Interrupt Report more:Nightmare Rift
120枚を超えて、長丁場(40~60枚)のラストスパートです。
猿事情で、すくなくとも今週は出禁なので、校正して、Notissue versionまで突っ込めそうです。
猿事情:PCRてやつです。筆者は定義上では農耕接触者ですが、実態は狩猟接触者なので、発熱もないので、シフトがひっ迫していることもあり、週明けには出禁解除になるでしょう。
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循姦
私たちが磔けられていたキの字架は分解されて、別の形に組み直されていた。鳥居のミニチュアというか、段違い鉄棒(木製だけど)というか――ギロチン磔台にしか見えないのがひとつと。
キの字架の柱を2本、2m間隔で立てたのと。柱2本のほうは、蔓を撚り合わせた太いロープがてっぺんに張られて、ロープの中央から数本の蔓が垂れている。こちらはリンチの絞首刑を連想してしまう。
ソフィが絞首刑の柱へ連れていかれた。ロープの真下に立たされ、両手を頭上で縛られてロープにつながれた。絞首刑じゃなかったけれど……。
「なにするの?! やめて……こんなの、嫌あ!」
強引に肩車をされた。裸だから、女性器が男の首筋に密着する。羞ずかしいだけじゃなくて、おぞましい。のは、まだ序の口だった。蛮族どもが群がって、両側から足首をつかんで股裂きにしようとする。
「やめて! やめてったら……」
両足を蹴って抵抗するソフィ。男の力にはかなわない。それでも、手首をこねくって太いロープをつかみ、しがみついて肩車から逃れようとする。
「ウープ、ウープ」
まわりから声が掛かって。肩車をしていた男が、急にしゃがんでソフィを投げ出した。
「きゃっ……!」
ソフィは転びかけてロープにひき止められ、地面に膝を突いた。
ソフィの足を引っ張っていた男のひとりが、ソフィを引き起こして羽交い締めにした。肩車の男が正面に回り込んで。警告も威しも無しで、ソフィの腹を殴った。
「ぐぶぇっ……!」
ソフィの膝が、がくっと折れた。腋の下で男の腕に支えられているので、倒れて身をかばうこともできない。
ぼすん、ぼすんと――拳が同じ場所に突き入れられる。
「うぶ……げえええ」
ソフィの口からあふれたのは、人魚の真似をさせられたときに呑み込んでしまった海水だろう。
私は、いきなりの暴力を恐怖に駆られながら眺めているしかなかった。蛮族どもを制止しようにも、適切な構文を組み立てられない。ただニョを連呼しても、彼らは嘲嗤うか、もっと凶暴になりかねない。
蛮族が、ようやくソフィを脅迫する。拳を腹に押しつけながら目を覗き込む。
「ニョ、ゴン。ジェ? ジェ?」
NO DO。OK? 逆らうな、分かったか?
「ジェ……ニョ、ゴン」
ソフィが弱々しい声を震わせて返事をした。単語を理解していなくても、威しの意味は取り違えようがない。
ソフィは肩車をされずに両足を持ち上げられて、身体が宙に浮いた。体重のほとんどは、手首につながれた太いロープで支えられている。V字形に開脚させられた足にも、水平に張られたロープから垂れている蔓がつながれて、頭の後ろに渡された木の枝の両端に膝を縛られた。
「オオオオオ! ゴンゴン!」
数人の蛮族が左手でVサインを作って、右手の人差し指でV字を突き上げる。その意味は明白だった。いや、明白以上だ。ソフィは、屈辱きわまりない形で処女を奪われるのだ。
……他人の悲惨を憐れむ贅沢を、私は許されていない。私も数人の蛮族どもの手で、ギロチン磔台へと引っ立てられた。2本の横木に首を挟まれて、動かせないように蔓で縛られる。両手は左右に引っ張られて、手首から肘までを上の横木に縛りつけられた。そして両足も左右の柱につながれた。身体を折り曲げて尻を突き出した――犯してくださいと言わんばかりの姿勢。
「トンミ、トンゴン」
族長が威張った感じで宣言して、腰を隠している巻貝を取り去った。すでにペニスは勃起している。ソフィの正面に近づいて。しゃがみ込んで、ぱっくりと開いた淫裂を覗き込む。
「いやあっ……見ないで! さわらないでえっ!」
わずかにくすぶっている焚火の向こう側とこちら側で並んで磔けられているから、族長がソフィに仕掛けている悪戯が、つぶさに見て取れる。
族長は、小淫唇をつまんで左右に引っ張って、さらに奥を覗き込んだり。淫裂の頂点に埋もれている肉蕾を見つけて、首をかしげながら指で転がしてみたり。
「ひゃうんっ……やだ! そこ、やめて……」
女の身体の悲哀。男性は、激しいスポーツをしたり悲嘆に暮れているときは、ペニスを刺激されても勃起しないと聞いたことがあるけれど。女性は、そんなの関係ない。ソフィも、不本意な快感に翻弄されている。
「いやだ……やめて。くうう……んん」
嫌悪と快感の板挟み。
「痛いっ……! 抜いて、指を抜いて!」
バギナに指を突き挿れられて、ソフィアが純粋の苦痛を叫んだ。
「ジェニョ? ゴンゴンゴン」
族長が根元まで指を突き立てて、こねくり始めた。
「お願い、赦して。痛い……!」
ソフィの悲痛な訴えが、男の心に届いたのではないだろう。好奇心を満たされて満足しただけだ。
「ジョニェ、ワァ?」
指を抜いて宙にかざして。にんまりと嗤った。
「ニョワァ、ジョドワ」
取り囲んで見物していた連中が囃し立てる。
「ドワ、ドワ。ジェ、ニャドゥ」
族長が立ち上がって。掌に唾を吐いて、ペニスにまぶした。
ソフィの顔が、すうっと蒼褪めていく。これから何をされるのか、実感を伴って理解した――といったところだろう。私なんか、この身体とテクニックで蛮族どもを骨抜きにしてやろうと、腰タンタンでいる。まあ……テクニックといっても、3人のAVオタクに仕込まれただけで、プロの風俗嬢から見ればオママゴトだろうけど。
戦意旺盛な私と違って、ソフィはバージン。人生の一大事だ。終わってしまえばエピソードだけど。
族長が勃起の根本を右手で支えて、すれすれまで身体を寄せる。
「やめて! お願い……」
腰を揺すって逃れようとする。
族長が両手でソフィの腰をつかんで、動きを封じる。そして、拳を作って腹に押しつける。
「……殴らないで。おとなしくするから……」
ソフィが敗北を口にした。
「ジェ、ゴンゴン。ニョムウ」
蛮族でも女性をいたわることがあるんだと、認識を新たにした。けれど、することは容赦ない。
族長が腰を沈めて。突き出すようにしながら膝を伸ばした。
「いやああああっ……!」
びくんっとソフィの腰が跳ねた。けれど、宙吊りにされていては、わずかな動きにしかならない。ずぶずぶと、怒張が股間に埋没していく。
「ひどい。ひどいよ……痛い……」
バギナにペニスを突き立てられたという事実にうちひしがれて、ソフィの嗚咽はくぐもっている。
「オオオオオ、ジェイジェイ。ゴンゴン、ゴンゴン」
バギナの刺激が心地良いのか、征服の快感か。族長が鬨の声をあげながら、腰を前後に激しく振り立てる。
「ぎひいい、痛い! 動かさないで。抜いて……もう、赦して!」
ソフィが泣きながら訴える。男がどちらへ心を動かすかは当人の性癖にもよるだろうけど、やはり蛮族には女性をいたわる心は希薄らしい。
「オオオオオ、ゴンゴン。ジェイジェイ、ゴンゴン」
勝鬨の雄叫びあげながら腰を激しく突き上げて――数分で果ててしまったのが、ソフィにとってはせめてもの救い。にはならないだろう。
族長にはソフィを独占するつもりが無いらしい。弛みきった表情でソフィから身を離すと、生け贄にわっと群がり寄る男どもを止めるどころか、両手を下から上に扇いでけしかける。
「ウープ、ウープ。ムウムウ、ゴンゴン!」
私にも蛮族どもが押し寄せる。
「ミ、ゴンゴン、ゴンゴン」
私に肉をくれた男が優先権を主張して、後ろから腰をつかんだ。
まあ、いいか。3人目の男とは今も続いていて、SEXなんてデートの中の自然な流れになってるけど、そのときくらいにも緊張していない。ときめいていないのは当然だけど、怯えてもいないし、不貞腐れてもいない。
これが転位とかじゃなくて、ただ未発見の蛮族に捕まっただけだとしても――これ以上はないってくらいの非日常だ。レイフ°なんて、食事と同じレベルの日常でしかない。
いや、そうじゃない。こいつらを手なずけ支配するための重要なシーケンスだ。
そういう意味では緊張している。入試のときと同じくらい。そして、うまくやれる自信もある。大学だって、第一志望に合格したんだから。
ずぬ゙ゔっと、押し挿ってきた。唾で湿すくらいはしてるんだろうけど、ちっとも弄ってくれてないから――ちょっと痛い。でも、物理的な刺激ですぐに潤滑される。
「オオオ、ニャゴンゴン。トンジェイ、ジェジェジェ」
意味は分からないけど、感激してるのは分かる。まるで厨坊の初体験みたい――いや、そういう犯罪的シチュエーションは、経験したことないけど。
どんっと……目の前に勃起を突きつけられた。男は20人以上。女は2人。待ちきれなくて当然。
フェラは、あまり自信がない。射精までいかせたこともない。けど、拒める状況じゃない。素直に口を開けたら、ぐぼっと突っ込まれた。両手で私の頭をかかえて、まさしくゴンゴン突いてくる。拙いフェラテクの出番はなかった。
それでも、歯を立てないように気をつけて。喉の奥まで突っ込まれても吐き気を我慢して。男が腰を引くときには、裏筋あたりに舌を絡めようと努力する。さっさと射精してくれたら、それだけ早く楽になるという計算もあるけど。負けてたまるかという敵愾心もかった。何に負けたくないかというと。
ソフィが犯されてるときに、ちょっと考えたんだけど。これまでの蛮族どもの態度を見ていると、女性という存在を知らなかったんじゃないかと思う。実際、これまでに見ていないし。それを言えば子供も老人もだけど、ややこしくなるからパス。この仮説が正しいとすると、ほんとにここは異世界だということになるけど、それもパス。
女性の存在を知らない男性。でも、勃起とか射精は知ってる。じゃあ、どうやって性欲を処理してきたんだとなると、答えはひとつ(存在するとしたら、山羊とか鶏とか海鼠とかも候補にあがるけど)。
つまり――むくつけき野郎のアヌスなんかに、バギナが負けてたまるかっていうこと。
私の努力が報われたというよりも、男がまさしく独り善がりに荒腰を使いやがって。あっさりと埒を明けてくれた。喉の奥にホットソーダ(なんて飲み物があると知ったのは、つい最近)を叩きつけられた感じ。
男が抜去すると、口中の汚濁をすぐに吐き出した。つぎの瞬間、強い力で頭を押しつけられた。首は平行な2本の枝に挟まれているから、喉が潰れる。息ができない。
「や゙め゙で……な゙に゙……」
バシン、バシンとビンタを張られた。目の前に星が飛び交って、耳がキインと鳴った。
「ニョ、ニョドワ! ミ、ゴンゴン!」
イマラチオを強いていた男が、萎え切っていないペニスを指し、地面を指し、地団太を踏む。吐き出した精液を下の土ごと掬い取って、私の口に押し込もうとする。
「んんん、んんっ……」
口を引き結んで拒んだけれど。別の男に腹を膝蹴りされて。
「げふっ……!」
口を半開きにして呻いた瞬間に、押し込まれてしまった。
「むうう……」
吐き出したら、また同じ目に遭わされる。口の中のじゃりじゃりを、惨めな思いで苦労しながら飲み込んだ。喉が痛い。
「ジェジェ、ワァ、ゴン」
和らげた言葉とともに、水の入った革袋の飲み口が突きつけられた。水をすすって口をすすいで。吐き出すのは怖くて、そのまま飲み込んだ。
「なに……目がまわる……」
ソフィの声に、彼女の存在を思い出した。そちらを見ると。数人の男どもが、ソフィの身体を回していた。彼女を吊っている蔓がよじれていく。それにつれて、身体がすこしずつ吊り上がっていく。
回転が止められると、ソフィの前に背の高い男が立った。丸太を半割りにした踏み台に乗って、さらに伸び上がるようにしてソフィを貫いた。
「ジェ、ゴンゴンゴン」
男がソフィのV字形に開かされた両足をつかみ、自分はのけぞって、ソフィをぶん回した。
「きゃああっ……! 痛い! 止めて! 抜いて!」
ソフィが絶叫する。
見物している蛮族どもが、ソフィを指差してげらげら嗤う。ソフィを貫いている男だけは、嗤っていない。ゆっくり回っているソフィの足をかわしながら、回転が止まらないように両手で勢いを着けている。ソフィの身体が下がるにつれて膝を曲げ、踏み台から下りて、すれすれのところで両者の下腹部がぶつからないよう調整している。
蔓のよじれがほどけきっても、男はソフィを回し続ける。またソフィの身体が吊り上がっていって。男が踏み台に乗って膝を伸ばしてもペニスが抜けそうになると、そこから逆向きに回し始める。
こんなの、AVでも海外の(無料)動画サイトでも見たことがない。蛮族のくせに、とんでもない高等(?)テクニックを思いつくもんだ。
でも、のんびり見物している暇はない。つぎの男が、私の口をふさいだ。バギナのほうにも、新手のペニスが襲いかかる。
2本目のイラマチオは、素直にゴックンした。土を食べさせられるのは願い下げ。
「あああ……いやあ。赦して……痛いい……」
ソフィの弱々しい声が、途切れ途切れに聞こえてくる。蛮族どもも歓声を忘れて、アクロバティックな暴行に見とれている。そのくせ、私のまわりにも、しっかりと順番待ちの列ができている。
3本目(口と合算したら6本目)の男が、私の後ろに取りついた。
「もごっ……?!」
アヌスをくじられて、ごく控えめにいっても、うろたえた。
この連中にとっては、アヌスのほうがなじみ深いんだろうし。直前に使われて洗ってもいない(洗ってよ!)バギナよりは――と思っても不思議じゃない。
でも。アヌスは未経験。初めてをレイフ°される悔しさ――を、感じている暇なんてなかった。
ろくに潤滑も事前の拡張もされていない処女穴に、灼熱の激痛が襲いかかった。
「痛いっ! にょ、ごんごん!」
ペニスを吐き出して叫んで。またビンタを喰らった。だけじゃ済まなかった。脇から別の手が伸びて、乳房をつかまれた。
「ニョゴンゴン、ニョゴンゴン」
片手で私の口をふさぎながら、ゴンゴンに合わせて乳房を引っ張る。
痛い。クーパー靭帯が引き千切られるんじゃないかと、恐怖まで感じる。
「ジェイジェイ。ムウ、ゴンゴン」
面白がっている口調だ。
「ムウ、ゴンゴン。ジェイジェイ」
見物している蛮族ども唱和する。それに合わせて、ますます乳房を無茶苦茶される。
引っ張れば伸びるし、握れば潰れる。頬っぺたよりもお腹の贅肉(私には無い!)よりも――人体の中で、乳房がいちばん変形するんじゃないだろうか。ペニスだって玉袋だって、勃起したり縮みあがったりはするけど、それは生理現象で、こねくっての結果じゃない。それを面白がっている。
男が手を放しても、乳房はじんじん痛み続けている。
「ニョ、ニョゴンゴン?」
クチバシのジェスチャーが加わっている。
NO,ニョゴンゴン。ヤメテとは言うな?
「じぇ……」
口を閉ざしてうなだれることで、屈服の意を伝えた(つもり)。
「ジェ、ジェジェ」
イラマチオを中断された男が、あらためて勃起を突きつける。
私は顔を上げて大きく口を開けて、縛られている首を動かせる範囲で突き出して、勃起を咥えた。そして、唇を閉じて舌を這わせる。
「ジェ、ジェ。ジェイ……」
男は私の頭をつかんで、ゆっくりと腰を動かし始めた。射精へ向かってのピストン運動ではなく、私の尻に取りついている男が挿入を果たすまでの時間稼ぎ――だと思う。
私の(アヌスにとって)初めての男が、あらためて陵辱にとりかかった。
さっきは、貫通していなかったのだろう。もっと熱い、もっとするどい激痛が、アヌスを襲った。めりめりと引き裂かれる感触。内臓が押し上げられる不気味な不快感。
「ん゙む゙ゔゔゔっ……!」
歯を食い縛らないでいるには、ありったけの気力が必要だった。
べちゃっと、男の下腹部全体が尻に密着した。
「ムウ。ミ、ミ、ゴンゴン」
イマラチオの男が声を掛けて。ふたりが同時にピストン運動を始めた。
「んぶ……も゙お゙っ、も゙お゙っ……んぶう……」
後ろから突かれるたびに激痛が奔って、鼻から悲鳴が噴き出る。喉の奥を突かれて、吐き気がこみあげる。バギナを突かれていたときは、かすかな快感が無くもなかったけれど、アヌスは拷問に等しい。ロストバージンのときだって、これほどまでに男の射精を願ったことはなかった。
さいわいに。男(と動物?)しか知らなかった蛮族どもにとって、女体は初めて味わう快楽だったのだろう。ノーマルな、合意のセックスだったら、不満を態度に表わさないように苦労するくらいの短時間で、前も後ろも果ててくれた。
けれど、終わりではない。すぐに7本目と8本目とが、私をサンドイッチにした――のだけれど。
「ジャニェ? ニョイ? ニョイゴンゴン!」
バシンと尻を叩かれた。
「ニョイ。ワァ、ゴン」
「ニョ。ワァ、ニョ。イ、ゴンゴン」
欲望を放出して寛いでいる連中のひとりが、焚火にくべる枯葉を両手に抱えて、私の後ろに近づいた。
がさごそと、枯葉で私の尻と、その奥をこすり始めた。
私は、これまでとは異質の羞恥に悶えた。事前の処置をせずに、アヌスに異物を突っ込まれたら、どうなるか。分かりきったことだ。
「痛いっ……!」
無理な挿入で傷ついているアヌスを、ティッシュペーパーよりもずっと硬い枯葉で拭かれては、たまったものではない。切り裂かれるような痛みに、悲鳴をこらえられない。
「ごおおおん、ごおおおん」
DOを意味するゴンをゆっくり長く発音することで、「やさしくして」というニュアンスを伝えようとした。
伝わらなかった。それとも、悲鳴を面白がっているのか。いっそう乱暴にこすられて、鋭い痛みが脳天まで突き抜けた。
「ドワ。ワァ、ゴンゴン」
わたしの悲鳴を、さすがに哀れに思ってくれたのか。別の男が革袋を持ってきて、水を掛けてくれた。そして――やっぱり、枯葉でこする。でも、すこしは痛さが減った。
ついでなのか、前も水で湿した枯葉で拭いてくれた。がさつな拭き方だけど、痛みはあったけど、ほんのちょっとだけ気持ち良かった。
「駄目えっ……! ごんごん、ごんごん!」
ソフィが金切り声で叫んでいる。顔を上げて、そちらを見ると。
V字形に開脚されて吊り下げられているソフィを、ふたりの男が前後からサンドイッチにしようとしていた。
私は上体を倒してギロチン磔にされている。だから、同時にふたりが可能になるけれど、バギナとアヌスを一度に犯すのは不可能か、可能だとしてもアクロバティックな形になってしまう。
逆にソフィは――顔が高い位置にあるから、イラマチオは不可能にちかい。しかし、バギナとアヌスを同時に犯すのは難しくない。そういうことだった。
ソフィを前後からサンドイッチにして、ふたりで協力して持ち上げて。腰を突き出し、垂直に勃てた2本のペニスをふたつの穴にあてがって。ゆっくりと下ろしていく。
まず、U字形に丸まっている尻のあいだに、後ろの男の亀頭が隠れる。
「痛いっ……無理! やめて……ごんごん! きひいいっ……ごんごん!」
ソフィは尻を揺すって逃れようとしているのだろうけれど、腰をがっちりつかまれているから、いたずらに上体が揺れるだけ。足をばたつかせても、足首を吊られているのだから、効果は無い。手首を縛っている蔓を握って、すこしでも身体を引き上げようとするが、男ふたりの力で引き戻される。
「ごんごん、ごんごん……!」
ソフィは文法を間違っている。ゴンはDOなのだから、もっとやってと言っていることになる。正しく「ニョ、ゴンゴン」と言っても、殴られるだけだろうけど。
「ぎい゙い゙っ……痛い、やめて!」
男どもは手こずっている。アヌスに突き立てた怒張が『く』の字に折れ曲がりかけている。
「ムウ、ムウ。ゴンゴン」
ふたりが息を合わせてソフィの腰を、小さな円を描くように揺すり始めた。
「いやあっ……いやあああっ!」
ソフィが絶叫する。太い錐を揉みながら突っ込まれているようなものだ。それだけでも耐え難い激痛なのは、私自身も体験したばかりだ。それなのに……淫裂にも亀頭がめり込んで、じわじわと押し込まれていく。隣り合ったふたつの穴を同時に拡張される痛みを、私は想像すらできない。
「お゙お゙お゙っ……きひいいい」
ソフィが泣きじゃくっている。けれど、それは――絶叫するほどの激痛が、すこしはやわらいできたことを意味しないだろうか。じゅうぶんに訓練すれば、握り拳や腕を挿入することも可能なのだから、バージンでも2本挿しくらいでは性器を破壊されたりはしないだろう。深刻な裂傷を負うかもしれないけれど。
いずれにしても、ソフィには申し訳ないけど、自分で体験してみたいとは絶対に思わない。ギロチン磔にされて、ほんとうによかったと――不幸中の幸いに感謝してしまう。
それ以上は、ソフィの惨劇を目撃しないですんだ。7本目と8本目が私の処置(汚れを拭き取るというよりも、尻や太腿になすりつけたも同然だったが)を終えて、本来の目的を遂げにかかった。目の前には、男の下腹部。ペニスを咥えていては、横を向くこともできない。ソフィの悲鳴を意識から締め出して、私は男を満足させる作業に没頭した。
――全員が私とソフィを犯し終えるまでに2時間とはかからなかったと思う。私は15人かそれ以上の相手をさせられたから、ソフィよりは多かったと思う。私のテクニックが功を奏したというよりは、体位の違いが大きい。振り子のように揺れる女体をつかまえて、しかも立位で下から突き上げるよりは、突っ込みやすい位置と角度で固定されている穴のほうが使い勝手が良い。ただ、それだけのことだ。
蛮族どもは私とソフィをそのままにして、夕食の支度を始めた。昼食を作った後で取り壊した竈を、また作って。肉やら発酵していないパン生地やらを焼き始める。いちいち作り直すくらいなら壊さなければいいと思うが、なにか吸う狂的な理由があるのかもしれない。
私はギロチン磔にされたまま首をうなだれて、地面に長く伸びて蠢く蛮族どもの影をぼんやりと追っていた。最初から最後まで男どもの好き勝手に身体を使われただけで、手玉に取ることなんかできなかった。状況全体に対する恐怖と絶望の中でも、その小さな敗北感がちくちくと心に突き刺さる。このまま性奴隷として異境の地で短い生涯を終えるのだろうか。それ以上に恐ろしいのは、妊娠だ。病院どころか、ここには産婆すらいないのだろう。無事に出産できるとは、とても思えない。それとも……
「見て……トモミ! あれは月ではない。別の……なにかだわ!」
ソフィの声で、私は現実に引き戻された。
「右の空を見て。月に似てるけど、違う天体が浮かんでいる」
頭を上げて、ソフィのほうへねじると――盛り土のずっと上のほうに月が浮かんでいた。いや、月ではなかった。うすぼんやりとした赤色で、マスクメロンのような模様に覆われている。
「やっぱり、異世界だったんだ……」
ソフィのつぶやきは、そのまま私の結論だった。
そんな馬鹿な――という思いは、まだ残っている。飛行機の墜落なんて、ありふれていてはたまらないけど、ありふれている。でも、何人かの遺体が発見されないことも珍しくない。山奥とか海の底ではなく、異世界に……?
いや。あの事故には不自然なところがあると、ソフィは言っていた。突風とかエンジンの故障とかでなく、時空間の裂け目に突っ込んだのだとしたら――異世界に飛ばされて当然なのかもしれない。
「あ、流れ星」
あんな最悪きわまるロストバージンの直後に、よくも脳天気なことを――と、呆れてしまう。まさか、『地球に戻れますように』と3回唱えるつもりじゃないでしょうね。
「ここでは、流れ星も違う地球と飛び方をするのね」
え……?
「どこ? まだ見えるの?」
「月の左上の――空が黒くなっている境界のあたり。ゆっくり、滑るように動いている」
月が浮かんでいるあたりは、まだ夕暮れの空だが、ずっと西は夜の帳が下りて、都会では絶対に見られない星の海になっている。その星の海の波打ち際のあたりに、きらきら光る、金属光沢を帯びた点が――たしかに、ゆっくりと滑っていた。
いっそ、赤と緑の光点がペアだったら、飛行機の翼の光なのに。ジグザグに動いていたらUFOなのに。
その小さな光点は一定の速度で天を滑って、広場を仕切る土盛りの向こうへ消えた。
――肉の焼ける荒々しい匂いと、穀物が蒸し焼きにされる香ばしい匂いとが、空腹を思い出させた。
性欲を満たした野蛮人たちは、ずっと優しくなっていた。私とソフィは屈辱の形から解放されて――でも、囚われの身に変わりはなかった。ソフィを吊るしていた柱のひとつに、背中合わせに座らされて、互いに相手の腹を抱きかかえる形に手を縛られた。でも、それ以上の屈辱は与えられなかった。
男たちは焚火と私たちを囲んで黙々と食べて、その合間には、肉もパンもどきも、私たちに恵んでくれた――のではない。
東を指し、天を指し、左の指で作ったふたつの穴に右の人差し指と中指を出し入れして見せる。
「ジェ、ゴンゴン。ジェ、ゴンゴン」
夜が明けたら(昼になったら?)、また2本まとめてゴンゴン。食べさせてやったのだから、当然だろう――そう言っている。
ここぞとばかり、私は愛想よく笑ってみせた。
「じぇ、じぇ。ごんごん、ごんごん」
手を使えないから、足を開いて膝を立てて、腰を揺すった。
「ジェ、ジェ、ジェ。ニャドゥ、ジェイジェイ」
蛮族が歯を剥き出しにして嗤った。闇の中で白い歯が煌めいて、肉食獣を彷彿とさせた。
――食事が終わると、男たちはそれぞれのテントに引っ込んだ。夜が明けると起きて、日が沈むと眠る。原始的だけど健全なライフスタイルだ。もちろん、彼らの生活に共感なんて絶対にしないけれど。
私もソフィも、疲れ果てていた。バギナもアヌスもずきずきひりひりしているし、ずっと縛られていて手足も痛いし身体の節々が強張っている。けれど、このまま眠り込んだら精神が粉微塵に砕けてしまいそうな、存在の根幹にかかわるような恐怖が、眠気を寄せ付けない。
お腹も空いていたし、喉も乾いている。昼には、肉をひとかじりだけ。夕食だって、蛮族どもに身体を嬲られながら、肉の小さな塊をひとつと、ぺちゃんこのパンのようなのを掌一枚分くらい。水だけは、1リットルくらい飲めたけど――炎天下に裸で磔けられていたのだから、とても足りない。海水を飲んでしまったのも渇きを強めていた。
私もソフィも黙りこくって、時間がこぼれ落ちていくのを無為に眺めている。
火を熾すのは難しいのだろう。2人の男が焚火の前に座って、ときおり枯葉や小枝をくべている。闇をほんの数十cmだけ押し返す弱々しい炎。そして、ちっぽけな人間の行為とは無縁に、夜空を埋め尽くす星の群。
星が瞬いている。昼に暖められた海水が蒸発して、大気をかき乱しているのだろう。 瞬くだけでなく、揺れているように見える。星だけを見ていると分からないのだけれど。月(?)のすぐそばにある星が月の縁に隠れて、しばらくするとまた姿を現わす。白い月ではなく暗赤色のマスクメロンだから、ホラーファンタジーの雰囲気だ。
――月の表面に薄い筋が刷かれた。雲だった。薄い筋が広がって、すぐに月全体を隠す。
もう寝よう。眠れなくても、努力をしなければ。肉体の疲労が回復すれば、心も前向きになる。前向きになったところで、希望は見い出せそうにないのだけれど。
========================================

星の光が揺れて、衛星の影に隠れたり現われたりする。
これは、ヒロインが解釈を誤っています。星の光は揺れて、月や惑星の光は(ほとんど)揺れません。でも、星がかくれんぼをしたりはしません。
実は。この薄赤いマスクメロンは、光学迷彩をほどこしたドローンです。本物の月を隠蔽して、ヒロインに異世界だと信じさせる大道具です。実際は雲よりも低いところに浮かんでいますが、背景をCCDで感知して、表面に雲の形を投影しているのです。
ちなみに。ゆっくり滑っている流れ星は、ISSでしょう。天和であってたまるものか。
さて。ISSはともかく。異世界衛星偽装ドローンの仕掛けを見破れる読者がいるでしょうかしら。終章で、もうちょいヒントを書くかもしれませんけど。
猿事情で、すくなくとも今週は出禁なので、校正して、Notissue versionまで突っ込めそうです。
猿事情:PCRてやつです。筆者は定義上では農耕接触者ですが、実態は狩猟接触者なので、発熱もないので、シフトがひっ迫していることもあり、週明けには出禁解除になるでしょう。
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循姦
私たちが磔けられていたキの字架は分解されて、別の形に組み直されていた。鳥居のミニチュアというか、段違い鉄棒(木製だけど)というか――ギロチン磔台にしか見えないのがひとつと。
キの字架の柱を2本、2m間隔で立てたのと。柱2本のほうは、蔓を撚り合わせた太いロープがてっぺんに張られて、ロープの中央から数本の蔓が垂れている。こちらはリンチの絞首刑を連想してしまう。
ソフィが絞首刑の柱へ連れていかれた。ロープの真下に立たされ、両手を頭上で縛られてロープにつながれた。絞首刑じゃなかったけれど……。
「なにするの?! やめて……こんなの、嫌あ!」
強引に肩車をされた。裸だから、女性器が男の首筋に密着する。羞ずかしいだけじゃなくて、おぞましい。のは、まだ序の口だった。蛮族どもが群がって、両側から足首をつかんで股裂きにしようとする。
「やめて! やめてったら……」
両足を蹴って抵抗するソフィ。男の力にはかなわない。それでも、手首をこねくって太いロープをつかみ、しがみついて肩車から逃れようとする。
「ウープ、ウープ」
まわりから声が掛かって。肩車をしていた男が、急にしゃがんでソフィを投げ出した。
「きゃっ……!」
ソフィは転びかけてロープにひき止められ、地面に膝を突いた。
ソフィの足を引っ張っていた男のひとりが、ソフィを引き起こして羽交い締めにした。肩車の男が正面に回り込んで。警告も威しも無しで、ソフィの腹を殴った。
「ぐぶぇっ……!」
ソフィの膝が、がくっと折れた。腋の下で男の腕に支えられているので、倒れて身をかばうこともできない。
ぼすん、ぼすんと――拳が同じ場所に突き入れられる。
「うぶ……げえええ」
ソフィの口からあふれたのは、人魚の真似をさせられたときに呑み込んでしまった海水だろう。
私は、いきなりの暴力を恐怖に駆られながら眺めているしかなかった。蛮族どもを制止しようにも、適切な構文を組み立てられない。ただニョを連呼しても、彼らは嘲嗤うか、もっと凶暴になりかねない。
蛮族が、ようやくソフィを脅迫する。拳を腹に押しつけながら目を覗き込む。
「ニョ、ゴン。ジェ? ジェ?」
NO DO。OK? 逆らうな、分かったか?
「ジェ……ニョ、ゴン」
ソフィが弱々しい声を震わせて返事をした。単語を理解していなくても、威しの意味は取り違えようがない。
ソフィは肩車をされずに両足を持ち上げられて、身体が宙に浮いた。体重のほとんどは、手首につながれた太いロープで支えられている。V字形に開脚させられた足にも、水平に張られたロープから垂れている蔓がつながれて、頭の後ろに渡された木の枝の両端に膝を縛られた。
「オオオオオ! ゴンゴン!」
数人の蛮族が左手でVサインを作って、右手の人差し指でV字を突き上げる。その意味は明白だった。いや、明白以上だ。ソフィは、屈辱きわまりない形で処女を奪われるのだ。
……他人の悲惨を憐れむ贅沢を、私は許されていない。私も数人の蛮族どもの手で、ギロチン磔台へと引っ立てられた。2本の横木に首を挟まれて、動かせないように蔓で縛られる。両手は左右に引っ張られて、手首から肘までを上の横木に縛りつけられた。そして両足も左右の柱につながれた。身体を折り曲げて尻を突き出した――犯してくださいと言わんばかりの姿勢。
「トンミ、トンゴン」
族長が威張った感じで宣言して、腰を隠している巻貝を取り去った。すでにペニスは勃起している。ソフィの正面に近づいて。しゃがみ込んで、ぱっくりと開いた淫裂を覗き込む。
「いやあっ……見ないで! さわらないでえっ!」
わずかにくすぶっている焚火の向こう側とこちら側で並んで磔けられているから、族長がソフィに仕掛けている悪戯が、つぶさに見て取れる。
族長は、小淫唇をつまんで左右に引っ張って、さらに奥を覗き込んだり。淫裂の頂点に埋もれている肉蕾を見つけて、首をかしげながら指で転がしてみたり。
「ひゃうんっ……やだ! そこ、やめて……」
女の身体の悲哀。男性は、激しいスポーツをしたり悲嘆に暮れているときは、ペニスを刺激されても勃起しないと聞いたことがあるけれど。女性は、そんなの関係ない。ソフィも、不本意な快感に翻弄されている。
「いやだ……やめて。くうう……んん」
嫌悪と快感の板挟み。
「痛いっ……! 抜いて、指を抜いて!」
バギナに指を突き挿れられて、ソフィアが純粋の苦痛を叫んだ。
「ジェニョ? ゴンゴンゴン」
族長が根元まで指を突き立てて、こねくり始めた。
「お願い、赦して。痛い……!」
ソフィの悲痛な訴えが、男の心に届いたのではないだろう。好奇心を満たされて満足しただけだ。
「ジョニェ、ワァ?」
指を抜いて宙にかざして。にんまりと嗤った。
「ニョワァ、ジョドワ」
取り囲んで見物していた連中が囃し立てる。
「ドワ、ドワ。ジェ、ニャドゥ」
族長が立ち上がって。掌に唾を吐いて、ペニスにまぶした。
ソフィの顔が、すうっと蒼褪めていく。これから何をされるのか、実感を伴って理解した――といったところだろう。私なんか、この身体とテクニックで蛮族どもを骨抜きにしてやろうと、腰タンタンでいる。まあ……テクニックといっても、3人のAVオタクに仕込まれただけで、プロの風俗嬢から見ればオママゴトだろうけど。
戦意旺盛な私と違って、ソフィはバージン。人生の一大事だ。終わってしまえばエピソードだけど。
族長が勃起の根本を右手で支えて、すれすれまで身体を寄せる。
「やめて! お願い……」
腰を揺すって逃れようとする。
族長が両手でソフィの腰をつかんで、動きを封じる。そして、拳を作って腹に押しつける。
「……殴らないで。おとなしくするから……」
ソフィが敗北を口にした。
「ジェ、ゴンゴン。ニョムウ」
蛮族でも女性をいたわることがあるんだと、認識を新たにした。けれど、することは容赦ない。
族長が腰を沈めて。突き出すようにしながら膝を伸ばした。
「いやああああっ……!」
びくんっとソフィの腰が跳ねた。けれど、宙吊りにされていては、わずかな動きにしかならない。ずぶずぶと、怒張が股間に埋没していく。
「ひどい。ひどいよ……痛い……」
バギナにペニスを突き立てられたという事実にうちひしがれて、ソフィの嗚咽はくぐもっている。
「オオオオオ、ジェイジェイ。ゴンゴン、ゴンゴン」
バギナの刺激が心地良いのか、征服の快感か。族長が鬨の声をあげながら、腰を前後に激しく振り立てる。
「ぎひいい、痛い! 動かさないで。抜いて……もう、赦して!」
ソフィが泣きながら訴える。男がどちらへ心を動かすかは当人の性癖にもよるだろうけど、やはり蛮族には女性をいたわる心は希薄らしい。
「オオオオオ、ゴンゴン。ジェイジェイ、ゴンゴン」
勝鬨の雄叫びあげながら腰を激しく突き上げて――数分で果ててしまったのが、ソフィにとってはせめてもの救い。にはならないだろう。
族長にはソフィを独占するつもりが無いらしい。弛みきった表情でソフィから身を離すと、生け贄にわっと群がり寄る男どもを止めるどころか、両手を下から上に扇いでけしかける。
「ウープ、ウープ。ムウムウ、ゴンゴン!」
私にも蛮族どもが押し寄せる。
「ミ、ゴンゴン、ゴンゴン」
私に肉をくれた男が優先権を主張して、後ろから腰をつかんだ。
まあ、いいか。3人目の男とは今も続いていて、SEXなんてデートの中の自然な流れになってるけど、そのときくらいにも緊張していない。ときめいていないのは当然だけど、怯えてもいないし、不貞腐れてもいない。
これが転位とかじゃなくて、ただ未発見の蛮族に捕まっただけだとしても――これ以上はないってくらいの非日常だ。レイフ°なんて、食事と同じレベルの日常でしかない。
いや、そうじゃない。こいつらを手なずけ支配するための重要なシーケンスだ。
そういう意味では緊張している。入試のときと同じくらい。そして、うまくやれる自信もある。大学だって、第一志望に合格したんだから。
ずぬ゙ゔっと、押し挿ってきた。唾で湿すくらいはしてるんだろうけど、ちっとも弄ってくれてないから――ちょっと痛い。でも、物理的な刺激ですぐに潤滑される。
「オオオ、ニャゴンゴン。トンジェイ、ジェジェジェ」
意味は分からないけど、感激してるのは分かる。まるで厨坊の初体験みたい――いや、そういう犯罪的シチュエーションは、経験したことないけど。
どんっと……目の前に勃起を突きつけられた。男は20人以上。女は2人。待ちきれなくて当然。
フェラは、あまり自信がない。射精までいかせたこともない。けど、拒める状況じゃない。素直に口を開けたら、ぐぼっと突っ込まれた。両手で私の頭をかかえて、まさしくゴンゴン突いてくる。拙いフェラテクの出番はなかった。
それでも、歯を立てないように気をつけて。喉の奥まで突っ込まれても吐き気を我慢して。男が腰を引くときには、裏筋あたりに舌を絡めようと努力する。さっさと射精してくれたら、それだけ早く楽になるという計算もあるけど。負けてたまるかという敵愾心もかった。何に負けたくないかというと。
ソフィが犯されてるときに、ちょっと考えたんだけど。これまでの蛮族どもの態度を見ていると、女性という存在を知らなかったんじゃないかと思う。実際、これまでに見ていないし。それを言えば子供も老人もだけど、ややこしくなるからパス。この仮説が正しいとすると、ほんとにここは異世界だということになるけど、それもパス。
女性の存在を知らない男性。でも、勃起とか射精は知ってる。じゃあ、どうやって性欲を処理してきたんだとなると、答えはひとつ(存在するとしたら、山羊とか鶏とか海鼠とかも候補にあがるけど)。
つまり――むくつけき野郎のアヌスなんかに、バギナが負けてたまるかっていうこと。
私の努力が報われたというよりも、男がまさしく独り善がりに荒腰を使いやがって。あっさりと埒を明けてくれた。喉の奥にホットソーダ(なんて飲み物があると知ったのは、つい最近)を叩きつけられた感じ。
男が抜去すると、口中の汚濁をすぐに吐き出した。つぎの瞬間、強い力で頭を押しつけられた。首は平行な2本の枝に挟まれているから、喉が潰れる。息ができない。
「や゙め゙で……な゙に゙……」
バシン、バシンとビンタを張られた。目の前に星が飛び交って、耳がキインと鳴った。
「ニョ、ニョドワ! ミ、ゴンゴン!」
イマラチオを強いていた男が、萎え切っていないペニスを指し、地面を指し、地団太を踏む。吐き出した精液を下の土ごと掬い取って、私の口に押し込もうとする。
「んんん、んんっ……」
口を引き結んで拒んだけれど。別の男に腹を膝蹴りされて。
「げふっ……!」
口を半開きにして呻いた瞬間に、押し込まれてしまった。
「むうう……」
吐き出したら、また同じ目に遭わされる。口の中のじゃりじゃりを、惨めな思いで苦労しながら飲み込んだ。喉が痛い。
「ジェジェ、ワァ、ゴン」
和らげた言葉とともに、水の入った革袋の飲み口が突きつけられた。水をすすって口をすすいで。吐き出すのは怖くて、そのまま飲み込んだ。
「なに……目がまわる……」
ソフィの声に、彼女の存在を思い出した。そちらを見ると。数人の男どもが、ソフィの身体を回していた。彼女を吊っている蔓がよじれていく。それにつれて、身体がすこしずつ吊り上がっていく。
回転が止められると、ソフィの前に背の高い男が立った。丸太を半割りにした踏み台に乗って、さらに伸び上がるようにしてソフィを貫いた。
「ジェ、ゴンゴンゴン」
男がソフィのV字形に開かされた両足をつかみ、自分はのけぞって、ソフィをぶん回した。
「きゃああっ……! 痛い! 止めて! 抜いて!」
ソフィが絶叫する。
見物している蛮族どもが、ソフィを指差してげらげら嗤う。ソフィを貫いている男だけは、嗤っていない。ゆっくり回っているソフィの足をかわしながら、回転が止まらないように両手で勢いを着けている。ソフィの身体が下がるにつれて膝を曲げ、踏み台から下りて、すれすれのところで両者の下腹部がぶつからないよう調整している。
蔓のよじれがほどけきっても、男はソフィを回し続ける。またソフィの身体が吊り上がっていって。男が踏み台に乗って膝を伸ばしてもペニスが抜けそうになると、そこから逆向きに回し始める。
こんなの、AVでも海外の(無料)動画サイトでも見たことがない。蛮族のくせに、とんでもない高等(?)テクニックを思いつくもんだ。
でも、のんびり見物している暇はない。つぎの男が、私の口をふさいだ。バギナのほうにも、新手のペニスが襲いかかる。
2本目のイラマチオは、素直にゴックンした。土を食べさせられるのは願い下げ。
「あああ……いやあ。赦して……痛いい……」
ソフィの弱々しい声が、途切れ途切れに聞こえてくる。蛮族どもも歓声を忘れて、アクロバティックな暴行に見とれている。そのくせ、私のまわりにも、しっかりと順番待ちの列ができている。
3本目(口と合算したら6本目)の男が、私の後ろに取りついた。
「もごっ……?!」
アヌスをくじられて、ごく控えめにいっても、うろたえた。
この連中にとっては、アヌスのほうがなじみ深いんだろうし。直前に使われて洗ってもいない(洗ってよ!)バギナよりは――と思っても不思議じゃない。
でも。アヌスは未経験。初めてをレイフ°される悔しさ――を、感じている暇なんてなかった。
ろくに潤滑も事前の拡張もされていない処女穴に、灼熱の激痛が襲いかかった。
「痛いっ! にょ、ごんごん!」
ペニスを吐き出して叫んで。またビンタを喰らった。だけじゃ済まなかった。脇から別の手が伸びて、乳房をつかまれた。
「ニョゴンゴン、ニョゴンゴン」
片手で私の口をふさぎながら、ゴンゴンに合わせて乳房を引っ張る。
痛い。クーパー靭帯が引き千切られるんじゃないかと、恐怖まで感じる。
「ジェイジェイ。ムウ、ゴンゴン」
面白がっている口調だ。
「ムウ、ゴンゴン。ジェイジェイ」
見物している蛮族ども唱和する。それに合わせて、ますます乳房を無茶苦茶される。
引っ張れば伸びるし、握れば潰れる。頬っぺたよりもお腹の贅肉(私には無い!)よりも――人体の中で、乳房がいちばん変形するんじゃないだろうか。ペニスだって玉袋だって、勃起したり縮みあがったりはするけど、それは生理現象で、こねくっての結果じゃない。それを面白がっている。
男が手を放しても、乳房はじんじん痛み続けている。
「ニョ、ニョゴンゴン?」
クチバシのジェスチャーが加わっている。
NO,ニョゴンゴン。ヤメテとは言うな?
「じぇ……」
口を閉ざしてうなだれることで、屈服の意を伝えた(つもり)。
「ジェ、ジェジェ」
イラマチオを中断された男が、あらためて勃起を突きつける。
私は顔を上げて大きく口を開けて、縛られている首を動かせる範囲で突き出して、勃起を咥えた。そして、唇を閉じて舌を這わせる。
「ジェ、ジェ。ジェイ……」
男は私の頭をつかんで、ゆっくりと腰を動かし始めた。射精へ向かってのピストン運動ではなく、私の尻に取りついている男が挿入を果たすまでの時間稼ぎ――だと思う。
私の(アヌスにとって)初めての男が、あらためて陵辱にとりかかった。
さっきは、貫通していなかったのだろう。もっと熱い、もっとするどい激痛が、アヌスを襲った。めりめりと引き裂かれる感触。内臓が押し上げられる不気味な不快感。
「ん゙む゙ゔゔゔっ……!」
歯を食い縛らないでいるには、ありったけの気力が必要だった。
べちゃっと、男の下腹部全体が尻に密着した。
「ムウ。ミ、ミ、ゴンゴン」
イマラチオの男が声を掛けて。ふたりが同時にピストン運動を始めた。
「んぶ……も゙お゙っ、も゙お゙っ……んぶう……」
後ろから突かれるたびに激痛が奔って、鼻から悲鳴が噴き出る。喉の奥を突かれて、吐き気がこみあげる。バギナを突かれていたときは、かすかな快感が無くもなかったけれど、アヌスは拷問に等しい。ロストバージンのときだって、これほどまでに男の射精を願ったことはなかった。
さいわいに。男(と動物?)しか知らなかった蛮族どもにとって、女体は初めて味わう快楽だったのだろう。ノーマルな、合意のセックスだったら、不満を態度に表わさないように苦労するくらいの短時間で、前も後ろも果ててくれた。
けれど、終わりではない。すぐに7本目と8本目とが、私をサンドイッチにした――のだけれど。
「ジャニェ? ニョイ? ニョイゴンゴン!」
バシンと尻を叩かれた。
「ニョイ。ワァ、ゴン」
「ニョ。ワァ、ニョ。イ、ゴンゴン」
欲望を放出して寛いでいる連中のひとりが、焚火にくべる枯葉を両手に抱えて、私の後ろに近づいた。
がさごそと、枯葉で私の尻と、その奥をこすり始めた。
私は、これまでとは異質の羞恥に悶えた。事前の処置をせずに、アヌスに異物を突っ込まれたら、どうなるか。分かりきったことだ。
「痛いっ……!」
無理な挿入で傷ついているアヌスを、ティッシュペーパーよりもずっと硬い枯葉で拭かれては、たまったものではない。切り裂かれるような痛みに、悲鳴をこらえられない。
「ごおおおん、ごおおおん」
DOを意味するゴンをゆっくり長く発音することで、「やさしくして」というニュアンスを伝えようとした。
伝わらなかった。それとも、悲鳴を面白がっているのか。いっそう乱暴にこすられて、鋭い痛みが脳天まで突き抜けた。
「ドワ。ワァ、ゴンゴン」
わたしの悲鳴を、さすがに哀れに思ってくれたのか。別の男が革袋を持ってきて、水を掛けてくれた。そして――やっぱり、枯葉でこする。でも、すこしは痛さが減った。
ついでなのか、前も水で湿した枯葉で拭いてくれた。がさつな拭き方だけど、痛みはあったけど、ほんのちょっとだけ気持ち良かった。
「駄目えっ……! ごんごん、ごんごん!」
ソフィが金切り声で叫んでいる。顔を上げて、そちらを見ると。
V字形に開脚されて吊り下げられているソフィを、ふたりの男が前後からサンドイッチにしようとしていた。
私は上体を倒してギロチン磔にされている。だから、同時にふたりが可能になるけれど、バギナとアヌスを一度に犯すのは不可能か、可能だとしてもアクロバティックな形になってしまう。
逆にソフィは――顔が高い位置にあるから、イラマチオは不可能にちかい。しかし、バギナとアヌスを同時に犯すのは難しくない。そういうことだった。
ソフィを前後からサンドイッチにして、ふたりで協力して持ち上げて。腰を突き出し、垂直に勃てた2本のペニスをふたつの穴にあてがって。ゆっくりと下ろしていく。
まず、U字形に丸まっている尻のあいだに、後ろの男の亀頭が隠れる。
「痛いっ……無理! やめて……ごんごん! きひいいっ……ごんごん!」
ソフィは尻を揺すって逃れようとしているのだろうけれど、腰をがっちりつかまれているから、いたずらに上体が揺れるだけ。足をばたつかせても、足首を吊られているのだから、効果は無い。手首を縛っている蔓を握って、すこしでも身体を引き上げようとするが、男ふたりの力で引き戻される。
「ごんごん、ごんごん……!」
ソフィは文法を間違っている。ゴンはDOなのだから、もっとやってと言っていることになる。正しく「ニョ、ゴンゴン」と言っても、殴られるだけだろうけど。
「ぎい゙い゙っ……痛い、やめて!」
男どもは手こずっている。アヌスに突き立てた怒張が『く』の字に折れ曲がりかけている。
「ムウ、ムウ。ゴンゴン」
ふたりが息を合わせてソフィの腰を、小さな円を描くように揺すり始めた。
「いやあっ……いやあああっ!」
ソフィが絶叫する。太い錐を揉みながら突っ込まれているようなものだ。それだけでも耐え難い激痛なのは、私自身も体験したばかりだ。それなのに……淫裂にも亀頭がめり込んで、じわじわと押し込まれていく。隣り合ったふたつの穴を同時に拡張される痛みを、私は想像すらできない。
「お゙お゙お゙っ……きひいいい」
ソフィが泣きじゃくっている。けれど、それは――絶叫するほどの激痛が、すこしはやわらいできたことを意味しないだろうか。じゅうぶんに訓練すれば、握り拳や腕を挿入することも可能なのだから、バージンでも2本挿しくらいでは性器を破壊されたりはしないだろう。深刻な裂傷を負うかもしれないけれど。
いずれにしても、ソフィには申し訳ないけど、自分で体験してみたいとは絶対に思わない。ギロチン磔にされて、ほんとうによかったと――不幸中の幸いに感謝してしまう。
それ以上は、ソフィの惨劇を目撃しないですんだ。7本目と8本目が私の処置(汚れを拭き取るというよりも、尻や太腿になすりつけたも同然だったが)を終えて、本来の目的を遂げにかかった。目の前には、男の下腹部。ペニスを咥えていては、横を向くこともできない。ソフィの悲鳴を意識から締め出して、私は男を満足させる作業に没頭した。
――全員が私とソフィを犯し終えるまでに2時間とはかからなかったと思う。私は15人かそれ以上の相手をさせられたから、ソフィよりは多かったと思う。私のテクニックが功を奏したというよりは、体位の違いが大きい。振り子のように揺れる女体をつかまえて、しかも立位で下から突き上げるよりは、突っ込みやすい位置と角度で固定されている穴のほうが使い勝手が良い。ただ、それだけのことだ。
蛮族どもは私とソフィをそのままにして、夕食の支度を始めた。昼食を作った後で取り壊した竈を、また作って。肉やら発酵していないパン生地やらを焼き始める。いちいち作り直すくらいなら壊さなければいいと思うが、なにか吸う狂的な理由があるのかもしれない。
私はギロチン磔にされたまま首をうなだれて、地面に長く伸びて蠢く蛮族どもの影をぼんやりと追っていた。最初から最後まで男どもの好き勝手に身体を使われただけで、手玉に取ることなんかできなかった。状況全体に対する恐怖と絶望の中でも、その小さな敗北感がちくちくと心に突き刺さる。このまま性奴隷として異境の地で短い生涯を終えるのだろうか。それ以上に恐ろしいのは、妊娠だ。病院どころか、ここには産婆すらいないのだろう。無事に出産できるとは、とても思えない。それとも……
「見て……トモミ! あれは月ではない。別の……なにかだわ!」
ソフィの声で、私は現実に引き戻された。
「右の空を見て。月に似てるけど、違う天体が浮かんでいる」
頭を上げて、ソフィのほうへねじると――盛り土のずっと上のほうに月が浮かんでいた。いや、月ではなかった。うすぼんやりとした赤色で、マスクメロンのような模様に覆われている。
「やっぱり、異世界だったんだ……」
ソフィのつぶやきは、そのまま私の結論だった。
そんな馬鹿な――という思いは、まだ残っている。飛行機の墜落なんて、ありふれていてはたまらないけど、ありふれている。でも、何人かの遺体が発見されないことも珍しくない。山奥とか海の底ではなく、異世界に……?
いや。あの事故には不自然なところがあると、ソフィは言っていた。突風とかエンジンの故障とかでなく、時空間の裂け目に突っ込んだのだとしたら――異世界に飛ばされて当然なのかもしれない。
「あ、流れ星」
あんな最悪きわまるロストバージンの直後に、よくも脳天気なことを――と、呆れてしまう。まさか、『地球に戻れますように』と3回唱えるつもりじゃないでしょうね。
「ここでは、流れ星も違う地球と飛び方をするのね」
え……?
「どこ? まだ見えるの?」
「月の左上の――空が黒くなっている境界のあたり。ゆっくり、滑るように動いている」
月が浮かんでいるあたりは、まだ夕暮れの空だが、ずっと西は夜の帳が下りて、都会では絶対に見られない星の海になっている。その星の海の波打ち際のあたりに、きらきら光る、金属光沢を帯びた点が――たしかに、ゆっくりと滑っていた。
いっそ、赤と緑の光点がペアだったら、飛行機の翼の光なのに。ジグザグに動いていたらUFOなのに。
その小さな光点は一定の速度で天を滑って、広場を仕切る土盛りの向こうへ消えた。
――肉の焼ける荒々しい匂いと、穀物が蒸し焼きにされる香ばしい匂いとが、空腹を思い出させた。
性欲を満たした野蛮人たちは、ずっと優しくなっていた。私とソフィは屈辱の形から解放されて――でも、囚われの身に変わりはなかった。ソフィを吊るしていた柱のひとつに、背中合わせに座らされて、互いに相手の腹を抱きかかえる形に手を縛られた。でも、それ以上の屈辱は与えられなかった。
男たちは焚火と私たちを囲んで黙々と食べて、その合間には、肉もパンもどきも、私たちに恵んでくれた――のではない。
東を指し、天を指し、左の指で作ったふたつの穴に右の人差し指と中指を出し入れして見せる。
「ジェ、ゴンゴン。ジェ、ゴンゴン」
夜が明けたら(昼になったら?)、また2本まとめてゴンゴン。食べさせてやったのだから、当然だろう――そう言っている。
ここぞとばかり、私は愛想よく笑ってみせた。
「じぇ、じぇ。ごんごん、ごんごん」
手を使えないから、足を開いて膝を立てて、腰を揺すった。
「ジェ、ジェ、ジェ。ニャドゥ、ジェイジェイ」
蛮族が歯を剥き出しにして嗤った。闇の中で白い歯が煌めいて、肉食獣を彷彿とさせた。
――食事が終わると、男たちはそれぞれのテントに引っ込んだ。夜が明けると起きて、日が沈むと眠る。原始的だけど健全なライフスタイルだ。もちろん、彼らの生活に共感なんて絶対にしないけれど。
私もソフィも、疲れ果てていた。バギナもアヌスもずきずきひりひりしているし、ずっと縛られていて手足も痛いし身体の節々が強張っている。けれど、このまま眠り込んだら精神が粉微塵に砕けてしまいそうな、存在の根幹にかかわるような恐怖が、眠気を寄せ付けない。
お腹も空いていたし、喉も乾いている。昼には、肉をひとかじりだけ。夕食だって、蛮族どもに身体を嬲られながら、肉の小さな塊をひとつと、ぺちゃんこのパンのようなのを掌一枚分くらい。水だけは、1リットルくらい飲めたけど――炎天下に裸で磔けられていたのだから、とても足りない。海水を飲んでしまったのも渇きを強めていた。
私もソフィも黙りこくって、時間がこぼれ落ちていくのを無為に眺めている。
火を熾すのは難しいのだろう。2人の男が焚火の前に座って、ときおり枯葉や小枝をくべている。闇をほんの数十cmだけ押し返す弱々しい炎。そして、ちっぽけな人間の行為とは無縁に、夜空を埋め尽くす星の群。
星が瞬いている。昼に暖められた海水が蒸発して、大気をかき乱しているのだろう。 瞬くだけでなく、揺れているように見える。星だけを見ていると分からないのだけれど。月(?)のすぐそばにある星が月の縁に隠れて、しばらくするとまた姿を現わす。白い月ではなく暗赤色のマスクメロンだから、ホラーファンタジーの雰囲気だ。
――月の表面に薄い筋が刷かれた。雲だった。薄い筋が広がって、すぐに月全体を隠す。
もう寝よう。眠れなくても、努力をしなければ。肉体の疲労が回復すれば、心も前向きになる。前向きになったところで、希望は見い出せそうにないのだけれど。
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星の光が揺れて、衛星の影に隠れたり現われたりする。
これは、ヒロインが解釈を誤っています。星の光は揺れて、月や惑星の光は(ほとんど)揺れません。でも、星がかくれんぼをしたりはしません。
実は。この薄赤いマスクメロンは、光学迷彩をほどこしたドローンです。本物の月を隠蔽して、ヒロインに異世界だと信じさせる大道具です。実際は雲よりも低いところに浮かんでいますが、背景をCCDで感知して、表面に雲の形を投影しているのです。
ちなみに。ゆっくり滑っている流れ星は、ISSでしょう。天和であってたまるものか。
さて。ISSはともかく。異世界衛星偽装ドローンの仕掛けを見破れる読者がいるでしょうかしら。終章で、もうちょいヒントを書くかもしれませんけど。
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