Progress Report 2+:火竜と翔けたアクメの空

なぜに、こうなる?
最初の予定では、クラーラが「活」を挿れられるところをヒロインは「見学」するだけのはずだったのに。
筆の勢いとは恐いものです。いや、欲求不満のなせる業か。
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アンナは、三人一緒に私的性裁を受けたから、ショックを分かち合ってすぐに立ち直れた。しかし、クラーラはただひとりで辱められるのだ。
何をされるか事前に教えても……それで心構えができるというものでもない。
アンナはクラーラに声をかけずに、まっすぐ自室に向かった。
そして、十五分前から廊下に出て、クラーラが姿を現わすのを待った。
「私も同行する」
「え……はい、ありがとうございます」
クラーラの顔が明るくなった。おっかない頑固親父(二期隊員は、ときとして戦隊長をそう呼んでいた)にどやされるにしても、中隊長が付き添ってくれていれば、ちっとも怖くない。
「クラーラ・ヴェルテ、命令により出頭いたしました」
小机に向かって書き物をしていたホフマン大佐は、二十秒ほども待たせてから振り返って、座ったまま略式の敬礼を返した。それを受けて、クラーラも右手を下ろす。
「シュライバー中尉、貴様は、なぜここにいる」
「私の指示ミスが、今回の事故の原因だからです。私に第一の責任があります」
「貴様の指示は適切だった」
戦隊長は、即座にアンナの言葉を否定した。
「その瞬間を目撃はしていないが、射撃五秒前の状況は把握している」
無線は一斉送話だから、戦隊長も聞いている。どのような形で誤射が起きたか、憶測ではなく確定できる。
「しかし、部下の身を案じる気持ちは理解する。同席を許す。ただし、一切の発言を禁じる」
黙って見ていろ。そう言われて、いや命令されて――アンナには抗弁のすべがなかった。クラーラの身代わりに自分が罰を受けると申し出たところで、拒否されるのはわかりきっている。いや、あり得ない仮定ではあるが承諾されたとしても。それは、かえってクラーラを傷つけることにはならないだろうか。
そう考えたとき。アンナは、戦隊長の性裁に秘められた意図を理解したと思った。耐えがたい恥辱を与えることで、一切を「その場限り」で終わらせる。と同時に、絶対に同じミスを繰り返させない。
「あのとき、貴様は長機を掩護するつもりだったのか。敵機を撃墜するつもりだったのか?」
戦隊長の言葉で、アンナは一瞬の思考から引き戻された。
「掩護です。でも、機影が照準器にはいったので、狙って撃ちました」
「目的が曖昧だから、視点も散漫になる。直前に敵機を追い越したことにも気づかなかった」
「…………」
クラーラはうつむいたまま、戦隊長の指摘を聞いている。まったく正しい。なにひとつ反論できない。
「掩護するなら、もっと交叉角を取って、敵機に視認させるべきだった。そうすれば、威嚇射撃の流れ弾が味方に当たらない」
あの形では、たとえ敵機の後方から射撃しても、ニーナ機は射線上にあった。だからこそ、目標の取り違えに気づかなかった。
「攻撃するなら、長機の経路を頭に描くだけで、敵機の捕捉を第一とするべきだった。そして、もっと下方から突き上げろ」
戦隊長が言葉を切ったのは、クラーラの理解を待ったからか。もちろん、真っ白になっている頭で空戦の状況を思い返すなんてできない。
「貴様は味方を撃墜した。バーデン少尉が生還したのは、幸運に過ぎない。もし、二人の立場が入れ替わっていたら、貴様は戦死していたかもしれん」
戦隊長が言葉を切って、息を吸った。
来る――アンナが直感する。
「貴様は、貴様を殺したのだっ!」
滅茶苦茶な言葉だったが、それは横で聞いているアンナさえ打ちのめす迫真性があった。
「衣服をすべて脱げ」
一転して低い声で、戦隊長が不可能な命令を発した。
クラーラはきょとんとして、ホフマン大佐を見上げている。
アンナが最初に動いた。考えに考えたあげくの行動だった。戦隊長に「女として扱う」ことを要求したときよりも激しい勢いで、アンナは身に着けている一切を(靴を含めて)脱ぎ捨てた。そして、直立不動の姿勢で戦隊長をにらみつけた。
「…………!」
呆気に取られていたクラーラだったが。自分が何を要求されているか、アンナの行動から理解した。先輩であり中隊長であり、なにより私淑しているトップエースひとりを恥辱の中におけるほど、クラーラは厚顔ではない。おずおずと、しかしためらわずに、彼女もアンナと同じ姿になった。
「シュライバー中尉、列外」
アンナは、横で羞恥に震えているクラーラの肩に手を置き、その目を覗き込んで無言の励ましを送った。そして、部屋の隅へ行った。
「ヴェルテ少尉。戦死した貴様に、活を挿れてやる。回れー右ッ!」
「三歩前へ」
バックから受け挿れる姿勢クラーラに取らせて、ホフマンがズボンを脱いだ。パンツの盛り上がりは、対空射撃準備が完了していることを示している。
この人は、男でも女でもかまわないのだろうか――と、アンナはいぶかった。彼に侮辱されたように、アンナは年齢のわりに未性熟で髪も短くしているから、軍服を着ていたら青年と間違われかねない。これまで、そのようなことにならなかったのは、常に編隊で行動していたからであり、このあたりでウイングマークを付けているのはDMJG隊員だと知れ渡っているからに過ぎない。
しかしニーナは、どれだけ男装をしてもすぐに見破られるにきまっている。金髪は短くしているが、少女らしい形に整えている。胸も尻もアンナに比べてさえも中性的だが、全体に華奢な身体つきのなかで、きちんと腰がくびれている。なにより、彼女が(搭乗時以外は)片時もそばからはなさないマイセン人形さながらの愛くるしい顔立ちと肌の滑らかさは、けっして男にはないものだった。
こんな少女に勃起させるなんて、同性愛に加えて少女性愛の変態だ――ニーナはホフマンを軽蔑しようとしたが、なぜかそれができなかった。人格に問題はあるが、この男の卓越した空戦技能と指揮能力はDMJGに欠かせない。リヒャルト・ホフマンは軽蔑すべき人間だが、戦隊長は尊敬すべき人物だ。「特別な初めて」を奪った男だから、どうしても女性としての感情が湧いてくる――とは、断じて思わないアンナだった。
「ひゃああっ……!」
クラーラの悲鳴で、アンナは物思いから醒めた。ホフマンが腰を引いて角度を合わせて、クラーラをまさに貫こうとしていた。
助けようとは思わなかった。腕力でも権力でもクラーラを助けられないのは明白だが、もしも出来たとしても。わだかまりが残る。戦隊長は、この場限りで一切を忘れてくれる。そして犯された娘は、恥辱の中から立ち上がるしかないのだ。
「いやあああああっ……痛い! 汚い! やめてください!」
ニーナの悲鳴は廊下どころか営庭まで聞こえているだろう。しかしホフマンは、彼女の口をふさごうとはしなかった。
アンナが戦隊長の命令に反して、クラーラのそばへ駆け寄った。なぜそんなことをしたのか、自分にも説明できなかっただろう。アンナはクラーラの顔を横向けて、彼女の口を自分の唇でふさいだのだった。
ホフマンは、それを制止しなかった。
「む……びいいい……」
アンナの口の中で、なおもクラーラは泣き叫び続ける。
アンナはいったん唇をはなして身体を沈め、クラーラが壁に突いている手のあいだに身体をこじ入れた。クラーラを抱き締めてやる。クラーラも壁から手を放して、アンナに抱きついた。
固く抱き合った二人の娘。幼い娘の背後からのしかかって「男女共通の器官」を荒々しく犯し続ける偉丈夫。それは奇妙で煽情的な構図だった。
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いろいろ検索しましたが、若い娘が向かい合って立って抱き合ってる後ろから――という構図は見つかりませんでした。下の画像が描写に近いともいえますが、筆者の頭の中にあるエロさとは、かなり違います。でも、まあ貼っておきます。

こういうのを表紙絵にする予定はありません。絶対にHe162でいきます。
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