Progress Report 1:ショタマゾ
執筆開始しました。S70%+M80%の80%部分を全開にすれば1日に30枚以上は書けるとPonpoko Skin Calculateしていましたが、けっこう足踏みしています。
ひとつには、主人公が最初からマゾ全開なのを、読者を引き込むという観点から「これでいいんだろうか」と悩んでいるせいもあります。が、妄想に忠実だと、そうなってしまうのです。ノン気少年がサド教師に篭絡される――というパターンにしたくないという内的必然性との葛藤です。
とりあえずは、オープニングです。
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悦虐編
1.全裸緊縛口淫奉仕
目覚まし時計で起きて。最初にするのは(トイレと歯磨きは当然だけど)ポストから朝刊を取り出すこと。1986年(昭和61年)4月22日火曜日。あと5日で飛び石連休か。オトナは5月1日も休みだからそう言うけど、僕たちは5月3,4,5の3日間だけの連休ってのが実感。その3連休を考えると、気が滅入ってくる。継母と弟の勇斗は里帰り。に、父親もくっついてって。ついでに大型遊園地で遊んでくる。僕は、向こうの家とは赤の他人で歓迎されないし、こっちだって息が詰まるから、ひとり楽しくお留守番。お小遣い5千円がうれしいな。ということにしとく。
新聞から抜いたチラシはゴミ箱に直行。本体はマガジンラックに突っ込んで。テレビを見ながら朝食。は、冷めた目玉焼きとベーコンと千切りキャベツ。あとは、食パンを自分でトーストして、ポットのお湯で即席コンソメスープ。
食べ終わったら、ちゃんと食器を洗ってから。すこし早いけど登校の準備。
継母は勇斗を遠くの私立小学校まで車で送りに行っているので、家には僕ひとり。だから部屋に鍵は掛けない。引き出しの奥から針猫フンドシを取り出した。
前だけを逆三角形に包む水泳用のサポーター。下の頂点からゴム編みの平たいストラップが左右に分かれてて、尻の外側をまわって腰ヒモにつながってる。最近は海パンと同じ形でひとまわり小さいやつが流行ってるけど、これは昔からあるオーソドックスなタイプ。そのストラップを腰のところで切り離して1本に重ねて、尻の谷間を通るように縫い直してある。
改造はこれだけじゃない。ペニスと玉袋を包む部分の裏側に面ファスナーを縫い付けてある。チクチクする硬い側。これで股間を締めつけると、けっこう気持ちいい。でも歩くと、すこし痛くてギンギンに勃起する。サポーターの圧力がすごいから、ズボンがテントになったりはしないけど、それがもどかしくてつらくて、先走り汁で亀頭がヌルヌルになってしまう。
見た目は黒猫フンドシというHな下着に似ているけど、裏地が小さな針みたいになってるから、『針猫フンドシ』って名付けた。
そして。2本のストラップがばらけないように、直径3cmのスーパーボールに穴を明けて(キリと彫刻刀を使って何個も失敗して)通してある。このスーパーボールは表面が三角形でデコボコしている。
僕は下着まで脱いで全裸になった。やっぱり、こういうのは雰囲気が大切だからね。
見下ろすと、去年の暮からぽつぽつと生え始めて今は砂漠のオアシスくらいになってる黒い毛が、恥ずかしいようなみっともないような。だって、SM雑誌のモデルさんたちはたいていツルツルにしてるもの。そってみようかなと思ったりするけど、3か月もしたらプール授業が始まるから、そのときまでに生えそろっていないとからかわれる。まあ、去年は黒々としてたやつがからかわれてたけど、今年は生えてるやつが多数派じゃないかな。
生えてない(実はそってる)のをネタにされて、女子もいる教室で解剖ごっこされたりってのも、ちょっと憧れたりする。なんてことを妄想したら、胸がキュウンとしてきた。
キュウンとしたまま、針猫フンドシに脚を通して引き上げる。スーパーボールは、きっちりアヌスに当たるように位置を調節する。
よし、今日はちょっと冒険をしてみよう。四つんばいになって部屋を出て(立つと、廊下の窓ガラス越しに外から見られてしまう)階段を下りて、継母の部屋へ。ドレッサーを開けて、全身を映してみる。
正面から見ても、けっこうHぽい。腰まわりは細いストラップだけだし、太ももがソケイ部まで露出してるなんて、女の子の下着みたいだ。鏡に映る体形も、女の子っぽいかな。もちろんボインも腰のくびれもないけど、全体にスリムだから。同じクラスの亀島隼人なんて、胸板は分厚いし腹筋は割れているし。同じ●3歳とは思えない。柔道部と帰宅部の違いのせいだ。
後ろを鏡に映すと、尻が丸出しだけど、女の子と違って全体に四角張っているから、あんまりHぽくないかな。
今日は体育の授業があるのに、針猫フンドシだけでブリーフを穿かずに行くつもり。シャツの裾が長いから、手順を間違えずにパパッと着替えれば、尻を見られる心配はないけど。もし、バレてしまったら――なんて想像すると。
「いてて……」
亀頭が仮性包茎から露出して、面ファスナーの針に突き刺された。なので、ますます勃起してますます痛くなってますます勃起して……。もっと痛くなるように、わざわざ内股になって歩いて部屋に戻った。
白シャツを素肌に着て、計画通りにズボンを直穿き。以前に白シャツも着ずに学生服だけって冒険をしたこともあるけど、それは学校のトイレで着替えて1時限の間だけのこと。一日中ずっとは、そのうち挑戦するかもしれないけど、今日は体育がある。
なんて、軽くひとり遊びしてたら、家を出る時刻が迫ってた。チクチクギンギンに虐められながらの登校だから、早めに出なくちゃ。
5時限目までは、ごくふつうに過ごせた。立っていると前をサポーターで圧迫されるし、座るとスーパーボールがアヌスに食い込んでくる。だから僕は座り方を工夫して、できるだけボールが食い込むようにしていたのだけど、さいわいだれにも気づかれなかった。体育の着替えも、問題は起きなかった。女子は更衣室だけど男子は広い教室の自分の席で着替えるから、机とかも目隠しになるし。
そして、体育の授業。は、苦手なマット運動だった。というか、体育の得意種目なんかないんだけど。
短パンが食い込んだり裾がずれたりで、トランクス型のパンツを穿いてるやつは裾がはみ出る。僕はふだんからブリーフ派だから、うんと上まで露出してもパンツが見えないのは不自然ではない。と、思っていたんだけど。開脚前屈をすると短パンが尻に密着して、かすかにスーパーボールの形が浮かび上がる――のには、そのとき気づいていなかった。
授業が終わって、みんなでマットを片付けていたら。
「薫(かおる)、そこの小さなマットは倉庫へ戻すんだ。持ってきてくれ」
戸坂先生に言いつけられた。
僕は自分の名前が、あまり好きじゃない。カオルだなんて、男だか女だかわからないじゃないか。スリムというのは自分の判断だけど、クラスメートはキャシャだと言う。キャシャで女顔(とは思ってない)なもんだから、僕のあだ名はカオル子。だから、ちゃんと名字で畑山って呼んでほしいけど、先生のほとんどは男女平等だからと言って、下の名前を呼び捨てにしている。もっと昔は、男子を名字で、女子だけ下の名前で呼んでいたそうだから――男女平等も善し悪しだと思う。
座布団くらいの大きさに折りたたんだマットを持って、同じのを三段重ねにして持っている先生について行く。
「カオル子ちゃん、気をつけろよ」
ポンッと尻をたたかれて、僕は硬直するところだった。短パンの下にブリーフを穿いてないなんて、手ざわりだけじゃわからないだろうけど。
「ふたりきりで密室なんて、ヤバいぞ」
山岸にからかわれて、思い出した。戸坂先生にはホモじゃないかって噂があった。まあ、男子生徒のヤッカミてやつなんだけど。身長180cm体重75Kg(推定)の引き締まった体格でスポーツ刈りの似合うハンサム。31歳で独身。下足箱に女子生徒からのラブレターが1日に1通は入ってる――というと、大げさだけど。先生は、その女子生徒をこっそり呼び出して、こんこんとお説教するんだそうだ。
どんなお説教かまでは伝わってないけど、それが好評で、ますますラブレターが増えるんだとか。
当然、同級生に鼻もひっかけてもらえない男子は面白くない。ので、あれだけアプローチされて落ちないのは、もしかしてホモだからじゃないのか――なんて、陰で言われる始末。でも今日だって、マット運動の補助にかこつけて男子生徒の身体をさわったりはしなかったから、根も葉もない噂ってやつ。もちろん、女子の体育を手伝うときだってブルマの上からお尻をポンポンさえしない。すごく真面目な先生だと、みんな認めている。
だから。マットを置き場所に積み重ねて教室へ戻ろうとしたときに。
「薫、短パンを脱いでみろ」
サラリと言われたときには、聞き違いかと思った。
「え……?」
「おまえ、短パンの下に奇妙な物を身に着けているな」
ズバリと言い当てられて、頭が真っ白になった。どう言い訳しよう。
「ごるぁ!」
ドスのきいた声で叱られて、すくみあがった。先生のこんな声を聞いたのは初めてだった。
「おまえが変態じみたことをしているのは、お見通しなんだ。さっさと脱いで、見せてみろ」
体育のある日に穿いてこようなんて、無茶だったんだ。そんな思いが頭の中で渦巻く。だけど、逆らったらもっと叱られる。
僕は短パンを脱いだ。恥ずかしくて、両手で前を隠す。
「隠すな。胸を張れ」
そう言われて、ますます縮こまっていると。
「気をーツケッ!」
号令を掛けられて。もう、やぶれかぶれでキヲツケの姿勢。
「整列、ヤスメ」
ううう……これって、体育祭なんかで集団行動のデモンストレーションでやるやつ。足を30cm開いて、胸を張って両手は後ろ、腰骨の上で組む。今の服装だと、恥ずかしいところを見てくださいも同然。
「ふうん?」
先生は斜め上から見下ろしていたけど。
「どうもよく見えないな。シャツも脱げ」
えええっと思ったけど、今さらいやだって言うのもなんだか中途半端に思えて、体操シャツも脱いだ。もちろん、下にはなにも着けていない。針猫フンドシひとつだなんて、フルチンよりも恥ずかしい。
「えっ……?!」
いきなり股間をわしづかみにされて、真っ白な頭に血がのぼった。ぐにぐにとこねくられるようにもまれて、サポーターの圧力以上に勃起してくる。
「なんだか奇妙な手ざわりだな」
先生がウエストのストラップを引っ張って、中をのぞき込んだ。
「ほほう。面白いことをしているな」
どう言い訳をしようかと、僕はそればかりを考えていた。裏地が面ファスナーであることも、それがペニスを刺激することも、ひと目で見抜いた。ふつうはそこまで気づかないものだと――そういうことまでは考えがまわらなかった。
「後ろにもなにか細工をしていたな。回れーミギッ」
体育の授業だったら絶対に叱られるのろのろした動作で、僕は後ろを向いた。
先生の手が尻の間に差し込まれて――スーパーボールを探り当てた。
「なぜ、こんな物をここに着けているんだ?」
絶対に答えられない(たくない)質問をされて、僕は沈黙を続けるしかない。
「あまり長引くと、クラスに迷惑をかけるかな」
先生が僕の正面に回り込んで、針猫フンドシをずり下げた。
「あっ……!」
こんなときだというのに、面ファスナーのチクチクと先生の手のグリグリで痛いくらいに勃起していたペニスが、勢いよく飛び出てしまった。
「整列休めを崩すんじゃない」
とっさに隠していた股間から手を放して後ろで組んだ。
実は。なんだか様子がおかしいと、僕は気づきかけている。お説教を始める雰囲気じゃない。
先生は壁際へ行って、棚から小さな物を持ってきた。南京錠だった。
先生は僕にフンドシを引き上げさせておいて、玉袋とペニスをまとめてU字形のロックのなかに押し込んだ。
カチン。小さな音がして、U字形が閉じた。
「詳しい話は、先生のうちで聞いてやる。それまで駐車場で待っていろ」
先生はさっさと倉庫から出て行った。
僕は大急ぎで服装を整えて、教室へ戻った。短パンの中で南京錠がこねくられて、すごく痛かった。
もう掃除が始まっていたので、短パンの上からズボンを穿いた。体操シャツはちゃんと着替えたけれど。
ずいぶんと長いこと倉庫にいたように思っていたけど、実際には5分くらい長引いただけだったらしい。当番の連中は、僕のことを(邪魔だと思う以外には)なんとも思っていなかった。
先生は授業が終わったあとも、いろいろと用事がある。できるだけ目立たないように、待っていた。
戸坂先生、なにを考えてるんだろうか。お説教なら、生徒指導室に呼び出せばいい。わざわざ先生の家へ連れてかれるなんて。それに、この南京錠。
もしかしたらという妄想と、まさかという常識が、いつまでも追いかけっこをしていた。
校舎から出てくる先生を見つけたとき、僕は妄想のほうに従う行動をとっていた。先生は僕の姿をチラッと見ただけで、知らんぷりをして車に乗った。僕が逃げるなんて、まったく考えてないんだろうな。この南京錠を外せるのは先生だけなんだから。
僕は、さり気なく(て、どんな態度なんだ?)車に近寄って。助手席のドアが開くと素早く乗り込んだ。シートに腰掛けるとき、南京錠がこじれて玉が押しつぶされて、顔をしかめるくらい痛かった。
先生は黙って車を発進させた。
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まあ、のんびり書いていきましょう。
現在リアル稼ぎ口を探索中ですが、フルタイムかパートかはともかく、通勤するようになったらメリハリがついて、かえってスピードが上がるかもしれません。
は、さておいて。
アイキャッチ画像に困ります。
基本二次元は使いたくないというか、著作権そのものですから。リアル画像は、Google検索で多数Hitするなら構わないじゃないかというのが基本的スタンスです。で、そういう画像は、たとえば「少年 緊縛orSM エロ -二次 -虹 -コミック -漫画 -マンガ -CG -ゲーム」なんて検索しても、『元』少年が99.9%です。
その中でも、すこしは「らしい」のでお茶を濁しておきます。
BOOK☆WALKER Restores
Progress Report 0:ショタマゾ
どうにかPLOTがまとまりました。
中編2本仕立ての『昭和集団羞辱史』を書いていたせいか(芸術編、浴場編に続いて売春編)前半と後半とでトーンが大きく変わります。
まずはPLOT
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[筍の悦虐(ショタマゾ)]
1986年
畑山 薫 13歳 中2 (僕)
公立中学 2年生 13歳
実父は後妻の子ばかりをかわいがる。
継母からは邪魔者扱い。
畑山 勇介 21歳で学生結婚 現在35歳a
(林野)姫子 19歳で出来ちゃった婚 20歳で出産 4年前に29歳で病没
(玉木)水姫 3年前に入籍 現在27歳
畑山 勇斗 6歳 勇介の実子
戸坂 知臣 33歳 中学校教師 独身 資産家の一人息子 教師になったのは、もちろん……
[悦辱編]
2年生新学期
1:全裸緊縛口淫奉仕
4/22(火曜)
散らかった部屋で支度。改造ジョックストラップ。
袋の裏側部分はマジックテープで刺激。紐部分は2本まとめてT字形。刺激突起(スーパーボール)取り付け。
父親は仕事人間。母親は無関心無世話。勇斗にかまいきり。
6時限目。体育。着替えは教室。パンツは穿いてないので素早く。勃起を抑えるのに必死。
そのまま片付けの手伝いを命じられる。生徒間で噂。ヤバイと思いつつ。
用具倉庫。「脱げ」「なんだ、これは」「しばらく待っていろ」南京錠でボールロック。
自家用車でアパート。かなり豪華。
全裸正座。尋問。マゾ願望を誘導尋問。
僕も薄々感づいて――正直に告白。
緊縛イラマ。
「先生の稚児にしてやる」プラグ25mm/剃毛
2:浣腸イラマの特訓
土曜日(4/26)午後に教師宅。
緊縛、スパンキング。克己心を養成。浣腸&ストッパ。フェラ&ゴックンで排泄許可。
コック締め付け、尿道プラグで竿コキ。苦痛&射精の快感。
翌朝まで拡張プラグ30mm。
深夜に公園の砂場で腕立て伏せオナニー。
パトロール中の警官に見咎められる。
「うちの生徒です。オナニーがやめられなくて勉学にさしつかえると相談されたので荒療治」
口頭注意だけ。男児への猥褻行為などout of 猥褻。
日曜に朝帰り。
翌週も土日。
3:強制射精肛虐輪姦
5/3(土)3連休初日
教師宅。朝から。ホモサド仲間が3人。
緊縛浣腸後に床オナ、口舌清掃。
プラグ抜いて排泄。見物される。ついでに洗滌。
ベッドにうつ伏せで大の字。本格鞭。鞭痕。
ベッドにあお向け磔。正面鞭。つらい。
ローション手コキで2発目。
昼食に外出。放置される。
電気掃除機で3発目。
あらためて緊縛。前後姦通でアナル処女喪失。
4:女装外出童貞喪失
5/25(日)
女装&カツラで連れ出される。
ラブホ。当時はホモお断わり。3人お断わり。1人はOK。
SMルーム。男2女1が合流。
5:夏休みのホモ海岸
8/2~8/3
教師+常連2人+新顔(タック教授)
白褌 赤褌黒褌 メッシュブーメラン
新顔のパートナー19歳、成長抑制+女性ホルモン+女体化手術:紐ビキニ
僕:タックでパット入りフリフリワンピ水着
6:冒険のハッテン場
10月半ば
家族不在時の電話。
別の子が親バレで騒動に。引責辞任。薫のことは誰も知らないから。当分連絡も控える。
常連さんなども、すべて連絡先を知らない。
悶々。もう独り遊びでは満足できない。
タックは自分で出来ないので。ジョックストラップとアナル栓。ショートパンツ姿でハッテン場。
あっさり補導される。親に通報。
親に見放される。
補導の噂も広まって、学校でも無視。
「そういえば、あいつも戸坂と……」
ホモとかマゾと虐められる。
小塚 宏 45歳
スパルタン・カッタースクール創始者
男子研修生21名 女子研修生7名 教官5名(1名は交替で本土側の出張所)
島に常駐。
小塚 学 41歳 副所長:出張所常駐
林 康夫 42歳:
大田原 幸雄35歳:
山口 和弘 24歳:元スクール生
下村 友美 37歳:所長の愛人的存在
友島 大悟 29歳:現在は出張所
正木 翔子 18歳
レズビアン(元々男装) 下級生と双頭張形で同時破瓜。ばれて悪者にされて。
鈴永 拓馬 19歳
社長の長男。労災隠しの犠牲者を家の金を持ち出して救済。
河野 寛太 16歳
イジメで登校拒否。「引っ込み思案」矯正に。『模範的に性格改善』。
中川 京子 16歳
スケバン。
島田 寿美香17歳
愛人クラブの幹部。不起訴になったが。
[怨辱編]
1:不適合者の矯正所
年明け早々
変態性癖の矯正でカッタースクールへ強制入所。本土側の波止場に連絡事務所。
週1便だけの島。漁船で半日。
波止場周辺の村落。島の裏側の廃校を改修。
漕艇訓練中。
男子9mカッター 漕ぎ手14人(2人漕ぎ2丁)、教官1人、助手1人。陸での労働作業6名。翔子も漕ぎ手。
女子6mカッター 漕ぎ手6人(生理中も)、教官1人、男子助手1人
寮は教室に粗末なベッド。暖流のおかげで真冬も暖房無し。男子教室/教官/女子教室。所長は校務員小屋を豪華に改造。
2:おとこ女おんな男
カッター接岸。白い作業服(セーラー襟)。救命胴衣はもちろん無し。
翔子が呼ばれて前へ。脱衣を命じられて、ビンタで服従。ノーブラ/六尺褌(前もっこり=女としての自覚を持たせる)。女?!
薫もブリーフ一枚。
「翔子は女の癖に男のなりをして、下級生の処女を破った不届き者」
「薫は男のくせに男に虐められて犯されたいという翔子以上の変態」
二人で喧嘩をしろ。勝ったほうを男として認めてやる。
「僕……(ビンタ)わたしは、そんなことを望んでいません」
けしかけられて、不本意に殴り合い。
どっちも本気でないが、体格差で薫が負ける。
「おまえは今日から、女として扱ってやる。本望だろう」
「薫。年下に勝ったからっていい気になるな。本当の男と喧嘩してみろ」
同い年の寛太。あっさりねじ伏せる。
「自分が女だと教えてやれ」
数人で公開暴行。
薫は京子と戦わされて、ぶちのめされる。
「お前は女にも負ける出来損ないだ」紙おむつ(パンツ型は、まだ無い)+上衣のみ。素足にズックは皆同じ。
女子教室へ。6人のオモチャにされる。
「生意気に汁を出すんだ」煙が出るまで搾り取られる。
3:弱肉強食適者生存
翔子と共に、イジメの対象。
「イジメが悪いのではない。イジメられるやつが弱いのだ」
暴行、意味の無い長時間正座
誰かがスケープゴートになって、まとまっている不穏調和。
誰も虐めたくない。
「マゾなんだろ」と虐められて、まったく悦びは無い。なぜなんだろう?
(↓もっと前で記述?)
過去に自殺者が3人。退所ということになっているが、研修生が誰も見送らなかった者も何人か。
4:地獄で仏か鬼か?
3月初旬。
戸坂が新教官として加わる。知らん顔。
初日から対立する戸坂と先輩教官。
戸坂にも暴行と辱めを受ける。
悔しい……股間グリグリが、わざと勃起を誘う踏みにじり方。その意味は?
単に僕のクセを知っている? 昔通りの関係だとういメッセージ?
夜遅くに、教官執務室で戸坂が大量コピー。
初潮との会話を盗み聞き。
「先輩方の指導を学ぼうと思いまして。原簿に赤線とかは拙いでしょう」
「勉強熱心は結構。しかし、まずは実践だよ」
「はい、お教えありがとうございます」
5:強制捜査と解放劇
3月下旬。
戸坂が姿を消す。
1か月後。10人の警察官(本土側の漁船に分乗)が家宅捜索。緊急保護。
戸坂が混じっている。薫と翔子を「保護」の列から引き出して、別のモーターボート。
警察にコピー提出。父親の人脈を使った。戸坂、薫、翔子の書類は処分。
レズビアンだから、翔子もほっとけなかった。
「拓馬さんも、助けて(報道されないようにして)ほしい」
薫、ちょっぴり失恋?
6:別施設でマゾ馴致
戸坂が3人の親に談判。
薫は、養子として預かる。両親、否やのあろうはずもなく。
翔子は戸坂が就職口を紹介。両親は「とにかく消えていてくれれば」。
拓馬の父親は戸坂の父から圧力で。
実は、薫の動静はずっと知っていた。とはいえ救出に似り込んだのではない。
戸坂も同好の士と同じような施設を考えていた。
参考になるかと潜入。反面教師になった。
SMクリニックの前身。政財界の有力者を巻き込んでいるから、スクールのようなヘマはしない。
正しい嫌虐症治療施設にする。すでに竣工間近。
翔子は無資格看護婦、拓馬は看護助手、薫は入院患者第3号(1,2号は決まっている:女)
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オトコになるとむさ苦しい。美少女は合法画像を拾えますが、美少年はまず無理。
なので、デザートはボーイッシュな美少女のコスプレにしときました。
裸ガクラン。そそります。
さて。今宵はガソリンぶち込んで早寝早起きといきますか。
メモ公開 Last:在庫完全一掃処分
記事にするには弱いネタが残っていますので、まとめて大量射出。
コンピュータのマルチタスクにおける多重人格
SMじゃねえよ。SFだよ。
てか、ゲーム内のNPCがAIで勝手に動くようにするとハチャメチャ……いや、現在でも人類を滅ぼしたいなんてAIがいますから。ともかく、ネタになりません。
媚娼年
娼女とか娼学生とかあるんだから、少年版があっても不思議ではないでしょう。
濠門長恭ワールドでは、精通前後のマゾ少年に限りますが。
インカムの発達した現代において、号令調整は必要であるか?
女子指揮官とか、いろいろエロエロ
号令調整というのは「まわれー、ミギッ!」とか「中隊まえへー、ススメッ!」とかです。
予令(ひらかな)で、つぎの行動を周知させます。集団が大きくなると、予令は長めに。そして、動令(カタカナ)は短く。
筆者は少年団で鍛えられて、後年、酔っ払って難波の横断歩道のど真ん中で号令調整を掛けるという荒業を得意としていました。
戦記実話で。毛虱だかなんだかに集団感染して、ひとりずつの診察では時間がかかるので、兵隊を横一列に並ばせて、一気に片付けようとしたら、さすがにみんな恥ずかしがって。そしたら隊長が。
「きをーツケッ!」
「けつをーダセッ!」という珍妙な号令で。号令には無条件に従う習慣が身に着いているので、みんな一斉に。だったそうです。
「ちちをーモメっ!」
「騎乗位用意。おとこにー、マタガレッ」
ギャグですね。
砂浜で正常位で背中ヒリヒリ。男は膝にプロテクター?
これも男の身勝手なSEX。というか、地味な責めです。
現代物のエピソードに使えないこともなさそうです。
大原女(販女=ひさめ)
膝丈の紺絣。残念だが脛巾(はばき)で、生足ではない。立小便:鳥居の原因
見習ということで、さらに短い丈で脛巾無し。
ミニ丈着物:昔の娘にとって、現在のノーパン・マイクロミニに等しい。
時代劇で娘に立ちションをさせる。
当時は膝丈でじゅうぶんにエロい。
当時の羞恥心を説明するという、面倒な仕事があります。でも、筆者は好きですね。「パンツが見えても平気だもん」では、小説的に困ります。実生活では嬉しいですけど。
クリ嵌めペニバン。内部は強烈振動その他
W凸より効きそうです。「その他」というのは、吸引とか低周波とか。
ペニクリがあるならクリペニも。
ゴムスポイトで吸ってから、中で扱く(by 成田アキラ)
完全な快楽責め。
クリ注射で肥大化。食塩水? シリコン?
リングをひとつずつ増やして、年月を掛けて長大化させるの(大正弄瞞)に比べて、西洋人好みの荒業です。実際に、こういう映像を見たことがあります。
超ミニスカ(ノーパン?)で立ち漕ぎ強制。
サドルに体重を掛けると積算記録 あとで厳罰
〃 電撃
もう、さんざん書いています。
コンピュータが人間の手指の動きを制御する(リストバンドから電気入力)
フィンガーテクニックとか16連射とか
近未来SFSM。
逆さに抱え上げてクンニ&フェラ、 パイルドライバー69
真面目にやらないと落とされる。
真面目にやりすぎて射精で虚脱されても落とされる。
けっこう、AVにあります。

垂れ流させるために、あえてショーツ or 褌は脱がさない。
着エロです(違
着メロと1字違いです。
着衣大の字磔
脇の下の汗滲みがいちばん恥かしい。
においをかがれて「ワキガが臭いな」で悶絶。
パンツの沁みは?
これも、似たようなもの。作者の趣味ではないです。でも、好き嫌いをしていては、立派なSM小説は書けません。書くなよ。
シーズン終了後(8/20~)の海水浴場。海の家、山の家など
人目が無いので、やりたい放題。実は筆者のヰタ・セクスアリスでも……
リベンジレイブパキスタン
12歳の少女をレイブした男の妹16歳をリベンジに。男は逃走中。
少女レジスタンス。銃殺。[その後]
処刑して社会から抹殺して、実はスパイとして再教育。
ケン月影の時代エロ劇画からヒントをもらいました。
シンデレラSM翻案 蟻来たり
立ち入り禁止の村@実話? GOOGLEアースで見れば、古い家屋が数戸だけ。
舞台設定はじゅうぶん。
どういう集団が何をしているか。
女子高温泉部(混浴部)
変態しなきゃ成長できない(昆虫はね)。
刑務所でのミスコン@ブラジル。1位には賞金と職業訓練の権利
どんな職業訓練か。そこらをフィクションで。
声優スクールでアニメ声習得。 セクキャバとかソープとか
実際に、エロエロあるみたいです。
同じ学校の後輩。でも「仕事」では先輩。しかも、男の娘 VS リアル女性。 ううむむむ。
https://misaki-s.hatenadiary.org/entry/20051025
興味あれば、覗いてみてください。
戸籍上は男@軍隊/刑務所/学校
(1)完全女体化のNH
(2)女系で嗣子として出生届を出された(戦前)
2のほうが、面白そうです。もっとも、似た話(レディコミとか)はゴロゴロ。
催眠術にかかったふり
彼氏にアレコレしてもらいたくて、わざと。
御主人様の命令で、キモ男の言いなり。
SM保険。危険な自縛プレイにも対応。
オプション契約で、SOS発信したら6時間以内に救助。
もちろん、プレイ中の事故にも手厚い補償。
大和座り。膝を開いた正座。日本古来の伝統云々で、女に強制。
古き良き伝統を復活させましょう。ちなみに、昔の女性はノーパンです。
ともに同性愛者の夫婦 「本当にあった笑える話」(「ほんスペ」ナイトスクープ)
妻は夫の姉とデキていて
夫は妻の弟とデキている
ついでに、4人同居しちゃえば?
ふうううう。終わった終わった。
「メモ:公開後は削除」ファイルは完全削除しましょう。
いえ、PC内のお話です。創作メモの他にブログ公開の有無を記した「メモ:公開後は削除」を作っていたのでs。
Progress Report Final:昭和集団羞辱史『売春編:女護ヶ島』
かなり突っ走って脱稿しました。
メインディッシュの責めシーンを40枚ほど書いて、デザートに三角木馬を書いて、最終章はタチ役視点で述懐形式。
432枚(約12万文字)です。『ちょんの間』とあわせて1冊にすると730枚(約20万2千文字)です。
すでに表紙絵は作ってあるので、校訂して11月1日発売予定です。
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徹夜木馬
まずユキが磔から解放された。袴が麻縄で上半身を緊縛する。ついで京子。
その間も法被と六尺褌は舞台の大道具を片付けている。そして、まだ使われていなかった大道具を平舞台の中央に引き出した。ベニヤ板を三角形に組み合わせて、四隅を太い木材で支えた――首の無い木馬。
「四時間にもおよぶ長丁場にお付き合いいただき、今宵はありがとうございました。ご覧のように、二人の女優も疲れ果てております。明朝まではゆっくり休ませてやることにいたしましょう」
そこで袴は木馬のそばへ移動して、ベニヤの胴体を軽く叩いた。
「――この上で」
まだ虐められるのかと、ユキは落胆した。しかし、実はこれがもっとも過酷な責めだとは気づいていない。
「では、さっそくに女優を三角木馬に乗せることにいたします」
最初に京子が大道具の横へ(立って歩けないので)引きずられて行った。二人の六尺褌が京子を抱え上げて、大道具を跨がせた。
放心してされるがままになっていた京子の表情が強張った。
「な、なに……これ?」
六尺褌が、ゆっくりと京子の身体を下ろしていく。
「待って……やめろ。裂ける……もう、赦して……お願いです!」
逃れようとして激しくもがくが、後ろ手に緊縛されて男二人に抱えられていては、抵抗が成功したところで床に転げ落ちるだけだ。
そういった不始末もなく、京子はまさしく木馬にまたがる形で大道具の上に座らされた。
「ぎぎゃあああああっ……痛い! 痛い痛い! 下ろして……いやだあああっ!」
死力を振り絞るといった様子で激痛を訴え、激しく身悶えする。
パッシイン!
一本鞭が乳房を打ち据えた。
「もがけばもがくほど、股が裂けるぞ」
脅されて、びくっと動きが止まる。
「うううう……」
嗚咽が京子の口から漏れた。
京子がおとなしくなったのを見届けると、二人の六尺褌はユキを同じように、木馬に乗せようとした。
間近に木馬を見て、ユキは京子が狂乱した理由を知った。ベニヤ板を組み合わせた三角形の稜線は、板の断面の直角ではなく、鉋で削りでもしたのだろう、正三角形の六十度に尖っていた。髪の毛ひと筋ほどの丸みもない。こんなものを跨げば無事ではすまない。
しかし、ユキは抗わなかった。抗っても無駄だと、京子で見せつけられている。
もがけばもがくほど――袴の言葉を思い出して、ぴくりとも身体を動かさないようにしていた。
京子と背中合わせに木馬をまたがされた。ベニヤ板のささくれた表面が内腿を擦りながら、六十度に開脚を強いる。淫裂がパックリと開いて、稜線がその中へ埋没して。
「ひゃぎゃあああああっ……あああ、あああああ!」
ユキも京子と同じくらい凄絶に喚いた。
これこそ刃物で切られた痛みだと思った。股を真っ二つに腰まで切り裂かれたような鋭い激痛。それが背筋を断ち割って脳天まで突き抜けた。一瞬ではない。股間を切り裂かれ続けている。
「ちょっとバランスが悪いな」
半纏が六尺褌に、ユキの位置をずらせと指示を出した。
ユキは両側から腰を持ち上げられて、縛られて手首が京子と接するまで後ろへずらされた。完全には持ち上がらず、三角木馬の稜線が会淫をこすった。
「きひいいいい……」
ユキが甲高く悲鳴をあげる。
二の腕と二の腕を合わせて縛られて、ふたりの肌がいっそう密着した。と同時に。身体を前にも後ろにも倒せなくなった。つねに股間の同じ個所が稜線に切られ続ける。
「もう切れたか」
半纏がユキの内腿を指でなぞって、目の前に突きつけた。まっ赤に濡れている。
このまま朝まで放置されたら、出血多量で死んでしまうかもしれない。全身に――乳房にまでも鳥肌が立った。
しかし、このままではなかった。三角木馬の四本の脚のあいだに四本の縄が置かれた。十露板責めに使われた石板が、木馬に直行する形で縄の上に置かれた。縄が縦横に掛けられて、長辺の二か所ずつから縄尻が伸ばされる。
「まさか……」
京子が震える声でつぶやいた。ユキも同じ思いだが――わざわざこんなことをする理由は、そのまさかしかないと絶望している。
「よいせ」
六尺褌のひとりが石板の一端を持ち上げて、もう一人が縄をユキと京子の足首に結びつけた。
石板から手が放されると――二人の足首に十キログラムずつがのしかかる。
「ぎびいいいい……!」
「いやああああ……!」
激痛が二倍にも三倍にも跳ね上がった。
石板の反対側も、二人の足首から吊るされた。再び凄惨な悲鳴の二重唱。
ようやく、六尺褌も法被も、木馬のそばから離れた。
ほんとうに、こんな過酷な責めのまま朝まで放置されるのだろうか。絶望は、さらに悪い方向へ裏切られる。
木馬の横に、また手押しワゴンが置かれた。今度は三段のすべてに小道具が満載されている。靴ベラ、竹尺、金属製の紙挟みクリップ、張形ほどもある蝋燭、画鋲、細引きと凧糸、文鎮……文房具を主体とした日用雑貨ばかり。しかし、どれもこれも女体を虐める道具になると、ユキにも想像できた。
「それでは、これにて『半殺し』ショーは閉幕となります。さらに劇場にとどまって女優と親睦を深められてもかまいませんが、そのときは赤い薔薇の四人もしくはここにいる助手たちの指示に従ってください」
袴姿がアナウンスを終えると、『サザンドリーム』の女将と森田が舞台の袖から現われて、最前列の親分衆に深々と頭を下げた。
「これにて、神田京子にケジメをつけさせたと納得していただけたでしょうか」
五人がそれぞれにうなずいた。
「それでは、お宿まで案内させていただきます。それとも、もうすこしここで遊ばれますか」
申し合わせるふうもなく、五人が立ち上がった。
「いや、こういう殺伐とした遊びはどうもな。それに小娘は苦手だ。もっと脂の乗った女をつけてくれ」
女は突っ込んで善がらせて言うことを聞かせるものというのが信条の彼らにとっては、サドマゾのような異常性愛は理解の外にあるのだろう。
親分衆は女将と森田に案内されて、ストリップ小屋を立ち去った。
やはりどことなく張りつめていた空気が、とたんに緩んだ。
二十人の男たちが、我先に舞台へ駆け上がる。
「一度に大勢で群がらないでくれ。四人ずつ十五分交替だ」
袴姿も言葉づかいが砕けてきた。
残り物には福があるとばかりに引き返す者もいたが、十人ほどが舞台に残って。袴姿の提案でジャンケンが始まった。
熱気の渦巻く小屋の中で、二人の娘は絶望のどん底で、新たな加虐をおとなしく待つしかないのだった。
========================================
さて。次は……内容はいつもの如くですが、少年と男性教師ですので、「女性向け」で出してみようと考えています。販売の足踏み状況の突破口となるか、はたまた単純に1冊無駄足となるか。
まだ仮題ですが、
ロリマゾ番外編(筍の悦虐:ショタマゾ) 完全フィクション版:痛セクスアリス2
[悦辱少年奉弄記]
前半と後半とでまるきりトーンもテーマも変わって来るので、どんな出来になるか楽しみで不安です。
メインディッシュの責めシーンを40枚ほど書いて、デザートに三角木馬を書いて、最終章はタチ役視点で述懐形式。
432枚(約12万文字)です。『ちょんの間』とあわせて1冊にすると730枚(約20万2千文字)です。
すでに表紙絵は作ってあるので、校訂して11月1日発売予定です。
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徹夜木馬
まずユキが磔から解放された。袴が麻縄で上半身を緊縛する。ついで京子。
その間も法被と六尺褌は舞台の大道具を片付けている。そして、まだ使われていなかった大道具を平舞台の中央に引き出した。ベニヤ板を三角形に組み合わせて、四隅を太い木材で支えた――首の無い木馬。
「四時間にもおよぶ長丁場にお付き合いいただき、今宵はありがとうございました。ご覧のように、二人の女優も疲れ果てております。明朝まではゆっくり休ませてやることにいたしましょう」
そこで袴は木馬のそばへ移動して、ベニヤの胴体を軽く叩いた。
「――この上で」
まだ虐められるのかと、ユキは落胆した。しかし、実はこれがもっとも過酷な責めだとは気づいていない。
「では、さっそくに女優を三角木馬に乗せることにいたします」
最初に京子が大道具の横へ(立って歩けないので)引きずられて行った。二人の六尺褌が京子を抱え上げて、大道具を跨がせた。
放心してされるがままになっていた京子の表情が強張った。
「な、なに……これ?」
六尺褌が、ゆっくりと京子の身体を下ろしていく。
「待って……やめろ。裂ける……もう、赦して……お願いです!」
逃れようとして激しくもがくが、後ろ手に緊縛されて男二人に抱えられていては、抵抗が成功したところで床に転げ落ちるだけだ。
そういった不始末もなく、京子はまさしく木馬にまたがる形で大道具の上に座らされた。
「ぎぎゃあああああっ……痛い! 痛い痛い! 下ろして……いやだあああっ!」
死力を振り絞るといった様子で激痛を訴え、激しく身悶えする。
パッシイン!
一本鞭が乳房を打ち据えた。
「もがけばもがくほど、股が裂けるぞ」
脅されて、びくっと動きが止まる。
「うううう……」
嗚咽が京子の口から漏れた。
京子がおとなしくなったのを見届けると、二人の六尺褌はユキを同じように、木馬に乗せようとした。
間近に木馬を見て、ユキは京子が狂乱した理由を知った。ベニヤ板を組み合わせた三角形の稜線は、板の断面の直角ではなく、鉋で削りでもしたのだろう、正三角形の六十度に尖っていた。髪の毛ひと筋ほどの丸みもない。こんなものを跨げば無事ではすまない。
しかし、ユキは抗わなかった。抗っても無駄だと、京子で見せつけられている。
もがけばもがくほど――袴の言葉を思い出して、ぴくりとも身体を動かさないようにしていた。
京子と背中合わせに木馬をまたがされた。ベニヤ板のささくれた表面が内腿を擦りながら、六十度に開脚を強いる。淫裂がパックリと開いて、稜線がその中へ埋没して。
「ひゃぎゃあああああっ……あああ、あああああ!」
ユキも京子と同じくらい凄絶に喚いた。
これこそ刃物で切られた痛みだと思った。股を真っ二つに腰まで切り裂かれたような鋭い激痛。それが背筋を断ち割って脳天まで突き抜けた。一瞬ではない。股間を切り裂かれ続けている。
「ちょっとバランスが悪いな」
半纏が六尺褌に、ユキの位置をずらせと指示を出した。
ユキは両側から腰を持ち上げられて、縛られて手首が京子と接するまで後ろへずらされた。完全には持ち上がらず、三角木馬の稜線が会淫をこすった。
「きひいいいい……」
ユキが甲高く悲鳴をあげる。
二の腕と二の腕を合わせて縛られて、ふたりの肌がいっそう密着した。と同時に。身体を前にも後ろにも倒せなくなった。つねに股間の同じ個所が稜線に切られ続ける。
「もう切れたか」
半纏がユキの内腿を指でなぞって、目の前に突きつけた。まっ赤に濡れている。
このまま朝まで放置されたら、出血多量で死んでしまうかもしれない。全身に――乳房にまでも鳥肌が立った。
しかし、このままではなかった。三角木馬の四本の脚のあいだに四本の縄が置かれた。十露板責めに使われた石板が、木馬に直行する形で縄の上に置かれた。縄が縦横に掛けられて、長辺の二か所ずつから縄尻が伸ばされる。
「まさか……」
京子が震える声でつぶやいた。ユキも同じ思いだが――わざわざこんなことをする理由は、そのまさかしかないと絶望している。
「よいせ」
六尺褌のひとりが石板の一端を持ち上げて、もう一人が縄をユキと京子の足首に結びつけた。
石板から手が放されると――二人の足首に十キログラムずつがのしかかる。
「ぎびいいいい……!」
「いやああああ……!」
激痛が二倍にも三倍にも跳ね上がった。
石板の反対側も、二人の足首から吊るされた。再び凄惨な悲鳴の二重唱。
ようやく、六尺褌も法被も、木馬のそばから離れた。
ほんとうに、こんな過酷な責めのまま朝まで放置されるのだろうか。絶望は、さらに悪い方向へ裏切られる。
木馬の横に、また手押しワゴンが置かれた。今度は三段のすべてに小道具が満載されている。靴ベラ、竹尺、金属製の紙挟みクリップ、張形ほどもある蝋燭、画鋲、細引きと凧糸、文鎮……文房具を主体とした日用雑貨ばかり。しかし、どれもこれも女体を虐める道具になると、ユキにも想像できた。
「それでは、これにて『半殺し』ショーは閉幕となります。さらに劇場にとどまって女優と親睦を深められてもかまいませんが、そのときは赤い薔薇の四人もしくはここにいる助手たちの指示に従ってください」
袴姿がアナウンスを終えると、『サザンドリーム』の女将と森田が舞台の袖から現われて、最前列の親分衆に深々と頭を下げた。
「これにて、神田京子にケジメをつけさせたと納得していただけたでしょうか」
五人がそれぞれにうなずいた。
「それでは、お宿まで案内させていただきます。それとも、もうすこしここで遊ばれますか」
申し合わせるふうもなく、五人が立ち上がった。
「いや、こういう殺伐とした遊びはどうもな。それに小娘は苦手だ。もっと脂の乗った女をつけてくれ」
女は突っ込んで善がらせて言うことを聞かせるものというのが信条の彼らにとっては、サドマゾのような異常性愛は理解の外にあるのだろう。
親分衆は女将と森田に案内されて、ストリップ小屋を立ち去った。
やはりどことなく張りつめていた空気が、とたんに緩んだ。
二十人の男たちが、我先に舞台へ駆け上がる。
「一度に大勢で群がらないでくれ。四人ずつ十五分交替だ」
袴姿も言葉づかいが砕けてきた。
残り物には福があるとばかりに引き返す者もいたが、十人ほどが舞台に残って。袴姿の提案でジャンケンが始まった。
熱気の渦巻く小屋の中で、二人の娘は絶望のどん底で、新たな加虐をおとなしく待つしかないのだった。
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さて。次は……内容はいつもの如くですが、少年と男性教師ですので、「女性向け」で出してみようと考えています。販売の足踏み状況の突破口となるか、はたまた単純に1冊無駄足となるか。
まだ仮題ですが、
ロリマゾ番外編(筍の悦虐:ショタマゾ) 完全フィクション版:痛セクスアリス2
[悦辱少年奉弄記]
前半と後半とでまるきりトーンもテーマも変わって来るので、どんな出来になるか楽しみで不安です。
創作メモ:スケ番リンチ
20世紀からの妄想/Gネタにスケ番リンチがあります。
といっても、5次元方向に捻っていますけれど。
ヒロインは、真面目な目立たない少女。
偶然に、スケ番が対立勢力のトップに凄まじいヤキを入れている場面を目撃。現代なら、当然スマホ写ですね。
それはチクらずに。校内での喫煙とか、しょうもないことを先生にチクります。
スケ番は学園の理事長の娘だか姪だかで、アンタッチャブル。
ヒロインがスケ番に呼び出されて。ドキドキオドオドしながら連れて行かれると。
「しょうもないこと、チクるんじゃねえよ。次は勘弁しないからな」無罪放免というか執行猶予。
正義感の強い少女は、さらに告発を重ねて。
ついに、リンチの場に引き据えられます。
ヒロインの様子を見ていたスケ番は、突如として人払い。
「おめえ、まさかリンチされたくて、わざとか?」
リンチを目撃されたことを白状して、あんなふうにされたいと告白。
当然、あんなふうにされて。でも処女は残して、後日に資金源にされます。
その後はスケ番専用のパシリ。
手下も一緒になってヒロインを虐めるか
「こいつを虐めていいのは、あたしだけだ」にするか。
と、まあ、こんなストーリーでした。
弱いです。短いです。お蔵入りです。

ところが。
ブログの埋め草にと書いているうちに、天啓は舞い降りた。
実はこのスケ番、強烈なマゾ願望の持ち主。
それまでの数々のリンチは、実は自分がされたいこと――というのは、自覚していません。あくまで、女の子を虐めるのが快感の、レズのサディスチンだと思い込んでいます。
さらに、副旋律。
ヒロインがチクッたネタのひとつに円交があります。その生徒は自主退学。実は、スケ番の手下ではなく、資金源。
「あと1年我慢すれば、それで終わっていたのに。あなたのせいで、人生終わった!」と、逆恨みされたり。
ヒロインがリンチの場に引っ立てられたとき、スマホをチェックされて、リンチの証拠写真。
「なぜ、こいつはチクらなかったんだ?」
そこで、スケ番がピンときて。
人払いなんかせずに。
「虐められたいのなら、自分で素っ裸になりな。そうじゃないなら、とっとと帰れ」とか。
で、望んでいた以上にズタボロにされて。
退学したやつの身代わりだ。と、鞭と縄と処女を一括オークション。
円交させては、「この淫乱マゾ」なんて、甘々に虐めるとか。
このあたりで、ヒロインがスケ番の秘めたる願望に気づくというのもアリというより、無ければ読者が納得しません。
やがて、急展開。
ヒロインが「お姉様」の願望を叶えてあげるために画策――というのは、やり過ぎですね。
理事長の急死で虎の威が無くなって、手下の造反というパターンか。
リンチの相手が実はヤクザ(は弱体化したから、国外勢力とかもあるかな)の娘で。
ヒロインともどもさらわれて。
ここからも2パターン。
ふたり一緒にズタボロ。
「こいつには手を出すな。恨む相手はオレだろ」
さて、どっちがいいでしょうか。
もうすこし練れば、1本出来そうです。
アフィリンクのキーワードは「スケバン」です。
といっても、5次元方向に捻っていますけれど。
ヒロインは、真面目な目立たない少女。
偶然に、スケ番が対立勢力のトップに凄まじいヤキを入れている場面を目撃。現代なら、当然スマホ写ですね。
それはチクらずに。校内での喫煙とか、しょうもないことを先生にチクります。
スケ番は学園の理事長の娘だか姪だかで、アンタッチャブル。
ヒロインがスケ番に呼び出されて。ドキドキオドオドしながら連れて行かれると。
「しょうもないこと、チクるんじゃねえよ。次は勘弁しないからな」無罪放免というか執行猶予。
正義感の強い少女は、さらに告発を重ねて。
ついに、リンチの場に引き据えられます。
ヒロインの様子を見ていたスケ番は、突如として人払い。
「おめえ、まさかリンチされたくて、わざとか?」
リンチを目撃されたことを白状して、あんなふうにされたいと告白。
当然、あんなふうにされて。でも処女は残して、後日に資金源にされます。
その後はスケ番専用のパシリ。
手下も一緒になってヒロインを虐めるか
「こいつを虐めていいのは、あたしだけだ」にするか。
と、まあ、こんなストーリーでした。
弱いです。短いです。お蔵入りです。

ところが。
ブログの埋め草にと書いているうちに、天啓は舞い降りた。
実はこのスケ番、強烈なマゾ願望の持ち主。
それまでの数々のリンチは、実は自分がされたいこと――というのは、自覚していません。あくまで、女の子を虐めるのが快感の、レズのサディスチンだと思い込んでいます。
さらに、副旋律。
ヒロインがチクッたネタのひとつに円交があります。その生徒は自主退学。実は、スケ番の手下ではなく、資金源。
「あと1年我慢すれば、それで終わっていたのに。あなたのせいで、人生終わった!」と、逆恨みされたり。
ヒロインがリンチの場に引っ立てられたとき、スマホをチェックされて、リンチの証拠写真。
「なぜ、こいつはチクらなかったんだ?」
そこで、スケ番がピンときて。
人払いなんかせずに。
「虐められたいのなら、自分で素っ裸になりな。そうじゃないなら、とっとと帰れ」とか。
で、望んでいた以上にズタボロにされて。
退学したやつの身代わりだ。と、鞭と縄と処女を一括オークション。
円交させては、「この淫乱マゾ」なんて、甘々に虐めるとか。
このあたりで、ヒロインがスケ番の秘めたる願望に気づくというのもアリというより、無ければ読者が納得しません。
やがて、急展開。
ヒロインが「お姉様」の願望を叶えてあげるために画策――というのは、やり過ぎですね。
理事長の急死で虎の威が無くなって、手下の造反というパターンか。
リンチの相手が実はヤクザ(は弱体化したから、国外勢力とかもあるかな)の娘で。
ヒロインともどもさらわれて。
ここからも2パターン。
ふたり一緒にズタボロ。
「こいつには手を出すな。恨む相手はオレだろ」
さて、どっちがいいでしょうか。
もうすこし練れば、1本出来そうです。
アフィリンクのキーワードは「スケバン」です。
Progress Report 7:昭和集団羞辱史『売春編:女護ヶ島』
フルタイム妄想人になったのに破瓜どらないと嘆いていましたが、前のレポートではピンク宴会実況中継をして、それから「売れっ娘」28枚、「初の絶頂」68枚、「駆け落ち」30枚と合計126枚を4日ほどで書き進めました。
「初の絶頂」では、濃厚なレズビアンの媾合が繰り広げられます。たとえば、こんなのです。

あとは本編をお買い上げのうえで愉しんでいただくこととして。
今回は「駆け落ち」の章を御紹介。延々260枚書いてきて、次章からようやく鬼畜SMシーンに突入です。
あ、本編の上電は11/1を目標にしています。表紙絵も紹介文も完成して、残るはあとは本文の残り(100枚くらい?)だけという、変則的な進捗状況です。
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駆け落ち
ホテルのレストランは午前八時から開く。ふつうのホテルに比べてずいぶん遅いが、宿泊客のほとんどは夜更かしをしているから、これくらいでちょうど良い。ちなみにチェックアウトは正午までで、チェックインは他のホテル同様に午後三時からである。ワタルは午前九時から十一時まで、ショートに六十分の延長をつけて美冬を独占した。といっても、さらに媾合(こうごう)を重ねたのではない。服を脱ぐことさえせずベッドに腰掛けて、ただ抱き合い、ときおり思い出したようにキスを交わしていただけだった。
それは、美冬が生まれて初めて味わった、至福の二時間だった。
もっとも、ワタルがチェックアウトしてからは、ちょっとした地獄が待っていた。ほとんど夜通しであまりに激しく腰を使っていたので、背筋を伸ばしていられないほど腰が痛かったのだ。そのせいで午後からのショートは断わったのだが、ロングまで拒むと変に思われかねないので、しぶしぶ客を取った。
そして、客がたじろぐほどに美冬は乱れた。ワタルとの媾合の余韻が、そうさせたのだ。しかし美冬にとってみれば、きわめた絶頂はあまりに低かった。エベレストに登頂した登山者がハイキングコースの山頂に立つようなものだった。
そのハイキングコースの山頂も、翌日からは到達しにくくなった。ワタルの繊細で執拗な指技や腰使いに比べれば、男たちのそれは稚拙で乱暴で、しかも熔岩を滾らせるだけの持続もなかった。
美冬の接客態度は日を追って変わっていった。快感への過度な期待なんかしないで、うわべだけは客に甘え、心を切り離した媚びを売って、仕事として客に抱かれ、客が本気に受け取るくらいに喘いだり善がり声をあげて、時間がくれば淡々と客の跡始末までして営業を終える。ようやく落ち着いた、娼婦としての自覚を身に着けたと――そんなふうに美冬を見る女子従業員も少なくはなかったが、少女時代は上流階級に属し、戦後の没落でRAAを経て一時は街娼を仕切っていたこともある女将は、美冬の変貌に隠されている真相を薄々は察知していたのかもしれない。
ワタルと別れて三日経ち、五日経ち、一週間が経った。
午後二時の船で着いた客のうち五人を、サザンホテルの客引きが引っ張ってきた。三人連れは予約客で、あとの二人はフリの客。美冬は三時半の便で到着予定の団体客につくことが決まっていたが、賑やかしの意味で、名札のかわりに『予約済』の札を帯に挟んで客を出迎えた。
フリの客の一人が、美冬に目をつけた。
「案内はお嬢さんに頼みたいんだが――予約済ねえ。それじゃ、こっちも予約といこうか。そうだな、明朝の九時半からショートをお願いできるかな」
九時半から一時間となると、その前にも後にも別口を入れづらい。以前の美冬だったら時間をずらしてほしいと注文をつけていたところだが、今ではむしろありがたい。どうせ、今月の給料は捨てるのだ。
「はい。野島さん、お願いしますね」
フロントに立っている副支配人に、声を掛けておいた。
その日は八人の団体客の世話をして、その宴席にも侍って、きっちり三時間のロングをこなすと、未練そうな客を振り切って自分の部屋で寝た。ワタルの甘い体臭に比べると、どんな男の臭いも今ではうっとうしいだけだった。以前は、その獣じみた匂いが性的興奮にもつながっていたというのに、たった一夜で美冬の嗜好はすべてがワタルを基準にしたものとなっていた。
翌朝はレストランで壁の花にならず、たっぷり朝寝坊した。厨房で朝食を摂って、部屋で身支度を整えているところに、くだんの予約客が訪れた。連れがレストランから仲居を連れて来てしまったので、こちらですることになったと、客が説明した。よくあることなので、美冬は気にも留めない。
「それでは、お相手をさせていただきます」
きちんと正座して三つ指を突いて。帯を解きにかかったところで、客がとんでもないことを言った。
「いや、そういうつもりで来たんじゃない」
わけのわからないことを言う客だ。変態的な要求をするつもりだったら――と身構えかけた美冬だったが。
「神月ワタルさんからの使いです。これで、十一時の船に乗ってください」
客はポケットから乗船券を取り出した。言葉づかいもあらたまっている。
「神月さんは別の旅館に泊まっていて、同じ便で島を出ます」
美冬は、差し出された乗船券に手を伸ばしかけて、ふと止めた。
「あなたも乗船券がないと困るのでしょ?」
やだなあ――と、客はもう一枚の乗船券を取り出して見せた。
「三人で別々に乗船券を買って、一人は急用が出来て船に乗らなかったんですよ」
一人で二枚買うと買うと怪しまれると思っての計略だろう。さすがはワタルさんだと思ったのは、惚れた欲目とも限らない。見知らぬ人間の誘いに乗って島から逃げ出したら、全然違う悪人が待っていた――なんて心配をしなくてすむように、わざわざ島まで来てくれたのだ。美冬はまた『まぼろし探偵団』を思い出してクスッと笑った。
「わかりました。ありがとうございます」
美冬は乗船券を押し頂いた。
「時間までこの部屋にいないと疑われますから、申し訳ないが、こちらは気にせずに支度をしてください」
「そうですね」
美冬は、まず置手紙を書いた。
社長様、女将さん
いきなり逃げてしまって、すみません。
貯金通帳は残していきますので、返済の一部にあててください。残りの借金は、月すこしずつでも現金書留で送ります。ですから、両親には談判をしないでください。前借のお金で田んぼを買い取ったので、手元には残っていません。
受けた恩を仇で返して申し訳ありません。
いきなり逃げてしまって、すみません。
貯金通帳は残していきますので、返済の一部にあててください。残りの借金は、月すこしずつでも現金書留で送ります。ですから、両親には談判をしないでください。前借のお金で田んぼを買い取ったので、手元には残っていません。
受けた恩を仇で返して申し訳ありません。
かしこ
北野ユキ
北野ユキ
紙を二つに折って、そのうえに貯金通帳を置いた。印鑑は女将が持っている。
美冬はクローゼットを開けて、十着ほどもある服に未練の一瞥をくれた。ちょっとそこまで外出するのに、鞄を持っていくのはおかしい。まだ一度もしか着ていない秋物のツーピースも置いていかなければならない。
普段着にしているブラウスとカーディガンとふんわりした膝丈のスカートを取り出した。シュミーズの上にペチコートを重ねてスカートを膨らませたのが、精一杯のお洒落だった。
いちばん迷ったのが化粧だった。あまり濃くすると、船に乗るときにホテルの従業員だと見破られるかもしれない。薄化粧だと、ホテルの人間に怪しまれる。ほどほどに化粧をして、ちょっと古臭いけれど、美冬が子供の頃に流行った真知子巻きを真似てスカーフで顔を包んだ。
十時半過ぎに、美冬はチェックアウトする客に同伴する態を装ってホテルを出た。
「ちょっとお客様をお土産屋さんに案内してきます」
その客をほんとうに土産物屋に案内して、そこで別れた。
「それじゃ、あとはごゆっくり。こっちは、次の便まで様子を見届けて、今夜にでも神月さんに連絡します」
連絡はワタルの住処へだろうか、それとも今夜の宿を教えてあるのだろうか。そういえば、彼がどこに住んでいるのかも、ユキは知らなかった。が、そんなことはどうでもよかった。北海道だろうが鹿児島だろうが八丈島(まさか)だろうが、ワタルの居る場所がユキの棲む場所なのだ。
顔見知りに声を掛けられないか、切符を怪しまれないかと内心で怯えながら、訪問客用のゲートから波止場に降りて、ふたりを約束の地へ運んでくれる船に乗り込んだ。ワタルは船室で待っているはずと教えられていた。半年間働いていたホテルを振り返りもせず、船室にはいった。
そこに、ワタルがいた。革ジャンパーにハンチング帽と、見た目は様変わりしているが、彼のまわりだけはっきりと空気が違っている――というのは、ユキの感想だが。
ユキは高鳴る鼓動を追うように足早にワタルのところまで歩いて、隣の席に座った。買春に訪れて宿泊した客の多くは十二時半の便に乗る。がら空きの船内で、見知らぬ(はずの)男女が並んで座るというのは不自然な行動だったが、ユキはそこまで考えなかった。ワタルも、乗ってしまえば関門通過と思っていたのだろう。
もっとも。どれだけ二人が用心していたところで、この駆け落ちは最初から失敗していたのだ。
二人が並んで座るとほとんど同時に、すぐ後ろの席と、三つ前の席、そして斜め横の席から三人の男が立ち上がった。そして、ユキとワタルを取り囲んだ。
「現行犯てやつだな。二人とも船を降りてもらおうか」
顔を引き攣らせながら、ワタルが立ち上がった。三人に囲まれてみると、いかにもワタルは華奢に見えた。
「誰がどこに行こうと自由だろう。公衆の面前で誘拐でもするつもりか」
三人のなかで年長の男が薄嗤いを浮かべた。
「語るに落ちたな。それは、こっちの台詞だ。皆さん、こいつは借金を抱えた女を騙して連れ出しては他所に売り飛ばしている悪人です」
数少ない船客を味方につけようと、周囲に語りかける。
「借金で縛りつけるのは、労働基準法第十七条に違反している。それくらい知らないのか」
ワタルは法律で対抗しようとしたが、相手のほうが上手だった。
「この娘と両親は、前借のときに一年間の労働契約を承諾している。駆け落ちなんざあ、やむを得ない自由には当たらないぜ」
借用書には細かい字でそんなことが書かれていたような記憶が、無いこともなかった。そうだ、思い出した。一年間というのは、それが法律で決められているからで、来年の三月には借用書を書き換えることになるとか、即日採用社の林課長が言っていた。
ワタルは論破されて言葉を失っている。
「納得したところで、一緒に来てもらおうか」
法律論でいえば、連れ戻されるのはユキだけで、ワタルを無理強いに連行するのは犯罪行為だろう。しかしワタルは、三人に逆らわなかった。愛する者を悪漢(?)の手にゆだねて逃げ出すようでは、恋人の資格、いや人間の資格は無い。
ワタルはユキを護るように肩を抱いて、三人に囲まれて船を降りた。いや、ワタルがユキに抱きすがっていたのかもしれない。膝が震えて立っているのがやっとだというのが、ユキにはわかった。
無理もないという思いと、まさかという思いとが、ユキの胸中で交錯する。ワタルは女性なのだ。その事実が露見したら、ただでは済まないだろう。しかし、この人たちはホテルの関係者に決まっている。法の網をくぐるような娼売をしているが、堅気の人たちだ。ヤクザみたいな真似はしない――と、期待していいのだろうか?
二人が連れて行かれたのは、『サザンドリーム』の地下にあるゴミ集積所だった。ホテルから出るすべてのゴミは、ここに運ばれて大きなコンテナに貯留される。週に二回、空のコンテナと入れ替えられる。雑役夫の出入りはあるが、それも出入口に面したコンテナの投棄口までで、不潔な環境の奥まで踏み込んでくる物好きもいない。リンチに掛けるにしろマワシに掛けるにしろ、山奥よりもよほど人目につかない。
「こんな所へ連れ込んで、僕たちをどうするつもりなんだ」
ワタルは虚勢を張っているが、顔面は蒼白になっていた。
「さてね。それは、ここの社長とも相談するが――おまえは、ここから無事に出られないのは確かだな」
「この人を殺すつもりなんですか!」
とんでもない言葉に、ユキが金切り声で叫んだ。
「まさか。しかし、どこへ引き渡したってコンクリ詰めだろうな。それとも、薬漬けにされて廃人になるまで変態客に弄ばれるか、案外と外国へ売られてハーレムで優雅な生活ができるかもな。なんたって、おまえは女だからな。ええ、神田京子ちゃんよ?」
「神田……」
「それが、こいつの本名だ。神月ワタル、明石カオル、那智ヒカル――さまざまに偽名を使い分けているがな」
「そして、どの名前にもどこかしらからか手配書が回ってるってわけだ」
この島は地理的な条件と協業組合の結束でヤクザを締め出しているが、ほとんどの売春地帯はヤクザが絡んでいる。そのヤクザ組織の複数から、ワタルは目の敵にされているのだった。
しかし、三人の男たちはワタルとユキを取り囲んだまま、すぐには危害を加えるふうでもなかった。
そこに、五人の男女が現われた。このホテルの社長と女将のほかはユキの知らない顔だったが、島内の売春旅館の支配人や持ち主――協業組合の幹部連中だった。
「よくも、後足で砂を掛けてくれましたね。厳しくお灸を据えてあげますから、覚悟しておきなさい」
女将の指図で、ユキはワタルから引き離された。
「あたくしたちを舐めたらどうなるか、よく見て胆に銘じておきなさいね」
二人を連行した三人のうちの一人が、ユキを羽交い絞めにした。しただけで、悪戯を仕掛けてきたりはしない。そんな桃色めいた雰囲気は、この場に一欠けらもない。
三人のうちの残る二人がワタルに取っついて――革ジャンパーを脱がそうとする。
「やめろ!」
言葉はきついが、身を庇おうとする仕種は女性そのものだった。
二人のうちの若いほうがワタルを羽交い絞めにして、年長者は――
ガシン! ガシン!
ワタルの頬桁に拳骨をくれた。
「ぐうう……」
虚勢なのか憎悪なのか。ワタルは相手を睨みつけた。
「この期に及んで、まだ男の真似をしたいのか?」
ボスン!
腹に拳骨を叩き込まれて、ワタルの膝が砕けた。羽交い絞めにされているので、倒れることも出来ず半ば宙吊りになった。
男がさらに腹を殴りつける。
「やめて……! 人殺し!」
悲鳴をあげるユキ。その口を掌でふさがれて、咬みつく。
「痛てっ……この阿媽」
「おい。売り物に瑕をつけるんじゃないぞ」
ワタルを殴っていた男が機先を制して叱咤する。
「かまいません。どうせお灸を据えるのですから」
「いやいや。美冬でしたかね。この子も考えようによっては被害者です。手荒な真似は可哀そうでしょう」
支配人だか亭主だかが取り成した――のではなかった。
「要は、この子をおとなしくさせればいいのでしょう。おい、とにかくそいつを引ん剝いてしまいなさい」
年長者は拳骨を引っ込めて、ワタルのシャツを引き千切った。
ワタルは抵抗を諦めて、されるがままになっている。
胸を潰していた晒し布がほどかれると、支配人がそれをひったくった。
ワタルのズボンがずり下ろされ、ブリーフも脱がされる。支配人はそれを小さく丸めてユキの前に立った。
「手をどけなさい」
ユキの口許に丸めたブリーフを突きつける。
男の意図は明白だったが、それに逆らう気力などユキには無い。口にブリーフを詰め込まれ、その上から晒し布を巻かれて完全に言葉を奪われた。
支配人はユキの両手を背中にねじ上げさせて、晒し布で縛った。さらに、床に転がして脚を『く』の字に折り曲げて足首を縛った。
ユキは言葉だけでなく一切の行動まで封じられた。ユキにできることは、ただ床に転がって横倒しの風景の中でワタルが辱しめられるのを眺めるだけだった。
ワタルは全裸にされて(ユキよりは、よほど女として性熟した身体つきだった)、まだ羽交い絞めにされていた。
その前で、五人が鳩首談合を始める。ほんとうにワタルの処分を決めていなかったのか、それとも引導を渡す猿芝居なのか。
「やはり、どこかの組に引き渡すのが筋ですかな」
「でも、他の組織が黙っていないと思いますわ」
「いっそ、競売にでも掛けるか」
「いや、それではうちらが深くかかわることになる」
「厄介だな。ここで始末してしまうか」
「もったいない。生かしておいて、何度も半殺しにするというのは面白いと思わないか」
「手間暇かけて、阿呆らしい」
「そうでもないぞ。女を甚振って興奮するという変態は、結構いる。それも、先生とか御大なんて呼ばれる連中が多いとか」
「わしには、そんな趣味は無い」
「いや。そういった連中を呼び集めて、秘密ショーを開くのだ。さいわい、ここにはストリップ小屋がある。もちろん、招待客限定だ。入場料をいつもの百倍くらいにすれば、儲かるぞ。さいわい俺はその手のサークルを幾つか知っている」
「あんたは、その会員か」
「黙秘権というやつだ。この女を助けてやることにもなるぞ」
「助けたくもないが……どういうことだ?」
「ショーの上がりで、それぞれの組織に手配を取り消してもらうんだ。こっちに(親指と人差し指で輪を作って額に当てた)口を利いてもらえば話はつくんじゃないかな」
「女を助けて――最後まで生きていれば、だがな。ヤクザの面子も立てて。わしらは只働きか。くそつまらん」
「いや、三方一両得といこう。なにも、上りのすべてを身代金に充てなくてもかまわんだろう。わしらも、たっぷり儲けさせてもらうさ」
「あら、素敵なお話になってきましたわね。あたくしも森田さんの意見に賛成いたします」
「では、決まりですな」
女将に森田と呼ばれた初老の男が、ワタルを振り返った。
「聞いての通りだ。たっぷり稼いでもらうぞ」
「断わる!」
当然の拒絶だった。生きている限り無限に半殺しのリンチに掛けられるくらいなら、あっさり殺されたほうがずっと楽だ。
「断わるのは勝手だ。そうだな。ショーに出すとき以外は縛り上げておいて、舌を咬めないよう竹筒でも突っ込んで、そこから流動食でも流し込んでやれば、一年でも二年でも生かしておける」
がくりと、ワタルの頭が垂れた。死刑よりも過酷な宣告には、心が折れて当然だろう。
「とりあえずは、ふん縛っておくか」
森田はあたりを見回して――奥の棚にある荒縄を見つけた。
「女をここへ連れて来てくれ。そこにおあつらえ向きの木箱がある。ここに入れておけば、誰にも見つかるまい。見つかったところで、問題は無いがな」
「あああ……」
羽交い絞めのまま奥へ歩かされながら、ワタルがユキを振り返った。
「ごめんよ、美冬……さようなら!」
ぼろぼろと涙をこぼすワタルは、男装の麗人の面影もなく、凶暴な男どもに囲まれた哀れな小娘でしかなかった。
社長がユキの縛めをほどいた。
「おまえは、うちのやつに折檻させてやる。なに、可愛い顔にも玉の肌にも痕が残らないように手加減は……あ、こら!」
ユキは手足が自由になるなり、社長を突き飛ばして立ち上がると奥へ駆けて行って、荒縄で縛られようとしているワタルに抱きついた。
「んんん、むうう!」
「邪魔をするな。いくらサザンの妓でも容赦はせんぞ」
「むぶうっ! ん゙ん゙ん゙……」
男が二人掛かりでユキを引き剥がそうとするが、ユキは床に座らされているワタルの背中に渾身の力でしがみついている。
「この……痛い目に遭わんとわからんのか」
「お待ちなさい。この子にも言い分があるのでしょう」
女将が、ユキの猿轡をほどくように言いつける。
「あたしもワタルさんと一緒に半殺しにしてください!」
言葉を取り戻すなり、ユキは絶叫した。
「ほんとうに悪いのは、あたしなんです。どうしてもワタルさんと一緒になりたかったから……」
ユキの両眼からも大粒の涙がこぼれた。ワタルと違って、大声で泣きじゃくる。
「いやだ……ワタルさんを助けて……それが駄目なら、一緒に殺してください」
「美冬……」
ワタルが身をよじってユキに向き直った。すでに手首は後ろ手に縛られている。肩をこじて、身を振りほどこうとする。
「馬鹿なことを言うんじゃない。これは、僕の身から出た錆なんだ。きみを巻き込みたくない」
ユキは泣きじゃくりながら、ひたすらにしがみつくばかり。
(駆け落ちをしようとしたあたしがいけないんだ)
実際にはワタルから持ち掛けられた話だが、ユキの頭の中では逆になっている。いや、二年も待てないという想いは二人とも同じだった。だから、どちらが先に言い出したなんて、関係ない。この人がいなければ、生きている意味が無い。この人と一緒なら、どんな生き地獄だろうと耐えられる。希望から絶望への落差がユキの心を打ち砕いていた。その精神の破片の中に残った最後の望みは、肉体の快楽を超克していた。
「参りましたわね」
女将が溜め息とともに匙を投げた。
「もう、この妓(こ)は使い物になりません。いずれは諦めるでしょうけど、そのときには魂の抜け殻になっています。まさか、南極一号をお客に抱かせるわけにもいかないでしょうよ」
南極一号については『ちょんの間』で説明したので、ここでは省く。
「その妓の願いを聞き届けてやりましょう」
「へ……?」
その場にいる七人の男が一斉に怪訝な顔をした。
「二人まとめてか、代わり番こかはともかく。森田さんのおっしゃる変態ショーに二人して演(だ)してやれば、二倍は長持ちするでしょうよ。この妓の売り上げは、うちが六割で組合が四割。もちろんヤクザには渡しません。これで、あたくしたちだけは三両得ということになるんじゃありませんか」
「さすがは、アメリカさん仕込み……」
ジロリと睨まれて、森田は口を閉ざした。女将がRAA出身だということは公然の秘密ということらしい。
「いや、二人となると、別の演し物もありますな」
森田はめげずに、儲けを二倍ではなくさらに膨らまそうと企む。
「この夏に、ストリップでやった本番シロシロ・ショー。あれは、すごい人気でしたね。この二人に演らせれば、大評判間違い無しでしょう。まあ、せいぜい五割増しくらいしか暴利(ぼれ)ませんがね」
森田が、床にうずくまって抱き合っているユキとワタルを、熱のこもった冷ややかな目で見下ろした。
「お前たちも本望だろう。毎日毎日、心行くまで乳繰り合えるんだから」
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さて、この後は。
「公開折檻」
さすがに今回は作品中では名前を伏せますが、「古武術研究会」のメンバーとか、草創期のSM雑誌での公募とかで、鬼畜マニアを呼び集めての「ストリップショーの百倍の料金」にふさわしい責めがストリップ小屋を貸し切りにして繰り広げられます。どれだけ凄まじい鬼畜折檻かというと……書きながら考えます。
なんと、PLOTでは
6:公開折檻
ホテルの従業員室に監禁(2人1室)。三日間、劇場で本番レズ・ショー。
きちんと勤めれば、ヤクザに引き渡さない。
これを最後と熱演。今生の別れ。
深夜の劇場で手加減無し折檻。
伝統のブリブリ。休憩は三角木馬。〆はギロチン磔の2穴連姦か?
もすこし趣向を凝らしましょ。
これだけしか決めていませんもの。ああ、短時日ではSM雑誌の広告は打てませんね。ヤクザの幹部さんを特別招待して、彼らが納得(辟易)するような内容にする。公開折檻であるとともに、代理折檻でもあるわけです。うん、そうしましょう。
おそらく10/8は本番レズ・ショーだけを書くでしょうから。
「こういう責めを読みたい」というリクエストがあれば、10/8 24時必着で、メールなりコメントなりをください。必ず採用するとは限りませんが、濠門長恭ワールドにふさわしければ、(読者数から考えて)かなりの高確率でリクエストにお応えできるでしょう。
アフィリンクは「羽交い締め リョナ」がキーワードです。
Progress Report 6:昭和集団羞辱史『売春編:女護ヶ島』
Progress Report 5 →
今回はピンク宴会のシーンです。
ネタは色々考えていましたが、あまり盛り込むと長くなりすぎるので絞り込みました。
現在のエロゲーム定番はツイスターですが、これは1965年に米国で発売されたので、1961年を舞台とする本作品には出せません。

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酌婦の控室に使われている広間に三十人以上がひしめくと、羞恥心なんか消し飛んでしまう。白粉の匂いと若い女性の体臭とで、学校の更衣室よりも女臭い。透け透けの露出衣装の集団。名札は着けていないから、食堂で挨拶したときより厚化粧の顔と覚えたばかりの名前とが結びつかない人が多い。
四人だけ、バスガイドみたいな服装の女性が混じっている。といっても、絶対にバスガイドではない。紺色のスカートはパンツが見えるあたりまでスリットがはいっているし、上に着ているのは素肌に紺色のチョッキだけ。昼に食堂で挨拶をした人の中にはいなかったように思う。
皆でわいわいがやがやする中で、美冬は隅っこでぽつねんとしていた。
じきに女将が背広姿の男性を従えて、姿を現わした。社長ではない。胸に『副支配人』の名札を付けている。
「今日は二十名様と十四名様の宴会があります。それと、お座敷は五名様が一組と三名様が二組です。二十名様と十四名様は、置屋からの派遣さんに仕切ってもらいます。エロい恰好のバスガイドが二人ずつにわかれて女将の両側にたった。
「まず、二十名様の担当は――千夏さん、百美さん、百花さん、百菜さん、夢路さん、夢香さん……美秋さん、美冬さん。以上の十人でお願いします」
「はいっ」
名前を呼ばれたので、つい学校の習慣で元気よく返事をして、くすくす笑いに包まれた。
「おかしくなんか、ないですよ。皆さんも美冬さんを見習いなさい」
たしなめる女将自身が、袂で口を隠している。
「皆さんも御承知のように、美冬さんは今日が初仕事けです。いろいろと教えてあげてくださいね」
そこで、美冬に目を向ける。
「無理はしなくていいですからね。さっきも言いましたけれど、お客様と肌が合わなければ、今夜のところは自由恋愛はしなくてもいいですから」
「……はい」
とは答えたけれど。もしかして試されているのかなとも思った。それに――肌が合うかどうかは、それこそ肌を合わさなければわからないだろう。
女将は従業員の割り当てに戻って。十四名の宴席には七人、五名のお座敷は三人、三名の二組には二人と一人。
十人と七人は、それこそバスガイドに引率された観光客さながらに、ぞろぞろと広間から出て行って。いよいよ、美冬の初仕事だった。
――最初にガイド嬢が宴会場にはいって。短い口上の後で。
「では、皆さまお待ちかねの桃色酌婦さんの登場です。隣に迷惑にならない程度の拍手でお迎えください」
上座からはいって、コの字型に膳を並べている客の前に一列で座る。
「あの左端の子、ずいぶんと若いな」
「まさか処女じゃないだろうな」
客の視線が美冬に集まった。
「本日のお相手をさせていただく千夏です」
三つ指を突いて挨拶。頭を下げたまま。
「百美です」
「百花です」
ますます視線が美冬に集中する。
「美秋です」
「美冬です」
最後に美冬が平伏すると、一瞬、ざわめきが途絶える。
「では皆様、籤を引いてください。ちょっとルールがややこしいのですが、青い箱と白い箱、一人おきになるように引いてください」
ガイド嬢の二人がそれぞれに箱を持って、客の前を巡った。
「これから酌婦さんも籤を引きます。前半は、青い籤の方の番号と一致したところに酌婦さんが座ります。後半は、白い籤の方と入れ替わります。捨てずに持っていてくださいね。念のために申し上げておきますが、籤は宴会のあいだだけの約束事です。宴会後の自由時間には関係ありませんからね」
自由恋愛の組み合わせを決めるものではないという意味だ。
酌婦はひとりずつガイド嬢の前に進んで、赤い箱から籤を引く。
「はい、三番です。青の三番の方は、どちらですか」
「ここだよ……」
声がしょげているのは、千夏がどう見ても三十を過ぎているからだろう。百美と百花にも、似たような反応だった。二十代の夢香になって、俄然返事の声が弾みだす。
「おお、こっちこっち。夢香ちゃんだっけ」
そして、美秋でトーンダウンして。
「美冬ちゃーん、ここ、ここ!」
空席はひとつなのだから、番号を合わせるまでもない。
「いやあ。残り物には福があるってのは、ほんとうだなあ」
先輩を差し置いての人気は、後で妬まれる元になる。それくらいはわきまえているので。
「あの……今日が初めてのお仕事なんです。粗相をするかもしれませんが、赦してくださいね」
「赦す赦す。なんでも赦しちゃうぞ。そのかわり、美冬ちゃんもアレコレ許してくれよ」
ガイド嬢の合図で、それぞれに酌婦がビールを注いで。酌婦も客に注いでもらう。
「では、乾杯の音頭をお願いします」
コの字形の中央に座っていた年輩の男性が、コップを持って立ち上がる。
「諸君。日頃とは逆に、今夜は大いに燃え上がってくれ。乾杯!」
こんな場所で一席ぶつ愚を知っている男だった。
それでも、客はあまり燃え上がる様子もなく、おとなしく飲み食いしている。ビールを持って、先輩だか上司だかにお酌巡りをする若手もいる。
美冬は胸元と腰のあたりを舐め回す視線に全身を火照らせながら座っている。コップが空になるとビールを注ぐのだが、両手でビール瓶を捧げ持っている間はうっすら(以上に)透けて見える股間が無防備になるので、催促されるまで気がつかないこともしばしばだった。
まともな着物を着た仲居が三人、清酒の二合瓶を運んできた。それぞれの膳に置くと、すぐに逃げ去る。
ちなみに。この島ではどこでもそうだが、会席の作法に則って料理を順番に出したりはしない。前菜も刺身も揚げ物も御飯も少なめにして、大きな膳にひとまとめにする。乱痴気騒ぎをたびたび中断されては客がしらけるし、ホテルとしても客に大食泥酔されては困る。なんといっても、主菜は宴席後の女体なのだから。
とはいえ、この宴席のように職場の堅苦しい雰囲気を引きずっていられても困る。それゆえの二合瓶だった。
ガイド嬢が声を張り上げた。
「どうも皆様、お行儀が良過ぎますね。ワカメ酒でも呑んで酔っ払っていただきましょう。酌婦さん、よろしくお願いします」
美冬を除く九人が一斉に動いた。帯を解いて前をはだけて――仰臥する者、後ろに手を突いて上体をのけぞらす者。さっさと全裸になった者もいた。
ガイド嬢の一人が、美冬の横に座った。
「美冬さんも、皆さんと同じようにして。腿はぴったりと閉じていてね」
透け透けの服なんか、着て居ようと脱いでしまおうと一緒だ。そう自分に言い聞かせて、美冬は前をはだけて上体を反らせた。
ワカメ酒の意味を知っている男は、さっそくに二合瓶を酌婦の股間に流し込む。男が動かないときは、酌婦みずからが自分の股間に酒を注ぐ。
呆気に取られているうちに、美冬にはガイド嬢が酒を満たした。
客たちは照れた表情を浮かべながら、酒に顔を近づける。
(まあ……?!)
「それじゃ、僕も美冬ちゃんをいただくよ」
青籤の客が膳を脇によけて、美冬ににじり寄った。美冬に向かって土下座するようにして――ずずずっと、酒をすする。
まわりでも同じことをしているから驚きはしなかったが。羞ずかしいのと馬鹿々々しいのとが一緒くたになって、なんとも形容しがたい気分だった。
青籤の客が下がると、美冬を白籤で引き当てた客が中央の列の端から移動してきて、同じようにワカメ酒をすすり始めたのだが。
「きゃあっ……!」
股間にぬめっとした感触が奔って、反射的に美冬は後ずさった。と同時に、まだ残っていた酒が座布団にこぼれた。
「え……?」
きょとんとしている客に向かって、ガイド嬢がたしなめ……なかった。
「お客様。この子は今日がほんとうに初体験ですから……色々と教えてやってくださいね」
けしかけている。
「そういうことなら、仕切り直しだ」
青籤の客が、今度は立って美冬の後ろにまわった。
「身体を起こしていると、酒がこぼれやすいんじゃないかな。寝てごらんよ」
客の要求を拒んでもいいのか、美冬は聞いていない。それに、ここまで羞ずかしいことをして後には引けないという思いもある。美冬は濡れた座布団を尻に敷いて仰臥した。
客が逆さに覆いかぶさってきて、両手で太腿を挟んだ。
「こぼれないように押さえていてあげよう」
絶対に親切心からではないと美冬は判断した。だって、客の浴衣がはだけて、盛り上がったパンツが目の前にあった。
(これが勃起したときの大きさなら、たいしたことはないな)
美冬は美冬で、そんなことを考えている。
「皆様、ガソリンを補給してだんだん燃え上がってまいりましたね」
「おう。じゃんじゃん水をぶっ掛けろ」
「……水をですか?」
「おう。油脂火災に水を掛けると派手に燃え上がるんだぞ」
「あ、はあ?」
「専門家が言ってるんだ、間違いはない」
「柴田副士長、わしらは元永様御一行だ。消防署とはなんの関係もないぞ」
この男もじゅうぶんにガソリンを補給しているのだろう。率先して素性をばらしている。
「では、さっそくに水を掛けさせていただきます。白籤をお持ちの方にお願いします。酌婦さんとアベックになって、中央に立ってください」
広間の中央に十組が進み出る。その間にも、ガイド嬢二人はポンプを使って風船を膨らませている。
「ああ、風船割りか。浴衣は脱いでもかまわないかな」
公務員でも(だからというべきか)エロチックな遊びに詳しい者もいる。
「はあい、どうぞ。酌婦の皆さんも裸になってください」
美冬はまわりに倣って、ワカメ酒で乱れたままになっている薄物を脱いだ。
目の前に立っている客はパンツ一枚。中年に足を踏み入れた年頃だが、裸身は引き締まっている。
(消防士さんは、逞しい身体でないと務まらないんだな)
美冬の感想は、宴席後を考えてのものだった。
「それではアベックで、風船を挟んで抱き合ってください」
風船を胸で挟んで抱き合う。
「酌婦さんは男性の背中にしがみついて、男性は酌婦さんのお尻を支えてください。絶対に男性が抱きすくめては駄目ですよ」
男性は力が強いからすぐに風船が割れて競争にならないなどと、まことしやかな理屈をつけているが、つまりは……
「きゃ、いやあ……」
「やだあ、エッチ!」
あちこちで嬌声があがる。尻を支えるどころか、その奥まで手を伸ばしている客がほとんどだ。
「合図をしたら、酌婦さんは男性を力いっぱい、風船が割れるまで抱き締めてください。最初に風船を割った酌婦さんには、男性からフルーツ盛り合わせを奢ってあげてください。ビリの酌婦さんは罰として、俎板になってもらいます。フルーツ盛り合わせの件、よろしいですね、元永様」
フルーツ盛り合わせの値段は八百円。一流レストランのディナーよりも高額だから、事前の了解を取り付けておかないと、後で揉めるかもしれない。
「俎板の一番箸は儂だぞ」
公金かポケットマネーかは知らないが、ここまでくれば騎虎の勢いなのだろう。
「では、ヨーイ、ドン!」
ビリにはなりたくないが、一等になって目立つのも厭なので、美冬は軽く抱きついたまま様子をうかがっていた。
パアン!
「きゃあっ……」
誰の声かは聴き分けられなかったが、面白がっている悲鳴だった。
バン!
パアン!
つぎつぎに割れていく。
置いてきぼりを食うまいと、美冬は両腕にぐっと力を入れたのだが――男の指が会淫を越えて淫裂を穿った。
「あ……」
指に侵入されて、腰が砕けそうになった。
「やだ……やめてください。力が脱けちゃう」
「いろいろと許してくれるんだろ」
耳元で囁かれて、熱い息に耳たぶが火照った。
パアン!
「こういうのはどうかな」
客が上体を左右に揺すった。風船がむにゅっと乳房をこねくって、ますます力が脱けてしまう。
パアン。
とうとう、九つ目の破裂音が響いた。
「勝負あった。ビリは美冬さんですね」
まあ、いいか。新米なんだから。そうは思ったのだけど。
広間のまん中に十枚の座布団が二列に並べられた。美冬はそこに仰臥させられた。ワカメ酒とは違い、両足は開いて座布団の外。
「美冬さんは俎板ですからね。ぴくりとも動いては駄目ですよ。動いたら追加の罰で開脚兎跳びをしてもらいます」
どうせ裸でさせられるんだろう。今はまだ上から見下ろされているだけだからまだしも(と、思うしかない)二十人もの男性に真正面から見詰められながら大股開きだなんて、絶対に厭だ――どころではなかった。
「兎跳びは、あお向けに寝たお客様の上でしてもらいますからね。お客様がお子様を寝かしつけているかいきり立たせているかは……さあ、どうでしょうね」
おおおっと、客がどよめく。もったいぶった説明だが、つまりは対面騎乗位を演じさせるという意味なのだ。
美冬としても。密室で男女二人きりになって身体を開くのと、十九人の異性と十一人の同性とに見物されるのとでは、羞ずかしさの質が違う。髪の毛ひと筋だって動かさないと――本気で思った。
あらかじめ準備されてあったのか、すぐにフルーツ盛り合わせが運び込まれた。直径三十センチほどの大皿に、パイナップル、メロン、バナナ、ミカン、イチゴ、ブドウ、リンゴなどが山盛りになっている。それが美冬の脇に置かれてガイド嬢二人が素手で美冬の身体に、肩から膝まで飾り付けていく。
これをお客が食べるんだなと、美冬にもわかってきた。身体じゅうをくすぐられて、はたして我慢しとおせるだろうか。
乳房にはパイナップルの輪切り。まん中の穴からは乳首が顔を出している。
「やはり、これはここでしょうね」
ガイド嬢が一本丸ごとのバナナをかざして、美冬の股間に突き立てた。
「やだあ……羞ずかしい」
冷たくヌメッとした感触が不快だったが、これまでのことと比べれば五十歩百歩の気がしないでもない。けれど、手で顔を隠せないので羞恥がつのった。
美冬の両腕と脛にフォークが並べられる。
「では、皆様。お口直しをお召し上がりください。ただし、手づかみとか犬食いのようなお行儀の悪い食べ方はお慎みください。必ずフォークを使ってくださいね」
手で触れられたり舐められたりしないのなら、なんとかなりそう――とは、まったくの見当違いだったと、すぐに美冬は思い知った。
二十人全員では押し合いへし合いになるので、元永(仮名)は脚の間に座ってもらい、一着とビリの客が乳房の左右。同じ番号の白籤を持った二人が、その横。元永(仮名)と同じ白籤が美冬の頭を膝の間に挟む形で座った。
「あとはジャンケンで勝った順に四人が腰と太腿のところにお座りください」
一分ほどジャンケンポン、アイコデショが続いて、総勢十人が美冬を取り巻いた。負けた者には、それぞれ酌婦が絡みついて膳の前に引き戻していく。美冬が抜けて一人足りないのは、ガイド嬢が代役を務めている。そちらはそちらで、おとなしいところで「はい、あーん」、口移しで酒を飲まされている者、おざなりのガードをかいくぐって酌婦の肌をまさぐる者、それぞれだった。俎板の様子も気になるのだろうが、むさ苦しい背中に遮られていては見物する気にもなれないらしい。
「五分で交替していただきます。では、どうぞ」
まずは元永(仮名)が、バナナの向こう側にあるメロンをそっと突き刺して口に放り込む。
「では、いただきます」
残る九本のフォークがフルーツに襲いかかる。
そっとフルーツを取ってくれる優しい客もいるが、わざと美冬の肌まで突き刺す不届き者も少なくない。
「痛いっ……」
「ああ、ごめんごめん。これなら、いいかな?」
チョンチョンと乳首をつつく奴もいる。
それを眺めていた元永が、やおらバナナにフォークをずぶりと突き刺して。
「このまま食べては面白くない」
左右にこねくり、これ見よがしに抽挿する。
「く……」
悔しいことに、腰の奥で熔岩が騒いだ。しかし、快感には程遠い。
余裕で耐えていたのだが。あお向けになった天井を見上げている美冬には、腰のまわりに群がった男たちの手の動きは見えない。だから、クリトリスへの刺激は不意打ちだった。しかも、指で撫でられたり摘ままれたりではない。鋭いフォークの先端で狙いすましてつつかれたのだ。
「きゃああっ……!」
反射的に腰が跳ねて――フルーツが滑り落ちた。
「あらら、動いてしまいましたね。でも、追加の罰は俎板が終わってからです」
まだ大皿に残っていたフルーツが盛り付け直されて、客が交替した。
しかし、最初ほどには盛り上がらない。さっさと二番煎じは切り上げて追加の罰を見物したいと、気もそぞろなのだろう。
五分が過ぎて、残っているフルーツはバケツに捨てられて。いよいよ開脚兎跳びとなったのだが、(美冬にとっては喜ばしいことに)困った問題が生じた。美冬を引き当てた青籤も白籤も、兎跳びの相手になるのを辞退したのだった。二人を差し置いて手を挙げる厚かましい者もいなかった。
ガイド嬢はめげることなく、場を盛り上げる。
「仕方がありませんね。では、今度は団体ゲームとまいりましょう」
今度は籤に関係なく、有志(若手ばかりが十五人)がジャンケンをして十人が選抜された。男女男女の順で縦並びの五列になる。
「まず、全員が裸になってください。パンツもですよ。どうしても嫌なら、選手交代してください」
男たちは照れ臭そうにしながらも、言葉に従う。選手交代を申し出た者はいなかった。
「後ろの酌婦さんに意味のある四文字の言葉を、私から伝えます。それをカタカナで次の人の背中に書いて伝えていってください。ただし、指を使ってはいけません。男女とも、身体のもっとも出っ張っている部分を使ってください。男性は、大急ぎで出っ張らせてくださいね」
適度に酔いがまわって(ときとしては女性よりもよほど強い)羞恥心も薄れているのか、四人が全裸の女体を間近に見ただけで出っ張らせていた。さらに三人が、自分でしごいて出っ張らせる。残りの三人は酌婦が手伝った。
「ビリのチームは優勝したチームの酌婦さんにドリンクを奢ってあげてください」
酌婦は優勝した当人が三百円の二割をもらえるが、客のほうはどうせ御会計で一括請求される。当然に元永の許可を求めるはずが、ガイド嬢はそれを省いた。
ガイド嬢が列の後ろの酌婦に耳打ちしてまわって、ヨーイドンでゲームが始まった。
酌婦が片方の乳房を前の背中に押しつけて、身体をくねらせ始めた。
「ああん」
「んふうう」
他人の喘ぎ声なんか聞いたことのない美冬でも、作り声とわかる。
「ううん……わからん。もう一度書いてくれよ」
「しゃべっては駄目ですよ。わからないときは首をかしげてください」
参加者の私語はやんだが、あぶれた十人は勝手なことを言い合っている。
「横から眺めてると、百花って妓(こ)はずいぶんと出っ張ってるな」
「尻も出っ張ってますね。まさにトランジスタグラマーってやつです」
「美冬は別格として、夢路も若いですね」
「留守番の連中、話を聞いたら鼻血を噴くぜ」
「夢香ちゃん、ちょうどクリスマスじゃないかな」
「なんだ、そりゃ?」
「クリスマスは二十五日で、イブが二十四日。それくらいかな、と」
「うまいこと言うね。それじゃ千夏は三が日明けか」
「三十一に四を足す――ですか」
「あ、ひどおい。あたし二十八ですよ」
噂された当人が抗議して。それに横の百美が突っ込む。
「あれ? 一昨年も二十八だったような?」
「満月の夜ばかりじゃないんだからね」
不意に両肩を押し下げられた。その意味を理解して美冬は、できるだけ背筋を伸ばして中腰になった。背中に固い物がむにゅっと押しつけられる。何を押しつけられているかは考えないようにして、何を書かれるのかに注意を集中した。
肩甲骨の下を横になぞられて、背筋を上から下に、そして右肩から左の脇腹へ。『オ』だと一発でわかったので、うなずく。次は左から右下へ二回なぞられて、最後に右上へ長く。『シ』だろう。
そうやって解読した単語は『オシルコ』。
美冬は両手で右の乳房を挟んで出っ張らせ、立って待っている前の背中に押しつけた。ぐいっと左から右へ上体をくねらせる。
「あっ……」
乳首にくすぐったくて鋭い電気が奔った。
指先でそろっと肌を撫でればくすぐったいが、強く押しつければくすぐったさは消える。美冬はつま先立ちになって、乳房全体を客の背筋に押し当てた。ぐうっと身体を沈めてから乳房をはなした。同じ要領で三画目を書き終えても、客は頭を動かさない。
四文字書き終えるのを待っているのだと考えて、文字と文字の切れ目にはひと呼吸を挟んで書き終えた。
客は頭をかしげた。ほんとうにわからないのか、ゲームに負けても乳房の感触をもっと楽しみたいのか。
三度目に、やっとうなづいてくれた。
前の客もまわりを見て要領をわかっている。最終ランナーの百美を中腰にさせて、その背中に出っ張りの根元を握って押しつけた。
美冬の前にいる百美が手を挙げたのは三番目だった。ガイド嬢から紙と鉛筆を借りて答えを封印する。
じきに五チームすべてがゴールインして。
「では、結果を発表します。一着は美秋さんチームで答えは……やだあ、オマンコです」
客のあいだから小さな笑いが起きた。
「二着は千夏さんチームで……スジコ? 濁点を一文字に数えたのでしょうか?」
今度は爆笑。
「三着は百美さんチーム。答は……やだなあ、オシツコです」
あとの二チームはオスネコとタクアン。
「まず、正解を発表します。それは。オ・シ・ン・コ、です。ええと……オマンコとオシツコが、どちらも一字違いですね。でも、意味からするとタクアンが正解ですし。どう致しましょうか、元永様?」
間髪を入れずに元永が判定をくだした。
「引き分けだな。ただし、お嬢さんたちの奮闘を称えて、全員にドリンクを奢ってあげよう」
わあああ、きゃああああっと、酌婦たちがはしゃいだ。ドリンク一杯の報酬は、たった六十円だが、松永(仮名)にしてみれば三千円、ロングの値段と同額である。お愛想にしても、太っ腹をヨイショすべき場面だった。
「これは別会計で頼む」
後ろに置いていた小さな手持ち鞄から千円札を三枚抜き出してガイド嬢に手渡す。
「すっごーい」
「御大尽だわあ」
今度は本心がこもっている。
「それでは、しばらく懇親タイムとまいりましょう。酌婦さんは、白籤の方のお相手をしてくださいね。あら、元永様は青籤でしたか。それでは、不肖わたくしが」
ガイド嬢が二人そろってスカートを脱ぎ、乳房ではちきれそうなチョッキだけの姿で元永(仮名)の両側にはべった。ガイド嬢は特定のホテルに所属せず、置屋から派遣される桃色酌婦で、美冬たちよりはずっと高い時間給をもらっている。仕事にあぶれるときも少なくないが、ホテル側の接客仲居だけで対応できない場合はショートやロングを取ることもある。金蔓が太いと見てのサービスだろう。
お色気ゲームがきっかけで、場は乱れに乱れている。美冬も客と差し向かいではなく、全裸のまま横にはべって、乳房も股間も客の蹂躙にまかせている。これでも、まだおとなしいほうだった。客の膝に座ってしなだれかかっている者もいれば、抱き合って口移しで料理を食べさせ合っている者もいた。
そして――早々に宴席から退散するアベックも出始めた。
まずは年配者の何人かが、大晦日前後の妓を選んで静かに姿を消す。
両手に花の元永(仮名)もガイド嬢のひとりに篭絡されて姿を消したのだが、ガイド嬢同士でちょっとした悶着はあった。
「駄目よ。まだ専属さんたちが残っているんだから」
「だいじょうぶよ。残っているのは若い人たちばかりじゃない。だれひとりお茶なんか挽かないわよ。それじゃ、幕引きはお願いね」
「御亭さんに言いつけてやるんだから」
上司や先輩の動静が定まると、若手同士で角突き合いが始まる。
「なあ、今夜は僕とつきあわないか」
「まだ宴会の途中だぞ。終わるまでは俺に権利がある」
「もう本部長も帰られたんだ。終わっているも同然さ」
険悪になりかけたところで、粉を掛けられた夢乃が割って入る。
「そんじゃ、わだすとヘッペしたいやつは手え挙げろや」
それがお国言葉なのか、熱を冷ますつもりなのか。ちなみに地方公務員は民間企業と違って地元出身者ばかりだから、同郷のよしみとか言い出す者はいない。そこらあたりも計算ずくだとしたら、たいしたものだが。
結局三人が名乗り出た。
「心付けを一枚はずむから」
「そういうのは、ダーメ。わたしが叱られちゃう」
ということで、ジャンケン。権利を主張した籤の男が勝った。
「くそう。もう帰って来るな」
「あったりまえだろ。朝までしっぽり……うひひひ」
そして、ついに。美冬にも誘いの声が掛かった。それも五人から。たがいに牽制し合っていて、一人が粉を掛けたのをきっかけに、乗り遅れまいと殺到したらしい。
美冬は同じ年頃の少女にくらべてはるかに男性経験は多かったが、それはあくまで対一だったし、向こうがチヤホヤしてくれた。こんなオトナ同士の角突き合いを捌くなんて無理だった。
「美冬はまだ研修を受けていない新人なんですよ。今日は人手が足りなかったから出しましたけど、オトナの恋愛はまだ無理です」
ガイド嬢がとりなそうとしてくれたのだが。さんざん弄られて中途半端に熔岩が疼きだしている。オトナの恋愛をしないことには、欲求不満に陥りそうだった。
「無理じゃないです。あたし、六人の男性と経験があります」
五人が、へええといった顔になって美冬を見た。
まじまじと見つめられて、美冬は羞恥を思い出した。薄物は羽織っていたが帯は締めずに、前がはだけたままだ。その狼狽が、とんでもないことを美冬に口走らせた。
「あの……ロングは無理ですけど、ショートなら五人で五時間ですよね。なんとかなるんじゃないかと……」
「ちょっと、美冬ちゃん」
夢香に腕をつかまれて、廊下に引きずり出された。
「あのね……自由恋愛だから、そういうのも有りっちゃ有りだけどさ。あたいだって、女将さんに泣きつかれて、ひと晩に三人マワシをとったこともあるけど。五人なんて、腰が抜けるわよ。やめときなさい」
化粧を教えてもらって親近感を持つようになった先輩の忠告だったが、その言葉がかえって美冬に火を点けた。客に勧められるたびに断わりながらも、チビチビとビールを舐めていて、頭がぽわんとしていたせいもあったかもしれない。
「腰が抜けるなんて……体験してみたいです。だって、これまでの男性、六人中五人までは自分勝手に終わっちゃって、いつも途中で放り出されてましたから。次の人が続きをしてくれるんなら、きっと逝けちゃうじゃないかなって」
ふう……と、夢香が溜め息を吐いた。
「まったく。お姉さんたちが『今時の若いこは』って言うのが、よくわかったわ。でも、これは仕事だからね。火遊びとはわけが違う。あたいたちはプロなんだからね。ちゃんと最後まで接客する自信があるなら、やってごらん。泣きを入れたって知らないからね」
突き放した言い方ではないと感じたのは、ビールのせいだろうか。
「はい、頑張ります」
美冬は意気込んで返事をしたのだった。
――新人の仕事熱心(?)に感化されたのか、百花も三人のマワシを取った。しかし、ショート三回ではロングと同じ金額で旨味がない。先に二人をショートで相手してから、最後の一人とはロングというふうに話を持って行った。さらに夢香も。美冬を激励(?)した手前もあって、百花と同じくショート二本とロング一本のマワシを取った。二十人の客に対してガイド嬢を含めて十二人。そのうちの三人が余分に八本を取ったので、客は誰ひとりあぶれなかった。
「美冬ちゃんて、来た早々、とんでもないことするわね」
呆れ顔の者もいたし。
「わたしの伯母なんか、戦時中は現地でひと晩に三十本とか言ってたよ。五本くらい、どうってことないよね――わたしは御免だけど」
励ましながら貶すという器用な物言いをした者もいた。
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文中の画像は、現在のピンクコンパニオン(スーパーコンパニオンともいう)の接待風景です。作品から60年を経て、「現実は小説よりもエロなり」になっていますねえ。
ピクコンパニオン,スーパーコンパニオンの関連作品です。
今回はピンク宴会のシーンです。
ネタは色々考えていましたが、あまり盛り込むと長くなりすぎるので絞り込みました。
現在のエロゲーム定番はツイスターですが、これは1965年に米国で発売されたので、1961年を舞台とする本作品には出せません。

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酌婦の控室に使われている広間に三十人以上がひしめくと、羞恥心なんか消し飛んでしまう。白粉の匂いと若い女性の体臭とで、学校の更衣室よりも女臭い。透け透けの露出衣装の集団。名札は着けていないから、食堂で挨拶したときより厚化粧の顔と覚えたばかりの名前とが結びつかない人が多い。
四人だけ、バスガイドみたいな服装の女性が混じっている。といっても、絶対にバスガイドではない。紺色のスカートはパンツが見えるあたりまでスリットがはいっているし、上に着ているのは素肌に紺色のチョッキだけ。昼に食堂で挨拶をした人の中にはいなかったように思う。
皆でわいわいがやがやする中で、美冬は隅っこでぽつねんとしていた。
じきに女将が背広姿の男性を従えて、姿を現わした。社長ではない。胸に『副支配人』の名札を付けている。
「今日は二十名様と十四名様の宴会があります。それと、お座敷は五名様が一組と三名様が二組です。二十名様と十四名様は、置屋からの派遣さんに仕切ってもらいます。エロい恰好のバスガイドが二人ずつにわかれて女将の両側にたった。
「まず、二十名様の担当は――千夏さん、百美さん、百花さん、百菜さん、夢路さん、夢香さん……美秋さん、美冬さん。以上の十人でお願いします」
「はいっ」
名前を呼ばれたので、つい学校の習慣で元気よく返事をして、くすくす笑いに包まれた。
「おかしくなんか、ないですよ。皆さんも美冬さんを見習いなさい」
たしなめる女将自身が、袂で口を隠している。
「皆さんも御承知のように、美冬さんは今日が初仕事けです。いろいろと教えてあげてくださいね」
そこで、美冬に目を向ける。
「無理はしなくていいですからね。さっきも言いましたけれど、お客様と肌が合わなければ、今夜のところは自由恋愛はしなくてもいいですから」
「……はい」
とは答えたけれど。もしかして試されているのかなとも思った。それに――肌が合うかどうかは、それこそ肌を合わさなければわからないだろう。
女将は従業員の割り当てに戻って。十四名の宴席には七人、五名のお座敷は三人、三名の二組には二人と一人。
十人と七人は、それこそバスガイドに引率された観光客さながらに、ぞろぞろと広間から出て行って。いよいよ、美冬の初仕事だった。
――最初にガイド嬢が宴会場にはいって。短い口上の後で。
「では、皆さまお待ちかねの桃色酌婦さんの登場です。隣に迷惑にならない程度の拍手でお迎えください」
上座からはいって、コの字型に膳を並べている客の前に一列で座る。
「あの左端の子、ずいぶんと若いな」
「まさか処女じゃないだろうな」
客の視線が美冬に集まった。
「本日のお相手をさせていただく千夏です」
三つ指を突いて挨拶。頭を下げたまま。
「百美です」
「百花です」
ますます視線が美冬に集中する。
「美秋です」
「美冬です」
最後に美冬が平伏すると、一瞬、ざわめきが途絶える。
「では皆様、籤を引いてください。ちょっとルールがややこしいのですが、青い箱と白い箱、一人おきになるように引いてください」
ガイド嬢の二人がそれぞれに箱を持って、客の前を巡った。
「これから酌婦さんも籤を引きます。前半は、青い籤の方の番号と一致したところに酌婦さんが座ります。後半は、白い籤の方と入れ替わります。捨てずに持っていてくださいね。念のために申し上げておきますが、籤は宴会のあいだだけの約束事です。宴会後の自由時間には関係ありませんからね」
自由恋愛の組み合わせを決めるものではないという意味だ。
酌婦はひとりずつガイド嬢の前に進んで、赤い箱から籤を引く。
「はい、三番です。青の三番の方は、どちらですか」
「ここだよ……」
声がしょげているのは、千夏がどう見ても三十を過ぎているからだろう。百美と百花にも、似たような反応だった。二十代の夢香になって、俄然返事の声が弾みだす。
「おお、こっちこっち。夢香ちゃんだっけ」
そして、美秋でトーンダウンして。
「美冬ちゃーん、ここ、ここ!」
空席はひとつなのだから、番号を合わせるまでもない。
「いやあ。残り物には福があるってのは、ほんとうだなあ」
先輩を差し置いての人気は、後で妬まれる元になる。それくらいはわきまえているので。
「あの……今日が初めてのお仕事なんです。粗相をするかもしれませんが、赦してくださいね」
「赦す赦す。なんでも赦しちゃうぞ。そのかわり、美冬ちゃんもアレコレ許してくれよ」
ガイド嬢の合図で、それぞれに酌婦がビールを注いで。酌婦も客に注いでもらう。
「では、乾杯の音頭をお願いします」
コの字形の中央に座っていた年輩の男性が、コップを持って立ち上がる。
「諸君。日頃とは逆に、今夜は大いに燃え上がってくれ。乾杯!」
こんな場所で一席ぶつ愚を知っている男だった。
それでも、客はあまり燃え上がる様子もなく、おとなしく飲み食いしている。ビールを持って、先輩だか上司だかにお酌巡りをする若手もいる。
美冬は胸元と腰のあたりを舐め回す視線に全身を火照らせながら座っている。コップが空になるとビールを注ぐのだが、両手でビール瓶を捧げ持っている間はうっすら(以上に)透けて見える股間が無防備になるので、催促されるまで気がつかないこともしばしばだった。
まともな着物を着た仲居が三人、清酒の二合瓶を運んできた。それぞれの膳に置くと、すぐに逃げ去る。
ちなみに。この島ではどこでもそうだが、会席の作法に則って料理を順番に出したりはしない。前菜も刺身も揚げ物も御飯も少なめにして、大きな膳にひとまとめにする。乱痴気騒ぎをたびたび中断されては客がしらけるし、ホテルとしても客に大食泥酔されては困る。なんといっても、主菜は宴席後の女体なのだから。
とはいえ、この宴席のように職場の堅苦しい雰囲気を引きずっていられても困る。それゆえの二合瓶だった。
ガイド嬢が声を張り上げた。
「どうも皆様、お行儀が良過ぎますね。ワカメ酒でも呑んで酔っ払っていただきましょう。酌婦さん、よろしくお願いします」
美冬を除く九人が一斉に動いた。帯を解いて前をはだけて――仰臥する者、後ろに手を突いて上体をのけぞらす者。さっさと全裸になった者もいた。
ガイド嬢の一人が、美冬の横に座った。
「美冬さんも、皆さんと同じようにして。腿はぴったりと閉じていてね」
透け透けの服なんか、着て居ようと脱いでしまおうと一緒だ。そう自分に言い聞かせて、美冬は前をはだけて上体を反らせた。
ワカメ酒の意味を知っている男は、さっそくに二合瓶を酌婦の股間に流し込む。男が動かないときは、酌婦みずからが自分の股間に酒を注ぐ。
呆気に取られているうちに、美冬にはガイド嬢が酒を満たした。
客たちは照れた表情を浮かべながら、酒に顔を近づける。
(まあ……?!)
「それじゃ、僕も美冬ちゃんをいただくよ」
青籤の客が膳を脇によけて、美冬ににじり寄った。美冬に向かって土下座するようにして――ずずずっと、酒をすする。
まわりでも同じことをしているから驚きはしなかったが。羞ずかしいのと馬鹿々々しいのとが一緒くたになって、なんとも形容しがたい気分だった。
青籤の客が下がると、美冬を白籤で引き当てた客が中央の列の端から移動してきて、同じようにワカメ酒をすすり始めたのだが。
「きゃあっ……!」
股間にぬめっとした感触が奔って、反射的に美冬は後ずさった。と同時に、まだ残っていた酒が座布団にこぼれた。
「え……?」
きょとんとしている客に向かって、ガイド嬢がたしなめ……なかった。
「お客様。この子は今日がほんとうに初体験ですから……色々と教えてやってくださいね」
けしかけている。
「そういうことなら、仕切り直しだ」
青籤の客が、今度は立って美冬の後ろにまわった。
「身体を起こしていると、酒がこぼれやすいんじゃないかな。寝てごらんよ」
客の要求を拒んでもいいのか、美冬は聞いていない。それに、ここまで羞ずかしいことをして後には引けないという思いもある。美冬は濡れた座布団を尻に敷いて仰臥した。
客が逆さに覆いかぶさってきて、両手で太腿を挟んだ。
「こぼれないように押さえていてあげよう」
絶対に親切心からではないと美冬は判断した。だって、客の浴衣がはだけて、盛り上がったパンツが目の前にあった。
(これが勃起したときの大きさなら、たいしたことはないな)
美冬は美冬で、そんなことを考えている。
「皆様、ガソリンを補給してだんだん燃え上がってまいりましたね」
「おう。じゃんじゃん水をぶっ掛けろ」
「……水をですか?」
「おう。油脂火災に水を掛けると派手に燃え上がるんだぞ」
「あ、はあ?」
「専門家が言ってるんだ、間違いはない」
「柴田副士長、わしらは元永様御一行だ。消防署とはなんの関係もないぞ」
この男もじゅうぶんにガソリンを補給しているのだろう。率先して素性をばらしている。
「では、さっそくに水を掛けさせていただきます。白籤をお持ちの方にお願いします。酌婦さんとアベックになって、中央に立ってください」
広間の中央に十組が進み出る。その間にも、ガイド嬢二人はポンプを使って風船を膨らませている。
「ああ、風船割りか。浴衣は脱いでもかまわないかな」
公務員でも(だからというべきか)エロチックな遊びに詳しい者もいる。
「はあい、どうぞ。酌婦の皆さんも裸になってください」
美冬はまわりに倣って、ワカメ酒で乱れたままになっている薄物を脱いだ。
目の前に立っている客はパンツ一枚。中年に足を踏み入れた年頃だが、裸身は引き締まっている。
(消防士さんは、逞しい身体でないと務まらないんだな)
美冬の感想は、宴席後を考えてのものだった。
「それではアベックで、風船を挟んで抱き合ってください」
風船を胸で挟んで抱き合う。
「酌婦さんは男性の背中にしがみついて、男性は酌婦さんのお尻を支えてください。絶対に男性が抱きすくめては駄目ですよ」
男性は力が強いからすぐに風船が割れて競争にならないなどと、まことしやかな理屈をつけているが、つまりは……
「きゃ、いやあ……」
「やだあ、エッチ!」
あちこちで嬌声があがる。尻を支えるどころか、その奥まで手を伸ばしている客がほとんどだ。
「合図をしたら、酌婦さんは男性を力いっぱい、風船が割れるまで抱き締めてください。最初に風船を割った酌婦さんには、男性からフルーツ盛り合わせを奢ってあげてください。ビリの酌婦さんは罰として、俎板になってもらいます。フルーツ盛り合わせの件、よろしいですね、元永様」
フルーツ盛り合わせの値段は八百円。一流レストランのディナーよりも高額だから、事前の了解を取り付けておかないと、後で揉めるかもしれない。
「俎板の一番箸は儂だぞ」
公金かポケットマネーかは知らないが、ここまでくれば騎虎の勢いなのだろう。
「では、ヨーイ、ドン!」
ビリにはなりたくないが、一等になって目立つのも厭なので、美冬は軽く抱きついたまま様子をうかがっていた。
パアン!
「きゃあっ……」
誰の声かは聴き分けられなかったが、面白がっている悲鳴だった。
バン!
パアン!
つぎつぎに割れていく。
置いてきぼりを食うまいと、美冬は両腕にぐっと力を入れたのだが――男の指が会淫を越えて淫裂を穿った。
「あ……」
指に侵入されて、腰が砕けそうになった。
「やだ……やめてください。力が脱けちゃう」
「いろいろと許してくれるんだろ」
耳元で囁かれて、熱い息に耳たぶが火照った。
パアン!
「こういうのはどうかな」
客が上体を左右に揺すった。風船がむにゅっと乳房をこねくって、ますます力が脱けてしまう。
パアン。
とうとう、九つ目の破裂音が響いた。
「勝負あった。ビリは美冬さんですね」
まあ、いいか。新米なんだから。そうは思ったのだけど。
広間のまん中に十枚の座布団が二列に並べられた。美冬はそこに仰臥させられた。ワカメ酒とは違い、両足は開いて座布団の外。
「美冬さんは俎板ですからね。ぴくりとも動いては駄目ですよ。動いたら追加の罰で開脚兎跳びをしてもらいます」
どうせ裸でさせられるんだろう。今はまだ上から見下ろされているだけだからまだしも(と、思うしかない)二十人もの男性に真正面から見詰められながら大股開きだなんて、絶対に厭だ――どころではなかった。
「兎跳びは、あお向けに寝たお客様の上でしてもらいますからね。お客様がお子様を寝かしつけているかいきり立たせているかは……さあ、どうでしょうね」
おおおっと、客がどよめく。もったいぶった説明だが、つまりは対面騎乗位を演じさせるという意味なのだ。
美冬としても。密室で男女二人きりになって身体を開くのと、十九人の異性と十一人の同性とに見物されるのとでは、羞ずかしさの質が違う。髪の毛ひと筋だって動かさないと――本気で思った。
あらかじめ準備されてあったのか、すぐにフルーツ盛り合わせが運び込まれた。直径三十センチほどの大皿に、パイナップル、メロン、バナナ、ミカン、イチゴ、ブドウ、リンゴなどが山盛りになっている。それが美冬の脇に置かれてガイド嬢二人が素手で美冬の身体に、肩から膝まで飾り付けていく。
これをお客が食べるんだなと、美冬にもわかってきた。身体じゅうをくすぐられて、はたして我慢しとおせるだろうか。
乳房にはパイナップルの輪切り。まん中の穴からは乳首が顔を出している。
「やはり、これはここでしょうね」
ガイド嬢が一本丸ごとのバナナをかざして、美冬の股間に突き立てた。
「やだあ……羞ずかしい」
冷たくヌメッとした感触が不快だったが、これまでのことと比べれば五十歩百歩の気がしないでもない。けれど、手で顔を隠せないので羞恥がつのった。
美冬の両腕と脛にフォークが並べられる。
「では、皆様。お口直しをお召し上がりください。ただし、手づかみとか犬食いのようなお行儀の悪い食べ方はお慎みください。必ずフォークを使ってくださいね」
手で触れられたり舐められたりしないのなら、なんとかなりそう――とは、まったくの見当違いだったと、すぐに美冬は思い知った。
二十人全員では押し合いへし合いになるので、元永(仮名)は脚の間に座ってもらい、一着とビリの客が乳房の左右。同じ番号の白籤を持った二人が、その横。元永(仮名)と同じ白籤が美冬の頭を膝の間に挟む形で座った。
「あとはジャンケンで勝った順に四人が腰と太腿のところにお座りください」
一分ほどジャンケンポン、アイコデショが続いて、総勢十人が美冬を取り巻いた。負けた者には、それぞれ酌婦が絡みついて膳の前に引き戻していく。美冬が抜けて一人足りないのは、ガイド嬢が代役を務めている。そちらはそちらで、おとなしいところで「はい、あーん」、口移しで酒を飲まされている者、おざなりのガードをかいくぐって酌婦の肌をまさぐる者、それぞれだった。俎板の様子も気になるのだろうが、むさ苦しい背中に遮られていては見物する気にもなれないらしい。
「五分で交替していただきます。では、どうぞ」
まずは元永(仮名)が、バナナの向こう側にあるメロンをそっと突き刺して口に放り込む。
「では、いただきます」
残る九本のフォークがフルーツに襲いかかる。
そっとフルーツを取ってくれる優しい客もいるが、わざと美冬の肌まで突き刺す不届き者も少なくない。
「痛いっ……」
「ああ、ごめんごめん。これなら、いいかな?」
チョンチョンと乳首をつつく奴もいる。
それを眺めていた元永が、やおらバナナにフォークをずぶりと突き刺して。
「このまま食べては面白くない」
左右にこねくり、これ見よがしに抽挿する。
「く……」
悔しいことに、腰の奥で熔岩が騒いだ。しかし、快感には程遠い。
余裕で耐えていたのだが。あお向けになった天井を見上げている美冬には、腰のまわりに群がった男たちの手の動きは見えない。だから、クリトリスへの刺激は不意打ちだった。しかも、指で撫でられたり摘ままれたりではない。鋭いフォークの先端で狙いすましてつつかれたのだ。
「きゃああっ……!」
反射的に腰が跳ねて――フルーツが滑り落ちた。
「あらら、動いてしまいましたね。でも、追加の罰は俎板が終わってからです」
まだ大皿に残っていたフルーツが盛り付け直されて、客が交替した。
しかし、最初ほどには盛り上がらない。さっさと二番煎じは切り上げて追加の罰を見物したいと、気もそぞろなのだろう。
五分が過ぎて、残っているフルーツはバケツに捨てられて。いよいよ開脚兎跳びとなったのだが、(美冬にとっては喜ばしいことに)困った問題が生じた。美冬を引き当てた青籤も白籤も、兎跳びの相手になるのを辞退したのだった。二人を差し置いて手を挙げる厚かましい者もいなかった。
ガイド嬢はめげることなく、場を盛り上げる。
「仕方がありませんね。では、今度は団体ゲームとまいりましょう」
今度は籤に関係なく、有志(若手ばかりが十五人)がジャンケンをして十人が選抜された。男女男女の順で縦並びの五列になる。
「まず、全員が裸になってください。パンツもですよ。どうしても嫌なら、選手交代してください」
男たちは照れ臭そうにしながらも、言葉に従う。選手交代を申し出た者はいなかった。
「後ろの酌婦さんに意味のある四文字の言葉を、私から伝えます。それをカタカナで次の人の背中に書いて伝えていってください。ただし、指を使ってはいけません。男女とも、身体のもっとも出っ張っている部分を使ってください。男性は、大急ぎで出っ張らせてくださいね」
適度に酔いがまわって(ときとしては女性よりもよほど強い)羞恥心も薄れているのか、四人が全裸の女体を間近に見ただけで出っ張らせていた。さらに三人が、自分でしごいて出っ張らせる。残りの三人は酌婦が手伝った。
「ビリのチームは優勝したチームの酌婦さんにドリンクを奢ってあげてください」
酌婦は優勝した当人が三百円の二割をもらえるが、客のほうはどうせ御会計で一括請求される。当然に元永の許可を求めるはずが、ガイド嬢はそれを省いた。
ガイド嬢が列の後ろの酌婦に耳打ちしてまわって、ヨーイドンでゲームが始まった。
酌婦が片方の乳房を前の背中に押しつけて、身体をくねらせ始めた。
「ああん」
「んふうう」
他人の喘ぎ声なんか聞いたことのない美冬でも、作り声とわかる。
「ううん……わからん。もう一度書いてくれよ」
「しゃべっては駄目ですよ。わからないときは首をかしげてください」
参加者の私語はやんだが、あぶれた十人は勝手なことを言い合っている。
「横から眺めてると、百花って妓(こ)はずいぶんと出っ張ってるな」
「尻も出っ張ってますね。まさにトランジスタグラマーってやつです」
「美冬は別格として、夢路も若いですね」
「留守番の連中、話を聞いたら鼻血を噴くぜ」
「夢香ちゃん、ちょうどクリスマスじゃないかな」
「なんだ、そりゃ?」
「クリスマスは二十五日で、イブが二十四日。それくらいかな、と」
「うまいこと言うね。それじゃ千夏は三が日明けか」
「三十一に四を足す――ですか」
「あ、ひどおい。あたし二十八ですよ」
噂された当人が抗議して。それに横の百美が突っ込む。
「あれ? 一昨年も二十八だったような?」
「満月の夜ばかりじゃないんだからね」
不意に両肩を押し下げられた。その意味を理解して美冬は、できるだけ背筋を伸ばして中腰になった。背中に固い物がむにゅっと押しつけられる。何を押しつけられているかは考えないようにして、何を書かれるのかに注意を集中した。
肩甲骨の下を横になぞられて、背筋を上から下に、そして右肩から左の脇腹へ。『オ』だと一発でわかったので、うなずく。次は左から右下へ二回なぞられて、最後に右上へ長く。『シ』だろう。
そうやって解読した単語は『オシルコ』。
美冬は両手で右の乳房を挟んで出っ張らせ、立って待っている前の背中に押しつけた。ぐいっと左から右へ上体をくねらせる。
「あっ……」
乳首にくすぐったくて鋭い電気が奔った。
指先でそろっと肌を撫でればくすぐったいが、強く押しつければくすぐったさは消える。美冬はつま先立ちになって、乳房全体を客の背筋に押し当てた。ぐうっと身体を沈めてから乳房をはなした。同じ要領で三画目を書き終えても、客は頭を動かさない。
四文字書き終えるのを待っているのだと考えて、文字と文字の切れ目にはひと呼吸を挟んで書き終えた。
客は頭をかしげた。ほんとうにわからないのか、ゲームに負けても乳房の感触をもっと楽しみたいのか。
三度目に、やっとうなづいてくれた。
前の客もまわりを見て要領をわかっている。最終ランナーの百美を中腰にさせて、その背中に出っ張りの根元を握って押しつけた。
美冬の前にいる百美が手を挙げたのは三番目だった。ガイド嬢から紙と鉛筆を借りて答えを封印する。
じきに五チームすべてがゴールインして。
「では、結果を発表します。一着は美秋さんチームで答えは……やだあ、オマンコです」
客のあいだから小さな笑いが起きた。
「二着は千夏さんチームで……スジコ? 濁点を一文字に数えたのでしょうか?」
今度は爆笑。
「三着は百美さんチーム。答は……やだなあ、オシツコです」
あとの二チームはオスネコとタクアン。
「まず、正解を発表します。それは。オ・シ・ン・コ、です。ええと……オマンコとオシツコが、どちらも一字違いですね。でも、意味からするとタクアンが正解ですし。どう致しましょうか、元永様?」
間髪を入れずに元永が判定をくだした。
「引き分けだな。ただし、お嬢さんたちの奮闘を称えて、全員にドリンクを奢ってあげよう」
わあああ、きゃああああっと、酌婦たちがはしゃいだ。ドリンク一杯の報酬は、たった六十円だが、松永(仮名)にしてみれば三千円、ロングの値段と同額である。お愛想にしても、太っ腹をヨイショすべき場面だった。
「これは別会計で頼む」
後ろに置いていた小さな手持ち鞄から千円札を三枚抜き出してガイド嬢に手渡す。
「すっごーい」
「御大尽だわあ」
今度は本心がこもっている。
「それでは、しばらく懇親タイムとまいりましょう。酌婦さんは、白籤の方のお相手をしてくださいね。あら、元永様は青籤でしたか。それでは、不肖わたくしが」
ガイド嬢が二人そろってスカートを脱ぎ、乳房ではちきれそうなチョッキだけの姿で元永(仮名)の両側にはべった。ガイド嬢は特定のホテルに所属せず、置屋から派遣される桃色酌婦で、美冬たちよりはずっと高い時間給をもらっている。仕事にあぶれるときも少なくないが、ホテル側の接客仲居だけで対応できない場合はショートやロングを取ることもある。金蔓が太いと見てのサービスだろう。
お色気ゲームがきっかけで、場は乱れに乱れている。美冬も客と差し向かいではなく、全裸のまま横にはべって、乳房も股間も客の蹂躙にまかせている。これでも、まだおとなしいほうだった。客の膝に座ってしなだれかかっている者もいれば、抱き合って口移しで料理を食べさせ合っている者もいた。
そして――早々に宴席から退散するアベックも出始めた。
まずは年配者の何人かが、大晦日前後の妓を選んで静かに姿を消す。
両手に花の元永(仮名)もガイド嬢のひとりに篭絡されて姿を消したのだが、ガイド嬢同士でちょっとした悶着はあった。
「駄目よ。まだ専属さんたちが残っているんだから」
「だいじょうぶよ。残っているのは若い人たちばかりじゃない。だれひとりお茶なんか挽かないわよ。それじゃ、幕引きはお願いね」
「御亭さんに言いつけてやるんだから」
上司や先輩の動静が定まると、若手同士で角突き合いが始まる。
「なあ、今夜は僕とつきあわないか」
「まだ宴会の途中だぞ。終わるまでは俺に権利がある」
「もう本部長も帰られたんだ。終わっているも同然さ」
険悪になりかけたところで、粉を掛けられた夢乃が割って入る。
「そんじゃ、わだすとヘッペしたいやつは手え挙げろや」
それがお国言葉なのか、熱を冷ますつもりなのか。ちなみに地方公務員は民間企業と違って地元出身者ばかりだから、同郷のよしみとか言い出す者はいない。そこらあたりも計算ずくだとしたら、たいしたものだが。
結局三人が名乗り出た。
「心付けを一枚はずむから」
「そういうのは、ダーメ。わたしが叱られちゃう」
ということで、ジャンケン。権利を主張した籤の男が勝った。
「くそう。もう帰って来るな」
「あったりまえだろ。朝までしっぽり……うひひひ」
そして、ついに。美冬にも誘いの声が掛かった。それも五人から。たがいに牽制し合っていて、一人が粉を掛けたのをきっかけに、乗り遅れまいと殺到したらしい。
美冬は同じ年頃の少女にくらべてはるかに男性経験は多かったが、それはあくまで対一だったし、向こうがチヤホヤしてくれた。こんなオトナ同士の角突き合いを捌くなんて無理だった。
「美冬はまだ研修を受けていない新人なんですよ。今日は人手が足りなかったから出しましたけど、オトナの恋愛はまだ無理です」
ガイド嬢がとりなそうとしてくれたのだが。さんざん弄られて中途半端に熔岩が疼きだしている。オトナの恋愛をしないことには、欲求不満に陥りそうだった。
「無理じゃないです。あたし、六人の男性と経験があります」
五人が、へええといった顔になって美冬を見た。
まじまじと見つめられて、美冬は羞恥を思い出した。薄物は羽織っていたが帯は締めずに、前がはだけたままだ。その狼狽が、とんでもないことを美冬に口走らせた。
「あの……ロングは無理ですけど、ショートなら五人で五時間ですよね。なんとかなるんじゃないかと……」
「ちょっと、美冬ちゃん」
夢香に腕をつかまれて、廊下に引きずり出された。
「あのね……自由恋愛だから、そういうのも有りっちゃ有りだけどさ。あたいだって、女将さんに泣きつかれて、ひと晩に三人マワシをとったこともあるけど。五人なんて、腰が抜けるわよ。やめときなさい」
化粧を教えてもらって親近感を持つようになった先輩の忠告だったが、その言葉がかえって美冬に火を点けた。客に勧められるたびに断わりながらも、チビチビとビールを舐めていて、頭がぽわんとしていたせいもあったかもしれない。
「腰が抜けるなんて……体験してみたいです。だって、これまでの男性、六人中五人までは自分勝手に終わっちゃって、いつも途中で放り出されてましたから。次の人が続きをしてくれるんなら、きっと逝けちゃうじゃないかなって」
ふう……と、夢香が溜め息を吐いた。
「まったく。お姉さんたちが『今時の若いこは』って言うのが、よくわかったわ。でも、これは仕事だからね。火遊びとはわけが違う。あたいたちはプロなんだからね。ちゃんと最後まで接客する自信があるなら、やってごらん。泣きを入れたって知らないからね」
突き放した言い方ではないと感じたのは、ビールのせいだろうか。
「はい、頑張ります」
美冬は意気込んで返事をしたのだった。
――新人の仕事熱心(?)に感化されたのか、百花も三人のマワシを取った。しかし、ショート三回ではロングと同じ金額で旨味がない。先に二人をショートで相手してから、最後の一人とはロングというふうに話を持って行った。さらに夢香も。美冬を激励(?)した手前もあって、百花と同じくショート二本とロング一本のマワシを取った。二十人の客に対してガイド嬢を含めて十二人。そのうちの三人が余分に八本を取ったので、客は誰ひとりあぶれなかった。
「美冬ちゃんて、来た早々、とんでもないことするわね」
呆れ顔の者もいたし。
「わたしの伯母なんか、戦時中は現地でひと晩に三十本とか言ってたよ。五本くらい、どうってことないよね――わたしは御免だけど」
励ましながら貶すという器用な物言いをした者もいた。
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文中の画像は、現在のピンクコンパニオン(スーパーコンパニオンともいう)の接待風景です。作品から60年を経て、「現実は小説よりもエロなり」になっていますねえ。
ピクコンパニオン,スーパーコンパニオンの関連作品です。
PIXIVでリクエスト受付開始
PIXIVに新機能が実装されました。
クリエイターがファンからのリクエストを有料で受け付けてコンテンツを制作するというものです。
さっそく募集要項を掲示しました。

目安金額10,000
R-18:蕾の悦虐(ロリマゾ)シリーズ短編
・3万5千文字(原稿用紙レイアウト100枚)程度以上
・ヒロイン一人称
・ヒロインは処女/被虐願望自認(ひとり遊び実践の有無は指定可能)
・教育漢字+α(縄、鞭、蝋燭など)で記述
・原則として回復不可能なダメージ(四肢切断、ケロイド、生殖機能破壊など)は不可
注:膜の破損、ピアス、局所的な刺青・焼き印などはOK
・黄金不可/聖水OK
以上の縛りで、下記リクエストを募集します。
*ストーリイのリクエスト
*時代設定のリクエスト(未来、飛鳥~平安は不可)
注:地域的には国内を想定していますが、海外でもOK。
他星系は不可。平行世界、ファンタジー世界は稍不可。
*シチュエーションのリクエスト(学園物、孤島物、因習だらけの村などなど)
*キャラ設定(外見、性格)男の娘(受け)OK
*人間関係のリクエスト(実父と娘、姉妹、兄妹、先輩後輩、強制婚約、継母や継父などなど)
*特定の責めのリクエスト
後日、「ロリマゾ短編集」にまとめて電子出版の予定です。
そのときは「原案□□様」「キャラ設定△△様」「責めアイデア〇○様」などのクレジットを挿れます。
希望されない場合は、その旨ご指定ください。
リクエストしてやろうという奇特な物好きは、ここからPIXIVの濠門長恭ホームページへ飛んでください。
3万5千文字(以上)1万円の金額設定について
読者それぞれに受け止め方は違うでしょうが。
過去の栄光とはいえ、原稿用紙1枚千円で80枚程度の作品を5本(打率10割)商業誌に掲載したことのある筆者としては大バーゲンのつもりです。
あなたのご希望通りのキャラが、あなたの妄想に忠実に行動するのです。 右や左の旦那様、どうぞお恵みくださいませ
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『赤い冊子と白い薔薇』発売開始!
特別高等警察女学生淫虐鬼畜拷問『赤い冊子と白い薔薇(隠しサブタイトル:特別高等警察嫁取物語)
愈々本日発売!
DLsite→
BOOTH →
FANZA →
楽天kobo→
特別高等警察は妄想竹満開とか誰かがほざいていましたが、まだ『非国民の烙淫』と本作の2本しかありません。でも、ほぼすべてを2本に盛り込んでしまったので、当分は次のネタがありません。竹の花は百年に一度、一斉に咲き誇ってそれでお仕舞うのです。
どこぞのAVメーカーみたく、設定をあれこれマイナーチェンジして、やってることは五十歩五十一歩なんてみっともない真似はしたくありません。ていうか。まだまだ書きたいものが幾つもあります。
どうせRはアウトだろうけど[SMツアー]『裸族の性人儀式」
中断しているヒロイン戦記も海を舞台に日米、陸を舞台に米国。この3本で揃えないと3色同順3連刻になりません。
「昭和集団羞辱史」も、『婚姻編』『物売編』『住込編』『少年編』各々中編2本ずつは予定していますし。
[昭和ノスタルジー]でも『幼な妻甘々調教』くらいは書きたいし。
新規顧客開拓腐女子向『仮題:痛セクスアリス2』社会派BLSM@昭和も書いてる途中だし。
JSもの「人質姫様淫虐待遇」とか『偽伝肌風』とかも。さらにJSでは『売り姫三日晒し』なんてのも、これはボツリヌス予感ですがね。
注記:JS=Japanese Samurai
Ponpoko-Skin Calculation は、このくらいにして。
どうぞ皆様、お買い上げのほどを。m(__)m
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