Progress Report 5:悦虐へのエチュード~スケバンにリンチをねだる未通マゾ
Progress Report 4 →
リクエスト作品『幼なマゾの契り~闇に葬られた戦災孤児の淫虐体験』を、270枚で仕上げて。
こちらの再開です。
突っ走ってます。オーバーランしてます。『前奏』、『独奏』、『協奏』のうち『独奏』パートが終わった時点で407枚。『独奏』はモジュール方式で、いろんな責めシーンを詰め合わせているので長くなりました。『協奏』パートは単体で200枚を割り込むでしょう。としても、600枚クラスですから、長い部類に入ります。
ちなみに、過去最長は『いじめられっ娘二重唱(前後編)』の929枚です。
次点が『大正弄瞞』613枚、僅差で『縄と鞭の体育補習』と『昭和集団羞辱史:売春編』が609」枚。
では、今回はストーリイの節目である章です。ここで、ヒロインは悪役令嬢(激違)が真性のサディスチンとは違うのではないかと疑問を持ち――『協奏』パートへとつながります。まあ、この後も『独奏』パート最終章「冬山では雪遊び」で、疑念を深めますが。
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お姉様の大秘密
ハイキングの後は、ハイヤーでまっすぐ家まで送ってもらった。いちばん苛酷だった待ち針の傷なんか三日もすれば治って――希美は淋しい想いをしたものだった。
学校では、水曜日に一度呼び出されただけ。一学期の間は昼休みごとに旧校舎へ駆け付けて、楚葉にオモチャとして遊んでもらうか、そうでない日は番犬としてフェンスにつながれていたのだから、今さら教室でひとりぽつねんと過ごすのはつら過ぎた。図書室へ行けば、他クラスや上級生の好奇の目。校庭の片隅で人目につかないようにして、時間をつぶすしかなかった。良かったことといえば、お昼ご飯を食べられるようになったことくらい。
冬用の制服は、とうとう上着も下乳ぎりぎり(腕を上げれば確実に見えてしまう)まで切り詰められた。スカートも、さらに二センチ。そんな露出過剰な制服で購買の列に並んで晒し者になるのは、羞ずかしいよりも恥ずかしいが圧倒的でためらってしまう。今さら、またお弁当を作ってと母親に頼むのも気が引けて――登校中に駅の売店やコンビニで買っていた。お小遣いから捻出するのは、問題なかった。アクセサリーとか化粧品は、今の希美には縁がない。休日は、いつ楚葉から呼び出しがあってもいいように、ずっと家にいるのだから。コミックや雑誌は、自分の体験のほうが圧倒的に強烈だから、浮ついた絵空事を読む気にもなれない。レディース雑誌のエッチな記事も同じだ。
いわば悶々と暇を持て余していた。だから、翌週の火曜日に登校するなり、
「今日はおれの家で遊んでやるよ」
そう言われたときには舞い上がってしまった。可愛がってもらえるという喜びは当然だが、楚葉はスケバングループの誰ひとりとして、自宅へ招いたことがないというのを知っていたからだ。「おれたちとは真反対」という言い方で、希美は特別扱いされている。それは希美がスケバンの仲間ではなく、楚葉のオモチャだという意味だが――真反対だからこそ、家へ上げてもらえるという嬉しさだった。
希美は授業なんかほっぽり出して、楚葉について行った。校門を出るとき、風紀指導の箕内先生はもちろん見ない振り。
「おまえ、そのジャージ結構だぶついてんな。下は脱いじまえよ」
もう、楚葉の遊びは始まっていた。
希美はためらうことなく(でも、羞ずかしそうにしながら)登校中の生徒が見ている中でズボンを脱いで学生鞄に詰め込んだ。下はもちろん素っ裸だけれど、ジャケットの裾でヒップは隠れている。知らない人が見たら、当然ブルマを穿いていると思うだろう。
ズボンを脱ぐと、クリトリスのクリップに付いているガラス玉の飾りが大きく揺れて、かすかだけれど絶え間ない刺激を受け続ける。どんなふうに遊ばれるんだろうという期待とあいまって、裾よりも下まで蜜が内腿を伝う。
バスで視姦されながら十五分。立っていたから、座っている乗客からは股間のガラス玉が見えていたかもしれない。見知らぬ人ばかりだから、恥ずかしさは小さくて羞ずかしさだけだった。
楚葉の住居は、最近ぽつぽつと見掛けるようになったワンルームマンションだった。狭いけれど、キッチン、バストイレが完備している。学生には高値(ママ)の花で、入居者は独身のサラリーマンがほとんど。なので、平日の昼間は無人に近い。
部屋に入って。予想していたのとはまったく違うインテリアに、希美は驚くよりもおかしみを感じた。だって――まっ白なレースのカーテン、パステルカラーの整理棚の上にはぬいぐるみとか飾られていたりする。けっこう乙女チックだ。それはまあ……神棚とか刀剣の飾りとかが置かれているとも思ってはいなかったけれど。
「ぼさっと突っ立ってないで、くつろげよ」
ええと……希美は部屋を見回した。くつろぐといっても、応接セットがあるわけじゃなし、勉強机とベッドだけ。友達同士だって、いきなりベッドに腰掛けるのはお行儀が悪い。
あたしが特別扱いされているのは、お姉様のオモチャでマゾ牝奴隷だからだ。希美はジャケットを脱いで靴下と三点クリップだけの全裸になり、床に正座した。オモチャの正座は、脚を直角に開く。
そんな希美を見下ろしながら、楚葉も制服を脱いだ――下は、ブラジャーとパンティだけ。きちんとシュミーズを着ける子なんて少数派だし、真冬でもブラウスを着ない子は、さすがにお嬢様学校の百合香学園には少ないけれど。部屋着を着ないのは楚葉くらいだろう。希美だって、家ではまともな格好を取り繕っている。
「ちょっと待ってな」
楚葉が腹這いになって、ベッドの下に腕を突っ込んだ。だいぶん追い付いてきたとはいえ、まだ桃と無花果くらいはボリュームの違う楚葉のヒップが、希美の目の前でもこもこと動く。肌にぴっちり貼り付いたパンティは、硬派のスケバンにふさわしく白無地の木綿。
あまり見つめていてはお姉様に失礼と、部屋の中を見回すと――カラーボックスのひとつに、コミックの単行本がぎっしり詰まっていた。『ズボンの騎士』、『メコメコ・アザアス』、『ジョルゴ17』……希美はどきんとした。シリーズ物のコレクションが一致していたからだ。
『ズボンの騎士』は、お姫様が男装して騎士になっているお話。悪大臣に囚われて、縛られて地下牢に監禁されたり、下着姿にされて女とばれそうになったり。鞭打ちの拷問シーンもある。
『メコメコ・アザアス』は男の子向けのコミックで、主人公は現代の世界で活躍する黒魔法使い少女。薄気味悪いとか虐められて教室でストリップショーをさせられたり、連続少女誘拐犯に捕まってあわやのシーンとか。どちらも最後は黒魔法で逆転するけど、その部分には興味がない。
『ジョルゴ17』は青年向け。世界を股に掛けて活躍する暗殺者。女スパイの拷問、被差別民族の少女へのレイフ、冷徹な女性将校がジョルゴに抱かれようとして娼婦に成りきったり。
どのコミックも、希美の妄想を掻き立てるストーリーが満載。
お姉様はサディスチンなんだから、女性を虐待する男の側に感情移入して読んでいると考えれば、不思議はないのだけれど……コミックとは別の棚に一冊だけぽつんと置かれている古い学習雑誌に気づいて、希美は心臓が止まりそうになった。
戦争の悲劇の特集号だ。その中に、パルチザンを匿ってゲシュタポに捕まった姉弟のエピソードがある。下着だけにされて(というのは、子供向けの配慮に決まっている)監禁されて、毎日のように拷問されて……古本屋でこの本を発見したときは、その場にへたり込んでしまった。
この本が発行されたとき、お姉様は(ええと……)まだ少学校低学年だったはず。先輩のお下がりだろうか。だとしても、それを大切に残してあるということは……?
お姉様はほんとうにサドだろうかと疑ったことが、これまでにも二三度あった。まさか、まさか、もしかして、お姉様は、ほんとうは……
「よし、これで全部だ」
どさっと二つの(わりと小さな)段ボールの箱を目の前に置かれて、希美は我に還った。
「どれで遊んでほしい? 好きなのを幾つでも選べよ」
箱の中身は、いろんな種類の縄、大小の擂粉木、希美の初娼売のお金で買った手錠、首輪と鎖、釘を植えた洗濯バサミ。レディース雑誌でもたまに特集号があったり、楚葉に引きずり込まれたオトナの玩具屋でも売っていた、バイブとかピンクローターとか。短い鎖でつながれた小さな四つの首輪は手と足に嵌めるのだろうか。イチジク浣腸とか、ものすごく太い蝋燭とかも。
呆然と眺めているうちに、希美はあることに気づいた。手錠と木ネジを貫通させた擂粉木と釘洗濯バサミは新しいけれど、ずいぶんと使い込んだ物も交ざっている。あの綿ロープなんて、くたびれているし薄汚れている。
サディスチンのお姉様が、あたしみたいなマゾ娘でなくても、無理強いに女の子を可愛がったとか、リンチに使ったとか考えれば、おかしなところは何もないのだけれど。あんなにたくさん遊んでくれたのに、なぜあたしには一部しか使ってくれなかったんだろう。他の子に使ったお古は避けてくれたのかな。でも、釈然としない……
「まさか、全部遊びたいなんて欲張ったことを言うんじゃないだろうな」
楚葉にからかわれ、希美は真剣になって、遊んでもらうための小道具を選びにかかった。
十分ほども迷った挙げ句に選んだのは。多分拘束に使うんだろう革ベルトがこんがらかった衣装(?)と、四つの環と鎖の組み合わせと、釘を植えていない普通の洗濯バサミを小箱ひとつ分と、大小のバイブと、もしかして道に使うのかなと期待して極細のと、洗濯バサミと二者択一になるのかなと迷いながら大きなスポイトとローターを組み合わせたやつと、四角い箱にノートサイズのパッドと四本のハンドルが付いた強力マッサージ機と、蝋燭と……
「そこらへんでやめとけ」
楚葉に止められなかったら、段ボール箱を二つとも空にしていたかもしれなかった。
「まったく欲張りやがって」
楚葉がうんざりしたように言うのは演技だと、希美には分かる。
「それじゃ、おれも欲張って、これ全部一度に使ってやる」
「はい、ありがとうございますッ」
今の希美の「ありがとうございます」は強いられてではなく、心の底からのものになっている。恐怖と不安は残っているけれど、悦虐への期待がはるかに強い。
「まずはケツ穴を綺麗にして来い」
そう言って楚葉はイチヂク浣腸を二つ、希美に放って寄越した。
「シャワーヘッドは、ねじれば取り外せるからな」
希美はイチヂク浣腸を胸に抱いてバスルームへ行った。都合の好いことに、トイレもあるユニットバスだった。
三点のクリップは外して洗面台に置いて。バスタブの中にしゃがんでイチヂク浣腸を二つとも注入したのは、万一に粗相してもすぐに流せるからだった。
便意が募ってきても、説明書にある通り十分は我慢する。時計がないので、ゆっくり六百まで数えた。
汚しては申し訳ないので便座を上げて、尻を便器に嵌め込んで。思いっ切り排出して、綺麗に洗って。
お姉様はシャワーを分解しろとおっしゃってたのだから。ホースの先をアヌスに押し付けて湯をたっぷり、腹を手で触って膨れたのが分かるまで注入した。これは我慢なんかできない。大急ぎで便器に座った。
洗濯バサミにしてもスポイトにしても邪魔になるので、三点クリップは置き去りにして、まったく生まれたまま(に、性器の入墨を飾って)の姿で、バスルームを出た。
楚葉も準備を調えて待っていた。黒いビニールレザーのホットパンツとフルカップブラ。どちらもいちばん盛り上がっている部分に縦のジッパーが付いている。今は閉じているけど、開ければマゾ牝用のコスチュームにもなるんだろう。
「直立不動ッ」
楚葉の軍隊調の掛け声で、希美は足を真横に開いて背筋を伸ばし肘を張って両手を後ろで腰の高さに組んだ。何をされても姿勢を崩してはいけない。スケバン流の直立不動だと教わっているが、七人集の誰も、こんな姿勢で立っているのを見たことがない。自分を辱しめるために考え出されたんじゃないかと、希美は疑っている。
それにしても――と希美は、お姉様への不遜な疑念を別の感心で上塗りする。オトナの玩具は暴利だ。それをこんなに揃えるんだから、あたしとは桁違いのお小遣いなんだわ。
楚葉が最初に手にしたのは、革ベルトのこんがらかったやつだった。ほぐすと大きな網目になっている。網目のひとつを希美の首に通して全体を引き下げ、そこから先は太めのベルトが二本重なっている部分を股間にくぐらせて背中へ引き上げ、首の後ろの金具に留めた。背中側のベルトは三つの中空パイプに通されている。網目の両端から垂れているベルトは背中へ回して、縦のベルトに絡めて折り返し、網目の両端に三つずつある金具に留める。
それを上から下へ繰り返される度に、胴は締め付けられ乳房は絞り出され、股間に食い込んでくる。網目からは肉がはみ出て、まるでボンレスハムのようになった。希美は肥っていないから、あまり食べ出はなさそうだが。
ハーネス(と、楚葉が言った)が終わると、四つの環と鎖で手足の拘束。希美を膝立ちにさせて手首と足首に革の環を巻いて金具で閉じる。そのまま後ろへ倒されると、起き上がれなくなった。縛られてはいないのだから、ある程度は四肢を動かせるが、それはまさしく無駄な足掻きにしかならず、サディストの目を愉しませるだけだ。
楚葉は希美をあお向けにしてから、三番目の小道具に取りかかった。大小と極細のバイブ。足首を鎖で引き付けられているから、希美は嫌でも膝を立てていなければならない。足を開かせるのは簡単だ。
すでに希美のヴァギナは濡れそぼっている。楚葉は股間を鎖(とざ)しているベルトを緩めもせずに、二本を左右に掻き分けて大きいほうのバイブを突っ込んだ。
「ああああッ……」
悲鳴ではなく、愉悦の叫び。
同じようにして、小さいほうはアナルへ。
「い、痛いッ……」
あお向けのまま手探りで突っ込まれたので、角度が合わなかったのだろう。それでもやすやすと咥え込んだ。
「こっちは初めてだったよな」
太いバイブで左右に割られている縦ベルトの隙間に、最後の極細バイブを、楚葉が差し込んだ。上下左右にこねくって※道口を探る。
おし●こが出る穴が正確にはどこにあるか、希美は自覚したことがない。それでも……つぷっと凸と凹とが嵌まり合うのは分かった――と同時に。
「ひゃああっ……」
チリチリッと焼けるような痛みを感じて、希美は反射的に腰を引いた――が、床に押し返されてずり上がってしまい、※道に入りかけていたバイブを自らこねくる結果になった。灼熱の激痛。鞭や針とは違って、軟らかな体内を引っ掻かれるような不快な痛みだった。
「痛い、赦してくださいい……」
「動くからだ。じっとしてりゃ、たいしたことはない。むしろ、ケツマンコより早く味を覚えるぜ」
誰かをそういうふうに調教した経験があるような口ぶりだった。
「まだ洗濯バサミも蝋燭も業務用マッサージャーも残ってるんだぜ。これしきで騒ぐんじゃねえ」
「だって……おし●この穴を虐められるの、初めてだから」
これまでだったら謝るか黙ってなすがままにされていたところを、甘えるような響きで口ごたえしたのは――漫画の趣味が完全といっていいほどに一致していた親近感の故(ゆえ)だったろうか。
「今日は、あれもこれも初めてにしてやるぜ。そういうふうに、おまえが道具を選んだんだからな」
一方的に宣言して。楚葉は一気に極細バイブを※道の奥まで押し込んだ。
「痛ッ……」
いきなりのことで緊張する暇(いとま)がなかったせいか、痛くすぐったいだけで、さっきのはなんだったんだろうかと首を傾げるくらいに、痛みは少なかった。
三本のバイブを挿入し終わると、楚葉は改めてハーネスを引き絞って、ベルトを陰裂の奥深くまで食い込ませた。
「くううっ……んんん」
バイブがこねくられて下半身の三つの穴が側面から刺激され、違和感と官能を掻き立てた。
「こいつは、まあ、こんなところかな」
洗濯バサミは、ハーネスにくびられた乳房の麓に放射状に飾られていった。ちっとも痛くなかったのだが。
「おれにゃ、美術のセンスはねえや」あ
鏡で見せられて、希美も同意せざるを得ない。乳房は外へ向かって引っ張られて、ぺしゃんこ。ボンレスハムから巨大なヒラタケが生えているみたいな惨状あだった。
「まあ、画竜点睛があるからよ」
大きなスポイトを乳首とクリトリスに吸着させた。
真空に吸い出されて、乳首もクリトリスも痛い。どんどん充血してくるのが、疼きで分かる。
「さて……いよいよだぜ」
何がいよいよなのかと疑問に思ったときには。
ヴヴヴヴヴッ……
ウィイイイイ……
ニュオンニュオン
三つのバイブが一斉に振動し始めた。
「えっ……やあああああああッ……!」
これまで、中をこねくられたり出し挿れされたことはあっても、激しい振動を受けた経験はない。一瞬で思考が消し飛ぶほどの……快感だった。
さらに――スポイトまでが小刻みに振動し始めた。
ブルルルル……
「きゃああああっ……?!」
軽く触れられただけで全身にさざ波が立ち、つねられれば絶叫する敏感な部位。そこに加えられる、終わることのない微妙な高速の刺激。
「いやあああっ……なに、これ?!」
ほとんど垂直に屹立した急坂を、ロケットのように翔け昇っていく。
「いよいよ、真打の登場だぜ」
のけぞり返り、鎖を引き千切らんばかりに手足を突っ張って悶える希美の下腹部に、業務用マッサージャーの大きく四角いパッドが押し当てられた。
「逝っちまいなッ!」
ハンドルにのしかかるようにしてマッサージャーを保持しながら――パチッ、楚葉がスイッチを入れた。
ドゴゴゴゴゴゴ……何かの工事が始まったかのような大きな音とともに、本体がぶれて見えるほどの圧倒的な振動。
「ぎびひいいっ……や、やめ……死んじゃう、死んじゃうよおおお!!」
すでに弓なりになっている希美の裸身が、いっそう深く反り返って、びくんびくんと腰が跳ねて。野太い咆哮が、か細い喉から吐き出された。
「ふいいい……」
どさっと横ざまに崩折れて、ぴくぴくと全身を痙攣させている希美を見下ろして、楚葉が長々と溜め息をついた。
「これが、本物のアクメってやつか」
羨ましいと、呟いて。希美を元のブリッジの姿勢に起こした。バイブもスポイトも、まだスイッチを入れっぱなしにしている。
「ここをさらに責めたら、どうなるんだろ」
楚葉は、希美が選んだ最後の小道具――百目蝋燭に火を点けた。
失神している希美の臍を狙って、炎が肌に触れそうなくらいまで、蝋燭を傾けた。つぷっと熱蝋が臍の穴を埋める。
「熱いッ……」
一発で希美は目を覚ました。
ぽつん、ぽつん、ぽつんと、蝋滴がゆっくりと股間に近づいていく。希美がもがく。しかし、その動きは――まだ蝋に覆われていない新しい肌を炎の下に曝す結果となる。
クリトリスはスポイトに、淫裂はバイブに保護されている。楚葉は外淫唇が埋没するまで蝋を垂らし続けた。
希美にしてみれば。耐えられないほど熱かったのは最初だけで、冷えた蝋の上に熱蝋が重なっても、じんわりと適度に熱くなるだけで、中途半端に気持ち好いだけだった。
蝋燭が左右に揺れながら乳房に向かう。新しい肌に垂れる熱蝋は、突き刺さるような熱痛を希美に与えてくれるが――それでも、皮膚のすぐ下で止まってしまう。
さっきの絶頂と同じだと、希美は思った。
ものすごい、これまで経験したことのなかった、苦痛を伴うほどの快感だったけれど。皮膚をすっぽり包んで締め付けられるような感じで、身体の奥までは届かなかった。
鞭打ちや針の苦痛は違う。背骨にまで突き抜けるような苦痛と、その奥から滲み出てくる凶暴な快感があった。
さっきのバイブとスポイトで得られた絶頂と、綱渡りで達した絶頂と、どちらかひとつを選べと言われたら――希美はためらいなく後者を選ぶだろう。
「ひいいっ……熱い」
洗濯バサミで引き広げられた乳房の上に熱蝋を垂らされて希美は叫んだが、ずいぶんと可愛らしい、余裕のある悲鳴でしかなかった。
それは楚葉にも分かった。
「もうちっと正気づいてから責めるんだったな。おれも、ここまでの経験はないから……勝手が分かんねえや」
蝋燭の炎を消して、バイブとスポイトのスイッチも切った。
まだ絶頂の余韻にたゆたっている希美のブリッジを眺めながら、楚葉は煙草を吸った。いつもになく煙を肺まで吸い込んで、だらしなくも噎せてしまった。
三十分ばかり放置してから、楚葉は希美を拘束から解放した。バスルームに連れ込んで、手ずから洗ってやる。洗いながら、指で希美を優しく可愛がる。乳首を転がしクリトリスを刺激し、ヴァギナをくすぐる。反応が鈍いので、いつもの流儀に変えた。乳首に爪を立てて引っ張りクリトリスをつねりヴァギナとアヌスをこねくった。
希美は苦痛を訴えながら――下の口は正直だった。
さらに、楚葉はオモチャをベッドまで持ち込んだ。
「たっぷり愉しませてやったんだから、お返しをしてもらうぜ」
膝を立てて股を開いた。
「フェラチオは上達したようだが、クンニはしたことがないだろ」
練習台になってやるからおれを逝かせてみろと、初心者には無理難題に近いことを言う。
それでも希美は、喜び勇んで楚葉の股間に顔を埋めた。
お姉様の大切なところを舐めさせていただけるなんて――希美は感激していた。舐めるだけじゃなくて、舌を挿入するとかもしなくちゃいけないんだろうな。
レズビアンのテクニックなんて、レディース雑誌にも書いてない。少女漫画にはそれらしい描写もあるけれど、キスと薔薇と白い光線だけ。
オナニーをするときの指の動きを舌に置き換えればいいんだろう。処女だった頃と今では、ずいぶんと違ってきたけど――お姉様は、当然絶対に経験済みよね。
希美は、自分よりも小さく色も薄く縁が滑らか(希美のは、綱渡りでぎざぎざになってしまった)な小淫唇を舐めながら、舌をだんだんと上へずらして、包皮にくるまれたクリトリスに口づけしてから、実核を吸い出した。
ぴくんと楚葉の身体が跳ねたのに気を良くして――ずぢゅうううっと啜ってみた。
「あっ……うまいじゃねえか」
立て続けに楚葉の裸身が跳ねる。ずいぶんと初心(うぶ)っぽい反応だった。
「舐めるばかりで手を遊ばせてるんじゃねえよ」
乳房も愛撫しろという意味だろう。希美は回教徒が礼拝するような這いつくばった姿勢で両手を上へ伸ばして、小さな両手には余る乳房を下から押し上げるようにして愛撫した。
自分の乳房とは違って、柔らかい餅をこねるような感触だった。
反応が薄いので、乳首まで指を伸ばして摘まんだ。ぴくんと胸が動いたが、クリトリスよりは効いていない。
どうしようかと戸惑う。本物のペニスでも擂粉木でも、それ以上に毎日のペニスバンドで鍛えられている自分でさえ、まだクリトリスの快感のほうが好きだ。お手軽って意味もある。ほんとうに追い込まれたときのヴァギナ感覚は、ずっと重厚だけど。
それでも。お留守にしては失礼よねと考えて。希美は舌先で膣口を探り当てると、中へ挿れようとした。浅い位置で柔らかな壁に突き当たった――と感じたときには、腰を引かれていた。
「おまえと違って、おれは中が苦手なんだ。もうちょい上の小さな穴のほうが好きなくらいだ」
うわあ。※道口が好きだなんて、お姉様もずいぶんと変態だわ。スケバンらしくないな――としか、希美は考えなかった。まさか処女かもしれないとは、疑わない。
それから延々三十分も、舌が動かなくなるまで奉仕を続けたけれど。希美はお姉様を逝かせることはできなかった。
これも、楚葉には珍しく。遊びが終わっても希美を追い出そうとはしなかった。
自分は下着を着けて、希美には全裸に三点クリップを付けさせて。
「おまえな、新体操部に戻ってちゃんと練習しろな。顧問と部長にはナシをつけてやるから」
「お姉様……」
希美は、泣き声になった。捨てられると思ったのだ。
「今度の文化祭でよ、ちょいとばかし学校に貢献しようと思ってよ」
最悪の予想とは、まるで方向が違う話になってきた。
「こないだの体育祭で分かっただろ」
と言われても。希美は素肌に体操シャツとブルマを着て、教室から見学していた。ペニスバンドを着けたまま激しい運動をするのは、それほどの苦にも感じなくなっていたけれど。そんな希美と肌触れ合わんばかりに座るのは厭だと、学年全体の無言の圧力。体調不良を申し出て、教師もほっとしたというのが実情だった。両親は希美を見放しているから、見学には来てくれていないので、安心してサボれた。
「父兄証を入手したり偽造したり、助平親父もナンパ野郎も、わんさか押し寄せたんだぜ。文化祭は生徒との触れ合いが体育祭より簡単だからな。毎年、先公どもは頭痛を抱える羽目になる。まあ、一部の生徒は喜んでるんだけどな」
今年は、そういう不逞の輩を一般生徒から遠ざけるのだと、楚葉が言った時点で――不逞の輩は特殊生徒に近づけるつもりなんだと、それくらいにはお姉様の意地悪さ(と優しさ?)を理解している希美だった。
希美が未経験の新体操を目指したのは、あられもない衣装で観客の前で、大股開きだのそそるような仕草だのを披露する種目だからだ。不逞の輩を惹き付けるにはうってつけだった。
そうして翌日から、希美は部活を再開したのだった。
基本の身体作りとかは素っ飛ばして。特定の演技だけを、なんとかサマになるまで指導してもらう。このときだけは、ペニスバンドを抜いても良かった。いよいよ文化祭が近づくころには、自発的にわざと挿れたままにして快感を愉しんだりもしたけれど。
部活が終わっても下校せずに――体育館で、ペニスバンドもクリップも無しで待機。スケバン流直立不動だったり、開脚正座だったり、足の親指とクリトリスを長いゴムでつないで頭に水バケツを乗せたり――日替わりメニューは、楚葉の指示だった。
午後十時ごろに、市内のパトロールを早めに切り上げて戻って来た楚葉から、本番演技の特訓を一時間ほど受けて。それでようやく、希美の一日は……終わらない。三点クリップで装飾して、下脱ぎジャージでヒップと股間を気にしながらバスと電車を乗り継いて帰宅するのも、楽しく羞ずかしい日課だった。
いきおい、遅刻どころか午後登校なんて日もあった。
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ここで出てくる学習誌は、筆者の実体験に基づいています。こういう記事が、かつては学習誌に載っていたりしたのです。
それは、ともかく。PLOTよりも責めが過激になってきています。
三穴同時なんて『協奏』パートで予定していたのに、すでに全裸ハイキングでやらかしちゃいました。予定部分をどう変えるかは、まあ腹案はあるものの、書きながら考え直すかもしれません。
恒例 DLsite Affiliate キーワードは、「レズ、拘束、快楽」 漠然としています。
リクエスト作品『幼なマゾの契り~闇に葬られた戦災孤児の淫虐体験』を、270枚で仕上げて。
こちらの再開です。
突っ走ってます。オーバーランしてます。『前奏』、『独奏』、『協奏』のうち『独奏』パートが終わった時点で407枚。『独奏』はモジュール方式で、いろんな責めシーンを詰め合わせているので長くなりました。『協奏』パートは単体で200枚を割り込むでしょう。としても、600枚クラスですから、長い部類に入ります。
ちなみに、過去最長は『いじめられっ娘二重唱(前後編)』の929枚です。
次点が『大正弄瞞』613枚、僅差で『縄と鞭の体育補習』と『昭和集団羞辱史:売春編』が609」枚。
では、今回はストーリイの節目である章です。ここで、ヒロインは悪役令嬢(激違)が真性のサディスチンとは違うのではないかと疑問を持ち――『協奏』パートへとつながります。まあ、この後も『独奏』パート最終章「冬山では雪遊び」で、疑念を深めますが。
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お姉様の大秘密
ハイキングの後は、ハイヤーでまっすぐ家まで送ってもらった。いちばん苛酷だった待ち針の傷なんか三日もすれば治って――希美は淋しい想いをしたものだった。
学校では、水曜日に一度呼び出されただけ。一学期の間は昼休みごとに旧校舎へ駆け付けて、楚葉にオモチャとして遊んでもらうか、そうでない日は番犬としてフェンスにつながれていたのだから、今さら教室でひとりぽつねんと過ごすのはつら過ぎた。図書室へ行けば、他クラスや上級生の好奇の目。校庭の片隅で人目につかないようにして、時間をつぶすしかなかった。良かったことといえば、お昼ご飯を食べられるようになったことくらい。
冬用の制服は、とうとう上着も下乳ぎりぎり(腕を上げれば確実に見えてしまう)まで切り詰められた。スカートも、さらに二センチ。そんな露出過剰な制服で購買の列に並んで晒し者になるのは、羞ずかしいよりも恥ずかしいが圧倒的でためらってしまう。今さら、またお弁当を作ってと母親に頼むのも気が引けて――登校中に駅の売店やコンビニで買っていた。お小遣いから捻出するのは、問題なかった。アクセサリーとか化粧品は、今の希美には縁がない。休日は、いつ楚葉から呼び出しがあってもいいように、ずっと家にいるのだから。コミックや雑誌は、自分の体験のほうが圧倒的に強烈だから、浮ついた絵空事を読む気にもなれない。レディース雑誌のエッチな記事も同じだ。
いわば悶々と暇を持て余していた。だから、翌週の火曜日に登校するなり、
「今日はおれの家で遊んでやるよ」
そう言われたときには舞い上がってしまった。可愛がってもらえるという喜びは当然だが、楚葉はスケバングループの誰ひとりとして、自宅へ招いたことがないというのを知っていたからだ。「おれたちとは真反対」という言い方で、希美は特別扱いされている。それは希美がスケバンの仲間ではなく、楚葉のオモチャだという意味だが――真反対だからこそ、家へ上げてもらえるという嬉しさだった。
希美は授業なんかほっぽり出して、楚葉について行った。校門を出るとき、風紀指導の箕内先生はもちろん見ない振り。
「おまえ、そのジャージ結構だぶついてんな。下は脱いじまえよ」
もう、楚葉の遊びは始まっていた。
希美はためらうことなく(でも、羞ずかしそうにしながら)登校中の生徒が見ている中でズボンを脱いで学生鞄に詰め込んだ。下はもちろん素っ裸だけれど、ジャケットの裾でヒップは隠れている。知らない人が見たら、当然ブルマを穿いていると思うだろう。
ズボンを脱ぐと、クリトリスのクリップに付いているガラス玉の飾りが大きく揺れて、かすかだけれど絶え間ない刺激を受け続ける。どんなふうに遊ばれるんだろうという期待とあいまって、裾よりも下まで蜜が内腿を伝う。
バスで視姦されながら十五分。立っていたから、座っている乗客からは股間のガラス玉が見えていたかもしれない。見知らぬ人ばかりだから、恥ずかしさは小さくて羞ずかしさだけだった。
楚葉の住居は、最近ぽつぽつと見掛けるようになったワンルームマンションだった。狭いけれど、キッチン、バストイレが完備している。学生には高値(ママ)の花で、入居者は独身のサラリーマンがほとんど。なので、平日の昼間は無人に近い。
部屋に入って。予想していたのとはまったく違うインテリアに、希美は驚くよりもおかしみを感じた。だって――まっ白なレースのカーテン、パステルカラーの整理棚の上にはぬいぐるみとか飾られていたりする。けっこう乙女チックだ。それはまあ……神棚とか刀剣の飾りとかが置かれているとも思ってはいなかったけれど。
「ぼさっと突っ立ってないで、くつろげよ」
ええと……希美は部屋を見回した。くつろぐといっても、応接セットがあるわけじゃなし、勉強机とベッドだけ。友達同士だって、いきなりベッドに腰掛けるのはお行儀が悪い。
あたしが特別扱いされているのは、お姉様のオモチャでマゾ牝奴隷だからだ。希美はジャケットを脱いで靴下と三点クリップだけの全裸になり、床に正座した。オモチャの正座は、脚を直角に開く。
そんな希美を見下ろしながら、楚葉も制服を脱いだ――下は、ブラジャーとパンティだけ。きちんとシュミーズを着ける子なんて少数派だし、真冬でもブラウスを着ない子は、さすがにお嬢様学校の百合香学園には少ないけれど。部屋着を着ないのは楚葉くらいだろう。希美だって、家ではまともな格好を取り繕っている。
「ちょっと待ってな」
楚葉が腹這いになって、ベッドの下に腕を突っ込んだ。だいぶん追い付いてきたとはいえ、まだ桃と無花果くらいはボリュームの違う楚葉のヒップが、希美の目の前でもこもこと動く。肌にぴっちり貼り付いたパンティは、硬派のスケバンにふさわしく白無地の木綿。
あまり見つめていてはお姉様に失礼と、部屋の中を見回すと――カラーボックスのひとつに、コミックの単行本がぎっしり詰まっていた。『ズボンの騎士』、『メコメコ・アザアス』、『ジョルゴ17』……希美はどきんとした。シリーズ物のコレクションが一致していたからだ。
『ズボンの騎士』は、お姫様が男装して騎士になっているお話。悪大臣に囚われて、縛られて地下牢に監禁されたり、下着姿にされて女とばれそうになったり。鞭打ちの拷問シーンもある。
『メコメコ・アザアス』は男の子向けのコミックで、主人公は現代の世界で活躍する黒魔法使い少女。薄気味悪いとか虐められて教室でストリップショーをさせられたり、連続少女誘拐犯に捕まってあわやのシーンとか。どちらも最後は黒魔法で逆転するけど、その部分には興味がない。
『ジョルゴ17』は青年向け。世界を股に掛けて活躍する暗殺者。女スパイの拷問、被差別民族の少女へのレイフ、冷徹な女性将校がジョルゴに抱かれようとして娼婦に成りきったり。
どのコミックも、希美の妄想を掻き立てるストーリーが満載。
お姉様はサディスチンなんだから、女性を虐待する男の側に感情移入して読んでいると考えれば、不思議はないのだけれど……コミックとは別の棚に一冊だけぽつんと置かれている古い学習雑誌に気づいて、希美は心臓が止まりそうになった。
戦争の悲劇の特集号だ。その中に、パルチザンを匿ってゲシュタポに捕まった姉弟のエピソードがある。下着だけにされて(というのは、子供向けの配慮に決まっている)監禁されて、毎日のように拷問されて……古本屋でこの本を発見したときは、その場にへたり込んでしまった。
この本が発行されたとき、お姉様は(ええと……)まだ少学校低学年だったはず。先輩のお下がりだろうか。だとしても、それを大切に残してあるということは……?
お姉様はほんとうにサドだろうかと疑ったことが、これまでにも二三度あった。まさか、まさか、もしかして、お姉様は、ほんとうは……
「よし、これで全部だ」
どさっと二つの(わりと小さな)段ボールの箱を目の前に置かれて、希美は我に還った。
「どれで遊んでほしい? 好きなのを幾つでも選べよ」
箱の中身は、いろんな種類の縄、大小の擂粉木、希美の初娼売のお金で買った手錠、首輪と鎖、釘を植えた洗濯バサミ。レディース雑誌でもたまに特集号があったり、楚葉に引きずり込まれたオトナの玩具屋でも売っていた、バイブとかピンクローターとか。短い鎖でつながれた小さな四つの首輪は手と足に嵌めるのだろうか。イチジク浣腸とか、ものすごく太い蝋燭とかも。
呆然と眺めているうちに、希美はあることに気づいた。手錠と木ネジを貫通させた擂粉木と釘洗濯バサミは新しいけれど、ずいぶんと使い込んだ物も交ざっている。あの綿ロープなんて、くたびれているし薄汚れている。
サディスチンのお姉様が、あたしみたいなマゾ娘でなくても、無理強いに女の子を可愛がったとか、リンチに使ったとか考えれば、おかしなところは何もないのだけれど。あんなにたくさん遊んでくれたのに、なぜあたしには一部しか使ってくれなかったんだろう。他の子に使ったお古は避けてくれたのかな。でも、釈然としない……
「まさか、全部遊びたいなんて欲張ったことを言うんじゃないだろうな」
楚葉にからかわれ、希美は真剣になって、遊んでもらうための小道具を選びにかかった。
十分ほども迷った挙げ句に選んだのは。多分拘束に使うんだろう革ベルトがこんがらかった衣装(?)と、四つの環と鎖の組み合わせと、釘を植えていない普通の洗濯バサミを小箱ひとつ分と、大小のバイブと、もしかして道に使うのかなと期待して極細のと、洗濯バサミと二者択一になるのかなと迷いながら大きなスポイトとローターを組み合わせたやつと、四角い箱にノートサイズのパッドと四本のハンドルが付いた強力マッサージ機と、蝋燭と……
「そこらへんでやめとけ」
楚葉に止められなかったら、段ボール箱を二つとも空にしていたかもしれなかった。
「まったく欲張りやがって」
楚葉がうんざりしたように言うのは演技だと、希美には分かる。
「それじゃ、おれも欲張って、これ全部一度に使ってやる」
「はい、ありがとうございますッ」
今の希美の「ありがとうございます」は強いられてではなく、心の底からのものになっている。恐怖と不安は残っているけれど、悦虐への期待がはるかに強い。
「まずはケツ穴を綺麗にして来い」
そう言って楚葉はイチヂク浣腸を二つ、希美に放って寄越した。
「シャワーヘッドは、ねじれば取り外せるからな」
希美はイチヂク浣腸を胸に抱いてバスルームへ行った。都合の好いことに、トイレもあるユニットバスだった。
三点のクリップは外して洗面台に置いて。バスタブの中にしゃがんでイチヂク浣腸を二つとも注入したのは、万一に粗相してもすぐに流せるからだった。
便意が募ってきても、説明書にある通り十分は我慢する。時計がないので、ゆっくり六百まで数えた。
汚しては申し訳ないので便座を上げて、尻を便器に嵌め込んで。思いっ切り排出して、綺麗に洗って。
お姉様はシャワーを分解しろとおっしゃってたのだから。ホースの先をアヌスに押し付けて湯をたっぷり、腹を手で触って膨れたのが分かるまで注入した。これは我慢なんかできない。大急ぎで便器に座った。
洗濯バサミにしてもスポイトにしても邪魔になるので、三点クリップは置き去りにして、まったく生まれたまま(に、性器の入墨を飾って)の姿で、バスルームを出た。
楚葉も準備を調えて待っていた。黒いビニールレザーのホットパンツとフルカップブラ。どちらもいちばん盛り上がっている部分に縦のジッパーが付いている。今は閉じているけど、開ければマゾ牝用のコスチュームにもなるんだろう。
「直立不動ッ」
楚葉の軍隊調の掛け声で、希美は足を真横に開いて背筋を伸ばし肘を張って両手を後ろで腰の高さに組んだ。何をされても姿勢を崩してはいけない。スケバン流の直立不動だと教わっているが、七人集の誰も、こんな姿勢で立っているのを見たことがない。自分を辱しめるために考え出されたんじゃないかと、希美は疑っている。
それにしても――と希美は、お姉様への不遜な疑念を別の感心で上塗りする。オトナの玩具は暴利だ。それをこんなに揃えるんだから、あたしとは桁違いのお小遣いなんだわ。
楚葉が最初に手にしたのは、革ベルトのこんがらかったやつだった。ほぐすと大きな網目になっている。網目のひとつを希美の首に通して全体を引き下げ、そこから先は太めのベルトが二本重なっている部分を股間にくぐらせて背中へ引き上げ、首の後ろの金具に留めた。背中側のベルトは三つの中空パイプに通されている。網目の両端から垂れているベルトは背中へ回して、縦のベルトに絡めて折り返し、網目の両端に三つずつある金具に留める。
それを上から下へ繰り返される度に、胴は締め付けられ乳房は絞り出され、股間に食い込んでくる。網目からは肉がはみ出て、まるでボンレスハムのようになった。希美は肥っていないから、あまり食べ出はなさそうだが。
ハーネス(と、楚葉が言った)が終わると、四つの環と鎖で手足の拘束。希美を膝立ちにさせて手首と足首に革の環を巻いて金具で閉じる。そのまま後ろへ倒されると、起き上がれなくなった。縛られてはいないのだから、ある程度は四肢を動かせるが、それはまさしく無駄な足掻きにしかならず、サディストの目を愉しませるだけだ。
楚葉は希美をあお向けにしてから、三番目の小道具に取りかかった。大小と極細のバイブ。足首を鎖で引き付けられているから、希美は嫌でも膝を立てていなければならない。足を開かせるのは簡単だ。
すでに希美のヴァギナは濡れそぼっている。楚葉は股間を鎖(とざ)しているベルトを緩めもせずに、二本を左右に掻き分けて大きいほうのバイブを突っ込んだ。
「ああああッ……」
悲鳴ではなく、愉悦の叫び。
同じようにして、小さいほうはアナルへ。
「い、痛いッ……」
あお向けのまま手探りで突っ込まれたので、角度が合わなかったのだろう。それでもやすやすと咥え込んだ。
「こっちは初めてだったよな」
太いバイブで左右に割られている縦ベルトの隙間に、最後の極細バイブを、楚葉が差し込んだ。上下左右にこねくって※道口を探る。
おし●こが出る穴が正確にはどこにあるか、希美は自覚したことがない。それでも……つぷっと凸と凹とが嵌まり合うのは分かった――と同時に。
「ひゃああっ……」
チリチリッと焼けるような痛みを感じて、希美は反射的に腰を引いた――が、床に押し返されてずり上がってしまい、※道に入りかけていたバイブを自らこねくる結果になった。灼熱の激痛。鞭や針とは違って、軟らかな体内を引っ掻かれるような不快な痛みだった。
「痛い、赦してくださいい……」
「動くからだ。じっとしてりゃ、たいしたことはない。むしろ、ケツマンコより早く味を覚えるぜ」
誰かをそういうふうに調教した経験があるような口ぶりだった。
「まだ洗濯バサミも蝋燭も業務用マッサージャーも残ってるんだぜ。これしきで騒ぐんじゃねえ」
「だって……おし●この穴を虐められるの、初めてだから」
これまでだったら謝るか黙ってなすがままにされていたところを、甘えるような響きで口ごたえしたのは――漫画の趣味が完全といっていいほどに一致していた親近感の故(ゆえ)だったろうか。
「今日は、あれもこれも初めてにしてやるぜ。そういうふうに、おまえが道具を選んだんだからな」
一方的に宣言して。楚葉は一気に極細バイブを※道の奥まで押し込んだ。
「痛ッ……」
いきなりのことで緊張する暇(いとま)がなかったせいか、痛くすぐったいだけで、さっきのはなんだったんだろうかと首を傾げるくらいに、痛みは少なかった。
三本のバイブを挿入し終わると、楚葉は改めてハーネスを引き絞って、ベルトを陰裂の奥深くまで食い込ませた。
「くううっ……んんん」
バイブがこねくられて下半身の三つの穴が側面から刺激され、違和感と官能を掻き立てた。
「こいつは、まあ、こんなところかな」
洗濯バサミは、ハーネスにくびられた乳房の麓に放射状に飾られていった。ちっとも痛くなかったのだが。
「おれにゃ、美術のセンスはねえや」あ
鏡で見せられて、希美も同意せざるを得ない。乳房は外へ向かって引っ張られて、ぺしゃんこ。ボンレスハムから巨大なヒラタケが生えているみたいな惨状あだった。
「まあ、画竜点睛があるからよ」
大きなスポイトを乳首とクリトリスに吸着させた。
真空に吸い出されて、乳首もクリトリスも痛い。どんどん充血してくるのが、疼きで分かる。
「さて……いよいよだぜ」
何がいよいよなのかと疑問に思ったときには。
ヴヴヴヴヴッ……
ウィイイイイ……
ニュオンニュオン
三つのバイブが一斉に振動し始めた。
「えっ……やあああああああッ……!」
これまで、中をこねくられたり出し挿れされたことはあっても、激しい振動を受けた経験はない。一瞬で思考が消し飛ぶほどの……快感だった。
さらに――スポイトまでが小刻みに振動し始めた。
ブルルルル……
「きゃああああっ……?!」
軽く触れられただけで全身にさざ波が立ち、つねられれば絶叫する敏感な部位。そこに加えられる、終わることのない微妙な高速の刺激。
「いやあああっ……なに、これ?!」
ほとんど垂直に屹立した急坂を、ロケットのように翔け昇っていく。
「いよいよ、真打の登場だぜ」
のけぞり返り、鎖を引き千切らんばかりに手足を突っ張って悶える希美の下腹部に、業務用マッサージャーの大きく四角いパッドが押し当てられた。
「逝っちまいなッ!」
ハンドルにのしかかるようにしてマッサージャーを保持しながら――パチッ、楚葉がスイッチを入れた。
ドゴゴゴゴゴゴ……何かの工事が始まったかのような大きな音とともに、本体がぶれて見えるほどの圧倒的な振動。
「ぎびひいいっ……や、やめ……死んじゃう、死んじゃうよおおお!!」
すでに弓なりになっている希美の裸身が、いっそう深く反り返って、びくんびくんと腰が跳ねて。野太い咆哮が、か細い喉から吐き出された。
「ふいいい……」
どさっと横ざまに崩折れて、ぴくぴくと全身を痙攣させている希美を見下ろして、楚葉が長々と溜め息をついた。
「これが、本物のアクメってやつか」
羨ましいと、呟いて。希美を元のブリッジの姿勢に起こした。バイブもスポイトも、まだスイッチを入れっぱなしにしている。
「ここをさらに責めたら、どうなるんだろ」
楚葉は、希美が選んだ最後の小道具――百目蝋燭に火を点けた。
失神している希美の臍を狙って、炎が肌に触れそうなくらいまで、蝋燭を傾けた。つぷっと熱蝋が臍の穴を埋める。
「熱いッ……」
一発で希美は目を覚ました。
ぽつん、ぽつん、ぽつんと、蝋滴がゆっくりと股間に近づいていく。希美がもがく。しかし、その動きは――まだ蝋に覆われていない新しい肌を炎の下に曝す結果となる。
クリトリスはスポイトに、淫裂はバイブに保護されている。楚葉は外淫唇が埋没するまで蝋を垂らし続けた。
希美にしてみれば。耐えられないほど熱かったのは最初だけで、冷えた蝋の上に熱蝋が重なっても、じんわりと適度に熱くなるだけで、中途半端に気持ち好いだけだった。
蝋燭が左右に揺れながら乳房に向かう。新しい肌に垂れる熱蝋は、突き刺さるような熱痛を希美に与えてくれるが――それでも、皮膚のすぐ下で止まってしまう。
さっきの絶頂と同じだと、希美は思った。
ものすごい、これまで経験したことのなかった、苦痛を伴うほどの快感だったけれど。皮膚をすっぽり包んで締め付けられるような感じで、身体の奥までは届かなかった。
鞭打ちや針の苦痛は違う。背骨にまで突き抜けるような苦痛と、その奥から滲み出てくる凶暴な快感があった。
さっきのバイブとスポイトで得られた絶頂と、綱渡りで達した絶頂と、どちらかひとつを選べと言われたら――希美はためらいなく後者を選ぶだろう。
「ひいいっ……熱い」
洗濯バサミで引き広げられた乳房の上に熱蝋を垂らされて希美は叫んだが、ずいぶんと可愛らしい、余裕のある悲鳴でしかなかった。
それは楚葉にも分かった。
「もうちっと正気づいてから責めるんだったな。おれも、ここまでの経験はないから……勝手が分かんねえや」
蝋燭の炎を消して、バイブとスポイトのスイッチも切った。
まだ絶頂の余韻にたゆたっている希美のブリッジを眺めながら、楚葉は煙草を吸った。いつもになく煙を肺まで吸い込んで、だらしなくも噎せてしまった。
三十分ばかり放置してから、楚葉は希美を拘束から解放した。バスルームに連れ込んで、手ずから洗ってやる。洗いながら、指で希美を優しく可愛がる。乳首を転がしクリトリスを刺激し、ヴァギナをくすぐる。反応が鈍いので、いつもの流儀に変えた。乳首に爪を立てて引っ張りクリトリスをつねりヴァギナとアヌスをこねくった。
希美は苦痛を訴えながら――下の口は正直だった。
さらに、楚葉はオモチャをベッドまで持ち込んだ。
「たっぷり愉しませてやったんだから、お返しをしてもらうぜ」
膝を立てて股を開いた。
「フェラチオは上達したようだが、クンニはしたことがないだろ」
練習台になってやるからおれを逝かせてみろと、初心者には無理難題に近いことを言う。
それでも希美は、喜び勇んで楚葉の股間に顔を埋めた。
お姉様の大切なところを舐めさせていただけるなんて――希美は感激していた。舐めるだけじゃなくて、舌を挿入するとかもしなくちゃいけないんだろうな。
レズビアンのテクニックなんて、レディース雑誌にも書いてない。少女漫画にはそれらしい描写もあるけれど、キスと薔薇と白い光線だけ。
オナニーをするときの指の動きを舌に置き換えればいいんだろう。処女だった頃と今では、ずいぶんと違ってきたけど――お姉様は、当然絶対に経験済みよね。
希美は、自分よりも小さく色も薄く縁が滑らか(希美のは、綱渡りでぎざぎざになってしまった)な小淫唇を舐めながら、舌をだんだんと上へずらして、包皮にくるまれたクリトリスに口づけしてから、実核を吸い出した。
ぴくんと楚葉の身体が跳ねたのに気を良くして――ずぢゅうううっと啜ってみた。
「あっ……うまいじゃねえか」
立て続けに楚葉の裸身が跳ねる。ずいぶんと初心(うぶ)っぽい反応だった。
「舐めるばかりで手を遊ばせてるんじゃねえよ」
乳房も愛撫しろという意味だろう。希美は回教徒が礼拝するような這いつくばった姿勢で両手を上へ伸ばして、小さな両手には余る乳房を下から押し上げるようにして愛撫した。
自分の乳房とは違って、柔らかい餅をこねるような感触だった。
反応が薄いので、乳首まで指を伸ばして摘まんだ。ぴくんと胸が動いたが、クリトリスよりは効いていない。
どうしようかと戸惑う。本物のペニスでも擂粉木でも、それ以上に毎日のペニスバンドで鍛えられている自分でさえ、まだクリトリスの快感のほうが好きだ。お手軽って意味もある。ほんとうに追い込まれたときのヴァギナ感覚は、ずっと重厚だけど。
それでも。お留守にしては失礼よねと考えて。希美は舌先で膣口を探り当てると、中へ挿れようとした。浅い位置で柔らかな壁に突き当たった――と感じたときには、腰を引かれていた。
「おまえと違って、おれは中が苦手なんだ。もうちょい上の小さな穴のほうが好きなくらいだ」
うわあ。※道口が好きだなんて、お姉様もずいぶんと変態だわ。スケバンらしくないな――としか、希美は考えなかった。まさか処女かもしれないとは、疑わない。
それから延々三十分も、舌が動かなくなるまで奉仕を続けたけれど。希美はお姉様を逝かせることはできなかった。
これも、楚葉には珍しく。遊びが終わっても希美を追い出そうとはしなかった。
自分は下着を着けて、希美には全裸に三点クリップを付けさせて。
「おまえな、新体操部に戻ってちゃんと練習しろな。顧問と部長にはナシをつけてやるから」
「お姉様……」
希美は、泣き声になった。捨てられると思ったのだ。
「今度の文化祭でよ、ちょいとばかし学校に貢献しようと思ってよ」
最悪の予想とは、まるで方向が違う話になってきた。
「こないだの体育祭で分かっただろ」
と言われても。希美は素肌に体操シャツとブルマを着て、教室から見学していた。ペニスバンドを着けたまま激しい運動をするのは、それほどの苦にも感じなくなっていたけれど。そんな希美と肌触れ合わんばかりに座るのは厭だと、学年全体の無言の圧力。体調不良を申し出て、教師もほっとしたというのが実情だった。両親は希美を見放しているから、見学には来てくれていないので、安心してサボれた。
「父兄証を入手したり偽造したり、助平親父もナンパ野郎も、わんさか押し寄せたんだぜ。文化祭は生徒との触れ合いが体育祭より簡単だからな。毎年、先公どもは頭痛を抱える羽目になる。まあ、一部の生徒は喜んでるんだけどな」
今年は、そういう不逞の輩を一般生徒から遠ざけるのだと、楚葉が言った時点で――不逞の輩は特殊生徒に近づけるつもりなんだと、それくらいにはお姉様の意地悪さ(と優しさ?)を理解している希美だった。
希美が未経験の新体操を目指したのは、あられもない衣装で観客の前で、大股開きだのそそるような仕草だのを披露する種目だからだ。不逞の輩を惹き付けるにはうってつけだった。
そうして翌日から、希美は部活を再開したのだった。
基本の身体作りとかは素っ飛ばして。特定の演技だけを、なんとかサマになるまで指導してもらう。このときだけは、ペニスバンドを抜いても良かった。いよいよ文化祭が近づくころには、自発的にわざと挿れたままにして快感を愉しんだりもしたけれど。
部活が終わっても下校せずに――体育館で、ペニスバンドもクリップも無しで待機。スケバン流直立不動だったり、開脚正座だったり、足の親指とクリトリスを長いゴムでつないで頭に水バケツを乗せたり――日替わりメニューは、楚葉の指示だった。
午後十時ごろに、市内のパトロールを早めに切り上げて戻って来た楚葉から、本番演技の特訓を一時間ほど受けて。それでようやく、希美の一日は……終わらない。三点クリップで装飾して、下脱ぎジャージでヒップと股間を気にしながらバスと電車を乗り継いて帰宅するのも、楽しく羞ずかしい日課だった。
いきおい、遅刻どころか午後登校なんて日もあった。
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ここで出てくる学習誌は、筆者の実体験に基づいています。こういう記事が、かつては学習誌に載っていたりしたのです。
それは、ともかく。PLOTよりも責めが過激になってきています。
三穴同時なんて『協奏』パートで予定していたのに、すでに全裸ハイキングでやらかしちゃいました。予定部分をどう変えるかは、まあ腹案はあるものの、書きながら考え直すかもしれません。
恒例 DLsite Affiliate キーワードは、「レズ、拘束、快楽」 漠然としています。
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