Regress Report 魔女狩りのプロローグ
一面の焼け野原を、粗末なサンダル以外には一糸まとわぬ少女が、大きな十字架を掲げて歩いて行く。その足取りは緩やかだが、まるで宙を滑るように速い。長い金髪が風にそよいでいる。
少女の後ろには一団の村人たちが従っている。鋤を肩に担いだ青年、斧を手にした中年男、杖を突いた老人もいれば、短剣を帯びた土着騎士もいる。弓矢を持った村娘が、統制のとれていない隊伍のしんがりを努めている。一団は息せき切って少女に追いつこうとしているが、距離はじわじわと開いていく。
行く手で十数人が立ち働いていた。少女たちとは別の村から駆り出された農民たちだ。彼らは、焼け残った草木を土に鋤き込んでいる。秋には、焼け野原は新しい麦畑に開墾されていることだろう。
少女は彼らの前で立ち止まった。長剣のように十字架を大地に突き立てて、大声で呼ばわる。
「われは神子なり。村より逃亡せし悪魔憑きの父娘と、その手先の者どもを追っている」
農民たちは手を止めて、あっけにとられた表情で裸形の少女を眺めた。
「見よ、この穢れなき我が肌身を!」
数人の男たちが、おそるおそる少女に近づいた。
付き従う村人たちが、ようやく少女に追いついた。他村の農民たちを威圧せぬよう、三十歩ほど手前で立ち止まって遠巻きにする。
少女に近づいた男たちは、まぶしそうに裸身を眺めている。
「見よ、我が肌身には悪魔の刻印なぞどこにもない。我は神より祝福を受けし者ぞ」
少女は脚を開いて内腿と、そのさらに上にある女の部分までも農民たちの目にさらした。
少女の下腹部には、当然あってしかるべき叢がなかった。かわりに、そこには小さな十字架が刻まれていた。いや、よく見れば――それは焼印でも刺青でもなく、肉に埋め込まれた金属だった。表面には神聖文字らしき微細な紋様がびっしり刻まれている。
農民たちを取りまとめている中年の男が、鼻先が触れるほどに顔を近づけて、十字架を見つめ、ついにはしゃがみ込んで少女の股間まで覗き込む。
少女は羞じる風情もなく、両足を大地に踏みしめて宙を見据えている。
少女はようやく性熟の半ばにあった。おとなの掌にすっぽり納まりそうな乳房は形よく盛り上がっているが、肉に埋め込まれた十字架の下の盛り上がりからは肉襞がかすかにのぞいているに過ぎない。
「まだ信ぜぬなら、未通の証を見せてもよい」
少女の左手が股間に下りて、肉の盛り上がりを左右に開きかけた。
「め、滅相もない! 貴女はたしかに神子様です!」
男がその場にひざを突いて、頭を垂れた。
「どうぞ、わしに祝福を。悪魔狩りのお手伝いをさせていただきます」
神子は両手で十字架を水平に持って、男の頭上で打ち振った。
「時空の彼岸におわします大いなる意志よ。この者をご覧あれ。この者に祝福を与えたまえ」
男は立ち上がると自分の鍬を手に執って、それを頭上にかざした。
「俺は神子様に従うぞ。ほかにはおらんのか?」
たちまち、農民のほとんどが神子の前に押し寄せた。
「あまりに大勢では、野良仕事に差し障りが出る。そなたとそなた、それからそなた。この三人で良い」
神子は屈強な若者二名と、自分より二つか三つ年上に見える娘を指差した。
彼らも神子の祝福を受けて、中年男とともに、悪魔狩りの一団に加わった。
神子は再び十字架を身体の正面に掲げた。
「まるちれんじしいかあ、いんぼおく」
神子が低く呪文を唱えた。
野外露出なのに、ちっともエロくないです。
書いてて楽しくないです。
まあ、この後に
縄をほどかれて衣服を脱がされそうになると、娘は死に物狂いで抵抗した。悪魔に憑かれているからでもあるが、大勢の男たちの前で素裸に剥かれるとあれば、どんな心正しい娘でも同じように抗っただろう。しかも、この娘は悪魔に授かった力を持っている。屈強な男が二人も、股間を蹴られて悶絶し、青年の一人は腕をへし折られた。それでも、ついには娘も地べたに磔けられた。
「いやあっ! やめてえ!」
哀願虚しく、衣服が引き千切られ(あまりに激しく暴れるので他に仕様がなかった)て素裸に剥かれた。
神子は燭台のような器具で娘の裸身を探って、乳房の下に悪魔の侵入穴を見つけた。
父親と同じように、穴に四角い棒が差し込まれて、聖浄化の儀式が始まった。しかし、父親と同じ経過はたどらなかった。
猛獣のように咆えて父親よりも数倍激しくもがいていた娘が、ふっとおとなしくなった。くわっと目を見開いて、神子をにらみつける。
「オ前タチハコノ惑星ヲ……資源ノ濫費……幾何級数的……生命ノ多様性ノ否定……」
歯を軋り合わせるようなざらついた声で、村人たちには唸り声にしか聞こえない言葉を紡いだ。そして、唐突に……
「ああっ……わたし、悪い夢を見ていたような? いいえ……こっちが悪夢なの?」
悲鳴のような声で叫んで、ぱたりと娘は一切の動きを止めた。
「あんいんすとおる、ふぇいるど」
神子が立ち上がった。
なんて、SFぽいお遊びの楽しさはありますが。
エロでSMでなければ濠門長恭クンじゃないです。
そして、SFとして破綻したのです。
このストーリーのミソは、悪魔との契約の印=LSIチップ、そして娘には膣の奥深くにEPROMが埋め込まれていて、それが
ぷれじゅでぃすどくとりんぷろぐらむ、ふぇいすさぷれっすでいえるえる、いんさいとでりゅうじょんでいえるえる、ふぃじかるぱわああんりみっとでいえるえる
の、あんいんすとおるを妨げている――というものです。
神子はその夜、肉体の友情関係にある年下の娘と友情を確かめ合って、絶頂の瞬間に時空の彼岸にまします大いなる意志と交感して、EPROMの消去法を授かる。
翌日、娘をマングリ返しに固縛して、EPROMに太陽光を当てて、ぷろてくとぷろぐらむを消去するのですが………………なんと、太陽光では消去に数年もかかります!
では、鏡で太陽光を集めて………………銀メッキ塗膜のガラス鏡は、15世紀以降です。銀板が農村にあるわけもなし。鍬なんかを磨いて……さすがに無理です。ていうか、数年分の太陽光を半日かそこらで浴びせれば、膣ステーキになってしまいます。いや、消し炭か。
というわけで、挫折です。燃やしてしまいましょう。
しばらくは、通勤しながら『非情と淫虐の上意』を、きっちりプロット固めます。
母姉弟妹の4人それぞれの淫虐譚ですが、舞台が別々です。
母親:牢屋~悪家老の下屋敷
娘:縄付全裸道中
弟:寺
妹:遊郭~身請けされた大商人の別宅
Family SM Triangleみたいな絡みがほとんどありません。個別に書き進められます。
これを秋口までに完成させれば、2019年1月~3月分を確保できます。娘の話をリリース後、2か月間で他3人の話を出版していく予定です。
Ponpoko skin Calculationもいいとこですね。
急転直下、書き上げました。→
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