伝統を破るべきでは……」
「面白いかもしれぬな」
 司祭様の言葉を院長様が遮りました。
「母親が娘を導くのは珍しいことではないが、『内省の夜』を……うむ、『訣別の夜』……いや、十八で生んだ娘が十五。でなくとも継娘なら、二十幾つもあり得るか。よし、この試みがうまく運べば『双照の夜』と名付けよう」
 院長様は独り合点に頷くと、私の拘束のすべてを解いてくださいました。
 急遽、葡萄酒が用意されて、それを水で薄めたものを、何杯も飲まされました。お継母様もです。喉の渇きが潤されるとともに、断食のせいで、お腹が熱く燃え上がります。
 革帯が床に並べられて、そこに私が仰臥します。お継母様が逆向きに覆いかぶさってきました。これは淫らな戯れの形です。
 神聖な儀式のさいちゅうに不謹慎な――とは思いません。この施虐修道院に、淫らで残虐ではない生活も祈りも存在しないのですから。
 固く抱き合う形でふたりをひとまとめにして、革帯でぐるぐる巻きにされました。顔を股間にうずめて、頭を上げられないように縛られました。さしずめ、お継母様の太腿が目隠しで、口は女性器でふさがれます。手で自分の身体に触れられないのも、前と同じです。
 そうして、横臥の姿勢で棺に入れられました。今度は蓋をされても釘付けにされても、心は落ち着いています。
 暗闇の中で、お継母様の形が、しっかりと温かいです。甘酸っぱい乾酪の匂いが心を掻き乱しますけれど。
 一昨日みたいにご奉仕しても良いのかしらと、迷っていると。
 ぞろりと、割れ目の内側を舐められました。
「み゙ゃんっ……」
 不意打ちに悲鳴をくぐもらせると、お継母様の腰がぴくんと跳ねました。吐息が女の芽を直撃したのでしょう。
 お継母様は我が意を得たりとばかりに、舌も唇も歯も使って、鼻先まで動員して、私を虐めに掛かりました。
 感動です。あんなに(私には)傲慢で厳しかったお継母様が、私の淫らな部分を食べてくださるなんて。
 私も負けていられません。三か月の娼婦生活で得た経験と一昨日にガリーナさんから教わった遣り方を総動員して、お返しします。どちらが先に逝かされるか勝負です。それとも、先に達っしたほうが勝ちでしょうか。どちらにしても、引き分けになれば素敵です。
 手を使えないのがもどかしいのですが。背中をぎゅっと抱き締めて、そして抱き締められているのも、なんだか普通の恋人同士みたいで悪くありません。世間一般の常識では、二重に背徳的ですけれど。
 乳首もなんとか刺激できないかなと、身体を揺すってみましたが、お継母様のお腹に密着しているので無理でした。
 そんなことはしなくても、お継母様の舌技は素敵です。私は、たじたじです。でも、お継母様は坂道を登りながら、私が遅れそうになると立ち止まって手を引いてくださったので――なんとか同時に断崖絶壁から手を取り合って墜落できました。
 飛翔とまではいきませんでした。生さぬ仲とはいえ母娘という薬味も、太い男根には敵いません。鞭も無いし、お尻の穴も置いてけぼりですもの。淡い砂糖菓子でしかありません。
 でも、それは肉の悦びについての感想です。魂の悦びについては、これまでとは異なる充足がありました。もっとも、以前の厳しいお継母様を懐かしむ気持ちもあります。
 あまり長く余韻にたゆたうこともなく、いつしか私たちはおしゃべりを始めていました。といっても、相手の下のお口に話しかけるのですから、勝手が違います。顔が見えない分だけ、素直になれたと思います。
「院長様が十八と十五とか、まして継娘とかおっしゃってたでしょ。お腹を痛めて産んだ娘でも、生贄に差し出すって意味なの?」
 こりっと、女の芽を噛まれました。甘噛みではなく、お仕置きめいた痛みです。
「生贄ではありません。娘の幸せを願ってのことです。腕力があって権力もあって逞しい祝福の棒をお持ちの殿方に、虐げられ庇護される幸せをエレナは知っているでしょうに」
 お継母様のおっしゃることは分かりますが、大切な部分が欠けているように思います。魚のような目をした人には、虐められても恨みが募るだけです。媾合えば身体は反応しますが、官能はありません。そして、瞳に淫欲と嗜虐の焔が燃えていれば、私はその方が男であろうと女であろうと、心を揺さぶられます。お継母様、いえファジャーノ様や寮長様に可愛がっていただいて、それを確信しました。『踊る花の館』の女将さんは駄目です。保身のために、花を枯らそうとしたのですから。
「……あればねえ」
 一瞬の物思いの裡に、言葉を聞き漏らしました。
「なんて、おっしゃったの?」
「ベルタに、すこしでも被虐への憧れがあったら――そう言ったのです」
 割れ目に向かって囁くのですから、聞き漏らしても不思議はないと思ってか、咎める口調ではありません。
「おまえときたら、十になるやならずの頃から兆していましたから――つい、我が子を差し置いて躾けてしまいました」
 では、独り遊びへの厳しいお仕置きも、恥辱の“X”字磔も、私の悦虐を育むためだったのですね。もちろん、恨んだりはしません。だって、お継母様のおっしゃる通り、女の真実の幸せを得たのですから。
「あの……まさか、私が誘拐されたのも?」
「いいえ」
 言下に否定なさいました。
「もしも、あの子の目論見通りにお前が殺されていたら、婚約を解消して、ここへ送り込むところでした。まったく素質の無い女など存在しませんから……たとえ見習期間が三か月を超えようとも」
 裏を読めば、素質に欠けるように見える娘でも三か月もあれば悦虐に目覚めるということです。
「お継母様は、そこまでお考えだったのですね」
「それが義務でもあるのです」
 王族は畏れ多いですし、常日頃から手厚い庇護を受けていますから例外ですが、修道女を落籍させるには数千グロッソもの寄進を求められます。侯爵だろうと大商人だろうと、身代が傾きます。ただし、その家の娘を将来に入会させると誓約すれば、良家の子女を闇売買する程度の金額まで下がります。大抵は、身請けした修道女に産ませた娘か幼い養女を迎えて、その家の娘にふさわしい教育を施します。私のように後妻に直った修道女が、前妻の娘を――という例は珍しいそうです。
「誰だって、自分が産んだ子供がいちばん可愛いものです」
 つまり、修道女は皆が仕上がっていて、悦虐の幸せを信じて、いえ、体感しているのです。
「フランカは、やっつけ仕事ですけれどもね」
 予定していた娘が病没して、やむを得ず適当に見繕った身替りを差し出したのだとか。娘を簡単に売るような下層民なら、あの言葉遣いも納得です。
 知れば知るほど驚くことばかりです。その中でいちばん驚いたのは――お継母様がほんとうに私の幸せを願っていてくださったことです。
 それも、一時ではなく生涯に渡って、です。というのも、花の命は短いのですが、修道女は娼婦と違って、落籍されることなく引退した者には、聖エウフェミア基金からじゅうぶんな年金が支給されるのです。十数年に及ぶ祝福で痛め付けられた身体で、どれだけ長生きできるかは分かりませんが、誰であれ寿命は神様しかご存知ないのです。
その他にもいろいろとお話をうかがい、私も、お継母様が放った密偵でも承知していない冒険の詳細をあれこれと語りました。お母様は、とても羨ましそうな相槌を(私の下のお口に向かって)打ちながら、聞いていてくださいました。
 ふっと話が途切れたとき。私は当然の疑問に行き当たりました。
「ねえ、お継母様。お父様とは……?」
 さすがに気恥ずかしくて、語尾が立ち消えました。
「旦那様が私を見初めてくださったのは、ここ聖エウフェミア女子修道院です」
 それだけで答えになっています。
「私も、世間一般では旦那様とは別の寝床に就く歳ですけれど……私のここでの振る舞いが旦那様に対するそれとはまったく異なっているというわけではないのですよ」
 つまり現役だということです。
「真夏にも、私が胸元も手首も隠れる服しか着ないのは、そのためです」
 これを、世間一般ではお惚気と呼ぶのでしょう。
 しばらく安らかな沈黙が続いて。だんだんと、私は安らかではなくなってきました。薄めた葡萄酒をたくさん飲んだ結果が差し迫ってきたのです。とても、朝までは我慢できそうにありません。
 牢獄では、日常的に垂れ流していました。でも、ここは仮初にも神様の御前です。それ以前に、私の割れ目はお継母様の口でふさがれているのです。
「催してきたの?」
 私が腰を文字尽かせていたので察したのでしょ。お継母様が、「喉が渇いたの」みたいな口調で尋ねます。
「あの……我慢します」
 出来もしないことを約束するなんてつらいです。
「かまわないのよ。全部飲んであげます。零したりしたら、大変なことになりますから」
 棺に詰められている黒い丸い球は、海綿を絹布で包んだものだそうです。高価な海綿と絹を台無しにするだけではありません。水を吸って玉が膨れると、棺の底に何十か所も開けてある空気穴をふさぎかねません。そうなると、二人揃って窒息します。
 殿方のお小水を飲まされたことはありますけれど、その反対はありません。まして、相手はお継母様です。
「出しなさい。私も出します。全部飲み干してちょうだいね」
 言葉が終わると、生温かい水がちょろちょろっと口の中に注がれました。殿方とは微妙に味も舌触りも違っています。すこしだけしょっぱいのに、甘く感じられます。これは、お継母様への親近感からくる錯覚かもしれません。微妙に粘っこいのは、淫らな蜜が混じっているせいでしょう。
 ちっとも嫌悪を感じずに。支配されているという辱悦も無く、飲まされているのではなく飲んであげているという歓びの裡に、私は一滴余さず飲み干したのです。
 いよいよ、私の番です。お腹の力を緩めて……いるつもりですが、どうしても流れが生じません。なのに、出そうと決心したので、尿意だけが急速に高まっていきます。つらいです。苦しいです。悦びのない苦しみです。
 お継母様の舌が割れ目に押し挿ってきて、女の穴より上のあたりをつつきました。と同時に堤防が決壊して、お継母様のせせらぎとは違って、何もかもを押し流すような奔流が生じました。
「あああ……ごめんなさい」
 お継母様は言葉を返すことも出来ず、割れ目をぴたりと唇でふさいで、本流を飲み干してくださいます。
 互いに互いを辱めた――いえ、男根で貫くよりも深い契りを交わした。そんな気分になりました。
 私とお継母様はきつく抱き合って、闇の中へ溶け込んでいったのです。


三位一体の典

 棺から出されたときは、生まれ変わったような心持ちでした。私だけが寮へ戻されました。
 晴れの洗礼典ということで、必要最小限の仕事を除いて、修道女の過半数がまだ寮にとどまっています。
 私は朝食として、汁にふやかした少量の麺麭と果物だけをいただきました。断食の後で普通の食事を摂ると戻してしまうそうです。
 食事の後は身支度です。大きな盥で身体を清めて、それから叢を剃ってもらいました。
 修道女は『踊る花の館』の娼婦と同じように手入れはしていますが、無毛の人はいません。ごく短い生えかけの人は少なくありません。それは賓客にそいう祝福を与えていただいたからです。軽い火傷を負っている人もいます。焼鏝や蝋燭を使うか剃刀を使うかは人それぞれですが、手入れの行き届いた芝生よりは不毛の丘陵を望まれる賓客のほうが多く、それも御手ずからなさる方が大半だそうです。
 豪奢な庭園をお望みの賓客もいらっしゃいますが、問題はありません。高い地位にある殿方は、相応に多忙です。ひと月もふた月も前から予定を組んで、万障繰り合わせてのご訪問ですから、準備に怠りはありません。
 そういう次第で、洗礼を受ける娘は「自然のまま」にあるのが通例ですが。私だけは、素敵な飾りを下腹部に焼き付けています。見栄えを良くするために無毛で礼典に望むことになったのです。
 けっこう煩わしい作業です。というのも、焼印の文字と枠が盛り上がっているので、剃刀では傷付けかねません。蝋燭で火傷をしても宜しからぬということで、その部分には毛抜を使いました。お陰様で、新しい種類の痛みを堪能できました。毛根の大半が焼き潰されているのが残念でした。
 一本ずつ抜いていくのは退屈な作業です。それをしてくれた牛(ムーロラ)さんと金糸雀(カナリーナ)さんは、修道院の日常のあれこれについて教えてくれました。私がいちばん興味を持ったのは、冬の過ごし方です。
 真冬でも、裸同然の服装は変わらないのです。ちっとも興奮しない虐待です。もっとも、この地の西は地平線のすぐ向こうが海になっているので、そんなには冷え込まないのだとか。そして、修道院の建物のほとんどは壁が二重になっていて、その隙間を暖炉の熱い空気が巡るようになっているから、室内では震えるほど寒くはないそうです。床は冷たいのですが、冬だけは裸足でなくて木靴を許されます。どうしても戸外での作業が必要なときは、これこそ修道院での本来の修行なのだと諦めるしかありません。
 中には、酔狂で残忍な賓客がいらっしゃって。ご自分は外套にくるまりながら、寒風の中で修道女に祝福を与えるのがお好きだという鬼畜……失礼しました。凍えた肌を打つ鞭の痛みは、格別に厳しいとか。さすがの私も、体験してみたいとは……思わないとしても、体験させられることでしょう。
 そんなことを妄想ではなく予感したせいで、二人にからかわれるほど濡らしてしまいました。
 そうして準備万端調って。私は見習修道女の正装――全裸ですが、昨日までの私のための枷と鎖ではなく、フランカと同じに後ろ手に祈りを捧げる形に縄で縛られた姿で、先輩修道女に両側から乳首を引っ張られて、礼拝堂へ赴きました。フランカを除いて皆さん、被り物で髪を隠しているので修道女らしく見えます。視線を下げると台無しですけれど。
 礼拝堂へ足を踏み入れて。先輩方が左右へ分かれる中、乳首に導かれて祭壇へ歩みます。
 そこに待ち受けているのは、院長様を始めとする四人の聖職者とお継母様、そして……
「お父様?!」
 ほとんど悲鳴です。
「しっ……」
 乳首をつねられました。
 昨夜のお継母様のお話では、お父様もここがどういうところかご承知の上で、私を送り込もうとなさっていたのですから、実の娘の晴れ舞台を我が目でご覧になりたいのでしょう。ですが……司祭様に教わった聖書の真実が気に掛かります。近親姦を忌むどころか推奨しているのですから。
 まして、お父様は腰布一枚となれば、なおさらです。
 私の懸念(期待かもしれません)をよそに、儀式が始まります。
 十字架も絵画も聖書すら取り払われて白い敷布だけが掛けられた聖壇から二歩ほど離れて、私は縛られたままで跪きます。先導の二人が他の修道女の列へ戻って。
「ラメーズ伯爵マッキ・コルレアーニが長女、エレナ。この者は、隷従の安らぎを知り、恥辱を誉れと成し、苦痛の悦びを知り、姦淫の愉しみを知る女として、今まさに生まれ変わらんとする。よって、ここに洗礼の秘蹟を授ける」
 院長様とお父様が、私の前に向かい合って立ちました。お父様が腰布を取りました。神様の御前だからなのか、実の娘には淫欲を催さないのか、うなだれています。
 お父様のそこを見るのは初めてですが、娼婦として評価するなら、人並みです。もちろん、ちゃんと勃起するという前提で。
 ですが、これがお母様を耕して私の種を植え付けた鋤かと思うと、感慨もひとしおです。
 院長様がお父様(の股間)に向かって十字を切り、美術品として貴族の客間に飾っておくのがふさわしい水差しに指を浸して聖水(でしょうね)を振り掛けました。
「汝は聖別された。この娘に聖水を注いでやりなさい」
 お父様が男根を手で捧げ持つ――までもありません。太く長くなりながら鎌首をもたげます。むしろ手で押さえて、筒先を私に向けようと苦労なさっています。
 昨夜はお継母様の小水を飲み、今日はお父様のを浴びるのです。私は頭を垂れて、受洗を待ちました。
 ほどなくして――ちょろちょろっと頭に生温かい聖水が注がれました。髪を濡らし顎を伝って、腿に雫が垂れます。
「頭(こうべ)を上げよ。口を漱(すす)げ」
 院長様のお言葉にしたがって顔を上げ口を開けました。
 ところがお父様は……
「わ゙、ら゙……」
 ほんとうに嗽(うがい)をしたみたいになって、口を開けたまま目を閉じました。だって、お父様は筒先を振って、顔一面に浴びせてきたのです。顔だけでなく、全身に浴びせます。
 私には何であれ、口に放出された殿方のものを吐き出す習慣がありません。娼館では、そういうふうに躾けられ、牢獄では強制されています。まして礼拝堂の中では非礼です。かといって、飲み下す勇気もありません。お継母様のが平気だったのは、暗闇の中で二人きりでしたし、切羽詰まっていたからでもありました。今は数多くの目があります。ここの修道女は誰しも同じような洗礼を受けているのでしょうが、それでも恥ずかしいです。
 全身ぐしょ濡れになって。そこで儀式が停滞しています。
「聖水を飲み干しなさい」
 院長様に𠮟られて、ようやく決心がつきました。お父様のだと思わなければ、むしろ平気でした。
 お父様が退き、院長様が私の前にお立ちになりました。
「この女は、ここに生まれ変わり、新しい名を得た。すなわち、蛙(ラーナ)である」
 私は、ひどく落胆しました。他の人たちは家畜や鳥の名前なのに。
 失望の裡に、私は立ち上がりました。院長様が十字架の先端で、私の左右の乳首と口と股間に触れて十字を切りました。わたしは、その十字架に接吻しなければなりません。
 先輩方が寄って来て、桶に何倍もの水を頭から浴びせます。水は石床に落ちて、外へと流れます。牢獄と同じで、目には見えない傾斜が付けられているのでしょう。
 最後に見習修道女の正装を、つまり縄をほどいてもらって、濡れた髪も簡単に拭ってもらって。私は院長様の前に跪きます。
「では、ラーナよ。汝は祝福に満ちあふれた聖エウフェミア女子修道院での暮らしを望むや?」
 ここからは誓願の儀です。誓いの言葉は、今朝から何度も繰り返して、大筋は覚えています。一言一句も間違えてはならないのではなく、覚悟の程を披瀝すれば良いのです。自分で工夫してもかまいません。
 では、誓いを立てます。
「私、ラーナは、以下の如くに誓願致します。
「私は、主が創り給いしアダムの息子たちに隷従してそれを安寧と為し、彼らに与えられる苦痛を悦び、恥辱を誉れとし、すべての穴に彼らを迎え容れて淫らに悶えたく、ここ聖エウフェミア女子修道院への入会を望みます。
「私は、この心と身体を、すべてのアダムの息子たちに捧げます。彼らが私を愛でる限りは、ここに留まります。彼らのうちの誰かに強く望まれるか、誰にも愛でられなくなったときには、速やかにこの地を去り、この地で行なわれた秘蹟については固く口を閉ざして余生を送ります。
「私が誓願に違背することあれば、主よ、直ちに私を滅ぼしてください。
「アーメン」
 先ほど十字架が触れた順番で女の敏感な部分を使って十字を切りました。
「汝の誓願は受け入れられた。向後は、聖エウフェミア女子修道会の一員として清貧と淫乱と隷従の日々を過ごせ」
 こうして、私はいわば女囚兼娼婦となりました。これで儀式は終わったのでしょうか。お継母様は、ただの立会人だったのでしょうか。
 いいえ、やはりそうではありませんでした。
「秘蹟にふた親のいずれかが立ち会うのは珍しくないが、父と子と性隷とが揃うのは稀である。せっかくの機会であるから、これより至高の秘蹟たる三位一体の典礼を執り行なうものとする。神の子を祭壇へ」
 二人の助祭様に、また乳首を引かれて、私は祭壇に横向きに仰臥しました。頭は端からはみ出てのけぞり、お尻宙に浮いています。
 頭の側に、お継母様が立ちました。私の目の前には、妖しく絖る亀裂があります。それが私の顔に押し付けられました、昨夜よりもずっと強く。
 私は促されなくても、舌を伸ばします。お継母様は私の双つの乳首を優しく転がしたり厳しくつねってくださいます。左右別々にそれをされると、惑乱してしまいます。
 あ……女の芽にも指が。これは……お父様です。実の父親に女として可愛がっていただく。数日前まででしたら、如何に私でも、おぞましく思っていたかもしれません。やはり、司祭様の教育で、私は変わっています。私は背徳の甘い蜜の味を知ったのです。
 ああ、そうかと――三位一体の真の意味を悟りました。文字通りに、父と娘と性の奴隷とが一体となるのです。
 その至高の瞬間へ向けて、お父様とお継母様の指が、私を追い上げていきます。
「ん゙む゙ゔ……んんんっ」
 禁忌の蜜は濃厚です。たちまちに、全身が燃え上がります。頭に官能の霞が立ち籠めます。
「ん゙も゙お゙お゙お゙っ……!」
 二人が示し合わせて、同時に三つの突起をつねりました。私はいきなり宙に投げだされて。そしてすぐに引き戻され、さらに追い上げられます。
 不意に、お父様の指が消えました。お継母様も手を止めました。お父様が私の脚を肩に担ぎました。
 いよいよです。
 すっかり馴染んだ、でも初めての感触が、ずぐうっと押し入ってきます。根元まで突き挿さりました。私が濡れ過ぎているので、ちょっと物足りないです。でも、心は満足しています。
 お父様がお継母様を引き寄せているのが気配で分かります。きっと接吻をなさるのでしょう。
 これで、三人は閉じた三位一体となりました。
 あっ……大切なことを忘れています。院長様もお父様も、その必要を認めなかったのかもしれませんけれど。お父様は羊の腸を使っていません。私も酢で洗っていません。お父様の子を授かってしまったら、どうしましょう。
 まだ、私の悦虐の旅は始まったばかりです。早々に還俗なんてしたくないです。
 そうだ。お父様に実の娘(には違いありません)として引き取っていただいて。じゅうぶんに世間の常識とか道徳を教え込んでもらいましょう。背徳と禁忌の蜜を味わうには、良識にまみれていなければなりません。そして、年頃になったらここへ入れて。私の手で(だけでなく全身を使って)仕込んであげましょう。
 そんな遠い将来の妄想に耽っているどころではなくなりました。お父様が女の芽に爪を立てながら激しく腰を打ちつけてきます。私は苦痛と快感の坩堝にほうりこまれました。
 お継母様も割れ目でお口を蹂躙しながら乳首を虐めてくださいます。
「ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ……」
 私は至福に包まれながら、かつてない高みへと、どこまでも追い上げられていくのでした。

[完]

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 はい、脱稿しました。ので、「ダッコちゃん」です。
ダッコウちゃん

 とりあえずご報告まで。
 祝杯あげたり、紙飛行機作ったり、ゲームしたりと忙しいので、クロールです。微妙に違いますが「抜き手」とも言います。

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Progress Report 8':公女巡虐

登場人物の名前変更です。
普通の家名を洗礼名に変更しました。 
修道院長 オスティ→ドミニコ
司祭   アルフィオ→サバス


修道女も大幅に入れ替えましたが、これはまだblogの記事にしていないので関係ありませんが。
継母(OG)のファジャーノは、そのまま。あとの19人も、ご紹介。

寮長女:カヴァラ(牝馬)
修道女:マイアーレ(豚)、ガッタ(猫)
    アシノ(驢馬)、カーニャ(牝犬)
    ムッカ(牛)、ペコラ(羊)
    ムーロ(騾馬)、コニーギョ(兎)
    ピッショーネ(鳩)、クワーギア(鶉)
    ストルノ(椋鳥)、コルヴォ(烏)
    アキローネ(鳶)、パッセロ(雀)
    ガリーナ(雌鶏)、カナリーノ(金糸雀)
    シーノ(白鳥)
見習娘:アナトラ(家鴨) 受洗後に名付けられる。

ちなみにヒロインの伯爵令嬢元娼婦元盗賊元死刑囚であるエレナ・コルレアーニはラーナ(蛙)になります。他の修道女がすべて家畜や鳥なのに、ただ一人だけ「それ以下」の名前。類稀なる悦虐資質への称賛です。

アイキャッチがないと寂しいので。
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