Inturrupt Reoprt 5:檻の中の野生児(仮題)

 どんどん長くなっています。最初の予定では「部族と訣別」のすぐ後が「人間動物園」でしたが、「玩具の日々」を突っ込んじゃいました。
 オジョウサンたちの遊びを書いて、オボッチャンたちの遊びを書いて、このパートだけで9千文字。これからカウボーイたちの遊びを書きます。
 ということで、出来立て熱々の部分を御紹介。
 ルビ部分はPIXIV仕様をtxt( [[rb:本文>ルビ]] )にしていますので、おみぐゆしいかと


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玩具の日々

 次の日から、ビッチとプチビッチの、玩具の日々が始まった。そんなに酷い暮らしじゃなかった。
 カウボーイが十人で寄ってたかっておれたちを犯すってことが、なくなった。毎晩、二人か三人、せいぜい四人が小屋へ来て、おれのメイキを使うやつが多いけどプチビッチを犯す物好きも四人にひとりはいたな。ああ、白人には、やつらの言葉でそう言ってるうちに、頭の中で考えるときもハスビッディではなくなっちまった。それは、プチビッチも同じだ。だいたい、おれたちはズンナックを捨てたんだ。いつまでもハゼッイイとハスビッディじゃ、そっちのほうがおかしいや。
 そんなことは(とても大切なことのような気がするけど)どうだっていいや。
 カウボーイたちの数が減ったから、ひとりずつがじっくり可愛がってくれた。乳首やメシベも、がさつなやり方だったけど弄ってくれたし。ハスビッディはあまり使われなかったから、ぐわららずっどーんにもふわふわぱちんにもなれない夜が多かったから、そんなときは、おれが続きをしてやった。
 それを見つかって。しばらくの間は、姉妹レズビアンていうんだな、それを無理強い(でもなかったけど)にやらされて、セイバーまで見物したっけ。まあ、十日としないうちに飽きられたけど。当然だよな。おれたちだけが無我夢中になってる――玩具同士が愉しんでて、白人どもは男棒の始末がつかないんだから。
 ま、大人どもに遊ばれるのは、じきに厭じゃなくなった。
 厭だったのは、餓鬼どもの遊び。これは男と女で分かれていて、イッシュウカンに男が二日と女が一日だった。
 この遊びがどんなだったかを言う前にイッシュウカンがどんなふうに過ぎたかに触れておこうか。
 最初の日には、街からカテイキョウシという、お婆さんにちかい女性がやって来る。餓鬼どもは男も女も、四角い石を積み上げた大きな家にこもって、この女性からいろんなことを学ぶらしい。男が女から何を習うってんだろう。狩りの仕方も戦い方も教わらずに、裁縫とか料理とかを習うんだろうか。とにかく、このカテイキョウシはボクジョウに泊まって、次の日も餓鬼どもに教える。カテイキョウシが居るあいだは、おれたちは小屋に閉じ込められて、カウボーイも寄り付かない。カテイキョウシが昼過ぎに街へ帰って、夕方からはカウボーイどもが、おれたちを可愛がりに小屋を訪れる。
そして、次の日からの三日間が、餓鬼どもの玩具にされる。その次の日は、セイバーに虐められるときもあるし、何もされないときもある。おれたちに落ち度があったわけじゃなく、ミガワリコショウでもなく、まったくの気紛れ――でもないな。鞭痕が薄れたのを見定めてたもの。八巡り前に殺された妻の復讐だとしたら、ずいぶんと陰険なやつだ。
 餓鬼どもの遊びは鞭打ちほどずたぼろにはされなかったけど、じゅうぶんにつらかったし、捨てたはずの誇りを無理強いに引きずり出して、改めて踏みにじるような残酷なところがあった。それがイッシュウカンに三日だぞ。
 男の餓鬼は、ボビーの子分みんなが街から遊びに来るってこともなく、みそっかすのエディが仲間外れにされることもあって、だいたい五六人のときが多かった。最初に比べたら、あっちの人数が半分になって、こっちは倍になったけど。遊びはだんだん残酷になっていったから、痛くてつらくて惨めなのは変わらなかった。
 男の餓鬼どもの遊びで多かったのは、おれたちを一方的に殴る蹴るってやつ。さすがに、プチビッチにまではハンディを付けたりはしなかったけど。そして、プチビッチをぶちのめすよりは、両肘を縛られ鎖で足の動きも妨げられているおれをプチビッチがぶちのめすのを見物するのを好んだ。真面目にやらなきゃ親父に言いつけて二人とも懲罰の鞭打ちだなんて脅かされるから、プチビッチは泣きながらおれを殴る。股ぐらを蹴れと言われたら従う。でも、どうしても手加減が入ってしまうから。まだ鞭痕が鮮やかな肌に新しい鞭傷が重なることも少なくなかった。
 二度と繰り返されなかったのが、おれたちを四つん這いに縛って野に放つ狩猟ごっこ。もし逃げおおせたにしても、おれたちは部族に戻れない。下手に遠くまで逃げて犬に捕まったら、本物の牝犬にされちまう。だから逃げないって、鞭打ちも餌抜きも覚悟で逆らった。これにはジェスも味方してくれた。驚くほどのことじゃない。
『犬と穴兄弟にはなりたくないですぜ』
 でも、せっかく猟犬を借りて来たんだからと、ボビーでなく次男坊のチャールズが考えついたのが、例の柵で囲われた場所での、牝犬狩り。
 おれたちを囲いの中に入れて出入り口を閉じ、その外側に猟犬を放つ。柵は跳び越えられない高さだけど、よじ登ることはできる。さっさと柵の中に入れば、それで終わりなのに、よじ登ってる間におれたちが逃げると思うんだろうな。ぐるっと柵を回って、おれたちのすぐ近くに来てから、柵を越えようとする。
 おれたちがよちよちと逃げると、犬は柵から下りて追い掛けてくる。あまり柵から離れたり、逃げるのが遅いと、その場で柵を越えようとするから、柵に沿って逃げ回らなければならない。
 くそ。草原じゃなくて剥き出しの地べただぞ。肘も膝もすぐに擦り剥けた。おれたちも犬も動きが単調だから、餓鬼どもはすぐに飽きてくれたから、たいした怪我にならなかったけど。
 柵の中での遊びは、他にもある。射撃鬼ごっこも、そのひとつだ。これはふたり一緒じゃなくて、かわりばんこに遊ばれる。虐められると言っても同じだけどな。
 的にされる者といっても、ビッチかプチビッチのどちらかに決まってるけど。後ろ手に縛られて、両足とも鉄の球をつながれる。そして、光る薄い鉄の板で作られたキャンていう小さな中が空っぽの容れ物を何個も鉄の球のまわりに括りつけられる。鉄の球を引きずって歩けば、からんからんと音が鳴る仕組だ。そして、鬼になるやつは目隠しをして、柵の外から火を噴く長い棒で、的を射つんだ!
 コルクじゃないぞ。当たったら死ぬやつだ。
 鬼の後ろから見物してる餓鬼どもが『左だ。もっと上。行き過ぎた、右へちょい戻せ』なんて教える。こっちだって、長い棒がどこを向いてるか見えるから、射たれそうになったら逃げる。でも、キャンがけたたましい音を立てるから、鬼は目隠しをされててもだいたいの方角が分かる。狙いを定められないよう、柵の中を逃げ回らなきゃならない。
 馬鹿げた(おれたちだけが)命懸けの遊びに付き合ってられない。本当に団栗が当たるのは、長い棒が見えなくなって、端っこに明いてる穴が真ん丸に見えるときだから、その寸前に上体だけを横へかわせば、キャンも鳴らないから、狙いはそれる。
 でも、そんなずる(じゃねえよ)は、させてくれない。じっとしてると、見物にまわってる餓鬼どもが、短い棒でキャンを狙い射つ。うまく当たればまだしも、近くの地面に当たったら団栗が跳ねて、身体に当たりかねない。そうじゃなくても、足元で団栗が爆ぜたら、足が勝手に動いちまう。そしたらキャンが音を立てるから、逃げなくちゃならない。でも、慌てて転んだら命取りだ。後ろ手に縛られて足に鉄の球をつながれてたら、立ち上がるのにひと苦労だ。動かない的になっちまう。
 物騒な遊びだけど、男の餓鬼どもは、まだあっけらかんとしてる。げらげら嗤いながら、陽気っちゃ陽気だ。そこへいくと、女の餓鬼どもは、くすりと嗤いもせずに、眼だけをやたらとぎらぎらさせて、陰湿なことをしやがる。ポニーガールは、まあ……ちっとも良くはないけど、セイバーの発案らしいから、陽気な残酷かな。
 だけど、白人の言葉は不思議だ。カウボーイてのは牛の面倒を見る男のことなのに、ポニーガールとなると馬の真似をさせられる女って意味になるんだから。ま、そんなことはどうだっていいや。
 ポニーガール用の橇は、曳く馬が二頭になったのでタンデムに作り変えられた。曳き棒が長くなって、橇から突き出てすぐに鎌首をもたげてプチビッチの股ぐらと同じ高さになる。その先でまた鎌首をもたげて、おれの股ぐら。それぞれの股ぐらを通るところに鉄の棒が上向きに突き出ているのは前と同じ――じゃなくて、二本ずつになった。無茶もいいところだよな。女穴と尻穴は、それぞれすこしずつ斜めになってるのに、鉄棒は二本が真上を向いてるんだから。
 これをそれぞれの穴に挿れるだけでも、きつくて痛いってのに。鉄棒が抜けないように曳き棒と身体をつなぐ革帯の留金が、斜め後ろじゃなくて尻を割るくらいの真下に変えられた。前は、うんと身体を前に倒せば腰で橇を引っ張れたのに、それができなくなった。ほんとうに二つの穴(プチビッチとの二頭立てだから四つか)で引っ張らなきゃならなくなった。橇と、そこに乗った二人の女の餓鬼をだぜ。三人になることもあった。ボビーみたいに大勢じゃないけど、アンナにも子分ていうより親友か。ステファニーていう同じ巡りくらいの娘が、たまに遊びに来る。そうなると、二人が腰掛に座って、小っちゃなデイジーは橇の後ろに立つ。
 それを、最初のうちはおれひとりで曳いていた。だって、プチビッチは非力だし。ほとんど平らな胸に縛りつけられた二つの鳥籠と、三つの突起に咬みついた木の嘴、そこから吊るされた鉄の花とか箱。そういった責め具に虐められて、歩くのがやっとだものな。ああ、曳き棒の途中にもちゃんと上向きに突き出た二股があって、その下は環になっているから、後ろにいるプチビッチにも鉄の箱を吊るせるんだ。
 さいわいに、餓鬼どもが乗った橇を曳かされるのはボクジョウの中だけだったから、疲れ果て動けなくなっても、おれたちがまたセイバーに鞭打たれるってことを除けば、(三人の餓鬼どもにとっては)たいした問題にはならなかった。じゃあ、遠乗りはしなかったかというと、とんでもない。川まで行かされて、さらにずっと下流まで追い立てられたときもあった。三人の餓鬼どもは橇に乗らず、おれたちと並んで歩いて――これはこれで、厭だったな。三人が好き勝手におれたちを鞭打つんだから。しかも、後ろからだけじゃない。前に回って、わざと鉄の花とか箱を叩いたりもする。乳首もメシベも悲鳴を上げるぜ。
 アンナが目指す場所へ着いて、そこでひと休みするかというと、とんでもない。それから、その日の遊びが始まるんだ。
『{魔女}狩りって知ってるでしょ』
 おれは知らないぞ。
『この前、街で凄い本を見つけたの。[{魔女}に与える鉄槌]という昔に書かれた本なの。この二匹は人間の形をした獣だから、実は{魔女}なのかもしれない。それを確かめたいの』
 おれたちは曳き棒から外されて、身体に着けられていたあれこれも取っ払われた。
『濡れたら困るでしょ』
 羽根飾まで取り上げられた。羽根飾がないと、ほんとうに素っ裸にされた気分になる。も何も、元から素っ裸だけどな。
 おれとプチビッチは、別々に縛られた。といっても、白人の男どもみたいに、女を縛り慣れてるわけじゃない。部族の名誉のために付け加えとくけど、ズンナックには、女を縛り慣れた男なんていないぞ。
 つまり、身体じゅうぐるぐる巻きにされたんだ。そして、腋の下を通して別に長い縄を付けられた。
『{魔女}は水に浮かぶのよ』
『ふうん? 確かに、私たちは水に浸かったら沈んでしまいますわね』
 それじゃ、試してみましょうよってんで。おれたちは丸太のように転がされて、川に落とされた。このあたりは川幅が変わらないのにうんと深くなっている――のが、落とされてから分かった。
 川底まで沈んで、見上げたら光はずっと上。立てば頭は川面から出そうだけど、身体を曲げることもできない。もがけばもがくほど息が苦しくなって――ごぽっと、泡を吐いて。胸を締めつけている縄のせいで、それきり息を吸うことも吐くこともできなくなった。目の前が赤くなって、それがすうっと暗くなっていって。ぐいっと腰を引かれて、おれは俯せに寝た形で水面に引き上げられていた。最後の力を振り絞ってあがいて仰向けになって、息を貪った。そうだ、ハスビッディは――妹は軽いので、オジョウサンたちの手で川岸まで引き上げられていた。咳き込んでいる。
 くそお。ついオジョウサンなんて考えちまったもんだから、そっちが頭にこびりついて、「女の餓鬼」なんて長ったらしくは考えられなくなった。ま、いいか。白人どもの言葉だ。ビッチと同じ意味だと思えば腹も立たない。
『沈んだわ。インディアンは{魔女}じゃないのね』
『まだ分からないわよ。溺れたふりをしたのかもしれないわ。{魔女}は悪賢いんだから』
 それじゃ、もっと長いこと沈めてみようってなった。
『さっきは百まで数えたから、次は百五十ね』
 二百、二百五十と増やされていって。とうとう、ほんとうにプチビッチが溺れちまった。
『殺してしまった。どうしましょ、パパに叱られるわ』
『私は知らないわよ。{魔女裁判}をやろうって言ったのはアンナだから』
 こいつら、ハスビッディの命を気にもせずに、自分のちっぽけな心配ばかりしてやがる。
『ビッチを、ひきあげろ、ください。なわをほどけ、ください。ビッチが、たすける!』
 それで二人(と、みそっかす)は我に還って、インディアン娘の生意気な指図に従ってくれた。
 心臓に耳を当てたら、しっかりしてた。これなら、助かる。おれが小っちゃかった頃、友達が溺れて、お守りをしてた小母さんが息を吹き返させるのを見てたから、それを思い出しながら――膝の上で俯せにして、背中を何度も叩いて、それから口に口をかぶせて息を吹き込んで。目を覚ましたハスビッディは、泣きもしなかった。
 ハスビッディは、まだぐるぐる巻きのままだったから、縄をほどいてやったけど、勝手なことをしたと叱られたりはしなかった。帰り道は、変な装具を着けられもせず、橇は手で曳いた。
 それくらいオジョウサンたちはしょげ返ってたんだけど。ポニーガールが人間の格好で戻って来たんだから、セイバーに見咎められて、オジョウサンたちが白状して、理不尽にも、おれたちが鞭打たれた。
 そして、オジョウサンたちはちっとも懲りなかった。
 次の遊びのときも三人で、マジョサイバンの続きをやらされた。
 マジョというのは[[rb:悪魔>ティンディ]]に憑かれた女の人のことだそうだ。おれたちがマジョだってなったら、困るのは白人じゃないかな。だって、インディアンは獣じゃなく人間だってことになる。でも、オジョウサンの話を聞いてると、マジョは焼き殺すそうだから、またパパに叱られるぞ。おれたちは焼き殺されるんだから、身代わりに鞭打たれる者はいないぞ。
 なんてことも弁えず、どうしても、おれたちをマジョに仕立て上げたいらしい。
『魔女の身体には、痛みを感じない場所があるの。全身を針で刺して、それを調べるの』
 そんなことでは分からないと思うぞ。だって、痛いふりをするのは簡単じゃないか。
 この遊びには男の餓鬼ども――じゃないや。オボッチャンどもやカウボーイ、挙げ句にセイバーまで加わりやがった。子供の遊びに大人が混ざるなよって思うけど、半分くらいはありがたい。セイバーなんか、お門違いの復讐で残酷な虐め方をするけど、ぎりぎりの限度を弁えてる。それが、鞭打ちで分かった。あの鞭なら肉を切り裂いて骨まで剥き出しにできるだろう。でもセイバーは、そこまでしない。イッシュウカンか、せいぜいニシュウカンで傷が治るくらいに手加減している。だから、餓鬼どもの限度知らずの無茶苦茶は止めてくれる(かもしれない)。
 といっても、虐められる側の思う限度と、虐める側の考える限度は、まったく違う。セイバーが止めたのは、針を目玉に突き刺そうとしたときだけだった。
 なんか、先走ったな。話をすこし戻そう。
 針刺しマジョサイバンが行なわれたのは、例の柵の中だった。小屋の中じゃ人があふれちまうからな。
 すこし離れて、地面に杭が四本ずつ打ち込まれて、おれとプチビッチは、手足を広げた形で杭に縛りつけられた。そしてオジョウサンの三人はプチビッチ、三人のオボッチャンたちはおれのまわりに、それぞれ針を片手にしゃがみ込んだ。オジョウサンたちが遊ぶ日だから、ボビーの子分たちが来てなくて良かったぜ。
 最初のうちは手当たり次第。腕とか脇腹とか太腿とか。せいぜい胸のまわり(プチビッチの場合は乳房とは言えない)くらいだった。それでも、プチビッチは痛い痛いって泣いてた。鞭打ちだったら、泣く余裕さえなくて悲鳴の上げっぱなしになるから、それよりはずっと穏やかな子供の遊びといえるかな。
 おれがほんとうに絶叫したのは――握りしめていた手をカウボーイが手伝って開かされて、爪の下に針を突き刺されたときだった。乳房を刺されるより、ずっと痛い。鋭い針のような(じゃねえよ。針そのものだよ)激痛が脳天まで突き抜けた。
 こんな調子で終わってたら、おれは自分の本性に気づかずに済んでいたかもしれない。
 オジョウサンたちは、プチビッチの指先を刺そうとはしなかった。自分の指にうっかり突き刺した痛みを思い出すからじゃないかと思う。代わりに目玉を刺そうとしてセイバーに叱られたのは、もう言ったよな。
 ここでしゃしゃり出たのがジェスだった。こいつはセイバーと違って、女(手当たり次第なのか、若いインディアン娘だけなのかは知らないが)を虐めるのが趣味なんだと思う。まったく、とんでもないやつに捕まっちまったぜ。
『魔女ってのは、必ず淫乱ですからね。正体を暴くにゃ、女の部分を責めるのがいちばんですぜ』
 オボッチャンどもはきょとんとして、オジョウサンたちは顔を赤らめて俯く。女の部分てのは、つまり番うことに係わるから、こうなると男は積極的になる。しかも、どことどこが女の急所かをジェスが教えるもんだから。たちまち、三点の突起に三本の針が突き刺さった。
「ぎびい゙い゙い゙い゙い゙っ……!!」
 おれは身体を反り返らせて絶叫した。その動きで、針にいっそう抉られる。
 爪先に刺されるよりも、もっと奥の方が痛い。細い針のくせに、太い杭のような激痛。それが脳天へは突き抜けないで身体の裏側で跳ね返って、乳房と腰の奥で大きな塊になって、そこにわだかまる。そのわだかまりの中で、微かに何かが蠢いている……
『こりゃ驚いた。感じてやがるぜ』
 ジェスが、まるきりからかって[[rb:いない>・・・]]声で言った。
『見ろよ……いや、こっちが分かりやすいか』
 ジェスの指が割れ目に押し入ってきて、中を抉った。その指を高くかざす。
 おれからも見えた。陽を照り返して、きらきらぬめぬめと光っている。激痛に負けて漏らしたおしこなんかじゃない。
 大人たちからは感嘆したようなどよめきが湧いて、餓鬼どもはぽかんとしている。
 でも、いちばん驚いてるのは、おれだ。
 そりゃ、痛いことをされてても、女穴に男棒でも鉄棒でも玉蜀黍でも、突っ込まれれば濡れるさ。突っ込まれなくても、ぐわららずっどーんとかふわふわぱちんでも、ぐじゅぐじゅに濡れる。
 だけど。いくら女の敏感な部分だからって、敏感な部分だからこそ、針に刺されて、ぐわららずっどーんもふふふわぱちんも、なるわけないだろ。
 痛くて痛くて、泣きそうなんだぞ。
 でも……どうせ何を訴えても赦してもらえないんだって諦めて、だから、二度三度と同じことをされるだろうと覚悟はしてるけど。そして、そう考えると、頭に靄がかかって胸が締めつけられて腰が疼いて……なんだって、女穴の奥まで熱くなるんだよッ?!
 だけど……その理由も、前から薄々感づいてた。
 弱い者は強い者に(いろんな意味で)組み敷かれて当然だって思ってた。その代わり、強い者は弱い者を護ってやる。それも当然だと考えてたけど……それは、弱い者が強い者に懐いたときだけじゃないだろうか。隙を見て反撃して殺してやろうなんて考えが、どこかで態度に表われて……どこかじゃないな。おれは敵意を剥き出しにしてた。そんなんじゃいけないって、女の部分が教えてくれたのかもしれない。でも、ここまで誇りを踏みにじったやつらに懐けるわけがない。
 激痛と、その奥の妖しい感覚とで、そのときはそれ以上考えられなかった。
 今だって、考えられない。考えると――おれは虐められて、それを、心はともかく身体では悦んでいるなんて、とんでもない話になってくる。
 そりゃまあ……おれって、変わったところがあるとは分かってたぜ。森の中で裸になって、いけないことをしてるって思いにぞくぞくして。[[rb:木の精霊>チジッディ・アブレ]]と戯れて、ぐわらららずっどーんだもんな。こんなこと、他の娘はしない。
 もう、おれのことはやめとく。
 プチビッチは、乳首や蕾を針で刺されて濡らしたりしなかった。
『いたい。ゆるて。おじょさま、ごめない。いたい!』
 すこしは覚えた白人の言葉で必死に訴えたけど、もちろん聞いちゃもらえない。乳首も蕾も血まみれになってさえ、針の傷なんて目立たないけど、痛みに悶えて暴れたから、縛られている縄が手足に食い込んで擦れて、血は翌日まで止まらなかったし、プチビッチの手首と足首には飾り環みたいな傷跡が後々まで残った。
 針を刺されて濡らしちまったおれは、ジェスの言い分だとマジョのはずだけど、それはうやむやのままに終わった。オジョウサンたちも、オボッチャンやカウボーイと同じで、インディアン娘を虐めるのを面白がってるだけってことさ!

 餓鬼どもがいろんな遊びを考え出すものだから、カウボーイどもも、残酷な遊びをするようになった。でも、餓鬼どもとすこし違うのは、割れ目と乳房と尻ばかりを虐めたことだ。セイバーが娘たちのために誂えてやったポニーガール用の円盤付き橇も、そのひとつだな。
 他には、綱渡りとか荒馬乗りとか。

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 ここまでで9万3千文字(275枚)です。「人間動物園」も長くなりますから……まあ、WILL様リクエストで最長だった『女王様と女神様と従弟の(下)僕』375枚には届かないとは思いますが、さて?


インディアン娘の雄姿
 画像は、白人に捕まらずに成長したハゼッイイの雄姿――てことにしといてくださいな。

 今日は紙飛行機行って、確定申告出し直して、酒食らって19時には寝て、明日は2時くらいに起きて、「人間動物園」に突入しますか。

 「人間動物園」も、実際には複数パートがあります。
 ・巡回動物園の一座が、牧場の空き地を借りて宿泊。ここで、ヒロイン姉妹に目をつける。
 ・購入交渉とか、檻に入れられた亜人の裏側紹介とか
 ・街で小屋掛けして興業。ヒロイン姉妹も晒されて。
 ・街の有力者とかに夜の興業は、牧場近くの街だからヒロインの素性は知られているから、本番だけかな。
 ・もっと見栄えのする形にと、X字ディルドを仕込まれるとか。AとVにそれぞれぶっ込むレズ御用達です。
 ・別の街まで移動させるか(道中を描けば、どんどん尺が……)

 で、X字形ディルドでつながりながら「悲しい幸せ」を噛み締めてENDです。
 というわけで。次のReportがFinalになればいいんだけどなあ。




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うーん、これは凄いボリュームですね……プチビッチちゃんも良いキャラをしていて、初体験とか非常に楽しみです
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