Progress Report 4+ 『OAV三穴拷貫~今夜はハードコア?』


 Progress Report 4 のあとで書き足した部分です。
 相撲甚振りを取りやめにした経緯を利用して、 罪の意識なく、萌咲ちゃんを非合法ロリSMビデオに誘い込めました。


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 わたしの部屋が遠慮がちにノックされて。
「月奈さん、いいですか?」
 暗い声だったので、悩み事かなと思った。勉強絡みなら、文系限定で相談に乗ってあげられる。恋愛絡みなら、つまりパパが関係してるに決まってるから、聞きたくない。でも、まあ、とりあえず。
「どうぞ」
 萌咲ちゃん、ドアのとこに立って、真っ青な顔でわたしを見つめて。三十秒もしてから、震える声できいてきた。
「ビデオ、見ました。あれって……フェイクじゃないですよね?」
 あちゃあ――というのが、最初の感想。
 なんとかして口を封じなきゃ。つぎに、それを思った。変に正義漢ぶって通報されるのも困るけど、ぽろっと友達に漏らしただけでも伝言ゲームが始まって……あの力士さんのことも、わたしの頭にあった。
「リアルよ。事実よ。たぶん、萌咲ちゃんが見たのは編集前のデータだと思うけど。なんだったら、完成版も観る?」
 腹黒い作戦を練りながら、わたしは三本のUSBメモリーを引き出しの奥から取り出した。自分の出演作品だもの、どんなふうに仕上がったか知りたいじゃない。それに、豪華絢爛なオカズにもなるし。
「タイトルはね……天然マゾ処女へのリンチ調教、三角コーンで破瓜スクワットそして三穴へ、初めての鞭と初めての木馬。どれにする?」
「やめてください!」
 萌咲ちゃんは耳をふさいで、床にへたり込んだ。
「そんなのって……そんなのって……どうしてなんですか!?」
 答えを(半分だけ)知ってるくせに。
「パパが自殺して保険金で借金を返すのと、わたしが犠牲になるのと、萌咲ちゃんだったら、どっちを選ぶ?」
 たずねながら、ずいぶんと意地悪だなと思ってしまう。だけど、わたしには、これくらいは言う権利があるよね。実際にパパを破滅から救ってあげたんだし、萌咲ちゃんはパパを寝取ったんだから。
 萌咲ちゃん、耳のつぎは両手で顔をおおって、うつむいて、今度は三分くらい肩を震わせてた。
 顔を上げてわたしを見詰めたとき、涙でぐしょぐしょだった。わたしへの同情なのか(パパのためにわたしだけが犠牲になったという)嫉妬なのかはわからないけど。こういう場面で素直に涙を流せるって、素敵なことだと思う。そりゃまあ、わたしだって女の子なんだから――自分の心までだまして涙を流すことだってあると、それくらいは経験もあるけど。
「どうして……」
 震える小さな声には、恨みがましい響きが混じっていた。
「どうして、私を巻き込んでくれなかったんですか!」
 きっとあなたはドMじゃないし、非処女には商品価値がなかったからよ――なんて意地悪なことは言わない。嫉妬の裏返しみたいな感情があったことも秘密にしとく。
「それじゃ、これから巻き込まれてみる?」
 考えてたのとはすこし展開が違ったけど、結果は同じになりそうだ。
「え……?」
 萌咲ちゃん、きょとんとしてる。でも、言葉の意味は察してる。圧倒的な不安とかすかな期待とが、瞳の中に浮かんでる。わたし自身が通ってきた道だから、それくらいは読み取れる。
「パパの借金は、まだまだ残ってるの。だけど、わたしは何回も出演して――そうよ、わたしが外泊したのは、非合法SMビデオを撮影するためだったんだから。わたしの商品価値はだんだん下がってるの」
 そんなこと、健志さんは言わなかったし、ベテランにはベテランの風格があると、自分ではおもってたりするんだけど。
「萌咲ちゃんが一緒に出演してくれたら、ギャラは二倍ていうか――わたしがひどい目に遭わされる回数は半分になる」
 これで拒否したら、さっきの涙が嘘になる。すくなくとも、萌咲ちゃんはそう思い込む。
「ヒロインが複数のとき、キャラ設定はかぶってないでしょ。だから、ハードな部分はできるだけわたしが引き受けるように頼んでみるから……」
 ガチSMばっかり出演してても、演技するってことは自然と身についてくる。わたしは萌咲ちゃんと向かい合って床に座って、萌咲ちゃんの手を握った。
「おねがい。すこしだけでいいから、わたしを助けて……このままじゃ、心も身体もズタボロになっちゃう!」
 どこまでが演技で、どこからが本音か、自分でもわからない。わたしは萌咲ちゃんにしがみついて、わああっと泣き出した。
 萌咲ちゃんも――わたしと抱き合って泣いてくれた。
 わたしには、萌咲ちゃんをだましてるっていう後ろめたさがない。これは、究極の口封じなんだ。萌咲ちゃんが、そしてわたしも、あの力士さんみたいなことにならないための、ベストの手段なんだ。
 もし、萌咲ちゃんがパパとSEXしてなかったら、別の方法を思いついてたかもしれないけど。
 気がついたら、わたしは萌咲ちゃんとキスしてた。舌を挿れたりはしなかったけど。萌咲ちゃんて、桃子さんより柔らかくておいしかった。
「わたしだって……パパを助けてあげなきゃ」
 キスの後で萌咲ちゃんが、自分を説得するようにつぶやいた。
 キスのおかげで、わたしは素敵なシナリオを思いついた。
 だけど、もう八月も半ば。撮影は早くても下旬になるだろうから、あまり派手な傷は(お互いに)残らないようにしなきゃ。
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 災い転じて福と為す、です。
 まあね。連載小説だって、実情はこんなものでしょうよ。
 そうそう「作者急病につき」はやってられませんし「前回の掲載分は取り消して書き直しました」なんて見たことも聞いたこともありませんし。連載でないから、筆者はしばしば書き直したり5年以上もお蔵入りにしたことは数えきれないほどですが。
 激情のあまりわけがわからなくなって、気がついたら――多用するのは考え物ですが。複雑な心理描写を省けるので便利です。
 実生活だって、そんなものでしょ。
「なんで、あんなことしたのかな?」
 そう思うことはしょっちゅうでしょ。自分なりに分析しても、しょせんは後付けです。その後付けを他人に説明しても「そんな馬鹿な」と思われるかもしれません。
 そうすると。小説における心理描写は、精神分析医による診断よりも難物なのかもしれません。

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