Progress Report 2:幼な妻甘々調教
平日10枚、休日30枚のペースで進行中です。
それでも、やっと新婚調教旅行から帰ってきたところ。
御近所への御披露目とか調教Lv1あたりは叙述で走って、結婚してすぐの(新妻単独での)里帰りをさせて。
ここからは、住込みの(実はレズでサディスチンで縄師で家事全般に優秀な)お手伝いさんからの性技伝授とか、MOF接待に肉弾特攻させて、マグロで不評で花電車芸を仕込んでのリベンジ接待とか、延々と展開していくわけです。
叙述で走っている時点で150枚突破しましたから、さて400枚で収まるか600枚超えるか。作者の気紛れで好き勝手出来るのが、商業出版では不可能な長所です負け惜しみ。
では、新婚旅行初日の様子をどうぞ
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空港からは旅館の送迎バスで一直線。旅館も新婚カップルだらけということになるから、やはりやりたい放題ができるわけだ。
旅館宛てに小包で送っておいた衣類の整理は妻の役目。僕のは替えの下着と、万一に備えての着替えだけ。男なら二泊三日くらい、着た切り雀でかまわない。
睦菜は、膝上というよりも股下五センチほどに短くされたワンピースを見て首をかしげ、裾をV字形に切り詰められたホットパンツで、自分の知らないうちに手直しされていることに気づいたみたいだった。けれど、なにも言わない。だから、僕もこじつけの説明なんかしない。
片付け終わるタイミングを見計らって、切りだす。
「ここは混浴露天風呂があったな。夕食まで二時間以上はあるから、ひと風呂浴びよう」
あったなもなにも。すべては下調べしてある。
当然に、睦菜は困惑の表情を浮かべた。それでも、五秒くらいはためらってから。
「わたし、部屋のお風呂でいいです」
僕は不機嫌そうな顔を作って睦菜をにらんだ。
「僕が、一緒に行こうと言っているんだよ」
「でも……羞ずかしいから」
「なにが? みんな、素っ裸なんだぞ」
「だから……」
口ごもるのを、追い詰める。
「なにが、どう羞ずかしいんだい?」
「見られてはいけないところとか……」
「ああ、股座の毛のことを言ってるんだね」
微妙に的外れな言葉を返すと、素直に返事をする。
「……はい」
これなら、亭主の強権を発動しなくてもよさそうだ。
「それは、そうだね。それじゃ、剃ってしまおう」
「えっ……?!」
口を開けて、睦菜が絶句する。
「自分では下のほうまでよく見えないね。僕が剃ってあげよう。素っ裸になりなさい。ついでに、腋の下も剃り残しが無いか確かめてあげよう」
「あの……困ります」
「なにを困るんだい? 女性は腋毛も脛毛も手入れをしてるじゃないか。股座だけほったらかしは、おかしいね」
「…………」
泣きそうな顔になっている睦菜を置いて内風呂へ行き、水を張った洗面器と石鹸とT字剃刀と手拭いを取ってきた。座卓の隅に置いて、その横に胡座をかいた。
睦菜は突っ立ったまま両手を胸の前で交差させて、唇を噛んでうつむいている。どんなふうに自分との折り合いをつけたのかは、分からない。法外な結納金の意味を、あらためて思い出したのかもしれない。
「あの……自分でします」
「駄目だ」
厳しい声で断定してから、優しく言い添える。
「気が動転していたら手元が狂って、肌を切ってしまうよ」
睦菜は後ろ向きになりかけて、昨夜を思い出したのだろう。僕に向き直って、服を脱ぎ始めた。
僕は腕組みをして、睦菜の動作をじっと見つめる。勃起を鎮めようとして、アルファベット順に五つずつ単語を思い出しながら。
「ここに立って脚を開きなさい」
若い娘には不可能に近い行為を命令する。
睦菜は白い裸身に朱を浮かべながら、買い主でもある夫の命令に従った。
僕は間近に、昨夜割られたばかりの新鉢を覗き込んだ。
大淫唇には、まったく色素が沈着していない。開脚するとさすがに顔を出す小淫唇の縁も、鮏肉色だった。
中指で淫裂をえぐりながら掌で小さな叢を撫で上げた。
「ひゃあっ……」
睦菜が悲鳴をあげて跳び退った。
「動いたら危ないよ」
警告と同時に、手を伸ばして同じことを繰り返した。今度は叫ばなかったが、びくんっと腰が跳ねる。
「反射的な反応だから、どうしようもないね。そうだ……」
床柱の手前にトランクを置いた。
「ここに座りなさい」
不安げな顔で腰を落とす睦菜。
「身体を動かせないようにするからね」
脱衣篭にたたまれている浴衣の帯を手に取った。
「…………」
昨夜のことを思い出せば、僕の意図は明白だろう。睦菜はわずかに顔をそむけて、うつむいている。それが彼女の拒否と受諾、両方の意思表示だった。
左の膝を縛って帯を引き上げ、途中で手首を縛り、さらに引っ張って、下地窓に通して床柱に巻き付けた。もう一本の帯で右も同じようにする。これで実用上の問題はないが、緊縛らしくするために、ズボンのベルトで手首をひとまとめにした。
ベルトが無ければ文字通り締まらないので、僕も下着姿になった。
睦菜の艶姿を撮影したい衝動に駆られたが、それは睦菜の羞恥の極限を超えるだろうから、断腸の思いで諦める。このときだけではない。新婚旅行のあいだは、まあまあ無難な記念写真をわずかに撮ったにとどまった。それはともかく。
「ふうん。腋の下は、綺麗にしているね」
両腕を吊っていることを正当化する言い訳。
「それじゃ、見苦しい箇所の手入れを始めよう」
睦菜は、すっかりまな板の上の鯉。僕の言葉にぴくりとも身体を動かさなかった――のだが。
床の間の板敷きに剃毛の道具を並べ終えたところで(予期していたとおりに)邪魔がはいった。
「失礼いたします」
女中の声。浴衣も引っ掛けずに襖を開けると、踏込(入口)手前の板敷に手を突いていた。
「早めにお布団を敷かせていただこうかと伺いましたが……そのほうが、よろしそうですわね」
新婚だから夜を待たずにおっ始めるのではないかと見越してのサービスだろう。
「うん、頼むよ」
客間へ続く襖を思い切り開け放してやった。
「では、失礼……ええっ?!」
「いやあああああっ……!!」
驚愕と羞恥、悲鳴の二重唱。
「お取り込み中を失礼しましたあっ」
慌てて逃げようとする女中の肩を捕まえて引き戻した。
「こういう趣味なんでね。なにとぞ、よしなに」
あらかじめ準備しておいた心付けを、和服の胸元にねじ込んでやった。四十女の乳を揉んでやるサービスも忘れない。
女中にそのまま布団を敷かせれば強制露出プレイだが、それでは明日のインパクトが薄れるので、やめておいた。
それでも、睦菜の受けたショックは大きかったようだ。
「わたしに恥を掻かせて、面白いんですか?!」
目に涙を浮かべて、僕を詰った。初めての抗議だった。予想していたよりは一日遅い展開だった。
僕は睦菜の前に膝を突いた。右手を振り上げる。
睦菜は、怯まず僕をにらむのだが――その瞳に憎悪や敵意は浮かんでいないと見たのは、僕自分勝手な思い違いだろうか。
僕は手加減無しの平手打ちを睦菜の乳房にくれてやった。
バッチイン!
「きゃああっ……!」
予想外の部位をビンタされた驚愕と、頬を叩かれるより何倍もの(男の僕には見当もつかない)激痛に、睦菜が絶叫した。といっても、まだまだ女の子っぽい可愛い悲鳴だったが。
掌に残る柔らかい感触をちょっとの間だけ愉しんでから、右手で乳首を抓ってやった。
「妻の恥は、そのまま夫の恥だ。分かるな?」
「痛いです……」
追い込まなくても、言い聞かせるだけでじゅうぶんだと思ったのは、判断ではなく憐憫だった。
「夫である僕が、一緒に恥を掻いているんだ。それでも不服なのか?」
左手も動員して、双つの乳首に親指の爪を食い込ませてやった。
「きひいいい……ごめんなさい! わたしが間違っていました」
ただ痛みから逃れたい一心の言葉だろうが、それで赦してやることにした。
石鹸を掌で泡立ててそれを下腹部になすりつけても、睦菜はじっとしていた。
羞ずかしいことをされているという意識のせいか、掌と石鹸で性感を刺激されたせいか、クリトリスが少し隆起している。マゾの素質とは断定できないが、有望な反応だ。
剃毛に取りかかる。繁みの上端に刃を直角に当てて、クリトリスを傷つけないようにそっと――淫裂の下端まで滑らせた。泡と共に淫毛が剃り取られて白い肌が現われた。逆モヒカン刈りだ。むしろこのままのほうが羞恥心を煽るかもしれないが……僕の好みではない。
僕の嗜好は、実のところSM雑誌のグラビアで培われている。淫毛が見えなければ猥褻ではないという当局の見解に沿って、パイパンに縦縄をあしらうのが定番(?)だから、僕の頭もSMすなわちパイパンになってしまった。ノーマルなヌード写真集では、その部分を花束で隠すとかしている例が多い。その理由を考察してみたい気もするが、今ではない。
四回も剃刀を滑らすと、おおむねパイパンになった。さらに下から上への逆剃りもすると、つるつるの肌になった。鼠蹊部や肛門まわりは処置の必要もなかった。
帯をほどいてやる前に、僕は浴衣に着替えた。睦菜に正面を向けて全裸になり、あらかじめトランクから出しておいた晒し布で六尺褌を締めた。男性下着は昔からあった西洋猿股(トランクス)と、近年では女物のパンティみたいなブリーフがのさばっているが、まだまだ越中や六尺を愛好する者も多い。だから僕も――というわけではない。
睦菜のぱっくり開いた股間を存分に鑑賞しながら着替え終わって、睦菜も解放してやる。
「きみも浴衣を着なさい」
パンティを穿こうとするのを、厳しく叱りつける。
「浴衣は素肌に着るものだ。パンティの線が透けて見えるなんて、羞ずかしくないのか」
褌は、このための伏線だった。六尺は尻に食い込むから線が出ない。越中でも晒し布一枚。パンティの縁は折り返して縫ってあるし、女の尻は出っ張っているから、分厚いスラックスでも、どうかするとラインが浮き彫りになる。生地の薄い浴衣では、みっともないこと、このうえもない。男性の視点では、みっとも良いともいえるが。
男が褌なら女は腰巻。そういう理屈も成り立つが――睦菜は素直に、素裸の上に浴衣をまとった。
内風呂には四つも五つも洗面器が置いてある。それに、備え付けの石鹸と手拭いとを入れて(睦菜は、他にも櫛とか歯ブラシとか、ごちゃごちゃ詰め込んだ)、部屋を出た。通りかかった女中に布団を延べておくように頼み、ついでといった軽い調子で浴衣と帯と手拭いを二つ三つ追加してくれるように心付けを渡してから、渡り廊下を通って露天風呂へ。
脱衣場は、さすがに男女別になっている。僕は一分もかけなかったが、睦菜が浴場に出てくるまで五分以上も待たされた。女は衣服の着脱になにかと時間をかけるが、この場合は化粧を落とす手間に加えて、羞恥心を克服する時間も含まれていただろう。
「せっかく綺麗に手入れしたんだ。股座を隠すんじゃないぞ。乳もだ。昨日までは生娘だった若々しい裸を、みんなに見せつけてやれ」
すでに薄く染まっていた睦菜の肌が、ますます紅潮する。
僕自身も率先実行。洗面器は腰の横に抱えて、堂々と湯船に向かう。日本人の八割の御多分に漏れず僕も仮性包茎だが、睦菜のおかげで幾分か膨張しているから、半分くらいは露出している。なので、サイズ的にも見劣りはしない。
掛け湯をして振り返ると――睦菜は、まだ洗面器で股間を隠して片手は乳房に当てている。
「睦菜。早くおいで」
引き返して、強引に洗面器を奪い取り、乳房を隠している手を握って、湯船の前に引き据えた。
「きみも入りなさい」
さっさと湯に浸かって、睦菜を見上げる。股間に視線を向けてやると、慌てたように掛け湯をして、手で下を隠しながらおずおずと足を湯に入れた。
「あそこからだと、景色が良く見えるかな」
睦菜にというよりは、他の入浴客にも聞こえるように独り言して、浴槽の隅へ移動した。背中を壁にもたせかけて、海岸を眺めながら、露天風呂のあちこちも観察する。
新婚カップルとひと目で分かるのが三組。二人くっついていちゃいちゃしていたり、かしこまっていたり。月曜日だから一般の観光客は少ない。
睦菜が僕の横に来て、左側にちょこんと並んだ。腕と腕とが触れ合うまで、身体を寄せてくる。
僕と一緒なら、裸も羞ずかしくない――と、思っているかどうかまでは分からないが。羞恥に猥れたら、よりいっそうの羞恥に猥らすという僕の目論見には、もちろん気づいてはいない。
とりあえずは周囲のカップルを見習って(?)、水面下で睦菜の肌に手を這わせる。太腿を撫で上げて、股間に指を差し挿れて――睦菜はわずかに身をこわばらせたが、すぐに弛緩して、指を動かしやすいように脚を開いた。たった一日で、ずいぶんと変わるものだ。
睦菜の期待(?)には応えず、股間から指を抜いて、逆に睦菜の手首を握って、僕の股座に導いた。
指先がペニスに触れた瞬間、空焚きしたヤカン(でもフライパンでもいいが)に触ったみたいに、反射的に手を引っ込める――のを無理矢理に引き戻して、右手も使って握らせた。
温かい湯の中で、睦菜の手が滾るように熱い。たちまちに怒張が極限に達して、全体がドクンドクンと脈打つ。
睦菜の指を摘まんで動かして、輪郭をなぞらせる。
表情を盗み見ると、顔を赤く染めながら、水面下を見つめている。
おっと……
僕は睦菜の手を放した。睦菜も、慌てたように手を引っ込めた。
睦菜の初心さに惑わされて、余計な悪戯をしてしまった。人前で平然と痴戯を仕掛けるような女に育てるつもりは無い。
しばらく待ったが、怒張は治まりそうもなかった。
ええい、ままよ。旅の恥は掻き捨て。僕は睦菜の手をつかんで立ち上がった。わざと洗い場のど真ん中に陣取って。
「背中を洗っておくれ」
どうしても、ていねいな物言いになってしまう。癖にならないうちに、厳然たる命令口調に改めようとは思っているのだが。
睦菜が、僕の後ろにまわった。手拭いに石鹸を泡立てて、僕の背中を撫でる。
「もっと力を入れて、ごしごし洗ってくれ」
腕を突っ張って、肩から腰まで何度も手拭いを往復させる睦菜。二の腕を片方ずつ上げると、腋の下もちゃんと擦る。
頃合いを見計らって、くるりと向き直った。
いきり勃っている股間を見て、睦菜が反射的に顔をそむける。
「前も洗っておくれよ」
睦菜は固まっている。
「きみの中に挿入(はい)る大切な部分だよ。綺麗にしておかないと、困るのはきみじゃないか」
露骨な言葉に、睦菜の裸身が濃い桃色に染まった。顔からは火を噴いている。
睦菜が、不意に立ち上がった。
「ごめんなさいっ……」
手拭いを落として、両手で前をかばいながら脱衣場へ逃げて行った。
「お兄さん。彼女が可哀そうだわよ。まだ、子供じゃないの」
三人連れらしい御姉さん(小母さんなどといっては、僕自身にはね返ってくる)のひとりが、たしなめるというよりは興味津々に声をかけてきた。
「女房の躾は、最初が肝心ですからね」
「あら、ま……」
三人連れが顔を見合わせた。上司と若い部下の不倫旅行とでも思っていたのだろう。
「ふたまわりほども歳が離れていますからね。まあ、それに見合うだけの結納は先方に渡していますけど」
金で買ったと、あからさまに言ってやった。御姉さん連は無言絶句。
御姉さんたちのおかげ(?)で勃起も治まったので、僕も退場する。
部屋へ戻ると、睦菜は壁に向かって座ってうなだれていた。肩を震わせている。これがふつうの見合い結婚だったら、スーツに着替えて荷物をまとめているかもしれない。しかし睦菜は浴衣姿のまま。尻にパンティの線も浮き出ていない。
憐憫の情にほだされかけるが――ここが勝負どころだ。せっかく縮まった心理的距離が、あるいは以前よりもさらに開くかもしれないが、それは後で埋め合わせてやろう。
「亭主の言いつけも守らず、挙句に逃げ出すとはどういう料簡だ」
きつい声で叱りつけてやった。
「……ごめんなさい」
反論も言い訳もせずに謝るのは、力関係だけなのか、睦菜の気質もあずかっているのか。
「ハネムーンだからと、甘やかしたのがいけなかったな。きっちり躾けてやる。すっ裸になって、そこで四つん這いになれ」
びくんと、大きく肩が震えた。けれど――素直に立ち上がって、僕に向き直った。化粧を落とした頬に涙の筋が美しい。
僕に正面を向けて浴衣を脱ぐと、のろのろした動作で四つん這いになった。内心の葛藤が、手に取るように分かる。
僕は踏込からスリッパを持ってきた。睦菜に見せつけながら、濡れ手拭いでスリッパの裏をぬぐって、右手に持った。
「…………」
僕の意図を悟って、しかし睦菜は文句を言わない。顔をうつ向けて、涙を畳に落とした。
僕は睦菜の横に片膝を突いて、左手で乳房をつかんだ。握りつぶすほど強くはないが、身体を逃げようとすると、それなりに痛いだろう。
僕は右手のスリッパを振り上げて、睦菜の尻に叩きつけた。
バシイン!
「きゃあっ……」
甲高い悲鳴。睦菜も子供時分にはお尻ペンペンくらいされたことはあるだろうが、平手とスリッパとでは威力が違う。しかも、親の慈愛ではなく主人の嗜虐がこもっている。
僕自身も、予想外の手応えに感心している。与える痛みは、鞭よりも小さいかもしれない。しかし鞭はしやなかなだけに、肉を打つ手応えが直接には伝わってこない。マゾ女を物差しで叩いたことはあるが、それとも違っていた。物差しは柔肉に食い込むが、打撃面の広いスリッパには、その『溜め』が無い。
バシイン!
「いやあっ……ごめんなさい。赦してください」
手応えのわりに、睦菜に与える苦痛は小さい。だから、ちゃんと言葉を喋れる。それでも初心者にはじゅうぶんな痛みだろうし、足で踏む道具で叩かれるという屈辱が加わる。
「反省しているのか?」
言葉責めを愉しむ。
「はい。これからは、言いつけを守ります」
「その言葉がほんとうか、確かめてやる。あと八発だ。絶対に声を出すな。隣の客や女中に聞かれてみろ。躾のできていない嫁をもらった僕までが恥を掻く」
「…………」
睦菜が、こくんとうなずいた。さっそくに、言いつけを守っている。
僕はスリッパを睦菜の尻にあてがい、愛撫するようにこすりつけてから、大きく振りかぶって力いっぱいに叩きつけた。
バッチイン!
「く……」
呻くというよりも、たまらず漏らした息が声になったような音色だった。
バッチイン! バッチイン! バッチイン!
五発目を叩いてから、左手を伸ばして乳房を持ち替えた。それまでは左の尻を叩いていたのも、右に狙いを替えて――さらに五発。
合計十発を叩き終えたときには、睦菜の尻はまっ赤に腫れていた。
「よく頑張ったね」
尻から手をまわして、淫裂をくじってやった。
「あ……」
不本意な陵辱に耐えている吐息だった。これを褒美だと思うようになるには、そんなに時を要さない。なんとなくだが、そう思った。実際、今でも――クリトリスに触れずに膣口をこねくるだけでも、かすかに濡れてきた。
「いい加減で夕食の頃合いだが。もしかすると、女中さんが気を利かしてくれているのかな。帳場へ行って、催促してきなさい」
睦菜は恨めし気に僕を見つめてから、手形の付いた乳房とまっ赤な尻を浴衣に包んで、部屋から出て行った。女中が気づいているとほのめかされたのだから、独りで部屋から出るのは羞ずかしいだろう。これも、調教の一環だ。
睦菜が戻って五分もすると、女中が膳を運んできた。ちらちらと、僕と睦菜を見比べながら膳を並べる。それに気づいて睦菜は部屋の隅で小さくなって羞恥の色を浮かべ、僕は平然と構えていた。
床の間を背にして並べられた膳は、天婦羅を主体にした会席料理。人手不足なのかカップルに配慮しているのか、ご飯はおひつに入れて、付き出しから水菓子までが、大小三つの膳に分けて一度に並べられた。
そうしてみると、料理は豪華だし、きちんと着付けているぶんにはノーブラノーパンも分からないし。女中に頼んで、料理を前にふたり並んでいるところを撮ってもらった。田中家へのアリバイ写真の意味合いもある。
女中がいなくなってふたりきりの食事は、どうにも間が持たなかった。
昨夜と同じように、睦菜は(ノーパンに浴衣一枚ではさもありなんだが)心ここにあらずといった態で、三分の一も口に運ばない。僕はといえば、やはり空戦を控えた戦闘機。もっとも、酒はほろ酔いするくらいには呑んだ。睦菜にも半分くらいのペースで半量くらいは酌をしてやった。飲酒経験の無い少女を、性欲は掻き立てられるが性感を損なわない程度に酔わせるのは、僕としても初めての体験だった。
一時間近くかかって少量の食事を終えて。微妙に腹が重たい。睦菜は、酒のせいでぽわんとしている。
時計を見ると、まだ七時半。
「腹ごなしにひと風呂浴びよう。手拭いだけでいいよ」
手拭いひとつを肩に掛けて、部屋を出た。睦菜も手ぶらで、素直に着いてきた。酔いで足元がおぼつかないのか、しがみついてくる。心理的距離は申し分ない。
今度は三分ほどで合流して。睦菜の手拭いを取り上げて左側に立たせ、右手を僕の腰にまわさせて肘で押さえ込む。左手は背後で腰のあたりへ軽くねじ上げた。睦菜は抗わない。乳房を僕の二の腕に押しつけて右半身(と、股間)を隠す。
さすがに、突き放すような非情はせずに、湯船まで連行した。掛け湯は、もちろん別々。
混浴露天風呂は、二時間半前よりも混んでいた。団体客らしいのが十人ばかりと、さっきの御姉さん三人組が、まさか流連でもないだろうが。優雅に盆を浮かべて酒を嗜んでいる老人も。
悪戯は仕掛けず、小一時間ばかりおとなしく浸かって、睦菜の酔いを醒まさせた。
そして部屋へ戻って。新婚の熱烈な一夜が始まる。寝間のほうには二組の布団が延べられているが、そちらは使わない。
座敷の真ん中に置かれている座卓に座布団を並べる。睦菜を全裸で座卓の上に座らせた。スリッパの尻叩きが堪えているのだろう。怪訝そうな羞じらいを顔に浮かべたが、黙って言われたとおりにした。
しかし、浴衣の帯を手に取ってしごくと、硬い声で拒絶した。
「縛ったりしなくても、逃げたりはしません」
「自分から股を開いて男を誘うような淫らな女は嫌いだ」
睦菜がそうであるように決め付ける。
「そんなつもりは……」
「力ずくで男女の交わりを強いられて、心ならずも肉欲の快感に溺れてしまう――そういった女に、睦菜を仕込んでやるよ」
「…………」
睦菜は、まだ何か言いたそうだったが、言葉を見つけられない。数秒の沈黙の後にかろうじてつぶやいた。
「厭です……」
睦菜の意志は無視して、手足をつかんで三角座りにさせた。手首と足首とを片側ずつ帯でひとまとめに縛り、肘と膝も括り合わせる。
「暴れると落ちるぞ」
声を掛けるまでもなく、睦菜はされるがままになっている。あお向けに転がして、膝から垂れている左右の帯を座卓の下でつなぎ、じゅうぶんに脚が開くまで引き絞った。追加の帯を首に巻いて、輪が喉を縊らないように結び留めてから、座卓をくぐらせて固定した。
乾いた手拭いの真ん中に大きな結び瘤を付くって、口に突き付けた。睦菜は口を閉ざしてかぶりを振った。
「昨夜は、ずいぶんと善がっていたろう。旅館はホテルよりも壁が薄い」
「よがる……?」
「気持ち良すぎて夢中で叫ぶことだよ」
じゅうぶんに心当たりのある睦菜の顔が赤くなった。
「女中さんにも隣の客にも、淫らではしたない声を聞かせたいと睦菜が望むなら、一緒に恥を掻いてやってもいいけどね」
結び瘤を唇に押し付けると、睦菜は恨めしげに僕を見上げながら口を開けた。結び瘤を咥えさせて、手拭いで頬を縊った。
「んん、んんん……」
睦菜が天井を見上げて呻く。言いたいことは分かっている。
「昨夜は、シャンデリアに煌々と照らされながら処女を捧げてくれたじゃないか。今さら羞ずかしがるのは、おかしいよ」
僕も浴衣を脱いで六尺褌一本になった。セカンドバッグを取り出して、昨夜は使わなかった小筆とピンクローターを座卓に並べた。
「きみも気持ち良くしてあげると約束したからね」
小筆を手に取って、睦菜に見せつける。
「こういうので肌をくすぐったことがあるかな?」
睦菜は激しくかぶりを振った。つまりYESだ。昨日初めて知った敏感な突起への刺激と重ね合わせて快感の予感に戦慄したのだろう。
その期待に応えてあげよう。両手に一本ずつ小筆を持って、穂先が触れるか触れないかくらいに乳首をくすぐった。
「んんんーっ!」
甲高く鼻に抜ける、ほとんど嬌声の呻き。胸がびくんっと激しく震えた。
「くすぐったいかな。じきに、凄まじい快感に変わるからね」
さわさわさわ、こちょこちょと――睦菜の反応をうかがいながら筆を動かす。
「んんっ……ん゙びい゙っ……んん、んんん……」
辛抱強くくすぐっているうちに、胸の震えがうねりに変わり、呻き声が甘く蕩けていく。
筆の動きを止めると、睦菜はもどかしそうに乳房を揺すった。
「これは知っているかな?」
コードをつまんで、ピンクローターを顔の上にかざした。
睦菜は訝しそうに見つめる。婦人雑誌でもエログッズは滅多に取り上げない――とは、菊枝から教わった知識だ。
座卓にじかに置いてリモコンのスイッチを入れると――ガガガガガガと大きな音を立てて振動する。あらためてコードで吊り上げて。左手を睦菜の股間に這わせて大淫唇をくつろげ、クリトリスを掘り起こす。そして、ローターをそっと蕾の先端に触れさせた。
瞬間、睦菜の腰が激しく跳ねた。ローターが弾き飛ばされる。
「じっとしていなさい」
無理な注文とは分かっている。掌を上向けて親指で膣口をえぐった。会淫に掌を当てて、左手で腰を固定してやった。ローターも本体の端をつまんで、クリトリスにあてがった。
「ん゙びい゙い゙い゙っ……!」
跳ねる腰を左手で押さえつけて、右手のローターはクリトリスを追う。
「ん゙ん゙ん゙……びい゙い゙っ……」
続けるうちに、呻き声が甘く切迫していく。昨日まではクリトリス性感など知識としても持たなかった少女が、その絶頂に向けて追い込まれている。ローターの振動は、座卓でのデモンストレーション後は最弱あたりまで落としてある。強い刺激は苦痛だと、これも菊枝のアドバイスだった。
しかし、ここまで追い上げれば、苦痛も快感に溶け込んでいくのではないだろうか。左手を睦菜の腰から放して、リモコンのスライドを押し上げた。
「ああっ……ああああ!」
ソプラノの悲鳴が手拭いの猿轡を突き抜けた。苦痛の絶叫とは違うと――女を絶頂まで導いた経験に乏しい僕にも、はっきりと分かった。平凡なセックスではあまり快感を与えない方針だが、緊縛しているのだから矛盾は無い。鞭の痛みを悦虐に昇華させるのは、緊縛イコール快感の条件反射が出来上がってからだ。
睦菜は激しく腰を突き上げる。開脚して座卓に磔けられた裸身が、背中を支点にしてびくんびくんと揺れる。そのたびに首に巻いた帯が喉に食い込む。
僕はクリトリスの先端にあてがっていたローターを強く押しつけて、腰の動きを追いかける。
一分もしないうちに、睦菜の全身が数秒硬直して――それから、ゆっくりと弛緩していった。それでも、刺激から逃れようとしてか、それともいっそうの刺激を求めてか、腰を左右にくねらしている。睦菜の胸から下腹部にかけて、粘っこい汗が浮かんでいた。そして淫裂は、どろどろにぬかるんでいる。
たった一度の性交しか経験していない少女を絶頂に追い上げた達成感に、僕は射精にも似た満足を覚えた。と同時に、疑問も生じる。
たいていの娼婦は玩具を厭がるし、マゾ女でもピンクローターくらいでは、そうそう絶頂まで辿りつかない。睦菜は初心者だからこそ、ここまで反応したのだろうか。だとしても、弄辱を受け容れる心構えがなければ、こうはならなかったのではないだろうか。だとすれば――僕は稀有のマゾ女を手に入れたのではなかろうか。
もちろん、自分勝手な憶測にすぎないとは承知している。しかし調教で、この希望的観測を幾らかでも真実に近づけることは可能だろう。
と、そこまで考えて。僕はまだ、夫としての務めを果たしていなかったことを思い出した。六尺褌の下は、痛いほどに怒張している。
「今度は、僕を満足させてもらう番だよ」
褌をほどくのももどかしく――座卓に磔けられたまま天井を見上げて放心している新妻を、僕は組み敷いた。
二度目ではまだ硬いはずの膣口は、絶頂後の弛緩で柔肉そのものになっていた。それでいて、挿入された怒張に肉襞が絡みつく。気分の高揚もあいまって、僕はあっさりと射精してしまった。
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男性主人公の一人称で書くと、どうしても作者の体験なり感慨なりが反映されます。されなければ絵空事になります。
6月中に脱稿して、校訂して表紙絵BF作って。
7月には”Extra Sensory Penetration”発売ですから、順番では本作が『8月号』になる予定です。
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