Progress Report 1:昭和集団羞辱史:物売編(夜)

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 さあて。『ロリくのいち』が終わりました。
 作品としてのタイトルは『逝かされたって口は割らない』ですが、『ロリくのいち』のほうが内容ズバリで語呂もよろしい。しかし筆者としては、これをタイトルには出来ません。タイトルではなくジャンルだという問題もありますが。歴史的ミスマッチです。『万延元年のフットボール』はミスマッチをマッチングさせる荒業ですが。『信長のシェフ』は、タイトルからタイムスリップと見当がつきますが。

 Midship!

 そういう次第で、7月初っ端で中断していたこいつ・・・の再開です。
 紹介するなら、やはりG線上でアレヤコレヤ出来るシーンがよろしいですな。


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   父を助けて

 その夜は父と別れて寮へ戻った。翌日は朝から、門限破りの反省文を書いて、約束の午後一時には駅で待ち合わせて。
 東西に並んだ繁華街というより夜の街の真ん中を突き抜けて、道幅で見れば二倍の商店街が南北に走っている。和代が連れられて行ったのは、商店街の北端に建っている五階建てのビルだった。
 一階は『スーパー・マルタン』で、二階はその運営会社らしい『株式会社丸単』、三階には『中尾歯科』と『かまた小児科』、四階は『小田中総業』、五階には『有限会社富武土建』の看板が出ている。
 エレベーターで五階へ。すぐ目の前に一面の壁と頑丈なドア。昭大が呼出ブザーを短く二度鳴らして、二秒ほど待ってから今度は長く押した。ドアの向こうに人の気配が立って、覗き穴で来客を見極めていたのだろう、ふた呼吸も置いてからドアが開いた。
 小部屋のドアが左右に並ぶ通路の突き当たりが、また大きなドアで『社長室』の金文字。
 部屋の奥には神棚が祀ってあり、右奥には鎧兜が飾られている。左のソファーの前には頭付き虎皮の敷物。そして、神棚の下の豪華なデスクには、和代の目から見ても『お兄さん』と呼べそうな若い男が座っていた。仕立の良さげな縦縞の背広を着て、けれどネクタイは締めていない。慎太郎刈りのハンサム。年齢といい風貌といい、社長室のイメージとは真反対だった。
「こちらは、富武組の二代目……」
「富武土建だ」
 和代に紹介しようとした昭大を、若い男が遮った。
「失礼しました。富武土建の社長代行をなさっている、富武勝雄さんだ」
 あっと……和代は心当たった。就職してからわずか三週間の間だけでも、何度か耳にしていた。本州の西半分を席巻しているのは菱口組というヤクザだが、この県では富武組が頑張っている。十年前の庄内工場の労働争議を力で抑え込んだのか富武組だったし、最近では工場長の愛人にされかけた女工を本社との談判で救けてくれたのも富武組だった――と、噂に聞いていた。
「これは、私の娘で和代といいます。こいつを写真のモデルに使ってやっちゃくれませんでしょうか」
 ひと回りは年下の青年にへりくだる父を、和代としては見たくなかったのだが。この人にはそれだけの実力があるんだろうなと、そうも思うのだった。
「できましたら、こいつの写真は私の専売にさせていただきたいのですが」
「それなら、自分でカメラマンも相手役も手配して、焼き増しも自分でするんだな」
 ぴしゃりと、男が撥ねつけた。
「ただし、モデル代は弾むぞ。三万出そう」
 それだけあれば、借金の一割を返せる。月々の利払いが千五百円ずつも軽くなる。一年間で一万八千円。それだけ元金の返済にまわせるから……完済までどれくらい短くなるかは、咄嗟の暗算では解けなかった。けれど、三万円といえば給料の二か月分。
「それで、いいです。お願いします」
 ためらっている父に代わって、和代が返事をした。
「気風のいいお嬢ちゃんだな。そうだ、親父さんの商売を手伝っちゃみないか。『私が写真のモデルです』って、横にくっついてれば売れ行きが違うぞ。いっそ、写真の裏にサインするとか……お嬢ちゃんに度胸があるなら、マン拓も面白いな。五百円くらい上乗せしても構わん。それは丸々取り分ってことにしてやるよ」
 最後のほうは明らかに、昭大に向かって話していた。
「は、はあ……ありがとうございます」
「あのう……まんたくって、なんでしょうか?」
 土日に父の仕事を手伝うくらいは構わないけれど。サインをするなんて、女優さんになったみたいで、いかがわしい写真だけど、ちょっぴりワクワクするけれど。それよりも度胸が要るまんたくって、なんだろう。とんとん拍子に話が進んでいくと不安になった。
「それは、撮影のときに教えてやるよ。それでいいな、大崎」
 娘に余計なことを吹き込むんじゃないぞと、勝雄が釘を刺した。とまでは、和代には分からなかったのだが。
 勝雄は子分――ではなく、社員を呼びつけて。てきぱきと撮影の段取りを付けた。カメラマンが呼び出されて、『絡み』の相手役はその場に居合わせた社員たち。スタジオは社内の一室。
「娘も父親に見られていちゃ羞ずかしいだろう。三時間ばかり、パチンコでもしていろ」
 千円札を押し付けて、昭大をビルから追い出した。
「なにも取って食おうってわけじゃない。処女だったな。約束通り、真似事で済ましてやる。おまえは裸になって、ちょいと股を開いてくれりゃあ、それで終わるんだから」
 女、それも若い生娘にとっては一大事を、勝雄は気軽に言ってくれるのだった。

 場所を『応接室』に移して、いよいよ撮影が始まる。
 和代は当番で工場の応接室を掃除したこともあったが。その何倍も広い。『応接室』とは名ばかりで、こういったことにも、リンチや拷問や強女女にも使う部屋だとは、和代の知るところではない。今は壁一面にピンクのカーテンが張り巡らされて、小ぢんまりとした応接セットは部屋の隅に片付けられて、床には二枚の敷布団が並べられている。
「まずは脱ぐところから撮っていこう」
 和代をソファーに座らせて、カメラマンがごつい一眼レフを構える。その横にはレフ板を持った助手。なんだか本物のモデルになったみたいだと、敢えて和代はそっちへと思考を向けた。
 それにしても、だだっ広い部屋が狭く感じられる。カメラマンと助手の他に、三人の若い男たち。そして、社長代行の富武勝男。三人の男たちは髪形も服装も違うが、いかにもヤクザっぽい雰囲気を漂わせている。勝雄は彼らよりもずっと上品で、それでいて噴火したら凄まじい休火山のように、和代には思えた。
 ソファーに座ったまま、カメラマンの指示に従ってカーデガンを脱ぎ、ブラウスを脱いで。それだけで、和代は指をわななかせている。
 立ち上がってスカートを脱ぎ、スリップを足元に落として。
 カシャ、シャクン。カシャ、シャクン……シャッターが切られ、フィルムが巻き上げられて。
 和代がブラジャーとパンティだけになったところで、カメラマンはフィルムを交換した――ふりをして、実は初めてフィルムを装填した。五枚組せいぜい十枚組のエロ写真で、脱衣の過程など不要なのだ。
 カシャ、シャクン。下着姿で立つ和代の姿がフィルムに写し撮られたが、はたして商品になるのかは疑わしい。
「オッケー。それじゃブラジャーを外そうか」
 和代は意を決して、手を背中にまわした。けれど、指先が震えてホックをつかめない。顔も緊張で強張っている。
「こりゃあ、駄目ですね。絵になりませんよ」
 実は最初から打ち合わせている通りの台詞を、カメラマンが勝雄に向かって言う。
「では、企画を変えよう。和代ちゃんだったね。これを着なさい」
 勝雄から渡されたのはセーラー服だった。この春まで和代が着ていたものより、どことなく垢抜けている。のも道理、有名な私立女学校の制服だった。少なくとも県内では、一目で見分けられる。
「これで三つ編みお下げだったら錦上花を添えるところだが、無い物ねだりをしてもしょうがないか」
 二か月前だったら、和代は勝雄の言う錦上花なのだったが、電気機器の組立工場で働くには髪が長いと不便なので、会社の指示通りに短くしていた。
 セーラー服に着替えた和代を、三人の男たちが取り囲んだ。
「ここからは、無理して笑顔を作る必要もない。和代ちゃんの思う通りに振る舞っていいぞ」
 勝雄までコンパクトカメラを持って、カメラマンとは別のアングルから撮影するらしい。
「それじゃ。よーい、アクション!」
 勝雄がおどけた口調で言うと。
 ぱしん。正面に立っている男が、不意に和代の頬を張った。
「きゃっ……」
 和代は頬を手で押さえて後ずさった。学校で先生に叩かれたほども痛くなかったが、まったく予期していなかっただけに衝撃は大きかった。
 別の男が背後に回り込んで和代を羽交い絞めにして。頬を張った男がセーラー服の胸当を毟り取った。
「無言じゃ雰囲気が出ない。それらしい台詞を言え」
「それもそうですね」
 頬を張った男が、手を止めて頭を掻いた。笑っている。
 それを見て和代は、もしかしてこれはお芝居なのかと気づいた。暴漢に襲われている女学生。それなら、無理に笑顔を作らなくてもいい。でも、ほんとうにお芝居で済むんだろうか。
「それじゃ、仕切り直して……」
 照れ臭そうに男が言って、そこでドスの利いた口調に改めた。
「おとなしくしてれば、もう暴力は振るわない。分かったな」
「棒の力は、たっぷり振るわせてもらうけどな」
 見物している三人目の男が半畳を入れた。
「真面目にやれ」
 勝雄が苦笑しながら叱る。
「へい。それじゃ、俺っちはこっちを」
 和代の横にしゃがみ込んでスカートをずり下げた。
「いやっ……」
 お芝居でもなんでも、たとえ一度は下着姿まで晒していても、服を脱がされるのは乙女の本能が拒んだ。スカートを引き戻そうとして、またビンタを張られた。やっぱり、そんなに痛くなかったので、これはお芝居だと確信できたのだが。
 スカートをずり下げられ、セーラー服の脇ファスナーを開けられて。羽交い絞めのままだから脱がされはしなかったが。スリップを引き千切られ、ブラジャーは胸の上にたくし上げられて。布団の上に押し倒された。羽交い絞めにしていた男が、和代の両手を頭上に引き上げて手首を押さえ込んだ。
 お芝居だと自分に言い聞かせても、やっぱり怖い。和代は悲鳴を上げる余裕もない。
 セーラー服を頭から引き抜かれたが完全には脱がされず、袖は腕に絡まったまま。
 頬を張った男かお調子者の方かは分からないが、男の手がパンティを両手でつかんでビリビリと引き千切った。
「もっとセーラー服を上げろ。それでは顔が隠れる」
 勝雄がのんびりとした口調で指示を出して、即座に実行される。完全に露出した顔に向けて、勝雄がシャッターを切る。
「絵面(えづら)が淋しいな。パンツを口に押し込め」
 それも直ちに実行された。
「んんん……」
 口に物を詰められるなんて、生まれて初めての体験だった。言葉を封じられて、言いようのない不安に襲われた。押し出そうと試みることすら思いつかない。
 スカートを脱がしたお調子者が、和代の両足をつかんで左右に広げさせる。その中心を狙って、カメラマンが立て続けにシャッターを切る。
 羞ずかしいところを見られている、写真に撮られている。かああっと全身が熱く火照った。
 その一方で、男たちを失望させていないだろうかと、「絵にならない」と言われないかと恐れていた。和代の淫毛は薄い。ふっくらと盛り上がった土手の上半分に濃い目の産毛が生えているだけだ。さっき(ちらっと)見た写真のモデルとは大違いだった。
 しかし、それを指摘する者は居なかった。どころか。
「すげえな。小っちゃいくせに、つんと盛り上がってやがる」
 ビンタを張った男。いうならば彼が主演男優だろう。卑猥な言い方だが、誉め言葉に聞こえなくもなかった。誉めながら――和代の乳房をつかんだ。
「いあいっ……」
 和代は反射的に叫んでいた。口に詰め込まれたパンティのせいで声はくぐもっていたが、相手には通じたようだ。
「痛いか……これでもか?」
 男はいったん乳房から手を放すと、今度は膨らみの外から掌で包み込むようにして、親指の腹で乳首をこすった。
「あ……」
 鋭い針に刺されたようなくすぐったさを感じて、和代は戸惑いの声を漏らした。痛いのだけれど、くすぐったい。くすぐったいのだけれど……乳房全体が粟立つような感覚が生じて、それが胸全体に広がっていく。
「へっ。いっちょ前に感じてやがる。おっ勃ってきたぜ」
 和代自身、乳首が固くしこるのを自覚している。だけでなく、腰の奥がもどかしく疼き始めた。それは『エッチな事』を考えたときと同じだとも理解している。
「こいつは、ほんとにぶち込んでもいけそうだな」
 勝雄がレンズ越しに股間を覗き込んでつぶやいた。
「へえ。もしかして……」
 主演男優が乳房から手を放すと股間をまさぐって……
「も゙お゙お゙っ……!」
 乳房をつかまれたときよりもずっと切迫した悲鳴を和代があげた。
「なるほど、濡れてますぜ。ひょっとして、今のは善がり声か、おい?」
 後半は和代に向かって言いながら、股間に突き立てた指をぐりぐりと抉った。
「も゙お゙、も゙お゙お゙っ……あえええ」
「それくらいにしといてやれ。せっかくの処女膜だ。傷つけちゃあ、後々の値打ちが下がる」
 向こうから飛び込んできた獲物をエロ写真の被写体にするだけでは飽き足らず、勝雄はその先のことまで考えているのかもしれない……などと、和代が気づくはずもなかった。
「前戯まではじゅうぶんに撮りましたよ。ぼつぼつ本番……おっと、疑似でしたね。疑似本番をお願いしますよ」
「ええっ、もうすこし……いや、はいです」
 主演男優が不服そうな顔をしたが、勝雄に睨まれてしょげ返った。そのせいか。いったん和代から離れて着衣を上下ともに脱いで全裸になったのだが、『棒の力』がうなだれていた。
「ええと……」
 主演男優が和代を見下ろして。扱かせるなり握らせるなりさせたかったのだろうが、いわゆる自力更生で準備を整えた。
「このシーンで最後だ。もうちょっとだけ辛抱してくれよ」
 意外と優しい言葉を勝雄に掛けられて、和代はすこしだけ安心したのだが。
「むうう……?!」
 開いて押さえつけられていた足を男の肩に担ぎ上げられて、和代は羞恥に身悶えた。これまでだって、開脚の中心をレンズに覗き込まれたり、さんざん羞ずかしい思いをしていたのだが、足を持ち上げられ腰を浮かされては、もろに股間の奥まで見られてしまう。おころか、肛門までレンズに捉えられているかもしれない。
カシャ、シャクン。カシャ、シャクン。立て続けにシャッターが切られる。
 カメラアングルを考えて身体を引いていた男が、いよいよ和代にのしかかってきた。
 股間の割れ目を固くて太くて熱い物がつつく。
「む う う っ……い゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」
 犯される。狂乱した和代は腰を激しく揺すって逃れようとしたのだが。
「ついでに、他の体位もやっときますかい?」
「そうですね。バックとかフェラチオとか。それは他のお二人にお願いしましょうか」
 強女女の現場だったら有り得ない、事務的で冷静な遣り取り。
 和代の足は布団の上に戻されて、口に詰め込まれていたパンティも引っ張り出された。
 主演男優は裸体のまま引き下がって、急いで服を脱いだ次の男が和代に向かい合った。和代を羽交い絞めにした男だった。
「そんじゃ、四つん這いになっちくれよ」
 なにが「そんじゃ」なんだろうか。約束を守ってもらえると分かって心に裕りのできた和代は、男の身勝手な言葉を可笑しく思った。四つん這いになった後ろから写真を撮られると、それまでとは違った卑猥さが醸し出されるとまでは気づかずに、言われた通りのポーズを取った。
「やっぱり、強女女してるんだからな」
 羽交い絞めの男は和代の右手をつかんで背中へねじ上げた。
「こっちのほうが、それらしく見えるぜ」
 突っ張っている左手を払いのけられて、肩が布団に着くまで押し下げられた。
 やはり、男が身体を離した位置で数枚撮影されてから――股間に怒張を押し当てられた。最初の時とは違って、淫唇を掻き分けて怒張が潜り込んでくる。けれど、多分ここが穴なんだと分かる位置で止まって、それ以上は押し挿れられなかった。
 最後に男優がお調子者に替わって。今度は布団の上に正座させられた。
「脚を開いてくれよな」
 膝の間に爪先を割り入れて開脚させ、その中に立って、男はさらに前へ進む。和代は直角近くまで脚を開かされた。
「こちょこちょ……」
 男が足の指で和代の股間をくすぐる。
「ひどい……」
 男性器を押し付けられるより、よほど屈辱的だった。それまでは堪えていた涙が、頬を伝った。のを、すかさずカメラが写し撮る。
「はい、あーん」
 男は勃起を和代の唇に近づけた。
 フェラチオという行為があることくらい、和代も知っている。でも、そんなのは男女が結ばれて、いっそう深い仲になって、そこから先のことだと思っていた。
「…………」
 和代は顔をそむけて、縋りつくような眼差しで勝雄を見上げたのだが。
「口の中にゃ、処女膜なんてないからな。どうってこともないだろ」
 この当時、性交とは男性器を女性器に挿入することのみに限定解釈されていた。それ以外の行為を男が女に強制しても、暴行とか強制猥褻は成立しても、少なくとも強女女罪には問われなかったのである。
「お願いです。これも真似事で済ませてください」
「マンコと違って、誤魔化しようがないぜ。せっかくここまで頑張ったんだ。覚悟を決めろ」
「でも、でも……」
 和代にしてみれば。自分の体内に男性器を突っ込まれるという意味では、性器の結合も口淫も根本的な違いはなかった。いや、不潔な部位と不潔な部位とが交わる『せっくす』よりも、ずっと卑猥で淫らで背徳的な行為だった。
「てめえ、甘やかしてりゃあ、付け上がりやがって」
 勝雄は持っていたコンパクトカメラを主演男優に手渡すと。和代の髪をつかんで牛蒡抜きに立ち上がらせた。右手を振り上げて。
 ばしん、ばしん。部屋中に響く音を立てて往復ビンタを張った。髪の毛をつかまれていても、和代の顔が左右に大きく振れた。
「きゃあっ……!」
「おい、今のは撮ったか?」
「あ……うっかりしていました」
「てへへ。俺もです」
「ちっ、気が利かねえな。よし、もう一回だ」
「ごめんなさい。もう叩かないで!」
 和代が金切り声を上げた。
「ちゃんとやります。赦してください」
 無意識裡に両手を上げて交差させて顔をかばいながら、和代は赦しを乞うた。
「分かりゃあ、いいんだ」
 勝雄は和代を布団の上に投げ出して、預けていたカメラを取り返した。
「それじゃ、撮り直しだ」
 再び開脚正座をさせられ、半勃ちまで萎えた性器を口唇に押し当てられて。和代は泣きじゃくりながら口を開けて、それを受け容れた。
 でろんとした生温かい蒟蒻のような棒を口中に含んで、息を止めていても男の獣じみた体臭が鼻腔を刺激する。一方、男性器そのものは、それほど味がしなかった。
 なあんだ……たった、これだけのことだったんだ。拍子抜けする思いだったが。
「最初からあれこれは出来ないだろうし、したところでカメラには写らないからな。構わないから、ガシガシ突っ込んでやれ」
 勝雄に促されて。男は和代の頭を両手でつかむと、怒張を口中深く突き挿れはじめた。
「む……ぶうう、んんんん……」
 一突きごとに、口の中で怒張が固く太くなっていく。それで喉の奥を突かれて、吐き気が込み上げてきた。
「歯を立てるなよ。けど、もっとしっかり口を閉じていろ」
 男は勝手なことを言いながら、和代の口をただの穴として乱暴に扱った。
「んんん……むぶっ……んんん」
 激しく頭を揺すられて和代は、これまでに経験したもっとも酷い乗り物酔いの十倍は気分が悪くなった。耐えられずに目をつむると、もっとひどくなる。
 吐いたりしたら、もっと厳しく折檻されると、本能的に悟って――和代は目の前で激しく動く男の腹と淫毛とを、見るともなしに眺めていることしかできなかった。
 やがて、男の腰遣いがいっそう荒々しくなって。
 口中の肉棒がびくびくっと痙攣するのを感じると同時に、熱い衝撃が上顎の奥に叩きつけられた。プールの塩素臭と魚のアラの生臭さとが混じったような異臭が脳天まで突き抜けた。
 男が和代の頭を突きのけた。
「うげえええ……」
 和代は口中に溜まっている汚物を吐き出して、ひとしきり嘔吐(えず)いた。
 カメラが、引いた位置からその様までフィルムに写し撮った。
 ぱさっと、バスタオルが肩に掛けられた。
「よく頑張ったな。迫真の写真になるぞ」
 勝雄が猫撫で声で和代をいたわる。
 迫真の写真とは、それだけ卑猥だという意味だろうとは、和代にも見当はつくのだが。なぜか屈辱には感じなかった。
 たくさん売れて、早く借金を返せればいいな――と、それだけを考えるようにした。
 勝雄のねぎらいは言葉だけではなかった。約束は三万円のモデル料だったが、さらに一万円をはずんでくれたのだった。とはいえ、実際に手渡されたのは一万円だけで、残りの三万円は借金と棒引きにされたのだから、勝雄としてはちっとも懐が痛まないのだが。
 その一万円を和代は父に差し出したのだが、さすがに良心が咎めるのだろう、昭大は半分の五千円しか受け取らず、半分は和代の小遣いにさせたのだった。半分でも娘の恥辱の代償を我が物にしたというその行為は、客観的には非難されて然るべきものではあったろうが、和代としては一年半ぶりに父からお小遣いをもらったような気分になったのだから、脳天気といえば底無しの脳天気ではあった。
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集団羞辱物売編(夜)紹介図
 実は、ヒロイン(和子あらため和代)の性格が、再開後はいっそう奔放になってきました(上記は中断直前の部分です)。
 『ロリくのいち』のヒロインの性格を引きずってる感じです。
 ふう……。何本もの作品を併行執筆する売れっ子作家さんとか、何十年も後になって続編(たとえば『銀河帝国の興亡』とか『ガラスの仮面』とか)を書く作家さんは、端倪すべからず非ざる然るべき(つまり?)ですなあ。


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