Inturrupt Reoprt 4:檻の中の野生児(仮題)
着々と進行していますが。
通勤途上とか勤務中の休憩時間とかにスマホで書く分量が増えています。そして休日には何をしているかというと、こういうことをしていたりして。

左のくすんだ機体は、かれこれ15年以上前。タバコ燻製です。
2009年に引退して、昨年後半あたりから再燃です。その新しい機体は、右の白いやつ。
1.2mm□×50cm(をループにして25cm)のゴムで垂直に射ち上げて、30m上昇して30秒滞空すれば、まあまあのレベル。左下のは40秒クラス。デッドエアーでコンスタントに50秒あたりまでいけば、SSSです。
視認性であるとか、「飛び過ぎ」を抑制とかで、筆者が休止した頃には、翼長165mm以上のレギュレーションが180mm以上になって。それまで3.5g前後だった機体が5gちかくになります。いっとくけど、WhiteWingsなんかは、「競技用」と名乗っても8gくらいはあります。重ければ、それだけ上昇高度が減ります。
で。現行レギュレーションで4gを切れないかと、紙厚を薄くして。通常180~210Kgを、135Kgケント紙は漫画の原稿用紙で挑戦中。
いや、このブログにはふさわしくない話題ですな。
前回紹介した内容の続きを書いとくと。
ハゼッイイは、銃殺されます。ただし、コルク弾なので、死にません。けれど、穴に突っ込まれて一発撃たれて。火傷も含めて全治10日以上です。もっとも、下の本文紹介で書いているように、そのおかげで内部の傷が絶妙に癒着して、「心臓が百くらい拍つと」誰も彼もが暴発させる名器となります。書いてて、キーボードの勢いでそうなりました。
ちなみに奴隷少年のほうは、ほんとに縛り首です。ただし、手を前で縛られたハゼッイイが馬になって、彼をひと晩じゅう支えます。二日も水一滴与えられずに弱っている身で奮闘するのです。
そして。
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子供の玩具
捕まって八日目だったか九日目だったか(だんだん、怪しくなってきた)。おれはようやく吊りから下ろされて、手も縛られずに小屋から引き出された。
うわ……?!
白人の男の子が、十人ちかく集まってる。セイバーの息子は三人で、ヒップさんはシツジって人にも息子がいるって言ってたけど。三と一を足しても十にはならないぞ?
いちばん季節を巡ってそうなのが、セイバーのいちばん上の息子だ。嘘の処刑をされたときに見物してたな。ボビーだっけ。こいつは、おれよりも季節を巡っている。その横もセイバーの息子でチャールスだっけ。もひとり、ずっとちっこいのがエディ。三人ひとかたまりになってる。あとひとり、見掛けたことのある顔が混じってる。こいつが、シツジの息子のオリバーかな。
なんて、いちいち区別しなくても、セイバーの子供と他の子たちの見分けは簡単だ。おれを見る目つきだ。セイバーの子は、おれの裸を見慣れてるけど、他の子たちは目がまん丸。男に裸を見られるのは、そりゃあ羞ずかしいけど、こんなに熱心に見詰められると、くすぐったくて気持ちい好いかな。
『おまえたちは、{いつも喧嘩や悪戯ばかりしている}』
セイバーが、子供たちに向かって何か言った。
『{こんな辺鄙な地には、ろくに楽しみがないから、分からんでもない。}そこで、今日はこのインディアンを{貸してやる。好きなだけ痛めつけて}遊べ』
おれは、例の柵で囲った場所へ追い立てられた。子供たちも付いて来る。
『おまえたちも男だ。{大勢で若い}牝を{嬲るのはいかん。一対一でやれ}』
子供たちは顔を見合わせて、もじもじしている。
『僕が{お手本を見せてやる}』
ボビーが、おれの前に立った。
なにをするつもりか(どうせ、ろくなことじゃないだろう)と戸惑っているおれに、いきなり殴りかかってきた。
「うわっ……?!」
とっさにかわして、おれは戦いの形に構えた。戦わずに殴られるほうが、かえって無難かなと思ったけど――いくら女だからって、おれはズンナックだ。戦いを挑まれて逃げたりするもんか。
ボビーの顔色が変わった。
『インディアンが白人に逆らうってのか』
こいつ。おれが木偶の棒のように突っ立ってて、何もせずに殴られると思ってたんかな。だとしたら、見当違いだって教えてやるぜ。
ボビーが、また正面から殴りかかってきた。余裕を持って横に跳ん……だつもりだったけど。おれは十日ちかくも手足を縛られて吊るされてたんだぞ。足がもつれて、無様に転んじまった。ところを、脇腹に蹴りを入れられた。
「かはっ……!」
痛みよりも怒りが込み上げてきた。転がって逃げて、素早く立ち上がった。怒りが、手足の痺れを消していた。
また、なんの工夫もせずに殴りかかってくる。今度は身を屈めてかわして、横っ腹に拳を叩き込んでやった。地べたに崩れ落ちるのは、やつの番だった。
『ストップ!』
セイバーが止めた。
『{猛獣と}人間が{素手で戦うなら、ハンディを付けねばな}』
柵の外でセイバーと並んで見物していたジェスが縄を持って近づいて来て――おれを縛った。
「なにするんだ。おれと白人の子を戦わせるんじゃないのかよ?!」
腕力が違いすぎる。背中に渡した短い縄で、両肘を縛られちまった。これじゃ、肘から先しか動かせない。
ジェスは、おれを縛り終えると柵の外へ出て行って――またボビーが目の前に立った。
『{思い知らせてやる}』
殴りかかると思ったら、さらに踏み込んできて、おれの足を踏んづけた。こっちは裸足、相手はごつい革靴。すごく痛い――よりも、動きを封じられた。
腹を殴られるのを、かわしようもなかった。
「ぐふっ……!」
身体を折って苦しむ――間もなく、顔を殴られた。目の前に星が飛び散って、鼻の奥が熱くきな臭くなった。
『{顔はやめておけ。商品価値が下がる}』
セイバーが息子を叱ったけど。おれをかばってくれたんじゃないってことくらいは分かる。
ボビーは肩をすくめると。おれの足を踏んづけたまま、立て続けに腹を殴った。じゅうぶんに腕を尽き出せないから、たいして効いてないぞ。
『よーし、そこまでだ』
セイバーが止めた。でも、それは――次の子におれを痛めつけさせるためだった、
二番手はセイバーの次男坊、チャールズだった。ブーブさんの話だと、おれよりひと巡り若い。そんなやつに、たとえ手が使えなくても、負けるもんか。そういうことをしたら、どんな仕返しをされるかなんて考えずに、こっちから間合いを詰めて――足を高く上げて、脇腹を蹴ってやった。たとえきちんと服を着て(もちろん下帯も着けて)いても、女の子なら絶対にしない仕種だ。
恥をかなぐり捨てた効果は絶大。すっ転んで泣き出しやがった。
ばあん!
足元で砂が爆ぜた。射ち殺すって脅されたときのとは、音が違う。これは、食らったら死ぬ団栗だ。
『インディアンの{分際で}白人に{危害を加えるとは、いい度胸だ。}ジェス、足にもハンディを付けてやれ』
足首にも一歩分の長さで縄が巻かれた。歩けても、さっきみたいに蹴ることはできない。
『インディアンめ、{覚悟しろよ}!』
チャールズが、おれの横にまわって――背が低いから脇腹には届かず、太腿を蹴った。へん、ちっとも痛くないぞ。
見くびったのが、やつにも分かったんだろう。
『くそっ!』
正面からぐっと近づいて、兄貴を真似ておれの足を踏んづけておいて――膝頭で股間を突き上げやがった。
がつんと、股ぐらに衝撃を受けて、重たい痛みが突き抜けた。
「うぐっ……卑怯者。親父に助けてもらって、縛られた女の子を虐めて。それでも男かッ!」
チャールズが柵の外を振り返って肩をすくめた。おれが何を言ってるか分からないって仕種だろう。でも、罵倒されたってことは、直感してるな。
おれに向き直るなり、肩からぶつかって来て、よけられずに転ぶと、思い切り足を上げて腹を踏んやがっけた。
「げぶふっ……!」
背中が地面に押されて逃げられないから、大人に殴られるよりも痛かった。腹を抱えて転げまわる。
『よくやったぞ』
ぱんぱんぱんと、セイバーが拍手した。見物してる餓鬼どもも、指笛を吹いたり、歓声を上げたり。
『次はエディだ。兄貴に負けるんじゃないぞ』
季節を両手の指だけも巡ってないちびが、柵の中に入って来た。生意気にも五歩くらいの距離に立って、おれが立つのを待っている。
わざわざ笑い物になるために立ち上がったりするもんか。踏んづけようと蹴飛ばそうと、好きにしやがれ。おれは地面に転がったまま、手足を大きく広げた。
餓鬼どもが、ぶうぶう喚く。臆病者とか弱虫とか罵ってるんだろうな。へっ、卑怯者に何を言われたって平気だ――けど、セイバーがでしゃばってくると、身構えちまう。
右手には火を噴く棒じゃなくて、小さな桶を持っている。
『立って戦え。{さもないと}水を飲ませてやらんぞ』
桶を傾けると水がこぼれた。それを、ぐりぐりと踏みにじった。意味は、分かりたくもない。
こいつは、どこまで残忍なんだ。殴られるのは、その瞬間がいちばん痛くて、あとはだんだん薄れていく。穴に突っ込まれるのだって、ずいぶん長く感じられるけど、実際には太陽がちょこっと動くだけだ。でも渇きは、いつまでもつづく。どんどんつらくなる。吊られたり枷も似たようなものだけど、無理に身体を動かせば痛みが強くなって、それが薄れるときに、まやかしでも、ほっとする。丸一日水を飲ませないのと三日間吊るされているのと、どちらかを選ばなくちゃならないんだったら――吊るされてるほうが、まだましだ。
「くそ……おまえだけは、必ず殺してやるぞ、セイバー」
痛い……!
大人の男の重みをのし掛けられて、乳房を踏みにじられた。名前を呼ぶなってことか。ドレイと同じに『旦那様』とでも呼ばせたいんかよ。
セイバーが、こつこつと足を蹴った。早く立てって意味だろう。
ちくしょう。惨めだ。水が欲しいばっかりに、餓鬼どもにぶちのめされるために……自分の意思で立たなきゃならないなんて。
おれが立ち上がると。
『ヤアアアアッ!』
ちびのエディが、頭から突進してきた。かわしたら、こいつは転ぶ。転んだら、おれがセイバーに痛めつけられる。腹に食らうしかないだろ。
「ぶふっ……」
受け止め切れずに尻餅をついた。エディが馬乗りになって、おれの乳房を、ぱちんぱちんと平手で叩いた。殴るんじゃなくて、柔らかい感触を面白がってるみたいだ。
その気になれば、肘から先しか使えなくても、引っぺがすことも振り落とすことも、殴りつけることだって、できた。でも、されるがままになっていた。セイバーも、立てとか戦えとは、もう言わなかった。
ちびは、ひとりで勝手に腕を振り回してひとりで勝手に疲れて、引き下がってくれた。
けど、他のやつは、そんなに甘くなかった。
おれはさんざっぱら、殴られ蹴られ突き倒されて――ついに立ち上がれなくなった。
『もう戦わんのか。明日の朝まで、水も飯もやらん』
さんざっぱら甚振っといて、それかよ。でも、明日の朝になったら水をもらえるって安心したんだから、情けない。野生の動物が飼い慣らされていくのと同じに、おれも調教されてってる。ますます惨めで悔しい。
翌日は、また一日じゅう小屋に監禁されてた。もう枷とか吊るされたりとかはせず、右足にごつい鉄の環を嵌められて、短い鎖で鉄の球をつながれた。これじゃ、逃げようとしたってろくに歩けないし、鉄の球を引きずった跡を簡単に追跡される。
閉じ込められてるよりは、ひどい目に遭わされてもいいから外に出してほしい。そんな気持ちも、半分くらいある。
女の子ではおれくらいなもんだけど、ひとりで遠出して、太陽が三回くらい沈んでから戻ってくる者も珍しくはない。だから、おれが居なくなったと仲間が気づいて探しに掛かったときには、おれは小屋の中に吊るされていて、見つけられなかったはずだ。白人の縄張には近づかないようにしてるから、おれがしょっちゅう外に出てないと、見つけてもらえないだろう。でも、見つけてくれて、それからが……
こっそり救けに来てくれるならいいんだけど。正面から堂々と掛け合ったりしたら――八年前の虐殺の再現だ。だから、見つけて救けて欲しいって気持ちも半分だけなんだ。
……セイバーのやつ、おれをどうするつもりなんだろ。ミックなんか、縛首を赦されたその日のうちから働かされてたのに。おれは傷が治り切ってないから休ませてくれてるんだったら、いいけど。昼は子供の玩具がわりにされて、夜は男どもの慰み物にされる――なんてのは、絶対に厭だぞ。
と思ったところで。セイバーのやつがそう決めたら、おれはそれに甘んじるか――さもなきゃ殴られたり、ドレイみたいに鞭打たれたり(音と悲鳴が、小屋の中まで届く)、食事も水も与えられずに、それでも屈せずに頑張ったところで、夜は力ずくで穴を使われるに決まってる。そりゃまあ……ジェスがしてくれたみたいに、乳首やメシベをくすぐられて、身体が破裂……なんでもないぞ。
小屋に監禁されて。朝に一回だけ、ヒップさんが水と食事(というより、餌だな)を運んでくれて。その一回きりだった。昼過ぎには、これまで見掛けたことのない男が来て、うずくまっていたおれを立たせて、身体にあちこち紐を巻きつけたり短い棒をあてがったりしたけど、縛ったり叩いたりじゃなかったので、好きにさせといた。縛ったり叩いたりだって、好きにさせるしかないんだけどな。
夜になってからは、ジェスがひとりだけで小屋に来た。
『もう使えるようになったんじゃねえかって、皆に{せっつかれてな。具合を確かめるのも、亭主の務めってわけだ}』
いそいそと、袴と下穿きを脱ぎやがる。男棒も仕上がってる。簡単に組み敷かれちまった。
こいつは、いちばん最初におれを虐めた白人なんだ。おれの初めてを捧げた男なんかじゃない。羽根だって、火を噴く棒で射ち砕かれてるんだぞ。それなのに――押し返す腕から力が抜けてく。ちょっと割れ目を触られただけで、女穴の奥が、じゅんってなっちまう。
くりくりっと乳首を転がして、メシベをつまんでおれの腰をぴくんと跳ねさせると、それ以上はそよ風を吹かしてくれずに、あっさり押し挿ってきた。
痛い……最初のときほどじゃないし、引き裂かれるってより、抉じ開けられるみたいな痛み。女穴を嘘の火を噴く棒で射たれた傷のせいだ。
『うおおっ……なんだ、こりゃあ?!』
ジェスが素っ頓狂な声を上げやがった。
『{絡みついてきやがる。ヴァージンのときより狭いんじゃねえかよ。}くそお、たまらねえ!』
へこへこと数回腰を動かしたら、すぐに子種を出しちまったらしい。憮然とした顔で身仕度を整えた。
『{具合が良すぎて、愉しむ暇もありゃしねえ。もしかして、中で発砲したせいか。傷が妙な具合に癒着して。だったら、感謝してもらいてえな。どこへ売られても大切に扱われる道具になったんだぜ、おい}』
思い切り馬鹿にしてるような、でも思い切り優しい声で、わけの分からないことを言うと、ジェスは出て行った。
さっさと済ませてくれたおかげで、たっぷり眠れるんだから、それでいいや。
翌日は、また子供たちの玩具にされた。今度は女の子の番だった。男の子みたいに友達が街から遊びに来たりしないので、ボビーよりふた巡り上のアンナとエディのひとつ上のデイジー、この二人だけを相手にすれば良かったし、女の子は殴り合いなんかしないから、楽ちんなはずだったのに――終わってみたら、一昨日どころか、嘘の処刑よりもひどい怪我をさせられていた。悪いのは姉妹じゃなくてセイバーとダニーなんだけど。
やっぱり、朝だけ水と食事を与えられて。尾錠の付いた革の帯で後ろ手に縛られて外へ引き出されたときには、太陽が頭上を過ぎていた。
足の環と鉄の球をはずされて、代わりに妙ちきりんな装具を――男と女で違う部分にばかり着けられた。
鳥籠みたいな物を乳房のそれぞれにかぶせられて、革帯で胸を締め付けられた。巻いた鉄の線の力できつく噛み合う木の嘴に乳首を咬まれて、その嘴から伸びる紐が鳥籠の天辺から引き出されて、鉄で作られた小さなすぼんだ花を下向きに吊るされた。花の芯には仕掛があって、軽く振るだけで、からんころんと音が鳴る。のはともかく……乳首が痛い。これまで、さんざっぱらあれこれ痛いことされてるから、千切れそうなくらいとまでは言わないけどよ。
両側に円盤がひとつずつ付いて二人分の腰掛を備えた橇が、おれの後ろに置かれた。橇からは、途中で鎌首をもたげた鉄の柄が一本だけ突き出ている。柄の先からひと握り手前には、鉄の棒が上向きに作りつけられていた。柄がおれの足の間に通されて引き上げられて――上向きの鉄棒が、女穴に押し込まれた。男棒よりきつい。腰に革帯が巻かれて、柄の途中にある金具につながれた。セイバーがおれの股間をまさぐって……
「あんっ……」
声が出ちまった。だって、メシベの皮をにゅるんて剥かれたんだぜ。いきなり熱風に吹き付けられた。
木の嘴が股間に隠れて……
「きひいいいっ……」
鋭い痛みが、メシベから腰の奥へ向かって突き抜けた。木の嘴はぎざぎざになっている。そいつに花弁を剥かれた花芯を咬まれたんだ。こんなこと、おまえの娘にやってみろ、涙を流して泣き叫ぶぞ。
この嘴に結ばれている紐は、鉄の柄の先端が二股に分かれているところを通されて、小さな鉄の箱をぶらさげられた。中は空っぽで、鉄の花と同じような仕掛があって、こいつは、がらんがらんと鳴る。
最後に、短い鉄の棒を口に噛まされて紐で頭に縛りつけられた。棒の両端からは別に革紐が伸びている。
くそお、分かってきたぞ。セイバーは、おれに橇を曳かせるつもりなんだ。じゃあ、この棒は馬銜だ。革紐が手綱だ。
案の定、アンナとデイジーが橇に乗り込んだ。アンナが手綱を左手に握って、右手にはおれまで届く鞭を持っている。
『ハイヨー』
びしっと、鞭で尻を叩かれた。男の子と喧嘩して棒で叩かれたことはあるけど、鞭だなんて生まれて初めての屈辱だ。でも、いちいち逆らってセイバーに懲らしめられるのは厭だから、馬鹿々々しいと思いながら前に進もうとして――これが、簡単じゃなかった。
橇の重みが全部、女穴に掛かってくる。後ろへ引っ張られて、突っ込まれるのとは違う鈍重な痛みが腰を引き戻す。前へ進もうと足を踏ん張るのは、自分で自分を虐めてるのと同じだ。
『こら、進め。ハイヨー』
びしっ、びしっと、鞭が尻を叩く。男の子に殴られるのよりも痛くはないけど、悔しい。馬の真似をさせられるのも惨めだ。でも、これっぽちの重みに音を上げたなんて思われるのは、もっと悔しいぞ。
「くそおっ……」
ぐっと足を踏み込んだら、思い切り女穴を抉られて腰が引けた。なのに、橇がちょっとだけ動いた。
そうか。柄から突き出た棒にこだわってたんだ。むしろ、身体を倒してやれば――腰に巻かれた革紐で橇を引っ張れる。
身体をうんと倒して、橇が動いて前へ倒れそうになるのを、足を運んで支える。そのこつを体得すると、わりと楽に(でも、女穴は痛いぞ)進み始めた。
からんころん、がらんがらんと、花と箱が鳴って。
「あっ……?」
三点を熱いそよ風が吹き抜けた。音が紐を伝わって、木の嘴を震わせてるんだ。これって、指でつままれて揺すぶられるのと同じだ。痛みは増すけれど、そよ風のほうが強い。
からんころん、がらんがらん……花と箱を鳴らしながら、おれは橇を引っ張り続ける。
『右!』
手綱を引っ張られて、かくんと顔が右へねじられた。向きを変えろって意味だ。後ろに橇を引っ張っているから、歩いてて向きを変えるのとは勝手が違うけれど、なんとか曲がれた。
『おもしろそう。あたしにもやらせてよ』
ちびデイジーが手綱と鞭を持った。
『ハイヨー』
ぺちぺちと、立て続けに鞭でおれの尻を叩く。ちっとも痛くないぞ。でも、セイバーが見てる。おれは素直に橇を曳いて歩いた。
柵で囲まれた中を一周すると、アンナが面倒なことを言い出した。
『この中を{巡るだけじゃ}面白くないわ。{牧場の}外へ出たい』
こんな鬼畜野郎でも父親なんだな。娘には甘い。
『オーケイ。{だが、用心棒はいるな。}おおい、ダニー』
ジェスの弟分(かな)のダニーを呼びつけて、何事かを命じた。ダニーは引き返して、馬に乗ってすぐ戻って来た。誰も乗っていない馬を一頭曳いている。そっちの鞍には、火を噴く長い棒が二本も備えてあった。
ここら辺って、そんなに物騒なんかなと不思議に思って、白人にとって物騒なのはおれたちズンナックだと気づいた。部族の若い娘が裸で橇を曳かされてるなんて、見つけたら問答無用で救けにかかるよな。
『何かあったら、こいつで{連れ帰ります}』
そうだ。牧場の外なら、戦士はダニーだけだ。隙を見つけて逆襲してやる。絶対に負けないぞ。そして、この二人を人質に取れば、有利な条件で和平に持ち込める。
『ハイヨー』
また鞭で尻を叩かれて。そんなのはちっとも気にならず、おれは勇んで橇を引っ張った。
からんころん、がらんがらん……たてつづけに熱いそよ風にくすぐられるうちに、女穴を後ろへ引っ張られる痛みが、だんだん痛みでなくなってくる。そよ風と絡みあって、全身に強い風が吹き荒れ始める。頭が、ぼうっとしてくる。もっと風を強くしたい――なんて、思ってないのに。勝手に足が速くなっていく。倒していた上体を起こして、腰の革紐ではなく女穴の鉄棒で橇を曳くみたいになっていく。
『お嬢さん。馬の勝手にさせちゃいけませんぜ』
『ドウドウ』
手綱がぐっと引かれて、おれは我に還った。
『馬も奴隷も、主人の意のままに操らなけりゃ、思い上がります。ミスタ・セイバーは、それを教えたくて、わざわざ{仔馬}でなくインディアンに曳かせてるんです。{まあ、そのハーネスは、どうかと思いますがね}』
『でも、インディアンは奴隷じゃないわ』
『そう、家畜じゃありません。{野生の猛獣}です。だから、いっそう厳しく調教しなくちゃならんのです』
ややこしいことを言ってるけど、要するにおれたちインディアンはドレイよりも劣っているという意味だろう。
ふざけるなよ。メックは老人だから数えないとしても、マックとミックとモックとムック――それと同じ数だけ、ズンナックの戦士が居てみろ。セイバーと十人の手下なんか、みんなぶっ殺してやる。シツジの一家は白人だけどドレイと似たようなものらしいから、命は取らないけどな。でも、セイバーの三人の息子は、殺す。アンナとデイジーは……妹のほうは幼いから見逃してやるけど、姉には、おれが受けたのと同じ屈辱を味わわせてやるとも。
『あら、もう{川の}近くまで来てるわ。せっかくだから、{水遊び}していきましょうよ』
おれの内心の怒りを知るはずもなく、アンナがのんきなこと(に決まってる)を言う。
『わあい。遊ぼう』
デイジーがはしゃぐ。
『駄目ですぜ。水の近くは危険だと、ミスタ・セイバーもおっしゃってるでしょう』
アンナはダニーの言葉が聞こえないふりをして、おれに鞭をくれた。
おれは、迷うことなく川へ向かって進んだ。おれを操ってる(とは、絶対に認めないぞ)のはアンナとデイジーだし、ダニーが困ることなら、喜んで白人娘の悪戯に付き合ってやるさ。
川のほとりに着くと、アンナは真っ先におれのハーネスを外しに掛かった。
『お嬢さん。何をなさるんで?』
『このインディアンを洗ってやるのよ。{垢}だらけで、おまけに臭いわ。{レディの乗り物}を曳くのにふさわしくないでしょ』
『勘弁してください。俺が叱られます』
『そんなこと、あるもんですか。馬を洗ってやれば、{褒めて}もらえるに決まってるじゃない。あ、そうだ。逃げられないように、投げ縄を首に掛けといてね』
おれは橇から解き放たれて、乳首もメシベも女穴も、すっかり軽くなった。物足りなくなんか、ないぞ。
おれを水に浸ける仕度が終わると、自分たちが服を脱ぎ始めた。
『ちょ、ちょっと……』
ダニーが姉妹に向けて腕を突き出し顔をそむけた。
『見ないでよ。あ、インディアンの縄は、しっかり持っていてちょうだいよ』
勝手なことを言って、二人とも下穿きひとつの姿になった。白人って、そういう体質なのか、食い物が良いからなのか。まだ季節を両手の指だけも巡ってないくせに、デイジーの胸は乳房ってほどじゃないけど、膨らんでる。あと幾つも季節を巡らないうちに、おれに追いつくんじゃないかな。姉のほうは……川面に太陽の光が照り返して、きらきら輝いてるなあ。
『さっさと川に入るのよ』
デイジーが鞭でおれを叩いて、川へ追いやる。アンナは橇の腰掛の下から篭を引き出して、束子を持って来た。おれたちのと違って、棍棒に棘を植えたような形をしてる。こんな物を用意してたってことは、この場での思いつきじゃないな。
川は浅くて、せいぜいデイジーの膝あたりまで。おれは言われるままに四つん這いになって、背中まで水中に沈めた。
姉妹が両側から、束子でおれの身体をこする。草の茎を束ねたおれたちの束子と違って、無数の針で肌を引っ掛かれる。痛いけど、おれより弱っちいやつに泣かされるなんて面子にかかわるから、平気な顔をしてやる。
『ここは、特に良く洗わないとね』
アンナの持つ束子が股間にまわって、割れ目を強く擦った。鋭い毛羽が突き刺さる。
「きひいっ……」
びくんっと、腰を引いた。ぱちんと尻を叩かれる。痛くはないのに悔しい。
『じっとしてなさい。{綺麗に}してやってるのが分からないの? インディアンって、馬よりもお馬鹿さんなのね』
殴ってやりたい。でも、喧嘩にはならずに、首縄で引き寄せられてダニーに殴り倒されるだけだ。そして牧場へ連れ帰られて、また残酷な懲罰に掛けられる。
おれは、ちくちくひりひり痛いのを我慢して、アンナの好き勝手にさせた。背中や腹をこするよりもずっと強くしつこく、アンナはおれの股ぐらを洗った――んじゃないな。虐めたんだ。捕らわれた最初の夜に、おれが牧場の男どもに犯されたのを知っているんだな――と、直感した。そんなおれを、ただインディアン、白人じゃないってだけでなく、女として穢れてると思ってるんだ。おれだって――というよりズンナックは、誰彼かまわず抱かれる女は軽蔑する。でもおれは、自分の意思で股を開いたんじゃないぞ。
気が済むまで(男の子十人に比べたら、すぐに飽きてくれた)おれを虐めてから、おれはダニーに任せて、二人で遊び始めた。水の掛けっこをしたり、流れの中に寝そべってみたり、それで下穿きが濡れたから素っ裸になって、川原で小石を積み上げてみたり。
妹のほうは無邪気に遊んでるけど、アンナは――裸になってはいけない場所で裸になる後ろめたさを愉しんでいる。それが、おれにはよく分かる。だからって、親近感なんか感じない。妹もダニーもいなかったら、割れ目も悪戯したかもしれない。何をしようと、この十日あまりにおれがされたことに比べたら、赤ん坊の指しゃぶりと変わらないけどな。
二人が水遊びに飽きるまで、おれはずっと苦痛に耐えていなけりゃならなかった。ダニーに引き渡されてすぐ、ハーネスを着けさせられたんだけど、鬱憤晴らしに革紐を前よりもきつく締めつけられ、木の嘴の上にも細い紐を巻き重ねられて痛さが倍になった。しかも、鉄の花にも箱にも小石を詰め込みやがって、痛さは倍の倍に跳ね上がった。ジェスの子分みたいなやつに虐められたって、泣くもんか。歯を食い縛って耐え抜いたさ。
帰り道では余計な重石は勘弁してくれたから、倍になっただけの痛みなら――頭がぼうっとしなくて、泣きたいくらいにつらかった。
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アメリカ西部です。
男の子の遊びは喧嘩です。
女の子の遊びはお馬さんです。

実は猿動画を観て以来、ポニーガールは膣牽引が必須になっちゃいました。
「SMツアー」シリーズの『ドンキーガール』以来の登場です。前作は、デブス熟女ですが、今回はU15。
まあ、実際の牝馬は。人間で言うならSの頃から裸で(あたりまえか)鞍を乗せられたり鞭で追い回されたり、Cにもなると観客の面前で裸に(あたりまえか)ハーネスを装着させられ騎手を乗せて走らされるのですから――これはこれで、書いてみたいですけど。人間と馬を入れ替えればSF。馬に転生すればラノベ。大富豪が金で買うなり拉致してきた少女をとなれば、ありふれちゃいますな。
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屈服の兆し
あまり太陽が傾かないうちにボクジョウへ帰り着いて――それからが、おれのほんとうに痛くて苦しくて惨めな一日の始まりだった。
草原の一画を勝手に柵で囲んだ、森よりも広い内側。それが、白人どものいうボクジョウだ。その柵の出入口のところに、セイバーが一人で立っていた。不機嫌と心配がごっちゃの顔をしている。
『{ずいぶんと遅かったな。}何かあったのか?』
『いえ、それがですね……』
ダニーが、オジョウサンたちが何をしていたかを告げ口した。
『おまえたちは、わしの言いつけを守らなかったんだな』
『ごめんなさい、パパ。だって、お天気が良かったし、{夏みたいに暑かったし……}』
『いくら、わしが娘に甘いといっても、{限度がある。}今日は、厳しくお仕置をするぞ』
『ごめんなさい。これからは、決してパパの言いつけに{そむきません}』
『いいや、駄目だ。鞭で懲らしめてやる』
アンナもデイジーも震え上がったんだろう。おれからは見えないけど。
『とはいえ、わしも可愛い娘を泣かせたくはない。そこで、{[[rb身代わり小姓>Whipping-boy]]に倣うとしよう}』
『……?』
鞭打たれなくてすみそうだと、ふたりは父親の次の言葉を待っている。
『{旧大陸の王宮で行われていた制度だ。王子が悪いことをしても、玉体を傷付けるなど、家臣として畏れ多い。そこで、小姓を代わりに罰する}』
セイバーが、おれに目を向けた。
『このインディアンを、おまえたちの{身代わりにする。}おまえたちのせいで、こいつが鞭打たれるのだ。こいつが無様に泣き叫ぶのを見て、反省しなさい』
『はあい、パパ』
こいつら、絶対にぺろっと舌を出してやがるぞ。
ふざけるなと言いたいところだけど、言えば鞭打ちだけで済まなくなるってのが分かりきってるから……くそお、ドレイみたいにおとなしく虐められるしかできないのかよ。
おれはハーネスを外されて、そのまま、剥き出しの地面を柵で囲ったところへ連れて行かれた。ここは、まだ人に馴れていない馬を調教したり、男どもが力比べや遊びの取っ組み合いをしたり、十日前におれとミックがされたように、ドレイやインディアンを虐めるのに使われてる。
おれは十日前と同じように二本の柱の間に、手足を広げて磔にされた。違っているのは、両足が地面に着いているのと、馬橇遊びの間ずっと木の嘴に咬まれていた乳首とメシベに血が滲んでいるのと、その代わり割れ目と尻穴は(そんなに)傷ついてないってことかな。
セイバーが鞭を握って、おれの前に立った。馬橇遊びの鞭とは全然違う。棒の先に革の帯紐がつながってるんじゃなくて、全体が先細りの編み上げになっている。根本は手斧の柄くらいも太くて、先っぽは指よりも細いけど膠で固めたみたいに黒光りしている。巻いて持っていた鞭を伸ばすと、長さはおれの背丈の倍ほどにもなった。これは……コルクの弾と鉛弾ほどにも違うぞ。
ひゅううん、ぱっしいん!
空中で鞭先を撥ねる音からして、恐ろしい。
『わしは優しい男だ。今夜のことを考えて、背中と尻は傷つけないでおいてやる』
セイバーがわけの分からないことを言う。つまり、身体の正面を鞭打つんだろ。尻より、よほど痛いに決まっている。見物に集まった男どもが一斉に嗤ったのも、意味が分からない。のは、おれとデイジーだけらしい。姉のほうは、顔を赤くして俯いた。
いよいよセイバーが、おれに向かって鞭をかまえた。腕を後ろへ引いて、身体までねじって。
ひゅうううん、ずばっぢいん!
「きゃああああっ……!」
意地でも泣き叫んだりするもんかと心に誓っていたのに、最初の一撃で粉砕されてしまった。乳房を刃物で切り裂かれると同時に棍棒で殴られたような、鋭くて重たい激痛だった。
ひゅうううん、ずばっぢいん!
二発目も乳房に打ち込まれた。乳房が胸までめり込んでから、掌からこぼれない大きさしかないのに、アンナの[[rb:たわわ>・・・]]みたいにぶるるんって爆ぜた。
たった二発で、乳房全体が赤黒く腫れ上がった。鞭が直接当たったところは、肌が裂けて血が滲んでる。
セイバーが一歩踏み込んで、低い位置から鞭を繰り出した。狙いが外れた――と思ったのは一瞬。脇腹に叩きつけられた鞭は、おれの胴をひと巻きしてから、鞭先が背中を軽く叩いた。それはたいして痛くなかったけど、鞭が引き戻されるときに肌を切り裂いて、まるで赤い帯を巻いているみたいになっちまった。
四発目と五発目は臍の下を打たれて、乳房のときほどじゃないけど、悲鳴を堪えられなかった。
くそ……悲鳴はしょうがないけど。絶対に泣いたりなんかしないぞ。
ひゅうううん、ばちいん!
今度は脇腹を打たれて、背中を巻いた鞭先が乳首を直撃した。
「きひいいっ……!」
そこからは五六発ばかり、身体の正面を滅多打ちにされた。
膝が砕けて、両腕で吊られた形になった。
セイバーが鞭を引きずりながら、おれに近づいた。唾を吐き掛ければ届く近さだ。でも、やめておく。仕返しが怖い。
『赦してほしいか?』
虫を網に絡め取った蜘蛛みたいにねちっこい口調。
『お赦しください、御主人様――こんなふうに懇願するなら、考えてやらんでもないぞ?』
セイバーへの呼び掛け方は、いくつかある。ドレイやシツジは、たいていダンナサマと言う。雇われている男どもはミスタ・セイバーだ。たまにボスと呼ばれると機嫌が悪くなると、ミックが言ってたっけ。逆にジェスはチーフと呼ばれるのを好むそうだ。は、ともかく。ゴシュジンサマというのは、最もていねいな呼び掛けらしい。誰が言うもんか。
『どうした。言葉は分かっとるはずだぞ。それとも、ここにも鞭を食らいたいのか?』
セイバーが鞭をおれの股ぐらに通した。前後を握って引き上げて、割れ目に食い込ませる。
『強情を張ると悲鳴だけでは済まなくなるぞ』
鞭を前後にしごく。ますます割れ目に食い込んできて、女穴の入口まで擦られる。
「ぐうう、うううう……」
編んだ革の縁が、柔肉を切り刻む。血が流れて鞭が滑り始めるのが分かった。
『そうか。そんなに鞭を食らいたいんだな』
セイバーが後ろに下がった。鞭を地面に這わせたまま、腕を真後ろに引いて……
ずしゅうううん、ばっちいん!
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
おれは大声で吠えた。鋭いとか重たいとかじゃない。豹の爪で切り裂かれたような、ぎざぎざの激痛で割れ目を真っ二つにされた。
ちくしょう。なんだって、こんな目に遭わされなけりゃならないんだよ。勝手に柵で囲って、その中に入ったからといって捕まえて犯して……自分の娘が言いつけにそむいたからって、れを鞭打って。何もかも、悪いのは白人じゃないか。
戦士がいたらなんて、情けないことを考えるな。おれが受けた[[rb:仇>あだ]]じゃないか。おれが仇を討たないでどうするんだ。
決めた。セイバーはおれの手で殺す。セイバーだけじゃない。ジェスとダニーもだ。
『まだ強情を張るつもりか!』
ずばっぢいいん!
「がわ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
くそお。このままじゃ……殺されはしないだろうけど、まともに動けるようになるまで、また何日も掛かっちまう。
今このとき、この場での名誉を捨ててでも――大きな名誉をつかみとるんだ。
『……ゆるして、ください。ゴ、ゴシュジンサマ』
これは言葉じゃないぞ。白人が囀ずってるのを真似しただけだ。
そんな誤魔化しは、すぐに打ち砕かれた。
『そうだな。では、こう言え――素直に股を開きますから、女として可愛がってください』
くっ……言うだけじゃ済まない。言った通りのことをさせられるんだ。
縛られたり押さえつけられたりして、男棒を突っ込まれるのは、おれが弱っちいから、悔しいけど仕方のないことだ。だけど、自分から男を誘うみたいな真似は、絶対に厭だ。
そうは思っても。力比べと同じだった。一歩だけでも押し込まれたら、ずるずると押されてしまう。
ちっぽけな名誉なんか投げ捨てて、おれは必ず復讐を果たす。強く心に念じながら、おれはセイバーの言葉を繰り返した。目を伏せてしまったのは、心の中で荒れ狂っている炎を見抜かれないためだ。気後れしたわけじゃないぞ。
『ふふん。いいだろう。赦してやる』
ジェスが縄をほどいてくれた。
『言ったことはちゃんと守って、いい子にしてろよ』
どういうつもりか、血のにじんでる股ぐらをぽんぽんと掌で叩いた。それから、足首に鉄の球をつなぎやがった。
『おまえたちは、家へ戻れ』
二人の娘を追い返して、セイバーは――くそ、手を引っ張るとか、遣りようは幾らでもあるだろ。おれの乳首をつまんで、小屋のほうへ引っ張りやがる。ジェスとダニー、他にも三人くらいがついて来る。
男どもは小屋の隅から藁を持ち出して地面に敷いた。その間に、セイバーは下半身を裸になっていた。男棒は水平くらいまで鎌首をもたげてる。
『どうした、インディアンのビッチ。何をすると言ったか、覚えているな?』
すなおに、またを、ひらきますから、おんなとして、かわいがってください。
くそお。おれは両手をきつく握って――反抗的だと思われたら、また処刑場へ引き出されるかもしれないので、すぐに力を緩めた。
股を開くためには、仰向けにならなくちゃいけない。いやだいやだ悔しい悔しい……心の中で何十回と繰り返しながら、おれは藁の上に寝転がった。恥辱に耐えて、脚を開いた。
『それじゃ、嵌めにくいだろ。膝を立てて腰を浮かせよ』
セイバーの御機嫌取りのつもりか。ジェスがおれに指図する。
やりゃ、いいんだろ。これも、力比べと同じだ。押し込まれだすと、どこまでも押されちまう。挙句に、こんな台詞まで言わされた。
『ゴシュジンサマ、ビッチのマンコに、チンポをはめて、ください』
『そこまでねだられては、叶えてやるのが{慈悲}だろうな』
セイバーがのしかかってきやがった。おれを組み敷いて、まだ硬くなり切っていない男棒を割れ目に擦りつける。さっきジェスが掌で拭っているから、血はそんなに付かない。
すぐに、突っ込めるくらいまで硬くなって。
痛い……火を噴く棒の怪我は治ってる感じだけど、ジェスも言ってたように傷が変な具合にくっついてるんだろう。ちょっとこじ開けられては男棒が入ってきて、そこでまた別の場所を抉じ開けられてるような。ぐに、じゅぐ、ぐに――みたいな感じだ。その都度に痛みが奔る。
『なるほど……これは、すごい。{襞がうねっている}ような感触だ』
ジェスほど呆気なくはなかったけど、せいぜい心臓が百拍つくらいで、セイバーも終わってくれた。
セイバーは、とっとと小屋から出て行って。これで(すくなくとも今日は)もう虐められずに済む――なんて安心したおれが馬鹿だったぜ。ついて来た連中は出て行かない。
『十日も待たされたんだ。今日は金玉が空っぽになるまで可愛がってやるぜ』
くそお。すごく悔しい。でも、あまり腹は立たなかった。おれが弱っちいのが悪いんだ。弱いやつは強いやつに組み敷かれて当然だ。だけど、こいつらは、弱い者に優しくしてくれない。護ってくれない。まったくの、やらずぶったくりだ。それが、白人のドレイやインディアンに対する遣り口なんだ。
おれは諦めた。せいぜい素直にして、早いとこ全員の金玉を空っぽにするように務めるしかない。
おれは仰向けに寝転がったまま、誰か(ジェスだったらいいのに――なんて、これっぽっちも考えてないぞ)がのしかかって来るのを待った。
でも、こいつらはそんな優しさ(?)すらもなかった。
『{宣教師の}真似なんか、してんじゃねえよ。とっとと四つん這いになりやがれ』
『ビッチにゃ犬の格好が似合ってる』
四つん這いにさせられた。そういう形で[[rb:番>つが]]ってるのも覗き見したことあるから、あまり気にしなかった。ビッチてのが牝犬を意味する悪い言葉だとは、もう知ってる。けど、おれにそんな格好をさせたのは、もっとちゃんとした(?)理由があった。仰向けに寝転がってちゃ、口が使えないっていう。
だけど、口に一本を咥えさせられてる間に、女穴には取っ替え引っ替え三本が突っ込まれた。
『こいつは、すげえ!』
『下の口にも舌が付いてて、それで舐めまわされてるみてえだ』
別に、おれは気持ち好くなんかねえけどな。まあ、ジェスが横から手を突っ込んでメシベを弄ってくれたから、それでいいや。
女穴に突っ込んで、心臓が百か二百拍つくらいで満足してくれるから、途中で新手が増えても、最初の日に比べたら、ずっと楽だった。
『こうなると、上の口がもの足りねえな。どうだ、こっちにも一発ぶっ放してみるか』
火を噴く短い棒を口に突っ込まれたときは、そいつが冗談を言ってるのは分かってたけど、団栗を破裂させる鈎が起きてたから、やっぱり怖かった。しゃべっても首を振っても暴発するかもしれないから……固まっちまった。十日前のおれだったら、暴発するかしないかは祖霊に委ねてぶん殴ってただろうけど。白人の言いなりになっちまってるおれに、加護は望めない。
でも、ジェスが助けてくれた。
『殺しちまったら、洒落にならんだろうが。歯を抜けば具合は良くなるが、せっかくの可愛い顔が台無しになるししな』
うわ、白人に可愛いなんて言われたのは初めてだ。実は、仲間からも言われたことがないんだよな。男の子みたいにきつい顔立ちだから。部族の子たちは、おれの顔について言うときには、決まって「胸と同じで」なんて余計なことを付け足す。だから、まともに可愛いなんて……言われたって、ちっとも嬉しくなんかないぞ。おれの初めてを無理矢理に奪った男になんか言われたんんだ。腹を立てなくちゃならない。
『けっ。こんな赤っ茶けた顔が、おまえの好みかよ』
『高慢ちきだったり甘ったるかったりするよりは、これくらい男前なほうが、味があらあ』
やっぱり、ジェスも殺してやる。
そうだ。いっそのこと、ジェスにだけは従順になって、甘えてみるかな。もしも、縛られてないときに抱いてくれたりしたら――いつも腰に吊るしてる火を噴く棒を奪えるかもしれない。射ち方は、見て覚えた。できたら、鉄の球を足に付けられてないときがいい。ジェスを射ち殺して、セイバーを追いかけて……
『{フェラチオ}は、どうでもいいや。それより、もうちっと仕込んでやろうぜ』
そう言った男――ゴードンだっけ、ジョージだっけ。こいつら、あまり名前を呼び合わないから、なかなか覚えられない。覚えるつもりなんか、ないけどな。
とにかく、そいつはおれを突きのけて、藁の上に仰向けに寝転がった。男棒は天を指している。
『いつまでもビッチばかりじゃつまんねえだろ。馬の乗り方も覚えろや』
つまり、おれが上になれってことだろ。兄ちゃんと[[rb:煌めく朝露>ディニスクォス・ダァトッオ]]さんがしてるのを見たことがある。だけど……自分から男に、それも白人の男に嵌めにいくなんて、絶対に厭だ。力ずくで犯されるのは、おれが弱っちいんだから仕方がないけど。だから、さっきみたいに仰向けにされて押さえ込まれるほうが、四つん這いよりも悔しさは小さい。でも、こいつらは口と女穴の両方を使わないと満足しないみたいだから。
『ビッチ、ビッチだから、ビッチがいい』
もうちょっと、気の利いた言い方をしたかった。最初のビッチはおれのこと。白人みたいにオレとかワタシって言うと、生意気だって殴られるんだ。別に自分のことを[[rb:牝犬>アスツァッハ・セッツァエ]]て言うんじゃないから、ビッチて言えば殴られないんなら、それでいいや。
『さっきまで{ポニー}だったくせに、何言ってやがる』
男が半身を起こして、おれの股ぐらに手を伸ばす。逃げようとしたら、他のやつに肩を押さえられた。
メシベをつままれて、引き寄せられる。痛いのを我慢すれば名誉を保てるのなら、そうするけど。もっと痛くされて屈服させられるのは分かってるから――男の腰をまたいで、膝を突いちまった。
『ほら、こっちだ。もうちょい奥かな』
メシベで引っ張られて、割れ目に男棒を挟んじまった。簡単に降参しちまう自分が情けないけど、でも、これって――無理強いされてることに変わりはないよな。じゃあ、仕方ないか。おれは諦めて、腰をさらに落とした。
ずぶっと、簡単に嵌まっちまった。
『おら。嵌めたら動け』
ベンてやつ(だと思う)が、背後から肩越しに、おれの乳首をふたつともつまんだ。つまんで、上に引っ張った。痛いので腰を浮かすと、今度は下へ引っ張られた。
『ワン、ツウ、ワン、ツウ……』
痛いから、痛くないように逃げてるだけだ。男の上で腰を振ってるんじゃないぞ。でも、女穴の中で男棒が、ぐにぐにずぶずぶ動いて……。
『なるほど。こりゃあ{名器}だ。チーフが惚れ込むのも無理はねえや』
『馬鹿野郎。誰がインディアンなんぞに惚れるか。だいいち、こいつはミスタ・セイバーの持物だ。ボーナスをもらったからには、そうなるだろ』
ボーナスてのは、こいつらがいろんな物と交換するのに使うマネーのことだろう。つまり、おれは仇から仇に譲り渡されたんだ。へん、気にするもんか。どうせ、二人とも殺してやるんだから。そのためにも、今は従順な振りをしておくほうがいい。なんか、だんだん、振りが振りでなくなってきてるような……ことなんて、絶対にないぞ。
――結局。陽が落ちるまでに、セイバーが雇っている十人のカウボーイ(シツジではなくて、ボクジョウの世話をしてる荒くれども)の全員に犯されて。晩飯の後も、また十人掛りで。多いやつは三回も四回も。金玉の中には、すごい量の子種が貯められてるんだと、呆れちまった。一回ずつは短かったけど、それでも三十回だぞ。せっかく治りかけてた傷口が開いて……血まみれになったから、やる気が失せてくれたんだろうけど。
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今頃になって容姿の描写かよ。最近、ヒロインの顔立ちとかは/好意的に前向きに表現するなら/読者の想像にゆだねる傾向が顕著です。ちょっと反省。
ともかくも。反発一本槍だったヒロインが「弱者は強者に(いろんな意味で)組み敷かれて当然」と、これは最初の章でも触れていますが、この考えに縋って、マゾ堕ちしていくわけです。
通勤途上とか勤務中の休憩時間とかにスマホで書く分量が増えています。そして休日には何をしているかというと、こういうことをしていたりして。

左のくすんだ機体は、かれこれ15年以上前。タバコ燻製です。
2009年に引退して、昨年後半あたりから再燃です。その新しい機体は、右の白いやつ。
1.2mm□×50cm(をループにして25cm)のゴムで垂直に射ち上げて、30m上昇して30秒滞空すれば、まあまあのレベル。左下のは40秒クラス。デッドエアーでコンスタントに50秒あたりまでいけば、SSSです。
視認性であるとか、「飛び過ぎ」を抑制とかで、筆者が休止した頃には、翼長165mm以上のレギュレーションが180mm以上になって。それまで3.5g前後だった機体が5gちかくになります。いっとくけど、WhiteWingsなんかは、「競技用」と名乗っても8gくらいはあります。重ければ、それだけ上昇高度が減ります。
で。現行レギュレーションで4gを切れないかと、紙厚を薄くして。通常180~210Kgを、135Kgケント紙は漫画の原稿用紙で挑戦中。
いや、このブログにはふさわしくない話題ですな。
前回紹介した内容の続きを書いとくと。
ハゼッイイは、銃殺されます。ただし、コルク弾なので、死にません。けれど、穴に突っ込まれて一発撃たれて。火傷も含めて全治10日以上です。もっとも、下の本文紹介で書いているように、そのおかげで内部の傷が絶妙に癒着して、「心臓が百くらい拍つと」誰も彼もが暴発させる名器となります。書いてて、キーボードの勢いでそうなりました。
ちなみに奴隷少年のほうは、ほんとに縛り首です。ただし、手を前で縛られたハゼッイイが馬になって、彼をひと晩じゅう支えます。二日も水一滴与えられずに弱っている身で奮闘するのです。
そして。
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子供の玩具
捕まって八日目だったか九日目だったか(だんだん、怪しくなってきた)。おれはようやく吊りから下ろされて、手も縛られずに小屋から引き出された。
うわ……?!
白人の男の子が、十人ちかく集まってる。セイバーの息子は三人で、ヒップさんはシツジって人にも息子がいるって言ってたけど。三と一を足しても十にはならないぞ?
いちばん季節を巡ってそうなのが、セイバーのいちばん上の息子だ。嘘の処刑をされたときに見物してたな。ボビーだっけ。こいつは、おれよりも季節を巡っている。その横もセイバーの息子でチャールスだっけ。もひとり、ずっとちっこいのがエディ。三人ひとかたまりになってる。あとひとり、見掛けたことのある顔が混じってる。こいつが、シツジの息子のオリバーかな。
なんて、いちいち区別しなくても、セイバーの子供と他の子たちの見分けは簡単だ。おれを見る目つきだ。セイバーの子は、おれの裸を見慣れてるけど、他の子たちは目がまん丸。男に裸を見られるのは、そりゃあ羞ずかしいけど、こんなに熱心に見詰められると、くすぐったくて気持ちい好いかな。
『おまえたちは、{いつも喧嘩や悪戯ばかりしている}』
セイバーが、子供たちに向かって何か言った。
『{こんな辺鄙な地には、ろくに楽しみがないから、分からんでもない。}そこで、今日はこのインディアンを{貸してやる。好きなだけ痛めつけて}遊べ』
おれは、例の柵で囲った場所へ追い立てられた。子供たちも付いて来る。
『おまえたちも男だ。{大勢で若い}牝を{嬲るのはいかん。一対一でやれ}』
子供たちは顔を見合わせて、もじもじしている。
『僕が{お手本を見せてやる}』
ボビーが、おれの前に立った。
なにをするつもりか(どうせ、ろくなことじゃないだろう)と戸惑っているおれに、いきなり殴りかかってきた。
「うわっ……?!」
とっさにかわして、おれは戦いの形に構えた。戦わずに殴られるほうが、かえって無難かなと思ったけど――いくら女だからって、おれはズンナックだ。戦いを挑まれて逃げたりするもんか。
ボビーの顔色が変わった。
『インディアンが白人に逆らうってのか』
こいつ。おれが木偶の棒のように突っ立ってて、何もせずに殴られると思ってたんかな。だとしたら、見当違いだって教えてやるぜ。
ボビーが、また正面から殴りかかってきた。余裕を持って横に跳ん……だつもりだったけど。おれは十日ちかくも手足を縛られて吊るされてたんだぞ。足がもつれて、無様に転んじまった。ところを、脇腹に蹴りを入れられた。
「かはっ……!」
痛みよりも怒りが込み上げてきた。転がって逃げて、素早く立ち上がった。怒りが、手足の痺れを消していた。
また、なんの工夫もせずに殴りかかってくる。今度は身を屈めてかわして、横っ腹に拳を叩き込んでやった。地べたに崩れ落ちるのは、やつの番だった。
『ストップ!』
セイバーが止めた。
『{猛獣と}人間が{素手で戦うなら、ハンディを付けねばな}』
柵の外でセイバーと並んで見物していたジェスが縄を持って近づいて来て――おれを縛った。
「なにするんだ。おれと白人の子を戦わせるんじゃないのかよ?!」
腕力が違いすぎる。背中に渡した短い縄で、両肘を縛られちまった。これじゃ、肘から先しか動かせない。
ジェスは、おれを縛り終えると柵の外へ出て行って――またボビーが目の前に立った。
『{思い知らせてやる}』
殴りかかると思ったら、さらに踏み込んできて、おれの足を踏んづけた。こっちは裸足、相手はごつい革靴。すごく痛い――よりも、動きを封じられた。
腹を殴られるのを、かわしようもなかった。
「ぐふっ……!」
身体を折って苦しむ――間もなく、顔を殴られた。目の前に星が飛び散って、鼻の奥が熱くきな臭くなった。
『{顔はやめておけ。商品価値が下がる}』
セイバーが息子を叱ったけど。おれをかばってくれたんじゃないってことくらいは分かる。
ボビーは肩をすくめると。おれの足を踏んづけたまま、立て続けに腹を殴った。じゅうぶんに腕を尽き出せないから、たいして効いてないぞ。
『よーし、そこまでだ』
セイバーが止めた。でも、それは――次の子におれを痛めつけさせるためだった、
二番手はセイバーの次男坊、チャールズだった。ブーブさんの話だと、おれよりひと巡り若い。そんなやつに、たとえ手が使えなくても、負けるもんか。そういうことをしたら、どんな仕返しをされるかなんて考えずに、こっちから間合いを詰めて――足を高く上げて、脇腹を蹴ってやった。たとえきちんと服を着て(もちろん下帯も着けて)いても、女の子なら絶対にしない仕種だ。
恥をかなぐり捨てた効果は絶大。すっ転んで泣き出しやがった。
ばあん!
足元で砂が爆ぜた。射ち殺すって脅されたときのとは、音が違う。これは、食らったら死ぬ団栗だ。
『インディアンの{分際で}白人に{危害を加えるとは、いい度胸だ。}ジェス、足にもハンディを付けてやれ』
足首にも一歩分の長さで縄が巻かれた。歩けても、さっきみたいに蹴ることはできない。
『インディアンめ、{覚悟しろよ}!』
チャールズが、おれの横にまわって――背が低いから脇腹には届かず、太腿を蹴った。へん、ちっとも痛くないぞ。
見くびったのが、やつにも分かったんだろう。
『くそっ!』
正面からぐっと近づいて、兄貴を真似ておれの足を踏んづけておいて――膝頭で股間を突き上げやがった。
がつんと、股ぐらに衝撃を受けて、重たい痛みが突き抜けた。
「うぐっ……卑怯者。親父に助けてもらって、縛られた女の子を虐めて。それでも男かッ!」
チャールズが柵の外を振り返って肩をすくめた。おれが何を言ってるか分からないって仕種だろう。でも、罵倒されたってことは、直感してるな。
おれに向き直るなり、肩からぶつかって来て、よけられずに転ぶと、思い切り足を上げて腹を踏んやがっけた。
「げぶふっ……!」
背中が地面に押されて逃げられないから、大人に殴られるよりも痛かった。腹を抱えて転げまわる。
『よくやったぞ』
ぱんぱんぱんと、セイバーが拍手した。見物してる餓鬼どもも、指笛を吹いたり、歓声を上げたり。
『次はエディだ。兄貴に負けるんじゃないぞ』
季節を両手の指だけも巡ってないちびが、柵の中に入って来た。生意気にも五歩くらいの距離に立って、おれが立つのを待っている。
わざわざ笑い物になるために立ち上がったりするもんか。踏んづけようと蹴飛ばそうと、好きにしやがれ。おれは地面に転がったまま、手足を大きく広げた。
餓鬼どもが、ぶうぶう喚く。臆病者とか弱虫とか罵ってるんだろうな。へっ、卑怯者に何を言われたって平気だ――けど、セイバーがでしゃばってくると、身構えちまう。
右手には火を噴く棒じゃなくて、小さな桶を持っている。
『立って戦え。{さもないと}水を飲ませてやらんぞ』
桶を傾けると水がこぼれた。それを、ぐりぐりと踏みにじった。意味は、分かりたくもない。
こいつは、どこまで残忍なんだ。殴られるのは、その瞬間がいちばん痛くて、あとはだんだん薄れていく。穴に突っ込まれるのだって、ずいぶん長く感じられるけど、実際には太陽がちょこっと動くだけだ。でも渇きは、いつまでもつづく。どんどんつらくなる。吊られたり枷も似たようなものだけど、無理に身体を動かせば痛みが強くなって、それが薄れるときに、まやかしでも、ほっとする。丸一日水を飲ませないのと三日間吊るされているのと、どちらかを選ばなくちゃならないんだったら――吊るされてるほうが、まだましだ。
「くそ……おまえだけは、必ず殺してやるぞ、セイバー」
痛い……!
大人の男の重みをのし掛けられて、乳房を踏みにじられた。名前を呼ぶなってことか。ドレイと同じに『旦那様』とでも呼ばせたいんかよ。
セイバーが、こつこつと足を蹴った。早く立てって意味だろう。
ちくしょう。惨めだ。水が欲しいばっかりに、餓鬼どもにぶちのめされるために……自分の意思で立たなきゃならないなんて。
おれが立ち上がると。
『ヤアアアアッ!』
ちびのエディが、頭から突進してきた。かわしたら、こいつは転ぶ。転んだら、おれがセイバーに痛めつけられる。腹に食らうしかないだろ。
「ぶふっ……」
受け止め切れずに尻餅をついた。エディが馬乗りになって、おれの乳房を、ぱちんぱちんと平手で叩いた。殴るんじゃなくて、柔らかい感触を面白がってるみたいだ。
その気になれば、肘から先しか使えなくても、引っぺがすことも振り落とすことも、殴りつけることだって、できた。でも、されるがままになっていた。セイバーも、立てとか戦えとは、もう言わなかった。
ちびは、ひとりで勝手に腕を振り回してひとりで勝手に疲れて、引き下がってくれた。
けど、他のやつは、そんなに甘くなかった。
おれはさんざっぱら、殴られ蹴られ突き倒されて――ついに立ち上がれなくなった。
『もう戦わんのか。明日の朝まで、水も飯もやらん』
さんざっぱら甚振っといて、それかよ。でも、明日の朝になったら水をもらえるって安心したんだから、情けない。野生の動物が飼い慣らされていくのと同じに、おれも調教されてってる。ますます惨めで悔しい。
翌日は、また一日じゅう小屋に監禁されてた。もう枷とか吊るされたりとかはせず、右足にごつい鉄の環を嵌められて、短い鎖で鉄の球をつながれた。これじゃ、逃げようとしたってろくに歩けないし、鉄の球を引きずった跡を簡単に追跡される。
閉じ込められてるよりは、ひどい目に遭わされてもいいから外に出してほしい。そんな気持ちも、半分くらいある。
女の子ではおれくらいなもんだけど、ひとりで遠出して、太陽が三回くらい沈んでから戻ってくる者も珍しくはない。だから、おれが居なくなったと仲間が気づいて探しに掛かったときには、おれは小屋の中に吊るされていて、見つけられなかったはずだ。白人の縄張には近づかないようにしてるから、おれがしょっちゅう外に出てないと、見つけてもらえないだろう。でも、見つけてくれて、それからが……
こっそり救けに来てくれるならいいんだけど。正面から堂々と掛け合ったりしたら――八年前の虐殺の再現だ。だから、見つけて救けて欲しいって気持ちも半分だけなんだ。
……セイバーのやつ、おれをどうするつもりなんだろ。ミックなんか、縛首を赦されたその日のうちから働かされてたのに。おれは傷が治り切ってないから休ませてくれてるんだったら、いいけど。昼は子供の玩具がわりにされて、夜は男どもの慰み物にされる――なんてのは、絶対に厭だぞ。
と思ったところで。セイバーのやつがそう決めたら、おれはそれに甘んじるか――さもなきゃ殴られたり、ドレイみたいに鞭打たれたり(音と悲鳴が、小屋の中まで届く)、食事も水も与えられずに、それでも屈せずに頑張ったところで、夜は力ずくで穴を使われるに決まってる。そりゃまあ……ジェスがしてくれたみたいに、乳首やメシベをくすぐられて、身体が破裂……なんでもないぞ。
小屋に監禁されて。朝に一回だけ、ヒップさんが水と食事(というより、餌だな)を運んでくれて。その一回きりだった。昼過ぎには、これまで見掛けたことのない男が来て、うずくまっていたおれを立たせて、身体にあちこち紐を巻きつけたり短い棒をあてがったりしたけど、縛ったり叩いたりじゃなかったので、好きにさせといた。縛ったり叩いたりだって、好きにさせるしかないんだけどな。
夜になってからは、ジェスがひとりだけで小屋に来た。
『もう使えるようになったんじゃねえかって、皆に{せっつかれてな。具合を確かめるのも、亭主の務めってわけだ}』
いそいそと、袴と下穿きを脱ぎやがる。男棒も仕上がってる。簡単に組み敷かれちまった。
こいつは、いちばん最初におれを虐めた白人なんだ。おれの初めてを捧げた男なんかじゃない。羽根だって、火を噴く棒で射ち砕かれてるんだぞ。それなのに――押し返す腕から力が抜けてく。ちょっと割れ目を触られただけで、女穴の奥が、じゅんってなっちまう。
くりくりっと乳首を転がして、メシベをつまんでおれの腰をぴくんと跳ねさせると、それ以上はそよ風を吹かしてくれずに、あっさり押し挿ってきた。
痛い……最初のときほどじゃないし、引き裂かれるってより、抉じ開けられるみたいな痛み。女穴を嘘の火を噴く棒で射たれた傷のせいだ。
『うおおっ……なんだ、こりゃあ?!』
ジェスが素っ頓狂な声を上げやがった。
『{絡みついてきやがる。ヴァージンのときより狭いんじゃねえかよ。}くそお、たまらねえ!』
へこへこと数回腰を動かしたら、すぐに子種を出しちまったらしい。憮然とした顔で身仕度を整えた。
『{具合が良すぎて、愉しむ暇もありゃしねえ。もしかして、中で発砲したせいか。傷が妙な具合に癒着して。だったら、感謝してもらいてえな。どこへ売られても大切に扱われる道具になったんだぜ、おい}』
思い切り馬鹿にしてるような、でも思い切り優しい声で、わけの分からないことを言うと、ジェスは出て行った。
さっさと済ませてくれたおかげで、たっぷり眠れるんだから、それでいいや。
翌日は、また子供たちの玩具にされた。今度は女の子の番だった。男の子みたいに友達が街から遊びに来たりしないので、ボビーよりふた巡り上のアンナとエディのひとつ上のデイジー、この二人だけを相手にすれば良かったし、女の子は殴り合いなんかしないから、楽ちんなはずだったのに――終わってみたら、一昨日どころか、嘘の処刑よりもひどい怪我をさせられていた。悪いのは姉妹じゃなくてセイバーとダニーなんだけど。
やっぱり、朝だけ水と食事を与えられて。尾錠の付いた革の帯で後ろ手に縛られて外へ引き出されたときには、太陽が頭上を過ぎていた。
足の環と鉄の球をはずされて、代わりに妙ちきりんな装具を――男と女で違う部分にばかり着けられた。
鳥籠みたいな物を乳房のそれぞれにかぶせられて、革帯で胸を締め付けられた。巻いた鉄の線の力できつく噛み合う木の嘴に乳首を咬まれて、その嘴から伸びる紐が鳥籠の天辺から引き出されて、鉄で作られた小さなすぼんだ花を下向きに吊るされた。花の芯には仕掛があって、軽く振るだけで、からんころんと音が鳴る。のはともかく……乳首が痛い。これまで、さんざっぱらあれこれ痛いことされてるから、千切れそうなくらいとまでは言わないけどよ。
両側に円盤がひとつずつ付いて二人分の腰掛を備えた橇が、おれの後ろに置かれた。橇からは、途中で鎌首をもたげた鉄の柄が一本だけ突き出ている。柄の先からひと握り手前には、鉄の棒が上向きに作りつけられていた。柄がおれの足の間に通されて引き上げられて――上向きの鉄棒が、女穴に押し込まれた。男棒よりきつい。腰に革帯が巻かれて、柄の途中にある金具につながれた。セイバーがおれの股間をまさぐって……
「あんっ……」
声が出ちまった。だって、メシベの皮をにゅるんて剥かれたんだぜ。いきなり熱風に吹き付けられた。
木の嘴が股間に隠れて……
「きひいいいっ……」
鋭い痛みが、メシベから腰の奥へ向かって突き抜けた。木の嘴はぎざぎざになっている。そいつに花弁を剥かれた花芯を咬まれたんだ。こんなこと、おまえの娘にやってみろ、涙を流して泣き叫ぶぞ。
この嘴に結ばれている紐は、鉄の柄の先端が二股に分かれているところを通されて、小さな鉄の箱をぶらさげられた。中は空っぽで、鉄の花と同じような仕掛があって、こいつは、がらんがらんと鳴る。
最後に、短い鉄の棒を口に噛まされて紐で頭に縛りつけられた。棒の両端からは別に革紐が伸びている。
くそお、分かってきたぞ。セイバーは、おれに橇を曳かせるつもりなんだ。じゃあ、この棒は馬銜だ。革紐が手綱だ。
案の定、アンナとデイジーが橇に乗り込んだ。アンナが手綱を左手に握って、右手にはおれまで届く鞭を持っている。
『ハイヨー』
びしっと、鞭で尻を叩かれた。男の子と喧嘩して棒で叩かれたことはあるけど、鞭だなんて生まれて初めての屈辱だ。でも、いちいち逆らってセイバーに懲らしめられるのは厭だから、馬鹿々々しいと思いながら前に進もうとして――これが、簡単じゃなかった。
橇の重みが全部、女穴に掛かってくる。後ろへ引っ張られて、突っ込まれるのとは違う鈍重な痛みが腰を引き戻す。前へ進もうと足を踏ん張るのは、自分で自分を虐めてるのと同じだ。
『こら、進め。ハイヨー』
びしっ、びしっと、鞭が尻を叩く。男の子に殴られるのよりも痛くはないけど、悔しい。馬の真似をさせられるのも惨めだ。でも、これっぽちの重みに音を上げたなんて思われるのは、もっと悔しいぞ。
「くそおっ……」
ぐっと足を踏み込んだら、思い切り女穴を抉られて腰が引けた。なのに、橇がちょっとだけ動いた。
そうか。柄から突き出た棒にこだわってたんだ。むしろ、身体を倒してやれば――腰に巻かれた革紐で橇を引っ張れる。
身体をうんと倒して、橇が動いて前へ倒れそうになるのを、足を運んで支える。そのこつを体得すると、わりと楽に(でも、女穴は痛いぞ)進み始めた。
からんころん、がらんがらんと、花と箱が鳴って。
「あっ……?」
三点を熱いそよ風が吹き抜けた。音が紐を伝わって、木の嘴を震わせてるんだ。これって、指でつままれて揺すぶられるのと同じだ。痛みは増すけれど、そよ風のほうが強い。
からんころん、がらんがらん……花と箱を鳴らしながら、おれは橇を引っ張り続ける。
『右!』
手綱を引っ張られて、かくんと顔が右へねじられた。向きを変えろって意味だ。後ろに橇を引っ張っているから、歩いてて向きを変えるのとは勝手が違うけれど、なんとか曲がれた。
『おもしろそう。あたしにもやらせてよ』
ちびデイジーが手綱と鞭を持った。
『ハイヨー』
ぺちぺちと、立て続けに鞭でおれの尻を叩く。ちっとも痛くないぞ。でも、セイバーが見てる。おれは素直に橇を曳いて歩いた。
柵で囲まれた中を一周すると、アンナが面倒なことを言い出した。
『この中を{巡るだけじゃ}面白くないわ。{牧場の}外へ出たい』
こんな鬼畜野郎でも父親なんだな。娘には甘い。
『オーケイ。{だが、用心棒はいるな。}おおい、ダニー』
ジェスの弟分(かな)のダニーを呼びつけて、何事かを命じた。ダニーは引き返して、馬に乗ってすぐ戻って来た。誰も乗っていない馬を一頭曳いている。そっちの鞍には、火を噴く長い棒が二本も備えてあった。
ここら辺って、そんなに物騒なんかなと不思議に思って、白人にとって物騒なのはおれたちズンナックだと気づいた。部族の若い娘が裸で橇を曳かされてるなんて、見つけたら問答無用で救けにかかるよな。
『何かあったら、こいつで{連れ帰ります}』
そうだ。牧場の外なら、戦士はダニーだけだ。隙を見つけて逆襲してやる。絶対に負けないぞ。そして、この二人を人質に取れば、有利な条件で和平に持ち込める。
『ハイヨー』
また鞭で尻を叩かれて。そんなのはちっとも気にならず、おれは勇んで橇を引っ張った。
からんころん、がらんがらん……たてつづけに熱いそよ風にくすぐられるうちに、女穴を後ろへ引っ張られる痛みが、だんだん痛みでなくなってくる。そよ風と絡みあって、全身に強い風が吹き荒れ始める。頭が、ぼうっとしてくる。もっと風を強くしたい――なんて、思ってないのに。勝手に足が速くなっていく。倒していた上体を起こして、腰の革紐ではなく女穴の鉄棒で橇を曳くみたいになっていく。
『お嬢さん。馬の勝手にさせちゃいけませんぜ』
『ドウドウ』
手綱がぐっと引かれて、おれは我に還った。
『馬も奴隷も、主人の意のままに操らなけりゃ、思い上がります。ミスタ・セイバーは、それを教えたくて、わざわざ{仔馬}でなくインディアンに曳かせてるんです。{まあ、そのハーネスは、どうかと思いますがね}』
『でも、インディアンは奴隷じゃないわ』
『そう、家畜じゃありません。{野生の猛獣}です。だから、いっそう厳しく調教しなくちゃならんのです』
ややこしいことを言ってるけど、要するにおれたちインディアンはドレイよりも劣っているという意味だろう。
ふざけるなよ。メックは老人だから数えないとしても、マックとミックとモックとムック――それと同じ数だけ、ズンナックの戦士が居てみろ。セイバーと十人の手下なんか、みんなぶっ殺してやる。シツジの一家は白人だけどドレイと似たようなものらしいから、命は取らないけどな。でも、セイバーの三人の息子は、殺す。アンナとデイジーは……妹のほうは幼いから見逃してやるけど、姉には、おれが受けたのと同じ屈辱を味わわせてやるとも。
『あら、もう{川の}近くまで来てるわ。せっかくだから、{水遊び}していきましょうよ』
おれの内心の怒りを知るはずもなく、アンナがのんきなこと(に決まってる)を言う。
『わあい。遊ぼう』
デイジーがはしゃぐ。
『駄目ですぜ。水の近くは危険だと、ミスタ・セイバーもおっしゃってるでしょう』
アンナはダニーの言葉が聞こえないふりをして、おれに鞭をくれた。
おれは、迷うことなく川へ向かって進んだ。おれを操ってる(とは、絶対に認めないぞ)のはアンナとデイジーだし、ダニーが困ることなら、喜んで白人娘の悪戯に付き合ってやるさ。
川のほとりに着くと、アンナは真っ先におれのハーネスを外しに掛かった。
『お嬢さん。何をなさるんで?』
『このインディアンを洗ってやるのよ。{垢}だらけで、おまけに臭いわ。{レディの乗り物}を曳くのにふさわしくないでしょ』
『勘弁してください。俺が叱られます』
『そんなこと、あるもんですか。馬を洗ってやれば、{褒めて}もらえるに決まってるじゃない。あ、そうだ。逃げられないように、投げ縄を首に掛けといてね』
おれは橇から解き放たれて、乳首もメシベも女穴も、すっかり軽くなった。物足りなくなんか、ないぞ。
おれを水に浸ける仕度が終わると、自分たちが服を脱ぎ始めた。
『ちょ、ちょっと……』
ダニーが姉妹に向けて腕を突き出し顔をそむけた。
『見ないでよ。あ、インディアンの縄は、しっかり持っていてちょうだいよ』
勝手なことを言って、二人とも下穿きひとつの姿になった。白人って、そういう体質なのか、食い物が良いからなのか。まだ季節を両手の指だけも巡ってないくせに、デイジーの胸は乳房ってほどじゃないけど、膨らんでる。あと幾つも季節を巡らないうちに、おれに追いつくんじゃないかな。姉のほうは……川面に太陽の光が照り返して、きらきら輝いてるなあ。
『さっさと川に入るのよ』
デイジーが鞭でおれを叩いて、川へ追いやる。アンナは橇の腰掛の下から篭を引き出して、束子を持って来た。おれたちのと違って、棍棒に棘を植えたような形をしてる。こんな物を用意してたってことは、この場での思いつきじゃないな。
川は浅くて、せいぜいデイジーの膝あたりまで。おれは言われるままに四つん這いになって、背中まで水中に沈めた。
姉妹が両側から、束子でおれの身体をこする。草の茎を束ねたおれたちの束子と違って、無数の針で肌を引っ掛かれる。痛いけど、おれより弱っちいやつに泣かされるなんて面子にかかわるから、平気な顔をしてやる。
『ここは、特に良く洗わないとね』
アンナの持つ束子が股間にまわって、割れ目を強く擦った。鋭い毛羽が突き刺さる。
「きひいっ……」
びくんっと、腰を引いた。ぱちんと尻を叩かれる。痛くはないのに悔しい。
『じっとしてなさい。{綺麗に}してやってるのが分からないの? インディアンって、馬よりもお馬鹿さんなのね』
殴ってやりたい。でも、喧嘩にはならずに、首縄で引き寄せられてダニーに殴り倒されるだけだ。そして牧場へ連れ帰られて、また残酷な懲罰に掛けられる。
おれは、ちくちくひりひり痛いのを我慢して、アンナの好き勝手にさせた。背中や腹をこするよりもずっと強くしつこく、アンナはおれの股ぐらを洗った――んじゃないな。虐めたんだ。捕らわれた最初の夜に、おれが牧場の男どもに犯されたのを知っているんだな――と、直感した。そんなおれを、ただインディアン、白人じゃないってだけでなく、女として穢れてると思ってるんだ。おれだって――というよりズンナックは、誰彼かまわず抱かれる女は軽蔑する。でもおれは、自分の意思で股を開いたんじゃないぞ。
気が済むまで(男の子十人に比べたら、すぐに飽きてくれた)おれを虐めてから、おれはダニーに任せて、二人で遊び始めた。水の掛けっこをしたり、流れの中に寝そべってみたり、それで下穿きが濡れたから素っ裸になって、川原で小石を積み上げてみたり。
妹のほうは無邪気に遊んでるけど、アンナは――裸になってはいけない場所で裸になる後ろめたさを愉しんでいる。それが、おれにはよく分かる。だからって、親近感なんか感じない。妹もダニーもいなかったら、割れ目も悪戯したかもしれない。何をしようと、この十日あまりにおれがされたことに比べたら、赤ん坊の指しゃぶりと変わらないけどな。
二人が水遊びに飽きるまで、おれはずっと苦痛に耐えていなけりゃならなかった。ダニーに引き渡されてすぐ、ハーネスを着けさせられたんだけど、鬱憤晴らしに革紐を前よりもきつく締めつけられ、木の嘴の上にも細い紐を巻き重ねられて痛さが倍になった。しかも、鉄の花にも箱にも小石を詰め込みやがって、痛さは倍の倍に跳ね上がった。ジェスの子分みたいなやつに虐められたって、泣くもんか。歯を食い縛って耐え抜いたさ。
帰り道では余計な重石は勘弁してくれたから、倍になっただけの痛みなら――頭がぼうっとしなくて、泣きたいくらいにつらかった。
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アメリカ西部です。
男の子の遊びは喧嘩です。
女の子の遊びはお馬さんです。

実は猿動画を観て以来、ポニーガールは膣牽引が必須になっちゃいました。
「SMツアー」シリーズの『ドンキーガール』以来の登場です。前作は、デブス熟女ですが、今回はU15。
まあ、実際の牝馬は。人間で言うならSの頃から裸で(あたりまえか)鞍を乗せられたり鞭で追い回されたり、Cにもなると観客の面前で裸に(あたりまえか)ハーネスを装着させられ騎手を乗せて走らされるのですから――これはこれで、書いてみたいですけど。人間と馬を入れ替えればSF。馬に転生すればラノベ。大富豪が金で買うなり拉致してきた少女をとなれば、ありふれちゃいますな。
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屈服の兆し
あまり太陽が傾かないうちにボクジョウへ帰り着いて――それからが、おれのほんとうに痛くて苦しくて惨めな一日の始まりだった。
草原の一画を勝手に柵で囲んだ、森よりも広い内側。それが、白人どものいうボクジョウだ。その柵の出入口のところに、セイバーが一人で立っていた。不機嫌と心配がごっちゃの顔をしている。
『{ずいぶんと遅かったな。}何かあったのか?』
『いえ、それがですね……』
ダニーが、オジョウサンたちが何をしていたかを告げ口した。
『おまえたちは、わしの言いつけを守らなかったんだな』
『ごめんなさい、パパ。だって、お天気が良かったし、{夏みたいに暑かったし……}』
『いくら、わしが娘に甘いといっても、{限度がある。}今日は、厳しくお仕置をするぞ』
『ごめんなさい。これからは、決してパパの言いつけに{そむきません}』
『いいや、駄目だ。鞭で懲らしめてやる』
アンナもデイジーも震え上がったんだろう。おれからは見えないけど。
『とはいえ、わしも可愛い娘を泣かせたくはない。そこで、{[[rb身代わり小姓>Whipping-boy]]に倣うとしよう}』
『……?』
鞭打たれなくてすみそうだと、ふたりは父親の次の言葉を待っている。
『{旧大陸の王宮で行われていた制度だ。王子が悪いことをしても、玉体を傷付けるなど、家臣として畏れ多い。そこで、小姓を代わりに罰する}』
セイバーが、おれに目を向けた。
『このインディアンを、おまえたちの{身代わりにする。}おまえたちのせいで、こいつが鞭打たれるのだ。こいつが無様に泣き叫ぶのを見て、反省しなさい』
『はあい、パパ』
こいつら、絶対にぺろっと舌を出してやがるぞ。
ふざけるなと言いたいところだけど、言えば鞭打ちだけで済まなくなるってのが分かりきってるから……くそお、ドレイみたいにおとなしく虐められるしかできないのかよ。
おれはハーネスを外されて、そのまま、剥き出しの地面を柵で囲ったところへ連れて行かれた。ここは、まだ人に馴れていない馬を調教したり、男どもが力比べや遊びの取っ組み合いをしたり、十日前におれとミックがされたように、ドレイやインディアンを虐めるのに使われてる。
おれは十日前と同じように二本の柱の間に、手足を広げて磔にされた。違っているのは、両足が地面に着いているのと、馬橇遊びの間ずっと木の嘴に咬まれていた乳首とメシベに血が滲んでいるのと、その代わり割れ目と尻穴は(そんなに)傷ついてないってことかな。
セイバーが鞭を握って、おれの前に立った。馬橇遊びの鞭とは全然違う。棒の先に革の帯紐がつながってるんじゃなくて、全体が先細りの編み上げになっている。根本は手斧の柄くらいも太くて、先っぽは指よりも細いけど膠で固めたみたいに黒光りしている。巻いて持っていた鞭を伸ばすと、長さはおれの背丈の倍ほどにもなった。これは……コルクの弾と鉛弾ほどにも違うぞ。
ひゅううん、ぱっしいん!
空中で鞭先を撥ねる音からして、恐ろしい。
『わしは優しい男だ。今夜のことを考えて、背中と尻は傷つけないでおいてやる』
セイバーがわけの分からないことを言う。つまり、身体の正面を鞭打つんだろ。尻より、よほど痛いに決まっている。見物に集まった男どもが一斉に嗤ったのも、意味が分からない。のは、おれとデイジーだけらしい。姉のほうは、顔を赤くして俯いた。
いよいよセイバーが、おれに向かって鞭をかまえた。腕を後ろへ引いて、身体までねじって。
ひゅうううん、ずばっぢいん!
「きゃああああっ……!」
意地でも泣き叫んだりするもんかと心に誓っていたのに、最初の一撃で粉砕されてしまった。乳房を刃物で切り裂かれると同時に棍棒で殴られたような、鋭くて重たい激痛だった。
ひゅうううん、ずばっぢいん!
二発目も乳房に打ち込まれた。乳房が胸までめり込んでから、掌からこぼれない大きさしかないのに、アンナの[[rb:たわわ>・・・]]みたいにぶるるんって爆ぜた。
たった二発で、乳房全体が赤黒く腫れ上がった。鞭が直接当たったところは、肌が裂けて血が滲んでる。
セイバーが一歩踏み込んで、低い位置から鞭を繰り出した。狙いが外れた――と思ったのは一瞬。脇腹に叩きつけられた鞭は、おれの胴をひと巻きしてから、鞭先が背中を軽く叩いた。それはたいして痛くなかったけど、鞭が引き戻されるときに肌を切り裂いて、まるで赤い帯を巻いているみたいになっちまった。
四発目と五発目は臍の下を打たれて、乳房のときほどじゃないけど、悲鳴を堪えられなかった。
くそ……悲鳴はしょうがないけど。絶対に泣いたりなんかしないぞ。
ひゅうううん、ばちいん!
今度は脇腹を打たれて、背中を巻いた鞭先が乳首を直撃した。
「きひいいっ……!」
そこからは五六発ばかり、身体の正面を滅多打ちにされた。
膝が砕けて、両腕で吊られた形になった。
セイバーが鞭を引きずりながら、おれに近づいた。唾を吐き掛ければ届く近さだ。でも、やめておく。仕返しが怖い。
『赦してほしいか?』
虫を網に絡め取った蜘蛛みたいにねちっこい口調。
『お赦しください、御主人様――こんなふうに懇願するなら、考えてやらんでもないぞ?』
セイバーへの呼び掛け方は、いくつかある。ドレイやシツジは、たいていダンナサマと言う。雇われている男どもはミスタ・セイバーだ。たまにボスと呼ばれると機嫌が悪くなると、ミックが言ってたっけ。逆にジェスはチーフと呼ばれるのを好むそうだ。は、ともかく。ゴシュジンサマというのは、最もていねいな呼び掛けらしい。誰が言うもんか。
『どうした。言葉は分かっとるはずだぞ。それとも、ここにも鞭を食らいたいのか?』
セイバーが鞭をおれの股ぐらに通した。前後を握って引き上げて、割れ目に食い込ませる。
『強情を張ると悲鳴だけでは済まなくなるぞ』
鞭を前後にしごく。ますます割れ目に食い込んできて、女穴の入口まで擦られる。
「ぐうう、うううう……」
編んだ革の縁が、柔肉を切り刻む。血が流れて鞭が滑り始めるのが分かった。
『そうか。そんなに鞭を食らいたいんだな』
セイバーが後ろに下がった。鞭を地面に這わせたまま、腕を真後ろに引いて……
ずしゅうううん、ばっちいん!
「ぎゃわ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
おれは大声で吠えた。鋭いとか重たいとかじゃない。豹の爪で切り裂かれたような、ぎざぎざの激痛で割れ目を真っ二つにされた。
ちくしょう。なんだって、こんな目に遭わされなけりゃならないんだよ。勝手に柵で囲って、その中に入ったからといって捕まえて犯して……自分の娘が言いつけにそむいたからって、れを鞭打って。何もかも、悪いのは白人じゃないか。
戦士がいたらなんて、情けないことを考えるな。おれが受けた[[rb:仇>あだ]]じゃないか。おれが仇を討たないでどうするんだ。
決めた。セイバーはおれの手で殺す。セイバーだけじゃない。ジェスとダニーもだ。
『まだ強情を張るつもりか!』
ずばっぢいいん!
「がわ゙あ゙あ゙あ゙っ!!」
くそお。このままじゃ……殺されはしないだろうけど、まともに動けるようになるまで、また何日も掛かっちまう。
今このとき、この場での名誉を捨ててでも――大きな名誉をつかみとるんだ。
『……ゆるして、ください。ゴ、ゴシュジンサマ』
これは言葉じゃないぞ。白人が囀ずってるのを真似しただけだ。
そんな誤魔化しは、すぐに打ち砕かれた。
『そうだな。では、こう言え――素直に股を開きますから、女として可愛がってください』
くっ……言うだけじゃ済まない。言った通りのことをさせられるんだ。
縛られたり押さえつけられたりして、男棒を突っ込まれるのは、おれが弱っちいから、悔しいけど仕方のないことだ。だけど、自分から男を誘うみたいな真似は、絶対に厭だ。
そうは思っても。力比べと同じだった。一歩だけでも押し込まれたら、ずるずると押されてしまう。
ちっぽけな名誉なんか投げ捨てて、おれは必ず復讐を果たす。強く心に念じながら、おれはセイバーの言葉を繰り返した。目を伏せてしまったのは、心の中で荒れ狂っている炎を見抜かれないためだ。気後れしたわけじゃないぞ。
『ふふん。いいだろう。赦してやる』
ジェスが縄をほどいてくれた。
『言ったことはちゃんと守って、いい子にしてろよ』
どういうつもりか、血のにじんでる股ぐらをぽんぽんと掌で叩いた。それから、足首に鉄の球をつなぎやがった。
『おまえたちは、家へ戻れ』
二人の娘を追い返して、セイバーは――くそ、手を引っ張るとか、遣りようは幾らでもあるだろ。おれの乳首をつまんで、小屋のほうへ引っ張りやがる。ジェスとダニー、他にも三人くらいがついて来る。
男どもは小屋の隅から藁を持ち出して地面に敷いた。その間に、セイバーは下半身を裸になっていた。男棒は水平くらいまで鎌首をもたげてる。
『どうした、インディアンのビッチ。何をすると言ったか、覚えているな?』
すなおに、またを、ひらきますから、おんなとして、かわいがってください。
くそお。おれは両手をきつく握って――反抗的だと思われたら、また処刑場へ引き出されるかもしれないので、すぐに力を緩めた。
股を開くためには、仰向けにならなくちゃいけない。いやだいやだ悔しい悔しい……心の中で何十回と繰り返しながら、おれは藁の上に寝転がった。恥辱に耐えて、脚を開いた。
『それじゃ、嵌めにくいだろ。膝を立てて腰を浮かせよ』
セイバーの御機嫌取りのつもりか。ジェスがおれに指図する。
やりゃ、いいんだろ。これも、力比べと同じだ。押し込まれだすと、どこまでも押されちまう。挙句に、こんな台詞まで言わされた。
『ゴシュジンサマ、ビッチのマンコに、チンポをはめて、ください』
『そこまでねだられては、叶えてやるのが{慈悲}だろうな』
セイバーがのしかかってきやがった。おれを組み敷いて、まだ硬くなり切っていない男棒を割れ目に擦りつける。さっきジェスが掌で拭っているから、血はそんなに付かない。
すぐに、突っ込めるくらいまで硬くなって。
痛い……火を噴く棒の怪我は治ってる感じだけど、ジェスも言ってたように傷が変な具合にくっついてるんだろう。ちょっとこじ開けられては男棒が入ってきて、そこでまた別の場所を抉じ開けられてるような。ぐに、じゅぐ、ぐに――みたいな感じだ。その都度に痛みが奔る。
『なるほど……これは、すごい。{襞がうねっている}ような感触だ』
ジェスほど呆気なくはなかったけど、せいぜい心臓が百拍つくらいで、セイバーも終わってくれた。
セイバーは、とっとと小屋から出て行って。これで(すくなくとも今日は)もう虐められずに済む――なんて安心したおれが馬鹿だったぜ。ついて来た連中は出て行かない。
『十日も待たされたんだ。今日は金玉が空っぽになるまで可愛がってやるぜ』
くそお。すごく悔しい。でも、あまり腹は立たなかった。おれが弱っちいのが悪いんだ。弱いやつは強いやつに組み敷かれて当然だ。だけど、こいつらは、弱い者に優しくしてくれない。護ってくれない。まったくの、やらずぶったくりだ。それが、白人のドレイやインディアンに対する遣り口なんだ。
おれは諦めた。せいぜい素直にして、早いとこ全員の金玉を空っぽにするように務めるしかない。
おれは仰向けに寝転がったまま、誰か(ジェスだったらいいのに――なんて、これっぽっちも考えてないぞ)がのしかかって来るのを待った。
でも、こいつらはそんな優しさ(?)すらもなかった。
『{宣教師の}真似なんか、してんじゃねえよ。とっとと四つん這いになりやがれ』
『ビッチにゃ犬の格好が似合ってる』
四つん這いにさせられた。そういう形で[[rb:番>つが]]ってるのも覗き見したことあるから、あまり気にしなかった。ビッチてのが牝犬を意味する悪い言葉だとは、もう知ってる。けど、おれにそんな格好をさせたのは、もっとちゃんとした(?)理由があった。仰向けに寝転がってちゃ、口が使えないっていう。
だけど、口に一本を咥えさせられてる間に、女穴には取っ替え引っ替え三本が突っ込まれた。
『こいつは、すげえ!』
『下の口にも舌が付いてて、それで舐めまわされてるみてえだ』
別に、おれは気持ち好くなんかねえけどな。まあ、ジェスが横から手を突っ込んでメシベを弄ってくれたから、それでいいや。
女穴に突っ込んで、心臓が百か二百拍つくらいで満足してくれるから、途中で新手が増えても、最初の日に比べたら、ずっと楽だった。
『こうなると、上の口がもの足りねえな。どうだ、こっちにも一発ぶっ放してみるか』
火を噴く短い棒を口に突っ込まれたときは、そいつが冗談を言ってるのは分かってたけど、団栗を破裂させる鈎が起きてたから、やっぱり怖かった。しゃべっても首を振っても暴発するかもしれないから……固まっちまった。十日前のおれだったら、暴発するかしないかは祖霊に委ねてぶん殴ってただろうけど。白人の言いなりになっちまってるおれに、加護は望めない。
でも、ジェスが助けてくれた。
『殺しちまったら、洒落にならんだろうが。歯を抜けば具合は良くなるが、せっかくの可愛い顔が台無しになるししな』
うわ、白人に可愛いなんて言われたのは初めてだ。実は、仲間からも言われたことがないんだよな。男の子みたいにきつい顔立ちだから。部族の子たちは、おれの顔について言うときには、決まって「胸と同じで」なんて余計なことを付け足す。だから、まともに可愛いなんて……言われたって、ちっとも嬉しくなんかないぞ。おれの初めてを無理矢理に奪った男になんか言われたんんだ。腹を立てなくちゃならない。
『けっ。こんな赤っ茶けた顔が、おまえの好みかよ』
『高慢ちきだったり甘ったるかったりするよりは、これくらい男前なほうが、味があらあ』
やっぱり、ジェスも殺してやる。
そうだ。いっそのこと、ジェスにだけは従順になって、甘えてみるかな。もしも、縛られてないときに抱いてくれたりしたら――いつも腰に吊るしてる火を噴く棒を奪えるかもしれない。射ち方は、見て覚えた。できたら、鉄の球を足に付けられてないときがいい。ジェスを射ち殺して、セイバーを追いかけて……
『{フェラチオ}は、どうでもいいや。それより、もうちっと仕込んでやろうぜ』
そう言った男――ゴードンだっけ、ジョージだっけ。こいつら、あまり名前を呼び合わないから、なかなか覚えられない。覚えるつもりなんか、ないけどな。
とにかく、そいつはおれを突きのけて、藁の上に仰向けに寝転がった。男棒は天を指している。
『いつまでもビッチばかりじゃつまんねえだろ。馬の乗り方も覚えろや』
つまり、おれが上になれってことだろ。兄ちゃんと[[rb:煌めく朝露>ディニスクォス・ダァトッオ]]さんがしてるのを見たことがある。だけど……自分から男に、それも白人の男に嵌めにいくなんて、絶対に厭だ。力ずくで犯されるのは、おれが弱っちいんだから仕方がないけど。だから、さっきみたいに仰向けにされて押さえ込まれるほうが、四つん這いよりも悔しさは小さい。でも、こいつらは口と女穴の両方を使わないと満足しないみたいだから。
『ビッチ、ビッチだから、ビッチがいい』
もうちょっと、気の利いた言い方をしたかった。最初のビッチはおれのこと。白人みたいにオレとかワタシって言うと、生意気だって殴られるんだ。別に自分のことを[[rb:牝犬>アスツァッハ・セッツァエ]]て言うんじゃないから、ビッチて言えば殴られないんなら、それでいいや。
『さっきまで{ポニー}だったくせに、何言ってやがる』
男が半身を起こして、おれの股ぐらに手を伸ばす。逃げようとしたら、他のやつに肩を押さえられた。
メシベをつままれて、引き寄せられる。痛いのを我慢すれば名誉を保てるのなら、そうするけど。もっと痛くされて屈服させられるのは分かってるから――男の腰をまたいで、膝を突いちまった。
『ほら、こっちだ。もうちょい奥かな』
メシベで引っ張られて、割れ目に男棒を挟んじまった。簡単に降参しちまう自分が情けないけど、でも、これって――無理強いされてることに変わりはないよな。じゃあ、仕方ないか。おれは諦めて、腰をさらに落とした。
ずぶっと、簡単に嵌まっちまった。
『おら。嵌めたら動け』
ベンてやつ(だと思う)が、背後から肩越しに、おれの乳首をふたつともつまんだ。つまんで、上に引っ張った。痛いので腰を浮かすと、今度は下へ引っ張られた。
『ワン、ツウ、ワン、ツウ……』
痛いから、痛くないように逃げてるだけだ。男の上で腰を振ってるんじゃないぞ。でも、女穴の中で男棒が、ぐにぐにずぶずぶ動いて……。
『なるほど。こりゃあ{名器}だ。チーフが惚れ込むのも無理はねえや』
『馬鹿野郎。誰がインディアンなんぞに惚れるか。だいいち、こいつはミスタ・セイバーの持物だ。ボーナスをもらったからには、そうなるだろ』
ボーナスてのは、こいつらがいろんな物と交換するのに使うマネーのことだろう。つまり、おれは仇から仇に譲り渡されたんだ。へん、気にするもんか。どうせ、二人とも殺してやるんだから。そのためにも、今は従順な振りをしておくほうがいい。なんか、だんだん、振りが振りでなくなってきてるような……ことなんて、絶対にないぞ。
――結局。陽が落ちるまでに、セイバーが雇っている十人のカウボーイ(シツジではなくて、ボクジョウの世話をしてる荒くれども)の全員に犯されて。晩飯の後も、また十人掛りで。多いやつは三回も四回も。金玉の中には、すごい量の子種が貯められてるんだと、呆れちまった。一回ずつは短かったけど、それでも三十回だぞ。せっかく治りかけてた傷口が開いて……血まみれになったから、やる気が失せてくれたんだろうけど。
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今頃になって容姿の描写かよ。最近、ヒロインの顔立ちとかは/好意的に前向きに表現するなら/読者の想像にゆだねる傾向が顕著です。ちょっと反省。
ともかくも。反発一本槍だったヒロインが「弱者は強者に(いろんな意味で)組み敷かれて当然」と、これは最初の章でも触れていますが、この考えに縋って、マゾ堕ちしていくわけです。
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