Progress Report 3:公女両辱
あらあ。いっちゃいましたよ。106枚。昨日が60枚だったから、一気に43枚です。
ただ、まあ。弾着予定地点がフランスじゃないもんで、エロイムエッスエム描写が控えめで。前半のヒロインがオリゲルドで後半がアルディス(鶴亀鶴亀)なので、ひとりに深く感情移入しない(できないのは、作者の力量の限界)ので、ひたすらストーリイを語るパターンになっちまいました。
Report 2の本文抜粋から、途中のヒロインがコソ泥を働いて鞭打ちされるとことかは飛ばして
========================================
五日もすると、リディアーヌの傷は『使用に耐える』くらいにまでは治癒していた。そして、新たな恥辱が裸身を飾ることになった。いわば、鞭打ちと引き換えに取り返した母の形見である。エマの希望どおり、それらの品はリディアーヌに返されて、リディアーヌもエマも想像していなかった形で使われたのだった。
金の首飾りには小さな留め金が付け加えられて、乳房の上下に巻かれた。上下の鎖は腋の下と乳房の谷間で留め金でつながれて、乳房をささやかな球形にくびり出した。腕輪はいったん切れ目を入れてから手首に嵌められ、二度と外せないように鍛冶職人の手で閉じ合わされた。小さな耳飾りは耳たぶでなく乳首に留められた。ネジで耳たぶを挟むように作られた留め金には細い針が植えられて、乳首を突き刺した。そうして、小さなカメオの指輪は、うんと直径を縮められて、少女の淫核を飾った。包皮をを剥き上げておいての処置だった。カメオには穴が開けられ、実核の先端だけがそこから顔をのぞかせるという、手の込んだ、しかし淫美であり淫残な趣向だった。
腕輪のほかはいつでも取り外せるのが、せめてもの慰めだった。もっとも、ジャン・ジャックに使われるとき以外は常時身に着けているよう厳命されはしたのだが。
いったんは牢獄の鎖につながれたリディアーヌだったが、さらなる恥辱を自ら申し出ることで、再び自由を取り戻した。
「なにかの偶然で、あたしの裸を他人に見られないともかぎりません。じゅうぶん日に焼いて肌の色を濃くすれば、異教徒と思ってもらえるでしょう」
つまり、一日のうち何時間かは戸外で裸を曝すということだ。この願いは格別の疑惑を持たれなかった。コソ泥もまともに出来ぬ小娘ひとり、裏庭に放り出しておいても問題あるまい。そんなふうに考えられたのかもしれない。
リディアーヌの目論見は、ただ鎖から逃れるだけではなかった。幼いときに盗み見た使用人たちの『愛の儀式』。いざというとき、ラウルの助けも間に合わないときには、あの物置小屋に隠れるつもりだった。それが今もあるかどうかを確認しておきたかった。さらには――逢引をしていた男女のうち、男の顔には見覚えがなかった。もちろん暗がりの中での出来事ではあるし、少女の注意のほとんどは二人の下半身に向けられていたのだから、まるきり不確かではあるけれど。もしかしたら、外の人間だったのかもしれない。とすれば、あの小屋の奥に抜け道でもあるのかもしれない。憶測に憶測と希望を何段も積み重ねた推測には過ぎないけれど、もしもほんとうに抜け道があるなら、『計画』の助けになる。そこまでの深謀遠慮があったのだ。
もっとも。異教徒を装うという提案は、リディアーヌが思ってもいなかった恥辱をともなっていた。沐浴の習慣である。異教徒の沐浴とは、ただ身体を洗って綺麗にするというだけではない。ことに女は、首から下の体毛をすべて剃り落とす。腋毛や淫毛を生やした異教徒はいない。
さすがにリディアーヌは羞恥に肌を染めたが、異を唱えること無くロイクの指摘を受け容れた。いざ体毛を失ってみると、彼女の裸身を飾る小道具は、いかにも異教徒らしく見えもしたのだった。
リディアーヌの変貌に使用人たちは驚き呆れ、露骨に軽蔑の眼差しを向ける者も少なくなかった。しかしナウラは、投獄された最初から世話人のような役割を負わされて、それだけリディアーヌと接する機会が多かったから、彼女の破廉恥な振る舞いの奥に何かが隠されていることを薄々感づているようだった。そして執事のラウルは、リディアーヌのそばを通るときはひっそりと腰の短剣に手を当てて、替わらぬ忠誠を無言で語りかけてくるのだった。
リディアーヌをもっとも軽蔑していたのは、この屋敷で唯一の処女であるエマかもしれない。彼女にしてみれば、リディアーヌの何もかもが穢らわしくおぞましかったに違いない。父を誘惑しているという事実が、なによりも許しがたかったろう。
男が浮気をしたとき、女の嫉妬は浮気相手に向けられるのがふつうである。最初はジャン・ジャックが『義理の』娘を陵辱したことなど忘れ、危うく殺されかけて心ならずも服従したのかもしれないなどとは、考えもしなかった。
それだけなら、リディアーヌも我が身と彼女とを置き換えて、自業自得と思わないでもないが。
庶民の出ゆえにこすっからいのか、元々の性格がそうなのか。偽善的に振る舞うのが、どうしても許せなかった。
肌を焼くために裏庭に出るようになってからは、ふとしたはずみでエマと出会うこともあった。エマは、決して逃げなかった。
「こんな境遇に墜ちて、ほんとうに同情しますわ。その装身具を投げ捨てたのは、ごめんなさいね。もし、わたくしに出来ることがあったら、なんでも言ってちょうだい。願いを叶えてあげるとは約束できないけれど、できるだけのことはしてあげるわ」
それなら、わたくしの名前を返してよ。母子ともども屋敷から出て行ってよ。そう叫びそうになるのをこらえるのが精一杯で、卑屈な感謝の言葉も痛烈な皮肉も、リディアーヌの口から発せられることはなかった。
リディアーヌは、週に一度か二度は母の仇に抱かれて媚びを売り、不本意ながらも性の交わりによる愉悦を身体にすり込まれながら――春を過ごし夏を過ごしていったのだった。
そうして、千載一遇の、そして唯一のチャンスが訪れたのだった。
凱旋である。
大国間の争いは、さいわいにして味方が勝利を収め――国を挙げての凱旋式が執り行なわれる運びとなった。リディアーヌの秘密のホクロを知るコルベール伯爵の消息はなお不明だったが、それを確認している余裕は無い。
執事も腹心の二人も連れて際しともども王都へ旅立ったジャン・ジャックは、さすがにリディアーヌを鎖につないだが、それはなんの役にも立たなかった。今も味方をしてくれている使用人たちが、簡単にはずしてくれた。
しかし、リディアーヌは、なおも屋敷に留まった。
彼女が向かったのは、ジャン・ジャックの居室だった。もしも祖父の遺言状が処分されていなかったら、それを示すことで王室の書庫でも本気で写しを探してくれるだろう。しかし、それよりも――ジャン・ジャックが母を謀殺した証拠を、なんとしてでも発見したかった。
リディアーヌが不義の子で、それゆえに奴隷に墜とされたとした理解していない使用人たちに、複雑な事情を説明するのは、最初から諦めている。そもそも『証拠』がどんなものかも――おそらくは書き付けだろうが、リディアーヌ自身にもわかっていない。居室にある品々をひとつずつ、あれこれと推理しながら探すしかない。
机の引き出しを開け、中の品を子細に見分して、元あった通りに戻す。
「デジレをどこそこで殺せ。報酬はしかじか」そんな決定的な証拠でもつかめば話は別だが。
薄弱な『証拠』を持ってリディアーヌが逃亡したと知れば、『証拠』を否定する『証拠』えお捏造されないとも限らない。リディアーヌが身の証しを立て、謀殺の証拠を出して捜査を初めてもらうまでには、おそらく何か月もかかるだろう。絶対に感づかれてはならない。
だからこそ、リディアーヌは杜撰極まりないコソ泥を働いたのだった。わずかに品物の位置が変わっていたくらいでは、リディアーヌの仕業とは疑わないだろう。
もちろん、そんな楽観は脇に置いて、能う限り痕跡を残さないようにしながら、リディアは探索を進めて行った。
金庫か、最初から探索からはずしていた。公文書や証文や金貨は執事が管理していたから、そこに秘密の書類を隠すはずがない。もちろん、ちゃんとした金庫の持ち主が携帯金庫を持っているはずもなかった。もし見つけたら――それは、そのときに考える。
机の探索が終わったら、次は書棚だった。紙きれ一枚なら、どうにでも隠せる。さすがに一ページずつ調べていては埒が明かないので、逆さにしてバサバサッと振って、何も落ちなければ元に戻した。
そうして、ついにリディアーヌは『証拠』を発見したのだった。それは本の後ろに隠されていた、薄っぺらな帳面だった。『奴隷慈悲院寄付帳』。表紙に、そう書かれていた。それは、母が強盗に襲われたとき、手提げ金庫とともに奪われたはずの帳面だった。
「母様、これで仇が討てるわ!」
廊下で見守っていた使用人が腰を抜かしかけたほどの大声の歓喜だった。
しかし、すぐに疑念が押し寄せる。なぜ、こんな決定的な証拠を、あの男は後生大事に残していたのだろうか。なにか、とんでもない見落としを自分はしているのではないだろうか。
そもそも。ほんとうにこれが決定的な証拠になるのだろうか。たとえば、念のために造られてあった写本だと主張されたら……?
ふっとリディアーヌの頭に正しい答えが閃いた。
「右署名だわ!」
その叫びは、同時に二つの意味を持っていた。
右署名は筆跡がぶれない。署名している本人に確認してもらえば、写本か正本か判別できるはずだ。いくら筆跡を真似るとはいっても、十人を超える署名者のすべてを完璧に模倣できるはずがない。
もちろん。こちらが正本でデジレは写本を持ち歩いていた――言い抜けることはできなくもないけれど。母が訪問したのは格上のブロワ伯爵夫人だ。そんな失礼なことはしないに決まっている。
そしてリディアーヌは、この帳面が別の悪巧みの証拠にもなることに気づいていた。格下の者がおいそれと入手できない右署名。それをこんなに隠し持っているというのは、書類偽造の意図があったのではないか。
亡き妻の形見などとは言わせない。内輪の話であるだけに、執事や使用人たちの証言でも重きをなしてくる。
それでもリディアーヌは喜びに我を忘れることなく探索を最後まで続けたが、他にはめぼしい証拠は出てこなかった。つまり――書類偽造を目論んだがゆえに、配偶者謀殺、ひいては子爵家簒奪の重罪が明るみに引きずり出されることになったのだ。いや、正確にいえば、そうなろうとしている。
リディアーヌは使用人の協力を得て、念のために確保しておいた抜け道に頼らず、堂々と馬車で逃亡したのだった。
========================================
エロイムエッスエムの無い部分ばかりでごめんなさい。
関係のない画像ばかりでごめんなさい。

でも、現役のオカズです。
舞台が昭和10年代か20年代かで、妄想の中身(=ストーリイ)がまるで変って来る画像というのは、なかなかに貴重です。
ただ、まあ。弾着予定地点がフランスじゃないもんで、エロイムエッスエム描写が控えめで。前半のヒロインがオリゲルドで後半がアルディス(鶴亀鶴亀)なので、ひとりに深く感情移入しない(できないのは、作者の力量の限界)ので、ひたすらストーリイを語るパターンになっちまいました。
Report 2の本文抜粋から、途中のヒロインがコソ泥を働いて鞭打ちされるとことかは飛ばして
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五日もすると、リディアーヌの傷は『使用に耐える』くらいにまでは治癒していた。そして、新たな恥辱が裸身を飾ることになった。いわば、鞭打ちと引き換えに取り返した母の形見である。エマの希望どおり、それらの品はリディアーヌに返されて、リディアーヌもエマも想像していなかった形で使われたのだった。
金の首飾りには小さな留め金が付け加えられて、乳房の上下に巻かれた。上下の鎖は腋の下と乳房の谷間で留め金でつながれて、乳房をささやかな球形にくびり出した。腕輪はいったん切れ目を入れてから手首に嵌められ、二度と外せないように鍛冶職人の手で閉じ合わされた。小さな耳飾りは耳たぶでなく乳首に留められた。ネジで耳たぶを挟むように作られた留め金には細い針が植えられて、乳首を突き刺した。そうして、小さなカメオの指輪は、うんと直径を縮められて、少女の淫核を飾った。包皮をを剥き上げておいての処置だった。カメオには穴が開けられ、実核の先端だけがそこから顔をのぞかせるという、手の込んだ、しかし淫美であり淫残な趣向だった。
腕輪のほかはいつでも取り外せるのが、せめてもの慰めだった。もっとも、ジャン・ジャックに使われるとき以外は常時身に着けているよう厳命されはしたのだが。
いったんは牢獄の鎖につながれたリディアーヌだったが、さらなる恥辱を自ら申し出ることで、再び自由を取り戻した。
「なにかの偶然で、あたしの裸を他人に見られないともかぎりません。じゅうぶん日に焼いて肌の色を濃くすれば、異教徒と思ってもらえるでしょう」
つまり、一日のうち何時間かは戸外で裸を曝すということだ。この願いは格別の疑惑を持たれなかった。コソ泥もまともに出来ぬ小娘ひとり、裏庭に放り出しておいても問題あるまい。そんなふうに考えられたのかもしれない。
リディアーヌの目論見は、ただ鎖から逃れるだけではなかった。幼いときに盗み見た使用人たちの『愛の儀式』。いざというとき、ラウルの助けも間に合わないときには、あの物置小屋に隠れるつもりだった。それが今もあるかどうかを確認しておきたかった。さらには――逢引をしていた男女のうち、男の顔には見覚えがなかった。もちろん暗がりの中での出来事ではあるし、少女の注意のほとんどは二人の下半身に向けられていたのだから、まるきり不確かではあるけれど。もしかしたら、外の人間だったのかもしれない。とすれば、あの小屋の奥に抜け道でもあるのかもしれない。憶測に憶測と希望を何段も積み重ねた推測には過ぎないけれど、もしもほんとうに抜け道があるなら、『計画』の助けになる。そこまでの深謀遠慮があったのだ。
もっとも。異教徒を装うという提案は、リディアーヌが思ってもいなかった恥辱をともなっていた。沐浴の習慣である。異教徒の沐浴とは、ただ身体を洗って綺麗にするというだけではない。ことに女は、首から下の体毛をすべて剃り落とす。腋毛や淫毛を生やした異教徒はいない。
さすがにリディアーヌは羞恥に肌を染めたが、異を唱えること無くロイクの指摘を受け容れた。いざ体毛を失ってみると、彼女の裸身を飾る小道具は、いかにも異教徒らしく見えもしたのだった。
リディアーヌの変貌に使用人たちは驚き呆れ、露骨に軽蔑の眼差しを向ける者も少なくなかった。しかしナウラは、投獄された最初から世話人のような役割を負わされて、それだけリディアーヌと接する機会が多かったから、彼女の破廉恥な振る舞いの奥に何かが隠されていることを薄々感づているようだった。そして執事のラウルは、リディアーヌのそばを通るときはひっそりと腰の短剣に手を当てて、替わらぬ忠誠を無言で語りかけてくるのだった。
リディアーヌをもっとも軽蔑していたのは、この屋敷で唯一の処女であるエマかもしれない。彼女にしてみれば、リディアーヌの何もかもが穢らわしくおぞましかったに違いない。父を誘惑しているという事実が、なによりも許しがたかったろう。
男が浮気をしたとき、女の嫉妬は浮気相手に向けられるのがふつうである。最初はジャン・ジャックが『義理の』娘を陵辱したことなど忘れ、危うく殺されかけて心ならずも服従したのかもしれないなどとは、考えもしなかった。
それだけなら、リディアーヌも我が身と彼女とを置き換えて、自業自得と思わないでもないが。
庶民の出ゆえにこすっからいのか、元々の性格がそうなのか。偽善的に振る舞うのが、どうしても許せなかった。
肌を焼くために裏庭に出るようになってからは、ふとしたはずみでエマと出会うこともあった。エマは、決して逃げなかった。
「こんな境遇に墜ちて、ほんとうに同情しますわ。その装身具を投げ捨てたのは、ごめんなさいね。もし、わたくしに出来ることがあったら、なんでも言ってちょうだい。願いを叶えてあげるとは約束できないけれど、できるだけのことはしてあげるわ」
それなら、わたくしの名前を返してよ。母子ともども屋敷から出て行ってよ。そう叫びそうになるのをこらえるのが精一杯で、卑屈な感謝の言葉も痛烈な皮肉も、リディアーヌの口から発せられることはなかった。
リディアーヌは、週に一度か二度は母の仇に抱かれて媚びを売り、不本意ながらも性の交わりによる愉悦を身体にすり込まれながら――春を過ごし夏を過ごしていったのだった。
そうして、千載一遇の、そして唯一のチャンスが訪れたのだった。
凱旋である。
大国間の争いは、さいわいにして味方が勝利を収め――国を挙げての凱旋式が執り行なわれる運びとなった。リディアーヌの秘密のホクロを知るコルベール伯爵の消息はなお不明だったが、それを確認している余裕は無い。
執事も腹心の二人も連れて際しともども王都へ旅立ったジャン・ジャックは、さすがにリディアーヌを鎖につないだが、それはなんの役にも立たなかった。今も味方をしてくれている使用人たちが、簡単にはずしてくれた。
しかし、リディアーヌは、なおも屋敷に留まった。
彼女が向かったのは、ジャン・ジャックの居室だった。もしも祖父の遺言状が処分されていなかったら、それを示すことで王室の書庫でも本気で写しを探してくれるだろう。しかし、それよりも――ジャン・ジャックが母を謀殺した証拠を、なんとしてでも発見したかった。
リディアーヌが不義の子で、それゆえに奴隷に墜とされたとした理解していない使用人たちに、複雑な事情を説明するのは、最初から諦めている。そもそも『証拠』がどんなものかも――おそらくは書き付けだろうが、リディアーヌ自身にもわかっていない。居室にある品々をひとつずつ、あれこれと推理しながら探すしかない。
机の引き出しを開け、中の品を子細に見分して、元あった通りに戻す。
「デジレをどこそこで殺せ。報酬はしかじか」そんな決定的な証拠でもつかめば話は別だが。
薄弱な『証拠』を持ってリディアーヌが逃亡したと知れば、『証拠』を否定する『証拠』えお捏造されないとも限らない。リディアーヌが身の証しを立て、謀殺の証拠を出して捜査を初めてもらうまでには、おそらく何か月もかかるだろう。絶対に感づかれてはならない。
だからこそ、リディアーヌは杜撰極まりないコソ泥を働いたのだった。わずかに品物の位置が変わっていたくらいでは、リディアーヌの仕業とは疑わないだろう。
もちろん、そんな楽観は脇に置いて、能う限り痕跡を残さないようにしながら、リディアは探索を進めて行った。
金庫か、最初から探索からはずしていた。公文書や証文や金貨は執事が管理していたから、そこに秘密の書類を隠すはずがない。もちろん、ちゃんとした金庫の持ち主が携帯金庫を持っているはずもなかった。もし見つけたら――それは、そのときに考える。
机の探索が終わったら、次は書棚だった。紙きれ一枚なら、どうにでも隠せる。さすがに一ページずつ調べていては埒が明かないので、逆さにしてバサバサッと振って、何も落ちなければ元に戻した。
そうして、ついにリディアーヌは『証拠』を発見したのだった。それは本の後ろに隠されていた、薄っぺらな帳面だった。『奴隷慈悲院寄付帳』。表紙に、そう書かれていた。それは、母が強盗に襲われたとき、手提げ金庫とともに奪われたはずの帳面だった。
「母様、これで仇が討てるわ!」
廊下で見守っていた使用人が腰を抜かしかけたほどの大声の歓喜だった。
しかし、すぐに疑念が押し寄せる。なぜ、こんな決定的な証拠を、あの男は後生大事に残していたのだろうか。なにか、とんでもない見落としを自分はしているのではないだろうか。
そもそも。ほんとうにこれが決定的な証拠になるのだろうか。たとえば、念のために造られてあった写本だと主張されたら……?
ふっとリディアーヌの頭に正しい答えが閃いた。
「右署名だわ!」
その叫びは、同時に二つの意味を持っていた。
右署名は筆跡がぶれない。署名している本人に確認してもらえば、写本か正本か判別できるはずだ。いくら筆跡を真似るとはいっても、十人を超える署名者のすべてを完璧に模倣できるはずがない。
もちろん。こちらが正本でデジレは写本を持ち歩いていた――言い抜けることはできなくもないけれど。母が訪問したのは格上のブロワ伯爵夫人だ。そんな失礼なことはしないに決まっている。
そしてリディアーヌは、この帳面が別の悪巧みの証拠にもなることに気づいていた。格下の者がおいそれと入手できない右署名。それをこんなに隠し持っているというのは、書類偽造の意図があったのではないか。
亡き妻の形見などとは言わせない。内輪の話であるだけに、執事や使用人たちの証言でも重きをなしてくる。
それでもリディアーヌは喜びに我を忘れることなく探索を最後まで続けたが、他にはめぼしい証拠は出てこなかった。つまり――書類偽造を目論んだがゆえに、配偶者謀殺、ひいては子爵家簒奪の重罪が明るみに引きずり出されることになったのだ。いや、正確にいえば、そうなろうとしている。
リディアーヌは使用人の協力を得て、念のために確保しておいた抜け道に頼らず、堂々と馬車で逃亡したのだった。
========================================
エロイムエッスエムの無い部分ばかりでごめんなさい。
関係のない画像ばかりでごめんなさい。

でも、現役のオカズです。
舞台が昭和10年代か20年代かで、妄想の中身(=ストーリイ)がまるで変って来る画像というのは、なかなかに貴重です。
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