Presence Report 0:The tragedy of XXYz

SFのSMize
エスエマイズとでも読むんでしょうか。


 かつての野波恒夫クンのSFには、SM成分濃厚なものがあります。すでに濠門長恭として仕上げた作品では『魔女狩りのプロローグ』があります。健全SF小説の設定そのままで、ストーリイを膨らませてSMシーンをギガ盛りにしたんですけど。
 さて。「美少女とナイスミドルだけの世界」を書きたいと欲して丁稚揚げた作品に『アダム27の涙』というのがあります。よろしければ、KINDLEの『
生がふたりを分かつとも』をご購読ください。
 世界設定の部分を御紹介。


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 ――そう。惑星エデンは、男性にのみ作用する致死因子に満たされているのだった。
 その事実が判明したのは、本格的な植民が開始された後だった。流産と新生児の死亡が相次ぎ、それは男児に限られていた。そして数年後には、成人男子の死亡率も累進的に増加を始めた。
 植民団はバイオ・ハザードを予測して最新鋭の研究設備を持って来ていたが、発病のメカニズムを究明するだけにも十年を要した。通常のウィルスよりも微小な核酸の結晶体が性決定遺伝子であるY染色体に寄生し、やがてはすべての遺伝子を狂わせていくのだった。治療法はなかった。抗Y因子と命名されたその微小結晶体は、DNAやRNAのように秩序だった構造は持たず、それだけに薬品への感受性は個体差が著しく、しかも容易に耐性を獲得するのだった。
 『Yの悲劇』と呼ばれるようになった、この男性死亡症候群は、人類のエデンへの定着を完璧に拒絶したのである。
 しかし、エデンからの撤退は不可能だった。植民船団は、帰路の推進剤を持っていなかった。仮に反物質燃料を製造できたとしても――太陽系への帰還は許されない。女性も体内に抗Y因子を潜伏させているのだから、植民者が一人でも太陽系社会と接触すれば、全人類が滅亡の危険に晒されるのだ。
 定住不能な惑星に流刑されたも同然の植民者達は、女性だけの社会を築き上げようとした。しかし、この試みは致命的な弱点を内包していた。男性抜きで子供を作るにはクローニングに頼るか、未分化の生殖細胞を誘導して疑似精子を作るしかない(冷凍精子のストックは、じきに尽きる)。繁殖に科学技術の介助が必要なのだ。もしも何かの災厄で、そのための設備を失えば――その瞬間に社会は滅亡へ向かう。さらに――現有設備の能力で人口の最大値が定まってしまう。事実、エデンでは男性が不在の一世紀間、人口が十万人を超えることはなかった。そして、労働力の不足が基盤産業の発達を妨げ、新たにクローニング設備を生産できる段階には達し得なかった。
 この行き詰まりを打開したのが、ホモ・メタモルフォセスと名づけられた亜人類の登場だった。いや、政権交代というべきだろう。
 遺伝子操作の観点からすれば、実に単純な解決方法だった。初期の段階では、抗Y因子はY染色体の中でのみ増殖する。その勢いは、寄生した人間の代謝速度のべき乗に比例している。だから、胎児は数週間で死亡するのに、成人男性は数年、長ければ十年以上を生き延びるのである。ならば――成人するまでY染色体を不活性に保っておき、後にその機能を復活させてやればどうなるのか。その答えがホモ・メタモルフォセスなのだった。
 XY染色体ペアにタイマーとなる因子(当然のごとく、これはZ因子と命名された)を付加されたヒトの亜種は、Y染色体の発現を抑制されて全数が女性形に成長する。真性のヒトとの外見上の相違は、通常の乳房の下に発達した副乳を持つことくらいである。

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 副乳といっても、現在人類に見られるささやかやもの(どんなのかは、各自検索あるよろし)ではなく、こんなのです。
副乳


 この作品はきわめて健全でセンチメンタルなストーリイを辿るのですが。
 それから数百年かな先年以上かな。文明は19世紀レベルで足踏み状態。迷信やら宗教やらが混沌としている世界になって。電気はスタンドアローンの電池が使われているくらい。というのも、電気の「ネットワーク」を作ると、かつて『人類:ホモ・メタモルフォセス』を滅ぼそうとしたAIすなわちArtificila Ill-willが復活するという迷信だか伝説だかが頑なに。それでも「焼玉エンジン」なんかで飛行機はある……ことにしようかな?

 染色体異常(XXY')を持つ個体が出現するという設定で。Y'表記は、Z因子で機能を抑制されているという意味。実在のクラインフェルト症候群とは違って、女児の姿で(副乳ではなくホモサピエンスの双乳で)誕生するが、Y'の作用で第二次性徴以前に死亡する。ていうか、間引かれたりします。
 ヒロインは奇跡的に性長して。しかし、妊娠出産しようと30歳になろうと、第三次性徴(男性化)が発現しない。迫害され、ただひとりヒロインを慕ってくれる少女と禁断の関係に陥って(人口増加が至上命題の世界で、同性愛は許されざる悪徳)、自分たちの噂が届いていない開拓地へと、まあ、西部劇です。
 もちろん、辺境の地のほうが、異端への迫害は凄まじく、ヒロインは人間(ホモメタモルフォセス)としては扱われず。完全剃毛されて焼印を捺されて家畜扱いされて。少女のほうは、正しい道に導くために寄ってたかってGangBangされて。
 あげくは、サーカス一座に買い取られて。人間の少女とヒトの形をした牝獣の交わりなんかを見世物にされて。
 それでも背徳に変わりはないと教会に指摘されて。バギナ to バギナの双頭ディルドも不道徳。なので、アナル to アナルとか。そのショーが終わった次は、贖罪のための鞭打ちショーとか。
 ラストも決めています。少女も「人ならざる」ヒロインと同じ境遇に堕ちることを自ら望んで、完全剃毛と焼印。純愛(どこが?)を貫くのです。


 さて。気合を入れて、Zero Sum Short Story としては長尺の200枚くらいにまとめますか。


 タイトルはもちろん ”The tragedy of XYZ” です。
 ……と、書いたものの。
「Xの悲劇」、「Yの悲劇」、「Zの悲劇」はもちろん本歌ですが。
「片桐大三郎とXYZの悲劇」てのが、ありますな。
 「XXY」は無いですが、分かる人にはクラインフェルトと分かります。だいいち、Z因子無くして物語は成立しない。ということで。

 The tragedy of XXYz




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