Progress Report A3:性少年包弄記
Progress Report A2→
なかなか進捗しません。
今日は確定申告に行って、帰りに甘デジで遊んで(ひさしぶりに勝てた)、このブログを書いて。それで終わりそうです。
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5.コックリング
水曜日には、胴の部分で35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグも挿入できるようになった。挿入中はずっとズキズキ痛いけど、それでも眠れるくらいには慣れて。
ついに29日が来た。お昼前に、いつものようにおんぼろアパート近くの公園でランクルに拾ってもらって、調教部屋のマンションへ。2人の男の人が、僕たちを待っていた。先生と2人きりだと思い込んでいたので、相撲小屋で小島さん以外の人もいたときよりも、もっと驚いた。
「あの……やっぱり、服は?」
この部屋では全裸が僕の普段着。でも、お客様がいるんだし。
後ろにいた先生が正面に回り込んできて。パシン。ビンタされた。そんなに痛くなかったけど。2発目をもらわないうちに、僕は服を脱いだ。相撲小屋でのことを覚えていたので、ちゃんとお客様に正面を向いて。アナルプラグと射精封じのリングは、そのまま。
僕が脱いでいるあいだに、先生はまた後ろへまわって。
「ちゃんと挨拶をしろ」
お尻を(かなり厳しく)たたかれて、とっさに正座した――のは、キミエさんのビデオを思い出したから。
「畑山薫です。……未熟なマゾですが、よろしくお願いします」
考え考え口上を述べて、土下座平伏。
「途中で泣きごとを入れても、聞く耳は持たんぞ」
短髪で、先生ほどではないけど筋肉質の人が言う。
「わかったな」
「……はい」
て、答えただけにしておけばよかったのに。またキミエさんを思いだして、心にもあることを言ってしまった。
「僕がどんなに泣いても嫌がっても気にせず、皆さんが満足するまで可愛がってください」
言っても言わなくても、たぶん結果は同じなんだろうけど。
「ほほう。なかなかに仕込んでいますね」
もうひとりの、先生と同い年くらいだけど比べものにならないくらいにぶよついてる長髪の人が、感心してくれた。
「さて、どうですかね」
部屋のまん中にあった小さなジャングルジムが、今日は解体されて四角い枠になってる。そこに、僕は大の字に縛りつけられた。それだけで、頭がぼうっとしてくる。胸の奥がきゅうんとねじられてる。でも、チンチンはせいぜい水平くらいにしかなってない。のは、リングで締めつけられてるせい。
アナルプラグが一気に引き抜かれて。
「ふん。合格だな」
家を出る直前に水で洗って挿れ直しておいて正解だった。
リングもネジを緩めて外してもらった。それでも、チンチンは水平以上に勃起しない。やっぱり、知らない人に見られてる恥ずかしさと、これからなにをされるんだろうって不安とがある。
「これが、マゾの試金石といったところですかね」
先生が、壁に掛けてあるいろんなムチの中から、細い革のリボンを束ねたようなのを手に取った。僕の後ろに回り込んで……
ひゅんっ、バチイン!
「……!」
お尻全体に痛みが破裂した。けど、表現はおかしいけど爽やかな痛みというか、もっとたたかれたいなんて思ってしまう。水平だったチンチンが45度くらいになった。
「へえ。素直なペニスですね」
「違いますね。こいつのは粗チンです。そして俺たちのはオチンポ様。名は体を表わすというやつです。間違えないでほしいですね」
ひゅんっ、バチイン!
痛くて気持ちいい。快感よりは、虐められてるって気分のせいで、チンチンがお腹を押し返すくらいまで勃起してしまった。
「そのままにしていろ」
短髪さんが大きなコップを逆さにして、僕のチンチンにかぶせた。
うわ……温かくてプルプルしてる。コップの中には固まりかけたゼリーみたいのが満たされてる。
短髪さんがチンチンの根元を指で押し下げて、コップの中心に合わせた。
「こういうのはどうだ?」
先生が後ろから抱きつく形になって、両手で僕の乳首をつまんだ。さわさわさわっと指の腹でなでられて、くすぐったいだけ。なのがわかったんだろう。爪を立ててつねられた。
「痛い……」
苦痛を訴える声色じゃなかった。
「ほほう。さらに勃起しましたな」
コップを持ってる短髪さんに言われるまでもない。今にも破裂しそうな感じになってるのが、自分でわかる。
乳首をつねられたり、お尻の穴に指をつっこまれたり。それが10分も続いたかな。
コップが抜き取られて。短髪さんはそれを持って、部屋から出て行った。
「まずは、ウォームアップといこう」
先生は革のリボンを束ねたムチを長髪さんに渡して、自分は猛獣使いが使うような長いムチを手にした。
「小野寺さんは、裏側をお願いします」
そうか。長髪さんは小野寺っていうのか。
小野寺さんが後ろへまわって、先生が正面に立った。ムチの長さを考慮して、うんと下がっている。
「いくぞ、薫。前も後ろも10発ずつだが、悲鳴をあげるたびに2発ずつ増やすぞ」
言い終えると同時に、先生は右手を水平に振るった。
しゅうん、ビッシイン!
「あがっ……」
長いムチは胸からお腹にかけて斜めに当たった。僕は悲鳴をこらえたんじゃない。切り裂くような激痛に息がつまって、声が出なかった。
バチャアン!
お尻だけでなく腰にまで、小野寺さんのムチが当たった。こっちは、痛くない。けど、爽快感もなかった。ムチがばらけすぎて空気抵抗に負けてるのかな。先生に比べて、ずっと下手くそだ。
しゅうん、ビッシイン!
「ぐっ……」
バックハンドでたたかれて、胸からお腹にかけてX字形にムチ痕が刻まれた。こんなので10発もたたかれたら、チェック模様になっちゃう。じゃなくて、耐えられない。
バチャアン!
「ぎゃああっ……!」
絶叫した。だって、すくい上げるように股間をたたかれた。ぎゅううっと股間が垂直にねじ切られるような激痛。ケンケンはできないけど、お腹に突き刺さってくる激痛から逃れようとして、腰をくねらせてしまう。もちろん、そんなことではどうにもならない。手足に縄が食い込んで――でも、それですこしは気がまぎれる。
「小野寺さん。そこは手加減してやってください」
先生が壁掛けから教べんを持ってきた。
「こういうムチで、じゅうぶんに狙いをつけて……」
すっかり縮かんでしまった粗チンを垂直に打ち下ろした。
「きゃああっ……」
急所を打たれる恐怖で、女の子みたいな甲高い悲鳴をあげてしまった。叫んでから、そんなには痛くなかったと気づく。
「これで悲鳴は2回。残り8発に加えて4発だな」
あう……。たしかに、そうだけど。すごく悔しい。
先生が、また長いムチに持ち替えて後ろに下がった。
「いくぞ。声を出すたびに増えるからな」
しゅうん、ビッシイン!
バッヂャアン!
前後同時にたたかれた。歯を食い縛って、声を殺した――のに。最初の2発と違って、長いムチは腰に巻きついていた。先生が腕を引くと、ムチが肌をこすって……
「熱いッ……」
悲鳴じゃないし、叫んだんでもないけど、声になっていた。
「また2発増えたな」
先生がうれしそうに言った。
うう。これじゃ、いつまで経っても終わらない。
「声を出せないようにしてやろうか」
先生が長いムチを巻いて手に持って、壁の戸棚からボールのような物を取り出した。ボールには端が金具になってる細いバンドがつながれてる。サルグツワだ。
こういうのって。僕を気づかっての提案のように聞こえるけど、実は命令なんだと、それくらいはわかる。そして、命令には絶対服従。そのうえ。
「お願いします。サルグツワをしてください」
こんなふうに答えなきゃいけないんだろうな。
「ふふん」
ボールを口元に突きつけられて、僕は素直に口を開けた。
ぐぼっと押し込まれて、細いバンドがほっぺたをくびった。
「んんん……」
まったく声が出せない。なのに。
「まだうめき声が漏れるな。鼻もふさいでやろう」
じょ、冗談! 窒息しちゃう!
冗談じゃないみたいだ。先生が洗濯バサミを鼻に近づける。
「んんん、んんっ……!」
顔をぶんぶん振って、全身でもがいて。ふと、思った。もしかして、絶対服従を試されてる? それに。僕を殺していちばん困るのは先生じゃないかな。絶対にばれる。死刑じゃなくても無期懲役だ。
僕は無駄なあがきをやめた。先生の目をじっと見つめる。信じてますって、目で訴える。そして、何度も深呼吸。あと13発だっけ、14発だっけ。立て続けに打たれるなら、せいぜい1分か2分。
先生も、僕がじゅうぶんに息を吸って止めるまで待っててくれた。
「では、早いとこ楽にしてやりましょう」
声と同時に――ムチの連打が始まった。いや、乱打だ。これまでみたいに、前後のムチがシンクロしていない。
ビッシイン!
バチャッ!
ビッシイン!
「んぶ……」
バジャジャン! バチン!
ビッシイン!
「んっ……」
鼻をふさがれてるのに、無言の悲鳴が鼻から抜ける。そのたびに耳がキインと鳴って、どんどん息苦しくなる。
ビッシイン!
バジャン! バジャン!
ビッシイン!
先に後ろが終わって、それから正面だけ3発。そして、ムチが止まった。
鼻の洗濯バサミが取り除かれた。
「んぶふう……んぶっ、ぶふ……ふううう」
涙を吸い込んで、鼻水が逆流して、むせながら空気をむさぼった。
「意外とあっさり終わって、物足りないだろうな」
先生の声が粘っこい。なにか企んでる。それが分かるくらいには、先生のことを理解するようになっていた。
「ムチには、まだまだいろんな種類がある。さっきの教べんもだが、竹刀のように竹を束ねたムチもあれば、バラムチにカギを仕込んだ九尾ムチもある。その気になれば、ズボンのベルトや電気コードも立派なムチになる。体験させてやろうか?」
今のは完全な質問だから――僕は、ぶるぶると頭を横に振った。なのに。
「嫌ならイヤと、はっきり言え。返事がないのは、承諾ということだな」
ひきょうだよ、ずるいよ。サルグツワで言葉を封じておいて、返事をしろだなんて。
「では、望みどおりにいろんなムチを味わわせてやろう」
望んでない!
先生は猛獣使いのムチを壁掛けに戻して、床でとぐろを巻いている縄束を取り上げた。バスルームから洗面器を持ってきて、縄束を浸す。
「これは一本ムチと違って肌を切り裂くことはない。しかし、破壊力は大きいぞ」
縄束をほぐして三重の輪にした。
「さっきから悲鳴が聞こえないと思ったら、ギャグですか。初心者には厳しい責めじゃないですか」
アコーデオンカーテンが開いて、マッチョの短髪さんが戻ってきた。せいぜい先生の平常時くらいの小さなペニスの模型を手に持っている。
「鉄は熱いうちに打てといいますからね。最初からハードに鍛えておけば、たいていの責めに悦虐を覚えるようになります」
「さて、それはどうですか。私などは、じわじわとジュンチしていく過程が楽しいですがね」
「それもそうですか。アメとムチのムチばかりでも、可哀そうかもしれませんね」
先生は縄束を洗面器に戻して、サルグツワをほどいてくれた。いろんなムチを味わわなくてもよさそうだと安心したんだけど。
「とはいえ、せっかく準備したわけだし。一発くらいは楽しませてやろう」
それ、他動詞じゃない。楽しむ――自動詞だ。
先生は洗面器から縄束を取り出して、ぎゅっと絞った。
「声を出さなかったら、ほんとうに一発だけで勘弁してやるぞ」
先生が後ろに立ったので、ぼくは少しだけホッとした。お尻なら耐えられる(かもしれない)。
ぶゅうん。凄まじい風切り音。
ビッジャアアン!
「あぐ……」
これまでのムチとは異質の、重たい衝撃。すごく痛い。のに、打たれた直後に、すこしだけ気持ち良くなった。のは、縄束が水で冷やされていたせいかもしれない。これまでのムチ打ちで、全身が焼けるように熱く感じていたんだ。
ほんとうに、その1発だけで赦してもらえた。ジャングルジムの枠からも解放された。
胸もお腹もお尻も背中も、ずきずき痛い。タマの鈍痛もすこし残ってる。けど、へたり込むほどじゃなかったので。僕は自発的に整列休めの姿勢をとった。
先生はしばらく僕の裸を見ていた。あんなに激しくムチ打たれて、前も後ろもムチ痕だらけ。何カ所かは肌が裂けて血も流している。のに、見られているうちに勃ってきた。
「まったく現金なやつだな」
ぴんっと粗チンをデコピンされて、ますます硬くなってしまう。
「とはいえ、責められているときは委縮していたか。まだまだマゾ修業が足りん」
修行ったって。変態サポーターを見つかって、まだ2週間だよ。近くの公園と市営運動公園と相撲小屋と――今日で4回目。あ、でも。独り遊びは何十回としてるか。
そのうち。さっきみたいに厳しくムチ打たれてるあいだも勃起しっぱなしになるのかな。まさかとは思うけど。
「それはそうと……」
先生が、また戸棚から新しい品を取り出した。分厚い首輪と、それにつながれた金属の手錠。キミエさんが着けられてたやつだ。
「これだけ傷だらけでは、縛るわけにもいかんからな」
ビデオとは違って、捕虜のポーズで手錠を掛けられるんじゃなくて、整列休めの姿勢から腕をねじ上げられた。芳比呂お兄さんがされてたのと似てる。肩がひねられて痛いけど、手錠の鎖が喉を巻かないだけ手首の位置が下がって、すこしは楽なのかな。
バスルームに連れ込まれた。新しい道具が増えている。点滴スタンドそっくりだけど、薬液を入れた袋じゃなくて、ビーカーの親玉みたいな透明な容器が釣られている。底からは点滴の何倍も太いゴム管が伸びていて――先端は金属のネジになっている。
マッチョ短髪さんが、そこにペニスの模型をねじ込んだ。
「薫クンの最大勃起模型だ。自分の粗チンに犯されるなんて、そうそうできる体験じゃないぞ」
最初にかぶせられた、ゼリー詰めのコップ。あれで型取りされたんだ。
僕はバスタブの中であお向けにされた。腕が押しつぶされて、ますます肩が痛い。なんてのは、序の口。足を持ち上げられて180度に折りたたまれ、首の下に鎖を通された別の手錠に足首から20cmくらい上のところをつながれた。もう、自分で起き上がれない。
「これくらいは情けをかけてやろう」
意味不明だけど、頭をシャワーキャップで包まれた。
「最初は1リットルだけで勘弁してやる」
点滴スタンドに釣られてる容器に、水が注がれた。水じゃないかもしれない。透明だけど、動きがどろっとしている。
僕は裏返しにされて、お尻の穴が天井を向いている。そこに、粗チンの模型を押しつけられた。すごくぬるぬるした感触。やっぱり水じゃない。
「35mmがいけるなら、これくらいは余裕だな」
ずぶうっと突き立てられた。
「痛いっ……」
痛くて熱い。そして、内臓を押し上げられる圧迫感。でも、たしかに。35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグを自分で挿れるのに比べると、ずっと楽だった。それが自分の模型だから……男としての自尊心が傷つく。でも、まだ成長期だもん。そのうち、先生と同じくらいに大きくなる――としたら、それはそれで、ちょっとグロテスクかな。あ、いや。先生のオチンポ様がグロテスクって意味じゃない(かなあ?)。
なんて考えてるうちに。冷たい液体が、じわじわと押し入ってきた。そうか。芳比呂お兄さんは水道水を注入されてたけど、これも同じことだ。でも圧力が低いから、ちっともつらくない――のは、最初のうちだけだった。
先生たちはバスルームから出ていって、ひとり放置されて。
これでお腹の中がきれいになったら、いよいよ先生にアナルバージンを奪われる、いや奉げるんだと、どきどきおどおど感傷にふけっているうちに。だんだんお腹が痛くなってきた。ぐるぐるきゅう――お腹がうねくっている感じ。出しきってきたなのに、ウン千をしたくなった。それが、だんだん激しくなってくる。
容器の中の液体は、目盛がまだ400のあたりまで残っている。早く終わってくれないかな。そのことしか考えられなくなってきた。
350……300……250……
口はふさがれてないけど、先生を呼んだりはしない。無視されるか、お仕置きされるかのどちらかだと、もう分かってる。
先生のオチンポ様って、35mmのアナルプラグよりは太い。目で見た感じじゃない。口にくわえての実感。だけど、芳比呂お兄さんがアナル四股で挿れてた子供用バットよりは細い。あ、でも……グリップのとこは、わりと細かったし。
あれこれ考えても、しょうがない。太かろうと細かろうと、そのときになったら、どれくらい痛くて苦しいかわかるんだから。
でも、なんか違うんだよなあ。女の子が恋人に初めてを奉げるときの悦びと不安とは、根本的に違うような気がする。そりゃまあ――僕の知ってる女の子心理って、少女漫画の知識しかないけど。
ガラッとバスルームのガラス戸が開いて、先生が来てくれた。
「ちょうど終わるところだな」
容器の中身は、底の丸っこいあたりにちょっとだけになってる。
先生はゴム管に大きなクリップを着けた。
「あと30分ほど楽しんでいろ」
すぐにガラス戸が閉まった。
え……30分? あれこれ考えて気を紛らわしてたけど、ふだんなら大急ぎでトイレに駆け込む段階まで切迫してる。それで30分なんて、拷問だよ。さっきのムチ打ちなんかより、ずっと厳しい。でも、命令だから絶対服従しなくちゃならない。こんな状態じゃ、どんなに抵抗しても、どうにもならないけど。
それに。30分と先生は言ったけど。ここには時計がない。意地悪で1時間に引き伸ばされたって、僕には分からない。あ、訂正する。もし時間を引き伸ばしたとしても、それは意地悪なんかじゃない。マゾの僕を調教するためだと思う。それとも、サドの先生の楽しみのためかな。
もしかすると、僕は先生に感謝しなくちゃいけないのかも。だって、自分でこんな遊びをしても、絶対にギブアップしてしまう。苦しくてもつらくても我慢するしかない。そんなシチュエーションは、独り遊びの定番妄想だけど、実際には先生がいないと実現できないんだもの。というか。絶対に自分ではできない本格的な後ろ手縛りを体験できただけでも、先生との出遭いは、これまでの人生で最大の幸せだったと思う。
だけど、ほんとうに! ウン千がしたい。お腹が痛い!
もしかして、うんといきんだら模型粗チンを押し出せるんじゃないかと思ったけど。そしたら抜けないように固定されて5リットルで1時間とかになるだろうから、絶対に我慢するしかない。
……考えてみたら(考えなくても)、変態サポーターがばれてからたった2週間で、とんでもないことになってる。2週間後には、どうなってるんだろうか。2か月後には?
あ、でも。環境が激変して何もかもが新鮮に思えたのは、入学して半月かそこらだったよね。あとは、だんだん新しいことが増えながら、基本的には繰り返しの1年間だった。これも、同じなのかもしれない。彼に初めてを奉げるシーンは描かれても、12回目を奉げるなんてシーンは描かれない。
でも。ファーストキスがあって、最初のBがあって、ロストバージンがあって、最初のSMがあって、最初の出産があって……それと同じかもしれない。まだ、ローソク責めも水責めも針責めも逆さ釣りも(他にも、僕の知らない責めが、いっぱいあるはず)体験してない。なんて、哲学とエロがごちゃ混ぜになって。
ガラス戸の開く音が聞こえたときは、ものすごくホッとした。もう30分なんて言われるんじゃないかと、それにはおびえていたけど。
そんなことはなくて。
「頑張ったな。えらいぞ」
褒めてくれて。ぐぼっと模型粗チンを引っこ抜かれた。
「え、ああああっ……?!」
括約筋を締めようとしたけど手遅れ。
ぶじゅううううう……すごい勢いで噴出。斜め60度くらいだったのが、せめてもの救い。真上だったら、悲惨なことになってる。バスタブが広いので、放物線を描いて、ぎりぎり壁にはかからずにすんだ。そのかわり――背中が気持ち悪い。シャワーキャップがなかったら、そうか、これが先生の言ってた『情け』だったんだ。
噴水が止まったら、今度はゴムホースで水道水を注入された。お腹の苦しさで判断すると、さっきよりたくさん、2リットルくらいは入れらたと思う。これは、すぐに噴水させてもらった。
それから、足錠と手錠をはずしてもらって、バスタブの中で温水シャワー。すっかりきれいになって、バスタオルで身体を拭いて。なんだか、ひと仕事終えて疲れ切った気分。だけど、甘えさせてはくれない。
調教部屋にはベッドがない。でも、梯子を水平にしたような拷問台とか、ハリツケの柱とかはある。僕は立ったまま上半身を水平に伸ばした姿勢で、陸上競技のハードルみたいな道具に拘束された。ハードルの上辺には小・大・小の順で半円の切り込みがある。そこに、両手と首を乗せられて、同じように切り込みのある板で上から押さえつけられた。上下の板をボルトで締め合わせると、身動きできなくなる。
拘束されている途中で、先生の目論見がわかった。お尻は都合の良い高さで後ろに突き出されている。口も同じ高さ。ということは……そういうことなんだ。
「いよいよ、ロストバージンの時だぞ。といっても、ケツ穴に処女膜などないし、プラグだの自分自身だのをくわえ込んできたわけだから、今さらだがな」
「それを言っちゃあ可哀そうですよ。御主人様に初めてを奉げるのだから、それなりに感慨はあるでしょうよ」
マッチョ短髪さんが、にやつきながら言う。
「どうかな、うん……?」
と、振られても。正直、自分にもわからない。
「……これでやっと、一人前のマゾになれるんだと思います」
それは本心。の証拠に、粗チンがお腹に貼り付いてる。
「生意気を言うな」
「痛いっ……」
ぴしっと、タマをデコピンされて、もだえた。といっても、肩を動かせないんだから、お尻だけ振って誘っているように見える。というのも、僕の真横は壁一面の鏡だから。自分の被虐姦たっぷりの晴れ姿(?)が、いやでも見える。案外と、いやじゃない。僕って、けっこうナルシストかな。
「ケツにオチンポ様をくわえ込んで、やっと半人前のマゾガキといったところだ」
卒業までの2年をかけて、ちゃんと一人前に調教してやる――なんて言われた。なんとなく分かってはいたけれど、学校にいるかぎり、先生からは逃げられない。今のところ、逃げようなんて、これっぽっちも思ってないけど。
ぬるんと、冷たい感触があった。油かなにかを着けた指で、お尻の穴をもみほぐされている。これ、すごく気持ちいい。
「あ……んん」
自分でも甘ったるいと思える裏声が鼻に抜けちゃった。もちろん粗チンは痛いくらいに膨れてる。けど、射精の欲求はなかった。
「いくぞ。大きく口を開けて、ゆっくり深呼吸していろ」
はあい。すうう……はああああああ。すうう……はああ
「ぎひいいっ……痛い! 熱い!」
35mmのアナルプラグ(しつこいけど、カリクビは40mm)とは比べものにならない激痛がお尻の穴を中心に広がった。熱く焼けただれていくような感覚。
みちみちみちと、強引に穴を拡張されている。それが数秒続いて。
ずぬうっと、一気に内臓が押し込まれるような感覚があった。姦通の一瞬だった。
「はああああああああ」
挿入されてみると、意外と痛みは小さくなった。これって、アナルプラグで慣らした成果かな。2週間前にいきなり挿入されてたら、ぎゃんぎゃん泣くか失神してたと思う。
アナルプラグと本物の違いは太さよりも、むしろ長さにある。アナルプラグでは届かない奥のほうまで、ずぬうううっと押し入ってくる。
あ……なんか、気持ちいい。というのとも違うかな。奥のほうのどこか一か所が、粗チンに直結してる感じ。そこを突かれると、粗チンがドクンと脈打つ。微妙に射精感が刺激される。これも気持ちいいというより、切ないって感じ。
ずにゅうっと引き抜かれる。のは途中までで、また押し入ってくる。
ずにゅうう、ずぶっ。ずにゅうう、ずぶっ。それが何度も何度も繰り返される。そうか、これがピストン運動をされる感覚なんだ。そのたびに、お尻の穴の入口で痛みと熱さとが脈動するのだけど――それさえも、切なさを盛り上げてくれる。
「あ……」
不意に粗チンをつままれて、声が漏れちゃった。
「くうう……それ、やめて」
射精感がぐぐうっと膨れあがってきて、思わず拒絶の言葉。しまったと思ったけど、しかられなかった。いったん手が止まって、今度はくりくりとカリクビを円周に沿ってなでられた。
「あ……出、出ちゃう」
出なかった。また指が止まって。ずんずんずんと激しくお尻を突かれて。じゅうぶんに耐えられる痛みがうねくって、射精感が遠のいて。また、粗チンをいじられる。
「初セックスの感慨もひとしおだろうが……」
マッチョ短髪さんが正面に立った。下脱ぎで、斜め上まで勃起したオチンポ様が僕の目の前に。
「こちらの相手もしてもらおうか。こっちは慣れているんだろ」
慣れてなんか……ええと、先生に3回と小島さんに1回で。芳比呂お兄さんにはしてもらってるから。初心者でもないよね。
僕は口を開けて、マッチョ短髪さんが突っ込んでくれるのを待った。ハリツケにされているから、自分では首を伸ばせない。首が伸びたらオバケだよ……なんて冗談が浮かんだんだから、やっぱり場慣れしてる?
マッチョ短髪さんのオチンポ様は、先生のよりすこしだけ小さかった。それがうれしい。くわえるのが楽だという意味じゃなくて、なんていうのかな。
女の人が「あたしの彼氏のオチンポ様のほうが、おっきい」て自慢するのと同じじゃないのかな。ということは。僕の心の中で、先生はいつのまにかそういう存在になっていたんだ。
「ぼさっとしとらずに、せっせと奉仕しろ」
鼻をつままれた。そのまま、指をはなしてくれない。そうか、息を吸い込んでビブラートしろってことなのかも。
ずぢゅすううう……ぶふううううう……やっぱり、空気が抜けてうまくできない。
「戸坂さんには悪いが、仕込みが足りませんね」
「面目ない。お手数ですが、仕込んでやってください」
ほっぺを手の平で両側から挟まれた。
ずぢゅゔゔゔ……ぶる゙る゙る゙……
「その調子だ」
コツがわかったので、補助がなくてもできるようになった。
「舌も動かせ。歯を立てずにかんでみろ」
芳比呂お兄さんにしてもらったのを思い出しながら。舌先で裏筋をなめたり、おしこの穴をつついたり。歯に唇をかぶせてかんでみたり。
「ぎこちないが、まあまあだな」
オチンポ様が動きだした。その動きに合わせて、カリクビを歯でしごいたり、根元をなめたり。もちろん、ビブラートも忘れない。
僕が正面のオチンポ様に奉仕しているあいだも、お尻の穴へのピストンは続いてる。前後のピストン運動がだんだんシンクロしてきて――というか、僕の頭の中でふたつがゴッチャになってきたのかな。
あ……先生のピストンが急ピッチになってきた。と思ったら、お尻の穴にかすかな振動を感じて。ピストンが止まった。
ずぬううっと、引き抜かれた。そうか、先生は射精したんだ。
口での奉仕は、まだ続いてる。これって、ピストンされてるからイラマチオかな。僕も奉仕してるからフェラチオなのかな。どっちでもいいけど。顎も舌も疲れてきた。早く終わってほしい。
「では、こちらもラチを明けますか」
マッチョ短髪さんの動きも急ピッチに、そしてストロークも大きくなった。
喉の奥まで突き込まれて、そのたびに(わずかだけど)吐き気がこみ上げる。チン毛が鼻の奥を刺激してクシャミが出そうになる。どっちも、すでにおなじみの感覚。
あ、オチンポ様が急に膨らんだ――と感じた瞬間、唇にはっきりと脈動を感じて、同時に喉の奥は軽い衝撃。余裕で受け止めて、舌を動かして精液を口の中に戻してから、ゴックン。やっぱり、ずいぶんと慣れてきてるね。
すぐに、小野寺さんが正面に立つ。同じようにフェラチオ+イラマチオ=フェラマチオで奉仕を始めた。
カリクビに沿って舌をはわすとか、ペニスではなくタマをほお張って口の中で転がすとか(根元のほうに釣り上がってるから難しい)、マッチョ短髪さんとは違うテクニックを教わりながら――割と短い時間で射精してもらえた。
そして、ここからがほんとうの意味での調教の始まりだった。
ジャングルジムが組み替えられて、大きなテーブルみたいになった。物を載せる部分は板ではなく30cm間隔のハシゴになってる。僕はその上にあお向けに寝かされたんだけど、ブリッジの姿勢にされて、手足をテーブルの脚に縛りつけられた。
「これまではホースバンド単体だったが、コックリングはずっと厳しいぞ」
先生が、知恵の輪みたいな小道具を持ってきた。ホースバンドというのは、カリクビに巻いてネジで締めつけていた金属の帯だけど、これは太い針金でできている。大きめの輪をV字形に組み合わせたものと、小さめの輪をV字形に組み合わせたものとが向かい合って、ひとつになっている。輪と輪が組み合わさっている反対側には、小さなネジが組み込まれているから、やっぱり直径を調節できるんだ。
その輪が緩められて――大きな輪が粗チンに通された。ひとつは玉袋の裏まで、もうひとつは玉袋の手前。小さな輪は、ひとつずつタマに通された。と、簡単に表現したけれど。実際には粗チンを折り曲げたり伸ばしたり、タマを無理に押し込んだりで、装着されるだけでも拷問だった。なのに。ネジがひとつずつ締め込まれていく。
「くうう……痛い」
うめいても手加減なんかしてくれない。
締め終わると、わざわざ鏡を持ってきて、どうなっているのか見せつけられた。まるでキンカンがふたつとナスが一本、股間に実っているみたいだった。ナスは赤黒く色づいてガチガチになっている。
「着けているだけでもつらいだろうが、ほんとうのつらさは射精できないことだ」
そう言って、先生は輪にした指に唾を塗って、粗チンをしごいた。しごかれると、タマも付け根も引っ張られて鋭い痛みが生じる。なのに、ますます怒張して……
「あっ……出る!」
出なかった。粗チンの根元を締めつけられてるそこで、精液がせき止められてる。射精感がつのっても爆発しない。それが、すごくつらい、切ない、もどかしい。
「お願いです、リングを緩めてください」
半泣きでお願いしたけど、先生を喜ばせただけだった。
「つらいだろう。しかし、それもマゾの快感だ。たっぷり味わってろ」
先生は粗チンをしごくのをやめて、僕からはなれた。
アコーデオンカーテンの向こうから、大皿に盛ったオードブルを持ってきて、僕のお腹の上に置いた。
「じっとしてろよ。こぼしたら、5リットルで20分のあいだにムチで百たたきだ。ついでに、おきゅうも据えてやる」
脅かしながら、破裂しそうになってるナスの先っぽを指でつつく。おきゅうなんて経験はないけど、亀頭の上で火を燃やされるんだから、とんでもない熱さなんだろう。だけど、先生は本気じゃないと思う。だって、ビール瓶は床に置いてくれたもの。
「なんですか、その5リットルとかいうのは」
小野寺さんが質問して、先生が5日前の相撲小屋での出来事を簡単に説明する。そのあいだに、3人のコップにビールが注がれる。
「なるほど。ビール瓶が633ccでしたね。その8倍ですか。きゃしゃなこの子には無理じゃないですか」
「無理かどうか、試してみればわかりますよ」
恐ろしいことを言いながら、先生が乾杯の音頭をとって。3人ともビールを一気に飲み干して、あとはちまちまと、クラッカーとかチーズとかサラミとかを食べている。
「おまえにも飲ませてやろう」
先生がビールを口にふくんで、顔を真上から近づける。
僕は返事をするかわりに、顔を動かさずに口をすこしだけ開けた。これ、先生とのファーストキスだ。オチンポ様へのキス(だけじゃない)が先で、ふつうのキスが後回しなんて、なんか順番が違う。と思ったんだけど。サドからマゾへのキスは、特上のご褒美なんだということを、後で教わった。
冷たいビールが口いっぱいにあふれて。ごくんと飲み干したら、すぐに頭がぽわんとしてきた。いくらなんでも早すぎる。お酒を飲まされたっていう自己暗示かな。でも、いいや。射精感が薄れて楽になったもの。
「同好の士が増えるかと思っていましたが、どうも相撲で可愛がるというのは方向性が違うと思いましたね」
「そりゃそうだ。拘束して一方的にもてあそぶのでなければ、面白みがない」
「いや。物理的に縛らないで、身体を動かすなと言葉で縛るのも支配欲を満たしてくれますね」
「ちょっとでも動いたら二度と虐めてやらんと脅しますかな。おのれがマゾだと思い知るというわけです」
なんかSM哲学みたいな議論を交わしながら、僕のことはまったく無視してる。のに、粗チンは勃起したまま。僕の気持には関係なく、委縮する気配もない。のは、動脈の圧力で海綿体に血液が流れ込んでも、リングで締めつけられているから静脈がせき止められているからだ。それくらいは分かる。けど、自分の身体に裏切られてるみたいで、惨めになってくる。
そんな虚しい時間が30分は続いて。
「そろそろ、地獄タイムといきますか」
なんだか恐ろしい言葉で、責めが再開された。また、鳥居形のハリツケ台に掛けられて。今度はオチンポ様じゃなくて、先生のと同じくらいのサイズの模型ペニス(透き通った紫色で、根元に突起がついてたりして、あまりリアルじゃない)を挿入された。
ブウウウウウンンン……振動がお尻の穴をくすぐって、お腹の中をかき回す。これがバイブだと、そのときになって気づいた。SM雑誌のグラビアや通販ページで見たことはある。けど、実物は初めて。
先生はバイブをゆっくり抜き差ししながら、角度を変えて腸の中をえぐる。そのうち、お腹に近い側の一点を刺激されて。
「ひゃっ……」
甲高い声が漏れてしまった。す、すごい……お酒でぽわんとしてる頭に、濃い霧がかかったみたいになって、ズキンズキンと粗チンが脈動する。先生にしごかれたときとはケタ違いの射精感が粗チンの付け根で膨れあがって……
「ああああっ……」
激痛が走ったと同時に、リングの締めつけをはね返して射精してしまった。気持ちいいのと痛いのとが同時。
どくどく……どくん。粗チン全体が脈動してる。お腹一面に精液が飛び散った。
「はああああ……」
激痛はすぐに去って。あとには、射精後の幸福感と虚脱感が訪れる。先生は地獄タイムなんて言ってたけど、極楽タイムだよ。と思ったのは早計だった。
ハリツケから解放されたら、すぐに縛られた。Hでマゾな気分は消失してるから、腕の自由を奪われても、ちっとも胸ときめかないし、縄が肌をこする感触は不快なだけ。なによりも、まだSMが続けられてるってのが、いちばんしんどい。
そうか。先生たちも射精後はサド気分が薄れて、それで軽食の時間で回復させたんだ。だから僕も、すこしのあいだだけ我慢してたら、またスイッチがはいるかな。
先生たちも、それを待ってるみたい。これまではサド教師と特待性徒の間柄だったけど、世間一般(かなあ?)では、御主人様とドレイの関係にあたるんだから、そのつもりでいろとか。ドレイの基本姿勢とか。マゾ心を刺激されるようなことを、あれこれ教わった。
基本姿勢は、立っているときは整列休めか捕虜のポーズ(キミエさんがしていたような、頭の後ろで手を組むやつ)。そして座っているときは正座。ただし、両足は直角に開いてかかとを立てておく。そうすると股間が宙に浮いて、常に虐めてもらう体勢になっている。
実際にその姿勢で座ると――マゾ気分がよみがえってきて、粗チンが反応しちゃった。
「よし、外に出ろ」
部屋の右側の壁は一面の鏡になっていて、左側はバスルームに通じる引き戸の他はSM道具の収納場所。正面の半分くらいは大道具で占められているけど、その奥はカーテンが掛かっていて、ベランダに通じる大きな窓だった。ここは角部屋で、ベランダがL字形になっている。ベランダは半透明のプラスチックの波板で遮られているから、外からは見えない。隣のベランダとの間も、背の高い仕切り板がある。
だけど、全裸で縄で縛られてるんだよ。いくらマゾ気分が復活してても恥ずかしいというか怖い。でも、こんな惨めな姿をアカの他人に見られて蔑まれたい――なんて気持ちも、すこしはあったりして。
とにかく、御主人様の命令だし。強引に立たされて、背中を小突かれて、仕方なくベランダに出た。床には青いシートが敷かれている。
「そこで2発目を出せ」
意味はわかったけど、どうやって――というのは、自分で答えを出した。シートに寝転がって、太ももの間に半勃起の粗チンを挟んで。ぎゅうっと締めつける。そして、全身を反らしたり伸ばしたりすると、きゅるんきゅるんと粗チンが皮のなかでしごかれる。
「ん……ん……ん……」
繰り返してるうちに、亀頭のあたりに快感がにじみ出てくるんだけど。もう射精してるし。手でしごくのに慣れちゃってるから、精通のときみたいに込み上げてはこない。
「それじゃラチが明かんだろう。腹の下に敷いて、腰を動かせ」
横向きになって足を緩めると、粗チンが太もものあいだから飛び出して、お腹にくっつく。また、うつぶせになって。腰を横に動かすと、粗チンが転がって……太ももに挟むほどの刺激にもならない。尺取虫みたいに前後に揺すると……これ、気持ちいい。ので。足を開いて膝を曲げて。
うん、うん、うん、うん……前後に揺すりながら、横への動きも交えてみる。切なさが腰の奥から粗チンの先っぽまで突き抜けて……ああっ、出ちゃった。
ふううう。なに馬鹿なことしてるんだろう。そう思うのは、マゾH気分が蒸発したせい。学校の先生とか、知らないオトナたちに見られながら、腰をヘコヘコうごかしてペニスを床にこすりつけて……
「自分で出したものは自分で始末しろ」
手が使えないんだから、なめてきれいにしろってこと。やだなあ――なんて軽いものじゃない。嫌悪感。だけど拒否したら、5リットル20分で百たたきかな。マゾH気分が充実してるときは、恐怖が7割で期待が3割かもしれないけど。今は、そんなの絶対に嫌だという、それだけ。
身体の位置を変えて、腹ばいのまま、白い粘っこい液体を舌でなめ取る。かすかな漂白剤の臭いが、すごくいがらっぽい。わずかなしょっぱさが、喉に絡みつく。2発目なのに、ずいぶんたくさん出てしまった。
コックリングのせいで、射精したのにペニスは勃起したまま。それをお腹で押しつぶすものだから、その刺激が……心地悪い。
なんとかなめ取ったと思ったら。お腹に付いてたのが、シートの別の部分になすりつけられてる。また身体の位置を変えて。腰をひねってお腹を浮かして――は、舌がシートに届かない。ので、またお腹をシートに押しつけて、なめ取って。
また、お腹を押しつけてたところがちょっぴりだけシートに。それもなめ取る。
何度も繰り返して、シートもお腹も、やっときれいになった。頃には、勃起した粗チンをシートに押しつける刺激が、心地良くなっていた。
立ち上がった僕を見て、3人がそれぞれに微苦笑。
「元気がいいな」
「この年頃のガキは、頭の中の90%はエロだというが……」
「とりあえず、連チャンといきましょう」
部屋の中に立たされて。
先生がアコーデオンカーテンの向こうから電気掃除機を持ってきた。これ、ビデオで観たやつだ。
ビデオで観た通りにアタッチメントが取り外されて、太いホースが粗チンを狙う。
シュボオオオオオ……ホースに吸い込まれる空気が露出している亀頭をくすぐって、スウスウした。のは、一瞬。すぽんと、粗チン全体が吸い込まれた。先生がホースの筒先を握って、親指で僕のお腹を押さえながらホースをすこし引き離した。
シュゴオオオオオ……
くうううう、くすぐったい。痛いけど気持ちいい。芳比呂お兄さんにフェラチオでビブラートしてもらったときの百倍以上の刺激。たちまち腰の奥で射精感が膨らんで。
「ああっ……」
射精の瞬間に、小さく叫んだ。がくっと膝が砕けかけた。のを、この人たちは見逃さなかった。
「ほう。あっさりと出しましたな」
「どうだ、堪能したか?」は、僕への質問。
「はい……」
堪能というか。もう、こんなのはやめてほしい。家に帰してとまでは言わないけど、すぐに縄をほどいて、1時間くらいは構わないでいてほしい。なのに……
「では、そろそろ始めますかな」
マッチョ短髪さんがうながして。いったん僕の縄がとかれた。でも、すぐに両足と両手首に縄が別々に巻かれた。
いつのまにか、鉄パイプのテーブルが元の四角い枠に戻っている。そこに大の字ハリツケにされた。そして、ボールのサルグツワをかまされた。
「絞りきられた後の責めはきついぞ?」
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この章はまだまだ続きます。エアガンで正面に水玉模様を刻んで、しつこく絞り取って。背面はチェッカー模様にして。
ところで、コックリングは皆様御存知でしょうが。こういうやつですね。

タマを2個イチにすればこの画像の3連リングです。左右別々にすれば、本章で登場した4連になります。本章では、個々のリングをガスクランプ式にネジで締めつけることができるようになっています。市販品では見たことがありませんが、実現不可能な構造ではないです。
さて。せめて3月中には脱稿したいのです。
なかなか進捗しません。
今日は確定申告に行って、帰りに甘デジで遊んで(ひさしぶりに勝てた)、このブログを書いて。それで終わりそうです。
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5.コックリング
水曜日には、胴の部分で35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグも挿入できるようになった。挿入中はずっとズキズキ痛いけど、それでも眠れるくらいには慣れて。
ついに29日が来た。お昼前に、いつものようにおんぼろアパート近くの公園でランクルに拾ってもらって、調教部屋のマンションへ。2人の男の人が、僕たちを待っていた。先生と2人きりだと思い込んでいたので、相撲小屋で小島さん以外の人もいたときよりも、もっと驚いた。
「あの……やっぱり、服は?」
この部屋では全裸が僕の普段着。でも、お客様がいるんだし。
後ろにいた先生が正面に回り込んできて。パシン。ビンタされた。そんなに痛くなかったけど。2発目をもらわないうちに、僕は服を脱いだ。相撲小屋でのことを覚えていたので、ちゃんとお客様に正面を向いて。アナルプラグと射精封じのリングは、そのまま。
僕が脱いでいるあいだに、先生はまた後ろへまわって。
「ちゃんと挨拶をしろ」
お尻を(かなり厳しく)たたかれて、とっさに正座した――のは、キミエさんのビデオを思い出したから。
「畑山薫です。……未熟なマゾですが、よろしくお願いします」
考え考え口上を述べて、土下座平伏。
「途中で泣きごとを入れても、聞く耳は持たんぞ」
短髪で、先生ほどではないけど筋肉質の人が言う。
「わかったな」
「……はい」
て、答えただけにしておけばよかったのに。またキミエさんを思いだして、心にもあることを言ってしまった。
「僕がどんなに泣いても嫌がっても気にせず、皆さんが満足するまで可愛がってください」
言っても言わなくても、たぶん結果は同じなんだろうけど。
「ほほう。なかなかに仕込んでいますね」
もうひとりの、先生と同い年くらいだけど比べものにならないくらいにぶよついてる長髪の人が、感心してくれた。
「さて、どうですかね」
部屋のまん中にあった小さなジャングルジムが、今日は解体されて四角い枠になってる。そこに、僕は大の字に縛りつけられた。それだけで、頭がぼうっとしてくる。胸の奥がきゅうんとねじられてる。でも、チンチンはせいぜい水平くらいにしかなってない。のは、リングで締めつけられてるせい。
アナルプラグが一気に引き抜かれて。
「ふん。合格だな」
家を出る直前に水で洗って挿れ直しておいて正解だった。
リングもネジを緩めて外してもらった。それでも、チンチンは水平以上に勃起しない。やっぱり、知らない人に見られてる恥ずかしさと、これからなにをされるんだろうって不安とがある。
「これが、マゾの試金石といったところですかね」
先生が、壁に掛けてあるいろんなムチの中から、細い革のリボンを束ねたようなのを手に取った。僕の後ろに回り込んで……
ひゅんっ、バチイン!
「……!」
お尻全体に痛みが破裂した。けど、表現はおかしいけど爽やかな痛みというか、もっとたたかれたいなんて思ってしまう。水平だったチンチンが45度くらいになった。
「へえ。素直なペニスですね」
「違いますね。こいつのは粗チンです。そして俺たちのはオチンポ様。名は体を表わすというやつです。間違えないでほしいですね」
ひゅんっ、バチイン!
痛くて気持ちいい。快感よりは、虐められてるって気分のせいで、チンチンがお腹を押し返すくらいまで勃起してしまった。
「そのままにしていろ」
短髪さんが大きなコップを逆さにして、僕のチンチンにかぶせた。
うわ……温かくてプルプルしてる。コップの中には固まりかけたゼリーみたいのが満たされてる。
短髪さんがチンチンの根元を指で押し下げて、コップの中心に合わせた。
「こういうのはどうだ?」
先生が後ろから抱きつく形になって、両手で僕の乳首をつまんだ。さわさわさわっと指の腹でなでられて、くすぐったいだけ。なのがわかったんだろう。爪を立ててつねられた。
「痛い……」
苦痛を訴える声色じゃなかった。
「ほほう。さらに勃起しましたな」
コップを持ってる短髪さんに言われるまでもない。今にも破裂しそうな感じになってるのが、自分でわかる。
乳首をつねられたり、お尻の穴に指をつっこまれたり。それが10分も続いたかな。
コップが抜き取られて。短髪さんはそれを持って、部屋から出て行った。
「まずは、ウォームアップといこう」
先生は革のリボンを束ねたムチを長髪さんに渡して、自分は猛獣使いが使うような長いムチを手にした。
「小野寺さんは、裏側をお願いします」
そうか。長髪さんは小野寺っていうのか。
小野寺さんが後ろへまわって、先生が正面に立った。ムチの長さを考慮して、うんと下がっている。
「いくぞ、薫。前も後ろも10発ずつだが、悲鳴をあげるたびに2発ずつ増やすぞ」
言い終えると同時に、先生は右手を水平に振るった。
しゅうん、ビッシイン!
「あがっ……」
長いムチは胸からお腹にかけて斜めに当たった。僕は悲鳴をこらえたんじゃない。切り裂くような激痛に息がつまって、声が出なかった。
バチャアン!
お尻だけでなく腰にまで、小野寺さんのムチが当たった。こっちは、痛くない。けど、爽快感もなかった。ムチがばらけすぎて空気抵抗に負けてるのかな。先生に比べて、ずっと下手くそだ。
しゅうん、ビッシイン!
「ぐっ……」
バックハンドでたたかれて、胸からお腹にかけてX字形にムチ痕が刻まれた。こんなので10発もたたかれたら、チェック模様になっちゃう。じゃなくて、耐えられない。
バチャアン!
「ぎゃああっ……!」
絶叫した。だって、すくい上げるように股間をたたかれた。ぎゅううっと股間が垂直にねじ切られるような激痛。ケンケンはできないけど、お腹に突き刺さってくる激痛から逃れようとして、腰をくねらせてしまう。もちろん、そんなことではどうにもならない。手足に縄が食い込んで――でも、それですこしは気がまぎれる。
「小野寺さん。そこは手加減してやってください」
先生が壁掛けから教べんを持ってきた。
「こういうムチで、じゅうぶんに狙いをつけて……」
すっかり縮かんでしまった粗チンを垂直に打ち下ろした。
「きゃああっ……」
急所を打たれる恐怖で、女の子みたいな甲高い悲鳴をあげてしまった。叫んでから、そんなには痛くなかったと気づく。
「これで悲鳴は2回。残り8発に加えて4発だな」
あう……。たしかに、そうだけど。すごく悔しい。
先生が、また長いムチに持ち替えて後ろに下がった。
「いくぞ。声を出すたびに増えるからな」
しゅうん、ビッシイン!
バッヂャアン!
前後同時にたたかれた。歯を食い縛って、声を殺した――のに。最初の2発と違って、長いムチは腰に巻きついていた。先生が腕を引くと、ムチが肌をこすって……
「熱いッ……」
悲鳴じゃないし、叫んだんでもないけど、声になっていた。
「また2発増えたな」
先生がうれしそうに言った。
うう。これじゃ、いつまで経っても終わらない。
「声を出せないようにしてやろうか」
先生が長いムチを巻いて手に持って、壁の戸棚からボールのような物を取り出した。ボールには端が金具になってる細いバンドがつながれてる。サルグツワだ。
こういうのって。僕を気づかっての提案のように聞こえるけど、実は命令なんだと、それくらいはわかる。そして、命令には絶対服従。そのうえ。
「お願いします。サルグツワをしてください」
こんなふうに答えなきゃいけないんだろうな。
「ふふん」
ボールを口元に突きつけられて、僕は素直に口を開けた。
ぐぼっと押し込まれて、細いバンドがほっぺたをくびった。
「んんん……」
まったく声が出せない。なのに。
「まだうめき声が漏れるな。鼻もふさいでやろう」
じょ、冗談! 窒息しちゃう!
冗談じゃないみたいだ。先生が洗濯バサミを鼻に近づける。
「んんん、んんっ……!」
顔をぶんぶん振って、全身でもがいて。ふと、思った。もしかして、絶対服従を試されてる? それに。僕を殺していちばん困るのは先生じゃないかな。絶対にばれる。死刑じゃなくても無期懲役だ。
僕は無駄なあがきをやめた。先生の目をじっと見つめる。信じてますって、目で訴える。そして、何度も深呼吸。あと13発だっけ、14発だっけ。立て続けに打たれるなら、せいぜい1分か2分。
先生も、僕がじゅうぶんに息を吸って止めるまで待っててくれた。
「では、早いとこ楽にしてやりましょう」
声と同時に――ムチの連打が始まった。いや、乱打だ。これまでみたいに、前後のムチがシンクロしていない。
ビッシイン!
バチャッ!
ビッシイン!
「んぶ……」
バジャジャン! バチン!
ビッシイン!
「んっ……」
鼻をふさがれてるのに、無言の悲鳴が鼻から抜ける。そのたびに耳がキインと鳴って、どんどん息苦しくなる。
ビッシイン!
バジャン! バジャン!
ビッシイン!
先に後ろが終わって、それから正面だけ3発。そして、ムチが止まった。
鼻の洗濯バサミが取り除かれた。
「んぶふう……んぶっ、ぶふ……ふううう」
涙を吸い込んで、鼻水が逆流して、むせながら空気をむさぼった。
「意外とあっさり終わって、物足りないだろうな」
先生の声が粘っこい。なにか企んでる。それが分かるくらいには、先生のことを理解するようになっていた。
「ムチには、まだまだいろんな種類がある。さっきの教べんもだが、竹刀のように竹を束ねたムチもあれば、バラムチにカギを仕込んだ九尾ムチもある。その気になれば、ズボンのベルトや電気コードも立派なムチになる。体験させてやろうか?」
今のは完全な質問だから――僕は、ぶるぶると頭を横に振った。なのに。
「嫌ならイヤと、はっきり言え。返事がないのは、承諾ということだな」
ひきょうだよ、ずるいよ。サルグツワで言葉を封じておいて、返事をしろだなんて。
「では、望みどおりにいろんなムチを味わわせてやろう」
望んでない!
先生は猛獣使いのムチを壁掛けに戻して、床でとぐろを巻いている縄束を取り上げた。バスルームから洗面器を持ってきて、縄束を浸す。
「これは一本ムチと違って肌を切り裂くことはない。しかし、破壊力は大きいぞ」
縄束をほぐして三重の輪にした。
「さっきから悲鳴が聞こえないと思ったら、ギャグですか。初心者には厳しい責めじゃないですか」
アコーデオンカーテンが開いて、マッチョの短髪さんが戻ってきた。せいぜい先生の平常時くらいの小さなペニスの模型を手に持っている。
「鉄は熱いうちに打てといいますからね。最初からハードに鍛えておけば、たいていの責めに悦虐を覚えるようになります」
「さて、それはどうですか。私などは、じわじわとジュンチしていく過程が楽しいですがね」
「それもそうですか。アメとムチのムチばかりでも、可哀そうかもしれませんね」
先生は縄束を洗面器に戻して、サルグツワをほどいてくれた。いろんなムチを味わわなくてもよさそうだと安心したんだけど。
「とはいえ、せっかく準備したわけだし。一発くらいは楽しませてやろう」
それ、他動詞じゃない。楽しむ――自動詞だ。
先生は洗面器から縄束を取り出して、ぎゅっと絞った。
「声を出さなかったら、ほんとうに一発だけで勘弁してやるぞ」
先生が後ろに立ったので、ぼくは少しだけホッとした。お尻なら耐えられる(かもしれない)。
ぶゅうん。凄まじい風切り音。
ビッジャアアン!
「あぐ……」
これまでのムチとは異質の、重たい衝撃。すごく痛い。のに、打たれた直後に、すこしだけ気持ち良くなった。のは、縄束が水で冷やされていたせいかもしれない。これまでのムチ打ちで、全身が焼けるように熱く感じていたんだ。
ほんとうに、その1発だけで赦してもらえた。ジャングルジムの枠からも解放された。
胸もお腹もお尻も背中も、ずきずき痛い。タマの鈍痛もすこし残ってる。けど、へたり込むほどじゃなかったので。僕は自発的に整列休めの姿勢をとった。
先生はしばらく僕の裸を見ていた。あんなに激しくムチ打たれて、前も後ろもムチ痕だらけ。何カ所かは肌が裂けて血も流している。のに、見られているうちに勃ってきた。
「まったく現金なやつだな」
ぴんっと粗チンをデコピンされて、ますます硬くなってしまう。
「とはいえ、責められているときは委縮していたか。まだまだマゾ修業が足りん」
修行ったって。変態サポーターを見つかって、まだ2週間だよ。近くの公園と市営運動公園と相撲小屋と――今日で4回目。あ、でも。独り遊びは何十回としてるか。
そのうち。さっきみたいに厳しくムチ打たれてるあいだも勃起しっぱなしになるのかな。まさかとは思うけど。
「それはそうと……」
先生が、また戸棚から新しい品を取り出した。分厚い首輪と、それにつながれた金属の手錠。キミエさんが着けられてたやつだ。
「これだけ傷だらけでは、縛るわけにもいかんからな」
ビデオとは違って、捕虜のポーズで手錠を掛けられるんじゃなくて、整列休めの姿勢から腕をねじ上げられた。芳比呂お兄さんがされてたのと似てる。肩がひねられて痛いけど、手錠の鎖が喉を巻かないだけ手首の位置が下がって、すこしは楽なのかな。
バスルームに連れ込まれた。新しい道具が増えている。点滴スタンドそっくりだけど、薬液を入れた袋じゃなくて、ビーカーの親玉みたいな透明な容器が釣られている。底からは点滴の何倍も太いゴム管が伸びていて――先端は金属のネジになっている。
マッチョ短髪さんが、そこにペニスの模型をねじ込んだ。
「薫クンの最大勃起模型だ。自分の粗チンに犯されるなんて、そうそうできる体験じゃないぞ」
最初にかぶせられた、ゼリー詰めのコップ。あれで型取りされたんだ。
僕はバスタブの中であお向けにされた。腕が押しつぶされて、ますます肩が痛い。なんてのは、序の口。足を持ち上げられて180度に折りたたまれ、首の下に鎖を通された別の手錠に足首から20cmくらい上のところをつながれた。もう、自分で起き上がれない。
「これくらいは情けをかけてやろう」
意味不明だけど、頭をシャワーキャップで包まれた。
「最初は1リットルだけで勘弁してやる」
点滴スタンドに釣られてる容器に、水が注がれた。水じゃないかもしれない。透明だけど、動きがどろっとしている。
僕は裏返しにされて、お尻の穴が天井を向いている。そこに、粗チンの模型を押しつけられた。すごくぬるぬるした感触。やっぱり水じゃない。
「35mmがいけるなら、これくらいは余裕だな」
ずぶうっと突き立てられた。
「痛いっ……」
痛くて熱い。そして、内臓を押し上げられる圧迫感。でも、たしかに。35mm(カリクビは40mm)のアナルプラグを自分で挿れるのに比べると、ずっと楽だった。それが自分の模型だから……男としての自尊心が傷つく。でも、まだ成長期だもん。そのうち、先生と同じくらいに大きくなる――としたら、それはそれで、ちょっとグロテスクかな。あ、いや。先生のオチンポ様がグロテスクって意味じゃない(かなあ?)。
なんて考えてるうちに。冷たい液体が、じわじわと押し入ってきた。そうか。芳比呂お兄さんは水道水を注入されてたけど、これも同じことだ。でも圧力が低いから、ちっともつらくない――のは、最初のうちだけだった。
先生たちはバスルームから出ていって、ひとり放置されて。
これでお腹の中がきれいになったら、いよいよ先生にアナルバージンを奪われる、いや奉げるんだと、どきどきおどおど感傷にふけっているうちに。だんだんお腹が痛くなってきた。ぐるぐるきゅう――お腹がうねくっている感じ。出しきってきたなのに、ウン千をしたくなった。それが、だんだん激しくなってくる。
容器の中の液体は、目盛がまだ400のあたりまで残っている。早く終わってくれないかな。そのことしか考えられなくなってきた。
350……300……250……
口はふさがれてないけど、先生を呼んだりはしない。無視されるか、お仕置きされるかのどちらかだと、もう分かってる。
先生のオチンポ様って、35mmのアナルプラグよりは太い。目で見た感じじゃない。口にくわえての実感。だけど、芳比呂お兄さんがアナル四股で挿れてた子供用バットよりは細い。あ、でも……グリップのとこは、わりと細かったし。
あれこれ考えても、しょうがない。太かろうと細かろうと、そのときになったら、どれくらい痛くて苦しいかわかるんだから。
でも、なんか違うんだよなあ。女の子が恋人に初めてを奉げるときの悦びと不安とは、根本的に違うような気がする。そりゃまあ――僕の知ってる女の子心理って、少女漫画の知識しかないけど。
ガラッとバスルームのガラス戸が開いて、先生が来てくれた。
「ちょうど終わるところだな」
容器の中身は、底の丸っこいあたりにちょっとだけになってる。
先生はゴム管に大きなクリップを着けた。
「あと30分ほど楽しんでいろ」
すぐにガラス戸が閉まった。
え……30分? あれこれ考えて気を紛らわしてたけど、ふだんなら大急ぎでトイレに駆け込む段階まで切迫してる。それで30分なんて、拷問だよ。さっきのムチ打ちなんかより、ずっと厳しい。でも、命令だから絶対服従しなくちゃならない。こんな状態じゃ、どんなに抵抗しても、どうにもならないけど。
それに。30分と先生は言ったけど。ここには時計がない。意地悪で1時間に引き伸ばされたって、僕には分からない。あ、訂正する。もし時間を引き伸ばしたとしても、それは意地悪なんかじゃない。マゾの僕を調教するためだと思う。それとも、サドの先生の楽しみのためかな。
もしかすると、僕は先生に感謝しなくちゃいけないのかも。だって、自分でこんな遊びをしても、絶対にギブアップしてしまう。苦しくてもつらくても我慢するしかない。そんなシチュエーションは、独り遊びの定番妄想だけど、実際には先生がいないと実現できないんだもの。というか。絶対に自分ではできない本格的な後ろ手縛りを体験できただけでも、先生との出遭いは、これまでの人生で最大の幸せだったと思う。
だけど、ほんとうに! ウン千がしたい。お腹が痛い!
もしかして、うんといきんだら模型粗チンを押し出せるんじゃないかと思ったけど。そしたら抜けないように固定されて5リットルで1時間とかになるだろうから、絶対に我慢するしかない。
……考えてみたら(考えなくても)、変態サポーターがばれてからたった2週間で、とんでもないことになってる。2週間後には、どうなってるんだろうか。2か月後には?
あ、でも。環境が激変して何もかもが新鮮に思えたのは、入学して半月かそこらだったよね。あとは、だんだん新しいことが増えながら、基本的には繰り返しの1年間だった。これも、同じなのかもしれない。彼に初めてを奉げるシーンは描かれても、12回目を奉げるなんてシーンは描かれない。
でも。ファーストキスがあって、最初のBがあって、ロストバージンがあって、最初のSMがあって、最初の出産があって……それと同じかもしれない。まだ、ローソク責めも水責めも針責めも逆さ釣りも(他にも、僕の知らない責めが、いっぱいあるはず)体験してない。なんて、哲学とエロがごちゃ混ぜになって。
ガラス戸の開く音が聞こえたときは、ものすごくホッとした。もう30分なんて言われるんじゃないかと、それにはおびえていたけど。
そんなことはなくて。
「頑張ったな。えらいぞ」
褒めてくれて。ぐぼっと模型粗チンを引っこ抜かれた。
「え、ああああっ……?!」
括約筋を締めようとしたけど手遅れ。
ぶじゅううううう……すごい勢いで噴出。斜め60度くらいだったのが、せめてもの救い。真上だったら、悲惨なことになってる。バスタブが広いので、放物線を描いて、ぎりぎり壁にはかからずにすんだ。そのかわり――背中が気持ち悪い。シャワーキャップがなかったら、そうか、これが先生の言ってた『情け』だったんだ。
噴水が止まったら、今度はゴムホースで水道水を注入された。お腹の苦しさで判断すると、さっきよりたくさん、2リットルくらいは入れらたと思う。これは、すぐに噴水させてもらった。
それから、足錠と手錠をはずしてもらって、バスタブの中で温水シャワー。すっかりきれいになって、バスタオルで身体を拭いて。なんだか、ひと仕事終えて疲れ切った気分。だけど、甘えさせてはくれない。
調教部屋にはベッドがない。でも、梯子を水平にしたような拷問台とか、ハリツケの柱とかはある。僕は立ったまま上半身を水平に伸ばした姿勢で、陸上競技のハードルみたいな道具に拘束された。ハードルの上辺には小・大・小の順で半円の切り込みがある。そこに、両手と首を乗せられて、同じように切り込みのある板で上から押さえつけられた。上下の板をボルトで締め合わせると、身動きできなくなる。
拘束されている途中で、先生の目論見がわかった。お尻は都合の良い高さで後ろに突き出されている。口も同じ高さ。ということは……そういうことなんだ。
「いよいよ、ロストバージンの時だぞ。といっても、ケツ穴に処女膜などないし、プラグだの自分自身だのをくわえ込んできたわけだから、今さらだがな」
「それを言っちゃあ可哀そうですよ。御主人様に初めてを奉げるのだから、それなりに感慨はあるでしょうよ」
マッチョ短髪さんが、にやつきながら言う。
「どうかな、うん……?」
と、振られても。正直、自分にもわからない。
「……これでやっと、一人前のマゾになれるんだと思います」
それは本心。の証拠に、粗チンがお腹に貼り付いてる。
「生意気を言うな」
「痛いっ……」
ぴしっと、タマをデコピンされて、もだえた。といっても、肩を動かせないんだから、お尻だけ振って誘っているように見える。というのも、僕の真横は壁一面の鏡だから。自分の被虐姦たっぷりの晴れ姿(?)が、いやでも見える。案外と、いやじゃない。僕って、けっこうナルシストかな。
「ケツにオチンポ様をくわえ込んで、やっと半人前のマゾガキといったところだ」
卒業までの2年をかけて、ちゃんと一人前に調教してやる――なんて言われた。なんとなく分かってはいたけれど、学校にいるかぎり、先生からは逃げられない。今のところ、逃げようなんて、これっぽっちも思ってないけど。
ぬるんと、冷たい感触があった。油かなにかを着けた指で、お尻の穴をもみほぐされている。これ、すごく気持ちいい。
「あ……んん」
自分でも甘ったるいと思える裏声が鼻に抜けちゃった。もちろん粗チンは痛いくらいに膨れてる。けど、射精の欲求はなかった。
「いくぞ。大きく口を開けて、ゆっくり深呼吸していろ」
はあい。すうう……はああああああ。すうう……はああ
「ぎひいいっ……痛い! 熱い!」
35mmのアナルプラグ(しつこいけど、カリクビは40mm)とは比べものにならない激痛がお尻の穴を中心に広がった。熱く焼けただれていくような感覚。
みちみちみちと、強引に穴を拡張されている。それが数秒続いて。
ずぬうっと、一気に内臓が押し込まれるような感覚があった。姦通の一瞬だった。
「はああああああああ」
挿入されてみると、意外と痛みは小さくなった。これって、アナルプラグで慣らした成果かな。2週間前にいきなり挿入されてたら、ぎゃんぎゃん泣くか失神してたと思う。
アナルプラグと本物の違いは太さよりも、むしろ長さにある。アナルプラグでは届かない奥のほうまで、ずぬうううっと押し入ってくる。
あ……なんか、気持ちいい。というのとも違うかな。奥のほうのどこか一か所が、粗チンに直結してる感じ。そこを突かれると、粗チンがドクンと脈打つ。微妙に射精感が刺激される。これも気持ちいいというより、切ないって感じ。
ずにゅうっと引き抜かれる。のは途中までで、また押し入ってくる。
ずにゅうう、ずぶっ。ずにゅうう、ずぶっ。それが何度も何度も繰り返される。そうか、これがピストン運動をされる感覚なんだ。そのたびに、お尻の穴の入口で痛みと熱さとが脈動するのだけど――それさえも、切なさを盛り上げてくれる。
「あ……」
不意に粗チンをつままれて、声が漏れちゃった。
「くうう……それ、やめて」
射精感がぐぐうっと膨れあがってきて、思わず拒絶の言葉。しまったと思ったけど、しかられなかった。いったん手が止まって、今度はくりくりとカリクビを円周に沿ってなでられた。
「あ……出、出ちゃう」
出なかった。また指が止まって。ずんずんずんと激しくお尻を突かれて。じゅうぶんに耐えられる痛みがうねくって、射精感が遠のいて。また、粗チンをいじられる。
「初セックスの感慨もひとしおだろうが……」
マッチョ短髪さんが正面に立った。下脱ぎで、斜め上まで勃起したオチンポ様が僕の目の前に。
「こちらの相手もしてもらおうか。こっちは慣れているんだろ」
慣れてなんか……ええと、先生に3回と小島さんに1回で。芳比呂お兄さんにはしてもらってるから。初心者でもないよね。
僕は口を開けて、マッチョ短髪さんが突っ込んでくれるのを待った。ハリツケにされているから、自分では首を伸ばせない。首が伸びたらオバケだよ……なんて冗談が浮かんだんだから、やっぱり場慣れしてる?
マッチョ短髪さんのオチンポ様は、先生のよりすこしだけ小さかった。それがうれしい。くわえるのが楽だという意味じゃなくて、なんていうのかな。
女の人が「あたしの彼氏のオチンポ様のほうが、おっきい」て自慢するのと同じじゃないのかな。ということは。僕の心の中で、先生はいつのまにかそういう存在になっていたんだ。
「ぼさっとしとらずに、せっせと奉仕しろ」
鼻をつままれた。そのまま、指をはなしてくれない。そうか、息を吸い込んでビブラートしろってことなのかも。
ずぢゅすううう……ぶふううううう……やっぱり、空気が抜けてうまくできない。
「戸坂さんには悪いが、仕込みが足りませんね」
「面目ない。お手数ですが、仕込んでやってください」
ほっぺを手の平で両側から挟まれた。
ずぢゅゔゔゔ……ぶる゙る゙る゙……
「その調子だ」
コツがわかったので、補助がなくてもできるようになった。
「舌も動かせ。歯を立てずにかんでみろ」
芳比呂お兄さんにしてもらったのを思い出しながら。舌先で裏筋をなめたり、おしこの穴をつついたり。歯に唇をかぶせてかんでみたり。
「ぎこちないが、まあまあだな」
オチンポ様が動きだした。その動きに合わせて、カリクビを歯でしごいたり、根元をなめたり。もちろん、ビブラートも忘れない。
僕が正面のオチンポ様に奉仕しているあいだも、お尻の穴へのピストンは続いてる。前後のピストン運動がだんだんシンクロしてきて――というか、僕の頭の中でふたつがゴッチャになってきたのかな。
あ……先生のピストンが急ピッチになってきた。と思ったら、お尻の穴にかすかな振動を感じて。ピストンが止まった。
ずぬううっと、引き抜かれた。そうか、先生は射精したんだ。
口での奉仕は、まだ続いてる。これって、ピストンされてるからイラマチオかな。僕も奉仕してるからフェラチオなのかな。どっちでもいいけど。顎も舌も疲れてきた。早く終わってほしい。
「では、こちらもラチを明けますか」
マッチョ短髪さんの動きも急ピッチに、そしてストロークも大きくなった。
喉の奥まで突き込まれて、そのたびに(わずかだけど)吐き気がこみ上げる。チン毛が鼻の奥を刺激してクシャミが出そうになる。どっちも、すでにおなじみの感覚。
あ、オチンポ様が急に膨らんだ――と感じた瞬間、唇にはっきりと脈動を感じて、同時に喉の奥は軽い衝撃。余裕で受け止めて、舌を動かして精液を口の中に戻してから、ゴックン。やっぱり、ずいぶんと慣れてきてるね。
すぐに、小野寺さんが正面に立つ。同じようにフェラチオ+イラマチオ=フェラマチオで奉仕を始めた。
カリクビに沿って舌をはわすとか、ペニスではなくタマをほお張って口の中で転がすとか(根元のほうに釣り上がってるから難しい)、マッチョ短髪さんとは違うテクニックを教わりながら――割と短い時間で射精してもらえた。
そして、ここからがほんとうの意味での調教の始まりだった。
ジャングルジムが組み替えられて、大きなテーブルみたいになった。物を載せる部分は板ではなく30cm間隔のハシゴになってる。僕はその上にあお向けに寝かされたんだけど、ブリッジの姿勢にされて、手足をテーブルの脚に縛りつけられた。
「これまではホースバンド単体だったが、コックリングはずっと厳しいぞ」
先生が、知恵の輪みたいな小道具を持ってきた。ホースバンドというのは、カリクビに巻いてネジで締めつけていた金属の帯だけど、これは太い針金でできている。大きめの輪をV字形に組み合わせたものと、小さめの輪をV字形に組み合わせたものとが向かい合って、ひとつになっている。輪と輪が組み合わさっている反対側には、小さなネジが組み込まれているから、やっぱり直径を調節できるんだ。
その輪が緩められて――大きな輪が粗チンに通された。ひとつは玉袋の裏まで、もうひとつは玉袋の手前。小さな輪は、ひとつずつタマに通された。と、簡単に表現したけれど。実際には粗チンを折り曲げたり伸ばしたり、タマを無理に押し込んだりで、装着されるだけでも拷問だった。なのに。ネジがひとつずつ締め込まれていく。
「くうう……痛い」
うめいても手加減なんかしてくれない。
締め終わると、わざわざ鏡を持ってきて、どうなっているのか見せつけられた。まるでキンカンがふたつとナスが一本、股間に実っているみたいだった。ナスは赤黒く色づいてガチガチになっている。
「着けているだけでもつらいだろうが、ほんとうのつらさは射精できないことだ」
そう言って、先生は輪にした指に唾を塗って、粗チンをしごいた。しごかれると、タマも付け根も引っ張られて鋭い痛みが生じる。なのに、ますます怒張して……
「あっ……出る!」
出なかった。粗チンの根元を締めつけられてるそこで、精液がせき止められてる。射精感がつのっても爆発しない。それが、すごくつらい、切ない、もどかしい。
「お願いです、リングを緩めてください」
半泣きでお願いしたけど、先生を喜ばせただけだった。
「つらいだろう。しかし、それもマゾの快感だ。たっぷり味わってろ」
先生は粗チンをしごくのをやめて、僕からはなれた。
アコーデオンカーテンの向こうから、大皿に盛ったオードブルを持ってきて、僕のお腹の上に置いた。
「じっとしてろよ。こぼしたら、5リットルで20分のあいだにムチで百たたきだ。ついでに、おきゅうも据えてやる」
脅かしながら、破裂しそうになってるナスの先っぽを指でつつく。おきゅうなんて経験はないけど、亀頭の上で火を燃やされるんだから、とんでもない熱さなんだろう。だけど、先生は本気じゃないと思う。だって、ビール瓶は床に置いてくれたもの。
「なんですか、その5リットルとかいうのは」
小野寺さんが質問して、先生が5日前の相撲小屋での出来事を簡単に説明する。そのあいだに、3人のコップにビールが注がれる。
「なるほど。ビール瓶が633ccでしたね。その8倍ですか。きゃしゃなこの子には無理じゃないですか」
「無理かどうか、試してみればわかりますよ」
恐ろしいことを言いながら、先生が乾杯の音頭をとって。3人ともビールを一気に飲み干して、あとはちまちまと、クラッカーとかチーズとかサラミとかを食べている。
「おまえにも飲ませてやろう」
先生がビールを口にふくんで、顔を真上から近づける。
僕は返事をするかわりに、顔を動かさずに口をすこしだけ開けた。これ、先生とのファーストキスだ。オチンポ様へのキス(だけじゃない)が先で、ふつうのキスが後回しなんて、なんか順番が違う。と思ったんだけど。サドからマゾへのキスは、特上のご褒美なんだということを、後で教わった。
冷たいビールが口いっぱいにあふれて。ごくんと飲み干したら、すぐに頭がぽわんとしてきた。いくらなんでも早すぎる。お酒を飲まされたっていう自己暗示かな。でも、いいや。射精感が薄れて楽になったもの。
「同好の士が増えるかと思っていましたが、どうも相撲で可愛がるというのは方向性が違うと思いましたね」
「そりゃそうだ。拘束して一方的にもてあそぶのでなければ、面白みがない」
「いや。物理的に縛らないで、身体を動かすなと言葉で縛るのも支配欲を満たしてくれますね」
「ちょっとでも動いたら二度と虐めてやらんと脅しますかな。おのれがマゾだと思い知るというわけです」
なんかSM哲学みたいな議論を交わしながら、僕のことはまったく無視してる。のに、粗チンは勃起したまま。僕の気持には関係なく、委縮する気配もない。のは、動脈の圧力で海綿体に血液が流れ込んでも、リングで締めつけられているから静脈がせき止められているからだ。それくらいは分かる。けど、自分の身体に裏切られてるみたいで、惨めになってくる。
そんな虚しい時間が30分は続いて。
「そろそろ、地獄タイムといきますか」
なんだか恐ろしい言葉で、責めが再開された。また、鳥居形のハリツケ台に掛けられて。今度はオチンポ様じゃなくて、先生のと同じくらいのサイズの模型ペニス(透き通った紫色で、根元に突起がついてたりして、あまりリアルじゃない)を挿入された。
ブウウウウウンンン……振動がお尻の穴をくすぐって、お腹の中をかき回す。これがバイブだと、そのときになって気づいた。SM雑誌のグラビアや通販ページで見たことはある。けど、実物は初めて。
先生はバイブをゆっくり抜き差ししながら、角度を変えて腸の中をえぐる。そのうち、お腹に近い側の一点を刺激されて。
「ひゃっ……」
甲高い声が漏れてしまった。す、すごい……お酒でぽわんとしてる頭に、濃い霧がかかったみたいになって、ズキンズキンと粗チンが脈動する。先生にしごかれたときとはケタ違いの射精感が粗チンの付け根で膨れあがって……
「ああああっ……」
激痛が走ったと同時に、リングの締めつけをはね返して射精してしまった。気持ちいいのと痛いのとが同時。
どくどく……どくん。粗チン全体が脈動してる。お腹一面に精液が飛び散った。
「はああああ……」
激痛はすぐに去って。あとには、射精後の幸福感と虚脱感が訪れる。先生は地獄タイムなんて言ってたけど、極楽タイムだよ。と思ったのは早計だった。
ハリツケから解放されたら、すぐに縛られた。Hでマゾな気分は消失してるから、腕の自由を奪われても、ちっとも胸ときめかないし、縄が肌をこする感触は不快なだけ。なによりも、まだSMが続けられてるってのが、いちばんしんどい。
そうか。先生たちも射精後はサド気分が薄れて、それで軽食の時間で回復させたんだ。だから僕も、すこしのあいだだけ我慢してたら、またスイッチがはいるかな。
先生たちも、それを待ってるみたい。これまではサド教師と特待性徒の間柄だったけど、世間一般(かなあ?)では、御主人様とドレイの関係にあたるんだから、そのつもりでいろとか。ドレイの基本姿勢とか。マゾ心を刺激されるようなことを、あれこれ教わった。
基本姿勢は、立っているときは整列休めか捕虜のポーズ(キミエさんがしていたような、頭の後ろで手を組むやつ)。そして座っているときは正座。ただし、両足は直角に開いてかかとを立てておく。そうすると股間が宙に浮いて、常に虐めてもらう体勢になっている。
実際にその姿勢で座ると――マゾ気分がよみがえってきて、粗チンが反応しちゃった。
「よし、外に出ろ」
部屋の右側の壁は一面の鏡になっていて、左側はバスルームに通じる引き戸の他はSM道具の収納場所。正面の半分くらいは大道具で占められているけど、その奥はカーテンが掛かっていて、ベランダに通じる大きな窓だった。ここは角部屋で、ベランダがL字形になっている。ベランダは半透明のプラスチックの波板で遮られているから、外からは見えない。隣のベランダとの間も、背の高い仕切り板がある。
だけど、全裸で縄で縛られてるんだよ。いくらマゾ気分が復活してても恥ずかしいというか怖い。でも、こんな惨めな姿をアカの他人に見られて蔑まれたい――なんて気持ちも、すこしはあったりして。
とにかく、御主人様の命令だし。強引に立たされて、背中を小突かれて、仕方なくベランダに出た。床には青いシートが敷かれている。
「そこで2発目を出せ」
意味はわかったけど、どうやって――というのは、自分で答えを出した。シートに寝転がって、太ももの間に半勃起の粗チンを挟んで。ぎゅうっと締めつける。そして、全身を反らしたり伸ばしたりすると、きゅるんきゅるんと粗チンが皮のなかでしごかれる。
「ん……ん……ん……」
繰り返してるうちに、亀頭のあたりに快感がにじみ出てくるんだけど。もう射精してるし。手でしごくのに慣れちゃってるから、精通のときみたいに込み上げてはこない。
「それじゃラチが明かんだろう。腹の下に敷いて、腰を動かせ」
横向きになって足を緩めると、粗チンが太もものあいだから飛び出して、お腹にくっつく。また、うつぶせになって。腰を横に動かすと、粗チンが転がって……太ももに挟むほどの刺激にもならない。尺取虫みたいに前後に揺すると……これ、気持ちいい。ので。足を開いて膝を曲げて。
うん、うん、うん、うん……前後に揺すりながら、横への動きも交えてみる。切なさが腰の奥から粗チンの先っぽまで突き抜けて……ああっ、出ちゃった。
ふううう。なに馬鹿なことしてるんだろう。そう思うのは、マゾH気分が蒸発したせい。学校の先生とか、知らないオトナたちに見られながら、腰をヘコヘコうごかしてペニスを床にこすりつけて……
「自分で出したものは自分で始末しろ」
手が使えないんだから、なめてきれいにしろってこと。やだなあ――なんて軽いものじゃない。嫌悪感。だけど拒否したら、5リットル20分で百たたきかな。マゾH気分が充実してるときは、恐怖が7割で期待が3割かもしれないけど。今は、そんなの絶対に嫌だという、それだけ。
身体の位置を変えて、腹ばいのまま、白い粘っこい液体を舌でなめ取る。かすかな漂白剤の臭いが、すごくいがらっぽい。わずかなしょっぱさが、喉に絡みつく。2発目なのに、ずいぶんたくさん出てしまった。
コックリングのせいで、射精したのにペニスは勃起したまま。それをお腹で押しつぶすものだから、その刺激が……心地悪い。
なんとかなめ取ったと思ったら。お腹に付いてたのが、シートの別の部分になすりつけられてる。また身体の位置を変えて。腰をひねってお腹を浮かして――は、舌がシートに届かない。ので、またお腹をシートに押しつけて、なめ取って。
また、お腹を押しつけてたところがちょっぴりだけシートに。それもなめ取る。
何度も繰り返して、シートもお腹も、やっときれいになった。頃には、勃起した粗チンをシートに押しつける刺激が、心地良くなっていた。
立ち上がった僕を見て、3人がそれぞれに微苦笑。
「元気がいいな」
「この年頃のガキは、頭の中の90%はエロだというが……」
「とりあえず、連チャンといきましょう」
部屋の中に立たされて。
先生がアコーデオンカーテンの向こうから電気掃除機を持ってきた。これ、ビデオで観たやつだ。
ビデオで観た通りにアタッチメントが取り外されて、太いホースが粗チンを狙う。
シュボオオオオオ……ホースに吸い込まれる空気が露出している亀頭をくすぐって、スウスウした。のは、一瞬。すぽんと、粗チン全体が吸い込まれた。先生がホースの筒先を握って、親指で僕のお腹を押さえながらホースをすこし引き離した。
シュゴオオオオオ……
くうううう、くすぐったい。痛いけど気持ちいい。芳比呂お兄さんにフェラチオでビブラートしてもらったときの百倍以上の刺激。たちまち腰の奥で射精感が膨らんで。
「ああっ……」
射精の瞬間に、小さく叫んだ。がくっと膝が砕けかけた。のを、この人たちは見逃さなかった。
「ほう。あっさりと出しましたな」
「どうだ、堪能したか?」は、僕への質問。
「はい……」
堪能というか。もう、こんなのはやめてほしい。家に帰してとまでは言わないけど、すぐに縄をほどいて、1時間くらいは構わないでいてほしい。なのに……
「では、そろそろ始めますかな」
マッチョ短髪さんがうながして。いったん僕の縄がとかれた。でも、すぐに両足と両手首に縄が別々に巻かれた。
いつのまにか、鉄パイプのテーブルが元の四角い枠に戻っている。そこに大の字ハリツケにされた。そして、ボールのサルグツワをかまされた。
「絞りきられた後の責めはきついぞ?」
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この章はまだまだ続きます。エアガンで正面に水玉模様を刻んで、しつこく絞り取って。背面はチェッカー模様にして。
ところで、コックリングは皆様御存知でしょうが。こういうやつですね。

タマを2個イチにすればこの画像の3連リングです。左右別々にすれば、本章で登場した4連になります。本章では、個々のリングをガスクランプ式にネジで締めつけることができるようになっています。市販品では見たことがありませんが、実現不可能な構造ではないです。
さて。せめて3月中には脱稿したいのです。
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