Pressing Report 1:逝かされたって口は割らない
7/3に書き始めて7/7現在で62枚。まずまずのペースです。やはり200枚はいきそうなので、脱稿は7/20頃でしょうか。
初手からヒロインが勝手に走っています。こいつ、こういう性格だったんかい? です。まあ、それだけノリノリで書いてるわけですけど。予定調和のラストへ持っていけるか、先行き不安でもあります。
責めのシーケンスとしては、Report 0で紹介したように。お子様向け拷問→お子様向け色責め→野晒→本格拷問と、エスカレートさせていくのですが。今回はお子様向け色責めを御紹介。
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色責
望み通り(?)に一撃で悶絶したけど、それで拷問をやめてくれるほど敵はお人好しじゃなかった。
「ごほ……けふっ、けふん」
喉が灼けて鼻が痛くて目が沁みて……おれは安らかな眠りから拷問の場へ引きずり戻された。鼻の下の小さな皿から、もうもうと煙が立ち昇っている。松葉を燻してやがる。
「いやだ……もう赦して……」
誰だよ、すすり泣きながら敵に慈悲を願っている奴は。くそ、しゃんとしろ。お子様向けの拷問くらいで根を上げる玉じゃないだろ、風間忍びのハルは。
「いやだ……もう於女子は敲かないでよお」
まだ言ってやがる。でも、言ってみるもんだ。
「よしよし。もう痛いことはせぬぞ」
耳元に囁かれる猫撫で声。
騙されるもんかと思ったけど。おれは床に下ろされて、手首の縄もほどいてもらえた。
でもすぐに。壁に立てかけてある梯子に手足を伸ばした形で縛り付けられた。
「もうしないって言ったくせに……」
ネコ撫で声に、おれもついつい甘えちまった。
「武士に二言は無い。今日はもう痛いことはせぬ」
明日は、今日よりもっと痛いことをするんだ。おれは不貞腐れた気分になったんだけど。
「これからは愉しいことをしてやる」
雑兵の手で、おれを縛り付けた梯子が上下逆にひっくり返された。けど、緩い斜めにされたので、苦しいという感じは無かった。
「幸兵衛から何を言いつかったか、教えてくれぬか」
謙吾はおれの横に座り込んで耳元に囁きながら、胸に手を這わした。土をほじるように指を動かして、すぐに止めた。きっと乳の膨らみを悪戯しようとしたんだろう。残念だったな。おれの胸は掌で包めるほど膨らんでないぜ。なんて、威張れることじゃないや。
「あっ……」
びくんと身体が跳ねた。膨らんでないとは言ったけど、乳首のまわりは盃を伏せたくらいに盛り上がってる。そこを指で強く摘ままれて、小さな雷に打たれたみたいな痛みが走った。
「ふむ。男に比べると格段に敏感だな」
男なんかと比べるって――おれをわざと辱めてるんだろうか。
「ここも、そうかな」
わずかな膨らみの上を指が滑って……
「ひゃんっ……」
乳首を摘ままれた。びりびりっと、稲妻みたいなぎざぎざの鋭い、でも痛いんじゃなくてくすぐったい感じが胸を奔り抜けた。
くそ……乳をどうこうされたくらいで感じるんじゃない。心を鎮めて、餓鬼の乳を弄んで悦に入っている阿呆の顔を見詰めるんだ。嘲笑ってやれ。
もう片方の乳首も摘ままれた。
「ひゃ……」
駄目だ。くノ一の術を使えない。実の親(は知らないけど)みたいな小父さんや小母さんにされるのとは違って、相手が男だってことが、おれは女だってことが、心の真ん中に居座ってやがる。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。どこまで知っておる?」
くそ、逆だぞ。女が男に色仕掛けで話を聞き出すのがくノ一だ。男が女に色仕掛けなんて……
「ひゃうんっ……」
乳首を親指と中指で摘ままれて、その天辺を人差し指の腹でくすぐられて、また不本意な声を漏らしてしまった。触られてるのは乳首なのに、於女子の奥が熱くなってくる。
「これでは足りぬか。では、こうしてくれるぞ」
左の乳首から謙吾の指が離れて、つううっと肌を下に滑った。於女子を指で割って――こういうとき、男は穴の中にまで指を挿れてくると教わってるけど、こいつは違った。割れ目の浅いところを下から上にほじくるようにして……
「あっ……」
割れ目の上端に隠れている雛先を簡単に探り当てやがった。やめろ。そこは弄らないでくれ……おれ、おかしくなっちゃう。
「話には聞いていたが、なるほど。これが女魔羅という物か。豆粒みたいだが、たしかに魔羅と似ておる。ならば、扱いも同じでよかろう」
雛先をつままれて、皮の中に隠れている実核をくにゅんと身体の中へ押し込まれた。
「いやっ……」
甘ったるい爆発が、雛先から腰の奥に向かって突き抜けた。
くにゅん、くりゅん、にゅろん……微妙に指遣いを変えて、何度も押し込まれる。
「いやっ……くうん……やめて……」
くそ。これも乳首と同じだ。小父さんにされるより、ずっと気持ち好い。女忍びがくノ一の術に翻弄されるなんて……じゃなくて。こいつのは衆道の術だ。殿様に弄られてるのか殿様に奉仕してるのか、それで覚えたんだろう。どっちにしても、おれは自分が情けない。でも、気持ち好いよお。
「武田との縁組など、どこに知られても構わぬ。もはや七分までは固まっておる……実に無念ではあるがな」
最後のほうは意味が分からなかったけど。考えてみたら、おれが何を言いつかったかを知られたところで、構わないんじゃないだろうか。捕らえられていては、どうせ務めを果たせない。
「言え。白状してしまえ。おまえは、まだ頑是ない子供。素直に吐けば、解き放ってやっても良いのだぞ」
騙されるもんかと思いながら、心が揺れる。
謙吾が雛先から指を放して、その指をぺろぺろ舐める。おれの不浄を触った指を、平気で舐めている。なんだか、おれがいけないことをしてるみたいな気分になっちまった。
たっぷりと唾をまぶした指が、また雛先に近づいて。
「ひゃんんっ……」
くるんと皮を剥かれて、実核をつままれた。濡れた指で実核をうにゅうにゅとしごかれて、立て続けに甘い爆発が起きる。
くそ。負けるもんか。くノ一の術を思い出せ。
かんじーざいぼーさーつ、ぎょうじんはんにゃーはーらみーたじー
心の中で御経を唱えて、お寺に祀られてる仏様の御尊顔を頭に描く。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。違うか?」
しきそくぜーくう、くう、くうううう……たけだよりうえすぎに……ふーしょうふーめつ、えんぐみのー
「申し出有り。武田より上杉に縁組の申し出有り」
いつの間にか言葉にしちまってた。
「やはり、そうであったか」
耳が、わあんとなるほどの大声。雛先を責めていた指の動きが、ぴたっと止まった。
「何か証拠の書状は入手しておるのか。仲間に渡したのか」
また耳元に囁かれる。まだ雛先を摘まんでいた指が、あわあわと動き始める。
おれ、気持ち好いのに負けたわけじゃないぞ。何もかも白状したって、風間にも上杉の殿様にも迷惑は掛からないって、ちゃんと考えた上での判断だ。
「おれが言いつかったのは、さっきの伝言だけだ。仲間なんかいない」
「嘘をつくと容赦はせんぞ」
また乳首を摘ままれたと思った刹那。爪を立てられて、ぎちぎちと捻じられた。
「きひいいいっ……痛い。嘘じゃない。ほんとのことを言ったんだから、赦してくれよ。解き放ってくれよおお」
「北条にとって上杉は不倶戴天の敵。しょぼくれた夫婦と小童だけで探っているはずがなかろう」
謙吾の右手も胸に移ってきて、二つの手で双つの乳首を責められる。
「痛い……知らないんだよ。他に草が潜んでたとしても、そんなことまでは分からない仕組みになってるんだ」
「それでは、いざというときに助け合うことも出来まい。仲間を見分ける合言葉のようなものがあるはずだ」
くそ……鋭い。だけど、ほんとにこれだけは白状するわけにはいかない。たとえ殺されたって、仲間を売ることなんてできない。もしも仲間を売って、おれだけは見逃してもらえたとしても……裏切者は地の果てまでも追われて、一寸刻みの嬲り殺しにされる。里でおれを育ててくれた源爺とツル婆まで連座させられる。小頭もただではすまない。
「急にだんまりか。やはり、何かを隠しておるな」
「知らない。隠してない。武田より上杉に縁組の申し出有り。これを御館に注進する。おれが言いつかったのは、それだけだ」
「御館とは、どこの御館じゃ?」
それを白状しても、仲間を裏切ることになるんだろうか。くそ……もう、何も答えないぞ。
「言え。言わぬと……」
謙吾の右手が、また雛先に戻ってきた。すっかり縮こまってるのに無理繰に皮を剥いて実核に爪を立てた。
「女魔羅を抓られる痛さは乳首どころではないぞ」
たとえ拷問に耐える修練は積んでいなくても。おれだって風間忍びだ。これしきのことで音を上げてたまるもんか。
突き刺すような激痛。ぎりりっと捻じられて、悲鳴が喉の奥で膨れ上がった。風間の女忍び、くノ一の術に掛けて堪えようとしたけど、相手もおれが泣き叫ぶまで赦してくれない。
「左内殿、手伝ってくれい」
爺いが謙吾の反対側から、乳首を二つともに抓った。
「こうしてやりましょうぞ」
乳首でおれを吊り上げようとする。それを見て謙吾も雛先を引っ張る。
「痛い痛い……赦して。おれ、ほんとに何も……うぎゃああああっ!」
「ええくそ」
謙吾が根負けして指を放してくれた。爺いもチッと舌打ちして、身体を起こす。
激痛が去ると。乳首も雛先もじんじんと疼いて、くそ……なんだか甘く痺れちまってる。
「強情な小娘じゃな。小童と見くびっておったわい」
「このうえは、本格の責めに掛けてくれよう。窮鳥懐に入らば、煮て食おうと焼いて食おうと、意のままよ。目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」
「それはなりませぬぞ」
巌のように硬い声。おれがびっくりした。
「罪人の調べに当たっては、後に無実が判明する場合がござる。取り返しのつかぬ仕打ちは、きちんと裁きが下ってからのこと。裁き云々はこの者には当てはまりませぬが、それでも、寝返らせて我らの駒に使えるかもしれません。いずれにせよ、身体に欠損を生ぜしめるのは拷問としても非常の最後の手段でござる」
「四角四面じゃの。殿はいささか律儀にすぎる面があるが……他国でも、そうなのか」
「人の道に国の違いはありませんぞ」
「人ならざる大岡左内が、人の道を説くのか」
「戯言無用」
最後は、叱りつけるみたいな声色だった。こいつらの言ってることは難しくて分かりにくいけど、つまり、謙吾が言ったような取り返しのつかぬ仕打ちは、当面はされずに済むってことだ。
「では、煮て食うのはやめておくとして。女子には格別に効く責めがあったな」
「くノ一の術と称して、女忍びは、その修行も積んでおります。失礼だが、新鉢ならぬ新筆には荷が重いかと」
莫迦にしたような言い方をされても、謙吾は平気みたいだった。
「ふん。ならば、勝手知ったる方で責めてみるか。こっちには、男も女もあるまい」
縄を解かれて梯子から降ろされたけど、すぐに縛り直された。正座させられてから前に突き倒されて、右手と右足首、左手と左足首をひとまとめに括られた。膝と肩で身体を支えて、お尻をうんと高く突き出した……これ、かなり羞ずかしい形だ。後ろに立たれると、於女子も尻穴も丸見え。五つ六つならともかく、おれくらいの女の子ならじゅうぶんにそれを分かって、泣くか喚くか身悶えするか。でも、おれはくノ一の術を(せいぜい取っ掛かりくらいだけど)修めた女忍びだ。羞ずかしくても、それを押し殺せる。
謙吾のやつ、おれを見下ろしながら衣服を脱ぎ捨てた。下帯まで外して、素っ裸。うわ……於珍宝が擂粉木みたいに太くなってそっくり返ってやがる。餓鬼の裸を見て勃起させるなんて、とんだ変態野郎だ。
「ふむ。こうして見ると、稚児の裸とあまり変わらんな。尻が丸っこいから、こちらのほうがそそられるくらいだ」
そうか。こいつ、元々は上杉の殿様のお稚児さんで、今は逆に稚児を可愛がってるんだろう。おれ、まだまだ女の身体になってないから――股間さえ見なけりゃ、稚児とあまり変わりないってことか。
あ……もしかして。勝手知ったる方ってのは……しめた、くノ一の術が使えるぞ。於女子は未通女のほうが、奥向きに下女として潜り込むとか、偉い侍の側室になるとか、使い勝手が良いから手付かずだけど、尻穴と口は一通りの修練を積んでる。
謙吾は、すぐにはおれを犯そうとはせずに、小屋の中を見回していた。
「おや、これは?」
壁の一面には、鞭とか木刀とか八床とか鉄枷とか鎖とか――拷問に使う道具が並べられている。謙吾は、細い柄が突き出た竹筒を手に取った。
「竜吐水ではないか。なぜ、斯様な物が?」
「口を封じて鼻の穴から水を入れてやれば、大樽とはまた異なる水責になりますな。謙吾殿がお考えの使い道としても、五度十度と注いで栓をすれば、これも立派に拷問」
「なるほど。これは是非にでも、水責まで小娘に強情を張り通してもらいたいものだな」
謙吾が淫らっぽい薄笑いを浮かべる。美男子が一瞬、悪鬼羅刹に変貌した。
おれだって、竜吐水くらい知ってる。こっちじゃ見掛けないが、里では子供の玩具だった。竹筒に水を満たして後ろの柄を押すと、前から勢いよく水が吹き出る。南蛮渡来の鉄砲に似てるってんで、近頃じゃ水鉄砲とも言われてる。
この竜吐水は水の吹き出す側にも細い竹管が付けてある。左内が言っていた、鼻に突っ込むための工夫だろう。
「これがここにあるとは、まさしく天の配剤だな」
謙吾は大樽の水を竜吐水に満たして、おれの後ろで片膝を突いて……
「えっ……?!」
竹筒の先を尻穴にねじ込みやがった。
ずちゅうう……水が腹の中に押し入ってくる。
あ、そうか。これ、尻穴を使う前の掃除だ。おれが教わったのは、細い棒に布を巻き付けて汚れを掻き取るやり方だったけど、このほうが痛くないし綺麗になる……けれど。入れた水は出さなきゃならないぞ。おれ、こんな形で縛られてるってのに。これじゃ、おれ自身が生きた竜吐水になっちまうぜ。
「やめろ……粗相はしたくねえよ」
「心配するな。ちゃんと考えてある」
「…………」
そうだ。これも拷問だった。色責だけじゃなく羞恥責にもなる一石二鳥だ。窮鳥としては堪ったもんじゃないけど。
竜吐水の水を入れ終わって、でも終わりにならなかった。二回三回と入れられる。
お腹が重たい。ぎゅっと尻穴を引き締めていないと、漏らすっていうか噴き出しそうだ。
謙吾が手桶を持ってきて、おれの尻にあてがった。
「遠慮は要らんぞ。さっさとひり出してしまえ」
くそ。いくら女忍びだって、題とか小を見られるのは羞ずかしい。けど、同い年の娘っ子だったら、どうかな。羞ずかしくても我慢はしないんじゃないかな。
女忍びだってばれてるけど、ふつうの娘らしくしてたほうが、くノ一の術に掛けやすいかな。ばれてるからには無駄かな。矢傷なんかへっちゃらだし、敲かれた痛みも引いて、雛先を虐められた余韻も消えたけど……腹が苦しくて、考えがまとまらない。ので、考えないことにした。
ぶじゅうううう、ぱしゃしゃしゃ……
水音が羞ずかしいけど、すごく楽になった。ひと仕事やっつけたみたいな気分。でも、仕事はまだ始まってもいない。どころか。またすぐに水を入れられた。けど、今度は一回きりだった。
「清水になったな」
謙吾は、尻のまわりの汚れを藁屑で拭き取ってから。尻穴に指の腹を押し付けて、ぐねぐねと揉みほぐしにかかった。
「んん……意外とこなれておるな」
「くノ一であれば、三つの穴ともに鍛えておりましょうよ」
女穴だけはまだだぞって言い返してやりたいけど、そしたら他の二つを認めたことになっちまう。ので、黙って好き勝手にさせといた。ら……つぷっと指を突き立てて。
「あ……こら、やめろ」
指を二本にして、中でチョキみたいに広げやがった。さすがに、少し(だけ)痛いぞ。
「これだけこなれておれば、おまえもさぞや愉しめるであろうな」
勝手なことをほざいて、おれの腰を両手でつかむと、擂粉木みたいになった於珍宝を尻穴に押し付けてきて。
ずぶうっと、一気に突き挿れやがった。
「はああっ……」
痛くないように、尻穴の力を抜いて大きく息を吐いた。尻穴を鍛えてるって、ばれたも同然なんだから初心を装わなくてもいい。
どころか。奥まで挿入ってきたところで、尻穴をきゅっと締めてやった。
「お……なかなかに慣れておるな」
のは、謙吾も同じ。ずぬうっと引き抜きかけて、雁首のところで止めて、小刻みに突いてくる。これ、男もいちばん気持ち好いけれど、おれも穴の縁を刺激されて……くそ、幸兵衛小父より上手いぞ。
もっと激しく掻き回してほしい。そのもどかしさが尻穴よりも於女子の中にわだかまっていって、破裂したら凄いんだろうなという予感が、全身に満ちてくる。
くそ、負けるもんか。相手の突きに合わせて尻穴を締めたり、尻全体を上下左右に揺すって於珍宝全体をしごいてやったり。
「おおお、堪らんぞ」
なんて言ってるけど。やたらと下から突き上げるような動きで、於女子の裏側をこすってくる。その動きが、ちょこっとだけ雛先にまで伝わって、ちょっぴり気持ち好い。でも、もどかしい。
「うん……? ここは、どうだ」
ここもそこも、ちっとも違わない。
「股座だけではなく、腹の中も男女で異なっておるのか」
謙吾が分かりきったことを呟いた。当たり前だろ。女は於女子だって腹ん中だし、その奥には子袋だってあるんだ。男は……どうなってるか知らないけど。
そんな小競り合いが四半時ちかく続いた。
おれは、もどかしさがどんどん募ってくるけど、最後のひと突きが無くて。もどかしさの仕返しに、うんと激しく、つかんでいる手を振り切って、腰をぐにいんぐにいんと揺すって「い」の字や「ろ」の字を書いてやった。幸兵衛小父の口伝と、タヨ小母さんの腰相伝だい。
「うおお……こら、やめろ」
やめるもんか。風間忍法くノ一の術、杉下謙吾を討ち取ったりい。
おれも初めての闘いで舞い上がってたよな。くノ一の術で男を手玉に取ったところで、逃げられるわけじゃなし。
でも、男ってやつは精を放つと虚脱するから。これ以上の拷問は明日からということにしてくれたから、儲けものだったかな。明日が怖いけど。
「明日からは、子供だとて容赦はせんぞ。覚悟しておけよ」
子供に精を搾り取られた負け惜しみにしか聞こえない。
だけど、負け惜しみは口だけにしといてくれよ。おれは素っ裸のままで、小屋の隅に木格子で囲まれた狭い檻に閉じ込められた。天井から垂れた鎖に両手を鉄枷でつながれて、横になることも出来ない。座ったままで(子の刻過ぎまで責められてたから)半夜を過ごさなければならなかった。
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「目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」という謙吾の脅し文句を左内が諫めるのは、ちょっと唐突な感があるのですが、実はドンデン返しに関係しています。ドンデンをばらすと、ハルちゃんは見事脱走して御館へ報告に参じるのですが。裏切り者と見做されて、拷問されるのです。『裏切者には死を』ですから、凄惨なリョナになりかねません。ここで、『回復不可能な』責めにブレーキが掛かって、ドンデンドンデン返しで、五体無事なハッピーエンドとなるのです。ネタばらしちった。
初手からヒロインが勝手に走っています。こいつ、こういう性格だったんかい? です。まあ、それだけノリノリで書いてるわけですけど。予定調和のラストへ持っていけるか、先行き不安でもあります。
責めのシーケンスとしては、Report 0で紹介したように。お子様向け拷問→お子様向け色責め→野晒→本格拷問と、エスカレートさせていくのですが。今回はお子様向け色責めを御紹介。
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色責
望み通り(?)に一撃で悶絶したけど、それで拷問をやめてくれるほど敵はお人好しじゃなかった。
「ごほ……けふっ、けふん」
喉が灼けて鼻が痛くて目が沁みて……おれは安らかな眠りから拷問の場へ引きずり戻された。鼻の下の小さな皿から、もうもうと煙が立ち昇っている。松葉を燻してやがる。
「いやだ……もう赦して……」
誰だよ、すすり泣きながら敵に慈悲を願っている奴は。くそ、しゃんとしろ。お子様向けの拷問くらいで根を上げる玉じゃないだろ、風間忍びのハルは。
「いやだ……もう於女子は敲かないでよお」
まだ言ってやがる。でも、言ってみるもんだ。
「よしよし。もう痛いことはせぬぞ」
耳元に囁かれる猫撫で声。
騙されるもんかと思ったけど。おれは床に下ろされて、手首の縄もほどいてもらえた。
でもすぐに。壁に立てかけてある梯子に手足を伸ばした形で縛り付けられた。
「もうしないって言ったくせに……」
ネコ撫で声に、おれもついつい甘えちまった。
「武士に二言は無い。今日はもう痛いことはせぬ」
明日は、今日よりもっと痛いことをするんだ。おれは不貞腐れた気分になったんだけど。
「これからは愉しいことをしてやる」
雑兵の手で、おれを縛り付けた梯子が上下逆にひっくり返された。けど、緩い斜めにされたので、苦しいという感じは無かった。
「幸兵衛から何を言いつかったか、教えてくれぬか」
謙吾はおれの横に座り込んで耳元に囁きながら、胸に手を這わした。土をほじるように指を動かして、すぐに止めた。きっと乳の膨らみを悪戯しようとしたんだろう。残念だったな。おれの胸は掌で包めるほど膨らんでないぜ。なんて、威張れることじゃないや。
「あっ……」
びくんと身体が跳ねた。膨らんでないとは言ったけど、乳首のまわりは盃を伏せたくらいに盛り上がってる。そこを指で強く摘ままれて、小さな雷に打たれたみたいな痛みが走った。
「ふむ。男に比べると格段に敏感だな」
男なんかと比べるって――おれをわざと辱めてるんだろうか。
「ここも、そうかな」
わずかな膨らみの上を指が滑って……
「ひゃんっ……」
乳首を摘ままれた。びりびりっと、稲妻みたいなぎざぎざの鋭い、でも痛いんじゃなくてくすぐったい感じが胸を奔り抜けた。
くそ……乳をどうこうされたくらいで感じるんじゃない。心を鎮めて、餓鬼の乳を弄んで悦に入っている阿呆の顔を見詰めるんだ。嘲笑ってやれ。
もう片方の乳首も摘ままれた。
「ひゃ……」
駄目だ。くノ一の術を使えない。実の親(は知らないけど)みたいな小父さんや小母さんにされるのとは違って、相手が男だってことが、おれは女だってことが、心の真ん中に居座ってやがる。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。どこまで知っておる?」
くそ、逆だぞ。女が男に色仕掛けで話を聞き出すのがくノ一だ。男が女に色仕掛けなんて……
「ひゃうんっ……」
乳首を親指と中指で摘ままれて、その天辺を人差し指の腹でくすぐられて、また不本意な声を漏らしてしまった。触られてるのは乳首なのに、於女子の奥が熱くなってくる。
「これでは足りぬか。では、こうしてくれるぞ」
左の乳首から謙吾の指が離れて、つううっと肌を下に滑った。於女子を指で割って――こういうとき、男は穴の中にまで指を挿れてくると教わってるけど、こいつは違った。割れ目の浅いところを下から上にほじくるようにして……
「あっ……」
割れ目の上端に隠れている雛先を簡単に探り当てやがった。やめろ。そこは弄らないでくれ……おれ、おかしくなっちゃう。
「話には聞いていたが、なるほど。これが女魔羅という物か。豆粒みたいだが、たしかに魔羅と似ておる。ならば、扱いも同じでよかろう」
雛先をつままれて、皮の中に隠れている実核をくにゅんと身体の中へ押し込まれた。
「いやっ……」
甘ったるい爆発が、雛先から腰の奥に向かって突き抜けた。
くにゅん、くりゅん、にゅろん……微妙に指遣いを変えて、何度も押し込まれる。
「いやっ……くうん……やめて……」
くそ。これも乳首と同じだ。小父さんにされるより、ずっと気持ち好い。女忍びがくノ一の術に翻弄されるなんて……じゃなくて。こいつのは衆道の術だ。殿様に弄られてるのか殿様に奉仕してるのか、それで覚えたんだろう。どっちにしても、おれは自分が情けない。でも、気持ち好いよお。
「武田との縁組など、どこに知られても構わぬ。もはや七分までは固まっておる……実に無念ではあるがな」
最後のほうは意味が分からなかったけど。考えてみたら、おれが何を言いつかったかを知られたところで、構わないんじゃないだろうか。捕らえられていては、どうせ務めを果たせない。
「言え。白状してしまえ。おまえは、まだ頑是ない子供。素直に吐けば、解き放ってやっても良いのだぞ」
騙されるもんかと思いながら、心が揺れる。
謙吾が雛先から指を放して、その指をぺろぺろ舐める。おれの不浄を触った指を、平気で舐めている。なんだか、おれがいけないことをしてるみたいな気分になっちまった。
たっぷりと唾をまぶした指が、また雛先に近づいて。
「ひゃんんっ……」
くるんと皮を剥かれて、実核をつままれた。濡れた指で実核をうにゅうにゅとしごかれて、立て続けに甘い爆発が起きる。
くそ。負けるもんか。くノ一の術を思い出せ。
かんじーざいぼーさーつ、ぎょうじんはんにゃーはーらみーたじー
心の中で御経を唱えて、お寺に祀られてる仏様の御尊顔を頭に描く。
「幸兵衛が探り当てたのは、武田からの縁組申し出であろう。違うか?」
しきそくぜーくう、くう、くうううう……たけだよりうえすぎに……ふーしょうふーめつ、えんぐみのー
「申し出有り。武田より上杉に縁組の申し出有り」
いつの間にか言葉にしちまってた。
「やはり、そうであったか」
耳が、わあんとなるほどの大声。雛先を責めていた指の動きが、ぴたっと止まった。
「何か証拠の書状は入手しておるのか。仲間に渡したのか」
また耳元に囁かれる。まだ雛先を摘まんでいた指が、あわあわと動き始める。
おれ、気持ち好いのに負けたわけじゃないぞ。何もかも白状したって、風間にも上杉の殿様にも迷惑は掛からないって、ちゃんと考えた上での判断だ。
「おれが言いつかったのは、さっきの伝言だけだ。仲間なんかいない」
「嘘をつくと容赦はせんぞ」
また乳首を摘ままれたと思った刹那。爪を立てられて、ぎちぎちと捻じられた。
「きひいいいっ……痛い。嘘じゃない。ほんとのことを言ったんだから、赦してくれよ。解き放ってくれよおお」
「北条にとって上杉は不倶戴天の敵。しょぼくれた夫婦と小童だけで探っているはずがなかろう」
謙吾の右手も胸に移ってきて、二つの手で双つの乳首を責められる。
「痛い……知らないんだよ。他に草が潜んでたとしても、そんなことまでは分からない仕組みになってるんだ」
「それでは、いざというときに助け合うことも出来まい。仲間を見分ける合言葉のようなものがあるはずだ」
くそ……鋭い。だけど、ほんとにこれだけは白状するわけにはいかない。たとえ殺されたって、仲間を売ることなんてできない。もしも仲間を売って、おれだけは見逃してもらえたとしても……裏切者は地の果てまでも追われて、一寸刻みの嬲り殺しにされる。里でおれを育ててくれた源爺とツル婆まで連座させられる。小頭もただではすまない。
「急にだんまりか。やはり、何かを隠しておるな」
「知らない。隠してない。武田より上杉に縁組の申し出有り。これを御館に注進する。おれが言いつかったのは、それだけだ」
「御館とは、どこの御館じゃ?」
それを白状しても、仲間を裏切ることになるんだろうか。くそ……もう、何も答えないぞ。
「言え。言わぬと……」
謙吾の右手が、また雛先に戻ってきた。すっかり縮こまってるのに無理繰に皮を剥いて実核に爪を立てた。
「女魔羅を抓られる痛さは乳首どころではないぞ」
たとえ拷問に耐える修練は積んでいなくても。おれだって風間忍びだ。これしきのことで音を上げてたまるもんか。
突き刺すような激痛。ぎりりっと捻じられて、悲鳴が喉の奥で膨れ上がった。風間の女忍び、くノ一の術に掛けて堪えようとしたけど、相手もおれが泣き叫ぶまで赦してくれない。
「左内殿、手伝ってくれい」
爺いが謙吾の反対側から、乳首を二つともに抓った。
「こうしてやりましょうぞ」
乳首でおれを吊り上げようとする。それを見て謙吾も雛先を引っ張る。
「痛い痛い……赦して。おれ、ほんとに何も……うぎゃああああっ!」
「ええくそ」
謙吾が根負けして指を放してくれた。爺いもチッと舌打ちして、身体を起こす。
激痛が去ると。乳首も雛先もじんじんと疼いて、くそ……なんだか甘く痺れちまってる。
「強情な小娘じゃな。小童と見くびっておったわい」
「このうえは、本格の責めに掛けてくれよう。窮鳥懐に入らば、煮て食おうと焼いて食おうと、意のままよ。目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」
「それはなりませぬぞ」
巌のように硬い声。おれがびっくりした。
「罪人の調べに当たっては、後に無実が判明する場合がござる。取り返しのつかぬ仕打ちは、きちんと裁きが下ってからのこと。裁き云々はこの者には当てはまりませぬが、それでも、寝返らせて我らの駒に使えるかもしれません。いずれにせよ、身体に欠損を生ぜしめるのは拷問としても非常の最後の手段でござる」
「四角四面じゃの。殿はいささか律儀にすぎる面があるが……他国でも、そうなのか」
「人の道に国の違いはありませんぞ」
「人ならざる大岡左内が、人の道を説くのか」
「戯言無用」
最後は、叱りつけるみたいな声色だった。こいつらの言ってることは難しくて分かりにくいけど、つまり、謙吾が言ったような取り返しのつかぬ仕打ちは、当面はされずに済むってことだ。
「では、煮て食うのはやめておくとして。女子には格別に効く責めがあったな」
「くノ一の術と称して、女忍びは、その修行も積んでおります。失礼だが、新鉢ならぬ新筆には荷が重いかと」
莫迦にしたような言い方をされても、謙吾は平気みたいだった。
「ふん。ならば、勝手知ったる方で責めてみるか。こっちには、男も女もあるまい」
縄を解かれて梯子から降ろされたけど、すぐに縛り直された。正座させられてから前に突き倒されて、右手と右足首、左手と左足首をひとまとめに括られた。膝と肩で身体を支えて、お尻をうんと高く突き出した……これ、かなり羞ずかしい形だ。後ろに立たれると、於女子も尻穴も丸見え。五つ六つならともかく、おれくらいの女の子ならじゅうぶんにそれを分かって、泣くか喚くか身悶えするか。でも、おれはくノ一の術を(せいぜい取っ掛かりくらいだけど)修めた女忍びだ。羞ずかしくても、それを押し殺せる。
謙吾のやつ、おれを見下ろしながら衣服を脱ぎ捨てた。下帯まで外して、素っ裸。うわ……於珍宝が擂粉木みたいに太くなってそっくり返ってやがる。餓鬼の裸を見て勃起させるなんて、とんだ変態野郎だ。
「ふむ。こうして見ると、稚児の裸とあまり変わらんな。尻が丸っこいから、こちらのほうがそそられるくらいだ」
そうか。こいつ、元々は上杉の殿様のお稚児さんで、今は逆に稚児を可愛がってるんだろう。おれ、まだまだ女の身体になってないから――股間さえ見なけりゃ、稚児とあまり変わりないってことか。
あ……もしかして。勝手知ったる方ってのは……しめた、くノ一の術が使えるぞ。於女子は未通女のほうが、奥向きに下女として潜り込むとか、偉い侍の側室になるとか、使い勝手が良いから手付かずだけど、尻穴と口は一通りの修練を積んでる。
謙吾は、すぐにはおれを犯そうとはせずに、小屋の中を見回していた。
「おや、これは?」
壁の一面には、鞭とか木刀とか八床とか鉄枷とか鎖とか――拷問に使う道具が並べられている。謙吾は、細い柄が突き出た竹筒を手に取った。
「竜吐水ではないか。なぜ、斯様な物が?」
「口を封じて鼻の穴から水を入れてやれば、大樽とはまた異なる水責になりますな。謙吾殿がお考えの使い道としても、五度十度と注いで栓をすれば、これも立派に拷問」
「なるほど。これは是非にでも、水責まで小娘に強情を張り通してもらいたいものだな」
謙吾が淫らっぽい薄笑いを浮かべる。美男子が一瞬、悪鬼羅刹に変貌した。
おれだって、竜吐水くらい知ってる。こっちじゃ見掛けないが、里では子供の玩具だった。竹筒に水を満たして後ろの柄を押すと、前から勢いよく水が吹き出る。南蛮渡来の鉄砲に似てるってんで、近頃じゃ水鉄砲とも言われてる。
この竜吐水は水の吹き出す側にも細い竹管が付けてある。左内が言っていた、鼻に突っ込むための工夫だろう。
「これがここにあるとは、まさしく天の配剤だな」
謙吾は大樽の水を竜吐水に満たして、おれの後ろで片膝を突いて……
「えっ……?!」
竹筒の先を尻穴にねじ込みやがった。
ずちゅうう……水が腹の中に押し入ってくる。
あ、そうか。これ、尻穴を使う前の掃除だ。おれが教わったのは、細い棒に布を巻き付けて汚れを掻き取るやり方だったけど、このほうが痛くないし綺麗になる……けれど。入れた水は出さなきゃならないぞ。おれ、こんな形で縛られてるってのに。これじゃ、おれ自身が生きた竜吐水になっちまうぜ。
「やめろ……粗相はしたくねえよ」
「心配するな。ちゃんと考えてある」
「…………」
そうだ。これも拷問だった。色責だけじゃなく羞恥責にもなる一石二鳥だ。窮鳥としては堪ったもんじゃないけど。
竜吐水の水を入れ終わって、でも終わりにならなかった。二回三回と入れられる。
お腹が重たい。ぎゅっと尻穴を引き締めていないと、漏らすっていうか噴き出しそうだ。
謙吾が手桶を持ってきて、おれの尻にあてがった。
「遠慮は要らんぞ。さっさとひり出してしまえ」
くそ。いくら女忍びだって、題とか小を見られるのは羞ずかしい。けど、同い年の娘っ子だったら、どうかな。羞ずかしくても我慢はしないんじゃないかな。
女忍びだってばれてるけど、ふつうの娘らしくしてたほうが、くノ一の術に掛けやすいかな。ばれてるからには無駄かな。矢傷なんかへっちゃらだし、敲かれた痛みも引いて、雛先を虐められた余韻も消えたけど……腹が苦しくて、考えがまとまらない。ので、考えないことにした。
ぶじゅうううう、ぱしゃしゃしゃ……
水音が羞ずかしいけど、すごく楽になった。ひと仕事やっつけたみたいな気分。でも、仕事はまだ始まってもいない。どころか。またすぐに水を入れられた。けど、今度は一回きりだった。
「清水になったな」
謙吾は、尻のまわりの汚れを藁屑で拭き取ってから。尻穴に指の腹を押し付けて、ぐねぐねと揉みほぐしにかかった。
「んん……意外とこなれておるな」
「くノ一であれば、三つの穴ともに鍛えておりましょうよ」
女穴だけはまだだぞって言い返してやりたいけど、そしたら他の二つを認めたことになっちまう。ので、黙って好き勝手にさせといた。ら……つぷっと指を突き立てて。
「あ……こら、やめろ」
指を二本にして、中でチョキみたいに広げやがった。さすがに、少し(だけ)痛いぞ。
「これだけこなれておれば、おまえもさぞや愉しめるであろうな」
勝手なことをほざいて、おれの腰を両手でつかむと、擂粉木みたいになった於珍宝を尻穴に押し付けてきて。
ずぶうっと、一気に突き挿れやがった。
「はああっ……」
痛くないように、尻穴の力を抜いて大きく息を吐いた。尻穴を鍛えてるって、ばれたも同然なんだから初心を装わなくてもいい。
どころか。奥まで挿入ってきたところで、尻穴をきゅっと締めてやった。
「お……なかなかに慣れておるな」
のは、謙吾も同じ。ずぬうっと引き抜きかけて、雁首のところで止めて、小刻みに突いてくる。これ、男もいちばん気持ち好いけれど、おれも穴の縁を刺激されて……くそ、幸兵衛小父より上手いぞ。
もっと激しく掻き回してほしい。そのもどかしさが尻穴よりも於女子の中にわだかまっていって、破裂したら凄いんだろうなという予感が、全身に満ちてくる。
くそ、負けるもんか。相手の突きに合わせて尻穴を締めたり、尻全体を上下左右に揺すって於珍宝全体をしごいてやったり。
「おおお、堪らんぞ」
なんて言ってるけど。やたらと下から突き上げるような動きで、於女子の裏側をこすってくる。その動きが、ちょこっとだけ雛先にまで伝わって、ちょっぴり気持ち好い。でも、もどかしい。
「うん……? ここは、どうだ」
ここもそこも、ちっとも違わない。
「股座だけではなく、腹の中も男女で異なっておるのか」
謙吾が分かりきったことを呟いた。当たり前だろ。女は於女子だって腹ん中だし、その奥には子袋だってあるんだ。男は……どうなってるか知らないけど。
そんな小競り合いが四半時ちかく続いた。
おれは、もどかしさがどんどん募ってくるけど、最後のひと突きが無くて。もどかしさの仕返しに、うんと激しく、つかんでいる手を振り切って、腰をぐにいんぐにいんと揺すって「い」の字や「ろ」の字を書いてやった。幸兵衛小父の口伝と、タヨ小母さんの腰相伝だい。
「うおお……こら、やめろ」
やめるもんか。風間忍法くノ一の術、杉下謙吾を討ち取ったりい。
おれも初めての闘いで舞い上がってたよな。くノ一の術で男を手玉に取ったところで、逃げられるわけじゃなし。
でも、男ってやつは精を放つと虚脱するから。これ以上の拷問は明日からということにしてくれたから、儲けものだったかな。明日が怖いけど。
「明日からは、子供だとて容赦はせんぞ。覚悟しておけよ」
子供に精を搾り取られた負け惜しみにしか聞こえない。
だけど、負け惜しみは口だけにしといてくれよ。おれは素っ裸のままで、小屋の隅に木格子で囲まれた狭い檻に閉じ込められた。天井から垂れた鎖に両手を鉄枷でつながれて、横になることも出来ない。座ったままで(子の刻過ぎまで責められてたから)半夜を過ごさなければならなかった。
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「目玉を刳り貫いてやろうか、鼻を削ぎ落としてやろうか」という謙吾の脅し文句を左内が諫めるのは、ちょっと唐突な感があるのですが、実はドンデン返しに関係しています。ドンデンをばらすと、ハルちゃんは見事脱走して御館へ報告に参じるのですが。裏切り者と見做されて、拷問されるのです。『裏切者には死を』ですから、凄惨なリョナになりかねません。ここで、『回復不可能な』責めにブレーキが掛かって、ドンデンドンデン返しで、五体無事なハッピーエンドとなるのです。ネタばらしちった。
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