Progress Report 1:公女巡虐

 今回も、すべて掲載するけど、冒頭とアカルイミニマムは残して、途中は「消費期限有り」の順次非公開でいきます。
 その暴投。『巨人の星』じゃあるまいし。


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育まれた悦虐

「エレナお嬢様、就寝の時刻でございます」
 教会の鐘が鳴るとすぐに、侍女のジーナが告げました。
 私は無言で立ち上がります。ジーナが衣服を脱がせてくれて、私は腰布一枚の姿になります。亜麻布ですが、形はひどく変わっています。股間を隠す逆三角形の布と三本の紐だけ。下生えこそ隠せますが、尻は剥き出しです。これは、男に身体を売る女が「仕事」のとき身に着ける下着だと、お継母様はおっしゃいました。このような破廉恥な下着を身に着けることで、己れの淫乱な性格を常に意識していなさいと。
 私の性格を矯正しようとしての処置なのですが、どう考えても逆効果です。
 私は寝台に仰臥して、手足をX字形に広げます。手首と足首そして膝の上に、寝台の隅から伸びた鎖につながれた枷が嵌められていきます。枷の内側にはベルベットが張られていますから、夜毎に拘束されても肌に痕は残りません。もちろん、枷を外そうとして私が藻掻いたりしなければ――ですが。
 私を拘束し終えるとジーナは、腰布というよりも股隠しの布の紐をほどいて、女性器を剥き出しにしました。腰布も布団も、身体に熱がこもって淫らな気分を誘われるから、この姿で寝なければならないのです。冬には、毛布を掛けてもらえますけど、今はまだ初秋です。
すべての処置を終えると、ジーナは慇懃に挨拶をします。
「では、お嬢様。お休みなさいませ」
 ランプの明かりを消して、ジーナが退出します。
 月明かりの部屋に独り、寝返りも打てず仰臥して。すぐには寝付けるものではありません。日常生活では、むしろお父様よりも身近な絶対的支配者であるお継母様の指図で、このような羞ずかしい形にされているのだと思うと……お継母様への反感が胸にわだかまっているにも係わらず、腰の奥にじれったい感覚が募っていきます。
 侍女の監視の目を盗んで自らを慰めたのが十日前。割れ目の上端に隠れている実核が、刺激を求めて硬く凝っています。
 そう――そういう悪戯が出来ないようにと、私は夜毎に四肢を拘束されているのです。
 私が浅墓でした。でも、こんな気持ちの良いことは、妹のベルタにも教えてあげたくて……まさかお継母様に告げ口されるなんて。お継母様が、あれほどにお怒りになるなんて。

 事の発端は、ちょうど一年前でした。お継母様がお嫁入りのときに持参された宝石箱を、侍女の一人が盗んで売り払ったのです。ニナは逃亡を図りましたが、悪運尽きて捕らえられ、処刑されることになりました。
 換金すれば千銀貨(グロッツ)以上にもなる財宝を盗んだのです。首切りか、火刑に処されても当然です。けれどお継母様は慈悲の心を発露なさって、彼女を助命したばかりか賠償の機会さえ与えられたのです。もちろん、まったくの放免ではありません。
 私たちラメーズ伯爵家の者も、処罰に立ち会いました。
 彼女は短い腰布一枚の裸身にされて、首と両手を一枚の板枷で拘束されました。そんな羞ずかしい不名誉な姿で引き回されて、街を一周するのです。
「ああ、お赦しください。せめて、裸なりとも隠させてください」
 ニナは泣いて懇願しましたが、返事は痛烈な鞭でした。ニナは悲鳴を上げ、それから泣きじゃくりながら、縄に曳かれて歩き始めました。
 裸になえうという行為は、どれ自体が神様の摂理に反する行為です。裸身を他人の目に晒すなど、殿方でさえ羞恥を覚えます。まして、ニナは未婚の乙女。もしも選択が許されるなら、裸で引き回されるよりは着衣のまま首を切られるほうを選ぶでしょう。
 その、死にもまさる恥辱の光景を眺めていて、私は胸がふさがりました。同情でも憐憫でもありません。ニナの拘束された裸身、数条の鞭痕に彩られた裸身。それを美しいと思ったのです。
 あらかじめ布告されていたので、道筋には大勢の見物人が集まっていました。罪人の引き回しには付き物の野次も飛ばず、彼ら(数は少ないですが、女性も居ました)は固唾を呑んで、ニナの裸身を見つめています。無数の視線に突き刺されて、ニナの全身が薄桃色に染まっていきます。
 それが、いっそう美しく見えました。私も、あんなふうに引き回されてみたい。自分がそう思っていることに、不意に気づきました。もちろん、伯爵家令嬢たる私は――お父様が謀反を企てでもしない限りは、そんな目に遭わされることはないでしょうけれど。
 街を一周したニナは、広場で晒し者にされました。
 処刑台上には二本の柱が立てられています。そこへ木枷が載せられて、太い釘で打ち付けられました。ニナは、上体を不自然に折り曲げた姿勢です。さらに、両脚を無理強いに開かせられて、柱の根元に縛り付けられました。滑稽なほど後ろに突き出された尻。重みで垂れ下がった乳房。
 そして。羞恥の根源をかろうじて隠していた布片すら剥ぎ取られたのです。女にとって、これ以上は無い辱め。けれどそれは、処罰の下準備でしかなかったのです。
 彼女には、五十発の鞭が与えられました。尻や背中はもちろん、下から掬い上げるようにして乳房も打ち据えられました。どころか。ニナの真後ろから鞭を跳ね上げて、股間まで打たれたのです。
 手加減はされていたのでしょう。肌に赤い条痕は刻まれるものの、派手な音の割には、肌が裂けて流血したりはしませんでした。それでも、ニナは大声で泣き叫びました。
 わたしは、もう……ニナから目を放せませんでした。いいえ。あそこに磔けられているのが自分だったらと――そんな妄想に耽っていたのです。
 鞭打ちが終わった後も、ニナは赦されません。処刑台の四隅を守っていた兵隊が、これ見よがしに散っていきます。
「これより一週間、この女を晒し者にする。憐れんで水や食べ物を与えても、あるいは他の事をしても、咎めたりはせぬ。また、夜に篝火は焚かぬ」
 兵士長が大声で布令ました。ざわめきが見物人の間に広がります。夜陰に紛れて良からぬことをしても咎めない。いえ、良からぬことをしろと、けしかけているも同然です。
「一週間後になお、この女が生きていれば、広場の片隅に小屋を設けて住まわせるものとする。五十銅貨(ラーメ)を払えば、誰でも小屋を訪れて構わぬ」
 当時、私はすでに子を産める年齢でした。男女がひとつ寝台で何をするか、およその知識としては知っています。つまり、そういうことです。それにしても――千グロッツは五十万ラーメです。お母様の宝石を償うには、一万回以上のそういうことをしなければならないのです。衣食住の費えを考えれば、何万回になることでしょう。ひと晩に何回くらい、女はそういうことを受け入れられるのかまでは知りませんけれど、十回としても十年以上です。
 十年以上も、最下級の娼婦、いえ奴隷として扱われる。それを思うと、腰の奥が疼いてしまいました。
 ――家に戻っても、妖しい興奮は続いていました。それをどう処理して良いものか、見当もつかないまま夜になって。腰のもやもやをなんとかしたいと思って、両脚を突っ張り腿を引き締めたのです。
「あっ……?!」
 声が出てしまいました。もやもやしている、もうちょっと上のあたりに稲妻が奔ったのです。神様の怒りではありません。もっと繊細で甘美な……これまでに感じたことのない純粋な快感でした。二度三度と繰り返してみました。同じように稲妻が奔ります。だんだん太くなって。
 これはどういうことなのでしょうか。私は、はしたなくも寝間着の中に手を入れて、稲妻が奔ったと思しき個所を探ってみました。
 そうして、見つけてしまったのです。女の子の割れ目が上端で閉じ合わさっているあたりに、小さな疣のようなものがありました。そこに指を触れると、もっともっと太くて甘美な稲妻が奔ります。雷鳴が轟きます。
 私は好奇心と快感に任せて、その疣をいろんなふうに弄りました。小さな疣の中には、もっと小さな実核があります。それが皮膚に包まれているのです。皮だけを摘まむと、きゅるんと実核が動きます。
「ああっ……ああああっ……?!」
 本能的に、これは貪ってはいけない快感だと悟りました。声を殺すために、敷布を咥えました。そして、さらに弄ります。
 弄っているうちに、硬く尖ってきます。皮を剥き下げると実核が露出します。それを直に触ると……甘美な稲妻と同時に、鋭い痛みが奔りました。でも、それがスパイスとなって、さらに快楽が増すのです。
 弄っているうちに、それでも物足りなくなって。胸につかえている感情もどうにかしたくて――左手で乳首も弄っていました。そこにも稲妻が奔ります。
 股間の疣から発する稲妻が背骨を駆け登って、乳首から乳房全体に広がる稲妻とひとつになって……
「むうううっ……んんん!」
 身体が宙に投げ出されたような感覚。私は、幼い絶頂を知ったのです。
 ――翌朝。私は満ち足りた目覚めを迎えました。と同時に、昨夜の所業は背徳に通じるのではないかという惧れも生じました。
 できれば共犯者を作りたいという心理と。こんな気持ち良いことを独り占めにしてはいけないという気持ちと。なんとなく疎遠な妹と仲良くなりたいという想いと。それらが綯い合わさって。妹のベルタに教えてあげたのです。
「ふうん。じゃあ、今夜にでも確かめてみようかな」
 無邪気な返事でした。無邪気過ぎて――このことをお継母様(ベルタにとっては産みの母親です)に告げたのです。
「エレナ! なんという恥知らずな行ないに耽っているのですか」
 お継母様はこれまでに見せたことのない形相で、私を叱りました。後ろにはベルタを連れています。さらに、私の侍女のジーナとエルザも呼び付けました。
「おまえのしたことは、神様の教えに背くことです。厳しく罰さねばなりません」
 お継母様は、私に衣服をすべて、下着まで含めて脱ぐように命令なさいました。
 独りで裸になるのさえ恥ずかしいのに、継母様と妹、さらに侍女の眼の前で……
「お継母様、ごめんなさい。もう決して誤ちは繰り返しません。赦してください」
 ぱしん!
 お継母様は、手に持ってらした乗馬鞭で、私が前で組み合わせていた手をお叩きになりました。ごく軽い叩き方でしたし、婦人用の軽い乗馬鞭です。でも、この十三年間で初めて叩かれたのです。
 私は驚愕とともに、お継母様の怒り、己れが犯した罪の重さに打ちひしがれました。私は、おろおろしながら衣服を自分の手で脱ぐしかありませんでした。侍女も手伝ってはくれません。
「まあ、もう生えているのね。色気づくのも無理はないわね」
 前の年に初潮を迎えましたが、そのしばらく前から、下腹部の産毛が次第に縮れてきていました。髪の色と同じ淡い金色ですが、それでも肌に紛れたりはしません。それはそれで羞ずかしいことでもあり、いつでも結婚できる身体になったのだという誇らしさもありましたけれど。
 お継母様の言葉で、昨夜の悪戯は男女の交わりと、どこかでつながっているのだと知りました。
 お継母様は、私を寝台に仰臥させて、脚を開くように命じられました。
 いくらなんでも、そんなはしたない真似はできません。赦してくださいと懇願すると、二人の侍女に命じて、私の脚を強引に開かせました。私付きの侍女でもコルレアーニ家の奉公人であることに変わりはありません。そして、屋敷内の一切は女主人が取り仕切って、お父様でも滅多なことでは口を差し挟めません。
 お継母様は寝台の横に立って、乗馬鞭先で私の股間を――疣の部分をつつきます。
「ふん。おまえのこれは大きいね。淫乱の証拠だわ」
 罵られているのに、鞭の先は冷たくて硬いのに、稲妻が奔ってしまいます。声は抑えても、腰がひくつきます。
「こんな目に遭っても、まだ淫らなことを考えているのね。反省なさい!」
 声と同時に鞭が引かれて、股間に打ち下ろされました。
 ひゅっ、パシン!
「きゃあああっ……!」
 神様の怒りの稲妻です。股間を真っ二つに切り裂かれたような鋭い痛みでした。
「あうううう……」
 でも。痛みが薄れるにつれて、腰の奥に甘い痺れが湧いてきました。
 ひゅっ、パシン!
「きゃああっ……!」
 ひゅんっ、バッチイン!
「いぎゃあああっ!」
 それまでの二発とは比べ物にならない強い打擲に、私は絶叫していました。
 お継母様は、冷ややかに私を見下ろしています。
「これで、少しは懲りたことでしょう」
 その場は赦してもらえましたが、お仕置はそれで終わりではありませんでした。
 その日から、朝から晩まで、必ず侍女のひとりが私の部屋で待機――実は監視するように取り計らわれました。そして夜も。寝ているときに悪戯ができないようにと、両手を布団の上に出して、手首を絹のハンカチで括られたのです。
 でも、禁止されればされるほど、いけないことをしてみたくなります。それに……妹の見ている眼の前で、全裸にされて侍女に押さえ付けられて、お継母様に鞭打たれるなんて、ニナほどではないにしても屈辱ですし。鞭の痛みを追って湧いてくる甘美は、自分でする悪戯よりも、毒を含んでいるだけに濃厚です。
 三日ほどはいい子にしていましたけれど。ハンカチで括られているだけですから、その気になればほどけます。でも、自分で結ぶのは難しいです。
 両手が自由なまま寝ているところを侍女に見つかってしまい、今度は五発の鞭でした。手首は縄で縛られるようになりました。
 それでも。手を縛られたままでも、寝間着の下に(両手もろともに)入れられます。細かな指遣いは難しくても、刺激はできます。もどかしさが、むしろスパイスにもなりました。
 これも、あっさりと見破られました。お継母様に指先の臭いを嗅がれたのです。
 鞭は七発でした。ひと打ちごとが、前よりも厳しいものでした。私は泣き叫びましたが、これまでとは違って、悪戯をやめるとは誓いませんでした。絶対にやめられないと悟ったからです。
 そうして、とうとう……両手を広げた頭の上で鉄枷につながれてしまいました。
 でも、まだ脚が残っています。最初に快感を感じたときのように、両脚を突っ張って腿をこすり合わせて。指で弄るような深い快感は得られませんが、軽く宙に浮くくらいにまではなります。
 これも、数日で発覚しました。腰布に、言い逃れようのない染みが着いているのですから。
 お継母様は、乗馬鞭をお使いになりませんでした。細い木の枝で、私の股間を打ち据えたのです。乗馬鞭より痛くないと不満に思ったのですが、とんでもない考え違いでした。乗馬鞭の先端は馬の肌を傷つけないように配慮されていますが、木の枝にはそんな工夫がありません。鋭く尖った先端は股間の疣を切り裂き(は、しませんでしたが)割れ目の奥にまで届きました。
 そんなことが繰り返されて――半年ほどで、全裸を寝台でX字形に磔けられるという、今の形に落ち着いたのです。これでは、さすがに何もできません。昼間に、同じ部屋で見張っている侍女の目を盗んで、ほんのちょっとだけ指で弄って、それで我慢するしかありません。
 ですけれど。自分で自分を弄って快感を得たいのか、それをお継母様に見つかって厳しくお仕置されて激痛とその後に続く(指で弄るよりもささやかですけれど、胸の奥に沁み込みます)快感を得たいのか、どちらなのか分からなくなってしまいました。というのも――半年前にお継母様が聖エウフェミア女子修道院にひと月ほど滞在されていたときは、悪戯をしたいという欲求は、そんなに起こらなかったのです。
 聖エウフェミア女子修道院というのは、王都の近郊にある小さな施設ですが、王族や諸侯の庇護を受けています。お継母様は、そこの出身です。もちろん、修道女がいきなり結婚はできませんから、還俗してクリスタロ侯爵の養女となってから、お父様と結婚なさったのです。
 お継母様がいわば里帰りされたのは、お父様の名代として、何かの式典に参列なさるため――ということになっていますが、そうでなかったのだろうと推測しています。
 お継母様は、私を修道院へ入れようとなさっているのです。こんな淫らな娘は、どこへ嫁いでも伯爵家の名を貶める。ベルタの嫁ぎ先のブロンゾ子爵家に聞こえでもしたら破談になりかねないと――面と向かって私に言い放つのです。
 まともな貴族の娘なら、十代の半ばで結婚するのが普通です。なのに、私には婚約者すら居ないのです。お継母様のせいです。
 お継母様の思い通りになんかなりたくないです。修道院だなんて、絶対に厭です。清貧な生活に甘んじるのは構いませんが、神様の花嫁なんて真っ平です。だって、神様は生身の女性を肉体的に可愛がってはくださいませんから。
 それくらいなら、お父様より年上どころか私の年齢の四倍もある(半世紀近い隔たりです)お爺様や、私の体重の三倍もある醜男と政略結婚させられるほうが、悲惨なだけに、悲劇の主人公でいられます。あ、数字が具体的なのは――そういう人物が実在しているからです。
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 やっぱりですね。初っ端から読者を惹きつけるということは意識しております。ので、いきなり全裸ベッド磔です。
 あ、今回は「地中海の東端に突き出た半島」が舞台ですので、そう簡単には英語を使いません。固有名詞はともかく、普通名詞では横文字を極力避けます。
 まあ。人名とか架空の地名とかで、見当はつくでしょうけどね。


 初っ端の回想シーンは、縄吉さんのフォトコラでも、特にお気に入りのやつの西洋バージョンです。この画像には、ブログ記事でも体感型バーチャル性活(つまりは自家発電)でも、何度もお世話になっております。
縄吉_orj47
 実際のところ、10/22現在は、第3章執筆中です。PLOTでは「娼婦への折檻」でしたが、尺が長くなるので、前半を「娼館での生活」に分割しました。それは、いずれ股の奇怪に。


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ジャンル : アダルト

Progress Report 0:公女巡虐

 下の記事「不勉強でした」にある「画面騎乗イラマからの~」シーンを早急に書きたいばかりに、急遽スタートです。

シリアルナンバーはSMX514です。
「あれこれ」単発物が51番から始まって59番まできて、3桁にしたという。


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地中海北東の半島にあるラテリア王国。
近隣も含めて。1グロッツ(銀貨)=500ラーメ(銅貨)。重量では1:100だが、銀貨は大きい。1ラームは50円検討。馬1頭は50グロッツ。金貨は無い。価値が低い。

ラメーズ伯爵 マッキ・コルレアーニ 名称通り銅鉱山所有。
前妻 産褥(ということになっている)で死亡22
長女16 エレナ 乳母はとっくに解雇。
     源氏名ダリア 受虐名ムルスas騾馬
侍女25 ジーナ
侍女25 エルザ
後妻(子爵令嬢)ロザンナ38
次女15 ベルタ マッキの実子?。
     ソルディン子爵家長男と婚約。
長男13 ディーノ
次男 7 レナート

Chorus floles館
 エロ衣装で踊ってパートナー
 踊れない娘は給仕だが安い
娼館のマダム ペオニーナasボタン
先輩娼婦   ヴィオラasスミレ
逃亡失敗娼婦 ギプソフィラasカスミソウ

盗賊の少年頭目 ペピーノ
拷問吏 ジルド、ニノ、ウーゴ

聖エウフェミア女子修道院
男性5名 女性19名+エレナ
女子の一部はレズのサティスチン(年齢、キャリア無関係。素質)
ロザンナも、かつては。養女を経て後妻。夫は知らない。
パトロンが修行の手伝い。
女性は僧職に就けない。
修道院長以下の幹部は男性。
修道院長 名前未定
寮長(女)名前未定
修道尼:犬、猫、豚、馬、牛、猪、羊、山羊、驢馬、騾馬、鶏、鶉、鳩、雉
(ラテン語で)


Synopsis

・育まれた悦虐/初秋
就寝前。下穿き(紐パン)のうえに寝間着。お付きの侍女によるベッド大の字拘束。
悶々として寝付けない。昼も監視が厳しくて、十日も自分を慰めていない。加えて。鎖と枷による拘束が連想を惹起する。
2年前。
腰布一枚で一体枷引回し。処刑台上に2本の柱。枷を載せて固定。足も開脚拘束。全裸。
尻と背中に鞭。あとは放置。
凌辱が続く。一週間を耐えれば助命して娼奴。どうなったか知らない。
股間がじんじんして、自然と自慰を覚える。
妹に教えて継母に告げ口されて。
クリ鞭の罰。妹も見物させられて、以後、姉を見下す。
最初は手首を絹のハンカチで縛っていたが、ほどくのでだんだん厳しく。股を擦り合わせる自慰も見つかって、最終的には大の字。

・誘拐と凌辱と
継母は縁談潰し。
父親は修道院に難色。
↑追加は、U18対策。
妹は婚約。
修道院へ行かせると宣告。
将来的に修道院長になれば、子爵婦人より地位が上と妹が嫉妬。
子爵家へ挨拶に。姉の同行を妹が主張。
途中でエレナの馬車だけが脇道へ逸れて、あっさり誘拐。
馬の背に括り付けられて山の中。
三穴通姦。
「始末しろと言われてるだけ。殺すのは可哀想」

・娼婦への折檻
遠方の娼館。女将はエレナの正体は知らない。ズタボロ衣服で良家の子女とは。
賊の申告で非処女だから「なんでもあり」
たいていはノーマルなSEX。性感はあまり無いのに、「金で買われている」という意識で胸が疼く。
大枚をはたいた客。X字拘束で剃毛(これの休業補償)。
顔面騎乗イラマからの乳虐メコ虐。クリつねりで激痛と快感と。  
しかし。深い傷は残さないように配慮。しょせんは「遊び」。遊ばれるのも悪くはないけど。
噂に聞く子爵家の婚儀。妹への疑念。
辿り着いても門前払いの公算大でも脱走。予定どおりに捕まって連れ戻される。
伯爵令嬢の主張を取り消せば赦される。

・盗賊への拷問
元通りの娼婦生活。
娼館で女将主導の誘拐。伯爵の部下が探索。ばれたら死刑確実。
袋詰め。馬車で運ばれる。
夜道。火矢の襲撃。ガキンチョ盗賊団。エレナを見つけて。
「仲間になるか、この場に置き去り」
娼婦の手管で少年頭目を篭絡。
「おまえは、俺の女房だ」
実態は盗賊団というより孤児院。寄付に頼る代わりに強奪。
幹部連が遠くの街まで盗品を捌きに。
夜道で川にはまった馬車。風で落ちた果実。
チビどもが我先。監督として付き添う。
実は罠。チビどもを逃がして捕まる。
逃すときは全裸で注目を一身に?
隠れ家など追及の拷問。
娼館での折檻と違って、白状できない。
それでも。いざとなれば身分を明かして……せせら笑われただけ。
100%合法に拷問される、自分が悪い。別種の悦虐。

・広場での処罰
(望まない救出)
処刑。
磔用の十字架に腕を広げて全裸緊縛。
前屈み。天を仰げない。
引回し。野次馬の中に仲間。こちらを見ていない男が数人。
「動いては駄目。見張がいる!」
殴られて猿轡。
広場。胴にも繩。開脚して横木の端から吊る。動かせるが自重で沈んで開脚。
そのまま放置。
夜。松明を掲げて一騎突入。
見張が対応しているうちに、徒歩の本命数人が梯子で救出。
「エレナ様!」
必要なら経緯説明。
匿われて半月の療養。
当初から予定の修道院へ。
もう、一生分の冒険と被虐。これからは余生……?

・淫虐の修道院
継母と男性修道士の出迎え。
「ずいぶんと遠回りしたものね」
男性がいる理由をちょい説明。
院長室へ。
シスターが呼ばれる。3人。
2人は裸スカラプリオ(幅狭)。
1人は全裸パイパン、無言の行の猿轡、神に一切の隠し事をしない後ろ手、常に祈りの合掌枷。全身鞭傷。
「おまえにふさわしい場所だろ。せっかくの心尽くしが台無しになるところ」
「 継母様はご存知の上で……修道院とは、どういう関係で?」
院長が説明するか( 分かり切った)謎のままにするかは、書きながら。
修道院に入るか、瞑想しなさい。
同じ拘束、猿轡、目隠し、耳栓。分厚いフェルトを貼った箱に入れられる。
妄想で濡らしながら耐え抜く。
消耗していないのに驚く。
「いったでしょ。この子には必要無いって」
自分の意志で修道院入りすると即答。改めて洗礼。「聖水」を浴びながら、悦虐の未来に歓喜。 
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 実は前作『ジュリア~背徳の恍惚』のリクエストを受ける前に、大筋は決めていて。
 だから、冒頭でオナニー封じのX字磔(外国ですから「大の字」は不都合)を、リクエストで使い回したのです。というか、この写真が元ネタです。

ベッド大の字拘束

 あれこれ迷った点が二つ。
 ひとつは、ヒロインの年齢。いえ、自動ポルノ電々の問題ではなく。
 過激な拷問に耐えられるには、肉体がそれなりに性熟していないといけません。と、思うようになってきました。
 ので、最初は威風堂々の18歳にしたのですが。どうも気が乗らない。
 あれこれ迷いながら、16歳にしました。
 二点目は人称。
 これまでの例から考えれば、ヒロイン視点の三人称ですが、これも。前作(ロリマゾ)に引きずられた形で、一人称。が、しっくりきました。


 自ら被虐を望む。ヒロイン一人称。ですが、U15ではないので「ロリマゾ・シリーズ」には該当しません。
 わざわざ朱記する内容ではないよう。

 それにしても、何か書いていないと落ち着かない。
「人生を無駄にしている」という強迫観念ですかね。


 という訳で、鋭意恣意的に執筆中です。

たまにはお仕着せアフィリエイト

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不勉強でした

 久しぶりにエロ画像/映像サイトを漁っていたら、「うわあ、こういう手があったか!」という動画を見つけました。
 画面キャプチャでお届けします。
顔面騎乗イラマからの
 「顔面騎乗=女王様」という思い込みで、こういうのは思いつきませんでした。
 まあ、これは「責め」というより「お遊び」の色合いが濃いですから――というのは言い分けですね。お遊びの最たる花電車などは何度も書いてるんですから。
 この形のイラマだと、男が腰を押し付ければ玉で鼻もふさいで窒息責めも兼ねます。しかも、イラマさせながら乳房もアソコも嬲り放題。
 このスタイルを『顔面騎乗イラマからの~』と名付けました。あるいは縮めで『顔騎ラマ』。名づけてしまうくらい、強烈な印象でした。

 実は、中断していた『昭和集団羞辱史:物売編(夜)』を、最初から書き直し始めていたのですが。上記の責めをどうしても書きたくなって。ブルー8mm撮影のエピソードはあるのですが、どうもそぐいません。
 むしろ。『公女巡虐』で「何でも有り」の娼館で、売り飛ばされてきたにもかかわらず、ヒロインが喜々として働くという章があるので、ここにぶち込んで。
「それでもお遊びに過ぎないわ」と、本格拷問を妄想するという。それを求めて、娼館を脱走してわざと捕まったり。
 まあ、詳細は Making Report にまわしますが。

 あ、そうそう。これも何度か書いている「蝋燭ラビア挟みピン止め」は、下の画像が元ネタです。前世紀(AD2000)にネットでゲットです。
ラビア蝋燭
 というわけで。まもなく『公女巡虐~娼婦から性隷への長い道程』クランクインです。
『昭和集団羞辱史』は、「物売編(昼)」を書いたんだから、次は「物売編(夜)」だという強迫観念から脱して、まるきり別編を(いずれ)書くかもです。

テーマ : エロ画像
ジャンル : アダルト

Progress Report Final:SMX358

 校訂三度。PIXIVリクエスト投稿完了。307枚/10万4千文字です。
 実は、表紙絵が未完成というか暫定版。

表紙暫定版50
 これでは、某Dサイトの審査に通りません(実写ぽい)。
 まあ、各サイトでの販売は1年後ですから、それまでにじっくりと。


 でもって。返す刀で『幼なマゾの契り』の製品版校訂を明日から始めます。今日は(いつも以上に)呑んだくれます。
 ただなあ。「幼」の文字が入ると、タイトルに威茶文がつくかも。そのときには、そのサイトだけ「未性熟マゾ」にするか「青いマゾ」にするか、腹案だけは考えておきましょう。


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Progress Report 8:SMX358

 今回は最終章のラストスパート直前までをご紹介。エンディングの10枚(になるか尺が伸びるか)ほど、ワンシーンは、ブログでは非公開とします。
 ちなみに、ここまでで290枚ほど。300枚は超えますね。このくらいの長さが、筆者の適量なのかも。短編じゃないし、長編としては(単行本には)短いし。まあ、商業出版でも電子書籍だと長短まちまちですし。紙媒体でも、似たのを2本抱き合わせる手もあります。


 実際問題、これだけ書き散らして発表しても声が掛からないのですから……PDFとして記憶装置の片隅に埋もれている作品が数十年数百年後に再発見されて再評価される……書いていて、アンダーバスト+15cmですな。
アンダーバスト+15cm=Cカップ。胸C。むなしい。
 筆者は、己れの力量を見誤ってはいません。世間では祖父とSMで周知路線がメインですから、逆張りもいいとこですが、それはともかく。
 商業出版されておかしくないレベルだと自負しています。
 しかし。それではデビューできないのです。出来ませんでした。FでもMでも。
 売れっ子作家が書いた作品Aと、無名の作家が書いた作品A’とが、同程度の出来だとすれば。編集者はAを選ぶに決まっています。企画の時点で、最低でもどれくらい売れるか予想できますから。
 新人がデビューするには、既存の作家に無い「何か」が必要なのです。
 古い(筆者としては生々しい)話ですが。新井素子がデビューしたとき
「そこらの女子高生が使っている文体」と酷評する向きもありましたが。その文体で小説を書いたのは、彼女が初めてです。
 まあ。デビューのハードルは近年格段に低くなっています。ニャロウとかで何百万PVいけば、即です。
 とはいえ。読者受けするジャンルを書こうとは思いません。書いたところで上滑りするとは分かっていますが。それ以上に。古臭い文学青年じみてはいますが、内的必然性というやつです。

 ああ、やめやめ。こんな辛気臭い話、やんぴ。
 気分転換に、平日なら勤務中の時間から酒を啖ってやる。んで、明日は3時起きで書きジャブろう。(書き殴ると文章が荒れるからジャブくらいで)。


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二体の生贄

 そして火曜日。私への聖礼典は午後から始まります。町長様にしても頭取様にしても、お仕事があります。偉い人たちですから、御自分の裁量で早上がりは出来ますが、朝は出勤していないと不都合があるらしいです。
 今日、私を虐めて/もう自分に嘘をつくのはやめました/くださるのは、もちろん父様と、先に挙げたおふた方と牧場主様。と、もうおひとり。フェビアンヌさんです。教区長様の名代として馬無し馬車で駆け付けてくださいました。運転手さんも一緒ですが、彼は教区長様のいらっしゃらない場では奥様の裸を見ることすら許されていないのだそうです。サロンで時間を潰して、ついでに裏サロン(この言葉の意味も、だいたい分かるようになりました)で遊んできなさいと、フェビアンヌさんから臨時のお小遣いをもらって、町へ出掛けて行きました。
 前の二回と比べると小人数ですが、狭い小集会所に大道具を据え付けたので、かろうじてブルウィップを振り回せる空間が残るだけです。
 ジャックには、絶対に近づいてはいけないと、父様が厳重に言い渡しておいて。聖礼典が始まります。
 私が全裸にさせられたのは当然ですが、フェビアンヌさんも上半身だけ裸になりました。下半身はこの前と同じで、脚に密着した乗馬ズボンと拍車付きのブーツです。
 私の聖刻は、一寸見には分からないくらい薄くなっていますが、フェビアンヌさんのは真新しいです。ということは、今日は聖礼典を施してもらう必要が無い。私だけで、すべての鞭と聖なる肉棒を引き受けなければなりません。といっても、たった四本です。鞭は五本かもしれませんけれど。
 ここまで考えて、ずいぶんと変わってしまった自分に呆れました。四本のペニスを受け挿れるなんて……乱交、いえ輪姦です。娼婦ならともかく、ふつうの女性だったら、生涯に一度たりとも体験することさえ絶対にありません。なのに、わたしときたら……先週はひと晩で十人もの男性に犯されたのですから。
「まだ、木馬は使ってらっしゃらないのね。これを乗りこなせないようじゃ、一人前のマゾヒストにはなれないわよ」
「それでは、姐さんがお手本を示しちゃどうかな。せっかく乗馬の支度をしているのだから」
「きょうのあたしは、夫の名代だよ。サディスチンって知ってる?」
 私は知りません。でも、皆様はご存じのようです。
 そんな遣り取りがあって、私が三角木馬に乗せられることになりました。
「ロデオと違って、手放しで乗るのがルールなのよ」
 そんな理屈で、私は縛られました。背中にねじ上げられた手首に鎖が巻き付き、さらに胸まで回されて乳房を上下からぎちぎちに絞られました。足を踏ん張っていないと、鎖の重みで転んでしまいそうです。
 鎖が滑車で巻き上げられて、私は木馬を跨らせられました。
 ちゃり、ちゃり、ちゃり……少しずつ下ろされていきます。木馬の表面が内腿を擦ります。そして、鋭い稜線がクレバスを割って。
「くうう……痛い」
 鞭で叩かれるような爆発的な痛みではありません。吊り下ろされるにつれて、鈍い痛みがだんだん強く鋭くなっていきます。私を吊っている鎖が弛むと、全体重ばかりか身体を縛っている鎖の重みまでが股間に集中します。
「痛い……痛い痛い!」
 叫んでしまいました。涙がこぼれます。でも、私は赦しを乞いません。無駄だと分かり切っているからです。それに……ほんとうに赦してほしいのか、自分の本心が分からないのです。この激痛を向こうには、神様の恩寵か淫魔の悪戯かは知りませんが、至福の境地が待っているような予感がしているのです。
「驚いたわね」
 フェビアンヌさんが――呆れているのではなく、褒めてくださっているように聞こえました。
「初めて乗せられて、下ろしてくれって懇願しなかった女はいなかったわよ。このあたしも含めてね」
「それだけ、こいつは淫魔に魅入られてるってことかね」
「違うわ」
 牧場主様の質問をフェビアンヌさんがきっぱりと否定しました。
「この子は天使の恩寵に浴しているのよ。被虐天使の恩寵にね」
「では、エクソシストはもはや不要ですね」
 もしも真実に気づく前の私でしたら、父様の言葉を天上の調べのごとくに聞いていたでしょうけれど。今の私は、失望しか感じませんでした。でも、それは早とちりでした。
「その代わり――愛娘を天使に捧げなければなりませんね」
「そうね。たとえば……」
 フェビアンヌさんが、私の後ろへまわって両手で腰をつかみました。
「こんなふうにね!」
 すごい力で私を揺すりました。びちちっと、クレバスの奥が裂けるような鮮烈な激痛が奔ります。
「ぎゃわあああっ……ああっ……はあああ」
 フェビアンヌさんが手を放すと、激痛が薄らいでいって、そこに甘い疼きが忍び寄ります。これが、被虐天使の恩寵なのでしょう。
「なるほど。では、これも天使様への奉仕かな」
 牧場主様がブルウィップを持って私の斜め前に立たれました。
 ぶううん、バッジイイイン!
「きゃあああっ……あああ」
 鎖に縊り出された乳房を水平に薙ぎ払われて、やはり激痛と甘美とが全身を駆け巡りました。
 ぶううん、バッジイイイン!
 ぶううん、バッジイイイン!
 ぶううん、バッジイイイン!
 悲鳴を上げる暇さえないほど立て続けに――木馬が食い込んでいる部分を鞭打たれ、背中を打ち据えられ、お尻を鞣されました。鞭打たれた瞬間には、どうしても身体が跳ねてしまいます。いっそう股間が切り裂かれて……内腿も木馬の表面も、赤く染まっていきます。
「あああ、あああああ……」
 頭に霞が掛かります。赤と金色が絡み合った……恍惚の色です。
「ううむ。これほどの娘は、あの売春館キャットハウスにもおらんぞ。もはや、この娘自身が被虐天使というべきだ」
 町長様が手放しで褒めてくださって……いるのでしょう。少なくとも、侮辱なさっているようには聞こえません。
 そして、わたしは――幸せです。父様たちが淫魔に憑りつかれていようと、私が淫魔に捧げられる天使であろうと……きっと、それも神様の大いなる御計画なのでしょう。私は息絶えるまで虐められて、天国に召されるのです。それとも、業火に焼かれ続けるのでしょうか。その業火の奥にも、甘美が潜んでいるのではないでしょうか。
 ばあん!
 不意にドアが開け放たれて、ジャックが転げ込んできました。
「この餓鬼――いや、お坊ちゃんですかね。覗き見してやがりましたぜ。コックをしごきながらです」
 町へ出掛けているはずの運転手さんです。そっぽを向いてしゃべっているのは、奥様の半裸を見ないためでしょうか。運転手さんはすぐにドアを閉めて、どすどすとわざと(でしょう)大きな足音を立てて去って行きました。
 父様が、ことさらに怒った顔を作って、床に倒れているジャックの前に立ちはだかりました。
「決して近づくなと言い付けておいたぞ」
「あ、あの……ごめんなさい。こないだから、姉ちゃんが大人の人たちにいじめられてたから……心配になって……」
「ケツ丸出しでコックをしごきながらか?」
 今も、ジャックの半ズボンは膝まで下がったままです。弁解の余地はありません。
 父様がコックなんて下品な言葉を口にするなんて、ちょっとショックです。農場で飼っている雄の鶏だって、そうは呼ばないのに。
「娘の身体に近づけなくなった淫魔は、この子に目を付けたのかもしれませんね。詳しく調べてみましょう」
 父様が言うのを聞いていて、これは仕組まれた罠ではないかと、疑うどころか確信しました。拷問道具を運ぶのにジャックを手伝わせたのも、運転手さんを町へ出掛けさせたのも――ジャックの好奇心をあおって覗き見させるためだったのです。完全に外から見えないようにしたはずのカーテンが、庭に面した一か所だけ閉じ切っていないなんて、あからさまが過ぎます。
「わしには、そういう趣味は無いぞ」
「同じくだな」
 牧場主様も町長様も、男の子を虐める趣味は持ち合わせていないようです。フェビアンヌさんが招かれたのか押し掛けたのか、その理由が分かったような気がします。
 といっても、荒仕事は男性の分担です。頭取様が父様を手伝って、ジャックを全裸にして梯子の拷問台に縛り付けました。
「ごめんなさい……これからは、いい子になります。ゆるしてよお……!」
「うるさい。黙らせろ」
 牧場主様の言葉を待っていたかのように、フェビアンヌさんが動きました。私が脱いだ衣服の中からドロワーズを引っ張り出して、口に詰められる大きさに引き裂いたのです。もう、これで二着のドロワーズを破られました。最近は穿く機会が減っていますが、だから不要になったのではありません。むしろ、穿いている間は出血とかおりもので汚れやすく……なにをのん気なこと、言っているのでしょう。
 襤褸布の詰め物を突き付けられて、ジャックは硬く口を閉じています。
 口を開けろなんて、フェビアンヌさんは言いません。デリンジャーよりも小さくなっている彼のピストルを片手でつかむというより指の中に包み込むと、その指をくにゅくにゅと動かしたのです。
「あっ……むぶうう」
 叫びかけた口に素早くボロ布が押し込まれました。ジャックは声を封じられたけれど、同時に、ピストルはコルトくらいになりました。もちろんバントラインスペシャルではありません。というか、デリンジャーも比喩です冗談です。大人だって、平常時はデリンジャーくらいのサイズですもの。
 ジャックは、冗談どころではありません。まだペニスをしごかれ続けています。ミルクコーヒー色の肌を赤く染めて、懸命に腰をよじっています。もがけば、かえって刺激が強くなるだけなのに。
  一分もしないうちに、ジャックが腰を痙攣させました。
「むうう……」
 呻いて。ジャックの全身から力がぬけました。
「ちぇっ」
 フェビアンヌさんが舌打ちしました。
「空砲かあ。さすがのあたしも、お子様と遊ぶ気にはなれないわよ」
「とはいえ、縮れ毛が芽生えていますな」
 市長様と牧場主様の灰汁の強さに圧されている頭取様が、顔はそむけたまま、指だけでジャックの股間を差しました。
「ふん、剃るまでもあるまい」
 牧場主様が、銀色の小さな箱を取り出しました。煙草の点火器具です。キャップを引き抜いて、内蔵されている小さな円形の燧石を親指で勢い良く回しました。
 ボッ……マッチの何倍も大きな炎が燃え上りました。それをジャックの股間に近づけます。
「む゙ゔゔ、うう……」
 ジャックは身をよじって逃れようとしますが、拷問台に拘束されているのですから、無駄な足掻きです。
「ジャック、おとなしくしてなさい。ピストルまで焼かれちゃうわよ」
 牧場主様の手元が狂うのを恐れて、忠告してあげたのですが。大人たちと一緒になって弟を虐めているみたいな言い方になってしまいました。
 でも、ジャックは私の言葉を素直に聞いてくれました。
 あっという間に、炎がささやかなジャックの縮れ毛を燃やし尽くしました。
「んんっ……」
 はたで見ているよりも熱くないのか、ジャックは微かに身じろぎしただけです。
「では、針による魔女判定か。どうも、気が乗らんな」
 町長様も頭取様も顔を見合わせています。
「あたしに遊ばせてもらえるかしら」
 フェビアンヌさんが、ハンドバッグの中から針のケースを取り出しました。こんな物を持参しているのですから、最初からジャックを虐めるつもりだったのでしょう。でも、すぐには針を使いませんでした。
「これから何をするか、教えてあげるわね」
 しばらく放置されていた私に、男の人たちが群がります。木馬から下ろされ、鎖の縛めもほどかれて、ジャックの横に立たされました。
「手は頭の後ろで組んでいなさい」
 わけが分からないまま(虐められるのだということだけは分かっています)命じられたポーズを取りました。
「お姉ちゃんだから、泣いたりしないわよね?」
 フェビアンヌさんが針を、私の右の乳首に近づけます。
「…………」
 私は歯を食い縛りました。
 ぷつっ……最初の針が、左の乳首を水平に貫きました。
「くっ……」
 大袈裟な悲鳴は上げません。ジャックを怖がらせるだけです。それに……どうせ、ジャックは泣き叫ぶでしょう。フェビアンヌさんの目論見通りになるのは悔しいですが、姉としての貫禄(?)を示したい気持ちもありました。
 ぷつっ……ぶすう!
「きひいっ……」
 垂直に刺された二本目は堪えましたが、乳房の奥まで刺し通された三本目には、すこしだけ悲鳴をこぼしました。
 左の乳首にも同じ仕打ちをされて。予想していた通りの命令が来ました。
「もっと脚を開いて腰を突き出しなさい」
「あ、あああ……」
 凄絶な激痛の予感に、声が震えます。なのに、ヴァギナの奥が熱くなってきます。淫らな汁がにじむのが分かります。激痛を突き抜けた彼方にある至福。それを、身体が覚えているのです。
 フェビアンヌさんの冷たい指が、淫魔のペニスをつまんで……
 ぶつっ……!
「きひいっ……!?」
 乳首を指されたのと同じくらいの痛みしかありませんでした。覚悟していたよりも痛くなかったです。視線を下に落として、その理由が分かりました。中身を押し込むようにして、莢だけを突き刺してくださったのです。ほっとしましたけれど、ちょっと不満も/なんでもないです。木馬に切り裂かれて、股間はすでに血まみれです。
 なのに、二本目は――容赦なく、中身もろともに突き刺してくださいました。
「びい゙い゙い゙い゙っ……!」
 歯を力いっぱい噛みしめて、ぎちぎちと軋りました。
 クロスして刺された針に指を添えて、フェビアンヌさんが淫魔のペニスを引っ張ります。その先端に三本目の針が……
「かはっ……!」
 悲鳴を上げたくないから、あらかじめ息を吐いておきました。だから、絶叫しても声にはなりませんでした。
「はあ、はあ、はあ……」
 息をするたびに針が小さく揺れて、新たな鋭い痛みを送り付けてきます。
「あら、困ったわね」
 フェビアンヌさんは愉しそうに嗤っています。表情と台詞とが一致していません。
「もう、こんな針しか残ってないわ」
 フェビアンヌさんがケースから抜き出したのは、四インチを超える長さの、針金よりも太い針です。
「これは、おまえに刺した針の十倍は痛いわよ。でも、使うしかないかな?」
 受け入れてもらえる可能性のある答えは、ひとつきりです。
「私に刺した針を抜いて、ジャックに使ってやってください」
 自分が楽になって、その痛みを弟に押し付ける。でも、ジャックの痛みを軽くしてやるには、それしか方法はありません。
「あら、名案ね」
 拒否されると思っていたので、私はほっと……しませんでした。何倍ものしっぺ返しが企まれている。それくらい、これまでの経験で分かります。
「それじゃ、おまえの手で、小さな可愛い弟のコックに針を刺してやりなさい」
「…………?!」
 ひどい……残酷です。私自身は、どんな痛いことだろうと羞ずかしいことだろうと、何をされたって我慢します。至福の境地が……なんでもないです。
 でも、私の手で弟を苦しめるなんて。これまででもっとも残酷な拷問です。
 なのに。独占欲とでもいうのでしょうか。他人の手で苦しめられるくらいなら、この私の手で虐めてあげたい。そんな恐ろしい考えが忍び寄ってきたのです。
 私はジャックよりも体格が良く力も強いです。どちらかがどちらかを支配するなら、虐めるなら……ああ、そうか。フェビアンヌさんと私との関係が、そのまま私とジャックの関係に鏡写しです。
 ぐにゅんと、心臓がねじ曲げられました。胸に込み上げてくる感情が、これまでとは違います。
「ねえ、ジャック……」
 私はフェビアンヌさんが持っている太くて長い針をつまんで、ジャックのペニスに軽く押し付けました。
「こんな太い針を、この女の人に突き刺されたい?」
 ジャックが、ぶんぶんと頭を横に振ります。
 私は乳首から針を一本抜いて、ジャックの目の前にかざします。
「それとも、こっちをお姉ちゃんが刺してあげようか。お姉ちゃんが平気だったのは、ジャックも見てたでしょ?」
 ぞくぞくっと、背中が震えました。男の人が、そしてフェビアンヌさんが、か弱い女の子である私を虐める妖しい悦びが、すこしだけ理解できたように思いました。
 ジャックは首を横に振り掛けて、ふっと気迷いの表情を浮かべました。私の目をじっと見つめます。そして……
 ああ、なんということでしょう。彼にも淫魔が憑りついているのです。首を振る代わりにペニスが鎌首をもたげたのです。私が鞭や針を目の前にして淫魔のペニスを固くしこらせるのと同じように。
「そう……それじゃ、お姉ちゃんが虐めてあげる」
 本来なら、魔女判定をしてあげると言うべきなのでしょうが。誰ひとり――父様さえも、訂正してくれません。聖礼典の虚構を捨て去り、敬虔な信徒の仮面さえもかなぐり捨てた淫魔の使徒たち。私と弟は、淫魔に捧げられる被虐天使なのです。これまでにないくらいに、気持ちが昂ぶっています。乳首も淫魔のペニスも、ジャックに負けないくらいに硬く尖っていきます。
 私は右手に針を持ったまま、ジャックのペニスに手を伸ばしました。聳え立っているのではなく、お腹に密着しています。
 どれくらい固いのかな。勃起したペニスを三つの穴には何度も挿れていただきましたが、手に握ってみたことはありません。
 表面はわずかに軟らかいけれど、鉄の芯が通っている感じです。力を入れて、下へ曲げてみます。
 ジャックはびくっと腰を震わせましたが、おとなしくしています。
 どういう具合に針を刺したら痛みが少ないでしょうか。フェビアンヌさんが私でお手本を示してくれたように、スラッグ弾を避けて莢だけを突き刺すのが良いでしょう。
 でも、それはできませんでした。
「そのまま、包皮を剥いてグランスを露出させなさい」
 命令されては、従うしかありません。簡単に剥けました。地肌の色とは違うピンク色の小さなスラッグ弾が顔を出します。
 自分の身体に針を刺されたときの経験から、中心まで貫かれるとつらいのは分かっています。周辺部の張り出している部分を狙って、一気に突き刺しました。
「ま゙わ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!」
 びくんっと腰が跳ねて。その動きがいっそうの激痛を招いて、ジャックは背中を弓なりに反らして腰を突き上げたまま凍りつきました。まだ声変わりしていない甲高い悲鳴が、口に詰められた私のドロワーズの切れ端に吸い込まれていきます。
 たちまち、ペニスが萎んでいきます。それで筋肉(が、ペニスにもあるのでしょうか)が縮んで傷口をふさぎ、出血はごくわずかです。
「九本の針を、全部突き刺してやるのよ」
 私は自分を高い所から見下ろしているような錯覚に捉われました。私が見守る中で、私は何も考えずに、自分の乳首から二本目の針を抜きました。
「それじゃ刺しにくいでしょ。大きくしてやりなさい」
 莢をつまんでいる指を、くにゅくにゅと動かします。大きさはまるで違いますが、自分のやフェビアンヌさんを弄るのと同じ要領です。でも、ちっとも大きくなりません。
「お上品なことしてないで。舐めてやりなさい」
 ふらふらっと跪いて。針を突き刺した部分を避けて、舌を這わせました。
「おや、興奮しとるようですな」
 牧場主様の声が遠くから聞こえます。
「長年慈しんできたお子さんたちが、破廉恥で淫らで残酷な振る舞いをしているのですよ。養い親として平気なのですか?」
 議長様の非難に、牧場主様が反駁なさいます。
「わしと同じということだ。牧師さんは、この餓鬼どもを人間とは思っておらんのだ。人語を介する家畜と野獣。それが本心なのだ」
「違う」
 父様が、きっぱりと否定なさいました。
「あなたは、猿の毛を剃って赤裸にして、それが面白いのですか。猿を鞭打って、興奮しますか。山羊のケツにコックを突っ込んで満足できますか。この子たちは人間だからこそ、天使にも昇格できるのです」
 人間が天使になるだなんて、牧師様のお言葉とは思えませんけれど。私とジャックを愛してくださっているからこそ、このような残酷な目に遭わすのだということは分かりました。いえ、羞恥と苦痛の彼方にある至福の境地に導いてくださるのです。
 私とフェビアンヌさんは、それを知っています。きっとジャックも体験することでしょう。
 私は真心を込めて、ジャックのペニスをしゃぶりました。啜りました。私の誠意と父様の愛情とが伝わったのでしょう。ペニスが半分くらいは硬く大きくなりました。これだけあればじゅうぶんです。
 予告無しで。先端を口に咥えたまま、二本目の針を突き刺しました。最初に突き刺したのと反対側の部分です。
「ま゙わ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!」
 ジャックは最初と同じくらいに絶叫して、最初と同じくらいに腰を跳ねました。
 また萎んだので、また舐めてやります。グランスの両側に針が刺さっているので、裏筋を中心に舌を這わせました。おCこの出る穴も舌の先でつついてやりました。牝の本能でしょうか――自然と思いついて、ボールを揉んでやりました。
 じきに硬くなってきます。私は三本目の針を乳首から抜きました。ジャックへの贖罪と自分の愉しみ/これも訂正しません/とで、乳房の奥深くへ向かって突き刺さっている針ではなく、水平に貫いているのを選びました。それを……ちょっと考えてから、グランスの上面から中心へ向かって深く突き立てます。苦痛が大きければ、それだけ至福の境地への道が近くなるからです。
「も゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙っ……!!」
 一瞬で声変わりしたのかと思ったほど野太い絶叫でした。
「ペニスだけじゃなく、ナッツも調べないと駄目よ」
 そうでした。魔女判定です。淫魔が潜みそうな部分には隈なく針を突き刺さなければなりません。
 勃起させる必要がないので、四本目と五本目は立て続けに左右のボールに刺しました。袋の中で小さな玉がくにゅんと逃げるので、皮を貫通しただけです。それでも、ジャックは(グランスほどではありませんが)苦痛を悲鳴で訴えます。
 これくらいの悶え方では至福の境地は遠いと思います。だから六本目は、萎えたままのペニスをつまんで引っ張って、裏筋の真上に突き刺しました。
「ゔあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っっ!!」
 失敗しました。いえ、大成功なのかも。刺したところから噴水のように血が迸りました。
 私は、むしろ呆気に取られていましたが、フェビアンヌさんがうろたえました。
「ストップ! やり過ぎよ!」
 私を突きのけて、ジャックの手当てに取り掛かります。
 私は、突き飛ばされた弾みで床に転がって、三つの頂点に突き刺さったままの針が、いっそう深く刺さってきて……それなのに至福の境地には至らず、とにかく凄まじい激痛にのたうちまわりました。もしかすると、私の無慈悲への神罰だったかもしれません。
 無慈悲。そうなのです。太い針よりは細い針を。あまり痛くないように手加減をしてやって――などという配慮を忘れて、ジャックが泣き叫ぶのを愉しんでいたのでした。なんとむごい姉なのでしょう。弟の何十倍も酷い目に遭わされなければ――というのも、淫らな自分勝手な欲望かもしれません。
 フェビアンヌさんの治療は、いつも乱暴です。傷口を消毒して、すごく沁みるヨードチンキを塗って、それでおしまいです。出血が止まるまでペニスの付け根を握っていてくれたのは、親切なのか意地悪なのか分かりません。だって、あれこれ刺激して、ずっと勃起させていたのですから。
「この子には、まだ淫魔は憑りついていないようですね」
 父様が真面目くさって、牧師らしい物言いをします。でも、もう騙されません。
「しかし、念のために聖刻を施しておきましょう」
 ほら、ね。
「それも奥さんの仕事だろうな。こんな餓鬼を泣かしても面白くはない」
「おや。ドーソンさんのお好みは野獣ですか。家畜は大切にしたいと?」
「わしが可愛がるのは牝犬ビッチだけだ。牝猫プッシーもか」
「皆様、このふたりが仮初でも姉弟だということをお忘れじゃない?」
「どういう意味だ?」
「ふふ……」
 フェビアンヌさんの発案で、私とジャックは背中合わせに縛られました。後ろ手に縛られて、腋の下を回した縄でひとまとめにされたのです。私は残っていた針も抜かれて、ジャックは口の詰め物を取ってもらいました。そして、立たされて、首に滑車の鎖を巻かれました。それぞれの左足も高く吊り上げられました。先週にフェビアンヌさんが鞭打たれたときと同じポーズです。でも、転びかけると縛り首になるので、ずっと厳しい――と思ったのですが、互いに相手を支えられるので、フェビアンヌさんより楽かもしれません。
 フェビアンヌさんがブルウィップを持って、私たちの真横に立ちます。
「どちらから鞭打ってほしいのかしら?」
 私は迷うことなく――足を軸にして、肩でジャックの身体を押しのけるような動きで、フェビアンヌさんに背を向けました。ジャックは私に押されて、否応なく正面をフェビアンヌさんに曝します。
「姉ちゃん……?」
 ジャックが心細げな声を発しました。
「ふふ……弟思いのお姉さんだこと」
 からかっているつもりでしょうが。ほんとうにジャックのことを思い遣るからこそ、最初の生贄に弟を差し出したのです。最後までフェビアンヌさんが鞭打ちを続けるとは思えません。男の人の鞭は、フェビアンヌさんより厳しいに決まっています。そして、最悪の場合、四人が順番ということも有り得ます。
 最初の楽な部分を弟に譲って、後はすべて私が引き受けるつもりです。それでは、弟は至福の境地に達さないかもしれませんけれど……私だって、最初は痛くて苦しくて羞ずかしかっただけです。
「恨むなら、薄情なお姉ちゃんを恨んでね」
 視界の端をブルウィップが掠めます。
 ひゅ、しゅ……バチイン!
 鞭がもつれながら、肌を弱く叩いただけです。
「きゃあっ、いたい……!」
 なのにジャックは(私よりも)か弱い女の子みたいな悲鳴を上げました。
 しゅる゙……ベシン!
「いたいっ……やめてよお」
 鞭の先端が回り込んできて、私にも当たります。ちっとも痛くありません。しかも、フェビアンヌさんが狙っているのは胸やお腹です。
 しけった鞭の音と大袈裟なジャックの悲鳴。私は、なんだか白けた気分です。見ている人たちも同じだったのでしょう。
「奥さんは、鞭打たれるほうが似合っとる」
 いちばん怖い牧場主様が、奥様の手から鞭を取り上げました。
 どうしようかと、迷います。私やフェビアンヌさんを打ったのと同じ強さで叩かれたら、ジャックは泣くだけでは済まないでしょう。でも、同じ人間を鞭打って、反応の違いを見せつけたいとお考えだと思います。ジャックだって、一発くらいは本物・・の鞭の痛みを知っておくべきです。
 ひゅううんん。壁に当たるすれすれまで、牧場主様は大きく鞭を振り回しました。ジャックが竦み上がるのが、背中に伝わります。
「そおらよっ……」
 ぶゅうんん、バッヂイイン!
「ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙っ……!」
 私の右の太腿の付け根近くに鞭の先が当たりました。互いに左足を真上に吊り上げられたポーズでの背中合わせなのですから、鞭はジャックの股間に……
 がくんと、ジャックの体重が背中に掛かりました。気を失ったのでしょう。私は右脚一本で踏ん張り、後ろで縛られている手も使って、ジャックを持ち上げようとします。首に鎖を巻かれているのだから、そうしないと窒息してしまいます。
「たった一発で寝んねなの? お姉ちゃんはケロッとしてたわよ。あたしなんか、五発も食らったんだから」
 ケロッとなんかしていません。それに、女性は股間を蹴り上げられてもすごく痛い・・・・・だけですが、男性は悶絶します。
「ほら、起きなさいよ」
 フェビアンヌさんがジャックの前に立って、ぱちんぱちんと頬を叩いた――のまでは分かりましたけれど、後は良く分かりません。ペニスを刺激しているのかもしれません。
「じれったいわね」
 フェビアンヌさんがジャックの顔にかぶりつきました。ふううっと息を吹き込んでいます。
「げふっ……くしゅんっ……かはっ!」
 ジャックが意識を取り戻しました。人工呼吸でもしてもらったのでしょうか。
「ふふん。そういうやり方があったか。ビッチのほうには、してやってもいいな」
「口はふさいでおくのよ。それと、あまり強く吹き込んでも駄目よ。唾が肺に入ったら、後で厄介なことになるから」
 唾を鼻の穴に吹き込んだようです。なんて乱暴な蘇生法でしょう。看護学校では、こんな手当てを教えているのでしょうか。
「よし。目が覚めたところで、続きだぞ」
 フェビアンヌさんが下がって、牧場主様がジャックの正面に立ちます。
「もう、ゆるしてよお。お姉ちゃん、助けて!」
 涙声です。まだ早いとは思いますが、せめてドーソンさんの残酷な鞭だけは代わってあげましょう。
 私はまた一本足で独楽のように身体を回して、ジャックと入れ替わりました。
「私に聖刻を施してください」
 恐怖に声が震えています。膝が今にも砕けそうです。
彼の鞭は一発しか受けたことがありません。股間への猛烈な一発。深い傷は残りませんでしたが、鮮血が飛び散りました。何発も叩かれると、今度こそ女性器が使い物にならなくなるほどの傷を負うでしょう。
 胸がきゅうんと絞られて、腰の奥が熱く滾ってきます。でも、それだけではありません。すごく誇らしい気分です。弟のためにみずからを犠牲にするという崇高な行為に酔い痴れています。
「よかろう。弟思いのおまえに免じて、わずか十発で赦してやる。ただし、黙って耐えるのだ。悲鳴も鳴き声も許さん。声を上げたら、あらためて十発を、可愛い弟にくれてやるからな」
 私はドーソンさんの瞳を見つめながら頷きました。イエスと言ったら、声を上げたことになるかもしれないと判断したからです。
 ドーソンさんが、腕を水平に保って後ろへ引きました。やっぱり、狙っている部位は恐れていた通りのところです。
 ぶゅうんん、バッヂイイン!
「…………!!」
 股間でダイナマイトが爆発したような衝撃です。全身が引き裂かれたと錯覚しました。息を吐き切っていたので、悲鳴は声になりませんでした。
「くっ……」
 息が出来ません。首に鎖が食い込んできます。右足一本で立っているのに、股間を庇おうとしてその足を跳ね上げたのです。
 足を伸ばしました。足の裏に床が触れましたが、膝に力が入りません。もがいていると、急に身体が持ち上がりました。ジャックが私の身体を支えてくれたのです。
 私は、ようやく呼吸を取り戻しました。顔を俯けて股間を覗き込むと、たった一撃で真っ赤に染まっていました。ああ、神様/いえ、ここは淫魔に祈ったほうが良いかもしれません/女性器を破壊されてしまっては、あなたも愉しめないでしょう。だから、助けてください。
 ドーソンさんが鞭を構えました。腕がすこし下がっています。私は、あわてて息を吐き出します。
 ぶゅうんん、バッヂイイン!
「…………!」
 ああ、淫魔様。ありがとうございます。鞭は斜め下から斜め上に、乳房を薙ぎ払ったのでした。太い鞭痕が乳房を横断して、血がにじんでいます。でも、肉を引き千切られたりはしていません。
 私は心の中で淫魔様に感謝を述べて――深刻な罪悪感に陥りました。神様を裏切って、淫魔に救いを求めたのです。これ以上はない背徳です。私は地獄の業火に焼かれるに決まっています。
 ぶゅうんん、バッヂイイン!
「…………!」
 三発目は、バックハンドで乳房に叩き込まれました。浅い角度で鞭痕がクロスしました。
 これまでのブルウィップは、ただ激烈に痛いだけで、至福の境地なんか欠片もありませんでした。そして四発目は……
 しゅんんん、バッシュウンンンン!
 最初よりも正確に、鞭の先端がクレバスに叩き込まれました。いえ、撫で上げて通り過ぎたのです。正確に淫魔のペニスを薙ぎ払ってくれました。
 腰から全身に向けて、太くて甘い稲妻が飛び散りました。悲鳴を堪えるよりも、喜悦の声を封じるほうが、よほどつらいです。
 息が苦しい。また、足が宙に浮いて喉を絞められています。このまま死んでもかまわない。それくらいに甘美な苦痛です。でも、ジャックが踏ん張ってくれました。
 頭が朦朧として目が霞んで、床を踏みしめているのか雲を踏んでいるのかも分かりません。
 しゅんんん、バッシュウンンンン!
「うあああああああっ……いいいっ!!」
 不意打ちでした。甲高い声で、被虐への悦びを叫んでしまいました。
 ずぐうっと、ヴァギナに太い刺激を感じました。すぐ目の前にドーソンさんが立っています。鞭を逆手に持って、グリップを挿入してくださっています。ぐりぐりと抉ってくださいます。
「声を出したな。では、ジャックに十発だ」
「ごめんなさい。もう二度と声を出しません。あらためて十発でいいですから、私に聖刻を施してください」
「ふふん……」
 ドーソンさんがグリップを引き抜いて、私の唇にあてがいました。
 私はその意図を理解して、グリップを咥えました。ペニスをしゃぶるのと同じくらいに丁寧に、それをしゃぶります。血の味がしました。でも、鮮血にしてはねっとりし過ぎています。淫らな汁が混じっているのでしょう。
 最後に喉の奥までグリップを突き挿れてから、ドーソンさんは後ろに下がりました。そして、鞭を構えます。ああ、淫魔様。ありがとうございます。あと十発も、ブルウィップを受けられるのです。女性器が壊れてもかまいません。乳房が千切れてもかまいません。
 しゅううん、バッチイン!
「いたいっ……!」
 悲鳴はジャックです。私は、覚悟していたよりもずっと軽い、そして的外れな部位への鞭に、かえって驚いています。
 次の一発は目をしっかり見開いて、ドーソンさんの挙動を観察しました。一歩ほど近寄っています。ブルウィップは中間部が私の脇腹を打って、くるんと回り込んでジャックを打ち据えました。でも、手加減してくださっています。ジャックの悲鳴も、そんなに切迫していません。
 そして、改めての鞭打ちは三発だけで終わりました。
「チャーリイの言い草ではないが、こういうのはわしの性分に合わん。あとは任せる」
 父様が、ほっとしたように頷かれました。私は苦痛と恍惚に忙しくて気づきませんでしたが、手加減してくれるように頼んでくださったのでしょう。
 私とジャックは、いったん鎖から解放されました。そして二人別々に吊り直されたのです。ジャックは両手を頭上で縛られて。私は左足首だけに鎖を巻かれて逆さ吊りに。被虐の経験は私のほうがずっと積んでいますから、これくらいで公平かなと思います。
 私の前には父様が、ジャックの前には頭取様が、それぞれブルウィップを持って立たれました。父様がジャックではなく私を選んでくださったことを、嬉しく思います。
 私は片脚で逆さ吊りにされているので、遊んでいるほうの脚はどうしても折れ曲がってしまいます。せめて股間を隠さないようにと、膝を外へ向けました。父様の愛情がこもった鞭なら、喜んで受けます。
 ジャックは顔を(彼の肌の色で可能な限りに)真っ青にして、唇もわななかせています。
「ついでに、ルーレットで遊んだらどうかな」
 父様は困ったような顔をしましたが、手加減を頼んで聞いてもらっていますから、この提案までは拒否できない感じで頷きました。
 牧場主様が私のヴァギナに指を(五本全部!)挿入しました。もう一方の手は、折り曲げた膝をつかみます。ジャックは議長様です。両手で腰を抱えました。
せえのHere we go!」
 掛け声とともに、私たちはぶん回されました。私は半回転の間、ヴァギナを指で掻き回されました。痛かっただけです。
 すごい勢いで部屋が回転します。
 しゅんんんっ、バチイン!
「きゃああっ……!」
 脇腹に当たりました。まったくの不意打ちでした。
 しゅんんんっ、バチイン!
「きゃっ……痛い!」
 内腿です。どこに鞭が当たるか分からないので、悲鳴は驚きが半分です。半分は、父様への甘えです。もしも悲鳴にペナルティを課されるのなら、黙って耐えます。それとも、叫ぶかしら。だって、もう少しだけ厳しくて……なんでもないです。
 しゅんんんっ、バチイン!
 しゅんんんっ、バチイン!
 しゅんんんっ、バチイン!
 脹脛から腰に掛けて、縦に打ち下ろされました。ああ、これは股間を狙って外れたんだなと推測していたら、二発目がお尻の割れ目に当たって、三発目が正面からクレバスに食い込みました。
 でも、牧場主様の鞭に比べると、明らかに手加減してくださっています。そして、じゅうぶんにスナップを利かせているので、痛みが爽やかです。
「うああっ……!」
「いたい、ゆるして!」
「いやだよ……やめてよ!」
 ジャックは泣きじゃくっています。
 手加減してくださっていても、繰り返し打たれると肌が裂けます。全身がアカム染まっていきます。
 ジャックのほうは、血の色が分かりにくいせいもあるでしょうが、明らかに私よりも傷は浅いです。男の人にとっては、男の子を虐めるのは、女の子を虐めるよりも面白くないのでしょう。でも、逆は成り立ちません。フェビアンヌさんも、ジャックを虐めるより私を虐めるときのほうが、気合が入っていたように思います。
 あらためて私に十発と宣告されてから、ドーソンさんは三発を打ちました。残りは私だけに七発のはずなのに――私もジャックも、十数発は鞭打たれました。もう、理屈も計算も無視されています。彼らが満足するまで、生贄は嬲られるのです。
 鞭打ちが終わって床に下ろされて。それで、エクソシストに名を借りた淫虐は終わりではありませんでした。
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出来立てのほやほやです。今日は、ここまで。休日でも13枚しか捗りませんでした。本来は「捗」の字なんですね。「墓取る」とか「破瓜取る」とかふざけて書いていますが。
 まあ、あまり進まなかったのは、いよいよBFの下準備に掛かったせいもあります。元ネタは下記の3点です。どんなのになるかは、想像がつくと思います。


ブログ用元図

テーマ : 18禁・官能小説
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『娘女敵討』本日発売!

「むすめ・めがたきうち」と読みます。
 本来の意味の「女敵討」からは逸脱しています。と、ヒロインも認めています。
 すでにProgress Reportでも触れていますが、某剣客小説のエピソードで、ずぶの素人が十日で剣術を習いたいと無茶苦茶でござりまするがな。
 主人公の父上が採った修行法が。そやつを柱に縛り付けて、薄皮一枚を切り刻むという。度胸をつけさせるためですね。
 これを読んだ当時から。速習志望者がむくつけき青年ではなく、乙女だったらと。
 素っ裸の女の子がチャンバラをするという、筆者根底の妄想にも通じますので。
 まあ。『悲剣肌風』拾遺ともいえます。
 わずか89枚です。200枚クラスと同じ値段付でごめんなさいです。でも、買ってください。


紹介画像/娘女敵討

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Progress Report 5:SMX358

 はい、リクエストの目玉の「針刺し」です。
 魔女は体表に悪魔との契約の刻印を隠している。そこは痛覚を持たないから針で刺して調べる。実に好都合です。しかも。
「淫魔が契約の印を刻むのは、淫らな部位に限られているのですよ」
 とはいえ。魔女なら、痛くなくても「痛い!」って叫ぶんじゃないかしら?
 その答えは、本文をお読みください。とはいえ、針を刺されても分からないように目隠しをするのはパス。一人称ですから、いちいち「何をされた」かをヒロインの触覚から推測するのでは面倒ですので。


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魔女の嫌疑

 月曜日。数日ぶりの爽やかな目覚めでした。もう、淫魔が囁き掛けてくることもないでしょう。生まれ変わったつもりで、新たな一週間に臨みます。
 ……でも、だめでした。淫魔の囁きは聞こえてこないけれど、まだ続いているヴァギナの疼きが、聖礼典のことばかり思い出させます。儀式の意義を考えるのではなく、父様のペニスが私のヴァギナに突き刺さったという外形的な事実と、それに伴なう激痛と、にじみ出てきた悦びと。そんな淫らなことばかりが。
 気もそぞろに一日を過ごしました。レース編みは、今日も手に付きませんでした。
 そして夜はベッドの中で……またしても淫魔の囁きに負けてしまったのです。
 それも、これまでのようなおいた・・・ではすみませんでした。父様によってつけていただいた道には、指が三本も入ってしまったのです。きついし痛みもありましたけれど、快感のほうが上回っていました。
 肉棒を中で動かされながら淫魔のペニスを抓られたときの甘い激痛を思い出して……右手の人差し指から薬指までを挿入して、親指で淫魔のペニスを刺激しました。左手が空いているので、指をうんと広げて左右の乳首を同時に擦りました。
「ああああっ………だめえええっ!」
 慌ててシーツを口に詰め込みましたが、時すでに遅しです。父様もジャックも熟睡していることを願うしかありませんでした。
 もしも父様の耳に届いていなかったとしても、知らん顔で通すほど、私は自堕落ではありません。牧師様にお願いして、礼拝堂での朝のお祈りに立ち会っていただきました。
 牧師様は私を責めるでも諭すでもなく、けれど赦しの言葉も掛けてくださいませんでした。その代わり、予想外の――本来なら喜ばなければならないことをおっしゃいました。
「もう思い悩むことはありませんよ。今日の午後にも、教区長のアンディ・ノートン牧師が来てくださいます。これまでの経過は電話で報告してきたのですが、私ひとりでは困難だろうと判断されて、直々に悪魔祓いエクソシストをしてくださることになったのです」
 牧師様の顔にも声にも悔しさがにじんでいます。牧師でありながら娘を淫魔から護ってやれなかった無念でしょうか。
 私にも父様の憂鬱が伝染したのでしょう。ちっとも安心出来ずに不安が募るばかりでした。
 ノートン教区長様がいらっしゃったのは午後二時でした。大きな馬無し馬車で、教区長様は(聞くところによるとご自分のお歳の半分の)若い奥様を同伴なさっていました。助手の牧師様と馬無し馬車の運転手さんも一緒です。
 御挨拶もそこそこに、父様を含む四人の男性は、馬無し馬車のに積んできた様々な道具を礼拝堂に運び入れる作業に取り掛かりました。私と(付け足しに)ジャックは、奥様の接待です。といっても、コーヒーとクッキーをお出しした後は、居間の隅っこに控えて、奥さまが読書をなさる邪魔にならないようにおとなしくしているだけでしたけれど。
 奥様は社交的でないのか、子供(悔しいけれど、奥様からみたら、私はじゅうぶんに子供でしょう)の相手が苦手なのか、私たちにあまり話しかけてはくださいませんでした。
 ただ、いくつか教えていただいたひとつが、奥様も悪魔祓いに立ち会われるとのことでした。
 私は、とても心強く思いました。だって、これまでにされたことといえば、羞ずかしいことばかりでした。女性が立ち会えば、そんなにひどいことはされないでしょう。でもそれでは、悪魔祓いの霊験も薄れるのではないかしらと――矛盾した不安に苛まれたりもします。
 夕食の支度は六人分しか調えなかったので、ぎりぎりテーブルに載りました。
「ジュリアは食事をせず、礼拝堂でお祈りをしていなさい」
 罰でも信仰の証でもなく……夜になってから、教区長様によって行なわれる私への悪魔祓いは肉体的にとても厳しいので、嘔吐などをして場を穢さないための予防処置だそうです。
 そう聞かされただけで、私は心の底から震え上がってしまいました。でも……どんなふうに虐められる/訂正します/清められるのだろうと、想像すら出来ない事柄を想像すると、腰の奥に熱い疼きが生じます。この不合理な感情は、淫魔がもたらすのでしょうか。苦しむのは私の肉体であって、淫魔ではありません。
 そんな得体の知れない恐怖は、礼拝堂に入るなり、具体的な恐怖に変わりました。そして、腰の奥の疼きがいっそう熱を帯びてきました。
 馬無し馬車の大きな荷台に積まれていた荷物が、すべて礼拝堂に運び入れられたのでしょう。
 実際に人間を磔に掛けられる大きな十字架が、聖壇の前に立てられています。天井には大きな滑車が幾つも吊り下げられて、太い鎖が垂れています。一本の鎖の下には、行水桶ほどの差し渡しで、立ったまま腰まで浸かれそうな桶が据えられています。ベッドの幅ほどもある梯子が、床からニフィートの高さで水平に支えられています。断面が三角形をした太い木材が、四本の脚で支えられています。
 これは………父様の本棚にある、聖書研究の専門書の挿絵とそっくりです。中世の魔女裁判、あるいは異端審問の拷問道具です。
 そう思ってさらに見回すと、肉を挟んで引き千切る大きなペンチとか、火桶と焼鏝とか、いろんな大きさと形の木枷や鉄枷も、幾つかの木箱に収められています。隅へ寄せられた信者席の上には、長短様々な鞭や笞が置かれています。
 なんてことでしょう。これらの拷問道具はすべて、私に使うために持ち込まれたのです。
 私は恐慌に陥って、出入口へ駆け寄りました。でも、そこで立ち止まりました。ここから逃げ出しても、私には行くべき場所がありません。家へ戻って問いただしても(何を問いただすというのでしょう)どうにもなりません。むしろ、ジャックまで何らかの形で巻き込んでしまいます。
 逃げてどこかへ隠れてみても、狭い町です。簡単に見つかって連れ戻されるでしょう。町の人たちにも知られてしまいます。それよりも。私の周囲から淫魔を退ける聖礼典を拒んで逃げるなんて、淫魔をみずから進んで迎え入れるようなものです。
 私はこの場に留まって。可能な限り厳しい試練を与えてくださるよう、神様にお願いするべきなのです。そう決心しました。でも、怖い……腰の奥に熱い疼きなんか、まったく生じません。
 どうしようもないので聖壇の前に跪いて両手を胸の前で組みました。でも、お祈りの言葉を唱えるどころか、頭に浮かんですらきません。
 そのうちに、怖いもの見たさの好奇心が頭をもたげてきます。
 まずは、すぐ後ろに立ててある十字架。犠牲者の足を載せるための手前に傾斜した踏台がありません。その代わりと言ってはなんですが、ずっと高い位置に、Fの文字を左へ倒したような棒が突き出ています。腕木の位置から推測して、腰のあたりです。
 一昨日の私だったら、上向きに突き出ている二本の棒の意味に気づくとしても、しばらくは考え込んだことでしょう。でも今は、見た瞬間に理解しました。と同時に、アヌスもヴァギナと同じ用途に使えるらしいという新たな知見も得ました。男女共通の器官。ソドムの罪とはこういうものだったのですね。
 十字架にはいたるところに、開閉式の半円形の金属の環が取り付けられています。これなら、手足に釘を打ち込まなくても犠牲者を固定できます。十字架に磔けられても、命には係わらない。そして上向きの棒は二本。つまり、女性を辱める/訂正します/清めるための聖具なのです。
 それでも、ずいぶんと苦しいでしょう。背筋を氷水が流れ落ちます。なのに、腰のあたりに溜まった水が熱くなってきました。
 別の大道具を観察しましょう。ずっと気になっていた三角の材木。作業台には使えないし、刈り取った麦を乾燥させるには風通しが悪そうです。
 あら……中程の先端にどす黒い染みが。まさか、血痕?
 今後は背筋が凍りつきました。淫魔封じの針金と、一昨夜の出血からの連想です。もしも、これに跨ったりしたら。鐙は無いし、馬の腹よりもつるつるしていますから腿で締め付けても体重を支え切れないでしょう。
「きゃっ……?!」
 無意識に後ずさっていたのでしょう。つまずいて転びかけました。
 もう、好奇心なんか消え失せました。それに……これらは私に使う・・・・ために、教区長様がわざわざ持ち込まれた道具類です。観察して推測しなくても、すぐにでも使い方と恐ろしさとを、私自身の身体で知ることになるでしょう。
 私は聖壇の前へ逃げ戻って、全身全霊でお祈りをしました。
 神様。私をお護りください。
 でも……神様が加害者ではないでしょうか。絞首刑の執行者に命乞いをしても無駄なのではないでしょうか。
 絶望です。それなのに……十字架に磔けられてヴァギナもアヌスも串刺しにされたら、苦しいだけだろうかなんて、とんでもない妄想が湧いてきます。三角の材木に乗せられたら激痛に泣き喚いて、さすがの淫魔も辟易して逃げるのではないかしらなんて、ちょっぴり期待したりもします。
 ああ……住居に通じるドアの開く音です。いよいよ、私への凄絶な聖礼典が始まるのです。
 父様が先導する形で、教区長様と奥様、助手の牧師様。その後ろは運転手さん――でもボブさんでもありませんでした。町長のディーラーさん、銀行頭取のギャレットさん、保安官のハーベイさん。町の名士様ばかりが三人も。
 それにしても、奥様はなんという服装をしてらっしゃるのでしょう。長袖のブラウスに細身の乗馬ズボン。乗馬ズボンとすぐに分かったのは、歯車状の拍車が付いたブーツを履いているからです。ズボンはぴっちり肌に密着して、脚もお尻も生の輪郭が浮き彫りになっています。淫らです。もっと淫らなのがブラウスです。ボタンを留めずに、裾をおへその上で結んでいます。余った端がリボンみたいでお洒落ですが、おへその露出くらいは、この服装の中では些末事です。胸元が開いて、乳房が半分くらいは見えています。
 男性の皆様は、それぞれの職業にふさわしいセミフォーマルな装いです。
 その皆様が、父様と奥様を除いて、私を取り囲みました。私は立ち上がるタイミングを失って、跪いたままです。
「これより、ジュリア・コバーニの魔女審問を行なう」
 教区長様が厳かな声で、とんでもないことをおっしゃいました。
「魔女審問って……悪魔祓いではないのですか?」
 抗議の意味を込めて尋ね返しながら、心のどこかでは――ああ、やっぱりと思いました。それで、ここにある恐ろしい拷問道具の説明がつきます。
「これまでの魔封じの失敗は、すでにお前の体内に淫魔が巣食っているからではなかろうか――というのが、ノートン先生のお見立てなのだよ」
 父様が優しい声で、これも恐ろしいことをおっしゃいます。
 どうでもいいことですけど。ここには牧師様が三人もいらっしゃいます。区別するために、牧師としての発言であっても父様と考えることにします。
「立て。立って、衣服を下着まですべて脱いで全裸になるのだ」
 教区長様が、懇切丁寧に無慈悲なことをお命じになります。
「あの……この方たちは?」
 魔女審問だろうと悪魔祓いであろうと、町長さんたちは部外者でし。
「魔女審問は、私と妻のフェビアンヌ、ベルケン牧師とヒュンケル牧師の四人で執り行ないます。他の三人は証人です」
 これから行なわれることは、外形的には暴力行為であり強だと、教区長様は明言なさいました。ですが、それは神様の絶対的正義の下に行なわれる私の救済なのです。だから犯罪ではないという証明のために立ち会うのだそうです。
 私としては羞恥が募るだけです。
「もっとも。彼らにも幾分かは手伝ってもらって、いずれはヒュンケル牧師と彼らだけで魔女審問や悪魔祓いを出来るようになってもらいます」
 つまり、この場にいる全員が私を拷問に掛けるという意味です。
「納得できたところで、さっさと全裸になりなさい」
 納得なんて出来ません。でも、拒んだらどんな目に遭わされるか、身体を張って確かめる蛮勇などありません。それに、奥様はグラマラス過ぎて、むしろ私のほうが/なんでもありません。
 私は立ち上がって、取り囲んだ人たちの視線に怯えながら、晴着のワンピースを脱ぎました。シュミーズもドロワーズも。最後に、胸の布をほどきます。
「そこの台に仰臥しなさい」
 そこの台というのは、両端と真ん中を脚に支えられて水平に寝かされた梯子のことです。今さら恥部を隠しても無意味ですから、両手を使って足も大胆に動かして、床からニフィートの高さにある台に上がりました。
 教区長様とベルケン牧師様とが、台の両端に立たれて――私の手足をニフィートほど広げて、そこに置かれてある、二本の長い鎖につながれた木枷に嵌めました。そして、ベッドの端に取り付けられているハンドルを回すと――木枷が引っ張られて、私の身体も引き伸ばされます。でも、両手で木からぶら下がった(初潮を迎えてからは、そんなお転婆は慎んでいます)くらいまで引っ張られたところで、ハンドルは止まりました。
「このまま引っ張り続けると、肩を脱臼して股関節まで破壊されますが、拷問が目的ではないので、身動きできなくなったところで止めます」
 拷問ではないというお言葉に、ほっとしました。では、そんなに痛いことはされずにすみそうです。羞ずかしいのさえ我慢すれば良いのです。
「さて。悪魔は人間の身体に契約の印を刻むことで、その身体を乗っ取ります。それが無いうちは一時的に憑りつかれたとしても、悪魔祓いによって、その者を救えるのです」
 教区長様が立会人の皆様に講釈されます。
「契約の印は痣や黒子ほくろ、疣などに偽装されていますが、そこは痛みを感じなくなっています。したがって……」
 ベルケン牧師様が、皮革で装丁された薄い本のような物を開きました。立会人と父様に見せてから、私にも見せ付けます。
 太いのや細いの、長いのや短いの――何十本もの針が、びっしり並べられています。
「この針を怪しい箇所に突き刺して、痛みを訴えない箇所があれば、即ちそこが、契約の印なのです」
「全身にですかい?」
 うんざりしたような声で尋ねたのは、保安官のハーベイさんです。
 私はうんざりどころか、恐怖に震え上がっています。
「そうするときもありますが、ヒュンケル牧師の観察で、相手は淫魔だと判明しています。淫魔が契約の印を刻むのは、淫らな部位に限られているのですよ」
「つまり、股座とか乳房かね」
 これは町長様の質問ですが、保安官とは反対に、声が弾んでいます。手間が省けて嬉しいのでしょう。
 もっとも敏感な部分ばかりに針を刺される……私は気が遠くなりそうです。
「では、私が手本を示します。もっとも怪しい箇所からです」
 教区長様が、淫魔のペニスを掘り起こしました。
「待ってください!」
 誤って指先に針を突き刺しただけでも痛いのに。こんな敏感な突起に刺されたら……
「そこは淫魔のペニスだと、父様は教区長様から教わったそうです。針で確かめなくても、証拠は明白なのではないでしょうか」
「おや。おまえは自らが魔女であると認めるのか。町中を素っ裸で引き回され、人々に誹られ石打たれた挙げ句に、炎に焼き尽くされたいと望むのか?」
「あああ、そんな……」
 そうでした。それはリンチではなく、神様の御名の下に行なわれる正義なのです。そして私は、復活の日にも甦ることはなく、地獄の劫火で永遠に焼き続けられるのです。
 神様が「誤審」をなさるとは思えません。ならば……ほんとうに私は、すでに淫魔に憑りつかれているのでしょうか?
「安心なさい。この疣は、善良で清純な乙女にさえ生えている場合もあります」
 そのお言葉だけで、劫火が地平線の彼方まで遠ざかりました。
 見せてあげなさいと声を掛けられて、奥様がズボンをずり下げました。たぶん下着も一緒だったのでしょう。いきなり下半身が露わになりました。もっと驚いたことには、脱毛症のようです。
 奥様はラビアに指を当ててV字形に開くと、父様の前に立って腰を突き出しました。
「彼女にも淫魔のペニスが生えているのが見えますね?」
 父様が腰を屈めて覗き込みます。
「ううむ……たしかに」
 奥様はそうやって、立会人の皆様にも見せて回りました。
「ただし……」
 教区長様が、私の淫魔のペニスをくにゅくにゅとくじります。
「ひゃうんっ……」
 莢を剥いたり戻したり。中身の先っぽをくすぐったり。
 立て続けに電気が奔って、硬くしこっていくのが自分で分かります。
「このように、あたかも男性のペニスの如く勃起するのは淫魔の悪行です。この娘がすでに憑りつかれているのか、まだ救えるのか、慎重に判断しなければなりません」
 私ひとりを除いて皆が納得したところで、審問が再開されます。
 淫魔のペニスをつままれて、きゅっと引き伸ばされます。上体をわずかでも曲げられないので、顎を引いても下腹部は見えません。かえって幸いです。
 チクッと冷たい感覚に続いて鋭い痛みが貫きました。反射的に腰を引きました。梯子の踏み桟がお尻を押し戻します。
「きひいいっ……」
 悲鳴が後から追い掛けてきます。でも、鞭打たれたよりは痛くなかったです。
「おや。それほど痛くはなさそうですね」
 教区長様も首を傾げます。
「ほんとうに、ここが契約の刻印かもしれません。もっと詳しく調べましょう」
 また引き伸ばされて、今度はチクッが根本のほうへきました。
 ぶつっ……と、針が肉に突き刺さる音を肌で聞きました。
「がゃわ゙あ゙あ゙あ゙っっ……!!」
 痛いと感じた瞬間に絶叫していました。
「ひいいいいい……」
 悲鳴が止まりません。
 針を引き抜かれて、ようやく止まりました。
「今度は芝居掛かっていますね」
 教区長の助手のベルケン牧師様が、私が穿いていたドロワーズをずたずたに引き裂いて丸めました。それを私の口に押し付けます。
 口をふさがれるというのも怖いですが、その詰め物が私のドロワーズだというのがすごく厭です。でも、牧師様に逆らうのはいけないことです。素直に口を開けて、声を封じていただきました。
「悲鳴に惑わされることなく、全身の反応を見て判断するのです」
 教区長様はそうおっしゃって、淫魔のペニスの根元をつまみました。そして、針を真上から突き刺したのです!
「ま゙ゃわ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ……!!」
 これまででいちばんの激痛が腰で爆発して脳天まで噴き上げました。
「も゙お゙お゙お゙、お゙お゙お゙お゙お゙……」
 ずぐずぐと針が淫魔のペニスの奥深くまで肉を引き裂いて突き進むのが感じられます。腰はよじれますが、そうすると激痛がさらに跳ね上がるので……腰を突き上げた形で凍りつくしか出来ません。
 針が引き抜かれても、激痛が居座っています。手首と足首もずきずきと痛むのに気づきました。木枷に逆らってもがいたのでしょう。
「ここには、悪魔の刻印は無いようですね」
 ああ、良かった。神様、ありがとうございます。
 しかし、感謝の祈りを捧げるのは早計でした。
「次は乳房です」
 そうでした。罪深い女の身体には、悪魔に狙われやすい部分が幾つもあるのです。
「もしも淫魔がすでにこの娘に憑りついているとすれば、体内の奥深くへ逃げ込まないようにしておかなくてはなりません」
 父様が名指しされました。
「この娘の乳房にこれを嵌めて、淫魔の逃げ道を断つのです」
 これというのは、8の字を半割りにした鉄枷です。それが、乳房の上下にあてがわれて、両端をボルトで締め付けていきます。ぎりぎりと鉄枷が乳房に食い込んできます。
「むううう……」
 すごく痛いのですが、淫魔のペニスに針を刺されることを思えば、ちょっと強く揉まれているくらいでしかないです。
 乳房の根元をきつく縊られて、中ほどから先の部分が、針で刺せば破裂しそうなくらいに膨れました。
「淫魔が潜んでいると仮定して、じわじわと追い込んでいきましょう」
 あなたたちも経験しなさいと――教区長様は三人の立会人と父様に針を持たせました。淫魔のペニスに使ったのより、ずっと太くて長い針です。
 最初は父様です。昨日までは、いえ、この瞬間にも敬愛している父様に拷問される/違います/検査していただくのです。これは形を変えた祝福だと……思うようにします。
 父様が左の乳房をわしづかみにして、ますますぱんぱんに張り詰めさせます。鉄枷で縊られているすれすれのところに針が突き立てられました。
「ん゙む゙うううう……!」
 三十分前の私だったら、口をふさがれていなかったら、喉から血を吐くほどに絶叫していたでしょう。でも、淫魔のペニスへの針刺しを体験してしまっては、颶風ハリケーンに対する強風ゲイルでしかありません。ですが、乳房の中をぐずぐずと針が突き進んでいく感触は、蜈蚣に食い荒らされるみたいな気色悪さです。
 ぷつっと、針が乳房を突き抜けました。針を残したまま、父様が引き下がりました。
 父様と反対の側に町長のディーラーさんが立ちました。右の乳房を、父様の倍以上の力で握り潰します。そして、三倍くらいの勢いで、一気に乳房を貫きました。
「も゙お゙お゙おおおっ……!」
 二人を比べれば、やはり父様の刺し方には、娘へのいたわりがあふれています。
 三人目は銀行頭取のギャレットさんです。先の二人とは違って、左の乳房を上から下へ縦に刺し通しました。
 最後が保安官のハーベイさんです。父様よりも若い三十二歳です。いえ、意味はありません。修道女に準じた生涯を送ると決めているのですから、どんなに若くても恋愛対象にはなりません。ボブさんは、家族に次ぐ親密さですから……こんなときに、なにを浮ついたことを考えているのでしょう。でも、若い男性(といっても、私の倍以上ですし、父様と三つしか違いません)に乳房をつまかれるのは、四十や五十の男性にそうされるのとでは、感じ方が違います。
 などと、あれこれ考えてしまうのは。ハーベイさんが乳房をつかんだきり、固まっているからです。
「どうしても、やらなきゃ駄目ですかね?」
 やってください。どんなに痛くてつらくても、淫魔を追い祓うためです。
「この娘が魔女だとしたら、町にとんでもない災厄をもたらします。治安を預かる者の義務でもあるのです」
 教区長様に優しく強く諭されて、ハーベイさんも覚悟を決めたようです。
「む゙ゔうう、うううう、ゔゔうう……」
 ためらいながらゆっくり突き刺すので、四人のうちではいちばん痛かったです。
「よろしい。とどめは私がとどめを刺しましょう」
 教区長様が、それまでのよりは短い針を持って、私の横に立ちました。淫魔のペニスへの仕打ちから、その針がどんなふうに刺されるか予測できてしまって、口の中の布を強く噛み締めました。
 それでも、淫魔のペニスに垂直に突き立てられるよりは痛くないでしょう。せいぜいストームくらいではないかしら。それよりも、左の乳首を正面から突き刺されたら、心臓に達するのではないかしら。そちらが心配でした。
 同じような描写の繰り返しになりますから端折りますけど。絶叫は詰め物に吸い込まれて、乳房が爆発したと錯覚するまでの激痛ではありませんでした。
 今度こそ終わった。魔女の嫌疑は晴れたと喜んだのですが。教区長様はとても慎重なお方でした。
「狡猾な淫魔は、目の届きにくい部分に印を刻むものです。フェビアンヌ。この娘の腋と股間の縮れ毛を剃り落としてやりなさい」
「…………」
 私は、ただ諦めるだけでした。
 毛を剃られてしまうなんて、とても羞ずかしいことです。でも、女性器の中まで晒しているのですから、それよりも羞ずかしいなんてことはありません。それに、剃られた毛はじきに元に戻ります。とにかく。徹底して魔女の嫌疑を晴らしていただくことだけを願います。
 父様は髭を蓄えてらっしゃいますが、もちろんお手入れは(つるつるの顔よりも入念に)必要です。父様の泡立て皿と剃刀が用意されました。いつもは父様の顎に泡を塗っている刷毛で私の股間を撫でられると考えると、股間にリンパ液がにじみ出てきます。それとも、淫らな汁なのでしょうか。
 まず股間が真っ白に塗りつぶされて、剃刀が当てられました。
 ぞりっ、ぞりっ……縮れ毛が剃られていくかすかな感触が肌を震わせます。くすぐったくて気持ちいいです。こんな楽しみが毎朝あるなんて、男の人って得だな。そんなことまで考えてしまいました。
 立会人の皆様も、私と同じように手持無沙汰なのでしょう。私が剃られていくのを見物しながら、とりとめのない雑談をしています。
「あらかた剃ってしまったな」
「恥毛を剃ってしまうと、ますます幼く見えるな。さすがに良心がとがめるぞ」
「いや。使えるなら、女は若ければ若いほどよろしい」
 耳をふさぎたくなりますが、それも出来ません。
「剃り残しが無いようにしなさい。ああ、アヌスのまわりは後回しです」
 教区長様が、あからさまな指示をなさいます。
「これからは百マイルも遠征せずにすみますな」
「ストーンのやつ、石っころだけあって融通が利かん」
「ティムの餓鬼なんか、ケツ穴に突っ込みかけただけで出入禁止を食らったからな」
「俺は宣教師スタイルだけで満足ですぜ。女の顔が見えなきゃ、つまらんでしょうが」
 意味が分かりませんが、ストーンさんというのはサロンの経営者です。ケツ穴がどうこうというのは、私が得た最新の知見に照らせば、ソドムの罪を……市長様ともあろうお方が、そんなことを望んでらっしゃるなんて、信じられません。私の聞き違いです。
「ホステスが若すぎるビッチ一匹では、ちと物足りんが……」
「いや、あの乳はじゅうぶんに鞣し甲斐がある。若いのだから、わしらの好みに調教できるというものだ」
 私としても、彼らの冗談話を本気で解読するつもりはありません。それでも、聞き耳を立てているうちに、腋毛まで一本残さずつるつるに剃り上げられてしまいました。
 そして、今度はピンポイントではなく雨が平野に降り注ぐように、下腹部と腋を何十本もの針で突き刺されたのです。時間は掛かりましたけれど、淫魔のペニスや乳首に比べたら微風ブリーズでしかありませんでした。
「それでは、最後の一か所を調べるとしましょう」
 教区長様のお言葉を、今の私は理解できます。
 私を引き伸ばしていた鎖がわずかに緩められたした。父様とベルケン牧師様とが手足の木枷を持ち上げて、私を俯せにしました。改めて鎖が巻き縮められます。
 お尻の肉に熊手のような道具が食らいついて、左右に引っ張られます。そこにひんやりとした空気が触れて、アヌスを剥き出しにされたのが分かりました。
 フェビアンヌさんがお尻を覗き込んで――そこの産毛(縮れ毛なんか生えていません)を剃りました。
 ファビエンヌさんが下がると、六人の男性が私のお尻を取り囲みました。皆さん、長い針を一本ずつ持っています。
「では、私から」
 教区長様の声と同時に――ぷつっと針がアヌスに突き刺されました。
「む゙も゙お゙お゙お゙お゙っ……!」
 ラビアに刺されるより、よほど厳しい激痛でした。
 ぷつっ、ぷつっ、ぷつっ……続けざまに突き刺されて、そのたびに私はくぐもった悲鳴を上げさせられました。
「ふむ。ここにも印は刻まれていないようです」
 そのお言葉を聞きながら、ふっと疑問が生じました。
 乳房を調べるときは、淫魔が奥深くへ逃げ込まないようにと、鉄枷で縊られました。でも、ラビアやアヌスを調べるときにはそんな処置は取れません。それで構わないのでしょうか。でも、教区長様に尋ねる勇気はありません。淫魔の逃げ道を封じるために、どんな恐ろしい処置を追加されるか分かりませんから。
 木枷を外す前に、ファビエンヌさんが傷の手当てをしてくれました。アルコール消毒をしてヨードチンキを塗るというより針で開けられた穴に擦り込むという、乱暴な手当てです。針で刺されるよりは痛くありませんが、痛みが何分も続くし、乳房も女性器もアヌスも同時に痛いので、とろ火で焼かれるようなつらさでした。
 これで、私の魔女嫌疑は晴れたと安堵したのですが。
「念には念を入れて調べましょう。せっかく、その用意もしてあることですし」
 まさか、ここにある恐ろしい拷問毒具をすべて私に使うおつもりなのでしょうか。「準備をし過ぎるということは無い」という格言はありますが、「それをすべて活用しろ」とは言いません。
 それでも、私は抗議をできません。魔女審問を拒否すれば、それが魔女である何よりの証拠にされます。
「魔女は自然に逆らった存在です。水に沈めようとしても、水に拒まれるのです」
 あの大きな桶に水を張って、私を沈めて確かめるのだとおっしゃいます。でも。水に沈めば魔女でないという証しを立てられるのでしょうが、沈んでしまえば溺れ死にます。
 父様も加わっているのです。ぎりぎりのところで引き上げてもらえますよね?
 水に浸けるといっても、大桶は空です。直径二フィート半、深さ三フィートもの桶に水を満たすには何時間も掛かります。せめて、その間は休ませてもらえる――なんていうのは、甘い考えでした。裏の井戸から水を汲んでくるのは、私ひとりの仕事にされてしまいました。
「みずからの潔白を証明するための仕事です」
 元気なときでも、気が遠くなるような重労働です。それを、急所ばかり何十本もの針を突き立てられた満身創痍の肉体でやり遂げなければならないのです。
 全裸のままで働くようにと、教区長様はおっしゃいます。それどころか。
「礼拝堂から外へ出れば、それだけ淫魔の付け込む隙も増えるのではないでしょうか」
 教区長様から教えていただいた魔封じをしておきましょうと、父様が提案しました。日曜礼拝のときのあれは、やはり父様がご自分で考えたものではなかったのです。
 乳首を針金の輪で締め付けて乳房もぐるぐる巻きにして、針金の束で股間を封印したうえで、淫魔のペニスからは十字架を吊り下げる。ただ歩くだけでも、自分で自分を痛めつけるに等しいというのに、その姿で水を汲んで運ぶのは――ほとんど不可能事です。けれど、教区長様は大きく頷かれたのです。
「おお、そうでしたね。あなたの娘さんを案じる気持ちは良く分かります」
 私も、父様と教区長様に感謝しないといけないのでしょうが……どうしても、その気になれませんでした。それなのに、厳重に身体を締め付けられ突起を虐められると……頭に靄が掛かって、腰の奥が熱く潤ってしまうのです。
 何も知らない信者の皆様に見られる懸念が無いのですし、全裸でお淑やかもあったものではありませんけれど、がに股にならないよう気を付けて、胸を張って仕事をしました。だって、そのほうが刺激が強くて/なんでもありません。
 二ガロンのバケツを同時に二つ持って、裏庭と礼拝堂を何十回と往復しました。十字架を膝で蹴りながら歩きました。最初のうちは痛いのがずっと強いのですが、その中でかすかな快感がだんだんと蓄積していきます。水を汲んでいる間は股間の揺れが止まっていますが、腋を締めてポンプのレバーを動かすと乳房がこねくられて、やはり一定した苦痛の中に快感が蓄積していきます。
 十往復くらいまでは回数を覚えていましたが、あとは霞の中を雲を踏みながら歩いているみたいになって――皆様が夕食をとっている間も、私は働き詰めでした。お昼も食べていないのに、ちっとも空腹は感じませんでした。というか、淫魔に憑りつかれようとしている罪深い娘には、人並みに食事をすることなど許されていない。そんなふうにも思うのです。
 水は大桶一杯に満たすのではなく、六インチ手前で止めるように言われていました。それでも、二十往復以上です。自分自身を拷問に/ではないです!/魔女審問に掛けていただくための準備が調ったときには、精根尽き果てて床に伏してしまいました。俯せになって自分の体重で乳房をこねくり乳首を虐め、十字架を太腿で押さえて腰をくねらせて……桃色の霞が薄れないようにしていました。これは魔女審問のための準備なのですから、淫魔の囁きにそそのかされた自涜行為ではありません。神様に祝福していただいているのです。なにかとんでもない考え違いをしているのかなとも思いましたけれど、三匹の鶏と二匹の牛で脚が何本あるかさえ計算できない状態ですから、そんな神学上の問題を考えられるわけがありません。
 わずか数十分でしたが――ある意味で、これまでの生涯の中でいちばん幸せな時間を過ごしていたのではないでしょうか。苦痛と快感とがせめぎ合って、互いが互いを押し上げていくような恍惚。それが、決して淫魔にそそのかされたものではなく、神様に与えていただいているという、心の充足。
 その一方で。なにかがひどく間違っているという予感もありました。
 もしや、私ではなく……教区長様や父様こそが悪魔に魅入られて、私を生贄に捧げようとしているのではないだろうかという疑問。もちろん、私よりもずっと神様のおそばに居る人たちが悪魔の手先であるなんて、馬鹿げた妄想です。そんな疑いを持つことこそ、私が淫魔に憑りつかれよとしている証拠ではないでしょうか。
「床に身体を擦りつけてオナニーとは、淫魔に支配された魔女の嫌疑がますます深まったな」
 教区長様の声で、私は我に還りました。
「しかし、そうではない可能性もあります。どうか、娘のためにも厳正に取り調べてください」
「言われるまでもありません。我が教区に魔女が現われるなど、あってはならないことです。この娘が魔女でないことを皆で祈りましょう。アーメン」
 起き上がって床にへたり込んでいる私に向かって、教区長様が十字を切ってくださいました。そして父様の手で、天井の滑車から垂れている太い鎖が、揃えた両足に巻きつけられました。
 そのまま立たされて。短い鎖でつながれた手錠が股間に通されました。私は右手を前で拘束され、左手は後ろです。手を動かせば、鎖がスリットに食い込んで――ごつごつした快感を強いられます。
 立会人の皆様が、鎖の端を引っ張ります。そのままだと転んでしまうので、自発的に床に仰臥しました。脚が吊り上げられ、腰が持ち上がって――身体が宙に浮きました。水を張った大桶の真上です。
 じわじわと吊り下げられていきます。ほつれたお下げが水に浸かり、目も水面下に沈もうとしています。そんなことをしても、せいぜい一分かそこらの違いでしょうが、急いで深呼吸をして肺に空気を溜めます。
 すうっと顔が水に没して、肩から乳房……股間に水の冷たさを感じた直後に、頭が底に着きました。そこでは止まらずに鎖が緩められていって、脚が手前へ折れていって、桶の縁に掛かりました。それを、誰かが押し戻して――鎖の重みに負けてつま先が沈んでいきます。二つに折り畳まれた姿勢で、私の身体は完全に水没しました。
 苦しい。顔が上下逆さになっているせいでしょう。息をしていなくても、鼻の中に水が入ってきます。くしゃみが出そうになるので、わずかずつ息を吐いて水抜きをします。
 まさか、最初に懸念したように、水から浮かび上がって魔女の正体を現わすか溺れ死んで潔白を証すかの二者択一ではないでしょうね。
 そんなはずは絶対にありません。教区長様にはそこまでの信頼を置けませんけれど、父様が娘を見殺しにする、どころか積極的に危害を加えるなんて、絶対にあり得ません。
 それでも……これまでと違って、直截に命の危険を感じます。恐怖で急速に息苦しくなりました。
 引き上げてもらえるまで堪え抜く。それしか、私に出来ることはありません。せいぜい、あと三十秒で引き上げてもらえるでしょう。
 一、二、三、四、五……
 ……二十八、二十九、三十!
 まだ気配もありません。あと三十秒……も、息が続きそうにないです。それでも、引き上げてもらえると信じます。
 ……もう、駄目。
 苦し紛れに息を吐きました。ぼごごっと音を立てて、大きな泡が沈んでいきます。間違えました。頭が下になっています。泡は水面へ向かって浮かび上がっています。
 息を吐き出せば、どうしても吸いたくなります。それを渾身の気力で我慢します。水が肺へ入ってしまえば溺れ死にます。
 痛い……?!
 断末魔の痙攣でしょうか。身体が海老のように跳ねて、桶にぶつかったのです。
 お願いです、神様。こんなのは厭です!
 身体の芯まで苦しいだけで、救いとなる快感がひと欠けらもありません。ああ、こんなことを考えるのも、私の身体に淫魔が巣食っているせいなのでしょうか。
 身体の下のほうできらきら光っている水面が、すうっと暗くなっていきます。頭に霞が――真っ黒な霞が掛かっていきます。
 神様の下に召されるのでしょうか。もしも、神様にまで魔女だと断罪されたら……
 がくんと、脚に衝撃が加わりました。誰かの手が、いえ複数の手が、私の身体を押したり脚を伸ばしたりしています。ぐうっと脚が引っ張られて。
「ぶはあっ……げふっ……!」
 一気に空中へ引き上げられて、私は咳き込みながら空気を貪りました。
 冷たくて甘い空気。全身に酸素が沁み通る感覚が、快感を超越して生きている実感です。
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 これで、今夜はおしまい――ではありません。尺が長くなったので、章を追加して『三穴の魔封じ』が続きます。
 詳しくは次回ですが、こんな感じです。清めていただくのですから、喜んで自発的に――です。

参考:3穴同時


テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

Progress Report 1ver.1.01:SMX358

 冒頭をかなり変えたので、Ver1.01として公開します。
 ストーリイ的には、何も変わっていません。
 筆者の不勉強を糊塗糊塗こっとん、ファミレドシドレミファ♪


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自涜と反省

 神様はお眠りにはならないと思いますが、人の子は眠ります。ですから、朝のお祈りは目覚めの挨拶から始めます。聖壇の前に跪いて、声に出してきちんと唱えます。
「神様、おはようございます。安らかな眠りから満ち足りた目覚めを迎えられたことを感謝します……」
 こうやって毎朝礼拝堂でお祈りを捧げるのは私だけです。父様は牧師ですが、朝は起きてすぐにベッドから出て、その場でお祈りをしています。神様は教会にいらっしゃるのではなく、祈りを捧げる者のそばに、あるいは信者が集まっている場所に降臨されるのです。それがプロテスタントの教えです。
 ですから、日曜礼拝のとき以外に、わざわざ教会まで来てお祈りを捧げる信者は、ほとんどいません。
 でも私としては、神様に来ていただくのではなく、人の子が神様の前へ足を運ぶべきだと思っています。これは信仰ではなくて気分の問題ですけれど。
 かすかな足音が背後に聞こえました。珍しく私より先に起きて外へ出ていると思ったら、ここに隠れていたのですね。
「今日も一日、精一杯に働いて……」
 すぐ後ろまで気配が迫りました。
「こらっ!」
 振り返りざま、叱りつけました。
「わっ……?!」
 跪いている私に合わせて腰をかがめていたのでしょう。ジャックは見事に尻餅をつきました。
「礼拝堂でふざけてはいけないって、何度も言ってるでしょう」
 クリームたっぷりのコーヒーにうんと砂糖を入れたみたいな顔が、はにかんだように笑っています。
「ごめんなさい……」
 しおらしく謝って立ち上がると……
 ぺちん。私のお尻を(かなり強く)叩いて、そのまま掌を上へずり上げました。私にしてみれば、強い力で撫でられた感じです。
「へっへーん。姉ちゃんのおけつ、いい音がするね」
 憎まれ口を叩きながら礼拝堂から駆け出て行きました。礼拝堂で走るな騒ぐな――注意する暇もありませんでした。
 ジャックの悪戯には手を焼きます。でも、私より二つ年下――ようやく十二星座を巡り終えようとしている弟には、男の子が女の子のお尻とか胸を触るのは淫らな行為だという自覚はないのです。お姉ちゃんがうろたえるから面白がっているだけなのです。
 私? もちろん、淫らな行為だと分かっているから、ジャックを叱るのです。
 そういう行為が性的な意味を持つとはっきり知ったのは――半年前に女性器から出血して父様に相談したら、雑貨屋ドラッグストアのスーザン小母さんが代わりに教えてくださって、そのときにあからさまなことも少し教わりました。
 神様の目の前で淫らなことを考えるのは不敬です。もうお祈りを続ける気分ではありません。
「アーメン」
 お祈りは端折って、朝の日課に向かいます。礼拝堂と住居は棟続きで通用口もありますが、神様と正しく向かい合うには正面から出入りするべきだというのが、私の信条です。
 ああ。私はこれから礼拝堂とか住居とか教会とかを使い分けてお話しするでしょうから、最初に説明しておきますね。教会の敷地の中はすべて教会です。同語反復ですね。
 敷地の中に、信者が集まる礼拝堂と、牧師の家族の住居があります。小さな事務室もくっついています。小人数の集会に使う小綺麗で頑丈な「掘立小屋」もあります。あと、家畜小屋とか納屋とかも。畑は建物ではないので、常識として教会とは言いません。これは冗談でした。

 真面目な話をします。今日は月曜ですから、助手のボブさんは来ません。食事の用意は三人分だけです。支度が出来たら、フライパンをレイドルおたまで打ち鳴らして合図をします。三人で食卓に就いて、神様に感謝の祈りを捧げてから、私と父様は食事を始めます。弟は、食事を終えかけるところ――といいたいぐらい、ぱくつきます。
 これまで、父様とか弟と紹介してきましたけれど、実の家族ではありません。
 父様はオットー・ヒュンケル。ここ、人口千人ほどのコッパーベルタウンにある唯一の教会を司る牧師様です。三十五歳です。カウボーイたちと喧嘩をしても(しませんけれど)二人くらいならまとめて相手に出来そうなくらいに頑丈です。年上の人に説法をしてもなめられないようにと、髭もじゃです。髪も髭も赤茶色です。生涯独身の誓いを立てておられます。
 父様は法律的には養父(Adoptive father)なのでしょうが、私としては義父(Fathe in law)をもじって心父(Fathe in heart)がふさわしいと思っています。
 弟はジャック・ヒュンケル。教会の前に捨てられていた黒人との混血です。黒い縮れ毛を短く刈っています。甘ったるい顔つきだと思うのは白人の美的基準からだけらしいです。
 そして私、ジュリア・コバーニ。父様とも弟とも違って、銀髪シルバーブロンドです。瞳も碧いので、北欧系かもしれません。でも、母様の姓はコバーニですから、ラテン系かもしれません。血統が不明なのは、母様はロマの民ジプシーで、事情は知りませんが仲間からはぐれたか追い出されたかして、やはり教会の前で行き倒れたからです。身の上を語る暇もなく私を産み落として、すぐに亡くなりました。私の名前は、母様に付けていただきました。
 私は生粋の白人なので出自がロマの民でも、町の人たちからあまり差別は受けていません。
 ああ、ジャックだって表立った差別は受けていませんよ。なにしろ、父様が牧師様なのですから。奴隷の子供たちからは半分白人と思われています。友達と呼べる子はひとりもいなくて、だから私に甘えたり悪戯を仕掛けたりするのです。
 ジャックは、将来のことを考えるのは早すぎますが、私には確固たる目標があります。ほんとうは父様の後を継いで牧師になりたいのですが、世間の人たちは女がしゃしゃり出ることを望みません。聖書にもはっきりと、女は男に劣ると書かれています。ですから、私は将来は修道女となって、神様に一生を捧げるつもりです。私たちはプロテスタントですから、カソリックのような厳密な組織としての修道院はありませんけれど、熱心な信者が同性で集まって清貧な集団生活を営むという意味での集団は、この州にも幾つか存在します。
 父様も賛成してくれています。でも、責任ある社会人として誓約できる年齢には達していないので、受け入れてもらえません。今は教会のお仕事を出来るだけ手伝いながら、生活態度だけでも修道女と同じように、敬虔に清く勤勉であろうとしています。
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vkontakte50.jpg

 つまり、プロテスタントに関する知識不足です。
 教会といえば頭に浮かぶのは聖堂ばかりで、実務空間とかも抜けていました。

 しかし、まあ。プロテスタントでは、ごく一部の宗派にしか修道院は存在しませんが、篤志家の奉仕活動の拠点とか結構あるそうな。
 ううむう。いっそ、クリスチャンにしちまえば楽だった。しかし、アメリカと言えば清教徒ですメイフラワーですプロテスタントです。
 それに、そういう環境で修道女(に準じる生活)を目指すヒロインの信仰の篤さが表現できるという。in front of MISOです。

Progress Report 1:SMX358

 いよいよ執筆開始(過去完了形)!
9/8、9、10、11(うち休日1、紙飛行機1)で、わずか40枚です。今日(12)の休日でバンカイできればカンパイですが。


 この記事(小説冒頭)と小説終結部は残しますが、あとは漏らさず掲載しては、次の記事のときに消していきます。途中も少しは残すかもしれませんが。進捗状況と尺によっては、ひとつの章の掲載期間が二、三日ということもあるかもしれません。あると、いいな。
 この小説は『なろう』形式で書いています。[[rb:根菜勘治>こんなかんじ]]ですね。なので、html形式にするのは一括置換です。
> →
<rt> これを最初に実行しないと > の重複でわやくちゃになります。
[[rb: → <ruby>  ]] → </rt></ruby>
 出来上がりは……根菜勘治こんなかんじ
 WORDでルビ検索しなくていいから楽です。でも、PDF化のためにword形式にするには[[を検索してはルビに置き換えていくので、ちょい手間です。


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自涜と反省

 神様はお眠りにはならないと思いますが、人の子は眠ります。ですから、朝のお祈りは目覚めの挨拶から始めます。聖壇の前に跪いて、声に出してきちんと唱えます。
「神様、おはようございます。安らかな眠りから満ち足りた目覚めを迎えられたことを感謝します……」
 かすかな足音が背後に聞こえました。珍しく私より先に起きて外へ出ていると思ったら、礼拝堂に隠れていたのですね。
「今日も一日、精一杯に働いて……」
 すぐ後ろまで気配が迫りました。
「こらっ!」
 振り返りざま、叱りつけました。
「わっ……?!」
 跪いている私に合わせて腰をかがめていたのでしょう。ジャックは見事に尻餅をつきました。
「礼拝堂でふざけてはいけないって、何度も言ってるでしょう」
 クリームたっぷりのコーヒーにうんと砂糖を入れたみたいな顔が、はにかんだように笑っています。
「ごめんなさい……」
 しおらしく謝って立ち上がると……
 ぺちん。私のお尻を(かなり強く)叩いて、そのまま掌を上へずり上げました。私にしてみれば、強い力で撫でられた感じです。
「へっへーん。姉ちゃんのおけつ、いい音がするね」
 憎まれ口を叩きながら礼拝堂から駆け出て行きました。礼拝堂で走るな騒ぐな――注意する暇もありませんでした。
 ジャックの悪戯には手を焼きます。でも、私より二つ年下――ようやく十二星座をめぐり終えようとしている弟には、男の子が女の子のお尻とか胸を触るのは淫らな行為だという自覚はないのです。お姉ちゃんがうろたえるから面白がっているだけなのです。
 私? もちろん、淫らな行為だと分かっているから、ジャックを叱るのです。
 そういう行為が性的な意味を持つとはっきり知ったのは――半年前にお股から血が出て父様に相談したら、雑貨屋ドラッグストアのスーザン小母さんが代わりに教えてくださって、そのときにあからさまなことも少し教わりました。
 神様の目の前で淫らなことを考えるのは不敬です。もうお祈りを続ける気分ではありません。
「アーメン」
 お祈りは端折って、朝の日課に向かいます。今日は月曜ですから、助手のボブさんは来ません。食事の用意は三人分だけです。
 支度が出来たら、フライパンをレイドルおたまで打ち鳴らして合図をします。三人で食卓に就いて、神様に感謝の祈りを捧げてから、私と父様は食事を始めます。弟は、食事を終えかけるところ――といいたいぐらい、ぱくつきます。
 これまで、父様とか弟と紹介してきましたけれど、実の家族ではありません。
 父様はオットー・ヒュンケル。ここコッパーベルタウンの牧師様です。三十五歳です。カウボーイたちと喧嘩をしても(しませんけれど)二人くらいならまとめて相手に出来そうなくらいに頑丈です。年上の人に説法をしてもなめられないようにと、髭もじゃです。髪も髭も赤茶色です。生涯独身の誓いを立てておられます。
 父様は法律的には養父(Adoptive father)なのでしょうが、私としては義父(Fathe in law)をもじって心父(Fathe in heart)がふさわしいと思っています。
 弟はジャック・ヒュンケル。教会の前に捨てられていた黒人との混血です。黒い縮れ毛を短く刈っています。甘ったるい顔つきだと思うのは白人の美的基準からだけらしいです。
 そして私、ジュリア・コバーニ。父様とも弟とも違って、銀髪シルバーブロンドです。瞳も碧いので、北欧系かもしれません。でも、母様の姓はコバーニですから、ラテン系かもしれません。出自が分からないのは、母様はロマの民ジプシーで、事情は知りませんが仲間からはぐれたか追い出されたかして、やはり教会の前で行き倒れたからです。身の上を語る暇もなく私を産み落として、すぐに亡くなりました。私の名前は、母様に付けていただきました。
 私は生粋の白人なので出自がロマの民でも、町の人たちからあまり差別は受けていません。
 ああ、ジャックだって表立った差別は受けていませんよ。なにしろ、父様が牧師様なのですから。奴隷の子供たちからは半分白人と思われています。友達と呼べる子はひとりもいなくて、だから私に甘えたり悪戯を仕掛けたりするのです。
 ジャックは、将来のことを考えるのは早すぎますが、私には確固たる目標があります。ほんとうは父様の後を継いで牧師になりたいのですが、世間の人たちは女がしゃしゃり出ることを望みません。聖書にもはっきりと、女は男に劣ると書かれています。ですから、私は将来は修道女となって、神様に一生を捧げるつもりです。父様も賛成してくれています。でも、まだ見習修道女にもなれない年齢ですから、今は教会のお仕事を出来るだけ手伝いながら、生活態度だけでも修道女と同じように、敬虔に清く勤勉であろうとしています。
 ちらっと触れたボブさんは、教会の助手です。専属ではなく、週末だけに来て下さるボランティアです。二十二歳ですから、じゅうぶんに私と釣り合う年齢です。もっとも、向こうは私のことを……せめて、妹くらいには思ってくれると嬉しいのですけど。
 などと、朝っぱらから浮ついたことを考えてはいけません。
 台所の後片付けが終わったら、私も農作業です。信徒の皆様からの浄財は、出来る限り教会の維持と修繕にまわします。小麦も野菜も牛乳も、教会の小さな農場で賄います。
 朝の私の仕事は乳搾りです。雌牛の横に座って、子供のペニス(という単語も、スーザン小母さんに教わりました)くらいもある乳首を両手にひとつずつ握って、左右交互に搾っていきます。
 ふう。また、ジャックが忍び足で近づいて来ました。叱っても叱っても懲りないので、今日は作戦を変更します。
 むぎゅっと、背後から左右の乳房をつかまれました。私は、平然を装います。
「姉ちゃんのお乳は、僕が搾ってあげるよ」
 無視していると、ぎゅううっと強くつかんで、私が雌牛の乳を搾るリズムに合わせて、もぎゅもぎゅと指を食い込ませてきます。
 私は背丈では二つくらい下の年齢に見間違われますけど、そんな人も私の乳房に気づくとレディに対する口調に改めます。改めすぎます。若い男性には、じゅうぶんに恋愛の対象に見えるのでしょう。それが厭だから、私は(寝るときを除いて)胸にきつく布を巻いています。
 その布を越えてジャックの指が食い込んできます。痛いのですけど、意地になって無視を決め込みます。
「お姉ちゃん、平気なの?」
「いくら私の乳房を搾っても、お乳は出ないわよ」
 わざと見当はずれな答えを返してやりました。
「ちぇええ……」
 私が取り合わないと分かると、ジャックは逃げて行きました。
 私は乳を搾りながら、なんとなく落ち着かない気分です。ジャックの指は痛かったけれど、まだ残っている疼きが、だんだん熱を帯びてきたような……錯覚ですね。
 牛の世話を終えると、すぐに昼ご飯の支度に取り掛かります。
 午後からは、乾燥させておいた麻から糸を作ります。繊維が長いので、綿のように紡ぐ必要がありません。来週あたりからは麻糸を使って亜麻布を織る予定です。女の子ひとりだけの手ではたいした量を作れませんが、シーツや家族の普段着を作る分には足りています。

 父様と弟か野良仕事から帰って来ました。まず父様が身体を洗って、私が出しておいた清潔な下着に着替えてから私の部屋をちょっと覗きます。
「おお。ずいぶんと捗っているね。関心、関心。それでは、ちょっと出てくるからね」
 町の反対側にあるサロンへ通うのが日課になっています。カウボーイや職人さんたちと、世間話をしながら遊ぶのです。サロンでの遊びといえば、ポーカーのような賭け事が真っ先に浮かびますが、父様は神様に仕える身ですから、チェッカーです。市長のディーラーさんとか銀行頭取のギャレットさんがいらっしゃれば、チェスをすることもあります。
 父様が出て行かれて十五分もした頃です。
「姉ちゃん……助けてよお」
 半べその声が聞こえてきました。あわてて裏庭へ出てみると、弟が行水桶の中にうずくまって両手で股間を押さえていました。
「チンチンが……変になっちゃったよお」
 どんなになっているのか、見ないことには始まりません。いやがるのを叱って、手をどかせました。
「まあ……?!」
 ふだんは私の小指くらいなのに、父様のペニスの半分くらいにまで大きくなっています。父様のは垂れていますが、今のジャックのは、お腹にくっつくくらいに上向いています。これが、勃起という現象なのでしょう。しかも、普段とは違って、薬莢から飛び出たスラッグ弾みたいになっています。
 こういうときには、エロチックなことからうんと遠くてややこしい事柄を考えれば良い――というのは、スーザン小母さんではなく、去年から酒場で働き始めたマリーから聞きました。エロチックからいちばん遠いのは、お祈りだと思います。でも、不謹慎ですし、ややこしくもありません……そうだ。
「いいこと。落ち着いて聞くのよ。塀で隠れた向こう側には、鶏と牛が合わせて五匹隠れているの。そして、塀の下から十四本の足が見えているわ。鶏と牛とは、それぞれ何匹いるか分かる?」
   註記:数助詞(人、匹、頭、個、本)の
      問題は無視してください。
「何言ってんだよ。赤ちゃんだって、牛の足と鶏の足を見間違えるはずがないぞ」
 それは、まあ、そうですけど。でも、見る見るうちにペニスがうなだれて縮んで、先端まで薬莢の中に引っ込みました。
「ジャック、正直におっしゃい。チンチンをいじってたんでしょ?」
「違うよ」
 弟は怒ったように答えました。
「お姉ちゃんのおっぱいをつかんだときのことを考えただけだよ」
 そちらのほうが、罪は重いです。でも、どう言ってたしなめたら良いのか分からなかったので。
「元に戻って良かったじゃないの」
 適当にごまかして家の中へ引き返しました。

 夕食が終わって。居間に三人が寄り集まって。私は繕い物をしたり趣味のレース編みを進めたり。弟は小さな黒板を使って二桁の足し算の勉強。父様は新聞です。面白い記事があると、読んで聞かせてくれます。
 電気代がもったいないので、午後九時には寝ます。それでも、十年くらい前までは明かりはランプしか無くて、午後七時には眠りに就いていたのですから、ずいぶんと夜更かしになったものです。その分、朝は遅くなりましたけれど。
 ひとり闇の中に身を横たえて。なかなか寝付けません。ジャックの勃起したペニスが、瞼の裏に浮かんできます。あれが、女の子のヴァギナに挿入されるのです。いえ、あれ・・ではありません。大人の男性でしたら、父様のペニスと同じくらいです。それが、倍くらいにも大きくなって……私のヴァギナに、本当に入るのでしょうか。ジャックのですら怪しいと思います。
 それから……ジャックにつかまれた乳房が、また疼き始めました。強い力。あれが、男性の片鱗なのでしょう。
 あれとこれとを考えると、腰のあたりが熱くなってきます。胸が苦しくなってきます。
 私は背丈が発育不良で胸が発育過剰です。では、ヴァギナは?
 指くらいなら入るかな?
 布団の中で手を動かして、お股に触れてみました。なんだか、ぬるぬるしています。もう三年くらい前から……淫らなことを考えると、こうなるのです。
 指くらいなら入るかな?
 その考えが頭を去りません。人差し指をラビアの中へ滑らせました。ヴァギナは、すぐに探り当てました。縁に触れると、くすぐったいです。腋をくすぐられたときとは、ちょっと違います。心臓がドキドキしています。
 つぷっと……簡単に指が入りました。でも、赤ちゃんに指を吸われているみたいな感じ。とても二本三本は入りそうにありません。大人の勃起したペニスはもちろん、ジャックのすら無理でしょう。
 ああ、そうか。それでも無理にこじ入れるから、マリーが言っていたように「最初はすごく痛い」のでしょう。
 そこでやめておけば良かったとは、後になって思ったことです。ヴァギナから指を引き抜いたものの、なんだか満たされない気分のままに、ラビアをなぞっていました。
「あっ……?!」
 びびっと電気が走ったみたいな感覚がありました。町に来た『科学サーカス』の興行で感電を体験したことがありますが、そのときみたいな痛みはありません。甘い感電とでもいうべき感覚です。
 たしか、ラビアの上端あたりを……
「ああっ……」
 また感電しました。そして、はっきりと『電極』が分かりました。左右のラビアが合わさっているあたりに、小さないぼがあるのです。そこに指が振れると、疣から腰の奥へ向かって、途中でヴァギナも通りながら、電気が奔るのです。それが、とても甘い――なんて言葉では追いつきません。じいんと腰が痺れて、頭に淡い霞がかかります。
 その霞は、はっきりとピンクに染まっています。だから、これ・・は淫らなこと、いけないことだと悟ってしまいました。オナンの罪という言葉が自然と浮かびました。オナンは、妻を孕ませることなく男女の営みに及びました。
「でも、今ではそういう意味じゃあなくなってるのよ」
 またも、マリーの言葉を思い出しました。
「そのうち、自分で覚えるわ。そうならないうちは、まだまだネンネってことだわよ」
 ああ、マリーの言葉に隠されていた真実に目覚めてしまいました。そうなって・・・・・しまったのです。
 いけないことだと分かっていながら、指は身体は、また感電を欲しがります。
 ただ疣に触れるだけでなく。この疣には『芯』があって、それを皮が包んでいます。その皮をくにゅくにゅとつまむと芯まで刺激されて、いっそう強い電気が奔ります。
 股間に触れていいのは、最も汚らしい排泄の後始末と、最も崇高な子作りのときだけです。神様が、そうお定めになったのです。こんな、自分の快楽のためにだけ刺激するのは涜神です。悪魔の誘惑に負けているのです。
 それが分かっているのに、指の動きを止められません。だんだんと速くなっていきます。でも、ジャックに乳房をつかまれたみたいに(そう思った瞬間、胸にきゅうんと熱い感情が込み上げてきました)強くつまむと――痛いだけです。嘘です。痛いのだけど、その奥に甘い感覚があります。むしろ……お菓子を作るとき、生地に少量の塩を混ぜるといっそう甘みが引き立つみたいに。痛いのと気持ち良いのとが混じり合って……
「あああっ……(何か来る)?!」
 叫びかけて、あわてて片手で口を押えました。もう一方の手は、股間から放すことが出来ません。片手だけでは物足りないので、シーツを引き寄せて丸めて口に入れて。右手で疣を刺激しながら、左手でヴァギナに指を挿れてみました。
「…………!」
 ぶわあっとヴァギナが爆発したような感覚。頭の中のピンク色の霞が、部屋いっぱいに拡がって……
「ふわああああ」
 口からシーツを吐き出して、幸せな溜息を吐きました。そのまま、ピンク色がだんだん暗くなっていって……

 罪の意識とともに目を覚ましました。
 我を忘れて、悪魔の誘惑に負けてしまったのです。私は、なんという罪深い行為をしてしまったのでしょう。子作りのためにのみ使う器官を、一時の快楽の道具にするなんて。
 ロザリオを繰る想いで三つ編みを結い直しました。それをスカーフで包みます。修道女の被り物ウィンプルを真似て、起きている間はずっと髪を隠しているのです。
 朝のお祈りでは、神様にお赦しを願いました。そして、贖罪のためにも昨日より頑張って仕事をしようと自分に誓いました。
 昨夜に気づいた疣のこともジャックの勃起したペニスのことも考えないようにしました。でも、ジャックが台無しにしてくれました。
 乳搾りのときも、考えないということばかり考えていたので、ジャックの気配に気づきませんでした。不意に乳房をつかまれました。どうにか、驚かずに済みました。
「しつこいわよ。お乳は出ないんだったら亅
「僕も算数の問題を考えたんだよ亅
 昨日よりは優しい力で乳房を揉みながら、身体を密着させて耳元に囁きます。
「雌牛と人間と、合わせて七頭。おっぱいは十二個。それぞれ何頭だ?亅
 全部人間とすると乳房は十四個……暗算が間違っているのでしょうか。背中に押しつけられたジャックの身体の一部が、すごく硬くて、考えがまとまりません。
「降参、分からないわ。手を放して」
「雌牛が三頭と男の人が四人だよ。男には、おっぱいが無いからね」
 種明かしはしてくれましたが、手は放してくれません。
「いい加減にしないと、あなただけ牛乳抜きにするわよ」
「分かったよ。それじゃ、バイバイ」
 声に合わせて強くモギュモギュと揉んでから、駆け去りました。
 ムウウウ~
 雌牛に乳搾りを催促されて、我に還りました。乳房を揉まれたのと背中の感触とにぼうっとしていたようです。
 結局、一日中あれこれ考えるというか思い出すというか。ジャックのペニス。昨日は半年ぶりくらいに見たのです。発起していないときでも、私が覚えているよりも成長しているのかもしれません。もしそうなら、少し安心です。大人のペニスがあんな倍率で膨張するのだったらヴァギナに拳骨を突っ込まれるようなものですから。
 だから、これはちっとも淫らな真似じゃない――と、自分に言い訳をして。ジャックが行水を使っているときに、わざわざ玄関から出て裏庭へまわって、忍び足で後ろから近づいて覗き込みました。
「わっ……どしたんだよ、姉ちゃん?!」
「後ろからそっと近づかれると、びっくりするでしょ。仕返しよ」
 一瞬ですけど、きっちり目撃出来ました。不安が募りました。ジャックの平常時のペニスは、半年前から変わっていなかったのです。
 でも、本当に? 見間違いはなかったかしら。
「今日は、チンチンは腫れてないの?」
「なんともないよ」
「それでも心配だわ。お姉ちゃんに見せてごらん」
 我ながらうまい口実です。
「平気だよ。もう、あっちへ行ってよ」
「お姉ちゃんが頼んでも、ジャックはやめてくれないでしょ。見せなさいったら」
 前を隠している手をつかんで、ひっぺがします。ジャックも本気では逆らいません。
「ふうん?」
 スラッグ弾ではなく、マスケット銃の薬包みたいです。マスケット銃の薬包は、火薬と弾丸がひとまとめに紙の筒に収まっています。
 ジャックのは、実際には薬包よりも小さいです。でも、眺めているうちに大きくなってきました。遠距離射撃の角度になるのは薬包ではなく銃身のほうですが、つまりそういうことです。
「もう、いいだろ。あっちへ行ってよ」
 手で水を掬って顔に掛けられました。完全なスラッグ弾になるのを見届けたかったのですが、あまり騒ぐと父様が様子を見に来るかもしれません。退散します。
 食事の支度をしているときも食事中も後片付けも上の空でした。レースの編み物は何度も間違えて、ほどいてはやり直し。
 今日見たジャックの平常時のペニスと昨日の勃起したときの大きさと。その比率を、ただひとりだけ見知っている大人のペニスに当てはめて。私の指を五本まとめてつぼめたよりもずっと太いでしょうから、とてもヴァギナへの挿入は不可能だと思ったり。でも先端は丸まっているから、鈍い楔を打ち込むようにして……引き裂かれるとしたら、想像を絶する痛みだろうと恐怖に捕らわれたり。それなのに、腰の奥がキュンキュンして、淫らな汁がにじみ出るのです。
「よし。そろそろ寝る時刻だな」
 お父様がそう言ったときには、ほっとしました。と同時に……今夜も寝付けない。だけではなく、きっと、悪魔の囁きに耳を貸してしまうのではないかと恐れました。
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 リクエストでアメリカと指定されていますから、やはりプロテスタントです。典型的なキリスト教といえば(服装とか儀式とか)カソリックのほうが書きやすいですが。それでは中世旧大陸の話『公女巡虐』と似通ってくるし。
 19世紀末乃至20世紀初頭の設定は、これは便利です。サディスト見習の牧師様(養父)が、百マイル離れた大きな街にいる筋金入りサディスト教区長に相談するのに電話が使えます。教区長が馬無し馬車で駆けつけることもできます。
 いえ、これはお話が進んでから先の展開ですが。


 今、もっとも苦慮しているのがBFの元ネタです。ヒロインはまだ修道女見習にもなっていないので、あの被り物はしていませんが、それは無視して。
 全裸で跪いて正面の十字架に祈る修道女。の背中に刻まれた鞭痕。
 なんて図柄を想定していますが、なかなか適当なのがありません。それらは追々紹介していくとして。
 ウィンプルの代わりに髪をスカーフで覆ったヒロイン――のイメージです。

裸スカーフ
 元ネタはイスラム系少女らしいですが、まあ、いいや。

Progress Report 0:SMX358

少女ジュリア~背徳の恍惚

20世紀初頭、秋。
アメリカ南部マラバメ州カッパーベルタウン
プロテスタント教会
懺悔はないが、神父と信徒の信頼関係に基づいた罪の告白はある。
(サクラメントではない)
コルセットが一般的だが、性的な強調を嫌って、ヒロインは着用しない。
布を節約したズロース(提灯ブルマ類似)、胸は布を巻いて押さえている。
その上に膝丈のシュミーズ。上衣(と表記)はくるぶしまでの長袖ワンピース。ブラウスは無し。
町の女の子と交流はあるから、知識としては勃起を知っている。半年前に初潮。
ウィンプル(修道女の頭巾)は着用できない。スカーフで髪を包んでいる。
父様(ファザー)。神父を意味するのはカトリックだけ。疑似家族。シスター、ブラザーも。
弟は「父ちゃん」「姉ちゃん」

少女:ジュリア・コバーニ14歳。
銀髪(シルバーブロンド)碧眼。清楚に三つ編み。トランジスタグラマー。
ロマの母親(マリア・コバーニ)が産み落として死亡。
父は不明。苗字から推測してイタリア系? 銀髪碧眼は北欧?
将来は聖職に就きたいが、女性への偏見があるので修道女を目指している。
年齢に満たないので、教会の仕事を手伝って修業中。
性格的には殺戮聖女レピアの裏返し。

少年:ジャック(・ヒュンケル)12歳。
教会の前に捨てられていた。苗字は養父から。
白黒ハーフ。縮れ毛を短く刈っている。
愛くるしいが、白人の美醜基準の埒外。

牧師:オットー・ヒュンケル35歳。
独身の誓い。筋肉質。

助手:ボブ・サマーズ/通い22歳。

教区長:ノートン牧師48歳。
妻  :フェビアンヌ23歳。
助手 :ベルケン32歳。

<PLOT>

・自涜と反省
月曜。
跪いて朝の祈り。
気配に気づいて直前に「こらっ」
それでも尻パッチンで逃げるジャック。
牛の乳搾り。つかまれても手が放せない。
夕刻。農作業の後の桶行水。
「お姉ちゃん。チンチンが変になった」
でかい。ずる向け。
こんなときにお祈りとかは不謹慎なので。
「スペインでは雨は主に平野に降る」
じゃなくて。
「鶏と牛が三十二、脚の数は八十八……」
「鶏と牛の脚を見間違える馬鹿はいないぞ」
寝床で。でかチンが頭から消えない。
妙な疼き。初めてのオナニー。
クリに気づいて、快感と不安と(小さなチンチンが生えた?)
翌日からは、ジャックの悪戯に過敏。行水を覗き見。繰り返す自慰。快感増大。自己嫌悪も。

・告白と贖罪
水曜。
罪の告白。小さなチンチンも告白。
下脱ぎさせて実見。下心は無い。
これはイボみたいなもので無害?
(オットーも知らない)。
自涜の罰に、掌に鞭。
その夜は、オットーに頼んで手を縛って寝る。
木曜
太腿を擦り合わせて脚ピンで軽く逝く。
また懺悔。根源を罰してください。
スカート捲り上げて、笞でメコスジ縦打ち。逝ってしまう。
オットーの声が上ずってくる。
これは容易ならぬ。
イボの件も含めて教区長様に相談してみる。
(数年前に、町に電話がつながった)。
着衣大の字緊縛で就寝。ジャックの悪戯。

・苦痛と恥辱
金曜。ボブを立ち会わせる。
全裸。直立メコスジ打ち。ずっと強く。
姿勢崩れるので宙吊り。
ここも突起と、乳首も笞先で。教区長の入れ知恵
派手に逝く。

・礼拝の試練
土曜は安息日で聖書黙読。
日曜礼拝。淫魔封じに紐で三点豆絞り。それぞれクルスをぶら下げる。
筆で聖水を塗る(こちょこちょ)。下着無し。
ばれないかひやひやで、股間じゅくじゅく。
濡れた太腿と股間。魔封じ。
悪魔が暴れないようにベッド上マングリ返し緊縛。
このあたり、ジュリアも神父の本心に薄々気づいてる。
男女の営みにいくらかの知識はある。でも受容。
(ジャックは、白人からも黒人からもコウモリ扱いで、友達がいない)。
破瓜、聖水(普通に精液)注入。

・魔女の嫌疑
月曜
教区長の到着(自動車だから半日)。すでに根回しは出来ている。
同好の士/浄財寄付。
市長、銀行頭取、保安官、総合雑貨屋店主。中にはただの助平も。
教区長と市長の会話で、繋がりが明らかに。
牧師が堅物で、遠くの特殊娼館で欲望を満たしていたが、これからは地元で。
尋問の場所は神の御前(礼拝堂)。祭壇の前に脚立。
全身剃毛して針判定。最後は十字架をマンコとアナルに(単独で)。アナルは十字架で掻き出し。
オットーが改めて拘束和姦。イラマは教区長。店主がアナル。
市長は前。頭取も前。保安官はアナル。この三人はお掃除フェラ。
礼拝堂に結界を張って、ジュリアを拘束監禁。

・魔除の儀式
火曜日
まだ悪魔に乗っ取られていない。
悪魔が印を付けられぬように全身鞭傷。
傷の上に熱蝋で封印。
悪魔が入らぬよう、すべての穴を同時に清める。

・犠牲の仔豚
教区長はすぐ帰って。あとは、オットーとボブと同好の士で。
水曜日と木曜日は、傷だらけの身体で日常生活。すべてが重労働。
ジャックも、異様な雰囲気に気づいて神妙。
金曜日に再び魔除の儀式。
ジャックの挙動不審は気づいている。
覗かれている。もっと見てという欲求と、彼が第三者という不満と。
自分から声を掛ける。
引きずり出されるジャック。リンチ。
市長「黒もロマも平等だと言ってた牧師殿がねえ」
「同じ人間だから激怒しておる。猿が人形にちょっかいを出して、人間が本気で怒るかね」
ジュリアと並べてエクソシスト。
========================================

 いきなりのPLOT紹介でした。
 ヒロインの心裡とかは、リクエスト内容通り。
 今回は名前のお遊びは無し。あえて言えば、ヒロインのイニシャルJはジュスティーヌのJ。
 ヒロインの性格設定にある「殺戮聖女レピア」は『ふかふかダンジョン攻略記』の助演女優。

聖女騎士

 話はずれますが。この『ふかダン』。ファンタジーではありませんね。「なろう」でもありません。てか、そもそもノベライズじゃないし。
『ふかダン』はハードSFにしてディープSFです。
 ハードSFについては、別ブログを参照。
 ちなみに(別作品で)指摘してた大チョンボ。時計のない世界で「2時の方向、敵影!」は、ちゃんと改善されてますね。同じ12方位でも真正面を前方まえほー、以下時計回りに、前右まえみぎ右前みぎまえ右方みぎほー……ゼンポウ、コウホウではなくマエホー、アトホー。ちなみにヒダリはヒダと短縮。最初の2文字でおよその方角が分かり、聞き間違えない工夫もされています。
 それはともかく。『ふかダン』は、ハードScience Fiction(空想科学)の部分よりもディープSpeculative Fable(思弁的寓話)に注目すべきです。
 以下、長くなりますが引用。妻子の仇とつけねらった知的モンスターに返り討ちにされた男が。
「妻と赤子だった息子になんの罪が……」
 それに対して。
「罪や善悪は同じ社会の中でしか成立しない。同じ社会の一員となる条件は双方の同意」
「農家が害獣を殺しても、害獣が農家を殺しても、どちらも悪くない」
「我々を害獣と定義したおまえたちが、どれだけ我々を殺し、泣きじゃくる用事(ほんま、AIで文脈解析くらいしろや)を追って刺し、赤子を岩に叩きつけて回っても、お前たちは何も悪くないし、それは罪ではない」
「だから、お前たちも罪が有るとか無いとかでは分けてもらえない」
 中略
「何故なら、お前たちがこの『戦争のルール』をそのように定めたのだから」
 これがSFだ! です。

 お話を戻して。
 ストーリイはこれで良しとして。ガジェットというかメインディッシュの責めの内容は、書きながらノリでぶっこんでいきます。

 さて。勤務が不規則なジェダイの騎士。7,8,10,12,14と休みです。そのかわり後半は3日しかありませんが。
 『宿題を忘れたらお尻たたき』の最新話もノクターンにUPしたことだし。
 一気にスタートダッシュといきたいのですが。
 スマホのやつ、いきなり充電量ゼロになったりしやがるので、機種変しますか。調教に1日はかかるよなあ。10日と14日は紙飛行機も入れるだろうし。でも、まあ。100枚はともかく50枚はいくでしょう。

  

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

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濠門長恭

Author:濠門長恭
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高々度の変態非行が可能です!

鬼畜と変態と物好きと暇人の合計 (2018.01.01~)
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