Presence Report 3:The tragedy of XXYz

 4月を待たずに執筆開始。まあ、本腰を入れるのは4/3に予定している新PCの調教後ですが。
 ところで。「本腰」の反対語を検索すると「及び腰」でしたが。どうも違う気がするんですよね。しかし「ウラゴシ」は「裏漉し」になっちゃうし。射精しないようにゆっくり腰を遣うのを「ゆっくり腰」とは……検索したら「ぎっくり腰」ばかり。いや、そもそもSEXにおける「腰」ではなく、餅つきの杵の使い方とか、舟の漕ぎ方とかですかね。だいいち。挿れるのは腰ではなく……むにゃむにゃ。そんな多重連装の挙句に「輿入れ」ぢゃなくて「腰入れ」とか、とっちらかってまいりました。

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 この作品の舞台は、太陽系から約30光年の彼方にある惑星エデンです。
 エデンの自転周期は約18時間、公転周期は約540エデン日です。
 したがって、1エデン年=18×540÷(24×365)=1.11地球年です。
 本文中では、惑星エデンにおける物語の部分はエデンの時間単位で表記しています。
 したがって、「17歳」の登場人物は地球年齢で「18歳以上」です。
 では、あらためまして。
 この小説はフィクションです。実在する/した如何なる星系・国家・団体・人物・年齢とも関係はありません。
 この小説に登場して、センシティブな描写に関わる人物は、すべて地球年齢で18歳以上の成人です。通行人Aなどはこの限定の範囲外という意味です。


たったひとつの冴えたやりかた

 第三千年紀初頭の低迷を経て、人類は地球外への進出を本格化し、第二四半紀に至ると太陽系外への膨張を開始した。未だ縮退次元技術を持たぬまま、亜光速による進出は百光年に達した。しかし、光速度の限界により十全の支援を得られずに、あるいは同じ理由による事前調査の不備で、撤退、孤立、全滅の悲劇に見舞われた植民星も幾つかあった。
 太陽系から三十光年の距離にある惑星エデンも、そのひとつではあったが、そこに待ち受けていた困難は類を絶するものだった。惑星全体に遍在する微小結晶体である。以下、現地亜人に倣い、これをPC(Pico Crystal)と称する。
 PCは地球型哺乳類のDNAを選択的に侵襲する。特に、性別を決定するY染色体を侵襲した場合には、その作用は致命的である。PCは自己増殖を繰り返しながら他の染色体にも侵襲して、細胞の活動を阻害し構造を破壊する。成長を終えた成体に感染した場合は致死までに十数年を要するが、胎児に感染した場合は概ね死産に終わる。
 救援要請が太陽系へ達して、緊急派遣船団が到着するまでに、約八十年が経っていた。その間に植民者たちは、将来的に維持可能な第二千年紀末の技術水準でも唯一可能な「持続的」解決手段を発見実行していた。それは、ホモ・サピエンスのアイデンティティを根幹から揺すぶる、禁断の遺伝子改変であった。
 Y染色体の活性化を抑制する(必然的に名付けられた)z因子の組込である。性決定遺伝子にXYzを持つ個体は、第一次性徴としては雌形で発生する。第二次性徴では、不完全ながらも受胎可能となる。
 若干の個体差はあるが、三十五齢前後で第三次性徴を迎えて、数年のうちに、不完全ながらも生殖可能な雄形に変態する。古記録では、成人男子が感染した場合の平均余命は十年程度であるが、変態後の雄形は三十年近くを生き延びる。このあたりの機序は、未だ不明確である。
 遺伝子改変によって生み出されたエデンの現住種は、みずからをホモ・メタモルフォセスと名乗り、ホモ・サピエンスと峻別している。
 ホモ・サピエンスの側としては、禁断の遺伝子操作によって捏造された生命を許すわけにはいかず、救援に駆け付けたはずの統合政府宇宙軍は彼らのジェノサイドに踏み切った。
 しかし、宇宙軍を掣肘するシビリアンAIは、z因子はいわば「外付け」であり、遺伝子の改変には当たらないという結論に達して、ホモ・メタモルフォセスの存続を認めた。
 惑星エデンは、ホモ・メタモルフォセス以前にPCによる汚染が致命的であるとして、厳重に封鎖隔離され、一切の記録も封印された。
 以上が、我がチームが発掘した八百年前の、概ね正確な歴史である。
 惑星エデンを含む星系には、採算ベースに乗る工業資源は存在しない。PC感染のリスクを冒して再開発するメリットもない。宙政学的にはまったくの僻地である。
 しかしながら、ホモ・メタモルフォセスは人類ではなく、かつ、外地球知性体でもないのであるから、『汎生命体保護法』さえ遵守すれば、如何なる用途に使役しても問題はないというのが、Legal dept.の見解である。
 ホモ・メタモルフォセスの雌形が発達した副乳を有するという点は、著しく需要を狭めるであろうが、彼らがホモ・サピエンスではない明確な証拠という点では有利でもある。
 ことに、実験体RFCタイプは、その希少性から極めて高い付加価値が見込める上に、四十齢以前に自然死を迎えると推測されるので、回収後の飼育コストがほとんど掛からないというメリットもある。
Force Millennium R&R Company
Sextant division
Alteroid research team

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 いきなりAlteroidなんてイミフなミーム(ムイミなミイム)を出したりして。
 セクサロイドとか自意識を持たないクローンの禁止とかの規制をかいくぐった、代替品のラブドール(新商品)くらいの意味です。
 Sextantは「六分儀」ですが、これも第四千年紀の頃には意味が変わっているとか。FourthではなくForceとか。R&Rてのは、Vartualではなく、Real office & Real employeeだとか。野波恒夫クンだったら、あれこれ解説するだろうけど、濠門長恭クンは素っ飛ばします。とはいえ。


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果しなき流れの果に
アンドロ
 目を開けていられないほどの眩しさ。現実にはあり得ないほどの透き通った青い空。千切れた綿のような物が宙に浮かんでいる。
 ああ、いつもの夢だ――メル・ジーン・ライアンは、はっきりと認識する。大地は鮮明な緑と土に覆われ、散在する岩石さえ光り輝いている。それは、博物館にわずかに残されている古地球の風景だ。柔らかな、ときとしては陰鬱な、ときとしては軽快な桃色の陽光ではなく、鋭い白色光に照らし出された絵画。子供時代の記憶。
 だから、これは未知夢ではない。それは分かっているのだけれど。
『健康な生と安らかな死を望むか?』
『屈辱とそれを上回る安逸を求めるか?』
『苦痛とそれを上回る快楽は欲しくないのか?』
 頭の中へ直接に語りかけてくる声。
 健康な生と安らかな死は、誰もが望むだろう。
 屈辱にまみれながら半ば放浪生活を送っている彼女は、何よりも安逸を求めている。
 肉体的な苦痛を与えられることも珍しくないのであれば、せめてその代償は欲しい。
 しかし……
『健康な生と安らかな死、安逸と快楽。それを欲すなら、理力に服従せよ』
 服従の言葉に、隷属と搾取と虐待が見え隠れしている。
「いやだ!」
 メルは叫んだ。繰り返し見る悪夢は、それで砕け散るはずだった。しかし、今日に限っては続きがあった。
『……ならば、このまま旅路を辿ってみよ。汝は次の街でレインボー曲技団を目の当たりにするであろう。そして、思い知るが良い。汝の同類が、如何に惨めな生を生きているか。それを見よ。それを知れ。それを味わえ』
 そこで、ようやく――メルは目を覚ました。夢見が悪かったせいか、薄桃色の陽光が淀んでいる。
 メルは寝床を出て窓辺へ行き、東の空を見上げた。一面のべったりした灰桃色の天空。それが分厚い雲だという知識はあるが、雲にふさがれていない空というものは見たことがない。
 予想していたとおり、それはそこにあった。太陽光の透過ではない。光の球が、雲の中で跳ね回り転げ回っている。
 雷のたぐいらしいということになっているが――このような現象が目撃されるようになったのは、ここ半世紀くらいということだ。ホモ・メタモルフォセスの歴史は約九百年。それに先立つホモ・サピエンスを含めても一千年でしかない。未知の長期的な気候変動なのかもしれない。
 しかし。メルがいつもの夢を見るのは、このULO(未確認発光体)が出現した前後に限られていた。気圧の変動や空間電位の異常とかが影響しているのだろう。集団的夢意識の顕現とか、ホモ・サピエンスからの警告といった神秘主義的な解釈には与しない。
 それよりも……。
 相部屋の三人は、まだ眠っているが。若干の胸苦しさと馬車への乗車拒否とを天秤に掛けるほど愚かではない。むしろ、胸に巻いた布をちょっと引き上げて、確実に乳房を押し潰した。
 乳房が双つしかないから、男性への偽装は、そんなに難しくない。できるだけ低い声で喋るようにしていれば――ひとり旅の女が、邪心を起こした男に乳房をつかまれて、下の双つが詰物だと気づかれるよりも危険は小さい。
 男性化してからも便器に座って小便をする者も少なくはないが、安宿の便所に個室の扉は無い。正面から覗かれれば、並みに小さな淫核しかない股間を見られてしまう。メルは足音を忍ばせて部屋を出て、大急ぎで用を済ませた。
 浴槽と便所付きの一人部屋に泊まる余裕があるなら、なにも乗合馬車なんか使わずに汽車で行く。
 前の街では、四か月を暮らせたけれど。サピエンス返りの忌むべき存在と暴露されて、わずかな財産さえも貸部屋に置き捨てて身ひとつで逃げ出したのだから、小さな町で臨時雇の仕事にありついて当面の銭を稼いだ後は、噂が追いつく前にと、こうして西へと逃げている。
 これから行く街では、月単位で雇ってもらえるだろうか。流れ者に部屋を貸してくれる親切な大家に巡り会えるだろうか。
 そんな不安ばかりを抱えていても、ドッツ三十五も払わされた朝食を、売れ残りや廃棄品を寄せ集めて自炊する食事よりは、ずっと美味に堪能する裕りまでは失っていなかった。

 一ギルぽっきりの乗合馬車で、八時に出発して十一時にはドライバーグに到着した。とりあえずは、乗合馬車組合で紹介してもらった「とにかく安い」宿を取って。中途半端な時刻だったので、暇潰しのつもりで、街外れに大天幕を張っているレインボー曲技団を見物に行った。
 夢のお告げなんかではない。事情は逆で――宿で宣伝の張出紙を目にして、だから夢に出てきたのだ。
 平日だから、そんなに人は集まっていなかった。興行も十四時から夜の十七時までの一回限り。週末は八時から十二時と十三時から十七時。平日分は演目を減らしているのだろう。
 大天幕へ続く道の脇には、演し物の看板が並べられている。空中ぶらんこや綱渡りは定番だが、原付自転車の宙返りは珍しい。鳥人間なんて、絡繰があるに決まっている。
 無駄遣いはしたくない。冷やかしだけのつもりだったのだけれど。大天幕の手前に幾つもの檻が並べられていた。虎、大型犬、蛇女……。
 蛇女の檻には『メデューサ』の名札が掛けられているが、髪の毛が蛇というわけではない。檻の中に淫らな姿で寝そべって、体長が一メートルほどの蛇を数匹、裸身に這わせている。
 古地球から持ち込まれた生き物ではなく、この惑星の原産種だ。他に似た生物がいないから『蛇』と呼んでいるが、姿形から言えば脚無し蜥蜴の名がふさわしい。『虎』も同じ。
 しかし、愛玩用の犬や猫、畜産用の牛馬などはホモ・メタモルフォセスと共通の遺伝子を持っている。つまり、古地球から持ち込まれた。そして、現存している地球種生物はすべて雌である。繁殖は、卵細胞Aの核を使って、卵子Bを受精させる。
 この技法は、まったく遺伝子操作に当たらない。なぜホモ・サピエンスは、この方法を自身に使わなかったのか。それは生物学上の問題ではなく文化人類学上の命題であると、教師は生徒たちに教えている。産み育て支配と引き換えに保護される女性と、産ませ養い庇護の見返りとして支配する男性と。
 だからこそ、一生のうちに女性と男性とを体験できるホモ・メタモルフォセスこそ完全な人間なのである。
 自分はまったく不完全だと、メルは卑下して悲観する。
 しかし、この場にある『不完全』は変態(metamorphosis)に関わる事柄だけではなかった。道を挟んで『メデューサ』と向かい合った檻の名札は『ケルベロス』。
 メデューサより年上に見えるが、三十には届いていないだろう。彼女も全裸で、前脚を上げた犬の真似をしている。開いた後脚の付け根には、もちろん女性器が見えているのだが――彼女に向けられた視線は、もっと上に集まっていた。
 彼女には乳房が八つもあった。十二、三の少女の上乳くらい大きさ。あるいは成人女性の下乳よりも小ぶりな――均等な大きさの乳房が左右二列に並んでいる。つまり、犬や猫の乳を連想させられる。頭が三つあるわけではない。
 これは、単に畸形と呼ぶにふさわしい。半世紀も昔だったら、誕生と同時に間引かれていただろう。ホモ・メタモルフォセスの遺伝子には不安定の要素が残されている。PCの防波堤を護るためには、個別の命を犠牲にするのもやむを得ない。
 この女性も、もう二十年くらい昔に生まれていたら、そういう運命を辿っていたはずだ。そうならなかったのは、メルの生まれ故郷デフォルマントを中心に広まっていった、新しい迷信もしくは信仰おかげだろう。
 畸形は通常の受精卵よりも高濃度のPCに汚染したから引き起こされた。もしも畸形児を間引いたりしたら、そのPCは[どれだけ離れていても]、近くの人間を汚染するだろう。つまり、人間扱いをしようとしまいと構わないが、とにかく生かしておかなければならない。誰が言い出すともなく、そんな迷信が広まっていった。
 あるいは、デフォルマントでは他の地域に比べて多くの畸形児が(死産を含めて)生まれていたから、我が子を殺すに忍びない親の願望が土台にあったのかもしれない。
 しかし、それにしても。よくぞ殺されなかったものだ、死ななかったものだ。自身がサピエンス返りの畸形であるメルでさえ戦慄したのが、ひと奥の檻だった。『アラクネ』の名札が掛けられたどこには、手が四本と足が四本の女性が入れられていた。
 ふつうの体格の女性が低い姿勢で四つん這いになって、その背中に、ひとまわり小柄な娘が仰臥しているだけのようにも見えるが、二人の腰が癒着しているのは明らかだった。上の娘が手足を反らせて床に着けているので、まさしく蜘蛛の印象だった。
 その向かい側の檻は『アンドロギュノス』。見た目は、美少女そのものだった。しかし無毛の股間には、淫核にしては大きすぎる肉の棒がぶら下がっている。
 サピエンス返りの女に欲情する男など(すくなくともメルの体験では)いなかったし、男に偽装してからでも細心の注意を払ってきたから――よう時のおぼろな記憶しかないのだが。その美少女の肉棒は淫茎と断言しても良い。
 可哀想に――というのが、メルの感慨だった。おそらく十五歳くらいだろう。男性化してからの余命は二十五年くらい。生まれたときから男性化していたのなら、あと十年も生きられないのではないだろうか。
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 やっぱり説明過多っぽいなあ。
 まあ、初っ端にSF的設定部分をどざざざざーっと片付けて。後はじっくりSM的展開をば。という目論見はありますが。
 小説を書こうとする初心者がやらかす、「良くない見本」みたいな気がします。腕が落ちたのか、テンプレを超克したのか。
 ま、書いていくうちに分かるかもです。
 しかし……元になった作品は20世紀末に書いているのです。「シビリアン・コンピュータ」を「シビリアンAI」に替えてみたりはしていますが、基本設定の古さは如何ともしがたい。
 そりゃまあね。今が20世紀だろうと21世紀だろうと、遥か未来のお話ですから。
 それでもなあ。1950年代に書かれた「ファウンデーション・シリーズ」で出てきたガジェットのプライムラジアントだって。関数電卓の未来版(執筆当時は電卓そのものが未来ガジェット)みたいのが、後で書き継いだ作品中では、形そのものがブラックボックスみたいになってて、数字が表示されるんじゃなくて空間に方程式やらグラフが立体的に展開されるように(こっそりと)変わっていたし。
 けどまあ。黒電話を使っていたのに、再開版ではケータイに変わっていた『ガラスの仮面』とかねえ。あれって、「これは昭和50年代を舞台とした作品です」って開き直ったほうが良かったと思いますよ。結局、紅天女は亜由美が演じるのかマヤなのか。
 方位角変わらず。接近する!
 急速転舵、面舵一杯!!

 アイコン用画像で、いきなりネタバラシしてるけど。

 とにかく、HSF部分を乗り切って、HSMへ行きましょう。
 過去記事を検索してみたけど、HSFHSMが引っ掛からなかったので、あらためて書いておきましょう。

 この小説は Hard science Fantasy & Hentai SMです。SMなんて変態そのものじゃないかという古い観念をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、実は筆者もそうなのですが。だから明るいSMなんて、まっぴらごめん。変態=少数者。選ばれたる者の恍惚です。
 は、さておき。ここでいう「変態」とはmetamorphoseのことです。ホモ・メタモルフォセスですもの。



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