Progress Report Final:An Amateur Assasine Arrested And Assaulted

 脱稿しました。3万3千文字/82枚。まさしく短編です。
 今回はエロもSMも無い最終章(ネタバラシ)を御紹介。


========================================

望遠撮影

 郊外の、じゅうぶんに田舎(country)と呼べる地区に伸びる二車線の幹線道路(highway)。禿げっちょろけた草原とまばらな灌木。そんな殺風景の中、ハイウェイの傍らに、ぽつんと投げ捨てられている全裸の女。ぴくとも動かない。
 女の肌には傷痕や打撲痕がちりばめられている。
 やがて――黒い小さな点が水平線の彼方に現われ、近づくにつれて大型トラックだと分かってくる。トラックの運転手は、横たわる裸体に遠くから気づいていたのだろう。緩やかに減速して路肩に車を寄せ、裸体の横で停車した。車から降りた運転手は、爪先で裸体を蹴り、首を傾げながら跪いて、唾で湿した指を裸体の鼻先に近づける。それから胸に耳を押し当てて――小さく頷いた。
 あらためてあたりを見回してから裸体を抱き上げ、助手席に乗せた。そして、何事もなかったかのように、トラックは走り去った。
「カーット!」
 ハイウェイを見下ろす丘の上から声が響いた。ジーンズのジャケットを着て、サングラスも認識票も身に着けていないが、アンを拷問していた四人のリーダーだった。
「An Amateur Assasine Arrested And Assaulted クランクアップだ」
 三脚を据えて撮影していたブルーが、カメラを止めて振り返る。
「わざわざこんなところまで出張(でば)って来てまで撮る必要があったんですかね?」
 リーダーの後ろに控えていたブルーが疑問を口にした。
「残虐(curiel)ポルノ愛好者の中にも殺人(snuff)は忌避する者がいる。ことに、俺たちの客(カモ)には多い。偽善ってやつだ」
「ははあ……」
「とはいえ、安物ポルノみたいに女優が笑顔でインタビューに答えるなんてのはシラけてしまう。感動的なラストシーンが必要なのさ」
 派手なドンパチに憧れて組織(シンジケート)に就職(?)したのにポルノ制作部門に配属されたばかりのイエローは、まだ釈然としない顔をしている。
「それに、このシーンは次作のオープニングにもつながるしな」
「あの娘を使うんですか?」
「当然だ。准看護婦としての年棒の四半期分の一万ドルと、今回のギャラの一万ドルと家族への三千ドル。まだまだ、こき使ってやるさ」
「次は数か月の密着ルポルタージュになる」
 ブルーも話に加わってきた。
「そうですね?」
 リーダーが頷く。
「ウェアラブルカメラは、ひと工夫をしないとな。サディストもレズビアンもインポテンツも――客がみんなサングラスをしていれば、さすがにあの娘も気づくだろう」
 雑談をしながら三人は、岩陰に隠してある車へ向かって歩く。
「密着ルポルタージュですか。どんなテーマなんですか?」
「今回のフィルムも含めてのシリーズ物だ。タイトルは、もう決めてある」
 リーダーが悪戯っぽく自慢した。
「今作がAだったからな。次は当然……」
 Bitty Bitch Bought By Brutal Brothel

     - Not to be continued -
========================================
構図01

 さあて、さっさと校訂してBFを丁稚揚げて、ノクターンノベルスの連載もあまり間隔を空けるとよろしくない鴨なので、ちょこっと書いて(連載形式で1話は30枚くらいです)、さて。『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』の第2話に着手しますか。しかし、第1話も端折り過ぎてるしオチ/大団円が唐突過ぎるから、ところどころにラブラブエピソード(ん?)を挿入するとか、手を入れないと阿寒かしら??
関連記事

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

濠門長恭

Author:濠門長恭
S70%+M80%=150%
高々度の変態非行が可能です!

鬼畜と変態と物好きと暇人の合計 (2018.01.01~)
検索フォーム
コメント投稿の仕方
複数記事を表示したデフォルトの状態ではコメントを投稿できません。 投稿したい記事のタイトルをクリックして個別表示させると最下段に投稿欄が表示されます。
濠門長恭作品販売サイト
リンク L I N K りんく
カテゴリ
最新記事
最新コメント
濠門長恭への連絡はこちらへ

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
QRコード
QR