Making of "Saducation 2084":2

 不思議なもので。数百枚の長編だと平日に10枚以上は書き進めるのに、こういう短編だとせいぜい7~8枚にペースダウンします。
 いや、不思議じゃないですね。短編はそれなりに圧縮するので、節目が早くきてしまって「ひと休み」となるのです。


 前回は『拘束』2900文字の校訂前を御披露目しました。

 これに続く『獄房』7100文字は
 何も説明されないままに、電気鞭で脅されて、首環・ブレスレット・アンクレット・胴枷をみずから装着させられます。首環は、無駄吠え防止電撃機能付き。その他の装具もハイテク満載。声を封じられたので指文字で意思相通しようとしたら、手首に警告電撃。しかも、本名を書こうとすると阻止されますが、この矯正収容所での番号、ヒロインはM78を書くのは許されます。手首の動きとか指を動かす筋電位とかで判断されるのですね。
 ちなみに、M78はマゾ縄の略かもしれません。
 さて、M78はワンバープリズン(one bar prison)で腸内洗滌され、似たような器具でUrineも処理されます。
 そして、乳首とクリトリスにクリップを着けられて。3点同時強烈電撃で「前進」。ソフト快感通電で「まっすぐ歩け」。左右どちらかへの強い電撃で方向を指示されます。処置室から監房までは、監視者も付かずに自発的に歩かされます。
 獄房には先客(実は、数時間の差)が居て。彼女の本名はSu?? 患者番号はS69。セックス69かもしれません。
 S69はボディタッチを試みるのですが、実はつながれているコードに高圧電流が印加されていて、二人が触れ合ったとたんに、ドン!
 M78は左足首から太腿なので、「きゃああああっ!」で済みますが、S69は心臓経由してぶっ倒れます。すかさず職員が飛んで来て、AIEDで蘇生させます。
 ああ、こういうふうに、何の説明もなくアイテムがぽんぽん出てきます。『拘束』でもクワドローンとか出しましたね。それなりの知識があれば、クワドローン=quwad+drone、AIED=AI+AEDと見当がつくでしょう。説明が無いのは、現代小説でスマホとかジェット旅客機をいちいち詳述しないのと同じです。まあ、責め道具は趣味的に詳述しますのでご安心を。
 あとは、食事は四つん這いで犬食いとか。四つん這いも、床に手形と膝頭の位置が表示されて、その姿勢を取ると、手枷足枷が床に自動連結される、なかなか便利な仕掛です。
 そうこうして、翌日から本格的な治療が始まります。


 One-bar-prisonてのは、こういうのです。もちろん、膣だけが対象ではないです。二本挿しもあり得ます。
One_bar_prison.jpg

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矯正

 照明が明るくなって、自然に目覚めた。
 AIの指示で、排泄と洗顔を順番に済ませる。壁に向かって立つし、強制排泄のときとは違って、挿入されたパイプに吸引されるから汚物を同房者に見られることもなかったので、羞恥はマリアにとっては耐え難いほどではなかった。
 しかしS69は――羞恥というよりも屈辱にまみれて。音声に督促され、おそらく電撃の警告も受けて、ようやく所定の位置に立った。フックによる足環の拘束はされなかったが、足形の外へ逃れようとしては、かなり強い電撃まで受けていたらしかった。
 他人の排泄を見物するような悪趣味は持ち合わせていなかったので、マリアはそれを呻き声だけで察した。
 朝食は、ごく少量のオートミール粥だけだった。
「*これから矯正治療を始める。両名とも施術室へ移動せよ」
 出入口が開くと、三点への強い電気刺激が始まった。立ち上がって歩き始めると、刺激は弱くなって、柔らかな快感を与える。
 廊下へ出ると左の乳首に痛みが奔ったので、そちらへ進む。
 建物の構造を知らないし、昨日歩かされた経路も覚えていないが、マリアの印象としては奥へ向かっている感じだった。
 途中で他の『患者』たちと出会った。向こうは男性が三人。マリアたちと同じ環を嵌められた全裸の男たち。方向指示器(?)は男性仕様になっている。強制的にだろう勃起させられたペニスの雁首(glans)に金属バンドが巻かれて、左右に垂れた袋をクリップが噛んでいる。ペニスの根元と淫囊をひとまとめにして、小さな七つ目の環が締め上げていた。三点の電極は、そこにつながれている。
 互いに目を伏せて、でも珍妙で惨めな姿に目を奪われながら、発声を封じられているので挨拶を交わすこともなくすれ違った。
 それから階段を上がって。すぐのところで古風なドアが開いた。そこにへ足を踏み入れて――ふたり揃って立ち竦んだ。
 何から描写したものか。
 これまでのような白一色ではなく、石造り(にしか見えない)の部屋だった。じゅうぶんな間隔を開けても、二十以上のベッドを並べられそうだった。実際にはベッドではなく、最近ではSMプレイでもまず使われることのないハードな拷問道具が壁に沿って並んでいた。それが拷問道具だと、なぜマリアに分かったかといえば――魔女狩りのような史実に関する画像までは規制されていないからだった。
 そして、二人を待ち構えていた六人の男たち。二人は、これまでに見た白ずくめで、顔の下半分をマスクで覆っている。他の四人は、昔のイヌイットが使っていたようなスノーゴーグルに似た細長い長方形の板で上半分を覆っていた。
 この四人は裸足で、イヤホンもスマートアクセサリも身に着けていないように見受けられた。しかし、ゴーグルがホロディスプレイになっているとしたら(そうに決まっている)通常のウェアラブル端末より圧倒的に多い情報量になる。
 そして、服装はまちまち。
 一人は素肌に革製らしい褐色のベストとホットパンツ。肌の色と似ているので、どうかすると(股間がのっぺらぼうの)裸形に見える。
 一人は幅の狭い布を腰に巻いてT字形に股間を包んでいる。この男の肌は黄色っぽいからアジア系だろう。
 残る二人は白人。上半身裸で、下は黒いタイツ。
「装具を外せ」
 褐色ずくめの男が命令する。部屋の隅からワゴンが動いて、二人の右横に停止した。
 マリアはおそるおそる乳首に手を近づけたが、手首に警告は来なかった。乳首のクリップを外すと、じいんと痺れるような感覚が生じた。クリトリスのクリップも外す。やはり痺れるような感覚――だけでなく、性的な疼きも生じた。
 ワゴンにクリップを置くと。カシャッと小さな音が肌に伝わって、首環と胴環がC形に開いた。
 マリアは胴環から外しにかかった。
「私はスーザン・ヘイウッド。ID421154230884615。私は視者(gazer)です。このような扱いを受ける謂れがありません!」
 怒りの声に、マリアは手を止めてS69、いやスーザンを振り返った。視者を名乗る人物に実空間で出会ったのは初めてだった。
 閉ざされたプライベートなネット空間でしか発言を許可されない聴者が、成人の九十パーセントを占める。十パーセントは話者(talker)。しかし、クラウドAIに公然と疑義を呈する権利を持つ視者(gazer)は一パーセントに満たない。そして、話者はネットでの振舞から特定されることも多いし、ステータスであるから意図的に隠す者は少ないが、視者は権利を行使する必要性がほとんど無いから、話者と区別するのは難しい。
 褐色の男が正面からスーザンに近づいた。手にしていた細い棒を下から斜め上へはね上げた。
 ピシッ!
 スーザンの右の乳房が大きく揺れた。
「きゃあっ……!」
 スーザンは両手で胸を庇って、ますます怒りに燃えた目で男をにらみつける。
「発言は許可していない。腕を下ろせ」
 男の意図は明白だから、スーザンは動かない。危害は加えられたくない。けれど、退いてなるものか――その気迫は、マリアの目にも明らかだった。
 下帯一本の男が、スーザンの後ろへ回り込んだ。そちらへ向き直りかけたスーザンの尻を褐色の男が笞打った。
「やめて……!」
 怯んだすきにスーザンは羽交い締めにされて、豊満な乳房を無防備に曝け出す。
 ビシイッ、バチイン!
 さっきよりも明らかに強い笞打ちに、乳房が左右に吹っ飛んだ。が、スーザンは歯を食い縛って悲鳴を堪えた。そして、罵る。
「この黒●ぼ(n*gger)が!」
 マリアは耳を疑った。こんな最悪の差別語を(たとえ私的な場でも)口にする人間など、聴者の中にもまず居ない。未成年だったら、学校と家庭でそれぞれ反省文を書かされる。ほんとうに、この人は視者なのだろうか。
 しかし、疑問は中断された。マリアの前に、半裸タイツのひとりが笞を持って立ったのだ。
「あ……ごめんなさい」
 慌てて胴環と首環を外してワゴンに置いた。それでも。
 もう一人のタイツ男が、マリアをスーザンと同じように羽交い締めにした。
「待って……私は指示に従っています」
「バディは連帯評価すると、最初に通達している」
 白ずくめの一人が、スーザンにもマリアにも聞こえる声で言った。
「矯正治療も個別の懲罰も、二人は同じに扱われる」
 連帯責任なんだわ――と、マリアは理解したが、納得は出来なかった。しかし、納得しようとしまいと。
 ビチイッ!
「痛いいっ……!」
 乳房の中で爆竹が爆ぜたような激痛。VRとは違って、安全限界など無い『生』の痛さだった。
「やめて。彼女は……」
 バチイン!
 バチイン!
 二人の乳房が同時に跳ねた。
 褐色の男がスーザンの目を覗き込む。スーザンは無言でうなだれる。発語を禁じられた状況で示せる最大限の恭順だった。
 羽交い締めから開放された二人は、床に表示される足形を踏んで、開脚して立たされた。並んだ二人の間隔は三メートル。
 足形の中央からディルドがせり上がってきた。腸の洗滌に使われた器具どころか、成人男性の勃起よりもさらに太い。胴部には円錐状の突起が幾つも盛り上がっている。
 ディルドは微妙に角度を変えながら、難なくマリアの股間を貫いた。
「あぐっ……くうう」
 マリアが知っている生身のペニスは、恋人の一本きり。VR連動のバイブによる事前学習など今は廃れて処女性が尊重されているし、恋人とのセックスにもそれなりに満足しているから――『異物』の挿入は初めてだった。
 それでも、直径五センチに近い逸物が、たいして苦痛を与えることもなくすんなり挿入できたのは、それだけAIのテクニックが優れているからである。セクサロイドが男女に与える空虚な幸せと実社会での挫折は、すでに四半世紀来のささやかな社会問題となっているが、それはさて措く。
 ディルドが膣奥に突き当って止まると、天井から鎖が垂れてきた。
「両手を左右に伸ばせ」
 鎖が腕環のカラビナと連結して、斜めに引き上げる。マリアとスーザンは股間を串刺しにされ、空中にX字形に磔けられてしまった。
 四人の男が、マリアとスーザンの前後に立った。それまでの細い笞ではなく、細い革バンドを何本も束ねたバラ鞭を手にしている。バラ鞭は、正常なセックスの味付けとして社会的に許容されているソフトSMギリギリのアイテムだ。ただし四人が使おうとしている得物は、市販品よりも威力が大きいのだが、それを見分ける目をマリアは持っていなかった。
「従順にしていたのに、まだ懲罰を与えるつもりなの?」
 抗議したのは、もちろんスーザンのほうだった。
「懲罰ではない。本人が自覚していない社会への不適応を自覚させ矯正するための施術だ」
 白ずくめの職員が事務的に諭す。
「ちなみに、治療の実務に携わっていただくのは、社会的地位のあるボランティアの皆さんだ。我々職員に対する以上に敬意を持って接するように」
 ずいぶんときな臭くて胡散臭い話なのだが――マリアは、そんな人たちの手を煩わせて申し訳ないと思ってしまった。
 スーザンは疑わしげな顔をしたが、抗議を重ねなかった。反抗して懲罰を受けるのは、自分だけではない。
 四人の男たちが、一斉に鞭を振りかぶった。
 バチン! バッチャン!
 バチイン! ビシイッ!
「きゃああっ!」
「くそっ……!」
 マリアは素直に悲鳴を上げたが、スーザンはあくまでも抵抗する。
 バシン! バシン! ビシイッ! バヂイン!
 乳房、太腿、下腹部、背中、尻……滅多打ち。さすがにマリアも悲鳴を上げながら、鞭から逃れようとする。
 しかし、まったく身動きできないと、マリアは思い知らされた。股間を支柱もろともに打ち据えられると、反射的に脚を閉じて急所を守ろうとするのだが、身体が傾いてディルドで内奥を抉られる。両足を同時に少しずつ内側へ移動させれば良いのだが、そんな余裕はない。かといって身をよじると――ディルドの突起が鋭い痛みを与える。
 じきにふたりとも、自分の脚で立つ努力を放棄して、広げた腕を吊っている鎖に体重をあずけて頭を垂れ、鞭に打たれるままに身体を揺らすだけになっていた。
 しかし、『施術』は残虐になる一方だった。
 ディルドが回転しながら引き抜かれて。無防備になった股間を前後からアンダースローの鞭が襲う。
 ビジイ゙ッ……バシュン!
「びゃあ゙あ゙あ゙っ……!」
 正面からのバラ鞭は淫裂を抉り、跳ね上がりながらクリトリスまで打ち据える。後ろからの鞭は会淫から肛門を鞣しあげる。
 遅ればせながら閉じ合わされた太腿を割って、再びディルドが膣を抉った。
「脚を広げていろ」
 スーザンの正面に立つ褐色の男が無慈悲な命令を口にする。マリアの正面を受け持っている半裸タイツは、無言で鼠蹊部を撫で上げた。
 びくんっと、スーザンとマリアが同時に腰を震わせてのけぞった。電撃は膣の奥で爆発したのだった。一瞬ではない。強度を下げた低周波で苦痛を与え続ける。
 マリアはさらに小淫唇を左右に引っ張られる。ぱしんと右の内腿を叩かれてから、右の小淫唇。男の意図を理解して、すこしだけ右脚を開いた。ぐうっと膣壁が左へ押されて動きを阻まれると、左の内腿を叩かれて、そちらの小淫唇を引っ張られる。
 この男は、意外と親切なのかもしれない。マリアは男に操られて、両脚を五十センチほども無事に(?)開けた。
 ディルドが引き抜かれる。次に何をされるか予想がついても、マリアは脚を閉じようとはしなかった。
 バッヂャアン!
 それまでよりも強い一撃が股間で炸裂した。
「かはっ……!」
 悲鳴をあげる裕りすらなく、マリアは息を詰まらせて激痛を受け止めた。
 しかし、スーザンは抵抗した。ディルドが引き抜かれるとすぐに脚を閉じて――股間にバラ鞭を通されてV字形に扱き上げられ、それでも降参するまで三十秒は意地を張り続けた。
 連帯責任なら自分も同じことをされるのかと怯えたマリアだったが、そこまで厳格ではなくて……スーザンには申し訳ないような気にもなった。
 しかし、すぐにそれ以上の苦痛と恥辱を味わわされる。
 股間への鞭打は(前後同時を一発として)五発で終わった。二人はディルドと鎖から開放されたが、首の後ろで交差させた手首を腕環の連結で固定された。
 広い部屋の端から端まで、二本の太いロープが床に延べられた。ロープには五十センチおきに大きな結び瘤が作られている。結び瘤ではなく、金属スポンジが巻き付けられている箇所もあった。
「ロープを跨げ」
 SMに関してはソフトなプレイの概念しか知らないマリアでも、これから何をされる或は何をさせられるか、厭というほど見当がつく。それでも、ためらいながらではあっても、命令に従った。
 スーザンは、股間をバラ鞭で吊り上げられながら、ロープを跨がせられた。
 予期していた通りに、ロープが引っ張り上げられて、淫列にきつく食い込んだ。
「前へ歩け」
 パチン。
 牧場では牛馬を追うときにこれくらいはするのだろうなという、軽い追鞭だった。それでもマリアは反射的に足を踏み出して――ぐりっと内側を擦られて動きを止めた。チリチリッと、焼け付くような痛いようなくすぐったいような感触に圧倒された。何の変哲もないロープ。その表面は目で見るよりもはるかに毛羽立っている。
「ハイッ」
 バチンと、強めに尻を叩かれたが、さすにが次の一歩は踏み出せない。
「ふむ……?」
 半裸タイツの二人が、左右からマリアに近づいて――乳首をつまんだ。つまんで爪を立てながら前へ引っ張る。
「痛い……歩くから……許して」
 股間のチリチリする痛みを堪えて小刻みに二歩を進んで。そこから足だけは半歩出たが、腰が引けている。大淫唇を隠すほど大きな結び瘤が、前進を阻んでいる。
「ぎいいいいっ……やめてっ!」
 スーザンの悲鳴にそちらを見ると――彼女は剥かれたクリトリスの先端に針金を巻き付けられて、引っ張られていた。針金は全身褐色の男が握る小箱につながっている。
 電撃を同時に受けている。けれど、もう一方の電極は……?
 そんな些細な疑問に拘っている場合ではない。半裸タイツの一人が、同じ小箱をマリアの股間に近づけた。スーザンと同じようにするという脅しか、それとも直接電撃を与えようとしているのか。
 マリアは、なるようになれとばかりに、引けていた腰を前へ運んだ。
「痛いいいっ……!」
 ザリザリッと粘膜を擦られて、無数の針に突き刺されたような痛みが腰から背骨へ突き抜けた。
 結び瘤を強引に乗り越えると、後はそれほどつらくなかった。感覚が麻痺したというよりは、結び瘤の刺激が閾値にリセットされてしまったのかもしれない。
 しかし、新たな閾値をはるかに上回る障碍が立ちはだかる。ロープに巻き付けられた金属タワシ。いや、ずれないように編み込まれている。結び瘤と同じくらいの直径で、ボールではなく長さ十五センチほどのソーセージ。
 こんな物で淫裂をしごかれたら、擦り傷くらいでは済まない。淫裂に金属タワシの端を押し当てただけで、結び瘤を乗り越えるとき以上の鋭い痛みが奔る。乳首に爪を立てて引っ張られる痛みのほうが、まだしも耐えやすい。
 二人の男が頷き合った。内言を音声に変換してコミュニケーシンを取っているのか、ゴーグルに表示されるAIの指示に従っているのか。
「後ろへ下がれ」
 乳房をわしづかみにして押し返されて。後退するのは楽だった。斜めにしたフォークを前へ押すのと後ろへ引くのとでは抵抗が違う。すでに通過したロープにはマリアの血液と膣からの分泌が付着して、潤滑の役も果たしている。
 肛門が結び瘤に突き当たったところで止められて。
「勢いをつけて、一気に突き進め」
 二人の男が協力して、クリトリスの包皮を剥き細い針金を巻き付ける。針金につながれている小箱の上を指が滑ると。
「あっ……?」
 怯えていた電撃ではなくて、柔らかく摘ままれ揉まれ捻られる――それまでの苦痛を帳消しにしてくれるほどの快感がマリアの腰を貫いた。
「指示に従わないと、こうなる」
 刺激が数十倍に跳ね上がって、受ける感覚はそのままに、激痛に変わった。
「いやああっ……!」
 激痛はすぐに消失した。
「どちらを欲しいかな?」
 柔らかく通電しながら、男が針金を引っ張った。もうひとりが後ろへ立って。
「ゴーアヘッ!」
 パチン。
 鞭に追われ快感に引っ張られて、マリアは小走りに進んだ。金属タワシが淫裂にめり込み、ガシガシと粘膜を削った。
「ぎゃわあああああっ……!」
 凄絶な悲鳴を叫びながら、マリアは障碍を駆け抜けた。
 激痛が消えた瞬間に、足をもつらせて斜め前へ倒れ込む――のは、後ろの男が抱き止めてくれた。
「良く頑張ったな」
 抱き止めている手をずらして、男が両手で乳房を揉んだ。通電は、まだ続いている。性的な快感が苦痛の中に忍び込んだ。
「だが、先は長い。とっとと歩け」
 男は手を放して――ぴんと張っているロープをさらに引き上げて、マリアから苦鳴を引き出した。
 金属タワシを乗り越えて、さらに閾値が上がったのかもしれない。マリアは、三つの結び瘤を呻き声と共に、しかし難無く乗り越えて。次の金属タワシは助走をしなくても、クリトリスへの励ましと尻への追鞭で、食い縛った歯の隙間から悲鳴を漏らしながらも通過した。
 いつか、マリアの顔は涙でぐしょ濡れになっている。それは、スーザンも同じだった。
 正面に壁が近づいてくると、あそこまで到達すれば終わるのだと、それを励みに歩み続けた。
 しかし、終わらなかった。
「もう一度だ。元の位置まで戻れ」
 バラ鞭で乳房を強く叩かれて、ついにマリアも限界に達した。
「こんなことに、何の意味があるんですか?!」
 反逆を内包した質問には、白いツナギ服の男が無慈悲に答えた。
「それをみずから気づくことに、この施術の意味があるのだ。分からないうちは、何度でも繰り返す」
「このサディストたちを満足させることが目的じゃないの?!」
 叫んだのはスーザンだった。
「見なさいよ、この黄色い●(yell*w m*nkey)の股座を。腰布がはち切れそうになってる」
 この人が矯正治療を受けさせられている原因は、これだろう。こんな治療が行われているなんて信じられないけれど、これほど人種差別をあからさまにする人物がいることも信じられない。
 スーザンの発言は、ロープをさらに高く引き上げることで報われた。
「痛い……やめて!」
 スーザンはたたらを踏みながら部屋の中央まで後退した。つま先立ちしても、ロープはV字形に張っている。だけでなく、金属タワシが股間を抉るようにロープ全体が前後へ動いた。
「いぎゃああああっ……やめて! お願い……!」
 彼女に同情しているどころではなかった。マリアの跨いでいるロープも上へ引っ張られ始める。
「ごめんなさい。もう、何も言いません!」
 後ろへ下がり始めると、股間への圧力が軽くなった。安堵とともに足を運ぶ。前進中に後ろへ下がったときよりも、ロープは緩んでいるように感じられた。淫裂を抉られてはいるが、それほどの痛みは感じない。けれど、ただ閾値が上がっただけかもしれない。
 しかし。壁に背中がついて。二度目の全身を強いられると――ロープは最初よりも高く引き上げられ途中の弛みが分からないほどきつく張られた。
 けれど、前へ進むしかなかった。スーザンも、抗議と反発を重ねる気力は奪われていた。
 マリアもスーザンも、とめどなく涙をこぼしながら、呻き声の合間に悲鳴を重ねて、二度目の『綱渡り』を終えたのだった。
 虐待される意味に気づくまでは何度でも繰り返すとの言葉に反して、そこでこの責めは終わりを告げた。二人は並んでV字開脚の逆さ吊りにされて、傷付いた女性器の治療を施された。血止めをされ、粘膜にナノファイバーの保護膜を貼られ、苦痛だけを緩和する選択的感覚遮断剤を局部に注射された。ジェットではなく、わざわざ針の付いた注射器が使われて、その鋭い激痛に再びふたりは悲鳴を上げたのだけれど。
 治療が終わると、背中で下に垂らした腕を手首で縛って吊り上げられた。上半身が前傾して、それ以上倒しても起こしても手首が下がる位置で、鎖は止められた。足が床から離れれば、全体重がねじられた肩に掛かる後ろ手一本吊り(strappado)の拷問になるが、体重の過半を脚で支えていても、苦痛はある。その形で、数時間の『休憩』を与えられた。
 六人の男たちのうち、白いツナギ服の二人は部屋から退出して、残った『ボランティア』たちは、この部屋に並べられた拷問道具にはふさわしくないソファーで、ゆったりと寛ぐ。スノーゴーグルめいたデバイスは外して、素顔を晒している。
 四人の男たちは酒類と思しき飲料をちびちびと舐めながら、マリアとスーザンの吊られている姿を鑑賞している。呆れたことに、禁制品の煙草を吸う者までいた。
 四人は会話を交わしているのだが、マリアにはまったく声が聞こえなかった。あるいは遮音システムがどこかにあるのかもしれない。
 そんな、どうでもいい思念はあれこれと湧いてくるのだが……なぜ、こんな目に遭わされているのかだけは、皆目見当もつかなかった。まさか、スーザンが口走ったサディスト云々が幾分かの真実を含んでいるとも思えない。スーザンのことは知らないが。マリアはAZから危険レベルの潜在的社会不適応者と認定されて、その矯正治療のために連れて来られたのだから。

 白ツナギ服の二人が戻って来て『休憩』は終わった。二人は俯せにされ、手足を引っ張られて、床から百五十センチほどの高さで水平に吊るされた。手足は開いて、細身のX字形。
 白衣の二人と黒タイツの二人が手分けして、マリアとスーザンの裸身に、医療具とも責具とも分からないデバイスを着けていく。
 乳房を細いベルトで縊り、乳首には乳暈がちょうど隠れる大きさのキャップを吸い付かせた。外見は金属製だが、内側は毛羽立っている。そして乳頭には冷たい金属の感触。
 クリトリスも、また包皮を剝かれて、乳首と似たキャップをかぶせられた。
 太い柱がゆっくりと走って来て、開いた脚の間で止まった。二本のディルドが伸びて、膣と肛門に挿入された。さらに、1/6フィギュアに使うようなディルドまでが淫裂に潜り込んで、尿道を貫いた。
「さて、操作はマニュアルにしましょうか」
 白衣が四人のボランティアを見回しながら尋ねた。
「いや、オートマチックで最適化してもらおう」
 褐色の男が即答した。
「ピンポイントで調子を外すのも面白い。リモコンはもらっておこう」
 アジア系が付け加えると。
「完璧な最適化は陳腐だな。BGMに同調させてはどうだろう」
 黒タイツのひとりが言い出して。他の三人の同意を取り付けてから男が提案したのは『ツァラトゥストラかく語りき』だった。不朽のSF2D映画のオープニングテーマだから、マリアもプライマリー時代の鑑賞学習で視聴した記憶をとどめている。
 四人は改めてソファーに陣取り、白服はその両側に立った。
 最初は、何も起きなかった――というのは閾値の問題で。
 オルガンの音が耳に聴こえる頃には、乳首とクリトリスに微振動が感じられるようになっていた。電気的な振動だけではない。突起が真空に吸引されて尖ってゆき、その周囲で毛羽もうねっている。
 苦痛の次は性的快感を与えるつもりだとは、マリアにも分った。けれど、その理由と目的は分からないままだった。
 通奏低音の高まりと共に三点への刺激も強まっていき……導入部のトランペットで三本のディルドが蠢き初めて。人間では不可能な微妙な動きで一気に性感を高められる。
 スーザンは知らず。マリアは、恋人とのセックスではそこまで達したことのない領域へと押し上げられていって。
 ドンデンドンデンドンデン……
 ティンパニーの響きに合わせて、ディルドが抜去されては最奥部まで突き進む。
「あっ……ああっ……」
 そして、最大音量の全楽器演奏( tutti )。乳房は激しく揉みしだかれ、乳首に太い稲妻が突き通され、クリトリスは大波に揺すられ、膣と肛門のディルドが逆位相で全身を抉る。尿道はピストン運動ではなく、こねくられる。
「あああっ……いやあっ……来る……何か来る……助けてええええええっっ!!」
 二分足らずの導入部で、これまで到達したことのない高みにまで――押し上げられたというよりは、吹き飛ばされてしまった。
 BGMは急速に落ち着いて。今度はじんわりとマリアを追い上げていくのだが。不意にティンパニーがフォルテッシモで打ち鳴らされて、アクメの彼方へ吹き飛ばす。
 駄目駄目駄目……こんなのは駄目だ。ジェットコースターのような性感に弄ばれながら、マリアは恐怖する。
 こんな凄まじい快感を知ってしまったら、彼との……だけじゃなく、生身の男とのセックスでは満たされなくなってしまう。楽曲の切れ目に差し掛かると、そんなことを考えてしまう。
 今でも、セックスで(オナニーも含めて)忘我というほどの満足を味わったことはないけれど。これから開発されていくものだと思っていた。それが、いきなり……いにしえのジェット戦闘機。アフターバーナーに液体ニトロをぶち込んだようなアクメ。
 いいえ、努力(?)次第では、生身の男とのセックスでだって、ここまで到達できるはず。そうも思う。AIはアシストするだけ。だから、肉体改造を認めない健常者パラリンピックでは、百メートル七秒の壁が生理学的に証明されている。
「あああああっっ……駄目! いい! 来る……落ちる……いやあああっ!」
 デンドンデンドンとティンパニーがなり始めて、思考は消し飛び、アクメの彼方へ蹴り上げられる。
「くそお! 見てるだけなの?! インポ野郎ども!」
 スーザンという人は、すべてに攻撃的なのだと、そういうふうにマリアは理解した。自分とは正反対の人間。こういう矯正治療を受けさせられている理由が、一パーセントくらいは分かるような気がした。けれど、その漠然とした理解は……なぜ、マリアが彼女と同じカリキュラムを課せられているのか、ますます分からなくなるさせるだけだった。
 ローカルAIが局所的で瞬間的なエラーを犯すことはあるが、それは上位AIによってミリ秒単位で修正される。すくなくとも三大AI(とAZ)は、不完全性定理の制約は受けても誤謬は犯さない。だから、この処置には正当な理由がある。マリアとしては、肉体的精神的な虐待に甘んじながら、自身の社会的不適応をみずからが気づいて、それを矯正してもらうより他に道は無いと、それは微塵も疑っていなかった。
『ツァラトゥストラかく語りき』は全九部の交響詩だが、BGMとしてのアレンジで執拗に導入部が繰り返されて――ほぼ五分に一回の割でマリアはアクメを強制された。
 アクメの余韻に浸りかけたところを、また追い上げられて、いっそうの高みまで吹き飛ばされる――凄絶な快感の積層。それは、すでに拷問と変わりなかった。
 マリアは絶頂のうちに悶絶したのだった。
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 ここまでで10700文字。このあと、獄房で意識を取り戻すと。
 ベッドにマングリ返しで拘束されています。しかも、夜間にトイレに行きたくなっても大丈夫。出口にチューブが突っ込まれていて、反対側は同房者のボールギャグに連結されています。これを永久機関と称したのは漫画家の「やまぐちみゆき」ですが。Wikiにも載ってねえな。もう過去の人なのかしら。そもそも生きているのか。
 ちなみに。マングリ返しは、piledriver(sex position)だそうです。そのまま日本語に戻すと、杭打ち位ですかね?
 One bar prisonは、言い得て妙です。「串刺し」とかで検索しても、なかなか引っ掛かりません。
 言い得て不妙なのは、strappadoですな。筆者が必死に考案した「後ろ手一本吊り」のほうが、雰囲気です。

 さて。『矯正』の最後を書いてから『講習』に取り掛かりましょう。『講習』は、SDGs幻想とか、男女平等は生物の摂理に逆らうとか、平等と公平は違うが公平は本当に正しいのかとか――「21世紀前半の誤謬と蒙昧」をぶった斬ります。SMではなくSFです。






実に、SMセレクト(東京三世社)で筆者の第5作『第五列の悲虐』が掲載され(て、引退し)たと同じ号で、荒縄工房(あんぷらぐ)さんが「仲ゆうじ」としてデビューされているという、奇しき因縁があります。
ついでに。
『ディープサウスマゾ紀行』 東都海藻だったが、編集部一存で東野苑明に変えられた。トントカイモ(system)の遊びがばれた?
『奴隷留学』 姫久寿子(姫くずし)
以下3作が藤間慎三(トーマの心臓)名義
『ハイテクひとり遊び』編集部改題『愉悦工場』
『淫海教育』
『第五列の悲虐』原題は『素人スパイ受虐譚』これは、編集部のほうが優れているので、いただきました。

なお。筆者のPNは、その後に風鴇能太(風と木の詩)を経て、電子書籍デビューにさいして濠門長恭(拷問調教)で落ち着きました。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Making of "Saducation 2084":1

 いつもいつも"Progress Report"では芸が無いので。他に意味とか理由はありません。
 本棚:Ponpoko Skin Calculationで『Prison 2084』としてるやつです。Sadistic educationくらいの意味の丁稚揚語です。
 今回はプロット紹介無し。賞味期限付も無し。第1稿を部分的に公開しながら、途中は粗筋で紹介していきます。
 まあ、全体図だけは公開しときましょう。


 拘束/獄房/検査/講習/作業/面接/妊活/継続

 これだけの章を100枚乃至200枚に詰め込みます。
 Zero Sum Short Storiesです。


さっそく、始めます。

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拘束

 今日は初出勤。先月に十八歳の誕生日を迎えて、聴者(listener)認定も受けたし。いよいよ一人前の社会人としての生活が始まる。成人としての責任は分かっているつもりだけど、スキップでも踏みたい気分。
 メトロの駅へ向かう彼女をパトカーがゆっくりと追い越して――すぐ前で停まった。
警官が降りて、彼女に向かい合う。
「警察の者です」
 バッジを提示される前に、警官の頭上にIDナンバーと認証標が表示されている。
「きみは、マリア2418だね?」
 正確にはマリア・スコット、ID173202236092418。相手が警官なら、それを承知の上での形式的質問だ。
 しかし、マリアの答に対する警官の対応は、まったく形式的ではなかった。
「きみは、潜在的危険人物よして、矯正治療の対象として拘束される。ただいまより、きみの人権は治療完了まで凍結される」
「え……?」
 ほとんど理解不能な警官の言葉。戸惑っているうちに、マリアはパトカーの後部座席に押し込まれた。
 続いて警官も乗り込んで、反対側のドアからも、もう一人がマリアをサンドイッチにした。
 三方向の窓ガラスが黒くなった。前席のバックレストから黒い仕切板がせり上がって――マリアは文字通りブラックボックスに閉じ込められた。
(ポパイ。状況を説明してちょうだい)
「申し訳ありません。AZオーバーライドにより、あなたへの一切の情報提供を禁じられました」
 ポパイの声がイヤホンに響いて――視界の隅に点在していた一切のアイコンが消失した。
 マリアは、裸で外に放り出されたような不安に襲われた。
「ねえ。どういうことなの。説明してください」
 しかし二人の警官は無言。行動で答えた。
 マリアを前かがみにさせて両手を背中へねじ上げて、手錠を掛けた。
 後ろ手錠は、被拘束者が暴れて自他に危害を及ぼす懸念がある場合に限られる。それを知っていたマリアは、ますます衝撃を深めた。どころか。
 警官が両側からマリアの膝をつかんで脚を開かせ、自分の太腿の上に乗せた。片手で脚を押さえておいて――左側の警官が、開脚させた中心へ手を差し入れて、ショーツの中にまで指を入れてきた。同時に右側の警官が、ボタンが千切れるのもかまわずブラウスに手を入れブラジャーを強引にずり上げた。
「やめてください。性的接触に同意しません」
 悪徳警官という言葉が日用辞書から消えて四半世紀。この行為も警官の職務遂行としか考えられないマリアは、言葉で抗議はしても、身もがきは肉体の不随意な反応にとどまっていた。
 股間を指でなぞっていた警官が、ショーツを引き千切った。それを丸めて握り込んで――不意にマリアの腹を殴りつける。
「うぶっ……もごぉ」
 苦痛に呻く口に、元はショーツだった布切れを押し込まれた。
「滅多にない人権凍結案件だ。ボーナスを愉しませてもらうぜ」
 人権凍結意味を、マリアはパンティと共に噛み締める。パンティを吐き出そうと思えば出来るだろうけれど、もっと非道いことをされかねない。
 予想もしなかった、展開も予想できない事態に怯えながら、マリアは自分の肉体をボーナスとして扱われるにまかせるしかなかった。
 パトカーはゆっくりと走って、途中でモニターを交代してボーナスを公平に分配しながら、それでも二十分ほどでマリアは――アイマスクで視界を奪われて、パトカーから降ろされた。それまでの間、マリアは女性器を指でこねくられ乳房を揉みしだかれ、不本意な反応まで引き出されて、それ以上の狼藉までははたらかれなかったものの、まともに物事を考えられる状態ではなかった。
 ブラウスをはだけられ両側から乳首をつまんで引き回されて――おそらく警察署の屋上へ連行された。
 アイマスクを外されると、今さらだが三人の女性警官に取り囲まれていた。
 命令されてイヤホンとコンタクトレンズを外し、マリアがポパイと名付けているスマートペンダントも取り上げられた。ますます素っ裸にされた気分。
 どころか、物理的にも全裸にされた。
「自殺の予防処置です」
 ブラジャーを首に巻き付けても自殺は可能だ。
 予防処置は入念で、口からパンティを吐き出すと、すぐにボールギャグを噛まされた。
 そして、紙オムツを穿かされて。柔らかな内張に覆われた『棺』としか形容できない細長い箱に寝かされて全身を革バンドで拘束された。蓋が閉じられても、内張自体が微かに発光していて、ほの明るい。
 カシン、カシンと小さな衝撃が伝わって、ぐうんと持ち上げられるのを感じた。屋上の十メートルほど上空に浮かんでいた自動車サイズのクワドローン。あれで運ばれるんだろうと見当が付いた。でも、どこへ?
 ――独りきりにされて、ようやく物事を考える時間が生じた。けれど、何をどう考えるのか、それが分からない。宝くじが当たって億万長者になるよりも、船が難破して独り無人島に漂着するよりも――現実離れした現実。
 それでも。これだけ理不尽な扱いを受けていながら。市民への声掛けから発砲までAIにリアルタイムで監査されている警官が、非合法行為をするはずがないと、それを信じようとする。一方で、人権凍結の言葉に怯える。それには生存権……まさか生命権まで含まれるのだろうか。
 AI……!
 ポパイが最後に告げた言葉を、マリアは思い出した。AZオーバーライド。まさか、Artificial ZEUSがPersonal AIに直接干渉するなんて……これはそんなに、人類全体に関わることなのだろうか。
 現在の世界は緩やかに統合されているが、いわば地方自治体としておおまかな三つのブロックに分かれている。それぞれのブロックに助言を与えているのが、クラウドAIのArtificial ALLAH、Artificial BUDDHA、Artificial CHRIST。これらの仮想統合人格がArtificial ZEUSとなる。百年昔なら『ビッグ・マザー』と呼ばれていただろう。
 もっとも、いにしえの『ビッグ・マザー』とは違って、AZが現実世界に介入するのは、AI工学の第ゼロ原則に関する事象についてのみと――一般には信じられている。A4にタイプすれば十万枚とも百万枚とも謂われるAZの倫理規範を厳密に解読出来る人間(個人でもチームでも)はいない。AIに解読させても、第ゼロ原則が優先される。つまり、「為になる」嘘を吐く。
 たとえば。死を極端に恐れている人間が死病に侵されている場合、「私は余命幾許も無いのか」と尋ねられたときに、PAIは不都合な情報をローカルストレージから削除して「保持しているデータからは、判断できかねます」と答える。なんなら、健康な人間の平均余命についてさらっと講義したりもする。
 つまり……マリアへの理不尽で非道な扱いについて、納得できる説明を与えられる可能性はきわめて小さいのだ。
 受け容れるか、自殺――は、入念に遠ざけられていた。

 マリアの感覚では二、三時間。無音ローターらしいから、距離にしてせいぜい数百キロを運ばれて、マリアは棺から出された。

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箱詰め1
 典型的な短編の書き方ですね小説作法講座。
 いきなり「惹き付け」の凌辱シーンです。そして、場所移動の(小説内での)時間経過を利用して背景を説明しています。
 まだまだ設定はありますが。随所で詳述するか、読者が勝手に想像しんさいと突っ放すか。SFとしては詳述したいのですが、それすらも20世紀末ですでに陳腐でしたし。これはSFSMですので。うん、尺の都合もあるしね。


 さて、これからしばらくは、確定申告だの個人的諸事情だので、ちょこまか時間を取られますが。3月初旬には電子出版準備まで漕ぎ着けたいものです。いい加減で『宿題を忘れたら……』の次章もやっつけたいし。

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お気に入りの写真(人間家具:1)

 もうじき「Saducation 2084」に取り掛かって Progress Report 連載開始ですので。ちょこっとイネテルメッツォをば。

 SMというかボンデージ、それも西洋の定番に「人間家具」があります。
 女体(女王様が男を――というのは、筆者の好みに合いません)を家具にしてしまうのですね。超本格的&Comicとしては、手術とかもありますが、それはそれで。文字通りの肉便器(つまり、陶器の代わりにしたり高貴に嵌めこんだり)にしちまうのはやはりイラストでは八個玉ですが、写真では、あんまり。

テーブル
 というわけで。もっともオーソドックスなのがテーブルでしょうね。
 右上の画像が基本形です。拘束するよりも手足を自由にさせておいて、載せている物が倒れたりこぼれたりしたら懲罰――の方が、面白いでしょう。もちろん、高級なテーブルには色んな装飾が付き物ですから、それも再現すべきです。縄、洗濯バサミ、バイブetc.
 右下の画像は、実用性に欠けます。やはり、アクリル板(透けて見える)の天面は必要と思います。まあ、灰皿を載せておいて、背中で煙草を揉み消すという荒業は「有り」でしょう。
 左の画像は、応用編。しかし、如何に拘束しても不安定なので、実用性には?です。やはり、テーブルは四脚が望ましいですな。


 女体全体を利用する家具としては、電気スタンドとかポールハンガーとか。
電気スタンド
 下左のX’massツリーもですね。
 下右は、家具というか、ウェイトレスというか。本稿の趣旨からは外れてきます。

Xマスツリーとか

 女性器を、まんま家具あるいは器具として使うのも大変にポピュラーではないかと思い侍り蹴ります。
マンコ利用

 上の画像は、もはや定番の花活けです。こんなのも風情があります。

縄禿初潮水揚
『非情と淫虐の上意:縄禿初潮水揚げ』で丁稚揚げたBFです。
 DLsite FANZA BookWalker BOOTH
 楽天はU18Kにてアウト。
 ※元々は販売していたけど、「火竜と翔けたアクメの空」を、ここから全年齢で発売してしまい(Rサイト側のチョンボ)、金$にめっけられて、「内容に差異がある」の反論は認められず、売り上げが100倍から違うので、いったんRは全作品を販売中止して――直後に、金$の曖昧文言(実質何も言っていない)規定の伸縮する物差で、他作品をポルノと決めつけられて全面撤退にいたり、Rでも再度販売申請をしたのですが、最初の登録時から規定がエロエロ(じゃない方向へ)変わっており、十数点が発禁喰らいました。
 GUCCIは、ここまで。


 Midship!
 体位を工夫すれば、エロエロと楽しめるでしょう。


 さて。ここで「人間家具」を作る/使うにあたって、大きな選択肢があります。
 短時間のお遊びなのか、長期間(といっても、鬱血とか考慮して休憩時間を与える必要はありますが)の『本気』かという問題。まあ、後者は創作の中だけのお話しにはなりますが。洗濯バサミとかバイブとかは、前者限定になるでしょう。ああ、がちがちに拘束しておいて、拘束デバイスを可動式にすれば、長期使用でも休憩を与える必要は無くなりますが、食事と排泄を考慮しないと難しいですね。それくらいは(濠門長恭クンなら)リアリティを追求します。
 おっと、「投げ輪」ですが。これは、優れたアイデアです。
 しまった。『名札のピアスはどれいの証し』で使えば良かった。


 Voyage does not stand before!


テーマ : エロ画像
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) Final:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 どどどっと怒涛の勢いで脱稿。
 校訂と次作(Saducation 2084)を急ぐので、責めシーンを一挙公開。これを読んで『秘写真』全公開の体験版をDLすれば、製品版は不要?
 最近はイコカにスイカにピタパで切符不要なのにキップが良いねえ。


不安な前途→ほころぶ蕾→マンコ椿は→斬新な衣装→
縄張の譲渡→凌辱と拷問→蕾への拷責→売春労働者


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   凌辱と拷問

 これでは娼売は出来ない。かと言って、田所の軍門に下るのは真っ平。多恵は表向きの花屋だけを続けると決めた。
 売子とは雇用関係に無く、花の中間卸しと小売の形にしているが、多恵は貯金の半分をはたいて、爪に火を灯せば三月やそこらは暮らしていけるだけの『退職金』を出してやった。
 華代はそれを固辞して、花屋を手伝うことにした。非力な女でも独りよりは二人のほうが心強いし、多恵と心中することが、せめてもの父に代わっての謝罪でもあった。
 多恵も、強くは説得しなかった。むしろ意気に感じてくれて――いよいよ明日からは新生『椿姫』の再出発という夜に、景気付けということか。角瓶の喇叭飲みではなく、水割りを二人して嘗めて。ついに、華代の渇仰を潤してくれたのだった。
 多恵からの一方的な翻弄ではあったし、いわゆる中逝きではなかったが、華代は険しい山道を登り詰めて、虚空に飛翔したのだった。
 ――景気付けの御利益などあるはずもなかった。
 店先に飾る花などは、同業他店に押さえられて、新規開拓の余地は無い。ヤクザの後ろ盾があればともかく、妨害してくるのだからなおさらだ。
 近隣には挨拶に回ったが、おいそれとは信用してもらえず、しかもヤクザとの揉め事は直に見聞している。注文を出してくれる事務所も、足を運んでくれる主婦も居なかった。盛り場から少しだけ離れた雑居地には、花に足を止める通行人も少ない。
 枯らして捨てるしかない花を大量に仕入れるわけにもいかず、品揃えは少なくなり、ますます集客力が無くなっていく。ジリ貧どころか、破産一直線というのが偽らざるところだった。
 しかし。経済的な破綻よりも、物理的いや肉体的な破滅のほうが、ずっと早く訪れたのだった。

 今日の売上は六百円だけで、仕入値との差し引きは四百円だが、枯らした花は仕入値で三百円分。店舗と住居の光熱費を加えると、それだけで赤字。二人の食い扶持は完全な持ち出し。
 二人して溜息をつきながらシャッターを下ろそうとしたとき。狭い道を夕暮れ時のスモールランプも点けずに走って来た幌付きの小型トラックが目の前で停まった。助手席と荷台から男が飛び出してきて、多恵と華代の背後から襲い掛かり、手で口をふさぎながら荷台へ押し上げた。
 荷台には、さらに二人の男が乗っていた。
「んむううっ……むぶう!」
 トラックが動きだす。
 多恵も華代も、口にガムテープを貼られ後ろ手に縛られて、木箱に押し込められた。ドスンドスンと振動が伝わってくるのは、偽装のために箱を積み重ねているのだろう。
 これから、どうなる――いや、何をされるのだろう。華代は息苦しいまでの恐怖に襲われていた。ヤクザの抗争でも、敵をドラム缶にセメントで固めて海へ捨てると……誰かに聞いた噂だったか、小説の作り話だったか。相手はイタリヤのヤクザを真似ているという。テレビで観た実録物のギャング映画では、機関銃で警官隊と渡り合っていた。確か、ギャングはイタリヤ移民のアル・カポネとかいってた。
 日本のヤクザより残酷なのだったら……そこから先は、本能が思考を停止させた。
 生きた心地も無いままに三十分なのか三時間なのか、運ばれた。あまり揺れなかったから、奥深い山の中で生き埋めにされるのではなさそうだ。
 またゴトゴトと物音がして、ふわっと宙に浮く感覚。斜めにされて、また水平に戻されて、不規則に揺すられる。トラックから卸されて、どこかへ運ばれているのだ。
 そんなに長い距離は運ばれなかった。
 最後に、ゴトンと硬い床に置かれる響き。すぐに蓋が取り払われて、華代は眩しさに目が痛くなった。
「巻き添えにして済まねえな。用が済んだら、無事に帰してやるからよ」
 聞き覚えのある声だった。逆光で顔の分からない男に抱き上げられて、華代はだだっ広い部屋の隅にピラミッド状に積み上げられた木箱に座らされて、さらに縄で身体を木箱に縛り付けられた。
「んんんっ……?!」
 ようやく男の顔がはっきりと見えた。華代が娼売を始めた初日に、スズの紹介で自分を買ってくれた男――青野だった。
 青野は鴉丸組の人間のはず。でも、向こうで多恵さんを囲んでいる四人の男のうちのひとりは、ソフト帽こそかぶっていないが、フォルザ一家の田所親分ではないかしら?
 そんなちっぽけな疑問は、多恵の姿を目にして吹っ飛んだ。
 おそらく倉庫だろう、広い空間の中央で――多恵は手首を後ろで縛られたまま、立たされている。その手首を、天井から垂れている太い鎖につながれていた。
「巻き上げろ」
 田所親分の言葉に子分のひとりが、太い鎖の脇でU字形に吊られている細い鎖を手繰った。
 チャリチャリチャリ……
 多恵の腕が少しずつ吊り上げられていき、水平になってからは上体が前へ傾いていく。
「んんんっ……んんんんっ!」
 多恵も華代と同じようにガムテープで口をふさがれているから、くぐもった呻き声しか漏らせない。それでも、苦痛に悶える声だと、はっきり分かる。
 やがて、これ以上は上体を倒しても直角に突き出した腕は上がらない限界に達して――踵が浮いていく。
「それでいい」
 部下がチェーンから手を放しても、天井の巻き上げ装置は逆転せず、多恵を吊ったまま止まっている。
 田所が多恵の口からガムテープを剥がした。
「これが、愛人にしようって女にする仕打ちかい?」
 ぱしん、ぱしん。田所が平手打ちを頬に見舞った。
「俺の愛人になるか、フォルザ一家のダッチワイフに堕ちるか、おまえの料簡次第だぜ」
 顎に手を掛けて顔を上げさせた田所に向かって、多恵は唾を吐き掛けた。田所の顔には届かず、唾は田所の胸を汚した。
 田所は怒らず汚れを拭いもしなかった。
「そうかい。それが返事だな」
 静かに言って、服を脱ぎ始めた。ワイシャツも脱ぎ、ズボンまで脱ぎ捨てた。下は肌に貼り付くような半袖シャツと膝丈のタイツ。そのタイツから引き抜いたのは匕首ではなく大振りなジャックナイフ。
 そのナイフを多恵の喉元に突き付けて――一気に服を切り裂いた。
 気丈にも、多恵は無言で田所を睨みつけている。か細い悲鳴のように、赤い血が腹からスカートに向かって流れた。
 そのスカートも切り裂かれ、パンティだけは田所が手で引き裂いた。
 スカートは床に落ちて下半身は剥き出し。上体は前をはだけたというよりも、布切れを背中に貼り付けている。
「若い時分は何百本と咥え込んで、挙げ句に鴉丸のお古か。まあ、鴉丸との講和条約があるから、一度は突っ込んでやるぜ」
 多恵の背後から覆いかぶさって、双つの乳房をわしづかみにした。
「ぐううう……ど畜生め」
 多恵が歯軋りする。肩をねじられている苦痛と、乳房への凌辱の苦痛と怨詛。
 田所は片手を放してタイツをずり下げると、その手を多恵の前へまわして股間を嬲る。嬲りながら、尻の谷間に逸物を擦り付ける。
 指の細かい動きまでは華代から見えないが、そうとうな手練れなのだろう。多恵が悔しそうに呻いているので、それが分かる。
「畜生……あんっ……なんだって、こんなやつに……やめとくれよ……くうう」
 田所は多恵の訴えを聞き容れて身を離した。のは、次の動作に移るためだった。
「これだけ濡らしときゃ、すんなり挿入(はい)るだろうぜ」
 田所の股間は、中年男とは思えないほどに天を衝いていた。多恵がこれまでに見たこともないほどに太く長く……醜いほどに雁首がデコボコしている。真珠を埋め込んでいると称する客もいたが、これほどではなかった。
 田所は両手で多恵の腰をつかむと、その女穴に挿入(はい)りそうもない代物を後ろから突き立てた。
「あああっ……くそっ……ど畜生め、ど畜生め……」
 多恵はひとしきり怨詛の声を発した後、田所が腰を動かし始めると黙り込んだ。
「そら、気持ちいいんだろうが。遠慮するこたあねえ。艶っぽい声で哭いてみやがれ」
 田所がゆっくりと腰を動かす――かと思えば、数回激しく抽挿する。
「あっ……やめとくれ。いやだいやだ……くそおおお」
 呪詛の声に甘い響きが混じり始める。
 ぱんぱんぱんぱん。肉を打ち付ける音が広い空間に響く。
 ふっと視野の片隅に動きを認めて、華代はそちらを見て――ぎょっとした。田所の手下どもだろうが、若い男ばかりが十人以上もひと塊になって、多恵が悶えるさまを眺めている。田所は背広、華代と多恵を拉致した連中は青野を含めて作業服を着ているのに対して、この連中の服装はまちまちだった。あえてひと括りにすれば――街のチンピラ。
 いったい、彼らは何のために集められているのか。ますます不安が募る。
「あんんっ……畜生、畜生。いやだ……駄目、くる……」
 不自然な姿勢で吊られている多恵の裸身が、いっそう不自然に反り返った。絶頂に達する……寸前で、田所は後ろへ下がった。射精したのではない。多恵の分泌にまみれた怒張は衰えを見せず天を衝いている。
「あああっ……どうして?」
 多恵が切なそうに恨みの嘆きを吐いた。
「書類にサインしたら、続きをしてやるぜ?」
 田所は多恵の耳元にささやきながら、また覆いかぶさる。体重をのしかけながら、乳首とサネを繊細に嬲る。
「ああっ……いやだ、やめとくれ」
 多恵が訴えると、田所はあっさりと引いて。
「あんんんっ……もっと……虐めて……」
 多恵に本音を吐かせる。そして、また苦痛と快楽の両方を与える。しかし、処女には地獄の激痛を年増には極楽の法悦を与える巨根は女淫に軽く擦り付けるだけ。
「挿れてほしいんだろ。サインすると言いな。いや、実印と権利書の在りかを教えてくれるだけでいいんだぜ」
 委任状など、いくらでも偽造できる。
 さすがに、多恵は幾分か正気付いて、気力を振り絞って拒絶する。
「誰が渡すもんか。あれは、うちの御城だ。こんなチンポ一本と引き換えになんかしてたまるもんか」
「それなら、チンポ十本とじゃどうかな……おい」
 田所がチンピラの群を振り返って、顎をしゃくった。チンピラどもが、多恵を取り囲んだ。
「おまえらの粗チンじゃ、束にならなきゃ勝てねえぞ。ケツも口も、まとめて突っ込んでやれ」
 ちゃりちゃりちゃり……鎖が巻き下げられて。多恵には、立っている力が失せていた。床に崩折れる。作業服姿の男が二人掛りで、多恵を縛り直した。背中にまとわり着いていた衣服の残骸を剥ぎ取って全裸にして、手首を肩までねじ上げて縛り、胸にも縄をまわす。脚は折り曲げて、開脚させて逆海老に縄を掛けた。
 縛られているうちに多恵は強いられた快楽の余韻を醒ましている。仰向けに転がされても、気丈に田所を睨みつける。
「犯るならやりやがれ。こちとら、二十人三十人のソ連兵に輪姦(まわ)されたんだ。ヘナチョコチンポの十本や二十本に泣きをいれる多恵さんじゃないよっ」
 さすがに田所は動じなかったが、チンピラどもはたじろいだ――のは、ズボンの膨らみ具合で分かる。それでも、てんでに下半身を露出して、多恵に襲い掛かる。
 仰向けの多恵に正常位の形で突っ込んで、抱き締めて寝返りを打って、背後から二人目が尻を犯す。下の男が多恵の乳房をつかんで押し上げ、上の男は多恵の喉に手を掛けて引き起こす。三人目は膝を突いて、呼吸を妨げられて半開きになった口を凌辱する。
 男どもも不自然な姿勢なので、肉を打つ乾いた音は響かないものの、サンドイッチにした女肉を三方向から貪り始めた。
 ああ、そうか。お尻の穴も使えるんだ――そのことを、華代は初めて知った。性器と口を同時に使われたことはあったが、肛門に挿入された経験はない。
「ボス。散々見せつけられちゃたまりませんです。こいつ、姦っちゃっていいですか?」
 青野が華代の肩をつかんだ。
「そういう約束だったな。好きにしろ」
「ありがたい。それじゃ遠慮なく」
 まさかそれだけではないだろうが、華代を自分のものに出来るというのが、青野が鴉丸組を売った理由のひとつらしい。
「暴れないと約束するなら、縄を解いてあげるよ?」
 猫撫で声に、背筋を悪寒が奔った。華代は多恵に倣って青野を睨みつけた。口をふさがれていなかったら、乏しい語彙のありったけで詰ってやりたかった。
「そうかい」
 青野は多恵のところまで行って、まだ残っていた縄を持って来た。
 木箱の縄をほどいて床にひざまずかせ、上体を押し倒す。
「ツボミちゃんが強情だから、こうしちゃうよ」
 華奢な華代の腰に馬乗りになって動きを封じておいて、手首の縄をほどいた。片手ずつ引っ張って、手首と足首をひとまとめに縛る。
 華代は俯せで尻を高く突き上げた形に拘束された。両脚は自然と開いてしまう。
「へへ。いい眺めだぜ」
 もちろん、眺めているだけでは済まない。スカートをまくり上げパンティを引き下げて、尻も女性器も剥き出しにした。
「ツボミちゃんは、まだ誰にもケツマンコを許しちゃいないよな?」
 そんなこと、多恵にさえ話したことはない。当てずっぽうなのか、多恵がそこを犯されるのを見たときの反応からの推測なのか。まさか、華代が寝た客の誰彼に問いただしたわけでもないだろう。
「初物は俺がもらってやるよ」
「んんんん、んんっ……」
 華代は全身を揺すって拒絶したが、その仕草は青野を誘っているようにしか見えない。
「よしよし。待っといで」
 青野がズボンを脱ぐ。
 そのわずかな合間に華代は多恵の様子をうかがって、驚きの目をみはった。
 最初の三人はとっくに終わっていて。多恵は胡坐を組んだ形で低い位置に吊られていた。その下に男が仰臥して腰を突き上げている。そして――二人の男が多恵の膝をつかんで、ぐるぐる回していた。
 田所の指図で、細い鎖が手繰られては巻き戻されている。
 つまり多恵は、女芯をミキサーのように掻き回されながらゆっくりと抽挿されている。粗チンであっても、刺激は田所の魁偉な巨根に匹敵するのだろう。
「いあああっ! あえええ……」
 縄の猿轡を噛まされているので、不明瞭な声は出せても言葉にはなっていない。
「ふへええ。こりゃまた……そう言や、イタリヤは色事の本場だったな。ああいうのもあるんかいな」
 青野が歎声を発した。
 まさか、お尻の次はあれをやるなんて言い出すんじゃないでしょうね。多恵に同情するよりも、自分の心配で華代は手いっぱいだった。
 青野も同様。多恵から目を離して、目下の獲物に取り掛かる。
「ちっと痛いけど、二度目の初体験だと思って我慢するんだよ。ケツマンコは、男も女も病み付きになるって話だからね」
 話に聞くだけで経験はないのだろう。肛門を揉みほぐしたりもせず、手に吐いた唾を怒張にまぶしただけで、いきなり挿入に及んだ。田所の指示で多恵を犯したチンピラどもを真似たのだろうが、田所には女を辱め苦痛も与えるという確たる目的があったのだろうなどという推察には欠けていた。
 おかげで、華代の二度目の初体験は、最初のときよりも甚だしい苦痛を伴う結果になった。
 最初は肛門を圧迫される著しい不快感だけだったが。ぐぼっと突き抜けられた瞬間、灼熱した杭を打ち込まれたような衝撃に襲われた。
「んんんっっっ……むぶうううう!」
 激痛から逃れようと尻を振り立てて、みずから傷口を広げる結果になった。華代に出来ることは、出来るだけ身体の力を抜いて肛門も緩めることだけだが――その知識も無かった。抵抗を封じられ痛みを訴えることも出来ず、暴辱の嵐が吹き終わるのを待つしかなかった。
 もっとも。激痛に筋肉を強張らせていたのが幸いした面もあった。あまりの締め付けに、青野は十回と抽挿しないうちに果ててしまったのだ。
 早漏は男のプライドをずたずたに引き裂く。まして、抜去した淫茎に汚物が付着していれば幻滅も倍加する。
「うへえ……」
 青野は華代の縄を解いてやることも忘れて、倉庫の隅にある水栓へ飛んで行った。
 さすがに、汚れを洗って服装も整えると。今日からは自分の女(それとも、彼の妄想の中では養女か)にするつもりの少女への気遣いも取り戻して。
「もう、ひどいことはしないから、暴れるんじゃないよ」
 縄を解き口のガムテープも剥がしてやって、華代の汚れを洗い落としてやる――のは拒まれて、水栓の前にしゃがみこんで自分で洗う華代を眺めていた。
 その間にも、多恵への凌辱は続いている。今度は吊るしたまま肛門を貫き、男たちも要領が分かってきたので、独楽のように多恵をぶん回した。これは失敗で、多恵は目を回してしまい、善がるどころではなかった。
 慈悲を願っても無駄なのは分かり切っているから。華代は青野の膝の上に座らされ背後から抱き締められ、身体をまさぐられるにまかせながら、凌辱に曝される多恵を見守るしかなかった。
 権利書は自分が持っている。そう叫びたい衝動を抑えていた。権利書があっても実印がなければ名義の書換は出来ないのだし。何よりも多恵が、死んでも城を明け渡さない覚悟を固めているのだから――青野に可愛がられている自分が、かえって惨めだった。
 暴辱はエスカレートする一方で。多恵を抱え上げて立ったまま挿入して。さらに後ろから尻も犯すどころか、膣への二本挿しまでやってのけた。すでに多恵は善がるどころか息も絶え絶え。本来の意味で逝くのではないかと華代は恐怖に駆られていた。それでも、華代は多恵の意志を尊重する、いや、殉ずる覚悟までしていた。
 十数人による凌辱が終わって、多恵はボロ雑巾のように床に転がされた。
「まったく強情な女だ」
 田所は忌々し気に――ではなく、愉快そうに嗤った。何を思ったか、まだ青野に弄くられている華代に近づいて。
「お嬢ちゃん。イソップ物語の『北風と太陽』の話を知ってるかね?」
 それを読み聞かされなかった子供など日本には居ないのではないか。この人は何を言いたいのかと、華代は訝った。
「イソップ物語は大昔のギリシャで書かれて、リナシメント・イタリアーノで世に広まった。というわけで、マフィアの強面(こわもて)といえど、良く知っている」
 話がまったく見えなかった。
「お伽話とは違って、太陽は旅人のマントを脱がせられなかった。これからは北風の出番だというわけだ。どうだね。お嬢ちゃんからも、あの女を説得しちゃくれないかな。俺の北風は厳しいぜ?」
 具体的なことは分からないが、多恵がもっと残酷な仕打ちを受けるということだけは明確に理解できた。それでも、華代は田所を睨みつけるだけだった。
「そうかい。是非に及ばずってやつだな」
 田所はきびすを返して多恵に歩み寄った。脇腹を蹴ってか細い呻き声を引き出してから、作業服姿の男たちに命じる。
「吊るせ。脚は思い切り開かせろ。猿轡は外してやれ。ヴィオレッタのアリアをたっぷり愉しみたいからな」
 たちまちに支度が調えられる。
 すでに背広を着込んでいたが、今度は上着だけを脱いで。ズボンからベルトを引き抜いた。
「こいつは特別誂えで、芯に薄い鋼が仕込んである。ドジを踏んで敵に捕まっても、まさかベルトまでは取り上げられないからな」
 バックルを握ると、近くにあった木箱をベルトで力いっぱいに打ち叩いた。
 ぶゅん、バギャン!
 箱が割れた。
「ここまで本気は出さないが……それも、おまえの心根次第だぜ」
 武器と呼ぶにふさわしい鞭で叩いてやると威されて、多恵の顔が強張った。しかし、降参はしない。
「なんだって、あんな狭い土地としょぼい店舗にこだわるんだい。誰の名義だろうと、花束売りを続けさせるには構わないのに。まあ、花束売りなんかうちの子たちに二度とさせないけどね」
「ふん。あれだけ突っ込まれてもケロリンカンか。悦ばせただけだったようだな。しかし、こいつは、そうはいかないぜ」
 田所は二歩上がるなり、ベルトを下から上へ振り抜いた。
 バチイン!
「いぎゃああああっ!」
 股間を鞭打たれて、多恵は絶叫した。反射的に脚を縮めて股間を庇おうとしたが、足首を左右に引っ張っている縄は中身の詰まった木箱につながれているので、わずかに膝を曲げて太腿と脹脛を痙攣させただけだった。
「いい声だ。だが、アルトがかってるのが珠に瑕だな」
 アリアとは、そういう意味だった。
「ソプラノとなると、あっちのお嬢ちゃんの声がそれかな」
「華代は関係ないだろ!」
 多恵が悲痛に叫ぶ。
「あの子は独り立ちできない売子だから、住まわせて面倒を見てやってるだけ。あの子に手は出さないで」
「チンポは出しちまったがね」
「三下は黙ってろ」
 青野の半畳をドスの利いた声で封じて。
「ふうむ……?」
 華代を見詰める。
 凄まじい眼光を浴びて、華代は思わず、自分を凌辱した男に庇護を求めるように、抱き締められている身体を自分から密着させた。
「目的は権利書と実印なんだろ。だったら、うちを好きなだけ拷問するがいいさ。絶対に白状しないからね」
 田所の関心を華代から逸らそうとしての挑発だったが――あるいは、華代を庇おうとする必死さを、田所の心に植え付けたかもしれない。いずれにしても田所は、まず多恵を徹底的に甚振るつもりだったのだろう。
「そうかい。では、お言葉に甘えさせてもらうぜっ」
 田所は振り返る勢いを乗せて、ベルトを水平に薙ぎ払った。
 バチチイン!
「ぎひいいっ……!」
 双つの乳房が爆ぜて、激しく揺れた。
「ふん。手加減し過ぎたか。赤くなっただけで、肌が裂けていねえぜ」
 しかし田所には、早々に多恵を壊すつもりは無いようだった。背後へ回り込んで、立て続けに斜めにベルトを振るった。
 バチイン!
 バチイン!
 バチイン!
 尻全体がひしゃげて揺れて、またひしゃげる。
 しかし多恵は、悲鳴を噛み殺して耐えた。田所を愉しませてやるつもりは無いということだが。意地を張って耐える女の風情も田所を悦ばせる――それは、彼のズボンの前を観れば分かることだが、多恵からは見えない。
 バチイン!
「ぎゃわああああっっ……!」
 尻の間から股間にまでベルトを打ち込まれて、多恵は二度目の絶唱を歌った。
 田所が満足げに目を細める。そこに宿った嗜虐の焔は、女への加虐に愉悦を見い出す男が存在するという事実を、華代にもはっきりと理解させた。
 尻を十発ばかり鞣して、次は背中を数発。それから、いよいよ本格的に正面を痛めつける。乳房も腹も太腿も左右から斜めに滅多打ち。
 最初のうちは打たれるたびにあげていた悲鳴も途切れがちになり、ついには、頭をがくりと垂れたまま、全身を小さく痙攣させるのは筋肉の反応なのか、ベルトの衝撃で揺さぶられているだけなのか。
 そこまで追い込んで、ようやく田所は手を止めた。
「どうだ。まだ強情を張るつもりか?」
 多恵は答えない。いや、答えられない。
 田所は満足そうに頷いて。
「注射をしてやれ」
 田所が声を掛けた相手に、華代は見覚えがあった。店に押しかけて来た三人のうちの、多恵が書類を突っ返した男だ。
 男は胸ポケットから小さな箱を取り出した。中には注射器が入っている。
 鎖が巻き下げられて、裸身が床に仰向けに転がった。
 男が多恵の腕に注射器を突き立てた。注射を終えると腕時計を一瞥して引き下がる。田所も背広を着直して木箱に腰掛け、気障ったらしく葉巻をふかす。
「中休みか。それじゃ俺たちも、もっとリラックスしようね」
 青野が華代の腰をつかんで持ち上げ、回復した怒張を本来の位置にあてがうと、ゆっくりと華代を下ろした。
 半年の娼婦生活でも経験したことのない体位で、刺激される部分が違っていた。が、それを味わう裕りなど、あるはずもない。
 青野は挿入したものの、まるきり身体を動かさない。それが、青野の言うリラックスなのだろう。
「そうだ。ツボミちゃんはオマンコをぎゅっと締めてごらん。腰を動かさずにお兄さんを逝かせたら、ご褒美をあげるよ」
 褒美なんか欲しくないし、ゴムを着けずに中で射精(だ)されたら困る。けれど、田所の凄まじい暴虐を見せつけられていては、青野に対しても恐怖しか感じない。華代は渾身の力で括約筋を引き締めた。
「おおお。いいねえ。それじゃ、緩めて。はい、締めて。このリズムに合わせて締めるんだよ」
 両手で華代のささやかな乳房をつかんで、もぎゅ、もぎゅ、もぎゅと揉み始めた。
 乳房を圧迫されるたびに、華代は括約筋を引き締める。
 そんな戯れ(?)は十分ほどで終わった。
 注射をした男が、まだ手首を縛られて人の字形に転がっている多恵の脇にしゃがみ込んだ。
「あなたの名前を教えてください」
 今さら何を尋ねているのかと華代は訝ったが。場違いに優しい問い掛けに、多恵は素直に答えた。
「……宇佐美、多恵」
「歳は幾つかですか」
「……三十四歳」
「あなたのスリーサイズを教えてください」
「……上から九十、五十八、九十」
 何かがおかしいと、華代は気づいた。場違いな質問ばかりだが、そう簡単にスリーサイズを教える女性など居ない。まして、質問しているのは『敵』なのに。
「権利書はどこにありますか」
「知らない」
「まだしらばっくれてやがる。薬は効いてるのか?」
「しっ……あれだけ痛めつけてあれば、抵抗力など根こそぎのはずです」
 小声で口早に説明してから、多恵に向き直る。
「では、実印はどこにありますか」
「流しの下の天板に貼り付けた」
「なぜ、権利書のありかを知らないのですか」
「華代ちゃんに預けたから、どこに隠したか知らない」
「なるほど。わざわざ巻き込んだってことかい」
 田所が華代に歩み寄る。青野が慌てて腰をずらして抜去した。瞬時に縮み上がっている。
「言わないわよッ」
 機先を制して、華代が叫んだ。
「変な注射なんかしたら、舌を噛んで死んでやるから」
 田所が苦笑する。
「そういう気にさせないためにも、たっぷりとソプラノで歌ってもらわないとな」


   蕾への拷責

 田所は華代の腕をつかんで、鎖の下へ引っ立てた。
「同じことをしちゃ芸が無いぜ」
 床に押し倒して、片足にチェーンを巻き付けて。足一本で華代を逆さ吊りにした。それだけでもじゅうぶんに苛酷なのに。
 両腕を背中へまわさせて手首を腰の高さまで引き上げてから縛り、多恵の脚を開かせていた重たい木箱を真下へ持って来て、箱の隙間に縄をくぐらせて引っ張る。最初に多恵が吊るされたときの形を上下逆転させて再現したわけだが、腕が水平まで引き下げられて、これ以上は上体が前傾していく寸前で縄止めをした。そして最後に、残っている片足にも縄を掛けて、これは縄尻をうんと延ばして別の木箱に結び付けた。
 華代の姿は、片足を真横へ突き出し両腕をひとまとめにされて背後へ突き出して、まるで一本柱の帽子掛けだった――土台が無くて宙に浮いているが。
「くっ……痛い」
 横へ引っ張られて傾こうとする身体を、水平に突き出した腕を真下へ引っ張っている。斜めにねじられているから、後ろ手を単純に上へ引っ張られるより肩の負担は大きいかもしれない。
 華代が吊るされている間に、多恵は後ろ手に縛られ正座せられていた。膝の裏側に長い角材を通されて、直角に開脚させられている。正気付けば、角材はちょっとした拷問になる。
 田所はベルトをズボンに戻して、ジャックナイフを握った。
「あっちは素っ裸なんだ。おまえも同じ姿にならねえと申し訳が立たないよな」
 ブラウスもスカートもシュミーズもずたずたに切り刻んだ。乱暴に刃を動かすので、肌に数条の赤い線が走る。身じろぎすればいっそう刃に切られそうなので、華代は身体を固くして耐えるしかなかった。
 パンティを残して、田所は壁際まで下がった。
「青野よ。こいつは、おまえのスケにするんだろ。それなら、おまえが尋問するのが筋ってもんじゃないのか」
 問い掛けではなく命令だった。
 青野が、おっかなびっくりといった態で華代に近づく。
「なあ。あんな女に義理立てしても始まらねえぜ。権利書を、さっさとボスに差し上げろや。これ以上は酷いことをされないよう、俺からもボスにお願いしてやるからよ」
 華代は顔をそむけて意志を表示した。けれど……自分が権利書を預かっていると知られてしまった。部屋を家探しされたら、簡単に見つけられる。ボストンバッグの中敷きの下に入れて、古着を詰め込んでいるだけなのだから。
 それでも。白状するのは多恵を裏切ることだと思う。
 あたしは、父さんみたいに多恵さんを犠牲にしたりはしない。
 多恵と同じように拷問されて同じように注射をされて口を割らされる。それが、多恵の恩義に報いる唯一の道だと、悲壮な覚悟を固めると――胸に切ない感情が込み上げた。
 チッと、青野は舌打ちをして。華代のパンティに手を掛けた。
「女を責めるとなったら、どうしてもここになるんだぜ。道具が使い物にならなくなるかもしれねえ。それでもいいのか」
「壊してよッ」
 華代は気丈に叫ぶ。
「壊れちゃったら、二度とツボミを抱けなくなるよ。お兄ちゃんは、それでも構わないの?」
 啖呵を切っている途中で、ふっと計算がはたらいて、あえて『お兄ちゃん』と呼んでみた。手加減してもらえるかもしれない。
 もっとも。甘えながら拒絶するという矛盾に華代は気づいていない。女が筋の通らないことを主張するのに、男は慣れているだろうけれど。
 青野には青野で、ここでフォルザ一家をしくじれば、どこにも行き場所が無くなることくらいは弁えている。
「口マンコとケツマンコがあればじゅうぶんだぜ」
 精一杯にうそぶくと、一気にパンティを引き裂いた。田所を真似て、ズボンからベルトを引き抜く。
「おらあっ……」
 振りかぶるなり、華代の股間に真上からベルトを打ち込んだ。
 パチン!
「きゃああっ……!」
 鋭い痛みが股間から脳天まで突き抜けて、華代は悲鳴をあげた。覚悟はしていたつもりだったが、予想していたよりも痛みはずっと鋭く大きかった。
「ガキの遊びじゃねえんだ。気合を入れんか」
 青野の腕が委縮していると見て取って、田所が叱咤する。
「は、はい……あらあっ!」
 バチイン!
「み゙ぎゃあ゙あ゙っ……!」
 股間を真っ二つに切り裂かれたような激痛が爆ぜて、華代はソプラノで絶唱した。身体が自然と跳ねて、肩と股関節が悲鳴をあげた。
「いい音色だ。だが、女にはいろんな楽器があるぜ。万遍なく演奏してやれ」
 持って回った言い方だが、田所がどのように多恵を甚振ったかを目の当たりにしている青野には、じゅうぶんに通用した。
 バチイン!
 バッシャン!
 バシン!
 乳房、腹部、太腿――あちこちにベルトを飛ばした。
 華代は歯を食いしばって鞭打ちに耐えた。田所を愉しませてなるもんかという意地だったし、股間への鞭に比べればまだしもだった。
「多恵に似て強情な娘だな。青野よ、北風はやめて太陽にしてみろや」
「え……?」
 逆さ吊りにしていては、犯すことは出来ない。
「シロクロショーを見せろと言ってるんじゃねえ。道具を使え」
 田所が倉庫の一隅を指さす。そこには、多恵に使った角材や壊れた木箱などが集められていた。
 青野はあれこれ吟味して、迷いながら、短く折れた角材と大きなフックを選んだ。フックは、太い鎖の先に取り付けられている物と同じだった。
「なあ。ほんとうに壊れちまうぜ。俺のためにも素直になってくれよ」
 ツボミに悪くは思われていないという幻想が、そういう言い方をさせたのだろう。
 すでに華代は『お兄ちゃん』に甘える気力が失せている。青野の言葉を黙殺した。
「そうかい。可哀想だが、ボスには逆らえねえんだ」
 青野は華代の背後へまわって。『?』の形に曲がったフックの先端を肛門へあてがった。フックの先端は細くなっている。ずぶずぶとめり込んでいく。
「……痛い!」
 次第に太くなっているとはいえ、フックは青野の怒張ほどにも太くはない。しかし断面は正方形の角をいくらか丸めた形だから、異物感は淫茎の比ではなかった。さらに――青野が手を放すと、フックとそこに残っている短い鎖の重みが肛門を引き伸ばす。激痛ではないが、凌辱されているという思いが著しい。
「これが最後のチャンスだぜ。こんなぶっといのを突っ込んだら、ほんとの本当に壊れちまうぜ」
 青野が華代の目の前に短い角材をかざした。一辺が五センチはある。対角では七センチを超えている。しかも表面はささくれている。壊れないにしても、膣の内部がひどく傷つくことは避けられそうにない。
 それでも――華代は無言で『敵』を睨み返した。
「くそっ」
 青野は吐き捨てて。華代の股間に角材を押し付けた。フックと違って先細りにはなっていない。いきなり一辺五センチの凶器を押し込むことになる。
 青野は深呼吸をしてから――両手で拝むようにして角材を押し込んだ。
 めりめり、びきびきと――股間を引き裂かれる音を、華代は聞いたように思った。ベルトの鞭打ちとは違って、いつまでも続く鋭いと同時に重たい激痛。
「がはああああっっ……!」
 華代は絶叫して。息を吐き切ったまま、口を開け喉を引くつかせて悶える。手足を痙攣させているが、腰だけは杭に縫い付けられたように動かない。悶えれば激痛が跳ね上がる。
 青野が田所を振り返った。これ以上は勘弁してやってくださいと目で訴えているのか、次はどうしましょうかと加虐の指示を仰いでいるのか。
「突っ込んだだけじゃ、女は満足しないぜ。捏ねくりながら抜き差ししてやれ」
 すでに、華代の股間には血が滲んでいる。田所の言葉通りにしたら、夥しい出血を招くだろう。
 青野が躊躇しながらも、角材を握り直した――そのとき。
「やめてええっ!」
 多恵が血を吐くように叫んだ。自白剤の効き目が薄れて、華代が受けている仕打ちを理解できるまで見当識を取り戻したのだった。
「ツボミ! もう、いい。権利書なんか渡しちまいな」
「こんな奴らに屈しちゃ駄目!」
 殺されたって、こいつらの思い通りになってたまるもんか。それは、若さ故の無鉄砲だったかもしれない。
 しかし、オトナである田所は、ちゃんと落とし所を心得ていた。
「それじゃあ、多恵。俺の牝奴隷になって、絶対服従を誓うんだな」
 いきなり我が身のことに話が戻ってきて、多恵は烈しく頭を振った。拒絶ではなく、意識をしゃっきりさせるためだった。
「なってやるさ。ビルの天辺から飛び下りろってんなら、そうしてやるさ」
 田所が苦笑する。
「牝奴隷の作法をいちから躾けてやらないと駄目だな。おい、青野よ。そろっと抜いてやりな。壊されちゃあ、稼がせられなくなるからな」
 急転直下に、青野がきょとんとする。
「あの……権利書は?」
 田所が肩をすくめた。
「そいつが持ってると分かりゃ、家探しすれば出て来るさ。それに、持ち主本人と実印があれば、権利書が無くたって面倒な手続は要るが、名義の書き換えは出来るんだ」
 華代への拷問は不要なことだったと、手の内を明かした。
「それじゃ、なぜ……?」
「言っただろ。ソプラノのアリアを聞いてみたかったのさ。それと……」
 愉快そうな声が、一転して酷薄になる。
「おまえの性根を見定めるためだ」
「それじゃ……」
 ボスの命令を忠実に実行したのだから眼鏡に適ったと糠喜びの青野。
「イタリアじゃ、女を殴る男はクズのクズだ。相手がてめえのスケとあっちゃ、なおさらだ」
 青野の心境を漫画で表現するなら、顎が五十センチも落ちただろうか。
「しかも、盃をもらった親を裏切る。約束だから一家に迎えちゃやるが、三等兵からやり直すんだな」
 海軍には四等兵まであったが、こういった場合の引き合いに出されるのは昭和の帝国陸軍だろう。その最下級は二等兵である。
「もちろん、ツボミはやらねえよ」
「約束が違う。それに、あんただって、あの女を痛めつけたじゃないですか」
 当然の反駁だったが。田所がジャックナイフをぱちんと開くと、顔を蒼白にして口をつぐんだ。
「口の利き方に気をつけろ。一度だけは見逃してやる」
「女を拷問したのは、体力と気力を根こそぎにして、自白剤の効果を高めるための処置だ」
 多恵の尋問をした男が、青野に言い聞かせる。
「若い娘のほうには拷問も自白剤も不要だということは、当然に分かっているべきだ」
 それだけの頭も回らないようでは、使いっ走り以上の仕事は任せられないと、田所が断じる。
 ――こうして、拉致監禁拷問の一幕は急転直下に大団円(?)を迎えたのだった。貧乏くじを引かされたのは多恵だったか、青野だったか。道具を壊される寸前で終わった華代でないことだけは確かだろう。

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花売娘
 後は、取って付けて接着不良の短いエピローグで終わります。
 まだ2回目の校訂中だというのに、次作「Saducation 2084」(Pirison 2084 改題)のプロットに取り掛かっています。
 かいて(何を?)ないと、気が休まらない。病気ですかね。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report(third) 7:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 前半の「ありきたりなセックス」「ありきたりなレズ」「ありきたりな売春」を過ぎて、いよいよ!
 濠門長恭御得意怒涛的拉致監禁緊縛鞭打拷問三穴姦に突入しましたが、割と尺が短くなりそうな予感。さて、どうなりますことやら。

 今回ご紹介するのは
 不安な前途→ほころぶ蕾→マンコ椿は→
 「マンコ椿は」の章です。


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 華代のコーチ役についてくれたのは、フタバという自称二十三歳のきつい印象の女性だった。ブラウスにチョッキは多恵と同じ取り合わせだが、おままごとみたいな小さいエプロンを着けている。
「あ、そうそう。忘れるところだった」
 華代はピンク色のスカーフを手渡された。フタバとお揃いだった。そういえば、昨日の四人も同じスカーフを着けていたなと、思い出す。
「二年ばかり前までは、ほんとうに花束しか売らない小さな子もいたんでね。そのスカーフが、一輪挿しも売るって目印なのさ」
 華代はフタバを真似て、スカーフを首に巻いた。
 フタバが足を向けたのは、当然だが、数軒のバーが固まっている一画。
「ああ、あれあれ」
 フタバが薄青色の小さな看板を指差した。筆記体で、英語ではなさそうな文字が、赤青黄緑紺色で書かれている。看板の隅に、スカーフと同じ色のハンカチがピン留めされていた。
「いくつかの店は、花を買いたいって客を取り持ってくれてるんだ。あのハンカチは、客が待ってるって意味だよ」
 フタバが、そろりとドアを開け、華代の手を引いて店に滑り込む。
 店内に客は三人。脚の高いカクテルグラスを前に中年男と若い女のアベックと。カウンターの隅で寸胴形のグラスを嘗めている三十歳くらいの男。
 その男が、二人を振り返った。
「おや……ずいぶんと若いね。新人さんかな?」
 フタバに脇を小突かれて、華代は一歩前に出て頭を下げた。
「ツボミといいます。今日からお仕事を始めました」
 フタバに仕込まれた通りの挨拶をした。初物を喜ぶ客は多いという。
「ふうん……ところで、この店の名前の意味は分かってるかな。おっと、フタバちゃんは黙ってろよ」
 意味も何も。どう読むのかさえ分からない。華代は正直に答えた。
「ラルカンシェル。フランス語で『空の弓』。つまり虹だな」
 へええ、物知りなんですね――と、適当に持ち上げておく。男はこういうくすぐりに弱いとは、去年の夏から秋にかけて覚えた女の浅知恵だった。が、この男には通用しない。
「それじゃ、君たちの店の名前『椿姫』の由来は、さすがに知ってるだろうね」
 昨夜にあれこれ多恵と話した中で、聞いた覚えはあった。
「ええと……オペラ『カルメン』のヒロインですよね。たしか、ヒロインはパルチザンでしたよね?」
 男は爆笑して、アベックを振り向かせた。アベックは花売娘の姿を目にとめると、軽蔑したように顔をそむけた。
「カルメンと椿姫は別のオペラだよ。椿姫の名前はヴィオレッタだ。パルチザンじゃなくてクルチザンヌ――高級娼婦の謂だな」
「はあ……」
 教養をひけらかして、相手の無知を嗤う。いけ好かない男だと思った。向こうも、華代には食指を動かさなかった。
「フタバちゃん。今夜もショートでお願いしよう」
「出来たらツボミの相手をしてやってほしいんだけど。そしたら、次はショートの値段でロングを付き合ってあげるんだけどな」
 ツボミの面倒を見てやってくれと多恵に頼まれているだけに、フタバは粘ってくれている。しかし、男の返事は辛辣さを増しただけだった。
「勘弁してくれよ。まだ尻の青痣が残っているような子は、ストライクゾーンを大外れのワンバンも良いところだ」
 年齢が低すぎるという意味だった。
「藤原さんなら、そういうだろうね。しゃあない。三十分ばかり待っててよ。この子にお客を見繕ってやってから、また来る」
「三十分だけだぞ。こちとら、明日も仕事なんでな」
 この店は早々に退散して。ピンクのハンカチは出ていなかったが、『グラスランド』、『トリリアム』、『てんとう虫』と三軒をまわって。いわば釣針に寄ってきた男は二人。どちらも、フタバなら買っても良い(ひとりは千円に値切ってきた)が、小便臭い小娘には用が無いと、けんもほろろ。そこで、時間切れ。
「公園に行ってごらん。ひと巡りして売れなかった子が、一人くらいは居ると思うよ。あ、立チンボのグループには近寄るんじゃないよ」
 いちおうの面倒は見るが、ケツまでは持ってやらない。こっちだって稼がなきゃ干上がっちまうよと、ひとりで『ラルカンシェル』のドアの向こうへ消えた。
 見放された――と、華代は思った。三人立て続けに剣突を食わされて。身体を張って生きていこうという意気込みは、ぺしゃんこになってしまった。
 他に動きようもないので、とぼとぼと公園へ向かった。すっかり夜になっているせいだろう。常夜灯の無い公園は闇の中に沈んで、昨日見かけた立チンボたちの姿も見えない。
 目を凝らすと、ぽつんと小さな赤い光が見えた。煙草だろう。明りに引き寄せられる蛾のように、そちらへ行って見た。
「よう。ツボミだっけな。稼げたかい?」
 がさつに声を掛けてきたのは華代の次に若いスズだった。あまり機嫌の良さそうな声ではないのだが――その理由は、華代とは正反対らしかった。
「たった三十分で、突っ込んで射精(だ)して、はいサヨナラだぜ。三合目どころか、登山口で置いてけぼりだい」
「…………」
 華代は、なんと応じて良いかわからない。
 が、スズは華代の沈黙から事情を察したらしい。
「まだ宵の口だぜ。まだまだ、これからさ。おれだって、お茶を引く日もあらあ」
 慰めになっているとも言い難い。しかし、フタバよりも後輩の面倒見は良いようだ。
「おれが客を見繕ってやるよ。さっき、青野を見かけたんだ。ちぃっと変態がかってて、おれは苦手だが、おめえには向いてると思うぜ」
 変態の定義が分からなかった。たとえば少学生なら、スカートをまくる男の子はじゅうぶんにヘンタイだ。大人なら、女の服を脱がせてセックスをするのも正常な行為だ。
 ともかく。スズの言葉に悪意は感じられなかった。
「よろしくお願いします」
 当然の礼儀として華代は頭を下げたのだが、スズが一瞬きょとんとしたところを見ると、先輩後輩の間柄としても、慇懃に過ぎたのかもしれなかった。
「それじゃ行くぜ。据え膳は急げって言うからな」
 スズが先に立って公園を出かけて。公衆電話ボックスの前で足を止めた。
「たいていは『ネオシアター』でかぶりついてるはずだが、空振っちゃやだかんな。ちょいと確かめらあ。電話急げってな」
 ボックスへ入って、扉は開けたまま、ダイヤルを回す。
「もしもし。『椿姫』のスズです。青野さんがいたら、取り次いでほしいんですけど」
 しばらくして、青野という男が電話口に出たらしい。
「うちに新人が来たんだけど。なんと、新卒の子なんだ」
「もちろんさ。上の学校へ行けるようなお嬢様が、うちになんか来るはずがないだろ」
「いや、だいぶん使い込んじゃいるみたいだ。そのせいで、まともな就職先を無くしたそうだぜ」
「バカ言ってらあ。うちは花屋だぜ。水揚げに追加料金なんか取るもんかよ」
「そんじゃ、すぐ連れてくから」
「ああ? 『シャトー・ブリテン』前で待ち合わせ? 急いては事を仕損じるぜ」
 ガチャン。
「さ、行こ。青野ってのは、名は体を表わすってやつで、青い果実が大好物なんだ。胸はぺたんこ、マンコはつるつる――おめえでも薹(とう)が立ってるとか言い兼ねない手合いだかんな。オニイチャンヤサシクシテネとか、ソンナノコワイヨとか言ってやれば花束だって買ってくれるかもな」
 この当時、ロリコンという概念は広く浸透していなかった。なので、スズの言葉を華代は奇異に感じただけだった。
 ――青野という男は、三十手前くらいだろうか。背広は着ているがノーネクタイ。襟にバッジを着けている。
 まさかと思って目を凝らすと、丸い枠の中に三本脚の鴉。
 華代は慌てて最敬礼した。
「あ……お母さんが、いつもお世話になっています」
 お母さんというのは、宇佐美多恵のことである。実は年上のフジコも含めて、売子はそういうふうに呼んでいる。遊郭から引き継がれた伝統――とは、華代は知らないのだが。
 その多恵は鴉丸組組長の何号目だか何代目だかの愛人として、それなりの庇護を受けている。だから、バッジを見かけたら相応の礼儀を尽くすように、言われていたのだ。組長の子分と愛人の配下とでは、子分のほうが格上だと華代は思う。スズの態度は良くないのではないだろうか。
「おいおい。そういうのは無しにしてくれよ」
 青野が両手を前に突き出して、ひらひらと振った。
「縄張(シマリ)内を歩くのにバッジは外せねえが、こちとら使い走りもいいとこ。そっちはそっちで、そういう娼売じゃねえか。今日んところは、スケベなお兄さんとエッチが大好きなお嬢ちゃん――ということで、入ろうか」
 青野は、戸惑っている華代の手をつかんで『シャトー・ブリテン』へ引き入れた。
「稼いどいでよ」
 それが、花売娘同士の挨拶だった。
 青野は慣れた様子でフロントから部屋番号を教わって。
「何も怖いことはないからね。お兄さんについといで」
 小さな子供に言い聞かせる態で、部屋へ引き込んだ。
 急転直下の展開に、華代は立ちすくんでいる。
「初めてってのはほんとらしいな。それじゃ教えといてやるけど、何はともあれ頂くものは頂いとけよ。男ってのは、終わったら急に吝(しわ)くなったりするからな」
 青野は財布から千円札を二枚抜き出して、華代の花籠へ入れた。
「釣りは要らねえよ。あとで、花束をひとつもらおうか」
「……あ、はい。ありがとうございます」
 チップ、あるいは心付だと、華代は解釈した。
「そんじゃ、ま……お洋服を脱ぎましょうねえ」
 急に猫撫で声になって、青野は華代のチョッキを頭から引き抜いた。
 幻児言葉で甘えていれば喜ぶというスズの言葉を思い出して。まさか、そこまではしなかったが。出来るだけ身体の力を抜いて、男に身を任せる華代だった。
 男の手で裸にされることにも、すっかり慣れている。とはいえ、いっしょに風呂へ入って身体を(マンマンまで)洗ってもらったのには、羞恥と申し訳なさとが入り乱れた。郷里で華代の身体を貪った男どもは、棒を穴に突っ込むことにしか興味が無かったのだ。
 華代は性的ないちゃつきに関しては、ほとんど免疫が無かったといえる。しかし、男の好き勝手にさせるという習い覚えた習慣と、どう反応して良いか分からない戸惑いとが、期せずして青野を喜ばせたようだった。
「身体を拭いてあげるね」
 腕や脚はざっとひと拭き。胸もほとんど素通りで。股間は拭っただけでなく、前から後ろへ手拭を通してしごく。
「いやっ……」
 さすがに華代は拒んだが。
「ああ、ごめんごめん。すぐ済むからね」
 多恵も先輩たちも、客のすることに異を唱えてもよいとは華代に教えていなかった。男性経験はそれなりにあっても通り一遍のセックスしか知らない華代の『嫌』の範囲は広すぎるのではないかと懸念してのことだったかもしれない。事実、青野は割れ目に手拭を食い込ませて絞り上げるような乱暴はしなかった。
「それじゃ、ベッドで遊ぼうね」
 裸のまま青野に抱えられてベッドへ運ばれて。いったいに、この人の頭の中では自分は何歳に見られているのだろうかと、幾分は薄気味も悪かった。そして。身体のあちこちを撫で撫でされたりこちょこちょされたり――は、男の乱暴な玩弄に慣らされた華代には、くすぐったいだけで、幾分かの痛みに耐えることによって男に支配されているという実感を味わうことも出来なかった。
 けれど、そのくすぐったさを無言で耐える風情も、青野にとっては堪らなかったのだろう。
 しばらく華代の(青野の妄想の中では)幼い身体を弄くり回してから。
「ちょっとタンマしてね」
 華代の花籠を探って衛生サックを取り出した。
「こんなのを持ち歩くなんて、エッチな子だね」
 手際良く装着するついでに。
「お兄さんは大丈夫だけど、変な病気を持ってる小父さんも居るからね。ゴムは忘れちゃ駄目だよ」
 小さな子供に言い聞かせる口調で娼婦の心得を教えてくれるアンバランスに可笑しさを禁じ得ないが、はっとさせられた。妊娠の心配はしても、性病は考えたこともなかったのだ。
 意外とまともな人なのかもしれない――と見直しかけたのだが。次の台詞でぶち壊しになった。
「それじゃ、マンマンに太いお注射をするからね。ツボミちゃんはお注射が好きなんだってね」
 そんなことを耳元にささやきながら、ごく平凡な形で青野は華代を貫いた。しかし、お注射のように、ピストンのひと押しで終わらなかったのは当然だった。そして、ヤクザが堅気よりも女の扱いに慣れているのは、この男も例外ではなかった。
 性急に挿入はしたものの。そこからは華代を幻女扱いにするのはやめて、じっくりと性感を追い上げていった。ことに、上体を反らして下腹部を淫阜に押し付け淫毛を意図的にこすりつけて、華代に昨夜の凄まじい快感の残影を呼び覚まさせたのだった。残影に過ぎなかったが、それは華代が男との交わりで初めて得た純粋に肉態的な快感だった。
 事が終わっても余韻で起き上がれないほどではなかったが。セックスというのは、女にとっても気持ちの良いものなんだなと認識を改めさせるにはじゅうぶんだった。
 青野に腰を抱かれて、華代も自然と覚えた仕種で青野の腕に身体を密着させて連れ込みホテルを出て。
「やっぱり三歳の差は大きいな。スズとはダンチに良かったぜ。お茶を引きそうになったら、俺に声を掛けな。あのストリップ小屋か、組の事務所か、どっちにも居なきゃ公園で待ってな。地回りで八時と十一時にゃ顔を出すからよ」
 さすがに、スズは待っていてくれなかった。公園へ引き返してみたが、もう誰も居なかった。独りで客引き――ではなく、花売りをして良いものか迷ったので『椿姫』へ引き上げた。
 初日の売上はショート一発と花束ひとつで、千七百円。華代の取り分は千百円。青野に渡さなかった釣り銭の三百円は、華代がもらったチップということになった。〆て千四百円。他の売子に比べれば少ないが、生まれて初めて文字通り自分の身体で稼いだ大金だった。

 しかし、それは青野という少女性愛者あっての成果だった。翌日からは、いよいよ独り立ちしたのだが――結果は惨憺たるものだった。二日目も三日目も坊主。こちらの言葉で言えばお茶を引いた。
 まだ半人前なのだから半額とは言わないが、千円にまけろという客は何人かいたが。絶対に安売りはするなと、多恵からきつく言われている。ツボミは千円でやらせたのだから、おまえも千円にしろ――そういう手合いが必ず現われて、値崩れする。そうなると、立チンボの相場は千円なのだが、そちらも八百円とか七百円になって。二つのグループがいがみ合って共倒れする。立チンボは二割五分を上納することで鴉丸組に護ってもらっているのだから、組も収入が減って、三方一両損。最後のツケは多恵に回ってくる。
 四日目もお茶を引いて。華代は深刻に考え込んだ。若さは性的な未熟を意味して、それが致命的なのだが、自身の性格にも問題があるとは気づいていた。スズのような伝法肌ではないし、ユリのようにセックスが大好きというわけでもない。もちろん、舌先三寸のセールスマンみたいな話術も持ち合わせていない。そもそもが、これまでは男にされるのを受け容れてきたわけで、男を誘うなんて、したことがなかった。
 青野に買ってもらうのは、いろんな意味で避けたかった。第一に、(ベッドの上は別として)未性熟とはいえ子供も産める身体の女を幻女扱いにされる気色の悪さ。第二に、顧客が一人では絶対に長続きしない。見ず知らずの男を咥え込めるようにならなければ駄目だ。そして、多恵が世話になっている人物の子分に頼るのは、米櫃に手を突っ込むより面目が立たない。

 とにかく。お金を稼げなければ生きていけない。衣食住のうち、さしあたっては食だった。世間的には昼の時刻にずれ込んだ朝食は家で作るし、仕事を終えて深夜の軽食は、華代は朝の残り物で賄うし多恵は酒でカロリーを摂っている。しかし、夕方には外食をするのが多恵の日常だった。付き合いの良し悪しを別としても、華代も何か食べなければ身体がもたない。家の食材を消費することには何も言わない多恵も、さすがに奢ってはくれない。財布の中の残金をメニューの値段で割って、あと何食分と溜息をついてしまう。暗算は苦手だが、五百円を百二十円で割って、答えが四になろうと三になろうと、逼迫している事実は動かない。
 あと三日で文無しになると、焦燥に駆られながら、多恵の後について今日はちょっと遠くの蕎麦屋まで足を伸ばしているとき。スキップで駆けている女児とすれ違った。彼女はスカートの裾を持ち上げて、そこに両手では持ちきれないほどのお菓子を載せていた。
 スキップする気持ちも分かる、微笑ましい光景。ほとんど丸見えになっているパンツに、青野さんだったら欲情するだろうなと思った刹那――思い切り破廉恥なアイデアが頭に浮かんだ。
「お母さん。あたし、用を思い出しました。すみませんけど、お店へ戻ります」
 店へ駆け戻って。スカートに花束を盛ってみた。巻き込んでいたウエストを戻しても、うんと裾を持ち上げて前へ引っ張らなければこぼれてしまう。太腿は丸見え。姿見に移して確かめると、パンティはぎりぎり見えていないのだが。
 そうだ、どうせならと思い付いて、スカートはいったん脱いで、姿見に向かいながら太腿に口紅で文字を書いた。
ショート 千五百円
ロング 三千五百円
宿代   別途
 わざと鼠蹊部の高さに書いたので、花束をこぼさないくらいだと文字は隠れている。奇異な格好だが、夜の盛り場を歩くくらいは構わない(だろうかという疑念は押し隠す)。そして、客の前で値段を見せるときには――パンティが見えるまで裾を引っ張り上げなければならない。見知らぬ男性の前でパンティまで露出するなんて――考えるだけで、頬が火照った。けれど、花束だけでなくあたしを買ってくださいなんて口にするよりは羞ずかしくない(だろう)。
 身体を売ること自体が、一世一代の大決心大冒険だったけれど、こっちのほうがずっと度胸が要る。太腿の文字(とパンティ)を男の人に見せている自分の姿を想像すると、じんわりと股間が濡れてきた。男に抱かれたときのことを思い返すと、生々しい感覚まで甦るのだが、こっちにはそれがない。頭で考えたことがそのまま女性器に伝わって、妄想が膨らむのだった。
 さっきまで感じていた空腹なんか、消し飛んでしまった。
 高揚と羞恥とが入り混じったまま、一時間ほどが過ぎて。多恵が食事を済ませて戻って来て、華代も手伝って新しく花束を作っているうちに、売子が出勤してきた。
 最初はユリ。何人かで連れ立って営業に出かけたいからと、多恵と雑談をしているうちにスズとサツキ。さっき喫茶店でカエデを見かけたからと待つうちに彼女も現われた。
 皆が花籠に花束を盛る。花束は昨日の売れ残りを先に取って、足りない分は今しがた作ったのを使う。
「ツボミちゃんは支度しないの?」
 サツキに声を掛けられて、こんなところで羞ずかしがってたら営業なんか出来ない。それに、こんな売り方をして良いものか、まだ多恵の許しをもらっていない。
 華代は片手でスカートを持ち上げて、花束が五つでは多すぎるので三つだけをスカートに包んだ。
「これで売ろうと思うんですけど、かまいませんか?」
 多恵が返事をする前に、スズがけらけら笑った。
「まったく……若い子の考えることは理解できないわね」
 カエデが歎息したが、彼女は華代と四つしか違わない。
「あの……それでですね」
 言葉で説明するのは羞ずかしくて、華代はさらに裾を持ち上げた。
「まっ……?」
「おいおい……」
 サツキにいたっては、呆れたように。
「立チンボだって、そこまで露骨な真似はしないね」
 立チンボはショートが千円。花売娘は千五百円。それだけプライドが高い。
「あの……駄目でしょうか?」
 笑われてけなされて、華代は意気消沈。
「いや、そうでもないわね」
 多恵がそう言ってくれたので、気を取り直した。
「でも、中途半端ね」
 多恵は鋏で薔薇の花を一輪、短く切り取った。刃で棘をこそげてから、包装の下拵えに使う新聞紙を茎に巻き付けて、紐で固く縛った。
 何をするつもりかと一同が見守る中、華代のパンティをずり下げた。
「あっ……」
 スカートから手を放せば花束がこぼれるので、華代は動けない。
 多恵は薔薇の花を逆手に持って、華代の股間に挿入した。
「あの……?」
「どうせなら、これくらいはやりなさいよ」
 極限まで羞恥が高まって、ごわごわした異物感で不本意な性感を刺激されて――気が遠くなりそうだった。
「パンティは脱いでしまいなさい」
 華代が抗議しかけると、多恵は膝上でたくれているパンティを指さした。
「色が変わるほど濡れているでしょ。みっともない」
 指摘されてみると。股間が熱く火照って、じゅくじゅくと蜜が滲み出る感覚もあった。ベッドの上で男に直視されても、ここまでにはならない。
 それはともかく(ではないけれど)。見知らぬ男性に、薔薇の花で隠しているとはいえ、股間を晒す勇気が自分にはあるだろうか――そっちを考えた。でも、お母さんはこれでやれと言う。やらなければ、お客を取れなければ……文無しになってしまう。あたしには、帰れる故郷なんて無いんだ。
「それ、間違ってるぞ」
 スズが口をはさんだ。否定ではなく、いたずらっぽい響きだった。
 スズは、店内の飾り付けに使っている椿の造花を引き抜いて、針金の茎を幾重にも曲げて短くしてから、多恵が薔薇の花にしたと同じ細工をした。
「やりにくいから、もっと股を開けよ」
 華代の前にしゃがみ込んで薔薇を引き抜くと、造花を突っ込んだ。花の大きさは、むしろ薔薇よりも大きい。
「こうじゃなきゃ、おかしいだろ。店の名前が『椿姫』なんだから」
 立ち上がって。造花なんて安っぽいと言いたげな面々の顔を見回して、にやりとした。
「ほら、マンコ椿は恋の花っていうじゃねえかよ」
 どっと笑いが起こった。昨年の新人大賞を取った少女歌手のデビュー曲をもじったと、誰でも分かる。
 華代さえも笑ってしまって。すっと、肩と股間の力が抜けた。やってみよう。改めて決心した。

 華代の首尾は如何にと、五人がひと塊というか四人で華代を押し立てるようにして。ピンクのハンカチを看板に貼っている二軒のうちの『トリリアム』に、さすがに五人は迷惑だろうと、華代に続いて発案者のスズと最年長のユリとが店内に入った。
 マスターと四人の客がいっせいに振り返って――視線は華代に、正確には華代の露わな太腿に集中した。
「これは、粋な花籠だね」
 これくらいのことに驚いたり目くじらを立てていてはバーのマスターなど務まらないのだが。華代がさらに裾を持ち上げると、目を丸くした。
「たはははは。こりゃ参ったな。上も下も売物ってか。もっと近くに来て良く見せてくれよ」
 そう言って手招きしたのは、昨日だったか一昨日だったか、千円に値切ってきた男だった。
「へえ、造花か。こっちは花じゃなくて花瓶のほうが売物ってわけか」
 スツールに座ったまま腰を屈めて、椿の造花に触る――ふりをして、その奥をまさぐってきた。
 反射的に華代が後ずさる。
「おっと。買わないのに触るのはお断わりだぜ」
 スズが助けてくれた。
「もちろん買うともよ。花束は三つか。じゃあ、花瓶と込みで二千円にまけろや」
 どこまでも値切るのが好きな男だ。
 値引きは厳禁されていると、華代が迷っていると。ぽんと、スズが肩を叩いた。
「買い切りとは豪勢じゃねえか。良かったな、ツボミ」
 そうか。花束はチップみたいなものだから問題はないんだと、華代も納得した。
 指定の和風旅館『桃谷荘』へ、しけ込むというか咥え込むというか。
 チップもくれたんだから、たっぷりサービスしなくちゃ。という思いが半分と。多恵との戯れで味わった快感の半分くらいは、本番のセックスでも与えてもらおうと頑張ったのだけれど。ユリのようにあれこれ注文をつける度胸も無く。
「くそお。きつい……良過ぎるぞ」
 挿入から射精まで十分そこそこ。サネをじゅうぶんに刺激もしてもらえず、登山にたとるなら三合目あたりで終わってしまった。
 お客を相手に快感を求めるのは間違っているのかもしれない。また折を見て、多恵さんにかまってもらいたいな。そんな不満は残ったけれど、娼売としては上首尾だった。
 名目のほうの売物が無くなったので『花椿』へ引き返して。ついでに、売上は自分の取り分も預かってもらった。
「良かったじゃないか。この時刻なら、あと二回転や三回転はいけるよ。稼いどいで」
 多恵にも褒められて、ここ数日の鬱屈が吹き飛んだ。二回転だろうと三回転だろうと、サセ子だった頃に比べれば余裕だった。そうだ、同時に二人の客を相手にしてはいけないのか、今度聞いておこう――セックスをしながら、もう一人にフェラチオをするという、いわゆる3Pも華代は経験済みだった。
 ――結局、それから二人の客を取って、その夜は終わった。最初の男が言った『花瓶』の代金が四千五百円と、花束は六つ売れて一つは値引きしたから千百円。華代の取り分は三千五百円にもなった。多恵から借りていた化粧品セットの代金を返しても、まだ普通の仕事の日当分くらいは手元に残った。
 この調子で稼げれば、服もハンドバッグも新調できるな――と、いっちょまえの女めいて物欲を膨らませる華代だった。

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花売娘

 なんとなく、尺を稼いでる感が(自分では)あります。でもって、肝心のプレイはR12レベルで Flow with dish(サラと流す)です。
 そういうふうに書きたかったのだから、仕方ありません。小説作法とか御中(御大には及ばない)の指南とかに従って改変すると、Ant has come(アリ来たり)なMosquitoes cry, shark cry tooの作品になります。

テーマ : 18禁・官能小説
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Progress Report(third) 6:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

Progress Report 5 →

 さあて。PIXIVリクエストも納品完了して。『昭和集団羞辱史/物売編(夜)』再開です。
 実は2万6千文字ばかり書き進めて。かなりプロットから逸脱して。いえ、大筋はそのまんま、エピソードがね。
 そして、今度は書き上げる予定ですが、構成が更生しようないほど破綻してると、実際に書いてみて痛感。
 前半は、細密描写も無い単純なイレッテ・ズコバックの話なんです。レズとかはありますが。
 今は、ここまで書いたところ。
 後半は、一転してハードな責めの連続ていうか、ネチネチネチネチネオナチと一晩の拷問です。ここで2万文字はいくかな。最後にエピローグを取って付けて合計5万文字。
「秘写真」が4万9千文字だから、分量のバランスはとれるでしょうけれど。

 今回は、恒例のPLOT紹介は無しで。前書きとかを掲載して、みましょう。

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花売娘

 筆者は、タイトルに凝り過ぎる悪癖がある。
 前半の物語に三文字の表題を付けたからには後半も三文字に納めたい。だから『花売娘』にした――のではない(こともないのだが)。
 前半の物語では商品が秘写真であった。そして後半では、商品は『花』ではなく『花売娘』なのである。つまりは、そういうことである。
 マッチなら売れ残りを持ち越せるが、生花となると一夜限りであろう。少女ひとり分にしろ生活費が稼げたか、かなり怪しい。春を売る隠れ蓑として花を売るというのが実情だったと思うが、ネットの怪しげな記事以上の根拠を知らないのは筆者の勉強不足である。とはいえ、筆者の作品群は妄想の産物なのであるのだから、そんなことはどうでもいいのだ(Ⓒバカボンのパパ)。
 憲兵が電マを持ち出したりポラロイドカメラで証拠写真を撮ったり、戦国時代に等身大の姿見や座布団が登場したりしなければ、軍議で「兵站」だの「遅延」だの言わせなければ、昭和時代に「企業を立ち上げる」などという表現を排除すれば、それで筆者は時代考証成れりとする。
『偽りの殉難~香世裸責め』で、全裸緊縛で引き回されるヒロインが馬上でWe shall overcomeを歌っていたのは……てへぺろ。
 そんなことよりも。当時は「処女は面倒くさい」とか「ガキに女の色気は無いし道具も未熟」として、ロリータに価値を見出さない男が多かったというほうが、遥かに重大問題である。もちろん、上流社会の未熟な少女を好んだ太閤秀吉などの例外も枚挙に暇は無いのであるし、そもそも日本の文学は源氏物語というロリコン小説を嚆矢とするのだが。
 なお、「花売娘」と「マッチ売の少女」のどちらを取り上げるかで、最後まで悩んでいたことを告白しておく。文字数で決めたのではない。「燐寸娘」とか三文字に出来なくもないのだから。しかし、暗闇の中でマッチを灯してパンティの中身を見せるという絵柄はコントラストが難しいので断念した。
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集団羞辱物売編(夜)紹介図

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ジャンル : アダルト

創作メモ:三世代

母娘ギャグ連縛2  親子丼というやつがあります。
 ちなみに、食べ物としての親子丼は明治時代に発明されたものですから、時代劇での使用は不可です。特高警察が証拠写真をポラロイドで撮影するとか、尋問に電マを使うとかと同列です。ポラロイドよりは、室内ですからマグネシウムを焚くとか。電マでなく山芋とか擂粉木とか。よほど風情があると思います。閑話休題。
 では、江戸時代ではどんなふうに表現するかというと。
「孫が生まれるか子が生まれるか、愉しみじゃのう」あ、これは父子で同じ娘を犯したときでした。


 さて。二次の世界では一時期、そふとSM「祖父と孫娘」の組み合わせが流行りました。たんに、筆者がそれに注目していたせいかもしれません。
 ゴミ収集車の開発に携わっていた頃は、町を歩くと同業他社の車が目につきました。
 パズル式駐車装置のときは、マンションなどでそればかりを見つけていました。
 舵戻せーッ!


 さて。親子丼=二世代同居(微妙に違)があるなら、三世代があってもいいじゃないか。
 たとえば。13歳/31歳/46歳。うん、昔は完全合法でしたね。
 13歳は、法律で「使用可能」と認められている年齢です。46歳なんて、熟女ソープではザラです。
 祖母が母親を生んだのは15歳、母親が娘を生んだのは18歳。不自然ではありませんね。
 で。太、思ったのですが。こういうのを「トリコロール丼」と名付けてはいかがでしょう。3人まとめて鶯の谷渡り。
「どの穴で射精しようかな。神様の言う・と・お・り……」


 ここまでくれば、いっそ四世代。
 13歳/27歳/41歳/54歳。
 名付けて「ミルフィーユ丼」


 そういえば。『未通海女哭虐』の終章で、ヒロインがひいお婆ちゃんになって、ひ孫と共に現役って書いてますね。




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濠門長恭

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