お気に入りの写真(拷問考)

 拷問とひと口には言い表わせないのです。似たような単語として、折檻、体罰があります。
 拷問とは、無理強いに自白/転向させるために責めることです。精神的拷問という言葉もあります。肉体に刺激を与えながら主として精神を責めるというやり方もあります。有名なところでは、身動きできないようにしておいて額に水滴を落とし続けるとか。感覚遮断も精神的拷問の範疇です。あるいは逆に、ヘッドホンから24時間ずっと雑音を聞かせるかプロパガンダを流すか――こうなると洗脳になってきます。
 原点に立ち返れば。被験者に「認めさせる」ための責めが拷問です。
 筆者の好きなバリエーションとしては、猿轡で言葉を奪っておいて、さんざん痛めつけてから喋れるようにしてやって
「白状しなければ(自分から股を開かなければ、可愛い妹の処女をディルドで奪わなければ、etc.etc.)次は2倍の時間責めてやるぞ」というのがあります。

宗教拷問

 もっともポピュラーで残虐なのが魔女審判とか異端審問ですね。ことに、異端者への弾圧は凄まじいそうです。いったんは神の教えを受け容れながらそれを捨てた――裏切者です。
 それに比べれば、魔女は浄化できます。本人は残虐に殺されますが。
 そういうわけで、立て続けに。


吊るし

 開脚して吊るす/磔にする。これで嬲り放題です。難点としては、犯すときの体位が制限されることくらいでしょうか。

拷問台

 拷問台に拘束するのも、素敵です。左の画像の杭というか靴磨き台というか、何なんですかね。先端が妖しく絖っています。2か所のダボで拷問台に固定して、段々と拷問台を立てていくのかしら。
 逆に頭を下げていけば、それだけでじゅうぶんに苦しいですが、水を注げば面白いです。股間が嬲りやすい高さに来るのも実用的です。
 難点は、両面焼きグリルにならないこと。最近の筆者は、梯子に縛りつけることが多いです。


水責め1

 水責めは、本格的な装置を使う場合と、無理矢理に頭を突っ込ませる場合とがあります。装置を使えば、現代ならフルオートマチックも可能です。とはいえ、科学の国ドイツでも、ナチスには似合いません。私見です偏見です。か弱き少女を屈強な男が、できれば二人以上で責めるのが絵になります。

 そうそう。迂闊にも最近まで気づかなかった表記に『拷悶』がありました。これは、「問う」のではなく「悶え」させますから、SMにはうってつけです。あまりにうってつけ過ぎて、プレイめいた印象もありますが。『赤い冊子と白い薔薇』Now writing ! では、使ってみました。

 さて。次は折檻とか体罰ですが、これは章を改めましょう。

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Progress Report 3:赤い冊子と白い薔薇



 いよいよ、朝三暮四の4連休です。(戦闘詳報参照→
 序盤も終わって、ストーリイ展開九策吃で、責めて犯して責めまくります。


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第三章の第二幕です。

 山崎華江が早々に姦落して、デモの首謀者の名前を白状します。「嫁の貰い手もなかろうから、僕が貰ってやろう」という主任取調官に服従の証しにフェラ――の技術も無いのでイラマされて。取調室から連れ去られます。そして、ヒロイン瀬田恵への尋問が始まるのですが、「下準備」が必要です。生娘をディルド椅子に座らせるなんて、勿体無いですものね。





・尋問の下準備

 そうして、取調室には恵ひとり。浅利も退出したが、まだ四人の男が残っている。小机で手持無沙汰にしている記録係の淀江巡査を除く三人――荒島、浜村、青谷の三人が、逆さ吊りにされている恵を取り囲んだ。
 いよいよ自分の番だ――と、恵はおののく。
 しかし、吊っている縄が緩められて、恵は臍から上を厳しく縛された姿で床に横たえられた。
「瀬田恵。これまで見てきて、尋問が如何に厳しいかわかったな。お前にアカ本を渡した人物の名を吐けば――残念だが、尋問は取りやめになる。素直に吐くか?」
 恵は荒島を見上げ、それから青谷へ視線を移した。
「……この人の妻にさせるつもりなんですね」
「勘違いするなよ。野垂れ死にするしかない哀れな娘を救済してやろうという慈悲なんだぞ」
 華江が陥落するところを見せつけているのだから、気力をくじくまで意図を隠しておくという駆け引きはできない。青谷は、あっさりと認めた。
 恵は恵で――青谷は乃木よりもすこし若く見える。もしかすると、三十歳前かもしれない。年齢的には、そんなに不釣り合いではないかもしれない――チラッとそんな思いが掠める。
「どうする。一度は、あの椅子に座ってみたいか?」
 あの椅子とは――凸凹に削られた極太の擂粉木と太い丸ヤスリが植えられている、拷問椅子のことだ。
「…………」
 恵は沈黙で答えた。冊子は拾っただけ――などという言い訳が通用するとも思えない。口を開けば、上げ足を取られかねない。弓子が漏らした『アキ』という一言で、たちまち二人の容疑者(岸辺章子、守山秋江)がでっちあげられたように。
「そうか。しかし、すぐ椅子に座らせるわけにもいかんな。青谷クン、下準備を頼むぞ。このままの姿勢でいいかね」
「引導を渡してやるわけですから……思いきり羞ずかしい目に遭わせてやったほうが、覚悟もつくでしょう。座禅転がしをお願いします」
「ふふ……キミもなかなかだね」
 浜村がお下げをつかんで恵の上体を引き起こしたのは、いっそうの屈辱を与える意味もあっただろう。膝頭で背中を押さえつけ、無言で脚をつかんで胡坐を組ませる。さらに引き上げて、反対側の腿に乗せた。両足とも足の甲が腿に押し付けられて、手を使わなければ自分では簡単にほぐせない。
「いやあああ……堪忍してください」
 大きく開脚させられた股間には、昨日と違って縄が食い込んでいない。割れ目の奥までも、男たちの目に曝されてしまう。
 浜村は膝の上下に捕縄を巻いていっそう深く脚を折り曲げさせ、交差した脛も縛り合わせた。その縄を首に巻いて、上体を折り曲げる。
「くううう……」
 恵は羞恥に呻きながら、自分が昨日の花江と同じ形にされたことを思い出した。
 果たして――恵の肩が強く押されて。両膝と頭の三点で身体を支える形に倒された。尻を高く突き出して、羞恥の割れ目どころか排泄孔までも露わにされてしまった。
「生娘を相手にするのは初めてです」
 恵は、青谷が発した言葉が矛盾しているとは気づかなかった。下着も着けずにゴム紐を股間に食い込ませ輪ゴムで乳首を飾っていた娘は、オルグの男と情を通じて変態的な遊びを仕込まれている――昨日は、そんなふうに断じられていた。それなのに、今は恵を処女と信じて疑わない口ぶりだった。
「おのれの魔羅で女の道を開けてやるというのは、男冥利に尽きますね」
 ほざいて洋風の猿股をずり下げた青谷だが、その男冥利がまるきりだらしない姿のまま――というのは、恵には見えなかったのだが。
「ああっ……いやああああ」
 腰をつかまれ、生温かいデロンとした感触を尻に押し付けられて、恵はおぞましさと恥辱とに気が遠くなりそうだった。
 しかし青谷は委縮したままのそれをしつこく尻にこすりつけ、片手で支えて淫裂をしごいてさえも――せいぜい半勃起までしか変化しなかった。
「どうも……密林は苦手です」
 憮然とした表情に照れ隠しの苦笑を交えて、青谷が恵からはなれた。とりあえずズボンを引き上げる。
「おお、そういうことか」
 荒島が、同情するような小馬鹿にするような表情で小さくうなずいた。
「半玉ばかりを買っていたのは、それでだな」
「お恥ずかしい。半玉は無毛が普通ですから」
 当時は、まっとうな遊郭の娼妓なら、それぞれに工夫を凝らして下の毛を薄くしていた。下半分は無毛とか、てっぺんにひと房だけ残すとか。すべての毛を丹念に引き抜いている者もいた。ちなみに千年の昔に、恋多き女の清少納言がありがたきもののひとつに『毛のよく抜くるしろがねの毛抜き』を挙げているのも、そういう事情である。
 半玉が姉さん女房より毛深くては面目が立たないし、そんな気遣いをするまでもなく未性熟の少女も多いから――青谷が言ったとおりの仕儀となる。
 きわめて薄いか無毛の女に馴れていた男の目には、淡い萌え草といえども、手入れのされていない雑草は勃起を妨げるほど醜悪に思えたことだろう。
「お若いうちから好き嫌いは、よろしくないですよ」
 浜村が座禅転がしの縄をといて、恵をあお向けに据え直した。足首をつかんで深く折り曲げていく。
 恵の腰が浮いて、後ろ手に縛られた両手首に体重の半ばがのしかかってくる。しかし恵は、そのささやかな痛みを気にするどころではなかった。両足が肩を挟んで床に着くまで折り曲げられて、今度は羞恥の根源を開陳する様が自分の目にも映じる。
 足首を交差させて縛られ、またお下げをつかんで頭を起こされて、自分の足首を枕にする形にされてしまった――後の世にいう『マングリ返し』だった。
「これを使うのは二度目ですな」
 雑多な小道具を並べてある棚の奥から、浜村が真っ黒なテープを取り出した。円形に巻かれているテープを慎重な手つきで引き伸ばして三十センチの長さに鋏で切って――恵の股間に縦に何本も貼り付けていった。
「これは電気工事に使うブラックテープといいましてね」
 初めて目にする青谷のために、浜村が開設する。テープを強く引っ張ると、三センチほどの幅が半分以下に狭まって長く伸びた。
「きわめて粘着性が強いのですよ。ちょっと、失礼」
 伸びたテープの端を青谷の手の甲に押し付けて、素早く引き剥がした。
「痛うっ……なるほど」
 剥がした痕を透かし見て、青谷がうなずく。
「毛根から引き抜くのだな。剃るよりも長持ちしそうだ」
「二週間はツルツルですね。とはいえ、あまり短いと使えませんから……まあ、紗良は蝋燭やら有刺鉄線やらで、生えてくる暇も無いですが」
「なに。女房にしたら、毎日毛抜きで手入れさせますよ」
 弓子は肌を交わした許婚者がいる。華江は男女同権論者。その二人に比べれば恵は与し易しとあなどっているのか、すでに落としたも同然の物言いだった。
「へいへい。今からのろけられちゃたまりませんね」
 浜村が掌でテープを股間に圧着させていく。
 ユリに下半身を触られたときの感触とは比べものにならないおぞましさに、身体を深く折り曲げられている苦しさも背中に敷いた手首の痛みも意識から消えて、恵の感覚はそこに集中してしまう。
 圧迫がやんで。浜村が両手でテープの端をつかんだ。
 ベリベリベリッ……
 音を立てて、一気にテープが引き剥がされた。
「ぎびい゙い゙い゙い゙っ……!」
 ムダ毛を一本ずつ毛抜きで引き抜いても、チクッと痛い。それが何百本もまとめて、しかも斜めに引き抜かれたのだから、凄まじい痛さだった。激痛はすぐに消えても、肌がヒリヒリズキズキしている。
「やはり、淫唇の脇とかケツ穴まわりには残りますな」
 さっきよりも長いテープが、今度は尻の後ろから、淫裂の溝に埋め込むようにして貼られていく。
 青谷は恵からはなれて、机に置かれた薄い綴りを繰っている。
「継母に売られたのか……」
 恵はそのつぶやきを耳にしたが、失意と怒りとを感じただけで、疑念は抱かなかった。常に学生鞄を身辺からはなさいように心掛けてはいたが――たとえば入浴しているときに継母が部屋に忍び込んで鞄の中身を覗き見したということは、考えられなくもない。邪魔な娘の落ち度を探るにしても、なにがしかの確信も無しに鞄の底板の下までひっくり返すものだろうかという人間心理への洞察までは働かなかった。
 いずれにしても。テープを引き剥がされる激痛と、その直後に訪れた女の一大事とで、そんな幕間劇は記憶にとどまることはなかったのだが。
「ふうむ……いくら童女に還っても、グロテスクはグロテスクですね」
 パックリと開いた淫裂からはみ出ている紅鮭色の小さな肉片を、青谷はそんなふうに貶める。しかしズボンの盛り上がりが、彼の本心を露呈していた。
「この姿も、座禅転がしに勝るとも劣らない、女の屈辱でしょうね。僕としても、女の泣き顔を堪能する醍醐味があります」
 女が仰臥して脚を開き、男がそこに腰を割り入れて挿入する――そう書けば、ただの正常位と変わりはないが。女がみずからの意志で身体を伸べているのと、緊縛されて真っ二つに折り畳まれているのとでは、天と地ほども違いがある。
 青谷があらためてズボンと洋風猿股とを、いそいそとずり下げる。
(…………!!)
 間近に見上げる怒張は、椅子に植えられた極太の擂粉木よりもはるかに大きく禍々しく醜悪に、恵の目に映じた。先端に近い部分がいっそう膨らんで、段が付いている。釣り針の返しを連想して、m組の心臓が縮こまった。あの縁で中を引っ掻かれたら、擂粉木の凸凹よりも、ずっと痛いだろう。擂粉木の痛さも知らないけれど……。
 青谷が指に唾を吐いて――その指で恵をくじった。
 悪寒が背筋を駆けのぼった。
「やめて……汚い」
 訴えれば訴えるほど、相手の嗜虐を引き出す。さんざんに目撃してはいたが、しかし訴えずにはいられなかった。
 青谷が指を引いて身を起こした。
 ほうっと安堵の息を漏らしかけて――バチインと、頬を挟んでいる脹脛とひとまとめに叩かれた。
「きゃあっ……!」
 手の甲で反対側からも叩かれた。二発とも、目の前が赤く染まって白い星が飛び散ったほどの凄まじさだった。
 青谷はひと言も発せず、あらためて指に唾を吐いて、淫裂をくじりにかかった。
 灼けるような頬の痛み。再度の抗議を口にする蛮勇は、恵には無かった。痛みと共に歯を食いしばって陵辱に耐える。
「これは……なかなかに淫乱な性質(たち)ですな」
 青谷が指を抜いて――親指と人差し指をくっつけて、ゆっくりと広げた。水飴のような粘っこい糸が、二本の指に橋を掛けていた。
 ユリの指で開発された官能が、男の凌辱によって呼び覚まされたのだった。
「豆も尖ってきたじゃないか」
 包皮を摘まんで、先端からわずかに顔を覗かせている実核を、青谷が指の腹でしごいた。
「ひゃああっ……いや、いやああ」
 その悲鳴が甘くくぐもっているのに、恵自身が気づいてしまった。
(これから操を穢されるというのに……)
 男を迎え挿れるような反応を呈した自分を嫌悪した。ユリの顔が頭の隅に浮かんで、あわてて消し去った。ユリお姉様のせいではない――とするなら、ほんとうに自分は淫乱なのかもしれないと、青谷の揶揄を肯うしかない。淫らな行為を心の底から忌避しているのなら、相手が女性とはいえ、接吻や指の戯れを受け容れたりしないのではないだろうか。まして、変態的はゴム紐褌なんて……。
 それは、無駄な抵抗を試みて心身両面の痛みと屈辱を倍加させまいとする本能の、しかし女性に特有の心理だったかもしれないが。そんな考えを心に持ったとき、恵は強 姦を受容していたのだともいえるだろう。
「あまり焦らしても可哀そうだな」
 どこまで本気で、どこから揶揄(からか)っているのか。青谷が四つん這いになって恵にのしかかっていった。
 恵の視界が、男の筋肉に鎧われた胸板にくさがれる。
 青谷は膝を後ろへずらして腰を沈めながら、右手で怒張を握って淫裂へ導く。
「く……」
 ユリの繊細な指とはまるで違う、ひどく硬くて熱くて太い異物が淫唇をこじ開けるおぞましさ――よりも、太腿に男の体重をのしかけられる重みに、恵は呻いた。背骨が折れるかと思うくらい折り曲げられているところに、確実に自分の五割は重たい男の体重のほとんどで圧迫されるのだから、息もまともにできない。手首に手錠が食い込む。
 しかし呻きは、すぐ悲鳴に変わる。
 ビキビキメリメリと股間を真っ二つに引き裂かれる音まで聞こえたと、恵は錯覚した。
 激痛が股間で爆発して腰を貫き、脳天まで背筋を奔った。
「ぎい゙い゙い゙っ……痛い! 痛い痛い痛い!」
 逃げようにも逃げられない。激痛をかわそうとして緊縛された身体を揺すると、激痛がさらに爆発する。しかも、ビンタのような瞬間の痛みではない。
 ズググウッと、巨大な異物が楔のように腰の奥まで押し込んでくる。
「ふう……」
 溜め息は青谷のものだった。
 激痛の中心が入口の方へ動くのを、恵はかすかに感じて――ふっと痛みがやわらいだ。
 身体を起こして己の股間を見下ろしている青谷の顔が、目の前にあった。
「うん。たしかに生娘だったな」
 鮮血にまみれた怒張を軽くしごいて、その指を恵の唇に押し付けた。恵が唇をきつく引き結んでいると、反対の手であごをつかんで引っ張り、唇をこじ開けて突っ込んできた。逃げ惑う舌を追いかけて、二人の分泌物をなすりつける。
 口中に、塩辛い鉄の味が広がった。
「舐めろ」
 恵は、さすがに青谷をにらみつけた。しかし、拳を腹に押し付けられると、命令を拒む気力も圧し潰された。
 チロッと舐めて――そこで初めて、恵のまなじりに涙が浮かんだ。
 それを、青谷は反抗と受け取ったのか。
「おまえも、山崎華江に劣らず情が強(こわ)いな。僕も本気になるぞ」
 肘で上体を支える形になって、あらためて恵に挿入する。
「きひいいい……痛い」
 しかし、悲鳴は最初ほどには切迫していなかった。それが、この男を身体が受け容れてしまった証のように思えて、いっそうの涙がこぼれる。
 青谷が抽挿を始めた。すでに爆発的ではなくなっているが、大きな痛みの塊りが恵の中を往復する。
「くうう……くっ……くうう……う……あっ……あっ、あっ、あっ……」
 パンパンパンと、淫埠に男の腰が打ち当たって、その都度に恵の肺から息が押し出される。
「あっ、あっ、あっ……痛い、痛い痛い痛い!」
 男の動きが激しくなって、また激痛が爆発を始めた。
 ビンタが怖くて、恵は「やめて」と訴えることもできない。
(お姉様は、男にこんなことをされたことがあるんだろうか?)
 ふっと、否定の感情が色濃い疑念が浮かんだ。
(それとも……もっと細い擂粉木とか、誰かに使われたのかしら?)
 こちらの疑問には嫉妬めいた感情が絡まっていた。
 ひときわ強く腰を押し付けられて――そこで、青谷の動きが止まった。欲望が放出されたのだと、恵は悟った。三人の先輩たちへの凌辱を見せつけられていては、いやでもそれがわかるようになっていた。
 青谷が起き上がって、落とし紙で自分の始末をして、ズボンを引き上げた。恵を一瞥してから、尋問用の大きな机の角に陣取った。
 入れ替わりに浜村が恵の横に膝を突いて――鮮血と白濁にまみれた淫裂を指で穿った。その指で、肛門をくじる。
「あっ……そこは……」
 戸惑いと羞恥は、戦慄を伴なった恐怖で掻き消された。そこに棒ヤスリを突っ込むための下準備なのだと、理解してしまったのだ。
 足首を縛っている縄がほどかれて、恵の上体が起こされる。それから、二の腕を縛っている縄もすこしだけ緩められた。
 浜村と淀江の二人掛かりで、幼 児におしつこをさせるような形で恵を抱え上げる。
 それが何を意味するか、すでに恵は理解している。さらなる激痛の予感におびえながらも。
(華江さんも弓子さんも、同じ目に遭わされている。紗良さんなんて、ワイヤーだもの)
 先輩よりも取り乱しては恥ずかしい。そんな思いが、恵の狂乱を抑えている。
 椅子の真上に身体を持ってこられて――恵は目を瞑(つむ)った。顔を上げている気力はとっくに失せているし、自分を貫く凶器を眺めるなんて絶対に厭だった。
 緩められた縄いっぱいに腕を後ろへ引っ張られて、そこにできたわずかな隙間に椅子の背もたれがこじ入れられた。二の腕と胸に縄が食い込み、背もたれに肌をこすられる。昨日までの恵だったら、それだけでもじゅうぶんに痛いと感じていただろう。
 身体がすこし前に倒されて――ゴツゴツした無機質の感触が淫裂を割り広げた。穴よりも上に先端が突き当たる。
「うん? こっちか」
 腰を小刻みに揺すられて――ズグウッと割り裂かれて貫かれる激痛が奔った。
「ぎゃあああっ……!!」
 恵は絶叫した。青谷が擂粉木よりも太く見えたのは、まったくの錯覚だった。処女を破られたときの何倍も痛い。痛いというよりも、衝撃そのものだった。
 恵の身体が前後左右に揺すられながら、すこしずつ下ろされていく。擂粉木に刻まれた凹凸が、まさしく一寸刻みに恵を抉っていく。
 ビキキキキ……肉体を割り裂かれる衝撃が、恵の全身を震わせる。
 さらに……。
「があ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 悲鳴ではなく咆哮だった。生まれて初めて異物を、木でも鉄でも削り取る無数の鱗上の刃が刻まれている鉄棒を――肛門に突き刺されて。熱湯や炎の熱さとは異質の灼熱が、恵を貫いていた。
「うあああああ……赦して……厭、厭ああああ……」
 ささやかな乳房を震わせて息を継いでは、恵は泣き喚き続ける。
「まったくこらえ性の無い小娘だな」
 浜村に揶揄われても、反発して悲鳴を抑える気力も無い。
 それでも。座面に尻が押し付けられて、ようやく恵の声が途絶えた。
「ううう……うう、ううう……」
 哀れっぽいすすり泣きが、悲鳴に取って代わった。
 それほど痛みが減ったのではない。鋭い凹凸に粘膜を抉られることはなくなっても、限界を超えて拡張される苦痛は続いている。泣き叫ぶ気力すら使い果たして、激痛に馴致されるしかなくなったというだけのことだった。そして、二穴を傷付けられるのは拷問の取っ掛かりにしか過ぎないのだと、それを恵は頭でだけは理解していた。
 浜村が恵の両膝を椅子の脚に縛りつけて、腹部と背もたれをひとまとめに縛る。
 そして、尋問が始まった。
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ヨガ犯し 
 つまり。こんなポーズで処女を破られたわけです。本文中では後ろ手緊縛されていますが。
 濠門長恭十八番の座禅転がしと見せかけて――文字通りのドンデン返しですな。




Progress Report 2 は(連続ページ表示の場合)直下の記事のひとつ下です。

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お気に入りの写真(異装1)

 チャイルス(Corona harshness ill-fated Virus)とかが巡りめぐって、派遣社員の契約更改(9月)に黄色信号が点滅。
 なので、時給30円(ええ、熱帯雨林のお陰で1/5になりましたともさ!)どころじゃなくなってきてる。
 あるいは。朝三暮四戦闘詳報→でのアクセル全開を期してガソリン補給。ついに、真昼間から缶チューハイ3500cc×9%とか。
 つまり、『赤い冊子と白い薔薇』は、Progress Report執筆不能の進捗状況です。
 ので、別シリーズのストック記事でお茶を濁します。



 タイトルは、要するに。常識的には有り得ない服装のことです。
 かつては男装の麗人というように、女性が男の服を着ることは立派に異端でした。ヅカガールは、レズっ気の無い女学生でもプラトニック・ラブの対象でした。
 あ。男が女性の服装をするのは……U16美少年以外は、考察の対象外です。
 それはともかく。ジャンヌ・ダルクが魔女と決めつけられた理由のひとつに、ズボンを穿いていたことがあります。これは、牢内での暴行(婉曲表現)対策で、しかも教会の差し金で差し入れられたというのですから、濠門長恭クンの食指が動きます。
 なぜに女性がズボンを穿いてはいけないかというと、即ハメが難しくなるからです。日本において文明開化で洋装が流行っても、ドロワースとかパンティは普及しませんでした。
 今では、マニッシュだとかユニセックスだとか、面白みがありません。
 筆者が高校生だった頃は体育祭で花の応援団といえば、学ランに身を包んで(残念ながら、学ランの下は体操服とブルマ:裸学ランではありません)長い鉢巻をキリリと締めた女子チームでした。振り付けも、むさ苦しい本格男子応援団と同じ。誰の学ランを借りるかで恋が始まったり……したんでしょうねえ。(部外者でした、トホホ……)


水着エロ着こなし

 今では、男性と同じ格好をしてエロく感じられるのは水着でしょうか。男物のブーメラン水着一丁なんてのは、紐ビキニや透け水着よりも夏休みボッキン活動です。紐ビキニなんて、海水欲情では珍しくないし、透け水着も競泳用とかはデファクトスタンダードだし。
 あと、筆者のど真ん中ストライクは、ワンピース水着を前後ろに着るやつですね。おっぱいポロリというか完全剥き出し。案外と。うっかりしてました気づいてませんて顔で更衣室から出て、あるいは(女子は意地悪、男子は助平心で)誰も指摘してくれなかったり。指摘されてから、わざとらしく「きゃあああっ!」としゃがみ込んだりして。
 まあねえ。六尺褌でプール補習とか、全裸緊縛ドルフィンキックとかを書いてますから、今さらですが。甘々ラブストーリイなら使えるでしょうか。
 画像ですが。中央のは、ロリ要素だし野外露出だし可愛いし。お世話になっております。(*- -)(*_ _)ペコリ

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Progress Report 2:赤い冊子と白い薔薇

 やはり、この作品は長くなりそうです。
 『未性熟処女の強制足入れ婚』『大正弄瞞』『いじめられっ娘二重奏』みたいに数か月以上の時間経過があるわけでもなく、舞台も取調室と留置房だけで、リョナファイトとか強制売春とか全裸運動会とかの趣向もなく、ひたすら責め場が続くだけ。大トロばかり食べるようなものですかね。
 今回紹介した部分の終わりまでで、本文80枚。
 4人の少女のうち、陥落して担当取調官の嫁になる予定の2人は取調室から連れ去られました。次章(実は、すでに8割を書いています)では、いよいよヒロイン瀬田恵への拷問が始まる――のではなく、当時の言い方ではアイノコなんか嫁にしたら世間体が悪いので、壊れるまで玩具にされる予定(日独伊三国同盟で救済されます)の咬ませ牝犬である稲枝紗良への拷問ではなく拷悶シーンです。
 そして、4人そろって全裸拘束のまま同じ房へ入れられて、それぞれの背景を記述するかしないか、犬食いとか、紗良への飢餓責めとかがあって。瀬田恵の取り調べは、翌朝になって章を革めて後です。そこからが、本番です。もちろんホンバンもあります。


後編表紙案
過去画像の使い回しです。お気に入りなんだもん。

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(第二章の第二幕に位置します)

・四人の贄少女

 渡り廊下の向こう側にある別棟が、留置場と取調室になっている。廊下の左右に並ぶ鉄格子は、雑居房や独房。留置されているのは男が十数人と女が三人。背広を着た男もいれば、浮浪者めいた襤褸をまとった女もいる。
 男たちは、あまり驚いた様子もなく恵の裸姿を眺め
ている。
「刑事さん。こんどの子には、やけに気合を入れてますねえ」
 見張りの巡査が牢の前に立って、声をかけた男の肩を六尺棒で強く突いた。
「へいへい。悪うございましたね」
 男はたいして痛そうなそぶりも見せず、牢の奥へ引っ込んだ。
 その場のなにもかもが、恵の頭を素通りする。一歩ごとに股間に食い込んでくる荒縄の毛羽。その刺激に耐えるだけで精いっぱいだった。
 取調室は廊下の左右に二つずつと、突き当りにひとつ。その突き当りのドアが開けられて。
「んぐ……?!」
 眼前の異様な光景に立ち竦む恵。どんっと背中を突き飛ばされて、たたらを踏んだ。
 正面の奥で、外人の娘が細い鉄棒を跨いでいた。恵と同様に素裸で、恵よりもさらに厳しく後ろ手に縛り上げられていた。乳房と尻がどす黒く腫れて、全身に赤や紫の線条が刻まれている。
「…………?」
 垂れかかる金髪に隠されてはっきりとはしないが、恵はこの娘を見知っているような気がしていた。
「わかったようだな。二月に女学院を退学した稲枝(いなえ)紗良(さら)だ」
 やはりという思いと、まさかという思いが交錯した。稲枝紗良の父親はイタリア人の神父だった。教会での説教で反戦を説いた容疑で逮捕されて、本国へ強制送還された。紗良は、その間に退学している。その後の消息は聞かなかったが、まさか特高警察に逮捕されていたとは。父親の罪と関係しているのだろうか。
 それにしても。ずいぶんとやつれている。恵の知っている紗良は、ふくよかと豊満を掛け合わせたみたいな体型だったのに、目の前の彼女は――体の線は細くなったのに乳房と尻は以前の面影を強く残して、性に無知な恵の目にさえ妖艶に映った。
「もっと近寄って、よく見ておけ」
 肌が触れ合うほど近くまで押しやられて、恵は思わず顔をそむけた。
「よく見ろと言っておるのだ。事と次第によっては、おまえもここに座らせてやるのだからな」
 ひぐっと、恵は息をのんだ。
 鉄棒に跨っているように見えたのは、鋼線を編んだ太いワイヤーだった。細い鋼線が切れたりほつれたりしてささくれている。こんな物を股間に食い込まされたら、荒縄の毛羽とは比較にならない劇痛だろう。しかも、膝を折り曲げて縛られ、そこからコンクリートブロックを吊るされていた。ワイヤーが食い込む淫裂は無毛だった。しかし、白い肌ではない。赤く細い筋が斜めに何本も交差している。刃物で切られたとしか、恵には推測できない。
 紗良は恵が近づいても、まったく関心を示さなかった。おのれを苛むワイヤーに虚ろな視線を落として、ぴくりとも動かない。身じろぎひとつしても、ワイヤーはいっそう紗良を傷つけるだろう。
「ひととおり、お仲間に挨拶しておけ」
 言われて、ようやく。ほかにも二人の娘が、同じように素裸で、しかし別々の格好で拘束されていた。そして、恵を連行した二人だけでなくさらに四人の男たちがいた。
 娘のうちの一人は、二週間前に逮捕された山崎華江。後ろ手に縛られ胡坐を組まされて、裸身を二つ折りにされていた。背中にはコンクリートブロックが四つも縛りつけられている。紗良ほどではないが尻が赤く腫れている。
 そして、もう一人は椅子に、背もたれを後ろ手に抱く形で縛りつけられて、机を挟んで二人の男と向かい合っている。ひとりは五十絡みの私服で、もうひとりも私服だがせいぜい三十半ばといったところ。すこしはなれた壁際の小机に座っている若い紺サージの制服は、記録係だろうか。
「こいつも知っているはずだぞ」
 恵には見覚えがなかった。学年が違えば、名前を知らないどころか顔を見たこともない生徒も少なくない。
「最上級生の川瀬(かわせ)弓子(ゆみこ)だ」
 名前だけは知っていた。卒業と同時に結婚する者も少なくはないが、それでも誰某が婚約したという噂は、すぐ学校中に知れ渡る。そういえば――新学期が始まって間もない頃、婚約者に赤紙が来たのだけれど。人が人を殺すなんて悲しいことだと級友に嘆いて、教頭先生に注意されたという話も聞いていた。誰かが特高に密告したのだろう。
「反戦論者に男女同権に、あげくは主義者か。おまえの学校はアカの巣窟だな」
 恵は取調官の斜め後ろに立たされた。
「おまえの尋問は明日からだ。今日のところは、強情を張るとどうなるか、よく見ておけ」
 恵の左足首に、滑車を介して天井から垂れている縄の一端が縛りつけられた。反対の端を、泊という若い私服刑事が引っ張ると――左足が吊り上げられて、恵の身体が右に傾いていく。
「あ……」
 恵はつま先立ちになって、身体が倒れないように踵の位置をずらした。それを何度か繰り返すうちに左足は頭よりも高く引き上げられて、意識して上体を左へ倒さないとひっくり返りそうになる。
「最初だから、すこし甘やかしてやろうか」
 恵を縛った男が恵のお下げを引っ張って、左の腿に巻き付けた。おかげで、腰を突っ張っていなくても立っていられるようになったのだが。
「なんじゃ。人が親切にしてやっとるのに、礼も言わんのか」
 縄で縊り出された乳房を爪が食い込むほどに握りつぶして、ぎりぎりとひねった。
「い、痛い……ありがとうございます」
「乳を虐めて礼を言われたのは初めてだな。そうか、こうされるのが好きか」
 恵の言葉をわざと取り違えて、男はいっそう乳房をひねる。
「違います……転ばないようにしてくださったことに、お礼を言ったのです」
「そうだろうな。虐められて悦ぶなど、あの女くらい……」
「浜村ッ」
 弓子に向かい合っていた男が、鋭く叱った。
「余計なことを言うな。それから、浅利クン。キミは下がってよろしい」
 浅利と呼ばれた、これも中年の男が、軽く頭を下げて部屋から出て行った。
 部屋に残った男たちも、それぞれに場所を変える。恵を逮捕した中年と若手のコンビは紗良の横に折りたたみ椅子を据えて陣取り、海老責めに掛けられている華江には別の若い男がついた。そして恵の前には、それまで部屋の隅で壁にもたれていた、これも若い男。
「そうだ。事の流れで後先になって、すまんな。おい、瀬田恵。そこにいる警部が、おまえを担当する青谷クンだ」
 青谷が、恵に向かって軽くうなづいた。
「最年少と聞いていたが、まずまずの身体つきだな」
 紗良先輩のように容赦なく拷問できるという意味なのだろうかと――恵は想像してしまった。
「課長殿。この者の尋問は明日からですね。僕はこれで失礼してよろしいでしょうか」
 弓子と向かい合って座っている男が、ふっと小さく息を吐いた。
「まったく、キミは淡泊だな。よろしい。他の仕事を片付けておきたまえ」
「では、失礼します」
 青谷も退出して。部屋に残っている男は、私服刑事が五人と制服の巡査が一人。弓子たち被疑者を数えると十人にもなるのだが、狭苦しい感じはない。この部屋は教室ほどの広さがあるのだと、恵は気づいた。様々な拷問を同時に行なうための広さだとまでは、知る由もなかったが。
 実際、今現在でも――紗良への性器拷問、華江への海老責め、恵への吊り責めが、弓子への尋問と並行して進められているのだ。その、弓子への尋問も(全裸で椅子に縛りつけられているというだけでも)拷問であることに変わりはない。
「さて……どこまでだったかな。慰問の手紙は書いたが、反戦的な文言は一切含んでいない。そう言ったのだな?」
「もう何度も言いました。変なことを書いて、それが上官の目に触れでもしたら、島本が目をつけられて……非道い目に遭います」
「しかし、昨日は『何があっても、必ず生きて帰ってください』と書いたと供述しておるな。自決することなく俘虜の辱めを受けてもかまわんというのは、反戦ではないか」
「そういう意味で書いたのではありません」
「では、どういう意味だッ!」
「…………」
 課長が椅子から立ち上がった。机の端に置いてあった細い竹を手にして、弓子の横にまわる。竹の先でチョンチョンと乳首をつついてから、大きく振りかぶる。
 ビシイッ!
 肉を打つくぐもった音が響いた。
「くうう……」
 竹の笞は、膝を椅子の脚に縛りつけられて無防備になっている内腿に敲きつけられていた。
「どういう意味なのだ?」
 ビシイッ!
 二発目は反対側の内腿を襲った。
(あんなにひどく敲かれて、叫びも泣きもしないなんて……)
 恵を吊るした男の言っていた『強情』という言葉を、恵は思い出していた。竹笞など小手調べですらないとは、思い至るはずもない。
「強情な娘だな。いいだろう。他のことを尋ねてやる」
 課長は竹笞を机に戻して弓子に正対すると、両手で双つの乳房を鷲掴みにした。
「学校で反戦的な言辞を弄したとき、それに賛同した生徒はいなかったと言うが、ほんとうか?」
 第一関節がめり込むまで指を食い込ませて、ぎりぎりと内側へねじっていく。
「ぐうう……弓子は、ほんとうのことしか言っていません」
 同じようなことをされたばかりの恵は、弓子が耐えているのを見ても今度は不思議に思わなかったのだが。
 課長は手首が返るまで乳房をねじっていった。ほとんど百八十度。見る見るうちに、乳房が赤黒く変色していく。
「つまり、おまえの言葉をたしなめることなく聞いていたわけだ。そいつらも同罪だな」
 いったん手を放して掴みなおすと、今度は外側へねじっていった。
「い、痛い……アキ……呆れていただけです」
 課長は右手で竹笞を握り、左手に握った乳房をピタピタと叩く。
「うん? アキと言ったな。同級生の岸辺章子のことか? それとも……浦安クン、名簿を持ってこい」
 制服姿の巡査が、小机の上に積んである書類から薄っぺらい冊子を抜き出して、課長の前に広げた。
「アキ、アキ、アキ……森山秋江。こいつか?」
「違います。二人とも、いませんでした」
 課長が竹笞を振りかざして、掌の上の乳房に敲きつけた。
 ビッシイン!
「きひいっ……! 弓子は『呆れた』といっただけです。秋江さんも章子さんも無関係です」
「強情だな」
 課長は乳房から手を放して、一歩下がった。そして。
 ビシッ!
 ビシッ!
 ビシッ!
 立て続けに乳房を打った。
「しかたがない。この二人を呼んで、当人から話を聞くか」
「やめてください! ほんとうに、二人とも無関係なんです」
「では、だれがお前の話を聞いていたんだ?」
「…………」
 不意に弓子の目に涙が湧いた。まぶたにあふれて、開脚させられた股間に滴る。
 痛くて泣いているのではないと、恵にもわかる。黙ってきいていただけで同罪だと、課長さんは決めつけた。話を聞いていたクラスメイトを名を明かせば、その人たちも同じように逮捕されて、こんな辱めを受けることになるのだろう。けれど黙っていたら――二人のアキさんが濡れ衣を着せられる。弓子先輩の涙は悔し涙なのだ。
「言え。さっさと白状しろ」
 課長は十文字に竹笞をふるって、乳房も内腿も立て続けに打ち据え始めた。
「きひいいっ……やめて……悪いのは弓子なんです。級友は誰も悪くないんです」
 一度でも涙をこぼしたら、悲鳴をあげたら、それで気持ちの張りが失われて、それまでは耐えていた痛みにも耐えられなくなる。そのことを、恵はまざまざと見せつけられたのだ。
(明日は、あたしも同じ目に遭わされる……同じ目?)
 弓子先輩と同じように敲かれるのだろうか。それとも、紗良先輩みたいな残虐なことまでされるんだろうか。ただ眺めているだけで、想いは千々に乱れる。
「課長殿……」
 最初の位置から動かずに、机を挟んで弓子の前に座り続けていた男が、遠慮がちに声をかけた。
「そんなに畳みかけても、答えようがないのではありませんか。しばらく考えさせてやっては如何かと思料いたします」
 課長が手を止めた。
「大岩クン。キミは甘いね。しかし、担当官の意見は尊重すべきか。いいだろう。椅子から解放してやたまえ」
「ありがとうございます」
 なぜ、大岩という男が礼を言うのか恵にはわからなかったが。とにかく、弓子先輩への拷問は終わったのだと、恵は安堵の息を吐いた。
 大岩が弓子の拘束をほどいて、腰を抱きかかえて椅子から立ち上がらせた。
「えええっ……?!」
 恵は驚愕した。自分が裸に剥かれたときよりも、よっぽど大きな悲鳴だった。
 恵は、生まれて初めて目にする異様な物体と、弓子の股間とを交互に見比べていた。
 弓子が座らされていた木の椅子は、座面から禍々しい二本物体が屹立している。座面の縁に近い側には、直径が二寸はあろうかという擂粉木。しかも、擂粉木の表面には不規則な凹凸が刻まれている。擂粉木から一寸ほど奥には、直径が一寸ほどの金属の棒。表面が鮫肌のようにざらついている。木工用のヤスリかもしれない。
 そんな椅子に座らされたらどうなるか、どことどこを貫かれるかは、処女の恵でも容易に理解できた。椅子に座らされること自体が、乳房を握りつぶされるよりも竹笞で打ち据えられるよりも、はるかに残虐な拷問だったのだ。
 恵の驚愕は、その拷問道具だけではなかった。弓子の内腿に血が伝っているのは、肛門をヤスリで抉られたせいだろう。でも、ぬらぬらと絖っているのは……ユリの愛撫に馴らされた恵には見紛いようもなかった。
「なんだ。物欲しそうに涎を垂らしおって。特製の擂粉木でも食い足りんのか」
 弓子の異変に気づいていたのは恵だけではなかった。課長が、それまでの強面顔を崩して下卑た嗤いを浮かべた。
「大岩クン。遠慮はいらん。キミの抜き身で満足させてやれ」
「はいッ、本官の抜き身で容疑者を満足させてやります」
 恵には意味不明な復唱をすると、大岩は弓子を床に横たえた。そして、ベルトを緩めてズボンをずり下げた。
(…………!!)
 課長と大岩の言葉の意味を理解して、恵は三度(みたび)驚愕した。いや、四度になるだろうか。弓子は大岩の仕種を見上げて――諦めたように目を閉じたのだった。紗良とは違って、まだじゅうぶんに抗うこともできそうなのにもかかわらず。それとも、連日の拷問で気力を奪い尽くされているのだろうか。それにしては、最後まで尋問の言葉を否定していた。
 越中褌までかなぐり捨てた大岩の股間には、椅子に突っ立っている擂粉木に似た肉の棒が聳え立っていた。男女の営みとは具体的にどういうことをするのか、恵はたった今まで知らなかった。けれど、擂粉木がどんなふうに弓子を貫いていたかを目の当たりにして、それとそっくりな物が男の股間に生えていれば、おのずと理解してしまう。生まれて初めて見る、男の禍々しい怒張に恵は恐怖さえ感じて――それでいて目をそらせなかった。
「どうした、瀬田恵。さんざっぱら男を咥え込んでおいて、なにを驚いた顔をしている」
 恵を縛った刑事が、からかいの言葉を浴びせた。彼は、さらに跨がらせたワイヤーの端に手拭いを巻いて、そこに肘を突いている。
 課長が訝しそうに彼を見た。
「浜村クン、それはどういう意味だね?」
「ああ、そうそう。逮捕時の様子を、まだ御報告しておりませんでした」
 よいしょっと、ワイヤーをつかんで浜村が立ち上がった。手を放すと、浜村の体重で余計にたわんでいたワイヤーがピンと張って、紗良をかすかに呻かせた。
「実はですね……」
 浜村が課長に長々と耳打ちを始める。
 その間にも、大岩が弓子の脚を広げさせてその間に腰を落として――左肘で体重を支えておおいかぶさりながら、右手は怒張を握って弓子の濡れそぼった淫裂に導く。
「うんっ……」
 ぐいっと、岩村が腰を進めた。
「あああっ……浩二さん、ごめんなさいいい」
 弓子が小さく叫ぶ。
「なにが、ごめんさいだ。いとも簡単に咥え込みやがってからに」
 ずんっ、ずんっと、大岩が腰を突き出しては引き戻す。
「ひっ、ひっ……」
 そのたびに、弓子が小さく喘ぐ。痛みを訴える声――と、恵には聞こえた。大岩の肉棒は、擂粉木よりも細く見えた。けれど、中を掻き回されたら痛いに決まっている。
「なるほど……面白いな。しかし、なんだって、そんなことを?」
「小生にも見当がつきかねております。本人に問い質したほうがよろしいかと」
「うむ……ところで、乃木クン」
 課長が思い出したように、華江の横に立っている若い男に声をかけた。
「山崎華江も、そろそろ限界じゃろう。唇が紫色に変じておる。いい加減に赦してやれ」
「そのお言葉を待っておりました」
 乃木と呼ばれた男が、華江の背中からコンクリートブロックを降ろした。華江の尻の後ろに靴をあてがって、両肩をつかんでゆっくりと引き起こした。そのまま、壁にもたせ掛ける。
「ほどいてやるが、その前にひと働きしてくれよ」
 大岩より年下の、まだ青年の面影を引きずっているこの男も、中年男の厚かましさを見倣うのか平然とズボンをずり下げた。越中褌の中から現われたそれは、大岩よりも細いが天を衝く角度では勝っている――というところまでは、恵には見えない。それでも、腿に縛りつけられたお下げを引っ張りながら振り返る視界の端で、乃木が怒張を華江の口に(!)押し当てているのは見えた。
 華江は固く唇を引き結んで、しかし顔をそむけようとはせず、上目遣いに乃木を睨みつけている
「やれやれ、相変わらず情の強(こわ)いお嬢さんだ。男に負けまいと突っ張ったところで、力でねじ伏せられるのはわかっているだろうに」
 乃木はわざとらしく嘆息してから、華江をまたうつ伏せに戻した。首と足とをつないでいる縄を、上体が半分ほど起こせるまで緩めた。そうしておいて、今度は膝がしらに靴をあてがって前へ倒す。華江は左右の膝と頭の三点で身体を支えて、尻をうんと突き上げた形にされた。
 乃木が華江の後ろへ回り込んで、膝を突いた。
(まっ……!?)
 いったい何度驚いたか、もう恵にはわからなくなっていた。ただ――二人の形を見た瞬間、二匹の犬がそんな形になっていて、オトナに水を掛けられていた遠い記憶が甦った。つまり、あれもこういうことだったのだ、と。
 乃木が腰を華江の尻に打ち当てて、びくんと華江が前につんのめった。
「くそう……負けるものか」
 食いしばった歯の間から、そんな言葉が漏れたのを恵はたしかに聞いた。

 大岩と乃木は、それぞれに米搗きバッタさながらに腰を激しく衝き動かしていたが。まず大岩が、憑き物が落ちたようなさっぱりした顔で立ち上がった。壁の棚から落とし紙を取って自分の肉棒を拭い、それから弓子にも落とし紙を放ってやった。弓子はのろのろと身を起こして落とし紙を拾い、それで股間を丹念に拭った。小水の後よりは、ずっと入念な拭い方だった。
 大岩が後ろに立つと、言われる前に立ち上がって、自分から手を後ろにまわす。肌にうっすらと赤みが差して頬も上気しているが、目だけは悲しそうに伏せられていた。8の字を縦二つに割ったような金具が、弓子の手首に嵌められた。蝶番で留められている金具を閉じて、そこに小さな南京錠が掛けられた。縄で縛られるよりは楽そうに見える。
 腰縄を打たれて、弓子は大岩に取調室から連れ出された。
 やがて乃木も華江から離れた。自分の跡始末はしたが、華江の股間は汚れたままに放置して、弓子と同じ8の字形の手枷を嵌めてから縄をほどいてやった。華江も、乃木に腰縄を引かれて取調室から姿を消した。
 二人への扱いの差が、つまり従順と不服従の応報なのだろう。
 あたしは華江さんよりも無下に扱われるだろうと、恵は覚悟せざるを得ない。まだ未通女なのだ。犯されそうになったら、死に物狂いで抵抗しなければならない。いよいよとなったとき、舌を噛み切って自害まではできないだろうけど――と、そこまで考えて虚しくなった。純潔を守るのは、将来の夫の為だ。でも、変態じみたゴム紐褌を他人の目に曝して、あげくに縄付で街中を引き回された。とっくに、お嫁に行けなくなっている。純潔を守って、それでどうなるというのだろう。
「ずいぶんと休ませてやったな。取り調べを再開するか」
 課長の言葉で、恵は絶望の深みから現実という悪夢に引き戻された。
 紗良が頭を垂れたまま課長に顔を向けていた。そこには、人形ほどにも表情が浮かんでいなかった。
「こいつも、最近はふてぶてしくなりおってな。どうだね、浜村クン。新入りのお嬢さんに覚悟を決めさせるためにも、ちと張り切ってみるか?」
 紗良の顔に怯えの色が奔ったのに、恵が気づいた。この浜村という人は、課長さんよりもずっと残酷な拷問をするのだろう。
「針を使いますよ。かまいませんか?」
「もちろん、もちろん。なんだったら、焼き鏝でもかまわんぞ」
「いやあ、あれは準備が大変ですし」
 浜村が、ちろっと恵に目を向けた。
「こっちは、意外とあっさり落ちるかもしれませんしね。病院送りにするのは、もっと先でもよいでしょう」
「それもそうだな」
 何事か恐ろしい相談がされたらしいとはわかるが、それが何なのかは、そのときの恵にはわからなかった。
========================================

 じつにネチネチとした描写が続いています。
 ヒロインの心理も書き込まねばという強迫観念もあります。
 このペースが、おそらく最後まで続くでしょう。









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Progress Report 1:赤い冊子と白い薔薇



 タイトルをマイナーチェンジ。赤い本では「赤本」「青本」と紛らわしい。それに、こっちのほうが「赤い本と白い花」よりも音の転がり具合がよろしいです。
 さて。金曜日半日はマイナンバーカードの申請で、今は日曜の午前が終わろうとしているところです。
 実質3日間で50枚。休日だから1日に25枚は進めなくちゃね。
 今回は、オープニングの御紹介。いきなり半裸(ズロースのみ)緊縛往来引き回しです。
 ドジャーン!と、アップで初めておいてから、おもむろにカメラを引いてそもそもの発端から語り直すという手法です。読者サービスというよりも、筆者のモチUPのためです。


========================================
1.序章

・眼前の逮捕劇
 午前の教科の終業を告げる鐘の音が鳴り終わって五分もすると、白薔薇聖女学院の校門から白いセーラー服姿の乙女たちが続々と吐き出され始める。三人四人、十人ちかい集団もあった。初夏の明るい日差しの中で、乙女たちは清らかに輝いている。
 不意に物陰から二人の男が姿を現わして、ひとりの女学生の行く手を遮った。それだけでもじゅうぶんに不審な行動なのに、男たちは開襟シャツに鳥打帽というヤクザな服装をしていた。
 女学生は立ち止まって、気丈にも相手を睨み据えた。その目の前に黒い手帳がかざされた。
「特別高等警察の者だ。山崎華江だな。非合法のメーデー集会に参加して庶民に暴力をふるった容疑で逮捕する」
 その言葉を聞いたとたん、まわりにいた女学生たちのほとんどは蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。気骨のある何人かは、遠巻きにして無言の抗議を眼差しにこめている。
「あれは、そんな集会ではありません。男の人たちが絡んできたから……」
「申し開きは署でしてもらおうか」
 二人のうち若いほうの男が華江の背後にまわって、腕をねじ上げた。
「痛い! やめてください。来いと言うなら行きます。そんな……いやあ、縛らないでください」
 肩の高さまでねじ上げられた手首に捕縄が巻かれて、首にまわされる。
 校長と数人の教師が、大慌てで駆けつけた。その中に紅一点、今学期から英語の臨時教師を務めている石山ユリが混じっていた。
「校門の前で、狼藉にもほどがありますぞ」
 男たちを叱りつけた校長だったが、黒革に金文字の警察手帳を見せつけられては沈黙せざるを得なかった。
「この生徒が、いったい何をしたというのです」
 花江の前に立ちふさがっている年配の男が、説明を繰り返す。
「違います。自分たちは婦人参政権を要求して、公演で小さな集会を開いていただけです」
「なんと、デモに参加したとは。そうとなれば、逮捕も致し方のないことでしょうな」
 校長は華江の訴えをわざと曲解したような言い方をした。
「しかし、制服姿で縛るのだけは勘弁してやってください。我が校の評判が地に落ちます」
 校長の頭には、学院の名誉を護ることしかない。二人の男性教師はもとより、ユリさえも女生徒をかばおうとはしなかった。かばったところで、あらぬ嫌疑を掛けられて一緒にしょっ引かれるだけなのはわかりきっているとしても。
「ふむ。先生のおっしゃることも、もっともだ。泊クン、いったん縄をほどいてやりなさい」
 ほとんど一瞬で、縄がパラリとほどけた。
「制服を着ていてはいかんそうだ」
 年輩の男がセーラー服の襟を両手でつかんで、左右に引き裂いた。
「いやああああっ……」
 華江が胸元を両手でかばってしゃがみ込んだ。
「抵抗するなッ」
 男が華江を組み敷いて、セーラー服を引き千切ってしまった。さらに、スカートも脱がせる。華江は足をばたつかせて逆らったが、かえって男の手を助けたようなものだった。
 公衆――というよりも、見知った顔の面前で半裸にされて、華江は羞恥に打ちのめされ、身体を丸めている。しかし男は、激しく華江を揺すぶった。
「この期に及んで抵抗するかッ」
 取り押さえると見せかけてシュミーズを破り、乳バンドも肩紐を千切り背中のホックまではずした。そうしておいて、背後にねじ上げた手首を扼し、首に縄をまわしてから二の腕までも縛った。
「立て」
 男みたいに裾を刈り上げたお河童を鷲掴みにして、男は華江を引きずり起こした。
 華江の裸身は土にまみれて、一人前の女に性熟する寸前の乳房は擦り傷から血がにじんでいる。
「ひどい……なぜに、こんな辱めを受けねばならないのです。男女同権は、そんなにいけないことなのですか」
 華江は涙の滲む目で男を睨んだが、男は薄く嘲笑うだけ。若いほうの男が、華江に腰縄を打った。
「これなら女学生とさえもわからんから、文句はないでしょうな」
「う、うむう……お役目、ご苦労様です」
 年輩の男に気圧されて、校長はへつらうことしかできない。
「そら、歩け」
 若い男に腰縄を引かれて、華江がよろよろと足を踏み出す。
「とっとと歩かんか。まだ物足りんなら、こいつも脱がせるぞ」
 後ろからズロースの腰回りを引っ張られて、華江が「ひぐっ」と息を呑む。パチンとゴムに腰を叩かれると、背後の男から逃れようとして足を速めた。
 目をそむけながらも遠巻きにしている女学生からさらに離れて、脇道への曲がり角に身を隠すようにして、瀬田恵は事件の一部始終を目撃していた。特高警察への反発ではなく、華江と面識があるわけでもない。恐ろしさに足がすくんでいただけだった。華江がこちらへ追い立てられるのを見て、ますます足がすくむ。間近に眺めたりしたら怒られるのではないかと思っても、膝頭が笑って、立っているのがやっとだった。
 不意に肩を叩かれて、恵は悲鳴をあげた。
「ひゃあっ……」
 そのまま脇道へ引きずり込まれた。
「ここにいたら、面倒に巻き込まれかねないわ。行きましょう」
 ユリの声だった。曲がり角から顔をのぞかせている恵に気づいて、様子を見に来てくれたのだろう。
「あああ……ユリお姉様あ」
 ほかの生徒の目も忘れて、恵は女教師に抱きついた。ユリは路地裏の塀と塀との間に教え子を引き込んで、きつく抱きしめた。そうして、顔をかぶせて唇を奪った。
 尊敬し憧れて深く愛している女性にきつく抱擁されて、恵はようやくに人心地を取り戻した。口の中で蠢く軟らかな肉塊に自分の舌をぎこちなく絡めた。たった今目撃した光景を悪夢とするなら、これは幸せに満ちた夢だった。二週間前に呼び出されて、唐突に告白されて始まった甘美な夢は、だんだんと激しく濃密になりながら、今も続いている。
「今日は時間があるのでしょう。おうちへいらっしゃい」
 恵はユリの腕の中でコクンとうなづいた。
 路地裏伝いに別の道に出ると、生徒の中では恵だけが見慣れている乗用車が停まっていた。遠縁の資産家の邸宅に下宿しているユリは、運転手付きの自家用車で送迎してもらっているのだった。さすがに校門まで乗り付けるような愚は犯さず、筋の違う道で降りて百メートルほどは歩いている。
「ほんとうに、恐かったわね」
 書生めいた雰囲気の若い運転手の目をはばかって、ユリと恵は後部座席におとなしく座っているが、ユリの手は恵の太腿をスカートの上から撫でている。そうされていると、白昼夢のような逮捕劇の衝撃が次第に薄れて――腰の奥がじんわりと熱く潤ってくる。
========================================
全裸連行上下
 さり気に「一番煎じ」を貼ってみたりします。

 この後は女教師とヒロイン瀬田恵のレズシーンです。
 逢瀬を重ねるごとに、女教師は正体(のうちのひとつ、変態)をあからさまにしていって。ヒロインはゴム紐で褌と乳バンドをさせられて、その姿で下校――しかけたところを捕らえられるという筋運びです。
 初っ端から変態淫乱娘の汚名を着せられて……どこまでハチャメチャな話になるか、我ながら不安です。ここ数話、つまらん予定調和なんかブチ壊せ、濠門長恭限界突破新境地開拓じゃと、暴走気味ですが。
 前作の『誘拐と陵辱の全裸サンバ』でも目玉の「猫踊り」で焼けた鉄板に放水して致命傷を回避したヘタレです。
 今回は、大量浣腸後に口肛3人相互連結という限りなく黄金に近い責めを予定していますが……さて、どうなりますことやら。




追伸というか
午後にスパートして、67枚までいきました。67/3.5=19枚/日
女学生4人揃い踏み。小手調べは終わって、いよいよ紗良(咬ませ牝犬)への残虐非道な拷問ではなく、自白を封じての拷悶の開幕です。プリマゾンナ瀬田恵の開膜は(ストーリイ中で)明日になってからです。



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Progress Report 0:赤い本と白い花



  コロナ対策で派遣先に出勤せず、しかし在宅は制限解除なので、派遣元の本社に密寸前まで集まって派遣先の仕事をするという体制でしたが。7月上旬一杯の仕事が不意にキャンセルで空きができちゃいました。『戦闘詳報』既述。
 で、半分シメシメ半分(来週からの仕事あるよね?)で、有給取って4連休にしちゃいました。しかし、遊休とは参らせませぬ。ラストのマゾ堕ちシーケンスが未確定ですが、人物設定と合わせて9千文字に達するPLOTが出来ている大河長編特別高等警察残虐非道複数女学生拷悶拷姦嫁取物語の本編執筆に着手します。
 今回は章立のみの御紹介。文字の薄い部分が未確定シーケンスです。


一.序章
  眼前の逮捕劇/桃色の白薔薇

二.逮捕
  赤い本の摘発/四人の贄少女/残虐非道の責/勾留初日の夜

三.拷問
  下心ある尋問/拷問の始まり/非国民の教導/緊縛の屈曲位
  口姦と肛姦と/飢餓拷問の酷/口肛連結の惨/勘当と義絶と

四.入替
  女教師の尋問/被虐に酔う女/木馬の相乗り/庇い合う二人

五.転向
  悦虐への入口/匙を投げた男/生餌の女学生

 序章では、いきなり校門前の準ヒロイン逮捕劇と半裸緊縛連行です。
 当時は手錠ではなく捕縛がふつうでした。早縄を掛けているところに校長がすっ飛んできて、制服姿での連行はやめてほしいと懇願。学校の悪い評判が立ちますからね。特高も、もっともだと同意して――セーラー服とスカートを脱がすのです。ブラウスも襟に校章が刺繍されているので、同じく。

「こら、暴れるな」とてこずる振りを装って、シュミーズも破り、乳バンドもずれて。ズロース一枚。
 それを見ていたヒロイン(瀬田恵)が震えあがって。臨時の英語教師である石山ユリに抱きかかえられて。この時点で、すでに二人は濃厚レズの関係です。ユリの下宿先(資産家の屋敷の一室)で読者サービスが始まります。
 本編で語られるとしても(ヒロイン視点ですので、ヒロイン不在のシーンは描きにくい)暗示程度にとどまる予定ですが、この臨時女教師は肉体で下宿代を払っています。

 本編では最終章手前当たりのネタバラシになりますが、この女教師は特高の手先です。親にうとまれているとか、素行が芳しくない生徒とかをみつくろって、特高に密告する任務を帯びて送り込まれています。首尾よくいったときの御褒美は、極上の拷悶です。ドMなのです。
 ヒロインの恵は両親に疎まれているという点で適格者なのですが、針小棒大の難癖もつけにくい品行方正なお嬢様です。なので、レズに引き込んで、敬愛するお姉様から禁断の赤本(受験対策のアレじゃありませんよ?)をプレゼントするのです。

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 しかし。たいていの残虐非道な拷問は『非国民の烙淫』で書き尽くしました。二番煎じも辞さずですが、目玉も欲しい。
 ので、「緊縛の屈曲位」の章では上のような形に据え膳する予定です。もちろん、邪魔な布切れはありません。3穴有効活用ですから、ギャグも無しです。


 さて、ぼつぼつ書き始めるとしましょう。




テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

「昭和集団羞辱史:浴場編」発売開始

 「月刊濠門長恭」3年目にして1か月の休止とあいなりましたが、7月から復活。
 すでに8月には「SMツアー6:誘拐と陵辱のサンバ」も刊行予定です(既報のとおり、FANZAでは暴発させちゃいました)。とはいえ、9月はどうなるか。かなり長いのを書くつもりですから、完成したら前後編に分けて出すでしょう。その頃には『未通海女哭虐』も痛恨のローテ入りでしょうから、10月以降はとうぶん弾切れしないかな、と。
 などという鬼嗤話はさておいて。

 実は、この浴場編のうち、『湯女』は難航したのです。
 母親が再婚して、娘は継父とお風呂でイチャイチャして、嫉妬の鬼と化した実母が、「そんなに男と風呂にはいるのが好きなら」と、娘を湯女に売り飛ばすという設定ですが。娘は娘で、楽して大金を稼げるからと、けっこう納得づく欲得づくで就職してしまうのですね。
 エロはあっても、SMがない。縄も鞭も木馬もありません。書いていてテンションがダダ下がり。なので(接続詞がおかしい)娘はエロ方面に暴走してしまうのです。そのおかげで、過剰サービスを要求された先輩湯女からリンチされたりしますが――濠門長恭ワールドとは思えない甘っちょろい仕置きです。
 まあ、強引にラストまで引っ張って、それなりに落とし込みましたけど。

 つらつら考えるに。湯女にしてもトルコ嬢にしても、裸が常態であり、性奉仕が仕事なんですね。「異常」が存在しないのです。
 大勢の中でヒロインだけが裸、ヒロインだけが性的に虐待される。そういうシチュエーションでないと、筆者は興が乗らないのです。ヌーディストビーチでは露出願望は満足させられない。そう思います。
 せめて、すこしでも「異常」を演出するのは、AVでもやってますね。湯女が腰巻ではなく褌とか。上はお仕着せの法被を着ているが下はスッポンポンとか。

ふんどし/下脱ぎの湯女

 それでも、まだまだ健康的です。健康ランドです。
 なので(これも接続詞が……)「トルコ嬢」のほうは、定番ですが。
 父親の使い込みを強制的に弁済させられる。ヤクザの運営する芸能事務所のダンスレッスン場に連れ込まれて、寄ってたかって(母親も同じ部屋で)引導を渡されて。
 結婚していれば成人と見做されるからと、強制結婚させられて。実際は監視人であり、稼ぎを吸い上げるヒモです。
 とうぜん、仕事ぶりは不熱心。仕置きと実益を兼ねて、アルバイトさせられます。「芸術編」でヌードモデルが縄衣装を着せられた緊縛研究会舞台に、NG無しの残虐研究会。このシーンは、熱がはいりました。キーボードをたたき壊すほどではありませんでしたが。
 最後は摘発されて、それまでの無道を訴えて。
 ところが、新任で張り切っていた署長の奥様が、お稽古事の帰路に「若い衆」に無言でい囲まれて、それだけでビビッて、取り締まり強化は有耶無耶。ヒロインも釈放されますが、「なかった事」された調書がヤクザの手に渡っていて。あれこれと歌ったヒロインは3/4殺しくらいのリンチに引き据えられる――というところで、おしまいました。
 書けば興が乗るし尺も稼げますが、全体のバランスが悪いし。また稼がせるのですから、「公女陵辱」や「非国民の烙淫」や「1/16の牝奴隷」や……つまり、濠門長恭的剛速球は投げ込めません。

 逆に考えれば、そんなにハードではないわけで、裸の少女が男に性的奉仕をうのですからエロはたっぷりで。つまりは一般受けうストーリイになっているかもしれません。

 DLsiteFANZABOOTH(PIXIV)では、体験版で「湯女」を最後まで読めます。
 ご一読のほどを。製品版を買っていただくと、尚嬉しいです。











テーマ : 18禁・官能小説
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