Progress Report 3:寒中座禅(転がし)修業
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どうにも、金○の結果(『女囚永代吟味』は、5日経過してもまだレビュー中。)が気になって、鍵が進みません。筆者は東京生まれの中国(地方)育ちですが、大阪人よりもイラチな性分です。 1日おいて、また休日なので、「今日が駄目なら明日にしましょ」な気分があるのもたしかですが。
1:登門 2:得度 3:滝行 4:祓行 5:灸行 6:総括 7:還俗
4が終わって、本文143枚です。
4:祓行では、午前中にこんな仕掛けのある『座禅板』で、AEDの出番も無く電撃座禅が終わって。

午後からが、身体から煩悩を「叩き出す」修業です。
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十二人の先達の中から六人が選ばれて、二人の平僧侶とともにさまざまな鞭や笞を持って、修業尼の前に立った。
被虐の経験値を考慮して、菜穂子と円花には、一メートルほどの長さの一本鞭を手にした朴念と訥念が立った。ゆかりには、高山社長が同じく一本鞭。初めて鞭を受ける芽美には、先を丸めた短い竹の笞。
高山社長にベルトで叩かれた経験しかない蕾には、バラ鞭だった。ただし、ソフトビニール製の遊び道具ではない。頑丈な革紐の途中にいくつも結び玉が作られていて、六十センチほどの長さがあった。初心者のサディストでも、容易に厳しいダメージを与えることができる。
「そんなん、修業にはなりません」
ゆかりがふつうとは逆の意味で、抗議の声をあげた。
「ほんまに肌を切り裂いてください。それとも、善羅座禅会とか古武術研究会いうても、ほんまもんの鞭を使える人はおらんのですか」
釈覚と妙覚が顔を見合わせた。
「しばし、待っておれ。他の者は、悦淫を除く七人を――祓行にそなえて、身体を暖めておいてやれ」
「飴と鞭の、飴のほうですよ」
見物にまわっていた六人と菜穂子を担当するはずだった高山とが加わって、七人の修業尼たちを『暖め』始めた。ひとりが背後から抱き着いて(わざと体重を預けて、吊るされている手首に負担を掛けてやる残酷で親切な男もいた)、乳房を中心に身体中を撫でまわし、得物を持っている男は、柄の部分で前門を暖めてやる。
いちばん得をしたのは竹刀で叩かれる実咲だった。ディルドに比べれば細いが、柄の部分の滑り止めはじゅうぶんにざらついている。逆に割りを食ったのは芽美だろう。三日前には処女だった彼女も、膣性感のとばくち(ヽヽヽヽ)くらいには立っている。
すぐに二人が戻って来た。六尺褌一本の裸形が、気合を示していた。妙覚は長さが三メートルはあるブルウィップを丸めて持っていた。釈覚のほうは、いっそう凶悪な鞭。蕾に使われる予定のバラ鞭に似ているが、もっと長いし、結び玉ではなく金属の棘が植えられていた。
それを見て、さすがのゆかりも息を呑んだ。
「こんなこともあろうかと――というやつじゃな」
本来は時代劇で使われても不自然ではない科白だが。あれこれのアニメのマッドサイエンティストや整備技術者が口にするシーンが、どうしても頭に浮かんでしまう蕾だった。
しかし、まさしく。ブルウィップはともかく、金属棘のバラ鞭など、本物の拷問でもない限り使われるはずのない凶器だった。
「では、祓行を始めようかの」
あらためて、先達ひとりずつが修業尼の前に立った。ゆかりの前には、ブルウィップの妙覚。釈覚は斜め後ろへまわった。
「よろしいかな。一句に一発ですぞ」
釈覚は鞭を払子(ほっす)のようにかまえて、お経を唱えだした。
「カンジーザイボーサッツ」
尻上がりの語尾に合わせて、八人が鞭をふるった。
バシイン!
バチャッ!
パアン!
ビッシイイイン!
「きゃああっ……」
悲鳴をあげたのは芽美だけだった。
乳房全体をバラ鞭で薙ぎ払われた蕾は、半ばは意志でこらえたが、息が詰まって悲鳴を封じられたのもたしかだった。激痛が乳房全体で爆発すると同時に、結び瘤が肌をこする鋭い痛みも奔った。
「ギョージンハンニャーハラミタージッ」
バッシインン!
ビジュウウッ!
二発目は、一発目よりもはっきりと痛みが強かった。
芽美を打ち据えている英学が、後ろへまわった。それを見て、蕾の正面にいた晴学も、尻を叩く位置へ移動する。
「ショーケンゴーオンカイクウッ」
「あがっ……」
ゆかりがひと呼吸遅れて呻いた。長いブルウィップが胴を巻いて、肌をこすりながら引き戻されるタイミングで、ついに釈覚の金属棘鞭が尻を叩いたのだ。
ゆかりの尻は一発で鮮血に染まった。
さらに釈覚は凶器を振りかぶり、妙覚は逆に長大な鞭を真後ろへ這わせた。
「ドーイッサイクーヤック」
ブルウィップが地を奔って、脚の間で跳ね上がった。
「ぎゃあああっ……!」
前門を鞭で深々と切り裂かれ、さらにこすり上げられて、ゆかりが絶叫した。
釈覚が左手を上げて、妙覚に合図をして。
「シャーリーシイッ」
今度は釈覚が右手を跳ね上げて、後門から前門まで、一気に薙ぎ払った。
「ぐがっ……」
がくんと身体が崩れて、吊るしている縄が反動で揺れた。
蕾の前の晴学も、バラ鞭を下手にかまえる。
「いやあ……お股は赦してよお」
芽美が泣き声で訴える。
「ごく軽くだから」
英学が気の毒そうに答えた。興味半分で野乃花に連れてこられた彼は、まだ『SMプレイ』の感覚から抜けきっていないようだった。しかし、股間打ちの構えはそのままなのだから、着々と逆調教の成果はあがっているというべきだろう。
「シキフーイークウッ」
鞭の音と数人の悲鳴が交錯する。蕾は、股間から脳天まで突き抜ける衝撃に耐えた。
悲鳴をこらえるべきか、素直に吐き出すべきか、蕾は迷っていた。泣き叫べば、すこしは手加減してもらえるように思う。けれど、百万円を払い休暇をやりくりしてまで参じたサディストばかりだ。かえって嗜虐の血を沸かせる結果になるかもしれない。
だいいち。手加減してもらいたいのか、ゆかりみたいにズタボロにされたいのか、自分の気持ちがわからなかった。
いずれにしても、そんなことを考えてしまうのは、悦虐にしても哭虐にしても、まだまだ没入はしていない――と、それもわかっている蕾だった。
十発あたりで実咲と野乃花も悲鳴をあげ始めた。それにつられるように、蕾も泣き叫んで。黙然と修業に耐えているのは、麻凛と円花と菜穂子の三人になった。
苦痛系は苦手だと言ってるけど、わたしなんかよりずっと耐性がある。さすがは先輩だと、感心してしまう蕾だった。先輩のようになりたい――とは、思わなかったけれど。
その麻凛も、さらに五発ばかり股間を狙われて、クリトリスを直撃されると盛大に悲鳴をあげた。
蕾もそうだが。一度でも叫んでしまうと歯止めが効かなくなる。
「きひいい……痛い! ひぎゃああっ……!」
しかし、赦しを求める言葉はついに吐かなかった。
二十発を越えたあたりで、釈覚は誦経を中断した。
「では、交替せよ」
見学にまわっていた五人の先達に、二人の平僧侶が加わった。
釈覚は本堂へ戻って、僧衣に着替えてきた。もはやゆかりは、乳房も尻も脇腹もギザギザの裂き傷で埋め尽くされ、血まみれになっている。
待たされているあいだ、蕾は鞭の余韻にたゆたっていた。じんじんと火照っている肌に寒風が吹きつけて、むしろ心地良い。初心者の芽美は――さんざんに泣き喚いた子供が、半ば放心しながらすすり泣いているよな、そんな印象だった。
もうじゅうぶんに鞭打たれたと、蕾は思う。一発一発が、高山社長のベルト鞭はずいぶんと手加減してくれていたのだと思い知るほどに強烈だった。このまま女人房へ帰してくれたら――悦虐に浸れる余地もあるのだけれど。鞭の打ち手が交替したということは、すくなくともこれまでと同じだけは責め続けられるのだろう。蕾は甘い絶望を噛み締めていた。
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悦淫こと[ゆかり]をズタボロにし過ぎました。
八人の修業尼のうち七人は夜の座禅会を免除して、ひとりだけあっさりと気絶したおかげで肌が裂けていない芽美を16人がかりで(3人ずつ)7、8回もマワそうということになります。
ヒロイン(蕾)視点なので、夜のしじまを破って聞こえてくる悲鳴の描写だけです。それも、たいていの場合は口もふさがれているので、男たちが交替するわずかな時間にしか、泣き叫ぶことも許されません。
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真冬の山中には、虫の声も獣の気配も無い。寒いのを我慢して窓を開けておけば、芽美が本堂で泣き叫ぶ声がかすかに聞こえてくる。もっとも、常に口もふさがれているのだから、男たちが交替するわずかな時間にしか、悲鳴もあげられない。
「自分からなんて、できません!」
座禅転がしに掛けてしまえば、三穴同時は困難だ。縛られているかどうかはわからないが、騎乗位を求められての拒否だろう。
パシン、パシン。
バシン、バシン。
音の質感から推測すると、最初は頬へのビンタ。つぎが乳ビンタだろう。
そこで音が聞こえなくなって。
三十分ほども経った頃に。
「いやあっ……もう赦してえ!」
泣き声混じりの悲鳴は、時間経過から考えて、たぶん三巡目あたりだろう。
さらに一時間ちかくが過ぎたころから、悲鳴はよがり声になっていった。
「うああああっ……ああ、むぶう」
口を犯される合間に絶叫しては、また突っ込まれる。それが繰り返された。
「うああああああああああああっ! 壊れちゃう壊れちゃう……壊してえええええ!」
その絶唱がフィナーレだった。
もっとも、アンコール(?)が繰り返されたのだろう。意識が朦朧としている蕾が女人房へ投げ込まれたのは、さらに三十分以上が経過してからだった。
芽美は壊れた人形みたいに床に転がって。仏像のような神秘的な微笑を頬に浮かべていた。
自分もこんな経験をするときがくるだろうかと、蕾は考えて。あるに決まっていると、断定する。このままSMツアー社に勤めて裏添乗員を続けているなら。もっと凄まじい快楽も残虐も悦虐も哭虐も恥辱も――たぶん、ふつうの女性が一生に体験する何十倍も何百倍も。
蕾は明日の修業を心待ちにしながら、雲の中を下へ下へと落ちていくような眠りに吸い込まれていった。
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芽美も蕾も、たいへんに幸せな展開ですねえ(でしょ?)
ところで。書いているうちにというか、書き始めたときからわかっていましたが。似たような名前が多いですね。
円花と野乃花、しかも花つながりで、蕾と芽美。
マゾのツボミ(真園蕾)というのも、遊びが過ぎるような。
筆者の中では、漠然とですが名前の字面と性格付けが関連しています。
2019/11発売の『火竜と翔けたアクメの空』のヒロインは、アンナ・シュライバー。以前の『突撃! 戦車娘』がエルザ・シュライバー。面倒いのと面白いのとで、先に国民的アイドルにしてヒロインになったアンナに、実は祖父が従兄弟同士だったというエルザからファンレターが来るシーンで尺を稼いだりしています。
閑話も本話も終題です。

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