Progess Report Retry 2:昭和集団羞辱/ストリップ嬢



 まさか、COVID-19がMM88になったりはしないと思いますが。
 注:88といっても、ドイツの高射砲兼対戦車砲ではないです。『復活の日』です。
 ともかくも、11月予定の大量爆撃戦果発表までは、死にたくないものです。いや、ずうううううううううううううううっと、生き続けたいですが。宇宙開闢以来の138億年にくらべたら、人生百年なんて須臾の刹那の一瞬間ではありますが。
 不景気な話はやめて、本題へ。


 ストリップ・デビューに失敗した白鳥麗華こと白川五十鈴は、マネージャーの手助けで『白鳥の湖』を演じて、猟師に射たれて羽毛(チュチュ)を毟られて、呪いが解けて全裸美女に変身。あれこれイタズラされて。瀕死の白鳥ですから、ふつうに『御開帳』できなくて。大股開きで舞台から足を垂らして気絶してるのを、観客のほうが行列して順繰りに見物。この様子を『月の石』か『パンダ』にたとえたかったのですが、1961年当時には未来の出来事なので、割愛。
 行列して拝観するのですから、人情としても『御賽銭』をはずみます。

 このマネージャー、作者も驚くアイデアマンでした。
 客演のコンビが不人気なのも、ピンチヒッターを買って出て、同じ設定同じ舞台装置で、大当たりを取ります。


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 五月十一日から拠点のモダン・ミュージックシアターでの公演が始まった。花園一座も四人になったし麗華がまだまだ珍しがられるので香盤に不足はないが、劇場側の横のつながりで客演を迎えることになっていた。共産主義革命で亡命してきたロシア人の孫娘ナターリャと、日本人の苦学生(と自称している)丈二。サドマゾ・ショーを演じるという。五十鈴は初めて聞く言葉だった。エログロの世界では一部の雑誌を通じて認知されつつあると、これも本郷の解説だった。
 前日のリハーサルで観た五十鈴の感想は――(女の人を虐める男なんて、最低!)という、当時としては至極まっとうなものだった。
 香盤を落語の寄席風にいうなら――食い付きが、仕掛けに時間のかかるナターリャと丈二のサドマゾ・ショー。つぎが美蝶で、麗華が膝前、膝代わりがリリーで、トリは姉妹レズビアン・ショーという順番だった。
 いつもは使われない舞台前の幕が客席の視線を遮って。二本の太い柱が舞台中央に立てられ、上下を横木が支える。そこに、ガターリングだけを太腿に巻いた全裸のナターリャが大の字に磔けられた。真ん中に結び玉を作った手拭いが、ナターリャの口をふさぐ。
「あれくらいはしないと、声は封じられないんだな」
 映画なんかでは、ただ口を布で巻くだけの演出が多いのを、リハーサルのときにリリーが指摘している。彼女は踊りに直接関係ないことまで貪欲に『勉強』して、芸の幅を広げようとしているのだと、五十鈴にもわかりかけている。
 詰襟服に肩章を貼り付けて腕に『憲兵』の腕章を巻いた丈二が、横に立って。音楽が始まらないままに、幕が開いた。
 観客が、ちょっとどよめいた。半面、どこかシラケた空気も漂っている。
 丈二が、手にしていた竹刀をナターリャの乳房に突きつけた。ナターリャが大袈裟にかぶりを振った。丈二が乳房を竹刀で叩いた。リリーよりも豊満な乳房が、はっきりとひしゃげて、ほんとうに叩いていると観客にもわかる。ナターリャが顔をのけぞらせ、全身を震わせて苦痛を身振りで訴える。
 もちろん、じゅうぶんに手加減している。リハーサルのあと、裸身には叩かれた痕がほとんど残っていなかった。手足の縄跡のほうがずっと痛々しかった。
 顎を持ち上げて顔を近づけて、尋問する芝居。ナターリャがかぶりを振って。また乳房を叩かれる。身体をくねらせて、痛みを訴える演技。
 丈二が背後にまわって、尻を叩く。
 叩かれるたびに、ナターリャが大袈裟に身悶える。
 五分ほどそれを繰り返してから。丈二が竹刀を投げ捨てた。ナターリャの背後から抱きつくようにして、乳房を愛撫ではなく弄んで虐める。ナターリャは正面を見据えて、恥辱に耐える風情でじっとしている。
 丈二の手が下へ滑って、股間を襲った。中指を曲げて、実際に穴を穿っている。それは舞台を見上げる形になる観客にも、見えているはずだった。ナターリャが腰をくねらせても、掌が下腹部に貼り付いているので指からは逃れられない。
 ナターリャがいっそう激しくかぶりを振るのだが。快感に悶えているのか性的拷問に恥辱を感じているのか、どちらにも受け取れる。
 丈二が指を三本にした。手の平で下腹部も揉みしだく。ナターリャが全身で身悶えして、やがて全身を弓なりにして一切の動きを止めた。
 十秒。丈二が指を引き抜くと、がくりと白い裸身が崩れた。
 丈二が足首の縄をほどき、手首も解放した。くてくてっと、ナターリャが床に突っ伏して。スローテンポの煽情的な音楽が流れ始めると、しゃきっと立ち上がった。右脚を軽く後ろに引いて、貴族令嬢風のお辞儀をした。
 パチパチパチとお義理の拍手。
 最初に本舞台の端から端まで『御開帳』をしてから花道に進んで、最後に回転舞台。チップはそれなりに差し出されたが、麗華よりはすこし多い程度。両手で上下に脚の手を包んで受け取る。
 『御開帳』をしていた手で握手するよりも、もっと客受けのする受け取り方を考えようと五十鈴は思った。
 ――その日の四回の公演は、ごくふつうに終わった。リリーが新しい振り付けを披露して、ファンからいつもの五割増しくらいのチップをもらったのが、いちばん大きな出来事だったろう。そして五十鈴は――処女膜の噂を聞いて見物に訪れたイチゲン客の注目を浴びてはいたが、常連客からの受けは良くなかった。色気、あるいは情緒に欠けると指摘されて、それなりに仕種を工夫してみたが、どうにもいけない。ストリップ・ショーを演じるという、いわばスタートラインからは本郷の手助けで走り出せたものの、ストリップ嬢としての最初の壁に突き当たって、なかなか乗り越えられないでいるのだった。
 いっそ、処女を捨てて――男女の交わりを体験すれば色気も自然と出るようになるかもしれないとは思うが、美蝶に言われるまでもなく、それが最大の武器なのだ。あいかわらず、美蝶もリリーも助言はしてくれない。

 土曜日に、SMショーが急遽取りやめになった。明け方に丈二が激しい腹痛を起こして救急車で運ばれて――盲腸炎だった。生命がどうこうという病気ではなく、ナターリャも取り乱したりはしなかったが。責め役の男がいなければ休演するしかない。
 ここでも、本郷が男気を出した。というか、マネージャーとして頑張ったというべきか。代役を買って出たのだ。
 ナターリャと丈二は、実生活でもサドマゾ的な身体の関係を持っている。彼女にしてみれば、本郷との共演は『浮気』に思えたのかもしれない。
「入院費をどうするんだ。丈二に復学を諦めさせるのか?」
 二人とも親から縁を切られていた。丈二は昨年の後期から休学して、このさき二年分の生活費を稼ぐために、ナターリャを説得して性癖を実益につなげている。国民健康保険を切り替えていないので、全額負担になる。
 結局、ナターリャは承諾するしかなかったのだが。演出を本郷流儀に変えることを提案されて、それが彼女にしてみればとんでもない破廉恥に思えたのだろう。さらに二十分ほども小声で言い争っていた。
「これまでの三倍は稼がせてやる。俺にまかせとけ」
 丈二のように指でこねくったりはしない。金と貞操と、両面から説得されてナターリャが折れた。
 麗華に『仕留められた白鳥の湖』を演じさせたときと同じで、新しい演出の練習は要点だけが事前に一座の三人にも披露させた。それは、チップの受け取り方だった。
 五十鈴は度肝を抜かれた。キャシーは下の唇に客の手を挟んでいたが――本郷がナターリャに仕込んだやり方は、絶対に今の五十鈴には真似のできない、途方もなくエロチックというより淫らな仕種だったのだ。
 日曜日に座長とマネージャーが同伴して丈二を見舞い、本郷のとのコンビを承諾させた。本郷はひとりで市内を巡って小道具を買い付けてきた。赤い鉢巻を巻いて金色の星を付けたツバ付き帽子と、本物そっくりの拳銃と手錠。葉巻と犬の首輪と鎖。
 そして、百個ほどの駄菓子。小粒チョコレートだった。新発売のマーブルチョコレートよりひとまわり小さなプラスチック容器に、ずっと小さなチョコ粒が詰められている。ショーで必要なのは容器のほうだが、食べ物を捨てるなんて、とんでもない。飴玉なんかを入れる広口瓶に詰め替えた。
「この歳になってニキビなんか願い下げだからね。一雄、自分で始末しなよ」
「大丈夫です。小分けにして、同室の患者さんに差し入れます」
 早くも息の合ったコンビの片鱗をうかがわせるナターリャの言葉に、なぜか五十鈴の胸にチクッと棘が刺さった。
 ――新演出のショーは、大成功だった。
 二本の柱に大の字磔にして猿轡を噛ませておく、いわゆる『板付き』で始まるのは同じだが、ナターリャはパンティを穿いていた。その状態で、音楽無しで幕が開いた。
 詰襟服に肩章を貼り付けた本郷がおもむろに登場する。軍帽をかぶって、腰に拳銃のホルスターを吊っている。左手に大きな鞄と、右手には細い笞。これも手作りだった。ハタキの柄を縦に裂いて手元は茶色の布で巻き締め、途中の三か所をタコ糸で縛っている。そし先端には革バンドの端を切り取って薄く二枚に削いだ長方形が割った竹に挟まれている。
 ビュン!
 ナターシャの目の前で笞を素振りする。そして、大きく振りかぶって乳房を打ち据えた。
 パッシイン!
 音は派手だが、ビンタほどにも痛くない。簡単なリハーサルで体験して、ナターリャも本郷の言葉に同意はしていたが。女の急所を叩かれるのだから――手足を突っ張って頭をのけぞらせたのは、まったくの演技というわけでもなかった。
 左右の乳房を一発ずつ叩いて観客を芝居に引きずり込むと、本郷は背後にまわって、尻を立て続けに叩いた。
 それから、丈二と同じように尋問の芝居。ナターリャもかぶりを振って、容疑を否認する。
 業を煮やしたといった演技で、本郷がパンティの中に手を突っ込んだ。
 ジャーンン!
 不意打ちのシンバル。引き抜かれた手には、細い銀色のパイプが握られていた。これも昨日仕入れた小道具。舶来品の高級葉巻のケースだった。キャップを開けて、中に隠されていた紙を引き出す。紙とナターリャの顔を交互に見比べると、激した様子で髪をつかんで顔を上げさせた。左手は垂らして、紙片が観客に見えるようにしている。赤丸や赤線が描き込まれた地図だった。ナターリャがスパイだと、わかり過ぎるほどにわかる。
 パンティが(脱がされるのではなく)引き千切られた。
 鞭の柄にコンドームがかぶせられて、それが股間を穿った。約束通り、指でこねくってはいない。
 ナターリャが恥辱に悶えているのは演技だが。本郷に引きずられて真に迫っていた。
 本郷が後ろにまわって。ぐいと肛門に鞭の柄を突き挿れた――のは、観客の死角になっているから真似だけだったが。
 やがて、本郷が拳銃を引き抜いた。一メートルほど離れて、銃口をナターリャに向けた。ナターリャが柱を揺らすほどに身悶えしながら、脳震とうを起こすんじゃないかと観客が心配するほどに頭を振り続ける。
 本郷が近寄って。こめかみに拳銃を押しつけたまま、何事かをささやく。実際には「オープンショーの時間だぜ」くらいのことを言っているのだろうが。
 ナターリャを磔から解放して、前で手錠を掛けた。首輪を巻きつけて、鎖の端を本郷が握った。舞台の端へ引きずっていく。
 鎖を引っ張ってナターリャをひざまずかせ、靴で腿を蹴って開脚させた。頭に拳銃を突きつけて、『御開帳』を強いる。
 紙幣が差し出される。すぐには受け取らず、本郷が客に駄菓子の空容器を手渡した。機密地図をどこに隠していたかを思い出して、客が紙幣丸めてを空容器に突っ込んだ。それを股間に押し込まれても、ナターリャは拳銃を突きつけられているので逆らえない。
 たちまち、まわりから何本も手が伸ばされる。鞄の仕切った片側に詰めてある空容器を渡す一方で、押し込まれたチップをつぎつぎと引き抜いては鞄の空いた側に放り込んでいく。
 ナターリャが移動すると追いかけてきて、二度三度とチップをくれる客も何人かいた。
 退出するときにも、ひと工夫があった。どんっとナターリャを袖に(転ばないように気をつけて)突き飛ばすと、おもむろに拳銃を射った。
 パアン!
 紙吹雪が飛び散って、観客の笑いを誘った。客の興奮を最後まで引っ張っておいて、不意打ちにリラックスさせる。後の出演者のことを考えた憎い演出だった。
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 実は、この『板付き』というか、初っ端から全裸大の字磔のSMぽいショーは、作者が学生時代に実際にストリップ劇場で観たものです。芸が無いなと、シラけたものです。でも、SMそのものが珍しかった当時、下半身は大興奮でした。

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公女両辱:やっちまった

 作品登録するときに、発売日指定を(芝芝)忘れることがあるのです。
 DLsiteと楽天工房は4月1日発売を指定したのですが、FANZAでは忘れて……本日発売になりました。
 各サイトとも220円(税込み)です。
 FANZAはロイヤリティ率が悪いのです。といっても、安売りしましたから、60円100円ですが。


公女/スマホ表紙

 本棚にはDLsiteとBOOTHへのリンクしか張っていません。ことにBOOTHでお買い上げいただくと、10円単位の手数料だけで、あとは丸々実入りになるので、こちらでお買い上げいただきたいのですが。
 仕方ありません。FANZAへのリンクを張っておきます。

 公女両辱(FANZA)→
公女/紹介画像

でも、本棚の「最新刊」への表示は4月1日になってからです!

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メモ公開:43 性同一性障害とか


 これは扱いが難しいですね。下手書くと、関係筋からクレームが来そうな。まあ、そこまで読者は多くないでしょうけど。
 レズとか男の娘とは違うと、それくらいは弁えていますが。なんでもかんでも『○×障害』扱いしてしまうというのも、大変に考え物、個人的には困ったものだと思っています。
 「ちょっと落ち着きのない子」とか「男が好きな変態少年」とか「無いものが見える out of Base」でよろしいと思いますよ。最後のやつは、「霊感がある/霊が見える」と称する人たち(の一部、とぼかしときましょうかしら)のことです。アプリは違っても、ハードウェアが同じで、OSも似たり寄ったりだから、人種民族は違っても同じようなバグ(死後の世界への光に満ちたトンネルとか)が現われても不思議じゃないです。
 いや、こういった大真面目な話をしたいのではありません。大真面目で過激変態SM小説を書いていますけど。

 さっさと、メモ行きましょう。

・性同一性障害の少女
 目覚めたら、男の子が女に変身という、ありふれたネタでは……
 自分の身体を使って、日頃の妄想を実行。
 ならば。
 男の心で、自分の身体をあれこれ。エロ医者のアドバイス。


 説明が必要です。目覚めたら――というのは逆夢オチみたいな、「それをやっちゃあおしまいよ」的設定です。
 ではなくて。性同一性障害に悩んでいる少女に、
「それなら。自分が男になったつもりで、自前の女体を使ってマスターベーションしなさい」って話です。
 もっとも。男になって女の子とSEXしたいという願望を持っているとは限らないのが、ややこしいところ。
 男になって男に可愛がられたいとかいう障害者もいるそうですから。
おすおす
 こういうのが、「正常な変態」である筆者にはわかりやすいんですけどね。これ、♂×♂です。


・このままだと殺される。
 悦虐の芝居で歓心を引く。半永久的監禁。
 現代なら、ありそうなこと & 死体処理が困難
 昔々なら、そもそもSMの概念がなかった?


 監禁されて、やられる事をやられて。なんとか命だけは助かろうと必死に考えた末の結論です。
 昔々は、SMの概念がなくても、そういうことをしてる男はいましたし、されたがる女だって少数ながら棲息していたでしょう。ただ、捕まった町娘(でも姫君でも女騎士でも)にそういう知識がないから、考えつかないだろうということです。
 Fi156は滅多なことでは敵戦闘機に撃墜されないというのは、ネットで調べれば出てきますが、失速速度とかの基礎知識がないと、そもそも検索のキーワードを思いつかないのと、すこしは似ていますかね。

では、最後に。お気に入りの一枚です。
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 女の子に男物を着せるのはツボです。しかも下着無しがよろしい。男性用競泳水着なんてのも、裸ジャンスカとは違う(かしら?)エロさがあります。何度も何度もフンドシが登場するのも、そういう次第です。もちろん、「食い込む」という重要な機能もありますが。


 ちなみに。いくら異性装が好きでも、裸甲冑とか裸ツナギ服か裸詰襟学生服とかは……
 いや、しかし。甲冑でも尻は剥き出しか。
 詰襟学生服は、体育会とかの女子応援団の定番? 下は体操服を着てるけど。鉢巻をきりりと締めたあの子の姿が、今もまぶたに……
 




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Progess Report Retry 1:昭和集団羞辱/ストリップ嬢





 7本(3,690枚)の大量爆撃群が出撃したので、仕切り直しです。
 前のPLOTでは、あまりにエロが薄かったので、座長と妹の姉妹レズ・ショーとか突っ込みました。
 中盤では、ヒロインの(オナニーショーとかを狙って)官能開発で、買春島で生本番、本気レズショーとかも突っ込む予定です。
 最初のエロ・シーンです。400字詰めの13枚目からです。

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「まもなく開演です。踊り子の衣装や身体にはお手を触れませぬよう、お客様にお願い申し上げます」
 ゆっくりした音楽が鳴り始めて、場内の照明が薄くなった。舞台の手前に吊るされたミラーボールに光が当たって、色とりどりの光点がゆっくりと館内に流れ始めた。
「ちょっと遠いが、ここからなら観客目線で見学できる。観客の反応もわかるしな」
 自分を育てようとしてくれているんだなと、五十鈴は思った。法律がどうであっても、自分は一座の期待に応えて一人前のストリップ嬢になり、うんと稼いで一家を支えなければならないのだ。
 カッポーン。鼓の音とともに、邦楽に切り替わった。
 舞台の右手から、きらびやかな和服に身を包んだ美蝶がスポットライトを浴びて登場する。ポスターにそっくりの和風美人に化けている――といっては失礼だと、五十鈴は思ったが。それほどの変貌ぶりだった。
 美蝶が筝曲に合わせて緩やかに舞う。
(まあ……?!)
 美蝶の踊りは優雅で、素晴らしく洗練されていた。
 五十鈴には日舞の素養はない。けれど、友達のおさらい会に招待されて、その流派の御師匠さんの踊りを観たことは何度かあった。その御師匠さんよりも、足の運びはずっとメリハリがあって、腕の動きはずっとたおやかだった。
 これほどの技量を持った人が、なんでストリップなんかを――五十鈴の頭の中では、ストリップは賎業だという意識があった。
 やがて。美蝶は踊りながら帯をほどいた。いや、自然とほどけたように見えた。
 着物も、するすると肌から滑り落ちた。
 襦袢姿で踊っているうちに、それも滑り落ちて。最後には腰巻も脱げて、素裸になった。
「な……きっちりと同じ場所に固まってるだろ」
 後で回収しやすいように、そして観客の視線から隠れるように、計算して脱いでいるのだと本郷が教えた。
 美蝶が舞台中央から延びる花道に進んで、扇子一本で微妙なところを隠すような隠さないようなしぐさで踊り続ける。その先に、小さな円形の舞台があった。そこで足の運びを止めて手だけで踊りながら身体を沈めていき、横臥した。
「わ……」
 五十鈴が小さく叫んだ。
「シイッ」
 本郷が耳元でささやく。
(回ってる……)
 五十鈴は心の中だけでつぶやいた。
 円形の舞台がゆっくりと回転していた。その上で、美蝶は身体をくねらせ、物憂げに脚を動かしている。縦と横の違いはあるが、バレエの動きにも似ていた。白い肌をミラーボールの光点が艶めかしく這う。
 それが二分ほども続いただろうか。
 回転舞台が止まって、美蝶が身体を起こした。
「絶対に声を出すなよ」
 耳元で念押しされた。
 美蝶はしゃがんだ姿になって、両脚を大きく開いた。
(…………!!)
 五十鈴は両手で口を押えた。
 美蝶が左手で身体を支えて腰を突き出して。右手を股間に持っていって、人差し指と中指をV字形に開いた。五十鈴からも、女性器の奥まで直視できる。
 こんな仕種を『偶然の事故』だなんて強弁できるんだろうか。
「これを『御開帳』あるいは『オープン』という。客は、これが目当てでやってくる」
 もっとも。付いているモノは誰も似たようなものだから、ショーの部分が不出来だとすぐに飽きられてしまう。
 本郷はそれ以上の説明はしなかったが。自分にも当てはまることだと、五十鈴は察した。若い処女の女性器は珍しがられるだろうが、バレエが下手くそだと、二度三度と見に来てもらえない。五十鈴は、いっそうの不安をつのらせた。だってバレエを習っていたのは、家が裕福だった小学校時代だけだった。いわば学芸会のレベルで、お客に満足してもらえるとは思えない。
 客のひとりが、二つ折りにして紙幣を差し出した。美蝶は『御開帳』をしたまま身を乗り出して左手で受け取ると、細くたたんで足袋の縁に差し込んでから指にキスをして、それを客の唇に軽く触れる。
 立ち上がって回転舞台を六十度くらい移動して『御開帳』を繰り返す。
 一周すると、花道を引き返しながら左右の客席に均等に御開帳していく。
 最後に舞台の右端から左端まで。美蝶の足首はくすんだ色の花びらで埋まっている。
「十円札がほとんどだが、百円札も珍しくない。な、稼げるだろ」
 これまで想像したこともない世界に気を呑まれているうちに、つぎのショーが始まった。美蝶とは打って変わって、アップテンポなモダンな洋楽。五十鈴には、ジャズとロックの違いはわからない。
 舞台の右手からリリーが駆け出た。頭には大きな赤いリボン。青色のブラウスのボタンをはずして裾をヘソの上で結んでいる。まるでブルマのような、しかし身体に貼り付いたショートパンツも青色。そして、踵の高いまっ赤なサンダル。とても街中を歩けないようなきわどい衣装だった。
 リリーが舞台中央でポーズを決める。左脚を後ろに引いて右脚を曲げ、腰を突き出し胸を反らせて、のけぞった頭に右手、腰に左手。
 つぎの小節で左脚を頭の高さまで跳ね上げて、激しく踊りだした。
 激しくて、そしてセクシーだと五十鈴にもわかる。足を横に蹴りながら左右にステップして、腰をくねらせながら身体を伸縮させて。高く跳び上がって、着地の反動を利用してピルエットよりも高速に何回転もする。すくなくとも五十鈴のレベルでは真似のできない動きだった。
 踊りながら、リリーが衣装を脱いでいく。ブラウスを脱いでブラジャーを投げて。高く跳んでショートパンツを蹴り飛ばした。
「笑ってる……」
 男に裸を見せることが愉しくて仕方がない――そんな印象を受けた。
「いいとこに気づいたな」
 本郷がささやく。
「乙女の恥じらいたっぷりに脱いでくってのも、風情がある。いちばんいけないのは、厭々やっていると顔に出しちまうことだ。もちろん、ぶすっとしてちゃあ話にならない」
 恥らいながら脱ぐのなら、自分にもできるかもしれないと、五十鈴は思う。
 リリーはパンティを脱いで、それは蹴り飛ばさなかった。足ぐりを重ねて、右の太腿に穿きなおした。
 踊りが緩やかになると、公園にあるようなベンチを劇場の従業員が二人がかりで運んで円形舞台の縁に置いた。
 音楽がスローテンポなものに切り替わって。
 踊り疲れたといった風情で、網ストッキング姿のリリーがベンチに浅く腰かけて――男でもしないくらいに脚を大きく開いた。
 音楽は、ゆっくりとしたトランペットのソロに変わっている。リリーの左手が乳房を揉み始めた。右手が腹を滑り落ちて、ハート形に整えられた淫毛を指で掻き分けて――中指が浅く淫裂を穿った。
 わざと見えにくくして、お客を焦らしているのだろうか。そんなふうに、五十鈴は思ったのだが。
「あれは、まったくの演技だぜ。その証拠に豆は弄ってねえだろ」
「…………??」
 五十鈴には、本郷の言っていることがさっぱりわからない。のを、本郷が見て取って。
「麗華ちゃんは、ああいう『おいた』をしたことはないのかな?」
「オイタ……?」
 本郷が溜め息をついた。
「まあ、いいや。今夜あたり座長――よか、リリーがいいか。教えさせるさ」
 回転するベンチの上で、リリーが苦しそうに(と、五十鈴には見える)身をよじって、頭をのけぞらせ……ベンチとともにあお向けに倒れた。そのまま後ろへデングリ返しで立ち上がる。ベンチのあった場所が空いて、『御開帳』をする場所ができた。すべて計算された演出だと、五十鈴にもわかった。
 その後は『御開帳』だが、美蝶とはずいぶんと様子が違った。最後にすることは同じだが、客の前に仁王立ちになって、後ろからまわした手で淫唇をくつろげながら、拍手に包まれて腰を落としていく。
 正面の客が、二つ折りにした紙幣を突き出した。リリーは身をかがめて、男の手を乳房の間に挟み、二の腕で乳房を寄せて身を起こす。客の手が引き抜かれて、紙幣だけが残った。それを太腿に留めてあるストッキング留めのベルトに挟んだ。
「踊り子に手を触れるのは御法度だが、踊り子が触らせるのはかまわないのさ」
 そのせいか、回転舞台をひと巡りしただけで、ストッキング留めの紙幣は満開になった。花道でもらった紙幣は、右の腿に穿いているパンティに押し込んだ。
「いつもいつも、あそこまで触らせたりはしねえよ。ストリッパーになるなら、これくらいは頑張れってえ、麗華ちゃんへの激励てえか、お手本のつもりだろうさ」
 五十鈴は、そっと唇を噛んだ。とても真似できない。羞ずかしいとかいう以前に、五十鈴のささやかな乳房では、あんな芸当は不可能だった。もしも自分が『おひねり』をもらったら、どんなふうに受け取ろうか。そんなことを考えたのだから、リリーの教育は効果があったというべきだろう。
 三番手は、銀幕の偽スター・コンビだった。
 舞台の奥で赤い幕が左右に分かれて――白い壁を背景に、ぽつんとハリボテの松が置かれていた。一週間ほどで出演者が替わるし、演目も出演者の数だけある。そして、観客は五十人そこそこ。そうは大道具にお金を掛けられないのだろう。そこまで考えて、座席の配置が映画館などとはまるきり違うことに気づいた。舞台のかぶりつきと花道と円形舞台の周囲。そこにしか座席が設けられていない。
 五十鈴みたいに遠くから眺めるだけで満足するお客なんていないのだ。
 低く流れていた流行歌が途絶えた。
 カッポーン。
 美蝶のときと同じ小鼓の音。レコードではなく、隣の音調室で実際に鳴らしているらしい。
 舞台の左手から武士が登場する。着流し姿で右手を懐に入れている。身を持ち崩した浪人という設定だろう。
 ドロドロドロドロ。太鼓の音とともに、右手から武家娘が登場。白装束に白鉢巻。この格好だけで、仇討ちのチャンバラが始まるとわかる。
 鉦に小鼓に笛の急調子の邦楽が流れる。
「父の仇。覚悟!」
 へえ――と、五十鈴は軽く驚いた。映画だと、女性は必ず懐剣で男の大刀に立ち向かう。しかし苦江文子は短めの刀を右手に構えて半身になっている。
「しゃらくさい。返り討ちにしてくれるわ」
 市川電蔵も抜刀して、上段に構えた。
 文子が左手を柄頭に添えて突きかかる。電蔵がヒラリと体をかわして、つんのめった文子の背中に斬りつける。のを、文子が床を転がって逃れる。
「…………」
 凄まじい迫力に、五十鈴は息を呑んでいる。チャンバラ映画だと、主人公は何十人もの敵をバッタバッタと斬り倒す――なんか嘘っぽく見えるのだが。この二人のチャンバラいや剣戟は、ほんとうの斬り合いとはこうだったのではないかと思わせる。
「これで演技力が伴ってれば、二人ともひとかどの俳優になれてたんだがなあ」
 本郷の言葉の意味は、じきにわかった。
 ギャリイン――という音は聞こえなかったが。文子の刀が宙に弾き跳ばされた。電蔵の返す刀が、文子の着物を切り裂いた。のは、仕掛けがあるのだろうが。
 切り裂かれた着物が邪魔とばかりに、文子が諸肌を脱いだ。女博徒が鉄火場で啖呵を切っている様子を彷彿とさせた。つまり、貞節な武家娘にはふさわしくない仕種だった。
 文子は花道を追い詰められながらさらに数合の斬り合いで、腰巻一枚になり、それも斬り落とされた。
 円形舞台の上で文子が組み伏せられる。電蔵が素早く着物を脱いで六尺褌一本の姿になった。電蔵があお向けの文子の脚の間に腰を押し入れて、ヘコヘコと動かす。
(きゃ……)
 いかに初心な五十鈴でも、その仕種の意味くらいは(おぼろに)わかる。真似事とはいえ、男女の交わりを演じて見せるなんて、とんでもないことだというのが、彼女の感覚だった。
 回る舞台の上で、二人はつぎつぎと絡み合いの形を変えた。仰臥した文子の両脚を高く持ち上げる。四つん這いになった文子に電蔵がおおいかぶさる。文子が手足を突っ張って尻を高く持ち上げる。反対向きに横臥して脚を絡ませ股間を打ちつけ合う。座ったまま抱き合う。ついには、電蔵のほうが仰臥して文子が馬乗りになる。そのあいだ、ずっと二人は腰を上下左右に打ち振っていた。
 回転舞台が止まると電蔵は客席の手前に降りて、身を屈めて逃げ去った。
 あとは文子のひとり舞台。『御開帳』だが、差し出される紙幣は数枚だけだった。
「浪人が一方的に武家娘を陵辱して悠然と立ち去る。せめて、それくらいの演出にすれば全体の辻褄が合うんだがなあ」
 本郷が嘆息ともなくつぶやいた。いや、五十鈴に演出の大切さを教えようとしているのかもしれない。
「アドバイスしてあげないんですか」
「聞く耳、持たねえよ。四十八手を披露するのが楽しくて仕方ないのさ」
 四十八手の意味が、なんとなくわかった。女性が積極的に動く場面があっては、本郷のいうような演出にはできないだろう。
「好きじゃなきゃやってられない商売だが。客受けも考えなきゃ干上がっちまう」
 そこで本郷は独り言を装うのはやめて、五十鈴の目を覗き込んだ。
「まあ、そういうのを考えるのは初舞台を踏んで度胸がついてからのことだが。頭の隅にとどめとくのと何も考えないのとでは、先行きが違ってくるぜ。柄にもなく説教じみちまってご免よ」
「いえ……ありがとうございます」
 本郷が、照れたように舞台に目を戻した。
 ――舞台が暗転した。これまでとは違って、五十鈴もしばしば耳にしている流行の演歌が掛かった。スポットライトが二つ、舞台の右と左に当てられた。
 右手から美蝶、左手からまったく同じ衣装を着けた女性が、緩やかに踊りながら登場した。一座で顔を合わせていないのは美絵だけだから、それが彼女だろうと五十鈴は見当をつけた。
 衣装だけではない。化粧のせいもあるだろうが、顔つきまでそっくりだった。
 二人は向かい合って、まるで合わせ鏡のように同じ振り付けで近づいて――二人並んで正面に向いたときには、まったく同じ動きになっていた。客席から拍手が湧いた。衣装を着けたまま踊っているときに拍手が起きたのは、これが初めてだった。
 向かい合うと合わせ鏡になって、並ぶと同じ振り付けになっている。どちらが美蝶か、五十鈴には見分けがつかない。
 息の合った踊りは、いつまで見ていても飽きない。だからなのか、衣装のままの踊りがこれまでより長く続いた。
 そうして。脱ぎ始めると、初めて対称性が破れた。脱ぐのではなく、互いに脱がしていく。一方が相手の帯を解くと、解かれたほうが帯を解くだけでなく着物まで脱がせる。そうやって時間を掛けて腰巻姿になって。腰巻を相手から剥ぎ取ると、ほとんど背中と背中をくっつけるようにして、腰巻をヒラヒラと操りながら股間を隠したり見せつけたり。
また拍手が沸いて。白い小さな紙礫のような物が幾つも舞台に投げられた。礫とちがって、長い尻尾が着いている。
「あれが本来の『おひねり』だぜ。数は多いが、せいぜい十円玉だから額は知れてる」
 間接キッスとか胸を触らせてもらうといった見返りがないのだから、これは二人の踊りに対する純粋のご祝儀だ。
「どっちも『おひねり』じゃややこしいから、リリーなんかは御開帳のときのをチップと言ってるな」
 花道では時間を掛けずに、二人が円形舞台に乗った。背中合わせをクルリと向き直って。
「う……」
 叫びかけて、五十鈴は慌てて自分の口を押えた。
 二人は抱き合って、キスをしている。
(女同士でキスだなんて……あれ?)
 ポスターに『姉妹』と書いてあったのを思い出した。姉と妹で濃厚なキス。五十鈴は、カアッと顔が熱くなった。電蔵と文子のときは、あまりにも自分から懸け離れた出来事だったので、ただポカンとしていただけだが。女同士となると、自分に引き付けて考えることができた。しかも、美蝶とは会って話をしたばかりだった。
 演歌は終わって、ゆったりとした雅楽に変わっている。
 二人は舞台に腰巻を敷いて、絡み合ったまま、そこに身を横たえた。
 互いに相手の胸を揉み、股間に手を這わせ……電蔵は褌を締めていたが、美蝶も美絵も素裸だ。真似事ではなく、ほんとうに女同士で睦み合っている。
 そのうち、横向きになったまま一方がずるずると下がって行って。
「きゃっ……」
 今度は、驚きの声を封じられなかった。
 ずり下がったほうが、相手の股間に顔を埋めたのだ。そこを舐めていると、はっきりわかる仕種を繰り返して……舐められているほうは腰をなまめかしくくねらせ始めた。
 スポットライトは、もう裸身を照らしていない。薄暗い照明にほんのりと浮かび上がるもつれ合った白い裸身の上を、ミラーボールの光点が流れていく。幻想的ともいえる、エロチックな光景だった。
「これが、一座の売りさ。レズビアン・ショーは珍しくもないが、姉妹でとなると、背徳的で隠微で、客の食いつきが違う」
 五十鈴は舞台の上の卑猥だが美しい光景に目を奪われていて、本郷の声は耳を素通りしている。
 一方的に舐められていたほうが、腰を中心にくるんと向きを変えて――同じように股間に顔を埋めた。
 しばらくすると、二人が互いにずり下がって、脚と脚を絡ませて、股間同士をくっつけた。くっつけて、すり合わせる。二人とも顔をのけぞらせて目を閉じ口を半開きにして、忘我の境をさまよっているように見えた。
 五十鈴は、リリーがベンチでしていた仕種を思い出した。あれとこれとは、なにか関係があるらしいと――漠とした理解が生じかけていた。
 いったいに、どれほどの時間が経過したのか。二人は向かい合って股間を押しつけ合ったまま、高く腰を持ち上げて――相互にブリッジで支え合うような形で、十秒ほども静止していた。
 そのブリッジがペシャッと崩れて。二人が物憂げに身体を起こした。
 情事――という単語が、五十鈴の頭に浮かんだ。無垢な少女にそれを想起させるほど、姉妹の絡みは濃厚だったのだ。電蔵と文子のコンビとの違いが、なんとなくわかるような気がした。姉妹はコンビと同じくらいにあれこれと『形』を変えていたが、気がつくといつのまにかそうなっていたという自然さがあった。
 二人は『御開帳』で、これまで以上のチップを掻き集めた。いつの間にか舞台に幕が下りていたのは、第一回目の公演が終わったという意味だが、姉妹が左右に分かれて舞台から姿を消すと、すぐに上げられて――紙礫の『おひねり』はきれいに片付けられていた。
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barett1.png
 変更したPLOTは、データにしていません。頭の中だけにあります。書きながら、あれこれ弄っていく予定です。

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メモ公開:42 実話/事実から



・私宅監置
  ネタにするとやばい……


Wikipedia から引用
「私宅監置」とは、「私人が行政庁の許可を得て、私宅に一室を設け、精神病者を監禁する」制度である。病院に収容しきれない精神障害者に関して、患者の後見人や配偶者などの私人にその保護の義務を負わせ、その私宅内に専用の部屋を設けて閉じ込めさせ、それを行政(警察)が管理するという、近代国家における医療制度としては諸外国にも類例をみない極めて異質な制度だった。江戸時代より存在した座敷牢の合法化ともいえる。

 1950年の法改正まで存在した制度です。
 旧民法では、家長が自分の娘を廓に売り飛ばすのも合法でしたし。
 警官が無実の市民をぶん殴っておいて、「怪しいそぶりをしていたからだ」なんて滅茶苦茶も許されていたし。
 それをいえば、贅沢禁止令のお江戸で、白昼路上で公然と商家の娘を素っ裸に引ん剝いて「着物も腰巻も絹ではないか。没収する」なんてのも、事実はともかくエロネタでは定番(かなあ?)ですし。
 まったく非合法と、「形だけでも合法」では、エロさが違ってきます。
 平成時代のレディコミで、ハンセン病にかかった娘が施設に隔離されて、素っ裸に剥かれて縛られて看護人(看守)に犯されるなんて、実話もどきもありましたね。
 燃えるかな燃えないかな(でも、萌エロ)なんておっかなびっくりでネタにするかもしれませんけど。



・コットンオイルの不純物に不妊作用
 とくに精巣に影響大


 男の娘に女ホルと併用すると、面白いかもしれませんね。


・PSAS
 持続性性喚起症候群
 23歳で発症して、39歳で自殺の例
 原因不明 抗鬱剤、腰痛、出産
 対処法オナニー(ぶっ続け)


 エロ漫画みたいな実話です。まじめに仕事してても、道を歩いてても、いきなりアヘるそうです。症例は女性に圧倒的に多いそうですが、当然でしょうね。男だったら、干からびちゃいます。
 しかし。エロさでは「飛びっ子」とかビーズ付きパンティとかにはかないません。

41SfZu_G0kL.jpg
 脳内電極とかで人工的に起こさせるのは、近未来SFSMで、これは面白いかも。
 

・昔の女性のヒステリー治療
 専門医が患者の性器を愛撫する(!)
 技術が必要だったので、誰でも容易に施術できるよう、バイブが発明された@アメリカ1912年に特許取得。


 国内でバイブが発売されたのは昭和30年代でしたから、欧米先進諸国でもそう昔じゃないだろうと思ってたら。
 上記以前にも19世紀末には棒状の「治療器具」が登場していたし、ゼンマイ仕掛とか蒸気機関(!!!)駆動とかもあったそうです。
 なので、『火竜と翔けたアクメの空』ではヒロインが発明したのではなく、医療器具を改善しデザイン性を高めて安価に作れるようにしたと――設定を変えました。



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メモ公開:41 西洋人の好み

 『公女両辱』を書き終えて、表紙をどうするか。
 前々から思ってたのは乳枷ボルトですが、画像が小さいしボケ気味なのでBFに丁稚揚げられるかどうか。
 他に候補はないかと ”Medieval Torture Erotic”とか"Wtich Troture Kinky"とかで検索。
 似たようなばかりでどうもなあ。
 で、ふと思い出したのが「異端審問」
 ”Inquisition Torture Erotic” Eroticを挿れないと史実絡みのイラストばかりですが。
 いやあ、豊作でした。なぜか大画像も多い。

1515.jpg


 異端てのは、憎むべき拷問すべき対象なんですね。
 ちなみに――異教徒とは「神の教えを知らない」獣も同然の存在です。教化できるのです。
 しかし異教徒は、「神の教えをねじ曲げている」救いようのない存在なのです。
 誰のエッセイだか忘れましたが、とても温厚な修道女(カソリック)が、
「プロテスタント、悪魔です!」と吐き捨てたとか。
 キリスト教における新教と旧教との争いは、38度線を挟んだ南北(最近は似てきた?)の争いどころではない、溝の深いものなのです。
 ここらあたり、ネタにできそうですが。教義論争とかがあまりにも付け焼刃になるので、なんでも有りの「魔女」のほうが、書きやすくはあります。
 フランスあたりではそうだったかもしらんが、架空のワランスではこうなのだ――と逃げられます。いざとなればファンタジーとかへも。まあ、筆者の場合は Scientific Fantasy SM にします。しました。

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『ミスリル サーガ』発売!



  暴サイトでのみ販売していた(過去形)のをPDF形式で公開しました。
 中身は「序章」+「ミスリルの悲劇」+「ミスリルの虚妄」で、お値段は「悲劇+虚妄」よりも安く設定。お買い得です。書棚のリンクからどうぞ。
 すでに「悲劇+虚妄」をお買い上げいただいている方は、体験版(BOOTHでは、PIXIVの小説コーナー)で「序章」を無料公開していますので、そちらでどうぞ。


suruga6.jpg 『ミスリル サーガ』の表紙絵は、どう見てもオバチャンになっちゃいましたので、『序章:鬼畜のゴールデンパス』の扉絵の元ネタでも上げて誤魔化しておきます。
 実は、『悲劇」+『虚妄』が、元々の全体構想でした。長さとか執筆意欲とかで、『虚妄』はかなり時間が経ってから書いて独立させました。
 本来の形で『序章』をくっつけないものを『欺罔のミスリル』として4年に一度の締め切りのコンテストにぶっ込んぢゃいました。

 そして今は。延々と過去作の校訂と印刷に励んでいます。
 今のところは『非国民の烙淫』と『未通海女哭虐』だけですが、どちらもA4用紙40字×40行で170枚ほど。厚みが、文房具屋で売っている綴じ紐の限界です。『非情と淫虐の上意』4編を1作品に丁稚揚げた日にゃ、綴じ紐では綴じられません。タコ糸3本まとめて、端をセロテープで補強して――というのは、先のことで。2月1日現在は『ママと歩む Slave Road』の校訂中です。
 その次が『僕の痛セクスアリス』で……5月発送までには、宅急便小サイズの段ボール箱では収まらない分量になっていることでしょう。
 でも、募集要項は「郵送に限る」とのことです。「ゆうパック」レベルでは追いつかないので、小包になります。
 個別の作品は最終選考で(あくまでも選者の好みで)ボツられるレベルだとしても、これだけガンガン書けるなら使えるかなと思ってくれるかもしれません。それを意識して、いろんな傾向の作品を選定しています。

 なんだか近況報告になってしまいました。


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