Making of "Saducation 2084":1

 いつもいつも"Progress Report"では芸が無いので。他に意味とか理由はありません。
 本棚:Ponpoko Skin Calculationで『Prison 2084』としてるやつです。Sadistic educationくらいの意味の丁稚揚語です。
 今回はプロット紹介無し。賞味期限付も無し。第1稿を部分的に公開しながら、途中は粗筋で紹介していきます。
 まあ、全体図だけは公開しときましょう。


 拘束/獄房/検査/講習/作業/面接/妊活/継続

 これだけの章を100枚乃至200枚に詰め込みます。
 Zero Sum Short Storiesです。


さっそく、始めます。

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拘束

 今日は初出勤。先月に十八歳の誕生日を迎えて、聴者(listener)認定も受けたし。いよいよ一人前の社会人としての生活が始まる。成人としての責任は分かっているつもりだけど、スキップでも踏みたい気分。
 メトロの駅へ向かう彼女をパトカーがゆっくりと追い越して――すぐ前で停まった。
警官が降りて、彼女に向かい合う。
「警察の者です」
 バッジを提示される前に、警官の頭上にIDナンバーと認証標が表示されている。
「きみは、マリア2418だね?」
 正確にはマリア・スコット、ID173202236092418。相手が警官なら、それを承知の上での形式的質問だ。
 しかし、マリアの答に対する警官の対応は、まったく形式的ではなかった。
「きみは、潜在的危険人物よして、矯正治療の対象として拘束される。ただいまより、きみの人権は治療完了まで凍結される」
「え……?」
 ほとんど理解不能な警官の言葉。戸惑っているうちに、マリアはパトカーの後部座席に押し込まれた。
 続いて警官も乗り込んで、反対側のドアからも、もう一人がマリアをサンドイッチにした。
 三方向の窓ガラスが黒くなった。前席のバックレストから黒い仕切板がせり上がって――マリアは文字通りブラックボックスに閉じ込められた。
(ポパイ。状況を説明してちょうだい)
「申し訳ありません。AZオーバーライドにより、あなたへの一切の情報提供を禁じられました」
 ポパイの声がイヤホンに響いて――視界の隅に点在していた一切のアイコンが消失した。
 マリアは、裸で外に放り出されたような不安に襲われた。
「ねえ。どういうことなの。説明してください」
 しかし二人の警官は無言。行動で答えた。
 マリアを前かがみにさせて両手を背中へねじ上げて、手錠を掛けた。
 後ろ手錠は、被拘束者が暴れて自他に危害を及ぼす懸念がある場合に限られる。それを知っていたマリアは、ますます衝撃を深めた。どころか。
 警官が両側からマリアの膝をつかんで脚を開かせ、自分の太腿の上に乗せた。片手で脚を押さえておいて――左側の警官が、開脚させた中心へ手を差し入れて、ショーツの中にまで指を入れてきた。同時に右側の警官が、ボタンが千切れるのもかまわずブラウスに手を入れブラジャーを強引にずり上げた。
「やめてください。性的接触に同意しません」
 悪徳警官という言葉が日用辞書から消えて四半世紀。この行為も警官の職務遂行としか考えられないマリアは、言葉で抗議はしても、身もがきは肉体の不随意な反応にとどまっていた。
 股間を指でなぞっていた警官が、ショーツを引き千切った。それを丸めて握り込んで――不意にマリアの腹を殴りつける。
「うぶっ……もごぉ」
 苦痛に呻く口に、元はショーツだった布切れを押し込まれた。
「滅多にない人権凍結案件だ。ボーナスを愉しませてもらうぜ」
 人権凍結意味を、マリアはパンティと共に噛み締める。パンティを吐き出そうと思えば出来るだろうけれど、もっと非道いことをされかねない。
 予想もしなかった、展開も予想できない事態に怯えながら、マリアは自分の肉体をボーナスとして扱われるにまかせるしかなかった。
 パトカーはゆっくりと走って、途中でモニターを交代してボーナスを公平に分配しながら、それでも二十分ほどでマリアは――アイマスクで視界を奪われて、パトカーから降ろされた。それまでの間、マリアは女性器を指でこねくられ乳房を揉みしだかれ、不本意な反応まで引き出されて、それ以上の狼藉までははたらかれなかったものの、まともに物事を考えられる状態ではなかった。
 ブラウスをはだけられ両側から乳首をつまんで引き回されて――おそらく警察署の屋上へ連行された。
 アイマスクを外されると、今さらだが三人の女性警官に取り囲まれていた。
 命令されてイヤホンとコンタクトレンズを外し、マリアがポパイと名付けているスマートペンダントも取り上げられた。ますます素っ裸にされた気分。
 どころか、物理的にも全裸にされた。
「自殺の予防処置です」
 ブラジャーを首に巻き付けても自殺は可能だ。
 予防処置は入念で、口からパンティを吐き出すと、すぐにボールギャグを噛まされた。
 そして、紙オムツを穿かされて。柔らかな内張に覆われた『棺』としか形容できない細長い箱に寝かされて全身を革バンドで拘束された。蓋が閉じられても、内張自体が微かに発光していて、ほの明るい。
 カシン、カシンと小さな衝撃が伝わって、ぐうんと持ち上げられるのを感じた。屋上の十メートルほど上空に浮かんでいた自動車サイズのクワドローン。あれで運ばれるんだろうと見当が付いた。でも、どこへ?
 ――独りきりにされて、ようやく物事を考える時間が生じた。けれど、何をどう考えるのか、それが分からない。宝くじが当たって億万長者になるよりも、船が難破して独り無人島に漂着するよりも――現実離れした現実。
 それでも。これだけ理不尽な扱いを受けていながら。市民への声掛けから発砲までAIにリアルタイムで監査されている警官が、非合法行為をするはずがないと、それを信じようとする。一方で、人権凍結の言葉に怯える。それには生存権……まさか生命権まで含まれるのだろうか。
 AI……!
 ポパイが最後に告げた言葉を、マリアは思い出した。AZオーバーライド。まさか、Artificial ZEUSがPersonal AIに直接干渉するなんて……これはそんなに、人類全体に関わることなのだろうか。
 現在の世界は緩やかに統合されているが、いわば地方自治体としておおまかな三つのブロックに分かれている。それぞれのブロックに助言を与えているのが、クラウドAIのArtificial ALLAH、Artificial BUDDHA、Artificial CHRIST。これらの仮想統合人格がArtificial ZEUSとなる。百年昔なら『ビッグ・マザー』と呼ばれていただろう。
 もっとも、いにしえの『ビッグ・マザー』とは違って、AZが現実世界に介入するのは、AI工学の第ゼロ原則に関する事象についてのみと――一般には信じられている。A4にタイプすれば十万枚とも百万枚とも謂われるAZの倫理規範を厳密に解読出来る人間(個人でもチームでも)はいない。AIに解読させても、第ゼロ原則が優先される。つまり、「為になる」嘘を吐く。
 たとえば。死を極端に恐れている人間が死病に侵されている場合、「私は余命幾許も無いのか」と尋ねられたときに、PAIは不都合な情報をローカルストレージから削除して「保持しているデータからは、判断できかねます」と答える。なんなら、健康な人間の平均余命についてさらっと講義したりもする。
 つまり……マリアへの理不尽で非道な扱いについて、納得できる説明を与えられる可能性はきわめて小さいのだ。
 受け容れるか、自殺――は、入念に遠ざけられていた。

 マリアの感覚では二、三時間。無音ローターらしいから、距離にしてせいぜい数百キロを運ばれて、マリアは棺から出された。

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箱詰め1
 典型的な短編の書き方ですね小説作法講座。
 いきなり「惹き付け」の凌辱シーンです。そして、場所移動の(小説内での)時間経過を利用して背景を説明しています。
 まだまだ設定はありますが。随所で詳述するか、読者が勝手に想像しんさいと突っ放すか。SFとしては詳述したいのですが、それすらも20世紀末ですでに陳腐でしたし。これはSFSMですので。うん、尺の都合もあるしね。


 さて、これからしばらくは、確定申告だの個人的諸事情だので、ちょこまか時間を取られますが。3月初旬には電子出版準備まで漕ぎ着けたいものです。いい加減で『宿題を忘れたら……』の次章もやっつけたいし。

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