Progress Report 5:『特別娼学性奴』

 どうにか峠は越したかな。
 只今、Submissionの後半です。キャティ・ストック(虐められラビニア)の仇討に父上が大西洋を越えて乗り込んできて、渾身会心痛恨の十連撃くらいでメコ筋縦打ちを食らわせて。それでは足りずに、PLOTで予定していなかった、濠門長恭劇場定番の後ろ手錠強制騎乗位をさせているところです。まだピストンを始めていませんが、当然クリを摘まんで、スクワットをしたら自分で自分のクリ虐め――の予定です。
 この後、同じ章でキャティ自身によるヘアブローチ復讐(
Progress Report 0 参照→)が、やっぱり20枚はいくかな。
 その後のSkillは、これまた定番のソープ講習です。講師は本場チャーパンから呼び寄せた現役嬢のカガリ・アカギ(加賀、赤城)です。
 ヒロインは「実技講習を受けるという契約ですから、ちゃんと守りますわ」で、常に学年トップを争っていたプライドに懸けて、こちらも頑張るとか? まあ、尺は短いでしょう。気分的には『ママと歩むSlave Road』何頁から何頁 および 『昭和集団羞辱史:浴場編』何頁から何頁を参照――てなものですから。
 Sodomyもカルメン77に流す予定。
 元々は終章のはずだった Showtimeはじっくりねっちりの予定ですが。
 以後は点描。最後のデュアル・エンドもそれぞれ20枚くらいでしょうか。
 さいわい、6/29、30が連休ですので、ここでShowtimeに突入できれば、遅くとも7/10までには脱稿。間に合いそうですね。
 しかし、現在で440枚。とんでもないことになったものです。


 さてさて。今回は、ずううううっと引っ張ってきた除膜式です。
 強制騎乗位破瓜も大好物なのですが、ヒロインは、あくまでpassiveにアレコレされてきたので、activeに動くのは絶対に嫌! と抵抗してしまって。そこで厳罰拷問で命令に服従させると尺がとんでもなくなるし爾後の展開が破茶目茶るので、あっさりと――今回は1982年のユナイテッド・キンガム・オブ・イングルが舞台なので現代日本のエロ用語は控えておるのですが、書いてるときもそういう意識は無かったのですが、読み返してみたら、つまりはマングリ返しです。実に淡々と破瓜がいきました。そして、お掃除フェラで締めくくり。
 ということで、Sexperienceを一挙公開先に立たず。


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Sexperience

 バカンスも娯楽も無く勉強も出来ず、貧しい食事で過ごした夏休みでしたが、無理に捻り出したような雑務をあれこれとさせられた五週間でした。そのうちの一日には、人生でただ一度きりの女の一大事も経験させられました。
 順を追ってお話しします。
 八月に入ってすぐ、わたくしは大変な重労働を押しつけられたのです。
 父様が寄付をしたフッド記念小講堂。こけがはびこって、すこし見苦しくなっています。このまま十年も放置すれば、むしろ風格になるのでしょうけれど。これを洗い落としてきれいにしろと、校長に言いつけられました。高圧水を噴き付けて汚れを吹き飛ばすのです。水浸しになって地面に落ちたこけは、シャベルですくって一輪車で運んで一か所に集めておけば、後で清掃業者が回収に来るそうです。
 高圧放水が建物に侵入しないよう、すべてのよろい戸を締めて、それでも光が漏れている部分は内側からガムテープで目張りをします。この仕事だけで、丸一日かかりました。閉めきった中での作業でしたから、汗びっしょり。コインランドリーの使用までは禁止されていませんが、わたくしはコイン一枚持ち合わせていません。校長は貸してくれません。とりあえずは制服を水でぬらしたタオル(これも、学園からの貸与です)で汗を拭いて陰干しにしました。
 二日目からは、エンジン付きの高圧洗浄機で(窓は狙いを外して)建物に放水です。ずどどどどとエンジンが小タンクに蓄圧して、それで大タンクに貯めた水道水を噴き付けるのです。
「また汗をかくし、その前に放水でびしょぬれになるから」
 そんな理由で、全裸での作業を命じられました。夏休みでも、運動部の生徒の一部は、新シーズンに向けたトレーニングで学園に残っています。それに、普段は出来ない大規模なメンテナンスでいろんな業者も出入りします。教室内で全裸になるより、百倍は恥ずかしいです。
 それでも。人目のない時間帯にはチャーリイとジニアに強いられて、全裸で小屋からガレージまで往復していたのですから、昼間だってへっちゃらだと自分に言い聞かせたのですけれど。学園としては不都合もあるのでしょう。タオル一枚だけは局部を隠すのに使っても良いという寛大なお許しをいただきました。皮肉です。
 でも、フェイスタオルです。腰に巻いても、どこかしらが露出してしまいます。わたくしとしては、腰の横で結んで太腿の片方を露出させておきた(くな)かったのですが、なぜか後ろで結ぶように命令されました。お尻が丸見えになってしまいます。そんなわたくしの都合は、逆らう理由にはなりません。そして、従う理由は幾らでもあります。
 そうして、外壁の洗浄作業を始めたのですが。水鉄砲で遊ぶのとは、根本的に違います。放水の圧力が凄まじいのです。両手でしっかりとホースを抱えて、両足で踏ん張っていないと後ろへ倒れてしまいます。
 そんな激しい勢いでも、なかなかこけは剥がれてくれません。飛び散る汚泥は、離れていても全身に浴びてしまいます。半日かかって、全身泥まみれになって、正面の壁の三分の一もきれいになりませんでした。放水が激しいので、蛇口を開けっ放しにしていても、じきにタンクは空になります。タンクが満たされるまでの時間は、洗い落とした汚泥の回収です。汚泥をシャベルですくって集めて一輪車へ移し、いっぱいになったら十メートルほど離れた場所に設けられた集積所へ運びます。貯水に要する時間よりも、こちらのほうが長くかかります。つまり、ひと時たりとも作業現場から離れられないのです。
 そのうち、困難な問題が生じました。炎天下での労働です。喉が渇きます。けれど、飲み水が近くにないのです。手元にはあふれるほど「水」はありますが、上水道の質は悪いし、タンクの中でさらに汚染されています。ずらっと連なっている校舎を横切ってガレージの洗車場へ行くくらいなら、物置小屋へ戻ったほうが早いです。ミネラルウォーターもあります。
 休み休みの作業(と、校長は決めつけました)だから、あらためて休憩は取るなと厳命されていましたけれど、十分とかからずに戻って来れるのだからと、持ち場を離れたのですが。空気を圧縮するエンジンの音が止まりっぱなしになったので、校長に気づかれてしまいました。
「隙を盗んでは怠けようとする。きみは、心まで奴隷根性に染まってしまったのかね」
 教鞭で女性器をたたかれるよりも、ずっと厳しい鞭でした。日射病で倒れるまで、絶対に持ち場を離れまいと、自分に固く誓いました。
 そうして、作業の三日目を迎えたのです。朝のうちに出来るだけ多量にミネラルウォーターを飲んでおこうと思いましたけれど、それはそれで、汗が追いつかずにトイレに行きたくなるのではないかと心配になって、結局は適当なところで妥協してしまいました。
 作業の時間帯は授業と同じですが、準備がその前にあるので、実際には午前八時から外に出ます。八時半から作業を始めて、十一時を回る頃には喉の渇きが強くなってきました。正午からは一時間の昼休みがあります。それまでの我慢だと思っていたのに。
 校長が進捗状況を見回りに来て、命にかかわるような無慈悲な命令を下しました。
「これでは、期限の五日間では終わりそうにないね。昼も休まずに働きなさい」
 期限だなんて、今初めて聞きました。進み具合を見て、間に合いそうもない期限を後出しに押しつける。そうとしか思えません。それでも、そのこと自体には抗議しませんでした。
「分かりました。でも、十分だけでよろしいですから、水を飲みに行く時間をください」
 ここまで卑屈になるなんて、子爵令嬢の軽蔑の眼差しが、どこかから突き刺さってきます。それなのに、校長はわたくしの哀願を聞き届けてくれません。
「駄目です。この一面が終わるまで、夜になっても続けなさい」
 実行不可能な命令を残して、校長は校舎へ戻って行きました。
 お腹の底のほうに、冷たい氷塊が生じました。これまで、悔しさが腰の奥で熱くたぎることは幾度もありましたが、これは初めての感覚ではないかと思います。けれど……
 よろしいですわ。御命令の通りに働き続けます。日射病になろうと過労で倒れようと、お好きなように虐めてください。そう覚悟を決めると、いつもの憤激と屈辱のない混ざった熱い感覚がよみがえってきました。氷の塊と炎の塊。相反する感情が同時に……あれ?
 どちらも怒りと悔しさのはずです。なぜ、相反するなどと考えたのでしょうか。なんて、哲学的思索にふけっている場合ではありません。一切手を抜かず、ぶっ倒れるまで働いてやりますとも。入院させてもらえれば、その期間はたっぷり休めます!
 なんて決心した時点で、わたくしはすでに正気を失っていたのかもしれません。
 しばらく作業を続けていると、自分がとんでもない愚かなことをしているように思えてきました。だって、水は目の前にたっぷりとあるのです。たくさん飲めば、お腹を壊すかもしれませんけれど――ちょっと喉の渇きを潤すくらいなら、平気ではないのかしら。
 その考えは、すごく魅力的でした。本当に、ちょっと試してみるだけだから。
 わたくしはノズルをぎりぎりまで絞って、ちょろちょろとあふれる水に口をつけてみました。
 おいしい。金臭いし舌がぴりぴり刺激されるけれど、それすらも芳純に感じられます。ちょっとだけ、もうひと口だけ――喉の渇きが潤されて正気を取り戻すまでに、コップ三杯分くらいは飲んだのではないかと思います。
 天罰はてき面でした。飲んですぐに、お腹がごろごろ鳴り始めました。これはいけない。すぐに吐きださなければ。けれど、飲むと同時に水は身体に吸収されてしまったのでしょう。喉に指を突っ込んでも、空えずきばかりです。
 仕方がないので作業を再開しました。けれど、お腹のごろごろは大きくなるばかりです。痛くなってきました。それだけなら、耐えられたかもしれませんけれど。致命的な感覚が、お腹のいちばん底のあたりに生じました。今すぐトイレに駆け込まなければ、粗相をしでかしてしまいます。
 けれど、絶対に持ち場を離れないと、他の誰でもない自分自身に誓ったのです。校長に知られたら、今度こそ罰を受けるでしょうが、それはたいした問題ではありません。奴隷根性と言われようと、わたくし自身が心を強く持っていれば、わたくしの高潔は揺るぎません。けれど……お漏らしを、それも小さな子どもですら滅多にしない粗相をするなんて、それもわたくしの尊厳を踏みにじります。
 どうしよう……その迷いが、ついにわたくしを破滅させました。
「ああっ……だめえええええ!」
 ぶじゃあああっと、半固形物の混じった水流が地面をたたきました。
「いやあああ……」
 地面にうずくまってしまいたいところですが、汚物の中にしゃがみ込むなんて、それも出来ません。ぼう然と立ち尽くして、わたくしは泣きじゃくりました。
 それでも。十分も経ってから、ようやく気を取り直して。高圧洗浄機のノズルを調節して、お尻の汚れを洗い流しました。股間の鎖を左右にずらしたり前後に引っ張ったり、その刺激で生じる感覚になど、かまっていられません。絶対に汚物が付着していないと確信できるまで、入念に洗いました。それからノズルを全開にして、地面がえぐれるほど粗相の痕跡を洗い流しました。
 もしかして、誰かに見られていたかもしれないと気づいたのは、すべての証拠隠滅が終わってからでした。あたりを見回して、近くに人影はありませんでしたが、今さらですよね。
 開き直って、何食わぬ顔で作業を続けて。夜遅くなって陽が沈んでも(夏の夜は午後九時を過ぎます)指示されていた正面の壁は終わっていませんでしたけれど、暗くては汚れが落ちたか分からないだろうということで、ようやく赦してもらえました。
 小屋へ戻ると、お昼を抜いたのに夕食を取る気にもなれず、そのまま床に転げ込んですぐに眠ってしまいました。チャーリイとジニアがいないから、どんな姿勢で寝てもかまわないのです。
 ――さんざんな三日目でしたけれど、四日目はもっとひどい――人生で最悪な日になりました。
 大きな被害を食い止めるためには小さな被害に甘んじよう。そう決意して、お腹がちゃぷちゃぷ鳴るくらいに、わたくしはミネラルウォーターをたっぷり飲んでから作業に取り掛かりました。
 陽射しが昨日よりもきつく、飲んだ水が胃袋から汗腺へ直行しているみたいでした。これなら、小さな被害も食い止められそうです。今日は昼休みを取らせてもらいたいな。それだけを念じながら、懸命に作業を続けていると。また、校長が姿を見せました。今日はひとりではありません。薄いクリーム色のスーツ(たぶんリネン製でしょう)を着こなした、父様と同じくらいの年輩の男性を伴なっています。
 学園の独裁者とその客人に敬意を表すべきだと判断しました。作業を中断して、二人を迎えました。
「こちらにいらっしゃるのは、本学園の理事長であらせられる、スマーポッツ子爵ドレッド・ノートンです」
 わたくしは軽く膝を折って目を伏せました。
「それが、われに対する挨拶なのかね?」
 ドレッドきょうが嘲りました。
「膝折礼(curtsey)もろくに出来んとは、校長、仕付がなっていませんな」
 膝折礼は、相対的に身分の低い者から高貴な方への儀礼です。子爵令嬢から他家の子爵に対しては、まあ、もうすこし丁重であってもよろしいでしょうけれど、わたくしの事情もあります。こんな腰布一枚では、はっきり裾を持ち上げるのも膝をきちんと曲げるのも、卑わいなだけです。
「いや、わたくしの不徳のいたすところ。性奴隷の膝折礼を仕込んでいませんでした」
 そうでした。今(だけです!)のわたくしは、子爵令嬢である以前に性奴隷生徒でした。
 今すぐに覚えてノートンきょうにお披露目しなさいと言って、校長は――とんでもない作法を伝授しました。
「裾は腰までまくり上げなさい。引いた足のつま先は、前側のかかとに着けるのです。そして、バレエのプリエのように、膝を大きく左右に開きなさい」
 そんなのって、膝折礼ではありません。女性器の露出、いえ開陳です。
 けれど、命令には絶対服従というのが特別奨学生契約(の、後付けの細則)です。わたくしは恥辱にまみれながら、伝授されたとおりの仕種をしました。悔しさに子宮がむせび泣いています。腰を沈めたので鎖が膣口に食い込んできて、その物理的な刺激が熱い涙をこぼさせます。
「ふむ。さすがは元子爵令嬢だな。奴隷嬢(Lady Slave)のマナーも覚えが早い」
 褒められた(おとしめられた)のですから、言葉を返すのが礼儀です。
「お褒めにあずかり、恐悦至極にございます」
 結び目より高く裾をまくり上げ、直角を越えて膝を曲げてやりました。皮肉のつもりでしたが、みずから進んで破廉恥に振る舞ったことに変わりはありません。腰の奥で羞恥が大きな炎となって燃え上がりました。
 ノートン(この人にも敬称は無用と判断しました)が、くくっと含み笑いを漏らしました。
「なかなかに礼儀正しい性奴隷だな。よろしい、陪食の栄誉を与えてやろう。正午になったら、校長、どこだったかな?」
「延長教育(6th form)校舎のカフェテリアです」
「うむ、そこに来い」
 仕事を続けなさいと命じて、けれど二人は立ち去りません。小柄なわたくしがホースに振り回され汚泥を浴びる姿を、愉快そうに見物したのです。
 それでも、十一時には作業をやめ、機械を片付けてから身なりを調えてるように言われました。機械を片付けるとは、午後の作業を免除されるという意味です。
 ちっともうれしくありません。ますます期限に間に合わなくなります。そして……
「今日は、いや明日の朝まで、きみがノートンきょうのお相手をするのです」
 とうとう、恐れていたことが現実になろうとしているのです。素直に返事が出来るはずもありません。すると校長は、わたくしが事態を理解していないと思ったのか、露骨な表現で付け加えたのです。
「性奴隷としての最初の実習です。彼に処女をささげるのです。もちろん他のことでも、どんな命令にも従うのです」
 そう言ってから、股間の鎖の封印を解いたのです。Y1の生徒だって理解したでしょうね。その年令で可能かどうかは、ともかくとして。
 ――機械を片付けるのは、簡単です。小型自動車を一人で押すくらいの重労働ですけれど。洗車場へ行って全身を洗うほうが、よほど手間取りました。身体はすぐに乾きますけれど、腰に達そうとしているブルネットは始末に負えません。言葉を飾れば、しっとりと潤ったままで会食に望まなければなりませんでした。
 ああ、装いですか。いつも通りに十秒で完了です。学校の制服は、もっともフォーマルな服装です。たとえ女王陛下とのディナーにだって参列できますとも。もしとがめられるとしたら、このようなデザインを採用した学園でしょうね!
 ノートンは、とがめたりはしませんでした。にやにや笑いながら褒めてくださいましたとも。
「しかし、もっと趣向を凝らしてもらえんかね。たとえば、アナン・ラミリーズみたいに、上着から乳房を突き出すようなのとか」
 テーブルには校長も着いています。わたくしとノートンが向かい合って、校長は下座です。当然の待遇に、わたくしはむしろ屈辱すら感じています。子爵令嬢でなく性奴隷(実習生?)の立場を考えれば、お買上げいただく前の商品展示に等しいのですから。ああ、こんなことを考えてしまうまでに、わたくしは卑屈になってしまったのでしょうか。心の気高さを忘れてはなりません。
 心を高く保つには、まず振る舞いからです。気楽なカフェテリアでの昼食とはいえ、わたくしは完璧なテーブルマナーを心がけました。ノートンはそれに気づいたらしく、ときどき手を休めては、面白そうにわたくしを眺めています。
 校長は何かとノートンに話題を提供していましたけれど。わたくしが全裸にされて股間を教鞭でたたかれたとか、全身の無駄毛処理を義務付けられているとか、寝るときは手足を広げて拘束されているとか補習でクンニリングスを仕込まれたとか――わたくしの惨めな学園生活ばかりです。
 それをノートンは満足そうに聞いています。ただ、『デート』で間違いが起きなかったことだけは、しつこく確認をしていました。
 さいわいに感想を求められたりはしなかったので、雑音を耳に入れないよう、食事に専念しました。なのに、紙束をかんで粘土をかじっているみたいで、ちっとも味が分かりませんでした。
 食事の場所はカフェテリアでも、料理は順番に配膳されました。その一皿ずつは、おままごとかと思うくらいに少量でした。重労働でお腹は空いていましたから、紙束でも粘土でも、もっと食べたかったです。校長だけは量が多くて、ノートンはわたくしと同じくらいでしたから――社交ダンスだって乗馬だって他のスポーツだって、満腹では差し障ります。男女の交接も運動には違いありませんから、そういうことなのでしょう。
 食事が終わると、腹ごなしに散歩をしようと提案、いえ、命令されました。たしかに散歩でしたとも。大型犬を散歩させるような鎖を首輪につながれて、二人に学園のあちこちを引き回されたのですから。しかも、何も持っていないのは手の遣り場に困るだろうからと、両手の親指を背中でひとまとめに太い糸で括って――布ベルトに結びつけてくださいました。遠目には、破廉恥な格好を誇らしげにさらしてかっ歩しているように見えたことでしょうね。
 何十日ぶりかで、股間に鎖が通っていない状態での歩行です。異物に侵されない心地好さよりも、すうすうすかすかする頼り無さが物足りない……のではなく、心細かったです。だって、陰裂を隠している鎖を見られるのと、陰裂の奥まで見えてしまうのとでは、やはり恥ずかしさが違いますもの。だから、人の目があろうとなかろうと、腰の奥では羞恥の炎が渦巻いていました。子宮が熱を帯びると膣口に粘っこい分泌がにじむのは、そういう生理的反応だと思います。
 わたくしもそうでしたけれど、理事長の顔を知らない生徒は多くても校長を知らない生徒は居ません。校長への生徒の対応は、敬して遠ざける(respect away)です。しかも、後ろにはSSSというデリケートな問題が文字通りにひも付けられています。三人の散歩、あるいは二人による引回しは、誰にも邪魔されませんでした。
 広い敷地を気紛れに散策して、最終的に連れ込まれたのは女子寮でした。女子寮の、以前のわたくしの部屋です。
 最後に見たときには、荷物を一切合財持ち去られた空虚な空間でしたが、今は妖しい雰囲気に充ち満ちています。壁紙はどぎついピンク一色。窓は同色のカーテンで目隠しをされて、ミラーボールの七色の光点が天井から床まで踊り狂っています。そして、部屋の真ん中に、どかんと置かれた正方形の(キングサイズよりも大きな)ベッド。
 そういう目的のための部屋だと、経験の無いわたくしにも分かります。
「何をしておる。こういう場面では率先して裸になるのが、SS生徒の務めだろう。教わらなかったのか」
 反論する気力もありませんが、事実を誤解されたままだと、いわれのない罰を受けるかもしれません。
「せ、セキスパートとしての授業は受けていないのです。新学年度からだそうです。もし、よろしければ……いろいろと教えてくださ」
 わたくしの、馬鹿。馬鹿ばか馬鹿。なぜ、こびるようなことを言ってしまったのでしょう。処女膜を破られるのが痛いのは、ジニアで目の当たりにしています。すこしでも優しく扱ってほしい――それが、奴隷根性というものです。むしろ、乱暴に扱われて、必要以上に痛くされたほうが、単純に相手を憎めます。
 結果として、わたくしの言動は、強女3者を付け上がらせただけのようです。
 命じられるまま、男の目の前で彼に正面を向けて十秒で制服を脱ぎました。もはや、指が震えることもなくなりました。
 それから、男の上着とシャツを脱がせて。彼の前にひざまずいて、ズボンを脱がせます。そして最後に、これは彼の事情で脱がせにくくなっているパンツをずり下げました。
「では、おまえが奉仕する相手に挨拶をしてもらおう」
 会った最初に屈辱的な膝折礼をさせられています。今さら何を――という疑問は、ありませんでした。彼は勃起した男性器を指差しながら、そう言ったのですから。さらに、醜悪(ugly style) で臭悪(ugly stench)なそれで、ぺちぺちと頬をたたきます。
 こんな屈辱的な命令には従いたくありません。不服従がどれほどの罰になるのか、身を持って体験してみようかとさえ思いました。
 けれど、そんな破滅的な考えはすぐに捨てました。鎖の貞操帯は、この日を迎えるために使われていたのです。この人は理事長。奨学金制度の創設者。
 もしも奨学金を取り消されて、無一物で学園から放逐されたら。もっとも幸運に恵まれたとしても、公的機関の保護を受けることになるでしょう。子爵令嬢が、です。スキャンダルです。父様が爵位を剥奪されるのは必然です。母様が我が身を犠牲にした意味が無くなります。
 わたくしは覚悟を決めて、目の前にある、水平射撃くらいまで勃起している男性器に口づけをしました。
「それから、どうするのだね?」
 質問形ですが命令です。わたくしは閉ざしていた唇を(出来るだけ小さく)開けて、亀頭のあたりだけを口に入れました。フェラチオについては、ごく初歩的な知識くらいはあります。大衆向けの女性雑誌には、いろいろと書いてあります。平民がどのようなことに興味を持っているかを知るのも、現代の貴族にとっては大切なことです。決して衆愚に迎合するという意味ではありません――などと性奴隷が言っても虚しいだけですね。
 初歩的な知識を実践に移して。亀頭をなめたり、冠状に盛り上がっている部分を唇でしごいたり。昼食と同じで、味はさっぱり分かりませんでした。敢えていうなら、生臭いしょっぱさでしょうか。フランクフルト・ソーセージみたいだったのが、たちまちボロニアくらいに太く、サラミみたいに硬くなります。
 不意に突き倒されました。
「このビッチめが。どこで、そんなテクニックを覚えた? 誰かに仕込まれたのか? ケリーの大間抜けが!」
「違います。女性向けの通俗雑誌で得た知識です。実際にしたのは、これが初めてです」
 わたくしは誇らしく思いながら、彼の思い違いを訂正しました。ただの知識を経験と勘違いされたのですから……でも、これって誇るべきことでしょうか。
 それはともかく。
「ふん、信じるとしよう。では、どこまで知っているか、試してやろう」
 ノートンが、巨大なベッドの中央であお向けになりました。水平射撃ではなく、対空射撃になっています。
「おまえが上になって、自分で挿入するのだ」
 墓穴を掘ってしまいました。いえ、前向きに考えるようにしましょう。どこにどういうふうに挿れれば良いのかは、ジニアでの実験で分かっています。ならば――自分で具合を加減出来るのですから、痛みを減らせるのではないでしょうか。好きな人に処女をあげるのなら、激痛も大切な思い出になるでしょうが、不本意に、こんな中年男に奪われるのです。せめて肉体の苦痛だけでも和らげたいと願って当然でしょう。
 わたくしは背を向けてノートンにまたがりました。
「失礼しますのひと言くらい断わらんか」
 ぺちんとお尻をたたかれました。ちっとも痛くないです。
「ごめんなさい。気をつけます」
 素直に謝っておきます。ちっとも悔しくないです。
 腰を浮かして。ドライバーを使ったときを思い出しながら、陰茎の根本を右手で握って陰裂にあてがいました。小陰唇が蓋をしているので、左手の指をV字形にして――手と手がぶつかります。右手はお尻の後ろへまわして持ち替えました。
 じわっと腰を落として、亀頭を陰裂に埋めました。膣前庭(でしょう)に亀頭が押しつけられるのが感じ取れます。腰をちょっとだけ前後に動かしてみたら、明らかに感覚の異なる点があります。ここが膣口でしょう。
 このまま膝の力を抜いて腰を落とせば、それで処女は破られて、わたくしは娘から『女』になるのです。
 けれど。ふっと迷いが生じました。このまま、みずからの意思で処女を失って良いのでしょうか。性奴隷に成り下がりセキスパートの道へ足を踏み入れて良いのでしょうか。
 これまでだって、わたくしはみずからの意思で罰を受け辱しめられて……そうではなかったのだと、かつ然として悟りました。
 罰を受けざるを得なかったから、縄目の恥辱を重ねないために、敢えてみずからの意思で手の動きを封じたのです。なぶられるしか選択肢が無かったから、抵抗して押さえつけられてなぶられる恥辱だけは回避したのです。クンニリングスは、あれは奉仕です。つまり、もっとも尊厳を保てる形での受身(passive)でした。
 ですが、騎乗位で処女を失うのは――能動(active)です。それはもちろん――命令されてそうするのですから、大局的には受身(passive)かもしれませんけれど。
 女が男に押さえ込まれて処女を失うのは、もっともありふれた状況でしょう。そのこと自体は、ちっとも恥ではないと思います。強女3されるのは屈辱ですが、性奴隷の宿命でしょう。
 なのに、敢えて能動的(active)に振る舞うのは、みずからの意思で恥辱を求める破廉恥な行為ではないでしょうか。
 わたくしはベッドから飛び下りて、床にひざまずきました。
「わたくしには出来ません。どうか、御主人様(My master)のたくましいおチンポ(dick)でわたくしを貫いてください」
 可能な限り卑屈に卑わいに懇願しました。クイーンを護るためにはポーンを犠牲にします。
「ふふん、無理をしおって」
 ノートンは薄く笑いながら身を起こしました。嘲笑ではなく満足のようです。
「子爵令嬢に淫売の真似は出来ぬか」
 彼は手を伸ばして、再びわたくしをベッドの上へ引き入れました。
「小柄な娘には、こういうのも面白いな」
 あお向けになったわたくしの両足をつかんで高々と持ち上げ、さらに頭のほうへ折り曲げました。この形でチャーリイとジニアに何度拘束されたことか。手足に冷たい手錠が食い込んでいないのが不思議に感じられます。
 ノートンは手を添えることなく、亀頭を陰裂に埋め込み――ぐいと腰を突き出しました。
 びききっと股間に亀裂が生じたのが、はっきりと分かりました。
「痛いいいっ……!」
 悲鳴を抑える理由は無いと思うので、自分に素直になります。
 唇の両端に指を引っ掛けて力一杯に引っ張られて――唇の中央が裂けたら、きっとこんな痛みだと思います。ジニアと違って痛みを的確に描写できます。
「見ろ、マイティ。おまえの娘の純潔は、われが散らしてやったぞ」
 ノートンが雄叫びを上げました。
 男爵まで含めても、世襲貴族は八百家くらいのものです。狭い社会です。父様とノートンが知己であっても不思議はありません。けれど、父様に恨みがあるような口振りです。
 そのことについて彼に尋ねるのは、新たな災厄を招き寄せるのではないかと恐れました。そして、尋ねるどころではなくなりました。
 彼が動き始めたのです、わたくしの中で。
 ずぐうっ、ずぐうっと、お腹の奥まで、熱した太い鉄棒を押し込まれているような激痛です。鉄棒が途中まで抜かれるときには、傷口を引きむしられるような痛みです。彼の動きで、激痛がうねくります。
「ひぐっ、ひぐっ、きひいい……」
 歯を食い縛っていても、うめき声を抑えられません。こんなのを何度も繰り返せば、本当に痛みが無くなって、通俗雑誌に書いてあるみたいに他では替えられないほどの快感を得られるようになるのでしょうか。信じられません。
 足を持ち上げていると、動きを制限されるのでしょう。じきに彼はわたくしの足を開いて膝を曲げた形にして、ベッドへ戻しました。そして、いっそう激しくいっそう深く腰を動かします。
 わたくしは、ただただ激痛に身を委ねているしかありません。
 やがて、激痛が常態となって、わたくしのうめき声も治まった頃、彼は腰全体をわたくしの股間に打ちつけるほど荒々しく動き始めた――と思ったら、不意に動きを止めました。そして、わたくしから身を引きました。その瞬間は分かりませんでしたけれど、射精したのだと思います。
 股間の汚れを指ですくって確かめる気にはなれませんでしたし、その暇もありませんでした。わたくしは、床に引きずり下ろされたのです。
「跡始末をするのも、セキスパートの務めだ」
 彼はベッドに腰掛けてわたくしを引き寄せ、股間に向けて頭を押しつけます。フェラチオをして汚れをなめ取れという意味でしょう。男の白い精液とわたくしの赤い血に染まった陰茎を。
 すでに開け放っているドアをもぎ取るような仕打ちです。いいでしょう。ハンマーでたたき壊してやります。
 わたくしは目をつむって、威勢を失っている陰茎を頬張りました。ねとっとしたおぞましさが舌にへばり着きます。生臭くて鉄臭て、吐き気が込み上げてきます。それでも堪えて、陰茎全体をなめます。命令されて、太いストローの中に残っている汁まで吸い出しました。
「おまえの娘はここまで堕ちたのだぞ、メアリー。見せてやれぬのが残念だ」
 父様だけでなく母様にまで遺恨があるようです。たとえ災厄を招こうとも、尋ねずにはいられませんでした。
「母のことも御存知なのですか?」
 言葉は選んだつもりですが、軽々しく他人の妻に言及した非礼をとがめるニュアンスは隠しません。
「なんだ、知らなかったのか。われとやつとは同学年で――三つ年下の伯爵令嬢をめぐって決闘紛いのことまでしたかな」
 初耳です。そんな激しいラブロマンスがあったなんて。
「勝ったのは、われだった。ところがメリーときたら、怪我をしたマイティに同情する余りに、われを野蛮だのひきょうだのと……」
 わたくしだって。わたくしを争って一方が怪我をしたら、その方に肩入れするでしょう。まして……父様とノートンとでは、風格もハンサムも段違いです。これは、父親に溺愛されている娘の水増しもあるでしょうけれど。
「あ……」
 わたくしは素晴らしいアイデアを思いつきました。そのように錯覚しました。処女を奪われた衝撃で、冷静な判断が出来なくなっていたのでしょう。ノートンのことを、今も母様に未練があるなどと勘違いしてしまったのです。いえ、勘違いではありませんでした。けれど、好意と悪意を読み違えていたのです。
「わたくしの母が、父の借金まで背負ってしまったのを御存知でしょうか。幾らかでも扶けていただけるなら、どのようなことでも致します」
 冷静に考えれば。わたくしは、どのような命令にでも従わなければならないのですから、無意味なお願いです。けれど、ノートンはそれを指摘しませんでした。
「メリーが好きでやっていることだ」
 それは違いますと反論しかけたのですが、彼の次の言葉を聞いて、声を失いました。
「新大陸の連中は貴族に弱いから、一晩に三千ドルは稼げるものを――合法性にこだわって、ドイッチュで飾り窓の女だ。十年経っても五十万ポンドは無理だな」
 まさかと疑っていた『出稼ぎ』の真実が明かされました。なぜ、ノートンはそれを知っているのでしょう。私立探偵を雇えば可能でしょうけれど、それにしては話しぶりが主観的に過ぎるように思えます。
「まさか、あなたが……母にお金を貸してくださった……?」
「御主人様(My master)だ。我が君(My lord)でも苦しくないぞ」
 誰が。とにかく、言い直して尋ねましたけれど。
「三十を過ぎた婆あに、五十万ポンドの価値は無い」
 否定のようですが、思い入れは経済的に評価できないのではないでしょうか。
「それよりも、アイリス――おまえの処遇だ」
 いきなりの話題転換です。それとも、つながっているのでしょうか。
「おまえは、われにどのように扱われたいかな。われがほれたメリーの娘として可愛がられたいか。それとも、われが憎むマイティの娘として虐げられたいか?」
 本気の質問とは思えません。わたくしの処遇はとっくに決めていて、言葉でなぶっているのです。
 なんと答えれば良いか、わたくしには分かります。それは、こうです――御主人様(My master)のお好きなように可愛がってください。
 ですけれど、これだけは言えません。ドアはすでにたたき壊されていますが、それでも、象を通すほどの広さは無いのです。
 そして。わたくしがこれからこの男にたたきつける言葉は、母様にも迷惑を掛けるかもしれません。それを思うと、お腹の奥深くに大きな氷塊が生じます。けれど母様もすでに、奈落の底に堕とされているも同然なのです。
 わたくし自身は、この台詞がどれほどの迫害を招こうとも、青い血に懸けて、父様と母様の名誉に懸けて、言わなければならないのです。
「あなたを拒んだ母の娘としてあなたを拒み、あなたが憎む父の娘としてあなたを憎みます」
 言いました。恐怖に乳房を握り潰される思いです。熱い戦慄が腰を貫きます。
「そして、アイリス・フッドとして、わたくしを汚したあなたを絶対に許しません」
 不安の氷塊と恐怖のしゃく熱とが、ひとつの大きな渦巻となって、わたくしはほとんどこうこつの思いです。熱くにじむのは、溶けた氷塊でしょうか。
「くくく……」
 ノートンが愉快そうに(でしょうか?)笑っています。
「喜んで被虐を選ぶのか。ケリーの見立て通りだな。天性のマゾヒストだ」
 違います! 虐められることを望み、そこに性的な愉悦を覚えるような、わたくしはそんな変態ではありません。
 青い血筋のこの男が、わたくしの尊厳を懸けた決意を理解しないなんて……いいえ、理解して、その上でわたくしをおとしめているのです。
 けれど。抗議をすればするほど、この男を喜ばせることになるでしょう。わたくしは、SF映画のように目から殺人光線が出てくれることを祈りながら、ノートンをにらみつけてやりました。
 もちろん、彼はけろりとしています。
「よかろう。おまえの望み通りになるよう、ケリーに念を押しておこう。楽しみにしているが良い」
 こうして、わたくしの人生最悪の一日は……ようやく始まったのでした!
 ピンク一色の強女3部屋に校長と、個人的な研究とか単純にバカンスのスケジュール調整で居残っていた四人の教師が呼び集められたのです。
 さまざまな体位で、わたくしは犯されました。一大決心で拒絶した騎乗位も強いられました。六人もの男に取り囲まれて、か弱い少女に何が出来ましょう。強制的なフェラチオ(イラマチオというのだそうです)のあげく、飲精までさせられました。
 悔しいことに、行為を繰り返されるたびに痛みは小さくなっていきました。屈辱と憤激が腰の奥で燃え狂っていましたが、もちろんそれは快感ではありません。陰核を刺激されたときの稲妻とは、まったく異質の『感覚』という言葉が果たして適切なのかも分からない、感情の渦巻でした。
 校長は「明日の朝まで」と言っていましたが、その通りになりました。いえ、夜を徹して犯されていたという意味ではありません。
 ノートンはわたくしに、物置小屋からピンク一色の部屋まで、ベッド代わりの長机を運ばせました。鎖の貞操帯も着けていない全裸で――というのは、大した問題では(あるのですけれど)ありません。処女膜を破られ膣口を拡張されて、ずきずき痛いのです。まだ太い陰茎を挿入されている感覚が強く残っていて、まともに歩けません。それなのに、重たくて脚を折り畳んでもかさばる長机をひとりで運ぶのは、ことに階段では重労働です。打ちのめされてなんかいませんけれど正常でもない精神状態ですから、いっそうつらく感じられます。わずかに救いだったのは、運ばされたのが二台だけだったことでしょうか。それでも、二往復もさせられたのです。
 そしてわたくしは、間隔を開けて並べた長机に手錠でX字形に張り付けられて夜を迎えたのです。チャーリイとジニアが帰省してからの数日間はのびのびと(それまでの反動で)身を丸めて寝ていられたのに、また逆戻りです。それでも、ふかふかのじゅうたんに身を横たえるのは快適でした。
 ノートンにベッドの上から見下ろされるのは不快でした。
 開脚を強いられていても、股間に巨大な異物を突っ込まれているような違和感がしつこく残っています。これまでは裸にされて教鞭でたたかれたり、補習という名目で悪戯をされたり、一対四でCACCとか称して痛めつけられたり、無意味な重労働を押しつけられたり――さんざんに身体の表面に対する虐待(abuse)をされてきましたが、とうとう女の核心を身体の内側を暴行されてしまったのです。それも輪姦(gangbang)という最悪の形で。
 ついに決定的に、性奴隷(Sex Slave)にされてしまったのです。それでも――心を高潔に保っていれば、わたくしの体内に流れる青い血の尊厳を侵すことなど出来ないのです。ええ、そうですとも。
 物事があるべき形に定まってしまったという思いは、心に安らぎさえもたらします。もちろん、午前中の重労働のせいもありますし、深く傷つけられた魂が回復する時間も必要だったのでしょう――契約書に署名してからは絶えて無かったことですが、不安にさいなまれながら夜半に目を覚ますこともなく、わたくしは朝まで熟睡したのです。
 ――脇腹を蹴られて、わたくしは目を覚ましました。まぶしいです。昨日とは打って変わって、ピンクの色彩が軟らかです。カーテンが引き開けられて、朝の陽光が部屋に満ちていました。
 きわめて狭い意味での『女』にされて初めて迎える朝でした。恥辱にまみれた感慨にふける暇もなく、わたくしは部屋を追い出されて――そのまま、昨日の重労働の続きをさせられました。
 その日のうちに、校長からアフターピルを与えられました。それでようやく、強女3には妊娠のリスクまで伴っているのだと思い至りました。けれど、アフターピルを服用し、翌日からは継続的に低用量ピルを使えば、その心配も無くなります。しかも、わたくしを犯したのは、身持ちの固い貴族と教師。性感染症の恐れもありません。まったく、性奴隷としては申し分のないデビューでした!
 五日後には、性器からの出血を見ました。つまり、きわめて狭い意味での『女』になった後に、もうすこし一般的な意味での『女』になったのです。順序があべこべですけれど、セキスパートとしては誇るべきことなのでしょうね!
 実は、この出血は初潮ではなかったらしく、さらに二週間後に、もっと多量で黒っぽい出血が三日ほど続きました。こちらが通常の生理で、最初のはアフターピルの副作用だと、夏休みから戻ったミルダに教わりました。ちなみに、どちらの出血もタンポンで過ごしました。ひもが股間から垂れるのは陰裂を直視されるよりも恥ずかしかったです。
 こういったことを思い出すだけで、怒りで子宮が熱くなります。けれど、考えずにはいられません。どころか――こういったこと以上のことが、夏休みの最後には立て続けに起きたのです。
 小講堂の外壁の洗浄作業は、校長が後出しで決めた五日の期限を四日も超過してしまいました。そのこと自体には、覚悟していた罰則もありませんでした。けれど、いっそう無意味な労働を次々と押しつけられました。ふたつの教室の机を入れ替えたり、歯ブラシを使ってトイレの床と便器を磨かされたり、もはや詳述する気力もありません。
 けれど、そんな馬鹿げた単純労働のほうが、八月も下旬になってからさせられた仕事よりは百倍もましでした。

 新学年度は九月から始まりますが、実際に授業が始まるのは中旬からです。それでも、寮生活のリズムを取り戻すために、八月の末頃からは生徒がぼつぼつと戻って来ます。余暇を利用して勉学に勤しめば良いものを――仲良しグループが集まって、ピクニックに遠出してみたり敷地の一画でキャンプをしてみたり。
 ピクニックはわたくしへの実害がありませんが、学内でのキャンプは被害甚大でした。わたくしが遊び道具として、彼らに貸し出されたのです。
 ノートンに処女を奪われた翌日からは、わたくしはジニアと同じ形の貞操帯に改められていました。股間を割る鎖が無くなって、そけい部をY字形に通るのです。つまり、女性器が無防備です。しかもジニアと違って、わたくしは私物のパンティを持っていません。
 そうなると、男子生徒がどのようにわたくしで遊ぶかは分かり切ったことです。
 最初は、九月からY8とY9になる五人のグループが相手でした。Y8はわたくしと同学年ですし、一学年の男子は二十数人ですからY9の全員も知っています。
 レビー・ブロックス、アル・ブライトン、エド・フォーグス、ウォルター・デライト、フォーグ・シェブラン。いえ、名前なんかどうでもいいです。こういったプライベートな催しには珍しく、キャンプファイヤーもしないのに教師のジャス・レイカーが監督として付いていたのが不可解でしたけれど、すぐに彼の役目が分かりました。五人の生徒は、全員が童貞(cherry boys)だったのです。わたくしは、ひと晩で五粒のさくらんぼ(cherries)を食べさせられました。残念ながら(ではないです)レイカーの指導では、さくらんぼは美味しくなかったです。
 これで、わたくしの経験人数は両手では足りなくなってしまいました。セキスパートのレッスンを受ける前に、一人前以上になってしまったのです――などというのは、まったくの勘違いと思い上がり(?)でしたが、それは後日のお話です。
 二日空けて、Y13ばかり四人のグループに貸し出されました。二人が経験済みだった(さんざん自慢していました)せいでしょう、指導教官は付きませんでした。おかげで、酷い目に遭いました。
 彼らは、わたくしがあまり反応しないことに自尊心を傷つけられたみたいです。
 身体を不本意に弄ばれて、強女3されて、それで性的に興奮するとでも、彼らは思っているのでしょうか。
 乳首をくすぐられれば、稲妻の影くらいは走ります。陰核をつままれれば、どうしても稲妻が腰を貫きます。けれど、わたくしは強い意志の力で、腰の奥の火種を押さえ込んだのです。わたくしは性奴隷です。女を搾取されるのです。喜んで与えるのではありません――これが心得違いだと悟るのも、後日のお話です。
 彼らは焦れて。わたくしの性感を開発にかかりました――遊び半分で。授業が始まれば(本当は始まる前から取り組むべきですけれど)、学年末の全国統一試験を目指して、一日の半分は勉強漬けになるのです。後の半分は睡眠時間と食事などです。だから、一日じゅう遊んでいられるのは、あとわずかだという思いが、遊びを過激に走らせたのでしょう。四人のリーダー格のゼラス・ソールベイという男が、性的に倒錯した趣向の持ち主だったのが、いちばんの原因と思います。五歳も離れていると、もはや男子生徒ではなく大人の男と変わりありません。これは、どうでも良くはないことです。わたくしへの加虐の度合いが、教師やノートンと同じくらいに残酷になるのですから。
 彼らはわたくしたちの寮舎である物置小屋から長机を持ち出して、裏返しにして並べた間に、わたくしをX字形に張り付けました。夜は手錠でその形にされていることは、いつの間にか広く知れ渡っています。
 ソールベイが幾つかの日用雑貨を机の上(裏側)に並べました。電線をまとめたりキャンプでもペグの補助に使える結束バンド、長短のヘアピン、小さな輪ゴムと太い糸。
「一度実験してみたかったんだ。まさかロザリンドには頼めないもんな」
 ガールフレンドには出来ないことでも、性奴隷になら出来るということです。
 彼は、わたくしの乳房の根本を結束バンドで縛りました。以前の北緯三十度オレンジだとバンドがすっぽ抜けたでしょうが、『女』にされた下半身に追いつこうとしているのかピルの副作用か分かりませんけれど、北緯二十度まで盛り上がってきたし、サイズもマーコットからマンダリンくらいに成長しました。つまり、すっぽ抜けるどころか、根本をぎちぎちにくびられて、丸ごとの(小ぶりの)オレンジにされてしまったのです。圧迫されたせいで、乳首も硬くしこって突き出しています。
 その乳首をヘアピンで挟まれました。それでしごかれるのはちょっと痛かったのですが、髪を安定させるために湾曲している部分に乳首がはまり込むと、適度の刺激で気持ち好く……なるはずもないですけど、痛くはないです。
 ところが。彼はヘアピンの一端に指を引っ掛けて回し始めたのです。ゴム動力の模型飛行機がありますよね。飛ばす前にゴムを巻く。あんな感じです。乳首も引っ張られますけれど、硬くなっているし乳房もぱんぱんに張り詰めているし、ヘアピンが外れる気配はありません。
 くすぐったいのですが、何回も回されているうちに、ごろごろと雷鳴がとどろいてきました。
「あんっ……」
 なまめかしい声を漏らしてしまいました。
 すると、指がぴたりと止まりました。続けてほしいという思いが、ちらっと頭をかすめましたけれど、もちろん口にはしません。
 ソールベイは二本目のヘアピンをつまんで――もう一方の乳首もヘアピンで挟みました。両手をつかって、左右のヘアピンを同時に回します。
 雷鳴が左右の乳首から乳房にまで伝わって、心臓まで震わせます。
「あんっ……あんっ、あああ……」
 雷鳴とか稲妻とか、比喩表現をしている余裕がなくなってきました。快感が乳首を貫き乳房を震わせるのです。
 そこまでわたくしを追い込んでも、ソールベイは不服のようです。仲間に枕を持って来させると、わたくしの腰を持ち上げてお尻の下に押し込みました。そして、天に向かって突き上げた股間をから陰核をほじくり出しました。
 包皮を剥かれる感触に続いて冷たく細い感覚が……
「ひゃうんっ……!」
 実核までヘアピンに挟まれたのです。けれど乳首みたいな純粋の快感は生じませんでした。ヘアピンが回転すると、それに引きずられて陰核がぐにょんと変形します。すぐにヘアピンが抜けてしまいます。
 ああ、良かった。乳首だけでこの有り様です。何倍(何十倍?)も敏感な陰核、それも剥き身の実核に同じことをされたら、アリスにされて、もうすこしでどうかなるところだった、その先へ達していたでしょう。そこは足を踏み入れてはならない禁断の地だと、わたくしの本能が告げています。
「これを使ったら、どうかな。ニリッサは、白目を剥いて気を遣るていうか、気を失うんだぜ」
 もう一人の経験者であるガース・ルドロウが歯ブラシを手に持って、わたくしを挟んだ反対側にしゃがみ込みました。そして、包皮を剥き下げられてヘアピンで固定されている実核に歯ブラシで触れたのです。
「ひゃあっ……?!」
 ちくっとブラシの先が突き刺さってきて、凄まじい稲妻が走りました。痛みはあったのですが、その何倍もくすぐったくて、それよりも……快感なのでしょうか。びくんっと腰が跳ねました。みずから実核をブラシに押しつけた形になって、一瞬さらに刺激が強くなったのですが。そんなのは序奏でした。
 歯ブラシが、さわさわっと小さく動いて……
 「いやあああああああっっ……!」
 叫びました。
 無数の針に刺されたような鋭い痛みと、腰全体が砕け散るような、混じりっけ無しの、恐怖の塊のような快感……なのでしょう。
 びくんびくんと跳ね続ける腰。ルドロウは馬乗りになって腰を押さえつけ、しつこく歯ブラシを動かします。
 上からのぞき込む二人の顔もその後ろの景色もはっきりと見えているのに、すうっと視界そのものが遠ざかるような奇妙な錯覚。
「やめて、やめて……分からない、分からなくなっちゃいますううう!」
 無意味な言葉を叫ぶうちにも、さらに快感が膨れていって……不意に止まりました。
 ソールベイの顔が小さくなって、向きを変えて……膣口が拡張される感覚。ずぐうっと、怒張した陰茎が膣に押し入ってきました。すうっと、訳の分からない快感が引いていって、目の前にはソールベイの顔。あり得ないほどに鼻が膨らんでいます。
 ただ目をそらすだけでは気が収まらず、露骨に顔を背けてやりました。
「なんだよ。そんなにぼくが気に食わないのか。ひと晩に五人も六人もはめ狂うビッチのくせに」
「気に入らないのは、あなたではありません。こういうことをされるのが嫌なのです」
 言うだけ無駄と分かっていても、信じられないほどの快感を台無しにされた腹立ち紛れです。
「うそつけ。あんなに激しく善がってたじゃないか」
 彼も腹を立てたのでしょう。腰を激しく打ちつけてきて――すぐに果ててくれました。
 三日前のときは、ひとり終わる都度にレイカーが携帯ビデで洗浄してくれたのですが、今日は次の人のセルフサービスです。コーラの瓶を激しく振ってから、泡を吹き出している口を膣に挿入されました。性交よりも、よほど気色悪いです。
 手錠でX字形に張り付けられているから、自分で手加減することも出来ません――ではなくて。たとえ両手が自由で、携帯ビデを持たされたとしても、命令で強制されるまでは決して自発的に使ったりはしなかったでしょう。陵辱される準備を自分でするなんて真っ平です。そういう意味では、拘束されているのがありがたかったくらいです。
 ソールベイの後は童貞の二人が、彼に負けないくらいのスピード記録を達成しました。しんがりのルドロウは、三人を合わせた時間の倍くらいは粘りました。
 童貞五人のキャンプでは、用済みになってすぐにキャンプから追い出されたのですが、今日はさらに遊ばれました。張り付けからは解放されたのですけれど、三点の突起に着けられたヘアピンをそのままにされたのです。詳しくいうと、乳首のヘアピンは水平に、陰核のヘアピンは垂直にされました。外れないように、ピンの先端を小さな輪ゴムで縛られたので、圧迫が強まりました。
 自分では決して触るなと命令されました。だから、もしも(仮定法過去ですよ)乳首のヘアピンを回してみたくなっても出来ません。
 それから、『サイモンの命令(Simon says)』という遊びをさせられました。本来の遊び方は、大勢の中で一人がサイモンになって単純な動作をしながら「サイモンの命令、○×をしろ!」と指示します。みんなは、言われた通りにするのですが、「サイモンの命令、右手を上げろ!」と言いながらサイモン役は左手を前に突き出したりします。動作を真似たら間違いです。あるいは「ぼくの命令、ジャンプ!」とか「頭に触れ」とか、キイワード「サイモンの命令」がない指示にも従ってはいけません。
 間違えた人から抜けていって、最後まで残った人が次のサイモンになるという、ただそれだけの遊びです。低学年の子ならともかく、Y13にもなってするような遊びでは――あったのです。
 四人がサイモンになって、指示に従うのはわたくしだけという変則的な遊び方です。そして、間違えたらズボンのベルトでたたかれるのです。
「サイモンの命令、おっぱいをもめ」
「サイモンの命令、マンコに指を挿れろ」
「サイモンの命令、乳首のヘアピンを回せ」
「サイモンの命令、もっと速く回せ」
 自分で自分を刺激するなんて、四人に見られながら自慰をするに等しい行為です。そう思うと、胸いっぱいに羞恥があふれ、腰の奥で憤怒がうねります。
「回し続けろ」
 バチン!
「きゃあっ……?!」
 お尻をたたかれました。
「ただ『回し続けろ』って言ったんだから、止めなきゃ駄目だろ」
 そうでしょうか。論理的に考察すると、「回し続けろ」の命令は無視して、「サイモンの命令、もっと速く回せ」を継続していると――解釈したって無駄ですね。わたくしに恥ずかしいことをさせて、口実を設けて虐めるというのが、この遊びの目的なのですから。
 二人から矛盾する命令を出されたり、単純にわたくしが間違えたりして。お尻に六発、乳房に二発、股間に三発のベルトを受けて、ようやくゲームは終わりました。最初みたいな不意打ちは少なくて、「サイモンの命令、右手で右手をつかめ」なんて不可能な指示を実行できなかった罰として股間をたたかれる前には「サイモンの命令、足を開いて腰を突き出せ」なんて言われたりしました。
 言葉のどんな意味においても玩具として弄ばれている。そう思うと、頭がくらくらして、全身が屈辱で火照りました。膣からこぼれた熱い滴りは、きっと涙です。
 ――キャンプは他にも何組かありましたけれど、わたくしが貸し出されたのは、この二回きりでした。
========================================

 それは、そうと。大きな見落としをしていました。日本でなら、それ系の私学でない限りスルー出来る宗教。
 大急ぎで、大講堂に教会が付属しているとか、悲劇の始まりを6/14の勝利の日ではなく、戦勝の翌日、神に感謝を捧げる全学集会(プロテスタントでは、ミサとはいいません)の直後にして。Sodomy(大罪です)あたりで、神への懺悔を考えて、いいえ、わたくしは被害者ですと思い直して、ついでに、最初の頃に破廉恥な(ノーパン超ミニ裸ジャンスカ)を神に懺悔しなさいと神父に諭されて、以来、教会には足を踏み入れていないとか――いやあ、ワープロって便利ですねえ。


 さて。6/23は大いなる骨休めでしたが、今日6/26は夕方から飲み会。まあ、午後1時時点で18枚は書いてますけど。
 英気を養って月末に向けてニトロ注入メタノール噴射と参りましょう。


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全裸労働、処女喪失、生徒たちに弄ばれるシーン、どれも素晴らしいですね!
7月10日が待ち遠しいです!
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