Progress Report 1:幼な妻甘々調教

 快調に進行しています。新妻の開帳は、すでに済んでいます。
 PLOTで紹介したように、主人公(僕)は、地方銀行の無任所課長です。総会屋をてなづけたり、MOF接待に動員する肉弾特攻少女を調達したり、もしかすると不良債権の回収に893を使っているかもです。ちなみに、Mっ気のない高ビー嫁には逃げられています。
 ヒロイン(睦菜)は、主人公と「ふたまわり」までは違いません。父親は町工場の経営者で、主力銀行の課長が縁戚になってくれるメリットに断腸の思いで喜んでいます。


売り物
 イメージにすると、こんな感じですね。

 

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初夜調教


 前日に婚姻届けを役所に提出して。いよいよ七月六日(日曜・友引)の結婚式を迎えた。睦菜の誕生日から一か月待ったのは――梅雨の最中に新婚旅行に行ったのでは、面白くないからだった。観光ではなく、露出プレイのことを言っている。
 式そのものは結婚式場の神前で挙げて、ウェディングドレスにお色直しをしてから披露宴。内容的には、しこたま金を掛けた(引出物はもちろん、全部食べられる高さ一メートルのウェディングケーキとか、本邦ではあまり知られていないシャンペンタワーとか)が、招待客は双方十人ずつ。最小規模といってもいい。こちらは再婚だから派手だと顰蹙を買いかねないし、実質は身売りなのだから新婦側としてもあまり喧伝したくない心理もある。けれど、宴そのものが貧弱では銀行の沽券にもかかわるし、だいいち花嫁が可哀そうだ。そういう次第の折衷案だった。
 ただし、参列者の顔ぶれが新郎と新婦とでは大きく違っていた。新婦のほうは両親と兄と妹。遠縁だが両親と親密な老夫婦、睦菜のごく親しい友人(女性)が三人と、卒業時の担任教諭。進学希望の取り下げとか、学校のほうでごちゃごちゃしたらしいのは、この顔ぶれからも容易に推察できた。
対して新郎側は、親族が兄夫婦だけで両親は欠席。勤務先の上司(総務部長)と、同期入社が二人。そして、友人と称するSMつながりの夫婦(実質は御主人様とマゾ牝奴隷)。それなりの役職に就いている地方公務員が二人と、なんと中央官庁の課長。地方銀行の課長は一部上場企業の部長にも匹敵する権威があるとはいっても、大蔵省の課長ともなれば(頭取は大先輩だから無理だが)副頭取の首でも飛ばせる。花嫁側はそこまで穿たなかったが、事情を知らない同期の二人は目を丸くしていた。
 その事情とは――無任所課に所属する男の(若くて美しい)妻は、肉弾接待要員を兼ねる場合もあるという過去の実績だった。前妻は十年前にも美しくはなかったから、お呼びがかからなかったけれど、今度はそうもいかないし、こちらから積極的に売り込むつもりだ。つまりは、生贄の顔見世という腹積もりの三人だった。いや、SMつながりの方にも、公開調教にせよ貸し出しにせよ、いずれは提供するだろうから――睦菜は四頭の狼の前に投げ出された兎ともいえた。もちろん、四頭の狼に先んじて一頭の猛虎が柔肉を貪り尽くすのだが。
 そんな淫虐の計画など露知らず。身売り同然とはいえ一生に(多分)一度の晴れ舞台に臨んで、睦菜は感激と緊張とで心ここにあらず。最後には、感涙にむせんでいた。

 昼食の時間帯に合わせた披露宴は、午後三時には終わった。花嫁側の招待客は皆が隣県なので日帰り。花婿側は兄夫婦と大蔵省の課長とが宿泊するが。課長は引き続き副頭取以下の接待を受けるし、自分が手を出してもいない獲物を何度も狼の目に曝すつもりはない。新婚のスイートルームでひと休みして、新婦の初めての着替えシーンを鑑賞してから、兄夫婦の部屋を新婚夫婦で訪れて形ばかりの挨拶。
 早めに夕食を摂った。睦菜は披露宴のあいだ、ほとんど料理に手を付けていなかったからそれなりに食べたが、それでも半分くらいは残した。僕のほうは披露宴でもきっちり食べていたので、七割方は残してアペリチフもグラス一杯だけ。
「ほんとうにお下げしてよろしいのですか?」
 あまりに残したので、給仕が確認を取る。
「きみは若いから知らないだろうけどね。燃料を満載していると、戦闘機はまともに戦えないんだよ」
 だいいち、食欲が満たされると性欲が鈍る。
「はあ……」
 給仕は不得要領な顔で、自分の役割を果たした。
 意味が分からなかったのは睦美も同じらしいが――昼食抜きで夕食が半分なら、戦闘諸元はじゅうぶんに整っているだろう。目前に迫っている初夜への不安に胸塞がれているというのが、実際のところだろうけれど。

 新婚カップル専用の(というわけでもないが)スイートルームへ戻って。
「先にシャワーを浴びてくるよ」
 睦菜をソファに座らせて、ひとりでバスルームに入った。これからは支配者と被支配者の関係を明確にするのだから、一緒に入ってイチャイチャとかは絶対にしない。二人で入るのは、睦菜に洗体奉仕をさせるか浣腸や水責めのときだけだ。
 簡単にシャワーで洗って、伏線のためにも髭は綺麗に剃って。パンツは穿かずに、素肌にバスローブをまとった。深呼吸を繰り返して生硬くなっているペニスを落ち着かせてから、バスルームを出た。
 バスルームを出ると、睦菜はまだ替えの下着を出しているところだった。
「僕と同じに、素っ裸の上からバスローブを着なさい」
 裾をめくって、ペニスを一瞬だけ見せつけた。
 睦菜は反射的に顔をそむけると、はじかれたように立ち上がった。
「は、はいっ……」
 ばたばたとバスルームに逃げ込む。
 僕は苦笑して、ベッドの上に置きっ放しになっているバスローブを、紳士的にわずかだけ開けたドアの隙間から差し込んでやった。
「忘れ物だよ。素っ裸でベッドへ来てくれるなら、そのほうが嬉しいけどね」
 バスローブをひったくられた。ドアを閉めて寝室へ戻りかけると、ほんのすこしだけドアが開いて、睦菜の消え入りそうな声が聞こえた。
「……ありがとうございました」
 あらためて、ベッドを眺める。実はひとりで下見をして、何をどう使うかは決めてある。再確認だった。
 大きなベッドだった。ダブルベッドは横幅が一メートル半くらいだが、これはたっぷり二メートルはある。くんずほぐれつに備えての仕様だろうか。家庭用のベッドは、側面の板が床に達しているものが多いが、ホテルのベッドは四隅を短い脚で支えている。これが重要なポイントだ。
 シャワーを浴びるだけにしても、女はやたらと時間をかける。その時間を利用して、今夜の為に持ち込んだセカンドバッグの中身をチェックした。カッターナイフとローション。念のために柔らかい筆とピンクローター。コンドームだけは入れてないが、それでかまわない。若い再婚相手を物色し始めたときに、パイプカット手術を受けている。やはり、生中出しは男の本懐だ。
 驚いたことに、睦菜はほんとうに素っ裸でバスルームから出てきた。両手で胸と股間を隠しながら、ソファで寛いでいる(ように見せかけている)僕の前に立った。
 睦菜は服を着ていたときよりも、ずっと幼く見えた――のは、ウェディングドレスに見合った濃いめの化粧をすっかり落として素ッピンに戻っていたからだ。
 いい心がけだと、僕は思う。前妻も商売女も、ベッドインのときだって化粧をしたままだった。素顔で男の前に立つのは、泣き叫んで涙で顔をぐしゃぐしゃにするマゾ女だけだ。
「綺麗なヌードだね。その手を下ろして、もっとよく見せておくれ」
 猫撫で声。僕も立って、バスローブを脱いだ。睦菜の裸を見てから声をかける二十秒足らずの間で、ペニスは最大仰角に達している。
「きゃ……」
 睦菜は両手で目をふさいだ。ので、健康にはち切れそうな裸身がなにもかも曝された。乳房は、すっぽりと掌に収まりそうだが鷲掴みにできるだけのボリュームはある。Bカップといったところだろうか。腰のくびれは、前にも観察したとおり、これから引き締めてやろう。尻は、もうひとまわり大きくならないと子を孕むのが難しいかもしれない。そして股間は――狭い面積に茂りが密集しているが、淫裂を完全に隠すほどではない。その淫裂はぴたりと閉じて、小淫唇は完全に隠されている。
 ちゃんと手を下ろして『気をつけ』の姿勢。それとも、脚を開いて両手を後ろで組んで『休め』――そんな命令はまだ早いかと思い直して、目をふさいでいる睦菜の手首をつかんだ。
「おいで……」
 さすがに、僕の声もすこし掠れている。片手で股間を隠している睦菜を、ベッドへ誘なった。自分から先に上がると、睦菜を引き込んでベッドの中央に仰臥させた。
「あの……明かりを消してください」
 また両手で顔を隠して、僕とは違う理由だろうが、睦菜の声も掠れている。
 ヘッドボードのスイッチでシャンデリアの明かりは消したが、壁の間接照明は残した。
「真っ暗闇では手元が覚束ないからね」
 もしも睦菜が背伸びをして婦人雑誌あたりで勉強していたとしても、僕の言葉が嘘だとは見抜けないだろう。
 僕は手を使って睦菜の脚を開かせ、その間に割り込んで膝立ちになった。
 睦菜の乳房は、仰臥していても直立していたときとほとんど同じ形を保っていた。前妻とは大違いだ。まだ誰も手を触れたことのない双丘を思う存分に揉みしだき、前人未到の渓谷に僕の楔を打ち込む――そう考えると驚いたことには、まるで二十歳も若返ったかのように、ペニスが下腹部に密着しそうなほどまで屹立した。
 睦菜の処女肉と僕の欲望のせいだけではない。納豆に山芋にオクラに、それ専門店の漢方薬にと――この半年間の精進の賜物でもあるのだが。それはともかく。
 僕は左手で上体を支えて、睦菜におおいかぶさった。
「それじゃ……いいね?」
 睦菜は顔を覆ったまま、いじらしくも小さくうなずいた。
 罪悪感が胸に突き刺さる。これからも僕は、大小の罪悪感をねじ伏せながら欲望というよりも妄想の赴くままに、睦菜を調教していくのだ。
 右手で怒張を押し下げて淫裂にあてがい、じわあっと押し込んでいく。乾ききったそこが、きしきしと亀頭にこすれる。かすかな窪みを亀頭の先端で探り当てて、強引に挿入しようとする。もちろん、挿入しようとするだけだ。経験済でも、潤いの無い膣口を無理にこじ開けられようとすれば痛く感じるし、挿入は困難だ。まして、処女穴ともなると……
「痛いっ……」
 びくんと、腰が逃げる。
「痛いのは最初だけだよ。すこしだけ我慢して」
 陳腐きわまりない男の勝手を(優しく)ほざきながら、いったん淫裂からペニスを引き抜いて、同じことを繰り返す。
「くうう……」
 悲鳴をこらえながら、さらに睦菜が逃げる。無意識の動きだから、抑えようがない。だんだんベッドをずり上がって行って。ついに頭がヘッドボードにぶつかる。それでも、不可能な挿入を試みる(ふりをする)。ベッドに突いた手を睦菜の左肩に触れさせ左膝は腰に当てて、右側には隙間を作っておいて。
 ずり上がれなくなった睦菜は、右へ右へと、身体を傾けながら逃げる。そして……
「きゃあっ……?!」
 上体がベッドからずり落ちてしまった。
「あっ……」
 慌てた態を装って睦菜の二の腕をつかみ、ベッドの上に引き戻してやった。
「これじゃ、いつまで経っても埒が明かない」
 部屋を明るくした。僕は睦菜から身体を離して、ベッドの縁に腰掛けた。睦菜に背を向けて、反応を待ってみる。
「あの……ごめんなさい」
 やはりこの娘は前妻とは違う。彼女なら、きっとこういうはずだ。経験者なんでしょ、しっかりしてよ――と。
 僕は、なおも三十秒ばかり考えあぐねる振りをしてから。
「そうだ。きみを逃げられなくすればいいんだ」
 バスローブから帯を抜いて。
「羞ずかしいだろうけど、我慢してくれるね」
 返事を待たずに、帯の端を睦菜の足首に結んだ。
「もっと脚を開いておくれ」
 足首をつかんで強引に(あまり力は必要なかった)開かせて、帯をベッドの脚に結びつけた。バスルームまで行って睦菜のバスルームからも帯を持ってくる。それを反対側の足首に結んで、同じようにベッドの脚につないだ。
 これで、睦菜は人の字形に拘束されたわけだが、脚を縛って手が自由なのは、実用的にも美観からもふさわしくない。
 バスタオルを持ってきて、カッターナイフで紐状に切り裂いた。
 それまでは黙って(怯えて)僕のすることを眺めていた睦菜が、口を開いた。
「あの……」
「上半身が自由だと、左右に逃げられるだろ」
 質問を言葉で封じて、左右の手首にもそれぞれ紐を巻きつけた。両腕をバンザイの形に広げさせて、紐をベッドの脚につなぐ。
 片手で腰を持ち上げて尻の下にバスタオルを敷き、その上に枕を押し込んだ。
「挿入するには角度も大事だからね」
 ベッドに大の字磔にされて腰を突き上げる格好になった睦美の横に、僕は腰を落とした。
「裸があまりに目映くて、きみが処女だってことを忘れていたよ」
 どんな女でも(というほどには僕の女性経験は豊富ではないが)身体を褒められれば内心では喜ぶ。処女だと指摘されれば――誇らしさを感じるか負い目を感じるか、どちらだろう。どちらにせよ、今この瞬間が生涯に一度きりのその時だと、あらためて強く意識するだろう。と同時に、経験者に身を委ねればうまくいくだろうと信じて、平静なら当然に抱く疑問を自分で封じ込んでくれればありがたい。
「きみは、まだ身体の準備が出来ていなかったんだね」
「そんなこと、ないです」
 肉体的な未性熟を言われたと思っての反発だろう。
「今から準備を整えてあげる。黙って僕にまかせておきなさい」
 僕は上体をひねって、両手を睦菜の乳房に伸ばした。双丘の麓に掌を当てて、指を肌にそっと触れさせて、頂上へ向かって揉み上げた。ゆっくりと、それを繰り返す。
 睦美は目を閉じてひと言も発さないが、肉体は確実に反応している。はっきりと目に見えて、乳首が隆起してきた。
 掌をそれまでよりさらにずり上げて、親指で乳首の頂点に触れた。
「あ……」
 ピクッと、裸身が震えた。
 手首を内側にゆっくり回転させて、人差し指と中指を順番に乳首に触れさせて、指の側面で乳首を挟んだ。中指を屈伸させて、乳首を転がす。
 声は出さないが、指を動かすたびに裸身が小さく震える。
 僕はすこしだけ前妻に感謝した。こういった微細なテクニックは、彼女に仕込まれた。愛情を感じていない男にも性の愉悦を求める貪欲な女だった。
 五分ほども(ヘッドボードに埋め込まれた目覚まし時計を読むくらいに、僕は冷静に計画を進めている)乳首を愛撫すると、裸身の震えが官能の弛緩に置き換わった。
 僕は右手を肌に沿って滑らせる。
「結婚したから、ここもいいんだね」
 言わずもがなのことを耳元にささやいたのは、事前の計画ではなく衝動だった。
 もちろん睦菜の返事は待たずに、二本の指で大淫唇の縁をなぞった。
 ごくかすかに、睦菜の腰が震えた。
 掌を上にした中指で淫裂をわずかに穿って、そのまま上へずらしていくと、柔らかな突起が指の腹に触れた。
「あっ……」
 うろたえを交えた吐息が睦菜の口からこぼれた。
 指の腹でクリトリスを掘り起こして、その先端を親指でつつく。ほとんどの女性がそうであるように、睦菜の淫核も皮で包まれている。その皮を、淫核を取り逃がさないように注意深く親指と人差し指で摘まんで、くりっとしごいた。
「ひゃああっ……?!」
 大きく腰が跳ねて、その動きでクリトリスが指を押し上げた。
「ああっ……なに……諸川さん、なにをなさったの?」
「教えただろ。僕のことをなんと呼ぶのか」
 気安く『治雄さん』と呼ばれると、女房の尻の下に敷かれているようで面白くない。『御主人様』は菊枝が使っている。だから――と、菊枝を紹介したときに、義母の前で言いつけてある。
「あ……ごめんなさい。旦那様、わたしに何をなさったんですか?」
 今度はもっと控えめにクリトリスをしごいてやった。
「ひゃんっ……」
「ここはね、『お豆』といって、女の子のいちばん敏感な突起なんだよ。すごく気持ちいいだろ。出産の苦しみに耐える女にだけ神様が与えてくださった御褒美だよ」
 耳元にささやきながら、クリトリスへの刺激を続ける。左手は指をいっぱいに広げて、左右の乳首を同時に転がす。腕がもう一本欲しい。
 クリトリスをしごいても、腰がわずかにひくつくだけで声は漏らさなくなった。中指をずらして淫裂を穿とうとすると、つるっと滑り込んだ。
 挿入にはじゅうぶん。ノーマルな性交で快感を与えすぎると、調教計画が狂う。縄と鞭に加えて女性器を嬲って絶頂に追い上げて――セックスとはSMのことだと自然に思わせるつもりなのだ。
「それじゃ……今度こそ、きみの処女をもらうよ」
 睦菜の裸身におおいかぶさって。睦菜は腰を突き上げた姿勢だから、手で押し下げるまでもなく怒張が淫裂に埋没した。
 そのまま腰を沈めると、亀頭は穴の縁を滑ってきっちりと嵌合した。ぐっと、腰を突き上げる。
「痛いっ……!」
 おかしな表現かもしれないが。睦菜は余裕のある悲鳴をあげた。本気の鞭で叩かれたマゾ女の悲鳴に比べれば、嬌声のようなものだ。
 十秒ほどは、深く挿入したままじっとしている。女になった悦び(それとも悲哀だろうか)を睦美に噛み締めさせてやる慈愛の時間だ。
「動かすよ。また痛いけど、我慢しておくれ」
 最初はゆっくりと浅く、睦美の反応を見定めながら、だんだん激しく深く抽挿する。
 中休みを入れれば十分でも二十分でも続けられるが、それで処女から快感を引き出せるほどのテクニックは身に着けていない。クリトリスへの刺激を交えれば、ある程度は可能かもしれないが――ノーマルな性交で快感を覚えさせるのは本意ではないと、すでに述べたとおりだ。
 夫婦の交わりとは、妻が苦痛に耐えることだと思わせたほうが、後々の都合が良い。僕は、わざと激しく荒腰を使った。
「痛い……もっと優しく……してください」
「ごめんよ。こうなると、男はもう止まらないんだ」
 ベテラン娼婦でも嫌がるくらいに乱暴に腰を使って、あっさりと射精した。
「ふうう……」
 満足の吐息を睦菜に聞かせて、身を起こした。
「我慢してくれて、ありがとう。次からは、君も気持ち良くなれるように工夫してあげるからね」
 ブラシとかピンクローターを念頭に置いての言葉だったが、もちろん睦菜には分からない。いや、僕の言葉が聞こえているのかも怪しい。睦菜は大の字に磔けられたまま、ぼんやりと天井を見上げている。
 あらためて、睦菜の股間に目を落とす。鮮血にまみれていた。枕に広がった染みの大きさは、交わりの荒々ししさを物語っている。
 僕は睦菜の拘束をほどいてから、まだ惚けている彼女をベッドに置き去りにして、わざと血まみれのままでバスルームへ行った。枕元のティッシュを使わないのも、いずれは睦菜に清掃奉仕させるための伏線だ。
 たっぷりと時間を使って、ついでに歯も磨いてから部屋に戻った。
 睦菜は血に汚れた枕をタオルに包んで、それをどう始末したものかと戸惑っている。ブラジャーとパンティを身に着けている。前に見た野暮ったいパンツではなく、淡いピンク色の上下セットだった。尻の割れ目がわずかに覗いている。ブラジャーも膨らみの上端までは包んでいない。睦菜としては、精一杯の背伸びだろうが――まあ、いい。こんな地味な下着を着けていられるのは、明日の昼までだ。
「それは屑籠の横に置いておきなさい。毎晩、新婚カップルが宿泊しているんだ。ホテルでも心得ているさ」
 睦菜は顔を赤らめて、僕の言葉に従った。
「あの……お風呂を使っていいですか?」
 ブラジャーとパンティをさらに手で隠しながら、それでもきちんと僕に正面を向けて尋ねる。
 処女を奪った感慨もさることながら、そのいじらしさに胸が熱くなった。娼婦なら黙って動くし、前妻は――僕より先にシャワーを使った。
「行っておいで」
 睦菜は、今度は(逃げ込まずに)おしとやかにバスルームへ向かった。
 ベッドの四脚に結びつけてある帯と紐を、結び目はそのままに、ベッドの下へ蹴り込んだ。掃除のときに従業員は当然に気づいて、花嫁がどんなふうに初夜を過ごしたかを知るだろう。幼いうちからとんだ変態娘と思うか、中年男(本人としては、成熟した少年は言い過ぎにしても青年のつもりだが)に弄ばれる哀れな少女と思うか。もちろん、後者から前者に育成してやるつもりでいる。
 ベッドに腰掛けて煙草を吸って。その日常的な行為にも、これを睦菜の肌に押しつけるのはいつ頃にしようかと、そんな(必ず実現させる)妄想が伴なったりする。
 睦菜はバスローブを羽織って戻ってきた。
「おいおい。僕は、こうしてるんだぞ」
 バスローブの前をはだけて、復活している怒張を見せつけてやった。
「きゃ……」
 睦菜は反射的に顔をそむけたが、おずおずと元に戻した。さすがに視線は、僕の胸のあたりをさまよっている。
「きみも下着は脱ぎなさい」
 睦菜は黙って背を向けて、両手をバスローブの中から背中にまわしかける。
「亭主にケツを向けるんじゃない」
 硬い声を作った。
 ぴくんと、睦菜の背中が震えて。
「……ごめんなさい」
 睦菜は僕に向き直った。顔だけでなく全身を薄く染めながら、ブラジャーをはずし、パンティを脱いだ。
「ここへ、おいで」
 バスローブの前をはだけたまま、手招きする。
 睦菜も前をはだけたまま、それでも両手で隠しながら、僕の前に立った。
 股間を隠している手をつかんで、膝の上に座らせた。バスローブの裾をまくって、尻の割れ目に怒張を埋め込むようにして、後ろ抱きにする。
「痛かったね」
 耳元でささやくと、こくんとうなずいた。
「つらかった?」
 今度は、小さくかぶりを振った。ますます、いじらしさが募る。と、同時に。この初心な華奢な幼い娘を、声嗄れ涙涸れるまで泣き叫ばせてやりたい衝動に駆られる。それを羞じらいながらも悦ぶような女に調教してやるという決意を新たにする。
 しかし今は飴と鞭の、精神的な飴の刻(とき)だ。
 僕は左手で睦菜の腰を抱きながら、右手で胸を撫でた。愛撫というほどではない。赤ん坊を撫でるように、そっと、緩やかに。敢えて乳首には触れない。
 睦菜の身体から力が抜けていくのが感じられた。左手で内腿を撫でると、ますます身体が軟らかくなっていく。
 女はセックスの余韻を愉しむという。今の睦菜の表情は、マゾ女が責められ泣き叫んだ後の放心と同じように見えた。前妻も娼婦も、こんな表情は僕に見せたことがない。
「明日は早い。もう寝よう」
 睦菜を抱いたまま横たわって、ベッドの隅でくしゃくしゃになっている毛布を引き寄せた。パジャマは別に用意されているが、わざわざ着替えていてはムードが壊れる。それに――素裸か、それ以上にエロチックな姿で眠る習慣を睦菜に教え込む必要もあった。
「それじゃ、おやすみ」
 シャンデリアを消して、間接照明も薄暗くした。
「……おやすみなさい」
 しばらく間をおいて、小さな声が返ってきた。
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「処女のずり上がり」一部では『枕上り』ともいうらしいですが、それを口実に「逃げられないように」縛ってしまうという、まあ緊縛和姦ですね。もっとも、このヒロインは、そもそも『大卒初任給の30か月分』の法外な結納で買われているわけですが。

 この先の展開は――すでに暗示(明示かしら)されているように、『初めての男』に心も奉げて、主人公も、ついほだされて。甘々展開になりかけては、「これではいかん。厳しく調教せねば」と、おのれを叱咤激励するという、そういう展開です。

 ところで。この作品も年齢を明記すると、DもFもRもアウトでしょう。BはOK?
 しかし。女性は16歳になれば、親(父母のどちらかのみで可)の同意があれば結婚できます。結婚すれば、ズコバコもSMも問題ありません。法律上は成年者と同等の権利が与えられますから(成年擬制)風俗でも……ああ、これは駄目ですね。
 もちろん。この作品ではヒロインを風俗で働かせたりはしません。テクニックの勉強でトルコ風呂で研修させる予定ですが、でもこれは学校でも実施している社会体験です。
 お酒も、おおっぴらには飲ませません。MOF接待の場に特攻させたりはしますが、内助の功ですプライベートです。花電車とかレズショーをさせるかもしれませんが、金銭の授受は発声しません。習い事の発表会です。
 つまり。実際にあったとしても、法律上はなんら問題のない場面ばかりです。


 そだ。作品の冒頭に、こんな文言を付してみようかしら。
 本作品においては16歳の少女による性交シーンが描かれますが、現行法では認められている結婚後の行為です

 まあ、実際のところは、年令はズバリと書かずに、「卒業」とか「ふたまわりほども違う」とか、アレコレ匂わすだけにしますけどね。



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