Progress Report 1:性少年包弄記(怨辱編)
来訪者様4万人到達です。カウンター設置後4年3か月目にして、ようやくです。
昨日は10数年ぶりに紙飛行機MAXを記録しましたし。
縁起が良い。ということにしておきます。
さてさて。執筆のほうは、130枚ほどです。章立てでは、全11章(また増えました)のうち、3章が終わったところです。拉致された1日が終わって、明日からはSM的だがSMでないシゴキとイジメの日々が始まります。
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1.不適合者の矯正所
戸坂先生がスキャンダル新聞で僕との関係を暴かれそうになって、僕をかばって――というより、政治家の父親を巻き込まないためで、僕は付け足しだろうとひがんじゃうけど。とにかく、辞職してしまって。マゾに調教されちゃった僕は被虐願望を抑えきれなくて、見つかったら言い訳できないような服装でハッテンバをうろついて。うまく男の人をキャッチできたところを、巡回中の刑事さんだか補導員だかに捕まって。学校に通報されて親にも連絡されて。警察はお説教だけで済んだけど、パパは大激怒。自主謹慎を申し渡されてしまった、学校でもあれこれウワサになってるんだろうけど、クラスメートは誰も会いに来てくれないから、分からない。
家の中でだって、自分の部屋から出るのは食事とトイレとお風呂のときだけ。テレビも平日にひとりで観るのは禁止で、夕食の後に1時間だけ。他の子が学校へ行ってるあいだは、自習と自習と自習。自主謹慎てよりも、座敷ろうだよ。
座敷ろうの中でクリスマスを(イベント無しで)過ごして、1984年のお正月も無しで。座敷ろうの外では3学期が始まった。
そんなある日の朝。僕の部屋にいきなり、知らない人が2人訪れた。小柄な小父さんと、プロレスラーみたいにでかいお兄さん。後ろにはパパもいる。
「畑山薫クンだね。きみはこれから親元を離れて、全寮制のスクールで暮らすことになった。私たちと一緒に来なさい」
「息子をよろしくお願いします」
パパが、小柄な小父さんに頭を下げている。当事者の僕には何の相談もなく、転校を決めたんだ。たぶん、僕には文句を言う権利もないんだろうけど。でも、いちおうは言っとかなきゃ。
「そんなの、聞いていません。ちゃんと説明してください」
「来れば分かる」
プロレスラーみたいなお兄さんが僕の腕をつかんで、椅子から(立ち上がらせたってよりも)ぶっこ抜いた。
そんなことをされたら「はい、行きます」なんて言えない。
「イヤです。ちゃんと説明してください。それに、行くとしても支度をしなくちゃならないし」
お兄さんが問答無用で僕の腕を背中にねじ上げた。
カチャ……聞き慣れた音と、知り尽くしてる金属の冷たい感触。手錠を掛けられた。
先生やサディストの人たちに手錠を掛けられたら、胸がきゅうんと切なくなって、粗チンも硬くなってくるんだけど、もちろん今は、そんなふうにはならない。
なにかとんでもないことをされるんじゃないかって不安だけ。
「やめてください! こんなことしなくたって、きちんと説明してもらって納得したら、言うことをききます」
小柄な小父さんがボールギャグを取り出した。
僕は口を固く閉じて、そっぽを向いた。
「これが何か、分かっているようですな。それだけ、変態に染まっているということです。矯正はなかなかに手間取りそうですな」
小父さんがパパに向かって、僕のことをボロクソに言う。そして、ボールギャグを僕の口に突きつける。
僕はさらに顔をそむけたのだけど。
ぼふっ……プロレスラーにお腹を殴られた。
「あう……」
半開きにした口にボールギャグを押し込まれた。バンドがほっぺたをくびる。
「あの……手荒なことは……」
「息子さんの教育については一任していただいたはずです。口出しなさるなら、御引き受けできませんよ」
パパは黙り込んじゃった。
口をマスクでおおわれた。覆面じゃなくて、風邪引きとかで着けるやつ。
「おとなしくしていれば、手荒なことはしない。ついて来なさい」
もうじゅうぶんに手荒なことをされてるし、ついて行くもなにも、二の腕をさらにねじ上げられて、引っ立てられた。裸足のまま玄関から引きずり出されて、運転席以外の窓は真っ黒なフィルムで隠されたバンの荷物室へ押し込まれた。
パパは玄関口に立って、僕がされることを眺めていただけ。声も掛けてくれなかった。でも、見送りに来てくれただけましなのかな。後妻さんは、ずっと姿を現わさなかった。
車が走り始めて10分も経ったかな。やっと、いろんなことを考えられるだけ、動転が治まってきた。
全寮制のスクールとか言ってたけど、これまでの様子だと、私設の刑務所みたいなところじゃないだろうか。パパとしても、ホモ(自分では違うと思ってるけど)でマゾの息子がいるなんて世間体が悪い。それに、後妻さんとのあいだに出来た子供がいれば、僕なんかいなくても平気なんだろう。
だけど、スクールに閉じ込められて……出してもらえるんだろうか。そんな不安まで湧いてくる。
まるきり事情が分かってないんだから、あれこれ考えても無駄なんだけど。サディストさんたちに調教部屋へ連れ込まれるのとは、次元が違う。あれは――エッチなことやSMをされるんだって分かってる。どんなひどいことをされても、大怪我は(たぶん)しないし、最後は家に帰れるって分かってる。けど、今は……まさか、殺されたりはしないだろうけど。
車は高速道路を何時間も走って、僕が車から降ろされたときには、お昼に近かったんじゃないかな。でも、そこが目的地じゃなかった。
潮の香りがした。のも当然で、そこは小さな漁港だった。また二の腕をつかまれて、波止場へ引きずって行かれる。
「んんんんん……」
僕は身体を揺すって、言いたいことがあると訴えた。
「なんだ、小便か?」
僕はコクコクとうなずいた。
「もうちょっと我慢しろ。船に乗ったら、させてやる」
しゃべるのは小父さんだけで、プロレスラーのお兄さんは、ずっと無口。なことは、どうでもいい。船に乗るってことは、僕を魚の餌にするんじゃないとしたら、全寮制のスクールというのは、どこかの島にある。ますます脱走不可能な刑務所を連想してしまう。
ぼろっちいコートを肩に掛けられて、後ろ手錠を隠した姿で歩かされた。ボールギャグもマスクで隠されている。他人に見られるとまずいってことだ。隙を見て逃げ出せば……それから、どうすればいいんだろ。世間向けの言い訳なんか、オトナはちゃんと考えている。だから、公園の砂場にペニスを突っ込んで腕立て伏せをしてるとこをお巡りさんに見つかっても、戸坂先生は平然と応対してた。
もしも、この人たちの言うことより僕の言葉を信じてくれる人がいたとしても、警察に連絡してくれて……家へ連れ戻されるだけじゃないだろうか。そしたら、またこの人たちがやって来る。今度は、後ろ手錠よりもずっと厳しく拘束されて(もしかしたら箱詰めとか)連れて行かれるだけだ。
そんなことを考えているうちに、波止場の隅っこに泊まっている小さな漁船に乗せられた。漁船は、おじいさんがひとりで動かしてるぽい。
小さな漁船には操船室だけで、客室なんて無いので、船の後ろに座らされてた。
港を出たら、立たされた。風で飛ぶといけないからだろうか、コートをはぎ取られた。
「小便がしたかったんだな?」
小父さんの質問に、うなずいて答える。
「この船にはトイレなんか無い。そこから立小便をしろ」
と言われても。後ろ手錠を掛けられてるんだよ。
「脱がしてやれ」
ごつい体格のお兄さんが僕の後ろへまわって、ズボンに手を掛けた。
「んぶうう……」
腰をひねって抵抗したら、また腹を殴られた。
「んびっ……」
胃のあたりを鈍い痛みが突き抜けて……ちびってしまった。
ズボンもブリーフも、脚から引き抜かれた。船の後ろぎりぎりまで押し出される。真冬の風が吹きつけて、足が震える。玉もサオも縮み上がる。
「すこしくらい船にかかってもかまわんから、さっさと済ませろ」
オシコはしたい。これまでの調教で、他人に見られてもわりかし平気で出せるようになってた。でも、出したくない。抵抗できないように拘束されて、強い男の人に命令されるのは調教と同じだけど。なにかが根本的に違っていると思う。命令されて、こんなに腹が立ったのは初めてだ。
「さっそく反抗するのか。山口、手助けしてやれ」
後ろに立っていたお兄さんが、僕のペニスを摘まんだ。ペニスだ。チンポとか粗チンなんて表現する気分じゃない。
「そら。さっさと出しちまえ」
寒さで縮かんでるのを、ぎゅっと引っ張られた。僕は出そうと努力した。だって、出さないでいると……
ぼぐっと、お腹を殴られた。胃よりもずっと下だったから、そんなに痛くなかったけど――それが刺激になって、またちびった。そのまま、ちょろちょろと出続ける。
風が巻いているので、脚にもかかった。
出し終えると、突き飛ばされた。手を拘束されたときの身ごなしは、じゅうぶんに慣れている。無理に踏ん張らずに、倒れて頭を打たないように、すとんと尻餅をついた。
お兄さんは船から身を乗り出して海水で手を洗って、僕のズボンで拭いた。オシコが船べりに掛かったところも拭いて。ズボンもブリーフも海へ投げ捨てた。
「んんっ……?」
文句を言いたいけれど、ボールギャグで封じられてる。
「スクールに着いたら、制服を着せてやる。それまで……」
小父さんは言葉を途切らせて、僕を見下ろした。
「着くまでには、まだ時間があるな。先に、スパルタン・カッタースクールの理念と教育方針について、オリエンテーリングしてやろう」
僕は船底に正座させられた。
訳の分からないところへ、もっと訳の分からないことを言われて、僕はこの人に反発していた。具体的にいうとムカついていた。のが、態度にも表われていたんだと思う。
「生意気な目つきだな。目上の者に逆らうと、どうなるか。追々に教えてやるが。まずは形からだ」
ごついお兄さんが操船室へ行って、大きなハサミを持って戻って来た。それで、僕の服を切り裂いた。刃物が怖いし、無駄な抵抗をしても殴られるだけだろうから、だまって裸にされた。こんなサディスチックなことをされても、反発を覚えるだけで、ちっともときめかない。
寒い……。真冬の海の上で、全裸で風に吹かれて。ボールギャグをガチガチと、かみ締めてしまう。
「ワシは、スパルタン・カッタースクールの校長、小塚宏だ。こいつは、教官の山口」
お兄さんが、うなずく。
「これから、おまえは社会に適合できるまでスパルタン・カッタースクールで暮らす。早ければ数か月で卒業できるし、不適合が続けば何年も矯正教育を受けることになる」
不適合というのは、ホモとかマゾのことだろう。
「スクールの校訓は、『力が正義』だ。それに、『目上は正義』と『世間は正義』が続く」
世の中、そんなに単純じゃないと思うけれど。別の状況で言われたら、根本的にはそうなるんだろうなと、思うかもしれない。でも、今は反発が先に立つ。
「自分が正しいと思うことでも、力のある者が違うと言えば違うのだ」
クラスメートのあいだでは、そういった力関係が成り立つかな。
「力とは腕力だけではない。金の力もあれば、権力もある」
そこで『目上』が『力』の上にくるのだと、小塚は言う。『目上』は権力を持っているから、結局は『力』だ。会社なら上司、学校なら先生。けれど『目上』の者がどう言おうと、『世間』には逆らえない。『世間』には法律とかも含まれる。
実際には『世間』が権力なわけだから、突き詰めれば『力』になる。だから、三つの校訓のうち『力』の格助詞だけが『が』になっている。
なんて、もっともらしい説明を聞かされたけど。要約すれば――ワシの言うことに逆らうな。そういうことなんだろう。
ボールギャグが外された。
「ここまでは、分かったな」
「分かります。でも……」
「デモもストもない!」
大声で押さえつけられた。
「質問への返事は、ハイかイイエだけだ。そして、命令にはハイだけだ」
これも……SMの調教で言われそうな台詞。でも、内心での反応は正反対になる。
「もう一度聞くぞ。『力が正義』。分かったな」
「……はい」
そう答えるしかないじゃないか。
「よろしい。それでは、スクールでの生活について、大雑把に説明しておこう」
社会的に不適合な性格の矯正は、集団作業を通じて行われる。自給自足の農作業と、チームワークが要求されるカッターで身体も鍛える。
カッターというのは、左右に何本もあるオールをひとりずつがこぐ――遊園地のボートを五倍くらいに大きくしたやつ。元々は大きな船に積まれていたボートで、マストを立てれば帆で走ることもできるし、大時化でも(正しく操れば)転覆しない。チームワークが取れていないと、オールとオールがぶつかってしまうし、荒海では遭難する。
学校での勉強に相当する部分は、午前と午後に1時間ずつの自習で行なう。朝は農作業だし、夜は反省会があるので、勉強している時間もない。ただし、潮目や天候でカッターを出せないときは、その時間も自習に充てられる。
教科指導の先生もひとりだけいる。のが、プロレスラーみたいな山口だと聞かされて、げんなり。この人はスクールの第一期卒業生で、成績(勉強のことじゃないと思う)優秀だったので教官として残ったそうだ。
学校に比べたら圧倒的に少ない時間しかないうえに、先生もひとりだけ。でも、テストは学校と同じか、もっと厳しい。赤点を取ったら、いろんな罰を受けるそうだ。
「どんな罰かは、いずれ身をもって知るだろう。先輩に聞いたら、たっぷり怖がらせてくれるぞ」
そういう言い方って、教育者じゃないと思う。
その先輩というのは、男子が13人と女子が7人。年齢は僕と同い年から、上は20代前半くらいまで、まちまち。
「細かい部分はスクールに着いてから、あらためて説明してやる」
見えてきたぞと、小塚が船の前方を指差した。振り返っただけじゃ船べりが邪魔なので、風がもろに吹き付けて寒いけど膝立ちして、指の示す方角を見た。小さな島だけど、波止場があって漁船も何隻か見えた。
けど、船は波止場へは行かずに、島の裏側へ回り込んだ。島の裏側のずっと向こうはアメリカ大陸。なんて馬鹿なことを考える余裕は、やっぱり――裸で手錠を掛けられてるという状況に、免疫ができているせいだろうか。こんなに寒いのも、まるきり胸がときめかないのも初めてだけど。
島のすぐ近くにボートが見えた。何本ものオールでこいでいる。あれが、小塚の言っていたカッターだろう。カッターは2隻。
大きいのは片側にオールが6本。後ろ向きに座ってこいでいるのは、坊主頭ばかり。僕も丸坊主にされるんだろうか。後ろで前向きに立っている2人は、艇長とか監督だろう。遠いから断言できないけど、スポーツ刈りぽい。
小さいほうは、オールが3本。後ろに立っている2人は男だけど、こいでいるのは女の子らしい。
漁船はカッターを遠くに回り込んで、なだらかな斜面になっている砂浜から突き出した小さな桟橋に船を着けた。
桟橋で僕たちを出迎えたのは、意外にも女の人だった。小母さんて言うとビンタされそうだけど、お姉さんと呼ぶのはちょっと――くらいの、ナイスバディで短髪で美人だけど、きつい感じ。会ったことはないけど、SMの女王様というのが第一印象。なのは、服装のせいもある。ボディコンていうんだっけ。身体の線がくっきり出てるミニスカートのワンピース。生足にハイヒール。寒くないんだろうか――なんて、全裸にされてる僕が心配することじゃない。
漁船は僕たちを降ろすと、さっさと帰って行った。小塚と年増お姉さんとが並んで、僕はその後ろから山口に追われる形で、歩き始める。靴下だけは履いているけど、それが砂に滑って歩きにくい。転んでも手を突けないので、おっかなびっくり。
すぐ間近に迫っている山をすこし上がったところに、木造オンボロ二階建ての横長の建物が、桟橋から見えている。そこが、スクールという強制収容施設だった。
思っていた通り、廃校だった。あちこちが改修されているのは、廊下を歩いているときに気づいた。
階段のところで小塚と山口は別れて、僕と年増お姉さんだけが2階へ。階段の隣の教室には十幾つかのベッドが横向きの3列に並べられていた。出入口は外から鍵が掛かるようになっていて、窓は鉄格子でふさがれている。その次の教室にはベッドが六つだけで、整理ダンスとか机とかポータブルテレビなんかも置かれていて、窓に鉄格子がない。その次は最初の教室と同じで、ベッドが少なかった。これって、それぞれが男子生徒、先生とか看守、女子生徒の部屋かな。
三つの教室は素通りして、いちばん奥の、殺風景ながらんとした教室へ入れられた。あるのはパイプ椅子が1脚だけ。そこに年増お姉さんが座った。
「なに突っ立ってるの。ここに正座しなさい」
年増お姉さんが、自分の前の床を指差した。
こういうのは、SMの調教だと……いちいち比較するのは、やめよう。調教と違って、ペニスはぴくんとも反応しないし、胸がときめくどころかムカつくだけ。
そして。いちいち逆らっても、どうにもならない。ので、素直に正座した。
「あたくしは、下村友美。下村先生と呼びなさい。家政科の指導教官です」
下村先生(心の中で呼び捨てにしてると、ぽろっと口に出ることがあるので、ちゃんと敬称を付けるようにしている。これも、SM調教で覚えた心得だ)が立ち上がって、黒板に向かった。
「それぞれの部屋にも貼り出してあるけど、いちおう説明しておくわね」
黒板に、一日のスケジュールが書かれていった。
月曜~土曜
5:00 起床
5:30 農作業、一部女子は家事
8:00 朝食
8:30 自習
9:30 カッター訓練
12:00 昼食
13:00 カッター訓練
15:30 自習
17:00 農作業、一部女子は家事
18:30 夕食
20:00 反省会
21:00 罰直者以外は自由時間
22:00 就寝
日曜日
5:00 起床
5:30 農作業、一部女子は家事
8:00 朝食
9:00 総括反省会
12:00 昼食
13:00 罰直者以外は自由時間
18:30 夕食
20:00 厳重処罰者以外は自由時間
22:00 就寝
5時起きはきついかな。なんて思ってたら、恐ろしいことを言われた。
「反省会というのはね。ゴメンナサイ、ボクガワルカッタデス。なんて生易しいものじゃないからね。日曜の総括反省会まで持ち越せないような重大規律違反への仮処罰です」
処罰ってのは、つまり体罰だろう。仮処罰というからには、総括反省会で本番の処罰をされるんだろう。
「細かいことは、先輩たちのする通りにして、教官と先輩の命令に素直に従っていれば、じきに分かってくるわ」
下村先生がパイプ椅子に戻ってきて、ごく自然な動作で座ったんだけど。ミニスカートの裾がめくれて、パンティで直に座ってる。のが、脚を組んでるから見えてしまう。
「きみはホモだってね。それじゃ、女性には興味が無いのかな?」
わざと大きな動作で足を組み替えた。一瞬だけど、赤いパンティのサイドがヒモになってて蝶結びなのも丸見えになった。
「そんなこと、ないです」
ホモの少年に女性への興味を持たせようという『教育』なんだろうか。
「そうかしら?」
先生が、また立ち上がって。ハイヒールの爪先を僕の膝頭の間に割り込ませて、左右にこねくった。
「口で言われる前に動きなさい」
膝を開けという意味なんだと解釈して、そうすると、股の間に隠しているペニスが露出してしまうけど、とっくに見られているんだし。口で言われる前に動いた。
「ふうん……?」
先生が、ますます近づく。スカートの裾は、僕の頭より上にある。
「これを見ても、エッチな気分にはならないの?」
スカートの裾を持ち上げながら、爪先でペニスをつついた。
アカネさんとは裸でセックスまでしたけれど、あれはSM調教の一環だった。日常生活……これ、日常じゃないと思うけど、とにかく。非SMの場面で、こんなことをされるのは初めてだった。真っ赤なエッチぽいパンティと、目の前で動めく白い太もも。自宅謹慎中は、さすがにオナニーも控えていたし。訳の分からない状況へのおびえと怒りとはあるけれど。完全じゃないけれど勃起してしまう。
そしたら、金玉を蹴られた。
「痛い……!」
前へ倒れかけて、先生の脚に顔をすりつけるみたいになった。もっと激しく蹴られた。
「ぐううっ……」
横へ倒れて。起き上がろうとしたら、顔を踏んづけられた。
「目上の人間に非礼をはたらくと、こうなるのよ。覚えておきなさい」
ひどいよ。自分で挑発しておいて。
「もっと罰されないと分からないの?」
「……分かりました。ごめんなさい」
脂汗がにじむのを感じながら、そう答えるしかなかった。
だけど、ほんと。どうすれば良かったんだろう。もしも(最大に意志の力を働かせて、暗算でもして)勃起させなかったら、「やっぱり女性には興味が無いのね」なんて言われて、もっと挑発されていたんじゃないかな。これって、SM調教の手口と同じだ。調教だと、どう反応してもそれぞれに別の罰が待ってるんだけど……ここも同じなのかもしれない。でも、これが日常になるなんて我慢できない。
「僕……どうすれば良かったんですか?」
また何か罰を受けるかもしれないけど、質問してしまった。
「目上は正義。あたくしが満足するまで、罰を甘受してればいいの」
なんとなく予測していた答が返ってきた。でも、罰の追加はされなかった。きっと、先生は満足したんだろう。
満足した先生は、やっと手錠をはずしてくれた。そして、ここでの制服を床に放ってくれた。黒い小さな布と、女の子が着るようなセーラー襟のついたワンピースと、白いズック。
黒い布は、着け方が分からなかった。三角ビキニみたいな(もっと細長い)形をしているけど、頂点からヒモが1本出ているだけ。
「反対側の端が丸く折り返して袋状になっているでしょ。そこにヒモを通しなさい」
そうやって出来た輪の中に片足を通して引き上げて、逆三角形の布で股間を包んでヒモを引っ張って輪を縮めてお尻の割れ目に食い込ませて、そこに、布の反対側から出ているヒモの端を絡めて折り返して、引っ張りながらヒモが腰を巻くように調節して、ヒモの端を絡めて止める。言葉にするとややこしいけど、実際には簡単に出来た。これ、黒猫フンドシというんだそうだ。
ええと……簡単に出来たといったけど、それは締め方のこと。収め方は苦労した。平常時(よりも縮かんでる)のペニスを下向きに包もうとすると、布の両側から玉がはみ出してしまった。ペニスを上向きにして玉も引っ張り上げて、布は引き下げて、ぎりぎりで収まった。腰ヒモが一直線にならず浅いV字形になって、すごくきわどいエッチな形。だけど、エッチ気分は皆無。
それから、ワンピースを着た。ほんとに女子用だ。膝上30センチくらいの超ミニスカート。お飾りのベルトが背中に縫い付けられていて、前で締める。ワンピースの襟と袖には青い2本のラインが入ってる。どこかの私立女子校の夏服ぽいけど……今は真冬。それと、バンドと裾に小さなスナップボタンが付けられている。
「そのままにしておきなさい。すぐに、使い方はわかるから」だそうだ。
最後に靴下を脱いだ。生徒は冬でも素足。学校の上履きにしか見えないズックを与えられたけど、これは外でしか履けない。足の甲を締めるゴムバンドが赤いからワンピースの青ラインと色違いで、なかなかおシャレぽい。もちろん、女の子が着るときの話だけど。
女装させられて。もうわかっていたけど、ちっともエッチ気分にもならないし、フンドシの中で上向きに収めてるペニスも縮かんだまま。
「もうぼつぼつカッター訓練が終わるわね。みんなに紹介してあげるから、ついて来なさい」
ついて来るのが当然みたいに、先生はさっさと教室を出て行った。仕方ないので、後を追いかける。
校舎から出て、短い山道を下りる。薄っぺらいワンピース一枚でも、全裸に比べればずっと暖かい。その対比で、下半身がスウスウして冷たい。女の子って大変なんだなと、思ったりする――くらいに、人心地を取り戻してた。のは、束の間だった。
まだ沖合にいた2隻のカッターは僕たちの姿を見ると、海岸へ向きを変えて、オールから波しぶきが飛ぶほどの勢いで、こぎ始めた。
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DLsiteアフィリエイト キーワード「少年,手錠」
昨日は10数年ぶりに紙飛行機MAXを記録しましたし。
縁起が良い。ということにしておきます。
さてさて。執筆のほうは、130枚ほどです。章立てでは、全11章(また増えました)のうち、3章が終わったところです。拉致された1日が終わって、明日からはSM的だがSMでないシゴキとイジメの日々が始まります。
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1.不適合者の矯正所

家の中でだって、自分の部屋から出るのは食事とトイレとお風呂のときだけ。テレビも平日にひとりで観るのは禁止で、夕食の後に1時間だけ。他の子が学校へ行ってるあいだは、自習と自習と自習。自主謹慎てよりも、座敷ろうだよ。
座敷ろうの中でクリスマスを(イベント無しで)過ごして、1984年のお正月も無しで。座敷ろうの外では3学期が始まった。
そんなある日の朝。僕の部屋にいきなり、知らない人が2人訪れた。小柄な小父さんと、プロレスラーみたいにでかいお兄さん。後ろにはパパもいる。
「畑山薫クンだね。きみはこれから親元を離れて、全寮制のスクールで暮らすことになった。私たちと一緒に来なさい」
「息子をよろしくお願いします」
パパが、小柄な小父さんに頭を下げている。当事者の僕には何の相談もなく、転校を決めたんだ。たぶん、僕には文句を言う権利もないんだろうけど。でも、いちおうは言っとかなきゃ。
「そんなの、聞いていません。ちゃんと説明してください」
「来れば分かる」
プロレスラーみたいなお兄さんが僕の腕をつかんで、椅子から(立ち上がらせたってよりも)ぶっこ抜いた。
そんなことをされたら「はい、行きます」なんて言えない。
「イヤです。ちゃんと説明してください。それに、行くとしても支度をしなくちゃならないし」
お兄さんが問答無用で僕の腕を背中にねじ上げた。
カチャ……聞き慣れた音と、知り尽くしてる金属の冷たい感触。手錠を掛けられた。
先生やサディストの人たちに手錠を掛けられたら、胸がきゅうんと切なくなって、粗チンも硬くなってくるんだけど、もちろん今は、そんなふうにはならない。
なにかとんでもないことをされるんじゃないかって不安だけ。
「やめてください! こんなことしなくたって、きちんと説明してもらって納得したら、言うことをききます」
小柄な小父さんがボールギャグを取り出した。
僕は口を固く閉じて、そっぽを向いた。
「これが何か、分かっているようですな。それだけ、変態に染まっているということです。矯正はなかなかに手間取りそうですな」
小父さんがパパに向かって、僕のことをボロクソに言う。そして、ボールギャグを僕の口に突きつける。
僕はさらに顔をそむけたのだけど。
ぼふっ……プロレスラーにお腹を殴られた。
「あう……」
半開きにした口にボールギャグを押し込まれた。バンドがほっぺたをくびる。
「あの……手荒なことは……」
「息子さんの教育については一任していただいたはずです。口出しなさるなら、御引き受けできませんよ」
パパは黙り込んじゃった。
口をマスクでおおわれた。覆面じゃなくて、風邪引きとかで着けるやつ。
「おとなしくしていれば、手荒なことはしない。ついて来なさい」
もうじゅうぶんに手荒なことをされてるし、ついて行くもなにも、二の腕をさらにねじ上げられて、引っ立てられた。裸足のまま玄関から引きずり出されて、運転席以外の窓は真っ黒なフィルムで隠されたバンの荷物室へ押し込まれた。
パパは玄関口に立って、僕がされることを眺めていただけ。声も掛けてくれなかった。でも、見送りに来てくれただけましなのかな。後妻さんは、ずっと姿を現わさなかった。
車が走り始めて10分も経ったかな。やっと、いろんなことを考えられるだけ、動転が治まってきた。
全寮制のスクールとか言ってたけど、これまでの様子だと、私設の刑務所みたいなところじゃないだろうか。パパとしても、ホモ(自分では違うと思ってるけど)でマゾの息子がいるなんて世間体が悪い。それに、後妻さんとのあいだに出来た子供がいれば、僕なんかいなくても平気なんだろう。
だけど、スクールに閉じ込められて……出してもらえるんだろうか。そんな不安まで湧いてくる。
まるきり事情が分かってないんだから、あれこれ考えても無駄なんだけど。サディストさんたちに調教部屋へ連れ込まれるのとは、次元が違う。あれは――エッチなことやSMをされるんだって分かってる。どんなひどいことをされても、大怪我は(たぶん)しないし、最後は家に帰れるって分かってる。けど、今は……まさか、殺されたりはしないだろうけど。
車は高速道路を何時間も走って、僕が車から降ろされたときには、お昼に近かったんじゃないかな。でも、そこが目的地じゃなかった。
潮の香りがした。のも当然で、そこは小さな漁港だった。また二の腕をつかまれて、波止場へ引きずって行かれる。
「んんんんん……」
僕は身体を揺すって、言いたいことがあると訴えた。
「なんだ、小便か?」
僕はコクコクとうなずいた。
「もうちょっと我慢しろ。船に乗ったら、させてやる」
しゃべるのは小父さんだけで、プロレスラーのお兄さんは、ずっと無口。なことは、どうでもいい。船に乗るってことは、僕を魚の餌にするんじゃないとしたら、全寮制のスクールというのは、どこかの島にある。ますます脱走不可能な刑務所を連想してしまう。
ぼろっちいコートを肩に掛けられて、後ろ手錠を隠した姿で歩かされた。ボールギャグもマスクで隠されている。他人に見られるとまずいってことだ。隙を見て逃げ出せば……それから、どうすればいいんだろ。世間向けの言い訳なんか、オトナはちゃんと考えている。だから、公園の砂場にペニスを突っ込んで腕立て伏せをしてるとこをお巡りさんに見つかっても、戸坂先生は平然と応対してた。
もしも、この人たちの言うことより僕の言葉を信じてくれる人がいたとしても、警察に連絡してくれて……家へ連れ戻されるだけじゃないだろうか。そしたら、またこの人たちがやって来る。今度は、後ろ手錠よりもずっと厳しく拘束されて(もしかしたら箱詰めとか)連れて行かれるだけだ。
そんなことを考えているうちに、波止場の隅っこに泊まっている小さな漁船に乗せられた。漁船は、おじいさんがひとりで動かしてるぽい。
小さな漁船には操船室だけで、客室なんて無いので、船の後ろに座らされてた。
港を出たら、立たされた。風で飛ぶといけないからだろうか、コートをはぎ取られた。
「小便がしたかったんだな?」
小父さんの質問に、うなずいて答える。
「この船にはトイレなんか無い。そこから立小便をしろ」
と言われても。後ろ手錠を掛けられてるんだよ。
「脱がしてやれ」
ごつい体格のお兄さんが僕の後ろへまわって、ズボンに手を掛けた。
「んぶうう……」
腰をひねって抵抗したら、また腹を殴られた。
「んびっ……」
胃のあたりを鈍い痛みが突き抜けて……ちびってしまった。
ズボンもブリーフも、脚から引き抜かれた。船の後ろぎりぎりまで押し出される。真冬の風が吹きつけて、足が震える。玉もサオも縮み上がる。
「すこしくらい船にかかってもかまわんから、さっさと済ませろ」
オシコはしたい。これまでの調教で、他人に見られてもわりかし平気で出せるようになってた。でも、出したくない。抵抗できないように拘束されて、強い男の人に命令されるのは調教と同じだけど。なにかが根本的に違っていると思う。命令されて、こんなに腹が立ったのは初めてだ。
「さっそく反抗するのか。山口、手助けしてやれ」
後ろに立っていたお兄さんが、僕のペニスを摘まんだ。ペニスだ。チンポとか粗チンなんて表現する気分じゃない。
「そら。さっさと出しちまえ」
寒さで縮かんでるのを、ぎゅっと引っ張られた。僕は出そうと努力した。だって、出さないでいると……
ぼぐっと、お腹を殴られた。胃よりもずっと下だったから、そんなに痛くなかったけど――それが刺激になって、またちびった。そのまま、ちょろちょろと出続ける。
風が巻いているので、脚にもかかった。
出し終えると、突き飛ばされた。手を拘束されたときの身ごなしは、じゅうぶんに慣れている。無理に踏ん張らずに、倒れて頭を打たないように、すとんと尻餅をついた。
お兄さんは船から身を乗り出して海水で手を洗って、僕のズボンで拭いた。オシコが船べりに掛かったところも拭いて。ズボンもブリーフも海へ投げ捨てた。
「んんっ……?」
文句を言いたいけれど、ボールギャグで封じられてる。
「スクールに着いたら、制服を着せてやる。それまで……」
小父さんは言葉を途切らせて、僕を見下ろした。
「着くまでには、まだ時間があるな。先に、スパルタン・カッタースクールの理念と教育方針について、オリエンテーリングしてやろう」
僕は船底に正座させられた。
訳の分からないところへ、もっと訳の分からないことを言われて、僕はこの人に反発していた。具体的にいうとムカついていた。のが、態度にも表われていたんだと思う。
「生意気な目つきだな。目上の者に逆らうと、どうなるか。追々に教えてやるが。まずは形からだ」
ごついお兄さんが操船室へ行って、大きなハサミを持って戻って来た。それで、僕の服を切り裂いた。刃物が怖いし、無駄な抵抗をしても殴られるだけだろうから、だまって裸にされた。こんなサディスチックなことをされても、反発を覚えるだけで、ちっともときめかない。
寒い……。真冬の海の上で、全裸で風に吹かれて。ボールギャグをガチガチと、かみ締めてしまう。
「ワシは、スパルタン・カッタースクールの校長、小塚宏だ。こいつは、教官の山口」
お兄さんが、うなずく。
「これから、おまえは社会に適合できるまでスパルタン・カッタースクールで暮らす。早ければ数か月で卒業できるし、不適合が続けば何年も矯正教育を受けることになる」
不適合というのは、ホモとかマゾのことだろう。
「スクールの校訓は、『力が正義』だ。それに、『目上は正義』と『世間は正義』が続く」
世の中、そんなに単純じゃないと思うけれど。別の状況で言われたら、根本的にはそうなるんだろうなと、思うかもしれない。でも、今は反発が先に立つ。
「自分が正しいと思うことでも、力のある者が違うと言えば違うのだ」
クラスメートのあいだでは、そういった力関係が成り立つかな。
「力とは腕力だけではない。金の力もあれば、権力もある」
そこで『目上』が『力』の上にくるのだと、小塚は言う。『目上』は権力を持っているから、結局は『力』だ。会社なら上司、学校なら先生。けれど『目上』の者がどう言おうと、『世間』には逆らえない。『世間』には法律とかも含まれる。
実際には『世間』が権力なわけだから、突き詰めれば『力』になる。だから、三つの校訓のうち『力』の格助詞だけが『が』になっている。
なんて、もっともらしい説明を聞かされたけど。要約すれば――ワシの言うことに逆らうな。そういうことなんだろう。
ボールギャグが外された。
「ここまでは、分かったな」
「分かります。でも……」
「デモもストもない!」
大声で押さえつけられた。
「質問への返事は、ハイかイイエだけだ。そして、命令にはハイだけだ」
これも……SMの調教で言われそうな台詞。でも、内心での反応は正反対になる。
「もう一度聞くぞ。『力が正義』。分かったな」
「……はい」
そう答えるしかないじゃないか。
「よろしい。それでは、スクールでの生活について、大雑把に説明しておこう」
社会的に不適合な性格の矯正は、集団作業を通じて行われる。自給自足の農作業と、チームワークが要求されるカッターで身体も鍛える。
カッターというのは、左右に何本もあるオールをひとりずつがこぐ――遊園地のボートを五倍くらいに大きくしたやつ。元々は大きな船に積まれていたボートで、マストを立てれば帆で走ることもできるし、大時化でも(正しく操れば)転覆しない。チームワークが取れていないと、オールとオールがぶつかってしまうし、荒海では遭難する。
学校での勉強に相当する部分は、午前と午後に1時間ずつの自習で行なう。朝は農作業だし、夜は反省会があるので、勉強している時間もない。ただし、潮目や天候でカッターを出せないときは、その時間も自習に充てられる。
教科指導の先生もひとりだけいる。のが、プロレスラーみたいな山口だと聞かされて、げんなり。この人はスクールの第一期卒業生で、成績(勉強のことじゃないと思う)優秀だったので教官として残ったそうだ。
学校に比べたら圧倒的に少ない時間しかないうえに、先生もひとりだけ。でも、テストは学校と同じか、もっと厳しい。赤点を取ったら、いろんな罰を受けるそうだ。
「どんな罰かは、いずれ身をもって知るだろう。先輩に聞いたら、たっぷり怖がらせてくれるぞ」
そういう言い方って、教育者じゃないと思う。
その先輩というのは、男子が13人と女子が7人。年齢は僕と同い年から、上は20代前半くらいまで、まちまち。
「細かい部分はスクールに着いてから、あらためて説明してやる」
見えてきたぞと、小塚が船の前方を指差した。振り返っただけじゃ船べりが邪魔なので、風がもろに吹き付けて寒いけど膝立ちして、指の示す方角を見た。小さな島だけど、波止場があって漁船も何隻か見えた。
けど、船は波止場へは行かずに、島の裏側へ回り込んだ。島の裏側のずっと向こうはアメリカ大陸。なんて馬鹿なことを考える余裕は、やっぱり――裸で手錠を掛けられてるという状況に、免疫ができているせいだろうか。こんなに寒いのも、まるきり胸がときめかないのも初めてだけど。
島のすぐ近くにボートが見えた。何本ものオールでこいでいる。あれが、小塚の言っていたカッターだろう。カッターは2隻。
大きいのは片側にオールが6本。後ろ向きに座ってこいでいるのは、坊主頭ばかり。僕も丸坊主にされるんだろうか。後ろで前向きに立っている2人は、艇長とか監督だろう。遠いから断言できないけど、スポーツ刈りぽい。
小さいほうは、オールが3本。後ろに立っている2人は男だけど、こいでいるのは女の子らしい。
漁船はカッターを遠くに回り込んで、なだらかな斜面になっている砂浜から突き出した小さな桟橋に船を着けた。
桟橋で僕たちを出迎えたのは、意外にも女の人だった。小母さんて言うとビンタされそうだけど、お姉さんと呼ぶのはちょっと――くらいの、ナイスバディで短髪で美人だけど、きつい感じ。会ったことはないけど、SMの女王様というのが第一印象。なのは、服装のせいもある。ボディコンていうんだっけ。身体の線がくっきり出てるミニスカートのワンピース。生足にハイヒール。寒くないんだろうか――なんて、全裸にされてる僕が心配することじゃない。
漁船は僕たちを降ろすと、さっさと帰って行った。小塚と年増お姉さんとが並んで、僕はその後ろから山口に追われる形で、歩き始める。靴下だけは履いているけど、それが砂に滑って歩きにくい。転んでも手を突けないので、おっかなびっくり。
すぐ間近に迫っている山をすこし上がったところに、木造オンボロ二階建ての横長の建物が、桟橋から見えている。そこが、スクールという強制収容施設だった。
思っていた通り、廃校だった。あちこちが改修されているのは、廊下を歩いているときに気づいた。
階段のところで小塚と山口は別れて、僕と年増お姉さんだけが2階へ。階段の隣の教室には十幾つかのベッドが横向きの3列に並べられていた。出入口は外から鍵が掛かるようになっていて、窓は鉄格子でふさがれている。その次の教室にはベッドが六つだけで、整理ダンスとか机とかポータブルテレビなんかも置かれていて、窓に鉄格子がない。その次は最初の教室と同じで、ベッドが少なかった。これって、それぞれが男子生徒、先生とか看守、女子生徒の部屋かな。
三つの教室は素通りして、いちばん奥の、殺風景ながらんとした教室へ入れられた。あるのはパイプ椅子が1脚だけ。そこに年増お姉さんが座った。
「なに突っ立ってるの。ここに正座しなさい」
年増お姉さんが、自分の前の床を指差した。
こういうのは、SMの調教だと……いちいち比較するのは、やめよう。調教と違って、ペニスはぴくんとも反応しないし、胸がときめくどころかムカつくだけ。
そして。いちいち逆らっても、どうにもならない。ので、素直に正座した。
「あたくしは、下村友美。下村先生と呼びなさい。家政科の指導教官です」
下村先生(心の中で呼び捨てにしてると、ぽろっと口に出ることがあるので、ちゃんと敬称を付けるようにしている。これも、SM調教で覚えた心得だ)が立ち上がって、黒板に向かった。
「それぞれの部屋にも貼り出してあるけど、いちおう説明しておくわね」
黒板に、一日のスケジュールが書かれていった。
月曜~土曜
5:00 起床
5:30 農作業、一部女子は家事
8:00 朝食
8:30 自習
9:30 カッター訓練
12:00 昼食
13:00 カッター訓練
15:30 自習
17:00 農作業、一部女子は家事
18:30 夕食
20:00 反省会
21:00 罰直者以外は自由時間
22:00 就寝
日曜日
5:00 起床
5:30 農作業、一部女子は家事
8:00 朝食
9:00 総括反省会
12:00 昼食
13:00 罰直者以外は自由時間
18:30 夕食
20:00 厳重処罰者以外は自由時間
22:00 就寝
5時起きはきついかな。なんて思ってたら、恐ろしいことを言われた。
「反省会というのはね。ゴメンナサイ、ボクガワルカッタデス。なんて生易しいものじゃないからね。日曜の総括反省会まで持ち越せないような重大規律違反への仮処罰です」
処罰ってのは、つまり体罰だろう。仮処罰というからには、総括反省会で本番の処罰をされるんだろう。
「細かいことは、先輩たちのする通りにして、教官と先輩の命令に素直に従っていれば、じきに分かってくるわ」
下村先生がパイプ椅子に戻ってきて、ごく自然な動作で座ったんだけど。ミニスカートの裾がめくれて、パンティで直に座ってる。のが、脚を組んでるから見えてしまう。
「きみはホモだってね。それじゃ、女性には興味が無いのかな?」
わざと大きな動作で足を組み替えた。一瞬だけど、赤いパンティのサイドがヒモになってて蝶結びなのも丸見えになった。
「そんなこと、ないです」
ホモの少年に女性への興味を持たせようという『教育』なんだろうか。
「そうかしら?」
先生が、また立ち上がって。ハイヒールの爪先を僕の膝頭の間に割り込ませて、左右にこねくった。
「口で言われる前に動きなさい」
膝を開けという意味なんだと解釈して、そうすると、股の間に隠しているペニスが露出してしまうけど、とっくに見られているんだし。口で言われる前に動いた。
「ふうん……?」
先生が、ますます近づく。スカートの裾は、僕の頭より上にある。
「これを見ても、エッチな気分にはならないの?」
スカートの裾を持ち上げながら、爪先でペニスをつついた。
アカネさんとは裸でセックスまでしたけれど、あれはSM調教の一環だった。日常生活……これ、日常じゃないと思うけど、とにかく。非SMの場面で、こんなことをされるのは初めてだった。真っ赤なエッチぽいパンティと、目の前で動めく白い太もも。自宅謹慎中は、さすがにオナニーも控えていたし。訳の分からない状況へのおびえと怒りとはあるけれど。完全じゃないけれど勃起してしまう。
そしたら、金玉を蹴られた。
「痛い……!」
前へ倒れかけて、先生の脚に顔をすりつけるみたいになった。もっと激しく蹴られた。
「ぐううっ……」
横へ倒れて。起き上がろうとしたら、顔を踏んづけられた。
「目上の人間に非礼をはたらくと、こうなるのよ。覚えておきなさい」
ひどいよ。自分で挑発しておいて。
「もっと罰されないと分からないの?」
「……分かりました。ごめんなさい」
脂汗がにじむのを感じながら、そう答えるしかなかった。
だけど、ほんと。どうすれば良かったんだろう。もしも(最大に意志の力を働かせて、暗算でもして)勃起させなかったら、「やっぱり女性には興味が無いのね」なんて言われて、もっと挑発されていたんじゃないかな。これって、SM調教の手口と同じだ。調教だと、どう反応してもそれぞれに別の罰が待ってるんだけど……ここも同じなのかもしれない。でも、これが日常になるなんて我慢できない。
「僕……どうすれば良かったんですか?」
また何か罰を受けるかもしれないけど、質問してしまった。
「目上は正義。あたくしが満足するまで、罰を甘受してればいいの」
なんとなく予測していた答が返ってきた。でも、罰の追加はされなかった。きっと、先生は満足したんだろう。
満足した先生は、やっと手錠をはずしてくれた。そして、ここでの制服を床に放ってくれた。黒い小さな布と、女の子が着るようなセーラー襟のついたワンピースと、白いズック。
黒い布は、着け方が分からなかった。三角ビキニみたいな(もっと細長い)形をしているけど、頂点からヒモが1本出ているだけ。
「反対側の端が丸く折り返して袋状になっているでしょ。そこにヒモを通しなさい」
そうやって出来た輪の中に片足を通して引き上げて、逆三角形の布で股間を包んでヒモを引っ張って輪を縮めてお尻の割れ目に食い込ませて、そこに、布の反対側から出ているヒモの端を絡めて折り返して、引っ張りながらヒモが腰を巻くように調節して、ヒモの端を絡めて止める。言葉にするとややこしいけど、実際には簡単に出来た。これ、黒猫フンドシというんだそうだ。
ええと……簡単に出来たといったけど、それは締め方のこと。収め方は苦労した。平常時(よりも縮かんでる)のペニスを下向きに包もうとすると、布の両側から玉がはみ出してしまった。ペニスを上向きにして玉も引っ張り上げて、布は引き下げて、ぎりぎりで収まった。腰ヒモが一直線にならず浅いV字形になって、すごくきわどいエッチな形。だけど、エッチ気分は皆無。
それから、ワンピースを着た。ほんとに女子用だ。膝上30センチくらいの超ミニスカート。お飾りのベルトが背中に縫い付けられていて、前で締める。ワンピースの襟と袖には青い2本のラインが入ってる。どこかの私立女子校の夏服ぽいけど……今は真冬。それと、バンドと裾に小さなスナップボタンが付けられている。
「そのままにしておきなさい。すぐに、使い方はわかるから」だそうだ。
最後に靴下を脱いだ。生徒は冬でも素足。学校の上履きにしか見えないズックを与えられたけど、これは外でしか履けない。足の甲を締めるゴムバンドが赤いからワンピースの青ラインと色違いで、なかなかおシャレぽい。もちろん、女の子が着るときの話だけど。
女装させられて。もうわかっていたけど、ちっともエッチ気分にもならないし、フンドシの中で上向きに収めてるペニスも縮かんだまま。
「もうぼつぼつカッター訓練が終わるわね。みんなに紹介してあげるから、ついて来なさい」
ついて来るのが当然みたいに、先生はさっさと教室を出て行った。仕方ないので、後を追いかける。
校舎から出て、短い山道を下りる。薄っぺらいワンピース一枚でも、全裸に比べればずっと暖かい。その対比で、下半身がスウスウして冷たい。女の子って大変なんだなと、思ったりする――くらいに、人心地を取り戻してた。のは、束の間だった。
まだ沖合にいた2隻のカッターは僕たちの姿を見ると、海岸へ向きを変えて、オールから波しぶきが飛ぶほどの勢いで、こぎ始めた。
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