Progress Report 6:『OAV三穴拷貫~今夜はハードコア?』

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9章:青天の霹靂のどんでん返し♡

 一気に書きました。一気に公開します。

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 さすがに反省して、しばらくはおとなしくしてた。けど、プチ露出がじわじわと日常生活を侵食するようになった。
 ノーパンで学校へ行ったり(ブラはバレやすいので着用)、ノーパンミニスカでスーパーへ買い物に行ったり。
 露出だけじゃなく、プチ自虐も。洗濯ロープの縄ふんどしでお散歩(十五分で帰宅)とか、輪ゴムで乳首とクリトリスを締めつけて裸セーターでポチくっきりのお出かけとか。このときは、バスを途中で降りてコンビニのトイレで輪ゴムをはずした。
 やっぱり。男の人に強制されてじゃないと、すぐギブアップするかオナニーに走るか、中途半端になっちゃう。
 中途半端といえば、家族そのものが、そう。微妙にギクシャクしてて、家族そろって晩ご飯を食べる機会も減った。パパが遅くまで工場に残ってお仕事をしてるせいだけど、わたしと顔を合わせない口実のような気もする。
 萌咲ちゃんとのレズも、ここんとこ中断してるし。
 不完全燃焼のせいで期末試験は順位を落としたけど、志望校には余裕の成績で冬休みにはいった。
 クリスマスイブの前日に、ひさしぶりに康雄さんから連絡があった。撮影のお話かなとも思ったけど、わたしひとりだけの御指名。呼び出された先も黒部邸じゃなくて、カラオケ。
 桃子さんもついて来てるから、オトナのカップルと姪っ子あたりに見えるかな。
 康雄さんは、リョナリングとサンドバッグ(が、いちばん印象に残ってる)以来の、銀ガムネクタイと、これは初めて見たダブルのスーツ。ぐっと渋くなって、健志さんを若くした感じ。
「今日は、これを月奈にプレゼントするために呼びつけたんだ」
 ぞくっと子宮が震えた。『呼びつけ』られたんだ。
 康雄さん――じゃなくて康雄様が、細長いケースをテーブルの上に置いた。フェルト生地におおわれた、贅沢な印象のケース。赤いリボンが掛けられてる。けど、包装はされてないので。
「開けてみてもいいですか?」
 中には、ネックレスにしてはごちゃついてる銀色の細い鎖。宝石の代わりに小さな錠前が付いてる。小さな鍵も、ケースの底にふたつ並んでる。
「…………?」
 手に取って広げて見ても、着け方がわからない。鎖の一端は錠前の横にがっちり留められていて、反対側を差し込んでロックするみたい。別の鎖が途中から枝分かれしてて、一か所だけ大きめの環になってる。
「指輪ではありきたりだし、学校へ着けていけないでしょ」
 え……指輪。の代わり?
 ありきたりってのも、意味深に聞こえる。
「それだと、いちいちはずさなくても排泄が可能でしょ」
 排泄……?
「あーーーーーっ!」
 大声で叫んで、あわてて口を押えてから、カラオケルームだから防音だと気づいた。
 これ、貞操帯だ。大きな環をアヌスに合わせて。トイレも鎖のまま。飛び散らないように気をつけて、ていねいに拭けば、たしかに――着けたまま出来る。
 洗濯ロープふんどしですぐオナニーしちゃったのを、康雄様は知ってるんだろうか。
「ただのプレイグッズとして受け取ってくれてもいいんだが……」
 康雄様、顔を赤くして、もごもご言ってる。
「十五歳の誕生プレゼント代わりだと思ってくれてもいいし……」
 わたしの誕生日は十二月二十日。いちおう家ではケーキと(お取り寄せの)オードブルで祝ってもらったけど。
「十六歳までのツナギと思ってくれれば……」
「ああ、もうじれったい!」
 桃子さんが、隣に座ってる康雄様を振り返った。
「マゾっ娘には、それにふさわしいプロポーズの仕方があるでしょ。さんざん、練習してきたくせに」
 そこまで言うと、床に滑り降りて土下座した。
「マゾ雌奴隷の分際で、差し出がましい口を利いて、申しわけありません」
 突然の成り行きに、わたし、ついてけない。けど、女の子として絶対に聞きのがしてはいけない単語だけは、しっかり耳に残った。
 プロポーズ?
 結婚できるのは、ずっと先……でもないか。親の許可があれば、十六歳でも……そういう意味だったの、さっきの言葉?
 康雄さんが、まっすぐにわたしを見詰めた。
「月奈、僕の専属マゾ奴隷になれ。親父や兄貴に比べれば、未熟もいいところだが、おまえを教材にして一人前の残酷なサディストになってやる」
「専属といってもレンタルされるし、飽きられたら売り飛ばされるわよ」
 それって。思いとどまれって言ってるんじゃなくて、けしかけてる。
 わたし。康雄様の目を見詰め返して。それから。まだ手にしてた鎖の貞操帯に目を落とした。
「お前の父親には、クロベ・ファイナンスからの融資は打ち切る。そのかわり、一千万円の結納金を納めてやる」
 くすっと、桃子さんが(まだ床に座ったまま)笑った。笑いの意味は、なんとなくわかる。桃子さんの『実売価格』も、たしか一千万円だった。
 桃子さんと同じ価値があるって、思われてるんだ。だけど……桃子さんみたいな素敵で従順なマゾ雌奴隷妻になれるだろうか。
 いきなりのお話だけど、もうわたしの心は決まってた。
 将来も理想的なサディストに巡り合える可能性は低い。妻が(夫が)性癖を打ち明けられずに悶々としてるなんてのは、よくある話らしい。
 理解のある男性と結婚できたとしても。せいぜい、今のわたしみたいに、日常生活とSM生活とを分けてしまうんじゃないかな。それはそれで気楽だと思うけど――フルタイムのマゾ雌奴隷という境遇にも憧れる。
 わたし、返事はしなかった。鎖貞操帯を持って立ち上がった。
「ちょっと失礼します」
 トイレへ行って。ショーツを脱いで、貞操帯を着けた。
 腰に鎖を巻いて、反対側を前で錠前に差し込んで。カチッと音がして、抜けなくなった。
 後ろで縦に分かれてる鎖は、かなり短い。前へ引っ張って、錠前を恥骨の上あたりまで押し下げて、やっとロックできた。金属環は、アヌスにジャストフィット。そういえば、ウエストの鎖も浅いV字形に引き下げると、適度に肌に食い込んで、でも痛くない。
 考えてみたら。マシンファックのときとか、位置合わせのために採寸されてるから――これ、わたしのサイズに合わせたオーダーメイドだ。
 だからかな。クリトリスが勃起すると、細い鎖にぴったりはまって、快感十倍増。だけど、オナってる場合じゃない。
 カラオケルームに戻って。たぶん、従業員さんは買収済みだろうから。全裸になって、康雄様の前でぐるっと回って鎖貞操帯を着けてるのを鑑賞してもらってから。ケースの底にあるカギをふたつとも手にして。
 ひざまずいて、康雄様に差し出した。
「この鍵は、お返しします」
 これが、プロポーズへの返事だ。
 康雄様は、喜びで破裂しそうな口元を引き締めて、鍵を受け取ってくださった。
「桃子のように足入れ婚というわけにもいかないだろうが――冬休みいっぱいは住み込みで、僕のサディスト修業につきあってもらおう」
 ふたりで切磋琢磨して、立派なご主人様と忠実なマゾ雌奴隷になる。そういうのも、素敵な関係だと思う。
「そうそ。進学先は変えてもらうわ。ここからだと電車で一時間ちょっとの私立。理事長と、その甥の校長が、お義父様と昵懇なの」
 それって、つまり。マゾっ娘だとか裏AVとかばれてもだいじょうぶってことかな。ふどころか、さっそくレンタルされるかも。
 これからは、裏AVの撮影とかじゃなくても、縄も鞭も木馬もファックマシンも露出もリョナ(は、ちょっと苦手)も、なにもかもが日常になるんだ。
 胸にキュンキュンとドキドキが重なって、バギナがじんじん熱くなって、頭がぼうっとしてきた。
「それじゃ、さっそく拉致して監禁して調教を始めるぞ」
 同じ意味の言葉を重ねて使うわたしの口癖を真似て、康雄様がわたしの甘美な運命を宣告してくださった。
「はい……」
 康雄様の命令を待ってから、立ち上がって服を着た。ミニスカートは脱いだままでセーターの裾を引っ張るように命令してくださったときは、それだけでアクメ寸前まで達していた。
 カラオケルームを出て。足元がふらついてるので桃子さんに支えられながら――わたしは、突然に実現した理想の被虐生活に向かって、歩み始めるのだった。
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 いつもの如く竜頭蛇尾ってしまいましたね。
 すぐには校訂を始めず、『SMツアー Episode 3:海女と鮑と褌と』を書いてから、9月リリースに間に合うよう、7月中旬あたりから加筆訂正していきましょうか。
 なので、Progress Report も Final とはしません。なるかもしれませんが。

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 プレゼントされた貞操帯(24時間着用可能)の鍵を返してしまう。絶対服従を誓うにふさわしいシーンだと思いますが、如何でしょうか。

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