Progress Report 6 『いじめられっ娘二重唱』
最初に(でもないですね)お断りしておくと『いじめられっ娘二重唱』のレポートは一週間遅れで発表しています。TVの生中継でも不適切発言などにP音をかぶせるなどの都合で、数秒遅れで放送しているのと、似たようなものです……604,800秒と3秒
なので、「休日があったのに、その程度か?」とは突っ込まないでください。この部分も「寝かせている期間」に書き足したものです。本日(3/20)は40枚進捗しました。06時~18時で、わずか40枚とも言えます。ワープロ導入時に驚嘆した3時間/枚→3枚/時間が、まんま引き継がれてるとも言えます。
ともあれ。「今週」のレポートです。
今週は中折れ気味で、80枚しか進みませんでした。予想通り、中盤にはいってからが尺延びして、中編7~12章のうち9章後半ですでに180枚。ほんとうに4本立てにするか、7章を前編に繰り入れたりして3本立てのままにするか、悩ましいことろです。
4本立てにすると、KINDLE価格250円としても全編で1000円です。他サイトだと324円×4=1296円。ちょっと高いかな。原稿用紙換算数十枚で756円とかのサークルもありますし、イラストなんか、1枚絵に差分をくっつけて864円とか、「相場」は無いも同然です。問題は、どこまでの値段なら濠門長恭作品を購入してくださるかということだけです。
などという当方の事情はそれとして。
今回は9章をちょこっとだけお届けします。
始業式の週は行事があったりして延期になっていた水泳授業が再開されました。すでに9月でも、「田植え休校」とかで授業がずれ込んでいるという設定です。

Progress Report 1 は、こちら→
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09.スク水で露出授業
香純ちゃんのことが気がかりというのは、わたしにまだ余裕のある証拠だった。それを、金曜日からの三日間で、とことん思い知らされることになった。
お昼休みは、例によって二年生の教室に拉致られた。自分から足を運ぶなんて、絶対にするもんか。
今日はどんな屈辱を強いられるんだろうかと身構えていたけど。床に放られたサンドイッチを犬食いさせられただけだった。香純ちゃんだけ制服を脱がされたけど(わたしは、その必要もない)、振り付けは無し。四つんばいになって高く突き出したお尻にイタズラすら(こういう副助詞を使うなんて……)されなかった。
「モリトクがプールで待ってるぜ。すぐに行けよ」
九月になってるというのに、まだプール授業がある。田植え休みとかで授業がずれ込んだせい。
プール授業も、不安の種のひとつ。学校指定の水着は、持っていない。前の学校のも似たような物だから、最初はそれで済ますつもりだった。でも、シチブにされてから、難癖をつけられるに決まってると思い当たって、購買で買おうとしたんだけど。まるきり無視されて、売ってもらえなかった。
そういう不安材料にモリトクまで付け加わった。水着を入れたビニールバッグをかかえて、重い足取りでプールへ向かう。香純ちゃんも一緒だけど、彼女は手ぶら。全裸で泳がされるんだろうか。
女子更衣室に向かおうとすると、わたしたちの後をついてきた五人の二年男子から声がかかった。
「そっちじゃない。男子のほうだよ」
「男のモリトクが、女子更衣室にいるわけねえだろ」
「非常識なやつ」
てめえらこそ、非常識で卑劣で鬼畜で獣欲なんだよ!
教室からプールの更衣室に、性的虐待の場が移っただけ。覚悟を決めて、その場に臨んだ。
更衣室にはモリトクだけじゃなくて、音楽と美術の奥村まで待っていた。二人とも水着に着替えてる。
奥村は貧相な肉体にハーフスパッツだけど、モリトクは――ひと昔前の競泳水着みたいな、ローレイズでハイレグのやつ。ブーメランていうんだっけ。がっしりした腰と割れた腹筋とたくましい肩に似合ってる。消しゴム掛けよかな。わたしのバージンを奪ったやつの裸体に見ほれるなんて。
「クソ。水着を見せてみろ」
そら、きた。消しゴムの代わりに、ビニールバッグをモリトクの足元に放った。
モリトクは怖い顔でわたしをにらんだけど、何も言わずにバッグを開けて中身を引っ張り出した。
「これは学校指定の水着じゃないな。そうだろうと思って、ちゃんと用意してある。こっちを着ろ」
小さな紙袋を、私の胸元に投げつけた。
とっさにキャッチ。開けてみると、ふつうにスクール水着だった。
「さっさと着替えろ。ストリップダンスはしなくていいぞ」
誰がするもんですか――というのは、売り言葉に買い言葉(内心だけ)。命令されたら、ためらいすらせずに、踊るに決まってる。
「カスは、いつものやつだ。先生が着せてやる」
「うん。カスちゃん、ひとりじゃきれないもん」
カスちゃんは、ストリップダンスで脱衣。
でも、男子はわたしのほうばかり見てる。わたしのボディのほうが見ごたえがあるし、新鮮だしね。
水着を広げて、すごく戸惑った。たしかにスクール水着だけど。すごく小さい。スクール水着は身長がサイズになってる。わたしが持参したのは去年の水着でサイズは140なんだけど、身長百五十五センチでもなんとか着れる。
でも、これは120か下手すると110かな。ラベルが剥がされてるから、断定できない。
剥がされてるのはラベルだけじゃなかった。裏地も全部。これじゃ、胸ポチどころか筋までくっきりだよ。着れればだけど。
途方にくれてるわたしの目の前で、香純ちゃんの着替えが始まった。白い全身タイツ。
でも、ファスナーを開けて着るとかじゃなくて。股の部分が大きな穴になってて、そこに頭を突っ込んで引き下げて、足もそこから通す。穴明きは股間だけじゃなくてバストも。つま先から頭まで覆われて、乳房と股間とお尻は、逆に露出している。そうか。逆日焼けは、これで作ったんだ。
「上で遊んでろ」
剥き出しのお尻をペチンとたたいて、香純ちゃんを追い出してから、モリトクが私を振り返った。
「まだ着替えてないのか」
愛用の竹刀を、わたしに突きつける。
「これ、小さすぎて無理です」
「無理ではない。ひとりで着れないのなら、奥村先生に手伝ってもらうか?」
こいつだって、懇親会でわたしを犯したんだから、同じ穴のムジナだけど、モリトクよかまし(ヽヽ)かもしれない。どっちにしても、わたしに拒否権はない。
「……お願いします」
奥村が、頬骨の突き出た顔に助平な笑いを貼り付けて近寄ってきた。
「ともかく、水着に足を通しなさい」
水着に片足を通そうとしたら、後ろにまわってたモリトクに、竹刀でお尻をたたかれた。けっこう力がはいってる。
「着替えるときは全裸になってからだと、仕付けられているはずだぞ」
そうだった。全裸になるまで十秒とかからない。脱いだ、かつて制服だった物は、戸棚式のロッカーに入れて。
両足を通して水着を引き上げたけど、肩ひもは脇の下にも届かない。
「やっぱり無理です」
「こうすれば、まだ上げられるね」
奥村が水着の脚を通す部分をわしづかみにして、中央へ絞り込んだ。そのまま引っ張り上げるものだから、布がクレバスに食い込む。
「痛い……やめてください」
抗議は無視されて。モリトクの手で後ろもおなじように絞られて、お尻にも食い込む。
肩ひもに腕を通して、千切れるんじゃないかってくらい引っ張り上げられた。わずかに届かない。
「それ、胸でつっかえてるんだと思います」
岳人が変なことを言った。
「おお、そうか」
モリトクがうなずく。これも、事前に打ち合わせた台詞っぽい。
水着を後ろ前に着るように言われて、素直に従う(しかない)。
今度は、いちおう水着を着れた。でも、露出制服以上にみっともない格好。股間はひも状になってクレバスに食い込んで、ラビアが左右に押し出されてる。淫毛が丸見え。お尻も完全露出。そして、背中側は前側より開いてるから、乳房が露出して、両側から水着に押されるせいで、ぎりCカップくらいに盛り上がりが大きくなってる。
予鈴が鳴り始めた。着替え(?)には、けっこう時間がかかってたんだ。男子が、ばたばたと水着に着替え始めた。こっちは秒速。この学校だけかもしれないけど、誰も腰にタオルを巻いたりなんかしない。
全校生徒四十四人のプール授業が始まった。女子は見学が三人だけど、水着にはきふぁえてる。
準備体操は、当番の三年男女一名ずつが前で模範をやらされる。こういうさらし者っぽい慣習は、まずよその学校では考えられないんじゃないかな。
男子の当番は居るのか居ないのかわからない(なんて言っちゃ失礼だよね。三年生でただ一人だけ、わたしを犯していないんだから)高橋くん。ちなみに、香純ちゃんは集団から離れて、例によってマイペース。
準備体操の間じゅう、一年男子の視線がわたしに集中してた。水着の前が膨らんでた。二年と三年は、もう見飽きたなんて態度。股間もおとなしかった。
授業は、能力別に四グループに分けられた。さすがにシーズンの終わりとあってカナヅチはいないけど、泳いでるのか溺れてるのかわからない子も、一年生には何人かいる。アユ(後河内鮎子)先生と佐々木先生とチグサとで、ほぼマンツーマン。個人メドレーもこなしちゃうような生徒も、十人ほそ。このグループは好き勝手に泳がせて、村上がプールサイドから形だけの監視。
残り過半数は、クロール組と平泳ぎ組。わたしは正直に平泳ぎのほうが苦手だと申告したので、そちらに入れられた。
まったく。バリヤーとか結界ていう言葉が、ぴったり。わたしの周囲二メートルには、誰も近寄らない。女子は当然だろうけど、男子まで。
女子の見ている前でわたしにちょっかいを出すのは、さすがにはばかられるんだろうし。わたしの裸はいつでも見れるけど、女子の水着姿はプール授業限定だものね。
そんなこともあって、モリトクのわたしへの指導(?)は、だんだんマンツーマンぽくなってくる。
「もっと大きく脚を開け。男子の前でしてるみたいにガバアッと」
「水をかき終えたら腕を縮めて。乳を両手で挟むくらいにして、前へ突き出せ」
どんな台詞にもセクハラが混じってる。乳房もお尻も、もちろん股間も、べたべた触ってくる。不愉快だけど、今のわたしには、それ以上のレベルじゃない。これくらいでモリトクのご機嫌が取れるなら、お安い御用くらいに考えてる。
でも、この水着(?)泳ぎにくい。股間への食い込みは、すこし痛いけどすこし気持ちいい(うん、これは消しゴム要らない。事実だもん)。でも、肩ひもの食い込みは痛いだけだし、筋肉を思うように動かせない。
香純ちゃんが気ままに水遊びしたりプールサイドに寝そべって逆日焼けを促進してるのは、いちいち気にならなくなってるわたしだけど。見学の女子三人が、いろんなポーズをして奥村に写真を撮られてるのには、ちょっと驚いた。Y字バランスとか、三人が同じ向きに寝転がって三角形になったりと、かなりきわどいポーズもある。よそだったら、セクハラどころか自動ポルノまがいと非難されること確実だよ。香純ちゃんへの性的虐待が日常化してるせいで、女子生徒まで感覚がおかしくなってるのかな。
ま、そんなに嫌がってもなさそうだから、他人が口出しすることじゃない。
もちろん。一週間前のわたしだったら、そんなふうには考えなかった。それに……今のわたしは第三者から見れば、こんな恥かしい格好をして平然としてる。そう思われるに決まってる。
五時限目と六時限目のあいだは、プールサイドで休憩。男子と女子と教師の三グループ。わたしと香純ちゃんは、みんなから離れて。することもなくて、ぼけっと時間をつぶす。香純ちゃんは、することをしたくて、しきりにまとわりついてくるけど、鬼畜どもにされてることに比べたらオママゴトだけど、やっぱり自分から進んでそんなことをしてるのを盗撮ならともかく(じゃない)じかに見られるのは嫌だから。かわいそうだけど、邪険にしてしまう。でも、逃げないで絡みつかれてるんだから、まあ、そういうこと。作文だったら減点だね。
「奥村のやつ、またパパゴッチしてたな」
男子の無遠慮な声が、耳に届いた。
パパゴッチ? パパラッチてのは知ってるけど。
「芝山のY字バランス、エロかったな。すげえ土手マン」
「馬鹿。あれはナプキンだろ」
「じゃあ、もっとエロいじゃん」
「赤フンにゃ負けてるぞ」
どっと笑い声が起こる。
「そうかな。芝山のほうがクソより、いい身体してるよ」
「そりゃ、まあな。奥村の秘蔵っ子だし」
わたしは耳をそばだててしまう。二年生のくせにわたしよりナイスボディうんぬんは、客観的な事実だから聞き流せるけど。奥村の秘蔵っ子て、どういう意味?
「もう犯ってるのかな?」
「ないと思うぞ。あいつ、ヌードモデルはさせても、手は出さないそうだから」
奥村って、わりと堅いんだ――と思いかけて、わたしも感覚がゆがんできたなと反省。生徒にヌードモデルをさせた時点で、完全にアウトだよ。だいち、わたしを犯してる。
六時限目開始のチャイム。
「この時間は自習にする。飛び込みと潜水は駄目だが、それ以外は好きにしていいぞ。おっと、早退も無しだからな」
小さな歓声に続いて、お義理の笑い声。強面のモリトクに、冗談は似合わない。
「ただし、クソは平泳ぎの特訓だ。先生が、手取り足取り教えてやる」
「先生。乳もみマンずりを忘れてまーす」
「わかりきったことまで、言わなくてもいい」
からかわれても、怒っていない。案外と、ツッコミを期待してたのかもね。
わたしとしても、そんなことはわかりきってるから、文句も言わないし羞恥に震えたりもしない。するもんか。
男子がバレーボールを持ち出して、女子集団に話しかけてる。
のを横目に見て。みんなからはなれたプールの端っこに連れて行かれた。香純ちゃんも、とことこついて来る。
「おまえは息継ぎを無理にしようとするから浮き沈みが大きくなって、すぐにへばってしまう。ノーブレストで向こうまで泳げ」
プールの短辺方向で泳ぐけど、向こう側まで十五メートル。クロールなら、たぶん出来るけど、全力でもがいてもクロールの半分も進んでくれない平泳ぎは、とても無理。だけど、トライするっきゃないんだよね。
プールにはいって。壁に背中をくっつけたら、叱られた。
「壁を蹴って距離を稼ぐな。五十センチ離れてから泳げ」
細かいなあ、もう。
身体を前に投げ出す反動で勢いをつけるのまでは、叱られなかった。いざ泳ぎ始めると、五時限目でさんざん味わってきたことだけど、水をキックして足を伸ばすと、ひも状になった水着がクレバスに食い込んでラビアの内側をこする。水を掻くと、片ひもが食い込んでくる。ので、そおっとしか手足を動かせない。
あら……動きがスローなわりに、プールの底のコースラインが、ゆっくりとだけど後ろへ後ろへと流れてく。息も苦しくない。
けっこう余裕で、十五メートルを泳ぎ切った。
「やれば出来るじゃないか」
SEXに関係のないことでモリトクにほめられたのは、たぶん初めてのこと。なんとなくうれしくなってしまうんだから、わたしもずいぶんと脳天気だ。
「つぎは、息継ぎなしで往復だ」
ん? 熱血スポ魂になってきた?
三十メートルは、かなり苦しかったけど、なんとか一発でクリア。
「今度は、二ストロークに一回、頭を上げてみろ。息継ぎはしない。顔ではなく頭を上げるんだ」
何度も深呼吸してから、チャレンジ。泳ぐスピードもほとんど落ちずに三十メートルを泳ぎ切った。
ああ、そうだったんだと、悟った。水を飲み込まないようにと意識して、頭を上げ過ぎてたんだ。顔に水が掛かってもかまわないと割り切ったから、スムーズに出来たんだ。考えてみたら、クロールのときは口が水面すれすれだものね。それでも水を吸い込んでむせたりはしない。
要領をつかめたので、平泳ぎの息継ぎも自然とできるようになった。
「よーし、この調子だ。平泳ぎをマスターしたら、つぎはバタフライだな」
え? そんなの、授業科目には無かったと思う。でも、やれと言われればやらなくちゃならない。
「明日は一時限目から補習だ」
うげ。でも、岳人たちに変なとへに連れ出されて輪姦されるよりは、百万倍はまし(ヽヽ)。なんでバタフライなのか、モリトクの考えがわからないけど。
――六時限目が終わると、岳人たちが香純ちゃんを更衣室へ連行して。逆日焼け用の全身タイツを脱がせて、振り付け無しで制服を着せて、そのまま拉致ってった。今日は金曜日。三晩続けての(か、どうかまでは知らない)SM地獄が始まるんだ。
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水泳授業に続く特別補習は『縄と鞭の体育補習』と似た内容になります。本編の悪徳サド教師と『縄鞭』の悪徳サド教師とは『淫乱処女のエロエロ・デビュー』がきっかけで肝胆相照らす仲となっていて、プレイ内容を教え合っているという設定があります。例によってヒロインには伏せられていますが、読者には暗示とかします。
しかし、中盤の前半部までかけて、被虐開始までの1週間と、被虐開始からの1週間しか経過していません。小説の中での「日常」ですから、そうそう新しい責めとかヒロインの心境変化とかが続くはずもないのです。
[09.スク水露出授業]のあとは、トピックを追いかけていく形になるので、時間経過は早くなります。
お昼休みは、例によって二年生の教室に拉致られた。自分から足を運ぶなんて、絶対にするもんか。
今日はどんな屈辱を強いられるんだろうかと身構えていたけど。床に放られたサンドイッチを犬食いさせられただけだった。香純ちゃんだけ制服を脱がされたけど(わたしは、その必要もない)、振り付けは無し。四つんばいになって高く突き出したお尻にイタズラすら(こういう副助詞を使うなんて……)されなかった。
「モリトクがプールで待ってるぜ。すぐに行けよ」
九月になってるというのに、まだプール授業がある。田植え休みとかで授業がずれ込んだせい。
プール授業も、不安の種のひとつ。学校指定の水着は、持っていない。前の学校のも似たような物だから、最初はそれで済ますつもりだった。でも、シチブにされてから、難癖をつけられるに決まってると思い当たって、購買で買おうとしたんだけど。まるきり無視されて、売ってもらえなかった。
そういう不安材料にモリトクまで付け加わった。水着を入れたビニールバッグをかかえて、重い足取りでプールへ向かう。香純ちゃんも一緒だけど、彼女は手ぶら。全裸で泳がされるんだろうか。
女子更衣室に向かおうとすると、わたしたちの後をついてきた五人の二年男子から声がかかった。
「そっちじゃない。男子のほうだよ」
「男のモリトクが、女子更衣室にいるわけねえだろ」
「非常識なやつ」
てめえらこそ、非常識で卑劣で鬼畜で獣欲なんだよ!
教室からプールの更衣室に、性的虐待の場が移っただけ。覚悟を決めて、その場に臨んだ。
更衣室にはモリトクだけじゃなくて、音楽と美術の奥村まで待っていた。二人とも水着に着替えてる。
奥村は貧相な肉体にハーフスパッツだけど、モリトクは――ひと昔前の競泳水着みたいな、ローレイズでハイレグのやつ。ブーメランていうんだっけ。がっしりした腰と割れた腹筋とたくましい肩に似合ってる。消しゴム掛けよかな。わたしのバージンを奪ったやつの裸体に見ほれるなんて。
「クソ。水着を見せてみろ」
そら、きた。消しゴムの代わりに、ビニールバッグをモリトクの足元に放った。
モリトクは怖い顔でわたしをにらんだけど、何も言わずにバッグを開けて中身を引っ張り出した。
「これは学校指定の水着じゃないな。そうだろうと思って、ちゃんと用意してある。こっちを着ろ」
小さな紙袋を、私の胸元に投げつけた。
とっさにキャッチ。開けてみると、ふつうにスクール水着だった。
「さっさと着替えろ。ストリップダンスはしなくていいぞ」
誰がするもんですか――というのは、売り言葉に買い言葉(内心だけ)。命令されたら、ためらいすらせずに、踊るに決まってる。
「カスは、いつものやつだ。先生が着せてやる」
「うん。カスちゃん、ひとりじゃきれないもん」
カスちゃんは、ストリップダンスで脱衣。
でも、男子はわたしのほうばかり見てる。わたしのボディのほうが見ごたえがあるし、新鮮だしね。
水着を広げて、すごく戸惑った。たしかにスクール水着だけど。すごく小さい。スクール水着は身長がサイズになってる。わたしが持参したのは去年の水着でサイズは140なんだけど、身長百五十五センチでもなんとか着れる。
でも、これは120か下手すると110かな。ラベルが剥がされてるから、断定できない。
剥がされてるのはラベルだけじゃなかった。裏地も全部。これじゃ、胸ポチどころか筋までくっきりだよ。着れればだけど。
途方にくれてるわたしの目の前で、香純ちゃんの着替えが始まった。白い全身タイツ。
でも、ファスナーを開けて着るとかじゃなくて。股の部分が大きな穴になってて、そこに頭を突っ込んで引き下げて、足もそこから通す。穴明きは股間だけじゃなくてバストも。つま先から頭まで覆われて、乳房と股間とお尻は、逆に露出している。そうか。逆日焼けは、これで作ったんだ。
「上で遊んでろ」
剥き出しのお尻をペチンとたたいて、香純ちゃんを追い出してから、モリトクが私を振り返った。
「まだ着替えてないのか」
愛用の竹刀を、わたしに突きつける。
「これ、小さすぎて無理です」
「無理ではない。ひとりで着れないのなら、奥村先生に手伝ってもらうか?」
こいつだって、懇親会でわたしを犯したんだから、同じ穴のムジナだけど、モリトクよかまし(ヽヽ)かもしれない。どっちにしても、わたしに拒否権はない。
「……お願いします」
奥村が、頬骨の突き出た顔に助平な笑いを貼り付けて近寄ってきた。
「ともかく、水着に足を通しなさい」
水着に片足を通そうとしたら、後ろにまわってたモリトクに、竹刀でお尻をたたかれた。けっこう力がはいってる。
「着替えるときは全裸になってからだと、仕付けられているはずだぞ」
そうだった。全裸になるまで十秒とかからない。脱いだ、かつて制服だった物は、戸棚式のロッカーに入れて。
両足を通して水着を引き上げたけど、肩ひもは脇の下にも届かない。
「やっぱり無理です」
「こうすれば、まだ上げられるね」
奥村が水着の脚を通す部分をわしづかみにして、中央へ絞り込んだ。そのまま引っ張り上げるものだから、布がクレバスに食い込む。
「痛い……やめてください」
抗議は無視されて。モリトクの手で後ろもおなじように絞られて、お尻にも食い込む。
肩ひもに腕を通して、千切れるんじゃないかってくらい引っ張り上げられた。わずかに届かない。
「それ、胸でつっかえてるんだと思います」
岳人が変なことを言った。
「おお、そうか」
モリトクがうなずく。これも、事前に打ち合わせた台詞っぽい。
水着を後ろ前に着るように言われて、素直に従う(しかない)。
今度は、いちおう水着を着れた。でも、露出制服以上にみっともない格好。股間はひも状になってクレバスに食い込んで、ラビアが左右に押し出されてる。淫毛が丸見え。お尻も完全露出。そして、背中側は前側より開いてるから、乳房が露出して、両側から水着に押されるせいで、ぎりCカップくらいに盛り上がりが大きくなってる。
予鈴が鳴り始めた。着替え(?)には、けっこう時間がかかってたんだ。男子が、ばたばたと水着に着替え始めた。こっちは秒速。この学校だけかもしれないけど、誰も腰にタオルを巻いたりなんかしない。
全校生徒四十四人のプール授業が始まった。女子は見学が三人だけど、水着にはきふぁえてる。
準備体操は、当番の三年男女一名ずつが前で模範をやらされる。こういうさらし者っぽい慣習は、まずよその学校では考えられないんじゃないかな。
男子の当番は居るのか居ないのかわからない(なんて言っちゃ失礼だよね。三年生でただ一人だけ、わたしを犯していないんだから)高橋くん。ちなみに、香純ちゃんは集団から離れて、例によってマイペース。
準備体操の間じゅう、一年男子の視線がわたしに集中してた。水着の前が膨らんでた。二年と三年は、もう見飽きたなんて態度。股間もおとなしかった。
授業は、能力別に四グループに分けられた。さすがにシーズンの終わりとあってカナヅチはいないけど、泳いでるのか溺れてるのかわからない子も、一年生には何人かいる。アユ(後河内鮎子)先生と佐々木先生とチグサとで、ほぼマンツーマン。個人メドレーもこなしちゃうような生徒も、十人ほそ。このグループは好き勝手に泳がせて、村上がプールサイドから形だけの監視。
残り過半数は、クロール組と平泳ぎ組。わたしは正直に平泳ぎのほうが苦手だと申告したので、そちらに入れられた。
まったく。バリヤーとか結界ていう言葉が、ぴったり。わたしの周囲二メートルには、誰も近寄らない。女子は当然だろうけど、男子まで。
女子の見ている前でわたしにちょっかいを出すのは、さすがにはばかられるんだろうし。わたしの裸はいつでも見れるけど、女子の水着姿はプール授業限定だものね。
そんなこともあって、モリトクのわたしへの指導(?)は、だんだんマンツーマンぽくなってくる。
「もっと大きく脚を開け。男子の前でしてるみたいにガバアッと」
「水をかき終えたら腕を縮めて。乳を両手で挟むくらいにして、前へ突き出せ」
どんな台詞にもセクハラが混じってる。乳房もお尻も、もちろん股間も、べたべた触ってくる。不愉快だけど、今のわたしには、それ以上のレベルじゃない。これくらいでモリトクのご機嫌が取れるなら、お安い御用くらいに考えてる。
でも、この水着(?)泳ぎにくい。股間への食い込みは、すこし痛いけどすこし気持ちいい(うん、これは消しゴム要らない。事実だもん)。でも、肩ひもの食い込みは痛いだけだし、筋肉を思うように動かせない。
香純ちゃんが気ままに水遊びしたりプールサイドに寝そべって逆日焼けを促進してるのは、いちいち気にならなくなってるわたしだけど。見学の女子三人が、いろんなポーズをして奥村に写真を撮られてるのには、ちょっと驚いた。Y字バランスとか、三人が同じ向きに寝転がって三角形になったりと、かなりきわどいポーズもある。よそだったら、セクハラどころか自動ポルノまがいと非難されること確実だよ。香純ちゃんへの性的虐待が日常化してるせいで、女子生徒まで感覚がおかしくなってるのかな。
ま、そんなに嫌がってもなさそうだから、他人が口出しすることじゃない。
もちろん。一週間前のわたしだったら、そんなふうには考えなかった。それに……今のわたしは第三者から見れば、こんな恥かしい格好をして平然としてる。そう思われるに決まってる。
五時限目と六時限目のあいだは、プールサイドで休憩。男子と女子と教師の三グループ。わたしと香純ちゃんは、みんなから離れて。することもなくて、ぼけっと時間をつぶす。香純ちゃんは、することをしたくて、しきりにまとわりついてくるけど、鬼畜どもにされてることに比べたらオママゴトだけど、やっぱり自分から進んでそんなことをしてるのを盗撮ならともかく(じゃない)じかに見られるのは嫌だから。かわいそうだけど、邪険にしてしまう。でも、逃げないで絡みつかれてるんだから、まあ、そういうこと。作文だったら減点だね。
「奥村のやつ、またパパゴッチしてたな」
男子の無遠慮な声が、耳に届いた。
パパゴッチ? パパラッチてのは知ってるけど。
「芝山のY字バランス、エロかったな。すげえ土手マン」
「馬鹿。あれはナプキンだろ」
「じゃあ、もっとエロいじゃん」
「赤フンにゃ負けてるぞ」
どっと笑い声が起こる。
「そうかな。芝山のほうがクソより、いい身体してるよ」
「そりゃ、まあな。奥村の秘蔵っ子だし」
わたしは耳をそばだててしまう。二年生のくせにわたしよりナイスボディうんぬんは、客観的な事実だから聞き流せるけど。奥村の秘蔵っ子て、どういう意味?
「もう犯ってるのかな?」
「ないと思うぞ。あいつ、ヌードモデルはさせても、手は出さないそうだから」
奥村って、わりと堅いんだ――と思いかけて、わたしも感覚がゆがんできたなと反省。生徒にヌードモデルをさせた時点で、完全にアウトだよ。だいち、わたしを犯してる。
六時限目開始のチャイム。
「この時間は自習にする。飛び込みと潜水は駄目だが、それ以外は好きにしていいぞ。おっと、早退も無しだからな」
小さな歓声に続いて、お義理の笑い声。強面のモリトクに、冗談は似合わない。
「ただし、クソは平泳ぎの特訓だ。先生が、手取り足取り教えてやる」
「先生。乳もみマンずりを忘れてまーす」
「わかりきったことまで、言わなくてもいい」
からかわれても、怒っていない。案外と、ツッコミを期待してたのかもね。
わたしとしても、そんなことはわかりきってるから、文句も言わないし羞恥に震えたりもしない。するもんか。
男子がバレーボールを持ち出して、女子集団に話しかけてる。
のを横目に見て。みんなからはなれたプールの端っこに連れて行かれた。香純ちゃんも、とことこついて来る。
「おまえは息継ぎを無理にしようとするから浮き沈みが大きくなって、すぐにへばってしまう。ノーブレストで向こうまで泳げ」
プールの短辺方向で泳ぐけど、向こう側まで十五メートル。クロールなら、たぶん出来るけど、全力でもがいてもクロールの半分も進んでくれない平泳ぎは、とても無理。だけど、トライするっきゃないんだよね。
プールにはいって。壁に背中をくっつけたら、叱られた。
「壁を蹴って距離を稼ぐな。五十センチ離れてから泳げ」
細かいなあ、もう。
身体を前に投げ出す反動で勢いをつけるのまでは、叱られなかった。いざ泳ぎ始めると、五時限目でさんざん味わってきたことだけど、水をキックして足を伸ばすと、ひも状になった水着がクレバスに食い込んでラビアの内側をこする。水を掻くと、片ひもが食い込んでくる。ので、そおっとしか手足を動かせない。
あら……動きがスローなわりに、プールの底のコースラインが、ゆっくりとだけど後ろへ後ろへと流れてく。息も苦しくない。
けっこう余裕で、十五メートルを泳ぎ切った。
「やれば出来るじゃないか」
SEXに関係のないことでモリトクにほめられたのは、たぶん初めてのこと。なんとなくうれしくなってしまうんだから、わたしもずいぶんと脳天気だ。
「つぎは、息継ぎなしで往復だ」
ん? 熱血スポ魂になってきた?
三十メートルは、かなり苦しかったけど、なんとか一発でクリア。
「今度は、二ストロークに一回、頭を上げてみろ。息継ぎはしない。顔ではなく頭を上げるんだ」
何度も深呼吸してから、チャレンジ。泳ぐスピードもほとんど落ちずに三十メートルを泳ぎ切った。
ああ、そうだったんだと、悟った。水を飲み込まないようにと意識して、頭を上げ過ぎてたんだ。顔に水が掛かってもかまわないと割り切ったから、スムーズに出来たんだ。考えてみたら、クロールのときは口が水面すれすれだものね。それでも水を吸い込んでむせたりはしない。
要領をつかめたので、平泳ぎの息継ぎも自然とできるようになった。
「よーし、この調子だ。平泳ぎをマスターしたら、つぎはバタフライだな」
え? そんなの、授業科目には無かったと思う。でも、やれと言われればやらなくちゃならない。
「明日は一時限目から補習だ」
うげ。でも、岳人たちに変なとへに連れ出されて輪姦されるよりは、百万倍はまし(ヽヽ)。なんでバタフライなのか、モリトクの考えがわからないけど。
――六時限目が終わると、岳人たちが香純ちゃんを更衣室へ連行して。逆日焼け用の全身タイツを脱がせて、振り付け無しで制服を着せて、そのまま拉致ってった。今日は金曜日。三晩続けての(か、どうかまでは知らない)SM地獄が始まるんだ。
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水泳授業に続く特別補習は『縄と鞭の体育補習』と似た内容になります。本編の悪徳サド教師と『縄鞭』の悪徳サド教師とは『淫乱処女のエロエロ・デビュー』がきっかけで肝胆相照らす仲となっていて、プレイ内容を教え合っているという設定があります。例によってヒロインには伏せられていますが、読者には暗示とかします。
しかし、中盤の前半部までかけて、被虐開始までの1週間と、被虐開始からの1週間しか経過していません。小説の中での「日常」ですから、そうそう新しい責めとかヒロインの心境変化とかが続くはずもないのです。
[09.スク水露出授業]のあとは、トピックを追いかけていく形になるので、時間経過は早くなります。
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