Progress Report(third) Final:昭和集団羞辱史/物売編(夜)

 どどどっと怒涛の勢いで脱稿。
 校訂と次作(Saducation 2084)を急ぐので、責めシーンを一挙公開。これを読んで『秘写真』全公開の体験版をDLすれば、製品版は不要?
 最近はイコカにスイカにピタパで切符不要なのにキップが良いねえ。


不安な前途→ほころぶ蕾→マンコ椿は→斬新な衣装→
縄張の譲渡→凌辱と拷問→蕾への拷責→売春労働者


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   凌辱と拷問

 これでは娼売は出来ない。かと言って、田所の軍門に下るのは真っ平。多恵は表向きの花屋だけを続けると決めた。
 売子とは雇用関係に無く、花の中間卸しと小売の形にしているが、多恵は貯金の半分をはたいて、爪に火を灯せば三月やそこらは暮らしていけるだけの『退職金』を出してやった。
 華代はそれを固辞して、花屋を手伝うことにした。非力な女でも独りよりは二人のほうが心強いし、多恵と心中することが、せめてもの父に代わっての謝罪でもあった。
 多恵も、強くは説得しなかった。むしろ意気に感じてくれて――いよいよ明日からは新生『椿姫』の再出発という夜に、景気付けということか。角瓶の喇叭飲みではなく、水割りを二人して嘗めて。ついに、華代の渇仰を潤してくれたのだった。
 多恵からの一方的な翻弄ではあったし、いわゆる中逝きではなかったが、華代は険しい山道を登り詰めて、虚空に飛翔したのだった。
 ――景気付けの御利益などあるはずもなかった。
 店先に飾る花などは、同業他店に押さえられて、新規開拓の余地は無い。ヤクザの後ろ盾があればともかく、妨害してくるのだからなおさらだ。
 近隣には挨拶に回ったが、おいそれとは信用してもらえず、しかもヤクザとの揉め事は直に見聞している。注文を出してくれる事務所も、足を運んでくれる主婦も居なかった。盛り場から少しだけ離れた雑居地には、花に足を止める通行人も少ない。
 枯らして捨てるしかない花を大量に仕入れるわけにもいかず、品揃えは少なくなり、ますます集客力が無くなっていく。ジリ貧どころか、破産一直線というのが偽らざるところだった。
 しかし。経済的な破綻よりも、物理的いや肉体的な破滅のほうが、ずっと早く訪れたのだった。

 今日の売上は六百円だけで、仕入値との差し引きは四百円だが、枯らした花は仕入値で三百円分。店舗と住居の光熱費を加えると、それだけで赤字。二人の食い扶持は完全な持ち出し。
 二人して溜息をつきながらシャッターを下ろそうとしたとき。狭い道を夕暮れ時のスモールランプも点けずに走って来た幌付きの小型トラックが目の前で停まった。助手席と荷台から男が飛び出してきて、多恵と華代の背後から襲い掛かり、手で口をふさぎながら荷台へ押し上げた。
 荷台には、さらに二人の男が乗っていた。
「んむううっ……むぶう!」
 トラックが動きだす。
 多恵も華代も、口にガムテープを貼られ後ろ手に縛られて、木箱に押し込められた。ドスンドスンと振動が伝わってくるのは、偽装のために箱を積み重ねているのだろう。
 これから、どうなる――いや、何をされるのだろう。華代は息苦しいまでの恐怖に襲われていた。ヤクザの抗争でも、敵をドラム缶にセメントで固めて海へ捨てると……誰かに聞いた噂だったか、小説の作り話だったか。相手はイタリヤのヤクザを真似ているという。テレビで観た実録物のギャング映画では、機関銃で警官隊と渡り合っていた。確か、ギャングはイタリヤ移民のアル・カポネとかいってた。
 日本のヤクザより残酷なのだったら……そこから先は、本能が思考を停止させた。
 生きた心地も無いままに三十分なのか三時間なのか、運ばれた。あまり揺れなかったから、奥深い山の中で生き埋めにされるのではなさそうだ。
 またゴトゴトと物音がして、ふわっと宙に浮く感覚。斜めにされて、また水平に戻されて、不規則に揺すられる。トラックから卸されて、どこかへ運ばれているのだ。
 そんなに長い距離は運ばれなかった。
 最後に、ゴトンと硬い床に置かれる響き。すぐに蓋が取り払われて、華代は眩しさに目が痛くなった。
「巻き添えにして済まねえな。用が済んだら、無事に帰してやるからよ」
 聞き覚えのある声だった。逆光で顔の分からない男に抱き上げられて、華代はだだっ広い部屋の隅にピラミッド状に積み上げられた木箱に座らされて、さらに縄で身体を木箱に縛り付けられた。
「んんんっ……?!」
 ようやく男の顔がはっきりと見えた。華代が娼売を始めた初日に、スズの紹介で自分を買ってくれた男――青野だった。
 青野は鴉丸組の人間のはず。でも、向こうで多恵さんを囲んでいる四人の男のうちのひとりは、ソフト帽こそかぶっていないが、フォルザ一家の田所親分ではないかしら?
 そんなちっぽけな疑問は、多恵の姿を目にして吹っ飛んだ。
 おそらく倉庫だろう、広い空間の中央で――多恵は手首を後ろで縛られたまま、立たされている。その手首を、天井から垂れている太い鎖につながれていた。
「巻き上げろ」
 田所親分の言葉に子分のひとりが、太い鎖の脇でU字形に吊られている細い鎖を手繰った。
 チャリチャリチャリ……
 多恵の腕が少しずつ吊り上げられていき、水平になってからは上体が前へ傾いていく。
「んんんっ……んんんんっ!」
 多恵も華代と同じようにガムテープで口をふさがれているから、くぐもった呻き声しか漏らせない。それでも、苦痛に悶える声だと、はっきり分かる。
 やがて、これ以上は上体を倒しても直角に突き出した腕は上がらない限界に達して――踵が浮いていく。
「それでいい」
 部下がチェーンから手を放しても、天井の巻き上げ装置は逆転せず、多恵を吊ったまま止まっている。
 田所が多恵の口からガムテープを剥がした。
「これが、愛人にしようって女にする仕打ちかい?」
 ぱしん、ぱしん。田所が平手打ちを頬に見舞った。
「俺の愛人になるか、フォルザ一家のダッチワイフに堕ちるか、おまえの料簡次第だぜ」
 顎に手を掛けて顔を上げさせた田所に向かって、多恵は唾を吐き掛けた。田所の顔には届かず、唾は田所の胸を汚した。
 田所は怒らず汚れを拭いもしなかった。
「そうかい。それが返事だな」
 静かに言って、服を脱ぎ始めた。ワイシャツも脱ぎ、ズボンまで脱ぎ捨てた。下は肌に貼り付くような半袖シャツと膝丈のタイツ。そのタイツから引き抜いたのは匕首ではなく大振りなジャックナイフ。
 そのナイフを多恵の喉元に突き付けて――一気に服を切り裂いた。
 気丈にも、多恵は無言で田所を睨みつけている。か細い悲鳴のように、赤い血が腹からスカートに向かって流れた。
 そのスカートも切り裂かれ、パンティだけは田所が手で引き裂いた。
 スカートは床に落ちて下半身は剥き出し。上体は前をはだけたというよりも、布切れを背中に貼り付けている。
「若い時分は何百本と咥え込んで、挙げ句に鴉丸のお古か。まあ、鴉丸との講和条約があるから、一度は突っ込んでやるぜ」
 多恵の背後から覆いかぶさって、双つの乳房をわしづかみにした。
「ぐううう……ど畜生め」
 多恵が歯軋りする。肩をねじられている苦痛と、乳房への凌辱の苦痛と怨詛。
 田所は片手を放してタイツをずり下げると、その手を多恵の前へまわして股間を嬲る。嬲りながら、尻の谷間に逸物を擦り付ける。
 指の細かい動きまでは華代から見えないが、そうとうな手練れなのだろう。多恵が悔しそうに呻いているので、それが分かる。
「畜生……あんっ……なんだって、こんなやつに……やめとくれよ……くうう」
 田所は多恵の訴えを聞き容れて身を離した。のは、次の動作に移るためだった。
「これだけ濡らしときゃ、すんなり挿入(はい)るだろうぜ」
 田所の股間は、中年男とは思えないほどに天を衝いていた。多恵がこれまでに見たこともないほどに太く長く……醜いほどに雁首がデコボコしている。真珠を埋め込んでいると称する客もいたが、これほどではなかった。
 田所は両手で多恵の腰をつかむと、その女穴に挿入(はい)りそうもない代物を後ろから突き立てた。
「あああっ……くそっ……ど畜生め、ど畜生め……」
 多恵はひとしきり怨詛の声を発した後、田所が腰を動かし始めると黙り込んだ。
「そら、気持ちいいんだろうが。遠慮するこたあねえ。艶っぽい声で哭いてみやがれ」
 田所がゆっくりと腰を動かす――かと思えば、数回激しく抽挿する。
「あっ……やめとくれ。いやだいやだ……くそおおお」
 呪詛の声に甘い響きが混じり始める。
 ぱんぱんぱんぱん。肉を打ち付ける音が広い空間に響く。
 ふっと視野の片隅に動きを認めて、華代はそちらを見て――ぎょっとした。田所の手下どもだろうが、若い男ばかりが十人以上もひと塊になって、多恵が悶えるさまを眺めている。田所は背広、華代と多恵を拉致した連中は青野を含めて作業服を着ているのに対して、この連中の服装はまちまちだった。あえてひと括りにすれば――街のチンピラ。
 いったい、彼らは何のために集められているのか。ますます不安が募る。
「あんんっ……畜生、畜生。いやだ……駄目、くる……」
 不自然な姿勢で吊られている多恵の裸身が、いっそう不自然に反り返った。絶頂に達する……寸前で、田所は後ろへ下がった。射精したのではない。多恵の分泌にまみれた怒張は衰えを見せず天を衝いている。
「あああっ……どうして?」
 多恵が切なそうに恨みの嘆きを吐いた。
「書類にサインしたら、続きをしてやるぜ?」
 田所は多恵の耳元にささやきながら、また覆いかぶさる。体重をのしかけながら、乳首とサネを繊細に嬲る。
「ああっ……いやだ、やめとくれ」
 多恵が訴えると、田所はあっさりと引いて。
「あんんんっ……もっと……虐めて……」
 多恵に本音を吐かせる。そして、また苦痛と快楽の両方を与える。しかし、処女には地獄の激痛を年増には極楽の法悦を与える巨根は女淫に軽く擦り付けるだけ。
「挿れてほしいんだろ。サインすると言いな。いや、実印と権利書の在りかを教えてくれるだけでいいんだぜ」
 委任状など、いくらでも偽造できる。
 さすがに、多恵は幾分か正気付いて、気力を振り絞って拒絶する。
「誰が渡すもんか。あれは、うちの御城だ。こんなチンポ一本と引き換えになんかしてたまるもんか」
「それなら、チンポ十本とじゃどうかな……おい」
 田所がチンピラの群を振り返って、顎をしゃくった。チンピラどもが、多恵を取り囲んだ。
「おまえらの粗チンじゃ、束にならなきゃ勝てねえぞ。ケツも口も、まとめて突っ込んでやれ」
 ちゃりちゃりちゃり……鎖が巻き下げられて。多恵には、立っている力が失せていた。床に崩折れる。作業服姿の男が二人掛りで、多恵を縛り直した。背中にまとわり着いていた衣服の残骸を剥ぎ取って全裸にして、手首を肩までねじ上げて縛り、胸にも縄をまわす。脚は折り曲げて、開脚させて逆海老に縄を掛けた。
 縛られているうちに多恵は強いられた快楽の余韻を醒ましている。仰向けに転がされても、気丈に田所を睨みつける。
「犯るならやりやがれ。こちとら、二十人三十人のソ連兵に輪姦(まわ)されたんだ。ヘナチョコチンポの十本や二十本に泣きをいれる多恵さんじゃないよっ」
 さすがに田所は動じなかったが、チンピラどもはたじろいだ――のは、ズボンの膨らみ具合で分かる。それでも、てんでに下半身を露出して、多恵に襲い掛かる。
 仰向けの多恵に正常位の形で突っ込んで、抱き締めて寝返りを打って、背後から二人目が尻を犯す。下の男が多恵の乳房をつかんで押し上げ、上の男は多恵の喉に手を掛けて引き起こす。三人目は膝を突いて、呼吸を妨げられて半開きになった口を凌辱する。
 男どもも不自然な姿勢なので、肉を打つ乾いた音は響かないものの、サンドイッチにした女肉を三方向から貪り始めた。
 ああ、そうか。お尻の穴も使えるんだ――そのことを、華代は初めて知った。性器と口を同時に使われたことはあったが、肛門に挿入された経験はない。
「ボス。散々見せつけられちゃたまりませんです。こいつ、姦っちゃっていいですか?」
 青野が華代の肩をつかんだ。
「そういう約束だったな。好きにしろ」
「ありがたい。それじゃ遠慮なく」
 まさかそれだけではないだろうが、華代を自分のものに出来るというのが、青野が鴉丸組を売った理由のひとつらしい。
「暴れないと約束するなら、縄を解いてあげるよ?」
 猫撫で声に、背筋を悪寒が奔った。華代は多恵に倣って青野を睨みつけた。口をふさがれていなかったら、乏しい語彙のありったけで詰ってやりたかった。
「そうかい」
 青野は多恵のところまで行って、まだ残っていた縄を持って来た。
 木箱の縄をほどいて床にひざまずかせ、上体を押し倒す。
「ツボミちゃんが強情だから、こうしちゃうよ」
 華奢な華代の腰に馬乗りになって動きを封じておいて、手首の縄をほどいた。片手ずつ引っ張って、手首と足首をひとまとめに縛る。
 華代は俯せで尻を高く突き上げた形に拘束された。両脚は自然と開いてしまう。
「へへ。いい眺めだぜ」
 もちろん、眺めているだけでは済まない。スカートをまくり上げパンティを引き下げて、尻も女性器も剥き出しにした。
「ツボミちゃんは、まだ誰にもケツマンコを許しちゃいないよな?」
 そんなこと、多恵にさえ話したことはない。当てずっぽうなのか、多恵がそこを犯されるのを見たときの反応からの推測なのか。まさか、華代が寝た客の誰彼に問いただしたわけでもないだろう。
「初物は俺がもらってやるよ」
「んんんん、んんっ……」
 華代は全身を揺すって拒絶したが、その仕草は青野を誘っているようにしか見えない。
「よしよし。待っといで」
 青野がズボンを脱ぐ。
 そのわずかな合間に華代は多恵の様子をうかがって、驚きの目をみはった。
 最初の三人はとっくに終わっていて。多恵は胡坐を組んだ形で低い位置に吊られていた。その下に男が仰臥して腰を突き上げている。そして――二人の男が多恵の膝をつかんで、ぐるぐる回していた。
 田所の指図で、細い鎖が手繰られては巻き戻されている。
 つまり多恵は、女芯をミキサーのように掻き回されながらゆっくりと抽挿されている。粗チンであっても、刺激は田所の魁偉な巨根に匹敵するのだろう。
「いあああっ! あえええ……」
 縄の猿轡を噛まされているので、不明瞭な声は出せても言葉にはなっていない。
「ふへええ。こりゃまた……そう言や、イタリヤは色事の本場だったな。ああいうのもあるんかいな」
 青野が歎声を発した。
 まさか、お尻の次はあれをやるなんて言い出すんじゃないでしょうね。多恵に同情するよりも、自分の心配で華代は手いっぱいだった。
 青野も同様。多恵から目を離して、目下の獲物に取り掛かる。
「ちっと痛いけど、二度目の初体験だと思って我慢するんだよ。ケツマンコは、男も女も病み付きになるって話だからね」
 話に聞くだけで経験はないのだろう。肛門を揉みほぐしたりもせず、手に吐いた唾を怒張にまぶしただけで、いきなり挿入に及んだ。田所の指示で多恵を犯したチンピラどもを真似たのだろうが、田所には女を辱め苦痛も与えるという確たる目的があったのだろうなどという推察には欠けていた。
 おかげで、華代の二度目の初体験は、最初のときよりも甚だしい苦痛を伴う結果になった。
 最初は肛門を圧迫される著しい不快感だけだったが。ぐぼっと突き抜けられた瞬間、灼熱した杭を打ち込まれたような衝撃に襲われた。
「んんんっっっ……むぶうううう!」
 激痛から逃れようと尻を振り立てて、みずから傷口を広げる結果になった。華代に出来ることは、出来るだけ身体の力を抜いて肛門も緩めることだけだが――その知識も無かった。抵抗を封じられ痛みを訴えることも出来ず、暴辱の嵐が吹き終わるのを待つしかなかった。
 もっとも。激痛に筋肉を強張らせていたのが幸いした面もあった。あまりの締め付けに、青野は十回と抽挿しないうちに果ててしまったのだ。
 早漏は男のプライドをずたずたに引き裂く。まして、抜去した淫茎に汚物が付着していれば幻滅も倍加する。
「うへえ……」
 青野は華代の縄を解いてやることも忘れて、倉庫の隅にある水栓へ飛んで行った。
 さすがに、汚れを洗って服装も整えると。今日からは自分の女(それとも、彼の妄想の中では養女か)にするつもりの少女への気遣いも取り戻して。
「もう、ひどいことはしないから、暴れるんじゃないよ」
 縄を解き口のガムテープも剥がしてやって、華代の汚れを洗い落としてやる――のは拒まれて、水栓の前にしゃがみこんで自分で洗う華代を眺めていた。
 その間にも、多恵への凌辱は続いている。今度は吊るしたまま肛門を貫き、男たちも要領が分かってきたので、独楽のように多恵をぶん回した。これは失敗で、多恵は目を回してしまい、善がるどころではなかった。
 慈悲を願っても無駄なのは分かり切っているから。華代は青野の膝の上に座らされ背後から抱き締められ、身体をまさぐられるにまかせながら、凌辱に曝される多恵を見守るしかなかった。
 権利書は自分が持っている。そう叫びたい衝動を抑えていた。権利書があっても実印がなければ名義の書換は出来ないのだし。何よりも多恵が、死んでも城を明け渡さない覚悟を固めているのだから――青野に可愛がられている自分が、かえって惨めだった。
 暴辱はエスカレートする一方で。多恵を抱え上げて立ったまま挿入して。さらに後ろから尻も犯すどころか、膣への二本挿しまでやってのけた。すでに多恵は善がるどころか息も絶え絶え。本来の意味で逝くのではないかと華代は恐怖に駆られていた。それでも、華代は多恵の意志を尊重する、いや、殉ずる覚悟までしていた。
 十数人による凌辱が終わって、多恵はボロ雑巾のように床に転がされた。
「まったく強情な女だ」
 田所は忌々し気に――ではなく、愉快そうに嗤った。何を思ったか、まだ青野に弄くられている華代に近づいて。
「お嬢ちゃん。イソップ物語の『北風と太陽』の話を知ってるかね?」
 それを読み聞かされなかった子供など日本には居ないのではないか。この人は何を言いたいのかと、華代は訝った。
「イソップ物語は大昔のギリシャで書かれて、リナシメント・イタリアーノで世に広まった。というわけで、マフィアの強面(こわもて)といえど、良く知っている」
 話がまったく見えなかった。
「お伽話とは違って、太陽は旅人のマントを脱がせられなかった。これからは北風の出番だというわけだ。どうだね。お嬢ちゃんからも、あの女を説得しちゃくれないかな。俺の北風は厳しいぜ?」
 具体的なことは分からないが、多恵がもっと残酷な仕打ちを受けるということだけは明確に理解できた。それでも、華代は田所を睨みつけるだけだった。
「そうかい。是非に及ばずってやつだな」
 田所はきびすを返して多恵に歩み寄った。脇腹を蹴ってか細い呻き声を引き出してから、作業服姿の男たちに命じる。
「吊るせ。脚は思い切り開かせろ。猿轡は外してやれ。ヴィオレッタのアリアをたっぷり愉しみたいからな」
 たちまちに支度が調えられる。
 すでに背広を着込んでいたが、今度は上着だけを脱いで。ズボンからベルトを引き抜いた。
「こいつは特別誂えで、芯に薄い鋼が仕込んである。ドジを踏んで敵に捕まっても、まさかベルトまでは取り上げられないからな」
 バックルを握ると、近くにあった木箱をベルトで力いっぱいに打ち叩いた。
 ぶゅん、バギャン!
 箱が割れた。
「ここまで本気は出さないが……それも、おまえの心根次第だぜ」
 武器と呼ぶにふさわしい鞭で叩いてやると威されて、多恵の顔が強張った。しかし、降参はしない。
「なんだって、あんな狭い土地としょぼい店舗にこだわるんだい。誰の名義だろうと、花束売りを続けさせるには構わないのに。まあ、花束売りなんかうちの子たちに二度とさせないけどね」
「ふん。あれだけ突っ込まれてもケロリンカンか。悦ばせただけだったようだな。しかし、こいつは、そうはいかないぜ」
 田所は二歩上がるなり、ベルトを下から上へ振り抜いた。
 バチイン!
「いぎゃああああっ!」
 股間を鞭打たれて、多恵は絶叫した。反射的に脚を縮めて股間を庇おうとしたが、足首を左右に引っ張っている縄は中身の詰まった木箱につながれているので、わずかに膝を曲げて太腿と脹脛を痙攣させただけだった。
「いい声だ。だが、アルトがかってるのが珠に瑕だな」
 アリアとは、そういう意味だった。
「ソプラノとなると、あっちのお嬢ちゃんの声がそれかな」
「華代は関係ないだろ!」
 多恵が悲痛に叫ぶ。
「あの子は独り立ちできない売子だから、住まわせて面倒を見てやってるだけ。あの子に手は出さないで」
「チンポは出しちまったがね」
「三下は黙ってろ」
 青野の半畳をドスの利いた声で封じて。
「ふうむ……?」
 華代を見詰める。
 凄まじい眼光を浴びて、華代は思わず、自分を凌辱した男に庇護を求めるように、抱き締められている身体を自分から密着させた。
「目的は権利書と実印なんだろ。だったら、うちを好きなだけ拷問するがいいさ。絶対に白状しないからね」
 田所の関心を華代から逸らそうとしての挑発だったが――あるいは、華代を庇おうとする必死さを、田所の心に植え付けたかもしれない。いずれにしても田所は、まず多恵を徹底的に甚振るつもりだったのだろう。
「そうかい。では、お言葉に甘えさせてもらうぜっ」
 田所は振り返る勢いを乗せて、ベルトを水平に薙ぎ払った。
 バチチイン!
「ぎひいいっ……!」
 双つの乳房が爆ぜて、激しく揺れた。
「ふん。手加減し過ぎたか。赤くなっただけで、肌が裂けていねえぜ」
 しかし田所には、早々に多恵を壊すつもりは無いようだった。背後へ回り込んで、立て続けに斜めにベルトを振るった。
 バチイン!
 バチイン!
 バチイン!
 尻全体がひしゃげて揺れて、またひしゃげる。
 しかし多恵は、悲鳴を噛み殺して耐えた。田所を愉しませてやるつもりは無いということだが。意地を張って耐える女の風情も田所を悦ばせる――それは、彼のズボンの前を観れば分かることだが、多恵からは見えない。
 バチイン!
「ぎゃわああああっっ……!」
 尻の間から股間にまでベルトを打ち込まれて、多恵は二度目の絶唱を歌った。
 田所が満足げに目を細める。そこに宿った嗜虐の焔は、女への加虐に愉悦を見い出す男が存在するという事実を、華代にもはっきりと理解させた。
 尻を十発ばかり鞣して、次は背中を数発。それから、いよいよ本格的に正面を痛めつける。乳房も腹も太腿も左右から斜めに滅多打ち。
 最初のうちは打たれるたびにあげていた悲鳴も途切れがちになり、ついには、頭をがくりと垂れたまま、全身を小さく痙攣させるのは筋肉の反応なのか、ベルトの衝撃で揺さぶられているだけなのか。
 そこまで追い込んで、ようやく田所は手を止めた。
「どうだ。まだ強情を張るつもりか?」
 多恵は答えない。いや、答えられない。
 田所は満足そうに頷いて。
「注射をしてやれ」
 田所が声を掛けた相手に、華代は見覚えがあった。店に押しかけて来た三人のうちの、多恵が書類を突っ返した男だ。
 男は胸ポケットから小さな箱を取り出した。中には注射器が入っている。
 鎖が巻き下げられて、裸身が床に仰向けに転がった。
 男が多恵の腕に注射器を突き立てた。注射を終えると腕時計を一瞥して引き下がる。田所も背広を着直して木箱に腰掛け、気障ったらしく葉巻をふかす。
「中休みか。それじゃ俺たちも、もっとリラックスしようね」
 青野が華代の腰をつかんで持ち上げ、回復した怒張を本来の位置にあてがうと、ゆっくりと華代を下ろした。
 半年の娼婦生活でも経験したことのない体位で、刺激される部分が違っていた。が、それを味わう裕りなど、あるはずもない。
 青野は挿入したものの、まるきり身体を動かさない。それが、青野の言うリラックスなのだろう。
「そうだ。ツボミちゃんはオマンコをぎゅっと締めてごらん。腰を動かさずにお兄さんを逝かせたら、ご褒美をあげるよ」
 褒美なんか欲しくないし、ゴムを着けずに中で射精(だ)されたら困る。けれど、田所の凄まじい暴虐を見せつけられていては、青野に対しても恐怖しか感じない。華代は渾身の力で括約筋を引き締めた。
「おおお。いいねえ。それじゃ、緩めて。はい、締めて。このリズムに合わせて締めるんだよ」
 両手で華代のささやかな乳房をつかんで、もぎゅ、もぎゅ、もぎゅと揉み始めた。
 乳房を圧迫されるたびに、華代は括約筋を引き締める。
 そんな戯れ(?)は十分ほどで終わった。
 注射をした男が、まだ手首を縛られて人の字形に転がっている多恵の脇にしゃがみ込んだ。
「あなたの名前を教えてください」
 今さら何を尋ねているのかと華代は訝ったが。場違いに優しい問い掛けに、多恵は素直に答えた。
「……宇佐美、多恵」
「歳は幾つかですか」
「……三十四歳」
「あなたのスリーサイズを教えてください」
「……上から九十、五十八、九十」
 何かがおかしいと、華代は気づいた。場違いな質問ばかりだが、そう簡単にスリーサイズを教える女性など居ない。まして、質問しているのは『敵』なのに。
「権利書はどこにありますか」
「知らない」
「まだしらばっくれてやがる。薬は効いてるのか?」
「しっ……あれだけ痛めつけてあれば、抵抗力など根こそぎのはずです」
 小声で口早に説明してから、多恵に向き直る。
「では、実印はどこにありますか」
「流しの下の天板に貼り付けた」
「なぜ、権利書のありかを知らないのですか」
「華代ちゃんに預けたから、どこに隠したか知らない」
「なるほど。わざわざ巻き込んだってことかい」
 田所が華代に歩み寄る。青野が慌てて腰をずらして抜去した。瞬時に縮み上がっている。
「言わないわよッ」
 機先を制して、華代が叫んだ。
「変な注射なんかしたら、舌を噛んで死んでやるから」
 田所が苦笑する。
「そういう気にさせないためにも、たっぷりとソプラノで歌ってもらわないとな」


   蕾への拷責

 田所は華代の腕をつかんで、鎖の下へ引っ立てた。
「同じことをしちゃ芸が無いぜ」
 床に押し倒して、片足にチェーンを巻き付けて。足一本で華代を逆さ吊りにした。それだけでもじゅうぶんに苛酷なのに。
 両腕を背中へまわさせて手首を腰の高さまで引き上げてから縛り、多恵の脚を開かせていた重たい木箱を真下へ持って来て、箱の隙間に縄をくぐらせて引っ張る。最初に多恵が吊るされたときの形を上下逆転させて再現したわけだが、腕が水平まで引き下げられて、これ以上は上体が前傾していく寸前で縄止めをした。そして最後に、残っている片足にも縄を掛けて、これは縄尻をうんと延ばして別の木箱に結び付けた。
 華代の姿は、片足を真横へ突き出し両腕をひとまとめにされて背後へ突き出して、まるで一本柱の帽子掛けだった――土台が無くて宙に浮いているが。
「くっ……痛い」
 横へ引っ張られて傾こうとする身体を、水平に突き出した腕を真下へ引っ張っている。斜めにねじられているから、後ろ手を単純に上へ引っ張られるより肩の負担は大きいかもしれない。
 華代が吊るされている間に、多恵は後ろ手に縛られ正座せられていた。膝の裏側に長い角材を通されて、直角に開脚させられている。正気付けば、角材はちょっとした拷問になる。
 田所はベルトをズボンに戻して、ジャックナイフを握った。
「あっちは素っ裸なんだ。おまえも同じ姿にならねえと申し訳が立たないよな」
 ブラウスもスカートもシュミーズもずたずたに切り刻んだ。乱暴に刃を動かすので、肌に数条の赤い線が走る。身じろぎすればいっそう刃に切られそうなので、華代は身体を固くして耐えるしかなかった。
 パンティを残して、田所は壁際まで下がった。
「青野よ。こいつは、おまえのスケにするんだろ。それなら、おまえが尋問するのが筋ってもんじゃないのか」
 問い掛けではなく命令だった。
 青野が、おっかなびっくりといった態で華代に近づく。
「なあ。あんな女に義理立てしても始まらねえぜ。権利書を、さっさとボスに差し上げろや。これ以上は酷いことをされないよう、俺からもボスにお願いしてやるからよ」
 華代は顔をそむけて意志を表示した。けれど……自分が権利書を預かっていると知られてしまった。部屋を家探しされたら、簡単に見つけられる。ボストンバッグの中敷きの下に入れて、古着を詰め込んでいるだけなのだから。
 それでも。白状するのは多恵を裏切ることだと思う。
 あたしは、父さんみたいに多恵さんを犠牲にしたりはしない。
 多恵と同じように拷問されて同じように注射をされて口を割らされる。それが、多恵の恩義に報いる唯一の道だと、悲壮な覚悟を固めると――胸に切ない感情が込み上げた。
 チッと、青野は舌打ちをして。華代のパンティに手を掛けた。
「女を責めるとなったら、どうしてもここになるんだぜ。道具が使い物にならなくなるかもしれねえ。それでもいいのか」
「壊してよッ」
 華代は気丈に叫ぶ。
「壊れちゃったら、二度とツボミを抱けなくなるよ。お兄ちゃんは、それでも構わないの?」
 啖呵を切っている途中で、ふっと計算がはたらいて、あえて『お兄ちゃん』と呼んでみた。手加減してもらえるかもしれない。
 もっとも。甘えながら拒絶するという矛盾に華代は気づいていない。女が筋の通らないことを主張するのに、男は慣れているだろうけれど。
 青野には青野で、ここでフォルザ一家をしくじれば、どこにも行き場所が無くなることくらいは弁えている。
「口マンコとケツマンコがあればじゅうぶんだぜ」
 精一杯にうそぶくと、一気にパンティを引き裂いた。田所を真似て、ズボンからベルトを引き抜く。
「おらあっ……」
 振りかぶるなり、華代の股間に真上からベルトを打ち込んだ。
 パチン!
「きゃああっ……!」
 鋭い痛みが股間から脳天まで突き抜けて、華代は悲鳴をあげた。覚悟はしていたつもりだったが、予想していたよりも痛みはずっと鋭く大きかった。
「ガキの遊びじゃねえんだ。気合を入れんか」
 青野の腕が委縮していると見て取って、田所が叱咤する。
「は、はい……あらあっ!」
 バチイン!
「み゙ぎゃあ゙あ゙っ……!」
 股間を真っ二つに切り裂かれたような激痛が爆ぜて、華代はソプラノで絶唱した。身体が自然と跳ねて、肩と股関節が悲鳴をあげた。
「いい音色だ。だが、女にはいろんな楽器があるぜ。万遍なく演奏してやれ」
 持って回った言い方だが、田所がどのように多恵を甚振ったかを目の当たりにしている青野には、じゅうぶんに通用した。
 バチイン!
 バッシャン!
 バシン!
 乳房、腹部、太腿――あちこちにベルトを飛ばした。
 華代は歯を食いしばって鞭打ちに耐えた。田所を愉しませてなるもんかという意地だったし、股間への鞭に比べればまだしもだった。
「多恵に似て強情な娘だな。青野よ、北風はやめて太陽にしてみろや」
「え……?」
 逆さ吊りにしていては、犯すことは出来ない。
「シロクロショーを見せろと言ってるんじゃねえ。道具を使え」
 田所が倉庫の一隅を指さす。そこには、多恵に使った角材や壊れた木箱などが集められていた。
 青野はあれこれ吟味して、迷いながら、短く折れた角材と大きなフックを選んだ。フックは、太い鎖の先に取り付けられている物と同じだった。
「なあ。ほんとうに壊れちまうぜ。俺のためにも素直になってくれよ」
 ツボミに悪くは思われていないという幻想が、そういう言い方をさせたのだろう。
 すでに華代は『お兄ちゃん』に甘える気力が失せている。青野の言葉を黙殺した。
「そうかい。可哀想だが、ボスには逆らえねえんだ」
 青野は華代の背後へまわって。『?』の形に曲がったフックの先端を肛門へあてがった。フックの先端は細くなっている。ずぶずぶとめり込んでいく。
「……痛い!」
 次第に太くなっているとはいえ、フックは青野の怒張ほどにも太くはない。しかし断面は正方形の角をいくらか丸めた形だから、異物感は淫茎の比ではなかった。さらに――青野が手を放すと、フックとそこに残っている短い鎖の重みが肛門を引き伸ばす。激痛ではないが、凌辱されているという思いが著しい。
「これが最後のチャンスだぜ。こんなぶっといのを突っ込んだら、ほんとの本当に壊れちまうぜ」
 青野が華代の目の前に短い角材をかざした。一辺が五センチはある。対角では七センチを超えている。しかも表面はささくれている。壊れないにしても、膣の内部がひどく傷つくことは避けられそうにない。
 それでも――華代は無言で『敵』を睨み返した。
「くそっ」
 青野は吐き捨てて。華代の股間に角材を押し付けた。フックと違って先細りにはなっていない。いきなり一辺五センチの凶器を押し込むことになる。
 青野は深呼吸をしてから――両手で拝むようにして角材を押し込んだ。
 めりめり、びきびきと――股間を引き裂かれる音を、華代は聞いたように思った。ベルトの鞭打ちとは違って、いつまでも続く鋭いと同時に重たい激痛。
「がはああああっっ……!」
 華代は絶叫して。息を吐き切ったまま、口を開け喉を引くつかせて悶える。手足を痙攣させているが、腰だけは杭に縫い付けられたように動かない。悶えれば激痛が跳ね上がる。
 青野が田所を振り返った。これ以上は勘弁してやってくださいと目で訴えているのか、次はどうしましょうかと加虐の指示を仰いでいるのか。
「突っ込んだだけじゃ、女は満足しないぜ。捏ねくりながら抜き差ししてやれ」
 すでに、華代の股間には血が滲んでいる。田所の言葉通りにしたら、夥しい出血を招くだろう。
 青野が躊躇しながらも、角材を握り直した――そのとき。
「やめてええっ!」
 多恵が血を吐くように叫んだ。自白剤の効き目が薄れて、華代が受けている仕打ちを理解できるまで見当識を取り戻したのだった。
「ツボミ! もう、いい。権利書なんか渡しちまいな」
「こんな奴らに屈しちゃ駄目!」
 殺されたって、こいつらの思い通りになってたまるもんか。それは、若さ故の無鉄砲だったかもしれない。
 しかし、オトナである田所は、ちゃんと落とし所を心得ていた。
「それじゃあ、多恵。俺の牝奴隷になって、絶対服従を誓うんだな」
 いきなり我が身のことに話が戻ってきて、多恵は烈しく頭を振った。拒絶ではなく、意識をしゃっきりさせるためだった。
「なってやるさ。ビルの天辺から飛び下りろってんなら、そうしてやるさ」
 田所が苦笑する。
「牝奴隷の作法をいちから躾けてやらないと駄目だな。おい、青野よ。そろっと抜いてやりな。壊されちゃあ、稼がせられなくなるからな」
 急転直下に、青野がきょとんとする。
「あの……権利書は?」
 田所が肩をすくめた。
「そいつが持ってると分かりゃ、家探しすれば出て来るさ。それに、持ち主本人と実印があれば、権利書が無くたって面倒な手続は要るが、名義の書き換えは出来るんだ」
 華代への拷問は不要なことだったと、手の内を明かした。
「それじゃ、なぜ……?」
「言っただろ。ソプラノのアリアを聞いてみたかったのさ。それと……」
 愉快そうな声が、一転して酷薄になる。
「おまえの性根を見定めるためだ」
「それじゃ……」
 ボスの命令を忠実に実行したのだから眼鏡に適ったと糠喜びの青野。
「イタリアじゃ、女を殴る男はクズのクズだ。相手がてめえのスケとあっちゃ、なおさらだ」
 青野の心境を漫画で表現するなら、顎が五十センチも落ちただろうか。
「しかも、盃をもらった親を裏切る。約束だから一家に迎えちゃやるが、三等兵からやり直すんだな」
 海軍には四等兵まであったが、こういった場合の引き合いに出されるのは昭和の帝国陸軍だろう。その最下級は二等兵である。
「もちろん、ツボミはやらねえよ」
「約束が違う。それに、あんただって、あの女を痛めつけたじゃないですか」
 当然の反駁だったが。田所がジャックナイフをぱちんと開くと、顔を蒼白にして口をつぐんだ。
「口の利き方に気をつけろ。一度だけは見逃してやる」
「女を拷問したのは、体力と気力を根こそぎにして、自白剤の効果を高めるための処置だ」
 多恵の尋問をした男が、青野に言い聞かせる。
「若い娘のほうには拷問も自白剤も不要だということは、当然に分かっているべきだ」
 それだけの頭も回らないようでは、使いっ走り以上の仕事は任せられないと、田所が断じる。
 ――こうして、拉致監禁拷問の一幕は急転直下に大団円(?)を迎えたのだった。貧乏くじを引かされたのは多恵だったか、青野だったか。道具を壊される寸前で終わった華代でないことだけは確かだろう。

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花売娘
 後は、取って付けて接着不良の短いエピローグで終わります。
 まだ2回目の校訂中だというのに、次作「Saducation 2084」(Pirison 2084 改題)のプロットに取り掛かっています。
 かいて(何を?)ないと、気が休まらない。病気ですかね。
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