Progress Report Final 『いじめられっ娘二重唱』

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 最後は猛スピードで書き抜きました。70枚/2日。
 連休中にCommon校訂/Dlsite校訂/Kindle校訂まで上げてしまいたいところです。


Progress Report 1 →

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  19.卒業式でピル贈呈

 それでも。一日ずつがすぎていって。とうとう卒業の日がやってきた。
 さすがに娘の人生の大きな区切りとあって、父親も来てくれた。微妙にありがた迷惑ではあるんだけど。まあ、今日からは下着も解禁でちつトレもないし、縄跡も鞭痕もないピッカピカの身体だから、まるきり心配はないんだけどね。
 卒業式そのものは、ひたすらに退屈。
 カスちゃんとのいろんな出来事を思い返してみたり、雪ダルマと三角木馬の違いについて、また考えてみたり(結論はでなかった)、モリトクのたくましい身体には何度も消しゴムをかけて。
 ついに、卒業生退場。在校生一同が作るささやかなアーチ(二十六人だから十三個)をくぐりながら、複雑な心境。今日だけは、村とはあまり縁のない来賓とか、わたしの父親の目もあるので、シチブはお休み。わたしと一緒にアーチをくぐる三年生、あんまり愉快じゃないだろうな。
 だけど、十三個のアーチ。そもそも、不吉な数字だし。ロストバージンの輪姦が十三人だったし。どうにも、晴れ晴れとした気分になれない。
 全員がアーチをくぐり終えると、在校生がプレゼントを持って、わっと卒業生を取り巻いた。わたしは、当然に蚊帳の外――じゃなかった。
 カスちゃんが、抱きついてきた。
「おねえちゃん、そつぎょうしちゃうんだね」
 人非人卑劣下劣残虐拷貫魔どもの中に置き去りにする後ろめたさに、返す言葉がない。これを最後と、万感の思いで抱き締めてあげた。
 さすがにカスちゃんも、キスとか『まんまんあんあん』はおねだりしてこない。
 だけど、不思議だな。申しわけない気持ちがいっぱいなのに、涙は出てこない。女子どころか男子も何人かが泣きじゃくってるっていうのに。やっぱり、地獄から逃げられるうれしさは、モリトクと別れる悲しさの百倍以上だ。
 カスちゃんが、自分から身を振りほどいた。右手に提げてた小さな紙袋を、わたしに差し出す。
「これ、ぷれぜんとだよ」
 さすがに涙がにじんだ。
「ありがとう」
 受け取って……がく然となった。淡い水色グラデーションの小箱が、三つ。筆記体の文字も見える。これ、ピルだ。
「なつやすみには、きゃんぷにきてね。みんなでおねえちゃんをまってる」
 カスちゃんに聞いた輪姦キャンプのことだ。
「もりとくせんせいに、いわれたからじゃないよ」
 モリトクも蒲田も、二度と脅迫はしないと約束してくれた。あんまりあてにはできないけど。もう山村留学は終わったんだ。わたしがこの村を訪れる理由がない。父親を納得させられない。
「カスちゃんが、またおねえちゃんとあそびたいの」
 そこで、カスちゃんがわずかに顎を上げて(まだ、わたしのほうが背が高い)わたしをまっすぐに見上げたんだけど。
 印象が一変していた。ほんのちょっと頬っぺの筋肉が釣り上がって、目の焦点がぴたりとわたしの顔に合ってて。それだけで、別人だった。
「おねえちゃんがいてくれたから、かすちゃんひとりじゃできないあそびも、あったね」
 言葉づかいはカスちゃんだけど、抑揚が微妙に違う。メリハリがある。
「カスちゃんがないたら、おねえちゃんばかりいじめられたよね。ごめんなさい」
 この子、香純ちゃんだ!
 わたしは確信した。泣いて虐待の対象をわたしに向けさせるなんて、そんな発想がカスちゃんにできっこない。
「おねえちゃんも、もっとないたほうが、らくになるよ。ないてあまえれば、いいんだよ?」
 そうだったんだ。
 カスちゃんの退行は演技だったんだ。いや、演技と決めつけてはかわいそうだ。香純ちゃんは、心の底からカスちゃんだったと思う。そうじゃなけりゃ、鞭でたたかれて泣き叫びながらカスちゃんを続けられない。
 自分はカスちゃんだと思い込むことで――香純ちゃんは自我をたもっていられたんだ。
 それに。カスちゃんが泣き叫んだら、たしかに虐待に手心が加えられていた。わたしの哀願は、むしろ逆効果だったけど。
 どこまでが計算で、どこからが地なのかはわからないけど。この子の根っこは、ずっと本郷香純だったんだ。
「それじゃ、やくそくだよ」
 いかにもカスちゃんらしい仕種で、香純ちゃんが右の小指を差し出した。
 わたしは目まいに襲われながら小指を絡めた。
「ゆびきりげんまん。うそついたら、はりせんぼんのーます」
 香純ちゃんに嘘をつくことに後ろめたさを感じながら。本郷香純ちゃんなら、絶対にわたしが輪姦キャンプになんか参加しないとわかっているはずだという違和感を覚えていた。
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後編:紹介画像


 このあとに数行続いて、ヒロインの高校生活がどのようなものになるか暗示(ほとんど明示)されますが、それは作品にてご覧ください。

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