創作メモ:浴槽で放○

 浴槽で放水。
 銭湯でこっそり、とかじゃなくて。
 彼女と入浴中に、あるいは事後に彼女を風呂に浸からせる。全身マーキングではないかと、筆者は思っています。
 @Realでも、新婚当時は(もちろん嫁には黙って)やらかしていました。
 ほのぼの系ですね。


 目の前で立ちしょんしてから、入浴を強制する。となると、SMプレイです。
 小父さんがJCあたりにやらせると、濠門長恭ワールドに漸近してきますかしら。

 ふと、思いついた(記憶を掘り起こした)ので、メモとして。

furo082003.jpg
画像は、野郎ではつまらないので、性別逆転で。

 もちろん、これだけでは作品になりませんが、20枚程度の掌編に仕立てることはできますが、しません。
 祖父とソフトSM路線作品の1エピソードには使ってもいいかなと思っています。



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Progress Report Final:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 昨日脱稿しました。本文560枚/18万8千文字です。全82作品中8番目の長さです(前後編は合わせて1作品)。
 『前奏』147枚/『独奏』258枚/『連奏』+α154枚の配分です。『独奏』が5月から年末のエピソード点描なのに対して『連奏』+αは一昼夜の細密描写です。まあ、こんな配分でしょう。


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   甘い絶望の彼方

 一夜が明けた。
「こいつらに飯を食わせてやれ」
 寝袋から引き出され、真冬の朝の寒さをしのぐというよりも不安から、自然と抱き合っているふたりの前に、菓子パンとパック牛乳が放られた。ふたりとも夜は何も食べさせてもらえず水も与えられず、飽食の時代にあって飢渇といえる状態にあった。それでも、すぐには手を伸ばそうとしない。
「おまえたちは箱詰めにして運ぶ。島へ着くのは夜になるぞ。後で泣きを見るぜ」
 脅されてようやくふたりは、コンクリの床に落ちている牛乳パックを拾い上げた。喉を湿らせると猛烈に空腹を自覚して、菓子パンを貪り食らった。楚葉はまだプライドを残しているが、希美にいたっては喉に詰まらせて牛乳で流し込む始末。
「おまえたちは食わないのかよ」
「けっ。野宿した上に冷たいみすぼらしい朝飯なんざ、願い下げだ」
 途中でサービスエリアにでも寄って、温かいモーニングでも食うさと、こんな場面でもふたりに辱めを与えることを忘れない。
 辱めは、言葉だけではない。といっても、楚葉も希美も甘受するしかない恥辱だったが。排泄だった。七人は――倉庫の外へ出て、立ちションをするか離れた場所にある公衆便所まで通よっていたが、二人を外へ出すわけにはいかない。倉庫の隅にしゃがまされた。後始末もさせてもらえなかったが、昨夜みたいに立ちションを強要されなかっただけ、ましというものだった。
 もちろん洗顔などさせてもらえるはずもなく、すぐに箱詰めが始まった。二人を詰める箱までワゴンに準備されていた。といっても――リンゴの木箱よりひとまわり大きいだけで、棺桶のサイズにも遠かった。ワゴンに棺桶を積むスペースはない。
 いっそアメ車のトランクのほうが広いのだが、検問に引っ掛かってトランクを開けさせられたら終わりだ。
 倉庫に転がっている箱は大きすぎる。結局ふたりは――寝袋の暖房にされたときと同じに胸を抱えて肘をつかむような形に腕を縛られ、正座して上体を折り畳まれて、向かい合って頭と足をぶっ違いにして横向きに、箱の中に並べられた。
 全裸ではなく、生理上の配慮が払われていた。漏らしても箱から染み出ないようにオムツ代わりの襤褸布を股間に巻かれて、大声を出せないように口はガムテープで――ふさごうとするフトシを若頭が制止した。完全にふさぐと、鼻がつまったときに窒息の恐れがある。前例があったと言う。
「どっちみち生き埋めにするつもりだったから、手間が省けたけどな」
「けっ。これだから暴力団ってやつはよ」
 聞いていた楚葉が、聞こえよがしに吐き捨てた。ヤクザと暴力団は違うと、楚葉は考えている。それを希美も知っている。
 暴力団の構成員にしても、面と向かってそう呼ばれるのは嫌う。若頭は箱に手を突っ込んで乳房をわしづかみにして爪を立ててねじり上げて、それを楚葉に思い出させた。
 結局、口にも襤褸布を詰め込まれて、その上からビニール電線で縛られた。
 木箱の蓋が閉じられ、ふたりはワゴンに詰め込まれて――楚葉と希美、ふたりの地獄への道行きが始まった。
 ふたりとも、しばらくは身じろぎひとつしなかったが。やがて楚葉が、頭を動かし始めた。希美の脛に押し付けて、左右に大きくゆっくりずらしたり、上下に小さく強く振ったり。
 くすぐったいけれど、希美は不快に思わない。むしろ嬉しい。窮屈な闇の中で、自分もお姉様も確かに生きているんだという実感があった。
 動きが十分ほども続いて。
「ぷはっ……やっと、取れた」
 猿轡を外していたのだった。
「希美も取っちまえよ」
 楚葉にコツを教わりながらだったので、五分もかからずしゃべれるようになった。
 助けを求めて、大声で叫んだりはしない。フトシよサジに聞き付けられて、ガムテープを貼られるだけだ。奴らが朝食のために車を離れているときだって、無駄だろう。ふつうでも窓を閉じていたら、大声も外まで届かない。まして、木箱の中。積み込まれてしばらく、物を動かす音がしていた。木箱のまわりに荷物を積み上げてカムフラージュしたんだろう。ますます望み薄だ。
「希美……ほんとうに、ごめんよ」
 その声が微かに震えているのを、希美は聞き取った。お姉様、今にも泣きそうな顔をしているんじゃないかな――と、希美は思った。どんな顔か、想像できないけれど。
 希美は、返す言葉を見つけられない。ありきたりな物言いでは、自分の想いを伝えられない。楚葉の脛に頬を押し付けてゆっくりと何度も何度も首を振った。
「お袋は、まあいろいろあるんだけど……おれは父上を尊敬してた、好きだった。強い奴にぶちのめされたいってのも嘘じゃないけど、娘としてじゃなく漢(おとこ)として認められたかったてのもあったかな。任侠映画じゃあるまいし、跡目を継げるわけでもねえのにな」
 まだ続きがあるような気がして、希美は黙って聞いている。
「おれが堅気の娘らしく――組に顔を出したりせず、お袋とおとなしくしてりゃ、こんなことにはならなかったかもしれねえ。おれの身勝手に希美を巻き込んで、詫びの入れようもない」
「あたしだって……!」
 希美は小さく叫んだ。
「あたしだって、お姉様にリンチをおねだりしたときから、覚悟していました。こんな怖い人のオモチャにされて……まともな学生生活を送れるはずがないし、いずれはひどい目、サドマゾって意味じゃなくてスキャンダルとか、そういうの……」
 ほんとうだろうかと、希美は自分の言葉を疑った。そんなに深くは考えてなかったと思う。小さな頃から胸に秘めていた妄想が現実になる。それが嬉しくて怖くて、後先のことなんか、考えていなかった。
「今も、おれが怖いのか。後悔してるのか」
 答を知っているくせに……お姉様の意地悪。
 希美はもう一度、脛に頬を擦り付けた。だけでは足りない気持ちになって、舌を伸ばして脹ら脛の内側を舐めた。
 楚葉も、同じように希美を舐めた。
 そのささやかな舌の動きを希美は、どんな愛撫よりも優しく感じた。それだけで、エクスタシーに達しそうなほどだった。
 お姉様の下のお口にキスできないのが、もどかしい。ペニスバンドを(ヴァギナでもアナルでも、ううん両方とも)突っ込んでもらえないのが、物足りない。
 どうせ売春島へ売られたら、毎晩のようにショーを演らされるんだろう。でも、それは強制されてのことだ。そういうのもマゾ牝にはふさわしいと想うけれど。自発的な戯れはこれが最後だと思うと、こんなもどかしいものでは、あまりに悲しい。

 車の小刻みな振動が消えて。コトン……コトン……と、間延びした微かなショックが伝わってきた。
 舗装の完備した自動車専用道に乗ったんだろうと、希美は推測した。
 甘い絶望を噛み締める二匹のマゾ牝を積んで、ワゴンは男の天国女の地獄へ向かって走り続けている。

[未完]


 筆者としては、凄絶なマゾ堕ちと以後の苛酷な境遇を暗示して終わるのが好みです。ヒロインにとっても一種のハッピーエンドだと思いますし、立派なマゾ牝に成長(?)しているから、小説としても結構が整っています。
 それでも。こんなのは後味が悪い――という読者もおられることでしょうから。一般的なハッピーエンドを取って着けておきます。
 真のサディストは次頁以下を読まず、売春島に軟禁されるWヒロインが辿るであろう凄絶な未来を(お好きなように)想像してください。

Do not go to next page...

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 この後に”+α”が続きます。

 さて。11月も下旬で、3,012枚書きました。最高記録は2019年の2,229枚ですから。あと200枚ちょっとで記録更新できますが……
 『生贄王女への二つの暴辱と五つの試練/簒奪侍女に科される七つの拷問と懲罰』は大長編で、着手すれば年越し。
 ぼつぼつ『宿題を忘れたらお尻たたき、水着を忘れたら裸で泳ぐと、HRの多数決で決めました。』も続きを書かねば。2話を一揆加勢しても200枚はいきませんし。
 『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』を仕切り直すのは、その気が足りないし。
 なんと、知る人ぞ知る(たぶん数人?)SF短編『追憶を始めるとき』の続編(でもない)『追憶を終えるとき』も書きたいという、鬱勃たるロゴスにパトスに蓄音器ですけど。こやつはおそらく畢生の力作『生が二人を分かつとも』に準ずる作品でもあり、短編といえど構成を練り込みたいという想いと、ロゴスにパトスで疾走すべきという想いとが菱縄モトイ拮抗中です。たぶん年明けかな。
  注記:『追憶を始めるとき』は短編集『生が二人を分かつとも』に収録。
 いっそ『男性社員』を書くか、ふと思いついた『心中切支丹』をまとめてみるか。
 校訂も済まないうちから思案吊首じゃあ死んでまうがな。
 あ、表紙絵だけは決まっています。これを例によって件の如くBFにします。


$こうず

DLsite Affiliate 今回は同業他者さんを御紹介

 この作家さんは、濠門長恭クンが「小説SMセレクト」に最後の作品(PN:藤間慎三)を掲載された同じ号でデビューした後輩といえば後輩、電子出版ではずっと早くから活躍していた先輩といえば先輩です。
 ハードSMという点では共通しています。テーマとかモチーフは……購読して読者各位にて比較してみてください。

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Progress Report 6:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

 『前奏』『独奏』に続いて、ヒロインが囮にされてスケバンが捕まり、実は角島楚葉カクシマゾよだったと暴かれて……
 『連奏』パートも佳境です。


 キーボードが走って滑って、情景描写も心理描写も素っ飛ばして(も、いないつもりだけどなあ)クライマックス明るいミニマムに向かって一車千里一基火星です。もうすぐ500枚。

 で、ちょいとレブリミットを掛けてオーバーヒートに水を差して。

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   サドの中のマゾ

 サジは二人の足首を縛り合せて、また開脚を強いた。吊り上げるのではなく、さらに天秤を下げる。鞄を抱えて楚葉の開かされた脚の間に座りこんで、股間が目の高さ。
「あーあ。ひでえことになってら。未来の旦那様の為にも、ちょいと手直ししといてやるぜ」
 鞄からアルコールの小瓶と得体の知れない小さなチューブを取り出した。脱脂綿にアルコールを染ませて、楚葉の股間を丹念に拭う。千切れかけている小淫唇は特に念入りに。
 アルコールが沁みる苦痛を、楚葉はわずかに顔をゆがませるだけで耐えた。小淫唇の傷口にチューブから液体を垂らされても、そこを下目遣いに眺めているだけ。
 サジが両手を使って小淫唇の傷口を貼り合せる。
「熱い……」
 ひと言だけ、楚葉がつぶやいた。
 三十秒ほどで、サジが手を放すと――小淫唇は本来の形に復元していた。
「すげえだろ。瞬間接着剤てのは、外科手術の縫合にも使えるんだ。前にやり過ぎて内代の乳首をもいじまったことがあるけど、ちゃんとくっついたし乳も出るんだぜ」
 初めて聞く女性の名前は、この男のバシタだろうと――あえてヤクザ言葉で考える希美。何をどうやり過ぎれば乳首がもけるのかは、考えたくない。けれど、想像がついてしまうだけの体験を、希美は重ねている。さっきのピンボールを使った避妊法といい、この男は常人とは違った角度から女体に興味を持っているようだ。葛島組のコマシ屋さんより、ずっと凶暴に女性を弄ぶんだ。
「ついで、ボロボロのおっぱいも治しといてなるよ」
 ぽたぽたぽたと、広範囲に瞬間接着剤を滴下させて、楚葉の顔をいっそうゆがませる。サジは薄いビニール手袋を嵌めた手で剥げた皮膚を乳房に押し当て、やはり一分もしないうちに傷を目立たなくさせた。目立たないというのは、皮膚が垂れ下がっているよりもという意味で、無残極まりない傷には違いないのだが。
「突っ張らかって感じるだろうけど、じきに慣れるさ」
 吊り上げられた肩をしきりにもじもじさている楚葉にサジが、優しくなくもない言葉を掛ける。
「さて、つぎは希美ちゃんだっけ。きみの番だ」
 同じように小淫唇と乳房を整形(?)される希美。
 瞬間接着剤を滴らされたところは、待ち針ほでどでないけれど針を突き刺されたように痛くなって、炎で炙られたように熱くなる。普通の子だったら泣き叫んでるところだろうなと思いながら、希美はかすかな呻き声だけで耐えた。それだけ苦痛に耐性がついているし、痛そうにしたらお姉様を苦しめる。
「ふんん……」
 サジが手の中でピンボールを弄ぶ。
「気を利かして処置をしておくと、若頭に叱られるな。嫁さんにするなら孕ませるかもしれないし」
 楚葉の顔が引き攣って――しかし、何も言わなかった。チンピラを相手に恫喝も哀願も見苦しいだけ。そんな思いを、楚葉は表情から読み取った。
「こっちは……」
 トランジスターラジオのような小箱を取り出して、ちらっと二人に見せてから鞄に戻した。
「いよいよ若頭が手詰まりになったら、出番があるかな。備え有れば憂い無しってな」
 サジが鞄は手近な木箱の上に置いて、ワゴンへ引き返した。ダッシュボードやラゲッジスペースをごそごそと漁り回って。
「ちぇえ。こっちは備え無しかよ」
 大声でぼやくと、助手席に乗ってばたんとドアを閉めた。空きっ腹を満たす糧をみつけられず、ふてくされたのだろう。
 二人は地獄のど真ん中で顔を見合わせて、くすっと笑ってしまった。

 やがて、ラジオ番組が聞こえてきた。おしゃべりと楽曲のディスクジョッキ―らしいが、かすかな音なので曲名すら分からない。
「ごめんな……」
 ぽつんと、楚葉がつぶやいた。
「…………」
 希美は黙っている。事の起こりは自分が誘拐されたからなのだけど。その理由はお姉様に可愛がられていたからだ。そして自分は元よりお姉様だって、こんな悪企みに狙われているなんて、思ってもいなかっただろう。
「悪いやつに捕まって、リンチされたりレイブされたり……そんなのに憧れてたんだ」
「…………?!」
 突然の告白に、希美は驚くと同時に、深まりつつあった疑念が、すとんと胸の底に落ち着いたのを感じた。
「でも、おれより弱いやつに姦(や)られるなんて真っ平だ。強いやつを求めて喧嘩(ゴロ)巻いてるうちにスケバンの頭にまでなっちまった」
 希美は、ちろっと楚葉の横顔を窺った。パッチワークのように貼り合わされた乳房に視線が落ちて――乳首の傷に気づいた。すでに治っている、かすかな痕跡。針にしては太い物が突き抜けたような。もしかして、それは釘付き洗濯バサミの痕ではないだろうか。
 いろんな責め道具を試したようなことを、お姉様は言っていた。木ネジを埋め込んだ擂粉木は試したことがない――とも。
 リンチの相手か、ふつうの子を脅して実験したんだろうと思っていたけれど、実験台にはお姉様自身も含まれたいたんじゃないだろうか。
 希美の沈黙を、どう受け取ったのか。楚葉は告白を続ける。
「リンチのときは、される相手に……ええと、感情移入ってのか。学校をサボッてるから言葉も知らねえな。ルビーや黒今浄子になり切って、悪役の角島楚葉を眺めてる――そんな気分だった」
 楚葉の告白は視点がごっちゃになっているけれど、その意味は痛いくらいに分かった。
「だから……おまえが羨ましかったよ。あんなに正直に『虐めてください』って言えるんだからな」
「恥ずかしいです。でも……」
 もしも役割を入れ替えようなんて提案されても、絶対に受け容れなかっただろうと、希美は楚葉の言葉の先を勝手に想像した。けれど、すこし外れていた。
「まあ、おれは……おまえみたいなマゾ一辺倒じゃなかったけどな。おれより弱いやつを虐めて、ぞくぞくしてたのもほんとうだ。言っとくけど、おまえが五月にクラスで受けていたような、じめついたイジメじゃないぞ。力で圧倒して、ええと……マンコ絡みで虐めるようなやつだ」
「じゃあ、あたしが濡らしたのは……お厭だったんですか?」
 お姉様もあけすけな告白につられて、希美はついに禁断の領域に踏み込んでいた。
「いいや。それも羨ましかった。けど……実際にそうされてみて。思ってたのとまったく違ったから……失望かな、戸惑いかな」
「あたしだって……聡音さんに虐められて、悔しいばかりでちっとも濡れたりしませんでした。濡らすのは、お姉様に遊んでいただくときだけです。あ……男の人に姦られるときは、どうしても濡れて……アクメに追い込まれたりするけど……それは、誰にくすぐられてもくすぐったいのと同じです」
 アクメとエクスタシーは違うと言いたかったけれど、実のところ自分でもよく分かっていなかったし。マゾに目覚めたばかりのお姉様を混乱させると考えて、黙っておいた。
「それも……おれには分からないけど。おまえの盾になってたときは、叩かれるたんびにマンコまで痺れてた。クリトリスを挟んだときよりも、ずっとだった……」
 うっとりと、楚葉は口を閉ざした。
 その洗濯バサミも釘付きだったんじゃないかなと、想像してみる希美。もちろん。お姉様の妄想の中で、その洗濯バサミを握っていたのはお姉様自身じゃなく、お姉様に服従している希美でもなく、ジョルゴ17とかゲシュタポの将校だったはずだ。
 そうだ。聡音さんも若頭も嘉良という人も――ゲシュタポだと思い当たった。パルチザンを匿って居所を自白しなかった姉弟。あたしをかばってくれたお姉様。お姉様をかばおうとした、あたし。
 ゲシュタポの犠牲者は、みんな殺されている。殺されなかったのはあの姉弟を含めて、戦争が終わって連合軍の兵隊に助け出された人たちだけ。
 お姉様とあたしは、どうなるんだろう。殺されはしないだろうけど。お姉様は若頭のお飾りの妻にされて、あたしは売春窟へ売り飛ばされて――そんなのは厭だ。若頭のオモチャにされるのは、お姉様と一緒にいられるから、それでもいいけれど。でも、あいつに嬲られるのは虫唾が走る。いっそ、ふたり揃って売春窟へ……どこまでが実際の恐怖で、どこからがただの妄想か、希美は区別がつかなくなってきた。
 希美の妄想からは、重要な展開が抜けている。連合軍による救出。現実に即していえば、葛島組の動きだ。それが明らかになるのは、数章先の展開を待たねばならない。

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 冒頭で「ひでえことになってる」のは、股間をスケバン御用達チェーンで打たれて、小淫唇が三枚に卸されているのです。
 文中の「黒今浄子」「ジョルゴ17」「ゲシュタポ」とかは、Report 5を参照してください→

連吊開脚

 仲間をかばって自らが責められるというのは、定番の展開ですが、マゾ的要素ですが、マゾそのものとは違うのではないでしょうか――などと思いながらも、マゾの真淵に至る経過とし書いています。
 しかし。歩いていて電信柱にぶつかって快感を得る人間など、ほんとうにいないのかしら。
 歯医者さんでゴリゴリ痛くされるのが好きっていう『告白』は、どこぞで御目にかかりました。その場合は「歯医者さん」という加虐者が介在するわけで。
 異性の上司に叱責されて濡らすなんてのも「実話告白」系で御目に引っ掛かりますが。
 日常とは異なる空間のみでマゾ性感を得られる筆者など、まだまだノーマル過ぎて未熟なのでしょうか。


 どれだけ書こうと実践を積み重ねようと、SMの神髄には38万光年の筆者なのであります。


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Progress Report 5:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ

Progress Report 4 →

 リクエスト作品『幼なマゾの契り~闇に葬られた戦災孤児の淫虐体験』を、270枚で仕上げて。
 こちらの再開です。
 突っ走ってます。オーバーランしてます。『前奏』、『独奏』、『協奏』のうち『独奏』パートが終わった時点で407枚。『独奏』はモジュール方式で、いろんな責めシーンを詰め合わせているので長くなりました。『協奏』パートは単体で200枚を割り込むでしょう。としても、600枚クラスですから、長い部類に入ります。
 ちなみに、過去最長は『いじめられっ娘二重唱(前後編)』の929枚です。
 次点が『大正弄瞞』613枚、僅差で『縄と鞭の体育補習』と『昭和集団羞辱史:売春編』が609」枚。


では、今回はストーリイの節目である章です。ここで、ヒロインは悪役令嬢(激違)が真性のサディスチンとは違うのではないかと疑問を持ち――『協奏』パートへとつながります。まあ、この後も『独奏』パート最終章「冬山では雪遊び」で、疑念を深めますが。

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   お姉様の大秘密

 ハイキングの後は、ハイヤーでまっすぐ家まで送ってもらった。いちばん苛酷だった待ち針の傷なんか三日もすれば治って――希美は淋しい想いをしたものだった。
 学校では、水曜日に一度呼び出されただけ。一学期の間は昼休みごとに旧校舎へ駆け付けて、楚葉にオモチャとして遊んでもらうか、そうでない日は番犬としてフェンスにつながれていたのだから、今さら教室でひとりぽつねんと過ごすのはつら過ぎた。図書室へ行けば、他クラスや上級生の好奇の目。校庭の片隅で人目につかないようにして、時間をつぶすしかなかった。良かったことといえば、お昼ご飯を食べられるようになったことくらい。
 冬用の制服は、とうとう上着も下乳ぎりぎり(腕を上げれば確実に見えてしまう)まで切り詰められた。スカートも、さらに二センチ。そんな露出過剰な制服で購買の列に並んで晒し者になるのは、羞ずかしいよりも恥ずかしいが圧倒的でためらってしまう。今さら、またお弁当を作ってと母親に頼むのも気が引けて――登校中に駅の売店やコンビニで買っていた。お小遣いから捻出するのは、問題なかった。アクセサリーとか化粧品は、今の希美には縁がない。休日は、いつ楚葉から呼び出しがあってもいいように、ずっと家にいるのだから。コミックや雑誌は、自分の体験のほうが圧倒的に強烈だから、浮ついた絵空事を読む気にもなれない。レディース雑誌のエッチな記事も同じだ。
 いわば悶々と暇を持て余していた。だから、翌週の火曜日に登校するなり、
「今日はおれの家で遊んでやるよ」
 そう言われたときには舞い上がってしまった。可愛がってもらえるという喜びは当然だが、楚葉はスケバングループの誰ひとりとして、自宅へ招いたことがないというのを知っていたからだ。「おれたちとは真反対」という言い方で、希美は特別扱いされている。それは希美がスケバンの仲間ではなく、楚葉のオモチャだという意味だが――真反対だからこそ、家へ上げてもらえるという嬉しさだった。
 希美は授業なんかほっぽり出して、楚葉について行った。校門を出るとき、風紀指導の箕内先生はもちろん見ない振り。
「おまえ、そのジャージ結構だぶついてんな。下は脱いじまえよ」
 もう、楚葉の遊びは始まっていた。
 希美はためらうことなく(でも、羞ずかしそうにしながら)登校中の生徒が見ている中でズボンを脱いで学生鞄に詰め込んだ。下はもちろん素っ裸だけれど、ジャケットの裾でヒップは隠れている。知らない人が見たら、当然ブルマを穿いていると思うだろう。
 ズボンを脱ぐと、クリトリスのクリップに付いているガラス玉の飾りが大きく揺れて、かすかだけれど絶え間ない刺激を受け続ける。どんなふうに遊ばれるんだろうという期待とあいまって、裾よりも下まで蜜が内腿を伝う。
 バスで視姦されながら十五分。立っていたから、座っている乗客からは股間のガラス玉が見えていたかもしれない。見知らぬ人ばかりだから、恥ずかしさは小さくて羞ずかしさだけだった。
 楚葉の住居は、最近ぽつぽつと見掛けるようになったワンルームマンションだった。狭いけれど、キッチン、バストイレが完備している。学生には高値(ママ)の花で、入居者は独身のサラリーマンがほとんど。なので、平日の昼間は無人に近い。
 部屋に入って。予想していたのとはまったく違うインテリアに、希美は驚くよりもおかしみを感じた。だって――まっ白なレースのカーテン、パステルカラーの整理棚の上にはぬいぐるみとか飾られていたりする。けっこう乙女チックだ。それはまあ……神棚とか刀剣の飾りとかが置かれているとも思ってはいなかったけれど。
「ぼさっと突っ立ってないで、くつろげよ」
 ええと……希美は部屋を見回した。くつろぐといっても、応接セットがあるわけじゃなし、勉強机とベッドだけ。友達同士だって、いきなりベッドに腰掛けるのはお行儀が悪い。
 あたしが特別扱いされているのは、お姉様のオモチャでマゾ牝奴隷だからだ。希美はジャケットを脱いで靴下と三点クリップだけの全裸になり、床に正座した。オモチャの正座は、脚を直角に開く。
 そんな希美を見下ろしながら、楚葉も制服を脱いだ――下は、ブラジャーとパンティだけ。きちんとシュミーズを着ける子なんて少数派だし、真冬でもブラウスを着ない子は、さすがにお嬢様学校の百合香学園には少ないけれど。部屋着を着ないのは楚葉くらいだろう。希美だって、家ではまともな格好を取り繕っている。
「ちょっと待ってな」
 楚葉が腹這いになって、ベッドの下に腕を突っ込んだ。だいぶん追い付いてきたとはいえ、まだ桃と無花果くらいはボリュームの違う楚葉のヒップが、希美の目の前でもこもこと動く。肌にぴっちり貼り付いたパンティは、硬派のスケバンにふさわしく白無地の木綿。
 あまり見つめていてはお姉様に失礼と、部屋の中を見回すと――カラーボックスのひとつに、コミックの単行本がぎっしり詰まっていた。『ズボンの騎士』、『メコメコ・アザアス』、『ジョルゴ17』……希美はどきんとした。シリーズ物のコレクションが一致していたからだ。
 『ズボンの騎士』は、お姫様が男装して騎士になっているお話。悪大臣に囚われて、縛られて地下牢に監禁されたり、下着姿にされて女とばれそうになったり。鞭打ちの拷問シーンもある。
 『メコメコ・アザアス』は男の子向けのコミックで、主人公は現代の世界で活躍する黒魔法使い少女。薄気味悪いとか虐められて教室でストリップショーをさせられたり、連続少女誘拐犯に捕まってあわやのシーンとか。どちらも最後は黒魔法で逆転するけど、その部分には興味がない。
 『ジョルゴ17』は青年向け。世界を股に掛けて活躍する暗殺者。女スパイの拷問、被差別民族の少女へのレイフ、冷徹な女性将校がジョルゴに抱かれようとして娼婦に成りきったり。
 どのコミックも、希美の妄想を掻き立てるストーリーが満載。
 お姉様はサディスチンなんだから、女性を虐待する男の側に感情移入して読んでいると考えれば、不思議はないのだけれど……コミックとは別の棚に一冊だけぽつんと置かれている古い学習雑誌に気づいて、希美は心臓が止まりそうになった。
 戦争の悲劇の特集号だ。その中に、パルチザンを匿ってゲシュタポに捕まった姉弟のエピソードがある。下着だけにされて(というのは、子供向けの配慮に決まっている)監禁されて、毎日のように拷問されて……古本屋でこの本を発見したときは、その場にへたり込んでしまった。
 この本が発行されたとき、お姉様は(ええと……)まだ少学校低学年だったはず。先輩のお下がりだろうか。だとしても、それを大切に残してあるということは……?
 お姉様はほんとうにサドだろうかと疑ったことが、これまでにも二三度あった。まさか、まさか、もしかして、お姉様は、ほんとうは……
「よし、これで全部だ」
 どさっと二つの(わりと小さな)段ボールの箱を目の前に置かれて、希美は我に還った。
「どれで遊んでほしい? 好きなのを幾つでも選べよ」
 箱の中身は、いろんな種類の縄、大小の擂粉木、希美の初娼売のお金で買った手錠、首輪と鎖、釘を植えた洗濯バサミ。レディース雑誌でもたまに特集号があったり、楚葉に引きずり込まれたオトナの玩具屋でも売っていた、バイブとかピンクローターとか。短い鎖でつながれた小さな四つの首輪は手と足に嵌めるのだろうか。イチジク浣腸とか、ものすごく太い蝋燭とかも。
 呆然と眺めているうちに、希美はあることに気づいた。手錠と木ネジを貫通させた擂粉木と釘洗濯バサミは新しいけれど、ずいぶんと使い込んだ物も交ざっている。あの綿ロープなんて、くたびれているし薄汚れている。
 サディスチンのお姉様が、あたしみたいなマゾ娘でなくても、無理強いに女の子を可愛がったとか、リンチに使ったとか考えれば、おかしなところは何もないのだけれど。あんなにたくさん遊んでくれたのに、なぜあたしには一部しか使ってくれなかったんだろう。他の子に使ったお古は避けてくれたのかな。でも、釈然としない……
「まさか、全部遊びたいなんて欲張ったことを言うんじゃないだろうな」
 楚葉にからかわれ、希美は真剣になって、遊んでもらうための小道具を選びにかかった。
 十分ほども迷った挙げ句に選んだのは。多分拘束に使うんだろう革ベルトがこんがらかった衣装(?)と、四つの環と鎖の組み合わせと、釘を植えていない普通の洗濯バサミを小箱ひとつ分と、大小のバイブと、もしかして道に使うのかなと期待して極細のと、洗濯バサミと二者択一になるのかなと迷いながら大きなスポイトとローターを組み合わせたやつと、四角い箱にノートサイズのパッドと四本のハンドルが付いた強力マッサージ機と、蝋燭と……
「そこらへんでやめとけ」
 楚葉に止められなかったら、段ボール箱を二つとも空にしていたかもしれなかった。
「まったく欲張りやがって」
 楚葉がうんざりしたように言うのは演技だと、希美には分かる。
「それじゃ、おれも欲張って、これ全部一度に使ってやる」
「はい、ありがとうございますッ」
 今の希美の「ありがとうございます」は強いられてではなく、心の底からのものになっている。恐怖と不安は残っているけれど、悦虐への期待がはるかに強い。
「まずはケツ穴を綺麗にして来い」
 そう言って楚葉はイチヂク浣腸を二つ、希美に放って寄越した。
「シャワーヘッドは、ねじれば取り外せるからな」
 希美はイチヂク浣腸を胸に抱いてバスルームへ行った。都合の好いことに、トイレもあるユニットバスだった。
 三点のクリップは外して洗面台に置いて。バスタブの中にしゃがんでイチヂク浣腸を二つとも注入したのは、万一に粗相してもすぐに流せるからだった。
 便意が募ってきても、説明書にある通り十分は我慢する。時計がないので、ゆっくり六百まで数えた。
 汚しては申し訳ないので便座を上げて、尻を便器に嵌め込んで。思いっ切り排出して、綺麗に洗って。
 お姉様はシャワーを分解しろとおっしゃってたのだから。ホースの先をアヌスに押し付けて湯をたっぷり、腹を手で触って膨れたのが分かるまで注入した。これは我慢なんかできない。大急ぎで便器に座った。
 洗濯バサミにしてもスポイトにしても邪魔になるので、三点クリップは置き去りにして、まったく生まれたまま(に、性器の入墨を飾って)の姿で、バスルームを出た。
 楚葉も準備を調えて待っていた。黒いビニールレザーのホットパンツとフルカップブラ。どちらもいちばん盛り上がっている部分に縦のジッパーが付いている。今は閉じているけど、開ければマゾ牝用のコスチュームにもなるんだろう。
「直立不動ッ」
 楚葉の軍隊調の掛け声で、希美は足を真横に開いて背筋を伸ばし肘を張って両手を後ろで腰の高さに組んだ。何をされても姿勢を崩してはいけない。スケバン流の直立不動だと教わっているが、七人集の誰も、こんな姿勢で立っているのを見たことがない。自分を辱しめるために考え出されたんじゃないかと、希美は疑っている。
 それにしても――と希美は、お姉様への不遜な疑念を別の感心で上塗りする。オトナの玩具は暴利だ。それをこんなに揃えるんだから、あたしとは桁違いのお小遣いなんだわ。
 楚葉が最初に手にしたのは、革ベルトのこんがらかったやつだった。ほぐすと大きな網目になっている。網目のひとつを希美の首に通して全体を引き下げ、そこから先は太めのベルトが二本重なっている部分を股間にくぐらせて背中へ引き上げ、首の後ろの金具に留めた。背中側のベルトは三つの中空パイプに通されている。網目の両端から垂れているベルトは背中へ回して、縦のベルトに絡めて折り返し、網目の両端に三つずつある金具に留める。
 それを上から下へ繰り返される度に、胴は締め付けられ乳房は絞り出され、股間に食い込んでくる。網目からは肉がはみ出て、まるでボンレスハムのようになった。希美は肥っていないから、あまり食べ出はなさそうだが。
 ハーネス(と、楚葉が言った)が終わると、四つの環と鎖で手足の拘束。希美を膝立ちにさせて手首と足首に革の環を巻いて金具で閉じる。そのまま後ろへ倒されると、起き上がれなくなった。縛られてはいないのだから、ある程度は四肢を動かせるが、それはまさしく無駄な足掻きにしかならず、サディストの目を愉しませるだけだ。
 楚葉は希美をあお向けにしてから、三番目の小道具に取りかかった。大小と極細のバイブ。足首を鎖で引き付けられているから、希美は嫌でも膝を立てていなければならない。足を開かせるのは簡単だ。
 すでに希美のヴァギナは濡れそぼっている。楚葉は股間を鎖(とざ)しているベルトを緩めもせずに、二本を左右に掻き分けて大きいほうのバイブを突っ込んだ。
「ああああッ……」
 悲鳴ではなく、愉悦の叫び。
 同じようにして、小さいほうはアナルへ。
「い、痛いッ……」
 あお向けのまま手探りで突っ込まれたので、角度が合わなかったのだろう。それでもやすやすと咥え込んだ。
「こっちは初めてだったよな」
 太いバイブで左右に割られている縦ベルトの隙間に、最後の極細バイブを、楚葉が差し込んだ。上下左右にこねくって※道口を探る。
 おし●こが出る穴が正確にはどこにあるか、希美は自覚したことがない。それでも……つぷっと凸と凹とが嵌まり合うのは分かった――と同時に。
「ひゃああっ……」
 チリチリッと焼けるような痛みを感じて、希美は反射的に腰を引いた――が、床に押し返されてずり上がってしまい、※道に入りかけていたバイブを自らこねくる結果になった。灼熱の激痛。鞭や針とは違って、軟らかな体内を引っ掻かれるような不快な痛みだった。
「痛い、赦してくださいい……」
「動くからだ。じっとしてりゃ、たいしたことはない。むしろ、ケツマンコより早く味を覚えるぜ」
 誰かをそういうふうに調教した経験があるような口ぶりだった。
「まだ洗濯バサミも蝋燭も業務用マッサージャーも残ってるんだぜ。これしきで騒ぐんじゃねえ」
「だって……おし●この穴を虐められるの、初めてだから」
 これまでだったら謝るか黙ってなすがままにされていたところを、甘えるような響きで口ごたえしたのは――漫画の趣味が完全といっていいほどに一致していた親近感の故(ゆえ)だったろうか。
「今日は、あれもこれも初めてにしてやるぜ。そういうふうに、おまえが道具を選んだんだからな」
 一方的に宣言して。楚葉は一気に極細バイブを※道の奥まで押し込んだ。
「痛ッ……」
 いきなりのことで緊張する暇(いとま)がなかったせいか、痛くすぐったいだけで、さっきのはなんだったんだろうかと首を傾げるくらいに、痛みは少なかった。
 三本のバイブを挿入し終わると、楚葉は改めてハーネスを引き絞って、ベルトを陰裂の奥深くまで食い込ませた。
「くううっ……んんん」
 バイブがこねくられて下半身の三つの穴が側面から刺激され、違和感と官能を掻き立てた。
「こいつは、まあ、こんなところかな」
 洗濯バサミは、ハーネスにくびられた乳房の麓に放射状に飾られていった。ちっとも痛くなかったのだが。
「おれにゃ、美術のセンスはねえや」あ
 鏡で見せられて、希美も同意せざるを得ない。乳房は外へ向かって引っ張られて、ぺしゃんこ。ボンレスハムから巨大なヒラタケが生えているみたいな惨状あだった。
「まあ、画竜点睛があるからよ」
 大きなスポイトを乳首とクリトリスに吸着させた。
 真空に吸い出されて、乳首もクリトリスも痛い。どんどん充血してくるのが、疼きで分かる。
「さて……いよいよだぜ」
 何がいよいよなのかと疑問に思ったときには。
 ヴヴヴヴヴッ……
 ウィイイイイ……
 ニュオンニュオン
 三つのバイブが一斉に振動し始めた。
「えっ……やあああああああッ……!」
 これまで、中をこねくられたり出し挿れされたことはあっても、激しい振動を受けた経験はない。一瞬で思考が消し飛ぶほどの……快感だった。
 さらに――スポイトまでが小刻みに振動し始めた。
 ブルルルル……
「きゃああああっ……?!」
 軽く触れられただけで全身にさざ波が立ち、つねられれば絶叫する敏感な部位。そこに加えられる、終わることのない微妙な高速の刺激。
「いやあああっ……なに、これ?!」
 ほとんど垂直に屹立した急坂を、ロケットのように翔け昇っていく。
「いよいよ、真打の登場だぜ」
 のけぞり返り、鎖を引き千切らんばかりに手足を突っ張って悶える希美の下腹部に、業務用マッサージャーの大きく四角いパッドが押し当てられた。
「逝っちまいなッ!」
 ハンドルにのしかかるようにしてマッサージャーを保持しながら――パチッ、楚葉がスイッチを入れた。
 ドゴゴゴゴゴゴ……何かの工事が始まったかのような大きな音とともに、本体がぶれて見えるほどの圧倒的な振動。
「ぎびひいいっ……や、やめ……死んじゃう、死んじゃうよおおお!!」
 すでに弓なりになっている希美の裸身が、いっそう深く反り返って、びくんびくんと腰が跳ねて。野太い咆哮が、か細い喉から吐き出された。
「ふいいい……」
 どさっと横ざまに崩折れて、ぴくぴくと全身を痙攣させている希美を見下ろして、楚葉が長々と溜め息をついた。
「これが、本物のアクメってやつか」
 羨ましいと、呟いて。希美を元のブリッジの姿勢に起こした。バイブもスポイトも、まだスイッチを入れっぱなしにしている。
「ここをさらに責めたら、どうなるんだろ」
 楚葉は、希美が選んだ最後の小道具――百目蝋燭に火を点けた。
 失神している希美の臍を狙って、炎が肌に触れそうなくらいまで、蝋燭を傾けた。つぷっと熱蝋が臍の穴を埋める。
「熱いッ……」
 一発で希美は目を覚ました。
 ぽつん、ぽつん、ぽつんと、蝋滴がゆっくりと股間に近づいていく。希美がもがく。しかし、その動きは――まだ蝋に覆われていない新しい肌を炎の下に曝す結果となる。
 クリトリスはスポイトに、淫裂はバイブに保護されている。楚葉は外淫唇が埋没するまで蝋を垂らし続けた。
 希美にしてみれば。耐えられないほど熱かったのは最初だけで、冷えた蝋の上に熱蝋が重なっても、じんわりと適度に熱くなるだけで、中途半端に気持ち好いだけだった。
 蝋燭が左右に揺れながら乳房に向かう。新しい肌に垂れる熱蝋は、突き刺さるような熱痛を希美に与えてくれるが――それでも、皮膚のすぐ下で止まってしまう。
 さっきの絶頂と同じだと、希美は思った。
 ものすごい、これまで経験したことのなかった、苦痛を伴うほどの快感だったけれど。皮膚をすっぽり包んで締め付けられるような感じで、身体の奥までは届かなかった。
 鞭打ちや針の苦痛は違う。背骨にまで突き抜けるような苦痛と、その奥から滲み出てくる凶暴な快感があった。
 さっきのバイブとスポイトで得られた絶頂と、綱渡りで達した絶頂と、どちらかひとつを選べと言われたら――希美はためらいなく後者を選ぶだろう。
「ひいいっ……熱い」
 洗濯バサミで引き広げられた乳房の上に熱蝋を垂らされて希美は叫んだが、ずいぶんと可愛らしい、余裕のある悲鳴でしかなかった。
 それは楚葉にも分かった。
「もうちっと正気づいてから責めるんだったな。おれも、ここまでの経験はないから……勝手が分かんねえや」
 蝋燭の炎を消して、バイブとスポイトのスイッチも切った。
 まだ絶頂の余韻にたゆたっている希美のブリッジを眺めながら、楚葉は煙草を吸った。いつもになく煙を肺まで吸い込んで、だらしなくも噎せてしまった。

 三十分ばかり放置してから、楚葉は希美を拘束から解放した。バスルームに連れ込んで、手ずから洗ってやる。洗いながら、指で希美を優しく可愛がる。乳首を転がしクリトリスを刺激し、ヴァギナをくすぐる。反応が鈍いので、いつもの流儀に変えた。乳首に爪を立てて引っ張りクリトリスをつねりヴァギナとアヌスをこねくった。
 希美は苦痛を訴えながら――下の口は正直だった。
 さらに、楚葉はオモチャをベッドまで持ち込んだ。
「たっぷり愉しませてやったんだから、お返しをしてもらうぜ」
 膝を立てて股を開いた。
「フェラチオは上達したようだが、クンニはしたことがないだろ」
 練習台になってやるからおれを逝かせてみろと、初心者には無理難題に近いことを言う。
 それでも希美は、喜び勇んで楚葉の股間に顔を埋めた。
 お姉様の大切なところを舐めさせていただけるなんて――希美は感激していた。舐めるだけじゃなくて、舌を挿入するとかもしなくちゃいけないんだろうな。
 レズビアンのテクニックなんて、レディース雑誌にも書いてない。少女漫画にはそれらしい描写もあるけれど、キスと薔薇と白い光線だけ。
 オナニーをするときの指の動きを舌に置き換えればいいんだろう。処女だった頃と今では、ずいぶんと違ってきたけど――お姉様は、当然絶対に経験済みよね。
 希美は、自分よりも小さく色も薄く縁が滑らか(希美のは、綱渡りでぎざぎざになってしまった)な小淫唇を舐めながら、舌をだんだんと上へずらして、包皮にくるまれたクリトリスに口づけしてから、実核を吸い出した。
 ぴくんと楚葉の身体が跳ねたのに気を良くして――ずぢゅうううっと啜ってみた。
「あっ……うまいじゃねえか」
 立て続けに楚葉の裸身が跳ねる。ずいぶんと初心(うぶ)っぽい反応だった。
「舐めるばかりで手を遊ばせてるんじゃねえよ」
 乳房も愛撫しろという意味だろう。希美は回教徒が礼拝するような這いつくばった姿勢で両手を上へ伸ばして、小さな両手には余る乳房を下から押し上げるようにして愛撫した。
 自分の乳房とは違って、柔らかい餅をこねるような感触だった。
 反応が薄いので、乳首まで指を伸ばして摘まんだ。ぴくんと胸が動いたが、クリトリスよりは効いていない。
 どうしようかと戸惑う。本物のペニスでも擂粉木でも、それ以上に毎日のペニスバンドで鍛えられている自分でさえ、まだクリトリスの快感のほうが好きだ。お手軽って意味もある。ほんとうに追い込まれたときのヴァギナ感覚は、ずっと重厚だけど。
 それでも。お留守にしては失礼よねと考えて。希美は舌先で膣口を探り当てると、中へ挿れようとした。浅い位置で柔らかな壁に突き当たった――と感じたときには、腰を引かれていた。
「おまえと違って、おれは中が苦手なんだ。もうちょい上の小さな穴のほうが好きなくらいだ」
 うわあ。※道口が好きだなんて、お姉様もずいぶんと変態だわ。スケバンらしくないな――としか、希美は考えなかった。まさか処女かもしれないとは、疑わない。
 それから延々三十分も、舌が動かなくなるまで奉仕を続けたけれど。希美はお姉様を逝かせることはできなかった。

 これも、楚葉には珍しく。遊びが終わっても希美を追い出そうとはしなかった。
 自分は下着を着けて、希美には全裸に三点クリップを付けさせて。
「おまえな、新体操部に戻ってちゃんと練習しろな。顧問と部長にはナシをつけてやるから」
「お姉様……」
 希美は、泣き声になった。捨てられると思ったのだ。
「今度の文化祭でよ、ちょいとばかし学校に貢献しようと思ってよ」
 最悪の予想とは、まるで方向が違う話になってきた。
「こないだの体育祭で分かっただろ」
 と言われても。希美は素肌に体操シャツとブルマを着て、教室から見学していた。ペニスバンドを着けたまま激しい運動をするのは、それほどの苦にも感じなくなっていたけれど。そんな希美と肌触れ合わんばかりに座るのは厭だと、学年全体の無言の圧力。体調不良を申し出て、教師もほっとしたというのが実情だった。両親は希美を見放しているから、見学には来てくれていないので、安心してサボれた。
「父兄証を入手したり偽造したり、助平親父もナンパ野郎も、わんさか押し寄せたんだぜ。文化祭は生徒との触れ合いが体育祭より簡単だからな。毎年、先公どもは頭痛を抱える羽目になる。まあ、一部の生徒は喜んでるんだけどな」
 今年は、そういう不逞の輩を一般生徒から遠ざけるのだと、楚葉が言った時点で――不逞の輩は特殊生徒に近づけるつもりなんだと、それくらいにはお姉様の意地悪さ(と優しさ?)を理解している希美だった。
 希美が未経験の新体操を目指したのは、あられもない衣装で観客の前で、大股開きだのそそるような仕草だのを披露する種目だからだ。不逞の輩を惹き付けるにはうってつけだった。
 そうして翌日から、希美は部活を再開したのだった。
 基本の身体作りとかは素っ飛ばして。特定の演技だけを、なんとかサマになるまで指導してもらう。このときだけは、ペニスバンドを抜いても良かった。いよいよ文化祭が近づくころには、自発的にわざと挿れたままにして快感を愉しんだりもしたけれど。
 部活が終わっても下校せずに――体育館で、ペニスバンドもクリップも無しで待機。スケバン流直立不動だったり、開脚正座だったり、足の親指とクリトリスを長いゴムでつないで頭に水バケツを乗せたり――日替わりメニューは、楚葉の指示だった。
 午後十時ごろに、市内のパトロールを早めに切り上げて戻って来た楚葉から、本番演技の特訓を一時間ほど受けて。それでようやく、希美の一日は……終わらない。三点クリップで装飾して、下脱ぎジャージでヒップと股間を気にしながらバスと電車を乗り継いて帰宅するのも、楽しく羞ずかしい日課だった。
 いきおい、遅刻どころか午後登校なんて日もあった。
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$こうず5

 ここで出てくる学習誌は、筆者の実体験に基づいています。こういう記事が、かつては学習誌に載っていたりしたのです。
 それは、ともかく。PLOTよりも責めが過激になってきています。
 三穴同時なんて『協奏』パートで予定していたのに、すでに全裸ハイキングでやらかしちゃいました。予定部分をどう変えるかは、まあ腹案はあるものの、書きながら考え直すかもしれません。

恒例 DLsite Affiliate キーワードは、「レズ、拘束、快楽」 漠然としています。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Interrupt Report Final:幼なマゾの契り

 目標に1日遅れて11/1に脱稿しました。その後の3日間で第三次(最終)校訂まで。8万9千文字/270枚です。
 最初は短めの尺で進んでいましたが、本格的な責めが始まると、10時間どん兵衛どころではない伸び方でした。いつものことですね。


 筆者はこれまで、少なくともヒロインには「回復不可能な損害(処女膜と永久脱毛と刺青と焼印は除く)は与えない」ポリシーで書いてきましたが。
 ついに禁を破りました。


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封印と焼印

 事前の連らくなしで少佐が訪れたのは三日後だった。今度は、少佐より若い男と、もっと若い(ように見える)女を連れていた。
 おれとソノは庭でも広間でもなく、ろうごくカマボコ舎のはしにある保健室へ呼び出された。例によって、所長とコンクリと通訳の帆針もいた。保健室を仕切っている若ババはいなかったけど、八人も入るとぎゅうづめだ。
「二人とも喜べ。おまえたちは少佐どのがつがいとして引き取ってくださる」
 悲しめの間ちがいだろ。
「今日は、おまえたちをアメリカへ輸出するのに必要な処置をしていただく」
 連れて帰るじゃなくて、輸出。そのための処置。いやな予感しかしない。
 それでは早速とばかりに、おれはベッドへがんじがらめに縛り付けられた。チンぶくろを外されたので、縮かんだチンチンを若い外人の女にも見られている。日本男児の名折れだ。
 若い男が、拳銃みたいな器具を取り出した。
 スコスコスコ……遊底を何度も前後に動かす。空気銃かな。
 最後に遊底を引いて、ホッチキスの針の親玉みたいなのを装てんした。金属製のヘラを机におさえて、三日月のようにくぼんだ面に銃口をおし付けた。
 プシュッ、カン!
 射ち出されたコの字形の針は、両はしが内側へ曲がっていた。やっぱりホッチキスだ。
 男はさらにカバンから薬のビンやピンセットやらを取り出して机に並べた。そして軍服をぬいでうでまくり、肌がすけて見えるうすい手ぶくろを着けた。女も同じようにした。
 もしかして、所長の言ってた処置ってのは、手術のようなものだろうか。
「アフタオール、ウィザウッエノシーザwithout anesthesia?」
「オフコース。メイキッハーアズマッチャズポッシブMake it hurt as much as possible
「アハン」
 男が、おれの股の付け根を指でぐりぐりと、しょくしんってやつかな。
 にゅるっと指が腹の中までめりこむような感覚があった。男がうなずいて――おれの金玉を、そこへおしこんだ。
「いてえっ……」
 金玉をけられたときと同じような、もっと軽い痛みだった。
 左右ともおしこむと、女がピンセットでふくろの皮を外へ引っ張った。男が、そこを紙切れでこする。
 ざりざりと痛い。紙ヤスリだ。
「何をするつもりなんだよ?!」
 ばしん。少佐にほっぺをたたかれた。
「シャベルナイゾ。ナクサケブシロゾ」
 くそ。意地でも泣きさけんだりするもんか。でも、ひりひりと痛い。
 女が、やっぱりピンセットでつまんだガーゼで、紙ヤスリがこすったところをぬぐった。ガーゼが真っ赤になった。
 こいつら、医者と看護婦かな。看護婦のほうは、手ぶくろごしでも有色人種にふれるのなんかけがらわしいって顔をしてる。それとも、チンチンだからなのかな。
 医者が縮かんでいるチンチンの皮をむいて、看護婦が……痛いッ。ピンセットの先をおしxこの穴につっこんで先っぽをはさむと、下へ引きのばした。その上に、医者が金属のヘラをおし付けた。
 こないだ少佐がしたみたいに、医者が玉ぶくろの皮を左右から寄せて、チンチンとヘラをひとまとめにつつむ。合わせ目をばん創こうではり合わせると、空気銃式ホッチキスを手にした。
 コンクリが看護婦の反対側から、おれの腰をおさえ付けた。
 お、おい。ちょっと待てよ。まさか、それをおれに……使うんだろうな。
 ソノは、まだ何が起きようとしているか、理解してないみたいだ。でも、危害がおれに加えられようとしてることだけは分かってる。所長に羽交いじめにされながら、両手で口をおおって、器械を見つめている。
「レディ……」
 ヘラが、チンチンんをぐっとおし下げる。
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 玉ぶくろをかみ千切られたような激痛。反射的に身を丸めようとして、身体じゅうに縄が食いこんだ。
「アバレルオモシロイゾ。バッ、オペレイションジャマゾ」
 少佐がおれの腹をわざとふんづけながら、馬乗りになった。びくとも動けやしない。
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 プシュッ……
「うがあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 ヘラが引きぬかれて。合わせ目のいちばん下あたりに銃口があてがわれた。
 プシュッ……
 おれは、もう悲鳴を上げなかった。気絶してしまった。
 ――コンクリにカツを入れられて、おれは意識を取りもどした。ベッドから下ろされていて、代わりにソノが縛り付けられていた。
 おれと同じように少佐におしつぶされながら、泣きじゃくっている。でも、あきらめているんだろう。言葉は発していなかった。
「ヘイ、バスタード。ビッチワイフ、オーマンコ、デキルナイナルゾ。ヨクミルシロゾ」
 もしかしたら、それはソノにとって救いになるんじゃないかなって、バカな考えが頭をかすめた。割れ目があるから、女は男にねらわれるんだ。二つの穴に同時につっこまれたりもする。いじめられるためにだけある穴がなくなってしまえば……やっぱりダメだ。その分、こう門に入れられたり口を使われる。鞭も増えるかもしれない。
 いよいよ銃口がソノの股間におし当てられた。
「おにいちゃああん!」
「ソノオオオッ……!」
 他に何を言ってやれる。おれでさえ絶きょうして気を失ったんだ。がんばれなんて言えない。
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
「シンパイナイゾ。バスターズチンチン、オナジ。クリット、サワルノコスゾ」
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
 プシュッ……
「きゃああああああああああっ……!!」
 ソノはおれより一発少ない三発で終わった。最後まで下じきのヘラがぬかれなかったから、おれよりはマシだったろう。新高山と富士山くらいのちがいしかないけど。
 ソノは泣きつかれさけびつかれてぐったりしてるけど、意識はあるみたいだった。股間が真っ赤にそまっている――のは、おれも同じだ。
 おれへの最後の一本はチンチンにもつき差さっていたみたいで、これ以上はないってくらいに縮かんでるのに、むけた先っぽがちょこっとだけ合わせ目から顔を出している。
 これから、おれたちは広間のベッドへ連れこまれて、こう門か口、それとも両方をいじめられる――ソノは可愛がられると感じているかもしれないけど。そうされるんだと思ってたら、裏庭へ連れ出された。
 新入生に焼印をおすときのミカン箱が並べられて、そばの大きなバケツでは石炭が真っ赤に燃えていた。
 尻におされた丸囲いに木の字の焼印が完治して肉が盛り上がるまでに三週間はかかった。また同じことをされるかと思うと、ぎゃく待に悪慣れしちまったおれでも、腹綿がにえくり返ってくる。
 焼印は二つあった。どちらも平べったい二等辺三角形のわくで、大きさがちょっとだけちがっている。わくに囲まれた文字は、どちらも同じ三文字で、JAP。
「チャイニーズマチガウ、センソーカッタクニ、シツレイ」
 少佐が得意気に説明した。そうか、これは少佐の特注品なんだ。
 戦争に負けると、ほんとうにみじめだ。くやしさをかみしめながら、それでも、焼印がソノとおそろいなのが、ちょっぴりだけなぐさめだった。
 丸木の焼印とはちがって、最初がおれだった。西洋はレディファーストだと聞いたことがある。何でもかんでも女が先というんじゃなくて、危険なことには男が率先して立ち向かう。船に乗るのは男が先で、安全な地上へ下船するのは女が先。だから、さっきの手術も焼印もおれが先だったのか。
 あれ……やっぱり少佐は、ほんとのところは、おれたちを人間だと思ってるのかな。動物をあつかうのにレディファーストもへったくれもないものな。ソノの言ってたことが、なんとなく分かったような気がした。
 ミカン箱の上であお向けにおさえ付けられて、おれは迷った。焼印なんて、さっきの手術に比べたら、たいしたことはない。きっと、悲鳴は我まんできる。でも、それがソノに負担をかけはしないだろうか。おれが我まんしたら、ソノもおれに習おうとするだろう。女の子なんだから、泣いたってかまわないのに。
 おれが悲鳴を上げたら、ソノも安心して泣きさけべるんじゃないかな。
 少佐が小さなほうの焼印を火にくべた。おれのほうがちょびっと背は高いけど、腰の張りや尻の大きさはソノが勝ってる。あの焼印は形と文字の上下から考えると、下腹部におされるんだろう。三角形の角度は股の付け根の角度と同じだ。
 五分ほどで、少佐が焼印を引きぬいた。三角形のはしをミカン箱に当てると、
 ジュッ……木がこげて、けむりが立ちのぼった。あんなのを肌におし付けるなんて、やっぱり少佐もおれたちを人間あつかいしていない。
 おれは両かたをコンクリにおさえ付けられてるだけで、足は自由に動かせる。けど、筋肉をつっ張ってじっとしている。動いたら焼印の形がくずれる。どうせなら、きれいなほうがいい。
 角度の浅い頂点を下にして、焼印が下腹部に近づく。おれが予想していたとおりだ。
 ちりちりっと肌に熱気を感じたとほとんど同時に。
 ジュウウッ……
「うああっ、熱いッ……!」
 さけび終わったときには、焼印は引きはがされていた。少佐は、所長みたいに不必要に長時間(といっても、二秒が五秒になるくらいだけど)おし付けたりはしなかった。
 短い時間だったけど面積が丸木よりずっと広いから、感じる痛みは大きい。まだおし付けられたままのような痛みだ。
 おれの次は、ソノの番。
「ひいいっ……!」
ソノの悲鳴のほうが、ずっとおしとやかだった。
 男のおれのほうが悲鳴が大きくたって、はずかしくなんかないぞ。ソノが余計な我まんをしないですむようにしてやったんだから。
「ニシューカン、ムカエクル。シーリンオアブランディンSealing or branding、ツブスナイゾ。キャプテン・マックアイゾン、ワッコーポラルWAC corporal・ジョーサマーズ、シューニカーイ、チリョウスルゾ」
 少佐たちは、ベッドでの遊びはしないで引き上げて行った。
 
 それからの二週間は、まさしく下にも置かずベッドに縛り付けられて過ごさなくちゃならなかった。大部屋でのでんぐり返りみたいな縛られ方ではなくて、保健室のベッドにふたりまとめて大の字ハリツケ。おれとソノがくっついてる側の手足はまっすぐのばしてひとつにくくられたから、ふたり合わせて水の字ハリツケかな。ホッチキスと火傷が痛かろうとかゆかろうと、手が届かないし、ね返りしてこすりつけられもしない。ベッドから解放されるのは、一日四回の便所と、後ろ手に縛られて年長の生徒たちに庭を引き回される散歩のときだけだった。
 食事はベッドの上で手だけをほどかれて上体を起こし、足をまたぐコの字形のテーブルで食べた。おかゆじゃなくて、教官と同じ白米ご飯に肉や魚のおかず付き。これも、上げゼンすえゼンっていうのかな。
 生まれて初めてのぜいたくで退くつな日々だった。これが生がい最後のぜいたくになるだろうとは、口にこそ出さないが、おれもソノも覚ごはしていた。
 退くつな日々の中での変化は、少佐が言ったとおりに週二回往しんに来た軍医と看護婦だった。傷口を見て、消毒したり注射をしてくれたり。人間の子供を治りょうするってより、家畜の手当てくらいにしか思ってないのは、ぞんざいな(余分に痛い)手つきやそっぽを向きっぱなしの目でよーくわかったけど。
 退くつだから、二人でいろんな話をした。
 ソノが遠えんの人だと言っていた医者は、やっぱり赤の他人だった。ソノがまだ女の子の格好をしてたころ、お腹が空いたらいつでも家へおいでと、ツバナレしてない子供でも分かるくらいに下心丸出しで声をかけられたんだそうだ。
 そういうのは、医者が初めてじゃなかった。そもそも、ソノはほんとに遠えんの家に引き取られていたんだ。ひるはオサンドンでこき使われ、夜はフロで小父さんの背中を流す――だけじゃすまなくなってきたのでにげ出したんだ。
 おれも、小さいころの思い出とか、戦死した兄さんのこととか、焼けてしまった家と両親とか。取出間サダへのちかいも打ち明けた。
 そんなおれたちが絶対に口にしなかった話題は、たったひとつ。将来のことだ。
 聞かなくても、ソノの想いは分かってる――と、思う。少佐は心の底では、おれたちのことを人間だと思っていて、だからチンチンを大きくしながら、おれたちをいじめる。ソノはそれを、所長どもにぎゃく待されるよりはマシだと考えている。マシというよりも。おれといっしょにいじめられると、ぬらしてしまう。おれといっしょに居られるってのが、何よりもうれしいんだ。
 そして、おれは……いててて。チンチンを固くするのも、ままならないや。
 十日目におれもソノも、ホッチキスの針をラジオペンチで二つに切断してからぬいてもらったんだけど、ぬい合わされたところはゆ着して、二度と左右に開けなくなった。
 ソノは、上はしから女の子の小さなチンチン(英語ではクリトリスという)が顔を出している。下はしには、おしxこを出す穴も開いてる。
 おれは下はしからチンチンの先っぽが出てるんだけど、最後にヘラなしで打たれた一本がチンチンと玉ぶくろの皮をぬい合わせたらしくて、固くなっても玉ぶくろの合わせ目から先へはのびない。ゆ着してるところを根元にして、腹の中にめりこんでくる感じ。そのゆ着してる所がすごく痛いんだ。痛いとますます大きくなろうとするから始末が悪い。

 約束どおりに少佐は二週間後に、今度は二人の黒人兵を連れてトラックでやって来た。運転手は別に居たらしいけど、おれもソノも顔を見ていない。
 少佐はホッチキスでぬい合わせた股間を指でなぞって、ぴったり閉じているのを確かめると満足そうにうなずいた。ホッチキスの針をぬいた穴は、もうふさがりかけている。
「オーケイ。ショチョー、アタマ、スキンヘッドシロゾ」
 ぼう主頭は月に一度、バリカンで根こそぎにされるんだけど、少佐はそれでも足りずにカミソリでそれと言う。たちまち、おれもソノもおぼうさんの頭みたいにされてしまった。ソノはふつうの丸ぼう主より、ずっと可愛く見えた。
 おれたちは外へ連れ出されて、消火ポンプの高圧水で全身を洗われてから――かんおけみたいな箱に二人まとめてつめこまれた。
 上下逆さにされて、たがいに相手の股間にかぶりつく形にされ、だき合ったまま縛られた。そのまま足をおりたたまれてしまったので、太腿に顔をはさまれて、首を左右にひねるのも難しい。あごを上げれば、どうにか股間から口を外せるけど、首が痛くなるので長時間は無理だった。
「ステイツ、ハコブゾ。ジェネラル・マッカーサー、オナジヒコウキ。コウエイオモウシロゾ」
 飛行機でアメリカまで運ばれるんだ。飛行機に乗ってみたいってのは、男の子みんなの夢だったけど――こんな形で乗せられるなんて、ちっとも喜べない。
「テンサウザンフィー、トブゾ。サムイゾ。ションベンコオル。ノムスル、アタタカイゾ」
 こごえ死ぬのがいやなら、たがいに小便を飲めってことか。まあ、ソノの小便なら男の精液をゴックンさせられるよりは、いいかな。そして、ソノもおれの小便を……いてててて、チンチンがつっ張らかりやがる。
 かんおけのフタが閉じられ、ごていねいにもクギ打ちされた。
 そうして、二人の黒人兵に担ぎ上げられトラックの荷台に乗せられて。おれたちは強制収容所から運び出された。
 生徒たちはカマボコろうごくから出るのを禁じられただけでなく、トラックが来る前から窓のひさしはつっかい棒を外されて閉じていたから、おれたちの運命はだれも知らない。うすうす感づいてはいただろうけど。

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 まあ、切開手術をすれば、ヒロインは妊娠可能になるでしょう。
 ショタイン(ショタ+ヒロイン)は……
 成人のオタフク風を例に引いて、睾丸を腹腔内の高体温に曝し続けると機能を喪失するとかいわれていますが、これはどうも都市伝説のようです。だって、インフルエンザで男性不妊になりませんもの。実はムンプス・ウィルスによる精巣炎が原因らしいです。とすると、だいじょうぶかな。
 しかし、高温状態では精巣の機能が低下するのは事実のようですから、第二次性徴真っ盛りで24時間強制タックが続けば、竿有り玉有りのニューハーフになる??
 けど、まあ。「突っ込める」ようになるなら――禁を破ったことにはならないでしょう。


 さて。この小説で何が苦労したかというと、実は表紙絵です。
 少年と少女が抱き合って縛られていて、ひとつのボールギャグを両側から咥えさせられている――なんて構図を考えたりしましたが、どうにも素材が有馬温泉草津の湯別府湯布院城崎にて。
 もろ結合シーンとかは、サイトによっては矢倍と思いますし。


 でまあ、考えあぐねた素材あぐねた結果……下の画像が、主な素材になります。
 どう仕上がるかは、出来てからのお目汚し。あっ……「御目汚し」にコを挿入すると、まったく別の意味になりますな。




表紙絵素材

DLsite Affiliate キーワードは、ずばり「ショタイン」です。

 ううむ。「ショタインキュバス」かあ。「ショタ 淫魔」とか「ショタ インテリア」とか……
 WEB検索すると、「シュタインズゲート」ばかり引っ掛かるし。
 では、ショタインは作者の東京都特許許可局局長許可許可証ということで。

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テーマ : 18禁・官能小説
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