Progress Report 2:火竜と翔けたアクメの空
この3連休ですこしは進捗しました。と、謙遜。
配属:April 1944
性裁:Mai 1944
開眼:Juli 1944
昇進:August 1944
勲章:Oktober 1944
誤射:November 1944
酒淫:November 1944
慟哭:Dezember 1944
復活:Januar 1945
降伏:Mai 1945
現在、『誤射』の空戦が終わって、これからヒロインの妹分が戦隊長から「活」を挿れられるシーンです。
ここまでで175枚ですが。エロシーンが少ないですね。
『性裁』で、ヒロインを含む3人が「活」を挿れられて。
『勲章』で、少年愛の戦隊長を「更生」させようとして、誘い受け。
『誤射』で、妹分が性裁されて。
『酒淫』で、甘百合。
各章の半分以上は空戦シーンとかストーリイ展開ですので、エロは全体の1/3のありません。いや、『開眼』で空戦アクメを描きますから、これもエロシーンです。
しかしともかく。緊縛も拘束も鞭も出てきません。「成層圏の飛燕」ですら、ケツバットがあったのに。
今回はエロ抜きドッグファイトです。実は空戦の記述にいろいろとボロがあるのですが、たぶんバレないだろうかなと。
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この群に突っ込めば。逃げ惑う羊を一頭ずつ仕留めていけるが、タイミングを誤るとこちらが番犬に噛みつかれる。しかし、腹いっぱいに爆弾を抱えて目標を目指して飛ぶ敵を見逃せるはずもない。
「手筈はわかっているな。全機、突撃せよ」
命令を出し終わった時点で、本部小隊の三機はP51のさらに上空から急降下を開始している。
「ロゼ、このまま突き上げる!」
「リリエ、目標は右翼の編隊。突撃!」
アンナは操縦桿を右前に突いてフットバーを大きく踏み込んだ。He162A-10は深いバンクで機首を下げながら、敵の予測未来位置へ向かって突っ込む。
「クリザン、左翼へ突っ込む!」
リリエ中隊の右横を芋虫を背負った黒い影が突き抜けて、急激に引き起こしながら敵に一連射を浴びせると、そのまま大きな弧を斜めに描いて、追尾してきたP51の十数機の後ろを取ろうとした。
乱戦のさ中では、中隊を駒のように動かすのは不可能だ。また、敵も遅まきながら本部小隊の役割に気づいて、執拗に攻撃を仕掛けてくるようになった。もちろん、肝心の護衛が手薄になるほどの戦力は割かない。
統合指揮がとれなくなれば、本部小隊も駒のひとつとして働くしかない。そして、この駒はチェスのクイーンさながらに縦横無尽の機動で、護衛戦闘機さえ倒せた。
「娘っ子のお守りをしないぶん、暴れ回れるというものだ」
事実、この二週間で戦隊長はB17を五機共同撃墜し、P51も三機食っている。
「リリエ1、十時上空、降ってくるぞ!」
四肢奮迅の働きをしながら、なお戦隊長は部下と敵の位置を把握していた。
アンナは第一撃後の引き起こしを、左への急旋回に切り替えた。余裕をもって左上空からの敵機をかわして、すでに右下方から急上昇してくる一群を視界の外に捉えている。
「リリエ1と3。左旋回、急降下。2と4は水平旋回」
アンナの読みでは、ほぼ同じ経路で上下に分かれた四コ小隊のあいだを敵が突き抜けていくはずだった。自分の小隊は真正面からの反航になるが、わずかな軸線のずれが、敵から照準のチャンスを奪うはずだった。
状況は切迫している。「わずかな」「一瞬の」差が生死を分ける。しかしアンナは、この場面での生を確信している。リリエ1の3番機は、本来は小隊長を務めるニーナ・バーデンだった。見込みのある者に小隊長としての経験を積ませようとして、編成替えがあったのだ。彼女なら、経験の浅いクラーラ・ヴェルテをうまくリードするだろう。
ところが、そのニーナが。
「ニーナ、遅れてる!」
いつかのような操縦技量の差による遅れではなかった。リリエ13番機の右エンジンは黒煙を吐いていた。
傷ついた獲物に追いすがるように突き上げてきた敵のうち四機が、激しく横滑りしながら機軸をニーナ機に向けた。
リリエ14番機、クラーラがズーム上昇に転じた。速度を落として、敵後方から急降下を掛けるつもりだ。
「ニーナ、クラーラが来るまでロールで逃げて」
先行しているアンナは、すぐには掩護に駆け付けられない。
「リリエ2、煙を吐いてる機を掩護」
リリエ2よりは、自分が三百六十度旋回して敵の後ろへつけるほうが早い。その経路をとりながら、リリエ13を見守る。もちろん、あと三十秒はこちらに攻撃を掛けられる敵がいないと見定めてのことだ。
ニーナの緩横転に、敵の一機が追随する。目標を照準器に入れるには、追撃側も同じ機動で追わなければならない。見越し射撃で軸線も経路も異なる目標に命中させるのは、神技よりも難しい。
クラーラが遠距離から射撃を開始した。もちろん、当たるはずがない。しかし、何十メートルも離れているとはいえ、火箭が視界をかすめては、敵を追うどころではない。ニーナを狙っていた敵はロールを切り返して急降下で離脱した。その数秒後にクラーラが敵と交叉角を持って急降下していく。
ニーナと軸線が合いかけているアンナと列機のエルナに、敵のロッテが上下から迫ってきた。
エルナの機動を見定めて(空戦アクメで知覚の拡大しているアンナは、コンマ一秒もあれば、機首の初動で十秒先の未来位置も予測できた)、彼女を下方に見て交差する経路に切り返した。
離脱した敵のペアが、ニーナの後方へ回り込もうとしている。
危険を承知で掩護に向かおうとしたとき。下方からズーム上昇してくるクラーラに気づいた。
上昇にエネルギーを奪われていても、機速の落ちたニーナを追撃しようとしている敵よりは過速だった。それに気づかず、クラーラは機首を下げて増速した。ニーナ機と敵機の双方に対して、角度が浅い。
「クラーラ、射つな!」
叫んだと同時に、敵機を追い越したHe162の機首から二条の火箭が伸びて。射撃はすぐに中止されたが、二十ミリ弾はニーナ機の左水平尾翼を破壊していた。
「被弾! 脱出する」
ニーナの甲高い叫び。しかし、うろたえてはいない。
飛行機の重心は主翼の揚力中心より前にある。そのために発生する頭下げモーメントを水平尾翼の負の揚力で相殺して飛んでいる。
水平尾翼を破壊されたニーナ機は急速に頭を突っ込んで、さらに裏返しになっていく。
「ニーナ、出るな。空が見えるまで待て!」
裏返しになった機から脱出しようとして垂直尾翼に叩かれた戦隊長の姿が、まざまざと目に浮かんだ。
アンナの指示を正しく理解して、ニーナは残された尾翼を下げ舵に切った。補助翼でロールを殺している。
「今! 脱出!」
機首がほとんど垂直まで立ったとき、アンナが叫ぶまでもなく、ニーナ機のキャノピーが吹き飛んだ。
心をそちらへ残しつつ、さらに追いすがってくる敵機をかわして、左旋回急上昇に舵を切った。ニーナ機が五秒前にあった方角へ機首が転じたとき、下方に白い花が咲いているのが見えた。
クラーラは、ようやく間違いに気づいて、茫然自失といった態で直線飛行を続けている。その上下左右を、リリエ2の四機が護っていた。
「クラーラ、リリエ1に合流して」
クラーラが緩慢に旋回を始めた。
この様子では、まともな戦闘行動はとれそうもない。
「指示を訂正。インガはクラーラを護ってケッテで帰投。ドーリス、悪いけど3番機を勤めてね」
「もちろん。そのかわり、うんと食べさせてよ」
敵爆撃機を、という意味だった。
敵戦闘機を振り切って、シュヴァルムを組み直すと、アンナは列機を率いて上空の敵爆撃機の追撃に向かった。
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ニーナが本来は小隊長ウンヌンというのは。3番機設定でこのシーンを書いていて、前の章で小隊長にしてたのに気づいて。しかし、前振りなしに別人を出すのも唐突だし。新人育成とか取って付けたのです。

それにしても、困りました。BFの素材がありません。戦闘機の前で裸ハーネスで敬礼てのは、『成層圏の飛燕』でやっていますし、暫定表紙のようなHe162の前で甘百合というのも、しっくりきません。
もう、本番も、こんなのでやっつけちゃうかもしれません。
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